令和 3年一般会計決算等審査特別委員会
9月28日
○議事日程  

令和2年度一般会計歳入歳出決算等審査特別委員会会議録
〇日時
令和3年(2021年)9月28日(火) 9時30分開会 17時22分閉会(会議時間2時間34分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席委員
池田委員長、岡田副委員長、後藤、中里、くりはら、保坂、志田、大石、高野の各委員
〇理事者側出席者
松尾市長、小礒副市長、千田副市長、比留間共生共創部長、内海総務部長、藤林こどもみらい部長、能條環境部長、吉田(浩)都市景観部長
〇議会事務局出席者
服部局長、谷川議事調査課長、岩原議事調査課課長補佐、田中担当書記
〇本日審査した案件
1 議案第25号令和2年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について
2 議案第26号令和2年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計歳入歳出決算の認定について
3 議案第27号令和2年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
4 議案第28号令和2年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定について
5 議案第29号令和2年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
6 議案第30号令和2年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定について
7 議案第31号令和2年度鎌倉市下水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定について
〇理事者質疑の項目
(1)職員の適正配置や雇用の在り方等について
(2)ふるさと寄附金推進事業について
(3)文化財的価値のある建造物等の耐震改修と保存活用について
(4)旧図書館について
(5)ごみ処理広域化計画について
(6)ごみ処理施策について
(7)玉縄青少年会館のその後について
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○池田委員長  これより本日の一般会計決算等審査特別委員会を開会いたします。
 委員会条例第24条第1項の規定により、本日の会議録署名委員を指名いたします。志田一宏委員にお願いいたします。
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○池田委員長  本日、理事者に御出席いただきましたので、これより理事者に対する質疑を行います。
 なお、委員におかれましては、令和2年度決算に係る理事者質疑であることに御配慮をお願いいたします。
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○池田委員長  まず、高野委員から、第10款総務費「職員の適正配置や雇用の在り方等について」の質疑をお願いいたします。なお、答弁は座ったままで結構です。
 
○高野委員  この間、社会状況を見ていますと、特にコロナ禍の状況下で雇用の問題という点でも、今、学生さんがもうアルバイトも大変だとか、あと鎌倉市内も結構お店を休んでいる。それは一定の給付も受けているということでしょうけれども、それに伴う、しかし雇用の影響もかなり出ていて、私も、小町通りで働いているあるパートさんが、そこはお店は閉まっていないんだけれども、でも、もうシフトが半分ぐらいに、つまりお店の営業時間等の短縮の影響もあるのでしょうかね、そういう声も随分上がってきています。この間の社会状況は、正規雇用を減らし、パートや派遣労働者を増やしてきたという中で、今、こういう状況下で、病院の問題だとか保健所が足りないだとか、鎌倉はありますけれどもね、県のほうで。改めて市政運営という観点に立った上においても、市政運営を担っているのはやはり職員の皆様でありますから、その職員の配置だとか雇用、そういう点に着目して少し市政運営の在り方について、市長、3期目の今区切りということでありますので、少しお話というか、御質疑をさせていただきたいと思った次第であります。
 原局質疑の中で「鎌倉市の労働事情」という、これは毎年、商工課で出しておられます。私は令和元年度の資料を持っているのですが、正社員の割合は、鎌倉市は全体の66.4%であるということなんです。小企業のほうが56%で、なかなかやっぱり厳しいですね。中・大企業が68.6%ということで、鎌倉市は後者のほうに入るのかなと思いますけれども。その上で資料を出していただいて、これは保坂委員と共同したわけでもないんですけれども、同じ資料、同じ合体したものになっているんですが、それを見ますと、鎌倉市は令和2年度の市政運営を行って令和3年4月1日時点で、いわゆる正規雇用のほうが1,345人で54.2%、再任用も含めて任期付職員、それからパート、会計年度任用職員のいわゆる非正規雇用のほうが1,138人で45.8%と、こういう、今、状況だということが、改めて決算の状況で分かりました。
 そうすると、鎌倉市の今の平均の状況から見ても、10%以上、正規雇用が少ないというのが鎌倉市の今の現状であろうかと思いますが、これはもちろんこの間の行革だとか、財政運営上の課題だとか、そういうことでやってきたということは十分承知した上で、しかし、今、コロナ禍でいろいろなことを見直さなければいけないという中で、ひとつやっぱり人の働き方や雇用の在り方というのも見直す、今、タイミングではないのかと思うのですが、この現状を市長はどのように受け止めて、ちょっと大きな視点での聞き方ですが、受け止めていらっしゃいますか。
 
○松尾市長  まず、この行政運営の中心は常勤職員が担うべきものであると考えておりまして、必要な職員数の確保については努めているところです。委員御指摘のとおり、正規職員、鎌倉市全体では65対35ということで、パートタイム、アルバイトの割合が35%ということで、鎌倉市役所全体では常勤職員が約55%、非常勤職員が約45%という状況になっておりますけれども、この鎌倉市役所の場合、非常勤職員の大半を占めるパートタイム会計年度任用職員には、保育園においてクラス担任である保育士を補助する保育スタッフですとか、放課後児童支援員認定資格研修を修了した放課後かまくらっ子の支援員ですとか、鎌倉市立小・中学校に在籍する特別な支援を必要とする児童・生徒を介助するための学級介助員といった専門知識や技術、経験を必要とする職の人数というのが非常に多く占めていまして、これらの職でパートタイム会計年度任用職員全体の約60%を占めているという、こういう現状になっています。ですので、残りの会計年度任用職員と常勤職員を比較しますと、常勤職員が約70%、パートタイムの会計年度任用職員が約30%となっているという状況が現状と捉えているところでございまして、こうした様々な働き方、また、その専門の知識、経験を生かすという雇用の在り方については、今の現状として、非常にうまく機能していると捉えているところです。
 
○高野委員  なるほど。原局質疑のときには、そういう話は全くなかったので、恐らくその後、よく考えられたのかなと思いますね。今の話は全くなかったです。ただ、今のような整理なんだけど、それも単純にそう言っていいのかという問題はあるんですよ。そこを除くと、ということは、逆に言うと、非正規労働的ではない要素の方々だとも取れるわけであって、別にそれがいけないと言っているんじゃないんですよ、私は。だから、そこを全部除外して考えれば7対3ですよというのも、少し単純な議論ではないのかなと。一つの角度としては理解はできますけれどもね。
 そういう中で適正だというお話なんですが、一般質問でもさせていただきましたけれども、職員数適正化計画も、今、第4次まで来て、やはり正規雇用を少しでも抑えようとやってきたことも、また事実であって、それも別に私は全部正規雇用であるべきだなどという議論をするつもりもなくて、今、御答弁にもあったように、様々な適材適所というのか、特に保育園なんかは、私が住んでいる地域でも、由比ガ浜保育園のほうに、もうかなりベテランの方、午前中勤務かな、でもすごく保育園、今のようなコロナの中で本当に若い保育士さんも相当大変ですから、気を遣ってやっていますから、そういう子育ての経験豊かな方がパートで行かれているというのは大事なこと。他方、労働条件についてはいろんな声も聞いています、保育の働いている方からも。この決算で保坂委員が少し取り上げていましたけれどもね、その辺のことは。
 そういう中で、やはり新しい技術を市長も積極的に取り入れていくということを市政運営でされてきたと思います。これは鎌倉市に限りませんが、官民問わずということですが、ICTとかAIとか、そういう新しい技術が社会に大きな影響を与えていくことは間違いないし、今、もう与え始めてきている。他方、人間の働き方や雇用という点に着目すると、そこを大きく置き換えようとする場合は、汎用型といって、つまり特定の何か単純作業を今、決算でも取り上げましたけれども、税務のところとかでRPA、そういうのは原局質疑でもかみ合いましたけれども、そういう特定の労働についてはそういうものを活用することによって効率化が図られるし、人間の労働がある意味、省略化というのかな、できる面がある。
 ただし、モラベックのパラドックスって知っていますかね。これモラベックさんという工学の専門家の方などが言っていて、今もかなり有効であるということで、改めて確認もしたんですけれども。原局質疑でも、例えば、将棋とか囲碁とか、もうAIが勝っちゃっているんです、完全に。藤井聡太さんとか井山名人とかいますけれども、完全にもう藤井聡太さんより全然強いんです。これはもう勝負がついちゃっているんです、もう。五、六年前までは「名人対AI」といって随分話題になったんですけど、その時代があっという間に終わっちゃいまして、AIをいかに活用しながら、それをいかに取り入れながらより極めていくかという今、状況になっているんですね。
 ただし問題があって、強いのは分かっているんだけれども、多分、将棋であれば五手十手と先を見てやるわけですけれども、それが最終的にはAIのほうが強いのですが、なぜそういう手を指したのかというAIの頭の中というんでしょうか、なぜ、これがこうだからこうなったんだという説明はないんですよ。ブラックボックスがあるということ。さらに、モラベックのパラドックスに基づくと、今のように将棋とか囲碁とか難しいゲームですね、そういうのはもう勝っちゃっているんだけれども、そういう高度な知性に基づく推論よりも、例えば、お子さんが自分の好きなおもちゃを本能的につかむとか、例えば、興味深いものに関心を持つとか、注意を払うとか、人が感性に基づいて、本能に基づいて、DNAがずっと培ってきたものでしょうかね、人類が。そういう運動のスキルとか知覚、五感を使ったものというのは、なかなか難しい、今の状況下においても。
 これは、最先端でディープラーニングとかありますけれども、AIが。もう少し前向きに解決できるんじゃないかと言われてきたんだけれども、やはりそんな簡単ではなくて、現在のAIの研究やロボット工学においては、やはりモラベックのパラドックスは通用する定説であるということで、私も改めていろいろ調べました。そうすると、人間の労働というものがそう単純には置き換わらないと。そりゃあ50年先は分かりません。でも、五年十年ではそう簡単には置き換わらないだろうという点で、やはりそこで、やっぱり人間の雇用というのは大事にする必要があると思っているんです。
 あまり時間もあれですから、一つだけちょっと、これも前から言っていることなので取り上げます。技能労務職も随分鎌倉市は抑えてきました。今、全体で70人ぐらいいますけれども、私、ちょっと資料を見て驚いたんですけれども、経験年数が20年未満の方、これ何人ぐらいいると思いますか。すみません、ざっと今。調べなくてもいいですけれども、別にそれをとがめようとかそういう意味で聞いているわけじゃないので。70人いるうち20年以下、20年といっても中堅ぐらいですよね。ちょうど私の年齢よりちょっと下ぐらいでしょうか、高卒か、大卒かにもよりますけど。何人ぐらいいると思いますか。
 
○松尾市長  退職者不補充を続けているというところでありますので、数名、10人程度ぐらいかなと思います。
 
○高野委員  惜しかったんですけどね。決算審査資料の62ページにあるんですが、答えは4人なんです。しかも4人といっても、これ経験年数18年が1人、19年が2人、20年が1人。ですから、17年以下はゼロとなりました。今、考えると、こういうこともじゃあ置き換わるのかといえば、そうではないんですよ、単純に。そうじゃないと思います。
 一つだけ、時間もないので、ちょっと議論をさせていただいたのは、作業センターです。前からやっています。これも一見ロボットができるんじゃないかというふうな意見もあるかもしれないけど、私はできないと思います。例えば、道路の損傷箇所を見つけるのはできるかもしれません、ある程度データを入れれば。前も同僚議員、河村前議員がそういう、市内をAI積んで回ったらどうかなんていう、たしか議論をされたことの記憶がありますけど、見つけることはできると思いますね。ただ、それを直すときは、それはもちろんそこの現場に行って、場合によっては市民との対応が必要なときもあるし、車が通れないとか、少し交通整理しなければいけないときもありますよね、道の状況によっては。とか、臨機応変な対応が、当然直すという点だけ見ればそうではないけれども、そこに伴う様々な配慮が必要ですよね、仕事の上で。だから、やはり、今、直営と委託が1対1だと確認しました。かつての体制の今、半分ぐらいですかね。私が議員になった当初からすると、8班ぐらいあったと思うんですけれども、今、4班体制ですか。
 ですから、こういうことについてもそろそろ、私は莫大な何か、お金をかけてということを言っているんじゃないんですよ。ただ、今、言ったように、もうそういう経験を積んだ方がもう若手がゼロでしょう。17年以下、ゼロなんだから。ということは40代以上でしょう、全員。どんなに若くても。1人か2人ですよ、それも、しかも。だから、このままでは多分、作業センターはなくなると思いますよ。委託だけだったら作業センターは要らないんだもの。道路課でやればいいんだもの、委託作業事務。人は配置しなければいけないでしょうけれどもね。作業センターというのは、現場に行って作業をする人がいるから作業センターなのであって、このままじゃ作業センターはなくなりますよ。一例を挙げていますよ、私はここのところだけを問題にしているわけではないんですが。
 一番市民から見ても必要とされている部門の一つだし、道路や河川やそういう緑地などの管理などについては。そろそろ見直すべきじゃないですか。別にこうしますということを今、決算なのでそこまで求めませんけど、市政運営、市長も12年されてきて成果も今、言われましたけれども、やっぱり作業センターをなくすわけにはいかないでしょう。そう思いませんか。必要だと思いませんか。道路や河川とか修繕する人、市民のニーズにのっとって、しかも臨機応変にできるんですよ。現場を見て、ああそうか、こういうふうにするつもりだったけど、もうちょっとこうやったらいいとかというのは、現場を見てできるわけでしょう。委託というのはそうじゃないですよ。委託というのは、あらかじめこういう仕様でやってくださいというのが委託ですから、即応性が利かないんですよ。そこはだからよしあしあるわけ、お互いの。でも、その片方の側が、もうこのままじゃなくなってきますよ。20年以下は、多分これ女性だから、20年以下の4人も女性なんです、全員。ということは、作業センターの人は20年以下は多分ゼロだと思います。女性の人いますか、いないと思うんだよな、作業センターで言えばですよ。
 そろそろ財政バランスも取りながら、こういう40年とか39年とかの人が退職して、新しい若い人を雇えば、財政的にもこれ自然と少しコストは落ちていくわけですから。そういう高給の人と言っていいのかな、そういう人がやめて若い人を採用するようなサイクルをバランスよく取っていけば、決して財政運営にも支障はないと思うんです。別にそんな10人、15人なんていう話じゃないんですから。そろそろ考えたらいかがですか。コロナ禍のこの状況で価値観の転換ということもある中で、いかがですか。
 
