○議事日程
鎌倉市議会9月定例会会議録(2)
令和6年(2024年)9月5日(木曜日)
〇出席議員 24名
2番 くり林こうこう 議員
3番 中 里 成 光 議員
4番 出 田 正 道 議員
5番 藤 本 あさこ 議員
6番 武 野 裕 子 議員
8番 後 藤 吾 郎 議員
9番 前 川 綾 子 議員
10番 竹 田 ゆかり 議員
11番 長 嶋 竜 弘 議員
12番 高 野 洋 一 議員
13番 児 玉 文 彦 議員
14番 志 田 一 宏 議員
15番 日 向 慎 吾 議員
16番 井 上 三華子 議員
17番 くりはらえりこ 議員
18番 吉 岡 和 江 議員
19番 納 所 輝 次 議員
20番 森 功 一 議員
21番 池 田 実 議員
22番 保 坂 令 子 議員
23番 岡 田 和 則 議員
24番 松 中 健 治 議員
25番 大 石 和 久 議員
26番 中 村 聡一郎 議員
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〇欠席議員 1名
1番 千 一 議員
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〇議会事務局出席者
事務局長 茶 木 久美子
議事調査課長 岩 原 徹
議事調査課担当係長 田 中 公 人
書記 木 田 千 尋
書記 武 部 俊 造
書記 喜 安 大 介
書記 赤 原 大 輝
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〇説明のため出席した者
番外 1 番 松 尾 崇 市長
番外 2 番 比留間 彰 副市長
番外 3 番 千 田 勝一郎 副市長
番外 5 番 能 條 裕 子 共生共創部長
番外 7 番 東アジア文化都市事業担当担当部長
番外 9 番 藤 林 聖 治 総務部長
番外 10 番 永 野 英 樹 市民防災部長
番外 11 番 廣 川 正 こどもみらい部長
番外 12 番 鷲 尾 礼 弁 健康福祉部長
番外 13 番 加 藤 隆 志 環境部長
番外 14 番 服 部 基 己 まちづくり計画部担当部長
番外 16 番 古 賀 久 貴 都市景観部長
番外 17 番 森 明 彦 都市整備部長
番外 18 番 ? 木 守 消防長
番外 19 番 高 橋 洋 平 教育長
番外 20 番 小 林 昭 嗣 教育文化財部長
番外 6 番 歴史まちづくり推進担当担当部長
番外 8 番 東アジア文化都市事業担当担当部長
番外 61 番 藤 田 聡一郎 選挙管理委員会事務局長
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〇議事日程
鎌倉市議会9月定例会議事日程(2)
令和6年(2024年)9月5日 午前9時30分開議
1 諸般の報告
2 一般質問
3 報告第7号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償┐
の額の決定に係る専決処分の報告について │
報告第8号 継続費の精算報告について │市 長 提 出
報告第9号 令和5年度決算に基づく健全化判断比率の報告について │
報告第10号 令和5年度決算に基づく資金不足比率の報告について ┘
4 議案第19号 市道路線の認定について 同 上
5 議案第21号 緑地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償 同 上
の額の決定について
6 議案第20号 所有権移転登記手続請求事件の和解について 同 上
7 議案第30号 鎌倉市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制 同 上
定について
8 議案第29号 鎌倉市行政手続における特定の個人を識別するための番号┐
の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条│
例の一部を改正する条例の制定について │同 上
議案第33号 鎌倉市生涯学習センター条例の一部を改正する条例の制定│
について ┘
9 議案第31号 鎌倉市手数料条例の一部を改正する条例の制定について 同 上
10 議案第32号 鎌倉市まちづくり条例の一部を改正する条例の制定につい 市 長 提 出
て
11 議案第34号 令和6年度鎌倉市一般会計補正予算(第4号) 同 上
12 議案第22号 令和5年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について ┐
議案第23号 令和5年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業│
特別会計歳入歳出決算の認定について │
議案第24号 令和5年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算│
の認定について │
議案第25号 令和5年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出│同 上
決算の認定について │
議案第26号 令和5年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認│
定について │
議案第27号 令和5年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決│
算の認定について │
議案第28号 令和5年度鎌倉市下水道事業会計剰余金の処分及び決算の│
認定について ┘
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〇本日の会議に付した事件
1 諸般の報告
2 一般質問
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鎌倉市議会9月定例会諸般の報告 (2)
令和6年(2024年)9月5日
1 陳情3件を陳情一覧表のとおり受理し、2件を付託一覧表のとおり総務常任委員会に
付託、1件を配付一覧表のとおり全議員に配付した。
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令和6年(2024年)鎌倉市議会9月定例会
陳情一覧表 (2)
┌──────┬────────────────────────┬─────────────────────┐
│受理年月日 │件 名 │提 出 者 │
├──────┼─────┬──────────────────┼─────────────────────┤
│ 6.9.2 │陳情 │議会選出監査委員の見直しを求める陳 │鎌倉市 │
│ │第27号 │情 │大 木 一 彦 │
│ ├─────┼──────────────────┼─────────────────────┤
│ │陳情 │鎌倉市議会議員のコンプライアンスに │鎌倉市 │
│ │第28号 │ついて検証するよう求める陳情 │岩 田 薫 │
│ ├─────┼──────────────────┼─────────────────────┤
│ │陳情 │政党機関紙の庁舎内勧誘行為の実態調 │神奈川県横浜市 │
│ │第29号 │査を求める陳情 │ハラスメントから職員を守る神奈川県民の会 │
│ │ │ │代表 出 井 健三郎 │
└──────┴─────┴──────────────────┴─────────────────────┘
付託一覧表 (2)
┌──────┬────────┬─────────────────────────────────────┐
│付託年月日 │付 託 先 │件 名 │
├──────┼────────┼──────┬──────────────────────────────┤
│ 6.9.5 │総務 │陳情 │議会選出監査委員の見直しを求める陳情 │
│ │常任委員会 │第27号 │ │
│ │ ├──────┼──────────────────────────────┤
│ │ │陳情 │政党機関紙の庁舎内勧誘行為の実態調査を求める陳情 │
│ │ │第29号 │ │
└──────┴────────┴──────┴──────────────────────────────┘
配 付 一 覧 表 (2)
┌──────┬────────┬─────────────────────────────────────┐
│配付年月日 │配 付 先 │件 名 │
├──────┼────────┼──────┬──────────────────────────────┤
│ 6.9.5 │全議員 │陳情 │鎌倉市議会議員のコンプライアンスについて検証するよう求める陳│
│ │ │第28号 │情 │
└──────┴────────┴──────┴──────────────────────────────┘
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(出席議員 23名)
(9時30分 開議)
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○議長(池田 実議員) 定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。
会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。4番 出田正道議員、5番 藤本あさこ議員、6番 武野裕子議員にお願いいたします。
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○議長(池田 実議員) 日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
内容は配付いたしましたとおりでありますが、本日の会議に遅刻及び欠席の届出がありますので、局長から報告させます。
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○(茶木久美子 事務局長) 千一議員から病気のため欠席、岡田和則議員から所用のため遅刻する旨の届出がそれぞれございましたので御報告いたします。
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○議長(池田 実議員) ただいまの報告に御質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
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○議長(池田 実議員) 日程第2「一般質問」を昨日に引き続き行います。
まず、保坂令子議員の発言を許可いたします。
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○22番(保坂令子議員) 神奈川ネットワーク運動・鎌倉の保坂令子です。通告に従いまして一般質問を始めます。
神奈川ネットでは、以前は、ほぼ毎定例会ごみの質問をしていました。ここのところ一般質問で取り上げることは少なかったんですけれども、久しぶりに、最初は神奈川ネットらしい質問から始めたいと思います。
10月1日から資源物とごみの分け方・出し方が変わります。「広報かまくら」6月号にお知らせの記事が載り、資源物とごみの分け方・出し方の改訂版パンフレットが8月最終週に全戸配布されて、変更点の周知が図られています。名越のごみ中継施設を整備する間、今泉クリーンセンターの中継施設としての使用を継続するに当たり、出入りする車両の台数を抑制するため、家庭からの持込みごみを原則なくす必要があることと、逗子市の焼却施設で処理してもらうのに逗子市の焼却品目に合わせる必要があることが変更の理由だとの説明ですが、幾つかある変更点のうち、逗子市に合わせた変更は何でしょうか。
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○加藤隆志 環境部長 御質問の逗子市に合わせた分別の変更ですが、これまで鎌倉市では燃やすごみとして分類していたものが、逗子市では燃やすことができない品目があり、具体的には、使い捨てライターを燃やすごみから危険・有害ごみに変更します。また、逗子市が長さ50センチ以上のごみは破壊しなければ焼却できないことから、木製のほうき、モップ、すだれ、虫とり網などで長さ50センチ以上のものは燃やすごみから粗大ごみに変更し、資源化する予定です。
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○22番(保坂令子議員) 確認いたしました。周知がしっかり図られることを望みます。
今回の変更で個人的に朗報であったのは、これまでは中身を使い切っていれば危険・有害ごみで出すことはできても、中身が残っていると出せなかったスプレー缶が、新たに設けられたカテゴリーの棒状・板状等粗大ごみで回収されるようになったことです。カセットコンロのボンベであれば使い切りますから問題ないのですが、それ以外の多種多様なスプレー缶が使い切れず、かといって、中身をうまく出して空にするのも難しく、保管したままになっている家庭は多いのではないかと思います。ですから、同じ品目は3個まで1品の扱いで処理手数料が1品300円と有料であっても、回収してもらえるのは助かります。でも、これまでは中身が入ったままでは回収に適さないとしていたわけですから、今後、回収と処理を安全、適切に行う方法について確認させてください。
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○加藤隆志 環境部長 現在もスプレー缶等については、相談があれば、臨時ごみとして有料で環境センターに持ち込むか、市が収集に伺うよう対応しています。令和6年10月1日からは環境センターへの持込みができなくなるため、電話またはウェブにて収集の事前申込みをしていただき、300円の粗大ごみシールを貼り付けて出していただくことになります。収集運搬の際には、火災事故のリスクを避けるため、スプレー缶等に圧力がかかるようなパッカー車の車両は使用せず、処理に当たっても、これまで臨時ごみとして受け入れたときと同様に、安全に配慮した処理を行ってまいります。
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○22番(保坂令子議員) 最後のところ、圧力をかけないで収集するというところを確認させていただきました。棒状・板状粗大ごみで回収ということ、臨時ごみ、持込みごみという形での受入れの廃止に伴うものであるということも確認いたしました。
大きな質問項目を燃やすごみの減量と資源物の分別としていますが、減量のほうは後回しにして、次に、分別や回収後の処理に関して以前から気になっていたことを何点か伺います。
まず、ミックスペーパーについてです。紙袋に入れるか、包装紙やカレンダーなどで包み、口をガムテープかホチキスでとじて出すミックスペーパーは、開封しないまま溶かして資源化することになっていますが、封筒の宛名や、氏名、住所、口座番号などが印刷された紙は、その部分を切り取り、細かくして燃やすごみに混ぜて出しているという人の話も聞くので、ミックスペーパーとしての排出可能品目と、収集後の処理方法について改めて伺います。
また、回収したペットボトルから新しいペットボトル、アルミ缶からアルミ缶というように、元の製品と同等の品質の同じ製品に再生する水平リサイクルは紙では難しいですが、段ボールについては水平リサイクルに近いと思います。それから、紙パックはミックスペーパーと同様に溶かして処理するとのことですが、トイレットペーパーなどに再生する材料としては、品質がよく、買取り価格も高いので、ミックスペーパーとは分けて出してもらいたいわけですね。ミックスペーパーとして紙袋や紙の包みに一緒に入れてよい紙袋とその他の紙類として分けたほうがよいものについては、パンフレットなどに分別の仕方が具体的に掲載されてはいるのですが、なぜそうなのかという理由である資源化のされ方までしっかり伝わっていれば、迷うことは少なくなります。いかがでしょうか。
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○加藤隆志 環境部長 ミックスペーパーとしては、排出可能な品目は、機密性の高いものに限らず、紙コップや包装紙も含まれており、紙類の分別に迷った場合には、ミックスペーパーとして排出していただくよう御案内しています。ミックスペーパーについては、伝票、レシート、はがきや写真など個人情報の含まれるものが多いことから、紙袋や包装紙に包み、ホチキスやテープで留めて排出していただいております。収集したものは、個人情報が流出することがないよう、排出された状態のまま笛田リサイクルセンターにおいて圧縮処理を行い、その後、製紙会社において溶解処理され、トイレットペーパー等に生まれ変わっています。
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○22番(保坂令子議員) 新しいパンフレットでは、何に生まれ変わるか知ろうと、見開き2ページになって見やすくなっているのはよかったなと思っているところです。
資源化の流れが分かると分別もしやすいということで、製品プラスチックについて伺います。鎌倉市では、プラスチックと一部その他の素材でできているものも製品プラスチックとして出せますが、例えば金属のリングでとじられたバインダーなど、プラスチック部分と金属の部分から成るものは、回収後はどのような工程を経て資源化されているのでしょうか。
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○加藤隆志 環境部長 製品プラスチックは、再資源化事業者の施設内において手選別や破砕を行った後、磁力選別、磁石による選別ですが、磁力選別によりプラスチック以外の不適物を除き、適切に資源化処理を行っています。ポリプロピレンやポリエチレンは、新たにプラスチック製品を作る材料としてマテリアルリサイクルし、それ以外の素材はセメント燃料とするサーマルリサイクルの2つの方法で処理しています。
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○22番(保坂令子議員) それだけ手間とコストもかかっていると思うんですけれども、それでも製品プラスチックとして回収される幅が広がっているというのはよいことかなと思っているところです。
先日、坂ノ下の燃えないごみ、危険・有害ごみの積替え所を見学しました。鎌倉市では燃えないごみと危険・有害ごみ、使用済み食用油を同じ日に回収しており、燃えないごみは指定袋に、危険・有害ごみは指定ごみ袋以外の透明・半透明袋に入れて出すことで区別されています。燃えないごみは資源化できるものとできないものも指定ごみ袋に一緒に入れられ、幅広い品目が一くくりにされている取扱いです。
そこで、燃えないごみに分類される小型家電について伺います。小型家電には、鉄、アルミニウム、銅、貴金属、レアメタルなどの有用な金属資源が含まれていることから、それらのリサイクルを進めるため、2013年4月に小型家電リサイクル法が施行されました。同法では、回収・リサイクルする品目は市町村ごとに決め、市町村及び認定事業者が使用済み小型家電の回収を行うことになっています。
逗子市では、レアメタル、レアアースが多く含まれる特定対象品目の効率的な資源化のため、市内7か所の公共施設などに小型家電専用回収ボックスを設置しています。鎌倉市の公共施設等での回収ボックス設置については、2014年6月定例会で相模原市の取組例を挙げて検討すべきではないかと質問しておりますが、実施に至っていないのはなぜでしょうか。
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○加藤隆志 環境部長 小型家電については、不燃ごみとして回収した後、小型家電リサイクル法に基づき、認定を受けた再資源化事業者に引き渡し、希少資源の回収や適切な資源化に努めています。また、宅配便による小型家電の回収を行っている再資源化事業者のリネットジャパンリサイクル株式会社と市は協定を締結しており、市民の皆様はパソコンとセットであれば無料で回収を依頼することも可能です。小型家電の収集や資源化が確立されている中で、回収ボックスの設置は行っていませんが、携帯電話、スマートフォンについては窓口での回収を受け付けております。
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○22番(保坂令子議員) 燃えないごみとして回収して、適切にリサイクルの流れに乗せているということで、以前に、大分前ですけれども、2014年に質問したときも、拠点回収ボックスの設置ということは、保管場所や収集体制にも課題があるので、ちょっと別の方法でといったようなことだったんですけれども、現在においては、今、御紹介のあったリネットジャパンですか、そちらで宅配便を利用した小型家電リサイクルに係る協定締結しているという御紹介もいただきました。
そちらの会社なんですけれども、都市鉱山と言われている希少資源ですけれども、それを回収する事業というのは成長株だと思いますし、全国的にも広がっている。そういうところと協定ということはよいと思うんですけれども、こちらについては、小型家電、宅配便を利用して回収してくれますが、パソコンと一緒でないと回収を依頼できないというところはあります。ただ、こういう回収の仕方があるということは、今回配布されている新しいパンフレットにも載っていて、広く知られてほしいところではあります。
ただ、一般的な対応としては燃えないごみに出すということですので、ちょっと次の質問に移ります。リチウム電池とリチウムイオン電池のことです。リチウム電池とリチウムイオン電池は名前が似ていますが、リチウム電池はマンガン電池やアルカリ電池と同じ、一度使い切りの一次電池、リチウムイオン電池は充電して繰り返し使う二次電池です。リチウム電池はコイン型のものが様々な身近な機器類に使われており、廃棄時には一般の乾電池同様に危険・有害ごみとして、透明・半透明の袋に入れてクリーンステーションに出すことになっています。
しかし、個人的な体験で申しますと、炊飯器が故障して廃棄しようとしたとき、内蔵されているリチウム電池を外すことができませんでした。小型家電に内蔵されていて取り外せない場合はどうすればよいのでしょうか。
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○加藤隆志 環境部長 リチウム電池が内蔵されており、取り外しができない小型家電は、市で処理することができない処理困難物であることから、適正な処理が可能な事業者に処理を依頼するか、販売店へ相談するよう御案内しております。
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○22番(保坂令子議員) そこのところがなかなかちょっとハードルが高くなっているかなということで、さらに心配なのがリチウムイオン電池なので、次に伺います。もう一方のリチウムイオン電池は、スマートフォンやモバイルバッテリーなどの電子機器や家電製品に大変多く使われていますが、大きな圧力がかかると発煙・発火をするおそれがあり、家庭ごみとして捨てられたリチウムイオン電池がごみ処理施設などで火災を起こすケースも相次いでいます。
市のホームページには、リチウムイオン電池などの小型充電電池(二次電池)は、資源有効利用促進法により、電池の製造事業者と電池を使用する製品の製造事業者などに自主回収とリサイクルが義務づけられています。市では処分できませんので、適正な排出に御協力くださいとあります。廃棄する場合は、家電量販店等に設置されている回収ボックスに入れるとのことで、今回、各戸配布されたパンフレットにも、電池切れになるまで使用し、セロハンテープなどで絶縁の上、回収ボックスに入れるように書かれています。
気になるのは、その回収ボックスを設置している店舗が地域的に限定されているのではないのかということと、猛暑で使う人が急増した充電式ハンディファン、携帯式扇風機とか、その充電式ハンディファンですね、こちらが電池の取り外しが難しい製品もありまして、そういった製品の不適切な廃棄で事故が起きはしないかということなんです。これについて対応策はあるのでしょうか。
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○加藤隆志 環境部長 現在、市内3か所に民間事業者がリチウムイオン電池などの小型充電式電池のみの回収ボックスを設置しています。近年、リチウム電池のみならず、充電式ハンディファン等のリチウムイオン電池を内蔵した製品が大量に流通しており、故障や買換えにより廃棄物として排出される可能性が高まっています。先ほど答弁のとおり、これらの処理困難物については、処理可能な事業者を御案内しておりますが、今後、様々な事業者と協議を重ねながら、適切で分かりやすい排出方法の検討を行ってまいります。
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○22番(保坂令子議員) 市としてもやっぱり注意を呼びかける広報のようなこともしていただきたいなと思うところです。
なるべくそういった不適切なというか、処理が難しい製品というのは流通しないほうがよくて、プラスチック新法なども、もともとの製品のところで、資源の有効だったり、製品のライフサイクルを考えたものを出そうという趣旨になっていて、今ちょっとプラスチック新法の話に広がっていますけれども、そういう考え方がやっぱりすごく大事でして、選ぶところ、生産するところを選ぶところにおいて、適切な商品が流通すると、元のところでそちらのほうがいいなとは思うんですけれども、流通して使われてしまっている以上、その商品、製品のライフサイクルというところの最後の部分について、やっぱりこの安全対策というのを図っていかなければいけないなと思うところです。
ここからは燃やすごみの減量について伺います。市は全市域で戸別収集に移行することで、燃やすごみが10%程度削減すると見込んでいますが、燃やすごみが減る理由及び10%という数字の根拠について、改めて伺います。
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○加藤隆志 環境部長 戸別収集の導入によって排出者責任が明確になることで、分別意識が高まり、燃やすごみに含まれる資源物が適切に分別されるようになることから、減量につながると考えています。減量効果については、有料化せずに戸別収集のみを実施している平塚市の16%減量や葉山町の17%減量という実績を参考に、本市においては、既に有料化により減量効果が発揮されていることを考慮した上で、10%程度の減量を見込んでいます。
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○22番(保坂令子議員) これまで説明していただいているとおりですけれども、改めて確認いたしました。
では、来年1月で名越クリーンセンターでの焼却が停止となり、以降、逗子のクリーンセンターで燃やすごみの処理をしてもらうことになりますが、本市の燃やすごみの排出量に対し、逗子のクリーンセンターで受け入れてもらえる量、市外の民間施設に処理を委託する量は、1万世帯で戸別収集を実施する来年、2025年度、全市域で戸別収集を実施する2026年度においてどのような見込みになっているのでしょうか。
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○加藤隆志 環境部長 ごみ処理広域化に移行後、市内で排出される燃やすごみは、逗子市既存焼却施設を中心に処理し、減量・資源化策を講じることで、令和11年度には逗子市で全量を焼却処理する計画です。2市1町ごみ処理広域化実施計画の推計値から、令和7年度は、家庭系燃やすごみの排出量1万8971トンのうち、逗子で8,914トン、民間処理施設等で1万57トンを、令和8年度は、家庭系燃やすごみ排出量1万8889トンのうち、逗子市で9,273トン、民間処理施設等で9,616トンの処理を見込んでいます。なお、事業系燃やすごみは引き続き全量資源化処理を行います。
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○22番(保坂令子議員) 見込みということで御紹介いただきました。前段で分別について具体的に伺ったのは、分別に迷いやすいものは燃やすごみに混ぜられる可能性があると思ったからです。混入されるとすると、瓶や缶のように入っていることがすぐに分かるものではなく、紙類とプラスチック以外の素材がくっついた製品プラスチックなどの可能性が高いと思います。
燃やすごみだけ戸別収集に移行し、燃やすごみは自宅敷地から出ないで出すことができ、資源物はクリーンステーションまで出しに行かなくてはならない状況だと、先ほど排出者責任が明確になるともおっしゃいましたけれども、資源物が少量であれば、燃やすごみに混ぜてしまうということにはならないでしょうか。
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○加藤隆志 環境部長 本市と同様に燃やすごみのみを戸別収集している平塚市の社会実験結果によると、燃やすごみは16%減量しており、混入する資源物についても、合成樹脂は3%減量、紙類は2.1%減量していることから、全体としてごみの減量や分別の促進といった効果が出ていることを確認できています。戸別収集の実施により、一人一人の責任感が高まり、ルール違反が起こりにくくなることが期待できるため、引き続き丁寧な周知啓発を重ねていきながら、分別意識の向上を図ってまいります。
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○22番(保坂令子議員) 丁寧な周知啓発ということで、本当に市民、住民の方たちに御協力いただかなければというところだと思います。
燃やすごみの減量ということで伺います。生ごみの資源化策については、今のところ具体案が打ち出されていませんが、生ごみに限らず、新たな資源化策の導入により、燃やすごみの総量を減らすという方向性についてはどのようになっているのでしょうか。
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○加藤隆志 環境部長 生ごみ資源化以外の新たな資源化策としては、紙おむつの資源化を検討しており、令和5年度に民間事業者と実証実験を行い、資源化の実現可能性について確認したところです。令和6年8月2日に閣議決定された国の第5次循環型社会推進基本計画においても、全国の150の自治体における紙おむつ資源化の検討を令和12年度までの目標に掲げており、国としても資源化を推進しようとしています。家庭系燃やすごみの約7%に当たる紙おむつの資源化については、今後も国の動きを注視しつつ、実証実験で確認した課題の解決を図り、実現に向けた検討を進めてまいります。
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○22番(保坂令子議員) 家庭系の燃やすごみとかの中に紙おむつが7%というのは、かなり大きな比重だなということは今確認しましたけれども。これが決め手ということではなく、様々な可能性を同時に探っていかなければいけない感じだと思います。ごみ関連の質問はこの辺りにとどめます。
戸別収集による収集経費の増額分を減量化10%の達成で幾分か相殺できるとされているのは、戸別収集の実施で不適切な排出が減るという予測に基づくわけです。自然にそうなるのならよいのですが、市としては福祉的な観点からもよりよい市民サービスであるとして戸別収集を実施するわけです。だとすると、市民に対して、これまで以上の減量の努力をお願いしづらい面は否定できないのではないでしょうか。特に集合住宅の居住者は戸別収集のメリットを享受しないのに、納めた税金が戸別収集実施による経費増に充てられ、かつもっと減量に努めてくださいと言われたら納得できないのではないでしょうか。
結局のところ、戸建て住宅、集合住宅を問わず、今、進めているごみ処理事業に対して市民に御理解いただくには、ごみ処理事業全体として、安定化に向かっている、将来に行き詰まってしまうようなことはないという見通しをしっかり示していかなければならないと思います。
大きな項目で2番目に行きます。東日本大震災が起きた2011年の12月に制定された津波防災地域づくりに関する法律は、ハード、ソフトの施策を柔軟に組み合わせて総動員させる多重防御による津波防災地域づくりをうたっています。この法律に基づく取組については、議員になった2013年の12月定例会以来、繰り返し質問をしておりまして、今回もまた角度を変えて伺います。
国土交通省は津波防災地域づくり支援チームを設置して、市町村の津波防災地域づくりに係る事業に防災・安全交付金を重点的に配分しています。本市においては、この交付金を活用してハード、ソフト施策を組み合わせた事業を進めることを検討した経緯はこれまでにあるのでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 津波避難建築物として利用しております鎌倉消防署腰越出張所や由比ガ浜こどもセンターの建築の際には、国の防災・安全交付金を活用いたしましたが、御指摘の交付金を活用してハード、ソフト施策を組み合わせ、総合的に津波防災地域づくりを実施する仕組みにつきましては、これまで検討した経緯はございません。
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○22番(保坂令子議員) 交付金の活用については、津波災害警戒区域に鎌倉市がまだちょっと指定されていないというのも、一つちょっとネックになっているのかなということも承知しているところでして、これまでにも県に指定を促すべきではないかということを申し上げてきたところですけれども、今回はこの指定の話はあまり突っ込まないでいきたいと思います。
ハード対策ということで、全国的な状況と、東日本大震災で甚大な津波被害があった市の状況を見てみたいと思います。内閣府の調査では、全国の自治体が設置した津波避難施設の数は2023年4月時点で550で、内訳は、津波避難タワーが431基、命山、避難の丘などと呼ばれる盛土による高台が73か所、人工地盤が43か所、津波シェルターが3か所とのことです。全国で1万4729棟あるという、いわゆる津波避難ビルはこれには含まれていません。津波避難施設件数が最も多いのが静岡県の140、次いで高知県の123で、この2件の設置数だけで全体の48%を占めます。神奈川県内の津波避難施設はこの調査の時点では8施設で、鎌倉市はゼロです。
建設常任委員会では、昨年、仙台市若林区の荒浜地区を視察し、津波防災地域づくり法が掲げる多重防御の具体事例に触れました。海岸線には海岸堤防、海岸防災林があり、堤防内側の集団移転後の跡地には避難の丘が造成されていました。内陸に向かったその先にはかさ上げ道路を新たに敷設し、さらにその先からようやく始まる居住区域は津波浸水想定区域ですから、タワー型施設6か所、消防団施設併設ビル型施設5か所、小・中学校の津波避難屋外階段2か所の計13か所の津波避難施設が新たに整備されていました。
こちらの津波浸水想定区域内の津波避難施設の配置は、比較的規模が小さいものが適当な距離を保って点在しており、鎌倉市でも参考になると感じる一方で、鎌倉市においては、沿岸部に人口の多い市街地が形成され、高い建物が限定され、日中は市外からの来訪者も多いという実情を踏まえた多重防御が追求されてしかるべきということを強く思いました。
本市は津波浸水想定図については早くから作成、公表し、津波避難計画も地域別実施計画までつくっています。ソフト面での取組は決して遅くないと思います。しかし、津波避難困難区域の把握はされても、解消に至るハード面での方策は示せておりません。津波避難困難区域を本気で解消するためには、現時点で空いている広い土地があったり、既存の大きな建物の改修計画があったりしなくても、どのエリアにどの方向から避難してくる人をどれくらいの規模で収容できる施設が必要かということのシミュレーションをしておくべきではないでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 鎌倉市津波避難計画及び地域別実施計画におきまして、避難対象区域内の人口推計の算出や津波避難困難区域を示しており、避難困難区域を中心に、津波避難建築物の確保や避難誘導標識の設置など津波避難対策を進めております。
