○議事日程
令和 元年 5月28日総務常任委員会
総務常任委員会会議録
〇日時
令和元年(2019年)5月28日(火) 10時15分開会 13時45分閉会(会議時間0時間55分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席委員
保坂委員長、長嶋副委員長、くりはら、高野、山田、伊藤の各委員
〇理事者側出席者
奈須行政経営部長、尾高行政経営部次長兼IT政策課担当課長、松下公的不動産活用課担当課長、和田公的不動産活用課担当課長、高木(賢)総務課担当課長、北嶋総務課担当課長
〇議会事務局出席者
大隅局長、岩原議事調査課課長補佐兼議事調査担当担当係長、鈴木担当書記
〇本日審査した案件
1 議案第4号平成31年(ネ)第338号損害賠償請求控訴事件の上告受理申立てについて(旧レイ・ウェル鎌倉)
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○保坂 委員長 ただいまから総務常任委員会を開会いたします。
初めに、会議録署名委員の指名を行います。委員会条例第24条第1項の規定により、本日の会議録署名委員を指名いたします。山田直人委員にお願いいたします。
次に、本日の審査日程の確認です。配付した審査日程のとおりとすることでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
確認いたしました。
関係課職員の入室について、事務局からお願いします。
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○事務局 関係課職員として総務課職員が出席することでよろしいか、御協議、御確認をお願いいたします。
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○保坂 委員長 確認してよろしいですか。
(「はい」の声あり)
確認いたしました。
ここで、執行部異動職員の紹介をお願いいたします。
(職 員 紹 介)
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○保坂 委員長 日程第1「議案第4号平成31年(ネ)第338号損害賠償請求控訴事件の上告受理申立てについて(旧レイ・ウェル鎌倉)」を議題といたします。原局の説明をお願いいたします。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 日程第1議案第4号平成31年(ネ)第338号損害賠償請求控訴事件の上告受理申立てについて(旧レイ・ウェル鎌倉)について提案理由を説明いたします。
議案集その1、28ページをごらんください。
本件は、旧レイ・ウェル鎌倉の土地建物を売却した三信住建株式会社から、建物の建材にアスベストが残存しており、その解体に当初の見積もりより費用を要したことから、アスベスト除去費用相当額8683万2000円と遅延損害金等の支払いを本市に対して求められたものです。
第一審の横浜地方裁判所からは、平成30年12月19日付で判決が言い渡され、建物に使用されていたアスベストに関して、売買契約締結当時に有する情報を説明する信義則上の義務を鎌倉市は負っていたが、義務違反の事実は認められず、アスベストが全て除去済みとの誤解を生じさせない義務も負っていないため、不法行為に基づく請求には理由がないこと、アスベストが残存していたことは「隠れた瑕疵」に該当するが、本件売買契約の特約である免責条項の規定により、瑕疵担保責任に基づく請求に理由がないとして、三信住建株式会社の請求を全て棄却し、本市が勝訴しました。
この判決を不服として控訴された損害賠償請求控訴事件に応訴することについて、平成31年2月の総務常任委員会において報告いたしました。
本件損害賠償請求控訴事件については、その後新たな主張や証拠が示されていないにもかかわらず、第二審の東京高等裁判所から、令和元年5月16日付で、判決が言い渡され、不法行為による損害賠償請求には一部理由があり、これを全て理由がないとして棄却した第一審の判決は失当であるとして、「原判決を取り消す。」、「被控訴人は、控訴人に対して、3473万2800円及びこれに対する平成27年12月7日から支払済みまで年5分の割合の金員を支払え。」、「控訴人のその余の請求をいずれも棄却とする。」、「訴訟費用は、第一審二審を通じてこれを5分し、その3を控訴人の負担とし、その余を被控訴人の負担とする。」との、第一審の勝訴から一転して、損害賠償が発生する判決となったものです。
本件は、第一審から通じて、損害額について審議がなされておらず、本市としましては、損害額についての審議を尽くさずに判決に至ったことは、「弁論を再開して当事者に対してその機会を与えることが民事訴訟における手続的に当然であると認められる場合には、弁論を再開しないで判決をするのは違法である」とする最高裁判所の判例に反することから、当該判決に不服があるとして、最高裁判所に上告受理申し立てを行おうとするものです。
以上で説明を終わります。
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○保坂 委員長 ただいまの説明に御質疑はございますか。