○松尾市長  作業センターの役割というところにつきましては、作業センターだけで作業を進めるということではなくて、道路課をはじめとした本庁の職員と作業センターが両輪で進めていくことが必要であると考えています。
 先ほど御指摘いただきましたように、ICT化という流れがある中で、職員が行わなければいけない部分というのと、ICTやAIということに委ねていく部分というところもしっかりと整理をしていく必要があると思っています。この、人が手をつけていかなければいけない部分というところにつきましては、作業センターの職員と、今、委託の中でバランスよく進めていくということをやっておりまして、限られた人員で効果的に作業を進めていくということが必要だと考えています。
 今後についてですけれども、次期、第5次になりますか、職員数適正化計画において、今後と同様としていくかどうかにつきましては、この情勢や社会状況というところを幅広く考慮した上で検討してまいりたいと考えております。
 
○池田委員長  それでは、以上で第10款総務費、職員の適正配置や雇用の在り方等についての質疑を終了いたします。
 ここで職員入替えのため暫時休憩いたします。
               (9時51分休憩   9時52分再開)
 
○池田委員長  それでは再開いたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○池田委員長  次に、岡田副委員長から、第10款総務費「ふるさと寄附金推進事業について」の質疑をお願いいたします。
 
○岡田副委員長  私の言いたいことは、鎌倉市監査委員、令和2年度鎌倉市各会計決算等審査意見書に書いてありますので、私がぐちゃぐちゃしゃべるよりも、これ読んだほうが早いかなと思うんですが、ちょっと読ませてもらいます。
 これは、10ページと11ページに棒グラフと文章で載っておりまして、「ふるさと寄附金(ふるさと納税)の状況について」ということで載っております。ここで要約してありまして、本市のふるさと寄附金は、平成27年度にふるさと納税制度に本格参入して以来、平成27年度は1億2300万円であった寄附金が、令和2年度には10億8600万円にまで増加し、この6年間の総額で28億1100万円あったと。一方、経費としては、返礼品や送料、委託料及び職員の人件費が、寄附金の増加に伴って、平成27年度は3800万円であったものが、令和2年度には5億2300万円に増加し、この6年間の総額は12億7800万円となったと。寄附金総額から経費を除いた本市の実質的な利益は、この6年間で15億3300万円となる。
 ふるさと納税制度では、鎌倉市民による他自治体への寄附行為が市民税等の税額控除の対象となるため、この6年間で28億3100万円の市民税が減収という結果を招いた。ふるさと寄附金の実質的な利益からこの減収分を差し引くと、ふるさと納税制度が6年間で本市にもたらした結果は12億9800万円の赤字であった。13億円弱の経費をかけて市外から28億円の寄附を得たものの、同時に28億円の税の流出が止められなかった結果、帳尻としては13億円弱の損失であったことを意味する。
 寄附金獲得の取組の一方で、市民税減収に対して有効な措置を講じる必要があるのではないか。広く市民に対し、ふるさと納税制度が本市にもたらす現状を分かりやすく解説し、市民税の流出を抑えるための理解と協力を求めるなど、工夫と努力の余地があると考えると、こういうふうに監査委員の方は述べられているということであって、数字のところはそうですね。
 いろいろございますけれども、これは平成27年から令和2年度まで毎年少しずつというよりも、いろいろ凸凹はあるんですけれども、ざっくり、はっきり言って毎年2億円ぐらい大体赤字になっているというような、ざっくりですね。これはもちろん努力は認めますけれども、かといって令和2年度は1億8200万円の赤字で、令和元年度が2億400万円の赤字ですから、そう極端に減っているわけではないということになりますと、努力は認めるものの、これはたらたらやっていてもどうにもならないということで、もうそろそろ黒字にしていくようにやっていく必要があるだろうというように私は考えています。
 そうすると、黒字にしていくというのはいろんな手法がありますけれども、私は体制の強化が必要じゃないかなと思っているわけでございまして、てこ入れを図ってもらいたいなと私は思っています。前に1階にあったのが、今、4階になっていまして、それはなぜ1階であったかというと、鎌倉市民が鎌倉市に寄附をしても返礼品をもらえたというような時期が一時期ありまして、横須賀市も、三浦市も、うちもやっていたんですが、導入のときね。だけど総務省が、「それはごめんね、やめます」みたいで、「はい」といって全国的にやめちゃった。だから、うちもやめちゃったと、そういうこともございまして、市民に積極的にPRしていくというよりも、じゃあということで福祉のほうといいますか、市民対応で頑張ろうということで1階のほうに来られて、ふるさと寄附金は4階に行っちゃっているというこういう状態になっていますし、ちょっと悲しいなと。
 それと、新商品の開発、あるいは市内をがたがた回って「商品いかがですか」とPRしていく、全国回るというようなことが、やっていないとは言いませんけれども、ちょっとにぶいんじゃないかというような感じもしておりまして、そこら辺はしっかり頑張らなきゃいけないと思っております。
 なかなか財政力指数が1以下のところ、うちは1以上ですけど、ちょっと赤字の75%は、これは国が補填しちゃうんだね。うちは補填ないんですよ。だから、またちょっとからくりがあるんでね。もうちょっと深く入ったら、えっ、何だよこれというのがあるんですが、そういった意味からも、うちは苦しいわけですけれども、財政力指数が1以上あるわけですから、苦しいわけでございますけれども、しかし、その分、外から見ると一生懸命頑張っていても、頑張っているって見えないのかも分からないけれども、私は頑張る必要があると思っています。だって75%補填なんかないんだから、鎌倉市は。ほかのところはあるんだから。だから、ちょっと不公平だなと思っていますけれども、まあ現実はそうなっていますので、不公平なところばかりがんがん文句を言っても始まらないので、うちの自前で頑張っていきたいと私は思っているんですが、市長はどういうふうに、このふるさと寄附金制度が導入されたときから市長やられているわけですけれども、率直に言って、市長が肝煎りで「よし、やっていくべえ」という感じでやられたかと思うんですけど、私は、少なくとも介助者というか、やるんだったら、よしやってみようじゃないかということで賛同して、伴走者として頑張ってきたわけですけれども、まだ赤字が続いているので、市長がどう思っているかということをお聞きしたいと思います。
 
○松尾市長  今、御紹介いただきましたように、平成27年度の約1億2000万円から令和2年度には10億円を超えてきたというところでございまして、これは毎年リセットですので、着実に伸ばしているというところは、本当にこれは簡単なことじゃないと改めて感じておりまして、そこはもう職員の本当に努力のたまものだというところで、委員も評価をいただいたところでありますけれども、そうした取組の成果でありますし、発足当初は、岡田議員が本会議で御質問を毎回のようにいただいて、職員体制もしっかりと取りながらやってきたと。現在、122の事業者と640の返礼品をそろえているというところについても、これは他市にもなかなかここまで充実しているというのは例を見ないものでありますから、それを含めたここまでの努力だったと感じております。
 ふるさと納税制度、もう御案内のとおりですけれども、この制度自体が地方、それぞれの地域で育って、そこで教育を受けて大人になった方々が都会に出てきて、都会に住む中で、やっぱり自分の生まれ育ったふるさとに対しての支援をしたいという、そういう思いが実現できる制度というところが根幹にあると認識しております。
 また、昨今では、災害のときにはやはり自分のふるさとが、もしくはそうでなかった関わりのあるところが大きな災害を受けると、やはりそうしたところへのふるさと納税というところも、皆さんの気持ちとして、そうだなと受け止めるところでありまして、こういう全体の中でなかなか鎌倉市民の、ほかに出ていくものを止めていくというところについては難しさもありますけれども、委員御提案のとおり、鎌倉市として、さらに鎌倉市へのふるさと寄附金を獲得していくというこの努力は、より一層力を入れていく必要があると思っておりまして、これまで取り組んでいなかったことも含めて取り組んでまいりたいと考えておりますし、こうした体制も含めた中で鎌倉市のこの寄附金、ふるさと寄附金推進事業については充実をして、より一層の寄附金を頂けるように取り組んでまいりたいと考えております。
 
○岡田副委員長  もうやめますけれども、たしかここでも言ったと思うんですけど、県内19市の中で、うちは南足柄市に次いで2番目なんですよ、獲得しているのは。2番目でも赤なんだよね。死んじゃうみたいな、昇天しちゃうみたいな感じなんですけど、そこまで頑張っても赤。いやいや結構厳しいなという感じで、私、本当に思っています、冗談抜きにね。
 だけど、与えられた逆境の中で、制度のことをよしあし言われる私の仲間、何人もいます。もう、やめとけよという人もいますし、ばかやっているんじゃないという人もいますし、いろいろいるんですが、私は、与えられた逆境の中で、どれだけ頑張っていくんだということでやっていかないと、環境が悪い、何が悪い、あいつが悪い、こいつが悪いとそんなこと言ったってこの苦境は打開できない。与えられた中で一生懸命やっていくと、戦っていくと、そして打開していくと、そういう気概でないと話にならない。
 市長が今、言われた、頑張りたいと言われたので、私も具体的には言いませんけれども、やっぱり市長のことを外から見ていると、行革と教育は一生懸命やっているなという感じがしているんですが、行革は一つのあなたの政策の大きな柱でもあるだろうし、それの果実はやっぱり福祉とか、あなたの場合だったら教育かも分かりませんけど、議員の場合だと、多分、福祉とかまちづくりとかそういうふうになってくるのかも分かりませんが、そういうところにも使っていくわけで、還元していくわけですから、自分の懐に入れるわけじゃないわけですから、もうけた果実は皆市民に還元していくと。福利厚生とかそういうところに還元していくわけですから、がんがんやってほしいと思います。ということで要望しておきます。
 
○池田委員長  以上で、第10款総務費、ふるさと寄附金推進事業についての質疑を終了いたします。
 職員入替えのため、暫時休憩いたします。
               (10時03分休憩   10時04分再開)
 
○池田委員長  それでは再開いたします。
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○池田委員長  次に、くりはら委員から、第10款総務費・第45款土木費「文化財的価値のある建造物等の耐震改修と保存活用について」の質疑をお願いいたします。
 