特に津波避難困難区域における津波避難施設の確保は重要であると捉えておりますが、建築物の高さ制限やスペースの確保、地域の方との合意形成など様々な課題もあることから、まちづくり全体の視点も踏まえて検討してまいります。
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○22番(保坂令子議員) そのまちづくり全体の視点というのは本当に以前から申し上げておりますし、市としても認識されているかなと思いますけれども、簡単にできるものではなく、非常に時間を要するということは分かりますが、であるからこそ、とにかく実行を見据えたシミュレーションに少しでも早く取りかかるべきではないかと思うところです。
次の質問もこれまでに複数回提案してきたことです。防災力向上マンション認定制度の導入を進めてはいかがでしょうか。この制度に早くに取り組んだのは仙台市です。東日本大震災の際、仙台市のマンションでは、玄関ドアが開かなくなったり、エレベーターが動かないために水や食料の調達、運搬に苦労するなど、高層建物に特有の課題が明らかになると同時に、マンション管理組合などによる自主的な防災活動の大切さが改めて認識されました。
以前にも紹介していますが、仙台市の杜の都防災力向上マンション認定制度は、マンションの防災力を6段階の星で表示して認定しています。防災性能で最大3つ、防災活動で最大3つ、合わせて最大6つ星となり、少ない数で認定を受けた後で星の数を増やしていくこともできます。地域との連携も評価項目に入っています。認定第1号は2015年8月で、現在までに64のマンションが認定を受けています。
今回資料を配信してもらっているのは、横浜市のよこはま防災力向上マンション認定制度です。仙台市よりスタートが遅く、認定第1号は2022年12月ですが、約1年の間に35か所が認定されています。認定要件をハード、ソフト、地域との連携の3つの面から設定しているのは、仙台市の制度をほぼ踏襲しているとも言えますが、防災力を星の数で示すことはしていません。
避難所の環境を整えることへの関心は本当に高く、その必要性はもちろんあります。ただ、避難所に多くの人が押しかけて混雑すれば、環境の維持は難しくなります。分離避難が望まれるのは何もコロナ禍に限ったことではありません。日頃の備えが充実して、建物被害が少なくて済んだマンション居住者が自宅にとどまることができればそれにこしたことはなく、かつ、マンション居住者が避難所で過ごす必要が減じれば、どうしても避難所で過ごさなくてはならない人にとっては、避難所の混雑がその分だけ緩和されて助かるということにもなります。
政令市のような大きな自治体でなければ、また、1棟当たり戸数が多い大規模マンションが多数を占めなければ、防災力向上マンション認定制度の導入は難しいというものではなく、身の丈に合った制度を考えればよいと思います。防災力向上の視点から進めていただきたいですけれども、いかがでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 防災力向上マンション認定制度につきましては、マンションの防災力を高め、地域全体の防災力向上につながる考え方の一つであると捉えております。一方で、一部の比較的大規模なマンションにおきまして、自主防災組織が結成され、訓練の実施や資機材の整備を進めており、市もその取組を支援するなど、マンションにおける防災力の向上に取り組んでいるところです。防災力向上マンション認定制度を含め、他自治体によるマンションに係る防災施策を注視し、今後の防災施策の参考にしたいと考えております。
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○22番(保坂令子議員) ぜひ、他市の事例も参考にして検討を進めていってほしいと思います。今、頑張っているマンションの自主防災組織とかを応援する、そしてその事例も広げていくということは、取組はしていますよという御答弁だったと思うんですけれども、やっぱりそういったものをより見えるようにしていく、その意味でもこういう認定制度というのは非常に有効かなと思います。
仙台市も横浜市も防災力向上マンション認定制度は住宅政策に関わる課が所管しており、鎌倉市においてもそこが動き出さなくては前に進みません。制度の導入に当たり、仙台市では分譲マンション防災マニュアル作成の手引を都市整備局住宅政策課がつくっており、横浜市では、配信した資料にもあるように、認定を目指すマンションに、市がマンション防災アドバイザーを派遣する仕組みになっています。
鎌倉市ではどうでしょうか。ハード面での取組に限定した制度ですが、共同住宅への耐震改修アドバイザーの派遣制度があります。でも、何年にもわたって活用されていません。少し前進したのは、今年5月に策定した鎌倉市マンション管理適正化推進計画において、防災に関する対策をマンション管理の課題の一つと捉えていることです。この計画は、マンション管理適正化推進法の一部改正で、自治体が区域内のマンション管理の適正化の推進を図る計画を作成し、マンション管理組合が作成する管理計画の認定をすることができるようになったことを受けてつくられたものです。管理計画認定基準のうち、防災への取組については、鎌倉市が独自に設けた基準ということです。
こちらの管理計画認定制度は、管理組合等の適正な運営や長期修繕計画に基づく大規模修繕の確実な実施が担保された管理計画であることを主たる認定要件としているわけですから、防災への取組部分を膨らませて、防災力向上マンション認定制度にスライドさせましょうと言っているわけではありません。法に基づくマンション管理計画認定制度は、それはそれとして運用しつつ、こちらの認定基準に市独自に防災への取組を設けたことを契機に、防災力向上マンション認定制度の導入を図ってはどうかと思うわけです。こちらについては市長の御見解を伺います。
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○松尾 崇 市長 マンション管理適正化推進計画につきましては、令和6年5月にマンション管理水準の向上とマンション居住者の安全で快適な生活を確保することを目的として策定をしました。この計画では、マンション管理組合等に対して防災に対する意識を醸成させるため、マンション管理計画の認定制度の認定基準に防災訓練の実施や備蓄など防災に関する項目を取り入れたという、御説明いただいたとおりでございます。こういうことから、まずは市が設けたこのマンション管理計画の認定制度を周知して、マンションの適正管理、防災の取組を推進していくことが重要であると考えております。御提案の防災力向上マンション認定制度の導入につきましては、引き続きの検討項目として、防災力の向上ということについては一定の効果があるとも認識をしますので、検討してまいりたいと考えます。
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○22番(保坂令子議員) 今回こういう認定制度の導入を図ったということで、マンションの管理組合とかでも関心が高まっているのではないかなと思うんですね。ですので、これを契機として、さらに先に進めていっていただきたいと思います。今回も配信していますけれども、他市の事例、横浜市の事例とか具体的に載っておりまして、いろいろなパターンでこの認定ということができるのかなということは、そういった先行事例もありますので、具体的に検討を進めていってほしいと思うところです。
大きな質問を聞いてしまったのですが、在宅避難に関連してもう少し伺います。よこはま防災力向上マンション認定制度の資料の3枚目、認定マンションを2例紹介している下のほうの事例を見ていただくと、ちょっと小さくて読みにくいかもしれませんが、災害時の排水ルールとして次のように書かれています。台所や風呂から出る排水を流す雑排水管やトイレから出る汚水を流す汚水管がどこかで破損しているかもしれません。災害対策本部、これはマンション管理組合による災害対策本部ですが、災害対策本部は配管の破損状況を調査し、漏れる心配がないと判断したら使用許可を出します。それまでは生活排水を流すことはやめてください。以下は省略しますが、こうしたルールを明記し、マンションの全戸で共有化しておくことは重要です。
被災時に水洗トイレの使用が可能かどうかの点検や、その後の復旧の確認などにおいては、マンションなどの集合住宅ならではの難しさがあります。公益社団法人空気調和・衛生工学会、ちょっと聞き慣れないかもしれませんが、こちらは1917年創立の学会だそうです。こちらの学会の集合住宅の在宅避難のためのトイレ使用方法検討小委員会が取りまとめた「集合住宅の災害時のトイレ使用マニュアル作成手引き」が参考になると思われます。市としてマンション管理組合に対してこういった文献の紹介、あるいはもっと平易にした解説の提供などをしていただけないでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 ただいま御紹介のありました文献、「集合住宅の災害時のトイレ使用マニュアル作成手引き」につきましては、災害時の集合住宅におけるトイレの使用について、事前に備えておくべき事項などが記載されており、在宅避難に備えるための参考になると捉えております。
マンション管理組合に限らず、多くの市民が災害時のトイレ使用方法等を把握しておくことは大変重要であることから、御紹介の文献も含め、災害時のトイレ利用に関する情報につきまして、様々な機会を通じて周知してまいります。
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○22番(保坂令子議員) ぜひ、よろしくお願いします。排水設備破損のおそれがあるときの排水ルールや点検の仕方などについて居住者が共有していても、また、排水設備が無事であっても、断水した場合は携帯トイレの備蓄なしでは在宅避難を続けられません。便器等に袋を取り付けて排せつ物を吸収シートや凝固剤で吸収、凝固させる携帯トイレは備蓄品として不可欠です。市民に備蓄を呼びかける立場である鎌倉市の認識を確認する意味で伺いますが、大地震発生直後から使う必要が生じる職員用の携帯トイレは本庁舎に備蓄されていますか。備蓄されているのであれば、どれくらいの数量でしょうか。
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○藤林聖治 総務部長 市役所本庁舎において停電が生じ、非常用発電機も使用できなくなった場合には、受水槽から庁舎内への給水機能が停止するため、その場合、既存の便座にビニール袋をかぶせて使用後に薬品などを使用するシートタイプの携帯トイレを備蓄しております。この携帯トイレの備蓄は職員用に限ったものではございませんけれども、6,000回分の使用が可能となっております。また、携帯トイレのほかには、職員駐輪場の下にある汚水槽を活用し、4か所のマンホールトイレが設置可能となっております。
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○22番(保坂令子議員) 携帯用トイレの備蓄6,000回分というのを確認しました。発災からの時間経過に応じて複数種別の災害用トイレを組み合わせることで、トイレ機能を確保することが重要だとされています。ですので、マンホールトイレも整備されて使えるということが確認できたのはよかったです。
被災しても自宅での生活を続ける在宅避難者に対しては、必要な救援物資の支給とともに、情報伝達体制が機能することが重要になります。情報伝達ということに関しては、地域コミュニティーにおいて、避難時に支援が必要な方たちの状況がふだんから共有化されていることが望まれます。そこで、6月定例会でも同僚議員から質問があった個別避難計画について伺います。
2021年5月の災害対策基本法の改正で、避難行動要支援者の個別避難計画の策定が市町村の努力義務とされました。6月定例会では、避難行動要支援者名簿登録者数1万895人に対し、個別避難計画作成数は400人、これに加えて医療的ケア児の個別避難計画をモデル的に作成したという答弁があったと思います。
私は鎌倉市が避難行動要支援者名簿の作成と地域への提供に励んでいた頃、これを所管する総務常任委員会にいたので、モデル地区があったことを記憶しています。市は対象者の個人情報を自治会、町内会に提供してもよいかどうかの意向確認を全市で一斉に行うという当初の方針を見直しまして、七里ガ浜東だったかな、ちょっとその辺りがあれなんですけれども、今泉台両自治会と、あと植木地区のマンションだったと思いますが、3モデル地区に協力を要請し、2015年2月にエリア内の対象者に意向確認書を送付しました。その後、モデル地区では、名簿登載に同意した人の名簿が自治会に提供され、自治会等では戸別訪問を行うなどして、要支援者ごとの個別支援計画の作成に取り組みました。400人というこの個別避難計画作成数は、避難行動要支援者名簿を受け取っている自治会のうちのごく一部だと思うのですが、このときの3モデル地区、先ほど七里ガ浜かしらと言ったんですけど、多分七里ガ浜東を含むと思います。この3モデル地区での取組を言っているのでしょうか。伺います。
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○永野英樹 市民防災部長 避難行動要支援者の個別避難計画は現在約400件作成されており、これらは5つの自治会・町内会が作成したものです。要支援者と支援者のマッチングについては、個別避難計画の作成とは別に、自治会・町内会独自の方法で避難行動要支援者に関する取組を行っている事例があることについても把握しております。
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○22番(保坂令子議員) 確認いたしました。そのモデル地区の3地区だけではなくて、その後も広がる、少しだけですけれども、5地区になっていて、それが400人だということだと思います。ただ、これまでの経過、取組経緯の中で、課題というのは非常に見えてきているのかなと思っています。
お隣の藤沢市の避難支援プラン全体計画には、地震等により津波の発生が予想される場合、まずは避難支援等関係者の自身の命を守ることが最優先です。津波の到達時間、高さ、建物の耐震性、避難距離等にもよりますが、自身の安全確保をした上で、できる範囲の避難支援を行ってくださいとあります。
要支援者と地域住民の支援者のマッチングを含むような個別避難計画づくりは、津波浸水想定区域においては、支援者の生命と安全への配慮から、極めてハードルが高く、現実的とは言えません。そういう意味でも、沿岸部を抱える鎌倉市での進め方ということなんですけれども、本市としては、避難行動要支援者の個別避難計画の今後の進め方として、個別避難計画の作成に取り組む自治・町内会を増やす方向で進めるのか、それとも、避難時の支援を必要とする緊急度の高い集団を選んで、その特性に合った避難計画を作成する方向でいくのか、どちらを考えているのでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 自治会・町内会における個別避難計画は、それぞれの地域の実情などを踏まえて作成している地域がありますが、この取組を広げていくには、自治会、町内会の負担が大きいと捉えております。要支援者の特徴は多岐にわたり、計画作成には専門職の知識が必要であることから、医療関係者や介護従事者、障害の事業所など様々な方々と連携しながら計画作成を進めることが必要です。
作成に当たりましては、対象とする要支援者の条件を絞った上で、複数の個別避難計画をモデル的に作成し、課題などを抽出した上で、段階的に対象者を増やしていくことが効果的であると考えております。今後につきましては、モデルケースの取組を継続して行った上で、作成対象者の絞り込みを行うなど、具体的な方向性を定めて、個別避難計画の作成を関係部署や関係機関、地域等と連携して進め、適切な避難支援につなげていきたいと考えております。
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○22番(保坂令子議員) 自治・町内会等の負担はしっかりと考慮すると。そして、緊急度の高い、支援を必要とする緊急度の高い方のところに手が届くようにするということ、それから複数のモデルケースをされるということですね。そういう意味で、実効性のあるものを目指していくのかなということを確認いたしました。
ただ、国が作成を努力義務としている個別避難計画は、避難行動要支援者を対象としたものですが、津波避難困難区域及び土砂崩落と倒木被害のおそれが大きい住戸の居住者については、避難行動要支援者に限らず、個別避難計画の作成を進めるべきではないかと思います。
津波避難困難区域に関しては、個別避難計画を作成することにより、課題と必要な対策が見えてくることが望まれます。豪雨災害の被害が、土砂崩落、倒木被害ということも含めて、豪雨災害の被害の可能性が高いところでは、自主避難所から距離がある地域の場合は、町内会館、民間施設、場合によっては知人宅など、地域の身近なところで安全に身を寄せられる場所を避難先とする個別避難計画をつくっておく必要があると思います。こちらについてはいかがでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 居住地のハザードリスクを確認し、それに応じた避難行動を取っていただくことは、議員御紹介のとおり、避難行動要支援者に限らず重要であると考えております。個別避難計画は、避難支援が必要な要支援者に対して作成し、円滑な避難につなげるために作成するもので、一般的には災害時に自らが取るべき行動を時系列に整理したマイ・タイムラインの作成が有効であると考えております。このマイ・タイムラインは、令和5年3月に全戸配布いたしました防災情報ハンドブックや、「広報かまくら」8月号などでも周知しているところです。各団体に対して行っております防災講話等におきましても、ハザードリスクの確認やマイ・タイムラインの作成の重要性を周知しており、今後も市民の皆様に浸透するよう取り組んでまいります。
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○22番(保坂令子議員) 鎌倉市ではこのマイ・タイムラインの浸透ということに努めているということは承知しているんですけれども、令和5年3月ですか、防災情報ハンドブック、全戸で配っていただきましたけれども、ちょっとそちらの認知度がそれほど高まらなかったように思っているところも含めて、でも、あれを配っていただいたのは本当によかったんですけれども、個々で活用していただくというところについてはまだ課題があるかなと思っています。その方向性というのは非常に大事だと思いますので、取り組んでいただきたいですし、個々のというだけではなくて、やはりこういった個別避難計画が必要な地域で、個々の世帯で個別避難計画をつくるということは、やはり地域でのコミュニケーションというか、地域を挙げて考えておかないとできない部分があるので、そういったところも含めて、今後、これまでも努めてきたということは理解はしておりますが、実効性のあるものにしていくように本当に努めていただきたいなと思うところです。
大きい項目の3つ目です。昨年の9月定例会の一般質問でも公共施設再編計画に係る諸課題について聞いております。計画改定後の公共施設再編ということで質問いたします。
2015年3月に策定された鎌倉市公共施設再編計画が本年3月に改定されました。これは時点修正ということですが、時点修正の意味合いについて確認させていただきます。また、次の改定の時期や予想される内容についても伺います。
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○藤林聖治 総務部長 令和6年3月の改定では、計画策定から9年が経過していることを踏まえまして、これまでの進捗状況の整理や施設データの更新、関連計画の反映などの時点修正を中心とした改定を行ったところでございます。今後、令和7年度策定の第4次鎌倉市総合計画を踏まえまして、令和35年度を最終目標年次とした公共施設再編計画における長期計画期間が始まります令和8年度を目途に、新庁舎整備や市庁舎現在地利活用の進捗も見極めつつ、改めて再編計画全体について見直しを行いたいと考えております。
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○22番(保坂令子議員) 公共施設再編計画は鎌倉市が行政サービスの提供を目的として保有または借り上げている129施設を対象としています。市役所本庁舎は法律的な定義では公の施設に当たりませんが、本市の公共施設再編計画の中核的存在であり、その位置を全市的な視点で定めることで、他の公共施設の更新の在り方が順次定まっていく関係があります。逆に言えば、新庁舎の開庁の時期が定まらなければ、老朽化が進んだり、市民ニーズや社会情勢の変化に合わせて更新する必要があるほかの公共施設の更新が進まないことになりかねません。このことを危機感を持って認識すべきです。
この現庁舎にしてみても、施設の傷みが進まないように補修をし、ここで仕事をする職員及び来庁者にとって良好で安全な状態にしておく必要がありますが、それにしても、いつまで、あと何年使い続けるかを明確にしなければ、適切な補修、すなわち必要かつ十分だがそれ以上ではないという範囲でコストを意識した計画的な補修はできません。その意味でも、市役所の位置を定める条例をできるだけ速やかに改正し、今後この現庁舎を使い続ける年限の見通しをよりはっきりさせなくてはならないと考えます。
さて、今回もまた公共施設再編計画における重要なファクターとも言える地域拠点校構想について伺います。地域拠点校構想は、策定時とは鎌倉市の学校を取り巻く状況、社会情勢、国の動向等が変わってきていることを踏まえて捉えていくべきだと考えます。次回の再編計画見直しに向けた方向性はどのようなものでしょうか。
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○藤林聖治 総務部長 令和6年3月の改定におきましては、これまでの考え方を踏襲しつつ、鎌倉地域や深沢地域においては、新庁舎整備や市庁舎現在地利活用の計画との整合を図ることを示したところでございます。
次回の見直しでは、社会情勢や学校を取り巻く状況が変化してきていることなどを踏まえまして、地域拠点校の在り方について見直しを行っていくとともに、これまで地域拠点校に複合化する方針としていた施設につきましては、周辺の公共施設との複合化も検討するなど、公共施設の再編が柔軟に進められるよう検討していきたいと考えております。
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○22番(保坂令子議員) 学校の施設の状況については弾力的に捉えて、他の施設の再編との関係では柔軟に捉えていくということで御答弁をいただきました。
昨年9月の一般質問では、公共施設再編計画を実際に進める上で、施設と機能の分離及び公共施設にこだわらない公共サービスの提供という手法を取ることもできるが、一定規模の床面積を借りることができる大型の民間施設が限られ、PPP/PFI手法を活用して高層の建物を整備することも難しい本市の事情を踏まえれば、施設と機能の分離も、公共施設にこだわらない公共サービスの提供も、どの程度を落としどころにするかという程度の問題が重要になってくると述べました。
この点について、様々な種類のスポーツの場である体育館はどうでしょうか。公共施設再編計画では、鎌倉体育館、大船体育館を深沢地域に整備する総合体育館に統合する方向性が示されていますが、例えば鎌倉体育館の個人利用のトレーニングルームの機能を切り取って体育館現在地の近くに残すということ、あえて具体的に述べれば、鎌倉消防署が移転した後の跡地に津波避難建築物となる民間マンションを誘致して、その1階部分等に公設民営のトレーニングジムを設けることもできるのではないかなどとも考えます。
大船体育館も、かなり将来的な話にはなりますが、跡地に複合施設を整備し、元の体育館の機能の一部を持ってきたり、場合によっては大船支所の支所機能を、地域拠点校ではなく、こちらの複合施設に持っていくことも選択肢かもしれません。違う方向の話としては、大船体育館の機能の一部を学校開放で担うこともあり得ます。
こうしてはどうか、イエスかノーかと聞いているのではなく、公共施設再編計画が施設数や施設の床面積を減らすことを目的としているのではなく、次世代に過大な負担を残さないということを前提として、時代に合った形で公共サービスの提供のレベルを維持しようとするものであることを体育館を例にとって確認させていただきます。いかがでしょうか。
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○藤林聖治 総務部長 再編計画の取組方針では、公共施設の在り方を見直す目的は、施設の維持ではなく、公共サービスとしての機能の確保であり、施設と機能の分離を行った上で、必要な公共施設、公共サービスを検討することとしております。体育館につきましては、必ずしも専用施設であるという必要性にとらわれずに、学校の施設開放や民間によるサービス提供と連携することが可能であるとも考えております。公共施設の再編を進める上では、施設数や床面積の削減はあくまで手段としてであり、本来の目的である次世代に過大な負担を残さないことを目的といたしまして、あらゆる手法を検討していきたいと考えております。
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○22番(保坂令子議員) 体育館については、それぞれの地域の市民ニーズというものを、あとは全市的な視点での市民ニーズというものを丁寧に見ていっていただきたいなと思っているところです。
次に、やや風呂敷を広げた話になりますが、市営住宅についてです。現在、市営住宅の第1次集約化事業が進んでいます。深沢クリーンセンター西側用地、東側用地と隣の旧笛田住宅用地に合わせて353世帯の市営住宅を整備し、既存市営住宅の入居者移転を行うものです。先日完成した棟を見学し、ちょっと、少々突拍子もなく聞こえるかもしれませんが、国の少子化対策は、良質で暮らしやすい公営住宅に若年層が住めるようにすることにシフトしたらよいのではないかと思いました。
鎌倉市市営住宅の第1次、第2次集約事業の目的は現行のままだとしても、第2次集約化事業以降においては、整備戸数を最小限にするのではなく、新たに若い層が入居できる住戸を設けることはできないか。少子化対策として有効だし、新たなコミュニティーの創出としても期待が持てるのではないかと考えました。どうでしょうか。
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○森 明彦 都市整備部長 第3次住宅マスタープランでは、年齢構成バランスの取れた人口構成の実現のためには、若年層の転入・定住が重要としているため、若い層が入居できる住戸を設けることは必要であると考えています。一方、市営住宅集約化基本計画では、整備する市営住宅の住戸タイプは、市営住宅の現在の入居世帯、市営住宅の空き家募集に対する応募世帯、人口推計から算出した著しい困窮年収未満世帯の世帯人数を基に検討することとしております。これらを踏まえた上で、若年層やファミリー層などあらゆる世帯が安心して暮らせる住生活の実現を推進していくため、バランスの取れた世帯構成となるよう検討してまいります。
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○22番(保坂令子議員) もちろん現在の計画の重要性というか、その意義ということは承知した上で、将来的な展望ということで、あとは新たな大きなコミュニティーができるときの、そのコミュニティーの在り方という視点も含めて、少子化対策ということを申し上げましたけれども、その展望として、公共施設の一つとして非常に意味のある市営住宅として、在り方としてちょっと伺ったところです。やはり今回、集約化事業で新しい市営住宅が出来上がったのを見ると、新しくできたことによっていろいろな可能性が広がっているなというのを実感したというところもありまして、伺ったところです。
次に、消防施設についてです。消防施設については、計画策定時の短期、中期、長期計画の流れに沿って取組が進んでいると言えますが、昨年9月の一般質問において、消防署を2署体制から1署体制への移行ということも含め、大きな動きの中にあることが明らかになりました。その際、鎌倉市全体の消防・救急の機能をしっかりと維持していくという視点で見ていきたいということを申し上げたつもりです。デジタル化、働き方改革、救急要請の激増にもつながっている高齢化、国が進める消防の広域化などの時代の波の中に消防はあると言ってよいでしょう。
私は公共施設再編計画が策定中だった2014年度の12月定例会で、施設分類別の再編内容の検証が非常に大事だということを指摘しています。これは計画策定時だけでなく、策定後においてもしかりであると思っております。特に消防においては、日々の業務に追われる組織であることは承知していますが、消防の在り方、消防施設の在り方を広い視点から問い、施設配置、整備などにおいて市民が納得し、安心できる在り方を示していってほしいと思いますが、いかがでしょうか。
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○?木 守 消防長 近年、救急需要が高まっている中、今後の人口減少や職員の働き方改革などの社会情勢を踏まえた上で、建物の更新時期を考慮し、移転・統合の計画を進めております。適切に車両、人員を配置することで、現状の消防力を維持しつつ、効率的な施設配置を検討しているところです。計画を進めていく上では、市民に不安を与えることがないよう、丁寧に説明を行ってまいります。
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○22番(保坂令子議員) 今後とも注視させていただきたいと思います。
最後の質問は市長に伺います。公共施設再編計画は40年という長いスパンで公共施設に関するロードマップを示すものです。道しるべがなければ長い道のりを歩き続けられませんから、これをつくり、進行管理していることには意味があります。しかし、現実的な展開としては、身近にある市民利用施設等が統廃合されることは反発を招きますし、そのことをもって再編計画全体が否定的に受け取られることも時としてあります。
そこで大事なのは、ただいま消防のところで触れた施設分類別の再編内容の検証をそれぞれの担当部署において続け、深めていき、市民に対する説明責任を果たせるようにすることではないでしょうか。例えば学校整備計画では、学校についての施設分類別の再編内容の検証ともこれは言えるものですが、今すぐに取りかかるべきことを明確にしつつ、さらに内容を深め、踏み込んでいく必要を感じているところです。そして、公共施設マネジメントの全体を捉えたロードマップは、やはり必要であるという認識を多くの市民に持っていただくように努めてほしいと思います。計画どおりに進めることを自己目的化せず、情勢等に合わせて変更する弾力性を保ちつつ、前に進めていくというものではないでしょうか。
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○松尾 崇 市長 公共施設の再編につきましては全庁的に取り組むことが必要でありまして、それぞれの公共施設の担当部署においては、施設分類別の再編内容の検証等を実施しながら、それぞれの再編方針に沿って進めていくことが、御指摘のように、重要であると思っています。次世代に過大な負担を残さないという再編計画の目的が達成できるように、関係部署間での連携強化を図りながら、全体のロードマップに沿って着実に進めていけるように取り組んでまいります。
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○22番(保坂令子議員) これをもちまして一般質問を終わります。
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○議長(池田 実議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(10時39分 休憩)
(10時50分 再開)
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○議長(池田 実議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、納所輝次議員の発言を許可いたします。
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○19番(納所輝次議員) 公明党鎌倉市議会議員団の納所輝次です。通告に従いまして一般質問いたします。
まず初めに、公共下水道の維持管理・更新の在り方について伺いたいと思います。
下水道事業でございますが、公衆衛生の向上と生活環境の改善及び公共用水域の水質保全という生活基盤、都市基盤としての重要な役割を果たす意義があります。鎌倉市のこれまでの下水道事業の歩みを振り返りますと、昭和33年、1958年に計画区域550ヘクタール、計画人口6万5000人の鎌倉処理区の都市計画を決定し、整備をスタートしました。それから65年が経過しております。昭和47年、1972年には七里ガ浜下水道終末処理場の供用が開始され、坂ノ下、長谷地区の一部に供用が開始、その後順次、汚水処理区域が広げられてきました。大船処理区については、昭和61年、1986年、都市計画決定と事業認可を受け事業着手、平成5年、1993年に山崎下水道終末処理場の供用が開始され、山崎、上町屋、大船地区の一部などをはじめとして、順次、処理区域が拡大されてきました。
令和5年、2023年3月31日現在、下水道普及率が約97.8%となり、河川や海への生活排水の流入が減少、水質が大きく改善してきました。また、雨水管渠の整備率も77.6%となり、雨水による浸水戸数も大幅に減少してきたとのことです。
このように整備が進められてきた鎌倉市の下水道施設ですが、既に初期に整備した施設の老朽化が始まっており、今後は維持管理、改築更新が主体となることは必至です。鎌倉市では下水道管の耐用年数をどのくらいと設定しているのか、まず伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 国におきましては、下水道管の標準耐用年数を50年としていることから、本市におきましても同様に標準耐用年数を50年としております。
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○19番(納所輝次議員) 市内の下水道管をつなげると約490キロメートルになるとのことです。このうち約33%の161キロメートルが令和10年、2028年には標準耐用年数の50年を経過するため、改築更新が必要となってまいります。
鎌倉処理区の汚水は6か所のポンプ場を経て七里ガ浜浄化センターで処理しており、大船処理区の汚水は山崎浄化センターで処理されております。七里ガ浜浄化センターは昭和47年、1972年から稼働しており、52年が経過しています。また、山崎浄化センターは平成5年、1993年からの稼働で、31年が経過しております。浄化センター、ポンプ場における様々な設備の耐用年数は短いとされておりまして、随時、改築更新が必要とのことでございます。
