令和 7年 9月定例会
第2号 9月 4日
○議事日程  
           鎌倉市議会9月定例会会議録(2)
                                   令和7年(2025年)9月4日(木曜日)
〇出席議員 26名
 1番  細 川 まなか 議員
 2番  藤 本 あさこ 議員
 3番  岡 崎 修 也 議員
 4番  上 野   学 議員
 5番  大 石   香 議員
 6番  加 藤 千 華 議員
 7番  岸 本 都美代 議員
 8番  水 上 武 史 議員
 9番  津野 てるひさ 議員
 10番  小野田 康 成 議員
 11番  中 村 てつや 議員
 12番  武 野 裕 子 議員
 13番  児 玉 文 彦 議員
 14番  重黒木 優 平 議員
 15番  長 嶋 竜 弘 議員
 16番  日 向 慎 吾 議員
 17番  くりはらえりこ 議員
 18番  吉 岡 和 江 議員
 19番  志 田 一 宏 議員
 20番  森   功 一 議員
 21番  中 澤 克 之 議員
 22番  前 川 綾 子 議員
 23番  岡田 かずのり 議員
 24番  松 中 健 治 議員
 25番  池 田   実 議員
 26番  中 村 聡一郎 議員

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〇欠席議員 なし
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〇議会事務局出席者
 事務局長        茶 木 久美子
 議事調査課長      岩 原   徹
 議事調査課担当係長   田 中 公 人
 書記          武 部 俊 造
 書記          喜 安 大 介
 書記          赤 原 大 輝
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〇説明のため出席した者
 番外 1 番  松 尾   崇  市長
 番外 2 番  比留間   彰  副市長
 番外 3 番  千 田 勝一郎  副市長
 番外 5 番  能 條 裕 子  共生共創部長
 番外 7 番           東アジア文化都市事業担当担当部長
 番外 9 番  藤 林 聖 治  総務部長
 番外 11 番  廣 川   正  こどもみらい部長
 番外 12 番  鷲 尾 礼 弁  健康福祉部長
 番外 13 番  加 藤 隆 志  環境部長
 番外 14 番  服 部 基 己  まちづくり計画部長
 番外 15 番  古 賀 久 貴  都市景観部長
 番外 16 番  森   明 彦  都市整備部長
 番外 17 番  高 橋 浩 一  消防長
 番外 18 番  高 橋 洋 平  教育長
 番外 19 番  小 林 昭 嗣  教育文化財部長
 番外 6 番           歴史まちづくり推進担当担当部長
 番外 8 番           東アジア文化都市事業担当担当部長
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〇議事日程
               鎌倉市議会9月定例会議事日程(2)

                         令和7年(2025年)9月4日  午前9時30分開議

 1 諸般の報告
 2 一般質問
 3 報告第12号   工事請負契約の変更に係る専決処分の報告について   ┐
   報告第13号   工事請負契約の変更に係る専決処分の報告について   │
   報告第14号   交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係│
           る専決処分の報告について              │市 長 提 出
   報告第15号   交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係│
           る専決処分の報告について              │
   報告第16号   令和6年度決算に基づく健全化判断比率の報告について │
   報告第17号   令和6年度決算に基づく資金不足比率の報告について  ┘
 4 議案第17号   市道路線の廃止について                同     上
 5 議案第20号   工事請負契約の変更について              同     上
 6 議案第21号   不動産の取得について                 同     上
 7 議案第18号   鎌倉市基本構想「鎌倉ビジョン2034」の策定について  ┐
   議案第19号   鎌倉市基本計画「鎌倉ミライ共創プラン2030」の策定につ│同     上
           いて                        ┘
 8 議案第24号   市有地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠 同     上
           償の額の決定について
 9 議案第25号   市有地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠 市 長 提 出
           償の額の決定について
 10 議案第26号   学校業務の遂行に起因する事故による市の義務に属する損 同     上
           害賠償の額の決定について
 11 議案第27号   学校業務の遂行に起因する事故による市の義務に属する損 同     上
           害賠償の額の決定について
 12 議案第22号   指定管理者の指定について               同     上
   議案第23号   指定管理者の指定について
 13 議案第35号   鎌倉市職場のハラスメントの防止等に関する条例の制定に┐
           ついて                       │
   議案第37号   鎌倉市議会議員及び鎌倉市長の選挙における選挙運動の公│
           費負担に関する条例の一部を改正する条例の制定について│
   議案第38号   鎌倉市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条│同     上
           例の制定について                  │
   議案第39号   鎌倉市非常勤特別職職員の報酬及び費用弁償に関する条例│
           の一部を改正する条例の制定について         │
   議案第40号   鎌倉市市税条例の一部を改正する条例の制定について  ┘
 14 議案第36号   鎌倉市乳児等通園支援事業の設備及び運営に関する基準を 同     上
           定める条例の制定について
 15 議案第41号   令和7年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号)      同     上
 16 議案第42号   令和7年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第 同     上
           1号)
 17 議案第43号   令和7年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計補正予算( 市 長 提 出
           第1号)
 18 議案第44号   令和7年度鎌倉市下水道事業会計補正予算(第1号)   同     上
 19 議案第28号   令和6年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について ┐
   議案第29号   令和6年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業│
           特別会計歳入歳出決算の認定について         │
   議案第30号   令和6年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算│
           の認定について                   │
   議案第31号   令和6年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出│同     上
           決算の認定について                 │
   議案第32号   令和6年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認│
           定について                     │
   議案第33号   令和6年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決│
           算の認定について                  │
   議案第34号   令和6年度鎌倉市下水道事業会計剰余金の処分及び決算の│
           認定について                    ┘
 20 議員の派遣について
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〇本日の会議に付した事件
 1 諸般の報告
 2 一般質問
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                鎌倉市議会9月定例会諸般の報告 (2)

                   令和7年(2025年)9月4日

1 陳情8件を陳情一覧表のとおり受理し、7件を付託一覧表のとおり各常任委員会に付
  託、1件を配付一覧表のとおり全議員に配付した。
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                令和7年(2025年)鎌倉市議会9月定例会
                     陳情一覧表 (2)

┌──────┬────────────────────────┬─────────────────────┐
│受理年月日 │件       名               │提   出   者            │
├──────┼─────┬──────────────────┼─────────────────────┤
│ 7.8.27 │陳情   │由比ガ浜大通り公衆トイレについての │鎌倉市                  │
│      │第20号  │陳情                │八 田 正 夫              │
├──────┼─────┼──────────────────┼─────────────────────┤
│ 7.8.29 │陳情   │鎌倉消防(救急車)の病院前住宅街で │鎌倉市                  │
│      │第21号  │のサイレン吹鳴に配慮を求める陳情  │小 野 市 雄              │
├──────┼─────┼──────────────────┼─────────────────────┤
│ 7.9.1 │陳情   │今泉小学校入口交差点付近の歩行者の │鎌倉市                  │
│      │第22号  │安全確保についての陳情       │竹 原 宣 紘              │
│      ├─────┼──────────────────┼─────────────────────┤
│      │陳情   │山ノ内交番の復活を求める意見書の提 │鎌倉市                  │
│      │第23号  │出を求める陳情           │山ノ内交番の存続を願う住民の会      │
│      │     │                  │代表 関 本 敏 子           │
├──────┼─────┼──────────────────┼─────────────────────┤
│ 7.9.2 │陳情   │オーガニック給食の実現に向けた更な │鎌倉市                  │
│      │第24号  │る取り組みを求める陳情       │なちゅらVillage          │
│      │     │                  │代表 増 岡 日 和           │
│      ├─────┼──────────────────┼─────────────────────┤
│      │陳情   │松尾崇鎌倉市長と旧統一教会の関係に │鎌倉市                  │
│      │第25号  │ついてただすよう求める陳情     │岩 田   薫              │
│      ├─────┼──────────────────┼─────────────────────┤
│      │陳情   │鎌倉高校前踏切付近における観光客増 │鎌倉市                  │
│      │第26号  │加に伴う治安悪化に対する早急な対策 │沼 部 尚 子              │
│      │     │についての陳情           │                     │
│      ├─────┼──────────────────┼─────────────────────┤
│      │陳情   │第二子保育料完全無償化を求める陳情 │鎌倉市                  │
│      │第27号  │                  │定 平 あゆみ              │
└──────┴─────┴──────────────────┴─────────────────────┘

                     付託一覧表 (2)

┌──────┬────────┬─────────────────────────────────────┐
│付託年月日 │付 託 先   │件                   名                │
├──────┼────────┼──────┬──────────────────────────────┤
│ 7.9.4 │教育福祉    │陳情    │オーガニック給食の実現に向けた更なる取り組みを求める陳情  │
│      │常任委員会   │第24号   │                              │
│      │        ├──────┼──────────────────────────────┤
│      │        │陳情    │第二子保育料完全無償化を求める陳情             │
│      │        │第27号   │                              │
│      ├────────┼──────┼──────────────────────────────┤
│      │市民環境    │陳情    │由比ガ浜大通り公衆トイレについての陳情           │
│      │常任委員会   │第20号   │                              │
│      │        ├──────┼──────────────────────────────┤
│      │        │陳情    │鎌倉消防(救急車)の病院前住宅街でのサイレン吹鳴に配慮を求め│
│      │        │第21号   │る陳情                           │
│      │        ├──────┼──────────────────────────────┤
│      │        │陳情    │山ノ内交番の復活を求める意見書の提出を求める陳情      │
│      │        │第23号   │                              │
│      │        ├──────┼──────────────────────────────┤
│      │        │陳情    │鎌倉高校前踏切付近における観光客増加に伴う治安悪化に対する早│
│      │        │第26号   │急な対策についての陳情                   │
│      ├────────┼──────┼──────────────────────────────┤
│      │建設      │陳情    │今泉小学校入口交差点付近の歩行者の安全確保についての陳情  │
│      │常任委員会   │第22号   │                              │
└──────┴────────┴──────┴──────────────────────────────┘

                   配 付 一 覧 表 (1)

┌──────┬────────┬─────────────────────────────────────┐
│配付年月日 │配 付 先   │件                   名                │
├──────┼────────┼──────┬──────────────────────────────┤
│ 7.9.4 │全議員     │陳情    │松尾崇鎌倉市長と旧統一教会の関係についてただすよう求める陳情│
│      │        │第25号   │                              │
└──────┴────────┴──────┴──────────────────────────────┘

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                    (出席議員  26名)
                    (9時30分  開議)
 
○議長(中澤克之議員)  定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。
 会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。26番 中村聡一郎議員、1番 細川まなか議員、2番 藤本あさこ議員にお願いいたします。
    --------------------------------- 〇 ---------------------------------- 〇 ----------------------------------
 
○議長(中澤克之議員)  日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
 内容は配付いたしましたとおりであります。
 ただいまの報告に御質疑ありませんか。
                    (「なし」の声あり)
    --------------------------------- 〇 ---------------------------------- 〇 ----------------------------------
 
○議長(中澤克之議員)  日程第2「一般質問」を昨日に引き続き行います。
 くりはらえりこ議員の一般質問を続行いたします。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  任期3,035日目、本日も続けさせていただきます。
 カムチャツカ半島巨大地震の前から活発な噴火が続く火山がございました。そして2025年8月3日には、約500年ぶりに活動を停止していたクラシェニニコフの山が突如として噴火するということがありました。日本におきましても、富士山は休火山ということで、火山対策、火山噴火についてしっかりとシミュレーションなどを行っていかなくてはならないと考えております。火山噴火について、被害のシミュレーションや対応計画の作成など、取組状況を伺います。
 
○千田勝一郎 副市長  火山噴火については、鎌倉市地域防災計画第3編、その他の災害対策、第1章火山災害対策において、富士山や箱根山の火山災害について対応する計画を作成しております。その中で被害のシミュレーションについては、内閣府が行った富士山ハザードマップ検討委員会が、平成16年(2004年)に作成した報告書による富士山降灰可能性マップを計画の中に掲載しております。富士箱根火山の対策については、国や県、本市を含む関係自治体等において、検討が進められているところでありまして、市として火山噴火時、主に降灰の影響と火山近傍地域からの広域避難などが想定されることから、国・県等の動向を注視し、今後の対応を検討してまいります。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  検討してまいりますというお答えなんですね。平成16年から日本としてはそういう検討をし、地域の皆さんが困らないようにということを検討、とにかくしなさいというところから、もう随分たってますよね、20年近い。でもまだ検討するというような状況があるというのは、私としては、この鎌倉市民の皆さんが、そういったシミュレーションの中でどう行動するのかというところを、もうどんどん発信していただきたい、そんな段階に来ているんじゃないかと思っております。ぜひ、こういったことはしっかり検討していただきたいんですけれども、市長、突然ですけど、どうですか。今、検討しますというお答えだったんですけれども。
 
○松尾 崇 市長  今、答弁申し上げたとおり、国や県、鎌倉市を含む関係自治体等で検討が進められている状況ですから、引き続き、こうしたものの検討を進めてまいりたいと思っています。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  私としては、検討というお言葉は聞きたくないです。市民の皆さんが、いざこういうときにどう行動するのか。それ、初期段階が非常に重要だということを昨日の質問でも私はさせていただいたと思っております。もう初期、初動、そこでどう行動するのかをしっかりと検討じゃなく、発信していただきたいとお願いしておきます。
 続きまして、市が自治・町内会等を対象に、防災ボランティアの育成をすることが私は必要だと考えております。なぜならばです。初期、初動行動、こういうものをふだんから皆さんが意識する。これが非常に重要だと思うからです。防災ボランティアの育成をしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
 
○千田勝一郎 副市長  地域の防災力向上のため、防災ボランティアなど災害活動の中心を担う人材を育成することが重要だと捉えております。市では、令和4年から3年間、防災リーダーオンライン研修を市独自で実施し、延べ1,500人に受講していただいたほか、令和6年4月に自主防災活動育成費助成金交付要綱を改正し、自主防災組織に所属する市民が、防災士の資格を取得する際の経費を補助対象として追加するなど、人材育成のための取組を行っているところであり、引き続き地域の防災力向上のために人材育成等に努めてまいります。
 また、市社会福祉協議会では、発災後に市と社会福祉協議会、鎌倉青年会議所が共同で設置する災害ボランティアセンターの運営ボランティアを募集し、人材確保に取り組んでおり、市としてもこれに協力してまいります。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  防災ボランティアの育成ということで、防災士の補助金を出すとか、あとは、モニター越しに勉強をしていただいてという方がいらっしゃるのは存じ上げております。ただ、延べ1,500人の方の御参加ということは、延べですので、御興味のある方は何度もそういったものに御参加されるというような傾向があります。実際17万人の市民がどのように行動し、そしてどのように地域で協力し合い、そして自助、共助、公助をつないでいくのかというのは、やはり市がしっかりとリーダーシップを取って、もしくは自治・町内会の方にリーダーシップを取っていただいて、そういったところをしっかり協力し合いながら、ある意味、本当にどの部分はどの方がやるのかというのを今の段階で決まってないというのは、非常に恐ろしいことでございますので、すぐやっていただきたい。お願いしておきます。市長、どうですか。
 
○松尾 崇 市長  ちょっと今の御質問の中で、どの部分をどなたがやるかが決まってないということなんですけど、ちょっと漠然とし過ぎてまして、何についての御質問だかちょっと分からないので、もう一度御質問お願いできますでしょうか。
 
○議長(中澤克之議員)  市長の反問を認めます。どうぞ。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  自助、共助、公助という部分の切り分けです。まず、自分の命は自分で守ってくださいというようなことがございますけれども、市長は割と公助の部分を棚に上げて、自助で頑張ってください。もしくはソフト対策で頑張っていますという、今、市政運営をされているんです。
 ハード整備もされていない中で、市民の皆さんはどう行動したらいいんだろう。まず、放送等のトリガーとして、今このタイミングで避難してくださいとか、そういうようなことというのを市が放送をして、それをきっかけとして行動するというようなことが起こったりしますけれども。自助、共助、公助の切り分け、ここの部分はこの人たちにお願いしたい。もしくは自主防災組織の中で、どの方が例えば避難誘導するとか、どの方がリーダーとなって動くのかとか、そういったことの分担というのが、今、この鎌倉市においてははっきりしていないのではないかと。自主防災組織が組織されていない自治・町内会もございますよね。そういったようなことも含めて、ちょっと今、防災計画というものは鎌倉市は持っているんですけれども、実際、有事の際どうなるの、というところが見えてこない。これが市民の皆さん、やはり不安に思っていらっしゃることですので、やはり市政運営上、防災計画を立てている。でもそれは市民にとって、どういうものなのかが周知されていない。そして市民がどう行動するのか、そういったところも見えてきていない。これについて市長としてどう取り組まれるのかについて、お伺いします。
 
○松尾 崇 市長  今、お聞きしていて私なりの気づきですけれども、恐らく市が決めてほしいと思って活動されている。もしくはそう思っている方は今のような話になって、自主防災組織の中で、うちの組織で誰が避難をさせるのか、誰にするのかが決まってない。もしそれを市で決めてくれという考えを持っているとすると、今みたいな質問になられるんじゃないかなと思いました。
 自主防災組織の中で、誰がどう役割を果たすか。これは市役所が決める話では決してなくて、その自主防災組織の中でしっかりと話合いをしながら、自分たちで何ができるかということをやっぱり決めていただかなければいけない。それを市が決めるように入っていってしまうと、むしろその自主性ということを損なってしまうと私は思いますから、決して公助ということを軽んじているというつもりは、私は全くありません。
 ハード整備にしても、先ほど津波の話でおっしゃったと思いますけれども、津波避難路の計画、またたぶのき公園等も、先日もつくらせていただいたりですとか、地元と話合いをしながら、必要なハード整備ということももちろんしていく必要があると思っておりますから、自助、共助、公助それぞれ役割分担の中で決めていく。それをしっかりとバランスの中で進めていくということが肝要であると考えています。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  今、市長の御答弁を聞いて、私の感想ですけれども、自主防災組織すらない自治・町内会があるというところの、この問題にもし気づいておられるのであれば、市の担当職員さんが現場に足を運んで、お宅の自治・町内会はそういう組織がないですよ。しっかり組織を立ててくださいという、担当の方はどなたがやられますか。そういった日頃から協力をし合いながら、市がやはり促していくということができるのが、私一つの公助だと思っております。だからこそなんです。今、ないものだらけなんですよ。自主防災組織もないような町内会の方はどうするんですかね。
 被災地の様子を、私は過去いろいろ被災された地域をテレビ越しに見たり、あとは西日本豪雨災害のときには、現場の水害被害鑑定人として現地に入りましたけれども、地域の人たちは待っているんですよ、公助を。そもそも、例えば下水道管を太くしていれば、もしくは貯水池をちゃんと整備していれば、被災しなかったであろう人というのがいたんです。それから、崖地の下に県知事の許可を受けて建物を建てましたというお家がたくさんあって、もうすごい勢いで被災しているんです。許可が出たから大丈夫だと思った。そりゃそうです、許可が出たんだから。だけれども、本来なら被災させちゃ駄目なんですよ。鎌倉市民を、というところを、やっぱり人災、天災両方を含めて、鎌倉市として、私はしっかり取り組んでいただきたい。そう思います。
 感想ですので、続けてまいりますが、被災前の防災対策として事前復興が私は必要だと思っております。事前復興の考え方です。要するに被災させないという考え方です。被災前の防災対策としての事前復興や高台移転などの施策、こういったものの積極的な導入も考えるということが必要だと思いますけれども、防災まちづくりの観点から、災害レッドゾーンやイエローゾーンへの居住を抑制し、より安全な地域への誘導を行うための具体的な施策や考えがあるかについてお伺いします。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  本市では、立地適正化計画を策定しまして、計画的な人口密度の維持を通じて、地域住民の生活に必要な施設やサービス、コミュニティーが持続的に確保されるよう居住誘導区域を定めておりまして、居住誘導区域の設定に当たっては、災害リスクの高い災害レッドゾーンなどを除いた区域を対象としております。居住誘導区域外で一定規模以上の建築行為などを行う場合には、市への届出を義務づけることにより、災害リスクの高い区域での開発を避けるよう誘導しているところでございます。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  レッドゾーンやイエローゾーンというものを県のほうから指定して、居住を抑制するということをやっているつもりなんだと思いますが、今、市民の皆さんとお話しますと、もともとレッドゾーンやイエローゾーンに住んでいらっしゃる方、こういった方々にとっては、土地の地価が下がった。そして、土地を売ろうと思っても売れなくなってきた。そういったマイナスの側面もあります。もちろん、レッドゾーンからイエローゾーンをなるべく居住地域にしないように、誘導策としては効果的なのでありますけれども、そういった土地の地価が下がった、売れない方、こういった方々をどのように救っていくのか。そして、どのように事前復興、高台移転を進めるのか。こういったところの策はあるんでしょうか。お伺いします。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  議員おっしゃる、その高台移転とか、そういったところにレッドゾーンなりイエローゾーンに入っている方たちを転居させるということになりますと、相応の土地の確保とかが必要になるかなと思います。現時点で鎌倉市でそういった施策というところは、特段設けてはございません。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  今現在、特段設けていないということで、私としてはやはり事前復興という考え方が非常に重要だと思います。東日本大震災のときに鎌倉市は相当揺れました。そのときに怖いと思った記憶が残っている方々からすれば、海際のこと、沿岸地域のこと、どのように避難するのかと、津波避難困難区域の方が、今、シミュレーション上でも9,000人を超える。そんな状況の中で、いかに本当に事前復興していくのか。いかに高台に今のうちから移転しておくのか。こういったところの施策はもう本当に早急に立てていただきたい。そのように思います。
 続きまして、避難所についてお伺いしていきたいと思いますけれども、被災者に対して、避難所におけるプライバシーの保護等が必要だと考えますが、今後も避難所というものを体育館としてよいのか。私は、ここがどうなっていくのかなということに非常に興味があります。避難所を体育館としてよいのかについてお伺いします。
 
○千田勝一郎 副市長  本市では避難所におけるプライバシーを確保するため、指定避難所に設置する個室テントや間仕切りを備蓄しております。また風水害の際など、避難所の開設をする際に利用できる教室等を事前に各学校が選定しており、気候の状況等により体育館の利用が困難な場合など、状況に応じて教室等も活用し、避難者を受け入れることとしております。体育館では多くの避難者を受け入れることが可能なため、避難所として優先的に利用することとなりますが、個室テントや間仕切り、教室等を状況に応じて活用することで、避難者のプライバシーを確保してまいります。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  鎌倉市は、国の考えとかに従っていくというような形であるのだと思います。それで避難所を体育館としてよいのかといった理由は、今まで本当に当たり前のように、ある意味市民も何かあったら体育館に、小学校の体育館に逃げようかというようなことで考えていらっしゃったでしょうということで、そこのところを今後もどうするのかと、はっきりしなくてはいけないと思いました。
 そして、もし本当に避難所を体育館として、今後もやっていって、なおかつそこのところであふれた方をどうするのとか、あとは体調の優れない方はどうするのとか、あとはペットを同行してきた人はどうするのとか、雨のときペットが外にいたらかわいそうでしょうとか、いろいろあるわけです。こういった避難所の運営というものも、今多分、私は自治・町内会に鎌倉市はやってもらうつもりでいると思っていますが、こういったところも、誰がどのように避難所を運営していくのかといったときに、自治・町内会の中に自主防災組織がないところをどうするのとか、あとは管轄外のところに逃げざるを得ない状況になった人はどうなのとか、そういったところは非常に重要なので、これはやはりしっかりと想定しておかなくてはならないと思います。
 そして、体育館を今後も避難所として位置づけていくのであれば、全校の体育館に冷暖房設備を設置すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  学校体育館のエアコン設置についての御質問でございます。喫緊の課題と私ども捉えておりまして、補助金を活用した工事による設備の設置とリースによる導入との比較や、電気やガスなどの熱源をどうするか等の観点から、予算化に向けた検討を行ってきたところでございます。昨年12月に空調設備整備臨時特例交付金が創設されたことから、効果的、効率的な手法について再検討を行ったところ、整備の方向性について一定の整理ができたことから、少なくとも令和8年度の予算化を目指して進めているところでございます。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  令和8年度でいいのかというところも含めて、本当に前倒しで補正予算でもいいんじゃないかと思うわけです。暑い、寒いというのは洋服を調整してというのでやってくださいと、今まではそういう状況でありました。しかし、いつ何どきどのようになるか分からない。そしてもっと言うと、日頃子供たちが運動している最中でも、熱中症になりかねないような、こんな夏でございます。そして、冬も東日本大震災のときは3月11日でした。物すごく寒い時期、この時期にと考えますと、やはりこういった冷暖房設備、いわゆる命を守るために必要になってくる設備と考えて、あまりちゅうちょして時間をかけないほうがいいと私は思います。
 また、熱効率を考えますと、冷暖房設備の設置のほかに、断熱性能をやっぱり上げていかなくてはならないと思うんですね。これは私、随分前から申し上げてきました。早く断熱性能を上げてくださいと、それで断熱性を確保するための工事も必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  体育館の冷暖房設備の設置については、現在、補助金の活用を基本に検討を進めているところでございますが、その際には断熱の確保が補助の要件の一つとなっているところでございまして、冷暖房の設備の設置とともに、断熱の確保についても取り組んでまいります。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  よかったです。やっと進んだと思います。それをしっかり早くやってほしいんです。早くということで、こういう災害対策について反対する議員はいないんじゃないかなと思うんですよ。ですので、予算をつけていただきたいと思います、早く。国が新たに創設した交付金については、補助時限が令和15年度までとなっていることから、補助金が活用できる期間の中で計画的に25校全校、これの冷暖房設備設置が完了できるようにしてほしいんですけれども、いかがでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  冷暖房設置に係る具体的な内容については、今整理しているところでございますが、現段階、全校において、設置が完了する時期等を具体的に示すことは困難な状況でございます。補助期限が令和15年度までということになっておりますが、それを待つことなくできる限り早期に整備完了となるよう、今後検討の中で効率的な整備手法について整理してまいります。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  ちょうど学校整備計画も立ち上がったところですので、しっかりとどの学校からやるのかと、優先順位をしっかりと決めてですが、私としてはもう25校全校を1年間にできるならばんとやってほしい。そのぐらいに思っております。そこの気合は受け止めていただきたいと思います。
 避難所となる体育館を含めて、学校のトイレについては、洋式化率95%を目指すべきと私は考えております。もちろん残り5%、なんでこれ95%というかというところの御説明もしたいんですが、潔癖症の方でトイレに座れないという方がいらっしゃる。それから、お子さん方が今の社会状況の中で、和式トイレというものが学校にいる間に、こういうものが和式トイレだということを覚えておく必要もあるというような、今の社会状況。社会の側が100%洋式トイレであれば、100%を目指すというところもよいのかと思いますが、まずはそのトイレ洋式化率95%を目指すべきと考えております。補助金を活用した整備とするかなどについては、早急に判断をして取り組むべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  現状、本市学校のトイレの洋式率は71.7%というところであり、ほぼ全国平均並みの数字であるものの、課題であると受け止めておりまして、国と同じ目標95%を目指していくべきと考えております。このため、昨年度は小学校体育館のトイレの洋式化を実施するとともに、今後も洋式化率の低い学校を中心に修繕を進めていきたいと考えております。
 学校のトイレ洋式化に当たりましては、学校施設環境改善交付金を活用した財源の確保を検討した経過はございますが、基本的には交付金を活用した場合、改修工事に時間がかかる等の課題があることから、優先度の高い学校、場所から、予算年度ごとの改修、洋式化の対応を段階的に行っているところでございます。
 今後は、洋式化のための予算執行の優先度を上げる等工夫するとともに、交付金を活用した大規模修繕も含めまして、可能な限り速やかで計画的な洋式化に向け取り組んでまいりたいと考えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  しっかりトイレのこと、そして断熱性能のこと、それから避難所のこと、冷暖房設備ですね、しっかりと早く取り組んでいただきたいとお願いしておきます。
 続きまして、八潮市の陥没事故を受けまして、私としても鎌倉市の下水道管がどうなっているのかなと、上水道、下水道、県と市が合わせて、しっかりとこの道路の下がどうなっているのかというところを点検等をしていただきつつ、補修するべきところは早く予防保全でやっていただきたいなと思っておりますけれども、この八潮市の陥没事故を受けて、下水道管に対して鎌倉市が行った取組状況についてお伺いします。
 
○森 明彦 都市整備部長  令和7年1月28日に発生いたしました八潮市の道路陥没事故の状況を考慮いたしまして、管径1.35メートル以上の汚水、雨水の下水道管を対象に、目視により点検を行うとともに、道路面の損傷や沈下等の点検を行い、異常がなかったことを確認いたしました。なお、この緊急点検に加えまして、管径1.35メートル以上の下水道管が埋設されている鎌倉市道におきまして、路面下空洞調査を行い、危険度の高い空洞がないことも確認をいたしました。また、令和7年3月に国からの特別重点調査要請を受けまして、管径2.0メートル以上で、設置後30年以上経過した下水道管の調査を令和7年度中に予定をしております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  八潮市の件を受けて、調査をしていただいているということは分かりました。しかし、鎌倉市の材木座三丁目で起こりました道路陥没、これ令和7年6月26日午後3時25分でしたか。こういった事故がありまして、ここも2024年度の調査の中で、Aランク緊急性なしと判断されていた地域と聞いています。八潮市の場合は、直径4.75メートルの大口径ですね、大きな管が陥没したというところで、大きな事故につながっているということもあります。鎌倉市の場合は、それほど大きな径のものがないのだということですけれども、やはり小規模であってもというか、この間の材木座の件では直径60センチ、深さ1.3メートルですか、こういったことになっていますので、それでも落下したら大変なことになるというような状況です。
 ですので、Aランクと出たからといって、こういうこともあるのだなということで、今後やっぱり必要になってくる調査がさらにあるのかなとか。あとは、今、1.35メートル径を超えるものということですが、それよりも小さな径のものも各所あるわけで、それについては調査されていないということですので、こういったものについては、しっかりとやっぱり予防保全でやるべきと私は考えます。
 市長、突然なんですけれども、こういった調査を今後いろんな径のものの調査等が必要じゃないかと思いますし、それから予防保全でやっていただきたいと私は考えるんですが、市長のお考えについてお伺いします
 
