平成29年 9月定例会
第2号 9月 7日
○議事日程  
平成29年 9月定例会

          鎌倉市議会9月定例会会議録(2)
                                   平成29年9月7日(木曜日)
〇出席議員 26名
 1番  千   一   議員
 2番  くりはらえりこ 議員
 3番  竹 田 ゆかり 議員
 4番  山 田 直 人 議員
 5番  志 田 一 宏 議員
 6番  長 嶋 竜 弘 議員
 7番  武 野 裕 子 議員
 8番  西 岡 幸 子 議員
 9番  日 向 慎 吾 議員
 10番  飯 野 眞 毅 議員
 11番  河 村 琢 磨 議員
 12番  池 田   実 議員
 13番  森   功 一 議員
 14番  安 立 奈 穂 議員
 15番  高 野 洋 一 議員
 16番  納 所 輝 次 議員
 17番  永 田 磨梨奈 議員
 18番  高 橋 浩 司 議員
 19番  久 坂 くにえ 議員
 20番  中 村 聡一郎 議員
 21番  前 川 綾 子 議員
 22番  伊 藤 倫 邦 議員
 23番  保 坂 令 子 議員
 24番  吉 岡 和 江 議員
 25番  大 石 和 久 議員
 26番  松 中 健 治 議員
     ───────────────────────────────────────
〇欠席議員 なし
     ───────────────────────────────────────
〇議会事務局出席者
 事務局長        三 留 定 男
 次長          木 村 雅 行
 次長補佐        藤 田 聡一郎
 次長補佐        笛 田 貴 良
 書記          齋 藤 真 導
 書記          片 桐 雅 美
 書記          菊 地   淳
 書記          鈴 木 麻裕子
     ───────────────────────────────────────
〇理事者側説明者
 番外 1 番  松 尾   崇  市長
 番外 5 番  比留間   彰  経営企画部長
 番外 20 番           文化財部長
         桝 渕 規 彰
 番外 6 番           歴史まちづくり推進担当担当部長
 番外 8 番  柿 崎 雅 之  防災安全部長
 番外 9 番  奈 須 菊 夫  市民活動部長
 番外 11 番  内 海 正 彦  健康福祉部長
 番外 12 番  石 井 康 則  環境部長
 番外 13 番  齋 藤 和 徳  まちづくり景観部長
 番外 14 番  服 部 計 利  都市調整部長
 番外 15 番  樋 田 浩 一  都市整備部長
 番外 19 番  佐 藤 尚 之  教育部長
     ───────────────────────────────────────
〇議事日程
               鎌倉市議会9月定例会議事日程(2)

                              平成29年9月7日  午前9時30分開議

 1 諸般の報告
 2 一般質問
 3 報告第7号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る ┐
         専決処分の報告について                 │
   報告第8号 継続費の精算報告について                │市 長 提 出
   報告第9号 平成28年度決算に基づく健全化判断比率の報告について   │
   報告第10号 平成28年度決算に基づく資金不足比率の報告について    ┘
 4 議案第44号 市道路線の廃止について                 ┐同     上
   議案第45号 市道路線の認定について                 ┘
 5 議案第46号 工事請負契約の変更について                同     上
 6 議案第54号 鎌倉市職員等公務災害等見舞金の支給に関する条例の制定に ┐
         ついて                         │同     上
   議案第60号 鎌倉市火災予防条例の一部を改正する条例の制定について  ┘
 7 議案第57号 鎌倉市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定め  同     上
         る条例及び鎌倉市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に
         関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定につい
         て
 8 議案第55号 私たちのまち鎌倉のことに関心を持ち、自分たちでより良く ┐
         していこうという思いを共有して行動するための条例の制定 │
         について                        │市 長 提 出
   議案第56号 地方税法第314条の7第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れ │
         る特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例 │
         の制定について                     ┘
 9 議案第58号 鎌倉市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について   ┐
   議案第59号 鎌倉市特定土地利用における手続及び基準等に関する条例の │同     上
         一部を改正する条例の制定について            ┘
 10 議案第61号 平成29年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号)        同     上
 11 議案第62号 平成29年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2  同     上
         号)
 12 議案第47号 平成28年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について   ┐
   議案第48号 平成28年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定に │
            ついて                      │
   議案第49号 平成28年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特 │
            別会計歳入歳出決算の認定について         │
   議案第50号 平成28年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の │
            認定について                   │同     上
   議案第51号 平成28年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決 │
            算の認定について                 │
   議案第52号 平成28年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定 │
            について                     │
   議案第53号 平成28年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算 │
         の認定について                     ┘
 13 議員の派遣について

     ───────────────────────────────────────
〇本日の会議に付した事件
 1 諸般の報告
 2 一般質問
     ───────────────────────────────────────
                鎌倉市議会9月定例会諸般の報告 (2)

                     平成29年9月7日

1 請願1件、陳情7件を請願・陳情一覧表のとおり受理し、7件を付託一覧表のとおり各常任委員会に付
  託、1件を配付一覧表のとおり全議員に配付した。
     ───────────────────────────────────────
                  平成29年鎌倉市議会9月定例会
                  請 願 ・ 陳 情 一 覧 表 (2)

┌─────┬─────────────────────┬─────────────────┐
│受理年月日│    件            名   │    提   出   者    │
├─────┼────┬────────────────┼─────────────────┤
│29.9.4 │請  願│所得税法第56条廃止の意見書を国に│横浜市神奈川区二ツ谷町1−11   │
│     │第 1 号│提出することについての請願書  │神奈川県商工団体連合会婦人部協議会│
│     │    │                │会長 山 岡 和紀子       │
│     ├────┼────────────────┼─────────────────┤
│     │陳  情│議案第55号廃案についての陳情  │鎌倉市雪ノ下562          │
│     │第 15 号│                │角 田 正 俊          │
│     ├────┼────────────────┼─────────────────┤
│     │陳  情│「山崎浄化センター内の未活用地へ│鎌倉市山崎970番地         │
│     │第 16 号│の新ごみ焼却施設建設反対」につい│「新ごみ焼却施設建設に反対する住民│
│     │    │ての陳情            │の会」              │
│     │    │                │代表 檜 山   宏       │
├─────┼────┼────────────────┼─────────────────┤
│29.9.5 │陳  情│消費税増税の撤回を求める意見書提│横浜市神奈川区二ツ谷1−11    │
│     │第 17 号│出を求める陳情         │消費税廃止神奈川県各界連絡会   │
│     │    │                │事務局長 三 浦 謙 一     │
│     ├────┼────────────────┼─────────────────┤
│     │陳  情│NECとの包括連携協定締結につい│鎌倉市台2丁目8番6−4号    │
│     │第 18 号│ての陳情            │山 田 恭 子          │
│     ├────┼────────────────┼─────────────────┤
│     │陳  情│私たちのまち鎌倉のことに関心を持│鎌倉市台2丁目8番6−4号    │
│     │第 19 号│ち、自分たちでより良くしていこう│山 田 恭 子          │
│     │    │という思いを共有して行動するため│                 │
│     │    │の条例制定についての陳情    │                 │
│     ├────┼────────────────┼─────────────────┤
│     │陳  情│生ごみ削減のためのディスポーザー│鎌倉市台2丁目8番6−4号    │
│     │第 20 号│の補助金についての陳情     │山 田 恭 子          │
│     ├────┼────────────────┼─────────────────┤
│     │陳  情│北鎌倉駅大船側臨時改札口を終日利│鎌倉市山ノ内521−4        │
│     │第 21 号│用の改札口の常設化を求める為の陳│片 屋 ふみ子 他1名      │
│     │    │情               │                 │
└─────┴────┴────────────────┴─────────────────┘


