○議事日程
鎌倉市議会9月定例会会議録(1)
令和4年(2022年)9月7日(水曜日)
〇出席議員 26名
1番 千 一 議員
2番 後 藤 吾 郎 議員
3番 中 里 成 光 議員
4番 くり林こうこう 議員
5番 井 上 三華子 議員
6番 武 野 裕 子 議員
7番 岡 田 和 則 議員
8番 出 田 正 道 議員
9番 日 向 慎 吾 議員
10番 児 玉 文 彦 議員
11番 保 坂 令 子 議員
12番 高 野 洋 一 議員
13番 藤 本 あさこ 議員
14番 久 坂 くにえ 議員
15番 池 田 実 議員
16番 納 所 輝 次 議員
17番 くりはらえりこ 議員
18番 吉 岡 和 江 議員
19番 志 田 一 宏 議員
20番 中 村 聡一郎 議員
21番 前 川 綾 子 議員
22番 大 石 和 久 議員
23番 竹 田 ゆかり 議員
24番 松 中 健 治 議員
25番 森 功 一 議員
26番 長 嶋 竜 弘 議員
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〇欠席議員 なし
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〇議会事務局出席者
事務局長 服 部 計 利
次長兼議会総務課長兼議事調査課長
茶 木 久美子
議会総務課課長補佐 土 屋 勇 人
議事調査課課長補佐 岩 原 徹
議事調査担当担当係長 田 中 公 人
書記 前 重 綾 子
書記 喜 安 大 介
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〇説明のため出席した者
番外 1 番 松 尾 崇 市長
番外 2 番 比留間 彰 副市長
番外 3 番 千 田 勝一郎 副市長
番外 5 番 服 部 基 己 共生共創部長
番外 7 番 内 海 正 彦 総務部長
番外 8 番 永 野 英 樹 市民防災部長
番外 9 番 藤 林 聖 治 こどもみらい部長
番外 10 番 濱 本 正 行 健康福祉部長
番外 11 番 能 條 裕 子 環境部長
番外 13 番 古 賀 久 貴 都市景観部長
番外 14 番 森 明 彦 都市整備部長
番外 16 番 岩 岡 寛 人 教育長
番外 17 番 佐々木 聡 教育文化財部長
番外 6 番 歴史まちづくり推進担当担当部長
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〇議事日程
鎌倉市議会9月定例会議事日程(1)
令和4年(2022年)9月7日 午前9時30分開議
1 諸般の報告
2 会期について
3 一般質問
4 報告第11号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額┐
の決定に係る専決処分の報告について │
報告第12号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額│
の決定に係る専決処分の報告について │
報告第13号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額│市 長 提 出
の決定に係る専決処分の報告について │
報告第14号 繰越明許費の報告内容の訂正について │
報告第15号 令和3年度決算に基づく健全化判断比率の報告について │
報告第16号 令和3年度決算に基づく資金不足比率の報告について ┘
5 議案第18号 市道路線の廃止について ┐同 上
議案第19号 市道路線の認定について ┘
6 議案第20号 工事請負契約の変更について 同 上
7 議案第21号 不動産の取得について 同 上
8 議案第23号 スポーツ施設管理に起因する事故による市の義務に属する損害 市 長 提 出
賠償の額の決定について
9 議案第22号 指定管理者の指定について 同 上
10 議案第32号 鎌倉市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例の 同 上
制定について
11 議案第35号 鎌倉市保育所設置条例の一部を改正する条例の制定について 同 上
12 議案第33号 地方税法第314条の7第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる 同 上
特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例の制
定について
13 議案第31号 鎌倉市協働事業選考委員会条例を廃止する条例の制定について┐
議案第36号 鎌倉市廃棄物の減量化、資源化及び処理に関する条例の一部を│同 上
改正する条例の制定について ┘
14 議案第34号 鎌倉市手数料条例の一部を改正する条例の制定について 同 上
15 議案第37号 令和4年度鎌倉市一般会計補正予算(第4号) ┐
議案第38号 令和4年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計補正予算 │同 上
(第1号) ┘
16 議案第39号 令和4年度鎌倉市下水道事業会計補正予算(第2号) 同 上
17 議案第24号 令和3年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について ┐
議案第25号 令和3年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別│
会計歳入歳出決算の認定について │同 上
議案第26号 令和3年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認│
定について │
議案第27号 令和3年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算│
の認定について │
議案第28号 令和3年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定に│
ついて │
議案第29号 令和3年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の│
認定について │
議案第30号 令和3年度鎌倉市下水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定│
について ┘
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〇本日の会議に付した事件
1 諸般の報告
2 会期について
3 一般質問
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鎌倉市議会9月定例会諸般の報告 (1)
令和4年(2022年)9月7日
1 9 月 7 日 市長から、次の議案の提出を受けた。
報告第11号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に
係る専決処分の報告について
報告第12号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に
係る専決処分の報告について
報告第13号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に
係る専決処分の報告について
報告第14号 繰越明許費の報告内容の訂正について
報告第15号 令和3年度決算に基づく健全化判断比率の報告について
報告第16号 令和3年度決算に基づく資金不足比率の報告について
議案第18号 市道路線の廃止について
議案第19号 市道路線の認定について
議案第20号 工事請負契約の変更について
議案第21号 不動産の取得について
議案第22号 指定管理者の指定について
議案第23号 スポーツ施設管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額
の決定について
議案第24号 令和3年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について
議案第25号 令和3年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計歳入
歳出決算の認定について
議案第26号 令和3年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定につい
て
議案第27号 令和3年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定に
ついて
議案第28号 令和3年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
議案第29号 令和3年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定につ
いて
議案第30号 令和3年度鎌倉市下水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定について
議案第31号 鎌倉市協働事業選考委員会条例を廃止する条例の制定について
議案第32号 鎌倉市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例の制定につ
いて
議案第33号 地方税法第314条の7第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営
利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例の制定について
議案第34号 鎌倉市手数料条例の一部を改正する条例の制定について
議案第35号 鎌倉市保育所設置条例の一部を改正する条例の制定について
議案第36号 鎌倉市廃棄物の減量化、資源化及び処理に関する条例の一部を改正する
条例の制定について
議案第37号 令和4年度鎌倉市一般会計補正予算(第4号)
議案第38号 令和4年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計補正予算(第1号)
議案第39号 令和4年度鎌倉市下水道事業会計補正予算(第2号)
2 8 月 26 日 市長から「採択された請願・陳情の処理状況」について報告を受け
た。
3 陳情3件を陳情一覧表のとおり受理し、陳情3件を付託一覧表のとおり各常任委員会
に付託、陳情1件を配付一覧表のとおり全議員に配付した。
4 7 月 19 日 南足柄市において、令和4年度第1回湘南地方市議会議長会が開催
され、前川議長及び服部局長が出席した。
7 月 20 日 相模原市において、第258回神奈川県市議会事務局長会議及び令和4
年度神奈川県市議会事務局長研修会が開催され、服部局長が出席し
た。
8 月 17 日 令和4年度三浦半島地域広域幹線道路整備促進期成同盟総会(書面
会議)が開催された。
5 市長から、次の資料の送付を受けた。
8 月 29 日 令和3年度鎌倉市土地開発公社事業報告書、決算報告書
8 月 29 日 令和3年度公益財団法人鎌倉市芸術文化振興財団事業報告書及び決
算報告書
〃 令和3年度公益財団法人鎌倉市公園協会事業報告書、財務諸表
6 監査委員から、次の監査結果報告書の送付を受けた。
7 月 14 日 令和3年度令和4年4月分及び令和4年度令和4年4月分例月出納
検査結果報告書
〃 令和4年3月及び4月分鎌倉市下水道事業会計例月出納検査結果報
告書
〃 令和4年5月分鎌倉市下水道事業会計例月出納検査結果報告書
8 月 2 日 令和3年度令和4年5月分及び令和4年度令和4年5月分例月出納
検査結果報告書
〃 令和4年6月分鎌倉市下水道事業会計例月出納検査結果報告書
7 次の政策提言について、市長に提言書を送付した。
7 月 4 日 防災に関する情報提供手段の拡充について
8 市長から、次の政策提言について、報告書の送付を受けた。
9 月 5 日 防災に関する情報提供手段の拡充について
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令和4年(2022年)鎌倉市議会9月定例会
陳情一覧表 (1)
┌──────┬────────────────────────┬──────────────────────┐
│受理年月日 │件 名 │提 出 者 │
├──────┼─────┬──────────────────┼──────────────────────┤
│4.8.19 │陳情 │重度障害者医療費助成制度継続につい │鎌倉市 │
│ │第12号 │ての陳情 │鎌倉市腎友会 │
│ │ │ │会長 大 輪 貴 洋 │
│ ├─────┼──────────────────┼──────────────────────┤
│ │陳情 │通院対策についての陳情 │鎌倉市 │
│ │第13号 │ │鎌倉市腎友会 │
│ │ │ │会長 大 輪 貴 洋 │
├──────┼─────┼──────────────────┼──────────────────────┤
│4.8.23 │陳情 │カルト宗教と政治家との関係について │横浜市 │
│ │第14号 │についての陳情 │小 島 涼 │
└──────┴─────┴──────────────────┴──────────────────────┘
付託一覧表 (1)
┌───────┬─────────┬─────────────────────────────────────┐
│ 付託年月日 │付 託 先 │件 名 │
├───────┼─────────┼──────┬──────────────────────────────┤
│ 4.9.7 │教育福祉 │陳情 │重度障害者医療費助成制度継続についての陳情 │
│ │常任委員会 │第12号 │ │
│ │ ├──────┼──────────────────────────────┤
│ │ │陳情 │通院対策についての陳情 │
│ │ │第13号 │ │
│ ├─────────┼──────┼──────────────────────────────┤
│ │建設 │陳情 │大町名越交叉点に於ける家屋新築工事にまつわる交叉点歩行の安全│
│ │常任委員会 │第11号 │確保についての陳情 │
└───────┴─────────┴──────┴──────────────────────────────┘
配 付 一 覧 表 (1)
┌───────┬─────────┬─────────────────────────────────────┐
│ 配付年月日 │配 付 先 │件 名 │
├───────┼─────────┼──────┬──────────────────────────────┤
│ 4.9.7 │全議員 │陳情 │カルト宗教と政治家との関係についてについての陳情 │
│ │ │第14号 │ │
└───────┴─────────┴──────┴──────────────────────────────┘
(出席議員 26名)
(9時30分 開議)
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○議長(前川綾子議員) 定足数に達しましたので、議会は成立いたしました。
これより令和4年9月鎌倉市議会定例会を開会いたします。
本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。
会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。2番 後藤吾郎議員、3番 中里成光議員、4番 くり林こうこう議員にお願いいたします。
--------------------------------- 〇 ---------------------------------- 〇 ----------------------------------
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○議長(前川綾子議員) 日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
内容は配付いたしましたとおりであります。
ただいまの報告に御質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
--------------------------------- 〇 ---------------------------------- 〇 ----------------------------------
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○議長(前川綾子議員) 日程第2「会期について」を議題といたします。
お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から10月5日までの29日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、会期は29日間と決定いたしました。
--------------------------------- 〇 ---------------------------------- 〇 ----------------------------------
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○議長(前川綾子議員) 日程第3「一般質問」を行います。
質問の順序は、1番 森功一議員、2番 納所輝次議員、3番 武野裕子議員、4番 保坂令子議員、5番 千一議員、6番 くり林こうこう議員、7番 高野洋一議員、8番 長嶋竜弘議員、9番 竹田ゆかり議員、10番 後藤吾郎議員、11番 児玉文彦議員、12番 吉岡和江議員、13番 藤本あさこ議員、14番 くりはらえりこ議員、15番 大石和久議員、16番、中里成光議員、以上の順序であります。
ここで、議員、理事者側出席者の皆様に申し上げます。現在マスクを着用したままの発言を認めていることから、発言の際はマイクを近づけ、明瞭に御発言していただくようお願いいたします。
まず、森功一議員の発言を許可いたします。
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○25番(森 功一議員) おはようございます。自民党の森でございます。通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
今回の質問は街路樹の維持・管理について、災害時帰宅困難者の受け入れについて、適格請求書等保存方式(インボイス制度)の周知について、鎌倉駅周辺の喫煙環境の整備についての4点について質問をさせていただきます。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
まず、街路樹の維持・管理についてお伺いいたします。
街路樹は、季節感や木陰をもたらし、都市景観の向上や環境保全、車と歩行者を分離させることによる安全性の確保など、様々な役割があります。その維持・管理がどのように行われているのか伺います。
まず、鎌倉市が管理する街路樹の本数はどれくらいあるのでしょうか。
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○古賀久貴 都市景観部長 本市が管理いたします街路樹の数量でございますけれども、令和4年3月現在、高木約2,870本、中木約690本、低木約9,210平方メートルとなっております。
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○25番(森 功一議員) ありがとうございます。たくさんの木を管理しているということですけれども、それら街路樹は通常どのように管理をされているのでしょうか。
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○古賀久貴 都市景観部長 通常の管理についてでございますけれども、高木につきましては、約3年に一度のペースで剪定を実施しておりますほか、低木の刈り込みや植樹帯の除草につきまして、市内全域を年2回のペースで実施をしております。
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○25番(森 功一議員) ありがとうございます。それらの大きく成長した街路樹が台風等の影響で倒れ、周囲に被害を及ぼす危険性が高まっていると感じますが、市は街路樹の危険度をどのように把握されているのかお伺いします。
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○古賀久貴 都市景観部長 街路樹の状況につきましては、高木の剪定作業を発注する際に職員が現地を確認しておりますほか、必要に応じて受託した専門業者に生育状況等に関するヒアリングを行うなど、倒木の危険性の把握に努めているところでございます。
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○25番(森 功一議員) 分かりました。
次に、街路樹からの落ち葉についてお伺いします。
市内でも高齢化が進んでいる住宅街などでは、落ち葉清掃が行き届かないところもあると聞いています。市の対応状況についてお伺いします。
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○古賀久貴 都市景観部長 街路樹愛護会が活動しております地域につきましては、清掃活動も一緒にしていただいておりますことから、愛護活動の普及啓発も含め、地域の住民の皆さんと連携して取り組んでいるところでございます。なお、落ち葉が道路の通行に支障を及ぼすなど、通行安全上対応が必要となる場合につきましては、道路管理部局と連携し、個別に対応を図ることとしております。
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○25番(森 功一議員) 分かりました、ありがとうございます。
次にですね、大きく成長した街路樹の根が歩道を押し上げる根上がりが発生している箇所が見受けられます。市の根上がり対策はどのようになっているのでしょうか。
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○森 明彦 都市整備部長 平成29年度に通行に支障を来している歩道の街路樹の根上がり対策として、根が地中にとどまる対策を行い、その有効性を確認いたしました。そのため、令和4年度には西鎌倉住宅地の植栽ます6か所について対策工事を行い、今後も市内各地域の根上がり箇所で対策工事を進めていく予定です。
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○25番(森 功一議員) それではですね、根上がりを含め、歩道を計画的に修繕する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
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○森 明彦 都市整備部長 市では橋梁、トンネル、車道の舗装等の修繕計画を策定し、計画的に修繕を行っております。また、車道の舗装修繕を実施する際には歩道のひび割れ等の劣化状況を確認し、併せて歩道の修繕を行っております。歩道の修繕計画策定につきましては、今後橋梁等の修繕状況を見極めながら検討してまいります。
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○25番(森 功一議員) 分かりました。ぜひ計画的な修繕をお願いいたします。
次にですね、通学路沿いにある街路樹について伺います。
街路樹のある道路がスクールゾーンとして利用されている場合、通行の見通しの妨げになっていないかなど、危険度をどのように把握されているのでしょうか。
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○古賀久貴 都市景観部長 スクールゾーンにあります街路樹につきましては、鎌倉市スクールゾーン等交通対策協議会から出される要望に応じまして、見通しの妨げとなる樹木の剪定等の対応を行っているところでございます。
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○25番(森 功一議員) 次ですね、市が管理する街路樹ではないのですが、街路樹に付随して、道路に面した民有所有の木が大きく成長して、通行に支障を来したり、倒木した際の影響が懸念される場合など、民間で管理している樹木に対して注意喚起を行うことはできるのでしょうか。
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○森 明彦 都市整備部長 道路上に張り出している樹木等の伐採につきましては、現在、市ホームページを利用し、適切な管理をお願いしております。また、市から土地所有者及び樹木管理者に対しまして、適正に管理していただくよう個別に通知も行っております。今後は広報等も活用し、樹木等の適正な管理について周知を図ってまいります。