そこで、浄化センター、ポンプ場の様々な設備の耐用年数はそれぞれどう設定しているか、また、設備の更新はどのように行われているのか、伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 浄化センターやポンプ場の設備耐用年数についてですが、電気・機械設備は10年から20年、建物躯体は50年としております。七里ガ浜浄化センターでは平成17年から24年にかけて、汚水中継ポンプ場は平成21年から28年にかけて、それぞれ長寿命化計画に基づき、設備改築工事を行っております。山崎浄化センターでは、令和4年度に策定いたしましたストックマネジメント実施計画に基づき、基本設計、実施設計を経て、令和7年から順次、更新工事を進めていく予定です。なお、小型ポンプ類や換気扇など建築設備、突発的に故障した機械類につきましては、事後保全型で更新・修繕を行っております。
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○19番(納所輝次議員) この鎌倉処理区の汚水は6か所のポンプ場を経て七里ガ浜浄化センターで処理しています。6か所のポンプ場のうち、神奈川県が平成27年、2015年3月に公表した神奈川県津波浸水予想図で津波の浸水域に位置している5か所が停止した場合、約1万7000世帯の汚水が長期間処理不能になる可能性があるとのことですので、将来的に鎌倉処理区と大船処理区を一元化する場合、鎌倉処理区はポンプ場を必要としない幹線を整備するとのことでございます。このポンプ場を必要とせず、津波の影響を受けにくい下水道幹線の整備に向け検討を進めているということですけれども、具体的にどのような計画か伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 下水道幹線の整備につきましては、幹線道路等の深い位置に新たに耐震性の高い自然流下管を埋設し、中継ポンプ場を廃止することで、老朽化対策と地震・津波対策を実施する持続型下水道再整備計画を検討しております。持続型下水道再整備計画では、鎌倉処理区の七里ガ浜浄化センターと大船処理区の山崎浄化センターの各処理場を山崎浄化センターに統合し、一元化することで、効率的な下水道運営を行い、将来にわたって持続可能な下水道を構築するものです。
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○19番(納所輝次議員) この老朽化施設対策や津波・豪雨対策等に大幅な投資拡大が必要となった一方、市の財政状況等により投資を抑えざるを得ない状況があるということでございます。前回、下水道使用料の改定を行った平成24年、2012年以降、下水道使用料収入は減少傾向にあります。今後は人口減少や節水志向による1人当たりの水道使用量の減少による収益力の低下、災害対応、省資源・省エネルギー化等、下水道を取り巻く環境の変化への対応が求められてまいりますが、下水道幹線や施設の改築更新には多額の費用がかかります。下水道幹線を改めて設置する場合、財源の確保、これにどう取り組むのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 人口減少や節水型機器の普及などに伴う有収水量の減少など、下水道の収益は減少していく傾向にあります。このような状況にあっても、安全に安心して下水道を使うための施設の維持管理、補修更新などの投資を行っていく必要がございます。持続型下水道の再整備などの投資に当たっては、将来負担や企業債残高を注視し、適正な下水道使用料を設定した上で、企業債や国の交付金を活用して取り組んでまいります。
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○19番(納所輝次議員) さらに、地球温暖化の顕在化や世界的な資源・エネルギー需給の逼迫が懸念され、循環型社会への転換、低炭素社会への構築が求められる中、下水道事業においても、下水を排除し、処理する一過性のシステムから、集めた物質等を資源・エネルギーとして活用し、再生する循環型システムへと転換することが必要となってきました。鎌倉市において再生循環型の下水道事業の在り方をどう考えているのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 本市では現在、山崎浄化センターでの下水処理水を鎌倉武道館のトイレ用水として再利用しております。また、下水汚泥の焼却灰は建設資材として再資源化するなど、下水資源の有効利用に努めているところです。
近年におきましては、下水汚泥の堆肥化や、脱水ろ液から抽出したリンの回収等、国を挙げて下水資源の有効利用について取り組んでいることも認識しているところであり、本市におきましては、下水汚泥を堆肥化できるかどうかを把握するため、令和6年度に下水汚泥に含まれる重金属の濃度を測る予定でいます。しかしながら、下水汚泥の堆肥化やリンの回収等を行うには、新たな施設の建設や流通先の確保など多くの課題があると考えております。費用対効果を含め、今後も引き続き国・県等から情報を得て、導入の可能性について研究してまいりたいと考えております。
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○19番(納所輝次議員) 鎌倉市の下水道は、建設から維持管理、さらに改築へ、そして資源・エネルギーの循環などの新たな価値の創造の時代に、その役割を果たすことが求められてきております。鎌倉市では今後10年の下水道投資・財政の在り方を考える必要があることから、令和3年、2021年3月に令和12年度までの10年間に取り組むべき事業と投資・財政計画として鎌倉市公共下水道経営戦略を策定しています。鎌倉市においては、深刻化する施設老朽化問題、豪雨・地震・津波対策、財源確保に対して、まず1つ目として予防保全への転換、2つ目に下水道施設の脆弱性の解消、これは地震・津波・浸水対策ということですね。そして3つ目に経営健全化という3つの基本方針による経営戦略で戦略的な下水道事業運営を行う必要があるとされております。
まず、この経営戦略の基本方針にある予防保全への転換、これはどのように取り組んでいるのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 予防保全へ転換するため、本市では平成31年3月に、長期的な視点で下水道施設全体の今後の老朽化の進展状況を考慮し、優先順位づけを行った上で、施設の点検調査、修繕改築を実施し、施設管理を最適化することを目的とした鎌倉市下水道ストックマネジメント計画を策定し、以後、時点修正を加えながら、管更生工事や処理場の改築更新などの予防保全型管理に取り組んでおります。
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○19番(納所輝次議員) 基本方針の2つ目の地震・津波・浸水対策としては、鎌倉処理区と大船処理区の一元化や、国道134号稲村ガ崎三丁目付近の新設管工事、既設管渠の減災工事、下水道終末処理場の耐震化、雨水施設の整備に取り組むとしております。この下水道施設の脆弱性の解消として、地震・津波・浸水対策にはどのように取り組んでいるのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 下水道施設の脆弱性の解消につきましては、緊急輸送路において、既存マンホールを生かし、非開削工法による地震対策を令和4年度で完了いたしました。また、山崎浄化センターでは、現在、耐震診断を行っており、その結果に基づき、耐震工事を順次進めてまいります。さらに、災害時にも下水道が機能するよう、ポンプ場をなくし、自然流下により送水できる幹線整備を行う持続型下水道の再整備に取り組んでいるところです。
なお、雨水施設につきましては、令和4年度に施設の老朽度を点検調査し、雨水管渠等修繕改築計画を策定したことから、同計画に基づき修繕等に取り組んでいるところです。
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○19番(納所輝次議員) 鎌倉市は令和元年4月1日に地方公営企業法の規定を一部適用したことに伴い、下水道事業を地方自治法の特別会計から地方公営企業法の公営企業会計に移行しました。企業会計初年度の令和元年度の事業収益は約72億9000万円、事業費用は65億4000万円で、事業収益と事業費用の収支は、収入が約7億4800万円上回っておりました。一方、令和4年度のデータですけれども、令和4年度の事業収益は約70億9000万円、事業費用は約66億8000万円で、事業収益は令和元年の企業会計初年度に比べて約2億円減少する一方、事業費用は約1億4000万円増加しており、収入が費用を上回っているとはいえ、事業収益が初年度に比べ減少しておりました。ここ数年の使用料収入の推移をはじめ、企業会計移行後の収支状況をどう見ているのか、また、今後の推移をどう見ているのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 本市の公共下水道事業は、令和元年度に地方公営企業会計制度を適用し、翌年の令和2年度には鎌倉市公共下水道経営戦略を策定いたしました。経営戦略におけます下水道使用料の収入は、人口減や節水型機器の普及などによる有収水量の減に伴い、減少すると見込んでおりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛に起因すると思われます使用水量の増加により、見込みを上回る状態が続き、収支の状況は安定しておりました。
現在、有収水量はコロナ禍前と同程度まで減少しており、この傾向は今後も続くと想定される一方、光熱水費や人件費なども高騰し、下水道事業の収支は厳しい状況が続くと予測されますが、経営戦略で策定しました投資・財政計画を踏まえた事業運営を実施してまいります。
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○19番(納所輝次議員) 一応コロナで在宅の方が多かったので、使用量が増えたりというような状況はあったようですけれども、コロナの影響が変わった後、生活様式が変わったとしても、やはり人口減少であったり、それから節水型の生活というものが定着してくる中で、大分、その収支状況というのはあまり見通しがいいものではないと。かなり節減しなければいけないという状況があるかと思っております。
鎌倉市ではこの経営戦略の投資・財政計画を策定するに当たり、投資見通しを積算した結果、下水道使用料の改定を行わなければ大幅な財源不足を解消することができないとしています。経営戦略では、急増する老朽施設対策や津波・豪雨対策等に大幅な投資拡大が必要となっている一方、市の財政状況では投資を抑えざるを得ないこと、今後の人口減少や節水型機器の普及により使用水量の減少が見込まれることから、投資見通しを積算した上で、総務省が示す下水道使用料の最低限の目安である1立方メートル当たり150円を目標に下水道使用料の改定を行うとして、令和4年、2022年市議会6月定例会において、鎌倉市下水道条例を改正し、令和5年、2023年4月から新料金を適用しています。令和5年、2023年の下水道使用料で概算すると、この目標としている1立方メートル当たり150円は達成できる状況かどうか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 下水道使用料につきましては、令和5年4月に総務省が示す最低限の目安である1立方メートル当たり150円を目標とした改定を実施いたしました。令和5年度の1立方メートル当たりの下水道使用料単価は約152.9円となり、目標を達成できる見込みとなっております。
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○19番(納所輝次議員) 152.9円というところまで来たということでございます。
経営戦略上、緊急輸送路の汚水管修繕改築工事、民間開発団地の汚水管の修繕改築、雨水管、雨水調整池の修繕改築、下水道終末処理場の耐震化・改築、持続型下水道幹線再整備事業など、投資計画を進める上での多くの課題が山積しています。この経営戦略の投資計画の各課題の進み具合について、その概要を伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 緊急輸送路の汚水管修繕改築工事は、ストックマネジメント計画に基づき、令和4年度から緊急輸送路及び軌道下に敷設している下水道管の改築工事を実施しております。民間開発団地の汚水管修繕改築は、下水道管路施設等包括的民間委託の点検調査業務内におきまして、下水道管の状態の調査を開始いたしました。今後は調査結果に基づき修繕改築計画を策定し、ストックマネジメント計画に追加していく予定です。雨水管、雨水調整池の修繕改築は、令和4年度に施設の老朽化を点検調査し、雨水管渠等修繕改築計画を策定し、修繕等に取り組んでいます。山崎浄化センターは、令和4年度から建物の耐震診断を行っているほか、設備更新については、ストックマネジメント計画に基づき、令和5年度には中央監視設備の基本設計を行い、現在、実施設計を行っているところです。持続型下水道再整備計画では、七里ガ浜浄化センターを山崎浄化センターに統合し、一元化するため、下水道幹線のルートなどの検討を行っているところです。
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○19番(納所輝次議員) 鎌倉市では下水道管路施設等の維持管理を、平成28年、2016年3月に策定した鎌倉市社会基盤施設マネジメント計画に基づき、事後保全型から予防保全型への転換を図るため、下水道管路施設等の維持管理に係る一部の業務等を一括して複数年にわたって委託しているとのことでございます。鎌倉市の下水道事業の管理における民間委託はどのように行われているのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 本市におけます下水道施設の管理についてでございますが、浄化センター2か所の下水処理と山崎浄化センター汚泥焼却施設、ポンプ場の運転管理につきましては、施設稼働当初から民間へ委託し、現在は5年間の長期継続契約を締結しております。また、下水管路につきましては、維持管理の一部である計画策定、点検調査、施設情報の管理、台帳の電子化、要望対応等の業務を包括し、令和5年から3年の期間で委託を開始したところです。
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○19番(納所輝次議員) 鎌倉市下水道管路施設等包括的民間委託業務の委託期間は令和8年、2026年2月28日までとなっておりまして、本業務により計画的な維持管理によるライフサイクルコストの削減を行い、下水道管路施設等に係る良好な機能維持及び維持管理の効率化を図ることを目指しているとのことです。施設の老朽化が進むとともに、環境の変化により、下水道事業が抱える課題は高度化し、複雑化しているという状況にあっても、将来にわたって確実に事業を展開するためには、必要な人材を採用し、技術力が継承される体制を維持しなければなりません。
下水道事業の全国的な課題は、施設の老朽化が進み、更新の需要が増加しており、維持管理費の増加が今後さらに加速すると指摘されておるところでございます。人口減少が進めば、使用料の収入が減少し、経費回収率の低下はさらに加速します。地方自治体では技術職員が減少傾向にあり、職員の不足、技術力の不足も深刻になるということでございますけれども、下水道事業の持続のためには、事業体制の維持・確保や支出抑制施策、収入改善施策を施すなど、効率的な事業運営等による様々な取組が必要とされます。
令和5年6月2日、内閣府において第19回民間資金等活用事業推進会議が開かれ、PPP/PFI推進アクションプラン令和5年改定版が決定され、新たにウオーターPPPの活用が位置づけられたとのことでございます。このウオーターPPPとはどのようなものか、御説明いただきたいと思います。
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○森 明彦 都市整備部長 国では下水道事業等における職員数の減少、施設の老朽化、使用料の収入減少の課題への対応策としてPPP/PFI手法の導入を推進しております。ウオーターPPPとは、水道、下水道、工業用水道について、民間の資金やノウハウを活用して、施設の改築更新、運営管理などを効率化し、サービスの質の向上を図る官民連携方式を言っております。
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○19番(納所輝次議員) 今、御説明いただいたように、ウオーターPPPとは、水道や下水道、工業用水道など水分野の公共施設を対象とした新しい官民連携、いわゆる管理・更新一体マネジメントの方式で、民間のノウハウや資金を活用して、水分野の施設の改築更新、運営管理など事業の効率化、維持管理費の抑制、公共サービスの質の向上を図るというものでございます。このPPPとは英語のパブリック・プライベート・パートナーシップの頭文字を取ったもので、直訳すると官民連携という意味だそうでございます。
国は令和8年度で汚水処理施設整備事業への補助が完了するということで、令和9年度から施設の改築、維持、更新、運営管理へ移行するウオーターPPP導入を推進するとしており、アクションプランによりますと、汚水管の改築に係る国費支援、いわゆる社会資本整備総合交付金等に関して、ウオーターPPP導入を決定済みであるということを令和9年度以降に要件とするとしております。なお、緊急輸送道路の下に埋設されている汚水管の耐震化については、別に交付金措置があるということでございますけれども、このウオーターPPP導入が国費支援の要件とされることについて、鎌倉市の下水道事業に影響はあるのでしょうか。伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 令和9年度以降に国の交付金を活用し、汚水管を改築するためには、議員御紹介のとおり、令和8年度中にウオーターPPPの導入が決定済みであることが要件となっております。本市の水管のうち、令和5年度末で24.6%が供用開始から50年以上経過していることから、今後、国の交付金を活用した改築更新を行うため、ウオーターPPPの導入に向けて検討を開始いたしました。
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○19番(納所輝次議員) 持続可能な下水道事業のためには、PPP/PFI、官民連携の活用が有効となり得るとし、特に中小規模の地方公共団体等でさらなる導入の促進が必要となるとしております。
ウオーターPPPには、民間業者が長期的に公共施設を管理することができる管理・更新一体マネジメント方式とコンセッション方式があるとのことです。このコンセッション方式とは、施設の所有権を発注者である公的機関に残したまま運営を民間事業者が行うスキームだそうです。国は水道、工業用水道、下水道について、PPP/PFI推進アクションプラン期間の10年間、令和4年から令和13年にコンセッションに段階的に移行するための官民連携方式、いわゆる管理・更新一体マネジメント方式を公共施設等運営事業と合わせてウオーターPPPとして導入拡大を図るとしております。
鎌倉市をはじめ、現在多くの自治体で導入している行政主体の複数年、複数業務の民間委託から、今後、原則10年間の長期契約でウオーターPPPとして導入拡大を図り、最終形態としてコンセッション方式への移行を目指すというもので、そこに至るまでの実務上の定義としては、1つ目に長期契約、原則10年、2つ目に性能発注、3つ目に維持管理と更新の一体マネジメント、4つ目にプロフィットシェア、いわゆる利益を分配する契約形態の4つの要件を全て充足する民間委託であることだそうでございます。
鎌倉市でウオーターPPPを導入するとした場合、多くの業務で行っている民間委託形態の切替えなど、どのような課題があるのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 現在、本市では、管路において3年間の包括的民間委託、浄化センター・ポンプ場においては5年間の運転管理委託を実施しており、契約の更新時期が異なります。また、ウオーターPPPに対し企業への参加が不透明なことがございます。さらに、本市の事業規模で費用対効果などが得られるか不明確であることなどを課題と考えております。
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○19番(納所輝次議員) 導入可能性を調査する場合、現状分析、課題の洗い出し、業務分析、費用対効果、導入効果、参入意向調査、どこまで民間委託するのか等の事前調査を行う必要が当然あるわけでございますけれども、政府は社会資本整備総合交付金等の交付要件について、ウオーターPPP導入が決定済みであることを令和9年度以降に要件化するとしておりますけれども、下水道事業でのPPP/PFIの導入は、政令指定都市をはじめ、人口20万人以上の大規模な地方公共団体では進んでおりますけれども、中小規模の地方公共団体ではなかなか進んでいないというのが現実だそうでございます。
その原因の一つには、このPPP/PFI手法は仕組みが複雑で、検討も多岐にわたるため、中小規模の地方公共団体にはノウハウが少なく、施設等の規模も小さく、事業規模が大きくなりにくいことなどがあるとのことでございます。しかし、今後、より厳しい財政状況、人材不足が懸念される中、適切に施設を管理運営し、持続可能な下水道事業を実現していくことが求められておりますので、市が民間事業者と連携して業務を実施するPPP/PFI、いわゆるこの官民連携は有効な手法ではないでしょうか。また、下水道分野においてPPP/PFI手法の導入促進が求められていることもありますし、鎌倉市も下水道事業においてウオーターPPPを導入する必要があると考えております。鎌倉市として下水道事業にウオーターPPPを導入することについてどう考えるか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 今後、本市におきましても、下水道事業の担い手の減少、施設の老朽化、使用量の減少が予想されます。このような状況にあっても、市民の安全・安心を守り、市民生活を支え続けるためには、施設の改築更新が必要不可欠であり、ウオーターPPPが下水道事業運営の一助となると考えられることから、導入の検討を今後も進めてまいります。
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○19番(納所輝次議員) 続きまして、市営住宅集約化事業について伺いたいと思います。さっきも同僚議員の質問にもございましたけれども、鎌倉市では、老朽化が進む市営住宅6団地について、集約化による整備を行っておりますけれども、その第1期の建て替え住宅A棟が笛田に完成したことから、8月2日、移転に先立って行われたA棟の内覧会に参加させていただきました。
新築の建物では様々な配慮が施されておりまして、快適な住環境が提供されるものという感想を持ったわけでございますけれども、そして本年、先月8月から10月にかけて、敷地に隣接する市営笛田住宅の入居者の皆様のA棟への移転が行われています。ただ、この猛暑の中での引っ越し作業を行うということは、高齢者の多い笛田住宅の方々でございます。果たして大丈夫だろうかと非常に心配になったわけでございます。市営笛田住宅の入居者は高齢者が多く、猛暑の中での移転となりました。移転時期の配慮についてはどのように考えているのか、まず伺いたいと思います。
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○森 明彦 都市整備部長 市営笛田住宅A棟への移転につきましては、A棟完成直後の3か月間を移転期間とし、8月から10月の中で入居者に移転日を選んでいただき、進めています。入居者に対し移転日について事前に意向調査を行ったところ、8月の移転を希望する入居者が多くいらっしゃいました。また、8月は会社の夏季休業も多く、入居者の親族が移転の手伝いをしやすい状況も確認できたところです。
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○19番(納所輝次議員) 時期的には休みが取れてということでございますけれども、去年に引き続き、もしくは去年以上の猛暑の中でかなりハードであったというお声も届いておりました。
この各世帯の引っ越しは各自の責任において実施されるとのことでございますけれども、現入居者にその費用負担が可能なのか心配な面があります。この入居者の移転費用はどのようになっているのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 入居者には、移転補償費としていたしまして、動産移転料を18万円、その他の移転雑費として6万円の合計24万円を移転完了後に支払うこととしています。入居者が前払いを希望した場合には、24万円のうち18万円を移転前に支払い、残りの6万円を移転完了後に支払うこととしております。
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○19番(納所輝次議員) いわゆる引っ越し料も含めて18万円と6万円で24万円が、1世帯に一律24万円が支払われるということでございますけれども、完成したA棟、55戸と伺いました。このうち市営笛田住宅からの入居者は何世帯いらっしゃるのか。もし入居者が決まらない場合、空き部屋はどうするのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 市営笛田住宅A棟には旧市営笛田住宅から38世帯が入居する予定です。また、早期移転を進めています深沢第6住宅から2世帯が入居する予定です。その他の部屋につきましては、集約化対象としております市営住宅のうち、耐用年数が過ぎている住宅の入居者に移転の案内を行ってまいります。
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○19番(納所輝次議員) 順次、空き部屋については他の市営住宅にお声かけをするということを確認できました。
家賃の在り方がどう変わっていくのか。当然、金額が上がると聞いておりますけれども、激変緩和のための経過措置があるのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 市営住宅の家賃は建築年や部屋の広さ等に基づき算出するため、従前の家賃と比べ、1.5倍から2倍程度上がることとなります。ただし、公営住宅法では激変緩和措置の規定が設けられており、新しい住宅の家賃額と従前の住宅の家賃額の差額分を6年かけて段階的に上がる仕組みとなっているため、家賃の急激な上昇は抑えられるものと考えております。
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○19番(納所輝次議員) 家賃は上がるけれども、6年間の経過措置を設けるということでございます。当然、市営住宅ですので、家賃は入居者の収入によりそれぞれ異なるとのことでございますけれども、住み続ける中で、世帯の収入状況が変わり、収入超過となった入居者もいらっしゃると思います。もし入居者が収入超過者の場合、移転後の家賃はどうなるのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 市営住宅に3年以上入居している入居者が公営住宅法及び鎌倉市営住宅条例に規定する基準額を超える収入になった場合、収入超過者となり、部屋の明渡し努力義務が生じるとともに、家賃は段階的に近隣の民間賃貸住宅並みの家賃、いわゆる近傍同種家賃となります。近傍同種家賃は建物の建設費や住戸面積、建築後の経過年数に基づき算定するため、市営笛田住宅A棟の近傍同種家賃は、旧市営笛田住宅と比べ、約2.3倍となります。
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○19番(納所輝次議員) 約2.3倍になっていくということですけれども、A棟に移転する入居者に対して、それぞれの家賃決定の連絡はどのように通知されたのか、確認したいと思います。
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○森 明彦 都市整備部長 入居者に対しましては、令和5年9月の入居者説明会におきまして、家賃が段階的に上がっていくことを説明し、令和5年10月から12月にかけて入居者へ個別説明の際に家賃が2から3倍程度になる見込みであることを伝えました。当初は令和6年2月に概算家賃を通知することとしておりましたが、家賃算定に時間を要したため、令和6年7月に概算家賃の通知を送付し、8月に令和6年度の家賃の額を通知したところです。
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○19番(納所輝次議員) そこなんですね。算定に時間がかかった。令和6年2月に家賃がきちんと通知されていれば、いろんな対処の方法があったということなんですけれども、今回の移転に際して、新しい家賃の算定額の通知が移転の迫った7月の中旬となって、その際、収入超過の方の家賃が2倍以上になることが判明したとのことで、そうなるんだったら、民間のほうが安かったり、民間のアパート等の転居を考えられたんだけれども、7月中旬、8月の引っ越しという時期が迫った中での通知が遅れたということで、もっと早く家賃算定額が分かっていたら違う対応ができたのにというお声も伺っております。これは要するに、市で2月に教えてくだされば対応ができたんだけど、7月、8月ではもう引っ越し直前で対応ができないということでございました。家賃も当初は3倍ぐらいになるんじゃないかみたいな見込みで、かなりびっくりしていた方もいらっしゃったんですけど、そこまでは至らずに収まったというお話は後で聞きましたけれども、いずれにしろ、家賃の算定についてちょっと時間がかかったということは、これは今後是正すべき問題であると指摘したいと思います。
その市営笛田住宅ですけれども、1年ほど前から国士舘大学の学生が教授とともに市営笛田住宅で住民と交流してきたと伺いました。これはどのような経緯で行われてきたのか、御説明いただきたいと思います。
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○森 明彦 都市整備部長 令和3年度の市営住宅集約化事業の事業者選定の際に、事業者から、大学と連携した交流、健康増進に関する効果検証の実施を提案され、市はその提案を受け入れ、市営住宅集約化事業の一環として行ってきたものです。令和5年7月から国士舘大学が笛田住宅の環境調査、入居者の心身機能調査を行うとともに、入居者とのお話し会等の実施により、大学生と入居者との交流が図られ、入居者からも好評を得ているところです。
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○19番(納所輝次議員) 今おっしゃったように、学生と市営住宅にお住まいの方との交流は非常に好評で、入居者が生き生きとして、次の交流を楽しみにしているという話も伺いました。さらには、先月8月19日、鎌倉市と学校法人国士舘が市営住宅における交流・健康の増進及びその効果の検証に関する協定を締結したとのことでございますけれども、その経過と目的を確認したいと思います。
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○森 明彦 都市整備部長 国士舘大学から、市営笛田住宅A棟が完成することに伴い、さらなる取組についての提案がございました。その提案は、入居者の交流促進、健康増進等の企画立案及び実施であったことから、本市と学校法人国士舘との間で協定を締結し、市営住宅入居者の交流、健康増進に資する取組を推進しようとするものです。
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○19番(納所輝次議員) これは本当にいい交流、取組でございまして、長く続けられるといいなと思いますし、そういった成果というものを多方面に生かしていきたいなと思っておるわけでございますけれども、ただ、今後、交流を続けるに当たって、今までの集会室は使えなくなります。A棟には集会室はありません。このA棟に集会室のない中で、この交流の在り方はどう進めていくのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 市営笛田住宅A棟には屋外の様々な場所にベンチが設けられているため、少人数の交流の機会は持てるものと考えております。現在、国士舘大学との協定による入居者交流のための取組を企画しているところであり、今後は様々な入居者交流のための取組を実施していく予定としております。
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○19番(納所輝次議員) そこで、できれば、入居者が決まらない空き部屋等を利用できればいいとは思うんですけれども、法律上といいますか、決まりの上では目的外の使用がなかなか難しいということは思っているわけでございますけれども、今回の交流によりまして、多世代交流の在り方の一つのヒント、そしてその重要性が見えてきたのではないかと思っております。
昨日も同僚議員の質問にございましたけれども、深沢地域区画整理事業により深沢子ども会館が閉鎖されました。利用していた小学生は、放課後かまくらっ子が全小学校区に整備されたことにより、代わりの居場所が何とか確保できるわけですけれども、就学前の児童と保護者の居場所がなくなってしまいました。
これ、例えば解決策としたら、その放課後かまくらっ子でも就学前の親子が使えるようにすればいいじゃないか、それは簡単な話で、16ある全ての放課後かまくらっ子に部屋を増やすとか増築するなどして、そして子育て支援機能の役割を持たせれば解決するわけでございますけれども、小学生対象の施設ですので、そこに含まれていなかったということで、何とかできないだろうかという声が切実に上がっているわけでございます。
例えば、この笛田に集約される市営住宅内に子ども会館に代わるような居場所が確保できれば、就学前児童と保護者の居場所の確保とともに、市営住宅入居者との交流が生まれ、多世代交流が図れるのではないかと思うわけでございます。市営住宅集約化事業の中で、多世代交流拠点としての機能を整備してはどうでしょうか。伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 市営住宅入居者には高齢者が多いため、地域を巻き込んだ多世代交流について検討していく必要があると考えております。今後、市営住宅集約化事業の第2期工事で公園や集会所を整備するため、国士舘大学との連携を行いながら、多世代交流の場としての活用等を検討していきたいと考えております。
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○19番(納所輝次議員) 今後整備が進む市営住宅が、住環境を整えるだけではなく、学生との交流、就学前児童との交流をはじめとする多世代交流の一大拠点となることを希望するわけでございます。
ところで、今後の第2期の建て替え住宅への入居者移転について、今後の課題をどう捉えているのか伺います。
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○森 明彦 都市整備部長 第1期は笛田住宅の入居者が市営笛田住宅A棟に移転したため、入居者の生活エリアに変化はございませんが、入居者間の交流に影響があるものと考えております。また、第2期事業は離れた4団地の入居者が移転することになるため、入居者間の交流支援等、新たな暮らしになじんでいただくための支援が必要であると考えております。今後、国士舘大学との連携等を図り、様々な方策を検討してまいりたいと思っております。
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○19番(納所輝次議員) 鎌倉市の市営住宅は現在11団地で、およそ640戸が供給されているとのことです。そのうち市が所有しているのが7団地で、諏訪ケ谷ハイツを除く6団地は昭和30年代から50年代初期に整備されています。特に簡易耐火2階建て構造の植木、深沢、笛田、梶原住宅の老朽化は著しく、新たな入居者募集が難しい状況が続いております。現入居者も時代の流れで高齢者単身世帯や2人世帯が多いため、その状況に対応した住環境の在り方の構築が難しいという課題に直面していました。維持管理の在り方を含め、良質で低廉な住宅の供給のみならず、世帯構成の変化に対応できる住居、安心して住み続けられる住居、多世代が交流する理想的なコミュニティーが形成される住環境の提供ができるよう、集約化による整備が進むことを求め、質問を終わります。ありがとうございました。