                  付 託 一 覧 表 (2)

┌─────┬───────┬────────────────────────────────┐
│付託年月日│ 付 託 先 │       件                 名      │
├─────┼───────┼────┬───────────────────────────┤
│29.9.7 │総務     │請  願│所得税法第56条廃止の意見書を国に提出することについての│
│     │常任委員会  │第 1 号│請願書                        │
│     │       ├────┼───────────────────────────┤
│     │       │陳  情│NECとの包括連携協定締結についての陳情       │
│     │       │第 18 号│                           │
│     ├───────┼────┼───────────────────────────┤
│     │観光厚生   │陳  情│議案第55号廃案についての陳情             │
│     │常任委員会  │第 15 号│                           │
│     │       ├────┼───────────────────────────┤
│     │       │陳  情│「山崎浄化センター内の未活用地への新ごみ焼却施設建設反│
│     │       │第 16 号│ 対」についての陳情                  │
│     │       ├────┼───────────────────────────┤
│     │       │陳  情│私たちのまち鎌倉のことに関心を持ち、自分たちでより良く│
│     │       │第 19 号│していこうという思いを共有して行動するための条例制定に│
│     │       │    │ついての陳情                     │
│     │       ├────┼───────────────────────────┤
│     │       │陳  情│生ごみ削減のためのディスポーザーの補助金についての陳情│
│     │       │第 20 号│                           │
│     ├───────┼────┼───────────────────────────┤
│     │建設     │陳  情│北鎌倉駅大船側臨時改札口を終日利用の改札口の常設化を求│
│     │常任委員会  │第 21 号│める為の陳情                     │
└─────┴───────┴────┴───────────────────────────┘


                  配 付 一 覧 表 (2)

┌─────┬──────┬─────────────────────────────────┐
│配付年月日│ 配 付 先 │       件                  名      │
├─────┼──────┼────┬────────────────────────────┤
│29.9.7 │全議員   │陳  情│消費税増税の撤回を求める意見書提出を求める陳情     │
│     │      │第 17 号│                            │
└─────┴──────┴────┴────────────────────────────┘

                   (出席議員  25名)
                   (9時30分  開議)
 
○議長(山田直人議員)  定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。
 会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。3番 竹田ゆかり議員、5番 志田一宏議員、6番 長嶋竜弘議員にお願いいたします。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(山田直人議員)  日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
 内容は配付いたしましたとおりでありますが、本日の会議に遅刻の届け出がありますので、局長から報告させます。
 
