令和 2年一般会計決算等審査特別委員会
9月18日
○議事日程  

令和元年度一般会計歳入歳出決算等審査特別委員会会議録
〇日時
令和2年(2020年)9月18日(金) 9時30分開会 17時23分閉会(会議時間2時間19分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席委員
河村委員長、伊藤副委員長、保坂、高野、納所、前川、中村、?橋の各委員
〇理事者側出席者
松尾市長、小礒副市長、千田副市長、比留間共創計画部長、奈須行政経営部長、内海総務部長
〇議会事務局出席者
大隅局長、谷川議事調査課長、岩原議事調査課課長補佐兼議事調査担当担当係長、田中担当書記
〇本日審査した案件
1 議案第52号令和元年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について
2 議案第53号令和元年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計歳入歳
  出決算の認定について
3 議案第54号令和元年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
4 議案第55号令和元年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定につ
  いて
5 議案第56号令和元年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
6 議案第57号令和元年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定につい
  て
7 議案第58号令和元年度鎌倉市下水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定について
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○河村委員長  これより本日の一般会計決算等審査特別委員会を開会いたします。
 まず初めに、委員会条例第24条第1項の規定により、本日の会議録署名委員を指名いたします。伊藤倫邦副委員長にお願いいたします。
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○河村委員長  理事者に御出席いただきましたので、これより理事者に対する質疑を行います。
 なお、委員におかれましては、令和元年度決算に係る理事者質疑であることに御配慮をお願いいたします。
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○河村委員長  それでは、まず納所委員から、第20款衛生費、ごみ処理政策についての質疑をお願いいたします。なお、答弁は座ったままで結構です。
 
○納所委員  私のほうからは、ごみ処理政策について市長の見解を伺いたいと思います。ごみ処理問題についてですが、令和元年度の予算には新焼却炉建設に係る予算と、それからごみ減容化施設整備に係る予算は計上されておりませんでした。その中でここで決算で質問するというのも非常にいびつな感覚があるわけでございますけれども、その予算審議の理事者質疑において松尾市長は、御自身自ら9年間の市政運営における最大の失政はごみ処理政策であるというふうに明言をされたという経過がございます。また、本市におけるごみ処理政策を決定する諮問機関、生活環境整備審議会や廃棄物減量化及び資源化推進審議会への諮問というのが本当に無数に毎年のように諮問をしなければいけないという状況が続いております。いかに本市のごみ行政が安定性を欠いているのかということが、これらを見てもその経過が分かるということでございます。
 ごみ処理の在り方については、本来ならば施設整備を含めて平成29年度末に市長判断をする予定だったのが1年間延長されまして、その期限が迫る中で、平成30年度予算の審議には計上されずに、その定例会が終わった後に方針が発表されたということでございましたので、そのごみ処理政策の在り方については予算を審議する場での審議ができなかったという経過がございます。その中で生ごみ資源化施設整備という課題がございまして、今泉クリーンセンターを候補地とする生ごみ資源化施設整備に係る地元町内会との懇談状況、これを今回、追加の資料として御提出いただきました。それによりますと、地元町内会との話合いが平成29年2月19日から令和2年7月31日まで通算して16回開催されております。市長が初めて参加されたのは7回目の平成31年4月10日で、そして令和元年11月11日、令和2年7月20日、合計3回の参加ということでございます。16回開催の中で市長が参加されたのがこの3回。住民合意に重きを置いているというふうに拝察します。山崎でのその焼却施設の課題においても地元との合意に重きを置いて結局断念をされたという経過がございますけれども、今泉クリーンセンターに整備しようとするその資源化施設整備についての話合い、この3回というのがどうなのかなというふうに思うわけです。多い、少ない、その中身にもよると思いますけれども、住民合意を先に置くということなら、市長が自ら参加して地元町内会等との話合い、懇談の場、これでいいのかということをまずお考えを伺いたいと思います。
 
○松尾市長  地元の方々とは、適宜、節目、計画がまとまった段階ですとか、私のほうからそれを説明させていただいて対応を御理解いただくというように努めてきたところです。そういう中においては、その場ではある程度、聞いていただくという中での御理解を頂いたということだとしても、地域で様々なお声があるという中においてはそれぞれの代表で出てきている方々にも大変御苦労、また御迷惑をおかけしているという、こういう思いをしているところであります。ここは継続してより御理解を頂くということが一番大事だというふうに思っておりますので、また今後も適宜、私自身も地元に入っていって説明をしていくということをしてまいりたいと考えております。
 
○納所委員  16回にわたる懇談の中で担当職員が幾ら説明をしても、最後、市長はどうなんだということには当然なってくると思います、地元の皆さんの意識として。ですので、担当職員も市長がもう最後のとりでだということで期待をしている部分もあると思うんですけれど、果たしてこれでそれだけ職員の希望にも、また地元の皆さんにも、その合意形成に市長が汗をかいているかどうかというのは非常に大きな要素ではないかと思うんですが、その点については物足りないような状況を感じているところでございます。
 この生ごみ資源化施設を整備しようとする計画では、令和6年度から5トン未満でのスタートとしていらっしゃいます。令和10年度には鎌倉市内全量の生ごみを減容化しようとする24トン規模の施設をつくるという計画であると承っておりますけれども、2市1町のごみ処理広域化実施計画では、令和2年の7月20日にもうこの地元3町内会から今泉クリーンセンターが資源化施設の候補地としてされていることに反対し当該計画の白紙撤回についての要請書、これが市長に提出されまして、その結果、広域化実施計画の中から施設候補地として今泉という地名の記載がなくなりました。計画案の段階から、明確になるべきその実施計画が施設の場所も特定できない、より不明確な実施計画となってしまいました。そのことについて市長はどうお考えでいらっしゃいますか。
 
○松尾市長  今回そうした地元の代表の皆さんからもそういうお声を頂きまして今泉というところはこの計画から削除したわけでございますけれども、地元の皆さんには引き続きこの今泉で生ごみ資源化施設を建設していくに当たっての協議ということは続けさせていただきたいとお話をさせていただきまして、そのテーブルに引き続き乗っていただけるということを深く理解しておりますので、そういう意味ではこの計画に今泉というのはないというところについては前進というよりも後退の印象ということはございますけれども、しっかりと引き続き地元と協議を重ねてまいりたいというふうに考えております。
 
○納所委員  後退する時間的余裕があるのかどうかということなんですね。この実施計画を計画どおり推進するためには、今年度末までの住民合意が必要です。あと半年です。市長としてはその期間どう対応するのか、ちょっと決算から外れて申し訳ないんですけど、その辺を伺いたいと思います。
 
○松尾市長  御指摘のとおり、この令和6年度に稼働をしていくためにはこの令和2年度中の設計等の発注業務に入っていくと、こういうスケジュールが必要になってくるわけでございます。当然この間も私も最大限努力をしてまいりたいというふうに考えておりますし、また、全市拡大のスケジュールが遅れるような場合も考慮しまして、必要なリスク管理体制というところは整えてまいりたいと考えております。
 
○納所委員  本当に計画を先延ばし先延ばし、住民合意を模索するということもあるんでしょうけれども、延ばすにも限度があります。その計画の先延ばしのタイムリミットはどの辺を考えていらっしゃいますか。
 
○松尾市長  この協議については、相手のあることですので終わりというところについては設けていないという状況でございます。仮にこの協議というところがなかなか長引くということがあったとしても、しっかり向き合わせていただいて協議を進めてまいりたいというふうに考えております。
 
○納所委員  市長は、施設建設ができなければ外に出すという発言をなさっていらっしゃいます。そうであれば早期に決断をするべきじゃないかと思うんですね。そのタイムリミットが相手のあることで明確に設定とは明言できないでしょうけれども、でも施設建設が結局できなければ外に出すということならば早期に決断すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松尾市長  自区外に出すというところにつきましては、少し誤解もあったかもしれません、私の言い方に。この全てを諦めてそこからずっと自区外に出していくということではなくて、あくまでもこの生ごみの施設と、資源化施設の整備というところについての協議ということは鋭意継続をさせていただきながら、その間、空白ができてしまうというところについては、自区外等の手法を取りながらバックアップ体制ということで取り組んでいきたいというふうに考えているところです。
 
○納所委員  これは原局にも伺ったことなんですけれども、そもそも論になります。市長はごみ処理の広域化についてはどのように定義をされていらっしゃいますでしょうか。
 
○松尾市長  広域化につきましては、複数の自治体によって、より効率的・効果的にごみを処理していくために、今後、特にこの人口減少、また財政難と、こういう状況の中に入っていくに当たっては必要な手法であるというふうに考えているところです。
 
○納所委員  環境省や神奈川県のホームページでその広域化についての定義ですが、各市町村ごとにごみ処理施設を整備することは周辺環境への影響や経済性・効率性の問題があることから、市町村ごとにごみ処理施設を整備するのではなく、その区域を越えて安心・安全で効率的な施設整備を進め、ごみの3Rの推進を図っていく必要があるという説明がございます。効率的ということは今市長がおっしゃったとおりでございますけれども、広域化実施計画第2期では、2市1町のごみの中継施設を名越として全量を外に出すことになっておりますけれども、神奈川県が示している広域化の定義とは明らかに違うこの鎌倉・逗子・葉山の広域化実施計画でございます。これでよしとするのかどうか、伺いたいと思います。
 
○松尾市長  逗子・葉山との2市1町での広域化の協議の中では、まずはこの焼却施設というところ、逗子市の焼却施設をできる限り可能な範囲で活用していくということで鎌倉市のごみも受け入れていただけるという、こういう体制を組んでいくということです。今御指摘のように、その後につきましては中継施設ということでそれを鎌倉市が担っていくと、今こういう話をさせていただいているところです。こうした枠組みをもって進めていくということが、この2市1町で考えているごみの広域化の考え方ということになっております。
 
○納所委員  本市のごみ処理基本計画では焼却施設が前提となっているわけでございます。その基本を曲げて2市1町の協定を変更して、広域化の定義から外れたごみ処理政策を推進しようとしております。それが本当に市民生活の安心・安全につながるのだろうかということ、いわゆる右往左往するごみ処理政策ということが市民の生活にどのような影響を与えてしまうのか、その件についてはどのようにお考えですか。
 
○松尾市長  可燃ごみにつきましては私自身この焼却施設というところを目指して取り組んできたというところがございますので、そこを今回、方針転換してこのような形で進めているというところについては、より市民の皆さんにも御理解を頂かなければいけない点であるというふうに思っています。ただ、この前提としてこの区域外の処理というところにつきましては、既に資源物につきましては民間の資源化施設で委託処理をしているという、こういう状況もございます。この可燃ごみ焼却につきましても、将来的にはこのような方法で対応するということも考え得るということだというふうに思っています。
 
○納所委員  このダッチロールのように右往左往する鎌倉市のごみ処理政策でありながらも、数字の上では市外や県外の方から鎌倉のごみ処理については高い評価を実は受けているということでございます。それは今お話がありましたように、市民の高い意識と行動とか協力、そして担当者をはじめとする皆さんの努力で今日までのその減量というのが成し遂げられているというふうに考えられているわけでございます。そういった今の段階というのは、それを将来の安定したごみ処理政策を選択するもう最後のチャンスだと思うんです。この大切な今だからこそ多くの課題に向き合って、どういった社会をつくっていくのか、子供たちに希望ある鎌倉をどう受け継いでもらうのか、根本的に考えなければいけないと思います。将来性、未来、次代を担うその子供たちも含めて、将来の鎌倉におけるそのごみ処理政策の在り方については市長はどうお考えでいらっしゃいますか。
 
