令和 6年一般会計予算等審査特別委員会
3月11日
○議事日程  

令和6年度鎌倉市一般会計予算等審査特別委員会会議録
〇日時
令和6年(2024年)3月11日(月) 9時30分開会 18時21分閉会(会議時間4時間15分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席委員
後藤委員長、納所副委員長、高野、日向、井上、くりはら、中村の各委員
〇理事者側出席者
松尾市長、比留間副市長、千田副市長、永野市民防災部長、能條環境部長、林まちづくり計画部長、?橋教育長、小林(昭)教育文化財部長
〇議会事務局出席者
茶木局長、岩原議事調査課長、喜安担当書記
〇本日審査した案件
1 議案第99号令和6年度鎌倉市一般会計予算
2 議案第100号令和6年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計予算
3 議案第101号令和6年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計予算
4 議案第102号令和6年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計予算
5 議案第103号令和6年度鎌倉市介護保険事業特別会計予算
6 議案第104号令和6年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計予算
7 議案第105号令和6年度鎌倉市下水道事業会計予算
8 議案第106号鎌倉市ケアラー支援条例の制定について
9 議案第107号鎌倉スクールコラボファンド活用基金条例の制定について
10 議案第108号鎌倉市事務分掌条例の一部を改正する条例の制定について
11 議案第109号鎌倉市芸術館条例の一部を改正する条例の制定について
12 議案第110号鎌倉市市民活動センター条例の一部を改正する条例の制定について
13 議案第111号鎌倉市川喜多映画記念館条例の一部を改正する条例の制定について
14 議案第114号鎌倉市議会議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例の制定について
15 議案第115号鎌倉市みんなで支え合う新型コロナウイルス感染症対策基金条例を廃止する条例の制定について
16 議案第117号鎌倉市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について
17 議案第118号鎌倉市廃棄物の減量化、資源化及び処理に関する条例の一部を改正する条例の制定について
18 議案第120号鎌倉市腰越漁港管理条例の一部を改正する条例の制定について
19 議案第121号鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定について
20 議案第122号鎌倉市特定教育・保育施設及び特定地域型保育料等に関する条例の一部を改正する条例の制定について
21 議案第123号鎌倉市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について
22 議案第125号鎌倉市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例等の一部を改正する条例の制定について
〇理事者質疑の項目
(1)学校給食費の無償化について
(2)給食費の無償化について
(3)防災体制の強化について
(4)本庁舎等整備事業について
(5)本庁舎等整備事業について
(6)本庁舎等整備事業について
(7)ごみ資源化事業について
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○後藤委員長  皆さんおはようございます。おそろいになりましたので、これより令和6年度鎌倉市一般会計予算等審査特別委員会を開会いたします。
 まず初めに、委員会条例第24条第1項の規定により、本日の会議録署名委員を指名いたします。高野洋一委員にお願いいたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○後藤委員長  ここで冒頭、事務局からの報告がございますが、取材のための写真撮影について報告があります。事務局お願いします。
 
○事務局  本日、鎌倉市広報メディアセンター登録者である神奈川新聞社及びタウンニュース社から、取材のため写真撮影を行いたい旨の申出がありますことを御報告いたします。御確認お願いいたします。
 
○後藤委員長  今の報告を確認してよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認いたしました。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○後藤委員長  それでは、本日は、3月8日に確認いただきました項目について、理事者に対する質疑を行った後、各委員から意見を述べていただき、そのまとめを行ってから、当委員会に付託を受けました議案ごとに採決を行いたいと思います。
 本日は、市長及び教育長にお出ましいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○後藤委員長  それでは、質疑を行います。なお、答弁は座ったままで結構でございます。
 まず、第55款教育費(1)「学校給食費の無償化について」、中村委員の質疑をお願いいたします。
 
○中村委員  学校給食費の無償化につきましては、代表質問でも御質問させていただいて、御答弁をいただいております。御答弁としては、学校給食というのが、いわゆる保護者の負担になっていると、学校給食法で保護者の負担になっているのが原則であると、そういったことで、鎌倉市としても、財源の確保等、少し課題があるということはお伺いしたところでございますけれども、ちょっと今日は踏み込んで、少しお伺いしたいと思います。
 教育長に御質問なんですけれども、そもそも学校給食の意義、この辺をちょっと御説明いただければと思います。
 
○高橋教育長  学校給食の意義について御質問いただきました。学校給食の意義については、学校給食法等に規定されておりますが、適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ることや、日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、望ましい食習慣を養うことなどがあると考えております。
 
○中村委員  とはいえ、学校給食の中には、友人と一緒に楽しく過ごす時間であるとか、そういった教育面での効果というのも図れると思っておりますけれども、一時、感染症の拡大で、黙食とか、そういった給食の中でもかなり制限を受けた期間があったわけでございますけれども、コロナ禍の中の給食の中で、何か失われたものがあるんではないかなと思っているんですけれども、その辺はどうお考えなのか、御答弁いただければと思います。
 
○高橋教育長  委員御指摘のとおり、学校給食では、明るい社交性及び協同精神を養うことということも目的の一つになっております。その中で、新型コロナウイルスの感染症の拡大防止という観点から、給食時に飛沫を飛ばさないよう、例えば、机を向かい合わせにしないですとか、大声での会話を控えると、そういったいわゆる黙食という措置を講じてまいりました。これは必要な措置だったと考えておりますが、他方で、子供たちが楽しみにしておりました給食時の語らいというのが、そういった時間が少なくなったということも否めないかなと考えております。
 新型コロナウイルスの5類感染症への移行ということに伴いまして、黙食は必要ないとするというような運用に切り替えておりまして、給食時のコミュニケーションも戻ってまいりました。そういったところで、子供たちの社交性や協同の精神、こういったところもまた培っていきたいなと考えております。
 
○中村委員  やっと戻ってきて、少しいい方向にどんどん動いていけばいいかなとは思っております。
 これは委員会の中での質疑で明らかになったわけなんですけれども、いわゆる就学援助を受けている、給食費の免除を受けている方の比率が、小学生で973人、12.8%ぐらいかな。それから、中学生で541人、15.5%。今、子供の貧困とかもいろいろ叫ばれている中ではございます。鎌倉市も本当に例外ではないのかなと思っておりますけれども、この辺の数字についてどう捉えているか、御答弁いただければと思います。
 
○高橋教育長  御指摘のとおり、令和4年度の就学援助を受給している児童・生徒の人数と割合は委員御指摘のところでございまして、割合にしますと小学校で12.8%、中学校で15.5%になっております。一方で、全国の数字で申し上げますと、小学校で12.2%、それから中学校で14.5%となっております。こういったところから、全国平均と比較しても、経済的な支援を必要とする児童・生徒の割合に、大きい差があるということではないと考えております。
 
○中村委員  資料にも出してもらったんですけれども、県内の各自治体の無償化の取組についてということで、比較的人口数の少ないところが先行して取り組まれているんですけれども、来年度から厚木市、鎌倉市より少し多い、同程度といえば同規模なのかもしれませんけれども、その中でも取組を進めているということで、地域によって無償化の地域が出てきているということについて、これについて何か所感があればお答えいただければと思います。
 
○高橋教育長  こちらも委員御指摘のところでございまして、神奈川県においては4町村において給食費の実質無償化ということを実施しておりまして、令和6年度から2市で実施する予定と私どもも承知しております。
 給食費の無償化につきましては、保護者負担の軽減や給食費徴収の事務の効率化というところが期待できるものの、財源確保などの課題がありまして、鎌倉市としては、今後とも国の動向を視野に入れながら研究していく段階だと考えております。
 
○中村委員  今、少し無償化のメリットもお話しいただいたんですけれども、財政面以外のデメリット、あるいは無償化のメリットがあれば、ちょっとお答えいただければと思います。
 
○高橋教育長  現状においても、経済的に厳しい御家庭に対しましては、就学援助制度の中で学校給食費についての援助を行っておりまして、実質的に無償となっております。また、令和6年度からは食材費高騰に伴う給食費改定分を公費負担とするため、保護者にとって必要な負担軽減策というのを私どもとしても行っているところでございます。
 委員御指摘の給食費を完全無償化した場合のメリットということでありますと、中・高所得世帯も含め、保護者の家計負担が軽減されるということ、また、子供たちの学びの機会や成長に、その分の必要な費用に割り当てられる可能性が生じるということがあると考えております。
 また、現在、教育委員会職員が担っております給食費の徴収事務、これが不要となるというメリットがございます。
 一方で、給食費無償化の財政面以外の課題ということでございますが、給食の充実ですとか、あるいは学校教育の質の向上そのものということに直接的につながるものではございませんで、家計負担を公財政に置き換えるのみであるということなどが考えられるかなと考えております。
 
○中村委員  財政的なお話になると、これは、もう市長に聞かなければいけないと思いますけれども、令和6年度にすぐ載せろということを言っているわけではないんですけれども、国の動向を見守るというお話で、国のほうでも、各政党も、給食費の無償化については取り組まれているところだと思います。
 ただ、とはいえ、県内の中でも先行事例があって、そうしたところのことを考えると、国の動向をただ見守っているのではなくて、少し前向きに、令和6年度、取り組んだほうが、財政的な面でも、ちょっと考えたほうがいいのかなと思っておりますけれども、松尾市長のお考えをちょっとお聞かせいただければと思います。
 
○松尾市長  給食費の無償化につきましては、保護者負担の軽減や事務の効率化などのメリットがあるという、今、教育長からのお話がございましたけれども、一方で、教育長が答弁したとおり、課題もあるとも捉えているところです。
 令和6年度から、食材費の高騰に伴う給食費の改定分を公費負担というお話もございましたけれども、特に力を入れている地産地消ですとか、オーガニック給食の推進というところにも、やはり今まで以上に費用をかけていかないと実現できないとも思っておりまして、この辺りは、より積極的に進めてまいりたいと考えています。全体の給食費の無償化というところにつきましては、現在、政府が実施している調査結果などを踏まえつつ、検討していく必要があるとも思っています。
 まずは教育委員会におきまして、政策的によく研究をしていただきたいと思っておりますし、進めていくというところにつきましては、市としても、財政的な面というところでございますから、この辺りはしっかりと教育委員会とも連携をしていきたいと思っています。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○後藤委員長  それでは次に移ります。次に、第55款教育費(2)「給食費の無償化について」、くりはら委員の質疑をお願いいたします。
 
○くりはら委員  本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 給食費の無償化については、私も一般質問、そして代表質問で質問させていただいた内容でございます。子育てしやすい町ナンバーワンを、ぜひとも鎌倉市、目指していただきたいというお話、随分させていただいているんですけれども、まず、子供の貧困について、教育委員会としてどのように捉えていらっしゃるか、お伺いいたします。
 
○高橋教育長  子供の貧困についてのおただしをいただきました。子供たちが生まれ育った家庭の事情などにより、健やかな成長や教育に十分な環境を得ることができていないという事情がございまして、これを子供の貧困として、学校のみならず社会全体の課題となっていると受け止めております。
 教育委員会としましては、経済的な理由によって、子供たちの教育機会に格差が生じるということがないように、政策に取り組んでいきたいと考えております。
 
○くりはら委員  本当に、教育格差につながっていっている、今、真っただ中にあるのではないかと思うんですね。
 といいますのも、全国的に見ても、7人に1人の子供が、今、貧困を抱えていると言われております。絶対的貧困とか、あとは相対的貧困とか、考え方はいろいろあるかと思いますし、どこに線引きをして、本当に貧困に陥っていると判断するのかというのは、なかなか難しいところである中で、それでも、今現在、貧困世帯への支援策ということに関して、教育委員会として何か取り組んでいらっしゃることがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
 
○高橋教育長  貧困世帯の支援策についてですが、鎌倉市では、家庭の経済状況にかかわらず教育機会を確保するよう、就学援助を実施しておりまして、他地域と比較しても、より多くの世帯を支援できるような認定基準としております。また、令和5年度分の申請から電子申請を導入するなど、利便性の向上に努め、申請のハードルを下げる取組も進めております。
 さらに、こうした小・中学生の支援策に加えまして、高校生向けの就学援助金制度を実施しておりまして、鎌倉市の高校生に対する教育機会の確保というところも推進しているところでございます。
 
○くりはら委員  日本の子供だけではなく、鎌倉市の子供の貧困率ってどうやって調べたらいいのかなというところで、やはり就学援助の援助率というところが指標としていいのではないかというところで、先ほど数値についてもおっしゃってくださっていますけれども、神奈川県、そして日本の平均値と比べて、そう大差がないというところの数値は押さえてはいるんですけれども、ただしかし、その基準というものが、本当に実際、今、物価高も始まっている。世界情勢の悪化というところも、非常に実はこういう地域地域に影響を与え始めているのではないかと、それを体感しているところかと思います。
 こういった世界情勢、そして日本の食料事情というのも、今、輸入品に頼って、本当にその輸入品がまた関税をかけられたりというようなことが生じ得る、そんな世界情勢も見えてきていて、ますます貧困率というのが上がるのではないかという懸念もある中で、保護者の方の経済状況によっては、貧困の連鎖ということも非常に日本の国としては問題視されている中で、それをいかにストップしていくのか。こういったところというのは、非常に重要な課題であるのかなと私自身は思っております。
 そういったときに、保護者の経済状況にかかわらず、全ての児童・生徒に対して行える鎌倉市の教育サービスというのが非常に重要だと思いますし、今現在、そういったサービスサービスがあるのかどうか、まずお伺いしてみます。
 
○高橋教育長  私どもとしても、貧困の連鎖を断ち切るという意味では、学校教育が果たす役割はすごく大きいと思っております。したがいまして、就学援助の施策に加えまして、委員、今おただしの、全ての子供たちに対するサポートというところで言いますと、例えば鎌倉市ではGIGAスクール構想を踏まえて、子供1人1台端末を整備しているんですけれども、これは国の基準よりも充実したセルラーモデルということで、学校の外でもつながるような通信環境になっております。
 したがいまして、場所にかかわらずネットワークにつながるというような仕組みになっておりまして、Wi−Fi環境のない御家庭においても、授業動画やAIドリルなどを活用できて、経済的な環境にかかわらず、デジタルも使いながら豊かな学びの機会の創出ということにつながっているものと考えております。
 
○くりはら委員  そういった教材とか、お勉強できる環境づくりというのは非常に重要で、私自身も本当に、学びたいことを学びたいだけ学べる子供たちが増えてくれば、それこそ日本の力になるとも思っています。だから、そういった教材を本当に余すところなく提供するということ、これは人的提供もそうですし、それから、そういう教材提供もそうだとは思っております。
 ただ、ひもじくてはお勉強もできませんし、御家庭の環境によっては、本当に朝食も食べずに飛び出てくる子供もいらっしゃる。そういった中で、やっぱり幼児期、そして児童・生徒の時期、成長期です。そういった成長期のお子さんが、食べ物をしっかり食べて、それもバランスのよい食事を取って、その食事で体ができているわけですので、それが最終最後、自分が死に至るまで、その成長した体をもって生活するし、それこそ老後、病気してはなりません。だから健康長寿を延ばすには、やはり幼少期のそういった栄養管理というのが非常に重要になってくるかと思います。
 そういった観点からも、本当に栄養管理というものをちゃんとされた、温かい食事とか、冷たい食事でも、きちんといろいろ味のバリエーションもあって、お友達と同じ釜の飯を食べて、コミュニケーションを取って、おいしかったねとか、思い出も共有して、そういうような学校生活が後々、体づくりも含め、そして子供たちの精神衛生も成長過程で、とってもいいものになると私自身は期待しているところなんです。
 そういったときに、給食費の無償化というのは、子育て世代にとっても魅力的ですし、お子さんの成長、体づくり、思い出づくりにも寄与するかと思います。そういった魅力的な政策として、給食費無償化というのはあるのではないかと思うんですが、いかがでしょう。
 
○高橋教育長  委員御指摘のとおり、学校給食の持てる意義は非常に大きいものがありまして、適切な栄養の摂取による健康の保持増進など、様々なものがございます。
 その上で、今回御指摘の給食費の無償化についてですが、保護者の家計負担の軽減や徴収事務の軽減などの効果が期待できる政策であるということは考えておりますが、財源の確保などの課題がある上、給食そのものの充実や学校教育の質向上そのものに直接的につながる施策ではないということもまた考慮しなければならないと考えております。
 いずれにいたしましても、限られた財源の中で、子育て世代にとって魅力的な政策というのをしっかり推進していきたいと考えております。
 
○くりはら委員  意義は感じてくださっているのであろうと思います。
 あとは財源の問題とおっしゃるんですけれども、そういった意味で言うと、財源、予算措置というところは、市長の権限も非常に大きいところかと思います。給食費の無償化に関して、市長、予算措置を考えていただきたいんですけれども、お考えをお伺いしたいと思います。
 
○松尾市長  給食費の無償化についてですけれども、保護者負担の軽減や事務の効率化というメリットがあるという一方で、教育長が答弁したとおり、課題もあると思っております。
 これまで鎌倉市としますと、地産地消の推進、それからオーガニック給食の充実というところを進めてまいりたいということで、様々な予算措置ということもしてきているという中において、さらにこれを広げていくという中には、新たな予算措置も必要になるという状況だと思っております。
 いずれにしましても、教育委員会において、まずは、この学校給食の無償化に関しては、政策的によく研究をしていただきたいと考えているところです。
 
○くりはら委員  行政としては、今、全体の予算の中で、扶助費がどんどん上がっているというところにもお気づきかと思います。扶助費の中には医療費なども入ってくるわけですけれども、健康長寿というところにやはり重きを置いた政策を打っていくということは、単純に子供たちの勉強の環境を整えるとかいうことだけ、目に見えてくるところだけでなく、年を取ってからの健康というところにもつながるというところ、これはどんどん扶助費が上がっていく中で、じゃあどうやって国民健康保険を、もしくは介護保険を破綻させないようにするのかというところの政策という意味でも、やはり健康長寿を目指すということが、非常に財政的にもそうですし、それから市民一人一人の老後にも関わってくることというところで、ぜひとも前向きに考えていただきたいなと思うところです。
 私自身は、この給食費無償化というのは、小・中学校だけでなく、それも、小・中学校というと、鎌倉市の場合は、公立の小・中学校のことをよくおっしゃいますし、だけれども、鎌倉に住んでいる子供たちというのは、公立だけではなく、国立に行っているお子さん、それから私立に行っているお子さんもいます。こういった方々との公平性という意味でも、私としてはしっかり考えていったほうがいいなと思っているところです。なおかつ、小・中学校だけでなく、本当に幼児期、保育所での無償化も考えていただきたいと思っております。
 こういった給食費無償化の実施に当たっては、公平性も考えて、国公立、私立、そういった児童・生徒、そして、幼少期、幼児期の保育所、そういったところのお子さんたちも対象に加えてほしいと考えております。いかがでしょうか。
 
○松尾市長  私立や国公立の小・中学校の児童・生徒の給食費の無償化というところにつきましては、先ほど、一つ、メリットというところでは、事務の効率化というところがありましたけれども、そことは少し相反する部分は出てくるのかなと。現物給付ではなくて現金給付となるので、施策の具体的な仕組みについて、これはもっと詰めた検討が必要になってくるというところになるかなとも思いますので、そういう意味では、ちょっと新たな公立の給食無償化の実施にさらにプラスした議論も必要となってくるところはあると思っています。
 いずれにしましても、給食費の無償化につきましては、教育委員会において、国の動向も踏まえつつ、政策的によく研究を重ねていただいて、市としてもそうした議論にも加わりながら、検討してまいりたいと思います。
 
○くりはら委員  他の自治体はもう動き出しています。言ってみたら、私も子育てしやすい町ナンバーワンを目指してくださいと。どうしてその目標を掲げるかというと、これはある意味、自治体間競争が起こっていると、そういうところも感じ取っております。ですので、やるなら早いほうがいいというところなんです。
 ですので、こういう政策というのは、教育委員会のお考え、それから市長のお考え、行政としてのお考え、そういったものをより前向きに取り組んでいただくというところで、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○後藤委員長  以上で教育費の質疑を終了といたします。
 教育長退室のため、暫時休憩いたします。
               (9時56分休憩   9時57分再開)
 
○後藤委員長  再開いたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○後藤委員長  次に、第10款総務費(1)「防災体制の強化について」、高野委員の質疑をお願いいたします。
 
○高野委員  言うまでもありませんけれども、元旦に発生しました能登半島の、私は大地震という捉え方をしているんですけれども、2か月が経過してもなお、やはり、特に被害が深刻だった自治体においては、ライフラインがいまだに、2か月たっても十分な復旧がされないという、極めて深刻な状況であるということでありますけれども、そうした中で、質疑においても、課題はたくさんあります。どのような課題に取り組むというか、解決に向けて、改善に向けて取り組むにしても、やはり鎌倉市の地域、鎌倉市の場合は5地域あって、私は沿岸地域に住んでおりますけれども、沿岸地域である鎌倉地域、腰越、それから、どちらかというと山のほうに近い玉縄とか大船とか、そして、柏尾川という大きな川が流れている深沢地域といった、ちょっとこんなざっくりとした言い方がいいかどうか分かりませんけれども、それぞれ特徴がありますので、やはり防災に取り組む上では、やっぱり各地域の力、地域住民の皆さんが一番その地域を分かっているわけですから、その力を生かしてどのように改善するか。それは自助、共助、公助の3類型がいいかどうかという議論はあるにしても、やはり自助任せだけにはしないで、やはり行政として、それぞれの地域の力、自治会の活動状況とか課題もあると思うんですね。実情もあると思うんですが、そういったことに寄り添った形で、行政として日常的に連携した体制の構築が、やはり必要ではないかと改めて感じているところでありますけれども、その辺りは市長としても共通認識に立てるでしょうか、お伺いいたします。
 