○三留定男 事務局長  松中健治議員から所用のため、遅刻する旨の届け出がございましたので御報告いたします。
 
○議長(山田直人議員)  ただいまの報告に御質疑ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(山田直人議員)  日程第2「一般質問」を昨日に引き続き行います。
 まず、くりはらえりこ議員の発言を許可いたします。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  無所属、くりはらえりこでございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 ここのところの世界の緊張感高まるニュースを見るにつけ、一国民として大いに不安を感じるところであります。しかし、一議員としては、やはり鎌倉市民の皆様の安全確保や人命救済、そして財産の保護などについて鎌倉市行政とともに考えて、足りないところを御指摘し、市民の要望を伝え、備えていかねばならぬと思うところでございます。
 自助・共助・公助という言葉がありますが、自分の身は自分で守るということはもちろんのことなのですが、お隣同士の顔が見える関係をつくって、御近所、近隣同士が助け合って、また、公の機関である行政が市民を助けるというそれぞれの役割分担を明確にしていく、そういうことが大事であり、それぞれが役割を担っている部分を明確に意識をして、有事の際にはみんなで協力してという、そういう思いがないとうまくいかないと考えております。もっと簡単に言いますと、鎌倉市役所はこういうスタンスです、市役所はこういうことを市民の皆さんとやりたいです、協力してくださいとはっきり言われたほうが、市民も事前から備えることができるんです。私はその間をつなぐべく行動してまいりたいと考えております。
 駆け出しの新人議員ですから、稚拙な質問も多いかと思いますけれども、鎌倉行政のトップ、理事者の皆様におかれましては、ぜひとも市民の皆様にわかりやすく、そして市政に興味を持っていただけるよう御答弁賜りたく、お願い申し上げます。
 では、大項目の五つのうちの1番目として、市民の安全性について質問させていただきます。
 まずは、鎌倉市ではどのような町のセキュリティー対策を行っているかを教えてください。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  市民の皆様の安全に関する本市の主な施策につきまして御紹介をさせていただきますと、まず、一つ目の実例といたしまして、夜間の安全を確保するため、平成27年度に自治・町内会等から移管されました防犯灯の一斉LED化を行いました。
 また、啓発活動といたしましては、警察OBの防犯アドバイザーによります小学校、子どもの家等での誘拐連れ去り防止教室、不審者侵入対応訓練や、自治会、高齢者団体等での振り込め詐欺防止等の防犯講話の実施のほか、振り込め詐欺や不審者対策といたしまして、メールによる注意喚起を行うとともに、無人ATMの警戒や不審者発生場所周辺の警戒を行っているところでございます。その他、最近の犯罪発生動向につきまして、年4回ニュースを発行するとともに、ホームページに掲載をしているところでございます。
 さらに、昨年、平成28年10月には防犯カメラの設置に対する補助事業を創設したところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  夜道を明るくしたり、防犯カメラに補助金を出したり、啓発活動を行ったりしていただいていることはわかりました。
 理想で言えば、鎌倉市が防犯カメラの要らない、犯罪の起こらない町であってほしいと私は望みますけれども、残念ながら現状は全然違うんですね。それで、鎌倉市においても実際に振り込め詐欺、この被害に遭われている方がありますし、今まさに振り込む寸前というところで無人ATMの警戒、見回りのおかげで犯罪が寸前でストップされたと、巻き込まれずに済んだというケースもあったと伺っております。犯罪抑止力の強化、これをさらに急ぐ必要があるかと考えております。
 私が住んでいる地域は、鎌倉市内でも特に不特定多数の観光客が多い土地柄ということもありまして、人の多さから人々に紛れた犯罪を何とかしたいという思いもありまして、商店街や住民が協力して、まだ私が議員になる前、4年ほど前だったかと思うんですけれども、国のまちづくり補助金を引っ張ってまいりまして、防犯カメラを取りつけたという経緯がございました。これは、私の地域だけがよければいいという思いではなくて、私としては全市的にそういった、防犯カメラの映像が決め手で犯人が捕まるとか、抑止力、そういったところに期待したいところでございます。私の地域のところの功績、それを評価された方々が、今、隣の町の方々とかが防犯カメラの設置を検討され始めていると。設置に向けて今動き出しているとも聞いております。
 そこでお伺いしたいんですけれども、町のセキュリティーについて、市民の安全を確保するためには、全市的に防犯カメラを設置することが私は有効だと考えておりますけれども、防犯カメラの設置に対して市はそのような対応を行っていらっしゃるか、それを教えていただきたいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  地域防犯カメラの設置につきましては、昨年、平成28年10月から自治・町内会等が防犯カメラを設置する場合の補助事業を創設いたしまして、自治・町内会等に周知を図ってきたところでございます。この補助制度の補助率でございますが、補助率については防犯カメラ設置補助基準額、これを36万円といたしまして、27万円を限度に4分の3の補助を行うものであります。
 平成28年度につきましては、制度の創設から申請までの期間が短かったため、1団体、防犯カメラ2台分の補助でございましたが、本年、平成29年度の申請は、10団体から24台の申請が行われたところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  そうしますと、補助金はつくられて、取り組んでいらっしゃるということで、わかりました。
 現状ですと、予算枠の関係上、全市に一斉に設置するということは多分難しいという御判断だと思います。しかし、申請主義というような、役所の申請を受けたものに関して、申し出いただいたものに関して許可するというような、許可というか、申請のものに対して補助金がつくというようなことだと思うんですけれども、その申請主義、市民の側から申し出てこないと全く進んでいかないというようなこともあるかと思います。また、行政区とか、地域の格差というんでしょうか、ばらつきもしくは偏りが生じてしまうことも私は想像してしまうんですね。
 その偏りとともに、また心配される1点もありまして、私が4年前に国のまちづくり補助金をやるときに一番意識をしたということが、その地域地域に人が、車が流入する、その出入り口となる箇所を全部押さえていこうと。その地域の入り口、関所みたいなところですね。そこを全部押さえていこうということを意識いたしました。むやみやたらに防犯カメラをつけると、何か監視されているような気がするとかいうお声もありました関係で、防犯カメラの写す向きとか、それから、ここは写さないとか、そういったことも交渉していかなくてはいけないというようなこともございました。そういったこと、いわゆる関所的な考え方、流入する人、車を抑えるというようなこともぜひ御検討いただければと思います。
 そして、鎌倉市内全体のセキュリティーという見地からも、人、自動車、バイク、車、こういったこと、確実にそれぞれの優先順位をつけながら、どこに事故が多いのか、どこに犯罪が多いのか、そういったことも意識しながら、自治・町内会、そういったところに、できれば市もお願いしますと、この辺に必要だというのを繰り返し繰り返し御案内いただきたいと私としては思います。
 また、今回は防犯カメラの件についてを一つの例として取り上げさせていただいたんですけれども、ここから先はちょっと全体の視点として捉えていただきたいんですけれども、こういった補助金申請のハードル、私はハードルとそのときは思ったんですが、住民の側の感覚として、書類つくるのが面倒くさそうだという、そういうお声が地元からもありました。実際私がやったときも、申請締め切り日まで時間がない中で、当初住民の皆様に本当に書類は難しそうとか、面倒くさそうとか、今までこうだったからやったことがないからやらなくていいよなんていう、そういう消極的姿勢の方が多かったことも確かなんですね。事実なんです。ですので、私が特に時間をかけたということは、書類をつくることはもちろん時間がかかるんですけれども、それよりも住民に御協力を仰ぐ、思いを伝えて手伝ってくださいということに時間をかけましたし、時間がかかりました。
 また、その当時、市に御相談に行くと、各課たらい回し、簡単に言いますとそんな感じでした。うちの課じゃないですね、多分こっちですねと言っているうちに、ぐるぐる回って最初に戻ってきたなんてこともありました。何かやらないモードに説得されているのかななんていう気分だったことを今も記憶しているんですけれども、そのときと今はもう、4年近くたってますから、役所の御対応も変わってきているかとは思うんですけれども、鎌倉市の補助金事業に関して、書類の簡素化や、相談窓口に行けばわからないことをその場で聞きながら簡単に、これならできると市民が思っていただけるような申請のやり方、ちょっと御検討いただければと思います。
 また、国や県、その補助金申請などに関しても、これは市がやることではないというようなことではなくて、積極的に、市民と協働する形で補助金をとりに行ってはいただけないでしょうかと思います。なぜなら、鎌倉市が補助金を出すという事業は、鎌倉市税の投入ということにつながっていくわけですけれども、国や県の補助金をとりに行くということは、これは間接的であっても市の財政にプラスに働きますし、市の住民の皆様にとってプラスにやっぱり働いていくと私は考えるんです。ましてや、補助金申請制度を知っている市民と知らない市民では地域の格差がどんどん出てくるということも、これは本来望まないことですから、そこは必死に、補助金を国へ、県へとりに行っていただきたいと思うところです。
 私としては、今からどう鎌倉市が進んでいくのか、そしてどう行政と市民が力を合わせていくのか、そこを大事にしたいと思っておりますので、まず、早い段階で鎌倉市内全体のセキュリティー計画、それをイメージしていただきたい、そう思っております。お願い申し上げます。
 それでは、続きまして、地震、台風などの自然災害はもとより、先日の北朝鮮によるミサイル発射事案や世界各地で発生しているテロ事案など、私たち市民の生活を脅かす出来事が頻繁に発生しております。鎌倉市では、市民の安全・安心、これを守るための組織の体制、そして取り組みはどのようになっているのか、伺わせてください。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  本市の災害危機管理を担う組織といたしまして、防災安全部内に、自然災害対応を業務とします総合防災課、それから、テロや武力攻撃対応と国民保護業務、これを主とする危機管理課及び防犯や交通安全対策を主業務といたします市民安全課が置かれているところでございます。
