令和 7年 6月定例会
第3号 6月13日
○議事日程  

           鎌倉市議会6月定例会会議録(3)
                                   令和7年(2025年)6月13日(金曜日)
〇出席議員 26名
 1番  細 川 まなか 議員
 2番  重黒木 優 平 議員
 3番  岡 崎 修 也 議員
 4番  上 野   学 議員
 5番  大 石   香 議員
 6番  加 藤 千 華 議員
 7番  岸 本 都美代 議員
 8番  水 上 武 史 議員
 9番  津野 てるひさ 議員
 10番  小野田 康 成 議員
 11番  中 村 てつや 議員
 12番  武 野 裕 子 議員
 13番  児 玉 文 彦 議員
 14番  藤 本 あさこ 議員
 15番  長 嶋 竜 弘 議員
 16番  日 向 慎 吾 議員
 17番  くりはらえりこ 議員
 18番  吉 岡 和 江 議員
 19番  志 田 一 宏 議員
 20番  森   功 一 議員
 21番  中 澤 克 之 議員
 22番  前 川 綾 子 議員
 23番  岡田 かずのり 議員
 24番  松 中 健 治 議員
 25番  池 田   実 議員
 26番  中 村 聡一郎 議員

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〇欠席議員 なし
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〇議会事務局出席者
 事務局長        茶 木 久美子
 議事調査課長      岩 原   徹
 議事調査課担当係長   田 中 公 人
 書記          木 田 千 尋
 書記          武 部 俊 造
 書記          赤 原 大 輝
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〇説明のため出席した者
 番外 1 番  松 尾   崇  市長
 番外 2 番  比留間   彰  副市長
 番外 3 番  千 田 勝一郎  副市長
 番外 5 番  能 條 裕 子  共生共創部長
 番外 7 番           東アジア文化都市事業担当担当部長
 番外 9 番  藤 林 聖 治  総務部長
 番外 10 番  林   浩 一  市民防災部長
 番外 11 番  廣 川   正  こどもみらい部長
 番外 12 番  鷲 尾 礼 弁  健康福祉部長
 番外 13 番  加 藤 隆 志  環境部長
 番外 14 番  服 部 基 己  まちづくり計画部長
 番外 15 番  古 賀 久 貴  都市景観部長
 番外 16 番  森   明 彦  都市整備部長
 番外 18 番  高 橋 洋 平  教育長
 番外 19 番  小 林 昭 嗣  教育文化財部長
 番外 6 番           歴史まちづくり推進担当担当部長
 番外 8 番           東アジア文化都市事業担当担当部長
 番外 91 番  藤 田 聡一郎  選挙管理委員会事務局長
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〇議事日程          鎌倉市議会6月定例会議事日程(3)

                         令和7年(2025年)6月13日  午前9時30分開議

 1 一般質問
 2 報告第11号   道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償 市 長 提 出
           の額の決定に係る専決処分の報告について
 3 議案第4号   市道路線の廃止について               ┐同     上
   議案第5号   市道路線の認定について               ┘
 4 議案第6号   工事請負契約の締結について              同     上
 5 議案第7号   製造請負契約の締結について              同     上
 6 議案第8号   今泉クリーンセンターの管理に起因する事故による市の義 同     上
           務に属する損害賠償の額の決定について
 7 議案第9号   道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償 同     上
           の額の決定について
 8 議案第10号   鎌倉海浜公園坂ノ下地区レストハウスに係る損害賠償請求 同     上
           及び建物明渡請求訴訟の提起について
 9 議案第12号   鎌倉市職員定数条例の一部を改正する条例の制定について 同     上
 10 議案第11号   鎌倉市市費負担教員の任用等に関する条例の制定について┐
   議案第13号   鎌倉市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定│
           める条例及び鎌倉市特定教育・保育施設及び特定地域型保│同     上
           育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する│
           条例の制定について                 ┘
 11 議案第14号   鎌倉市開発事業における手続及び基準等に関する条例及び 市 長 提 出
           鎌倉市まちづくり条例の一部を改正する等の条例の制定に
           ついて
 12 議案第15号   令和7年度鎌倉市一般会計補正予算(第2号)      同     上

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〇本日の会議に付した事件
 1 一般質問
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                    (出席議員  26名)
                    (9時30分  開議)
 
○議長(中澤克之議員)  定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
 会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。10番 小野田康成議員、11番 中村てつや議員、12番 武野裕子議員にお願いいたします。
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○議長(中澤克之議員)  日程第1「一般質問」を昨日に引き続き行います。
 まず、武野裕子議員の発言を許可いたします。
 
○12番(武野裕子議員)  日本共産党の武野裕子です。
 今日の質問は、今回は市長の出番が結構あるかもしれませんので、よろしくお願いします。
 早速、質問に入ってまいります。
 平和推進事業。
 今年は、被爆80年を迎える年の特別な意義を持つということで、全国至るところで核兵器禁止の運動が盛り上がっております。
 5月11日にみんなで鎌倉平和パレードが行われました。全国で行われているこうした平和行進は、1958年6月、被爆地広島から一人で歩き始めた西本敦さんの平和を願う行動が全国に広がったものです。
 松尾市長は、このパレードの出発式で、核兵器をなくしていく、こういう気持ちで一致しているすばらしいパレードだと話され、そして、皆さん心を合わせて世界平和に向けて共にこれからも一緒に行動できればと思いますと、大変勇気づけられる御挨拶をいただきました。
 同時に、パレードに参加した若者の一人、平和のワークショップの提供などで全国で活動している一般社団法人かたわらを運営している方がこう言われたことがとても大事だと思いました。それは、被爆80年も大事だけれど、81年に何をするかが大事だと思うと。若者が言っているんですね。来年、関心が下がったら意味がないと言われていました。
 今年度、日本共産党鎌倉市議会議員団が長いこと求めてきた青少年の被爆地派遣が行われることになりました。とてもすばらしいことだと思います。これはどんな内容でしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  「へいわの学校〜修学旅行」につきましては、小学校5年生から中学生を対象に12名の児童・生徒を広島に派遣するものでございます。
 派遣に当たりましては、事前・事後にそれぞれ2回の学習会を行うとともに、広く市民に向けた報告会を実施し、事業の効果を高めたいと考えております。
 派遣先の広島におきましては、平和記念式典への参加や平和記念資料館の見学を行うとともに、被爆者の体験談を伺ったり、参加者同士で意見交換を行うヒロシマ平和学習受入プログラムへの参加も予定しております。
 
○12番(武野裕子議員)  これ、事項別明細に修学旅行と書いてあったから、ああ、修学旅行で行くんだと思いましたよ。教育委員会と協力し合っているんだなと思ったら違ったんですけどね。
 でも、すごく大事なことで、藤沢市では毎年毎年やっていること、これを共産党、ずっと求めてきました。
 広島派遣事業をなぜ実施することになったんでしょう。来年度以降も続ていくんでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  令和7年は、原爆が投下されてから80年目の節目の年でもあることから、改めて核兵器廃絶や平和意識の醸成を目的として、児童・生徒が広島県を訪問する「へいわの学校〜修学旅行」を実施することにしたものでございます。
 今年度の実施状況も踏まえ、令和8年度の平和推進事業全体を組み立てる中で、来年度以降の事業の実施につきまして検討してまいります。
 
○12番(武野裕子議員)  検討してください。12人、来年やりませんとなったら12人だけになっちゃいますからね。
 さて、今、国会では22日の最終本会議に向けて次々と法案が通っています。その中の一つ、日本学術会議を事実上解体する法案が出され、可決・成立いたしました。学者、文化人や市民らが採決強行を許さないと廃案を訴え、国会前で座り込みまでして頑張っていました。
 それはどうしてか。日本国憲法第23条の学問の自由を守る闘い、そのために抗議の声を上げた人たち、そのためだったんです。日本学術会議の1950年に出された声明では、戦争を目的とする科学研究には絶対に従わないとの文言があります。日本学術会議の創立理念には、戦争協力の再発防止、平和目的に資する科学を掲げています。それは、戦前、戦中、科学者が戦争協力を強いられ、軍事研究に従事した苦い経験があるからです。戦後の民主主義の流れの中で、科学者が再び国家権力に従属することのないよう、独立した立場で活動できる機関が必要だということでした。今回、この独立性が担保されなかったんです。
 相対性理論で有名な理論物理学者のアインシュタイン、原爆の開発に関わったということで有名ですけれども、しかし、その後、後悔したと。戦後、核兵器廃絶の平和運動に力を入れて積極的に発言、活動したということは、あまりにも有名だと思います。
 市長は、この学術会議問題をどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
 
○議長(中澤克之議員)  武野裕子議員に申し上げます。
 会議規則第103条に該当する質問ではありませんので、次の質問に行ってください。
 
○12番(武野裕子議員)  個別で後で伺いますので、よろしくお願いします。
 市長は、パレードの挨拶に、先人の皆さんの大切な思いをしっかりと今を生きる私たちが次の世代へ渡していく、そういう責務があると思っておりますとおっしゃいました。昨年の決算特別委員会で市長は、予算の拡充を前向きに検討するとおっしゃいました。
 改めて市長にお伺いします。
 鎌倉市は、青少年の被爆地派遣の取組を来年度以降も続けるんでしょうか。全国に先駆けて平和都市宣言を行った鎌倉市として今後どのように平和推進事業に取り組むのか、市長の決意を伺います。
 
○松尾 崇 市長  昨今の世界情勢や、今年の8月には原爆投下から80年がたち、日本原水爆被害者団体協議会の方々がノーベル平和賞を受賞するなど、世の中における平和への関心は高まっているとも感じます。
 全国に先駆けて平和都市宣言を行った市民の皆さんの思いをしっかりと後世に伝えていくことはとても重要なことであり、現在実施しております東アジア文化都市事業においても、平和を大きなテーマとして双方の事業を通じて、市民の皆さんと一緒に平和意識の醸成に取り組んでまいりたいと考えております。
 
○12番(武野裕子議員)  戦争時代に生きた作家の宮本百合子の「平和は眠りを許さない」という言葉を胸に刻んで、今年の夏も私、広島と長崎に行ってまいります。核兵器禁止条約に日本も参加を求めていきたいと思っております。
 それから、議長が先ほど言われた、1つの私の質問を認めなかった件については、直接後で議長からお話しいただきたいと思います。
 
○議長(中澤克之議員)  武野裕子議員に申し上げます。
 議長の議事進行について、この場で発言はお控えください。このまま続ける場合は、質問を停止いたします。
 
○12番(武野裕子議員)  道路行政について伺います。
 道路行政については、2021年12月も私、同じ質問をしました。そこと同じ質問を今回もやらざるを得ないということは、とても残念でなりません。
 まず最初に、平成28年3月に作成した社会基盤施設マネジメント計画について伺います。
 インフラマネジメント計画の策定・改定作業をしているようですけれども、最近の地球温暖化、異常気象などを加味した見直しをしているんでしょうか。
 あわせて、この改定はどのようなスケジュールで行うんでしょうか。
 
○森 明彦 都市整備部長  災害への対応は、本市のインフラ管理においても重要なものであり、現在進めております鎌倉市社会基盤施設マネジメント計画の改定作業では、地球温暖化に伴う豪雨の増加や、異常気象による災害リスクの高まりなどを踏まえ、改定を行っているところです。
 改定のスケジュールにつきましては、令和7年12月から令和8年1月にかけましてパブリックコメントを実施し、令和8年3月に改定を予定しております。
 
○議長(中澤克之議員)  武野裕子議員に申し上げます。
 きちんと議席番号を告げてからにしてください。
 
○12番(武野裕子議員)  失礼いたしました。
 歩道の整備について伺います。
 昨年の秋から今年にかけて日本共産党が行った市民アンケート、今、手元に持ってきました。前回は1,300通頂きました。今回、1,600通以上の回答が寄せられたんです。相変わらず、歩道の整備を求める意見が非常に多かったです。この声、たくさんあって全部紹介するわけにもいきませんが、ざっと見て。
 「道路、歩道ががたがたしてベビーカーでの移動が大変です。岩瀬地区です。八幡宮の裏の側溝にガードレールがないのがとても怖い。自転車で通る場所だが、車が混むし、端に寄ろうと思ってもガードレールがないので、子供2人乗せているとバランスも崩しやすく、側溝側にも車道側にも寄れない。坂道もカーブも道の狭さも変えることはできないが、安全のための整備はできるのではないでしょうか。こういったことを優先してほしい。戸別収集よりやることがたくさんある」というふうについでに書いてありましたけど。「道路の整備をぜひお願いします。体の不自由な方がちょっとした段差に困っております。大船駅近くの道沿いなど。」それから、「大船から離山辺り、大船中学校に行くところ、道路が狭く、車道、自転車走行やベビーカー、子連れの走行がしづらい、離山交差点付近の道もがたがたで、ベビーカーで歩道が通れず、車道を通っている」と。こんな話が続々と届いているんですね。
 このほど、環境部で戸別収集が一部開始され、道路の損傷状態の把握について連携していくということでした。どのような体制になっているんでしょうか。
 
○森 明彦 都市整備部長  現在、環境部が委託しています鎌倉市燃やすごみ戸別収集運搬業務におきまして、収集・運搬に付随する協力事項といたしまして、収集・運搬中に劣化する道路の破損や陥没等を発見した場合は、発注者へ報告することとの仕様になっており、破損等を発見した場合は、環境部を通じて道路管理者、我々に情報提供される体制となっております。
 
○12番(武野裕子議員)  ただでさえ、戸別収集、非常に大変だと思うんですね。その中で道路の損傷があったら通報していくということになって、これは、道路課としても過度な期待はしてはいけないと思います。
 4年前の答弁では、実施可能な箇所から順次進めていくとのことでしたけど、マネジメント計画には歩道の計画はありません。歩道の損傷が各所で目についており、現状把握できていないんじゃないかと思うんですよ。
 例えば樹林管理は、対象地域を分けて3年ごとに枝払いをやっています。そんなふうに道路も歩道もそうした形で計画的に1つずつちゃんと道路の路線を決めてチェックしていく、それでマネジメント計画に入れる、そしてコスト計算もして、必要な予算をつけるべきだと思うんですよ。
 どうやったら現状把握ができるのか。市民などから通報があったら応えるというだけじゃなく、道路損傷の現状把握の手法をもっと拡充すべきではないでしょうか。
 
○森 明彦 都市整備部長  歩道の損傷把握につきましては、日々のパトロールに加えまして、御紹介のありました道路損傷等通報システムなどを通じまして、市民などの皆様からいただいた情報を基に現場確認を行っているところです。
 なお、手法の拡充などにつきましては、まずは、現在行っております環境部との連携による情報収集の効果などを検証してまいりたいと考えております。
 
○12番(武野裕子議員)  もっと独自でしっかりできるということが必要かと思います。
 先ほども、市民アンケートで道路行政に対する要望がたくさん上げられているということをお話ししました。そもそも人員不足があるんじゃないかと思います。そのこともあって、作業センターでは、会計年度の作業センター技能職員を増やしているようなんですけれども、今後も順次増やしていくという予定はあるんでしょうか。
 
○森 明彦 都市整備部長  令和7年度の会計年度作業センター技能員につきましては、令和6年度末の退職者に伴い、業務体制に必要な人数を確保するため、単年度の欠員補充として会計年度作業センター技能員を採用したものです。
 令和8年度以降の採用は、現時点では実施する予定はございませんが、今後も直営作業と併せまして外部発注の拡充により、市民要望に適切に対応できるよう努めてまいります。
 
○12番(武野裕子議員)  外部発注じゃなくて、作業センターの人員を増やしてほしいという要望なんですけどね。
 技術の継承も必要だし、正規職員としての増員を図るべきなんですよ。職員数適正化計画で退職者不補充をやめて適正に見直してほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  作業センターにつきましては、作業内容に応じた、より効率的な外部委託等の手法について調査・研究を進めるとともに、次期職員数適正化計画の中で、技術継承の観点も踏まえた作業体制や災害等緊急時に備えるための体制確保について併せて検討してまいります。
 
○12番(武野裕子議員)  いいことを言いましたね、災害時に備えてと。まさに今、そういうときだと思います。
 歩道の整備について伺います。
 歩道の整備計画が今ない中で、車道に余裕がある道路など、実行可能な箇所から順次進めていくということでした。では、車道に余裕のない道路での歩行者の安全はどうなっているのか。
 具体的に言いますと、岩瀬の砂押川沿いの道路です。今泉の方面は、川の上に歩道が造られました。今、問題になっているのは2つありまして、その一つは砂押川沿いのプロムナード第2整備区間の計画、もう一つは砂押川交差点から七久保橋までの区間について、これについて順次伺います。
 この問題では、2021年(令和3年)12月の一般質問で、砂押川沿いのプロムナードの計画について、大船駅周辺のまちづくりの進捗を踏まえて実施時期について検討していくという答弁でした。結果として、後回しにされてきたんではないかと思います。
 具体的な箇所で言いますと、大船郵便局から栗田湯までの桜並木のところは非常にきれいになっております。しかし、そこから、栗田湯から砂押橋の信号までの区間は、歩行者が車道を歩いていて、バスも通るので、とても危険なんです。大船駅周辺まちづくりの進捗を待っているわけにはいかないと思います。
 問題箇所をチェックしながら、歩行者の安全対策を個別に進めていく必要があると思うのですけれども、いかがでしょうか。
 
○森 明彦 都市整備部長  これまでに道路の安全対策といたしまして、御紹介ありました砂押川沿いの張り出し歩道のほかに、砂押橋交差点の改良、交差点のカラー舗装、各種路面標示、外側線上にラバーポールを設置すること、河川の護岸側部にガードレールを設置することで、車道の有効幅員を拡幅することなどを行っております。
 今後も、実施可能な箇所から安全対策に努めてまいります。
 
○12番(武野裕子議員)  この場所を可能なところからやるということですね。
 可能なところ、私が見ててここ可能だなというのは随分ありました。それ、直接原課にもお話ししましたので、ぜひそれは可能なところとして、位置づけてやっていただきたいと思います。
 2つ目の区間、砂押橋から七久保橋までの歩行者の安全確保の計画はないということでした。例えば今泉小学校から下に下りていった信号、そこの信号は、車道の中央線をずらして歩行者の歩くところを最近確保したわけです。住民から、本当にあそこが、クロネコヤマトの営業所がなくなって、いきなり歩くところがなくなっちゃったということで、たくさん町内会も動きましたし、そういうことがあって、何とか中央線をちょっとずらして歩道を確保したということがあったわけですね。ここの対策は対策として、別のもう一つのルートを検討しているということだとは思いますけれども。
 このように、ガードレールの位置を変えて、中央線をずらしてガードレールの位置を、さらに歩行者のところを広くするという、こういう検討ができないんでしょうか。あそこは、ベビーカーが歩道の中ですれ違えないんですよ。だから、ガードレールのところを、歩道を広くするというような改良を検討できないんでしょうか。
 
○森 明彦 都市整備部長  現状、できる安全対策といたしまして、ラバーポールの設置などが考えられますが、家屋からの出入りの影響などから、実施箇所が限られている状況です。
 また、このほかの対策といたしまして、歩行者の動線や歩行者の誘導についても課題と捉えております。今後の歩道の在り方についても検討を行ってまいります。
 なお、ガードレールの移設による対策につきましては、移設可能な箇所については実施済みであり、移設できない箇所は、路線バス同士のすれ違いなどが困難な箇所が残っている状況です。
 
○12番(武野裕子議員)  課題だと思っているということを、これ、あんまり同じ答弁を何年も繰り返さないことを目標にしてほしいと思うんです。
 そもそもこの2つの区間、この区間について、今泉小学校の交差点から砂押橋経由して栗田湯までのところを一帯の歩道整備として安全対策を重点的に取り組むという、そういった一つの決意というか、そういうものを発表するぐらいにしてほしいなと思うんですよ。いかがでしょう。
 
○森 明彦 都市整備部長  御質問の区間を含め、鎌倉市道における歩行者の安全確保は重要であると考えております。
 当該道路の安全対策が必要な箇所についても、継続的に取り組んでまいります。
 
○12番(武野裕子議員)  誰もプロムナード計画とか、そんな、私もあそこ住んでいましたけれども、いわゆる桜並木とか呼んだりしたけど、そこから砂押橋までがプロムナードだとあの地域の人、分かっている方、どれぐらいいるんでしょうかね。それはそれとして、ここは本当に住民が、また町内会が問題視しているところなので、ぜひお願いします。
 側溝の整備について伺います。
 資料を出しました、1枚目の写真ですね。2枚目、3枚目は、昔出した資料なんですけれども、1枚目のところ、これ、側溝の写真です。側溝の蓋ががたついてきて、それを作業センターなどにお願いすると、三角の木のくさびをトントンと打ち込んでがたつきを直してもらうんですね。でも、だんだんそれが緩んできて、朽ちてきて、またがたついている、この繰り返しなんです。
 以前聞きましたら、そしたらまたくさび入れますからと言う。そういう繰り返しでいいんだろうかということですよ。かなりの数が割れています。一番上は今泉小学校の近くの団地ですけれども、これは直してもらいました。このときは、まさに住民が、子供が遊んで足をけがするからということで通報があったところです。私が見ても、これよりひどいところがあるんだけどなと思ったけれども、通報があったらやっぱりやってもらうしかないからお願いしました。
 それから、その左下は、大船の国鉄団地の公園ですね。そこの階段なんです。公園に行く階段がぼろぼろになっています。これ、本当に写真たくさん撮りました。それぐらいありました。
 それから、その右側、大船の市民農園、貯留槽があるところですね。あそこ、トンネルがあるところから鎌倉街道を抜ける長い側溝があって、ここも本当にがたがたして市民の方からも言われました。
 それから、岩瀬1丁目、ここも同じようにがたがたしている。
 この下については、後で話をします。一番下のところは、私道の話なので、ちょっと後にします。
 あと、明月院から今泉台に上がる坂のところの途中も、側溝の蓋に足が入ってしまって病院に行くという事態になりました。市が損害賠償を払うということになったということがありました。そんなに大きな穴じゃなかったんですけれども、それでも危険だったんです。
 コンクリートの蓋やグレーチングなど、蓋そのものを取り替えれば早いと思うんですけれども、とにかくより多くの整備を進めてほしいと思うんですけど、いかがでしょう。
 
○森 明彦 都市整備部長  側溝蓋自体の交換につきましては、コンクリート打設やあらかじめ作製した製品を設置する方法がありますが、一定期間通行止めが必要となるため、通行止めについて関係機関との調整、または近隣にお住まいの方の御理解が得られた箇所から順次蓋交換などの修繕に取り組んでまいります。
 
○12番(武野裕子議員)  一定期間ということで、それはコンクリートでやる手法ということで前回聞きました。三、四日かかるということ。だけど、蓋取り替えるぐらいでそんなにかかるのかなと思ったりもしているんですけれども、そう言っている以上、ぜひ地域の住民の方に何日から何日まで車は通れませんとか、そういうことで早くやってほしいと。けがしますからね。
 それから、自転車が通る道についてです。
 資料の2枚目です。2枚目以降は、前回出した資料だから、左上のアップダウンの写真は、今日の質疑には入っていませんけれどもね。真ん中は、武道館近くのところですね。これは直してもらいました。真ん中の大きなマンホール。青い車が見えますけど、これは直してもらいました。
 見て分かるように、自転車はどうしても側溝の上を走らざるを得ないんですよね。とても怖いんですよ。それで、すぐ横に車が通っている。私もこの道、通ります、一番下の八幡様のところ。自転車で通ります。それで、この側溝のところをよけるのも、後ろから車が来やしないかと確認しながらよける。できないときには側溝のところに乗っかってガタンガタンとしながら行くわけなんですよ。よろけなければいいけどなということですね。車のほうもやっぱり怖いと思うんですよ、車の運転手も。
 4年前の当時の答弁では、道路脇の路面に段差が生じ、自転車や歩行者の通行の支障にならないよう十分配慮した施工に努めると言っていましたけれども、いまだに側溝はそのままになっています。もっときっちり平らにできないものなのでしょうかと。車道のアスファルトの打ち替えがあるところはもちろんなのですけど、新しくするところはもちろんだけれども、今ある道路、そこでも自転車が側溝の上を走れるようにしてもらいたいと思うんです。道路が狭いのだから、当然。
 市長も選挙のとき、自転車乗ってますよね。そのときによく感じられたのじゃないかと思うんですよ、自転車が走りにくいと。今はインバウンドで、結構観光客もレンタル自転車で走ってたりもしております。側溝部分など自転車の通行についても、配慮が必要じゃないかと思うんですよ。何か方策があるんでしょうか。
 
○森 明彦 都市整備部長  現在、側溝や集水ますを整備する際には、それらの蓋が舗装面と平たんになり、がたつきがない製品で整備をしているところです。
 しかしながら、仮設、設置が古い側溝や集水ますについては、経年劣化が進み、がたつきや段差が生じている箇所がございます。それらの対策といたしましては、側溝の鉄の網目の蓋を目の粗いものから目の細かいものへの交換、また滑り止め加工が施されている蓋へ交換を行っているところです。
 引き続き、舗装工事など、アスファルトによる路面すり付けの際、道路際の路面に段差が生じ、自転車や歩行者の通行に支障とならないよう十分配慮し、施工していくよう努めてまいります。
 
○12番(武野裕子議員)  先ほどの歩道の整備と同じように、これを別扱いにしないで、自転車のところも計画的に見ていって、ちゃんと計画的に改善していってほしいと思うんです。
 もちろん通報があったところ、そうですけれども。それがすぐできないというのは、やっぱり人員が足りないのじゃないかなと、予算が足りないのじゃないかなと思ったりします。
 道路陥没の事故について質問をします。
 資料の3枚目ですね。これも、4年前、正確に言うと3年半ですけど、出した資料です。同じものです。岩瀬の私道の陥没、これは家の前が、門を開けたら、頭の大きさほどの穴が空いていてびっくりした、いろいろな棒を差し込んだら随分深くまで入るという。それで、結局、これは何かといったら、山の絞り水が側溝を通らずに、側溝の途中から脇にそれて穴を空けてしまったというものですよね。
 1月28日、八潮市で発生した陥没事故。これ、長い間、運転手さん取り残されて、長い間救助できませんでした。残念なことになっております。
 あと、今泉台の坂の下ですね。そこの陥没、これも今泉の団地から流れてくる雨水が側溝から外れて、橋の下に穴を空けて、これ、真ん中の写真ですね、そこからのり面を崩してしまったと、こういうことがありました。
 どうやったらこうした事件が未然に防げるのか、これ、命に関わる問題です。市が問題意識を持つよう、当時訴えた記憶がありますけれども、路面下調査については、今、緊急輸送路とか、民間団地のところとか、結構拡大しているとは思うんですけれどもね。実際、道路の長さ600キロメートル中の約1割ぐらいだと思うのです、まだ路面調査しているの。これ、私道を入れたらもっと多くなる。そもそも対象となるところが1割とか、そういう少ないわけですからね。全ての道路の空洞調査をするには現実的ではないんでしょうけれども、異常気象の昨今、今どうやって、今どこで陥没事故が起きるか分からない。
 今泉のこの写真にある下のところですね。ここの道路というのは、路面下空洞調査の対象ではない道路だったと先日聞きました。だから、どうやったら路面調査の対象が広げられるのかなと。どうやったらそれが陥没事故を防げるのかということです。
 そこで、4年前でも同じことを提案しました。道路陥没について、道路損傷等通報システムを活用したらどうかと。側溝の水が適切に流れていなくて、途中で流れていないということを発見してもらうということですよね。陥没につながるケースがあるわけですから、道路損傷等通報システムの通報分類を工夫されてはいかがでしょうか。
 
○森 明彦 都市整備部長  まず、今の御質問にお答えする前に、先ほど側溝の蓋の修繕につきましてですが、御紹介がありました写真につきましては、県道になります。鎌倉市道の場合は、先ほど申し上げたとおり修繕いたしますが、県道の場合には我々から県へ修繕の要請をしてまいります。
 そして、現在の道路損傷等通報システムの御質問でございます。
 道路損傷等通報システムは、道路施設が損傷した場合に、市民の皆様が速やかに通報していただくことができるよう、LINEを利用したシステムでございます。道路損傷等通報システムをより使いやすいものにするため、市民の皆様から意見を伺いながら、必要に応じて通報分類の改善を行ってまいります。
 しかしながら、土・日、休日や夜間につきましては、職員が内容の確認ができないため、道路陥没など緊急を要するものにつきましては、電話での通報をお願いしているところです。
 
