○議事日程
平成30年 9月定例会
鎌倉市議会9月定例会会議録(1)
平成30年9月5日(水曜日)
〇出席議員 26名
1番 千 一 議員
2番 くりはらえりこ 議員
3番 竹 田 ゆかり 議員
4番 中 村 聡一郎 議員
5番 志 田 一 宏 議員
6番 長 嶋 竜 弘 議員
7番 武 野 裕 子 議員
8番 西 岡 幸 子 議員
9番 日 向 慎 吾 議員
10番 飯 野 眞 毅 議員
11番 池 田 実 議員
12番 久 坂 くにえ 議員
13番 森 功 一 議員
14番 安 立 奈 穂 議員
15番 高 野 洋 一 議員
16番 納 所 輝 次 議員
17番 永 田 磨梨奈 議員
18番 高 橋 浩 司 議員
19番 山 田 直 人 議員
20番 前 川 綾 子 議員
21番 河 村 琢 磨 議員
22番 伊 藤 倫 邦 議員
23番 保 坂 令 子 議員
24番 吉 岡 和 江 議員
25番 大 石 和 久 議員
26番 松 中 健 治 議員
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〇欠席議員 なし
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〇議会事務局出席者
事務局長 大 隅 啓 一
次長兼議事調査課長 木 村 雅 行
議事調査課課長補佐 笛 田 貴 良
議事調査担当担当係長 窪 田 敬 司
書記 片 桐 雅 美
書記 菊 地 淳
書記 鈴 木 麻裕子
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〇理事者側説明者
番外 1 番 松 尾 崇 市長
番外 5 番 比留間 彰 共創計画部長
番外 7 番 齋 藤 和 徳 行政経営部長
番外 8 番 松 永 健 一 総務部長
番外 9 番 柿 崎 雅 之 防災安全部長
番外 11 番 進 藤 勝 こどもみらい部長
番外 12 番 内 海 正 彦 健康福祉部長
番外 14 番 前 田 信 義 まちづくり計画部長
番外 18 番 斎 藤 務 消防長
番外 19 番 安良岡 靖 史 教育長
番外 20 番 佐々木 聡 教育部長
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〇議事日程
鎌倉市議会9月定例会議事日程(1)
平成30年9月5日 午前9時30分開議
1 諸般の報告
2 会期について
3 一般質問
4 報告第12号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る ┐
専決処分の報告について │
報告第13号 継続費の精算報告について │市 長 提 出
報告第14号 平成29年度決算に基づく健全化判断比率の報告について │
報告第15号 平成29年度決算に基づく資金不足比率の報告について ┘
5 議案第27号 市道路線の廃止について ┐同 上
議案第28号 市道路線の認定について ┘
6 議案第29号 業務委託契約の締結について 同 上
7 議案第31号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定につい 同 上
て
8 議案第32号 市有地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償 同 上
の額の決定について
9 議案第33号 施設管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の 同 上
額の決定について
10 議案第30号 指定管理者の指定について 同 上
11 議案第34号 建物収去土地明渡等請求訴訟の提起について 同 上
12 議案第45号 鎌倉市非常勤特別職職員の報酬及び費用弁償に関する条例の ┐
一部を改正する条例の制定について │同 上
議案第49号 鎌倉市建築等に係る紛争の予防及び調整に関する条例の一部 │
を改正する条例の制定について ┘
13 議案第47号 鎌倉市児童発達支援センター条例の一部を改正する条例の制 同 上
定について
14 議案第42号 つながる鎌倉条例の制定について ┐同 上
議案第43号 鎌倉市水産業振興計画推進委員会条例の制定について ┘
15 議案第44号 鎌倉市深沢地区まちづくり方針実現化検討委員会条例の制定 ┐
について │同 上
議案第46号 鎌倉市手数料条例の一部を改正する条例の制定について │
議案第48号 鎌倉市建築基準条例の一部を改正する条例の制定について ┘
16 議案第50号 平成30年度鎌倉市一般会計補正予算(第4号) 同 上
17 議案第35号 平成29年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について ┐
議案第36号 平成29年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定に │
ついて │
議案第37号 平成29年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特 │
別会計歳入歳出決算の認定について │
議案第38号 平成29年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の │
認定について │同 上
議案第39号 平成29年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決 │
算の認定について │
議案第40号 平成29年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定 │
について │
議案第41号 平成29年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算 │
の認定について ┘
18 議員の派遣について
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〇本日の会議に付した事件
1 諸般の報告
2 会期について
3 一般質問
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鎌倉市議会9月定例会諸般の報告 (1)
平成30年9月5日
1 9 月 5 日 市長から、次の議案の提出を受けた。
報 告 第 12 号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分の報告について
報 告 第 13 号 継続費の精算報告について
報 告 第 14 号 平成29年度決算に基づく健全化判断比率の報告について
報 告 第 15 号 平成29年度決算に基づく資金不足比率の報告について
議 案 第 27 号 市道路線の廃止について
議 案 第 28 号 市道路線の認定について
議 案 第 29 号 業務委託契約の締結について
議 案 第 30 号 指定管理者の指定について
議 案 第 31 号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定について
議 案 第 32 号 市有地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定について
議 案 第 33 号 施設管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定について
議 案 第 34 号 建物収去土地明渡等請求訴訟の提起について
議 案 第 35 号 平成29年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について
議 案 第 36 号 平成29年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定について
議 案 第 37 号 平成29年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計歳入歳出決算の認
定について
議 案 第 38 号 平成29年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
議 案 第 39 号 平成29年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定について
議 案 第 40 号 平成29年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
議 案 第 41 号 平成29年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定について
議 案 第 42 号 つながる鎌倉条例の制定について
議 案 第 43 号 鎌倉市水産業振興計画推進委員会条例の制定について
議 案 第 44 号 鎌倉市深沢地区まちづくり方針実現化検討委員会条例の制定について
議 案 第 45 号 鎌倉市非常勤特別職職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例の制
定について
議 案 第 46 号 鎌倉市手数料条例の一部を改正する条例の制定について
議 案 第 47 号 鎌倉市児童発達支援センター条例の一部を改正する条例の制定について
議 案 第 48 号 鎌倉市建築基準条例の一部を改正する条例の制定について
議 案 第 49 号 鎌倉市建築等に係る紛争の予防及び調整に関する条例の一部を改正する条例の制定に
ついて
議 案 第 50 号 平成30年度鎌倉市一般会計補正予算(第4号)
2 8 月 30 日 市長から「採択された請願・陳情の処理状況」について報告を受けた。
3 陳情4件を陳情一覧表のとおり受理し、3件を付託一覧表のとおり各常任委員会に付託、1件を配付一
覧表のとおり全議員に配付した。
4 7 月 11 日 小田原市において、平成30年度第1回湘南地方市議会議長会が開催され、中村議長及
び大隅局長が出席した。
7 月 13 日 横須賀市において、平成30年度三浦半島地域広域幹線道路整備促進期成同盟総会が開
催され、中村議長及び大隅局長が出席した。
7 月 20 日 川崎市において、第242回神奈川県市議会事務局長会議及び平成30年度神奈川県市議会
事務局長研修会が開催され、大隅局長が出席した。
8 月 9 日 三浦市において、平成30年度三浦半島関係議会議長会が開催され、中村議長及び大隅
局長が出席した。
5 市長から、次の資料の送付を受けた。
8 月 27 日 平成29年度鎌倉市土地開発公社事業報告書、決算報告書
〃 平成29年度公益財団法人鎌倉市芸術文化振興財団事業報告書及び決算報告書
〃 平成29年度公益財団法人鎌倉市公園協会事業報告書、財務諸表
6 監査委員から、次の監査結果報告書の送付を受けた。
7 月 5 日 平成29年度平成30年4月分及び平成30年度平成30年4月分例月現金出納検査結果報告書
〃 都市整備部(都市整備総務課、道水路管理課、道路課、住宅課、下水道河川課、公園課、
作業センター、浄化センター)事務監査結果報告書
〃 会計課事務監査結果報告書
〃 議会事務局(議会総務課、議事調査課)事務監査結果報告書
〃 選挙管理委員会事務局事務監査結果報告書
〃 監査委員事務局事務監査結果報告書
〃 消防本部(消防総務課、警防救急課、指令情報課、予防課、鎌倉消防署、大船消防署)事
務監査結果報告書
8 月 6 日 平成29年度平成30年5月分及び平成30年度平成30年5月分例月現金出納検査結果報告書
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平成30年鎌倉市議会9月定例会
陳情一覧表 (1)
┌─────┬────────────────────┬────────────────────┐
│受理年月日│ 件 名 │ 提 出 者 │
├─────┼────┬───────────────┼────────────────────┤
│ 30.6.29 │陳 情│池田実議員の立場を確認し議会人│鎌倉市 │
│ │第 12 号│として規律を求める陳情 │岩 田 薫 │
├─────┼────┼───────────────┼────────────────────┤
│ 30.8.17 │陳 情│医療費助成制度継続についての陳│鎌倉市 │
│ │第 13 号│情 │鎌倉市腎友会 │
│ │ │ │大 輪 貴 洋 │
│ ├────┼───────────────┼────────────────────┤
│ │陳 情│通院対策についての陳情 │鎌倉市 │
│ │第 14 号│ │鎌倉市腎友会 │
│ │ │ │大 輪 貴 洋 │
├─────┼────┼───────────────┼────────────────────┤
│ 30.8.27 │陳 情│特定非営利活動法人まんまるが新│鎌倉市 │
│ │第 15 号│設を計画している認可保育施設に│特定非営利活動法人まんまる │
│ │ │ついての陳情 │理事長 福 田 弘 美 │
└─────┴────┴───────────────┴────────────────────┘
付 託 一 覧 表 (1)
┌─────┬────────┬────────────────────────────────┐
│付託年月日│ 付 託 先 │ 件 名 │
├─────┼────────┼─────┬──────────────────────────┤
│ 30.9.5 │教育こどもみらい│陳 情│特定非営利活動法人まんまるが新設を計画している認可保│
│ │常任委員会 │第 15 号│育施設についての陳情 │
│ ├────────┼─────┼──────────────────────────┤
│ │観光厚生 │陳 情│医療費助成制度継続についての陳情 │
│ │常任委員会 │第 13 号│ │
│ │ ├─────┼──────────────────────────┤
│ │ │陳 情│通院対策についての陳情 │
│ │ │第 14 号│ │
└─────┴────────┴─────┴──────────────────────────┘
配 付 一 覧 表 (1)
┌──────┬──────┬─────────────────────────────────┐
│ 配付年月日 │ 配 付 先 │ 件 名 │
├──────┼──────┼─────┬───────────────────────────┤
│ 30.9.5 │ 全 議 員 │陳 情│池田実議員の立場を確認し議会人として規律を求める陳情 │
│ │ │第 12 号│ │
└──────┴──────┴─────┴───────────────────────────┘
(出席議員 26名)
(9時30分 開議)
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○議長(中村聡一郎議員) 定足数に達しましたので、議会は成立いたしました。
これより、平成30年9月鎌倉市議会定例会を開会いたします。
本日の議事日程は配付いたしましたとおりであります。会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。26番 松中健治議員、1番 千一議員、2番 くりはらえりこ議員にお願いいたします。
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○議長(中村聡一郎議員) 日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
内容は配付いたしましたとおりであります。
ただいまの報告に御質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
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○議長(中村聡一郎議員) 日程第2「会期について」を議題といたします。
お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から9月28日までの24日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、会期は24日間と決定いたしました。
────────────〇─────────────〇────────────
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○議長(中村聡一郎議員) 日程第3「一般質問」を行います。質問の順序は、1番 竹田ゆかり議員、2番 山田直人議員、3番 保坂令子議員、4番 前川綾子議員、5番 河村琢磨議員、6番 高橋浩司議員、7番 大石和久議員、8番 久坂くにえ議員、9番 松中健治議員、10番 武野裕子議員、11番 西岡幸子議員、12番 くりはらえりこ議員、13番 吉岡和江議員、14番 千一議員、15番 永田磨梨奈議員、16番 伊藤倫邦議員、17番 納所輝次議員、18番 長嶋竜弘議員、19番 飯野眞毅議員、以上の順序であります。
まず、竹田ゆかり議員の発言を許可いたします。
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○3番(竹田ゆかり議員) おはようございます。では、通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、ことしの夏は本当に何度も何度も記録的という言葉を耳にすることになりました。まず、今回最大級といわれる台風21号で被災された方々、亡くなられた方々に謹んでお見舞いとお悔やみを申し上げます。
また、ことし7月西日本を襲った記録的豪雨により多くのとうとい命が失われましたことに、謹んでお悔やみを申し上げますとともに被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
倉敷市真備町で大きな被害を生んだ原因が、河川工事のおくれや避難指示のおくれであり人災ではないかとの批判に、国や行政は真摯に向き合う必要があります。また一方で、まず避難との判断が命を救った事実からも私たちは学ばなければなりません。
さて、8月8日沖縄県の翁長知事が亡くなられました。沖縄に新たな基地は要らないと訴え、最後まで県民のために尽くした知事が亡くなられたことに、県民のみならず多くの国民が死を悼みました。心から御冥福をお祈りいたします。翁長さんが亡くなられた次の日に、知事が那覇市長であったころを知る方からお話を聞きました。翁長市長の市職員の起用、登用のされ方が実にすばらしかった。人間関係の近さではなく、能力があると認めた職員に大きなプロジェクトを任せたとのこと。翻って鎌倉市はどうだろうか。職員は持てる力が評価され、的確に配置されているだろうか。気になりました。鎌倉市では、組織風土の改革のためにジュニアボードが設置され、出された意見が具体的に動き出していると聞いています。ボトムアップの形で組織改革が進むことに大いに期待しています。
では、質問の内容に入っていきます。
初めに、当事者に寄り添った障害者福祉のあり方について伺います。これまで、本市の障害者福祉について、角度を変えて何度か一般質問で取り上げてきました。この間、取り上げてきたことが幾つか改善され、事業化されたことに改めて感謝いたします。今年度改定された福祉の手引きも、以前のものよりも当事者やその家族にわかりやすくなっていました。市長マニフェスト、共生社会の実現。4年間で48の取り組み。この共生社会の実現は、改めて言うまでもなく地方自治体が究極的に目指すべき目標です。これまでも鎌倉市に共生社会の実現のための取り組みがなされてきましたが、全ての施策の根底に人権や共生の視点が位置づけられていたかと言えば、そうとは言えません。そういう現実からすれば、市長が共生社会の実現という公約を掲げてくださったことには大きな期待が寄せられるところです。
しかし、今年度は(仮称)かまくら共生条例の制定に向けた検討が進められ、来年2月議会での提案。時間がかなりタイトです。また並行して(仮称)子ども総合支援条例の制定に向けて議論がスタートし、来年度12月議会に提案される予定となっている。また、今9月議会では、つながる鎌倉条例が議案となっています。どうも条例づくりを急ぎ過ぎているのではないか。もっと現場の声、当事者の声を丁寧に聞き取るべきではないかとの声も聞こえます。毎月一つ、4年で48個の公約を実現するという市長のマニフェストに職員が振り回されているように思います。どうなのでしょうか。このことについては、改めて別の機会に触れたいと思います。
さて、質問に入ります。2年後に本格実施される、(仮称)共生窓口の設置の狙いについて伺います。
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○内海正彦 健康福祉部長 (仮称)共生窓口では、障害、福祉、介護保険などの手続をワンストップで行えるようにするとともに、困りごとがあれば解決に向けて職員が一緒に考える体制を整えていきたいと考えているところでございます。特に相談に当たりましては、一つ目としては、どこに相談すればよいのかわからない方に対する福祉コンシェルジュ的な役割。二つ目といたしましては、複数の制度にわたる複合的課題を解決する際のコーディネーター的な役割。三つ目といたしましては、制度のはざまにある対応困難ケースへの支援の役割などの機能を担っていきたいと考えているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 実は、この間、障害者福祉にかかわるさまざまな御相談をいただきました。関係部署に相談しても、こちらでは対応できませんと言われて八方塞がりになってしまっての御相談でした。このたび、やっと解決にこぎつけることができたのですが、まさに今後共生窓口が担うべき課題、困り事であったわけです。窓口の本格実施に向けて、どのような体制を整えて機能させていく予定か。現在、検討されている範囲で教えてください。
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○内海正彦 健康福祉部長 現在、福祉相談の現場における現状と課題の把握に努めながら、(仮称)共生窓口が果たすべき機能について検討をしているところでございます。この作業を通じまして、相談フローの作成、(仮称)支援調整会議の設置などについて検討を行うとともに、相談に当たる職員の育成や体制の強化などについても検討を進めているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 地域共生課は、7月1日に民間から採用された課長と合わせて2人の課長となりました。その他4人の課長が兼務で当たることになったと聞いています。市が地域共生課の立ち上げに力を入れていくという姿勢を感じるところです。2年後、窓口を円滑に機能させていくために、どのように進行管理を行っていくつもりでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 (仮称)共生窓口では、市民の困り事を福祉の視点で整理しながら、市民に寄り添い課題に対応できる制度の専門機関等と連携して支援につながることが重要であると考えております。寄せられた相談に対して解決の道筋をつけることができたか。支援はうまく進んでいるのか、内部検証を繰り返し、事務フローの修正や支援方法の改善などを行い、支援が円滑に機能するよう進行管理に努めてまいりたいと考えております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 新たに採用された担当課長の採用期間が1年9カ月ということですけれども、この(仮称)共生窓口ですね。2020年本格実施の前に、実はこの方の採用期限が切れるわけですよね。やっとシステムやフローが構築できた。でも、どうなのでしょうか。進行管理という面からすれば、一定期間進行管理を見ていただくことが必要なのではないでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 現在、地域共生担当課長の任期は平成32年3月までの1年9カ月と、議員御指摘のとおりでございます。任期につきましては、担当する業務の内容に基づき定めたものでございます。その方の能力、識見を発揮していただき、職責をこの期間で果たしてもらいたいと現時点では考えているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 業務の内容というのがはっきりしていて、そのためには1年9カ月で大丈夫だろうと。私が質問しているのは、実際に(仮称)共生窓口ができた。いよいよスタートしたのに、その流れとか、そういう体制をつくった、そこに深くかかわった課長が、そこで4月からいらっしゃらないよと。それはどうなのだろうかという質問をさせていただいたのです。御検討いただければと思います。せっかく共生窓口を設置するのですから、この窓口があって本当によかったと思っていただけるよう、丁寧な対応と進行管理がなされることを期待したいと思います。
さて、話は変わりますが、本市で初めて、ことし3月に鎌倉市内で障害者福祉サービスを実施している事業所を対象にして、障害者サービス提供実態調査がされたと伺いました。これは私初めて知りまして、すばらしい取り組みだなと。今まで何でなされてこなかったのか、不思議なくらいです。改めてですが、伺います。この障害者福祉サービス提供実態調査を行った、その目的は何でしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害者福祉サービス提供実態調査は、本市の障害福祉サービス提供事業所に対し、事業所の運営状況や事業展開における現状と課題について、また一般就労や地域移行への取り組みや今後の予定についてアンケート調査を行ったものであります。これらの調査の結果をもとに、事業所における現状の課題などを把握し、今後の障害福祉事業に反映させていきたいという考えから実施したところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 今おっしゃってくださいましたけれども、この調査結果、現状を生かしてということをおっしゃってくださいましたけれども、この調査結果を生かしてこそ、障害者に寄り添ったサービスの充実が図られることになると思います。残念ながら、今回この調査結果は、今年度からスタートする新しいサービス計画への反映には間に合わなかったと。そういうことを聞きました。非常に残念ですけれども、今後、実際にサービス計画を推進していく上で、ぜひ生かしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 議員御指摘のように、今年度から3年間の計画が4月からスタートしたということでございます。この調査は、検討委員会の委員の方からそういうような御指摘をいただいて、本当であれば平成30年度に実施する予定だったのですが、少し前倒しをして実施させていただいたものでございます。今、御指摘ありましたように、今後この計画に影響が生じるようなことが、この結果をもとに検討していく中で、この計画に生じるようなことがあれば、またこの推進委員会にも諮りながら必要に応じて計画の見直しをしていきたいということも考えているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) サービス計画ができたから、でも実態はこうですよと。それが計画の中には現段階で生かされてないということですからね。進行していく中で影響してくること、かかわり合いのあることが出てきたときには、ぜひ生かしていただきたいと思うところです。
実は、市民の方々からお聞きすることの中で、市内の福祉事務所で働く職員が途中でやめるケースが多いと聞きます。そこで伺います。調査結果では、本市の障害者福祉事業所における定年退職の割合、定年退職以外の理由による退職者の割合はどのようになっていたのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 平成28年度における定年退職により退職者がいた事業所の割合でございますが、94事業所のうち3事業所で全体の3.2%でございます。一方、定年退職以外の理由により退職者がいた事業所の割合は、94事業所のうち45事業所で全体の47.8%となっております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 今の御答弁を聞きますと、47%ということは、おおよそ半分の事業所で定年退職以外の理由で退職しているということになるわけですよ。市の職員はどうでしょうか。こんなに47%ということはあるんでしょうか。ここは、また改めて伺いたいと思いますけれども、実は、この職員の交代が激しいとどういうことが起こるか。これ事業所の方にお聞きしたんですね。そうしたら、そのことで障害のある方が混乱すると聞くんですよ。障害者にとってお世話してくださる職員が非常に限定的であるために、その人を頼ることになる。ですから、なれた職員が短期間でやめられると気持ちが不安定になり暴れてしまうことがあると聞きました。障害のある方にとっては、一つの事業所に職員が定着していただくことが大事な環境要素であると言えるのではないでしょうか。障害者福祉事業所における途中退職者が多い。その理由を市はどのように分析しているのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 定年退職以外の理由による退職者が多い理由についてでございますが、正確なところは把握できていない状況でございますが、一般的に民間企業で転職する理由としては、自分がより活躍できる職場を求めるステップアップのための転職という理由も聞いているところでございます。また、福祉業界全体でいわれていることではございますが、賃金が低いといった待遇面からの退職なども多いと聞いているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) この途中退職者が多いということは、経験が積み上がっていかないということにもなるわけですね。それと同時に退職された後、すぐに補充することができるのか。人がすぐに見つかるのかという課題も生じてくる。事業所での職員の過不足状況はどのようになっているのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 実態調査結果によれば、事業所職員数については、大変不足している、不足している、やや不足していると回答した事業者が94事業所のうち64%を占めており、半数以上の事業所で職員が不足している状況であるという結果が出ております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 64%、半数以上ですよ。半数以上の事業所において、職員の不足が起きていると。サービスの提供が難しくなっている現状があるということなわけですよ。実は、これまた先日いただいた御相談なのですけれども、ある事業所への入所が昨年12月に決まっていた。その事業所で産休に入られる方がいらした。しかしながら、補充の人がどうしても確保できなくて、3月になって入所を断られたと。大変困ったという話を聞きました。市がせっかくサービス支給決定をしても、サービスそのものを受けることができない状況が起きているということなんです。また急に、これは別の方です。職員がお休みになったことで、どうしても、とうとう職員が足りないので、きょうはお休みしてくださいとの連絡があったと。この保護者の方は働いているので対応に困られたという話も聞きました。調査結果どおり、この64%の事業所において職員の不足が起きている。サービスの提供が難しくなっているわけです。
次に、事業展開する場合の課題について伺います。
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○内海正彦 健康福祉部長 実態調査結果によれば、事業を展開する上での問題点や課題については、94事業所のうち職員の確保が困難であると回答した事業所が67%と最も高く、次いで人件費支出が高いと回答した事業所が46.8%、サービスに対する国が定める報酬・単価が低いと回答した事業所が45.7%であり、人材の確保や経費の面が課題となっているのではないかと認識をしているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 細かく御答弁いただいてありがとうございました。
結果は同じですね。67%の事業所が事業を展開する問題点として、トップに上げて職員確保に苦労しているということが、今わかりました。しかしながら、市は第3期鎌倉市障害者基本計画、今年度から始まります。この重点課題で4として、働く場の充実と就労支援の推進として、就労移行支援事業所の利用や一般就労に向けた支援を推進すると述べている。また障害福祉サービス計画の成果目標では、就労移行支援事業の利用者を2割増加させる。一般就労への移行を1.5倍にする。就労移行率が3割以上の事業所の割合を5割にすると書いてあるんですよ。これは国が示した基本指針や県の目標値から市が設定したものだと思いますけれども、果たしてこの成果目標を達成するための事業所が確保されるのだろうか。職員が確保されるのだろうか。現実と目標とが非常に乖離していると言わざるを得ない。
就労に関係する事業所についてを伺います。就労に関係する事業所の今後のサービス提供予定について、どのような意向が調査からわかったのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 実態調査結果によれば、鎌倉市内の就労関係事業所の今後の移行といたしましては、就労継続支援B型については新規開設や事業拡大の傾向が見られる一方、就労移行支援と就労継続支援A型については、事業縮小の傾向が見られるところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) そうですか。そうすると就労移行支援と継続A型が縮小傾向にあると。そうなると成果目標が達成できるという見込みが立たないじゃないですか。非常に心配です。就労支援の充実について、市の成果目標を推進していくためには、まず事業所が確保されなければならないし、そのためには職員も確保されなければならない。特に就労移行支援事業と就労継続支援A型が縮小であると今お話がありました。市は何らかの手を打つ必要はないのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 実態調査の結果を踏まえ、廃止の予定があると回答した就労継続支援A型事業所と就労移行支援事業所については、運営面での課題を聞き取るなど、事業所が抱える課題の把握に努め、有効な支援策を講じる必要があると認識しているところでございます。
現在、鎌倉市障害者二千人雇用センターが主体となり、鎌倉市内にある就労移行支援事業所、就労継続支援A型及びB型の事業所における事業所連絡会の設置を検討しており、そのような場も意見聴取の場として活用していきたいと考えております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 事業所が縮小したいと、廃止したいとまで言っている。そういう傾向が多いと。件数は今伺いませんけどね。必ずそこにはその理由があるはずであって、しっかりと調査すべき、聞き取りをすべきだと思います。連絡会が設置されるということですので、その中での聞き取りも含めて実態把握に努めていただきたいと思います。
もう一つ、実は、聞くところによると鎌倉市で働いていた、福祉事務所で職員が他市に行ってしまうケースが多い。私、いろんな事業所で聞いたんです、これ。なぜなのでしょうかと。私は、そこのところ鎌倉市では継続できなくなって縮小する、廃止するという事業所が出てきている。それには一つの原因は、他市に職員が行ってしまうと。確保に難しいと。人員確保が困難である。今現在、職員が不足しているという状況があるわけですからね。この鎌倉市として障害者の社会参加、就労、地域での暮らしを支援していくためには、この福祉施設事務所を市がどう支援していくかということが鍵になってくると思うんです。ここでお伺いしますけど、鎌倉市では福祉事務所の支援として、市単独で行っていることはあるのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害者福祉事務所に対します市の単独支援といたしましては、就労支援関係では小規模作業所から就労移行支援事業、または就労継続支援事業、もしくは自立訓練事業に移行した事業所に対しまして、月額10万円を限度として家賃の助成をしているほか、就労継続支援A型事業所に対しましては、雇用した障害者一人につき月額7,500円を支給しているところでございます。また、グループホームへの重度障害者支援事業といたしましては、バリアフリー化などがされたグループホームに対して、利用者一人につき月額2万2800円の支援を行っているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 鎌倉市市単での事業所支援がなされていることがわかりました。しかし、なぜか横浜、藤沢に行ってしまう。実は、それぞれいろんな自治体によって支援の仕方が違うようなんですけれども、実はこの市内のある事業所では、職員がほとんど退職しない。そういう事業所があるんです。これ実は有名なんですね。その事業所は、職員の研修に力を入れていると言うんですよ。研修に力を入れていると。事業所内で定期的に保護者を交えて勉強会を行い、意見交換をしている。もちろん外部研修にも積極的に参加するように声かけしている。また、先日のテレビで偶然私見ました。福祉事務所の職員が研修を受けることによって、仕事に対してやりがいが持てるようになるんだと。職員のモチベーションが高まると述べてたんですね。偶然にも、私このテレビの言っている内容と、そして市内で有名な退職者ゼロ。異動がほとんどないという事業所と同じなんだなと。これは何でもそうですけれども、学校教育の中でもそう。学ぶことで理解が深まって、やる気が出てくると。これは子供も大人も同じと思います。この障害者福祉事務所の人材確保や早期離職防止のために、事業所支援の一つとして、ここで研修に対する補助を行うことができればいいなと思うんですけれどもいかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害者福祉事業所が現在の事業の継続、新規開設をしようとする際に人材の確保を課題としている事業所の割合が高いことは、今回行った調査結果から明らかになったと認識をしているところでございます。
現在、事業所に対する研修といたしましては、基幹相談支援センターが毎年行っているほか、神奈川県が実施する研修について事業所に周知を行っているところでございます。研修用に職員の意欲やスキルの向上が図られることが人材確保の面からも必要であると考えられることから、御指摘の事業所が行う研修に対する補助につきましては事業所の意向等も確認しながら検討していきたいと考えております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 私、幾つかの事業所を当たりました。そういう補助があると本当にありがたいという話を何カ所か、全部私聞いたわけじゃない、伺いましたよ。外部の研修への補助でもいいですし事業所内研修の補助でもいいと思います。そのことについても今後の御検討をいただくということでよろしくお願いします。