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○山田 委員 それでは、幾つかの論点でお話をお聞きしたいと思います。まず第1番目なんですが、不法行為についての請求についてということです。売買契約の締結当時に有する情報を説明する信義則上の義務という言葉がありますけれども、売買契約当時に有する情報というのはどのようなものがあったんでしょうか。その信義則上の義務として、売買契約締結当時に有する情報、これはどのような性質のものがあったんですか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 当時の物件調書に記載がされております建物について、耐震診断の結果でありますとか、アスベスト調査の結果ですとか、高圧受電設備の変圧器にはPCBが含まれているということ等の情報を物件調書に記載しておりますので、それらの情報のことだと考えております。
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○山田 委員 信義則上の義務というふうに、「信義則」という言葉になっているんですけれども、特に今回争いのポイントになっているのは、アスベストの含有についてだと思うんですけれども、これについての情報提供。その信義則上の義務というのはどこまであったのか、あるいはなかったのか。そこのあたりの市の考え方で結構ですので、お知らせいただけますでしょうか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 アスベストに関しては、平成17年と平成20年に調査を行いまして、平成17年の調査については発見された場所の除去処置を平成18年に行っております。それと平成20年に発見された場所については、飛散されるおそれは薄いが、今後、飛散されるおそれがあるので除去処置を行いました。そちらのところの当時の除去した内容を説明したことがそちらに当たると思います。
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○山田 委員 アスベストが全て除去済みであると誤解を生じさせないような信義則上の義務って、高裁のほうの言葉の中にあるんですけど、全て除去済みであると誤解を生じさせるような、あるいは生じさせないような信義則上の義務。これについては、弁論も何もなかったわけですけれども、ただ、これから手続上になると高裁だのいろんな争いがあるかもしれませんし、地裁からになるかもしれませんけれども、そのあたりの市の考え方としては、アスベストが全て除去済みであると誤解を生じさせない信義則上の義務、これについては、今、御見解があれば言ってください。裁判上の話もあるから、言えないことは言えないでも結構ですけれども、これについてはどのようにお考えですか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 当時有する情報ということで、私どものほうで説明したのは十分だったと考えております。
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○山田 委員 そうすると、控訴審においては特に認定云々かんぬんというのはなかったわけですので、口頭弁論もなかったということですので、この辺の義務をどのように回避したのかという市の考え方を出す機会もなかったと、そんなふうに捉えますけれども、一応アスベストについては、説明は果たしたというのが市のスタンスだということですね。
2点目の論点なんですが、隠れた瑕疵についてということですけれども、この隠れた瑕疵の売買契約の特約、これは免責条項がついているとお伺いしていますけれども、契約書上はどういうふうに表記されているんでしょうか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 本件の市有財産売買契約書、第10条瑕疵担保責任とありまして、乙は、乙は相手方になりますけれども、買い受け人ですね。本契約締結の売買物件に数量の不足、その他隠れた瑕疵のあることを発見しても、売買代金の減額もしくは損害賠償の請求または契約の解除をすることができないという条項になっております。
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○山田 委員 受け手側の心理的なものを言うと、瑕疵担保責任というのは、応分のものが多分あるだろうと。あるいは通常ですとその契約を履行していくに当たって、そういう見えない、隠れた瑕疵があった場合には、例えば協議して決めさせてくださいよとか、そういうのが通常考えられる契約上の措置だと思うんですけれども、これは責任は免責されますよと、そういう意味で書かれてあるということなんですが、これについて何か相手方との話というのは一審のほうでもなかったんですか。一審の主張の中で、こういう瑕疵担保責任というものについて、この条文の妥当性といいましょうか、正当性というのか、そういったものは争いはなかったですか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 一審の地方裁判所のほうからは、「本件にはアスベストが残存している隠れた瑕疵があったが、被告は本件免責条項第10条に基づき瑕疵担保責任を逃れるものと認められる」というふうに、判決が出ております。