○12番(武野裕子議員)  それは当然でしょうね。緊急を要するわけですから。
 ぜひ工夫していただきたいと。市民を信頼して、市民の通報で動いてもらうということが重要かなと思います、陥没に関しては。
 私道のことについても、ここで、写真の一番上ですね。私道でも事故が起きています。1枚目の写真の一番下、ここは、私道なんです。道路の幅も狭くて宅配便が通るたびにがたがたしながら、結局ここは壊れてしまいました。誰か足突っ込んだら危ないからということで住民がブロックを置きました。そういうところです。
 私道について、鎌倉市私有道路整備に関する取扱要綱というのがあります。これに該当しない私道の側溝が壊れた場合、所有者が自費で直すということになっているわけですが、代替わりとか、地権者が複数いるとか、そういうことで整備費の分担が難しくなっているのが現状ではないかと思います。
 舗装されていない私道は、砂利道整備には全ての地権者の承諾は必要ないと聞いております。だから、当時は、当時って私の子供の頃は、砂利が多かったですよ。砂利道とか、それで水たまりがあちこちいっぱいできました。そういう時代と、今のこの時代は、側溝が割れていくというのが今現実に起きている問題なんじゃないかと思います。だから、側溝についても修繕についても、取扱要綱で対応できるように拡充を図るべきだと思うんですけれども、いかがでしょう。
 
○森 明彦 都市整備部長  私道や私道に附属しています道路施設につきましては、土地所有者が維持管理を行うものと認識しております。
 しかしながら、御紹介ありましたように、本市におきましては、鎌倉市私有道路整備に関する取扱要綱に基づきまして、一定の条件を満たした場合には作業センターが私道のアスファルト舗装を行っているところです。
 市では、私道の部分的な修繕として、砕石充填などを実施しておりますが、側溝等の補修対応までには実施しておりません。
 私道の補修につきましては、公的支出の妥当性や公共の用に資するものかなど総合的に判断する必要があり、現在、市が管理する道路につきましても、鋭意補修作業を進めている状況であることから、鎌倉市私有道路整備に関する取扱要綱の拡充につきましては、慎重に対応していく必要があると考えております。
 
○12番(武野裕子議員)  市道、公道については鋭意順番でやっていると。結局、公道が先で私道は後ですよと聞こえたんですよ、今の答弁は。
 市長、4年前の私の質問、どこまで覚えていらっしゃるか。公道と私道に格差をつけて、どうやって市民の命を守れるのでしょうかと訴えました、当時。覚えていらっしゃるかしら。安全対策、ぜひ進めてほしいんです。道路の整備、これ、人が足りない、人員と予算が必要なんだと思うんですけどね。そこら辺、いかがですか、今の質疑いろいろ聞いて。
 
○松尾 崇 市長  私道と公道で格差をつけているということではなくて、これは役割分担でございます。公道は、市の責任の中でしっかりと整備し、私道は、基本的には土地所有者が維持管理を行っていただくという中において、その中でも本市におきましては、一定の条件を満たした場合には作業センターが舗装を行うなど対応をさせていただいています。
 鎌倉市としても、しっかりと維持管理していく範囲というのは、非常に多くて、それについても適宜実施をしていく必要があると考えています。そういう中において、慎重に対応していきたいと考えております。
 
○12番(武野裕子議員)  命に関わる問題ですよという話をしたんです。
 危険ブロック、補助がありますよね。あれ、私有財産ですよね、そのお宅にとって。でも、補助をして、そこが危険ブロックであれば補助をするとなっていますよね。家の耐震についても補助すると。もちろん条件いろいろつけてとは思いますけど、私有財産でも命を守るというところでは、補助をつけているんですよ。
 私、今ここずっとしゃべってきたのは、命と。こんな埼玉県ほど大きな穴が空くか分かりませんけれども、岩瀬の陥没はこんなに大きな穴だったわけですよ。ここ、高齢の方お二人暮らしだったところ、家を出て下を見なかったら、まさに足を突っ込んでたところなんですよ。命に関わる問題として、私は質疑しているんですね。
 だから、これ、安全対策、こんなに聞いても同じ答えだと思うので、別にいいですけど、人と予算をつけていただきたい。お願いします。
 次の質問に行きます。
 市役所移転問題です。
 市長は、文春のインタビューにも確信持って答えられたことが幾つかあって、だからこの問題は、主に市長にも答えていただきたいと思っております。
 公共施設再編計画の一端である市役所の移転、これが進むとさらに大船消防の廃止、体育館の廃止、支所窓口の廃止が進んでいきます。単に1つの建物ができるというだけでなくて、支所の窓口が廃止、その先は支所機能は拠点校に移される。
 この4月の市議選では、このことを知らなかった市民が実に多かったんですね。一生懸命知らせる努力をされているとは思いますよ。だけど、知らなかったと。支所なくなっちゃうのかと、いやいやなくなるというわけじゃないけどとか、建物がなくなるということじゃないと思いますよと言いながらも。支所、今、鎌倉には4つの支所、拠点校に集約するということで、今でも間違いないんでしょうか。
 
○藤林聖治 総務部長  支所機能のある行政センターにつきましては、学習センター、図書館及び地域支援機能を地域拠点校に複合化し、支所の窓口業務については、将来的にマイナンバー制度の運用状況やコンビニエンスストアでの各種証明書等の交付状況を見ながら、市役所本庁舎等へ集約化することを検討しておりますが、現時点では地域拠点校の選定や複合化等の具体の計画には至っていないという状況でございます。
 公共施設再編計画につきましては、令和8年度末を目途に見直しを行うこととしておりまして、令和5年度策定の学校整備計画の内容も踏まえまして、地域拠点校や支所機能の在り方について、改めて再編の方針を整理していきたいと考えております。
 
○12番(武野裕子議員)  改めて、やってください、ぜひ。
 原局の立場からしたら、今そういう答弁になるわけですよね。
 そもそも支所とは何なのでしょうか。地域住民の利便性を高めるために設置される、市民に身近な行政機関です。市役所から離れていても、同様の行政サービスが受けられるというもの。市民と行政がつながるための行政機関であり、さらには地域防災の拠点でもあります。住民が日常的に活用して地域の顔の見える関係になっていけば、大地震の際にも住民の協力体制がつくりやすくなるんではないかと、そういうものだと思うんですよ。それでも支所の窓口機能を廃止するんでしょうか。
 市長、支所って、支所機能ってそういうものじゃないんでしょうかね。いかがですか。
 
○松尾 崇 市長  公共施設再編計画におきましては、支所の窓口業務など行政サービスのオンライン化が可能なものにつきましては、順次市役所新庁舎等への機能集約することとしている一方で、地域活動への支援機能につきましては、5つの行政地域で継続して配置していくこととしています。
 ですので、何か不便になるというイメージが先行しているのかもしれませんけれども、そうならないようにきちんとオンラインで代替されていくという、こういう状況も見ながら、きちんと機能集約していくという、こういう考え方でありますし、今、御指摘あったような地域防災の拠点という、こういう考え方も大事だと思っています。現時点で5つの行政地域で、地域活動への支援機能については、継続して配置することとしています。
 再編計画は、計画期間が40年間と長期であります。社会情勢の変化によって改定を行いながら進めることが重要であると考えておりますので、令和8年度末を目途とした再編計画の見直しの中で支所機能を含めた行政センターの在り方につきましても、改めて検討してまいりたいと考えております。
 
○12番(武野裕子議員)  やっぱりそうですよね。支所機能、改めて検討し直さなきゃ、いつ来るか分からない災害に備えるということができないと思います。
 選挙が終わって、市長はこういうチラシを各議員に示して、懇談をされた。これは何かというと、「新庁舎を建築する事業(新庁舎整備事業)疑問などにお答えします」、何で詳しく言ったかといったら、これ、ホームページに載ってますから、検索しやすく全部しゃべったんですけどね。新庁舎Q&Aといったらホームページ出てきます。
 これに対して、順番にちょっと質問していきます。
 まず最初の「現在の本庁舎は、「災害対策本部等を担う施設」の耐震性の基準を満たしていません」ということについて質問していきますね。
 鎌倉市には、鎌倉市耐震改修促進計画というのと地震災害時業務継続計画、これ、それぞれ別の部署でつくられております。新耐震というのは、Is値で言うと大体0.6相当だということを聞いております。新耐震基準の考え方は、震度5強程度に対しては、ほとんど損傷を生じず、震度6強から震度7程度に対しては、人命に被害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことを目標としたものですと。
 これについて、ちょっと支所について伺います。
 鎌倉市耐震改修促進計画で支所は、Is値0.75という2類に入っていて、地域防災の拠点になっております。本庁舎が被災したら、代替施設として、地震災害時業務継続計画ではIs値0.69の深沢行政センターを第1候補、第2候補はIs値0.75の腰越行政センターとなっています。各支所は、1類の0.9の市役所の代替施設なのに、支所は2類の0.75に位置づけられていると。では、2類の行政センターの中でも玉縄行政センターは0.6のままで0.75になっていない、2類になっていない、それはなぜなんでしょうか。
 
○藤林聖治 総務部長  本市における既存建物の耐震化につきましては、議員御案内のとおり、鎌倉市耐震改修促進計画に基づき、昭和56年6月1日施行の新耐震基準より前の旧耐震基準の建物を耐震化の対象として実施をしているところでございます。
 耐震化に当たりましては、まず耐震診断を行い、鉄筋コンクリート造等の場合はIs値が0.6未満の場合に、建物用途に応じた目標、例えば2類の建物の場合はIs値0.75の性能を確保する耐震改修を実施することとしております。
 玉縄行政センターにつきましては、新耐震基準の建物であり、Is値0.6以上相当ということになっておりますので、耐震化の対象とはしていなく、建て替えや、あるいは大規模改修の際には2類に相当する耐震性の確保について検討することとしております。
 
○12番(武野裕子議員)  2類として必要だというふうに計画書には書いてあるんですよ。0.75が必要だというふうに書いてあるんですよ。建て替えるときというのが一体いつなのかと、それまで0.6のままでいいのかなという話でしょう。だから、鎌倉市耐震改修促進計画と地震災害時業務継続計画、整合性が取れていないんじゃないかと思うんですよ。
 第3分庁舎について伺いますけどね。
 平成8年に新耐震で建設されております。防災対策本部としては、その10年後に常設化の議論があって造られました。令和4年につくられた地震災害時業務継続計画では、災害対策本部は第3分庁舎になっていて、第3分庁舎が被災して使えなくなった場合は、鎌倉署の消防、大船にある消防本部と書かれております。
 防災本部が第3分庁舎の2階にありますけれども、第3分庁舎の建設時は新耐震で造られています。鎌倉市耐震改修促進会議によると、防災本部は0.9必要なんじゃないでしょうか。市役所第3分庁舎の耐震の現状はどの程度なんでしょう。
 
○藤林聖治 総務部長  第3分庁舎につきましては、御案内のとおり、平成8年11月に竣工したもので、新耐震基準の建物でございます。新耐震基準ということでございますので、Is値で評価するものではございませんが、Is値0.6以上に相当する建物ということです。
 
○12番(武野裕子議員)  これ、改修工事は行われているんでしょうか。
 
○藤林聖治 総務部長  平成21年度に災害対策本部室、これを常設するための内部改修工事を行いましたが、それ以外の改修は行っておりません。
 
○12番(武野裕子議員)  だけど、分からないんですよね。0.6以上で、0.9かどうか分からないんですよね。0.9にするって市の計画にあるのに。市の計画だけじゃないですよ。これは、そういった全国的にも本部と言われているところは0.9にしなさいよとなっているわけでね。これ、分からないままじゃいけないんじゃないかと思います。
 本庁舎と第3分庁舎でそれぞれ体制を取っているのですから、現庁舎の長期修繕計画はつくっていなかったということも以前の質疑で分かっております。今から来るかも分からない大地震に本庁舎を深沢に移転するというほど、こんなのんきなことはないんじゃないですか。
 防災本部なのにどうして耐震工事をしないのか。新耐震基準ができたのは1981年、本庁舎をIs値0.9にすることが難しいといって深沢に移転しようと。出来上がるのが2032年。なぜ第3分庁舎だけでも急いで防災本部としてふさわしい耐震強度にしなかったんですか。そういうことは、考えはなかったんでしょうか。
 
○藤林聖治 総務部長  第3分庁舎につきましては、新耐震基準ということでございますので、耐震補強工事の実施はしていないところでございます。
 なお、現時点におきましては、鎌倉市公共建築物耐震対策の実施方針に基づきまして、新耐震基準の建物につきましては、今後の建て替えや大規模改修の際に目標とする耐震性能の確保について検討することとしております。
 
○12番(武野裕子議員)  だから、耐震改修促進計画と業務継続計画は整合性が取れてないんじゃないですかということですよ。だって、0.9にしなきゃいけないんだから。0.9にしなきゃいけない本部がなっていないから深沢に移転するというのは、ちょっとおかしいんじゃないですか。
 先ほど申し上げましたけれども、第3分庁舎が平成18年からの設置の議論がされ、そして阪神・淡路大震災、これは1995年ですね。その大震災で、新耐震基準であっても見直しが行われてきています。平成18年、その10年後には建設された第3分庁舎ですから、その議論の中でどんな議論がされたのかと私は知りたかったんです。それで議事録を見ましたら、こんなのがあったのね。災害対策本部設置検討委員会が設置されたと。これの議事録を要求しました。そしたら、ありませんと言うんですね、ありませんと。つまり保存台帳に載っていないと。物理的にありませんという答えが返ってきたんですよ。だから、何年基準とかありますでしょう。1年、3年、5年、10年とか、30年とか、そういう基準すら入っていなかった、物理的に存在していないという返事が返ってきたんですよ。ということは、議事録そのものを取っていなかったということですよね。
 以前も資料請求したらありませんと言って、これじゃないんだけど、ありませんとこの場で言われちゃって、その後、ありましたと持ってこられました、この間。それと同じようにこれも出てくるといいなと思うんですけどね。
 現在の市庁舎を耐震改修したとき、平成17年(2005年)に耐震改修したときに、当時の資料によると、Is値を上げることもできたというふうに書いてあるんです。ほかの自治体では、庁舎と本部が別々にあるというところは幾らでもあるんです。だから、せめて本部はちゃんと0.9となっているか、ちゃんとやる必要があると思います。調べもしていないということでしょうかね。
 そもそも震度6とか6強とか7になったりすれば危険だということで、代替地でさえも危険になるということでしょう。2類でも、代替地、施設も危険だというくらいになったらどうするのかと。今は防災担当では、在宅避難というのを進めて、考え方を採用していると聞いております。こういうことも大事だとは思います。市民の命を守るという視点での鎌倉市の箱物としてのハード対策と業務継続や避難するというソフト対策の整合性が取れていないんじゃないかと思いました。
 市長、おまけに質問しますけど、直ちに第3分庁舎の調査等、防災本部としての必要な手立てをするべきではないでしょうか。それとも、そのままにしておくつもりでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  第3分庁舎につきましては、新耐震基準であることから、耐震補強工事の実施はしておりません。
 議員御指摘の防災本部としての在り方というところなんですけれども、防災本部につきましては、これは市庁舎全体のことを、今、鎌倉の現状ではこれに当てはまるものだと思っています。
 災害対策本部室だけが、これが強いということだけでは、我々が目指していくという災害に強いまちづくりというところの実現には届かないと私としては考えているところです。
 
○12番(武野裕子議員)  だったら、ここも0.9にする努力が必要になるんですよ。あした、あさって来るかもしれない地震、地震が来るから10年後に市役所を建てましょうっておかしいでしょう。
 何でこのときに直ちに。そしたら、この後の質問にも絡んでくるからここでべらべらしゃべっちゃったら質問できなくなるけど、狭いとか、埋蔵文化財がどうとか。直ちにやるべきことだったんじゃないですか、命を守るという視点で。せめて検討に入るとかね。
 こことあっちは本部の本部室だからということを言いましたが、じゃあ本部室はいいんですね、今のままで。ここがとにかく10年後に向こうに行くと。本部室はあした地震が来てもいいということになっちゃいますよ。
 だから、私は、ここももちろん0.9、後で狭いだなんだのあるけれども、じゃあせめて第3分庁舎は本部室だから。あした地震が来たら直ちに消防本部のほうを本部にするからいいんだという考えですか。だから、あそこは何もしない。調査もしない。どうなんですか。
 
○松尾 崇 市長  ちょっと御質問の趣旨を私がちゃんとのみ込めてないという気がしますけれども、何か部分的に地震が来るということではなくて、当然大きな地震が来たときの対応というところです。
 ですので、我々が今何をしなければいけないかというところでいけば、本庁舎、こちらにつきましては、新耐震基準以前に建てられているものでございまして、Is値が0.6というところを満たすということで耐震補強してきたという、こういう経過がございますので、大きな地震が来た際には本庁舎で継続して仕事ができなくなる可能性が高いという、ここを何とかしていかないと大きな地震があった後に市民の皆さんにしっかりと業務が継続できて支援をするという体制が整えられなくなるというところを考えているわけでございます。そのために様々な手段ということを検討してきたというところです。
 今の災害対策本部室が決して弱いというわけではなくて、新耐震基準で造られているものでございますから、今の中で耐震補強工事ということについては実施をしないという、こういう判断をしているというところです。
 
○12番(武野裕子議員)  じゃあ、あそこの第3分庁舎は、1類ではないということでしょうか。1類は0.9にしなきゃいかんと書いてある。あっちは違うということですね。第3分庁舎、あそこの建物は1類の中には入っていないと、1類はここだけだということ、あっちは1類には入っていないということですね。0.9にしなきゃいけない建物ではないということでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  両方併せて1類ということになります。
                      (発言する声あり)
 
○議長(中澤克之議員)  武野裕子議員、指名してから発言をお願いいたします。
 
○12番(武野裕子議員)  じゃあ、どうするんですか。やらないんですか。これ、堂々巡りになっちゃう。これ、ちょっとちゃんと持ち帰ってよく検討してください。この計画書を読み込んで私はおかしいなと思ったんですよ。第3分庁舎は、平成18年当時に防災本部を常設として造るべきだという議論があった。だから、あそこをもともと新耐震で造られているわけだしということでしょうかね。
 だけど、1類、0.9だと計画ではあるんです。もうこれ、何度言っても多分答弁は苦しいですよね。そういうことだということは認識してください。私ここをどうこうの話をしているんじゃないですよ。もちろんここの話をされるから、私はここだって0.9にそう言うんだったらすぐしなきゃいけない。あした、あさって来る地震に備えて、10年後に深沢に行きますということを言っているんですよ。ノストラダムスの大予言だったら、10年後に来るから、じゃあそういうことで10年後にあそこという議論があってもいいですよ。誰もそんな予言してないでしょう。予言なんかできませんよ。
 ここを0.9にするために向こうに行くと言っているわけでしょう。第3分庁舎そのまま、これでいいんですかということ。ここの話は百歩譲って脇に置いたとしても、第3分庁舎は0.9に耐震する必要があるんじゃないですか。いかがですか。
 
○松尾 崇 市長  第3分庁舎につきましては、新耐震基準で造られているというものになります。鎌倉市の耐震改修促進計画の中で新耐震基準のものにつきましては、これは改修しないと、こういう方針でございます。こうした中で、鎌倉市の全体の耐震の改修工事ということを方針を決めて進めているというものになります。
 
○12番(武野裕子議員)  だから、さっきから言っているように、耐震改修計画と業務継続計画とは整合性が取れていないと言っているんですよ。ほかの部署、別々の部署でつくっているからだということかもしれないけどね。0.9にしないというふうなことを明言されました。
 もうこれはやっても質問時間がたつばかりなので、次の質問に行きます。
 Q&Aの2番目で、「なぜ建て替えでなく、移転するの」という疑問に市は、現在の敷地には高さ制限や埋蔵文化財などがあって庁舎に必要な面積を確保できないと書いていますと。不足する面積を別途確保することができないということと、引っ越し回数が多くなると時間がかかると、効率的ではないと書いていますね。0.9にすると狭くなる。
 だったら、まさに支所の充実なんですよ。支所の機能を本庁舎に移してとなって、増やしちゃうわけでしょう。そうじゃなくて、だったら支所を充実する。DXの推進もおっしゃいました。それとか、1階のフロアももっとリフォームするとか、2階の議会棟のロビーのところなんかもリフォームするとか、工夫したらどうかと私は思いました。これについてはちょっと質疑しても時間がないので、ちょっと次に行きます。
 3番目のQ&A、「行政手続きの窓口を残すとともに、周辺の公共施設を複合化して市民の拠点にします」と書いてありますね。私、災害のときにこれ、どうなっちゃうのかなと思うんですよ。鎌倉市の責任範囲の庁舎の部分、それから指定管理の部分、それから民間に貸し出すという部分が、大体同じフロアにあると、防災の視点からしたら、共有部分があったりすると責任範囲だってどうなっちゃうのということもありますよね。
 こういう今回のQ&Aではもう幾つも疑問は出てきましたけれども、それをやってたらちょっと大変なのでこれに絞りますけれども、市役所を現在のところに残してほしいという声があったから、支所ではなく鎌倉庁舎とすると。これ、ほかの支所と同じにしないで2拠点体制にする意味は何なんでしょう。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  令和6年3月に策定いたしました「鎌倉市市庁舎現在地利活用基本計画プラン1.0」では、本庁舎現在地を鎌倉庁舎と位置づけまして、市民に寄り添った行政サービスを提供していくことに加え、移転後の市庁舎現在地も災害時における市民のよりどころとなる防災拠点としてしっかりと整備を行うこととしており、災害時には新庁舎と併せて2拠点体制を整えていこうというものでございます。
 
○12番(武野裕子議員)  同じでしょう、防災拠点にすると言うんだから、ほかの支所と。
 鎌倉市都市マスタープラン、平成27年9月ですね。ここでは、鎌倉駅周辺、大船駅周辺、それから深沢地域国鉄跡地周辺の3地域を都市拠点として、都市機能の集積と市民生活の向上を図る拠点として位置づけるとなっている。ならば、行政センターも、これ、大船庁舎と呼んだらいいんじゃないですか。
 とにかく、この計画では3拠点、そのほか、さらに玉縄と腰越。腰越は、業務継続計画で第2候補に挙がっているところだけど、位置づけとしては小さいですよね。それはともかく、その3つが拠点だと言っているのに、2拠点体制、ここだけ何でそんな大風呂敷を広げた名前、鎌倉庁舎とするんでしょうか。マスタープランから見てもおかしいんじゃないでしょうか。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  鎌倉市都市マスタープランにおける3拠点の考え方は、公共施設の有無ではなく、鉄道駅などの都市機能や地理的・歴史的な特性、各地域における地域資源などに着目し、鎌倉市のまちづくりにおける拠点として整備するものでございまして、防災における2拠点体制の構築と都市マスタープランによる3拠点の整備は、それぞれの目的に沿って進めるべきものであると考えております。
 
○12番(武野裕子議員)  都市マスでは、「防災・減災空間の整備、分節化された市街地の特性を踏まえ、それぞれの地区ごとに自立型の防災・減災市街地空間の形成を図ります。また、生活圏に対応した自主防災活動を支援し、災害に強いコミュニティを育成します。」冒頭に私、支所の役割の話をるる話させていただいて、答弁もいただきました。だから、都市マスに書かれているのと、この拠点を整備するということとは違うというのをちょっと聞こえたんですけど、同じじゃないですかね。あれは、3つを交通で結ぶという当たり前のことを書いてありますけれども、支所の充実が、だから必要なんじゃないかと思うんですよ。
 ごめんなさいね、市長。もう一回聞きますね。
 こうした意味からも、支所はすごく大事なんじゃないかと思うんですよ。いかがですかね。本庁舎と鎌倉庁舎の2拠点体制にする意味が私は分かりません。3拠点と言っててね。申し訳ない。もう一度、市長、2拠点体制にする意味は。ここだけ特別な名前をつけてやる意味はよく分かりません。教えてください。
 
○松尾 崇 市長  鎌倉庁舎という、こういう名称にしたらどうかと、こういう御提案は、共産党鎌倉市議会議員団さんからも質疑の中でいただいた御提案だと受け止めました。そのとおりにやるということを申し上げたいわけではなくて、そういう御提案をいただいた上で、我々とすると防災拠点というところを深沢地域、鎌倉地域、両拠点と位置づけていくということが市民の皆さんの安全・安心につながっていくと考えまして、こうした2拠点ということを考えたということになります。
 
○12番(武野裕子議員)  共産党が提案したからそうしたと。じゃあ、私たち、いろんなことを提案していますから、ほかのことも、やってくださいよ。共産党が提案したらやりますと言うんならやってくださいよ、ほかのことも。
 それは、多分ちょっと揚げ足を取ろうと思って言ったのかなと。ごめんなさいね、こんな言い方しちゃってね。
 ここがなくなってしまうんじゃないかという市民の声に応えて、ここも何らかの窓口をつくるべきではないかと。窓口だけじゃなくて、ここが鎌倉の中心じゃないかとか、いろんなことを言われたのに対して、ここも大事な拠点ですよと、だからここも向こうに行くということを私たちは是認していませんけれども。であるならば、この2つということも、そういうことも視野に入れてということで、決してそうするべきだと言ったわけじゃないです。
 4つ目のところでいきますと、新庁舎により、ほかの施策が後回しになることはありません、安全・安心、子育て・教育、福祉、市民生活に必要な施策にもしっかりと取り組みますと言っておきながら、文章は全然その疑問に答えてないんですよ。こんなのを将来の課題にしないでほしいんですね。
 そもそもレイ・ウェル鎌倉をなくしてしまって、子ども会館も全部なくしちゃいましたよ、子ども会館。沿岸部の津波対策、これも心配だらけ。いろんなものが後回しにされているように思います。
 今後さらに増大が見込める公共施設の維持管理コスト等を低減するといった効果もありますと書かれている。コスト軽減と言いながら、もう一つここに新築するということでしょう。
 そもそも市民の命とコストを何でてんびんにかけるんでしょうかね。
 それから、わざわざこのパンフレットには枠をつけて、熊本県宇土市の例が書かれていますね。宇土市が地震によってこんな大変な思いをしたと。テント張って、えらい思いをしたということですよね。宇土市の本庁舎は、地震災害時、業務継続計画がなかったのか、何なんだろうか、なぜこんな大きな被害を受けたんでしょうか。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  当時、宇土市では、本庁舎の耐震性能不足によりまして建て替えを検討している最中であったと聞いております。
 また、宇土市の本庁舎が熊本地震で大きな被害を受けた理由について、明確に示された資料は見当たらないところでございますが、一般的に地震による建物被害を悪化させる要因といたしましては、耐震性能や揺れの強さ、建物の構造に使用されている材料の劣化などが挙げられます。
 当時、宇土市の本庁舎は、築51年が経過しておりまして、少なくとも地震による揺れの強さと耐震性能不足が大きな被害の要因ではないかとは考えております。
 
○12番(武野裕子議員)  宇土市は、Is値0.3ぐらいだったそうですよ。だったら、壊れてああいうふうになっちゃうの当たり前じゃないですか。壊れたらあんなふうになりますよということを言いたいにしては、もともと耐震の問題があったところを出してやるわけでしょう。ここの現庁舎も早く建て替えないとあんなふうになっちゃいますよというふうに聞こえるんですよ、市民から見たら。こんな例を出すべきではなかったと思いますよ。
 それから、業務継続計画についてですけど、訓練のところが52ページに書いてあるんです。これ、私からの提案、提案というのか、発生時に行動できるような対応能力の向上を図ることが重要ですと書いてあるんですけれども、私、ここ8年ずっとこちら通っていますけれども、訓練はありますよ。ここだったらシェイクアウトとかといってここの下に潜り込んで、訓練はあります。全職員も外に参集して、消防車が来て、消防が上のほうに放水をするというのは何度か見ました。そういう訓練はしました。じゃあ、その後、業務の継続というところでの訓練がされているのかなと。例えば日曜日とか支障がないところで、ここが「はい地震です」と言って、深沢と連絡取って、そちらを業務継続のためにちょっと使いましょうということで、よろしくと、いやいや、第3分庁舎壊れちゃいました、消防に行きます、消防にもしもし消防ですかとやるのか知らないけど、そういう訓練が必要なんじゃないかと思うんですけどね。
 これは、提案です。やってますよと言うんならちょっと返事してほしいんですけど。そういうことですけど。いいんですよね。やったらどうかと思うんですよ。つまり参集だけで終わらせないと。その後の業務継続計画、52ページ以降に書かれていることを具体的にやってみたらいかがでしょうかということです。
 5番目、移転先の安全性はしっかりと確保しますということですけど、ここの問題というのは、村岡新駅の問題とか、本当にいろんな問題があって、これは別の機会にやらざるを得ないんですけど、深沢の移転は、深沢の土地の部分だけにとどまらない問題がある。それの1つに道路問題です。
 その道路が、深沢地域の周辺も浸水するということですよね。深沢地区の事業区域周辺道路の計画では、地権者との地権者協議と用地買収を進めていると聞いておりますが、深沢小学校西側道路の改良に向けた設計も進めているということです。これ、見通しが立ったんでしょうか。スケジュールとか、地権者との話合いが。これは、話がここで答弁できない部分もあろうかとは思いますけれども、スケジュールとか、今まで聞いたことないものですから、スケジュールというのは。どのようになっているんでしょうか。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  深沢地域整備事業用地の周辺道路対策でございますが、これは、土地区画整理事業の進捗状況に合わせまして、道路管理者でもございます神奈川県などの協力を得ながら順次行うこととしておりまして、具体的なスケジュールにつきましては、今後調整してまいります。
 