さて、話は変わります。障害福祉サービス見込み料、これどのように算出しているのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害福祉サービスの見込み料につきましては、国の基本指針に基づき、例えば居宅介護などの訪問系サービスにおいては、現に利用している者の数や、これまでの利用者数の推移などから利用者の見込み料を。また、これらの利用時間数の実績から平均的な一人当たりの利用料を算出し、利用時間や利用日数などの見込み料を設定しているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) そうしますと、今のお話の中には出てこなかったのですが、見込み料の算出については、これ実際、先ほどのお話、具体例を話させていただいたんですけれども、実際にこのサービスを受けることができなかった、もうそういう方いるわけですよ、実際ね。そういう方、サービスを、今までの国の指針を、基本方針を大事にする。実績を見る。推移を見る。実績の中にサービスを実際に受けられなかった人の人数、その把握も必要であると思うんですよ。また、私この計画の中身を見ますと、特別支援学級、特別支援学校に在籍する児童・生徒の障害別実数ですね。障害別実数の調査結果等もあった。ということは、こういうことも反映される必要があると思われますが、いかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 サービス見込み料の算出に当たりましては、サービスを受けられなかった方の数については把握ができていない状況でございます。また、小・中学校の特別支援学級在籍の児童・生徒数については見込み料に反映されておりませんが、特別支援学校が高等部の卒業予定の方につきましては、今後サービスを利用する可能性のある方の数を考慮いたしまして、計画期間中の利用人数や見込み料を算出しているサービスもございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) そうしますと、まず、本当は入りたかったんだけど入れなくて困っていらっしゃるということの人数の把握。ぜひ、こういうところも丁寧に拾い上げていくということは私は大事だと思いますし、調査結果の中で、今、特別支援学校ですね。特別支援学校の実態については、サービスの算出、見込み料算出には入れているけれども、特別支援学級のことについては入れていないと。でも実際的には、このサービス計画の中に情報として調査結果が入っているわけですよね。じゃあ何のために調査したのかなって私は思うわけでありまして。せっかく調査した実態があるわけですから、可能な限り、せっかくの調査結果を今後のサービスの見込み料の中に入れていくべきだと思います。実は、今、特別支援学校、いわゆる養護学校については入れてますよというお話でしたけれども、養護学校を卒業しても行く先がないという状況が実際に生まれている。アンケート調査結果など、事業所が抱える実態も明らかになったわけです。単に国の指針による見込み料算定、実績だけではなくて、もっともっと鎌倉市の実態に合ったサービス計画となるべきではないかと思います。
二千人雇用というアドバルーンが上がりました。障害者の実態、本人の希望、保護者の願い、そして事業所が抱える課題、その全ての関係性を見ながら、どう解決していくかという視点を持たなければ二千人雇用の達成は難しいように思います。
次に、障害者福祉サービスについて、学校教育との関係について伺います。これはまた多岐にわたりますので、今回は今課題となっていることについて伺っていきます。
耳の聞こえに課題を持つ児童に対する補助制度はどのようになっているのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 まず、身体障害者手帳の交付を受けた児童につきましては、障害者総合支援法に基づき補聴器などの補装具の給付を受けることができることとなっております。また、身体障害手帳に該当しないため障害者総合支援法の補装具給付の支給対象外となる、聴力が25デシベル以上50デシベル未満の軽度・中度等の難聴児童に対しましては、神奈川県の補助金を活用して補聴器の購入や修理費用の一部を助成する制度を平成29年度から実施しているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 平成29年度から、補聴器といっても単なる補聴器とFM補聴器というのがありますけれども、それについても補助をしていると。ここで今まで比較的補助を受けやすかったアナログFM補聴器。しかしながら、今お話しあった特別補装具デジタルFM補聴器について補助はあるということですが、どうもこれが審査要件が厳しいというような話を聞きました。FM補聴器、アナログの場合は割と補助が出て、市内でも補助制度を受けてアナログFM補聴器を補助して購入した方がいる。実は特別補装具であるところのデジタルFM補聴器、鎌倉市内でどなたも今補助を受けてない状態が生まれています。実は、このデジタルFM補聴器については、教育専門家や医師、言語聴覚士などからアナログFM補聴器より格段に聞こえがよく、製造元も新たにアナログFM補聴器はつくらないそうです。製造全てデジタルのものに切りかえているということです。そもそもFM補聴器というのは、教師がピンマイクをつけることで声が明瞭に聞き取れて、特に学校のようなさまざまな音が行き交う場面では、教師が離れたところにいても、その教師の話し声がはっきりと届くと。これはアナログFM補聴器よりもデジタルFM補聴器が格段に効果が大きいと。でも市内ではデジタルFM補聴器が非常に要件が難しくて、県の出している要件ですね。諦めていると。ところが、新学習指導要領では、対話的学びの重視が上げられています。学級やグループの中で話し合いを通して協働的に学ぶ。アクティブラーニングと普通言われます。この重要性が新学習指導要領で指摘されているんですね。そうすると、このデジタルFM補聴器は非常に性能がいいために、マイクをグループの話し合いの場の中央に置くと発言者の声を拾う機能。選択指向性が働くというんですね。これアナログだけじゃ難しいそうです。この難聴児は、非常に、私も初めて知ったんですけど、補聴器で声は聞こえても誰がしゃべっているのかはわからない。グループの中で補聴器つけていてわかるんだけれども、これが誰の声かわからないので口を見ると、あの子なんだとわかる。健常者は話し合いの中で誰かと声質でわかる。誰ってすぐその方向に向ける。しかし難聴児はグループでの討議の中で誰がしゃべったのかがわからない。しかしながら、新しいデジタルFM補聴器は、その話し手の声質まで明瞭に伝えるから誰だかわかる。よく遊びで「後ろの正面だあれ」って言って後ろに座った子が声を「きゃんきゃん」とか「にゃんにゃん」と出して、何々さんて。健常児はわかるんだけれども、補聴器をつけている子供であっても古い型のものだと声はするのだけれども誰だかわからないと。それがデジタルFM補聴器だと声質まで明瞭に伝えると。学校現場のようなさまざまな音にあふれている場所では、従来の補聴器やアナログFM補聴器では対応できない状況が起きています。学ぶ権利の保障という観点からも、新学習指導要領で述べられている対話的学びの重視の観点からも、デジタルFM補聴器に対する補助が可能であるといいのですが、今まで一件もないということで、いかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 申し上げる前に、先ほどの答弁で軽度・中度の難聴児童につきまして、私、25デシベル以上50デシベル未満と答弁したようでございますが、聴力が25デシベル以上70デシベル未満に訂正させていただきたいと思います。申しわけございませんでした。
ただいまの議員御質問でございます、デジタルFM補聴器でございますが、議員御指摘のように、神奈川県の補助制度を活用して実施している事業でございますが、神奈川県の補助基準というのは、議員御指摘のようにFM補聴器がどうしても使えないような児童ということで、その理由がかなり細かい資料までの提出を求めるということで、神奈川県の補助制度は大変厳しい制度になっているところでございます。この間、神奈川県と私どもとも、この補助制度の要件につきましては何度か協議を重ねてきたところでございます。今、議員御指摘ありましたように、FM補聴器についても、なかなか少し古いタイプのものになってきているようで、現在はデジタルが主流になっているというようなお話も聞いております。
本市の補助制度につきましては、医師の意見書で、例えばデジタルFM補聴器が必要であるというような意見書があった場合につきましては、これは補助の対象としていきたいと考えているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 鎌倉市として、県の審査は厳しいけれども、医師の意見書があれば補助対象にしてくださるということで、これは大変お困りの方々は助かるなと。今、きっと聞いていらっしゃると思います。デジタルFM補聴器の必要性について、市が御理解してくださったことに感謝いたします。
これまでデジタルFM補聴器購入に補助をつけていただくことがなかなか困難で、諦めてしまっている御家庭の話も聞きました。御理解いただいて医師の意見書があればということになりまして、一つ門戸が広がったなということで、障害のあるお子さんは助かると思います。ありがとうございます。今後とも障害児の困り事に丁寧に寄り添っていく鎌倉市であってほしいと願って、次の質問に入ります。
(仮称)かまくら共生条例の策定に当たって、学校教育と関連する内容があるのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 (仮称)かまくら共生条例は、市民が何らかの困難に直面したときに、それを個人や家族のみの課題とせず、社会全体の課題として捉え、必要かつ合理的な支援を受けられる社会を目指して策定を進めているところでございます。全ての市民はライフステージや状況に応じまして困難に直面する可能性があり、その中には学校に通う子供や学校の関係者も含まれていると考えているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) どうぞ、(仮称)かまくら共生条例の策定に当たって、学校の実態を的確に把握していただきたい。保護者の希望や願いに沿ったものになっていただきたい。そこのところを丁寧な聞き取りをしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 (仮称)かまくら共生条例で規定する理念や基本的施策が、何らかの困難に直面している人も含め、全ての人の支援につながることが大切であると考えているところでございます。共生社会のあり方について検討を行っている、共生社会推進検討委員会には教育関係の委員が2名おり、意見を伺っているところではございますが、学校教育関係者の意見についても今後できる限り取り入れられるよう努めてまいります。
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○3番(竹田ゆかり議員) よろしくお願いいたします。学校関係者とか教育関係者の方が入っていらっしゃるということで、一つほっとするところでございますけれども、鎌倉市の実態、鎌倉市の保護者の方々の声もしっかりと検討委員会の中で吸い上げていただきたいと思います。
多岐にわたる質問となりました。何よりも当事者である障害者の困り事に寄り添った計画であり対応である計画推進がなされていきますことを願って、この項を終わります。
次に、教育環境条件整備について伺います。教育環境条件整備については、これまでもたびたび取り上げてきました。まだまだ多くの課題が残されています。4年前に小・中学校の宿泊学習における医療従事者の配置について、初めて取り上げました。2年後の2016年、まずは経験の浅い小学校5年生のキャンプからということで医療従事者をつけてくださることになりました。非常に学校現場は感謝しています。しかしながら、中学校については検討しているが優先順位を見て判断するということで2年がたちました。いまだに配置されていません。キャンプに随行する医療従事者の配置について、中学校への配置は検討されているのでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 議員御質問の、中学校における医療従事者の派遣につきましては、教育委員会として課題として捉えておりまして、引き続き他の事業との整合性も図りながら、その可能性を検討してまいりたいと考えているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 優先順位あるいは予算に限りがあるという考え方だと思うんですけど、わからなくもありません。しかし、オーバーな話かもしれませんけれども、治水工事のおくれで多数の死者が出てしまったことは国の優先順位のつけ方に間違いがあった結果ですよ。共通するのは命にかかわるということなんです。空調設備もそうです。後で触れますけれども。中学校キャンプが小学校キャンプよりも安全であるとは言えないことについて、前もお話ししました。教育委員会が医療従事者の必要性を十分に認識していながら、養護教諭が3日間学校をあける実態。保護者負担を黙認してはいけないと思います。ちなみに、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町は、市費でちゃんと医療従事者がついています。
次の内容、初めて取り上げます。小学校には学校図書館専門員、中学校には読書活動推進員が配置されていますが、配置状況を伺います。
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○佐々木聡 教育部長 現在、鎌倉市の16校の小学校には1名ずつ学校図書館専門員を配置しておりまして、月12日の勤務を行っていただいております。中学校9校につきましては、図書活動推進員を6名配置しておりまして、そのうち3名が2校を兼務し、全中学校に配置という形になっております。なお、各中学校での勤務日数については月4日というような状況になっております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 今、伺いました小学校の場合、月12日ですから4で割ると週に3日来てくださる。中学校の場合は、月4日ですから週に1回しか配置されないということになるわけですが、小学校に配置されている学校図書館専門員の方は、子供たちの相談に非常に丁寧に応じてくれて子供たちを本に導いてくださるというんですね。つまり蔵書が学習に生かされている。ところが中学校の場合は、読書活動推進員、週に一度しか学校に来られない。しかしながら、その業務内容は蔵書の整理、選書、図書委員会の委員の支援、レファレンス、多岐にわたるんですよ。小学校と同じですけれどもね。週1日で読書活動の推進という目的が果たせるのだろうか、非常に心配です。せっかくの蔵書が生かされていないという懸念があります。読書活動推進員の配置回数をふやせないのでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 子供たちの豊かな学びのために図書館教育の充実は重要であると認識はしております。そのために中学校では読書活動推進員を配置して、生徒の図書委員会活動を支援しながら図書の貸し出し業務を行ったり、図書館便りを出して図書活動の向上を目指したりするなど、図書館運営の効率化を目指しているところでございます。図書活動推進員の配置につきましては、勤務形態も含めて、その可能性を再度検討していきたいと考えております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 本当に多岐にわたる。私この間聞きました。どういうことをしていただいているのでしょうかと言ったら、これもこれもと。そんなの週に一日でできないですよ。ましてや名目が読書活動を推進している。今、中学校、朝読に、小学校もそうですよ。朝読に力を入れている。私が教員時代もそうでした。朝読って非常にいいんですよ。この活動を私はぜひとも、推進していただきたいと思っているの。だから実際には、この読書活動を推進していくためには、週に一度じゃ難しい。そういう実態もあるわけですから、ぜひ可能性の検討ということでしたでしょうか。検討していっていただきたいと思います。
次に、通級指導教室について伺います。以前も取り上げました。小学校と高校には通級指導教室があるのに中学校にはないことで、小学校の通級指導教室を退級した生徒が引き続き個に応じた支援を受けることができず、地元の公立中学校を断念し、私学に進まざるを得ない状況が起きている。このことについては以前にもお話ししました。中学校における通級指導教室の開設についての見通しを伺います。
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○佐々木聡 教育部長 子供の発達段階に合わせた通級による指導が中学校においても必要であると考えております。中学校の通級指導教室につきましては、他市の設置状況とか運営などの情報を収集しながら、今、検討を進めているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 実は、これまでも担当課長が情報収集を努めてこられたことは聞いています。鎌倉の場合は、巡回型での実施を検討している。巡回型だなと。小学校のように学級をつくってそこに来ていただくよりも、中学校の場合、授業を抜け出していただくのは大変厳しいから、巡回していくということがいいと検討しているんですという話を聞いたんですよ。ですから、これは、実は担当課長変わりましたよね。担当課長が変わっても、その情報収集というものが積み上がっていくようにお願いしたい。担当課長が変わったら、また一からかって。私、これまでも何度かそういうことありました。そうではなくて、それまで担当課長は、給食もそうでした。非常に丁寧に積み上げた情報収集がされたけど、担当課長が変わったら、また一からということは、私幾つか経験しています。この、中学校における通級指導教室の開設については、ぜひとも、引き継ぎをしっかりしていただいて情報の積み上げをしていっていただきたいと思います。
次は、普通教室空調設備設置について伺います。ことしは観測史上、例を見ない猛暑が続きました。普通教室に空調設備のない小学校では、校外学習から帰ってきた児童が亡くなるという事故がありました。もしあの学校に、空調がついていたならば助かったかもしれない。学校の対応の部分にも問題があるかもしれませんけれども。帰ってきたときに教室に空調が入っていたら、どうだったんだろうかと私は思いました。
藤沢市では、ことしの未曾有の猛暑に保護者が未設置校の児童を本当に心配して、空調設備設置の前倒しを求める要望書と署名を市に提出した。これは新聞で知りました。
鎌倉市においては、現在19校の小・中学校に普通教室空調設備が設置されている。しかしながら、小学校6校、名前言いませんけれども、まだ未設置です。2学期がいよいよ始まりました。この9月、10月、そして来年の6月、7月。どうするのか。想定を上回る猛暑を。ことしはもう既に想定は上回ったんですから。来年度の想定というのは想定できないんですよ。想定を上回る猛暑をどう乗り切るのか。返す返すも空調25校の設置。2年前に一気にできていれば、こういうことにはならなかった。返す返すも悔やまれてなりません。これは市長にお話ししています。
エアコン未設置、残り6校について、2学期以降どのような対応をとるのでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 第3次鎌倉市総合計画第3期基本計画において、「子供が育つまち」の実現を目指して健全な学習環境の向上を図るために、小学校へのエアコン設置を重点事業に位置づけて、教育委員会としても着実にこれまで進めてきたところでございます。議員御指摘のとおり、エアコン未設置につきましては、冷房設置が来年度となる小学校6校ございますけれども、これらの学校につきましては、2学期に向けて、この夏休み期間中に壁かけ用扇風機を増設するなどの対応をしてきたところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 扇風機をね。もう空調が入ったので扇風機は要らないという学校から、壁かけ扇風機をかき集めて、今まで2台だったところを3台にしたという話を伺いましたけれどもね。どうなんでしょうか。暑い30度、三十四、五度ってね。2年前、3年前の調査だって内陸部の学校の調査結果、温湿度調査しましたよね。あの当時だって、部屋によっては35度いってましたからね。ことしの暑さ。扇風機でかき回してどうなのだろうかと。でも教育委員会の御努力にはね。扇風機大作戦というんでしょうか。御努力には感謝するところですけれどもね。実は、藤沢市では要望書の意向を酌んで、何と来年夏を迎えるまでに、残り8校の設置を完了させると記者発表した。どうするか。どうしてできるのだろうと思った。私、藤沢に聞き取りしました。この9月に補正予算を組んで、工事は本来夏休みにするのですが、鎌倉市もそうです。緊急性を鑑みて冬休み、春休み、その間の土曜、日曜日に工事を進める。何とか6月完了を目指すんだそうですよ。この意気込みは私、すごいなと。しかしながら私、こんなことができるのかって初めて知りました。工事は夏休みじゃなきゃ、議員さんできませんってずっと聞いてきましたから。そうじゃない。冬休み、春休み、土曜日、日曜日、工事をするって言うんですね。補正をかけて。フットワークのよさに、私びっくりしましたけれどもね。これ鎌倉市の場合、6校既に実は設計業務がもう委託されている。7月から設計業務が始まったようですが、この期間を、設計業務が7月から来年の2月までと。設計業務委託ってこんなに時間がかかるのかなって。でも藤沢はできちゃうんですよね。藤沢はできちゃう。この設計業務の時間を、期間を短縮していただいて、藤沢市のように子供が学校にいない時期を利用して早期に工事を取り組めるよう、その可能性を検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 議員の御指摘のとおり、先ほど御答弁申し上げましたように、鎌倉市においては計画に基づいてやっておりまして、平成31年度に施工を予定しているエアコン設置工事の設計については、既に着手しておりまして、御指摘のとおり設計の完了時期を平成31年2月という予定で契約を結んだところでございます。設計業者につきましては、平成31年2月という契約の期限の完了を目指しましてスケジュールを組み立てて業務を行っているということで、設計の前倒しはなかなか難しい状況でございます。その後、着手する工事の入札手続についても、鎌倉市の場合約2カ月かかってきますので、早期に設置工事を完了することは困難だと考えております。
また、議員御指摘の藤沢市につきましては、リースというような形を聞いておりますので、私どものように直接工事をやっていく場合とリースで設置するというものとの形態が若干違っておりますので、そこは私どもとすると、計画に基づいた着実な設置をなるべく早期に進めてまいりたいと考えております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 私も伺いました。このリースという契約とか。リースであっても工事の設計業務をするんですよね。だから9月の補正予算を組んで、そこから設計業務に入るんですよ。リースだって設計業務しないわけじゃないんですからね。鎌倉市はもう既に7月から設計業務をしている。つまり2カ月鎌倉市が設計業務に関して言えば、もう早くスタートしているんです。スケジュールがあるから前倒しが難しいということでは、そりゃスケジュール。今でも実は藤沢市だって、スケジュールはあったんですよ。藤沢市だって平成31年夏に、工事をするという計画。鎌倉市と同じだったんですよ。だけれども、この緊急性を鑑みて、9月の補正が終わってから設計業務をして工事は冬休みに入ると言うんですから、可能性としてできなくはない話なんです。業務委託をしたところの応札してきた会社の経営の中身を見れば2月までと言っているから、これを例えば12月までにしてくださいということは非常に困難だと。この委託された、応札して委託を受けた業者が実際には困難なんですと。そういうことの御回答があったということでよろしいですか。
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○佐々木聡 教育部長 私どもとすると、契約工期を平成31年2月ということで発注をかけて、それに応札していただいているという状況からは、2月までには設計ができ上がると考えているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 計画はわかるんです。契約内容もわかるんですけれども、私、一旦契約したときに、それについて2月までと言ったんですが、こういう本当に予想だにしなかった猛暑が続いているから、もうちょっと前倒しをできませんかということは業者には声がけはしたんですか。しないんですか。そこだけ聞きます。
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○佐々木聡 教育部長 それは契約内容の変更に当たりますので、そこについては特段しておりませんけれども、契約の変更をしてまでもお願いをしていくかというところまでは、教育委員会としてはそこまでの検討をしていないというのが現実でございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) これは教育委員会がする。もしですよ、契約についての内容を、こういう状況が生じてきたから、契約上申しわけないけど2月までになっているのだけれども前倒しできませんかと聞くとしたら、教育委員会じゃないと思いますね。教育委員会じゃなくて、その契約をしたところですね。公的不動産活用課ですか。どこですか。契約を実際に鎌倉市教育委員会がしたわけじゃないですものね。したんですか。
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○佐々木聡 教育部長 契約は教育委員会でしております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 私はそうは伺わなかったんですけどね。そこのところ答弁調整の中では違いがありますね。公的不動産活用課で受け取ってくださった企業に電話を入れてくださったという話は聞いてますよ。それはそちらの教育委員会に話がいってない。どうですか。
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○佐々木聡 教育部長 契約行為につきましては教育委員会でやっておりますけれども、今回の設計業務につきましては委任工事ということで、教育委員会から行政経営部に発注をしてお願いをしているというのが現状でございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) このことについてはここでやめますけれども、行政経営部で担当者が電話を入れてくださったと。だから当然、今、御答弁でそれをいただけると思ったらないので。また改めて確認したいと思います。
いずれにしましても、市が無理だろうと思うのではなくて、無理を承知で何とかならないかと。契約会社に一本電話を入れる。入れたと言ってたんですけれども、違ったんでしょうか。会社との話し合いをする。そういうことは6校の子供たちの安全、学習環境の保証という面からすれば、そのあたりの御努力はしていただきたいと思うところです。後で、また確認します。
この夏は観測史上例を見ない猛暑が続いてきましたよ。しかしながら、来年の夏の猛暑というのは予想もつかないですからね。未設置6校のうち4校は秋の運動会を準備していると。空調のない学校6校のうち4校は秋の運動会だと。学校現場は熱中症対策に十分過ぎるほどの神経を使って対策をとっていただきたいし、そして6校の子供たちの安全を守るためにも教育委員会は最大限の努力をしていただくことをお願いして次の質問にまいります。
次は、学校の働き方改革についてです。文部科学省の前事務次官、前川喜平さん。著書の中に次のように述べています。教育行政は現場から出発して現場に帰着するものでなければならない。一番大事なことは現場にしかない。学校現場で起きていることを十分理解し、きちんと情報を吸い上げた上で必要な施策を講じ、現場に戻していくべきだと。すばらしいと私は思って読みました。
しかしながら、学校現場は取り組んでほしいことがあっても包括予算があり難しいんですと言われ、何も言えなくなります。優先順位があるところも理解するところですが、今、現場で起きていることに教育行政をつかさどる教育部の皆様には一層の御理解を願うところです。もう計画になっているからという形ではなくて、計画というものがありながらも、しかしながら、可能性を追求していく。そういう姿勢を私は持っていただきたいと。御答弁を聞いて残念です。
さて、学校の働き方改革は最優先課題であると文部科学省は緊急提言がなされたのが昨年の8月29日。鎌倉市学校職場環境改善プランの進捗状況を伺います。教職員の出退勤管理の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 御答弁申し上げる前に、先ほどの御質問の中で私から契約は教育委員会でという御答弁をさせていただいたんですけれども、委任工事でございまして、契約は契約検査課でしていただいております。答弁を訂正させていただきたいと思います。
続きまして、今、御質問いただきました教職員の出退勤管理の進捗状況でございますけれども、教職員の出退勤管理につきましては、平成31年度から中学校での実施に向けて、現在中学校1校にタッチパネルを設置して校務支援システムを利用したデモを行っているところでございます。その状況を見ながら平成31年度の実施に向けて、今後も引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 御答弁の訂正があったので、ちょっと戻りたいと思いますけれども、そうじゃない。教育委員会じゃないんですよ。今、契約検査課という話が出てきましたけれども、そうなんです。委任工事ですからね。おかしいと私は思って聞いていたんですけれども。ですから私が言いたいのは、教育部として、じゃあ契約検査課が工事を発注し、応札してくださる会社に落ちた。その契約について、何とかならないかって教育部から契約検査課に声をかけたんですかと私は聞いたんですが、もう一回答弁をお願いします。
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○佐々木聡 教育部長 教育委員会として、正式な形でのお願いというかお声がけはしていないというのが現状でございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 先ほど、前川喜平さんの話も聞きましたよ。一番現場に近いのは教育部ですよ。だからこそ、契約検査課に学校現場はこんな状況で、あと6校なんだと。そういうことを何とか、だから無理ということになったらそれはしょうがないんですよ。私はそういうことを言ってはいないんですよ。無理ということもありますよ。契約は2月までなんだから。だけれども、教育委員会として何とかならないかと契約検査課に話して、契約検査課も無理を承知で、でもひと声電話一本入れていただく。可能性がゼロではないですから。契約したんだから、もう仕方がないものねという話じゃないと私は思うんです。教育部として、契約検査課に声をかけていただけますか。
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○佐々木聡 教育部長 そのお願いベースでお話をするということは可能だと思うんですけれども、そういうお願いをすることによって、契約内容の変更に伴って、例えば契約金額が変わってくるとか、そういったことも考えられますので、そこも含めて検討させていただければと思います。
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○3番(竹田ゆかり議員) そうですよね。違約金が生じてくるかもしれないんですよ。しかしながら可能性を私は追及してほしいという話をさせていただいたんです。お願いベースなんですよ。この間、北鎌倉トンネルの話で、私は身を十重二十重にお願いする、謝罪するという話をしましたよ。こちらの利がないときには、もう身を折ってお願いするしかない。向こうは契約じゃないかって言ってくるかもしれない。だがしかし、こういう状況の中で、こういう異常気象の中で何とかしたい。子供たちの命を守りたいんだと。何とかなるかということを契約検査課に声がけしていく。もちろん違約金の話もあると思うけれども、そこまでの土俵に。だめということもあるかもしれないけれどものせていくような働きかけというのは、学校現場を知る立場として、私はそういうアクションがあってもいいのではないかということでお話させていただきました。少し可能性として、そういうことも契約検査課に、いろんな違約金も出てくるかもしれないけれども、そういうことも重々承知の上で声をかけてくださるということに受けとめました。
さて、パネルタッチの話を今、お伺いした。夏休み期間中に設置された閉校日の取り組みはどうでしたでしょうか。実施した結果について伺います。
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○佐々木聡 教育部長 学校閉校日につきましては、本年8月11日から15日までを設定いたしまして、おかげさまで全校で実施することができました。
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○3番(竹田ゆかり議員) 実施した結果についてですけれども、実施しましたはいいんですけれども、取り組みはどうだったかということについて伺ってますので、実施した結果について伺いたいんです。何か問題、課題はあったのでしょうか。もう1回聞きます。
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○佐々木聡 教育部長 特段の支障等も、困難もなく全校で実施ができたと確認をしているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) それから7月から実施された小・中学校の夜間留守番電話の設定。その効果はいかがでしたでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 夜間留守番電話につきましては、7月10日から実施をしたところでございまして、これにつきましても、現在のところ混乱等もなく導入できたと考えているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 私、このことについてお話を伺いました。大変よかったというんですね。夕方、本当は5時を過ぎて仕事をするということが適切かどうかわかりませんけれども、仕事をしている、実際。仕事が途切れなくてよかった。つまり6時になってから留守番電話に切りかわっているから、今までだったら仕事をしていると、電話の都度仕事が途切れた。それからもう一ついいことがあった。これはそうなのかと思ったんですけれども、勤務時間を意識するようになったというんですね。これは予測しなかった効果ですね。つまり留守番電話に切りかわることによって、もう出なくていいんだ。勤務時間、私たちは、もう過ぎているんだよねということで、勤務時間を意識するようになったという。この取り組みは4月から実施ということですけれども、他市はまだ実施していないところがいっぱいあって、鎌倉市の取り組みについて非常に聞き取りをしたいと言っておりました。
次に、部活動の休養日設定についてはどのような状況でしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 部活動の休養日につきましては、4月に保護者に通知したとおり、9月より土曜日または日曜日のいずれか一日を休養日とすること。また大会等で休養日にできない場合は、その月の前後の月を含めて月4日以上の休養日を設定するようにしております。
鎌倉市の部活動ガイドラインの年内策定に向けて、現在校長会や中学校体育連盟、中学校文化連盟などの各方面からの意見を注視しながら検討を進めているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) この部活動の休養日設定というのは、教職員の働き方改革の取り組みであると同時に、医学的な見地から見て生徒が休養を適切にとる必要性などのスポーツ庁からのガイドラインもあるわけですから、しっかりと参考にしていただきたいと思います。
また、これは学校に週5日制が導入するときに、神奈川県教育委員会がこういうことを言っているんですね。週5日制が入るときに、教育委員会は、私の記憶ですけれどもね。子供たちを地域に返すという視点があると述べていました。そういうわけですから、さまざまな立場からの議論をしていただきたいと思います。
次に行きます。小学校給食の公会計化に向けた検討の進捗状況。今後の見通しについて伺います。
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○佐々木聡 教育部長 学校給食費の公会計制度の導入に向けて、既に制度を運用している先進都市への視察や関連資料の収集を行ったり、地元業者を大切にした丁寧な対応を行うために学校と教育委員会のそれぞれの課題を整理しながら検討を現在進めております。本市の学校給食にふさわしい会計制度の実現のために、また、複数のシステム業者から給食費管理システムのデモンストレーションによる説明を受けるなど取り組んでいるところであり、今後もスピード感を持って対応していきたいと考えております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 公会計化に取り組むということが市として決定して、スピード感を持って取り組んでいくと今も言っていただいた。この御答弁をいただいたということは、予定よりも一日も早い導入を目指すということだと私は受けとめます。議会での答弁内容に沿って、スピード感を持ってというこの御答弁内容に沿って計画が進んでいるのか。職場環境改善実行委員会での進行管理をしっかりと行っていただきたいと思います。
次に、学校職場環境改善プランの教育委員会からの調査や報告依頼の精査・精選、研修の精査・精選の取り組みは具体的に何かありましたら教えてください。
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○佐々木聡 教育部長 具体的な取り組みとしましては、国・県からの調査につきましては教育委員会で回答できるものについては学校に照会しないで教育委員会で回答をするようにしております。研修会につきましても、授業のある日に設定していた研修会を夏季休業中に開催するなど、時期をずらして開催したり、またあわせて研修会の内容を工夫して回数を減らすなど、学校の負担を軽減するように図っているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 非常にそれは有効的だと思います。普通に課業中に研修が入ると、子供たちを早々にというか急がせるような形で帰宅させるということも生じ、なかなかばたばたして。これを夏休みに持ってくるということは非常に有効的だと思います。それから教育委員会が回答について学校現場におろさないで教育委員会でやっていただくということも非常に有効的だと思います。
プランの進行管理のために、職場環境改善実行委員会を教育委員会内に設置するとのことですが、どのように取り組んでいるのでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 学校職場環境改善プランの進行管理につきましては、教育委員会において必要な説明及び資料の提出を求めながら進捗状況を確認して、進行管理を行っているところでございます。なお、各事業の実施状況については、学校からの意見も聞きながら取り組んでいるところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 次に、教職員の安全性体制について、その後の状況を伺います。
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○佐々木聡 教育部長 現在、鎌倉市立学校教職員安全衛生管理規程を策定をしているところでございまして、校長会や教職員からの意見を聞きながら調整を図っているところでございます。