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○山田 委員 瑕疵担保責任について、免責ということで、契約条項でそれは明らかに書いてあるからというのが一つの理由だろうというふうに思うんですが、高裁あたりは、信義則上みたいな言葉が書いてあるものですから、ちょっとひっかかりがあるなと思っているところです。
次の論点に行きますけれども、控訴理由と控訴審判決についてなんですけれども、一審判決、これは市の全面勝利ということなんですけれども、一審判決を受けて二審控訴理由、これについては何か変化がございましたか。内容的にはどのようなものだったかというのを、お知らせいただけますか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 多少言い回しの変化はありましたが、内容的に変化はないと判断しております。
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○山田 委員 そうすると、一審の理由と、二審の理由というのは変わらないという中で、判断が変わったということなんですね。
今後のことについては、自分で質問しようかと思ったんですが、きょうの議論とは関係ございませんので上告審の後の結果についての議論については避けたいと思います。
最後に、もう1点だけ。論点として上告受理申し立てについて、この論点について、1点だけ確認をさせてください。上告受理申し立ての理由ということなんですけれども、これというのは、私がこの議案を読む範囲においては、弁論を再開して当事者に機会を与えることが当然との判例。これは最高裁判例に基づいて、その違法性についてを主張するということになるのか、このあたりは上告の受理申し立て理由というのはどのようになるんでしょうか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 委員おっしゃるとおり、最高裁の判例に違反すると判断して、そちらのほうに上告受理申し立てをするものです。
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○山田 委員 再確認ですが、これは民事訴訟の判例に対する違反、違法な判決であるということを、上告の受理申し立て理由になるということでよろしいですね。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 そのとおりでございます。
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○高野 委員 今、山田委員から、私が聞こうと思っていたことと重複する質問をされたのでそこは避けますけれども、議会の場ですから少し技術論だけじゃないことも伺いたいと思います。
レイ・ウェルの売却が決まったのが今から約3年半前だという認識をしております。本件については、裁判の前段、直接関係ないと言われるかもしれないけど、前段の話をしますが、私の認識では、当時私は市議会議員ではありませんでしたけれども、市民に十分な説明責任も果たされないまま、鎌倉市として初めて建物つきで本件土地を売却するという案件でありました。それは、ある意味いろんなところで、市民とのあつれきとは言いませんが、市民の生活との関係でもこれから問題なってくるかなと思いますが、公共施設再編計画における、いわば先例をつけるような形での土地の売却ということだったわけです。そうした案件について、このような、誰が悪いのかというのは、もちろん、今そのことについて裁判で争われ、それについて不服であるから、今の質疑でもありましたようなことで最高裁までということでありますが。その白黒の問題もあるんですが、そういう事態にそもそも至ったということについて、私は市の道義的な責任はあるのではないかと考えております。
今回の件についても、免責特約のことも後で聞きますが、買い主に対して、アスベストについて、何らかの説明がされていたんじゃないのかと。そのことと、実際ふたをあけてみたら大分違っていたということが、この訴訟のある意味一つの理由になっているのか、いないのかということについてなど、私は、裁判の白黒とはまた別の観点で、そういう市の責任、説明責任というのかな、売り側としての。法的責任とはまた別ですよ、私が言っているのは。こういう機会ですから、裁判に至ったことについての市の責任、説明責任というのかな、市民に対する責任、その辺をどう考えているか。
結果について聞いているんじゃないですよ。裁判という事態が起こったことそのものについての市の認識。全く問題なかったというのか。免責特約もあるから、その辺で法的責任はないという御主張はわかるんだけど、しかし説明責任はどうだったのか。その辺、認識を、こういう機会ですから、お伺いしたいと思います。
