平成30年11月臨時会
第2号11月22日
○議事日程  
平成30年11月臨時会

 鎌倉市議会11月臨時会会議録(2)

                                      平成30年11月22日(木曜日)
〇出席議員 26名
 1番  千   一   議員
 2番  くりはらえりこ 議員
 3番  竹 田 ゆかり 議員
 4番  中 村 聡一郎 議員
 5番  志 田 一 宏 議員
 6番  長 嶋 竜 弘 議員
 7番  武 野 裕 子 議員
 8番  西 岡 幸 子 議員
 9番  日 向 慎 吾 議員
 10番  飯 野 眞 毅 議員
 11番  池 田   実 議員
 12番  久 坂 くにえ 議員
 13番  森   功 一 議員
 14番  安 立 奈 穂 議員
 15番  高 野 洋 一 議員
 16番  納 所 輝 次 議員
 17番  永 田 磨梨奈 議員
 18番  高 橋 浩 司 議員
 19番  山 田 直 人 議員
 20番  前 川 綾 子 議員
 21番  河 村 琢 磨 議員
 22番  伊 藤 倫 邦 議員
 23番  保 坂 令 子 議員
 24番  吉 岡 和 江 議員
 25番  大 石 和 久 議員
 26番  松 中 健 治 議員
     ───────────────────────────────────────
〇欠席議員 なし
     ───────────────────────────────────────
〇議会事務局出席者
 事務局長        大 隅 啓 一
 次長兼議事調査課長   木 村 雅 行
 議事調査課課長補佐   笛 田 貴 良
 議事調査担当担当係長  窪 田 敬 司
 書記          美 田 浩 平
 書記          片 桐 雅 美
 書記          菊 地   淳
     ───────────────────────────────────────
〇理事者側説明者
 番外 1 番  松 尾   崇  市長
 番外 7 番  齋 藤 和 徳  行政経営部長
     ───────────────────────────────────────
〇議事日程
               鎌倉市議会11月臨時会議事日程(2)

                               平成30年11月22日  午前9時30分開議

1 議案第52号 鎌倉市本庁舎整備に関する住民投票条例の制定について     条例制定請求代表者
                                      意 見 陳 述
     ───────────────────────────────────────
〇本日の会議に付した事件
 議事日程に同じ
     ───────────────────────────────────────
                   (出席議員  26名)
                   (9時30分  開議)
 
○議長(中村聡一郎議員)  定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。
 会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。22番 伊藤倫邦議員、23番 保坂令子議員、24番 吉岡和江議員にお願いいたします。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
                   (9時31分  休憩)
                   (10時50分  再開)
 
○議長(中村聡一郎議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中村聡一郎議員)  日程第1「議案第52号鎌倉市本庁舎整備に関する住民投票条例の制定について」を議題といたします。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
                   (10時51分  休憩)
                   (10時52分  再開)
 
○議長(中村聡一郎議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより地方自治法第74条第4項の規定により、条例制定請求代表者の意見陳述を行います。
 意見を述べる条例制定請求代表者は6人であり、陳述の順序は、森本和夫さん、梶田俊夫さん、相川久美子さん、中村光夫さん、竹内滿さん、岩田薫さん、以上の順序であります。
 また、意見陳述の時間は全体で30分以内といたします。条例制定請求代表者の方におかれましては、その点に御配慮いただき、意見陳述をお願いいたします。
 初めに、森本和夫さんの発言を許可いたします。
 