○12番(武野裕子議員)  じゃあ、そのスケジュールでいうと、本庁舎の開庁とか村岡新駅とか、村岡新駅は2032年(令和14年)ですね。私は要らないと思っている事業ですけどね。
 そういうのよりも先に道路ができるということでいいんですか、そのスケジュール感。道路ができ、今、深沢の事業に合わせてとおっしゃいました。おっしゃいましたよね。合わせてということは。同時でもいいですけどね、道路と深沢。同時でもいいですよ。少なくとも同時でもいいと。それより遅れないという答弁だったんでしょうか。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  当然、先行してやらなくてはいけない部分は先行してやっていくと、その他、深沢整備事業用地の進捗に合わせて進めていく部分は進めていくと、こういうふうに考えております。
 
○12番(武野裕子議員)  次に、深沢事業用地の災害についてです。
 鎌倉深沢地区まちづくり方針実現化検討委員会の防災部会の報告書で、深沢地域はほかの地域と比較して地震・津波・洪水・土砂災害で想定できる災害因子を複合的に考慮した場合という前置きをしておいて、災害リスクが非常に小さい地域と断定しているんですね。確かに海からも遠いし、山からもちょっと離れていると。そういう点だけでいえば小さい。だけど、洪水というのは、やっぱり皆さんすごい懸念していることです。
 あれを読みますと、ここで言っているのは、地震や洪水では過度のハード対策は現実的ではないとして、ソフト対策をしようというふうに書いてあって、つまり逃げろということでしょう、ソフト対策。ちょっとこれは、前にも建設常任委員会だったか、どこかで私も質疑しましたけど、この問題は。ちょっとどうなのかなと思っております。
 とにかくそこが浸水しちゃうとなると、深沢だけが盛土で、しかし救急、消防、出ようと思ったら水浸しという状況になっちゃうわけですよね。液状化についても、マンホールの浮き上がりというのも問題にされています。これも、事業用地の中だけがマンホールの浮き上がりをしないようにという意味になっているわけで、その周りの道路がマンホールが浮き上がるんだったら出ていかれないですよ、消防が。だから、せっかく区画整理事業をやるんだから、事業用地の周りの地域の洪水対策にも貢献すべきじゃないかと思っているんです。これは、再三、共産党は要求していることですね。
 流域治水という考え方で、柏尾川の上流には金井の調整池ができています。第二というのも造られるそうです。
 かつて報告の中で、深沢用地、1万2000トンからさらに2倍にするという報告があったから、ああよかったと私は思ったんです。私、今回、あのときはぼーっとしていたのか知らないけど、改めてこの準備する中で議事録を見ましたら、同僚議員が「建物の下に造る義務がある、そういうのがありますよね、そういう義務は生じないのか、どうなるのか」と聞いたら、当然事業者の方々についてもそういった義務は生じないと言っているんですよね。つまり、事業用地、地べたは鎌倉市でちゃんと用意してあげますと。2倍も用意しますと。事業者に代わって造ってあげるというのは、これはいかがなものかと思うんですね。
 貯留槽の設置義務を課して、ほかでは、深沢以外は貯留槽の設置義務を課しています。しかし、深沢の事業用地は、あんたたち買ったら要りませんよとなって、ほかと同等に義務を課す必要があるんじゃないですか。
 私、不公平だと言っているんじゃないんですよ。先ほども言ったように、周りの住んでいる方々にもちゃんと恩恵というのか、役に立つ開発にしてほしいと。今言ったように、流域治水という考え方からも、もっとあってもいいんじゃないのと。だって、あのハザードマップ見たら、手広だとか藤沢方面、本当に真っ赤っ赤ですよね。ちょっと言い過ぎかな。ピンク色ですよね。ひどいんです。
 だから、そういう意味からも、新しくそこにビルが建つときに、ほかの地域では義務が生じている貯留槽というのは深沢は要りませんよというの、これ、やめてもらいたいと思うんですよ。あんなに大規模にハザードマップで色がついていて大変なんだから、やめてもらいたいと思うんです。ちゃんとほかの地域と同じ、ビルの建設と同じように、責任持ってもらうということにしてほしいんですけど、いかがですか。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  土地区画整理事業は、鎌倉市開発事業における手続及び基準等に関する条例の適用除外となりますが、深沢地区の土地区画整理事業で整備する調整池については、条例の雨水流出抑制施設の基準に準じて約2万2800トン分の十分な量を確保する計画としており、個々の建物を建てた場合よりもこれは大きい容量となります。
 その上で、建物を建てるときの貯留槽などの雨水流出抑制施設の設置を義務づけるかどうかにつきましては、今後検討してまいりたいと思います。
 
○12番(武野裕子議員)  これほど市民が洪水のことを心配しているんですから、前向きに検討してください。
 それから、保留地処分の使い方ですよね。これだって村岡新駅に使えるというの、おかしいんじゃないですかということを、さんざんここでるる述べる時間はないので言いませんけれども、おかしいと思うんですけれども、深沢の事業用地の整備に回すべきじゃないかと思うんですけど、いかがですか。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  平成29年度に実施いたしましたまちづくり実現化検討調査の結果では、新駅を土地区画整理事業に含め、村岡・深沢両地区の整備を一体的に施行することにより、新駅の事業負担が必要とはなるものの、国庫補助金の増加や土地の増進による保留地処分金の増加が見込めるとともに、保留地処分金の増加による財源は、新駅を含む関連施設事業にも充当できることが判明いたしました。
 そのため、深沢地区の周辺の魅力、暮らしやすさやブランド力などの向上、あるいは大船駅や周辺交通の交通混雑の緩和などに寄与するものと考えられるため、事業用地の整備と新駅整備の双方に深沢工区で発生した保留地処分金を活用することとしたものでございます。
 
○12番(武野裕子議員)  何を言っても平行線になる話ですよね、これは。あれ、おかしいんじゃないかと、両市一体施行というのが。この話、ちょっと深みに入るから言いません。
 6番目、現在の本庁舎は保存すべき価値があるのではないかということでは、現時点で保存すべき建築としての位置づけはありません。それはそうなんですよ。位置づけはないんですよ。でも、市民がそうなんじゃないかと言って、それにまともに反論するんだったら、反論といったら何か、疑問にお答えしますと。そういうことを求めているんじゃなくて、大事なところなんじゃないですかと、調べる必要があるんじゃないかと思うんですよね。
 私、深沢行政センターと建て方がよく似ているなということで調べましたら、あの建物はモダニズム建築の大家と評されている村田政眞氏の設計だと。モダニズム建築となったら、この間、ここでもいろんな議論をされています丹下健三の香川県庁とか、お向かいの鎌倉商工会議所の話、武基雄さん、いろんな話がここでも飛び交っていましたよね。
 ある著名な景観建築物について詳しい方、造詣の深い大学の教授の方が言っていました。あそこの鎌倉の駅から交差点のところに行きまして眺めたときに、右側に商工会議所、左側に市役所、圧迫感ないですよね、全然。そうしたのも、建物も含めた景観の一つなんじゃないですかと聞いたら、そのとおりと答えました。景観の一つなんですね。残してほしいという市民がいるんだから、調べたらどうかと。
 それとか、提案していく鎌倉市景観審議会とか、登録有形文化財選定委員会、あとモダニズム建築ということでいえば、DOCOMOMOJapanとか、調査を依頼してみるとか、松尾市長もモダニズム建築に分類されるとおっしゃったと思うんですよね。市民がそうなんじゃないのと言って、いろいろやってみたけれども、そうじゃありませんとか、もしくはそういうことは結果が出ました、大した建物じゃありませんと結果が出ましたというのになって初めて説得力ある話になるんじゃないかと思うんですよ。市役所の、市民の意見を二分する事態で市議選の争点にもなったんだから、ここは丁寧に検証すべきではないでしょうか。いかがですか。
 
○古賀久貴 都市景観部長  本市の市役所本庁舎は、1969年(昭和44年)に建築されたもので、極力装飾を排し、合理的な精神の下に設計されたいわゆるモダニズム建築物であると認識しております。
 本庁舎は、竣工以来、50年以上この場所にあり、市民などに親しまれてきたものですが、文化的価値の評価は、歴史的・芸術的・学術的・技術的・地域的価値などの観点から総合的に評価していくものと認識しております。
 特に、保存するか否かにつきましては、今後の利活用の制約も踏まえ、判断していくことが必要となりますことから、今後、現在地の利活用の検討を進めていく中で配慮していくべき事項として認識するものでございます。
 
○12番(武野裕子議員)  配慮するべき事項、そうですね。ぜひ専門家からの意見も聞いてほしいと思います。
 それで、次の質問をしたいけれども、時間がこうだから、市長に質問しようと思っていたんですけどね。この6点出されたということで、やっぱり市民が納得できるものではない、もっと納得するものを出してほしいということです。
 じゃあ、次に行きますね。
 資材の高騰とか、最近すごいですよね。
 これについて、市長も資材高騰、人件費高騰について言及しております。市庁舎の建設について、市長は、基本設計を基に、概算工事費の算出で建築資材の価格高騰、労務費の上昇、さらには文化財調査に係る経費などを含めると、現段階で170億円を超える可能性があると考えていますと答えています。何か情報があって、ここまで分類をしっかり言って発言されたんだなと思いますので、そこはそういうことだと思います。それで、幾らになるんでしょう、結局は。市長がお話ししていることなので、市長がお答えください。
 
○松尾 崇 市長  新庁舎の整備費用につきましては、基本設計の進捗に合わせて算出するため、物価上昇の影響はあるものと認識しておりますけれども、現時点で明確な金額はお示しできる状況ではございません。
 
○12番(武野裕子議員)  だけど、こういう分類を項目挙げて言っているんですよね。資材の高騰での価格、労務費の向上、さらには文化財でかかる経費とか、そういうことを言っているから、何らかの資料が示されて言ったんじゃないかなと推測しました。
 市長自ら170億円以上、上振れを認めました。大船の東口の開発もオリンピックの影響で資材の高騰でストップしたということがありました。
 公共施設再編計画を見ると、既に大規模修繕の積み残しがあります。そして、その後の新築の計画のグラフがあります。平成27年の再編計画のコストの更新に係る費用は40年間で1979.2億円、それが今回の見直し作業を経たら2504億円になった。更新コストも49.5億円から62.2億円になった。
 これからインフラの問題、これ、インフラは入っていませんからね。下水道だとか、あとごみ処理施設なんかも公共施設再編計画の中には入っていませんからね。そのインフラも含めたグラフもありましたね。平成26年までの更新費用の総額が1207.8億円というのがありました。
 それから、下水道の持続型下水道再整備計画と、こんな壮大なプロジェクトがあるわけですよね。あそこは、海岸線なんかが前に高潮で壊れて汚水が海に流れたということがあって大変な苦労をされたと思うんです。だから、地震とかそんなんが起きたら海岸線にずっと備わっている下水道管というのをそのまま七里ガ浜に上げていくという、これ、危険じゃないかという判断なのかなと思ったんですけど、それをやめて全部山崎に下水を届けるという計画ですよね。これ、物すごい計画ですよ。幾らかかるんだろうと。
 今、物価の上昇はとどまることを知りません。どうなっちゃうのかと。全体として結果的には市民の負担になっていくということになるんだなと思っております。市の財政にも市役所移転には大きな影響があると思うんですよ。市長は、それでも市役所移転を見直さないんでしょうか。こんなにたくさんかかっていて、お金がかかると見通しがどうなるのか。どうですか。
 
○松尾 崇 市長  現在、物価高騰の影響は、自治体の財政運営にも大きな影響を与えているということは間違いありません。
 本庁舎移転など大規模事業を含む事業計画につきましては、歳入見通しと併せて事業の優先順位を行いまして予算編成を行っておりますが、各事業の実施段階におきましては、社会経済情勢を丁寧に見極めながら、必要に応じて時点修正を加えることで、持続可能な財政運営を保っていきたいと考えております。
 新庁舎整備につきましては、大きな災害が発生した際でも市役所が業務継続できる環境を整えていくものでございまして、市民の安全・安心を守るという上でも必ず行わなければならない事業であり、しっかりと進めてまいりたいと考えております。
 
○12番(武野裕子議員)  実施段階に応じてというのは当然でしょうけどね。だけど、必要に応じてとなるんならば、第3分庁舎でしょう。まあいいや。
 市長の責任は、すごく財政負担が、市民の負担がすごく大きいということで、市長の責任は非常に大きいと思います。深沢事業用地、ここは205億円から265億円に増加しました。だけど、村岡新駅は159億円のまま、それはなぜなんでしょうか。上振れということを考えたら、今でも大体計算はつくんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  新駅設置に係る事業費につきましては、令和5年12月5日時点でJR東日本から、物価状況などを見込んだ額として、事業費総額159億円という説明を受けているところでございます。
 
○12番(武野裕子議員)  これは、やっぱり契約しちゃったものですよ。もう契約しちゃったもの。しかも、直接鎌倉市が建設業者と契約しているわけではないという関係もあって、結局これ、全部JRの示したとおりということになって、ああそうかということで進めている。じゃあ、そのJRに対して159億円の積算根拠を示してほしいと言っても、この間ずっと示してきませんでした。これからもずっとこれは、積算根拠、分からないままで進めるんでしょうか。
 
○服部基己 まちづくり計画部長  新駅の事業費につきましては、詳細設計の妥当性の検証をまず第三者機関に3県市で依頼するとともに、その後、JR東日本からは、工事費の概算内容について、概算ですけれども、概算内容について提示を受け、確認をしているところでございます。
 なお、新駅の工事費に関する詳細な金額につきましては、これまでもJR東日本に開示を求めているところでございますが、JR東日本としては、「工事費の内容は新規契約が残っており、今後の契約に支障を来すことから公表できない」ということでございます。
 市といたしましては、工事費用の透明性を確保するという観点から、引き続き情報提供を求めてまいりたいと思います。
 
○12番(武野裕子議員)  当然ですよ。市の税金、市民の税金を使うんだから、透明性確保。今のところでは、概算設計のところまでしか出されていないということで、結局、ブラックボックスなんですよ、契約しちゃった後、ブラックボックス。こんな財政の使い方ってあるんですかね。これ、問題があるんじゃないかと思うんですけれども、何で示せないのかと。
 これ、質問ちょっと飛ばします。もう時間も来てますので。
 CO2の排出ということでも、今、建物を建てたり壊したりするだけでも、すごくCO2、環境負荷がかかるということで、これまで市長はいろんな宣言をしています。かまくらプラごみゼロ宣言で循環型社会とか、これでも持続型社会の実現とか、いろんな宣言してますよね。フェアトレードなんかとか。それでも、気候非常事態宣言、持続可能な社会の実現と。宣言だけじゃなくて、やっていることがどうなのということです。
 これ、もう最後だから言いましょうか。
 新庁舎の建設では、建設資材の製造においても、建設プロセス自体のエネルギー使用においても、解体と廃棄においても、大量のCO2が出ます。そうした状況の下で、いろいろ私も市長がどういうことで環境問題を意識されているのかと思って調べたら、世界気候エネルギー首長誓約に署名している。これ、市長が署名したと言うんですけど、どういうものでしょう。
 
○松尾 崇 市長  世界気候エネルギー首長誓約につきましては、自治体の首長が気候変動対策に関する国際的な枠組みであるパリ協定の目標達成に貢献することを誓約して、そのための行動計画を策定した上で具体的な取組を積極的に進めていく国際的な仕組みというものになっております。
 
○12番(武野裕子議員)  行動計画ですよね。私は、行動と伴ってない部分があるんじゃないですかということでこの質問をしているんですね。
 市長は、鎌倉は豊かな自然と歴史的文化遺産を有する唯一無二のまち、先人たちから受け継いだ環境を次世代へ継承するため、世界の自治体と共に気候変動対策に取り組んでいきたいと述べている。やっていることと矛盾しているなと思うんです。それについては、そうは思わないとおっしゃると思うんですけどね。
 今の社会というのは、スクラップ・アンド・ビルドという考え方はもうあまりされていないそうですよ、建築業界なんかでも。今ある建物を大事に使っていくという方向で長いこと使っていく。壊すにも建築資材を造るにもCO2の排出は物すごいということです。
 再編計画やマネジメント計画でも環境問題についてちゃんと書いてあるんですよ。資材の高騰が安定する兆しがない中で、一度立ち止まって現在の庁舎の長寿命化を含めて再検討すべきと思いますが、市長、いかがでしょう。
 
○松尾 崇 市長  本庁舎の整備に当たりましては、平成29年3月に作成しました本庁舎整備方針の検討段階で、防災・減災、機能性能、まちづくり、それから時間コストの観点から、長寿命化についても比較検討をした結果、長寿命化のほうがコスト高となりまして、移転のほうが優位性があったという結果です。
 長寿命化も当然ながら、工事費についてはエネルギー価格の高騰や労働者不足の影響を受けるものでありまして、決して優位性のあるものではないと考えております。
 
○12番(武野裕子議員)  だから、さっきコスト高のところに言ったでしょう。命とお金をてんびんにかけないでちょうだいといって。
 位置条例が3分の2にという規定になっているのは、市民生活に大きな影響があるからなんですよ。それを、別の予算をつけて2分の1の半分の議決でいいような予算を市長がやるから混乱しちゃうんですよ。そういう予算といっても、まだ建てるとか建てないとか決まってないから予算いいんじゃないのとつけるかもしれませんよ。でも、3分の2という意味合いは、もう一度言います、市民生活に大きな影響があるからなんです。市民の中で市役所移転の意見が二分化している、このままでのごり押しは、市民の税金を使う以上、絶対に許されないということを申し述べて、質疑を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  職員入退室のため、暫時休憩します。
                    (11時19分  休憩)
                    (11時20分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  再開します。
 一般質問を続行いたします。次に、藤本あさこ議員の発言を許可いたします。
 
○14番(藤本あさこ議員)  おはようございます。藤本あさこでございます。
 午前中に大項目1項目だけ質問させていただくということでお願いいたします。
 すみません、小項目の1番と2番をちょっと順番変えさせていただいて。本当にすみません。お願いします。
 おはようございます。藤本あさこです。2期目初めての一般質問に立たせていただきます。
 前回の定例会で私は、次に私がここに立たないかもしれないけど、それでも鎌倉市のアップデートが続いていくといいなと言い残しました。何とまたここに立つことができました。というわけで、皆様いろいろなお気持ちがあるかなと思いますけれども、引き続きアップデートを続けてまいりましょう。
 2期目の活動方針も変わらず、生まれた属性にかかわらず、同じ選択肢を持てる社会をつくることを掲げてまいります。
 そうして、4年前の議事録を見返していたんですけれども、そこでもほかにも、この議場を見渡したときの男女バランスについて言及していました。鎌倉市がSDGs未来都市である、SDGsゴール5にはジェンダー平等がある、それについて4年前にも指摘していました。ここの部分について、4年たっても進まなかった今の男女バランスですね。これはすごく残念というか、自分自身も悔しい思いがあります。市長部局や担当課の皆様に頑張っていただいたことも重々理解しておりますが、結果が出せていないということも引き続き共にアップデートしていきたいと思います。
 本日は、これらの方針に基づいて、子育て支援の充実、投票環境、また選挙制度の改善、教育環境の向上という3つの柱について質問させていただきます。
 それでは、最初の質問に入ります。
 子育て支援、保育の支援について、6項目お伺いいたします。
 最初に、毎年というか伺っていました、私が4年前にここに立ったときに最初に取り組んだこととしての待機児童の解消という問題がありました。これまで4年間、質問や提言を重ねてきました。それまでずっと鎌倉市としては、保育園の新設はしないという方針がありましたが、一転して新設に踏み切っていただいたこと、これが前期ですね、非常に喜ばしいことでした。実際に令和7年度に新設された園に入園された方からも、この園ができていなければ仕事を替えることになっていましたという声も、もう既にいただいているところです。
 最初に、これまでも伺ってきましたが、今年度の待機児童数や保留児童数の確認と、その方針についてお伺いしようと準備していましたが、同僚議員より同様の質問がありましたため、この質問については割愛をさせていただきます。
 そうして、これもずっと市長にお伺いしてきましたが、待機児童、保留児童、いつなくなる見込みなんですかとこれまで伺ってきました。これまで令和何年度にはゼロの予定ですといった、そういった答弁をいただくこともありましたが、今回また保留児童、待機児童の数、今回すごく減らしていただきました。新設していただくとやっぱりしっかりと減っていくというところだと思いますけれども、保留児童についても同様にしっかり検討して含みおいていただきたいということはこれまでもお伝えしてきました。保留児童も含めて、市長、いつ頃、ゼロというのは難しいかもしれませんけど、解消予定か、お伺いいたします。
 
○松尾 崇 市長  令和7年度の待機児童解消を目指しまして、令和6年度の待機児童数が34人に対しまして106人の定員増を行ってまいりましたけれども、保育所の利用を希望する世帯が増加したことなどによりまして待機児童の解消には至りませんでした。
 令和7年度につきましても、施設整備と並行して保育士確保などに取り組みまして、令和8年度の解消を目指してまいりたいと考えております。
 保留児童につきましても、しっかりと解消を目指して取り組んでまいりたいと考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  厳密にゼロというのが難しいという話は、もちろん担当課とも話はしていますけれども、令和8年度にも解消していければいいということでした。
 保留児童についても、やはり195人、減らしていただきたいと思います。待機児童がゼロになったとて、保留児童のニーズ、要はそこには、待機児童と保留児童というのは国が勝手に決めているわけですので、私たちからすると保育園に入れないというところは同じですので、あまり用語にこだわらず、しっかりと対処していただきたいと思って、重ねてお願いいたします。
 では、次の質問なんですが、認可外保育施設利用者への補助金が今現在、鎌倉市では認可外保育施設等を利用している世帯に対して、保留になった世帯に対してですが、上限2万円の補助金を支給していただいています。これが幼保の無償化の政策があったり、現在、シッターですとか、そういった保育料も高騰しているところから、やはり認可の保育所に入れた場合との保育料の格差、負担の格差が広がっていると思っています。
 現在、2万円の補助金なんですけれども、例えば3万円、あるいは4万円などの引上げをしていただくことで、世帯で年間の負担が12万円、あるいは24万円などの軽減ができると思うんですけれども、実際、今、待機児童や保留児童問題がまだまだ解決できていない鎌倉市としては、この支援強化が必須ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  令和6年度から認可保育所等の入所が保留となり、認可外保育施設等を利用して仕事に復帰した御家庭の経済的負担を軽減するため、利用料の一部を補助しており、令和6年度は23人の利用がございました。
 利用者のうち20人は、令和7年4月から保育園や幼稚園への入所がかなっており、待機児童に対する施策としては一定の成果があったと考えているところではございます。
 新たに始めた制度でありますことから、まずは利用者の声を聞くなど、金額面も含めまして制度の在り方を検討してまいりたいと考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  声を聞いていただくのも非常にありがたいんですけれども、上げたほうがいいですかといったら、それは上げたほうがいいと多分言ってもらえると思うので。
 ここは、近隣都市ではまだやっていない施策だと思うんですね。要は、ゼロ・2歳は非課税世帯であれば4万2000円の補助、国の設定でありますけれども、それ以外でも2万円の補助をしているということは非常に大きいことだと思います。
 負担の補助があれば、じゃあ例えば預けることができて少し早めに復帰ができるんじゃないかとか、そういったことにもつながっていくと思うので、ぜひここはちょっともう少し検討というか、前向きに検討いただけるとありがたいです。
 次に、一時預かりの申込み方法の改善についてです。
 昨年度からかな、保育園の入園についてのオンライン申請、こちらもお願いしていたところ、国のデータの統合とか連携に先駆けてオンライン申請システムを整備していただくことができました。現状、使い勝手にまだ改善の余地があるかなと思うものの、こういった選択肢が増えることが子育て世代にとってはうれしい、ありがたいことです。
 日々の子育てで忙しい中で、こういったアナログ手法による保育サービスの申込みというのは非常に難しいという声がたくさん届いています。現在の子育て世代であれば、デジタルデバイスへのなじみがある点、デジタルの申込みチャンネルを増やすということは行政サービスへのアクセスも促進できるという点から、保育のDXについては継続して提言してきているところです。
 現在、保育園における一時預かり事業の申込みが、電話による先着順の受付となっています。これが毎月1日だったり、その日にちが決まっていて、時間も決まっている。その電話で枠を取るという熾烈な戦いが実は毎月行われているということです、鎌倉市。
 これが非常に、チケットを取るときの争奪戦をほうふつとさせるということですね。皆さん、チケット争奪を電話でやっている。これは、非常に取れなかったときの、保育のサービスが電話の先着順なのが納得いかないとか、いろんな声をいただいているところです。
 これは、今、そのとおり、ユーザー側も非常に難しい。また、園側としても、先着順の受付、電話ではなく、例えば申込みいただいた日程によって保育所のシフトを見たりとか、どこまで受け入れられるかといった確認をしながら受け入れたほうがスムーズだという声もあると聞いています。
 これは、例えば横浜市では、横浜保育・教育コンシェルジュシステムというのが導入されていて、一時預かりの空き状況確認から申込みまでがオンラインで行える。東京の世田谷区では、同じく専用のアプリから、申込みから承認と否認まで結果が返るというところまでデジタル化が一貫しているということです。例えば目黒区であれば、申込み自体がLINEのアプリになっていて、一時預かりの申込みはLINEからできますよというふうになっているようです。
 いつでも24時間365日システムに入れるので、ユーザー側もいつでも申込みができる、事務効率も向上が図れる、情報管理などもスムーズになるかと、そういったデジタル化による多面的な効果が期待されると思いますが、一時預かり申込みのデジタル化についてお伺いいたします。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  公立保育園の一時預かりでは、児童の年齢や発達の状況、アレルギーの有無等を個別に確認しながら保育する人数を細かく調整していることから、現状、電話で予約を受け付けているところでございます。
 しかしながら、議員指摘のとおり、電話予約のみでは、予約する方と予約を受ける園双方に負担がかかっていることですので、システム上の受付につきまして検討してまいりたいと考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  お願いします。
 次です。保育園での総菜やパンなどの販売についてお伺いしたいと思います。
 子育て世代の負担軽減のために園でのお総菜やパンなどを販売する取組が広がっています。これは、子供を保育園に迎えに行ってから毎日の食事準備、これは子育て世代の多くにとって大きな負担になっているというところです。私自身、保育園や学童のお迎えが終わってからスーパーに寄ったりとか、それから御飯を作ったりするという、これが毎日あるわけですからね。月に1回とかならいいんですけどね。毎日やらなくちゃいけないのが非常にハードであると感じています。
 保育園でのお総菜販売は、保護者の時間的な負担軽減と、また子供と保護者が過ごせる時間が増えること、あるいは栄養バランスが取れた食事の提供というのも実現できる効果的な支援策ではないかと考えます。
 東京都内でもかなり様々な事例が広がっているんですけれども、今ここで茅ヶ崎市のケースを、ちょっと面白い取組があったので、提案いたします。
 地域のパン屋さんと保育園が連携して、パン屋さんでその日、売れ残ったパンを夕方保育園で販売するという取組が始まっているようです。これは、ウェブでも記事になっていたんですけれども、フードロスの解消、地域経済の活性化、園を利用する保護者の利便性向上といった面でメリットを感じているということです。
 実際の利用された方の声も載っていたんですけれども、保護者の側としては、お迎え時にパンが買えて便利だよと、そうするとやっぱり子供とゆっくり時間が取れる。また、園での買物体験ができることが子供が楽しそうという声もありました。
 そして、事業者側としては、廃棄が減ってありがたいだけではなく、お店を知ってもらえるといった声があったということです。
 実際、実施に当たって、食品衛生法であったり、アレルギーの対応、販売方法などの様々な工夫があるかなと、安全性と利便性の両立が重要かと思いますけれども、例えば市内のどこかのモデル園とかの試行とかから始めていただいたり、段階的に拡大していくなども期待したいところなんですけれども、こういった子育て世帯負担軽減のための園でのお総菜やパンなどの販売取組についてどのようなお考えか、お伺いします。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  保育園の空きスペースなどを活用しまして食品の販売を行う事例があることは承知しているところでございます。
 これらの取組は、販売する側と購入する側双方のニーズが合って成立していくと考えており、相談があれば必要な情報提供等の協力をしていくよう考えているところでございます。
 