○松尾市長  災害時の連携につきましては、特に約5年前になりますか、台風での停電が長期化した際に、地域の自治・町内会長は、地元から「どうなっているんだ」というような話をたくさん受けるけれども、なかなかその見通しについて説明をするのは難しかったなどということもございました。そして、停電のみならず、その後の、地域での災害の復旧について、「いつ、どうなるんだ」というようなところもなかなか情報が入らないということを契機にする中で、市役所のほうから、災害時に職員が会長に今の鎌倉市の現状を連絡、お伝えをすると。そして、何か地域から課題があればそれを受け取るというような体制をつくっていく必要があるということで、試行的にスタートしたというところがございました。
 これ、試行的と申し上げていますのは、これだけでやはり十分だとも思っていない部分があるんですけれども、実際やっていく中で、様々やっぱり課題が出てくるというところがございます。そういう意味で、より平時も含めた形の地域との連携体制というところをしっかりと確立していくということが大変重要であるということを、日々、これも取り組みながら感じている部分ではございます。
 
○高野委員  今は、災害発生時というんでしょうか、それが見込まれる場合における体制についてのお話が中心でありましたけれども、日常のところからが大事だと思いますので、そこはちょっと今、区別して、ちょっとまたお伺いしたいと思います。
 今、お答えが、発生時というところでありましたので、代表質問でも、本格的な職員地域担当制を目指してほしいという質問をさせていただきました。それに対する答弁として、あれっと思ったんですけれども、この災害時においても、支所を中心とした職員地域担当制の運用をしているという旨のお答えが市長からありました。
 そこで原局質疑において、そこの点を確認といいますか、質疑させていただくとともに、審査資料3という形で、本特別委員会において資料の請求をさせていただいて、既に配信されていると思いますが、このA4横1枚の資料をいただきました。
 まず伺いますけれども、これは令和5年8月の政策会議ですか、そこで決定されたということでありますけれども、この資料にある「災害時の地域からの情報集約体制」というのが、今ちょっとお答えにもありましたけれども、いわゆる暫定版で運用されてきた職員地域担当制の運用の改善であるという認識で間違いないでしょうか。
 
○松尾市長  そういう認識で間違いありません。
 
○高野委員  この職員地域担当制については、そもそもが、私も当時、総務常任委員会に属しておりまして、高知県の黒潮町に視察で伺いまして、もちろん地域の都市構造や人口も全く違います。あと、職員の割合も鎌倉市とは逆で、合併した元の地域も含めて、そこにお住まいの方が、職員ですね、ほとんどだという状況ですから、ちょっと前提が違うので、機械的には言えないんですが、しかし、もう何年になりますか。大分、もう7、8年たちますか。やはり地域と連携した日頃からの取組、避難をするのに避難計画をつくるにしても、それから、備蓄倉庫とかそういうのを造るにしても、やはりさっきも言ったように、地域任せではなくて、やっぱり行政と一緒に協働するという言い方がいいかどうか分かりませんが、そういうまさに先進的な取組で、そこは議会でも大分議論がありました。私も申し上げたし、ほかの同僚議員からも、会派からもありましたけれども、そういう中でさっきのお話、災害の発生時というところの情報の連携体制というところから、まずは出発しようということだったわけですね。
 これ、暫定版をスタートするときは、大分周知が議会にもありましたけれども、これは多分聞かなかったら出てこなかったんではないかと思っているんですけれども、この体制というのは、この「災害時の地域からの情報集約体制」というのは、いつからこのように改めて運用しているんですか。そもそも運用を始めているんですか。
 
○松尾市長  令和5年8月にこの見直しを行いまして、これは災害が発生したときに、この運用をするという形になります。
 
○高野委員  どうしてこれは、そういう周知をきちんとしなかったんですか、今日まで。何か知らない間に変わっているという、変わったことの是非ということの議論はちょっとこれからしますけれども。お知らせはする予定だったんですか、これ。でも、大事なことですよね。自治会の今の役員が知っていればいいという話ではないですよね。
 一般市民からの、災害発生時、災害が発生すると見込まれる時期の地域情報というのは、これは、コールセンターに全て集約するんでしょう。ここに書いてありますよね。自治・町内会もコールセンター、一般市民もコールセンター。その上で各支所との連携、鎌倉地域については本庁の地域のつながり担当であると。これは今までとは明確に変わったわけで、この周知というのはどう考えていたんですか。もう、大分たっていますよね、半年ぐらい。
 
○松尾市長  市民の皆さん、もしくは議会への報告というところは、今現在まで、議会のほうでの報告というところがなされていないというところでございましたら、これはしっかりと周知すべきというところでございますので、その点、しっかりと周知をすべく取り組んでまいりたいと思います。
 
○高野委員  私、広報のところでも、少し工夫はされているという認識の下に、もうちょっと一面については改善が必要ではないかというようなお話をさせていただいたんですけれども、これから夏場に向けて台風というお話もありましたけれども、こういうことこそ、まさにきちんとお知らせをしなければいけないと同時に、こういう検討そのものもやっぱり、検討過程というのかな、何か知らない間に、ちょっと言い方が悪いけれども、しれっと変えたという感じを受けるわけですね。
 やはり、そうではなくて、先ほどの、特に二階堂地域の地域が孤立したという問題、あと倒木があって、自衛隊まで最後は出動されましたけれども、市長も、ここで言うのはあれですけれども、夜に私、メールして、広報車をすぐ出してくれましたよね。そういうようなことだとか、やはり大事な点だと思うんですよね。災害時の情報の伝達、お互いの発信と、それから集約ね。
 ですから、ぜひそこら辺は、本当は検討過程から議論ができたらなという思いでいますけれども、それは過去形になりますから、今後の教訓にしていただきたいということで、中身についてでありますけれども、どうして各支所と、この連携ですね、これを重視したということで、これは防災部局に聞いたところ、従来からその規定はあるんだという話でありました。それをより生かす形を取ったということであります。そうすると、各支所と本庁と、本庁はもちろんですが、鎌倉地域以外の4地域において、やっぱり各支所における地域との連携というのが、より、やっぱり災害時の情報発信、集約という点においても重要であるという、支所の役割の重要性を改めて再認識して、このような形にされたという理解でよろしいでしょうか。
 
○松尾市長  御指摘のとおりの受け止めでございますけれども、災害時に、当初、市のほうでは、それぞれ部局ごとに地域を割り振って連絡をするという、こういう連絡体制を取ったということもございますけれども、これは自治町内会総連合会の役員からもお話をいただいた点もございましたけれども、やはり日頃から地域に精通している、また、自治会役員とも精通している、こういう職員と連携を取るということが望ましいという御提言をいただきまして、我々もそうしたほうがいいだろうと考えたところでございます。
 既に、御指摘のように、平常時から支所が地域の多様なステークホルダーとの関係性を構築しておりまして、地域の情報収集や状況把握に努めているところでございますので、災害時におきましても、こうした支所を中心とした地域担当制の実効性ということが担保できると考えましたことから、制度の見直しを行ったということになります。
 
○高野委員  そうすると、このことは今日の理事者質疑の中心項目に上げておりませんので、また別の機会だと思いますが、公共施設再編計画との関係における支所の位置づけというところにも関係してきますから、それはちょっと質疑はしませんよ。主題とちょっとそれますので。でも、そこにつながる話ですから、そこはぜひ、令和8年度に公共施設再編計画を見直すと言っていますから、私たちは何度も申し上げているように、支所の役割の重要性ということはかねがね申し上げてきて、そこの最たるものだと思うんですよね。職員体制のことは、この後伺いますけれども、本来は、いろいろな業務をやりながら、災害時になったら、こうした情報集約連絡体制に従事するというだけではなくて、先ほどから申し上げているように、平時からの体制が求められると考えますので、そのことは、ちょっとこの後伺いますけれども、でも、支所との連携を重視するということ自体は、それは前向きだと思うんですよ。
 確かに、地域の、私が住んでいる材木座でも11自治会ありますけれども、日頃何にもコミュニケーションがないのに、台風が近づいてきて大変ですよというときに急に連絡が来ると、例えば環境部の誰々ですって、それだと全く日頃から関係性がないのに急に言われても、しかも夜とかに来たら、あり得ますよね。何のこっちゃと、ちょっと言い方があれですけれども、そういうことも多分あると思うんですね。だから、日頃からのという形を考えて、地域との連携がより図られる部署で対応するというのは合理的だし、その点については一歩前進だと思います。
 同時に、これは支所に集まった、そうした情報であっても、コールセンターに寄せるとなっていますよね。そうすると、コールセンターの役割、ある程度地域のこととかに精通していないと、ただ聞いて届けますというだけなのか、そういう要望が、例えば市民の方や地域の方、自治会の方から寄せられたときに、こんなことで今困っているんだけれども、どうだろうかと言ったときに、いや、私はコールセンターの役割に従事しているだけで、伝えるだけなんですということでは、それはその方の職務としてはそうなのかもしれないけれども、不安に感じて連絡するわけでしょう、こういう災害発生時なんだから。その辺の、そうするとコールセンターというのは、本当の意味できちんと機能するのかなと。ある意味、ここは市の職員のほうが、ある意味融通が利く面もある。この辺りはどう考えますか。
 具体的な運用はまだされていないと思うんですけれども、大きな災害に見舞われていないので。その辺、コールセンターのそういった体制、鎌倉市に、しかもあるんですか、このコールセンター。その辺りの課題はあると思うんですけれども、どう考えますでしょうか。
 
○松尾市長  そこにありますコールセンターは、災害時に講堂の2階に設置されるコールセンターのことを示しております。
 それで、支所の担当がコールセンターに伝えるというのは、ただ機械的に伝えるということではなくて、やはりしっかりと日頃の今、御指摘いただいたような関係性の中から、こうした事象ということをしっかりと職員が捉えて、それをコールセンターの方に伝えていくと。
 コールセンターのほうは、しっかりと市全体から集まってくる情報をここで集約をしていきますので、それを優先順位をつけながら、どの地域、どの案件から優先的に取り組んでいくかというところを整理して、各部署へ伝えていくという役割を担っているところです。
 ですので、一旦コールセンターに集約をするというのは、そういう意味でありますけれども、なので決して、何か機械的にそこで伝えて終わりということではなくて、この支所でしっかりと地域と連携して、受け取った案件については、それは最後まで、その事象が解決するまで寄り添っていくという考え方で進めていけるものだと思っています。
 
○高野委員  そうすると、このコールセンター業務自体は、委託ではない。直営でやる。なるほど、すみません。だから、報告があればそういうことも事前に議論できたんですけれども、今日その機会になっているということで理解しますが、直営でやるということなんですね。じゃあ、全然前提が変わります。なるほど、今の説明が分かります。
 直営で、職員の方にちょっと御苦労を願うわけだけれども、やるということですね。なるほど、分かりました。であれば、一定の意味が、コールセンターというと、どこかに委託して、何か一般的にそう思うではないですか。でも、それは分かりました。直営でやるというのであれば、なるほど、この仕組み自体はそういうことで、今までよりも、よりよくしていくという点では一定の理解もしたところでありますけれども、これは今、災害発生時のということで分かりました。
 これは、地域担当制という言い方が消えましたよね。今の資料のお題目を見ると分かるとおり、地域からの情報集約体制ですよね。ということは、純粋な職員地域担当制ではないと。そこから、少し変わったと。いい、悪いは別にして、そういう理解でよろしいですか。
 
○松尾市長  各支所の担当職員ということになりますので、支所のある地域を支所の職員が担当しているという形になります。担当制という意味では、そういう言葉で割り振るという考え方からは改めているというところです。
 
○高野委員  そこで、ちょっと黒潮町のことも先ほど若干触れましたけれどもね。黒潮町では、超密着型地域担当制なんですね。集落ごとというのかな、ちょっとそういう本当に細かく、あそこのおばあちゃんがどうだとか、そういう話から、それは、でも自治体の規模が違うので、そこは当然、自治会を挟まないと無理だと思います。
 ただ、よく議会でも議論になりますけれども、災害時要配慮者、要援護者の名簿は、これは国が下ろしましたよね、自治体を通して。でも、結局、そうは言ってもというのが大半ですよ。実際に要配慮者1人当たり2人のたしか支援者というんでしょうか、つけてやるって、なかなか言うは易く行うは難しですよ、これ。鎌倉市はそれが実態だという中で、やっぱりそれでも極力、地域の取組を前に具体的に進めていく上で、やはり冒頭申し上げた共助というんでしょうか、そういう意味では。やっぱりもっと市の職員が地域に入って、住んでいる、住んでいないという問題も本当はその背景にはあるんだけれども、それを議論すると憲法の議論まで行くので、ちょっとそこは横に置きますけれどもね。本当はもっと職員の方が、鎌倉市に住んでいる方が多いほうが望ましいとは思いますよ。ただ、それは義務化はできない議論なので、どうしても。誘導は図れるけれどもね、手当とか充実することによって。そこの課題はちょっと今日は横に少し置かせていただくとして、しかし、やっぱり委託が増えていますよね。委託にしたり、指定管理者にするとか、現場で職員が入らなくなっている傾向が強くなっているけれども、やっぱり防災の問題は地域を見なければ、地域の人と一緒に議論しなければ、話合いしなければ進まないという意味で、私はこの、先ほど議論した情報集約体制はそれはそれとして認識しますが、その上で、真のというんでしょうか、地域担当制に向けた取組を改めて求めていきたいということであります。
 先般、神奈川新聞の調査による報道がされました。3月8日の国際女性デーと、今日、11日の東日本大震災から13年に合わせ、神奈川新聞社において1月から2月にかけ、神奈川県内33市町村にアンケートを実施したということで、鎌倉市の結果も載っています。これは防災・危機管理部署の職員数と、その中に占める常勤の女性職員の割合ということでありまして、鎌倉市は常勤女性職員の防災部局の中での割合は28.6%ということで、これは先進的であるということでありました。
 ちょっと、まずそこのことについてだけ1問伺いますけれども、そのアンケートの中にあった、災害対応する職員のための子育て支援の仕組みについては、県内33市町村の中で海老名市が唯一整備しているということでありまして、共働きや預かり先が確保できない職員の希望を聴取して、今のコールセンターに従事する方などもそうなんでしょうね、まさに、鎌倉市で言えば。それで、結果的には子育て支援センターで一時預かるということを海老名市はやっていると。この辺りは、ぜひ鎌倉市においても、今、防災・危機管理部署の常勤職員が鎌倉市は7名いると、その中の2名が女性であるということでありますけれども、だから県内では悪くない数字なんですが、しかし、その辺の子育て支援の仕組みについては、ちょっとぜひ今後、御検討いただきたいと思いますけれども。
 
○松尾市長  御指摘のとおり、この防災対策、それから災害対応ということを含めまして、女性職員、女性の視点というところについては大変重要だと考えておりまして、その充実がより一層必要だという視点で取り組んできているところです。まだそういう意味では道半ばというところもございます。
 今後、今、御提案いただきました子育て支援という視点も含めまして、しっかりと体制も含めて取り組んでまいりたいと思います。
 
○高野委員  女性も含めて、女性の視点というのは、やはり今議会でも、避難所の運営に関することであるとかで、やはり女性でなければ気づかない、気づきづらいというようなことの指摘といいますか、そういう質疑もあったと思います。
 女性も含めて、やはり私は職員地域担当制の、真のというのかな、その確立をしていくという意味において、やはり体制の充実が求められていると、この神奈川新聞社の調査では全県の職員数が出ていて非常に参考になったんですが、それぞれ実情はあると思うんですね。だから、ちょっと単純な比較はできないかもしれませんけれども、人口が例えば類似している市で見ますと、秦野市が人口16万1000人で職員数が8人、それから小田原市は人口が18万6000人で職員が12人と、それから今取り上げました子育て支援の仕組みを唯一整備しているという海老名市は10名ということであります。
 ですから、機構の位置づけとも関係があるんですけれども、鎌倉市の現状のこの職員体制というのは、必ずしも多いとは言えないのではないか。そうはいっても、じゃあ何十人というわけにはいかないでしょうから、少なくとも冒頭から申し上げているように、5地域、支所に配置するということも含めて、支所が連携をしているということですから、やっぱり5地域に1人ずつぐらいは、そうした日頃から地域と、防災のことですよ、ほかのことをやりながらじゃなくて。防災のことに取り組みながら、いろいろな地域に入っていって、一緒になってやっぱり取り組んでいく。それをもちろん本庁の施策にもつなげていく。そういう、黒潮町に比べればかなり規模は小さいですけれども、そうした5地域と連携するような日頃からの防災体制を担う職員、簡単に言えば5人ということになりますけれども、それはプラス5にするかどうかは別問題としてですよ。そういう体制に向けた検討をぜひすべきではないのか。それは、多分多くの市民が求めていることだとも思います。
 細かいことは言いませんけれども、防災の今の鎌倉市の予算、それから体制というのは、私がある市民から聞いた限りでは、もっと充実していいのではないのと、ちょっと役割の割には小さいのではないのと。手が回らないという職員の声までは、具体的には紹介しませんよ、私、この場では。若干そういう話も聞いていますよ。その辺り、今すぐ明確な答えを出されなくてもいいですけれども、職員地域担当制というのはそういうことなんですよね。その辺りに向けた県内の今、状況から見ても、鎌倉市はもっと充実していいのではないか、人的体制も、行政としても。ぜひ御検討いただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
 
○松尾市長  御指摘いただきました地域担当制というところでございますけれども、やはり実際の今回の能登半島地震の災害というようなところも見させていただく中においては、やはりこの防災という視点というところの非常に幅広さといいますか、具体的には福祉的な要素というところについては、大変広くそのニーズを拾い上げておく必要がありますし、平時からそうしたところをしっかりと連携が取れている必要があるというところ、これは私が申し上げるべきことではないかもしれませんけれども、そこが十分でないというところも、我々はしっかりと反省しなければいけないと思っています。
 そういう意味では、その点の充実というところをしていく中においては、より一層地域との連携、特に昨今では話題になっています個別支援計画みたいなところも、今後これをつくっていくのは、やっぱり行政だけではなかなか難しい面がありまして、ケアマネジャーですとか医療介護職、そういった全ての関係者、地域を担っていただいている関係者との連携体制というところを進めていく必要があると思っておりますので、そうしたことをしっかりとこれから進めていくためにも、今、御提案いただいたような仕組みも含めて取り組んでまいりたいと考えております。
 
○高野委員  最後になります。そうしたことを進めていく上においては、これも、具体的にこうしますという答えまで求めませんけれども、これも従前から、ちょっと市民の中からも、また議会の中からも声が出ている問題してとは、機構の問題であります。今の機構の位置づけは、ちょっと失礼な言い方かもしれませんが、やや防災の位置づけが中途半端ではないのかという。ある課と防災が一緒になっているとか、ある課というのは申し上げませんけれども、あえて。そこも災害時の連携対象のところでもあるんだけれども、大分性格が違うのではないかと、鎌倉に訪れる方との関係の課と防災が一緒になっているというようなことは。連携は必要なんですよ。それだと福祉とも一緒にならなければいけませんものね、今の御議論からすると。やっぱり防災安全をきちんと、そこをより重視した部局体制、これは機構の問題ですから、提案されるのは市長が提案される以外ありませんけれども、そこについても併せて検討する余地はあるのではないかと思いますが、そこのお考えだけを最後に伺って、終わります。
 
○松尾市長  市役所のこうした組織、各部で分けて機構をつくっていくという中においては、特にこの災害対応みたいな、特に全体を網羅しなければならないような案件というのは、どうしても縦割りの部分ということが課題になってまいります。そこをどう解消していくかというところが、どのような組合せの中でも、必ずここは発生していくものだと捉えています。
 そういう意味では、機構の見直しというところも、もちろん現実的に課題があれば、そこに手をつけていくということももちろんありますけれども、その前に、まずは今、縦割りの中で弊害が発生しているというところについて、連携というところにしっかりと注力、注視しながら、その解消に向けて取り組んでいくということが大事だと思っておりますので、今、御提案のことも含めてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 
○後藤委員長  ここで皆様にお諮りします。ちょっと休憩を取りたいと思いますので、職員の入替えもありますが、10時35分再開といたしたいと思います。暫時休憩いたします。
               (10時28分休憩   10時35分再開)
 
○後藤委員長  それでは、再開いたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○後藤委員長  次に、第10款総務費(2)「本庁舎等整備事業について」、くりはら委員の質疑をお願いいたします。
 
○くりはら委員  本庁舎等整備事業についてお伺いしたいんですけれども、ちょっと遡りますが、令和4年12月定例会で、本庁舎を鎌倉のこの地から深沢へ移転するということに関して、地方自治法第4条上の移転条例、これが否決されたという事実をもって、私自身は、議会が決めたこととして、否決されたことを、行政、市長が受け止めていただけるものと思っておりましたけれども、これを議会の判断をもって、市長がこの本庁舎等整備事業をストップさせようと思わなかった、その理由についてお伺いいたします。
 