 自然災害対応の訓練といたしまして、市全般といたしましては、総合防災訓練あるいは津波避難訓練のほか、各地域におきましてもさまざまな訓練を実施しているところでございます。また、職員を対象とした参集訓練や避難所運営訓練なども行っているところでございます。さらに、テロ、国民保護対応の訓練といたしまして、テロ対応のための図上訓練や実動訓練なども実施をしております。
 市民の皆様に対しましては、さまざまな危機事象に対する日ごろの備えの重要性につきまして、ホームページや「広報かまくら」などを通じて周知・啓発をしているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  自然災害、そういったことの対策や国民の保護、防犯、交通安全などは日ごろの備えが重要ですので、さらにさらに備えていただきたい、そのように思います。よろしくお願いいたします。
 職員を対象とした危機対応訓練以外の総合防災訓練とか津波避難訓練、そしてブロック訓練などは、今、御紹介いただきましたけれども、鎌倉市民も参加することは可能でしょうか。教えてください。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  先ほど御答弁いたしましたとおり、現在本市ではさまざまな形の防災危機対応に関する訓練を実施しておるところでございますが、内容によりまして参加対象が変わってきます。
 8月に実施した総合防災訓練では、市民の参加の訓練といたしまして、給水訓練、土のう製作訓練、救出救護訓練を設けまして、約60名の参加をいただきました。また、昨年11月に実施いたしました沿岸部一斉津波避難訓練では、1,500名を超える自治・町内会の方々に御参加いただいておりまして、今年度も引き続き実施を予定しているところでございます。これらの訓練実施に当たりましては、「広報かまくら」、ホームページ、各種メディアなどを通じて広くお知らせするとともに、自治会、町内会の御協力を得まして、回覧などで周知を図っているところでございます。
 また、複数の自主防災組織が合同で実施する地域ごとのブロック訓練、これは自主防災組織の構成メンバーである市民の方々が主体となって行われる訓練でありまして、対象の地域内、ここで広く参加の呼びかけがなされているものと認識をしておるところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  ありがとうございます。私もその8月に実施された総合防災訓練、それから、いわゆる地域ごとでやる自治会のブロック訓練にも参加させていただきました。これは、見ると見ないのでは大違いでして、そして参加するのとしないのは大違いだったなと私自身が感じ取ったところです。日ごろの備えが大事ですので、ぜひとも市民の皆様も、広報などにしっかり書いてあるそうですので、そこを読んでいただいて、ぜひとも参加していただきたいと思います。
 それでは、続きまして、日ごろからの防災意識の向上や活動が大事かと思われますが、先日、小坂地区にて行われました市民の自主防災組織による避難所開設訓練、これを全市的に広げる方策、これはどういったものを考えていらっしゃるか、教えてください。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  災害に強いまちづくりを進めていく上では、先ほど議員も御紹介のありましたように、日ごろからの防災意識の向上とともに、自助・共助・公助の役割分担と連携が必要不可欠でございます。先日小坂小学校で実施されました避難所開設訓練は、共助の取り組みといたしまして大きな意味を持つものと捉まえております。市内の自主防災組織の横の連携組織として活動している自主防災組織連合会を通じましてこうした取り組みを紹介いたしまして、各地域において情報共有をするとともに、各地域で行われる防災訓練、防災講話などの機会を捉まえて、こういったものの周知を図っているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  日ごろより多くの訓練が行われていることが本当に大事で、また、市の職員の中で実際に被災地、その支援に行かれた、派遣されて活動された職員もおられると私聞いております。そういった経験が我が事として我が市における取り組みに生かされているかと思います。我が市が被災した際、これまでの連携が生きる場面があるかと思います。ぜひとも今後ともほかの自治体との協力関係を続けて、それをまたさらに広げていただければと思います。
 次に、今まさに世界の緊張状態の中で、先日発生したミサイル発射事案に際して、市の危機管理体制や市民へ周知するための警報システム、そういったものはどのように構築され、また、市民へはどのように周知されていくのか教えていただきたいのですが、これは地震、津波、台風なども警報システムがあるかと思います。あわせてお答えいただけますでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  まず、市全般の危機管理体制といたしまして、地震、津波、台風等自然災害は地域防災計画というものを準拠に行っております。また、ミサイル攻撃等国民保護事案は国民保護計画を準拠に対応する体制をとっておるところでございます。
 災害発生時の市民の皆様への周知につきましては、緊急に避難を要する地震、それから津波、ミサイル情報につきましては、国から全国瞬時警報システム、いわゆるJアラート、これを通じまして、市が管理いたします防災行政無線によりまして該当する地域へ即座に警報が発せられ、市民の皆様へ伝達される仕組みとなっております。
 なお、防災安全部では、夜間・休日を問わず緊急時の即応体制を維持するため、1個班5名ずつの3個班体制で初動体制を行うこととしておるところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  ありがとうございます。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、地震発生時には市立小学校が避難所となります。初動対応に従事する職員や自主防災組織など地域の皆さんで避難所の開設、運営を行うことになりますけれども、地震の影響による安全性の確認が重要になると思います。現状の市のマニュアルでは、施設の安全点検、こういったものはどのように行うこととしているのか、お答えいただけますでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  現在市で作成をしております避難所開設・運営マニュアルにおきましては、開設手順の中で、施設の被害状況の確認、避難所として使用可能かどうかの確認を行うこととしております。具体的な確認手順は、避難所開設時チェックリストに従いまして、体育館を初めとする各施設におきまして、亀裂や壁の崩落の有無などの項目につきまして目視で点検をし、主要構造部の安全が確認された場合には避難所として開設することとしております。危険と判断した場合は即座に立入禁止等の措置を講じまして、本部の指示により他の避難所への誘導等を行うこととしているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  地震発生の初動時、初期段階においては、応急危険度判定の資格を持った職員や専門家の派遣は難しいと思われます。我が市にも目視による安全点検のマニュアルがあることは確認できましたけれども、少しでも安全点検の精度を向上させるためにさらに工夫が必要だと感じますが、いかがでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  避難所となります市立の小・中学校の体育館につきましては、既に耐震化が完了しているところではございますが、熊本地震では震度7の揺れが二度にわたって発生をいたしまして、二度目で建物が倒壊した例もございますことから、安全点検のマニュアルは訓練等を通じた検証を踏まえまして常に見直す必要があると感じているところでございます。
 なお、現在、神奈川県におきまして、国の指針やガイドラインの内容を反映させる避難所マニュアル策定指針の改定が進められておりまして、平成29年度中に公表されると聞き及んでおります。これらの動きも注視いたしまして、訓練などの機会を捉まえ、地域の皆さんと情報を共有いたしまして、体制の充実を目指していきたいと、このように考えてございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  市民がパニックに陥って二次災害を起こしたりなんていうこともないように、早く安心できる避難所をつくるためにも、初動のスピードアップというものを図っていくことも大事だと考えておりますので、ぜひともそのあたりのところ、スピードアップの部分もお考えいただければと思います。
 それでは、初動体制の一部について質問をさせていただきます。私も一級建築士であり、応急危険度判定士ですので、地震の際には最寄りの防災拠点、ミニ防災拠点に行こうと私自身思っておりますけれども、そもそも建物、建築物の応急危険度判定の初動体制というのはいかがお考えになっているか、お知らせいただけますでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  建築物応急危険度判定の初動体制でございますが、震度5強以上の地震が発生した場合には、鎌倉市被災建築物応急危険度判定等実施要領に基づきまして、都市調整部内に応急危険度判定委員会を設置いたします。応急危険度判定士の資格を持つ職員が、まず、災害対応全般の本部となる市役所本庁舎、次に、帰宅困難者一時滞在施設になっていますが、耐震安全性の基準を下回っております鎌倉生涯学習センターを判定しまして、その次に、避難所、補助避難所の順に応急危険度判定を行ってまいります。その他の公共施設等につきましては、災害対策本部からの要請により、順次応急危険度判定を行ってまいります。一般住宅等の応急危険度判定につきましては、応急危険度判定士の資格を持つ職員と地元の民間判定士に協力を要請しまして判定を行いますが、それでも判定士が不足する場合には、県に支援要請を行ってまいります。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  対策も考えてくださっているようで、やはり市民の中から、例えば応急危険度判定士の有志をさらに募っておくというようなことも必要かと思います。地域住民でも簡易な応急危険度判定の知識を持っておくなどのことも、実際本当に地震があったときには役に立つのかななんていうことも視野に入れておくとよいのではと思います。
 それでは、ミニ防災拠点など避難所の耐震化率に関しては、今どの程度となっているのか、教えていただけますでしょうか。
 
