○議事日程
平成30年 6月定例会
鎌倉市議会6月定例会会議録(3)
平成30年6月15日(金曜日)
〇出席議員 26名
1番 千 一 議員
2番 くりはらえりこ 議員
3番 竹 田 ゆかり 議員
4番 中 村 聡一郎 議員
5番 志 田 一 宏 議員
6番 長 嶋 竜 弘 議員
7番 武 野 裕 子 議員
8番 西 岡 幸 子 議員
9番 日 向 慎 吾 議員
10番 飯 野 眞 毅 議員
11番 池 田 実 議員
12番 久 坂 くにえ 議員
13番 森 功 一 議員
14番 安 立 奈 穂 議員
15番 高 野 洋 一 議員
16番 納 所 輝 次 議員
17番 永 田 磨梨奈 議員
18番 高 橋 浩 司 議員
19番 山 田 直 人 議員
20番 前 川 綾 子 議員
21番 河 村 琢 磨 議員
22番 伊 藤 倫 邦 議員
23番 保 坂 令 子 議員
24番 吉 岡 和 江 議員
25番 大 石 和 久 議員
26番 松 中 健 治 議員
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〇欠席議員 なし
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〇議会事務局出席者
事務局長 大 隅 啓 一
次長兼議事調査課長 木 村 雅 行
議事調査課課長補佐 笛 田 貴 良
議事調査担当担当係長 窪 田 敬 司
書記 片 桐 雅 美
書記 菊 地 淳
書記 鈴 木 麻裕子
書記 沢 崎 悠 美
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〇理事者側説明者
番外 1 番 松 尾 崇 市長
番外 2 番 小 礒 一 彦 副市長
番外 5 番 比留間 彰 共創計画部長
番外 21 番 文化財部長
桝 渕 規 彰
番外 6 番 歴史まちづくり推進担当担当部長
番外 7 番 齋 藤 和 徳 行政経営部長
番外 8 番 松 永 健 一 総務部長
番外 9 番 柿 崎 雅 之 防災安全部長
番外 10 番 奈 須 菊 夫 市民生活部長
番外 11 番 進 藤 勝 こどもみらい部長
番外 12 番 内 海 正 彦 健康福祉部長
番外 14 番 前 田 信 義 まちづくり計画部長
番外 15 番 服 部 計 利 都市景観部長
番外 16 番 樋 田 浩 一 都市整備部長
番外 18 番 斎 藤 務 消防長
番外 19 番 安良岡 靖 史 教育長
番外 20 番 佐々木 聡 教育部長
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〇議事日程
鎌倉市議会6月定例会議事日程(3)
平成30年6月15日 午後1時10分開議
1 諸般の報告
2 一般質問
3 報告第1号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る ┐
専決処分の報告について │
報告第2号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
専決処分の報告について │
報告第3号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
専決処分の報告について │
報告第4号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
専決処分の報告について │
報告第5号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の │市 長 提 出
額の決定に係る専決処分の報告について │
報告第6号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の │
額の決定に係る専決処分の報告について │
報告第7号 継続費の逓次繰越しについて │
報告第8号 繰越明許費について │
報告第9号 繰越明許費について │
報告第10号 事故繰越しについて │
報告第11号 事故繰越しについて ┘
4 議案第1号 鎌倉市市税条例の一部を改正する条例の制定に関する専決処 ┐
分の承認について │
議案第2号 鎌倉市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の保育料 │
等に関する条例の一部を改正する条例の制定に関する専決処 │
分の承認について │同 上
議案第3号 鎌倉市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営 │
に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例の制定に │
関する専決処分の承認について │
議案第21号 平成30年度鎌倉市一般会計補正予算(第1号)に係る専決処 │
分の承認について │
議案第25号 工事請負契約の締結に関する専決処分の承認について ┘
5 議案第4号 市道路線の廃止について ┐同 上
議案第5号 市道路線の認定について ┘
6 議案第6号 工事請負契約の変更について 同 上
7 議案第7号 物件供給契約の締結について 同 上
8 議案第8号 施設管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の 同 上
額の決定について
9 議案第10号 不当労働行為救済申立事件の和解について 同 上
10 議案第9号 緑地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の 同 上
額の決定について
11 議案第12号 鎌倉市市税条例の一部を改正する条例の制定について 同 上
12 議案第13号 鎌倉市子ども会館条例の一部を改正する条例の制定について ┐
議案第14号 鎌倉市子どもの家条例の一部を改正する条例の制定について │
議案第15号 鎌倉市放課後子どもひろば条例の一部を改正する条例の制定 │
について │同 上
議案第16号 鎌倉市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準 │
を定める条例の一部を改正する条例の制定について │
議案第19号 鎌倉市パチンコ店等の建築等の規制に関する条例及び鎌倉市 │
災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例の │
制定について ┘
13 議案第17号 鎌倉市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について ┐
議案第18号 鎌倉市後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例の │同 上
制定について ┘
14 議案第11号 鎌倉市生産緑地地区の区域の規模に関する条件を定める条例 同 上
の制定について
15 議案第20号 平成30年度鎌倉市一般会計補正予算(第2号) 同 上
16 議案第22号 鎌倉市教育委員会の委員の任命について 同 上
17 議案第23号 鎌倉市公平委員会の委員の選任について 同 上
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〇本日の会議に付した事件
1 諸般の報告
2 一般質問
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鎌倉市議会6月定例会諸般の報告 (3)
平成30年6月15日
1 6 月 14 日 市長から、次の議案の提出を受けた。
議 案 第 25 号 工事請負契約の締結に関する専決処分の承認について
2 陳情1件を、付託一覧表のとおり総務常任委員会に付託した。
3 6 月 11 日 次の陳情の署名簿を受理した。
陳 情 第 9 号 公共性の高い私道の予防保全に向けた定期点検を求める陳情
62名
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平成30年鎌倉市議会6月定例会
付 託 一 覧 表 (3)
┌─────┬───────┬────────────────────────────────┐
│付託年月日│ 付 託 先 │ 件 名 │
├─────┼───────┼────┬───────────────────────────┤
│ 30.6.15 │総務 │陳 情│公共性の高い私道の予防保全に向けた定期点検を求める陳情│
│ │常任委員会 │第 9 号│ │
└─────┴───────┴────┴───────────────────────────┘
(出席議員 26名)
(13時10分 開議)
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○議長(中村聡一郎議員) 定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。
会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。11番 池田実議員、12番 久坂くにえ議員、13番 森功一議員にお願いいたします。
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○議長(中村聡一郎議員) 日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
内容は配付いたしましたとおりであります。
ただいまの報告に御質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
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○議長(中村聡一郎議員) 日程第2「一般質問」を昨日に引き続き行います。
納所輝次議員の一般質問を続行いたします。
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○16番(納所輝次議員) それでは、昨日に引き続きまして一般質問を続けさせていただきたいと思います。
後半のテーマでございますが、LGBT等、多様性を認め合う差別のない社会のあり方についてということで、ちょっと難しいテーマでございますけれども、伺ってまいりたいと思います。
昨今LGBT、つまりレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーという性的マイノリティーについての自治体の取り組みが話題に上っております。この性のありようについては、単純に男女の区別で判断する時代ではなく、体の性、心の性、好きになる性、そして表現する性の四つの要素から構成され、そのあり方、組み合わせは人によってさまざまであるといいます。このうち心の性を、性をみずから認めると書いて性自認といい、好きになる性を性的指向というそうでございます。
この性的指向、セクシュアルオリエンテーション、頭文字をとってSOといいまして、また性自認、これはジェンダーアイデンティティー、頭文字をとってGIというそうで、その頭文字を合わせてSOGI、ソジまたはソギといいまして、誰もがこのSOGIという多様な性のグラデーションの中に生きているということから、なぜそのグラデーションかといいますと、体の性一つ取り上げても、男女の二つだけではなく、性分化疾患などもあることから、単純に二分できないそうでございます。
この心の性にしても、それが体の性と一致しない人、トランスジェンダーや、男女のどちらでもないと思う人もいるということですし、好きになる性、性的指向も、恋愛対象が異性、同性、両性という分類だけではなくて、アセクシュアルという、どちらにも性的指向が向かない人もいるそうでございます。
表現する性では、服装、しぐさ、言葉遣いなどがいわゆる男性、女性の区別を超えることもあり、これらの各要素の組み合わせを考えると、性のありようは実にさまざまであるという現実がございます。
このLGBTという言葉だけでは正確ではないそうで、自身の性自認や性的指向が定まっていないために、LGBTの分類に入らない人のことを指すクエスチョニングやクィアという頭文字をつけてLGBTQとか、体が男女未分化な人を指すインターセックスという言葉の頭文字を加えてLGBTIと表現する場合もあるということでございます。
それだけ性的指向、性自認のあり方が複雑であるということでございますけれども、昨今広辞苑という大きな辞書が改訂をしたときに、このLGBTの定義について、単なる性的指向だけでまとめてしまって、トランスジェンダーも性的指向なんだという解釈で載せてしまったということで、その改訂が大きく批判を浴びたという記事も読んだことがございます。
ただ、そのLBGTの人が直面する困難はライフステージによってさまざまでございまして、トイレや制服、職場や学校でのハラスメントといった日常の困難だけでなく、一生を通じてさまざまな困難に直面するということでございます。
特に困難をきわめるのが子供でございまして、子供が直面する困難でも、LGBTの子供は学校でのいじめや学校に行けなくなるドロップアウトでのハイリスク層でありまして、成長するにつれて就職活動の困難さや就職後の職場でいじめを受けるリスクが高いこと、また、身近にロールモデルがいないため自分探しが困難であること、さらには、大人になってパートナーができたとしても病院、住居、社会保障などについて男女の夫婦と同様には法的保障が受けられないということでございます。
こういった困難さがあっても、相談相手や仲間が見つかりにくい、また、DVがあっても同性カップルであるということを言えないために発見されにくかったり、また支援が困難だったりする現実もあり、介護などの老後の不安も一般的な家庭以上にあるということでございます。健康面でも、LGBTの方々は自殺やメンタルヘルス、HIVや乳がんなどのハイリスク層に当たるということでもございます。
まず、教育現場での取り組みについて伺ってまいりたいと思います。文部科学省が性的少数者の子供を支援する通知を学校に出したことについて教育委員会に伺ってまいります。
2015年4月30日付で文部科学省から、「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知が出されました。この通知では性同一性障害の児童・生徒への特有の支援の必要性を訴え、学校での支援体制、医療機関との連携、学校生活の各場面での支援、卒業証明書や指導要録上の配慮、保護者との関係、教育委員会等学校を取り巻く関係機関による支援のあり方、相談体制の充実など、事細かに求めているものでございます。
文部科学省からの「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知を受けて、市の教育委員会や学校現場ではどのように対応しているのか、伺いたいと思います。
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○佐々木聡 教育部長 教育委員会といたしましては、文部科学省からの「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」及び「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」、教職員向けの通知でございますけれども、これらを学校に送付するとともに、校長会を通じて周知を図ったり、研修を行うなど、教職員が正しい知識を持ち、きめ細かく対応できるように努めているところでございます。また、学校では、服装やみんなのトイレ、個別の更衣室等の準備も含めて、個々の状況に合わせて配慮できるような校内体制も整えているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) 周知、研修の徹底、あとみんなのトイレもまだ2校ほど整備されていないところがあると伺っておりますけれども、早目の対応を希望したいと思っております。
このさまざまな調査でLGBT当事者の割合を示す推計が出されております。2015年、電通ダイバーシティ・ラボがインターネット調査を行ったところ、日本人の7.6%がLGBT当事者であるとのことでございます。7.6%、およそ13人に1人が当事者であるということはどういうことでしょうか。例えば血液型でAB型の人の割合は日本では9%であると言われております。また、左ききの人の割合が日本では約11%とされておりますので、この約7.6%とされるLGBT当事者の存在は実はそれほど珍しいことではないということになりますが、それを公表、カミングアウトして生活する環境は、日本ではまだ整っていないという現状がございます。ただ、現実にはクラスに1人から2人はLGBT当事者が存在するという統計上の結果が考えられます。
先月、ゴールデンウイーク中でございますけれども、このLGBT当事者の自治体議員5名により発足しましたLGBT自治体議員連盟主催の研修会が代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれまして、全国から100名を超える自治体議員とともに私も参加してまいりました。そこでは大学教授などの専門家が講師となってLGBTを基礎から紹介してくださったわけでございますけれども、その中で、宝塚大学看護学部教授で日本思春期学会理事の日高庸晴氏が、各教育機関などで開催している研修のエピソードを紹介してくださいました。
日高先生が研修を行ったある小学校で、来年度、新年度からトランスジェンダーの児童が入学するので、事前にさまざまな場面での対応をしなければならないということで、日高先生に研修を行ってもらったそうなのですけれども、トイレや着がえなどの配慮が求められる場面を想定していくうちに、校長先生が、いっそのこと全校児童がいる前で、その児童から自分はトランスジェンダーですと発表させればいいじゃないかというような発言があったそうでございます。結局最終的にはそういうことにはならなかったそうでございますけれども、その学校の研修の目的が、当事者に寄り添うためのものではなく、自分たちが無難な学校運営を行うためのものであるという発想からであったということでございます。このエピソードが紹介されたとき、会場全体から驚きの声が漏れました。男は男らしく、女は女らしくという単純化されたジェンダー意識が固定観念として深く根づいていることのあらわれであると思われます。
本人の了解を得ずにその人が性的少数者であることを暴露すること、これをアウティングというそうでございます。2015年、一橋大学のロースクールの学生が同級生に同性愛者であることを友人らに暴露され、それをきっかけに自殺をしてしまったという事件がございました。これはアウティング、これはとても危険な行為であることを理解しなければなりません。
それだけに、各現場でLGBT理解を深め、対応が急ぎ求められております。学校現場で教師による不用意な差別発言、ましてや教師によるアウティングは、当事者の児童・生徒の心を傷つけ、そのトラウマは人格形成に大きな影響を与えます。日高教授によりますと、LGBT当事者の子供たちは自分自身が嘲笑の対象とされる可能性があることや、存在そのものを否定されるようなメッセージを日々の生活の中で受け取ってしまうことが多くあるということでございます。
ここに日高先生が各研修のところで使っているパンフレットがあるんですけれども、そのテーマが、子供の人生を変える先生の言葉がありますというテーマで、この性的マイノリティーの子供たちにどう現場で対応したらいいのかということを研修の材料として載せてくださっているパンフレットでございます。
LGBT当事者の生徒が存在することを前提に、教師が特に気をつけなければいけない言動のあり方について、現場ではどう配慮しているのか、伺いたいと思います。
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○安良岡靖史 教育長 LGBTに関すること、あるいは人権に関する課題に対しましては、やはり教員が正しく理解することが大切であると考えております。そして、教員自身が常にみずからの人権意識を見詰め直して、確かな人権感覚を身につけるよう努めるとともに、みずからの言動が児童・生徒の人権を侵害することがないように、やはり一人一人を大切にした子供への対応と、そして子供がお互いを認め合い、ともに活動する学校となるような取り組みというものを進めていかなければならないと思います。先生の言葉がけというのは本当に大切だと思いますので、そういう点は常に教員みずからが考えられるような教育というものを指導してまいりたいと、研修も深めていきたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) やはり常にそのことを意識、当然のように意識していただくということが、子供の心に傷をつけない、もしくは子供が安心して成長・発達を遂げられる環境をつくれるのではないかと思っております。
2016年にLGBTを初めとしたセクシュアルマイノリティーを対象としたインターネット調査が行われまして、有効回答数が1万5064人に上りまして、国内最大規模の調査が行われました。それによりますと、学校教育で同性愛について習ったかどうかの項目では、一切習っていないが68%、異常なものとして習ったが5.4%、否定的な情報を得たが7.5%でございました。これは回答者の年代によって数値が変わってくるんですけれども、10代であっても、異常なもの、否定的な情報、これを合わせて25.9%がそういった情報を得たということがわかりました。
同時に、性同一性障害について尋ねた項目では、一切習っていないが72.9%、異常なものとして習ったが4.8%、否定的な情報を得たが8.3%でございました。このうち10代では、異常なもの、否定的な情報、これを合わせて22.6%、これは各世代の中で最も高い数値だそうでございます。この数値から学校教育もしくは教師の言動で傷つけられたであろう当事者がいかに多いかがわかります。それだけに教師の正確な理解が求められるのではないでしょうか。
この調査結果を見ますと、LGBT当事者の子供たちを取り囲む学校環境は非常に苛酷なものであることが明らかで、当事者たちの社会における生きづらさは少なくとも学齢期から始まっていることがわかります。学校現場において、先ほどもお答えいただいておりますけれども、教職員に対するLGBT理解の研修は行っているのか、また、その研修成果を現場でどのように生かしているのか、伺いたいと思います。
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○佐々木聡 教育部長 平成28年度及び平成29年度には、教育センター、文化人権推進課、職員課の共催で教職員及び市職員を対象に性的マイノリティー理解を目的とした研修会を行いました。また、研修会に参加した教職員につきましては、研修内容を校内で周知するなどの取り組みも行っているところでございます。
実際に保護者からの相談を受けている学校においては、それらの研修会で講師から具体的な対応について助言を受け、教職員間で情報を共有し、当該児童・生徒が学校生活で困らないように支援をしているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) その支援の仕方も、担当する先生もどうしたらいいんだろうというような迷いが当然あるかと思います。そこで、できればそれは当人たちだけに抑えておいて、みんなには知られないように配慮しようであるとか、というような対応もあるかと思うんですけれども、さきの研修会の席上、日高教授が、実際において対応が急ぎ求められていて、比較的すぐ実施可能と考える施策を上げてくださっておりまして、それが教員研修、職員研修、それから公共図書館や学校に関連する図書を配架することや、啓発ポスターを掲示すること、またLGBTに対しての肯定的な情報を話題にするという細かいセグメントの設定、また授業を実施するというようなことが効果的であるとおっしゃっておりました。
厚生労働省などで行われた調査では、LGBTの子供5,731人のうち自殺を考えたことがある子供が65.9%、自殺未遂をしたことがある子供が14%いるという現実がございます。そうでなくても差別やいじめ被害の割合が高く、みずから傷つけてしまうという自傷行為の経験割合も10代のLGBT当事者で17%、そうでない男子中高生の7.5%と比較しても2倍以上であるという実態がございます。
さきのインターネット調査では、LGBT当事者の学校におけるいじめ経験率が58.2%、10代では49.4%ですが、先生がいじめの解決に役立ってくれたという認識は全体で13.6%、10代では19.9%ということでございました。つまりLGBT当事者、学校でのいじめ経験率が6割近い。現在10代のお子さんでも半数がそれによっていじめを受けていると。ただし先生が解決に役立ってくれたというのが2割に満たないというような状況だそうでございます。
また、不登校の経験について、その不登校の経験ありが全体で21%、世代全体ということですね。10代では32%が不登校の経験があるということでございます。ただ、LGBTの中でもレズビアン、ゲイの当事者は30%前後であるのに対して、トランスジェンダーの当事者は不登校の経験が57%、極めて高い結果が、数値が出ているということでございます。ですから、このいじめ、不登校の背景には、LGBTの課題というものが大きくその背景に存在しているということがわかるわけでございます。
このLGBT当事者の子供たちが直面している自殺、自殺未遂、いじめ、不登校についてのその調査結果の数字に対して、教育委員会としてどのような感想をお持ちになるか、伺いたいと思います。
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○佐々木聡 教育部長 教育委員会といたしましては、性的マイノリティーの児童・生徒が直面している問題を重く受けとめておりまして、できる限りの支援に努めていきたいと考えているところでございます。まず、教師自身が高い人権感覚を持ち、さまざまな違いも個性と捉え、認め合うことを積極的に発信することで、多様性を認め合う学級や学校をつくっていくということが大切であると考えているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) 教育委員会では毎年いじめ、不登校などの児童・生徒の問題行動、生徒指導上の諸問題についての調査を行っていらっしゃいますけれども、日常の取り組みや問題対応、カウンセリングにおいて、生徒がLGBT当事者であることの可能性を加味した取り組みとか調査、配慮を行っているのか、伺いたいと思います。
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○佐々木聡 教育部長 学校では教職員が日々の生活から児童・生徒の理解に努めるとともに、今日的な教育課題についても研修を行いまして、LGBTを含むさまざまな可能性を考慮しながら対応を行っているところでございます。学校では対応が難しい課題がある場合については、教育センターの相談室と連携を図りながら、心理や福祉の専門家である教育相談員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどとともに対応しているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) もし先生がLGBTについて子供から相談を受けたとき、どうしたらいいんでしょうか。研修の中で伺ったのは、それには聞く、知る、つなげるという三つのステップがあるということでございました。
聞くというのは、恐らく初めて人に話すという子供の勇気あるアクションに対して、他人に聞かれない場所を設定することと、話してくれてありがとうと伝え、子供がその後も安心して相談できるような声かけが重要。これが聞くということだそうでございます。
知るは、相談した子供がどうして相談してくれたのか、何をしてほしいのか、何に困っているのかを知ることが大事だそうです。何かの対応を求めているのではなく、自分のことを知ってほしいという気持ちで告白するケースもあるということだそうでございます。
つなげる、これは、必要に応じて正しい情報を提供する本を紹介したり、「よりそいホットライン」など電話相談や自助団体を伝え、つなげることだそうで、その際、匿名性を守ることが大事だそうでございます。
この聞く、知る、つなげるという三つのステップに取り組む際に、決めつけない、広めないという二つの「ない」を守らなければいけないということも伺いました。