○松尾市長  御指摘のとおり、令和4年の否決というところにつきましては、私含めて、市役所全体で大変重く受け止めさせていただきました。ですので、この事業自体がしっかりと、もしまだ御理解いただけないのであれば、しっかり御理解をいただくということをやる必要があるというところですし、反対討論を含めて、そのとき否決をされた前後でいろいろと御指摘をいただいた点についても分析をしながら、どうしたことを行っていくのがいいかというところで行ってきました。
 今、この事業をストップするというお話がございましたけれども、この市役所の移転の事業自体は、長い時間と経過をかけて、市民の皆さんにもその都度御意見を伺いながら、議会にも都度報告をさせていただきながら、予算もいただいて進めてきた事業でございます。
 具体的に移転をするという手段以外に、有効な手段というところが、具体的に検討ができるというものがしっかりとあるのであれば、もちろん、これまでもそういうことを含めて検討してきたわけなんですけれども、やはりこの深沢に移転をするというところが、様々な比較という中においても、また現実的にも、この手段が一番適していると結論を導いてきたものでございまして、それをやはり根底から覆すような状況というのは、この1年間、住民の皆さんともお話をさせていただく中で、議会の皆さんからも御指摘いただく中では、そうしたものはなかったと、私自身は捉えているところです。
 そういう意味ではこの1年、住民の皆さんにお話をする中では、やはりその前提となる条件や、前提となる情報というところが十分に御理解をいただけていないという場面に多く遭遇をしてきたものでございますから、しっかりとそこを御理解をいただけると、この取組についても御理解をより深めていただけるということがありましたので、この取組を継続して進めているということになります。
 
○くりはら委員  今、市長がおっしゃっていらっしゃる、その前提となる条件というところについてお伺いしたいんですけれども、市庁舎を移転しなければならない、その前提となる条件とはどういったものでしょうか、お伺いします。
 
○松尾市長  まずはこの場所、今の現在地の場所でそのまま継続して、耐震補強等で使用し続けられるかどうかという点ですけれども、こちらにつきましては、より大きな地震があった後も、この庁舎を使い続けるためには、より強固な耐震補強ということが必要になってまいります。
 それをするためには、今よりもかなり多くのブレースを入れていかなければならないということで、実際にそれを計画してみますと、数々の部屋が分断されるという状況になって、今でもかなり使いにくい手狭な市役所でございますけれども、それがさらに手狭になると。現実的には、ほぼこの今の現状に耐震ブレースを入れた中では、円滑な仕事というのはできないと判断をせざるを得ないような状況であります。
 もう1点は、この場所で新しく建て替えられるかというところですけれども、御案内のとおり、高さ10メートルの規制があるというところと、埋蔵文化財という課題がございますから、御成小学校のときの建て替えの問題でもありましたけれども、貴重な文化財が発掘をされるということになりましたら、それを壊して柱を入れるということは、これはかなり困難になってくるという状況等がありまして、この場所で十分に市役所の機能を集約した新たな建物、そして強固なものというのを新しく建てるということも、現実的に難しいという状況があるということですから、移転をして整備をしていくということがふさわしいと決まった、前提条件はその辺りにあると考えております。
 
○くりはら委員  少しずつ解きほぐしていかなくてはならないかなと思いますけれども、そもそも東日本大震災が起こったときに、市長はここの庁舎にいらっしゃって、非常に揺れたというような恐怖心もお持ちかと思いますけれども、そもそもここの本庁舎というのは、築50年はたっているんだけれども、既に防災拠点となる公共施設の耐震化が終わっている状態の建物であると、その認識は共有できますでしょうか。
 
○松尾市長  Is値で行きますと、0.6を満たすという耐震補強ということはやっているという認識はあります。
 
○くりはら委員  そうしますと、0.6以上ある建物というのは、一応、震度6強が来ても倒壊する危険が低いという認識、これも共有できますでしょうか。
 
○松尾市長  認識としましては、現在このIs値0.6というのは大きな地震が、今、震度6強とおっしゃいましたけれども、地震が来たときに直ちに倒壊するものではないというレベルのものでございまして、その後、引き続き、この市役所の中で職員が安全に仕事を継続できるというところまでは、担保できるものではないと認識をしております。
 
○くりはら委員  今、担保できるものではないと認識しているというのは、どういった基準に基づいておっしゃっているのか、お伺いします。
 
○比留間副市長  市で定めております耐震の基準、公共施設の耐震の基準がございまして、その中で、災害時の拠点として整備する建物については、0.6ではなくて0.9のIs値を確保することが必要になっています。ですから、0.6の場合は、直ちに壊れて人命に影響を及ぼすような倒壊はしないとなっていますけれども、その後に使い続けられるだけの強度があるかどうかというところは、あるというものではないと認識しています。
 
○くりはら委員  国のほうも、そのときのためにしっかりと耐震補強をしなさいというようなことで、市庁舎移転とかの検討の際に、緊急防災・減災事業債、こういったものの活用をして補強をするとか、そういうようなことを、そこに予算をつけますよというようなことが国からも通知が来ているかと思います。それに対して、鎌倉市としてはどういう捉えでいらっしゃいますでしょうか。
 
○比留間副市長  緊急防災事業債、これは市債というか借金になると思うんですけれども、その制度を使えるものであれば、必要な建て替えですとか、そういったものに使えるのであれば当然使っていくんですけれども、この建物を修繕していくというのは現実的に無理ですので、それを活用していくというのは今、考えていないです。
 
○くりはら委員  今のこの市庁舎を、耐震補強をさらにするのができないと結論づける、その根拠についてお伺いします。
 
○比留間副市長  先ほど市長も申し上げましたように、0.9のIs値を確保するためには、今の倍近くのブレースを入れなければいけないということが必要になってまいります。そうしますと、執務室として機能を果たせなくなる、市民サービスも行えなくなるという、そういったことから、できる状況ではないというお答えをしているところです。
 
○くりはら委員  では、お伺いしたいのは、国が定める基準に、もっと輪をかけて、鎌倉市として基準をIs値0.9まで持っていこうと、そういうふうにされている理由をお伺いします。
 
○比留間副市長  これは、鎌倉市が独自にしているわけではなくて、国の基準に沿って、安全率を掛けて、0.6に1.25を掛けた0.9という値を出しているところです。
 
○くりはら委員  では、防災の拠点として、今、鎌倉市が考えている庁舎はどこになるか、お伺いします。
 
○松尾市長  現時点で申し上げますと、防災の拠点というのは、現在のこの庁舎ということになっています。
 
○くりはら委員  そして現在、災害対策本部を立ち上げるとすると、どこの庁舎になるか、お伺いします。
 
○松尾市長  現在、災害対策本部は、講堂2階で設置予定となっております。
 
○くりはら委員  そちらの耐震基準は新耐震かと思いますが、その基準を共有できますでしょうか。
 
○比留間副市長  新耐震の基準はクリアしています。
 
○くりはら委員  以前、私、原課のほうに確認させていただいたんですが、もう一度、市長にもお伺いしますけれども、耐震の仕方というのは、いろいろな手法があるんですが、その耐震補強の手法について、ありとあらゆるパターンを想定して試算するようなことをなさったか、お伺いします。
 
○松尾市長  この本庁舎の課題について、検討していく過程の中では、様々な手法について検討してきたと認識をしております。
 
○くりはら委員  すみません。今の御答弁は、市長と原課がすり合わせできていないというところでございます。
 実は、耐震の仕方というのはいろいろな手法がございまして、耐震補強の仕方、今、しっかりと鉄骨で耐震補強されている、こういうやり方もありますが、ダンパーを入れるやり方、それから免震工法、制震工法とあります。こういった工法をしっかりと検討して、それに対する試算をしているかというと、鎌倉市の行政としては、していないという答えになるのではないかと思います。そういったことで言うと、耐震補強の仕方を、今のようにブレースを入れるという手法しかないみたいな、ミスリードはしてはいけないと思います。
 この建物は、コンクリート性能は非常にいいという数値が出ております。100年後もコンクリートが持つというような性能が出ております。そこから考えますと、普通に考えれば、大事に使えば、この建物、100年後もここに存在しているだろうと思われるようなものです。それに対してブレースを入れるという手法も、もちろん耐震としては、やり方としてありますが、その他の手法も検討すべきであったと思います。そして、それに対する試算ということ、要するに、どのパターンでやるのが一番この建物を生かすことができるのか。そして、もちろん、今、市長も行政のほうも一番重要にお考えになっているのが、耐震のことであるというのであれば、そこのところの検討というのは、まずやるべきであったのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
 
○比留間副市長  細かい金額までの試算というところはあれですけれども、平成29年度に幾つかの手法を検討しております。本会議でしたか、委員会でしたか、担当のほうが答弁しているかと思うんですけれども、免震構造についても、金額を算定するには至っていませんけれども、遺構への影響ですとか、そういったものというのは検討して、やはり現実的ではないということで判断したという答弁をしていたと記憶しております。
 また、そもそも免震をしたとしても、この建物自体の執務スペースが足りないという状況は変わりませんし、今、足りないスペースをどこにつくっていくかという課題、これはもう残ってしまいますので、そういう点で、費用的な問題というのは解決しないものと捉えております。
 
○くりはら委員  では、ちょっと角度を変えてお伺いします。今、公共施設再編ということでいろいろ検討をなさっている中で、防災拠点としていろいろ考えている中で、深沢は防災拠点としての司令塔としてというようなことで、消防と市役所をくっつけた形で検討されるということ、そして、こちらの消防は、海のほうから内陸のほうへ移動させて、市役所とはまた離れたところに整備するというような考えをなさっております。
 防災拠点の考え方ですが、司令塔と考えていらっしゃるのは、どの機能のことをおっしゃっているのか、そこをお伺いします。
 
○松尾市長  災害発生直後は、市内は大混乱になるということは間違いないわけなんですけれども、そのときに様々な情報が、119番通報、もしくはコールセンターというところでの情報が集約をされてくるというところになります。
 そういう中で、どの対応を打つべきか、それを市としては、そこの集約をした中で検討して、優先的に実施をしていくというところを、これはもちろん市だけではできませんけれども、消防や、少し時間がたてば自衛隊ということも含めて対策を取っていく必要があると思っております。
 市が全ての司令塔と、全てをコントロールするという意味では決してありませんけれども、少なくとも、市の情報を一番多く持つということは間違いございませんから、その中で適宜できることをしっかりと迅速に対応していくという、そういう機能をより充実していくという意味合いで、こうした司令塔という言葉を使っております。
 
○くりはら委員  市民からよく御指摘があるのが、司令塔と言ったって、そもそも被災するのは海側の人たちだよと。そこに手だて、何も打ってくれないよね、鎌倉市は、というところをすごく言われます。
 むしろ、鎌倉市役所、当初、浸水地域に入っているんだというところが、移転のそもそものきっかけだというような御説明を当初されていました。県のほうで浸水域のハザードマップが改正された後には、ここが浸水しないということが分かって、そうすると、普通に考えると、浸水域だから移らなければいけないと言っていたのになと、移転の理由はなくなったのではないかというようなことを市民は指摘します。そういった市民への説明が足りなかったのだということなのでしょうか。それとも、そのほかの理由が出てきたからこそ、移転をまだ続けようとなさっているのか、その辺りのところをお伺いします。
 
○松尾市長  確かに、きっかけは、東日本大震災以後に想定が出た津波の浸水想定に含まれているということは大きな議論になりましたし、それがきっかけでした。実際に、じゃあ市役所をどうしていくかという議論に入っていったわけなんですけれども、その議論の中では、この浸水ということだけではなくて、実際にこの市役所の老朽化している状況、市の職員が働く環境というのは十分に整っていないという状況、様々な状況ということが出てまいりました。それらを様々な角度から検討した結果、この答えを導き出していったということになります。
 
○くりはら委員  そうしますと、市民の側からするとなんですが、公共施設再編計画に関してのアンケートを、鎌倉市は何度かにわたって取ってくださっています。私なんかは、市庁舎を移転するとかいうことであるならば、その前に住民投票条例を提案して、住民の皆さんに、どこに鎌倉市役所があるといいというようなところをお伺いするのが一番いいのではないかと、そういう考えではありますけれども、市長はそういうお考えではないということなんでしょうか。
 市庁舎を、この御成から深沢に移転するに当たって、本来は市民の考えを聞いていただくのがいいのではないかと思います。それは私の考えですけれども、市民からも物すごくそれを指摘されます。要するに、住民投票条例をやれば、市民が何を望んでいるのかということが非常に分かりやすくなるのではないかと思いますが、市長は住民投票条例に意味がないと思っていらっしゃるのか、それともやってみてもいいかなと、そういうようなお考えがあるかどうか、お伺いします。
 
○松尾市長  まず、意味がないものではないと思います。様々な手法がある中での一つの手段であると捉えております。
 しかしながら、この市役所の移転の問題につきましては、様々な諸条件ということがありまして、それを一つ一つ丁寧に分析しながらここまで検討してきた経過というのはございます。それも十分に、我々とすると、その都度パブコメも取りながら、住民説明会なども行いながら、また、ワークショップ等も行いながら、進めてきたというところでありますけれども、十分にそれは市民の皆さん隅々にまでは伝わっていないというところは御指摘をいただいて、反省すべき点であると思っております。
 しかしながら、それを住民投票条例という形での判断ということではなくて、今進めておりますように、住民の皆さんに一つ一つのこうした諸条件、鎌倉市が置かれている状況、これは市役所だけではなくて公共施設全体の再編、老朽化している状況、こういうことも踏まえて、今取っている手段というところを御理解いただけるように進めていくことが望ましいと考えて、進めているところです。
 
○くりはら委員  様々な手法の中で、市民は、公共施設再編の取組に関するアンケートの中で、鎌倉地域、そして深沢地域だけでなく、大船地域、玉縄地域、あれ、ちょっと1つ、私、飛ばしています。5つの地域がございますね。腰越だ。この5つの地域のうちに、鎌倉市役所がどこにあるべきと考えますかという質問をされている中で、今、市長の御認識としては、何十%の方が、どこにあるべきと考えていらっしゃるというアンケートがあるか、それを御存じでいらっしゃいますか。
 
○松尾市長  詳細の割合まで、私、記憶はできておりませんけれども、現在、鎌倉市役所がここにある、そしてこの前の市役所も鎌倉駅の東口側にあるという、こうした経過も踏まえまして、市役所がこの鎌倉駅周辺にあったほうがいいと、その延長線で考えられている方が多いと認識をするところです。
 
○くりはら委員  住民投票条例なんかをやっても、投票に行かれないなんていう方もいらっしゃるわけですから、いわゆる選挙で言うところの白票みたいな方もいらっしゃるのはいらっしゃるんです。ところが、今まで取っていただいたアンケート、何回かあるんですけれども、機会を捉えてアンケートを取ってくださっています。その結論、結果から言いますと、5割以上の方が鎌倉地域にあるべき、あってほしいと、そういう願いがあるんです、住民のほうは。それに対して、市長としては、どういうふうに受け止められますか。
 
○松尾市長  鎌倉地域にあるべきという御意見につきましては、それはそうした御意見があるというのは、全くもっともだと思いますし、そういう方々の思いというところをしっかりと受け止めていく必要もあると思っています。
 この間、そういう意味では、市役所移転というところで、深沢に移るということを非常に反対とおっしゃられる方々とお話をする中の多くは、やはり移転ありきではないかと思われて、この鎌倉地域のアイデンティティーといいますか、鎌倉が大事にしているものをないがしろにしているのではないかというお叱りも、たくさんいただいてきたところです。
 私の考えとすると、決してありきで、このお話は全く検討に入っているわけではありませんし、それゆえに様々な諸条件について時間をかけて、かなり詳細に検討してきたという経過がございます。そういう意味では、気持ち的に、鎌倉をないがしろにされたと受け止められてしまったというのは、私自身、そこは大きく反省する点だと思っております。この鎌倉地域は、やはり鎌倉時代からの、この鎌倉市の中心であることには間違いありませんし、その歴史、文化ということをしっかりと尊重しながら、これからの鎌倉市政運営ということも進めていかなければならないと思っています。なので、この現在地の跡地活用というところにつきましても、決して何か市民の皆さんが望まないものを持ってくるということではなくて、十分に市民の皆さんのニーズをこの場所に受け止めて、鎌倉市の魅力を発信できる、また、市民の皆さんが、芸術文化というところについてもしっかりと触れられる、そうしたものに、より一層、市民の中心になるような、この現在地の活用方法ということを実現してまいりたいと考えています。
 
○くりはら委員  今現在、否決されてから1年ちょっとたっています。その間、鎌倉市の行政としては、何をしていらっしゃったのか、そして、市長は何を指示されたのか。行政の方々にですね。その辺りのところをお聞かせください。
 
○松尾市長  まずは反対があった令和4年12月の前後で、御指摘をいただいてきた議会からの御意見、また市民からの御意見、特に主には議員の皆様からいただいてきた御意見につきましては分析をしまして、どう対応するかというところを検討しまして、具体的には交通渋滞対策ですとか、この跡地の活用をより住民の皆さんに明確にお伝えをしていく、不安を払拭していくことですとか、また、市民の皆さんに、これまでの取組、それから鎌倉市の置かれている現状、こういうことをより理解していただけるような対話の会ということを繰り返し、今までなかなかアプローチできていないだろうと予想がされるような、なかなか市民説明会みたいなことをやっても足を運ぶ暇がないんだとおっしゃるような方向けに、こちらから子育て支援センターに出向いて行かせていただいたり、そういう直接お話を伺うということも心がけながら、この1年間、進めてきたところです。
 
○くりはら委員  そもそも間違っていただいては困るのは、地方自治法第4条に書かれている、移転するためには、条例の賛成3分の2を得ないといけないという状況がございます。これは今回、令和6年度の予算の中に、本庁舎等整備事業の関わっている事業費、新庁舎等基本設計及びDX支援業務受注者選定支援業務みたいな項目が入っているんですけれども、これは、松尾市長としては、否決をされたままの状態でこの予算をつけてきているところの意味を教えてください。
 
○松尾市長  位置条例が可決をされませんと、この市役所の移転ということが実現しない、それはしっかりと受け止めておりますし、そこを何とか可決をいただけるように、私としては取り組んでいくというところが中心になってまいります。
 この位置条例が否決となって以降、1年間、市民の皆さんの意見をお伺いする場ですとか、ONE DAY PLAYPARKのようなイベントですね。また、議会の議員の皆さんとの話合いということを積み重ねてきたところです。
 私自身、受け止めとすると、市民の皆さんにお話をしていく中で、本庁舎の再整備や移転の必要性、現在地における行政機能をはじめとする様々な疑問などについて、説明を重ねるたびに、御理解をいただけたり、御不安を解消できたりという場面というのは多くあったと感じております。
 一方で、この新庁舎というところに移りますと、やはり近隣の自治体でも、新庁舎が次々に出来上がっているということもありまして、同じようなものを造るというイメージを持たれていたりとか、旧態依然としたようなものを造るのではないかという誤解もありまして、その点について、より具体的に、鎌倉市が考えている新しい市役所の在り方というところをお示しをしないと、伝わっていかないという部分もあると痛感もしてきました。
 そこで、この基本設計というところを進めることで、デジタル活用などによって利便性が高まっていくという方々が多くなっていくということ、また、幅広い年齢層の方々にとっても居場所になっていくということ、さらには消防本部と合築をしていくことで災害時の機能強化ができることなど、視覚的にこういうことを理解していただくことで、さらに御理解がいただけると考えまして、今回基本設計に関する予算計上をさせていただいたものになります。
 
○後藤委員長  ここでくりはら委員に申し上げます。質問開始から30分経過しましたので、議会運営委員会の申合せに基づき、運営に御協力願いますよう、よろしくお願い申し上げます。
 
○くりはら委員  それで、ちょっと配慮しながらと思っておりますが、非常に重要なことですので、質問を続けさせていただきたいんですが、第3次鎌倉市総合計画第4期基本計画実施計画、これは鎌倉市にとっての行政計画が書いてあるものになるかと思うんですが、市長の捉えとしてはいかがでしょうか。
 
○松尾市長  鎌倉市の進むべき方向性、それから重要な施策について、重点事業として、より具体的な施策も含めて掲載をさせていただいております。
 
○くりはら委員  非常に重要な施策として、重点事業として、この本庁舎等整備事業というものが入っております。これ、そもそも6か年計画でつくっていたものを、見直しをかけましたね。この見直しをかけた時期ですが、令和4年の年度末にかけて改定なさいましたね。その内容、ぴんと来ないかもしれませんが、否決を受けて、鎌倉市としては、令和5年度、6年度、7年度の事業工程の見直しを行っています。そして、これは今、鎌倉市のホームページにも、基本計画の実施計画改訂版という形で、進捗状況も一緒になって載っています。
 その中で見ますと、令和5年(2023年)4月に、鎌倉市は見直しを発表していて、字面だけですから見ないと分からないですけれども、見ますと、そもそも、もともと令和5年から「新庁舎等整備基本設計」という文字が入っていました。しかし、それを令和5年4月に見直した形で、「新庁舎等整備に向けた準備」「市庁舎現在地利活用基本計画の策定」と書き換えています。その方針が転換されたということになるのか。要するに、この本庁舎等整備事業の新庁舎等基本設計、これをやらないと見直して、見直し後の事業工程として、この基本設計という言葉を消している。今その状況の中、令和6年度も同じく消された状況、令和7年度も消された状況の改訂版が、今、鎌倉市のホームページに出ています。
 これ、見直されたんですか。だからこそ、ここに令和6年度の予算に、新庁舎等基本設計という文字が入ってきているんですか。お伺いします。
 
○比留間副市長  今、委員がお話しされているのは、多分ウェブ版のことをお話しされているんだと思うんですけれども、実施計画自体は確かに御指摘のとおり、令和5年4月に基本計画の後期半分のものを見直しをした形で策定しております。この時点では、実施計画自体のほうでは、新庁舎等整備に向けた準備というようなことですとか、現在地の利活用基本計画の策定、利活用の推進というようなことを書いているんですけれども、これは、年度ごとに事業は動いてまいりますので、ウェブ版のほうは年度ごとに修正をかけています。それで、いろいろ変動がある事業については、一旦決めたまま、それ以外に動かないということではありませんので、変動があればウェブ版のほうに、印刷物のほうを直すのではなくて、ウェブ版のほうに修正を加え、年度の終わった後に書き換えをしているというような、そういう取扱いをしているものです。
 