○くりはら委員  鎌倉市において文化財的価値のある建造物というものがまだ何か所も残っているという状況がある中で、鎌倉市として今後どういう保存方法、どういう活用方法を考えていくのかというのは、ある意味、大きな視点で俯瞰で考えて、鎌倉市だけで保存を考えるとか、鎌倉市だけで活用を考えるというようなことではなく、もっと、例えば、全国的に散らばっている保存活動をされて活用されているような建物とか、そういった経験値のある市町村と協力して、例えば合同で会議を持って、どうやって保存していくんだろう、どうやって活用していくんだろうというところの経験値を増やしていくことも必要かと思います。
 なぜそんなことを考えるかと申しますと、鎌倉市においては、過去、古都保存法というのが出来上がる、そういった活動があったわけです。1960年、昭和35年頃からの住宅用地の開発とか、そういった昭和の鎌倉攻めみたいなことがあって、地元の市民も、そして僧侶まで立ち上がったというような御谷騒動というのがありました。その後、残地処分等も鎌倉風致保存会などが残地を買い取って保存に寄与したというような活動があります。その当時、乱開発からこの古都を守ろうというような方々が、これ、鎌倉だけでなくて、京都も、奈良も同時期にそういった活動を行って、古都が3市中心となって、そこの国会議員も立ち上がって、それこそPTを立ち上げたんでしょう、古都保存連絡協議会というようなものをつくって、保存を目的として特別の立法措置、自分たちでこれを守っていこうという活動をされた中で、国に要望が通って、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法、古都保存法ができたという経緯があります。
 こういった古都を守ろうという動きの中で、鎌倉はその当時から中心的存在であったんじゃないかと。京都・奈良・鎌倉、東でいえば鎌倉というようなことで、非常に市民にとっても誇らしい活動があったというようなことを、私は一つの歴史として心に留めておかなくちゃいけないと思っているんです。
 松尾市長は温故知新とおっしゃる。私も、実は通っていた学校が毎日のように温故知新、温故知新と、古きを温めて新しきを知りなさいと。だから、現代に生きる私たちは過去のものに学びなさいというようなこと、歴史に学び、そしてその思いを学ぶ。鎌倉市民、そして全国、日本の中の鎌倉の役割というもの、これをしっかりと後世に残していくために活動しなくちゃいけない。それが鎌倉に課せられた、私は使命の一つではないかと思うんです。だからこそ、ちょっとお伺いしたいんです。
 市長、文化財的価値のある建造物等の耐震改修と保存活用、これについて市長として職員さんたちにどういう御指示をされているのか、お伺いします。
 
○松尾市長  この歴史的な景観を要する建築物ですけれども、これは鎌倉らしい、古都としての風格のある都市景観のいわゆる創出、形成に役立っている、形成に資するものでありますから、地域ごとの個性豊かなまちづくりに必要な景観資源であると認識をしているところです。ですので、様々、歴史的な建築物ありますけれども、全て一遍にはできないというところがありますから、それぞれに優先順位などをつけながら、実施計画に盛り込みながら順次、耐震改修もしくはそれの活用ということでの道筋をつけているという流れで仕事も指示をしているところです。
 
○くりはら委員  それで、私がわざわざ文化財的価値のある建造物等と申し上げたのには理由があります。「的」というのは、今現在、文化財として認定されているものという意味ではありません。「的」なので、今後、文化財として価値が出てくるであろうと考えることということ、この視点も忘れてはいけないと思っております。それから、建造物等と言っておりますが、これは建築物だけでなくて遺構として今後残していきたいというようなもの、これをやはり考えていかなくてはいけないと思うんです。
 何でもそうですが、壊れてしまってからでは遅い。そして、細かい一つ一つ、個々をやるとすごく長くなってしまうので、後ほど多分、おなり子どもの家について取り上げる方がいるかと思いますので、それは置いておきますが、旧図書館、おなり子どもの家も、そもそもこれ国の関わることにしたいんだと思います。登録有形文化財という形で残せないかというような動きをされる、ここまでは決まっているということは分かりましたが、現在、もう既に登録有形文化財として鎌倉市が所有しているもの、お預かりしているという考えのほうがいいのかもしれませんが、お預かりして守らねばならぬものもあります。そういうものの優先順位みたいなものというのは、どうしたらいいのかといったときには、もうこのまま放っておいたら壊れてしまうのではないかというものから率先して、補修して保存していかなくてはいけないんだと思います。
 それから、この先やるべきことというのは、本当に文化財的価値があるかないかという建築物、建造物、遺構、そういったものを洗い出す作業とか、あとはどれをまず補修していくのか、保存していくのかというその優先順位をつけること、こういったことが重要かと思いますが、市長のお考えはいかがですか。
 
○松尾市長  財政状況等々も見ながら、御指摘のように優先順位をつけて、補修、耐震等々を実施していくということになります。現在、鎌倉文学館と御成小学校の旧講堂につきましては、実施計画の重点事業として位置づけをしているところです。
 今後は、旧華頂宮邸ですとか、長谷子ども会館――旧諸戸邸ですね、この辺り、地域の皆さんの関心も高い、また、そうした登録有形文化財等の既に指定もされているというようなことも含めて、そうした全体的な中で優先順位をつけながら、順次、活用に向けて取り組んでまいりたいと考えています。
 
○くりはら委員  今、おっしゃってくださったものというのは、景観重要建築物等というのも鎌倉市はありまして、市の所有が鎌倉文学館、そして旧村上邸、東勝寺橋、旧華頂宮邸と、これ市所有ですので、市がやらなかったら誰もやらないわけです。今現在、景観重要建築物等で指定されているものが、過去、1号から37号までありますが、指定解除、結局壊してしまってという、これは民間所有のものになると思いますが、出てきてしまっている。こういったものは、せっかく景観重要建築物等に指定して残そう、残していただきたいという意志を持って登録されているわけですけれども、こういった指定解除に至ってしまったものに関して、例えばです、映像的記録とか、写真の記録とか、後世にわたって伝える方法というのは、物を残すだけでなく、そういった残す方法というのが考えられるかと思いますが、こういったものに関していかがお考えでしょうか。
 
○松尾市長  そうした、今、御指摘のような記録保存というところについては、実施をしているところです。後世にあらゆる形でしっかりと引き継いでいくということは大変重要であると考えておりますので、今後も引き続き、そうした取組を続けてまいりたいと思います。
 
○くりはら委員  それで、やはり文化財的価値のある建造物等の耐震改修と保存活用について、私としては、鎌倉市だけの力でどうこうしようというような発想よりも、県・国の力を借りる、それから、ほかの経験値を持っている市町村と一緒になって国に要望するというようなことが、さきの古都保存法ができたときの経緯、先ほど申し上げましたけれども、鎌倉市だけでどうしよう、財源がないなんていうことで諦めていくのではなくて、やはり一固まりになって保存するという方法、活用するという方法を、国に一緒になって考えてもらうというようなことも活動していただきたいんですが、いかがでしょうか。
 
○松尾市長  近隣の自治体ですと、小田原市が非常にこうした歴史的な建築物についての保存活用というところを進めていらっしゃるということで、私も職員も含めて視察等お伺いさせていただいて、話を聞かせていただきました。国の街なみ環境整備事業というのがありまして、これは補助率が2分の1ということでございますので、当初、これは鎌倉市ではなかなか使えないというような考えもあったんですけれども、いろいろと調べていく中では、鎌倉市でも活用できるということが分かりましたので、こうしたことも活用しながら順次、今、活用がなかなかできていないという、先ほど申し上げたようなところを、整備に向けた取組をいろいろと、ネットワーク等々も含めた形でいろいろと情報を得ながら進めてまいりたいと考えております。
 
○くりはら委員  では、ちょっと具体的に耐震改修についてお伺いしたいと思うんですが、耐震改修をする際に、これ一般の建築物、例えば、住宅とかで考えますと、自分の代が生きている間、建っていればいいやというような耐震改修、耐震することはもちろん重要なんですが、そこに改修するに当たってのオーナーの意志として、自分の代で住めればいいという感覚で直す感覚と、保存していこうと、後世に残していこうという建築物に対しての耐震改修の考え方は、少し違うのではないかと私は考えるんですが、市長はいかがお考えですか。
 
○松尾市長  そういう視点では、後世にしっかりと残していくという、そういう考え方で臨んでいく必要があると思います。
 
○くりはら委員  なお、都市景観課とのお話の中で、旧華頂宮邸管理運営事業についてお伺いしたんですが、これ、私としては、この保存、活用の際に、これ市民にとって大事な財産ということも一つ重要な要素、そして分散型観光の資産としての前向きな活用も必要だと思ってお伺いしたんですが、やはり耐震改修をしないことには、そういった毎日、人を入れて見ていただくというような環境がつくれないというような御答弁がありました。これ、やはりただ置いておいてもどんどん朽ちていくだけなんです。
 ですから、やはり市民に活用していただく、そして、観光客の方に活用していただく、こういった活用ということをしっかり考えて、まずは耐震改修というところを、しっかり財源をつけていかなくてはならないと考えますが、いかがでしょうか。
 
○松尾市長  旧華頂宮邸につきましては、10年ほど前になりますか、その活用に向けて地元の「宅間の会」の方にもメンバーに入っていただきながら、どうできるかという、こういう会議を行ったところです。なかなかその当時、活発に多くの観光客をここに呼び寄せるみたいなところについては、やはり生活環境の面から少し懸念するような声も当時あったと記憶をするところです。
 しかしながら、今よりもそうした近隣の方にも十分配慮しながら、今よりも活用していく必要はあると考えているところでございまして、今後、この耐震改修というところを含めて取組を行ってまいりたいと考えております。
 
○くりはら委員  旧華頂宮邸の周辺の方々のお考えというのも非常に重要です。そして、先ほども申したように、鎌倉文学館、旧村上邸、東勝寺橋、ここも含めて景観重要建築物等に指定されておりますから、国からお預かりしたものや、そして市の指定した景観重要建築物等に関しては、やはり計画的に予算をつけていただきたいとお願いいたしまして、私の質問を終えます。
 
○池田委員長  以上で、第10款総務費、第45款土木費、文化財的価値のある建造物等の耐震改修と保存活用についての質疑を終了いたします。
 職員入替えのため、暫時休憩いたします。
               (10時21分休憩   10時28分再開)
 
○池田委員長  それでは再開いたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○池田委員長  次に、大石委員から、第15款民生費「旧図書館について」の質疑をお願いいたします。
 
○大石委員  この旧図書館の関係は、過去に一般質問などでも質問させていただきましたけれども、解体そして保存、そしてこのような骨組みになった状態、そして、これをまた残していきたい、その節々に理事者側からも行政側からも納得のできる説明とか、報告とかというものがない形の中で、反論をしなければいけないということで、令和2年度の決算の場を借りて質問をさせていただきたい、市長の考え方をお聞きしたいという趣旨で質問をさせていただきます。
 当初、解体という判断を市長が一番当初にされている。それが保存という形に切り替わりました。ここの間には何があったんですか。
 
○松尾市長  当時、解体をするということで議決もいただいたというところの中から、平成27年7月31日になりますけれども、市民団体などから、旧鎌倉図書館現況報告書が提出をされました。ここでは近代建築の第一人者であります横浜国立大学名誉教授の吉田鋼市先生などがこの旧図書館の歴史的、建築的、景観的な価値を評価されておりまして、市としても、これらを受けて一定の価値があると再評価をしたところです。また、こうした方々のお話をお伺いする中でも、やはりこの旧図書館の建物を、間島弟彦さんをはじめとする、やはり鎌倉の文化人や篤志家の方たちが、当時、様々な形でこうして鎌倉のまちづくりということに大変熱心に取り組まれたという中で、この旧図書館が間島弟彦さんのそうした寄附によってできたという、こういう経過もしっかりと次世代に語り継いでいく、引き継いでいくということがやはり大事だということを私自身痛感したということ。
 また、場所ですね、御成小学校の旧講堂と冠木門、これらがいわゆる鎌倉の近現代の歴史の中で、別荘地、保養地として発展をしてきたということの特色というのが大変よく現れているという中、こういう点などを再評価させていただく中で、改めてやはりしっかりと残していこうと考えたところです。大変老朽化しているという、木材の劣化というところは、私自身もそういう点では素人でありますけれども、心配をしたところでありました。
 そういう中では、鎌倉の唯一の国宝の建築物でもあります舎利殿の補修などをしていただいている鎌倉の棟梁にも見ていただいて、評価を頂くと、様々な歴史的な国宝級の建造物を見るけれども、旧図書館の木材の老朽化というのがひど過ぎるということは決してないと、十分に活用できる状況なんだということも御説明をいただき、私自身、そこは納得をさせていただいた部分でもございます。そうしたことがある中で、いま一度、こうした今、85年ということですけれども、これを100年、200年、しっかりと引き継げる、そういう鎌倉の象徴的な建物として残していきたいと考えて、方針転換をさせていただいたところです。
 
○大石委員  方針転換の経過は分かりました。再評価というような形がありましたけれども、その解体の判断をする前に、十分、本当に大丈夫なのか、解体を決める前にそういう評価をした形の中で解体とか、残すとか、保存するとかという判断をしなければまずかったのかなと私は思います。
 子どもの家ということで予算議案を提案されまして、子供の施設であれば、何とか耐震基準をしっかりと満たした、後世に残るような形での保存を私たちは望んだ形で、その予算に賛成をしたわけですけれども、それで工事が始まり、あの骨組みになった段階で、躯体が残っているような形になって、あの状況を鑑みて、また、先ほど棟梁というようなお話ありました。その方はああいう状態のところを見ているわけじゃないと思いますので、あの状況になったところを見て、市長はどう感じましたか。
 