○松尾市長  御指摘いただきましたように、この間、何十年にもわたって市民の皆さんの御理解、御協力、また事業者の皆さんも含めた御理解の下で今のこの鎌倉市の廃棄物行政ということが成り立っているというところだというふうに理解をするところでありますし、また、そのことについても大変感謝を申し上げるところでもございます。今後、未来に向けてというところでございますけれども、こうした方針として変更せざるを得ないという状況を招いているというところは私の責任でございます。将来にわたって安定的に鎌倉市のごみ処理ができるということを目指すためにも、この広域での連携ということも手段としては非常に重要であるというふうに考えております。これをより安定的に、そして安心していただけるような形にしていけるように、今後も引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
 
○納所委員  松尾市長は、本年2月、気候非常事態宣言を表明されました。そして、先月8月末には温室効果ガス削減など気候変動対策に取り組む「世界首長誓約/日本」に署名をされました。その第一には持続可能なエネルギー(エネルギーの地産地消)を推進する、第二が、2030年の温室効果ガス排出量は国の削減目標以上を目指す、そして第三が、気候変動の影響などに適応し、レジリエント(強靭)な地域づくりを目指すとしております。鎌倉市においては地球温暖化対策実行計画を策定していらっしゃいますけれども、これと本市のごみ処理政策とどのように連動しているのか、本当にこれが実現できるごみ処理政策であるのかどうかということ、このことについては市長はどうお考えでいらっしゃいますか。
 
○松尾市長  ごみ処理施策の中で今、取り得る方法というところにつきましても、かなり限られてきている部分がございますけれども、今後も引き続きこうした手段と資源化等を含めて考えていく中においては、できる限り環境負荷の低い方法ということを常に研究しながら進めてまいりたいと考えております。
 
○納所委員  2市1町の広域化の取組において、これは原局の質疑の中でも質問したんですけれども、かえって逗子市、葉山町にとっては鎌倉市が加わると迷惑じゃないのかというようなことも伺いました。ただ、この2市1町の広域化の取組が将来にわたって模範的で世界に発信していけるようなそういう選択でなければいけないと思いますし、そのリーダーシップを担っていくのは本市でなければいけないというふうに思っているんですけど、そうではない現状があるということでございます。その2市1町の広域化の取組の中における本市の役目をどのように考えていらっしゃいますか。
 
○松尾市長  今回の広域化におきましては、本市のメリットのみではなく、逗子市・葉山町におきましてもまずはコスト削減ができるというメリット等もありまして、決して我々も押しつけではない、きちっとこの協議をした上で十分な理解の下で成り立っているというふうに考えております。今後もこの2市1町の中では一番規模の大きい鎌倉市でございます。こうした中でしっかりと鎌倉市の役割というところも協議をしていく中で、今後様々さらに老朽化していく資源化施設等というところもございます、引き続き協議をしていく中でしっかりとこの広域のメリットを生かす方法ということをリーダーシップをもって協議についてまいりたいと思っております。
 
○納所委員  鎌倉のごみ処理政策というものは、そのSDGs未来都市かまくらとして誰もが安心、納得する選択をしなければいけないということでございます。いわゆる現状がこうだからということでやむを得ず選択するというやり方であってはならないということでございます。誰もが安心、納得する選択をしなければいけないのがSDGs未来都市かまくらとしての使命であると思いますが、このことについての市長の見解を伺います。
 
○松尾市長  先ほども申し上げましたように、この2市1町におきましても鎌倉市からの負担を他市に押しつけるだけという、こういうことでは当然合意はできないというふうに思っておりますし、お互いにとってのメリットを見出しながら、そして将来にわたってもお互い連携が持続可能な形でできるというところは見出していく必要があるというふうに思っております。今後もさらにその広域の枠を広げていくということの検討があるとすると、そういう中においてもしっかりとそういった視点を大切にしながら進めてまいりたいと考えております。
 
○河村委員長  以上で、第20款衛生費、ごみ処理政策についての質疑を終了いたします。
 次に、保坂委員から、第20款衛生費、ごみ処理広域化と生ごみ資源化施設についての質疑をお願いいたします。
 
○保坂委員  ごみ処理広域化計画と、その中に位置づけられている生ごみ処理資源化施設について伺います。よろしくお願いします。
 2019年度、令和元年度の決算審査ということですので、なるべくその年度内の動向に限定していく形で伺いたいと思っております。年度が切り替わる直前の話から入りますけれども、2019年3月26日に市長は将来のごみ処理体制についての方針を示し、焼却施設を建設せずにゼロ・ウェイストを目指すことを明らかにされました。その後、鎌倉市・逗子市・葉山町のごみ処理広域化実施計画素案をこの2019年、令和元年11月に公表するという経緯をたどっております。この2019年3月26日に市長は将来のごみ処理体制についての方針を示されましたけれども、こちら鎌倉市だけで将来のごみ処理体制を公表するのではなく、2市1町ごみ処理広域化実施計画の少なくとも素案ができるのを待って一緒に公表すべきではなかったのではないかと、これについては既に議会の中でもただしているところなんですけれども、そのように思っています。市長は2019年の6月定例会で、名越クリーンセンター焼却停止に間に合うように新焼却施設の建設を進めるには2018年度末がデッドラインだった、けれども見通しが立たなかったので断念した形であると、断念するに当たっては新方針を示す必要があるという、そういった趣旨の答弁をされています。けれども、2024年度末に名越クリーンセンターが稼働停止した時点で新しいごみ処理体制が完成していなかったら、それこそ今言われている自区外処理でつなげばよかったのではないでしょうか。伺います。
 
○松尾市長  御指摘の選択肢ということもあったというふうに思います。今回この新焼却施設の建設に向けて地元住民との話合いが平行線と、こういう状況が続きまして、施設整備の期日ということが迫っていく中において改めてこの内部で検討をしたというところでございます。環境面、費用面というところで優位であるというふうに判断をしまして、この方針転換というところはその時点で総合的に判断をして決めたという経過でございます。
 
○保坂委員  その環境面、費用面、そしてその社会情勢といったことを勘案してという説明はありましたけれども、それでもこの2018年度末に突然という形で焼却場を造らなくてゼロ・ウェイストを目指すんだというその方針が示されたのは、やはり非常に唐突だったというふうに思います。それは4月25日に生活環境整備審議会が開かれたわけですけれども、その中でもやはり衝撃をもって受け止められているのかなというふうに感じたところです。冒頭で環境部長は生環審の委員の皆さんに陳謝をしていらっしゃいましたし、その陳謝をしてからこの将来のごみ処理体制についての方針が報告されたという経緯からしても、この唐突さというのはすごくあったというふうに思っております。
 この生活環境整備審議会なんですけれども、委員からはすごく様々な意見が出されていました。本当に傾聴に値する意見がたくさんあったんですけれども、例えば生ごみ処理施設が建設できず逗子市で燃やしてもらえないおそれもあるから、全量自区外処理という最も厳しいケースの想定も必要ではないかというかなり厳しい見方が示されましたし、逗子市への焼却委託は役所間では協議が調っても、住民に方針が伝わったときに反発する声が上がることも踏まえて考えるべきだ、また、他の自治体も民間事業者への処理委託をするようになった場合に確実に委託先が確保できるのかどうかの検証が必要だ、また、乾式メタン発酵でも残渣が出る、後の段階での処理の必要性も認識すべきだ、またすごく興味深く伺ったのは、市が期待する処理技術を提供する事業者名が記載されているが、そういう事業者があるということと市の取組を一緒くたにした記載方法を改めるべきだ、こういった意見も含めて様々な懸念が示されました。
 この生環審なんですけれども、4月25日の後しばらく開かれていません。次に開かれたのが年明け、2020年、令和2年1月23日です。その間の11月にごみ処理広域化実施計画の素案が策定されています。ごみ処理広域化の実施計画はごみ処理の体制や進め方について定めたものではありますけれども、その前提となるのはやはり収集とか処理の技術面でのことです。ですので、本当は4月の生環審で委員から出された様々な懸念について素案策定前にもっと議論していただく必要があったのではないでしょうか。いかがですか。
 
○松尾市長  生環審での議論というところについては、委員さんに本当に日頃から大変御尽力を頂いて、様々な御意見を頂いているところについては大変ありがたいというふうに思っております。我々としてもどのタイミングでどのようにこの審議会に諮問していくかというところは常に議論しているところでありまして、今回こうした時間の猶予のない中でまた方針転換というところにつきましては、様々ある中において今回お示しをした時期という方法というところがベターであると、そういう判断をしたところでございます。その中で御議論いただきまして確かに厳しい御意見を頂いているところはございますけれども、この議論を重ねていく中で市の考え方というところも御理解を一定程度頂いたものであるというふうに認識をしております。
 
○保坂委員  庁内においては環境部において非常に熱心な取組がされていたんだと思います。それが11月のごみ処理広域化実施計画素案に結びついたというふうには思うんですけれども、でもこの生環審の委員の皆様にとっては、4月25日のその次の審議会においてはもうこういう形で素案を策定しましたがいかがでしょうかという形で示されてしまったということは非常に残念だったなというふうに思っているところです。
 また、審議会とは別に国とか県の動きとの関連でちょっと伺いたいと思います。鎌倉市が焼却施設を建設しないというこの将来のごみ処理体制についての方針ですけれども、これを3月26日に示した3日後に環境省が「持続可能な適正処理の確保に向けたごみ処理の広域化及びごみ処理施設の集約化について」という通知を都道府県宛てに出しています。これは、人口減少、少子高齢化が進行しつつあることを背景に、廃棄物の広域的な処理や廃棄物処理施設の集約化を図る方向で廃棄物処理施設整備を計画的に進めていくことを求めた内容です。この通知を受けて神奈川県は、2021年度末までに県内市町村のごみ処理広域化を位置づけた計画の改定に取り組んでいるとのことです。鎌倉市が自前の焼却炉の整備を断念し2市1町のごみ処理広域化でやっていくのは、こうした国・県の動きに合致しているとお墨つきを得たように考えていらっしゃるのかもしれませんが、それでよいのでしょうかということを申し上げたいと思います。この国の通知を見ると、もっと確実で持続性が見通せる計画づくりが求められているというふうには受け止めなかったのでしょうか。
 
○松尾市長  この平成31年3月29日に出された国の通知ですけれども、この施設の老朽化ですとかごみ処理の担い手不足への対応の必要性ですとか温暖化防止への対応ということを踏まえまして、焼却施設整備にはエネルギー回収ができる、最低でも日量100トン、また100トン規模の施設である場合は300トンの施設規模の検討を求めている内容というところにおいては、我々としては新方針の後押しになるものであるというふうに受け止めたところです。今、御指摘の部分のより確実性、安定性というところについては、我々も今後こうした広域というところを進めていく中でより補強をしていく必要性というところはあるというふうに思っておりますので、引き続き協議を進めてまいりたいと考えております。
 