○条例制定請求代表者(森本和夫氏) まず初めに、私どもに発言の機会を与えてくださったことに、厚く御礼申し上げます。
 私は、鎌倉に60年以上住んでおります一市民でございます。住民投票運動を始めた者でありますが、政治には全くの素人でございます。
 事の発端は、大変話題にはなっておりますが、5月1日付の市民に配布された「広報かまくら」でございますが、この「広報かまくら」の「市庁舎を深沢に移転します」と、この記事であります。これを見てびっくりしました。ええ、いつ決まったのというのが実感でありました。私はこのような大事なことは、多くの市民の声を聞いて決めるべきことではないか。そして、行政の方々にも一度立ちどまっていただいて、多くの市民の声に耳を傾けるべきではないかと思ったわけであります。
 そして、住民投票の運動を始めました。署名運動は暑いさなかの9月、1カ月間、ことしは特に暑かったものですから苦労もしました。朝から晩まで歩きました。毎日、歩きました。駅前にも立ちました。そのうちに賛同者がふえ、暑いさなか、わざわざ私の家まで署名に来てくださる方もたくさんいらっしゃいました。市民の皆さんはそれくらい真剣なんです。どうぞ、議員の皆さんにおかれましては、この私たちの運動に賛同した8,270名の方々の署名の重さをお考えいただいて、ぜひとも住民投票条例の成立に御賛同、御協力をお願いしたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
 
○議長(中村聡一郎議員)  次に、梶田俊夫さんの発言を許可いたします。
 
○条例制定請求代表者(梶田俊夫氏) 私は、雪ノ下に住んでおります。雪ノ下一、二丁目の自治会長を10年ほどやっておりまして、いろいろなテーマにぶつかって、その都度解決してきたわけなんですが、今回、先ほど前段で申しました5月1日の「広報かまくら」について、同じように驚いたわけなんです。そこで、いろいろ調べるものを調べたり、聞くことを聞いたりしながら、やはり地方自治法の規定というものをちょっと学びました。この第1項にあります。ちょっと読ませていただきますけど、「地方公共団体は、その事務所の位置を定め又はこれを変更しようとするときは、条例でこれを定めなければならない。」「前項の事務所の位置を定め又はこれを変更するに当つては、住民の利用に最も便利であるように、交通の事情、他の官公署との関係等について適当な考慮を払わなければならない。」そのようにうたってあります。
 それで、その次に、私は昨日、防災の関係で自治組織連合会という会がありまして、各自治会長、町内会長が集まった連合会です。そこで、昨日、沼津まで研修に行ってまいりました。それで、そこに行きましたところ、沼津には災害に対する、津波の大きな水門がありまして、その水門と同時にそれを併用して避難所を使えるようになっておりまして、そんなことを自治会長の中で感じたのは、鎌倉にはもっと優先的にやらなきゃいけない、人命にかかわる問題をやっていただかなきゃいけないということがよくわかっておりまして、そこで私は先ほどの条例なんですが、私たちの条例をつくっていただくについて、住民の8,270人の署名を重く感じながら、皆さんにお諮りして、何とか条例をつくっていただく。
 それで、その前に前回、市長とお会いしたときは、鎌倉市の今の市庁舎の前の庁舎が火災になったことがありまして、そこで現在の地に鎌倉市庁舎を築いたわけですけど、その際、諏訪神社という神社がありまして、それを移設してまでこの場に市庁舎を築いたわけですね。それを何となく簡単な形で移動するということについて、お金もかかりますし、みんなの意が伝わってないんじゃないかと、そういうことで住民投票の会を始めたわけです。そこで、大勢の人と会って話をしたりする場がありまして、何とかこれを、みんなの意をこの場でお話しして、皆さんに感じていただきたいと。それで、中央とか交通の便だとか、これから高齢者が多くなる社会なので、できるだけ高齢者の人にも優しい場所を提供しなきゃいけないなというふうに思っています。そんなことで、次の同意者がお話ししますので、私は重複する部分あると思いますけど、そのところで終わりにしたいと思います。よろしくお願いします。
 