○松尾市長  先ほどの話にも通じますけれども、当初、私も実際見たときには、大変木材が劣化をしているということは見て分かりますので、果たしてこれで大丈夫なのかという、こういう心配する気持ちというのは、当然、第一印象としてはありましたというところです。
 
○大石委員  骨組みになった状態で、誰が見ても「これはひどいな」と。腐食もあるし、シロアリも食っている、この躯体をそのまま使う、また継ぎ足してとかそういう工法で使うというのは大変無理があるだろうと。ましてや子供の施設だと、先ほど言ったように。その工事をするに当たっては、私も資料を出していただいているんですけれども、耐震改修や増築工事に係る資料ということで、事業費の総額というものを出していただいております。そこで当初携わったのは山手総合計画研究所。ここは耐震診断も、もちろん基本設計も、実施設計も、そして耐震改修の耐震診断、その工事の監理業務委託まで受けている。こういうところが、そういう状況を考えて、あの骨組みになった状態を見て、この今言った耐震診断業務、基本設計、実施設計で工事監理業務までを請け負っているこの業者についてはどう思われましたか。
 
○松尾市長  ちょっと質問とずれるかもしれませんが、どう思われたか。私も、その事業者がどう思っているかということは、直接お話をお伺いしました。
 
○大石委員  すみません、事業者がどう思っているということではなくて、それを数千万円のお金を使ってここまでやっていただいて、施工、工事が始まってあの状態が分かったわけですよね。古い建物という前提はあります、80年以上たった。職員がスペースがないためにあそこを使っていた時代もありました。もう、ちょっとした地震でもものすごく揺れるというような状況も職員から聞いていました。そういう古い建物を保存するという気持ちは分かるんですけれども、しっかりとした耐震診断で設計業務、そういうものを任せたわけですよね。その業者に対して、市長はどう思われましたかということを聞いています。
 
○松尾市長  そこのところ、どう思ったかというところにつきましては、こうしたことも含めて、やはり事業者のほうとしては、しっかりとこの仕事が進むように全体として取り組んでいただきたい、こういう思いがありましたので、こういう状況になって工事が止まるということになったことについては、それが予見できなかったのかどうかというところについては、非常に疑問に思った部分というのは当時、思い起こしますと、そういうところはございました。
 事業者にもその辺り、私なりに疑問がありましたので、お話を伺いましたけれども、その事業の進め方として、追加の調査の必要性というところ、この老朽化している、腐朽しているその危険性ということについての追加調査の必要性というところは、当初は事業者は示していなかったんですけれども、工事の段階で変更をしていくということを前提に業務を進めているという、こういう考え方の説明を受けたところでありまして、そこのところについては、やはり市役所の考え方とこうした様々な業務を手がけている今回の事業者との細かい部分での詰めの甘さというのは、そういうところにはあったと感じた部分ではありました。
 
○大石委員  追加の調査をしながら工事は施工を続けていく。でも、ちょっと設計屋さんには不信があった。そうですか。だとすれば、不信はあるけれども、なぜそこまでのことをやって、追加調査までしながら進めていくんだというのであれば、なぜそのまま引き継がせないんですか、続けさせないんですか。そういうこともちゃんとうたっているんだとすれば。ほかの業者に替えちゃいましたよね。責任を取る、またそういう契約になっているのであれば、そこで業者を替えてしまうんじゃなくて、そこの業者に責任を持って、「じゃあ、そういう状態が分かったんだったら、こうしていきましょう。その手法はこうです」というような説明を受けながらやっていかなきゃいけないことだと、私は思うんですけれども、業者替えちゃっていますよね。それは不信のほうが強かったからだということでしょうか。
 
○松尾市長  すみません、先ほどの私の言い方がちょっとまずかった部分はあったかと思うんですけれども、工事段階での変更ということを前提にこの業務を進めていたというのが事業者の言い方です。追加調査をしながらではなくて、腐朽の危険性や追加調査の必要性というところについては、特に当初示していないというところがあって、さらに工事段階での変更ということを前提に業務を進めていたというのが事業者の考え方です。
 今、御質問ございましたように、そういう意味では十分なコミュニケーション、両者の理解というところの合意というのが、ちょっと細部のところで食い違っていたということがあったということ。また、例えば、設計業務も受注されていましたけれども、この設計段階での現地の再確認というのが、やっぱりこれは受注者側に不十分なところがあったとも、調査をする中ではそういうふうに捉えました。ですので、決して受注者が……、我々としては何も悪くないということではなくて、もちろんコミュニケーションというのは双方の課題ではありますけれども、そのほかの点でも受注者側の問題として捉えた部分というのがございます。そういう中で、今回、同じ事業者ではなくて新たな事業者として、改めて進めていこうということで考えたわけでございます。
 
○大石委員  行政の長である市長がそういう不信を持ったというところ、これは私、質問の中でも言いましたけれども、大変な金額かかっているんですよ。御存じだと思いますけれども。今までかかった金額が1億円以上あるわけですけれども、その中で、耐震診断と基本設計と実施設計、そして工事監理委託、プラス、今回、職員が実施設計していますよね。そういう方々が、令和2年度もそうなんですけれども、実施設計にかけているお金が、職員が4名から5名かかって約1年ぐらいかかっていて、大体導き出したお金が630万円。そして、それに関わる木材の劣化調査業務なんかもやられています。それだけでも足して3770万円ぐらいあるんですよ。これは市民の血税です。これ無駄になっちゃっているお金です。ちゃんとしていれば、職員が実施設計なんかしなくていいわけですから、そこはお金としての評価は入っていませんでした。だから聞いたんですけれども。この3774万520円です、私が計算したところ。これだけ莫大なお金。もっと言っちゃえば、あそこまで解体していただいた費用が、施工会社ですけれども、6660万円ぐらいかかっている。それが一番大きいんですけれどもね。施工会社はその設計どおりに工事がやれる、やれない。やれないと踏んだので、「これじゃあ、できませんよ」ということを言われたんだと思いますけれども、それは除いたとしても、約4000万円近いお金がかかっている。この責任の所在というのは問えないんですかね。
 
○松尾市長  この責任のところでありますけれども、顧問弁護士とも相談をしながらここは進めてきたところです。受注者の業務履行の過程に、先ほど申し上げたような問題はあるものの、契約内容と履行内容を照らしてどこまで劣化が予見できたかについても、解体撤去してみなければ全体を把握できないというこの実情においては、法的に受注者の責任を問うことは難しいということなどから判断をして、こうした法的な手続ということには入らなかったという判断をしました。
 
○大石委員  私も、今、市長がそういうふうに責任は問えないというような御答弁をされていますけれども、事の経過、設計図面だとかそういうことは私は一切持っていないものですから分かりませんが、事の経過を私の知り合いの弁護士なんかにも相談すると、いや、それはおかしいですねと。何の問題もないということはないというのが普通の考え方ですよと。お二人の弁護士なんかの、詳細が分かって、契約内容も分かって言っているわけじゃないですから、通常はこんなことはあり得ないですよ、そういう判断なんですよ。そういう顧問弁護士さんが4人ぐらいいらっしゃると思いますけれども、4人ともそういう見解ですか。
 
○松尾市長  4人に確認をしまして、明確に3人は問うことは難しいという結論で、もう1名も、基本的には同じではありますけれども、もう少し検討していくというような形での考え方でありますけれども、おおむね4弁護士とも同じ見解でございます。
 
○大石委員  先ほどくりはら委員のほうから、定期的な重要文化財的なものをフロー的に計画を立てていって、手を入れていかなければいけないんじゃないかというような御質問ありましたけれども、こういうことが鎌倉市というのは多いわけですよ。だって、過去にもそういう文化財的な修復とかいろんなことはやっているわけだし、今回初めてのケースですなんていう話はないと思うんですよね、私。
 私は、この3770万円からの無駄にした金額というのは、誰かが責任取らなきゃいけないと思いますよ。発注者であるのか、受注者であるのか。発注者のほうに責任があるというのは、なかなか考えにくいんだけどね。こういうふうにやってくださいという条件の中、契約の中やるわけですから。だけど、このままいっちゃったら、行政の長である市長の責任じゃないですか。この約4000万円近いお金は、無駄にした。市民が詳細を知れば、市長何やっているのよと、おまえが払えみたいな話になっちゃいますよ。そこの部分は結構です。だけれども、こういう部分をどういうふうに総括して、こうするんだというような報告も説明も私たちは受けたことはありません。骨組みになってああいう状況になっちゃったときに、いや、これは工事を中断しましたといったときに、新たにこうしていくんだというときには、何らかの報告、説明があったっていいんじゃないですか。
 例えば、市長は、全員協議会を開いてくださいと、こういう報告をしたいということが言えるほうの立場です。議会から報告を求めることはないです。市長が報告をさせてくれということはあるかもしれないけれども。そのぐらいの案件だと私は思っています。そういう報告もありませんでした。
 じゃあ、市長は、資料として、実施設計の設計図も出していただきました。もう全体で130枚以上あるそうです。この設計図をベースにして、市長はあの骨組みになった状態をベースにして、どこをどのような工法で、どの手法で、例えば、躯体を変えていく、どのような改修をしていくのか、説明を受け、納得した形で了承しているんですか。分かりますか。職員が実施設計をした。あそこにはこういう問題があるので、こういうふうにしていきますということを、本当に詳細には、専門家ではないから分からないかもしれないけれども、こういうふうにしていきますというような報告を受けて、納得した形で了承したんですか。
 
○松尾市長  今の、今回につながってくる、一度工事が中断した後にどのように改めて改修工事を進めていくかというところにつきましては、随時、その方法もしくは景観、その辺りをチェックしながら進めてきたところです。
 
○大石委員  じゃあ、その大きなところで結構です。どういう説明を受けているとか、ちょっと教えてください。
 
○松尾市長  すみません、ちょっと工法というところはあれですけれども、図面を見せてもらいながら、ここがしっかりと景観として旧図書館の景観、風情が守られるというような状況になっていくことですとか、また、内部のエレベーターをつけたときの使い方、動線等々の説明ということを随時受けてまいりました。
 
○大石委員  すみません、景観とか、エレベーターの設置が重要じゃないじゃないですか、ここの今の問題というのは。耐震診断基準を満たせない躯体、腐食、シロアリ、どういう躯体をどういうふうに変えて、柱などはどういうふうにして、例えば、コンクリート基礎なんかはどういうふうに、あのままじゃ多分使えないと思うんですね。80年前の建築基準法上の基準だから。そういう一番心配なところというものの説明は受けているんですか。
 
○松尾市長  そこは、私が改めて細かく質問もしていない部分だったかとも思いますけれども、基本的に今、委員おっしゃったようなベースの部分、当然安全に、かつ、しっかりと耐震も満たされるものとしてこの工事というのが行われるということについては、大枠の中で説明を受けているところです。
 
○大石委員  すみませんね、具体的に一番危ないと思われる、市長もあそこを見ているわけだし、あの腐食して細くなっちゃったようなところ、シロアリ、ああいうところ心配されたと思いますよ。だけど、そういった部分を今度の実施設計しているところでは、どういうふうにしていくんだというようなところは、一番聞かなければいけないところじゃないですかね。大まかにつかんで承認、予算を出してくるというのは、ちょっといかがなものかなと。
 先ほどの、申し訳ないけれども、そこに至るまでのプロセスというものが、全然私たち議員も分からないんですよ。だから、過去の一般質問のときにもそう言ったんです。一番当初からの解体から、残すという方針に変わったときにも、説明不足、報告不足。そういうプロセスがしっかりと議員に伝わって分かる形ですっきりと気持ちよく、例えば、予算議案があるんだったら、賛成なり、そういう判断をしたいよという意味で一般質問をやっているわけですよ。これだけの状態になったものが市長レベルでそういう状態ですもの、議員なんか分からない。所管の委員会に報告したとかいうのがあるのかもしれないけれども、伝わってきていないですよ、質問しても。質問してもですよ。聞きに行っても。原局に下りていって聞きに行っても。それというのは、やっぱり市民もそうですけれども、議会もそうです。市長としてやらなきゃいけない義務じゃないですかね。いかがですかね。
 
○松尾市長  平成27年の方針転換ということをさせていただいてから、この旧図書館に関わる件につきましては、随時、議会にも報告をさせていただいてきたと認識をするところです。もし、大石委員が個別の質問ということでお答えできていないというようなことがあったとしたら、それは申し訳なく思うところでありますけれども、しっかりとこの間、様々調査もし、またコンプライアンスについても改めて調査をし、そして、今回、また議案をお願いさせていただくという中においては、しっかりと組立てをしてきたものでございますから、その詳細については、もし疑問点、十分答えられていないということがあれば、十分我々として説明を尽くしていく責任があると考えております。
 