○保坂委員  3月の末に方針を示した後に素案を示すまで、これも結局かなりの時間を要したわけです。その間にもっと議論をすべきだったということで申し上げているんですけれども、その11月に策定された広域化実施計画の素案にも最後のほうに、今後は広域化ブロック区割りの設定の見直し、拡大も視野に入れつつ、情報収集、研究、協議・検討を重ねていくという、こういう記載があります。鎌倉市・逗子市・葉山町ごみ処理広域化実施計画は燃やすごみの減量を生ごみ資源化施設の整備に求め、逗子市のクリーンセンター稼働停止後には2市1町の圏域には焼却施設がなくなるとしているものです。先ほど持続性・確実性と言いましたけれども、現行示されている計画というのはやはり脆弱な部分が随所に見られるとしか言えないと思います。本当に行き詰まってしまう前から、行き詰まってしまう前からというか今既にもう半分は行き詰まっているような状況ですけれども、県が2021年度までのごみ処理広域化計画の改定といっている折でもあるので、別の可能性をもっと真剣に考えたほうがよいのではないでしょうか。
 
○松尾市長  将来の広域化に向けては、この広域化ブロックの区割りの拡大ですとか、県内の他市町村との連携ということも視野に入れて、安定的なごみ処理ができるよう引き続き協議・検討してまいりたいと考えております。
 
○保坂委員  そうすると、それは将来にその課題というか宿題を委ねてしまっていて、現状においては今挙げている生ごみ資源化施設をまず造って生ごみを減らして、逗子市で燃やせる分については燃やしてもらい、それで燃やせなくなったらまた燃やせない部分については自区外の民間施設などに頼めばいいというところで引きずっていきたいという、そういうお答えになっているというふうに思います。本当にそれでよいのかということで伺っているわけなんですけれども、じゃあ生ごみ資源化施設に少し移って伺いますけれども、これは生ごみ減容化施設と言っていたのを生ごみ資源化施設と呼ぶようになりましたが、微生物を利用して生ごみの減容化、かさを減らす処理を行うHDMシステムであるということには変わりはないのでしょうか。
 
○松尾市長  現在検討しておりますのはこの微生物を活用して9割減容するという、こういう方法です。HDMだけではなくて、こうした方法ができる手段というところは様々、他市の事例というのも引き続き研究をしているところではございます。
 
○保坂委員  ここのところよく引き合いに出される東御市とかだとバチルス属を含む菌群というふうに何か書かれていますけれども、そのあたりについては微生物を使ってということだと思いますけれども確定はしていないと。けれども、いろいろなシミュレーションを示されている中では、焼却施設整備の場合と生ごみの資源化施設の場合では費用とか温室効果ガスの排出の算定値とかそういった比較なども行っているので、そのあたりはまだ決まってないけれども比較検討をされているというのはちょっと分からない部分がありますけれども、それはどういうことなんでしょうか。具体的なというか正確な意味でのどういった微生物を使ってということは決まっていないけれども、取りあえず費用やその排出ガスなどについては既存のデータに基づいて示したという、そういうことになるんですか。
 
○松尾市長  今おっしゃっていただいたように、基本的にはこの微生物を活用した中で発酵・分解を促して9割減容していくという、こういう枠組みのものを予定しているところでございます。この微生物についてどういうものを使っていくかというところまではまだ詳細はこれからという部分でございますけれども、こうした枠組みの中で施設整備・維持管理というところについては、基本的にはこの臭気の対策と、あとはこの微生物の処理については建屋が必要だと、こういう枠組みの中でありますから、おおよその費用というところを見込んで計算をしている部分でございます。
 
○保坂委員  この技術的なことについては様々な懸念の声が上がっていると思います。今泉の地元の方からもこの技術について本当に大丈夫なのか、特に発酵がうまくいかなかった場合の異臭、臭いの問題について懸念の声が大きく上がっているわけですけれども、生ごみ資源化施設は5トン未満の施設で検証を行って、2028年度頃には日に24トンの処理量にまで拡大することを目指すということですけれども、それで微生物による発酵処理がうまくいくには十分な菌床の量と空気が必要というふうに説明がされています。今泉クリーンセンターの跡地にそのような環境設定が可能な広さが確保できるんだろうかということも疑問に思うところなんですけれども、これについては大丈夫ですという答えが繰り返されておりますが、15日の審査では建屋が2階建てになる可能性にも言及がありました。想定しているようなことが可能なのかなということについては、やはりまだ疑問の余地がすごく大きいです。市長はローテクであることを評価されていましたが、小規模で行ってこそのこの技術、適正技術なのではないかというふうに思わざるを得ません。日量24トンというのはこの技術には合わない規模ではないのでしょうか。
 
○松尾市長  今回予定をしておりますその大規模というところにつきましても、ある程度当初予定しておりました小規模で実際にやらせていただいた同じものを拡大していくということを検討しておりまして、この小規模で可能というところがしっかりとできればその後のこの拡大というところもスムーズに進んでいくというふうに考えております。
 
○保坂委員  ちょっと机上のというか、論理的にはそうかもしれませんが、それが実際にはどうなのかなということであるから心配の声が本当に地元であるんだと思います。実際の環境、臭いの問題がすごく深刻化しているので、その懸念は本当にもっともなことだというふうに思っています。
 それで、市長は今泉の地元の方たちの間で様々な意見があるという趣旨のことをおっしゃっています。でも、そのことについてちょっと本当にそうなのかなと思うのは、2月定例会に出されて総員賛成で生ごみ資源化施設の整備を強行しないことを求める陳情、こちらが採択されています。これには地元の住民の方たちがこぞって署名をされています。こちらを見ても、施設整備を強行しないことを求めるという点で地元が一致していることは明らかではないでしょうか。先ほど地元との話合いで市長が何度行かれましたかということで質問がありまして、地元の方たちとお話すればそれはいろんなお話が出てくると思います。まちづくりの視点でも考えなければいけないという意見も出てくると思いますが、でもこの今泉のクリーンセンター跡地に生ごみの資源化施設の整備を強行するなということについては様々な意見ではなく地元として一致しているというふうではないんでしょうか。
 
○松尾市長  そこはそのように私も受け止めているところです。特に懸念される部分というのは、まずは臭気の問題であります。これは現状の今の中継施設においてもそういう御指摘を頂いているところでありまして、この臭気の問題につきましては現状を解消するとともに、今後造る予定であります施設においてもその臭気ということがやはり問題にならないように、そこをしっかり御理解いただくというところがまずは大変重要であるというふうに捉えているところです。
 
○保坂委員  臭気の問題もありますけれども、今泉の地元3町内会の方たちの話合いとかの記録を見ますと、もうこの地域では60年間ごみ処理系の施設を受け入れているんだと、そのことを、その重さをどう捉えているんだという思いも口々に語られているところです。地元3町内会からこの生ごみ資源化施設建設反対の意思表明がされていることを市長はどう受け止めているのかということを再度伺います。
 
○松尾市長  今泉クリーンセンター周辺の皆さんには長年にわたりましてこの焼却施設ということをこの地域で受け入れていただいたというところについては大変ありがたく思いますし、その間の御苦労というところにも重ねて感謝を申し上げたいというふうに思っております。ただ、鎌倉市内の中でのこのごみ処理施設というところが、焼却に限らず様々な施設をつくるというところについては非常に限られた条件ということがございます。限られた候補地ということがあるというふうに思っています。そういう中においては、これまでも私は今泉の方々とお話しする中においては、どうしてもこの今泉の焼却施設が閉鎖した後もやはりそのごみ処理施設、もしくはこのごみ処理をする土地として引き続きの活用はさせていただきたいということについては繰り返し述べてきたというところがございます。もちろんそれに対しての反対というところはあるということも承知をしますけれども、そこは全市的にそれぞれの5地域でこうした施設というところを受け入れていただいているこの現状というところも御理解を頂きながら、今泉の皆さんには引き続きこうしたごみ処理施策についての御理解というところを頂けるように十分説明を尽くしてまいりたいと考えております。
 
○保坂委員  では、2市1町のごみ処理広域化に戻って、あと少しだけ質問したいと思います。この2市1町のごみ処理広域化ですけれども、一応これは10年計画なのだということはおっしゃっていますけれども、その先も含めて考えていかなければこの問題、この計画の在り方を見ていかなければならないと思います。広域化といっていますけれども、冒頭でも国や県が今その広域化、集約化の動きが加速しているということに触れさせていただきましたけれども、実際、今示されている2市1町の広域処理の計画というのは、逗子市のクリーンセンターの稼働が停止した後は本当の意味でのその広域連携の枠組みにはなっておらず、言ってしまえば逗子市、葉山町の可燃ごみを鎌倉市内に整備した中継施設に持ってきてそれから外に出すということであって、鎌倉市の中継施設は使われますけれども、それ以外の相互の関係性、広域連携という部分が非常に見えなくなっています。そういう意味でもこの広域化の枠組みというのは非常に中途半端で長期的な視点に立っていないものというふうに思いますけれども、いかがなんでしょうか。
 
○松尾市長  2市1町のこの広域化の計画について、今御指摘いただいたような枠組みということになっております。今後、将来的にはさらに老朽化していくその他のごみ処理施設ですとかごみ処理行政を取り巻く将来的な課題に対しまして2市1町が連携・協力して取り組むこととしておりまして、様々な今後のごみ処理の連携というところを目指していきたいと考えております。
 
○保坂委員  この実施計画が10年のスパンであるということと、その今おっしゃっている将来的というところの使い分けというのでしょうか、そこのところがすごくくせ者だなというふうに思っているところです。鎌倉市民としては本当に長期的な展望というのを求めたいところですけれどもそのあたりはちょっと使い分けられていて、言ってしまえばちょっと先のことはなかなか分からないよというような計画になっているとしか思えないんですね。そのあたりのところで、はじめのほうでも申し上げましたけれども、その広域化の枠組み、可能性ということをよく考えていかなければいけないというふうに思います。もう既にその生ごみ資源化施設がなかなか展望が見えないというか、それは本当にごもっともなことなんですけれども、先に進まないそういう可能性が出ているわけですから、それで自区外に出せばいいということで済ませていくのは非常に無責任だと思います。
 それで、もう1点申し上げると、やはり自区外処理、自区外の民間の事業者に処理を頼むというそういった選択肢を位置づけていることについても1点申し上げると、市長は今のこの2市1町のごみ処理広域化の構想を策定する中で環境面でのことを考慮に入れて比較検討をしてというふうにおっしゃいました。そういった比較検討の結果というのは示されているんですけれども、その処理を委託する民間事業者が非常に遠方になってしまう場合もあるわけで、そうしますと幾らその処理方法が環境に配慮したものであったとしても、この輸送における環境負荷ということはどれくらい大きくなるのかなというのはどちらに転ぶのか分からない部分もあって、その環境負荷の問題はそう簡単にはクリアできないと思うんですけれども、それはいかがでしょうか。
 
○松尾市長  今回、環境負荷を試算していく中においては、そうした輸送での環境面の負荷というところも考慮して検討してきているところでありますけれども、全体から見ますとこの輸送での環境負荷というのは、全体の中でいうとそれほど大きなインパクトにはなっていないというふうに捉えているところでございまして、もちろん遠方よりも近くのほうがよりいいということは間違いありませんので、そういうところもより近場というところはしっかりと検討しながら進めてまいりたいと考えております。
 