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○尾高 行政経営部次長 あの時点で、説明責任という意味では、法的に定められた目視による部分については除去してありますということで説明を尽くさせていただいたものだと考えております。ただ、アスベストはいろいろレベルがあるというんですか、壊してみなければとか、あけてみないとわからない部分にまざっているものも、飛散性の低いものということでございますので、その部分については、建築業界等では、あの当時の建物であれば含有されていても仕方がないものというふうに認識があってしかるべきものだと考えております。なので説明としては、私どもの責任は果たさせていただいていると考えております。
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○高野 委員 1974年築ですよね、この建物。今はなくなっちゃいましたけれども、40年以上たっていたわけですね。その辺が、今さらそんな議論してもと言われるかもしれないけれども、何でこういう事態にそもそも至ったのかなということは、私、市民的に疑問に思っているんですよ。買い主だって、そんなことわかっていないのかなと、常識的に考えて。41年たっているんですよ、この時点で。2015年ですよね、西暦でいうと。その辺の入り口論というのかな。それは今議論してもしようがないんだけど、私は市民的に今も疑問に思っているところなんですね。
それで、先ほど金額についてのお話が提案説明の中でもありましたけれども、結局さまざまな裁判費用等含めて、現時点でのトータルの金額見込みは、仮に4割の過失とした場合は、幾らになりますか。つまり、これを払うのは市民ですからね。税金で払うんだから。今後の結論がどうなるかによりますけど、4割の過失割合の場合、今のトータルの金額見込みはおおよそ概算で幾らになりますか。約3500万円よりプラスアルファが出てくるでしょう。幾らですか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 今回の損害賠償額が3473万2800円になりまして、そちらにプラスしまして、平成27年12月7日からの年5分の割合で金員を支払えという判決になっておりますので、こちらを計算しますと、そちらから、令和元年5月16日までの約3年6カ月分、42カ月ですが、約600万円ほどかかりますので、想定で約4100万円程度かかると思います。それにプラス訴訟費用がかかってくるということです。
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○高野 委員 4000万円以上になるというのは、これは、この過失割合をいった場合はそうなるということを確認させていただきました。非常に大きな金額ですね。この先どうなるかということによるんでしょうけれども。
それで、先ほど山田委員からもありましたけど、私は市民的なものの言い方をしますけど、結局、最高裁では何を争うんですか。当初の応訴理由との関係ではどうなんですか。この辺、ちょっと重なるんですが、市民的な物言いをしたいと思います。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 上告で争いますのは、損害額。相手方のアスベスト除去費用と言っております8683万2000円。こちらの損害賠償請求額が、そもそもそれほどかかっているのかどうかというところで、そこで争いたいと考えております。
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○高野 委員 法制担当にも聞きたいと思いますが、それは、その最高裁という法定の性格上のことなのかと思うんですが、その辺の考え方を整理させていただきたいんですけど。当初の本市の応訴理由はこう言っていますよね。これは平成27年12月定例会における総務常任委員会の説明の中ですが、こう言っていますよね。「仮にアスベストの存在が事実であり、それが瑕疵に当たるとしても、売買契約書には瑕疵担保免責特約があり、損害賠償責任は負わないと考えており、応訴したものである」と、こういう見解ですよね。この市のスタンスと、今回の最高裁に上告をしようとする、そのこととの関係はどうなっているんですか。当初のスタンスは変わってないですか。変わり得るんですか。その辺を確認させていただきたいと思います。
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○北嶋 総務課担当課長 まず、瑕疵担保免責のところについては、それ自体が最高裁で争い得るかという点につきましては、高裁の判決が、瑕疵担保免責のところには触れず、信義則上の説明義務違反というところを呈しておりまして、その点について、何か判例違反ですとか、そういった上告受理申し立て事由があるものとはなかなか考えにくいところというふうに理解しております。ただ、損害額につきましては、アスベストの除去費8683万2000円、これが損害額であるというふうに高裁のほうが認定している点につきまして、そもそもその点についての主張、立証が尽くされていないと。そこが、まさに判例違反であるというところを上告受理申し立ての事由としているというところですので、その点を争っていくということになると思われます。