○松尾 崇 市長  調査はしっかりと、より充実させていくことが必要だと考えておりますし、予防保全型の管理ということも重要だと捉えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  道路の掘削を伴う工事については、各管理者が連携して効率的に行ってもらいたいと思います。何か取組があるかについて、お伺いします。
 
○森 明彦 都市整備部長  道路管理者であります鎌倉市と上下水道、ガス、電気事業者等の道路占用者で、年に一度、道路占用者調整会議を行っております。この会議は、道路占用を行う企業等との間で予定している道路工事などの情報交換を行うことで、実施時期を調整し、路面復旧などの効率化を図っているところです。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  やはり、県、市が協力し合って、上下水道が埋まっている地下のことについては取り組んでいただきたいとお願いいたしまして、この項を終えます。
 続きまして、行政計画をつくるだけでなく実行をということで質問させていただきます。
 鎌倉市はたくさんの行政計画がございます。本当に各施策の方針を束ねる計画、各施設の方針を定める計画、事業の大筋の計画、事業計画とたくさんございます。こういったたくさんの行政計画がある中で、どれが動いていて、どれが止まっているのか。私はそんな目で見ておりますけれども、今、市には行政計画は幾つあるか、お伺いします。
 
○能條裕子 共生共創部長  本市には、令和7年4月1日時点で総合計画を含めて129の行政計画があることを確認しております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  この行政計画の構築に当たっては、どのように市民の合意形成を図っているのかについてお伺いします。
 
○能條裕子 共生共創部長  行政計画の作成や施策の立案に当たっての市民の声は、大変重要と考えております。それぞれの施策の所管課におきまして、市民アンケートや市民対話、ステークホルダーとの対話など、施策に応じた手法を通じて市民の声を捉えるとともに、施策や事業に対する説明会の実施や広報等を通じた周知によって、市民理解を求め、合意形成に努めております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  国のほうから、これは行政計画を立てなさいというようなことが、話が下りてくるというパターンが結構あります。それを詳細に事業計画にしていくというようなこともやってこられたかと思いますが、例えば、この行政計画が129あるということなんですが、これ市民はどのようにこの行政計画を知ることができるんでしょうか。ホームページを見ても、こういうものが一覧になっているものというのはないかと思います。そして、物すごく興味のある方が何か一つ、例えば議会などを御覧になってこういう計画があるのだなと思って、調べようと思えば調べられるのかといったときに、調べられないパターンがあるのではないかと思います。
 そして、こういう行政計画ありますかと、例えば資料コーナーに行って問い合わせれば教えていただけるということはあるかもしれませんが、市民の皆様がこの鎌倉市におけるその行政計画をどのようにしたら知れるのというところ、129あると聞いて、私はこの表を頂きましたので分かりますが、市民の皆様に広げるべきと思うんですが、すみません突然ですが、いかがですか。
 
○能條裕子 共生共創部長  御質問のとおり、網羅的に周知をしているということは、少しその部分は足りないと思っています。行政計画の策定時にパブリックコメント等をやっていますので、その行政計画がそれぞれあるということは御理解いただけると思うんですけれども、後からどういう計画が全体としてあるかというところについては、周知について、少し今後検討してまいりたいと考えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  議員になって私も8年半、この間のことは、こういう行政計画できたなと把握することはできる。それで遡りたいと言ったときには、職員の皆さんに聞くこともできるという立場ですけれども、市民の皆さんが知らなかったら、例えばもうその話はここまできているということを知っても、後戻りできないみたいな段階で、でもそれには真っ向反対ですというような陳情が出てくるとか、そういう抵抗の仕方しかできない。そもそも行政計画を立てる段階から、本当だったら市民が参加して、よりよいこのまちづくりを皆さんとやっていきましょうという形になっていくのが、私は自然な行政計画のつくり方じゃないかなと思うんですね。今どちらかというと、その古い行政計画は眠っちゃっている、休眠している感じも受けるものがあるんです。何か、突然私も興味があって昔こんな計画なかったんですかと伺えば、ああ、そういえばというようなお話があったり、そういうものがずっとあり続けていいのかなと。行政計画の中にこの休眠しているものがあり、これはきちんと進めるのか、それとも廃止の手続も含めて見直しをかけるべきだと考えますけれども、市の見解をお伺いします。
 
○能條裕子 共生共創部長  行政計画につきましては、主にPDCAサイクルなど、各計画に沿った進行管理手法で計画の進行管理を行い、必要な修正を行っているところでございます。他方で、対外的な要因によって、延伸や中止と判断せざるを得ない計画があることも事実でございますが、計画自体を廃止するか否かは、計画を通じて達成すべき目標等、それぞれの事情に即して判断していくことになると考えております。今後もそれぞれの計画策定の背景となる事情を適切に捉えながら、必要な計画の修正を行ってまいります。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  御答弁をさらっと私聞き流すと、やっていただいているのかな、やってくださっているのかなと思うんですけれども、私、ごめんなさい、1個1個見ていくとPDCAサイクル本当に回してますかと、例えば6月定例会でもやりましたけれども、総合計画見直します、それから公共施設再編計画を見直してまいります、やれやれと言っている立場ですよ、私も見直しちゃんとかけなきゃ駄目なんじゃないのと、時点修正もしなきゃ駄目なんじゃないの、この事業何かおかしくなって止まってますよねと、見直さなきゃいけないんじゃないのとやってますから、そういう意味では見直していただくのはいいんですが、令和8年度中に公共施設再編計画を見直しますとおっしゃっていて、年40億円の積み残しがずっとあって、これどうするのというお話もさせていただきましたけれども、進捗管理すらできていないものだらけと、私は捉えているんです。PDCAサイクルを回してます。いやいや回ってませんと捉えております。
 こういったこと、市長、私としては本当にしっかり一つ一つの事業を取り組むべき担当部、課があるので、こういったところを本当にしっかり進捗管理していただきたいなと、市長にお願いしておきます。
 あと、市民の合意形成ということも私、重要性があると思ってまして、事業がやっぱり頓挫する。ここのところ頓挫することがありますね、よく。それから事業が、これから予算をつけて通して進めようという段階になって、多くの市民から、陳情で待ってくれというようなことが出てきてます。
 ということは、市民の合意形成ができてないと私は捉えるんですね。議会は、市民にとっては最後のとりでと、市民の皆さんよくおっしゃるんですよ。陳情を出して市民の声を議員の皆さんが酌み取って、市政にちゃんとプッシュしてくれるだろうと期待して陳情は出てくるわけですが、こういった市民の合意形成の手法として、私はこれはあまりにも残念な、要するに最後のとりでを使わなくては合意形成どころか、ストップと意見を言う、こういうこともできないという、この今の鎌倉市政大丈夫かなと思うんです。
 ですので、市民の合意形成に向けて自治基本条例を策定するという手法もあるかと思います。同条例の策定に向けた鎌倉市の考えについてお伺いします。
 
○能條裕子 共生共創部長  本市では、市民との協働による自治基本条例の制定に向け、平成18年1月に市民会議を設置いたしましたが、平成21年3月31日に市民会議代表からの条例素案大綱と2つの有志案が提出され、条例案がまとまらなかった経過がございます。他方で、平成23年の地方自治法の改正によって、地方分権や市民自治の考えが進み、本市では総合計画の策定に関する鎌倉市総合計画条例を制定し、計画策定に当たっての市民参画を明確に位置づけてまいりました。
 自治基本条例が目指す市民自治や市民参画、共創の考えにつきましては、本市はこれまでも総合計画の中で基本に据えてきており、自治基本条例という形にこだわることなく、市民の合意形成をはじめとした、市民主体のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  そうはおっしゃるんですけれども、今までどおりのやり方をしたら、合意形成が図れてないんじゃないんですかと、私の質問の趣旨はそういうことなんです。今後どのような合意形成を図っていくのか、いま一度お伺いします。
 
○能條裕子 共生共創部長  これまでも市民対話や施策や事業の説明、広報のほか、最近ではオンラインプラットフォームの活用や、市民説明のオンラインでのアーカイブ配信などを実施し、市民のライフスタイルの変化に合わせた、新たな手法による合意形成の在り方というのも模索をしてまいりました。今後も市民自治や共創の考えに基づき、市民の生活様式の変化や、社会環境の変化に柔軟に適応しながら、それぞれの施策に応じた手法で合意形成を図ってまいりたいと考えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  やはり、今までとおりのやり方でとか、そこに少し市民合意を得るために、もう一つの手法を付け加えてというようなやり方も駄目とは言いませんが、ただ私からすると、根本的に違うなと思うのは、市民の中から湧き上がった課題感、これをどのように解決するかは市民とともに市が考えている。こういった姿勢が必要じゃないかなと思っていまして、今はどちらかというと、こういう事業をやろうと思っています、市民の皆さんどうですか。そして、市民の皆さんに市長がよくおっしゃいますね、御理解いただけるように頑張ってまいりますと。御理解いただくというのは、そもそも市民の課題感とか市民の希望、意見ではないからこそ、要するに、鎌倉市の側からのある意味押しつけられた意見を、市民が理解しなさいよと、そういうふうに聞こえるわけですよ。市民の皆さんは。何か手法が真逆を行っているという。何といったらいいのか、市から言われたのを理解しなさい、理解しなさいと、市民が言われているという状況。
 こういうのは、やはり市が住民の皆さんを何といったらいいのかな、ばかにしているとまでは言いませんが、市の言うことを聞いてくれに聞こえるわけです。ですから、市民の皆さんの課題感を市民の皆さんが出して、その市民の皆さんとともに市が解決していくという手法。それには、私は市民を巻き込むという言い方は嫌いなんですよ。何というのかな、市民を巻き込んじゃ駄目なんですよ。だからこそ住民が二分するようなことになっていくし。なので市民とともに町の市政運営をしていく、それが必要なのではないか。自治基本条例、私はやったほうがいいと思っていますがということです。
 公共施設再編計画では、年40億円の大規模修繕費の積み残しがあります。その後、どのように進捗管理するのかなと思いながら見てきていますけれども、そもそもどのように進捗管理をしてきたかについて、お伺いします。
 
○藤林聖治 総務部長  平成27年3月に公共施設再編計画を策定以降、それまで積み残した大規模修繕等が計画どおりに進んでいない状況もあり、令和6年3月の計画の改定時におきましては、施設所管課とのヒアリング、個別施設計画策定の推進などを行ってきたところでございます。令和8年度末を目途に行う計画の見直しに際しましては、より実効力のある計画となるよう、施設所管課ともしっかりと連携を図りながら、適切な進捗管理の在り方にも取り組んでまいりたいと考えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  適切な管理とおっしゃるんだけれども、毎年毎年積み残している時点で、鎌倉市は、本当に本気で公共施設再編計画をやる気があるのかなと思うわけです。公共施設再編計画を立ててから、ずっと40億、40億、40億、40億、平均でということにはなりますけれども、市の施策に横串を刺して、全体の施策の進捗や進行管理をするための仕組みや体制が必要であると思いますけれども、いかがでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  市では基本計画の着実な推進に向けたPDCAマネジメントサイクルのチェックに該当するものとして、行政評価制度を導入しているところでございます。基本的な評価者を各施策の所管部長としております。昨今の社会情勢下におきましては、臨機応変な対応が求められ、これまで以上に施策の相互連携や施策間を横断的にチェックする仕組みが必要であるということは認識しております。今後、企画部門が中心となって、行政評価制度も活用しながら、施策が有効に機能するよう市全体の施策の進捗確認や施策間連携の調整を行うなど、これまで以上に横断的に市の施策を点検、確認できるような仕組みを構築していきたいと考えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  これまで以上に管理をしっかりしますという御答弁ではあって、そこには非常に期待いたします。要するに、今までのようにやってこられたら、変わらず年40億積み残しみたいなことになります。
 市長、この鎌倉市役所のリーダーでいらっしゃいます。この市の施策に横串を刺すのは、最後市長であられると思うんです。進捗状況どうなのか、これでいいのかということを、やはり管理される一番のトップは市長でいらっしゃるというところで、この市長でいらした16年の間、この積み残しをよしとされてこられたんだと思いますが、感想でも結構です。この先どうしていかれるのか、お伺いしたいと思います。
 
○松尾 崇 市長  様々な事業を進めていく中で、もちろんできたこと、できなかったこともあります。そうしたところをしっかりとPDCAサイクルという今、言い方をしておりますけれども、施策の進行管理、もしくはその後のチェックということを含めて行うことで、今後の様々な施策の推進展開にもつなげてまいりたいと考えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  続きまして3つ目の大きな項目に入っていきます。
 市長の政治姿勢を問う。これは6月定例会に続いて、またいろいろ聞かせていただきたいと思いますけれども、私、令和7年5月31日(土)の市長動向についてお伺いしたいんです。解散命令が出されている統一教会が関わる世界ドローン魚釣り大会に出席をされた経緯についてお伺いします。
 
○松尾 崇 市長  同大会につきましては、秘書課の窓口にて、韓国総合正論新聞社の東京特派員の方から案内状を頂いた後、大会開催の目的や主催団体、これまでの開催履歴、他の出席者などについて調査をしました。その結果、韓国の省庁による講演や、駐横浜大韓民国総領事副総領事の出席情報、日韓国交正常化60周年を記念した事業であることなどから、公式性、公的性を重視しまして、国際交流の一環として妥当と判断し出席したものであります。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  この世界ドローン魚釣り大会に出席されたということが新聞報道されまして、その新聞報道後、この件について、市民にはどのように説明をされたのかについてお伺いします。
 
○松尾 崇 市長  8月14日の神奈川新聞社の朝刊に掲載された後、私のSNSにおきまして出席した経緯というのを説明をしたというところであります。先ほど、統一教会が関わる世界ドローン魚釣り大会とおっしゃっていたところもありますけれども、この間いろいろと調べをさせていただいております。双方調べる中において、この統一教会と直接的な関わりというところは確認ができてないという、我々はそういう今状況です。また、この旧統一教会と何らかの関わりが疑われているという、そういう表現をしておりますけれども、そうしたイベントに出席をしたことで、市民の皆様に、私自身が特定宗教と関わりがあるのではとの不信感や不安な思いをおかけをしたというところについては、申し訳ないと思い、おわびを申し上げたところでございます。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  おわびを申し上げたのはどの場面でかというのは、ちょっと私も分からないんですけれども。松尾崇市長のフェイスブックとかというところで発表されたのかなというところですが、ちょっといま一度確認を。
 
○松尾 崇 市長  私自身のSNSにおいて、説明をさせていただきました。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  鎌倉市の公式見解として出したわけではない、個人のフェイスブックということなんでしょうかね。私もいろいろ調べて、市のホームページの市長の動向というのが、そのページの中に土日の動向が掲載されていないんです。これはなぜなんでしょうか。お伺いします。
 
○能條裕子 共生共創部長  平日の市長動向につきましては、神奈川新聞に掲載されており、それと同じ内容を市のホームページに掲載しておりますが、土日の動向につきましては、事務の簡素化の観点から、掲載をしていないものでございます。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  なんかね、すごく私からすると違和感があるんですよ。というのは、神奈川新聞社のために市長動向を出しているんでしょうか。要するに、神奈川新聞社に出している市長動向をまるでコピーアンドペーストして、そこの市長動向に出されているように、私には今の御答弁だと聞こえるんです。市長動向というのは、市長がどういう方とどこで会っているか。要するに市民にとっては、非常に大きな情報になるかと思いますよ。というのは逆に、なんで月火水木金しか出さないんでしょうか。新聞社は紙面の都合上、そうなっているのかもしれません。しかし、市長動向って土日も公務をやったりしますよね。議員も、土日の公務のほうが逆に多いんじゃないかというぐらい、そういうことですよ。土日の動向も掲載していただきたいんですが、いかがでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  市長の動向につきましては、特定の新聞社のためにやっているものではなくて、皆様にお知らせするために、市のホームページにも掲載しているものでございますが、土日の動向の掲載につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  検討というか、市長の動向です。市長いかがですか、土日の掲載。
 
○松尾 崇 市長  土日の動向の掲載につきましては、私自身過去は掲載をしてた時期もありますし、先ほど申し上げたように、事務の効率化ということで、掲載をしないとしてきたという経過があり、確認を今回改めてしました。私自身の動向という意味では、別に何も隠す必要も全くありませんので、今後、その掲載というやり方、方法も含めて検討してまいりたいと思います。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  検討じゃなくて、やりますと言っていただきたかったです。御本人のことなので。(拍手)
 
○議長(中澤克之議員)  傍聴者に申し上げます。騒動等の行為はおやめください。どうぞ。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  市長は、取材に対し公務出席だったと答えておられます。公務とそれ以外をどのように捉えておられるのかについて、お伺いします。
 
○松尾 崇 市長  外部から案内があったものにつきましては、市長として出席すべきか、あるいは政治家として出席すべきか、公益性があるものかなどを勘案して、公務とそれ以外かを判断しているところです。具体的には市政に寄与すると考えられる行事への出席を公務とする一方で、政治家としての個人的な活動や市長としての公式な職務に直接関係しない社交的、私用的な用務への出席は公務外として位置づけをしております。また政教分離の原則から、特定の宗教を助長、支援するようなイベントには公務での出席は行っておりません。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  私も議員活動をしながら、公務と公務以外ってなんだろうなと。何か365日、24時間公務なんじゃないかなと、そういうふうに自分では襟を正して行動しなくちゃいけないなというのがあるんです。だから、プライベートってありますかね。もしくは逆にプライベートと公務、どういうふうに考えたらいいのかなと。今回、この世界ドローン魚釣り大会に出席されたのは、公務だったということですよね。公務だったとのことですけれども、これ鎌倉市のどの事務に属しているとお考えになっているか。市長、公務ですよね。公務という場合、どの事務に属していたのかについて、ちょっと市長にお伺いします。
 
○松尾 崇 市長  今回、公務として出席をさせていただいたというところにつきましては、日韓国交正常化60周年を記念をしているという、こうした国際交流に関わるという点に重きを置かせていただいて、出席をさせていただきました。そういう意味では国際交流をつかさどる、うちでは共生共創部の中での事務であると捉えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  ちょっと私も今のを伺うと、実は鎌倉市議会のほうに陳情が出てたんですよね。市の事務に属さないということで議員配付みたいなことで、この件についての陳情を議会の側は市の事務に属さないと考えていたんです。きっとそういうことになっております。ですので、ちょっと鎌倉市としては、市の事務に属しているとお考えになっておられた。市長としても共生共創部の範疇だと考えておられたということを伺って、そうだったかと受け止めました。これを市民の皆さんがどう考えるかということになるのかなと、今は思います。
 続きまして、安心・安全まちづくりの関連、山ノ内交番についてお伺いします。
 鎌倉市の北鎌倉駅前に山ノ内交番が過去ありました。廃止後に治安悪化が起こりまして、その山ノ内交番が廃止された後に、落書きが物すごく増えました。そして空き巣等もありました。市から国や県に対して、交番の復活に関する要望は行っているのかについてお伺いします。
 
○千田勝一郎 副市長  山ノ内交番の廃止後、市から国や県に対し、交番の復活に関する要望は行っておりませんが、市と警察とで構成する防犯連絡会の中で、交番に代わる地域の安全対策や地域の不安の解消への対応をお願いしているところでありまして、引き続き、それらの対応を要請してまいります。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  本当に山ノ内交番という建物がどんなに古くても小さくても、あそこに駅前に、そして鎌倉街道沿いに交番があるということの抑止力たるや、本当に大きなものだったなと私も感じておりまして、地域の皆様のこの不安感、実際不安どころじゃなくて治安悪化しているという状況があります。これやはり鎌倉市としては、青パトをさらに頻回に回しますとか、以前、御答弁いただいているんですけれども、それでもこういう事件、事故、例えばスピード違反する車が増えたよとか、あとはもう本当にガラス割られましたという方もあり、こういった町が荒れてきますと、さらにまたそこを狙ってくるというのが犯罪を犯す方の常でございまして、こういった対策は、県所管の交番なんですなんて言わないでください、鎌倉市としては。市民の安心・安全に関わりますということで、しっかり対応していただきたいんです。
 北鎌倉駅周辺に街頭防犯カメラを設置するだけでなく、設置したことを広く周知することで、犯罪発生を抑制し、抑止していくということができると思います。その必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 
○千田勝一郎 副市長  令和7年12月末までに、北鎌倉駅西口付近、県道側に街頭防犯カメラを設置する予定であります。設置後は、設置表示板や市のホームページなどを通じて、広く周知してまいります。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  ここは市長の政治姿勢を問うところで、私はお伺いしてますので、市長にもお伺いしたいんです。山ノ内交番が廃止された後に治安悪化している。ここをどのように捉えて、市長として、どのように対応していこうと考えられますか。要するに、国の持っている土地に今まで県の交番が建っていた。この場所に、市民は交番を復活させてほしいと言っています。これをどう捉えて、どのように動かれますか。市長、お伺いします。
 
○松尾 崇 市長  交番の設置につきましては、復活の要望ということは行っておりませんけれども、この交番に代わる地域の安全対策、また不安の解消、こうしたところは丁寧にやっていただきたいと、こういう対応をお願いをしているところでございます。市としては、今回、街頭防犯カメラを設置をさせていただくというような形で取り組みますけれども、こうしたこともしっかりと周知をしながら、地域の安全に寄与できるように取り組んでまいりたいと考えています。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  市民の声をぜひ本当は聞いていただきたいんですね。どうしてそんなに抵抗されるのか。市民が要望してますよということを伝えるだけでも、全然違うのにと思いますが。
 続けて、文化行政について伺っていきたいと思います。
 日本遺産というものに関して、鎌倉市は、観光課が所管でやっていらっしゃいますけれども、ニュースでは再審査の最中と聞いています。令和4年度に条件つき認定地域となって以降、どのような取組を行ってきたかについてお伺いします。
 
○千田勝一郎 副市長  令和4年度に条件つき認定地域になって以降、日本遺産の普及のために様々な取組を行ってまいりました。鎌倉を訪れた人への周知のため、JR鎌倉駅及び北鎌倉駅構内での案内幕の設置、各構成文化財における案内看板の整備を行い、令和6年度からは、鎌倉駅西口に、日本遺産「いざ、鎌倉」観光案内所を開設しております。また、鎌倉市の観光公式ホームページ、鎌倉観光公式ガイドに、多言語対応の日本遺産特設サイトを作成するとともに、SNSを活用した情報発信を行う等、積極的に日本遺産関連情報を発信しております。構成文化財において、特別拝観を行う出張鎌倉ミュージアムや、日本遺産ロゴマークを使用した商品の開発など、社寺や民間事業者と連携した取組を進めているところであります。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  今、前向きにその後取り組んでいらっしゃるというところを言っていただいたんだと思うんですが、もう一つネガティブなこともすごく対応しなきゃいけないと私は思っているんです。日本遺産というのを誇って、要するに観光の視点で観光課が所管ということだと思いますが、ただ日本遺産の存続のためにも、オーバーツーリズム対策、このネガティブな部分をしっかり対策を取らなくては、逆に鎌倉市に観光客を誘致していいのかという話まで出てきますよ。
 こんな観光、観光ってね、そんなのされたら、もう市民にとったらたまったもんじゃないという声が、今非常に多く入ってきています。ここのところ連日です、私のところには。民地に入り込んでのトイレ、この問題。それからごみも平気でぽんぽん捨てる。インバウンドの観光客による迷惑行為だというのを、市民の皆さんはもう認知するどころじゃないですよ。怒りを持って何とかしてくださいと、ましてや注意した人を威嚇する。もっと言うと何かひかれかかった、ひかれた。それから、この状況を放置している鎌倉市にも怒りを覚えますという声がすごいです。なんなんですかと。また、市長が5期目に挑戦されるという発表されたときにも、オーバーツーリズム対策を行ってまいりますとおっしゃっているんだけれども、その具体的案が全然出てこない。どう対応してくれるんですかと、観光都市として無策ではいけないんですよ。その無策と、今取られてますけれども、どのように対応されるのかなと思っております。
 トイレ、ごみ回収、今警備員さんを配置している。その警備員さんの休憩室、そして物販等も行って、観光収入を得たらどうなんですか。何もしないけどと、別にそこに人を呼びたいわけではないですが。でも、そういったものと広報車を兼ねた移動販売車みたいなものの導入は考えてはどうか。トイレトレーラーとか、そういうものを置いてはどうかと、こういうふうに市民も、そして私も考えますがいかがでしょうか。
 
○千田勝一郎 副市長  現在、この鎌高前に関しては、周辺の自治・町内会、江ノ島電鉄、鎌倉警察署等で構成する連絡会等の場において、近隣住民からの意見や要望を踏まえながら、オーバーツーリズムに起因する事案への対策を検討しているところであります。トイレにつきましては、令和7年4月から閉鎖していた江ノ島電鉄鎌倉高校駅の駅トイレが、令和7年8月25日から警備員を配置した上で利用を再開しており、このトイレの利用状況を踏まえて、関係機関とも協議しながら、今後の対応について判断していくこととしております。
 先ほど、移動販売車の導入についても御提案がありましたけれども、鎌倉高校前駅周辺は閑静な住宅街、住宅地でありまして、観光地としての整備は想定していないことから、観光地化を推進するような物品販売などは、その目的や地域への効果も含めて、慎重に判断する必要があると考えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  いろいろ案は出したほうがいいと思います。本当に無策ではいけないんです。オーバーツーリズム対策の中にもう一つ、その車が東京のほうからいろんなナンバーで来て、インバウンドの観光客を連れてきては、また東京のほうへ戻っていくというような、それこそピストン輸送でやってらっしゃるような状況で、そういった車の出入りなんかも、本当に交通渋滞の迷惑なところに路上駐車をされている。また法の抜け道も御存じなのか、ちょっとずつ移動させながらとか、駐停車禁止マークというのをしっかり表示していくとか。そこに本当にそもそも置けないような形にしていくとかというような工夫も必要なのではないかと、鎌倉市として無策ではいけないという中で、市長いかがでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  鎌倉高校前の踏切の状況というところにつきましては、御質問いただきましたように看過できない状況でございます。先日もお子さんが巻き込まれるトラブルも発生していると、こういう状況がありまして、非常に我々としても、大きな危機感を持って取組をしているところでございます。具体的に目に見える形での対応ということも求められていることも十分認識をしていく中で、しっかり関係機関とも連携しながら、早期な対応について取り組んでまいりたいと考えています。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  本当に命がかかっていると思ってください。
 続きまして、文化行政の旧前田邸について伺いたいと思います。
 日本遺産の構成文化財ではないんですけれども、鎌倉の別荘文化をあらわすものとして、私は旧前田邸を保存活用してはどうかなと思うんです。旧前田邸洋館の解体の判断というのは、今、鎌倉市長がやっていらっしゃるんですけれども、これ、日本遺産に与える影響についてどうなんでしょうかねと思うわけです。旧前田邸を保存活用してはいかがか、市長お伺いします。
 
○松尾 崇 市長  鎌倉文学館の大規模改修は、文学館として使用してきた旧前田家別邸をできる限り現状維持できるよう配慮しながら、安全性や利便性を高める修繕を施すこととしておりまして、見る、憩う、過ごす場所として敷地全体を整備する計画としています。鎌倉文学館に隣接する敷地に建つ旧前田邸につきましては、過去に活用方法を検討しましたが、法規制の問題や建物構造上の問題から活用に至らず、さらにレッドゾーン指定を受けたこともあり、活用困難と判断をしまして、鎌倉文学館の改修計画の中で、敷地を活用して文学館機能をより充実させることとしているものであり、旧前田邸については、解体するものの、屋根瓦や建具などを活用して趣を残す配慮をしながら、管理棟として整備をしていく予定としております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  旧前田家邸の洋館ですね、これ、なぜ今鎌倉にこの旧前田家邸洋館があるのかというところを市長はお忘れになってはいけません。15年前に前田家から鎌倉市に御寄附をいただいた。そして、市長はそれを活用する気でおられたのではないですか。もしくは大事にします、お預かりしますと、お預かりしたんじゃないんでしょうか。言ってみれば、私も建築する側の人間ですから、建築物ってやっぱり生き物なんですよね。なので永遠に残るかどうかは別として、ただ永遠に残す意思があれば、メンテナンスしながら残すこともできるんです。
 そういったときに、日本遺産の構成文化財ではないですよ。そして今、鎌倉市が十分にという話もないですが、意志を持てば残せるものをなぜ残さないのだろうと。これ、別荘文化という切り口もあるんですが、「武家の古都・鎌倉」というキャッチフレーズ、世界遺産でもありましたけれども、武家、武士の町鎌倉、源頼朝だけが武士ではない。いろんな地域とのつながり、金沢とのつながりの歴史、この歴史を背負った町である鎌倉なんですよね、鎌倉は。だから、鎌倉単体で見ちゃ駄目だと思うんですよ。東京の駒場にも前田家本宅がありますね。今、東京大学の赤門もそれで残ってますよね、前田家の物だったということで。それでこういったその構成資産というのは、鎌倉市単体で考えちゃ駄目で、日本の中の遺産、世界遺産登録できる、できないは別です。だけれども、遺産として次の世代に残すべき役割を鎌倉市が担っているのではないかという視点が、今の鎌倉市には私は欠けているとそういうふうに感じ取っているわけです。
 ですから、それも市民が特にこの間見学会を開いたら、午前中も300人を超えてました。午後も200人超えてたんじゃないかというような人数がどっと見学にいらして、それは鎌倉の人だけじゃなかったんですよ、来たのが。私が伺ったら東京から来ました。埼玉から来ました、までいらしたんです。びっくりしました。日本の中の遺産として、これは残すべきではないかと保存活用してはいかがかという、市長この視点で考えても答えは変わらないですか。お伺いします。
 