○河村委員長  保坂委員に申し上げます。間もなく30分が経過しようとしておりますので、議会運営委員会の申合せに基づいて、運営に御協力、御理解、御配慮お願い申し上げます。
 
○保坂委員  じゃあ、最後に1点伺います。予算等審査特別委員会のときにも伺ったことなんですけれども、またその後の状況を受けて非常に懸念していることなので最後に伺います。今般の新型コロナウイルス感染拡大、これはもうすごく社会・経済に大きな影響を与えていますけれども、こういうような予期せぬ展開によって急激に経済が悪化して民間事業者が立ち行かなくなることもあるなというのを非常に痛感しております。民間事業者頼みは複数の連携先を確保しているから大丈夫なんだと、今もなるべく近いところを選ぶようにするというようなこともお答えいただきましたけれども、それでもなお行政としての責任を全うしていないという批判を免れないというふうに思いますが、市長はいかがお考えでしょうか。
 
○松尾市長  現在、資源化については市外での民間処理をしているというようなこともございます。今後こうした様々なごみにおいてそれを資源というふうに捉えまして、この環境負荷のできる限り低い処理方法という手段を選んでいくというのは、決して私は責任放棄ということではなくて、全体として見て取り得る方法であるというふうに考えておりますので、ただ、そこでの安定性ですとかそういう市民の皆さんの不安というところはできる限り取り除けるように説明を尽くし取り組んでまいりたいと考えております。
 
○河村委員長  以上で、第20款衛生費、ごみ処理広域化と生ごみ資源化施設についての質疑を終了いたします。
 次に、高野委員から、第55款教育費、鎌倉市芸術文化振興財団の位置づけ及び文化行政の在り方についての質疑をお願いいたします。
 
○高野委員  1時間を超えるかもしれませんけれども、その点、運営上問題ないということであればそのままやらせていただきますけれども、よろしいですか。市長が答弁しっ放しなんでね。
 
○河村委員長  それは構いません。皆さん、どうですか。換気入れますか。
 じゃあ、一旦ここで暫時休憩いたします。
               (10時24分休憩   10時30分再開)
 
○河村委員長  それでは再開いたします。引き続き理事者質疑を行ってまいります。
 高野委員、どうぞ。
 
○高野委員  私は、鎌倉市という自治体にとって、変な言い方なんですけどよそ者なんですけれども、武蔵国生まれなものですから、しょっぱなから余計なことを言って申し訳ないんですけれども、いざ鎌倉で来たほうなんですね。鎌倉という町は、私が感じたのはやはり非常に文化的な薫りのする町だと感じたんです。これから少し文化行政に関わって芸術文化振興財団に関してちょっとお伺いしたいと思っているんですけれども、例えば私引っ越してきて元八幡に行きました。そうすると、かつてそこに、その近辺、そこに芥川龍之介さんが一時期住まれていたそういうお宅があったんだということだとか、笹目町に歩いていったときに高浜虚子の次女の星野立子さんがお住まいだったということで、あれは石碑ではなかったかな、案内板のような、それこそ紹介する、俳句を含めて、そういうものがあったり、非常に、吉屋信子さんももちろんそうですけれども、そういう町なかにそういった文学の薫りのする、前には石碑の歴史的な問題も取り上げましたけれども、そういう町だと思うんですね。そういうイメージ、そういう薫りのする町だと。何でこんなことを言ったかというと、同時にいろいろ鎌倉のことをこういう立場にもなって知ってみると、イメージとか薫りはするんだけれども、じゃあ鎌倉の文化行政というのを見たときに果たして鎌倉というのは文化都市と本当に言えるのかなという、私はそういう思いも、イメージとしてはそうなんだけれど実態として鎌倉は文化都市であると言えるのかなというちょっと思いもしていて、その大きな問題の一つがこれから伺うことなんです。ちょっと最初に、市長なので鎌倉のお殿様ですから大きく伺いますけれども、鎌倉というのは市長の認識では文化都市であると、そういう認識の下に市長は行政運営をされていますか。
 
○松尾市長  鎌倉はやはり文化都市であるという認識で私自身も取り組んでいるところです。それは、今現在生きている皆さんにもそうした意識というがあるというのはもちろんですけれども、特に明治、大正から昭和にかけたこの近現代という時代においてこの文化人の方々の担っていただいた鎌倉に対する影響、そしてそれによってこの今の鎌倉ができているというところでの力というのは非常に大きいというふうに感じている部分です。
 
○高野委員  大きなことを聞いて申し訳ないんですけれども、ちょっと外堀から内堀を埋めていくようなやり方なんで申し訳ないんですが。私は改めて今回の決算審査をして、鎌倉市が出資をしている、この十数団体に対して出資を行っています、その多くが公益財団法人であったり社団法人だったりということでありますけれども、その中で4億2900万円、約4億3000万円なんですが、鎌倉市芸術文化振興財団に対する出資金が、これ資本金、基本財産とも言いますが、3億円であるというのはこれ断トツなんですよね。その次が信用保証協会に出している出資金が約5,270万円、その次がかながわ海岸美化財団に3,650万円というふうに続く。と言うとね、鎌倉市が出資している4億3,000万円のうちの3億円がこの鎌倉市芸術文化振興財団であると。特別な位置づけだと思うんです。特別な位置づけだという認識は市長にはありますか。断トツですよ、出資している中で。その点、認識はいかがですか。
 
○松尾市長  この芸術文化振興財団が設立をされた経過というところのその重要性というところがまさに現れているんであるというふうに思っております。そのやっぱり芸術館という鎌倉の文化芸術というところを広く発信していく、そうした役割を担っていくというところを中心的に担っていただくためのものとして設立をされたわけですから、その重要性というところは非常に高いというふうに考えております。
 
○高野委員  私は、今朝改めて当時の議会の議事録も少し振り返ったんです。ちょうど市長のお父様が建設常任委員会の委員で、ちょうどいらっしゃった、議事録上で。今お話にあったように、きちんとその委員会にも報告されて、当然かもしれないけれども設立前の経過から報告があって、そして設立に至っているわけです。ですから、当時から非常に重視、文化行政においては非常に要としてのそういう一つの位置づけとして、どういう人に理事に入ってもらおうかとか、そういうところから議論がされてきたということが分かるわけです。そして、設立の趣旨の中には、鎌倉市における芸術文化の向上及び振興を図るため、国内外の優れた芸術文化を広く市民に紹介していく、それから市民の芸術文化活動を育成・支援する、そしてそのために必要な様々な情報の収集提供や調査研究をしていく。これらを通じて鎌倉における豊かな地域文化の形成と発展に寄与することを目的として財団をつくる。非常にこれは根本的なというか本質的なというか、鎌倉において。だから単なる一財団じゃないんですよね。だからこそ、今御答弁あったように3億円というこの出資、鎌倉が出資している金額では断トツのお金を投じて設立した。その大きな柱が今御答弁にありました芸術館だったということは、これは既成の事実であります。市長は、今私申し上げました、このことは設立の趣旨、ホームページを開けば書いてありますので明確なんですが、鎌倉の文化行政における芸術文化振興財団の位置付づは市として、財団のホームページにはそう書いてあるんですけど、市としての位置づけは何ら変わりないのか、それとも市としての位置づけは幾らか変更があるのか、その点についての認識を伺いたいと思います。
 
○松尾市長  そうした認識というのに変更はありません。
 
○高野委員  さらにそこには文章が前後するんです。今私が申し上げたその目的・趣旨の前にはこうあるんです。それだけ重要な位置付づがあるからこそ書いてあると思うんですが、そのためには行政をはじめとして市民、文化団体との幅広い協力関係が必要であると、そしてこうした連携をさらに深めていって先ほど申し上げたような設立目的を果たして、鎌倉というこれだけ知名度の高いまちというのはそうはないです、日本の中でも。この鎌倉における芸術文化、地域文化の形成・発展に寄与していくんだと。これだけ見ますと本当に立派なことを相当しているんだろうなというふうに思うわけですよ。位置づけも市長は変わりないと言いました。じゃあ実態はどうなのかと、そこは、実態はこのとおりなら何もこんな質問はする必要はなくて終わるんですけど。決算の数値を、資料も見させてもらいました。理事者質疑ですから市長に対して細かいことは一切聞きませんけれども、平成24年度から公益財団法人になりました。そのときにこの鎌倉市が出している基本財産3億円を含めてこの当財団が保有しているいわゆる正味財産、平成24年度末は4億9986万円でありました。それが、この今決算審査している令和元年度末はどうかというと、3億6339万円なんです。ここには基本財産3億円が含まれています。もう時間の関係もありますからもっと続けて言いますと、いや3億6000万円もあるじゃないと思うかもしれないけれども、そのうちの3億円が鎌倉市の出資金ですね、資本金ですね。別にここに手をつけてはいけないという法的な規制はないんですよ。ただ、この決算で見ても3億円には当然何も手が触れられていません。そういう決算報告がされて、昨日審査もしました。そうすると、3億円以外は6000万円ですよね。6000万円あると。ところがこの6000万円のうちの2576万円、約2600万円ほどは特定資産といって、これは退職の給付の引当金だったり、ちょっと7種類ぐらいあるんで全部一々言いませんが、要するに退職給与の引き当て一つ見てもお分かりのように簡単には使えない、それを使ってしまうともう運営そのものが困難になってしまうというものであると。と捉えると、6000万円から、この2500万円としてもいいでしょう、引くと3500万円ぐらいしか残らないんですよ。これが今のここの芸術文化を担っていくという大きな柱の役割を負っているこの芸術文化振興財団の現状なんですよ。つまり、この7年間で4000万円ほど減っている、5000万円か、5000万円ほど減っている。その残りも、今6000万円が残りなんだけれども、残りというか資本金の大体残りは6000万円なんだけど、そのうちの2500万円は今言ったように特定資産なのでもう三千数百万円ぐらいしか今流動的な使える資産がない。この現状は今さっき確認しました、文化振興におけるこの芸術文化振興財団の位置づけとの関係で言えば積極的に事業展開できる財務状況であると市長として判断できますか。どう思いますか。その中身についてはこれから聞きます、何でそうなのかということは聞くんですけど、その状況を知っていましたか。あと三千数百万円なんですよ、自由に使えるというのかな、お金が、ある意味、その現状は市長どう思いますか。鎌倉市の財団としてあまりにも私はちょっと厳しい状態になってきているんじゃないか、その認識はどのように思われますか。
 
○松尾市長  この数年間こうした状況、推移というところは承知をしておりまして、このままの状況で推移をしていくと当然この3億円というところにも手をつけなければならないような状況になってしまうというところは大変危惧を抱いているところでございます。
 