○14番(藤本あさこ議員)  園でこういうことをしてみたいんだけどという問合せがあったら、こういうケースもありますねとか、市でサポートしていただける部分はしていただけるということですね。そのように受け取りました。よろしくお願いします。
 ここまでが保育と、ごめんなさいね、まだ続きがあるんですけれども、保育と子育ての支援策についてなんですけれども。
 先日、新人議員の説明会というのにちょっと私も2期目ながらお話を伺わせていただきました。企画課の話の中で、鎌倉市、今後、人口推移、減少ありますよという話の中で、開発のインパクトではこれぐらいの下げ止まり感、人口減の幅と、鎌倉市の子育て世代皆さんがこれぐらい子供が欲しいなという希望がかなったときの人口減というのも推移が出されていました。それは、開発のものよりもこれぐらい産めたらいいなというのが実際に産めたときのほうが人口減の幅というのは小さかったというのが私は印象的でした。
 持続可能なまちづくりのためには、子育ての障壁が取り払われるということは非常に重要であるんだなと改めて捉えましたので、ぜひこのあたり、引き続きアップデートをお願いいたします。
 5問目には、保育園や幼稚園の発達支援サポーターの配置についてお伺いしていきます。
 鎌倉市のかまくらっ子発達支援サポーター制度は、発達に特性がある子供たちを地域全体で支えるといったことを目的とした重要な取組です。市民がまず養成講座を受講して、その修了後にかまサポとして登録され、そして学校や保育現場で子供の見守りや生活面の支援を行います。
 保育園と学校ともに、今、大人の数ですか、足りないと言われている中で、こういった専門的な知識や経験を持つサポーターの存在は非常に重要だと考えています。
 これまでに学校への配置については何度もお伺いしてきましたけれども、市内の保育園、幼稚園の現在の配置状況など、状況をお伺いします。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  令和7年4月1日現在の保育園と幼稚園の発達支援サポーターの配置状況につきましては、保育園が4園、幼稚園が5園、合計9園にそれぞれ2名から6名のサポーターを配置しているところでございます。
 
○14番(藤本あさこ議員)  やっぱり学校に比べるとまだちょっと配置の広がりが少ない状態なんですけれども、この拡大についてお伺いします。
 かまくらっ子発達支援サポーターは、先ほども申したように、支援が必要なお子さんに寄り添いながら適切なサポートを行えるという意味で、大変重要な役割を担っていると思います。
 登録者数などもまだまだ限られたリソースであると感じますが、現場のニーズ、それにしっかりマッチングというか、的確に把握した上でマッチングしていく、そしてサポーターを拡大していっていただきたいと考えているんですけれども、これが重要と思っているんですけれども、今後の方針についてお伺いいたします。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  市では、市内の幼稚園及び保育園等におきまして、巡回相談や5歳児すこやか相談を通じまして、集団参加が難しいお子さんへの個別対応、活動の切替えが進まないお子さんへのサポート、他の児童に対する手の出やすさの未然防止、さらにはパニックを起こしやすいお子さんへの対応といった多様な支援ニーズの把握に努めているところでございます。
 これらの課題に対しまして、各園の先生方と連携しながら、お子さん一人一人に寄り添い、気持ちを理解しつつ見守ることを重視した支援を行っております。
 支援の実施におきましては、サポーターの配置が非常に有効な手段となるため、限られたリソースではございますが、今後もサポーターを効果的に活用し、現場のニーズに応じました適切な配置を行い、支援体制のさらなる拡充を図りたいと考えているところでございます。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                    (11時39分  休憩)
                    (13時15分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 藤本あさこ議員の一般質問を続行いたします。
 
○14番(藤本あさこ議員)  午前に引き続いてお願いします。
 次に、投票制度についてなんですけれども、一部ちょっと選挙制度についても含ませていただきます。
 期日前投票所の増設についてです。
 令和6年度の6月定例会でも質問いたしましたが、期日前投票所の増設についてお伺いいたします。
 期日前投票所を増やしてほしい、また駅や商業施設などといった利便性の高い場所に増設してほしいがどうかという提言をしました。
 今回、その検討状況をお伺いしたいのですが、期日前投票所には特別な情報をやり取りするためのネットワークが必要であること、投票所設置の一定の空間が必要であるということは確認しています。これらのネットワークの技術的な課題、あるいは無線化、また商業施設であったりとの交渉について検討が進んでいるのか、現在の状況と実現に向けた課題、今後のスケジュールなどあればお聞かせください。
 
○藤田聡一郎 選挙管理委員会事務局長  議員からの御紹介のとおり、選挙の際に市役所及び4支所に開設してございます期日前投票所には、二重投票を防止するための有線のネットワーク回線によるシステムを使用してございます。
 有線に代わり、無線のネットワーク回線のシステムを導入すれば、より利便性の高い場所への期日前投票所の開設が有線のネットワーク回線に比べ、容易になることが考えられます。
 しかしながら、期日前投票所の増設箇所や無線化に当たっての本市セキュリティーポリシーに適合させるためのセキュリティー対策、停電やシステム障害の発生した際の対応など、いまだ課題として考えられる事項が引き続き残っており、今後も引き続き検討していくところでございます。
 
○14番(藤本あさこ議員)  投票所が増えることと投票率の関係については、前回の質問でも既に明らかにしているところです。
 また、今回の市議会議員選挙では残念ながら投票率が下がったということもありますので、ぜひ期日前投票所の増設は検討の上、実施までつなげていただきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
 次に、投票率向上のための啓発について質問に移ります。
 投票率向上のために様々な手段を使った選挙啓発、これまでも様々提案してきました。現在、鎌倉市においては、中学校への模擬選挙の出張授業を実施していることは認識しています。また、今回の市議会議員選挙において、これは以前より提案していた時間ごとの投票率速報、こちら、今回もエックスで発信していただけました。また、駅や車内への広告を掲示していただくという新しい取組にも投票促進の取組をいただくことができました。
 このほかにも、それでもちょっと今回、投票率というのは、いろんな施策だけではなくて、その日の天候であったり、日程であったり、様々なものが関係しているというのは既に言及しているところではありますが、引き続き様々な啓発に取り組んでいただきたいと思っています。
 例えば期日前投票所なんですけれども、場所によって開く日が違うというのが実は知られていない部分もありました。全ての期日前投票所が告示の翌日からオープンすると思っていたという市民の方からの声もあったりしましたが、ちょっとそこが分かりにくかったりするので、例えば期日前投票所がオープンしたと、ここの投票所がオープンしたというのをLINEで発信していただくとか、また投票率の推移、それもエックスも見ていない人もいるかもしれないので、こちらも例えばLINEでやっていただくなどもお願いできればと思います。
 また、そのほかに、市内でのイベントへのブース出展なども考えていただきたい。二十歳のつどいのときにブース出展していただいたということはお伺いしています。こちらも以前お話ししましたが、例えばニュージーランドのとある大学のオープンキャンパスに行ったときに、そこに選管がブースを出しているということに驚いた記憶があります。
 そのように、投票の年だけでなく、選挙がないときでも選挙管理委員会が選挙にまつわることを様々市内のところで啓発していただくこと、市民がそういった選挙の年だけではなくていろんな年でも選挙や政治について考えられる機会を創出していただきたいと思っているところです。いかがでしょうか。
 
○藤田聡一郎 選挙管理委員会事務局長  啓発に関しまして、議員からも様々御紹介ございましたけれども、本市におけます選挙啓発に関しましては、令和7年に執行される選挙の啓発のために、今年1月に開催されました二十歳のつどいの会場にブースを設置いたしまして、選挙に関する告知とともに、アンケートやミニゲームを実施したところでございます。
 また、4月の市議会議員選挙の際には、投票日や期日前投票所の開設の告示、投票所入場券についての情報をSNSなどで発信したほか、啓発ポスターを作成いたしまして市内の公共交通機関の車内や駅に掲出したところでございます。
 選挙執行の際はもとより、日頃から選挙に関する啓発を行うことは、選挙人の政治意識の向上とともに、選挙を身近に感じていただき、ひいては投票率の向上にも寄与すると考えてございます。こうしたことから、選挙啓発につきましても今後も様々な工夫をしながら取り組んでまいりたいと、このように考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  ぜひよろしくお願いします。
 あと、選挙管理委員会の中にそういった啓発業務も入っているとは思うんですけれども、リソースが、選挙管理事務というのが本当に様々あって、それに追われるというか、その対応がまず最優先であると思っています。なので、できれば、例えば選挙がある年にはもう選挙事務になってしまうので、そういった啓発活動に手がつかないという状況なのかなとも思っているんですけれども、これらの投票率の向上、あるいは主権者教育などといった企画、取組について結構力を入れてほしいと思っています。
 ですので、例えば投票率向上プロジェクトとして立ち上げるのか、あるいは選挙管理委員会の中でしっかり企画担当というものを色分けして、事務とは別で走らせていくリソースを準備していただきたいとか、それぐらいの気概というか気持ちで取り組んでいただきたい領域でもあるなと思っているので、これは質問はしないんですけれども、ぜひそれぐらいものを充ててお願いしたいと思っている領域です。
 それでは、引き続きなんですけれども、子連れ投票の啓発を推進していただきたいと思っています。
 2016年に法律の改正があって、18歳未満の子供まで同伴しての投票ができるようになりました。しかし、これがまだ一般的に周知、十分であるとはまだ言えない状況かと思っています。
 一方で、両親が投票に行くときの子供の投票率が上がるという調査は既に様々な、総務省であったり、あるいは別の国のシンクタンクの調査でももう既に出ています。未来に向けた投票率向上のための効果的な施策であると考えています。
 投票所で、例えば子連れ投票が歓迎されているといった表示であったり、事前広報でここをしっかり周知していただくこととか、ベビーカーでも入れるようなスペースや、授乳・おむつ替えスペースもあったらなおいいかと思ったりしますが、そういった子育てしている世代が安心して投票できるような環境整備とその啓発の推進をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○藤田聡一郎 選挙管理委員会事務局長  議員からも様々御紹介ございましたけれども、公職選挙法の一部改正によりまして、平成28年6月から投票所に同伴できる子供の年齢が幼児から18歳未満に拡大されたところでございます。
 投票所で保護者の方などが実際に投票している様子を同伴している子供が身近に見ることで、一票の大切さを知り、将来の投票につながると言われています。
 子連れ投票の啓発の推進につきましては、他自治体などにおける取組事例も参考に検討してまいりたいと考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  他自治体ではもう結構やっているところもありますし、何よりデータが出ているので、早くやってくださいというところです。今年もいっぱいありますので、選挙が。そういったところから、例えば今掲示していただいているポスターに追加していただくとか、本当にできるところからやっていただきたいなと思います。お願いします。
 次に、これは投票ではなくて、先日の市議会議員選挙のときの提出書類についてのデジタル化というか電子化についてなんですけれども、たくさんの紙を頂いて、私たち手書きで恐らく今回立候補手続の書類などを提出したかなと思っているんですけれども、ここが電子化できないのかということをお伺いしたいです。お願いします。
 
○藤田聡一郎 選挙管理委員会事務局長  本市が執行管理する市議会議員選挙と市長選挙につきましては、選挙管理委員会から候補者の方などへ電子ファイルで書類を提供すること自体は可能でございます。
 選挙管理委員会への書類の提出につきましても、関係法令で直接届け出ることを規定している場合や本人の署名が必要な場合を除いて可能と考えておりまして、この点を確認、整理しながら、実施に向けて検討してまいりたいと考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  これは、ちょっと何年か記憶がないんですけれども、前回に同様の質問をたしか同僚議員がしたような気がしますが、答弁が全く同じだったような認識があります。
 今回、細かい話ですけれども、私もちょっと電子ファイルでもらえないかと言ったところ、もらえませんと選管の事務の方に言われました。もらえたような気がするがと思いながら今回の手続をしたんですけれども、出せるという答弁が前回も、私今回もいただいているので、ここはちょっと徹底していただきたいと思っています。
 また、そのほかの部分も、本人の署名などがない部分ではできるんじゃないかという検討ということを前回の答弁でもいただいていますので、そこは本当に整理していただいて、次から本当に実施できるようにちょっと運んでいっていただきたいと思います。
 では、この項目は、以上になります。
 
○議長(中澤克之議員)  職員退室のため、暫時休憩します。
                    (13時26分  休憩)
                    (13時27分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  再開します。
 
○14番(藤本あさこ議員)  それでは、次に、通級指導教室、教育に関する質問に入らせていただきます。
 通級指導教室の移動や送迎の負担軽減についてです。
 こちらは、令和5年の2月、また令和6年の12月にも重ねて提言してきている部分であります。
 通級指導教室は、発達に特性がある児童が通常学級に在籍しながら個別の指導を受けることができるといった重要な制度であると思います。しかしながら、市内への設置校が限られており、自分の在籍校に設置されていない児童が設置校へ移動する必要がある、そして移動は保護者が送迎する必要があるというのが現状です。この負担について、これまでも提言してまいりましたが、現在の検討状況と今後の方針についてお伺いします。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  鎌倉市内の小学校における通級指導教室につきましては、順次設置を進め、現在小学校5校に設置しているところでございます。
 小学校通級指導教室におきまして、保護者の送迎をお願いしているのは、指導の実際の様子を見学していただいたり、教員と情報を交換することによりまして御家庭と通級指導教室の連携を密にすることが目的であります。他方、保護者には送迎の負担があることも事実でございます。
 今年度より、中学校の通級指導教室の拠点を大船中学校に開設いたしまして、こちらは教師が各校を巡回する訪問型の通級指導教室で運用を開始しているところでございます。何分、今年の4月から開始したばかりでございますので、こちらでの運用と反省を踏まえながら、保護者の負担軽減という観点も含め、よりよい通級教室の在り方について引き続き検討を重ねてまいりたいと考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  中学校の通級指導教室が始まって、巡回型で始まったので、その様子を見てみるというのが前回の答弁だったと思うんですけれども、今回はまだ始まったばかりなので、様子を見てみるという答弁になっていると思うんですけれども。
 ずっと申していることは、要望は同じなので、ここの声はずっと入ってきています。要は、通級指導教室の送迎というのは、例えば水曜日の午前中10時から例えば1こまあるというときに、七里ガ浜小学校とか第二小学校とか、第二小学校だったら御成小学校だったり、あるいはつどいだと深沢小学校に行ったりする。要は、七里ガ浜小学校に通っている児童が朝、保護者の送迎で、水曜日、自分の学校には行かず、まず深沢小学校に行くと。深沢小学校で通級の授業を受ける、その間、保護者は待っている、そして終わったらその保護者がまた七里ガ浜小学校まで送っていき、午前の終わりなのかに合流するというのが今の手法なんですけれども、これが共働き世帯が増えている中でちょっと私の今の働き方としても全くフィットしていない。
 なので、これができる家庭はその支援にアクセスできる状態、そして保護者のあれがきかなったり、あるいは児童が別の学校に行くときの行きたくなかったり、場所が変わると落ち着かないとかといったいろんな特性によって支援にアクセスができない状態というのがあるというのは、本当に何度も伝えていますし、実際に通級を始めたけど、やはり生活が回らなくてやめましたという声も聞いています。これは、必要なことが分かっている、いろんな制度、いろんな面談を重ねて必要だからその支援をしていきましょうと決まったけれど、継続して支援が受けられなくなっているという状況があるということなんですよね。これをずっと言っているわけです。そもそも指導教室に入ることもできない状態の人もたくさんいると思います。
 巡回型は、設備がなかなかないから難しいとか、教室がないから難しいと様々理由があるんですけれども、実現しないということですか。だから、アクセスしたいと思っている児童も保護者もいますよ。でも、ずっと様子見ますと言って、でも、実際、巡回型は中学生のスキルならできるけど、小学生のところだと難しいとか、いろんなことがあったら、じゃあやっぱり小学校の通級指導教室へのアクセスというのは、在籍校に設置されない限りはずっと難しいままだということなんでしょうか。
 次の質問でもあるんですけれども、次の質問は、そもそもの通級指導教室の在り方なんですけれども、設置校に在籍していると保護者の送迎がないですね。設置校、自分が通う学校に設置されていれば、保護者は送迎しなくてもその児童は通級指導という支援にアクセスができる。在籍校を決めるのは、そこの希望は聞かないじゃないですか。それがあるから行きたいというのは、今できない状態ですよね。だから、住んでいる場所で決まってしまうんだけれども、在籍校にたまたま設置されていなかったら送迎が必要になってくると。支援にかかるハードルが違うわけですね、住んでいる場所によって。私はこの格差も重大課題、問題だと思っているということも、これも再三伝えておりますと。
 なので、ここが長年ずっと言ってますけど、なかなか改善されないということも踏まえて、通級指導教室というのが、この後もちょっとお話にするんですけれども、インクルーシブ教育と通級指導教室などは今のところ逆行していると思いますと。ですので、そういった視点も踏まえて、今後の在り方についてお伺いします。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  小学校の通級指導教室に関しては、議員御指摘のとおり、様々な特性や教育的ニーズを持つ子供たちに適切に対応するため、個別具体的で専門的な指導を受ける場として引き続き充実を図りたいとは考えております。
 一方で、御指摘のとおり、指導の専門性、設備の面から、全ての小学校に通級指導教室を設置することは実際のところ難しいと考えております。
 送迎の負担等を理由に通級指導教室ができない子供たちにも可能な限り支援が行き届くよう、全ての小学校に設置しております特別支援学級とも連携しつつ、教育相談コーディネーターや児童支援専任などを中心に校内支援体制の充実に努めていくことが大切であると考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  通級指導教室がない学校は、設置ができないからほかの手段で代替しますということですか。ですよね、今の話だと。
 ちょっと待ってくださいよ。だから、設置校に通うかどうかというのは、こちらは選択できないわけですよね。できない中で、設置校に通えたら、運よく通えたらそういった設備が整っている通級指導が受けられて、自分の行っている学校に設置がなかったら、代替のほかの手段を別に否定するわけでは全くないんですけれども、何かそこの格差がずっとあるんだけれども、それを続けていくというのを。いや、ほかの手段を否定しているわけじゃないんですよ。ちょっと違和感を感じます。すみません、じゃあ教育長、お願いします。
 
○高橋洋平 教育長  議員御指摘の通級指導教室の親御さんの送迎というところに課題があるというところは、私も重く受け止めています。
 今、部長から答弁ありましたのは、まず特別支援学級について、これ、鎌倉市では全校に設置できてなかったという中で、今年度、山崎小学校が設置されて全ての学校に特別支援学級ができたと。そういう状況の中で、送迎の負担等を理由に通級指導教室が利用できない子供たちにも全ての小学校に設置している特別支援学級と連携しながら、校内支援体制を確保していくというところを部長が申し上げたところでございます。議員御指摘のように、これについて、通級指導教室の送迎が難しいという親御さんに対する答えにはなっていないということも承知しています。
 現在、鎌倉市ファミリーサポートセンターにおいて子育ての支援が必要な方に有償ボランティアの支援会員を紹介してサポート活動というような形で支援を得られる仕組みがあります。こちらで現に通級指導教室の送迎を地域の方が支援してくださっているという事例があります。こちらは、実動可能な、そういった支援会員がいるかというところであったり、マッチングという課題はあるものの、学校と保護者が連携した上でそういった支援会員の力も借りるべく、ファミサポに相談していくというところも一つの打ち手になるかなと思っておりますので、ちょっと御紹介させていただきます。
 
○14番(藤本あさこ議員)  特別支援学級があるんですけど、通級指導教室でやる支援と特別支援学級の在り方がそもそも別ですよね。通級指導教室での支援みたいなものを特別支援学級で受けられるわけではないですよね。どこの部分の代替でした。
 
○高橋洋平 教育長  次、これからの御質問とやり取りにも関わってくる部分だと思うんですけれども、連続性のあるインクルーシブ教育システムというのが大事だと考えいます。
 通常級、それから通級、特別支援学級、特別支援学校、様々な場があり、様々な支援がありまして、それは分断されているわけではなくて、連続性のあるものになっています。
 なので、どこかにいなければ全ての支援が得られないというわけではなく、我々はどの場がふさわしい場なのかというところももちろん子供や保護者の方と相談しながらふさわしい場を御案内したりしていき、そして支援や教育が得られるようにしていきたいと思っておりますが、まず基盤としてはどの学校にも特別支援学級があり、そして多様な子供たちが包摂され、そこで可能性が開花できるようになっているというところが基盤で、そして通級指導教室もさらに専門性のある指導が得られる場として存在しているというような状況だと考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  おっしゃっていることは理解しますけれども、連続しているからいいんだと言ったら、じゃあ通級指導教室要らないやんとなるじゃないですか。
 だって、通級指導教室はつくりたいけどつくれないんですよね。違うんですか。何かもう必要ないと思ってつくってないということですか。連続しているからもうこれ以上要らないということですか。
 だから、通級指導教室を、何らかの形で全ての児童のアクセスのハードルが一緒になっていくということがまず一つ重要だと思いますと。ただ、今、部長のほうで、実際のところ難しいから、ないところについては特別支援級であったり、専門家の設置などでフォローしていくと聞きましたと。教育長が、連続性がある、どこの場がふさわしいか考えていくとおっしゃいましたけど、どこの場がふさわしいか、通級指導教室がふさわしいとなっても通えない子がいるという話ですよね。だから、どこの場がふさわしいかを考えていくと、何かいいように聞こえますけど、実際は多分そうなってないと思いますよ。というか、なっていないからこの質問をしているわけです。
 あと、ファミリーサポートで送迎サポートしていただくって、そのファミサポの利用料はじゃあ教育委員会から出るんですか、これって。今もう既に始まっているんですか。そういう方もいますよという御紹介でしたか。
 
○高橋洋平 教育長  ファミリーサポート制度は、有償ボランティアということなので、費用はかかってまいります。
 
○14番(藤本あさこ議員)  だから、利用者が申込みの手続もするし、利用料もかかるということなので、できる手法があるという御紹介はありますけれども、格差が是正されているわけではないと思いました。
 なので、そういうふうな手段を。もし、その手段を教育委員会として推奨するのであれば、そこのサポート利用料は負担してくださいと思います。
 
○高橋洋平 教育長  助成金制度というような形で支援会員に支払った謝礼の一部分を市から補助するというような仕組みは持ってございます。
 
○14番(藤本あさこ議員)  それは、上限20時間の半額出るというものかと思うんですけれども、それとこれは別ですよ。
 だから、通級指導教室が全学校に配置できていない状況で、だからアクセスできない児童が利用するんだから、それを教育長がファミサポやってもらえれば送迎できますよと言うので。こっちは全校設置なり何なりしてほしいというようなニーズがあるわけですよ、市民からすれば。いやいや、ファミサポ使えばできますよと教育長が言うんだったら、その費用はじゃあ出してくださいよと思うと思うんですけれども。出してほしいと思います、これをオフィシャルに推奨するのであれば。
 こういった活用をしている方もいらっしゃるというのは、確かにファミリーサポート制度の上手な利活用ですし、マッチングが進んだらいいというのは、本当にそのとおりだと思うので理解しますが、ちょっとそこの細かい運用については、まだ納得がいかないというか議論が必要だなと思うので、ちょっと今日は質問になかったのですみませんけれども、承知しました。引き続き、提言させてください。
 そして、こういった話をした中で、教育長の答弁の中でも少しありましたけれども、連続性があって通級指導教室に入っていなくても支援学級であったり、様々なサポートがあるというような話を今いただきました。ちょっとお話でも言いましたけど、インクルーシブ教育について改めて、これまでも何度もお伺いしてきているんですけれども、高橋教育長としてどう捉えているのかというのをちょっと伺いたいと思っています。
 通級指導教室の在り方は、分離教育の一部かなと私としては捉えています。特性を個のものとして捉えて、全体との協調というものがちらつくわけですね、狙いの中で。そうではないとおっしゃると思うんですけれども。特性というのは、教育長はよく御存じだと思いますけれども、個で発生するというよりも集団で発生すると私は考えているわけですね。だから、インクルーシブ教育というのは、分離教育だけで解決できないと思っている、これまで私がずっと申し上げてきたことなんですけれども、と私は思うんですけれども、教育長、お伺いしていいですか。
 
○高橋洋平 教育長  新しい教育大綱にも多様性を尊重した学びというのをコンセプトの一つとして掲げておりまして、多様な学びの場づくりを推進するとともに、重層的かつ連続性のあるインクルーシブ教育システムにより、多様な子供たちを包摂し、全ての子供たちの可能性を開花させるというような教育の実現を進めていくという必要があると考えております。
 議員御指摘の分離教育というところがどういうところにあるのかは承知はしないんですけれども、私どもとしては、通常級、それから通級、それから支援級、そして特別支援学校、こういった連続性のあるインクルーシブ教育システムで多様な子供たちを包摂するということが重要であると思っておりまして、全学校に特別支援学級も設置したという状況でございます。さらに、中学校の通級指導教室というのも今年度から訪問型で開始しているところでございます。
 もちろんこれで十分だと我々は考えておりません。議員からも今回は通級指導教室の保護者の送迎というような論点をいただきました。より一層、インクルーシブな学びということを推進するために、我々も汗をかいていきたいというふうな思いです。
 今年度からは、さらにインクルーシブ教育推進のモデル事業ということで、鎌倉支援学校との連携ですとか、あるいは小・中学校の特別支援教育の連携など、こういったところを進めていきたいと思っております。
 また、この議会でも議論ありました、かまサポの皆さんや、まなサポ、あるいはスクールアシスタントや介助員さん、様々な専門的なスタッフの力を借りながら総合的に取り組んでいるところでございます。さらにそれを前進していくと。
 これらの取組を通じて、全ての子供たちが自分のよさや可能性を認識するとともに、そして他者を価値ある存在として尊重し、豊かに協働しながら学んでいけるよう、インクルーシブ教育、あるいはインクルーシブな教育システムというものの構築をまだまだ進めてまいりたいと考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  通常級と通級と支援級があるというのは、高橋教育長の中では分離教育には当たらないんですか。それはインクルーシブ教育ということですか、認識としては。
 
○高橋洋平 教育長  ユネスコが提示しているインクルーシブな教育システムというところには全体を含むもので、そこの柔軟性ですとか連続性というところが鍵を握ると考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  連続性でも、ちょっと通級の送迎のことを考えるとどうなんでしょう。カリキュラム的に連続性はあるのかもしれないですけれども、日々の生活の中ではなかなかそういうふうには捉えている人が少ないかなと思いますけれども。
 理解しました。ちょっと言葉の定義などのあれもあるとは思うので。私が先ほど発言した個の特性というのは、この質問はこれでいいんですけど、個の特性と集団の中での発生というのが私は別だと思っておりますということです。
 例えば、私が今、鎌倉市議会でこうやって活躍できているけど、それが違う議会だったらすごいたたかれている可能性もあるわけですね。クラスとかも多分そういうことなんじゃないかと私は思っているんです。だから、一人の特性について、こういう特性だ、あるいは何かがあるというよりも、例えばよく言われるのは、クラスで問題がある、だからこの子の特性を緩やかにしてなじむようにしようということだと思うんですけど、何かそれはどの集団で発露するかどうかも変わってくると思っていて、そういう意味で、インクルーシブな集団を目指すべき。どんな子がいてもいいよねというよりも、みんないろいろいるんだから、それで前進するような集団として、それが私はインクルーシブ教育なんじゃないかなと思っているんですけど、ちょっとすみません。高橋教育長の御答弁をいただけましたので、承知しました。ありがとうございます。
 次の質問に行きますね。
 通級指導教室についての質問項目は以上で、その次は、不登校支援についてお伺いします。
 フリースクールの利用料の助成の拡大についてお伺いしたいと思います。
 県内でも鎌倉市が先行して始めている本事業だと思いますが、令和7年度から神奈川県でもフリースクールの利用料の補助事業というのが始まっていると思います。
 ただ、これは、神奈川県の補助事業というのは、フリースクール助成をしている自治体に対して、その助成額の3分の1の補助と認識しています。鎌倉市の現在のフリースクール助成は、利用料の3分の1上限で、金額としては1万円が上限になっているところですね。私は、神奈川県のサイトを見たときに、上限1万円、3分の1とあったので、鎌倉市の補助額が補助されるのではと見たんですが、自治体の補助額のさらに3分の1しか、しかという言い方も失礼なんですけど、負担していただけない、いただけないという言い方も変なんですけど、補助を始めてもらったので。
 でも、これは、ちょっと2つありまして、私は県からの補助としてはちょっと少ないんじゃないかと思いました。ここで言うことではないんですけれど。ですので、引き続き、鎌倉市から神奈川県に対して、フリースクール助成、利用者も拡大していますので、制度自体の拡大について要望していただきたいということと、県からの補助が入ったことによって市の負担が若干ですけれども減るというわけで、それを利用者への補助の金額を上げていただくというふうに、保護者というか利用者の経済的負担の軽減につなげていただけないかと思っているんですけれども、そこと併せてお伺いします。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  フリースクール等利用児童生徒支援補助金につきましては、令和5年度から市の独自の事業としまして他市に先行して実施してきたところでございます。
 神奈川県が補助制度を創設したことから、制度の拡大も含めまして、現在、制度の在り方を検討しているところであります。
 また、神奈川県に対しましては、市の負担軽減や市の補助制度の拡大につながるよう、県の補助制度の拡大について機会を捉えて要望してまいります。
 