決めつけないは、教師の思い込みによる判断で、思い過ごしだとか君はゲイだとか決めつけて、その子のセクシュアリティーを否定したり決定したりしてはいけないということだそうでございます。セクシュアリティーはその後迷うことも変わることもあるものだそうで、そういった認識を持っていなければいけない。ですから決めつけない。
広めないは、本人の同意なく、家族も含めて第三者に伝えることは避けなければならないということだそうです。家族に知られたくないからこそ勇気を持って教師に相談しているのに、家族の知るところとなったときの衝撃は非常に大きいものがあるということだそうでございます。情報を共有する必要があるときは、当然本人の確認が必要であるということを伺いました。
さきも申し上げましたが、図書館や保健室にLGBTに関する本を置くことや、学校内にポスターを張るだけでも、当事者である子供にとっては貴重な情報獲得の機会になるそうです。大人にとっては学校においては違和感のある情報の本とかポスターかなという向きもあるかもしれませんけれども、学齢期の早い段階で性の多様性について肯定的なメッセージを受け取ることは、当事者の子供にとっての自尊感情や自己肯定感を高めますし、そうでない子供にとっては人権感覚を養う貴重なきっかけになるということだそうでございます。
学校現場においてLGBT理解を促す図書を置いたり、理解を促すポスターを掲示するなどの情報提供には現在どのように取り組んでいるのか、伺いたいと思います。
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○佐々木聡 教育部長 現在、小学校、中学校ともにLGBTに関するポスターを張ったり、自由にとれるチラシを置いたりしております。また、手にとって読みやすいように図書を図書室や保健室に置いて、人権教育を促進する環境づくりにも取り組んでいるところでございます。
LGBTに関する図書を置いたりポスターを張ったりすることは、学校はLGBTについて理解をしているということを伝えるとともに、多様性を認め合う環境づくりや当該児童・生徒の自尊感情の育成に有効であり、今後一層充実させていきたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) 既に取り組んでおられるということを聞いて安心をいたしました。
千葉県柏市では、28年ぶりに開校した新しい市立中学校で採用した標準服が、ブレザー型ではありますが、トランスジェンダーの生徒に配慮して、ズボンやスカートは性別を問わずどちらを選んでもよいということにしたそうでございます。
主にトランスジェンダーの児童・生徒に対しての支援で必要とされるのは、中学校で指定される標準服など服装や髪型に対する配慮、着がえに対しての更衣室の配慮やトイレのあり方、さんづけや君づけなど呼びかけの工夫、保健体育の授業における配慮、水泳の水着の配慮や水泳授業を受けられない場合の支援、性別で分かれている運動部の活動、修学旅行での配慮など、文部科学省の通知で求められている学校での支援についてはどう取り組んでいくのかなということを確認していきたいと思いますけれども、トランスジェンダーの児童・生徒が存在していることが判明したり、保護者や本人から支援要請があった場合、学校でどう対応するのか、また、どう対応すべきか教育委員会として統一的な了解を図られているのか、伺いたいと思います。
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○佐々木聡 教育部長 基本的には文部科学省発行の「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」、先ほど御説明をさせていただいた教職員向けのものをガイドラインとして統一的な対応を行っているところでございます。
基本的に大切なこととしましては、当該児童・生徒及び保護者の心に寄り添いながら、個々の状況に合わせて柔軟に対応することであると考えているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) この性同一性障害者が安心して使えるトイレの普及、教育現場のいじめ防止などの課題に対して、行政として、教育委員会として積極的に取り組む必要があると思いますが、さきの研修会で紹介されたのが、トイレを表示するマークについてなんですけれども、いわゆる多目的トイレの表示、みんなのトイレと鎌倉市では言っておりますけど、それを男性用マークと女性用マークを縦に半分ずつ切り取って組み合わせた異様なマークを表示した自治体がありました。これをトランスセクシュアル用マークとでも言いたいのでしょうか。こんなマークのトイレを誰が利用するのかと。当事者の気持ちに寄り添うことのない、思いやりに欠けた取り組みを平気で行う自治体が存在することに、この理解の難しさを感じるわけでございます。
従来の固定観念、結婚したら専業主婦、家事、育児は女性の役目、男は働いて家族を養う、力仕事は男の役目、男が主、女は従といったような考え方、これは時代の変化とともに失われつつありますが、男は男らしく、女は女らしくといったジェンダーに関する固定観念は変える必要を感じていない人も多いのではないかと思われます。このジェンダーに関し、教育現場ではどのように取り扱っているのか伺いたいと思います。
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○安良岡靖史 教育長 ジェンダーに関する御質問でございますが、ジェンダーに関する固定観念につきましては、時代の変化とともに変わりつつあると私も感じているところでございます。学校におきましても、男性、女性という視点にとらわれることなく、豊かな人権感覚に基づいて一人一人のよさに着目した個性を生かす教育が大切であると考えております。
学校におきます具体的な取り組みといたしましては、学級の名簿をつくる際に男性、女性に分けることなく五十音にする、あるいは名前を呼ぶときにもさんを使うと。中学校の技術家庭科におきましても男性も女性も同じ内容の学習を一緒に学ぶなど、子供たちがともに学校生活を送り、そしてともに学習し活動することを今後も大切にしていきたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) ここからは市長部局側に伺ってまいりたいと思いますけれども、LGBTの当事者に寄り添い支援する人をLGBTアライというそうでございます。アライとは同盟、支援者のことで、当事者でない人も当事者も含めてLGBTアライがふえていくことが、LGBTの方も生きやすい社会の実現の大きな鍵となるということだそうでございます。こういった性的少数者を初め、性の多様なあり方を認める社会へ向かうのは自然な流れではないでしょうか。
人権侵害を抑制するため、性的指向と性自認に関する法整備、これは国としても喫緊の課題でありまして、差別解消に向けた漸進的な取り組みが必要で、性同一性障害特例法の改正や性別適合手術の保険適用化など、国が進めるべき政策課題の解決もありますが、当事者が生活する上において抱える困難や課題は基礎自治体における行政上の課題であることがほとんどでございます。市は性的少数者への支援などについて具体的にどのようなことを行っているのか、伺いたいと思います。
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○比留間彰 共創計画部長 講演会の開催や、県等が発行します啓発誌の配架とともに、平成29年度は性的マイノリティーに関する講演会を3回実施し、延べ206人の方の参加をいただきました。また、平成30年2月には市に提出する申請書等におけます性別欄の有無について全庁調査を行いまして、法的に義務づけのあるものや性別情報が必要なもの以外については、平成31年3月までに性別欄を廃止または自由記入欄とすることとしております。具体的には、218ある申請書のうち廃止することができないもの137件を除いた81件について廃止等を予定しておりまして、現在既に39件の帳票において対応をしておるものでございます。
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○16番(納所輝次議員) 講演会3回206名という実施、今報告いただきましたけど、数年前に生涯学習センターで学生の当事者による講演会を、男女人権の課が主催で行って、六、七名、その当時。ただ、ちょっと学校で先生にひどいこと言われたとか、割合生々しいお話があって、話を聞いただけで一切質問が出ずにそのまま終わってしまったというのが、一番最初ぐらいの講演会だったでしょうかしらね。それからは大分進んできたのではないかなと思っております。
また、性別欄の廃止についても、本当に必要なもの、結構数が多いんだなという感想を持っておりますけれども、その性別欄があるたびに悩んでいらっしゃる方、実はいるんだということも理解していかなくてはいけないと思います。
欧米では同性婚法やパートナーシップ制度を認める国がふえております。2001年に初めてオランダで同性婚法を施行しました。以来、欧州、南米を中心にその数はふえ続け、パートナーシップ制度を導入している国を含めると、今や20カ国を超えております。
そうした状況に比べると、日本はまだほんの一歩を踏み出しただけのようですが、一部の自治体にその取り組みが見られます。2015年、渋谷区で条例が施行され、世田谷区では同性パートナーの宣誓に基づいて公的書類を発行する支援を開始、兵庫県宝塚市ではパートナーシップ証明書を発行し、市営住宅への入居を認めるなど条例制定を検討しておりまして、既に啓発のためのパンフレットを市民向け、教職員向けの2種類を発行していらっしゃいます。
しかし、この宝塚市議会ですが、議員の1人が本会議の一般質問で、条例が制定されると宝塚市に同性愛者が集まり、HIV、エイズウイルス感染の中心になったらどうするのかという議論が市民から出ると発言したそうでございますが、別の議員から、HIV感染者や同性愛者への偏見を助長する差別的な発言だとして取り消しを求めたということが報道されました。このような差別や偏見を助長するような発言が議会だけでなく学校や職場で行われたとして、その発言の偏見を指摘する環境はできているでしょうか。その点に欧米と日本の違いを感じるわけでございます。
欧米と日本とでは何が違うのか。一つに、LGBTに対する実感の差があるとの指摘があります。フランスのマーケティング会社が行った調査によりますと、あなたの同僚にLGBTはいるかとの質問に、欧米諸国では半数以上がイエス、いると答えているのに対し、日本は8%。一方、ノー、いないと答えている人は、欧米各国が30%前後なのに対し、日本は74%に上ると。同性婚を法的に認めるべきかとの問いにも、欧米各国は認めるべきが圧倒的多数で50%から80%だそうですが、日本はよくわからないが最多で40%だそうでございます。つまり、日本人はLGBTの存在を抽象的にはわかっていても、当事者がなかなかカミングアウト、いわゆる告白しにくい社会であることもあって、具体性と現実感が乏しいのだそうです。性の多様性を認めながらも、この曖昧さが社会の側から仕事面、生活面で見えない差別を無意識のうちに押しつけている現実があるのではないでしょうか。
私が参加したさきの研修会で、金沢大学国際基幹教育院の谷口洋幸准教授による全国自治体関連施設調査の結果と日本学術会議の提言についての講義がありました。その中で、日本におけるクィア・スタディーズの構築という、文部科学省と日本学術振興会が交付する科学研究費助成事業というのがあるんですが、それによって行われた研究の二つの報告書が紹介されました。一つは性的マイノリティーについての意識2015年全国調査報告書、もう一つは全国自治体における性自認・性的指向に関連する施策調査2016年報告書で、全国を対象にした悉皆調査が行われて、その紹介があったわけでございます。
なぜこのような調査が行われたのかというと、国連の自由権規約委員会から2008年に日本が是正すべき事柄についてなされた勧告を受けて、日本政府が何度かにわたって行った報告書の内容と現実に、実は開きがあったということでございます。
国連の委員会の指摘は、日本にはLGBTの雇用、住宅供給、社会保障、健康、教育、その他法により定められた分野、例えば公営住宅法第23条第1項が婚姻または婚姻関係のない異性のカップルのみを対象としているため、婚姻していない同性カップルが公営住宅を借りられないという例や、配偶者暴力防止法が同性のパートナーによる暴力からの保護を排除している例にあるような差別があることに懸念を抱いているということでございました。この指摘を受けて、日本は差別を禁止する理由の中に性的指向が含まれるように法律の改正をし、未婚の異性のカップルと同性のカップルが平等に扱われるようにすべきではないかという指摘があったわけでございます。
これに対して日本政府が何度か報告書を出しておりますけれども、2012年に提出された第6次報告書によりますと、公営住宅法を改正し、親族関係にない同性の同居者を認め、同居親族による入居者資格の制限はなくなっていると報告をしているわけでございます。果たしてそうでしょうか。鎌倉市の市営住宅の申し込み資格において、共通の資格や特定の資格を含めて、入居者資格に同性のカップルは認められているのか、伺いたいと思います。
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○樋田浩一 都市整備部長 市営住宅の入居資格は鎌倉市営住宅条例に規定されておりまして、条例の規定では同居できるのは親族であり、同性のカップルを認める直接的な規定は現在のところございません。
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○16番(納所輝次議員) つまり、鎌倉市の夫婦の定義として婚約者、あと内縁関係も含んでおりますけれども、同性のカップルはいわゆる夫婦の定義には入っていないようです。これは改正された公営住宅法の定義に合っているんでしょうか。今後、例えば鎌倉市の市営住宅の申し込み資格において入居者資格を見直す考えはお持ちかどうか、伺いたいと思います。
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○樋田浩一 都市整備部長 鎌倉市営住宅条例に規定する入居資格でございますが、現に同居しまたは同居しようとする親族で、婚姻の届け出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者も同様としてございます。よって、条例を見直す必要はないと考えていますが、現状では事実上の婚姻関係の確認が困難であるため、今後の状況を注視し、客観的な証明等が可能となった時点で判断してまいりたいと考えております。
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○16番(納所輝次議員) つまり同性のカップルであるという公的な証明があれば、条例を改正しなくても入居資格というのを認めることができるということだそうでございます。
さきの国連の委員会に対する日本政府の報告では、法改正を行ったことで委員会からの指摘事項はクリアしたとしておりますけれども、鎌倉市だけではなくて各自治体において入居者資格の制限がいまだ存在している、つまり同性のカップルは認められていないという実態との差があって、報告書の調査ではそれを明らかにして指摘をしているということでございます。
この悉皆調査では、2016年、平成28年の4月から6月にかけて、9週間、1,738自治体に向けて出された性自認・性的指向に関する施策についてのアンケートの結果をまとめたものでありまして、全国811自治体が回答を寄せております。この全国悉皆調査におけるアンケートでは、条例、計画、指針等の文書における性自認・性的指向についての言及があるかを聞いており、言及がない自治体が条例では96.7%、計画等では76.8%が言及しておりませんでした。例えば男女共同参画条例などは他の自治体の条文を参考にして策定する例が多くて、参考事例が触れていないとそのまま盛り込まれないと、いわばコピー・ペーストという傾向があるそうでございます。
ちなみに、鎌倉市の条例、計画、指針等でLGBT関連の文言を検索いたしましたところ、平成26年1月に策定されたかまくら人権施策推進指針改訂版、平成29年3月に策定されたかまくら21男女共同参画プラン(第2次)改訂版で取り上げられておりますが、そのほかではヒットしませんでした。性自認という単語で検索いたしましたところ、平成24年度第1回かまくら人権施策推進委員会会議録で委員の発言で1件、性的指向という単語で検索いたしましたところ、平成28年度の中学生の人権作文コンテストの応募作品で3人の生徒が触れているという、それ以外はありませんでした。
このアンケートで、LGBTへの対応や実践例について具体的な取り組みをしているかとの問いに対して、把握していないと回答した自治体は691自治体で76.8%でございます。
松尾市長は本年2月定例会の席上、私ども公明党が代表質問で、LGBTなど性的マイノリティーの人々に対する市民の社会的理解を促進するとともに、行政として社会生活上の困難を取り除くよう条例上配慮するなど体制を構築し、支援すべきであるがどうかと尋ねた質問に対しまして、LGBTなど性的マイノリティーについての理解を深めるため、引き続き講演会等の開催により啓発活動を行うとともに、さまざまな場面で性的マイノリティーの方の精神的な負担軽減を図ることを検討していきたいと考えている。現在、市に提出する申請書等の性別記入欄の廃止の検討に取り組んでおり、今後もソフト、ハードの両面から多様な性のあり方に配慮した環境整備を進め、誰もが自分らしく生きることができる共生社会の実現を目指していくと答えられております。
それを受けて、鎌倉市役所では、職員の配偶者や家族に対して、職員の配偶者、家族というのは一般的な意味でございます、どのような制度があるのか、まず確認したいと思います。
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○松永健一 総務部長 職員の配偶者や家族に関する制度といたしましては、結婚休暇や育児休暇などの休暇制度や扶養手当などの各種手当のほか、これは厚生会の制度になりますが、結婚祝い金や出産祝い金というものがございます。
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○16番(納所輝次議員) 市役所に約1,300人の職員が働いているとすると、統計上100人前後のLGBT当事者がいてもおかしくないという計算になります。市役所を職場とする当事者への配慮が求められても当然ではないでしょうか。例えば、市役所としてLGBT当事者への雇用上の配慮や支援を実施する考えはお持ちかどうか、伺いたいと思います。
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○松永健一 総務部長 LGBTへの対応は今後の人事管理あるいは労務管理の上でも非常に重要な課題と認識しておりますので、先進自治体や企業の取り組みあるいは制度等を研究し、検討してまいりたいと思っております。
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○16番(納所輝次議員) 実際に動き出している自治体が徐々にふえているわけでございまして、東京都渋谷区では、2015年から施行された渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例によりまして、性的少数者に対する社会的な偏見及び差別をなくし、性的少数者が個人として尊重されることなど、性的少数者の人権を尊重する社会を推進しております。
この理念に基づき、渋谷区ではパートナーシップ証明を発行しています。パートナーシップ証明は法律上の婚姻とは異なるものとして、男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備える、戸籍上の性別が同一である2者間の社会生活関係をパートナーシップと定義し、区長が一定の条件を満たした者についてパートナーの関係であることを証明するパートナーシップ証明書を発行しています。この渋谷区のパートナーシップ証明書の発行などの取り組み、これをどう評価するのか、伺いたいと思います。
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○比留間彰 共創計画部長 同性カップルの存在を条例という形式で認めた、こういう点が非常に画期的であると感じておりますが、何よりも条例制定を実現させるだけの住民理解をしっかりと得てきた、こういうところがすばらしいと感じております。
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○16番(納所輝次議員) 京都産業大学法科大学院の渡邉泰彦教授は、渋谷区のパートナーシップ証明書の条例について次のように述べられています。
小さな一歩だが、その意味するところは大きい。特に注目したいのは、メディアがこの小さな一歩に敏感に反応し、LGBT問題を精力的に取り上げ続けている点だ。一昔前には考えられなかった盛り上がりようで、それだけに、この問題を受け入れる素地が日本社会にできてきたあかしだろう。これをきっかけに、性的少数者の権利保障に向けた動きが加速されることを期待している。ただ、過大評価は禁物だ。一つは、一自治体の条例である以上、その効果にはおのずと限界があるからだ。今後、同性カップルが賃貸住居の入居や病院での面会を断られることが減るとしても渋谷区内に限られる。証明書そのものの問題もある。申請には、カップル相互の任意後見契約や合意契約にかかわる公正証書の作成・登録が必要だが、これらは男女の結婚では不必要なもの。小さな一歩と控え目に評価せざるを得ない。
とのことでございます。
同性パートナーを承認することは、同性カップルの存在を自治体が公式に認めることでありまして、全ての議論のきっかけになります。世田谷区が制定した条例では、男女共同参画に多文化共生の考え方が加わり、性別に基づく差別はもちろん、性自認、性的指向、国籍、民族等による差別まで広く禁じ、それに対する苦情処理制度を運用するというもので、あらゆる差別を認めない地域社会づくりという点で注目をされております。
こうした同性パートナーシップ公認制度導入の動きは、さまざまな自治体に広がりつつあります。東京都では渋谷区、世田谷区に続き、港区、中野区も続く動きがありまして、政令市では札幌市が2017年6月に要綱を制定しております。また、福岡市、大阪市、千葉市、宮崎市にもその動きがあり、県内では横浜市でも議論が活発化する動きがございます。
特に港区では、議論の前提として、平成29年度、昨年度ですが、インターネットアンケートを行って、その調査報告書をまとめております。ことしの3月に性的マイノリティーの方々への支援に関する調査ということで、インターネットということなので、港区だけではない方も含まれているわけでございますけど、かなり詳細な質問項目で、これを一つの根拠にして港区独自の条例制定もしくは制度構築に動いているということだそうでございます。
これらは日本で大きな流れを形成するきっかけとなると思いますけれども、その一方で、消極論にも耳を傾ける必要があります。この性の多様性を受け入れられない人もいます。受け入れないこともまた思想や良心の自由ではないかという意見もあるわけでございますが、これについてはどう思うか、伺いたいと思います。
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○比留間彰 共創計画部長 性的指向や性自認は自分の意思で変えることはできないものであり、また医学的にも対応できるものではございません。このようなことを正しく理解していただくことが重要であり、思想や良心の自由とは異なる課題と捉えております。
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○16番(納所輝次議員) 性的マイノリティーの存在を認めないことも認めようというのは差別の助長に当たると思いますし、自治体として多様性を受け入れ、差別しないことを表明すべきではないかと思うわけでございます。
ただ、パートナーシップ制度を望まず、ひっそりと暮らしたい当事者もおり、個別対応すれば十分で、制度をつくる必要はないという意見があったり、また、当事者ではない市民が戸惑い、混乱を招き、かえって差別を助長するのではないかという意見、また、なぜ制度ありきなのかという意見もあります。こういった考え方についてはどう思うか、伺いたいと思います。
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○比留間彰 共創計画部長 社会的マイノリティーの方々を含めまして誰もが暮らしやすい社会であることが望ましい姿であり、制度はこれを推進するための手法の一つでしかないと考えております。そのような意見や懸念を抱かれないように、まずはマイノリティーの方々に対する市民の理解の促進に取り組み、その上で必要な制度を整えていくことが重要であると考えております。
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○16番(納所輝次議員) 2年半前、既に導入した渋谷区、世田谷区において混乱は見られず、事業者側の対応も広がっております。制度を確立してこそ行政が住民の福祉や差別をなくすことに具体的に動くことができるのではないでしょうか。
男女のカップルでも婚姻制度を望まない場合がありまして、今の社会はそれを受け入れております。制度は必要な人が利用すればよいのですが、制度を必要としている同性パートナーが存在している事実があります。同性パートナーシップ公認制度自体は法的効力はないのですが、社会のありようを象徴するものとして自治体で広がりを見せていくことで、やがて国の制度に反映していくのではないかと思われます。
LGBTの理解や支援について、市役所を職場とする当事者への配慮のみならず、多様性を認め合う市民社会の構築について今後取り組んでいかなければならない流れであるだろうと思いますが、その一方で、こうした取り組みに反発する向きも存在をしております。市がLGBT支援に取り組むことについて、例えば今まで反対する動きや声は寄せられておりますでしょうか。
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○比留間彰 共創計画部長 これまで特に寄せられてはございません。
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○16番(納所輝次議員) 今やLGBTについて国会に超党派の議連ができておりまして、その唐突感はありませんし、各党内で締めつけがあったとも聞きません。文部科学省が性的少数者の子供を支援する通知を学校に出したことにも、国民の多くは当然と受けとめております。このように性的少数者を見る国民一般の目が変わったことも前提としてあり、性の多様性を認め、物事を公平に見られる社会に向かっているということだろうと歓迎するわけでございます。
企業にとってもLGBTへのフレンドリーな取り組みがそのイメージを悪化させるものではなく、今や積極的にアピールし始めているようでございます。札幌市ではパートナーシップ宣誓制度導入を機に啓発事業も行っておりまして、LGBTフレンドリー指標を設定し、LGBTを支援、配慮した取り組みを行っている市内の企業、事業所を登録する制度も実施しております。性的少数者問題をめぐる動きがここに来て全国的に活発化している理由、背景はどう考えるか、伺いたいと思います。
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○比留間彰 共創計画部長 国際オリンピック委員会が2014年にオリンピック憲章に性的指向による差別禁止を盛り込み、LGBTを差別する国ではオリンピックの開催ができなくなったこと、また、アメリカ合衆国においても連邦最高裁判所が同性婚は権利であり認めなくてはならないとの判断を出したことなど、近年世界的な動きが活発化しているものと捉えております。また、我が国におきましても、これまで御紹介されてきました渋谷区が条例を施行するほか、幾つかの自治体でも性的マイノリティーに対する支援に取り組んでいることなどが背景にあると認識しております。
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○16番(納所輝次議員) ここで鎌倉市に同性パートナーシップ公認制度を導入する考えはあるかどうか伺いたいところではございますが、期せずして今定例会に同性パートナーシップ公的承認についての陳情が提出されておりまして、委員会での審査が行われようとしておりますので、その回答は委員会の審査で確認したいと思います。