○高野委員  そうであれば、じゃあ市としてどうすべきかということとともにこれまでがどうだったのかという、決算ですから、ちょっと私はそういう視点で。先ほども御答弁にありましたように、やはり芸術館の運営が大きな柱だったわけです。ところがその芸術館の運営が平成18年からでしたかね、指定管理制度になって、そのときに結果的に財団が運営を担うことができずに現在のサントリーさんが指定管理者となられて今日まで、もう今3期目に入りますか、担われている。そのことのよしあしを別に言うつもりはありません。それで、そのことが一つのきっかけとなって、これも財務状況を私調査しましたけど、財団の、結局この間はじゃあ何でこういうふうに取り崩しながら運営しているかというと、何か怠慢があったり運営上の瑕疵があるとかそういうことでは全くないんですよ。ないんです。そう思われているかどうか後で聞きます。率直に言って、文学館と鏑木清方記念美術館を今指定管理で担っています。当然、それだけをやっているための団体ではないですよね、先ほど確認したとおり。自主事業もやっている。当然総務的な管理とかそういう仕事もされている。そういう全体の費用を賄うだけのこの財団としての収支が確保できてないから、これまでの芸術館を運営していた時代に残っていたお金、と文学館、お金を使いながら、文学館、鏑木清方のほうはそんなにスケールメリットがありませんから、大事な美術館ではあるけど、やはり文学館、そこで管理運営によって出た収益というんでしょうか、指定管理の中で、そこだけで賄い切れないから結局、つまり話が前後しますが、今まで保有していた流動資産というのかな、流動性のある資産を取り崩して今日まで来ているんですよ。これが実態。だから経営努力していないのかといったらそうではなくて、もう昇給も停止しているんだと。市の職員に準じた労働条件でしたよね、それも変更せざるを得なくて昇給は停止している。専務理事さんについてはもう賞与も全部返上していると。ここまで来ちゃっているんです。ここまでやっていると聞きました、率直なところ。ということは、これはやはり構造的な問題であって、芸術館の運営から外れて財団を成り立たせる基盤となる事業がなくなってきたにも関わらず、それに代わる事業が位置づけられずに言わば今持っている資産を取り崩しながら細々とというか来ている。これは、設立の経過から見てその財団が独立しているんだからそこで頑張ってくれればいいというだけの話では済まないのではありませんか。そこはやはり行政の責任が、文化行政という責任が問われてくる問題である、私はそのように今の財団の現状は認識します。その辺についての市長の認識はいかがですか。
 
○松尾市長  先ほど来申し上げましたように、やはりこのままでは立ち行かなくなるというところについては認識を持っておりました。これまで担当部署を通じて、例えば映像文化の発信ですとか、旧前田邸の活用ですとか、市の業務の一部委託など、この財団の経営改善に向けた提案というところも行ってきたところでありますけれども、なかなかうまくそれがいってないという状況がございます。市としても財団の経営改善というのは急務であるというふうに認識しておりまして、引き続きこうした協議を継続するとともに、今年度におきましては担当者を設置して財団との協議をさらに進展させるということを考えているところです。
 
○高野委員  今御答弁に市もいろんな提案をしているんだと、でもなかなかうまくいかないんだと。私もその点は調査しました。答えは簡単なんです。市の提案はあったけれども、それをやり得る人員体制がないんだって。コロナ禍においてその文化的な事業に関わっている方々のそういう相談支援のような業務もできないのかと提案されているでしょう。全部調査していますよ、はっきり言えば。ところが、やりたくないから断っているんではなくて、それを担い得る体制がないから首が回らないんだと、ちょっと率直に言うと。ごめんなさい、議事録上いいのかな、これ、ちょっと。差別用語なら後で削ってください。私こういう人間なんで、申し訳ないけど。こういう状態なんですよ。ということは、あれをやってくれ、これをやってくれというのが市の支援ではなくて、その根本の基盤のところから協議していって、独立した財団ですからもちろん財団の理事会とかできちんと経営的にはやってほしいんだけれども、その基盤のところからきちんと市がある種のテコ入れをしていく、そして財団が本当に先ほど確認したような設立趣旨の目的を果たせるようなそういう前向きな、何か潰れていくような方向ではなくて再構築を図っていくそういう協議が必要なんですよ。小手先の、ちょっと言い方悪いんだけど、担当を配置するということも、これはいいと思います。そういう構えであれば。しかし、じゃあもう1問聞きますけど、今財団の事務所がどこにあるか御存じですか。事務所、基盤ですよね、事務所って。我々が政治活動するときだってそうだし、市長もそうだけど。財団の事務所どこにあります。
 
○松尾市長  文学館の中にあります。
 
○高野委員  じゃあ文学館というのはどういう性格ですか。指定管理で5年ごとに変わっていく余地があるわけでしょう。そういうところに財団の事務所があるということは、ちょっとこれも例えが適切でなければお叱りを後で頂戴したいと思いますが、今、明智光秀の大河ドラマをやっていますよね。本能寺の変がなぜ起きたのかというのは諸説あるところだけれども、その一つですよ、その一つに信長から秀吉の中国攻めに援軍を出しなさいと、こう指令を受けたと。このときにその中国地方の2国、出雲、石見を攻め取ったらあげますよと。ただ、その代わりこれまで国づくりで基盤にしてきた坂本城を含むこの近江、丹波、この2国ですね、召し上げますと、こういう話がありましたよね。これがどこまで本能寺の変の主要原因かどうか分かりません。何か似ていませんか。文学館に事務所がある、そこの運営をしているから取り崩しながらも何とか今もっているんですよ。だから、逆に言うとそれ以上のことができないんですよ、なかなか。俳句&ハイクとか自主事業の鑑賞事業とか落語とかそういう今までやってきたことは何とか維持しているんだけど、市から依頼があったような本来設立趣旨にも、財団なんだから本当は市内のいろんな芸術文化活動をやっている個人や団体に財政的な支援をしたり、また何か新しい事業をやるときのつなぎ役になったりコーディネーターをやったり調査・研究をやったり、そういう鎌倉らしい文化の発展に前向きに寄与していくのが財団でしょう。ところが、もうそういう前に踏み出すことができなくなっている、それでもまだ維持しているのは文学館があるからなんですよ。ところが、文学館の運営は、今言った明智光秀のが適切か分からないけど、取りたきゃ努力しなさいと、取れなきゃ知りませんよと、何か信長になっちゃっている面があるんですよ。ちょっと適切か分かりませんよ、私の、分かりやすいかなと思ってちょっとこの例えを使ったんですけど。でも今そうですよね。だから、私が言いたいのはその基盤のところからやっぱり議論が必要。財団なんか要らないよというなら別ですよ、鎌倉市として。でも、今の御答弁がそうではないという御答弁をされているのなら、財団の基盤となるところの文化行政を担う、そういうものをきちんと確立する、そして安定的な運営をある意味確保した、公共的な安定的な運営を確保した上でそうした新たな事業に踏み出せる、本来の役割を果たせるような、本来のというかより積極的な、そういうものについて何が必要、財団の努力としても何が必要で市の支援が何が必要だと、そういう基盤のところから議論してその上での議論もする、そういう構えで私はやっていってほしい。だから、文学館の指定管理業務の在り方についてもそういう芸術文化振興財団が担うべき公共性という視点から、取ればあんたらの努力だ、取れなきゃ知らないよ、これは無責任なんですよ、市として。そうではない。やはりそういう基盤をちゃんと確立していくということを含めた協議を責任を持って行っていただきたい。いかがですか。
 
○松尾市長  まずは、この指定管理という制度の中でのこの財団がそれを担うかどうかというところについては、財団の努力というところはより一層求めていきたいというふうに考えております。ただ一方で、おっしゃるように市のこの財団の設立目的にかなうためのこの財団の今後の在り方というところについては、今の延長線上ではなかなか厳しいなというところが先ほど答弁させていただいたように認識を持っておりますので、この点については、先ほども今年度担当職員をつけてというお話をしましたけれども、根本的にどういう方法ができるのかというところも含めて検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 
○高野委員  一歩前進かなと認識はします。
 当初は市長が理事長になられていました。石渡市長の時代までそうでした。指定管理者のタイミングで民間の方をということで、歴代が久保田、前の豊島屋の経営者であった久保田さん、それから山内静夫さん、それから現在の、監査委員を長く勤められた森田さんと。そうそうたるメンバーですよ、理事、協議会を見ても。兵藤元副市長も入られていますし、など、ちょっと名前を出しましたけど、ほかの方もいろいろいるんですが。私は、担当をつけるだけではなくて、評議員には入っていると言ったかな、理事にもやはり一定の市のOBの活用も含めた形できちんと加わっていく、それこそが、先ほど確認しましたが、行政とこの財団との連携を深めていく、独立性はもちろん保ちながらも連携していくということについては、日常的にそうした課題の改善、共有化を図れるような、そういうやっぱり体制も、取組も考えるべきではありませんか。そこはもちろん財団の意思がありますよ。財団がそんな必要はないと言えばそれまでですけど、私はそれを求めているというふうに聞いておりますので、そのことは確認された上で、現職、いやOBも含めてです。経験のある方、市の行政を担われている方、いた方、そういうパイプを強めていく。だから、私、イメージは文化都市なんだけど実態がどうかといったらそういうことなんですよ。これだけの財団があったら、私は日本の中で有数のものじゃなきゃ本来おかしいと思うんですよ。鎌倉の文化振興財団って日本でここしかない、1個しかないんですから、日本の中でも有数のそういう規模、取組がされてしかるべきだと思うんですよ。ところが現状は、生かさず殺さずとはちょっと失礼な言い方で悪いんだけど、何かこのままだとさっき市長も言ったように基本財産にまで及んできちゃうと。違法ではないですよ、それは別に、及んだからといって。でも基本財産が取り崩されたら決算にもそのことが出てきますよね、来年度以降。これは明らかにもう活動がプラスの活動じゃなくてマイナスの活動になっているということを内外に示すことになりますから、やはりそうはならないようにその運営についても市の一定の管理を検討してもらいたい。その点いかがですか。
 
○松尾市長  現在、財団、指定管理の業務の受託者となっておりますので、理事に職員を派遣するというところについては、この選定手続の公平性・公正性の観点から適切ではないというふうに思っています。ただ、市職員のOBの採用というところにつきましては、この財団とそのOBの職員との問題であると捉えておりますので、財団自身が事業に必要な人材を確保するために採用するというところについては全く否定をするものではございません。
 
○高野委員  もうそろそろ終わりにしますけれども。そこはさっきの話は戻って議論はしませんけれども、普通の民間団体ではないんですよ。そこはもう確認したと思います。外堀はもう埋まっているんですよ。普通の民間団体で、極端に言えば私の出資金も引き上げるからあとは自分たちでやってくれというんだったら、これはもう論理的には明確なんです。だから、文学館の運営を今公募で取っているというところとの関係から今の話になっていると思うんですけど、私はそのことから見直しが必要だと言っているんです。なので、そこがなくなったら財団は潰れますよ。それは私はそんないいかげんなことをやったら文化都市鎌倉とは言えない。本来であれば財団だから、もう終わりにしますが、基本財産の運用益とかできちんと、そういうところからも利益が、財団だからね、普通は。ところが今、超低金利政策で、私、昨日、財調の基金からの運用益を見たけれども、微々たるものですよね。財調の規模でも微々たるものでしたよ、何十万円だったかな、たしか。60万円だったな。財調のですよ。いや、だからここの文化振興財団の3億円じゃあもう運用益なんてお小遣い程度ですよ、はっきり言えば、お子さんの。だから、なかなかそういう意味では財団がやっぱりその公共性をもうちょっと設立当時の原点に返って、独立性は担保しながらやはり市として、先ほど御答弁あったように、基盤のところからの議論、協議、これをきちんと行っていただきたい。このことについてはまたチェックをしていきたいと、チェックという言い方は悪いんだけど、言いっ放しでその後どうなったか分からない。私はやはり極めて、ほかでもいろんな大事な文化団体はいっぱいあるけれども、やはり市がこれだけのお金を投じて出資している文化芸術振興財団の本来の役割を果たしてほしいと、そのことは財団に関わっている人たちも望んでいることなので、そのことをちょっと最後に申し上げて終わりたいと思います。
 