○松尾 崇 市長  鎌倉市としては、今、文学館で活用している旧前田家別邸、この赴き、そしてしっかりと今回改修、耐震工事等もさせていただきながら、多くの方に愛される、そうした場所として、改修を進めてまいりたいと考えているところです。そういう中での敷地全体としての活用というところを、総合的に考えた中での結論ということで、全体としてはやはり日本中、世界中から多くの方に愛される場所として、そしてこの前田家のこうした過去、歴史ということもしっかりと振り返られる、そういう場所として大切にしてまいりたいと考えています。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  市長は勘違いされているのか、ごまかしているのか分かりませんが、私が申し上げているのは、今、文学館として使っている旧前田邸の話ではないんです。旧前田邸洋館を市長が解体するとおっしゃっている。そのことについてお伺いしているので、ちょっとごまかされたなと。文学館の改修は立派なものです、やってくださいと思っています。そして、旧前田邸洋館、これを解体をやめていただきたいとお願いしておきます。これは私の要望であり、市民の要望であります。
 続きまして、ごみ行政についてお伺いします。
 令和8年4月に、全市域で開始する燃やすごみ戸別収集の準備状況についてお伺いします。
 
○加藤隆志 環境部長  令和8年4月の全市実施に向けて、市民向け説明会や委託事業者との定期的な打合せなどを行っています。令和7年度中に委託事業者と連携して、実際の収集を想定した事前シミュレーションを実施する予定であり、令和8年4月からスムーズに戸別収集が開始できるよう準備を進めています。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  市長に、戸別収集の全品目への展開についてお伺いします。
 
○松尾 崇 市長  品目の展開につきましては、燃やすごみ同様、クリーンステーションの維持管理に係る負担が大きい容器包装プラスチックの戸別収集をまずは検討していきたいと考えています。その他の品目につきましては、コスト面や収集効率、中間処理の見直し状況等を考慮した上で、総合的に検討してまいりたいと考えています。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  令和7年度一部地域で戸別収集を始めました。令和8年度に5.6億円、令和9年度に5.8億円、令和10年度に5.9億円かけて、燃やすごみの戸別収集をするというところまでも契約も終えて、やるとおっしゃっている。そんなときに、その有料化ごみ袋を市民の皆さんに買っていただく、有料化の部分の積立基金、これを毎年1.9億円ずつ切り崩しながらやっていくんだというお話も聞きましたけれども、こういった市民の皆様から税金の二重取りみたいに私は思えるその有料ごみ袋、この有料ごみ袋のせっかく積み上がった基金を、どんどんこういった燃やすごみの戸別収集に使うんだと言って取り崩す。それをまた戸別収集の全品目展開って、市民はほとんど望んでないというお声が私に来ますけれども、それは楽になっていいねという方は、ふれあい収集でも同じような効果が得られるんだけれども、ましてやもっと福祉的視点でいいんだけれどもということで、どんどんごみに年間10%、809億円規模のこの鎌倉市の財政の中で、1割がごみの処理みたいなことの状況というのが、私としてはちょっとなんだかやり過ぎというか、それよりももっとやってほしいことあるんだよという声、優先順位はどうなっているんですかという声、これが市民の皆さんから届いているということをお伝えしておきます。
 もうあと5分しかないですが、市長任期の満了寸前に、いつも市長は方針転換をされるなと私は気づきました。今回、本庁舎移転の関連は移転から分庁舎案にするというお話もありました。本庁舎の抱える課題を改めてお伺いしておきます。
 
○松尾 崇 市長  現在の本庁舎は、平成17年度までに耐震改修を行い、大地震の際、倒壊または崩壊する可能性が低い耐震性のIs値0.6まで補強をしましたが、大地震発生後に建物を継続して使用できる安全性までは担保されておらず、国の基準を満たすためにはさらなる改修を行う必要があります。しかし、現在の本庁舎は、相談に訪れた来庁者のプライバシーが確保し切れていないほか、バリアフリー対応が困難であるなどのスペース不足に起因する問題を抱えているため、さらに耐震補強を行うことは、スペース不足を悪化させ、日常業務の遂行により大きな支障を来すということになります。また、築56年が経過しているため、老朽化に伴う断熱性能等のエネルギー効率も低いほか、建物内部の配管から漏水するなど設備の故障も発生してきており、様々な課題を抱えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  では、なぜ6月定例会に位置条例の改正案を提案しなかったのか、お伺いします。
 
○松尾 崇 市長  市議会議員選挙の後、改めて各議員の方とも本庁舎を移転して整備することについての意見交換を進めさせていただきました。その結果、6月定例会時点で改正案を提出する判断には至らなかったというところです。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  4月の鎌倉市議会議員選挙を経て、新しい市議会議員構成となった中、位置条例の改正案を提出せずに、新庁舎の整備について、なぜ方針転換をしたのかについてお伺いします。
 
○松尾 崇 市長  市議会議員選挙の後も、この3分の2以上の市議会議員の賛同が得られていないという状況の中、いつ発生するか分からない大地震に備えるためには、どのような方策が有効かを考えた結果、市民の安全・安心を守るための災害に強いまちづくりという根本的な考えは変えずに、大規模災害時にも業務継続ができる安全な庁舎整備を早期に実現する方法として、本庁舎の場所を変えないことで、位置条例の改正を必要としない現在地の本庁舎と、深沢の新庁舎による両輪案での庁舎整備を検討することとしたものです。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  なぜ、9月定例会に改正案を提出しようとしなかったのか、お伺いします。
 
○松尾 崇 市長  位置条例の改正を必要としない両輪案を検討することとしたため、位置条例の改正案は提出しませんでした。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  方針変更はどのようにして決められたのか、市民合意は取ったのか、お伺いします。
 
○松尾 崇 市長  新庁舎の整備に関する方針の変更に当たりましては、この町の歴史的文脈を大切にすべきという方々の思いも真摯に受け止めるとともに、いつ起こるか分からない災害への備えを早急に講じる必要があるという考えから、庁内での議論を経て、新しい方針である両輪案の検討を開始したものです。
 また、市民の合意につきましては、8月に実施した説明会を皮切りに、今後も説明や意見交換の場などを設ける予定でありまして、引き続き市民の意見を伺いながら、両輪案についての理解を深めてまいりたいと考えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  公式に公の場で議会に諮られていない状況であり、議会による公式見解が示されないまま、特別多数議決を回避するような方針変更をしたことは問題だと考えますが、市長の見解を伺います。
 
○松尾 崇 市長  令和4年市議会12月定例会において、3分の2以上の市議会議員の賛同が必要となる位置条例の改正案が否決された以降、市では、様々な機会を捉えて説明を重ねて、本庁舎の移転整備について理解を求めてきたところですけれども、その状況が変化したとは捉えておりません。その上で、市民の安全・安心のために災害に強い町をつくることを最優先に、方針の変更を考えたものであります。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  12月定例会に位置条例改正案を提出する必要があると考えますが、市長の見解をお伺いします。
 
○松尾 崇 市長  位置条例の改正を必要としない両輪案の検討を進め、これを実現していきたいと考えておりますので、位置条例の改正案ということは提出しないと考えています。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  深沢の新庁舎は市議会の配置が不要となり、職員の8割が入る方針とのことですが、その判断やそのスペースについての検討が十分ではなく、公共施設全体で地域ごとの必要な面積を決めてから検討すべきであります。計画を白紙に戻して、検討し直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  公共施設の再編や市民の安全・安心を守るための災害に強いまちづくりという観点から、これまで長い時間をかけて、本庁舎等の整備に関する取組を進めてきたものでありまして、全てをゼロに戻して検討し直す必要はないと考えております。
 
○17番(くりはらえりこ議員)  新庁舎の基本設計や予算執行に関し、方針や敷地規模が決まる前に着手することは、手戻りや設計変更を伴うのでやめたほうがいいと私は進言してまいりました。強引に進めた結果、今回の事態を招いていると考えます。
 令和7年2月定例会代表質問の際に、市長から新庁舎の基本設計等の新庁舎整備に関する予算については、市議会や市民の皆様に新しい市役所のイメージを分かりやすく伝えるとともに、よりよい市庁舎の在り方を検討するために必要不可欠な予算であると考えておりますと、その答弁があったにもかかわらず、その新しい市役所のイメージを見せていただく前に、方針転換をされました。市民合意も取らず、議会にも諮らず、上意下達、トップダウン、独裁、そんな印象を持って、私は、本当に課題を解決してほしいと言っている市民の皆さんの声を聞いていただく市政に戻っていただきたいとお願い申し上げまして、私の一般質問といたします。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                    (10時58分  休憩)
                    (11時15分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、森功一議員の発言を許可いたします。
 
○20番(森 功一議員)  自民党・無所属の会、森功一でございます。通告に従いまして一般質問を行います。
 今回は、地域活性化の推進についてと山林火災への対応について、この2本についてお伺いをしたいと思います。
 では早速、地域活性化の推進についてお伺いいたします。
 近年、鎌倉市内の郊外では高齢化やバスの減便などにより、日用品の購入に不便を感じている方が増えてきております。地域の個人商店も高齢化により店舗を閉鎖するなど、生活必需品の買物が不自由な状況が鎌倉の郊外でも静かに進んでいると感じております。交通不便地域でのコミュニティーバスの運行などの取組は承知しておりますが、根本的な問題解決につながっておりません。生活がしにくくなると、高齢者のひきこもりをはじめ、空き家の増加、若者の転出など、住民減少により加速的に地域の衰退につながりかねません。
 そこで、まず地域コミュニティーを維持する上で、不可欠な生活必需品を取り扱う店舗や飲食店の誘致という点で質問をしたいと思います。
 私の住む十二所地域は、高齢者が多く日用品を購入できる店舗が少ないため、住民の方が買物に不便されていると聞きます。このような不便解消のため、県内他自治体において実施している買物弱者を支援するような施策があれば、お示しください。
 
○千田勝一郎 副市長  県内自治体としては、海老名市が令和5年度から3年間民間事業者が実施する食料品、日用品など、買物が不便な地域を中心に、移動販売を行う際の燃料費に対する補助を行っているということを認識しております。また、松田町では、移動販売車の購入、移動販売に必要な改造費、改造等に対する補助を行っています。鎌倉市内には、商店街やスーパーが立地していない地域があるものの、ネットスーパーや宅配サービスなどの民間サービスを活用することにより、日常生活に必要な買物を行えることから、現時点で海老名市の事例のような買物支援策は検討しておりません。
 
○20番(森 功一議員)  そうですか。そしたらこの鎌倉市内においても、店舗がなくても移動販売などとかあれば、地域住民の方が買物に困らなくなって、地域コミュニティーの維持の役割も果たせると思いますが、この鎌倉市として、移動販売業者を誘致するような施策というのはあるんでしょうか。
 
○千田勝一郎 副市長  本市では、市民の働く場を確保するため、鎌倉市企業立地等促進条例による減税措置により、雇用の受皿となる製造業等の業種を含む事業者を誘致しておりますけれども、移動販売を含む小売業は誘致の対象とはしておりません。
 
○20番(森 功一議員)  移動販売を誘致するということはないということを確認しました。
 それでは、次に経営者が高齢化などで事業継続をためらっているような場合、小売店を存続させるために、事業承継に対する支援などを行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○千田勝一郎 副市長  事業承継につきましてですが、事業承継に関する専門相談やマッチング等は、国が設置した公的相談窓口である、神奈川県事業承継・引継ぎ支援センターにおいて行っておりますが、その中で、本市や鎌倉商工会議所、金融機関などがそのネットワークとして参加をしております。本市に問合せがあれば、ネットワークの構成員であり、事業承継を含めた伴走型支援を行う専門相談窓口である商工会議所を紹介するほか、必要に応じて中小企業診断士による本市の経営相談で対応しております。
 
○20番(森 功一議員)  では、鎌倉市として生活必需品を取り扱う店舗や飲食店の誘致ということは、市としては行っていないということを確認しました。
 それでは、次に用途地域の緩和の指定について伺いたいと思います。
 横浜市は少子高齢化や人口減少、コロナ後のライフスタイルの多様化に対応したまちづくりを目指すため、昨年28年ぶりに用途地域の見直しを行いました。この変更の重点施策に上げられているのは、郊外住宅地の魅力向上だそうです。横浜市は、市街化区域の約4割を第一種低層住居専用地域に指定しており、郊外を中心に低層住宅が広がっています。そのため、横浜市内であっても、近隣に日用品などを買える店舗がない地域もあり、高齢者などの生活利便性に課題が生じていたそうです。
 このような背景から、一種住宅地域内の大きな道路沿いの一部を2階建て以下で、延べ面積150平方メートル以下であれば、日用品店舗や喫茶店などが建築できる、第二種低層住居専用地域に変更したそうです。また、地域によっては特別用途地区に指定し、延べ床面積200から250平方メートルの日用品店舗のほか、個人事業者らの仕事場であるコワーキングスペースやコミュニティーカフェなどを誘致し、住むための場所から、住み、働き、楽しみ、交流する場所へ転換させ、持続可能で価値の高い住宅地の創出を目指したそうです。
 今、横浜市の例を申し上げましたが、鎌倉市の住宅地で日用品が購入できる店舗の出店が可能となる手法について伺ってまいりたいと思います。
 まず、この用途地域とはどのようなものか伺います。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  用途地域とは、都市の秩序ある発展や住環境保護に資するため、建築物の用途の純化を図ることを目的に定められた区域区分のことでございまして、住居系の用途地域、商業系の用途地域、工業系の合計13種類がございます。また各用途地域には、それぞれの用途地域の特性に応じた建蔽率や容積率が定められておりまして、合理的な土地利用を誘導する制度の一つとなっております。
 
○20番(森 功一議員)  用途地域について確認しました。それでは次に、鎌倉市内の用途地域の指定状況はどのようになっているのか伺います。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  市内の約50%を占める市街化区域全域に対して、本市では13種類のうち11種類の用途地域を指定しており、そのうち約85%が住居系、約5%が商業系、約10%が工業系の用途地域となっております。
 
○20番(森 功一議員)  では、住宅地周辺の用途地域はどのような指定になっているのか伺います。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  市内に所在する大規模な宅地造成により造られた住宅地周辺につきましては、そのほとんどが良好な住環境を形成することを目的といたしました、第一種低層住居専用地域でございます。また、それ以外の場所にも、第一種低層住居専用地域を含め、住居系の用途地域を広く指定しているところでございます。
 
○20番(森 功一議員)  鎌倉市は、ほとんどがその一種住居地域になっているということを確認しました。では、市内の国・県道沿いにも第一種低層住居専用地域がありますが、そのことについて市は把握しているのでしょうか。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  国道134号線沿いの一部や十二所付近の県道沿いにおいて、第一種低層住居専用地域の指定を行っていることは把握してございます。
 
○20番(森 功一議員)  第一種低層住居専用地域内では、例えばコンビニなどは建設できないと思います。これをその地域内でコンビニを建設することを可能にするには、どのような手法があるか伺います。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  都市計画法に基づく用途地域の変更や、建築基準法に基づく建築物の用途許可という手法が考えられます。
 
○20番(森 功一議員)  コンビニを建設可能にする手法として、用途地域の変更とか建築許可があることを確認しました。
 次に、まちづくりに関連する制度である地区計画について伺います。
 都市計画の基本的なルールに加えて、特定の地区の特性や目的に合わせて、より詳細なまちづくりの目標や建築物のルールを定める地区計画は、地域から発案できるものと認識しておりますが、その地区計画を市が主体となって定めることは可能か伺います。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  都市計画法に規定いたします地区計画は、当該地区内の住民にとって良好な市街地環境の形成、または保持のための土地利用に関する一体的かつ総合的な計画でございます。地区計画の策定は、住民や市の発意により手続を開始することとなりますが、最終的な決定権者は市であることが定められておりまして、市以外の者が定めるということはできません。
 
○20番(森 功一議員)  確認しました。では、先ほど横浜市の用途見直しの例を挙げましたが、鎌倉市でも第一種低層住居専用地域を第二種低層住居地域に変更することで、買物や交通不便の解消につながると考えますが、本市において同様の変更は可能か伺います。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  用途地域の変更につきましては、制度上可能ではございますが、全市的な土地利用の視点から、神奈川県が定めます都市計画区域マスタープランや、本市の都市マスタープランへの適合を前提といたしまして、検討する必要がございます。
 
○20番(森 功一議員)  制度上可能であることを確認しました。
 次に、同じく横浜市では、用途地域の変更と合わせて、特別用途地区の指定を行いましたが、本市において同様の指定が可能か伺います。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  特別用途地区は、用途地域を補完する都市計画の制度であることから、その指定に当たっては、まず用途地域の変更について検討を進めることとなります。その結果、必要に応じて特別用途地区を指定することも可能でございます。
 
○20番(森 功一議員)  同じく可能であることを確認しました。
 次に、これまで第一種低層住居専用地域では、住宅を中心とした土地利用が行われてきました。本市の住宅地の大部分が一低層であったことで、乱開発を防ぎ良好な住環境を維持してきたことも事実であります。一方で、人口減少社会の到来や少子高齢化の進行、コロナ後のライフスタイルの多様化など、社会情勢が大きく変化してきております。これらの変化に柔軟かつ機動的な対応が求められており、用途地域の見直しは、郊外住宅地における地域活性化への実効的な効果が期待できると考えます。郊外住宅地における買物不便地域の解消など、市民が暮らしやすい社会を実現するためのまちづくり施策について、市長のお考えを伺います。
 
○松尾 崇 市長  市民が暮らしやすい社会を実現するためのまちづくりの施策として、都市計画や土地利用の視点から考えますと、地域特性に応じた都市機能の誘導や、計画的な人口密度の維持を通じて、地域住民の方の生活サービスやコミュニティーを持続的に確保するための施策であると認識をします。今後は、令和8年度を始期とする次期総合計画を展開する中で、都市計画の目標を示した鎌倉市都市マスタープランと、鎌倉市立地適正化計画に基づきまして、まちづくりに関わる施策をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
 
○20番(森 功一議員)  郊外住宅に住む方に不便にならないような、そういうまちづくりを目指していただきたいと思います。
 それではこの項を終わりまして、次に山林火災への対応について伺いたいと思います。
 本年2月に発生した岩手県大船渡市で発生した山林火災は、乾燥、強風などの影響により急激に拡大し、発生から2時間で延焼範囲は600ヘクタール、最終的には約3,370ヘクタールに及ぶ、近年では最大の山林火災となりました。本市は周囲を山に囲まれ、谷戸沿いに住宅が建ち並び、山林と接している住宅地もあります。このような住宅地では、万一山林火災が発生した場合、住宅に延焼し、市民の生命、財産に重大な危険が及ぶ可能性があります。
 今回は山林火災への本市の対応について伺います。まず、本市における近年の山林火災の発生状況について伺います。
 
○高橋浩一 消防長  本市の平成31年以降の林野火災の発生状況は3件です。平成31年に2件、令和5年に1件であります。
 
○20番(森 功一議員)  3件ということを確認しました。では、今確認した山林火災の対応状況について伺いたいと思います。
 
○高橋浩一 消防長  本市で林野火災が発生した場合は、消防本部が定める災害別出動編成表に基づき、消防団を含め9台の消防車両が出動する計画があります。3件のうち損害の最も大きかったものについて、紹介させていただきます。
 平成31年に落ち葉や枯れ木などが約2,500平方メートル焼損した林野火災がありました。これにつきまして消防団を含め、消防車両9台、活動延べ人員36人で活動しました。山林などで傾斜のある中、最大延長距離約300メートル、15本の消防用ホースを延長しまして、消防団と連携し、小型動力ポンプを中継することで有効な放水圧力を保持し、消火活動を行いました。
 
○20番(森 功一議員)  では、本市で大規模な山林火災が発生したときの消防の計画はどのようになっているのか伺います。
 
○高橋浩一 消防長  林野火災が発生し、飛び火などにより広範囲に延焼し、大規模な火災となれば、消防団を含めた本市の消防力を集結し対応することとなります。本市の消防力を上回る火災規模に発展した場合は、時機を逸することなく、神奈川県内消防広域応援実施計画及び神奈川県緊急消防援助隊受援計画などに基づき、応援を要請し他市の消防隊と協力し対応することとなります。
 
○20番(森 功一議員)  計画は確認しました。その計画に対する訓練の実施状況について、伺いたいと思います。
 
○高橋浩一 消防長  林野火災ですが、水利から火点までが長距離になることが多く、ホースを長距離にわたって延長する必要がございます。また有効な水利の位置ですとか、情報の伝達方法などを事前に把握しておくことが肝要であります。そのため、訓練につきましては、ハイキングコースなどの状況を現地確認する山岳踏査を定期的に行っております。地形の確認ですとか、山間部での無線通信状況等の確認、水利の把握、こういったものに努めております。また鎌倉霊園ですとか、鎌倉中央公園などで長距離にわたるホース延長訓練などを実施し、林野火災が発生した場合、安全で確実に迅速な対応ができるよう努めております。
 
○20番(森 功一議員)  訓練状況について確認しました。
 次に、十二所、浄明寺地域などは、山林が横浜市や逗子市と接しています。火災時は、隣接市と合同で消火に当たることが考えられますが、その山林火災対応訓練はどのように行っているか、伺います。
 
○高橋浩一 消防長  大規模な林野火災は、他市と合同で活動することが予想されるため、合同訓練を行うことが安全確実、迅速な活動につながることと認識しております。林野火災では、ヘリコプターによる上空からの消火も有効であることから、横浜市消防局航空隊との航空応援に関する研修ですとか、実際に横浜ヘリポートでのヘリコプターとの連携訓練を行っております。また、山林が隣接する逗子市消防本部とは、市境のハイキングコースで火災合同訓練を実際に行っております。今後も隣接市と訓練を定期的に実施してまいりたいと考えております。
 
○20番(森 功一議員)  隣接市と実際に訓練を行っている状況を確認いたしました。
 では次に、山林火災時の消防団の出動体制とその役割について、伺いたいと思います。
 
○高橋浩一 消防長  消防本部が定める災害別出動隊編成表に基づき、受け持ち区域となる消防団が出動します。林野火災における消防団の出動体制につきましては、第1出動で1隊、第2出動でさらに2隊出動することとなっています。現場の状況から、火災の大規模化が予想される場合は、現場指揮本部の最高指揮者の特命により、活動に必要な部隊数を出動させることとなります。
 消防団の役割につきましては、林野火災が発生した場合、消防隊と連携しまして、小型動力ポンプを使用しての中継送水ですとか、延焼防止活動、飛び火の警戒などの消火活動や近隣住民への広報ですとか、避難誘導、残火処理などを実施することとなります。
 
○20番(森 功一議員)  消防団の役割について確認しました。
 次に、大船渡の火災では消防防災ヘリによる空中消火活動を実施しました。山林火災発生時の消防ヘリとの連携はどのようになっているか伺います。
 
○高橋浩一 消防長  林野火災が発生し、上空からの消火や情報収集が必要と判断した場合、神奈川県下消防総合応援協定に基づく航空機特別応援実施要領に基づき、横浜市消防局航空隊のヘリコプターの応援を要請することになります。航空隊と地上で活動する消防隊ですが、消防無線により情報収集、情報共有することができ、綿密な連携が可能であります。また、上空からの大量な放水による消火、これが必要と判断した場合には、神奈川県緊急消防援助隊航空部隊等受援計画に基づき、他県からの緊急消防援助隊の派遣を要請することになります。
 
○20番(森 功一議員)  同じく大船渡のときには、自衛隊のヘリなんかも出てました。自衛隊ヘリなどの災害派遣要請の手続について伺いたいと思います。
 
○千田勝一郎 副市長  自衛隊派遣要請の手順でありますけれども、災害対策基本法に基づきまして、市長が県知事を通じて行うこととなります。山林火災などの被害が拡大し、自衛隊への対応が必要と判断した場合は、市長から県知事へ災害派遣の要請について要求し、その後、県知事から防衛大臣等へ災害派遣を要請することとなります。
 
○20番(森 功一議員)  次に、山林火災の延焼防止のため、防火帯を設置することもあると伺いますが、市有緑地における森林火災に対応するための維持管理は、どのように行っているのか伺います。
 
○古賀久貴 都市景観部長  令和5年度に本市で策定いたしました鎌倉市森林整備計画では、山林火災への対応として、標識、看板等による普及啓発を推進するなどしておりまして、直接維持管理ではございませんが、林野庁及び消防庁が実施しております、山火事予防ポスターの募集及び掲示を行っております。市有緑地におきましては、緑地維持管理計画に基づき、防災対策の視点により、緑地外縁部の危険木や山林火災につながりやすい枯損木の伐採に取り組んでおります。
 
○20番(森 功一議員)  防火帯はつくってないけど、管理をしているということを確認しました。
 では次に、本市には消防活動が困難な谷戸などの地形があります。これは山林火災だけでなく通常の火災にも言えることですが、この本市特有の地形に対して、どのような対応を行っているのか伺います。
 
○高橋浩一 消防長  今、議員からも御紹介ありました消防活動が困難な地形の一つに谷戸地域が上げられます。谷戸地域は、道路狭隘で進入路が限定されているため、進入路や有効な水利を事前に確認し、迅速な活動ができるよう、谷戸火災防御計画というものを作成しております。定期的な見直しも図っておりまして、その内容につきましては、消防隊の中で共有しております。
 
○20番(森 功一議員)  本市の森林火災への対応について伺ってまいりました。森林火災は、一度発生すると気象条件によっては被害は広域、甚大化します。万一火災発生時には、刻々と変化する延焼状況を見極め、早期の応援、受援体制を構築できる消防体制を確立させ、引き続き市民の安心・安全の確保に努めていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                    (11時40分  休憩)
                    (13時15分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。一般質問を続行いたします。
 次に、重黒木優平議員の発言を許可いたします。
 
○14番(重黒木優平議員)  公正と法、重黒木優平です。本定例会より、無所属から会派「公正と法」の一員へ変更となりました。定例会が近い中、変更に伴う様々な事務作業等、御協力いただいた皆様へ感謝申し上げます。会派へ所属とはなりましたが、私自身どこにも誰にも忖度なく発言を行いますし、政治家である以上は、責任は全て自分自身に帰属する。その覚悟を持って活動してまいりたいと思います。
 それでは、鎌倉市議会会議規則第103条に基づき、市の一般事務について、通告に従い質問させていただきます。
 まず大項目1、税負担の公平性と事業の適正化について質問いたします。
 (1)外国人住民税未納問題等とつけさせていただきました。
 近年、全国的に在留外国人による住民税等の未納が課題として取り上げられています。しかし、まずお伝えしておきたいのは、これは外国人だからという話ではなく、日本の税制度の仕組みに起因する構造的な問題であるという点です。税には公平、中立、簡素という3原則があります。全ての納税者が等しく義務を果たし、制度が複雑にならず、経済活動にゆがみを与えないよう設計されることが求められます。しかし、現行の住民税制度は、必ずしもこの原則に合致していません。
 釈迦に説法ではございますが、簡単に所得税と住民税の違いを確認しておきます。所得税は現年課税であり、その年に得た所得に対して、同じ年に課税されます。給与から源泉徴収され、年末調整や確定申告で精算する仕組みです。一方で、住民税は前年課税であり、前年の所得に基づいて算定され、その年の1月1日時点で住所を有する人に対して課税され、6月に納税通知が送付される制度です。所得税と住民税は、納税に関する制度が違います。
 この前年課税という仕組みが、短期滞在の外国籍住民にとって未納を招きやすい構造となっています。例えば1月1日時点で鎌倉市に住民登録していた方が、その後に帰国してしまった場合、6月に届くはずの納税通知は本人に届かず、そのまま未納滞納となってしまいます。もちろん永住者や定住者として暮らす外国籍住民の方々は、日本人と同じように納税を果たしており、この点に問題はありません。しかし技能実習や特定技能など、在留期間の短いビザで働いている方々については、制度の仕組みにより未納が発生する割合が高いと指摘されています。これは差別の問題ではなく、日本の住民税制度そのものが、短期間だけ日本で働く人を想定しておらず、前年課税という方式が移民労働者に全く向いていないという構造的欠陥です。
 制度上は、納税管理人制度によってこうした問題を回避できるとされています。これは外国籍の方が帰国する際に代理人を指定し、その代理人が税金を納める仕組みです。また事業主には、給与支払者として従業員の住民税を特別徴収、一括徴収する義務があります。しかし現実には、制度の周知不足や手続の煩雑さから、納税管理人を設置せずに帰国してしまうケースが少なくなく、事業主による徴収が徹底されていない場合もあります。
 その結果、自治体は収納困難な滞納案件を抱え未納が蓄積するという事態が生じています。重要なのはこの状況を放置すると、日本人はもちろん、真面目に働ききちんと納税している外国籍住民の方々が損をしている不公平だと感じてしまうことです。納税義務を誠実に果たしている方々が報われるようにするためにも、制度の欠陥を是正し、未納を抑制する取組は不可欠と考えます。本市においても、歳入の安定確保、市民全体の税負担の公平性、そして行政への信頼性を守る観点からも、この問題を避けて通ることはできません。
 以上を踏まえ、本市における外国人住民の住民税未納の実態と対応について伺ってまいります。
 まず、実態把握についてお伺いします。外国籍の方の中には制度の仕組みにより住民税が課税され、結果として滞納となるケースが少なくありません。対象となる外国籍住民の人数、件数ですね、滞納額についてお伺いします。
 