○14番(藤本あさこ議員)  ぜひ要望してください。県下でまだフリースクール助成している自治体自体が少ないとは思うんですけれども、恐らく本当にこれは拡大傾向にあるので、様々な自治体も開始するだろうというところと、あと鎌倉市においては一応県からの補助は入る、3分の1ですけれども、そこの部分に関しては。
 だから、助成の3分の1の助成ですから、例えば市の助成を上げれば、その分補助も、県の補助も上がるということなので、そこはぜひ柔軟に対応していただきたいと思っています。期待しています。よろしくお願いします。
 次に、また小学校に戻りまして、校内フリースペースの運用状況についてお伺いしていきます。
 校内フリースペースの運用が令和6年度から始まりました。こちらの運用状況についてお伺いしたいんですけれども、まず校内フリースペース、やはり不登校傾向の児童・生徒への支援策として非常に重要だと思っています。不登校特例校は不登校になった先の支援策でありますから、学校の中でちょっと違和感を感じているような子たちをしっかり吸収していただける場所だと思っていますと。
 現在の利用状況や支援体制や、何か工夫や課題などお伺いしたいんですけれども、フリースペースが、私がちょっとお伺いしたいのが、フリーで使えているのかというところが一番伺いたいところです。例えばフリースペースに今日行っていいでしょうかと先生に聞いて承認を得てから行くとか、登録制になっているとか、行きたいときに行ったら何かそれぐらいの理由じゃ行っちゃいけないんだよとなっているとか、ちょっといろいろあると思うんですけれども、フリースペースがどのように、現状の利用状況であるか、お伺いします。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  校内フリースペースは、令和6年9月から市内の9校で運用が始まっておりまして、半年間で実人数で約130名の児童・生徒が利用しております。
 既に運用が始まっている学校からは、今まで不登校だった生徒がまずは校内フリースペースに登校できるようになった、不登校の未然防止につながっている等、よりよい支援につながっているという報告を多数受けているところでございます。
 児童・生徒が校内フリースペースを利用する際には、校内フリースペースの運用ガイドラインを踏まえ、事前に校内で共通理解を図るとともに、保護者の合意を得るようにしているところではございますが、いずれにしても子供たちの状況に応じまして、個に寄り添いながら柔軟性を持って対応していることが重要であると考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  まさにそのように思います。ここで部長が答弁いただくときに本当にそうだなと思うんですけれども、それが本当にしっかり現場で落ちていくようにお願いしたいというところで徹底してください。お願いします。
 そうして、不登校特例校、学びの多様化学校、由比ガ浜中学校、開校式がありましたと。次は、由比ガ浜中学校の入学を検討されていた方で、入学を現在していない方もいらっしゃると思うんですけれども、そういった方への支援についてお伺いしたいです。由比ガ浜中学校へ転入学を検討した子供たちで転入学に至らなかった子供たちは、その後、どのような支援につながっているのかを伺いたい。
 この学校への転入学を検討するということは、やはり現在の学習環境に対して何らかの課題を感じているということは根底にありますので、ここの学校に至らなかったとしても、彼らへの適切な支援継続というのは非常に重要だと考えています。具体的な支援内容や支援機関との連携状況など、フォローアップ体制などをお伺いしたいです。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  由比ガ浜中学校の転入学を希望した場合、転入学プロセスで複数の対話や体験の場を設けておりまして、由比ガ浜中学校を含めて本人にとってふさわしい学びの場について、保護者、子供、学校、教育委員会が共に考えていくプロセスを用意しているところでございます。
 由比ガ浜中学校への転入学を検討した子供たちの中には、福祉的、あるいは特別支援のアプローチが必要な子もいたため、転入学プロセスの中で必要なケアにつなげていくことができたと考えております。転入学希望者の中には、自らの個性や特性を踏まえながら、学区の学校の校内フリースペース、教育支援教室ひだまり、中学校通級指導教室など、それぞれふさわしい学びを選択していった子供たちもいるところでございます。
 いずれにしましても、教育センター相談室やそれぞれの在籍校において継続的に支援を実施しているところでございます。
 
○14番(藤本あさこ議員)  由比ガ浜中学校へのエントリーを経て、様々な状況を話し合って適切な場所を見つけるに至ったということ、事前の調整でもお伺いしているんですけれども、ひだまりとか通級とか特別支援、特別支援が必要な方もいらっしゃったと今お伺いしましたが、何かそれは由比ガ浜中学校への面接プロセスがないと見つけられなかったというか、ひだまりってずっとあったわけですから、そういったところに適切につながれていない児童・生徒ってすごくいるんじゃないかと思うわけですね。
 今回、由比ガ浜中学校に入学できなかったと言うのが正しいのか分からないんですけれども、それでつながれたとおっしゃいますが、例えばエントリーもできないでいるかもしれない方たちもまだまだいらっしゃると思うので、そう思うと彼らの中でまだまだ適切な場所とつながれていない可能性があるということなんだなと思うんですけれども、そこをぜひちょっと引き続き。今回の入学検討者だけでなくても、もっともっと適切な支援につなげていっていただきたいということです。お願いします。
 由比ガ浜中学校への入学の運用方法についてお伺いします。
 由比ガ浜中学校への入学スキームは、今後も昨年度同様の8ステップを行ってふさわしい生徒のみの入学としていくのかを伺います。ふさわしい生徒という言い方が正しいのか分かりませんけれども。
 8ステップというのは、実際に現在不登校状態にある生徒が様々頑張ってエントリーする、そして今、御自身が行けていない状態の学校の先生たちとの面談であったりを重ねて、最終的には検討委員会の中での議論があって入学が決められるというステップだと認識しています。
 検討委員会の中でどうやって入学する児童としない児童というのは決めているんだという話、私はここ、すごいずっと気になっているんですけれども、ここをちょっと、ブラックボックスとまでは言いませんけど、明確な基準ではないのかなと思っています。そもそも公立中学校なのに希望者全員が入れない、入学できない設計になっていることや、選抜方法が定量的なものではなく、定性的なものであるのではないかというところに違和感を感じているという課題点については再三お伝えしているところではありますが、今後の運用、今年度からもまたその入学手続があるのかなと思うんですけれども、この運用がされるかについてお伺いします。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  由比ガ浜中学校への転入学を希望した場合、転入学が本人にとって最適な選択肢であるかどうかを慎重に判断するとともに、不登校支援にとどまらず、必要に応じて福祉的な支援、特別支援等の支援につなげていくため、転入学プロセスとして複数の対話の場や体験の場を設けておりまして、今年度も基本的に昨年度と同様に進めていく予定でございます。
 子供たちにとっては大きなチャレンジとなりますが、対話を重ねることによって自分の将来と真剣に向き合い、由比ガ浜中学校を選ぶ場合も、選ばない場合も納得感を持って進路決定することができ、必要なプロセスであったと感じているところでございます。
 保護者のアンケート、今回の申出に対するアンケートにおいては、「最初は由比ガ浜中学校はどんなところだろうと漠然とした不安感があったようですが、プロセスを重ねていくことにより、その不安もだんだんと解消されて、今では学校で学びたいという前向きな気持ちに変わってきました」という声や、「面談や体験に時間をかけて気持ちに寄り添いながら丁寧に決めていただいたことで、親子でゆっくり考えて決めることができました」という声など、肯定的な意見を多くいただいているところではございますが、実際に負担に感じる子供たちがいることも事実でありますから、今後も子供たちに寄り添う姿勢を大切に進めてまいりたいと考えております。
 
○14番(藤本あさこ議員)  由比ガ浜中学校が希望する児童たちに対して最適な選択肢かどうかを慎重に判断するのを教育委員会がやることに非常に違和感があるんです。
 プロセスを様々踏んでいるとおっしゃいましたけど、最適な選択肢に別にさせる必要がないでしょうと私は思っているんですけれども。例えば通常の中学校に上がるときに、この学校が私たちにとって最適なのかどうかというプロセスは踏まないんですよね。自分の学区の中学校に入学するときに、御成中学校なり、大船中学校が自分に最適かどうかのプロセスは踏まない。でも、同じ公立中学校である由比ガ浜中学校に登校するときには、そこが最適なのかどうなのか、あなたがそことマッチするかどうかを教育委員会が判断するということですよね。そこにすごく違和感があるんですけれども。何で由比ガ浜中学校だけは最適な選択肢じゃないといけないんですか。
 
○高橋洋平 教育長  我々が行っているのは、選抜とか選考ということではないと考えております。どちらかというと、子供たち自身が由比ガ浜中学校に行くということを選んでいったということだと思っています。
 様々な対話であったり、あるいは模擬的な授業であったり、様々な、確かに多いステップがあります。それを受けてもらいながら、子供たち自身も本当にこの学校で頑張れそうかな、あるいは通常の学校に所属しながらフリースペースで頑張れるかな、あるいは違う選択肢があるかなと、いろいろ考えながら、そして今回、4月に31人の子供たちが、迷いながら、悩みながらも自分の選択として由比ガ浜中学校に入ってきたというのが実情だと思います。
 したがって、選択の結果というのが今、由比ガ浜中学校の高い登校率というのにも表れている。それは、子供たち自身が選んだ結果なんだと思っています。
 なので、我々としては、子供たちを選ぶ、あるいは子供たちによって最適な選択肢がこれだと与えるということではなくて、様々な選択肢もあります、その中でどこだったら一番その子の力というのが開花できるかというのを一緒に考えていくと、これがそういったプロセスなんだと思っています。
 
○14番(藤本あさこ議員)  おっしゃることは分かるような気もしますが、そんなことを言ったら全ての学校でそのプロセスを踏んでくださいと思っちゃうじゃないですか。教育の設定のいろんな基礎的なところがあると思いますけれども。
 由比ガ浜中学校というのは、この後の質問でもあるんですけれども、ふさわしい、登校率が高いからふさわしかったということで振り返っているということなんですか。登校率が高いほうがいいということですか。だって、今、教育長、登校率も高いですと。ごめんなさい、いいんですけど、何か。学校という、教育委員会が管理している学校で不登校になって、不登校になるということは結構人生が非常に大変になってしまうことを経て、由比ガ浜中学校に入るときに。ちょっとすみません。最後の質問でも同じような質問があるんですけど。それを通常校も運営している教育委員会が、あなたがここが最適かどうかをプロセスで判断しますというのが非常に違和感があるというのは、ちょっと。でも、引き続き議論させてください。これはずっと言っているところなんですけれども。
 それで、次なんです。由比ガ浜中学校の役割というか、これは確認しておきたい。
 4月12日に由比ガ浜中学校の開校式で、松尾市長からのお話の中で、この学校は10年来の悲願だみたいなお話があったと思うんですけれども、それが、鎌倉市に以前不登校かなという児童がいた、いわゆる東京大学でのROCKETプログラムを経験してきた児童がこういうものを鎌倉市にもつくってほしいと言っていた、そこからこの取組が始まって今日ここ開校するに至ったという話を松尾市長がしていたと思います。
 ここでちょっと思うんですけど、東京大学のROCKETプログラムというのは、私の記憶する限り、たしか異才発掘プログラムの一環だったような気がしますと。高橋教育長にお伺いしたいんですけれども、由比ガ浜中学校というのは、一応確認ですけれども、児童・生徒の異才発掘のプログラムの文脈であるのか、あるいは既存の学校でつらい思いをした、学ぶ権利を得られていなかった、不登校状態にある児童・生徒のための学校なのかをちょっと御回答いただきたいと思います。
 
○高橋洋平 教育長  由比ガ浜中学校は、特異な才能を持つ子供たちを発掘するような学校ということではありません。
 由比ガ浜中学校は、学びたい気持ちがありながら、様々な要因で今の学校に通うことが難しく、自分らしさを発揮できなかったり、あるいは自分らしく学ぶ機会を持てていなかったりする子供たちにとっての新たな多様な学びの場として設置したものでございます。
 
○14番(藤本あさこ議員)  そのように前の教育長からもずっと御説明をいただいていたと認識しています。
 開校式で松尾市長が、そこからの悲願だというふうにおっしゃっていて違和感を持った、開校式に参加した人ともお話ししましたけど、そこからの系譜なんですかというのを。ちょっとじゃあいいですか。松尾市長にもお願いします。
 
○松尾 崇 市長  誤解を生じさせてしまったと思いながら聞いておりましたけれども、私、あくまでもきっかけの話をさせていただきました。そして、そのきっかけは、学校、そういうROCKETのような学校をつくってほしいという願いでしたけれども、それは、私の受け止めとすると、ROCKETの学校をそのままつくってほしいということではなくて、その子供が小学校に通えなかった、それで非常につらい思いをした、だけど、もうちょっと具体的に言うと、先生は何とか学校に戻そうと力ずくで通わせようとしたという、こういうお話なども聞きました。そういうつらい思いをされたというところを私としては受け止めて、そういう学校に通いたくても通えない、そういう子供たちの行ける学校というところを受皿としてきちっとつくっていくということを私はお話をさせていただいたというところです。
 
○14番(藤本あさこ議員)  この点については、ULTLAも含めてずっと議論があるところですので、改めて確認させていただきました。
 ただ、不登校状態にある方たちが今の学校に傷ついて行けないので、別の場所に行くというときに、由比ガ浜中学校だったら特別な学びができるとか多様な学びがあるというような、先ほど教育長も登校率、今、松尾市長も、だから登校、私は、登校できたほうがいいと思いますけど、そこじゃないとは思っているので、居場所がなかった方がここでならと思える場所であったらいいと思うんですよね。由比ガ浜中学校の多様な学びにフィットする児童が来なくてもいいんじゃないかなとちょっと思っているところです。
 最後の質問なんですけれども、この話の流れの中で、由比ガ浜中学校の役割というところをお伺いしますが、由比ガ浜中学校が非常に多様な学びができそうな場で、学校もいろんないい家具というんですか、何かすごく宣伝がありました。ULTLAのときもそうなんですけれども、メディアがたくさん来て取り上げられたりしていた。しかし、ULTLAについては、全国メディアも来たり、新聞に掲載もあったけれども、実際の市内の児童・生徒におけるULTLAの認知度がどれぐらいかといったら、やっぱり4%だったということですよね。そういった結果がありました。だから、様々宣伝いただいていますけど、メディア取材受けてますけど、じゃあ実際、市内でどれだけが認知しており、そのものをアクセスできているのかというのには課題があるという話は既にしているところです。
 今回も由比ガ浜中学校、非常に注目されていますが、やっぱり通常校でも多様な学びというのはできるというよりも通常校自体が多様な学び場になっていく必要があると思っています。だから、学びの多様化学校は由比ガ浜中学校ですと今なっていますけど、学びの多様化学校は全ての学校であるべきだと思います。
 次期学習指導要領改訂の中でも、教育課程が柔軟になっていくという話がありますけれども、これがしっかりいろんな学校で学びの多様化の学校であるというふうに落としていってほしいと思っているんですけれども、教育長、お伺いします。
 
○高橋洋平 教育長  通常の学校も、より多様な子供たちを包摂できるような学びの場になっていくということは、議員御指摘のとおりでして、私もそういった思いで進めております。
 由比ガ浜中学校は、分校型の多様化学校として県内初ということで多数メディアに取り上げられるなど注目を集めておりますけれども、当然、この学校だけがよければということではありません。市全体の教育長が私ですので、当然、ほかの全ての学校、全ての子供たちが大事であり、そして多様な子供たちがそれぞれの可能性を最大限に開花できるような学びの場と、どの学校もなっていくということが大事だと思っております。
 そういうふうな考え方に立っておりまして、ある意味では由比ガ浜中学校というのは、教育大綱で掲げる学習者中心の学びを実現し得る場だと思いますが、ほかの学校も由比ガ浜中学校の実践から学び、ヒントになり、そして展開していける部分があると思っています。議員御指摘の柔軟な教育課程などもその一つであると思っております。
 由比ガ浜中学校で行っているULTLAという総合的な学習の時間、いわゆる探究的な学びの時間であったり、そういったところは例えばスクールコラボファンドを活用しながら、ほかの学校でもさらに一層展開していきたいと思っておりますし、学習空間というような形でいっても、それぞれの学校にもフリースペースの設置、あるいは中学校のPCルームをより探究的な学び、学習者中心の学びができるような学習空間に今転換していこうというような事業を進めております。
 このような教育大綱に掲げる学習者中心の学びというのは全ての学校で推進しまして、全ての学校が子供たちにとってわくわくするような学校になるように、教育委員会として支え、助け、励ますということが私の仕事だと思っております。
 教育大綱の学習者中心の学びということに関しては、私も昨年度末、それから今年度初めにかけて全ての学校を訪問して授業を見て、そして先生方と学習者中心の学びというのは一体どういうことなんだろうか、そして由比ガ浜中学校から学ぶところというのは一体どういうところなのか、より多様な子供たちが輝ける学びの場というのはどういうところなのかということを対話してきています。
 こういったところで、由比ガ浜中学校の実践というのを決して由比ガ浜中学校だけに終わらせることなく、全ての学校にとってさらにインクルーシブな学びというのが推進できるように努めてまいります。
 
○14番(藤本あさこ議員)  ありがとうございました。多様な学びという面では本当にそうだと思います。
 ただ、私は、何度も申し上げておりますが、学校でどんなに多様な学びをやっていただいても不登校の児童・生徒にはそれが届いていない状態でありますので、フリースペースをつくっていただきました、本丸の学校の改革を早くしてほしいというところ、これは何度も言っています。不登校特例校、外につくるのもいいと思います。ULTLAを外でやるのもいいと思います。ただ、本丸の中でどのような、彼らが伸び伸びわくわくする学習者中心の学びというのが実現しているのか、ここで教育長がいただく答弁と現実の現場の乖離もすごいですということも、もう既に質問で言及していますので、今の御答弁のことを理解しています。様々な多様な学びについて取り組んでおられること、分かりますけれども、やはり学校に行きづらいとか、居場所を感じられないとか、そういった方たちの数は減っていないので、やはりここが私としては公教育としては最優先だと思っておりますので、そこについてしっかりとリソースというんですかね、今回、議案の件もありますけれども、やっていっていただきたいと思います。じゃあ教育長、そこだけ。私としては、多様な学びは分かります。でも、やっぱりそこが重要というところを思っていますので、ちょっと一回お願いします。
 
○高橋洋平 教育長  そこは私も同じ思いでして、学習者中心の学びというのを進めるにはリソースが必要だという部分もあります。そこは議会の御理解もいただきながら、私としては全力で、全ての学校だけじゃなくて全ての子供たち、あくまで子供たちの視点で、それぞれの子供たちが最大限輝けるように、答弁だけではなくて、手と足も動かしてしっかり推進していきます。
 
○議長(中澤克之議員)  職員入退室のため、暫時休憩します。
                    (14時16分  休憩)
                    (14時17分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  再開します。
 一般質問を続行いたします。次に、津野てるひさ議員の発言を許可いたします。
 
○9番(津野てるひさ議員)  新人の津野てるひさといいます。
 このたび、鎌倉市民を守る、鎌倉を守ると訴えて、この場に立たせていただいていることを感謝申し上げます。この議会の場において、私は、鎌倉市民の公益というものを最優先に考えて、行政の皆様としっかりと議論を交わして、鎌倉市民を守る、鎌倉を守るということにつなげてまいりたい所存であります。どうぞよろしくお願いします。
 本日、通告で2つの質問を用意させていただきました。1つ目は、新型コロナウイルスワクチン副反応被害に対する鎌倉市の対応について、2つ目、学校給食無償化が実施された場合の鎌倉市の対応についてということで質問させていただきます。
 まず、大項目の1つ目として、新型コロナウイルスワクチン副反応被害に対する鎌倉市の対応についてお聞きします。
 コロナがパンデミックといって日本に上陸してまだ5年というか、もう5年という感じなんですが、2020年1月からコロナのパンデミック、当時は、様々な情報が錯綜し、混乱が起こりました。そして、画期的とうたわれた新型のコロナウイルスワクチンの接種が2021年2月から始まりました。21年、22年、23年、24年と、我が国の死亡者数が年々増え続けています。23年5月にはコロナが5類になった、パンデミックは終わりましたよということなんですが、それでも死亡者数が年々増え続けているという、こういった状況です。多くの方が何かおかしいなと思ったのではないでしょうか。
 新型コロナウイルスワクチンについては、鎌倉市は象徴的な町でございます。当時13歳のお子様が不幸にもワクチン接種による健康被害で亡くなるという痛ましい事例がありました。鎌倉市議会においても何年もワクチンの危険性を訴えてくださり、また市民活動も活発に行われている地域でございます。改めて、私のような新人議員が質問することで、この件が風化されることのないよう、また次に似たようなことが起こったときの対応のために意義のある質問と思いますので、よろしくお願いします。
 新型コロナウイルスワクチンを接種した後に様々な健康被害を訴える方が続出していると私は認識しています。一時的なものであったり、継続的なものであったりとあるわけですが、ワクチンというもの、新型ウイルスワクチンに限らず、様々な予防接種後の体調不良に関しては、インターネットとかで見ていくと、副反応とか健康被害、そういった言葉が出てきます。そして、副反応疑い報告、健康被害救済制度と続くんですが、一般市民にはこれ、何のことかよく分からないんではないかなと思っています。それぞれどのような制度なのか、分かりやすく説明していただきたいと思います。お願いします。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  まず、御紹介いただきました予防接種後の副反応疑い報告ですが、これは国が、接種後に生じる副反応を疑う症状を、その原因が、因果関係が不明な場合も含めて広く集めまして、予防接種の適正な実施のために必要な措置を講ずるための制度であると思っております。具体的には、接種をした医療機関から独立行政法人の医薬品医療機器総合機構というところにも報告されるものでございます。
 次に、予防接種健康被害救済制度とは、予防接種法に基づく予防接種を受けて健康被害が生じた場合に、被接種者、要望接種を打たれた方が市町村に御申請いただくものでございまして、申請を受けた市町村は、健康被害調査委員会という審議会で審議をした上、その結果を県を通じて国に進達という形をさせていただいております。
 国は、これらの事例につきまして、疾病・障害認定審査会において審査を行いますが、認定に当たりましては、個々の事例ごとに厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とするという考え方に基づいて審査をしております。健康被害が予防接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定した場合には、健康被害の種類によって給付金が支給されることとなるものでございます。
 
○9番(津野てるひさ議員)  今お聞きしたところによりますと、副反応疑い報告というものは、ちょっと体調悪いなと、よく発赤とか、筋肉注射ですから発赤とか、その部位が腫れたとか、発熱したとか、そういったことで医療機関へ行った方がこれだけありましたよというのを医療機関から国へ報告されていくという仕組みの話ですよね。
 健康被害救済制度というものは、体調不良を訴えた本人が自ら、いわゆるこちら、役所へ訴えて出てくるという、こういった仕組みの話ですね。
 そして、役所が代わりに申請の手伝いとか、そういったものを進めていくんですかね。本人自らがやるというような形になっていくんですかね。救済制度のほうなんですが。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  もちろんこれは制度でございまして、被接種者、打たれた方が御申請いただくものでございますが、これにつきましては、鎌倉市ではできる限りのお手伝いをさせていただいていると思っております。
 
○9番(津野てるひさ議員)  ぜひこういった方が来られたときに適切な対応をしていただきたいと切にお願いいたします。
 そして、鎌倉市で今現在、救済制度、過去に遡ってもいいです、利用された方は何人ぐらいいらっしゃるんですかね。分からなければ分からないでいいです、今。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  すみません、ちょっとコロナウイルスワクチンの関係でしか手元に資料がないものですから、それについてお答えさせていただこうと思います。
 健康被害救済制度でございますが、これまでのところ、申請としては17件を御申請いただいております。その中で結果が出たものが、認定されたものが12件、それから否認になったものが4件、これで16件でございまして、結果の確定が済んだものがその数字ということでございます。それ以外には、あと死亡一時金及び葬祭料につきましては3件申請をいただきまして、認定が1件、否認が2件、それから未支給給付につきましては、申請件数が1件で、そのうち否認が1件と、そのような数字となっております。
 
○9番(津野てるひさ議員)  そうすると、今、認定途中の方はいらっしゃるんでしょうか。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  すみません、ちょっとお時間いただいていいですか。申し訳ありません。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により、暫時休憩します。
                    (14時26分  休憩)
                    (14時27分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  再開します。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  お時間いただきまして申し訳ございませんでした。
 現在申請件数で、認定が12件で、否認が4件になります。それから、まだ結果が出てないものについては1件という形になっております。申し訳ありません。
 
○9番(津野てるひさ議員)  今現在、1名の方が認定を待っているという状況を今理解いたしました。
 そして、副反応疑い報告、健康被害救済制度、こういった制度があるということを市民の皆さんがどれだけ認知されているのか計り知れないんですが、雰囲気でもいいですけど、感覚として教えていただきたいんですね。お願いします。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  我々といたしましても、できる限り健康被害救済制度についての周知、市民の皆様にできるだけ知っていただくということは大事だと思っております。
 もちろん市のホームページであるとか、毎号の「広報かまくら」、このように告知の記事を載せていただいております。また、特例措置のときも、現在のときにも、接種券をお送りするときの個別の案内にも必ず含めるような形で、できるだけそういう救済制度があるということも踏まえた上で接種の御判断いただくように努めているところではございます。
 
○9番(津野てるひさ議員)  私もホームページを見まして、トップページにそういった案内が出ていて、そこから入っていったときに、今、人数とか、どういった申請状況なのか、そこの部分は非常に見づらかったんですね。多分エクセルのグラフか何かで出ているんですが、フォーマットをもう少し一般の方が見て分かるようにしていただけたらありがたいなと思いました。ぱっと見たときに考えなきゃいけないような仕様になっていましたので。トップページに載せていただいて、興味、関心のある人たちをそのページへ誘導していくという。
 そして、私、普通に会社員を長くやっていました。ホームページの在り方としては、どうしてもページビューというんですか、そういうのもすごく気になるところですね。いろんな市役所のホームページ、ページビューあります。そして、コロナ救済制度というところをポチッと押すとページビューが分かるはずなんですね。そういったものも日々日々気にしていただければありがたいと思います。
 5月末、また寒川でコロナが出たということで、学校が休みになったとか、そういうふうに聞いているんですが、まだまだこれからも油断できない、どういった形になるか分かりませんが。ただ、私が5年前からコロナ、そしてコロナのワクチンに対して疑義をずっと訴えていた人間なんですが、その頃と大分さま変わりしてきました。アメリカでトランプ大統領が就任し、厚生長官にロバート・ケネディ・ジュニアさんがなりました。先日も声明を出していましたね。健康な子供、健康な妊婦には、新型コロナワクチンの推奨はしないということを声明出していました。
 そして、これはあれですけど、言うか言わないか迷っていましたけど、先日テレビで、新型コロナウイルス感染症対策分科会の元会長の方が、ワクチン接種、2021年当初から感染予防効果はあまりないよと、健康な若者は打たなくていいよと自分は言ってたと言っていました。そういった情報、見たり聞いたりしましたか。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  今、議員御紹介いただきましたその了見についても、私ども一応承知はしております。
 
○9番(津野てるひさ議員)  そういった感じで、少しずつ当初推奨されていたものを否定するような発言、私の記憶では感染予防効果といって推奨していました。その後に、それが、感染が止まらないとなったときには重症化を予防する効果があるんだと、そういった流れに変わっています。そして、インターネットの世界では、魚拓と言いまして、そういうのも全部残っているんですね。それでも、今まだ日本ではこういった状況でその人がわざわざテレビ出てきて言っています。先ほど言ったように、アメリカでは変わってきて、日本も徐々に私は変わってくるんだと信じているんですが、これを陰謀論と言わずに、鎌倉市、最初に言いました象徴的な地域ですから、しっかりとエビデンスと言うのであれば、本当にどっちがエビデンスか分からないですからね。予防効果があったと言い、予防効果がなかったと言い、どっちがエビデンスか今ではもう分からない。だったら両論を併記するような、そういった姿勢があっても、地方自治体、行政としてはあっていいのかなと思います。
 そして、先ほどホームページの見やすさ、見づらさ、言いました。私、こういったワクチンの予防接種救済制度、調べるときにツイッターとかSNSで分かりやすく出してくれている人がいるんで、それをいつも拝見しています。これ、2025年6月2日、厚生労働省からのデータですね。死亡認定数。予防接種健康被害救済制度、先ほど1名の方がまだ認定されていないという制度ですね。死亡認定数、6月2日公表分、新型コロナワクチン1,018件です。2021年2月からのデータですね。約4年間、1,018件です。
 今まで日本で使用されていた生ワクチン、不活化ワクチン、そういったものの死亡認定数は48年間で163件しかないと、こういうデータであります。これ、非常に分かりやすくて、私は毎月参考にさせていただいております。今後、新しいワクチンに使用された技術、メッセンジャーRNAという仕組みなんですが、これがインフルエンザとか通常の今までのワクチン、定期接種においても使用されるということを聞いています。こういったものをしっかりと先ほど言いました副反応疑いから救済制度があるということから、自分たちがワクチンを打つときにサインをするんですが、何かわけ分からないうちにサインして打っている方がたくさんいると思います。しっかりと啓蒙活動をしていただくこと、それを大切に思っています。
 ですから、メッセンジャーRNAワクチン、今データでお示しした人数、既存の生ワクチン、不活化ワクチンに比較して明らかに副反応、健康被害が多いということが分かると思うんですが、これに対するいわゆるリスクとベネフィットというものを今までの経緯をしっかりとホームページ上でも載せていただきたいし、医療機関にもしっかりと配布して周知徹底していただければと思います。
 そして、鎌倉市で2019年から2024年、お亡くなりになった死亡数、自然減、そういったものを教えていただければと思います。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  鎌倉の統計によりますと、本市の死亡者数でございますが、2019年が1,988人、2020年が1,945人、2021年が2,086人、2022年が2,355人、2023年が2,204人、2024年が2,247人となっております。
 