○河村委員長  以上で、第55款教育費鎌倉市芸術文化振興財団の位置づけ及び文化行政の在り方についての質疑を終了いたします。
 以上をもちまして理事者に対する質疑を終了いたします。
 理事者退室のため、暫時休憩いたします。お疲れさまでした。ありがとうございました。
               (11時00分休憩   11時01分再開)
 
○河村委員長  再開いたします。
    ――――――――― 〇―――――――――――――――――― 〇―――――――――
 
○河村委員長  ただいま理事者に対する質疑を行いましたが、これら質疑を行った各項目について意見とするかどうか、改めてお伺いしたいと思います。
 では、順次お伺いしていってよろしいでしょうか。
 では、まず納所委員のほうからお伺いいたします。
 
○納所委員  意見として残したいと思います。
 
○河村委員長  じゃあ、続いて保坂委員、どうぞ。
 
○保坂委員  意見として残します。
 
○河村委員長  次、高野委員、お願いします。
 
○高野委員  残します。
 
○河村委員長  では、ただいまの意見については、これまでに出された意見と一括して後ほどまとめに入りたいと思います。
 ここで意見を一覧表にしますので、少しお時間頂ければと思います。そのため暫時休憩いたします。
               (11時02分休憩   11時15分再開)
 
○河村委員長  それでは再開いたします。
 ただいま各委員会から出されている御意見についてはタブレットのほうに配信していただきました。こちら、配付したこの一覧表のとおりということで確認させていただいてよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 特にまとめたりとか削除したりとかということはないですか。それぞれ伺っていければいいのかなとも思っておりますけれども。
 では、各委員から出されておりますこの項目ごとに順次、意見開陳をお願いしたいと思います。
 では、順次伺ってまいります。
 まず初めに、第10款総務費、津波対策について、?橋委員の御意見をお願いいたします。
 
○?橋委員  津波対策について意見を申し上げます。いつ来てもおかしくない活断層が鎌倉の周辺には15か所あります。もしその地震が起きた場合、最速で8分で津波が到達すると想定されています。そして、その高さも最高14.5メートルと巨大なものを想定しています。本来であれば津波浸水地区には人が住まないようにすることが被害を最小限にする一番の手だてではあるのですが、そのためには津波浸水地区3キロ平方メートルを全て公有地化するしか方法はなく、市の財政を鑑みればそのような方法は選択できないことも事実であります。公共施設や高層マンションを津波避難場所に指定したり、周辺高台へ逃げるための案内板や路面標示をする等できることを対応していることは一定程度評価するものでありますが、もう一歩踏み込んだ対応が必要です。他市の事例を見れば適所に津波避難タワーを建設する等の対応をしています。人が歩いて避難する際、8分で移動できる距離は500メートルが限界です。津波避難タワー1か所で半径500メートルをカバーすることを想定して10か所程度の津波避難タワーの設置が必要となることが想定されます。民間活力を生かしながら実施することも検討して、いざという際に被害が発生しないよう具体的な施策を実施することを求めるものであります。
 
○河村委員長  それでは、次に避難情報の共有化について、保坂委員の御意見をお願いします。
 
○保坂委員  災害の種別に応じた避難場所と、発災後に避難生活を送る避難場所の違いや、避難行動のタイミングについての市民理解を促していただきたい。避難所に行かずに自宅にとどまることができるようにするための備えも大切である。各世帯で災害時の避難について考えておくだけでなく、地域住民間で共有することも望まれる。地域に出向く防災講話などを通して促してほしい。
 
○河村委員長  それでは、次に避難対策推進事業について、前川委員の御意見をお願いいたします。
 
○前川委員  避難対策推進事業について。鎌倉市防災情報マップについては、日頃から市民が見て防災情報をより多く入手できるようになっており、最新のハザード情報を入手できるようになっていることの成果を高く評価している。この情報を基に、市民が図上訓練などを通じ、多くの方に防災情報マップに触れる機会を増やしていただきたいと要望する。さらに、災害情報を市民との双方向により確立する仕組みを研究し、引き続き取り組んでいただきたい。
 
○河村委員長  それでは、続いて災害情報の有効利用について、納所委員の御意見をお願いいたします。
 
○納所委員  災害情報の有効利用について。国が開発した基盤的防災情報流通ネットワークでは、刻々と変化する被害推定情報やインフラ被災推定情報を地図上に表示することで地域ごとの避難指示等の発令を適切に進めることができます。令和元年度に台風15号・19号により被害がもたらされた鎌倉市としても、災害時の被害を最小に抑えるとともに適格な救援と迅速な復興を進めるためにも、基盤的防災情報流通ネットワークに接続し、現在進行型の情報を共有し活用できるよう検討すべきです。
 
○河村委員長  続いて、電子決裁に伴う文書保存期限の見直しについて、?橋委員の御意見をお願いいたします。
 
○?橋委員  電子決裁に伴う文書保存期限の見直しについて意見を申し上げます。二十数年前に公文書偽造事件が起こり、減免をすることができない案件で税の減免が実施されていたという事案が発生しました。そうした事案を受けて、他市に先んじて鎌倉市は電子決裁を投入することとなりました。そうした背景によって導入された電子決裁ではありますが、今般のコロナ禍ではテレワークをする際に決裁行為を自宅で実施できるという最大のメリットにもつながりました。さて、その20年前の事件の際にも実際に起こったことでありますが、事件が発覚してやり取りをしている最中に年度が替わり、替わった途端に関係資料が処分されたということが行われました。書類によって残す場合はかなり大規模なスペースを要するため全ての資料を残すことは現実的ではありませんが、電子決裁となり情報がデジタル化した現在、全ての情報を保存することが可能となりました。地方自治法等により保存期限が明記されている点もあろうかと思いますが、歴史的公文書としてでも全ての文書を残せる道を模索すべきと考えます。
 
○河村委員長  それでは、続いて、包括予算制度の在り方について、納所委員、お願いいたします。
 
○納所委員  包括予算制度の在り方について。鎌倉市が取り入れたインセンティブ予算制度とは、職員の自発的な創意工夫による経費の節減、新たな歳入の確保等を実現した場合、その取組内容を評価し、ここから得られる効果額を新たな予算へ再配分を行う制度で、令和元年度はインセンティブ予算として125万6000円を付与しました。硬直化した財政状況の中でも各部が裁量することのできる制度とされますが、この予算規模で果たして職員のやる気、知恵を促すことができるかどうか疑問が残ります。インセンティブを事業費に反映させるのか、それとも褒賞金制度とするのかをよく検討し、全庁全職員のモチベーションを向上させる制度として構築すべきです。
 
○河村委員長  続いて、テレワークの推進について、?橋委員の御意見をお願いします。
 
○?橋委員  テレワークの推進について意見を申し上げます。令和元年、中国武漢を発生源として新型コロナウイルスが全世界に蔓延しパンデミックを引き起こしました。我が国においても令和2年2月頃から罹患者が増え始め、4月には政府による緊急事態宣言が発出されました。鎌倉市においても3月初旬から災害対策本部を設置し対策を講じ、様々な取組を実施してきたところであります。そうした取組の大きな柱であったのがテレワークであります。コロナ禍もまだまだ予断を許さない状況でありますが、ソーシャルディスタンスや手洗い、マスク等により感染を抑えることが可能であることが分かってきました。そうしたことを注意しながら暮らす新しい生活様式をつくっていくための第二ステージに入ってきたとも考えられます。市役所としても、市民の皆さんとネットを通じて直接つながる様々な新しいサービスを提供する環境づくりは急務と言えます。そうしたことが実現すれば、テレワークを行いながら市民との対応もできるようになるわけであります。菅新総理の下、新設されたデジタル庁に行政のデジタル化を促進する働きを期待するところは大でありますが、鎌倉市としても行政の先頭ランナーとしてこれまで以上に取り組んでいただきますようお願いしたいと思います。
 
○河村委員長  それでは、続いて、旧材木座保育園の位置づけについて、高野委員の御意見をお願いいたします。
 
○高野委員  旧材木座保育園については、現在、普通財産として売却の対象となっておりますが、津波リスクを抱える沿岸地域にとって貴重な公有地の一つであると考えます。したがって、地元地域から出されている要望を正面から受け止めるとともに、財産の位置づけの変更を含めた検討を行っていただきたいと意見を申し上げます。
 
○河村委員長  続いて、本庁舎整備について、保坂委員の御意見をお願いします。
 
○保坂委員  本庁舎及び御成の現在地の整備については、コロナ禍の影響等により工程が見直された。現在の本庁舎に豪雨による地階浸水のリスクがあって暫定的な防水対策工事が行われたことや、コロナ禍においても過密を避けるのが難しい手狭な状況であることなどについても市民に知っていただくことが大切である。工程の見直しにより生じた時間的な余裕を生かして、本庁舎及び御成の現在地の整備について多様な角度から考えていただく機会を市民に提供するよう努めてほしい。
 
○河村委員長  それでは、続いて、庁舎管理事務について、納所委員の御意見をお願いします。
 
○納所委員  庁舎管理事務について。令和元年度は、第四分庁舎の会議スペースがなくなるなど市役所本庁舎内の会議スペースの不足が著しい。令和元年度に外部や民間の会議室を借りて会議スペースを確保しようと会議室使用料460万3000円を計上する予算を組んだものの、予算執行額は147万7000円と3割程度の支出にとどまっています。会議のために庁舎外の施設を使用することに不便さを感じていることの表れです。市の方針や部局の事務執行の在り方を共有する重要な会議が円滑に行えない状況に理事者は危機感を持つべきで、会議スペースの確保に真剣に取り組むべきです。
 
○河村委員長  続いて、文化行政について、保坂委員の御意見をお願いします。
 
○保坂委員  文化施設の運営は従来厳しい環境にあり、今般の社会・経済情勢において一層厳しくなることが予想される。そうした中で市内の文化芸術施設に親しむ人を増やすためには、各施設の発信力を高めるとともに、施設間のネットワーク、連携体制を強くすることが求められる。文化施設の指定管理については、共に文化行政を進めるパートナーとして行政が連携を深めることが必要である。そうした二通りの連携において要となるのは、市が生み出した鎌倉市芸術文化振興財団であると考える。文化施設の運営も文化芸術を生業とする市民の生活も困難になっている現状であることを鑑み、文化行政を置き去りにしてはならない。
 