○議長(中村聡一郎議員)  次に、相川久美子さんの発言を許可いたします。
 
○条例制定請求代表者(相川久美子氏) 私は、巨福呂坂町内会の会長をいたしております。材木座に住む友人たちが、東北大震災のときに、自宅を目の前にして足どめされたそうです。その後、市役所に何度か材木座に避難タワーをつくってほしいとお願いしたそうですが、個人の力ではどうにもならないと嘆いておりました。海の近くにお住まいの方々、急傾斜地を背にお住まいの方々、川の近くにお住まいの方々、地盤の弱いところにお住まいの方々、全ての市民の命を守ることを最優先に考えていただきたいという願いで、この活動をいたしました。
 市役所移転という重大な問題を十分な話し合いもせず、手順も踏まず、正しいデータも出さず、市役所移転ありきの進め方が市民を二分し、あるいは分断させている大きな原因になっているのではないかと考えます。
 現在地の市役所を建て直しすることは、十分に可能だということを、市民の方々からデータをいただいております。署名してくださいました8,270名の方々、署名を集めてくださいました受任者の330名の方々、この数字の中には痛い腰、足を引きずりながら署名活動をしてくださった方がいらっしゃいます。移転地域付近にお住まいの方ももちろんこの中に入っております。正しいデータに基づき、お考えをいただければ、二分したりとか、分断させているなどの指摘は至らないのではないでしょうか。私たち市民は、今こそ思いを一つに、市議の力をおかりして、市長のお考えでもある鎌倉の魅力を継承しつつ、次世代に過大な負担を残さない、そして若者、子供たち、お年寄りが住みやすい鎌倉になることを願っています。
 最後になりますが、1票の重さ、大切さ、政策をきちんと考えて投票することの重要さを痛切いたしました。選挙の結果が地域に大変な課題をもたらしたことになると思うと、その意味の大きさ、本当に今回、大変勉強になりました。今後は、この経験を無駄にせず、地域の皆さんとともに、よりよい鎌倉のあり方を話しながら、やっていきたいと思っております。
 
○議長(中村聡一郎議員)  次に、中村光夫さんの発言を許可いたします。
 
○条例制定請求代表者(中村光夫氏) 浄明寺三丁目から参りました中村です。今、お話しされた3名の方々は、それぞれ町会、自治区町会長という大変責任のある方でおりますが、私は75歳の単なるじじいであります。しかし、5月1日の「広報かまくら」を拝見して、おっと思いまして、そして、皆さんの仲間に入れていただきまして、いろいろ勉強してきました。本当に勉強になりました。鎌倉市政はどうなっているのかとか、よくわかりました。その中で幾つか気になりましたことを申し上げたいと思います。
 と言いますのは、この市庁舎移転の基本は、公共施設の再編計画というところにあるということがわかりました。それをちょっと見てみますと、例えば私が毎日生きがいとして通っている図書館も、中央図書館を残してあとはなくすとか、それから新しくつくる、学校の中に併設するんだとか、そういうことを言っておりました。
 それから、同じく市庁舎の中にはもっと大事なところがあるということもわかりました。それが学習センターです。私も数年前にちょっと大船の学習センターで講師としてお話しさせていただくことがあったんですけれども、50名くらいの高齢者の方たちがお話を聞いてくれました。本当に大事な施設なんだなと、この公共施設の再編計画によってそこら辺はどうなるのかなと、そんな気持ちでおりました。