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○高野 委員 それは、最高裁においては、そういう争いしかできないという意味なんですか。本市のスタンスは当初からあるけれども、最高裁においては、そういう視点でしか争いようがないという、そういう見解だということですか。
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○北嶋 総務課担当課長 今、まさに委員おっしゃるとおりでして、スタンスとしては、もちろん説明義務違反がないであるとか、免責されるといったところで争っていきたいところはもちろん心情的にはあるところですけれども、当然、最高裁で審理できるものというのは、民事訴訟法上、限られておりますので、その点、裁判所の説明義務違反ですとか、そういったところについての評価が、一審と高裁で違ったと。そういう点について、高裁の評価が判例違反であるとか、そういった主張をしていくのはなかなか難しいと考えております。
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○高野 委員 そうしますと、きょう議会で議決、どういう結果になるかということにもよるんでしょうけれども、仮に最高裁でも争うという場合、もちろんどういう結果になるかは先々の推論の域は出ませんが、市の姿勢としては、今も法制担当の課長からお答えがありましたように、市のスタンスとしては、今回はそういう判例に照らした、最高裁判例に照らした点で、高裁判決に不服が明らかにあるということでの上告になるけれども、その先々の展開によっては、それは、今、予断を持って言えません。最高裁でどういう結論が出るかによりますから。その先々の展開によっては、市としては、あくまでも当初から主張している免責特約の関係、信義則の関係については、私も山田委員から先ほどお話あったけれども、少し別な観点でこの辺がどうなのかなという判断が、私の市民的な観点ではできかねますが、あくまでも、市のそうした基本スタンスは、今後の展開によりますけれども貫いていくと、こういう考え方で、これは確認してよろしいですか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 そのとおりでございます。
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○くりはら 委員 私としては、今回市として、負けた理由がはっきりとわかっていらっしゃるかというところなんですが、一審の判決から一転してこちらが4割ほど払わなくてはいけないというような形に今なっております。その負けた理由というのが、今、はっきりと認識できている状況でしょうか。教えてください。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 高裁の判決理由によって、今までも審議がありましたけれども、第一審では鎌倉市の説明で十分であったというところでしたが、控訴審においては、高等裁判所のほうで、相手方に誤解を生じさせたというところで、そこで過失割合が発生しているというところでございますので、そこについては説明義務違反であったというふうに高裁で不法行為と判断されたと考えております。
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○くりはら 委員 要するに、記載している内容が甘かったというような判断だったというふうに捉えられると考えてよろしいですか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 控訴人、相手方のほうにも相応の落ち度があって、本市のほうにも説明義務違反があったということで考えております。
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○くりはら 委員 なぜこういうふうに伺うかと言いますと、私の経験上、行政裁判でこんなことがあるんだなというところです。私の経験が浅いのかもしれませんが。それで、今後、公共施設再編計画の中で、同じようにアスベストが使われているであろう建物が、建物ごと売りに出されるというようなことが多分起こってくるんじゃないかなというところで大変心配をしておりまして、私が見た感じでいいますと、入札のときのある種条件と言いますか、入札していただくに当たっての条件が、鎌倉市において鎌倉市が確認できていないものに関しての隠れたる瑕疵については一切責任を負わないと、そこまでうたっているにもかかわらず、今回は説明責任があったんじゃないかというような、例えばそういうふうな捉えられ方をしているのであれば、同じような案内書で見積もりをとるとか、そういうような入札していただくときに、同じパターンで、何だ裁判をやれば勝てるじゃないかみたいなことで、ぞろぞろと裁判を起こされるようなことがあってはいけないと思うんです。ですから、負ける理由がわからないと私は思います。そして市もそう思っているのかなと思っているんですが、ただ相手の主義、主張、これが今回二審のほうで通っているというようなところで、さらに、そこに反撃というか、最高裁で見ていただく、その作業をすることによって、市に起こり得る損害がどのくらいになるのか。そこの辺のところの計算というのはしていらっしゃるんでしょうか。