平成30年度につきましては、産業医の学校訪問を試行するなど、産業医につきましても年3回の訪問を予定しているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 着々と規程づくりから始まって内容を進めてくださっているということですが、この産業医の学校訪問なんですけれども、伺ったところによりますと、非常に予算確保が難しいと。予算次第なんですという話を聞きました。しかしながら、私は、一年に1回各学校への訪問を実施していただきたいんですね。今回、3回。しかも産業医に来ていただきたいところ、どこかありますか、手を挙げてくださいと言ったらゼロ校だったという話を聞きました。そりゃ産業医に来ていただきたいところはありますかと聞かれれば、はいと手を挙げるのはなかなか難しいですよ。そうではなくて、私は一年間に1回各学校訪問していただきたいということをずっと言い続けてきました。これは、健康相談をするということで、産業医に来ていただいてメンタルとは限らない。健康相談をすることでメンタル予防につながる。職場からの相談という形もある。希望があればということでは、産業医と現場とが結びついていかないと思います。産業医が行くことで、自分自身の健康について考える機会としていただきたいと。少なくとも15日分とれたら、3日分と今、話した。15日分とれたらいいのではないかなと思っているところでございますけれども。ちなみに産業医には、市の職員のためにどれだけ予算計上しているのでしょうか。
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○松永健一 総務部長 市の産業医についてでございますけれども、現在精神科医が2名、内科医が2名の計4名に委嘱しております。予算でございますけれども、平成30年度当初予算では、4名でひと月当たり計8日、年間96日分の勤務に対し714万2400円を計上しております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 学校教職員のためには、どれだけ計上しているのでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 申し訳ございませんが、先ほどのエアコンの設計の関係で、答弁の追加をさせていただきたいと思いますけれども、行政経営部を通じまして設計業者にお願いベースで確認をして、設計業者から人手的には設計を短くする、早めることは難しいというような業者からの回答をいただいているという状況がございますので、ここで御報告をさせていただきたいと思います。
そして、学校教職員のための産業医の予算計上でございますけれども、平成30年度の予算につきましては学校訪問の試行及び相談業務について44万7000円を計上しておりまして、安全衛生委員会分としましても22万3000円を計上しているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 産業医をもっとつけたいんだけれどもと、担当の方がおっしゃった。教育部の担当者は予算確保は難しいとおっしゃる。しかし、今、言っていただいたとおり、市職員対象1,450人と伺いました。そのためには714万円。教職員650人のためには67万円。市の職員の産業医配置は、教職員の配置の5倍ですよ。こんなに違いがあっていいんですか。今、まさに働き方改革で文部科学省だって安全衛生委員会を設置しなさい。労働安全衛生法に基づいて、委員会か協議会かと、これはまた議論があるところですが、設置しなさいと。その中には産業医の配置なんですね。にもかかわらず、ことし3日分の産業医しかとれなかったと。担当者は厳しいんだと。予算確保が厳しいんだと。これ包括予算制度の弊害でしょうか。教職員の心身の健康を保持するために産業医の学校訪問を年に1回。これは、予算措置をすべきですよ。だって市長、教育大綱の中で、教職員の心身の健康維持に取り組むと書いてあるじゃないですか。それには予算が必要なんですよ。でも教育部は予算がとれないと言っている。教職員の安全衛生体制に対する市長のこれまでのお話を聞いていただいての御理解を伺いたいと思います。
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○松尾崇 市長 教職員が心身とも健康で生き生きと業務に専念することが子供たちの健やかな成長につながることから、教職員の安全衛生体制を整備していくことが大切であると考えております。今後も教育委員会と協力をして、この点を進めてまいりたいと考えています。
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○3番(竹田ゆかり議員) その協力の中に、教育部は学校現場の実情をしっかり把握する。市長は総合教育会議を開催する主催者ですよ。教育大綱をつくった人ですよ。だとすれば、学校現場の現状をもっともっと今まで以上に教育部から聞いていただいて予算に反映していただきたいと思います。そのことをお願いして、この項を終わります。
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○議長(中村聡一郎議員) ただいま一般質問中でありますが、この際、運営委員会の協議もあり、シェイクアウト訓練実施のため暫時休憩いたします。
(10時58分 休憩)
(11時01分 再開)
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○議長(中村聡一郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
竹田ゆかり議員の一般質問を続行いたします。
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○3番(竹田ゆかり議員) 最後の項に入ります。市行政の政治的中立性について。
8月6日生涯学習センターにおいて、鎌倉市危機管理講座が行われました。テーマは「東アジア激変に日本は備えを」とのテーマでした。
初めに、これまで市が行ってきた危機管理講座の内容について伺います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 危機管理講座は、主に国民保護法に基づく本市の国民保護業務を所管いたします危機管理課の事業といたしまして、市民の皆様の危機管理意識の向上を目的に実施をしているところでございます。平成28年度は平成29年3月7日、「災害時の生活再建の知恵の備蓄で鎌倉の防災を自分ごとにする」をテーマに、東日本大震災や熊本地震の声を教訓に災害後の生活、事業を再建するための知識の普及を狙いに、弁護士の岡本正氏に実施をしていただいたところであります。また平成29年度は、平成29年8月7日、最近の北朝鮮情勢についてをテーマに、緊迫する北朝鮮情勢につきまして専門的見地からの情報提供といたしまして、防衛大学校教授の倉田秀也氏に実施をしていただいたものであります。そして平成30年度は平成30年8月6日、「東アジア激変に日本は備えを」をテーマに、北朝鮮の非核化の展望等につきまして同じく専門的見地からの情報提供として、防衛大学校名誉教授である村井友秀氏に実施をしていただいたところであります。
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○3番(竹田ゆかり議員) この危機管理講座の内容を決定する主体はどこでしょうか。市長決裁はとっているのでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 この所管する危機管理課が危機管理講座はその時々の情勢に応じまして、市民の方々の関心が高いと思われるテーマや講師を選定しておりますが、この講座の開催に係る最終決裁者は私、防災安全部長が行っておりますが、市長へは講座のテーマや講師を選定した時点で報告し、承諾を得ているところであります。
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○3番(竹田ゆかり議員) 今、テーマとか講師のことについての部長決裁だけれども報告をしているということはわかりました。危機管理講座の内容について、市長は事前にどのような報告を受けたのでしょうか。
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○松尾崇 市長 講座のテーマや趣旨、講師については、それらが記載されたチラシにより報告を受け、確認をしております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 大体講師を選ぶ場合はそうですけれども、これまでの発言や活動についての確認作業を行いますね。誰でもいいってわけじゃない。講師はこれまでの対談や講演の中でどんなことを話してきたのか。
実は、私も調べました。そうすると、中国軍の行動を抑止することが重要。日本が軍拡することが戦争を防ぐ近道である。日本の軍拡が平和を守ると述べている。このような発言を続けてこられた方であることは、市長は御存じだったんですか。
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○松尾崇 市長 講師によるこれまでの講演、対話での発言、インターネット等での主張というのは確認をしているところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) でもチラシの段階ではわからないですね。そうすると講師のどういうような、これまでの発言、活動をしてきたかということは市長が調べたのですか。
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○松尾崇 市長 私が確認をしたときに、軍拡というところでの主張というのは私自身、そこは存じ上げないところでした。この講師で出てきますお話というところで見ますと、相互確証破壊という、つまり戦争になれば、ともに滅びるという恐怖というのが抑止力につながっていくというのが、強くこの講師がおっしゃっている考え方というところは認識をしたところでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 要するにチラシの段階では御存じなかったわけですよ。聞くところによると、開催一週間前にある会派からの申し入れで知ったと。会派の回答では、ここは省きますけれどもね。私は7月28日、このような講座は市として行うべきではないと多くの反対の声も上がっていることを踏まえて、今からでも中止すべきと。7月28日、二週間前に、担当課長に伝えたんです。それからまた、部長、市長に報告するようにと伝えたんです。担当課長は部長に伝えたが、部長判断で市長には伝えなかったとのことですが、なぜですか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 この開催につきましては、私が最終の決裁者でございまして、開催につきまして、そういう批判的な意見があったことについては私の段階で受けとめさせていただきたいと、このように考えておりました。
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○3番(竹田ゆかり議員) 批判があってもやるべしという判断を部長がされたということですね。
この8月6日の講座の中において、私は行きました、実際に。これまでと同様でしたね。中国が軍拡すれば日本も軍拡すればいいと講師は述べている。平和都市宣言を持つ鎌倉市にふさわしいのか。講座の内容は鎌倉市平和都市宣言と考えを異にするのではないかとは思いませんか。市長答弁でお願いします。
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○松尾崇 市長 議員御指摘の中国が軍拡すれば日本も軍拡すればよいとの講師の御発言でございますけれども、日本の周辺が平和であることが一番大事とした上で、戦争が起こっていない今の状態を維持するために、軍拡には軍拡、軍縮には軍縮、現状維持には現状維持。ともかくバランスを維持することが日本周辺の平和を守る一つのキーポイントという趣旨の御発言という理解をしております。
また、当該講座の内容は、あくまでも専門家としての見地から国際情勢の見方について学問としての研究理論について御説明をいただいたものです。平和都市宣言により世界恒久平和を期することが何より重要であるのは当然のことでございまして、その上で危機管理とは危機事案につながる兆候等を早期に把握し、万が一に備えるということでございまして、国際情勢の動向について専門家から市民への情報提供の場を設定することは重要であると考えております。
したがいまして、本講座の内容も平和都市宣言の精神に合致したものであると考えております。
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○3番(竹田ゆかり議員) 非常に御答弁になっていないんですよ。割と、つらつらと聞き逃してしまいますけれども、御答弁になっていないですよ。情報提供って後で触れますけれども、これ情報提供の域なのかということなんです。順番があるので、これは後でやりますけれどもね。
ことしは鎌倉市平和都市宣言60周年、平和推進委員会では記念冊子づくりなどを計画されて、本市の平和事業をどのような精神に基づいて行われているのでしょうか。
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○比留間彰 共創計画部長 本市の平和事業は鎌倉市平和都市宣言と鎌倉市民憲章の精神に基づき、これらを基調に策定しました第3次総合計画に基づき実施しているものでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 今、平和都市宣言の中身に触れさせていただきます。平和都市宣言の内容は、我々は日本国憲法を貫く平和精神に基づいて、核兵器の禁止と世界恒久平和の確立のために、全世界の人々と相協力して、その実現を期すると言っているんですよ。中国が軍拡したら日本は軍拡するんだ。全世界の人々と相協力して平和を確立するんだと、これ合致するんですか。全世界の人と相協力して平和を確立すると言っているんですよ。その精神に基づいて平和推進事業をやっている。一方で危機管理課の講座は中国が軍拡したら日本も軍拡すると。全然相入れません。当日の挨拶で危機管理課長は、こうおっしゃった。情報公開請求しました。市民の皆様への情報提供の場となり、メディア、報道等を見る上でのヒントの一助となればと考えていると。しかしながら、情報提供のはずの講師は、今回も中国が軍拡すれば日本も軍拡すればよいと言って、最後締めくくったんですよ。この言葉が情報提供と言えるのでしょうか。これ情報提供ですか。これ情報提供の域を超えてますよ。学者の理論と言いますけれども、学者の政治的主張じゃないですか。おかしいですよ。そう思いませんか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 私どもは、あくまで村井先生が専門的立場の学者としての研究理論を皆様にお話しいただいたという認識の中で基づいた御発言でありまして、これはバランスが一番大事なんだという御発言にもあるように、全体を通してそこの中のお話をしていただいていたということで、そこの一点だけを、軍拡すれば軍拡をするという一点だけを捉えて発言したものではなくて、相対的な中で御発言があったということで考えてございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) バランスって言葉はいい言い方ですよ。そのバランスをとるために軍拡すると言っているんですよ。そこが問題だと私は言っているんですよ。バランスをとるで終わるんならいいですよ。その手段ですよ。手段が軍拡なんですか。これはまさに学者の論理であり、その結末としての政治的な主張なんですよ。ところが、私、講演内の議事録の開示を求めた。何とびっくりしましたよ。議事録の中に中国が軍拡すれば日本も軍拡すればよいという文言が削除されているじゃないですか。これ講師の一番の主張はここなのに、何でこれ削除したんですか。何か不都合があるのですか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 要約の議事録でございますので、この中でバランスをとることが大事だということが結論として書いてあったと記憶しております。その前提として、先ほどのお言葉があったということで、何も隠したということではなくて、バランスをとることが大事だというのが結論だと思っておりますので、そこは要約の結論として書いてあったと、このように理解しております。
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○3番(竹田ゆかり議員) バランスをとるための手段を最後に言っているじゃないですか。バランスをとるために中国が軍拡すれば日本も軍拡すればいいんだと言っているんですよ。そこは問題でしょうって言っているんです。しかもそれ、この方、どこの講演でも、どこのインタビューでも、この言葉は絶対に抜かしてないんですよ。ここがこの人の一番言いたいことなんですよ。これを議事録から削除する。今、要約って言いましたね。要約というのは、講師の一番言いたいことは残さなければだめですよ。おかしいですよ。びっくりしましたよ。議事録を開示して、そこだけすぱっと。最後の講師の一番の肝の部分が抜けている。問題ですよ、これ。講座を設定するに当たり、一定の政治的主張がなされることが予想されるような講演を市はやってはいけないんですよ。私の答弁調整の中で、両論あることはわかっていると言うんですよ。両論あることを承知した上で、公正中立になければならない市が、情報提供という名のもとに、一方の考えを主張する講座をしていいんですか。行政としての中立性が欠けるんじゃないんですか。もし、この講演をよしとするならば、今後、平和を守るためにこの考えと違う立場の考えだって当然あるんですよ。軍拡には軍拡をじゃない、平和の守り方、危機管理、そういう予定はあるんですか。軍拡ではない方法での講座の予定はあるんですか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 今、議員おっしゃっている論点につきましては、私どもの危機管理課が行っている講座、これについてはまずは危機管理課が業務としてあります国民保護法に基づく市町村、市としての、国民保護事務の一環として行っているものという御理解をいただきたいわけでございまして、そこについて今回の講師の方の内容について、講話の中の話において、政治的な中立性が保たれていないとは思っておりません。
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○3番(竹田ゆかり議員) 先ほどの答弁で、危機管理意識の向上のためだとおっしゃった。では危機管理意識の向上と言うのなら、この講師の話を聞いて軍拡なら軍拡の講座を開いた。中国の軍拡を危機と捉えるならばですよ。私はまた別の見地を持っていますけれどもね。鎌倉市民として、それに対応して軍拡の意識を持つということ。軍拡の意識を持とうよと言っていることになるんですよ。先ほどの狙いとして、危機管理意識の向上だと。その中で軍拡は軍拡をと言っているんだったら、鎌倉市民に軍拡の意識を持ちなさいと言っていることと同じなんですよ。よく、もう1回、考え直してみたほうがいいと思います。
一方、文化人権推進課は、全世界の人々と相協力して平和を推進していくと。同じ鎌倉市内の行政のすることとして矛盾していますよ。市長は矛盾していないとおっしゃるけれども。これはダブルスタンダードですよ。答弁求めません。軍拡には軍拡すべきとの政治的主張を内容とする危機管理講座が市を行うこと。一方で市民が庁舎前をスタート地点として、憲法9条を守ろう鎌倉ピースパレードを行うこと。どちらが鎌倉市平和都市宣言に合致しているんですか。明らかですよ。憲法、鎌倉ピースパレードについて、集合場所として市役所前に許可申請が不許可となった理由を伺います。
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○齋藤和徳 行政経営部長 当該パレードは、鎌倉市の庁舎管理規則第10条の規定に基づきまして、庁舎内行為の許可、申請書により許可を必要とする行為であることから申請書の提出を受けまして審査を行ったところでございます。その結果、当該申請の内容は鎌倉市庁舎内公営許可に係る審査基準の第3条第1項第3号におけます、特定の政治的信条の普及を目的とする行為に該当すると判断いたしまして、当該申請の庁舎内行為について不許可と決定したものでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 鎌倉ピースパレードの集合場所として市庁舎前を使用することの使用許可申請をした、不許可となった。市の規則の中の集合場所という言葉がどこにもないんですね。集合場所としての使用というのは、私、見ました。入ってない。どこの部分に抵触するのでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 参加者の方が前庭を集合場所として使用する行為でございますけれども、これは庁舎管理規則の第10条第1項第5号におきまして、市の機関以外の者が主催をして集会を開催し、または集団で庁舎に出入りすること。これに該当いたしますので許可を必要とし、そして先ほど述べた理由によりました不許可としたということでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 集団で出入りする方法、集団で出入りする方々に政治的信条があるということはチェックできるんですか、実際に。集団って何人なんですか。その人たちが集団で入ってきました。その人たちに政治的信条がある。集会ではないですよ。出入りさえも政治的信条を持っている人が出入りすることはだめですよということになっているわけですね。出入りが集合に当たるというのですね。実は、同様の庁舎管理規則を持つ隣の藤沢市、そもそも集合場所として使用するだけなら許可申請は要りません。ましてやパレードの内容は問いません。そう言っているんです。私、これ電話で確認しました。なぜ鎌倉市はパレードの集合でさえも、そのパレードの中身で審査するのですか。おかしいですよ。また藤沢市は、集会する場合においても、鎌倉市のように審査基準というものは特にありません。公務をする場合にふさわしいのか。これ集会ですよ。往来する人の邪魔にならないか。秩序が保たれているか。のぼり旗やプラカードに主張が書かれている場合、聞き取りを丁寧にします。その中で審査しますと言っている。つまり、藤沢市は集合については一切その人たちの主張は問わないと言っています。当たり前ですよ。市は、公正中立でなければならない立場にあるから、庁舎前を集合場所とする場合であっても、これからスタートするパレードの趣旨に政治的な要素が入っていれば許可しないって。一方で市が主催する講座の場合、内容が賛否分かれるものであっても、政治的主張の内容が含まれる内容であってもよしとする。逆ですよ、これ。そもそも集団での出入りをする、その集団に政治的信条があったら出入りすることすら許可しない。出入りですよ。出入りすることを許可しない。ここの部分については、検討課題とすべきだと思いますが、どうですか。この審査基準の中の。庁内での議論をしていただけますか。藤沢市はその人たちがこれから出発していって、意思表明するということは、そんなの問いませんと。集合だけですからと言っているの。鎌倉市は出入りだと。そこで集合も出入りだと。どんなパレードですかって。ここから出発するパレードの内容までチェックする。そこに政治的信条があっちゃだめだと。何ですか、これと思う。これ庁内で議論すべきことだと思いますけれども、いかがですか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 庁舎管理規則は、市庁舎内の秩序の維持、それから使用の規制並びに災害の防止、その他庁舎の保全に関し必要な事項を定めておりまして、それによって市庁舎内における公務の円滑かつ適正な執行を確保することを目的としております。
先ほど議員の御説明のとおり、集団で庁舎内に出入りをすること。そこを集合場所とすることというのは、この庁舎を一定の目的で多数の人たちに提供することにほかなりませんので、そうしたところに一定の政治的な信条が背景にあるとすれば、それはただ単に個人として多くの人が出入りをするのと違いまして、多数の方が一定の目的で集合場所として使うというのは、その庁舎の管理上、許可、不許可を判断すべき事項であると考えます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 国民は表現の自由があるんですよ。要は、道路でデモンストレーション、デモをするということは憲法上認められているんですよ。ただ、その主張というのはそれぞれ分かれますよ。憲法9条を守る、いや守らなくていいというのもある。でもそれは表現の自由として、行動をデモする権利があるんですよ。それを市が審査するのはおかしいんですよ。何も庁舎内でそれを言うって言ってないんですよ。公平・公正でならなければならないから敷地内を使うのは待ってねと。集会とかというのは、まだ。でもこれはまた議論はありますけれども、ただ集まるんです。これから自分たちはパレードに出かける。どんなパレードだって、外に出かけて行ってやることまで審査する必要ないんですよ。藤沢市はそう言ってましたよ。市民がこれからスタートする内容については問いませんと。集合だけですからと。もう少し藤沢市の担当者と、意見交換したほうがいいと思います。見直ししてほしいと思います。いかがですか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 私の答弁は、決して集合を、集まる方々の意見、その政治的信条、そういったものを市がいいか悪いか、それを問うということではございません。そうではなくて、一定の政治信条を持った方々が多数出入りをすると。そこを集合場所とするということが公になって、それに例えば反対の主張を持った方々が多数庁舎内に出入りをする。そうしたことによる混乱ということも当然考えられることですから、そうしたことについては庁舎内の安全管理、そうした観点から許可、不許可を出していると、そういったことでございます。
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○3番(竹田ゆかり議員) 今、初めて聞きました。反対を主張する人が来たら混乱すると初めて聞きましたけれどもね。その反対を主張する人が云々かんぬん。反対を主張する人と両方を考えると言いながら、危機管理課で反対意見が大勢電話で寄せられているのにやっちゃう。おかしいですよ。両論あるものを配慮して、市は公正中立でなければならないんですよ。それをここの市民の活動に持ってくるならば、でもそれは集会をする場合はそうだと思う。行為そのものはデモがスタートしてからなんですよ。集まるところまで、集まった人がこれから何をするというところまでチェックするのは私はおかしいと思いますよ。
どうぞ、文化都市鎌倉にふさわしい、文化都市鎌倉に恥じない判断をしていただきたいと思いますよ。そのことを申し上げて、一般質問を終わります。ありがとうございました。
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○議長(中村聡一郎議員) 次に、山田直人議員の発言を許可いたします。
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○19番(山田直人議員) 9月1日、防災の日の直後に開会する今定例会でございます。私を含め、災害対策、防災あるいは減災対策などに関する一般質問が多く予定されております。竹田議員は少しそういう関連のお話をされましたけれども、防災という観点から、通告に従い一番手としてこれから質問を進めてまいりたいと思います。
その前に、お時間を頂戴いたしまして、実は、私事で恐縮なんですけれども、8月に長女が出産をいたしました。それで、名実ともにとは言いません。名前が先行して、じいじになっちゃいました。実質はこれからでございますので、私はじいじだとは思っておりませんけれども、そういうようなことで孫が今、自宅にいますけれども、その孫の横に、夫婦を排除して私が添い寝をしていると、この子に残せる鎌倉市って一体どんなものなのだろうかと、ふと考えるようになっちゃいました。3月に小・中学校の卒業式に出席させていただいたときも、ついつい涙腺が緩くなって、子供たちの巣立つ姿を見て、親御さんがこれまで御苦労されたこと、子供たちがいろいろ考えてここまで到達したことを考えてくると、我が子のことは相当前の話なのでほとんど記憶にもない。子育てをしたのかと言われるぐらい記憶にはないんですけれども、孫の顔を見ていると、これは大人として責任を持った行動をとっていかなきゃいけないなと改めて考えた次第でございます。そういったことも含めて、我々選ばれた26人、そして市長は選ばれた1人の市長として職員のトップに立って鎌倉市をよくするためということでの議論に、この場で参加いただくわけですので、どうぞ我々も含めて今後の一般質問、市の方向性を語る場でございますので、そういった視点でぜひ一般質問をお聞きいただき答弁をいただきたいなと思っております。
それでは、ここを長くしていますと問題もございますので、進めさせていただきたいと思います。
まず、自治体防災についてということでございます。一点目で安全・安心なまちの実現ということでの話を進めてまいりたいと思いますが、8月23日、台風20号が四国に接近する中、総合防災訓練が行われました。その折、市長は近年の国内で発生した災害について御挨拶で言及もされておりました。過去数年における大きな地震災害としては、平成28年熊本地震、平成30年大阪府北部地震、大きな水害としては台風あるいは低気圧、さらには線状降水帯等による平成27年の関東・東北豪雨、平成29年九州北部豪雨、そして平成30年7月豪雨、西日本豪雨ともいわれてますが、などが発災をしております。被災された皆様に改めて哀悼の意を表するとともに、一日も早い復旧と平穏な日常生活に戻られることをお祈りいたしたいと思います。
そして昨日は、昼ごろにことし最強といわれる台風21号が徳島県南部に上陸いたしました。神戸を突っ切りまして、今はもう北海道まで、けさには北海道にまで達するようなスピードで北上を続けました。明けてみれば、各地で死者も含めて大変大きな被害が出ておりました。そういった被害も含めて、今後の防災対策、そういったものについて改めてこの場で議論させていただきながら、鎌倉市の方向性、これを確認してまいりたいと思っております。
さて、一点目の質問でございます。後期実施計画の第一の柱として、安全・安心なまちの実現を掲げていらっしゃいます。どこでも発生し得る災害。これは市長として鎌倉市民の生命を守り、安全を確保しなければなりません。自治体防災の最高責任者としての覚悟、決意を、まず冒頭の質問とさせていただきたいと思います。
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○松尾崇 市長 後期実施計画第3期基本計画におきましても、市民の皆様の命を守り安全を確保することを全てに優先する取り組みとしております。地震や台風など自然災害そのものの発生を防ぐことはできませんけれども、被害を少しでも軽減する減災は可能であるため、常に日ごろから危機意識を持ち、市民・行政が一体となって災害に強いまちづくりを緊張感を持って進めていくということが重要であると考えています。その際、たとえ災害が発生したとしても市民の皆様の生命、身体を守るということを最優先としまして、引き続き安全なまちづくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。
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○19番(山田直人議員) 今の言葉を、この一般質問の中で問い続けていきたいと思います。
また、災害対策基本法第23条をひもときますと、これは市の条文をそのまま読みませんが、市に当てはめていうと、ということでお聞きいただきたいと思いますけれども、一つには地域防災計画の定めるところにより災害対策本部を設置することができるという規定がございます。二つ目には災害対策本部長は、市長をもって充てるということでございます。3点目は副本部長、本部員、その他の職員を置き、職員のうちから市長が任命すると。こういうふうに災害対策基本法第23条、鎌倉市版という意味で、市に当てはめていうとそういうことになるということでお聞き取りいただければと思いますが、そして市議会は実は災害発生時には法制度も実態としても役割が不明確でございまして、災害対策本部の一員として出席もしておりません。これは市議会がという言い方が正しくなければ事務局長が出ておりますので、市議会議員の一人は一員として出ていないとお聞きいただければいいと思いますけれども、先日の8月23日の総合防災訓練では、訓練参加の位置づけもされておりません。これでいいのかという意識がありまして、議会として、いわゆる業務継続計画、BCPの策定が課題となっていると考えています。制定された、もう計画をつくっている自治体もある中で、今後市議会として早急な策定が期待されるところでもありますけれども、今までのように法制度の実態としても役割が不明確な状況の中で、執行機関とのすり合わせというのは、今後このBCPを策定に当たっては調整事項も多数あると考えています。市長として、議会BCPの策定の協力には、協力いただかないとなかなか議会としてのBCPをつくるというのは非常に難しいのではないかと私自身は考えておりますけれども、現在の市長の考えを、まず確認をさせていただければと思います。
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○松尾崇 市長 大規模災害の発生時には、全市を挙げて取り組んでいくということが大変重要だと考えております。現在、災害対策本部条例施行規則において、議会事務局長を部長とする議会部に一定の所掌事務が割り当てられているという、こういう状況でございまして、また現在、災害対策本部が設置された場合には、議長が議会を代表して傍聴することができ、状況把握と情報収集を行うことが可能という、こういう位置づけになっていると認識をしています。現在、災害時には、その状況把握、状況の対応に当たった場合には、議員の皆様に逐次状況を報告させていただくよう心がけているところでございまして、こうした情報に基づいて、市民と行政をつなぐ役割ということを、ぜひ御協力をいただきたいなと考えているところです。
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○19番(山田直人議員) 今、御答弁いただいたように、事務局長が入っています。議長にも情報提供、傍聴という形でしていただいています。えてして、市民と行政をつなぐという我々の一つの立場を尊重すれば、いわゆる防災拠点等に出向いた折に、この拠点はこういう状況だ、この拠点はきょうこういう状況だというようなことを把握した上で、どこかにそれをつながなければいけないという、一つのときがあるわけですね。そういったときに災対本部にランダムにその情報を入れると、災対本部もいろいろBCPを動かしている最中に、そういうランダムに入ってくる情報というのは非常に整理がついていない状況で入ってきますので、それは大変御苦労されるんじゃないかと思う。その観点で、何か我々から災対本部につなぐ手法というものをBCPという形で表現をして、議会としてBCPというものをつくる必要があるんではないかなという視点で、今お話をさせていただきました。議員が混乱をさせるために言っているわけじゃない。市民の皆さんの声を伝えるために言っている。それの効果的に、効率的に災対本部につなぎ、災対本部らのジャッジを速やかにさせる、してもらう。そういったことが今後必要になってくると思ってますので、当然議長をヘッドにしたBCPの構築になると思いますけれども、そういった対応も、今後そういうすり合わせ、議長がじゃあどういう立場で情報をもらいにいって提供されて、議長に情報を提供し、議長が我々にどう提供するのか。我々が拠点で得た情報を議長にどう伝え、それを災対本部につなぐのかと。そのあたりのルールづくりがまだできていないと思いますし、そういったところを、ぜひ今後やるとしても意識していかなきゃいけないんじゃないかなと思っているというところで、今の質問を御理解いただければと思いますので、今後、調整事項が必要になれば、ぜひお願いできればなと思っているところでございます。
それでは、基本計画、実施計画との関連というところでお話をさせていただきたいと思います。これは、我々この場に立って質問するとき、基本計画、実施計画というのを相当頭に入った状態で質問されていると思いますけれども、答弁はこういうルールでこういうふうに今計画ができているからこうなんです。言ってみれば、皆さんからすればその基本計画、実施計画というのはある種、命で、それを外すことはできない。プラスアルファの話をしようと思ったときには、相当慎重な答弁をされる。これが先ほどお聞きしていた、竹田議員の一般質問の中にもいろいろ出てきたのではないかと思いますので、我々からすれば、どう実施計画の中に盛り込み予算化をさせていくか。これが我々としての主張でもあり、議会全体としてそれを市長部局にどういうふうに伝えていくか。こういったことのやりとりが一般質問という、ここを起点にして議会全体に広めていくという、そういうストーリーの中で実施計画に盛り込んでいきたいなと思っておりますので、皆さんのおっしゃることもよくわかりますので、それはそうとして聞きながら、今後、実施計画のときにその運用も含めて、それを軸に議論させていただきたいと思っております。そういう意味では、総合計画に基づく政策議論という、そういう意味でも重要と考えておりますので、今回の自治体防災に関する基本計画、実施計画に関連して質問させていただく。これから質問をさせていただくという趣旨で基本計画、実施計画との関連ということで、この場に立たせていただいているものでございます。
鎌倉市総合計画第3期基本計画後期実施計画、平成29年度から平成31年度。これウエブ版というのが進行管理を記載するものとしてホームページで公開をされておりますが、平成29年度、きのう見たところではまだ未記載となっております。これは決算の絡みがあるのかなと思いますけれども、各年度の記載ルール、各年度におけるウエブ版における記載ルールというのは、どのようになっているのか改めて確認をさせていただければと思います。
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○比留間彰 共創計画部長 後期実施計画、実施計画の進行管理版、ウエブ版の更新でございますが、予算と決算を合わせまして年に1回更新を行っておりました。決算値や事業内容については、決算の時期により詳細な内容をまとめた行政評価の結果を公表しておりますことから、そちらで御確認いただければと対応していたところでございます。ただ、今のお話にもありましたように速やかな情報公開の観点を考えますと、今後は決算の時期に合わせてウエブ版を更新していく、こういう対応を図っていきたいと考えております。
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○19番(山田直人議員) 進行管理というのは本当に大事なことです。今、ビジネスサイクルとしてのPDCAというのが多くの行政計画の中でハンドリングされておりますが、この事業記載についても、今部長から答弁いただいたように、速やかにしていかないと。進行管理上の話として、じゃあ来年度に向けてどうすればいいんだろうかというような話というのも、一定の時間かかるということも御理解いただきながら、できるだけ速やかな記載を今後お願いしていきたいと思っております。それでPDCAサイクルという、その視点から申し上げますと、後期実施計画の最終年度が来年、平成31年度でございます。予算編成という大切なアクションになるわけですね。後期実施計画の最終年度になるわけですので、このアクションに向けて今チェックしなければいけない。これは1年半、もう経過しておりますけれども、これを検証しながら計画あるいは実施事業に対する歯どめをきちっと考えながら、来年の予算編成に向けてのアクションとして確実に後期実施計画の達成をしなければいけないということが問われていると思ってますし、そういった意味で、今9月定例会の決算というのは大変重要な位置づけであると認識をしております。