○樋田浩一 都市整備部長  平成27年9月に改定いたしました鎌倉市耐震改修促進計画におきまして、災害時の拠点として市庁舎、消防署、小・中学校などの建物を位置づけておりまして、それらの建物の耐震化率は平成28年度末で95.1%となっております。
 なお、耐震化未実施の施設につきましては、この耐震改修促進計画に基づきまして耐震化を進めてまいります。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  それでは、今伺った数値からしますと、あと4.9%、それこそスピードアップしていただきながら、耐震化をしっかり100%に持っていっていただければと思います。
 基本的に公共施設は耐震に関して安全率も見込んだ設計がされているはずです。補強がされていたりということで、簡単に崩壊するようなことはないと思いたいんですけれども、震度7が来たらというのは、2000年を基準にすると、なかなか耐震化してないと厳しい数値も出てくるかと思います。市民の皆様の個人個人のおうちに関しては、個人個人で耐震化ということもぜひこれから御検討いただいて、市の施設、公共施設に関しては、市で100%に向けて頑張るということを今伺いましたので、そこを期待するところでございます。
 建物には採光をとるためにどの建物にもガラスが多用されております。強化ガラスの場合は破片がとがりませんので、公共施設は強化ガラスを使っていることがほとんどだと思います。もし普通ガラスを使っている場合は、それは破片がとがります。刺さります。そういったことで大けがの原因となりますので、ぜひとも飛散防止フィルムを張るなどの対応、これは安価にできます。お車使われる方、御自分でフィルム張る方もあるぐらいですけれども、やり方、コツを覚えれば個人でもできるようなことでございます。そういった簡易なけが防止のフィルム、飛散防止フィルムを使っていくようなことも御検討いただければと思います。
 私ごとですけど、私が自分の家を設計するときには、天井を張りませんでした。これは何でといいますと、天井、構造上構造体ではないので、大きな揺れが二度、三度起こってきますと、外れて落ちるなんていうこともございます。公共施設再編の計画の中でも、私考えたところですけれども、これから市が公共施設として建物を建てる際には、ぜひとも天井落下とか、もちろん構造体をしっかりというのはあるんですけれども、ぜひともそういったことも頭に入れながら、新しく設計する公共建築物、その辺をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、避難所の運営に関しまして、地域の実情に合わせたマニュアルの整備が必要であると感じておりますが、現状と今後の方向性をお伺いさせてください。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  地域の実情に合わせました避難所運営マニュアルにつきましては、現在、大船地域づくり会議の活動の中で地域内の避難所運営マニュアルが順次整備されているところであります。今後は、小坂小学校で実施されました地域の皆さんによる自主的な訓練を他の避難所にも拡大していくことによりまして、マニュアルの検証と実効性の向上を図っていく必要があると考えております。さらに、こうした地域の実情に即した事例を他の地域の自主防災組織の皆様にも御紹介をいたしますことで、自主的な避難所運営の取り組みの拡大、充実に努めてまいりたいと思っております。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  ぜひともお願い申し上げます。
 続きまして、津波避難対策について、地域の皆さんと連携した避難路整備、そして避難タワーなどの施設整備が必要であると考えますけれども、市のお考えはいかがでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  東日本大震災で発生いたしました大津波による被害を教訓にいたしまして、本市といたしましても、東西7キロの海岸線を抱えておりますので、津波対策は喫緊の課題として取り組みを進めてきたところでございます。
 本市の地域防災計画の改定における検討などを踏まえまして、津波対策は徒歩による高台への避難を原則とする避難対策を中心とすることとして各種施策を進めてきております。そのため、避難路整備には優先的に取り組んでいるところでございまして、材木座地区におきましては、地域の皆様が自主的に整備した避難路に市が手すりや照明を設置するといった取り組みを、また、七里ガ浜地区では、七里ガ浜小学校の校庭へのショートカットをする避難階段を整備するなど、地域の皆さんと連携した事業を進めてきたところでございます。
 また、こうした高台への避難を補完するための避難施設として、いわゆる津波避難ビル、これを指定しておりまして、最近では平成28年、昨年12月に由比ガ浜のNTT鎌倉ビルを新規指定いたしまして、現在30施設を指定しているところでございます。今後とも地域の方々と意見交換をしつつ、地域の実情に応じた取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  ぜひともよろしくお願いします。高台への避難をするにしても、高さが低いところを遠くに逃げても全く意味がないわけで、まずは高さをぐんと稼いでから、そこから遠くへ逃げるとかいうような、そういった取り組みをやっぱりやっていかないといけないのではないかなと。とにかく命にかかわることです。市民一人一人の命にかかわることです。ですので、ぜひとも地域を知る皆様と一緒に、その地域地域の特性をしっかり、住んでいる人が一番わかりますからね。一緒にそれこそ早く進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 先日の総合防災訓練で、鎌倉市建設業協会による道路警戒訓練が行われました。私も見学させていただきまして、そのときに、今現在、建設業協会140人の会員がいるというような御紹介がありました。実際の災害時にどのぐらいのチーム編成が必要なのか、可能なのか。その140人だけでやろうとすると、この間の訓練では20人1組で動いていらっしゃいました。そうすると7チームしかないのかなとか、いや、違うんですよと、2人1組でいくんですよとか、あるかもしれませんが、どのぐらいのチーム編成が可能なのか、また、被害が広域に及んでしまった場合、どういった形で対応することになるのかを確認させてください。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  議員御案内のとおり、鎌倉市建設業協会は鎌倉市内の建設業者で組織されまして、ふだんは市内の土木工事や建築工事を行っている民間の方々でございます。市内に本拠地を置く地元の建設会社24社で、災害体制としまして、140名以上の人員を確保していると聞き及んでおります。現在、鎌倉市といたしましては、災害時における応急復旧等の協力に関する協定、これを当協会と締結いたしまして、災害時の協力体制を確立しているところでございます。
 なお、本市の地域防災計画におきまして、緊急道路の警戒は、神奈川県あるいは警察及び自衛隊等防災関係機関が相互に協力し合いまして、有機的に作業を実施すると定められているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  ぜひともいろんな関係機関と協力をさらに強めていただきまして、本当に何かあったときには、自分で自分のことは何とかするというのは基本にあるんですけれども、市でしかできないこともあります。そこに期待しているところでありますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、もう一つ、防災安全部におきまして、今どのような交通安全対策を行っているか、市民の交通安全対策を行っているかをお答えいただけますでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  防災安全部の主な交通安全対策につきましては、まず、交通安全教育といたしまして、園児・児童を対象にいたしました交通安全講話や安全な歩き方教室、自転車講習会を実施しております。この自転車講習会では、参加した児童の保護者の方々に対しましても自転車事故の責任の重さを伝えるなど、自分自身が被害者、加害者双方にならないよう、交通事故防止の意識啓発を図るとともに、自転車保険加入の促進も行っているところでございます。
 また、小・中学校の通学路の交通安全対策といたしまして、市及び県の道路管理者、交通管理者、教育関係者、保護者の皆様等が協議・調整を行う組織といたしまして、鎌倉市スクールゾーン等交通安全対策協議会を設置いたしまして、各小・中学校からの通学路の危険箇所の要望を改善するため、各担当機関と協議を行い、対応を図っているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  お子様に対する自転車講習をやっていただいているということで、本当に小さいうちからそういう知識を得ていくということが非常に大事かと思います。
 参加した児童の保護者には、お子様を通じて安全の講習会受けていただけるかと思いますけれども、私の経験上なんですけれども、車の免許を取るときに、もしくは更新時に、ルール変更があったことに関しての確認をしていただけることは経験しているんですが、車の免許を持たない方とか、また自転車講習会を受けたことのない方とか、大人が多いかと思いますけれども、そういう大人で自転車に乗られる方もあるかと思います。いろんな、個々に対応するのは難しいにしても、大人に対する自転車講習会というのもぜひ御検討いただけたらと思います。お子さんのついででもいいかと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 あと、鎌倉市内の道路、非常に狭いです。観光地であるがゆえに、観光客の車、人、本当に通ったり、住民だけじゃなく鎌倉の道路を使われるわけですけれども、歩道や自転車道の設置、これが非常に困難だということは理解するんですけれども、そのような状況の中で、市民の安全を確保するためにこれまでどのような取り組みをされてきたか、それをちょっと教えていただけますでしょうか。
 
