令和 3年 9月定例会
第3号 9月10日
○議事日程  

         鎌倉市議会9月定例会会議録(3)
                                   令和3年(2021年)9月10日(金曜日)
〇出席議員 26名
 1番  千   一   議員
 2番  岡 田 和 則 議員
 3番  後 藤 吾 郎 議員
 4番  くり林こうこう 議員
 5番  井 上 三華子 議員
 6番  児 玉 文 彦 議員
 7番  中 里 成 光 議員
 8番  藤 本 あさこ 議員
 9番  出 田 正 道 議員
 10番  くりはらえりこ 議員
 11番  保 坂 令 子 議員
 12番  納 所 輝 次 議員
 13番  日 向 慎 吾 議員
 14番  武 野 裕 子 議員
 15番  久 坂 くにえ 議員
 16番  竹 田 ゆかり 議員
 17番  志 田 一 宏 議員
 18番  大 石 和 久 議員
 19番  池 田   実 議員
 20番  高 野 洋 一 議員
 21番  中 村 聡一郎 議員
 22番  長 嶋 竜 弘 議員
 23番  森   功 一 議員
 24番  松 中 健 治 議員
 25番  前 川 綾 子 議員
 26番  吉 岡 和 江 議員

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〇欠席議員 なし
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〇議会事務局出席者
 事務局長        服 部 計 利
 議事調査課長      谷 川   宏
 議事調査課課長補佐   岩 原   徹
 議事調査担当担当係長  田 中 公 人
 書記          喜 安 大 介
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〇説明のため出席した者
 番外 1 番  松 尾   崇  市長
 番外 2 番  小 礒 一 彦  副市長
 番外 3 番  千 田 勝一郎  副市長
 番外 5 番  比留間   彰  共生共創部長
 番外 7 番  内 海 正 彦  総務部長
 番外 8 番  齋 藤 和 徳  市民防災部長
 番外 9 番  藤 林 聖 治  こどもみらい部長
 番外 10 番  田 中 良 一  健康福祉部長
 番外 12 番  林   浩 一  まちづくり計画部長
 番外 13 番  吉 田   浩  都市景観部長
 番外 14 番  森   明 彦  都市整備部長
 番外 16 番  岩 岡 寛 人  教育長
 番外 17 番  佐々木   聡  教育文化財部長
 番外 6 番           歴史まちづくり推進担当担当部長
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〇議事日程
               鎌倉市議会9月定例会議事日程(3)

                         令和3年(2021年)9月10日  午前9時30分開議

 1 一般質問
 2 報告第4号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係   ┐
         る専決処分の報告について                 │
   報告第5号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係   │
         る専決処分の報告について                 │
   報告第6号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償   │
         の額の決定に係る専決処分の報告について          │
   報告第7号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償   │市 長 提 出
         の額の決定に係る専決処分の報告について          │
   報告第8号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償   │
         の額の決定に係る専決処分の報告について          │
   報告第9号 継続費の精算報告について                 │
   報告第10号 令和2年度決算に基づく健全化判断比率の報告について    │
   報告第11号 令和2年度決算に基づく資金不足比率の報告について     ┘
 3 議案第19号 令和3年度鎌倉市一般会計補正予算(第6号)に係る専     同     上
         決処分の承認について
 4 議案第20号 市道路線の認定について                   同     上
 5 議案第21号 工事請負契約の締結について                 同     上
 6 議案第24号 横断歩道橋維持修繕工事[小袋谷歩道橋]に関する協定の    市 長 提 出
         締結について
 7 議案第22号 物件供給契約の締結について                 同     上
 8 議案第23号 指定管理者の指定について                  同     上
 9 議案第32号 鎌倉市職員の服務の宣誓に関する条例等の一部を改正する制   同     上
         条例の定について
 10 議案第33号 鎌倉市手数料条例の一部を改正する条例の制定について     同     上
 11 議案第34号 鎌倉市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例の一部を    同     上
         改正する条例の制定について
 12 議案第35号 令和3年度鎌倉市一般会計補正予算(第7号)         同     上
 13 議案第25号 令和2年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について    ┐
   議案第26号 令和2年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業   │
         特別会計歳入歳出決算の認定について            │
   議案第27号 令和2年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算   │
         の認定について                      │
   議案第28号 令和2年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出   │同     上
         決算の認定について                    │
   議案第29号 令和2年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認   │
         定について                        │
   議案第30号 令和2年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決   │
         算の認定について                     │
   議案第31号 令和2年度鎌倉市下水道事業会計剰余金の処分及び決算の   │
         認定について                       ┘
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〇本日の会議に付した事件
 1 一般質問
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                    (出席議員  26名)
                    (9時30分  開議)
 
○議長(中村聡一郎議員)  定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。
 会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。3番 後藤吾郎議員、4番 くり林こうこう議員、5番 井上三華子議員にお願いいたします。
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○議長(中村聡一郎議員)  日程第1「一般質問」を昨日に引き続き行います。
 ここで議員、理事者側出席者の皆様に申し上げます。現在マスクを着用したままの発言を認めていることから、発言の際はマイクを近づけ、明瞭に御発言いただくようお願いいたします。
 まず、吉岡和江議員の発言を許可いたします。
 
○26番(吉岡和江議員)  それでは、日本共産党鎌倉市議会議員団を代表いたしまして、通告に従って、村岡新駅と深沢まちづくり計画について、質問させていただきます。
 今の計画につきましては、具体的に8月24日に都市計画決定の公聴会が行われております。公聴を公述した方が8人で、私も傍聴しておりましたけれども、大体5人の方が反対ないし疑問を呈していたと認識しております。
 現在の事業計画は、私は土地区画整理法の第2条第2項に新駅のお金が入っているということでございましたので、どうなっているのかと、土地区画整理事業は深沢のまちづくりと、それから村岡新駅が一体でやるんだったら、同時に同じ区域でやるんだったら第2条第2項、いい悪いは別ですよ、というのは分かるんですけれども、このいわゆる土地区画整理法の関係でいきますと、深沢の31.1ヘクタールにつきましても、鎌倉独自で都市計画決定の公述、公聴会やっているんですね。ですから、その辺ではこの計画における法的な関係ですね。どういう法律に基づいてやっているのか。深沢のまちづくりだけだったら、鎌倉でやっているんですけれども、じゃあその新駅に対して第2条第2項を使えるのか。その辺が分からないので法的なことについてお願いします。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  まず一番冒頭で、8月24日の公聴会の話がありました。議員おっしゃられるとおりで、約5名の方が反対ないし疑問という方、全体で8名の方が公述をいただきましたので、あと3名の方については事業を推進してほしいというような御意見もありました。それで、今、新駅に対する第2条第2項費についてでございますけれども、この深沢の土地区画整理事業につきましては、藤沢市の村岡地区と一体で区画整理事業の施行をすると、一体施行ということにしております。
 この土地区画整理法の第2条第2項、こちらに土地区画整理事業に係る土地利用の促進のために必要な工作物、その他の物件の設置が、土地区画整理事業に併せて行われる場合においては、これらの事業は土地区画整理事業に含まれるものとするとの規定がございます。この規定に基づきまして、深沢側で発生する保留地処分金、これの一部を村岡側の事業区域に含まれる新駅に対して、活用するとしているものでございます。
 
○26番(吉岡和江議員)  確かに法律にはそうやって書いてあるのは承知しておりますけれども、なぜ一体といっても地続きじゃありませんし、深沢は深沢での31.1ヘクタールの中での土地区画整理ですから、土地区画整理そのものは何なのかというのは、ちょっと後で伺いますけれども、なぜ村岡という市境からいったら400メートル離れているところに、私たちの保留地処分ですね、それが使えるのか。その法的な根拠を教えてもらいたいんです。いわゆる土地区画整理法でいけば、今、土地の31.1ヘクタールについては、そこの範囲内の中でやりなさいと、普通は第2条第2項についても、そこの範囲の中での、下水道とかそういうのを造るために使うというのが原則的になっております。それを市外の村岡新駅になぜ使えるのか。その法的な根拠を教えてください。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  先ほどの答弁でも申し上げましたけれども、これは両地区一体施行ということを土地区画整理法に基づいて予定をしているものでございますので、確かに区域としては離れています、深沢の31ヘクタールと村岡の約8ヘクタールの部分、離れてはいますけれども、これについては、飛び施行地区ということで、これを一体として捉えることができると。
 その中で新駅の設置については、これは過去に試算をしておりますけれども、深沢の土地区画整理事業の保留地処分金についても、価値の向上が見られる大きな要因であるということで、密接に土地利用に関連するということで、第2条第2項費の導入を決めているところでございます。
 
○26番(吉岡和江議員)  私もいろいろ調べてみましたら、飛び施行地区に関する留意事項というか、運用指針というのはあるのですけれども、わざわざそこまで使って、要するに土地区画整理ということ自身が、非常にそこの範囲内で土地を出していただいてやるわけですから、相当影響があることでして、なぜわざわざこの飛び施行地区、これ運用指針に基づいてやっているのかなと思いながら、見ていたのですけれども、やはりそこについては納得できないなと。
 これ以上は今はちょっとやりませんけれども、じゃあ土地区画整理事業そのものは、どういうものなのか。まず、そこが非常に大事なので、深沢の31.1ヘクタール、今、都市計画決定についての公述をやって進めようとしております。土地区画整理事業そのものは、どういう事業なのか。ちょっと分かりやすく説明してください。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  土地区画整理事業そのものにつきましては、土地の利用の増進と公共施設の整備ということによって、土地利用の増進と適正な宅地の正常化等を図っていくということでございます。全体区域、深沢では約31ヘクタールですけれども、その権利者の方々から公共施設、道路ですとか、雨水調整施設であるとか、公園ですとか、そういったものの公共施設を整備するための種地の部分を減歩としていただいて、公共施設を整理して、区画の正常化を図っていくと。それで全体として、土地の価値の向上を図っていくと。それが市にとって、町にとって、価値を向上させていくというような基本的な考え方としては、そのようなものになってくるということでございます。
 
○26番(吉岡和江議員)  要するに、普通の沿道事業の場合ですと、例えば道路を造るという場合には、立ち退きも含めて、その方たちから土地を買って、移転していただくということなんですけれども、土地区画整理事業そのものは、そこの土地の中にいる方たちが、ある面で市民的な感覚でいけば、ただで土地を出して。ただですよ、市民的感覚ですよ。ただで土地を出して、その土地を公共用地、道路とか公園とか、それから保留地処分といって要するに事業費、今、言っている新駅の第2条第2項で37億円使えるから、鎌倉は4億円で済むといった、その理論の中の一つですが、結局市民にとっては、ただで土地を出して、土地を出さない方はいわゆる清算金というお金を払うということですよね。そういうことでよろしいですか。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  清算金の部分については、そのとおりでございますけれども、ただでというか、結果、公共施設の整備をすることによって、土地の価値の上昇というものが見込まれるわけですから、その部分で言葉が適切かどうかはあれですけれども、相殺というか、そこでイコールになるという計算をして、事業として進めていくということでございます。
 
○26番(吉岡和江議員)  まあ、そうですよね。結局例えば100坪の土地があって、20坪を出したとしても、その周りに道路やいろんなものができるから、土地の価格は変わりませんよと、そういう理論でやっているということは承知しておりますけれども、だからこそそこにいる方たちに、非常に影響が大きいわけでして、そこら辺ではちょっと次の質問に行きますけれども、例えば今、あそこの土地にいわゆる地権者の方たち深沢の31.1ヘクタール、大体地権者がJRや鎌倉などの大規模地権者以外にも、全部で79人ぐらいの地権者がいると承知しております。
 その中で、やはり、今、そういうことでいきますと、例えばいわゆる小さな土地しか持っていない方、前の資料で見ていただきますと、大体半分ぐらいが135平米以下、私道も含めてというのが、今、いろんな資料を見てそこは出てきたんですけれども数字が。ということは、135平米以下の方たちについては、いわゆる減歩といって、土地を削ることをなるべくしないみたいなことを書いてあるんですよ。ということは、では減歩をされない、いわゆる土地区画整理事業そのものは、土地を出して、その土地は非常に価値の高いものだから、変わらないよという原則でやっているわけですけれども、そうしたら、土地を出さない方たちは、最後に清算金を払わないといけないですよね。その清算金というのは、区画整理が終わったときのいわゆるその路線価というんですか、それではかるわけでしょう。で、いいんですよね、そういうことでいいですか。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  今、135平米未満の方々が、約半分ということでしたけれども、減歩によって面積が仮にですけれども、50%の減歩になってしまえば半分になってしまう。そこまでのことはないと思いますけれども、あまり小さな宅地になってしまった場合には、もうその過少宅地ということになってしまいますから、そのようにならないように換地を定めることができるという規定もございます。
 で、清算金の部分については、やはり事業の最終の完結の時点で、路線価等々を見た中で、その土地の評価に基づいて算出されてくると、そこで清算をするということになってまいります。
 
○26番(吉岡和江議員)  ということは、土地が少なくなっちゃうのは嫌だから、後で清算金を払いますよという方たちで、特に小さな規模の宅地しか持ってない方が半分ということですからね。そうすると、清算金が最後の区画整理が終わるときに、これでいくと大体12年後というように、調査報告書で見ると書いてあるんですけれども、そのときの評価に基づいて、いわゆる清算しないといけないという。それが清算金だと思うんですね。反対に土地の減歩率によっては、反対にお金をもらうケースだって出てくるかもしれないけれども、私はずっとこの計画について、平成29年度村岡・深沢地区まちづくり実現化方策検討調査業務委託報告書、これを見せていただいて情報公開で、数百ページに及ぶものですから、なかなかちょっと読み切れないのですけれども、やっぱりそれに基づいていきますと、本当に私の立場は新駅は予定しないで、深沢のまちづくりを市民のためにやってほしいというのがスタンスです。
 そのために、本当に新駅ができることによって、私たち市民にとっていいのかという点で、ちょっと幾つか質問をしたいと思います。
 先ほどのこの間ずっと言っているのですけれども、村岡新駅は、いろいろな藤沢市や県ともいろいろ協議をして、鎌倉は約41億2500万円が負担だと。しかし第2条第2項によって、保留地処分がいわゆる新駅ができると、土地の価格も上がると、だから高く売れると。事業費よりもオーバーして37億円ぐらいプラスになるから、その分は新駅に回すんだとずっと言っていらっしゃる。それで4億円で済むと言っている。本当にそうなのかということです。まず一つは。
 私、深沢まちづくりニュースをずっと読んでいるのですけどね、深沢まちづくりニュース第34号で見ますと、今までのところもみんなそうなんですけれども、果たして、今、計画どおり41億円で済むのかと、41億2500万円で済むのか。今までの調査報告によっても、ずっといわゆる補助金も変化しているし、それから第34号で見ますと、平成24年度の検討結果では、全体事業費が138億円で、国の補助金が33億円、市は33億円、そして今度その後の調査報告によりますと、資材高騰で全体の事業費が138億円から151億円になって、そして国庫補助金が国が19億円、市が20億円となっています。
 それと、これはどういうリスクがあるのかということについて、あまり深沢まちづくりニュースで書いてないのですよ。前にこれは村岡新駅を造るというところで、私たちに報告があったのは、いわゆる島式ホームとか相対式ホームの事業費が99億円と109億円だったのが、そしたら数年後、資材高騰のため、155億円になりましたと全体で。ですから、いろんな面で変化しているんですよ。それなのになぜ4億円で済むと言えるんですか。その辺をちょっと答えてください。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  まず、新駅の負担についてですけれども、設置費用150億円、これは3県市とJRで負担するもの。それから、藤沢市の自由通路の16億円、これは藤沢市でありますけれども、市としましては、27.5%に当たります41億2500万円を負担するということにしております。で、この150億円でございますけれども、これは概略設計で算出された金額でございます。今後令和4年度から基本設計、それから詳細設計と入っていくに当たりまして、これは今も定期的に打合せをやっていますけれども、当然のことでございますけれども、なるべく負担が小さくなるように、縮小できるようにということでの打合せというのはずっと進めてきているところでございます。
 これ以上の事業費になってくるということになりますと、その先ほどのお話がありましたが、全体の事業費を205億円で見ています。それから保留地処分金についても134億円、そこから37億円を新駅に投入して、41億円から37億円で約4億円となっていますけれども、そのフレーム自体に大きく影響してくることもございますので、そうなってきたときには、これ新駅についてどうするのかというのは、額が大きくなってしまえば今後ですね。そういうことがないように、今、JRとともに3県市も一緒になって検討をしているところでございます。
 それから、事業規模がいかんせん百三十幾つというところから、151億円になって、それは単独施行の場合でございますけれども、この場合についての土地区画整理事業への市の負担金というのは約48億円で、一体施行にした場合に、全体の事業費は151億円から205億円へと大きくなりますけれども、その場合は先ほど議員の御案内のありました国庫の補助金、これを19億円と見込んでいたものが、今はその駅を一体で整備するということで、国庫の補助金についても増額が見込まれると、これが約35億円と見込んでおりますので、市の土地区画整理事業での負担額というのは、単独施行の48億円に比べて、一体施行にした場合には36億円になってくると、これは国庫の増額分があるということでございますので、さらに先ほどから御指摘いただいております新駅の4億円と、それから新橋、橋ですね、これについては15億円で約7億円から8億円の負担ということで、これを合わせても47億円ないし48億円ということで、単独施行の48億円とほぼ変わらないというような試算をしているところでございます。
 
○26番(吉岡和江議員)  そんな説明を聞いているんじゃないですよ。それは何回も聞いているし分かりますよ。ただ、そんないわゆる41億円だって分からない。それで37億円を第2条第2項で保留地処分ができるから、だから4億円で済むんだと、どうして、今、そんなことが決定的に言えるのですかと言っているんです。今、情勢の変化もあるし、それから高く売れないかもしれないし、どうして4億円で済むのかと言っているんですよ。やはりその辺は、きちんとそういう計算は幾らでもやっていらっしゃる。でも、そのとおりにならないというのが、今までの実態じゃないですかと言っているんです。違いますか。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  保留地処分金、我々としてはそう見込んでいると、我々というか、鎌倉市だけではないのですけれども、一体施行でございますから、藤沢市とも連携をしながらやっていると。また今年の3月にURとは基本協定を結んでますので、今後の施行に向けてURとの打合せ等々をやっていますけれども、そういう中では保留地処分金については、これは見込んでいく。ただ、これが確実に得られるかという御質問でございますけれども、そうなるように、まちづくりのガイドラインを令和2年、3年、4年と検討を進めておりますけれども、まちづくりのコンセプト、それからブランディング、こういうものについて、また企業誘致に向けても、神奈川県等々とも連携をして進めてまいるということでございます。
 
○26番(吉岡和江議員)  長々と言っても、全然理解できません。もう一つ、税金は今、4億円だって見えるところで言っているけれども、この31.1ヘクタールの中の8.1ヘクタールは、国鉄がJRになったときに、国鉄の債務を解消するということで、8.1ヘクタールを鎌倉市が買っているわけです。ABC用地最後に買ったのが平成19年度ですよ、私調べましたから。結局74億円で買っているんですよ、これも税金ですよ。
 で、さっき言った数百ページに及ぶ報告を見ても、減歩率どのぐらい土地を減らすのかということについては、黒塗りで全然分かりません。肝腎なところはみんな黒塗りになっているから。ただ、前の資料を見ると、合算減歩率というのが大体40%ぐらい。それは書いてありますからね。前の資料ですよ、私はずっと見ましたから。そうすると、いわゆる8.1ヘクタールの清算事業団用地、私たち買っているんです税金で。それを約半分が保留地処分、半分がそのお金として使われた場合には、私たちの税金がそこに使われることになるんですよ。それを売るんでしょう。一部は売るんですよ、全部売るとは言ってませんよ、公共用地にして道路とかそういうのを造りますから。その一部は売るんですよ。売るということは私たちの税金を使うんです。だから4億円だけで済むということ自体を、盛んに市民に言っているけれども、そうじゃないでしょうと、やっぱりそこは冷静に見ないといけない。
 それともう一つ、市民にとって本当に便益があるのかどうかです。これも報告書の中にいろいろ書いてございますけれども、村岡新駅ができることによって、便利さが増して駅に、だからその便益があるんだとおっしゃっている。でも、これずっと調査報告を私、見ましたけれども、便益の関係と地価上昇の内訳表というのがあります。これを見ますと、湘南深沢駅、それから鎌倉でいきますと、大船駅、湘南町屋駅、あと藤沢のも一部ありますけれども、そことの距離で考えているんですよ。
 例えば、市長がお住まいの、腰越地域、そこがどこが一番の近くの駅と思って書いてありますか。普通だったら駅としたら湘南モノレール西鎌倉駅でしょう。西鎌倉駅が一番近い駅でしょう。そうじゃないんですよ、これを見ると湘南深沢駅が近い駅になっているんですよ。それで村岡新駅ができたときの距離がどうなのかというので調べているんです。他のもみんなそうです。まだ藤沢だったら、宮前のほうは駅に近くなるかもしれませんけれども、鎌倉市にとっては湘南モノレールの駅があるのですから、そっちのほうが近いのに、わざわざその近い距離よりも、遠い村岡新駅が利便性があるということで、新駅ができることによって、地価が上がると上昇すると、それで地価上昇するから、結局固定資産税や都市計画税が上がるから、だから便益だといっているんですよ。それが市民にとっての便益ですか。市長はどう思いますか。資料をお見せしましょうか。
 
○松尾 崇 市長  このまちづくりをするということによりまして、周辺の土地の価値の上昇というところは見込んでいるところでございます。その点も含めて、それは市としての一つの便益であるというところでありますけれども、当然市民の皆さんにとっては、その上昇の幅といいますか、その辺が大変気になる部分であると考えるところであります。今後まだ現時点では、詳細にそれが決まってくるわけではありませんけれども、そうした点も含めて、今後まちづくりをしていく中においては、近隣の地権者等々も含めて、そうした情報というところについては、我々もできる限り提供していく必要があると思います。
 
○26番(吉岡和江議員)  例えばで言いますよ。例えば梶原、新駅整備前、湘南深沢駅427メートル、新駅までは869メートル、だけれども地価上昇率は9万9470円上がると、そういう調子で書いてあるんですよ。市民にとっては深沢のモノレール、そして町屋、そっちのほうが近いのに、新駅ができるからといって、地価上昇するから全体として地価上昇することによって、いわゆる固定資産税、都市計画税、それが上がると。それをもって、今、ずっと便益、便益とおっしゃっているのだけど、そういうようにおっしゃっている。市民にとってこれは便益なんですか。駅は遠くなるんですよ。駅だったら、自分だったら、わざわざ深沢の駅から新駅まで行きますか。目の前に深沢のモノレールの駅がある、町屋の駅がある。しかも西鎌倉方面は深沢のモノレールが一番近い駅ということで計算しているんですよ。こんなことありなのかと思いました。便益そのものについても市民にとってどうなのかと。
 それともう一つです。駅を利用する人、この計算でいきますと全体として6万5800人、そして今まで大船駅や藤沢駅や湘南深沢駅を利用している方たちが3万5200人、新たにそちらの深沢駅を使わないで、新駅を利用するという計算、それが3万5200人です。その中にはちょっと細かいことまで言いませんけれども、要するに遠いところの方たちも入ってて、本当に行くのかなというようなところもいっぱいあります。で、便益の中には、例えば横浜市戸塚区とか、栄区からも新駅を利用すると書いてあるんですよ。そういうのも含めて全部で6万何千人になっているんです。これが本当に正しい数字なのかという点では、市民感覚からいってもやっぱり近い駅を利用しますよ。そうじゃないですか、部長どうですか。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  村岡新駅の便益のところでございますけれども、これにつきましては、国土交通省が作成をいたしております鉄道プロジェクト評価手法マニュアル、これに基づいて算出をしているところでございます。今、議員から御質問がございましたけれども、その便益の検討におきましては、目的地までの総所要時間の短縮、それから交通費用の減少、それと乗換え利便性の向上、さらに最寄り駅までの時間の短縮、こういった4項目による比較検討を行って、便益比というものを出しております。ですから、湘南町屋駅ですとか、湘南深沢駅の利用と新駅を比べたときに、例えばですけれども、東京方面に行かれる場合に、モノレールを利用していた方が大船駅で乗り換えて行かれるという、その乗換えの時間等とその利便性というものが、新駅を使うことによって、東海道本線で乗換えなしに東京方面のほうに、大船の乗換えなしに行けるというようなことも、これは便益として見ています。そういったことは、この評価書マニュアルに基づいて算出をしてきたものでございます。
 
○26番(吉岡和江議員)  そんなこと分かってますよ。それはいろいろ基づいてやっているのは。でも市民の感覚からいったら不便になっちゃうのですよ、むしろ目の前の深沢のモノレールや町屋の駅を利用したほうがよっぽどいいですよ。大船に行ったからといって1本で行けるじゃないですか。東海道線だろうが何だろうが。
 それともう一つ、じゃあ本当に市民にとって、特に区画整理の関係者にとってはどうなのかということです。土地の中に住んでいらっしゃる方は、土地を売る方はそれは高く売れたほうがいいかもしれない。だけれども住んでる方にすればどうなのかということです。今、前の計画では平成16年の新しい深沢のまちづくり計画におきましては、深沢のモノレールとかが一番近い距離の駅でした。
 しかし今回の調査では、いかに新駅を使わせるためにどうしたらいいかということで、多分、私、鉛筆なめなめやっていたのかなと思っちゃうぐらい、この計算が市民感覚とずれている。では、区画整理の中の人たちはどうなるのか。さっき、規模の小さい宅地のことを私申しましたけれども、その場合にはいわゆる減歩がないとすると、清算金で払わないといけないと、その清算金は土地が高くなれば清算金は多くなるんですよ。そうじゃないのですか。そういうことで土地区画整理法というのが成り立っているのでしょう。そうじゃないですか。
 だから近くの方たちにすれば住みづらくなる。むしろ。平成16年の計画のときには湘南深沢が一番近い駅でしたから、そこからすれば、今度は地元のそこに住んでいらっしゃる方が換地計画の中では、要するに町屋に近いところに移動される計画になっていますね。今の住民の方たちですよ。多くの住民の方たち、75世帯ぐらいの方たちかな。換地では町屋方面のところに換地されて移動させるという計画になっていますよね。それはそうなっていますよ。そうすると、村岡新駅に近いところに行くのですよ。だから土地の価格もすごく高くなれば、それだけ清算金、最後の清算金を払うのも高くなるんですよ。そうじゃありませんか。私は、果たして本当に市民のためになるのかという点では、私はどうなのかということをずっと思います。
 それと、じゃあ交通問題はどうなるのか。私はまちづくりというのは市民にとって、やはり継続的なまちづくりでなければいけないし、ほかの地域と特別な町ではなく、やはりつながっている町になってほしいと思っていますし、深沢のまちづくりが市民にとって、平地としては残っているところがないんですから、本当によい利用になってほしいというのはずっと思っております。
 そのときに、新駅ができたとしても、例えば市役所が移転するという計画がございますけれども、市役所に行く人が新駅を使いますか。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  今、市民がアクセスをするときに、市役所、移転をした庁舎に行くときにどうか、ということでございますけれども、これについては繰り返しになりますけれども、新駅の便益というか、先ほど6万5800人ということもありましたけれども、それは人の移動というものを考えていったときに、算出をしているものでございます。もちろんモノレールで行かれる方もいらっしゃると思いますけれども、新駅を使って、また、今、具体的にどういったものというのは示せてはいませんけれども、今後将来に向けては、湘南深沢駅と村岡の新駅とをつなぐ二次交通というものも、当然検討していかなければならないと思ってますし、そういったものがお示しできるときには、その新庁舎、新しく整備する市庁舎に、新駅を使っていかれる方という方も当然おられるんじゃなかろうかと考えます。
 それと、先ほどから保留地処分金の清算金の話、過少宅地の話と御質問をいただいていますけれども、これについては一つ、先ほどはちょっと申し上げられなかったのですが、この令和5年から土地区画整理事業については、仮換地の作業に入る予定でございます。その後、換地指定をしていきますけれども、具体的に金額についてはこれは申し上げられませんけれども、これまでも権利者の方々からその宅地の面積がどうなるんだ、それから清算金のことがどうなるんだというような、御不安の声はいただいておりますので、実際に令和5年から仮換地指定を行っていく中で、それらの御不安な点についても解消を図っていきたいと考えております。
 
○26番(吉岡和江議員)  質問に答えていただきたいのですけれども、使いますかと。普通はみんな使わないでしょう。市民感覚でいったってそうでしょう。市役所を移転する場所というのが、どっちかというと深沢のモノレールに近いですよ。じゃあ、今、新駅との関係では、交通政策も細かくいろいろやってますけれども、シンボル道路が20メートル、そこには歩道が3メートル、たしかかなりゴージャスな道になりますよね。じゃあ、深沢のいわゆるまちづくりにとって、交通問題はどうなのか。その検討が本当にされていないと思うんですよ。市役所に来るにしても、深沢のまちづくりという点で、新駅との関係じゃないですよ。私たち市民感覚でいったらどうなのかと、そこの検討はどうなっているのですか。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  申し訳ありません。御質問は深沢に本庁舎を整備したときに、その新駅との関係ではなくて、鎌倉市内の地域の中での、市民の方々のアクセスについてどう考えているかということでよろしいでしょうか。
 これにつきましては、今現在鎌倉駅に近いこの場所に、市役所の本庁舎があるわけですけれども、かつてこの本庁舎整備を検討していく中で、人口重心ということも申し上げてきたと思います。深沢から例えば腰越ですとか、玉縄、大船、また鎌倉もそうですけれども、全市の中でアクセスということで考えていったときには、改善がされるのではないかと考えております。また、鎌倉地域の方々が本庁舎が、今、ここにあるのが、深沢に移転すると、そういったときに、どういうような足が必要なのかということの御意見もいただいております。そういった中では、具体的にはバスの再編も必要ではないかというような質問もかつていただいておりますので、こういったことについても検討を進めてまいりたいと考えております。
 