要するに、裁判所に上告するわけですね。ですので、上告に当たっての費用が、戦うことによって減るであろう費用を超える費用が裁判にかかるようであれば、市民にとって損害が大きくなると思うんですが、その辺のところの計算というのは、大体落としどころというのを見ていらっしゃるんでしょうか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 詳しい損害賠償額についての計算はしておりませんが、訴訟費用に、上告するに当たりまして25万円の訴訟費用がかかります。それ以上の損害賠償の総額のところが下がるような形で考えておりますので、そういうふうに争っていきたいと考えております。
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○伊藤 委員 1点だけお伺いをいたします。委員からいろいろお話が出ましたけれども、この最初のスタート、裁判に相手が、地裁ですけれども申し立てるという経緯ですね。行政と裁判をかけた方が、地裁に行くまでの経緯が多分あっただろうと思うんですが、そこを1点だけ聞かせていただきたいと思うのですが。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 裁判に提訴されるまでの間に、当然売り払い相手先から、これだけのアスベストが発生してこれだけの費用が解体にかかったということで、当然市のほうに話がありまして、そちらでのやりとりはありました。
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○伊藤 委員 相手が裁判をかけるというか、そういうふうに地裁に持っていくまで、こういう事例があったんですが、市にどういう対応をしてもらえるんですかとか、そういう話し合いですね。そこを聞いているんです。アスベストが出たとか出ないというんじゃなくて、相手がこういうことで出たので、市は対応をどう考えていますかということをお尋ねしているわけです。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 そちらについては、契約書の第10条、瑕疵担保責任のところで免責条項がありますので、こちらのほうには応じられないという回答を相手方に申しておりました。
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○長嶋 副委員長 4名の委員からさまざまあったので、大体中身についてはやりとりで、よく把握はできました。私は2点ほど、今、全部聞いていていて気になる点があって、今まさに伊藤委員も言われたし、高野委員も御懸念をされていた、そもそも最初のところでなぜ相手方は訴えなきゃいけなかったかなのかというところは、この案件だけに限らず、非常に重要なポイントかなと思っております。
我々議員として、行政側とさまざまなやりとりをしている中で、信頼関係という意味では、この鎌倉市役所がいろんな案件に向き合うときに、非常にこの信頼関係をもって対話ができないという姿勢が今の経営陣にあるというところが根底にあります。
それなりにきちっとした企業だとは思います。ネットとかも見ましたけどね。そういうところが鎌倉市を訴えなきゃいけないような状況というのは、多分やりとりの中で恐らく何らかの不満なり疑義を持っていて、その売買契約をしたんではないかなと。さまざまな案件を鑑みると、本当に市民側の目線を向かないで市民から税金を取って仕事をしている人たちなので、そういう信頼関係を持てないところで、こうやって起こされているんじゃないかなという懸念を持っています。
それは、今、多分ここにいらっしゃる方は、前に交渉したときに皆さんいらっしゃらなかった方々なので、余り言うのは酷なので、できれば理事者に聞きたいところなんですけど、奈須部長もいらっしゃらなかったから、言いにくいと思うんだけど、今、伊藤委員がまさにおっしゃっていたのはそういうことだと思うんですけど、どう思いますか。そもそもの信頼関係を持ってちゃんと話をしていれば、なかったんじゃないのと。どう思いますか。
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○奈須 行政経営部長 副委員長おっしゃるとおり、当時、私が現場に立ち会って説明したわけではないのですが、いろいろ関係資料を見ている中で、現地での説明もしている中で、ほかの幾つか応札されている会社が5社ある中で、それぞれ金額が違っている。その中で、ほかのところはそれなりに判断をされて応札をされたのかなと。そういったところが、今回の判決、高裁の判決でも、控訴人に対しては相当の落ち度があるという裁判官の言葉がございます。そんな中で、説明はそれなりにした。それなりのことはちゃんとやったのだと考えております。