○樋田浩一 都市整備部長  議員御指摘のとおり、本市は幅員の狭い道路が多くございまして、歩道や自転車道の設置は困難な状況となっております。そういう中、路側のカラー舗装ですとか、車どめポールの設置によります歩車分離、歩行者空間の確保、また、上空を利用できる河川におきましては張り出し歩道の整備をするなど、安全対策を講じてきております。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  そうですね。鎌倉のまちづくりから考えないといけないのかなと道路事情に関しては思うところです。もっと抜本的に変えられないかなと。太い道路を地下に通したらいいんじゃないのかな、通過動線だけでもなんていうのは、前もお話ししたかとは思いますが、とにかく住民の事故、これを防ぐ方法を、地道なことだと思いますが、やっていっていただきたいと思います。
 また、道路に関してちょっともう一つ御質問したいのが、東日本大震災のような災害時に逃げ道にばたんばたんと電柱が倒れていると。そういった電柱がある、電柱は電気を引くのに必要だという考えもあるんですが、電柱をなくしたほうがいいのではないかなと思ったりもしますが、いかがでしょうか。
 
○樋田浩一 都市整備部長  無電柱化につきましては、災害時におけます安全な通行の確保の観点に加え、都市景観の向上、安全・快適な歩行空間の確保、バリアフリー化、歴史的町並みの保全、良好な住環境の形成などの効果があると認識しております。その一方で、無電柱化には相当の期間を要すること、また、多額の費用を要する等の課題があると認識しております。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  そうですね。いろいろ問題はあるかと思うんですが、今現在、鎌倉市が無電柱化に取り組んでいるか、取り組みについて伺いたいと思います。
 
○樋田浩一 都市整備部長  本市におきましては、無電柱化推進計画を平成17年度に策定しまして、大船駅周辺地区で5路線、鎌倉駅周辺地区で2路線の計7路線を掲げております。そのうち小町通りの無電柱化につきましては、平成25年度に完了したところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  現在、鎌倉の道路事情が悪くて、観光客と住民が混在している上に、メーンとなる道路の数や幅員も本当になくて、一本の道が通行不可になったときに逃げ道がなくなってしまう地域、孤立してしまう地域というのが鎌倉にあるということを私は認識しております。無電柱化の推進は災害時における避難経路の確保にとって有効な手段だと私は考えております。国庫補助金等を活用して積極的に取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。
 
○樋田浩一 都市整備部長  無電柱化に当たりましては、隣接します住民の方々の御理解はもとより、地下埋設物の状況などの事前調査、各占用事業者との調整に期間を要しますこと、また、無電柱化には多額の費用を要するなどの課題がございます。こうしたことから、地域のまちづくりなどとの連携や、御指摘ありました補助金等の活用を行いまして、実施可能な路線から無電柱化に取り組んでまいります。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  ぜひとも、お答えをいただきました部長の皆様を中心として、市民の安全確保、これをさらにさらに強めていただきたくお願い申し上げます。
 次に、大項目の2番目の市民相談窓口について質問を続けさせていただきます。
 市民が困ったときに、相談窓口としてまずどこへ行けばいいのかを教えてください。
 
○比留間彰 経営企画部長  困り事があるが相談したい、またどこに相談したらよいかわからないなどの場合は、市民相談課の窓口でまずは対応するようにしております。その上で、内容に応じまして担当部署に案内するほか、専門家による相談につなげるなどの対応をしているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  市民の皆様、ぜひ市民相談課にお困り事を御相談されてください。
 今、各行政区に支所がございますけれども、そういった支所でも相談に乗っていただけることはあるでしょうか。
 
○奈須菊夫 市民活動部長  各支所におきましても、地域住民の方が日常生活等での困り事などで相談に来庁されることもございます。その場合におきましては内容に応じた対応をしております。その上で、担当部署に案内するほか、専門家の助言が必要な場合には弁護士などによる相談等につなげているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  実は将来的に支所が廃止になると、私聞いております。こういった市民の相談窓口、それぞれ行政区に細やかに対応するような形でやっていただいていたのではないかと思うんですけれども、そういった市民の相談窓口もなくなってしまうんでしょうか。教えてください。
 
○奈須菊夫 市民活動部長  現在、平成31年度に向けまして、支所窓口機能を一元化することを検討しております。また、支所窓口機能が廃止された場合でございますが、各行政センターには、地域住民の方々を支援するために、地域に寄り添った対応ができる機能は残すことを今、検討しているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  私自身は、市民相談窓口というのは鎌倉市行政の顔の部分であり、市民と行政を結ぶ大事な大事な部署だと実は思っているんです。相談窓口が明るい笑顔と真摯な態度と寄り添う心で臨まれるということ、これがこの鎌倉市に住んでよかったということにもつながると思いますし、安心して住んでいただけるということになるかと私は思っております。
 ぜひとも、さらなる充実を目指す中で、むしろ住民の困り事を相談する場所が充実していくこと、これを私は望んでおります。むしろ地域ごとに市民相談窓口、相談員、コンシェルジュみたいな人がいたらいいななんて思っておりますので、サービスの後退があってはならない部分、さらに強めていただきたい部分でありますので、そこのところもぜひとも御検討いただきたいと思います。
 それでは、市民相談課には専門家による相談があると思いますけれども、どのようなものがあるか、市民の皆様にわかりやすくお答えいただければと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  弁護士によります法律相談、税理士によります税務相談、司法書士によります登記の相談、行政書士による遺言書、契約書類などの作成についての相談、宅地建物取引士による不動産相談、マンション管理士によるマンション管理相談、こういったような御相談がございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  いろいろ困り事が住民から上がってくるかと思いますけれども、仕事がふえるかもしれませんが、ぜひとも相談に乗ってください。せっかくの専門家たちですから、市民の皆様のお困り事が解決に向かうように活用していただけるように、私望んでおります。
 また、昨今の観光インバウンド、民泊ブームなど、そして、そういったことにあわせて住宅街での騒音などについての観光客と住民とのトラブルとか、そういう民民トラブル、それから近隣同士のトラブル、こういったものがふえてきているかと思いますけれども、その民民の問題に関して行政でできることをお答えいただければと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  ただいま御質問にございました民泊の問題に関しましては、法律に違反してないかどうかというところについては建築指導課で窓口をつくりまして対応しているところでございますが、二つ目の御質問にありました民民間のトラブル、問題に対してということでございますと、基本的には市役所として対応することはできかねております。このため、内容に応じました専門家による法律相談、こういったものを御案内しております。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  まあそうですね。市役所何でもやります、民民も解決しますとはなかなか言いづらいのはわかりますが、本当に市民として鎌倉市にいらっしゃる方が困っているんだよというようなことは、ぜひ一旦耳に入れていただいて、そこから先につないでいただけるということですから、ぜひ、本当に民民同士がもめないようにというのは、私本当に思うんです。自分が住んでいる場所ですから、みんなもめたくないんですよね。そういう皆さんのお悩みが新人議員である私の耳にばんばん入ってきているんです。市役所を何とかしてくれないかと。ぜひとも、しゃくし定規に言えば、市役所では対応できないと。だけれども、もうちょっと心を持って、いや、心がないと言っているんじゃないんです。もうちょっと聞いていただきたい、そういうふうに思います。よろしくお願いしますということです。
 職員のスキルアップとして、相談業務を行う上で必要な研修としてどのようなものがあるか、教えてください。
 