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○議長(池田 実議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(11時38分 休憩)
(13時10分 再開)
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○議長(池田 実議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、中里成光議員の発言を許可いたします。
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○3番(中里成光議員) 夢みらい鎌倉の中里です。通告に従いまして一般質問を行います。
今年は元旦に発生した最大震度7の能登半島地震に始まり、3月には福島沖で5弱、茨城県でも5弱、4月には豊後水道で6弱、そして記憶に新しい宮崎県日向灘での震度6弱を受け、国は初の南海トラフ地震臨時情報を発出しました。その翌日には神奈川県西部での震度5弱が発生、いよいよ我々鎌倉市民も災害を本気で自分事とする時が来たのではないでしょうか。今回の一般質問は、昨年6月に質問させていただいた内容の経過検証を含め、学校防災に関する質問をさせていただきます。
では初めに、先月8月8日に発生した宮崎県での震度6弱の地震を受け、国が初めて南海トラフ地震臨時情報を発出しました。その地震後の発表や神奈川県内での地震を受けて、教育委員会として各学校に対してどのような対応をしたか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 2024年8月の南海トラフ地震臨時情報を踏まえた神奈川県知事からの通知を受けまして、鎌倉市教育委員会といたしましても、各学校に同様の通知を流しまして、地震への備えを促すこととしたものでございます。
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○3番(中里成光議員) 今回は夏休み中ということだったかと思うので、生徒たちへの通知だとか、影響というのは特になかったのかなと思うんですけれども、これを、今回初めてのことでありましたので、ぜひケーススタディーとして、通常時に巨大地震情報が出た、そういった場合にどのような対応を取っていくかというところをしっかりと検討、検証をしていただければと思います。
次に、鎌倉市の小・中学校のホームページでは、全ての学校が防災マニュアルを掲示しています。一部の学校で災害時の対応などを掲載している自治体もありますが、鎌倉市のように全ての学校が載せているところはまれだと思います。ただ、ホームページはしっかりと更新がかけられ、正しく生きた情報が必要です。そこで伺います。市内の学校ホームページ上での防災マニュアルの整備状況はどのようになっているか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 市内の学校のホームページにおきまして、各学校の防災マニュアル、もしくは防災計画を掲載しておりまして、各学校の防災に関わる情報について広く保護者や市民等に公開をしているところでございます。しかし、マニュアルの情報が古いまま掲載されているなど、課題があると受け止めておりまして、今後、情報を更新、追加するよう指導していきたいと考えております。
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○3番(中里成光議員) 私が10日前に小・中25校全て確認をさせていただきました。中には平成26年3月に教育委員会が作成した防災マニュアルがそのまま掲示され、一切更新もされていないものも見られました。ただ、定期的に更新がしっかりとされて、また、その地域、地形に即したマニュアルになっているような学校もございます。学校の防災マニュアルがホームページ上で確認できるのは、保護者や近隣住民にとっても大きな安心材料となり、地域の連携が取りやすいものとなるはずです。
そこで、他市ではなかなか見られないホームページでの学校防災マニュアルですが、学校ホームページに各学校の防災マニュアルや防災計画を掲載するに当たり、教育委員会としての意向は入っているのか、お伺いいたします。また、その場合、どのような目的だったのかもお伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 平成26年に市の学校防災マニュアルを作成した際には、市のマニュアルを踏まえつつ、各学校でそれぞれの防災マニュアルを作成し、それをホームページ上で公開するようにしているところでございます。その目的といたしましては、保護者及び地域の住民の方々に対しまして、学校の危機管理の考え方を共有できるように掲載しているものでございます。
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○3番(中里成光議員) すばらしい目的で行っていただいていると確認いたしました。そのような目的を持って学校へ指示を行ってきた教育委員会としても、定期的な、先ほど御答弁いただきましたけれども、チェック機能を働かせていただければと思います。
では、そもそもの防災マニュアルの更新自体がどのような状況なのでしょうか。昨年聞いた質問に対して、同マニュアルでは、水害や土砂災害など近年多発している災害時における対応も盛り込んでいるので、各学校ではその学校防災マニュアルを踏まえて、学校の実態に応じた防災に関わる学校ごとのマニュアルを策定し、毎年見直しを行っていると教育文化財部長に御答弁いただきました。
そこでお伺いいたします。市の学校防災マニュアル及び各学校の防災マニュアルの見直しや改定の状況はどのようになっているか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 市の学校防災マニュアルにつきましては、平成30年に改定を行ってから年数がたっていることから、改定が必要だと考えているところでございます。昨年度から学校防災検討委員会の中で、市の学校防災マニュアルの改定に向けた検討を進めているところでございまして、各学校で実効的な防災教育、避難訓練となるよう、今後、マニュアルのたたき台を用いた学校現場での実践的研究も重ね、専門家等にも御助言をいただきながら、新しい市の学校防災マニュアルを作成したいと考えております。それを踏まえまして、各学校でも改定作業を進めていただきたいと考えております。
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○3番(中里成光議員) 昨年末から学校防災検討委員会があり、そこで防災マニュアルだとか防災訓練に対する見直しをしていくということを確認させていただきました。
では次に、マニュアルはあくまでも机上のものでしかないと思っております。ただ、そのマニュアルに沿って繰り返し訓練を重ね、様々なシチュエーションを想定し、実態に即さないところを随時改善していく必要もあると思います。では、市内の学校における避難訓練の現状はどのようになっているか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 市内の学校における避難訓練につきましては、各学校の防災マニュアルに基づき毎年複数回、計画的に実行しております。避難訓練の際には、不測の事態も想定し、一人一人が考えて避難できる避難訓練が必要と考えて実施している学校もあるところではございますが、いまだ一律の行動を身につけるような訓練が見受けられるところもございます。今後、より実践的な避難訓練が行われるよう努めてまいります。
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○3番(中里成光議員) 防災マニュアルに沿った形で訓練をしていただいているというところですので、早い防災マニュアルの改定と、実態に即したところを行っていただければと思います。
それに伴って、我々議員でも、一昨年ですか、専門家の慶應大学の大木先生に講師を務めていただいて、検証させていただきましたけれども、その中でも、やっぱりこれまでの防災訓練は学校でのアナウンスがあって、それから校庭に出てという当たり前のことを、多分今でも続いている学校が多いんじゃないかなと思うんですけれども、やはり先ほど部長から御答弁いただいた不測の事態、大抵の大地震の後は、電気が落ちてしまって、校内アナウンスなんか使えないような状況なのに、訓練のときはアナウンスを使ってやっているというところから、まずスタートから見直しだとかも必要になってくると思います。そのようなところも今後検討していただければなと思っております。
では、ちょっと繰り返しになるようなんですけれども、学校の避難訓練に対する教育委員会からの指示はどのようになっているか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 教育委員会が作成いたしました市の学校防災マニュアルを踏まえまして、学校ごとの防災マニュアルに基づき、その地域の実態や想定される災害に応じまして、毎年計画的に訓練を行うようお願いしているところでございます。
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○3番(中里成光議員) どうぞよろしくお願いいたします。ただ、やはり学校任せだけではなく、定期的な教育委員会としての指導・管理、そこが重要になってくるのではないかなと思っております。特に避難訓練は命が関わることなので、しっかりと行っていただければと思います。
次に、国でも学校防災に関しての指針は随時改定され、また、それに対する対応マニュアルなども出てきていると思います。これまで聞いてきた防災マニュアルや避難訓練に関して、国や県からの具体的な指示はあるのか、また、現状はそこに即した動きになっているのか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 これまで国や県から防災に関わる通知について複数受け取っているところでございます。例えば中央防災会議の総合防災訓練大綱決定に伴い、令和6年6月に文部科学省通知として、能登半島地震なども踏まえつつ、実践的な避難訓練になるような考え方などを各学校に伝達しているところでございます。これらを踏まえまして、各学校におきましては、防災・減災のための備品の再点検を行うとともに、先ほど御答弁させていただいたとおり、学校の実態に即した実効性のある防災教育・訓練になるよう努めているところでございます。
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○3番(中里成光議員) 残念ながら、多くの前例というか、今年は地震があったので、そのようなところをしっかりと各校、教育委員会でも身につけ、対応していっていただければなと思っております。
今、備品の再点検などもお話をいただきましたけれども、次に、子供たち自身の身を守る装具、これがどのようになっているか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 子供たち、児童・生徒の身を守る装具につきましては、保護者等の負担によりまして、ヘルメットもしくは防災頭巾を学校ごとに選択し、教室に常備しているところでございます。
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○3番(中里成光議員) ヘルメットもしくは頭巾ということなんですけれども、私が聞いている中では、やはりまだまだ頭巾が、防災頭巾というものを使用している数が多いと確認しておりますけれども、防災頭巾が頭を守る効果がどの程度かを国民生活センターが試験をした結果だと、おもり5キロを高さ10センチから落下させた場合、衝撃は5割程度は抑えられるというデータは出ております。一定の効果はあるのは間違いないようです。
ただ、見られた方もいらっしゃるかもしれませんけれども、テレビのCMでもありましたが、今どきは学校の先生用にはヘルメットが備えられ、子供たちには頭巾でよいなどとは、なかなかあり得ないのではないかなと思っております。現に私たちもこの机の下にあるヘルメットで、昨日もこれを着用して訓練を行いました。もちろん各家庭に判断が委ねられているというところは理解いたしますが、学校や教育委員会としても、やはり防災頭巾とヘルメット、どれだけの効力があるかというところも確認をして、方針なども打ち出していただけるとよいのではないかなと思っております。
では次に、教職員の防災研修に関して伺ってまいります。昨年お伺いした中では、危機管理対応能力育成研修なども行っているとのことでした。また、各学校から毎年県の教育センターでの研修を受けている職員もいるとのことです。では、その研修に関する内容は、それを各学校に持ち帰って共有されているか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 教育委員会におきましては、自然災害等を含む学校の危機的状況に対応する能力を向上するため、先ほど御紹介いただきました危機管理対応能力育成研修会を行っているところでございます。このような学校経営全体に関わる内容の研修につきましては、各校1名以上が参加し、研修の内容を各校で共有するようにお願いしているところでございます。研修当日の資料や動画につきましては、全ての教職員がアーカイブで視聴できるようにするとともに、受講した教職員が学校全体、あるいは学年で共有し、研修内容を生かしていただけていると考えております。
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○3番(中里成光議員) 1名が参加というところは、時間的なところだとか、人員配置的なところは致し方ないと思うんですけれども、しっかりと身につけてきたものを実際の場で使えるよう、全校で共有いただくというのは非常に重要かなと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、防災に関する教職員の研修はどのように具体的に行っているか、お伺いいたします。また、特に初任者、防災担当者、教頭、校長など、各レベルに応じた研修が必要だと考えておりますが、いかがでしょうか。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 教育委員会では各学校ごとに設定する学校支援研修会と、先ほど説明させていただきました夏の企画研修会であります危機管理対応能力育成研修会において、防災に関する研修を行っているところでございます。令和5年度及び6年度におきましては、学校支援研修会において、より現実的な状況を想定した避難訓練についての研修を行った学校もあるところでございます。教職経験、レベルに応じての防災に関する研修は実施していないところではございますが、今後、様々な自然災害を想定いたしまして、学校管理下で児童・生徒の安全をいかに守るか、学校の各役職に応じて役割分担や連携体制を確認しながら、学校を会場とした実践的な研修を行うことについても新たに検討していきたいと考えております。
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○3番(中里成光議員) 昨年もお話ししました石巻市の大川小学校にまたこの夏も訪れてまいりました。現地に行くと、もう本当に、なぜ、なぜ、なぜという、その繰り返しでしかないんですね。ある程度検証がなされた今でも、やはり皆、現場に行くと、何でだろうという、そういうような状態になってしまいます。
大川小学校の裁判確定後に、宮城県では、新任の教員、校長は大川小学校に赴いての研修が必須となっています。過去の教訓を生かして二度と繰り返さないためには、この鎌倉でも、遠い東北の出来事ではなく、自分事とすべきです。
最近では全国の先生がつながり、学び、共に歩むオンライン防災講座などもあります。私も実際に1年前に受講しましたが、そこには大川小学校で小6の児童を亡くされた先生や、釜石の奇跡の舞台となった釜石東中学校で3・11のときに教員をしており、子供たちと一緒に避難をした先生なども講師をしており、実際に体験をしないと知り得ない事実などが多くの事例として紹介されるようになっております。
その中でも、釜石東中学校では、それまで長年にわたり防災教育や訓練をしてきましたが、実際に大津波が襲ってくる様子を目の当たりにし、多くの子供たちが過呼吸となり、スムーズな避難などできないような様子などを現場に居合わせた当事者から聞ける印象的な講座でもありました。そのような講座を自前で受けられている先生方もいらっしゃるので、鎌倉市としても、そんな先生方をぜひバックアップできるような仕組みがあるとよいと思っております。
8月に南海トラフ地震注意情報が出て、神奈川県西部でも震度5弱の大きな揺れを間近で受けた今こそ自分事とし、学校を子供たちの最後の場所にしない取組を引き続き行っていただきたいと思います。
次に、子供たち自身の防災に対する学びに関してお伺いいたします。お隣、横浜市では、はまっ子防災プロジェクトと題し、横浜市危機管理室、横浜市消防局が監修した教材を教育委員会を通じて市内全中学1年生に毎年配布し、生徒自身が防災に対する学びを深める取組を行っています。教材は3章から成り、各学年で使用し、3年間での学びとなります。1、2年時は理科単元、3年時は道徳単元など、クロスカリキュラムで防災を学ぶ仕組みとなっております。
そこで、子供の生きる力を育むのに防災教育も非常に有効であると考えますが、全市的な防災教育プログラムがあるのか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 全市的な防災教育プログラムの一律の実施はしていないところではございますが、理科、社会科、道徳などの教科におきまして防災に関する学習を実施しているところでございます。また、総合的な学習の時間において、防災に関わる活動を継続的に行っている学校もございまして、そのような授業を横展開し、活動を共有していくことを検討しております。
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○3番(中里成光議員) 防災の授業である必要は私もないと思って、できればいいんですけれども、そのような日頃の授業の中に組み込んでやっていただけるといいと思いますし、あとは、できましたら、やはり鎌倉市内の小学生、中学生が皆一定のレベルの防災に対する、災害に対する知識などが持てるといいなと思っておりますので、ぜひ御検討いただければなと思っております。
次に、今お話にも出ました中学校、第一中学校かと思うんですけれども、修学旅行で東北地方に行っておりますが、どのような学びがあるのか、また、他の中学校で同じような目的を持った修学旅行を行う予定があるのか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 第一中学校での修学旅行におきましては、岩手県沿岸部に行きまして、実際の災害発生場面において自分ならどのように行動するのかを考えるなどの体験活動を行っておりまして、それまでの3年間の学びの積み上げにより、生徒が主体的に災害、防災について考えることができるようなプログラムとなっております。教育委員会としては、全中学校が被災地に修学旅行先を一律に設定するということまでは考えていないものの、修学旅行にかかわらず、避難所運営など体験的な学習も行いながら、実践的な防災学習を進めていくことは重要であると考えております。
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○3番(中里成光議員) 多くの若者たちが現地を訪れ、見聞きし、感じることで、この鎌倉全体の減災に対する意識の醸成ができると思いますので、各学校の修学旅行の目的に合うならば、ぜひ広めていっていただければなと思っております。
では最後に、南海トラフ地震注意情報が出される今となっては、毎度言っておりますが、いつか来るではなく、必ず来る大地震に対して、これまで聞いてきた様々な防災に関わる取組により、全ての子供、教職員の命を守れると考えているのか、教育長のお考えをお伺いいたします。
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○高橋洋平 教育長 議員からも先ほどありました大川小学校の事案では、多くの教職員、子供たちがお亡くなりになりました。私も教育長という立場で、全ての教職員、子供の命を守るということは教育委員会の一番の責務であると思いますし、学校で子供たちの命が奪われるというようなことがあってはならないと考えております。
大川小学校でもそうでございましたが、天井から構造物が落ちてくるとか、電気、校内放送などが使えないとか、泣き叫んでパニックになっている子供がいて一歩も動けないとか、そういった、本当にその現場でしか起こり得ないことが、想定外のことが起こり、そして、その中でも子供たちを守っていくというところが求められているところであると思っておりますし、それは中里議員から大川小学校の映画の御案内いただきまして、私も御一緒させていただいたシンポジウムでも指摘されたところだと思っております。
また、近頃も、議員御指摘のとおり、南海トラフ地震の臨時情報ですとか、県西における地震、あるいは台風10号も含めて、気象災害の激甚化、頻発化というのが今ある中で、事前の防災体制の再点検ですとか、実践的な防災教育というのが、推進することが必要かつ重要と思っておりまして、先般も校長会の中で私からこうした事案を紹介しながら、シミュレーションと再点検を指導したところであります。
こういうふうに学校とも連携して取り組んでいるところでございますが、防災の世界では自助・共助・公助が大事だと言われていますが、必ずしも学校にいるときに子供たちが地震に遭うとも限らないわけなので、子供たち自身も自らの判断で危機が迫る中で安全に対処できるような力を身につけるというための実践的な防災教育ですとか避難訓練というのは必須、自助の部分でございますし、あるいは、学校や地域の皆さんと助け合いながら危機を乗り越えようとする姿勢と知恵を身につけていくという共助の部分であったり、あるいは、今日も議論ありましたように、教職員に対する学校を会場としたような実践的な研修会ですとか、そういったところも新たに企画していきたいなと考えておりますし、あるいは、教育委員会としては、一刻も早くマニュアルというものを改定するとともに、学校のマニュアルも更新・整備していきたいと思っております。こういったところを組み合わせて、絶えず見直しを進めながら、子供たちの命を守るような防災教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
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○3番(中里成光議員) ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。
以上で終了いたします。ありがとうございます。
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○議長(池田 実議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(13時36分 休憩)
(13時50分 再開)
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○議長(池田 実議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
ここで申し上げます。千一議員の質問の順序になっておりますが、本日の会議に欠席されていますので、会議規則第57条第2項の規定により、その効力は失ったものとなります。
次に、藤本あさこ議員の発言を許可いたします。
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○5番(藤本あさこ議員) よろしくお願いします。藤本あさこです。これまで様々な領域の施策について質問や提言をさせていただきました。今回はどの領域にも通じる根本的な質問として、行政の評価と政策の決定についてお伺いいたします。
これまで質疑の場面で、政策の内容ではなく、それがどのように決定されたのか、政策決定の経緯についてをお伺いすることがありました。様々な答弁をいただきましたが、政策決定に明確な指針がないのではないかと考え、今回このような質問をすることにしました。指針がないじゃないかという話よりも、あるのであれば、市民にも分かりやすいよう、明確に提示する必要が、ない場合にはつくっていく必要があると思います。
まず、鎌倉市では現在、実施する事業とその優先度はどのように決定されているのでしょうか。具体的な決定プロセスや基準についてお聞かせいただければと思います。
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○能條裕子 共生共創部長 本市が実施する事業は、総合計画における基本計画実施計画におきまして、特に計画期間内に優先的に取り組む重点事業と、包括予算制度の下に各部で予算化を行う実施事業がございます。重点事業につきましては、実施計画策定時の社会情勢や市民意識調査等で把握した市民ニーズから特に重点的に取り組む必要がある事業として実施計画に位置づけているものでございます。また、包括予算制度に基づく各部の予算は各部長のマネジメントの下に事業化を行っております。
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○5番(藤本あさこ議員) これまで事業の決定経緯について質問した際に、市長のマニフェストに入っておりということを答弁いただいたことがあります。もちろん市長はマニフェストを提示して市民の支持を得ていますので、その遂行は重要でありますが、その中の優先度や是非について、実施の前にどのような検討がされ、決定まで反映されているのか、具体的な影響度についてお伺いいたします。
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○能條裕子 共生共創部長 市長マニフェストにつきましては、マニフェスト項目を整理し、行政計画に位置づけた上で、市長任期中の実現を目指しているところでございます。マニフェスト項目が特に優先されるということではなく、マニフェスト項目も含めて、行政計画に位置づけた取組の中から、実現性や予算などを鑑みながら、事業の実施に努めているところでございます。
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○5番(藤本あさこ議員) また、パブリックコメントやLINEアンケート、市長への手紙、ふれあい懇談会で出る意見などなど、市民の意見を集める手法も導入されています。その結果はどのように政策に反映されているのか、教えてください。
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○能條裕子 共生共創部長 行政計画の策定等に当たりましては、まずLINEアンケートや市民アンケート調査を行い、その結果を踏まえまして計画等の大綱を作成し、その後、施策によっては市民対話等を実施し、その結果を踏まえて、有識者や関係団体、市民等で構成された審議会の議論を経て内容を固め、パブリックコメントに移行していくという流れが多くなってございます。市民から頂戴する御意見につきましては、聞く段階に応じて課題やニーズの把握、施策検討の一助とするなど、意見の反映に努めているところでございます。
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○5番(藤本あさこ議員) これらの手法に加えて、今後、新たに市民参加型プラットフォームLiqlidを活用した市民意見を吸い上げる計画があるとのことですが、このプラットフォームから得られる市民の意見はどのように反映される予定でしょうか。
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○能條裕子 共生共創部長 Liqlidは、これまでの対面での市民対話や審議会における議論、パブリックコメントなどに加えて運用することで、時間や場所にとらわれず、より多くの市民の多様な意見やアイデアを集められることや、議論の過程を可視化できる仕組みとして、多様性、公平性、透明性の向上につながるメリットがございます。Liqlidに寄せられた意見につきましては、政策形成の初期の段階から広く意見を募ることにより、幅を広げた検討の視点の一つとして生かすことや、地域との共創による課題解決に生かすことが期待できます。
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○5番(藤本あさこ議員) 一つ前の質問としては、そういった市民から来たコメントですとか、LINEアンケートの結果が反映されたのか、されていないのか、された場合はどこにどのように反映されたのか、反映されるものと反映されなかったものの理由は何なのかといったところが市民にとって分からないといいますか、フィードバックが来ないために、意見を出したけど届いているのか分からないといった声がありました。この参加型プラットフォームを使っていただくと、たくさん意見が届いた中で、これは採用されて、これは採用されなかったということが視覚化されるということだと思います。また、なぜこの意見が採用されて、こちらの意見が採用されなかったかという理由も併せて、ぜひ説明があるような形で利用していただきたいと思います。
改めて、事業やその優先度の決定というのは一定の論理的根拠を基に実施されてほしいと思っております。これまで質疑の中で、事業決定の根拠を、定性的なものであったり、肌感覚のような表現で御答弁をいただくことが度々ありました。こういったことに対して非常に違和感と課題感を持っておりまして、市の財政は大きな額でありますし、その利用について根拠が明確でないということは、市民に対して誠実ではない状態だと考えます。これまでのそういった決定によって出された事業に関して、議会側としても十分な情報を持った上で審議するという面では難しい状況にあることもあると感じております。
これまでも鎌倉市議会においてEBPMについて多くの議員の方々が言及されてきました。令和2年度2月定例会において、松尾市長は、目指すべき目標に沿った事業の実効性を担保するため、統計データ等に基づく現状分析を踏まえ、事業目標、手法を設定するとともに、適切な進行管理が可能となるよう配慮しながら計画を策定していく、指標は施策単位で設定を予定している、各施策の方針単位での成果指標の設定に向けてアンケート調査を実施し、既存の統計データと組み合わせて初期値と目標値を設定していくとおっしゃっておりました。
そこで、現在、その事業の評価や施策の決定について、これらのEBPMと言われる手法がどのように活用されているか、お伺いします。
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○能條裕子 共生共創部長 限られた財源の中で最大の効果を発揮する政策を立案するためにはEBPMが重要であると認識しており、現行の第3次総合計画第4期基本計画の策定に当たりまして、EBPMを意識した目標、取組、指標の設定を図ったところでございますが、個別具体の事業の実施や施策におきましては、いまだEBPMは十分とは言えないということは認識してございます。
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○5番(藤本あさこ議員) ぜひEBPMを引き続き、今現在、総合計画を作成されているというところで、一つ前の計画の中では、大きい計画の中でちょっと指標などにそういった要素が取り込めてなかったもので、なかなか難しかったという話をお伺いしましたが、次の計画では、エビデンスベースと言われる手法は導入していくと伺っていますので、そこはぜひ徹底していただきたいと思っています。
次に、事業の目標設定についてお伺いしていきます。事業の目標値とその進捗をはかる指標は、効果をはかれるものになっている必要があります。例えば市民の理解を広めるといった事業目標に対して、説明会の開催回数を指標として目標設定しても、説明会を開催した回数と市民の理解がひもづいているわけではないので、目標達成の指標としては不適切となります。現状、市の行政評価において、事業の効果をはかる指標が目標達成に適切な指標となっているか、お伺いします。
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○能條裕子 共生共創部長 基本計画に対する外部評価におきまして、目標と取組の関係が分かりづらい、また、数値目標、指標が明らかでない施策があるとの御指摘を受けており、目標、取組、指標の関係性のロジックや設定されている指標が必ずしも明確であるとは言えないことは認識をしております。
事業を効果的に実施するためには、求める成果を明確にし、成果に至るまでのロードマップを描いた上で、マイルストーンとなる期間内の目標値を根拠を持ちながら設定することが必要であると認識しております。この点につきまして、新たな総合計画策定に当たっての課題として捉えており、その解決を図ろうとしているところでございます。
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○5番(藤本あさこ議員) ちょっと以前にも御紹介した豊岡市の方針が書かれているこの豊岡メソッドの中に、これには豊岡市が実施した戦略体系図という行政評価の手法についても記載があります。政策策定におけるロジックモデルが載っているんですけれども、それはどういったものかというと、最上位の概念があるべき姿にしてあって、その次の段には、そのためにどのような状態ができているかというのは、それを4ステップぐらいまでブレークダウンして事業とひもづけているというような体系図を使っております。このように、あくまでゴールのあるべき状態を意識した指標を利用してもらうことで、事業の実効性が高めることができると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
令和2年度の2月の定例会で松尾市長はこのようにも答弁されていました。成果指標の達成状況を毎年度の評価により確認し、成果に結びつかない施策や事業は適宜見直しを行うこととしますともおっしゃってました。以前も別のトピックで提言したのですが、評価期間内に目標が達成された場合には、評価期間の満了を待つのではなく、適宜柔軟に目標を再設定する、あるいは、到達見込みが薄い場合には、その取組を変更するなどしていくべきと思いますが、いかがでしょうか。
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○能條裕子 共生共創部長 総合計画に位置づけている指標の中には、既に目標を達成しているものもございますが、計画の目標を変更しない以上、指標の目標値も変更しないこととしてきたところでございます。しかしながら、この運用は時代の変化が速い中での柔軟な対応となっていないことから、新たな総合計画では柔軟な施策推進ができるように努めてまいります。
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○5番(藤本あさこ議員) 次に、評価手法についてです。現在の行政評価、貢献度評価などについては、評価に統一的な基準がなく、評価者の肌感で評価がされているとのことですが、この評価者に対する評価を実践するためのスキルについてはどのように担保していますか。