しかしながら、全ての人に理解されるまでの説明が至ってなかったということが裁判所から指摘されたものだと思いますので、今後、最高裁でこの後どうなるかまだわかりませんが、もしこの結論のままになりましたら、今後出てくる再編に係る売却を進めていく中では、今回の点をしっかりと留意しながらやっていきたいと考えております。
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○長嶋 副委員長 ぜひ、今後には注意していただきたいと思うんですけれど、流れの中で、この中身を見て、どうも質疑を聞いていて、負ける理由がわからないというのが皆さんの御意見だったと思うので、じゃあなぜ負けちゃったんだというところは、やっぱりはてななんですよ。そのやりとりを全部、我々は全く見ていないので、何ともここで言えないところですけどね。私は、この弁護団にも問題があるんじゃないかなと思っておりまして、弁護士は、一審、二審と同じ構成でやられる予定ですか。いかがでしょうか。
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○高木[賢] 総務課担当課長 今、委員おっしゃられたように、同じ弁護士に代理人として携わっていただく予定でございます。
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○長嶋 副委員長 私はそれはかえたほうがいいと思っているんです。過去のいろいろな裁判も、鎌倉市は最近負け続けですよね。顧問弁護士、問題あったんじゃないのって。負ける理由がわからないのに、説明義務違反だよということを言われちゃったわけですね、二審で。それは、弁論の中で、やりとりの中で、それを説明できなかったから。そんなことはありませんという主張を十分言えなかったから、こういうことになったんではないんですか、ポイントとして。違いますか。そうじゃなければ、この中身だったら負けるはずがないですよね。相手側の弁護士が強力だったのかもしれませんけど、そういうポイントは考えてませんか。
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○高木[賢] 総務課担当課長 まず訴訟に関してなんですけれども、本市がかかわっている訴訟については、ここのところは市のほうで敗訴という事例が出ているものは近年ないというのはまず一点でございます。それから、今回の結論については、一審と控訴審のほうで、司法上の全く別の見解が示された結果だと認識しておりますので、訴訟代理人のほうで訴訟行為の中で不手際等があったとは、本市としては考えてはおりません。
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○長嶋 副委員長 じゃあ何で負けたんですか。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 一審では完全に勝訴しております。高裁のほうでは、それが一部過失割合が出てしまったという形になっておりますので、そちらのほうは裁判所の判断だと考えております。
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○長嶋 副委員長 裁判所の判断が間違いと。私も判例、今の裁判やっている中身、部屋に行くと張ってあるんですけど、勝ち負けは覚えていないので済みません、間違いがあったらごめんなさい。
議会の場で、弁護士の見解というのをしょっちゅう聞くんですけれども、例えば奈須部長がいらっしゃるから、よく御存じのハイキングコースの件、ありましたよね。条例、今度は違うマナー条例という形で条例になりましたけれども、あの話をやっている中で弁護士の見解をもらって、私も別に弁護士のお話、見解をとって聞くと全然違う中身で、鎌倉市の弁護士はどうもその判断、言われていることが腑に落ちないことが多々あるので、これでまた次、いいけれど、私はかえたほうがいいと思っているので、我々は顧問弁護士をそもそも信用してないので。それが理由ではないということでいいですね。
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○和田 公的不動産活用課担当課長 そのとおりでございます。
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○長嶋 副委員長 最後に言っておきますけど、私はそこの問題もさまざまやって、扱っている中で、我々議員に対して弁護士の見解をすぐ持ってこられますけど、弁護士がこうやって言うからいいですって。それが間違っていることが非常に多いかなと思っているので、私はそこについては言っておきたいので、言っておきますけれども、この裁判とは別にね。あと、さっき申し上げました最初の信頼関係がなかったんじゃないの、そもそもというところは、皆さんと話していて非常に強く感じるので、それだけは言っておきます。それはないと、ここでは言うかもしれないけれども、その場に私もいなかったから、どういうやりとりがあったかわかりませんが、どうも不信感を持たざるを得ない状況が、この役所全体にあるので、それは気をつけていただきたいと思いますね。またこういうことが起こりますので。