○河村委員長  続いて、相談事業について、納所委員の御意見をお願いします。
 
○納所委員  相談事業について。鎌倉市は、年齢、性別、性的指向や性自認、障害や病気の有無、家族の形、職業、経済状況、国籍、文化的背景など、様々に異なる人たちがどのような立場になっても自分らしくいられる共生社会を目指し、令和元年12月から鎌倉市パートナーシップ宣誓制度を始めました。このパートナーシップ宣誓制度は、互いを人生のパートナーとして日常生活において経済的・精神的に相互に支え合い協力し合うことを約束した関係にあることを公に証明するものです。法律上の婚姻とは異なるため法的効果が生じるものではありませんが、鎌倉市は、性的マイノリティーをはじめとする多様性への理解が進み当事者が自分らしく生き生きと生活されることを願い、パートナーシップ宣誓制度を導入しました。しかし、この制度を利用しようとするに至らない段階の当事者は、家族にも周囲にも本来の自分らしさを明かすことができずに人知れず苦しんでいたり、周囲の無理解により差別されたりして苦悩にあえいでいる人が多く存在していることは容易に想像できます。市は性的マイノリティーをはじめとする当事者の悩みに寄り添うため、相談事業におけるくらしと福祉の総合相談窓口の拡充を図ったり、より専門的な相談先を紹介するなど、多様性に対した取組を行うべきです。
 
○河村委員長  では続きまして、SDGsの推進とコロナ対応について、中村委員の御意見をお願いいたします。
 
○中村委員  我々が経験していなかった新型コロナ感染拡大により、現在のところ感染予防を優先とした施策が展開された状態になっております。今後も先行きが見えていない状況ではありますが、SDGsの柱である経済、社会、環境の分野がそれぞれ発展するよう、継続してSDGsを推進するような事業の取組を要望します。
 
○河村委員長  それでは続きまして、第15款民生費のほうに入りたいと思います。
 最初に、高齢者在宅福祉事業について、前川委員の御意見をお願いいたします。
 
○前川委員  高齢者在宅福祉事業について。市民にとって最後まで安心して暮らすことができる環境を整備することは大変重要なことである。そのことについて政策を進めていただいていることは理解している。特に人生の最期を安心して鎌倉市で迎えることができるために、エンディングプランサポート事業やエンディングノート、終活情報登録事業の活用を市民に促すことは必要である。これからもこれらの事業に関する講演会を市民に提供し、より周知に努めることを求める。エンディングプランサポート事業については業者の協力が不可欠であり、市内業者14社のうち7社との協定を組まれたようだが、全社の理解が得られるよう努力も願いたい。
 
○河村委員長  それでは、続きまして、生活困窮者自立支援事業について、保坂委員の御意見をお願いします。
 
○保坂委員  生活困窮者自立支援制度については、複雑な課題を抱えた相談者に対する伴走型支援が求められる。支援の種類が拡充し支援業務の委託先も複数化したが、伴走型支援を目指す上では委託先団体からさらに外に広がるネットワークづくりが必要である。コロナ禍の影響で生活困窮に陥る人が増えることを見越した取組の強化を求める。
 
○河村委員長  続いて、保育士の確保について、保坂委員、御意見をお願いします。
 
○保坂委員  保育所の施設整備は進んだが、保育士の確保は依然として課題である。若手や力のある人材を確保するには処遇の改善が急務である。市は民間園等への補助を行っているが、事業者において適切に人件費に配分されているかをチェックすることも必要であり、保育士のスキルアップ、キャリアアップのための研修を受講できるように支援することも処遇改善につながる。
 
○河村委員長  それでは、続いて、第20款衛生費に移りたいと思います。
 最初に、健康診査の負担軽減について、高野委員の御意見をお願いします。
 
○高野委員  生涯にわたる健康づくりという視点は市の行政上の位置づけとして極めて重要でありまして、より積極的な展開が求められます。その一つとして、受診率の向上や疾病の早期発見・早期治療につながることから健康診査の負担軽減は重要な取組と考えます。がん検診などについて可能な限り負担の軽減を行い、市民の健康づくりに寄与する施策が前進するよう真剣な検討を求めます。そのように意見します。
 
○河村委員長  続いて、予防接種事業について、納所委員の御意見をお願いします。
 
○納所委員  予防接種事業について。予防接種事業には、子供の予防接種や一定期間に出生した成人男性向けの風疹対策のための抗体検査と予防接種、当該年度に小学校6年生から高校1年生相当年齢の女性が対象の子宮頸がん予防ワクチン接種、さらには高齢者肺炎球菌予防接種、そしてインフルエンザ予防接種など様々なメニューがあります。子供の予防接種はかなり周知されており接種率も高いと思われますが、それ以上の年齢になると予防接種を受ける人は少なくなります。特に子宮頸がん予防ワクチン接種は、定期予防接種にも関わらず副反応の課題から現在積極的な干勧奨が行われておらず、鎌倉市でも令和元年度の接種者は延べ54人、接種率は2.51%にとどまっています。産婦人科学会から心配の声が上がっていることから積極的な勧奨は行わずとも、子宮頸がん予防ワクチン接種が定期予防接種として行われていることを様々な機会に周知すべきです。それ以外にも、成人向けの予防接種などについてホームページで紹介することにとどまらず市のほうから呼びかけ周知を図るべきです。
 
○河村委員長  続きまして、安定的なごみ処理施策について、中村委員の御意見をお願いします。
 
○中村委員  生ごみ資源化施設の建設については、地元町内会や住民の御理解を得るためにはまだ様々な課題を残していると認識しています。そのため、将来的に安定的なごみ処理施策について市民の方々に心配を与えている現状であると考えます。市民の方々の不安を解消するようなごみ処理施策の構築を求めます。
 
○河村委員長  続きまして、ごみ処理政策について、納所委員の御意見をお願いします。
 
○納所委員  ごみ処理政策について。鎌倉市・逗子市・葉山町ごみ処理広域化実施計画によると、ごみ処理施設の整備方針では既存ごみ焼却施設は地域住民との協定に基づき令和6年度で焼却を停止することとしています。焼却停止後は新たな焼却施設を建設せずに、逗子市の焼却施設による処理及び他市町村との連携や民間活用による処理を行う予定です。特に生ごみについてはできる限り減量・資源化を図るという基本理念や、生ごみの減量・資源化を共通の課題として取り組むという基本方針に基づき連携を図り施設整備を行い資源化を行うこととしており、鎌倉市の生ごみ資源化施設は5トン未満の施設を先行して整備する予定としています。その次の令和7年度から11年度を第2期計画として、鎌倉市における生ごみ資源化施設の拡大整備期間としています。果たしてそれまでに施設整備は実現するのでしょうか。ごみ処理施設整備について候補地を設定しては断念することを繰り返してきた鎌倉市で、安定したごみ処理計画が実現した試しがありません。焼却施設停止後は焼却しないごみ処理を目指すといっても、最終的に資源化できないごみを全量自区外に出すことになるのでは広域処理の意味がないのではないでしょうか。理事者がより真剣に取り組まなければ、現場の職員の努力だけでは解決できません。
 
○河村委員長  続きまして、ごみ処理広域化と生ごみ資源化施設について、保坂委員の御意見をお願いします。
 
○保坂委員  ごみ処理広域化については実施計画期間の10年間をやり過ごせばよいというものではなく、長期的かつ広い視点に立ったものとすべきである。生ごみ資源化施設の整備については、候補地とされている地元住民が反対の意向を強く示していることを十分に考慮して早期に見極めることが広域化計画を実現可能なものにする上で要請されていると考えるべきである。
 
○河村委員長  それでは、続いて、第30款農林水産業費について伺ってまいります。
 鎌倉漁港の取組について、伊藤副委員長の御意見をお願いします。
 
○伊藤副委員長  鎌倉漁港の取組について。長年の懸案である鎌倉地区漁港の整備を漁港関係者は期待を寄せており、早急な整備を県・市に要請しているところであります。人力により漁船を海に出し漁を行っており、気象の変化で波があるとき漁を休まなければなりません。鎌倉の漁場は魚の種類も豊富であり、漁業従事者が安全・安心して漁場に出られ、新鮮な魚を市民に届けられますので、早急な環境整備を求めます。
 
○河村委員長  続きまして、第40款観光費に移りたいと思います。
 最初に、観光協会との連携について、中村委員、御意見をお願いします。
 
○中村委員  NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放映が決まり、鎌倉の魅力を発信できるチャンスが増大したと考えます。これについては関係諸団体との協議を重ねて、オーバーツーリズムやコロナ対策などを考慮した対応も必要である。その一つとして、インターネットを活用した情報発信についての検討は観光協会とさらに連携を深め、コロナ感染拡大に伴い冷え込んだ鎌倉の経済の活性化を期待するものである。
 
○河村委員長  続いて、ハイキングコースのこれからの取組について、伊藤副委員長、御意見をお願いします。
 
○伊藤副委員長  ハイキングコースの取組について。鎌倉には3箇所のハイキングコースがあり、観光客はもちろんのこと、市民の人々も気楽に利用し、四季それぞれ変化を感じながらコースを利用しております。さきの台風でコース内に樹木の倒木があり、現在も利用できない箇所があります。コース内には民有地もあり、行政として所有者と合意の上、倒木の処理を行い、今後ともハイキングコースとして利用させていただくよう努力していただきたいと思います。
 
○河村委員長  次に、第45款土木費に移りたいと思います。
 最初に、がけ地対策について、保坂委員、御意見お願いいたします。
 
○保坂委員  台風や豪雨による崖地崩落のリスクがかつてないほど高まっている。がけ地対策についての既存の制度を十分に生かすためにも、対策強化に必要な予算をつけ、人を配置することを求める。
 
○河村委員長  次に、がけ地対策について、前川委員の御意見をお願いいたします。
 
○前川委員  がけ地対策について。令和元年度、台風15号・19号は鎌倉市内に大きな災害をもたらした。土砂崩れの発生現場は崖地が多いことから、行政での現場対応を防災安全部のがけ地担当が担当する場合が多い。しかし、がけ地担当は少人数体制で行われている。土砂崩れの原因は雨による地盤の緩みから大量の倒木を巻き込んで発生する。担当はまずは現場の確認を行い、そして現場復旧に必要な倒木処理や土砂の片づけなど多くの作業に追われることになるわけであるが、少人数体制では大変厳しく日数もかかり、現場付近の市民の方たちには不安が募るばかりである。そこで、倒木についてはがけ地対策だけが担当するのではなく、大量の倒木を考えると鎌倉の緑が損なわれることになり、日頃、鎌倉市の緑の維持管理をしており、また所有者についても公なのか民なのかを把握している緑の関連部・課と分担して幅広い人数で関わることが重要であると考える。
 
○河村委員長  続いて、倒木処理などの災害対応について、高野委員の御意見をお願いします。
 
○高野委員  昨年の台風15号・19号では、倒木を含めた大きな被害が多発いたしました。改めて樹林管理等の重要性が明らかになるとともに、特に災害発生後の対応について、公道に土砂や倒木被害が起こった場合は市としての倒木処理が行われておりますけれども、私有地においては所有者が処理することになっておりまして、所有者と実際に被害を受けている居住者が異なる場合などにおいてなかなか倒木処理が進まないというケースも認識をしています。そのため、今御意見もありましたけれども、その倒木処理等の災害対応について体制の強化を図るとともに、災害発生後の私有地における倒木処理についても市として何らかの支援を行うということについての検討を強く求めたいと思います。
 