○藤林聖治 総務部長  令和6年度決算時点で、市民税に滞納のある外国籍の方は131名、滞納している市民税額は1180万926円となっております。
 
○14番(重黒木優平議員)  次に、日本人との比較をさせていただきます。本市の住民税を滞納している者のうち、日本人と外国籍の方の割合について伺います。
 
○藤林聖治 総務部長  令和6年度決算時点における市民税の滞納総額、これは外国籍の方、日本国籍の方、全部含めた滞納総額ですが3億8240万円ほどでございます。このうち外国籍の方の滞納総額は、先ほど申し上げました1180万926円となっておりまして、割合にいたしますと、全体のおよそ3%の方が外国籍の方となっております。また人数から見た滞納の割合といたしましては、市民税の滞納者の総数は4,010名、このうち外国籍の方は131名となっており、こちらも全体のおよそ3%という数値となっております。
 
○14番(重黒木優平議員)  滞納している場合の処理の対応について確認させていただきます。住民税の滞納処理に当たり、市は具体的にどのような対応を行っているのか。また、帰国などにより収納が困難なケースについては、どのような対応方針を取っているのか伺います。
 
○藤林聖治 総務部長  滞納者には一律に督促状や催告書の送付を行うことで納付を促したものの、納付がなく、また財産調査の結果、財産が見つかった場合には、差押えなどの滞納処分を行っているところでございます。収納が困難なケースといたしましては、滞納者が出国などを理由に所在不明となったもの、あるいは傷病などを理由とした生活困窮に陥ったもの、法人の場合には解散、倒産といった状況にあるものが上げられます。いずれの場合におきましても、地方税法や地方税法に準拠した国税徴収法に基づき、所在、財産などの調査を行い、財産が見つかった場合には、差押えなどの滞納処分による徴収を行っております。
 一方で、市民税については、議員御案内のとおり昨年の所得に対して課税されるため、傷病などを理由に所得が急激に減少し、生活困窮に陥り差押え可能な財産が見つからない、あるいは所在が特定できないなどの場合には、必要に応じて福祉部局等との連携をした上で、法令に基づき滞納処分の執行を停止しております。
 
○14番(重黒木優平議員)  外国籍の方の滞納を抑制するため、納税管理人制度の活用、これが考えられますけれども、それ以外に市として実施している未納、滞納の抑制についての取組について伺います。
 
○藤林聖治 総務部長  市では滞納を抑制するため、市税の各納期限に合わせて市の広報紙や市のホームページ等で納付勧奨を行っているほか、納付手段の拡充や納付が困難な場合は、早期の納付相談を行うよう周知を図っているところでございます。納付手段といたしましては、これまでの金融機関やコンビニなどでの窓口での納付に加え、クレジットカードや決済アプリによるキャッシュレス決済を導入し、納付機会の拡充を図っているところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  周知だけでなく、やはり実際に制度を利用してもらうことが大切だと考えております。例えば、外国人が多く在籍する事業者に対しては、市から直接案内を行うなど事業主と連携するようなことは行っているのでしょうか、伺います。
 
○藤林聖治 総務部長  特段、その外国籍の方が多数所在している事業者に対して、個別具体的な周知というものは現在行っておりませんけれども、外国籍の方の納付につながるような手段といたしまして、議員御案内の方法につきましても、今後、検討を進めてまいりたいと考えております。
 
○14番(重黒木優平議員)  外国籍の方の個人住民税の未納問題は、市単独での解決には限界がある、これは理解しております。国の制度改善や徴収方法の見直しを求める必要性について、これは市長に伺います。
 
○松尾 崇 市長  日本を出国した外国人労働者の個人住民税の未納、滞納については、税の公平性の観点から課題であると認識をします。市税は、地方税法等の法律に基づいて課税徴収をしておりまして、このたび国において、日本を出国した外国人労働者の徴収実態調査を開始する旨の報道があったことから、今後の国の動向を見ながら適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
 
○14番(重黒木優平議員)  本件は、外国籍住民を特別視して排除するものではなくて、むしろ制度の不備を補完して、真面目に働き納税している外国人の方々も嫌な思いをしないようにするために、公平性の問題であると考えております。
 本市としても、歳入の安定、市民全体の税負担の公平性、そして行政への信頼を守る観点から、しっかりと取り組む必要があると考えます。住民税に限った話ではなく、未納、滞納については、同僚議員より本定例会で制度改善を求める意見書の提出も検討されております。今後も問題提起をしっかりしていきたいと考えております。市としても実態の把握と周知の強化に加え、全国的な課題として国へ改善を強く求めていただきたいと申し上げて、次の質問に移らせていただきます。
 次、(2)鎌倉版フォルケホイスコーレ運営事業(令和3年度「若者チャレンジ事業」)について取り上げます。
 まず、これは質問ではないのですが、横文字がちょっと多い点を指摘させていただきます。職員の皆さんや前期議論されていた議員さんは分かりますが、一般市民の目線から捉えると、鎌倉版フォルケホイスコーレ運営事業と言われても、何のことか分かりません。私も分からなかったです。本市は、様々な面で非常に横文字が多くて分かりにくいなと、以前から思っておりました。海外の事例等を参考にするのは構わないんですけれども、もう少し分かりやすく表現していただくことをお願いいたします。
 令和3年の12月定例会、前川議員の質問に対する市長答弁から、フォルケホイスコーレ事業について確認をさせていただきます。
 これは市長の答弁になります。「フォルケホイスコーレとは、今、御紹介いただきましたように、主に北欧で発展していった大人のための教育機関でありまして、人生のどんな場面でも自分を見詰め直すための時間を過ごせる場所であります。この新型コロナウイルスの感染症拡大をはじめとしまして、不確実性が高まる社会の中で、自分を見失って将来に希望が持てない若者が少なくないと感じておりまして、鎌倉版フォルケホイスコーレ事業は、このような自分の生き方に迷ったり、つまずいた若者が再チャレンジすることの支援を行うものでいきたいと思っております。自然や人材など鎌倉の豊富な資源を活用しまして、誰もが学びたいときに学ぶことができ、また自分を見詰め直すことができる環境を地域に整備をしていこうとするものです」ここまでが答弁となります。
 この理念を取り入れて、市民の主体的な学びや対話の場を設けること自体は、大変意義深いものと考えます。しかしながら、本市におけるこの事業は、当初の設立の目的や中身と比べ、現在では内容が拡大して変化してきているのではないかと、こういった懸念があります。当初は若者チャレンジ事業として、自分の生き方に迷ったり、つまずいた若者が再チャレンジすることに、支援を行うものだったはずと理解しておりますが、体験型のイベントやちょっとレクリエーション的な要素が強く、ちょっと理念的な位置が薄れているようにも見受けられます。
 加えて、対象人数に対して本事業の委託費用ですね、これ年間で655万円と高額であり、その費用対効果について十分説明されているのか。これは、過去の議会でも何度も疑義を呈されていることが、議事録より確認できました。限られた財源を用いる以上、どのような成果が得られているのか。また今後も継続する必要があるのかを、明確にすることが不可欠です。特に、プログラムの一つでもあるたき火などの活動について、これを公共が担うべき事業なのか。これはもう民間の活動に委ねるべきものではないかという根本的な問いも残ります。
 質問いたします。設立の経緯について、まず伺います。鎌倉版フォルケホイスコーレ運営事業の当初の設立の経緯を確認させていただきたいです。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  今、議員のほうからも御紹介がございましたとおり、鎌倉版フォルケホイスコーレ事業は、コロナ禍におきまして、若者から社会や将来の漠然とした不安の声が寄せられたことを背景としまして、若者が自分の人生を見詰め直し、他者や社会とのつながりを再構築できる環境を整備することが重要との認識に立ちまして、北欧の成人教育機関フォルケホイスコーレ、これを参考に立ち上げた事業でございます。
 令和3年度の事業設立当初は、若者再チャレンジ事業として、現状や将来に不安を抱える10代から30代までの若者を対象に、学び合いや対話を通じて自分や他者への理解を深め、自らの進む道を見いだす機会を提供できるよう実施したものでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  当時の鎌倉市若者チャレンジ事業運営業務委託契約仕様書には、次のように記載されております。まず業務目的ですね、「本業務は20代を中心とした鎌倉市内在住の若者を主な参加対象者とし、現状や将来に不安を抱く若者が、長期的な視野を持ち社会との新たなつながりを構築し、自分の進む道を見いだす機会を得られるよう実施する研修、鎌倉市若者チャレンジ事業を円滑に運営することを目的とする。本事業を通じ、地域において若者が社会的なつながりを感じられるような資源の発掘、創設が進んでいくことも期待している。」
 そして参加対象者ですね。「本事業への参加者は、就労中、または新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、現に職に就いておらず、一般就労をはじめとする社会への参加が可能であると見込まれるものの、自分自身に自信を持てない、自分の進む道を見いだせず苦しんでいる等の様々な事情により、地域社会からの支援が必要なもので、20代を中心とした鎌倉市内在住の若者とする。」ここまで書いております。つまり、20代を中心とした若者が対象だったと承知しております。参加者が少なかったこともあって、現在は、15歳以上と際限がなくなってしまっております。また実際に令和4年までは共生共創部でしたが、令和5年度からは健康福祉部に事業は移管されていることも確認できました。
 そこで伺います。事業内容が当初から拡大し、変わってきているのではないかという点について、見解を伺います。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  令和4年度以降、次年度ですね、以降は対話を主とした6日間の研修プログラムの枠組みは維持しつつ、それぞれのライフステージに応じ、何歳になっても学び、働き、成長でき、ともに助け合い、つながり合うことのできる多様性のある共生社会を作るための基礎とできるよう、対象年齢を拡大して実施しているところです。あわせて、本事業は課題を抱える者の早期発見、課題を複合化、複雑化させない予防的対象にもつながることから、令和6年度からは、厚生労働省の生活困窮者等のための地域づくり事業交付金も活用しながら、取組を進めているところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  参加者の傾向についても確認させていただきます。これは初めての方が参加されているのか、それとも常連が多いのか、この点はいかがでしょうか。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  参加者はひきこもり状態にある方、仕事を休職されている方、暴力の被害者、障害や重篤な疾患を有する方、不登校児童の保護者をはじめとしたケアラーなど、福祉制度のはざまにあって、何らかのケアを必要とする市民の方々が中心となっているところです。ほとんどが新規の参加者ですが、断続的に再度の参加を希望する方がいるため、応募が定員に達しない回に限りまして、2回目の参加をされた方が、これまで3名いたような状況でございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  ここは結構重要だと捉えておりまして、その制度のはざまで悩まれている方等を救済するのであれば、全然問題ないんですけれども、ちょっと気にしているのは、常連の方が増えて、交付金で行う事業でありながら、ちょっとイベント的な要素になってしまわないかと、こういった点を懸念としております。
 委託費用について確認いたします。本事業の委託費用は、国の補助金の部分もありますが、年間で655万円と承知しております。プログラムの参加者数ですね、実施機関からすると、これはかなり高額な委託料で業務委託していると思いますが、この費用の妥当性について伺います。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  本事業の事業費のうち2分の1の部分につきましては、国の生活困窮者等の地域づくり事業交付金を活用して実施しているところでございます。また、委託費には教員資格を有する講師による運営に加え、参加者募集、参加者の個別相談やフォロー、記録と評価、福祉的支援が必要となる者への対応など、実施日以外にも多くの業務が含まれております。本プログラムは教育プログラムとしての専門性と福祉的配慮を必要とする参加者への柔軟なプログラム運営が必要な点に加え、将来的な地域福祉の基盤強化につながる可能性も考慮いたしますと、事業費についてはおおむね妥当な水準ではないかと考えているところです。
 
○14番(重黒木優平議員)  業務委託だけではなくて、これ市の直営に変更したり、規模をちょっと見直したりとか、費用を抑えるような工夫とか、そういったのはされているのでしょうか。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  これまでもいろいろ御指摘いただいておりますので、その点も踏まえながら、随時、見直しをしているところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  ちょっとストレートに、この事業は今後も続ける必要があるか伺います。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  本事業は参加者の孤独・孤立の予防・緩和や地域参画の促進に資するとともに、対象者層の広がりに伴い、行政が地域の多様な課題を把握する機会や、支援が必要な市民を発見する場としても機能し始めていると思っております。また、参加をきっかけに地域で居場所づくりを始めたり、支援者として介護やひきこもり支援にプログラムの学びを生かすなどの例も把握しているところでございます。このように参加者が孤立状況から回復し、地域活動に参画することは、中・長期的には福祉コストの抑制に資するとともに、学びや対話を通じて、市民が自ら地域を運営する力を培うことにもつながり、地域福祉の基盤強化のみならず、地域運営そのものの基盤形成に寄与する点で、費用対効果が期待できると考えております。
 今後も、国の制度を活用し、共に助け合いつながり合うことができる、多様性のある共生社会を構築する人材の育成と、地域におけるつながりの創出を目指して、事業継続したいと考えているところです。
 
○14番(重黒木優平議員)  ちょっと1点だけ。国の補助金が仮になくなった場合、この場合は市単独で継続はされますでしょうか。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  今のところ、そういう仮定においての検討というのは、特にはしてないんですけれども、事業の中身については我々は継続したいと思っています。これについては、国の交付金以外にも、例えば民間のほうのお力を借りるとか、いろいろな選択肢について検討することになろうかなと思っております。
 
○14番(重黒木優平議員)  プログラムの中で先ほども申し上げたんですけれども、たき火なども行われております。これ公共が担うのではなくて、民間で行うべきではないかと、結構たき火をされている方とかもいらっしゃるので、ここについて結構指摘がありますが、それについて伺います。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  議員御指摘のように、確かに本事業は、たき火を囲んでの対話や室内での表現のワークショップ、まち歩きのプログラムなどを通じまして、参加者が主体性や他者への理解等を育みながら、多様なコミュニケーションや地域との新たなつながりなどを構築できるよう取り組んでいるものでございます。たき火の実施といった工夫も、地域との関わりが途絶えている人にとっては、安心して参加できるきっかけとなっておりますし、これも単にたき火をするということだけではなくて、それがプログラムの導入のきっかけとか、話しやすいその雰囲気づくりとか、そういういろんな深い事業の組立ての中から、一つ出てきた形と思っているところでございます。
 本事業については、誰もが安心して自分らしく暮らすことのできる共生社会に向けた基礎づくりにもつながることから、引き続き公共として実施していく意味があるものと今考えているところです。
 
○14番(重黒木優平議員)  実は私もこういった取組、これ例えばたき火を目の前にすることで開放的になって、これまで話せなかったことも話せるようになるのではないかと、本事業の取組そのものを否定するものではありません。私の問題意識としては、当初の若者チャレンジ事業という目的から変わってしまっている点や、年間655万円という委託費の妥当性について質問をさせていただきました。
 当時、コロナ禍に鑑み若者を支援するという内容であれば、私も賛同いたします。しかし、現在のように対象を際限なく広げると、ちょっと話は変わってきます。取組自体はいいと思うのですけれども、こういった取組であれば、民間やNPO団体とかも結構やっていらっしゃるので、こことの違いですね。一方は、自費でやる、一方は交付金でやると、ここのちょっと違いがよく分からなかったので、質問をさせていただいた次第でございます。
 6月の定例会で行政評価に事業を始めたきっかけ、事業の経過が分かる視点を盛り込むことについて、質問させていただき、事業の点検、見直しに当たりましては、そもそもなぜこの事業を実施しているのかという事業を始めた目的や、これまでの経過というものは大変重要なものであると考えており、この視点を新たな行政評価制度において、どのように盛り込んでいくかについては、今後検討してまいりたいと考えておりますと御答弁をいただきました。その後、進捗についてはいかがでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  現在、新たな行政評価制度の構築に向けた作業を進めております。その中で、引き続き事業の経過等をどのように評価の中に盛り込むかというのを検討しているところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  もちろん導入のタイミング等もありますし、直ちに対応していただけるとは思っておりませんが、やはりこの事業を始めたきっかけであるとか、経過というのは非常に重要な点だと思っておりますので、今後も繰り返しお伝えさせていただきたいと思います。
 次に、東アジア文化都市事業について質問させていただきます。
 本市は現在、東アジア文化都市事業を展開しています。この事業は文化庁が選定、毎年、日本、中国、韓国の都市が持ち回りで実施するものであり、本市もその一環として位置づけられています。これは国にも申し上げたいのですが、やはり一市民の立場からすると、実際にどのような事業が行われているのか、それがどのような成果があるのかという点が、やはり極めて分かりにくいのが現状です。市として、具体的に何を目的とし何をゴールとしているのか。効果が見えにくい事業に対して、市費が投じられていることについて、市民からも疑問の声が上がっています。結構やっぱりこれはお声をいただきます。
 さらにこの事業に対して、当初の予定にはなかった大規模な閉幕式が検討されていると承知しております。国からの交付金があるにせよ、市の持ち出しも少なくなく、目的や効果が不明なまま税金を追加投入することが適切だったのか、説明責任が問われると思います。当初予算で十分に検討されるはずであった事業なのに、なぜ短期間で多額の費用が必要になるのか、見解を明確にさせていただきたいと思います。
 また、毎年行われているイベント、オクトーバーフェストがあると思いますけれども、これが認証事業に含まれたり、この夏には能登への小学生派遣が行われるなど、事業の範囲や内容、これが非常に広がりを見せています。これらが本来の事業目的とどう関わるのか、どのように市民に還元されるのかを確認をさせていただきたいと思います。
 私はやはり対外的な交流ですね。これより市民生活の安心・安全や地域課題の解決に、やはりここに税金を回すべきだと考えております。まず、予算規模と使途について伺います。
 東アジア文化都市事業、令和7年度当初予算について、国と市のそれぞれの負担額、事業費の使途の概要について、改めて確認させてください。
 
○能條裕子 共生共創部長  東アジア文化都市事業に係る令和7年度当初予算の総額は、1億8107万9000円でございます。この事業費に対する文化庁からの委託費収入7000万円が充当される予定であり、差額の1億1107万9000円について市の一般財源となる予定でございます。歳出予算の主な使途としましては、開幕式や閉幕式などの特別事業の実施経費として8160万円、中国、韓国の各参加都市との交流事業の実施経費として、6170万円を実行委員会の事業計画に計上しております。
 
○14番(重黒木優平議員)  東アジア文化都市事業の国が定めた事業目的、そして鎌倉市として目指すゴールについて改めて伺います。
 
○能條裕子 共生共創部長  東アジア文化都市は、日本、中国、韓国の3か国におきまして、文化芸術イベント等を実施することによって、東アジア域内の相互理解、連帯感の形成、東アジアの多様な文化の国際発信力の強化を図ることを目指すものでございます。中国、韓国との文化交流を通じ、東アジアの国々とともに発展してきた鎌倉の町の成り立ちや、多様な生活文化を再認識し、さらに磨きをかけることで、豊かな文化や共生の精神を次代に伝えるとともに、世界恒久平和への祈りを発信する機会とし、共生社会の実現や平和意識のさらなる醸成につなげていきたいと考えております。
 
○14番(重黒木優平議員)  今後、予算の増額を検討していると理解しておりますが、その理由について伺います。
 
○能條裕子 共生共創部長  令和7年度当初予算編成時点におきましては、東アジア文化都市事業の鎌倉市における閉幕式は、共同宣言の取り交わしなどを行う程度の小規模なものにとどめる想定でございました。その後、5月に開催した開幕式が大変好評を博したことに加えまして、韓国安城市及び中国マカオ特別行政区の閉幕式につきましても、参加各都市から芸能団を招致し、文化芸能公演を伴う式典の開催が計画されているということが確認できました。これらのことを踏まえまして、本市におきましても、これに倣った規模の閉幕式を開催したいと考え、必要となる事業費について増額補正をしたいと考えているところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  例えば、市民生活に直結するオーバーツーリズム対策よりも、文化都市事業を優先して、税金を新しく追加する、回す理由がちょっと私には納得できないんですけれども、ここについては委員会で取り扱うべき点と思いますので、これ以上は触れないでおきます。
 オクトーバーフェストについて伺います。毎年開催しているオクトーバーフェストですね、これが東アジア文化都市事業の認証事業に位置づけられていますが、これはどのような関係性があるのでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  認証事業は、東アジア文化都市事業を市全体で盛り上げていくため、東アジア文化都市の趣旨に合致し、本市の文化芸術の継続的な発展に寄与すると認められる事業、または活動を募集して当該イベント等の広報活動などを支援するもので、市民団体等の活動をさらに盛り上げる効果も期待できるところでございます。東アジア文化都市事業は、鎌倉の歴史や地域に根づく身近な生活文化に改めて目を向けることも意図していることから、認証事業の要件の一つとして、地域資源を生かした文化の魅力の国内外への発信を掲げており、オクトーバーフェストは市民や地域の事業者など、様々な方の協力によって開催され、回を重ねて季節の風物詩として市民に親しまれていることから、該当すると判断したものでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  一応確認なんですけれども、助成事業ではなくて、認証事業のほうなので、補助金など新たな資金助成が行われることはないということでよろしいでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  認証事業につきましては、広報の支援を行うもので補助金など新たな資金助成を行うものではございません。
 
○14番(重黒木優平議員)  オクトーバーフェストは、私も毎年参加する好きなイベントの一つなので、頑張っていただきたいと思います。
 次に、「みんなで夏休みカメラの旅に出よう能登えんそく」これですね、どのような経緯で実施し、どのような効果を見込んでいるのか伺います。
 
○能條裕子 共生共創部長  東アジア文化都市は、次の年の開催都市にバトンを引き継ぐクロージングイベントを行うことが慣例となっておりますが、2024年の東アジア文化都市であった石川県が、能登半島地震の影響によって事業の実施を見送らざるを得なかった状況に鑑み、石川県から心のバトンを受け取るため、次世代を担う小学生を被災地である能登半島に派遣したものでございます。
 自然災害が多い日本にあって、災害からの復興も生活の安定や心のゆとり、安寧が生まれることを考えれば、平和につながるものであると考えており、効果としましては、いまだ復興途上である現地の様子を子供たちが見ることで、困難に直面する人々に寄り添う気持ちを育て、また人の優しさ、日常の生活のありがたさといった、身近にある平和や防災について考える機会となり、次代を担う子供たちの心に残るイベントにすることができると考えたものでございます。
 また、子供たちが率直に感じたことを写真に写し撮っており、今後これを広く伝えることで、震災からの早期復興の願い、そして平和への祈りを広く発信したいと考えております。
 
○14番(重黒木優平議員)  東アジア文化都市事業で、写真撮影をされている方のnoteがありまして、その一部を抜粋して紹介させていただきます。
 「石川県の人と鎌倉市の人が能登でやることを考えてくれていますが、おいしい物を食べたり、UNOをしたり、ゲームをしたり、夏休みの子供がすることができたらいいなと思っています。いろりがある大きな日本家屋に泊まるので、マシュマロを焼くのもいいと思います。能登はイカがおいしいから、僕はイカを焼きたいです。その合間、合間に自分が見たものを撮るだけです。能登までは飛行機で行きます。能登ではマイクロバスで移動します。飛行機代や宿代や食事代は全部ただです。」ここまでになります。
 ちょっと一言だけ申し上げておきたいんですけれども、ただではないです。これはもう市民の皆様が納めている税金なので、ちょっと表現の仕方についてもちょっと気になったので取り上げさせていただきました。
 本事業は市民にとってやはり結構難しいのは理解するんですけれども、目的や成果、メリットですね、これがよく分からないまま、やはり市費が多額に投入されています。さらに閉幕式に向けて費用を拡大するのであれば、やはり市民には納得できる説明が必要だと考えております。本市が優先的に取り組むべきところはやはり多くあり、今であれば、観光混雑や生活環境への影響といったオーバーツーリズム対策もその一つです。市におかれては、限られた財源の優先順位を見直し、市生活に直結する課題解決にこそ力を注ぐよう強く求めます。
 最後に、そもそも東アジア文化都市事業ですね、これは国に対して、この事業自体が必要なのかという思いが正直あるところでありますが、一方で、鎌倉市が選定されたプロセスですね。実際に現場で取り組んでいる皆さん、特に相手方が海外のやり取りになりますので、非常に連絡がうまく取れなくて大変な思いをされていることも伺っております。担当している職員の皆様には本当に敬意を表します。ありがとうございます。
 次の質問に移らせていただきます。観光税、宿泊税の導入について伺います。
 本市においては、観光客数の増加に伴い、オーバーツーリズムの課題が顕在化しています。市内の混雑や安全、環境への影響は深刻化しており、観光客と市民生活の共生をいかに実現するかが大きな課題となっています。そうした中で、市は宿泊税の導入を検討していると承知しています。既に導入した自治体もあり、全国的な広がりを見せていますが、私は導入には否定的な立場であることをお伝えします。
 その理由は、まず行政内部にまだやはり見直すべき点、無駄遣いがあること。そして新たな税負担は、最終的に市民生活にはね返り、影響を与える可能性があるからです。一方で、世界遺産登録を目指す動きやオーバーツーリズムへの対応という観点もあり、観光財源をどう確保するかは、やはり市にとって避けられない課題だと捉えております。
 そこで、宿泊税の進捗状況や税の位置づけ、観光施策との関連について伺います。宿泊税の導入について、進捗状況を改めてお伺いします。
 
○千田勝一郎 副市長  今後のさらなる増加が見込まれる観光客の受入れ体制整備が必要な中で、宿泊税の導入を検討する自治体が増加しておりまして、本市においても、宿泊税の導入に向けて検討を進めているところであります。現在は、宿泊税の導入に向けた検討委員会の設立に向けまして、委員の検討や庁内関係課との調整を進めているところであります。
 
○14番(重黒木優平議員)  税の位置づけですね。法定外普通税や法定外目的税、その辺りについてお伺いをさせていただきます。宿泊税について、税の位置づけをどう考えているか。また、収入としてどの程度見込んでいるのかを伺います。
 
○千田勝一郎 副市長  税の位置づけは、あらかじめ税の使途を特定した上で課税する法定外目的税として、観光客の受入れのための施設の整備や、オーバーツーリズム対策等に充当することを検討しております。税収の見込みは、制度設計によって大きく変動するところでありますけれども、鎌倉市の調査では、令和5年の宿泊客数が約42万1000人でありまして、仮に多くの自治体が採用している定額200円を徴収すると試算しますと、約8400万円の税収となります。宿泊料金に応じて段階型に税額を設定している自治体も多く、事例研究をしながら、本市の実情を踏まえた制度設計を検討してまいります。
 
○14番(重黒木優平議員)  ちょっと別の観点から伺います。世界遺産登録に向けた取組、これは現在どうなっているのか。今後も世界遺産登録を目指すのかを伺います。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  世界遺産登録につきましては、武家の古都というコンセプトで登録を目指したところで、平成25年にICOMOSの不記載勧告を受けまして、推薦を取り下げて、令和元年に神奈川県、横浜市、鎌倉市、逗子市の4県市による推薦書の作成を休止したところでございます。現在は、世界遺産登録を中・長期的な目標といたしまして、登録の要件を満たすような新たなコンセプトの構築に向けまして、文化財、文化遺産の基礎的な調査研究に取り組んでいるところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  世界遺産登録を目指して達成された際には、観光客は間違いなく増えます。オーバーツーリズムが深刻な中、対策に財源が必要と新税の導入を検討している中で、世界遺産を目指すというところがどう落としどころをつけるのか疑問が残るところであります。
 私は昨年まで参議院議員の秘書をしておりまして、その際に事務所で調査をかけたことがあります。それはどういったものかといいますと、まず国立国会図書館で税と名前がつかないが、実質的には国民に経済的負担を強いている制度の件数です。例えば代表的なものとして、再生可能エネルギー発電促進賦課金、再エネ賦課金や子ども・子育て拠出金などがあります。39種類ありました。これまだ続きがありまして、その39種類という情報を踏まえて、内閣に対して質問主意書で確認したところ、何と70種類存在すると答弁がありました。
 再エネ賦課金は経産省、子ども・子育て拠出金は厚生労働省と、事実上の税金は財務省以外が所管しているケースも多く、国民からは見えづらい形で負担が増している現実があります。国民は、既に税や賦課金等の名目で多くの費用を負担しており、物価高に苦しんでいるわけです。新税の導入もめぐりめぐって、市民、国民の生活に影響を及ぼすおそれがあることから、安易に新たな税を導入するべきではないと考えております。その点いかがでしょうか。
 
○千田勝一郎 副市長  市民生活と調和した持続可能な観光振興を図るため、受益者である観光客に一定の負担を求めながら、観光施設整備等の安定した財源を確保する取組が重要であると考えておりまして、本市においても、宿泊税の導入に向けた取組を進めているところであります。宿泊税の導入は、既に多くの自治体に広まっており、税の徴収については、観光客からも一定の理解が得られるものと考えております。また様々な税の在り方については、検討委員会も含めて、しっかりと議論をして定めていきたいと考えております。
 