○26番(吉岡和江議員)  まだ検討してないということですか。今、やるべきは村岡新駅との関係でシンボル道路を造るとか、そういうことはそれはそれで、もちろん区画整理の中の事業ですから、どの幅の道路を造るかというのはありますけれども、やはり私たち市民にとって、じゃあ深沢のまちづくりをどう利用するのか、そのために交通問題はどうなるのか、そこが本当に見えてこない。同僚議員も質問をされていたので、時間もないのでこれは突っ込みませんけれども、やはりそこがもう一つありますよね。
 それともう一つ、今、この時期に大型事業をいろんなことをおっしゃっているけど、本当に、今、進めることが、特に村岡新駅は私は要らないと思っているのですけれども、それだけのお金があるならば、ほかのものに回してほしいと思います。一つ、これは実現化の検討の中で、専門家の方たちの中でおっしゃっていたのだけど、やはり今、人口減少時代に、例えば、深沢のところには、約3,000人ぐらいの人口を増やそうという。そのためには、31メートルですか、高さがどのぐらいかというのは、これから決めていらっしゃるのでしょうけれども、そうすると何棟かできると。
 その場合に、大体同じよう人たちが入ってきた場合に、やはり、ほかの地域も山を崩して大きな団地をたくさん造りましたよね。あちこちに。その中でやっぱりいろんな問題が出てきている。それと同じように、多摩ニュータウンの話もそのときにされてましたけれども、同じくらいの人たちが同じように集まってくるということになった場合のリスク、この中にはそういうリスクがないんですよ。例えば16億円税収が増える、増えると言っているけれども、その増え方の問題は先ほど指摘しました。本当にそうなのかという点で、利便性があるのかという点でも。
 ただ、その場合には出ていくお金のことも考えないといけないのではないか。そういうリスクについては何の検討もないし、何も示されていない。じゃあ、人口が増えたときに学校はどうなのと、保育園とかはどうなのと、ほかの施設はどうなの。それから1回道路は造ればその後、道路の修繕もしていかないといけないのですよ。そんなに20メートルの歩道と植樹帯、たしかいろんなすばらしい道路なんですよ。そういういわゆるリスク、出ていくお金についての検討はされているのですか。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  深沢地域への新たな人口といたしましては、約3,000人程度、2,000人ないし3,000人と、定住人口を見込んでいるところでございます。で、かつての高度経済成長期の住宅団地が多く造成されて、鎌倉だけではないですけれども、一時期に同世代の方々が多く住まれたと、その方々が、今、高齢化ということで扶助費の増大というものがあって、そういったコストについてどうかという御質問だと思います。
 この約3,000人の方々が新たにお住まいになられた場合に、その居住者の方々に対して必要な行政サービスの提供、これについて一定のコストが発生するということは、当然あるということは認識はしております。子細に検討したということではございませんけれども、その新たな人口増によるコスト、大きい小さいということは、これはやはりお住まいになられる住民の方々の属性というのですかね、そういったものによって異なってまいりますので、簡単に想定できるということではないと思いますけれども、一つ仮に市の歳出の中で大きな割合を占めています扶助費、扶助費といっても様々ありますけれども、子育てから高齢者への対応等とありますけれども、仮にこれを本市の一般財源負担額、これで考えていった場合に、本当に概算のものでございますけれども、1人当たり約2万7000円ということで、仮に3,000人と仮定した場合には、年間約8000万円の負担ということになるので、先ほどから、従来から申し上げています、年間約16億円の税収増というものと比較した場合には、これは税収のほうが大きく上回ってくると考えています。
 
○26番(吉岡和江議員)  それは一部のことだけですよね。様々なリスクを考えなきゃいけない。一度、それと今、ほかの地域でどうなっているのかと、例えば横浜市の例です。横浜MM21地区開発、これは昭和58年の11月から今まで、既に38年たっていますけれども、いまだに本格実施されているのは90%、そして市の買収価格の半分でしか売れず、市民の税金が結果として使われています。さっきの4億円なんかで済むというんじゃないんですよ。売れなければもっと大変なことになるんですよ。例えば横浜市西区みなとみらい六丁目60、61地区、これはまさに市が買ったお金の半分でしか売れていない。結局は市民に負担がいっているんです。
 辻堂駅前の大規模開発、これについても、いわゆるシークロスと言われているところですね。そこは周辺の商店は寂れていると、テラスモールの専門店も出入りが激しいと。人口増による小学校のマンモス化、事業系ごみの大幅増加、整備も迫られていると、それでリスクも結局そこの入居者のところも、かなり出入りが激しいということも聞いております。
 こういうリスクも、今、昔のようなバブル期のように土地がばっと上がっている時代と違って、それによる成り立ちなんですよ。高く売れるから、だから保留地処分金も増えると、新駅ができるとそれが高くなるんだと言うけど、そんな簡単なものじゃないんじゃないですか。やっぱりそこは、きちんと私たちにはばら色のように言うけれども、きちんとしたリスクと冷静な今の時期対応が、私は求められていると思います。それについては、最後に聞きます。
 それと、やはり町というのは市民に貢献するようなものでなければいけません。今、深沢のまちづくりは防災部会や何かのことで、市役所ができるということはあるのでしょう。防災拠点にするということで、いわゆる100分の1確率の水害対策をやるということで言っておりました。その中では、特に100年に一度の302ミリに対応するために、特に柏尾川沿いの多分ガソリンスタンド付近だと思うんですけど、そこが一番低くて、そのときには洪水になるんじゃないかという絵になっていると。ですから盛土をするとおっしゃっている。そこの100分の1確率のときは、そこだけは水害にならないとおっしゃっているんでしょうね。ただ、下水道、雨水、いわゆる鎌倉の計画は10分の1確率です。そうしたら、雨水の計画は鎌倉の10分の1確率の57.1ミリでやるとおっしゃる。
 私はそれについては理解ができないので、これ以上ここはやりませんけれども、少なくとも、今、第2条第2項の保留地処分に使うのだったら、新駅に使わないで、もしもですよ、事業費それなりに売れたのだったら、私は地域に貢献するということでいけば、今、貯留槽、雨水のためるところを造ると、たしか8,500平米の土地をそこで確保すると。市の説明によれば1万2000立米のそれを造るといっているんです。それだったら、もっと地域に貢献するためには、例えばグラウンドとかありますよね、公共用地のところ、そういうところに、新たに保留地を計画するぐらいの気持ちでやっていただきたいと。やっぱり市の深沢のまちづくり全体に貢献するというんだったら、もちろん深沢地域だけじゃないですよ。あの土地は非常に大事な土地なので、鎌倉全体に貢献してほしいと思ってますけど、そういう水害対策はできないんですか。
 特定河川柏尾川は、境川の支流で特定河川のいわゆる特別地域ということになっていますよね。そのためには、今、柏尾川は大体時間雨量60ミリ対応の整備を、30年かけてやるということでやっております。それも10分の1確率ですよ。今、雨が異常な降り方をしますから、それが少しでも流れていかないように、水害被害を防ぐためには、特定河川のその貯留槽をもっと造るという必要が私はあると思う。そのためにそこが利用できないのかと、そういう検討はすべきじゃないかと、周りの水害を防ぐためにも。そこだけ助かればいいわけじゃないじゃないですか。周りのところがどうなるのかというのはすごく大事だと思うんですが、いかがですか。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  近年ですね、大雨による洪水の被害というのが、先の6月のときにも述べさせていただきましたけれども、ここ10年ずっと続いております。そういう経過の中で国においても、100分の1確率から1000分の1確率の場合はどうかということで検討をして、数値が出てきていると、100分の1については302ミリと、1000分の1は632ミリということでございます。また、境川流域の柏尾川についての御案内もございましたけれども、雨水貯留機能につきましては、約1万2000トン、これを土地区画整理事業の中では整備をいたします。で、さらに土地区画整理事業が終わった後の基盤整備が終わった後の2次開発、具体的にはそれぞれの街区で建築物等々が建ち上がってくる場合には、その地下の部分にさらにこの倍の約1万2000トン、合計で、今、2万4800トンの雨水の貯留の量を確保しようというように考えております。
 で、公共施設街区のグラウンドの辺りに、例えば雨水の浸水に対する調整地的な機能を持たせられないかということでございましたけれども、現実には鎌倉市ではないですけれども、そういった大雨時には雨水貯留機能を持たせるようなグラウンド等の整備というのは、他市においてなされているところはございますけれども、この深沢の場合にあっては、先ほど申し上げました合計で、今、見込んでおりますのは、2万4800トン、約2万5000トンでございますけれども、この貯留機能を持たせることで、周辺へ負荷というものは生じないように設定できているというように計算しているところでございます。
 
○26番(吉岡和江議員)  そんなことは分かっていますよ。建物を建てるときに、その下のところにも、そういう貯留の機能をつけようという、2万4000立米をやろうというのは分かっていますよ。だけれども、今、やはりそこの深沢のまちづくりだけがよければいいわけじゃないです。やはり周りのこの間公述した方たちも、やはり水害対策とか防災対策に対しては心配されてましたよね。それは当然だと思います。今、本当に相当ひどい雨が降っている。57.1ミリどころじゃない、1時間雨量を超えるような雨が降って、57.1ミリ以上になれば内水氾濫が起こるわけですよ。実際に柏尾川が氾濫するということは今までずっとなかったですよ、私が聞いた中では。むしろ氾濫はしないけれども、水が飲み込めないから結局内水氾濫をしているというのが、今、実態ですよ。
 ですから、そのために、特定河川の場合は、それぞれの地域で貯留槽なり、なるべく今度もそうじゃないですか。JRの跡地もほとんどが土ですよね。ですから周りのところに水害を防ぐためにも、新駅を造るんじゃないですよ。やっぱり市民のためのまちづくりになってほしいという点では、もしもですよ、余ればの話ですよ、何もそれ高く売れとか言っているんじゃない。それは事業費の中でありますから。そうだったら、そういう問題に積極的にやっていくべきではないかと、市民に貢献できるようなまちづくりにしていくべきではないかと、そういうことを申し上げているのです。
 その点については、やはり担当としてみれば、水害対策、今は平成20年につくられた下水道の浸水の計画、それでいきますと重点河川というのですか、そこはやっと大塚川と新川だけが、今、進み始めている。あとのところはまだ全然計画さえないんですよ。何もない、やらないといけないと言っていたけれどもない。そういうところにこそ、今、お金を使うべきだし、深沢のまちづくりという点では、そういうところに私は使うべきだと、新駅はやめるべきだと思ってます。
 それ以上は答えがないので先に進みますけれども、今、新駅が消えてはずっと出てきているのですけれども、最初は、最近までは武田薬品研究所を誘致するということで、新駅構想はわっと盛り上がって、そうしたら武田ができた途端に7年後には、武田の名前もなくなっちゃって、アイパークになっちゃいました。昨年はそれも信託で売ってしまった。ですから、いわゆる企業の業績や何かが全部影響していろいろになっているんですよ。でも、アイパークや県知事がいわゆるヘルスイノベーションとかと言っています。そこには健康づくりとかいろいろ言っています。
 じゃあ、なぜ鎌倉は、深沢地域に保健医療福祉センター的な構想があったのに、それを造らないのか。今こそ市民のためだと言うなら、どこかの企業のためではなくて、市民のためにそういうところを考えるべきじゃないかと、改めて思うんですがいかがですか。
 
○田中良一 健康福祉部長  ただいま議員の御指摘のございました、市民の健康づくりの拠点となるようなものにつきましては、一定の機能は必要であるというように考えております。深沢のまちづくりを進めていく中で、市民の健康増進を図るための必要性や優先度の高い機能を選定しまして、スポーツ施設など、他の機能と合わせて配置をしていきたいと考えております。具体的には、幼児の検診の会場、あるいは未病センターのほか、健康づくりや食育に関する普及啓発の展開できるようなスペース、こういったものが考えられますけれども、面積や機能の詳細につきましては、今後スポーツ施設など他の機能と合わせて、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
 
○26番(吉岡和江議員)  せっかく平成16年度の新しい深沢のまちづくり計画の中には、市民にとって保健医療福祉センター、市民のためのまちづくりに少しなっているんだなというイメージがあったのですけれども、今は何もなくなっちゃって、その看護大学構想がなくなってしまって、そして、今、あるのはやっと公共施設では、市役所、じゃあ、ウェルネスに代わるようなものというのは、さっき言ったそのイノベーションとか、いろいろ言ってますけれども、私たち市民的な感覚からいったら、研究は必要だと思いますよ。将来にわたってのロボットだとか、いろんな研究は必要だと思いますけど、だけど、その研究の一番の恩恵を受ける、いわゆる旧武田研究所、あそこは区画整理の中にも入っていない。武田はインベスト神奈川で80億円の私たちの税金を使いますから来てくださいと言って、実際にはもう7年で研究所機能が縮小されちゃったので、結局66億円でしたかね、4500万円ぐらい。それでも県からお金を出している。それから藤沢市も固定資産税を10億円まけている。
 それでJRの駅にしても藤沢市の税金で買い戻している。貨物駅跡地も湘南、たしか東部地区区画整理組合の中から保留地として生まれたものですよ。だから市民は自分たちが造った、自分たちの土地を使って造ったのに、17年でもう貨物駅がなくなってしまったと。だから活用してくれというので請願を出した。それが昭和61年ですよ。その請願も根岸線でした。根岸線の延伸でした。それがなくなって、結局いつの間にか東海道線になった。それをまた市がたしか42億円ぐらいで買っている。
 だからJRや武田には至れり尽くせりなんですよ。本来なら民間だったら民間の努力をしないといけない。武田は恩恵を一番受けるのに一切お金を出さない。むしろ出さないどころかもらっている。で、今どんな状況になるか分からない。昨年は全部信託で売ってしまった。借りている、20年間の約束で借りている。そういうところには熱心でね、市民の立場でいけば、早く健康づくりその拠点をつくってほしいと、最初はその計画だった。それも今はなくなってしまった。誰のためのまちづくりになっているのかと言わざるを得ないんですよ。そういう点で市長に伺うのですけど、今まで私は本当に市民のためなのかと新駅が。利便性だ、何だと言っているけど、実際に便益も全然違いましたよ。深沢のモノレールのほうが近いのにわざわざ新駅との関係で。
 
○議長(中村聡一郎議員)  吉岡和江議員に申し上げますけれども、質問時間が1時間を超過いたしましたので、御協力をお願いします。
 
○26番(吉岡和江議員)  はい。最後のところはやっぱり、市長、今の時期はやめるべきだと私は思うんですよ。その辺の決断はできませんか。新駅ですよ。
 
○松尾 崇 市長  新駅を伴いますこの深沢のまちづくりにつきましては、将来的な税収効果など、本市の持続的な自治体経営を下支えする未来への投資であると考えておりますので、着実な推進を進めていきたいと考えております。当然こうしたコロナというような中、しかも社会情勢の変化というところは、十分とそうした変化を柔軟に受け止めながら、市の財政環境にも留意をして、様々な国庫補助など、特定財源の確保や事業費の圧縮というところも図りながら、可能な限り市の負担額というのも削減しながら、こうした新駅を含む深沢のまちづくりを着実に進めてまいりたいと考えております。
 
○議長(中村聡一郎議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                    (10時32分  休憩)
                    (10時45分  再開)
 
○議長(中村聡一郎議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、竹田ゆかり議員の発言を許可いたします。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  それでは通告に従いまして一般質問をさせていただきます。鎌倉かわせみクラブの竹田ゆかりでございます。よろしくお願いします。
 タブレット上は1から5まで項目があるのですが、原局にはお伝えしてありますけれども、4番と5番を入れ替えさせていただいておりますので、よろしくお願いします。最後がプールの項目になりますので、よろしくお願いします。
 さて、1番ですね。育ちを保障する障害児保育についてということで伺ってまいります。
 鎌倉市では、民間保育園や認定こども園等々に障害のある児童が入園した場合、児童の処遇向上のためとして補助金を交付しています。この補助金額については2018年に補助金交付基準の一部改正が行われました。その改正された補助金交付基準では、仮に重度の障害のある児童を民間保育園が受け入れる場合、1人につき、月額7万7000円を補助するとしていますけれども、この月額はどのように算出されたのでしょうか。算出根拠について伺います。
 
○藤林聖治 こどもみらい部長  本補助金につきましては、平成6年度から交付しておりまして、平成30年度、2018年には補助単価の増額改定を実施しているところでございます。その際、重度の障害のある児童1人につき、正規職員を1人配置できるようにするため、平成29年度の国の賃金構造基本統計調査で示されました保育士の給与月額に、鎌倉市補助金等に係る予算執行に関する取扱要綱に基づき、3分の1を乗じた金額をベースに、最終的に7万7000円を補助単価と決定したものでございます。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  分かりました。そうすると、例えば重度の障害のある児童が民間保育園に入園した場合は、その児童には今のお話にあるように、常時保育士をつけることになりますが、その際民間保育園にはその費用として、今、述べました毎月補助金7万7000円が支払われ、それだけではなくて障害児を受け入れた際には、委託料に加算される額を合わせた約13万円が入ることになります。
 しかし、一方、公立の保育園の場合は、週5日間勤務する保育スタッフに、市は月額19万円から20万円の報酬を支給していると伺いました。このような公立保育園と民間保育園で金額の差があると、公立保育園に入所をする障害児と民間保育園に入所をする障害児と、処遇格差が生じるのではないかと非常に心配になります。2020年2月定例会において同僚議員の質問に、今後補助単価の引上げについて検討をすると市長答弁されています。1年半が経過しました現在どのようになっているのか伺います。
 
○藤林聖治 こどもみらい部長  先ほど申し上げたとおり、本補助金については、平成30年度に補助単価の改定を行いましたが、その後も近隣市が交付している障害児保育に係る補助金と比較しまして、本市の補助単価は少ないという状況にあることは、認識しているところでございます。そのような状況を踏まえまして、安定的な障害児保育を実施するためにも、現在、来年度令和4年度に向けまして、補助単価の引上げができないか、具体的な検討を行っているところでございます。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  検討していただいているということを、今、確認させていただきました。実は厚生労働省がホームページに掲載している資料では、近年発達障害等々の障害のある児童が非常に増えてきていることが分かります。そのような状況を考えると、今後、民間保育園が障害児を受け入れることで、人件費の支出が増え、運営が厳しくなるんではないかと心配されます。公立保育園であっても、民間保育園であっても、子供にとっては等しく育ちが保障されなければならないと考えますが、市長はどのようにお考えでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  御指摘のように公立保育園、民間保育園にかかわらず、保育園に通園する児童につきましては、等しく育ちが保障されるべきであると考えます。障害のある児童を含めて全ての児童が安心して保育園で過ごすことができるように、市としてもできる限りの対応をしてまいりたいと考えております。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  鎌倉市補助金等に係る予算執行に関する取扱要綱、この第6条第1項では、市長が認めた補助事業等に要する経費の額の3分の1を超えない額の範囲内とするとなっているわけですね。ですから、見直しが行われても、なおまだ3分の1を超えることはできない状況にあるわけです。しかしこの第6条第1項にはただし書がついています。特に市長が必要と認めたときはその額とすると、そういうように規定されています。つまり、市長の判断で交付基準を超えて補助することが可能であるということではないでしょうか。鎌倉市における障害児が公立保育園においても、民間保育園においても、その子の育ちが等しく保証されること、市長もそう考えていらっしゃるということであるならば、積極的に障害児保育に係る補助金の補助単価の見直しをしっかりと後押ししていただきたいと思います。確認です。いかがでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  先ほど担当部長も答弁をさせていただきましたけれども、現在この補助金の補助単価の引上げについて検討しているところです。障害のある児童がその通園する保育園によって、処遇に差が出ないようにしっかりと検討を進めてまいりたいと考えます。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  よろしくお願いいたします。鎌倉市には公立保育園が5園しかありません。しかしながら、障害児は年々増えていく中、公立だけで受け入れることには限界があります。今後さらに民間保育園が障害児を受け入れる人数が増えれば、民間保育園の運営が逼迫してくる可能性が十分にあります。障害児を受け入れる保育園が減っていくのではないか、民間保育園が減っていくのではないかと、非常に危惧されます。鎌倉市の障害児保育が全ての子供にとって育ちを保障するものとなるよう、補助金単価の見直しをしていただけるよう、よろしくお願いいたします。
 次は2項目めに入ります。議員になってからずっと私は発言し続けております。特別教室空調、普通教室からスタートしたのですけれども、要は空調設備設置、いつもは空調設備設置についてと書いておりましたけれども、今回は早期実現に向けてと、もうむき出しの気持ちを項目の表題にさせていただきましたのですけれども、現在、大船中学校を除いて、残り24校の理科室、家庭科室、技術室、図工室、美術室、多目的室等々の特別教室への空調設備設置は進んでいません。私が初めて一般質問で学校への空調設備設置について取り上げたのは、議員になった年、2013年9月定例会です。当時の市長答弁は、校舎等の老朽化対策など課題が山積していると、児童・生徒の健康管理や学習環境の整備は重要だが、ここに「だが」、次に、財政状況や優先度を考慮する必要があると、そういう答弁でした。その後普通教室への設置が進み、図書室への設置が果たされてきましたけれども、特別教室への空調設備、今、申し述べました理科室、家庭科室、技術室、図工室等々、多目的室も含めていまだに設置されていません。この間私は学校現場の悲痛な声、特別教室を使用するたびに生じる子供たちの熱中症に近い症状、頭が痛い、吐き気がする、くらくらする等々の様子をこの場で伝えてまいりました。
 2020年12月定例会では、財源が限られている中で、何を優先するのか検討しながら進めていると、つまり8年前とほぼ答弁に変わりはないのです。そして、とうとうこのようなやり取りが繰り返された結果、昨年度の文部科学省の調査で、鎌倉市の特別教室空調設備設置率が神奈川県内33市町の中で31位となったわけです。今年の横浜気象台の観測1日の最高気温7月平均、何度であったか市長は御存じですか。御答弁はいいですけれどもね。平均が今年1日の最高気温の7月平均が30.6度だったんですよ。平均ですよ、これね。ちなみに松尾市長が中学2年生であった年の7月の最高気温平均値26.1度ですよ。4.5度低いのです。それだけこの間気温が上昇してきているんですよ。
 で、市長はまさか、この御自身が中学校時代に学ばれたときに26.1度だった。だから我慢できるだろうと、そういうふうに思われませんよねと、私は思うんですけれども、いつかの質問のときに、市長は、私は暑いのは苦手じゃないと、そうおっしゃった。私はすごくショックを受けましたよね。私は暑さは苦手ではありませんよと、そういうことで鎌倉の子供たちの学習環境を判断されたら困るなと思ったわけです。ちなみに市長の母校をはじめ、鎌倉市内の全ての私立の小・中学校全部電話をかけさせていただきましてね、特別教室に空調設備は入っていますか、当然ですと、入っていますよと。体育館も入っていますよと、そういうふうな、体育館については半数でしたけれども。そういう状況ですよね。
 一方、教育委員会が9月1日に、保護者向けに出したコロナ禍における鎌倉市学校継続ガイドラインの中では、具体的に理科室での感染症対策方法が示されていました。実験や観察をするときはマスクを着用し、近距離で活動しないと書かれていました。コロナ禍にあるわけだから、これは当然と言えば当然なんですけれども、空調のない理科室で夏場にマスクをして実験観察をする。私が先ほど紹介しました理科の授業を終わって出てくると、これ理科の中学校の先生から聞きました。頭が痛いと保健室に行く子が、毎回行く子が何人かいると。吐き気がする、くらくらすると言って、理科室帰りには保健室に寄る子が多いという話、これね、コロナの前ですよ。コロナ禍の前からこういう状況であって、そして、しかしながらコロナ禍だからマスクをしてくださいねという話なわけで、私はこのガイドラインを見たときに、大丈夫かと考えるだけで頭がくらくらしましたけれども、何かこの命の危険さえ私は感じますよ。
 で、話が変わります。8月20日に発表されたユニセフの報告書では、気候変動は子供たちには全く責任がない。しかし一番その影響を受けて苦しめられているのは子供たちです。そう報告書に書かれていました。鎌倉市においても同じなのでしょうが、大人は空調の入った部屋で執務に当たる、市長もそうですよ。子供は空調のない部屋で、今なお勉強を強いられていると、学ぶという子供にとって、もっとも大切な権利を享受する場である学校において、鎌倉市の子供たちはいまだに暑くて耐え難い特別教室で、学ぶことを強いられている。文部科学省のいう令和のスタンダードに、鎌倉市は置いてきぼりになっているのではないでしょうか。このような状況を教育長はどのように感じていらっしゃるのでしょうか、伺います。
 
○岩岡寛人 教育長  暑い時期の授業については、学校において常に健康観察を行い、児童・生徒の健康管理には留意しているところではございますけれども、とはいえ、猛暑という近年の気象状況から特別教室が暑く、やむなく普通教室を使わざるを得なかったり、暑くて授業に集中できないという児童・生徒がいる場合があるということについては、認識をしておりまして、実際に学校に訪問をした際にも、子供たちからそのような声も聞くところでございます。教育委員会といたしましては、少しでも快適な教育環境を整えてあげたいとの思いを持っているところでございます。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  教育長の思いはしっかりと受け止めさせていただきました。その子供たちの状況を、学習に集中できない、そういう状況を理解していただいて、それに対する取組をしていかなければならないということについては、認識をいただいたということを受け止めさせていただきました。
 鎌倉市では、GIGAスクールの推進は他市に先んじて、実はどんどん進められています。その肝とも言える電子黒板、教育長も絶賛されている。私もすばらしいなと、学びが広がるなと、学習に深まりが出るなと私も認識しているところです。例えば教育長もおっしゃっていた手元を映し出せる電子黒板、その電子黒板は特別教室にも配置されていますが、暑いさなかまともに使えない状態です。特に理科室は手元を映し出す顕微鏡の操作、ガスバーナーの栓の開け方、スライドグラスにカバーグラスをどう乗せるか、これは常に子供たちに集まって来てもらって、班ごとに、そしてやって見せる。しかしこれが電子黒板があれば、もう一目瞭然で分かるんですね。ですから本当に、有効な学習道具であるなと私も認識するところです。しかしながら、今、現在鎌倉市の特別教室において、家庭科でもそうです。使えない、暑いさなかはまともに使えない状況にあります。
 そんな様々、今、述べさせていただきましたけれども、現在理科室、家庭科室、美術室等々、特別教室への空調設備設置、実は重点事業には位置づけられていないのですが、コロナ禍であるという現状、猛暑という近年の気象状況を考えると、もう早急に設置するべきと考えますがいかがでしょうか。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  特別教室の冷暖房設備につきましては、議員御紹介いただいたとおり、これまで音楽室、職員室等の管理諸室、コンピューター室、さらには普通教室、図書室など順次計画的に設置をしてきたところでございます。近年の猛暑という気象状況を踏まえますと、快適な教育環境を確保する観点から、冷暖房設備の重要性は理解しているところでございますが、老朽化に伴う維持管理や各種設備の更新などを計画的に行いつつ、併せて設置に向けた取組を行ってまいりたいと考えております。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  設置に向けた取組を進めていきたいと思っているということを、確認させていただきました。で、これ具体的な話になっていくのですが、今後特別教室に空調設備設置するとしたら、市としてどのような事業手法が一番可能性があると考えていらっしゃるでしょうか。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  まだ基本的に事業手法を決定しているわけではございませんが、あくまで仮定ということで、現在検討している状況の中では、令和2年度に実施いたしました図書室の冷暖房設備の設置に際しましては、設計、施工、管理、検査等を一括して委託する事業手法を採用しておりまして、国庫補助の活用なども踏まえて、コストの最適化が図れる場合には、同様の事業手法ということを今現在考えているところでございます。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  これトイレの工事のときと同じ手法でしょうかね。デザインビルドと一括に委託するというやり方だと思いますけれども、これ特別教室に空調設備を設置する場合の工事費用は、約20億円と試算されていると聞きました。国庫補助である学校施設環境改善交付金の補助率が7分の2ですけれども、補助を受けることを前提とした場合、市の持ち出しはどのくらいになるんでしょうか。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  工事を伴う冷暖房設備の新設や更新に要する経費等につきましては、学校施設環境改善交付金の対象となりまして、本市のように財政力指数が1を超える地方公共団体の補助率は、議員が御紹介いただいたように7分の2でございます。交付金の算定につきましては、事業費に対するものではございませんで、交付要綱というものが定められておりまして、その規定により算出された配分基礎額に補助率7分の2を乗じ、規定に基づく事務費を加えて算出するため、例えば、今、言われたように事業費を20億円と想定した場合、国からの交付金額は約1億5500万円となります。ということで、残りの18億4500万円は市の負担という形になります。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  単純に7分の2をそのまま掛ければいいという話じゃないということが、今のお話で分かりました。18億4500万円となると、この空調設備の設置に多額の費用が見込まれるということが分かったわけですけれども、こういう場合にはやっぱり地方債を発行することで、必要な財源を補うことができるわけです、この学校施設環境改善交付金を受けて、空調設備を設置する場合の地方債充当率はどのくらいになっていますでしょうか、伺います。
 