○9番(津野てるひさ議員)  2019年が1,988人、年間でお亡くなりになられた方なんですが、2020年1月にダイヤモンド・プリンセス号の事件がありました。その年のお亡くなりになられた方の人数は2019年より少ないんですね。1,945人と減っております。そして、2021年にどんと増えて2,086人ということになっています。
 こういった経緯を踏まえたときに、じゃあコロナがいつまではやっていたか、そして5類になってからもまだまだ増えていると。これ言うと高齢化だからとか言われるんですが、それにのっとった死亡超過というものが厚労省とかでも発表されています。そして、死亡超過って何かなと調べたんですが、それは予測死亡者数なんですね。予測死亡者数を2022年、23年、24年というのはぐっと大幅に上回ってしまっているということなんですね。果たしてこのときにコロナがはやっていたかといえば、そうでもないんですね。テレビがあおっていたのは、2021年、2022年なんですが。
 そして、今年の2025年の1月、どんと全国で死亡者数が増えた、1か月単位で見ると。1月、皆さんまだ近いから覚えていると思いますが、そんなにコロナがはやっていたわけではないということです。じゃあ、何なんですかと。予測する死亡者数を大幅に上回るような、こういった、これも一つの数字で言えばエビデンスでございますので、こういったものをしっかり踏まえて、今後、予防接種に関しては啓蒙活動を引き続き続けていっていただきたいと思います。
 そして、また隣国でコロナがはやったとか、出てきていますね。先ほどダイヤモンド・プリンセス号と言いました。和歌山の例もそうなんですが、和歌山県というところがあります。そこでコロナがばっとはやったのもあったんですが、当時2021年、これ、やっぱりツーリストなんですね。鎌倉市、御存じのようにツーリスト多いんで、鎌倉市独自の施策、政策が必要かもしれません。
 冒頭言った神奈川県寒川町のコロナがはやって学級閉鎖しましたというのも、京都へ旅行行った子供たちなんですね。修学旅行か分かりませんが。ですから、鎌倉市というものは、観光地でございますから、よその市区町村、都市よりも、しっかりとした対応が必要ではないかと思います。
 命のビザって御存じですよね、皆さん。杉原千畝さんね。鎌倉にすごく御縁のある方です。私たち、いわゆる政治家も行政の方もできることっていっぱいあると思うんですね。ですから、当時、ワクチンパスポートがなくて、僕も旅行行くとか、そういう制限をいっぱいされた人間なんですが、そのときから思っていました。必要なのは命のビザであって、ワクチンパスポートじゃないよと。そういった気概を持って、ぜひ皆さん、鎌倉市の行政に携わる皆様方は、一生懸命市民のためにお仕事をしていただきたいと思います。私自身も頑張ってまいります。
 続きまして、大項目の2つ目、学校給食無償化が実施された場合の鎌倉市の対応について質問します。
 私自身は、無償化に全面賛成の立場ではございません。日本でも結構先行して無償化を進める自治体が、あるんですが、その課題としていろんなことを聞きます。給食の質の低下、品数の減少、そういったことが言われるんで、全面的に賛成はしていない。
 私は、政党に所属しております。全国に140名を超える地方議員がいるんですが、その仲間と共にずっと前から給食プロジェクトとやっていました。そして、一生懸命みんなで勉強して様々な情報を入手しながらやっているんですが、無償化したときのいわゆる弊害というものを考えたとき、3党合意で来年度から無償化、小学校を無償化、中学校はなるべく早く無償化へ進めていくということが言われています。物価高騰の中、家計の負担を減らすとか、子育て支援とか、そういった意味合いを強く持っているのも理解しております。ですから、一概に私自身も反対と言えないようになっているんですが、鎌倉市では子供たちにとってよい方向で給食の無償化が進むように私自身も提言してまいりたいと思います。
 そして、令和8年度、政府から、国から予算が下りてくると思うんですが、例えば令和8年度と言われて当初の、一番最初の月からそれが下りてくるかは分からないですよね。年度途中かもしれません。そのときに、鎌倉市としては年の初めから無償化を進めていくのか否か、そして令和8年度予算措置というものをどういうふうに考えているか、お聞きいたします。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  現在、国において給食費無償化についての方策の検討が進められている状況にあるものの、現段階では正確な実施時期や実施方法について詳細が示されていないところでございます。
 本市としましては、市の独自の前倒しということは考えておりませんが、いずれにしても国の検討状況を踏まえながら、小学校の給食無償化の実現を目指していきたいと考えております。
 
○9番(津野てるひさ議員)  今のところ、実施時期が決まっていないから、国の方針に従うということなんですかね。実施時期が決まったら、国の実施時期に合わせていくということでよろしいですか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  そのとおりでございます。
 
○9番(津野てるひさ議員)  そして、今現在の予算としては、どういった形で、僕が調べている限りでは地方創生臨時交付金というものを使っているのかなと思っているんですが、それは間違いないでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  物価高騰分につきましては、交付金に対して対応しているところでございます。
 
○9番(津野てるひさ議員)  予算措置ということでお聞きしたんですが、例えば国からどういった形で、どれくらいの規模で予算が付くか分からないんですが、今、物価高騰対応の臨時交付金というものが充当されている、そういったものを別途給食費にあてがうということはまたできるんですかね。国の無償化は無償化、それ以外に私が最初に冒頭言いましたように質と量を担保するために予算が必要だと思っているんですね。それを振り替えるようなことはできるんですかね。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  これもまだ国では何も決まっていないものですから、私のほうで明確に御答弁することができないんでございますが、我々としてはそういうふうに要望していきたいとは考えております。
 
○9番(津野てるひさ議員)  ぜひそういったことを踏まえて、そういった形で交付金も活用していただきたいと思います。
 無償化の対象、例えば国の方針がどういったことか、僕分かっていません。公立小学校・中学校在籍の生徒に限られるのか、そうなったときに不登校状態にある児童、私立の学校へ行っている方々、そういったものの不平等が生じるんじゃないかなと考えられるんですが、そういった児童・生徒に対してどういった支援なり考えができますか。聞かせてください。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  小学校の給食無償化については、現在、国における対応方針を踏まえて制度設計を我々もしているところでございます。その中で、不登校や私学の児童・生徒への取扱いも検討されていくものと考えております。
 
○9番(津野てるひさ議員)  それは、今御答弁いただいたのは、国で考えているということでよろしいですか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  申し訳ございません。そのとおりでございます。
 
○9番(津野てるひさ議員)  承知しました。ぜひ国でそういった考えに至らなくても、鎌倉市で何とか質と量をしっかりと担保していただきたいなと思います。
 そして、不登校の児童・生徒、全国で増えているんですが、鎌倉市も例外ではなくて、八王子だったと思いますが、給食センターを開放することによって不登校の子が好きなときに食べに来れるよとか、そういったことも先進事例としてございますので、そういった考えはありますでしょうか。
 
○高橋洋平 教育長  現在においても、不登校の子供が鎌倉市で今、全校に整備を予定しておりますフリースペースという場所に給食の時間だけ来てみて、頑張って給食を食べて帰るなんていう子もいます。そういった子は、当然、給食無償化が次年度図られた場合は無償化の対象となると考えております。
 
○9番(津野てるひさ議員)  安心しました。よろしくお願いします。そういった不登校児童、様々な課題があるかもしれませんが、ぜひ社会との接点をどんどん増やしていってあげるということがとても大切だと思っております。
 そして、給食無償化、こういうことをきっかけにして、もっと幅広くそういった子供たちの支援が広がっていけばなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 これまた、私がこういった資料を作っているときにまたSNSで出てきました学校給食の写真。空揚げ、見ましたか。これ、福岡市の小学校。今日は皆さんにちょっと写真を用意できなかったんですが、給食、空揚げで検索していただくと出てくるんですね。御飯、給食のメニュー、メニューというか写真なんです。御飯、みそ汁、牛乳、そしてお皿に空揚げが1個載っています。え、こんなの。親御さん、僕も子育て終わりましたが、よく分かっていないまま子供を成長させてしまいました。給食って子供たちの体の3分の1を作っていると言われていますが。
 ただ、そのときに、今日の資料を作るときに皆さんとヒアリングしながら調整していろいろなお話を聞いています。大変なんだなと。そして、福岡市の小学校の給食1枚、さんざんたたかれています。空揚げ1つなんですよ。ただ、それは言い訳になっているんですけど、言い訳というか、もう気の毒なんですよ。調理の手間を減らすために2個分の空揚げを1個で揚げると、そういう努力をずっとしているということ、これは財政の問題ですよね。人手が足りない、お金が足りないということ、そして容器が大きくて小さく見えてしまうんで、容器を小さくすべきだったと。いやいや、そこじゃないよねと思います。カロリーにしては620キロカロリーあるので、規定の600キロカロリーはクリアしていると。本当に担当者を気の毒に思ったんですよ。
 こういった並々ならぬ努力をしながら学校給食を提供している。予算が少ない、そういった問題が多々あるんだと思いますが、無償化したときに本当にこういった状況が常態化するんじゃないかと、それを危惧しているんですね。その辺は、率直な感想をお聞かせください。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  私も空揚げの、今朝、新聞で確認しているところでございます。
 鎌倉市におきましては、現在、物価高騰による食材費の上昇に対応するため、給食費、小学校給食1食350円のうち100円を、中学校給食1食430円のうち100円を物価高騰対応分として、市費により軽減しているところでございます。
 また、地場産物やオーガニック食材の購入についても市負担で充実するなどの取組も行っております。無償化が実施された後におきましても、引き続き栄養のバランスに留意しながら、おいしく質の高い給食が提供できるように努めていきたいと考えております。
 
○9番(津野てるひさ議員)  今、答弁の中に、地場産業のもの、オーガニックというお言葉がございました。ぜひそれ、進めていっていただきたいんですが。
 昨今の米不足、現在進行形で続いているんですが、今後も農業従事者の高齢化や担い手不足が深刻化することが予測されます。給食に限らず、農産物の争奪が始まるのではないかとの懸念を持っています。
 入手困難な状況になったとき、残留農薬と安全面に懸念のある輸入食材に頼り切るということも起こり得ますので、その辺を何とか私自身は回避していきたいと思っているんですね。
 食材確保のためには、地域の農業・漁業関係者と連携し、地産地消を進めることも必要だと思うが、本市で取り組んでいること、地産地消に関してあればお聞かせください。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  地域の農家等には、給食物資納入者として登録いただけるよう働きかけるとともに、令和5年度からはJAの御協力も得まして、サツマイモやニンジンなど、市内で生産された野菜を配送してもらうことを始めたりですとか、これまで実施校や野菜の種類を拡大してきているところでございます。
 また、鎌倉漁協の御協力を得まして、鎌倉産生ワカメを提供していただいているほか、鎌倉沖で捕れるサバ、カマスなどの魚や鎌倉海藻ポークなどについても地域の関係者の御協力の下、給食食材として使用してきているところでございます。
 引き続き、地域の農業・漁業等の関係者と良好な関係を築きまして、連携して地場産食材の使用を進めていくように取り組んでまいります。
 
○9番(津野てるひさ議員)  地域の方、農業、漁業と連携し、食材の確保を進めているということを今確認いたしました。
 あとは、これ、鎌倉市でオーガニックの農業をやっている方からお話を伺いました。いわゆる規格ですね。納めるに当たってどういった規格を設けているかと。様々あると思うんです。
 恐らく地元の農家の方が学校給食、先ほど言いました登録制度を利用して納めているんだと思うんですが、JAさがみですかね、この辺は。そうするとJAS規格というものが少し納めるのに弊害になっているというお話を聞いたんですね。それは、多分JAのほうだと思うんですが、こういったことは情報として入っていますでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  規格外の農産物の給食への活用についての御質問だと思いますが、持続可能な農業の実現や食品ロスの観点から、食育推進にも寄与すると思われております。
 一方で、短時間で大量調理をしなければならない学校給食におきましては、規格外の農産物を扱うことにちょっと課題があると考えております。
 
○9番(津野てるひさ議員)  量の問題ですよね。量の問題でそういったものを取り扱えないということは理解はするんですが、先ほど私が言ったように、今後、農業従事者の高齢化、担い手不足で、食材の争奪戦が始まるんじゃないかと、そういった懸念を持っています。そういったときに、みすみすそういった農産物を逃してしまうのはいかがかなと、そう思っております。
 そして、作物、農産物をどうやってもっともっと広く広域化していくサプライチェーンの問題、考えなければいけないと思うんですが、今、現状は、食材の確保に当たってJAさがみと地域の農業の方、それをもっと広げるという考えはお持ちでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  今この場で明確に御答弁ができないところでございますが、これから議員御指摘のとおり食料の争奪戦というのがあり得ると思います。その辺については、前向きに検討していきたいと考えております。
 
○9番(津野てるひさ議員)  そうしましたら、次、オーガニック給食、先ほど答弁にありました。今現在、どういった形で給食で提供されているか、教えていただきたいです。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  オーガニック給食につきましては、これまで有機JAS認証取得農家のオーガニック野菜や国産有機みそ、有機小麦粉のほか、農薬や化学肥料を使用しないで育てられた特別栽培米であります、いすみっこを使用した給食を実施してきたところでございます。
 そして、令和7年度も全小・中学校でオーガニックの農産物を活用進めていくこととしております。
 有機の認証を受けた生産者が近隣に少ないという実情があるところではございますが、今後もオーガニック食材に関する新たな調達先の情報収集に努め、利用機会の拡大に向けた取組を進めてまいります。
 
○9番(津野てるひさ議員)  今、オーガニックJASという規格、そういうお言葉がありましたが、こういったものを先ほどの私が聞いた農家さんは、当然出してはいるんでしょう。ですが、形、量、大きさ、そういったものにかなわなければ買い取ってもらえないんだよという声も聞いているんですね。そういったものを鎌倉市で何か対応していただいて、そして使い道、考えていただければと思いますが、今思い当たる考えってございますか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  特に地場産物の活用に当たりましては、献立や調理の状況を考慮いたしまして、生産者や事業者とコミュニケーションを取りながら、少量ではございますが、安全に調理できる範囲で規格に合わないものを活用しているところでございまして、引き続きこれの取組を進めてまいります。
 
○9番(津野てるひさ議員)  先ほど言いましたように、学校給食は、児童・生徒の体の3分の1をつくっている大切な食べ物です。一次産業全てに言えることかもしれませんが、事業の赤字だったり、高齢化、担い手不足、そういったものが深刻化して、学校給食が無償化される、これ、いい機会にして、食材の調達ルートとかサプライチェーン、広範に築いていくことは本当に必要ではないかなと思っています。輸入食材の不安というものは、親御さん、やっぱり考えますからね。ぜひその辺をしっかりと、私自身も活動していきますが、皆さん共に子供たちのためにしっかりと食育を進めていきたい。
 食育という部分で言うと、先ほど言いました、皆さんがこうやって努力しているということを子供たちにも知っていただく、これも食育の一つ。空揚げ1つ、1個ずつの包装は困るんだよと、そういったものも聞いています。そういったこともしっかり子供たちに伝えなければいけないし、そういった努力を惜しんではいけないと思っています。ぜひこれからもよろしくお願いいたします。
 これにて、津野てるひさの一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 
○議長(中澤克之議員)  質問者に申し上げます。答弁訂正がありますので、ちょっとお待ちください。
 
○鷲尾礼弁 健康福祉部長  すみません。お時間いただいて申し訳ございません。
 先ほど議員から、新型コロナウイルスワクチンの健康被害救済制度の申請件数についてお尋ねがありまして、私、ちょっとしっかりお答えできなかった部分がありますので、改めて回答させてください。
 申請の種類のうち、まず医療費、医療手当につきましてが申請件数17件、それから障害年金分については1件、それから死亡一時金及び葬祭料につきましてが3件、未支給給付の部分が1件と、計22件の申請があったというふうに確認と訂正をさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。申し訳ありませんでした。
 
○9番(津野てるひさ議員)  ありがとうございます。大丈夫です。確認しました。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                    (15時02分  休憩)
                    (15時25分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、加藤千華議員の発言を許可いたします。
 
○6番(加藤千華議員)  鎌倉前進の会の加藤千華です。議長の通告に従いまして、お示しのとおり、3点、東アジア文化都市交流事業、戦後80年を迎えるに当たっての平和推進事業、そして若者と地域住民のまちづくり推進の3点について、一般質問をさせていただきます。
 私の最初の一般質問ということもあり、なぜこの3点を選んだのか、説明に少しお時間を頂戴できればと思います。
 私は、これまで心と懐が潤う社会鎌倉を掲げてまいりました。銀行員として企業の経済活動の現場に立たせていただき、事業の営みや挑戦、そして苦悩に向き合う経験の中で、論理的に利益を追求する経済活動も当然大事ですが、道義的な気持ち、困っている存在がいたら助け合う、思いやり、敬意の気持ちを持ち合うなど、人として行うべき道を行こうとすること、その土台があることも同じぐらい大事なのだと日々実感してまいりました。
 そうした心の持ちようは、鎌倉市民憲章にも通じています。市民憲章前文には、平和を信条とし、世界の国々との友好に努めるとともに、鎌倉がその風格を保ち、さらに高度の文化都市として発展することを願います、こう記載されています。さらに、本文には、友愛の気持ちを持って市政へ参加すること、教育・文化・福祉を充実させること、歴史、自然、生活環境を保全すること、そして世界の鎌倉市民としての誇りと良識を持つこと、この5つの重要性が示されています。
 市議を務めさせていただくに当たり、これらの価値観を改めて大切にしていきたいと感じておりましたが、今年は、東アジア文化都市交流事業と戦後80年を迎える平和推進事業という大きなテーマが動く、鎌倉の原点を再確認できる絶好のタイミングではないかと考えました。
 もちろん今の鎌倉には、防災、オーバーツーリズム、交通の課題など多くの現実的な課題があります。しかし、こうした心を育む営みこそ、長い目で見たときに鎌倉の礎になると考え、特に今年の今だからこそできるチャンスを逃してはいけないと考えました。
 より多くの若い世代や市民と共に、市民憲章の精神に立ち戻りながら、町や社会を考え、そして関わる機会を広げていくことが大切だと考え、この3点について、確認と提案を交えながら一般質問とさせていただきます。
 まずは、東アジア文化都市交流事業についてです。
 2025年は、鎌倉市、韓国の安城市、中国・湖州市、マカオの4都市が選定されました。中国と韓国とは摩擦や対立があるのも事実です。一方で、経済、文化、市民レベルでの結びつきは、これまで以上に深まっているようにも思えます。
 文化交流とは、違いを知り、敬意を抱き、共感の回路を残していく取組であり、その意味で今回の事業はまさに鎌倉の市民憲章が掲げる、世界の国々との友好、高度な文化都市としての発展という鎌倉の使命に直結する重要な機会であると捉えています。今回の事業の成功はもちろんのこと、しっかりと今後の文化都市交流の土台になるよう、確認をさせていただきたいと思います。
 まず最初にお伺いします。
 今回の東アジア文化都市事業は、文化庁の文化芸術推進基本計画に基づき、日本、中国、韓国の3か国で文化を国際公共財と位置づけ、相互理解の深化を目指すプロジェクトとして進められているものと認識しています。
 その中で、2025年東アジア文化都市日本代表都市として鎌倉市が選ばれたわけですが、このエントリーシートは、非常に膨大な設問と記述項目が並んでおり、相当な準備が必要だったと推察します。ここまでの準備と尽力いただいた職員の皆様にまずは敬意を申し上げるとともに、鎌倉市はどのような思いを抱き、東アジア文化都市事業にエントリーされたのでしょうか。申請時に込められた鎌倉市としての使命感や狙いを改めてお聞かせください。
 
○能條裕子 共生共創部長  東アジア文化都市にエントリーをした思いでございますが、日中韓の文化交流を通じ、東アジアの国々と共に発展してきた鎌倉の町の成り立ちや、今に引き継ぐ多様な生活文化を再認識、共有し、さらに磨きをかけることで豊かな文化や共生の精神を次代に伝えるとともに、東アジアから世界の恒久平和への祈りを発信する機会としていくためにエントリーしたものでございます。
 
○6番(加藤千華議員)  確認させていただきました。私も思いは同様でございます。
 選定されたからこそ、この機会をより多くの市民の皆様と鎌倉の発展に最大限生かしていく視点が必要であると考える中で、こういった事業はどうしても抽象的な理念が先行し、具体的な目標や市民が実感できる到達点が見えづらくなることがあると思います。
 文化庁の制度要綱でも、事業の持続性、成果の可視化が重要視されていますが、実際の他都市では中間目標や市民の参画数、交流件数などを数値目標として整理し、進捗共有の仕組みを設けている事例もございました。
 一方で、鎌倉市の公開資料を拝見しますと、どんな市民が何人ぐらいどう関わるのか、その結果、どんな学び、成長の状態になることを目指すのかといった部分で目標の輪郭が曖昧な印象も受けました。
 具体像を描き、指示することが参加する側のモチベーションにもつながるのではないかと考える中で、事業を解像度高く運営していくためのKPIという観点から、現時点での数値目標の整理状況について中間目標も含めてお伺いします。
 
○能條裕子 共生共創部長  数値目標につきましては、多くの市民に東アジア文化都市事業の趣旨や取組を周知し、鎌倉の魅力と価値に触れる機会を創出するということから、事業の認知度をKPIとして考えております。
 この認知度につきましては、市民意識調査をはじめとしたアンケート調査にて取得することを考えており、多年度の事業のため、中間目標は定めておりませんが、目標数値につきましては、過去の選定都市の事例を参考に50%としております。
 
○6番(加藤千華議員)  方向感を確認させていただきました。
 やはり世代別参加者数、学校連携件数、国際交流プログラム件数、助成事業採択件数、市民向け学習機会の提供件数など、そういった項目での整理と提示があると市民もいろいろな人が関わっているんだと、より具体的にイメージしやすくなるのではないかと考えました。
 さて、先ほどおっしゃった目標数値に対し、この事業を終えたときに、子供、若者、既に文化事業に関わっている人、逆に関わりづらい人がそれぞれどのような変化を遂げてもらうことを目指すのか、定性的な状態目標についてお伺いします。
 イベント回数や集客数、もちろん大切ですが、どのような気づきを得たのか、どんな世界の見方が変わったのかという市民の内面的成長こそが本質的なものと捉えますが、いかがでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  今回の東アジア文化都市の各事業に市民が参加し、鎌倉が持つ歴史や文化のすばらしさに触れることで、市民のシビックプライドや次代への文化の継承の機運が醸成され、さらに中国、韓国との文化交流により、相互理解が促進され、共生社会や国際平和への理解が深まった状態を目標としてまいりたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  確認させていただきました。
 それぞれのレイヤーごとに状態目標の設定をされると、そういった期待像を提示することでそれぞれのレイヤーの方々の参加への動機づけも高まるものではないかと思料いたします。
 次に、東アジア文化都市事業を盛り上げていくためには、より多くの市民や団体の参画が重要と考えます。
 しかし、まだ助成・認証事業があること自体を御存じない市民・団体の方も少なくなく、どのような内容が応募可能なのか分かりにくい、そういった声もいただきます。助成・認証事業を知ってもらい、多くの団体の方々にエントリーしていただくために、今までどのような手法で広報・周知を行われてきたのか、また助成事業の第2期締切りが7月18日と迫る中で、認知度を上げるため、今後どのような広報・周知を行っていくかをお伺いします。
 
○能條裕子 共生共創部長  助成・認証事業につきましては、市のホームページやSNSでの投稿などウェブ上での周知に加え、公共施設等へのチラシ配架、また実行委員会に御参画いただいている文化協会をはじめとした各団体の御協力をいただきながら、多くの団体に情報が届くよう広報を展開してまいりました。
 さらに今後は、これらの周知方法に加え、助成事業や認証事業の応募要件や申請書類の作成方法を分かりやすく御案内する説明会を6月24日に開催し、多くの団体に申請していただけるよう、丁寧な対応を進めてまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  6月24日に説明会が開催されるとのこと、ホームページで拝見しました。その際の例えばオンライン配信であったりアーカイブ映像は残されたり、そういった工夫はされたらいいのかなと思っております。また、その際に出てきた質問をまとめて質問集の提示や事業の例示の記載なども応募者にとっては有益であると考えております。
 続いて、助成・認証事業の広報・周知について、先ほどの手法を通じ、例えば幾つの団体に接触されたのか、何枚チラシを配布されたのかなど、具体的な数値として挙げられるこれまでの御実績、また今後の見込みについてお伺いいたします。
 
○能條裕子 共生共創部長  助成・認証事業の広報の定量的な実績としまして、「広報かまくら」への掲載3回、メディアへの発表1回、東アジア文化都市特設サイトや市のホームページ掲載、SNSでの発信を4回、チラシにつきましては、公共施設等20施設での配架、文化協会など実行委員会委員による所属団体への周知により、これまで約1,000枚を配架・配布しております。
 今後もこれらを継続するとともに、助成・認証事業の説明会の開催、文化団体や市民活動団体へのアプローチを行い、申請のメリットの周知や手続のサポートをすることで多くの方に御参加いただき、市を挙げて事業を盛り上げていけるよう努めてまいりたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  丁寧な広報・周知、ありがとうございます。
 また、このような結果を含めた最終的なデータは、きっと今後の文化都市交流事業の際にも参考になるかと思いますので、事業経過記録の作成、保存、引継ぎもよろしくお願いいたします。
 さて、事業を進めるに当たり、最終的な助成・認証事業の目標件数をお伺いいたします。
 
○能條裕子 共生共創部長  助成・認証事業の目標件数につきましては、過去の開催都市の事例を参考にして、助成事業につきましては30件、認証事業につきましては50件、合計80件としております。
 市全体で東アジア文化都市事業を盛り上げ、市民が主役となれる事業展開に結びつけていくため、多くの申請・採択につなげられるよう、積極的に広報してまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  ありがとうございます。
 またこれから、7月18日締切りとなる中で、より一層大変な日々だと思いますが、どうぞ頑張っていただければと思います。
 次に、市民の皆さんの関わり代をどうつくっていくのかという観点からお伺いします。
 東アジア文化都市交流事業の目的は、国際的な文化理解や交流の促進ですが、その担い手は行政職員だけではなく、市民、団体、企業、教育機関、NPOなど多様な主体が連携するからこそ息の長い交流になると考えています。
 例えば静岡県やほかの東アジア都市の事例でも、商工会、観光協会、文化芸術団体、NPOなど様々な方々の協働体制が確立され、事業自体が市民ぐるみの交流インフラとして残る構造づくりが行われていました。
 鎌倉も、観光協会、商工会議所、NPOセンター、さらには環境保全団体や学術機関など、連携可能な人的資本は非常に豊かであると認識していますが、市内で活動している団体との連携、協業をどのように展開していかれる計画か、お伺いできたらと思います。
 
○能條裕子 共生共創部長  東アジア文化都市事業の実施に当たりましては、様々な団体の関係者の参画の下で、官民一体となって事業を円滑かつ有効に実施する体制が必要なことから、社寺、商業、観光、芸術文化、福祉、市民活動等の関連団体や関係行政機関で構成する実行委員会を設置し、事業の企画・運営を行っているところでございます。
 実行委員の方々には、事業の周知や参加、また事業の実施場所の御協力、開幕式で披露した演目の企画や調整など御協力いただいており、今後も実行委員会をはじめ、より多くの市民や団体の参画を得ながら、東アジア文化都市事業を市一丸となって盛り上げてまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  早期に助成・認証事業者の皆さんと一緒になって宣伝やお声がけをしていく必要があるんだなと認識いたしました。
 さて、東アジア文化都市事業を今まさに進めていこうとされている中で、私自身が最も重視したいのが若い世代への波及です。なぜなら、このような文化交流事業は、次の世代が新しい視野や価値観を育んでいく契機としての役割が大きいからです。
 AI技術の発達、社会の価値観が大きく変わる中で、これらの時代を生きる若者たちには、違う文化、違う社会の人々とどう向き合っていくのか、そういった力が問われています。
 文化交流は、まさに共感力、異文化理解力、コミュニケーション力を育む現場となると思います。
 さて、鎌倉市では、おととい、市として交流都市を訪問する中学生の派遣プログラムの公募を公表されたと思います。また、秋には、鎌倉歴史文化交流館や鎌倉国宝館での企画展の開催が予定されていますが、こうした展示は、来たい人が来る、知っている人が来る、そういった層にとどまりがちでございます。だからこそ、教育プログラムとして小・中・高校生、大学生が学びに触れられる機会をつくることがとても重要ではないかと考えております。
 鎌倉の小・中・高校生、そしてさらには大学生まで幅広い若い世代が主体的に関われる機会として、どのようなプログラム、仕掛け、学習連携が準備されているのでしょうか。
 また、単に授業で学ぶだけではなく、夏休みや放課後、あるいはボランティアとして参加できるような体験プログラムの用意などはあるのでしょうか。小学生から大学生までの幅広い年代において、若い世代をどのように巻き込んで事業参画いただくか、教育世代への波及についてお伺いします。
 