そういった前置きを置いた上で、将来目標の5というところで、この実施計画の中で「安全で快適な生活が送れるまち」の(1)になりますけれども、防災安全の分野で地震対策、風水害対策の充実の実施事業は、重点事業が三つ、さらに実施事業としてこの三つを含む八つの事業が今展開されておりますけれども、今申し上げましたように、検証という意味で1年半どのようだったかということもありますので、平成29年度の実績、平成30年度の今の執行状況、そして平成31年度の予算への取り組み、こういったところで少なくとも3事業については言っていただけるかもしれませんが、概括的な話でも構いませんが、現在の進行管理上のPDCAとしてのチェックの重要性、そういったことに鑑みて、それぞれの年度での状況を御答弁いただきたいと思います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 今、議員おっしゃった地震対策、風水害対策の充実の実施事業でございますが、総括的に具体的な事業につきまして、どうだったかということを順次追って御説明させていただきたいと思います。
まず平成29年度における主な実績といたしましては、防災行政用無線のデジタル化整備事業、これに着手をしたほか、公衆無線LANの整備を引き続き実施をしたものでございます。また平成30年度、これの実施事業に係るものといたしまして、引き続き、先ほど申しました防災行政無線のデジタル化の整備を進めております。それからまた新たな事業といたしまして、気象情報サイト、ホームページの構築ですね。これとあとマンホール式の貯留式のトイレ。避難所の環境衛生の改善という視点に立って、貯留式トイレの整備に取り組んでいるところでございます。さらに市民の方々の防災意識向上を目指しまして、総合防災訓練におきましては自主防災組織の参加の機会をふやすとともに、新たな試みといたしまして、小学生を対象としました防災講座を実施したところでございます。
平成31年度に向けましては、昨今の自然災害、けさほどの台風21号の件もあります。西日本豪雨のこともございます。これらの自然災害の多発を受けまして、災害情報の提供のあり方、それから避難所における環境改善、こういった新たな課題を踏まえました取り組みを検討してまいりたいと、このように考えてございます。
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○19番(山田直人議員) これ今、実施計画を私も見させていただきながら、新たな取り組みという意味で、事業との関連づけもしながら今御答弁をいただきましたし、平成31年度に向けてどういうようなということも、今お話を頂戴いたしましたので、予算編成に当たっては、そういった部分も継続性という意味、あるいはさらに拡大しなきゃいけないという意味では、まだ行政評価までは私は当たり切れておりませんけれども、そういったところの反省も踏まえて今後の決算、あるいは来年度予算にしっかりとつなげていきたいなと思っております。
そして同じ項目ではございますけれども、この主な取り組みについて、総合的な防災体制の強化から浸水対策の推進まで8項目について掲載されております。これに関連してお伺いしたいということでございますけれども、阪神・淡路大震災における救助の主体は約8割は近隣住民といわれております。共助が大きな役割を担ったということでございます。自治体防災政策において、とりわけ共助というのが今重要視、あるいはその重点化してきていると理解をしているところでございます。そこで地域の防災意識の醸成についてということで取り組みをされている部分でございますが、自主防災組織の活動への期待の一方、育成強化というのも課題と市では認識されているのではないかと思いますが、現在の自主防災組織の数、地域の偏在、あるいはミニ防災拠点単位での連携活動、そういったものについてどのように課題を整理されているのかお伺いしておきたいと思います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 議員おっしゃるように共助の視点、これにおける地域における、いわゆるコミュニティー防災の担い手としての自主防災組織活動、これの活性化は非常に重要なことであると考えてございます。
現在、市内には186の自主防災組織が結成されておりまして、地域の特性や組織の規模に応じた活動といたしまして、小学校区単位などで複数の組織が連携したブロック訓練や各自主防災組織単独の訓練を実施しているところでございます。さらに自主防災組織連合会、これを通じました横の連携も図っておりまして、本市における自主防災組織全体、これの底上げも図っておるところでございます。今後も共助の観点から地域防災力の一層の向上に取り組んでまいりたいと、このように考えてございます。
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○議長(中村聡一郎議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(11時54分 休憩)
(13時20分 再開)
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○議長(中村聡一郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
山田直人議員の一般質問を続行いたします。
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○19番(山田直人議員) それでは、午前に引き続き質問をさせていただきます。
午前の最後に、地域防災力のことについてお話をお聞きいたしました。その部分で、実は大船地域づくり会議というのが、以前この場でもいろいろ御議論させていただいたかと思うのですが、そちらで避難所運営マニュアルという防災のマニュアルを作成し、自主防災組織単位で、ある町内会とか自治会、そういった枠を超えた連携を構築しつつあるとホームページでお見受けしておりますけれども、こうした事例の評価と今後の展開、これについては市はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 避難所運営マニュアルにつきましては、御紹介のように大船の地域づくり会議におきまして策定に取り組んでいただき、平成30年6月までに大船地域の4小学校の各運営マニュアルが策定されたところでございます。この取り組みは、市内の2地域の自主防災組織、ここからも大変注目されておりまして、市といたしましても今後積極的に情報提供を行い、全市的な取り組みにつなげていきたいと、このように考えてございます。
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○19番(山田直人議員) せんだって、9月1日に深沢地区の防災訓練、地区の防災訓練があって、そちらに参加させていただきました。そこで病院における訓練とか、あるいはその病院間の連携、病院、避難所での医師・看護師の役割、あるいは課題を共有。そういったことで課題を共有化させていただいたのですが、災害関連死というのはなくならないというか、かなり多い状況の中で、こういう病院との連携というのは大変重要な話だろうと考えております。これについては、正確に申し上げれば、事前にお話はしておりませんけれども、ただ地域の防災意識の醸成という中でも医療機関との連携及び協力体制の整備というものを図っていこうということが取り組みとして語られています。防災訓練に出たときに、そういう病院関係者との話もあって、なかなかまだそういった連携というのはスムーズにいってないなという感触を得たものですから、そういった意味での医療機関との連携、協力体制の整備、こういったものを図ろうとしている取り組みの現状の防災安全部としての認識をお知らせいただければと思います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 災害時における被災者の皆様の身体、生命、財産の管理という意味におきまして、医療機関等々との連携は非常に重要だと思っております。実際に、例えば災害時におきます図上訓練、こういったものにも医療関係者の方々においでいただきまして、実際に図上訓練の中で役割を分担してどのような動きをしていただくかと、そういったようなこともやってございますので、ますます医療機関との連携は今後大事になってくると思いますので、そういう機会を通じまして、さらなる連携を強めていきたいと、このように考えてございます。
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○19番(山田直人議員) 今の答えの中で、地域社会の支え合いとか、あるいはその公助としての避難所、避難者の保健とか医療、福祉の充実。こういったことについては、今後高齢社会の中にあって、先ほど申し上げた災害関連死を防ぐ観点からも大変重要な話だということで、今、医療機関のお話をさせていただきました。先ほどの大船地域づくり会議のところでの成果、これについても一定の評価をいただいておりますけれども、こういった今後の展開も含めて、こういう視点において、大船地域づくり会議の成果、この視点においてでも医療機関との連携というのは、ここにしっかり組み込んでいく必要があろうかと思うんですけれども、そういった意味で、この避難所マニュアルの中での、いわゆる保健医療関係、そういったものの関連性、こういったものについてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 市としても、先ほど申しましたように全体の災害対策本部としての動きの中に医療機関の方が加わっていただいて、一定の役割を持って活動していただけるということもございますけれども、また地域の防災力を高めるという形で避難所運営、こういった中でも当然いらっしゃる避難者の中には、環境によってはぐあいが悪くなったりする方もいらっしゃると思います。その中で、実際には私どもで医師会と連携をして、救護所の関係とか避難所の関係については医師を派遣するような形をとっておりますが、地域単位の中での避難所の運営という中で、医療機関の方で例えば看護師とかドクターに御協力いただけるということであれば、これは非常に貴重な支援力となると考えておりますので、そういった取り組みも地域の取り組みとして進めていっていただくことは非常に大事なことだと思っております。
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○19番(山田直人議員) そのとき私も感じたのは、医療機関が受け入れということがまず最初にあるかと思うんですね。その次に避難所に医師をどう派遣する、看護師をどう派遣していくかということになると思うんですね。ですので、医療機関も、そういった意味で医療機関独自のBCPというのは多分必要なんだろうと思うんですけれども、そういったあたりも今の大船の地域づくり会議とか、あるいは医療機関の重要性、災害関連死を防ぐために必要な、そういった医療機関の力をお借りしなきゃいけない局面、こういったことの重要性がありますので、ぜひ医療機関との間でも、そういった業務継続に関する何というんでしょうか、市としての考え方、あるいはその取り組みについても、連携を一層深めていただくように、そのBCPの作成もお願いしつつ取り組んでいただければと考えているところでございます。
それでこの地域づくり、あるいは地域防災力の関係からの、発展させていただきますけれども、平成26年3月です。内閣府が地区防災計画ガイドライン。地域防災計画じゃなくて地区防災計画ガイドラインというのを公表しております。私どもの会派では、議会における議論、多くの場面で地域コミュニティーの活性化という、これの重要性を主張してきておりますけれども、地区防災計画を作成する目的には、地域防災力を高めて地域コミュニティーを維持・活性化することともされています。これまでの主張の延長線上にあるというふうに、この地区防災計画というのを捉えられるのではなかろうかと考えているところでございます。
そこで消防団、各種地域団体、あるいはボランティア等との連携も重要とされ、全国にももう既にモデル地区も紹介されています地区防災計画について、市の今後の対応についてお聞きをしておきたいと思います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 議員御紹介の内閣府が推奨しております、地区防災計画。これでございますが、御指摘のとおり災害に強いまちづくりを推進するため、地域での自助・共助の考え方に基づく住民の皆様の役割を定めるとともに、地域で起こり得る災害を想定いたしまして、いざというときに適切で対応できるよう住民の皆さんが主体となりまして、地域の特性に応じて策定するものであると認識しております。地域の特性や各団体との連携、こういった観点におきましては、本市においても地域ごとに、例えば津波避難計画を策定しているほか、小学区単位や地域ごとに実施する防災訓練に消防団などの地域の団体にも御参加をいただき、地区防災計画の目指すところ、これとは方向性は一致しているものと感じております。本市における地区防災計画、これにつきましては計画の実効性などを鑑みまして、その必要性につきまして研究をしてまいりたいと、このように考えてございます。
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○19番(山田直人議員) もう既に町内会等とも、具体的にこれを決めるとなると、いろんなハードルはあると思うんですね。そういった意味では、市が実際にサポートしながら地区防災計画というものをある単位でつくっていただく。それが住民の、ある意味その防災意識の向上ですとか、あるいはその地区防災計画をつくったという、そういった意味での今後の共助の意味での市民の皆さんの意識高揚、そういったものにも反映するということになるかと思うんですけれども、今検討というふうにおっしゃいましたけれども、そういう意味では、もう一歩深めて、まちづくりと同じ観点で、もう一歩進めるようなこともしていただければなと思うんですが。この中では公的な承認といいましょうか、公的に市が認める。そういったこともいずれ必要になるかと思うんですが、そういった観点で検討という中には、そういう意味も含まれると考えさせていただいてよろしゅうございますか。まだそれも検討であれば、それはそれで一つの答えですので、これ以上踏み込みませんけれども、公的な承認というような形で、もっと住民の意識高揚に寄与していただければなという観点でお尋ね申し上げます。
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○柿崎雅之 防災安全部長 確かに地区防災計画、これができますと、地域防災計画にも最終的には反映していくことになりますので、市が公認を与えたという結果的にはなると思います。この動きがモデル地区等も含めて、幾つかの先進都市で事例がございますので、この事例の地区防災計画を設定したときの実際の効果、こういったものもまだ検証段階と思いますので、先進都市の事例も踏まえて検討してまいりたいと、このように考えてございます。
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○19番(山田直人議員) まだ地区防災計画というレベルでは、なかなか話としてはまだ精緻な話ができない状況でございますので、観念的な話になるといけませんけれども、ただこの地区の防災計画を作成するという中には、高校生とか中学生。そこに住んでいる高校生とか中学生も含めた教育とか訓練、そうしたものを通して災害時に的確な判断と行動ができる人間を養うんだと。そういったところでの防災計画の位置づけと言いましょうか。そういう防災教育の面から、高校生、中学生、さらには先ほどお話出ました小学生のレベルまでということになるかもしれませんが、そうした的確な判断と行動ができる人間、それを養うということも、この地区防災計画を通してコミュニティー力を養う、担う存在が求められているという中で、高校生、中学生が本当にポテンシャルを今後高めていかなければいけないと思うんですけれども、地区防災計画は外したとしても、その地区にある防災力を上げるという意味で、高校生、中学生に対する期待ですとか、あるいは実際の現場での教育のあり方。そういう点についてはどのようにお考えかというのを確認をさせてください。
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○佐々木聡 教育部長 教育委員会としましては、鎌倉市の教育センターが作成いたしました、鎌倉市防災教育カリキュラムでは、学校教育において9年間を見通して計画的に防災教育を行うこととしております。
具体的な事例を御紹介させていただきますと、ある中学校では総合的な学習の時間において、一年生で地域の方々の情報をもとにした逃げ地図づくり。二年生で災害を想定して衣食住を体験する避難所体験。三年生では避難所運営シミュレーションなどに取り組んでいる学校もございます。
これら防災教育におきましては、まず第一に自分の身は自分で守るということができるよう、中学生を育てるとともに、地域の一員であるという自覚を持って、ともに助け合いながら主体的に活動できる生徒の育成を目指しておりますので、そういう積み重ねによって、また高校に進学した後の地域で活躍できる人材になっていただければと考えております。
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○19番(山田直人議員) おっしゃること、重々私も理解するところでございますので、ぜひ学校教育面では、まず取り組んでいただきたいと思いますけれども、地域との関連性からいうと、学校から入っていくというよりも地域の中で、実際どういうふうに大人と接していくんだというところも、これは重要な話ではなかろうかなと思ったものですから、その地区防災計画というものをつくる中に、そういった方々も参加いただきながら、実際に大人と接しながら、そういう防災意識をまた大人に伝えていただく。そういったことも一つ必要だと思いますので、ぜひ防災安全部とも御協力いただきながら、地区防災計画の位置づけ、検討レベルを上げていっていただければなと思いますのでよろしくお願いします。
それであと同じ取り組みの中で、浸水対策の推進についてということが述べられています。冒頭申し上げましたとおり、各地で豪雨が発生しているという状況でございます。平成30年7月豪雨、西日本の豪雨でございますけれども、アメダスの観測地としては24時間雨量というのは高知県内で691.5ミリ。期間降雨量としては、同県内で1852.5ミリという。さらに平成29年九州北部豪雨では、1時間雨量が福岡県内で129.5ミリ。24時間雨量が545.5ミリと。これまでの都市設計では対応できないような雨量が観測され、大きな被害につながったということになります。地域防災計画(風水害等対策編)に記載された洪水ハザードマップの想定雨量、柏尾川は24時間雨量が292ミリ。滑川と神戸川については1時間雨量74ミリとされて、内水ハザードマップは1時間雨量が78.5ミリ。そういうような想定がされています。
平成27年5月に水防法が改正されました。洪水浸水想定区域の対象降雨は河川整備の目標とする降雨、これ計画規模からですね。想定し得る最大規模の降雨、想定最大規模、境川流域、柏尾川もそうですけれども632ミリに高められました。河川ごとに洪水浸水想定区域の見直しが進められていると。これがせんだっての総務常任委員会でも取り沙汰されましたけれども、県が示している数値がこのようになってきて、洪水浸水想定区域の見直しが進められているということでございます。
8月28日になりましたけれども、先ほど申し上げました総務常任委員会において、平成30年1月に県が告示している洪水浸水想定区域を受けて、水防法第15条に基づくハザードマップの改定、作成時期については、神戸川、滑川の見直しを平成31年に行うということで、それに合わせて改定作成するとの確認をいたしております。
その上で、柏尾川単独、これはもう告示されておりますので、柏尾川単独での改定については検討の余地は本当にないのか。市民の安全・安心、市民周知の視点から御答弁いただければと思います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 議員おっしゃるように、西日本豪雨や今回の台風21号、これなどから市民の皆様の風水害、これに対する関心が高まっていることは防災担当として実感しておるところでございます。現在、本市で使用しております洪水・内水ハザードマップは、御紹介のように水防法に基づき平成21年に神奈川県が公表した浸水想定のデータを反映し作成したものでございます。本年1月に神奈川県が公表作成しました、柏尾川の浸水想定区域図は、議員御紹介のように従来の河川整備の目標とする降雨、これによる浸水想定とは別に、前提条件を想定し得る最大規模の降雨として作成し、公表したものでございます。また同じく県管理河川でございます、滑川及び神戸川につきましては、神奈川県が平成31年度に浸水想定の前提条件の見直しを踏まえ、また別に浸水想定区域図を作成していくとの情報を得ているところでございます。柏尾川の最新想定につきましては、現在、市のホームページから神奈川県のサイトにリンクし、最新の情報を入手していただけるよう対応を図っているところでございますが、よりわかりやすい形で情報提供を求める御意見もいただいていることも考慮いたしまして、まずは市のホームページの見直しを図るとともに、さまざまな媒体を通じて周知を図ってまいりたいと考えてございます。また全市的なハザードマップの改定でございますが、残りの河川の新想定が公表された段階で、速やかに着手をしてまいりたいと考えてございます。
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○19番(山田直人議員) いずれにしても、市民の方が間違いなく自分がどう避難すればいいんだと。どういう状況になった場合は自分の身をまずは自分で守るということに対する情報が的確に入る、これが重要だと思いますので、そういう意味でもそのハザードマップへの、いわゆるリテラシーの向上、あとはこういう洪水に対する県の告示に対して、市民の皆さんがどういうふうにしてこれを理解し、この場合にどう対応していくんだというようなことが高められていかないと、これは何ぼ公表しても意味のない話になっちゃいますので、ぜひそのあたりもしっかりと周知いただくような活動は継続していただければと思っております。
それで具体の実施事業についてですけれども、防災運営事業というのが、この実施事業の中にございますけれども、この事業においては地域防災計画、これは市が運用するものですけれども、災害対策基本法第42条には、市町村防災会議は、防災基本計画に基づいて当該市町村の地域に係る市町村防災計画を作成し、及び毎年市町村地域防災計画の検討を加え、必要があると認めるときはこれを修正しなければならないというのが災害対策基本法の第42条を引いてくると、このようになります。ここで毎年の検討については、どのような手続で行われているのでしょうか。東日本大震災以降、法改正等に伴い、あるいは鎌倉独自に修正が加えられてきたと思いますけれども、地震災害対策編及び風水害等災害対策編について、年次を追って主たる修正履歴を確認させていただければと思います。いかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 地域防災計画、まず地震災害対策編でございますけれども、東日本大震災の発生を受けまして、減災の視点の災害対策、あるいは自助・共助・公助、この役割分担と連携の重要性、それから津波避難対策の明確化などの視点で、平成25年2月に全面的な改定を行いました。
その後、主な改正点についてでございますが、平成26年度に避難行動要支援者対策、これにつきまして記述の追加。さらに平成28年度に市庁舎が被災した場合の災害対策本部の設置場所の修正、これなどを行っているところでございます。
また一方、風水害等の災害対策編でございます。これにつきましては、平成26年度に火山災害対策、それから雪害対策の追加などによる改定を行いまして、その後、平成28年度に放射性物質対策の追加。それから風水害時における、いわゆる避難勧告、避難指示等の発令基準、これの見直し等による修正を行ってきたところでございます。
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○19番(山田直人議員) これは毎年というように書いてありますが、これは必要ならばということですので、年次を追って毎年ということではなかろうというのが、今の御答弁の内容と理解をいたしました。
それでこれ最新の履歴、今御答弁いただいたような履歴というのは、どこにその修正履歴が残っていくのかというのが、私情報を当たってみたんですけれどもわからなかったんですね。そういう今おっしゃっていただいた、年次ごとに修正かけましたということの履歴表示というのは、どういうところで行われているのでしょうか。我々が知り得るのは、どういうところで知り得るのでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 実際には公表している、例えばホームページとかの地域防災計画等につきましては、上塗りをして新たに改正になりましたということで、ポイントポイントとはしていなかったと思うんですけれども、実際の改正の履歴の視点で防災会議ですね。改正の新旧のことをかけますので、その際の議事資料等がありますので、これをごらんいただければ防災会議のときの改正点は把握、その時々の改正点は把握できると思いますが、その資料は総合防災課にそろえてございますので、もしどこどこが履歴を追って改正したいということが御希望であれば、その会議資料を出すことはやぶさかではありませんので、それで御確認いただけるかと思いますのでよろしくお願いします。
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○19番(山田直人議員) 今、あえてそれを申し上げたのは、いろんな市の計画もそうなんですけれども、何か改定されたのは、もうまるっきりどんとこう内容が変わっても、そのまま入れかわっちゃうんですよね。そうすると、なぜ変えたんですかとか、どういう意図を持って変えたんですかというような、そういった部分が読み取りにくくなっちゃって、変えた事実はわかりました。防災会議で話をされているのもわかりました。だけど我々は、じゃあなぜ今ここでこうなったんだ。それは法令が変わったらだとか、あるいは違う観点でいろんな意見を受けて、この部分についてはこうしたんだというような、そうした我々がなぜというところが理解できるような表現で改定、履歴というのを残していっていただきたいなというのがあるものですから、今申し上げた表示はしていってほしいなと思うんです。今、記憶ではございますけれども、風水害対策編か資料編かには、その改定履歴を書くページの裏、表紙の裏側に改定履歴を表示する欄があるんですね。ああいうことは、どの段階で何を変えてきたのかというようなことも含めて、履歴として残していってほしいなと思いますので、御努力いただければと思っております。
それで次に、「安全で快適な生活が送れるまち」ということで、ずっと進めてまいっておりますけれども、6番の下水道河川の分野で目標とすべき町の姿として、先ほど来、話をしておりますけれども、豪雨等の自然災害が発生した場合でも浸水の被害がなく、局所的な集中豪雨等が生じても河川は氾濫することがなくという町の姿を描いていらっしゃいます。浸水対策については、実施計画の中に重ねて記述をされているというところがございます。先ほど申し上げました、その想定し得る最大規模の降雨、河川整備の目標とする降雨、こういった二つのものが示されているわけなんですけれども、さらに都市マスタープランにおいても、この部分の記載、水害予防も考慮したまちづくり。こういったことについて、都市マスタープランでもその部分触れておりますけれども、これに対する市の考え方について、一度整理をさせてください。
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○松尾崇 市長 鎌倉市都市マスタープランにおいては、この水害予防の中で河川の改修と公共下水道、雨水の改修について記載をしております。
この河川の改修ですけれども、大塚川から新川への分水計画を本市の第3期基本計画後期実施計画の中で重点事業として位置づけておりまして、現在計画を進めております。公共下水道、雨水の改修や維持、補修工事についても実施をしているところです。また浸水対策であります、雨水貯留施設や雨水浸透施設の整備やコミュニティープラントの雨水貯留施設への転用など、貯留機能を強化して浸水被害の縮減に向けた対策を実施しておりますけれども、しかしながら想定し得る最大規模の降雨に対しましては、現在のハード対策における整備の水準では対応することが難しいと考えておりますため、災害リスクや地域の状況に応じて施設整備や施設の耐震化などのハード対策と、また高台等への避難や防災教育などのソフト対策を適切に組み合わせた多重防御による総合的なまちづくりに努めてまいりたいと考えております。
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○19番(山田直人議員) 先ほど来から話しているのは、雨の降り方はもう異次元の領域に入ってきちゃっているんですね。これまで1時間雨量については何ミリというような形で都市設計をしてきたというような部分が、もう通じなくなってきているというのも現実的な課題だと思います。今、市長がハード、ソフト面で、そのバランスというのは大事だと思いますけれども、公的なことを実施していこうとすると、ハードの部分、この部分についてはできる限りのことはしていかなければいけない。そうはさりとて、莫大な予算を使わなければいけないようなハード対策というのは、これはなかなか難しい。一方ではそういうこともございますけれども、いずれにしても、その都市マスタープランの中でもそういうような対応をしなきゃいけないという中で、一歩でも二歩でも、そういう水害対策をハードで守り切れるような部分は、きっちりと県、国とも含めて連携をしていっていただければなと思いますので、重ねて、その都市設計の部分については、ぜひ、さまざまな河川の改修というふうな局面もあるかと思いますけれども、お願いをしていきたいなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、テーマをまた広げちゃいますけれども、持続可能な都市経営ということで、「SDGs未来都市かまくら」の創造ということで、未来都市及びモデル事業に選定されたということでございます。市の総合計画にその理念を掲げて、第4期基本計画の策定を行うと聞いております。今回の一般質問については、このSDGsの17の目標のうちから幾つかを選択をさせていただき、さらに八つの優先分野の中からも選択させていただきながら、それと関連づけてお聞きをしているということも意識の中にはございます。
一方、第3期基本計画、来年度が最終年度ですので、冒頭申し上げたように来年度予算というのは、その締めくくりとして大変重要なものだろうと思いますので、その意味でも、この決算審査、この9月定例会で予定されている決算審査というものも重要な位置づけということで、これは総合計画の絡みからいえば、そういうふうな流れになろうかと思います。
また見方を変えれば、第4期基本計画を策定する時期を見据えると、申し上げているように今がチェックのレベルの段階ということですので、そういった意味で第4期基本計画へ連動性をきっちりと考えた来年度のアクションというものを見ていきたいと思っております。
それで第3期基本計画後期実施計画の主要かつ重要な考え方の一つが、冒頭申し上げて、ここで取り上げてきました、「安全・安心なまち」の実現であり、SDGsの理念や、あるいは政策的、継続性から次期基本計画の重要な柱にならなければならないと考えております。現段階ではどのように考えているか、展望を含めてお答えいただければと思います。
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○比留間彰 共創計画部長 前期計画を前倒ししまして策定した、現行の第3期基本計画において、計画期間内に特に優先する取り組みについて、防災・安全の分野を中心とした安全な生活の基盤づくりにつながる取り組みを優先的に進めてまいりました。現在、検討作業を進めております第4期基本計画もこの考えに変わりはなく、市民の方々の生命、財産を守ることに重点を置くとともに、SDGsの視点、共創の視点、共生の視点について特に配慮し策定していくことを現在考えております。
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○19番(山田直人議員) それでは具体的な自治体防災対策に移りたいと思います。平成29年1月、避難勧告等に関するガイドラインが改訂されました。先ほど防災安全部長からも少し触れたようでございますけれども、避難情報の名称変更とその意味について御答弁をいただきたいと思います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 平成28年になりますが、台風第10号、これによる水害で岩手県の岩泉町、これの高齢者施設におきまして、避難準備情報の意味するところが正確に伝わっていなかったため、適切な避難行動がとられず人的被害が発生したという事案がありました。この教訓を踏まえまして、高齢者等が避難を開始する段階であることを明確にするなどの理由から、平成29年1月31日に避難勧告等に関するガイドライン、これの改訂が行われまして、避難情報の名称が変更されたところでございます。
その内容でございますが、従来の避難準備情報が避難準備・高齢者等避難開始、これに変更しまして、避難指示という言葉が避難指示(緊急)とされ、表現がより具体的になったところでございます。それぞれの情報の内容でありますが、避難準備が整い次第、避難を開始すべき段階で発令される避難準備・高齢者等避難開始。速やかに避難する必要がある段階で発令される避難勧告。避難を完了していなければならないという段階で発令される避難指示(緊急)という段階になってございます。
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○19番(山田直人議員) 今、高齢者ということで御案内いただきましたけれども、いわゆる社会的弱者の方の逃げおくれがないようにというのが大きなくくりの中では必要だろうと思いますし、そういう社会の実現が必要なんだというふうに、今回の避難情報の変更、そういったものも捉えることができるのではないかと思います。
水防法とか土砂災害防止法の改正に伴って、要配慮者、利用施設の管理者等の避難確保計画の作成、避難訓練の実施の義務の履行状況、こういったものはどのように捉えられて、課題をどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 議員御案内のとおり、平成29年6月でございますが、水防法、土砂災害防止法の一部改正によりまして、要配慮者、利用施設の管理者等は、避難確保計画の作成、避難訓練の実施が義務づけられたところでございます。この避難確保計画を作成する施設は、幼稚園、学校、保育園、病院、福祉施設等となっておりまして、現在この取り扱いについて各施設の担当部局である教育部、健康福祉部、こどもみらい部と調整を進めながら既存の対象施設の抽出をしたところでございます。今後、各施設の担当部局を通じまして、当該施設宛て避難確保計画の作成等について依頼をしていくよう準備作業を今進めているところでございます。
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○19番(山田直人議員) そうすると、まだ準備段階ということで、少しこのあたりがさらに強力に進めなきゃいけないところでございますでしょうか。これに関連して、先ほども少し触れましたけれども、この要配慮者利用施設の業務継続計画、先ほど医療関係の話をさせていただきましたけれども、このBCPの作成というのも必要になるかと思いますけれども、そのあたり、今現在どんなふうな状況になっているかというのは、その避難確保計画がまだそういう状況であると、なかなかBCPまで行き着いてないのかもしれませんけれども、そのあたり情報があれば教えていただければと思います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 当然のことながら、各病院ごとに、それぞれの施設の例えば消防計画だったり、避難にかかわる患者さんの避難の計画というのはそれぞれつくっていると思うんですけれども、市全体の中のBCPの中の医療機関の役割というのは、基本的には救護所の開設の支援ということもなってきますが、その病院ごとのそれぞれのBCPというのは、つくっているところとつくっていないところがあるんですが、その全体がどこがつくっていて、つくっていないというのは、私どもには情報がまだ来ていない段階ですので、それはわからないということなんですが、一定の法律で決めた消防計画についてはつくっていると思いますので、それに南海トラフの形が付与されて、その中で病院内の避難計画等についても一定のことが触れられているもの、そのようなことで感じております。
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○19番(山田直人議員) 今、私申し上げた質問の内容とずれているんですけれども、先に進めることによって解消したいと思います。
要配慮者利用施設を所管する担当部局の指導監査等の際には、非常災害対策計画を防災担当部局と連携して点検を行うというふうにされていますが、このあたり要配慮者利用施設の所管部局との連携、点検、このあたりはどのようになっていらっしゃいますか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 先ほど答弁いたしました平成29年6月に水防法と土砂災害防止法の一部改正がありまして、これに伴いまして、今まで各施設がつくっていた非常災害対策計画というものを、避難確保計画をつくれということの法律に改正になった時点で、その施設が指導監査の際に、その防災担当部局と連携してチェックをしていくと、こういうような法令の枠組みになっているところでございます。今後新たに、申請する要配慮者利用施設につきましては、各部局と共同して避難確保計画の内容を点検していくことになるだろうと思っております。
また、本法律の改正に伴いまして、既存の対象施設、これの避難確保計画の作成に際しましては、先ほど御答弁申し上げたように、既に作成されている非常災害対策計画などの施設の指導監査、これの際に、提出された避難確保計画とともに適切に作成しているかをチェックすることになります。厚生労働省と国土交通省から示されております水害・土砂災害に係る要配慮者利用施設における避難計画点検マニュアル、これにのっとりまして、各施設の担当部局と防災担当部局が連携して点検を行うこととなると考えておりますので、この点につきましても今後通知をする際には各部局と連携・調整を図りながら進めてまいりたいと、このように考えてございます。
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○19番(山田直人議員) その上で、各施設のBCPの作成も、今後必要なんじゃないでしょうか、医療機関だけではなくて、という意味で先ほどお話を申し上げましたので、まずは避難計画をつくっていただくと。その後でということでなろうかと思いますので、そのあたりもう少し今後御議論させていただければと思います。