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○能條裕子 共生共創部長 行政評価の制度内容につきましては、年度当初の評価実施の通知に合わせて説明会を開催するほか、評価シート記入要領を作成し、評価に当たっての基準やスキルの統一を図っているところでございます。
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○5番(藤本あさこ議員) その事業の評価をするスキルというのは、職員が入社してから普通の事業に従事している間になかなか身につくことではないスキルだと思いますので、特別に学ぶべき必要があると思います。その客観性の担保としては、現在、行政評価は各部署による内部評価と市民評価委員会による外部評価で実施されていると思いますが、この内部評価において、現在は評価の担当部のみで事業評価を実施している状態ということですが、その客観性の担保をするという意味でも、担当部以外の他部署も含めた、横断したチェック体制などもあったらいいかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
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○能條裕子 共生共創部長 評価担当部以外の部が客観的にチェックするような体制として、予算編成過程において予算の要求内容や評価結果を部局同士で確認し合う取組を実施している自治体の事例があることは承知しております。施策間連携により施策の効果を高めることがこれまで以上に必要となってきている中で、有効な評価制度の導入について検討を重ねてまいりたいと考えております。
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○5番(藤本あさこ議員) 外部評価についてです。外部評価委員会の評価過程を市民に広く見えるようにすべきだと思います。全国には行政事業レビューという形で市民に広く公開しながら外部評価を行うという自治体も増えていると感じます。例えば広島県三原市では、行政評価の外部評価の過程について、三原市事業レビューという形で市民へ公開しています。委員の構成は、有識者と、あと無作為に抽出された市民としていて、その評価過程をインターネット配信して、アーカイブも残して、広く市民が知ることができるようになっているということです。こういった取組で市民に対して市政に関心を持ってもらう方法もあるとは思いますが、御見解をお伺いします。
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○能條裕子 共生共創部長 御案内の三原市では、重点的に評価する事業を選定して、事業実施年度の翌年度8月に有識者と市民が公開の場で議論し、年度末に評価結果と事務改善方針を取りまとめ、公表しているものと認識しております。これに対しまして、本市の現在の評価制度は、施策の進行評価及び各施策につながるほぼ全ての事務事業評価を内部評価として行った後、外部評価委員会が選定した施策についてスポット評価を行い、事業実施の翌年度9月に評価結果を公表しております。今後の評価制度につきましては、本市における公開事業レビューの実施実績や現行の評価制度の課題なども踏まえ、検討してまいります。
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○5番(藤本あさこ議員) 外部評価委員会からの指摘についてです。過去の評価文も見返してみると、似たポイントを何度も指摘されていたり、あるいは、市民からもよくお声をいただく部分についても指摘されていると感じます。何度も同様の指摘を受けるということの評価自体がフィードバック機能として不全と思いますが、この外部評価の指摘が反映されるための仕組みの構築が必要と思いますが、何か仕組みの改善などは検討されてますでしょうか。
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○能條裕子 共生共創部長 外部評価の御指摘のうち、説明力の適切な記述が求められる点や、事業について計画に沿った適切な事務遂行の説明という点については、改善を図っているところでございます。他方で、ここ数年の外部評価から受けている同じ御指摘の中には、目標と取組の関係が分かりづらいことや、数値目標、指標が明らかでないなど、総合計画本体に係るものや、評価制度の見直しで解決する部分もあるため、この点につきましては、新たな総合計画の策定により、根本的な解決を図ってまいりたいと考えております。
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○5番(藤本あさこ議員) 行政外部評価結果の評価項目には、それぞれの目標に対する効果について、「効果があった」、「効果がなかった」、「どちらでもない」というような3つの指標で評価していますが、やはりこれが「どちらでもない」の評価が今、最多になってしまっていると思います。この評価項目自体が機能しているのか、ちょっと懐疑的でもありますので、こういった項目からもぜひ見直ししていただければと思います。
調査する中で調べた中で、内閣官房行政改革推進本部事務局から令和6年4月22日に出されている「行政事業レビューシート作成ガイドブック〜EBPMの手法を用いた行政事業レビューの効果的な実施に向けて〜Ver.1.0」という資料が出されています。これが非常に分かりやすく、行政評価のEBPMを用いたレビューの手法について書かれていましたので、よければ御参照いただければと思います。73ページある資料なんですが、EBPMの実践の基本的な考え方から効果的なレビューのつくり方まで網羅されていますため、全ての行政職員が知っておくべき内容であると感じました。ホームページで公開されているため、全ての人がアクセスできます。
さて、それらの政策評価発展として、現在、市として配置している政策アドバイザーについてお伺いします。政策アドバイザー、鎌倉市において、参与ですとか、アドバイザーやディレクターなど、様々な呼び名があると存じておりますが、総じてそういった外部知見を補完すべき重点部分の設定はどのような判断基準で行われているのか、具体的に教えていただければと思います。
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○能條裕子 共生共創部長 市政を取り巻く環境変化が速い中で、新たな取組の推進や施策推進に当たっての壁を乗り越えるためには、これまでの行政経験だけでは解決できないことが多くなってございます。そのため、各部署の判断によって所管する施策に関する知見をお持ちの方をアドバイザーとして配置し、助言をいただいているところでございます。
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○5番(藤本あさこ議員) そうだと思うんですけれども、そのいろんな時代の流れとか、そういったものがある中で、政策アドバイザーをどこに配置して、ここは、優先度として配置しなくていいという判断基準を伺いたいと思いました。ちょっと後で教えてください。
そういった政策アドバイザーから現在どのようなアドバイスを受けているか、そのアドバイスが政策にどのように反映されているのか、市民に対する公開の状況についてお聞かせください。
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○能條裕子 共生共創部長 外部のアドバイザーからの助言は、各アドバイザーの所掌の範囲で、その方のお持ちの知見から本市の施策推進に必要な助言を得ているところでございます。いただいた助言につきましては、施策の推進や判断をする上での参考としております。助言の内容につきましては、必要に応じて各部署が市民に公開できるようにしているところでございます。
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○5番(藤本あさこ議員) ちょっともう少し具体的に答弁いただきたいと思います。それはそうなんだろうけどという、ちょっと内容ですので。要は、先ほどの、取った市民意見がどの程度採用されているのかというところが見たいというのと同様に、政策アドバイザーをどこにつけると判断したのかと。その理由とか、どのようなアドバイスを受けたから政策がこのような形になったのかというところを知りたいと思っていますし、それを市民にどのように公開されているか。適宜公開されていると、それはそうなんでしょうけど、どのように市民が知るところになっているのかというのを聞きたくてこの質問をしました。
次に、教育委員会について同様の質問をさせていただきたいと思います。教育施策を実施する際に、どのようなデータなどを基に現在の施策を行っているのか、お伺いしたいです。特に教育委員会はここ数年、新規の事業も増えていると感じますが、その優先度のつけ方など、具体的なプロセスについてお聞かせください。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 教育施策の実施に当たりましては、第3次鎌倉市総合計画第4期基本計画の実施計画の下、鎌倉市教育大綱、かまくら教育プランなどの着実な推進に努めているところでございます。実施事業の決定に当たりましては、学校や地域の現状を把握するとともに、限られた予算や人員などのリソースの中で、課題に応じて有効な施策が実行できるように検討いたしまして、最終的には合議制の教育委員会会議によって決定する仕組みとなっております。
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○5番(藤本あさこ議員) 例えばこの事業、特に教育委員会は本当にやることがたくさんあると思っている中で、この事業を優先的に予算づけをして、こっちがまだちょっと先になってしまっているようなものがあると思うんですけど、その決定プロセスというのは、何か私や市民たちが調べたときに分かるところにあったりするんでしょうか。今の部長の答弁ですと、その内容を知りたいという感じです。最後、教育委員会にかけられてという手前に、いろんな何かニーズを聞きながらという、そこは知る由はありますか。なければないで御答弁いただいて大丈夫ですけど。
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○高橋洋平 教育長 教育委員会としては、PDCAサイクルのチェックのところで言えば、点検・評価というのが地方教育行政法に定められている手続としてありまして、そういったいわゆる行政評価を行って公開しております。これは市役所全体の行政評価に加えて行っている部分であります。そういった事業の評価結果を踏まえて、次の施策打ち手を考えていくというところは一つ言えるところかなと思っております。
また、今、先ほども部長から答弁申し上げた教育大綱というのであれば、教育大綱が来年の4月から新たな教育大綱になりますので、これまでの5年間の教育大綱を振り返って様々なデータを整理しております。こういったデータから、鎌倉市が持てる強みであったり、課題感であったり、あるいは鎌倉の魅力的な教育環境から生じているような、非常に強みというか、いい機会という部分であったり、あるいは、子供たち、あるいは学校の背景にあるような家庭や地域や社会の課題感であったり、そういったところを分析した上で、優先度について検討して、必要に応じて施策を検討しております。その中で、外部のアドバイザーのお力なんかも借りながら、最終的には独立行政委員会制度である教育委員会の、まさに教育委員会会議の場で施策を決定していっているというような状況でございます。
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○5番(藤本あさこ議員) 今、この質問の全体的な趣旨としては、EBPMを使った政策決定をしているかみたいなテーマ性なんですけれども、先ほど、今、教育長がおっしゃっていただいた、分析をして検討しているというところの部分が知りたいということなんですね。いろいろあるというのはもちろん承知の上で質問していますので。なので、例えば今やっている事業の選定や、あるいはやっていない事業の判別について、何かデータを取って分析しているのであれば、教育福祉常任委員会でもいろんなデータを出してもらってますけど、そういったものなのか、あるいは独自に何かほかのデータを取って調査分析しているのか、お伺いします。
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○高橋洋平 教育長 EBPMという観点で行きますと、私どもで分析しているデータはやはり全国学力・学習状況調査であったり、全国のスポーツ、体力の調査であったり、文部科学省が全国的に実施しているもの、そして悉皆で子供たちの様子を取っているデータというのが、まず非常に重要なデータとして使っております。
そして、この間コロナ禍で、GIGAスクール構想ということで、子供たちに1人1台のタブレットが整備されました。そこから得られるデータというのも、これからは非常に重要なデータになってくると思っておりますので、今、教育委員会としても、EBPMという観点からの精緻な分析までは十分にできているかというと、課題感があると思っておりますが、今後は教育データの利活用というところについても心を砕いていきたいと思っております。
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○5番(藤本あさこ議員) すみません、ちょっとお伺いした流れで教育長にお伺いしたいんですけれども、先ほど行政評価シートの目標、指標について市長部局にお伺いしてきましたけれども、例えば教育委員会においても、教育相談事業の指標などでソーシャルワーカーなどの勤務日数などが指標になっていたりすると思うんですけれども、結構難しいと思うんですけど、例えば不登校になったり、いじめが嫌だったり、そういった子供たちの気持ちとかというのはなかなか非常に難しいところ、そうはいっても、スクールソーシャルワーカーの勤務日数が目指している目標の達成についての指標としてはちょっと、それだけでそうであるとは言いにくい指標だと思います。
今いろいろ検討されているところだと思うんですけど、私も明確に子供の笑顔の数が増えたとかというのはやっぱり指標にできないところを、今の数字はちょっと問題があるのではないかとは思うんですけれども、これを何かもう少し、だから、教育行政では、鎌倉市、本当にたくさんの教育の課題ありますから、それに対してこういう手を打っているんだと、私みたいな市民たちが腹落ちするような、何か数値というか、データですかね、今、データ分析しようとしているというところだったので、何かもし検討中のものがあれば教えてください。
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○高橋洋平 教育長 重要な御指摘いただいたと思っております。御指摘のような、例えば相談員の相談件数とか、勤務実績というところで行くと、やはりそれはインプット指標というか、やった数というのにすぎないということだと思っておりまして、藤本議員御指摘のように、その質というか、どういった相談内容であったのか、どういう打ち手を考えていたのかというところが、踏み込んで考えていく必要があると思っております。
やはり今、相談の中で行くと、不登校の相談がかなり多くの部分を占めていたりします。そういったどういった相談内容だったのかというところまで踏み込むことが必要であると思っておりますし、さらに言えば、やはり学習者中心の学びというのを今、教育委員会では進めようとしております。そういった観点から行くと、子供たち一人一人の悩みというところに迫ることができるのが一番いいところでありますので、例えば朝に登校した後に、そのときの子供たちの気持ちをお天気で表してみると、どういった、曇りなのか、晴れなのかと、そういった質的なところのデータ利活用などもこれからは検討していきたいと考えておりました。
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○5番(藤本あさこ議員) アウトカムの指標はなかなか難しいと思いますけれども、例えば晴れが増えたのかとか、あるのかなと。逆に晴れを増やさなくちゃいけないみたいな雰囲気になるのかなとも思ったり、あと、相談の内容まで踏み込んでいくというところ、非常に重要だなと思いました。ただ、内容の判断というところなんですけれども、先ほど市長部局にもお伝えしましたけど、それをどう評価するかという判断スキルというのがある程度担保されている必要がありますので、その辺りもしっかりと、研修なのか、何か学んでいく必要があるなと聞いていて思いました。ありがとうございました。
その辺り、教育施策の立案や企画に当たって、教育委員会にも教育アドバイザーというものが設置されていると思うんですけれども、その教育アドバイザーがどのような位置づけで配置されているか、また、重点箇所の判断ですとか、その役割についてお伺いしたいと思います。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 教育アドバイザーは、教育委員会のみでは必ずしも十分ではない専門的な知識や経験等を有する人から教育行政における助言をいただくということで、どの課題にというところにつきましては、今はデジタル化のことですとか、不登校のことですとか、先生の働き方改革、いろいろなことがございますので、それぞれの分野で専門の方に御意見をいただくために、令和2年度から設置要綱を整備いたしまして、これまで通算6名の方に委嘱しているものでございます。
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○5番(藤本あさこ議員) 現在採用されている教育アドバイザーのリストを見せていただきまして、確かにデジタル化ですとか、働き方の領域でアサインされているんですけれども、質問としては、なぜデジタル化の部分にアドバイザーがついているのかというところが聞きたかったということです。
教育アドバイザーの仕組みとしては、教育長が、決めると言ったらあれなんですけど、提案してきて、教育委員のほうで委嘱するということなんですけれども、例えば重点的に進めたい部分についてアドバイザーをつけるのは分かりますと。ただ、逆に、ここをもっと、ここが弱みだよねとか、ここをもっと、例えば自分や教育委員会だけではまだない知識や事例をもって進めなければいけないという部分にも生かしていただきたいなとちょっと思いました。
そして、次の質問なんですけれども、そういった教育アドバイザーたちから、どういったアドバイスを受けていて、そのアドバイスが教育行政にどのように反映されているか、また、その成果を市民にどのように伝えているのか、お聞かせください。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 これまで教育アドバイザーから受けたアドバイスは、先ほども御紹介させていただきましたが、学びのデジタル化など専門的な分野に関する助言が中心となってございます。教育アドバイザーからの専門的な助言も活用しながら、施策の実施内容を磨くとともに、さらなる改善に向けて検討する中で、必要に応じて新たなアドバイスを受けることを繰り返すことをしているところでございます。
教育アドバイザーの助言も踏まえまして実施された施策の成果につきましては、先ほど教育長からも御紹介ありましたけれども、外部評価委員による教育委員会の事務管理、執行状況の点検及び評価や、かまくら教育プランの取組状況として議会等にも報告させていただいているとともに、ホームページでも公表して、市民に伝えているところでございます。
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○5番(藤本あさこ議員) 教育アドバイザーの方から具体的などういったアドバイスを受けたのかというのが、実は私も関心があって、お伺いしたんですけれども、明確にこういったアドバイスを受けたというような、書類にはそんな残ってないということで、受けた回数の履歴というものは残っているけれども、内容というところまでは明確に明記されてはいないという状況と伺いました。
やっぱり教育の施策については、かなり多くの市民が関心があるところでもありますし、自分の関心分野にアドバイザーがついて、何か外部からの知見をいただいているとしたら、それは非常に市民も知りたいと。それが鎌倉に反映されるのか、あるいはされないのかという部分を知りたいと思いますので、ぜひその内容を残していただきたいなと思いました。できれば、どういった教育アドバイザーから鎌倉市はこういったアドバイスをいただいたという部分については記録に残していただいて、市民が、鎌倉ってこういう方からとか、こういうところから教育アドバイスを受けているんだなと分かるようにしてもらえるといいなと思います。よろしくお願いします。
政策の決定などについて伺ってきたんですけれども、その政策決定の市民周知についてお伺いしたいと思います。新規事業などが実施される際に、市は現在、広報紙ですとか記者会見などで発信を行われておりますが、その後の結果ですとか成果についても広報してほしいと思っています。市民の方と話していたり、事業者の方と話している中で、あれって今ってどうなっているのとか、今もやっているのとか、もう終わったんだといった声もちょこちょこいただいておりますので、ぜひ打った施策の効果や成果まで市民にしっかり共有していただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。
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○能條裕子 共生共創部長 市の事業の実施に当たりましては、市民に事業の意義や内容を理解していただくため、企画段階からどのような広報を行っていくかを意識して取り組むことが重要と考えております。そのため、広報部門が事業部門と連携し、計画的、戦略的に広報を展開するよう取り組んでいるところでございますが、御質問いただいたとおり、事業の実施時だけでなく、その過程や結果、成果についても発信することで、市民の市政に対する理解や参加意欲につながると考えており、計画的な広報について、庁内で連携して取り組んでまいります。
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○5番(藤本あさこ議員) いろいろお伺いしてきましたが、最後に、市長に今の鎌倉市の政策決定と事業評価に関する課題感をお伺いしていきたいと思うんですけれども、「政策はなぜ検証できないのか 政策評価制度の研究」という書籍がありまして、この中では、基礎自治体と限りませんけれども、政策評価制度の調査研究の論文なんですけれども、行政職員による評価作業というのが、やっぱり作為的になりがちな傾向があるという構造がこの中で明らかになっています。
その背景というのは、ちょっと民間事業者とは異なって、やはり行政業務ならではの理由も多々あるんですけれども、結論としては、行政評価は往々にして、既定路線の堅持、行政資源獲得の支援、予定調和の制度運用、活動功績の積極的標榜になっていると記載されています。どういうことかというと、やはり行政の業務というのは、その業務をしているということ自体が評価される部分も出てくることがありますし、あるいは、業務の継続や、あるいは廃止に評価が使われることがある。要は政策検証を正しくすると、自分の事業の予算が削られたりするということもあったりする。そういった構造が、要は政策、またその政策評価と行政資源の分配がリンクしていないとか、そういったいろんな行政現場による課題というのがこの中で書かれているんですけれども、鎌倉市役所内でもこういった似たような状況があるのかなと思っております。
松尾市長にお伺いするんですけれども、現在の鎌倉市のこういった評価や、今お伺いしてきました政策決定に関する課題を市長はどのように捉えていて、それに対する対策などについてどう考えているか、お伺いします。
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○松尾 崇 市長 評価制度の課題としましては、外部評価でも指摘を受けてますけれども、目標と取組の関係が分かりづらいという点が一番だと考えています。この課題はいかなる政策をいかにして行うかという政策決定にも影響する点であると思っています。
この課題の解決に当たりましては、政策実施の前提となる市民ニーズや社会環境を的確に捉えた上で、まずは目標、ゴールを定めて、それに向けて必要な取組をロジカルに定めなければならないと思います。また、取組を設定する段階から、その効果を客観的にはかることができるかという、こういう視点も必要であると思います。
こうした課題解決に向けて、まずは、新たな総合計画策定中ですけれども、ロジックモデルを用いた計画策定を目指しているところでありまして、ひいては、個別具体の施策や事業についても同じように策定できるようにしていきたいと考えています。
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○5番(藤本あさこ議員) ちなみにこの研究の著者は、この中で、なかなか難しい中で、強力な調査権限を持つ検証技術の優れた第三者の設置などというのを提言されているわけなんですけれども、私個人としては、ここまでいろいろEBPMと言っておきながら、政策決定というのは、実際には理論だけでない部分もあるんじゃないかなと思ってはいるんです。政策評価の精度を高めていくというのはもちろん重要なことなんですけれども、それと同時に、やはり市民の理解と納得が非常に重要だと思っています。そのためには、やっぱり一緒にやることとか、見せることというのが重要だと思っています。
同僚議員からも市民の知るところとなるような取組が必要との指摘が入っておりましたが、最後に、私がちょっと見た中で、この福岡の市長の事例をちょっと共有するんですけれども、福岡市の高島市長が就任されてすぐに大きな決定を求められるイシューというものがあって、その判断に対してどうしたかというと、関連するステークホルダーと直接話合いに行ったと。その話合いのシーンを市民に公開したということなんですね。メディアを呼んだり、記者を呼んだり、あるいは自分で、動画ですか、動画配信をしたり、その動画をアーカイブして残したり、要は市長が誰とどのような議論をしてその決定につながったのか。本当に政治の場ではここブラックボックスになりがちだと私も感じている中で、この部分こその公開がすごく重要じゃないかなとこれを読んで思ったんですけれども、松尾市長も、鎌倉市も様々なワークショップなどを開催していただいてますけれども、やっぱり市民は、市長がどういったステークホルダーと相対していて、そこでどうやって議論しているのか、そこでどういう難しさに直面しているのかとか、どうやって決断を下しているのかというのを多分知りたがっているんじゃないかと思うわけです。もちろん全てを公開してほしいというわけではありませんが、私としても日々の松尾市長の決断シーンには関心があるため、こういった手法も御検討いただけたらと思うんですけれども、ちょっと最後にいかがでしょうか。
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○松尾 崇 市長 御提案のような、私がどういう方たちと話をして、そこでどんな議論が起きているかというところについては、私もそういう会議をやった後に、これが公開できるといいなとは思います。具体的にそれをどういうふうにやっていくかというところを考えて、なかなか難しさも感じる部分ではあるんですけれども、少しここは引き続きの検討として、どういうふうに公開できるかというところは私自身もしっかり考えて、できる限りの、そういう意味では公開というか、そういうことはぜひやってまいりたいと思います。
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○5番(藤本あさこ議員) 以上で質問を終わります。ありがとうございます。
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○議長(池田 実議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(14時34分 休憩)
(14時45分 再開)
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○議長(池田 実議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、くりはらえりこ議員の発言を許可いたします。
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○17番(くりはらえりこ議員) 銀河鎌倉、くりはらえりこでございます。任期2,671日目になりました。議員の任期があと残すところ数か月となっている中で、最近では非常に重い課題を御相談いただく機会も増えまして、また、法の隙間とか、そういったことに陥っている方とか、あと、今はそれを取り締まる法がないとかいうようなことでの御相談も増えてまいりました。そして、9月はやはり防災月間ということで、私としてはそういった防災のことについても私自身の課題としてずっと取り組んできたことと思っておりますので、今回はそういったことも含めて一般質問にさせていただきたいと思います。
まず、防災関連なんですけれども、1番目に自然災害を人災にしない体制づくりをということでお伺いしてまいります。
本当に異常気象が日常になりつつありますので、ぜひいろいろ伺っていきたいのと、あと、先日、南海トラフ地震の臨時情報というのがございました。その際、市の対応はどうしたのか、まずそれをお伺いいたします。
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○永野英樹 市民防災部長 市では南海トラフ地震臨時情報に係る災害警戒本部を立ち上げ、国・県の対応状況の共有や、今後の対応方針を協議し、市民への情報提供や注意喚起を行いました。市民等への情報提供は、市ホームページにて、南海トラフ臨時情報に係る内容や各種ハザードマップ、防災の情報の収集方法等を取りまとめた特設ページを開設しました。そのほか、防災行政用無線の放送や防災・安全情報メール、LINEにて地震への備えを再確認していただけるよう周知を図りました。
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○17番(くりはらえりこ議員) そして今後、同様のことがあった場合はどのように対応するか、お伺いいたします。
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○永野英樹 市民防災部長 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合は、今回の対応と同様に、国や県の対応を踏まえながら、市民等へ地震への備えの再確認を呼びかけるとともに、必要に応じ、洪水に関する情報やライフラインに関する情報など、市民の生活に必要な情報を周知してまいります。
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○17番(くりはらえりこ議員) 私自身、8月8日16時43分、日向灘で発生したマグニチュード7.1の地震というので、南海トラフ地震の地域だということでテレビを見ておりました。そのテレビの情報からすると、各自治体からの指示に従ってくださいという内容で、もう本当に早々に呼びかけていましたので、情報、鎌倉市からどういうのが出るのかなと、まだかなまだかなと思いながら気にしておりました。大事に至るようなとか、これから重大事案になるようなともし判断されたらば、すぐに何か出るだろうというようなことで待っておりました。
今、御対応いただいた内容と今後の対応の仕方って伺ったんですけれども、次の日の8月9日13時47分に鎌倉市防災・安全情報メールというのが入りまして、南海トラフ関連の情報を市民に周知されたという状況でございました。その日、またタイミング的にびっくりしましたけれども、その日のうちに、19時57分、鎌倉市も大きく震度3と揺れる地震がございましたけれども、そういったものを、市民の皆様は何を頼りに、どんな情報を仕入れて準備したらいいのかというのは非常に困られると思っております。
ですので、市としてできること、できないこと、多々あると思うんですけれども、適時・的確な避難を促すような必要がある場合は情報を出していただけると思っておりますけれども、しっかりその情報をどうやって出していくのかといったときに、情報弱者をつくってしまってはいけないなと。その防災情報を出していくというときに、どういうタイミングで、本当に適時・的確に出せるのかなというところ、悩ましいところもあると思いますが、伺いたいのは、遠方津波、要するに日本の中で揺れているわけではなくて、遠方が揺れているとか、それから、津波からの避難に関する情報はどのように市が周知してくださるのか。これ24時間体制で周知できるかについて伺います。
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○永野英樹 市民防災部長 大津波警報、津波警報、緊急地震速報は、国から配信される全国瞬時警報システム、Jアラートによる防災行政用無線の自動起動により、時間にかかわらず緊急情報を放送いたします。また、防災・安全情報メールでも、大津波警報、津波警報を自動配信しているほか、エリアメールでも自動配信されます。Jアラート以外の防災行政用無線による放送も、消防本部と連携し、24時間体制で放送できる体制を整えており、必要に応じ防災行政用無線等による情報提供も行ってまいります。
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○17番(くりはらえりこ議員) 防災行政用無線でというお話しいただきました。
発表された南海トラフ地震臨時情報に関しても、私もちょっと興味があって調べてみました。近隣自治体と鎌倉市の対応に違いがありました。別に鎌倉市の対応が悪かったと言いたいわけではないんですが、花火大会の中止とか、海水浴場の閉鎖をされたようなところもございました。こういった、同じ情報を得て対応が違うというところは、今後ちょっと研究材料としていただきたいなと思うところと、国で今回初めて発出したよと、気象庁が初めて出したということですけれども、例えば南海トラフ地震臨時情報で、それが最初、調査中から始まり、それが5分から30分後ぐらいにそういうことが発表されるということで、その後、巨大地震警戒なのか、巨大地震注意なのかというところ、こういったところが呼びかけられていくわけですけれども、市民の皆様にとってそういった情報がどう行動するところにつながるのか。
最終的には自分で自分の命を守ってくださいというのが基本になるわけですけれども、それをどういうふうに情報を発信していくのかということが非常に重要になってくると思いますので、ちょっと市民の皆様に今後、こういうときはこういうふうに対応すべきだ、もしくは、御自身の逃げるためのタイムラインをこういうふうにやったらどうだと、逃げるためのマップを自分でつくってくださいというところの周知もしっかりしていただきたいと思います。と申しますのも、鎌倉はハード整備よりもソフト対策だというところに今、力を入れていらっしゃるとお答えいただいておりますので、ぜひともお願いいたします。
7月13日に行われた由比ガ浜海水浴場津波避難訓練に私も参加させていただきましたけれども、その際に海水浴客が浜に上がるまでの訓練を行っていただいておりました。浜からどこに向かって避難するのかの訓練は行われなかったということで、沿岸地域の津波浸水想定区域の住民や事業者を対象として、高所の避難場所までの避難訓練が行われているというのは承知しているんですけれども、本来その一連の動きというのが非常に重要かと思います。そしてまた、夜の避難とか時間帯の避難、そして季節によってまた避難先の状況が変わってくるとか、そういうようなこともございます。今後、様々な場面を想定した避難訓練を行っていただきたいのですが、いかがでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 海水浴場等津波避難訓練は、海の家関係者やライフセーバーが海水浴客を避難場所へ誘導する訓練であり、令和5年度と6年度の訓練では、海の家関係者に津波避難建築物まで避難誘導する訓練も実施しております。御案内のありました沿岸地域の住民等を対象とした沿岸部一斉津波避難訓練も実施しており、ここで抽出された意見や課題を津波避難対策に反映しているところではありますが、今後も訓練の実施方法等につきまして、効果的な訓練となるよう、随時見直しを図ってまいります。