○能條裕子 共生共創部長  御案内の中国の湖州市及び韓国の安城市とは、夏休みに鎌倉市の中学生をそれぞれの都市に派遣できるよう、現在調整を進めております。その他、中国のマカオとも大学生の交流について話が出ておりまして、調整を進めております。
 教育につきましては、具体的なプログラムはまだこれからでございますけれども、教育委員会とも連携をしてプログラムの構築を進めていきたいと考えております。
 また、今後も中国、韓国とも調整を行いながら、より幅広い交流ができるよう、機会を創出してまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  まさに、若い世代の皆さんが文化交流を自分事化できる体験機会が、どれだけ用意されているかどうかがこの事業全体の意義を決めることと思います。また、おっしゃった、実際に訪問する事業においても、抽せんで選ばれるものと記載がございました。参加できた人で完結させない仕掛けを大切にしていただきたいです。派遣事業の経験を持ち帰り、学校や地域での報告会を重ねることで、行けなかった子、興味がなかった家庭への波及もしていかなければならないと考えております。むしろこうした学びが二次的、三次的に波及していく構造をつくれるかどうかが今回の事業の成否もまた左右すると考えております。
 また、既に御計画があるかどうか分かりませんが、韓国・安城市、中国・湖州市の学生の受入れも含め、双方向の設計がより充実することを期待しております。
 さて、御案内のあった市内中学生の韓国、中国への訪問ですが、それ以外にほかの都市との交流は計画されていらっしゃるでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  東アジア文化都市事業におきまして、文化交流を通じて草の根での相互理解を深めてまいりたいと考えております。
 まず、実績としまして、今年の3月から4月にかけて中国、韓国の各都市で開催された開幕式に、鎌倉市の行政団、芸能団を派遣し、各都市の伝統芸能の披露を通じた文化交流を実施いたしました。
 また、5月に開催した鎌倉市の開幕式では、各都市の芸能団を招待し、各都市の代表挨拶や伝統芸能を披露し、市民をはじめ、多くの参加者にお越しいただきました。
 今後、各都市において互いに交流プログラムを実施することとしており、現在、先ほども御答弁申し上げました中国・湖州市と韓国・安城市への中学生派遣交流プログラムに参加するため、公募を開始しております。
 今後、市民レベルの交流が活性化するような企画について、参加の各都市と協議していきたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  かしこまりました。
 また、今年度の東アジア都市事業に参画している中国、韓国の各都市との連携、交流は、次年度以降どのような関係性で継続されるかどうか、お考えあればお伺いできたらと思います。
 
○能條裕子 共生共創部長  中国のマカオ特別行政区、また湖州市、韓国の安城市とは、東アジア文化都市事業終了後も、行政レベルの交流にとどまることなく、市民交流を継続することを考えております。市民レベルでの持続的な交流が生まれるよう支援するとともに、市として次年度以降も継続できる取組についても検討してまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  せっかく御縁のあった都市だと思うので、ぜひそのように後押ししていただければなと思っております。
 さて、東アジア都市文化交流事業、文化交流という言葉が使われていますが、文化とは必ずしも伝統芸能や芸術だけに限らないと考えております。
 今、鎌倉市民の皆さんの中に育まれている価値観、例えば今年選定されましたフェアトレードへの理解と実践、また環境保全活動や海岸清掃などの市民活動、こうした日々の営みそのものも鎌倉ならではの現代の生活文化なのではないでしょうか。
 フェアトレードは、遠く離れた国の生産者とも対等で公正な関係を築こうとする営みであり、まさに国際理解、相互尊重という文化交流の根底とも重なります。だからこそ、これまでのステレオタイプ的な文化交流にとどまるところなく、今の鎌倉の市民性そのものを文化資源として生かしていくことが必要なのではないかと考えております。
 このような志ある市民の皆さんによる環境保全活動やフェアトレードも、東アジア文化都市事業の一部と位置づけ、ほかの都市、交流都市との共有テーマにしていくことが可能かと考えますが、市としてのお考えをお伺いいたします。
 
○能條裕子 共生共創部長  東アジア文化都市事業の一環としまして、市民が自主的に行う鎌倉市の文化芸術の継続的な発展に寄与すると認められる活動を認証事業と位置づけ、連携して広報活動を支援しております。
 御案内のフェアトレードタウンや環境保全活動については大変すばらしいものと捉えておりまして、実際にビーチクリーンの活動につきましても認証事業に御応募いただいて認定した事例がございます。
 鎌倉の市民活動は、とても活発に数多く行われており、日頃の活動に東アジア文化都市交流事業の要素として、地域資源を生かした文化の魅力の国内外への発信、青少年が伝統文化に触れる機会の創出、文化と他分野との協働による地域社会課題への対応、文化を担う次世代の育成などの視点を加えていただき、認証事業に御応募いただくことで市民活動に光を当て、双方の事業を盛り上げていくことができると考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  おっしゃるとおり、その視点こそ現代版の文化都市交流事業の中核だと感じております。文化は、伝統芸能、工芸だけでなく、もちろんそうですが、これからどう生きるのか、どう社会と関わっていくのかという市民の倫理観や暮らしぶりの積み重ねこそ、より育んでいく必要があると思います。特に、フェアトレードの思想は、国際間の相互理解、尊重、公正という意味で東アジア交流の理念そのものと重なりますので、より一層の促進をしていくべきと考えております。また、おっしゃったように、市民の学びや気づきにつながる交流設計の促進を期待しております。
 最後に、市長にお伺いします。
 鎌倉は、中世から重ねてきた歴史と文化的価値に恵まれた文化都市であり、豊かな緑を守ってきた市民のシビックプライドは高いと感じております。市民活動が盛んな鎌倉において実施している東アジア文化都市交流事業であるからこそ、文化交流に広く市民を巻き込んで、次年度以降も都市文化交流にも生かしていただきたいと考えておりますが、市長の見解をお伺いいたします。
 
○松尾 崇 市長  東アジア文化都市事業をきっかけとしまして、鎌倉市における文化活動や都市交流をさらに発展させて継続していきたいと考えておりまして、次年度以降の取組、レガシーという言い方をしますけれども、市民レベルでの文化芸術活動の継続と発展を念頭に検討してまいりたいと考えております。
 また、東アジア文化都市の各事業を通じまして、次代を担う鎌倉の子供たちが中国や韓国と共に発展してきた鎌倉の町の成り立ちや、地域に根づく伝統文化をより深く知って、自分たちのまちに誇りを持って、未来に希望を持って成長していくということができるように取組を進めてまいりたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  この1年で学ばれたこと、ぜひ単年事業で終わらせず、来年以降の文化交流、国際理解教育、若者育成の仕組みに紹介いただければと思っております。
 さて、ここから平和推進事業について伺ってまいります。
 鎌倉は、昭和33年、1958年、日本で初めて平和都市宣言を掲げ、以来、平和事業に継続的に取り組んできました。今年2025年は、戦後80年という大きな節目を迎えます。私自身、戦争を当然直接体験していない世代でありますので、だからこそこの時代を生きる私たちの責任として、次の世代にどう伝えていくのかが課題と感じております。
 戦争を実際に体験された方々が高齢化され、語り部が減少していく中で、今後、私たち世代、後輩世代にどう平和の重みを実感していただくのかがますます重要でございます。
 これまでの戦争の悲惨さを伝える平和学習も当然大切にしつつ、今後は、もう一歩踏み込んだ考え、対話する平和教育の仕掛けも必要だと思っております。例えば外務省の外交官派遣講座、JICA国際協力機構の小学校出張講座、そのほかNGOなど国際協力に携わる現場の方々を招いた出張講座や、市外・県外の戦争資料館・博物館の巡回展示や出前授業が受けれる仕組みが数多くあります。
 こうした思考と対話を伴う平和学習へのアップデートが、より若い世代の主体的な理解につながると考えますが、こうした新しい学びの仕掛け、平和維持活動の現場に立つ方との対話や他都市の施設との連携を活用した出張授業、対話型平和教育プログラムなど機会を設けることが有効だと考えますが、いかがでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  平和推進事業の実施に当たりましては、若い世代の参加を促進し、市民の平和への取組を次代に継承することを目的としており、若年層の参加をどのように増やしていくのかが課題となってございました。
 このため、近年は、未就学児の親子や小・中学生を対象とした企画を実施してきたところでございまして、実施に当たりましては、学生ボランティア団体の協力もいただいてきたところでございます。
 小・中学校で行っている出前講話では、元外交官やNPOなど外部の方を招いて意見交換や対話を行っており、平和について深く考えてもらうことは若い世代にとって非常に貴重な経験になると考えることから、今後の平和推進事業においても連携してまいりたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  そういった外交官のプログラムというのも、私自身、鎌倉女学院に通っているときに経験した事例でした。
 外務省だったりJICAなり、国の機構がせっかく無料ですかね、多分、出張してくれるということなので、積極的な案内だったり検討をしていただければなと思っております。
 実際、その事例を通じて私自身、その経験を通じて私自身も平和を維持するところの難しさ、大変さ、戦争、紛争を起こさないための難しさ、そういったものを改めて当事者の方から伺うことによって勉強することができました。
 さて、今年は戦後80年という大きな節目の年と先ほどから申し上げておりますが、鎌倉市では平和推進事業を実施されるとのことで、その成果をしっかりと見える形で示していただければと思っております。
 単にイベントを実施した、参加者が何人いただけではなく、何をどれだけ学んで、次にどうつなげていくのかという効果検証が求められると思いますが、そのときの数値目標、参加者数、アンケート回収率、満足度、また学びの意識の変化があったかどうかやアンケート評価項目といった成果指標を設定され、どのような形で効果検証を行っていくのか、御説明いただければと思います。
 
○能條裕子 共生共創部長  数値目標でございますが、現行の第3次総合計画第4期基本計画における平和施策の成果指標として、計画期間の最終年度である令和7年度に平和都市宣言の認知度を48%まで高めることを数値目標として設定しております。令和6年度には認知度を47%として設定しているものの、実績は41.5%にとどまっており、目標を達成していない状況でございます。
 このため、平和推進事業の実施に当たりましては、若年層の方が興味を持ってもらえるような事業を積極的に実施し、参加者の増加を図り、平和都市宣言の認知度が向上するよう努めているところでございます。
 個々の企画の実施に当たりましては、参加者に毎回アンケートを記入していただき、人数や年代、企画に対する満足度等を把握しており、令和6年度に実施した企画においては、平均83%を超える満足度を達成しており、今後はより一層参加者を増やし、すそ野を広げていくことが課題であると認識しております。
 
○6番(加藤千華議員)  まさにこれからは何を学んでもらうかというイベントの意味づけがとても大事だと思います。どのように感想を記してもらいたいのか、そういった狙い、目的をしっかりと定め、今後の企画・運営に生かしていただきたいと思っております。
 次に、広島への派遣事業についてお伺いします。
 今回のへいわの学校〜修学旅行事業は、非常に大切な取組であると私自身も感じております。実際に広島を訪れ、現地で学び、被爆の歴史を肌で感じることは、次世代の子供たちにとって忘れられない経験になるはずです。
 しかしながら、先ほど東アジアの文脈で申し上げたことと重なりますが、やはり参加できるのは市内の限られた、抽せんで選ばれた小中学生の皆さんでございます。むしろ派遣に参加しない、できなかった子供たち、保護者や大人世代にどのように学びを広げ、波及していくかという派遣後の活用設計が大事だと考えております。
 そこでお伺いできればと思いますが、今回の平和派遣を終えた後、参加児童・生徒の学びを市内全体へどのように波及していくか、具体的な企画、仕組みがあれば教えてください。
 
○能條裕子 共生共創部長  広島派遣に参加した児童には、派遣から帰ってきた後に現地で得られた経験や感じたことなどをまとめてもらい、広く市民に向けた報告会を実施することを予定しております。
 報告会の内容は、ホームページへの掲載や市内各所に配架することで広く市民に伝え、また参加児童には今後も市の平和事業の企画・運営への協力をお願いしており、市民に平和意識を届けるお手伝いをしていただきたいと考えており、鎌倉市の平和推進を一緒になって進めていければと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  本当に市役所ロビーや生涯学習センターでのパネル常設展の展示であったり、また派遣に参加していない学年・学校に対する出前授業形式の共有プログラムなど、そういった仕組みも大切なのではないかと考えております。参加した子供たちだけで完結させることなく、地域全体に語り継ぐ文化を育てていただく平和事業として着実に進めていただきたいと考えております。
 続いて、平和学習の内容について、少し踏み込んで提案をさせていただきます。
 もちろん、戦争の悲惨さ、原爆の被害、戦争による命の喪失、その後の後遺症など、これらは平和学習の中心に据え続けなければいけません。
 一方で、なぜ戦争に至ってしまったのか、外交や対話で解決できなかったのか、私たちの日常とどのようにつながっているのか、いたのか、そういった過程を考えることも平和を次世代に継承していく上で非常に重要ではないかと考えております。世界の情勢は今も不安定さを抱えています。だからこそ、戦争を起こさないための視点、予防の視点を子供たちにも少しずつ持ってもらう平和教育へと深化させていく必要があるのではないでしょうか。
 そこでお伺いします。戦争に至るまでの経過、外交や交渉の重要性、日常生活の選択が未来をつくる視点などを盛り込んだ、そういった考える平和学習の導入について、市の教育現場としてどのようにお考えでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  平和推進事業では、これまで戦争の体験や紛争地の状況を伝えることで戦争のない平和な社会を希求することを主な内容としてまいりましたが、戦争に至るまでの過程やプロセスを学ぶことも平和を考える上で非常に重要だと考えております。
 各学校の授業の中では学習として行われている部分もございますが、今後、教育委員会とも連携して平和への学びを深めていけるようにしていきたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  前向きに御検討いただけるとのこと、ありがとうございます。
 そのほかに、外部の連携事業として、中学生や高校生向けに、ハーバード大学から端を発したと言われておりますが、模擬国連など国連大使になり切り、国益のために議論や交渉を体験するという、そういったプログラムも世間では走っておりますので、そういったところの案内なども進めていければと思います。
 また、このような背景を理解するプログラムが組めれば、戦争経験を聞くだけではなく、実際に平和を考え、対話し、自分事として考える、そんなステージへ一段階深化できるのではないかと考えております。平和を守る力は、単なる願いや反戦の叫びだけではなく、複雑な状況を冷静に読み解き、対話によって選択肢を広げていける知恵にほかならないと考えております。鎌倉からそんな思考力を育てる平和教育が広がっていくことを心より期待しております。
 最後に、平和推進事業とほかの文化事業との連携と融合について伺います。
 東アジア文化都市事業の理念そのものにも平和の実現がしっかりと位置づけられております。日中韓という異なる背景を持つ国同士が文化交流を通じて相互理解を深め、東アジアの安定や平和につなげていこうという大きな文脈があります。
 これまで申し上げてきましたが、文化庁の基本方針でも示されているように、文化はグローバルな公共財であること、文化芸術を通じた持続可能な社会形成の必要性、相互理解と多様性の尊重といった平和に資する要素がまさに文化交流の根底にあると存じます。
 また、今年は、先刻から申し上げているとおり、東アジア、戦後80周年、そしてフェアトレードタウン認定と、価値観の共有、他者理解、市民参加を促すテーマが3つ重なる年でございます。そこでお伺いできればと思いますが、平和推進事業に限らず、東アジア文化都市の事業でも平和はテーマとなっているため、あらゆる事業において連携することが横断的に市民の学び、気づき、交流の場を単体で事業を行うよりも効果が上げられるものと考えますが、いかがでしょうか。
 
○能條裕子 共生共創部長  御質問のとおり、ほかの事業との連携により、一層効果が増すものと考えております。
 平和推進事業を実施するに当たりましては、東アジア文化都市事業などと連携し、多くの方が参加して多様なコンテンツを楽しみながら平和意識の醸成を図れるように取り組んでまいりたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  おっしゃったように、まさにそれぞれの施策をつなげていく力がこれから行政の皆さんにおいてとても大切な鍵だと思っております。
 東アジア文化都市の一環で、平和と文化について語り合う市民のシンポジウムの開催や、フェアトレードや開発教育といった平和学習をつなげる中高生向けの体験講座など、こういった工夫によって市民が複数の切り口で参画できる仕組みが生まれ、お一人お一人がコストパフォーマンス、タイムパフォーマンスよく、本質的な学びや気づきを感じていただくことができるのではないかと考えております。
 行政としても、縦割りにせずに、むしろ今年を大きな契機として、平和、文化、市民参画を一体で育てていただければと思っております。
 さて、最後の項目に入らせていただきます。
 ここからは、若者と地域住民の協働によるまちづくりについて、説明、事例共有を含めて質問をさせていただきます。
 冒頭申し上げたとおり、私は、心と懐が潤う鎌倉を掲げてまいりました。心が潤うとは、人が自分の力を誰かの役に立てられていると感じるとき、その喜びや成長の中で自然と生まれてくるものだと信じております。今、少子高齢化、人口減少が進む中で、行政や地域の一部の担い手の皆さんだけでは町の営みを支え続けることが全国的にも難しくなってきているものと存じます。だからこそ、若い世代の皆さんが自分の暮らす町に関わる機会を得ていくことがこれまで以上に重要なものと考えます。
 実際、令和7年まで走る鎌倉市子ども・若者育成プランにおいて、令和2年に実施された鎌倉市の子供・若者アンケート結果では、ボランティアや町のために役に立つ活動に関心があると答えた子供たちのアンケートが回答者の48%を占め、まちづくりに参加したいという若者の意欲は決して小さくないことが分かります。
 また、実際、私自身も市内在住の大学生から、鎌倉のために役に立ちたい、自分の研究分野で貢献したいけれども、その枠組み、相談できる場所がないと、そういった相談を受けました。御自身が生き生きと活躍できないと分かったらほかに行ってしまうのが今の若者の価値観だと思う中で、優秀な若者がせっかく町のために頑張りたいと言っていただいている今だからこそ、そういう人が少なくないからこそ、活躍する場をつくることが大切なのではないかと思っております。
 全国の先進事例でもこうした若者参加の仕掛けづくりが進んでいます。事例を2つ簡単に共有させていただければと思います。
 例えば仙台市では、段階的に若者のまちづくり参画を支援する仕組みが整備されています。まず興味を持っていただく、学び、提案していただく、その提案を社会に対して実際に実行していただく、それを市や町が評価する、この4段階の流れを丁寧につくり、若者がまちの担い手として成長できる道筋が用意されています。
 また、仙台だと少し予算感とかも違ってきて大き過ぎると思いますので、少し小さな町でも調べてみました。愛知県新城市という東三河、豊橋市や豊川市の北の町がありますが、4万581人の人口の町ですが、若者議会という取組がありました。実際に16歳から29歳までの若者で構成されて、若者の様々な課題感や町のために考えて若者の力を生かすまちづくり政策という一環で市長や議会に提案できる、そんな仕組みがありました。また、新城市では、13歳から19歳の市内・市外問わず若者に、市内で実施する政策に限り、若者チャレンジ補助金という補助金制度が準備されておりました。そういった若者が町の担い手として成長できる、何かできる、そんな道筋を用意することが本質的な共生・共創社会なのではないかと考えております。
 前段が長くなりましたが、質問に入らせていただきます。
 まず、そもそもそういった鎌倉市において若者がボランティアなど地域で行われる活動に関わることができる取組があるのかどうか、どういったものが走っているかどうか、お伺いいたします。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  若者が地域で行われている活動へ関わることの取組につきましては、中高生の居場所としまして、令和6年11月に鎌倉青少年会館でオープンいたしましたCOCORUかまくらのイベントの一つとしまして中高生のボランティア体験を企画しております。
 この企画は、ボランティア体験を通じて出会いや気づきの機会を提供し、自己肯定感、達成感を育むことを目的に実施しているものです。
 
○6番(加藤千華議員)  そういった興味を持っていただく、こういった場所がある、取組があるということを知っていただくという入り口は設置できているのかなと思っております。また、若者が無理なく自然にそういった最初の一歩を踏み出せるような情報の入り口の整備、分かりやすさも大事だと考えます。
 仙台市では、まちづくりポータルというように、独自のホームページも開設されておりました。各種の活動状況を一覧で発信できる分かりやすいサイト立ち上げも、鎌倉市においても検討いただければと思います。
 次、2点目の質問ですが、そういった地域の活動に参加した若者に対し、参加したことへの評価や実感が得られるような仕組みが大事であると考えます。
 例えば東京の世田谷区の事例において、活動の継続や他の模範となるような行動をした青少年を表彰し、チアアップすると、まちづくりへの関心がモチベートされるような、動機づけられるような、そして入試や進学にも役立つような、そんな仕組みがありますが、そういったところを鎌倉市においても検討してはいかがでしょうか。
 
○廣川 正 こどもみらい部長  COCORUかまくらでのボランティア体験に参加していただいた方には、その実感や達成感が得られるよう、ボランティア活動証明書を発行しております。
 ボランティア体験は、中高生の地域活動への参加のきっかけにもなると考えていることから、今後も継続して実施してまいりたいと考えております。
 また、参加しました若者の地域活動への関心、意識の高揚につなげることや、その経験が進学等将来的な活動に役立っていくような取組につきましては、様々な事例を参考にしてまいります。
 
○6番(加藤千華議員)  前向きに御検討いただけるとのこと、ありがとうございます。
 仙台市の若者アワードという、市の課題解決や町の魅力の向上、暮らし向上の施策を競い合う、そんなコンテストがありますが、そういった実績や功績を見える化すること、検証する制度は非常に若者にとってモチベートされる有効な制度だと感じております。ぜひ積極的に御検討をお願いいたします。
 また、3つ目の質問ですが、仙台市の先ほど説明させていただいた事例のように、まちづくりを学び、そして実際に地域の皆さん、民間企業の方々含めて大人たちと一緒に学び、アクションできるユースチャレンジ!という事例がございますが、鎌倉市においてもそういった地域住民の方々と一緒にまちづくりに触れるような機会の創出、構築をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 
○林 浩一 市民防災部長  鎌倉市市民活動センターでは、若者が地域の活動に関わる機会といたしまして、こどもみらい部のCOCORUかまくらと連携をいたしまして、ボランティアを探している中高生と若手のボランティアの担い手を探している市民活動団体、これらのマッチングを行っているところでございます。
 今後とも鎌倉市市民活動センターと連携を図りつつ、ボランティア体験など若者が地域活動に関わることができる機会の充実、図ってまいりたいと考えております。
 
○6番(加藤千華議員)  まさにそういった世代間の協働を仕組み化することは、若者にとっては学びの場となりますし、また先輩世代の方々にとっては次世代の担い手育成にもつながりますので、部局横断的な連携体制づくりを期待しております。
 最後に、市長に質問申し上げます。
 若者の地域活動への参加が地域の活性化につながるよう、よりまちづくり人材育成を目的に支援、制度整備をしていくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  若者が地域活動に参加することで、若者自身の自己肯定感や達成感を得るだけではなくて、市民活動団体の活動の継続も期待できるということも考えておりますことから、引き続き鎌倉市の市民活動センターとも連携をし、有効な支援策などについても検討してまいりたいと思います。
 
○6番(加藤千華議員)  前向きに御検討いただけるとのこと、ありがとうございます。
 最後に、一般質問を終わらせていただく前にまた少し述べさせていただければと思います。
 これまで東アジア都市文化交流、平和推進、そして若者、地域住民のまちづくりについて、3つ質問をさせていただきました。これらの3つの取組は、それぞれが独立したものではなく、全て鎌倉、ひいては日本の未来を支える人づくりへとつながっているものと考えております。
 文化を知り、他国との違いを認め合うことで、共感と思いやりを育む、過去の平和の教訓を次世代へつなぐことで今後の国際社会をどう支えていくか、そういった頭、心を育む、そして若い世代がまちづくりに関わることで地域、社会への誇りと責任感を育む、これこそが鎌倉市民憲章が掲げる、鎌倉が世界の鎌倉であることを誇りとすること、そして調和と活力あるまちづくりに努めること、この精神の実現そのものであり、今まさに進めていくべきことだと感じております。
 市民一人一人が自分も町の未来に関わっていると実感できる、特に心が潤う鎌倉を目指して、私自身も引き続き提案を続けてまいります。前向きな御検討をお願い申し上げ、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 
○議長(中澤克之議員)  職員退室のため、暫時休憩します。
                    (16時18分  休憩)
                    (16時19分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  再開します。
 一般質問を続行いたします。次に、大石香議員の発言を許可いたします。
 
○5番(大石 香議員)  議長に発言の許可をいただきましたので、国民民主党所属鎌倉前進の会、大石香でございます。
 4月の選挙におきまして、多くの市民の皆様から御信託を賜り、こうして市議会の場に立たせていただいております。議員としての職責の重さを日々実感しながら、暮らしに寄り添う市政の実現に向け、取り組んでまいりたいと考えております。
 私は、前職で衆議院議員の公設秘書を務めておりましたが、それ以前は医薬品登録販売者として地域のドラッグストアに勤務をし、子供から高齢者まで幅広い世代の健康を支えるアドバイザーとして働いておりました。その中で感じてきたのが物価上昇による生活への影響です。近年は、商品の値上げや容量の減少が相次ぎ、売場での値札交換の頻度も増えておりました。安価な商品や値下げされた商品はすぐに売り切れる一方で、値上げされた商品は手に取られにくくなるなど、市民の皆様が価格に敏感になり、家計をやりくりするために日々工夫されている様子を間近に見てまいりました。
 デフレの時代が終わり、今や物価は上昇し続けております。こうした今こそ、手取りを増やす政策の重要性が増していると感じております。特に、子育てには多大な金銭負担が伴います。今後も高齢者や障害のある方々に充実した福祉サービスを提供していくためにも、働き損や子育て罰といった言葉で語られるような状況を改善し、若い世代や子育て世代が希望を持てる社会の実現を目指してまいります。
 本日は、大変緊張しておりますが、精いっぱい努めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 鎌倉市は、海と山に抱かれた、四季折々の美しい自然に囲まれた町です。訪れる人々の心を癒やし、私たちの暮らしに潤いや誇りを与えてくれる自然環境は、鎌倉の大きな魅力である一方で、同時に土砂災害や津波など様々な災害リスクとも隣り合わせであることを私たちは決して忘れてはなりません。近年、地震や台風などの自然災害が全国各地で頻発し、その被害は年々甚大化しております。災害はいつどこで起きてもおかしくないという危機感を私たち一人一人が共有しなければならない時代にあります。こうした中で、命と暮らしを守ることこそが政治の最も基本で、大切な責務であると私は考えております。
 災害から人々を守るための備えは、行政の姿勢そのものであり、市民の安心や信頼にも直結するものです。災害時に特に困難を抱えやすいのが高齢者や障害のある方、小さなお子さんを育てている御家庭など、支援を必要とする立場にある方々です。だからこそ、平時からの備えと支援体制の整備が安心・安全なまちづくりの基盤になると強く感じています。
 誰もが安心して暮らせる鎌倉を実現するために、防災・減災対策に正面から向き合い、一人一人に寄り添った取組を進めてまいりたいと考えております。
 2016年の熊本地震では、地震による直接的な被害よりも避難生活における心理的・肉体的な負担や生活環境の悪化による災害関連死が多く発生し、その数は全体の約8割を占めたと報告されています。
 地震や津波などの直接的な被害を減らす減災の取組はもちろん重要ですが、それと同時に避難生活の中で生じる健康被害や心身へのストレスをできる限り軽減し、災害関連死を防ぐ体制づくりも行政の大切な責務であります。
 災害時に避難所として多く活用される施設の一つに、学校の体育館があります。災害時に避難所として多く活用される、多くの方が一時的に集まる中でプライバシーの確保が難しく、衛生環境の悪化や体調不良など健康リスクが高まっていくおそれがあります。
 特に、近年は夏の猛暑日が増えて体育館内でも熱中症の危険が指摘されております。こうした中で避難生活のストレスや健康被害を少しでも軽減することは、災害関連死を抑えるために欠かせない視点であると認識しています。
 平常時には児童・生徒の教育環境の向上に資する施設として、そして非常時には市民の命を守る安心の拠点としての役割を果たすためにも、体育館のエアコンの設置は必要不可欠な投資であると考えております。
 そこでお尋ねをいたします。昨日の水上議員の質問とちょっと重なりますが、命を守る観点から、避難所へのエアコンの設置は欠かせない投資と考えておりますが、避難所となっている小・中学校の体育館のエアコンが、設置状況として何校に設置されているのか、お答えください。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  鎌倉市立小・中学校の体育館では、暑さ対策としてスポットクーラーを利用する等の対応を図っておりますが、断熱・遮熱対策の実施や冷暖房設備を設置している学校はないのが現状でございます。
 