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○25番(森 功一議員) 直接、土地所有者に注意を行っているということですが、民間が管理する樹木の維持管理に関する補助金などはあるのでしょうか。
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○古賀久貴 都市景観部長 助成金、補助金の制度についてでございますが、個人などが所有、管理します樹木の維持管理に関する助成金につきましては、緑地保全契約や保存樹林・樹木または生け垣の指定による奨励金を交付しております。また、令和3年度からは市民環境譲与税を活用した民有緑地維持管理助成事業を創設いたしまして、民有緑地を将来にわたり良好に保全することを目的とする維持管理作業に関する費用に対し、助成をしております。なお、各補助制度につきましては、例えば民有緑地維持管理事業では、いわゆる庭木は対象外となることなど、それぞれ適用の条件がありますことから、制度を有効に御活用いただけるよう、周知に努めているところでございます。
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○25番(森 功一議員) 分かりました、ありがとうございます。
それではですね、他市では街路樹の樹木診断を行い、生育の健全度が低い樹木は伐採等を実施しています。私も最近ですね、横浜市とか逗子市の街路樹を見ると結構思い切って根元からばっさり切られているような街路樹もあったのを確認しているんですが、本市においても近年の災害の激甚化等に備え、まずは樹木診断に関するマニュアルを作成して、対応の基準を明確にする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
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○古賀久貴 都市景観部長 街路樹を適正に管理していきますには、街路樹の生育状況等の把握とともにマニュアル作成も含めた管理方針を取りまとめていくことが重要と考えております。現状の把握と維持管理情報の蓄積を行うために、令和3年度には街路樹管理台帳の電子化を行いまして、情報整理に必要な環境整備に取り組んでいるところでございます。今後は、電子化した台帳等も活用しながら道路管理部局と連携を図り、管理方針の内容について検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
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○25番(森 功一議員) 街路樹の適正な管理により、景観の維持と安全性の両立にぜひ努めていただきたいと思います。
次の項目に移ります。
次は災害時帰宅困難者の受入れについての質問です。
東日本大震災では、首都圏で515万人の帰宅困難者が発生したと言われております。また、東京都は首都直下地震が起きた場合、都内で517万人の帰宅困難者が生じるおそれがあると想定しているそうです。東京都とは規模も性質も違いますが、鎌倉市にも平日・休日にかかわらず多くの観光客が訪れます。南海トラフ巨大地震などの備えとして帰宅困難者対策は取り組むべき課題と考えております。
まず、鎌倉駅と大船駅周辺の観光客が一日のうちでピークを迎える時間帯とその数はどのようになっているのでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 鎌倉駅と大船駅周辺の観光客のみを集計したデータは持ち合わせておりませんが、観光客を含めた駅周辺の滞在者数といたしましては、神奈川県観光協会が携帯電話の位置情報を利用したデータを公開しております。このデータから取得可能な直近の8月最終週から9月頭にかけての数値を確認したところ、午後2時頃が滞在者数のピークで、鎌倉駅周辺に約5,000人、大船駅周辺に約6,000人となっております。
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○25番(森 功一議員) コロナでインバウンドがない中でも、鎌倉、大船両駅周辺だけで1万人以上の方が滞在しているということを確認しました。
それではですね、現在、市内にこれらの帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設は何か所あり、受入れ可能な人数はどれくらいなのでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 本市の帰宅困難者一時滞在施設は、長谷寺、鶴岡八幡宮、鎌倉生涯学習センター、鎌倉宮、鎌倉武道館、建長寺、円覚寺、鎌倉芸術館の8か所です。このうち、市の管理施設以外の5施設とは協定を締結しており、受入れ人数等について取決めをしております。一時滞在施設の受入れ人数は8施設を合わせて約3,500人を収容することが可能と考えております。
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○25番(森 功一議員) 8か所で3,500人ということですけれども、訪れる観光客に対して、鎌倉市の一時滞在施設は少ない印象を受けます。鎌倉市とは規模は違いますが、横浜市では民間施設を含め234か所の一時滞在施設があります。横浜市では、民間施設と協定により一時滞在施設の確保をしておりますが、鎌倉市の取組はいかがなのでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 帰宅困難者の一時滞在施設のうち、市が管理する以外の施設は協定により社寺等に協力をいただいているところです。災害時には多くの帰宅困難者が発生することが予想されるため、今後、民間施設を含め、一時滞在施設の確保に努めてまいりたいところです。
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○25番(森 功一議員) ぜひですね、一時滞在施設を増やす取組をお願いしたいと思います。
次に、一時滞在施設の開設について伺います。
民間施設を一時滞在施設とする場合など、夜間休日でも確実に機能する体制を取らなければなりません。実際、帰宅困難者の一時滞在施設を開設する場合、休日と夜間を含めた開設の手順についてお伺いいたします。
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○永野英樹 市民防災部長 協定先の施設におきましては、発災後に鎌倉市から施設管理者に協力を要請した上で開設を行うこととなっております。この際、施設管理者は施設が損壊、損傷等により使用が不適切と認められた場合を除き、要請に応じることとなっております。協定締結先5施設とは細目を定めており、夜間発災時は警備員により門の開放を行い、施設へ誘導等をすることになっております。また、市の3施設につきましては、指定管理者や所管課において解錠することとなっております。
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○25番(森 功一議員) 分かりました、ありがとうございます。
次にですね、被災者の情報発信についてお伺いしようと思います。
まず、帰宅困難者に対する情報発信はどのように行っているのでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 災害時の帰宅困難者に対する情報発信の手段といたしましては、SNS、市ホームページ、防災行政無線により行うほか、交通事業者等関係機関とも連携して情報提供を行います。災害時の帰宅困難者への情報発信は混乱防止の観点からも重要であり、今後も様々な手段を検討して発信していきたいと考えております。
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○25番(森 功一議員) 分かりました。
同様にですね、日本語がちょっと理解できないような外国人観光客への情報提供はどのようにお考えなのでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 災害発生時に市内に滞在している多くの観光客が状況を認識し、その対応について分かるようにすることが必要と考えております。現在、国は外国人観光客向けに災害発生時の初動や災害情報収集に有効なスマートフォンアプリの紹介を空港などで行っております。また、本市においても発行する外国語版パンフレットの中で地震発生時の避難場所のほか、津波来襲時の避難場所について掲載するとともにアプリの紹介を行っており、今後も国内外からの観光客に対して災害情報が提供できるように努めてまいります。
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○25番(森 功一議員) 分かりました。ぜひ適切な情報提供をお願いしたいと思います。
次にですね、帰宅困難者対策の一つに、企業の一斉帰宅抑制というものがあります。これは災害発生時に帰宅困難者発生による混乱を防止するため、むやみに移動を開始させず、企業内にとどまってもらうものです。横浜市では、一斉帰宅抑制の基本方針を示し、賛同いただいた178の事業所をホームページで公開しています。一斉帰宅抑制など、本市の企業に向けた帰宅困難者対策はどのようになっているのでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 企業に向けた帰宅困難者対策といたしましては、神奈川県と県内の政令市が実施している帰宅困難者対策チェックシートの取組があります。これは災害時の企業における帰宅困難者の対応をまとめたもので、従業員を事業所内に待機させるための環境整備や出勤、退勤時間帯の対応をあらかじめ検討しておくなど、チェックシート形式で確認できるものです。企業における帰宅困難者の対応はあらかじめ定めておくことが肝要であることからこの取組を周知してまいります。
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○25番(森 功一議員) 分かりました。
それではですね、災害時、近隣にお住まいの方でしたら徒歩による帰宅者がいると思うんですが、徒歩による帰宅者に対する支援の一環として、帰宅困難者支援ステーションというものがありますが、この取組はどのようなものなのでしょうか。また、協力事業者は市内にどれくらいあるのでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 帰宅困難者支援ステーションは、神奈川県を含む9都県市などとコンビニエンスストアやファミリーレストラン、ガソリンスタンドなど事業者との協定により災害時に徒歩で帰宅する方を支援する取組です。協定を締結した事業者は災害時に徒歩で帰宅する方に対して、水道水やトイレの提供、ラジオなどで知り得た災害に関する情報の提供、一時的な休憩の場としての提供を行うものです。帰宅困難者支援ステーションは、鎌倉市内に176か所あり、対象の事業所には所定のステッカーが掲示されております。
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○25番(森 功一議員) 分かりました、ありがとうございます。
次はですね、ちょっとこの質問の趣旨から外れてしまうかもしれないんですが、保護者が帰宅困難者となってしまった場合、児童・生徒に対し、学校はどのように対応するのでしょうか。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 地震等の大規模災害が発生した際にはですね、保護者への引渡しが基本となっておりますけれども、しかしながら保護者が帰宅困難者となった場合につきましては、引渡しカードに記載されている協力者への引渡しになります。学校では確実に引渡しができるまで学校で児童・生徒を保護するような対応をしているところでございます。
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○25番(森 功一議員) 学校が受入れ対応をいただけるということで安心しました。
それではですね、この項最後の質問です。帰宅困難者は駅前などに多く滞留することが予想されますが、先ほどの質問で確認したとおり、避難施設が足りないと考えております。駅周辺の民間施設の協力が必要と考えますが、いかがでしょうか。
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○永野英樹 市民防災部長 本市で発生する帰宅困難者は観光客が多く含まれることから、寺社などの滞在先でそのまま収容していただくよう引き続き協定先に協力を求めるとともに、一時滞在施設への案内を含め、駅周辺の民間施設の協力が必要であると認識しております。また、帰宅困難者対策は本市のみで行うのではなく、県や近隣市と協力して広域的な視点で取り組むことも肝要です。今後も帰宅困難者の一時滞在施設確保のために、駅周辺の民間施設等の協力も含め、帰宅困難者対策に取り組んでまいりたいと考えております。
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○25番(森 功一議員) 分かりました。大規模災害発生時には、市の職員は避難所の開設など多くの業務が集中し、帰宅困難者への対応が後回しになるおそれがあると思います。観光客の皆さんが安心して鎌倉を訪れることができるよう、一時滞在施設の確保や施設の円滑な運営を検討してもらいたいと考えています。
次に、適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度の周知について伺います。
令和5年、来年の10月1日よりインボイス制度が始まります。制度の開始である10月1日から登録を受けるには令和5年3月31日までに登録申請書を提出する必要があります。現在、登録を受付中ですが、新聞報道等によりますと、この制度の登録がまだ2割ぐらいとのことです。大手と取引のある会社は登録を促されることもあるそうですが、中小企業、個人事業主までは十分周知されていないおそれがあります。この制度自体は国の制度ですから、主体は税務署にあると思うんですが、市内中小業者にとって市役所は身近な存在であるため質問させていただきます。
まず、適格請求書等保存方式、インボイス制度とはどのような制度なのでしょうか。
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○内海正彦 総務部長 適格請求書等保存方式は令和元年10月に軽減税率の制度が創設されたことに伴い、適正な課税を確保する観点から、令和5年10月から導入される消費税の仕入税額控除制度でございます。買手は仕入れ税額控除を適用するため、適格請求書を保存し、売手は適格請求書発行事業者として登録の上で課税事業者として消費税を申告することとなります。
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○25番(森 功一議員) では、適格請求書発行事業者に登録しないとどうなるんでしょうか。
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○内海正彦 総務部長 適格請求書発行事業者の登録を受けない場合は、消費課税事業者となる必要はございません。しかしながら、登録を受けない場合、売上先に適格請求書を交付できないため、その売上先は仕入税額控除ができなくなり、納付税額がその分増額することとなります。なお、制度開始後6年間は仕入税額控除に関する経過措置が定められております。国税庁が発行しておりますリーフレットにおいては、登録を受けるかどうかは任意である旨を明記した上で取引先と取引条件の見直しに係る相談をすることなどが推奨されているところでございます。
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○25番(森 功一議員) そうですね。登録を受けない免税事業者からの仕入れは税額控除が適用されないので、取引先から発注がなくなったり、値上げを迫られる場合が出てくる可能性があると思います。特に非課税事業者は登録するかどうか判断を迫られることになると思います。この登録自体は任意と考えていますけれども、この重要な判断を下す際、インボイス制度に関わる情報提供や周知が必要と考えています。鎌倉税務署や鎌倉商工会議所などと連携し、今後どのような周知を図っていくのか伺います。
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○内海正彦 総務部長 本制度は今、議員御指摘のとおり国が課税主体の国税に関するものでございますので、市としては適格請求書等保存方式の周知を現時点で行っておりませんが、今後鎌倉税務署や鎌倉商工会議所と連携し、資料の配架やホームページにリンクを設定するなどの周知方法について必要に応じて協議してまいりたいと考えております。
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○25番(森 功一議員) 先ほど御答弁あったようにですね、このインボイス制度は経過措置6年間は免税事業者からの課税仕入れの一定割合が控除されますので、来年の10月から直ちに影響が出るとは考えていませんが、ぜひですね、関係団体と連携し周知を図っていただきたいと思います。
それでは、最後の項目、鎌倉駅周辺の喫煙環境の整備について伺います。
先日、鎌倉駅の観光案内所を訪ねて、駅周辺の喫煙所についてお聞きしました。そうしたらですね、喫煙所は鎌倉駅にありませんと一蹴されまして、代わりに喫煙可能な喫茶店を教えていただきました。コロナの影響もあり、コンビニなど鎌倉駅周辺の喫煙場所が減っている印象を受けております。それに伴ってか、路上喫煙禁止区域から少し入った路地などで喫煙し、吸い殻を捨てている人がいると聞きます。また、以前喫煙所があった西口時計広場でも観光客が喫煙し、その吸い殻を植え込みの中に埋めていたということもあったと聞いています。喫煙行為自体を推奨するものではありませんけれども、たばこを吸う人、吸わない人、それぞれが快適に過ごせる環境整備が求められると思います。
それではまず、質問に入ります。
鎌倉地区の路上喫煙禁止区域周辺において、店舗利用者以外でも誰もが喫煙できる場所はありますでしょうか。
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○能條裕子 環境部長 現在、鎌倉地区の路上喫煙禁止区域周辺には店舗利用者以外で誰もが喫煙できる場所はございません。
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○25番(森 功一議員) 私が観光案内所で確認したとおりゼロということです。ちなみにですね、私が鎌倉近郊の主要駅を調べたところ、喫煙所がない駅はありませんでした。
では、次の質問です。路上喫煙をいち早く規制した千代田区では、喫煙所設置の補助金を積極的に活用し、区内に67か所の公衆喫煙所があるそうです。鎌倉市にも民間喫煙所設置に対する補助金制度がありますが、その利用実績はどのようなものだったんでしょうか。
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○能條裕子 環境部長 令和元年度2019年度の補助制度創設以降、相談はあるものの、利用実績はございません。そのため、より使いやすい制度となるよう面積要件の緩和などの改正を令和4年2022年5月に行ったところでございまして、補助制度の周知に取り組んでおります。
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○25番(森 功一議員) 利用実績はないということを確認しました。私もですね、市のホームページでこの補助制度を検索したりしたんですけど、ちょっとすぐ出てこなかったんですよね。ですので、その辺の部分もぜひ改善していただきたいと思います。
また、今後補助制度のさらなる周知が必要と考えますが、いかがでしょうか。
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○能條裕子 環境部長 屋内型喫煙所設置のための補助制度につきましては、現在市ホームページへの掲載のほか、事業者に個別に御案内をしているところでございます。今後も補助制度の利用を検討していただけるよう、事業者への周知の充実に努めるとともに、新たな土地利用がある場合にも補助制度を知っていただけるよう、さらなる制度の周知に努めてまいります。
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○25番(森 功一議員) ぜひ周知をお願いしたいと思います。
次にですね、直近令和3年度の市たばこ税の税収は幾らだったのでしょうか。
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○内海正彦 総務部長 令和3年度の市たばこ税の税収は約7億8300万円となっております。
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○25番(森 功一議員) 7億8000万円もあるわけですね。今年1月総務省自治税務局から各都道府県に出された令和4年度地方税制改正、地方税務行政の運営に当たっての留意事項等についてという通達で、地方たばこ税に代わる対応についての箇所に、屋外分煙施設等の整備の推進とあり、そこには望まない受動喫煙対策の推進や、今後のたばこ税の継続的かつ安定的な確保の観点から、地方たばこ税の活用を含め、地方公共団体が駅前、商店街などの公共の場所における屋外分煙施設等のより一層の整備を図るよう促すこととするとあります。市たばこ税を活用するなどして、鎌倉駅周辺にも誰もが利用できる喫煙所を整備する必要があると考えますが、市長のお考えを伺います。
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○松尾 崇 市長 鎌倉駅周辺に喫煙所が必要だということについては認識をしているところです。これまでも空きビルなどを活用した適地を検討して、また事業者に対して喫煙所設置に対する補助制度の案内もしてきたところですが、実現には至っておりません。現在も鎌倉駅周辺の適地を探しておりまして、事業者に対して市の補助制度の案内や公設喫煙所設置についての協力依頼をしているところです。今後も継続して適地を探しまして、事業者の協力を得られるよう努力し、喫煙所整備の際の必要な予算を措置してまいりたいと考えています。
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○25番(森 功一議員) JT日本たばこがコロナ前の2019年5月に小町通りで臨時喫煙所を設置したところ、利用者の8割が外国人を含む観光客だったそうです。コロナが収束し、インバウンドが戻ったとき、訪れる国によっては喫煙率の高い国もあると思います。そうなったときに、喫煙によるトラブルが懸念されますので、共生を目指す鎌倉市ですので、喫煙者、非喫煙者それぞれが快適に共存できる喫煙環境の整備をお願いしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
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○議長(前川綾子議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(10時02分 休憩)
(10時20分 再開)
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○議長(前川綾子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、納所輝次議員の発言を許可いたします。
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○16番(納所輝次議員) 公明党の納所輝次でございます。それでは、通告に従いまして一般質問いたします。
ここ数日ですけれども、報道をにぎわせている子供をめぐる様々な事件・事故が報道されております。例えば通園バスに閉じ込められてしまったお子さんがお亡くなりになってしまったり、もしくは行方不明になったお子さんを探していたら結局海で見つかって、その命が失われていたり、もしくはお母さん同士の変な人間関係によって子供が餓死されたその裁判であるとか、子供をめぐる悲惨な事件事故が後を絶たないという状況で心を痛めている方がほとんどではないかと思っているわけでございますけれども、その子供の権利の保障についてまず伺ってまいりたいと思いますので、明快なる御答弁よろしくお願いいたします。