 そして、鎌倉市のいろいろな文書もいただきながら勉強してきましたけれども、例えば、図書館なども中央含めて五つあるそうですけれども、人数はその資料には載っていなかったんです。載っていたのは貸し出し冊数でしたけれども、ちょっと読み上げさせていただきますが、中央図書館は年間38万冊、それからそのほか4館で92万冊、総計135万冊が使われているということがわかりました。つまり、中央図書館だけではなくて、そのほかの図書館が非常に大事な役割を果たしているということがわかりました。
 それから、学習センターにつきましても、いわゆるきらら鎌倉ですね、そこがこれは人数が出ていましたけれども、26万人。それから、そのほかのところが合計で27万人が利用しているということがわかりました。こんなにたくさんの人たちが勉強しているところなんだなと、それをなくそうとしている、またはよくわからないんですけれども失うということになるんじゃないかと、そんな感じがしております。
 先ほど申し上げましたけれども、それぞれの施設は特に高齢者の方が多く使われているんじゃないかと思いました。それから、図書館の場合には小さい子供たちもたくさん使っています。つまりそれをなくしていくということが、今後の鎌倉にとっていいのかなと。私たちは、それこそ老後をいろいろ充実したものにしなければいけないときに、そういう学ぶということ、学ぶ施設、つまり私たちにとってはその施設が学校であります。そういう学校がなくなると、そういうことについて大変危惧する気持ちになりました。
 それから、お金のことについても、ちょっと気になりました。鎌倉市は聞くところによりますと、800億円の借財があるということでした。数日前、市役所の財政課というところに行って、ちょっとお尋ねしました。それは、どういうふうに返しているんですかとお尋ねしました。そうしましたらば、年間30億円を元本として返しているんだと、35億円かな。それから、3億円くらいを利子として返しているんだということがわかりました。本当に勉強になりました。そして、その800億円の借金がある。800億円の借金ということは、市民一人当たり50万円ということになるんじゃないかと思います。そんな高い借金を私たち市民は課せられている。そういう中で、40億円ずつ毎年返していくんだということなんだそうです。40億円ということは、何と20年かかるということなんです。そういうような財政状況の中で、今回言われているように180億円ものお金を使って新しいところをつくる。どういうふうにお考えになるのかなと感じてなりません。市議の先生方はいろいろとお詳しいでしょうから、そこら辺ちょっと御教示賜りたいんですけれども。
 そして、おととい、松尾市長のお話を伺いました。その中で、こういうふうにお話しされていました。これまで多くの方々と丁寧に論議して築き上げてきた結果と過程をないがしろにするものであると、私たちの行動を断じておられました。しかし、私が申し上げたようなそういう疑問を持っている市民が大変いると、そんなふうに思っております。私、そういう気持ちでおります。
 それから、市長にぜひお願いしたいんですけれども、市長、大変お若くて、ここに並んでいるみんな平均78から79歳くらいなんですけれども、市長には輝かしい未来があると思います。ですから、そういう若さをぜひ生かしていただいて、もっともっと私たち市民が納得できるような計画を立てていただきたいと思うのであります。例えば積立金が一銭もないそうですけれども、そういうものもこれからでも時間をかけてつくっていっていただく。そして、私たちの子孫が困らないようにする。現在、私の住んでいる浄明寺の第二小学校では雨漏りがあって困ると、それを市側に言うとお金がないからできないと言われると言います。そういうような状況の中にあるということでもって、ぜひまず身近なもの、市民の声を大事にする、そういう市政をやっていただきたいと思います。大変失礼しました。
 