相手方は皆さん企業なんだから、利益を取るためにやっているわけで、そこに対してのそういう考え方を持って丁寧にやっていないから、こういうことが起こるのではないですかという疑念を持つので、そこだけは言っておきます。
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○保坂 委員長 ほかに御質疑はございますか。
(「なし」の声あり)
質疑を打ち切ります。
委員間討議についてお諮りいたします。委員間討議の御発議はございますか。
(「なし」の声あり)
委員間討議を行わないということを確認いたしました。
御意見はございませんか。
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○山田 委員 今回の上告受理申し立てについての理由については、言ってみれば控訴審でのある意味、審理不足みたいなことに起因して、主張すべきことは主張して、市としての主張を述べる場が与えられなかったというのは一つありますので、ぜひ上告審の最高裁の判断をぜひきちっと捉えた上で、今後に対応していただきたい。今後については、またこれからの話でしょうから、そこは言及しませんが、今後についての対応をしっかりとしていただきたい。ただ、将来的な話、先ほど再編の話も出ましたけれども、そういった話についても、今後やっぱり気にとめていくとか、きちっと対応していくことも、今回から学ぶべきことだったというふうに考えているのであれば、そこはこちらから指摘されたことも十分考慮に入れて、事務を進めていただければと思います。
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○高野 委員 今回の高裁判決におきまして、本市の応訴理由とは異なる観点から判決が出され、現時点で総額4000万円以上の損害賠償等が生じかねない事態ということについては、市民的視点から見ても、本裁判に係る担当部局の取り組み姿勢を含めて、まことに遺憾であると考えます。したがって、今後の取り組みを含めて、市民の血税を支出しかねないという事態を重く受けとめて、取り組みを求めたいと思います。
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○くりはら 委員 今回の裁判での結果によっては、損害が市民にしっかりと出てしまうものですから、本当に負ける理由がわからないと私は思っておりますけれども、もし負けた部分が出てしまうというようなことがありましたら、これは本当に次のことに生かさなくてはなりませんので、裁判官がどのように判断されるかということですけれども、そこの結論をしっかり受けとめる前にしっかり闘っていただきたいですが、しっかり受けとめて、その負けた理由、その部分をしっかりと次の公共施設再編計画に生かしていただきたいと思います。
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○伊藤 委員 私もくりはら委員と一緒で、この判決は非常に重いものであるということで上告をするわけですけれども、高裁の6対4というのは余り覆らないんじゃないだろうかと思います。それを教訓にして、今後、公共施設を売却するに当たっては慎重に、そういうものを入札するときに説明をして、生かしていただきたいと思っております。
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○保坂 委員長 ほかに御意見はございますか。
(「なし」の声あり)
意見を打ち切ります。
これより、採決に入ります。
議案第4号平成31年(ネ)第338号損害賠償請求控訴事件の上告受理申立てについて(旧レイ・ウェル鎌倉)、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
(総 員 挙 手)
総員の挙手によりまして、議案第4号は原案のとおり可決されました。
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○保坂 委員長 この後は、委員長報告の作成及び読み合わせを行いますので、インターネット中継はこれで終了したいと思いますがよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
確認いたしました。
暫時休憩いたします。
(11時05分休憩 13時40分再開)
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〇 議案第4号平成31年(ネ)第338号損害賠償請求控訴事件の上告受理申立てについて(旧レイ・ウェル鎌倉)
再開後、議案第4号平成31年(ネ)第338号損害賠償請求控訴事件の上告受理申立てについて(旧レイ・ウェル鎌倉)を日程に追加し、委員長報告の内容を検討した結果、これを了承した。
以上で本日は閉会した。
以上は、会議の顛末を記録し、事実と相違ないことを証する。
令和元年(2019年)5月28日
総務常任委員長
委 員
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