○内海正彦 総務部長  特別教室の空調設備設置に対する地方債充当率でございます。国からの交付金などの特定財源を除いた市の負担額に対しまして、75%となっております。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  75%までは市債が発行できますよと。そうすると先ほどの18億4500万円に残りの25%、0.25を掛けると、ちょっと今すぐ計算できないのですが、大体4億5000万円ぐらいなのでしょうかね。4億5000万円、これで25校の子供たちが大船中学校の子供たちと同じように、私立の学校の子供たちと同じように、猛暑のさなかでも健康を害することなく学習に集中できる。そういう環境が整うわけですよ。
 実際に今現在金利も安くなっている、相当安くなっていますので、伺うところによりますと、市債の発行どきであるとも聞いております。そこで改めてなんですけれども、現在の鎌倉市一般会計の市債残高、近年の市債残高の推移はどのようになっているのでしょうか。これ1点目。それから、また地方債現在高比率と実質公債費比率について、県内他市との比較を伺います。
 
○内海正彦 総務部長  令和2年度末の一般会計の地方債残高は、約334億円となっております。市債残高の推移でございますが、直近10年程度で見ますと、おおむね10年前の平成23年度が424億円、おおむね5年前の平成28年度は385億円、直近の令和2年度末につきましては334億円となっております。
 なお、令和2年度の地方債現在高比率は92.29%、実質公債費率は1.1%となっており、いずれも県内の市の中では2番目に低い水準となっております。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  まず、一つは市債の残高がこの10年間でどんどんというか、減ってきているということが分かりました。それからもう一つ、この地方債現在高比率ですけれども、これが県内2位たしか私8年前に聞いたときには、県内10位ぐらいだと思ったんですよ。ちょっと手元にない。だから県内2位まできたと。で、実質公債費率は県内2位、そうすると鎌倉市の財政状況はこの指標二つを見ても、大変、市長、すばらしいじゃないですか。鎌倉市の財政状況は県内2番目にすばらしいんですよ。しかし、特別教室空調設備設置率は県内31位なんですよ。これ何か矛盾してませんか。
 そうして考えてみると、市長にとっては特別教室空調設備の設置は、市長の中では優先度が低いのか、それとも緊急性がないと認識しているのか。財政状況が県内で2番目なのに、空調設備設置率が31位って、どう考えても鎌倉市の財政を見たときに、事業の展開の仕方はちょっとずれているのではないですかと、私は思うんですが、いかがですか。そこの点だけ。
 
○松尾 崇 市長  特別教室の冷暖房設置の必要性につきましては、認識をしているところでございます。学校につきましては、老朽化対策など様々な課題が山積しているという中において、優先順位をつけて、教育委員会でも様々検討を重ねてきているという、こういう状況でございました。先ほど答弁でも教育委員会として設置に向けた取組を行っていくということでございますので、そういう状況であるならば、この早期の設置に向けて教育委員会と連携・協力をしてまいりたいと考えております。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  よろしくお願いします。本当にこの必要性を十分に認識していただいて、これはもう待てないと、早期の実施に向けて取組を進めていっていただけるということを今日、本当にここで確認させていただいて、学校そして子供たち、保護者の皆さん、本当に少しまだ決定じゃありませんけれどもね。少し方向性として示されたことについては、本当に安堵していることと思います。重点事業、新たに早急にやらなければならない事業については、これまでも計画途中で入れてきています。まさに特別教室空調設備設置は、新たに早急にやらなければならない事業、先送りのできない事業ではないでしょうか。そして、鎌倉市の財政状況は良好である。あとは市長の決断次第です。最後に市長の決断をもう一回確認させてください。
 
○松尾 崇 市長  もう先ほど、私自身の思いも込めて答弁をさせていただいたところでありますけれども、昨今の大変暑い状況の中で順次空調設備についても、整備をしてきたというところでありますけれども、この数年の間に日本全国の学校、一気にこの空調整備が進んできたというような、こういう状況を認識をするところです。鎌倉市としましても、この特別教室の冷暖房設置については、これまで課題というところでございましたが、早期の設置に向けて、教育委員会とこの連携・協力をして、できる限り早い実現に向けて取り組んでまいりたいと考えてます。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  重ねて同じことをお答えいただいて申し訳ありません。本当に着実に進めていただけるように、よろしくお願いいたします。
 では、次の質問にまいります。婚外子差別解消、戸籍の更正申請についてということです。子供が生まれたときに、市役所に提出する出生届の記入欄、お子さんが生まれたときに、出生届というのを出しますね。これ、市長は御覧になったことはありますかね。これは婚姻中の夫婦、結婚している婚姻中の夫婦間に生まれた子供の場合は、嫡出子というところにレ点を入れるようになっている。それで婚姻中でない男女の間に生まれた子供の場合は嫡出でない子、いわゆる婚外子であるということを届けなければならないのですね。
 これは、かつて嫡出子と非嫡出子といいますけれども、法定相続分が、相続分が異なっていたから、そういうふうに区分した。嫡出でない子は嫡出の2分の1とされていたのですね。この規定が実は憲法に違反するという最高裁の判断があって、民法の改正がなされて、嫡出でない子の法定相続分は嫡出と同様になった。ですから、実を言うといまだにこの使っている出生届、嫡出子、嫡出でない子と区分する意味は全くないのです。全く意味をなさない。しかし今なお、出生届には区分して記載するようになっています。
 鎌倉市議会では、このような意味のない記述を続ける現戸籍法の改正を求める意見書を、2016年9月定例会において可決しました。この可決は県内2番目の可決でした。その後、近隣市においてこの意見書がどんどん上げられるようになり、翌年2月17日には全国連合戸籍住民基本台帳事務協議会として、戸籍法の改正を求める提案書を国に提出しました。毎年同様の内容で出している。
 しかしながら、国においては、何と緊急性がないという全く理由にならない理由で、改正がいまだになされていません。改正がされれば、もうここに婚外子だとか、そういうようなことを書かなくても済むわけですよ。国連の人権機関からこの間再三にわたって、公文書において、婚外子での出生が記載されることを懸念する、是正する立法措置が取られるべきとの勧告がなされてきました。そして、戸籍の記載については2004年11月1日戸籍法施行規則が改正されました。それまで嫡出子の場合は、生まれた順に長男、長女と戸籍に書かれていたのですが、婚外子、つまり嫡出でない子は、男、女という書かれ方をしていました。
 ところが、この規則改正後の戸籍には、そういうような記述はなくなりました。それ以降、生まれた子供に対してはそういう記述はしなくなった。そして戸籍法改正以前に、それまでに出生届が出されて戸籍がつくられた場合には、本人の申出あるいは母親の申出により、嫡出と同じように、生まれた順に長男、長女とするように、更正、書き直しをすることができるようになりました。また、続柄を更正した履歴が残らないように、申請による戸籍の再製をすることもできます。
 伺います。2004年11月に戸籍法施行規則が改正され、そのことについて、市はどのように市民に制度の周知をしたのでしょうか。伺います。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  2004年、平成16年11月に、今、御案内のとおり、戸籍法の施行規則の改正がございまして、戸籍の続柄欄について嫡出でない子の場合、従来男と女と記載されていたものを、本人からの申出があった場合には長男、次男、あるいは長女、次女というように、続柄欄の記載を更正をする。あるいはその更正した事実を残さないように、戸籍の再製を行うことができるようになったところでございます。この改正の周知につきましては、対象者が限られた事案だということから、広く広報をするということはしておりませんで、対象となる方が戸籍の窓口に来られた際に、嫡出でない子の続柄の更正及び戸籍の再製ができることをその都度御案内をして、説明をしているとそういう状況でございます。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  限られた人々のことだから知らせなかったと、例えば婚姻届等を出されたときに、その改正できるんですよと言ってきたという話なんですけれどもね。これ、市民の権利に関わる制度改革ですよ。しかも、それが市民の個人の公文書に関わるものであり、戸籍の更正、再製ができるという権利について鎌倉市が広く伝えてこなかったことは、極めて問題ではないでしょうか。どういう判断で制度改正を伝えなかったのか。一部の人のことだよねと、だからいいよねという話じゃない。その一部とはどこにいるか分からないじゃないですか。
 ということは、つまりいまだに更正、再製申請、つまり戸籍をつくり変えたり、記述変更することができるということを御存じない市民が、いまなお鎌倉市に住んでいらっしゃるかもしれないんですよ。法務省の民事局による調査によれば、今年3月までの更正申請の申出数、全国4万7769件、再製申出件数は6,035件ということが分かりました。しかしながら、これ年々件数は減ってきています。しかしながら、減ってきたということは、更正申請がなされたから減ってきたとも捉えられるし、しかしながら、知らない人はそのまま取り残されているかもしれないんですよ。国はそういうように件数が減ってきたと、2004年、この規則改正がなされた後、鎌倉市における嫡出でない子の追加の更正、あるいは戸籍の再製件数はどのように推移してきたのか、伺います。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  戸籍法施行規則の改正がございました2004年、平成16年以後ですけれども、平成16年度、2004年は続柄の更正と戸籍の再製で3件の申出がございました。翌平成17年度には20件の申出がございました。これをピークといたしまして、平成18年度から平成21年度までは毎年度5件から8件程度更正の申出がございましたが、平成22年度以降現在までは、毎年度二、三件の申出ということで、平成16年から令和3年の8月までの累計は、続柄の更正が58件、戸籍の再製が11件とそういう状況でございます。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  分かりました。これが多いのか少ないのかと分かりませんけれども、要は全国の調査と同じように、鎌倉市においても制度改正があって、少しはあったけれども、だんだん減ってきているということが今の御報告で分かりました。やはり先ほども申しましたけれども、制度が変わってもそのことを知らない、そのために申し出ることもなく、戸籍という公的文書において、婚外子差別記載が残ったままになっているわけです。それはどのくらいの件数か分かりませんけれども、実はそのことに起因する差別を生む可能性があります。本来制度が変わったときに、全ての記載の再製を国がやるべきだったのです、これね。本人が申し出れば、母親が申し出ればという、こういうような制度改正がそもそも問題なんですけれども、この制度改正後、その後今日までどのように周知されてきたのでしょうか。伺います。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  先ほどもお答えしたとおり、特段広報ですとか、そういった媒体で広くお知らせをするということはしておりませんで、対象者となる方が窓口に来られた際に、プライバシーに十分な配慮を図りつつ、その申出により更正及び戸籍の再製ができるといったことを御案内をして、その御意思を確認させていただいていると、そういう状況でございます。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  窓口においでになったときにということなわけですよね。やはり市民の人権を守るために、市として積極的に、戸籍における嫡出でない子の父母との続柄の変更ができるんですよということを、周知していく必要があると私は思いますよ。で、調べてみましたら、隣の藤沢市においては、嫡出でない子の追加欄の記載変更についてと、ホームページに常時掲載されているのです。また、相談窓口、市民窓口センター、戸籍事務担当というのがちゃんといるんですよ。このためにちゃんと窓口まで設けられているんですね。今後公文書に残る婚外子差別記載について、更正、再製をしていただくために、市民への周知を図るために、どのような取組をしていく予定でいますでしょうか。見通しを伺います。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  今、御指摘いただいたように、他市ではホームページでの御案内もされていると、そういう状況が把握できましたものですから、今後市のホームページで制度の内容を掲載をいたしまして、いまだ戸籍上嫡出でない子としての続柄が記載されている方への周知を図ってまいりたいと、このように考えます。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  よろしくお願いします。どうぞ、藤沢市をぜひ参考にして、もちろん他市も参考にしていただいて結構なんですけど、鎌倉市において、戸籍上嫡出でない子と分かる差別記載の解消をやっぱり進めていくに当たっては、今なお残る差別記載にされている件数、人数を把握しておく必要があるのでしょうか。必要があるのではないかと思うんですが、伺います。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  鎌倉市の個人情報保護条例におきましては、人種、信条、社会的身分などの特定の情報は、その情報の性質上、特に慎重な取扱いが求められる要配慮個人情報として定められておりまして、原則その取扱いが禁止をされております。嫡出でない子と分かる記載は、まさにこの要配慮個人情報に当たるというように考えております。ただし、鎌倉市情報公開個人情報保護運営審議会の意見を聞いて必要があると認められたものは、例外的に取扱いができるという定めもございますので、近日に開催をされます同審議会に、御意見を聞いてまいりたいと、このように考えております。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  私、これそもそも審議会にかける案件なのかなと正直思うんですよね。担当に聞いたら要配慮個人情報に当たるのではないかと懸念するというんですよ。でもね、これは差別記載の何を誰さんがではないのですよ。実数、今なお残る公文書における差別記載の実数を把握することで、具体的にどのような個人情報が損なわれるのですか。分からない。そういう点についてはお考えになってみたのでしょうか。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  個人情報保護条例におきましては、個人情報の取扱いとは、個人情報の収集、管理、利用など個人情報の取扱い全てを指すと、そういうふうに定めております。先ほど御指摘の嫡出でない子と分かる記載、この人数の把握をするということは、個々の戸籍のデータからそのデータを抽出して、検索をして、その件数を数えるという、そういう作業が必要になってまいりますので、まさに個人情報の取扱いに当たるわけでございます。それで、その書いてある嫡出でない子の記載そのものが、要配慮個人情報に当たると私どもは考えておりますので、そうしたことをすること自体が個人情報保護条例上、ふさわしくないだろうと、そういうことを考えているわけでございます。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  私は専門家じゃありませんから、部長はそのように判断をする。私は実数把握がそんなに、何で個人情報になるんですかと思いましたけれども、しかしながら、審査会ですか、運営審議会にかけられるということですので、この結果を待ちたいと思います。実を言いますと、越谷市は全国に先駆けて調査をしましたよ、実数を出しています。それから国も今後実数把握が必要だと、やはり制度改正して今なお戸籍という公文書に、差別記載が残っている実数を把握する方向に今動いてますよ。だから私はそうなってくると、当然市にも問合せが来ると思いますね。そうしたらやりますよ、という話なんだろうと思いますけれども、審議会での結果を待ちたいと思います。
 この制度改正、2004年11月1日以前、出生届を出した婚外子は今年17歳以上になります。これから就職や進学などで戸籍の提出を求められる場面があります。戸籍謄本ですね。これによって差別され、不利に働くことも可能性として出てくると思います。このことで婚外子の人生を左右しかねません。このような不安を取り除き、差別を受けないためにも、実態把握をして差別記載を失くすため、市として取組をどのように進めたらいいかということを、さらに考えていただくと同時に、差別記載をなくすための対策を国に求めていくことも必要ではないかと思います。そのためにも早急な実態把握が必要であると思いますので、どうぞ審議会の答申が出た場合、市は実態把握に努めるべきと考えますので、それまでに十分にしっかりと部内で議論をしていただきたいと思います。この項については終わります。
 次に、4番目、ヤングケアラーの実態調査に入ります。大津市の自宅で小学校1年生の妹を蹴るなどして死なせて、傷害致死の疑いで逮捕された少年、捜査関係者に妹の世話をするのがつらかったとの供述をしていました。仕事で家を空けることの多い母親に代わって、妹の世話を日常的に続けてきた少年、まさにヤングケアラーであったと言えると専門家が見ています。新聞の記事では女性がこのようなことを言ってました、家の前で仲よく遊ぶ兄弟の姿をよく見ましたと、こんなことになる前に気づいてあげられていたら、そのように話したと記事の中では書かれていました。
 ヤングケアラーの支援につなげるには、まず周りの人たちが気づくことであるということを、改めて認識させられる思いがしました。今年の6月定例会で、一般質問においてヤングケアラーに関する質問で、部長答弁では、ヤングケアラーの周知の向上に努めたいとのことでした。その後の取組を伺います。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  市としての取組といたしまして、各中学校の生徒指導担当、警察、児童相談所、こども相談課、神奈川県少年相談・保護センターらが集まる生徒指導対策協議会や、各小・中学校の児童・生徒指導担当と連携して支援に当たる教育相談コーディネーターが集まった教育相談コーディネーター連絡会、初任者研修会等を通して、ヤングケアラーの支援に関しての情報の周知を図り、ヤングケアラーに関する認知の向上に努めてまいりました。各会議におきましては、ヤングケアラーが陥りがちな学校生活上の困難や、ヤングケアラーを認知するためのアセスメントシートなど、ヤングケアラーの認知から支援までにつながるような具体的な情報の提供に努めてまいりました。
 今後とも、学校においてヤングケアラーを含め、生活環境に課題を抱える子供を発見した場合には、関係機関と連携した支援を迅速に行ってまいりたいと考えております。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  6月定例会で、今、9月定例会なんですが、短い時間に熱心に対応していただいて本当にありがとうございます。国のヤングケアラー支援に向けた福祉、介護、医療、教育の連携プロジェクトチーム報告書によれば、地域や民間の目でヤングケアラーの早期発見、把握が重要であると、そのように書かれてました。特に地域の中では民生委員・児童委員による気づきが重要です。今後の取組について伺います。
 
○田中良一 健康福祉部長  民生委員・児童委員は、児童・生徒の登下校時の声がけなど、地域での見守り活動の中で、福祉的な視点から支援が必要な子供を把握した場合には、関係機関につなぐという役割を担っています。民生委員・児童委員に対しましては、毎月の定例会で今日的なテーマに関する情報提供を行ったり、様々な研修を通してスキルアップを図っておりますけれども、ヤングケアラーの問題につきましても、次回に開催される各地区の定例会で取り上げることといたしまして、民生委員・児童委員による地域での発見、把握につなげてまいりたいと考えております。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  さて、このヤングケアラーの周知は、実を言うと大人だけではなくて、子供にも伝えていく必要があるのですね。ヤングケアラーは本人がそのことに気づいていないことがあります。先ほどの紹介した少年もつらい、自分は妹を見るのがつらかったと言いながら、それがヤングケアラーで、自分が引き受けるべき仕事以上の仕事をしているということには、もしかしたら気づいていなかったかもしれない。我慢しなければならないと思っていたかもしれない。そんな意味でヤングケアラーの周知というのは、子供にも伝えていく必要がある。そのことに気づいていないかもしれないということと、気づいていても相談するところが分からないと、1人で困り事を抱え込んだままの子供がいるからです。
 海老名市では、子供用のヤングケアラー理解を深めるパンフレットをつくりました。子供を対象にアンケートをする予定だと聞いています。ホームルーム1時間でできる範囲のアンケート、そのアンケート結果から教師自身がその存在に気づくと、その簡単なアンケートだそうです。あなたお家でいつも、いつもお父さんや妹の面倒を見ていますかと、おじいちゃん、おばあちゃんのお世話をトイレに連れて行ったりすることをしていますかとか、いろいろ具体的なことを幾つか聞いていって、判断するということなんですけれども、やはり私は、鎌倉市でヤングケアラーの実態調査が必要だと思うんです。教育委員会としてヤングケアラーの実態調査の必要性について、どのように認識していらっしゃるのでしょうか。また、予定はあるのでしょうか、伺います。
 
○岩岡寛人 教育長  御質問へのお答えとして、藤沢市や魚沼市で実施した自治体としての実態調査をちょっと前提に、答弁をさせていただきたいと思っておりまして、海老名市の子供向けアンケートについては、ちょっとまた研究をしたいと思っております。ヤングケアラーの実態に関しては、2015年に新潟県魚沼市、そして2016年には神奈川県藤沢市において行われるなど、先行自治体による調査が行われているという事例があることは承知しておるのですけれども、その後令和3年には、国により全国的な実態調査が行われまして、これは必要な支援方策等についての報告書も具体的に出されているという状況でございます。
 この全国的な実態調査につきましては、私も質問紙から具体的に見てましたけれども、全国の要保護児童対策地域協議会また学校、中高生本人に対する包括的な調査でありまして、家族の生活を支えている子供たちがどれぐらいいるのか、またどのようなケアを行っていて、具体的にどのような支障が生じているのか。そして、その子供の割合といった形で、これまで先行自治体が切り開いてきた実態調査等の内容も包含する形で、包括的な調査が行われてつまびらかとなっているというように考えております。
 そのため、この国の調査を基盤といたしまして、鎌倉市としてはヤングケアラーと思われる子供が現にいるということを前提に、その認知や個々の事情に応じた支援につながる取組を進めていくということを考えておりまして、現時点におきましては独自の実態調査というものを実施する予定はございませんけれども、今後国の調査だけでは不十分という点が出てきましたら、市長部局とも相談をしつつ、その実施の要否について検討していきたいと、このように考えております。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  今のお話を伺っていると、全国的な傾向が分かりましたと、だけれども独自の調査は鎌倉市は取りあえず今はしませんよと、今後必要があればやりますよと、そういうことですよね。
 あのね、調査の必要性は誰が判断するんですかということなんですよ。調査の必要性が、その必要性を感じているのは、ヤングケアラー本人じゃないですか。全国的な傾向は分かりましたよ。でも鎌倉市に今いる小・中学生、高校生も含めて、その中に現にヤングケアラーがいるかもしれないということは、全国調査で分かったわけじゃないですか。全国の傾向が分かったんだから、報告書に基づいてこれからやっていきますよじゃない、独自には調査しませんよ、と。そこが分からない。
 その必要性、手を差し伸べてほしいと思うのは、子供ですよ。子供自身、このヤングケアラーの子供というのは、今まさに毎日現在進行形で日々の暮らしの中で、困っているんですよ。全国の調査は鎌倉市の子供たちを救い出すことにはならないんです。クラスの中に鎌倉のどこの学校のどこのクラスに、ヤングケアラーが今日も大変だと、厳しいと感じている子がいるかもしれない。だからこそ、独自の調査が必要なんですよ。
 ヤングケアラーを所管している厚生労働省、実態調査について何と言っているか御存じですか。こう言っているんですよ、ヤングケアラーの問題を明らかにするためには、調査することが必要です、大切です。次なんですよ、現在調査の予定がない自治体も、来年度には調査をすることを検討してほしいと、もう検討しなさいと、やってくださいと。おまけに私、昨日、厚生労働省の子ども家庭局の家庭福祉課自治体支援係の方と電話で話しました。8月の来年度の概算要求の中で、ヤングケアラーの実態調査、研修の事業費を補助するために、そのための概算要求を上げましたよと、電話の向こうで言うんですよ。各自治体で調査してほしいんだという思いがあって、私たちは概算要求を要求しましたと言っているんですよ。
 だから、全国の調査ができたら、ヤングケアラーが何パーセントいるのか、中学校だったら17人に1人かと、そうじゃない。鎌倉市の子供たちの中にいる実態を把握しなくてどうするんですか。ぜひ、鎌倉市においても、厚生労働省もすごい力強く電話の向こうで言っていた、各自治体でやってほしいから、補助金を概算要求で来年度に出しましたからって。ヤングケアラーの実態調査に向けて準備を進めていただきたいと思いますけれども、部長いかがでしょうか。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  議員御指摘のとおり、支援を必要とする子供を学校現場で適切に気づいて手を差し伸べることができるよう、認知の向上等にこれまでも取り組んでおりまして、そこについては、さらなる取組を進めてまいりたいと考えております。実態調査につきましては、教育長から御答弁を申し上げましたとおり、他市の事例も参考に必要性が生じた場合におきまして、対応をさせていただきたいと考えております。
 
○16番(竹田ゆかり議員)  だから何回も言いますけど、必要性が生じた場合とはいつなんですか。今ですよ。必要性ってどうやって見えてくるんですか。今、ヤングケアラーが今日も学校に来て、苦しい思いをしながら、誰にも相談できずに帰っているかもしれないじゃないですか。この必要性だなんて大人の視点じゃないですか。子供の目線で見てほしいですよ。
 この厚生労働省の思いをどうぞお電話をかけてみてください。担当者はそうやって力説していましたよ。やってほしいと、どうぞ教育委員会もヤングケアラーについて、何か主体的で深い学びをぜひしていただきたいなと思うところです。ぜひ、報告書をじっくり見て国の方向性を確認して、鎌倉市においての発見に努めていただきたいと思います。
 最後にいきます。小・中学校のプール清掃について、これ簡単に済みます。今年の夏は学校でのプール指導がなかったので、学校の教職員によるプール清掃は行われません。その代わりプール開放が行われるということで、スポーツ課が準備を進めることになり、5月臨時会での補正かな、清掃の業務委託料360万8000円が増額されました。で、私、思うんですけれども、ほうと思いましたよ。学校でプール指導をする場合に、プールの掃除1年間本当に汚くなって大変です。どろどろですよ、私も何度もやりました。予算がないから教職員が掃除する。一方プールの一般開放の場合、補正で業者委託、経費をつくることができる。
 だったら、私は今後もプールの清掃は業者委託をしていただきたいと思うんですね。やっぱりこれ、プール清掃ってすごく大変なんですよ。教師にとっては非常に負担なんです。前日から水を抜く、午前中に管理職が技能員さんとやる、午後から子供を帰して教職員全員で夕方5時までやるんですよ。学校によっては保護者も動員してます。それほど大変な作業なんです。ぜひともお答えは求めませんけれども、プールの掃除について、教職員の負担を減らすためにも、私は衛生面を考えても業者に委託するのがいいと思いますので、御検討をよろしくお願いいたします。
 以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。
 
○議長(中村聡一郎議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                    (11時46分  休憩)
                    (13時20分  再開)
 
○議長(中村聡一郎議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、井上三華子議員の発言を許可いたします。
 
○5番(井上三華子議員)  神奈川ネットワーク運動の井上三華子です。よろしくお願いいたします。
 たくさんの方が一般質問で防災について取り上げていますが、私も同じく気候変動による影響で豪雨、長雨の頻度が高まり、これからますます災害対策が重要であると思います。
 まず、1項目めは市内の盛土造成について質問いたします。7月初めの梅雨前線の停滞で鎌倉市では、7月1日から4日の96時間に341.5ミリの雨が降り、倒木、崖崩れ、停電の被害が発生しました。このとき、県西部では、記録的大雨となりましたが、最大の被害は、7月3日午前に、静岡県熱海市伊豆山地区で発生した土石流によるものでした。約5.6万立方メートルの土石流の量の大部分が山の上部の県条例違反の盛土によるものでした。
 そこで、まず市内における大規模な盛土について、伺います。盛土は斜面を安定させる擁壁や排水設備などを整えるなどの対策を講じないと崩れたり、液状化したりすることがあるため、宅地化する大規模な盛土は、宅地造成等規制法で規定されています。しかし、7月の熱海市のケースのように宅地化を目的とせずに、残土が持ち込まれて生じた盛土は、宅地造成等規制法の対象外で、自治体が条例を制定して対応している状況です。全国で26の都道府県が建設残土処理など、宅地造成等規制法の対象外の盛土についての独自の条例を整備しているとのことです。
 神奈川県は、熱海市の土石流災害を受け、神奈川県土砂の適正処理に関する条例に基づいて、許可を与えた県内の盛土箇所について、7月12、13日に職員による現地確認の緊急点検を実施したところ、大きな土砂災害に直結する異常は、確認されなかったそうです。対象箇所となったのは22か所であったとのことですが、鎌倉市内にはなかったということでよろしいでしょうか、お伺いします。
 
○吉田 浩 都市景観部長  市内には、神奈川県土砂の適正処理に関する条例に基づく許可を要する2,000平方メートル以上の土砂埋立て行為、埋立て、盛土、その他、土地への土砂の堆積を行った箇所は、存在しないことを確認しております。
 県が7月に行った緊急点検した2,000平方メートル以上の土砂埋立て行為箇所は、川崎市、相模原市、横須賀市、茅ヶ崎市、小田原市、三浦市、厚木市、座間市、箱根町の8市1町に存する22か所です。
 
○5番(井上三華子議員)  県条例では、土砂埋立区域の面積が2,000平方メートル未満の場合の許可は、必要ないとなっていますが、鎌倉市はそのような許可取得にならない規模の外部からの残土などが持ち込まれることについては、何らかの規制やチェックはあるのでしょうか、伺います。
 
○吉田 浩 都市景観部長  県条例では、建設工事、またはストックヤードの区域から500立方メートル以上の土砂を搬出する場合は、土砂埋立て行為をする行為を行う者があらかじめ、土砂の搬出に係る氏名及び住所、建設工事の内容、建設工事の位置及び区域、搬出する土砂の数量、土砂を搬出する期間、搬出先に関わる事項についての計画を作成し、県に届出を行う必要があります。
 