○5番(大石 香議員)  スポットクーラーなどは利用しているが、エアコンを設置している学校はまだゼロ校だということが確認できました。
 ちなみにお隣の横浜市では、小・中学校の体育館のエアコンの設置が2020年から本格的に進められており、2024年度には全体の23%である115校に設置されて、残りの体育館にも具体的な設置計画があり、2029年度には全ての小・中学校の体育館に設置を完了するそうです。また、お隣の藤沢市では、2024年度の補正予算に盛り込んで、市内の6校の体育館に設置予定のようです。
 それでは、お伺いします。現在、体育館にエアコンを設置する計画はあるのでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  学校体育館のエアコンの設置につきましては、喫緊の課題とは捉えております。
 補助金を活用した工事による設備の設置と、リースによる導入との比較や、電気やガスなどの熱源をどうするかという点の観点から、予算化に向けた検討を行っているところでございます。
 補助金の活用と課題となっていました断熱性能の確保につきましても、経済性に配慮した安価にできる断熱・遮熱対策の選択が可能となったことから、新たな補助金の活用も視野に入れた検討を行った上で、早期の予算化を目指している状況でございます。
 
○5番(大石 香議員)  補助金などを活用してこれからの設置を目指す目標があること、目指す予定であるということが確認できました。
 繰り返しになりますが、災害時の避難生活における健康被害やストレスを少しでも軽減することが災害関連死の抑止につながってまいります。避難所となる体育館にエアコンを設置することは、命を守るという観点からも極めて重要です。
 改めてお伺いいたします。エアコン設置に向けては、積極的に予算化をして、かつ早めに早急に進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  先ほども答弁しましたが、エアコンの設置については喫緊の課題と私どもも捉えております。予算化に向けた検討は続けております。
 具体的には、他市の事例等を参考にしながら、鎌倉の個々の学校の状況にふさわしい工法を検討し、計画的な整備に向けて検討しております。新たな補助金の活用も視野に入れた上で検討を行い、早期の予算化を目指してまいります。
 
○5番(大石 香議員)  積極的に予算化をしていただけると、早急に取り組んでいただけるということが確認はできました。
 ちなみに、近隣で鎌倉市と人口の規模が似ている茅ヶ崎市、約22万人ですが、2024年度に実は全ての市立中学校の体育館や、さらに特別教室にもエアコンを設置することを決定して予算計上を2024年度にしております。そして、数校ずつ数年に分けるのではなくて、13校同時に設置をするための、事業総額はちなみに27.5億円になるそうです。これ、電話でも確認をいたしました、市役所の方に。財源として、国の、先ほどおっしゃっていた補助金というのがこれに当たるのかもしれないのですが、国の緊急防災・減災事業債というのを茅ヶ崎市は活用することによって市の実質的な負担は3割程度で済んだということで、電話でも確認しましたが、制度設計をした翌年の6月定例会で予算化をして、その年の夏休みや冬休みなどを使って年度末の卒業式には間に合うように13校にエアコンを設置したということです。
 ちなみに、今、茅ヶ崎市は、人口は近年増加傾向にありまして、2023年の転入超過数では全国市町村で1位となっている、子育て世帯の転入が顕著に増加している町でございます。様々な要因があるかと思いますけれども、子育て世帯に寄り添った対応をしている行政の熱意とかが市民にも伝わって、そのような増加をしているのかなと、これは私の個人的な見解ですけれども、そのように思いました。
 話を戻させていただきます。
 今後は、災害関連死の抑止と教育環境向上のためにも、鎌倉市でも体育館のエアコン設置をしっかり予算化して早急に取り組んでいただけることを今回確認いたしましたので、今後の取組をしっかりと見守ってまいりたいと思います。
 次に、災害発生時に多くの市民が避難所での生活を余儀なくされる中で、避難者からの要望として最も多く挙げられるのがトイレ環境の整備です。食事や水分は数日我慢することができても、排せつは我慢できません。避難所でのトイレ環境の整備は大変重要でございます。
 実際のところ、過去の災害では、仮設トイレの不足や不衛生な環境、プライバシーの確保が難しいことなどから、多くの避難者が強いストレスや体調不良を訴えました。特に、女性や高齢者、子供など、排せつに配慮が必要な方々にとって安心して使用できるトイレがあるかどうかというのは、避難所での生活の質に直結してまいります。トイレの使用を我慢することで水分を控える人も多く、それによって健康状態の悪化や災害関連死の一因となっていることも指摘をされております。
 そこでお尋ねいたします。避難所となる学校の体育館内、もしくはすぐ横にトイレは必ず設置されているでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  多くの小・中学校の体育館につきましては、基本的には校舎棟用のトイレとは別に体育館用のトイレが設置されているところでございます。
 その中で、体育館用としてのトイレではなく、校舎棟の共用として近くで使用するつくりとなっている学校が小・中学校1校ずつあるような状況でございます。
 
○5番(大石 香議員)  設置されていることは確認できました。
 それでは、続けてお伺いいたしますが、1つの体育館に対してはトイレは何基程度設置をされているのでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  学校の規模などにより設置数が異なりますが、みんなのトイレを含めた大便器の設置数では、平均すると4.8基となっております。
 
○5番(大石 香議員)  平均すると4.8基。では、避難所のトイレとしてはちょっと不十分かなと思います。
 そして、避難所のトイレ環境については、数や機能だけでなく、使う側の立場に立った優しさというのもとても大切だと感じております。御高齢の方にとって特に足腰に不安のある方には、しゃがんで使う和式トイレはとても使いづらく、転倒などの危険も伴います。
 それでは、お伺いをいたします。先ほどお答えいただいた体育館の近くの近隣のトイレのうち、洋式トイレについてはどの程度の設置となっているのでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  学校体育館のトイレのうち、洋式トイレは、小学校全体で68基中35基、中学校全体で46基中27基でございまして、洋式化率は約54.4%となっております。
 
○5番(大石 香議員)  約半数、54.4%が洋式化されていると、それ以外は和式であるということが確認できました。
 続けてお伺いいたします。高齢者や足腰に不安を抱える方などの利用が想定されることから、今後、洋式化を実現していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 
○小林昭嗣 教育文化財部長  学校のトイレにつきまして、洋式化というのは課題だと考えておりまして、これまでも校舎内のトイレの洋式化を優先して推進してきたところではございますが、令和6年度は、それまで全く和式しかなかったところを中心に、洋式化トイレの未設置小学校の体育館を洋式化することに取り組んでまいりました。これによりまして、洋式化されたトイレがない体育館はなくった、小学校の体育館はなくなったような状況になっております。
 引き続き、洋式化に取り組んでまいります。
 
○5番(大石 香議員)  和式のトイレの洋式化についてしっかり取り組んでいただけることが確認できましたので、こちらも今後の取組を、経過をしっかりと見守ってまいりたいと思います。
 誰にとっても使いやすい洋式トイレの整備は、日常だけでなくて災害時にも命を守るためにもとても大切です。月経のある女性にとっては、毎月数日間、体調や気持ちの面でも負担のかかる時期がございます。生理用品の交換など、トイレでのケアが欠かせない中で洋式の清潔で安心しているトイレがあるかどうかというのは、避難生活で本当に大きな問題です。
 女性の月経は毎月1週間ほど、つまり日常生活の4分の1から5分の1ぐらいの時間はトイレでの生理用品の交換が必要になります。そうした状態で過ごしている女性たちがいるということを男性を含めた多くの方に分かっていただければと思います。
 避難所や公共のトイレが子供からお年寄りまで、女性も男性も全ての人にとって安心できる場所になるように、和式トイレの洋式化を早めていくこともこれからの優しいまちづくりに欠かせないと考えております。
 次に、1番の(3)の項目、トイレで使う備蓄品についてお話をいたします。
 生理用のナプキンはもちろんですが、近年は介護用品である尿取りパットとかパンツ型おむつなどの利用者が増えているのをドラッグストアに勤めていた私としては強く実感をしております。
 そこでお尋ねをいたします。避難所における生理用品、あるいは尿取りパットなど、トイレで使用する、そういったものの備蓄状況をお伺いいたします。
 
○林 浩一 市民防災部長  現在、避難所となる小・中学校におきまして、それぞれ生理用品を860枚備蓄しております。そのほか、大人用おむつ104枚、それから乳幼児用おむつ380枚を備蓄しております。このほか、組立て式トイレや既存の洋式トイレで使用できる便袋、これを3,000枚など備蓄しているところでございます。
 
○5番(大石 香議員)  確認ができました。それぞれという、各校舎ごとにという解釈でよろしいでしょうか。
 はい、確認ができました。
 ちなみに、ほかの市を例に出させていただきますと、鎌倉市の2.5倍の人口がある藤沢市では、避難者の3日分を目安に備蓄をしております。先ほどはちょっとそれぞれということで鎌倉市での合計はちょっと分からなかったのですが、すみません、私が用意している数は合計なんですけれども、藤沢市は6,000人分を用意している、紙おむつなどは用意しているそうです。
 県の試算によりますと、鎌倉市では相模トラフ沿いの最大クラスの地震避難者を11万6630人、帰宅困難者を1万1810人と想定されています。インバウンド効果で観光客の多い鎌倉市は、実際はもっと多くなる可能性もあります。
 そこでお伺いをいたします。今後は、これらの資機材を充実させていただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。
 
○林 浩一 市民防災部長  災害時にトイレが使用できなくなった場合、避難所の衛生環境の悪化や避難者の体調にも大きく影響することから、備えを進めておく必要があります。
 物資や食料などの供給に関して民間事業者等と災害協定を締結しておりまして、トイレの備品だけでなく、災害時に必要となる物資を確保する体制を構築しておりますけれども、今後もこれら事業者等との連携を進めてまいりまして、今御案内にありましたように、観光客でありますとか、そういった滞留の方への対応についても対応できるような備えを進めていく必要があると考えております。
 また、備蓄品の選定に当たりましては、御案内ありましたけれども、女性の方々、様々な立場の方の視点を取り入れて充実を図っていく必要があると考えております。
 
○5番(大石 香議員)  しっかり取り組んでいただくことが確認できました。
 では、次の項目へ行きたいと思います。
 2番、災害時のトイレ事情について確認したいと思います。
 避難所のトイレ環境を整備することは、繰り返しにはなりますが、災害関連死を防ぐだけではなく、避難生活を送る全ての人にとって安心と尊厳を守ることにもつながります。
 繰り返しにはなりますが、水分や食事は数日我慢することもできますが、排せつを我慢することは困難でございます。トイレの回数を減らしたくて水分を抑えることによる体調不良を起こさないためにも、備えというのが大変重要となってまいります。
 トイレの備えがないと、あっという間に、大便、小便が満杯になって極端に不衛生になってしまいます。トイレは全ての人が利用するので、その場所が汚染されていると接触感染による集団感染のリスクも高まってまいります。まさに災害関連死のリスクを高めることにもつながってまいります。
 まず、大規模な災害が起きて断水などが起こると、学校や各家庭の水洗トイレは使えなくなってしまいます。さらに、ビルやマンションなど供給システムが電気で動くポンプに頼っているものは、停電になるとポンプが停止して水道が止まり、断水になってしまいます。水洗トイレが使えなくなったときは、各家庭で備蓄された使い捨ての簡易トイレを利用することになります。行政でも、先ほども伺いましたが、簡易トイレは備蓄されているかとは思いますが、その用意が足りなくなり、なおも断水が続いている場合のことも想定しなければなりません。
 大規模災害の断水期間というのは、災害の種類や被害の状況によって大きく異なりますが、一般的に数日から数か月まで、場合によってはそれ以上続くこともあります。ちなみに、東日本大震災では、断水状態が5か月、熊本地震では約3か月半、長いところで3か月半、新潟県の中越地震においては約1か月ほどの断水がありました。
 そこで、断水になっても使える快適なトイレとして、トイレトレーラーがございます。鎌倉市はこれを1台保有しており、能登半島地震によって被害を受けた石川県珠洲市に派遣して活用されたのを把握しております。ソーラーパネル搭載で、夜になっても照明が明るく、水洗式の衛生的なトイレは現地で大変重宝されたと聞いております。
 そこで、質問いたします。現在、市ではトイレトレーラーを1台配備しておりますが、今後、2台目の導入予定があるのでしょうか。
 
○林 浩一 市民防災部長  トイレトレーラーにつきましては、令和5年12月に購入いたしまして、市内に1台配備をしておりますが、現時点におきましては2台目の購入の予定はしておりません。
 
○5番(大石 香議員)  2台目の導入予定はないとのことですが、一部調べたところによりますと、連携して運用することを地域で勉強していくというのを私が調べたときは拝見いたしましたが、それでは伺いますが、災害時のトレーラーの運用は、所有している自治体が連携して運用していくとのことですが、具体的にはどのような連携を行っているのでしょうか。説明をお願いいたします。
 
○林 浩一 市民防災部長  現在、本市と同様のトイレトレーラーを導入しております自治体との間で、災害派遣を相互に行うネットワークに参加しております。
 本市が被災した場合、トイレトレーラーの支援が受けられることとなっております。
 能登半島地震の際には、派遣している自治体同士で、現場で車両の点検や現地の情報交換を行うなど連携して本市も対応したところでございます。
 なお、国が発災時にキッチンカー、トレーラーハウスなどの災害対応車両を被災自治体に迅速に提供することを目的とした災害対応車両登録制度、こちらが6月1日から運用を開始したため、今後、この制度も有効に機能していくものと考えているところでございます。
 
○5番(大石 香議員)  2台目は購入しないが、トレーラーの自治体連携をしっかりしているということが確認できました。
 では、2番目のトレーラー以外の移動できるトイレとして、自己処理型水洗トイレというものがあります。これは、自己循環型の浄化処理技術と再生可能エネルギー蓄電システムというのを搭載した、また新しい災害対策用のトイレがあるようです。
 トイレトレーラーとの違いとしては、ライフラインが完全に途絶されたような場所、水も電気もないところでも衛生的に活用ができるという災害用のトイレでございます。
 トイレトレーラーは、汚水処理のために汚水タンクを定期的に清掃する必要があるようですが、自己処理型水洗トイレというのはインフラに頼らず、汚水を処理して再利用するような仕組みを持ったトイレでございます。
 平常時では公園などに設置が可能なために、長崎県の対馬市では自然公園に、西海市などにも自然公園に設置をしているそうです。そして、滋賀県の東近江市ではキャンプ場に設置をされております。あとは、福岡県うきは市には道の駅にも設置されているようです。
 昨日、ちょっと岡田議員の話を聞いていて、大船駅のペデストリアンデッキのトイレについてのお話がありましたが、そういったところにも場所があれば設置ができるのではないかと、これは私の一人の見解なんですけど、思いました。
 それでは、お伺いいたします。市でもこのようなトイレを今後導入する予定があるのでしょうか。
 
○林 浩一 市民防災部長  議員御案内のように、トイレトレーラー、本市で所有しているものについては、やはり汚水タンクがたまってしまったときにバキュームをして処分しなければならない、全てのインフラが途絶した場合には、それらの処分にも困るというような現実は承知しております。
 現在、様々な方法で汚水をその場で処理するタイプの自己処理型トイレが製品化されているという御案内については私どもも認識をしてございます。これら自己処理型トイレにつきましては、一日の利用制限や管理方法などの課題、こういったものもあると認識をしてございます。
 現時点で導入する予定はございませんけれども、他の自治体の事例などを参考に、引き続き情報収集には努めてまいりたいと考えております。
 
○5番(大石 香議員)  現時点では導入予定はないが、今後検討しますということが分かりました。
 では、次に、災害時で断水などがあったときでも比較的衛生的に使うことができて市民にとって身近な非常用のトイレとしてマンホールトイレというものがございます。
 災害直後にすぐ設置することができて、利用することも可能でございます。マンホールトイレは、下水道のマンホールを活用して簡易的に設置できる災害対応のトイレであり、断水したときもすぐに使えるために、臭いや衛生面の対策がしやすいという利点があります。もしも道路の寸断などによって先ほどのトイレトレーラーなどがあったり、あるいは災害用の簡易トイレなどをいざというとき運びたいと思っても、建物とかが倒れていて道路が寸断されていて運ぶことができなかったときにマンホールトイレというのは大変重宝すると考えております。さらに、学校や公園など多くの人が集まる場所に整備をしておくことで災害時のスムーズな運用も可能になります。
 そこでお尋ねをいたします。避難所における鎌倉市が設置したマンホールトイレは、現在幾つあるのでしょうか。お尋ねします。
 
○林 浩一 市民防災部長  マンホールトイレ、こちらを設置しております指定避難所は、御成中学校、大船中学校の2か所でございまして、それぞれ1基設置をしております。
 1基当たり5つの洋式便座が設置できるというような形式になってございます。
 
○5番(大石 香議員)  ちょっと確認をしたいのですが、御成中学校と大船中学校に、ごめんなさい、もう一度詳しく、合計の数も知りたいので、もう少し数のところを、教えていただけますでしょうか。
 
○林 浩一 市民防災部長  それぞれの御成中学校と大船中学校にマンホールトイレとしては1基ずつ、システムとしては。それぞれ1基当たり5つの洋式の便座が設置できるということでございます。1校当たり5つずつということになっております。
 
○5番(大石 香議員)  中学校は2か所で1基ずつ、つまり5基、10基ということですよね。
 たしか私が防災訓練に参加したときは、防災公園にもマンホールトイレがあったように記憶をしているんですが、小・中学校だけに限らず、鎌倉市内でマンホールトイレというのは何基あるのか、もし分かりましたらお答えください。
 
○林 浩一 市民防災部長  市内には、岩瀬の地区において防災公園はございますけれども、現在稼働できるマンホールトイレとしては御案内させていただいた中学校の2か所のみとなっています。
 
○5番(大石 香議員)  ということは、鎌倉市内でマンホールトイレとして利用できるものは、市内でトータル10個のみということが確認できました。ちょっとびっくりしております。ちなみに、人口5.5万人の逗子市では50基を備えております。今の数はかなり少ないと感じております。ちょっと想像以上に少なくて驚きました。
 また、避難所のトイレの環境整備には、単に数や設置の有無だけではなくて、安心して使えるかどうかという質の部分が極めて重要でございます。
 そこでお尋ねをいたします。先ほどの市のマンホールトイレ、御成中学校と大船中学校のマンホールトイレの場所は、どのような場所に実際のところ設置しているのか、避難所となる体育館の距離などもおおよそでいいので分かりましたらお答え願います。
 
○林 浩一 市民防災部長  すみません、具体的な距離の数値については、ちょっと今手元にないんですけれども、その2か所のマンホールトイレの設置の場所につきましては、校庭、グラウンドの中の端のところで、比較的校舎に近い、そういった場所、校舎に近い場所に設置がされるということです。
 
○5番(大石 香議員)  校舎に近い場所ということは、ちょっとそこももう一度詳しく聞きますけど、避難所となる体育館からも近い場所ということでよろしいでしょうか。
 
○林 浩一 市民防災部長  大船中学校については、体育館にも比較的近い場所と認識しています。
 すみません、御成中学校のところはすみません、ちょっと確認をさせていただきます。
 
○5番(大石 香議員)  確認ができました。
 なぜ聞いたかといいますと、避難所に設置されている災害用トイレというのは、建物から離れた場所にある場合、特に夜間、停電したときは周囲が真っ暗になります。真っ暗になりまして、安心して利用することがなかなか困難になります。
 こうした状況では、高齢者や小さなお子さんにとっては転倒や迷子といった危険を伴うだけではなくて、心理的にも大きな負担となります。また、女性にとっては照明のない暗がりを一人で移動しなければならないことが防犯上の不安を強く感じさせて、場合によっては性被害のリスクを高める要因にもなりかねません。
 だからこそ、災害用トイレは、できる限り避難スペースに近い場所に安全に設置されるべきであって、明かりや見守り体制の確保といった配慮も含めた整備が必要となってまいります。
 さらに、マンホールトイレの建屋の構造についてもお伺いをしたいと思います。
 屋外に設置するトイレは、マンホールトイレの建屋といって囲うもので、雨風に弱い、いわゆるテント式と、雨とか風には強い、内側から鍵がかけられるようなパネル式というのがございます。当市が備えているマンホールトイレは、どちらのタイプでしょうか、お尋ねします。
 
○林 浩一 市民防災部長  本市が備えておりますマンホールトイレの上屋、これにつきましては、収納場所の規模、費用面や組み立てやすさを考慮いたしまして、テント式を採用しております。
 能登半島地震時の事例から、風の影響などによりますパネル式の優位性は認識をしておりますけれども、収納スペースの確保やその取扱いなどの課題もございます。
 一方で、議員御案内のとおり、防犯上の利点といったこともあることから、今後の導入に際しましてはパネル式についても検討していきたいと考えているところです。
 
○5番(大石 香議員)  テント式のみですが、パネル式も前向きに検討いただけるということが確認できました。
 マンホールトイレの建屋の構造については、現在多くの自治体で採用されているテント式では、風とか雨にも弱くてプライバシーとか安全の面にも不安の声が上がっております。実際に東日本大震災でマンホールトイレを使用していた宮城県の東松島市では、現在合計で77基のマンホールトイレがございます。
 それは、そもそも77基設置したきっかけが東松島市の職員の方が2004年に新潟の中越地震で行かれたときに、避難所のトイレの問題、すごく大変だったのを目の当たりにして導入を検討した、2004年から導入を検討していたことによって77基あるんですけれども、それがかなり今回の大震災のときには活躍をしたというのを聞いております。
 そして、安心して使用ができるようにパネル式のしっかりとしたトイレを整備して、機能面でも次のような配慮がされておりました。例えば男性用と女性用で分かりやすくパネルを色分けされていたり、ドアは内側から施錠ができるフックを設けていると、そして非常時に使える防犯ブザーを備えていると。夜間でも安全に使用できる照明設備をマンホールトイレにも備えていて、女性はもちろんですが、男性にも配慮したサニタリーボックスというのも配置をしていたということです。
 これらの設備は、女性や高齢者、小さなお子さん、障害のある方を含む全ての避難者が安心してトイレを利用できる環境を整えるためにも欠かすことのできない要素です。
 被災地であった東松島市では、学校の運動会でマンホールトイレを平時に設置して、実際に使用もしているということを伺っております。
 それでは、本市の場合は、御成中学校と大船中学校にはマンホールトイレがあるということですが、今後、運動会などで、今後といいますか、じゃあ今までの取組としてお伺いいたします。これまでに運動会などでマンホールトイレを平時に設置して、実際に使用していただくような取組をしたことはあるのでしょうか。
 
○林 浩一 市民防災部長  令和6年度の自主防災組織による大船中学校ブロックの訓練におきましては、マンホールトイレの設置訓練を実施しているところでございます。
 なお、先ほど御質問いただきましたマンホールトイレの位置の件なんですけれども、御成中学校についても体育館に近いところにということでございます。
 それと、もう一つ、岩瀬下関の防災公園の件でございますけれども、こちらについてもマンホールトイレ、使用ができるということを確認いたしました。失礼しました。
 
○5番(大石 香議員)  確認いただきまして、お調べいただきましたこと、感謝いたします。
 続けてお伺いをいたします。
 訓練では設置したということですが、実際に設置しただけではなくて、使用したことはあるのでしょうか。また、今後は、トイレの使用法について市民に分かりやすくするためにも、そのような取組をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○林 浩一 市民防災部長  避難所で使用する簡易トイレの設置、使用方法など、地域で行っている訓練、防災イベントの中で実際に組立て体験を行うなどの周知を図ってきているところでございます。また、ユーチューブの公式チャンネルで簡易トイレ設営方式の動画を公開ということも行っています。
 避難所で使用するトイレについて、設営や使用方法を事前に知っていただくことは重要でありますので、マンホールトイレも含めまして、今後も機会を捉え、周知を図ってまいりたいと考えております。
 
○5番(大石 香議員)  ぜひとも、平時のときにも、運動会や、あるいはお祭りのときなんかにも設置して、実際に使用していただいたりして、市民にとって分かりやすくてなじみのあるトイレとしてマンホールトイレを活用していただきたいと考えております。
 トイレは、単なる生活設備だけではなくて、本当に命を守るインフラだからこそ、災害時の避難所におけるマンホールトイレの設置と運用は、ちょっと鎌倉市の設置数が少なくて正直驚いたところなんですけれども、まずは数を確保することがとても大事だと考えます。そうした上で、機能面とか安全面とか、誰もが不安なく使える環境づくりを含めて、市として積極的に取り組んでいただきたいと強く要望いたします。
 最後の項目ではありますけれども、例えば鎌倉市には市民の皆さんと一緒に緑を守っていく市民緑地制度という制度があります。これは、自然環境を取り残す仕組みに対して税の優遇が受けられるような仕組みで、環境と地域の安心を両立させられるすばらしい制度だと思います。このように、まちづくりの中で、環境や安心を大切にしていく制度があるのならば、今後は防災の観点からも似たような仕組みがあってもよいのではないかと考えております。
 災害が起きたときに一番困るのは、トイレが足りない、使えるトイレが近くにないということです。特に、高齢の方や女性、小さなお子さんを連れた方にとって、すぐに使える、安心して使えるトイレがあるかどうかは、命に関わる問題です。公園や公共施設だけではなく、全ての地域をカバーするのは難しいのが現状だと思いますが、例えば停電だけでも断水してしまうようなマンションとか、こういったところにもマンホールトイレが整備されていれば、いざというときに周辺の住民も助かりますし、地域全体の防災力もぐっと高まってまいります。自然を守るための緑地制度があるように、これからは人の命と安全を守るための防災支援制度というのがあってもいいのではないかと思います。
 また、マンホールトイレの設置費用に関しては、国が補助金制度というものを設けております。これらを活用して、もっと積極的にマンホールトイレの導入を増やすことが重要だと考えております。実際に、横浜市ですとか、東京都の文京区、練馬区などでは、独自の補助金制度というのを既に設けておりまして、民間での設置を促しております。民間の力も借りながら、みんなで安心して暮らせる鎌倉をつくっていけるよう、このような仕組みというのが大変重要だと考えております。
 そこで、最後の質問、市長にお伺いいたします。
 災害時におけるトイレを確保するために、現在、横浜市とか、東京都の文京区や練馬区で実施しているマンホールトイレ設置に対する補助金制度なども参考にしつつ、設置に協力いただいた方々への様々な支援制度というのを本市としても災害時のトイレ確保を進めていくためにも考えていただきたいのですが、今後はどのように取り組んでいただけるでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  災害時のトイレ対策は、被災者、市民の方を含めて、健康や衛生環境の維持に対して重要であると認識しておりまして、これまでもマンホールトイレの整備や簡易トイレなどの備蓄を行っているほか、トイレトレーラーの導入や仮設トイレの供給に関する協定締結による仮設トイレの確保などを行ってきているところです。
 また、マンホールトイレの整備や簡易トイレなどの備蓄を自主防災組織で行う場合は、自主防災活動育成費補助金により、その一部を補助することができるようにもなっております。
 今後も、さらなる災害時のトイレ対策の充実を図れるように、様々な対策を講じてまいりたいと思います。
 
○5番(大石 香議員)  ただいま市長より答弁をいただきました。
 災害時のトイレ環境整備、とりわけマンホールトイレの導入については、市民の命と生活の安心に直結する極めて重要なテーマであって、その必要性を強く認識しております。
 近年の大規模災害の教訓からも、避難所における衛生環境の確保、とりわけトイレの整備というのは被災生活の質に大きく影響を及ぼすことが明らかになっております。熊本地震や東日本大震災では、実際にマンホールトイレが長期間にわたって活用されて、衛生面、安全面でも非常に高い効果が報告されております。
 鎌倉市のように、観光客が多くて、道が狭くて、住宅地や高齢化が進むような地域では、避難所の受入れ体制やインフラに限界があることから、マンションとか民間施設のトイレ整備というのが重要な補完手段となると考えております。
 また、財政的な面でも、ほかの自治体のように国や県の補助金、あるいは市独自の助成制度を組み合わせることによって、民間の協力を得ながら進めていくことは十分に可能だと考えております。実際に横浜市や東京都文京区、練馬区では、民間施設への設置を促す補助制度というのが機能して、地域の防災の底上げにつながっております。
 鎌倉市としても、こうした先進事例を参考にしながら、民間の防災力を引き出す仕組みづくりを早急に検討、着手されることを強く要望いたします。前向きに検討するという段階にとどまらずに、実行に向けた調査とか制度設計といった具体的な工程を明示した取組に進んでいただくことが市民の信頼と安心の確保につながるものと考えております。
 以上で、私の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。
 
○議長(中澤克之議員)  お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                    (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
 なお、残余の日程については、来る6月16日午前9時30分に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
 本日はこれをもって延会いたします。
                    (17時10分  延会)

令和7年(2025年)6月13日(金曜日)

                          鎌倉市議会議長    中 澤 克 之

                          会議録署名議員    小野田 康 成

                          同          中 村 てつや

                          同          武 野 裕 子