○議長(中村聡一郎議員)  次に、竹内滿さんの発言を許可いたします。
 
○条例制定請求代表者(竹内滿氏) 8月29日の市長を招いての集会で、なぜ古いハザードマップを載せたのかと質問し、市長から県から使うなと言われた、そのために出さなかったという、えっというような答弁を聞かされた竹内です。
 今回のような問題は、本来、市議の方たちにお任せしておけばいいことなのでしょうが、耳に入ってくる情報全てにおいて深沢移転に都合のいいように種々の操作をし、本当にまずいことは載せない。例えば市役所は津波で50センチ浸水して地下の電源がだめになる。実際には、第三庁舎の周りだけ1センチから30センチの浸水です。深沢の洪水は千年に一度、実際には過去の最大量で設定されていて、しかも境川水系の年超過確率1000分の1程度を上回っている。これは、神奈川県土木整備局河川下水道部河川課長の鶴木拓也さんの返事ではっきりわかっております。柏尾川において、前述のとおりそれぞれの地域において観測された最大の降雨量に設定します。この降雨量は、境川水系の年超過確率1000分の1程度の降雨量を上回りますという返事が来ています。一々挙げていたら切りがない。でも、事は市民の命の問題です。
 そこから市の委員会、本会議、市民対話等々を傍聴するようにしました。県に問い合わせをして情報公開を請求し、過去の議事録等々を読み、裏をとりながら検証すればするほど深沢ありきが見えてきました。都合の悪いデータを隠し、ありとあらゆる手を使って情報操作をし、その上で深沢よいと市民対話を誘導。本会議、委員会もそうです。現庁舎は災害に弱い、だから強い深沢に移転するんだということで始まった話です。平成27年からあった柏尾川の氾濫による深沢の浸水、多いところで3メートル、これを鎌倉市ではなく藤沢市のホームページで見つけたときの情けなさを想像してください。
 このように、全てが間違った情報をもとに進められました。間違った情報からは間違った判断、そして間違った決定しかできません。市議の皆さんは市民の代表です。しかし、市議の皆さんをもってしても、正確な情報がなければ正しい判断は下せません。そのため、私たちは住民投票が必要と考えました。私たち市民は、目や耳のかわりをしてくださる市議の方々に声を上げていただくしか方法がないのです。それしか市の暴走をとめる方法がないのです。今回のようなことが苦手です。市の人たちは仕事で給与が出ますが、私たちは仕事を休んで手弁当です。残りの少ない人生です。もっと穏やかに好きなことをして暮らしたいと思うのです。しかし、現状を知ってしまったら、とてもじゃないですけど黙っているわけにはいかないので、こうなりました。
 鎌倉に住んでいないコンサルタントや防災の専門家がつくった、市のきれいに色塗りされた都市計画図、そこには鎌倉市民の暮らしと命は記入されていません。災害を防ぐには災害が想定される場所に町をつくらない。町をつくったメリットよりも災害が起きたときの損失は上回ります。気象が急激に変化する現代の都市開発の常識です。危険な場所に市役所をつくらないでほしい。土地をかさ上げするから大丈夫と言っていますが、その市役所は大丈夫でも周辺の住民は3メートルの水の底です。市が呼んだコンサルタントや専門家は、津波と違ってゆっくりとふえるので逃げる時間がある。でも残った家や家財、どうなるんですか。激流になることもあるでしょうし、それとペットはどうでしょう。家族なのです。
 私たち6名はきょうたまたま声を上げることができました。そういう機会をいただきました。声を上げられない8,270名の署名者の背後には、さらにその何倍もの人たちがじっと目を凝らしてこの住民投票条例の行方を見守っています。どうかこのような声が届くよう、どうか住民投票ができるよう力を貸してください。よろしくお願いします。
 