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○17番(くりはらえりこ議員) 本当に訓練も、何度やるか、そしてどんなパターンを想定していくかというのが非常にいざというときの冷静な判断にもつながってくるということ、これはよく言われることですけれども、実は昨日も私、テレビ見てましたら、9・11の際に避難訓練をしていた会社の話をしてました。もともと避難訓練を月に一遍行っていた会社とかというお話が出てましたけれども、そういうことをやっているところというのは割と本当に冷静に、パニックになることなく避難できるというようなこと、これはやはりいろんなパターンを想定してやっていくのがいいのかなと思って、お願いしておきます。
続きまして、ちょっとここのところの大雨、本当に私も心配してました。気象庁のホームページを見ますと、毎日の観測史上1位の値というようなことがどんどん更新されていくような状況が見られまして、72時間雨量、本当に小田原市とか海老名市、相模原市中央区、平塚市、ここがもうぽんと数字が上がってきて、新たに更新されたような状況とかというのを、刻一刻とそういう状況が起こっていく中で、隣の藤沢市の数値も何か随分上がったなとか、そういうのを見ておりました。
これは、どこにどういう雨が降るかとか、台風がどこを通過するのかとか、あとは地形の問題とかいうことが非常に多く関わってくるのではありますが、本当に異常気象、異常な状態が日常になってきたよというところ、気候変動の本当にひどい状況が起こる。そして、竜巻というのも何か最近あちらこちらで聞かれるようになりました。今までの災害対策では駄目だなというところ、そういうことも考えていかなくてはならないと思っております。
お伺いしたいんですが、急傾斜地崩壊危険区域内にある3,064戸の人家、それから土砂災害特別警戒区域、レッドゾーン、土砂災害警戒区域、イエローゾーンの中の施設の利用者、そして住民に対し、正しい避難行動を起こしていただくためにどのような情報を出すのかについてお伺いいたします。
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○永野英樹 市民防災部長 市では、土砂災害などの災害リスクが高まった際の情報提供として、横浜地方気象台が発表する大雨警報(土砂災害)や土砂災害警戒情報などの気象情報や、避難の必要性が高まった場合、警戒レベル3、高齢者等避難や、警戒レベル4、避難指示などの市が発令する情報を防災行政用無線や防災・安全情報メール、LINEなど様々な手法で情報提供を行っております。これらの情報を土砂災害警戒区域内など特定の場所の住民等に対してピンポイントで情報提供することは難しいため、平時からおのおのが複数の情報収集手段を確保し、状況に応じた避難行動を取っていただくよう、周知を図ってまいります。
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○17番(くりはらえりこ議員) 平成30年西日本豪雨の際に、水害被害鑑定に行って、土砂災害の様子とかも私見てきているんですけれども、そのときに、やはり県知事許可の出た地域とかというところ、要するに土砂災害警戒したほうがいい地域、急傾斜のところというのが、軒並みと言うと語弊があるのかもしれませんが、そういったところの被害がかなり頻度として高かったと認識しております。こういったところにピンポイントで情報を出すのは難しいというお話はよく分かるんですが、何とかそういった方々に事前に自分の住んでいる地域がそういう地域だというところを把握していただきたいと思っております。
それに関しては、例えば建築物が建っているところに新しく住まわれる方というのは、まさかと、そういうところも想像してないパターンがあるんだと思うんですね。周知、本当に、例えばその地域にお宅はこういう地域ですよというようなことでビラを入れていただくとか、そういうような対応もやるとやらないでは大違いかなという気がいたします。とにかく市民の皆様お一人お一人に知っていただくということ、これが非常に重要になってくるかと思います。
そして、防災・安全メール、そして防災無線放送で防災情報を伝えているということは承知しております。今もお答えいただきました。しかし、私、今回いろいろ情報を探してたんですね。もうオンタイムで。どなたがどういう情報を出しているかな、鎌倉市として出しているかなと思いましたら、ちょっと残念ながら、松尾市長のツイッターは出てたんですが、行政としてちゃんと出している感じが見えなかったということ。市長が行政だと言われればそうなんですが、鎌倉市のいっぱい持っているX、ツイッターというのが実はあるんですよね。ツイッターのアカウントが。その中に、防災、安全、一くくりにして、一つのツイッターアカウントございましたが、そこでの発信もない。それから、広報のツイッターアカウントもありますが、それも出してない。そんなようなことがありました。
旧ツイッター、Xでの情報発信、これしっかり行政として出していただきたかったなと。もしくは、気象庁の発表を御覧くださいなのか、その辺がちょっとよく分からないんですが、気象庁の発表やテレビでは逆に自治体からの情報に御注意くださいとのアナウンスが多いわけです。行政として早く正確な一次情報を発信していただけないか伺います。
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○永野英樹 市民防災部長 Xにつきましては、今、議員御案内のとおり、情報発信に使っておりませんでした。Xにつきましては、情報の拡散力や速達性が高いと認識しており、有用な手段であることから、今後、関係部局と連携いたしまして、情報発信に向けて取り組んでまいります。
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○17番(くりはらえりこ議員) ぜひお願いいたします。そして、私、情報弱者をつくっちゃいけないと思っているんですね。聴覚・平衡機能障害の手帳を持っておられる方、何人いらっしゃるかなと調べてみました。令和6年4月1日現在で450人とのことです。耳が聞こえない方への情報提供、これ今まで防災放送っておっしゃったけれども、それは聞こえないというようなこともございますので、耳が聞こえない方への情報提供はどのように行うのか。そして、障害をお持ちの方への聞き取りを行っていただきたいと思うんです。例えばウェアラブル機器等の補助などを行っていただけないか、お伺いします。
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○永野英樹 市民防災部長 繰り返しになりますが、避難情報などの防災情報の提供は、防災行政用無線、防災・安全情報メール、市公式LINEや防災ラジオなど様々な手段で行っており、耳が聞こえにくい方につきましては、メールやLINEなどにより情報を取得していただくことになりますが、あわせて、地域や家族、支援者などのサポートも必要であると考えております。情報の取得方法につきましては、当事者団体などからの御意見を伺うとともに、新たな情報伝達方法につきまして、有効な手段があれば、その場合にそれについて検討してまいりたいと考えております。
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○17番(くりはらえりこ議員) 今までちゃんと情報が届いていたかというところをまず調査していただいて、聞き取っていただいて、どういった手法だったら情報が届くのか、こういったこともぜひ早く対応していただきたいと思います。
また、鎌倉市、外国人の方非常に多く観光にいらっしゃいます。そして、住んでいらっしゃる方もあります。こういった方々、避難情報を受けづらい方への情報提供はどのように行うのか。そして、観光マップに避難情報を入れたり、防災アプリのQRコードを御案内していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 外国人観光客に対しましては、大津波警報や津波警報が発表された際、Jアラートから配信された自動放送以外に、防災行政用無線で英語による放送を行い、情報提供することとしております。また、観光庁が、災害時情報提供アプリ「Safety tips」など、外国人観光客向けに有益な情報収集手段をまとめたインフォメーションカードを制作しており、鎌倉駅東口観光案内所でも配布しております。災害情報の提供につきましては、今後も取組を進め、より有効な手段があれば、その導入を検討してまいりたいと考えております。
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○17番(くりはらえりこ議員) 観光客の方がどこからやってくるのかというところを考えれば、飛行機に乗ってなのか、電車に乗ってなのか、そのポイントとなるようなところ、そして観光案内所のところとか、そういったところでの御案内、今既にしている部分もあるかと思いますが、より簡易に防災情報にアクセスできるための、例えばQRコードを案内する、そういったところにぜひ力を入れていただきたいなと思います。
そして実際、2011年東日本大震災のときに、帰宅困難者の避難誘導など、どういう状況だったのか。既に一回は経験されているかと思いますけれども、JR、江ノ電、湘南モノレールなどの鉄道事業者とはどのように対応を行っていくのか、お伺いいたします。
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○永野英樹 市民防災部長 災害発生により多数の帰宅困難者が発生した際には、市が一時滞在施設を開設し、鉄道事業者等の民間事業者が一時滞在施設への避難誘導を行うこととなっております。帰宅困難者の避難誘導を円滑に行うための訓練を平成24年度から27年度及び平成30年度に実施しており、令和5年度にはJRや警察など関係機関との図上訓練に参加いたしました。今後も鉄道事業者等と訓練の実施や課題の共有など連携を図りながら、帰宅困難者対策の充実を図ってまいります。
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○17番(くりはらえりこ議員) 山ノ内交番がなくなるときに、避難の誘導って警察の交番がやってくださるものだと思っている市民は、警察がなくなる、交番がなくなる、どうしようと思ったんです。駅以外の場所において避難誘導は誰がするんだろうと、こういうような疑問も湧いてきたようです。駅以外の場所において避難誘導は誰がするのか、お伺いします。
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○永野英樹 市民防災部長 駅以外の帰宅困難者への避難誘導は、実際に市内に避難誘導を行う人員を配置することは現実的ではないため、様々な手段での情報発信により対応することとなります。市では避難所の開設情報や混雑情報を配信するサービスであるVACANを導入しており、スマートフォンやパソコンから避難所の情報を確認することができるほか、避難所開設など市の防災情報についてホームページやSNSを通じ情報提供を行います。このような取組を平時から広く周知し、活用していただくことにより、適切な避難誘導につなげたいと考えております。
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○17番(くりはらえりこ議員) 避難誘導は誰がするのか。考えてみると、誰もそんな余裕はないのかもしれないとも思っておりましたが、そこのところをはっきりと今言ってくださったので、そうすると、避難誘導はないものとして、じゃあ自分がいつどこに逃げようかということをやはり市民の皆様自身に分かっていただく、ここにしっかり注力して、周知いただきたいと思います。
続きまして、避難所について伺ってまいりますけれども、市と市民の連携等、現在の体制と運営はどのようになっているか、お伺いいたします。
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○永野英樹 市民防災部長 大規模災害時に避難所を開設する際は、各避難所に避難所運営委員会を設置し、市と自主防災組織をはじめとする地域住民とが協力して避難所を運営することとなります。避難所開設が長期化する場合に備え、自主防災組織を中心とした地域住民の自主的な運営へ移行していくための避難所運営マニュアルを自主防災組織が中心となり作成しており、マニュアルに基づいた訓練を実施しているところです。訓練は自主防災組織と市職員が連携して実施しており、平時から避難所運営体制の確認を行っております。
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○17番(くりはらえりこ議員) コロナ禍を経て、避難所運営の訓練みたいなものが地域で滞っているなというのを非常に私は危惧しております。これは地域の皆さんと、要するに町内会と市の連携でどんどん進めると。必ず年に最低でも1回は体験していただくというようなところをどんどんやっていただきたいとお願いしておきます。
今回の台風10号の際に設置された避難所は、指定避難所、ミニ防災拠点ではなく、風水害避難所とされている大船、玉縄、深沢、腰越行政センターでありましたけれども、全て洪水浸水想定区域内の施設でございます。この避難のタイミングを間違えますと、これ私、西日本豪雨のときの経験、それを知っているからこそなんですが、泳いで渡っていったみたいなお話伺っているんですね、現地で。こういったことをしっかり検討しておかないといけないと思っているわけです。最悪の場合、避難中や避難後に被災する可能性がありますが、どのように考えているのか、お伺いいたします。
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○永野英樹 市民防災部長 風水害時の避難所につきましては、天候の状況や見込みに応じて早期に避難できるよう、開設場所や開設時期を判断しており、仮に各行政センター等への避難後に浸水が見込まれる場合は、建物上階への垂直避難を行います。避難所の開設場所は、災害の状況に応じ、小学校を避難所として開設するなど、適切な対応を行ってまいります。
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○17番(くりはらえりこ議員) 雨水の量にもよるんですけれども、全て想定をして対応できるようにしておかなくてはいけません。それで、公共施設再編という中で、こういった災害のことについて、より一層見直しをしていただきたいなと私は思っているところでございます。既にバージョンアップしているならばいいんですけれども、災害の規模が少しずつ少しずつ、もう本当に少しずつ状況が悪くなっているというのは皆様、日頃のこの気温の高さでもお感じになっているんじゃないかと思います。ですので、全て洪水浸水想定区域内にある施設、それについては想定をして、しっかりと対策を考えていただきたいと思っております。これもお願いしておきます。
病気によりまして、病気、なんかいろんな病気あると思うんですが、電力を使用する医療器具が必須の方がいらっしゃるかと思います。例えば、私の経験上、私の母を自宅介護しようというときに、酸素ボンベを用意しなきゃというような状況もありましたものですから、ちょっと心配しているんですが、一時避難所となる体育館において、そのような人たちのための電源確保をどのように考えているか、お伺いいたします。
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○永野英樹 市民防災部長 避難所となる市立小・中学校には発電機を配備しておりますが、その発電機には医療機器が接続できないことから、医療機器を利用する方が一定期間利用する避難所としては想定しておりません。また、停電してない場合におきましても、医療機器を必要とする方を避難所で受け入れることは、医療的な対応ができないことから、難しいと考えております。医療機器を必要とする避難者につきましては、電力の確保が可能な医療機関への搬送など、県や医療機関等と連携して対応することとなります。
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○17番(くりはらえりこ議員) 医療機関との連携、そしてそれを運ぶのは誰だといったときに、職員たちとのお話の中で、やっぱり消防にお願いするのかなという話、要するに救急搬送という話になるのかなという話も出ておりました。でも、これ机上の空論じゃいけないので、しっかりとそういったときにどう対応するのかというのは、消防も含め、ぜひしっかり、明日に何かあるかもしれない、今あるかもしれないという、その想定をして考えていただきたいと思います。
続きまして、福祉避難所はどのタイミングで開設して、どのような方を受け入れるのかについてお伺いいたします。
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○鷲尾礼弁 健康福祉部長 本市におきましては、福祉避難所は、避難所での生活が困難な方がいた場合、市災害対策本部の決定に基づき開設することとしております。福祉避難所への避難が必要な方の決定は、介助者の有無、障害の種類や程度に加え、環境が変わったことによる健康状態や御本人の理解、家族や周囲の状況等、様々な事情を考慮した優先順位に基づきまして、総合的に判断することとしております。
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○17番(くりはらえりこ議員) 今回の台風10号に関しては、そういった福祉避難所を設置するところまでは至っていませんでした。不幸中の幸いです。ですが、やはり今後、適時・的確な避難を促して、そして、鎌倉市としてしっかり市民を守るというところにしっかり注力して、計画を行っていただきたいと思います。
続きまして、大きな項目2番目に入らせていただきます。防災の観点を重視した学校整備計画をということでお伺いしてまいります。
災害時の避難所として学校の体育館を利用することになりますけれども、体育館の耐震補強、ガラスの補強、落下のおそれがあるものの撤去、照明器具の緊結の状況についてお伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 学校施設における構造体の耐震改修につきましては、平成28年度までに全ての小・中学校で完了しているところでございます。また、非構造部材と呼ばれます体育館のつり天井や照明器具につきましても、平成30年度までに必要な改修工事を完了しているところでございます。
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○17番(くりはらえりこ議員) 安心いたしました。
続きまして、学校が避難所として使われる場合、様々な人の利用が想定され、体育館だけではなく、校舎のトイレを使用することもあると思いますけれども、学校トイレの和式、洋式やユニバーサルトイレの設置についてどのように考えているか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 現在の学校施設におきましては、衛生面や生活様式の変化から、洋式便器を求める声が多く寄せられるところでございます。機会を捉えて洋式化を進めるなど取り組んでいるところでございます。今後は、学校開放や避難所としての機能、多様な利用者等を考慮いたしまして、ユニバーサルデザインの採用やバリアフリー化にも配慮したトイレの整備となるよう、検討を進めているところでございます。
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○17番(くりはらえりこ議員) 私も体育館、武道館とかというものの和式、洋式トイレの比率とか、そういうのを調べて、設置されている、ちょうど1年ぐらい前のデータを神奈川県下で並べたデータというのがあります。これ、よその市と比べて何なんだというのもあるかもしれませんが、洋式化率100%とか、こよなく100%に近くて、国が目指す2025年までに95%にしなさいよというものに対して、今、1年前のデータだと、秦野市、海老名市、大井町、湯河原町、川崎市、ここが非常に優秀な成績で、95%以上ということを達成されていますけれども、鎌倉市じゃあどうなのといったときに、ワースト3に入ってしまいました。
和式が悪いと言っているわけじゃないんです。逆に和式が必要だという部分もあるんですね。お子さんがまだ世の中に残っている和式便器というものを見たときにびっくりしないように、お勉強のために和式便器を置いておくとか、あとは、一定数のお子さん、不衛生なのは嫌だと、座りたくないというお子さんのためにも和式が必要だというパターンもあるようですので、そういったことも含めて95%を目指すということになっているんだと思いますが、これ早急に進めていただきたいと思います。
学校の教室は空調設備が設置されていることは認識しております。避難所として使用する体育館の空調設備の設置についてはどのように考えておられるか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 学校体育館につきましては、これまでも答弁してきたとおりでございますが、学校の建て替えや長寿命化改修の時期に合わせての整備を予定しているところではございますが、災害時の避難所としての利用の観点も総合的に勘案して、整備の時期も含めて、関係部局とともに連携しながら、整備の在り方について検討しているところでございます。
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○17番(くりはらえりこ議員) これは防災の考え方として、教室を今のところ使うのをメインに考えているわけではないというところ、各教室に冷暖房設備、空調設備がついているというところからすると、そちらに避難させていただける時期があればそちらのほうがいいのかしらとか、そういったところの検討というのもぜひしていただきたいなとは思っております。これは全庁的に防災の面でも学校の整備を考えていくというところをぜひお願いしたいと思います。
あと、学校にはプールがございますが、火災時における学校プールの水の利用をどのように考えているか、消防長にお伺いいたします。
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○?木 守 消防長 学校等のプールは水量が豊富にあり、火災時に長時間の放水が可能となることから、消防水利として指定しております。地震等の大規模災害時は消火栓が使用できない場合もあり、プールや防火水槽等は有効な消防水利であると考えております。
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○17番(くりはらえりこ議員) 非常に学校のプールというのは水泳の授業以外にもこういった消防水利として使われる可能性があるというところ、そして、トン数も非常に大きいんですよね。防火水槽の10倍ぐらいの広さがプールにはあるということで、そういった大規模火災というのはあってはいけないんですけれども、特に災害時、こういったときは水道管が使えないみたいなこととか、防火水槽の水だけでは足りないとかいうことも起こり得る。そういったときに、こういった学校のプールに水がたまっているということは非常に重要な防火水利になるのかなと考えます。
プールの水は災害時の生活用水として利用することも可能と考えております。現在、全ての学校にプールがあるわけではありません。どのように考えているのか、お伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 学校のプールにつきましては、災害時の生活用水として活用することも想定しているものではございますが、一義的には小学校、中学校の水泳の授業実施のための施設であるということを念頭に置きまして、施設の在り方等につきましては検討すべきものと考えております。
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○17番(くりはらえりこ議員) 当初、造られた学校のプールの目的というのは、お子さんのために、泳ぎの勉強をしてもらうために造られたものというのは認識しております。しかし、今、公共施設再編の話もあります。そして学校整備計画、令和5年度につくっていただきまして、今、その計画に基づいて学校を整備していくという、そういう段階に入ってきているわけです。といったときに、何でもシェアしていくと。要するに、これは市長部局の話だからとか、これは教育関連だからとか、そういう縦割りで物を考えないでいただきたいなと市長にも教育関連の皆様にもお願いしておきたいんですけれども、とにかく共用できるものは共用していきましょうと。そして、それが子供たちのためになるなら、なおのこと投資すべきところではないかなとも考えております。
現在、小・中学校に設置されている13か所の緊急時用浄水装置というものがあります。これについて、使用できないものがあるというのがちょっとデータ上で見つけましたので、何か所あるのか、また、その学校はどこになりますか。教えてください。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 議員御指摘のとおり、現在、13か所のうち1か所については手動浄水装置が配置されていることから、残り12か所について緊急用浄水装置が配置されているところでございます。現在、七里ガ浜小学校、小坂小学校、玉縄小学校・玉縄中学校共用プール及び大船中学校の4校の緊急時用浄水装置については、修繕等の必要から、今、使用ができない状態となっております。
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○17番(くりはらえりこ議員) 修繕すれば使える、それが費用対効果としてどうなのかという議論もあるかと思いますけれども、消防水利としても使える、災害のときの生活用水にもできる、こういった総合的視点、これをしっかり持って、修繕なり更新なりというところはぜひ早急にお願いしたいと思います。
また、防災の観点で、緊急時用浄水装置が使用できないところについては、市民防災部としてはどうお考えになるか、お伺いいたします。
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○永野英樹 市民防災部長 緊急時用浄水装置がない一部のプールにつきましては、可搬型、要は運べるタイプの手動浄水装置を配備しており、必要に応じ、備蓄資機材として配備いたします。
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○17番(くりはらえりこ議員) 今、配置いたしますと力強く答えていただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
学校全体のバリアフリー化について、エレベーターが設置されている学校はどこか、伺いたいと思います。これはなぜかといいますと、避難所となる場合、足が悪い方とか、そういった方々が御利用になるか、また、通常、お子さん方が通常御利用されるためにも必要だというところもあるかと思います。また、避難所となる体育館の入り口のバリアフリー化の状況と、今後のバリアフリー化に向けた考えをお伺いいたします。
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○小林昭嗣 教育文化財部長 最初の御質問で、エレベーターの設置がされている学校につきましては、小学校では御成小学校と関谷小学校の2校、中学校では第二中学校、御成中学校、大船中学校、玉縄中学校の4校でございます。
また、体育館の入り口のバリアフリー化等につきましては、コンクリートスロープの設置等、段差解消等を適宜対応を図っているところでございます。しかし、構造上といいますか、スロープの幅員や勾配などの基準を考慮した場合、設置が困難な学校も現実にあるところでございます。それらの学校につきましては、学校整備計画に基づいて長寿命化改修や全体的な改修に合わせてバリアフリー化を実現していきたいと考えております。
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○17番(くりはらえりこ議員) 今回、2番目の項目としては、防災の観点を重視した学校整備計画をという切り口でお話しさせていただきましたけれども、ぜひとも、学校というのは何かあったときに拠点になる場所、よく何でも考えるときに小学校区に1個は何かこういうものが欲しいよねというお話が出てきます。その大事な単位なんですね。小学校区に1個という、そういう意味で、避難所というものの考え方、そしてお子さんたちの教育現場、こういったものを、複合施設にするかどうかは別として、非常に重要な学校施設、ここの長寿命化、そして更新、こういったものはしっかり計画どおりに進めていただきたいと思います。
続きまして、3つ目の大きな項目に参ります。維持向上すべき歴史的風致と緑地・公園管理、これについて伺ってまいります。
まず、鎌倉市、非常に緑が多くて、いいですね、鎌倉って、もう本当に空気の味が違いますというようなことでお褒めいただくんです。そういったときに非常に、それこそ誇り高きこの鎌倉の山々、緑、本当にうれしく思うところですけれども、鎌倉市歴史的風致維持向上計画というのを鎌倉市は持っております。これを、実は私もこの分野、興味がありますので、調べていますと、2025年、来年度がこの計画の一応最終年ということになっております。そういったことから、私としても、これはじゃあ第2次の計画がつくられるといいなと。もしくは、今現在、そういえば、進捗状況はどのようになっているのかなと思うわけですけれども、進捗状況はどのようになっているでしょうか。
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○古賀久貴 都市景観部長 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律に基づきます鎌倉市歴史的風致維持向上計画につきましては、第3次鎌倉市総合計画第4期基本計画に位置づけております歴史的遺産と共生するまちづくりを推進するべく、平成28年度から令和7年度までの10年間を計画期間とし、別荘文化に由来する歴史的風致など6つの歴史的風致を定めまして、歴史的風致形成建造物の改修など、計画に位置づけた29の事業を推し進めているところでございます。令和4年度からは、社会資本総合整備計画、街なみ環境整備事業による国交付金の活用によりまして、各関係課が所管する事業効果をより一層図ることが可能となっております。今後も引き続き全庁一丸となって計画の推進を図ってまいります。
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○17番(くりはらえりこ議員) 今後も進めていただきたい。そして、歴史的風致維持向上計画を積極的に進めていただきたいという中で、今後の予定はどのようになっているのかについてお伺いいたします。
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○古賀久貴 都市景観部長 現在の歴史的風致維持向上計画につきましては、令和7年度、2025年度で10年間の計画期間が終了いたしますことから、最終年度の令和7年度には、この10年間の実績を踏まえまして、現計画での取組の評価ですとか、課題の抽出など、最終評価を行うこととなります。歴史的遺産と共生するまちづくりの実現には継続的な取組が必要であることから、最終評価の結果を踏まえ、令和8年度以降の第2期計画を策定していく予定でございます。
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○17番(くりはらえりこ議員) よかったです。私の希望が、というか、これ私だけじゃないんです。いろんな市民の方が、やはり鎌倉市は緑があることがよくて住んだんですという、後から住みに来られた方もそうです。それから、鎌倉市のゆったりした時が流れているのは、自然と歴史と文化というものがあるからなんだよと言う方もおられる。この歴史的風致維持向上計画って、これはなかなかほかの都市にはまねのできない、要するに選ばれた市のつくれる計画なんですよね。
というところで、日本で初めて武家政権が誕生したというこの鎌倉が、源頼朝によって幕府が開かれというんですが、その前から、実は古代の時代から人の営みがあってということも私最近知りました。古代遺跡、陣出遺跡も出てきました。それが深沢の地から出てきたというのも聞きました。あとは、山の上を掘ってみると、昔海の中だったというようなことで、本当、古代よりももっと古い時代のものとかというものも地層として見えてきたり、鎌倉の町の成り立ちというのは非常に複雑かつユニークというか、深みがあるものだなと思っております。
また、山稜部の土坑遺構、これは本当に掘ってみるといろいろ出てくるんですよね。例えば我が家も掘ったら上杉家跡地ということになってますけれども、お向かいで今何か、我が家から見えるところで遺跡の発掘をしていたりというところ、そういうのも見ますと、柱の跡みたいに見えるものがぽんぽんと今ちょうど見えてきているところで、そういったものがある。これ鎌倉って鎌倉時代だけの話じゃないんだなというところも思うところです。
ですので、鎌倉市の維持向上すべき歴史的風致というのは、建物とか、そういうものだけではなく、要するに景観だけでもなく、緑も含め、歴史も含め、そういった過去の遺構も含めということで、また、あと文化ですね。お祭りの文化とかいうことも後世に伝えていかなくてはならない。そういったところで、私としては、世界遺産登録ということに関して、鎌倉市がその文言を消してきてしまったというのはちょっと残念に思っているところですけれども、しっかりと進めていっていただきたい。守っていただきたい。そして、維持だけではなく、向上させていただきたいということをお願いしておきます。
鎌倉市にはいろいろ公園というものも存在して、緑プラス、お子さんたち、そして大人の憩いの場というようなことで、公園の種別というのもいろいろある中で、その中でも風致公園というものの定義についてまずお伺いしたいと思います。
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○古賀久貴 都市景観部長 都市公園法に基づく都市公園の種別につきましては、鎌倉海浜公園に代表される総合公園ですとか、地域の身近な公園として利用される街区公園などがございます。風致公園につきましては、主として季節を感じ、自然を楽しむことを目的として、樹林地、水辺地等、豊かな自然環境を有する公園となります。市内の風致公園につきましては、散在ガ池森林公園、鎌倉中央公園、六国見山森林公園、夫婦池公園、山崎・台峯緑地の5公園がございます。
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○17番(くりはらえりこ議員) 今、御紹介いただいた風致公園の中で、散在ガ池森林公園についてお伺いしたいと思います。この散在ガ池森林公園、私、子供時代の遊び場になっておりまして、前もお話ししたかもしれませんが、弟たちが沼にはまってとか、そういう子供時代でした。そういったところの御利用をされている方というのが、私の子供時代ですと、結構観光バスが止まって、観光客の方も散策されるような、そんな公園でありました。その散在ガ池森林公園、幾つかある小道、これ3本あると思うんですけれども、この小道のうち2か所については、倒木によって今通行できなくなっていますけれども、今後の対応についてお伺いいたします。