○くりはら委員  そのウェブ版の修正というのは、簡単に書き換えていいものなのでしょうか。お伺いします。
 
○比留間副市長  実施計画、総合計画につきましては、これは御説明するまでもなく、基本計画までが議決事件になっています。実施計画自体は、言わば、これは予算になってきますので、議会に対しても全員協議会報告という形を取っているのは、御存じのとおりだと思います。
 それで、予算の審議をしていただいて、予算の計画が変更になればこれは変わりますし、また、予算に影響しないもので事業計画が変わったものについては、主要なものについては年度ごとに2月定例会で報告をする、総務常任委員会で報告をするというような手続を取っております。
 これは第3期の基本計画だったと思うんですけれども、これを策定をしたときに地方自治法が改正になりまして、自治体の基本構想の策定が義務化から外れまして、市で条例をつくった際に、議会との議論の中で、実施計画変更に及ぶ場合は、大きなものについては各年度の最後の委員会に報告するというお話をしまして、今、運用しているところです。
 
○くりはら委員  そうしますと、私も一応傍聴に入っておりますから、総務常任委員会で、ここを変更いたしますというような内容を聞いた記憶がないんですが、どういうことになっているんでしょうか。お伺いします。
 
○比留間副市長  これは総務常任委員会で報告して変更する内容ではなくて、議会で予算の議決をいただいて、それが通れば、計画自体を変更するという形になるかと思います。
 
○くりはら委員  物すごい手法ですね。私としてはちょっと信じられないんですね。
 例えば、計画変更をしたいのであれば、やはりそういった御説明があった上での予算書を出していただきたいと思います。そうでないと、気がつかれなければ大丈夫というように受け止めます、私としては。そういうような仕事の仕方というのは、ちょっと何とも、私はそこに気がついているからこそ指摘できるわけなんですけれども、気がつかなかったら大変なことになるなと思います。
 それで、先ほど市長にもお伺いしましたけれども、この1年ちょっとの間、どういったことをなさって、どういったことを指示されたのかとお伺いしましたけれども、この1年ちょっとの間、議員である私だけが何もお話しするチャンスがなかったのか、そこは分かりませんが、そもそもこの移転条例に関して否決された状況の中、この1年ちょっとの間で、議員をある意味、懐柔しない限り、この条例は通らないわけです。説明を一生懸命なさるのであれば、市民ももちろん大事ですけれども、議会に対して説明なり、何かこういうふうに考えているんだけれどもというような資料提供とか、懐柔という言葉が不適切かもしれません、申し訳ないんですけれども。私としては、市民に御説明していただくのが一番いいです。市民が決めればいいんです。だけれども、市民が決めるチャンスがないんです。
 今、市長がおっしゃっている、行政として市民の皆様に御説明に回っているとおっしゃいました。戸別訪問も、どうもなさっていらっしゃいますよね。そういった状況の中、市民が御理解いただいても、議会が理解しなかったら、何もこの状況は変えられないというところ、これは市長の御認識としていかがなんでしょうか。
 
○後藤委員長  すみません、ここで委員長から2点申し上げます。
 まず、傍聴席にいらっしゃる方々に、静粛に願います。
 もう1点、くりはら委員にお伝えしますが、あとどれくらい質問が続くのか教えていただけますでしょうか。
 
○くりはら委員  市長のお答え次第にさせていただきます。
 
○松尾市長  当然、位置条例を可決していくために3分の2の議員の方の賛成が必要だというところですから、議員の皆さんに御理解をいただかなければならないということを、重く受け止めているところでございます。
 私としては、都度、議員の皆さんに、副市長を含めて情報提供、もしくは意見交換という場を設けていこうということで、この1年間、進めてきたとやってまいりましたけれども、今、御指摘では十分ではないと委員は受け止められたということでございますから、そこは私自身、反省して、より一層、情報提供、意見交換の場というところを頻繁に持てるように進めてまいりたいと考えています。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○後藤委員長  それでは、次に、第10款総務費(3)「本庁舎等整備事業について」、高野委員の質疑をお願いいたします。
 
○高野委員  これだけの時間の理事者との質疑も久しぶりかなと思っておりまして、緊張感もあっていいのではないかと思いますが、端的にちょっと聞きます。続きになりますので。原局との質疑の繰り返しもしません。原局質疑もしましたので、一定の時間をかけてね。
 その上で、この本庁舎の整備の移転事業については、やはり多くの公共施設で老朽化が進んできていること自体は事実でありますから、その度合いはいろいろあってもですね。ですから、私は市民の皆さんからもいろいろな御意見を伺いますけれども、単純にここの移転をするのか、しないのかという、ある意味オセロのような議論、移転するのか、阻止するのかみたいな、そういうことでは解決する課題ではないということは、これは市民の皆さんにもお伝えしているところなんです。再編自体は、民主的でなければなりませんが、再編自体はやっぱり避けられないと。そこの理解は市民の皆さんにもお伝えしながら取り組んでいるということを前提にして、改めて伺います。
 令和5年2月定例会、ちょうど1年前になります。議会で市長は、既に議論が今されていますけれども、位置条例の否決を受けて、位置条例の可決なしには基本設計委託費は計上しないものと考えていると、私たちの会派の代表質問にも答えました。これは誰かからの要求ではなくて、市長自らが言明した方針であるということは間違いありませんよね。確認します。
 
○松尾市長  その時点において、市役所の中として、そのような一定の方向性を出したということで間違いません。
 
○高野委員  その上で、今回、基本設計を進めることによって、この1年間の取組も踏まえ、より市民の理解が高まると、納得感が高まるということを、市長自身も、ある種そういう今の市の行政方針に沿った形で、市民の理解が深まることを期待して、今回、債務負担行為である2億9000万円強を含めて、委員会の設置、審議等を踏まえると約3億円、基本設計に関わる予算を計上したと。これも誰かの要求に基づいたものではなくて、市長自らがそのように方針変更を決められたということは、これも間違いありませんか。
 
○松尾市長  この1年間、様々な取組を進めていく中で、原局とも協議をしていくという中におきまして、このような方針ということを改めて決めたということで間違いません。
 
○高野委員  そうしますと、私は1年前、令和5年2月定例会でのこの市長の考え方、それは適切だと、今も認識をしているんです。位置条例の可決なしには、やはり基本設計というのは、まず次の段階のいわゆる詳細設計、実施設計の前段階とはいえ、設計したら、普通は工事しなければいけないでしょう。ちょっと原局質疑でもやったんですけれども、計画までは行政計画っていっぱいありますよね、いろいろな計画。計画はつくったけれども、計画とおりに実施できないということは、それは社会情勢や市民世論の変化等によって、あり得ますよね。いろいろありますよね、いっぱいありますよね、そういうことって。でも、普通は、市民が自宅を建設するときもそうだけれども、設計までお願いして、建設やめますということは、普通はないでしょう。物すごく無駄遣いになってしまいますものね。私は生涯、家を建てるかどうか分かりませんけれども、そういうことは横に置いてですよ。
 だから、この市長の当初の考え方、位置条例がやっぱり通らないと、基本設計はなかなかつくれないと、これは適切であるのに、その自らの方針を、自らまた転換すると。そういうこと。転換してくださいという話が、どこかからも、議会からも話を聞いたことがないですよ。
 これは、それが「行政運営上、明確な違法とまでは言えないにしても、市民との信頼関係、なので、主権者の負託を受けて、我々は仕事をしているわけですよね。市長も、もちろん我々も、議会も。自分で立てた方針を、自分である意味ひっくり返すと言うのかな、変えていくという、こういう政治手法というのは、この問題に限らないんですけれども、特にこの問題は、やっぱり市民の世論状況も大きいものですからね。金額も大きいから、ちょっと厳しくて申し訳ないけれども、市民や議会に対して自ら約束したことを1年で覆すという政治手法が、果たして市民の理解、信頼を得ることにつながると思いますか。
 そもそも論なんですけれども、これは行政長に聞く以外に、原局に聞いても答えられませんから、そこの点での問題点はどうですか。誰かからの要求に応じたわけではないからね。伺います。
 
○松尾市長  方針の変更になるということでございます。この点については、確かにそこの部分だけ取れば、方針変更を1年でしたのかというところでございますけれども、この1年間の取組の中で、様々な御意見、状況というところをより深めていく中で、この方針変更ということをすることのほうが望ましいと考えました。その理由については、これまでも述べさせていただいたところでありますけれども、十分にその変更についても、なので、説明を尽くして、理解をいただく必要があるとは考えております。
 
○高野委員  私は結果的には、結果はまだ出ていませんけれども、これから、そのこともちょっと後で見通しを伺うんですが、やはり方針は貫いたほうがいいのではないか。その点でもう1点だけ、そのことについてもう1点伺いますが、先ほど基本設計の位置づけは伺いました。それが工事の着手とは言えないまでも、さっきも言いましたように、設計して建てないということは普通はあり得ないんですよ。だから、基本設計の位置づけというのは、工事の着手に向けた準備予算であるというのは、多分間違いのない認識だと思うんです。道路、建物を造るにしてもですよ、民間でも。
 そういう性格である以上、これは分かりませんけれども、仮に再度の条例が可決されれば問題ありませんよ。いつになるかはちょっと、またこの後伺いますが、仮にですね。でも可能性は、否決される可能性もあるでしょう。可決か否決か。否決された場合、この予算が仮に通ったとして、通って基本設計を行ったとして、その先に、分かりません、先のことは。誰にも分かりません。仮に否決となった場合には、この基本設計を実施したということは、その予算の執行というのは、適切であったと言えるんでしょうか。そういうことも見越して、今、提案されているんでしょうか。
 これ、ちょっと先々に関係することですから。リスク管理です。しかも3億円近い予算計上でしょう。無駄になってはいけませんよね、普通に考えて。そこら辺のリスクも踏まえた上で、方針を変えて計上してきたのか、伺います。
 
○松尾市長  否決をされたらというところの議論でございますけれども、我々としますと、どんな状況であっても、適法に仕事は進めていかなければならないということでございますので、その点については、違法性がないという中でしっかりと進めていけるということは確認をして、この事業については進めているところでございます。
 
○高野委員  先のことなので、可能性の話として言っているんですが、やはりそういうリスクがあるのではないかと、私自身は考えるんです。
 計画をつくるまでは、そういう意味でのリスクはないと思います。先ほど申し上げたように、行政計画をつくるのは市長の権限でできます。基本計画は、総合計画は議会の議決事項ですけれどもね、これは。それ以外は議決事項ではありません。
 しかし、基本設計という、設計までやるということは、これはやはり工事着工に向けた見通しがなければ、本当に行政の事業として妥当であるのかという点では疑問があります。そして、この妥当性というのは、監査事務においても、評価の適法性や公立性とともに、評価の一つの指標になるということは、原局質疑で監査委員事務局に確認をさせていただきました。妥当性という点で、果たして問題がないのかどうか。そこは非常にリスクがある予算の計上であると私は認識します。
 ですから、裏返すと、条例がクリアされてから基本設計に入るという従来の市長の考え方は、非常に適切であると認識しているんです。その限りにおいてですよ。それを変えると、自ら立てた方針を自ら変えるというのは、果たしてこれが市民との関係でプラスになるかどうか、私はちょっとその点での疑問があります。
 それで、伺います。この基本設計で計上されているものが債務負担行為でありまして、令和6年度から、この設計の設計者の選定を含めた事務に入って、それで令和7年度にまたがって設計をする。その間に、いろいろ市民の意見や市民のアイデアも取り入れてやるんだと、こういう御説明ですよね。では、いつ完了を見込んでいますかと、今の時点で。分かりませんよ、どうなるか。延びるか短くなるか分からないですけれども、しかし今の時点では、令和7年度のかなり後ろのほう、令和8年2月頃であると伺いました。その間に基本設計で取り組んで、より具体化していこうという狙いだということですね。いい、悪いは別にしてですよ。
 それで、伺います。そうしますと、この説明ですね。そういう基本設計の事業を通して、市民の理解をより高めていくんだと、位置条例が通る環境をつくっていくんだという理解ですよね。具体的な設計の多分、中身が出てくるのは、令和7年度であると理解します。令和6年度ではなくて7年度。そうしますと、位置条例の再提案については、もうはっきりさせましょうね。少なくとも、令和6年度中にはないと理解するほかありません。そうでなければ、基本設計を計上したこととの整合性が取れませんよね。基本設計を通じて市民の理解を高めたいということでしょう。基本設計の姿が見えてこないのに、市民の理解は高まらないでしょう。そちらの狙いとしてはですよ、私の考えじゃなくて。
 であれば、それが基本設計の最終的な完了の時点までかどうかは別にして、完了が令和8年2月だと言うんだから、その手前の時期、令和7年度のどこかの時期で、ある程度、市民の理解も高まったと、議会もいけるだろうという御判断をするのであろうと、そのための基本設計の計上である。よしあしは別にして。裏返せば、令和6年度中にはそうした基本設計での具体化は図られないのであるから、債務負担を組んでいますからね。令和6年度中の位置条例の提案は、現時点においてはなされないと。市議会選挙を経た後の令和7年度であるという考え方で間違いありませんか。そこを明確にしてくださいよ。
 
○松尾市長  位置条例の改正議案を再提案する時期というのは、現時点では未定でございます。
 今おっしゃったように、市民の皆さんに向けては、今回、その理解をより深めていくというところでの取組ということが必要です。この位置条例の取組をしていく中で、我々、当然、議会の皆さんの、具体的には3分の2の可決をいただけなければいけない。ここもしっかりと注力をしていかなければいけませんし、一方で、住民の皆さんにも十分な御理解を、これはもうどこまでというところは、実は、はっきりはないところでありますけれども、やはりしっかりと継続して、住民の皆さんの御理解をいただくことをやっていかなければいけないというところ、その両輪をしっかりと取り組みながら進めているというところでございます。
 
○高野委員  私の質疑はそれで終わるので、終わりたいんですけれどもね。だから、令和6年度に基本設計が終わらないでしょう。終わらないから債務負担行為をやっているわけですよね。当然ですよね。特にこれだけの、170億円以上の相当な大型事業になります、本市にとっては。ですから、多分準備に相当時間がかかると思うんですね。業者選定して、これからやっていきますね。選定するための委員会を開く予算も、金額は僅かですけれども計上されていますよね。そうすると、具体的な設計事務が進むのは、市長が言う、より具体的なものが見えてくるのは、令和7年度に入ってからでしょう。それは令和6年度の末なのか、でも令和7年度に入ってからでしょう。だから、令和8年2月に終わると言っているのは、そういうスケジュールでしょう、そちらの。
 であるならば、令和6年度には、今、予算計上した市長の狙いというのは、具現化されないでしょう。具現化されないのに、位置条例は出しようがないでしょうという話をしているんです。それを言明できないのであれば、この予算計上は、説得力が十分あるとは言えないのではないですか。
 それは、絶対出しませんとまで言わなくてもいいですよ。でも、この予算計上の考え方からすれば、令和6年度に位置条例を出すということは、ある意味先送りして、より具体的なものを示す中で、また、市長としては、チャレンジという言い方がいいか分かりませんけれども、再提案をまた模索していこうという考えではないですかと聞いているんです。予算計上されたことの意味との関係で。それとも、基本設計はまだ具体的に準備段階の中でも、位置条例を出すことはあり得るんですか。であれば、この予算計上は何なのかということになるわけです。言っている意味、分かりますよね、大体、全体的に。
 そこは政治判断として、今の時点できちんと自らの方針を自ら転換して、3億円近い予算を出してきたわけですから、基本設計の。位置条例との関係はもう少し説明してください。いい、悪いではないです、私が言っているのは。具体的な見通しを聞いているんです。
 先送りしたんでしょう。その間に、もっと具体的なものを示す、基本設計を示すことによって、議会の状況も変わるかもしれない。もちろん選挙がありますからね。構成も変わるんでしょうけれども、全員同じということはないでしょうから、構成は必ず1名以上は変わるでしょう。構成はね、何人変わるか知らないけれども。そのような考え方で、位置条例は、令和7年度以降にするという見通しの下で、こういう提案をされたと、そこは説明できない理由はないでしょう。いかがですか。
 
○松尾市長  全ての、この今回お願いさせていただいている予算が執行が完了して、成果物が出来上がってというところ、全て待った上での提案だろうとおっしゃっていると思います。
 我々が考えておりますのは、この取組を進めていく中でも、この周知イベントですとか、事業者を公募する公開プレゼンですとか、また、その中でもどういう市役所をつくっていくか、これを市民の皆さんとも、参加していただきながら一緒につくっていくという歩みを取っていきたいと思っています。その中で理解が深まっていくということも当然ございますし、なので、その時期について言明、あえてここでいつまでは出さないとか、いつ以降出すみたいなところが申し上げられないというのは、あくまでも、この取組を継続していく中で、しっかりと御理解を深めていくということが肝要であると考えているからでございます。
 
○高野委員  今、市長が言われた中身というのは、プレゼンだ云々とありました。それは令和6年度中になされるんですか。債務負担行為で今提案されているけれども。令和7年度ぐらいではないかと思っているわけですよ。それは、そちらで予算を提案されているんだから、大体そういうものでしょう、これから準備していくんですから。だから、実際は市議会議員選挙をまたぐのではないですかと。別にそれがいけないとかいいとかいう話ではないですよ、見通しを聞いているだけです。
 
○松尾市長  提案公開ですとか、公開プレゼンは、令和6年度中には開催できるという見込みになっております。
 
○高野委員  言うまでもないけれども、基本設計というのは成果物ですよね。成果物は最終的には令和8年2月頃だと、多少、それが1月になるのか、12月になるのか、それは分かりませんよ、進行状況によるけれども。でも、少なくとも、それはある程度の形というのが出てくるのは、令和7年度であるというのは間違いないでしょう。であれば、債務負担行為を組む必要がないでしょう、だったら。だから、そう考えると、令和7年度ぐらいにまた勝負されるのかなというのが、私の政治的な見通しであるということは、今、予算が出ていますからね、3億円。
 出さなければ、そんな議論はしなかったですよ、今。出されたから議論しているんですよ。私がお願いしたわけではない、出されたから、今、見通しを聞いているんですよ。それを答える責任はあるでしょう、市長、そうでしょう。3億円近い税金を使うと言っているんだから。もうやめたいんですよ、本当はこの質疑、いつまでも。もうちょっと責任ある答弁をしてくださいよ。勝負したんでしょう、今。
 
○松尾市長  この令和6年度、7年度にかけて、具体的な取組というところを進めてまいります。大体夏頃に、この事業の提案の公開ということを行いながら、秋頃にかけては公開プレゼンということがありまして、事業者の結果公表ということになってまいります。
 確かにおっしゃるように、具体的な新たな新庁舎の姿の最終的な完成段階というのは、これは令和7年度に入っていくということには当然なってまいりますけれども、そこに至るまでの経過の中で、ワークショップ等、市民参加の機会ということも、当然何回も実施をしてまいりますので、そういう経過を含めて、我々とすると、その取組を継続して進めてまいりたいと考えているというところです。
 
○高野委員  これ以上は無理なんでしょうから。しかし、遠回しに今言われたけれども、令和7年度になる見通しだという理解をします。
 
○後藤委員長  暫時休憩いたします。
               (11時38分休憩   13時10分再開)
 
○後藤委員長  それでは、再開いたしたいと思います。
 まず冒頭、傍聴者の皆様に申し上げます。審査中は質疑や答弁などの内容が聞き取りづらくなりますので、私語はお控えいただくよう、また、委員会の運営に御協力くださいますよう、改めてよろしくお願い申し上げます。
 それでは、午前中に引き続き、理事者質疑を続けます。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○後藤委員長  次に、第10款総務費(4)「本庁舎等整備事業について」、納所副委員長の質疑をお願いいたします。
 
○納所副委員長  では、引き続きよろしくお願いいたします。
 これまでも議論がございました、この本庁舎整備事業について、市は、これまでの位置条例の可決後に新庁舎の基本設計業務委託を実施するという方針を改めて、令和6年度予算に、この基本設計業務委託費を計上されました。
 改正位置条例の成立を受けて基本設計に進むというのが筋であり、それを変更して、先に基本設計等の業務委託費の予算化を図るためには、その理由を分かりやすく明確化すべきではないかと思っておりますが、改めて市長の説明を求めます。
 
○松尾市長  位置条例が否決になって以降、約1年間、市民の皆さんの意見をお伺いする場や、ONE DAY PLAYPARKなどのイベント、また、議員の皆さんとの話合いというところも積み重ねてきたところです。
 その中で、市民の皆さんにおかれましては、本庁舎の再整備や移転の必要性、否決当時に表明された反対の理由のほか、交通や水害、液状化、現在地における行政機能などについて、一つ一つ正しい情報で説明をさせていただくことで、御理解や、御不安いただいていることを解消できるということがございました。
 その一方で、新しく造ろうとしている新庁舎ですけれども、旧態依然とした時代遅れな無駄なものを造ろうとしているというような指摘などもございました。この点について、より具体的なものをビジュアルでお示ししないとなかなか伝わらないということも、同時に痛感してきたところです。
 そこで、新庁舎整備に向けた基本設計を進めることで、市民の皆さんに、デジタル活用などにより大きく変わり、市民の利便性が高まること、単なる手続、相談の場だけではなくて、幅広い年齢層の方々の居場所となること、また、交流、協働、共創の場となること、さらには消防本部と合築することで災害時の機能強化ができることなどを視覚的に認識し、理解を深めていただくことが、全体の取組を御理解いただけるということにつながると考えまして、基本設計に関する予算を計上したというふうになります。
 