○池田委員長  大石委員、間もなく30分が経過しますので、御協力をお願いします。
 
○大石委員  私も一般質問でも言いましたけれども、子供の施設でもあるし、あの躯体を見る限りでは、どこかを残すというような形ではなく、新築で建ててあげて、エレベーターも、千一議員もエレベーターのことを質問しましたけれども、中でぐるんと車椅子が回れるようなそういうような設計にしてあげて、しっかりとした、耐震基準をしっかりと満たした形でやってあげていいんじゃないかなと私は思っています。意匠・形態は同じでいいと言っているんですよ。旧図書館の形で造っていただいて構いませんよと、そういうふうに言っているんです。新しいこんな箱みたいなものを造るんじゃなくて、間島さんに建てていただいたような形で、耐震基準を満たして子ども会館、子どもの家で使っていただいて構わないと。あるいはそのまま構造部材をどこかを残して、建築士さんも腐食をしている部材を残すと傷みが激しいよという忠告もありました。まさしくそのとおりだと思っております。
 30分に近づいたということで、最後の質問しますけれども、こういう改修に当たって、一回つまずいたものというのは、何かまた問題が起きることが多いです、今まで見ていて。本当にそれは、その辺のことというのは大丈夫なんですかね。いろんな問題というのは何だということは私言えないけれども、今まで見ていて、一回こうやってつまずいちゃったものというのは本当に変な問題が出て、また止まってしまうとか、そういうことが大変多い。その辺は大丈夫ですか。
 
○松尾市長  旧図書館につきましては、これまで方針転換等含めて様々関係者の皆さんにも御迷惑をおかけしました。今回、議案審議をいただく中で工事に入れるということになれば、最後までしっかりと細心の注意を払って進めてまいりたいと考えております。
 
○大石委員  最後にします。
 私、旧図書館を例に出して、事例にして上げて、こうやって質問させていただきましたけれども、本当にいろんなものがあります。大きなものでいえば、例えば、本庁舎整備。これ本庁舎移転するというのは、私たち何にも知りませんでした。広報の一面にどんと出て、「ええっ」って、議員でさえ。「ええっ」という感じでしたね。そういう何かを打ち出すとき、事業として、また政策を打ち出すときに、何も説明責任やら何やらないということが、すごく致命的だと私は感じています。それを一言申し上げて質問を終わります。
 
○池田委員長  以上で、第15款民生費、旧図書館についての質疑を終了いたします。
 職員入替えのため、暫時休憩いたします。
               (11時00分休憩   11時01分再開)
 
○池田委員長  それでは再開いたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○池田委員長  次に、保坂委員から、第20款衛生費「ごみ処理広域化計画について」の質疑をお願いいたします。
 
○保坂委員  昨年の決算審査でも同じごみ処理広域化ということで伺っていて、今回もまた同じなんですけれども、視点としては、実際のところ、昨年からそんなに大きな動きはないという中で、この3期12年の中で市長が進めていらしたごみ処理施策の中で、本当に今、打ち出されているこのごみ処理広域化の計画というのが進化系なのか。進化系というのは、最新の技術を使っているかどうかというよりは、よりよくなっているのかどうかというのを広く捉えて進化系なのかと言っているんですけれども、その辺りのことを伺っていきたいと思っております。
 2020年8月3日に鎌倉市、逗子市、葉山町は、ごみ処理広域化実施計画の策定に伴って、2016年7月に締結した覚書を解除して、実施計画に基づいて連携して、ごみ処理の広域化に取り組む姿勢を示す確認書、こちらを締結しました。確認書には、「資源の無駄をなくし、環境負荷の少ない循環型社会の形成に資するゼロ・ウェイストの実現を目指し、連携して取り組みます」とありました。
 遡りますけれども、2009年11月に就任された松尾市長は、前任の市長が進めていた生ごみと下水汚泥を混合処理してバイオガスを発生させ、発電する施設を建設する計画を白紙に戻されました。当時からの議員の多くは、この本市のごみ処理施策が迷走する発端がこの方針転換にあったと考えています。ただ、私は、このときはまだ議員ではありませんでした。私が議員になったのは2013年の5月で、その翌月、新しく整備する高効率発電機能を備えた焼却施設の基本構想が策定されました。けれども、その4年後の2017年10月の市長選の時期になると、市長は、燃やすごみの処理について、自区外や広域での処理が可能か、幅を広げて検討していると発言されるようになり、その後、2019年3月に、将来のごみ処理体制についての方針を発表し、新焼却施設を建設しない方向性を明示されました。
 今、これちょっと遡って、振り返ってお話ししましたけれども、この市長が建設を取りやめた新焼却施設、高効率発電機能によるサーマルリサイクルを掲げたものでした。それで、最初に述べました昨年8月の2市1町の確認書、こちらにあります資源の無駄をなくし、環境負荷の少ない循環型社会の形成を目指すという方向性と、その取りやめた新焼却施設というのは、方向性としては重なるものではなかったのでしょうか。まず、こちらを伺います。
 
○松尾市長  すみません、もう一度ちょっと確認の意味で。
 
○保坂委員  今、市長がごみ処理広域化計画を進めていく中で目指しているのは、2市1町で連携して資源の無駄をなくし、環境負荷の少ない循環型社会を目指すと、ゼロ・ウェイストということの実現を目指すと、そういうことだと思います。
 ずっと以前のところから振り返ってみると、市長が造らないことに決めた新焼却施設、こちらについても資源の無駄をなくし環境負荷の少ない循環型社会の形成を目指すという、そういう方向性の中にあったものではなかったのでしょうかということを伺っています。
 今、この今日の質問では、今やろうとしていることが、本当にこれまでのごみ処理施策を更新するゼロ・ウェイストの実現を目指す上で、これまで以上にすごく優れたものなんですか、どうなんですかというのを伺いたいので、新焼却施設のところと、比較というんでしょうかね、質的に違うものなんですかということを伺っています。
 
○松尾市長  当時、新しく予定をしておりました新焼却施設につきましては、今、御案内いただいたような形で、様々エネルギーという観点からも優れた性能のものだと認識をしておりましたので、そうした意味で環境面というところでも寄与できるものだと考えて、当時、検討をしていたものであります。
 
○保坂委員  じゃあ、続けて、つながるので次の質問で伺いますけれども、今年は東日本大震災から10年がたちます。新焼却施設の基本構想というのは、東日本大震災、福島第一原発の事故の影響がまだ強く残っていた2013年の策定ですから、防災とエネルギーの自給の視点が特徴的だったと、私は議員になったばかりでしたけれども、受け止めました。ごみ焼却から得られるエネルギーを有効活用して、平常時はもとより災害時には地域の復旧を担える施設を目指すと。大地震による停電が起きても、ごみ焼却発電で浄化センター、非常に大切な機能を持っている浄化センターをしばらく稼働させ続けられるという、そういう説明でもありました。もっと遡ると、2009年に計画を中止したバイオガスの施設も、これ発電施設ということでした。
 今、市長が進められる2市1町のごみ処理広域化計画の第1ステップともいえる生ごみ資源化施設は、処理の過程で電力を消費しませんが、発電はしません。発電はできません。ローテクであることを評価する声もある一方、発電ができないということをもって、ずっと、この鎌倉市のごみ処理施策を見てきた方からすると、以前に計画された処理施設よりも期待が持てないという声が実際聞かれます。このことを市長はどのように受け止められるでしょうか。
 
○松尾市長  東日本大震災ということを受けて、御指摘のとおりこのエネルギーの課題ということが大変関心が高くなり、そこについては具体的に行政としてもやはりできることを検討してきたということはございます。そういう意味では、この新焼却施設はその一つ寄与するものであったと考えておりましたけれども、一方で、名越クリーンセンターの稼働停止ということを見据える中で、地元との話合いが平行線をたどるというところにつきましては、様々な方法、手段ということを検討していく必要があると考えまして、現在、そうした方向転換をさせていただいたということにつながるわけなんですけれども。というところでございますので、そういう意味では、鎌倉市の現状を踏まえながら、その手段については、今、取っているものが私はベターな方法であると考えて進めているものでございます。
 
○保坂委員  経緯の御説明としては、それは分かるところではあるんですけれども、ただ、今、この市長選の時期でもあって、松尾市長の3期12年のこれまでを振り返る中で、ちょっと申し上げたいんですけれども、バイオガス施設も高効率発電機能を持った焼却施設も、長い時間と労力をかけて計画をしたものでした。市長選の時期に、市長の御判断で計画が中止になったことがしこりになっていると思うわけです。2市1町のごみ処理広域化実施計画も、新焼却施設を建設しないと市長が決めたことを受けて、環境部において苦肉の策で構築したものとも思います。もちろん逗子市、葉山町の御理解をいただいてという上でのものですけれども、今、また市長選の前だからということで申し上げますと、市長の政治姿勢として、組織において積み重ねてきたものを大切にするということは非常に重要ではないでしょうか。ちょっと抽象的な質問ですけれども、ごみ処理施策を振り返ると、やはりそのことを市長に確認したいと思います。いかがでしょうか。
 
○松尾市長  その点については、御指摘のとおり、様々計画をつくるということには大変多くの職員とまたその関係者の労力、努力ということがあります。そこを撤回すると、方針転換するということによって、大変大きなそれは職員に対して精神的にも負担がかかるということについては、とても重く受け止めているところでございます。そこは私自身大きく反省をしなければいけない部分だと思っています。今後そういうところも含めて、私自身、方針転換ということをしないように今後進めてまいりたいと考えております。
 
○保坂委員  市長の御認識ということで伺いました。大切にすべきものとしては、地域での信頼関係というのもあります。生ごみ資源化施設の建設を予定している今泉クリーンセンター、地元で行われた戸別訪問ですけれども、これは生ごみ資源化施設に反対する住民ばかりでないことをすくい上げるためであったようにも見え、また、積極的に何度も説明を行うのではなく、今の状態を見ていると、ちょっと持久戦のようなものに出ているとも思いまして、それは住民と真摯に向き合っているのとは違うように思えてならないところです。市長は、住民に丁寧に説明する、誠実に対話するというのをどのようにお考えでしょうか。
 
○松尾市長  住民の皆さんの信頼関係、御理解あってこそのことでございますから、そこのお気持ちというところを伺いながら、必要というか、私も必要と感じればですし、住民の皆さんの要望に応じて、私自身が説明をするのか、もしくは、担当の説明を求めるのか、そういうところを丁寧にお伺いしながら、できる限りの対応、もしくは対話の機会、説明の機会ということを積極的に設けてまいりたいと考えております。
 
○保坂委員  長期戦、持久戦というんでしょうかね、そうやって時間をかけることによって、いつの間にか、なし崩し的にということはやっぱりちょっと違うと思うので、その辺りのところで信頼関係を損なっては本当にいけないと思っていますので伺いました。
 この質問は、決算の理事者質疑なのであまり具体的なことを伺わないようにしようと思っているんですけれども、もうちょっと1点だけ伺うのが、生ごみ資源化施設を造っていくという計画を下ろしていない中で、施設建設も困難が伴うと思いますけれども、収集もすごく課題が多いと思うんです。そのことだけちょっと具体的なところに入ってしまいますが、いろんなことが懸念されていると思うので伺います。
 生ごみだけを分別して収集するのは課題が多いと。例えば、生ごみですので週1回というわけには、なかなかいかないと思います。かといって、1台の車で生ごみとそれ以外の燃やすごみを分けて、そういう車両もないわけではないと思いますけれども、収集するというのも難しいですし、また、生ごみを収集する車と、それ以外の燃やすごみを収集する車がペアというか、隊列というか、時間をずらしてかもしれませんけれども、2台で収集するというのも、そうすると、また車両の数が多くなってしまうということも含めて、施設建設の地元にとっても大きな負担ですけれども、市全体にとっても、市民の負担を考えても、課題が非常に大きい中で、小さく始めて全市に広めていきますよとおっしゃっていますが、その辺りのところは検討はされているんでしょうか。
 
○松尾市長  これまでも実証実験という形で収集に御協力をいただいて、検討してきた経過もございますし、今後も、小さく始めてというところでありますけれども、そうした少し実証実験というような形などを含めて進めて、課題を抽出しながら、よりよい形というところを目指してまいりたいと考えております。
 
○保坂委員  ちょっと課題が多いでしょうということで伺ったわけですけれども、少し最初にお話ししていた環境負荷の少ない循環型社会を形成するという方向性の話に戻して伺いたいと思いますが、議会でのこれまでの答弁では、仮に、生ごみ資源化施設が建設できなくても、2市1町の広域化実施計画は維持できると言われています。生ごみを取り出すことで、逗子市の焼却炉で燃やせるだけの量にまで減量化を図るのが基本ですが、それができない場合は、2市1町の外に持っていって燃やしてもらうという、そういうことになります。
 それとはまた別なんですが、今年8月、事業系ごみの一部を埼玉県寄居町まで持っていって資源化処理してもらう実証実験が始まりました。最先端の技術を用いるので処理の過程での環境負荷は小さそうです。けれども、移動距離が長いということはどうなんでしょうか。家庭系の燃やすごみまで市外に持っていって燃やしてもらうのも同じことで、どちらも環境負荷が少ないとは言えないのではないかと思います。市長は、この点についてはどのように思っていらっしゃるのでしょうか。
 