子供政策の司令塔となるこども家庭庁設置法が6月に国会で成立し、来年4月にこども家庭庁が発足することになりました。また、子供の権利を保障するこども基本法も与野党の議員立法により賛成多数で可決成立しました。こども家庭庁は内閣府と厚生労働省から子供や子育てに関わる主な部署を移管し、行政の縦割りを打破しようとするもので、虐待や貧困、少子化問題など、子供関連の支援策を一元的に担うとのことです。義務教育などの教育分野は引き続き文部科学省が担当します。一方、こども基本法は子供の権利保障を初めて法的に規定した子供政策の基盤となるもので、基本理念には子どもの権利条約の生命、生存、発達の権利、子どもの最善の利益などの4原則が反映されており、全ての子供が大人と同様の人権を持った権利の主体であること、大人が子供の意見を聞いて尊重していくこと、子供や若者の最善の利益を実現していくことが定められています。1989年に国連で採択された子どもの権利条約には、子供の権利のうち、最も大切な4つの権利が定められています。それは安全・安心に成長する権利、子供にとって最もよいことが実現される権利、自分の意見を伝え、参画する権利、差別されない権利です。ほかにも遊ぶ権利、休む権利、教育を受ける権利、子供の権利について子供たち自身が知る権利などが位置づけられており、日本はこの条約を1994年に批准しています。今回成立したこども基本法は、子供たちの権利を実現するために、大人たちは子供や若者の意見にしっかり耳を傾けて尊重し、社会の中に反映していかなければならないという理念をはっきりと位置づけています。国や地方自治体には、こども基本法の理念に基づいて具体的な施策を行うことが強く求められています。
鎌倉市は、2020年3月子どもがのびのびと自分らしく育つまち鎌倉条例を制定しました。この条例は、全ての子供が一人の人間として人格を認められ、尊重されるために、子供・子育てに関わる方々の役割などを定め、子供たちを応援する環境を整えるという理念を掲げています。
そこで、本条例の条文が掲げる目標に沿って取組状況を伺ってまいりたいと思います。
まず第10条に、特別な支援が必要な子どもが、健やかに育ち、学ぶことができるようにするとあります。教育委員会の特別支援教室における取組状況と成果、課題を伺います。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 鎌倉市教育委員会では、平成31年に特別支援教育推進計画を策定し、特別支援教育体制整備のための取組を行ってきており、今年度からは第2期として取組の充実を図ってきているところでございます。鎌倉市の特別支援教育の考え方は、共生社会の実現を目指し、障害のあるなしにかかわらず、全ての児童・生徒の自立や社会参加に向けて、子供たち一人一人の教育的ニーズに合わせた個に応じた指導や支援を行うものであり、全ての児童・生徒の学びを支えるものとしております。これまで特別支援教育推進計画に基づきまして、全校設置に向けて着実に特別支援学級を新規開設するなど、学びの場の拡大に成果が上がっております。多様化する教育的ニーズへの対応やインクルーシブな教育環境の実現に向け、一層の校内支援体制を整えていくことが課題であると認識しておりまして、現在教育相談コーディネーターを中心とした組織的な支援の推進や教職員向けの研修の充実などに取り組んでいきたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) ありがとうございました。本当に全校設置、これはあと様々なね、形の支援教室があるんですけど、そういった形も充実させてほしいという要望も寄せられていると思いますので、さらなる取組を期待したいと思います。
第11条では、児童虐待が起こらないようにし、早く発見できるようにするという目標を掲げています。以前は家庭は私的な領域であるということから社会や公権力は立ち入るべきではないとされ、家庭内暴力、児童虐待は見過ごされてきましたけれども、1990年代からは社会問題として認識されるようになりました。神奈川県内でも虐待による児童死亡事例が度々発生しています。放置死や育児放棄、傷害致死などの事件の報道に触れるたびに行政の対応が機能していればというやりきれない思いが繰り返し込み上げてきます。
虐待と思われる事例を認知した場合、鎌倉市と児童相談所はどのような手順で対応しているのかお伺いいたします。
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○藤林聖治 こどもみらい部長 児童虐待につきましては、児童相談所と市の双方どちらもが通告先となっておりまして、市の担当課であるこども相談課に連絡が入った場合は、まず専任の相談員や職員が虐待の状況などについて丁寧に聞き取りを行った上で、子供の安全確認を最優先に考えまして、初動調査をする内容など、当面の対応方針を決定しております。その後、各事案の内容に応じまして、市民健康課や生活福祉課、児童相談所、警察署など、庁内外の関係機関との間でケース会議を開催し、具体的な支援方法についての協議を行うなど、他機関との連携による支援を行う中で、懸念される虐待の状況がなくなるまで支援を継続することになります。
また、児童相談所とは定期的に情報共有を行っておりまして、リスクの高いケースでは児童相談所と合同で家庭訪問や合同面接など、個々のケースに応じまして、連携したきめ細かい対応を行っているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) この児童虐待への対応について、現場では様々な機関で開発された児童虐待のリスク項目表、虐待のリスクアセスメントに沿って専門家がチェックし、収集した情報を基に養育者を虐待の危険度に応じて分類するそうでございますけれども、このリスク項目には、子供のけが、低体重、親の出産年齢、性格、トラウマ歴、経済状況、妊娠状況、流産歴、不安定就労、離婚、多子、健診未受診、外国籍等が上げられています。そして、危険度が高い場合は児童相談所が子供を一時保護し、危険度がそれほど高くないと思われる場合は、指導、見守り、経過観察とするとのことですが、幾ら客観的なエビデンスに基づいて対応しても結果として子供の命を救えない事例があることは残念でなりませんし、そのような事件が発覚するたびに自治体や児童相談所の対応について批判が集中します。
鎌倉市では児童虐待のリスク項目をどう設定しているのかお伺いいたします。
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○藤林聖治 こどもみらい部長 市では本市を所管する鎌倉三浦地域児童相談所と共通のリスクアセスメントシートを使用しており、子供自身の状況や虐待の影響の有無、家族関係など各項目の状況を基に虐待リスクの度合いを判断しております。リスク度が高いケースについては、より慎重な対応が必要であることは当然でございますけれども、同時にリスクの高低にかかわらず、必要な社会サービスにつなげることで負担軽減を図るなど、家庭支援的な姿勢での関わりを行うことを第一に対応を行っております。
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○16番(納所輝次議員) 保育を欠く状態、貧困、不安定就労、安全性を欠く住宅などのリスクは、本来、児童虐待防止政策、福祉や貧困対策、雇用や住宅対策等の不備として、社会政策で解決すべきリスクですが、個々の家庭や養育者が解決すべき問題として捉えられてはいないでしょうか。行政は、乳児家庭全戸訪問事業での家庭訪問、母子手帳交付、保健所の健診などの機会に胎児や乳幼児の発達状況のみならず、虐待リスクチェックを行い、親の虐待傾向も見るとも言われます。そのため、養育者が問診票へ回答したり、保健師に相談したりすると、育児不安があるからとして、リスクや虐待の予備軍にされてしまうことから、相談をためらってしまうというおそれがあります。鎌倉市では、こどもと家庭の相談室で専任の相談員が18歳未満のお子さんや家庭に関する相談、お子さん自身からの相談を受けています。児童虐待防止対策で様々な相談窓口の在り方と養育者が安心して相談できる配慮についてはどう取り組んでいるのかお伺いいたします。
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○藤林聖治 こどもみらい部長 こどもと家庭の相談室では、虐待相談に限らず、18歳未満の児童と家庭に関わる様々な相談をお受けしており、相談者の悩みに寄り添った対応を行うことを第一に相談者が安心して相談できるよう取り組んでいるところでございます。また、相談者自身、家族や友人に自分の悩みを話せないという状況の中で、当相談室に相談するケースも多いことから、相談者が悩みを打ち明けられる場として機能できるよう、まずは傾聴の姿勢を心がけ、相談者との信頼関係が構築できるように努めております。
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○16番(納所輝次議員) 本年6月8日、改正児童福祉法が成立しました。改正法には、児童相談所が一時保護を開始することについて、親が同意しない場合、裁判所が必要性を判断する司法審査が導入されました。児童相談所は、児童の一時保護の開始を判断するに当たっては、どのような基準で取り組んでいるのか伺います。
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○藤林聖治 こどもみらい部長 児童の一時保護につきましては、児童福祉法の規定により、児童相談所の権限として定められているところでございます。厚生労働省が策定する「子ども虐待対応の手引き」では、一時保護の目的について子供の命の安全を確保することと規定しており、併せて単に命の危険にとどまらず、現在の環境に置くことが子供の権利ですとか尊重、自己実現といったウエルビーイングにとって明らかに看過できないと判断されるときは、まず一時保護を行うべきとされております。この基準と併せまして、リスクアセスメントにおいてリスクが高いと判断されるなど、個々の事案の状況を踏まえた上で児童相談所が一時保護を決定することになります。
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○16番(納所輝次議員) 改正児童福祉法では、基礎自治体にこども家庭センター設置を努力義務化しています。こども家庭センターは、虐待を防止するために既存の児童福祉のための総合支援拠点と、母子保護のための子育て世代包括支援センターの双方の組織を一体化した相談機関として位置づけられ、NPO、民間等も含めた関係機関が連携、協働して取り組み、2024年4月以降の設置を目指しています。
このこども家庭センター設置について鎌倉市の取組を伺います。
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○藤林聖治 こどもみらい部長 こども家庭センターの設置に係る現在の取組状況につきましては、先般8月26日にも厚生労働省主催のこども家庭センター等に関する説明会が開催されるなど、こども家庭センター設置に係る要件等について、健康福祉部とこどもみらい部で情報収集に努めているところでございます。職員の資格要件や配置人数等をはじめとした運営に係る詳細につきましては、引き続き、国の情報にも留意しつつ、2024年、令和6年4月の設置を目途に検討してまいります。
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○16番(納所輝次議員) こども家庭センターでは、家族の介護や世話を日常的に担うヤングケアラーや虐待、貧困、若年妊娠など、問題を抱える家庭に対する支援提供計画、サポートプランを作成します。また、家庭を訪問し、家事や育児の援助を行うことも想定しているということでございます。このヤングケアラーの支援についての規定では、ヤングケアラーについて国や自治体の定期的な実態調査と支援が組み込まれました。少子高齢化、核家族化の進展の中、年齢や成長の度合いに見合わない家事や責任を負っている児童・生徒の存在について、支援、理解、啓発の推進が求められていますが、前提として何をもってヤングケアラーとするのかという観点が重要だと思います。鎌倉市は、ヤングケアラーの把握についてどのように取り組んでいるのでしょうか。
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○藤林聖治 こどもみらい部長 ヤングケアラーの早期発見、把握のためには、ヤングケアラーに対する社会的認知度を向上させることが重要であると考えております。認知度向上のための取組といたしまして、ホームページや各種SNSによる相談窓口の周知ですとか、夏休み期間中の市内各図書館での巡回啓発展示を行ったほか、夏休み前には市内全小・中学校の児童・生徒向けに作成・配布しております各種相談窓口の案内カードと一緒にヤングケアラーの周知と相談先を記載したカードを配布するなど、早期発見と把握のための取組に努めたところでございます。引き続き、学校や関係機関、団体と連携し、ヤングケアラーの早期発見と把握に努めるとともに、実態調査に向けた取組を進めてまいります。
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○16番(納所輝次議員) 支援提供計画サポートプランの作成ですけれども、これまでは要介護者の介護は家族のケアを前提としておりまして、家族が福祉の含み資産とされてきました。加えて、行政側の財政難もあることから、介護では賃金が発生しない家族介護者が当てにされております。これでは家族介護者であるヤングケアラーにどのようなサポートを付与しても家に要介護者がいる限り、根本的な解決は難しいという問題があります。鎌倉市は、ヤングケアラーの支援についてどのように取り組もうとしているのか、伺います。
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○藤林聖治 こどもみらい部長 現在、ヤングケアラーを含むケアラー全般への支援につきましては、ケアラー支援庁内検討委員会を立ち上げまして、ケアラーの把握や具体的な支援策についての検討や(仮称)ケアラー支援条例の制定に向けた取組を行っているところでございます。この検討委員会では、既存の各種支援制度の不足する部分について、新たに必要となる支援策や支援を必要とする方への対応策の検討を行っており、ヤングケアラーの支援においても関係各課等で連携しながら、個々の家庭の状況に応じて、必要な支援が届くよう取り組んでまいりたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) 一日も早い条例化とその条例に伴うサポートがきちんとした体制で行われていくことを望みたいと思っております。
子どもがのびのびと自分らしく育つまち鎌倉条例の第12条では、いじめが起こらないようにし、早く発見できるようにするとしています。学校教育における教育委員会のいじめ防止の取組と効果、課題を伺います。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 鎌倉市教育委員会では、鎌倉市いじめ防止基本方針に基づき、学校でのいじめの事案に対応しております。同方針に基づきまして、各学校におきましても、いじめ防止基本方針の策定やいじめ防止対策委員会の設置など、組織的にいじめ防止対策に努めているところでございます。
児童・生徒指導に係る協議会、担当者会では、いじめの積極的な認知に加え、未然防止、早期発見、早期対応について意識の啓発を図っており、組織的な対応がいじめの発見、解決に一定の効果を発揮していると考えております。
今年度より小学校に児童支援専任教諭を設け、各学校においてはこれまで以上に組織的な対応に取り組んでいるほか、中学校ではスクールバディとして生徒自らが主体的に考えるプログラムを行ってきておるところでございます。
さらに教育委員会では、子どもSOS相談フォームを設置し、いじめの課題が困難化する前に子供が相談できる体制も整えたところでございます。
課題といたしましては、いじめの被害を訴える側にも、いじめを行ったとされる側にも双方の言い分がありまして、どちらの児童・生徒も大切にしなければならないという立場である学校が間に入ってもなかなか双方が納得のいく解決が難しいという状況が生まれるケースが多くなっております。解決に当たって第三者の支援が必要となる場合もあるというような状況が生まれているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) 何はともあれ、早めの認知、いじめの認知とそれから学校内にいじめはいけないんだというその世論ですね、共通認識をまずは前提として広めていくよう指導していただきたいと思いますし、これは上から教え込まれるということではなくて、子供自身が自発的に、本当に相手の痛みを理解するようなそういった校風というものを学校内につくっていただきたいな、期待をしております。
第13条に互いの違いを認め、尊重し合うことができる社会をつくりますという目標があります。これについて伺ってまいります。
文部科学省の有識者会議は8月26日、生徒指導に関する教員用手引書、生徒指導提要の改訂案をまとめました。改訂案の冒頭部分で、児童・生徒の権利の理解を訴えたのが特徴で、日本が批准している子どもの権利条約やこども基本法の趣旨が明記され、児童・生徒の基本的人権に十分配慮し、一人一人を大切にした教育を求めています。この改訂案には、性的少数者の理解と対応も盛り込まれています。性的少数者であることを隠しておきたい児童・生徒のためにも、教職員が心ない言動を慎むことはもちろん、見た目の裏に潜む可能性を想像できる人権感覚を身につけていくことが求められると明記し、更衣室や水泳の授業など、学校での支援事例が示されているとのことでございます。
学校教育における多様性への理解促進として、LGBTQへの理解促進の取組と、児童・生徒の中にいるであろう当事者への対応はどのように行っているのかお伺いいたします。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 まずは当事者への対応につきましては、人権とプライバシーを守る観点から教職員側からの個別のアプローチが難しい側面がございます。そのため、児童・生徒から何らかの相談があった場合に適切な対応ができるよう、研修等を通して意識の向上に努めております。具体的には、人権教育研修会として、数年に一度LGBTQに関するテーマを取り上げております。直近では平成28年度、29年度、そして令和3年度にLGBTQに関連する研修を行ったほか、令和2年度の自殺対策をテーマにした研修でもLGBTQへの言及もございました。人権教育研修会は小・中学校各1名の悉皆研修と位置づけておりまして、受講者は各校で研修内容について情報共有をするよう伝えているところでございます。
市立小・中学校におきましては、具体的な取組といたしまして、男女混合名簿の作成、多目的トイレの設置、男女を問わずスラックスの着用を認めるなどの取組を行っております。また、道徳や保健体育等の教科でも男女平等や性の多様性についての題材を取り上げるなど、教育活動全般を通じて性の多様性への理解促進にも努めているところでございます。さらに、スクールコラボファンドを活用した探求活動におきまして、生徒自らですね、LGBTQの理解促進策について調べたり、LGBTQの当事者から話を聞いたりといった活動が複数の学校で行われ始めているところでございます。これらの活動を通じて、学校教育を通じた性の多様性への理解促進やLGBTQの当事者でも安心して通うことができる学校づくりに努めてまいりたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) もう非常にデリケートではありますけれども、実はLGBTQの人というのは血液型というとAB型の人より割合が多いというように言われております。必ずクラスの中には当事者がいるんだという前提で気を遣ってもらいたいなと思いますけれども、教師の側が、当事者がいないことを前提でそういったLGBTQをやゆするような言動というのは、昔は往々にしてあったと聞いておりますけれども、ぜひその辺も踏まえて当事者への対応をよろしくお願いしたいと思っております。
第14条では、子供の将来が生まれ育った環境に左右されることがないようにしますとあります。その中で一番大きなものが経済的困難を抱える家庭という経済格差も最近言われておりますけれども、この経済的困難を抱える家庭への進学支援、この現状を伺いたいと思います。
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○藤林聖治 こどもみらい部長 経済的困難を抱える家庭への進学支援に関する相談につきましては、独り親家庭はこども相談課で、また独り親以外の家庭につきましては生活福祉課で相談をお受けしておりますが、いずれも経済的理由で進学を諦めることがないように御家庭の状況を丁寧に聞き取った上で各種就学援助制度について御案内を行い、利用につなげているところでございます。また、経済的理由で大学や専門学校への進学を諦めることがないように、令和2年、2020年4月には独立行政法人日本学生支援機構によりまして、給付型の奨学金制度がスタートするなど、制度の充実が図られているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) 何はともあれ、制度の周知ですね、様々な支援制度があるんだということを周知していただくこと、これがまず第一だと思います。ですので、それを知らないがために不安、もしくは諦めてしまったりということがあると思いますけれど、子供が積極的にそういった制度に触れるかどうか、これは難しいお話でございますので、やっぱり行政側も学校側から様々な制度の周知というものをいろんな機会にぜひお願いしたいなと思っております。
第15条には、不登校やひきこもりについて課題を解決していきますとの目標がございます。これについて伺ってまいりますけれども、全国の小・中学校で2020年度に不登校だった児童・生徒は前年度比8.2%増の19万6127人となり、8年連続で増加し、過去最多となったとのことでございます。この8.2%ってかなりの割合で不登校が増えているということでございます。
鎌倉市の学校教育における不登校や登校渋りの現状とその主な要因、それに対しての対応状況を伺います。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 令和2年度の問題行動等調査の結果におきまして、令和2年度の不登校数につきましては小学校で109人、中学校で124人で、合計では令和元年度と比べて減少はいたしましたが、近年不登校数は増加傾向が続いている状況でございます。
不登校となった要因について分析を行ったところ、国全体では無気力・不安に次いで高い要因は生活リズムの乱れ、遊び、非行であり、学業不振の回答については約5%にとどまっている一方、鎌倉市におきましては、無気力・不安に次いで最も高い要因として上げられるのが、学業の不振でございまして、その割合は13%に上っております。平均所得の高い地域性が子供の学力に対する高い期待を生んでいる側面があるのではないかと考えております。
学校では学級担任など子供や保護者に直接関わる教師だけではなく、児童支援専任や生徒指導担当、教育相談コーディネーターを中心に、学校内での子供の情報を共有し、校内組織での一体的な対応に努めております。不登校の子供や保護者に電話は面談等で小まめに連絡を取り、丁寧に状況やニーズを把握し、子供が興味を持ちそうな活動や行事に誘ったり、家庭学習の支援を行ったりするなど、可能な限りの支援を行うとともに、必要に応じてスクールカウンセラーなど専門職員の支援にもつなげております。教育センターとしてですね、毎月学校に聞き取りを行い、子供の状況やニーズに合った支援ができるように助言も行っているところでございます。また、教育支援教室「ひだまり」の運営、かまくらULTLAプログラムの実施等、不登校児童・生徒への支援も行っている状況でございます。
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○16番(納所輝次議員) 市内のある保護者からお話があって、ある中学校で不登校、もしくは登校渋りの傾向について、何かというと、担任の先生に言っても分かってくれない。諦めだというような、様々なクラスの課題があるんでしょう。それについて一生懸命対応してはいらっしゃるんでしょうけれども、それが子供に伝わってこないと、だから言っても無駄だと。学校行きたくないって、登校渋りの傾向でまだ不登校にはなっていないんですけど、行きたがらないということをその悩みを伺ったことがあるんですね。それが保護者の間で結構話が広がりやすいということ。あの中学校に行って大丈夫かしらと今度は小学校の保護者が心配し出しているという話も伺いました。これは確たる事例とは言い難い部分があるんだと思いますけれども、担任教師をはじめとする学校側、教職員側が積極的にその子供たちを受け入れる、励ますというようなその姿勢をもっともっと出してほしいなという、その期待があるわけでございます。そうでなければなかなか解決できない。生徒というのは、子供たちというのは毎年入れ替わりますのでね。常に新しい気持ちを持って学校に臨んでくる、学校に登校してくる子供たちに対してやはり希望、もしくは学校は楽しいところだ、学校は楽しいから行くんだというような教育環境をぜひ教職員を挙げて整えていただきたいなと思っております。