○5番(井上三華子議員)  では、熱海市で土砂災害を引き起こしたような土砂の埋立ては、鎌倉市では、ほぼ不可能であることを確認しました。
 では、宅地造成の場合は、どうでしょうか。盛土で宅地造成を行った箇所は、山が多く、複雑に入り組んだ地形を特徴とする鎌倉市には多く存在します。阪神・淡路大震災、中越地震、東日本大震災では、盛土造成宅地の盛土の滑り出す力が抵抗力を上回り、地滑り的変動が生じて、盛土部分が崩れる滑動崩落が発生したため、国は宅地造成等規制法を改定、宅地耐震化推進事業を創設しました。盛土造成宅地の有無と安定性の調整、調査の手法等を定めたガイドラインを自治体に示し、大規模盛土造成地マップの作成、公表を促し、現在では全国の自治体が第1次スクリーニング調査に基づく大規模盛土造成地マップを公開しています。
 鎌倉市は、2015年度に第1次スクリーニング調査の業務委託の経費を予算化していますが、神奈川ネットでは、早くからこの調査の必要性を認識し、2013年度の一般質問で2回、調査の早期実施を促しています。
 では、まず第1次スクリーニング調査の結果をどのように公表しているか、伺います。
 
○吉田 浩 都市景観部長  大規模盛土造成地の公表は、市内にある大規模盛土造成地のおおむねの分布を示すことにより、大規模盛土造成地は身近に存在するものであることを住民の皆様に知っていただくことを目的としています。平成28年8月からホームページで、鎌倉市大規模盛土造成マップ及びその説明を掲載をしております。
 また、縮尺の大きい図面による確認を希望される場合は、縮尺1万分の1のマップも開発審査課窓口で閲覧を行ってもらっております。
 
○5番(井上三華子議員)  この事業は、第2次スクリーニングとして、大規模盛土ごとの地震時の安定性の確認を行い、亀裂の発生など災害発生のおそれの切迫が確認された場合は、滑動崩落防止工事を実施することまでを含むものです。今年の6月定例会建設常任委員会では、来年度2次調査を実施することが報告されました。
 では、2次調査の対象箇所をどのように抽出したのか、対象箇所は何か所か、2次調査はどのように行うのか教えてください。
 
○吉田 浩 都市景観部長  令和2年度に行った調査は、平成27年度に実施した第1次スクリーニングで抽出された大規模盛土造成地311か所を対象に造成された年代、現地踏査、地下水の有無の判断が難しい箇所では、簡易地盤調査を行った結果を踏まえ、ふるい分けを行ったものです。
 その結果、第2次スクリーニング対象箇所は、擁壁などの変状が認められる造成地が2か所、地下水位が高く、盛土が脆弱と思われる造成地が2か所の計4か所となっております。
 第2次スクリーニングは、ボーリング調査などにより、土質、地下水位、盛土の断面形状等を把握し、安定計算により地震時の安定性の確認を行い、滑動崩落のおそれがある大規模盛土造成地を一覧の造成宅地単位で抽出していくものです。
 
○5番(井上三華子議員)  調査対象外でも、大規模盛土造成地のエリアの居住者の方には、潜在的リスクとして認識すべきであると思う一方で、2次調査の対象箇所だから、即危険ということでもありません。
 そのことを踏まえた上で、2次調査の対象箇所はいつ公表されるのでしょうか、お伺いします。
 
○吉田 浩 都市景観部長  第2次スクリーニング調査は、対象の大規模盛土造成地内における滑動崩落対策工事の必要性を確認するものであり、対象箇所の公表は調査終了後を考えていますが、対象の造成地の皆さんには情報提供をし、第2次スクリーニングの実施について調整を図ってまいります。
 
○5番(井上三華子議員)  2次調査の対象を抽出した優先度評価フローを見ると、宅地造成等規制法が施行された1962年を基準年とし、それ以降に造成された箇所は取りあえず大丈夫という判断なのか、存在を把握するだけで対象箇所から外しています。
 しかし、例えば2004年の新潟中越地震では長岡市で、2011年の東日本大震災では仙台市青葉区で、顕著な盛土の被害、地滑りが発生しています。両方とも宅地造成等規制法施行以降に、開発、造成されたところです。
 ですので、鎌倉市の大規模盛土造成地の大部分を占める基準年以降に造成された箇所についても、安心はせずに経過観察は必要であるという認識でよろしいですか。
 
○吉田 浩 都市景観部長  本市が実施したスクリーニング調査は、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、東日本大震災の調査結果を踏まえ、国が作成した大規模盛土造成地の滑動崩落工事対策推進ガイドラインに沿って進めており、滑動崩落は古い年代に低い技術レベルで盛土造成された宅地ほど、発生しやすい傾向にあることから、宅地造成等規制法施行時の1962年を基準年として、判定評価指標の一つにしたものです。
 基準年以降に造成された擁壁のうち、変状や湧き水が認められなかった場合においては、その箇所が大規模盛土造成地であるとの存在把握にとどめ、基準年以前の大規模盛土造成地を経過観察が必要と判断したものです。
 なお、宅地造成等規制法施行後に造成された大規模盛土造成地でも、変状が認められる造成地については、経過観察としております。
 
○5番(井上三華子議員)  大規模盛土の宅地造成調査は、大地震発生時の地滑り等の危険度を予測し、必要な箇所において、対策を行うためのものでありますが、地震だけでなく気候変動で豪雨、長雨の頻度が高まる中で盛土造成地に思わぬ影響が進行しているおそれもあります。経過観察という判断になった箇所が多いですが、今後もずっと住民自ら潜在的リスクとして認識していただくとともに、盛土の末端部分で水がしみ出してないかとか、擁壁に外形的な変化がないかといったことに注意していただくことが大切かと思います。そのために、市から適切な情報提供が必要だと思いますが、いかがですか。
 
○吉田 浩 都市景観部長  令和2年度に実施した調査は、対象地全ての町内会に説明し、現地調査をしていることから、まずは、調査結果を町内会へ報告していきたいと思います。その上で今回の調査は盛土造成地全体に対するものであり、盛土造成地内にある個々の擁壁や斜面地の調査をしていないものであるとのことの認識をしてもらい、住民の皆さんの財産である家屋や宅地を守るため、土地所有者御自身による擁壁や斜面地の適切な維持管理に努めていただくよう情報発信を行ってまいります。
 
○5番(井上三華子議員)  次の2項目めの質問は、急傾斜地の土砂災害についてです。5月25日神奈川県が土砂災害防止法に基づき、鎌倉市内に土砂災害特別警戒区域いわゆるレッドゾーンについての公表を行いました。土砂災害には、土石流、急傾斜地の崩壊、地滑りなどがあり、神奈川県は土石流についての土砂災害警戒区域、特別警戒区域の鎌倉市内の基礎調査は、2015年度末に終わらせています。
 一方、急傾斜地については、神奈川ネットが2016年6月定例会で質問した際には、調査対象の2,019斜面のうち73斜面の調査が終了したに過ぎず、進捗率は約4%にとどまっていました。
 それから、実に5年を経て、今回の公表に至ったということですが、市内で特別警戒区域に指定されたのは、何か所でしょうか。
 
○吉田 浩 都市景観部長  令和3年5月25日に神奈川県により、鎌倉市内の土砂災害特別警戒区域いわゆるレッドゾーン、急傾斜地の崩壊が規定され、その箇所数は404か所でございます。
 なお既に平成29年3月24日に指定されていたレッドゾーン、土石流ですが、これにつきましてはその箇所は20か所であります。合計箇所は、424か所であります。
 
○5番(井上三華子議員)  既に指定されていた土砂災害警戒区域いわゆるイエローゾーンについて、再調査をして、その中からレッドゾーンを指定したということでしょうか。また、イエローゾーンとレッドゾーンの違いについてお伺いいたします。
 
○吉田 浩 都市景観部長  レッドゾーンとは急傾斜地の崩壊、土石流ともに、イエローゾーンのうち、土砂災害が発生した場合に、建物に作用する力の大きさが通常の建物が耐え得る力を上回り、住民の皆様の生命・身体に著しい危害が生じると認められる区域が指定されたものです。
 指定に当たっては、神奈川県が調査・測量を行い、土砂災害による衝撃力などを算出し、区域を決定したものです。
 
○5番(井上三華子議員)  土砂災害から住民の命を守るためには、土砂災害のおそれのある区域を明らかにして、住民にハザードの周知を図ることが必要ですが、レッドゾーン指定案は、誰にどのように示したのか、お伺いします。
 
○吉田 浩 都市景観部長  本市においては、レッドゾーンの指定について、神奈川県が指定事務を行っております。県は指定を行うに先立ち基礎調査を行い、その後調査結果を公表しております。公表方法といたしましては、県が神奈川県土砂災害情報ポータルでインターネット上で示すとともに、指定図案を土地の所有者に郵送し、周知を行っております。
 本市においては、県から指定図案の提供を受け、それを当時の総合防災課がけ地対策担当の窓口に用意し、縦覧を行ってまいりました。
 
○5番(井上三華子議員)  急傾斜地の上や下に住んでいる住民は、その崖地部分の所有者でなければ指定案を示されておらず、指定がされたことの報告も個別にはないということですが、被害を受ける可能性がある近隣住民にこそ周知を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 
○吉田 浩 都市景観部長  本市といたしましては、神奈川県が基礎調査結果を公表した際やレッドゾーン指定を行った際等に、広く市民に周知を行うため「広報かまくら」や市ホームページにおける情報の提供を行ってまいりました。今後も引き続き、市のホームページ等で情報公開を行っていくとともに、窓口において随時相談を受け付けてまいります。
 
○5番(井上三華子議員)  地理情報システム(GIS)を搭載した防災情報マップをホームページで公開していますが、市民全員が常日頃、手に取って見られるように紙媒体の防災情報ハンドブックを更新して、全戸配布をして、個別に周知していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  各種ハザードマップなどを掲載しました防災情報ハンドブックは、令和2年度に作成をし、現在は本庁4支所などの窓口で転入者や希望者に配付をしているところでございます。災害時に避難に時間を要する御高齢の方や障害を有する方などの要支援者とよばれる方々を含めまして、事前にお住まいの地域のハザードリスクなどを確認し、避難行動を取れるようにしていくことが肝要でございます。
 高齢者等のデジタルディバイドに配慮をし、また、ハザードリスクの認識の薄い方にも、周知を行う必要があると認識していることから、防災情報ハンドブックの配布も含めまして、紙媒体での周知についても、今後、取組を進めてまいりたいと考えます。
 
○5番(井上三華子議員)  市域のかなり広い部分がレッドゾーンに指定されたことによって、防災対策において、市民にとっては、これまでと何が変わるのかお伺いいたします。
 
○吉田 浩 都市景観部長  居室を有する建築物の新築、建て替えについては、土砂災害を防止、軽減するための基準を満たすものになっているかどうかについて、建築支持の確認が必要となってまいります。
 また、土地や建物の売買等を行う際には、レッドゾーンに指定されている旨を重要事項として説明することが義務づけられております。
 そのほか特定の開発行為、住宅の宅地の分譲ですとか、社会福祉施設、学校、医療施設の建築の際には、県知事の許可が必要となり、土砂対策工事が求められることになります。
 
○5番(井上三華子議員)  土地利用の調整という側面も含めて、短期、長期両方の対応を考えていかなくてはならないと思います。
 では、災害対策基本法の改正で、避難情報が今年5月から変更になりましたが、どのような変更なのか、説明をお願いいたします。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  避難情報は5段階の警戒レベルを付した情報を提供をすることとなっておりまして、この警戒レベルを運用していく中で、警戒レベル4の中に、避難勧告と避難指示(緊急)の両方が位置づけられ、従来分かりにくいとの課題が指摘をされておりました。
 このため、災害対策基本法が改正をされまして、令和3年5月からこれまで、警戒レベル4に位置づけられていた避難勧告が廃止をされまして、避難指示に一本化されました。避難指示は従前の避難勧告のタイミングで、市が発令するとそういうことになったものでございます。この改正に伴いまして、警戒レベル4避難指示で、避難対象地域の方は危険な場所から全員避難することとなります。
 
○5番(井上三華子議員)  この変更については、「広報かまくら」8月号でも大きく取り上げており、記事には、避難指示の対象区域は、浸水害は対象河川の浸水想定区域、土砂災害は土砂災害警戒区域です。それぞれの区域は、ハザードマップで御確認をと、書かれています。
 これについては、自宅がその対象地域なのかを把握していない方も多いのではないかと思いますので、まずは対象地域かどうかをおのおのが事前に確認することが一番大切ですので、もっと大きな字で書くなど、分かりやすくする必要があると思います。
 また、対象区域外なら安全ということではないとも書かれていて、これも必要な呼びかけではありますが、今後の対策として、重要なことは災害リスクのある地域の住民は、避難情報が出されたときに備えて、状況に応じた最適な避難の選択肢を事前に複数考えておいてほしいということではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  御指摘のとおりでございまして、発災時に想定される被害には、複数の可能性があることから、災害の状況に応じて最適な避難ができますよう複数の選択肢を考えておくことが非常に大切でございます。
 特に台風などの風水害は、ある程度予想ができる災害であることから、「広報かまくら」8月1日号の中でお知らせをしたマイ・タイムラインを、各家庭で作成し、備えておくことが迅速な避難行動につながると考えております。避難の方法は避難所への避難のほか、複数の可能性の中からそれぞれが最善と思われる避難方法を選ぶ、分散避難の考え方がございます。
 また、夜間や緊急時などには、屋内で安全を確保する垂直避難も選択肢の一つでございます。状況に応じ、最適な行動を取るため、それぞれの御家庭での事前準備が最適な避難行動につながることから、ハザードリスクや避難方法の周知など、今後も機会を捉えて、周知啓発を図ってまいります。
 
○5番(井上三華子議員)  避難の選択肢の中には、安全な場所にある親戚や知人宅ということも書かれていて必要なことであると思います。
 しかし、近場に親戚がいるというケースはまれであるため、自宅から遠くない安全な場所にある自治・町内会館や頑丈な民間の建物なども選択肢に入れる必要があると思います。
 また、土砂災害特別警戒区域や河川の浸水想定域のエリアにある自治・町内会は、個々の状況による緊急避難先候補を取り入れた地区防災計画をつくることが望ましく、総合防災課にはその後押しをしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  市内の自主防災組織では、組織ごとに防災計画が作成をされておりまして、その中で災害時の避難態勢などについても定められております。しかしながら、自主防災組織により、その取組というのは温度差がありまして、これを解消し、災害時の避難態勢の充実を図ることは重要であると考えております。
 自主防災組織に対しましては、自主防災活動育成補助制度などを設けまして、その活動や防災資機材の整備に対して支援を行っているところでございますが、地区防災計画につきましても、自主防災組織との連携を図りながら、進めてまいりたいと考えます。
 
○5番(井上三華子議員)  3つ目の項目は里山の保全についてです。人々の暮らしに近いところにある貴重な緑ある里山の手入れが適切に行われることは、防災の面でも重要です。
 近年、自然災害の激甚化に伴い、家の周りの木々が大きくなり不安であるという市民の意見を多く聞きます。私有緑地においても、災害対策の視点に立った維持管理の必要性があると感じていますが、現在の防災の面からの維持管理の進め方について、お伺いします。
 
○吉田 浩 都市景観部長  市が管理いたします144緑地、約125ヘクタールにつきましては、平成30年度に作成した鎌倉市緑地維持管理計画に基づき、防災対策の視点により崖地の傾斜度、樹木の育成状況等から危険度が高い61か所、約91ヘクタールの緑地を抽出し、年次計画を立てて、緑地の外縁部に生育する危険木の伐採に取り組んでいるところであります。
 なお、緑地の外縁部が住宅等に面した樹木の剪定や伐採等の要望につきましては、職員が現地を確認し、安全性や住民生活への影響を考慮した上で、緊急性の高いものから対応を行っております。
 
○5番(井上三華子議員)  年次計画と併せて、市民の声を反映させ、緊急性のある箇所から優先的に対応していただくということで確認いたしました。危険箇所は急ピッチで進めていただくとともに、樹木は年々、成長し変化していきますので、将来を見据えて外縁部だけでなく全体的に継続的な管理を行い、健全な状態を保つことが必要だと思います。
 それを踏まえて、管理の仕方についての質問に移ります。鎌倉市には樹林地が33%と豊かであり、市民の生活に密着しているため、維持管理は地域の大きな課題であると思います。私も緑地管理作業を通して、学ぶものがあると感じています。維持管理の道筋の提示や市民への警鐘が不可欠であることから、多くの市民との連携が重要と考えますが、市の考えをお伺いします。
 
○吉田 浩 都市景観部長  自然との触れ合いや緑の中での活動は、健康的な暮らしにも効果があることから、市民と連携した維持管理作業を通じて、自然に対する意識を醸成し、協働して保全を進めていくことは重要なことと捉えております。これまでも啓発事業として、小学生を対象にした緑のレンジャージュニア講座の自然観察や、成人を対象としたシニアレンジャーでの緑地保全担い手育成、公園愛護会の支援など進めてきたところですが、引き続き多様な主体との連携によって、身近な緑の保全や緑化を進めてまいります。
 
○5番(井上三華子議員)  我が家から見える常盤山は私にとって大きな存在で、毎日癒やしと感動をもらっています。議員になる前ですが、コロナ禍で休校、休園になり、仕事にも出かけられなくなったときに、竹林整備を始めたことで、より身近に感じられるようになりました。
 常盤山の管理を通して、異世代の地域のつながりができ、技術を学び、心身ともに健康を保つことができることなど自然から得るものはたくさんあります。子供たちにも豊かな自然と温かな地域の中で、生きる力を学ぶことは、持続可能な活気ある地域づくりにつながります。常盤山緑地をより多世代の市民に開かれた緑地として活用し、竹の有効利用などの課題に取り組みながら、市民と協働して保全していきたいと考えてますが、いかがでしょうか。
 
○吉田 浩 都市景観部長  市が管理いたします常盤山緑地は、歴史的風土特別保存地区とつながる特別緑地保全地区として、鎌倉市緑の基本計画においては、市街地の背景をなす自然環境の保全に重点をおいた緑地と位置づけており、希少な動植物の生育空間となっております。
 当該緑地の今後の方向性につきましては、歴史的風土特別保存地区を管理する神奈川県との連携も視野に、市民の皆様と協働した保全活動について、ボランティア団体等の意見も伺いながら、検討してまいりたいと思います。
 
○5番(井上三華子議員)  常盤山緑地について取り上げましたが、それぞれの緑地には多機能性があります。大気を浄化し、生物多様性の確保などの環境面や防災の役割、多世代の健康運動の場や、人の集うコミュニティーの場にもなります。
 良好な景観による魅力の向上は、観光振興にもつながります。市内には市民団体が手入れに参加して、保全している里山が幾つもあり、鎌倉市の緑保全の大きな特徴になっていますが、後継者不足、市民団体と行政の連携の取り方などの課題もあります。市民協働を広げる上で、とても重要な分野だと認識していただくことを求めて、次の項目に移ります。
 最後の項目はコロナ禍での子供たちのケアについてです。私の周りの保護者たちからは、コロナ禍における自粛やイベントの中止などが長期的に続き、限界を感じるとの声や子供たちのメンタル面を心配する声が後を絶ちません。大人は子供たちの苦しい心のうちに、思いを寄せ、その未来に責任を持つ対応を、求められています。
 市のホームページの新型コロナウイルスに関する教育相談の御案内の中の、新型コロナウイルスによる不安やストレスを感じたらという欄に、国立成育医療研究センターのサイトへのリンクがあります。
 このサイトは、子供たちや保護者の届きづらい声に寄り添っていて、子供たちの様子を知る一助となっており、多くの方に知っていただきたいと思っています。もっとそのホームページに保護者だけではなく、子供たちも活用しやすいような周知をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  新型コロナウイルス感染症に伴う長期間の自粛生活や行事や部活の中止、縮小によりまして、不安やストレスを感じている子供たちもいると考えております。
 教育委員会といたしましては、こうした子供たちに寄り添い、具体的な相談や支援につなげていくことが重要との考えから、学校における学級担任と心理の専門家が連携した対応はもちろん、ワンストップで相談できる教育センターの相談室について、年度当初に全児童・生徒に再度、周知をするなどの取組を行っております。
 この他にも、家庭でも活用できるリソースの情報提供の観点から鎌倉市のホームページにおきまして、御紹介いただきました成育医療研究センターのホームページを含め、各種外部サイトや神奈川県が設置している子供のことで相談できる相談窓口を紹介するなどの周知を行っているところでございます。
 児童・生徒がストレスから心を守る方法を理解することができるような情報の周知も有効な手段の一つであると考えており、今後とも情報発信の工夫・改善に努めてまいりたいと考えております。
 
○5番(井上三華子議員)  そのホームページの中の第5回目のコロナ×こどもアンケートでは、コロナを考えると嫌な気持ちになる、寝つけない、集中できない、いらいらする、独りぼっちだと感じるなど、7割超が何らかのストレスを抱えていて、第1回目アンケートから一貫して高い割合です。現場の先生方も子供たちのために、必死で対応してくれているのは、ありがたいほどに伝わってきます。そして、限られた時間の中で、子供たち一人一人の心に寄り添う先生たちの心労を思うと本当に胸がいっぱいになります。
 しかし、授業時間の短縮や休校という事態に備えて、子供たちがiPadを自宅に持ち帰ってオンライン学習ができるようにするための準備などに先生たちが忙殺されており、子供への対応が追いついていないのも現実ではないでしょうか。今、本当に大切なことが置き去りになって、学校生活を楽しめていないのではないか、限界に達している子供たちへの配慮ができているのかが気がかりです。その気がかりを踏まえて、長期的なストレスの中にいる子供たちが楽しく、安心できるような学校生活に向けて、どのような環境づくりをされているのか伺います。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  新型コロナウイルス対策を講じつつ、教育活動を継続するため、給食時における黙食をはじめ、一定の制限を受けた中で、子供たちは学校生活を送っている状況でございます。そんな中でも、子供たちが明るく楽しく安心して過ごせるよう、各学校で工夫した教育活動を行っていただいております。
 また、学校行事の変更に関しましては、感染対策を取った上で多くの行事を行うなど、児童・生徒の貴重な経験を最優先にした取組を行っております。これまでと同様の行事ができないことからこそ、子供たちが意見を出し合いながら、自分たちで楽しめる行事をつくり上げていくといった活動も生まれていると聞いております。
 このように工夫を凝らして、学校の教育活動を継続しつつ、感染が不安で学校に来られない児童・生徒のICTを活用した学習支援の準備を行っている学校現場には、大変な苦労があると考えております。現在の工夫や取組は市民の安全や生命を守ることにつながっているほか、今後の魅力的な授業づくりのために有意義であることから、現場の声に耳を傾けつつ、必要な環境の整備をはじめ、教育委員会といたしましても、子供たちの楽しい学校生活に向けて、取組を進めてまいりたいと考えております。
 
○5番(井上三華子議員)  そのコロナ×こどもアンケートでは、自分や家族を傷つけてしまう、家族やペットに暴力を振るってしまうという自傷他害に関する回答が、過去の調査よりも増えています。2020年度に自殺した児童・生徒は、過去最多の479人ですが、今年の2021年の7月時点で272人と、去年を上回る勢いに増加していて、長期的なコロナ禍の中で、より子供たちのストレスは深刻になっており、早急な対応が求められています。今の状況を受け止めて、取り返しがつかなくなる前に、子供たちや保護者が抱える思いや不安をため込むことを解消でき、安らげる機会や場所がもっと必要であると考えます。この最後の質問は市長に伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  今、これまで経験したことがないコロナ禍におきまして、子供たち、また保護者においても、相当なストレスがあると認識をするところです。
 鎌倉市の取組としましては、放課後かまくらっ子として、子供たちの放課後の居場所というところで、ここでの多世代交流、また、大学生などがサポートに入る中で、子供たちのちょっとした変化みたいなところを細かく捉えながら、サポートをしてくれているような状況があったり、また、保護者に対しましても、こどもと家庭の相談室などでの相談を通して、様々な負担感の受け止めということを継続しているところであります。
 今後もまだまだ先が見えない状況というところは、続くと考えておいた方がいいと思っておりまして、市としては今後も子供、保護者、双方に寄り添った支援というところをきめ細かく続けてまいりたいと考えております。
 
○5番(井上三華子議員)  子供たち一人一人 、落ち着ける場所は違います。学校と家と放課後かまくらっ子という選択肢が合わない子もいます。コロナ禍で活動が制限されている中で、今までの居場所がなくなってしまった子供たちのために、いま一度、選択肢を広げていく必要があると考えています。中学生、高校生の居場所はもっと少ないという声を聞きます。今の現状を改めて見直して、子供たちのストレスが少しでも軽減できるような居場所づくりを考えていただきたいとお願いをして、一般質問を終わらせていただきます。
 
○議長(中村聡一郎議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                    (14時00分  休憩)
                    (14時15分  再開)
 
○議長(中村聡一郎議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、児玉文彦議員の発言を許可いたします。
 
○6番(児玉文彦議員)  公明党の児玉文彦です。よろしくお願いいたします。6月の一般質問に引き続き、自治体の根幹であります財源確保に関する質問です。
 前回は法人市民税をいかに確保していくかに焦点を当てましたが、今回は自治体において自主財源の最も大きい部分を占める個人市民税に焦点を当てました。
 では、通告に従いまして、質問をさせていただきます。6月の一般質問の際に言及しましたが、本市はほかの自治体と比べ、相対的に裕福な財政状況にあります。ある専門家の方は、本市の財政状況を見て、経常収支比率の改善が課題だが、長年不交付団体であり、市の財政として現状は全く問題ない、それどころか行政サービスや市民に還元することにもう少しお金を使ってもよいくらいだとおっしゃっておりました。
 しかし、少子高齢化が今後、急速に進み、それに伴う社会保障費の増加、今後増えていくだろう自然災害に対する防災減災に係る費用の増加、新たな都市整備や老朽化したインフラ整備に係る費用など、これまで以上に多くの費用がかかってまいります。つまり、これから先を見たとき、入ってくるお金は減っていく一方で、出ていくお金は増えていくという厳しい状況になっていきます。
 日本の現在の人口は、約1億2600万人、5年前より86万人減っており、日本全体として、少子高齢化による人口減少は避けられない状況にあります。
 ちなみに世界の現在の人口は約78億人、2050年には97億人になると推定されています。国別の人口ランキングで見ますと、1位中国約14億5000万人、2位インド約13億8000万人、3位アメリカ約3億3000万人、1位2位の中国、インドが突出しており、3位のアメリカと比べても10億人も差があります。
 そして、日本はといいますと、日本は世界で11位、2、3年前までは、10位でしたがメキシコに抜かれました。補足で申しますと、お隣の韓国は日本の半分以下約5,200万人、北朝鮮はさらにその半分の約2,500万人です。このように、日本では人口が減少していく中、世界の人口はどんどん増えております。
 話を戻しますが、自治体において、自主財源の大部分を占める個人市民税と固定資産税は人口が直結しますので、いかに人口減少を抑えるか、その中でも特に生産年齢人口15歳から64歳ですけれども、いかに増やしていくかが、どの自治体においても共通の重要課題であり、本市も例外ではありません。
 本市における直近10年の個人市民税を見ますと、約147億円から約165億円で推移しており一般会計歳入における割合としましては、約20%から28%と最も大きい比率を占めており、固定資産税と合わせますと50%前後を占めます。法人市民税が占める2、3%と割合を比べても、圧倒的に大きい割合で、この個人市民税が占める割合がほかの自治体と比べ、高いのも本市の特徴です。そう考えますと、いかに人口減少を抑え、かつ生産年齢人口を増やすかは、本市の財政確保にとっては、より重要な課題であります。
 改めてお聞きしますが、この点を本市としてはどのように見ていますでしょうか、伺います。
 
○比留間 彰 共生共創部長  御指摘のとおり出生率の低下によります少子化、人口減少は全国的な課題であり、第4期基本計画策定時の人口推計によりますと、本市におきましても今後、人口減少が進行するとともに、特に年少人口及び生産年齢人口の割合が減少することを推計しています。このような年齢構成バランスの変化は、税収の減少のみにとどまることなく、健全なコミュニティーの希薄化や地域活力の低下などにもつながり、非常に深刻な課題と捉えております。
 
○6番(児玉文彦議員)  ありがとうございます。総務省のRESASに公開されておりますが、本市における生産年齢人口割合と今後の推計を確認しますと、2000年は約67%、2020年は約57%、2040年になりますと約50%、しかもこのときの人口は15万人まで減少するとした上での50%、そこまで減少します。これは本市が何も対策を講じなかった場合の推計でありますけれども、着実に人口は減少して、生産年齢人口の割合も減少し、高齢化が進んでいきます。ほかの自治体よりも65歳以上の高齢者の割合が高い本市は、高齢者の方で高額納税者が多いのも特徴でありますが、中・長期的に見て生産年齢人口世代の転入、人口増は必要であると考えます。
 6月定例会の一般質問で御答弁されていましたとおり、近年、本市がターゲットとしている40代のファミリー世代人口の社会増が高齢者人口の自然減をカバーしていることもあり、結果として本市人口は、この10年は横ばいになっております。実際、1999年以降、本市における人口の転入転出数は転入超過、つまり本市から出ていく人口よりも、入ってくる人口が多い状況が続いております。住民基本台帳ベースの直近10年のデータを確認しましたところ、転入超過数は年間230人から450人だったものが、2018年平成30年以降は1,000人を超え、昨年2020年は1,694人と、特にこの3年急激に増えております。都内23区、横浜市、川崎市から引っ越されてくる方が多いようです。
 一方、自然増減数も同じように出生数と死亡数の差が、年々広がり、一昨年からマイナス1,000人となっておりますが、社会増である転入超過数の増え方が大きく、本市の人口は2017年、平成29年までは、毎年150人から550人ほど減少しておりましたが、転入超過数が1,000人を超え始めた2018年、平成30年からは一転、人口増となり、昨年は644人増加となりました。
 つまり、人口自然減より人口社会増が上回り、その傾向が年々高まっております。これは本市が何か具体的な取組をしてきた効果、結果なのでしょうか。それとも、自然発生的な現象なのでしょうか。率直な分析、見解をお聞かせください。
 