○納所副委員長  より具体的なものを示すことでさらに理解が深まる、納得感が高まるということ、理由としては分かりますけれども、それが位置条例の議決を前後させるということへの説明としては、あまり力強さを感じないというところが、率直な感想でございます。
 位置条例の議決が前後することは、他市の事例があるということは確認しましたけれども、先に位置条例が否決された後に再可決を目指すという、鎌倉市の合意形成の努力が果たして十分に尽くされていたかどうか、これはきちんと検証しなければいけないと思います。
 今回の変更は、そもそも原局からの発想なのか、理事者側からの指示なのか、今回の予算計上の指示に至る経過を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松尾市長  市民周知の取組を通じて、具体的にイメージを示すことで、市民の皆さんの理解や共感、納得感が高まるということを、私自身も、また、原局も感じていたという中において、令和6年度の取組について検討していく中で、最終的には私の判断として、基本設計の予算計上を決断して、予算計上の作業を指示したものになります。
 
○納所副委員長  とにかく初めから、計画の公表から突然過ぎるというような今回の事業への市の取り組み方なんですね。始まりは「広報かまくら」の計画発表の在り方ですね。「市役所は深沢に移転します」という断定的な内容で、「広報かまくら」に掲載したということ。要するに、議会の態度が硬化するような取組ばかりが続いていたということで、今回の基本設計の前倒しの事業化についても、今定例会の直前の議案説明で私も知ることになったわけでございますけれども、こうなるだろうなという前触れがない中で、短期間で議決しなければならない。議会として、市民に納得のいく結論を導くには時間がなさ過ぎる。このことをどう考えるか、市長の見解を伺いたいと思います。
 
○松尾市長  この1年間、意見交換等もさせていただいてきたところですけれども、説明が不十分であったという御指摘ですので、そこは真摯に受け止めまして、今後の進め方というのは、これまで以上に丁寧に進めてまいりたいと、改めて努力をしてまいりたいと考えております。
 
○納所副委員長  果たして議会側に説明が尽くされたかどうかということに、私はちょっと疑問を持っているところなんですね。
 位置条例の改正議案については、午前中の議論にもございました。令和4年12月定例会の本会議において、特別多数議決として、議長も参加した上で採決を行った結果は、賛成が16名でした。出席議員26名の3分の2である18名に達しなかったため、位置条例を改正する議案は原案否決されたという経過でございます。
 この否決後、市民の合意形成を図ることを目的に、市において、先ほども御説明ございましたけれども、様々な取組がなされたことは承知しておりますけれども、果たして議会の場で、本庁舎整備についてより深い議論が展開されたかどうか、これはちょっと疑問を持っております。
 本庁舎整備に賛成する議員にとっても、納得するだけの説明がなければ、市民に説明することもできません。市長は、議会と市民との合意形成のこの手順をどう捉えているのか、伺いたいと思います。
 
○松尾市長  この取組を進めていく中で、大きく私の中でイメージしておりますのは、一方は、3分の2の議員の皆さんの賛成がなければ進まないというところでございます。それは、16名賛成していただいている議員もそうですし、反対された10名の方もそうですし、そのどちらも、より理解を深めていくという、議会との取組ということが大変重要であるということ。もう一方で、市民の皆さんからは、まだよく内容が分からないというような御質問もいただいたりですとか、十分に事前の条件等の説明が尽くされていないという中での誤解があったりというようなことがございまして、この辺りを丁寧に説明していく必要があるという、この両輪をしっかりと進めていくことが必要だと考えているところです。
 手順というところでございますけれども、基本的にはこれまでの取組、それから今後取り組んでいくこと、これらの情報につきましては、議員の皆さんに情報提供させていただきながら、方向性の決まったことについては、住民の皆さんにも十分説明を尽くしていくという手順を、基本的には考えているところでございます。
 
○納所副委員長  議会でも、議会における会議の場だけではなくて、より細かく議論できるような意見交換、いわゆる平場の議論の場も、当然市民から見える形ですけれども、設定して、問題点や課題を明確にしていく努力が求められていたのではないかと考えるわけですね。こういった問題意識は、議員だけではなくて、原局の職員においても、議会側に説明したくても説明できないもどかしさを感じつつ、事業を進めてきたのではないか。そういうふうに考えるわけでございます。
 当委員会の審査の中で、私が申し上げました、副市長が部長と共に市長の意思を伝えるサポートが必要なのに、一度も副市長の説明を受けたことがないということを申し上げました。いわゆる面談の場というよりも、もう少し平場の議論といいますか、そういった討論の場が全くなかったと。議会の議案の説明でよしとするのか、それとも市民の知る範囲で、懇談的に平場の議論がもっとあってもよいのではないかと申し上げました。
 市長は、副市長や職員が議会に積極的に説明する場の設定、これは十分だと思われますか。
 
○松尾市長  この1年間、我々としますと、新たな情報をやこれまでの取組というところにつきましては、適宜、議会、議員の皆さんにも情報提供に努めてきたところでございます。
 ただ、御指摘として、それが不十分だという御指摘でございますので、そう受け止められているというところについては真摯に反省をして、より充実をしていかなければならない点だと受け止めています。
 
○納所副委員長  今までも申し上げてまいりましたけれども、位置条例可決の前に、令和6年度予算に新庁舎等基本設計業務などを予算に計上すること、これは本庁舎整備の必要性を理解して、位置条例改正に賛成した議員にとっても、整備事業を順序立てて進めるものと思っていたところ、それが戸惑いを隠せないということは、これは事実でございます。それだけに、今後も細かい点で説明を求め、議論を尽くしていくこと、これは今まで以上に行っていかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松尾市長  細部にまで理解を深めて、疑問や不安を解消すると、そういう場が必要だというのは、御指摘のとおりだと思っております。
 平場というのは、どういう形でやるかというところを含めまして、また少し議会の皆さんにも御理解、御協力というところもお願いをさせていただきながら、より積極的にそういう場を設定してまいりたいと思います。
 
○納所副委員長  平場という、ちょっと漠然とした言い方をしましたけれども、例えば教育福祉常任委員会では、居場所というテーマについて、これは協議会という形で開催して、単に委員の側から質問するだけではなくて、原局側からも意見等をもらいながら、ほぼ対等な形で意見交換をするという経験がございまして、そうすると、議論は本当に深まっていくということもありますし、市側の考え方も把握しやすい。一方的な質疑ではなくて、相互、本当にインタラクティブな議論の場というものを、私、平場と表現しているわけでございますけれども。実際に副市長に御案内いただいて、現本庁舎の屋上から地下まで、現在の状態を見せていただく機会をいただきました。新庁舎整備の必要性を裏づけるだけの老朽化と、それから狭隘化というのは、この目で確認をしたわけでございますけれども。基本設計業務で新庁舎を視覚化して、そして納得を得ようとするというのは分かります。でも、それよりも前に、現在の本庁舎の状態をより視覚化して、多くの市民に知っていただくこと、これも大事ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松尾市長  議員からもそういう御指摘いただきまして、その点については、より積極的にというか、広く皆さんに御理解をいただく必要があるというのは、改めて感じているところです。今後も、一度の見学会だけで終わらずに、現状をしっかりと御理解いただけるような取組ということを、積み重ねてまいりたいと思います。
 
○納所副委員長  今の本庁舎では、大規模災害時に、その機能維持が難しいということ。これはIs値の説明でありましたけれども、耐震補強の実態と、耐震性は補強されてはいても、免震機能がない。それから制震機能が必要という観点の説明がないのは、これは市民への説得力に欠けると思うんですね。耐震、耐えられるけれども、業務は、その先できないかもしれないというような不安定な説明ではなくて、いわゆる、その免震性、制震性という機能を付加しなければいけないという必要性も、大きく伝える必要があるかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
 
○松尾市長  その点も、誤解がないように、しっかりと伝えてまいりたいと思います。
 
○納所副委員長  現在も、市民の協力を得ながら、この本庁舎が維持されているということへの感謝と配慮を、もっと明確に訴えていくということも大事ですし、この先、例えば新しい本庁舎が整備されるにしても、10年近くはここを維持していかなくてはいけないということ。その後の在り方も、きちんと市民に納得できる方向性というものを明確にしていかなければいけないということだと思います。
 次のごみ処理施策の質問にも関係してしまうんですけれども、私が一番もどかしく思うのは、もう、この本庁舎整備事業に限らず、市の仕事の手順が、こうも前後する。これが繰り返されるということに、非常にもどかしさを感じるんですよね。その仕事の手順、いわゆる、市としては、そのとおりに進めていても、市民や議会が納得できない部分というのが出てくるわけです。これも前後するということなんですね。これは先に説明すべきじゃないのか。アップサイドダウンじゃないですけど。それが繰り返されているという現在の市政の体質について、すごくもどかしさを感じるわけですけど、その点、市長は、そういったところをお感じになったことはありますでしょうか。
 
○松尾市長  進め方というところでございます。なかなか合意形成というところも難しさもあるという中ではございますけれども、御指摘の点、前後するというところでございますので、我々としては、議会や市民の皆さんに、そういうふうに受け取られることがないように、しっかりと従前の準備から含めて、これまでの取組を見直しながら、今後、進め方というところは、より慎重にやってまいりたい、丁寧にやってまいりたいと思います。
 
○納所副委員長  大事になるのは、位置条例改正のコンセンサスを得るということだと思うんですけれども、次の実施設計、着工に進む前には、位置条例改正の議会の議決を求めて事業を進めなければならないと思います。つまり、いつ位置条例をお出しになるのかということなんですけど、それについてはどのようにお考えですか。
 
○松尾市長  位置条例の提案の時期につきましては、現時点では未定であるということになりますけれども、この議会の3分の2の賛同をいただかなければ、この事業、最終的には進まないという、こういうものでございますから、しっかりとその点については丁寧に、より一層、細かいことも含めて説明を尽くしていくように、取り組んでまいりたいと思います。
 
○納所副委員長  この事業の最終形は、将来的に新庁舎の建物が建って、それでよしではなくて、整備がなった後、市民生活に対してどういう価値を生み出していくか、これを明らかにすること、また、それを実現するための新庁舎の整備ではないかと思うわけですけれども、それについての市長の見解を伺います。
 
○松尾市長  もう御指摘のとおりでございまして、市役所の移転という問題だけではございません。この取組の全体像としますと、鎌倉市全体のまちづくりという視点、それから公共施設再編という視点、様々な、それを本市としては、本当に重要な取組が、様々連携しながら、この取組を進めているというところでございますので、しっかりとその点も含めて、皆さんに十分に御理解いただけるように進めてまいりたいと思います。
 
○後藤委員長  それでは、暫時休憩いたします。
               (13時28分休憩   13時29分再開)
 
○後藤委員長  それでは、再開いたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○後藤委員長  次に、第20款衛生費(1)「ごみ資源化事業について」、納所副委員長の質疑をお願いいたします。
 
○納所副委員長  ごみ資源化事業についてでございます。ごみ処理広域化を進めるに当たって、生ごみ減容・資源化施設整備については、今泉地区の地元町内会で構成する協議会で方策を検討する予定としておりますけれども、まずは、今泉中継施設の延長を優先して協議を行っているということを伺いました。この協議会における地元の皆さんのお考え、反応は、市長はどのように受け止めていらっしゃるか伺いたいと思います。
 
○松尾市長  協議会の地元の受け止め方でございますけれども、一定程度の御理解をいただいているというところはございますけれども、鎌倉市全体のごみ政策に係る進め方についての御意見ですとか、もしくは今泉に、長い経過の中で、このごみ処理というところを担っていただいている、そういうところについて、1点、1か所だけに集中するというところについての負担の受け止めですとか、そういう意味では、様々な受け止めというところがございますけれども、地元としますと、協議の中ではしっかりと、市とテーブルに着いていただいているというところでございますので、その中で、しっかりとそうした様々な御意見も受け止めながら、より協議を進めてまいりたいと考えているところです。
 
○納所副委員長  いずれにしろ、地元負担をお願いすることになるわけですので、地元の町内会をはじめとする皆さんに、苦渋の選択を迫ることになります。で、この生ごみ減容化・資源化施設にしろ、それから今泉中継施設の延長にしろ、迷惑施設であることには変わりはないわけで、これはもう過去を遡ってみれば、市長の任期1期目で撤回されたバイオマスエネルギー回収施設整備、これが実現していれば、または、その撤回に代わる代案が明確に示されて実行されていれば、地元町内会、地元への負担は変わっていたと思われるわけでございます。今後の進め方も、丁寧に行う必要があると思いますが、今後の進め方についての市長の取組姿勢を伺いたいと思います。
 
○松尾市長  これまで、ごみ処理施策について進めてきたわけでございますけれども、1点、ごみ処理焼却施設というところの計画を策定してきた中で、こちらを方向、方針の転換をするということもございました。この点につきましては、市民の皆さんにも大変な御迷惑をおかけしたと思っております。
 鎌倉市全体のごみ処理の施策は、過去からの経過もあり、難しさというところも感じる部分ではございますけれども、そういう中でも、市民の皆さんが御協力いただいているからこそ成り立っている施策でもございます。今後の進め方につきましても、丁寧に皆さんに御理解、御協力を得ながら、進めてまいりたいと思っております。
 
○納所副委員長  今、触れられましたけど、深沢の区画整理事業を中断させてまで検討した新たな焼却施設整備も、結局、行わないことになって、その間の空白期間は無駄になったわけでございます。このことは、結局、深沢のまちづくりも含めて、大きな影響があったわけでございます。そのことについての見解を改めて伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松尾市長  御指摘のとおり、様々な取組についても、関連する部分というのがございました。市として大変重要な施策であるという中で、全庁的にも御理解をいただきながら進める必要があると、こういう案件で、この経過の中では、私自身、反省すべき点もあるというところです。今後、しっかりと市の役所全体を含めて、理解をできるように、十分に協議をしながら進めてまいりたいと考えております。
 
○納所副委員長  逗子市、葉山町との広域処理も、いずれは逗子市での焼却も停止されて、広域外の焼却処理に移行することも、その可能性もあるわけでございまして、もし、今日ちょうど3・11でございますが、大規模災害が発生した場合は、自区内処理体制を失っている鎌倉市は、どうするんだということになるわけでございます。将来にわたる安定したごみ処理体制の構築になっているのか、これは疑問が当然残るわけでございます。防災面から、広域も含めて、自区内に焼却施設がなくなることについてはどうお考えか、伺いたいと思います。
 
○松尾市長  災害時のごみ処理につきましては、これは一自治体でも、被災地ではなかなか処理がし切れない、こういう現状があると思っております。災害時には、国のD.Waste−Netというところともしっかりと連携をしながら、また神奈川県もしくは被災していない近隣の自治体と連携をさせていただいて、ごみ処理をしていくという、こういう体制が必要になると考えておりますので、災害時についてはそうした連携の下、しっかりと処理をしてまいりたいと考えております。
 
○納所副委員長  いずれにしろ、他市依存、他地区依存ということが課題としてあるわけでございまして、じゃあ自区内でどう処理ができるのかということも、防災面からもきちんと検討していかなければならないと考えておりますけれども、そういう不安を持つ原因というのは、鎌倉市のごみ処理行政の不安定さにあると思うわけでございます。その原因は、やはり市長が就任以来、様々、計画に変更を繰り返してきたということに起因することは明白でございます。
 まずは、これまでのごみ処理政策、これをもっと明確に市長自らが総括し、誤りを認めることが先決だと思うんですね。そのことがあって初めて、真摯な議論が市民や議会で展開されるのかと思うわけでございます。
 今後のごみ処理政策を誤りなく進めるための取組姿勢、これはもっと分かりやすく明示しなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松尾市長  取組姿勢というところでございます。まずは、これまでのごみ処理についての鎌倉市の取組というところにつきましては、先ほど申し上げました、ごみ処理焼却施設を造らないという方針転換に至った経過も含めて、より住民の皆さんには説明、御理解をいただかなければならないと思っております。そして、今後の2市1町でのこの広域の体制、そしてさらには、将来的なところということについても、その上でしっかりと説明を尽くしてまいりたいと思っております。
 これまで様々な変遷をしてくる中では、市の職員にも多大なる御尽力、迷惑をかけてきた部分というのもございます。市役所が一丸となって進めていかなければならない事業でございますので、その点を含めて、しっかりと取組を進めてまいりたいと思っています。
 
○後藤委員長  以上で、理事者に対する質疑を終了といたします。
 暫時休憩いたします。
               (13時38分休憩   13時39分再開)
 
○後藤委員長  それでは、再開いたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 再開後、本日理事者質疑を行った項目について、改めてそれぞれ意見とするかどうか各委員に確認したところ、全ての項目について意見として残すことを確認した。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○くりはら委員  議案第99号令和6年度鎌倉市一般会計予算について、修正案を提出する用意がありますので、お取り計らいをお願いいたします。
 
○後藤委員長  ただいま、くりはら委員から、修正案の提出についての発言がございました。修正案を今から配信いたしますので、暫時休憩いたします。
               (13時41分休憩   13時42分再開)
 
○後藤委員長  それでは、再開いたします。
    ――――――――― 〇―――――――――――――――――― 〇―――――――――
 
○後藤委員長  ただいま、議案第99号令和6年度鎌倉市一般会計予算に対し、くりはら委員から、配信しましたとおり修正案が提出されました。
 今後の議事の流れの確認のため、暫時休憩いたします。
               (13時43分休憩   13時44分再開)
 
○後藤委員長  それでは、再開いたします。
    ――――――――― 〇―――――――――――――――――― 〇―――――――――
 
○後藤委員長  本修正案につきまして、現在、議題となっております議案第99号令和6年度鎌倉市一般会計予算と併せて議題といたします。
 それでは、本修正案について、提出者から説明を求めます。
 
○くりはら委員  お時間を頂戴しまして、ありがとうございます。
 議案第99号令和6年度鎌倉市一般会計予算について、以下の内容につきまして修正を行う必要があると考えられることから、提案理由の説明をいたします。
 修正案の内容は、歳入歳出予算のうち、歳出において、第10款総務費、第5項総務管理費、第25目企画費に計上されている本庁舎等整備事業のうち、新たに新庁舎等基本設計に関わる予算として計上された、新庁舎等基本設計者等選定審査会委員報酬24万6000円と、新庁舎等基本設計者等選定審査会委員費用弁償1万1000円、合計25万7000円を減額し、それに伴い、第70款第5項第5目予備費を25万7000円増額しようとするものであります。
 また、令和6年度から令和7年度までの期間に設定された債務負担行為のうち、新庁舎等基本設計及びDX支援業務委託事業費2億9496万5000円に関して、削除するものであります。
 鎌倉市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例の制定について、いわゆる鎌倉市役所を御成から深沢へ移転する住所変更の条例が、令和4年(2022年)12月に否決されている状況です。本庁舎の移転が決定していないのにもかかわらず、本庁舎が移転した後の跡地利用に関して、「鎌倉市市庁舎現在地利活用基本構想、令和4年度(2022年度)9月」、「鎌倉市新庁舎等整備基本計画、令和4年度(2022年度)9月」は立てておられますが、基本構想、基本計画までつくったにもかかわらず、新しい庁舎が何を目指すのかなどのコンセプトが見えない状況です。
 そして、もう一つ、鎌倉市市庁舎現在地利活用基本計画素案のパブリックコメントが、2月15日に締め切られたばかりで、市民意見を反映した最終成果物に関しての報告も、まだ受けていない状況です。窓口の在り方の検討も、これからだとのことでございます。
 そのような様々な条件がそろわない中、本庁舎等整備事業に関し、基本設計に着手することは、時期尚早であると考えます。
 地方自治法第4条に基づいた新庁舎の敷地が確定していない状況に、今、あります。さらに、現在の第3次鎌倉市総合計画第4期基本計画実施計画は、令和5年(2023年)4月に改訂版が出たばかりであり、その中の本庁舎等整備事業では、見直し前に書かれていた新庁舎等整備基本計画や基本設計、実施設計や事業者選定の文言は消され、見直し後の事業工程として、令和6年度、令和7年度には、「新庁舎等整備に向けた準備」、「市庁舎現在地利活用の推進」と書かれているのが現状でございます。
 この実施計画改訂版の改正をするのであれば、手順を踏むのが筋でありましたが、その手順が踏まれていない状況でございます。もし、令和6年度の段階で基本設計に着手するということになりますと、施工を前提としたフェーズに入り、基本設計を基に詳細図を起こす実施設計を行った後は、着工、施工、竣工という工程を踏むことになると考えられます。
 また、途中で何か設計変更をすることになれば、そのたびに契約変更や図面変更など、手戻りというような無駄な仕事も増えることとなります。よって、今後、基本設計に着手する妥当性のある事実が生じない限り、市民の皆様の大事な税金が無駄に使われることのないように、要望してまいりたいと考えております。
 以上が、提案の理由でございます。よろしくお願いいたします。
 
○後藤委員長  それでは、本修正案に対する質疑に入ります。御質疑はありませんか。
 
○納所副委員長  提案者に伺います。いわゆる、その修正の理由についてでございますけれども、これは時期尚早のみが修正の理由ということでしょうか。
 
○くりはら委員  それだけが、という質問の御趣旨がちょっとよく分かりませんが、一つは時期尚早だということです。それと、これから市側として条例の制定のために、また再提出ということがあるかと思いますので、そういった再提出のための住民説明、それから議会への説明、そういったものは、これからなされるものとの解釈の上での提案でございます。
 
○納所副委員長  条例が再提出にしろ、いずれは成立すべき予算と、計上すべき予算ということをお認めになるわけですか。
 
○くりはら委員  今の段階で、私の判断できるところではありません。これは、市のほうから提案が、もし、条例を出された場合には、議会のほうでの決定、3分の2要件を達しないと通過しない話であります。私としては、この予算、置いておくべきものではないということの判断です。
 