○議長(中村聡一郎議員)  次に、岩田薫さんの発言を許可いたします。
 
○条例制定請求代表者(岩田薫氏) 発言させていただきます。今回、市長は意見書を添付しまして、この議場でも発表されましたが、私はこの条例案につきまして意見を述べます。
 議員の皆さんは有権者によって選ばれた皆様方であります。私たちは、8,270名の署名を添えてこの条例案を出しましたけれども、議員の皆さんが修正案を出すことは、これは有権者が皆様方に負託をして議員として活動していただいておりますので、全く問題ないというふうに考えております。つまり、市民の声を代弁して議員の皆様がもしこの条例案に至らぬところがあるのであれば、修正していただいて構いませんというふうに私は考えております。
 市長が述べた中で、例えば深沢という地域はどこを指すのかよくわからないと言っておりますが、これについては明らかに深沢という地名で私たちは今回の市が所有する土地、再開発事業用地に移転をすることに賛成かどうかを問うものであるということですので、もし足りなければ、それは条例案を補足していただいて構いません。
 また、市長が意見書の中で、公平性を担保してもらいたいと書いたことに対して、反対の資料は市では出せないと言われましたが、先ほど竹内さんが述べたとおり、公平にあらゆる資料を出していただきたい。つまり、情報を隠さず、県が出したような資料もぜひ提供をして、どこが安全でいい場所なのかということを議論するふうにしていただきたい。そのための資料提供ということで、反対のための資料提供ではないということを申し述べておきます。
 また、市長が投票率に関して規定がないと述べておりますけれども、もし50%という枠を設けるのであれば、市長みずからが、私と5年前に争いましたけれども、そのときの投票率は37%であります。一番最初に市長が当選された9年前の市長選では44%であります。つまりみずからの当選を否定することになってしまいます。50%という枠は設けるべきではないと私は考えております。市議の皆さん方も過去の市議選の投票率をごらんください。44%台であります。つまり、皆様方の当選も無効になってしまうわけであります。50%という枠ではなく、せめて設けるのであれば30%程度の投票率をもってこの住民投票を有効とするという、その程度の修正にしていただきたいと思います。ないほうが私はいいと思いますが。
 さらに、市長はこの条例案で規則に関して細かい点、投票所の数とか書いてない。それは、選挙管理委員会が規則で定めるとしているのは問題だとおっしゃっておりますけれども、もし選挙管理委員会がそうした権限を持たすのは遺憾であるということであるならば、その部分を削除していただきまして、別途細則で求めるという形にしていただいても構わないと思います。私の手元には市長みずからが出した「つながる鎌倉条例素案」「(仮称)市民活動推進条例」がございますが、これは全く条例の体をなしておりません。別途規則で細かいことは定めると書いてあります。これは、市長みずからが出した条例です。みずからの条例では全く細則が書いてないものを出しながら、私たちの条例に関しては細かい投票所の数等の規定がないので、予算が幾らかかるかもわからないと、そういう否定の意見を述べられておりますが、これは市民の意思を無効にするものであると思います。私は市長選に準じた投票所の数で構わないと思います。そうした規定をもし必要であれば細則、あるいは規則で設けていただきたいと思います。
 さらに、市長は拘束すると書いてある条文は、これは地方自治法に違反すると述べておりますけれども、しかし、条例制定権は議会にあるので、そうした拘束型の条例を定めることはできないわけではありません。しかし、それが議員と市長の権限を拘束するということであれば、尊重するというふうに変えていただいても全く構いません。しかし、なぜこうしたかと言いますと、鳥取市で同じように市役所の移転に関して住民投票条例の直接請求がございまして、これは市長が無視して市役所の移転を、反対の投票数が過半数を超え、圧倒的多数が反対したにもかかわらず強行してしまいました。市民側が裁判所に訴えましたけれども、最高裁まで争いましたが、拘束すると条例になかったために敗訴が確定いたしました。そうした鳥取市の先例があるために、私たちはあえてこの住民投票の結果に拘束されるというようなきつい条例文を出した次第であります。しかし、これが議員と市長の権限を拘束するということであれば、尊重するというふうに変えていただいて構いません。しかし、その中で民意は重いということをぜひ重々承知して、この条文を変えていただきたいというふうに思います。
 私たちは8,270名の民意を代表して、この条例を出させていただきました。ですから、その民意は何よりも重いものである。これは、どのような市民の方に聞いてもそのような意見になるというふうに思います。ですから、その条例を変えることはやぶさかでありませんけれども、しかし、その意思を全く無視するには鳥取市の市長のようなことにならないように、条例の改正についてはきちんと審議をしていただきたいというふうに思います。
 私たちは、全くの素人としてこの条例を策定させていただきました。至らぬところがあるということは十分承知しております。これから委員会審議になりますけれども、その中でぜひ委員の皆様方の英断、見識を持って足りないところは補足していただきたいというふうに思います。それを一人一人8,270名の方々に合意をとらなければだめということは先ほど述べましたとおり、ございません。議員の皆さんは有権者の負託を受けて議員活動しておりますので、有権者の皆様方の声を代弁して議員の皆さんが修正の意見を述べるということは、これは決して私たちの民意と反することではないというふうに考える次第でございます。ですから、この条例案の至らぬところはぜひそこで補足をしていただきたいというふうに思う次第でございます。
 そして、今回のこの住民投票は、鎌倉市というよりも神奈川県で初めてのことになります。これは、非常に民主主義の規定の中でも大事なことだというふうに思います。沖縄では県民投票が実施されるという、沖縄県議会の可決を得てそういう事態になりました。鎌倉でこれだけの市民が立ち上がり、多くの皆様がここに声を寄せたということは、私たちの民主主義がこの鎌倉で健在であるということの証明であると考えます。この声を無に帰すかどうかというのは、議員の皆様方のこれからの審議にかかっております。この声を無駄には絶対にしないでほしい。それは私の本当に切なる願いでございます。
 多くの人たちが暑い中、この署名を集め、何としても私たちの声を聞いていただきたい、その思いで一人一人の署名が8,270名集まったわけでございます。議員の皆様方、その一人一人の声を無駄にしないように、この採決で皆様方のしっかりとした立場を見ているということをぜひ御自覚いただきたいと思います。議員の皆様方のぜひ英断に期待したい次第でございます。以上です。ありがとうございました。
 