そこで、自治体における同性パートナーシップ公認制度について松尾市長はどのような感想をお持ちか、これを伺いたいと思います。
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○松尾崇 市長 本市におきましては、全ての市民が生き生きと楽しく暮らすことのできる共生社会の実現というものを目指しているところでございます。まず共生社会の理念というものを広く浸透させるということに取りかかっていくわけでございますけれども、御質問の中にもございましたLGBT、SOGIといった、こうした考え方、また認識ということをより多くの方が正しく理解をしていくということにも努めてまいりまして、今後まずはそうした啓発事業ということについて取り組みながら、取り組みを進めてまいりたいと思います。
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○16番(納所輝次議員) 同性カップルの問題には、両性の合意で結婚できるとする憲法第24条との関連や、婚姻観、家族観といった文化的な問題も絡んでまいります。憲法第24条第1項では、婚姻は、両性の合意のみに基づいてと規定されております。このため、同性婚は憲法上認められないと解釈される一方で、憲法第13条の個人の尊重規定を理由に、第24条は同性婚を禁止しているわけではないとの学説もあるそうでございます。
さきの研修会の席上、私が金沢大学国際基幹教育院の谷口洋幸准教授にそのことを質問させていただきました。そういったところ、憲法第24条は男女間の結婚について規定しているもので、同性婚は想定しておらず、つまり同性婚を禁止しているものではない。その一方で、憲法第13条の個人として尊重される規定を重視すべきであろうという回答をいただきました。
そもそもこの問題の核心は、性的少数者の人権をいかに守り、多様性ある社会をどう実現していくかにございます。また、婚姻や家族に一定の価値を認めていることに違いはないと。そのために、日本は同性婚法でいくのか、パートナーシップ制度でいくのか、選択肢は多い。目的意識さえ見失わなければ、憲法上の解釈でも文化的な面でもコンセンサスづくりは可能であると考えられるものでございます。
国際的に見ても、ソチ五輪でアメリカ、フランス、ドイツの大統領や首相がロシアが制定した反同性愛法に抗議して開会式を欠席するという事件がありました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、日本でも国際的な人権問題として政治のレベルできちんと議論していく必要があるのではないか、そんな問題意識のもと、鎌倉市でも多様性ある社会の実現を目的に動き始める時期に来ていると思っております。そういった意味で、今回は多様性を認める社会の構築についてということで一般質問させていただきました。
以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
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○議長(中村聡一郎議員) 次に、保坂令子議員の発言を許可いたします。
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○23番(保坂令子議員) 神奈川ネットワーク運動の保坂令子です。今回は、1、防災、特に災害発生時の避難について、2、本庁舎整備に向けた取り組み、特に現在地への集約化が想定されている施設について、3、協働の新たなスタイルについてと、大きく三つのテーマで質問いたします。
去る6月7日、土木学会が、南海トラフ巨大地震が発生すると、地震発生から20年間の経済的な被害が最悪の場合1410兆円に達するという推計を発表しました。また、首都直下地震が起きた場合の20年間の経済的被害額は778兆円とのことです。被害推計をしているのが土木学会ですので、道路、港湾、堤防、建物の耐震化などをすることで被害額を三、四割減らすことができると対策強化を提言しています。
このような大きく捉えた推計も防災対策を考える上で視野に入れる必要はありますが、市が防災に取り組むに当たっては、現状を直視して浮かび上がってくる、やらなければならないこと、またやる気になればできること、そういったことを着実に進めることが求められていると思います。
では、まず津波避難について伺います。
東日本大震災が起きた2011年12月に公布されました津波防災地域づくり法に関しては、4年前にも質問しています。神奈川県が同法に基づく津波災害警戒区域の指定に向けて手続を進めることになったとのことですので、改めて伺いたいと思います。指定の手続はどのように行われるのでしょうか。また、県内で指定の対象となる市町の数は幾つでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 津波災害警戒区域及び津波災害特別警戒区域の指定でございますが、津波防災地域づくりに関する法律、いわゆる津波防災地域づくり法に基づきまして、神奈川県が基礎調査と津波浸水区域の想定を行った上で指定をするものでございます。神奈川県は現在、対象区域となることが予想される県内沿岸部の15市町と指定に係る意見聴取並びに協議を進めているところであります。
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○23番(保坂令子議員) 県は鎌倉市を含む対象市町と協議を進めているというお答えでした。
指定を受けた市町は津波防災地域づくりを総合的に推進するための推進計画を策定するとされています。鎌倉市では既に津波避難計画を全市版、地域別実施計画ともに策定済みです。重複する部分がかなりあると思いますが、新たに推進計画をつくることになるのでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 津波防災地域づくり法におきましては、津波災害警戒区域等の指定を進めることとともに、市町村が津波に対するハード、ソフト政策を地域の実情に応じまして効果的に組み合わせて総動員する津波防災地域づくり推進計画を作成することを推奨しております。
本市における津波対策に対する計画は、議員御紹介のとおり、既に鎌倉市地域防災計画地震災害対策編の中に津波対策計画を定めているほか、鎌倉市津波避難計画といたしまして、平成26年度に全市版を、平成27年度には地域別実施計画を策定したところであることから、本市の津波防災としての対策計画は基本的には定められている状況であると考えておりますが、いずれにいたしましても、本市に対する区域指定もどのような形になるのかが明確となっていない状況でありますことから、当該推進計画の作成につきましては、その必要性も含めまして、今後の県や各市の動向を鑑み、検討してまいりたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) 推進計画は推奨ということだということを今伺いました。県や各市の動向を見ながらということです。
ここで一言申し添えたいのですけれども、県が沿岸市町の津波災害警戒区域の指定に向けて動き出したこの機会を捉えて、議会からたびたび要請しています国道134号線の防災補強に本格的に取りかかるように、県に強く働きかけていただきたいと思います。
さて、県による指定がイエローの警戒区域よりもさらに進んでレッドの特別警戒区域にまで及ぶと、限られた範囲ではあっても、開発行為や建築に一定の制限が加わる区域が出てきて、法による指定の影響が目に見えるものになっていくわけですね。いずれにしても実際の対応として必要なのは、指定が予想される区域も、その外側の区域も含めて、迅速で的確な避難が可能となるよう避難路を整備することです。津波避難の地域別実施計画には避難路が示されていますが、どのエリアからも、また、高齢や障害があるなどして移動に時間を要する市民を含めて、確実に高台避難ができるでしょうか。避難路の整備は現状においても急務だと思いますが、いかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 本市の避難路の整備の一環といたしまして、平成28年度に沿岸部の自治・町内会と津波からの避難に関するワークショップを開催いたしまして、避難経路の具体的な要望箇所等を把握しているところでございます。
また、平成29年度には、各自治・町内会の要望を具体化するため、自治・町内会の代表者等からの意見を参考に、避難路の整備といたしまして、津波避難標識に係る図面等を作成いたしました。これに基づきまして、平成30年度からは順次津波避難標識の設置に着手する予定でございます。あわせて、既に設置してあります津波路面シート、これについても保守点検を進めているところでございます。
なお、本市が当該指定区域となった場合におきましても、避難路の確保は重要であることから、引き続き地域の皆様と連携を図りながら取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) 津波避難標識の整備・保守は必要ですので、ぜひ進めていただきたいと思います。
後回しにできないのはやはり避難路の確保です。材木座の光明寺より海側エリアにお住まいの方は第一中学校方面に避難すると想定されています。やはり気になるのは第一中学校の通学路に面した民有地の崖の崩落の危険性です。高台に短時間で移動できる非常に重要な避難路です。安全確保のためにも崖の対策は最優先ではないでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 第一中学校通学路沿いの斜面地の安全性対策でございますが、平成28年度末に教育委員会によりまして既存の落石防止ネットの張りかえを実施いたしました。その後、恒久的な対策を模索する中で、神奈川県とも協議を行ったところでございます。結果、現在、保安林の安全対策として、当該崖地につきまして県が対応可能な部分と本市が対応する部分などにつきまして整理されつつあるところでございます。
こうした状況を踏まえまして、市としても県と連携をいたしまして安全対策を進める必要があると考えまして、本年、平成30年6月4日に平成30年度第1回危険斜面及び危険木に関する調整会議、これは横断的な会議でございますが、これを開催し、その方向性を協議したところでございます。今後、市といたしまして、防災の観点及び道路、通学路の安全確保の観点、これらを含めまして総合的かつ横断的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) 庁内での協議、そして県との連携ということで、本格的に取り組むという方向性を示していただいたかなと思いますので、ぜひしっかりと進めていただきたいと思います。
また、こちらも材木座なんですけれども、材木座保育園の跡地について、地元から売却せずに津波避難に役立ててほしいという要望が出ていると聞いています。避難できる高台が遠く、公共施設の津波避難ビルが近くにはない、滑川を渡らなければないというエリアですから、市としては要望をしっかりと受けとめるべきと考えます。津波災害警戒区域に一部が指定されることになっても、避難体制が整って、それが住民に共有化されていれば、地域の活力が損なわれることはないと考えております。災害に強いまちづくりの視点で行政が地域と手を携えていくことはとても重要です。いかがでしょうか。
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○前田信義 まちづくり計画部長 地元の材木座自治連合連絡協議会からは、地域の安全にかかわりますさまざまな課題につきまして御要望いただいているところでございます。平成30年度から都市計画課が窓口となりまして情報の共有や課題の整理を行うこととしております。今後はその中で、個別の課題への対応とあわせ、津波避難を含めた地域の防災まちづくりや高齢化社会への対応について話し合いを続けていくこととしてございます。
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○23番(保坂令子議員) 地域の防災まちづくり、そのように行政が地域と手を携える方向性を探るということですと、他の地域への波及効果も期待するところですので、よろしくお願いいたします。
次の質問です。津波避難ビルの指定状況について、市としてはどのように認識しているのか、伺います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 本市における津波発生時の避難につきましては、徒歩による高台への避難を原則としているところでございます。しかしながら、高台への避難に時間的余裕がない場合等におきましては、津波避難ビルを利用することとしております。
直近でございますが、由比ガ浜こどもセンターと腰越消防出張所の2カ所を新たに津波避難ビルに指定したところでございます。その結果、現在、市内沿岸部の津波避難ビルは合計30カ所でございますが、今後も官民を問わずに沿岸部に建築物を新設する計画があれば、津波避難機能を有する施設とするよう要請しまして、津波避難施設の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) これまでと同様の、ある意味ぶれないお答えですけれども、必要なエリアに津波避難ビルをふやしていくために、各地域の状況把握に今後とも努めていただきたいと思います。
続いて、今度は避難所について伺います。神奈川県が避難所マニュアル策定指針をことし3月に改訂したと新聞報道で知りました。主な改訂内容はどのようなものでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 平成28年12月に取りまとめた「熊本地震を踏まえた応急対策・生活支援策の在り方について」をもとにしまして、平成30年3月に神奈川県が避難所マニュアル策定指針を改訂したところでございます。改訂は、主に車中泊などの避難所外避難者の問題、それから要配慮者への対応、それから避難所の生活環境の確保など、避難所運営に関するものが主な内容となってございます。
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○23番(保坂令子議員) この改訂指針では、福祉避難所については災害対策基本法に基づく避難所として指定することが望ましいとされています。鎌倉市では、大災害発生後の避難所の状況を見て、必要に応じて福祉避難所を開設するとして5カ所決めていますが、災害対策基本法に基づく指定ではありません。また、一般の避難所に福祉スペースを確保するという、そういった方向性も打ち出しています。福祉避難所についてどのようにお考えなのか伺います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 福祉避難所はあらかじめ協定を締結した学校等に開設されまして、常時介護、これを必要とする要援護高齢者の皆様や重度障害者の方々等を収容対象とするものでありまして、現在、市内の老人福祉センターなど5カ所を指定しているところでございます。
しかしながら、本市の福祉避難所におきましては、受け入れ人数や対応するスタッフ等に限りがございまして、ニーズが集中した場合の対応に課題があるものと考えてございます。御紹介の県の避難所マニュアル策定指針におきましては、避難所におきまして要配慮者がいる場合に備えまして福祉避難スペースや個室が利用できるようあらかじめ考慮するとともに、要配慮者が必要とする育児、介護、医療用品等の機材について備蓄や調達体制を検討しておく必要があるとしているところでございます。
本市といたしましても、一般の避難所においても、配慮が必要な方々のための設備面や福祉の視点に立った避難所運営といったソフト面での充実を図ることが一つの方策になることを考えておりますことから、自主防災組織が主体となる小学校区単位のブロック訓練など、この機会を捉えまして、福祉的配慮がなされた避難所につきまして共助を含めた取り組みを推進してまいりたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) 福祉避難所を指定する、指定しないというよりは、やはり具体的な対応、例えば、これまでも申し上げておりますけれども、熊本地震とかの経験で、そこから見えてきている課題というものもたくさんあると思いますので、そういうところを丁寧に見ていって、今後とも進めていっていただきたいと思っているところです。
そして、県が改訂した避難所マニュアル策定指針では、今申し上げました熊本地震の折に、避難所を敬遠して損壊した自宅にとどまったり、車中泊を選択するケースが多く見られたことを考慮して、今、部長が紹介されたように、避難所環境の改善等を求めていると、そういう記載があるとともに、そうした避難所外避難者への支援の必要性も説いているところです。避難所では生活できないとして自宅にとどまる高齢被災者に物資や情報が届くように対策を講じる必要がある。このことはかねてから指摘してきましたが、ここで改めて取り組み姿勢を伺います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 議員おっしゃるように、熊本地震では避難所における過密の回避やプライバシーの確保、自宅の防犯、建物の安全性への不安、それから避難所までの距離、ペットとの避難等といいましたさまざまな要因から、市が指定した避難所以外にも、独自に設置した避難先への避難や在宅避難、それから車中避難など多様な避難形態が発生いたしました。その結果、被災者の把握や情報提供、救援物資の提供を初めとする生活支援に支障を来したため、避難所外におきまして避難者が発生した場合でも可能な限り迅速かつ網羅的に把握する方法等について検討する必要もあるとしているところでございます。
本市の地域防災計画では、いわゆる在宅避難者や車中泊避難者に対しましても、避難者カードを作成して状況把握に努め、食料など必要な物資や情報が届くよう支援することとしておりまして、自主防災組織などとも連携を進めているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) 避難者カードを作成して状況把握に努めるということで、市としても考えていらっしゃるんだなと思いますが、そうした際に、市が作成して大方の自治・町内会に提供済みの避難行動要支援者名簿、こちらが活用されるのだと思います。この避難行動要支援者名簿はいざというときに有効に使えるような状況になっていると言えるのでしょうか。いかがですか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 県の避難所マニュアル策定指針におきましては、福祉コミュニティーの役割として、平時から地域内の要配慮者の実態把握に努めまして、それぞれの特性に配慮した支援を行うこととしております。
本市におきましては、御紹介の避難行動要支援者名簿を作成しまして、平常時から地域におきまして災害時要援護者を支援する体制をとっているところでございます。これは安否確認のほか、共助による避難の支援、避難行動要支援者の安全確保を図るために必要な措置を実施する基礎とするための名簿でございます。市としては、庁内で共有・把握することはもとより、自治・町内会においても災害時に積極的な名簿の活用についてお願いをしているところでございます。
災害発生時におきましては、避難所運営の円滑化を図るため、当該名簿を、議員おっしゃるとおり、最大限に活用いたしまして情報把握に努めるとともに、要支援者の支援に取り組んでいきたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) 避難行動要支援者名簿、提供しているということで、それを受け取った自治・町内会の側では、その使い方というんでしょうか、ある意味任されているところがあるわけですけれども、提供した趣旨ということを非常に共有化を図ってもらいたいなというところです。
さて、避難所の環境を考えても、避難してくる人の数が抑えられれば、混雑による環境悪化が避けられるわけです。自宅のトイレが使えないために避難所で過ごしたり、避難所に通ってこざるを得ない人が相当数生じることが予想されます。各家庭の備蓄品に携帯トイレ、袋状のものや簡易トイレを加えるよう働きかけ、在宅避難時のトイレ対策として普及させる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 災害時におけますトイレの問題は非常に重要であると認識をしてございます。熊本地震の教訓といたしまして、国が避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインを作成しまして、市町村等におきまして災害時におけるトイレの確保や清掃、衛生環境維持のための具体的な方策が示されたところでございます。当該ガイドラインに沿った対応を進めることはもとより、並行いたしまして、自助・共助による災害時のトイレ対策も推進していく必要があるものと考えてございます。このため、携帯トイレ等を自治・町内会で備蓄する場合には、鎌倉市自主防災活動育成費補助金制度が活用できることなどを周知しているところでございます。
また、一方、議員御紹介のとおり、自助の観点から、各家庭に携帯トイレ等を備えていただくことについても、在宅避難を想定したトイレ対策の重要性にも鑑みまして、防災講話や自主防災組織が実施する防災訓練などで今後とも啓発に努めてまいりたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) 我が家も携帯トイレは、1人当たり50回分ですけれども、備蓄しておりまして、大変コンパクトで場所もとりませんので、自宅でも備蓄が進むといいなと思っているところです。
さらにトイレについて伺います。下水管や下水処理施設が被災した可能性があるときのトイレの使用停止については、特にマンションなど集合住宅の住民への対処方法の周知・啓発が必要ではないでしょうか。伺います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 議員御紹介のマンションのトイレが使用不可能となる要因は幾つかありまして、配管の破損、あるいは停電、断水、あるいは下水道機能の停止などが考えられるところでございます。また、汚水管の破損等による漏れ、詰まりが発生した場合、マンション全体で汚水管の状況を確認してから使用しませんと、破損箇所付近で汚水があふれてしまうようなことも想定し得るところでございます。
このようなことが起きないようにするためには、災害時におけるマンション全体としての意識を事前に共有しておくこと、あるいは管理組合などで一括して携帯トイレを備蓄するなど、自助・共助による取り組みが大事であると考えておりますので、組織が一体となった取り組みを平時から考えておくことが肝要であると考えております。また、市からも自治・町内会で行われる防災講話などの機会を捉まえて周知・啓発に取り組んでまいります。
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○23番(保坂令子議員) では、避難所における災害用トイレの配備状況がどうなっているかについても伺います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 避難所におけるトイレの配備状況でございますが、組み立て式の簡易トイレを各避難所である小・中学校25校に10基ずつ配置しておりまして、また、同トイレを使用するトイレ便袋は1校当たり1,000枚ずつを備蓄しているところでございます。
また、既存の洋式トイレにおけますトイレ便袋は、各避難所である小・中学校25校に1,000枚ずつ用意しているところでございますが、本年度さらに1,000枚ずつを追加する予定であります。
また、下水道機能が停止した場合においても使用が可能な、いわゆる貯留式マンホールトイレは大船中学校の建てかえに伴い設置したところでございますが、さらに平成30年度、本年度には御成中学校に設置をする予定でございます。
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○23番(保坂令子議員) 配備の拡充に努めているということを確認させていただきました。
防災についての最後の質問です。帰宅困難者用の一時滞在施設は鎌倉・北鎌倉エリアと大船、芸術館の7カ所です。七里ガ浜周辺の外国人観光客の増加の現状も考慮して、県立高校である七里ガ浜高校、鎌倉高校に帰宅困難者用の備蓄が必要ではないでしょうか。いかがですか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 市内にあります県立高校とは補助避難所として協定を締結しているところでございます。災害時には避難所の収容状況に応じまして原則市の要請に基づき開設することとなっておりますが、東日本大震災では帰宅困難者が県立高校に滞留した事実も生じてございます。
県立高校を補助避難所として開設した際には、最寄りの備蓄倉庫から備蓄品を提供する体制を整え、対応することといたしておりますが、現在、毛布につきましては各学校の協力のもと300枚ずつを備蓄しているところでございます。県立学校への備蓄につきましては、神奈川県教育委員会も災害時において自治体と県立学校の連携を強化する方向性を打ち出していることもありまして、今後も充実について鋭意協議してまいりたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) 県教育委員会の動きがあるということも含めて確認ができました。以上、防災について、災害発生時の避難に関連して質問いたしました。
次は、市役所本庁舎の整備についてです。
2月定例会の総務常任委員会では、3月中に公的不動産利活用推進方針を策定することについて報告を受けました。その際私は、行政として利活用推進方針を策定することにより、何を決めたことになるのか、こういう利活用が考えられます、こういう手法がありますという情報がたくさん載っているが、何を決めて何がこれからの検討に付されるものなのか、もっと明確に示す必要があると発言しました。
議会は2月定例会で本庁舎等整備基本構想の策定を支援する業務委託料や本庁舎等整備委員会設置のための委員報酬等の関連経費を含む2018年度予算を議決しました。一方、利活用推進方針は議決事項ではありません。常任委員会では、行政として決める以上、決めた内容を市民にわかりやすく示す必要があると、このように申し上げたつもりです。
「広報かまくら」5月1日号は、市として決めたこととこれから検討していくことを色分けして記載し、わかりやすく示そうとしていることが伝わりました。この紙面に対し唐突感を抱かれた市民が少なからずいらしたようですが、市が進めていることを知らなかったという意味では、2017年度に行った公的不動産の利活用推進の検討が本庁舎の移転にかかわるものだということが十分に伝わっていなかったことが大きいと思います。えっ、まさか移転、移転なんて認められないという拒絶の意味での唐突感であるとしたら、市が深沢移転の方針を決めたということを曖昧にせずに知っていただくことの必要性が一層大きかったということになると考えます。
「広報かまくら」の4月15日号には、本庁舎の移転先が決定という見出しのお知らせ記事で、市では3月に策定した鎌倉市公的不動産利活用推進方針で本庁舎の移転先を深沢地域整備事業用地に決定しましたと書かれています。5月1日号でも同様の表現を繰り返すべきだったという指摘もわからないではありませんが、行政としては市民に知っていただかなくてはならないことを簡潔に示すことを優先したのは間違っていないと思います。2月議会で何についてどこまで決めたかをはっきりと示すべきと申し上げたのは、次に来る議論のスタート地点を明確にしなければならないと考えたからです。
鎌倉市は2017年3月に市役所本庁舎は移転により整備すると決めました。理由はたくさん上げられましたが、一言で言えば、現在地での建てかえは難しいということでした。2018年3月に移転先は深沢地域整備事業用地にすると決めました。理由を同様に一言で言えば、市が所有する土地で必要な床面積が確保できるのは深沢地域整備事業用地と梶原の野村総研跡地しかなく、2カ所のうちでは安全性、利便性、経済性の観点で深沢が優位と結論づけたからです。そして今年度、基本構想を策定するわけです。中身の議論に本格的に入るわけですから、非常に重要です。