○比留間 彰 共生共創部長  ただいま御紹介いただきましたように、本市の人口推移は自然減を社会増が上回り、人口増加が続くという構造が続いてまいりました。2010年頃から社会増減が拮抗し、一時期人口増減が横ばいとなったものの、ここ数年間は社会増の傾向が戻りまして、人口は微増傾向にございます。
 さらに人口推計を詳しく見てみますと、年齢別では25歳から44歳は人口推計よりも減少が緩やかで、45歳から49歳は推計よりも増加という結果になっており、これは平成27年度に作成しました鎌倉市まち・ひと・しごと創生総合戦略で、流出抑制や転入促進のターゲットとしてきた層とも一致いたします。このため、これまで注力してきました安全・安心な町、働く町、子供が育つ町、健康に暮らせる町の実現に向けた施策が一定の成果を上げてきたものと考えているところです。
 
○6番(児玉文彦議員)  ありがとうございます。2016年に作成されました鎌倉市人口ビジョン、鎌倉市まち・ひと・しごと創生総合戦略にも記載されておりますが、鎌倉には知名度、ブランド力があり、都心へのアクセスが電車で1時間弱といった利便性から転入者が多くなっているものと理解しております。
 つまり、極端な話、本市として、何もアクションを起こさなくても、毎年ある程度の転入人口が見込めるということですが、コロナ禍でテレワークが普及したことで本市への転入者が増えているようですし、今後も増えていくものと考えます。
 大手電機メーカー富士通がテレワーク導入により、社員の働く場所を柔軟に変更できる取組を進めており、大分県とは協定を結び、移住者説明会まで開催、社員の大分県への移住を積極的に推進しているそうです。今後、そういった流れは日本全国的に加速していくものと考えます。生産年齢人口の増加が課題である本市にとっても、今、このような流れは大きなチャンスであると考えます。本市としてはこの状況をどのように捉えていますでしょうか、伺います。
 
○比留間 彰 共生共創部長  生産年齢人口の増加、流出抑制に向けては、職住近接が非常に重要になると捉えておりまして、企業誘致とともに、テレワークの普及、促進に取り組んできたところです。コロナ禍によるテレワークの普及は、本市といたしましても大きなチャンスと捉えておりまして、6月には、NTTコミュニケーションズ株式会社と協定を締結し、専用アプリを用いてコワーキングスペース提供者と利用者のマッチングを行う実証実験に取り組んでいるところです。市民のテレワーク促進とともに、本市の環境を生かしたワーケーションの促進も、移住促進に有効と考えておりまして、引き続き鎌倉テレワーク・ライフスタイル研究会と連携し、取組を進めていきたいと考えています。
 
○6番(児玉文彦議員)  ありがとうございます。ぜひ、推進していただけたらと思っております。
 一方で課題があることも認識しております。数年前に作成、公開されております鎌倉市人口ビジョンにおける基本的な考え方には、本市の特徴として、その時点で既に地価は首都圏から同じ距離の地域と比較して相対的に高い水準で推移している、住宅の着工数、住宅供給の絶対数が少ない状況にあると記載されております。このコロナ禍で逗子市、葉山町といった周辺自治体と同様、不動産物件の不足と価格上昇の傾向にあると聞いております。私が住んでいます二階堂やほかの地域でも、最近よく見かけますが、もともと広い土地の一軒家が更地になりまして、そこに新築の家を2、3軒、多いケースですと、6軒から7軒が建ちまして、若いファミリー世代の転入世帯が増えてきております。更地にして1年近く全く売れていなかった5、6軒分の分譲地がコロナ禍になった後、短期間であっという間に売れてしまいました。
 若宮大路段葛沿いに現在建設中の新築分譲マンションがあります。市内一等地ですし、高いだろうなと私も予測しておりました。販売価格を見ましたら、1億1000万円から4億円と書いてありまして、大変驚きました。さらに驚いたのは、販売開始後、即完売だったということです。何が言いたいのかと申しますと、鎌倉は住みたい街等で毎回のようにランキングしているように、もともと人気が高かったところに、コロナ禍によるテレワーク普及などで、人気上昇に拍車がかかっているということです。大規模な宅地開発や高層マンション建設は、本市では難しいと認識しておりますし、本市の環境にそぐわない乱開発はすべきではないと思いますが、安定的な住宅物件の供給は今後より重要な課題になると考えます。
 ちなみに直近10年の本市における着工、新設住宅戸数は毎年およそ1,000軒弱から1,700軒ほどで推移しているようです。本市としても、既に課題と認識されていますこの住宅供給確保に関しまして、これまで何か具体的な対策、取組はされてきましたでしょうか、伺います。
 
○比留間 彰 共生共創部長  ただいま御紹介いただきましたように、鎌倉市人口ビジョン策定時の現状分析の一つとして、都心からおおむね等距離、等しい距離の着工、新築住宅戸数を調査し、比較しましたところ、新築住宅の絶対数は少ないものの、人口1,000人当たりに換算しますとほぼ中間あたりという状況でございました。住宅供給数の確保は、人口増加に効果的ではある一方、自然景観や町並みの維持等とトレードオフの関係にあることから、規制緩和や直接的な支援措置などは、行っておりませんが、鎌倉市まち・ひと・しごと創生総合戦略に鎌倉の魅力に磨きをかけ、新しい人の流れをつくる、これを基本目標の一つに掲げておりまして、出産、子育て、良好な住環境の維持、こういったソフト施策に取り組んでいるところです。
 
○6番(児玉文彦議員)  ありがとうございます。今後は、官民協働も含め、住宅、建築関連の規制緩和などの対策が必要になる場面も出てくるかと思いますが、柔軟な御対応をいただければと思います。
 住宅供給数が足りない状況がある反面、今後の日本全体の問題でもありますが、少子高齢化で空き家が多くなってまいります。いわゆる空き家問題です。本市内でも、何年も放置された雑草が生えている空き家を何か所か見かけます。それは、土地所有者の権利でありますし、周りがとやかく言うことではありませんが、見ていてもったいないなといつも感じております。将来的な人口減少を抑え、かつ、個人市民税の税収アップにつながる政策を考えていく中で、この空き家問題に対して何かしら対策を講ずる必要もあろうかと考えます。これまで本市として、何か具体的な対策、取組はされてますでしょうか。
 
○森 明彦 都市整備部長  空き家問題に対しての対策や取組につきましては、法律、建築、不動産などの専門的知識を必要とすることから、空き家化の防止や空き家の適正管理などを推進するため、専門家団体と協定を締結し、相談窓口を設置しております。その相談窓口を記載しましたリーフレットを固定資産税、都市計画税納税通知書に同封し、土地建物所有者に周知を行っているところです。
 
○6番(児玉文彦議員)  ありがとうございます。既に、対策講じていること承知いたしました。
 別の課題と申しますか、これも鎌倉独特の特有の現象だなと感じたことがあるのですが、私が以前住んでおりました市内の新築分譲マンション、全戸数40の中規模マンションでしたが、購入者の6割以上が65歳以上の高齢者夫婦で、そのうち半分以上の方がセカンドハウスとして購入されておりました。リタイアされた高齢者夫婦で、かつ、経済的に余裕のある方々であったと記憶しております。これも行政としてコントロールできることではありませんが、中・長期的観点で、個人市民税を継続的に、安定的に確保するには、やはり生産年齢世代、特に30代、40代の若い世代の転入世帯を増やすために、本市として能動的、積極的、具体的に動いていく必要があると考えます。この点、本市として今までどのような取組をされてきましたでしょうか。6月に一般質問でも触れましたが、企業誘致による新たな働く場の創出ですとか、出産、子育て支援といった点を含め、改めて伺います。
 
○比留間 彰 共生共創部長  これまで、希望出生率の達成を目指した幼児教育、保育の無償化、産後ケア事業をはじめとした妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援、全ての就学児童が放課後等、安全・安心に過ごし、多様な体験ができる放課後かまくらっ子の全校実施、GIGAスクールをはじめとしたICT教育環境の整備など、出産、子育て、教育環境の充実に注力してまいりました。
 また、企業立地促進条例に基づく、企業誘致や創業支援、オフィスのリフォーム補助などの新規立地企業への支援やテレワークの普及促進など、働く場の創出にも取り組んできたところです。今後もコロナ禍による生活様式や働き方の転換に即した働く場の創出、子育て、教育環境の充実などの施策推進に引き続き取り組み、若年層の転入促進、転出抑制を目指してまいります。
 
○6番(児玉文彦議員)  ありがとうございます。これまで、取り組まれてきた施策の結果を定期的にレビューし、既にやられていると思いますけれども、必要に応じて柔軟に改善していくことも、ぜひお願いしたいと思います。
 別の観点で申しますと、本市がSDGs未来都市であることや、スマートシティ構想を掲げている点、つまり、これまで古都鎌倉といったイメージに加え、先進的都市鎌倉としての特色を、もっともっと目に見える形で発信、アピールすることで意識のある若い世代の方々を引きつけ、呼び込むことができるのではないかとも考えます。もちろん、意識のある方で、既に鎌倉に引っ越されてきた方もいらっしゃるかと思います。
 実際、本市ホームページを見ても、本市がSDGs未来都市であることが見えづらいですし、町なかを見ても、そのことが分かるもの、例えばポスターですとか、掲示板ですとかが見当たらず、なかなか実感、認識することができません。これはある医師会の方からも指摘された点でございます。
 私自身もそうですけれども、お恥ずかしい話、数か月前まで本市がSDGs未来都市であることですら、知りませんでした。市内外の多くの方が目に触れられるよう、視覚的にもっと積極的にアピールすべきかと思いますし、これにはそれほど手間、コストがかからず、比較的速やかに対応しやすいことかと考えますが、具体的に検討、対応することは可能でしょうか、伺います。
 
○比留間 彰 共生共創部長  本市の先進的な取組につきましては、ホームページやSNSなどで発信するほか、他都市で開催されるイベントやシンポジウムでの情報発信、市内の小・中学生で構成するSDGs推進隊のメンバーが、活動内容をFMヨコハマで定期的に発信するなど、積極的なPRに努めているところです。
 今後はただいま御提案いただいた内容も含めまして、例えばふるさと寄付の呼びかけと併せてアピールするなど、意識の高い、若い世代の目に触れるような効果的な発信を検討し、取り組んでいきたいと考えています。
 
○6番(児玉文彦議員)  ありがとうございます。ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 人口減少抑制、若い世代の人口を増やす取組をしている自治体への行政視察を先月上旬に実施いたしました。コロナ禍でもあり、オンライン形式ではありましたが、視察先は小田原市です。
 小田原市は今年度から企画政策課に移住定住係を新たに設置しました。昨年、市長に就任されました守屋市長は、小田原市の人口を以前の20万人以上にするということを政策の柱、目標の一つに掲げているそうで、市長肝煎りで組織化されたとのことです。
 小田原市の現在の人口は、約18万8000人、本市より1万5000人ほど多く、ほぼ同じ規模です。本市同様に、65歳以上の人口比率が既に30%を超えております。品川まで新幹線で約30分、東海道線で約80分と都内の通勤圏内にあり、海、山と自然豊かで小田原城を擁する歴史の町、観光の町であります。小田原市も本市同様、SDGs未来都市に選定されており、それプラス全国の10の自治体が選ばれた自治体SDGsモデル事業の一つでもあります。
 また、政府のスーパーシティ選定にも応募しており、神奈川県内で応募しているのは、小田原市と本市の二つのみと、このように本市と多くの共通点がございます。
 担当の課長と係長に様々ヒアリングしたところ、オダワラボなど専用ウェブサイトを開設したり、都内の有楽町交通会館にある、ふるさと暮らし情報センターに小田原市のブースを設置したりと、小田原に呼び込む方策は出そろい、実際、転入者も増えつつあるそうですが、引っ越し先の不動産物件が足りない、受皿がない、これが実は最大の課題であり、この課題をどう解決、対処していくかが重要であり、難しいとおっしゃっておりました。特に、JR、小田急小田原駅周辺が人気があり、物件が少ないそうです。
 これは先ほど述べました本市の課題と共通しております。この課題をどうするかは継続的、共通の課題であると思います。
 このように、小田原市が専門の課、係を立ち上げて取り組んでいることは、神奈川県下では珍しく、本市を含めほかの自治体では、見られないわけですが、将来を見据えた積極的な取組だなと感じた次第です。
 この課題に関しましては、これまでも本市も、それぞれの部署で分析や戦略を練っていると認識しております。すぐにとは言いませんが、中・長期的な観点から、本市も包括的、横断的に対応できる組織を立ち上げる検討も必要ではないかとも考えますが、この点はいかがでしょうか。
 
○比留間 彰 共生共創部長  移住促進を含むシティプロモーションは、共生共創部企画課が所管しておりまして、住宅政策を所管します都市整備部、商工施策を所管しています市民防災部、子育て施策を所管するこどもみらい部など、全庁横断に連携しながら、施策展開を図っているところです。
 専門部署の設置につきましては、現時点では考えておりませんが、今後の人口動態、社会的ニーズの動向などを見ながら、その必要性について検討していきたいと考えております。
 
○6番(児玉文彦議員)  ありがとうございます。将来を見据え、先手を打っていただきたいと思いますし、様々アイデアや柔軟な発想力のある若手職員を抜てきして進めていっていただければ、よりベターではないかなと考えます。
 私は今回の一般質問しました目的・趣旨は、自治体体制の基盤である人口、その人口の自然減を社会増でカバーし続けることで人口減少抑制し、将来にわたって自主財源のメインである個人市民税を持続的、安定的に確保し、誰もがより安心・安全で暮らしやすい魅力的な鎌倉を構築するためでございます。
 もともとブランド力がある鎌倉市です。住宅供給数の確保と先進的な施策を柔軟に取り入れ、スピード感を持って実行していけば、言い換えれば自治体自らが稼ぐ、稼げる仕組みをつくり実行していけば、それは十分可能であると考えます。
 最後に、この人口減少の抑制と個人市民税確保の取組に関して、松尾市長の考えをお聞かせください。
 
○松尾 崇 市長  ありがとうございます。鎌倉で子供を産み、育てたいと思えるような子育て、教育環境の充実、また、鎌倉に住み、働く環境を整えるための企業誘致や雇用の創出、そしていつまでも住み続けられる安全で安心な地域づくりなどに取り組みまして、人口減少を抑え、さらに、コロナ禍による価値変化にも対応して、この状態というのを維持していくことができていると考えております。
 引き続き、豊かなこの自然、歴史、文化といった鎌倉固有の魅力の発信とともに、鎌倉に住み、働き、そして子育てをするライフスタイルの発信を通じて、若年ファミリー層を中心とした子育て世帯の転入促進、転出抑制を図っていきたいと考えております。
 先ほども、御提案いただいたような鎌倉市からの積極的な発信という点につきましても、私自身もSDGsですとか、スマートシティ、DX、ウェルビーイング、こういう取組に関して、お声がけをいただくこともあります。積極的にこうした機会を捉えて、日本全体への発信ということも、これから引き続き、力を入れてまいりたいと思っています。
 また、新しいまちづくりに取り組む深沢地域整備事業におきましても、企業誘致とともに、産業集積によるイノベーションの誘発や市民の心と体の健康増進など、新たな価値創造にも取り組みまして、働くまち鎌倉、住みたい・住み続けたいまち鎌倉の実現を目指してまいりたいと考えております。
 
○6番(児玉文彦議員)  ありがとうございます。実際におけるこの事業課題に関しては、私自身もこれから、常に考え、様々情報を集め、アイデアを出して取り組んでまいりたいと思います。
 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
 
○議長(中村聡一郎議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                    (14時43分  休憩)
                    (14時55分  再開)
 
○議長(中村聡一郎議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、高野洋一議員の発言を許可いたします。
 
○20番(高野洋一議員)  よろしくお願いします。一般質問も私、後半になりましたけれども、来月、鎌倉市長選挙も迎えて、その前の最後の議会ということになりますけれども、様々な市民の皆さんからのお声を聞く中で、議会の状況と一致しているか分かりませんけれども、市政に対する様々な不満が、私はかなり広がってきているんじゃないかなと感じております。
 そうした中で、この1項目めであります鎌倉の図書館は、県内で最も歴史がある行政分野となっておりますけれども、比較的市民から高く評価されている、数少ないと言っては失礼かもしれませんが、分野であると思っています。ただし、ハード面については、スペースの狭さや老朽化などの課題があり、一方、人的サービスによるソフト面は体制が苦しい中でも、レファレンスサービスなどで頑張られているんじゃないかなと思っています。
 鎌倉の図書館は10年前の2011年に100周年を迎えました。その歴史を生かし、また、その歴史から学んで、市民の知る権利の保障、生涯学習の核としての位置づけと役割が求められていると改めて思います。先ほど同僚議員からもコロナ禍での子供の居場所のお話が言及ありましたけど、図書館もその重要な一つだと思いますね。無料で、開館時間内であれば誰でもということです。
 100周年記念式典の際、当時の市議会議長が行いました挨拶を改めて紹介したいと思います。図書館は大きな貸本屋ではありません。図書館はまさに文化の集積地、発信地そのものであります。文化都市鎌倉を支える拠点の一つであるという自覚と責任を持って発展し続けてほしい。このたびの100周年をさらなる図書館発展の礎として、これからも読書を楽しむ場、情報提供・発信の場、資料収集の場としてあるだけでなく、市民の交流の場として、市民に愛される図書館であり続けていただきますよう強く願っております。ここには文化都市鎌倉と、今、呼べるか分かりませんが、そうであるならば、文化都市鎌倉の図書館の役割が凝縮して述べられていると思います。
 そこで、まず伺いますが、今、中央図書館では、今月から耐震改修工事が始まりましたね。主に2階、3階の外壁だとか、ひさしの部分ですかね、外の。そういう部分について、より安全性を図るということで行われると認識しておりますけれども、その状況、それから、これは昨日も公共施設再編計画に少し触れた質問をされた議員もいらっしゃいますけれども、耐震改修工事、中央図書館をやるんだけれども、じゃあ今後どういう見通しで使っていくんですかと。これは市役所の移転との関係もありますけど。ちょっとこの辺について基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  今、議員御紹介の中央図書館の耐震改修工事の主な内容につきましては、建物の2階の一部に耐震壁を設置すること、屋上周囲のひさしを撤去すること、また、2、3階のベランダ部分の手すりの取替えを行う内容になっております。
 それと、市役所や図書館等の公共施設の将来の在り方を検討する中では、中央図書館につきましては、市役所の跡地への移転を検討しておりまして、それまでは現在の中央図書館の施設を活用するということで考えております。
 
○20番(高野洋一議員)  私は公共施設再編のことは大分違った場でも、委員会などでも議論させていただいておりますので、今日はそのことを中心にしたテーマではないんですが、建て替えて、それで市役所の跡地にということですけれども、早くて市役所が令和10年度ですか。私はそんな単純にいかないと思っていますよ。そのことはちょっと今議会ではやりませんが。その後でしょう。跡地なんだから。移転した後ね。同時期じゃないでしょう、整備。そうすると、もうしばらくの間使い続けるということになりますよね。一定年度。それが10年なのか15年なのか分かりませんが。私は市役所移転はそんな簡単な話じゃないと思っていますよ。計画どおりやりたいという御答弁があったのは聞いていて分かっていますけれども、そんな簡単に市民との関係ではいかないという、私は見通しを持っていますから、中央図書館、今回、耐震改修をやる。
 それだけではなくて、やはり一定年数使うということにおいては、先ほども紹介しましたけれども、本をただ借りる場じゃないんですね、図書館というのは。これはサービス計画にも記載されていますが、滞在し、交流し、学ぶ場としての図書館により発展していくことが求められていると書いています。
 その点で言うと、例えば中央図書館では、これは私も感じますけれども、これも計画にも書いてありますが、トイレね。これ多目的、少し改善した面もあるんですが、しかし、やはりトイレの改修が必要である。臭いも含めて。それから、これも最近も市民の方から聞きましたが、ブラインドがぼろぼろだと。何とかならないかと、こんな声。それから、これはより根本的な話ですが、やはり閲覧スペースや席が不足しているんじゃないか。これは、今の館でできるのか、移転整備しなきゃできないのかという大きな課題でもありますが、しかし、いずれにしても、しばらく使うんだから、そうしたトイレの改善、ブラインドの修繕を含めて、できるところはより改善していってほしい。このように思いますが、いかがですか。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  中央図書館の施設及び設備の改善等につきましては、快適に施設を利用していただくことのできる環境を整えていくことが必要であると考えているため、適切な維持管理に現在努めているところでございます。
 御指摘のトイレにつきましては、臭気対策や洋式化を進めていくことが必要であると考えておりまして、排気設備の補修や洋式への取替え修繕など、適切に対応をしていきたいと考えております。その他の老朽化した部分につきましても、市民のニーズを踏まえて、順次対応していきたいと現在考えているところでございます。
 
○20番(高野洋一議員)  それから、耐震改修工事は今月と、それから来年2月の下旬ですかね、2週間ぐらいと聞いていますけれども、やはり一部これも市民の方から、今月お休みだから、中央図書館ですね。先に借りなきゃいけないんだというような方がいらっしゃったんです。実際に。そういうことからも、やはり中央図書館ですから、利用者さんへの影響、それから工事期間中の必要なきちんとしたサービス、これは臨時窓口の設置を含めて、ちゃんと維持してほしいと思いますが、その辺り。ちょうど今の時期ですから、どうなるのか、ちょっと具体的に。9月は16日からですか、臨時窓口。その辺も含めて教えてください。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  耐震改修工事につきましては、今、議員御紹介のように、基本的に工期としましては令和3年9月から令和4年の3月までの7か月間の工期を予定しておりまして、足場等の設置等を行う9月の1か月間については休館をさせていただくということで周知をさせていただいております。
 9月の中旬以降、建物の外側の安全が確保できた段階で、工事作業終了時間の午後5時以降と、工事作業を行わない日曜日に予約資料の臨時貸出窓口を職員通用口付近に設置していきたいと考えております。これにつきましては、工事の進捗状況に応じて、今のところ9月中旬ということで予定をしているところでございます。
 建物内部が利用可能となりますのは10月からになりまして、令和3年10月から令和4年の1月までにつきましては、耐震改修工事を行いながら開館していく予定としております。騒音や振動によりまして快適な読書環境は提供できないような状況にはなろうかと思いますけれども、書架からの貸出しや予約資料の貸出しなど、できる範囲のサービスについては提供させていただきたいと考えております。
 また、令和4年2月には足場の解体を行う予定がございますので、利用者の安全のため、2週間程度休館をさせていただくと考えているところでございます。
 
○20番(高野洋一議員)  次に、これは今年度におきます図書館の継続的な重点事業の一つとしても位置づけられております職員の育成、今後の体制ということに関して伺います。
 先ほど10年前が図書館の100年であるというお話をしましたけれども、そのときに図書館百年史という大変立派な冊子が、これ市民との協働ですかね。私も何度か読まさせていただいております。今回もちょっと改めて読みました。
 その中でこのような記載があります。これは第4章、これからの鎌倉の図書館というところで、一部だけ時間の関係の範囲内で紹介したいと思います。こういうふうに記載があります。むしろ機械化や電子化が進化すればするほど、その有効性を市民一人一人が確保するための支援業務はより必要になると思われる。また、書籍の電子化は、今後、公立図書館における資料の収集、保存、提供の在り方だけでなく、図書館サービスの内容や方法をも大きく変化させていくに違いない。近未来に予想される図書館の変革に際し、より的確に、より効率よく対応していくためにも、リーダーシップを発揮し、長期的展望に立って運営に当たれる図書館長、熱意を持った司書職員のさらなる研修と継続的配置が求められているところである。よりよい図書館は潤沢な予算や立派な建物だけではなく、優れた人材の確保によってこそ完成し得るものだからである。私、ここは非常に重要だと思っているんです。この点について、鎌倉市はそういう認識、百年史にそのように書かれていますけど、認識に現在立っているでしょうか。伺います。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  鎌倉図書館百年史につきましては、鎌倉市図書館の開設100周年を記念して、平成23年7月に発行しております。百年史のこれからの鎌倉の図書館のあるべき図書館の姿の項目に、ただいま御紹介いただいた、よりよい図書館は潤沢な予算や立派な建物だけではなく、優れた人材の確保によって完成し得るものと記載をされているところでございます。図書館を運営していく上で、図書館資料、建物とともに、人材の確保は必要なものと考えております。
 
○20番(高野洋一議員)  さらに、現在の図書館サービス計画、ちょうど今年が中間年ですかね、5か年計画の、と認識しておりますが、そこの中で、計画の(6)職員の知識、技術の継承と能力の育成という項目がありまして、ここもちょっと紹介したいと思います。このように記載されています。「図書館の職員は、正規職員である技術職員、事務職員と非常勤嘱託職員で構成されています。非常勤嘱託職員や人事異動がある事務職員には知識や技術にばらつきがあることから、その能力の向上を図り、知識とスキルを確実に継承して、これまでの図書館サービスを維持継続していける体制をつくらなくてはなりません。また、20年以上技術職員が採用されてきませんでしたが、効果的な図書館運営を行うためには、図書館サービスの知識、技術だけでなく、図書館運営全体をコーディネートする能力を有し、それに加えて鎌倉の町と図書館の資料と利用者をよく知る技術職員の採用と育成を検討していくことが必要です。」これは行政計画ですね。私、行政計画というのは、いろんな計画見ていますが、この図書館のサービス計画というのは比較的、いい意味で、きちっと現場の課題、思いがよく反映されたものであると思っているんです。このとおりであるんです。と私は思います。この後、このとおりだとするならどうするのということが問われますが、ここの行政計画に書いてあるんだから、認識聞くの変なんだけれども、ちょっとこの後の質問との関係があるので、この認識、そのとおりに受け止めているかどうか伺います。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  行政計画として定めたものでございますので、そういう認識でございます。この図書館サービスの充実を目指すために、第3次鎌倉市図書館サービス計画を平成31年3月に策定して、現在推進をしているところでございます。
 
○20番(高野洋一議員)  さらに、図書館行政においては、市民の方とか専門家の方も加わって意見など頂く場として図書館協議会というのが設置されて、年に数回ですかね、開催されていると思うんですが、今年度は8月6日に第1回の図書館協議会が開催されました。傍聴させていただきました。久々に傍聴しました。その中でも、今確認させていただいた行政計画のこの課題に関して、私の認識では、複数の委員から指摘が、指摘というのかな、御意見というのかな、あったと思うんですが、その内容をちょっと。まだ議事録、情報公開で私、請求したんだけどね。議事録はまだ全体ができていないということですが、そこの部分だけ御紹介いただきたいと思います。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  図書館協議会につきましては、図書館法等に基づいて設置をしておりまして、図書館方針について館長に対して意見を述べる機関となっております。令和3年8月6日の第1回図書館協議会で委員2名から技術職員司書の採用を求めるような発言があったと報告を受けておるところでございます。その内容としましては、司書職の採用を鎌倉はずっと凍結しているので、復活を働きかけてほしい、今、すごくいいサービスができているので、次の世代に伝えていくことも大事ということと、もう1点は、退職により技術・知識が途切れてしまいもったいない、司書採用が実現できたらいいということだったと聞いておるところでございます。
 
○20番(高野洋一議員)  そうしますと、少し外堀を埋めるようなこと聞いてきたんですが、百年史でも大きな意味での指摘がされ、それから、行政計画に実際に位置づけられてもいて、図書館協議会でも今、複数の、全員で5人ですよね。委員のうち2人の方、1人が市民の方、1人が大学の先生ですかね、専門家の方からも指摘がされているわけです。じゃあどうするのですかということが問われます。
 先ほどサービス計画では20年以上と書いてありましたけれども、正確に言うと28年ですね。1993年に2人、図書館の正規のですよ、きちっとした位置づけの。図書館の司書が専門職であることは議論の余地はありませんが、非常勤の方の力に物すごく頼ってやっているわけですね。ですから、28年にわたって正規の、つまり柱となるべき、図書館であれば図書館行政の、雇われていないわけです。その中で何とかやりくりしているというのが現状だと思います。地域館を含めて。地域館には1人ずつ置いていますね。
 そういう中で、例えば隣の横浜市はどうかというと、これ逆で、横浜市は2010年だけは採用していないんです。もちろん図書館の数の規模が違いますよ。だから、単純な比較はできないんですが、しかし、図書館の司書の正規採用という点では、隣の横浜市、新しい市長になられましたけど、2010年を除いては、1991年から30年、毎年採用していますよ、きちっと。私さっき資料を数えたら、約160人ぐらいですね。これはもちろん鎌倉市に直接は要りませんよ。館の数が違うから。
 大事なのは、そうやって、図書館という生涯学習の中心的な施設で、今、コロナ禍でお子さんも大変だというお話さっきありましたけど、お子さんから高齢者の方まで誰もが、まさに生涯学習ですよ。多世代が集えて、あまりおしゃべりはそんなに、うるさくはできる場所じゃありませんが、様々な知的関心、それから学びたいこと、知りたいこと、分からなければ司書の方に聞ける。特に鎌倉のような、こういう政権所在地だった特別な町では、いろんな問合せもレファレンスでたくさん司書の方にあると聞いています。そういう図書館の言わば中心となるべき職員を、もうずっと28年も、四半世紀以上雇っていないんですよ。これについて、今、行政計画にもある、図書館の協議会から、委員からも出ている。では、教育委員会として、これどのように対応されるんですか、今後。来年度以降ですよ。
 