○納所副委員長  置いておくべきものではないということは、いずれは計上するものという、その時期の問題は、ちょっとまだ御答弁の中からでは解決していないんですけれども、これについて、より明確な説明を求めたいと思いますけれども。
 じゃあ、この予算を削除して、どのような政策に持っていけばいいのかということから伺いたいと思います。
 
○くりはら委員  どちらにしても、地方自治法第4条に関して、議会で可決した後には、こういった予算は必要になるとは考えております。
 
○納所副委員長  ということは、いずれは本庁舎整備は必要であるという御認識ですね。
 
○くりはら委員  我が会派としては、必要であるとは思っておりません。
 
○納所副委員長  それに対する対案といいますか、本庁舎の在り方は、どのようにお考えですか。
 
○くりはら委員  私としては、この本庁舎に補強工事をすることによって、長寿命化することは可能だと考えておりますので、それが私の対案でございます。
 
○納所副委員長  補強工事の必要性については、さきの委員会、また理事者質疑の中でも議論がございましたけれども、これ以上、例えば執務室が狭くなるであるとかということ、これは提案者は専門家でいらっしゃいますから、詳しいことをお分かりになっていると思いますけれども。例えば、爆裂した柱の様子等も御覧になったと思います。それでも補強するだけで大丈夫でしょうか。例えばブレースを増やしただけで、その荷重に耐えられるだけの、いわゆる躯体の構造は持っているか、お考えでいらっしゃいますか。
 
○くりはら委員  建築的に考えますと、爆裂というものは起こり得ることなんですが、それを補修する技術というのはありますので、しっかりと爆裂部分をけれんし、そして、それを補強していくというような工事を行えば、この建物は、今後、使える形になるということになります。で、なおかつ、コンクリート性能に関して、本当に非常にいい値が出ておりまして、100年後までもつというような性能でございますので、それは補修をしながら大事に使えば、地震にも耐え、そして、この建物をずっと使うことも可能となっております。
 こういった技術的なことというのは、やはり、もちろん専門家の皆さんに、補修の方法を提案していただきながらやることでございます。そういった補修費というのは、今後、やっぱり生じ得るとは思います。しかし、これを最終的に建て替えねばならないというところの合理的な理由というところ、これが市民の皆様に、今の段階では説明がつかないと、私は考えております。
 
○納所副委員長  老朽化ということが、合理的な説明にならないということでしょうか。
 
○くりはら委員  老朽化というものの捉え方なんですが、建築的に申しますと構造躯体、これがしっかりと地震力を吸収するなり、それから耐えるなり、あとは、違う方法で、制震、免震というような方法を使って、地震力を分散するというようなことが可能となります。技術的にはございますので、そういったものをしっかりと施せば、構造躯体としてのもちが、ちゃんとしっかりできれば、表面上汚らしいとか、あとは配管が古いもの、こういうものはもちろん取り替えていくと、そういったようなことで対応することが可能ですので。それは、水が漏れたものをそのままにしておくとか、防水が切れたところをそのままにしておくというようなことは、あってはならないということで、それを発見した時点でしっかりと補修していけば、こちらは解消できるということになります。
 
○納所副委員長  提案者は、屋上の状況も視察されたと思いますけれども、いわゆる防水対策というものが、現状で十分施されていると感じたということですね。
 
○くりはら委員  私も、屋上に上がらせていただいて、防水が切れている部分を発見いたしまして、すぐに職員のほうにお伝えいたしました。これは、やはり放置してはならないことですので、しっかりとそこの補修をしてくださいというところで対応いただいたようですので、私としては、そういったところで、しっかりメンテナンスをしながら、放置しないということ。
 それから、保全活動というのは、予防保全の考え方でやるべきでありまして、鎌倉市の場合は、事後保全というような、見つけても放置し続けていくみたいなことを繰り返してしまうと、せっかくもつものももたなくなりますので、日頃のメンテナンス、これにはしっかりと力を注いでいただきたいと考えております。
 
○後藤委員長  傍聴席に申し上げます。御静粛にお願いいたします。
 
○納所副委員長  耐震補強をさらに強化してとなりますと、今まで以上に執務室の狭隘さというものが進むわけですよね。現状、会議室も足りない、またはブレースによって執務室がずれていって、いわゆる通路まではみ出しているというような状況。これが、さらに悪化するということについては、どのようにお考えですか。
 
○くりはら委員  今、壁面にブレースを入れる、鉄骨のブレースが入っている状況です。この状況を同じように、同じ手法でやろうとしますと、それは、やはり執務室の中にブレースが出てくるというようなことで、狭く感じるような状況は起こり得るんですけれども、その耐震補強の仕方も様々ございますので、それは、その手法をしっかり、例えば、室内に出さないブレースとか、そういった方法で対応するなど工夫をすれば、執務室に関係ないところで、しっかりとブレースを入れることができるかと考えております。
 
○納所副委員長  その場合の建物の耐用年数は、どれぐらい延長されると思いますか。
 
○くりはら委員  これは、建物全体のメンテナンスの状況にもよりますけれども、今のところ、そのコンクリートの性能からの考えでいきますと、100年後ももつ性能というのが出ている、そんな状況でございます。
 
○納所副委員長  54年前のコンクリートの状況を、どのように御判断いたしますか。その時点で、さらに、この先50年も、100年に至るまでもつということは、ちょっと素人目に見ても少し疑問が残ると思いますが、いかがですか。
 
○くりはら委員  コンクリートの性能として、造った当時よりも経年変化、時間がたちますと、コンクリートというのは硬くなるという性質を持っております。ですので、そういった硬くなってくるということは、剛性が上がるという考えもございますので、そういったところと、あと、経年劣化といって、先ほどから納所副委員長がおっしゃっておられる、爆裂した部分などの気になるところのメンテナンスをしっかりと行うことによって、劣化するものを止めることも技術的には可能でございます。
 
○日向委員  すみません。副委員長の後で申し訳ございません。ちょっと今お話を聞いていて、お伺いしたかったんですけれども。
 最初、提案説明の中で、コンセプトが見えない状況、今のところはない状況であって、令和6年度、窓口の在り方とかそういったのもやるから、時期尚早のようだということ、かなと思って意見を伺っていたんですけれども、提案者としては、会派としては、補強工事というような形だったと思うんですね。そうすると、時期尚早とか、窓口の在り方云々ではなくて、もともと、そこの部分がちょっと僕は、矛盾しちゃっているのかなと思ったんですけど、そこについてはどうお考えですか。
 
○くりはら委員  私どもの会派、そして私の考えという意味では、もちろん、もともと否決した側の人間ですので、どんなことがあっても反対なんていうふうになるのが普通に感じられるかもしれませんが、私としては、やっぱりこれは、最終的には、市長が出された議案に対して、議会が決める権利というのを持っているというものでございますので、私の意見を押し通して、それに従ってくれというような発想ではなくて。やはり、例えばですけれども、時間をかけて窓口の在り方を検討して、その窓口の在り方が、例えばですけれども、今のこの庁舎の中で、パズルのようにレイアウトを変えることによって、もしかしたら窓口が、IT化も進んでいる中で、ちゃんとDXなんかも取り入れて、窓口がこんなに小さくて済んだよとか、そういうようなことやら、もしかしたら時間がたって時代が進めば、本当にこんなに広く、2万5000平米とかなくても、市役所が機能するということも可能性としてはあり得るので、今の時点でという判断での御説明をさせていただいた次第です。
 
○高野委員  本当は、副委員長の後で申し訳ないんだけれども、予定なかったんだけれども、ちょっと、どうしても整理をさせていただきたいことがあります。
 2点ですが、ちょっと今、やり取りの中で、御自身のお考えというのかな、会派としてのお考えについて、今やり取りがありましたけれども、私としては、今、出されたその修正の内容についての判断をしたいと思っているんです。
 そこで伺いますけれども、今のやり取りは、やり取りとして認識はしますが、この修正案を出された意味合いというのは、あくまで、位置条例の可決なしには、基本設計、委託費は計上しないという市長の従前の判断が、その理解が高まるとか、納得感が高まるということを期待して、基本設計に関する約3億円弱の予算を計上したということが、適切ではないという判断から、計上されたものであると。したがって、その先の話については、今いろんなお考えがあるでしょう、そのことについて、この今、提案している内容は、縛るものではないということは確認したいんです。でないと、今、くりはら委員が言われた先々の考えと、私が個人的に思っている考えは、必ずしも全部一緒ではありません。それは、今後、さらなる市民的な議論の中で、どういう着地点をするかを決められるべきものであります。位置条例の可否を含めて。
 なので、そこの議論を今、この提案をされていることに、何か付随してされること自体が、ちょっと私には、申し訳ないんだけれども、やや違和感があったんです。したがって、そこの点は、ちょっと判断するに当たって、この議案を提案された上での条件ではないということは確認させていただきたいんです。いや、条件であるというなら、ちょっと判断が変わるんですが。そこは、その点ちょっと伺いたい。意味は分かりますか、伺いたいと思います。
 
○くりはら委員  それは、全く条件はありませんということです。
 
○高野委員  条件という言い方をしましたけど、つまり、削除を今、求めているわけですよね。方針変更に伴う基本設計の部分のね。そこから先については、これはいろんな考え方があるということを許容している提案ですよねと聞いているんです。いや、この後こうしなければならないというお話であると、ちょっとこれは判断の考え方が変わってくるのでね。現在地の長寿命化という話も今されたけれども。そういうことが、この提案とセットではないんですよね、あくまでも。
 
○くりはら委員  私の考えは述べましたが、それがセットということではございません。失礼いたしました。
 
○高野委員  それじゃあ、その上でもう1点だけ。そうしますと、事項別明細の54ページには、例えば、これ13節に、新庁舎等基本設計及びDX支援業務受注者選定支援業務委託料675万8000円というのも計上されていて、これは一見すると、基本設計と関係があるんじゃないかとも読めます。しかし、今、提案されている中で、この費用が入っていないということの意味なんですけれども。つまりこの委託料、その受注者選定支援業務委託料というのは、既に令和4年度からの債務負担行為で実施されていることでありまして、令和4年度、そして今年度、令和5年度、既にもう、よしあしは別として実施されている、これは業務なんですね。
 つまり、これまでの市長の、位置条例を可決してから基本設計をやりますよという方針の枠内において、既に実施されているこれは予算であります。ですから、先ほどちょっと1問目に聞いたこととも関係があるんですが。ですから、言わば方針変更に伴う予算計上ではないわけですね、今言った部分というのは。だから、あえてこの今回の修正予算には計上しなかったと。つまりは、その方針変更に伴って計上された部分に、ある意味、厳格に限定した形で修正が提案されたと、こういう理解でよろしいですか。
 
○くりはら委員  高野委員おっしゃるとおりです。要するに、市長のほうの方針転換によって変わった部分というのが、まさに基本設計を、これから市民の皆さんに説明するために行いたいとおっしゃっている部分なんですけれども、これに関して、今の13節のところのお話で申しますと、これがもう既にしかかって、契約も行って、例えばこれを、個人的なことで言えば、削れるものなら削りたかったなと思う部分ですけれども、これは、もう既にしかかっている仕事の残の部分に当たるということを、原課のほうからも説明を受けておりますので、これは、今回の削除には入れておりません。
 
○高野委員  最後に1点、今の聞いたことも踏まえて、ちょっと全体的にもう一回確認させていただいて終わりたいと思うんですけれども。
 つまり、今回の修正予算の今の御提案というのは、仮に削除して、基本設計を行わないという場合においても、行政側は何らかの、その市民への理解の周知であるとか、そういう行政権の枠内での、市長の権限の枠内での取組はされるでしょう。それは仕組みとしては否定はできないわけですね、よしあしはともかくとして。そういう予算も入っていますよね。周知関連業務委託料という82万5000円ですか。これも、13節に入っているわけですから。
 そういう下において、市役所移転を比較的肯定的に思っている方、否定的に思っている方、もしくは条件付で賛成した方、いろんな方がいらっしゃると思うんですね。ここの跡地整備がちゃんとされるなら、鎌倉地域の人が深沢まで行かなくてもいいようなものができるならいいじゃないかとか、いろいろ考えがあるわけですよ。そういう様々な、言わば、着地点に向けて合意形成を図っていく上で、それを進める手法としては、しかし、位置条例を議決しないで、ある意味、その順番を変えたということの、やはり順序の進め方が、これがおかしいという意味合いから提案されたものであって、ちょっと繰り返しますが、その後の、この本庁舎をどうするか、移転するかしないかも含めて、そういうことについての、考え方というのは、あくまで今後の市民的な議論に、議会も含めてですよ、市民的な議論に付されるべきであると。そういう前提で出された提案であるということは、最後にもう一回確認させていただきたいと思います。
 
○くりはら委員  高野委員のおっしゃるとおりなんです。そのように御理解ください。
 
○後藤委員長  ほかに御質疑はございませんか。
                  (「なし」の声あり)
 それでは、質疑を打ち切ります。
 次に、修正案に対する御意見の有無を確認いたしたいと思います。しかし、意見開陳のほうは、後ほど行っていただきますので、ここでの意見は項目名のみ、御発言いただければと思います。
 御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。
 
○納所副委員長  修正案について、意見です。
 
○後藤委員長  意見、納所副委員長から、ありということで。
 ほかには、よろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 では、これで意見を打ち切らせていただきたいと思います。
 なお、この後に行われます意見開陳後に、付託議案22件の採決を行いますが、原案である議案第99号令和6年度鎌倉市一般会計予算の採決の前に、本修正案の採決を行うことを確認してよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認いたしました。
 ここで、意見の一覧表を改めて整理するため、暫時休憩いたします。
               (14時12分休憩   14時27分再開)
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 再会後、各委員から出されている意見について、配付した一覧表に漏れがないことを確認するため、一旦休憩した。
               (14時28分休憩   14時30分再開)
 再開後、配付した意見の一覧表に漏れがないことを確認し、意見を述べたいと申し出た委員から、順次意見の趣旨について説明を受けた。
    ――――――――― 〇―――――――――――――――――― 〇―――――――――
 
○後藤委員長  各委員から出されております項目ごとに、順次、御意見の開陳を願います。
 まず初めに、第10款総務費(1)「公的不動産の利活用について」、中村委員お願いいたします。
 
○中村委員  梶原四丁目や扇湖山荘をはじめとして、土地利用の条件などから、公的不動産の利活用が停滞しています。これらの不動産は管理維持のための経費もかかっており、できるだけ早い有効活用が望まれます。実現可能な事業手法の検討を進め、速やかに行うよう要望します。
 
○後藤委員長  次に、(2)「庁舎管理事務について」、くりはら委員どうぞ。
 
○くりはら委員  庁舎管理事務について。建築物は、事後保全型管理ではなく、予防保全型で修繕を行えば、より安価に、より長期にわたり利用することができる。庁舎の点検やメンテナンスを日頃からしっかり行っていただきたい。特に、構造躯体の強度が下がらないよう、コンクリートが爆裂したところや雨漏りなどは放置してはいけない。また、大規模な地震が起きた際に、落下しそうな仕上げ材がないか点検し、危険性が高いものは撤去や更新をすることも検討すべきと考える。
 さらに、構造躯体に関係のない表面の仕上げ材に関しては、塗装や張り替えをして、見え方にも配慮することを願う。
 
○後藤委員長  次に、(3)「公共施設再編事業の公共建築物の維持管理システムについて」、同じくくりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  公共施設再編事業の公共建築物の維持保全システムについて。公共建築物の維持保全システムで、個別の情報を管理しながら、鎌倉市全体の公共建築物の修繕計画や更新計画を一元管理して、政策決定に利用していただきたい。
 
○後藤委員長  次に、(4)「ふるさと寄附金の寄附見込額について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  ふるさと寄附金の寄附見込額の前年度、前々年度実績からの下方修正は、2023年10月のふるさと納税のルール改定に伴う寄附金の収入状況の変化を踏まえた、妥当な判断である。ふるさと納税制度は、全国での展開において、趣旨からの逸脱や過熱競争、税の流出で不利益を被る自治体の問題などが顕在化し、制度の在り方が問われ続けている。鎌倉市としては、寄附見込額を高めに設定して、頑張る姿勢を見せることよりも、寄附金収入の有効活用に尽力すべきである。
 
○後藤委員長  次に、(5)「野村総研跡地の利活用について」、同じく井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  野村総研跡地については、県企業庁から長谷配水池の代替施設整備への用地提供の要望があるものの、施設の配置や規模などについての詳細が示されない中で、重点事業である公的不動産利活用について、事業者選定支援業務委託料を予算に上げている。配水池の設置を受け入れた場合も、水道施設を整備しないエリアについては、緑の自然を生かし、市民ニーズを踏まえた官民連携の事業を検討することが、市民の財産である野村総研跡地にはふさわしい。令和6年度は、つながる鎌倉エール事業で、市民団体との協働事業も実施される。この場所においては、市民協働、市民参加型事業の可能性を追求してほしい。
 
○後藤委員長  続いて、(6)「人事管理事務について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  職員の資格取得の奨励を進めるとともに、取得した資格を生かせる人事配置を、待遇面も含めて制度化すべきである。
 
○後藤委員長  続いて、(7)「選挙公報の配布について」、日向委員、どうぞ。
 
○日向委員  選挙公報を全戸配布しているが、届かないという声や問合せがある。ウェブサイトへの掲載など様々取り組んでいただいているが、期日前投票もできる中で、確実に届けられるように、さらなる取組を求める。
 
○後藤委員長  次に、(8)「選挙について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  選挙について。事業者に委託することにより、タイムラグが生じ、期日前投票までに選挙公報の配布が間に合わないことがないように、選挙公報を投票所の外に配置し、来られた方が見られるようにしたり、鎌倉市のホームページにデータを掲載するなどして、期日前投票に間に合うようにしていただきたい。
 また、投票所が遠くて投票しにくいという地域があるので、移動投票所を設置したり、駅やスーパーの一角を借りた投票所をつくるなどの努力をしていただきたい。
 
○後藤委員長  次に、(9)「選挙執行事務について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  選挙公報のネット公開を、選挙公報配布より先に進め、有権者に周知するとともに、投票補助の申出がしやすい環境を整えること。また、視覚障害を持つ有権者に、記入を助ける投票補助具を用意すべきである。
 
○後藤委員長  続きまして、(10)「行財政改革推進事業について」、日向委員、どうぞ。
 
○日向委員  市庁舎窓口の在り方を検討する中で、デジタル技術を活用し、市民サービスの向上と職員の負担を軽減していく取組を進めていき、便利な市役所、行かなくてもいい市役所を実現するための仕組みの構築を求める。
 
○後藤委員長  続きまして、(11)「広報紙の改善について」、高野委員、どうぞ。
 
○高野委員  「広報かまくら」については、1面において、目に入りやすいインパクトのある紙面構成にするなど、一定の努力をされていること自体は評価するものであります。同時に市民生活にとって重要と思われる内容が、3面以降に記載されている場合などにおいて、なかなか気がつかないという市民の声もあることから、幾つかの主要な記事の項目について、1面の見出しで紹介するなど、さらなるレイアウトの工夫に取り組んでいただきたいと求めるものであります。
 
○後藤委員長  続きまして、(12)「芸術館運営への適切な支援について」、高野委員、どうぞ。
 
○高野委員  市内最大の文化施設である鎌倉芸術館は、開館30周年を迎えました。その一方で、運営面について、文化行政の立場から、さらなる支援が求められています。サントリーが指定管理者から撤退し、次期の公募に、どこからも手が挙がらなかった教訓から学んで、早期に指定管理料の適切な見直しなどを行う必要があります。何よりも安定的で継続的な運営を保障するために、文化行政の立場から、現在の指定管理事業者と十分な連携を図り、信頼関係を確立しつつ、必要な支援を積極的に行うよう求めるものであります。
 
○後藤委員長  続きまして、(13)「広聴・広報事業について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  広聴・広報事業について。市民からの苦情や意見を受け止め、課題を洗い出して政策へとつなぎ、課題解決を行い、税金の有効利用と市民への還元をしっかり行うことが肝要である。
 また、政策の周知や様々な情報の提供の際は、スマートフォンありきのデジタルばかりではなく、様々な媒体を使い、全ての方々に分かりやすくしていただきたい。また、特に障害をお持ちの方などには、より丁寧に伝える努力をしていただきたい。
 
○後藤委員長  続きまして、(14)「窓口のあり方検討支援業務について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  窓口のあり方検討支援業務について。窓口において、今まで様々な苦情があったかと思うが、実際には日々対応されている方々が一番分かっている部分である。市民の皆様からは、たらい回しをされないワンストップ窓口が望まれている。現在の本庁舎の課題や窓口の在り方に関しての改善点を庁内で検討することで、将来の窓口の在り方が見えると考える。
 
○後藤委員長  続きまして、(15)「広報事業について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  視覚に障害を持つ市民に文字情報を音声で読み上げる2次元コード、音声コードを、市の発行する「広報かまくら」や各種通知、パンフレットに導入すべきです。音声コードは、スマートフォンなどに無料の専用アプリをダウンロードすることで利用でき、外国語への変換にも対応しています。視覚に障害のある方は、必ずしも点字を読めるわけではなく、文字情報を音声にする方法について、多くの方は、補助者による代読やパソコンの音声読み上げソフトを用い、主にパソコン上の音声や、拡大文字によって情報を得ています。
 文字内容を2次元コードに変換して音声化する音声コードの添付は、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法に基づき、視覚に障害を持つ人に、より早く情報を提供できることになり、健常者との情報格差の解消を目指すことになります。市は音声コードの導入により、全ての障害者が障害の有無によって分け隔てることなく、情報の取得やその利用、意思疎通ができる社会の実現を目指して行動すべきです。
 