○14番(重黒木優平議員)  市民や国民負担を増やす形で財源を得るのではなくて、まずは行政の税金を取って肥大化するんではなくて、まず無駄遣いの削減ですね、こういったところを徹底すべきと考えております。オーバーツーリズムと宿泊税について、もうちょっと伺います。
 これからも世界遺産登録を目指すということで、世界遺産に登録されるとなると、今後さらに観光客が増えることが予想されます。一方では、観光客から宿泊税を取って、環境整備に充てる予算を確保する必要があるほど、オーバーツーリズムの課題が起きている現状となっています。一方は、世界遺産登録を目指す、これは観光客が増えます。一方は、オーバーツーリズム対策で財源が必要です。これお互いの主張ですね、整合性が私は取れないと思ってまして、これ言っていることが相反すると考えているんですけれども、この点、市長の見解はいかがでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  世界遺産登録は、観光客の誘致や観光振興だけが目的ではなく、先人たちが守り引き継がれてきた鎌倉の文化遺産を日本の宝、世界の宝として、未来へ確実に引き継ぐために取り組んでいくものだと考えています。特に鎌倉の取組は、こちらが非常に大きな重きを置いております。鎌倉が世界に誇る多くの歴史文化遺産の魅力を市民をはじめ、鎌倉に訪れる多くの観光客に伝えていくことが、将来にわたって鎌倉の価値をさらに高め続けることにつながると考えています。
 市民生活と調和した持続可能な観光振興を図っていくためにも、受益者である観光客に宿泊税などの負担を求めながら、観光に係る受入れ環境整備のための安定した財源確保にも努めてまいりたいと考えています。
 
○14番(重黒木優平議員)  宿泊税は一見すると、観光客から財源を得る仕組みのように見えますが、やはりめぐりめぐって、市民、国民に影響を及ぼす可能性が高いと考えております。本市においては、まず今、項目1から3でも確認させていただいたように、きちんと徴収していないところからまずは取る。先ほどの1番であれば、1180万円取っていない、徴収できていないというのも確認させていただきました。まずは、きちんと徴収していないところからしっかり取る。行政の肥大化をしないように、無駄遣いを徹底的に見直す。既存予算の優先順位を工夫することで、観光対策にも充てる。そういったところですね、そういったところを考えていただきながら、新たな税、新しい国民負担を導入することには、やはりなかなか賛同できない部分があります。市においては、安易に導入しますというのではなくて、一応考えていただきたいなということで、大項目1について終わらせていただきます。
 次、大項目2、情報発信と書かせていただきました。まず、(1)世界ドローン魚釣り大会について、お伺いさせていただきます。
 松尾市長が材木座海岸で開催された世界ドローン魚釣り大会に出席された件について、やはり多くの関心が寄せられています。まず私が確認したいのは、ドローンの飛行について、航空法やその他規制等に違反していなかったのかという点です。仮に法的に問題がないのであれば、謝罪をする必要はなかったと私は考えています。
 ところが、実際にはこの件に旧統一教会との関連が取り沙汰されたことから、市長が謝罪する事態となりました。私はこれは本来謝罪ではなくて、もう説明で十分であったと考えております。法的に問題がないにもかかわらず謝罪をすることについて、やはり私は非常に違和感がありました。この件が異常に注目を集めた背景には、やはりメディアやSNSでの過熱した取り上げられ方があると考えております。必要以上に市長を批判的に扱う報道に迎合するのではなく、市長としては、毅然とした態度で事実証明、説明でよかったと考えております。
 質問に移ります。ちょっと午前中と重なってしまう部分があるんですけれども、世界ドローン魚釣り大会には、どのような経緯で出席したのか伺います。
 
○松尾 崇 市長  同大会につきましては、秘書課の窓口にて韓国総合正論新聞社の東京特派員の方から案内状を頂いた後に、大会開催の目的や主催団体、これまでの開催履歴、他の出席者などについて調査をしました。その結果、韓国の省庁による後援や、駐横浜大韓民国総領事館副総領事の出席情報、日韓国交正常化60周年を記念した事業であることなどから、公式性、公的性を重視しまして、国際交流の一環として妥当と判断し、出席をしたものです。
 
○14番(重黒木優平議員)  ちょっと法的要件の確認をさせていただきたいんですけれども、ドローンを飛ばすためには、国土交通省、航空法や、材木座であれば海岸一時使用届など、様々な要件の確認が必要だと承知しております。また、サーファーの皆さんへの周知なども必要かと思います。許可や要件について、鎌倉市として確認は十分にされていたのか伺います。
 
○能條裕子 共生共創部長  案内を受けた後、神奈川県藤沢土木事務所に海岸でドローンを飛ばすことについて許認可が必要であるか確認したところ、不要である旨を確認いたしました。また、大会事務局に、ドローンを飛ばすための登録申請を国土交通省に行っているということを確認いたしました。
 
○14番(重黒木優平議員)  問題なかったということで確認させていただきました。SNSやメディアで市長の挨拶について大きく取り上げられていますが、市としての見解を伺います。
 
○松尾 崇 市長  大会に出席して挨拶をしたのは、韓国の政府機関に関わりがあることから、日韓両国の国際交流に寄与すると考えたためでありまして、当日の大会も特定の宗教を助長、支援するものではなかったため、問題はなかったと考えております。しかしながら、各メディア等にも取り上げられたことで、市民の皆様に不信感や不安を与えたことについて、私としては大変申し訳なく思っているところです。
 
○14番(重黒木優平議員)  これ旧統一教会が関連していて、謝罪をされたと認識しているんですけれども、これ事前に知っていたら参加しなかったのかどうかをお伺いします。
 
○松尾 崇 市長  事前に知っていたら、少なくとも公務での出席とはしていなかったと考えます。
 
○14番(重黒木優平議員)  市長はXで次のように投稿されております。
 「旧統一教会が関係するイベントへ出席したとの記事が掲載され、御懸念や御迷惑をおかけしておりまして誠に申し訳ございません。まず明確に申し上げますと、私は、旧統一教会とは過去、そして現在も全く関係は持っておりません。その上で、今回の事実経過を説明させていただきます。5月20日(火)、秘書課窓口に韓国総合正論新聞社の東京特派員が来訪し、日韓国交正常化60周年を記念したイベントとして、「2025世界ドローン魚釣り大会inJAPAN」の案内状を持参され、韓国の国土交通大臣や駐日大使なども出席予定だと、口頭での説明がありました。5月27日(火)、メールにて、パク・サンウ国土交通部長官、イ・ウォンシク駐横浜大韓民国副総領事の来賓出席が決まったと連絡ありました。韓国の公的な立場の方が出席されること。案内状に記載された内容やイベントに関して、秘書課で調べた限り、旧統一教会や宗教等との関係は見受けられなかったこと。韓国の国土交通省、海洋水産省、産業通商資源省が後援していること。日韓国交正常化60周年を記念していること。これらを踏まえ、5月31日(土)開会式のみ出席させていただきました。開会式の設えや来賓の挨拶の中にも、旧統一教会や宗教に関する発言などは一切ありませんでした。しかしながら、このイベントが旧統一教会との関係があるとの指摘をいただいております。今後は、参加する行事やイベントにつきまして、事前に主催者、趣旨、関係者等をより一層、慎重に確認し、社会的に不適切な活動や誤解を招く場合の関与を避けるよう徹底してまいります。改めまして、御不信感や御迷惑をおかけしておりますことに対し、心よりおわび申し上げます。」
 ここまでになります。
 先ほど要件について確認させていただいたんですけれども、法的にやはり問題がないのであれば、謝罪をする必要もなかったのではないかと私は考えております。旧統一教会との関連が取り沙汰されたことを理由に謝罪する、それこそが不適切ではないかなと。その件を伺います。
 
○松尾 崇 市長  法的に問題がないという、こういう認識でありますが、様々こうしてメディア等でも取り上げられたという、こういう一連の騒ぎになったというところであります。その中において、多数の御意見を私のところにもいただきました。市民の皆さんに、そうした点で不信感や不安を与えたということについて、私としてはおわびを申し上げたものでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  ありがとうございます。国際勝共連合というのは御存じでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  はい、知っております。
 
○14番(重黒木優平議員)  もちろん旧統一教会に関しては、非難されるべき点ですね、非常に多くあります。それは私も理解しております。一方で、統一教会と関連する団体の勝共連合、これは過去にスパイ防止法についてかなり尽力していただいた経緯があります。昨今、参政党さんや国民民主党さんもだったかな、スパイ防止法がかなり選挙戦でも話題になっておりましたが、この国際勝共連合が、やはりスパイ防止法を制定しようとしていた。だけど、それが邪魔な勢力があった。この政治的争いもちょっと関連していたのかなというのが、やはり、この一連のSNS、メディアのたたき方が、ちょっと異常だと思いますので、ちょっと政治的な動きが関わっているのかなと思うところがあります。謝罪ではなくて、説明で十分であったのではないかと私は思っておりますので、やはり市長としては、毅然とした態度でしっかり対応していただきたかったなというところを、申し上げさせていただきます。
 同じくSNSの発信について、このままお伺いをさせていただきます。津波警報についてでございます。7月30日のカムチャツカ半島地震に伴う津波警報発表の際、本市の臨機応変な対応については、非常に感謝の声が多く届いたと承知しております。一方で、様々な課題がありました。本定例会でも同僚議員が様々取り上げており、この後も通告にありますので、私のほうからは1点だけ、SNS、これでの情報発信について伺います。
 当日、市長が自身のSNSアカウントを頻繁に更新していたことは、これはやはり市民にいち早く情報を届けたいという思いからの行動であったと理解をしております。しかしながら、有事の際には、市長自身が発信できない状況も十分に考えられます。危機対応は、市の公式な発信体制にこそ置かれるべきであって、市民や観光客にとって確実かつ信頼性の高い情報を届けるためには、個人の発信ではなくて公式アカウント、これをしっかりと動かしていく仕組みが必要だと思います。
 質問になります。7月30日津波警報が発表された際ですね、市長はやはり自身のSNSアカウントを頻繁に更新していましたが、その更新は市長本人が行っていたのか。それとも秘書課の方なり、どなたかが代理で行っていたのかを伺います。
 
○松尾 崇 市長  津波警報が発表された際に、SNSで発信したものは全て私自身が発信したものであります。
 
○14番(重黒木優平議員)  空いている時間で行っていることを以前確認させていただきました。今回は、そういった時間も取れていたのでよかったとは思うんですけれども、もっと大規模な災害があった場合に、災害対応に集中し、発信できない可能性もあります。市長個人のアカウントなどで御自身の判断、市長個人のアカウントで発信すること自体はいいんですけれども、例えばXで、やはり市長にブロックされている方もいらっしゃるんですね。それは市長の判断なので尊重しますけれども、やはり公式のアカウントより市長の発信が多い、でも見れない市民の方がいる。そうなると、やはり問題が変わってきてしまいますので、公式のアカウントをしっかり整えておく必要があると考えております。
 市の公式の防災情報発信について確認をさせていただきます。前述のとおり、災害時における情報発信は市の公式アカウントから行うべきと考えます。防災行政用無線やメール配信など、市としての防災情報発信はどのように行っているのかを確認させてください。
 
○千田勝一郎 副市長  本市では、防災行政用無線による情報発信を柱として、その補完対策として防災安全情報メールや市公式LINEの配信、消防テレホンサービス、防災ラジオの放送などを行っております。このうち、防災行政用無線放送は、津波警報や緊急地震速報、弾道ミサイル情報、気象等の特別警報などは、Jアラートによる自動放送が行われております。また、防災安全情報メールでは、Jアラートの情報以外にも、気象庁が発表する注意報、警報や震度情報などについて、気象庁からの情報を自動配信しており、それ以外の情報は職員の手動で配信しており、メール配信の内容は市公式LINEと連動し、同じ内容を自動配信しております。その他関係職員により、市ホームページへの掲載、テレホンサービスなどの各種情報提供を行っております。
 
○14番(重黒木優平議員)  神奈川県警察が発信している「ピーガルくん安全メール」によって、緊急性の高い情報、これを受け取った場合、その後、市はどういった対応を行っているのか伺います。
 
○千田勝一郎 副市長  市が「ピーガルくん安全メール」により、緊急性の高い事件情報や不審者に関する情報を受け取った場合には、その内容について、市のホームページをはじめ、メール、LINE、Xなどを活用し、登録者へ情報発信を行っております。さらに、夜間や休日に緊急性の高い情報を受け取った場合は、職員が臨時出勤するなどして、情報発信に努めているところであります。
 
○14番(重黒木優平議員)  緊急性の高い事件等に関しての情報ですね、こういった情報に関しては、すぐに流してほしいという趣旨で、私が提出した文書質問があります。その答弁を受けて、6月定例会でも一般質問でさらに伺わせていただきました。その際に、神奈川県警察が構築する情報発信システムに、加入の申込みを行ったと答弁がありましたが、その後の進捗について伺います。
 
○千田勝一郎 副市長  神奈川県警察では、多くの県民に情報を提供するために、県警の情報発信に協力する個人及び構成する新たな組織「SAFETYBOOSTERS」を新設し、Xによる情報発信の拡充に取り組んでいるところであります。市は、令和7年6月にこの組織へ加入申込みを行ったところでありまして、神奈川県警察からの依頼に基づき、これまで4回、7月、8月にそれぞれ2回ずつリポストを行ってきたところであります。
 
○14番(重黒木優平議員)  リポストは自動でということの理解でよろしいでしょうか。自動リポストをされているということでよろしいでしょうか。
 
○千田勝一郎 副市長  リポストは手動になります。
 
○14番(重黒木優平議員)  次に、空き家対策についてお伺いをさせていただきます。大項目3番になります。
 市内でも空き家が目立つのは、皆さん御承知のとおりかなと思います。老朽化した建物が倒壊の危険を抱えていたり、火災の後、放置されたままになっていたり、景観や衛生の面でも大きな問題となっています。市民の皆様からも危ない、何とかしてほしいという声が寄せられます。こうした危険な空き家については、やはり早期に特定空家として認定して、除去していく必要があると考えます。安全・安心な暮らしを守るために、市として毅然な対応が求められるところです。
 一方で、空き家は単にマイナスの存在ではなくて、うまく活用できれば地域の資源にもなり得ます。古民家は、空き家を地域のコミュニティーの場や文化の発信拠点にしたり、子育てや高齢者支援の場に生かしたりすることも可能です。観光都市である鎌倉だからこそ、利活用の道を開くことができると思います。まずは危険な空き家をきちんと除去する、その上で将来を見据えた利活用策を考えていく。これが大切だと考えております。
 まず、現状と実態調査についてお伺いします。市内の空き家はどのくらいあるのか。平成27年度の実態調査からかなり時間がたっていると思いますけれども、今後、新たな調査を実施する予定はあるのか伺います。
 
○森 明彦 都市整備部長  鎌倉市内の空き家の件数でございますが、市が現在把握している空き家の件数は、令和7年8月末時点で約1,500件でございます。この件数は、平成27年度に実施いたしました空き家等実態調査で把握しました1,108件に、その後、市民の皆様などから情報提供されました空き家件数を加え、また解体等で解決いたしました件数を除いた数字でございます。なお、現在、鎌倉市空き家等対策計画の見直しを行っており、その中で令和7年度中に実態調査を実施していく予定です。
 
○14番(重黒木優平議員)  現在、鎌倉市にどのような内容の空き家相談が寄せられているのかを確認させてください。
 
○森 明彦 都市整備部長  現在、市に寄せられる空き家に関する相談の多くは、樹木の繁茂による隣地や道路への越境に関するものが最も大きいものです。続いて、家屋や塀等の損傷による二次被害への不安に関する相談がございます。そのほかには、空き家の所有者や所有者の家族から、空き家の今後の対応方策などについての相談も受けているところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  現在、市が行っている空き家対策の対応状況について伺います。
 
○森 明彦 都市整備部長  現在の空き家対策といたしましては、市民の皆様などから空き家について相談があった際、現地調査を行い、適切に管理されていない空き家であると判断できた場合、所有者調査を行い、所有者等に対し適切な管理を依頼しております。また、弁護士会や宅建業協会など、専門団体7団体と、空き家等対策に関する協定を締結し、空き家問題に対する相談体制を構築しております。その相談先を記載した啓発用リーフレットを、毎年4月に送付する固定資産税の納税通知に同封し、空き家の発生予防に関する情報提供などを行っております。
 
○14番(重黒木優平議員)  令和6年4月ですね、昨年、不動産登記法改正によって相続登記が義務化されたと承知しておりますが、これが鎌倉市の空き家対策にどのような影響があったか、もしくはなかったのかを伺います。
 
○森 明彦 都市整備部長  現時点におきましては、法改正による空き家の相談件数が減る状況は把握できておりません。しかしながら、不動産相続におきまして、登記の義務化は適切に管理されていない空き家を減少させる方策として、重要であると考えております。引き続き、相続登記の義務化につきましては、市でも周知啓発を行ってまいります。
 
○14番(重黒木優平議員)  火災後の空き家対応についても確認させていただきます。建物が火災で空き家になった場合など、特に危険性のある空き家を除去するための仕組み、今の対応について伺います。
 
○森 明彦 都市整備部長  火災後の敷地、建物の状況にもよりますが、使用されてないことが常態化している場合には、空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空家特措法に定める空き家等に該当いたします。市がこのような空き家を把握した場合には、現地調査と所有者調査を行い、所有者等に適切な管理を依頼します。その後、改善が見られず、かつ、そのまま放置されれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態等であった場合は、鎌倉市特定空家等に対する措置に関する対応指針に基づき、立入調査などを行い、特定空家等と認定された場合は、助言、指導、勧告、命令を行い、代執行を行うこととなります。
 
○14番(重黒木優平議員)  利活用について、ちょっと1点提案というかお話なんですけれども、埼玉県の深谷市でマイナス入札制度というものが導入されています。これはあくまで公共施設がメインの話ではあるんですけれども、土地と建物があって、土地の評価額を建物の解体費用が上回ってしまう、超えてしまう場合には、その超えた部分だけ市が負担するというような制度です。そうすることで処分したいけど、解体費用がかかるから処分できないような方に、ちゅうちょしている方に対して、後押しになる、スムーズになるというところがあります。これ鎌倉市でも、空き家を地域資源として利活用する観点から、これをこのまま使うというより、こういったものを参考にしながら取り組んでいってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
 
○森 明彦 都市整備部長  今、御紹介がありました、深谷市のマイナス入札制度でございますが、本市の空き家を含む不動産におきましては、土地価格が建物の解体費用等を下回るケースは想定しにくい状態です。民間の不動産売買におきましても、建物の解体を条件とした土地の売買契約もあり、解体費が大きな課題であるとは捉えておりません。
 本市における空き家の発生要因は、売却ができないというよりも相続の問題などと捉えております。令和7年度に空き家所有者に対してアンケート調査を行うこととしているため、このアンケート調査により、所有者の皆様が抱える問題解決への課題を洗い出し、今後の空き家施策の検討を行ってまいります。
 
○14番(重黒木優平議員)  鎌倉市ならではなのかなと思います。空き家は、やはり市民の安心・安全を脅かす存在で、やはり御近所トラブルの元でもあります。まずは危険な空き家をしっかりと特定し、除去を徹底することが最優先、その上で利活用可能な空き家については、鎌倉市ならではの文化、地域特性を生かして、地域資源として活用する展望が必要と考えます。市におかれましても、除去と利活用の両面から、持続可能で魅力あるまちづくりに向けた取組を一層強く求めて、次の質問に移りたいと思います。
 大項目4番、共同親権についてお伺いさせていただきます。
 共同親権制度の導入、そして一方の親による連れ去り、いわゆる実子誘拐の問題について伺います。
 実子誘拐とは、離婚協議中や離婚の話合いの最中に、一方の親が突然子供を連れ去り、相手方との連絡を絶つ行為を指し、重大な犯罪行為です。昨年3月、卓球の福原愛氏が台湾籍の旦那様から同意もなく無断で子供たちを連れ去り、海外メディアから誘拐、拉致と報道されまして、世間で大変物議を醸した事件として記憶に新しいかと思われます。福原愛氏の事件は、夫婦間の婚姻前契約で離婚後も共同親権を確立していたため、実子を返したことで事なきを得たと言われておりますが、実際あのまま子供を返さなければ、実子誘拐、拉致をしたとして、諸外国では軽犯罪ではなくて重罪に当たります。一国では3年から7年の懲役でございますが、実際に判決で25年以上判決が出た事例も確認されております。
 なぜ、このような例を取り上げたかと申しますと、私の下にも、子供を突然連れ去られ会うこともできなくなったと、当事者の方から御相談がありました。当然、市内の方であります。日本においても、一方の親による連れ去り行為は、未成年者略取・誘拐罪、刑法224条に該当する可能性があることが、令和元年11月27日の衆議院法務委員会、令和3年4月13日及び令和5年12月19日の参議院法務委員会における、法務大臣の答弁によって確認をされています。さらに児童の権利に関する条約第9条では、原則として、子供がその父母の意思に反して不当に引き離されることがないよう、各国に対し分離を最小限にとどめること、国際的にも子供の権利を守ることが強く求められています。
 こうした一方の親による連れ去りは、子供に突然の転校や転園を強いることになり、友人関係やもう一方の親との関係を失わせます。その結果、不登校や非行に至るリスクが高いこと、これは内閣府のデータからも明らかになっております。それにもかかわらず、日本では先に連れ去った状態を固定化することが、子供の最善の利益とされ、不平等な扱いが日常化している現状があります。
 実子誘拐に限らず、離婚後の面会交流が実施されているのは3割程度にとどまっており、両親による子供の養育や監護が十分に機能していない実態が浮き彫りになっています。加えて、学校行事に参加したが別居親であることを理由に差別を受けたという市民の声も寄せられており、教育現場における別居親差別は間違いなく存在しています。
 また、住民票の住所変更についても、片側の都合だけで強行され、相手方からの住所秘匿を目的に支援措置制度が悪用される事例が国会でも問題視されています。支援措置制度は、本来DV被害者を保護するための制度ですが、適用が一方当事者の言い分のみで決まったり、とりわけ男性からのDV相談や別居親の意見がどう扱われているのか、ここも論点と思います。2026年に共同親権制度が施行されれば、こうした親権や子供の養育に関わる現場での混乱や不公平感が、さらに顕在化することが予想されます。鎌倉市としても、国や県の説明待ちにとどまるのではなくて、市民生活に直結する課題として、主体的に検討を進めるべきと考えております。
 以上を踏まえて質問をさせていただきます。市の準備と対応についてお伺いします。
 閉会中、共同親権制度の法改正に伴う市の対応と子の権利保護に関する文書質問を提出し、8月21日付で答弁をいただきました。質問の1と2、そして該当の部分の答弁のみ抜粋をさせていただきます。
 (1)2024年5月に成立した民法等の一部改正により、離婚後も父母の双方が共同で親権を持つことが可能となる制度が導入されました。この制度の施行に向け、鎌倉市としてどのような実務的影響を見込んでおり、どのような準備・対応を進めているのか伺います。(2)共同親権の導入に伴い、児童の保育・教育・医療・転居などに関する行政手続において、両親の意思確認や同意取得が必要となる場面が想定されます。これらの手続の整備状況及び今後の庁内マニュアルの整備予定について伺います。と伺わせていただきました。
 答弁としては、現在、離婚後の親権者は、父母の一方のみと定められていますが、2024年5月に公布され、公布から2年を超えない範囲での施行が定められている民法等改正において、法施行後は、離婚後の親権者を父母の共同親権として定めることも、一方の単独親権として定めることもできることとなりました。共同親権となった場合、障害者福祉手当受給資格者の変更手続や独り親支援等行政手続の一部において、事務的影響が懸念されますが、現時点では施行に関して国や県からの特段の説明が行われていないことから、市においても準備や対応は行っておらず、今後、法施行に伴う国や県の説明等を確認しながら、市民生活において混乱が生じないよう対応していきます。といただいております。
 そこで伺います。親権トラブルの当事者においては重大な関心事であって、何より子供にとっては一日、一日はもうかけがえのない時間であります。市において主体的に準備や対応を進めるべきと考えますが、その点いかがでしょうか。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  共同親権制度は、子供の最善の利益を確保することを目的とする一方、運用においては父母間のトラブルを招かぬよう、極めて慎重な対応が求められると認識しております。国や県からの明確な説明や運用指針を待って対応することが、結果として市民の混乱を防ぐ上で重要であると考えているところでございます。
 しかしながら、議員御指摘のとおり、この制度が当事者にとって重大な関心事であることは理解しており、本市としましては、国や県からの情報提供を待つ中で、制度施行後に安心して利用できるよう、関係部署間で必要な情報共有を進めてまいります。また、制度の施行後、市民から相談があった際には、専門機関への適切な案内ができるよう、相談機関の役割につきましても検討を進めてまいります。
 
○14番(重黒木優平議員)  市に共同親権制度や実子誘拐に関する問合せや相談は寄せられているのか。寄せられているとすれば、どのような内容かを伺います。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  共同親権制度につきましては、市民に周知するため、市のホームページに掲載してほしいとの相談が、令和7年8月31日時点で2件寄せられております。この相談を受けまして、市では、独り親支援及び離婚に係る市のホームページに、共同親権制度に関する法務省の「民法等の一部を改正する法律、父母の離婚後等の子の養育に関する見直し」につきまして、サイト情報を掲載し、対応を図ったところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  当市が受ける女性からのDV相談について、相談者だけでなくて、相手方の意見をどのように確認しているか伺います。
 
○能條裕子 共生共創部長  女性相談窓口に寄せられるDV相談につきましては、相談があった事実につきましても秘匿としているため、相手方からの意見の確認は行っておりません。
 
○14番(重黒木優平議員)  数は少ないかもしれないんですけれども、男性から仮にDV相談が寄せられた場合、市としてどのように対応しているのか。男女同じ基準で扱うべきとの意見もありますが、その点を伺います。
 
○能條裕子 共生共創部長  男性からのDV相談につきましては、くらしと福祉の相談窓口で内容をお伺いし、必要に応じて神奈川県が実施している男性のためのDV相談窓口を御案内しているところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  支援措置制度についてお伺いをさせていただきます。この住民票の住所変更が一方の親の都合だけで行われて、支援措置制度の悪用につながっている事例が、これは国会でも取り上げられています。鎌倉市での支援措置制度の利用件数を伺います。
 
○千田勝一郎 副市長  令和7年9月1日現時点におきまして、本市で支援措置を利用している件数は、101件であります。
 
○14番(重黒木優平議員)  子供の住民票の住所を変更する際に、片方だけではなくて両親権者の確認を行うプロセスを導入することについて、見解を伺います。
 
○千田勝一郎 副市長  共同親権における住所の変更についての事務処理につきましては、現時点で総務省から通知等は示されておりませんが、民法等改正法が施行された際には、通知等の事務処理に基づき、適正に手続の処理を行ってまいります。
 
○14番(重黒木優平議員)  転園と転校の手続についてお伺いをさせていただきます。両親権者の合意がなく、転園が行われた事案があるのか伺います。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  配偶者からの暴力などを理由としまして、他市へ転居し、転居先で新たな保育所に入園した事案は承知しているところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  幼稚園、保育園等を移る際に、両親の了承を得る必要があると考えているのか、市の見解をお伺いします。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  本市にございます幼稚園は全て私立の幼稚園でありまして、それぞれの施設で手続を行うため、詳細な手続については承知をしていないところでございます。保育所等につきましては、公立私立を問わず市での手続が必要となり、退所や転園に当たっては、通っている保育所等を通して退所届を提出いただいております。この場合、両親双方の署名までは求めていないところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  そのような事案がある場合、法的な問題やトラブルがやはり起きやすいので、どのような工夫を鎌倉市として取り組んでいるのか伺います。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  配偶者からの暴力が理由である場合、公的機関への相談記録や弁護士への相談記録の確認などを行っているところでございます。また保育所や保育課では、日頃から保護者との円滑な関係を築くことで、子供や家庭の状況把握に努めており、転園や退園の理由などを保護者に聞き取る中で、不審な点がある場合には、児童相談所などの関係機関と連携して、情報の共有を行っているところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  次に、面会交流と学校行事における差別に関してお伺いをさせていただきます。離婚後の家庭における面会交流の実施率は、3割程度にとどまっております。学校行事の案内は、親権者のみに案内されるのか。また、親権者ではない父や母がこの学校行事に参加するに当たり、参加を制限するような規定があるのかを伺います。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  本市の学校行事の案内についての御質問でございますが、基本的に日常生活を共にする保護者、親権者にお知らせをしているところでございます。議員御指摘の参加を制限するような規定というのは存在しませんが、学校行事への家族等の参加の人数等につきましては、学校施設の管理者で学校長が決定するものでございまして、イベントの対応等を勘案しながら、各家庭1名のみの参加にするなど、参加を制限する場合がございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  親権の有無にかかわらず、別居親の学校行事の参加について、本市の意向、考え方についてお伺いをします。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  別居等をしている場合というのは、あくまでもどちらかといいますと、子供の安全と利益等を考えながら対応しているところでございまして、その事象の個々の対応によって考えているところでございます。
 
○14番(重黒木優平議員)  様々確認をさせていただきました。
 共同親権制度の施行は、親子関係や教育現場、市の事務手続に大きな影響を与えることが確実です。鎌倉市が国からの説明待ちの姿勢でいることも、やはり気になっているところではあります。実子誘拐や一方の親による連れ去りを防ぐこと、DV相談を公平に扱うこと、各種変更や手続を適正に行うこと、そして教育現場において別居親差別をなくすことは、いずれも子供の利益を守るためにも検討が必要だと思います。本市としては制度改正を見据え、市民からの相談体制を整え、教育や行政の現場で不公平や差別が生じないように備えるべきと考えます。国に先んじて市民に寄り添う姿勢を明確に示すことを求めて、次の質問に移らせていただきます。
 最後の項目、5項目になります。一般質問、文書質問で様々質問させていただいておりますが、その進捗についてお伺いさせていただきます。
 まず個人情報保護、この取扱いについてお伺いします。
 6月定例会の一般質問で、第三者請求における住民票の取扱いについて、NHKからの住民票または除票の写しの請求についてを取り上げさせていただきました。NHKから鎌倉市に申請があった際には、契約書の提出がなくても令和4年度で370件、令和5年度で394件、令和6年度で350件交付をしていると確認ができました。私は個人情報になりますので、交付はやめてほしいとお伝えをさせていただきましたが、その後、NHKからの第三者請求はあるのか。そして交付を行っているのか。6月定例会以降の交付件数が分かればお伺いします。
 