文部科学省は6月10日に不登校に関する調査研究協力者会議の報告書を取りまとめ、今後の不登校児童・生徒への学習機会の確保と支援の在り方について、重点的に実施すべき施策の方向性は、誰一人取り残されない学校づくり、不登校傾向のある児童・生徒に関する支援ニーズの早期把握、不登校児童・生徒の多様な教育機会の確保、不登校児童・生徒の社会的自立を目指した中・長期的支援の4点でありまして、不登校の考え方として登校という結果のみを目標とせず、社会的自立を図ること、状況によっては休養が必要であり、学校に行けなくても悲観する必要はなく、様々な教育機会も活用することが必要であるとして全国の教育委員会等への機関へ通知し、小・中・高等学校等へ周知を図りました。不登校に関する調査研究協力者会議、この通知に対し、鎌倉市教育委員会はどう取り組んでいくのかお伺いいたします。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 今、議員から御紹介、御案内いただきました文部科学省での令和4年6月不登校児童・生徒への支援の在り方について検討する不登校に関する調査研究協力者会議における報告書を公表し、その中に触れられている学校内での居場所づくり、1人1台端末を活用した早期発見、不登校傾向のある児童・生徒の早期発見及び支援ニーズの適切な把握のための児童・生徒理解支援シートを活用したアセスメントの実施、フリースクール等民間団体との連携、不登校特例校設置の推進、ICT等を活用した学習支援等を含めた教育支援教室の機能強化など、今現在、鎌倉市が取り組んでいるものとかなり重なる部分が多いのかなとその報告書を見て捉えたところでございます。しかしながら、同報告書の中にはですね、今後の取組の改善に向けたヒントがちりばめられているため、内容を参考にしつつ、不登校特例校の設置の検討をはじめ、不登校という課題に対して積極的な取組を進めてまいりたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) 既に当然取り組んでいる内容、改めて通知されたという部分もあるかと思いますけれども、その不登校の要因というのは時代とともに毎年毎年変わってくるものであるという、その変化にどう対応していくのか、それは今、取り組んでいる内容、もしくはツール、その在り方を常にバージョンアップしていただきたいなと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
一方、ひきこもりの問題についてでございます。ひきこもりは子供や若者だけでなく、幅広い年代の課題となっておりますけれども、鎌倉市のひきこもりの現状把握と支援体制の取組についてお伺いいたします。
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○濱本正行 健康福祉部長 ひきこもりの現状把握につきましては、令和3年度からひきこもり支援員を配置いたしまして、相談支援を行う中で現在までに54件の新規相談がございました。本市の相談窓口に来ることができない方がまだいらっしゃるものと考えてございます。
ひきこもり状態にある方の支援体制につきましては、多岐にわたる課題への対応が必要であることから、庁内関係課でひきこもりに関する連絡会を組織して、子供から若者、中高年まで年代を問わず必要な支援につなげることができる体制づくりに取り組んでいるところでございます。今後は、課題を抱える世帯の状況把握のため、相談窓口の周知を積極的に行っていくとともに、自ら相談窓口に来ることができない方についてはアウトリーチを行い、地域の様々な支援機関と連携することにより、世帯の状況に応じた支援を行ってまいります。
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○16番(納所輝次議員) 大変な作業の繰り返しになるかとは思いますけれども、やっぱりぜひ寄り添って、行政が寄り添っているんだということを周知していただければと思っております。
第17条で子供が自由に意見を言ったり、夢を話したり機会をつくりますとの目標について伺います。
この子供が自由に意見を言ったり、夢を話したりする具体的な場の設定の在り方はどのようなものなのかお伺いいたします。
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○藤林聖治 こどもみらい部長 子供が自由に意見を言ったり夢を話したりする場の設定に当たりましては、意見を表明しやすい環境づくりですとか、発言したことで不利益が生じないようにする必要があると考えております。また、子供に興味を持ってもらうための周知方法や意見形成へのサポート体制への整備、表明された意見を市政に反映させる仕組みづくりなどの課題解決も必要であると考えております。
現在、これらを踏まえた上、具体的な場の設定に向けた検討を行っておりまして、引き続き早期に実施できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) 場の設定、どういう場がいいのか、なかなかこれ難しい条文かなと思っておりますけれども、ただ、その具体的な場があればというのはよく分かりますので、ぜひ検討していっていただきたいと思います。
第18条に、子供が自分らしく遊んだり休んだり集まったりすることができる場をつくりますという目標があります。これも場のことですけれども、この子供が自分らしく遊んだり休んだり集まったりすることができる場とはどのような場なのか、それにどう取り組んでいるのかお伺いいたします。
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○藤林聖治 こどもみらい部長 子供が自分らしく遊んだり休んだり集まったりすることができる場でございますが、本条例では、子供が家庭以外に持つ自分らしく遊ぶことができ、安心してほっとできる居心地のよい場所のことを想定しております。市ではそのような場所をつくるために放課後かまくらっ子の設置ですとか、冒険遊び場の常設化などに取り組んできたところでございますが、引き続き子供の豊かな感性や情操を育てる観点から居場所の確保や充実に努めてまいります。
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○16番(納所輝次議員) 第19条では、子供が地域でいろいろな年齢の人と交流できるように応援しますとあります。鎌倉市は多世代交流について取り組んでいると思いますけれども、どのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
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○濱本正行 健康福祉部長 多世代交流につきましては、令和3年度から老人福祉センターに多世代交流事業の専任職員を配置し、小学生以上を対象とした豆腐づくり教室や太極拳教室などバラエティーに富んだイベントを実施しているところでございます。また、市が支援するみらいふる鎌倉におきましても地引き網など様々な三世代交流事業を実施しているところです。
今後も多世代交流の拠点として老人福祉センターを積極的に活用するとともに、関係団体の協力を得ながら多世代交流事業の一層の推進を図ってまいりたいと考えているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) 子供を追い詰めてしまうのは、学校と家庭の往復しかないという、逃げ場のない生活スタイルであると思います。家庭でも学校でもよい子、よい生徒とされていると、だんだんと本来ある自分の自然な姿から離れてしまい、そのギャップに苦しみ始めることに周囲が気がつかないことが多いと思います。そこに学校でも家庭でもない第三の居場所があると、緊張から解放されて自然な振る舞いができ、心のバランスが取れる場合があります。それが例えば老人福祉センター等での囲碁将棋仲間のいる多世代交流の場であったり、またはほかの学校からも生徒が集まる場、例えば学習塾とかというような場であったりするということでございます。こういった居場所の確保は年代を問わず大事なことであると思いますので、さらに充実をすべきであると思います。
第20条の困りごとの相談体制を強化しますという目標について伺います。
先ほども御紹介ございました、学校ではタブレットなどを利用した子どもSOS相談フォームが運用されているとのことでございます。学校教育においてタブレットを利用した子どもSOS相談フォームの運用状況と効果、課題や他の相談の仕組みと比較しての状況をお伺いいたします。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 端末の画面上のアイコンから容易にアクセスできる子どもSOS相談フォームの運用につきましては、令和4年3月からスタートし、これまでに34件の相談が教育センターに寄せられております。教育センターでは迅速に学校と情報を共有し、子供が希望する相談相手との相談につなげることで子供の抱えている苦しみや不安、困り感の解消につなげております。教育センターでは、これまでいじめ相談ダイヤルやいじめweb相談、心理士による電話相談等を行ってきましたが、相談をしていらっしゃる方のほとんどがですね、やはり保護者というような状況がございまして、子供自らの相談はほとんど少ないというような状況でございました。そういった意味からもですね、実際に子供が相談ができる子どもSOS相談フォームの効果はとても大きいと考えております。
課題といたしましては、子どもSOS相談フォームを使用できるのは現在のところ市内の公立の小・中学校に限られていること、また各学校において子供一人一人のSOSを出す力をいかに育んでいくかということが上げられると考えております。
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○16番(納所輝次議員) 苦しいときに自らがSOSを発信する、それができるというその環境を醸成していくというのは非常に大事なことだと思います。ところが個性などから相談したり自分の意見を表明したりすることが難しいという子供も少なからず存在するわけでございます。当然、その子たちにも支援を届けなければなりません。
そこで、発達障害児などへの教育支援として利用が広がっている通級指導について伺ってまいりたいと思います。
発達障害などのある子供が通常学級に在籍しながら一部の授業を別室で学ぶ通級指導、本年7月文部科学省が公表した2020年度の調査によりますと、全国の小・中・高校生のうち、過去最多となる16万4693人が通級指導を利用し、障害のある子供に対する適切な教育支援が広がっていることが明らかになりました。
通級指導は、読み書きが苦手だったり、友人とのコミュニケーションがうまく取れないなどの児童・生徒がふだんは通常学級に在籍しながら、個別の障害の状況に応じて一部の授業を別室で受けることができる制度で、鎌倉市においても好評であると伺っております。この鎌倉市における通級指導教室の運用状況とその効果についてお伺いいたします。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 鎌倉市では、小学校の通級指導教室として言語通級指導教室「ことばの教室」、難聴通級指導教室「きこえの教室」、情緒通級指導教室「つどいの教室」を設置し、各4人の教員が配置されております。通級指導教室では、週に1回程度それぞれの児童の課題に応じた指導を個別に、あるいは小集団で継続的に行っております。担当教員は専門性向上のための研修を行い、指導に当たっているほか、通級を利用する児童の在籍校とも連携するなど、教育的ニーズを的確に捉えた指導を目指しております。通級指導教室があることで、個別の課題があっても通常級に在籍する選択ができるようになっており、今後もインクルーシブ教育の一つの手だてとして充実を図ってまいりたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) 文部科学省によりますと、この10年間で義務教育段階の子供の数が1割減少する中、通級指導を受ける児童・生徒は年々増加し、2.5倍に拡大、背景には発達障害のある子供の数の増加に加え、通級指導に関する理解や認識が広まったことがあると見られております。
鎌倉市におけるこの通級指導教室のニーズ、これをどう捉えているのかお伺いいたします。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 通級指導教室に通う児童数は10年前の平成25年は約180名であったところ、平成30年に深沢のつどいの教室が開級して約250名になり、現在約270名となっております。そのうち、「ことば」が約160名、「きこえ」が5名、「つどい」が約100名でございます。利用者の人数につきましては、ここ4年間はおおむね270名程度で推移しているところでございます。
通級指導教室につきましては、通常級に在籍しながら個別の発達上の課題についても支援が受けられる制度として引き続き高い需要が見込まれ、今後もそれぞれのニーズに応じた専門的な指導が行えるよう、担当教員の研修も行ってまいりたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) 本当にニーズというのは高い、もしくは掘り起こされているということもあるかと思いますけれども、希望する方は年々増えていると考えております。今後はぜひ中学校での通級指導教室設置も検討していっていただきたいなと思います。
通級指導を利用する子供の障害種別では、言語障害が最も多く、全国で4万3632人、26.5%ということです。あとADHD、注意欠陥・多動性障害のお子さんが3万3825人の20.5%、自閉症が3万2346人、19.6%と続いておりました。この通級指導の転機となったのが国の2017年度予算に盛り込んだ教職員定数の改善です。2016年度までの通級指導の担当教員数は毎年の予算編成のたびに決まる加配定数の一部でしたけれども、児童・生徒数などに応じて自動的に決まる基礎定数に組み込まれました。これにより、2025年度まで計画的に増員されるという見通しでございます。この通級指導のさらなる充実に向け、多様化するニーズや教員の確保に力を尽くさなければなりません。
鎌倉市教育委員会は不登校、あるいは休みがちになっているなど、学校に通うのがつらいと感じている子供を対象として、森、お寺、海などの鎌倉の地域特性を生かしたプログラムの中で、参加者一人一人が個性や特性に応じて自分らしく学んでいく方法を見つけていくことを目的とした3日間の探求プログラム、かまくらULTLAプログラムを実施しており、今年度も行うと聞いております。このかまくらULTLAプログラムの取組状況とこれまでの成果をお伺いいたします。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 令和3年度に行われました、かまくらULTLAプログラムにつきましては、浄智寺を舞台に禅、リズム、精進料理、竹等を題材にした森のプログラムと由比ヶ浜を舞台に魚、海藻、すし、3Dプリンター等を題材にした海のプログラムを実施しておりまして、参加人数につきましては各プログラムごと15名ずつでございました。プログラムの中には、子供たち一人一人が自分の得意な学び方を積極的に探り、学びに没頭していく姿が見られ、自分の取扱い方が分かったと話してくれた子供もいました。プログラム終了後の生活においても前向きな変化が見られているとの保護者の声も多く聞かれ、子供たちの学びの特性に着目した支援の重要性に改めて気づかされているところでございます。令和4年度、今年度につきましても、名称は同じでございますけれども、内容につきましてはリニューアルして9月に海のプログラム、11月に森のプログラム、そして来年の1月に成果発表を行う予定で、今年もかまくらULTLAプログラムの取組を進めていく予定としております。
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○16番(納所輝次議員) 非常に好評であると思っております。どうしても人数制限がね、定員があるということ、これも一つの課題かなと思いますけれども、ちょっとこれでも取り組むのは相当な準備が必要だと思いますし、担当者の御苦労も本当に推して知るべしということでございますけれども、ぜひ様々な成果をね、公表していただきたい、共有させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、部活動の地域移行について伺ってまいりたいと思います。
学校教育の場で、教員は教科指導と生徒指導だけでなく、学校行事の準備や実施、さらには部活動を行うなど、かなり多忙を極めていることは周知の事実でございます。教員の負担軽減を目的として2000年前後に改革の議論が行われ、部活動の地域移行が試みられましたが、受皿が整わず、教員自身からも部活動を行いたいという声も多かったとのことですが、教員も世代交代が進んでいる今では、部活動改革を求める声が増えているとのことでございます。
そこで、ここからは部活動の地域移行について伺ってまいりたいと思いますけれども、部活動は生徒指導の一環という意見がございます。これは全国的に学校で生徒が荒れていた40年前の発想で、今は当時ほどまでに荒れている学校は多くはないそうです。ただ、生徒指導の一環として部活動が機能していた経過から教員が部活動を担うのは当然であるという認識は徐々に変えていく必要があり、教員の働き方改革の一環として今、公立中学校における部活動の在り方が問われているとのことでございます。
教育委員会における部活動の目的、これをどう定義しているのかお伺いいたします。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 部活動につきましては、平成30年に定めた鎌倉市の部活動の在り方に関する方針におきまして、学校教育の一環としての部活動については、自らが目的を持って継続して取り組む活動を通して自己肯定感を高めたり、異年齢との交流の中で人間関係の構築を図ったりするなど、その教育的意義が高いものであると記載しているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) もともと部活動の目的は、子供が運動や文化活動を楽しむことにあると思いますけれども、教育課程である授業とは違い、部活動は教育課程外の活動として位置づけられているのではないでしょうか。自主的活動でございますので、活動の時間に制限はないため、休日でも部活動が実施されています。自主的活動であるがゆえに活動に制限がかかりにくく過熱してしまうことがあります。成果や実績が上がるのはよいことですけれども、歯止めがかからないと活動内容が肥大化し、人材、場所、資金などが足りなくなります。足りなくなった部分を補おうとして部活動を担当する教員の負担は増え続けてきました。部活動は長時間労働の大きな要因となっているということでございます。
2016年に文部科学省が中学校を対象に部活動の調査を行った際、休養日のない学校が約2割、休養日が1日の学校が約5割だったそうですが、一方で週3日の練習でも全国大会に出場した運動部もあり、これまでの非効率な練習を改め、科学的な練習を取り入れるなどして十分に強くなった例もあるとのことです。
部活動の本来の趣旨からすると、試合で勝ったり大会で成果を上げたりすることは第一の目的ではなく、限られた日数の中で自分たちで考えて一生懸命練習していくことに部活動の教育的価値があると思うのですが、それは建前論とされ、現実では生徒も周りの大人も勝利第一主義の風潮をごく当然のこととしているのではないでしょうか。
本年6月にスポーツ庁、8月9日には文化庁の各有識者会議が部活動の担い手を教員から地域人材へ移行するよう提言しました。公立中学校の運動部の地域移行については、スポーツ庁の有識者会議がまとめた提言で、2023年度から25年度までを改革集中期間に位置づけ、自治体などに対し、まずは休日の部活動から段階的に地域の民間スポーツ団体などに移行するよう求めています。実現に向けた課題としては、受皿となるスポーツ団体や指導者の確保に加えて、経済的に困窮する家庭に活動費用を援助するための財源の捻出などが上げられています。一方、吹奏楽部など公立中学校の文化部活動の地域移行に関する文化庁の有識者会議の提言では、運動部と同様に23年度から改革集中期間と位置づけ、25年度末までに休日の活動を学校から地域の民間事業者などに移行するとしており、平日の移行については進捗状況を検証しながら進めていくとしているとのことでございます。今回の提言を受け、スポーツ庁と文化庁は部活動の地域移行の推進へ必要な予算を来年の予算の概算要求に盛り込むとともに、関係団体との連携強化などを進める方針とのことです。
地域移行することは、学校現場、部活動の在り方を劇的に変える具体的な大きな一歩であるという印象でございます。今回は休日の部活動のみが移行する形となります。これまでの活動量を小さくしていきながら持続可能性を担保しないといけないと思います。子供が運動や文化活動に授業以外で触れるというのは貴重な機会です。少子化の時代、きちんとした形で部活動を残さなくてはならないと思います。
この部活動の地域移行といっても人材も資金もない現状では、完全に地域にお任せしますというのは難しいのではないでしょうか。それは今の部活動が教員の実質的なただ働きと学校施設を使うことで成り立っているからです。また、吹奏楽などは楽器をそろえるだけでも高額な費用がかかり、資金調達の在り方が課題となります。地域移行後の財源についてはまず国において予算の在り方の議論をきちんとしてもらわなければいけないと思います。
もう一つ重要なのは指導者の質です。これまでも体罰問題だったり、セクハラだったり、部活動での問題はありました。だから地域移行は誰でも指導者になってくださいとはいかないのではないでしょうか。地域移行の際には、指導者の数を適正にした上で、研修などの条件を設け、トラブルを起こしたときの処分の在り方も同時に決めなくてはならないと思います。教員の負担だけが減り、子供がかえってひどい指導を受けるようなことは絶対避けなくてはいけないと思います。
地域移行しても部活動に関わりたいという教員も当然多く出てくると思います。そのとき教員が部活動の委託先に関わることができるのか。民間委託に関わるのならば、教員の兼業を認めるのかという制度設計の議論も重要です。教育委員会は部活動の地域移行についてどう取り組んでいくのか、またその課題をどう捉えていくのか、部活動の意義と在り方について教育長のお考えを伺いたいと思います。
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○岩岡寛人 教育長 納所議員から既に地域移行の課題について幾つも御紹介をいただきまして、それは本当に全てそのとおりだなと思うところでございますけれども、改めて御答弁をさせていただきます。
中学校の部活動は、生徒がスポーツまた文化活動に親しむ機会を提供することで生涯にわたってスポーツや文化を楽しむ基礎を培うということとともにですね、努力の大切さ、また達成感の獲得、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養、そして生徒や保護者と学校の信頼関係の構築等に資するものとして大きな役割を果たしてまいりました。しかし、生徒数の減少により、学校1校当たりの教員数も減少する中、一定の部活動を維持しつつですね、休日も含めた部活動の指導、大会運営、引率等を行っていくことが教職員の大きな業務負担となっており、結果的に子供たちに充実した教育を届けるということの支障になっているという状況も生じていますので、部活動の持続可能な在り方が問われていると認識をしております。
御指摘の提言では、まず休日の部活動を地域のスポーツ・文化団体に移行するということなどを柱として提言されておりますけれども、必ずしも受皿となることを希望する団体があるとは限らないという状況、また活動場所が学校以外となった場合に生徒の移動手段をどのように確保していくのかといった視点、また平日・休日で指導者が違うことによる混乱や指導責任の明確化をどのようにしていくのか、地域移行により発生するコストを誰が負担するのかといった課題がありまして、単純に解決できる問題ではないですし、地域によって導入の仕方というのが変わってくる課題であろうと考えております。まずは教育委員会、そして市のスポーツ担当部局、学校、スポーツ・文化団体、保護者等と協議を行い、本市での部活動地域移行をどのような形で実施していくのが適当かということの協議を行っていくことが重要であると考えておりまして、そうした場の設定をはじめ取組を開始してまいりたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) 部活動の地域移行については、今後、市長部局においても財政面のみならず、地域を挙げて応援する体制づくりをしっかりと支援していくべきであると申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。
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○議長(前川綾子議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(11時20分 休憩)
(11時35分 再開)
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○議長(前川綾子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、武野裕子議員の発言を許可いたします。