市役所移転を進める場合、議会の議決事項としては、鎌倉市役所の位置を定める条例の改正ということが出てきますが、それをどの時点で行うべきかということについてはさまざまなパターンがあります。例えば、横浜市は2017年8月に海寄りの北仲通での新庁舎建設工事に着工し、2020年度の完成を目指していますが、位置条例の改正はまだ行われていません。また、東京都豊島区役所新庁舎整備では、2010年11月に新庁舎整備推進計画が策定され、その翌月に区役所の位置に関する条例が改正され、2011年に移転先にあった建物の解体工事が始まっています。
鎌倉市の場合、公的不動産利活用推進方針の策定という時点で位置条例の改正を行うということはあり得ません。基本構想も基本計画も策定されていない時点で移転整備の可否の判断はできません。基本構想、基本計画、設計と進んでからというのが位置条例改正のしかるべき時点であると思います。そして、それ以前においても、基本構想に納得できなければ基本設計策定のための予算に賛成しないなど、議会が判断を示すタイミングが何度もあります。基本構想の策定において市民意見を吸い上げながら丁寧に検討する中で、越えられない壁に突き当たるかもしれません。そのときは利活用推進方針に再び立ち戻ることもあり得る、基本構想はそれほど重要性を持つものと考えます。以上、長くなりましたが、これから基本構想について質問する理由として述べさせていただきました。
では、本庁舎等整備基本構想とは具体的には本庁舎整備構想に何が加わったものなのか、お聞きいたします。
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○齋藤和徳 行政経営部長 本庁舎等整備基本構想でございますが、まずは本庁舎の基本理念、コンセプト、新たに導入する機能、そして本庁舎移転した跡地と新庁舎との行政サービスの分担のあり方、そういったものを考えていく予定でございまして、さらに、等と言っておりますのは、この新たな本庁舎と移転先で合築を検討する他の公共施設の整備に向けた構想を考えていきたいということでございます。
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○23番(保坂令子議員) この本庁舎等ということについてはいろいろ議論があったとも伺っていますけれども、今最後に部長が触れられたところですと、移転先での公共施設集約化ということも含むのだという、あくまで移転先ということだということを今の答弁で伺ったところです。
では、今年度、本庁舎等基本構想をどのような方法で進め、策定するのでしょうか。伺います。
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○齋藤和徳 行政経営部長 平成28年度から市民との対話を積み重ねてきた経験を生かしまして、市民対話の参加人数を倍増いたしまして、より丁寧に市民の皆さんの意見を聞くとともに、本庁舎等整備委員会での議論を通して策定を進めていきたいと考えております。また、さらに多くの市民の意見を伺うために、公募の市民を交えた拡張ワークショップを経まして、新たな本庁舎につきまして市民が考える建物のコンセプトを生かした基本構想を策定したいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) どのような方法で進めるのですか、ということについて、ちょっと違う方向から伺いますけれども、公的不動産利活用推進方針の検討に当たっては、五つの公的不動産についてサウンディングを実施しました。これは事業者の参入意欲を図ることを主な狙いとし、事業発案段階での対話に当たるものでした。次のステップ、事業化検討段階において再びサウンディングを実施するとも聞いていますが、それは基本構想策定時ではなく、基本計画策定時以降ということなのでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 平成30年度は市民の皆さんとともに、先ほど申し上げたように、丁寧に基本構想を策定していく段階だと捉えておりまして、これに注力をしたいと考えております。このため、民間の参入意欲や事業手法につきましてサウンディングを行うことは、平成31年度以降、基本計画の策定に当たって行っていきたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 基本構想の策定段階では事業手法までは決めないということを確認いたしました。
では、公的不動産利活用推進方針の策定において示された施設整備のあり方に対し、そんなに都合よくいくのだろうかと疑問を抱いている点は多々あります。移転先とされた深沢地域整備事業用地については、何といっても交通アクセスと周辺の道路事情の問題です。移転後の跡地については、周辺公共施設の集約化の問題です。先ほど部長が答えられました移転先での新庁舎への公共施設の集約化ではなく、移転後跡地となりますこの御成の現在地への集約化の話をしております。ですので、本庁舎整備に向けた取り組み、特に現在地への集約化が想定される施設についてと題した質問通告をしているわけです。
公的不動産利活用推進方針では、具体的な集約化の対象機能として鎌倉生涯学習センターのホール・ギャラリー機能、中央図書館、福祉センターを想定した場合、それぞれが集約先で必要とする床面積を合計しても、本庁舎移転後の跡地は十分な面積を有するとされています。
今回伺いたいのは、この中で最もぼやかした表現になっている福祉センターについてです。まず、現在の福祉センターがどのような機能を担っているのか伺います。
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○内海正彦 健康福祉部長 鎌倉市福祉センターは、福祉の増進及び福祉活動の促進を図ることを目的として、平成4年に開設した施設でございます。開設当初から有している機能といたしましては、療育体制の推進を図るため、発達支援室執務室、訓練室などがあり、また、地域福祉の増進、ボランティア活動の拠点機能として、鎌倉市社会福祉協議会事務局や会議室、高齢者のデイケアセンターなどがございます。そのほか、福祉的課題の解決を図るために、成年後見センター、障害者基幹相談支援センター、障害者二千人雇用センター、未病センター等の機能を加え、現在に至っているところでございます。
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○23番(保坂令子議員) そうですね。一番最近では障害者二千人雇用センターも追加されたと。非常に多くの機能、しかも市が直営していない機能が多く入っているのが福祉センターです。
利活用推進方針の前の質問で触れた部分には、それぞれが集約先で必要とされる床面積として、鎌倉生涯学習センターのホール・ギャラリー機能で約700平米、中央図書館で約2,600平米と具体の数字が上がっているのに対し、福祉センターについては、想定面積未定、福祉センター内の機能を見直し、福祉関連機能以外との複合化を検討するとあります。想定面積未定というのは、福祉センターの先ほど御紹介いただいた複数の機能のうちいずれの機能を本庁舎現在地に持っていくのか決めていないということなのでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 御指摘のとおりでございまして、福祉センターのうちどの機能を現在地に持ってくるのか、それにつきましては、平成31年度以降に検討していく予定でございます。
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○23番(保坂令子議員) 平成31年度以降ということを今伺いましたけれども、中央図書館跡地の有効活用ということも言われているわけですよね。中央図書館の建つ土地の売却を視野に入れているということなのだと思いますが、福祉センターが建っている部分は売らずに残すのか、そう聞いても、多分今のお答えだとまだ決まっていないということなのだと思います。例えば、市社協は福祉センターから移る可能性はあるのか、福祉センター内の機能の見直しについては市社協とはまだ話をしていないのではないかとも思います。そういう漠とした状況で、本庁舎移転整備のメリットとして、周辺公共施設の本庁舎現在地への集約化による収入の発生ということが上がっているわけですね。
では、これからどのようなやり方で検討を進めていくのか伺います。
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○齋藤和徳 行政経営部長 先ほど御指摘ございましたとおり、現在の本庁舎、約1万2000平方メートルの延べ床面積がございまして、本庁舎の1階窓口相談機能を残すといったことに加えまして、中央図書館、学習センターや福祉センターの機能を再編して整備するには十分な広さを備えていると考えております。市民サービス機能とそれぞれの機能の効果的なあり方、これにつきましては、市民や関係者の意見を今後広く聞いていくとともに、学識経験者や関係団体などで構成する委員会をやはり立ち上げまして、これから検討してまいりたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) これからということを先ほどから繰り返し答弁されていますけれども、本来だったら、利活用推進方針を策定する前段で周辺公共施設の本庁舎現在地への集約についてのもっと熟度を高めたシミュレーションも必要だったのではないかと思います。いかがでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 平成29年度は、全市的な視点で公的不動産の利活用を検討することで、本庁舎の移転先を決め、跡地などの利活用の基本方針を策定したということでございました。集約する施設にはそれぞれに利用者もいらっしゃることですので、今後広く市民の意見を聞きながら現在地における建物の基本構想を策定する中で、集約する機能については考えてまいりたいと思っております。
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○23番(保坂令子議員) 今お答えの中で、平成29年度、全市的な視点でという、そのお言葉が出ましたけれども、まさに全市的な視点でまちづくりを考えたのだからこそ、こちらの集約化の部分ももう少し熟度を高めたシミュレーションが必要だったと考えているわけです。今お答えの最後のところで、利用者、関係者含めて意見集約を図っていくということが言われましたけど、本当にそういうことが必要、これからも必要ですけれども、本当はこれまでに少しでもやっておくべきだったんじゃないかなと思って質問を続けたということです。
この項の最後の質問になります。昨年度も官民連携、PPP、そしてPFIなどの手法についてたびたび質問しました。今回伺ったところ、基本構想の段階では事業手法までは決めないということですけれども、民間の資金の活用を図るのはよいにしても、施設整備の中身が民間からの提案次第ということにはならないようにしていただきたいと思います。
特に、今申し上げております本庁舎のこちらの現在地の整備では、採用手法にもよりますけれども、民間に提供する敷地、床面積が広いほど市の財政負担は小さくなる一方、公共部分が中途半端な施設になってしまうおそれが高まります。窓口機能の残し方だけでなく、公共施設の集約化についても後回しにせずに検討を進め、もっと具体的に示さなくては、市役所整備全体における市民合意の形成に至らないと考えますが、いかがでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 現在地での図書館や学習センターのホール・ギャラリーを再編しまして、公共的役割や効果的な機能を持つ施設を整備する方向性を定めております。また、敷地や建物の余剰部分を民間に生かしてもらうことで整備コストを抑え、公共施設や民間施設の一体的な整備によりまして、多くの市民が利用したい、この施設でよかったと、そう言ってもらえるようなものを目指していきたいと考えております。
現在地の利活用につきましては、整備が本庁舎移転の後となりまして、整備時期がずれるということもございますので、今年度策定する本庁舎等整備基本構想の検討の中では具体化はいたしませんで、再編する行政施設につきましては、本庁舎跡地に関する基本構想や基本計画の策定におきまして検討してまいりたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 昨日、長嶋議員が3月19日の臨時政策会議の会議録を引用されていましたが、私も政策会議、政策調整会議の会議録を情報公開で入手しております。ことし1月12日の政策調整会議で経営企画部長は、跡地の部分は少しおくれて検討していくことになる、少なくとも跡地の部分を何も考えないということではなく、行政機能をどのように残していくかは考えていかなくてはならない、ただし、跡地の基本構想、基本計画を来年つくるのかと問われれば、それはつくらないと発言されています。そういうことなわけですね。でも、よいのでしょうか。
この間ずっと申し上げてきていることの繰り返しになりますが、基本構想、基本計画と進んで、跡地がどのように整備されるかも次第に明らかになっていく中で、こんなはずではなかったということで大きな反発を招くような事態になることは十分考えられます。そういうリスクを回避したいと市が考えるなら、窓口機能の残し方だけでなく、公共施設の集約化、つまり移転後の跡地にどのような施設を整備するのかということは早い時期に示して、市民の判断材料とするべきではないでしょうか。大きなプロジェクトですから、公的不動産活用課の活用担当の現在の人員配置だけではとても手が回らないとも思います。そのあたりの配慮も必要だと思います。
3番目のテーマは協働です。
市民活動団体と市による相互提案協働事業は、事業開始から10年がたちましたが、実施される事業数も分野も限定的です。そこで伺いますが、協働事業の手引きで、市民活動団体から提案を受ける対象事業が新たな施設整備を中心とした事業を除くとなっているのはなぜでしょうか。
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○奈須菊夫 市民生活部長 相互提案協働事業は、市民活動団体と市が協働し、それぞれの特性を生かしながら地域課題の解決につながる取り組みを進めることを目的とした事業で、平成19年度からこれまで31事業を実施してまいりました。一例を挙げますと、落書きをすぐに消すという落書きのないまちづくりを目指す活動など、ソフト事業の活動や取り組みを対象としておりまして、市民活動団体の資産形成につながるような施設整備などのハード事業は対象としておりません。
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○23番(保坂令子議員) それが市のお考えということですね。
横浜市では2005年度から「ヨコハマ市民まち普請事業」が行われています。市民から身近な町の整備に関する提案を募集し、2段階にわたる公開コンテストで選考された提案に対し最高500万円の整備助成金を交付するものです。特徴は、ソフト面、活動の助成ではなく、ハード面、整備の助成であることです。
今定例会では会派の安立議員が空き家の利活用について質問し、地域で空き家を活用してコミュニティー活動を始める際の整備費用の助成があれば取り組みが広まるのではないかと指摘しました。市民まち普請事業の特徴の一つとして、ハード面での整備であれば整備分野を限定しないことが上げられます。空き家活用を含む地域の交流拠点や防災拠点づくり、遊歩道や遊び場の整備など、毎年3件程度が選ばれています。鎌倉市の市民活動団体提案協働事業が1事業につき市が負担する上限額を30万円としているのと比べると、横浜市の市民まち普請事業の上限額500万円は桁違いです。
しかし、ハード整備だからといって、横浜市のような額でなくてはいけないということでは必ずしもありません。鎌倉市においても同様な趣旨の事業が行われれば、協働の領域が広がり、新たな担い手との新たなつながりが生まれるのではないかと思います。とはいえ、協働はそれ自体が目的ではなく、あくまで進め方です。市民に身近なところでの市民による町の整備をまちづくり政策としてどう受けとめられるのか、伺います。
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○前田信義 まちづくり計画部長 ハード面のまちづくりの分野におきましても、地元住民との協働は不可欠であり、本市におきましても大船駅周辺地区の各地区のまちづくりの方針の策定や砂押川プロムナード沿いの桜並木の保全などで取り組みの実績がございます。
「ヨコハマ市民まち普請事業」につきましてはホームページ等で承知をしているところでございますが、本市におきましてはこれまで大きな助成金を交付する支援制度は設けておりませんでした。まちづくり分野におきましても新たな担い手をふやすことは重要であり、市民との協働の工夫につきましては今後も研究してまいりたいと考えてございます。
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○23番(保坂令子議員) 助成金、出すお金の多寡ではなく、視野を広げていただきたいということです。
また、鎌倉市には、景観重要建築物に指定されていないものも含め、町の景観にとって大きな意味を持つ建築物や歴史的な価値のある建造物が多くあります。そして、そうした建築や町並みの保全に熱心な市民がたくさんいらっしゃいます。しかし、空き家がどんどんふえても新築物件が絶えることなく出回る日本の住宅事情で、鎌倉市でもマンション等の建設計画が次々と浮上しています。計画が持ち上がって、景観上重要な建築物や歴史的建造物の取り壊しが目の前に迫ったときになって保全を求めても、遅きに失する例が繰り返されています。
つい先月も若宮大路に面したモダニズムの建築、犬猫の峰病院が解体されました。もっと早い段階で保全・利活用に関心を持つ市民団体や民間事業者などから提案などをもらえる仕組みができるとよいなと常々思っているところです。
鎌倉市は7年前に一般社団法人ひと・まち・鎌倉ネットワークを景観法に基づく景観整備機構に指定しました。同ネットワークにはこれまでに由比ガ浜通り周辺の地域ぐるみの景観形成に専門家派遣、助言、相談などで協力していただいております。また、今年度は若宮大路・小町通り景観形成ガイドラインの策定に当たり連携が図られるとのことです。今後とも連携の幅を広げていってほしいと思います。
同ネットワークは建築家とさまざまな専門家で構成されていますが、一方、市民、民間事業者に参加してもらえる、景観上重要な建築物や歴史的建造物の保全への関心や意欲を生かす仕組みがつくれれば、連携のパートナーは今以上に広がるのではないかと期待いたします。都市景観部長のお考えをお聞かせください。
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○服部計利 都市景観部長 市の都市景観の形成上重要な役割を果たしております歴史的建造物の保全につきましては、市だけで保全を図ることは財政上の観点から非常に限界がございます。こうした課題を解決するため、歴史的建造物の所有者に売却の意向がある場合、早目に所有者から市に御相談いただくとともに、建築物をそのままの状態で活用していただける方を前もって募集するなど、速やかに橋渡しができるような仕組みづくりに今後取り組んでまいりたいと考えております。
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○23番(保坂令子議員) 課題として捉えていただいているということがわかりましたので、仕組みづくりに向けて、実現化ということでやっていっていただきたいと思います。
横浜市の「ヨコハマ市民まち普請事業」は、市民主体の取り組みを支援し、協働の幅を広げる事例として紹介させていただきました。また、景観保全の分野でも市民協働を一層広めたらどうかと申し上げました。
本日6月15日から、「つながる鎌倉条例」というネーミングの(仮称)市民活動推進条例素案のパブリックコメントが始まります。昨年の9月議会で否決された条例案と対比して、どこがどう変わったかを見るいとまはありませんでしたので、昨年9月の条例案に触れることにとどめます。旧条例案では、率直に申し上げて、内容的には市民活動で鎌倉のまちを元気にしますという市民による宣言であって、行政の側の関与が明らかにされなければ書けない協働の部分は、木に竹を接いだようにつけ足された印象でした。鎌倉市にとってもっと必要なのは、予算を伴う協働の枠組みやルールを定めた条例であると考えます。
最後に、市民活動推進条例と協働の推進について市長のお考えを伺います。
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○松尾崇 市長 昨年9月定例会での否決後に、条例案の見直しに向けた市民活動団体へのアンケートですとかヒアリング調査、市民活動を行っている方々との意見交換を行いまして、条例検討会でさらなる議論を重ね、より具体性を持たせた条文に変更し、このたび条例素案をまとめたところでございます。本年9月定例会の条例提案ということを目指して進めてまいりたいと考えています。
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○23番(保坂令子議員) 今伺った質問では、市民活動推進条例と協働の推進についてのお考えということを伺いまして、協働ということについては、やはり協働の枠組みとかルールといった中身の部分をしっかりと決めていかなければいけないのではないかとも申し上げておりますので、もう一度市長のお考えをお聞かせください。
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○松尾崇 市長 前回、9月定例会で御指摘をいただいた点、より具体的な内容等につきまして、指針に委ねるという、そういう構成になりましたけれども、今回そうした指針等に委ねるものについても、条例案の中に盛り込めるものを盛り込んで、今回素案というものをつくりました。御指摘の点については反映できているところもあると認識をしておりまして、よりそういう意味では実効性のある条例案として今回素案になっていると考えています。
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○23番(保坂令子議員) 観光厚生常任委員会での報告というのもあると思いますので、今、市長のお考えは伺いましたけれども、今後とも注視させていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。
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○議長(中村聡一郎議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(15時06分 休憩)
(15時35分 再開)
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○議長(中村聡一郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
議事の都合により、この際、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。次に、森功一議員の発言を許可いたします。
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○13番(森功一議員) 自由民主党鎌倉市議会議員団、森功一でございます。通告に従いまして質問をさせていただきます。
今回私の質問は、土砂災害対策について、社会インフラの維持整備について、小学校通学路への防犯カメラ設置について、民泊についての4点でございます。なお、4番目の基幹業務システムのオープン化については削除いたします。
それでは早速、土砂災害対策についての質問をさせていただきます。
近年ゲリラ豪雨による土砂災害が全国的に多発しております。土砂災害は、いつどこでどんな規模で発生するか予測が非常に困難であります。平成11年の広島災害を契機として、平成13年に土砂災害防止法が施行されました。これは、県が国の基準に基づき調査し、土石流、地すべり、崖崩れのおそれがある箇所を警戒区域に指定し、指定された区域の自治体は危険箇所を記した土砂災害ハザードマップの作成、配布などで周辺住民への危険を周知し、避難体制を整備するものです。
しかし、まだ記憶に新しい昨年7月の九州北部災害では、土砂災害危険箇所となっていても警戒区域に指定されていない箇所があったと聞いております。三方を山に囲まれた鎌倉市におきましてもその対策が急がれるところであります。
まず、鎌倉市における土砂災害警戒区域、特別警戒区域の指定状況を教えてください。
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○柿崎雅之 防災安全部長 土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域は、土砂災害防止法に基づきまして地形条件や社会条件により都道府県知事が指定を行うものでございます。
本市における指定状況でございますが、土砂災害警戒区域は479カ所が指定されておりまして、その内訳は、急傾斜地の崩壊に該当する区域が414区域、土石流に該当する区域が65区域でございます。また、土砂災害特別警戒区域は20区域が指定されておりまして、その全てが土石流に該当する区域でございます。
現在、神奈川県が急傾斜地の崩壊に該当する414区域、これにつきまして特別警戒区域指定に向けた調査を実施しておりまして、今後、指定に向けての手続が進められるものと聞いてございます。
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○13番(森功一議員) 似たような危険区域の指定で、急傾斜地崩壊危険区域というものがあります。本来、土地所有者が崖が崩れないよう対策を講じなくてはなりませんが、この指定を受けると県が所有者にかわって防止施設の整備を行うことができるそうですが、市内の急傾斜地崩壊危険区域の指定状況はどのようになっているでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 急傾斜地崩壊危険区域は、急傾斜地法に基づきまして都道府県知事が指定するものでございます。現在、鎌倉市内で急傾斜地崩壊危険区域に指定されている区域は94区域でございます。
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○13番(森功一議員) では、急傾斜地崩壊危険区域の指定が受けられないような規模の崖地について、市が実施している制度はあるのでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 急傾斜地崩壊危険区域の指定を受けた区域につきましては、先ほど議員御紹介のとおり、順次県が工事を進めていくことになっております。しかしながら、県から急傾斜地崩壊危険区域の指定を受けられないような規模の崖地につきましては、本市が独自に既成宅地等防災工事費資金助成制度を設けておりまして、防災工事で最高250万円、伐採工事で最高60万円の助成を行っております。
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○13番(森功一議員) では次に、民地崖の危険樹木についてお聞きいたします。市内各所の民地崖に危険と思われる木が目立っております。所有者の方に伺いますと、緑地保全のためだから手がつけられないと思っていらっしゃる方がいると聞いております。危険な樹木について、株元からの伐採は可能なのでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 樹木の株元からの伐採でございますが、総合防災課の職員が現地を確認いたしまして、伐採することが危険を解消する観点において効果的であれば株元からの伐採も助成の対象としております。なお、株元からの伐採につきましては、事前に関係部局に確認を行うように総合防災課職員から相談者に説明をしておるところでございます。
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○13番(森功一議員) 確認をすれば株元からの伐採も可能だということを確認いたしました。
また、本来、民地崖の対策はその所有者が行わなければなりませんが、市として民地崖の状況、安全性、危険性についてどのように市民の皆さんに啓発をされていらっしゃるのでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 民地崖の安全性に関する啓発でございます。啓発につきましては、現在、土砂災害警戒区域について地区別危険箇所マップ、これを配布するほかに、「広報かまくら」による土砂災害防止月間のお知らせなどを適宜載せてまして、啓発を図っているところでございます。引き続き民地崖の管理の重要性につきましては、ホームページ、広報等を通じて土地所有者に周知をしてまいりたいと考えてございます。