○議長(中村聡一郎議員)  以上で、条例制定請求代表者の意見陳述を終了いたします。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
                   (11時25分  休憩)
                   (11時26分  再開)
 
○議長(中村聡一郎議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより議案第52号に対する質疑に入ります。御質疑ありませんか。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  それでは、議案の質疑をさせていただきます。今回の住民投票の運動が起こったのは、5月1日の「広報かまくら」に「災害に強いまちを目指して本庁舎は深沢整備事業用地に移転します」と記載されたことに起因します。先ほどの陳述でもあったとおりでございます。
 そこでお伺いいたします。市役所本庁舎深沢整備事業用地への移転は、正式に決定したことでしょうか。いかがでしょうか。
 
○齋藤和徳 行政経営部長  市のほうで、市の方針として行政決定をしたと、意思決定をしたということでございます。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  そんなことは聞いてないです。正式に決定したかどうか。イエスかノーか。いかがですか。正式に、です。
 
○齋藤和徳 行政経営部長  今、述べましたとおり、行政としての意思決定としては決定をしてございます。ただ、一方で、地方自治法第4条第1項に基づきまして、この市役所の位置を定める条例、これを定める、現在地から変える場合にはそれの改正が必要だということはございますので、その改正についてはまだ手続をとっていないという状態でございます。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  ですから、そういうことを聞いているんじゃなくて、正式に決定したかどうか。イエスかノーか。それを聞いているんです。正式に決定していないということでよろしいですね。確認させていただいて。
 
○齋藤和徳 行政経営部長  繰り返しの答弁になりますけれども、市の意思決定としては決定をしてございますが、地方自治法に基づきます条例の改正、これについてはまだ手続を経ていないと、そういうことでございます。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  ちゃんと聞いたことを答えていただけないので、市長に確認させていただきます。正式というのは、日本語の辞書を引いていただければわかります。定められた正しい方式や簡略化しない本来の形式に従っていること。例えば皆さんよくおわかりのところでは、例えば神社の正式参拝というのがございます。これは正式に参拝するというのは、普通に行って参拝するのと、またやり方が手続を経てきちっとしたやり方をするというのがあると思います。例としてはね。そういう意味で、正式に、行政としての方針が決まったということを聞いているのではなくて、正式に決まったかどうかというのをイエスかノーかで聞いているだけです、私は。それはいかがですか。市長。
 
○松尾崇 市長  市の方針としては、しかるべき手続を経て決定をしているところでございます。今、部長が申し上げましたように、この地方自治法の第4条第1項の規定に基づいた決定というのは、まだこれからということになります。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  つまり、正式に決定はしていないということで、確認させていただいてよろしいですか。
 
○松尾崇 市長  その正式にというところがどこにかかってくるかというところですけれども、我々市役所の方針としては、しかるべき手続をとりまして、市の決定として、正式にこれは決定をしてきているところでございます。ただ、この地方自治法という中での市役所の位置を定める条例、この点について正式に決定をしていくのは、これからということになります。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  では、正式に決定していないこと、今、おっしゃった地方自治法ですね、それだけじゃなくて、その前に都市計画決定もされていないわけですから、その段階も経ていないわけです。その正式に決定していないことを、広報によって移転しますと断言しているわけですね。これがもとで今回の住民運動が起こったわけです。このことは、うそを言ったことになります。これについては、どのように市長は思われているでしょうか。移転しますと断言しております、「広報かまくら」で。それはうそだったと。私は前の一般質問でもこれを訂正して、まだ決まっていません、行政の方針がその方向で決まりましたので、進めておりますと記載すれば問題がなかったはずです。それを、移転しますと断言した。今のお話ですと、正式に決定していないものを移転しますと言ったわけです。これは議会も置き去りだったということです。それについていかがですか、市長。
 