なお、武野裕子議員から一般質問に際し、資料を持ち込みたい旨の申出があり、議長職権により資料を配付させていただいております。
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○6番(武野裕子議員) よろしくお願いします。最近痛ましい事件や事故のニュース、本当に相次いで胸が痛む思いでおります。質問に入る前に、一言、安倍元首相の殺害事件で思うことを述べさせていただきます。
参議院選挙の最終盤に発生した安倍元首相の殺害事件は、日本中を震撼させただけでなく、その後の報道も見られるように、反共を旗印にした旧統一教会と政治家との関係が次々に明るみに出ました。地方の議会をつかさどる全国の地方議員も知らなかったでは済まされない大きな問題だと捉えなければならないと思った次第です。
さて、質問に入ります。
議長、申し訳ない、1時間しかないものですから、1問目と2問目は飛ばしたいと思います。3問目から。
国はこの4月に公共施設等総合管理計画の見直しの指針を改定し、示しました。公共施設等管理総合計画というのは、公共施設再編計画とインフラなどの社会基盤施設マネジメント計画を併せた総合計画であり、持続可能な施設運営とそのための財政計画として必要な計画です。鎌倉市では先行していた公共施設再編計画の翌年の平成28年にこの総合計画を策定しました。今回の見直しは、新しい時代に合った価値観を提供できるよう公共施設の在り方を見直すのが目的と書かれております。鎌倉市も令和5年中に見直しを図っていくと思いますが、しかし、選択と集中を最優先で進めるべき課題のように市民に押しつけると、玉縄青少年会館のときのように市民にとって不本意な状況を引き起こしかねません。市民との協働のまちづくりという視点をしっかり置くべきであるということを先に述べておきたいと思います。
さて、公共施設等総合管理計画における国からの指針は令和3年1月26日、そしてその改訂版が4月1日に出されました。この総合計画に盛り込むこととして新たに脱炭素化事業が加わりました。鎌倉市の公共施設全部の持続可能な施設運営とそのための財政計画ですから、しっかりした計画の管理運営をすることが肝だと思います。
公共施設再編計画では、運営管理方法として、PDCA、PはPlanですね、計画、Do実行、C、Check検証、Action改善です。このPDCAサイクルに沿った進行管理を行うとしていますが、この進行管理のためには取組体制を整える必要があると思います。これまでどのような進行管理を行ってきましたか。
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○内海正彦 総務部長 公共施設再編計画の進行管理につきましては、総じて施設利用者等の理解を得ることの難しさが課題として上げられており、再編計画に沿った施設計画となるよう、適宜関係課と連携を図ることで再編計画の推進に努めてきたところでございます。また、この再編計画では、既存施設の適切な保全の実施も必要であるとしており、個別施設計画の策定支援や施設の自主点検マニュアルの提供、施設管理の維持管理に関する助言・指導等も行っているところでございます。さらに現在行っております再編計画の改定作業の中で、これまでの施設再編の状況などについて数値化によるチェックを行う等により、PDCAサイクルに沿った進行管理につながるよう取組を進めているところでございます。
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○6番(武野裕子議員) 市民の理解を得られるようにという話がありました。それで、適宜担当者とやっているというふうな答弁だと思いますけれどもね、例えば公共施設に関わる部署で再編計画のPDCAの担当者を決めて、公的不動産の担当者が事務局となって定期的に情報共有する仕組みが必要なんじゃないかと思っております。今の答弁だと、そういった体制としての答弁はなかったように見受けられたんですけれども、この担当者同士が情報共有していく仕組み、体制、これ建物だけじゃなくて、市民生活を想像してもらって必要な部署、場合によってはインフラなんかの関係のマネジメント計画の担当なんかも入ることもあるかと思いますけど、そうしたこと、そういう担当者が情報共有して、PDCAを構築していけるように体制として整える必要があると私は思いました。そうしないといつまでたってもね、各部は目の前の仕事に追われて、しかし公共施設再編計画、ロードマップにあるからそれに合わせなければいけないとなって、突然廃止をしたりとか発表しちゃったりとかね、それから学校の拠点校については提案されたものの、その後のことについては音沙汰がありません。それなのに学校施設の管理整備の計画の最後には、公共施設再編計画を踏まえと必ず書かざるを得ないんです。何をどう踏まえたかよく分からないんです。だから令和5年末までに計画をつくったら、その後が肝腎だと思います。しっかり個別計画にまで事が運べるようにするには、このPDCAサイクルに沿った進行管理を行う必要があるんですよ。この4月に出された総合管理計画、国の指針もね、このように記されているんです、読みますね。「必ずしも公共施設等の管理に関する情報が全庁的に共有されていないことに鑑み、総合的かつ計画的に管理することができるよう、全庁的な取組体制について記載すること。なお、情報の洗い出しの段階から、公共施設等の情報を管理・集約するとともに、個別施設計画の策定の進捗を管理し、総合管理計画の進捗状況の評価等を集約する部署を定めるほか、部局横断的な施設の適正管理に係る取組を検討する場を設けるなど、全庁的な体制を構築し取り組むことが望ましい」と、このように書かれているんですね。
今後ですけれども、施設管理の担当部局に任せるのではなく、しっかり進捗状況を共有できる体制を取っていただきたいんです。インフラなどのこのマネジメント計画のほうではPDCA方式というのがね、随所に書かれていますね。こちらの計画も気になるところでね、いつか機会をつくって質問をしていきたいとは思いますけれども。
そして次の質問に移ります。平成27年につくった公共施設再編計画は40年間の計画です。2053年の景色は一体どうなっているのか大変気になります。私も90歳を過ぎるようになるんですけどね。皆さんはまだお若いからいいんですけどね、50年、60年後、あるいは建築技術の発達で100年後かもしれない、そのときの建て替えはどのように行われているのでしょうか。やっぱり公共施設再編計画に書いてある遊休・余剰資産の売却、これで資金を確保したら、しかし建て替えようにも土地がないというのでは、これはよろしくないんじゃないかと思うんですね。現在地建て替えを基本とするならば、いろんな制約を乗り越えられるのかという心配も起きます。ですから、単に遊休・余剰資産を売却するのではなく、市民とまちづくりの視点で協議の上、活用すべきではないかと思いますが、いかがですか。
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○内海正彦 総務部長 現在の遊休土地や施設再編により生じた余剰資産等につきましては、将来的な公共利用の可能性等について検討した上で、計画的な売却、また今、議員おっしゃられましたように、賃借等により活用を図ることが効果的と考えております。いずれにしましても、ケース・バイ・ケースにおいて効果的な方法については検討してまいりたいと考えております。
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○6番(武野裕子議員) そうですね、将来って言ったって、40年先までの計画を立てているわけですから、それまでのことを考えるとどうするか、売却とかそのときに検討するわけですよね。ケース・バイ・ケースとおっしゃった。この計画の中にはね、土地の売却で再編に必要な事業費も捻出するということになっていますよね。書いてあるんです。そのことは5つの取組方針にちゃんと書かれています。しかし、レイ・ウェル鎌倉の売却益、一般会計の中に入っちゃったんですよね。入っちゃったというか、入りましたよね。再編計画で生まれた売却したお金をどっかに基金としてため込むという仕組みをつくっているわけでもないし、このようにどんどん進めていくとね、今年はここ、来年はここ、その次はここってどんどん進めていくとね、最初に計画した公共施設再編計画の建設費に使われていくということもありますね。例えば市役所の整備。お金に色ついてませんから、深沢の再開発をするということにも使われるかもしれない。村岡新駅を造るというところにも使われるかもしれない。市民が使っていた施設や財産、この売却で大型開発事業が進められることはないとは言えませんよね。つまり、再編計画のロードマップはつくったけど、担当部局にしてみれば、そのことにとらわれて全庁的にどうなるかは視野に入っていないことになる。大船消防の土地は一体どうなるのか、市民に投げかけているんでしょうか。売却なんでしょうか。支所はどうするんでしょうか。鎌倉の体育館、この跡地も一体どうするのか。このレイ・ウェル鎌倉みたいに市民が知らないうちに売却なんてことはとんでもないことだと思います。
こういったまちづくりの視点で市民と共にというのは、118ページにも書いてあります。共産党はかねてから、5行政区の市民参画の計画づくりを提案してきました。市長はそれに対して何と言ってきたか。全市的な課題として施設再編の取組を見直す必要があることから、地域ごとの検討会議を設置するという考えはありませんって答弁しました。覚えていますか。しかしね、そういう場があるからこそ、再編計画に書かれているように、検討段階に応じて市民と行政が課題を共有できるんじゃないでしょうか。ちゃんとこれ書いてあるんですよ。「市民と行政が課題を共有しつつ、互いに協力して取り組んでいけるように、検討段階に応じて情報を開示し、市民が自由に検討や提案ができる環境も整備していきます。」市民が自由に検討や提案ができる環境ですよ、必要なのは。今、市役所の移転がそうだと、もしかしたらおっしゃるかもしれませんけどね。しかし、さっき言った大船消防にしろ、幾つかそういった支所とかね、そういうところ皆さんは知りませんよ、どうなっていくのか。市役所の整備計画だけがどんどん進み、ほかの計画が置き去りになっていると感じます。
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○議長(前川綾子議員) そこまでにしますか。
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○6番(武野裕子議員) はい、すみません。午後にします。
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○議長(前川綾子議員) 分かりました。
では、ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(11時50分 休憩)
(13時30分 再開)
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○議長(前川綾子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
武野裕子議員の一般質問を続行いたします。
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○6番(武野裕子議員) 次の質問に行きたいと思います。
今ある小・中学校は昭和39年からの22年の間に22校が建て替えられています。ほぼ1年に一度、年によっては3校一度にというのもありますけれども、ほぼ1年に一度、22年の間に22校建て替えられているんですね。これ施設計画の中にちゃんと書いてありますけど。
公共施設再編計画ロードマップに、学校施設について、令和2年度から令和7年度までの期間に優先順位を検討すると。もう一つ、2校程度建て替え整備着手とありますけれども、あと3年しかないんですよ。これまでにどのような検討を行ってきたのでしょうか。また今後どのように進めていく予定でしょうか。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 平成26年度に策定いたしました公共施設再編計画のロードマップ以降ですね、改築から長寿命化へというような国における大きな政策の流れの中で、平成29年度、30年度にかけて学校施設の老朽化の状況調査について実施しております。この調査につきましては、網羅的な調査を実施し、長寿命化の可否の判定を行うなどの取組を進めてまいりました。こうした取組を踏まえまして、第3次総合計画第4期基本計画においては、学校の適正規模や適正配置などを総合的に判断しながら、令和5年度に学校施設の改築や長寿命化改修、大規模改修の方向性等を示す学校整備計画の策定をすることを位置づけたところでございます。
この学校整備計画の策定に向け、既に市民、学識経験者、学校長等を委員として設置した学校整備計画検討協議会を立ち上げ、議論を開始したところでございまして、令和5年度中の策定を目指して取組を進めてまいりたいと考えております。
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○6番(武野裕子議員) つまり、平成27年につくられたものであるということもありますけれども、このとおり進んでいないということですよね。しかも建て替えをしていくということではなく、長寿命化のほうに検討しているということなのかなと思ったりしますけれども、先ほど部長がおっしゃった検討協議会ですよね。学校整備の策定に当たって第1回目が開かれて、2回目はまだだと思うんですけど、今後の開催の予定、それから市民からも意見をいただくようなパブコメなどの機会とかあるんでしょうか。この協議会で市民も参加と言っているけれども、何人か、数人ですよね。令和5年度までの具体的なスケジュールを教えていただきたいと思うんです。そして、その計画そのものはいつまでの計画となるんでしょうか。公共施設再編計画と同じ2053年度までの計画なんでしょうか。
もう一つ、拠点校のこともここで話し合われるんでしょうか、お願いします。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 令和4年度に学校整備計画の検討に必要となる調査や資料作成等を委託しており、その成果等を示しながら、鎌倉市学校整備計画検討協議会を令和5年度末までに少なくとも8回開催し、学校施設の整備に関する幅広い議論をしていただく中で、学校整備計画の内容を取りまとめていきたいと考えております。
取りまとめの過程におきましては、市民や関係する当事者団体などから意見を丁寧に聴くプロセスが必要であると考えておりまして、その聴取の方法については、協議会で議論しながら今後の取組の中で検討してまいりたいと考えております。
また、学校整備計画の計画期間につきましては、現段階では約40年程度を想定しており、地域拠点校につきましては、公共施設再編計画における学校施設の再編方針に掲げられていることから、この考え方を踏まえまして整備計画づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
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○6番(武野裕子議員) ちょっともう一回、再質問ですけどね、委託をして成果を示しながらって、その成果物といいますか、いつぐらいに上がってくるんですか。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 適宜ですね、必要に応じて取りまとめを行いながら整備計画、検討協議会の中で議論ができるものをお出ししていきたいと考えております。委託事業の契約している計画年次については年度末までということになっておりますけれども、協議会として議論が盛んにできるような形でその資料を提示してまいりたいと考えております。
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○6番(武野裕子議員) じゃあもう一つ。40年程度とおっしゃるということでね、30年じゃないんですよね。だから私が100歳ぐらいになるわけですけど、じゃあずれているということですね。公共施設再編計画とこの学校施設整備計画は10年ほどずれているということでしょうか。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 おっしゃるとおりですね、公共施設再編計画の目標年次である2053年を目途とした整備計画ではなく、先ほど御答弁申し上げましたように、やはり公共施設の寿命等も考えますとですね、約40年程度ということを想定した中での計画づくりに努めてまいりたいと考えております。
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○6番(武野裕子議員) この学校の整備に関わって、幾つか拠点校になるかもしれないという学校も含めて、幾つか学校訪問しました。現状かなり厳しいですね、老朽化です。そんな状況がうかがえました。資料がありますので、御覧ください。資料に沿って説明したいと思います。
山崎小学校、幾つか行ったうちの写真は山崎小学校と大船小学校の給食室しか上げてませんけれども、山崎小学校のところ。とにかく山を抱えているものだから、雨が降ったり、そうでなくてもこの湿気がすごくて、この左上の運動靴を履いているところのね、廊下です。これ滑るからってちょっと凹凸のある廊下に替えたというんですけど、これがかえって水が拭き取れないんですね。ワイパーみたいにしゅうってできないんです。水が残って。これでかえって危ないと言っていました。それからその右側は、随所に壁の剥がれやひびは全部写真撮ったらここに載せ切れないから1個だけにしたんですけどね。こういうのが随所にありました。
それと、真ん中の左側、これ校庭ですね、奥に体育館が見えていますけれども。校庭がちょっとね、傾斜があるために、雨が降ると水道ができて、平らじゃないんですよ。それからその隣の右側。これ多目的室っていったかな、そういうような教室。いわゆる教室ではないんだけれども、ここ床が凸凹している。例えば模造紙を広げてね、書こうと思ったら凸凹しちゃうわけですよ。
あと左下ですね、これ右側、灰色のところは廊下、左側が教室なんですけど、ここに長細い板が入っています。これは廊下との段差を解消するために入っています。実はこの教室だけで、それの隣、両隣はこれはなくて、ちゃんと廊下と教室は段差はないんです。ここの教室だけが沈んでいるということなんです。それからその右側、赤丸で示してありますけど、常に体育館の下、ステージの下に水たまりがあるということをお話しされていました。
ほかにもね、ひどい結露があるという小学校があるということは、ほかの同僚議員からも聞いております。再編計画では、120ページにね、現状のことが書いてあります。建物の劣化状況の把握と日常の維持管理ができるように点検周期や点検要領を定めています。表になっていますね。その周期は建物は3年ごと、建築設備は1年ごとに行うとなっています。私がね、学校訪問で見られたのは、いろいろ写真を出しましたけれども、恐らく学校からも整備の要望が出されているとは思うし、把握はされていると思いますけれどもね、これあまりにも長い、長期にわたって改善されていないんです。財政負担の平準化のためにもね、こうした学校の状況、もう一度改めてこの施設整備計画をつくる上でも、もう一度調査して報告が上がってくるのだけじゃなくて、訪問もして見ているとはおっしゃっていましたけれどもね、改めてそれを例えばですけど、一覧表にして優先順位決めるとかね、そういう幾つか皆さんの知恵を出してもらって、それでこの修繕などを早く実施していただきたい。そういうふうに思うわけです。
だからこの整備をしていくとなっていくとね、拠点校の考えというのがね、やっぱりここら辺にちらつくとね、こういった整備が建て替えの時期を捉えてとかね、そういう言い方をよくされますよね。そういった建て替えの時期だとか建て替える拠点校の考え、これ脇に置いて計画しないとこの整備計画はどつぼにはまってしまうんじゃないかって私は懸念しております。
さて、それから学校給食の給食調理室。2枚目の資料です。大船小学校の写真ですけどね、どっか具合悪いところないですかって言ったら、じゃあ給食室見てくださいって言われて、温度管理のことだったのかな。エアコンとかどうですかってちょっと言ったら、鍵開けて話していただきました。この日は換気扇はね、回っていないから暑いのも当然なんですけど、入った途端にもうサウナのようでした。何この部屋と思って上を見たらこの天井、写真にあるような、天井に明かり取りがある。これで部屋を暑くしていますね。ここをね、塞いでほしいなと思っているんですよってお話も聞きました。実際冬はね、あったほうがあったかいのかもしれません。でも調理してたらね、その温度ってどうなのかなと思いますけどね。一時的にクールダウンできるような部屋、ありました。そこにはエアコンがついてました。ほんの小さな部屋ですね。そこに大型冷蔵庫があってね、その熱でね、エアコンがほとんど効き目がないそうです。そういう状況にあります。
給食ですからね、全身を白衣で覆って帽子とマスク、そういう中でも汗がだらだら出ていく、でもそれが食材に入っちゃいけないということで物すごく気を遣って調理しているそうです。ファンつきのジャケットというのも支給されているんですけど、全然間尺に合わないようですよ。窓を開けられないですよね、当然ね。虫が入ってきちゃったりとか。だからね、こういうところこそね、建て替え時期まで待てるはずがないんです。コロナ対策としても空調はすぐにも必要ではないかと思いますね。
毎年の猛暑の中でね、健康を害する調理員も出たという話がこの議会の中でも出されたと思います。労働環境の改善でも順番に整備するというのでは、後に回された学校は我慢してほしいということを頼むということなんですよ。御成小学校以外は調理室にエアコンがない。年に1回ずつ整備していたら最後の学校は15年待たないといけない。3校ずつでも5年待たなきゃいけない。学校給食衛生管理基準では何て書かれているか。この資料にも出してありますけどね。調理場は換気を行い、温度は25度以下、湿度は80%以下に保つよう努めることとあります。そして調理室及び食品の保管室の温度及び湿度並びに冷蔵庫及び冷凍庫内部の温度を適切に保ち、これらの温度及び湿度は毎日記録することとも書かれています。もちろんこのようにやっていると思います。8月は使っていないとは思うんですけどね、7月9月は本当に25度を保てていたのかと。質問するつもりありませんけど、給食室の現状に問題意識は持っているんでしょうか。また、今後どうしていくおつもりでしょうか。お願いします。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 給食調理員の熱中症対策につきましては、重要な課題であると考えておりまして、これまでも一時的な休憩場所への家庭用のエアコンの設置やスポットクーラーの配備、アイスベストや空調服の導入などの取組を行ってきておりますが、給食調理場の温湿度環境は引き続き課題であると考えております。
令和3年度には、冷暖房設備を設置している茅ヶ崎市の給食室の行政視察を実施したところでございまして、今後、冷暖房設備の早期設置に向けてですね、市長部局とも連携・協力しながら取組を進めてまいりたいと考えております。
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○6番(武野裕子議員) 待ったなしです、これ。本当に。とにかく健康でなければね、仕事ができませんし、こんな暑い職場で毎日やっているって本当に信じられないくらいの暑さでした。
それでね、給食調理室の暑さ対策について改めて教育長からの見解も伺いたいと思います。
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○岩岡寛人 教育長 佐々木部長からも答弁申し上げましたけれども、夏場の給食室の高温多湿な環境は、労働衛生環境という観点からもですね、また雑菌が繁殖しやすい環境でありますので、食品衛生の観点からも課題があると認識をしておりまして、冷暖房設備の早期設置に向けた取組を進めてまいりたいと考えてございます。
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○6番(武野裕子議員) ぜひお願いします。命のかかった問題ですから。
それでね、この質問をゆうべつらつらと考えながら、思ったんですけどね、市長、先ほど公共施設再編計画のことで幾つか質問してきました。やっぱりね、市長の政治姿勢を問わないわけにはいかないなと思いましたよ。再編計画で市長がこれまで何て言ってきたか。優先度や実効性を踏まえたモデル事業の検討などを行います。モデル事業、何なのかなと思ってね、一体これまでどんなモデル事業があったのかしらと。こどもセンター、由比ガ浜こどもセンター終わっちゃったし、子どもひろばも今終わっているしね。もしかしたら市役所のこと言っているんじゃないかと、これうがった私の見方ですけどね、そういうふうに想像してしまいました。学校がこんなに老朽化している問題をずっと先延ばしにしているんだから、ぜひ給食室も含めて学校について重点事業にするとか、真剣に考えてほしいと思っているんです。