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○13番(森功一議員) これから本格的な台風シーズンを迎えます。民地崖の啓発はもちろん、市としてもできる限りの土砂災害対策に努めていただきたいと思います。
続きまして社会インフラの維持整備についてお聞きいたします。
まず、社会インフラのうち道路、橋、トンネルについてお聞きいたします。市内の社会インフラは高度経済成長期に一斉に整備されたものが多く、全てのインフラを耐用年数どおりに更新すると莫大な費用がかかります。また、今後の人口減少や財政面を考えると、全ての社会インフラ更新まで手が回らないかと考えます。市では平成28年3月に鎌倉市社会基盤施設マネジメント計画を策定しておりますが、改めてこの計画の概要、目標をお聞かせください。
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○樋田浩一 都市整備部長 鎌倉市社会基盤施設マネジメント計画では、インフラの管理のあり方を基本から見直し、インフラを管理していくための方針を定めており、従来の整備中心から維持管理、補修更新を中心にインフラ管理の体制を大きく転換することで、管理経費の圧縮・平準化を行い、適正かつ持続的なインフラ管理を行うこととしております。また、本計画では、鎌倉市が管理します社会基盤施設が将来にわたって市民の安全・安心を守り、市民生活を支え続けることを目指して策定した計画となっております。
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○13番(森功一議員) 先日も岩瀬隧道の事故がありましたけれども、インフラ管理は人命のかかわることですので、事故が起こってからでは手おくれだと思います。インフラの管理においては予防が大切だと思います。予防ということに関してどのようにお取り組みになっているか、教えてください。
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○樋田浩一 都市整備部長 このマネジメント計画では、市が管理するインフラを、施設の特性を踏まえ、予防保全型管理と事後保全型管理を効果的に組み合わせ、計画的かつ効率的な維持・管理・補修・更新・運営を行うための取り組みを行っているところでございます。
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○13番(森功一議員) では、市が管理するインフラ、例えば道路の延長、橋梁、トンネルの個数など、具体的な数字を教えてください。
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○樋田浩一 都市整備部長 まず、道路の延長でございますが、平成30年4月1日現在で約624キロメートルとなっております。橋梁の数は横断歩道橋を含めて207橋ございまして、加えて、大船駅に2カ所のペデストリアンデッキがございます。トンネルの箇所数は、地下道を含めまして21カ所となっております。
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○13番(森功一議員) 多くのインフラを管理するために点検調査を実施していると思いますが、道路、橋梁、トンネルについての直近の点検時期についてお聞かせください。
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○樋田浩一 都市整備部長 道路につきましては、平成29年度に舗装たわみ調査を実施しますとともに、緊急輸送路と避難所までの路面下空洞調査を実施しております。
橋梁につきましては、平成29年度までに横断歩道橋を含めました全橋梁207橋のうち135橋の点検調査を終了しており、残りの72橋につきましては、平成30年度に点検調査をする予定としております。大船のペデストリアンデッキにつきましては、平成27年度に1カ所の点検調査を終了しており、平成30年度に1カ所の点検調査を予定してございます。
トンネルにつきましては、平成25年度に近接目視点検を行いまして、その後、5年に一度の法定点検が義務づけられましたことから、平成30年度に点検を実施する予定でございます。
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○13番(森功一議員) 先ほどのマネジメント計画、それと各施設の点検調査結果を踏まえ、現在、道路、橋梁、トンネルでは維持管理に関してどのような取り組みを行っていらっしゃるのでしょうか。
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○樋田浩一 都市整備部長 道路につきましては、平成24年度に作成いたしました道路舗装修繕計画が10年の計画となっており、既に5カ年が経過しましたことから、これまでの点検調査結果を踏まえ、平成30年度に道路舗装修繕計画の見直しを行う予定としております。
橋梁につきましては、平成30年度に全ての橋梁の点検調査が終了しますことから、平成24年度に策定いたしました60橋の長寿命化修繕計画と平成27年度に策定しました、その他の橋梁の長寿命化修繕計画を統合した計画としまして、平成31年度に策定してまいる予定としております。
トンネルにつきましては、平成30年度に点検調査を実施する予定でございまして、この点検調査結果を踏まえまして、平成31年度にトンネル長寿命化修繕計画を策定してまいる予定でございます。
いずれの施設におきましても、計画策定後は計画に従い修繕等を実施していく予定としております。
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○13番(森功一議員) 今後、道路の維持管理にはPPPやPFIといった手法で民間資金やノウハウを活用すべきと考えております。マネジメント計画では包括民間委託の取り組みについても触れておりますが、今後、包括民間委託を行う予定はあるのでしょうか。
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○樋田浩一 都市整備部長 マネジメント計画では道路の包括的民間委託を進めると位置づけておりましたが、国が積極的な指針等を示し始めましたことから、国の動向を注視していくこととしております。
下水道の管渠につきましては、国土交通省から下水道管路施設の管理業務における包括的民間委託導入ガイドラインが示されましたことから、包括的民間委託による管渠の維持管理を実現することが本市の下水道事業にとって有効な方策の一つと考えまして、道路に先行して包括的な民間委託のあり方について検討を行い、実施に向けた取り組みを進めているところでございます。
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○13番(森功一議員) 次に、下水道の維持管理についてお伺いいたします。今、御答弁いただいた内容とかぶってしまうかもしれないんですけれども、下水道の維持管理において包括民間委託で進めるということでしたけれども、下水道の整備はどのように今後進めていかれるんでしょうか。
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○樋田浩一 都市整備部長 下水道の整備につきましては、鎌倉処理区の下水道管渠の老朽化、津波対策及び耐震性の向上を目的としまして、持続型下水道幹線再整備事業を行うこととしてございます。この整備は、下水道幹線と6カ所の中継ポンプ場及び伏せ越し60カ所にかえて、地下約7メートルから40メートルの大深部に口径400ミリから1,350ミリの自然流下管を整備するものとなっております。
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○13番(森功一議員) 続きまして、下水道のマンホールふたについてお聞きしたいと思います。全国の下水道用マンホールのうち国の定める耐用年数を過ぎて老朽化のおそれがあるものが全体の2割に当たる約300万個あることが、ことし業界団体の推計で判明したそうです。老朽化したマンホールを使い続けると、表面がすり減ってスリップ事故が起きる危険性があります。また、ゲリラ豪雨時に下水管内の水圧が急激に高まることでふたが勢いよく飛ぶケースが起きておりますが、古いふたには飛散防止装置がついてないと聞きます。このようなことから、全国でマンホール交換の取り組みが始まったようですが、鎌倉市での進捗についてはいかがでしょうか。
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○樋田浩一 都市整備部長 本市では昭和33年に下水道事業を開始しておりまして、老朽化したマンホールふたが多数ございます。平成27年1月に「鎌倉市長寿命化計画マンホール蓋編」を策定しまして、計画的にマンホールふたの交換を進めております。平成26年度から平成30年度までの5カ年で150基のマンホールふたを交換する計画としており、これまでに140基、約90%が完了しているところでございます。また、この計画以外にも、市内各所で行われる舗装復旧工事の際には必要に応じてふたの交換を行っているところでございます。
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○13番(森功一議員) 大分進んでいるということで安心いたしました。
次に、人口減少による下水道使用料収入の減収が見込まれる中、他市ではマンホールふたを使った広告収入の取り組みやクラウドファンディングを利用した収入確保が行われているようですが、鎌倉市としてはこのことについてどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
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○樋田浩一 都市整備部長 マンホールふたでの広告収入につきましては、神奈川県屋外広告物条例第3条第5項におきまして道路の路面での広告物の表示等が禁止されているため、広告を出すということができない状況となっております。今後、インフラの維持管理においての新たな収入確保につきましては、本市の地域性、独自性を生かした手法となるよう、他市の先進的な事例につきまして注視してまいりたいと考えております。
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○13番(森功一議員) 次に、小学校通学路への防犯カメラの設置についてお伺いいたします。
犯罪の発生には、犯行を企てる者、犯行の標的、犯行の機会の三つの要素が必要と言われております。このうち、防犯カメラや防犯パトロール等により犯罪の機会を与えないことが防犯対策と言われています。防犯カメラは人の目を補完し、記録ができる道具として、犯罪抑制、検挙率の向上に効果を上げており、各自治体でも導入するケースがふえてきております。
まず、鎌倉市内の防犯カメラの設置状況について教えてください。
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○柿崎雅之 防災安全部長 本市の防犯カメラの補助制度についてでございますが、平成28年2月に開催されました神奈川県の会議におきまして、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けまして、平成31年度までの4年間を安全・安心まちづくりに重点的に取り組む期間として、地域防犯力を強化いたしまして、県民や観光客など誰もが安心して過ごせる神奈川県、これを実現するという理念のもとに、県の支援事業の創設が行われました。これに伴いまして、本市におきましても、平成28年10月に新たに地域の防犯カメラを設置する自治・町内会に対しまして補助を行う制度を創設し、普及を図ってきたところであります。
現在、市内の自治・町内会が設置した防犯カメラは、同補助制度の活用によりまして設置された19台と、市の補助制度創設前に各団体が設置した39台と合わせまして、58台が市内に設置されていることを把握してございます。
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○13番(森功一議員) 58台ですね。東京都では今年度中に全ての小学校約1,300校の通学路に防犯カメラを設置するそうです。また、大阪府箕面市では、市内全ての自治会、通学路、公園に合計約1,650台の防犯カメラを設置したそうです。箕面市の場合、設置後、自転車・バイク盗難は約半減、子供への声かけ事案は約4割減少し、さらにひったくりなどの検挙率は大幅に上がったと聞いております。
それに比べますと、鎌倉市では防犯カメラの設置が進んでいないように思われます。また、防犯カメラの設置に当たり神奈川県と鎌倉市が補助金を交付しておりますが、神奈川県は平成30年度をもって補助金を廃止すると聞いております。平成31年度以降の防犯カメラ補助について、鎌倉市としてどのようにお考えでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 神奈川県では当初、先ほど御答弁申し上げましたように、平成28年度から平成31年度の4年間での補助を予定しておりましたが、平成30年度で目標の800台、県内で達成する見込みとなったことから、これを1年前倒しして平成30年度で補助を終了する旨の通知が平成30年4月5日付であったところでございます。このことから、本市は神奈川県に対しまして、少なくとも当初予定をしていた平成31年度まで当該補助制度を継続することについて、平成31年度の県の施策及び予算に関する要望を提出したところでございます。
本市としての平成31年度以降の防犯カメラ設置に対する補助のあり方につきましては、神奈川県の動向も踏まえまして、今後考えてまいりたいと思っております。
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○13番(森功一議員) ぜひ平成31年度以降も補助が継続できるように働きかけをいただきたいと思います。
次に、通学路での安全確保として登下校時の見守りパトロールがありますが、高齢化により担い手の減少が懸念されております。また、新潟の痛ましい事件などもあり、子供たちの安全確保のためにも、通学路への防犯カメラ設置が必要と思いますが、鎌倉市のお考えをお聞かせください。
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○佐々木聡 教育部長 防犯カメラにつきましては、犯罪の抑止や事件の解決等に対し有効なものであると認識しているところでございます。教育委員会としましては、引き続き地域や関係機関と連携しながら、地域ぐるみによる子供たちの安全・安心を確保する環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
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○13番(森功一議員) 私も小学生の子供を持つ親として非常に通学路の安全確保については心配していることでございますので、ぜひ検討していただきたいと考えております。
この項の最後に、鎌倉は県内他市と比べると犯罪の発生件数が少ないと聞いております。しかし、東京オリンピックを控え、今後さらに不特定多数の人が集まる中で、犯罪抑止の観点からも防犯カメラの設置を推進する必要があると考えますが、市としてのお考えをお聞かせください。
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○松尾崇 市長 本市としましては、今後、東京オリンピック・パラリンピックに向けまして、神奈川県や警察機関と連携して警備や防犯対策を行ってまいりますけれども、本市の担うべき対応を検討する中で、この防犯カメラの補助制度のあり方についても検討してまいりたいと考えています。
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○13番(森功一議員) 次に、民泊についてお伺いいたします。
本日、住宅宿泊事業法が施行されました。しかし、手続の煩雑さや営業日数の制限などにより思ったほど届け出が進んでないと聞いております。一方で、仲介大手のエアビーアンドビーが届け出番号がない施設の予約を取り消した影響で、今後届け出が急増するとも言われております。現在の民泊届け出件数、法に適合している件数はどれくらいあるのでしょうか。
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○比留間彰 共創計画部長 神奈川県鎌倉保健福祉事務所の届け出件数につきまして、昨日御質問の答弁では、12日現在15件、手続完了が5件と御答弁させていただきましたが、本日改めて保健所に確認しましたところ、本日現在で20件の届け出があると聞いております。この中で手続が終了しているものは10件と確認しております。
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○13番(森功一議員) 少しずつふえているなという印象です。
市内ではこれまでも違法民泊として営業していた施設がありましたが、新法施行後も届け出をしていない施設に対して市はどのように対応されるんでしょうか。
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○比留間彰 共創計画部長 事業者からの相談、届け出の受理、立入調査、報告聴取、業務改善命令などの住宅宿泊事業法に基づく手続や指導監督は神奈川県の所管業務となることから、違法民泊への対応は鎌倉保健福祉事務所が行うこととなります。しかしながら、市民の方々に身近な場所でしっかりと対応することが必要と認識しておりまして、本市では市民相談課が窓口となりまして苦情や相談等を受け、鎌倉保健福祉事務所へとつないでいくなど、市民の方々に寄り添った対応をしていきたいと考えております。
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○13番(森功一議員) あくまで県が管理するということですね。
今後オリンピックを控えて、選手やその関係者の方が市内で民泊を活用する際、ホームステイのような形をとれば、民泊新法から外して対応することが可能なのでしょうか。
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○比留間彰 共創計画部長 オリンピック選手や関係者、こういう方々であっても、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業は旅館業とみなされまして、旅館業法の許可または民泊の届け出といった手続が必要となりまして、適用除外には当たらないと考えております。
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○13番(森功一議員) やっぱりそういう意味でハードルが高いんだなという印象です。
もう一つお伺いしたいんですが、民泊の事例として、鎌倉に多い具体的な事例としてお伺いしたいと思います。家主居住型の二世帯住宅のうち、空いている1世帯分を民泊として使用する場合、家主不在型としてみなされてしまうのでしょうか。
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○比留間彰 共創計画部長 二世帯住宅にかかわらず、民泊をしている方、民泊者がいる間に家主が原則1時間以上不在となる場合は家主不在型となりまして、管理業者と契約をしなければならないとされております。二世帯住宅のうち住居が完全に分離された長屋形式の1世帯を民泊施設として使用する場合は、これは初めから家主不在型となります。
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○13番(森功一議員) 今、お話しいただいた、居住型は原則1時間以上不在をしないという、居住型と認められるためにはハードルが非常に高いなという印象を受けております。
以前民泊について質問させていただいた際に、市長から、地域コミュニティーの活性化や国際交流、文化交流を図るために、家主居住型民泊を推進したいとの御答弁をいただいております。私も全く同感でありまして、もちろん民泊は県保健所が管理をしているということは承知しておりますが、現行のガイドラインは非常に厳しく、制限も多いことから、市独自のガイドラインを作成する考えはあるのか、お伺いしたいと思います。
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○比留間彰 共創計画部長 本市といたしましても、家主居住型を推奨していきたいという、その考えに変わりはないところでございますが、住宅宿泊事業法施行要領、いわゆるガイドラインは、住宅宿泊事業法及び同施行規則の運用につきまして国が考え方を示したものであることから、これ以外に市が独自の解釈や運用を示すことは法の立法趣旨などに反することにつながるおそれもあり、慎重にすべきと考えておるところです。このため、家主居住型のプログラムを推進していく上で不都合な部分等については、機会を捉えまして国等に対して運用の見直しなどを働きかけていきたいと考えております。
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○13番(森功一議員) ガイドラインの作成は難しいとのことですけれども、地域活性化が図れる居住型民泊についてはぜひ市として推進していただきたいと思っています。一方で、騒音やごみ出し等のトラブルについては、私も引き続き注視してまいりたいと思っております。
以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
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○議長(中村聡一郎議員) 次に、松中健治議員の発言を許可いたします。
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○26番(松中健治議員) それでは、質問をさせていただきたいと思います。
せんだって最高裁の判例で、非正規職員、社員、手当で最高裁の判決が、格差の是正の一歩前進という判決が出ました。この問題は、働き方が変化して、同一労働同一賃金が重視されつつある社会の状況に対応した判断と言えます。
そういった中で、正社員と非正規社員が同じ仕事をした場合、待遇に差があるのは労働契約法が禁じる不合理な格差に当たるのか、最高裁は通勤手当など非正規職員に支給しないのは、その目的に照らし不合理だと初めて認定したと。これは一般の会社等におけることについては適用されていくと。そういった中で、行政にもそういう同一労働同一賃金の考え方がいずれは入ってくるだろうと。そういった中で、行政改革、あるいは市長としてどういう感想を持つか、お答えをいただきたいと思います。
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○松永健一 総務部長 今お話にありました最高裁判決でございますけれども、正社員と非正社員の待遇格差について争われたものであります。正社員に支給される皆勤手当ですとか無事故手当のようないわゆる業務的な手当は、同じ仕事をしているのであれば正規、非正規で差を設けるべきではないと判断されたものと理解しております。
本市の非正規職員は原則として定型的・定性的な正規職員の補助的業務を担っていただいており、最高裁で争われたような業務上の手当について不合理な差を設けているものはないと認識しておりますけれども、今後も職員配置や勤務条件の設定等に当たってはこの最高裁判決を念頭に置きながら対応していく必要があるものと考えております。
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○26番(松中健治議員) これ市長に聞いているんだよ。行革市長の感想を聞いているんじゃないか。市長、答弁してくれよ。何を言っているんだよ。
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○松尾崇 市長 今回の最高裁の判決でございますけれども、今、部長も答弁させていただきましたとおり、今回、手当についての格差ということについて焦点が当たった部分でございます。しかしながら、今後この正規と非正規の賃金格差を是正していくということは、広範にわたってさらなる議論が深まっていくと、そういう方向に向かっていくのだろうという、こういう感想を持っておるところでございます。
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○26番(松中健治議員) 行革市長としてどう考えているかということを聞いているんですよ。自分はこういう考え方が民間には浸透していくだろうと思いますが、これから。正規職員と非正規職員との格差問題というのが。鎌倉市には現在何人正規職員と非正規職員がいるんですか。それは部長、答弁してください。
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○松永健一 総務部長 平成30年4月1日現在におきまして、鎌倉市職員定数条例上のいわゆる正職員数は1,351人、それ以外の非常勤職員等で現在把握している人数は約1,000人でございます。
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○26番(松中健治議員) もしこれが民間の同一労働同一賃金ということになったら、当然これ行政というか、官庁なんかでも検討されていくわけだろうと思いますが、現在どうなっておりますか。
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○松永健一 総務部長 今、鎌倉市の中の非常勤職員の採用の仕方とすると、勤務日数、条件等、正規職員と状況を異にしており、決して同一労働同一賃金ということでの雇用はしておりませんけれども、今、地方公務員法が改正になりまして、これまで非常勤職員等については、例えば賞与等の手当が出せない状況でしたけれども、これは非常勤職員の処遇の向上ということで改正になって、これから手当も支給が可能だということになります。まだ試算はしておりませんが、今の非常勤職員にそういったような手当を払う場合は数億円の人件費の増額が見込まれると試算しております。
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○26番(松中健治議員) 試算していないと言うけれども、大体、アバウトではどのぐらいになりますか。
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○松永健一 総務部長 本当の概算でございますけれども、非常勤職員もいろいろな勤務形態ありますけれども、賞与を支給する場合は約1.2倍ぐらいの総人件費、いわゆる報酬の増になるかなと思っております。それで、平成30年度予算では約13億円が非常勤職員の人件費ということで計上しておりますので、おおむねの、本当に概数でございますけれども、2割だということであれば、2億円から3億円ぐらいの増加というものが見込む必要があるのかなと思っております。
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○26番(松中健治議員) そういった中で、やっぱり待遇がどのように変わっていくかということは、それは完全にかなり財政的にも影響が出ていくだろうと思うんですけれども、市長自身はこの対応の仕方として同一労働同一賃金の考え方を取り入れていくかどうか、その辺いかがですか。
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○松尾崇 市長 今、非常勤の方々は年々増加をしているという状況でございます。本市の市政におきましても重要な役割を担っていただいていると考えております。そういう意味では、職務に合った処遇の改善ということは非常に重要であると考えておりますので、同一労働同一賃金という考え方を基本に改善を進めてまいりたいと考えています。