○千田勝一郎 副市長  6月定例会以降、NHKからの住民基本台帳法第12条の3の規定に基づく、第三者請求はございます。月別の交付件数は、定例会以降ということでありますので、令和7年6月は14件、7月が23件、8月は9件であります。
 
○14番(重黒木優平議員)  前回も申し上げましたが、今、答弁にもありましたけれども、根拠法令は住民基本台帳法第12条の3です。これは自治事務であって、強行規定ではないです。交付することができる。これはできる規定なので、これはもう市の判断で個人情報を渡すか、渡さないか判断ができることとなっております。安易に個人情報を渡さないようにお願い申し上げたいと思います。
 次に、最後の質問になります。6月定例会で新型コロナワクチンの健康被害救済制度、予診票の保管期間についてお伺いをさせていただきました。保管期間の延長については、国の動向を見ながら検討していくということでしたが、令和2年度接種分については、現行のままだともう5年たってしまいますので、5年間の保管期間が今年度末で終了することになります。この件、もう本当に時間がないんですけれども、その後の検討状況についてはいかがでしょうか。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  令和7年7月の厚生科学審議会、予防接種ワクチン分科会予防接種基本方針部会におきまして、定期予防接種の接種記録の保存期間を現行の5年間から、「被接種者が亡くなった日から5年が経過する日までの間」に見直す案が示されているところでございます。また予防接種の接種記録とは別に、予診票の保管期間につきましても、現在明確な方針は示されておりませんが、国で検討していると承知しております。健康被害の対応にも鑑みまして、新型コロナワクチン予防接種予診票の保管期間の延長につきましては、引き続き国の動向を注視しながら検討してまいりますが、令和2年度分の予診票につきまして、国の判断を待たずに自動的に廃棄することは考えてはおりません。
 
○14番(重黒木優平議員)  なくなってしまって、後でちょっとトラブルになっては困りますので、その明確な方針を待つということですが、捨てないように廃棄をしないように、廃棄してトラブルになってからではちょっと対応ができませんので、その点申し上げさせていただきます。
 以上で、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                    (14時50分  休憩)
                    (15時05分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 重黒木優平議員の一般質問において、発言のあった文言の一部を会議規則第71条の規定に基づき、議長職権により調製させていただきます。
 一般質問を続行いたします。次に、岡崎修也議員の発言を許可いたします。
 
○3番(岡崎修也議員)  ただいまより一般質問を行います。鎌倉前進の会の岡崎修也です。どうぞよろしくお願いします。
 本日の質問ですが、それぞれ4つの質問の趣旨は以下のとおりです。
 1つ目の質問、鎌倉市のスポーツと健康づくりについては、鎌倉市の目指すスポーツの在り方、そして健康づくりについて伺います。
 そして2つ目、鎌倉市の観光課題とスポーツツーリズムの可能性については、現状とその課題、そしてその手前にある鎌倉市の目指している観光とはそもそも何か。そして今後、鎌倉の観光をリードする具体策としてスポーツツーリズム、その可能性があると考えておりますので、その点について伺います。
 そして3つ目、深沢・村岡のまちづくりについて、こちらは現在の深沢・村岡のまちづくりの工事の進捗状況と今後いかに市民を巻き込んでいくかという点について、伺っていきます。
 そして4つ目、災害時に備えた広報体制の強化と民間連携について、先日の津波警報に際して感じた課題感について、その対策を伺っていきたいと思っております。よろしくお願いします。
 項目の1つ目になります。鎌倉市の健康づくりについて伺います。
 ちょうど6月定例会後ですね、直後に、国のスポーツ施策の根幹に当たりますスポーツ基本法が、初となる大幅な改正がなされました。改正のポイントは一つ大きいところといいますと、スポーツの価値の再定義だと捉えております。従来のスポーツを「する」「見る」「支える」というものに、さらにここに加えて「集まる」「つながる」という価値がスポーツにおいてあると明文化をされたものだとあります。こうした国の動きも踏まえて伺ってまいりたいと思っております。
 1つ目の質問です。鎌倉市のスポーツ振興基本計画の現在の改定状況について伺います。
 6月定例会において、鎌倉においては単にスポーツを競技としてだけでなく、健康寿命の延伸や未病対策、医療、福祉、教育、地域コミュニティーの醸成、そして防災など、社会全体に対して多様な価値をもたらすものとして位置づけていく必要性があると訴えました。本年10年ぶりの改定となります鎌倉市スポーツ振興基本計画の改定状況を伺います。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  改定状況についてです。令和7年8月に、令和7年度第1回の鎌倉市スポーツ推進審議会を開催し、本計画の審議を行ったところでございます。今後につきましては、8月に行われた審議会での意見等を踏まえ、次回9月開催予定の審議会で素案を確定する予定でございます。素案の確定後は、引き続き審議会での審議及びパブリックコメントを実施した上で、令和7年12月を目途に改定を行う予定でございます。
 
○3番(岡崎修也議員)  この3か月ということですが、考え方を定めていくという上で非常に重要なタイミングですので、改めて確認をさせていただいた次第です。先ほど触れたスポーツ基本法の改定では、全てにおいては大きく5つのポイントがあったと思っております。
 1つは、スポーツを「する」「見る」「支える」に加えて、スポーツ、「集まる」「つながる」というスポーツの価値の再定義。そのほかにもハラスメントの禁止ですね。ネットでの中傷の禁止などを含む、アスリートやスポーツの参加者の権利の保護というものも明記をされました。そして熱中症、そして降雪などによるスポーツ事故への留意を含む気候変動への対応、そして4つ目、これも重要な部分だと思います。スポーツ施設整備と都市計画などの連携を努力義務と定める、スポーツとまちづくりの一体化です。そして5つ目が、ドーピング対策の強化です。
 このように改定をされたスポーツ基本法の改定ですが、果たしてこれをどうやって実現していくのかというところは、ここにおいては地方自治体の役割として非常に大きな部分だと思っております。こうした国の方向性も踏まえて、むしろ鎌倉が先進事例を生み出せるような取組になる、そういった基本計画の方向性を持っていただけたらなと思っております。
 2つ目の質問になります。スポーツの価値の一つに、心身の健康づくりが得られるということかで明確に示されております。鎌倉市においては、国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業、こちらの市の負担、つまり繰出金として、令和7年度予算で60億円ほどあると認識をしております。非常に大きな金額だと捉えております。対象者が例えば10%でも今よりも健康になれば、6億円ですし、そういうふうに、さらなるそういったところの健康づくりにおいて、そこで生み出された予算をさらに、特に重症者、重病者の方の手厚いサポートに充てていくとか、さらなる健康施策に投資をしていくということができるようになってくるかなと思っております。
 そういった意味で、スポーツや運動そのものではなくて、スポーツをその価値をいかにまちづくり、重要な観点に生かしていくかについて、伺っていきたいと思っております。
 鎌倉市の健康づくりの施策、こちらはどのように進めておりますでしょうか。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  平成28年度に健康づくりの指針、行動方針となります鎌倉市健康づくり計画を策定し各種取組を進めてきたところでございますが、令和7年度で期間が満了することから、現在、食育推進計画と一体化しました「(仮称)かまくら食と健康プラン」の策定を進めているところでございます。新たな計画では、健康管理・健診、食、身体活動・運動、こころ・休養、お酒・たばこ、歯・口腔、コミュニケーションの7分野について、乳幼児期から高齢期までライフステージごとに取組を推進していくこととしております。
 
○3番(岡崎修也議員)  続いて、鎌倉の市民の皆さんというのは、運動によって健康になっているのかという観点で、健康づくりの施策の分野の一つである身体活動・運動において、鎌倉市の現状の取組、そしてその成果をお伺いいたします。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  現計画の評価及び現状把握のために実施しました健康づくり及び食育についての意識調査におけます、身体活動・運動に関する設問からは、生活環境の変化により、体を動かす機会が減った分、意識的に運動する人が増えている状況が見られております。身体活動や運動は、循環器疾患、2型糖尿病、がん、鬱病、認知症等の様々な疾患の発症リスクを低減させるとされており、本市においても推進するために各種事業を行っているところです。
 例えば、国保特定健診の結果から、生活習慣改善が必要となり、プログラムに参加した人の約60%が6か月後には運動する習慣を持つようになりました。また、高齢者の介護予防教室では、参加者の約85%、64歳以下を対象としたオンライン運動プログラムでは、参加者の約80%が終了後も運動継続する意向を示しており、運動への意識づけの機会が提供できているものと考えております。
 
○3番(岡崎修也議員)  取組に対して、一定の効果がしっかりと得られているということで確認をいたしました。ちなみになのですが、鎌倉市のほうでそういったプログラム、様々な実施をされていたり、検診も含めて、こういったものを定員に対して、または対象者に対しての利用率について、そしてそれをどうやって高めていくかについてお伺いいたします。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  令和5年度の特定保健指導の積極的支援の対象者に対する利用率は、約25%となっております。利用率を上げるために、医師から直接対面で利用勧奨をしてもらっているほか、市の保健師からも電話で利用勧奨を行っております。また参加率ですが、開催時期、会場などにより異なるんですが、令和6年度の高齢者の介護予防教室は定員の約60%から75%程度、またオンラインの運動プログラムは定員の約55%の参加率となっております。
 また、より多くの人に参加してもらうため、高齢者向けであれば、通常の周知に加えまして民生委員や地域包括支援センターに利用勧奨を依頼する。また行きやすい会場を確保するなどしているところでございます。また働く世帯向けのオンライン運動プログラムに関しましては、SNSの活用やスーパーへのチラシ配架などをしておりますが、参加率はまだ十分ではないと考えております。今後も参加者を増やすため、実施方法や周知方法の工夫に努めてまいります。
 
○3番(岡崎修也議員)  確認をいたしました。プログラムの参加者の運動意識の高まりといった、そうした行動変容といったところにとどまらず、実際のバイタルデータとしてどのように改善をされたのか。そして、医療費がどれぐらい削減できたのかといった効果検証まで、しっかりと追っていくことができれば理想だなと思っております。
 とはいえ、健康施策に対して明確な因果関係、こういったことをしたからこれだけ健康になったというのを、実際の効果検証するというのは、かなり研究レベルとしても難易度の高いものだとは捉えておりますし、企業も多くの予算を投じて、こういったところを証明をして、宣伝PRにつなげたりというところで、ここの難易度が容易ではないというところは把握をしているんですけれども、鎌倉市においてはヘルスケアの分野において、研究機関、大学、総合病院といった鎌倉市の周りには、こういったプレーヤーはそろっていると思いますので、いかに地域の健康をつくるかという点においては、こういったところを積極的な投資、そして地域の巻き込みを行っていただきたいと考えております。
 続いての質問になります。先ほど健康促進、あるいはプログラムなどについて伺ってまいりましたが、やはりスポットの施策というのは、やっぱり効果も一時的なものだと思います。例えば個人の方がやっぱりダイエットを頑張ろうと思っても、ダイエットの期間が終わるとリバウンドしてしまうというのがよくあると思うんですけれども、これが例えば健康習慣を身につけよう、例えば筋トレ、運動の習慣をこれは習慣化して日常のものになっていくと、これにその健康の状態というのはずっとキープをされるという。これに似たような話で、市としても健康づくりにおいては一過性の施策やプログラムだけではなくて、健康運動習慣が身につく環境の整備、こちらが大切だと考えております。
 公共施設再編計画の下、鎌倉市スポーツ施設個別計画などの整理を通じて、現状のスポーツ運動環境の計画の洗い出し、計画やその課題の洗い出しを今進めていただいているところだと認識をしております。しかしグラウンド、体育館の整備というのは非常に容易ではないというところで、期間も少なくとも数年先になっていく。しかし、今現状も市民の皆さんは、より健康になる可能性が秘められている。まだまだその余地があるというふうな中で、このハード面の部分を補う施策として、直近の取組をお伺いいたします。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  ハード面を補う施策についての御質問です。現状の取組としまして市民がスポーツする場を確保するため、市内に運動施設を所有する企業や私立の学校等々のグラウンドや体育館の借用について、協議を進めているところでございます。また、市民が身近な場所でスポーツをする場として、市の体育館や学校施設の開放などがございますが、各施設管理者と連携しまして、施設の維持管理に努めつつ、各施設の稼働率が最大限上がるよう、予約方法の見直しなどを含めて改善策を検討したいと思っております。
 
○3番(岡崎修也議員)  今ある場所をしっかりとフルに、そして先ほど予約方法といった言葉もありましたが、しっかりフェアに皆さんが使える状態、仕組みづくりを進めていただきたいと思っております。
 この項目の最後の質問になります。こちら市長に伺います。
 市長は最近随所でまちづくりのキーワードとして、スポーツというものを上げられていると思います。市長の目指すスポーツの価値を生かしたまちづくりといったものが、どんなものなのかお伺いいたします。そしてそれをどのように進めていくおつもりでしょうか。他市では多面的なスポーツの価値を生かしていくべく、部局をまたいだ横断的な体制づくり、スポーツのまちづくりに関わる条例の整備、さらにはスポーツを軸に、官民で足並みをそろえるための協議体の発足など、あらゆる取組をしております。まずは旗を立てていくという意味で、スポーツを通じたまちづくりを進めていくこと。そしてその方向性を示していただく場をつくるなどしていただけないでしょうかというところで、お伺いいたします。
 
○松尾 崇 市長  スポーツを通じて、心も体も健康になる町をつくっていきたいと、こういうふうにも随所で言わせていただいてます。そこで言っているスポーツですけれども、どうしてもスポーツというと競技スポーツばかりイメージしがちですけれども、私が言っているスポーツは、よりやっぱり広い定義でもって、これまでちょっと私は文化系だからスポーツは苦手と思っていらっしゃる方も含めた、共生社会を目指したスポーツと考えて捉えていきたいなと思っています。
 スポーツには個人の健康増進やストレス解消のほか、人格形成など人を育てる力や、子供からお年寄りまで、また地域における交流など、心と体を育てて人と人をつなぐ力があるとも思います。スポーツが持つ多面的な価値をまちづくりに生かしていきたいと考えておりまして、先ほどスポーツ基本法改正の話にも触れられておりましたが、スポーツの3要素である、するためのハード整備のみならず、見る、支える、集まる、つながるという、こうしたものの環境を整えていくということも重要であると考えています。今年度改定する鎌倉市スポーツ振興基本計画や、今後策定する将来的な施設整備の基本方針を通じまして、スポーツの価値を生かした施策を強く進めてまいりたいと考えています。
 
○3番(岡崎修也議員)  ぜひ力強く進めていっていただきたいと思っております。
 昨日、会見での御発言についても言及があったかと思います。私は会見のほうはちょっと拝見しておらず、記事のほうを読ませていただいたんですけれども、プロスポーツチームの試合の誘致となっておりまして、これ、チームを誘致するのと、試合を誘致するのでは大きな違いだと思っております。しかしながら、恐らく危惧されていることだったり、ここで重要なのはハード整備において、プロスポーツチームありきで、これはチームの誘致にしろ試合の誘致にしろ、プロスポーツチームを入り口にするというのは、鎌倉でのやり方ではないんだろうなと、あるべきスポーツまちづくりの形ではないと私は考えております。
 確かに、プロスポーツチームというのが、スポーツまちづくりにおいて大きなピースになる存在だとは捉えておりますが、その存在そのものがプロスポーツチームだからというだけで、それが公共性があるものだとは思っておりませんし、何か公共の予算だったり、施設だったりというものへの依存を前提としたものであれば、それは持続可能なものではないと思っております。
 なんで一部の人のためだけに、いわゆる先ほどの御答弁でいきますと、する人たちのためだけに、スポーツのためだけの環境を整えるんだというふうなお声ですね、これは全国で今、スタジアム問題だったり、アリーナ問題とかというので、ちょっと調べればいろんな全国の事例が出てくると思うんですけれども、叫ばれています。おっしゃるとおり、スポーツをするというためだけ、する人のためだけのものであれば、ごもっともな話だと思います。だからこそ、スポーツをみんなのものにしていこうということ、これが本当に大切なことだと思っております。
 スポーツが地域に対してしっかりと価値を出していくこと。先ほど健康づくりについて、いかにスポーツの価値をしっかりと定量的に図っていくところも含めて証明していくこと。こういったことを丁寧に、丁寧に積み上げていった先に、いわゆるスポーツが市民権を得られるといいますか、本当に町にあってよかったねというふうなものになっていくと思っております。
 そしてそのためにも、まずはその旗振りが必要だと思っておりますので、今こうして御答弁もいただいておりますが、実際にどのようなまちづくりを目指していくのか。もう少し具体的な部分と、次のアクションですね、スポーツのまちづくりにおいては、こういうことをやっていくというふうな旗振りを、ぜひ近日中に示していただきたいと思っております。これはちょっと要望としてお伝えをさせていただきます。
 続いて2つ目の質問に移らせていただきます。鎌倉の観光課題とスポーツツーリズムの可能性についてお伺いをいたします。
 ここまでも議題に上がっておりまして、この後も触れられる部分かとは思いますが、現在の鎌倉高校前駅周辺の取組状況について、そして周辺の関係者、住民の方とのコミュニケーションも含めた状況についてお伺いをいたします。
 
○千田勝一郎 副市長  江ノ島電鉄鎌倉高校前1号踏切での観光客による混雑対策につきましては、交通誘導員による歩行者の誘導及び交通安全対策を講じておりますほか、防犯カメラの設置、市の青色回転灯付自動車の巡回による、多言語での注意喚起などを実施しているところであります。神奈川県警察に対しましては、定期的な巡回や移動交番の設置を依頼するとともに、いわゆる白タク等の取締りの強化を要請しているところであります。
 近隣住民からの相談があった場合には、多言語のマナー看板の提供など、相談に応じた対応を行っているほか、周辺の自治・町内会や警察、病院、鉄道事業者といった関係事業者、国や県とも状況共有を行いながら、現地での課題解決に向けた対応策について意見交換を行っているところであります。
 
○3番(岡崎修也議員)  確認させていただきました。鎌倉市は何もやってないのかということで言うと、今の御答弁ありましたとおり、そんなことはないという状況だと思います。一方で、行政がどのような取組をしているんだということを住民に対して、そして対外的な発信が足りていないのかなと思います。課題の解決に向けて、地域住民の皆様に対して、そして対外的に今後の見通しをしっかりと明示をしていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 
○千田勝一郎 副市長  議員御指摘のとおり、地域住民や関係者との協議を重ねながら、課題の解決に向けて実施する市の取組をロードマップとして示すことは、現状に対する住民の不安を軽減することにつながると考えております。引き続き地域住民や関係者との協議を通じまして、スケジュールを含めた具体的な対策の見通しについて検討してまいります。
 
○3番(岡崎修也議員)  今後の見通しについて、いつ頃お示しいただけますでしょうか。例えば、夏休みが終わって、次のピークがいついつに予想をされているので、それまでにまずはこれをやりますというところの、ここがあれば、ちょっと対外的なコミュニケーションも一歩前進するのではないかなと思います。今後の見通しを示していただける時期についてお伺いをいたします。
 
○千田勝一郎 副市長  鎌倉高校前駅周辺における観光課題への対応につきましては、地域住民や関係者との協議や、江ノ島電鉄のトイレが再開した現地の状況を踏まえ、優先的に取り組む必要のある対策を講じてまいります。対策をいつ実施するか等、今後の見通しについては、現時点では明確に見通しを示すことはできませんが、交通、トイレ、ごみ等の主要な課題のうち、優先度の高いものから対策を実施してまいりたいと考えております。
 
○3番(岡崎修也議員)  そうですね、先ほどこのロードマップが地域住民の皆様の安心感を生むということは、おっしゃるとおりだと思いますので、安心感を一日も早くつくるためにも、そのロードマップをお示しをする。そして、それが今すぐでなければいつ頃になるのかというところは、早めに提示をするというところの、そういった何かコミュニケーションを前進していくようなことができればと考えております。
 本定例会でも、数名の方が質問されている中で、そもそも地域住民の方との対話を経て固められた市の方針の一つが、ここまでまだ上がってなかったかなと思います。市としては、地域住民の方とのコミュニケーションを通じて、鎌高前を観光スポットとして打ち出していく、そしてそれを前提とした施策を行っていくという方針はないということは、これまで確認をさせていただきました。つまり、あそこを有料のフォトスポットにして、そこでお金を生み出すとか、そういったところは、じゃあここに人が来てねということに暗に、そういったものを前提にしている施策になりますので、そういったことはしていく方向性はないと。どちらかというと地域住民の方とのコミュニケーションの中で、長期的にはあそこまで混雑をしない状態をつくってほしいという、それが市が用意したフォトスポットでの写真だろうが、今の現状だろうが変わらずというところで、そういった前提方針が市としてあると思います。
 ただ、そういった、こうしたらいいんじゃないかというふうな御提案の背景には、目の前にあれだけ困っている人がいて、お金が理由で対策が打てないのであれば、お金をつくるしかないんじゃないかということなのかなと思いますし、そこは重要なポイントだと私自身も考えております。なので、スタンス、施策の方針としては、あそこを収益化ではなくて、マナー啓発でしたり、または厳罰化などのようなものが方向性としてあると思います。
 そして短期施策としては、やはりトイレの整備などをしていかないといけない。しかし、これは市費で負担するものなのか。そして一度負担をして、いつまでかかり続けるものなのかという、そういったことを踏まえると、なかなかすぐに手を打ち出しにくい部分があるのかなというのがありますが、例えば対策のための原資をガバメントクラウドファンディング等で募るというのはいかがでしょうか。これは社会課題の解決のためにぜひ協力、そして参加をしてくださいというふうな形ですね。
 一つのこれは提案としてですが、例えば現状、背景はこうなんですと、メディアでこういうふうになってますが、現状、背景こういったものがありますというのをしっかりと打ち出して、そしてまずこれに対して早急に手を打ちたいと思っているんですけれども、そのための原資が幾ら必要なので、今回そこをファンディングをしていきますと打ち出します、と。いつからいつが検討実験の期間です、そしていつまでに方針を決めます、そして移行期間、こういうふうに対策を打っていきますというふうなPDCAもそこで明示をしていく。それで実際にどうなるのかというところは、これは確証的なものではないんですけれども、共生社会の実現に向けた全国のモデルを示すことに、もしかしたらつながるかもしれない。
 一刻も早くまず手を打って、地域のみならず市民、企業含めて、そこの解決に取り組んでいく。その絵をまず市が描くという意味合いでも、このガバメントクラウドファンディングなどの検討というのはいかがでしょうか。
 
○千田勝一郎 副市長  トイレの整備や警備員の配置等の対策を行うには多額な費用がかかると認識をしております。近隣住民、関係機関等との協議を重ねた上で対策を実施する際には、国のオーバーツーリズム対策等の補助金をはじめ、財源確保についても御提案の内容も含めて検討してまいりたいと考えております。
 
○3番(岡崎修也議員)  解決に向けたアクションですね、そしてその発信、柔軟な対応策検討と、そして実施を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次の質問になります。今現状この課題の部分が大きく取り沙汰されている状況ではございますが、そもそも鎌倉が目指す観光というものがどんなものなのか、お伺いいたします。
 観光客のマナーが守られない状況、住民の排他的な感情がそこで高まって、そこのあつれきになってしまう。住民と観光客が分断を生じてしまうということは、もちろんこれは望ましくないことだと思っているんですが、そもそもこの鎌倉市が目指す観光というものは本来どういったものなのか。その在り方をお伺いいたします。
 
○千田勝一郎 副市長  オーバーツーリズムの問題により、市民生活が脅かされて、鎌倉を訪れる観光客に対して排他的な感情が高まってしまうことは、市としても望ましくないと考えております。観光客の分散やマナー遵守の呼びかけを継続しつつ、鎌倉の歴史文化遺産の魅力を鎌倉に訪れる多くの観光客に伝えていくことが、将来にわたり鎌倉の価値をさらに高め続けることにつながると考えております。そのためにも、市民生活と調和した持続可能な観光を実現することで、誰もが住んでよかった、訪れてよかったと思えるような町を目指してまいりたいと考えております。
 
○3番(岡崎修也議員)  目指す方向性からすると、今のあの場所だけを見れば、かけ離れた状態であるということかなという。先ほど、住んでよかった、訪れてよかったというキーワードが、この計画の目指すべきものの中にもあったかと思うんですが、そのちょうど間に当たるような、迎え入れてよかった、迎えてよかったというふうな視点も重要なのかなと思っています。住む人、訪れる人という、ここが分断をしているわけですけれども、いかに迎え入れていくか。これをどこでどうやってというふうなことをしっかりとデザインをしていくことを方針として打ち出していく。この視点も、今の現状においては強く求められている部分なのかなと思います。
 ここまで現状一番大きな課題として上がっている部分と、そもそもどういった観光を目指しているのかを伺ってまいりました。一つ、これから目指していく観光を実現するための具体策として、このスポーツツーリズムというものについて伺っていきたいと思っております。
 この現状の課題に対して、解決していくだけが市の観光施策ではないという上で、積極的な施策の一つとして提案したいのが、スポーツツーリズムです。日本においては2012年閣議決定された観光立国推進基本計画に、スポーツツーリズムというものが明記をされて以降、一気にその推進が進んだと言われております。1か所に集中をしてしまう、滞在時間が短く消費額が低いなどの鎌倉の観光課題に対し、持続的な観光の手段になり得ると、そういった手段にスポーツツーリズムになり得ると思っております。スポーツの価値を生かしたスポーツツーリズムについてどう捉えられているか。そして今後積極的に進めていただけるか、お伺いいたします。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  スポーツツーリズムとは、スポーツ資源とツーリズムを融合する取組で、スポーツ参加や観戦を目的とした旅行と、それらを実践する仕組みや考え方と捉えられており、スポーツで人を動かす仕組みづくりのことと認識をしております。歴史や自然など、鎌倉固有の地域資源を生かしたスポーツツーリズムを展開することは、スポーツ振興のみならず、地域活性化や経済効果など多方面に価値を生み出す可能性があるものと考えております。
 本市におきましては、鎌倉の歴史の学びと運動を融合した歴史散策ウオークを既に開催しているところではございますが、例えば、今後は武家文化に関連する武道やあるいはマリンスポーツなど、鎌倉の魅力を生かした施策についても検討してまいりたいと考えております。
 
○3番(岡崎修也議員)  ぜひ進めていただきたいと思っております。このスポーツツーリズムに関しては、受け入れる側の体制強化も必要です。海、山、グラウンド、体育館、武道館などで活動を現にされている競技者、団体、イコール各コンテンツのコンテンツホルダーに競技をするだけではなくて、例えばスポーツで稼ぐ、スポーツでつながるといった視点を持ってもらうことが重要で、これについてはしっかりとサポートや伴走していく体制づくりが大切だと思っております。このスポーツツーリズムの推進に向けて、市民、そして地域の理解、連携をどのように市として進めていくと考えられておりますでしょうか。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  地域資源を生かしましたスポーツツーリズムの環境整備に当たりましては、何よりも市民、あるいは地域住民の、あるいは多様な利害関係者の皆様の理解や協力が不可欠であると考えております。この点をきちんと踏まえまして、鎌倉にふさわしいスポーツツーリズムの在り方について、検討してまいりたいと考えております。
 
○3番(岡崎修也議員)  確認をいたしました。今、スポーツツーリズムについて健康福祉部長に御答弁をいただきましたが、スポーツツーリズムに限ったことではないんですけれども、スポーツの価値を生かした取組については、ぜひ横断的なチームとして体制をつくって取り組んでいただけると、より前に進んでいくかなと思っております。大項目2問目、こちらで終わらせていただきます。喫緊の課題への対応、そして今後の施策、そしてその手前にある鎌倉の目指す観光とは、そこに一貫性があることが重要だと思っております。
 続いての質問に移ります。深沢・村岡のまちづくりについてです。
 深沢・村岡のまちづくりについて、やっぱりあそこがどんな町になっていくのかということを、なかなか実際深沢に私は住んでおるんですが、市民の方とお話をしても、結構商店街で中心的に活動されている方とお話をしても、「何か止まっちゃったね、あれどうなるの」という感じの状況で、なかなかやっぱり機運が高まっていってはないかなというのが正直なところで、しっかりと市民と一体となったまちづくり、掲げているものをしっかり実現をするために、伺ってまいります。
 まず、その前に伺いたいのが、今回の庁舎整備計画変更もございましたが、その影響について伺ってまいります。そもそもなんですけれども、この深沢地区のまちづくりの観点から見た庁舎の位置づけを伺います。あそこの場所に庁舎があることに、どんな意味があるのかという点で伺います。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  深沢地区における新庁舎整備は、新しい拠点を形成するための重要な要素でございまして、鎌倉市における都市機能の強化や町の魅力向上につながるものと考えております。また新庁舎整備によりまして、市民の交流やイノベーション、ウェルネスが促進されるとともに、全市的な防災機能の強化が図られるということを考えてございます。
 
○3番(岡崎修也議員)  6月定例会でも申し上げましたとおり、いわゆる普通の駅前の開発ではなくて、やはり市の、市民の新たな拠点がそこに生まれていくという意味合いで、非常に重要な位置づけがあると確認をさせていただきました。
 2問目なんですが、今回の庁舎整備の方針転換に伴って、今回の深沢地区のまちづくりに対して何か影響があるのか。この点お伺いをいたします。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  新庁舎整備の方針転換によりまして、これまで検討を進めてまいりました深沢地区のまちづくりの考え方が変わるものではございません。
 