それから、市長ね、公共施設の再編に当たり、市民の合意は不可欠と言ってきました。これ市役所の整備も今、やっていますけど、当然入っていますけれども、市内の公共施設丸ごとの計画なのに、再編計画がつくられた平成27年度以降、合意が得られていないことばかりだったんじゃないでしょうかと。思い当たる節あると思いますけどね。市民と市が最も大切なのは、市民合意ですよ。はっきり言って問題の多い、学校の拠点校構想は私は無理だと思います。市民に理解してもらうということばかりが先走るとね、反発も当然生まれます。拠点校構想は、地域住民の合意が得られたとは到底言い難いと私は思っております。改めて市長、市民の合意は不可欠だと市長がよく言っていらっしゃる。先ほど紹介した市民が自由に検討や提案ができる環境、これを整える、改めて約束していただけないでしょうか。
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○松尾 崇 市長 公共施設再編計画を進めていくという中においては、市民の皆様から自由に御意見をいただける場、議論する場というのは大変重要だと考えておりますので、今後も丁寧に進めてまいりたいと考えております。
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○6番(武野裕子議員) 今後もって、「も」と言いましたけど、今までがあるから、「も」という言葉が言えるんですよ。今後も。ね。やっぱり市民の中では知らなかったということが非常に多い。この議会の中でもほかの議員もさんざん言われていると思うんですね。市民が知らされていないという。そういうことです。ありがとうございます。
次に、学校給食の無償化について御質問いたしたいと思います。
昨年の代表質問で我が党の吉岡議員が学校給食の無償化について質問しています。そこでの答弁は学校給食法第11条第2項に基づき、食材料費を保護者負担としていることを理由に上げております。法律を持ち出すんだったらその前にまずは憲法ではないでしょうか。憲法第26条に義務教育は無償とする旨の規定があります。政府の国会答弁をちょっと紹介したいと思います。1951年、憲法が制定して数年たった頃、出来たてのほやほやの時期で、この憲法第26条で定められた義務教育の無償化の範囲を我が党の議員が質問しています。政府の答弁はね、現在は授業料だが、そのほかに教科書と学用品、学校給食費、できれば交通費も考えていると。ここまでが無償化の範囲だと当時言っているんですね。当時できる範囲として、まずは教科書の一部を無償化して実施し、それからね、その結果によって次の飛躍を期するとも言っているんです。憲法第26条で規定しているのは給食費も入っている。これはね、給食費の無償化は憲法の要請なんですよ。だから学校給食費に関して、一体鎌倉市はどう考えていらっしゃるのか。鎌倉市も同じ認識を持っていると考えてよろしいですか。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 今、御紹介いただきました憲法の規定につきましては承知をしているところでございますけれども、この条文に定める無償につきましては、一般的に授業料の無償を意味するものと解されていると、私どもとしては認識をしているところでございます。現在は教科書代も無償とされておりまして、これは憲法上保障されているわけではなく、法律に基づく国の政策として実施されているものだと考えております。
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○6番(武野裕子議員) 何か一生懸命考えた答弁だと思うんですけどね。つまり学校給食は関係ないよっておっしゃっているんですか。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 先ほど議員のほうで御紹介いただきましたように、学校給食につきましては、学校給食法第11条第2項に基づいて食材料費の全てを保護者負担というような規定がされております。そういった観点から、保護者にそういった給食費について納付をしていただいているというような状況でございます。
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○6番(武野裕子議員) 質問に答えてください。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 ですから、憲法の中にはですね、給食費は入っていないと認識しているという答弁でございます。
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○6番(武野裕子議員) よく分かりました。この全国で今、学校、無償化が進んでいる自治体はあります。みんな憲法違反しているということですよね。そういうことになりますよ。あのね、このね、学校給食法第11条第2項、これね、果たして禁止したものなんですか。自治体が出してはいけない。ちゃんと保護者からお金もらわなきゃいけない。これ保護者からじゃなくて自治体が補填したり補助したりすることを禁止した条項ですか。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 禁止をしているものではなくて、給食費の食材料費については保護者の負担とするということが法律上に明記されているものでございますので、例えば政策としてですね、それの分を市が負担するということは考えられると思います。
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○6番(武野裕子議員) 多様にね、いろんな法律はいろんな解釈が、いろんな文書が出ていると思います。ぜひね、この憲法第26条と学校給食法との関係でどのように整理しているのか、解き明かしていただきたいと思うんですよ。ほかの自治体が無償化を進めている。それはどういう根拠なのかとかね。この関係を解き明かしてくれないと、いつまでたっても学校給食法の第11条第2項、これ何回も持ち出されたら、たまったものじゃないですよ。本当に。
今、全国的に無償化が加速しています。2018年の文部科学省が発表した資料によると、全国1,740自治体のうち29%、約3割が小・中学校で完全無償化とか一部補助を実施しています。群馬県のある市では、住民運動に押されて、首長選挙で公約して当選しています。嬬恋村の村長は、義務教育は無償という憲法の理念に近づけるため無償化したと言っていますね。群馬県では8割の自治体が完全無償化や一部無料をしています。
そこで群馬県の住民はどんなことを言っているか。母子家庭の母親がバイトを一つ減らして、子供と触れ合う時間が持てるようになった。それとか、月に一度家族で外食できるようになった。あとですね、それ、ばらまきとか言われるかと心配したけれども、高齢者からは子供は宝、いい政策だと歓迎されているそうです。青森市では、これは今年の7月28日の赤旗の記事ですけど、青森市の小・中学校が給食費完全無償化、これ、今年の6月の段階では、市側は保護者負担が必要、実現は難しい。6月の時点で本当にね、こういう冷たい答弁だったというんですよ。ところが、この7月21日に10月から小・中学校の給食費無償化を実施すると発表したんです。10月からですよ。9月の議会を経て来年度からとかじゃなくて、10月からやると発表したと。これ皆さん市民がね、2019年から3年かけて運動して、署名を6,449人集めて、それで実現したと。市民の声としてね、呼びかければ呼びかけるほど署名が広がり、実現を望む市民はたくさんいると実感してきた。こういうふうに記事に載っております。だから今、物すごい勢いで学校の給食費無償化が全国に広がっているんではないでしょうか。
それから、県内ではね、中井町が2020年中学校の給食費を無償化したし、箱根町では去年、県内で初めて小・中と給食費の無償化を行っております。
教育長に質問です。教育長は学校給食費の無償化についてどのようにお考えでしょうか。
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○岩岡寛人 教育長 給食にかかる費用に関しては、家にいてもかかる費用であることを踏まえて、学校給食法では給食食材料費を原則として保護者負担としていると認識をしております。本市では経済的に厳しい御家庭に対しまして、就学援助制度の中で必要な学用品とともに学校給食費の援助を行っておりますので、低所得世帯の皆様方においては実質的に無償化という状況になっていると考えております。給食費の無償化対象者の拡大につきましては、財源の確保等多くの課題もあることから、今後、国等の動向を視野に入れながら研究はしていきたいと思いますけれども、本市としては、給食にかかる費用の負担の軽減、特に低所得世帯に対しては既に就学援助制度の中で一定の無償化が図られている状態の中でですね、食材料費の何にお金を使うべきかといった視点から考えたときに、質の向上という観点でお金を使うべきだということでオーガニック給食の順次導入であるとか、地場産品の積極的活用であるとか、そういった費用に必要な食材料費については、今回給食の公会計化に合わせて市で負担するという取組を行っているということでございます。
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○6番(武野裕子議員) 今、少子化対策や経済対策、いろんな対策として自治体の無償化が増えてきています。鎌倉に住みたい、引っ越したいという動機にもなるんじゃないでしょうか。
学校給食の無償化について、財源の確保が課題だと今、教育長、財源の問題があると言っていました。市長は以前、このことでも同じことを言ってましたしね、国の動向を見てとも言ってました。一般会計の1%以下でできるんじゃないでしょうか。学校給食の無償化を市長はどのように考えていらっしゃるでしょうか。
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○松尾 崇 市長 本市では、先ほど教育長の答弁がありましたように、経済的に厳しい家庭に対して必要な援助を行っておりますので、全ての児童・生徒が給食を利用可能な環境が整備できていると考えております。現在、学校給食では地産地消ですとか、オーガニックなどの食材を順次充足させながら、質の向上を目指しておりまして、給食費の無償化対象者の拡大につきましては、教育委員会の意見や国の動向を踏まえて見極めてまいりたいと考えています。
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○6番(武野裕子議員) これね、国の動向を見極めていたらできないと思いますよ。市長は子供の医療費の無料化、これは当時も言っていたのかもしれないけどね、何年も働きかけてて。もし国の動向を見て、この子供の医療費動向を見極めてたらそんなのできなかったはずですよ。だって国はこれにペナルティーかけてたんだから。でも、全国で子供の医療費無料化になりましたよね。何らかの所得制限ありなし、いろいろありますけれども、年齢制限もね。でも、全国にあって、国は黙ってこのままね、放置しておくわけにいかなくって、やっぱり国の政策としてしなさいよということで、各自治体のこの勢いで今、国を動かそうとしているんですよ。学校給食の無償化だって同じじゃないですか。国の動向を見ていたらできないですよ。こういうさっき紹介した自治体は、国の動向なんか見ちゃいないんじゃないですか。見てたらできないんだもの。ね。だからやっぱり鎌倉市の給食、本当に誇れる給食ですよ、自校式で。小学校だけだけどね。子供たちの顔の見える環境。食育としても大変優れていると思います、鎌倉。器でもね、私がいた頃はアルミのね、アルマイトの器から磁器の食器にいち早く変えたり、食材も厳選して、だしから取ってインスタント使っていない。当たり前なのかもしれないけど、ちゃんとやっている。汗を流しながらも誇れる給食を、自校式を守ってきたのが鎌倉市なんですよね。オーガニックを始めるとおっしゃった。近いうちに始めると思います。食育の話になれば、釈迦に説法になるんでね、これ以上言いませんけれども、憲法を暮らしに生かすのが自治体の責務です。子育てするなら鎌倉で、なんて言われてみたいですよね。どうか前向きに検討していただきたく要求して質問を終わります。
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○議長(前川綾子議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(14時04分 休憩)
(14時20分 再開)
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○議長(前川綾子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、保坂令子議員の発言を許可いたします。
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○11番(保坂令子議員) 神奈川ネットワーク運動・鎌倉の保坂令子です。通告に従いまして、質問をいたします。
今回は、プラスチックの資源化とふるさと寄附金について伺います。早速質問に入ります。
プラスチックについては、マイクロプラスチックによる海洋汚染が広域かつ急速に進んでいることと、製造時にも燃焼時にも温暖化の原因となる二酸化炭素を排出することなどから、その環境負荷の側面に世界の人々の関心が注がれるようになって久しく、日本政府も2019年5月にプラスチック資源循環戦略を策定し、2021年6月にはプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律、いわゆるプラスチック資源循環法を制定、同法は今年4月に施行されました。
この質問は、同法の施行による影響について伺うとともに、同法がプラスチック資源循環法という名前が示すとおり、リサイクルに偏ったものであることへの問題意識から、鎌倉市の取組の方向性についてただすものです。
初めに、本市の現状について伺います。週に1回の回収を行っている容器包装プラスチックの資源化はどのように行われていますか。
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○能條裕子 環境部長 市が収集した容器包装プラスチックにつきましては、市内の民間施設で選別、圧縮、梱包した後、容器包装リサイクル法の指定法人であります容器包装リサイクル協会に引き渡し、資源化をしております。資源化事業者は容器包装リサイクル協会が毎年度選定しておりまして、令和4年度、2022年度は協会が指定した資源化事業者がケミカルリサイクルを行っており、アンモニアなどに資源化しております。
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○11番(保坂令子議員) 昨年の7月から8月にかけて環境省が行ったプラスチック分別回収等に関する市区町村へのアンケートでは、回答のあった1,455団体のうち、プラスチック資源循環法の施行前から製品プラスチックの分別回収、再商品化を実施している自治体は31団体にとどまっています。本市はその数少ない自治体の一つですけれども、本市において月に1回、回収している製品プラスチックの資源化はどのように行われているのでしょうか。
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○能條裕子 環境部長 製品プラスチックにつきましては、市が委託した民間事業者がプランターやざる等のプラスチック製品としてマテリアルリサイクルし、残渣につきましては、サーマルリサイクルを行い、熱回収をしております。
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○11番(保坂令子議員) 本市の状況を確認しましたが、全国的な状況に戻って伺います。
プラスチックの資源化が抱える課題は多いと思いますが、全国の取組状況を俯瞰すると、どのようなことが言えるのでしょうか。
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○能條裕子 環境部長 一般廃棄物として家庭から排出されるプラスチックのうち、容器包装プラスチックにつきましては、容器包装リサイクル法の対象でございます。製品プラスチックは、令和4年4月に施行されましたプラスチック資源循環法により、リサイクルの仕組みが構築されたところです。現状では、本市のように製品プラスチック、容器包装プラスチック、ペットボトルに分別し、資源化している自治体もあれば、プラスチックを焼却している自治体もございます。全国の状況としましては、一般社団法人プラスチック循環利用協会が公表している資料によりますと、令和2年、2020年に一般廃棄物として排出されたプラスチックのうち、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルによる資源化の割合は約23%、焼却して熱エネルギーを回収するサーマルリサイクルの割合は約62%、単純焼却や埋立てについては約15%となっております。
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○11番(保坂令子議員) 単純焼却と埋立てを除いた有効利用と言える率はかなり高いとは言いますけれども、でも全体的に見るとやはりサーマルというんでしょうか、燃やすことによる処理というのが非常に多いという、そういう状況があるということを確認しました。サーマルリサイクルの比率、飛び抜けて高いと。鎌倉市においてはそういう形ではなく、現在、最終的なところにおいては製品プラスチックはサーマルということですが、その前段でマテリアルということになっておりますけれども、全国状況で見ると本当にサーマルリサイクル、燃やしての処理が多いということをまず確認をいたしました。
では、この4月から施行されましたプラスチック資源循環法ですけれども、こちらの趣旨、今、少し触れていただいた部分もありますけれども、どのようなものなのかということを伺います。
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○能條裕子 環境部長 プラスチック資源循環法は、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等への対応を契機としまして、国内におけるプラスチックの資源循環を一層促進することを目的に令和4年4月1日に施行されました。プラスチックの資源循環促進のためには、プラスチックのライフサイクル全体において関わりのある国・地方公共団体・事業者・消費者等全ての関係者が連携し、プラスチック使用製品の設計・製造から販売・提供、排出・回収・リサイクルするまでの各段階において取り組むことが重要であることから、プラスチック使用製品の使用の合理化、プラスチック使用製品の廃棄物の市町村による再商品化、並びに事業者による自主回収及び再資源化を促進するための制度の創設等の措置を講ずることが定められております。
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○11番(保坂令子議員) 今、御紹介いただいたとおり、プラスチックの製造から廃棄物の処理に至るライフサイクルというところを意識した法律になっているというところが大きいと思います。ただ、法律のもとというんでしょうか、その前段で策定されたプラスチック資源循環戦略ですね、そちらからたどってきている流れとしては、3R+Renewableということが言われているとも思っているところです。3R、すなわちReduce、ごみの発生を減らす、Reuse、繰り返し使う、Recycle、資源として再び利用する、それプラスRenewable。Renewableというのは再生可能資源に変えることと説明されていますけれども、今、御紹介いただいたようにプラスチックの資源循環の促進というところで、こういったコンセプトの下でつくられた法律だと受け止めているんですけれども、そして全体で見るとやはりどうしてもリサイクルの部分について細かく規定されているのかなと。そのリサイクルの前段として製造の段階からリデュースを図るというような意識はあるのかもしれませんけれども、そうやって広く捉えて見ていかなければいけない法律なのかなと思っているところです。
次の質問ですけれども、では、ということで伺いますが、全国の大多数の市区町村は容器包装プラスチックの分別収集を行い、資源化の役割の一端を担っていますが、先ほどからもちょっと触れておりますように、製品プラスチックについては資源化物として処理ルートに乗せてはいません。そうした全国の大多数の市区町村では、このプラスチック資源循環法施行により、どういった対応に変わるのでしょうか。
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○能條裕子 環境部長 環境省の質疑応答によりますと、法律上、製品プラスチックの資源化の開始時期に関する具体的な定めはございませんが、各市町村は準備が整い次第、製品プラスチックの資源化を実施することとされております。資源化につきましては、基本的に容器包装リサイクル協会に委託するか、市町村が単独または共同で事業者と連携して行うことになりますが、市町村の独自処理も可能とされております。
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○11番(保坂令子議員) 今、御紹介のあった市町村の独自処理というのがどういう広がりを見せるのかなというところをちょっと注目しているところでもありますが、では、鎌倉市としてはどうでしょうか。製品プラスチックについても資源化を図ってきているわけですけれども、もう既にですね、今後はどのような対応を検討しているのか伺います。
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○能條裕子 環境部長 プラスチック資源循環法におきましては、容器包装プラスチック及び製品プラスチックを一括回収して圧縮梱包し、資源化できることとされましたが、現在容器包装プラスチックと製品プラスチックを合わせて選別、圧縮、梱包できる事業者が市内にないため、令和5年度、2023年度は現状の資源化の手法を継続していく予定でございます。将来的には、民間事業者の技術的な動向を注視しながら、容器包装及び製品プラスチックの2つの品目をまとめて収集して資源化するなど、効率的な手法を構築していきたいと考えております。
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○11番(保坂令子議員) 検討されているということですけれども、検討していく対応の方向性というのが処理経費の抑制につながり、かつ分別収集後、何に再商品化され、最終的に何に製品化されるかが分かる。そういうトレーサビリティーの確保につながることを期待しております。
廃プラスチックはエネルギー回収できない炉で単純焼却するよりも、エネルギー回収できる炉で燃やすサーマルリサイクルのほうが有効ではありますが、燃やすことには変わりません。高炉、コークス炉の原料とガス化や油化の工程を組み合わせたケミカルリサイクル、こちらは現在の鎌倉市の容器包装リサイクルは、容リ協会の割り振りでケミカルリサイクルとなっていますけれども、それは年度によって違うということですが、そのケミカルリサイクルは高度な処理ではありますけれど、手がけられるプラントは全国的に限られているとのことです。
鎌倉市が現在、製品プラスチックについて行っている資源化というのは、先ほど御説明いただきましたけれども、マテリアルで再商品化できる廃プラスチックをまず使って、マテリアルに適さなかった残りをサーマルリサイクルすると。燃やしてできた灰までもちょっとセメントの中間製品といったようなところまで資源化していって、できる限りの有効利用を図ったものだと受け止めているところです。
一般的に事業系の廃プラスチックですと、素材のばらつきが少ないですけれども、家庭から排出される廃プラスチックは素材のばらつきがありまして、マテリアルにできるものとできないものがあり、かつ高品質で価格も高いプラスチック製品への再生は、ちょっと日本の現状ではかなり限定的であるとも聞いています。
いずれにしても廃プラスチックのリサイクルの手法は多様にあり、今後、技術面での一層の高度化が図られるとしても、リサイクルはプラスチックをめぐる危機的状況を緩和するものにはなっても解決策にはならないのではないでしょうか。冒頭で触れましたように、プラスチック資源循環法がリサイクルに重きを置いた法律ということですが、より大切なのはリデュースであると思っております。
では、プラスチックの資源化以外でプラスチック資源循環法を受けた鎌倉市の対応について伺います。
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○能條裕子 環境部長 プラスチック資源循環法では、排出事業者にはプラスチックごみの排出抑制や再資源化、消費者には分別排出の努力義務が定められていることから、事業者や市民に対し、プラスチックごみの現状や法律の趣旨を伝えながら、使い捨てプラスチック削減に向けた啓発を行ってまいります。また、国の設計指針に沿って製造された、環境に配慮した製品を市として積極的に調達するとともに、国と連携しながら環境配慮製品の普及を進めてまいります。