○比留間彰 経営企画部長  神奈川県が実施します相談担当者研修ですとか、市町村研修センターなどの研修機関で実施しております住民対応研修、こういったものに職員を派遣しております。また、このほかさまざまな相談に対応していくためには広範な知識が必要となるため、日々の業務の中で学ぶとともに、課内で相談事例を共有するなどの課内研修等を行っているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  他市では市民のためにコンシェルジュを設置していこうという動きがあります。これについてはどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  来庁者の方々の利便性の向上を図る上で、ただいま御指摘ございましたコンシェルジュ、この配置は非常に有効であると考えております。このため、平成28年4月には保育コンシェルジュを設置いたしまして、子育てや保育サービスの利用に関する相談等に応じているところです。また、本年9月1日からは、本庁舎1階におきまして受付とは別にフロア相談員1名を新たに配置いたしまして、来庁者の方々が多くなる時間帯に案内等を行いますコンシェルジュ的な取り組みをスタートさせたところです。今後もこれらの成果を見ながら市民の方々へのサービス向上に努めていきたいと考えております。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  ちょうど私がこの質問をしたいということを御相談したときに、ちょうど9月1日からフロア相談員ができるんだと伺って、うれしく思ったところです。私が議員になって、受付の前を通っていつも庁舎へ来るわけですけれども、必ずにっこり笑って御挨拶くださるんですね。これ本当に大事なことだと思ってまして、くりはらさん、にこにこ党みたいなものだなっていつも笑われますけれどもね、同僚議員に。笑っていれば、それを見て嫌な気分をする人というのはいないと思うので、私としては、本当に市民の窓口、受け皿、そういった部分、ぜひともこのとおり笑顔で、今までどおりですね。フロア相談員の方も、今、一生懸命やっていらっしゃるのも拝見してますから、さらにそれを全庁的にやっていただけたらと思います。
 それでは、第3項目め、公共施設の新規事業等についてお伺いしたいと思います。
 公共施設の新規事業等については、公共施設再編計画ロードマップに沿って計画されているかと思いますけれども、進行管理、この年までにここまでやっているなというような評価、こういったものはどのように行っておられますでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設再編計画では、その進行管理はPDCAサイクルに沿って進捗状況や再編効果の検証、改善策の検討などを行いながら、総合計画、基本計画や実施計画のタイミングに合わせて計画の必要な見直しを行いながら進めていくこととしております。このため、後期実施計画策定に合わせましては、これまでの進捗状況や効果などの確認を行ったところです。
 今後も再編の進捗状況や効果の検証とともに、人口動向や社会状況の変化なども踏まえまして、必要があれば次期基本計画策定時に見直しを行うなど、計画の硬直化を招かないよう進行管理に取り組んでまいります。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  プラン、ドゥー、チェック、アクション、本当に大事にしていただきたいと思います。どこまでできているか、それを確認しながらやっていかないと、ついついだらだらと、何か先の見えない道を歩いているみたいなことになってしまいますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、それに関してもう一つ申し上げておこうかなと思うのは、他市におきましては、公会計システムでちょっと新公会計システムを入れたところは、その部署部署でちゃんと、今どこまで目標達成しているかというような項目をつくって、書き込んでというようなことでチェックをしているというお話も伺いました。国から新公会計システムを入れてくださいというお話が市にも来ているかと思います。そういったシートを利用してうまくチェック機能を強化していくということもぜひ、御提案ですが、よろしくお願いします。
 それから、公的不動産の利活用の際、または公共施設改修計画、そういったものの際に、景観についての基準があるか、お伺いしたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共建築物、この建てかえ等の際につきましては、良好な都市景観の創造を目指し、魅力的な建物づくりの観点から、意匠、形態などの景観形成の先導的な役割が果たせるよう、全庁的に取り組んでいるところでございます。
 鎌倉市公共施設再編計画におきましても、公共施設マネジメントの観点から公共施設整備内容の最適化を図るため、公共施設再編に係る事前協議制度の運用を行っておりまして、あわせて景観計画等を初め各行政計画との整合を図っているところでございます。
 また、公的不動産の売却や賃貸借などの利活用に当たりましては、適正な競争により処分価格の最大化を目指すなど、財政健全化への貢献といった視点だけではなく、地域の貴重な財産として良好な町並み形成に資する土地利用の誘導が重要となってまいります。このため、全庁的な協議・検討を行う体制を整えるとともに、現在配慮すべき事項等を示すガイドラインの策定に向けた検討を行っているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  市役所として、私はやっぱり先導的という部分に期待したいんですね。一個人一個人が景観について考えるというのは、非常に、それは自分の家を建てるときにはそういうことをするわけですけれども、公の鎌倉市の持っているビジョンによって本当に先導していくというようなことをぜひお願いしたいんです。
 景観をなじませるというようなことで、今、鎌倉市の景観に関しては御指導いただいているかと思うんですけれども、景観をほかとなじませるというその発想、悪くないとは思うんですけれども、鎌倉に足りない部分と私が思ってますのは、目指すべきビジョンが見えない。いろんな意味でです、景観を含め。もともと鎌倉らしい哲学があるはずなのに、鎌倉らしいデザインコードとか、鎌倉らしいコンセプトとか、そういったものがなかなか表現されてこない。これ、ある種行政からは示していないんだと思うんですね。厳しいことを申し上げますと、鎌倉には寺社仏閣はあっても、武家屋敷が残ってません。これから新たにつくるものに対しての目指すべき姿というのがちょっと見えてこないというのが、鎌倉自身が鎌倉を捨てたと言われてもしようがないんじゃないかと、そのように私は感じるわけです。
 大枠でもいいんです。目指すべき目標、目的、何かなじませるというのは本当に悪くはないんですけれども、私自身が設計する上で、やっぱりコンセプトというのが大事だなといつも思うんです。あと地域性ですね。これは、市でちゃんと景観に関しての本もつくってくださってますから、見れば大体地域性というのは出てくるかと思いますけれども、そこへ先導していく、鎌倉市が。もしくは鎌倉市の行政と住民が先導していくというような視点を、私はこれから先の10年、鎌倉がどうなっているかな、それから100年後、今建てているものが100年後何かすごい価値を持っているというようなことやら、また1000年後残っているかしらと。鎌倉は今800年の歴史がありますけれども、その先の先の先を意識して、鎌倉市と鎌倉市民が本当に、世界に誇る鎌倉、それを目指していきませんかというところをちょっと申し上げたいというのがありました。
 それで、これから建てるであろう公共建築物、こういったものは、地域の特性も鑑みて、地域の先駆的、先導的役割を意識しつつ、住民と一緒にコンセプトを練って設計されてほしいなと思います。私も設計するときに景観の件で住民説明してくださいねと御指導いただいていることは知っています。でも、住民説明をすればいいということでもないと、そのように感じておりまして、どのように何を説明していくのか、また、民間の開発に関してとか、また、民間の建てる建物に関しても、私としては、ビジョンさえはっきりしていれば、例えば鎌倉らしいデザインコード、鎌倉らしいコンセプト、哲学、これが鎌倉の哲学なんだというようなものを民間にもお願いしていく形でいいんだと思うんですね。じゃあ何がデザインコードなの、何がコンセプトなの、何が哲学なのと、それをそれぞれの皆さん多分お持ちだと思いますが、私、デザインは無限だと思っているんですね。ただでできるすばらしいものだと思っているので、そこを私は期待したいところでございます。
 あとは、私としては、議員としてできることは、何かうまく条例化できるかなとか、そういったことは行政の皆様、職員の皆様の御協力を仰ぎながらやっていけたらなと。世界の鎌倉ですから、本当に私はそう思います。
 では、昨今、日本全体でインフラの老朽化が言われておりますけれども、鎌倉市においてもインフラの老朽化は深刻であると考えております。インフラというのもいろいろあります。今、鎌倉市におけるインフラの老朽化に関して、御認識がどうなっているか、お聞かせください。
 