国でも、本件に対しては、空振りを恐れずといった表現を使いながら、ちゅうちょなく避難勧告等を発令する体制が求められていると理解しております。8月30日の神奈川新聞の論説の中で、政策研究大学院の武田教授によって、気象情報を正しく読み解く力とか、気象台からの情報が専門的となり、防災担当者が消化できていないんではないかと、気象の専門家を招いて研修会を重ねる等の指摘をされておりました。
こうした発令に直結する情報の把握ということについては、災害対策本部の機能向上に必要なものだと思いますので、そういった意味で気象の専門家などの活用、こういったことが今の武田教授の指摘の中にもあったかと思います。そういった意味で気象の専門家などの活用についてはどのようにお考えでいらっしゃいますか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 災害時におきまして、迅速に河川情報、気象情報等入手することは災害対策本部等における的確な状況判断に直結することから、非常に重要なものであると考えてございます。
現在の情報収集手段といたしましては、インターネットを通じた河川監視カメラや水位計、これによる情報の活用、また、県防災行政通信網によるファックス情報等で把握をしているところでございます。さらに、現在は神奈川県県土整備局砂防海岸課及び藤沢土木事務所と河川情報に係るホットライン、これが確保されておりますほか、横浜地方気象台とも直接電話で状況確保、情報確認、これを行うなど、専門機関との連携体制は、従来より強化された状況となっておりますので、この点も踏まえて、このようなことを活用しながら正確な、それから迅速な情報提供を入手していきたいと、このように考えてございます。
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○19番(山田直人議員) 防災・危機管理アドバイザーということで、御承知の方も多かろうと思いますが、山村武彦さんという方がいらっしゃいまして、その著書の中で、人間には自分だけは大丈夫と期待する本能があると、人は自分にとって不都合な情報を無視する、見たくないものは見えない、信じたくないものは信じられないというようなことの記述があるんですけれども、そしてまた過去経験したことがないアクシデントが起こると、同調性バイアスというのと正常性バイアスというのに陥って、いろいろ人は動きにくくなる。なぜ人は避難しないんだろうか、その辺は誰も避難しないから自分も避難しないとか、そういう同調性バイアスが働いたり、自分だけは助かるんだという思い込み、見込みというようなことを指摘をされているところでございます。
先ほど紹介した武田教授と同様な部分、こちらの東大の池内教授なんですけれども、住民の防災リテラシーの向上というのが指摘されていると。先ほどハザードマップの件、お話し申し上げましたけれども、ハザードマップを公表、配付するだけでは具体的な避難行動にはつながらないという御指摘もあるし、ハザードマップの十分な理解、義務教育の中でマップを学ぶとか、防災訓練に水害や土砂災害を対象にすると。そういった新たな防災訓練の取り組み。深沢では土のうづくりの訓練もしておりましたけれども、そうしたリスクを自分ごととして認識し、行動に移すと、そういったところが災害時の具体的な行動を考えるそうした機会をふやすのが重要だというような指摘だろうというふうに思います。
こうした災害心理も含めて、東日本大震災の被災地では、避難の有無が生死を分けたと聞いておりますが、こうした今紹介したような防災心理から逃れ、避難行動を促すための施策について、市の考えとか防災計画に盛り込むべき事項があれば伺っておきたいと思います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 先ほど申し上げました地域防災計画の計画の改定に際しましては、東日本大震災、これの教訓を踏まえまして防災教育や避難対策の推進などのソフト面での対応も含めた多重防御の考え方を防災まちづくりの目標としてまいったところでございます。特に津波避難におきましては、徒歩による高台への避難を軸に対策を推進し、市民の方々と協働した継続的な訓練の実施や、避難経路マップの作成などに取り組んでまいったところでございます。
また、御存じのように津波シミュレーション動画なるものを制作いたしまして、防災学習などに活用しているところでございます。先ほど山田議員言われたように、避難というような、率先避難という考え方を常に意識を持っていただいて、それで行動していただくことが住民の皆様の身体・生命、これを減災につなげていくということに一番効果があると思っております。そういう意味からしまして、特に地域防災計画に施策として記載するものではございませんが、今後も震災の記憶、これを風化させることなく、市民の皆様に危機意識を持ち続けていただくこと、またこれにつきまして地道な啓発活動を続けていくことが最も重要なことではないかと考えているところでございます。
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○19番(山田直人議員) 熊本地震を契機に、今度は一方、受援という言葉を想定した体制整備の検討が提言されてございます。災害時の受援体制に関するガイドラインというのが策定されました。市における受援班、あるいはその受援担当、そういった設置、さらにはその役割、これについては今現在どのような御検討が進められていますでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 大規模災害時におけます受援体制の確保は、災害初動活動を進める上で大変重要でございます。本市では災害対策本部が設置された場合、本部事務局が自衛隊への派遣要請など受援に係る事務を担うこととされておりまして、これまで実施した図上訓練などにおきましても検証を行っているところでございまして、今後もさまざまな状況を想定して、図上訓練等実施いたしまして、その中で受援体制の確認・検証を行ってまいりたいと考えてございます。
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○19番(山田直人議員) それでは、この受援力のためにも、地域防災計画の中で私はそう感じたんですけれども、職員の動員関係について、計画について、災害対策本部条例の施行規則の第15条に、動員の適用については、各部長に整備が求められている動員名簿の作成、所属員への周知、そのようなことが規定されておりますが、その関係はどのようになっていらっしゃいますでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 鎌倉市災害対策本部条例施行規則及び地域防災計画におきましては、職員の動員計画を定めておりまして、市内または隣接する市におきまして、震度5強以上の地震が発生したとき、非常配備体制を構築しているところでございます。
動員名簿の作成及び所属職員の周知につきましては、同施行規則別表1に基づきまして、各部局長においてこれを定め、周知をしているところでございます。
なお、休日・夜間等の勤務時間外における対応でございますが、25カ所の小・中学校避難所及び地域班である支所等の配備職員につきましては、毎年度の人事配置に応じまして、本部事務局において当該職員を選定・配置し、体制を確保しているところでございます。
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○19番(山田直人議員) 今の御答弁ですと、万全ですよとも聞こえるんですけれども、各部局で担当しなければいけない施設というのはまた違っておりますし、それぞれに体制づくりをされているんだと思うんですけれども、以前職員の鎌倉市在住率云々という話も出てきたところでございますけれども、今みたいなミニ防災拠点だけでは済まない避難所というのも想定をされていくと、どうしても人数的に、必要なところは振り分けているけれども、それ以外のところで今まで開設しなかった部分も今後開設の必要がある部分も出てくるかと考えているんですね。そういった意味で、そういった指定が、十分でない部分も出てくる可能性があるんじゃないかと思うんですけれども、例えばなんですけれども、防災士という資格をお持ちの市民の方もいらっしゃるかと思いますし、たしか議員の中にも防災士の資格を持っている方、いらっしゃるかと思いますけれども、市民へのそうした職員と一緒になって、ある意味補助的な立場でそういう防災士の方を委嘱する、そういう避難所への対応について委嘱するというような考え方というのはありますでしょうか。あるいはそれに対する課題というのはあるのでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 災害が発生いたしまして、避難所を開設した場合は、地域の方々や市職員、それから施設の管理者などで構成いたします避難所運営委員会、これを設置しまして、避難所生活でのルールやあり方などについて協議をいたしまして、その都度最適な手法を検討していくことになると考えてございます。
議員御紹介の地域防災士、これの資格を有する方やあるいは防災に精通した方などがいた場合は、御協力をいただけるのであれば、まさによりよい避難所の運営に共助として貴重な支援力となると考えられますことから、日ごろより地域で実施する訓練などにおきまして、自治・町内会の皆様等々に、御協力をお願いしていきたいと考えてございます。
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○19番(山田直人議員) それで、風水害の場合は、今、話題になっているところでありますけれども、先手防災というような考えでタイムラインという考え方を今、取り組んでいるかと思うんですけれども、市としてこの取り組みというのはどのようにされているのでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 御紹介のタイムラインは、台風など事前に発生が予測される災害におきまして、ピーク時から逆算して必要な対応を実施することにより、減災効果を目指すものでございます。
本市におきましても、空振りを恐れない、見逃しはしないという観点のもと、早目早目の対応ができるよう、昨年からタイムラインの考え方を取り入れた時系列の計画表、これを作成しておりまして、台風接近時にはこれをもとに事前協議を行い、災害警戒本部の設置時期、避難所の開設時期などの検討に活用しているところでございます。
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○19番(山田直人議員) これも報道のところで恐縮なんですけれども、紀宝町とおっしゃいましたか、名前が正確ではないかもしれませんけれども、町内会のいわゆる自主防災組織かあるいは町内会長かわかりませんけれども、タイムラインに従って、もう完全に台風なり水害が発生する何時間前にはもう避難が完了している。そういうことを住民の皆さん個々に対応して、避難されますか、どうされますか、避難されるんだったら今すぐこのようなものを持ってここへ行きましょうといって案内をして、避難をしていただく。そうすることによって、その方が、あ、そうして来てくれたという安心感も含めて、避難をするほうに傾いていくという報道を見たことがあるんですね。ただ避難してくださいというだけでは、とどまること、先ほどの同調性バイアスじゃないですけれども、私は大丈夫だとそういうような意識に入ってしまう。そうではなくて、一緒に避難しましょうと声をかけるという方がいらっしゃれば、一緒に避難をしましょうと、だからそういうような形で取り組まれている、タイムラインというものをしっかりと運用されている自治体がある、あるいは地区があるということの紹介を見させていただいたんですね。あ、なるほど、一緒に誰か1人がそういう避難行動に移った場合には、じゃ、私も一緒に行きますと行ける。ただ行政無線で、はい、逃げてください、避難所開設しましたよという、そういうようなメールだけを発信しても、そこに行きませんよ。そこに行かないということに対して、どのように行って、人災を防ぐ、人災と言ってはいけませんね。人の生命を守るか、そういったことが必要なこととして、このタイムラインというのの有効性というものを私も感じたところです。
そういった視点で、ぜひ今の市の取り組みということだけではなくて、さっきの地区防災計画じゃありませんけれども、その地区、地区でそういうタイムラインならタイムラインというものでどなたをどのように避難所に誘導するか、台風が来てからじゃ遅いので、台風が来る何時間前には避難完了するというそういうタイムラインをつくることをして、安全なうちに避難を完了する、それには一緒になって避難しましょうという呼びかけが必要だと思いますので、でき得れば、先ほどの防災士の話もしましたけれども、避難所の近所にいる職員の方、これはどなたがいるかわかりませんけれども、そういう職員の方が例えば町内会長さんと一緒になって手分けして、例えば避難を促していく、そういったことにお力をいただくということも可能かと思うんですね。そうすれば6時間前にはその方の手があくわけですから、これはもう今度ミニ防災拠点に行っていただいて、避難所の対応に当たっていただくことも可能。
そういう意味で、タイムラインの使い方というのは、有効性も私、感じましたので、ぜひ拠点にいらっしゃる職員の方の動員もその中でお考えいただきながら、市民の生命の安全、それをどうぞ図っていただければと思いますので、御検討の一助としていただきたいと思います。
それでは、少し時間をいただきながら、オープンデータの活用について進めてまいりたいと思います。
まず、鎌倉市の取り組みというところでございますけれども、平成26年9月から、鎌倉市オープンデータポータルというものを開設をしております。公開可能なデータからオープンデータ化に取り組んでいるということを承知をしております。
鎌倉市におけるオープンデータ推進に関する研究結果報告書の中に、第3次鎌倉市総合計画第3期基本計画では、特に優先する取り組みとして安全な生活基盤づくりを掲げているとあります。特に防災安全の分野を中心とした取り組みを優先することとしており、本市の防災力の強化、地域の防災意識の醸成、情報伝達体制の充実などが主な取り組みとして挙げられていると読ませていただきました。
こうした課題を抱える中で、オープンデータを切り口とした課題解決、市民参加といったことを展開できる可能性が十分あるのではないか、オープンデータの有効性というものを感じているところでございます。
防災においては、近年の震災等も関係して、観光アンケートを行った中でも、観光客に関心が高かったとなっております。避難所、消火栓、あるいは給水所、物資配付所等の位置情報、津波・地震等の避難ルートをオープンデータとして提供する。市民・観光客の意識向上とサービスにつながっていくのではないかとも考えているところです。
鎌倉市オープンデータの推進に関する指針がございますけれども、原則全てのオープンデータ化というのを対象として、災害時緊急時に有用となるデータの整備については、優先的に推進するとされてございます。
これを前提に少し質問を進めてまいりますけれども、オープンデータというのは、公共データが一つには二次利用可能なルールのもとで、二次利用可能というのが一つ。もう一つは、機械判読に適した形ということがもう一つの要件ということで公開されることとされています。これはオープンデータの考え方なんですが、鎌倉市の現状はオープンデータポータルで理解はしておりますけれども、今後オープンデータ候補となるようなデータについて、例えばどのようなことをお考えか、このあたり教えていただけますか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 今後のオープンデータの候補といたしまして、都市計画基本図などの都市計画分野のデータについて提供し得る可能性があると考えております。その他、広く庁内に存在するデータの掘り起こしについて進めてまいりたいと考えております。
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○19番(山田直人議員) オープンデータ、先ほど申し上げたように、二次利用可能だということも含めても、それがどのように使われようがいいということの考え方にいきますと、これはもうかなり候補としては多いのではないかということもございますし、鎌倉市に対してそういうオープンデータを活用したさまざまなアプリも含めて、鎌倉市のためにつくっていただければ、より一層市民、あるいは観光客の皆さんへの利用価値も上がるんじゃないかと思いますので、この候補についてはできる限り広げていただければと思っているところでございます。
オープンデータポータルの施設情報について、きょうの切り口である安全・安心につながる施設情報というのを提供されておりますけれども、この施設情報という意味でオープンデータ化については現状どのようなことをお考えでいらっしゃいますでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 安全・安心につながるオープンデータの提供につきましては、現在のところ避難所、それから避難建築物、広域避難場所やAED、公設消火栓、公設防火水槽の位置情報などを公開しているところでございます。今後、備蓄倉庫に関する位置情報などについても新たなデータの公開について準備をしていきたいと考えております。
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○19番(山田直人議員) それで、施設情報については今、今後の展開ということも含めてお聞きいたしましたけれども、この二次的な活用事例、これについて何か把握しているものがあれば、いや、こういうようなことを相談受けた、あるいはこういうことについてある民間業者がこれについては展開しているよというような、そういうような情報が二次利用の分野で確認があるものがあれば教えていただきたいと思います。基本的にはオープンデータというのは本当にオープンなので、それ以上のことについては特に市として把握しなくてもいいのかもしれませんけど、できる限り使えるものはどのような活用をされているのかなという情報も市として把握するのも必要な部分かとも思うものですから、そのあたりのお話をお聞かせいただければと思います。
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○齋藤和徳 行政経営部長 二次的活用の事例といたしましては、特定非営利活動法人鎌倉シチズンネットが鎌倉市の施設情報のオープンデータを活用いたしまして、施設情報を鎌倉なびマップとして提供してございます。授乳施設等の有無や標高地図との重ね合わせも可能でございまして、市民の安全・安心につながるものと認識してございます。それ以外の活用計画につきましては、二次的活用について承諾等を特に求めていないという状況ございますので、それ以外については把握できていないのが実情でございます。
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○19番(山田直人議員) それでは、先ほど紹介した指針にあるんですけれども、オープンデータを推進する意義、目的に照らしますと、次期基本計画においてさらに拡大していく必要があるんではないかとも認識をしております。そのための課題についてもさまざま御議論はされているんだと思うんですけれども、オープンデータというものを特に重点化したいというようなお考え、あるいはそうした事項について、先ほどの御答弁と重なる部分あるかもしれませんけれども、その次期基本計画という関連からいってこのオープンデータの使い方、そういったものについてどのような方向性をお考えか、確認をさせていただければと思います。
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○齋藤和徳 行政経営部長 特に、オープンデータにつきまして重点化したい事項でございますが、行政内部の組織情報や財務情報等のデータを機械判読に適した形式に整理することなど、あるいは職員みずからがデータの有用性を認識することで公開するデータを拡大していく。指針が示す公的データの共有による地域課題の解決及び公共サービスの充実へとつなげてまいりたいと考えております。
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○19番(山田直人議員) 今、御答弁いただいたように、職員みずからが有用性を感じてどのようなものをデータとして公開していくんだというようなことをお考えだと紹介いただきましたけれども、そういった意味では職員の方みずからが、そういったものをオープンデータを推進する意義、あるいはオープンデータというものをどのように捉えるかということで、そのあたりを職員みずからが理解をしていただくことによって、そのデータの選択能力、どういうデータを選ぶか、あるいはそれに対する分析力、さらにはそれをもとにした政策立案力というものを高める、そういったことに一つの機会となるとも言われていますし、それがオープンデータを推進する意義だとも言われているところです。
職員研修について、今後どのようにこのオープンデータの推進を捉えていくのか、職員研修等について展開される予定があれば確認をさせていただければと思います。
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○齋藤和徳 行政経営部長 職員研修といたしましては、総務省が実施しておりますデータに基づく政策の立案や検証、業務改善に生かしていく実践的なプログラムでございます自治体職員向けデータ利活用研修へ参加をしているところでございます。今後については、データサイエンスに関するインターネット講座の受講等を通じまして、職員のデータ活用能力の向上に努めてまいりたいと考えております。
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○19番(山田直人議員) そういった意味ではオープンデータというのは究極の行政の情報を知らしめる、オープンデータさえあればもう全ての情報が開示されるということにもつながるというようなことまで言われているぐらい、オープンデータというものの価値、皆さんにとっての行政データをきっちりと市民に明らかにしていくと、そういった取り組みでもありますので、ぜひこの推進、職員みずからの研修も含めて、ぜひ取り組みを強化していただきたいと思います。
それで、最後の項にはなりますけれども、他市の取り組みということで少し紹介をさせていただきながら進めてまいりたいと思いますけれども、もう4年前になりますが2014年の1月です、愛知県の半田市に行ってまいりました。そのときに何を御紹介したかというと、スマートフォンを活用して道路の陥没あるいは施設の破損、身近な問題を手軽に解決する先進的な取り組みとして「マイレポはんだ」というのを行っている。これは池田議員も含めて、御紹介をさせていただいたという記憶がございます。本市ではその当時システムとしての実現はしておりませんでした。同様な取り組みとしては、千葉市では「ちばレポ」として市民の投稿したレポートをオープンデータとして活用することで行政効率を向上させていると伺っております。半田市はまだ、こちらの確認はできておりませんけれども、市民の情報というものをオープンにしてどこにどのような改修すべき場所があるのか、そういったものを明らかにし、市がそれに取り組むというところを市民にも公開しながら進めているというのが千葉の例ということでございます。
安全な生活基盤づくりという観点から、社会基盤施設マネジメントの一環としても、オープンデータの活用という意味からもこの半田市や千葉市の取り組みというのは、先進かつ参考事例と考えておりますけれども、これのオープンデータ化というのはどのように市として捉えられていますでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 半田市や千葉市におけますスマートフォンアプリを活用した取り組みは、鎌倉市におけますオープンデータの活用に対する取り組みとして参考になる事例だと認識してございます。県内におきましても、最近スマートフォン等を活用しまして道路の施設損傷など通報アプリケーションを活用している市が幾つかございます。それら先行市の取り組みについて現在研究を行っているところでございます。
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○19番(山田直人議員) 今までは、そういうスマートフォンのデータを半田市の例からいいますと市の道路管理のために情報を上げて、例えば作業センターのところでその情報をやりとりすることによって、チェックに行かなくても現場がわかる、位置情報は必ず出てきますので、位置情報を含めてどの場所がどんな破損状況かというのは映像情報として得て、それを活用して二度手間を防いで、一度で行ってどういう準備をして何をすればいいのかがわかるような、そういうような取り組みだと御紹介いたしました。
そういう意味で、こういう情報というのは、もっと飛躍的な話をすれば、実は静岡市が「しずみちinfo」という、静岡市内にある道路情報を、これをオープンデータ化しているという取り組みをしております。これは7月に私単独にはなりましたけれども、静岡市に行ってこの情報収集のために、静岡市を訪れさせていただきました。静岡市のオープンデータの取り組みというのはかなり先進的だと私自身もその場で感じさせていただきましたし、こういう取り組みが、いわゆる市民の安全・安心につながっているんだなということも実感としてそのとき感じたものでございます。
それで、静岡市で運用されている、先ほど申し上げました「しずみちinfo」ですけれども、例えば今のような状況で降雨によって降水量が大きい場合に、道路災害が発生するような場合、通行どめになったり、災害規制情報、そういったものを行政の公開サイトではなかなか閲覧ができないので、これを一歩進めてリアルタイムにウエブサイトで公開していこうと、そういう取り組みでございます。今、静岡市のこちらにつないでおりますけれども、ごらんいただくだけで結構だと思いますけれども、遠目になって申しわけないですが、静岡市のこういう赤で規制がかかっているものを、この静岡県内に全部展開をしていて、この一つ一つのポイントにどういう情報があるか、規制情報としては片道情報だと、あるいは土砂災害情報だと、そういったものをリアルタイムで入れていく。これをつくるためには職員の方がこのタブレット一つを持ってそこを撮影に行くだけでどんどん情報がオープンデータとして上がってくる。それによって、この規制をかける根拠とかあるいは規制状況が今後どれぐらい続くんだというようなことを、こういう静岡市としてはこういうようなもので取り組んで、そのオープンデータをかつリアルタイムで表示をしているという取り組みをしているところです。
これによって、例えば今、災害情報といってもニュースになっているような一画面をばっと撮ってきて、2時間後にまた職員がその画面を撮ってくる、3時間後に撮ってくる。それで、土砂の状況がどうなっているか。それが今度はそれを修復していく場合にどんなふうにそれを直していっているんだというようなことも全てそこで職員の方が撮影をして、それを全部データとして上げていく。そうすれば、状況が悪化していくものから、改善していく方向性まで全て道路規制の情報と一緒にその辺の情報が全て随時オンラインでそこに上がっていくような仕組みがここで実現をしていくと。そうすると、オープンデータというのはもう固定的なデータだけではなくて、もう随時更新できるようなデータとして公開できていくということになると思うんですね。静岡市としてもこれをつくっている、使っているということになると、これは車の情報に落としたい、ナビ情報に落としたいものですから、トヨタとかそういったところと連携しながらこれをうまくナビ情報に落としていく、トヨタに限りませんけれども、ほかのナビゲーションシステムを持っているような会社とのやりとりによってこの情報を落とせるようなそういう仕組みをつくっている。
こういうことを今紹介をさせていただきましたけれども、なかなかここ一足飛びには、これなかなかいかないし、鎌倉市にこの情報が必要かと言われると、それはいろいろ考え方があります。これは静岡市だからそういうふうに取り組もうということでやっておりますけど、鎌倉市の実態、どういうオープンデータというのが必要なのかということは、また鎌倉市独自のものが多分あると思いますので、それはそれとしてやっていかなきゃいけないとは思うんですが、これをリアルタイムでもうやろうとしている、そういったようなことももう先進事例としては研究はスタートしておりますので、今後に向けて、オープンデータという一つの固定的なデータではなくて、それをリアルタイム化されるようなデータも含めて、さらに行政が持っている情報の公開ということに対してもっと前向きに進めていくべきではないかなと思いますので、今の参考事例になるかどうかはともかくとしても、市としてこういうところにもうあるんですよということを御紹介した上で、市の今後の取り組みをお聞きをしていきたいというように思います。
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○齋藤和徳 行政経営部長 今後の取り組みでございますけれども、可能な限り、市が保有します各種情報をオープンデータとして整備をして公開をしていくとともに、地図への掲載を検討していきたいと考えております。また、御紹介いただきました他の市町村の先進かつ参考事例、こういったものも踏まえまして、安全・安心に資する情報提供について、今後とも詰めてまいりたいと考えております。
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○19番(山田直人議員) 私からの質問は終わりますけれども、今回、防災の関係でスタートし、市長の意気込み等々も聞かせていただきながら、さまざまな観点でさらに防災力を高めるための施策を考えていかなきゃいけないねというようなことの議論をさせていただきました。これは一にも二にも次の第4次基本計画にどのように反映させていくんだ。SDGsという取り組みも含めて、それを第4次基本計画にどう取り組みをしていくんだという流れの中できょうは議論させていただいたつもりでいます。
このSDGsの自治体として、神奈川県と横浜市と鎌倉市、全国で10自治体、応募が90件あったんでしょうか。母数はともかくとしても、10自治体しか今選ばれていない。今後は政府もこれを拡大していこうという話になってますんで、とにかくその10の中に選ばれた自治体としての責任というのは、これは絶対にあると思うんですね。それを受けてどのように鎌倉市として持続可能性というものを担保していくのか、そういったことを取り組みの一つとしてしっかりと第4次基本計画に位置づけていただければなと思います。
今週の月曜日、ある場所で黒岩知事の話を聞くことができました。SDGsの話をしました。未病という話もしました。そういうことからいって、SDGsの話の中に、鎌倉市という言葉、あるいは横浜市ということで連携してやっていくというようなことを、知事もおっしゃってました。その一つの流れの中で、あるコーヒー屋のプラスチックストローの件。紹介としては、鎌倉市に打ち上げられたシロナガスクジラの中にはそういうプラスチック廃棄物がたくさん飲み込まれていて、知事の表現ではそれで方向感覚を失って、鎌倉に打ち上げられたのではないでしょうかというような話をそのときは紹介された。これ言っていいのかどうかわかりませんが、よくなかったのかもしれませんけれども、そういうようなことで、そういう持続可能性の観点からいえば、今のプラスチックをどのように今後少なくしていくかというようなことも、知事の講演の中では紹介がございました。
そういった意味で、SDGsというのはこれからのキーワードとして鎌倉市が取り組んでいくことになりますので、どうかいろんな局面、いろんな取り組みがあろうかと思いますけれども、今回お話をさせていただいた、いわゆる安全・安心なまちづくり、これは冒頭申し上げた子供たちへ大人である我々が何を提供できるんだ、何を残していけるんだということをきっちりと示していかなければいけない。子供たちの声をきっちりと我々が受けとめて、子供へ何を残していけるんだということをつなげていきたいなと思いますので、ここでの議論、あるいは市議会での議論、さらには市民との議論の中で、そういう観点を忘れずに、子供たちに残せるもの、財産、そういったものをしっかりと残せるような、大人としての振る舞いを今後も続けてまいりたいなと思います。
今回は1年ぶりぐらいの質問になりましたので、いろんな意味で流れ的に自分自身で精いっぱいつくったつもりですけれども、まだまだ不備な点あろうかと思います。また12月に向けて、さらに自分自身高めてまいりたいと思いますので、きょうの理事者の皆さんには御答弁いただいた内容も含めて、しっかりと御対応いただければと思います。
以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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○議長(中村聡一郎議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(14時43分 休憩)
(14時55分 再開)
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○議長(中村聡一郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、保坂令子議員の発言を許可いたします。
なお、保坂令子議員から一般質問に際し、資料を持ち込みたい旨の申し出があり、議長職権により資料を配付させていただいております。
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○23番(保坂令子議員) 通告に従いまして、子ども総合支援条例、防災の取り組み、本庁舎整備の順で質問をいたします。
初めに、条例の話に入る前に1点伺います。
まず、横浜市中央図書館による蔵書の紹介記事を読みます。若者を使い潰すブラック企業、学生たちを食い潰すブラックバイト、その実態が知られるようになっても被害は後を絶ちません。社会人となった若者も学生もワークルールを知り、自分で自分の身を守ることが求められています。これは、ブラック企業・ブラックバイト関連蔵書の紹介記事です。雑誌掲載の関連記事までリストアップされていて、図書館調査資料課の問題意識の高さを感じます。
高校進学後、ほどなくしてアルバイトを始める子供もいます。神奈川ネットワーク運動・鎌倉では中学3年生が卒業を控えた時期に弁護士などの専門家を招き、ブラックな労働環境の実態や働く人に保障されている諸権利について学ぶ権利を設けることを求めてきました。しかし、これまでの教育部の回答は、授業の中でキャリア教育、望ましい勤労観や労働観の育成に努めているといった回答にとどまっています。子供たちが自分の身を守るために権利について学ぶことはそんなにハードルが高いことなのでしょうか。
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○安良岡靖史 教育長 子供が自分の身を守るための権利について学ぶことについての御質問でございます。
子供たちの成長におきましては、いつでも夢を持って、そして自分の夢の実現に向けてさまざまな知識と経験によって新しいことに挑戦していくことが大切であると考えております。その際、議員御指摘のように子供たちが夢の実現に向け仕事をする上で、途中で諦めることになるような被害に遭うことがあってはならないと考えております。私たちが生活する上での社会権における労働の権利の一つとして、労働者と経営者が対等な立場で労働条件を交渉できるというようなことなど、さまざまな事例を踏まえた専門家による出前授業、こういうものにつきましては、子供たちが権利について深く学ぶことのできる学習の一面だと考えているところでございます。ですから、このような学習というものを大切にしていきたいと思っています。
子供たちが持っている活力あるいは可能性に挑戦する力、これは自分自身の身を守る力にもなりますので、学校におきましてはそのような力を育てること、そして支援する、そんな取り組みを今後も進めてまいりたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 働く者の権利について学ぶことの意義、御認識いただいているという御答弁いただきました。横浜市中央図書館のような問題意識を持って、優先順位を上げて具体的に取り組んでいってほしいと思っているところです。
ここで押さえておきたいのは、社会経験や知識がない子供たちを守ってあげようという視点ではなく、子供たちが知識を身につけることで自分の身を守れるようにしていこうと、守れるようにしようという視点が大切だということです。言葉をかえて言えば、子供たちのエンパワーメントです。今回の子ども総合支援条例についての質問は、この子供たち自身のエンパワーメントという考え方が1本の縦糸になっていることを最初に申し上げます。
現在、鎌倉市のホームページを見ますと、鎌倉市の福祉政策、共生社会実現に向けてということで、2021年度までの4カ年に取り組む予定の48施策がずらっと並んでいます。このうち、条例制定は(仮称)かまくら共生条例、(仮称)障害者の情報・コミュニケーションにかかる条例、(仮称)子ども総合支援条例、(仮称)くらし支え合い条例と明確に書かれているだけで4本上がっていて、本当に毎年1本ずつ仕上げていくわけですね。条例に盛り込む施策の中身が追いつくのかと懐疑的になっているところです。条例は理念条例、計画に盛り込まれる施策は従来とさして変わらないのなら、条例をつくること自体が目的なのですかと問わざるを得ないことになってしまいます。午前中の竹田議員の(仮称)かまくら共生条例についての質問も同様な懸念を反映したものではないかと思って聞いていたところです。
さて、(仮称)子ども総合支援条例の条例制定に当たっては、子供の支援に関する基本的な理念を定め、鎌倉市子ども・子育てきらきらプランとリンクすることで、総合的に子供に対する支援を推進するとのことです。具体的な施策はきらきらプランに盛り込むということです。施策の充実が図られなければ、条例化する意味は半減すると申し上げたいです。
虐待防止についてはどうでしょうか。急増する児童虐待事件に児童相談所の人手が追いつかない現状があり、国は児童福祉員の増員に躍起になっています。市町村においても、乳幼児健診を受けていない子供の状況把握により一層努めたり、深刻なケースほど行政や地域の目が届きにくく、支援の手が差し伸べにくい状況への対応など、大きな課題を抱えています。次期きらきらプランでは、新たな取り組みや既存の取り組みの強化を考えているのか伺います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 条例の制定に当たりましては、鎌倉市子ども・子育てきらきらプランとしっかりリンクさせることで、総合的かつ計画的な子育て支援につなげたいと考えております。
児童虐待の体制強化につきましては、児童相談件数の推移を見据えて検討していく必要があると考えておりますが、児童虐待の課題に限らず、平成32年度から始まる次期きらきらプランでは、新たな取り組みや既存の取り組みの充実について反映した計画にしてまいりたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 虐待については、一つの分野として今、上げたわけなんですけれども、本当に今取り組みをしっかり進めていかなければいけないと思っているところです。
現在、子供の虐待を予防的視点での支援によって食いとめる必要性が叫ばれています。児童相談所が扱う要介入支援の前段で、市町村がいわゆる心配な家庭、要支援家庭に手を差し伸べていく、そのための拠点もつくる、そういったことが重要であるとの認識が広まっています。みずからは声を上げにくいのが子供ということです。大人社会が問われています。鎌倉市の積極的な取り組みを求めるということを今、申し上げたいと思います。