現在、プラスチック削減の取組として、市民や事業者とともに、リユース食器シェアリングサービスや洗剤の量り売りイベント、エコバッグの実証実験、ウオーターサーバーの設置などの取組を行っており、今後も市民や事業者と協力しながらこうした取組を充実してまいります。
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○11番(保坂令子議員) 多様な取組に努めているということ確認をいたしました。
続いて、世界的な動きに関連して伺います。
今年2月28日から3月2日にかけて、ケニア・ナイロビで開催された第5回国連環境総会再開セッションにおいて、海洋プラスチック汚染をはじめとするプラスチック汚染対策に関する法的拘束力のある国際文書について議論するための政府間交渉委員会を立ち上げる決議というのが採択されました。決議の表題は本当に単刀直入、「プラスチック汚染を終わらせる」というもので、ここで言う法的拘束力のある国際文書とは、決議の段階ではtreatyとかpactという言葉は使われていませんが、条約に相当します。これを2024年を目標に作成するとされています。国連環境総会では、日本政府が提出した決議案も含め、複数の決議案が議論されて最終案にまとまったとのことで、環境省のホームページには日本が提案した内容や考え方が大きく反映されているとあります。確かに、原料となる化石燃料の採掘から廃棄まで、プラスチックのライフサイクル全般にわたるアプローチで取り組む必要があるとしている点は、プラスチック資源循環法とよく似ております。
一方、国連環境総会の決議、及び決議により今後策定される条約は、海洋環境及びその他の環境におけるプラスチック汚染が世界的に深刻な問題となっていることに強い懸念を表し、より広い範囲で規制する必要性を示すものです。このことは、今後日本においてプラスチック資源循環法に基づく取組が進む上でも影響を及ぼすと思われますが、いかがでしょうか。
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○能條裕子 環境部長 令和4年、2022年2月から3月にかけて国連環境計画の主催により開催された第5回国連環境総会再開セッションにおきまして、法的拘束力のある国際条約の作成に向けて、「プラスチック汚染を終わらせる」という表題の決議がされたことは認識しております。条約の具体的な内容は、今後、政府間交渉で議論され、2024年までに作業を終えるとされており、条約に基づく取組を具体的に進めるため、今後、国内法が整備されることになると考えております。
世界では既に使い捨てプラスチックの使用を禁止している国のある中で、条約の内容によってはプラスチック資源循環法が改正され、これまで以上に取組が強化されることも想定しております。
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○11番(保坂令子議員) 今おっしゃったように、取組が強化されるということも今後想定して進めていかなければいけないのかなと思っているところです。
続いて、個別の取組に関して取り上げまして、市の姿勢を伺っていきます。
鎌倉市では、2017年秋に株式会社カヤックと花王株式会社により市民参加型のプラスチック回収活動、リサイクリエーションが始まりました。洗剤などの詰め替えパックを市役所の前庭に置いた回収ボックスで集めて、プラスチックのブロックに再生し、プラスチックの江ノ電とオチビサンのキャラクターがつくられたと記憶しております。その後も詰め替えパックの回収活動は学校を拠点に続いていましたが、今年7月からは資源ポストを市内3か所に設置して、鎌倉リサイクリエーションプラスと銘打った産官学民が連携したプロジェクトにリニューアルされました。資源ポスト設置場所の一つがこのプロジェクトの拠点である大町のリサイクリエーション慶應鎌倉ラボです。大型3Dプリンターをはじめ、素材の破砕機や乾燥機、リペレッタというんでしょうか、その加工機などが設置された都市型のプラスチックアップサイクル施設とのことです。資源ポストに届けられた詰め替えパックは再生樹脂ブロックに加工され、町に役立つすてきなものに生まれ変わるそうですが、どんなものにつくり変えることを想定しているのでしょうか。
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○能條裕子 環境部長 使い捨てプラスチックにつきましては、総量を減らした上で使い終わったものを再資源化し、有効に利用することが大事だと考えております。詰め替えパックにつきましては、様々な複合素材からできておりまして、これまで強度の問題などから水平リサイクルが難しいとされ、固形燃料などにリサイクルされてきました。鎌倉リサイクリエーションプラスに参加している事業者の製品につきましては、技術開発により水平リサイクルが可能となっております。
そこで、鎌倉リサイクリエーションプラスでは、よりよいリサイクルを目指して、家庭で使い終わったシャンプーや洗剤の詰め替えパックを資源ポストに届けていただき、水平リサイクルが可能なものは再び詰め替えパックにリサイクルし、水平リサイクルできないものは皆様から寄せられたアイデアをもとに町のベンチや遊具など、地域に役立つものにリサイクルしていくこととし、資源としてより有効に活用することとしております。
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○11番(保坂令子議員) 限られたというか、特定の製造元のものであれば、水平リサイクルも可能ということで今、進めているということを確認しているわけですけれども、それと同時にそれ以外の製造元のものも寄せられるということですので、そういったものは別のプラスチック製品につくり変えていくという、そういうことになっているということは今、分かったところです。
もう少しリサイクリエーションプラスについて伺いたいと思います。
この大町の慶應大学のラボはJST、国立研究開発法人科学技術振興機構の「共創の場形成支援プログラム(COI−NEXT)」における地域共創分野育成型プロジェクトとして採択された「デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点」のサテライトとのことです。このCOI、Center of innovation−NEXTというプログラムの地域共創プロジェクトの端緒という位置づけのようですが、非常に込み入った名称になっておりまして、伺いたいのはデジタル駆動超資源循環という、このコンセプトは何なのでしょうか。
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○服部基己 共生共創部長 デジタル駆動超資源循環とは、ただいま議員から御案内ございました国立研究開発法人科学技術振興機構が実施しております「共創の場形成支援プログラム」におきまして、慶應義塾大学が代表機関となり、参加企業24社と鎌倉市とのパートナーシップにより進めております取組のビジョンでございます。
具体の取組といたしましては、慶應義塾大学が有するデジタルプラットフォームやIoT、3D製造技術を活用し、市内で排出される廃プラスチックにとどまらず、あらゆるごみを資源化する技術を開発し、鎌倉をごみのない町にしていこうという産官学民連携のプロジェクトでございます。
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○11番(保坂令子議員) 今、行っている取組はやはりちょっと端緒ということで廃プラスチックにとどまらないで、今後も考えていくという、そういう意味も込めた超資源循環。超資源循環というのは要するにごみというものではなくして、本当に資源として使っていくという、そういう意味なのかなということを今、ちょっと説明を聞いて確認したわけですけれども、今、現状行われているものについて、もう少し申し上げたいと思います。これがこの項での最後の質問になるんですけれども、元の廃プラスチックよりも価値の高いものにリサイクルするアップサイクルの過程をこのラボとかでですね、目にしてもらったり、市民が自ら、子供も含めてアップサイクルを体験してもらったりすることは、このプラスチックのリサイクルについての市民啓発や環境教育ではないとまではもちろん言いませんし、このラボ拠点の目的はそれだけではなく、研究や起業を目指す人たち向けのラボであることも分かります。そういったプラスチック製品を再生するというだけではなくて、今、技術的に水平リサイクルできる部分については水平リサイクルし、ということも確認はしているところです。
ただですね、産官学民の官として参加する本市が行う市民啓発や環境教育は、プラスチック製品及び容器包装の製造過程で新たな減量化、これは化石燃料なわけですけれども、これの使用量を減らすことの意義を訴えることであって、アップサイクルですてきなプラスチック製品ができることを知ってもらうことでリサイクルを促すということではちょっとないように思うわけです。どうしてもプラスチックでなければならないものだけをプラスチックでつくるという意識を広める上では今、水平リサイクル、可能な部分はやっているということですけれども、製造元企業の努力を消費者が評価する流れを後押しして、詰め替えパックから詰め替えパックへを促すべきですし、そこのところをやはり市民啓発というところでは力を入れていくべきではないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
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○能條裕子 環境部長 昨今の海洋マイクロプラスチックの問題なども捉えますと、やはり発生抑制の必要性をまず第一に周知啓発した上でリサイクルを進めてまいりたいと考えております。資源化の方法につきましては、先ほども答弁申し上げましたが、水平リサイクルが可能なものは優先して水平リサイクルをして、できないものは町に還元をしていく、役立つものに還元をしていくということでリサイクルを見える化して、環境教育や市民啓発の一環として広く周知をしていきたいと考えております。
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○11番(保坂令子議員) いろいろ伺いましたけれども、リサイクルの高度化ということは必要であるし、リサイクルを高度化することによって、またそれがもともと使う原料とかを抑えるという部分も含めてですね、プラスチックの総量を減らしていくというその動きはすごく大事だと思っているところなんです。ただ、リサイクル頼みではないよね、リサイクルこんなすごいのができるねという形ではなくて、プラスチックの問題、廃プラスチックの問題を考えていきたいなと思っているところです。ちょっとこちらのラボとかが目指しているのはもう、そもそも廃プラスチックというコンセプトではなくてですね、考えているようなところもあるわけですけれども、全体として思いますのは、これ産官学民連携ということを鎌倉市は重視してこれまでもいろいろやってきていて、これもそういった一環ですけれども、それぞれの施策分野で市としてのビジョンというのはやっぱり常に求められていると思っているところです。
では、後半の質問に行きたいと思います。
後半の質問は、ふるさと納税と市税の減収についてです。
鎌倉市ではふるさと寄附金と呼んでおり、制度の中身としても納税ではなく寄附なのですが、国が始めた制度として問題視している質問ですので、質問項目の中ではあえてふるさと納税という言葉を使っています。以降、鎌倉市の状況の話をする際にはふるさと寄附金と呼び、両方をちょっと使い分けて伺っていきます。
ふるさと寄附金推進事業は令和3年度決算で報告され、この後特別委員会で審査されますので、金額などの確認は決算審査と重なる部分もありますが、質問の趣旨は決算状況の確認ではなく、制度の問題点を考えるということですので、よろしくお願いします。
初めに、ふるさと寄附金を活用した個別の事業について伺います。
ふるさと納税の仕組みを活用したガバメントクラウドファンディングという位置づけの鎌倉スクールコラボファンド、こちらの事業の目的は何でしょうか。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 鎌倉スクールコラボファンドは、学校が主体となりながら大学やNPOなどの魅力的な人材、組織とコラボレーションし、学習指導要領に示されている「社会に開かれた教育課程」を実現し、子供たちがSociety5.0を生き抜く力を育むことを目的としております。この目的に基づいて実施します、子供も教師もわくわくするような教育活動に必要な資金を確保するため、ふるさと納税の仕組みを活用したガバメントクラウドファンディングを令和2年度、令和3年度に実施しまして、合計して約1200万円の支援をいただいているところでございます。
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○11番(保坂令子議員) 今、少し御紹介いただいたんですけれども、スクールコラボファンドのコラボの意味するところは何なんでしょうか。コラボレーションの相手についてもう少し具体的に伺います。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 コラボとはですね、学校と企業、大学、NPO等が協働して教育活動を実施していくことを意味しております。社会の変化が加速する中、プロジェクト型学習やプログラミングなど、激動の社会で子供たちが幸せに生きていくために必要な、多様な教育上の要請が生じていると考えておりまして、公立小・中学校ではこうした新たな社会の要請に応えた教育の実現と、現実味あるリソースとの間で板挟みになっている状況があると考えております。新たな社会の要請に応えた教育を自分たちだけで実現しようとするのではなく、企業、大学、NPO等、多様な主体と協働して実現できる環境を整えることで、新しい学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」を単なるスローガンだけではなく、実質的なものにしていくことができるのではないかと考えており、これがコラボという言葉に込めた願いでございます。
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○11番(保坂令子議員) 「社会に開かれた教育課程」ということを実現する手法としてこういったスクールコラボファンドということを考えていると、実施しているということですけれども、このスクールコラボファンドは第1弾は2020年12月から2021年4月、第2弾は2021年10月から期間延長してその年度末まで行われまして、今年度も秋以降に寄附の呼びかけを展開するものだと思います。過去2回、特に第2弾は寄附金額約450万円のうち、約300万円が法人からの寄附でした。不交付団体である鎌倉市は、企業版ふるさと納税の制度の対象ではなく、制度上の節税効果がない中で寄附をいただいているのはありがたいことです。ただ、法人からの寄附というのは、この事業でいうところの今、御紹介いただいたコラボレーションとは違う趣旨だと思うのですけれども、過去2回で法人からの寄附金に頼るといっていいか、実質頼る部分が多かったことをどのように捉えているのか伺います。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 スクールコラボファンドの原資につきましては、ふるさと納税の仕組みを活用したガバメントクラウドファンディングで募集を行っており、返礼品がないことから、個人寄附においてはどうしても返礼品ありの通常のふるさと納税と競合してしまうという状況があると考えております。企業や地域の奉仕団体といった法人寄附につきましては、同様の競合関係が生じないため、スクールコラボファンドの目指す理念や取組が、当該組織のCSRの趣旨・目的に合致する場合に寄附先として選定していただいているのではないかと考えております。
自治体への寄附につきましては、損金算入できるだけではなく、プレスリリースやCSRレポートを通じて社会的インパクトの大きい事業に支援を行っていることを顧客に対してアピールできれば、当該企業にとってメリットがあることから、企業からの寄附が多いということは、鎌倉市という地域だけではなく、日本社会にとってインパクトのある取組だと認識していただいているものと積極的に捉えているところでございます。
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○11番(保坂令子議員) ちょっとこの後伺っていく、ふるさと納税の制度の課題と非常に絡んだ御答弁だったかなと思います。
この質問はふるさと寄附金についてのものなので、NPOや大学と連携し、子供たちが関心のある分野のアドバイザーや伴走者をつけ、子供たちが自ら設定した様々な社会課題の探求に取り組むという、このスクールコラボファンドの中身についてまではちょっと論じません。確認したいのは、仕組みです。当初予算にSDGs×PBL推進事業委託料が上がっています。PBLというのはProject Based Learning課題解決型の学びということですね。当初予算額は前年度に寄せられた寄附額よりも小さく設定されており、予算立ての前提よりも多くの学校が手を挙げても原資としては対応できるようになっていると理解していますが、令和3年度は実際に手を挙げた学校は少なかったということですね。決算審査を控えているので、これ以上は突っ込みませんけれども、ファンドの活用においてコラボレーションプログラムの実施校の発意がどこまで反映される仕組みになっているのか、この1点につき伺います。
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○佐々木 聡 教育文化財部長 鎌倉スクールコラボファンドにつきましては、学校現場の教育上の夢の実現や課題解決を豊かな人材、組織とのコラボレーションを通じて実現するための事業であり、この活用に当たっては教育委員会が活用事例や仕組み等を紹介しつつ、学校から教育活動を通じて子供たちのこういった学びを実現したいという思いをですね、教育委員会に申請していただくような仕組みを取っております。こういったことからですね、学校の主体性を尊重した取組ということで現在進めているところでございます。
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○11番(保坂令子議員) 学校の主体性を尊重ということで、学校現場からの発意ということを大事にしていくという方向性は確認できたのはよかったですけれども、これは見通しとしてはどうなんでしょうか。始めたところではちょっと小さく始まっているわけですけれども、今後広がるということを期待してこのスクールコラボファンドを今後も運用していくという、そういう見通しになっているんですか。
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○岩岡寛人 教育長 令和3年度はですね、実施校も限られておりましたけれども、令和4年度、スクールコラボファンドの多様な実施方法ということで、教育課程の企画から実際に伴走してもらうような取組に加えてですね、もう少し小さな範囲で1単元とかですね、そうした取組の期間の中で外部と連携するようなことも積極的に発意を集めておりまして、多くの学校から応募もいただいているところでございますので、少しずつこの取組が広がっていくものだと考えておりますので、引き続きファンドレイジングも含めてスクールコラボファンドの事業拡大に取り組んでまいりたいと思ってございます。
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○11番(保坂令子議員) では、スクールコラボファンドについてはこれくらいにいたしまして、ここからふるさと寄附金の制度全体の話に入ります。
初めに、ふるさと寄附金の2019年、令和元年度、2020年、令和2年度、2021年、令和3年度の実績を伺います。
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○服部基己 共生共創部長 寄附金額の実績といたしましては、令和元年度が1万4737件で約7億4344万円、令和2年度が2万5930件で約10億8606万円、令和3年度が4万4355件で約17億1127万円の寄附となっているところでございます。
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○11番(保坂令子議員) 確認させていただきました。寄附金額が大きく伸びている理由をどのように分析していますか。
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○服部基己 共生共創部長 多くの寄附を頂戴するためには、本市の政策や取組をより多くの方々に理解していただくことが重要であることから、幅広い広告媒体の活用やコロナ禍前にはイベントの実施及び様々なキャンペーンへの参画を通じて本市の魅力の発信に努めてまいりました。実際、寄附を頂くための手続を行うポータルサイトを拡充したことや市内事業者と積極的なコミュニケーションを図りながら魅力的な返礼品の提供を行ってきたことも、寄附金が増加した要因であると捉えているところでございます。
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○11番(保坂令子議員) 今、様々に御紹介いただきましたけれども、一つにはポータルサイトの拡充ということがあったと。市内事業者との連携、返礼品などの事業の豊富化というのもあるなということで御説明いただいたところです。
次に、では、ふるさと寄附金の制度を運用する経費としてはどのようなものがあるか、幾ら費やしているのかも含めて伺います。
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○服部基己 共生共創部長 ふるさと寄附金制度を運用するためには、人件費のほか、事業内容や返礼品をポータルサイトに掲載する料金、申込み手続の事務費、返礼品の代金、返礼品の送料等が必要となります。令和3年度中にふるさと寄附金制度を運用するために要した人件費を除くこれらの経費につきましては、約8億3435万円でございまして、寄附金総額約17億1127万円に対して約49%となっているところでございます。
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○11番(保坂令子議員) 経費について回答していただきました。これ、ポータルサイト運営会社の選択肢が増えたことで寄附金が伸びているというふうに、先ほど一つの要因として御紹介いただきましたけれども、これ寄附額が増えればそれに応じて運用代行業務委託料という支払い額も増えるということでよろしいんでしょうか。
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○服部基己 共生共創部長 はい、そのようになります。
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○11番(保坂令子議員) では、次の質問に行きたいと思います。
ふるさと寄附金は、鎌倉市では2015年7月から寄附金に対する返礼品を含む制度として発足しましたが、国はふるさと納税の制度を2008年4月の地方税法の改正等によって始めており、この間何度も制度改定が行われてきています。2019年4月の総務省告示においては、市民が居住自治体に寄附をしても返礼品を提供することができない制度となりましたが、これを契機として、鎌倉市民からの寄附が減っているのかどうかということを伺います。
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○服部基己 共生共創部長 本市におきましては、制度創設時からですね、寄附金が3万円未満の市民の方には返礼品を送付していなかったところでございますが、平成31年4月1日の総務省告示を受け、制度の運用を改めたところでございます。これによりまして、平成30年度は市民からの寄附額が約3400万円であったのに対し、令和元年度の市民からの寄附額は約1200万円まで減少しました。しかしながら、令和2年度になると、市民からの寄附額は約3900万円まで戻り、令和3年度も約3800万円の寄附をいただいているところでございます。
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○11番(保坂令子議員) 今、寄附額ということで伺いましたけど、これ比率というのは出ていますか。比率についてもちょっと参考までに伺いたいなと思うんですけれども。
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○服部基己 共生共創部長 まず平成30年度ですね、金額にいたしまして約3400万円あったときの比率でございますが、全体の寄附額の約8%でございます。続きまして、令和元年度につきましては1.6%に減少しましたが、令和2年度は3.6%、令和3年度は2.2%という状況でございます。
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○11番(保坂令子議員) ありがとうございます。こういった変動にはちょっと様々な要素が絡んでいるのかなとは思っているところです。