○松尾市長  埼玉県というところでは距離があるというところでありますので、当然、そこの運搬での環境負荷ということも含めての評価をさせていただく中で、埼玉県に持っていって処理をしたほうが環境負荷が低いという形で出ておりますので、そういう評価でございます。
 
○保坂委員  数値化したデータも示していただいているのは拝見しているところなんですけれども、そういう比較というんでしょうか、プラスとマイナスの部分を含めて比較の上でということだとは思うんですけれども、でも、それはそうであっても、長い距離を移動するというのは、それはやっぱり環境への負荷ということは相殺されないのではないかと思うので伺いました。
 あと2点伺います。今度はまた、広域化実施計画の中での話なんですが、この策定過程の中では、2市1町の中に配置する施設について議論がされて、鎌倉市は将来的に廃棄物を域外に搬出するための中継施設を整備することになっています。こちらも苦肉の策で、ひねり出した配置案のように見えます。中継施設を受け入れる地元には大きな負担であることは確かなんですけれども、2市1町の枠の中で見ると、この鎌倉市は中継施設を引き受けますというこちらの配置というのは、2市1町の連携の中で応分の負担と言えるのでしょうか。いかがですか。
 
○松尾市長  これは2市1町での協議を重ねてくる中で、こうした一つの結論というところでございまして、それが2市1町の中で鎌倉市の分担というところで御理解をいただいているという中では、この2市1町における鎌倉市の役割と言えると考えています。
 
○保坂委員  やはりどうしても2市1町の広域化実施計画というのは、非常にガラス細工というか、綱渡り的なものであるように当初から思えているわけです。それで、最後の質問は、広域化の考え方なんですけれども、今定例会の一般質問でも同僚議員が質問していたものと重なるものです。神奈川県内は、現在、ごみ処理広域化の計画の中では、12のブロックに分かれていますけれども、県は2021年度末までに県内市町村のごみ処理広域化を位置づけた計画の改定に取り組んでいると。今回はブロックの区割り変更には踏み込まないそうです。ただ、鎌倉市は次回の改定をにらんだ検討をしていくことが必要ではないでしょうか。2市1町の広域化実施計画は、先ほども申しましたが、綱渡り的な要素があります。第一段階のところでも先に進めるかどうか分からないような部分もあり、常にもう一つのシナリオを念頭に入れて考えていかなければならない。セーフティーネット的には、外部委託する民間業者を、災害のときも含めて複数確保しておけば大丈夫というようなことが繰り返し答弁されていますけれども、本当にそれで大丈夫なのですかと。もう一つのシナリオということも考えていかなければならないという状況ではないのでしょうか。
 
○松尾市長  今後のごみ処理行政を取り巻く環境を考えますと、広域処理ということは必要不可欠であると考えておりまして、広域化集約の手法の一つとして、また民間施設の活用というところについても、国からも示されているというところでありまして、民間に処理を委託したとしても、これ、市の処理責任があるということには変わりはありませんので、今後も安定的なごみ処理について、しっかりと責任を果たしていきたいと思っております。
 今、神奈川県において広域ブロックの区割りの拡大、もしくはブロック間の連携というところも検討課題となっておりますので、さらなる広域連携の推進というところにも、神奈川県と協議をして進めてまいりたいと考えております。
 
○保坂委員  その12ブロックの中で、現在はありますが、将来的に焼却施設がなくなるというブロックというのは、今後、大丈夫なのかなというのは非常に懸念する、今後の行く末を懸念するところですので、やはりそのことも含めて大きな方向として、国が民間施設の活用をと言っている。そしてまた、広域化を進めるようにと言っているということは分かるんですけれども、やはり複数路線で考えておかなければいけないのではないかと思います。
 これはお答えは結構で、質問は以上です。
 
○池田委員長  以上で、第20款衛生費、ごみ処理広域化計画についての質疑を終了いたします。
 ここで時間が長くなりましたので、10分ほど休憩いたします。11時35分再開といたします。暫時休憩いたします。
               (11時24分休憩   11時35分再開)
 
○池田委員長  それでは、再開いたします。
 時間が午前中、あと残り少ないんですけれども、なるべく午前中の間に終わらせたいと、終わらせる方向で、これは無理にということではなくて、その方向で考えて進めさせていただきたいと思います。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○池田委員長  それでは、次に、高野委員から第20款衛生費「ごみ処理施策について」の質疑をお願いいたします。
 
○高野委員  今、大分質疑がありましたので、ちょっと私は端的にしたいと思いますが。
 経過は、私もちょうど市長が就任された少し前に議員になりましたので、ちょっとその間、4年のブランクのあった時期もありましたけどね。そのときのことを詳細に振り返っても、結論から言うと、さっき保坂委員も言われたけれども、本来は、組成調査で燃やすごみの半分を占める生ごみを処理する施設ができていれば、全く局面は違っていたということだけは、もうはっきりしているんです。燃やすごみの量が半分になっているんだから、大体半分弱ぐらいかもしれませんけれどもね。ただ、そのことを言ってもしようがないと思っています、現状は。
 今の市の方針については、私はやむを得ないと思っています、はっきり言うと。ベストかどうかは別にしても。つまり、焼却施設を現実に今、鎌倉市に造るのは無理ですよ。名越ももう終わるのも、もうこれも当然のこと。であるならば、他市にお願いする以外にはない、という中で今のような路線になっている。じゃあ、そのためには中継施設を造らなきゃいけないと。じゃあ、どこなんだと。というと、私は、一番その近くから出ている議員ですけれども、松中先輩も近いですけれども、名越のクリーンセンターの跡であると。せっかく終わるので、ああ、よかったなと思ったら、そういう単純な話にはならないと。じゃあ、反対して騒げばいいかと、ちょっと率直に言うと。それも責任ある態度とは、私は思わないです。だから、とにかく丁寧に、ボタンの掛け違いにならないように対応してもらいたいということは環境部のほうに申し上げて、この間、丁寧にやっていただいていると思っています。まだ決着はついていませんけれどもね。そういう立場で、別に望んではいませんけれども、しかし、ほかにないのであればしようがないでしょう、これ。だから、材木座・大町の側からすると、こっちばっかり都合よく押しつけられて、これ反対すればやめるのかと、こういうふうにも取れるわけよ。でも、それでもじゃあ、どこも反対するというわけにいかないんだから、これは。地元還元策も含めて、これはきちんと。これが壊れたら終わりでしょう。中継施設ができなかったらどうなります、鎌倉市のごみ行政。
 
○松尾市長  この中継施設なしには、この計画進められませんので、大変重要な施設となります。
 
○高野委員  そうであれば、片や、今も御質疑あったけれども、もう一つの焼却施設があった跡地というか、今は事業系のほうの対応もされておりますけれども、今泉のほうは、もうこういう状態でそういう状態でしょう、はっきり言うと。デッドロックというと強い言い方、先ほど持久戦という表現がありましたね。私は、もう事実上、正直難しいと思っています。私も性格的にあんまりぐずぐずするのが好きなほうじゃないものですから。岩瀬・今泉・今泉台3町内会でもう明確に反対だという意思が出ていて、それはアンケートを取っているわけじゃないでしょうけれども、全ての人に。でも、町内会でそうなって、議会も陳情採択されている。ある意味、外堀も内堀も埋まっていると見るべきで、3期目が市長、終わる段階で、結局生ごみ資源化施設については、今の候補地においては、結局進められる状況にないわけでしょう。そのことはどうお考えですか。この3期目を終わるということにおいて。
 
○松尾市長  今、現時点では、明確に地元の御理解をいただいているというこういう状況ではないというところではありますけれども、引き続き、この今泉の皆さんにも話合い、協議を丁寧に続けさせていただく中で、御理解をいただけるように努力をしてまいりたいと考えております。
 
○高野委員  私は、名越のほうの地域から出ている立場とすると、そちらのほうは何とか進めていって、もう片方のほう、誤解ないように言っておきますけれども、生ごみの資源化、私は必要だと思います。やはり、現状は。現状は、やっぱり逗子市にお願いせざるを得ない。じゃあ、鎌倉は何もしなくていいかというわけにはいかなくて、やっぱり将来も考えれば、燃やすごみの約半分を占める生ごみを資源化する以上の効果的な減量策は多分ないと思います。キエーロを買ってもらうとか、そういうことはやればいいですけれどもね、体系的な施策という意味では。
 だから同時に、じゃあ、今のまま名越の材木座とか大町のほうには「中継施設よろしくね」ということで丁寧にやる。片方の生ごみ資源化施設の候補地のほうは丁寧にやると言うんだけれども、結局進まないでしょう、今の状況では。次期もというお話をもう表明されていますから、いつまでにやるんですか、そうすると。いつまでですか。私は、期限切るべきだと思います。
 私はちょっと今、荒っぽい言い方をしていますけど、結局、名越頼みなんですよ、今のごみ処理施策って、はっきり言うと。住んでいる側から言うと。もっと言えば、今泉が焼却施設停止したときも、不満が相当あったんですよ。それは、名越の側にも。人間のほうの焼却だってあるんだから、そこには、山の上のほうには。そういう思いはみんな抱えているんですよ。でも、協力せざるを得ないでしょう、現実に。という中でやっているのに、今回も、反対はもうしようがないですよ、それは御意思なんだから。であれば、それをいつまでも引っ張らないで、やっぱり期限は切るべきですよ。期限を切って、私は生ごみ資源化施設の方針は変えるべきじゃありません。
 ただし、処理方式と、今、保坂委員からも指摘あったけれども、私は今の処理方式はあまりにも量が少な過ぎるし、やっぱりきちんとエネルギーを生み出すようなやり方のほうがいいと思います。そういう意味では、今、事業系で実証実験をやろうとしているほうが、方向的にはいいと思います。そういう先端技術を家庭系の資源化施設についても、私は、候補地はやっぱり検討し直して、処理方式も候補地の広さにもよるけれども、候補地と併せて、やっぱり処理方式も検討し直すべきであると。ちょっとはっきりそれは申し上げたい、もう決算だから。その辺はどうお考えですか。少なくとも今の今泉の候補地については、やっぱり期限は切るべきですよ。でないと、前みたいになりますよ、焼却と同じように。それで名越のほうはお願いしますと。やっぱりこれは少しおかしいんじゃないですかね、やっぱり。
 私は今、反対の立場を取っていませんよ、中継施設については。さっきもお答えあったように、そこを潰したらもう本当にお手上げですよ。多分、何か所も焼却頼まざるを得なくなるでしょう、名越が駄目になった後、民間も含めて、中継施設ができない場合はね。それはやっぱり無責任だと思うから、議員としても、私は。であれば、今泉のほうはやっぱり再整理すべきですよ、どこかで期限切って。いかがですか。
 
○松尾市長  名越の皆さんには本当に大変御理解をいただく中で、私も何度も直接お話をさせていただいて、やっぱりこれまで今泉と名越というこの2つの地元の皆さんの御理解、御協力で鎌倉市のごみ処理行政が成り立ってきたというところについては、やはりどちらかが欠けるということについては、地元の皆さんのそうした強い思いがありまして、現状、そういう意味では引き続きの御負担というところにもなりますけれども、中継施設ということで名越の皆さんには丁寧に御理解をいただいて進めていきたいと考えております。
 同時に、今泉につきましても、焼却施設停止後の活用というところにつきましては、やはり今泉の皆さんに、これはやはり御理解をいただくということが必要でありますので、そこは引き続き協議をしてまいりたい。今、期限を切るというところございましたけれども、これは相手のあることでございますので、今の時点で期限を区切ることはできませんが、今、御提案ありましたような処理の手法等、この辺りは今、現時点では提案しているものが一番いいと考えておりますけれども、日進月歩ということございますので、その辺りの情報収集というのは常に行いながら、地域の皆さんと協議を重ねてまいりたいと考えています。
 