○岩岡寛人 教育長  これまでの図書館サービスの発展に果たしてきました技術職員司書の役割は大変大きいと考えておりまして、今、市民とともにつくる図書館という現状の在り方を確立してきたのは、まさに人の力であろうと考えております。
 技術職員として採用した司書の定年というものもございますし、その技能やノウハウを確実に伝承していくというためにも、これまでも司書資格を有する職員を配置はしてきておりますけれども、司書資格を有する職員を継続的に配置するとともに、その技能等の継承、向上に必要な勤続期間をしっかりと確保していくということも大変重要であると考えております。
 今後も図書館の質の高いサービスを維持・向上していくために必要な、持続可能な図書館運営の在り方について、現在、中央図書館を中心として検討しているところでございまして、その結果も踏まえて、必要な職員体制の確保に努めていきたいと考えております。
 
○20番(高野洋一議員)  率直に伺いますが、過去にも例えば人事異動があって、それである意味、資格があった方だったのかな。あった方か、新たに取ったか、ちょっとすみません、今、資料持っていなくて。というのがあったんです。それもまれですよ。そういう形だってまれ。
 言いたいのは、さっき横浜市との比較しましたけどね、やっぱりきちっと専門職である、文化行政をある意味中心的に担っている職員の一人なんですよ。技術職ですね、だから、位置づけが。であれば、単純な行政改革の議論とはちょっと違うと思っているんですよ。そういう専門職を四半世紀以上も採用しないで、さっき図書館百年史のこと紹介しましたけど、そういう未来につながる、発展する図書館になるだろうかと。いや、現場が苦労して何とかやりくりしているんですよ、今。市民の評価も高いんですよ。高いから今でいいと言っているんじゃない。高いけれども、ぎりぎりまで来ていると思いますよ。建物だけじゃなくて、運営面においてもですね。
 この点で、ちょっと市長の方にも伺いますが、まず教育長にもう1問しますが、結局、はっきり言えば、適正化計画との関係あるでしょう、これ。ここもあえて、ちょっと私も改めて調べ直したけれども、適正化計画は業務の見直し対象に確かに図書館も入っています。それ自体が問題だと思います。見直すべきだと思いますよ。しかし、現状の適正化計画を見ても、図書館(地域館)となっていて、どちらかというと、これは実は私、4年前の9月議会で取り上げたんです。地域館の問題は。今、1名ずつ配置されていますね。それをなくそうという話だった。それはおかしいという話しました。4年前に。教育長は就任前ですけど。そうなりませんでした。それは正しいと思っています。
 どちらかというとそのことに、そのことだけとは解釈できない面もあるけど、図書館(地域館)とわざわざ書いてあるんですから、であるならば、逆に言えば、中央図書館への正規司書配置の余地は残っているとも取れるんです。これは解釈論だけど。
 であるならば、私は適正化計画は見直しが必要という立場です。会派としても、私自身も。それは、さっきもちょっと議論ありましたけど、増収とか、税収を増やそうだとか、鎌倉市がどう発展していくか。やっぱり暮らしがよくならなきゃ駄目なんですよ。今、コロナ禍の一つの教訓としては、雇用問題が実はあって、これはあまり時間を割きませんけれども、このことに。やっぱり正規雇用を減らして、いろんな契約社員だとか、アルバイトだとか、非正規を増やし続けているんです、この日本社会は。病院とかもそうなんですよ。保健所も削った、それで。雇用どころか、保健所そのものも削ってきた。今、危機管理で困ったときに不十分だというのが今の日本社会でしょう。病院とか、職員も削ってきたんです、ばんばん。役所も同じです。
 こういう雇用というのを、何かきちんとした雇用があしきものであると。安上がりのほうがいいんだと。こういう価値観が、学問的に言えば新自由主義といいますが、こういうやり方をずっと続けてきているんです。私の記憶では、小泉改革以降、特に。その前からもありますが。私は職員数適正化計画というのはまさにその最たるもので、鎌倉市役所はどこまで正規職員減らすんですか。ゼロを目指すんですか。そんな極端なことはないとは思います。しかし、正規雇用があってこそ、図書館だけでなくてですよ、様々な業務がきちんと回っていくんです。正規を減らして、アルバイトとか非常勤で埋めているでしょう。だから、職員数が何か多いように感じるんです、今も。市民からよく言われますよ、これ。でも、実は正規雇用は減らし続けている。このこと自体を見直す必要があると思っていますよ。
 この議論は今日は中心的にやりません。しかし、そのことを仮に横に置いたとしても、せめて図書館の専門職ぐらい、1人、2人ですよ、まず。10人も20人もという話じゃないです。横浜市の雇用状況を見ても、そんなたくさんの数、一遍に雇っていません。10人台のときもありますよ。退職状況によっては。まずは1人、2人の専門職も雇わないで、何が文化都市かという話じゃありませんか。この点も今、私はヒントを言ったつもりです。適正化計画があるから駄目だという議論じゃなくて、適正化計画の下でも十分要求できるんじゃないんですか。もう一回お答えいただきたいと思います。
 
○岩岡寛人 教育長  御指摘いただきましたとおり、職員数適正化計画におきましては、地域館の技術職員について、新規採用を行わないというような計画になっておりますけれども、佐々木部長から答弁差し上げましたとおり、図書館サービス計画においては、技術職員の採用と育成が必要ということもうたっているところでございます。
 中央図書館と地域館がありますけれども、技術職員がゼロでもいいということを申し上げているわけではなくて、技術職員と、あとは司書資格を持つ職員、またはその他の事務職員がどのような異動サイクルなり人員体制でいけば、持続可能な知識の伝承、また継続、サービスの維持・向上ができるのかということをしっかり考えて、必要な職員体制の確保を図ってまいりたいと考えております。
 
○20番(高野洋一議員)  鎌倉市の労働事情というこの冊子、私の手元には令和元年度でありますが、これは商工課で作られている。これ見ますと、鎌倉市の、民間も含めてですよ、全体で、正社員というんですか、正規雇用の割合は66.4%ということであります。ですから、大体3分の2が正規雇用で、3分の1が非正規であると。果たして鎌倉市がどうなのかという点は、私ちょっとまた別の場でやらせていただきたいなと思っておりますが、調べておいていただければ幸いかなと思います。鎌倉市においてね。
 はっきり言うとね、単純にぱっと数字出てこなかったんです。答弁調整のときに。いかがなものかと思いますよ。市の労働事情で全市出しているのに、役所の正規がどのぐらいですかと聞いたら、ぱっと出てこなかったんですよ。これは苦言を呈しておきます。いかに労働政策が弱いかということですよ。鎌倉市の市役所の正規は幾らですかと聞いて、割合ぱっと出てこないんですよ。職員課に聞いても。あまり言うと嫌われちゃうのであれですが、ちょっと別の場でやりたいと思います、この問題は。
 そういうことも踏まえて、もうちょっと言いましょうか。今の職員数適正化計画は、市長もよく御存じだと思うんですが、わざわざ4番目の職員数の適正化に関する取組、(3)増員対応と書いてあるんですね。ここにはまさしく組織力の強化とあって、つまり、計画の目標値は109人であると。109人であるが、実際に計画で載っている人数を全部足すと、28人の差がある。137人になっている。じゃあその差は何なんだというと、つまり、そこで様々な、例えば新たな市民ニーズの発生とか、実施計画の推進に伴う業務量の増加だとか、あと組織的な面で職員の増員が必要不可欠とされる部門には配置しますよという余地も残していると。こういうことですよね、今の計画。これは今までの第3次とは大分違うと思っているんです。こういう、ある意味余地も残しているわけだから、図書館の専門職なんていうのはまさにここに当てはまりますよ。
 その点から、教育委員会は何とかしたいということは思いは伝わりましたから、市長の見解を。十分できるんですよ、今の計画でも。僕は見直すべきだと思っていますよ、根本的には。それを横に置いたとしても。市長の見解を伺います、併せて。
 
○松尾 崇 市長  今、御紹介いただきましたように、第4次職員数適正化計画は、それまでの計画と違いまして、単純に人数を減らすということの目標だけではなく、きちんと様々な国における制度改正や権限移譲、新たな市民ニーズの発生等々による増員というところもこの計画の中に書いてあるわけでございます。職員数を減らすというところにつきましても、業務の減少もしくは民間委託等々の、そうした具体的なことがあった中での職員数を減らしていくというところの目標になっているわけでございまして、第4次職員数適正化計画は引き続き目標達成に向けた取組が必要であると考えています。
 しかしながら、市民ニーズにかなった行政サービスを提供するためには、これは職員数の確保はしなければならないと当然認識をするところでございまして、第4次職員数適正化計画の中で弾力的な扱いがどのようにできるかということも含めまして、今後、司書職の在り方については教育委員会と十分検討してまいりたいと考えております。
 
○20番(高野洋一議員)  私が通告を出した後には、市民の方から何か陳情も出されて、既に議会運営委員会では一定の方向性を今、審査に向けて出しておりますけれども、市民が、署名も4,000人ぐらい集まったというんですかね。陳情書見ると。陳情審査はこの後、しかるべき場でやられると思いますから、この問題はこの辺にしておきたいと思っているんですが、言いたいのは、職員を減らしてくれという話よく聞くんですけど、逆でしょう、これ。市民が署名運動までやって、専門職である司書を確保してくれと。市民の願いですよね、これ。これを受け止めずして、私は行政ではないと思いますよ。このことは申し上げておきたいと思います。また陳情の審査も多分行われると思いますから、私はその前にちょっと通告はしていましたので、基本的なことはお聞かせいただきましたけど、真剣に私は検討していく姿勢があると、今、認識をしましたので、そのようにまた取り組んでいきたいと思います。また、議会としての審査も私は期待したいなと思っております。
 図書館については最後の項目ということになりますけれども、やはり様々な役割、図書館にありますが、やっぱり鎌倉の地理的な面も含めた、歴史だとか、そういう地域の取組だとか、そういう伝統も含めて、そういうものをやはり次代につなげていくというのも大事な視点だと思います。
 やはり図書館の利用者の要望で最も多いのが資料の充実であるということであります。これはサービス計画にも記載されています。現状どうなのかというと、司書のこと今随分取り上げましたが、資料費も、例えば昨年度と今年度を比べると65万円ほど減っているんですね。右肩上がりならいいんですが、右肩下がりになっていて、何かちょっとずつ減っているんですよ。何十万円かずつ。ですから、計画にもこう書いてあります。資料購入費は減少傾向にあり、県内の相互貸借というんですか、県内で融通しているというんですか、資料を。そういうことに依存している現状がありますと。こうなっているんです。一体これはどうしたものかなと。
 利用者の要望で最も多いのが資料の充実とあり、予算面から見ても、ハード整備は別ですよ。先ほど聞いた耐震改修のような。ハード整備除いて、ソフト面、つまり運営経費で言えば、断トツに資料費でしょう。約2700万円ぐらいですか、今年度で言えば。だから、つまり図書館行政の中核なんですよ。費用としては。それがずっと減っているんですよ、これ。ちょっと何十年かは調べていませんが、相当長期だと思います。石渡市長の時代からかもしれません。松尾市政になってから間違いなく減っているんです。ずっと。これは図書館の位置づけがよく表れている。
 財政面で言っても、そんな、そこまでのあれじゃないでしょう。そして、この鎌倉という土地の歴史的な位置づけ考えれば、そこの図書館の資料というのがいかに大事かということは、私のようなまだ住んで20年足らずの人間が語らずとも、大先輩の議員もいらっしゃいますが、これはもう明確でしょう。お金に代わるものじゃないですよ。かといって、急に予算を1.何倍にしてくださいとまでは言いませんが、少なくとも、これも行政計画にも書いてあるわけです。
 だから、振興基金の活用などももちろん大事なんだけど、予算面でもそろそろ図書館の位置づけをやっぱりきちっと高めて、この一番中心的な言わば予算である資料購入費、現場の声を十分踏まえて、減少傾向を改めて、増加傾向に転じるべきではありませんか。この点、見解を伺います。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  図書館資料を収集するために必要な資料購入費につきましては、図書館資料の新鮮さを保ち、図書館の魅力を持ち続けるため、必要な経費であるとは考えております。一方で、厳しい財政事情の中、施設の老朽化による補修に必要な費用や新型コロナ対策など安全面に必要な経費も必要となってきており、図書資料の充実に向けて新たな財源が確保できないか、知恵を絞って対応していきたいと考えております。
 
○20番(高野洋一議員)  計画でもそのように書かれているんですけれども、やっぱり、もちろん今、振興基金のことも言いましたよ。だから、それなりの金額も、御寄附というのかな、頂いていますよね、市民から。それはやっぱり市民の思いの表れですよ。もちろんそういう力を借りながらも、しかし、2700万円あって、50万円ずつ、60万円ずつ減らしていって、10年たてば何百万円になるわけですよ。やっぱりそこは財政がと言うけれども、そんなに、図書館の全体の予算規模考えれば、私はそこまでして削らなくてもいいと思っているんですよ。実際の、文化都市鎌倉と言えるのかという問題意識もありますけど、図書館の位置づけが建前と本音で違うんじゃないかとも取れるわけです、ここには。それの表れなんです、予算というのは。このことはまたちょっと継続します。
 それで、市民の方々からの振興基金を活用した形で、今年は開館110周年ですね。ということで、まさしく鎌倉の地域のこれまでの姿というんですか、そういうものを、今に生きる私たち、それから、これから未来に向けても幅広い世代に伝えていこうということで、振興基金を活用した形で、写真集というんですか、地域の。これも市民の方々で写真記録を取られた有力な方がいて、近代史資料室にも結構な数がありますよね。過去に展示もされました。私も見に行きました。こういう取組はとても大事だと思っています。だから、予算を減らしていいという意味じゃないんですよ。でも、この事業は大事だと思っていますので、ぜひ、私は素人なのであまり細かいことは言いませんが、特に鎌倉地域だけではなくて、腰越や大船、玉縄、深沢、5地域のやっぱりそういう、かつての戦後から昭和50年代ぐらいまで含めて、昭和の時代までの、そうした町の様子、私も市役所が何か燃えた前の、市役所が燃えたときの何かそういう写真も見せてもらったことありますよ。ちょっとあまりいい話じゃないですけど。そうしたものをこの110周年記念として作成して、令和4年度に皆さんに買っていただくような方向で、値段も含めて、ボリュームも含めて検討中だと思うんですが、ぜひそうした5行政区の地域のそうした姿が、今を生きる私たちや未来の人たちにも伝わるような、そういうものを御検討いただけたらありがたいと思うんですが、今の検討状態を教えてください。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  近代史資料室では、明治から昭和期の鎌倉の風物や生活を記録した写真を収集し、整理・保存し、利用者への対応などを行っております。収集した写真資料につきましては、時代の語り部として豊富な情報に満ちていることから、写真展を開催するほか、近代史資料集などの刊行時に資料として掲載するなど、後世に伝え、役立てていきたいと考えております。写真資料につきましては、順次デジタル化してホームページなどから発信しておりますけれども、あわせて、地域やテーマごとにまとめ、写真集として発行することができないか、今課題を整理しているような状況でございます。
 
○20番(高野洋一議員)  図書館協議会でも引き続き検討事項になっていると思いますので、ぜひ令和4年度に刊行されるような形で、細かいことは素人なのであまり申し上げませんが、前向きな形で目にできれば、まちづくりの点でも私は大事だと思っているんですね。そういう点では。よろしくお願いしたいと思います。
 大きな2項目めです。ICT教育が子供たちに及ぼす影響と課題についてということで、私は議員として教育内容にあまり関わるようなことはふだんあまり質問していません。それは関心がないからではなくて、政治が教育内容にあまり口は出さないほうがいいと。私は教育基本法の基本精神も、今、改定された後もですよ、そのようにあると思っていますから、あまり申し上げてきていないんです。少人数学級の実現など、そういう環境面については大分言ってきました。同僚議員も含めてですね。今回は、しかし、ICT教育というのはやっぱり大きな影響が相当あります。これ環境面でも、教育内容の面でも。なので、必要最小限の面について、ちょっと同僚議員からも質疑ありましたが、私は視点が違う面もありますので、改めてお伺いしたいということです。
 今コロナ禍の中で、どのように子供たちの安全と安心できる学びを保障していくかはなかなか難しい問題であると思っています。ICT教育については、ある公立学校の校長先生から次のような意見を聞いております。「オンライン学習やタブレットの活用などICT機器を使った学習は、一つの手段としては有効なものかもしれませんが、それが流行を取り入れるかのようなものであってはならず、教育の原点を見失うようなことになってはいけません。あくまで子供の命を育むためであり、子供の発達や学習権の尊重に光が当たっていなければ、逆に子供たちを苦しめることにもなりかねません。」というような、少し厳しい意見なのかもしれませんが、私はこのような指摘は大事な点だと思っているんですね。
 そこで、まず伺いますが、このタブレット端末の配布・活用、先ほどの同僚議員から電子黒板の話もありましたが、現在の活用状況ですね。それから、教育現場にどういう影響を、今、与えていると思っているのか、ちょっと重なるかもしれませんが、基本的なところを教えてください。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  AIドリルにつきましては、7月に使用の際に必要となるアカウントを配布したところでございまして、今後、方法の検証を充実させながら、AIドリルを用いた、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない構成で、個別最適な学びを目指していきたいと考えております。
 新型コロナウイルス感染症拡大に伴うビデオ会議システム等を利用したオンライン授業につきましては、通信速度の課題がありまして、実施が難しい状況ではございますけれども、この通信速度の改善につきましては現在取り組んでいるところであり、一刻も早く安定した通信環境が得られるよう努めていきたいと取り組んでおります。各学校におきましては、現在の通信環境で可能な範囲において、発達段階に応じてGoogle ClassroomやAIドリルなども活用した支援を準備しているところでございます。
 
○20番(高野洋一議員)  過日、新聞報道などでもされておりまして、その見出しを読むと、タブレット授業、まだまだ手探り、鎌倉市立小・中学校で運用本格化とあって、その記事の中でも、ちょっとこれは耳の痛い話なのか分かりませんが、教育委員会から矢継ぎ早にアプリなどがどんどん下りてきて、現場は手探りで大変であると。こういう話であります。私も実際に聞きました。ある方からね。やはりそういう状況、今年度から本格的にということで始められているものでありますから、やはり子供たちのために、教育現場の実態に合わせた、ある種の研究というんでしょうかね、そういうものは十分時間を取って、その下でやっぱり落ち着いた実践が必要だと思います。
 ちょっと私いろいろ見ていたら、研究会というのを幾つか持たれているんですかね。教育センターも含めて。その中に情報教育研究会というのがあって、そのテーマにGIGAスクール構想におけるICTの活用というものがありましたが、どういう研究をされているのか、ちょっと教えてください。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  情報教育研究会につきましては、教育センターの研究事業の中で設置している調査研究会の一つでございます。令和2年度から2年計画でGIGAスクール構想におけるICTの活用をテーマに、小学校から3名、中学校から2名の合計5名の教員が教育研究員として講師から指導助言を受けながら、授業を通して教材を開発したり公開授業を行ったりなどしております。
 今年度は、iPadを使って自分の考えを整理し、校外学習の振り返りをする、共同作業で作品を作る、アプリを活用して作品を編集しプレゼンテーションを行うなど、授業での取組における研究を進めておりまして、公開授業の実施や研究成果をまとめた冊子の提供などを通じて、事例を活用してもらえるよう周知する予定となっております。
 
○20番(高野洋一議員)  ということであるんですけれども、こんな声も聞いています。現状は現場任せになっているんじゃないか。ICTを使いこなせる教師とそうでない教師との差もあり、学校間で格差が出ている。ある種、期待している保護者の方も当然いますから、そういう方々の、保護者の違った意味での不満になっている。あの学校はこうなのにこの学校はこうだと。これはちょっとよしあしがある話だとは思っています。
 いずれにしても、今ちょっと研究の内容聞きましたけど、こんな声もあります。例えば研究授業のような形で、ちょっと教育長の考えとは違うかもしれないけど、メリットやデメリットを明らかにして、改善を図っていく、ある種の準備期間がやっぱり必要だと。もっと落ち着いて、時間をかけた実践が大切ではないか。私は、4月の広報を見たら、ある先生がこのようなことをかぎ括弧で書いてありましたね。これまでのアナログな教育も大切にしつつ、有効な場合にはICT機器を活用。この視点は、こういう視点でやっているんですか。
 
○岩岡寛人 教育長  ありがとうございます。ICTはアナログな教育を必ずしも奪い取っていったり置き換えていくようなものではなくて、まさに対面的な学びの中で、子供たちの意見をより引き出したりとか、主体的に自分で考える態度を養ったりということでやっていくものでございますから、アナログな学びということは非常に重要だと思っておりますし、子供一人一人を大切にした学習というものが現場できちんと展開できるように支援をしていきたいと思っています。GIGAスクール、この端末を入れたこの1年2年で終わりという施策ではございませんので、これから長い目で見ながら、現場の実践をしっかりと支えていきたいと考えております。
 
○20番(高野洋一議員)  それで、すみません、今日、課題ということなので、少し別に、否定はしていないんです。時代の今、状況からしても。ただ、導入にはやはり私は慎重さも必要だという立場から今日聞いています。
 その一つとして、お子さんのやはり心や体の成長と発達、健康への影響がどうなのか。大人になってばんばんやるのがいいという意味ではないんだけど、しかし、やはり体の発達していくときの時期ですよね。小学校から中学校、低学年から高学年という、段階にもよるんでしょうけど。やはりタブレット端末などの使用によって心配されるのが視力や視覚への影響等についてであります。特に目の機能も成長時期なんですかね。私も、自分も目が悪くてあれなんですが。私もちょうど小学校2年生はファミコンが導入されてね、急激に目が悪くなりましたが、そういう余計なことはともかくとして、やはりそういう成長時期における視力の低下、疲労感、ちょっとこれ、本を読む疲労感とは違いますね。その辺どうなのかということなんです。
 タブレット端末は新たな文房具だという議論もあるんですが、私はそう単純な話じゃない。こういうものとか、コンパスとか定規とかとはちょっと違うと思っているんですね。やはり子供たちへの健康面の心配や、心身の発達にどう影響するか。幼少から使うということですからね。保護者の方々とともにやはり考え、学びながら、これもちょっと共通するんですが、子供たちにとにかく無理のない最善のやり方を現場で丁寧につくっていくことを保証していくことが大事じゃないか。この点、いかがお考えですか。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  子供たちへの視力などの健康面への影響につきましては、教育委員会としても注視してきておりまして、今年の7月にまずは中学校各校において、iPadを連続して何分以上使用すると疲れるか、疲れを感じる部位はどこなのかなど、iPadの学習使用に関する健康調査を実施いたしました。各学校ではその結果を参考に、健康面に配慮しながら、生徒に過度な負担をかけることのないよう、学習に向けて現在取り組んでいるところでございます。
 
○20番(高野洋一議員)  それから、これも現場の実践が大事だという話で、あまり私が、素人が偉そうに言う話じゃないのかもしれませんが、発達段階に応じた指導との関係です。私も現場の先生から多少話を聞いているんですが、やはり様々な感覚を養い、学びの言わば基礎形成を行う段階の小学校、とりわけ低学年では、デジタルの導入もいいんだけれども、やはりもっと子供、お子さんなんだから、私もそうでしたけど、さっきファミコンなんて余計なことを言いましたが、やはり自身の体を使った、五感を使ったというんですかね、そうした体験的な学びにこそ重点を置くべきだという、こういう現場からの意見が多いのではないかと認識していますが、その点への配慮はどのようにされて、お考えでしょうか。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  活動を通じて体験的に学習していくことは、デジタル社会と言われる今日におきましても、小・中学校にかかわらず重要であると認識しております。特に小学校低学年という発達段階においては、見る、聞く、匂う、触れる、味わうという五感に訴えた体験的な学習は、学力だけでなく、安定した情緒の成長にもつながる大切な学習行為だと考えております。そのため、ICT機器の活用を重視するあまり、体験的な学習がおろそかとなることは適切ではないと考えておりまして、むしろ子供たちが体験的な学習をより深めていくことができるような活用方法の研究をしてまいりたいと考えております。
 
○20番(高野洋一議員)  それが、これも関係するんですが、お子さんの認知や思考、記憶力、感覚形成の話、今ありましたけど、読むとか書くとか調べるとかですね。これも同じようなことなんですが、特に小学校の低学年においては、これは低学年じゃなくてもと思うんだけど、鉛筆で字を書く、筆圧に慣れるというんですか、私はあまり優秀なほうじゃなかったのでね、九九がよく覚えられなかったなとか、余計なことをあまり言っちゃ、時間もないのであれですが、いろんなお子さんいらっしゃると思うんですが、そうしたお子さんの発達段階に合わせた利用に配慮するということが大事だと思うんです。ある専門家からはこういう指摘もあります。紙の本を読むときより、電子媒体の本を読むときと脳の働きが違うという、電磁波の影響がどのぐらいあるのかとか、ちょっと私も素人のね。そういう脳の発達に関する指摘もあるとちょっと、にわか勉強ですが、ありました。
 そういうことからも、例えば目や脳の負担を考慮して、タブレット端末などを使用するにしても、特に低学年においては1日1時間までなどの配慮がどうなのかということ、それから、デジタルドリルの話もさっき伺いましたけど、そういう教材使用の是非についても、やはり柔軟性を持って学校現場の判断、尊重できるようなやっぱりやり方、導入したいという側と、現場との関係性があるかと思うんですが、やはり子供の発達期における認知、思考、記憶力などとの関係からも、その辺のバランスを慎重にやる必要があると思うんですが、その点はいかがお考えですか。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  読む、書く、調べるなどの学習活動は大切であることに変わりはございません。ICTについては、これらの活動をないがしろにするものではなく、主体的、対話的で深い学びの観点から、さらに効果的に実施するためのツールであると考えております。
 しかしながら、例えば器具を用いて書くことにつきましては、iPadの画面の大きさが限られていることや、議員御紹介の筆圧を調整する力を身につける必要性などを踏まえると、紙による学習が効果的である場面もございます。学年の発達段階や教科、単元の特性に応じて、ICTが効果的な場面について適切な選択をしながら、主体的、対話的で深い学びの実現に向けて取り組んでいくことが重要であると考えております。
 
○20番(高野洋一議員)  それから、これはネット社会との関係、安全性とか、それもちょっと同僚議員からも深くあると思うので、あまり突っ込みませんが、例えば、そうは言ってもという話も伺っていて、微妙なところなんですが、今、タブレット端末、例えば夏休み中におうちに持って帰ってということもあったんですかね。いざ調べようと思っても、検索機能に制限がかけられていて、はっきり言うと、せっかくタブレットがあるのに、これはちょっと逆の議論もあるんですけど、何の役にも立たないと。1.2キロもして重たいのに何だと。そういう声も寄せられて、これはなかなか難しいところだとは思っているんです。じゃあばんばんやればいいのかというと、またちょっとこれも違うんですね。この辺は最低限の利便性と、安全性というんですかね。危険から守っていく、ここのバランスについてどのようにお考えかだけ、ちょっとお伺いしたいということです。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  調べ学習などの際にウェブサイトのブロックが強くて見られないサイトが多いというような声があることについては承知をしております。有害情報をブロックする強度などの設定につきましては、鎌倉市の校長会、教頭会、教員代表から組織される学校教育用コンピューター選定活用委員会において議論を行い、決定してきておりまして、導入初期の段階では、iPadの活用準備に集中する観点から、現在のブロック強度で設定をしているところでございます。同委員会における議論では、情報リテラシーや情報モラル学習などを含む情報活用能力の高まりに合わせてブロックの解除を段階的に行っていくことが確認されておりますので、児童・生徒の情報活用能力の向上に合わせながらブロックを段階的に解除するなどして、利便性についても担保していきたいと考えております。
 