このふるさと寄附金、ふるさと納税の制度について、ちょっと国がどういうふうに言っているかということを述べたいと思うんですけれども、総務省は、ふるさと納税には3つの大きな意義があると現在ホームページに書いてあるんですけれども、1つとして、納税者が寄附先を選択することで、その使われ方を考え、税に対する意識が高まる。2番目として、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域、これから応援したい地域の力になれる。3番目として、自治体が取組をアピールすることで、自治体間の競争が進み、選んでもらうのにふさわしい自治体経営に進む、こういったことが掲げられております。これらの題目が寄附する側のリアリティーとかけ離れていることは、寄附金を多く集めている自治体のランキングからも明らかではないかと思っています。
今、紹介された鎌倉市民からの寄附の比率の変動というのはちょっとここに当てはめてどうなのかというのは、なかなかちょっと明らかな、顕著な傾向としては把握できないところかなとも思うんですけれども、ただこの総務省が言っている意義ということについては、やっぱりちょっと首をかしげるわけです。特にですね、1番目に掲げている寄附先の選択で、税に対する意識が高まるというのが、ちょっともう本当に身勝手なこじつけではないかなと思っているところですけれども、これについては最後のほうでまた述べたいと思います。
鎌倉市の状況について、ざっと御紹介いただき確認をしましたけれども、ここでガバメントクラウドファンディングについて伺います。
初めに伺ったスクールコラボファンドも、これがガバメントクラウドファンディングですけれども、鎌倉市は先ほどもちょっと部長が触れていましたけれども、もともと寄附金の使い道の紹介に力を入れてきている、そういう自治体だとは思っているところなんです。ただ、このガバメントクラウドファンディングというのは本当に寄附金の使い道を示しているものですけれども、一般のふるさと寄附金との違いについて簡潔に御説明をお願いいたします。
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○服部基己 共生共創部長 通常のふるさと寄附金では、寄附者が寄附金の使途を大まかな分野の中で選択することはできますが、寄附金を活用する具体の事業まで決めることはできません。これに対しまして、ガバメントクラウドファンディングは自治体が抱える課題解決のため、ふるさと寄附金の使い道をより具体的に示すとともに、目標額を明らかにし、その使途に御理解いただいた方から寄附を募る仕組みでございます。
本市では、これまでも寄附者が使途を選択できる制度を導入しつつ、事業の目的に応じてガバメントクラウドファンディングを実施してきているところでございます。
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○11番(保坂令子議員) 確認させていただきました。
寄附金の使い道の紹介に力を入れてきたと認識していると今申し上げたところですけれども、使途を選択した寄附が、寄附額全体に占める割合というのはどのように推移しているのでしょうか。また、使途を選択した寄附に占める鎌倉市民の割合が分かれば、それもお示しいただけますか。
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○服部基己 共生共創部長 使途といたしまして、「歴史的遺産を守るため」でございますとか、「子供たちの環境を整えるため」などですね、こういった使途を選択した寄附の割合は令和元年度が寄附額全体の約82%、令和2年度が約83%、令和3年度は約54%となっているところでございます。そのうち、使途を選択した寄附における市民の割合、これにつきましては約1.5%から2.5%となっております。
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○11番(保坂令子議員) これ、ちょっと細かい話になってしまうんですけれども、令和3年度で使途を選択した寄附の占める割合が少し減っているのは、これは基金を選択した分を別立てにしているという、基金別立てというか、基金への寄附が増えていることが影響しているのかなともちょっと見えます。でも、これは決算ではないので、そこはちょっと追及は結構です。決算のときにまた聞けたらいいなと思っています。
今、お答えいただいた中で、鎌倉市民からの寄附が、使途を選択した寄附全体に占める比率ということが顕著に高いとまでは言えないのかなという印象も持っております。どうしてこういうことを細かく聞いているかと言うと、やはりふるさと納税、鎌倉ではふるさと寄附金ですけれども、その制度のありよう、利用している住民にどのように受け止められているかということに関わる問題なので、これ、ちょっと詳しく聞いているところです。
では再び、ふるさと納税の制度改正に話を戻して伺います。
広く知られていることの復習にはなりますが、2019年地方税法改正でふるさと納税制度について何がどう変わったのでしょうか。また改正の背景にはどのような状況があったのかも、ちょっと復習になりますが伺います。
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○服部基己 共生共創部長 2019年、平成31年の地方税法等の一部を改正する法律により、令和元年6月1日以降は、総務大臣が基準に適合した自治体をふるさと納税の対象として指定する仕組みとなりました。具体的には、寄附金の募集を適正に実施する自治体であって、返礼品を送付する場合には返礼品の返礼割合を3割以下にすること、返礼品を地場産品にすることという基準が設けられたものでございます。この法改正の背景には、ふるさと納税市場の急拡大に伴い、各自治体間で寄附金獲得に向けた競争が過熱し、地元特産品とは言えないようなギフト券などを返礼品に充てる自治体が現れるなど、制度の趣旨を超えた取組が進められたという状況があったと認識しております。
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○11番(保坂令子議員) 返礼品競争が過熱してしまい、ふるさと納税制度の本来の趣旨から逸脱してしまったので、是正したと国は言っているわけですけれども、もともとそういう制度をつくったのは国なので、自治体側に責任転嫁するのはおかしいという部分もあるのではないかと思っているところです。自治体間の寄附獲得競争は返礼品を寄附額の3割以内にして以降も続いています。多額の寄附を集めているのは農業、漁業の一次産品の名産物が提供できる自治体で、都市部の自治体の住民がそちらへふるさと納税するこことで、本来都市部の自治体に入るべき税が税控除によって入ってこなくなる状態は続いています。毎年のように、このことは本当に、決算のたびに伺っていますが、鎌倉市民が他自治体にふるさと納税することによる市民税の減収額の推移はどのようになっているでしょうか。
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○内海正彦 総務部長 個人の市民税額は、課税を行う年度の前年の所得などに基づいて算出されるため、ふるさと納税による市税の減収は、ふるさと納税が行われた年の翌年度の課税に反映されるものでございます。過去3年度のふるさと納税による市税の減収額でございますが、令和元年度は約5億6000万円、令和2年度は約6億1000万円、令和3年度は約7億8000万円でございます。令和4年度につきましては、7月1日時点の暫定額ではございますけれども、約10億5000万円の減収が見込まれております。これは、同じく7月1日時点における令和4年度の個人の市民税賦課額全体の約6%に当たります。
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○11番(保坂令子議員) 市民税減収額も大幅に増えているということです。
「令和3年度鎌倉市各会計決算等審査意見書」にも分かりやすいグラフを示していただいているので、監査委員の方には恐縮に存じますが、この場におきまして、寄附による収入と税の流出、制度運用経費の差額の推移について確認をさせていただきます。
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○服部基己 共生共創部長 令和3年度における本市への寄附金総額は約17億円になりましたが、ただいま総務部長が答弁しましたとおり、市民が他市へ寄附したことによる令和4年度の市民税減収暫定額が約10億5000万円であったことから、本市への寄附金の実額は約6億5000万円となります。これに対しまして、ふるさと寄附金事業にかかる諸経費や人件費は約8億5000万円であることから、収支上約2億円の不足が生じているというところでございます。同様の考え方で試算すると令和元年度、令和2年度ともに約2億円寄附額が下回る結果となっております。
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○11番(保坂令子議員) これをちょっと赤字と言うとちょっと簡単に言い過ぎていますけど、その赤字というのはちょっと大幅に縮小していて、これはすごいことだと思います。寄附額が大きく伸びている要因、様々あることについては既に伺ったところですけれども、もちろん所管課の努力があるとも受け止めているところです。
普通ですと、ここでさらに寄附の獲得に頑張って今年度は一気に黒字にしてしまいましょうということになるのかもしれないんですが、ちょっと待ってくださいという思いがあるので、あえて今回このテーマを取り上げています。
ふるさと納税制度がある限り、市民が他自治体に寄附することによる市民税の減収があり、それを補うために他自治体の住民からの寄附を獲得しなければならないことは十分分かります。努力していると。しかし、もともとが不合理な制度なので、鎌倉市のような都市部の自治体において収支を黒字にすることは本来的に困難なのだ、仮に鎌倉市が都市部の自治体としては大変希有なケースで、今年度とか来年度に黒字に転じたとしても、ふるさと納税が不合理な制度であることには変わりがない。このことを認識する必要があると思います。所管課は十分に認識されているとは思うんですけれども、そのように考えております。
最後の質問は、今申し上げた不合理な制度ということについてです。
鎌倉市は寄附金の額が大幅に伸びて赤字が縮小しましたが、東京23区からはもうやっていられないという悲鳴のような訴えが上がっています。資料として配信しているのは杉並区のホームページ掲載の「「ふるさと納税」と区財政の危機」です。「ちょっとヘンだぞふるさと納税」というページに、この文書と「「ふるさと納税」杉並区の考え」という文書とが載っていて、危機感に満ちた問題提起がされています。鎌倉市の令和3年度の税額控除の減収分は9億円ですか、ですが、杉並区は30.2億円です。もっと大変なのが世田谷区です。区の広報の昨年10月号はふるさと納税特集号で、ここにはふるさと納税制度の影響で今年度他自治体に流出した区民税の額は約70億円、世田谷区の住民サービスに使えるはずだったお金ですと書かれており、約70億円、72億円なんですけれども、あれば、小学校2校分の改築ができたと区民に投げかけております。
不合理ということについては配信資料の右下にある、「これは、地方税制度の根幹の問題です。」という囲みの記事が端的に解説しています。住民税は、自治体が提供する行政サービスの費用負担をその自治体の住民が分かち合うという負担分任の原則に基づくものです。それが一部の住民が他の自治体に寄附することで、皆で分かち合う行政サービスの費用負担を免れ、行政サービスの低下を招きかねない制度だ、それがふるさと納税なのだ、だから地方税制度の根幹を揺るがすものなのだと、かなりきつい感じで断じています。また、その囲みの左には、ほとんどの自治体は、減収分の75%が地方交付税で補填されます。しかし、東京23区は地方交付税による補填がないため、税収減は純粋な減少となりますとも書かれていますが、これは鎌倉市も同様です。
こういった杉並区や世田谷区の区民への訴えからは切実さがひしひしと伝わってきますが、鎌倉市も決してよそごとではないと思うので、これもこれまで何度も申し上げてきたことになりますけれども、ふるさと寄附金を所管する部の部長を長く務められた比留間副市長に伺いたいと思います。市民に対して、ふるさと寄附金制度が抱える本質的な問題点と市財政に及ぼすマイナス面での影響も含め、制度総体の理解を深める周知啓発を行うべきではないでしょうか。
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○比留間 彰 副市長 ふるさと納税制度は税の使い道を納税者が選択できること、また寄附者が寄附金を通じて応援したい自治体に対し、気持ちを形で伝えるという点では地方創生につながる有益な制度であると認識しているところです。また、制度をうまく活用することで、多くの観光客が訪れる本市におきましては、観光インフラの整備費の一部を市外の方に負担していただくことなども可能になると考えています。
他方、返礼品のみを目的としました寄附により、本市の税収が減少してしまうことは課題であると捉えておりまして、令和3年度、2021年度には「広報かまくら」12月号でふるさと納税を行うことによる居住自治体への影響を広く市民の方々にお知らせしたところで、令和4年度、2022年度も同様に周知を図ることを予定しております。
なお、本市が不交付団体であるため、先ほど御紹介いただいたような税収の減少分が補填されないこと、また企業版ふるさと納税の対象とならない、こういった点につきましては本市にとって課題と捉えておりまして、国に対しまして制度改正の要望を行っているところです。
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○11番(保坂令子議員) 2022年度の「広報かまくら」で記事を組むということを今、確認することができました。杉並区のように危機感を前面に出すことまではもちろん求めませんけれども、ふるさと寄附金こんなに伸びました、こんな活用がされていますという紹介にちょっと付け足す形で税収減に触れるのではないようにしてほしいなと思います。
最後に市長に伺いますが、杉並区のホームページがふるさと納税を一緒に考えようと初めに投げかけている姿勢は取り入れるべきではないでしょうか。いかがですか。
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○松尾 崇 市長 このふるさと納税制度について市民の皆さんと情報を共有していく、また、より理解していただくための工夫ということでこうした事例というのは参考にさせていただきたいと思います。
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○11番(保坂令子議員) 以上で質問を終わります。
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○議長(前川綾子議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(15時19分 休憩)
(15時50分 再開)
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○議長(前川綾子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、千一議員の発言を許可いたします。
なお、千一議員の一般質問については、運営委員会の協議もあり、事前に議長宛て文書が提出されております。便宜、事務局職員に代読をさせます。
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○1番(千 一議員) (代読)今年もいろいろなことがありました。コロナ、戦争、物価高、犯人が思うつぼ以上になってしまった、あってはならない元首相の殺傷事件などです。
では、質問を始めます。
1、小さき花の園の職員をもっと多く。2、横断歩道に点字ブロックを。3、姉妹都市間のヘルパー派遣。以上3項目において、理事者におかれましては、明確で誠実なる御答弁をお願いいたします。
1、小さき花の園の職員をもっと多く。先日、私のメールに小さき花の園に通っている、私のような重度の脳性麻痺を持つAさんから相談されました。後日お会いし、内容をお聞きしたところ、小さき花の園に1週間に3回通っているが、最近は職員さんが少なくなり、駆けずり回っているようで、会話もできなくなって困っているとのことでした。何日かして市長に相談したところ、障害福祉課にも聞いてみるというお答えでした。鎌倉市として、このような重度障害者の通所施設の職員を増やすために補助を増やすことはできますか。
2、横断歩道に点字ブロックを。この間、鎌倉市にある障害者団体と鎌倉市との話合いがありました。私は障害者団体の一会員として参加いたしました。市長が初めの30分ぐらい質問にお答えしていただき、退席され、あとは関係のある市の職員と話し合うものでした。私が感じたのは、鎌倉駅から福祉センターまでは点字ブロックがあるものの、交番の前のスクランブル交差点には点字ブロックがありません。会長が言うには、1本でもいいからつけてほしいとのことでした。横断歩道のことですから警察も関係してくるので、鎌倉市と警察と障害者団体とが話し合って点字ブロックをつけていただきたいものです。いかがですか。
3、姉妹都市間のヘルパー派遣。鎌倉市では萩市、上田市、足利市と姉妹都市で、地震などで大きな災害が来たとき、お互いの市に短期から中期的にヘルパーを相互に派遣するという覚書を結んでいます。鎌倉市のヘルパー事業所はそのことを認識していますか。萩市、上田市、足利市とでは、これまでにそのような派遣の実績はありますか。いかがですか。
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○濱本正行 健康福祉部長 小さき花の園の職員についての御質問でございます。
鎌倉療育医療センター小さき花の園は、社会福祉法人が運営する重度障害者の日常生活の場、医療を提供する病院として大きな機能を担っているものと認識しております。これまでも障害者の地域生活移行を促進するための補助金を交付し、施設の運営を支援しているところでございます。
施設の職員数について、障害福祉サービス事業等を提供する事業者を指定する立場にある神奈川県に確認したところ、いわゆる定数以上の配置であることを確認したほか、法人としても利用者が安心してサービスや施設を利用できるように努力をしていると聞いてございますけれども、職員の方々が日常的に多忙であるということから、利用者の方からはサービスの低下と映る場面があるものと思料するところでございます。
現時点では、特定の法人や特定の施設の職員を増員するための補助金の増額は考えておりませんけれども、福祉業界における人材不足、人材育成が大きな課題として根底にあるということは認識しており、市として福祉施策全体の中でその支援策について研究をしてまいりたいと考えているところでございます。
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○森 明彦 都市整備部長 点字ブロックについての御質問です。
道路を横断いたします視覚などに障害をお持ちの方の安全性、利便性を向上させるために設置されるエスコートゾーンにつきましては、警察庁から各県警本部に対し、整備に係る通達が出されております。交通管理者である警察が設置、管理するものと認識しております。これまでも御要望いただきました箇所については、市から鎌倉警察に要望し、協議を行ってまいりましたが、スクランブル方式の信号交差点における斜め横断用の横断歩道につきましては、設置ができないとの見解が示されているところですが、改めましてエスコートゾーン設置に向けて、鎌倉市身体障害者福祉協会、警察、市の3者で協議を行ってまいります。
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○濱本正行 健康福祉部長 姉妹都市間のヘルパー派遣についての御質問でございます。
御指摘の覚書は、姉妹都市3市と締結している「災害時における相互応援に関する協定」に、千議員の御提案によりまして、平成19年から平成22年にかけて追加したもので、災害時におけるヘルパー派遣について定めたものでございます。この覚書を締結する際の調整段階で、福祉事業所等で構成される社会福祉協議会の施設部会と協議を重ねておりますことから、事業者側には一定の認識があるものと考えてございます。しかしながら、覚書の締結から時間がたっていることもございまして、改めて機会を設け、災害時の協力体制について事業所と共通認識を図ってまいります。
派遣の実績でございますけれども、これまで姉妹都市が被災した際、本市からも必要な支援について問合せ等を行ったところでございますけれども、当該覚書に基づくヘルパー派遣の要請を受けた実績はございません。
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○議長(前川綾子議員) 千議員、再質問はおありになりますか。
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○1番(千 一議員) はい。
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○議長(前川綾子議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(15時58分 休憩)
(17時25分 再開)
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○議長(前川綾子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
便宜、事務局職員に代読させます。
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○1番(千 一議員) (代読)1、小さき花の園の職員をもっと多く。小さき花の園の通所施設の責任者の方が替わってしまったので、言語障害のある方の言葉をよく聴いてくれないともお聞きしています。ですから、職員のほうでは一生懸命やっているつもりでも、責任者の方にしっかりと言語障害のある方の言葉を聴くようにしていただきたいと思います。そして、職員の人数も、小さき花の園のようなところでは職員のほうではちゃんとやっているつもりであっても、利用者の方から見ると少なくなったと思っています。なぜかというと、以前よりも利用者の障害が重い人が多くなったりする場合もあるからです。ぜひとも利用者の目線で考えていただきたいものです。いかがですか。
2、横断歩道に点字ブロックを。横断歩道のところを警察の方も視覚障害者の方も一緒に歩いていただいて、視覚障害者の方の目線になっていただきたいものです。いかがですか。
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○比留間 彰 副市長 小さき花の園の職員をもっと多くについてお答えいたします。
現在、同法人に交付しています補助金は職員の人件費を補助対象経費としていることから、言語障害のある方への対応に必要な資格、資質を有した職員の採用等にも活用できるものと認識しています。また、現行の補助制度は県の要綱等に準拠し、市が要綱で金額や積算方法を定めており、補助金額は利用日数で算出していることから、利用人数の増加にも柔軟に対応できる仕組みとなっております。このため、千議員から御指摘をいただいた利用者の方からの声を法人側にお伝えし、対応を要請してまいりたいと考えています。
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○松尾 崇 市長 横断歩道のところを警察の方も一緒に歩いていただきたいという御質問です。
視覚障害者の方の目線に立って取り組むことは大変重要だと考えております。エスコートゾーンの設置の実現に向けて、まずは視覚障害者の方を含めて課題の共有やその解決方法などの話合いから進めてまいりたいと考えています。
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○議長(前川綾子議員) 千議員、再々質問はおありになりますか。
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○1番(千 一議員) (代読)これで今回の一般質問を終わりとします。続く。
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○議長(前川綾子議員) お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
なお、残余の日程については、明9月8日午前9時30分に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
本日はこれをもって延会いたします。
(17時29分 延会)
令和4年(2022年)9月7日(水曜日)
鎌倉市議会議長 前 川 綾 子
会議録署名議員 後 藤 吾 郎
同 中 里 成 光
同 くり林こうこう
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