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○26番(松中健治議員) それと、この非正規職員の中にも賃金格差というか、待遇が違うと。一般的な、3日間とか、あるいは1週間とかという差もあるかもしれないですけれども、100万円ちょっとと300万円というような、仕事の程度によって差がある実態というのがあるように聞いたんですが、その辺はいかがでしょうか。
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○松永健一 総務部長 非常勤職員の中でも業務の内容、職務の内容というのは多岐にわたっておりますので、それに応じて賃金とか報酬の差が出ております。一例として申し上げさせていただきますと、いわゆる事務補助嘱託員ということで月12日で庁内の事務をバックアップしていただいている方は約100万円の年収、それであと、月18日勤務になりますけれども、こども育成専任支援員の場合は年収で約300万円、あと月15日勤務の図書館専門業務嘱託員は約220万円となっておりますので、月に何日間働くか、あるいは業務の内容によってそういう差を設けている現状でございます。
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○26番(松中健治議員) ケースによっては重要なポストが、例えば文化財の調査報告書が作成してなかったと。七、八十件でしたか。そういった中で、4億円の追加予算が今後数年にわたって出ると。そういったことに関しましても、これは非常に財政と人件費の中で考えていかなきゃいけないけれども、こういう絶対鎌倉市で必要な分野においてはそれなりの待遇をするというのは義務的経費であると私は考えていますけど、後ほど文化財部にもその見解を、あるいは教育委員会に聞きたいと思っております。
そういった中で、最近、国でもこういう労働条件というものも積極的に取り組んでいるのは事実だろうと思います。そういった中で、行政も非正規職員か、あるいは派遣等、民間は派遣会社なんかが相当大きな会社ができるように、派遣という考え方も出てくると。これ行政でも派遣とか、あるいは、今まで委託までいったけれども、指定管理者制度というのもどんどん出てきていると。そういった中で、いろいろ条件が変わってくると。
民間で非常に話題になったのが、ある大学では2,500人ぐらいの准教授か講師が雇いどめになったと。この雇いどめの考え方、これは、民間の場合には非正規職員は5年ぐらいたったら正規職員にかわることができると。その場合、雇いどめという問題というのがいろんなところで発覚しているわけですけれども、これは民間の場合と違って、官庁あるいは役所というところはそういう制度はまた別途、手続的に一種の試験制度とか、あるいはいろんな形があると思うんですが、その辺はいかがですか。
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○松永健一 総務部長 今お話にありましたとおり、昨今話題にもなっております労働契約法の中では、通算して5年を超えて契約更新をする労働者が無期転換の申し込みができるという規定がございます。ただ、地方公務員の採用については任命行為ということになりますので、この労働契約法の対象外ということになります。採用に当たりましては、労働契約法ではなく地方公務員法の適用を受けるため、無期転換の申し込みに対応するような制度はございません。正規職員の採用については、地方公務員法に基づきまして公平・公正に競争試験または選考で行わなければならないと定められているところでございます。
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○26番(松中健治議員) そうすると、さっきの正規職員と非正規職員の格差の問題は、地方自治法あるいは地方公務員法で変わってくると。この雇いどめにかかわる問題なんかもいずれ検討され得る可能性というのはあるんですか。
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○松永健一 総務部長 今、地方公務員法の改正の中では、会計年度職員ということの制度を今、平成32年4月からの創設に向けて国でも制度設計が進められておりますけれども、それも会計年度ごとに任用していくというようなことを前提としておりますので、今の国の流れ、地方公務員法の解釈等の流れの中では、労働契約法に当たるような雇いどめというものの対策というものは検討されているというような状況は認識してございません。
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○26番(松中健治議員) 鎌倉市の再任用は、これは非正規職員じゃなくて常勤職員と見ているわけですよね。
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○松永健一 総務部長 再任用につきまして、正規職員というか、定数管理にあるフルタイムで働く再任用は正規職員ということでカウントしておりますけれども、ハーフタイム、週3日ぐらいの勤務の場合は非常勤職員と同じような形で、正規職員ではなくて非正規職員のところでカウントしてございます。
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○26番(松中健治議員) もらった資料の中に非常勤嘱託員というのが2,796人、これはさっきの非正規職員が1,000人と比べるとかなり多いんですけれども、これ消防団が入っているという意味では数が多いということですか。
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○松永健一 総務部長 済みません、申しわけございませんけれども、今、議員が見ている資料がちょっと手元にないもので、2,700ということはちょっと。申しわけございません。
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○26番(松中健治議員) 私がもらったのは、非常勤嘱託員が2,796人いると。随分多いなと思ったら、消防団員がかなり多分いるだろうと。ほかには審議会の委員とか嘱託医とか国勢調査嘱託員、その時々によってニーズが変わるんだろうと思うんですけれども、そういう意味で多いんですねと聞いたわけです。じゃあ消防団員は一体全部で何人いるんですか、鎌倉市は。
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○斎藤務 消防長 現在、条例定数で440名で、現在427名と記憶しております。
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○26番(松中健治議員) そういうことで、そういうかなりの数がいると。再任用が70、これはハーフタイムと。フルタイムがそれでは51人。今後これは、定年制が変わってくる可能性があるといった場合にはどういう扱いになってくるんですか。再任用になるのか、普通の職員の扱いになるのか、あるいは課長とか幹部職にはなれないとか、その辺というのは現在どのようになってきているんですか。
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○松永健一 総務部長 定年制延長については、人事院が検討方針をまとめておりまして、ことしの夏までにはまとめて、国の法律の成案まで持っていこうということでございますけれども、それはあくまでも国家公務員の定年延長ということで、当然その国家公務員の定年延長というものは地方公務員の世界にも及びますけれども、それについてはまた総務省から改めて通知等が来ると思いますけれども、今その辺の定年延長になったときの役職定年制はどうするのかとか、どういうような給与体系に持っていくかというような情報は、まだ検討中ということで、まだ鎌倉市にも来ていない状況でございます。
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○26番(松中健治議員) わかりました。多分これからはそういう定年延長というのも出てくると思います。
それでは、次の市有財産の管理に絡めて、これは市庁舎の問題も含めますけれども、市庁舎の中身がいいとか悪いとかという前に、私は多分これはできないだろうと。それは基本的にというか、松尾市長は信用されていないと。信用されていない人間がこのような大きなことをやろうとしても、私はできないと思っています。そして、かつて市役所にこの庁舎ができたとき、約50年近く前、市長はでき上がったら市長選挙で敗れていると。それから、あの大きい芸術館。芸術館をつくったらその年のすぐ、市長は落選していると。
そういった中で、市長は行革市長として出たのか、いろいろな当初の考え方がありますけれども、まず大きいプロジェクトを考えた場合に、市長は当選することによって野村総研の跡地の、これはかなり市民参加で、あるいは協議会で通ってきて、もう着工の手続をとっていくような、あるいは計画に入っていくような、私なんかも大分それで動いたんですけれども、そういう意味で白紙に戻っていると。その後あの状態になっていると。そういうことで、絶対私は信用できないと。本当にそこのことで別のことを考えて取り組んだというならば、そのことをやってないと。
大体、市長、やめて、それを何しようとしたんですか。まずやめたというのはわかりますよ。それは無駄か、何か計画の内容が違って、そこをやめたんですか。それとも何か目的が、こっちのほうがいいといってやめたんですか。まず答弁してください。
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○松尾崇 市長 当初予定されておりました美術館・博物館構想についてとめるということで、特にその代替案ということは持たずに、財政的な理由でストップをさせていただいたということです。
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○26番(松中健治議員) それは単純になっていって、市長そんなこと言ったら、あそこのところを社会教育文化施設のような形の中で提供を受けているんですけれども、そこのところをカマコンバレーだとか、いろんな話題になりましたね。それからごみの1カ所として、焼却場の1カ所としても、候補としては挙げましたよね。
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○松尾崇 市長 候補としては挙げています。
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○26番(松中健治議員) そういうことで、市長は幾つかの案件で、例えば岡本マンションで反対運動をして、それで市長自身はあそこに保育園等の施設をつくるといって、基本的な計画を立てるために予算もつけて執行してますよね。してますよね。そうすると、それが実現できない。何で実現できないんですか。
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○松尾崇 市長 現在、隣接土地所有者から境界についての意見が出されておりまして、その解決に向けて今取り組んでいるところでございます。
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○26番(松中健治議員) 市長自身はそれだけで問題になっていると思っているんですか。隣との隣接地だけで事が進まないから、そう思っているんですか。これは、僕はいろんなところで聞いているんですよ。あそこの土地を扱うのには造成費がかかると。それは聞いていないんですか。
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○松尾崇 市長 今の岡本マンション予定地の土地を活用をするに当たっては、土地の造成ということは必要になってまいります。建物、建築に合わせてそれを行っていくということで、それらを含めた建設費用ということを試算をしているところでございます。
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○26番(松中健治議員) それは違うでしょう。造成された形の上でつくるんじゃなくて、造成を含めて建物といったとき、最初建物のときに11億円と言ったんですよ。ところが、私はあれをもらうことは反対したんですよ。査定が終わってないんですよ、全部は。あの裏との関係はどうなるんですか。
これ、こどもみらい部長、どうですか。建物だけで考えられなかったんじゃないですか。造成ということも考えなきゃいけなかったんでしょう、費用として。だから、10億円で済まないということは、あるいは造成だけで10億円を超えるかもしれないと。市長、そういうことは知らなかったんですか。いくら最終的にその施設ができ上がる、総工費、造成費含めて何十億円かかると思っていたんですか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 平成27年度に、当初用地活用基本計画つくったときにはおおむね10.8億円ぐらいで想定しておりました。それでその計画を、熟度を高めるために平成28年度に施設整備の基本計画を策定して、それで再試算をし直したところ、そのときですと約10.8億円だったものが17億円ぐらいに増加するんじゃないかということで試算した経過がございます。
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○26番(松中健治議員) ですから、費用だって全然変わっていくんですよ。それで、査定とかそういうことが、それもともと知っていたんですか、もらうときに。隣とトラブルが起きるということは。もう終わっていたということでもらったんですか。全部パーフェクトな形でもらったんですか。問題ないという形でもらったんですか。それいかがですか。
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○松尾崇 市長 問題ないという認識でもらいました。
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○26番(松中健治議員) これ民間の取引だったら一種の瑕疵物件なんですよ。瑕疵物件のときには、これは撤回できるんですよ、民間は。あるいは民法でもそうですよ。しかし、2年とか、あるいは年数たったら、それは相手に請求できないという問題もあるかもしれないけれども、しかし、市長の場合には、そういう損害を与えたという場合、訴えられてくるという可能性だってあるんですよ。完全なものをもらってないということ。それは後から知ったということ。誰かがそれじゃあ相手は瑕疵物件だと、査定終わってないというのを知っていたかもしれない。渡してあげるほうも知らない、もらったほうも知らないというような、そんな、だって完全な実測図とか何かもらうはずじゃないですか。そうじゃないんですか。それは民法上だって、それは行政の場合だったら、そういう法律が適用されなくても、そういうもらい方、あるいは計画の仕方にとって損害を与えた場合には市長に行きますよ。
いや、例えば、あれほど鎌倉市にとって組合の事務所が立ち退くのに相当かかりました。それで、あのところにおなり子どもの家ができる、すばらしい、そういう声のもとにあの形を残す。発注しましたね。ところが、あけてみたら、今休工しているのはどういう理由ですか。
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○松尾崇 市長 雨漏りやシロアリなどの害虫の影響がありまして、非常に中をあけてみると大変老朽化していると、こういう状況でございます。
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○26番(松中健治議員) だってあそこの見積もりとるのに、そんなことわかった上で、工事発注するなり設計を発注するなり、そこを考えてもらわないんですか。あのままで、要するに中をのぞかないで工事を発注しちゃうんですか。いかがですか、それは。
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○齋藤和徳 行政経営部長 昨年までに設計委託をしておりまして、その中では、一部分を当然中をあけて、その上で老朽化を想定をして設計をしていたところでございます。今回、その中をあけていないところに想像以上の老朽化が進んでいたと、それによって土台そのものが、相当部材がもう使えないということが新たに判明したというのが今の状況でございます。
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○26番(松中健治議員) そんなもの、おかしいじゃないですか。アバウトで事を進めているんですよ。あれほどすばらしいと、運動が行っているときに、本当にすばらしいかどうかというのは当然やってなきゃいけないじゃないですか。あるいは雨漏りなんか防いでなきゃいけないじゃないですか。
私は御成小学校の講堂を、あれほどここでアスベストのスレートが使われているから危険だからといって、そして雨漏りもしていたんです。床も腐っていたんです。だけど、雨漏りも防いだんですよ。軽くしました。倒壊の危険もなくなった。しかし、あれからもう二、三年たっているのかな。これも中は一体どのようになっているか、最近私は見ていない。当時は積極的に雨降っているとき行って、もうざあっと雨が降って、床まで穴あいている。天井も穴あいている。それでも雨が降らないようにしたけれども、じゃあ図書館は、行ってみたら、それは私気がついているんですよ。瓦がすっ飛んでいるんですよ、裏のところが。水が入るの当たり前ですよ、それ。
だけど、一番気がつかなきゃいけない、職員の組合なんですよ。そこに、隣なんだから。おまけにそのものが隣の、職員組合の上に瓦みたいなのが落っこちていた。多分それで雨漏りしていると。しかし、それもやっていないんですか。市長、全然報告を受けていないんですか。今の初めて聞いたんですか、シロアリのひどさが。それはいかがですか。
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○松尾崇 市長 当然、当初は市民や関係者の方々が報告をということで調査されたというものが出されました。その後市としても、今御説明しましたように、調査委託をして、実施をしたところでございます。しかし、全てということではなく、今回工事に入ったところ、予想以上の状況であったという認識でございます。
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○26番(松中健治議員) 岡本マンションもそうですよ。副市長なんて1カ月、あんな問題解決つけると、去年私が質問してから言ったじゃないですか。もうたっちゃっているじゃないですか、1年も。あんなもの問題ないと言ったでしょう。幾つもそういうことで後からこじれていくんですよ。
例えば、今度の市庁舎が向こうに行く。生涯学習センターは1年間に3000万円の地代を払っている。私は、安いものですよ、あそこは四、五百万円。あれ大体何百坪ありますか。あんなもの買えないですよ。3000万円を30年間続けたって10億円ですよ。まして鎌倉市の権利として借地権を持っているわけですから、とても手に入らない。大船中学校の借地料幾らですか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 大船中学校の土地の所有者は財務省でございまして、その賃料につきましては、平成29年から平成31年までの賃料でございますけれども、年間2193万円強となってございます。
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○26番(松中健治議員) 芸術館の毎年の借料幾らですか。わからないなら、後で。多分数千万円かかっていると思いますよ。
また、観音様の前のバスターミナル、年間借料幾らですか。
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○樋田浩一 都市整備部長 申しわけございません、ちょっと手元にございませんので。
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○26番(松中健治議員) 毎年上げてくるんじゃないの。それ調べてくださいよ。今休憩とって調べてください。余り基本的なことがわかってないじゃないですか。まだ新年度の予算やって2カ月ですよ。賃料もわからないんですか。それで生涯学習センターが3000万円だ、3000万円だって。ちょっと休憩とって調べてくださいよ。すぐわかるでしょうよ。
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○議長(中村聡一郎議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(16時33分 休憩)
(16時40分 再開)
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○議長(中村聡一郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。理事者の答弁を願います。
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○比留間彰 共創計画部長 お時間をいただきまして申しわけございませんでした。芸術館の賃借料ですが、年間4200万円でございます。面積が1万1595.9平米ということになっております。
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○樋田浩一 都市整備部長 お時間いただきましてありがとうございます。西口につきましては地上権が154万2000円、それから賃借料が4063万9000円で、都合4218万1000円となっております。
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○26番(松中健治議員) その地上権は何ですか。使用貸借料でしょう。
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○樋田浩一 都市整備部長 ペデストリアンデッキの立体横断施設の部分でございます。
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○26番(松中健治議員) ターミナルは幾ら。使用貸借料でしょう。借地料も何も払ってないでしょう、ターミナル。
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○樋田浩一 都市整備部長 ターミナルは払ってございません。
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○26番(松中健治議員) それは借地料でも何でも、ただ使用料が……。この数字を見ても、何カ所もそういう3000万円とか、高いとか。だけど、あそこだけのものはもうそんな簡単に手放すことできない。それから、岡本マンションの土地をもらうときも、負担つき、多分これ負担つきですよ、工事。それも議決をやっているわけではない、そういう形で出してないんです。だから、そういう意味ではいろんな問題点がある。
例えば鎌倉というのは幕府なんですね。だから古都と言われているんです。その前に郡衙、ここのところは郡衙ですよ。鎌倉郡の郡衙。それで、明治維新以降、鎌倉の役場は今の生涯学習センター。古都鎌倉においてはこれが鎌倉の歴史あるブランド力なんですよ。
それを向こうに持っていくとき、どういうコンセプトでやっているのかと思ったら、災害に強いとか、風致の悩みがないと、そんなことを聞くけれども、鎌倉の材木座の、私、何人も聞きましたよ。我々は捨てられたと。逃げられたと。さっきから津波の特別警戒区域、まだ指定されていない。なぜ指定されていないかというと、指定したら一斉に土地の値段が下がるんですよ。急傾斜地の崩落地は山側だからわかるかもしれないけれども。要するに土地の値段が下がる。しかし、市役所がここから抜け出すということは、まだできていないレッドゾーンになってしまうんですよ。津波の特別警戒区域が指定される前に出ていっちゃうんですよ。じゃあ自分たちは、私たちはどうなるんだと。
ここが1メートルならば、これ防災担当に聞きますが、この市役所に1メートル来るときは、134号線の坂ノ下、材木座、どのぐらい津波が来ていると思います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 想定で最大14.5メートルの波高でございますので、ここが0.5から1メートルのときには十数メートル単位の津波が来て、浸水深は10メートル程度になると思っております。
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○26番(松中健治議員) つまりレッドゾーン、まだしてないんですけれども、市役所がそういうことで移るということになったら、俺たちはどうしてくれるんだ、私たちはどうしてくれるんだという声が上がるのは当たり前なんですよ。
だから、防災というよりも、今1400兆円の被害予想がされている中で、確かに南海トラフの場合は50%ぐらいの被害が鎌倉にあるだろうと。それでも、10メートルであっても、とにかくここから市役所が抜け出しちゃうと。それよりも、ある学者が言っていました。逃げ出す、その前にみんなの災害が来るまでのことを考えるのが、もう考え方として優先的だということを考えるべきだと。そういう意味では、市役所なんて後でいいんですよ。ここをうまく使っていればいいんですよ。あるいは分散していればいいんですよ。
とにかくこの鎌倉は、津波、私は、第一小学校だって先に津波に襲われる可能性があると。だから、第一小学校は市役所より前に建っているんですよ。もう建てかえが来ると思いますよ。あそこは適当な改築でいいというわけにはいかない。新しいものをつくる、そのときには、やはり由比ガ浜のこどもセンターのように避難ビルを兼ねて、いや、風致があるとかいろいろあるかもしれない。いや、そんなことはないと言う人もいる。6階、7階、上のほうは避難ビル、そのような学校をしたらいいと私は考えますが、検討していただけますか。
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○安良岡靖史 教育長 第一小学校では、津波避難につきまして、これまでもどこに避難をしたらいいかということでさまざまな検討をしてきたところでございますが、御成中学校に一度避難をしようということで決めて、御成中学校まで実際に子供たち、避難をすることを取り組みました。やはり30分近くかかるということで、現在は学校では屋上に避難するということに決めております。屋上に上がるだけではやはり不安なところもございますので、第一小学校では児童の分だけのライフジャケットを用意して屋上に避難する。あわせて、教育委員会でも屋上の安全性を確保するために柵を屋上につくり直したところでございますので、やはり第一小学校のところでは屋上避難ということが今の段階では一番有効かなと私ども考えております。今後、学校施設整備計画をつくってまいりますので、その中で検討していく必要があると考えております。
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○26番(松中健治議員) つまり民間でマンションを本当に気持ちよく開放してくれるようなところは、私はそうはないと。私いろいろ聞いています。実際、最初のころはいいと言っていたけど、お断りをする、そういう声があるでしょう。防災安全部長、正直に言ったほうがいいよ。
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○柿崎雅之 防災安全部長 民間のところのマンションで、個人の所有物それぞれございますので、その辺については、全面的に協力してやっていただけるところもありますけれども、なかなか個人の所有権としてちゅうちょしていらっしゃるところもあるのは事実でございます。
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○26番(松中健治議員) あと、鎌倉の消防署、海のところにある。これいろいろ議論があって、鎌倉で一番危ない公共施設はどこかと言われたら、鎌倉消防署と。これかつて野村議員が質問したとき、その答弁があって、何かみんな苦笑していました。