さて、ここから条例そのものに沿った話をしていきます。
これまで、各地の自治体でつくられてきた子供条例は、内容的に三つの類型に分類されると言われています。一つは古く1950年代終わりから制定されてきた青少年の健全育成を目的にした健全育成型条例、二つ目は1990年代以降に少子高齢化に対応して次々とつくられている子育て支援型条例、三つ目が1994年の日本政府による国連児童の権利に関する条約、いわゆる「子どもの権利条約」批准を受けてつくられてきた、子供の権利を基本にして子供支援を促進する、子供支援、子供の権利型条例です。この三類型がさまざまに合わさった複合型の条例もあります。
この「子どもの権利条約」ですが、18歳未満の子供を権利を持つ主体と位置づけ、大人と同様一人の人間としての人権を認め、保障するためにつくられました。1989年の国連総会において採択され、1990年に発効しました。日本は条約発効の年に署名したものの、批准は1994年4月で158番目の批准国でした。批准までに4年近くかかった背景には、権利には義務が伴う、権利ばかり主張していてはだめだなどといった誤った認識が根深く残り、子供の権利という言葉に抵抗感を抱く政治家などがいたことが指摘されています。条約は子供の生存、発達、保護、参加という包括的な権利を実現、確保するために必要となる具体的な事項を規定しています。
もちろんこのような国際条約を待たなくても子供の自己決定権の尊重は個人の尊重を定める憲法第13条から導き出されている、生存権、思想・良心の自由や教育を受ける権利なども皆、憲法に定められているという考え方も可能です。その上で、成長の過程で特別な保護や配慮が必要な子供ならではの権利を定める「子どもの権利条約」の意義は大きい、そのように考えた自治体が数多くあって、子供の権利を基本にして、子供支援を促進する条例が各地でつくられてきたということです。
さて、まだ(仮称)とされていますが、市長がつくろうとされているのは、子ども総合支援条例とのことです。6月1日の総合教育会議でも市長は昨年の選挙のときに公約に掲げていると語っていらっしゃいますが、市長として公約に掲げたのは、どのような社会的な要請やタイミングを認識されたからなのでしょうか。
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○松尾崇 市長 昨今、子供たちが生きづらいと感じているというようなことを私自身問題だと思っています。本市におきましても小・中学校不登校の数が150人も優に超えると、今、こんな状況の中もございますし、いじめ等も起きていると、こういう状況ございます。
こういう中で、全ての子供たちが元気に生き生きと伸び伸びと安心して育つことができるような環境づくりということを、これは全ての人がそういう方向で同じ方向を向いていこうと、こういう思いから、選挙公約の一つとしたところでございます。
この実施のためには、子供が自立をして挑戦したいという思いも引き出しながら、そういう環境づくりを私たちがやっていくということが重要であると思っております。子供に対する総合的な支援や育つ環境を整えることを目的とした条例制定を目指しているものでございます。
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○23番(保坂令子議員) 全ての人が子供たちを支えると、そしてまた子供の自立ということに対してもその大切さを認識されているという御答弁なのかと思いました。
この条例は、本市の子ども・子育て支援の事業計画である鎌倉市子ども・子育てきらきらプランとひもづけされるとのことですが、きらきらプランの策定の根拠となっている法律が何か、伺います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 鎌倉市子ども・子育てきらきらプランの策定に当たって根拠となる法令でございますが、次世代育成支援対策推進法及び子ども・子育て支援法、この二つの法律に基づき策定しているものでございます。
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○23番(保坂令子議員) きらきらプランの根拠になっている法律が子育て支援を主眼とした二つの法律であるということを確認いたしました。
8月24日開催の子ども・子育て会議で示された条文の検討資料が配信されています。こちらを見ますと、総合的に子供を支援していくことの必要性を前面に出した内容となっております。ひもづけしていくきらきらプランの根拠法、ただいま伺いましたが、こちらとの関係だけではないと思います。どのようなお考えがあってのことなのか、再び市長に伺います。
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○松尾崇 市長 条例におきまして、子供支援の基本理念を示すとともに、市や保護者、市民、育ち学ぶ施設、事業者等の責務を明らかにして、地域社会全体で子供を支援していく姿勢を条例として定めていくことが、総合的かつ継続的な子供への支援につながるものと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 既に述べたとおり、「子どもの権利条約」の批准以降、子供の権利の視点を大切にした子供支援の施策を方向づけている条例が全国各地でつくられています。県内では川崎市が全国に先駆けて2001年4月に「川崎市子どもの権利に関する条例」を施行、近年では2015年4月に相模原市が「相模原市子どもの権利条例」を施行しています。
子供を支援の対象と見るのと、権利の主体と見るのでは、根底にある子供感が大きく異なります。相模原市はこれからの相模原を築いていく子供たちを地域社会全体で見守り、希望ある未来に向けて、子供たちが成長することができる町の実現を目指すとともに、子供の権利を保障することを目的として条例を制定したとのことです。
市長も、ただ少子化対策だけで条例をつくろうとされているのではないと思います。先ほど全ての人が一致して子供を支援するということをおっしゃっています。けれども、先行した子どもの権利条例を参考にするというお考えはないのでしょうか。
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○松尾崇 市長 条例の制定に当たっては、他市の先行事例というのも参考にしながら作成してまいりたいと考えています。
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○23番(保坂令子議員) 他市の事例ということですけれども、条文検討資料を見ますと、2017年4月施行の「明石市こども総合支援条例」の構成をなぞっていることがよくわかります。なぜ明石市の条例を参考にしているのか、理由を伺います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 本市の条例の構成といたしましては、総合的に子供を支援していく姿勢を前面に出しているものであり、条文の検討に当たりましては、子供への支援を中心とした構成となっている明石市などを含め、他市の事例も参考に作成してきたところでございます。
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○23番(保坂令子議員) この「明石市こども総合支援条例」がすぐれた条例であるのは確かだと思います。泉房穂明石市長は、「子どもを核としたまちづくり」を掲げて、目に見える実績を上げていらっしゃるようです。明石市の条例には、子どもを核としたまちづくりの諸施策が位置づけられています。離婚前後の子供の養育支援、戸籍のない子供への支援、妊娠期からの切れ目ない子供・子育て支援といった明石市が進める特色ある施策も明文化されています。
さて、この明石市の条例には前文がなく、第1条目的から始まります。この条例は、「こどもを核としたまちづくりを進める明石市において、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、こどもを支援するための基本理念を定め、市、保護者、市民等、学校等関係者及び事業者の責務を明らかにし、こどもへの支援に関する施策を総合的かつ継続的に推進するための基本となる事項を定めることにより、こどもの最善の利益を実現することを目的とする」というものです。国連子どもの権利条約の精神にのっとるということ、また同条約が高く掲げる一般原則である子供の最善の利益の実現を目的とするということがしっかりと書き込まれています。
鎌倉市の条文検討資料は、前文を設けており、そこに条例に込める思いを書くことができるのに、なぜ「子どもの権利条約」への言及についてだけは明石市の条例をまねなかったのでしょうか。前文はよその自治体をまねるわけにはいかないとお考えなら、条例全体にかかわることになり、むしろそちらを望むところですが、明石市のように目的に書く、参考にするなら、そこではありませんか。今後の精査を求めます。
ところで、子どもの権利条約が保障する子供の権利は、既に述べたとおり、大きく分けて、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利の四つがあります。「明石市こども総合支援条例」は、子供への支援と子育て支援に関する施策を総合的に定めることにより、結果的にこれらの四つの権利を保障しているとも言えます。ですので、名称は子どもの権利条例ではなくても条例が果たす機能は同じではないかという反論もあり得るようにも思えます。しかし、全く同じではないということを2点上げます。一つは、冒頭で触れましたエンパワーメントの視点、もう一つは後に触れますが、子供に対するメッセージ性です。
ここで、教育部長に伺います。
鎌倉市教育センターは、3年から5年ごとにかまくらっ子の意識と実態調査という調査・研究を行ってきています。2014年7月公表の第10集では、自己肯定感と生活に関する項目についてクロス集計を行いましたが、子供の自己肯定感について取り上げたのは、なぜでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 まず自己肯定感につきましては、自分は大切な存在だ、自分はかけがいのない存在だと感じることのできる心の状態と捉えておりまして、幼少期や学童期において自分の存在自体を丸ごと受け入れてくれる周囲の大人の働きかけや生活環境があることが自己肯定感の育成につながると考えております。このため、子供たちの成長の段階には自己肯定感が必要であると考えて調査項目に入れているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 子供たちの成長にとって自己肯定感が必要であるという御認識を、今、伺いましたけれども、調査のクロス集計からは、自己肯定感の高い子供の姿が浮かび上がってきたとして、子供たちの自己肯定感は挨拶や手伝いなど、日常の生活との相関関係が大きく、褒められることが多い子供ほど自分のよいところが見つけられ、自己肯定感が高いことがわかる。学校生活の中でもその点を意識した活動と評価が大切であると報告されています。外形的なところを捉えた分析なのかなと見えているところです。総体として、子供たちの自己肯定感が低い理由を深く掘り下げていただきたいと思います。
ただいま、総体として子供たちの自己肯定感が低いと申し上げました。教育長は、これをどのように認識されているのか伺います。
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○安良岡靖史 教育長 かまくらっ子の意識と実態調査第10集におきましては、この調査内容のところで、自分のよいところを見つけられますかという設問の中では、男子は半数程度、女子では半数以上が見つけられると答えているところですけれども、全国学力・学習状況調査におきましても、子供たちの自己肯定感というのを調査している中で、この第10集の中では半数程度でございましたけれども、最近鎌倉の子供たち、少しずつこの自己肯定感が高くなってきているとは思っているところでございます。
学校でも、子供たちの自己肯定感をどう育てていくかということを大切にしておりまして、教室の中ではお互いを認め合うと、そしてあなたが必要な存在なんだということをお互いに情報発信することで、自分が大切な存在であるということを改めて子供たちも認識していく、そのようなことが自己肯定感の高まりにつながり、そして子供たちの仲間づくり、あるいは学校生活の充実というものにつながっていくと考えています。ただ、これは学校だけではできるものでございませんので、学校と家庭が子供の状況を共有していき、そして連携した取り組みを進めていくことが大切だと考えているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 学校現場でのそうした配慮というのはぜひお願いしたいところです。
今日、多くの子供たちが生きづらさを感じている状況は、受け身的で自己肯定感が低いことと不可分ではないと言われております。みずからがさまざまな権利の主体であることに気づくことは子供たちにとってのエンパワーメントです。子供の育ちへの直接的支援と言いかえてもよいのかもしれません。
「相模原市子どもの権利条例」の小学生版パンフレットは、皆さんがつらい思いをしたときや、嫌なことをされたときは、我慢しないで相手につらいよ、嫌だよと伝えたり、家族や先生に助けを求めたりすることも大切な権利ですと呼びかけています。同時に、子供たちの権利意識の問題だけではなく、子供たちが助けを求めたり、自分らしくありたい、自分を大切にしたいと願うときに、大人がそれをしっかりと受けとめる状況があってこそ、子供たちのエンパワーメントが完結するとも言えます。
自己肯定感を育み、エンパワーメントを促して、子供自身の意思で能動的に活動するのを手助けすることが大事で、そのための根拠となる条例をつくる意味は大きいと考えます。子供の権利の視点を条例の中に織り込んでいくことが必要ではないでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 子供の支援におきましては、子供たちが何を思い、感じて活動しているのか、大人たちが理解することが大切なことであると考えております。条例の制定に当たりましては、大人が子供の活動を理解し、子供たちを大切にしていくことで、自己肯定感が高まるような構成を検討しているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 現在示されております条文検討資料は、たたき台段階だと聞いておりますので、条文を各論的に論ずることは控えますけれども、子供の権利の保障に大きくかかわる意見表明及び参加についてと、権利擁護と救済についてだけは今、若干触れたいと思います。
まず、子供の意見表明及び参加についてですが、先行事例として「豊島区子どもの権利に関する条例」を上げますと、豊島区の条例では、第19条、「子どもは社会性を培い、子どもの権利を実生活に生かすために、家庭、子どもにかかわる施設又は地域に対して、権利の主体として参加することが保障されます」とあり、第20条第1項、「区は、地域における子どもの社会参加を支援しなければなりません」。第2項、「おとなは、子どもが地域活動に参加しやすいように、地域の役割等をわかりやすく説明し、又は子どもがこれらの情報を得ることができるように様々な方法を講じなければなりません」。第3項、「おとなは、子どもの意見表明の場を設け、子どもの意見を聴き、又は子ども同士が仲間をつくり、社会に参画できるように支援しなければなりません」。第4項、「区は、次代を担う子どもの意見を区政に反映するよう努め、子どもの意見を聴き、話し合う場として、としま子ども会議を開催しなければなりません。」となっています。非常に総合的に踏み込んだ規定です。
鎌倉市の条文検討資料には、子供が意見を言える機会として、子供が市政への質問や宣言などを行うことを支援する、子供が市政に対して夢や希望を言える機会を設けるよう努めるものとする、子供が困り事を言える機会、または代弁できる機会を設けるよう努めるものとすると書かれています。これらは具体的にはどういうことを念頭に入れているものでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 子供への支援は、子供が社会参加できる機会や自由に意見を言える機会の仕組みがつくられることが大切なことと認識しております。具体的には、子ども議会やわたしの提案の子供版のほか、子供が困り事を言える機会、または代弁できる機会、このような機会を設けるように努め、子供の声をしっかり聞いてまいりたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 子供の意見表明及び参加について、新たな取り組みをきらきらプランに盛り込むのかどうかということを伺います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 条例の制定に当たりましては、きらきらプランとしっかりひもづけすることが必要と考えており、子供の社会参加や意見を聞く場づくりについては、具体的な仕組みづくりができれば計画の中にしっかり盛り込んでいきたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) ぜひ、現状を前に進めるという形での取り組みの充実というのを図っていただきたいと思います。
では、条例制定過程における子供の参加ということについて聞いていきたいと思います。
例えば2014年に「長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例」をつくった長野県では、子ども部会を設置して、当事者である子供たちに直接意見を出してもらっています。今後の条例制定過程において、子供の参加はどのように考えているのでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 条例の制定に当たりましては、当事者である子供の意見を聞きながら進めていきたいと考えております。教育委員会と連携いたしまして、小・中学校の児童・生徒、高校生の意見を聞く場を設け、条例の制定過程で子供の参加をしっかり図ってまいりたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 確認させていただきました。
続いて、子供の権利擁護、権利侵害の救済について伺います。
相模原市の条例は、子供の権利の侵害に関する相談及び救済について、多くの条文を割いて規定し、子どもの権利救済委員や子どもの権利相談員による相談、救済の窓口を開設しています。また、世田谷区は2013年4月に子ども条例の改正条例を施行していますが、改正のポイントは、「子ども自身の声を受け止め、子どもの権利侵害に関する救済と問題解決のための、公正・中立で独立性と専門性のある第三者からなる子どもの人権擁護機関を新たに設置する」ということでした。
こういった子供の権利擁護・権利侵害に対する救済についての記載は、鎌倉市の条文検討資料には見当たりませんが、必要との認識はないのでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 子供の権利擁護・侵害につきましては、条例の中で相談体制の強化や子供への情報発信、子供が意見を言える機会を明記し、きらきらプランのほか個別の計画を着実に推進していくことで、子供一人一人があらゆる差別やいじめ、虐待等を受けることなく安心して生きていけることができるよう、対応を図ってまいりたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) にわかに、第三者機関、人権擁護の機関をつくるべきだということを言っているわけではないんですけれども、現状のままではなくて、課題をしっかりと抽出して、取り組みを進めないと、先ほども申し上げましたけれども、条例をつくればいいんだと、現状のままそれを条例というパッケージにまとめるというようなことになるのでは、本当に何のための条例なのかわかりません。そしてその理念、基本的にはこれは理念条例なのかと受けとめております。具体のところはきらきらプランに書いていくと。その理念条例においても、先ほどから申し上げておりますように、先行してできております子供の権利ということを非常に重く置いたよい条例もありますので、そういったところも視野に入れて考えていっていただきたいということを申し上げているところです。
では、また教育部長に伺います。
今、子供の権利擁護ということで聞いているところですけれども、鎌倉市いじめ防止基本方針には、いじめはいじめを受けた子供の人権を著しく侵害し、尊厳を損なう、絶対に許されない行為であると記されています。まずはいじめの未然防止が必要ですが、いじめが起きてしまった場合には、子供が助けてと言っていけるところが身近になくてはいけません。また、例えば部活動について、部活の先生の指導が子供たちに過重な負担となったとき、つらいので何とかしてほしいと話に行ったり電話したりできるところがあることが望ましいのではないでしょうか。今の子供たちは心を開いて、困っていることや悩み事を相談すること、自分の思いを伝えていくことを難しいと感じがちです。子供の権利擁護という視点に立つと、学校教育の中での子供の困り事や悩み事に対する取り組みの現状はどのようになっているのでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 子供の悩みにつきましては、多岐にわたり、どこに相談してよいのかわからないということもあるので、学校はそれらを全て受けとめるたくさんの受け皿を用意すべきであると考えております。具体的には、教職員は子供たちの困り事や悩み等を相談しやすいよう、信頼関係づくりに努めておりまして、担任が子供たちのちょっとしたサインを見逃さないよう見守っているところでございます。保健室等に行っても、気になる子供には声をかけるなど、子供が少しでも声を出しやすい環境づくりに努めております。
また、小学校では心のふれあい相談員、中学校ではスクールカウンセラーが子供に近い立場で悩み等を受けとめられるような対応も行っているところでございます。子供が自分の思いを伝えることについては、学び合いを中心とした学習活動や、学校生活での仲間づくりなどを通して、子供自身が学級で自分の役割や必要性を感じ、自己肯定感が高められるような活動場面をふやしていくことでその力をつけていけると考えているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) たくさんの受け皿ということ、それはわかるところです。子供たちが声を出しやすい、そういった環境をつくっていくということは基本だと思いますけれども、それをどういう形で実現していくかというところが問われるわけですけれども、自分の意見を表明するためには、まず自分たちがどのような権利を持っているか、保障されているかを知ることも大切だと考えます。冒頭で働く者の権利について学ぶ必要性に触れましたが、学校では権利についてどのように扱い、どう伝えているのか伺います。
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○佐々木聡 教育部長 中学校の社会科、特に公民の授業では、例えば勤務条件を見て働きたい会社を考えたり、経営者になり、従業員に満足して働いてもらう条件を考えたりすることを通して、働くことの意識や労働三法など、労働者の権利についての学習をしているところでございます。
小学校では、昨年度採択した道徳の教科書の中で、世界人権宣言や「子どもの権利条約」を取り上げていまして、例えば、クラスの目標づくりのときに、自分たちのクラスに必要なものを権利条約の条文を参考に考えることで、一人一人の権利をお互いに大切にし合うことについて学んでいるところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 子供たちが自分たちを取り巻く社会の現状、その現実ということを知って、今、労働の分野でのことについても触れていただきましたけれども、非常に厳しい状況がある。その中でどうやって自分を守っていくのか、自分を大切にしていくのかということを現実に即して学んでいく機会ということが必要ではないかと思います。今、労働ということで言いましたけれども、労働だけではなく、さまざまな局面において、自分を大切にしていく、そのためにどういうことができるのか、自分の権利を使っていくことができるのかということを学校の場においても学ぶ機会というのを設けていただきたいと思って質問をいたしました。
今後、子ども総合支援条例の策定をにらみながら、学校においてもどのような取り組みを検討されていくのか見させていただきたいと思います。
さて、子ども総合支援条例の策定スケジュールとしては、2019年12月議会への議案上程を目指しているということです。各条文を見てというよりも、条例の根幹にかかわることとして、子供を権利の主体として直接的に子供を支援するエンパワーメントを促すということを織り込んでいくべきであるという視点で質問をしました。
6月の総合教育会議で、条例について市長が発言された折、決して子供を甘やかすとかそのような意味ではないという一言があったのが、実は気になっています。真に子供の自立を促し、可能性を広げる支援を目指しますという意味ならよいのですが、権利を認めることが子供を増長させ、甘やかすことになるという批判を恐れてつけ加えた一言だとしたら、それは違うと言わなくてはなりません。実際、そのような批判はどこにでもあります。「松本市子どもの権利に関する条例」の子供向け学習パンフレットには、「権利は自分だけのもの」と題したコラムがあり、授業中でも遊びたいから遊ぶ権利はあるのでしょうか、もしこの権利が許されると、周りの人の授業を受ける権利が守られなくなってしまいます。自分の権利だけを大切にするのではなく、周りの人の権利も大切にしましょうと書かれています。私の権利について言うときに配慮するのは私の義務ではなく、周りの人の権利。権利について考えるとき、広く知られてほしいメッセージです。
「明石市こども総合支援条例」に触れた際に、さまざまな施策を位置づけることで結果的に子供の権利を保障するものになっているが、それでもなお、相模原市、松本市、豊島区などの子供権利条例とは異なるのは、子供のエンパワーメントの視点とメッセージ性だと述べました。前文や条文に書かれた理念に加え、条文に子供に対する直接的な支援が書かれていることにより、条例を読んだ子供が、これは子供用にリライトされたものも含めますけれども、とにかく条例を読んだ子供が、自分たちのことが書かれている、自分たちに直接語りかけているとわかることは大切です。メッセージ性というのは、このことを申しました。
こちらの最後の質問です。8月24日の子ども・子育て会議でも、子供の目線に立った条例にしてほしいと発言した委員がいたと聞いています。子供の目線に立ったというのは、自分たちのことが書かれている、自分たちに直接語りかけているとわかることではないでしょうか。その意味でも、子供の権利の視点を織り込んでいくことが有効です。最後にもう一度こどもみらい部長の認識を伺います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 子ども・子育て会議の委員の方からは、子供の目線に立った条例をつくってほしい、このような意見があったことは十分認識しております。子供への支援につきましては、子供の目線に立つことが大切なことであり、このことについては共通の認識であると思っております。
現在、子ども・子育て会議や総合教育会議で意見を聞いているところでございますので、今後はその辺の意見や、児童・生徒の意見も踏まえながら、しっかり検討していきたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 子ども総合支援条例についてはこれからも策定状況を見守っていくこととし、ここからは防災について質問いたします。
6月議会では、避難所と在宅避難について取り上げました。その3日後に大阪府北部地震が発生、7月上旬には西日本を中心に記録的な大雨となりました。そして昨日からけさにかけて、非常に強い台風21号が各地に大雨、防風、記録的な高潮をもたらしました。通過時間の速さにもかかわらず、大きな被害が出たことは記憶にとどめなくてはならないと思っております。
西日本豪雨では、気象庁が早くから警戒を呼びかけ、11府県に大雨特別警報を発令したにもかかわらず、200人を超す犠牲者を出してしまいました。さまざまな課題が浮き上がってきていますが、中でも的確な避難行動をとることの難しさを目の当たりにしたように思います。水害のリスクマネジメントの専門家は、住民の防災リテラシーの向上が必要だと指摘しています。先ほど山田議員もこのこと触れていらっしゃいました。平時において身の回りの災害発生のリスクを認識しておき、災害の発生が迫ったときにタイミングを外さずに具体の避難行動をとるというのは、頭でわかっていても実際には容易ではありません。
そうしたことの一助となるように、鎌倉市が2016年8月に全戸配布したのが、地区別危険箇所マップです。これが全戸配布されています。市域を6分割した手に取りやすい大きさで、風水害、土砂災害、津波浸水等の危険箇所が塗り分けられており、自宅に印をつけて、それぞれの災害が起きたときの避難行動、避難場所、ルートなどを書き込んで世帯ごとのオリジナルマップとなるようにしたものです。全戸配布した年にはマップを携行して、それぞれで決めた避難場所を目指す避難訓練が行われましたが、その後においてはそんなマップあったか、という声を聞いたりしたものですから、昨年9月議会の決算特別委員会で市民のマップの認知度をどう考えているか質問したところです。
先ごろの「広報かまくら」8月1日号でも、地区別危険箇所マップ、洪水・内水ハザードマップをいま一度御確認いただき、適切な行動がとれるよう備えてくださいと呼びかけていますけれども、何か反響はありましたでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 平成26年10月の台風18号の際、河川の増水及び土砂災害警戒情報の発表によりまして、本市として初めて避難勧告を発令いたしました。その際、後日、複数の市民の方々から、自分の居住地の災害リスクがわからず、避難勧告の対象かどうかがはっきりしなかったとの御指摘をいただきました。このようなことから、議員御紹介の市内を6地区に分割し、風水害・土砂災害・津波といった自然災害のリスクをあわせて表示いたしました地区別危険箇所マップを平成28年8月に作成し、お住まいの地区に該当する部分に配付をいたしました。当該マップは各家庭で我が家の災害対策といたしまして、避難に関する事項を書き込むことによりまして、独自のマップとして活用していただけるような内容となっておりまして、直近でもふれあい地域懇談会や広報紙を通じまして活用を呼びかけたところでありますが、その後、再度入手したいとの御要望や、豪雨災害を機に改めて内容を確認したといったお電話やお話を文書でいただいているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 機会を捉えて、このマップのことを思い出してもらいたいところなんですけれども、ただ家庭の中で話し合いに使うだけではないんじゃないか、もうちょっと違う方向性も追求してほしいというところです。
津波シミュレーション動画が公表された後、自治・町内会単位の集まりで動画を見て、日ごろの備えや避難について話し合われたところが幾つもあったと聞いています。この地区別危険箇所マップについても、各家庭で話し合いに使うだけではなく、自治・町内会の集まりにマップを持ち寄って避難について地域で話し合う機会が持たれるとよいかと思っているところです。
こうした取り組みを地域で実践して、西日本豪雨で人的被害を出さなかった例が報道されています。愛媛県大洲市では、豪雨で肱川が氾濫し、民家が屋根まで水没するほどの浸水被害に見舞われましたが、市内の三善地区では、ハザードマップをもとに作成した独自の避難マップが住民のまとまった行動につながり、高齢者が多い地区であったにもかかわらず、要支援者も含め自宅に取り残された人を1人も出さずに済んだそうです。三善地区では、市が指定した2カ所の避難所から家が遠い人もいるため、より細かく十数カ所の避難場所を地区で話し合って決め、最適な避難ルートを各自がマップに記入しました。マップには、近隣に住む避難行動要支援者を書き込む、これ、気にかける人と書いてあったようなんですけど、気にかける人欄も設けてあり、住民は近所の人と声をかけ合ってから避難所へ向かったとのことです。マップと言いましたが、詳しく言うと、「わたしの避難行動」と「わたしの情報」の2枚に分かれた災害避難カードということだそうです。
鎌倉市でもこうした事例は非常に参考になるのではないでしょうか。想定される災害に応じて、市が定める避難所だけでなく、より身近なところにある地域の会館など、地域が主体となって避難場所として位置づけ、活用できるようにしておくことは有効だと思います。いかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 御紹介の愛媛県大洲市三善地区では、2016年度に自然災害の被害軽減におけました内閣府の「災害・避難カード」モデル事業に選ばれ、自主防災組織で住民の名前や薬の服用などを記した議員御紹介のようなカード、それから水害と土砂災害等の避難場所などを確認するマップ、これをつくりまして各家庭に配付するとともに、要支援者の把握も行ったものでございます。
当該地区でございますが、豪雨災害に見舞われた本年平成30年7月7日はマップに記載された浸水想定区域が実際に浸水いたしましたが、住民の皆様はより高い避難場所に避難し、人的被害はなかったという報道がございました。本市におきましても、地域が主体となった避難体制の構築は一部の地域で進められておりまして、地域独自の避難マップの作成、地域の避難場所としての町内会館の活用、あるいは無線による地域内の情報伝達体制の構築などの例が見られるところでございます。本市といたしましても、自主防災組織連合会などを通じて、こうした取り組みを先進事例として紹介するなど、地域防災力の向上のため、地域の特性に応じた防災対策の普及促進に一層取り組んでまいりたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) 鎌倉市では、土砂災害の避難訓練を場所を変えてやったりしていますよね。あれは非常に大切なことと思っています。そういう機会を捉えて、地域が主体となって避難場所として位置づけるようなところをふやして、本当に災害が起きたときに生かせるようにしていくという、そういうことをやっている地域を何カ所か知っていますけれども、それを広げていくことが大事かなと思うところです。
一方、町の面積の3割が水につかった倉敷市真備町では亡くなられた51人のうちの34人が避難行動要支援者名簿に載っていた方たちでした。1人で多くの要支援者を担当する民生委員は、浸水被害が急速に広がる中、避難の呼びかけ、手助けまでは到底できない状況であったとのことです。また、要支援者名簿は地元の消防署の金庫にも保管されていましたが、救助要請の通報が殺到し、名簿を用いた避難の呼びかけを行う余裕はなかったそうです。大災害発生時の非常に厳しい現実として受けとめています。
鎌倉市では避難行動要支援者名簿は自治・町内会などに提供し、保管してもらっていますが、現状と課題について改めて伺います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 御紹介のように本市では平成28年度から避難行動要支援者名簿を支援組織であります自治会、町内会に提供いたしまして、いわゆる共助による支援体制の構築を進めているところでございます。平成30年9月1日現在、提供の対象となる184組織のうち、126組織に名簿を提供してございますが、未提供の組織への普及が課題の一つであると考えてございます。
今後も機会を捉まえて、既に名簿を受領した組織における名簿の具体的な活用状況などを紹介をするなどして、未提供の組織への普及促進を図ってまいりたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) 実際に災害が起きたとき、大地震だけではないわけですよね。地域で自治・町内会で保管している名簿を使って、どういうことをするのだ、どういう避難行動を行うのかということを、考えていただく機会というのを促していってほしいと思うところです。実際にそういったことを丁寧にやっている地域もあるということですので、前から言っていることですけれども、そういったモデル的なところの取り組みを、共有化してもらうということも大事だと思います。
西日本豪雨で事前に公表されていた浸水想定域で避難勧告や避難指示が発令されていたにもかかわらず、多くの住民が逃げおくれたことは教訓として受けとめなくてはなりません。「広報かまくら」8月1日号では、避難情報のレベルについての記事が早速掲載されています。避難準備情報や避難勧告などの災害時に出される情報の重要性を、市民が正しく理解できるよう周知を図ることは本当に大切だと思います。改めて御見解を伺います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 災害時には、各種気象警報、避難所開設情報や避難勧告、避難指示など、さまざまな情報提供がなされているところでございます。こうした情報は、情報の種類やその意味するところを正確にお伝えし、受け取る側の市民の方々等が正しい理解のもとで行動していただくことで被害の防止、あるいは軽減が図れるものであることから、情報の重要性を正しく理解していただくよう、引き続きあらゆる機会を捉まえて周知・啓発を図っていく所存でございます。
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○23番(保坂令子議員) 繰り返しになりますが質問いたしました。
続いて、消防に伺います。
消防では、豪雨時崖崩れ等注意喚起対象箇所を定めて、電話による連絡体制を整備しているとのことです。対象箇所、対象世帯については2013年12月議会でも質問しておりますが、現状ではどのようになっているでしょうか。
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○斎藤務 消防長 豪雨時崖崩れ等注意喚起対象箇所については、例年調査見直しを行いまして、現在88カ所、158世帯を指定しているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 2013年に伺ったときは81カ所、132世帯ということでした。対象箇所については、日ごろ現況確認をして追加や見直しを行っているということなのかと思います。
では、連絡をする場合はどのようなタイミングでどのような内容を連絡しているのでしょうか。
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○斎藤務 消防長 台風、大雨の影響により、土砂崩落が予想され、災害警戒本部等が避難所の開設を決定した時点で直ちに対象箇所に対し、今後の気象情報、降雨量、避難所の開設時間、崖崩れに対する注意喚起などの情報を電話連絡により周知しているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 電話連絡の中で、かなり丁寧な情報提供をされているということなのかなと思います。それぞれの地域の状況がわかって把握された上での連絡で、作業としては大変ですけれども、安否確認の意味もあってありがたい取り組みだと思っているところです。
では最後に、避難行動要支援者について、先ほども伺いましたけれども、消防では情報をどのように管理し、活用できるようになっているのかを伺います。