○高野委員  名越のほうは期限があるでしょう、明確に。当たり前ですけど、焼却停止の期限ももう決まっているわけだから。そこに向かってやっているわけでしょう。なのに、生ごみ資源化施設のほうはずるずると。はっきり言ってまとめ役も必要なんですよ、こういうのって。迷惑施設をやるんだから、反対の声が上がるのは当たり前なんですよ。歓迎なんか誰もしませんよ、それは。その中で、地元還元策も含めて、地元還元策というのは別に悪い意味じゃないんですけれども。当然ですよね、迷惑施設を受け入れるんだから。そういう、さっき持久戦と保坂委員言われたけれども、何か、本当に私もそういうふうに思っていて、どちらの兵糧が切れるのか待っているみたいな。それでは何年たっても時間が経過するだけですよ、はっきり言って。やっぱり期限切るべきですよ。期限切って、どういうふうに、合意を得たいと思うなら。でも議会も全会一致なんですよ。今期の議会は知りませんけれども、前期の議員であれば。だから、ちょっともう質疑はやめますけど。今、市長選もありますから、その辺も含めて焼却施設の二の舞を繰り返さないように、ちょっと決断が必要である。私の考えはもう申し述べました。
 私は、候補地と生ごみ資源化施設は造るという立場に立った上で、候補地と処理方法については、やっぱり再検討すべきである。早く打ち出したほうがいいです、それは。早く打ち出さないと、名越だけまたお願いしますということになるんです。そうすると、私もちょっとやや気持ちが変わってくる可能性もあるかもしれません。ちょっとそれは、そこだけは申し上げておきます。終わります。
 
○池田委員長  以上で、第20款衛生費、ごみ処理施策についての質疑を終了いたします。
 職員入替えのため、暫時休憩いたします。
               (11時45分休憩   11時46分再開)
 
○池田委員長  それでは再開いたします。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
○池田委員長  次に、岡田副委員長から、第55款教育費「玉縄青少年会館のその後について」の質疑をお願いいたします。
 
○岡田副委員長  お昼も近くなったのでショートでやりたいと思います。
 市長の耳にももちろん入っているということだと思いますけれども、あそこはなかなか使えないというようなことで、口火としては、サークルをやっているお父さん、お母さんたちが怒り出して、周りにばあっと広がっちゃって、党派は別にして、党派はもう関係ないしね、あれね。右から左まで全部いましたから。もうみんな怒っちゃって、どうなっちゃっているんだと。中は詳しくは言いません、私もそこに参加したりしていましたから。もちろん発言はしていませんよ。だけど、ええっ、ここでこんなに人が集まるんだ、こんなにみんな文句言うんだみたいな、私はちょっとびっくりしたんですが。
 市長の耳にも入っていて、それはいいとして、端的に言いまして、あれを潰すんだったら、あれに代わる施設、これは私も考えていたんですけど、大船観音前マンション跡地、あそこにできるから、あれ潰したらあっちのほうに一部移転して、あとほかの行政的な必要なものがあれば、それ施設を造っていけばいいやと思っていたんですが、なかなかそういうふうに、私が思っていたように動いていないんで、地元の皆さんに説明するのに非常に苦慮しているんですよ。これは要するに、岡田とか、大石議員とか、また共産党の武野議員とか、そういうだけじゃなくて、もう多分みんな言っていると思うんです、頼むよという。ただ、私が言っているから、岡田が言っているみたいになっちゃっているんですけど、地域要望みたいになっちゃっていますから、そこら辺はしっかり考えてもらわないとまずい。
 なかなかできないから、あれ耐震補強するとお金がかかるよというようなことも聞いていますし、僕も行政に任せているとなかなか動かないのでということで、土地があるかないかもいろいろ歩いて、調べはしています。ただ、接道要件がないから駄目とかそういうのもあるし、ほかにないかなってずっと、一応は考えながら歩いたりはしているんですが、なかなか今のところいいアイデアはなくて、行政にお願いするというような形になっているわけですけれども、そういう今の状況については市長として、あるいは周りの人として、こういう感じで解決していきたいなというような考え方みたいなのがあれば、お聞かせ願えればありがたいと思います。
 
○松尾市長  玉縄青少年会館ですけれども、大変老朽化しているということがございますので、そういう意味では、これは公共施設再編計画の位置づけもあり、閉館をしていきたいというところに変わりはありません。しかしながら、近隣住民の皆さんのいわゆる貸館施設というんでしょうか、活動するスペースというところや避難をするというような機能等々、そういうお声を頂いているところではあります。そういう中においては、近隣の岡本二丁目の用地を活用というところ、今ありましたけれども、解決するまでちょっと時間がかかるというところはございまして、今の青少年会館の近くにある玉縄の消防も老朽化しているということがありますので、この辺りを含めた形での少し計画というところを検討しながら、地域の皆さんの御要望に少しでも応えていけるように進めてまいりたいと考えております。
 
○岡田副委員長  なるべく、こういう案もあるよ、ああいう案もある、我々も提案していきたいと思いますが、町内会・自治会の皆さんに投げかけもしていきたいと思います。いろいろ苦慮している。だけれども、行政も前向きに考えているんだけど、なかなかいい知恵がないんだけれども、あなたたちは知恵があるかとか、俺も考えるけど、どうよと。なるべく早く、できれば言ってほしいとか、そういう投げかけはしたいと思いますが、とはいっても、またみんなに投げかけていると、そのままになっちゃう可能性もあるので、やっぱり、例えば、議員なり、行政なりが話をそれなりに受け取って考えていかなきゃいけないかなと思っています。
 一番いいのは、本当は、岡本の大船観音前マンション、あれが解決するのが一番いいんですけれども、どうかなって、今ちょっと私も分からないところあるんで、思い切って言えないんですが、だけれども、本当にそれは解決していかなきゃいけない問題なので、このままやっていると、また火を噴くと思いますので、ぜひよろしくお願いしたい。考え方じゃないから、地域の人の本当の要望なので、考え方によってああでもない、こうでもないというそういうことを言っていないので、しっかり受け止めて対応してもらいたいと思います。我々ももちろん地域の人間として頑張りますけれども、よろしくお願いいたします。ちょっと考え方というか、決意というか何というか。
 
○松尾市長  前回、議会で否決される前に取下げをさせていただいたわけですけれども、そういう地元からのお声というところ、私も受け止めさせていただく中で、この青少年会館の機能、住民の皆さんが必要とする内容というところを的確に捉えながら、そのニーズに応えられるように進めてまいりたいと考えています。
 
○岡田副委員長  以上です。
 
○池田委員長  以上で、第55款教育費、玉縄青少年会館のその後についての質疑を終了いたします。
 以上をもちまして理事者に対する質疑を終了いたします。
 理事者の退室のため、暫時休憩いたします。
               (11時52分休憩   11時53分再開)
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 再開後、本日理事者質疑を行った項目について、それぞれ意見とするかどうか各委員に確認したところ、高野委員から、第10款総務費(1)「職員の適正配置や雇用の在り方について」は意見として残さない旨の発言が、保坂委員から、第20款衛生費(1)「ごみ処理広域化計画について」は意見として残さない旨の発言が、高野委員から、第20款衛生費(2)「ごみ処理施策について」は意見として残さない旨の発言がそれぞれあり、これを確認するとともに、それ以外の項目は意見として残すことを確認した。
 ここで、各委員から出された意見を整理するため、一旦休憩した。
               (11時56分休憩   13時10分再開)
 再開後、配付した意見の一覧表を確認したところ、保坂委員から、第15款民生費(2)「コロナ禍を踏まえた生活困窮者自立支援について」及び第45款土木費(4)「建築物等の安全性向上の取組について」を削除する旨の申出があり、これを確認した。その後、意見を述べたいと申し出た委員から、順次意見の趣旨について説明を受けた。
    ――――――――― 〇―――――――――――――――――― 〇―――――――――
 
○池田委員長  各委員から出されております項目ごとに順次意見開陳をお願いいたします。
 それでは、まず最初に、議案第25号令和2年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の第10款総務費(1)「会計年度任用職員の制度について」、保坂委員。
 
○保坂委員  会計年度任用職員の制度について。自治体によって法的根拠がばらばらだった非正規公務員の地位の明確化を図る会計年度任用職員の制度が2020年度、令和2年度から始まった。制度導入の目的が処遇の改善にあることを確認する。また働き続けるかどうかは個々の事情によるものの、業務遂行能力があって働き続けることを望む人が、安定的に働き続けられる環境となるようにしていただきたい。なお、制度導入によって正規職員の採用が抑えられることがあってはならない。
 
○池田委員長  それでは、続きまして、第10款総務費(2)「スマートシティの取組の進め方について」、保坂委員。
 
○保坂委員  スマートシティの取組の進め方について。スマートシティの取組は、自治体間の競争に勝ち抜くことや、鎌倉市を足場に活動する企業が世界的な競争に挑むために進めるのではなく、鎌倉市の身の丈にちょうど合った技術を市民の生活に資するように用いるものとする。デジタル化を通して収集される情報は企業が独占することなく、市民のコントロール権が及ぶものとする。そのようなスマートシティのモデル構築は一朝一夕にできるものではなく、市民合意の形成を図りつつ慎重に進めることを求める。
 
○池田委員長  続きまして、第10款総務費(3)「平和推進事業を広げることと深めることについて」、保坂委員。
 
○保坂委員  平和推進事業を広げることと深めることについて。平和推進事業は、平和が脅かされた歴史を真摯に学び、今日の社会において何が平和を脅かしているのかを深く考える企画を行う意味でも、行政だけで抱え込まず、若年層枠を設けるなどの工夫も加え、市民による実行委員会を年度ごとに組織して協働で実施すべきである。
 
○池田委員長  続きまして、第10款総務費(4)「国際交流推進事業における内なる国際化、多文化共生の視点について」、保坂委員お願いいたします。
 
○保坂委員  本市の国際交流推進事業は、外国籍市民とともに暮らしやすい地域づくりを進めることを目的に掲げるが、困窮したり、安心して暮らせない事情を抱えたりした外国人を地域で共に暮らす隣人として認識し、必要な施策を講じることにも目を向けていくべきである。
 
○池田委員長  続きまして、第10款総務費(5)「鎌倉芸術館管理運営事業に関連して」、高野委員。
 
○高野委員  鎌倉芸術館の管理運営事業に関して、次期指定管理者選定の時期に来ておりますけれども、令和2年度における同事業の収支がマイナス7200万円に及ぶことが分かりました。そうした中で、現在、指定管理を担っている事業者を含めて、次期指定管理事業者の応募がなかったという事態であったということも分かりました。そうした中で、鎌倉市における文化芸術振興の要として、市が3億円の出資を行い設立されたのが鎌倉市芸術文化振興財団であります。主要な外郭団体の中で補助金交付がなく、現在、文学館等の指定管理業務を中心に運営がされておりますが、そのことだけでは全体的な業務を担っている総務部門などの諸経費を賄い切れず、これは令和3年度の恐らく決算のときに議論になるかもしれませんけれども、正味財産を取り崩しながら運営している現状にあります。一方、支出の削減においても、人件費の削減も限度があり、構造的な問題として認識すべき事態にあります。
 現在、鎌倉芸術館における次期指定管理者制度において、一定の関与をするという、今そうした立場に置かれている中で、改めて鎌倉市芸術文化振興財団の設立趣旨に立ち返った位置づけを鎌倉市として行い、財団が本市の文化行政において前向き、かつ積極的な役割を果たせるよう、このたびの鎌倉芸術館における指定管理者制度の改善を含め、市として責任ある対応を図っていただきたいと強く求めたいと思います。
 
○池田委員長  続きまして、第10款総務費(6)「避難行動要支援者の支援策について」、保坂委員。
 
○保坂委員  避難行動要支援者名簿を受け取っている自治・町内会は相当数に及んでいるが、名簿に基づく支援の検討は自治・町内会により様々である。今年3月、個別避難計画の作成を市町村の努力義務とすることが閣議決定された。市町村及び取り組む自治・町内会にとっては作業的な負担が大きいが、崖崩れや浸水、津波などの災害リスクが高い地域においては、より具体的な地域の避難計画をつくることと個別避難計画の作成が同時に進むことが望まれる。
 
○池田委員長  続きまして、第10款総務費(7)「命を守るための防災体制の強化について」、くりはら委員。
 
○くりはら委員  行政方針としてハードよりもソフト対策に頼る中、避難路整備が進んでいない。災害時に命を守る防災体制が早急に整備されることが必要であり、総合防災課、建築指導課とも協力して、就寝時に身を守る防災ベッドや津波や水害用のシェルター等の普及促進をしていただきたい。気候変動による災害級の猛暑、寒波にも対応し、停電時にも利用できる空調に関して、予備も含めて考えてほしい。
 
○池田委員長  続きまして、第10款総務費(8)「歴史的風致維持向上計画について」、保坂委員。
 
○保坂委員  鎌倉市歴史的風致維持向上計画は、10年の計画期間の半分が過ぎ、2020年度に中間評価が行われた。達成に時間を要する取組が残っている今後の5年間も、引き続き力を注いでいただきたい。
 
○池田委員長  続きまして、第10款総務費(9)「ふるさと寄附金推進事業について」、岡田副委員長。
 
○岡田副委員長  過去6年間、当初からふるさと寄附金事業に鎌倉市は参入してきたわけですけれども、一貫して赤字だということで、これは黒字に転換する必要があるのでということです。
 