○3番(岡崎修也議員)  確認をさせていただきました。事業としては、厳密にはといいますか、別なものだと思いますが、やはりまちづくりの中の重要なピースとして、しっかりともっともっと発信を強めていただきたいと思っております。そして今回の方針転換というのも、あの場所、まちづくりをどういうふうに捉えているのかというのを一つ伝えていく。その意味を伝えていく意味でも、重要な機会かなと捉えております。
 もう少し区画整理事業の進捗について伺いたいのですが、現在、2023年から2039年までの計画として進められている、この土地区画整理事業の現在の進捗状況についてお伺いをいたします。このインフラの部分、そして庁舎の予定地においては、今、埋蔵文化財の調査などもあられると思いますが、そういったのも含めて、この土地区画整理事業の進捗についてお伺いをいたします。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  土地区画整理事業につきまして、令和7年度は整地工事などの実施に向けた埋蔵文化財調査及び残置物の撤去、樹木の伐採を行っているところでございます。土地区画整理事業の整地工事などの着手時期につきましては、現在実施しております埋蔵文化財調査の進捗状況にもよりますが、文化財調査を終えた後、整地工事などに着手するのは、令和8年度末になると考えております。
 
○3番(岡崎修也議員)  確認をさせていただきました。ちょっと深沢のほうで何か止まっちゃったねというふうな印象を持たれている皆様には、引き続きしっかりと進んで行ってますよと申し上げて問題ないのかなと認識をさせていただいた次第です。
 今、深沢のまちづくりガイドラインなど拝見をさせていただいておりますが、この具体化、しっかりとこの計画を実現させるためにという観点で、都市計画の規制、制限や緩和、この具体的な方針をどのように策定を進めていくのか。このスケジュール感を含めてお伺いをいたします。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  まちづくりガイドラインは、建物や町並みの景観ルールに加えまして、町に求める機能や用途のほか、エリアマネジメントによる活動を含めた方策を定めているというところでございます。都市計画法に基づく制限や緩和などにつきましては、ちょっと今後なんですけれども、地権者と丁寧に合意形成を図りながら、別途建築物の意匠、形態、高さや敷地の緑化率などを、地区整備計画に定め、具体化に取り組んでまいります。
 
○3番(岡崎修也議員)  この今話をされている方々、地権者を含めてと、この先あの町を生きる次世代とは顔ぶれは大きく変わると思いますが、しっかりと人が変わっても変わらないために、こういった制度設計があると思っております。
 そして現在のこのまちづくりガイドライン、地権者も含めて策定をされているということで、しっかりとそのコミュニケーションの中で合意形成を図られていると説明をいただいておりますが、例えばこれ、地権者からディベロッパーに渡りましたというときに、多分熱量が違うとか、この前後の文脈がしっかり伝え切れない中でも、そんなふうに人が変わってもしっかりと守られる、実現をされるという意味で、一番重要な部分がここに当たるのかなと思いますので、ここがどのように策定をされていくのかの発信も含めて、この後の質問にも続きますが、しっかりと進めていただきたいと思っております。
 続いての質問です。今年の3月に深沢のまちづくりにおいては、公式サイトが公開をされました。この公式サイトについても、そのほかも含めて、この情報発信について、その効果ですね、しっかりと関心がどんどん高まっていっているかどうかをお伺いをいたします。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  この広報サイトでございますが、令和7年3月に開設いたしました深沢のまちづくりの広報サイトでございます。現在の事業区域の様子や新しい情報を定期的に発信するとともに、どの媒体からのアクセスが多いのか、どのような記事に反響があるのかなど、定量的な分析を毎月行っております。その結果ですね、サイトを開設いたしました3月3日から8月18日までの間ですが、5万3000回以上の表示回数、それから1万人以上の閲覧がございまして、一定の周知が図られていると考えてございます。今後はこの広報サイトを中心にしまして、さらなるコンテンツの充実と周知について工夫をしていきたいと考えております。
 
○3番(岡崎修也議員)  ここが結構重要な部分だなと思っております。しっかりと定量的に市民と一体となったまちづくりと掲げるのが大切ですし、それ自体はさほど難しいことではないんですが、この例えばウェブサイトのアクセス解析だったりとか、リーチ数をもっともっと増やしていくというのも、これも一つの指標だと思います。ただ、なかなかデジタルだけではない施策も幅広く進めていく必要があると思っております。
 6月にもちょっと御提案させていただいたんですが、深沢の町にもう少し目に留まるような形で、例えば今のガイドラインにあるような風景だったりだとか、工事の進捗状況、そして先週アップデートされておりました、深沢まちづくりニュースといったものの更新も含めて、どんどん地上の部分もそうですし空中的な部分、そしてネットを活用した部分、全ていろいろあらゆる角度で、さらにこの周知を高めていく施策が必要だと思うんですが、より関心を高めていくための工夫についてお伺いをいたします。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  今後さらに市民の関心を高めていくことにつきましては、繰り返しになりますけれども、深沢のまちづくりの広報サイトの充実はもとより、事業用地に例えばポスターの掲示などによる広報活動ですとか、あるいは地域のイベントへの広報ブース出展などによる、市民対話の機会の創出などを行っていきたいと考えております。
 
○3番(岡崎修也議員)  ポスターの掲示というのがちょっとキーワードとして出てきたので、少し期待を持っておりますが、例えば今度市長選がある、その看板が各所に立てられると思うんですけど、そこの基礎の部分をそのまま残しておいて、そこに後はもう貼るだけなんで、そんなこともできるかなと勝手ながらには思っておりますし、もうコストという意味でも、さほども変わらず実現できることなのかなと思いますので、少しこの点に関しては、繰り返し訴えさせていただければなと思っております。
 他市の事例を見ますと、もちろんまちづくりとしてのこのフェーズは違うんですけれども、例えばこの再開発に当たって市の広報サイトで地域のあらゆるプレーヤーに対するインタビューだとか、その地域のスポットを紹介するマップだったりとか、そういったところを掲載するなど、幅広くいろんな手の打ち方がまだまだやりようがあるなと思っておりますので、ぜひそういったものも含めて検討いただきたいと思っております。
 この項目の最後を伺います。こちら市長に伺います。
 市長の鎌倉マニフェスト2025に、以下のようにございます。「JR、国、県、藤沢市、鎌倉市が同じ方向を向いているのは、これまでの経緯からしたら奇跡的なことで、この絶好の機会を逃したら、この事業は実現できません」と記載がありました。しかし、この奇跡感みたいなものがもっともっと欲しいなと思っておりまして、今、庁舎の整備の部分で例えばやっぱり災害に強いというふうなキーワードは必ずセットで出てくるように、もっともっと事あるごとに、この深沢のまちづくりにおいても発信を強めていただきたいと思っているんですが、改めてこの深沢地区のまちづくりにおける市長のお考えをお伺いさせていただきます。
 
○松尾 崇 市長  深沢地域整備事業についてですけれども、鎌倉市としても本当に長らく取り組んできた、これまで多くの方たち、先輩、先人の人たちがここのビジョンを思い描きながら、そうしたことを積み上げて、ウェルネスというテーマも一貫して持ちながら進めてきたところです。この間、3歩進んで2歩下がるような状況もかなりありましたし、止まっているような状況もございました。そういう中において、現在実施している埋蔵文化財の発掘調査、埋設物の撤去作業が終了すると、いよいよ基盤整備工事に着手する準備が整ってまいりまして、新たな段階に進むということになります。こうした基盤整備工事と並行して、市民の皆さんとともに、この深沢のまちづくりの具現化に向けた検討を進めるということになってまいります。積極的に町に出て、そうした市民の皆さんとともにつくり上げていくという、そういう機会の創出にやはり力をより一層ここで入れていくという必要があると思ってます。
 深沢地区のまちづくりが完成を迎えるまでには、まだ非常に長い期間を要することとなります。一気に町ができるわけではなくて、段階的につくっていくというようなところもありますから、こうしたところに市民の皆さんとともにつくっていくために、鎌倉の未来を見据えながら着実に前進していくように取り組んでまいりたいと思います。
 
○3番(岡崎修也議員)  確認をさせていただきました。まさに新たな段階に入っていくということで、大きな建物とかもそうなんですけど、形になってきたらやっぱり一気に関心が集まるというのは、定石かなと思いますが、いかにそこにどのように至ったのかという、いわゆるこのプロセスの部分というのにも、多く市民を巻き込んでいくということは、その先にやっぱり自分事になっていただけるということですね。
 例えばこういう規制がもっと市民のためになって、こうしたほうがいいと思うとか、きれいに扱おうとか。やはり完成物を受け取るのと、自分が少しでも関わったものに対してというのでは、やっぱりその先何年使っていく、もう深沢のまちづくりにおいてはこの先もずっと続いて、次世代がもっと生きていく中で、自分たちの町なんだと思えることは、少し抽象度が高くて恐縮ですが、いかに自分事になっていただけるか。これはプロセスの段階で巻き込むことしか実現ができないと、後から愛着を持ってもらおうと思っては、どうしても実現できないものだと思っておりますので、先ほど御提案させていただいたような部分も含めて、よりこの深沢のまちづくり、これは深沢のエリアに住む方だけではなくて、鎌倉市もそうですし、本当に幅広くその自分事になっていただけるようなまちづくりというもの、そういったものが実現ができれば、これは鎌倉モデルとして全国にも誇れるまちづくりになっていくと思いますので、よろしくお願いします。
 最後の質問になります。こちらちょっと簡単に2問質問させていただきます。
 7月30日のカムチャツカ半島の地震における津波の警報において、2点だけお伺いしますが、まずはこの庁内において御対応いただいた職員の皆様、そして議員の皆様に感謝申し上げます。私自身は深沢の自宅のほうに自宅待機といいますか、登庁しないようにと、当日会議があってちょうど伺おうと思ってたところ、電話をいただいたので、この庁内の現場で対応に当たることができず、各種SNSでその市の対応でしたり、近況というのを発信をしておりましたが、少し先ほどの重黒木議員の質問の中にもございましたが、どの発信を集中して拡散をしたらいいんだろうかということも含めて、どれが市のオフィシャルの、今1分1秒を争う中で発信したらいいのかというところが少し分かりづらかったかなと、特にXですね、感じました。
 例えば、市のインフォメーションのアカウントは動いているんだけれども、防災のアカウントはあまりアクティブに動いてなかったりという事象が起きていたかなと思いますが、現状の災害情報の提供体制ですね、どのようになっているか。Xの配信を含めた情報提供、この体制について今後さらなる充実を図っていただきたいので、この点についてお伺いいたします。
 
○千田勝一郎 副市長  現在、災害時における市民等への情報提供につきましては、防災行政用無線を中心に、防災・安全情報メールや市公式LINEの配信ほか、市ホームページ、防災ラジオ放送等、様々な方法で実施をしております。災害時におけるXの活用についてでございますが、その拡散力の高さにより、フェイクニュースの流布や文字数制限による情報の不十分な伝達など、混乱を招く可能性があると認識をしております。こうした点を踏まえて、Xの活用について、その有効性や確実性を見極めながら、今後の運用につなげていきたいと考えております。
 
○3番(岡崎修也議員)  SNSはある程度やっぱりデマを見分けるリテラシーなどが求められるという背景があるとは思いますが、やはりタイムリーな情報の発信とキャッチアップという意味で、少なくとも今よりはフルに活用していかないといけない状況かなと思います。それに、メールや公式LINEというのは、市にお住まいで、かつそういったものに関心がある方は登録されていたりはするものの、やはりあれだけ観光客の方も多かったりとか、ふだんなかなかそういったところには関心がなくフォローしてないとか、登録してないという方には、能動的に何か情報を一時的にキャッチアップしたいときに、やはり見るのはそういったSNSになってくるのかなとなったときに、そこの体制強化というのはしていただきたい。人員の部分もあるかと思いますが、例えばアカウントに入って市のインフォメーションのものをリポストするということぐらいであれば、これはもう簡単にスキルセットとして共有をして、誰でもできる状態にしておくということは、日常的な対策の一つとしてできるかなと思いますので、こちらぜひ行っていただきたいと思います。
 続いての質問になります。こちら最後の質問になります。
 先日の津波警報が出た際、特に夜間の時間帯、湘南モノレールの湘南深沢駅周辺の交通状況などを確認に巡回をさせていただいておりましたが、駅前の渋滞はもちろん、この湘南深沢駅の前の横断歩道、こちらでの乗降者も散見をされました。やはりふだん慣れてないといいますか、そこに止まっては後ろが渋滞してしまうというのは、地域住民の皆さんであれば実体験として迷惑を被ったことがあると、大体自分がやらないようにしようというのはあるんですけれども、やはりもう入り口すぐなので、あそこだとやっぱりどうしても慣れない方とかが、あそこに流れてしまうと、そういったことが発生していたなというのを見ました。
 そこで、巡回中に湘南モノレールの職員の方とばったりお会いをして、職員の方といっても役員以上の方です。そうした方がこの湘南深沢駅へのピストン輸送について、これ自体は把握をされていなかったということで、市のほうにも、担当課のほうにも確認をさせていただいたところ、JRや江ノ電をはじめ、止まっている交通機関との連携は取れていたんだけれども、湘南モノレールとは情報共有がされてなかったと確認をさせていただいて、少しこの災害時の情報連携について気になった部分がありました。
 同じように、今回こちらの庁舎から湘南深沢駅にピストン輸送するという、これ自体があまりどれだけ再現性があるというか、今後は実際発生するかはさておき、この情報連携をより強めていくと、さらによい対応にもつながることができたかなと思っております。例えば当日のことであれば、そこに誘導員の方を配置したりだとか、大体何分置きに何人ぐらい輸送するので、それぐらいであれば運行にも影響はないですねという情報連携を含めて、できるかなというので、今回を機にちょっとその点が気になったので、この災害時の公共交通機関との連携について、現状と今後の取組についてお伺いをいたします。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  まず現状でございますが、緊急時の連絡先は各事業者さんから伺っておりまして、今回津波警報が発表された際、鉄道事業者、バス事業者、タクシー事業者などに直接連絡いたしまして、運行状況に関する情報収集を図るとともに、庁内での情報共有はしっかりと行っておりましたが、その後、今、御指摘ありましたピストン輸送ですね、市がこういった対応を図るということにつきまして、湘南モノレールには伝えておらず、御指摘の内容につきましては、これ大いに反省すべき点であると考えております。
 今後でございますが、市内の交通事業者と一堂に会してお話しする機会がいろいろございますので、市と交通事業者が双方で共有すべき情報などについて、交通事業者と調整するとともに、平時から連携、連絡の強化を図っていきたいと考えております。
 
○3番(岡崎修也議員)  ピストン輸送の対応自体は本当に多くの方が救われたと思ってますし、迅速に対応いただいたものだと思っておりますので、それがさらに、さらによくなるというところ、あとは今後さらに大きな災害があったときにしっかりとできるようにというのを、これを機にそして今後の連携の強化の方針があるということも確認をさせていただきました。そちらのほうもよろしくお願いいたします。
 質問は以上になります。本日、鎌倉市のスポーツと健康づくりについて、そして鎌倉の観光課題とスポーツツーリズムの可能性について、そして深沢・村岡のまちづくりについて、そして最後に災害時に備えた広報体制の強化と民間連携についてお伺いをいたしました。
 昨日、日経新聞のほうに住みたい街ランキングというのが出ておりまして、鎌倉市が2位になっておりました。ちょっと情報の中身だったりとか対象が誰かという、細かいところは気になるところはあるんですけれども、住み続けたい、そして訪れてよかった、そして迎えてよかったと思ってもらえるようなまちづくりを、今後も進めていけたらと思っております。
 以上をもちまして私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。
 
○議長(中澤克之議員)  次に、加藤千華議員の発言を許可いたします。
 
○6番(加藤千華議員)  鎌倉前進の会の加藤千華です。通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 まず、鎌倉の文化振興についてお伺いしようと思いますが、その前に今年、令和7年度に実施された「へいわの学校(広島派遣事業)」について簡単に触れさせていただこうと思います。
 本件は、戦後80年の節目の年に、次世代を担う子供たちが被爆地広島を訪れ、平和記念式典に参加し、その体験を市民の方々に報告するという大変意義深い取組だったと思っております。私も事前学習会や報告会に参加させていただきましたが、子供たちの顕著な成長と平和への深い理解を目の当たりにいたしました。この初めての事業を運営、完遂された文化課の皆様に、まずは敬意を表したいと思います。
 平和について、現地で初めて会う全国の同世代の子供たちと意見を出し合い、考え、整理して自分たちの言葉で表現しようとする姿勢は、まさに未来への希望とお一人お一人の成長を感じさせるものでした。広島から帰ってきた子供たちの報告会では、自分なりの言葉で、平和の大切さ、身近なところからできる行動などを語る姿に、教育の持つ力を改めて実感いたしました。現場にいらっしゃった親御さんにお話を伺っても、下の子もぜひ参加してもらいたいとのコメントもあり、好評だったのかなと思っております。このような質の高い事業を鎌倉市として継続的に実施していくためにも、文化面を担う体制の強化、安定化が重要であると考えております。
 さて、質問に移ります。まず、鎌倉の芸術を支える鎌倉市芸術文化振興財団の経営状況と市の対策について伺います。
 昨今の日本経済は長期にわたるデフレ経済からの脱却を目指す中で、物価の上昇が続いております。特に人手不足の深刻化等により、人件費の上昇が著しく、最低賃金は神奈川県においては、令和6年は1,162円、今年、令和7年度10月には1,225円へと上昇します。このような急激な変化は、公共施設の運営にも深刻な影響を与えております。近年の物価、人件費の急激な上昇を受け、鎌倉芸術館の指定管理者である鎌倉市芸術文化振興財団の経営状況は、非常に苦しいと伺っております。
 公開されている決算資料によりますと、基本財産が令和2年度の3億円から、令和7年度の予算では1億3200万円までの減少が予定され、5年間で実に約60%の減少の見込みでございます。このペースが続けば、あと3年から4年、退職金分を加味すれば、2年から3年での基本財産の枯渇の危険があります。
 また、鎌倉芸術館特別会計においては、令和6年度に約2800万円の累積赤字を抱えており、実質的に財団としては年間約6000万円規模の赤字構造となってしまっています。さらに、指定管理料は、平成29年、2017年度の水準で据え置かれているにもかかわらず、人件費は約30%、エネルギー資材費においては約20%上昇しており、実質的に約3000万円相当の予算削減効果となってしまっています。このような状況において、鎌倉市は現状どのような対策を取られているのか、お伺いいたします。
 
○能條裕子 共生共創部長  鎌倉芸術館は、本市における芸術文化を振興する上で重要な役割を担っております。毎年変動が大きい光熱水費、修繕費につきましては、指定管理料とは別に市が負担し、また利用料金改定のための条例改正を行うなど、必要な支援を行ってまいりました。加えて経費の削減や収入増を図る方策について話し合う場を定期的に設け、経営状況の改善に向けた協議を行っております。今後も指定管理者の意見を踏まえながら、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  このようなサポートをいただいていることを承知しておりますが、やはり数字で見ても、財政状況は本当に深刻だと感じております。専門職員の皆様が安心して働ける環境を整えるため、今の段階に応じた速やかな対応の検討が必要だと考えております。
 次に、人件費スライド制度についてお伺いします。
 総務省が令和6年4月1日付で発出された指定管理者制度等の運用の留意事項についてでは、物価高騰等への対応として、実施協定書における条項の見直しや人件費スライド制度の導入を地方公共団体に強く求めています。この通知では、指定管理料については施設の設置目的、特殊性、専門性を考慮するとともに、人件費については、指定管理者の継続的な人材確保などを通して、施設運営の安定を図るため、最低賃金水準の変動等を踏まえ適正に積算し、指定管理料に反映する必要があると明記されています。
 また、横浜市においては、既に平成30年度から指定管理者制度における賃金水準スライドを順次導入されており、雇用労働条件の改善や事業者の健全経営を通じた公の施設の適切な運営管理を目指しております。鎌倉芸術館では、そのような総務省の助言や横浜市をはじめとする他自治体の先進事例を受けて、対応を検討されているのか、お伺いします。
 
○能條裕子 共生共創部長  指定管理料につきましては、指定管理者の選定時に想定される物価や人件費の上昇を見込んで積算し、議会の議決を得て決定しており、施設の運営は市からの指定管理料と指定管理者のノウハウに基づく経営努力により行うものとなっております。このため物価スライド制度につきましては、現時点では導入しておりませんが、先ほど答弁したとおり、変動が大きい光熱水費につきましては、市が負担することでコストの上昇に対応しているところでございます。
 しかしながら、近年の急激な物価や人件費の上昇が今後も続く場合、人件費のスライド制度の導入など、柔軟な指定管理料の変更の必要もあると考えており、本市における指定管理者制度の在り方の中で検討してまいりたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  物価のスライド制は、全ての指定管理者の経営安定化に大きな成果を上げるものと考えます。総務省の指導や横浜市の先進事例を参考にいただければと思っております。
 続いて、指定管理者選定の方法について質問させていただきます。まず、指定管理者制度の本来の趣旨について確認をさせていただきます。
 指定管理者制度とは、平成15年(2003年)の9月に地方自治法が改正されて創設された制度で、地方自治法第244条の2の第3項において、普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため、必要があると認めるときは条例の定めるところにより、法人その他団体であって、当該普通地方公共団体が指定する者に、当該の施設の管理を行わせることができると規定されています。重要なのは、文化庁の令和7年3月の文化施設部会資料でも言及されていますが、この制度の要件は、地方自治体側で条例により自由に設定可能であり、期間においても地方自治体による規定はなく、制度上は10年以上の長期も可能だということです。つまり、各自治体が施設の特性に応じて最適な運営方法を選択できる柔軟な制度設計になっています。
 その上で、文化施設における指定管理者制度のデメリットとして、当該資料において、博物館や劇場、音楽堂等、継続的な事業を行う文化施設の場合、管理者が変更となった場合には、事業の質が保てなくなるおそれがある。長期的視野に立った運営がなじまない。職員の研修機会の確保や後継者の育成等の機会が難しくなるといった課題を指摘しています。また、同資料では、公共性の高い文化施設に経済効率性の原則を適用することの抵抗感とともに、継続性への不安から、社会から託された貴重な資料を確実に次世代に継承していく、地域の文化芸術活動を専門性と継続性をもって支えるという使命を担う文化施設に、一定期間ごとに主体が入れ替わることを前提に制度設計された指定管理者制度は整合しないとの見解も示されています。
 加えて、総務省の実態調査事例集では、指定管理者制度の改善に向けた好事例が数多く紹介されています。注目すべきは、岩手県盛岡市においては、評価制度を活用して、指定管理者にインセンティブを与える制度として、適正に管理運営がされている場合には、指定期間を最長5年延長する制度を導入し、指定管理者のやる気につながるいい制度として高く評価されている事例があります。神奈川県内においても、県民ホール及び音楽堂の指定管理業務の実行評価委員会の議事録を拝見いたしますと、継続的な運営による人材育成効果が明確に示されています。
 当県では、神奈川芸術文化財団が、県民ホール、音楽堂、KAATの3館の一体運営を行っており、その効果として、傘下の職員が同じワークショップに参加することで知見が巡ることや、人事異動の際、各館で得た知見を持ち回ることができると報告されています。さらに重要なのは、専門職員の育成に関する研究です。議事録では、たくさんの事業に対して各館が単独で手がけるのは難しい。その経験を積むのも少ない。それを3館でまとめて行うことで多くの経験を得ることができ、エキスパート人材が成長すると明記されています。継続的な運営体制こそ、職員の専門性向上に不可欠であることが実証されています。
 この人材育成の点においては、鎌倉市にとって特に重要な課題と考えます。現在、鎌倉文学館が大規模改修工事のため長期休館中であり、そこで勤務している専門知識を有する職員の方々の知見を生かし、さらに向上させる機会の確保の継続が必要だと考えます。神奈川県の事例のように、複数の文化施設間での地域圏共有や交流により、休館期間中の専門職員のスキル向上を図ることが可能だと考えられます。また、神奈川県の取組では、インターンシップについても受入れを行いながら、財団に入ってみたいという若い人材を生み出していく活動は評価できるという評価がされており、継続的な運営だからこそ実現できる、長期的な人材育成戦略の重要性が示されています。
 長くなりましたが、質問に移ります。地方自治法では先ほど申し上げましたとおり、運用について各自治体の裁量が認められており、他市では公募ではなく指名による事業者を選定し、運営の安定化を図っている事例がございます。指定管理者の安定した運営とともに、職員の長期的な人材育成、また専門職員の地域に根差した知見向上が可能なように、これらの先進事例を参考とした指名による事業者選定や、さらには評価結果に基づく指定期間延長制度なども検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  本市における指定管理者制度は、募集の透明性を担保し、公の施設の適切な管理に加え、効率的かつ良質な住民サービスを提供するという観点から、指定管理者の募集方法を原則公募としており、指定期間については5年を標準期間としております。文化施設の運営におきましては、長期的な計画に基づいて企画を立案する必要があることや、職員の地位が安定することで技術や能力の継承が行われること等、長期にわたって継続して運営することによる効果もあると考えております。指定管理者の選定に当たりましては、募集の透明性や経営の安定性等を総合的に考慮し、適切な手法について検討してまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  文化施設の特性について御理解をいただいているものと感じました。ありがとうございます。指定管理者制度は、本来自治体の施設の目的を効果的に達成するための適切な手法を選択できる制度ですので、専門職員の知見向上、そして休館中の鎌倉文学館の職員の皆様が手持ち無沙汰にならないよう、知見がさらに向上するよう、具体的な検討の御継続をお願いいたします。
 そこで、今期の指定管理期間が令和8年に終了し、令和9年度から新たな指定管理者を選定することと思いますが、今期の反省点、改善点についてお伺いいたします。
 神奈川県の事例を拝見いたしましても、継続的な指定管理者との対話の重要性が明確に示されており、3館一体の効果を上げるために、月2回程度のマネジメント会議や、月1回程度の経営調整会議を定期的に開催し、情報共有や意見交換を密に行っていることが記載されています。ほかの自治体の取組を参考に、次期選定に向けた改善を検討されているのであれば、今期を振り返っての課題とそれを踏まえた新たな取組についてお聞かせください。
 
○能條裕子 共生共創部長  今期につきましては、鎌倉市芸術文化振興財団を指定管理者として、地域の文化団体や地域資源を活用し、地域に根差した事業展開が積極的に行われており、鎌倉市民の文化交流発信の拠点となったことは意義深いと考えております。一方で、施設の経営状況につきましては改善が必要であり、財団の経営努力とともに、市側からも具体的な改善策を提案し具体化しているところでございます。今後の鎌倉芸術館の運営に当たりましては、歳入の確保と経費の削減の両輪で安定的な運営を図るとともに、引き続き芸術文化の拠点として、市民に親しまれるような鎌倉芸術館になるようにしたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  最後に、文化振興のための予算確保について市長にお伺いいたします。
 これまでお話しさせていただきましたように、繰り返しになりますが、現在の鎌倉芸術館においては、そして、それを運営する財団においては、基本財産が5年間で1億3200万円まで削減され、年間6000万円規模の赤字構造に陥っている現状です。そして、さらに深刻な問題として考えておりますのは、鎌倉市主催事業を開催すると、より収支が悪化するという構造的な問題があり、積極的な鎌倉に根づいた文化事業の展開が困難な状況にあります。実際に鎌倉芸術館では、主催事業を令和6年度の7つから、今年度、令和7年度には僅か2つにまで絞り、赤字幅を圧縮せざるを得ない状況となってしまっています。しかし、それでもなお財政状況の改善は困難で、財団は2年から3年で破綻してしまう計算となっております。
 これは文化施設としての本来の機能を果たせないばかりか、財団そのものの存続が危ぶまれる深刻な事態と言えます。主催事業の大幅な削減は、市民の文化機会の減少につながり、地域の文化施設が本来果たすべき地域住民が文化を身近に感じられる機会の創出や、多様な主体による文化支援ネットワークの構築などという役割を果たせない状況に陥っています。
 この点につきまして、市長は令和7年2月の定例会において、安定的な運営に向けて手法を検討してまいりますと御答弁されました。鎌倉の文化振興においては、他都市でも開催可能な一般的な事業だけでなく、鎌倉だからこその地元密着事業や市民参加型の事業の充実、展開が求められています。財団の破綻という最悪の事態を回避することはもちろんのことながら、主催事業が7つから2つへ大幅に削減されている現状を改善し、鎌倉の文化の普及を図り、守るために、指定管理者が安定した運営を行い、多様な事業を展開するための十分な予算確保が必要と考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
 
○松尾 崇 市長  鎌倉芸術館はお話がございましたように、本市の文化芸術の振興と市民の文化活動の拠点となる非常に大切な場所でありまして、安定的な運営と魅力的な事業の展開のための予算を確保する必要性は、十分認識をしているところです。鎌倉芸術館は事業による収益を上げながら、一方でその利益を市民の文化芸術活動の振興に還元をして、芸術文化振興財団の安定的な運営にも資するような持続可能な運営をしていく必要があると考えています。
 市としては、財団に運営努力を促しつつ、市も一緒になって指定管理者とともに知恵を出しながら、事業の効果を最大限高められるよう、必要な予算措置を行ってまいりたいと考えています。
 
○6番(加藤千華議員)  総務省や他都市の事例を参考にしながら、市と財団の両輪での経営安定化を実現し、鎌倉の文化を守り、そして持続可能なものとするため、早急かつ具体的な対応の御検討をお願いできればと思っております。
 続きまして、文化振興の観点から東アジア文化都市事業についてお伺いします。
 本事業については、5月の開幕式の後、多くの交流事業等が実施され、また実施が予定されています。前回の6月定例会においても、定性的、定量的な目標を確認させていただきましたが、その後の主な取組実績についてお伺いします。
 