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○斎藤務 消防長 避難行動要支援者名簿の個人情報は、関係課から情報の提供を受けまして、随時高機能消防指令センターの消防情報共有システムに入力をしまして、更新管理をしているところでございます。避難行動要支援者名簿のデータは、高機能消防指令センターの地図検索装置に表示され、災害時、現場活動部隊に対し、情報提供するなど、有効に活用しているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 現場に出動したときに、その近くに要支援者の人がいたら、支援、救出とかできるようだったら駆けつけるというような、そういうことが現場での判断でできるような形で導入したデジタル技術を用いた管理体制をしいているという、そういうことだということがわかりました。
今回の防災についての質問はこの程度にとどめたいと思います。
最後、本庁舎整備について伺います。
市が本庁舎を深沢に移転して整備する方針を3月に決めて以降、本庁舎整備についての市民の関心は大変高まっています。しかし、深沢移転方針の是非を市民が判断するための情報は偏ったり、錯綜したりしているように見えます。
市が1年前の2017年3月に移転という整備方針にした理由として、防災中枢機能の確立を目指す、こういったことが言われていました。現在の本庁舎敷地及びその周辺には津波の浸水想定域があり、本庁舎に至る緊急輸送道路も輸送に支障を来す可能性があり、災害時の対応力や受援力を発揮できないとの説明でした。そしてその1年後に深沢地域整備事業用地を移転先とする方針を決めた際には、深沢では空間を生かした防災力・組織力や建築物を生かした防災力及び受援力の発揮による総合的な防災力の向上が期待できるということでした。
一方で、県の津波浸水想定の想定域から大きく外れている深沢についても、津波が柏尾川を遡上して浸水被害が懸念されるという指摘が以前からありました。さらにことし1月に県が公表した河川の氾濫による洪水浸水想定区域図で、深沢地域整備事業用地のうちの柏尾川沿いの区域のみならず、本庁舎の移転先とされる湘南モノレール側の行政施設用地も洪水浸水想定域に入っていることが明らかになりました。そのため、防災中枢機能の確立という深沢移転の理由は、もはや成り立たないという声が大きくなっているのが現在の状況です。
この防災面での議論については、総務常任委員会での検討の結果を取りまとめて報告を行う予定であり、また一般質問で他の方が重点的に取り上げると思いますので、ここでは突っ込みません。かわって、伺っておきたいのは、どうして移転という整備方針の理由として防災面を強調してきたのかということです。移転という整備方針にした理由としては、現在の本庁舎の敷地には風致地区の指定による建築物の高さ制限や埋蔵文化財包蔵地であることによる制約があり、建てかえた場合は、現在の本庁舎よりも庁舎面積が小さくなり、必要な庁舎面積を確保できないということも上げられています。私はかねてより、こちらのほうが決定的な理由であると考えてきました。つけ加えれば、建てかえに当たっての仮庁舎の確保の難しさもあります。しかし、市はこの間移転による整備の理由としては、防災を専ら強調してきたように見えてなりません。それはなぜでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 本庁舎を移転する理由といたしましては、建物の老朽化、耐震性や津波想定浸水範囲内に立地しているといった防災面の課題のほかに、御指摘のとおり法令による建築の制限があることなどが上げられます。そうした中で、防災を主たる理由の一つとして強調しておりますのは、市民の生命、財産を守ることが全てに優先して取り組む施策であるということに加えまして、近年多発する自然災害に対して新たな本庁舎が市民の生命を守る前線基地となると捉えていることから、そのように今までお話をしてきたところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 今の御答弁はこれまでも伺ったところではあります。ただ、現在地は用地としての制約が大きく、庁舎面積を確保できる建てかえが困難であるという、基本的な事項の周知が十分にされていないのは事実です。
また、現在地での建てかえを望む市民の中には、高さ規制を取り払って高層化を図ればよいと考えている方が多くいらっしゃいます。この点についての見解も、市はわかりやすくもっと示してこなければならなかったと思います。
私としては既に日影規制の問題も含め、何度も質問してきているところですが、改めて伺います。
現在地で、必要な庁舎面積を確保した本庁舎を建てることは本当にできないのでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 現在地は、風致地区の指定がございまして、建築物の高さの最高限度は10メートル、建蔽率は40%以下といった建築の制限が定められておりますほか、埋蔵文化財包蔵地に該当してございます。そのため、現在地での建てかえにおきましては、本庁舎に必要な床面積を確保することが困難であると考えております。また、鎌倉駅周辺におきましては、建築物の高さを15メートルまでとする行政指導を長年行ってきたことなど、風致・景観に配慮したまちづくりに長年取り組んでおりまして、風致地区の高さや景観地区を指定した経過があることなどから、現在地のルールを本市が本庁舎を整備するために変更するべきではないと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 市としては、いろいろな情報を本庁舎整備に関する考え方を市民に示してきたと思っていらっしゃるんだと思います。今の部長の答弁もそうだったと思います。でも、それは十分にというか、きちっとした形では伝わっていない。あるいは市民の方たちが本当にそうなのかな、ここはどうなのかなというふうに思っていることに答えていないというのを、もっと認識しなければいけないと思います。高さのことについても、鎌倉市にとって景観行政というのがとても大事なのだとお考えであったら、それをきちっと説明しなければなりませんし、日影規制にしても、そんなに高くなければ日影の問題で、まちづくりが変わってしまうエリアもそんなに広くはなくて大丈夫なんじゃないか、なぜそこのところをそんなにこだわるんだろうかといったような声も実際に聞こえてきているんですね。そのあたりが最初にここで建てかえられないという、この御成町では建てかえられないといったときに示した理由をただ繰り返すのではなく、本当に市民の人が知りたいと思っている情報を知らせることが大事だと思います。それが本当の説明責任だと思います。市民の命が最優先であると、それはもちろんそうなんですけれども、そのことだけを言っているのではなくて、市民の人が必要としている、知りたいと思っている情報というのをきちっと説明責任として果たしていくことが大事で、それがされているのかなということを疑問に思うわけです。大事な点なので、これまで何度も聞いてきていますけれどももう一度確認した次第です。
私はこれまで本庁舎移転という方針でいく場合は、現在地において行政機能が窓口業務などの市民対応機能を中心に十分な形で残ること、また図書館、ホールなどの公共施設の適切な集約化を実現すること、景観的にも鎌倉のこの地域にふさわしい施設が整備されることが本庁舎の新たな整備と不可分の構想として示される必要があると言ってきました。そして、このような考えをお伝えすると、市役所が移転してほしくないとおっしゃっている方の中でもそれならだめとは言わないとなることが比較的多いです。けれども、その一方、どうして深沢なの、深沢で大丈夫なのとの問いかけに対しては、こちらとしても、これこれこうだから大丈夫ですとはとても言えない状況があります。防災の視点で深沢の立地をどう評価するかについてはひとまず脇に置いても、深沢に新庁舎を整備することの実現可能性についてはまだまだ不透明なところが多いと思っております。
そこで気になっていることを絞って伺っていきます。
本庁舎の整備に当たっては、新駅の有無にかかわらず、市民にとって利用しやすく、快適な施設となるよう検討を進めていくと市長は議会で答弁されております。このとき、新駅があれば市民の利便性は高まるが、テクノロジーの進歩による行政の電子化の推進、自動運転の普及等による移動手段の多様化などを考慮すると、本庁舎のあり方も今後大きく変化するとも発言されています。要は、2025年には鎌倉市は大変なハイテクシティーになっていて、職員も市民も今と同じ規模の人数が本庁舎に足を運ぶことはないから大丈夫というようなことをおっしゃっているのかなと思いました。市長の先端技術に対する楽観的で無批判とも言える信頼や期待、これには常々首をかしげているところですけれども、またもやという思いです。
でもここで問題にしたいのはそこではなく、新駅の有無にかかわらずという部分です。新駅の有無にかかわらずということは、これまで何度も答弁されてきているところですが、きっと新駅をつくれという立場からもつくるなという立場からもそれはないでしょうと思われていることだと思います。また、市民の大半を占めると思われる新駅に賛成でも反対でもない方たちは、そんなことで本庁舎の整備ができるのと受けとめるはずです。とはいえ、新駅設置に係る協議は県、鎌倉市、藤沢市による湘南地区整備連絡協議会において行われております。さきの6月議会の建設常任委員会では、2017年度に実施した広域連携の結果が報告されました。新駅整備なしの単独施行と、新駅整備ありの両市一体施行の二つの事業スキームを比較すると、事業費では一体施行のほうが当然大きい、しかし単独施行では国の重点配分方針に合致しないことから来る国庫補助の減額分28億円が市の単独費になるため、鎌倉市の負担を比較すると一体施行のほうが12億円少なくなる、また、新駅を設置した場合の鎌倉市側の新駅利用者の費用便益をお金に換算すると34億円、新駅を設置した場合の鎌倉市の税収増は年に16億円になるという、全体として新駅ありの一体施行のメリットを示す内容でした。
しかし、一体施行のほうが鎌倉市の負担が12億円少ないというのは、あくまで新駅整備の応分負担を別にしたものです。これはしっかりと頭に入れておかなくてはなりません。
さて、一体施行のメリットを示す報告ですが、二つの事業スキームのいずれの場合も当然ながら保留地処分金の収入が得られることが前提となっています。土地区画整理事業がうまくいかないんじゃないかと思っていたら、何も前に進められないのはわかっていますが、保留地処分が昨今の情勢下でうまくいくのかは気になるところです。広域連携調査の結果に基づいて事業スキームが決まっていくわけですが、楽観的な前提に基づくものであるとは言えませんか。御見解を伺います。
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○前田信義 まちづくり計画部長 区画整理事業の事業収支におきましては、保留地処分金が財源の大きな割合を占めるというものであることにつきましては、御指摘のとおりでございます。御指摘のとおり、保留地処分金の確実な実施というようなことが求められると認識しているところです。
6月定例会で報告いたしました事業スキームの検討におきましては、保留地の売却単価について、不動産鑑定によって算定された単価から一定の割合を現段階で減じた金額で計上するなど、リスクヘッジを行っているというようなことでございます。決して楽観的な事業計画とはなっておりません。いずれにいたしましても迅速かつ確実な保留地処分を実現するために、今後民間事業者等との連携や深沢の町のブランディングに引き続き努めていきたいと考えているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 予想しておりました回答でした。リスクヘッジという言葉も出されました。
では、続けて事業費についてもう少し伺います。
内容的には柏尾川の洪水浸水想定とも関連しますが、浸水のリスクではなく、事業費ということで伺います。
土地区画整理事業では、事業用地の整地を周辺道路の高さに合わせて行うとのことです。建設常任委員会配付資料にある深沢地域整備事業の事業費は、単独施行で151億円、一体施行で205億円です。これには整地費用も当然入っていると考えてよいのでしょうか。これとは別に、地盤高を上げるために多額の費用を要するようなことはありませんか、伺います。
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○前田信義 まちづくり計画部長 深沢地域の区画整理事業では、周辺の道路高を基準に造成工事を行いまして、街区ごとに必要な地盤高まで整地を行うというようなことを計画してございます。これらの費用につきましては、6月定例会において報告いたしました区画整理事業の事業費の中に含まれているものでございます。
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○23番(保坂令子議員) 確認しました。今の情報は非常に重要なといいますか、市としてもきちっと押さえて説明を果たしてほしいなと思っているところです。
次に行きます。市長が対外的に本庁舎移転先の行政施設用地はかさ上げをするから、浸水の心配はないという趣旨の発言をしたことが大きな不信感を招いていると。今の部長答弁にあったような内容を踏まえた正確で丁寧な発言であるべきだったと考えます。そのことを言い添えます。
次に、事業スキームについて伺います。
6月定例会の同僚議員の一般質問において、土地区画整理事業の事業スキームについて、神奈川県、藤沢市と協議を実施しているとの答弁がありました。単独施行とするか、新駅ありの両市一体施行とするかについて、2019年度中の都市計画決定を目指す中で近々に結論を出す考えであると捉えてよろしいのでしょうか。
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○前田信義 まちづくり計画部長 新駅設置の有無を含みます事業の方向性につきましては、交渉を継続しているところでございます。神奈川県、藤沢市ともそれぞれ事業や事情を抱えているところでありまして、現時点において関係者間での協議は完了してはおりません。相手があることでございますので、当初の見通しよりも取りまとめに時間を要しているところでございますが、引き続き関係者間の協議を進めまして、できるだけ早い時期に結論を出していきたいと考えているところでございます。
なお、合意ができれば市議会、市民、権利者の方々に御説明をしまして、事業への理解を得ていきたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) この協議については情報が公開されない、最小限しか示されないという中で進んでいるので、大変気になるところですけれども、今、部長が決まったときにはすぐにと答弁をされていたところですが、これは見守っていくしかない。ただ大変気になっているところではあります。2019年度の都市計画決定を目指すと、そして市役所を深沢に移転すると言っているわけです。
これに続けてもう一つ質問いたします。
単独施行と一体施行の市費負担額の比較も必要ですけれども、先ほども触れました、新駅整備の場合の負担割合、これが問題です。市域にない駅の整備費を負担することは本来おかしく、過剰な負担を引き受けてはならないと考えます。市長はこれまで、新駅に対する負担については慎重に判断しなければならないという姿勢を維持し、この点についてはぶれないできておられるように見えます。
しかしながら、本庁舎を深沢に移転するという方針を発表し、区画整理事業の実施が待ったなしの状態となっているわけです。切迫した事情を抱えていると見られることで、鎌倉市が費用負担の協議において不利な立場に陥ってしまうことも懸念されます。私はこのことを非常に気にしているところです。市長の新駅に対する適正負担という決意に変わりがないのか伺います。
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○松尾崇 市長 市外の駅であるということに加えまして、今後、新駅設置費用が増加するリスクやこの事業のほかにも多額の市費を投入しなければならない事業があることから、この負担については慎重に判断しなければならないという考え方に変わりはありません。
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○23番(保坂令子議員) これまでどおりの御答弁でした。
次の質問に行きます。8月2日に開催された第1回鎌倉市本庁舎等整備委員会、こちらを傍聴いたしました。委員から部分最適と全体最適を行き来しながら考えなくてはならないが、時間的な制約があって厳しいという趣旨の発言がありました。部分最適というのは、本庁舎の施設について。全体最適とは、深沢地域全体であり、鎌倉市全体のことを指していらっしゃるのだと思って聞きました。委員は防災を例に挙げて発言されていましたが、今、伺いました新駅をどうするのか、土地区画整理事業どうするのかということも部分最適と全体最適を行き来しながら考えるべきものだと思います。
全体最適ということでは、深沢行政施設用地へのアクセスや周辺の交通渋滞などのより広い交通事情も考えなくてはなりません。公的不動産活用課の出前講座では、市職員の通勤はモノレール沿線住民の通勤とは方向が逆であるし、三菱電機の社員とは時差出勤で重ならないようにすれば、モノレールの輸送力で対応し得るという説明に対し、職員の足さえ確保できればよいのかと反発する参加者の声も耳にしております。交通問題については、深沢への移転をよしとしない市民はもちろん、移転に賛成の市民からもまずは交通問題は何とかしなくては先に進めないと指摘されております。
交通アクセスや深沢地域整備事業などの全体的な見通しが固まっていない中、本庁舎整備の基本構想をつくろうとすれば、部分最適だけを考えて結果的に最適とはほど遠いものになってしまわないでしょうか、伺います。
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○齋藤和徳 行政経営部長 新たな本庁舎のどのようなものにするかといった基本的な理念を示すものが本庁舎の整備基本構想でございまして、これについては平成30年度中の策定を進めているところでございます。基本構想の策定を進めることによりまして、市民に対し新たな本庁舎のあるべき姿や導入する機能を具体的にお示しし、理解を深めていくことが必要だと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 交通の問題など、この後も言うんですけれども、まだまだ検討しなければいけない、そしてきちっと説明していかなければいけない事柄が深沢については、先ほど実現可能性という言葉を使いましたけれども、多いと思います。それであるにもかかわらず、基本構想進めるんですかということを聞いております。本庁舎等整備委員会で示されたスケジュールでは、11月に基本構想のパブコメ案を確定し、12月にパブリックコメント開始となっております。まだ1回しか本庁舎等整備委員会は開催されておりません。この後市民対話ですか、この後も行うということですけれども、12月にパブリックコメントの開始、余りにも性急ではないでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 この基本構想でございますけれども、市民対話などによる市民意見を踏まえたわかりやすい内容、そして構成を目指しておりまして、パブリックコメントにより、より広く市民から意見を聞くとともに、その意見を基本構想に反映していきたいと考えておりまして、お示しをしましたその時期に実施をしたいと考えているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 最後の質問です。繰り返しになりますけれども、もう一度伺います。
6月議会では、私は市役所を移転整備した場合に、跡地となる御成町の現在地については、窓口機能の残し方だけでなく、公共施設の集約化の仕方も含め、整備構想を早い時期に示して市民の判断材料とすべきである。本庁舎整備の基本構想は、御成町、現在地の整備と不可分であるという趣旨で質問をしました。現在地の今後の整備についての情報が不十分だけでなく、先ほどからも述べておりますように、深沢地域全体の都市計画、交通アクセスの課題も不透明です。また、防災面での新たな説明責任も生じています。今年度中に基本構想を策定するというスケジュールを見直し、市民意見を広く反映させ、議論を尽くして基本構想をつくっていくべきではないでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 繰り返しの御答弁になりますけれども、基本構想の策定を進めることで市民の皆様に新たな本庁舎のあるべき姿やその導入する機能、そうしたものを具体的に示して理解を深めていただきたいと、そういうことが必要だと考えてございます。御指摘のさまざまな点につきましても、整備委員会の中で議論をしていただきまして、市の考え方などを示しながら、この基本構想の策定を進めてまいりたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 説明責任を果たすための資料と、基本構想は違うと思いますので、そのあたりは段階を追って考えていただきたいと思います。
現在、市役所の深沢移転を問う住民投票条例の制定を求める直接請求の動きがあります。今後どうなるかわからないから、余り具体的なことを先のことは論じないほうがよいのではないかといった空気も感じますが、逆だと思います。むしろ、市民の判断材料になる情報が十分に提供されることが大切です。そのように考えて質問いたしました。
以上で終わります。
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○議長(中村聡一郎議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(16時20分 休憩)
(16時55分 再開)
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○議長(中村聡一郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
議事の都合により、この際会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。次に、前川綾子議員の発言を許可いたします。
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○20番(前川綾子議員) それでは、早速始めさせていただきたいと思います。通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
今回、鎌倉市役所の障害者雇用についてと終活への支援についてということでよろしくお願いいたします。
まず、鎌倉市役所の障害者雇用についてですけれども、中央省庁が雇用する障害者数を水増ししていたという問題がマスコミで大きく取り上げられています。地方自治体にも波及して、水増しや不適切な積算をしていた数がふえつつあり、連日のように報道されています。先日の市長の定例記者会見では、鎌倉では水増しはなかったとのことでしたが、雇用率の達成状況や積算に当たっての事務の流れなど、改めて確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでまず、この月曜日、9月4日に国の労働局から、鎌倉市役所に監査のようなものが入ったと聞いておりますけれども、そのことについてどのようだったのか教えてください。
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○松永健一 総務部長 9月3日に神奈川労働局が来庁されまして、本市の障害者雇用の現状ですとか、把握や確認方法についての説明を求められたところでございます。その際に、市が行っております雇用率算定のための確認や把握方法について説明いたしました。その際に、問題の指摘等はなく、現在の本市の取り扱いは妥当なものと認識しているところでございます。なお今後、全国的な国のさらなる調査や取り扱いの見直し等があった場合は、またそれに沿った対応をしていくようになると思っております。
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○20番(前川綾子議員) ひとまず安心いたしましたけれども、労働局が入ったということで緊張感を持っていただきたいと思います。
では、改めて鎌倉市役所の障害者雇用率の達成状況と、それからここ数年間の推移についてお伺いいたします。
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○松永健一 総務部長 まず、平成30年度の障害者雇用率の基準日である6月1日現在の雇用率算定上の障害者数は33.5人で雇用率は2.64%でございます。法定雇用率の2.5%は満たしております。
それで、これまでの推移でございますけれども、ここ5年間で申しますと、平成26年度は1.99%、平成27年度は2.54%、平成28年度は2.34%、平成29年度は2.39%、いずれも平成29年度までは法定の雇用率は2.3%でございました。それで繰り返しになりますけれども、今年度から法定の雇用率が2.5%になり、当市の雇用率は2.64%というのは今年度の率になります。
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○20番(前川綾子議員) それでは、新規で障害者を採用する場合は、応募の時点で障害者手帳などの確認をしているのでしょうか。既に勤務している職員が何らかの理由で障害者となった場合などは、なかなか実態を把握しにくいこともあるかなと思っています。現在、障害者雇用率積算の対象となっている職員の方には、全て障害者手帳などを確認できていますよね。
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○松永健一 総務部長 新規に採用する際は、特に障害者雇用の枠採用の場合は、当然それを前提とした確認をした上での採用になります。それで、今のガイドラインですけれども、障害者の採用後については、障害者になった時点でのきっかけで確認をするというようなガイドラインでございまして、あと一度確認した後は毎年その都度のピンポイントの個別の照会・確認というのはできない状況でございます。それで、実態とすると全職員一斉の呼びかけで障害者情報等の変更があった場合には申し出てくださいというような確認しかないというのが現状でございます。
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○20番(前川綾子議員) ピンポイントではできないという、配慮が必要なんだということをおっしゃっていると理解はしております。
それは今年度の報告、当初の時点で全て確認をしているのかどうかというところなんですけれども、要するに今回の水増しの報道などを受けて改めて調査をしてみて確認をしたとかいうことはあるのでしょうか。
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○松永健一 総務部長 ことしの今回の報道を受けてということではなくて法律、雇用率の算定のときの6月ですけれども、今言ったガイドラインに即しまして、全職員に一斉に呼びかけを行って確認をしております。その際は申し出等がございませんので、変更等はないというようなことでの確認をしたところでございます。
それで、その確認の方法につきましては、労働局にも問題はないということを確認したところでございます。
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○20番(前川綾子議員) やっておいてよかったですね。本当に6月にこういう話が出る前になさったということでよかったかなとは一つは安心しているところですけれども、雇用率に算入するに当たって該当する職員の方は自分が算入されているということに承知をされているということでよろしいんでしょうか。これまで本人が承知していないのに算入しているというケースは今までのお話ではないと思ってよろしいですか。
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○松永健一 総務部長 本人同意につきましては、厚生労働省からガイドラインが通知された平成17年11月4日以降の確認において、その必要になるものと労働局に確認しております。それで、障害者雇用枠で採用した者につきましては、先ほども答弁いたしましたけれども、当然その同意を前提とした対応をしており、またそれ以外の者も、当人の申し出を受けての確認や公務中の疾病搬送ですとか、本市の場合、長期療養休暇等、職員課の組織的関与と、産業医の関与があったものだけを対象としてきておりますため、当人が承知していない中で雇用率に算入するケースはないものと認識しております。
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○20番(前川綾子議員) 確認させていただきました。本人が承知していないで算入されているというケースはないとおっしゃっているということでわかりました。
障害の程度が重くなったりあるいは軽くなったりする場合もあるかもしれませんが、ガイドラインによれば、情報に変化がある場合は方針が必要であるとされていますが、その点についてはどのように対応しているのでしょうか。
また、障害の状態に変更がない限り、把握・確認した情報を毎年利用することについて、あらかじめ同意を得ておくということとされていますけれども、ガイドラインで、その点についても該当する職員の方のへの同意は得ているのでしょうか。
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○松永健一 総務部長 ガイドラインの策定後につきましては、採用時や障害発生時点における確認の際に、雇用率の算入に利用することを前提とした同意を得てきているものと認識しております。
それで、労働局からは同意書までは必要としない旨を確認しておりますけれども、今回の全国的な問題を契機といたしまして、今後機会を捉えて逐次同意書等の協力も求めていきたいと思っております。
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○20番(前川綾子議員) 私も、今回厚生労働省のホームページで国のガイドラインを確認しました。把握・確認の手法や注意点などが細かく示されてますよね。プライバシーの問題や人権にかかわる面もあるかと思います。ただ、常に相手への配慮を忘れずに、でも丁寧な対応はお願いしていかなければいけません。また、この事務だけでなく、1年1回の報告などは前年に倣って事務処理をしてしまいがちです。ですから、常にガイドラインや要綱に当たるなど、基本に忠実な事務処理をしていただくように念を押させていただきたいと思っております。
次に、新規の障害者の雇用について伺います。
鎌倉市は、障害者の雇用枠を設けて採用試験を行っているのだと思います。6月議会でも少し伺いましたが、改めて障害者の採用の実態を教えてください。
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○松永健一 総務部長 本市では、平成22年度の職員採用試験におきまして、身体障害者の雇用枠を設け、また平成26年度の試験からは障害の種別に関係なく、全ての障害者を対象に雇用枠を設け、同時に平成26年度から事務補助嘱託員についても障害者採用を進めてまいりました。
過去5年間の採用試験の実施状況ですけれども、ワークステーションを除きまして、常勤・非常勤合わせて応募者総数73名、このうち採用者数は13名となっているのが現状でございます。
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○20番(前川綾子議員) それでは、現在の雇用率の対象となっている職員のうち、新規の採用からの方の比率はどの程度なんでしょうか。
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○松永健一 総務部長 平成30年6月1日時点の雇用率算定上の障害者数は33.5人になります。このうち、障害者雇用枠による新規の採用者は19.5人と全体の比率では58.2%になっております。
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○20番(前川綾子議員) 約半分ということだと思います。
求められる雇用率は達成できていますが、引き続き努力していただき、特に新規採用からの比率がふえていくように努力していただきたいと思っています。
新規採用の時点で、さっきからお話がありますけれども、新規採用の時点で障害者手帳を確認して、それから雇用率に算入することの了解と、それから障害の状態に変更があった場合などの手続の周知、それから把握確認した情報を毎年利用することへのあらかじめの同意など、そのときにとっていればいいのではないか。そうやっておけば、このような問題が起きないわけですよね。ピンポイントで聞くことはできませんとかプライバシーの侵害になるんですよとかということにはならないで、最初にちゃんと約束をしておけば、協力をしていただけるのではないかと思いますので、これはガイドラインにもよく読むと示されてます。ですから、そのようにしていただきたいと思いますので、今後そこのところの対策、対応をしていただきたいと思います。
また鎌倉市役所は身体障害者の雇用に偏りがあることはこれまでもたびたび指摘してまいりました。特に今年度からは精神障害者についても雇用の対象とすることが義務づけられて、これで3障害全てが雇用の対象として義務づけられたわけです。今後は、身体障害者に偏ることなく、計画的に採用を進めるよう取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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○松永健一 総務部長 これまで、障害者の雇用促進のために、採用に当たっては、障害者の種別によらず幅広く募集してきたところでございます。今後も、障害者の種別にかかわりなく募集を続けてまいりたいと思っております。
また、平成30年度から、障害者雇用をさらに進めるため、市役所内にワークステーションを設置しましたが、その中で一定経験を積んだ方については市も一般就労の移行先の一つとして、精神障害者や知的障害者を積極的に雇用してまいりたいと思っております。
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○20番(前川綾子議員) そして、障害者の雇用について、最後に市長に伺っていきたいと思いますけれども、鎌倉市は求められる雇用率は達成できていますが、障害者二千人雇用を目指す市として、単に雇用率をクリアするだけではなくて、今後はさらに上の数値を目指していただきたいと思っています。
また、障害のある方の働く場を、働く機会をふやしていくことこそ重要です。市役所の障害者雇用について積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、市長の考えをお聞きいたします。
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○松尾崇 市長 市としましては、障害のある方がその能力や適性に応じまして、雇用の場について地域で自立した生活を送ることができるような社会の実現を目指しているところです。御指摘のように市役所として法定雇用率の達成にとどまらずに、今後も積極的に障害者雇用を進めてまいります。
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○20番(前川綾子議員) 市長の二千人雇用を目指す姿勢とか、それからワークステーションを設けたことなど、こういうことは障害者雇用を進める意欲をお示しいただいていると理解しております。
話は変わりますけれども、8月6日に鎌倉テレワーク・ライフスタイル研究会の準備会が開催されたと聞いております。職場に出勤しなくても働くことができるテレワークが、障害がある方の働く場を広げることにもなると考えております。今現在の市役所の仕事のあり方にあわせて、障害者を雇用するという従来の考え方を一歩進めて、テレワークのように障害のある方に合わせた働き方を考えていただきたいということをお願いしていきたいと思います。これはよく読みますと、ガイドラインの後ろのほうに小さい文字で出ておりました。ぜひ今回そうやって鎌倉のテレワーク・ライフスタイル研究会との準備会が開かれたということをきっかけに、またここ広げていただいて考えていただきたいというように思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次の項目に入りたいと思います。終活の支援についてということでございます。
私が終活について質問をしようと考えたときに、その考えを大きく後押しされたことがありました。それは、地元からのバスにたまたま乗り合わせた知人の御婦人が、市でエンディングノートを配ったことを「広報かまくら」で知り、市にもらいに行きたいと考えている。でも実際に書いてその先をどうすればよいか教えてほしいのと言われました。ぜひその先をどうすればいいかを考えて教えてねと言ってバスをおりて別れました。
ということでしたので、そこで終活の考えについてお伺いをしていきたいと思います。
まず、一般論として終活をどのようなものと考えておられますでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 終活とは人生の終わりのための活動を略したもので、死と向き合い、最後まで自分らしい人生を送るための準備と言われているところでございます。以前のように、自身の子供が多い場合は子供が分担して親の老後の世話、死亡後の手続を行うことができましたが、子供が1人または子供がいない夫婦や未婚者がふえている今の時代には、子供の世代に大きな負担がかかってきているのが現状でございます。また、地域社会での人間関係も希薄になってきていることから、社会現象として終活が広がってきているものと認識をしているところでございます。
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○20番(前川綾子議員) さて、この終活の一環として、鎌倉市では平成30年8月1日から高齢者いきいき課でエンディングノートの配布を開始されました。その目的と、それから部数、配布場所、対象者、それから今、どのぐらい残っているのか、残数を教えていただきたいと思います。
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○内海正彦 健康福祉部長 エンディングノートを配布した目的といたしましては、ノートを書くことにより、今まで歩んできた人生を振り返っていただくとともに、お亡くなりになったときに誰に連絡するのかや、葬儀の方法をあらかじめ記載しておいていただき、そのノートを見ることにより、生前の意思を実行できるようにするためのものでございます。
作成した部数につきましては、6,500部を作成いたしまして、そのうち3,500部については、みらいふる鎌倉の会員へ配布し、残りの3,000部は高齢者いきいき課、行政センター、地域包括支援センター、老人福祉センターの窓口で配布しているところでございます。8月末の残数でございますが、約1,000部となっております。対象者につきましては、おおむね65歳以上の高齢者としているところでございます。
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○20番(前川綾子議員) 6,500部刷られて、そして今1,000部残っているということで、部数も少なくなっていますよね。残り少なくなっているということは、終活について関心が高いためにエンディングノートを取りに来る方が多いと捉えていいと思います。さっき私がお話しした御婦人のように、いつも活発に燃えていらっしゃる元気な奥様ですけれども、そうした関心が高いんだということを私もバスの中で感じたとおりの数字だと思っております。