○池田委員長  続きまして、第10款総務費・第45款土木費(1)「文化財的価値のある建造物等の耐震改修と保存活用について」、くりはら委員。
 
○くりはら委員  鎌倉に残された先人からの遺構や建造物、建築物など文化財的価値を残すための基準づくりや保存方法の検討が必要である。公的財産を市民に広く還元することや分散型観光の資産として、前向きに活用することが求められる。文化財的価値のある建造物等の保存を経験している国・県・市とも協力し、計画的な耐震工事に予算をつけることを求める。
 
○池田委員長  続きまして、第15款民生費(1)「高齢者の外出支援・交通費補助の充実について」、高野委員。
 
○高野委員  高齢者の方への交通費補助制度については、令和2年度から運転免許証返納者補助金という形で一歩踏み出したことは評価したいと思います。同時に、この制度が利用できる人は2年間と限られていることから、今後、免許証のない高齢者の方も対象に拡大するなど、高齢者の方の交通費補助制度のさらなる充実を求めたいと思います。
 
○池田委員長  続きまして、第15款民生費(3)「障害者に対する移動支援等給付費の見直しについて」、後藤委員。
 
○後藤委員  この移動支援等給付費に関してですけれども、特に日中一時支援に代表されるような各自治体で権限を持っている、そういったことに関して、早急に見直しをかけてほしいということでございます。障害者であっても、そうでなくても、皆さん方がしっかりと安心に暮らせるまちづくりをするために、しっかりとその障害者の方々の移動支援を、また、お手伝いする事業者さん等も、単価がほかの近隣市町村に比べて安いとなると、なかなか運営しづらい状況もありますので、ぜひその辺も含めて単価の見直し、そういう事業者が進んで参画できるような給付費の見直しをかけてほしいと思います。
 
○池田委員長  続きまして、第15款民生費(4)「コロナ禍における学習・生活支援事業について」、くりはら委員。
 
○くりはら委員  鎌倉市は、これまで小・中・高校生の学習・生活支援事業は行ってきた。コロナ禍において親の収入、仕送りがなくなり、学費が払えず、アルバイトもできない中で大学生が退学せざるを得ない状況がある。貧困の連鎖を止め、未来ある子供たちが学びたいことを学びたいだけ学べる環境づくりをすることは社会の責務であると考える。学びの継続を行えるよう、無利子の貸付けなど行い、小・中・高校生だけでなく、高校卒業後から社会人になるまでの学習・生活支援事業も行っていただきたい。
 
○池田委員長  続きまして、第15款民生費(5)「子供たちの放課後の居場所について」、保坂委員。
 
○保坂委員  放課後かまくらっ子は2020年度に全小学校での実施となった。個性の異なる子供たちがそれぞれに安心し、できる限り快適に過ごせる放課後の居場所となるよう、指定管理者による運営状況をよく把握し、子供たちを主体と捉えて施策と向き合うことを求める。地域において放課後かまくらっ子以外の多様な放課後の居場所があることも望まれる。
 
○池田委員長  続きまして、第15款民生費(6)「旧図書館について」、大石委員。
 
○大石委員  旧図書館を例に、総体的な視点で政策や事業を打ち出すときには、鎌倉市行政として説明責任を果たし、議会、市民の理解を十分得た上で取り組むことを望むということです。
 
○池田委員長  続きまして、第35款商工費(1)「コロナ禍における商工業振興事業について」、くりはら委員。
 
○くりはら委員  コロナ禍がもたらした経済へのダメージは大きい。鎌倉応援買い物・飲食電子商品券「縁むすびカード」や飲食店等支援クラウドファンディングなどの商工業振興事業が行われたが、効果測定、評価や税収の検証が行われていない。振興策を打ち出した際は、その後も継続的な好循環を生むのか、効果測定、評価や税収の検証を行い、今後の事業に生かしていただきたい。
 
○池田委員長  続きまして、第40款観光費(1)「コロナ禍における観光基盤の整備について」、くりはら委員。
 
○くりはら委員  コロナ禍だからこそ求められる健康づくりの基盤として、ハイキングコースの復旧や海水浴場の設置が求められている。健康的な遊び場として安全性を担保することはもちろん、市民にも安心して利用していただける施設整備を求める。
 
○池田委員長  続きまして、第45款土木費(1)「通学路の早急な安全対策の実施について」、中里委員。
 
○中里委員  鎌倉市では、通学路の安全対策を隔年ごとに教職員、PTA、市の職員、警察官等が行っているが、危険箇所の改善要望は例年150か所前後と平行線をたどっている。環境の変化があることはもちろんだが、要望を受けた上での実際の改善がなされていない現状もある。本年6月の千葉県八街市での痛ましい事故を鑑みると、危険箇所の確認後での早急な改善対策が必要。また、通学路での危険ブロック塀も市内で1,600か所以上あり、危険把握後の対策が追いついていない状況なども散見されます。悲惨な事故が繰り返されないためにも、通学路の早急な安全対策の実施を求めます。
 
○池田委員長  続きまして、第45款土木費(2)「道路等の維持修繕における作業センターの体制について」、高野委員。
 
○高野委員  道路や河川等の維持補修は、昨今の気候危機、自然災害の多発という点からも非常に重要なことで、実際に業務を担っている作業センターは、市民サービスにとって身近、かつ必要不可欠な部門だと思います。様々な道路や河川等の維持補修を図っていく上で、委託事業を適切に活用するとともに、やはり作業センター職員の技術の継承が極めて重要であります。今の状況のまま続けていくと、直営班がなくなってしまい、センターそのものの存廃に関わる事態になることも確認させていただきましたので、今後、退職者不補充の見直しを含め、作業センターの維持強化について真剣な検討を求めたいと思います。
 
○池田委員長  続きまして、第45款土木費(3)「深沢地域整備事業の一体施行について」、高野委員。
 
○高野委員  深沢地域整備事業につきましては、新駅設置並びに行政区域内における本庁舎の移転整備事業など、合算しますと、全体の事業スキームとして500億円にも及ぶ大型事業であります。特に藤沢市域における新駅設置について、本市が財政負担をしてまで参画する必要があるのかと改めて思います。それに伴い、深沢地域整備事業について、区画整理事業法第2条第2項の適用については、結果として、保留地をその深沢地域整備事業用地外に余分に放出し、税支出を少なく見せかける便法ではないかという指摘も専門家からされております。これからの鎌倉市のまちづくりにおいて、財政上も大きな影響を及ぼす可能性があるだけに、深沢地域整備事業については、特に新駅設置による一体施行の見直しを含めた検討を行うよう強く求めたいと思います。
 
○池田委員長  続きまして、第55款教育費(1)「市内にある石碑や十井十橋の調査について」、高野委員。
 
○高野委員  鎌倉市内に広く今、指定されている文化財の保護保全とともに、指定には至っておりませんが、市内にこれも数多く点在している文化的資産の管理保全が大切と思います。特に当時の青年団等が歴史や文化を伝承しようと市内に建立し、100基近く現存している石碑、また江戸時代の新編鎌倉志に由来する十井十橋等について、資産の保全や管理体制の構築に向けた調査事業をきちんと行い、古都鎌倉にふさわしい文化財行政を進めていただきたいと意見を申し上げます。
 
○池田委員長  続きまして、第55款教育費(2)「児童・生徒の悩み相談について」、くりはら委員。
 
○くりはら委員  令和2年度の全国の児童・生徒の自殺者数は過去最高の499人を記録し、令和元年度の1.25倍となっている。自殺の原因、動機には性差が生じており、特に女子生徒は、学業不振、進路に対する悩みが3倍を超えた。親子関係の不和に関しては、両者共に1.4倍となっている。児童・生徒一人一人の悩みに寄り添い、子供たちが追い詰められないよう、きめ細やかに御対応いただきたい。
 
○池田委員長  続きまして、第55款教育費(3)「玉縄青少年会館のその後について」、岡田副委員長。
 
○岡田副委員長  地域的な問題ですけれども、玉縄にございます青少年会館の取壊し方針が明確化される中で、代替施設などを明示せず、突然の通告で取り壊すということがございました。市民団体が寝耳に水ということで、反対運動を行いました。今日の理事者質疑でも取壊しはしますよということがございましたけれども、それに代わる場所の確保等が明確でなく、頑張るとは言われたんですが、早急にそういう代替施設の整備なり何なりを行ってほしいということです。
 
○池田委員長  続きまして、議案第26号令和2年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計歳入歳出決算の中で「大船駅東口再開発について」、岡田副委員長。
 
○岡田副委員長  たしか4年前になると思うんですけれども、資材の高騰と、労賃というか給料の高騰ということで、オリンピック・パラリンピックがあるということで休止ということになったんですが、休止にとどまらず、大船駅周辺整備事務所ですか、あれを撤退しました。今はもう全然残っていません。その後、そのままになっておりまして、原局のほうもその後、きちっと本庁に入って研究してやっていきたいと4年前に聞いていたんですけれども、それも、もちろん昨年も行われていないというようなことでございます。今後、しっかりした検討、研究をしていっていただきたいということでございます。
 
○池田委員長  以上で意見の開陳を終了いたします。
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○池田委員長  それでは、意見について、委員長報告に盛り込むかどうか、また盛り込む場合もどのように盛り込むか、まとめに入りたいと思います。
 なお、委員長報告に盛り込む意見については全会一致ということになっておりますが、いかが取り扱いましょうか。
              (「委員長、副委員長に一任」の声あり)
 それでは、正・副委員長が調整するということでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、そのようにさせていただきます。
 意見取りまとめのため、暫時休憩いたします。
               (13時36分休憩   17時15分再開)
 
○池田委員長  それでは、再開いたします。
 休憩中に調整させていただき、委員長報告に盛り込む意見がまとまりましたので、副委員長から報告をさせていただきますが、よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、報告をお願いいたします。
 
○岡田副委員長  それでは、報告させていただきます。朗読いたします。
 まず、意見をまとめるに当たって、御協力いただきありがとうございました。
 意見が3点にまとまりましたので、御報告申し上げます。
 1点目は、防災に関する取組についてです。避難行動要支援者の支援策として、具体的な避難方法についての個別避難計画を作成するとともに、崖崩れや浸水、津波など災害リスクが高い地域においては、併せて地域の避難計画の作成が進められることを求める。また、避難路整備が進んでいない現状において、命を守るための防災対策の一層の充実を求める。
 2点目は、文化財的資産の保全・活用についてです。指定文化財に加えて、歴史や文化を伝承する遺構や建造物など、市内に点在する文化財的資産を保全・活用する体制の構築に向けた調整や計画的な耐震化により、一層の市民利用及び分散型観光の資産としての活用を求めるもので、あわせて、古都鎌倉にふさわしい文化財行政を進める上での政策や事業を打ち出す際には、行政としての説明責任を果たし、市民、議会の理解を十分に得た上で取り組むことを求める。
 3点目は、子供に関する取組についてです。コロナ禍における子供たちの学習環境や家庭環境の変化に対し、児童・生徒一人一人の悩みに寄り添ったきめ細やかな相談、対応や経済的支援を求めるほか、放課後の居場所について、放課後かまくらっ子においては指定管理者による運営状況の把握を行い、地域においても多様な放課後の居場所づくりを求めるとともに、通学路の危険箇所の早急な安全対策の実施を求める。
 以上3点を決算特別委員会の意見としてまとめたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○池田委員長  ただいまの報告のとおり確認してよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 そのように確認いたします。
 それでは、以上をもちまして、意見のまとめを終了いたします。
 暫時休憩いたします。
               (17時17分休憩   17時19分再開)
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 再開後、各議案について採決を行った結果は次のとおりであった。
(1)議案第25号令和2年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について
   多数の賛成により原案認定。(反対=日本共産党、ネット、かわせみ)
(2)議案第26号令和2年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計歳入歳出決算の認定について
   総員の賛成により原案認定。
(3)議案第27号令和2年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
   多数の賛成により原案認定。(反対=日本共産党)
(4)議案第28号令和2年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定について
   総員の賛成により原案認定。
(5)議案第29号令和2年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
   総員の賛成により原案認定。
(6)議案第30号令和2年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定について
   多数の賛成により原案認定。(反対=日本共産党)
(7)議案第31号令和2年度鎌倉市下水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定について
   総員の賛成により原案可決及び認定。
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 最後に、委員長報告の確認のための委員会を10月1日(金)午前10時30分に議会全員協議会室で開催することを確認し、以上で本日は閉会した。


 以上は、会議の顛末を記録し、事実と相違ないことを証する。

   令和3年(2021年)9月28日

             令和2年度鎌倉市一般会計
             歳入歳出決算等審査特別委員長

                        委 員