○能條裕子 共生共創部長  主な交流事業として、8月の初旬に中国の湖州市、韓国の安城市において、それぞれ開催された青少年文化芸術体験ツアーに鎌倉市の中学生を派遣いたしました。中国湖州市では、地域固有の農業、漁業に係る博物館を見学したほか、特産品である筆の製作、淡水真珠の採取などを体験いたしました。韓国安城市では、日中韓の全ての子供が入った8つのグループをつくり、グループごとに伝統の昔遊びや木工体験、民謡体験などを行いました。参加した生徒からは仲よくなりたい気持ちがあれば、言葉が違っても友達になれるなどの声があり、言語や文化の壁を超えた次世代の交流を育む有意義な事業であったと捉えております。
 
○6番(加藤千華議員)  ただいま参加した小学生の皆さんの有意義なすばらしい体験について、御報告をいただきました。しかし、これらの交流事業については抽せん制であったと伺っております。実際に多くの子供たちが参加を希望したものの、抽せんで落ちてしまい、このような国際交流の機会を得ることができなかった子供たちがいると認識しております。参加できなかった方々への、同様の感動や学びの機会を提供することが、この本事業開催中において重要だと考えております中で、特に12月の閉幕式においては海外の交流都市の方々が鎌倉に来られ、伝統芸能を披露いただく予定と伺っています。このような貴重な体験を抽せんに漏れてしまった子供たちにも味わっていただくために、12月の閉幕式は1人でも多くの子供たちに見ていただければと思っております。
 学校や保護者の皆さんに対して適切な案内を行うことはもちろんですが、実際に子供たちが観覧できるような日時に設定することがとても大切だと思っております。事業の成果を1人でも多くの子供たちへ共有できるよう取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  12月に予定しております鎌倉市の閉幕式では、開幕式と同様に芸術館の大ホールで、日中韓文化芸術交流祭を開催する予定であり、会場内では展示や映像等を活用して、今年度行ってきた東アジア文化都市事業の周知、共有に努めたいと考えております。また閉幕式は、多くの皆様にお越しいただけるような時間帯とし、若い世代を含む幅広い世代の市民の方々に、日中韓の文化芸術の魅力をじかに御堪能いただけるよう、企画、検討を進めております。
 東アジア文化都市事業を通じ、次代を担う鎌倉の子供たちが東アジアの各国をより身近に感じるとともに、中国や韓国とともに発展してきた鎌倉の町の成り立ちをより深く知ることを通じて、自分たちの町に誇りを持てるよう、閉幕式には特に若い世代の参画が得られるように努めてまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  具体的に御検討いただいているとのこと、方針をお示しいただきありがとうございます。
 最後になりますが、この事業の継続をお願いできればと思います。2026年以降も、このような青少年交流事業や文化交流が継続できるような仕組みについて、今の段階から各都市の皆様と頭出しの協議を始めていただければと思っております。たとえ、大規模的に姉妹都市締結などには至らなくとも、例えば隔年での相互訪問やオンラインでの継続的な文化交流、共同の文化イベント開催など、様々な形での継続が考えられますが、この御縁を一過性のものとせず、鎌倉市の長期的な国際交流の財産として発展いただくことを願っております。
 次に、防災対策ですが、まず文化財の防災対策についてお伺いします。
 令和6年1月1日に発生した能登半島地震では、石川県を中心に甚大な被害がもたらされ、多くの文化財も損壊、焼失の被害を受けました。しかし、その後の継続的な文化財レスキュー活動により、貴重な歴史資料が数多く救出されています。
 石川県立歴史博物館では、令和7年、今年の7月から「未来へつなぐ−能登半島地震とレスキュー文化財−」という特別展を開催しており、私も実際に訪問してまいりました。被災した文化財の救出過程と地域の歴史的価値を広く市民に伝える取組を実施しており、この展覧会では、珠洲市の倒壊した本堂から救出された木造の阿弥陀如来像や、珠洲市の旧家のふすまの中に眠っていた江戸時代後期の下張り文書など、文化財のレスキューによって救われた貴重な資料が展示されていました。
 実際に拝見し、被災した文化財が専門家や市民ボランティアの方々の協力によって救出され、適切な応急処置を施されて展示されている様子を目の当たりにし、文化財レスキューの重要性とそのために必要な事前の備えの大切さを痛感いたしました。もちろん、人命救助が最優先であることは言うまでもありませんが、鎌倉のような多くの貴重な文化財を有する町だからこそ、災害への備えをより一層充実させる必要があると強く感じました。このような能登半島地震での文化財レスキューの教訓を踏まえ、また、近年は気候変動などの影響により、豪雨災害などが頻発化している中で、文化財の防災対策は喫緊の課題とも言えると思います。
 そもそも日本は災害大国として、地震、台風、豪雨などが頻発し、火災も含めて多くの文化財が被災してきた歴史がありますが、このような状況を受けて、文化財防災体制の確立の必要性が高まり、平成26年(2014年)に文化庁による文化財防災ネットワーク推進事業がスタートされました。そして令和2年(2020年)10月には、国立文化財機構に文化財防災センターが設立され、平常時から災害時まで切れ目のない文化財防災体制の構築を目指しています。
 その文化財防災センターでは、5つの事業を柱として、5つの事業というのは、地域防災体制の構築、災害時、防災時の支援、災害時ガイドライン等の整備、レスキュー及び収蔵・展示における技術開発や普及啓発を掲げており、特に、都道府県内の文化財関連団体間の連携の体制の構築や促進、地域ブロック内における広域連携促進を重視していますが、鎌倉市は国宝や重要文化財をはじめとする貴重な文化財を数多く有しており、その多くが神社や寺院によって所有管理されています。津波のリスクも抱えており、文化財の防災対策は重要な課題と言えます。幸い、鎌倉市は直近では大規模な震災被害を受けていませんが、だからこそ能登半島の地震の教訓を生かし、事前の備えを充実させる機会だと考えております。
 そこでお伺いします。市内の文化財は寺社が所有し管理されていますが、津波や地震などが起きることに備え、どのような防災対策を行っているのでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  文化財の防災対策についての御質問でございます。
 まず、文化財の所有者におきまして、防災や耐震に関する国の指針等に基づいた対策を進めておりまして、それを受けまして、本市では耐震診断や耐震補強、防災設備などの設置や更新、修理などを行う際に、国・県と連携しながら技術的な助言、補助金の交付等を行っているところでございます。これに付け加えまして、本市では、昭和47年から主に指定文化財建造物の所有者である30社寺等からなります、鎌倉文化財防災連絡協議会を組織しておりまして、防災に関する周知啓発、防火防犯設備の点検や維持等に係る経費に対する補助金の交付等を行い、文化財の防災対策を進めているところでございます。
 また、これらの取組を進める中で、市内には数多くあります文化財の所有者に対しましては、修理等の相談で常日頃から連絡を密に取りまして、防災に関する注意喚起や情報提供を行うとともに、被害があった場合にはすぐに分科会に連絡するよう周知を図っているところでございます。
 
○6番(加藤千華議員)  国や県との連携、そして地域においては防災連絡協議会という枠組みの中で、皆様情報共有を密にされているという体制をお伺いすることができました。文化財防災センターが実施している研修制度の活用もぜひ御検討いただければと思っております。そこでは、学芸員の皆様を対象に、被災文化財の応急処置ワークショップなどを実施しており、災害予防から応急対応まで、体系的な人材育成を行っております。鎌倉市の皆様においても、このような研修に積極的に参加いただき、専門的な知識・技術を習得いただくことで、そこで得た知識を市内の文化所有者にも共有し、防災意識の向上をより密に図ることが重要だと考えております。
 最後に、長野市では台風により浸水した文書等の文化財歴史レスキューを博物館が、市民ボランティアを募って行っていた事例がありますが、鎌倉市でも災害時に同様の取組ができるよう進めてはいかがでしょうか。災害発生後にボランティアを募集するだけではなく、平時から文化財保護に関心のある市民の方々を対象としたワークショップや講義会などを開催し、文化財の取扱いや応急処置に関する基礎的な知識を身につけていただくことで、実際に災害が発生したときに、より迅速で適切な文化財レスキューのサポート、展開ができると考えておりますが、いかがでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  数多く文化財がある鎌倉では、大規模災害後の文化財の修理や復旧を実際に進めていくためには、文化財の所有者や行政だけではなく、地域の市民とも連携しながら進めていく体制も有効であると考えております。文化財の修理等は一定の専門性が必要であることから、先ほど議員から御紹介のありました独立行政法人国立文化財機構文化財防災センターをはじめ、国や県とも連携しつつ取り組む必要があると考えておりまして、他市の事例なども参考にしながら、鎌倉にふさわしい市民との協力体制などについても研究してまいりたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  前向きに御検討いただけるとのこと、ありがとうございます。鎌倉国宝館や鎌倉歴史文化交流館など、市の文化施設もこのような取組の拠点として活用し、平時から市民の皆様に文化財の価値や保護の重要性を理解いただくことで、有事の際に効率的な文化財レスキュー活動が展開できるものと考えました。
 次に、7月30日に起こったカムチャツカ半島付近の地震による津波に関連して質問いたします。まず、7月11日金曜日に行われた海水浴場の避難訓練について、今年は平日の実施であったため、参加人数も例年より少なかったと感じております。その日程などはどのように決められているか、お伺いできたらと思います。実際に、私も津波避難訓練に参加いたしましたが、由比ガ浜海水浴場から鎌倉消防署まで避難した際、そこまでたどり着いた方々は五、六名だったと認識しております。その方々にお話を伺うと、市外から来られた方々でした。消防署や市の職員、海の家の方々の連携確認という意味では、もちろん意義あることと思いますが、市民の避難意識の浸透という点で改善点があるのかなと感じました。
 今年の訓練は平日だったため、令和5年、6年の休日実施と比べて参加者が大幅に減少したり、当日も大変暑かったことから、市民や観光客への津波フラッグや、避難ルート、そして場所の認知を広げる上では、改善点が来年以降あるのかなと思っておりますが、どのようなお考えかお伺いできればと思っております。
 
○千田勝一郎 副市長  海水浴等津波避難訓練の日程は、対象者となる海の家関係者やライフセーバー、関係機関と調整し決定しております。訓練では、海水浴客にも御協力をいただき、海の家関係者を含む海水浴場の運営者に対し、実際に避難誘導を実施、確認することで、避難誘導体制の課題を洗い出し、実効性のある対策につなげていくことを目的としております。今後の訓練実施に当たりましては、多くの方に関わっていただけますよう、休日の実施も含めて調整を図ってまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  休日での実施検討や訓練の周知方法についても、より効果的な手段を御検討いただければと思っております。
 また次に、津波の避難訓練は沿岸部にお住まいの市民や、学校などを対象に行う必要がよりあると思いますが、現状と今後の取組をお伺いします。現在、自主防災組織でこのような避難訓練が行われていると伺っておりますが、参加する方々は、組織に所属している人、高齢者の方が主となっており、なかなか子育て世帯や働き盛り世代の参加が少ない現状かと思います。避難訓練においては、全ての世代の方々が適切な避難行動を身につけることが重要です。
 また有名な事例ですが、岩手県の釜石の奇跡では、東日本大震災で約1,300人の方々が亡くなり、行方不明となりましたが、鵜住居地区の鵜住居小学校や釜石東中学校にいた児童・生徒約570人は、全員無事避難することができました。この成功の背景には、日頃から行われていた防災教育があり、子供たちは年間五〜十数時間の防災授業を受け、年に1回の小中学校合同訓練を実施し、想定にとらわれない、状況下において最善を尽くす、率先避難者となるという、避難3原則を徹底して身につけていたたまものだと示されています。
 鎌倉市においても、市民や小学校、中学校での津波避難訓練の実施状況と今後の拡充についてお聞かせください。
 
○千田勝一郎 副市長  津波避難訓練は、沿岸部に居住する市民の方や沿岸地域の学校などを対象に実施することが重要であると認識をしております。市の取組として、海水浴場と津波避難訓練とは別に、毎年11月に沿岸部の自主防災組織や自治・町内会などに御協力をいただきながら、沿岸部一斉津波避難訓練を実施しております。また学校につきましては、個別に実施している事例を把握しております。これまでも定期的に訓練を実施してまいりましたが、訓練実施時期や訓練内容を適宜見直し、実際に即した訓練とし、津波避難対策の充実を図ってまいりたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  やっぱり子育て世帯の参加促進については、なかなかポストに届いても1人で参加するのは心細いと思いますので、幼稚園や保育園に通う保護者宛てとして、訓練のお知らせを配ってみることも有効と、ほかの市の対応策では書かれておりました。また働き盛りの世帯に対しては、地域の企業に訓練のお知らせや、参加依頼をしてみるのも有効と考えます。
 災害時の消火活動や人命救助などの初動活動訓練には、やはり人手が必要です。また企業では、災害時に活用できる機材を持っていたり、その機材を動かす技術を持っている人、救命講習を受けている人がいらっしゃる場合があるので、訓練に参加してもらうことで、有事の際に助け合える関係をつくることにもつながりますし、また各企業が保有している災害時に活用できる機材の把握も有効だと考えております。
 さて、今回の津波警報発表時の市の対応を受け、備蓄食料の種類や数量について、必要最小限ではなく、より一層の充実を図っていただきたいと考えております。世間では今年、2025年1月に防災備蓄状況の公表を義務づける改正案が提出されました。石破首相も災害対応を新たなステージに引き上げ、人命と人権を最優先する防災立国を確立すると表明しております。備蓄においては、女性や子供連れ、お年寄りなど、多様なニーズに対応できる計画が今後必要だと考えますが、今後の計画についてお聞かせください。
 
○千田勝一郎 副市長  本市では、防災備蓄食料につきましては、アレルギー28品目不使用、ハラール食品であることの認証を得ている製品を調達しておりまして、具体的にはハラール食対応の備蓄食料は、ライスクッキーと個食タイプのアルファ化米の2種類を調達しております。備蓄食料、アルファ化米などを含め、現在40万食を備蓄しておりますが、不足する場合に備えまして、企業等と災害協定を締結して、その備蓄食料の確保に努めています。また食料以外にも、避難所のプライバシー確保のためのパーティションや授乳や着替えなどに活用できる簡易テント、おむつやマスク、液体ミルクなどを備蓄しております。被災時の生活の質や、多様なニーズにも配慮した備蓄の充実化が求められていることから、今後は更新時期などの機会を捉えて、量だけでなく質の面でも充実が図れるよう取り組んでまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  最後の避難所の事例については、国際的な人道支援基準であるスフィア基準に準拠できるような検討を進めていただいていると認識いたしました。例えば、このスフィア基準には、質の高い食事提供の構築も書かれておりまして、例えばキッチンカーとの連携などの準備が必要だと考えます。特におっしゃっていただきましたが、乳幼児のミルクやおむつ、女性の生理用品や高齢者の方々へ向けた常備薬など、多様なニーズに対応した備蓄品の充実の計画の検討をお願いいたします。
 そして、今回の津波対応におきまして、避難者や帰宅困難者の対応について改善点があるのではないかと感じております。具体的には、帰宅困難者の一時滞在施設として開設されていた鎌倉芸術館があったのにもかかわらず、大船駅のタクシー乗り場など人が滞留してしまう、長蛇の列をなしてしまうという現状がございました。このような状況を改善するため、例えば駅前など人が集まる場所での情報提供体制の強化が必要だと感じましたが、いかがでしょうか。
 
○千田勝一郎 副市長  市では、情報伝達手段として防災行政用無線を中心に、防災・安全情報メール、市公式LINE、FM放送、市ホームページ、Xなど様々な方法で情報提供をしております。災害時において、帰宅困難者が駅周辺に滞留することが想定される中で、適切な情報提供は重要であると認識をしておりますが、今回の津波警報発表時の情報提供については、その内容や頻度など課題があったと捉えております。このことから、帰宅困難者への情報提供について見直しを行うとともに、交通事業者など関係機関とも連携し、情報提供体制のさらなる充実を図ってまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  改善の御検討をいただくとのこと、ありがとうございます。最後に災害時のSNSの運用について、重黒木議員や岡崎議員からも触れられましたが、今回津波警報発表時、防災のXが稼働されていなかったとお見受けします。若い人や外国人観光客は、特にSNSから情報を取ることが多いので、その方々への分かりやすい発信が求められます。特に鎌倉市は多くの観光客が訪れますので、多言語での発信や、視覚的に分かりやすい情報発信についての検討が必要だと考えますが、今後の取組はいかがでしょうか。
 
○千田勝一郎 副市長  現在災害時における市民等への情報提供につきましては、防災行政用無線を中心に、防災・安全情報メールや市公式LINEの配信のほか、市ホームページや防災ラジオの放送等、様々な方法で実施しております。災害時におけるXの活用についてですが、その拡散力の高さにより、フェイクニュースの流布や文字数制限による情報の不十分な伝達など、混乱を招く可能性があると認識をしております。そのような課題を認識しております。こうした点を踏まえまして、Xを含むSNS等災害情報の発信については、その有効性や確実性を見極めながら、今後の運用につなげてまいりたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  確認させていただきました。これまでの質問の中では、津波避難訓練の実効性の向上、市民の防災意識の向上、そして実際の災害時における適切な対応体制の構築について、質問をさせていただきました。市民、観光客の命と安全を守るため、目の前の課題に積極的に取り組んでいただけますと幸いです。
 次に、環境保全の取組について伺います。
 今年8月5日から15日にかけ、プラスチックごみによる世界的な環境汚染を防ぐ国際条約制定を目指す、政府間の交渉会合が180か国以上の政府代表らが参加してスイスのジュネーブで開かれましたが、プラスチックの生産規制などをめぐり、最後まで賛成・反対両派の対立が和らぐことなく、合意に至ることなく先送りにされてしまいました。海洋ごみの7割は陸や川から海へ流出しています。使い捨てプラスチック容器などがごみとなって川に流れ、海に流出しマイクロプラスチックとなることは皆様御存じのとおりかと思いますが、例えば、自動販売機の横にある溝にごみがたまっていたら、そこからプラスチック問題が始まっていると思います。
 現在、ごみのポイ捨て発生抑制対策モデル事業が、環境省と観光庁が連携して始まっていますが、鎌倉市においても、そこで採択された富士吉田市のスマートリサイクルBOXや群馬県みなかみ町の有料ごみ箱などの導入も検討いただければと思いますが、まず市のプラスチックごみ削減に向けた取組をお聞かせください。
 
○加藤隆志 環境部長  本市では、プラスチックによる海洋汚染が世界的な課題となる中、平成30年10月にかまくらプラごみゼロ宣言を行い、使い捨てプラスチック製品の削減取組の強化を図るとともに、ゼロ・ウェイストかまくらの実現を目指して、ごみの減量・資源化の推進に努めています。これまでの取組として、マイボトルの普及促進と、ペットボトルなどの使い捨てプラスチックごみの発生抑制を目的に、公共施設内にウオーターサーバーを設置しているほか、市内に資源ポストを設置し、製造事業者における使い捨てプラスチックの自主回収、再資源化の制度構築に協力しています。また、市内で開催する催事やイベントにおいて、リユース食器を使用する団体に対して、その費用の一部を補助する制度を設けており、引き続き事業者とも連携・協働を図りながら、プラスチックごみの発生抑制の取組を推進してまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  鎌倉市のリサイクル、そういった資源化についての取組が、ほかの都市と比べて著しい成果を出されているものと感じております。2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロにするというのが、G20大阪サミットで各国首脳によって共有された国際目標なので、引き続き御認識の上、鎌倉市においても推進できればと思っております。
 次に、この海に近い環境を生かした子供たちへの環境教育についてお伺いします。
 実際、私今年、大阪万博に行ってまいりましたが、まずそのときに感じたことは、この海洋のプラスチック問題、国境を越えて各国共通の課題認識と捉えているんだなと感じました。特にブルーオーシャンドームというパビリオンでの展示が印象に残っています。プラスチックが自然分解されるまでの時間はおよそ400年、2050年には魚よりプラスチック廃棄物の量が多くなるなど、衝撃的な現実を目の当たりにしました。日本は領海と排他的経済水域を合わせると、国土の約12倍の広さを持ち、面積は世界第6位、海の体積で見ると世界4位を誇る海洋大国です。沖縄の海から日本海、太平洋、オホーツク海といった、量にも質にも恵まれた海洋大国日本でありますが、海に面し、自然豊かな鎌倉で育つ子供たちへの海の関心をより高めていただければと、この国際情勢下の中、特に思いました。
 さて、そんな環境の中で子供たちに環境教育を行う絶好の場所だと考えておりますが、市として現在どのような取組を行っているのでしょうか。
 
○加藤隆志 環境部長  海がある鎌倉市としては、海洋プラスチックごみ対策など、子供たちへの海に関する環境教育は重要であると考えています。令和7年度はタカラトミーとの共催により、由比ガ浜海岸において、「クリーンアップかまくら×黒ひげ危機一発」を9月21日(日)に実施し、海賊風のTシャツを配るなど、子供たちの参加を呼びかけています。
 令和6年度には、ホンダとの共催によりビーチクリーンを実施し568名の参加があり、その後にタレントのさかなクンが講師となった子供向けの環境事業を実施し、125名の参加がありました。引き続き令和7年度もホンダとの共催により、ビーチクリーンを11月9日(日)に実施します。今回は、子供が乗車し、砂浜のプラスチックごみを回収できるホンダが新たに開発したバギーの乗車体験などを予定しています。これらのイベント活動を通じて、子供たちや海洋プラスチックごみ問題など、環境問題への気づきの機会が得られるよう取り組んでまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  実際、おもちゃショーでも、タカラトミーからこの鎌倉市とのコラボについて安村さんですかね、芸人の方を伴って大々的に発表されており、とても楽しそうなコラボだなとお見受けしました。やはりビーチクリーンと言うと、参加される方々がなかなか固定化されてしまう中で、民間のコンテンツを利用した多くの方々への啓発活動は、積極的にこれからも継続してほしいと思っておりますが、今後このような連携は継続いただけるのでしょうか。
 
○加藤隆志 環境部長  民間企業とのコラボレーションは、市のみで実施できない予算規模や魅力的な企画にできることもあるため、諸条件を確認しながら継続的に実施できるよう、今後も積極的に取り組んでまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  ぜひ年に1回、2回などの頻度でも全然大丈夫だと思うので、こういった民間との連携事業を継続していただければなと思っております。
 次に、海洋プラごみ対策の広域的な取組についてお伺いします。
 令和7年2月定例会において、市長より、ポイ捨てや流出したごみの有効な回収方法を検討するとの答弁がありました。例えば現在においては、鎌倉市発案の8都市との連携の海洋プラごみ削減の啓発活動として、各都市でビーチクリーンやイベントが開催されています。しかし、そもそものポイ捨て、流出したごみの有効回収方法の検討も合わせて進めていくべきと考えますが、海洋プラごみの対策や環境教育について、広域的に取り組まれていることはありますでしょうか。
 
○加藤隆志 環境部長  横浜市、川崎市などが参加する8市連携市長会議において、本市から海洋プラスチックごみ問題に関する啓発活動の合同実施を提案し、令和4年度からスタートした海洋プラスチックごみ削減のための啓発活動に関する検討会では、令和8年度に清掃活動に関するポイント制のイベントを各地で行い、令和8年11月をめどに、各市代表チームの決勝大会を開催するイベントを計画しています。子供たちも参加できるイベントとして、SDGsや環境教育に取り組んでいる協賛企業の募集なども検討しており、他市との交流もできることから、子供たちの環境問題に対する意識醸成にも寄与できるものと考えています。
 
○6番(加藤千華議員)  大変面白い有意義な取組だと思いますので、楽しみにしております。
 最後ですが、これからの未来を担う子供たちに対する環境教育がより重要であると考える中で、現在鎌倉市では、環境教育アドバイザーを設置していますが、利用目標設定なども含めて、子供たちへの教育拡充を図っていくべきと考えます。学校現場においてはどのような環境教育を行っているのでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  学校での環境教育につきましては、学習指導要領に基づき、理科、社会、総合的な学習の時間において、海洋汚染やごみ問題などをテーマにした探究学習を実施するなど、各学校において積極的に取り組んでいるところでございます。
 一例を挙げますと、スクールコラボファンド事業を活用いたしました学校では、外部講師を招聘いたしまして、ブルーカーボンや磯焼けの問題に関する学習を行うことや、スタートアップ企業と連携して、学校の周りのどこに、どんなごみがどれくらい落ちているのかを分析したりするなどの取組が行われているところでございます。いずれにいたしましても、子供たち一人一人が持続可能な社会のつくり手として、鎌倉市の未来を担ってくることができるよう、これからも環境教育に取り組んでまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  世界情勢を踏まえまして、地域の課題を見つけて自ら解決策を提案するような、今おっしゃっていただいたような創造性や戦略的思考を育む教育が今後、より重要だと考えます。主体的に環境問題に取り組み、自分にも何かできると気づいてもらえるような教育プログラムの充実が、この鎌倉においての大きな糧となり、今後社会に羽ばたく子供たちにとって、とても大切だと思います。
 最後の質問のテーマですが、市民の交通事情改善についてお伺いします。まず、路線バスの減便対策について伺います。
 鎌倉市においてもほかの自治体と同様に、路線バスの減便が続いている状況ですが、路線バスは市民生活に欠かせない重要な公共交通機関です。地域の飲食店の方々が利用客の送迎など、ボランティアで行っている事例も聞いておりますが、このような民間の自主的な取組も踏まえ、市として路線バスの確保・維持のための取組をお伺いします。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  路線バスは市民の移動手段としての役割はもとより、地域コミュニティーの活性化など、まちづくりを進める上でも維持していかなければならないものと認識してございます。路線バスの維持につきましては、様々な機会を通じてバス事業者に要望を行うとともに、現在交通事業者や学識経験者、市民、関係機関などが参加する鎌倉市地域公共交通活性化協議会におきまして、令和7年度中に策定を予定しております地域公共交通計画、この策定作業の中で具体的な対策を検討しているところでございます。
 
○6番(加藤千華議員)  市民の皆様からは、この計画策定を待っている間にも不安の声とか、解消できるような取組が同時並行で必要だと思います。
 次に、このおっしゃられた地域公共交通計画の策定後、計画の実現に向けて具体的にどのような施策を進めていかれるのかお伺いします。現在、計画策定やパブリックコメントの収集段階ということは理解しておりますが、具体的な実行体制や実施時期、どのような対策を取ろうとされているのか、方針がありましたら御教示ください。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  施策をどのように進めていくのかというところでございます。地域公共交通計画には、目標の達成状況を評価するための事項ですとか、施策の実施主体、実施時期などを定め、計画的に取組を進めていくこととなります。施策の推進に当たりましては、実施主体となる市及び交通事業者、関係機関などが連携を図るとともに、それぞれが責任を持って与えられた役割を遂行していくこととなります。
 
○6番(加藤千華議員)  数字を伴った目標を設定いただこうとしていることを確認させていただきました。
 最後に、このような施策を実現する上で、財源の確保も重要な視点だと思っております。先日東京ビッグサイトで開催された自治体・公共Weekに参加してまいりましたが、その中で、昨日も言及いただいた平塚市の事例を目の当たりにしました。神奈中、三菱商事、いすゞ自動車など、民間の連携協定に基づいて、国土交通省の地域公共交通確保維持改善事業費の補助金を活用した自動運転バスの実証実験が開始されていることと思います。実際に会場で事業者の方と会話した際、鎌倉市は山道や道幅が狭いなど課題もあり、自動運転の導入はもしかしたら困難かもしれないなどという意見もいただきましたが、外部や民間の先進的なアイデア、取組をヒアリングした上で、鎌倉市民にとってより便利な交通事情にしていただければと思っております。
 事業評価を通じた地域公共交通確保維持改善事業の効果的な実施に向けて、計画策定中であるこの機会に国土交通省の補助金確保も視野に入れつつ、検討をいただければと思いますがいかがでしょうか。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  ただいま議員から御紹介ございました自治体・公共Weekですね、私も見に行きまして、いろいろ事例を集めてまいりました。そういった中で地域公共交通計画における施策を実現するための財源確保という点に関しましては、施策の実施主体が応分の負担を担うことになりますが、地域公共交通計画に位置づけられていることを要件とする国の補助制度ですとか、あるいは施策の目的と補助制度の目的とが合致するような神奈川県の補助制度などを積極的に活用いたしまして、財源確保に努めていきたいと考えてございます。
 
○6番(加藤千華議員)  日々大変な計画策定の途中だと思いますが、市民の足を守るということは、おっしゃっていただいたように、高齢者の外出支援や暮らしやすさの向上、町の活性化など、様々な施策課題と密接に関わる重要なテーマだと感じております。計画策定と並行して、目下の課題への対応や、そして将来を見据えた新技術の活用検討を進めていただき、鎌倉市民がより安心して利用できる便利な公共事業の実現に向けて取り組んでいただきますよう、お願い申し上げます。
 さて、今回の一般質問では、文化振興、防災、環境保全、そして交通事情の改善についての4つのテーマで質問をさせていただきました。改善すべき課題も多々ございますが、市役所の皆様の御尽力により、市民にとっていい取組も多くあると感じております。物事を多角的に捉える視点のたとえとして、虫の目、鳥の目、魚の目という言葉がありますが、今目下起こっている課題の具体的な解決はスピーディーに虫の目で、未来に向けての中・長期的な投資や取組は俯瞰的な鳥の目で、そして世の中のトレンド、流れも踏まえた魚の目という、バランスの取れた観点から市民の皆さんへのサービス向上のため、引き続き御尽力をいただければと思い、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
 
○議長(中澤克之議員)  お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                    (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。
 なお、残余の日程については、明9月5日午前9時30分に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
 本日はこれをもって延会いたします。
                    (17時09分  延会)

令和7年(2025年)9月4日(木曜日)

                          鎌倉市議会議長    中 澤 克 之

                          会議録署名議員    中 村 聡一郎

                          同          細 川 まなか

                          同          藤 本 あさこ