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○古賀久貴 都市景観部長 散在ガ池森林公園にございます2か所の小道につきましては、過去の台風や大雪による倒木被害の影響で現在通行ができない状態となってございます。そのうち1か所につきましては、令和6年度中に通行可能になるよう、現在準備中でありまして、また、残る1か所につきましても、早期に開通できるよう、対象区域について調整を図っているところでございます。
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○17番(くりはらえりこ議員) 地元の市民の方々はもうこの五、六年歩けなくなっているんだよということで、私もつい最近伺った話でしたので、これは本当に早急にお願いしたいと思います。
散在ガ池森林公園の中に管理棟がございます。この管理棟がない六国見山森林公園はどのような管理を行っているのかについてお伺いいたします。
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○古賀久貴 都市景観部長 六国見山森林公園につきましては、山頂からの眺望がよく、宅地に囲まれるように残された貴重な緑や自然との触れ合いを大切にすることを目的に整備された公園でございます。日常の維持管理につきましては、指定管理者である公益財団法人鎌倉市公園協会が週1回のパトロールを実施し、危険木等を発見した際や、公園利用者からの要望等に対して適宜剪定や伐採を行っているところです。また、施設の破損等についても、適宜更新、補修を行っているところでございます。
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○17番(くりはらえりこ議員) 六国見山森林公園、管理していただいているとは伺ったんですけれども、基本、ボランティアも関わってくださって、ここ手入れをしてくださっているんですね。こういったボランティアのできる範囲というのは、例えば草を抜いたり、ちょっと枝を払ったりとかということはできるにしても、非常に倒木とかナラ枯れの木の大木になっているものを下から切るとかいうようなことは非常に危険も伴いますし、できないというようなお声もあります。
こういったボランティアに頼っていくということは、今後、鎌倉の山の管理とか公園の管理をしていく上では、非常にボランティアありがたいんですけれども、こういった方々と一緒に活動する上でも、六国見山森林公園にトイレがないというのが非常に困ったというようなこともお伺いしました。このトイレがないんですけれども、そのトイレを設置が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
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○古賀久貴 都市景観部長 まず、市内の公園のトイレの整備につきましてですが、総合公園、地区公園、風致公園などの比較的規模の大きい公園におきまして、公園利用者のために設置しておるところです。また、加えまして、広域避難場所となっている公園につきましてもトイレを設置しております。六国見山森林公園を整備する際、当初はトイレ棟を建設する計画であったところ、近隣地域から防犯面に対する不安の声があったことから、設置を中止したという経過がございます。また、この公園の地形上、住宅が多く存在する場所の近くに設置することとなりますので、臭気の問題ですとか、様々な課題を有する中、現状では設置は困難であるとの認識でございます。
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○17番(くりはらえりこ議員) 現状では難しいと。例えばですが、離れたところに造っても、それは防犯上厳しいという御意見が出るのかもしれませんが、やはりそういう意味で言うと、生理現象を抑えるのも厳しいので、そういった意味ではしっかり、山を一日ボランティアが作業してきれいにしてくださっているというような状況の中で、やはり考えるべきことと思います。これは一つの課題としてしっかり捉えていただきたいと思います。
続きまして、源氏山公園、これも歴史的風致的な公園であると思います。どのように管理をしているか、お伺いいたします。
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○古賀久貴 都市景観部長 源氏山公園は都市公園法上の種別は地区公園となってございますけれども、歴史的風土保存区域及び歴史的風土特別保存地区に位置しておりまして、日野俊基の墓や化粧坂といいました国指定史跡を有する公園であり、風致公園として都市計画決定を行っているところです。当公園は、樹木本来の形を崩さないような樹林管理など、自然本来が持つ特性を生かした維持管理を行っておりまして、本市緑の基本計画の中でその詳細な手法について定めてあります。
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○17番(くりはらえりこ議員) 源氏山公園といいますと、私の記憶によりますと、小学校1年のときの遠足で学校に連れてってもらったなと思い出すんですね。それって、なぜ鎌倉市の市立小学校の子供がその場所に連れていかれたのかというところをやっぱり考えるわけです。歴史、源頼朝像というところで、それを子供たちに感じ取ってもらいたいんじゃないかなと。勝手なる想像ですけれども。そういう意味では、鎌倉市として歴史的に非常に重要な人物であり、そして山を含めて散策できて風光明媚、そういったところで、この公園しっかり管理していただきたいし、観光地の一つにもなっているかなと思いますので、管理を、そして美しくお願いしたいと思います。
鎌倉市では緑を保全するために様々な手法を使っていますけれども、中でも、歴史的風土特別保存地区と特別緑地保全地区の制度について確認したいと思います。
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○古賀久貴 都市景観部長 まず、歴史的風土特別保存地区でございますけれども、これは古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法、いわゆる古都保存法に基づきまして、歴史的風土保存区域の重要な部分を構成している地域について、県知事が都市計画決定をするものでございます。自然的環境と文化的遺産が一体となった歴史的風土の保存のため、本市では昭和42年に当初決定され、その後、段階的に拡大し、現在は約573.6ヘクタールが指定されております。
次に、特別緑地保全地区ですけれども、こちらは都市緑地法に基づきまして、良好な自然環境を形成し、無秩序な市街化の防止や公災害の防止、生態系の保全等に重要な役割を果たしている緑地について都市計画決定をするというものでございまして、本市では平成14年以降、現在は11か所、約49.4ヘクタールを指定しております。
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○17番(くりはらえりこ議員) 続きまして、歴史的風土特別保存地区、特別緑地保全地区で伐採や造成を行う際の許可基準はどのようなものか、確認したいと思います。
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○古賀久貴 都市景観部長 歴史的風土特別保存地区、特別緑地保全地区内で伐採や造成などの行為を行う場合は、あらかじめ許可を得る必要がありますけれども、それら行為については厳しい制限が課せられています。許可を受けられる行為といたしましては、崖の防災工事など災害の防止のために必要やむを得ないものですとか、既存の住宅の建て替え、増築や敷地内の整備など、日常生活の維持に必要な場合と規定されております。
なお、伐採につきましては、山林の維持管理に必要な間伐や古損木の伐採、また敷地内での整備として行う庭木の伐採や崖地に生える危険木の伐採などは、通常必要な管理行為として、許可不要で行うことができます。
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○17番(くりはらえりこ議員) そういった特別に指定された地区の緑の保全は重要でありますけれども、そのためにはとにかく枝払いや樹形を整えるなどの管理が大切です。行政として鎌倉全体の緑地保全を行っていく上で、維持管理の担い手の育成に力を注いでいただきたいと思いますが、市の考えをお伺いいたします。
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○古賀久貴 都市景観部長 緑の保全につきましては、本市緑の基本計画におきまして、緑地の保全、都市公園等の整備、連携の推進などの方針を位置づけ、計画に沿った取組を進めているところですが、この計画に沿いまして、確保した緑地の維持管理に対する市民との連携の一環として、緑の活動の第一線の担い手となる緑のレンジャーの育成を取り組んでいるところでございます。また、小学4年生、5年生を対象としまして緑のレンジャー・ジュニアも育成しておりまして、早い段階からの自然に対する意識の向上・醸成に努めております。引き続きこれらの取組を実施し、若い世代も含めて、緑保全や維持管理に関する知識の普及に努め、広く担い手の育成を進めていきたいと考えております。
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○17番(くりはらえりこ議員) 以前も、ボランティアの育成もそうなんですけれども、ボランティア頼みでは駄目なんじゃないんですかというようなところも、そういう視点で質問させていただいたこともあります。全てこの町の人々でこの町を管理することができるかと言われたら、それはできないんですよね、多分。だけれども、住民の皆様のシビックプライドもそうだけれども、住民の皆様の職、要するにこういう職に就きたいなということも、この町で育ったからこそ、こういう子供たちがこういう大人になったというようなことにつながってきます。
それは単純に教育の分野だけに教育を任せているというのではなくて、一人一人の人間がこの鎌倉市で暮らしていくのに、とても快適で、幸せで、いつもいい気分で生きてられるという、そういう町であるといいなといったときに、歴史的風致というものを大事にすることもそうですが、緑地を大事にするということもそうですが、こういったものを自分たちの手でできるというのはもちろん大事ですが、そこに少しずつ市が手を貸していくというか、そういう人、担い手が育つ、育成をするというところに投資していくというのが非常に重要なんじゃないかなと思って、この質問をいたしました。
続きまして、大きな4番目の項目に入ってまいります。事業決定のプロセスとプロポーザルの在り方、これについてお伺いしてまいります。
まず、鎌倉市で平成30年8月に市民の方から鎌倉市本庁舎整備に関する住民投票条例制定の直接請求というのがありました。これに対して、市が受け止めて、条例を出してこられて、議会で否決というようなこともありました。そして、続けて令和4年、2022年12月に、地方自治法第4条に基づいた鎌倉市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例というのが出てきて、これが議会で否決されました。これは特別多数議決でありますので、過半数はいたんですが、3分の2要件には当たらず、否決となりました。
要するに、深沢に市庁舎を新しく移転するんだというようなお話に対して、市民の意見を聞くべきだという市民の皆様の御意見を聞かずに、聞けずにかな、そして、でも、議会では移転に反対という、反対というか、移転に否決ということなので、移転できないという状況の中、市長以下行政の皆さんが、鎌倉市新庁舎等基本設計及びDX支援業務委託というものをしたいということで、その予算が、昨年度2月に予算が通ったというところで、市長以下行政の皆さんがその仕事を続けていきたいと思っていらっしゃるのは、行政の側の意見は分かります。
この鎌倉市新庁舎等基本設計及びDX支援業務委託に関して、公募プロポーザルというものを行うというようなこと、これが発表されまして、それを行っていくということ、そして、その公開プロポーザルの募集要項、こういうのも出ております。それが令和6年4月に出て、公募してきた会社が4社あったということになっております。そして、この公開プレゼンテーションを行うということになったのはどういうことなのかなと私も考えまして、ちょっとその提案概要の展示を行い、公開プレゼンテーションを行うことにした経緯と理由についてお伺いしたいと思います。
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○服部基己 まちづくり計画部担当部長 新庁舎の移転整備に関する取組につきましては、市民の注目度や関心度が高いことから、基本設計を実施する事業者の選定プロセスをできるだけ多くの方々にお知らせし、基本設計業務に対する市民の考えや思いを意見として募るとともに、新庁舎等の在り方について、より納得感を高めていただくために、プロポーザルに係る提案概要書の展示及び公開によるプレゼンテーションを実施することとしたものでございます。
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○17番(くりはらえりこ議員) 今、通告は市長にお願いしてたと思うんですが、部長がお答えいただいたので、そういうことだということで分かりました。
私としては、この公開プロポーザルの目的というところで、この公開プロポーザル募集要領を見てみますと、本プロポーザルは、令和4年、2022年9月に策定した鎌倉市新庁舎等整備基本計画に基づき、新庁舎等の整備に向けて、デジタルトランスフォーメーション等を踏まえた新庁舎の在り方を具体的に検討するとともに、基本設計を実施するに当たって、豊かな創造性、高い技術力及び豊富な知見、実績等を有する事業者を選定することを目的としますと書かれています。この目的に向かって、今、プレゼンテーションしていただいてというようなことになっていくのかなと思うんですけれども、その途中の段階で、私としては、市民意見はどういうふうに取り入れていくのかなというところを非常に注視していたわけです。
そういったところで、この中を見てみますと、市民参加という項目がございます。本事業では情報公開及び市民との共創を重視していることから、審査過程において市民の参加の機会を設けることとし、具体的には次の3点を実施しますと書かれていて、提案概要書の展示及び公表、そして2番目が市民意見の聴取、そして3番目に公開プレゼンテーションの実施とあります。
私もどういうふうに実施されていくのかなというのをずっと見ていたところ、7月8日の日に、夕方4時ぐらいでしょうか、ここ鎌倉市役所の本庁舎の1階にその概要書が展示されました。そのときに私が写真を撮ろうとして、そのときに写真を撮らないでくださいと言われました。そして、くりはら議員、SNS発信やめてくださいねと。それから、何でですかと私もその場で返したわけです。
そういったようなやり取りがあったからこそのちょっと質問なんですが、鎌倉市新庁舎等基本設計及びDX支援業務委託、公募型プロポーザルについて、提案概要書を展示していました。ここに、右下のほうに、「掲載の概要書に関する著作権は提案者に帰属します。」「無断掲載、撮影等は著作権法に抵触する可能性があるため御遠慮ください。」そういう内容の貼り紙、これは私が見たときには貼ってなかったんですけれども、その後貼られておりました。その意図をお伺いします。
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○服部基己 まちづくり計画部担当部長 まず、貼り紙の意図でございますけれども、展示していた提案概要書でございますが、これにつきましては、各社が工夫を凝らし作成したものでございまして、また、著作権を市に帰属する前提で提出を求めたものではないため、著作権は提案者に帰属しており、著作権に関する紛争が生じることを防止するため、注意喚起の表記を付していたものでございます。また、無償での参加を求めるプロポーザルにおきまして、提案書の著作権を市に帰属させる場合、応募者が減ることや、受注できなかった著作物を作成した事業者が今後それを使えなくなる可能性もあるため、著作権を市に帰属させないことによって、事業者が安心して惜しみなくアイデアを出し、結果としてよりよい提案を受けられると考えたところでございます。
なお、プロポーザルにおける事業者の著作物の展示の取組は他の自治体でも実施しておりまして、例えば世田谷区の本庁舎の基本設計のプロポーザルでも、提案書の撮影、録画は禁止いたしますと、同様の注意喚起が行われているところでございます。
くりはら議員に私どもの職員が、ちょっと撮影をお控えくださいと、一言一句言った内容までは把握してないんですけれども、意図といたしましては、ただいま御説明した内容をお伝えしたつもりでございます。
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○17番(くりはらえりこ議員) 意図と、どういうことを伝えたかったのかということの御説明を今いただきましたので、私としては理解しようとしておりますが、基本的に、職員たちとの会話の中で私も例え話をしたんです。ぼんぼり祭が八幡宮でありました。それを見ました。写真を撮りました。これは罪になりますか。それから、それが遠くからだったら、中身が見えなかったら、それは大丈夫ですか。そのときに、冗談で私も言ったわけじゃないんです。本当は要するに著作権のこととか、そういうことは、メディアリテラシーも含めて、それは市民一人一人がしっかりやっぱり守ろうとか、そういうものなのだという理解をした上で運用しないとおかしくなってしまうというところで、私はある意味素直に、写真撮影やめてください、えっ何でって。もっと素直な人だったら、写真撮影やめてください、そうなんだってなります。多分。それで私は、えっ何でですかってなりました。そして、SNS発信できないというのは何でですかと。
もともと市はこの公開していくということ、要するに市民に広く御理解いただきたいというスタンスで今までこういうふうに展示しようという動きをされていたのではないかと思います。別に私も何かこの写真を撮って誹謗中傷してやろうとか、何かそういうようなことを考えたわけでもない。だけれども、冗談でくりはら対策ですかとか言ってみたりもしましたけれども、そういう個人的なことでないことは分かっておりますし、理解しております。だけれども、じゃあこういうものって、もっとちゃんとみんなが理解しなきゃいけないんじゃないかなと思って質問しているつもりです。
例えば議員が政治活動に関して撮った写真を配布物に載せることについてというところで、今日は選挙管理委員会の事務局長にも来ていただいてますけれども、これ政治活動に関して撮った写真を配布物に載せることについて、公職選挙法で規制されるものはあるかについてお伺いいたします。
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○藤田聡一郎 選挙管理委員会事務局長 公職選挙法におきまして、政治活動のために撮影した写真、こういったものを配布物に載せることについての、これを規制する条項といったものはございません。
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○17番(くりはらえりこ議員) 世の中公職選挙法だけではありませんので、ほかの法律に抵触するといけないということもあります。この提案概要書を写真に撮ることや、SNSで公開、公表すること、そして印刷物にして配布したりすることについて、著作権法に抵触する可能性があるのかについてお伺いいたします。
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○藤林聖治 総務部長 この提案概要書についてでございますが、著作権者に無断で写真を撮ることにつきましては、著作権法第21条の複製権を侵害する可能性がございますが、著作権は一定の場合に制限されるため、例えば個人的に、または家庭内などの限られた範囲内での使用を目的とし、私的使用のための複製に該当する場合は、著作者の承諾を得ずに撮影しても著作権侵害は生じません。また、提案概要書を撮影した写真をSNSで公開することにつきましては、著作権法の公衆送信権に、あるいは印刷物にして配布することにつきましては、著作権法の複製権及び譲渡権をそれぞれ侵害する可能性がございます。ただし、ある利用行為を問題にするか否かは、著作権者の判断すべき事項となります。
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○17番(くりはらえりこ議員) では、続きまして、公募型プロポーザルの参加企業に記事掲載のための写真撮影等の可否を確認したところ、参加企業の中から著作物の写真を撮らないでほしいといった回答があったとのことです。ですが、今後、市が行う様々なプロポーザルに関して、市民が写真撮影やSNSの公開をすることを妨げないものにしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
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○松尾 崇 市長 プロポーザル方式での選定に当たりましては、参加資格の審査やプレゼンテーションなどの実施による提案内容の審査などを行います。プレゼンテーション等を実施する際には、企業のこれまで培ったノウハウや企業努力、創造性など、公開することで今後の企業活動に支障がある場合には、一般公開せずに審査を行うということもあります。プロポーザル方式による提案内容の公開または非公開の判断は、事業内容や企画提案の内容によってその都度判断をするということになります。
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○17番(くりはらえりこ議員) それぞれの事業によってプロポーザルのやり方を考えていくというような中で、今回、鎌倉市としては市庁舎移転を考えた。そして、それの基本設計、これをするに当たっては、私自身は敷地も決まらないうちに設計なんかおかしいですよと指摘させていただいております。しかし、行政の側として、市長を筆頭としてそれを進めていくんだというその姿勢を変えずにいて、こういうふうに設計、プロポーザルで行っていただく事業者を決めていくんだというようなことで今動いていらっしゃいます。
プロポーザルをどういうふうにやるか、その都度決めると言ったって、今回この大型事業、特に鎌倉市にとっての大型事業そうそうない中で、この大型事業に関して、公開プレゼンテーションでやっていくと決めておられた。これは私、市庁舎移転に反対している立場でありながら、それには非常に賛同していました。公開していく気があるんだなと。そして、市民の意見を、先ほど申し上げたように、要項にとにかく市民意見を聞くというところの項目を3つ上げてくださってました。展示して、公表して、市民の意見を聞いて、そして公開プレゼンテーションを行う。本気なのかなと、そういうふうに思っておりましたが、ちょっと残念ながら、私も9月1日に公開プレゼンテーションが行われるというところで、これは何をおいても9月1日に聞きに行くんだ、見に行くんだと思っておりました。そして、市民の方々も楽しみにされている方おられました。これが、新庁舎の基本設計を行うこの大事な局面ですよ、この局面に公開が中止となりました。延期にしなかった理由、これ市長、いかがなんでしょうか。
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○松尾 崇 市長 プレゼンテーション公開中止につきましては、台風10号の接近に伴いまして、気象状況による災害発生の危険度の高まりですとか、公共交通機関への影響の可能性を踏まえて、御来場予定の市民の安全確保を最優先した上で判断しました。
今、御質問にありましたように、プレゼンテーションの延期ということも検討しましたけれども、約半年前の4月8日の公募開始時にプレゼンテーションの実施日を公表しまして、各事業者は最優秀提案者となることを目指して、9月1日に照準を合わせ、プレゼンテーションの準備をしてきているわけでございまして、仮にこのプレゼンテーションを延期するといった場合には、各事業者間に有利不利が生じないように、改めて日程を定める必要があるというようなことですとか、公開プレゼンテーションが実施できる会場の確保等々、また、8名の審査員の日程調整など、様々な条件を満たしていくというのが非常に困難であると考えました。
延期とした場合の開催時期や、事業に関わる関係者への影響ということが懸念される中、公開を予定していたプレゼンテーションの様子につきましては、後日動画を提供することによって代替をするということとしまして、大変、そうなったことは残念ではあるんですけれども、公開ということについて中止をしてという判断に至ったものになります。
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○17番(くりはらえりこ議員) 今、市長の御答弁はしっかり聞いたつもりなんですが、例えば私、市民の皆様により一層御理解いただきたいとか、御覧いただけたら理解してくれる人が増えるんじゃないかとか、そこまでは理解しようとしているんですけれども、ましてや、この鎌倉市新庁舎等基本設計及びDX支援業務委託公開プロポーザル募集要領を読み直してみたんです。そうすると、公開プレゼンテーションの実施については、プレゼンテーションは公開にて実施し、これ書いてあるんですよ、そういうふうに。「プレゼンテーションは公開にて実施し、プレゼンテーションの様子を撮影した映像を後日、本市ホームページにて公開する予定です。ただし、オンラインにより実施する場合があります」と、しっかりここにも書いてある。このとおりだから問題ないって思われるのかもしれませんけれども、市民の受け止めとしては、プレゼンテーションを改めて日にちを設定して、市民に広く公開するという態度でいってほしいと思うのが当然です。それ市民の方々から私言われるわけです。
もちろん私は市庁舎移転そもそも反対、そして、こんな事業費をかけて、やれるかやれないか分からないような、まだやれるかもしれないんですという御答弁をよくなさるんだけれども、それもやれないかもしれないじゃないですかというところもあるじゃないですか。それで、行政としては最小限の、皆様からお預かりした税金を、最小限のお金を使って最大限の利益とか、あとは効果とか、サービスとか、そういうのをやるのが行政の仕事ではないのか。もしくは、私としては、弱い人とか弱っている人とか、そういうのを救うのが公の仕事じゃないのかとか、ちょっと順番違うんじゃないの、優先順位違うんじゃないの、こっちが先なんじゃないの、例えば防災拠点をつくる、防災の司令塔をつくると市長はおっしゃるけれども、それは、市民を被災させないためのまちづくりを優先させるべきじゃないんですかと思うんですよね。
市民も多分そういうところに非常に抵抗感があって、だけど、そういうふうに思われているんだから、なおのことより丁寧に、鎌倉市としては仕事を進める、市民にお伝えする、市民が何に反対しているのか、その反対の理由は何なのか、その反対の理由を解決するにはこうしたらいいんじゃないか、ああしたらいいんじゃないか、ここが収めどころじゃないのかとか、そういう話合いをするとか。説明しただけじゃないんですよ、一方通行じゃ駄目なんですよ。意見聞いて、一個一個解決してと、そういうものをやっていくということが本当は、遠回りのようで早道なんじゃないのかなと、そんなふうに思うんですけれども。
市長、例えば、もう一回改めて公開プレゼンテーションの場面をつくるとかいうことはお考えにならないですか。
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○松尾 崇 市長 それは考えておりません。
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○17番(くりはらえりこ議員) 今、住民監査請求が出ましたね。それで、住民監査請求の監査結果というものも出ましたね。それで、住民の皆さん、これ少ないと取るか多いと取るか分かりませんが、150人を超える方々が、これおかしいんじゃないの、新庁舎等基本設計等予算執行、これおかしいんじゃないのって、そういう監査請求出ました。そのお答えが出ました。その内容については皆さんいろいろ御感想あるかと思いますけれども、ちょっと監査の内容に関してちょっと私思うところがあります。それも含め、市としてはこのまま進めていっていいとお考えか。要するに、公開プロポーザルもしない、このままで頑張ります、市庁舎移転ありきですという感じに聞こえるんですが、市長、最後にお考えを伺います。
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○松尾 崇 市長 今年度予定しておりますスケジュールに沿って、着実にこの事業を進めてまいりたいと考えています。
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○17番(くりはらえりこ議員) 今年度予定しているというのは、それ予定とは誰の予定ですか。何でもそうなんですが、ごめんなさい、最後にしようと思ったんですけどね。この公募型プロポーザルの募集要領、この中には、何々の予定です、何々の予定ですと書いてあるんですよ。予定は未定です。そういう意味で言うと。予定は変わることもあるんです。事情が変わったんです。これ市民が非常に、納得したくて、いろいろ監査請求も出たんじゃないかなと、そう思いますが、じゃあもう一回聞きます。市長、このまま進められるんですか。
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○松尾 崇 市長 新庁舎の基本設計を行う事業選定について今年度行ってまいります。今回、台風という状況でございまして、そういう意味では、想定していた、予定どおりという公開のプレゼンテーションという形にはなりませんでしたけれども、そこについては、今答弁申し上げたような形で、我々としては進めていくという、こういう判断をさせていただきました。このプレゼンテーションが終了いたしましたので、今後は結果というところを出しながら、そして1者に選定をして、この事業を前進させていきたいと考えております。
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○17番(くりはらえりこ議員) では、最後にお願いいたします。オンラインでやられた内容に関しては、全く途中で、その映像を切ることなく、最初から最後までしっかり流していただきたいとお願いいたします。
以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
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○議長(池田 実議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(16時15分 休憩)
(16時30分 再開)
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○議長(池田 実議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、児玉文彦議員の発言を許可いたします。
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○13番(児玉文彦議員) 公明党の児玉文彦です。よろしくお願いいたします。今回は、鎌倉市の観光政策に関して?、子ども会館閉館後の親子の居場所づくりに関しての2つをテーマといたします。では、通告に従いまして質問に入らせていただきます。
まず初めに、鎌倉市の観光政策に関して?ということで、これは昨年12月定例会での一般質問に続く第二弾となります。そのときは長嶋竜弘議員にも関連質問していただきましたけれども、本市にとって重要な政策ですので、再度取り上げる次第でございます。
日本政府は観光立国として、2030年までに年間6000万人、消費額15兆円を政府目標として掲げております。実際、観光産業による収入額は既に日本最大の輸出品目である自動車の輸出額に次ぐ規模にまで急成長しております。その観点からも、観光都市鎌倉として今後どのように観光政策を推進していくのか、これは非常に重要であります。
一方、本市はオーバーツーリズム、特にインバウンドが顕在化し、京都市と同じように市民生活に支障が生じるなど、深刻な問題になっております。昨年12月の一般質問でも提案しましたけれども、ほかの自治体同様に、本市も観光税などの受益者負担の制度を導入し、持続可能な観光政策の推進と市民の安心・安全、快適な生活を守ることは必要と考えます。
最初の質問に入ります。昨年12月定例会一般質問で、京都市の取組を参考に、観光案内所を増やすことや、JR鎌倉駅前での観光ガイド配置などを提案、要望しましたけれども、具体的に進展、実現したことはありますでしょうか。伺います。
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○永野英樹 市民防災部長 令和6年4月から鎌倉駅西口駅前に「いざ、鎌倉」観光案内所を設置し、本市の日本遺産ストーリーの周知を中心とした観光案内を開始しております。また、国の補助金を活用し、令和6年4月から、ゴールデンウイーク、週末や休日を中心に、鎌倉駅東口、西口駅前に多言語ボランティアガイドを配置し、駅前に滞留する観光客への案内を行うことで、駅前の混雑緩和や観光の分散化に努めております。
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○13番(児玉文彦議員) 私も何度か現場を拝見させていただきましたけれども、駅前観光ガイドはとても好評だと感じております。おもてなしの観点からも、今後もぜひ継続してほしいと思いますけれども、この駅前観光ガイドの皆さんはボランティアでやられていると聞いておりますけれども、何か報酬のようなものはあるのでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 「いざ、鎌倉」観光案内所のスタッフや多言語ガイドはいずれも有償ボランティアガイドであり、少額ではありますが、謝金を支給しております。謝金につきましては、ボランティアガイド団体とも協議をしながら、適切な金額について検討してまいりたいと考えております。
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○13番(児玉文彦議員) 政府、観光庁が先ほど公表しました地方部における観光コンテンツの充実のためのローカルガイド人材の持続的な確保・育成に向けた有識者会議での中間取りまとめの中で、次の3点を指摘されております。
まず初めに、1点目としまして、ローカルガイドの担い手の裾野の拡大、他業種からのポテンシャル人材の活用が鍵と位置づけるとともに、初心者でもローカルガイドとして働くことができる環境の構築が重要。2つ目に、ガイドを行う地域への深い理解と国際感覚を持ったホスピタリティー、通訳能力を兼ね備えたプロフェッショナルなガイド人材が不足しているとの認識から、ガイド育成、質の向上が必要。その上で、訪問者の満足度の向上や、地域消費の拡大を促すプロフェッショナルなガイドの育成として、ガイドの質に応じた報酬制度の導入や品質を評価するための仕組みの構築。3点目に、就労環境の改善、ローカルガイドが安心して働くことができる柔軟な就労環境の整備を地域一体となって進めることとあります。この3点を戦略的に実施することが有効であるということであります。