○後藤委員長  続きまして、(16)「相談事業について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  市民の問題解決を支援するための相談事業において、精神対話士など、対話の在り方に精通した専門家などによる、対話相談を導入することを提案します。将来の希望や心配事などについて、対話することで漠然とした不安の背後に隠されていた課題が明確化されることは、解決に向けて動き出すきっかけとなります。相談窓口でも接遇時の対応を一歩進め、精神対話士などによる専門的な知識と温かな対話で、心のケアを行う相談の場を設定すべきです。
 
○後藤委員長  ここで、議事の都合により、意見開陳中ではございますが、暫時休憩といたします。
               (14時42分休憩   14時45分再開)
 
○後藤委員長  それでは、再開いたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○後藤委員長  本日、3月11日は、国民生活に多大な影響を及ぼした東日本大震災の発生から13年目を迎える日でございます。この震災により犠牲となられた全ての方々に対し、哀悼の意を表すべく、黙祷をささげたいと思います。入室している皆様方の御起立を願います。
 それでは、黙祷。
                    (黙  祷)
 お直りください。御着席ください。
 それでは、意見開陳を再開いたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○後藤委員長  次に、(17)「避難対策推進事業について」、くりはら委員、お願いいたします。
 
○くりはら委員  避難対策の推進について。市民、観光客の誰もが見て分かるように、公共施設等に津波の最大想定の高さ表示をすべきだ。観光客の中には、日本語が分からない方もいらっしゃるので、分かりやすくしていただきたい。その手法は問わないが、道路の通行者から目視できる場所のものがよい。例えば、福島原発のように、建築物、構造物などにラインを入れるか、棒状のモニュメントを建てたり、屋上から懸垂幕をたらして、高さ表示をする方法でもよい。
 
○後藤委員長  続きまして、(18)「津波避難対策について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  津波避難建築物の標識については、分かりにくい場所にあったり、劣化している箇所がある現状を改善する、再設置の予算がついたことは評価する。再設置に際しては、施設管理者と避難施設としての利用について、改めて調整を図ることもしっかりやっていただきたい。
 また、藤沢市が、津波避難困難区域に整備する津波避難施設が、県による津波災害警戒区域の指定により、津波による堰上げも含めた基準水位が示され、避難場所に必要な高さが明確化したことを踏まえた設計であることに注目すべきである。県による津波災害警戒区域の指定を待つのではなく、県に対し指定を働きかけていただきたい。
 
○後藤委員長  続いて、(19)「街頭防犯カメラの設置について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  鎌倉警察署、大船警察署からの情報提供に基づく市内の刑法犯認知件数は、市のホームページで公表されている平成29年から令和4年の6年間において、増加傾向が読み取れる状況ではない。街頭防犯カメラの設置については、犯罪及び事故防止の視点で設置の根拠を明確に示すことができる場所に限定すべきである。設置要綱においては、公共の場所への防犯カメラ設置の目的を、市民の安心感というような抽象的な言葉を使わずに明確に示し、設置及び適切な運用に関する必要な事項を定めるとともに、要綱が、当該カメラにより撮影される者のプライバシーその他の権利の保護を図ろうとするものであることを規定する。
 
○後藤委員長  続いて、(20)「避難対策推進事業について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  津波避難誘導標示を、全国統一規格に沿うものとするとともに、ペット同行避難ガイドラインの周知に努めるべきである。
 
○後藤委員長  続きまして、(21)「市史編纂事業の推進と専門職の充実について」、高野委員、どうぞ。
 
○高野委員  市制100周年に向けた市史編纂事業の取組は、鎌倉の現代史を後世に伝えていく大切な事業です。今後、歴史的公文書の選別作業や市史の研究に努めながら、市史編さん委員会の発足などを視野に入れた継続的な取組を期待するものです。
 15年間の長期にわたる取組であることから、専門職である司書の継続的採用を行うなど、体制のさらなる充実を求めるものです。
 
○後藤委員長  続きまして、(22)「本庁舎等整備事業について」、日向委員、どうぞ。
 
○日向委員  新庁舎建設に向けた基本設計を進めることで、新しい市役所のイメージが膨らむことと認識している。さらなる市民理解と期待が高まるよう、設計中も様々な情報を市民と共有し、進めていただきたい。また、現在地の利活用についても、市民サービスの提供と、にぎわいや憩いを創出する場としていくよう求める。
 
○後藤委員長  続きまして、(23)「本庁舎整備について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  本庁舎の整備については、次世代のことを考えて進めるべきであるということをまず申し上げる。「位置条例の可決なしには、新庁舎の基本設計委託費は計上しない」という議会での市長の発言は、2023年度中の位置条例改正議案の再提出を前提としていたはずである。だからこそ、昨年の夏には、現在地利活用基本計画の中間取りまとめを行い、本庁舎が深沢に移転しても、現在地において市民対応の行政機能が維持され、市民の多様な活動の拠点となる施設が、物理的に整備可能であることを示した。そうすることで、市役所の位置を深沢に定めることへの市民の共感と、議会の賛同を高めようとしたものだと理解している。
 過去の市民アンケートで、市役所は鎌倉地域にあるのがよいという回答が過半数だった際には、現在地に行政機能が確保される形での新庁舎整備という考え方は全く示されていなかったわけで、それが示されたことで、市民の受け止め方は変わっている。しかし、市民の共感は広がっているものの、位置条例の再提案に進む議会の状況には至らなかったため、2023年度中に再提案はなされなかった。
 その状況下で、新庁舎の基本設計関連経費が予算計上されたのは、新庁舎の整備が鎌倉市にとって待ったなしの課題であるからにほかならない。能登半島地震の被害状況を見ても、災害時に市民のよりどころとなり、救援、復旧の拠点となる本庁舎の整備を少しでも早く進める必要があるのは明らかである。
 基本設計関連経費の予算計上に当たり、基本設計に着手して、具体的なものを示すことで、新庁舎整備への理解を広めるという説明がされているが、具体的なものというのは、完成した基本設計案のみを指すものではない。むしろ重要なのは、基本設計の事業者選定過程の公開や、基本設計を練り上げていく上での市民参加ということである。過程を公開し、市庁舎整備によって広がる様々な可能性を、広範囲な市民に知ってもらうように努めることを求める。
 
○後藤委員長  続きまして、(24)「歴史的遺産と共生するまちづくりについて」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  歴史的遺産と共生するまちづくりについて。世界遺産や日本遺産にもつながる、維持向上すべき歴史的風致を、国土交通省、文部科学省、農林水産省の助言や支援を受けながら守っていく必要がある。歴史的風致形成建造物や景観重要建築物は、まめな予防保全の修繕を行うべきと考える。
 また、発掘調査された文化財などは、倉庫に保管するだけでなく、市民、観光客、研究者の目に触れる形での保存を望む。
 
○後藤委員長  続いて、(25)「防災体制の強化について」、高野委員、どうぞ。
 
○高野委員  防災の取組については、地域の力を生かすとともに、行政として日常的に連携した体制の強化が強く求められています。その点で、暫定版の職員地域担当制が地域の実情に合わないことから、災害時の地域からの情報集約体制という形に変わりました。それ自体、大切なことではありますが、本来の職員地域担当制の趣旨とは異なる運用と言えます。
 防災部署における神奈川県内の常勤職員数を見ると、人口が類似する団体との比較でも、決して多いとは言えません。少なくとも5行政区に1人ずつ、地域と連携して防災の取組を進める職員配置を行うなど、防災体制の充実を図り、職員地域担当制の確立に向けた検討を進めるよう強く求めるものであります。
 
○後藤委員長  次に、(26)「本庁舎等整備事業について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  本庁舎等整備事業について。地方自治法第4条に基づいた新庁舎の敷地が確定していないという状況にある。そもそも、市役所は誰のためのものなのか。市民が市役所機能として何を期待し、何を必要としているのか。職員の執務スペースとして、何を何平米必要としているのか。どのような場所が必要なのか。市民と職員が共用できるスペースは何なのか、何を分けるべきなのか。現在の本庁舎の何が問題で、何を解決しなくてはならないのか。課題は何なのかの整理が重要だ。
 建設業の常識としては、基本設計に着手するということは、基本設計を基に詳細図を起こした実施設計を行った後は、着工し、施工し、竣工させることが前提である。途中で何か設計変更をすることになれば、そのたびに契約変更や図面変更など、手戻りという無駄な仕事も増えることになる。よって、今後、基本設計に着手する妥当性のある事実が生じない限り、市民の皆様の大事な税金が無駄に使われることのないよう要望する。
 
○後藤委員長  続きまして、(27)「本庁舎等整備事業について」、高野委員、どうぞ。
 
○高野委員  市長は、「位置条例の可決なしには、基本設計委託費は計上しないものと考えています」と自らが言明した方針を改め、理解が高まる、納得感が高まることを期待して、基本設計に関する約3億円を予算案に計上しました。それが、たとえ行政運営上、違法とまでは言えないとしても、適切であると言えるでしょうか。市民や議会に対し、自ら約束したことを1年で覆すという政治手法が、果たして市民の理解や、信頼を得ることにつながるのでしょうか。
 基本設計は、次の詳細設計、実施設計の基となる設計業務であり、それ自体が工事の着手とは言えないものの、事実上、工事の準備予算であることは明瞭です。再度の条例否決というリスクを考えても、予算計上しないという方針が適切だったと考えます。
 
○後藤委員長  次に、(28)「本庁舎等整備事業について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  本庁舎等整備事業について、市はこれまでの、位置条例の可決後に新庁舎の基本設計業務委託を実施する方針を改め、令和6年度予算に、基本設計業務委託費を計上しました。位置条例の議決が前後することには、他市の事例があることは確認しましたが、先に位置条例が否決された後に、再可決を目指しての市の合意形成への努力が、十分尽くされていたかどうか疑問です。
 位置条例の改正議案については、令和4年12月定例会において審査され、建設常任委員会の議論では、「移転先の交通問題を解決できる見通しが全く立っておらず、本改正条例提案の条件が整っていない」「歴史上の重要な場所は旧鎌倉地域であり、鎌倉の中心地である現在地から移転することに納得がいかない」との意見が出された一方、「現庁舎は、震度6程度の地震発生時に、災害復旧活動の拠点として機能するための耐震強度を備えておらず、本庁舎整備は喫緊の課題である」「本庁舎整備は、市民生活に影響を与える重要な取組に係る予算を削って行うわけではない」「地方自治法第4条第2項の解釈については、過去の判例からも、深沢の計画地への移転が違法であるとは考えられない」との意見が出され、委員会における採決では、多数の賛成により可決されましたが、その後の本会議において、特別多数議決として、議長も参加した上で採決を行った結果は、賛成16名であり、出席議員26名の3分の2である、18名に達しなかったため、位置条例を改正する議案は原案否決されました。
 否決後、市民の合意形成を図ることを目的として、様々な取組がなされたことは承知していますが、果たして議会の場で、本庁舎整備について議論が展開されたでしょうか。会議の場だけでなく、より細かく議論ができるような意見交換、いわゆる平場の議論の場を市民から見える形で設定し、問題点や課題を明確にしていく努力が求められていたのではないでしょうか。
 原局の職員も、議会に伝えたくても伝えられず、もどかしさを感じつつ、事業を進めてきたのではないでしょうか。位置条例可決の前に、令和6年度予算に新庁舎等基本設計業務等を計上することは、本庁舎整備の必要性を理解し、位置条例改正に賛成してきた議員にとっても、整備事業を順序立てて進めるものとして、戸惑いを隠せないことは事実です。それだけに、今後も細かい点で議論を尽くしていくことを強く求めます。そして、次の実施設計、着工に進む前には、位置条例改正のコンセンサスを得て進めなければならないことを意見として申し上げます。
 
○後藤委員長  次に、「議案第99号令和6年度鎌倉市一般会計予算に対する修正案について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  基本設計業務委託を実施する予算を削除するとした修正案提案の理由について、提案者から時期尚早である旨の説明があったが、いずれは計上すべき予算であるとの認識は不明確であった。また、本基本設計等に係る予算の修正削除後の意義についても、本庁舎の在り方が耐震補強のみであるということでは、長年の課題解決にならない。今回の基本設計等に係る予算の計上には、その順序立てに批判すべき点はあるが、その予算を削除して、それでよしとすることは、議会の議決責任を果たすことにならないことを申し上げる。
 
○後藤委員長  次に、第15款民生費(1)「子ども家庭支援事業について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  子ども家庭支援事業について。特にヤングケアラーの場合は、自分がケアラーになっている認識を持たないまま当事者となっている可能性があるので、子供にも分かりやすい周知にしていただきたい。相談先は、たらい回しになったり、煩雑になったりしないように、ワンストップ窓口を目指していただきたい。
 
○後藤委員長  続いて、(2)「保育士の確保について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  保育士の確保について。児童福祉分野の保育士等就職奨励金や、私立保育所等への民間保育所等保育士配置費用補助金などを行い、待機児童、保留児童の解消、保育士の確保に努められるとのことなので、質、量ともに向上することを期待する。
 保育士確保の自治体間競争も激しくなっており、鎌倉市から近隣市へ職場を変える保育士が出ないよう、近隣市の動向に気をつけつつ、努力を続けないとならない。
 現状では、新人の正規保育士に、ベテランの非正規保育士が管理されるようなひずみも起こっているとのことなので、結婚や出産、介護などのために一度辞めた方を復帰に誘う策としては、非正規の扱いではなく、権限を持ってスキルアップもできる正規職員とする仕組みをつくることも一考だ。
 
○後藤委員長  続いて、(3)「保育所給食費について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  保育所給食費について。幼児期の栄養状態が成長や発達に及ぼす影響は大きい。さらに、その後の青年期や成人期の健康にも影響を与えることを考えると、幼児期から食事を適切に摂取することが重要である。青年期以降は、自ら意識して、よりよい栄養状態になるよう食事を変えることができるが、特に幼児期の栄養状態をよりよいものにするために、養育者だけでなく、周囲の養育環境を整えることも重要だ。よって、保育所給食費の無償化をしていただきたい。
 
○後藤委員長  次に、(4)「こども家庭センターについて」、中村委員、どうぞ。
 
○中村委員  こども家庭センターの設置については、児童福祉法と母子保健法の組織が別で課題があったことや、こどもまんなか社会の実現といった、政府の政策により、子供たちが健やかに、安全・安心に成長できる環境を提供できるような目的があります。
 一方、鎌倉市では、既に、かまくらこども相談窓口きらきらが設置されています。こどもまんなかの視点で、子育て世代の幅広い支援が切れ目なく、漏れなく展開できるよう、こども家庭センターと、こども相談窓口きらきらが、効果的に連携して運営ができるよう求めます。
 
○後藤委員長  次に、(5)「公立保育所の安心・安全な給食の推進について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  市長が公約で掲げている有機給食の取組が、令和5年から公立保育所でも始まり、有機牛乳、有機小麦、トマトピューレなどを取り入れている。小さい子供ほど、より身体的発達が未熟であり、大人よりも有害物質を吸収しやすいため、安心・安全な給食を提供することで、健康な体をつくるということは、幼児期において最も必要である。
 令和6年度は、有機牛乳に加えて、有機米を提供するとのことだが、そうした取組を行っていることを積極的に周知し、啓発を行ってほしい。
 
○後藤委員長  次に、(6)「不登校を含む子供たちが安心して過ごせる地域の居場所について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  フリースクール等を利用する児童・生徒に補助金を出す鎌倉市の支援策は、学校に行けない子供たちの居場所としての選択肢を増やす取組として、とても重要であると思うが、義務教育と違い、フリースクールは、1か月に平均約3万3000円がかかる中で、そのうちの3分の1の助成は、まだまだ家庭的負担が大きく、経済的に厳しい家庭の選択肢には高い壁がある。そういった子供たちを含む、誰もが安心して過ごせるような地域の居場所を求める。
 
○後藤委員長  次に、(7)「子ども家庭支援事業について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  鎌倉市において、こども家庭センターを設置し、子育て支援を強化していくが、一時預かり、ショートステイの強化などの支援対策は、実施する上で、鎌倉市単独では難しい場合があります。県や近隣他市に働きかけて、広域による支援体制の構築を進めるべきです。
 
○後藤委員長  次に、(8)「高齢者活動運営事業について」、日向委員、どうぞ。
 
○日向委員  高齢者の社会参加や生きがいづくりを支援し、福祉の向上を図っている同事業の重要性は認識している。入浴料の一部助成などを取り組んでいただいているが、交通機関利用時の助成に使うことができるなど、メニューを増やし、利用者自らが選択できるような活動支援サービスの充実を求める。
 
○後藤委員長  次に、(9)「高齢者への外出支援制度の充実について」、高野委員、どうぞ。
 
○高野委員  高齢者の外出支援は、誰もが元気に暮らし続けられるよう支援する上で大変重要な事業です。運転免許証返納者だけでなく、対象者を広げるとともに、2年間だけではなく、継続的な補助制度に充実させるよう強く求めるものです。
 決算特別委員会の総意として示された意見には、そうした観点が含まれており、行政として都合のよい解釈を改めるよう指摘するものであります。
 
○後藤委員長  次に、(10)「ケアラー支援について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  ケアラー支援について。ヤングケアラーや若者ケアラーがいる家庭には、ほかにもケアラーが存在する。病気やけが、障害を持った家族や兄弟姉妹の世話、介護、両親の離婚、ネグレクトなど、それぞれの家庭の複雑な事情の把握も必要となる。まずは、誰もがケアラーになり得るということを知っていただくことと、一人で悩まずに相談先があることを知っていただくことが重要だ。
 
○後藤委員長  次に、(11)「障害者社会参加促進事業について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  障害者社会参加促進事業について。障害者が社会参加をするのには、社会に存在するバリアを取り払う必要がある。そして、様々な障害者にも配慮された移動手段の確保や、アクセス、アプローチ、障害があっても楽しめる美術館や博物館の展示の仕方を、鎌倉市として模索する必要がある。
 
○後藤委員長  次に、(12)「食料支援充実について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  コロナ感染症やウクライナ侵攻における急激な物価高騰が進み、生活困窮者が増え、食料支援のニーズは高まり、子供食堂などの必要性も求められている。そういった支援の全国的な共通の課題として、倉庫などのインフラ整備、人手不足、運営費の不足、ノウハウの不足、認知度不足、食品寄贈に伴う法的リスク、行政との連携不足がある。
 特に、生活困窮者の食料の支援は、行政や社会福祉協議会等の他機関との連携が不可欠であるため、食料の寄附を気軽に持ち寄れるように受付場所を増やし、倉庫や管理体制、広報などの充実を図っていただきたい。
 
○後藤委員長  次に、(13)「障害者福祉サービス事業の推進について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  障害児は、障害のない児童に比べて、特性に応じた経済的負担が大きいにもかかわらず、保護者は、子供の成長とともに負担が軽くなるとは限らないため、年齢とともに手が離れることを前提にした既存の子育て支援策では不十分である。障害のある子供向け福祉サービスの利用負担を無償化するということは、県内初であり、全国的にも珍しく、鎌倉市の取組は、他の自治体のモデルになる、すばらしい取組である。
 障害者の人権を守り、健常者との間の格差をなくしていく契機とし、積極的な周知啓発に取り組んでいただきたい。
 
○後藤委員長  次に、(14)「障害者福祉タクシー券について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  市の単独事業として実施されている障害者タクシー利用券について、市をまたいで利用する場合に不都合が生じないように、円滑な利用を図るのは県の役割であることから、県の要綱の制定やタクシー業者の指定登録制度を設定するなど、鎌倉市として県内各自治体と連携し、県に対し、タクシー券の在り方の統一化を主張して、実現を図っていくべきです。
 
○後藤委員長  次に、第20款衛生費(1)「戸別収集について」、日向委員、どうぞ。
 
○日向委員  戸別収集は、多様なライフスタイルの下で生活する全ての方々のごみ出し労力を軽減し、市民サービスの向上に寄与する取組と考えており、導入に向けて引き続き検討していくよう求める。
 
○後藤委員長  次に、(2)「3Rの推進とごみの適正処理について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  3Rの推進とごみの適正処理について。基本に立ち返り、3R、リデュース・リユース・リサイクルに、今、再び注力していただきたい。回収したごみをごみと捉えず、資源と捉えていただき、有価物として扱っていただきたい。リユースできるものはリユースするようにしていただきたい。
 ごみ回収の見直しをするたびに、ごみ処理費が上がっていっているが、回収方法や回収回数の見直しも同時並行で行っていただきたい。
 
○後藤委員長  次に、(3)「ごみ処理行政について」、高野委員、どうぞ。
 
○高野委員  令和6年度は、ごみ処理において重要な役割を担ってきた名越クリーンセンターの焼却停止という節目を迎えます。今後、逗子市などに焼却をお願いする上で、中継施設建設は不可欠であることから、そのことを最優先に位置づけ、名越や今泉クリーンセンター近隣地域住民への丁寧な対応と、地域支援に全力を挙げるよう求めるものです。その上で今泉の生ごみ資源化施設建設については、方針変更を視野に入れ、早期に判断し、委託を含め、現実的な処理方策を早期に検討することが、問題の打開に向けて必要であることを申し述べるものです。
 逗子市での焼却処理が終了する10年後以降のことを考慮しても、生ごみの資源化処理がどうしても必要だからであります。また、にわかに浮上している燃やすごみの戸別収集について、費用の算出方法を実態に見合った形で見直し、過度で不正確な費用削減効果をアピールするのではなく、ありのままの実態を誠実に市民に示すべきです。その上で、今後さらなる市民合意に努め、スケジュールに捉われることなく、慎重な検討を行うよう求めるものであります。
 