対象年齢も65歳以上と限ることなく、幅広い年齢の方が終活について考える必要があるのではないかなと思っています。先ほど65歳以上とおっしゃっていましたけれども。
そこで、先ほど伺ったエンディングノートを配った目的を達成するためには、ただ配布するだけでなくて、エンディングノートを書くための基本的な情報を伝えたり、それぞれのエンディングについて意見交換をする場を設定することが必要ではないかと思います。つまり、研修や講座のようなことをしていくことについてどのようにお考えでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 エンディングノートでございますが、本来は自由意思で記載していただき、活用していただくものでございます。記入方法や使い方につきましては、自主性に委ねているところでございます。しかしながら、実際に入手して記入した方々から記入方法や使い方についての研修会を希望する声がございますので、今後セミナーを開催していく予定でございます。
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○20番(前川綾子議員) 今後セミナーを開催していくということですけれども、日程が決まっていらっしゃったら教えていただきたいと思いますが、ありますでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 今、予定しているのはみらいふる鎌倉との合同事業といたしまして、平成30年10月12日を予定しているところでございます。
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○20番(前川綾子議員) 10月12日にみらいふる鎌倉と共同でということでやってくださるということでありがとうございます。早速、バスで会った御婦人にも伝えたいと思いますが、その周知方法を教えていただいてよろしいでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 時期的に間に合うかわかりませんけれども、できれば「広報かまくら」、またホームページで紹介をしていきたいと思っています。あと、みらいふる鎌倉と合同で行いますので、みらいふる鎌倉の会員の方にもお伝えをしていきたいと考えております。
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○20番(前川綾子議員) 周知をしてできるだけ多くの方に参加していただきたいと思います。
本当は、まずは職員の研修が必要だったんじゃないかなと私は思っています。本来はエンディングノートを配る前にそれをしておいて、そしてエンディングノートの内容は市役所の複数の課と関連がありますので、エンディングノートを配る目的やその内容を少なくとも関係する部・課の職員の方たちは知っておいて、市民にこのことで尋ねられたときに正しい情報提供ができるようになっているべきだと思っているんですね。これからでもいいんですけれども、そのことについてはどのようにお考えでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 エンディングノートは、8月1日から配布を開始したところでございますが、当初の予定よりも反響が大きく、エンディングノートの活用方法や葬儀のことを含めた終活に関し、改めて理解を深める必要があると、職員が理解を深めることがあると感じております。配布を担当している職員を中心に、9月中に研修を実施していきたいと考えております。
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○20番(前川綾子議員) 今、9月中に職員向けに研修をしていただくと言っていただいております。お忙しいでしょうけれども、ぜひできるだけ多くの職員の皆さんにその講座を受けていただきたいと思います。健康福祉部だけではなくて、いろいろと関連していきますし、皆さん自身のことでも、私自身のことでもありますので、ぜひ多くの職員の方に聞いていただきたい、受けていただきたいと思います。
ここから発展して本格的に終活を一人一人が考えて、そして準備していく環境づくりにつながって、されていくと思います。そして、ノートを配ってあとは市民にお任せではなくて、市が考える、先ほど伺った目的に向けて、どんどん進めていくべきだと思います。エンディングノートは終活の入り口にすぎないということを理解していただいて、今回講座を開いてくださるということは大変ありがたいんですけれども、繰り返し講座を行って、庁内はもとより、市民全体に広げていく必要があると思っておりますので、どうぞその辺のところをよろしくお願いしたいと思います。
今回のノートの配布対象の多くは、みらいふる鎌倉と共同で3,500部が配られたということですけれども、これもまた配られただけではノートは生きないと思います。先ほど10月12日もみらいふる鎌倉の共同でとおっしゃっていますが、みらいふる鎌倉の方たちにも落ちついて、皆さんに講座を行うべきではないかと思っております。というのは、広げていただかなければいけない、中心の皆さんなんですけれども、そのことについてはどのようにお考えでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 みらいふる鎌倉ではエンディングノートを受け取る前に既に終活士による終活セミナーを開催してきたところでございます。しかしながら、実際にノートを手にしたことで書き方や使い方を具体的に知りたいという希望がございますので、みらいふる鎌倉の会員に対しましても引き続き研修を実施していきたいと考えております。
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○20番(前川綾子議員) 私もそのノート配られる前に研修されたというか、お話しされたと、去年の12月だと思いますけれども、それは存じ上げております。来年のいつごろにやっていただけるということをお聞きしてもよろしいでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 当面は、10月12日にまずみらいふる鎌倉で合同でやりますので、できる限りそれ以降にできる早い時期に実施していきたいと考えております。
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○20番(前川綾子議員) できるだけ今年度中にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
こうやってみらいふる鎌倉の方たちには、会員のそれぞれが自分の住む地域の方々に終活についての考えを広めて、そしてエンディングノートの活用を呼びかけていただければと、そういう運動というか活動を、みらいふる鎌倉の方たちにしていただきたいと思います。
ところで、今後の配布についてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。来年度もノートを配っていかれるのでしょうか。それ以降はどうするのでしょうか。今後も続けて配布するのであれば、ノートの内容も少し見直していただきたいと思っています。
今回配られたノートは何枚かめくると、特定の葬儀社の大きな一面広告が載ってしまっていまして、いかがなものかなと思います。違和感や不快感を持たれた方もいるのではないかなと思います。これですけれども、めくって、気持ちよくこうやって書いてみようかなとめくったときに、1ページ、しばらくするとまた1ページ、葬儀屋さんの広告が出てきてしまうというのは、夢がないかなと思っております。
また、エンディングノートは高齢者だけでなく、幅広い年齢の方が自分の人生を振り返ったり、将来の自分を考えたりする上で役立つもので、いわば人生ノート、そういうようなことを部長もおっしゃってくださっていましたが、人生ノートのようなものだと思っております。ですから、場合によってはノートの形だけではなくて、その人に必要な部分だけを手に入れたい方もいるでしょうから、他市ではホームページから必要な部分だけをダウンロードしたりプリントできるようにしているところもあります。ですから、幅広く多くの方に活用していただけるように内容を見直したり、配布方法を工夫していただきたい、これからずっと続けてくださるんであれば、続けていただきたいんですけれども、工夫していただきたいと思いますけどいかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 今回のエンディングノートでございますが、一応、平成31年度も今年度と同じ6,500部を配布していく予定となっております。今、議員から御指摘いただきましたように、今回のエンディングノートにつきましては、作成業者との契約により、無償で6,500部の御提供をいただいたところでございます。また、来年につきましても、その業者との契約により6,500部の納品ということになっております。ただ、議員御指摘いただきましたように、無償で御提供いただいてますので、当然広告の部分というのが私たちも少し気になっているところではございます。内容の見直しにつきましても、一定の版の様式は相手方から示されてつくったということでございますので、またあとダウンロードにつきましても、ダウンロードしてしまいますと、広告をダウンロードしないでほかの部分というようなことも考えられます。その点につきましては、作成業者とまた調整を図りながら、来年に向けて検討してまいりたいと考えております。
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○20番(前川綾子議員) 無償でつくっていただいているということは、私もよくわかっておりまして、栃木県か何かでも同じような形でデザインも一緒でやっていらっしゃるのを見つけました。ということはわかるんですけれども、交渉していただいて、もしできることならばそうしていただければと思っております。
私もこのノートを見せていただいて、実際に書いてみようと記載していくうちに、いろいろな疑問が浮かびます。そういう市民の疑問を受けとめる場所がないと、ノートを配っていることが生きないのではないでしょうか。相談機能の充実を図るとともに、相談場所の周知を進めていただきたいと思います。民生委員や地域包括支援センターの力をかりて進めるのはいかがでしょうか。周知活動を進めていただきたいと思っておりますが、この辺のところいかがでしょう。
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○内海正彦 健康福祉部長 疑問や相談についてでございますが、エンディングノートの最終ページに鎌倉市の相談窓口、高齢者の身近な相談窓口を紹介しているところでございます。相談につきましては、一義的には高齢者いきいき課へ相談をしていただきたいと考えております。しかしながら、専門的なことにつきましては、葬儀社や終活士、司法書士等の専門家を紹介していきたいと考えております。また、今御指摘いただきました民生委員や地域包括支援センターにつきましては、日ごろから高齢者の身近な相談先として相談を行っているところでございます。エンディングノートを書くことにより、生じた疑問への相談やエンディングノートの啓発活動につきましても、民生委員や地域包括支援センターとともに一緒に取り組んでまいりたいと考えております。
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○20番(前川綾子議員) 何かと民生委員、地域包括支援センターと簡単に申し上げていますけれども、次々といろいろなお役目をお願いして申しわけないと思いますが、一番地域の人たちが身近な頼れる人たちですので、ぜひ民生委員たちにもこのエンディングノートについてはしっかりとわかって、理解していただいて、今回質問には入れませんでしたけれども、そうしたさっき10月12日の研修などには声をかけていただいて、ぜひ参加していただいて、エンディングノートについて知っていただいて、身近な方たちとお話し合いをしていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
エンディングノートを書いてそれぞれが家族などに残したり、親族に自分の意思を伝えることができると思いますが、ひとり暮らしで近親者がいない場合はどうなのでしょうか。私が聞きに伺った横須賀市では、身元がわかっていても、死をみとられても、遺骨の引き取り手がないケースが急増しているという現象が起こり始めているそうです。人口41万人の横須賀市はひとり暮らしの高齢者が1万人を超えるそうです。そして引き取り手がない御遺体は年間50体以上になると伺いました。鎌倉市ではこのような遺骨の引き取り手がないケースがどのぐらいあるのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 鎌倉市における身元はわかっているが、引き取り手ない遺骨につきましては、平成26年度2柱、平成27年度5柱、平成28年度は4柱でございます。平成29年度は6柱でございます。これらにつきましては、生活福祉課が墓地、埋葬等に関する法律に沿って保管をしている状況でございます。
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○20番(前川綾子議員) 鎌倉市でもあるんだなということ、毎年あるんですねということがわかりました。
横須賀市では、供養する近親者がいない御遺体は市で火葬して、遺骨は無縁の納骨堂に納められ、そして一定の時期が来ると合葬墓に移されます。こうした現状を何とか変えることができないかということを考えたのが、これからお話しするエンディングプランサポート事業だと聞きました。鎌倉市は高齢者保健福祉計画にエンディングプランサポート事業を盛り込んでいますが、このエンディングプランサポート事業の目的と内容を教えていただきたいと思います。
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○内海正彦 健康福祉部長 エンディングプランサポート事業は、葬儀や納骨などの終活課題を整理した後、市が事業を実施する葬儀社を紹介し、利用者と葬儀社とが生前契約を締結するものでございます。その後、市では登録カードを作成し、利用者、市、葬儀社それぞれがカードを保管、対応が必要になったときに速やかに対応できるようにするものでございます。利用者は葬儀社との契約に基づき、あらかじめ葬儀費用を葬儀社に納めるものでございます。
対象者といたしましては、ひとり暮らしで近親者がいなく、低所得者等、本人死亡後の対応に困難を来すことが予想される65歳以上の方というのを予定しているところでございます。
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○20番(前川綾子議員) 今、御説明の中にありましたけれども、実施するに当たっては葬儀社との調整が必要になってくると思います。
葬儀社同士の連携組織というのはあるのでしょうか。そういう組織と協定を結ぶことが必要になってくると思いますけれども、どのように進めていくのか教えてください。
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○内海正彦 健康福祉部長 現在、鎌倉市内に葬儀社は12社ございます。本事業は福祉的貢献事業の要素であることについて、葬儀社に御理解をいただいて協力してもらえるよう、葬儀社に対しましては今後説明会を予定しているところでございます。その後、協力していただける葬儀社との事業の協議調整を行い、平成31年度の事業実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
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○20番(前川綾子議員) この事業、非常に奥が深いというか、読んでいくうちに、勉強していくうちに奥深いなと思います。この葬儀社の方たちと今簡単に申し上げてますけれども、決して葬儀社の方たちに利点があるものではなくて、本当に慈善事業のようなものでございますので、ぜひ丁寧にお願いをしていただきたいと思います。組合もあると聞いておりますので、その辺のところも確認していただいて、よろしくお願いしたいと思います。
エンディングプランサポート事業の周知方法、これからの周知方法はどのようにするのか、この事業に該当する方にどのような手法で、これ一番エンディングノートを配りましたというのとは違って、非常に難しいと思うんですけれども、どのような手法で情報を伝えるのか教えてください。
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○内海正彦 健康福祉部長 エンディングプランサポート事業の内容の周知につきましては、まずは広報やホームページで案内をしていきたいと考えております。特にエンディングプランサポート事業の対象となり得る方に事業の情報を案内することは必要であることから、そのような方に日ごろからかかわっていると考えられる民生委員や地域包括支援センター、またみらいふる鎌倉などに対して事業の紹介を行い、必要な方へ周知できるようにしていきたいと考えております。
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○20番(前川綾子議員) 該当する方に情報を伝えるのは難しいというのは、プライバシーの関連があると思っているから申し上げたので、個々への情報提供はなかなかそうやって困難だと思いますが、配慮しながらお願いしたいと思います。
横須賀市では、エンディングプランサポート事業以外に、今年度から全市民を対象に終活情報登録伝達事業を始めたそうです。この事業は、終活情報をお預かりして、いざというときにお伝えする事業です。エンディングプランサポート事業のほうは2015年に始めて、3年間で34件の申請があったのに対して、全市民を対象とするこの終活登録伝達事業のほうは、ことし、平成30年5月から始めてたった3カ月で、8月に話を伺ったものですから、たった3カ月で30件の登録があったということを聞くと、この終活登録ということに多くの方が関心があるということがわかります。
鎌倉市でも配布したエンディングノートで個人が整理した情報をどのように伝えて、そしてどのように残していくかが課題だと思います。鎌倉市ではこうした事業についてどのようにお考えでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 横須賀市が今年度から始めました終活情報登録伝達事業は、市において登録者の緊急連絡先、かかりつけの医師、エンディングノートの保管場所、葬儀・納骨の生前契約先、遺言書の保管先等をあらかじめ登録し、登録者の生命・身体・財産の保護のために必要があるときに病院、警察などが市に問い合わせをすれば対応が可能になるようにした事業でございます。この事業の実施の検討に当たっては、現在実施しております高齢者のひとり暮らし登録制度の重複部分もございますので、この事業内容を精査した上で検討していきたいと考えております。
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○20番(前川綾子議員) 自分が亡くなろうとするときに、あるいは亡くなった後のことについて心配している高齢者が鎌倉にはたくさんいるかと思います。エンディングプランサポート事業は、特定の方のみ対象にしているものです。全市民を対象とするこの終活情報登録伝達事業を望む人はむしろ多いのではないでしょうか。先ほどの横須賀市の例を挙げてもそのように思っていただけると思います。ぜひ、鎌倉市でも検討していただきたいと思っておりますが、再度お伺いさせていただきます、いかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 鎌倉市の終活事業は、今年度はエンディングノートを配布し、来年度から開始するエンディングプランサポート事業を現在検討しているところでございます。しかしながら、ひとり暮らしの高齢者がふえていく中で、議員御指摘の終活情報登録伝達事業についても今後ニーズが高まってくることが考えられることから、横須賀市の制度を参考にしながら実施に向けて前向きに検討をしてまいりたいと考えております。
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○20番(前川綾子議員) この登録事業、横須賀市でお話を伺ったときに、その方は次長ですけれども、非常に精通していらして、お話をたくさん聞かせていただいたんですけど、この登録事業は紙1枚でできるんですね。御存じだと思いますけれども、いろいろなものは必要なくて紙1枚で登録ができると、その先はどうやって市が保管するかということはありますけれども、お金のかからない、そして人がつながっていく、先ほどお話ししたような、ひとり暮らし、身寄りがないということではなくて、とにかく自分の最後がどういうふうになっていくかということを預けられるということが本当に安心だと思いますので、ぜひ今前向きに検討してくださるということですので、よろしくお願いしたいと思います。
市長にお伺いしたいと思います。
横須賀市では2040年になると、10軒に1軒が単身世帯になると予測しています。鎌倉市は、高齢者保健福祉計画の推計によれば、ひとり暮らし高齢者の世帯は7軒に1軒になるという見込みだと思います。こうした状況になることを考えると、市民に終活を広めて、市民一人一人が実際に実践してもらうことの意義はとても大きくて、それを適切に鎌倉市が支援をしていくことが重要になると思います。鎌倉市の目指す終活と支援のあり方について伺いたいと思います。
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○松尾崇 市長 鎌倉市ではひとり暮らしの高齢者の見守りのために、これまでひとり暮らしの登録ですとか、緊急通報装置の設置を行っているところです。そして、御質問いただきましたエンディングノートの普及を初め、またあわせて今年度からはエンディングプランサポート事業にも取り組み始めているところです。
終活に関しましては、高齢者はもちろんではあるんですけれども、特に若い人にも意識してもらえるよう市全体に啓発をしていきたいとも考えております。
議員御指摘の終活情報登録伝達事業も市が実施している終活事業の一環として実現できるよう前向きに検討してまいりたいと考えております。
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○20番(前川綾子議員) 記者会見で若い人にもと市長がおっしゃっているということは確認をしております。私がこの横須賀市の次長に話を伺ったときに、きのうねということで、障害者のお子さんをお持ちのお母様がいらしたということでした。御自分でこの先、障害者であるお子さんを心配しての登録にしようかなと思って紙をとりにいらしたんですということでした。その先どうされたかはわかりませんけれども、そういうことにも役立っていくものと改めて感じましたので、お願いしたいと思います。
この終活の課題は、市長が就任以来掲げていらっしゃいます長寿社会のまちづくりにもつながる課題だと思っております。今、実現を迫られている地域包括支援システムとも関連する課題だと思っております。このことについてはまた勉強して一般質問していこうと思っておりますが、ぜひ力を入れて取り組んでいただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
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○議長(中村聡一郎議員) 次に、河村琢磨議員の発言を許可いたします。
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○21番(河村琢磨議員) 鎌倉のヴィジョンを考える会の河村琢磨でございます。通告どおり質問を行ってまいりますが、大変微妙な時間となっております。申し合わせで6時までということでございますからどこまでできるか、初めの質問にはたどり着きたいなと思っておりますけれども、時間の許す限り進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですけれども、9月は障害者雇用支援月間でございます。今し方前川議員からも、障害者雇用の問題についての御質問があったばかりでございますけれども、9月の質問におきましては、今回だけではなくこれまでもこのこと冒頭に申し上げてまいりました。昨年の9月に至っては鎌倉市の障害者二千人雇用のベースとなるような、総社市の千人雇用についても触れさせていただいたのではないかなと思っておりますけれども、そのような中にあって改めて、障害者雇用の模範牽引役とならなければならない中央省庁が障害者の法定雇用率の水増しを行っていたということは、私は大変遺憾であると同時に残念でなりません。本市においては、そういったことがなかったということで引き続き取り組んでいっていただきたいと思いますけれども、忘れてはならないのは地方公共団体としての役割をしっかりと認識していただいて、さらに率先した障害者雇用を推進していっていただきたいと思っております。そのためにも、障害者雇用実態調査の数値ということだけではなくて、民間同様にこれから稼働率で法定雇用率達成をぜひとも目指して取り組んでいっていただきたいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、最初の質問項目でございます。災害派遣福祉チーム「DWAT」編成に向けた鎌倉市の考え方についてからまいります。
これも私の順番までに既に竹田議員、山田議員、保坂議員から防災関連の御質問がございましたので、本当に非常にやりにくい部分あるんですけれども、福祉的な見地から考える新たな防災の観点ということで、ひとつ御理解をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
私たちが暮らす日本というのは、地理的、地形的、気象的条件などから古来より多くの災害に見舞われてまいりました。きのうも非常に大きな勢力の台風21号が上陸をし、各地で深刻な被害をもたらしたわけでございますけれども、近年においても地震や津波による災害のみならず、台風による水害や土砂災害、または豪雪や火山の噴火など、各所でさまざまな自然災害が頻発しております。また、ここ数年の気象動向に目を向けてみれば、1時間当たりの降水量が80ミリ以上となる猛烈な雨の発生回数がこの30年間で1.7倍に増加するなど、雨の降り方が局地化、集中化してきており、気候変動に伴う激甚化した水災害への対策というのが昨今大きな問題になっているのではないかなと思います。特に直近では、もう何度もありましたけれども、この7月に発生いたしました平成30年7月豪雨、いわゆる西日本豪雨でございます。これは西日本中心に北海道や中部地方など全国的な広い範囲への記録的な大雨によって多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害などが相次ぎ、平成最悪の水害と言われる甚大な被害をもたらしました。これらの災害によりお亡くなりになられた方々には謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また、いまだ行方不明となっておられる方々の一刻も早い救助と御無事をお祈り申し上げたいと思います。災害発生からおよそ2カ月がたったわけでございますけれども、その災害の爪痕は深く、2万軒を超す住宅への被害、寸断された交通網による広域的な交通障害、何よりも上水道や通信といった命につながっていくようなライフラインにまで被害が及んでいることから、今なお被災地では2,000人を超す大勢の方々が避難生活を余儀なくされているというのが現状でございます。
本当に1日も早い復旧・復興が望まれるわけでございますけれども、行政はこうした災害などが発生した際、どんないかなる状況下においても市民や避難している方々の生活が継続できるよう、支援を行わなければなりません。それもできるだけ早く適切に、被災者がその状態から脱却し、もとの生活に戻れるよう、各関係機関や専門職と連携・協働して支援に当たる必要があるわけで、それこそが地方行政におけるBCPの本懐であると捉えております。
先般、山崎浄化センターで行われました総合防災安全訓練も、まさにそういった目的で実施がなされたはずですし、そもそも本庁舎の移転というのも、先ほどもありましたけれども、これ検討しているのはまさにこのことを理由というよりも大義とされていますよね。神奈川県が直近で発表した河川の氾濫による洪水浸水想定区域図によって、にわかにその懸念が生じている移転先については、今回の質問からずれていってしまいますから、私から質問はしませんけれども、業務継続計画、いわゆるBCPのきちんとした策定があって初めてその先の命をつなぐ支援というのがあるわけですから、地方公共団体の核をなす使命として、鎌倉市は本当真剣に取り組んでほしいと思います。
質問に戻りますけれども、つまり災害の発生直後から復興までの局面や段階を考えたとき、医療救護活動の後のフェーズというのは、避難生活を想定した保健活動へのニーズが発生するわけです。特にそれが避難所での避難生活となると、中長期にわたるケースも少なくありませんから、行政は息の長い支援を想定した保健・医療・福祉の支援のあり方というのを平時から構築をしておかなければなりません。
そこで、まず初めに伺いたいと思いますが、鎌倉市では災害時における要配慮者への支援体制というのは、現状どのようになっているのでしょうか。一昨年の熊本地震でも避難所における要配慮者への対応というのが大きな課題となりましたけれども、ここで伺いたいのは、その要配慮者の根拠となる災害対策基本法第8条第2項第15号に規定されております高齢者・障害者・乳幼児・その他の特に配慮を要するもの、この中には妊婦・傷病者・日本語が不自由な外国人などが含まれると思いますけれども、特に防災上必要な措置を要する人々とそのうち災害が発生し、または災害が発生するおそれがある場合に、みずから避難することが困難なものであって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、特に支援を要する、避難行動要支援者、こちらは同法第49条の10に記載されておりますけれども、これら二つの法律に該当する方々への支援体制について教えてください。
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○柿崎雅之 防災安全部長 まず2016年の熊本地震で強い揺れに襲われた地域におきまして、地震の被害や余震への備えから18万人の方々が避難いたしまして、避難所の不足などで避難者の方々は過酷な状況において、介護の必要な高齢者の方や障害者の方など、要配慮者の方々の避難生活、これの支援が大きな課題となったことでございます。
本市の避難行動要支援者制度に基づきまして、個人情報の開示に同意した避難行動要支援者につきましては、地域の支援組織に平時から名簿を提供するなどして、災害時の避難行動に支援をお願いしているところであります。
この避難行動要支援者でございますが、対象者全体は2万5475人でございまして、これ平成30年9月1日現在です。そのうち手を挙げた、名簿に登載に同意をした方は同意者として1万17人でございます。このような状況になっております。
また、本市では現在配慮を要する方の避難先として、市内の老人福祉センター等の5カ所を福祉避難所としておりますけれども、熊本地震の教訓から、福祉避難所以外の一般の避難所にも要配慮者が避難することも想定しておく必要性を認識したところでございまして、こうした避難所におきましても配慮が必要な方のための段ボールベッドの確保対策、あるいは衛生面に配慮したトレーの導入などの設備面の充実を図っているところでございます。
避難所となる小・中学校の設備や環境を向上させることはもとより、福祉の視点に立った避難所運営といったソフト面の充実を図ることによりまして、人に優しい避難所を目指すことも有効な方策であると考えておりまして、自主防災組織が主体となる小学校区単位のブロック訓練などの機会を捉まえまして、こうした取り組みを推進してまいりたいと考えてございます。
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○21番(河村琢磨議員) 2万5000人もの方がいらっしゃるということですけれども、まさに今福祉の視点とおっしゃられたわけですけれども、これからその部分について少し伺っていきたいと思います。
なぜ最初に要配慮者への支援体制というのを伺ったかと申しますと、端的に申し上げれば、避難所などにおいて要配慮者に対するケアが不十分な場合、配慮者御本人の健康への悪影響が心配されるだけにとどまらず、同時に避難をしている他の避難者に対しましてもさまざまな影響を及ぼすことが懸念されるからであります。つまり、要配慮者だけにとどまる問題ではなく、災害時における鎌倉市全体の課題であるということでございます。
鎌倉市は避難所として市内の小・中学校25校、ミニ防災拠点として位置づけておりますけれども、各拠点ごとの収容人数は1,000人、そこがあふれてしまった場合の予備避難所として補助避難所が11カ所ですよね。それに援護が必要な方の福祉避難所が5カ所、そして帰宅困難者の一時滞在施設が8カ所、それぞれ位置づけているわけでございますけれども、果たして本当に、有事の際にそれぞれの役割を担う避難所というのに避難をしてもらうことはできるんですか。福祉避難所の数もそうですけれども、今の避難行動要支援者の数、そしてまだ見えない要配慮者の数を考えたときに、なかなか想定したところに避難してもらうというのは難しいんじゃないかなと思っております。つまるところ、有事の際は要配慮者や避難行動要支援者も含め、大勢の多様な避難者が床の上で寝食をともにしなければならない状況下に置かれるというのが現実じゃないかなと思いますけど、そこは違いますか。どんなふうに捉えていらっしゃいますか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 避難所における生活者のための、いわゆる災害弱者の方々、要配慮者の方々については、それ相応の福祉の視点に立った配慮というものが必要不可欠ではないかと考えてございます。
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○21番(河村琢磨議員) それはそうなんですけど、実際に現実問題として、要配慮者が福祉避難所に行けるのかということではなくて、皆さんが一緒の場で、まさに床の上で生活を余儀なくされることになるんではないかということです。その部分というのは鎌倉市は想定してますかということをただいまお伺いしました。
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○柿崎雅之 防災安全部長 要支援者の方々も含め、一義的には市内小・中学校のミニ防災拠点25校にいらっしゃることになりますので、要配慮者の方と一般の方々が一緒にその中で避難生活を送っていく状況は生まれると思います。
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○21番(河村琢磨議員) であれば、熊本の避難所での姿というのは、鎌倉市における避難所の姿でもあるわけですよね。浮き彫りになった課題というのも含めて。お伺いしますけれども、本市ではこのような避難所における要配慮者や福祉的な支援が必要な方々に対する課題を解消するための方策というのは具体的に何か検討しておられるんでしょうか。もし具体的な施策があれば教えていただけますか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 先ほども申しましたが、公助というのは、非常に限りがあるということでございまして、基本は共助による支援というのが第一義的には非常に大事なことかと考えてございます。そのため、先ほども申しましたが平成28年度から避難行動要支援者名簿を自治・町内会に提供いたしまして、災害時の支援体制の構築に向けた共助の取り組みを進めているところでございます。
また、大船地域の小学校区ごとに作成した避難所運営マニュアルの取り組みが、他の地域に広がりつつございますが、こうしたマニュアル作成の検討の中で、地域福祉にかかわる方を避難所運営のメンバーに組み込むことなどをお願いしていくことも方策の一つであると考えてございます。
それから、一般の避難所では対応が難しい方の避難先であります福祉避難所におきましても、設備面を含め、福祉の視点に立った避難所運営の観点で、さらなる充実を図っていくことも重要であるものと考えております。
それから、災害時における在宅の要援護高齢者や障害者の方々の緊急受け入れ体制、これを確保するため、本市では市内の高齢者施設それから障害者施設と協定を結んでおりまして、状況に応じまして避難所や福祉避難所から搬送していくことも必要だなということで考えてございます。
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○21番(河村琢磨議員) 協定を結んでいらっしゃるということですけれども、実際に有事の際というのは、施設自体の、要は自分の施設の方を優先してそこやっていかなければいけないわけですよね。その保護というのは最優先されるべきではないかなと思います。その上で、そこに避難できるかどうかということが判断されるわけですけれども、そのあたりのキャパシティーというかそういうのはどれぐらい見込んでいらっしゃいますか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 例えば、障害者施設あるいは高齢者施設についてもその時々によって状況が違うと思いますので、そこには、実際に被災、災害が発生したときに、そういう方がいらっしゃる場合に、それぞれの施設について状況がどうであるかということを確認した上で適切に持っていけるところには持っていきたいと、このように考えてございます。
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○21番(河村琢磨議員) そんな中で、備蓄のことも考えなければいけないと思うんです、実際の問題では。その施設の利用者を守っていくための、備品といいますか、そういうのを用意してある、その協定の中には、そういった方々を受け入れた場合の、人数がわからないという、状況に応じてということでしたけれども、どれぐらいのそういった備蓄というのは考えていらっしゃるのか、その辺も含めて協定というのは結んでいらっしゃるんですか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 備蓄の数等については、人数によって変わってきますので、その際は緊急対応ということで、備蓄が必要になれば何らかの形でその施設に市が支援をしていかなきゃいけないと思っておりますが、現在のところ協定として備蓄まで想定した協定ということではございません。
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○議長(中村聡一郎議員) お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、運営委員会の協議もあり、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
なお、残余の日程については、明9月6日午前9時30分に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
本日はこれをもって延会いたします。
(17時56分 延会)
平成30年9月5日(水曜日)
鎌倉市議会議長 中 村 聡一郎
会議録署名議員 松 中 健 治
同 千 一
同 くりはらえりこ
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