本市としましても、駅前観光ガイドに対する、先ほど報酬制度があるとおっしゃってましたけれども、それをさらに、拡充を検討するべきではと思いますけれども、この点はいかがでありましょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 観光ガイドにつきましては、地域の情報に精通しつつ、来訪者の意図を適切に聞き出し、即座に対応する高度な能力が求められるほか、多言語対応ができることも望まれます。これらの要件を踏まえて事業委託をする場合、人材確保が困難なほか、相当な報酬予算が必要となりますが、それ以上に、市と協働して鎌倉の観光課題の解決を図ることに賛同していただいている団体との連携として、現在は地元のガイド団体や善意通訳団体に対しまして、有償ボランティアとして依頼しているところです。議員御指摘のとおり、これらの専門性に対する対価として適切な報酬金額の設定につきましては、他市の事例等も研究してまいりたいと考えております。
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○13番(児玉文彦議員) ぜひとも前向きに検討していただきたいなと思います。鎌倉市は非常に観光ガイドされる方も優秀な方そろっていらっしゃると思いますし、ぜひそれを、しっかり報酬制度を整えた上で活用していただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
一方で、気になりますのは、コロナ禍を経て、実際の鎌倉の観光客数が減少しているのではないかと言われております。今年のゴールデンウイークも例年と比べ、混雑や渋滞が少なかったなと私も感じましたし、今年の、先週終わりましたけれども、海水浴場においても、来場者の数も、今年のこの暑さの影響もありまして、少なかった、昨年よりもさらに減少しているのではと聞いております。インバウンドが増えている反面、日本人観光客の数が減っているのではと感じておりますけれども、本市としての認識、分析を伺います。
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○永野英樹 市民防災部長 観光客の国ごとの割合につきましては、直近での正確な調査は実施しておりませんが、鎌倉駅東口駅前の観光案内所への来訪者数集計によりますと、令和5年度は全来訪者の外国人割合が平均で約25.6%であったのに対しまして、令和6年4月から7月までの実績は平均で約33%まで上昇しております。総来訪者数には顕著な変化がないので、外国人観光客が増えているのに対して、日本人観光客は減っている状態であると分析しております。
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○13番(児玉文彦議員) 冒頭に述べましたように、鎌倉市は京都市と同じようにオーバーツーリズム、インバウンドにより市民生活に支障が生じるなど、深刻な問題になっている部分がございます。日本政府もオーバーツーリズム対策強化を進めており、全国の26地域を重点支援モデル地域として選定しております。鎌倉市もマナー違反対策のモデル地域に選定されておりますけれども、これに対して具体的にどのような対策を行っているのか、もしくはどのような対策を考えているのか伺います。
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○永野英樹 市民防災部長 国のオーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業を活用いたしまして、観光客の分散・平準化、マナー啓発及び受入れ環境の整備増強を目的に、令和6年度の事業を進めているところです。
具体的には、観光客の分散化・平準化対策として、観光に係る公式ホームページである鎌倉観光公式ガイドの多言語化、防災情報や教育旅行の情報追加、混雑可視化マップへの未来予測機能や観測地点の追加等を予定しているほか、マナー啓発として交通誘導員の配置、ポイ捨て防止のマナー啓発等を実施してまいります。また、受入れ環境の整備増強といたしまして、先ほど御紹介いたしました駅前ボランティアガイド事業を実施しており、今後も継続的に実施してまいりたいと考えております。
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○13番(児玉文彦議員) そういう国からの指定をされていることもありまして、それをしっかり有効に活用していっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
スラムダンクの聖地として連日多くの外国人観光客が押し寄せている江ノ電鎌倉高校前駅周辺の混雑ですけれども、これはもう今までも何度も、議会でも同僚議員が取り上げておりますけれども、もはや踏切周辺にとどまらず、最近では白タクが増加し、違法迷惑駐車による渋滞、それに伴い周辺の病院が迷惑を被っているとの市民相談も私も幾つか受けました。
具体的には、白タクが病院駐車場へ駐車し、通院患者、家族が駐車できないですとか、観光客が病院内に入ってきまして、休憩をしたり、スマホを充電したり、トイレを利用してトイレを汚したり、また、医務室に侵入してきたり、これはもはや犯罪でありますけれども、また、入院されている患者がリハビリで外に散歩するんですけれども、観光客があまりに多くてその散歩もできないとか、そういう不便がいろいろ生じているという声があります。
インバウンド増加に伴う白タクの増加と違法迷惑駐車は、江ノ電鎌倉高校前駅周辺だけではなく、若宮大路でも顕著になっており、路線バスや救急車の通行にも支障が出ております。白タクの違法迷惑駐車をしっかり取り締まってほしいとの声が地域の住民から数多く届いております。これはほかの同僚議員からも以前の本会議でも指摘されておりましたけれども、警察による取締り強化や警備員配置など、対策を強化してほしいと思いますけれども、この点はいかがでありましょうか。
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○服部基己 まちづくり計画部担当部長 鎌倉高校前駅付近では主に営業や自家用の乗用車が、また、若宮大路では営業や自家用の乗用車のほかに観光バスが路上に駐車または停車している状況を市としても確認しておりまして、所轄の鎌倉警察署とも状況は共有しているところでございます。
こうしたことを踏まえ、鎌倉高校前駅付近につきましては、警察官による現地の警らなどを強化していただいているほか、歩行者の誘導を行う警備員の配置が迷惑駐車の抑止にもつながっているということから、今後の状況を見極めながら、適宜対応策を検討していきたいと考えております。また、若宮大路につきましては、現在も警察官や駐車監視員による取締りが行われておりまして、引き続き警察との連携を密にしながら、取締りの強化などについて依頼していきたいと考えております。
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○13番(児玉文彦議員) ぜひお願いしたいと思います。これだという決定打はなかなか難しい部分はあると思いますけれども、粘り強く警察と連携を取り、対策を続けていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
このような迷惑行為だけではなくて、外国人観光客が捨てていくごみ処理費用や警備員費用など、市民から頂いた税金で賄っていることを考えますと、財政力指数で県内トップクラスとはいえ、国からの仕送りである地方交付税がもらえない不交付団体である本市としましては、持続可能な新たな財源として、やはり観光税など受益者負担の制度の導入は必要と考えます。
次に、ロードプライシングに関してお伺いしますけれども、本市が長年導入を目指しているロードプライシング、このロードプライシング、調べますと、世界で初めて導入したのが、これはシンガポールでありますけれども、1998年、シンガポールではERPといいまして、エレクトリック・ロード・プライシングということで導入しております。これは日本で言うETCのような課金システムでありますけれども、シンガポールというのは、御存じの方いらっしゃると思いますけれども、国土の広さが淡路島ぐらい、そこに、現在で言うと、人口がたしか560万人ぐらいいるということで、非常に人口密度が多く、なおかつ、そういう国であるがゆえに、車の所有に関しても非常にハードルが高くて、自動車税も高くて、私もサラリーマン時代に何回も行きましたけれども、例えば日本で300万円する車が、シンガポールで買った場合、1000万円以上するとか、非常に車を持つこと自体のハードルが高い上に、さらにこういう課金システムがあるということで、やられていると。
ほかには、例えばイギリスのロンドンですとか、ブラジルのサンパウロもこのロードプライシングを導入しているわけでありますけれども、そして、本市でも、もう10年以上、もしくは20年ぐらいですかね、このロードプライシングと掲げて、トライをしていると認識しておりますけれども、これ毎回お伺いしますが、ロードプライシングの本市の取組に関して、進捗状況と課題を改めて伺います。
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○服部基己 まちづくり計画部担当部長 ロードプライシングにつきましては、これまでの経緯を踏まえ、国土交通省と協力しながら、実現化に向けた検討を進めているところでございます。ただ、国との協議を進める中で、料金を徴収する根拠となり得る法制度の整理、それから技術面としては、料金収受システムの構築などが大きな課題として上げられているところでございます。
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○13番(児玉文彦議員) なかなか難しいといいますか、これからもハードルはあると思いますけど、松尾市長もロードプライシングは諦めないということで前回もおっしゃってましたけれども、しっかりまた取り組んでいただきたいなと思いますけれども、一方で、本市が観光政策で連携しているイタリアのベネチア都市圏の中にあるベネチア市が今年の4月から7月まで実証実験を行った、観光税としてのいわゆる入場料徴収に関しては、ベネチア市に対して何かヒアリングや情報収集はしたでありましょうか。また、何か参考になる点があったか伺います。
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○永野英樹 市民防災部長 報道等による情報となりますが、イタリア・ベネチア市において、令和6年4月25日から7月14日までの特定日に歴史地区エリアへ入域する日帰り観光客に対して5ユーロ、1ユーロを160円で換算しますと約800円の入場料を徴収する実証実験が実施され、実証期間中の収入は約22万ユーロ、同じく3.5億円であったと発表されております。
現状、本市におきましては、ベネチア市のように特定の交通経路からしか入場できないような仕組みをつくることは困難ですが、日帰り観光客に対し、時期、時間や場所を特定して何らかの受益者負担を求める一つの方法としては興味深い取組であり、今後の同市の動向を注視してまいりたい。
言い間違えました。すみません。実証期間中の収入は約220万ユーロ、日本円で換算しますと約3.5億円ということでございます。申し訳ございませんでした。
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○13番(児玉文彦議員) ベネチア市は地形的にも、ここで言えば江の島のような、そういう島でもありますので、それがそのまま鎌倉市に当てはまると私も思ってませんけれども、何かしら連携している都市でもありますし、そこは何か一つでも参考になるものを、せっかく連携しているのでね、そこはしっかり貪欲に受け取ってほしいなと思っております。
次は宿泊税に関してちょっと伺いますけれども、東京都、大阪府、京都市、福岡市、金沢市など全国12の自治体が既に導入している宿泊税は、現在、札幌市や仙台市、熊本市など30以上の自治体が導入を検討しているなど、全国各地で導入の動きが活発になっております。松尾市長も先般の記者会見で宿泊税導入を検討していることを言及されておりますけれども、既に導入している自治体の現状を調査すべく、私は7月に金沢市、京都市などを視察してまいりました。
そこで、金沢市、京都市のちょっと概要、宿泊税のどれだけの効果があるかというのをちょっと紹介しますけれども、金沢市は人口約44万人、お隣の藤沢市と同じぐらいですね。年間観光客数は約1000万人、宿泊施設数、これ民泊含めたホテルの数ですけれども、約460、客室総数が約1万4700、宿泊税を導入したのが2019年の4月から。この宿泊税の取扱いは法定外目的税、つまり縛りのある、目的を何に使うかというのが縛られている税になりますけれども、税額1人1泊当たり、素泊まりの金額ですけれども、5,000円未満の宿泊施設に関しては、これはゼロ円、これは税がかかりません。5,000円以上2万円未満、これが主なところですけれども、これに関しては200円、2万円以上のところは500円ということで、その宿泊税による年間の税収は約10億円となっております。これは正直すごいなと思いました。
金沢市の場合は、2017年の北陸新幹線開業による効果が大きくて、この5年間で何と宿泊施設が3倍になったそうであります。しかも客室稼働率が90%を超えているということで、これもすごいなと思いました。また、お話を伺っている中で、別の観点ですけれども、能登半島地震への復興支援にこの宿泊税による税収の一部を充てたとも言われておりました。
続いて、京都市でありますけれども、京都市は人口約144万人、年間観光客数約5000万人、宿泊施設数は約3,400、客室総数は約5万8500、宿泊税導入は2018年の10月、宿泊税の取扱いは金沢市と同様に法定外目的税と。税額でありますけれども、京都市の場合はスタートが2万円未満ですね。2万円未満、これは200円、2万円以上5万円未満が500円、5万円以上は1,000円ということで、この宿泊税による税収は、今年度の見込みは約48億円ということで、さすが京都だなと感じておりますけれども、しかも、いろんな意味でさすが京都だなと感じるのは、この設定額もそうですけれども、全てにおいて強気な設定でありまして、しかも金沢市のように小さい事業者には課税はしないというのではなくて、民泊含めて、全ての宿泊施設に宿泊税を課しているというところにあります。しかも、現在の松井市長は、さらにここから税額を上げていくと記者発表されているぐらい、京都市は物すごい強気だなと感じました。
私もこの視察に当たり、一番気になっていたのは、宿泊税でどれだけ税収があるかというところなんですけれども、金沢市が約10億円、京都市が約48億円ということで、想像以上の税収に正直驚きました。宿泊税はこうしたように先行事例も多く、金沢市、京都市においても今や貴重な税収源となっております。であるならば、鎌倉市もぜひと感じたわけでありますけれども、金沢市、京都市の共通点としまして、宿泊施設数、そして客室総数がこの数年で増加をしているという点であります。そこで、鎌倉市の現在の民泊を含む宿泊施設数、客室総数を伺います。
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○永野英樹 市民防災部長 本市の宿泊施設数は、令和6年7月31日現在、旅館業法に係る許可施設として、旅館・ホテルが44施設、簡易宿所が134施設の計178施設であり、客室総数は1,567室であります。また、住宅宿泊事業法に基づく民泊は令和6年7月31日時点で119件となっております。
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○13番(児玉文彦議員) やはり金沢市や京都市と比べて鎌倉市は宿泊施設数及び客室総数が圧倒的に少ないわけでありますけれども、そもそも本市は宿泊目的地ではないわけであります。その観点から、宿泊税を導入するにしても、その導入の前、もしくは同時並行で、国内外有数のホテルなど宿泊施設誘致が必要と感じます。大規模開発が難しい場合でも、1泊10万円以上するような海外富裕層などをターゲットにした中小規模の宿泊施設の誘致は可能であると思いますし、既に市内にはそういうような宿泊施設もあります。
松尾市長の宿泊税導入への前向きな姿勢は賛同しますし、できることから進めるは大事であると思いますけれども、宿泊施設誘致により市内客室総数を増やすことへの取組が私は重要と考えます。また、そのことによる新たな雇用創出も期待できると考えております。本市として、宿泊税導入に期待する効果を含め、今後の戦略を伺います。
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○永野英樹 市民防災部長 宿泊施設が誘致されることで、新たな雇用を含めた地域全体の雇用の創出、宿泊観光客の増加や、これに伴う観光消費の押し上げ、地域の経済配分等に寄与することが期待されることから、鎌倉市企業立地等促進条例において、減税措置を行う誘致対象業種の一つとして宿泊業を位置づけております。制度が活用されるために、県内外への周知として、市ホームページやリーフレットの配架、神奈川県企業立地ガイドへの掲載等により情報発信を継続的に行うことで、宿泊施設の誘致に努めてまいります。
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○13番(児玉文彦議員) やる以上は、しっかり効果があるように、いろんな角度から戦略を練って、取り組んでいただきたいと思いますし、そこは非常に大事だろうなと私は感じておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
宿泊税以外に本市として考えられるのは、私もこれ前から考えてたんですけれども、駐車場からの徴収であります。そこで、私は福岡県太宰府市を訪問し、歴史と文化の環境税を視察してまいりました。太宰府市をちょっと紹介しますと、人口が約7万7000人、年間観光客数は約1000万人、歴史と文化の環境税導入は2003年の5月。この歴史と文化の環境税の取扱いは、宿泊税と異なり、法定外普通税となっておりますので、縛りがないということになりますね。それで、徴収額ですけれども、普通車は100円、大型バスは500円となっておりまして、この税による税収は最大約8700万円。基金もちゃんと設けておりまして、常に基金残高が1億円以上あるという状況にあります。導入後、既に20年以上が経過し、当初は駐車場事業者から反対も多かったようですけれども、今では多くが協力的で、同市の貴重な財源になっているとのことであります。行政、事業者、市民から成る協議会で、使用目的、金額を設定し、その効果などを常に共有して、ガラス張りで運営しているということでありました。
同僚議員からの指摘にもありますとおり、以前に比べ、本市の渋滞はひどくないのかなとも感じておりますけれども、大型観光バスの往来も多い状況を見ますと、ロードプライシングよりも、この太宰府市の歴史と文化の環境税は非常に参考になる上、シンプルで現実味があるなと私は感じました。
ちなみに、年間観光客数、本市が2000万人として、本市に当てはめた場合、年間約2億円近くの税収が見込めるのではないかと私は思います。本市としましても、太宰府市を参考に検討してみてはいかがかと思いますが、この点はどうでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 ただいま御紹介のありました太宰府市の歴史と文化の環境税につきましては、法定外普通税として一時有料駐車場への課税を設定し、徴収し続けていることについては、大変参考になるものであります。しかしながら、導入に当たっては、本市の交通事情、住民、観光客や事業者への影響等を踏まえ、税の公平性の観点から、慎重に検討する必要があると考えており、他市における動向等も踏まえながら、今後研究してまいりたいと考えております。
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○13番(児玉文彦議員) ぜひお願いしたいと思います。研究だけでなく検討して、具体的に、前向きに、1ミリでも進めていただきたいなと私は感じておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
いずれにしましても、冒頭に述べましたように、オーバーツーリズム、インバウンドにより、市民生活に支障が生じている本市も、ほかの先行自治体同様に、こうした観光税など受益者負担の制度を導入することで、持続可能な観光政策の推進や、市民の安心・安全、快適な生活に寄与できる財政運営が可能になると考えますし、これに反対する市民はほとんどいないと私は考えております。
令和7年に改定予定の第4次観光基本計画、今後の鎌倉観光政策のベースとなる非常に重要なものであります。それゆえ、オーバーツーリズム対策、観光税などの受益者負担、海水浴場など観光資源の新たな活用など、幅広く盛り込むべきと考えておりますけれども、本市の考えと現状の取組状況を伺います。
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○永野英樹 市民防災部長 現行の第3期鎌倉市観光基本計画は、平成28年3月に策定され、当時の観光の実情や観光課題を踏まえ、取組目標や推進施策等を10年間の計画として示したものとなっております。第4期鎌倉市観光基本計画の策定に向けましては、令和6年度に現状の調査・分析を行い、令和7年度中の策定を目指しているところです。次期計画では、国内、海外の観光実態調査、観光関連事業者へのヒアリング調査や、観光動態のデータ分析等を実施しながら、既存計画に基づく取組を検証しつつ、オーバーツーリズム対策等の課題に対しても広く取り入れていきたいと考えております。
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○13番(児玉文彦議員) 前回の観光基本計画の作成時と比べて、コロナ禍もあり、また時代も大きく変わっている中でも、どんどん変わっている状況であります。そうしたことも鑑みて、関係者皆様の意見も適切に反映しながら、しっかり取り組んで、よりよいものをつくっていただきたいなと思いますので、お願いいたします。
ただ、観光基本計画はあくまで基本計画であります。であることから、昨年の市民環境常任委員会委員長報告の中でも提言をしておりますけれども、観光政策の専門家を招聘し、意見やアドバイスをいただくことや、これは私のアイデアですけれども、行政、観光協会、専門家、市民、議員による、仮称、仮の名前として、持続可能な鎌倉観光政策協議会のようなものを立ち上げ、京都市の取組を参考に、官民一体となって観光政策を協議する場を設けるべきではないかと思いますけれども、この点はいかがでありましょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 観光政策の専門家の招聘につきましては、これまでも検討を行ってきているところでありますが、採用には至っておりません。観光政策を協議する場につきましては、現在、鎌倉市観光基本計画推進委員会において、第3期観光基本計画の進捗状況の審議や次期観光基本計画の策定などを、学識経験者、市民委員、関係団体などから御意見をいただきながら推進しているところです。提案いただいた専門家の招聘や協議会の実施につきましては、観光基本計画における目標の実現のための力強い方策として引き続き検討していきたいと考えております。
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○13番(児玉文彦議員) これはぜひお願いしたいと思います。よりよい鎌倉観光政策を、鎌倉の観光をつくっていく上でこれは非常に大事だなと私も感じておりますので、ぜひ前向きに検討して、実現をしていただきたいなと思っております。
これまで私は議員になって初めての一般質問のときから一貫して訴えておりますけれども、鎌倉市が今の税収、特に個人市民税でありますけれども、今の税収だけに頼るのではなくて、自らが稼ぐ力をつけるということは、これは単にもうけることが目的ではなくて、市民生活の福祉の向上を図るため、要すれば、市民の皆様が安心・安全で幸せな生活を送れるように、防災・減災対策、子育て政策、高齢者支援策などに寄与できる持続可能な新たな財源をつくり出すということであります。
不交付団体で、かつ経常収支比率が高い水準にある本市にとっては、経常的支出を抑えるのは限界があります。それならば、逆の発想で、経常的収入を増やせばよい。民間企業的に言えば、コスト削減だけではなくて、売上げと利益を増やすことに注力するということになります。つまり、守りだけではなく、攻めの経営であります。これは民間企業では当然のことでありますけれども、コロナ禍を経て、オーバーツーリズムが市民生活に支障を及ぼしている本市にとって、今こそ本気で観光政策を考え、推進するときであると考えます。
繰り返しになりますけれども、先ほど申しました、警察との連携による白タクなどの違法迷惑駐車の取締り強化ですとか、宿泊税を含む観光税など受益者負担制度の導入、ホテルなど宿泊施設の誘致、専門家を交え、官民一体となって鎌倉の観光政策を協議する場の創設など、今こそ鎌倉にとって攻めの観光政策が求められていると私は感じております。
日本においてもともと鎌倉市は歴史的・文化的にも付加価値の高い観光都市であり、もっと強気で観光政策を推進し、鎌倉市の付加価値をさらに高めるべきだし、これはできると私は思います。アメリカの前大統領のトランプ氏がよく言ってますけれども、アメリカファーストとよく言っておりますけれども、本市も鎌倉ファースト、鎌倉市民ファーストのスタンスでもっといってもいいんじゃないかなと私は感じております。最後に松尾市長の考えを伺います。
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○松尾 崇 市長 今回、議員御提案の受益者負担の仕組みづくりですとか、住民生活に対する影響の対応や、観光政策の官民一体となった検討につきましては、今後の本市の観光施策を進める上で非常に重要であると認識します。鎌倉の世界に誇れるかけがえのない有形無形の財産を市民が誇りや郷土愛として持ち続ける町を目指していくということが重要であると同時に考えておりまして、今回の東アジア文化都市の事業を実施してまいります。
加えて、観光振興はもとより、観光によって生じる課題に対しても積極的に取り組み、必要な施策を打ち出すための受益者負担の仕組みを取り入れて、誰もが住んでよかった、訪れてよかったと思える成熟した観光都市の実現に向けて、着実に取組を推進してまいりたいと考えます。
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○13番(児玉文彦議員) ぜひ松尾市長のリーダーシップの下、着実に政策を進めていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
2つ目のテーマに入らせていただきます。子ども会館閉館後の親子の居場所づくりに関して、これは今回、一般質問でも同僚議員が取り上げておりますけれども、重なる部分がありますけれども、2024年3月、深沢子ども会館が閉館となり、かつて市内に15か所あった子ども会館が市内から全てなくなりました。そもそもこの子ども会館を閉館とした背景と理由を伺います。
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○廣川 正 こどもみらい部長 子ども会館を閉館しました背景としましては、平成26年及び平成30年に国から発出されました放課後子ども総合プラン、新・放課後子ども総合プランに基づき実施いたしました放課後かまくらっ子事業の開始が上げられます。これらの国のプランは、次代を担う人材を育成し、加えて、共働き家庭等が直面します小1の壁を打破する観点から、放課後児童クラブと放課後子ども教室の一体的な実施を推進するものです。本市子ども会館につきましては、耐震診断の結果などの理由により閉館しました施設もございますが、ほとんどの施設が放課後かまくらっ子事業を開始することに伴い閉館したところでございます。
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○13番(児玉文彦議員) ということで、今もおっしゃってましたけれども、放課後かまくらっ子に引き継いだということでありますけれども、子ども会館閉館となった今、放課後かまくらっ子が受皿となっているということでありますけれども、その放課後かまくらっ子の目的、役割とその効果を伺います。
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○廣川 正 こどもみらい部長 放課後かまくらっ子は、「出あう、つながる、ふるさとで自ら育つ」という基本理念の下、全ての児童が放課後等の時間を安全・安心に過ごすことができ、多様な体験活動ができることを目的として、小学校区ごとに実施したもので、待機児童の解消という小1の壁の問題解決につながっているところでございます。
なお、未就学児親子の遊び場として、長期休業中を除く平日10時から13時や土曜日は施設を開放しているところでございます。また、中学生になって以降も、サポーター等として、日々の遊びやプログラムなど、放課後かまくらっ子の活動に中高生らが参画しており、多世代の関わりが生まれる場となっているところでございます。
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○13番(児玉文彦議員) 今るる御説明いただきましたけれども、一方で、市内の子育て世代のお母様方々から次のような切実な声が届いております。その声というのは、「子ども会館閉館により、乳幼児から小・中学生まで交流できる貴重な場が失われてしまいました。放課後かまくらっ子は時間や年齢の制限があり、子ども会館の十分な受皿とはなっていません。その結果、行き場のなくなった多くの子供たち、特に小学校に上がる前の未就学児は、家でスマホやテレビを見て過ごすことが多くなり、体力や社交性、想像力が育ちにくくなることを懸念しております。また、それが将来的に不登校につながるのではないかという不安もあります。一方、子育て中の母親も地域のつながりが薄くなり、孤立しがちであります」といった内容であります。こういった声があることを本市は認識しておりますでしょうか。
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○廣川 正 こどもみらい部長 未就学児親子の遊び場としては、長期休業中を除く平日10時から13時や土曜日は施設を開放しているほか、運動や工作のプログラムを実施するなど、親子や母親同士の交流の場を提供しているところです。一部の保護者からは、長期休業中の平日に利用できないこと、また、長期休業中以外の平日午後1時以降の利用ができないこと、そして利用者が少ないことから、子供同士や親同士のつながりが持ちにくいといった声があることを認識しているところでございます。
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○13番(児玉文彦議員) 御答弁あったとおり、そういう状況であることは認識されているということでありますけれども、一方で、まだそれでも困っているという方がいらっしゃるということで、ではどうするかということでありますけれども、今回相談を寄せていただいたお母様方からは、同時に具体的な要望がございました。
その内容というのは、例えば自治・町内会館や行政センターの集会室等を活用するなど、行政主導で親子の居場所をつくってほしい、そのための賃借料やスタッフの人件費なども市の予算として確保していただけないでしょうかといったものであります。と同時に、その居場所を確保することで、次のようなメリットが期待できると言われておりました。学区や年齢に関係なく、地域の親子や祖父母世代との交流の場になり、つながり、支え合うことができます。親を孤立させないことで、子供の孤立も防げる。放課後かまくらっ子以外に遊びに行く選択肢があれば、学童施設への負担も軽くすることができると考えております。また、ファミリーサポートの依頼がしやすくなる。また、十分に話せない子供でも、ほかの人の目があり、安心して活用できるなどなどであります。
また、我が会派の納所議員が今回の一般質問の中でも提案しておりましたけれども、新たに建設された市営住宅の中に多世代交流の場をつくるというのも一つの案かなと感じております。こうした提案も、予算確保云々と、予算の提案もありましたけれども、要望もありました。本市の財政力からすれば十分に対応可能であると私は思いますし、重要政策である子育て世代への支援という、こうした要望に対して、行政として市民に寄り添い、前向きに検討すべきであると思いますけれども、この点はいかがでありましょうか。
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○廣川 正 こどもみらい部長 現状、親子の居場所としましては、先ほど答弁しました放課後かまくらっ子の一部開放、それから子育て支援センター、またかまくら冒険遊び場、子育てサロンなどが上げられます。本市としましても、これら以外の居場所づくりの検討は行っていきたいと考えており、子育て中の親子が居場所に求める特性や条件を的確に捉え、先進事例も参考にしながら取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
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○13番(児玉文彦議員) 要望される皆様の要望を100%に満たすというのは、これは難しいと思いますけれども、そういう現状にある中の声に対して少しでも寄り添って、皆さんの期待に応えられる政策を推進していただきたいなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
最後に、松尾市長に伺います。こどもまんなか社会の実現を鎌倉市の重要政策と掲げるのならば、また、「住みたい・住み続けたいまち鎌倉」をうたうのであれば、こうした実情を踏まえ、実際に困っている子育て中の母親、またその子供たちに寄り添った対応をしてほしいと思いますけれども、この点はいかがでございましょうか。
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○松尾 崇 市長 子どもがのびのびと自分らしく育つまち鎌倉条例を制定しまして、こどもまんなか社会の実現を目指す本市におきましては、居場所づくりにおきましても、目的達成のための一つの手段として必要な施策であると認識をしておりまして、身近な地域でそれぞれのニーズに応じた居場所が確保されるよう、持続可能な居場所づくりの検討を行ってまいります。居場所づくりの検討に当たりましては、子育て中の親子が居場所に求める特性や条件を的確に捉えて、全庁的な課題として共有して取り組んでまいりたいと考えます。
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○13番(児玉文彦議員) この点もぜひお願いしたいと思います。市民に寄り添って、皆さんが喜んでいただけるような支援をしていただきたいと思いますので、この点に関しましても、松尾市長のリーダーシップを期待しておりますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
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○議長(池田 実議員) お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
なお、残余の日程については、明9月6日午前9時30分に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
本日はこれをもって延会いたします。
(17時17分 延会)
令和6年(2024年)9月5日(木曜日)
鎌倉市議会議長 池 田 実
会議録署名議員 出 田 正 道
同 藤 本 あさこ
同 武 野 裕 子
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