それで現在、連絡的なものは全部、センターは大船のほうに行っていますけれども、私はもう鎌倉の消防署は建てかえの時期が来ていると。あのままではこの鎌倉市内、あるいはもっと北鎌倉まで行くのかな、非常に不安であると。そういう意味では早く建てかえを考え、あそこに、7階でも8階でもいいじゃないですか。防災あるいは警戒、そういう意味で私は検討すべきだと思っていますが、いかがでしょうか。
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○齋藤和徳 行政経営部長 鎌倉消防署につきましては、建てかえ時期に合わせまして、消防活動に支障を来さない配置などの検討を踏まえた上で、浄明寺出張所と統合する計画となってございます。
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○26番(松中健治議員) だから、そういうどころじゃないんですよ、現実問題として。何で浄明寺のほうで鎌倉のほうを考えるような、それどころか、火を消すだけじゃなくて、やはり防災上のことも消防で考えていかなければならないんですよ。そっちで考えることなんかもう通らない。現実問題を考えなきゃいけない。統合なんか待っていたらできないですよ。消防長、どうですか。
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○斎藤務 消防長 その前に、先ほどの消防団の団員数です。私、427名と記憶しておりますと答弁をしましたが、6月1日現在425人ということで、2名退団されていました。訂正させていただきます。
鎌倉消防署につきましては、建築後43年を経過しております。今、部長が答弁したと同じになりますが、消防活動、救急活動に支障を来さない配置等の検討を踏まえて、浄明寺出張所と統合する計画でございます。避難ビルについては検討課題とさせていただきます。
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○26番(松中健治議員) 急がないと、鎌倉市は何やっているかと。
その前に、市長の全く責任の重い、岡本マンション、扇湖山荘。これは細かいことを聞いても、今は時間ないですから、瑕疵物件として、あるいはシロアリ、最近知ったと。こんなひどいと思わないと。実にもうこれ、質問するのが本当にあきれてしようがない。
それから、何か津波で心配ないような、災害がないような、大船地区、あるいは深沢地区、これは最近、七里ガ浜、坂ノ下、津波だけじゃなくて高潮の問題も、雨水とかそういう問題があるところとは違うんでありますけれども、そういう意味では、高潮の警戒区域、それから、大船のようにゲリラ豪雨で、過去何回か私も見ておりますけれども、大変大きな洪水で避難を受けているような場所ですよね。そういう過去の記録というのはしっかりあるんでしょうね。大船は常に浸水、相当な、一種の洪水、確かに柏尾川には洪水があっても横の支流から上がってくるけれども、その辺の記録はあるんですよね。
すぐ即答できるような内容じゃないんですか。大船が大浸水、大洪水に襲われているというのは。実際問題として何度か見ているし、過去の写真から見たって相当な洪水に襲われている例もあるんですよ。ゲリラ豪雨。これ津波より数多いと思いますよ。大船の浸水の被害。これを質問してもしようがないといっても、時間的にあれですから、またしますけれども。
私いつも言っているんです。国鉄が民営化したときの国鉄清算事業団の総務部長というのは、私、湘南の同級生で、それで国鉄の、今、最高顧問になっています。私より二つ上のその先輩、御成小学校の先輩でもあるし、中学校の先輩でもあるんですけれども、図面を見せてもらったら、これからのあそこのJRの跡地は、あそこだけではなくして、あの一帯を開発していくと。運輸省としては駅、建設省としては道路、その基本のもとに、MM21より広いんだよと。そのくらい拠点的な考え方を持ったものの図面見せてもらいました。全然動かない。
それで、私もうこれは諦めて、市長自身も野村総研は財政的に切ってしまった。じゃあ財政的に裏づけとるんだったら、やってもよかったという考えなんですか。財政的にないからずっと放置して、橋桁が壊れるまで放っておいたんですか。
私は今から11年前、もう少し前かな。もう都市計画決定に入る大船の再開発を、その補正予算、私、議長に採決を求められて、11対11で私が反対しました。約170億円から180億円の事業でした。私は納得いかない。何で議長1人でその最後の決めをするんだと。
そうしたら、隣の横浜市の計画がヤマダ電機のところにあって、105メートルから110メートルのツインタワー。鎌倉が反対したんだから横浜も反対する。すぐ横浜市の関係者からぜひ会いたいと。ところが私、会わなかったですけれども、その後、頭下げて、いろいろ教えていただきたいと。横浜市の開発関係で、この人、ここをやっているところは、理事長は鎌倉の人ですけど、それよりも、それを考えて、そのとき、現在、進行しているのが大体75メートルぐらい。8階のショッピングセンター、その条件として仲通りへつないでいくよと。そのとき私はA級戦犯で、この組合の発会式も呼ばれました。何人か呼んできてよと言うから、JRの関係で岡田議員、それから一番近い議員として上畠議員、3人で行きました。それはどうしてそんなと思ったら、うるさいからだと。私、ある政治家に言ったんですよ。
それで、これが工事となろうとするとき、理事長が何て言ったかというと、鎌倉市さんには大変お世話になった。頭を下げるんですね。反対したんだから、てっきりA級戦犯かと思ったら、そのときのコンセプトが、鎌倉芸術館にも近いです、建長寺、円覚寺にも近いです、そして大変海にも近いです。もう鎌倉というものを取り込んだ形の中でコンセプトを考えている。なおかつ、もちろん横浜に20分ぐらい、東京にも40分ぐらい。そういう考え方で、結局。
鎌倉市だってあの計画は直前まで行っていた。やめたのが同時です。横浜市は結局今着工している。鎌倉市はもう逃げ腰で、どこが違うのか。やっぱりそこに対する情熱と、そしてやっぱり大きい意味の考え方がないといけないんですね。もう当時、国は大船を拠点として考えているんです。さきのJR跡地含めたあの一帯、村岡・深沢地区も一時は拠点として考えていた。図面を見せられた。しかし、それには、鉄道と道路を基本的に考えている。そのことが全然実現してない。
ところが、大船の、今度、今やっているあれは、近いうちインターも近くにできるし、ターミナルもオープンするし、ペデストリアンデッキで駅にも。それだったら鎌倉市側は何をしたらいいんだと。私は、駅の前に10階でも建てて、市役所を機能的に分けて、それで、やはり鎌倉はかつては郡衙であり幕府であり、町役場が生涯学習センターから始まっている、明治150年ですから、と私自身は考えておりますが、とにかく鎌倉のこの土地のブランド力は歴史であり、そして緑でありますけれども、基本的には歴史であるということを忘れてはならないと思います。
しかし、災害で危ないからといったら、本当に危ないところはどうしてくれるんだということになっちゃうのは当然であろうと思うんです。そういった意味で、私は広く市民の人が語り合う、そういう意味での今回の、私は考えとして持っているわけでありますけれども、しかし、まだまだ幾つかのことを言いたいです。確かに鎌倉というものを考えた場合には、幾つかの、地域的には問題があります。134号線の道路の問題、もうこれ何とかしないと本当に厳しいと思いますよ。もう高潮でえぐられている。
そういった中で、私はこの134号線を考えるときに、どうしても鎌倉の歴史から絡めた別荘文化、明治150年のうち、私、75年間生きてきました。半分は生きてきたんですよね。だからそういった意味で、郷愁とかそういう思いもありますけれども、やはり大事なことは、やはり一つの郷土、自分たちがここへいる、その一つの大きな誇りというか、そういうものを持ってもらいたいと。
今、鎌倉のブランド力を考えた場合に、どうしても考えなきゃいけないのが文化財である。しかし、せんだって議論もしました。文化財の調査報告書、これは現在、やるやると言ったが本当にやったのかと思って聞いたところ、監査請求が出されていますので、予算総計主義、あるいは債務負担行為に関しては、私は、私のことに非常に協力してくれる関係が国にもつないでくれると言ったんですけれども、様子としては、私は時間をかけたいので、監査請求を待つことにしました。これはそのことを向こうにも伝えた。
そういった中で、私はこの明治150年と文化財、特に前回も取り上げましたやぐらですね。このやぐらに関しましてシンポジウムが行われ、このやぐらの起源を探るというシンポジウムが満員でしたね。そこで聞いたことが建長寺の蘭渓道隆のことです。
蘭渓道隆が京都にやぐらを持っていかないで鎌倉に持ってきたという、一種の報告というか、考え方を提供した人がいまして、建長寺というならば、私の湘南の同期がまさに建長寺で修行して、長寿寺の住職、そして瑞龍寺という師家を育てる大きなお寺の住職にもなって、妙心寺の大老師となっている、その老師に、何とか面会ができることになったので、鎌倉のやぐらのこと、そしてそれにかかわる幾つかの禅宗のこと、あるいはそういうものに関しての話を聞くことができました。
そして、妙心寺であるということなので、妙心寺も訪ね、また、京都では、昨年、中国に、禅宗としての交流を進めるということで、相国寺を初めとして300人近い訪問団が、当然鎌倉からも行っているわけです。見ると、官長クラスが軒並みですが、その中に私の友人の1人が入って、それは信徒代表の中で入っているんですが、そういうことで、ぜひともこのやぐらに関しては鎌倉市として、文化財として大きく取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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○桝渕規彰 文化財部長 やぐらに関しましては、先ほど議員から御紹介いただき、また前回の議会においてもその重要性について御指摘をいただいたところでございまして、我々といたしましても、これは鎌倉を代表する、しかも鎌倉に固有の文化財ということで、非常に興味深い、そして重要な文化財であると認識しておるところでございます。この調査研究に関しましては、我々その体制整備ということも踏まえましてしっかりとやっていかなければならない、このように考えているところでございます。
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○26番(松中健治議員) ぜひともお願いいたします。
それで、歴史と非常にかかわって、今日の道路問題、トンネル問題、あるいは風致の問題、そういった中で、まず岩瀬の隧道が崩れたと。それで、専決で2億2000万円をつけたと。そういう話を聞いておりますが、何で第一中学校のところは、あれは古都法ですか、文化財的にも、あるいは景観的にもいろいろありますけれども、しかし、危ないという意味では、すぐ工事をやらないとおかしいと。ネットが張られているから大丈夫だと。しかし、崩れたら量は岩瀬の隧道の量じゃないんです。何度も崩れているんです。
そういう意味で、どうして岩瀬は、私はやっちゃいけないとは言わない。やるなら車2車線ぐらいのことを考えたらいいと思っていますけれども、やっちゃいけないとは言わない。だけれども、第一中学校の通学路はなぜ、専決処分でもいいから、急いで予算つけてやらないんですか。いろいろ協議しています。だって、岩瀬は、あのトンネルは民有地ですか。
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○樋田浩一 都市整備部長 民有地でございます。
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○26番(松中健治議員) 民有地で、何か地代か、あるいはあれは道路なんですか。隧道なんですか。どういう位置づけにしているんですか。それで、どうして2億2000万円がぽんとつけられる対象なんですか。それを聞かせてください。
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○樋田浩一 都市整備部長 岩瀬隧道につきましては、既に道路認定を平成5年4月1日付でしておりまして、市道060−012号線として扱っております。
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○26番(松中健治議員) 道路認定しているというのはどういうことなんですか。岩瀬のあのトンネルを道路として認定しているんですか。今、4月にしたと言ってますね。ちょっとその辺、どうしてできるんですか。
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○樋田浩一 都市整備部長 平成5年4月1日に一括認定により市道に認定していると。道路法に基づいて認定をしているということでございます。
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○26番(松中健治議員) 道路として認定していない、トンネルは道路にならないと私は聞いたんですけれども、道路認定できるんですか、隧道は。
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○樋田浩一 都市整備部長 認定できます。
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○26番(松中健治議員) それはどういうあれでできるんですか。そうすると、そこは、道路認定しているけど民有地なんですか。
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○樋田浩一 都市整備部長 民間の土地でございますけれども、認定をしているということで、実際に認定の経過についてははっきりわからない状況なんですが、市内の赤道を含めた認定を平成5年に行っておりまして、その中にこの隧道も含まれているということでございます。
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○26番(松中健治議員) だけど、民有地なんでしょう、それ。今、民有地だと言ったんじゃないですか。民有地が、私道が認定できるなら、認定してくれるということですか。
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○樋田浩一 都市整備部長 基本的には、道路ですから、権原を市が持つということは基本になりますけれども、道路認定、御了解いただければ、認定をかけることは可能だと考えております。
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○26番(松中健治議員) それじゃあ北鎌倉のあの隧道は道路なんですか。トンネルなんですか。
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○樋田浩一 都市整備部長 市道の部分は道路でございます。
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○26番(松中健治議員) だから、道路認定全部されてないんですか。どういうことなんですか。市道の部分は公有地でしょう。それはわかる。だけど、私道の部分と公有地とを合わせてあそこを通路としている。トンネルというのは道路を認定できるんですか。
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○樋田浩一 都市整備部長 岩瀬隧道の部分につきましては、先ほど来申し上げていますように、認定をしているということでございますけれども、北鎌倉のところにつきましては、トンネル部分の中に市の道路、それから民地が一部入っているということでございます。
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○26番(松中健治議員) それ意味がよくわからない。それだったら、あそこ全部とったら、その道路の中に私有地が入っているんですか。私有地が入っているということになってしまうんですか。
みんな聞いているけど、言っていることがちぐはぐですね。私の聞いているのは、トンネルというのは道路認定できるというのは初めて聞きましたね。それじゃあ釈迦堂はどうなんだと。釈迦堂は道路なんですか、あれ。いかがですか。
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○小礒一彦 副市長 市道でございます。
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○26番(松中健治議員) だから、認定されているんですか。
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○小礒一彦 副市長 道路番号は記憶しておりませんが、認定しております。
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○26番(松中健治議員) それだったら、何ですぐやらないんですか。市の道路ですね。何で工事すぐやらないんですか。崩れるの待っているんですか。もう何年たっているんですか。市の道路だったらすぐやるでしょうよ。何でやらないんですか。じゃあ岩瀬は何ですぐ専決してやるんですか。やるなら車2台ぐらい通れるようにちゃんとしてつくってあげればいいと思うんですけど。その辺どうなんですか。
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○小礒一彦 副市長 釈迦堂につきましては、御承知のとおり、上部が史跡でございますので、その史跡保存と道路の安全性の兼ね合いがずっととれておりませんでしたので、一昨年ですか、調査をいたしまして、現在通行ができるような形で整備できる、そういうような形の検討をしてございます。
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○26番(松中健治議員) だから、そういう意味でやるんでしょう。だけど、道路認定されているんじゃないでしょう。道路認定されているなら、急いで整備しなきゃならないんじゃないですか。人通っていたんだから。
それじゃあ、北鎌倉の場合は道路だと。だけど、道路なんだかトンネルなんだかよくわからない史跡、だから史跡にしてほしいとか、これ市長、円覚寺と、担当と話し合いをした、最近したのは知っていますよね。
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○松尾崇 市長 承知をしております。
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○26番(松中健治議員) そのとき円覚寺の意向は何て言っているんですか。
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○松尾崇 市長 開削を希望されております。
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○26番(松中健治議員) じゃあ市長はどうするんですか。
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○松尾崇 市長 本設の工事につきましては、現在3案を軸に調査をかけておりますから、この3案の中から最終的に本設工事については選んでいくという流れになります。
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○26番(松中健治議員) だって、今3案とか言っているけど、開削というのは最初に出した案じゃないんですか、そっちが。
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○松尾崇 市長 そうです。
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○26番(松中健治議員) それが今変わっていると。そこで私は、文化財に関しては、特に懸案になっているようなところは文化庁の見解を絶対求めろと。だって、ここだって文化庁の見解次第でこういうふうになってしまったんだから。だけど、円覚寺は開削と言っているんですけど。だから、もうこれからマンションであろうと、問題が起きているような、課題となっているところは全部文化庁に相談する。だって、市長自身は最初開削で出しているときには文化庁に相談していないんでしょう。
だから、後から国家権力が介入してきたのかもしれないけれども、何とかしろと言われたのかもしれないけれども、これからは文化財に関しては市長みずからが文化庁に行くとか、そうしないと絶対こういうことが何度も起きる。だから、これは文化財の担当はたまらないですよ。だから、それだったら市長自身が文化庁に行くとか、じゃなかったら我々行きますよ。そういうことやってきたんだから。我々は議員という立場で陳情できますから。どうですか。文化庁に全部問い合わせたほうがいいと思う。
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○桝渕規彰 文化財部長 具体的な案件に関しまして、そういう問題が潜在しているような場合については、例えば今回、雪ノ下三丁目でマンション建設が予定されておりますけれども、そこに関しましては、やはり発掘調査を実施していく中で、発見された遺跡の評価といいますか、そういったものをしていくに当たっては、文化庁に逐次報告をしながら判断をしていく、こういうようなことをしてまいりたいと考えております。
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○26番(松中健治議員) 市長自身が文化庁へ行かなきゃだめですよ。じゃなかったら、我々はそういうことやらなきゃいけない。これからこの、もともと国指定史跡円覚寺境内保存管理計画、これ文化庁入ってますよね。
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○桝渕規彰 文化財部長 その保存管理計画を策定する段階でオブザーバーとして文化庁の調査官に参加していただいておりました。
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○26番(松中健治議員) こういう幾つかのあれが来ております。それで、鎌倉の一つのブランド力というのは歴史であると。緑であると。文化であると。しかし、深沢ではかつては工業力なんですよ。今のJRの跡地は海軍工廠。そして、今考えられているのが徳洲会の福祉大学。あそこは富士飛行機、そこで戦闘機つくっていた。プロペラだろうと思う。それで、あそこのところは飛行場だったと。それで、鎌倉市はあの一帯を工業地域にしようとして、工場誘致を、そのために土地も買っているんです。それは柏尾川の向こう側なんですが。しかし、そのことは挫折しちゃう。
しかし、大船は鎌倉の有力な工業地域として、芸術館の場所は準工業地域。あるいはそこに松竹撮影所があり、そして資生堂があった。しかし、野村総研ができることによって鎌倉は、そういう意味では情報都市、あるいは研究都市、東洋レーヨンできたし、かつてはロシュもあった。三菱商品研究所もあった。そういう町である。だから、市長がカマコンバレーを考えたというのは、これはすばらしいことだと。私、東京の、私自身は会ってないんですけれども、私の娘が会った社長が、30人ぐらいの鎌倉の会社が今数百人になって、上場して鎌倉に戻りたい。カヤックの社長に、娘がそういう人に会って、もう大きくなって、よく知っていますと。
だから、そういう意味では、野村総研を初めとした研究都市、あるいは情報都市、それはその考え方を持ったことは正しい。しかし、いつの間にかごみの候補の一つになった。JRの跡地に、30年近く前に、私の経験からいくと、市役所という考え方があった。これは担当、わかってますね。
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○前田信義 まちづくり計画部長 御指摘の深沢の経過につきましては、昭和62年に国鉄改革に伴いまして清算事業団用地が生じたことによって、それを契機に藤沢市の村岡地区と含めた形での広域のまちづくりが始まったということでございます。平成2年から3年ぐらいにおいて土地区画整理事業の基礎的な調査が行われておりますが、それにあわせて、事業区域内について導入機能といったようなものを検討した際に、その公共施設用地の中でスポーツですとか、あるいは市役所というものについての話があったと記憶しているところでございます。
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○26番(松中健治議員) 30年近く前には市役所という考え方を出したんですよ。それが今度はスポーツ広場だとか何かの運動があって、松尾市長になって都市計画決定される、もう補正予算がつくというときに、あなたはその市役所抜きのスポーツ広場とかそういうものに対しても都市計画決定をやめているんですよ。何でやめたんだといったら、途中で出てきたのが野村総研とかJRの跡地にごみの焼却場の候補として挙げたからなんですよ。
だから、私は最初から余り信用できない。あなたのやることは信用できない。一度自分が都市計画決定を打とうとしたら、直前にやめているんですよ。あなたがやめているんですよ。議会がやめさせたんじゃないんです。私がやめさせたのは、大船の再開発。それだって10年たったら向こうはちゃんと反省して、百何メートルのを下げて、ちゃんと工事が進んでいる。鎌倉はやめて、その後、もう直前まで行っているんだから、何か出すかなと思ったら、出さない。あなた都市計画決定、提出前にやめているのは覚えておりますね。
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○松尾崇 市長 そのとおりでございます。
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○26番(松中健治議員) そういうことでなかなか、市役所の件はこれからの問題ですけれども、まず信用できない。自分自身が変えちゃうんですよ。
そういう意味では、幾つかの問題を取り上げてきましたが、私は明治150年の半分を生きてきた。そういった中で、小辻節三さんのことや、児玉源太郎さんのことや、考えれば、明治維新のころから出発していくような幾つかのかかわる施設、見学してきました。とにかく最初の出発は京都御所だろうと。たまたま見ることができることで、京都御所に行ってまいりました。今も皇居は東京ですが。そういった流れの中で、小辻さんのような人もいましたけれども、一つ何とかしなきゃならない。
一番この150年の中で大きなことは、共産革命でしょう。そういった1人の、ある意味では犠牲者かもしれないけれども、この鎌倉に逃れてきたのが日本のバレエの母と呼ばれるエリアナ・パブロワであります。これ僕驚いたんですけれども、このパブロワさんの持っていた衣装はまだ鎌倉にあるんですね。私は新国立劇場か何かのところにしまわれてしまっているのかなと思っておりましたけれども、現在は鎌倉市所有であるということですよね。
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○比留間彰 共創計画部長 鎌倉市で所蔵しております。
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○26番(松中健治議員) それならば、鎌倉市の、パブロワさんはロシア貴族の血を引くロシア人です。白系ロシア人です。100年前のロシア革命によって国を追われ、中国を経由して日本に逃れてまいりました。これは1919年、大正8年、今から100年前ですね。もうすぐ100年になるのかな。
この著名なバレリーナであったパブロワさんは、来日早々、現在の由比ガ浜ショッピングセンター建設が取り沙汰されている明治建築の鎌倉海浜ホテルにおいて最初の公演を開いたと。そのとき上演したのが「瀕死の白鳥」というようなことで、伝説として語り継がれているということを聞きました。しかし、関東大震災に驚いて、一時イタリアのほうへ旅立ちましたが、また鎌倉の人たちが鎌倉に戻ってくるようにということで運動を起こして、七里ガ浜に居を構え直し、日本で初めて本格的なバレエスクールを開校したと。