○松尾崇 市長  この「広報かまくら」での移転しますということがうそであったということではないと考えています。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  堂々めぐりですね。これ幾ら聞いてもあれだと思います。だから、私はそうおっしゃるんでしたら、これは議会では3分の2の議決、この提案を住民投票をやる前にしていただければ、全て問題は解消します。それで正式に決定となります。議会の議決ですから。賛成反対、もちろんあると思います。3分の2ですね。皆さん御承知のとおり。これを先にやっていただければ、住民投票は実施しなくていいことになります。この段階で提案をしていただくのが私は正しい方法だと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松尾崇 市長  今の段階で、この条例の改正を提案する予定はございません。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  では、いつの段階で実施されるんでしょうか。正式に決定していないものを、議論を進めているわけですから、方針を行政として決めた、それに向かって進めておりますというなら結構です。でも、おっしゃっていることは違うわけです。これ、いつ正式決定の議案を特別多数議決を出していただけるおつもりでしょうか。それがわからない限り、先が見えません。いかがでしょうか。
 
○松尾崇 市長  行政実例として、建築に必要な財源の見通しも立たない時期に制定することは適当ではないということがございます。本庁舎建設に必要な予算の概要が明らかになった以降に提案をするというのが適当であると考えています。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  それは示していただくのは、いつですか。全然わからないですよね。都市計画決定もしてないわけですから。それはいつわかるようになるんですか。それで、いつ出すんですか。予定があるわけですよね。いつですか。
 
○松尾崇 市長  繰り返しになりますけれども、本庁舎建設に必要な予算の概要ということが明らかになった以降に提案をするのが適当であると考えております。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  ですから、それはいつですかと聞いたんです。いつですか。もう移転しますと断言したんですよ。その広報の掲載はうそではない、間違いではないとおっしゃった。それだったら、そこまでわかっていないと話にならないですよね。私は訂正してくださいと言っているんです。その事実について。間違っていました、表現が悪かったです、謝罪しますと。市長、この間も謝罪文を載せられたんですから、そのようにやっていただけるならまだわかります。しかし、そう言って、それが間違いではなく移転しますということが決定しましたとおっしゃっているんだったら、その見込みを出してください。そのめど。何年度に出すんですか。
 
○松尾崇 市長  現時点で、何年度というところは決定をしておりません。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  では、移転しますと広報で断言したことは撤回していただけますね。わからないんですから。何年度かわからなければ、議会も市長の選挙もいつのことかわからないですけど、定例だったらもう決まっているわけで、それを経てからなのかということだって、市長が変わっちゃったら変わるかもしれない。議会の構成が変わったら変わるかもしれない。全然わからないですよね。それについて、わからないことを移転しますと断言したわけです。これの謝罪と訂正があってしかるべきだと思います。それが問題になって住民投票が起こっているんです。そこを撤回して、改めてもう一度、一から話し合いを始めますと。話し合いをさせていただきますと、議会も含めてやらせていただきますというんだったら、私は住民投票の必要性は横に置いておく必要があると思うので、ですから、前提としてお聞きしているんですね。
 どちらかです。今まで言ったことを訂正するか、もしくは住民投票でそうやって言い張るんでしたらやるか、二つに一つなんです。市長は撤回して、今から考え直しますと、スケジュールをちゃんと財政の見込みがわかるようにして提示をして、そのときに3分の2の議案を出すと。二つに一つなんです。どちらですか。もう言い張っているので、やるつもりは今、その見込みを示すことはできないということでよろしいですね。そうしますと、私は住民投票の必要性を主張するしかないので。どちらでしょうか。
 
○松尾崇 市長  どちらかということですけれども、この広報について我々としてこれを訂正をするという考えはございません。
 
○6番(長嶋竜弘議員)  ということなので、あと詳細は総務常任委員会、私も委員でございますので、そちらのほうでさせていただきたいと思います。
 
○議長(中村聡一郎議員)  質疑を打ち切ります。
 本件は運営委員会の協議もあり、総務常任委員会に付託いたします。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。再開の日時は来る11月27日午後2時であります。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
 本日はこれをもって散会いたします。
                   (11時37分  散会)

 平成30年11月22日(木曜日)

                          鎌倉市議会議長    中 村 聡一郎

                          会議録署名議員    伊 藤 倫 邦

                          同          保 坂 令 子

                          同          吉 岡 和 江