○20番(高野洋一議員)  それから、これは非常に本質的な問題の一つなんですが、タブレット端末の活用で、これ、その活用が広がれば広がるほど出てくることだと思っているんですけれども、言わば子供の、お子さんの学びの経歴というんでしょうか、履歴というのかな。普通にこういうのにノート取るのと同じですよね、ある種。同じくできるのかというのは、使い方にもよるんだろうけれども。それが積み上がっていけばいくほど、そのお子さんの学びの経歴がビッグデータとして保存されることになります。
 今はリースでやっていますよね。リースでやっている中で、タブレット端末に書き込みして、保存ができて、蓄積していくということができても、こういう紙媒体のノートとかのように、いずれ、リースなんですから更新しますよね、恐らく。リースでなくても言える話なんですけれども、御本人が、お子さん本人がずっと保有し続けることができないんじゃないかという問題です。
 やはり学びの経歴ということはある種の個人情報であり、その人間が何に関心を持ち、どこが苦手でとか、そういうことが表れますよね。ノート一つとっても。これも同僚議員からも指摘あったと思うんですが、やはりこれは非常に大事な点で、広がれば広がるほど、便利の反面、こういう問題が出てくる。これは鎌倉市だけの話ではなくて、非常に本質的な問題だけれども、やはり今、教育長を先頭に、積極的に活用していこうというスタンスであれば、このことは非常に大事な点なので、改めて見解を伺いたいと思います。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  iPadに直接保存されているデータにつきましては、iPad返却時に完全初期化を行いまして、抹消して、個人情報の漏えいを防いでいるところでございます。文部科学省はクラウド・バイ・デフォルトの考え方を提唱しておりまして、教育ICTに関しては、クラウドの利用を前提として考えていくこととなっておりますけれども、個人情報等の漏えいが生じないよう、安定的なセキュリティーの確保に努めてまいりたいと考えております。
 児童・生徒が学習過程において作成した資料や作品などにつきましては、Googleドライブを介して自宅の端末などに保存することも可能でございまして、児童・生徒の希望に応じて保有し続けることもできるよう進めてまいりたいと考えております。
 
○20番(高野洋一議員)  これもちょっと本質的な点の一つで、私も専門家じゃないので、最小限のことでお伺いしたいと思うんですが、ICT機器をどんどん多用していくと、もちろん効率的ではあるし、いい面もあると思っているんですが、しかし、いろんなアプリを入れますよね。自分たちで、鎌倉の子供に合ったアプリを自分たちで開発するならまだしも、多分いろんな会社もあるし、導入していきますよね。それは効率的な反面、ある種、画一的な学習につながるんじゃないかという心配の声を、実際にこれは現場からも、私が聞いた方から伺いました。
 これは聞いた話なんですけど、例えば複数の集団による学びで、答えがマルかバツかあったら、どちらでもなくて、三角と言っていいのか、型にはまらないような発想をする。それは人間ですから、大人の中にもいると思うんだけど、お子さんの中にもいる。でも、案外大人になったとき、そういうお子さんは社会の中で物すごく羽ばたくなんていうこともありますよね。アプリを使っていくということは、ある種、答えがはっきりしていく。なので、丸、三角ってないでしょう、あまり。これが答えでこれが違いますみたいな、はっきりするんだけれども、はっきりするがゆえに、もっと人間というのはいろんな、単純に答えが出ない、幅広い生き物、矛盾に満ちた生き物かもしれないけれども、そういう面では、その子に合った、やり方で学ぶことの制約につながらないか。こういう心配の声も伺っています。これもどう使っていくかにもよるんだけど、その点についての見解を伺います。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  GIGAスクール構想につきましては、子供一人一人の適性や可能性を狭める画一的な学びを進めようとするものでは決してなく、むしろ子供一人一人を大切にする、主体的、対話的で深い学びを実現しようとするものでございます。例えばICTを活用することで全ての子供が意見を発信できる環境を整え、教師主導から学習者主導の学びに変えていくきっかけになると考えております。また、授業スキルの高い教員が身につけていた、教室にいる個々の子供たちに最適な学習課題を瞬時に見抜き、適切に対応することで誰一人取り残さない教育技術を、AIの力を借りることで、経験の浅い教師でも同じように実践できるようになっていくと考えております。
 教育におけるICTの活用は、画一的な教育のためではなく、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学習や、創造性を育む学びの実現に寄与するものでなければならないと教育委員会としては考えているところでございます。
 
○20番(高野洋一議員)  誰一人取り残さないという点では、これ最後の質問でありますが、今、御家庭への持ち帰りについては現場対応でやられているんですかね。基準みたいなものがあるわけじゃなくて、それでいいとは思っているんですが、今の宿題などについては、AIドリル、デジタルドリルも含めて、持ち帰りでやっているということなんですが、誰一人取り残さないという点で言うと、家庭の学習については、通信環境の違い、家庭環境、経済力も含めた影響を大きく受けると。持ち帰った場合のタブレットの故障だとか、そういった家族の協力環境の違いなど、やはり取り残さないという反面、そうした不安の声も伺っています。積極的な声もあります、これについては。その辺り、今、現場対応でしているということですけど、今後に向けた御家庭との関係、これちょっと最後に伺いたいと思います。
 
○佐々木 聡 教育文化財部長  iPadの持ち帰りにつきましては、各学校の活用のための準備や、子供たちのリテラシーやモラルが適切に指導された段階で、各学校の状況に応じてスタートしていくこととしております。iPadにつきましては、学習活動にのみ使えるよう設定を行っているほか、学習活動にのみ使用する旨の同意書を得て、各児童・生徒に貸与しているところでございます。仮に児童・生徒が使い過ぎてしまうというような状況が生じれば、情報機器との向き合い方を指導するチャンスと捉え、保護者とも連携して、児童・生徒に適切な指導を行ってまいりたいと考えております。
 故障につきましては、保証も含めた契約を行っているため、特別なことがない限り、家庭や学校に修理費を負担してもらうようなことはありませんので、安心して学習に活用していただければというような環境を整えたところでございます。
 
○20番(高野洋一議員)  質問は以上でありますけれども、今日伺ったのは、やはり鎌倉市は一定程度配慮されてやっている面があるということは確認させていただきましたけれども、やはり教育現場において、時間をかけた準備が不十分であるならば、やはり早急なICT教育の導入を進めることには慎重であるべきだということ、実際には、操作の際、キーパッドが不調を起こすとか、そんな声もちょっと聞いています。現場も御苦労されていると思います。
 ですから、やはりICT教育導入においては、何よりも人としての発達を大切にするということ。お子さんの学習権を尊重し、ICTの使用についても、そういうことはないと思うんですが、強制されることがないよう、選択ができるように配慮もすること。大人の事情ではなく、子供の発達の視点で取り組んでいくこと。以上のことから、十分な時間をかけて、無理のない丁寧な実践を積み重ねていくことを求めまして、質問とさせていただきます。ありがとうございました。
 
○議長(中村聡一郎議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                    (15時56分  休憩)
                    (16時10分  再開)
 
○議長(中村聡一郎議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、くり林こうこう議員の発言を許可いたします。
 
○4番(くり林こうこう議員)  通告に従いまして一般質問をいたします。
 このたびは一般質問の機会を頂戴いたしましたこと、誠にありがとうございます。最年少の議員として、皆様の御指導を仰ぎながら、鎌倉を未来へ前進させていくことができればと思います。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、早速質問に移らせていただければと存じます。
 最初の質問は、小児医療費助成制度における所得制限撤廃についてです。鎌倉市は、現在子供医療費の完全無料化が実現できておりません。子供は鎌倉の宝、日本の宝、世界の宝です。親の所得が大きかろうと小さかろうと、子供が適切な医療を受ける必要性と重要性に変わりはありません。鎌倉に住んでいると子供の持病に対する医療費の支援が受けられないから引っ越そうと思っている。所得制限のように誰かが受益者で、誰かがそこから外れているというルールがあると、同じ納税者として不公平感を感じてしまう。子供の育成や医療といった、人が人として生きるために、誰もが必要とするインフラについて分断を生むようなルールがあることはおかしいといった、悲しくもどかしいお声を、結婚や出産を考える若者世代、現役の子育て世代は当然のこと、それを見守る御高齢世代の市民から頂戴することも少なくありません。小児医療費助成制度における所得制限の撤廃は、鎌倉市の抱える極めて緊急性の高い課題であると認識しております。それらを踏まえた上で、次の質問にお答えいただければと存じます。
 まず、小児医療費助成制度の過去からの変遷と現状の概要を改めて御共有ください。
 
○藤林聖治 こどもみらい部長  本市の小児医療費助成制度でございますが、年度ごとに時系列で御説明いたします。
 まず、昭和48年にゼロ歳児の入院、通院にかかる医療費の助成を所得制限なしで開始をいたしました。その後、平成5年には1歳から中学3年生までの入院につきまして、所得制限つきで助成対象といたしまして、通院の助成対象については、所得制限つきで平成8年度に2歳まで拡大。同じく平成13年度には3歳児、平成15年度には4歳児、平成16年度には就学前まで対象を拡大いたしまして、平成17年度には、就学前までの児童については入院通院共に所得制限を撤廃したところでございます。さらに平成18年度には、所得制限つきで小学校3年生までの通院助成の対象を拡大いたしまして、同じく平成21年度には小学校6年生、平成29年10月には中学校3年生まで通院の助成対象を拡大し、現在に至っているところでございます。
 現在の受給者数でございますが、令和3年8月末現在で、小学生中学生のうち、所得制限額未満で小児医療証の交付を受け、医療費の助成を受けている子供は7,199人となってございます。
 
○4番(くり林こうこう議員)  そのような経緯と現状を踏まえ、鎌倉市として小児医療費助成制度における所得制限の撤廃について、どのような認識でお考えなのか、今後の方向性や課題観を御共有ください。
 また、現状子供医療費の完全無料化が達成できていない背景にはどのような要因があるとお考えでしょうか。予算、スケジュール、そのほかの事業との兼ね合いや優先順位など、具体的に御共有ください。
 
○藤林聖治 こどもみらい部長  昭和48年度の制度開始以降、先ほど申し上げましたとおり徐々に対象年齢を拡大し、平成29年度に中学生までの通院について助成を拡大するなど、制度の充実に努めてきたところではございます。
 この小児医療費助成制度でございますが、子育て世帯への重要な支援施策と捉えているところでございますが、所得制限の撤廃には多額の財源を要することから、安定的で持続的な制度の運用を図る観点から、その在り方については他の子育ての支援施策と併せて検討してまいりたいと考えております。
 なお、小児医療制度には、神奈川県が所得制限付で通院は未就学児まで、入院は中学生まで3分の1の補助金を交付しておりまして、神奈川県が補助対象年齢の拡大及び所得制限の撤廃を行うことで市の制度拡充につながる可能性があることから、これまでも幾度となく神奈川県都市民生行政連絡協議会などを通じまして、国及び県に対しまして制度の拡充を要望してきたところであり、引き続き制度の拡充等について要望をしてまいりたいと考えております。
 
○4番(くり林こうこう議員)  承知いたしました。ありがとうございます。それでは松尾市長にお伺いいたします。未来を担う世代へのさらなる支援拡充のため、子供医療費助成制度の所得制限撤廃が必要であると考えております。この点について、市長のお考えをお聞かせ願えれば幸いです。
 
○松尾 崇 市長  先の部長の答弁のとおり、この小児医療費については、自治体ごとの格差ということがあるというのは、本来、私自身望ましいとは思っておりません。国や県で一律での助成というところを目指していくべきということで、国や県に機会あるごとに、毎年この点については強くそれは要望をさせていただいているところです。現在鎌倉市の状況というところでは、持続的で安定的な制度の運営を図る必要があるということから、所得制限は設けていると、こういう状況で進めているところでありますけれども、本市の子育て支援策全体に係る状況を踏まえまして、引き続き今後の検討、所得制限の撤廃につきましては今後の検討課題と考えているところです。
 
○4番(くり林こうこう議員)  承知いたしました。ありがとうございます。子供医療費助成については単純な子育て支援の枠を超え、鎌倉市がこの町で育つ子供の未来を、そして社会の未来をどのくらい大切に考えているのか、地方自治体としてのスタンス、それをリードする市長や行政、議会のスタンスが明確に見える論点であると考えております。ほか自治体におきましても、子供医療費の無料化が主流となっていく中、自治体としての魅力や競争力にも直結する課題であります。子供医療費の完全無料化に向けて鎌倉市全体が一体となって取り組んでいくことができればと存じます。この課題については今後も引き続き確認させていただきますので何とぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、高齢者に対する外出支援策について御質問させていただきます。
 今後ますますの高齢化が想定される鎌倉市において、高齢者の外出支援策の重要性が高まっております。人が生きていく上で移動は生活のインフラです。御飯を食べたり眠ったりすることと同じように、人が生活するには、外出したり移動したりすることが必要です。高齢者の健康維持や社会参加という観点からも、その外出や移動を支える施策を地方行政が担うことは重要であると考えています。それらを踏まえた上で、まず運転免許証自主返納者への助成事業など、鎌倉市における高齢者向け外出支援策の現状を、改めて御共有いただければと存じます。
 
○田中良一 健康福祉部長  今、御案内がございました、運転免許証の自主返納者に対する支援事業でございますけれども、運転免許証を自主返納した高齢者の移動を支援するとともに、高齢者ドライバーによる交通事故の減少を図ることを目的といたしまして、令和2年11月に開始した事業でございます。その事業の内容は、令和2年4月1日以降に65歳以上で運転免許証を自主返納した市民、または運転免許証が失効した市民を対象に、高齢者向けのバス乗車証や、タクシーの利用料金に利用できる年間2,000円の助成券を2年間交付するという内容のものでございます。
 
○4番(くり林こうこう議員)  ありがとうございます。御高齢になるにつれ、高齢者御本人やその御家族が運転に対して不安を感じることが多くあります。
 昨今、社会的にも注目を浴びた幾つかの痛ましい事故や事件の影響もあり、高齢者の運転免許の自主返納については社会的な要請も高まっております。
 一方で、私たちの町鎌倉について言えば、町には起伏も多く、バスなどの公共交通が充実していない地域も多くあります。御高齢になっても自分の運転で移動せざるを得ない現状があります。2,000円の助成券ではなかなか運転免許を返納する気にはなれないといったお声も、多くの市民から頂戴しております。そのようなお声を踏まえた上で、運転免許証自主返納者への助成事業について、現時点で市はどのように評価しておりますでしょうか。
 
○田中良一 健康福祉部長  運転免許証自主返納者への助成事業につきましては、現時点ではまだ事業を開始してから1年を経過していないということもございまして、本事業の効果について十分な検証をすることは難しいところではございますが、自主返納者のうち、約6割の方が本事業に申請をしているということから、外出支援策として一定の効果があると考えております。事業の評価につきましては今後も引き続き検証してまいりたいと考えております。
 
○4番(くり林こうこう議員)  ありがとうございます。それでは、現状の評価を踏まえ、運転免許自主返納者への助成事業を含めた高齢者向け外出支援策について、今後の方向性や課題、御検討中の施策があれば御共有ください。
 予算、スケジュールなど、分かる範囲で構いませんので具体的にお願い申し上げます。
 
○田中良一 健康福祉部長  高齢者の外出支援策につきましては、平成31年4月から地域貢献送迎バスモデル事業、また、令和2年11月からは運転免許証自主返納、今、御質問ありました自主返納者への支援事業を実施しております。また、この令和3年4月からは新たな施策として、福寿優待サービス事業を開始したところでございます。
 高齢者の外出支援策を講ずることは、高齢者が社会参加できる環境づくりのための重要な取組であると認識をしておりまして、これまでの取組の拡充を図るとともに、今後も高齢者の外出支援の在り方について引き続き検討してまいりたいと考えております。
 
○4番(くり林こうこう議員)  高齢者の外出支援策、特に運転免許自主返納促進への取組は、高齢者だけでなく、鎌倉市に住む全ての人の交通安全実現にもつながる課題です。大好きな運転や、大切な車を手放し、便利な運転免許証を自主的に御返納くださる御高齢の方の気持ちに応えることができるよう、より充実した外出支援体制、助成制度の確立に向けて自治体として前進できればと思っております。高齢者向け外出支援策を充実させ、ますますの事業拡大を目指すため、この課題につきましても、今後引き続き確認させていただきますので何とぞよろしくお願い申し上げます。
 次の質問に移ります。
 コロナ禍において、身体的距離の確保、リモートワーク、電子決済の利用など、新しい生活様式が浸透しております。その多くはいわゆるデジタル情報技術と密接な関わりがあります。
 特に市民生活における実感として、日々の買物での通信販売、つまりインターネットを通じて商品を購入することが非常に増えたというお声を頂戴いたします。そのような中、配達員の方との身体的距離の確保、そのほか安全上の観点から、宅配ボックスの必要性を市民の皆様から伺うことが増えました。一人暮らしの若者、特に若い女性や共働き世帯からのお声が多くありますが、子育てに忙しい御家庭や御高齢世帯におきましても、必要性の高い用具であると考えます。また、配送業者など、荷物を配達する側にとっても、業務の効率性を上げ、社会全体の負担軽減を図ることができるアイテムです。賃貸住宅を選ぶ際には宅配ボックスの有無を決め手にするという方も多くいらっしゃいます。コロナを経験した社会におけるこれからの住宅には、宅配ボックスの設置が必須となっていくと考えております。
 こうした現状を踏まえ、鎌倉市として、住宅や事業所における宅配ボックスの設置を支援、助成していくお考えはありますでしょうか。
 
○比留間 彰 共生共創部長  eコマース市場は年々規模が拡大しておりまして、特にコロナ禍においてその傾向は顕著であると認識しているところです。
 現時点では宅配ボックス設置に対する助成は予定しておりませんが、御提案の宅配ボックスの設置は、人と人との接触機会を減らす感染症拡大の予防、再配達による環境負荷の低減なども見込まれることから、先進自治体の事例を調査するなど、今後研究してまいりたいと考えています。
 
○4番(くり林こうこう議員)  承知いたしました。ありがとうございます。コロナ後の新しい生活様式において、世代にかかわらず御要望、お声を多く頂戴しておりますので、どうぞ前向きな御検討をお願い申し上げます。
 次に、鎌倉市の重要分野である観光についてお聞きできればと存じます。
 現状、鎌倉市における1人当たり観光消費額は、おおよそ6,000円程度を推移しております。一方、単純な比較は難しいですが、鎌倉と同じ観光都市の京都市では、その額はおよそ2万円程度であり、その差は歴然としております。コロナ収束後は観光業の爆発的な回復が予想されており、こと、私たちの町鎌倉におきましても、大河ドラマの関係も相まって、盛り上がりを見せつつあります。
 コロナ後の観光消費額の増額、観光振興に向けて、具体的にどのような取組を行っていく予定でしょうか。御共有いただければ幸いです。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  先ほど観光消費額、京都との比較で御案内ございましたけれども、鎌倉の場合、おっしゃった観光の消費額5,000円から6,000円というのは、日帰りの観光客の観光消費額でございまして、宿泊客につきましては2万円を超える金額、2万円少々といったようなところが観光消費額だということで推計をしてございます。
 そうした中での御質問ですけれども、コロナ後の観光消費額の増額に向けての取組につきましては、鎌倉市第3期観光基本計画におきまして、付加価値の高い観光、あるいは泊まる観光、これの推進として個別政策に位置づけております。特に泊まる観光の推進につきましては、アクションプランの重点施策としまして、今後、鎌倉市観光協会や宿泊施設が実施主体となりまして、市と連携して取り組んでいきたいと考えております。
 具体的な取組といたしましては、夜間の施設のライトアップ、早朝の社寺の拝観や座禅の体験、早朝に営業している店舗等との連携、鎌倉の食材を使用した食事付プランなど、鎌倉らしさを感じられる宿泊プランの増勢などを検討しておりまして、これらを通じて宿泊を促していきたいと考えております。
 
○4番(くり林こうこう議員)  ありがとうございました。今し方宿泊者だと2万円の平均が出せているというところですか。そもそも宿泊される方が少ないので、全部でならすと同じように6,000円から7,000円程度に戻ってしまうと認識しております。
 また、観光分野に関しましては、市外からの観光に限らず、市民向けの施策も必要であるとの御意見を市民から頂戴しております。せっかく鎌倉に住んでいるのだから、その観光資源をさらに豊かな市民生活の実現のためにも、生かしていくことができないか考えております。市民も鎌倉観光を楽しめるよう、例えば観光施設における市民向けの割引や市民優先パスなどの取組はできないか、鎌倉市としてのお考えを御共有いただければ幸いです。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  鎌倉市第3期観光基本計画の基本理念でもあります、誰もが住んでよかった、訪れてよかったと思える成熟した観光都市、これを実現するためには、市民が鎌倉をより深く理解していくこと、これが大切だと考えております。
 市民に対する観光施設への割引や優先入場などにつきましては、施設側の理解を得るという課題がございますが、市内の小・中学生や、65歳以上の方を対象とした割引につきましては、一部公共施設や社寺におきまして、既に取り組んでいるところであります。
 これらにつきましては、引き続き継続をしていきたいと考えております。
 
○4番(くり林こうこう議員)  ぜひ前向きにお願い申し上げます。
 そして、鎌倉市にある観光資源は歴史的、科学的、文化的、様々な観点からかけがえのない守るべき貴重なものです。一方でそれらの観光資源を目当てに鎌倉には毎年多くの観光客が訪れ、道路の渋滞やごみのポイ捨てなどの問題も発生しております。多くの市民感情としては、観光客が多く来ることによるメリットを必ずしも感じておらず、もろ手を挙げて歓迎することが難しい状態が続いてしまっております。
 市民が守り、育てた鎌倉の観光資源から得られる経済効果を、市民生活に還元する必要があると考えております。このことについて、例えば宿泊税や観光関所、いわゆる観光税などを徴収することによって鎌倉市民がメリットを感じられる事業に充てるような仕組みができないか、もしくは観光税といった形にかかわらずに、何らかの形で市民が市外からの鎌倉観光を心から歓迎することができるような施策を打つことで、鎌倉市の観光分野に好循環を生み出すことはできないか、市のお考えを御共有ください。
 
○齋藤和徳 市民防災部長  観光客が多く来ることによりまして、地域経済が活性化され、雇用が促進されるなど市民にメリットがございますほか、鎌倉の付加価値あるいはブランド価値が高まるなど、観光がもたらす効果は大きいものがあると考えております。
 一方で、御指摘のとおり、観光客がもたらす渋滞ですとか混雑など、市民生活への悪影響についても深刻でございまして、いわゆるオーバーツーリズムの緩和、解消に向けた取組も重要であると認識してございます。
 観光税などの法定外税につきましては、全国におきましては宿泊税とか環境協力税など事例がございますけれども、鎌倉に置き換えてこれを導入するということになりますと、公平性の担保ですとか、あるいは徴税方法など課題が多く、非常に難しい状況でございます。
 税に限らず観光施設の受益者負担といったようなことについて、今後検討してまいりたいと考えております。
 
○4番(くり林こうこう議員)  承知いたしました。ありがとうございます。市外からの観光客にも鎌倉の観光資源、環境保護に御協力いただくことができる仕組みをつくっていくことができればと思います。
 観光に関連して、鎌倉市の交通事情について御質問させていただきます。
 皆様御存じのとおり、鎌倉市では交通渋滞が慢性化しており、積年の市の課題となっております。観光地でも市民にとっては生活道路です。特に通勤時、休日、夏季の車道渋滞への対策は喫緊の課題であると考えます。ロードプライシングやパークアンドライドなどの交通渋滞対策の検討状況について、改めて御共有ください。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  鎌倉地域の交通渋滞対策につきましては、平成8年の地区交通計画の提言におきまして、自動車利用の抑制策であるロードプライシングによる流入交通量の抑制と併せて、パークアンドライドや鎌倉フリー環境手形による公共交通への転換方策を複合的に実施することが必要であるとしております。
 このロードプライシングにつきましては、平成25年から具体的な検討を開始いたしまして、平成28年にはロードプライシングの検討に特化した委員会を立ち上げ、法制度や技術面などの専門的な課題の検討を実施しているところでございます。
 また、平成29年には、観光交通イノベーション地域の選定を受けるなど、国土交通省とも連携して検討を進めているところです。また、ロードプライシングと併せて実施をするとしておりますパークアンドライドなどの施策につきましては、既に実施可能なものから社会実験を行いつつ進めているところでございます。
 パークアンドライドは、平成13年から順次運用を開始し、現在は国道134号線沿いや大船駅周辺の五つの駐車場で導入をしております。しかしながら、現在は新型コロナの感染拡大防止ということで、全てのパークアンドライドは休止をしております。
 今後もコロナ禍による新たな生活様式への対応、2024年に放送予定の大河ドラマによる来訪者増も踏まえまして、パークアンドライドの拡充や、道路や駐車場の混雑状況のリアルタイムでの発信、環境手形の電子化による利便性向上など、これらについても検討を進めておりまして、様々な手法の活用により、状況の変化に対応した渋滞対策を実施してまいりたいと考えております。
 
○4番(くり林こうこう議員)  ありがとうございます。ロードプライシングにつきましては、市民生活向上を大きく前進させる可能性を持った施策の一つであると考えております。今後も各関係機関でのロードプライシング実現に向けた協力体制ができればと期待しております。
 つきましては、ロードプライシングを進める上での具体的な課題やスケジュールを御共有ください。
 
○林 浩一 まちづくり計画部長  ロードプライシング導入に当たりましては、一般道路で料金を徴収することに対します法制度面、それから料金収受システムの構築、採算性などの技術面が課題となっているところでございます。そのため、高度な技術的見地を有します国土交通省に対して、ロードプライシングの早期実現を目指した、より一層の制度的、技術的な支援を令和2年1月に要望いたしまして、主に課金を前提とした地域内の交通シミュレーションや課金システムとともに制度面の検討を国土交通省で実施していただいているところでございます。また併せまして、令和3年4月に内閣府にスーパーシティ型国家戦略特区区域の指定に関する提案におきましても、ロードプライシングに関する規制改革について提案をしているところでございます。
 今後のスケジュールといたしましては、現在国土交通省で制度面、技術面の検討を進めていただいておりますが、一定のめどが立った段階で本格実施に向けた社会実験などを実施したいと考えているところでございます。
 
○4番(くり林こうこう議員)  ありがとうございます。承知いたしました。ロードプライシングはほかに例のない新しい試みであると思います。市民の皆様の御期待も非常に大きなものですので、実現に向けて前進していくことができればと存じます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、市職員管理職における女性割合向上について質問です。性別や様々なジェンダーにかかわらず、社会の構成員全員が平等に社会参画と貢献を行うことができる環境の構築は、人口減少高齢化社会を迎えるに当たり喫緊の課題となっております。そのような社会の実現こそが、一人一人の生活の真の豊かさにつながるという価値観、文明社会の発展を促していくという確信は、未来を担う若者世代をはじめとして広く、そして深く共有されている信念であります。そのような中で、地方行政が率先してこの課題に取り組み前進することは、魅力的な地域づくりという観点から必要不可欠です。また鎌倉市役所という組織自体が、そこで働く人々にとって魅力的な職場になることは、人材の確保や組織の質の向上による市民サービス充実への近道であります。
 これらを踏まえて、鎌倉市職員管理職における女性割合向上について御質問させていただきます。
 現状の市職員の女性管理職の割合と人数はどうなっているか、改めて御共有ください。
 
○内海正彦 総務部長  令和3年4月1日時点での本市の管理職でございます。全管理職のうち14.2%、15人が女性職員となっております。
 
○4番(くり林こうこう議員)  ありがとうございます。率直な感想といたしましては、まだまだ理想と現実のギャップが大きくあるのではないかと考えております。鎌倉市として危機意識を持ち、早急な対策を行っていく必要があるのかと存じます。
 女性管理職の登用目標について、具体的な内容を御共有ください。
 
○内海正彦 総務部長  女性管理職の登用目標につきましては、特定事業主行動計画という中で定めております。
 この計画は、最初の計画が平成27年度から平成31年度までを計画期間といたしました。この計画では、女性管理職の割合を平成31年度までに10%以上という目標を掲げてきました。その結果、平成31年4月1日時点での女性管理職の割合は、14.8%と10%以上を達成したということでございます。その後、新しい特定事業主行動計画を、平成2年度から平成6年度までを計画期間として策定をいたしました。この目標は平成6年度までに全管理職に対する女性管理職の割合を20%以上という目標を掲げており、現在この目標の達成に向けて取り組んでいるところでございます。
 
○4番(くり林こうこう議員)  ありがとうございます。今、平成ではなく令和でよろしいでしょうか。
 
○内海正彦 総務部長  失礼いたしました。令和2年度から令和6年度までで、目標は令和6年度に20%を達成するという目標でございます。
 
○4番(くり林こうこう議員)  承知いたしました。ありがとうございます。ぜひとも目標達成のために協力していくことができればと考えております。
 それでは、女性管理職の登用目標達成のために現状どのような取組を行っているのか、また今後どのような施策を行っていくのか御共有ください。予算やスケジュール、施策推進に当たる課題など、具体的にお願い申し上げます。
 
○内海正彦 総務部長  管理職につきましては、性別に関わりなく様々な職場への配置や業務経験を積んだ上で、適切な評価に基づいて登用する必要があると認識しているところでございます。
 平成28年に市長、副市長、部長がイクボス宣言を行って以降、様々なライフスタイルを持つ職員への理解や配慮ができるような労務管理や業務改善に関する研修、また女性のキャリアの考え方や必要となるスキルを身につけることを目的とした、女性活躍推進研修を実施してきたところでございます。こうした取組を継続していくことで、組織全体で女性が活躍できる環境の構築を推進し、様々な経験を積んでいく中で、適切な人材が管理職に就くことができるようにしていきたいと考えております。
 