○後藤委員長  次に、(4)「ごみ資源化事業について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  次に、ごみ処理広域化を進めるに当たり、生ごみ減容・資源化施設整備については、今泉地区の地元町内会で構成する協議会で、方策を検討する予定としていますが、まずは、今泉中継施設の延長を優先して協議を行っているとのことです。
 いずれにしろ、地元負担をお願いすることになり、地元町内会に苦渋の選択を迫ることになります。整備の必要がありながらも、迷惑施設であることに変わりはないわけで、市長の任期、1期目で撤回したバイオマスエネルギー回収施設整備が実現していれば、また、撤回に代わる代案が示されて実行していれば、当該地元町内会への負担は変わっていたと思われます。深沢の区画整理事業を中断させてまでして検討した新たな焼却施設整備も、結局、行わないことになり、その空白期間は無駄になりました。
 逗子市、葉山町との広域処理も、いずれは逗子市での焼却が停止され、広域外の焼却処理に移行することになるわけで、もし大規模災害が発生した場合は、自区内処理体制を失うことになります。これが将来にわたる安定したごみ処理体制の構築になるのか疑問が残ります。
 その原因は、市長就任以来、様々に変更を繰り返してきたごみ処理政策の在り方に起因することは明白です。まずは、これまでのごみ処理政策を市長自らが総括し、誤りを認めることが先決であり、そのことがあって初めて真摯な議論が、市民や議会で展開されるのではないではないでしょうか。今後のごみ処理政策を誤りなく進めるための取組姿勢を明示すべきです。
 
○後藤委員長  次に、第30款農林水産業費(1)「鎌倉地域漁業支援施設整備事業について」、日向委員、どうぞ。
 
○日向委員  漁業者の就労支援の改善や、漁船の安全確保を図るため、長年お願いをしてきた施設整備について、令和7年度の着工に向けて着実に手続を進めていくよう求める。
 
○後藤委員長  次に、(2)「一次産業の振興について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  一次産業の振興について。市民の食の安全保障として、一次産業の振興を捉えていただきたい。遊休農地の有効活用も含め、農地を増やしていただきたい。跡継ぎ問題の解消、新規参入者の誘致を行っていただきたい。
 
○後藤委員長  次に、(3)「農業振興について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  昨今、物価高騰が進み、食料危機が危ぶまれる中、農業の価値が高まっている。農家の高齢化などで農地の遊休化が進む中で、農地をつなぐことや、農業者をサポートできる体制づくりが求められている。また、有機農業推進の可能性や、給食に地場産の野菜を使うための仕組みづくりを進め、遊休農地を地域貢献できる場として、市民が活用できるよう求める。
 
○後藤委員長  次に、第35款商工費(1)「エシカル消費の推進について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  途上国などにおける立場の弱い生産者の労働環境に配慮し、支援につなげる公正な取引であるフェアトレードを、町ぐるみで行っていくこと、つまりフェアトレードタウンの認定を目指すことは、エシカル消費、エシカルな暮らしを進める上で有効なステップになると思われる。
 エシカルな生産物、消費財の基準は、人によって様々であるが、学びや体験を通して、共感の輪を広げるとともに、多様な考えの市民を大きく巻き込んだ持続的な取組とすることが望まれる。
 
○後藤委員長  次に、(2)「伝統鎌倉彫振興事業について」、日向委員、どうぞ。
 
○日向委員  鎌倉彫の出荷額が減少傾向とのことで、鎌倉市として取り組んでいく必要性があると考える。伝統的工芸品鎌倉彫の技術を伝承していくためにも、今後の事業の充実と振興を図っていくよう求める。
 
○後藤委員長  次に、第40款観光費(1)「観光振興事業について」、日向委員、どうぞ。
 
○日向委員  オーバーツーリズム対策は、喫緊の課題であると認識している。観光庁から取組に対する包括的な支援を実施する事業が展開されており、国や県と連携して積極的に取り組んでいくよう求める。
 
○後藤委員長  次に、(2)「オーバーツーリズム対策について」、中村委員、どうぞ。
 
○中村委員  オーバーツーリズムの対策として、交通誘導員の配置や混雑の可視化、分散化などの取組を進めているところではありますが、公衆トイレなどの維持管理等も含めて、鎌倉市の人口に対して観光客数の比率が多いことから、今後は、持続可能な観光行政を検討する時期が到来していると考えます。観光客に何らかの御負担をいただくには、丁寧な説明が必要だと思いますが、市民と観光客が共存できるような検討を求めます。
 
○後藤委員長  次に、(3)「観光振興事業について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  観光振興事業について。観光マップや、外国語版パンフレットを作る際は、単なる観光マップを作るのではなく、突然の災害発生時に、災害弱者とならないように、避難のための情報も併せて掲載していただきたい。
 マップ上に様々な情報が多過ぎて分かりにくくなるのであれば、災害時のマップを別に作ることでもよい。災害時にスマホをQRコードにかざすと、多言語防災情報が出てくるなどの工夫でもよい。
 
○後藤委員長  次に、(4)「観光振興事業について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  観光行政の在り方として、オーバーツーリズム緩和対策としての駅前ガイド事業を、観光客が認識して利用できるように進めるとともに、ガイドアプリの導入を研究し、観光客移動の円滑化を図るべきです。
 また、観光振興の財源確保のため、駐車場その他の観光協力金などの在り方を検討し、観光受入施設での受益者負担制度の創設に取り組み、17万市民の鎌倉市として、多くの観光客を受け入れる上で、持続できる観光振興の在り方を追求すべきです。
 
○後藤委員長  次に、第45款土木費(1)「インクルーシブ公園について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  インクルーシブ公園について。インクルーシブ公園は、小さい子供や障害のある方も一緒になって、誰もが安心して遊べる、バリアのない公園を目指すべきだ。インクルーシブ公園を整備する際は、地震や津波などが来ない場所での設置を求める。実際に使う側の視点で設置していただきたい。
 今後、大人もおむつ替えできるユニバーサルシートを設置したトイレを造っていただきたい。新たに車でアクセスをされる方にとって、駐車場代もネックとなる。由比ガ浜では、遊具までのアクセスと、遊具から遊具の間の道に砂利土、段差があり、車椅子の方には厳しいようだ。遊具の一部に、スロープがついているものの、そこから先は階段になっていて、結局、段差を上れない方は使えない遊具となっている。遊具の適正年齢は、看板に大きく書くなどして、しっかり様々な方法で周知したほうがよい。
 
○後藤委員長  次に、(2)「緑地維持管理の在り方について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  鎌倉市の3分の1以上を占める豊かな緑を守るために、たくさんの団体がボランティアで活動をしている。安全で持続可能な活動にしていくためには、市は積極的に市民と良好な関係を築き、サポートしていくことが必要である。
 備品や活動の補助は、活動のモチベーションを上げるためにも必要であり、緑地が持つ存在価値や利用価値を高める活動へと広がることが求められる。市は、そうした活動を共に行うとともに、持続的な補助も要望する。
 
○後藤委員長  次に、(3)「作業センター事業について」、高野委員、どうぞ。
 
○高野委員  担当部局とともに作業センターが担っている、道路や河川、緑地等の維持補修事業は、安全な市民生活の上で必要不可欠であり、そのニーズは、ますます高まっています。そうした中で、即応的な対応を行うセンター職員は、令和6年度で計15名となり、さらに年度末には2名の退職予定と聞いており、このままでは一桁になってしまいます。行革との関係で、退職者不補充によるものですが、もはや限界ではないでしょうか。そのことは道路等小規模修繕業務委託料、2100万円の計上に表れています。民間事業者の実情からいっても、直営体制に匹敵する即応性が確保できる保証はなく、それを求めること自体、委託の性格上、酷というものです。
 職員体制の効率化が必要以上になされた現実から出発し、委託による補修業務等とのバランスに考慮した直営体制の再構築に向け、真剣な検討を強く求めるものです。それが多くの要望件数を寄せている市民の思いや、ニーズに、誠実に応えることになると考えます。一市民として、前向きな方針が示されることを期待するものであります。
 
○後藤委員長  次に、(4)「交通安全対策について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  交通安全対策について。自転車による一方通行の逆走をよく見かけるが、
 一方通行の入り口に、気づきやすいサインや、自転車から降りることを促すマークを入れるなどの工夫を、交通管理者と相談していただきたい。交通事故防止のため、交通ルールの周知を行っていただきたい。
 
○後藤委員長  次に、(5)「市営住宅集約化事業について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  市営住宅集約化事業を進めるに当たっては、福祉的支援が必要な入居者は相当数いることを踏まえ、PFI事業者による入居支援業務において、適切な対応を図るとともに、必要に応じ、市の福祉担当につなげるなどしていただきたい。集約化によって、高齢化率が高い大きなコミュニティーが形成される。当初の計画では、余剰空間に設置されることになっていた福祉拠点は、計画変更により集会所に合築される。集会所への合築ではあっても、地域包括センターの方が定期的に立ち寄ったり、コミュニティーカフェが開催されたりすることも含め、集いの場所を生かした福祉機能を確保できるよう、今から検討を進めることを求める。
 
○後藤委員長  続いて、第55款教育費(1)「文化財公開活用事業について」、日向委員、どうぞ。
 
○日向委員  地域の伝統行事であるお祭りや郷土芸能について、まずは把握することからかもしれないが、郷土芸能保存協会加盟団体を増やし、さらには文化財としての指定を進めていき、現在まで保存・継承されてきたものを確実に後世へ伝えていくよう求める。
 
○後藤委員長  次に、(2)「小・中学校のトイレ環境について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  小・中学校のトイレ環境について。トイレには、トイレットペーパーと同様に生理用品を常備し、児童・生徒が保健室に行かなくても、必要なときに気兼ねなく利用できるようにしていただきたい。
 また、トイレの美化、臭気対策や、児童・生徒の希望に沿った和式・洋式便器の数にするなどの環境整備が必要と考える。
 
○後藤委員長  次に、(3)「歴史文化施設の多言語化について」、くりはら委員。どうぞ。
 
○くりはら委員  歴史文化施設の多言語化について。鎌倉の歴史文化施設の企画展示物に関しては、日本語表記だけではなく、せめて英語表記をし、海外からの観光客や研究者に向けての多言語表記に心がけていただきたい。
 
○後藤委員長  次に、(4)「香害の周知について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  昨今、人工的な臭いが健康被害を引き起こす例は増え続け、敏感な体質の子供が不登校になるなど、学習の機会を奪うケースがある。2021年には、国会でも、当時の文部科学大臣が「香料で学校に行けない子供がいるとしたら、それは重要な問題である」と答弁し、香害で不登校になる子供の存在を認識している。
 また、同年に5省庁が協力して、公害ポスターを作り、周知啓発に向けて進めている。教育現場での香りつき製品の使用自粛を進める積極的な取組が求められていることから、まずは、各小・中学校ほか、教育現場へのポスターの掲示を求める。
 
○後藤委員長  次に、(5)「安心・安全な給食について」、井上委員、どうぞ。
 
○井上委員  鎌倉市では、2022年から、有機野菜に加えて、有機小麦、特別栽培米、ワカメ、ゴマ、みそ、高野豆腐などを使った給食の提供が始まり、また、有機農業が生態系の保全や、地球温暖化防止にもつながっていることなど、取組の意義を学ぶ食育も進めている。社会的に、食の簡便化が進んでいる中で、学校現場では、多様な献立づくりを通して、食教育に取り組んでいるが、子供と家庭の食の現状や、効率化が進む学校給食の運営等の課題があり、また、昨今の物価高騰で、現状の食教育は限界にある。その中にあって、地場産の食材を使い、これを教材とすることこそ、多面的な教育力につながり、新たな食教育の場を生み出すことができる。
 鎌倉市も、地場農産物を安定的に購入できる仕組みづくりのために、生産者、団体と給食関係者との連携がスタートしているが、最も重要なのは、使いたいけど使えないといったことのない給食運営の体制であり、財政の拡充である。
 また、地場産利用の学校給食を進めていくには、保護者や地域住民の食や、学校給食への関心を高めていくことも必要である。子供たちに、望ましい食の選択力をつけていくには、地場産食材を利用した学校給食と、食と農を結びつけた食農教育を推進してほしい。
 
○後藤委員長  次に、(6)「学校整備計画について」、納所副委員長、どうぞ。
 
○納所副委員長  鎌倉市学校整備計画については、鎌倉市学校整備計画検討協議会の協議を踏まえ、計画案策定が進められてきました。学校施設整備における課題は、トイレの洋式化と、避難所となる学校体育館の空調設備の導入です。これらの課題については、学校整備計画でのスケジュールを待つことなく、柔軟に取り組めるよう配慮し、児童・生徒の快適な学校生活を支え、いつ起こるとも分からない災害発生に備える体制を整えることは、市の義務であると捉え、教育環境の整備と防災対策の両面から取り組むべきです。
 
○後藤委員長  次に、(7)「フリースクールについて」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  フリースクールについて。不登校の子供の居場所として、新たに学校フリースペースや、分校型の学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校がつくられる中、フリースクールは、長きにわたり活用され、認知された存在だ。子供にとっての学びの保障という観点からすると、フリースクールの存在は、大いに期待ができるため、無償化を願う。
 
○後藤委員長  次に、(8)「学校給食費の無償化について」、中村委員、どうぞ。
 
○中村委員  2023年6月に閣議決定した、こども未来戦略方針において、子育て支援、少子化対策として、学校給食費の無償化に向けた実態調査を、国でも取組を始めているところでありますが、県内各地においても先進事例が増えており、鎌倉市においても、国の動向を注視しつつも、早期の実現に向けた前向きな検討を進めることを求めます。
 
○後藤委員長  次に、(9)「給食費の無償化について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  給食費の無償化について。日本は、子供の貧困が7人に1人とも言われ、鎌倉市においても、就学援助を受ける子供の数が増加しており、同じような傾向となっている。貧困家庭の中で育つ子供は、栄養失調の傾向もある。逆に、バランスを欠いた過剰なエネルギー摂取により肥満傾向児となると、成人期の生活習慣病に結びつき、医療費の増加を後押しする要因ともなる。行政としては、扶助費の支出増加を止めるためにも、健康長寿を目指した対策を打つべきと考える。
 給食は、安心・安全、多様な食材をバランスよく規則正しい時間に提供することができて、子供たちに直接的に食育を行うこともできる。子供たちに公平性を持って提供することができるサービスであり、給食費無償化を行えば、公会計による集金事務もなくすことができる。公立小・中学校だけでなく、保育所や国立、私立小・中学校を含めた給食費無償化を求める。
 
○後藤委員長  次に、議案104号令和6年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計予算(1)「後期高齢者医療保険制度の問題について」、高野委員、どうぞ。
 
○高野委員  後期高齢者医療保険制度が運用されてから、15年以上が経過しました。複数の疾患を持ち、治療が長期化するリスクの高い75歳以上の高齢者のみを対象とする制度は、リスク分散という医療保険の原理に反し、世界的にもほとんど例がない制度であることを再認識する必要があります。以前の老人保健制度のほうが利にかなっていたと言えます。いずれ制度の根本的な見直しが不可欠であると考えます。
 また、実施主体は県広域連合ですが、議員数が少なく、鎌倉における高齢者の意見を直接的に反映する仕組みとして、機能しているとは言えません。保険運営が事実上、各自治体や住民から遠く離れてしまい、自治が機能しなくなったとも言えます。広域連合議会の審議も形式的で、短期間であり、十分とは言えず、選出方法を含め、抜本的な改善が必要であることを、この機会に申し述べるものです。
 
○後藤委員長  次に、議案105号令和6年度鎌倉市下水道事業会計予算(1)「災害に強い下水道について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  災害に強い下水道について。能登半島地震の液状化や地盤隆起などによる下水道の被害の様子を視察するなどして、鎌倉市における今後の耐震方法の検討に生かしていただきたい。
 
○後藤委員長  次に、議案107号鎌倉スクールコラボファンド活用基金条例の制定について(1)「公教育の在り方について」、高野委員、どうぞ。
 
○高野委員  条例提案されているスクールコラボファンドについては、民間の様々な人々や団体を通じて、学校における様々な学びを行う実践そのものには、積極的な意義もあると認識しています。同時に、公教育の実践は、言うまでもなく、日々の授業などを通した営みにあり、ガバメントクラウドファンディングを活用した事業というのは、それに付随した位置づけであるべきです。
 公教育に必要な事業そのものは寄附でなく、予算化して対応するのが基本であることを考えると、寄附による基金を条例化して、制度的に位置づけて行うことは、公教育の在り方になじまないと言わなければなりません。条例化までして、恒久的な位置づけをする必要は全くなく、現状の柔軟な形で取り組むことが、当該事業の性格上、適切であることを指摘するものであります。
 
○後藤委員長  次に、(2)「基金の在り方について」、くりはら委員、どうぞ。
 
○くりはら委員  基金の在り方について。様々な基金が目標ごとに設定されており、単年度で消化していく基金があったり、逆に、目標金額に達するまで積み続ける基金もある。教育に関して、スクールコラボファンドとして、なるべく財布を分けておきたいという気持ちは分かるが、必要ならば、教育予算を取っていくことのほうが望ましい。
 
○後藤委員長  これをもちまして、意見開陳を終了といたします。
 それでは、審査の過程において出されました意見について、委員長報告に盛り込むかどうか、盛り込む場合にはどのように盛り込むか、いかが取り扱いましょうか。
 
○日向委員  今、様々出ている中でございますけれども、正・副委員長でまとめるほうにしていただければなと思いますが。
 
○後藤委員長  それでは、正・副委員長において調整させていただくことでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認いたしました。
 暫時休憩いたします。
               (15時37分休憩   18時09分再開)
 
○後藤委員長  それでは、再開いたします。
 皆様の御協力により、休憩中に調整をさせていただいて、委員長報告に盛り込む意見がまとまりましたので、副委員長から御報告を申し上げる方法でよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、副委員長、よろしくお願いいたします。
 
○納所副委員長  まず、第10款総務費についてでありますが、避難対策の推進については、津波避難誘導標示を全国統一規格に沿うものとし、津波避難建築物の標識を再設置するに当たっては、施設管理者と、津波避難施設としての利用について、調整を図ることを求める。さらに、防災体制の強化については、地域の力を生かすとともに、行政として日常的に連携することが必要であるため、防災の取組を進める職員の配置を行うなど、防災体制の充実を図ることを求めるとの観点から。
 次に、第40款観光費についてでありますが、オーバーツーリズム対策として、国や県と連携した取組を行うとともに、駅前ガイド事業の利便性を高め、ガイドアプリの導入などにより、観光客の移動の円滑化につなげることを求める。また、多くの観光客を受け入れる本市の状況を踏まえ、持続可能な観光に向けた財源確保のための観光協力金など、受益者負担制度の創設について検討していくことを求めるという観点から。
 次に、第55款教育費についてでありますが、学校給食は、安心・安全、多様な食材をバランスよく、規則正しい時間に子供たちに提供することにより、食育を行うことができるものである。国においては、子育て支援、少子化対策として、学校給食費の無償化に向けた実態調査を始めているところであり、本市においても、国の動向を注視しつつ、給食費無償化の実現に向けた前向きな検討を進めることを求めるという観点から。
 以上の観点を委員長報告に盛り込み、作成することを御報告いたします。
 
○後藤委員長  ただいまの報告のとおり、確認してよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、以上のように確認させていただきました。
 以上をもちまして、意見の開陳とまとめが終了いたしました。
    ――――――――― 〇―――――――――――――――――― 〇―――――――――
 その後、各議案について採決を行った結果は、次のとおりであった。
◎ 議案第106号鎌倉市ケアラー支援条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第107号鎌倉スクールコラボファンド活用基金条例の制定について
  多数の賛成により原案可決
◎ 議案第108号鎌倉市事務分掌条例の一部を改正する条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第109号鎌倉市芸術館条例の一部を改正する条例の制定について
  多数の賛成により原案可決
◎ 議案第110号鎌倉市市民活動センター条例の一部を改正する条例の制定について
  多数の賛成により原案可決
◎ 議案第111号鎌倉市川喜多映画記念館条例の一部を改正する条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第114号鎌倉市議会議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第115号鎌倉市みんなで支え合う新型コロナウイルス感染症対策基金条例を廃止する条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第117号鎌倉市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第118号鎌倉市廃棄物の減量化、資源化及び処理に関する条例の一部を改正する条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第120号鎌倉市腰越漁港管理条例の一部を改正する条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第121号鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第122号鎌倉市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の保育料等に関する条例の一部を改正する条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第123号鎌倉市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第125号鎌倉市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例等の一部を改正する条例の制定について
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第99号令和6年度鎌倉市一般会計予算
  少数の賛成により修正案否決
  多数の賛成により原案可決
◎ 議案第100号令和6年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計予算
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第101号令和6年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計予算
  多数の賛成により原案可決
◎ 議案第102号令和6年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計予算
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第103号令和6年度鎌倉市介護保険事業特別会計予算
  総員の賛成により原案可決
◎ 議案第104号令和6年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計予算
  多数の賛成により原案可決
◎ 議案第105号令和6年度鎌倉市下水道事業会計予算
  総員の賛成により原案可決
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 最後に、委員長報告の確認のための委員会を3月14日(木)午後2時に開催することを確認し、以上で本日は閉会した。

 以上は、会議の顛末を記録し、事実と相違ないことを証する。

   令和6年(2024年)3月11日

             令和6年度鎌倉市一般会計
             予算等審査特別委員長

                      委 員