私もパブロワさんのことはちょっと扱ったことがあるんですけれども、私はバレエそれほど知らないけれども、バレエの教室をやっている知り合いがいまして、これは大変なもので、あの芸術館がいつも満杯になる。そういった意味で、このパブロワさんのことを頼まれました。そして、このパブロワさんの衣装を何とか常設できないか、あるいは飾ることができないか。このパブロワさんと川端康成との関係は、1枚の写真で、彼女の遺品から見つかったということで、ぜひとも鎌倉との縁が深いので何とかしてほしいという、そして、戦前、大政翼賛体制の中でも大日本舞踊連盟の会長としてバレエの普及に努めたと。そういう話を聞きました。
それで、いろいろ調べていきましたところ、記念碑は、これは多分七里ガ浜のある人たちによって記念碑が建てられているわけでありますが、この衣装が、「白鳥の湖」、東京バレエ団で鎌倉芸術館の大ホールで行われて、そこのロビーに、エリアナ・パブロワ資料展示が入場無料でギャラリーに展示されると。市長、このことを知っていますか。
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○松尾崇 市長 あすの公演、私も見に参りますので、よく存じています。
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○26番(松中健治議員) ぜひともこのパブロワさんのことも明治150年の中にお考えをしていただきたいと。私は、これはある意味では鎌倉の誇りでもあるし、またそういうつらい人生を送った、日本のバレエ界を育てた人であるということで、この150年の中で位置づけていただきたいと。そういう意味で、150年を担当するのはそちらですか。ぜひとも写真1枚でもいいから飾っていただきたい。衣装も何とか場所を見つけて、やっていただけばいいと。
それで、もう一つ明治150年。あのショッピングセンターにあった鎌倉海浜ホテル、これ私自身はあの近くで生まれました。陸奥廣吉さん、これは鎌倉同人会の創立者の1人、そして鎌倉女学院の創立者の1人でもあります。その方が、私自身もその方の縁のあるところで生まれたわけでありますが、そういった意味で、鎌倉の海浜ホテルが火事で燃えたとき、消防自動車が通って、兄貴が飛び出して現場へ行ったと。時たま話してくれるわけでありますが、ぜひともこの松をあそこの由比ガ浜関谷線の沿道のところに植栽してもらいたい。
このことに関しては、私自身もかつて生まれたのがあの近くですから、134号線がなかったころ、大変な松林がありました。そしてあそこで、白砂青松というような雰囲気の中で遊んだことも覚えております。多くの別荘もありましたけれども、今は国体のために、オリンピックのために134号線ができておりますけれども、しかし、昭和30年代はあそこの海側の駐車場のところにも低木な松が植えられたことをちょっと覚えております。
そういう意味で、由比ガ浜関谷線の沿道に松を植えてほしいという声もあるし、私自身も同感だと思っておりますので、このことは陳情にも出ておりますので、その場において私も審議させていただきますけれども、とにかくこの鎌倉は歴史ある鎌倉、歴史があるために鎌倉の緑もある意味では大きな意味を持っております。そういった中で、ぜひともその150年の中に鎌倉のことを考えてもらいたいと。
今、西郷隆盛のことがNHKで扱われているそうですけれども、西郷隆盛も鎌倉に寄っていたとか、そういう話もあるくらい、この150年の時の流れの中に鎌倉というのは大きな意味があると思います。そして、首都圏の拠点として大船があるという、そういうことも大事だと私考えます。大船がだめとは言わない。私が横浜側のあの再開発に出席するとき、自分を鎌倉の人間で反対した人間だと思ったんですけれども、しかし、向こうが逆に相談してほしいと、いろんなことを教えてほしいとその筋が言ってきたので、そうしたら、とにかく100メートルはだめだよと。仲通りを何とかうまく使うようにと。そのとき私は鎌倉市民だけれどもいいのかなという、一瞬何となく振れた面があるんですけれども、この鎌倉の千何百年の歴史の中で郡衙はここなんです。だから、あそこの、今横浜市がつくっているあの建物も鎌倉郡であるから、鎌倉ということをコンセプトに使っても、これはいいんだと。自分ながら納得したんです。向こうも鎌倉があるがゆえにそれなりの価値あるマンションとして売り出すだろうと思うんです。まだ値段は未定であります。しかし、環境的には鎌倉、利便性では20分もかからないで横浜に、40分で東京にということです。しかし、鎌倉も入れてくれたというのは、ある意味ではうれしい思いもするんですけれども、そういう意味では、大船は大事です。
鎌倉のやっぱりコンセプト、そしてブランド力は歴史だと、そういうことを考えていただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
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○議長(中村聡一郎議員) 次に、志田一宏議員の発言を許可いたします。
質問者に申し上げます。18時をめどという議会運営委員会の確認ができておりますので、御配慮いただきますようお願いいたします。
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○5番(志田一宏議員) 自民党の志田一宏でございます。本日18時まで、多分終わると思いますけれども、頑張りたいと思います。
前回の一般質問に続きまして、私は子供を守る環境についてを質問をさせていただきます。
私の前の一般質問の中でも触れられておられましたけれども、新潟でことし5月、小学校の子が痛ましい事件に遭うということがありました。この事件の発生と直接関係があるかわかりませんけれども、発生現場付近で多くの不審者情報が寄せられていたと伺っております。
鎌倉市では平成30年5月末時点で16件の不審者情報事案がありますけれども、鎌倉市は他市と比べて治安がよいと聞いておりますけれども、どのような背景で治安がよいと言えるのか、教えてください。
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○柿崎雅之 防災安全部長 神奈川県警察本部は毎年県下市町村別の刑法犯の認知件数を公表しているところであります。治安の目安といたしまして、人口1,000人当たりの刑法犯認知件数を比較いたしますと、本市は県下19市の中で毎年一、二を争う少ない認知件数となっているところでございます。
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○5番(志田一宏議員) 鎌倉は大変治安がよいということがわかりました。前回の一般質問でも20年以来さかのぼっても誘拐事件は発生していないということでございました。
5月、新潟で下校途中の小学校2年の女の子が誘拐されるという事件が起きまして、2番目の質問で子供の登下校時の安全についてということで池田議員、そして会派の8番目に質問しました森議員も小学校通学路への防犯カメラの設置の必要性について質問しておりましたけれども、国では小此木八郎国家公安委員長が、通学路の安全対策を初め、子供や女性、高齢者を犯罪から守るための取り組みを強力に推進してほしいと全国の警察本部長らを集めた会議で発言されております。
また、事件をめぐっては5月18日に政府の関係閣僚会議が首相官邸で開かれ、菅官房長官が通学路の安全対策強化を指示、関係省庁が検討を進めております。25日に局長級会議が開かれたという情報まで私もいただいておりますけれども、6月中にも再発防止策がまとめられる予定となっております。
そういった状況下の中で、市立の小・中学校に対して、本事件を受けまして市独自の指導をどのように行ったのか教えてください。
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○佐々木聡 教育部長 さきに御答弁申し上げたとおりでございまして、教育委員会といたしましては、5月11日に市立小・中学校に登下校の安全指導という文書を通知しております。この文書を受けまして、学校では事件に巻き込まれないことへの対策として、児童・生徒に不審な人や車を見かけたらその場から離れすぐに大人に知らせること、日ごろから行っている防犯ブザーの点検、不審者への対応なども指導しております。さらには、教職員に対しても不審者情報の迅速な報告や地域との連携についての安全確保体制の再確認をしたところでございます。
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○5番(志田一宏議員) ありがとうございます。そうしましたら、保育園・幼稚園に対してはどのような指導を行いましたでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 幼稚園や保育園の場合は、登園・帰宅の際には必ず保護者の送り迎えがあるため、通常、園児が1人になることはないことから、幼稚園や保育園に対して市独自の指導は行っておりません。また、幼稚園の送迎バスを利用している園児につきましても、バスには幼稚園の先生が同乗しており、保護者に引き継いでいることから、幼稚園や保育園の登園・帰宅においては保護者や幼稚園の先生により安全は確保されていると考えております。
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○5番(志田一宏議員) ありがとうございます。新潟の事件も自宅から300メートルの地点で1人になったというところから誘拐をされてしまったということで、もしお母さんが家にいるんだったらその時点に待っていたり、また、1人になるということがわかっていれば、頼める人がいるんだったら、そこにもし立っていればこの事件は防げていたかもしれないという、そういった思いが私の中にありました。
登下校時の責任は保護者にあるということはもちろんだと思うんですけれども、こういった事件を受けて、もう一度保護者の方にそういった認識を持ってもらう周知が必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 児童・生徒の登下校の防犯や安全確保につきましては、保護者はもちろんのこと、学校、地域、また関係機関と連携して進めていくべきものと認識しております。保護者には入学説明会や保護者懇談会、児童・生徒の安全に関するお知らせ等で登下校の際に家庭で注意してもらう点などを周知しているところでございます。
また、教育委員会といたしましては、市内全小学校の下校時刻を集約して市民安全課や関係機関に連絡をさせていただいて、市民安全課の青パトによる巡回をお願いするとともに、学校からは地域の方に連絡し、下校時の見守りの協力をお願いしているところもございます。
今後も児童・生徒の安全につきましては、保護者や地域、関係機関と連携しながら、子供の下校時刻に合わせた家の周囲の掃除や犬の散歩、自転車での見回りなど、多くの大人の目で見守っていけるように努めてまいりたいと考えております。
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○5番(志田一宏議員) この新潟の事件の容疑者は以前にも性犯罪を起こしていたというようなことを報道で聞きました。このような方がもし鎌倉市の教員になっていたらと思うと恐ろしいと思うんですけれども、現在、市立の教諭は神奈川県の採用であることは認識しているんですけれども、性犯罪、そういった歴を隠して教職員になることは可能なんでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 神奈川県公立学校教員採用候補者選考試験におきましては、地方公務員法第16条及び学校教育法第9条に規定する欠格事項に該当しない人が受験資格となっております。欠格事項につきましては、当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者、免許状失効または取り上げの処分を受け、当該失効または処分の日から3年を経過しない者などでございまして、欠格事項に該当する人については採用されないというのが現状でございます。
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○5番(志田一宏議員) 鎌倉市において過去5年間、わいせつ事案で処分された教職員の事例というのはあるでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 過去5年間のわいせつ事案は2件ございます。2名ともに過去の犯罪歴については把握をしておりません。
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○5番(志田一宏議員) 過去5年で2件、どういったものかというところまでちょっとわからないですけれども、つらい目に遭われた方もいらっしゃるということで、法律に基づいて採用試験が行われているということで、これは法律の改正ということが必要になってくるのかなと考えております。
教員の方が日々生徒を指導している中で、児童・生徒から、教職員から過度なスキンシップがあると感じられた場合、市立の小・中学校ではどのように対応しているのか、また、学校の指導で改善されない場合はどのようになるのか、伺いたいと思います。
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○佐々木聡 教育部長 教職員につきましては、誤解を招く言動のないよう学校長から指導し、不祥事防止に努めております。各校では事故防止会議で具体的な事例をもとに事故・不祥事防止啓発を行っているところでございます。鎌倉市教育委員会といたしましても、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第43条で市町村委員会は県費負担教職員の服務を監督するとなっていることから、校長とともに教職員の服務を監督しているところでございます。
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○5番(志田一宏議員) こちらについても採用と同様の法律に基づいて運用されているということで、事件が起きてから県の教育委員会が出てきて処理をするというところになっているということで、わかりました。
またちょっと話が飛ぶといいますか、違うかなということもあるんですけれども、鎌倉市の話ではないんですけれども、小学校で体操着の下に肌着を着用することを禁止しているという学校があるということを報道で目にしたことがあります。鎌倉市立の小・中学校ではこのようなことはないんでしょうか。
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○佐々木聡 教育部長 学校では児童・生徒の身体の発達の段階に十分配慮をしながら日々の指導を行っております。体育の授業時には運動に適した服装を用意するよう保護者にお願いしているところでございます。肌着の着用に関しましては個々の子供の状況や体調に合わせて保護者が判断をしているところでございます。
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○5番(志田一宏議員) 次に、児童虐待についてお伺いさせていただきます。
鎌倉市における児童虐待の新規対応件数の推移、虐待の種別ごとの内訳、年代別の内訳、そしてこれまで死亡事例の有無をそれぞれ教えていただきたいと思います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 本市における児童虐待相談の新規対応件数につきましては、平成25年度が153件、平成26年度は164件、平成27年度は175件、平成28年度は179件、平成29年度は216件と、年々増加傾向にございます。
虐待種別ごとの内訳といたしましては、近年、子供の面前での夫婦げんかやDV等の心理的虐待が増加している傾向にあり、平成29年度の新規虐待相談件数216件のうち、心理的虐待が142件、65.7%、身体的虐待が46件、21.3%、ネグレクトが27件、12.5%、性的虐待が1件、0.5%となっております。
また、年代別の内訳としましては、同じく平成29年度の件数で申し上げますと、未就学児が87名、40.3%、小学生が79名、36.6%、中学生が35名、16.2%、高校生年代が15名で6.9%となっております。
なお、本市における児童虐待に係る死亡事例につきましては、児童福祉法が改正され市が虐待相談の通告窓口になって以降出ておりません。
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○5番(志田一宏議員) 年々件数が増加しているんですけれども、それが必ずしも悪いことではなくて、ちょっとしたことでも異常があったら通報が入ると伺っております。
最近の報道でも、東京都目黒区における5歳児の虐待、また岩手県の北上市、1歳児の衰弱死とか、昨今重篤な虐待事案が発生しておりまして、ともに児童相談所または市が対応して関係部署とも連絡をとり合っていた中でこのような最悪の事態になってしまったという事件がありました。鎌倉市の場合、他機関との連絡体制を含め、寄せられた児童虐待に対してどのように対応しているのか、教えてください。
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○進藤勝 こどもみらい部長 児童虐待の通告先であるこども相談課に連絡が入った場合でございますが、まず専任の相談員や職員が虐待の状況などについて丁寧に聞き取りを行い、課内で虐待ケースとして受理した後、初動調査の内容など当面の対応方針を決定しております。あわせて、初動調査といたしまして、子供が保育園や学校などに通っている場合には所属する施設を通じて、所属施設がない場合には家庭訪問等により、目視で子供の安全確認を行うこととしております。その後、各事案の内容に応じて保育、児童発達支援、母子保健、障害福祉、生活保護等を所管する庁内関係課や県児童相談所、警察、病院などとの間で援助活動チーム会議を開催し、情報共有や具体的な支援方法についての協議等、連携を図っております。また、受理した家庭が他市に転出した場合には、情報提供書を送付するなど、十分な引き継ぎを行っております。
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○5番(志田一宏議員) 聞き取りのときにでも感じたんですけれども、こども支援課とかも大変よくやっていただいていると本当に思いました。ただ、皆さんも御家庭があり、時間は限られている中で、閉止案件が、できることはできる、できないことはできないということでやっぱり残ってしまうと思います。そういった中で、一秒でも本当に苦しんでいる小さい子がいると思うと、本当に悲しいことだと思います。
現在の人員で対応しているけれども、年々増加している児童虐待の件数もあって、いずれはやっぱり課自体で対応することは困難なのかなと考えています。よりきめ細かい対応を行うということは、問題解決となるケースをふやすためにも、担当課の人員をふやす必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 本市では年々児童虐待の相談件数が増加している中、専門的な対応が求められる事案もふえてきております。市は困難な事案につきましては児童相談所と連携しながら対応しており、県児童相談所ではここ数年、職員の増強、弁護士等専門職の配置など、体制の強化を図っているところでございます。
市といたしましても、各事案の内容に応じ、迅速かつきめ細かな対応を行うことで問題解決につながると考えており、今後の体制強化につきましては虐待相談件数の推移を見据えながら検討していく必要があると考えております。
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○5番(志田一宏議員) 人員を、新人の正規職員をふやしたとしてもなかなか難しいのかなと考えておりまして、保育士なのか、保護司なのか、社会福祉士なのか、そこら辺はちょっとよくわからないですけど、専門性の高い人材の確保が必要だと思います。こども支援課の体制の強化ということが必要だと思いますけれども、市長としてはどのようにお考えでしょうか。
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○松尾崇 市長 本市では児童相談所など関係機関と連携しながら児童虐待相談に適切に対応しているところではありますけれども、専門性の確保というところにおきましては、現在、非常勤職員でありますけれども、社会福祉士、保健師、保育士、児童福祉司という資格者を採用して、対応に当たっているというところがあります。今後も相談件数の増加状況を見据えながら検討してまいりたいと思います。
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○5番(志田一宏議員) 次に、神奈川ネット鎌倉の安立議員も触れられておりましたけれども、昨年度に文部科学省の補助金を使って貧困家庭を含めた子育て世帯の生活に関するアンケート調査を行ったと思うんですけれども、結果の概要について伺わせてください。また、貧困と児童虐待の関連性についても伺わせてください。
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○進藤勝 こどもみらい部長 子育て世帯の生活に関するアンケート調査では、鎌倉市の貧困率は全体で約4.9%、ひとり親家庭では約45%という結果が出ております。児童虐待は、子供の育てにくさ、経済的な困窮、周囲からの孤立、夫婦の不和等さまざまなリスク要因が重なった中で引き起こされることが多く、貧困については児童虐待につながる主要因の一つとして捉えているところでございます。市では、児童虐待相談を含めさまざまな相談を受ける中で、必要に応じて関係機関との連携を図るとともに、経済的な支援を含め必要なサービスにつなげるなど、児童虐待の未然防止に取り組んでいるところでございます。
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○5番(志田一宏議員) 鎌倉市の話ではないんですけれども、小児医療について生活困窮者が受診をためらっているというケースを聞いたことがあります。小・中学校まで小児医療費が無償となっていると思いますけれども、生活困窮者にもしっかり周知されているのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 平成29年10月から所得制限を設けて中学3年まで通院・入院に係る医療費の助成を拡大したことで、現在、中学生までの児童4人のうち3人が医療費の助成を受けられる状況になっております。
周知の方法でございますが、ホームページ、助成制度リーフレットや市発行の各種ガイドブックでの周知のほか、該当者に対しましては全員に個別で案内を行っているところでございます。新生児には母子手帳への申請書に同封をしております。転入の際には窓口での案内をしております。未申請者につきましては通知で全ての方に案内を行っている状況でございます。
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○5番(志田一宏議員) 次の質問に移らさせていただきます。鎌倉市の父親の育児参加率をどのように把握しておりますか。また、現状はどのようになっているでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 父親の育児参加の状況については、乳幼児健康診査時の問診票において把握をしているところでございます。平成29年度の結果を見ますと、お子さんのお父さんは育児をしていますかという問いに対しまして、よくやっていると回答した人は、4カ月健診では68.1%、1歳6カ月健診では63.9%、3歳児健診では58.2%となっております。
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○5番(志田一宏議員) 鎌倉は父親の育児参加率が非常に高いなという感想を持ちました。
続いて、次の質問です。公立の小・中学校における性教育について、出産した後の子供の育て方についての教育はしているのか、伺いたいと思います。
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○佐々木聡 教育部長 小学校におきましては理科で生命の誕生を、体育の保健分野で体の発育・発達や心の健康について学習をしております。中学校では保健体育の保健分野で心身の機能の発達と心の健康を、技術家庭科の家庭分野において、生まれてから中学生になるまでの成長についてを学習の入り口として、幼児の発達と生活の特徴や子供が育つ環境としての家族の役割の重要性について学習をしております。
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○5番(志田一宏議員) 次の質問です。昨年約1,100人の方が鎌倉市内で出生届をしたと伺っているんですけれども、産婦人科や市から出産後の乳児の育児に関する冊子などの配布はしていると思いますけれども、若いお母さんたちは冊子よりスマホで検索する機会のほうが多いと思いますけれども、現状はどのようになっているでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 現在、妊娠中から出産後の子育てに関する総合的な情報誌といたしまして、「かまくら子育てナビきらきら」という冊子を発行しており、母子手帳の交付時や乳児健康診査の実施医療機関、子育て支援センター、保育園、幼稚園などで配布しているところでございます。また、「かまくら子育てナビきらきら」は無料アプリを通じて電子書籍としてスマホで閲覧できるようになっております。このほか、子育てに関するイベント情報をLINEで配信するなど、若いお母さん方のニーズにも応えられるよう取り組んでいるところであり、今後も子育て情報の周知に努めてまいりたいと考えております。
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○5番(志田一宏議員) 続きまして、妊婦の歯周病の歯科検診について、現状では県の保健福祉事務所で行っていると思うんですけれども、市内の歯科医院で受診できるようにしたほうが受診率は上がると思うんですけれども、いかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 妊婦の歯周病検診につきましては、神奈川県鎌倉保健福祉事務所が無料で行っており、本市では母子健康手帳交付時にチラシにより周知をしているところでございます。
一方、県内で既に妊婦の歯周病検診を実施している市町村では、妊婦の利便性を考え歯科医療機関で受診できるようにしており、今後、本市におきましても県や鎌倉市歯科医師会と協議をしながら、導入について検討してまいりたいと考えております。
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○5番(志田一宏議員) さまざま質問してまいりましたけれども、私の質問は以上ですけれども、小さい子供の命というのは本当にどんな親の方から生まれたとしてもなくなってはいけないものだと思います。親が子供を育てるのは当たり前ですけど、親じゃない親がいるという現状が本当に悲しいなと思います。目黒区の5歳の子のノート、全部見たわけじゃないんですけれども、きっとその子はノートにママ助けてときっと書きたかっただろうなと思っています。鎌倉でそういったことがないようにぜひ今後とも取り組んでください。
以上です。ありがとうございました。
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○議長(中村聡一郎議員) お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、運営委員会の協議もあり、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
なお、残余の日程については、来る6月18日午前9時30分に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
本日はこれをもって延会いたします。
(18時05分 延会)
平成30年6月15日(金曜日)
鎌倉市議会議長 中 村 聡一郎
会議録署名議員 池 田 実
同 久 坂 くにえ
同 森 功 一
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