○4番(くり林こうこう議員)  引き続き、誰もが平等に社会参画を行える鎌倉市の実現のために、まずは市が率先して女性管理職登用をはじめとする取組を着実に推進することを切に望みます。今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。
 以上をもって私の一般質問を終わらせていただきます。誠にありがとうございました。
 
○議長(中村聡一郎議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により、暫時休憩いたします。
                    (16時48分  休憩)
                    (17時00分  再開)
 
○議長(中村聡一郎議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 議事の都合により、この際、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。次に、武野裕子議員の発言を許可いたします。
 
○14番(武野裕子議員)  本日最後の一般質問となり、皆さんお疲れでしょうけれども、どうぞ最後までお付き合いください。
 コロナの蔓延で国民生活の中に経済的、精神的、身体的に深刻な実態があることが日々の報道で伝えられています。既に非正規雇用が4割に達しているところにコロナが広がり、年収300万円以下の給与所得者の4割に達しました。コロナ対策が後手後手に回った国の施策でこれほどまでに国民生活を壊していることはないと思います。まさに今、国も自治体も、命が助かる政治への転換を、今、市民、国民は求めています。一過性のコロナ対策にとどめず、地球の温暖化により今後も起こり得るパンデミック感染症に政策が生きるように、私も頑張りたいと思います。
 通告はしていないんですけど、一つ要望がありまして、ちょっと付け加えさせていただきます。
 今年は去年と違い、デルタ株が急速に広がっています。そんなドイツでは広範な検査の一環として児童・生徒に週2回、迅速な抗原検査をしているということです。
 今日のしんぶん赤旗にはこういう記事がありました。茨城県の筑西市です。PCR検査無料で何度でもという記事が載っておりました。これは、市はこれまでも7月から8月にかけて一か月間、接種を2回受けていない市民を対象に、無料で1回に限りPCR検査を行ってきたけれども、このほどいつでも無料で何度でもということを打ち出しました。このように書いてあります。市は希望する全市民と、市内小・中学校の児童・生徒、園児、市内在住者を含む教職員や保育所、幼稚園職員のほか、感染者が発生しながら濃厚接触者に該当しないために行政検査が受けられない市民、これは市外在住も含む、を対象にPCR検査を受けられる体制を整備すると表明したというものです。これは今年の9月から来年の3月まで行うという記事が載っておりました。
 今、この鎌倉市にも国の臨時交付金とかも来ておりまして、私はこういったPCR検査の関係でこの交付金が補正予算で出されるのかなと思ったんですけれども、ありませんでした。ぜひこういう、特に今、デルタ株が子供たちの中に広がっているという、そういう状況を一刻も早く何とかしなければいけないので、補正予算を組んでいただきたいと思います。
 さて、質問は、通告は三つですけれど、最初の質問は生活保護についてです。
 国はこれまで、生活保護費を2018年度までに3回にわたり引き下げてきました。この間、国民の強い要望で母子加算や老齢加算も実現してきたのも、これにも手をつける。そして今度はまた生活保護基準の見直しを検討しているという報道がありました。具体的にはケースワーカーの仕事を外部委託するということが一つ、もう一つは現在の級地ですね、級地を現在の6段階から3段階に減らすということが検討されています。
 現在の生活保護の地区担当の人数及び地区担当1人当たり何世帯を担当していますでしょうか。お願いします。
 
○田中良一 健康福祉部長  ケースワーカーの地区担当員の人数及び何世帯かということでございます。
 令和3年、今年8月末時点で本市の生活保護受給世帯数が857世帯ございます。被保護者人数が991人となっております。
 令和3年度の地区担当員は、昨年度から2名増員しまして、12名となっております。地区担当員1人当たりは現在約70世帯を担当しているという状況でございます。
 
○14番(武野裕子議員)  80世帯より少なくなっている。これは増員のおかげだということで、ケースワーカーが増えて本当によかったと思います。全て正規職員で、嘱託員や会計年度職員が配置されていないということもあるんで、本当に鎌倉市は今、踏ん張っているなと思っております。今後も必要に応じてケースワーカーの増員をお願いしたいと思います。
 さて、政府が生活保護におけるケースワーク業務の外部委託化の方針を示しております。既に実施している自治体もあるようですけれども、鎌倉市はこのケースワーカーの委託についてどのようにお考えでしょうか。
 
○田中良一 健康福祉部長  令和元年12月23日の閣議決定、令和元年の地方からの提案等に関する方針におきまして、生活保護におけるケースワーク業務の外部委託化についての方針が示されたと認識しております。現時点でまだ国及び県からは外部委託化の実施に向けた具体的なスケジュール等は示されておりません。今後具体的な内容が示され次第、本市の実情に合わせて委託化のメリット、デメリットなどを見極めた上で検討してまいりたいと考えております。
 
○14番(武野裕子議員)  地方自治の本旨から外れないようにお願いしたいと思います。
 それから、地域の物価水準に応じて支給額に差をつける級地、これを現在の6段階から3段階にすることを検討しています。そうなるとほとんどの自治体の生活保護費が引き下げられるという、こういう試算も出されております。
 赤旗の9月8日付、この級地を議論した社会保障審議会の生活保護基準部会が、級地を3段階とすることとした厚生労働省の案を大筋で了承しました。そのため厚生労働省内では基準引下げの動きが加速するおそれがあると報じております。
 鎌倉市は6段階のうち、1級地−1に当たるので、もしこんなことになったら結果引下げになるということになりかねません。ただでさえ生活保護世帯の下水道料金の免除制度がなくなりました。これをさらに引き下げるとなればどういう影響が出るのでしょうか。生活保護基準を使っている施策は最低賃金、就学援助金、介護保険や医療保険など、生活保護制度の基準を利用している制度は幾つもあります。40項目ぐらいはあると思います。ですから生活保護制度を利用していない方々にも、これは非常に広く影響する問題です。
 市長に伺います。生活保護制度は国の制度です。生活保護基準が下がることによる、ほかの制度への影響も大きいことから、国に対して何か言うことはできないのでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  生活保護制度に対する要望についてですけれども、神奈川県が県内の福祉事務所の制度改正についての意見を取りまとめて国に提出しているということがありますので、この仕組みを通して要望することができます。国に対する要望につきましては、生活保護基準が下がることによる市民生活への影響の範囲などを見極めながら判断してまいりたいと考えております。
 
○14番(武野裕子議員)  そのルートしかないでしょうか。市町村議会とかいろいろありますでしょう。あらゆるルートを使ってぜひ要望していただきたいと思います。
 それから、ここの場でよく言わせていただいているんですけれどね、老老介護の世帯の相談を受けました。生活が苦しいということで、寝たきりの方、配偶者への、これは紙おむつが支給できるのではないかと思って行きましたら、紙おむつは介護保険料を滞納している方には支給できませんと言うんです。年金から天引きされるはずの介護保険料ですよね。しかし、あまりにも少ないと天引きをしないんですよ。少ないから介護保険料は滞納してしまった。結局どうしたかといったら、生活保護につなげるしかなかったんです。生活保護の方じゃなかったんですよ。でも少ない年金で細々と老老介護されていたお宅。
 本当に大した金額じゃないと思うんですよね。でも結局それが使えないということで生活保護を利用せざるを得なくなった。今度この生活保護が低くなったら、またそれが苦しい、そこから抜け出せるのかしらと思うんです。
 お若い方も今は就職難でなかなか仕事に就かれなくて、生活保護になっても、その基準がどんどん下がっていく。そのほか生活保護になっていない方々が、このように保護を利用せざるを得なくなるということ。これは負のスパイラルと言いますか、こんな冷たい政治があっていいのかと、私は本当にこの場でいつもこの紙おむつの件を言わせていただいていますけれどね。生活に苦しくなった方が、鎌倉市の場合、就学援助金ではちょっと上乗せしたりとか頑張っています。生活保護基準を使って、40近くのいろんな施策があって、そういうところにどういうふうに手当てをしていくのかということが課題だと思います。生活保護基準の見直しでより生活が苦しくなった世帯に対して、市長はどのようにお考えでしょうか。市として何か独自の施策を実施するつもりはありませんでしょうか。
 
○松尾 崇 市長  生活保護基準の改正につきましては、社会保障審議会生活保護基準部会におきまして、全国消費実態調査等を基に、一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図れているかを定期的に検証して見直しが行われていると認識をしています。
 市の独自の施策というところにつきましては、生活保護世帯への有料ごみ袋の配付、また市の健康診査の自己負担金や子どもの家の利用料を免除する施策を実施をしているところです。
 新たな独自の施策につきましては、影響の範囲などを今後見極めながら、判断してまいりたいと考えております。
 
○14番(武野裕子議員)  真面目に、まともにぜひ見極めていただきたいです。実態を本当によく知って。問題は現場にありますから、現場によく足を運んでいただいたり、耳を傾けていただき、市民の生活がどんなに今、大変になっているかというのを理解していただきたいと思います。
 次に、民間学童保育の安定的経営、運営のための質問をいたします。
 今、昨年と違いデルタ株が広がっているということで、子供たちが集まっている学校もそうですし、保育園でクラスターが発生したとか、日々子供たちを取り巻く環境の心配事がすごく増えています。
 9月7日付の朝日新聞にこんな見出しで出ていました。現場は緊張の日々が続くと、こういう学童保育の苦悩の記事が載りました。横浜市ではおやつの提供は原則禁止という通達が出され、夕方まで過ごす子供が空腹になってしまう。おやつをなくしていいのかと指導員たちは悩んだそうです。あと、国基準の1児童当たり1.65平方メートルでは密を避けることは難しい。それとか、保護者への利用自粛を求めるのかどうか。また、子供が安心して過ごせる環境をつくるには、子供にも目を配る職員の保護も必要だが、待遇などがネックになって、恒常的に人が足りないということが書かれておりました。
 そこで質問をいたします。鎌倉市の民間も含めた学童保育や子どもひろばではこの辺のところ、特にデルタ株が広がっている現在は、どのようになっていますでしょうか。大変御苦労されていると思うんです。リアルな状況を教えてください。
 
○藤林聖治 こどもみらい部長  8月2日から発出されましたこのたびの緊急事態宣言下におきましては、本市における子どもの家、子どもひろばとも通常どおり運営を継続してまいりましたが、市立小学校が夏期休業後に感染対策として半日日課とした9月1日から7日までの期間は、子どもひろばのみ閉所いたしました。緊急事態宣言期間中は、保護者に対しまして感染リスクを低減するため、可能である場合には家庭での保育の協力をお願いしているところでございます。
 また、感染対策といたしましては、各施設において小まめな手指消毒や施設の換気、それからプログラムといたしまして外部講師によるスポーツ、その指導プログラムについて対面での実施を中止し、オンラインプログラムに切り替えて実施するなど、密を避けた活動の工夫などを行っているところでございます。また、夕方まで過ごす児童のためにも、子どもの家ではおやつも通常どおり提供しておりますが、食べる際には時間差を設けたり、あるいは黙食も指導しておりますが、お子さんですのでなかなか黙食も徹底されない部分もありますので、パーティションなどを使用しながら子供同士の距離を確保するなど、可能な限りの対策を行っているところでございます。
 
○14番(武野裕子議員)  学校給食でも黙食を進めていると思いますけれども、寂しいですよね、本当に。学童保育なんかでもおやつが出されたとき、みんなそのおやつでふざけ合ったりとかしているじゃないですか。そういうことができないんです。そういうことをしそうなときに職員が、あ、ちょっととか、あと遊んでいるときも、子供たちがどうしてもくっつき合っちゃって、ああ、ちょっとそこと。本当に神経を使っていると思います。
  それで、子どもひろば、学童保育である子どもの家のように国が定める基準に応じた利用定員の定めがありません。学童保育は先ほど言ったように、紹介したように、1児童当たり1.65平方メートルの、子供が1人寝るぐらいの、それが1人当たりの面積を基準にしている。それすら子どもひろばはない。この子は子どもひろばの子、この子は学童の子どもの家の子なんて分けて指導員の方たちは見ていませんよね、一緒くたなんですよ。そうなるとこの面積との関係でちょっと計算してみました。床面積を登録人数で割りました。それは登録というのは学童、子どもの家と子どもひろばの両方です。それと床面積、これトイレや洗面所とかを全部合わせた数です。そういうところにも子供がいるということ前提で割ってみると、16施設のうち6施設が、38%が基準以下だったんですね。1.65平方メートルなきゃいけないのに、それすらない子どもひろばは約4割近くあったと。そもそも学童保育は待機児童の解消と言っているわけですから、放課後かまくらっ子も、ちゃんとした基準を設けるべきではありませんか。来所率が低いということで助けられているんですよ。
 もしこういう事態で災害とかが起きたら、例えば深沢の場合だったら、あそこは洪水浸水地域です。洪水の後、親たちは一生懸命泥をかき出すとかあるかもしれません。本当に学童保育は助かりますよ、そういうときって。ですから床面積を学童保育同様に基準を設けるということが、私は必要だと思います。それをやれば、当然、待機児童が出るわけです。今、民間学童補助金を段階的になくしていくという方針がありますけれども、民間学童保育の役割は終わったかのように、補助金を打ち切るのはあまりにも無謀だし無慈悲です。多様化するニーズに対応している民間学童保育所の重要性を認識し、補助金要綱の改定も含め、今後の支援を継続していく必要があるのではないでしょうか。いかがですか。
 
○藤林聖治 こどもみらい部長  まず、子どもの家と子どもひろばの1人当たりの床面積についてでございますけれども、放課後かまくらっ子の全16施設におきまして、子どもの家と子どもひろばがそれぞれの登録者数、まず前提として利用可能者数と登録者数がございます。議員に御紹介いただいたとおり、来所率をこれを掛けて実際の1人当たりの床面積というのを算出しておりますので、子どもの家ですと、平均的には4割弱の来所率になっておりまして、子どもひろばにつきましてはかなり登録の人数は多いので、実際の来所率は多い施設で20%、少ない施設では1桁%ということで、平均すると全16施設で8.9%ということになっておりますので、この来所率を掛けた数字で国の基準1.65平方メートルの基準を、それを下回っている、満たしているということでございます。
 また、子どもひろばにつきましては、プレイルームや図書スペースなどの施設のほか、校庭や体育館などの学校施設などの利用をしておりまして、来所している子供たちの人数や様子を見ながら、接触などによるけがや事故の発生しないよう、複数の指導員が見守りながら、子供たちが安全安心に過ごせるように実施しているところでございます。
 
○14番(武野裕子議員)  来ないことを前提にした床面積になっているんですよね。そして、グラウンドがあるじゃないか、体育館があるんじゃないか、それって随分前から学童保育、私もうちの子供たちは民間の学童保育に行きましたけれども、小学校のグラウンドで遊んでいました。体育館に行くこともありました。1.65平方メートルじゃ足りないんです、もともと。それで今コロナでしょう。1.65平方メートルというところに子供たちがもしいたら、それ密で大変だというそういう記事でしたから。だから、これで来所率に助けられているだけであって、来ないことを前提にしていて待機児童がないという認識はちょっと改めたほうがいいと思いますね。だから、民間学童保育はそれ以上にいろんなことを考えて様々な取組をやっておりますし、そういうところにおいては、やっぱりこの民間学童保育に助けられているんじゃないでしょうかね。
 今、補助金要綱の中では、放課後児童健全育成事業と放課後子ども環境整備事業、放課後児童クラブ支援事業の三つの補助金があります。これに加えて、先ほども職員が本当に苦労している。私は放課後児童支援等処遇改善等の事業を新たに対象にしてほしいと思います。逗子市では補助金要綱の中にこの処遇改善を入れているんです。鎌倉は保育園のほうで入れていると思いますけれど。介護か医療かどこかしら、でもこれは別会計ですから。入れているとは思うんですけれども、この学童保育にもぜひ処遇改善の、これを、事業も対象にしてほしいと思います。
 
○藤林聖治 こどもみらい部長  民間学童保育の重要性につきましても、市としても十分認識しているところでございます。補助金の在り方につきましては、どのような支援ができるのか、補助金要綱の改定につきましては引き続き民間学童保育とも十分に協議をしながら、今後の補助金の在り方について検討してまいりたいと考えております。
 
○14番(武野裕子議員)  本当に納得のいく協議をしていただきたいと思いますけれども、そんな協議しなくても必要なものはすぐさま検討して出せばいいじゃないかと思うんです。それができないのは何でかなと思って、ちょっと市長に、ごめんなさい、急に振っちゃって。これ、もしかして包括予算制度だから、そこの部局がこれをやりたいということがなかなか、予算要望として出しにくい状況にあるのかなと思ったりしておりますけれども。やっぱり、学童保育では去年の年度末でしたっけ、陳情が出されましたね。共生社会における鎌倉市の民間学童保育所の果たすべき役割の重要性を伝え、補助事業の継続を求めるための陳情、出されて採択されたんですよ。子供たちが安全に楽しく過ごせる場を奪うわけにいきませんよね。その一方で未来への投資という、その言葉はどこでお使いですか。村岡新駅のことで深沢事業の、そこに未来への投資という言葉がやたらと出てくるんです。私はこれちょっとぜひ学童保育、補助金を増やしていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
 
○松尾 崇 市長  先ほどこどもみらい部長も答弁しましたとおり、部でもこの民間の学童保育での必要性ということを十分理解をしながら、包括予算制度という御指摘がありましたけれども、それは部の中でそれは検討をしていくというところは我々ルール上設けておりますけれども、その部の中での必要性を感じて、今、検討しているというところでありますから、しっかりと前向きに検討が進められていると考えております。
 
○14番(武野裕子議員)  やっぱり1時間の質疑というのは本当に厳しいですね。もっといろいろ聞きたいのですけれども、今日はこれで次の質問に移りたいと思います。
 岡本二丁目用地の筆界特定とその後というところに移りたいと思います。いわゆる岡本二丁目用地の問題ですけれども、ここにはいろんな問題がありました。当初のマンション建設をするに当たって接道要件がないという問題で、2回にわたり県の開発審査会が不許可、開発許可は違法な許可であるとなりました。それからこの場での一般質問で同僚議員も言っていましたけれども、市に譲渡されたときの状態にも問題があったんじゃないか、そういう問題があります。
 それで今回私が質問するのは筆界特定の問題です。この結果は何を意味しているのかというところに絞った質問をしていきます。質問の大きな柱で言えば、なぜ筆界特定をしようとしたのかということ。それから筆界特定で出た結果は何だったのか。それから今後、委員会で報告すると言いながら、なぜ今日まで報告がないのか。大まかに言ってこの三つを質問したいと思います。
 筆界特定のために、測量したりするために合計91億円をかけました。間違えた、億は要らない。91万円かけました。なぜ筆界特定をしようとしたのか。これは平成30年のことですけれど、議事録にちゃんと書いてあるんですね。本市が所有する岡本二丁目260番2、及び市道053−101号線と隣地土地所有者との境界確定を早期に解決するため、横浜地方法務局に対し筆界特定の申請手続を行うとちゃんと書いてありました。そして、筆界特定の結果が報告された平成31年3月6日、建設常任委員会において、市はこの筆界は市及び隣接地権者の主張線とはいずれも異なる位置で特定されているという報告でした。
 これについて、市はもともとどういう見立てをしていたのでしょうか。三つまとめて質問します。市が主張するところに法務局の判断が出ると思ったんでしょうか。もし市の主張どおりの結果が出たら、どうするおつもりだったんでしょうか。
 
○森 明彦 都市整備部長  法務局による特定筆界の結果におきましては拘束力のないことから、筆界が市の主張どおりになった場合、もしくはその結果につきまして、隣接土地所有者と協議し境界を確定を行う予定でございました。
 失礼しました。岡本二丁目用地の事業を進めるに当たりまして精査した結果、岡本二丁目260番2及び市道と隣接しております259番2の土地との境界確定の必要があることが分かりました。その後、隣接する土地所有者と協議を重ねましたが合意に至らなかったものです。このため、岡本二丁目260番2及び市道と隣接している259番2の土地との境界を確定するため、平成30年3月、横浜中央法務局に筆界特定の申請を行ったものです。また、この筆界特定の結果につきましては、市の主張が認められると考えておりました。
 しかし市の主張は認められず、相手の主張に近い位置で特定されたものです。
 法務局による筆界特定の結果は法的拘束力がないことから、筆界が市の主張どおりとなった場合には、その結果について、隣接土地所有者と協議し境界確定を行う予定でございました。その後、境界確定の位置により事業を進めていく予定としておりました。
 筆界特定の結果につきましては、岡本二丁目260番2と259番2の土地との境界が、本市が主張しています所有権の位置より約5メートル東側の、相手の主張に近い位置であるとの法務局の見解が示されたものと受け止めております。
 
○14番(武野裕子議員)  筆界特定の結果と土地所有者は一致しないことがあるということは当初から分かっていましたよね。しかし筆界特定やる段階ではその言葉はありませんでした。結果が出てから一致しないことがあると言ったんです。今の答弁にあるように、もし一致したらそれで協議する。当然でしょうけどね。一致しなかったらどうするかというのは、これ次の話なんですけれど。一致したからって、これでやりましょうよったって、先方様は、一致していないわけだから嫌ですよとなるんじゃないですか。やっぱりそこでも物別れになってしまいますよね。
 筆界特定の結果は一体どういう結果を出したのかというところ、資料の1を御覧ください。資料の1、この両方の図はこれ筆界特定、私が出している資料1も資料2も筆界特定の結果の一部です。四角のところを御覧ください。赤い線の位置について、平成30年に法務局に判断を仰ぐために申請した境界。一つは260−2、これはL字型のところです。それと259−2の境。259−2というのはいわゆるバス通りから垂直に山に上がっていく方向に階段があります。その辺りのところを言います。もう一つは市道053−101と259−2、つまりあの山に登っていくところの幅です、いわゆる。その幅が実際どこなのかを市は筆界特定で申請しました。そしたら下の図が出ました。緑の図が出てきたんです。そして赤い線は法務局が出した。
 もうこれ見て私何のことかさっぱり分かりませんでした。でももう本当によく見ました。ここに書いてあるように、法務局が出した線がここに書いてあるんだけれど、資料の2です。これ筆界特定書です。これを読むのも本当に苦労しました。わけの分からない数字や記号がいっぱい出てきて。
 1ページ目には、申請した中身ですね。今言った赤いL字を申請しました。そうしましたら、その下はここですよという結論が出たんです。
 2ページ目。私はここが不可解なんです。ここで言っている意味は、青い文字で書いてある。解説しますと、252の幅員は明治時代から変わっていないのに、これ面積です、法務局が持っている登記簿、その面積は変わっていないんです。なのに平成15年に登記した測量図では幅員が明らかに狭いということが書いてあるんです。
 そのことを言っているのがこの右側にある図です。この259−2の幅が明らかに狭いと言っています。それから次のページ、3ページ目。これ緑のLのことのところ、それを復元しますと、何と259−2にこの緑のL字が食い込んでいる結果が出ましたよということを言っているんですよ。
 分筆というのは一つ、例えばこれだったら260というところを二つ分けるから、260の中に260の1と2ができるわけでしょう。ところが259−2の中に260−2が入り込んでいるということをこの筆界特定書は言っております。
 そして、そうなると市が所有している緑のL字を登記された頃、昭和32年です。これは一体誰の土地を買ったのかという、非常に疑問になりました。259−2の土地所有者との関係で、安全対策のために石積み、ちょうど階段がこう、今、この図で言うと右側に書いてある階段は、もっとL字に近いところに実はあったわけです。それを壊して後ろにずらしたわけですけれども、この安全対策のために下にある赤道の安全のために石積みを造った。この260-2の工事は誰の土地を工事したのか、私はちょっと思わざるを得ませんでした。
 そして、こういう結果が出たことについて、市は、この件については引き続き状況に応じ、当委員会に報告させていただく予定とあります。しかしあれから2年たっているんですね。平成31年、そのときに委員会で報告ありました。私はこの絵を見てすぐ何がどうなっているのかさっぱり分かりませんでした。皆さんもこういうの見慣れない方にとっては分からないと思いますよ。私もう穴の空くほどずっと見ましたよ。タブレットだから穴開きませんけど。そのときの委員会では、やっぱり現地に行って見なきゃ分からないじゃないかということで、そうしましょうということで、その同じ年の5月に現地行って見学しました。それを見ても私は分からなかったです。一生懸命見て、ああこういうことかと分かって、早速委員会で議論したいと思ったけれども、報告事項がありませんということで質疑させていただけませんでした。
 本来ならば筆界特定が出ました、それよく分からないから現地を見ましょう。それで初めて皆さん委員の人がこれこれしかじかこうなっているのかと分かって、そこからもう一回質疑が再開するのだと思っていましたよ。それがないんです、2年間も。市民からは度々聞かれます、あそこどうなっているのかと。報告がない以上、所有権の問題があって止まっていますとしか言いようがありません。もう一旦は市民の施設ができるかのように設計図まで描いて市民を喜ばせておいて、このありさまなんです。
 市長に伺います。これまで隣接地権者とお話されていると思うんですけれども、この地権者さんは筆界特定について何と言っているのか。ここで言うわけにいきません。でしょうけれども、法務局に出した結果について、隣接地権者から何か受け止めを、中身じゃなくて、このことについて聞いているんですか。中身はいりませんから、聞いているか聞いていないか、この結果について、聞いているかどうか。
 
○松尾 崇 市長  結果については聞いております。
 
○14番(武野裕子議員)  今年の6月だったかな。同僚議員のここでの一般質問の中で市長がお答えになっています。隣接土地所有者との協議をしない、今後しないというようなことをおっしゃったと思いますけれども、何らかの判断が働いたんでしょうか。やっぱりこれは市長の任期中に新たな解決策に乗り出すのかと私は思いましたけれども。何か、その発言を覚えていらっしゃらない、そんなこと言った覚えはない。いや、何か書いてあるんですよ。聞いたんですよ、協議をしないと。するんですね。もうお話ししないというように受け止めました。
 あの結果を、筆界特定の結果、思うような結果が出ませんでした。じゃあ次の手を考えましょうということですよね、簡単に言うと。あれはもうこっち置いといて。91万円を出して自分の思うように、自分じゃない、市の思うような線が出なかったから、これはあっち置いて次の手。ある意味懸命な判断かもしれないけれども、それを言われた隣接地権者、いやいやと思うかなと思うんです。
 そうなってくると、私だったらあの筆界特定で何が違っているのか。どこが市の主張と、結果じゃないです、結果は見て分かるから。どう市の主張と違うかというのは結果を見て分かるから。そうではなくって、私が逐条解説のようにこういうふうに出しましたけれども、これ言っていることこれ違うとか、そういうことをやっぱり精査、私ならします。それが隣接地権者に対して説得力を持つならば、合意に至るかなとは思いますけれども、あれをこっちに置いておいて、さて、というふうな方法はどういう方法があるんでしょうかね。裁判でもやるんでしょうか。どうなんですか。
 
○松尾 崇 市長  これまで、解決には隣接土地所有者と境界に関する協議を調えていくことが必要と判断しておりましたので、継続的に協議を行ってきました。前回一般質問で御質問いただいた際には、その協議を重ねてきましたけれども、もうお互い平行線という状況にあるというところを御報告をさせていただいたと思っております。ですので、折り合える可能性ということが見いだせずに、協議による解決というのがなかなか望めないという、こういう状況になっていると今現状を捉えております。引き続きそうした意味では顧問弁護士への相談も行いながら、別の手段による所有権というものを主張しまして、課題解決に向けて動いていくと考えております。
 
○14番(武野裕子議員)  別の手段、筆界特定の結果はさておき別の手段でしょうけれど、私あの筆界特定を見てずっとこの穴の空くほど見ましたよ。この赤いL字の短いほうですね。そこにこの緑のL字の背中が来るとなったら、この緑のL字は260−2ですね、緑のL字はこの図でいうともう少し右下にずれることになるんですよ。分かりますか、言っている意味。この短い線のところが緑の線との境目だよと言っているわけでしょう。260−2との境目だよとなったら、そこが境目だったらそこまでぐっとずれることになるなと。そしたら何だったんだろということを調べますよ。
 今回の筆界特定の出すに当たって、隣接地権者もそういう資料を出されていますよね。だからやっぱり、ちょっともう少し歩み寄るんであるならば、そういうところも受け止めながら話し合っていくという。真っ向から違うとなると前進みませんから。そういうことです。
 私はこの筆界特定の結果というところから、何だか過去に遡ってもっと調べたくなりました。この土地を購入した時期やその前の時期とかも含めて。やっぱり市長が任期中に、もう任期も秒読みですけれども、足がかりつけていかないと無責任になりますからね。ぜひお願い、そういうことにしっかり片をつけることを要求して質問を終わります。
 
○議長(中村聡一郎議員)  お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                     (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
 なお、残余の日程については、来る9月13日午前9時30分に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
 本日はこれをもって延会いたします。
                    (17時47分  延会)

 令和3年(2021年)9月10日(金曜日)

                          鎌倉市議会議長    中 村 聡一郎

                          会議録署名議員    後 藤 吾 郎

                          同          くり林こうこう

                          同          井 上 三華子