○河村委員長  続いて、道路等の維持・修繕における作業センターの体制強化について、高野委員の御意見をお願いします。
 
○高野委員  道路や河川の維持・補修は、昨今の環境、自然災害の多発という点から見ても非常に重要なことでありまして、作業センターの業務というのは市民サービスにとって身近かつ必要不可欠な業務であります。質疑の中では、事業規模として市の直営班の作業と委託で出している作業量がおおむね1対1であるということを確認させていただきました。様々な道路や河川の維持・補修を図っていく上で委託事業を適切に活用するとともに、やはり作業センターの職員の技術の継承が極めて重要でありまして、今の状況を捉え退職者不補充の見直しを含めた作業センターの維持の強化に努めていただきたいと意見を申し上げます。
 
○河村委員長  続いて、北鎌倉隧道の安全対策について、保坂委員の御意見をお願いします。
 
○保坂委員  長期に及ぶ放置で隧道上部で伸び放題となった樹木や竹の荷重や、湿気などの影響で隧道内部の状態が悪化していることにより隧道上方の斜面地が崩落するリスクが高まっている。大変危険な状態であることを地権者等関係者に訴えて、安全対策工事の少しでも早い実施につなげていただきたい。
 
○河村委員長  続いて、危険ブロック塀について、?橋委員の御意見をお願いします。
 
○?橋委員  危険ブロック塀について意見を申し上げます。平成4年から5年にかけて市内小学校の通学路における危険ブロック塀を調査したところ、4,140か所の危険ブロック塀が確認されました。その後、是正命令書等を送付していただき改善をしていただいた結果、令和元年末までに2,434か所の危険ブロック塀が改修されました。しかしながら、今だ1,706か所の危険ブロックが小学生が通う通学路にあることは速やかな対処を求めざるを得ない状況です。これまで改修に対する補助金は50%としてきましたが、令和2年から90%に引き上げ、行政としても改修に応じていただけるよう努力していただいております。働きかけを緩めることなく、一日も早く全ての危険ブロック塀が改修されますことを改めて求めるものであります。
 
○河村委員長  続いて、深沢地域整備事業の在り方について、高野委員の御意見をお願いします。
 
○高野委員  深沢地域整備事業につきましては、新駅の設置並びに行政区域内における本庁舎の移転整備事業等、合算しますと全体の事業スキームとして500億円にも及ぶ大型事業であるということが改めて確認できました。市の財政状況、またまちづくりの在り方という点からも、本当に藤沢市域に造る新駅の設置について本市が財政負担をしてまで参画する必要があるのか、それに伴う深沢地域整備事業について、区画整理事業であるわけですが、地権者の方々への御負担に配慮しつつも本当に一体施行という形で行うことがいいのかどうか、こうした私はこれからの鎌倉市のまちづくりにおいて財政上も大きなやはり影響を及ぼす可能性があるだけに、深沢地域整備事業の問題については全市的な問題として改めて位置づけて一定の事業の見直しを含めた検討を行うことを強く求めるものです。
 
○河村委員長  次に、第55款教育費のほうに移ります。
 最初に、少人数学級の確立に向けた人員配置の取組について、高野委員の御意見をお願いします。
 
○高野委員  コロナ禍において、衛生上の配慮という点からも小・中学校における学級で学び生活する子供たちの学習環境の改善は重要です。対GDP比で見ると教育の公的支出は日本は2.9%で、OECD、経済協力開発機構、35か国中最下位です。現在の対GDP比の教育費支出を現状の2.9%から0.1%ないし0.2%引き上げるだけでも教員を大幅に増やすことは可能であります。こうした国の取組を求めつつ、現状において少人数学級を推進するために県や市町村が独自に教員を配置することが求められています。市として独自に教員を配置するという姿勢を強く示しながら県に正規の教職員の方の加配を行うよう強く求め、このことが早期に実現するよう強く求めたいと思います。
 
○河村委員長  続いて、コロナ禍での学校対応について、中村委員の御意見をお願いします。
 
○中村委員  政府の一斉休校表明や緊急事態宣言などによって、令和2年3月から約3か月にわたって子供たちの学習の場に制約が求められました。この間、学校や教職員においても生徒たちに寄り添った様々な対応をされたかと思いますが、そうした対応に対する評価や反省などはまだコロナ対応が続いている現在及び今後のためにも重要であると考えます。教育委員会として、コロナ禍の学校対応をしっかりと検証することを要望いたします。
 
○河村委員長  続いて、中学校給食について、中村委員の御意見をお願いします。
 
○中村委員  中学校給食については喫食率が増加しているものの残食率も増加傾向にあり、この原因をしっかりと把握することは重要であると考えます。教育委員会の答弁によればカロリー計算から来る給食の量が生徒にとって多過ぎることなどを原因に挙げていましたが、このまま無策の状態でいることは好ましいことではないのは食品ロスの観点からも明白であります。生徒の声や保護者の意見などを聴取するなどして工夫を重ねていくことを要望いたします。
 
○河村委員長  続いて、鎌倉市芸術文化振興財団の位置づけ及び文化行政の在り方について、高野委員の御意見をお願いします。
 
○高野委員  鎌倉市における文化芸術振興の言わば要として、市が3億円を全額出資し設立されたのが鎌倉市芸術文化振興財団であります。主要な外郭団体の中で補助金の交付がなく現在文学館等の指定管理業務を中心に運営がされておりますけれども、そのことだけでは他の業務、全体的な業務を担っている総務部門の諸経費を賄い切れず正味財産を取り崩しながら運営しているという現状にあります。国債等の基本財産の運用益は超低金利の中でほとんど見込めず、一方、支出の削減においても人件費の削減も限度があり、やはり構造的な問題として認識すべきであると考えます。先ほども意見が出されましたけれども、鎌倉市の文化行政におけるパートナーとして改めて鎌倉市芸術文化振興財団の設立趣旨に立ち返った位置づけを行い、財団が本市の文化行政において前向きかつ積極的な役割を果たせるよう、市として本格的な協議を行っていただくよう強く求めたいと思います。
 
○河村委員長  それでは、次に、議案第54号令和元年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算に移りたいと思います。
 こちら、最初に国民健康保険事業の負担軽減措置について、高野委員の御意見をお願いします。
 
○高野委員  国民健康保険事業については、全国的に言えることでありますが、国保加入者の所得平均が非正規労働者の拡大や格差の増大により減少する一方で保険料は増え続けているという状況にあります。国民健康保険の運営主体が県による広域連合となった下においてもこの構造は変わることなく、平成31年度、令和元年度における1人当たりの保険料の負担額は年額で6,000円から7,000円の負担増となっているということも確認をさせていただきました。このことはやはり構造的な問題であるので、全国知事会が求めているように国による公費の投入を増やすことなどの改革を行うとともに、県の広域連合においても負担を軽減するための一般会計からの繰入れの柔軟な対応を行っていただきたい。そして、そういう制約された状況の下でありますが、せめて鎌倉市として子育て支援の立場から子供の均等割における負担の軽減措置を図っていただきたいということを意見として申し上げます。
 
○河村委員長  では、以上で意見の開陳を終了いたします。
 それでは、御意見について、委員長報告に盛り込むかどうか、また盛り込む場合もどのように盛り込むのか、まとめに入らせていただきたいと思います。
 なお、委員長報告に盛り込む御意見については全会一致ということになっておりますが、いかが取り扱いましょうか。
 それでは、じゃあ我々が皆様のところに回らせていただきながらまとめに入らせていただきたいと思いますけれども、そのようにさせていただきたいと思います。
 それでは暫時休憩いたします。
               (11時58分休憩   17時10分再開)
 
○河村委員長  それでは、再開をいたします。
 大変長い間お時間を頂きまして、誠にありがとうございました。休憩中に調整させていただき、委員長報告に盛り込む意見がまとまりましたので、副委員長のほうから報告させていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 
○河村委員長  それでは、伊藤副委員長、報告のほうをお願いいたします。
 
○伊藤副委員長  まず、意見をまとめるに当たって、御協力いただきましてありがとうございました。
 意見が3点にまとまりましたので、御報告申し上げます。
 1点目は、新型コロナウイルス対応についてです。本年2月頃からの新型コロナウイルス感染症に関わる休校中の生徒たちに対する学校の対応については、教育委員会として評価・検証するとともに、今後の新型コロナウイルスへの対応につなげていくことを求める。また、市長部局においては、コロナ禍の影響により生活困窮に陥る人が増加することを想定した取組の強化を求める。さらに、SDGsの取組を継続するとともに、コロナ禍における新しい生活様式に合わせた市民サービス提供のための環境づくりなどに取り組むことも求める。
 2点目は、ごみ処理施策についてです。鎌倉市・逗子市・葉山町ごみ処理広域化実施計画によると、他市町村との連携や民間活用により処理を行うとのことであるが、実施計画は長期的かつ広い視点に立った実現可能なものとすべきである。市はこれまでもごみ処理関連施設の候補地を設定しては断念することを繰り返してきたことから、新たな生ごみ資源化施設の整備については、今後候補地とされる地元町内会や住民の理解を得るための努力を続けるとともに、まだ様々な課題が残されており、市民の不安を解消するよう、ごみ処理施策の構築に取り組むことを求める。
 3点目は、防災に関する取組についてです。令和元年に発生した台風15号及び19号により市内において土砂崩れや倒木等の大きな被害を受けたところであり、がけ地対策については既存の制度を十分に生かすための必要な予算措置を行うとともに、倒木処理については防災安全部と緑地の維持・管理を行う部署との連携も含め人員体制の強化を求めるほか、市として民有地における倒木処理に対する支援を行うことについても検討を求める。
 以上3点を決算特別委員会の意見としてまとめたいと思います。
 
○河村委員長  ただいまの報告のとおり確認してよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 ありがとうございます。それでは、そのように確認させていただきます。
 以上をもちまして、意見のまとめを終了いたします。
 暫時休憩いたします。
               (17時15分休憩   17時17分再開)
    ――――――――― 〇―――――――――――――――――― 〇―――――――――
 再開後、各議案についての採決を行った結果は次のとおりであった。

(1)議案第52号令和元年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について
 多数の賛成により原案認定。(反対=日本共産党、神奈川ネット鎌倉)
(2)議案第53号令和元年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計歳入歳出決算の認定について
 総員の賛成により原案認定。
(3)議案第54号令和元年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
 多数の賛成により原案認定。(反対=日本共産党)
(4)議案第55号令和元年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定について
 総員の賛成により原案認定。
(5)議案第56号令和元年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
 総員の賛成により原案認定。
(6)議案第57号令和元年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定について
 総員の賛成により原案認定。
(7)議案第58号令和元年度鎌倉市下水道事業会計剰余金の処分及び決算の認定について総員の賛成により原案認定。
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 最後に、委員長報告の確認のための委員会を9月25日(金)午前10時30分に議会全員協議会室で開催することを確認し、以上で本日は閉会した。


 以上は、会議の顛末を記録し、事実と相違ないことを証する。

   令和2年(2020年)9月18日

             令和元年度鎌倉市一般会計
             歳入歳出決算等審査特別委員長

                       委 員