○樋田浩一 都市整備部長  御指摘のインフラの老朽化でございますが、本市におきましても深刻な課題であると認識しております。そういう中で、安全で安心なインフラを持続的に維持管理していくために、平成28年3月に鎌倉市社会基盤施設マネジメント計画を策定してきたところでございます。このマネジメント計画では、市が管理するインフラを、施設の特性を踏まえ、予防保全型管理と事後保全型管理を効果的に組み合わせ、計画的かつ効率的な維持、管理、補修、更新、運営を行うことで財政負担の抑制と平準化を図り、将来にわたりインフラに求められる機能や役割をしっかりと果たすことで、市民の安全・安心を守り、市民生活を支え続けることを目指すこととしております。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  例えば、特に道路に関しての補修状態、舗装状態が非常に悪いなと感じております。住宅街の、例えば一気に開発されたような地域が一気に悪くなっていくというようなことも起こっておりますし、穴ぼこがあいたと、そこに補修して、仮に復旧していただいてはいますけれども、それもちょっと追いついていないというような状況も見えております。今後の大まかな道路の修繕に関する計画がどのようになっているかをちょっと教えてください。
 
○樋田浩一 都市整備部長  道路の舗装に関しましては、平成24年度に道路補修修繕計画を策定しまして、緊急輸送路やバス路線の有無、道路の劣化状況などの調査結果を踏まえまして補修の優先度を設定して、順次修繕工事を実施しているところでございます。なお、この道路補修修繕計画につきましては、策定後5年程度で見直しを行うこととしておりまして、来年度、平成30年度に見直しを行う予定としております。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  今も言っていただきましたが、ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、道路補修修繕計画とはどのような計画なのか、市民にわかるようにちょっと教えていただきたいということ、それから、また、観光地周辺の道路に関して、こういったことはどのように考えているか、教えてください。
 
○樋田浩一 都市整備部長  道路補修修繕計画は、平成23年度に幅員3.5メートル以上の舗装されている全ての鎌倉市道におきまして舗装の劣化状況を調査し、翌年の平成24年度に補修修繕の優先順位をつけ、策定した計画となっております。この道路補修修繕計画に基づき、舗装の修繕工事を計画的に行っているところでございます。
 また、今、御案内の観光地周辺の道路ということでございますけれども、観光地周辺の道路ということに特化して現在の計画に位置づけておりませんけれども、平成30年度、来年度に予定しております計画の見直しの際には、観光地周辺等の視点を加え、検討していきたいと考えております。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  職員とのお話の中で、ちょっとこれほどまでに道路の修繕が目に見えて悪い感じとか、原因追究しているんですかなんていうお話もしたことがあります。そうしましたら、これ全国的に今、建設土木部門の技術者の不足というのが言われております。オリンピックも近いということもありまして、多分価格、人件費、こういったものも業者のほうでがんがんと上がっていってしまっているんじゃないかと、そのように私は思います。
 ですので、だんだん物価高、価格が上がっていってしまうということでまた発注しづらくなってきたり、建設土木部門の技術者不足、こういったことが言われておりますので、今後鎌倉市のインフラ管理はどのように進めていくのか、お考えがあるか、教えてください。
 
○樋田浩一 都市整備部長  先ほど御質問の中で、道路舗装修繕計画のところを道路補修と言ってしまいました。大変失礼いたしました。
 今の御質問でございますが、社会基盤施設マネジメント計画におきましては、インフラの適切なマネジメントには、行政だけではなく、技術力や経営ノウハウを保有します民間事業者、NPO法人などの非営利団体、そして一人一人の市民それぞれができる範囲で役割を分担し、ともに考えながら取り組みを進めていくことが重要であるとしております。
 現在、公益的な組織であります公益財団法人神奈川県都市整備技術センターなどの技術協力を得ましてインフラ管理を進めており、今後は行政だけではなく多様な担い手によるインフラ管理を目指し、指定管理者制度や包括的民間委託などの取り組みを進めていく考えでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  それぞれの分野分野で、インフラ管理といってもいろんな管理担当部署があることも私、議員になって初めて知ったところですけれども、細やかに、鎌倉市民がやっぱりぱっと見てわかる、道路何なの、がたがたねとか、下手するとそこで転んでしまってけがをする、自転車で通っているときに穴にはまってひっくり返ってしまうとかいうようなことがあってもいけません。今は道路を一例に申し上げましたけれども、ぜひともインフラ管理、厳しい部分をやはり原因究明して、原因わかっているのであれば、そこのところの手だてを早急に考えていただいて、市民の安心・安全も含め、皆様にかかってますから、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、大項目の4番目、歴史的資産についてお伺いしたいと思います。
 私、質問者の発言の要旨の、傍聴の方のお持ちの手元の資料にもあるかと思いますが、歴史的建造物の保存についてと書いてありますが、これ私、一般的に世の中的に通じる言葉かと思っておりましたけれども、実は歴史的資産というほうが正しいようですので、訂正させていただきます。
 まず、お伺いしたいのは、鎌倉市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例というのがございますけれども、これはどのような制度か、教えていただけますでしょうか。また、その条例が適用された事例が鎌倉市にあるかをお知らせください。
 
○服部計利 都市調整部長  鎌倉市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例についての御質問でございます。歴史的建築物のうち国宝や重要文化財などに指定されている建築物は、建築基準法第3条第1項第1号により建築基準法の適用が除外されているところでございます。しかしながら、一方で、重要文化財に至らない有形文化財などは、建築物の保存を目的として増築や用途変更を行い活用しようとすると、建築基準法に適合させなければならず、活用を断念せざるを得ない原因にもなっております。
 本条例は、こうした歴史的建築物について保存活用計画を策定し、構造、防火、避難等の安全性を個別に検証することによって、建築基準法第3条第1項第3号の規定に基づき、重要文化財等と同様に建築基準法の適用を除外し、保存活用が図れるようにする制度でございます。
 本条例は平成28年10月24日から施行してございますが、現在まで当該条例の適用事例はないという状況でございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  多分これから先こういった条例が必要だと思われるからこそ、想像力を働かせて条例ができたんだと私は思っております。この条例があるということを建築士の皆様方が把握されているかとは思いますけれども、住民の建物を建てるときのどうしようかななんていうのに、こういう条例があるということ、ぜひとも御活用いただいて、保存できるものはしていきたいというところかと思います。
 続きまして、文化財部で所管する文化財についての、法令に基づいて指定などを行っている歴史的建造物というものがあるかと思いますが、どのようなものがあり、その件数はどのくらいあるのか、教えていただけますでしょうか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  文化財として扱われる建造物は、建造後おおむね50年を経過した建築や土木的建造物などでございまして、具体的には、寺院、神社ほかの古い建築、あるいは砂防ダムなどの構造物、さらには石塔類などがございます。
 本市で指定等を行っている建造物につきましては、文化財保護法に基づく国宝、国指定重要文化財、登録有形文化財、神奈川県文化財保護条例に基づく神奈川県指定重要文化財、さらには鎌倉市文化財保護条例に基づきます鎌倉市指定有形文化財がございます。
 これらの件数といたしましては、国宝といたしまして円覚寺舎利殿1件、国指定重要文化財につきましては、鶴岡八幡宮大鳥居あるいは建長寺仏殿など21件、登録有形文化財につきましては、鎌倉国宝館本館、鎌倉文学館本館など26件。次に、県指定重要文化財につきましては、杉本寺観音堂や円覚寺山門など9件、市指定有形文化財は、由比ガ浜二丁目の若宮大路沿いに所在します大型の宝篋印塔、あるいは極楽寺に所在します第3代住職の順忍の墓塔とされます五輪塔など合計で33件でございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  本当に世界に誇る鎌倉ということは、そういった一つ一つ見ていっても本当にわかるところだと思います。
 続きまして、まちづくり景観部にお伺いします。まちづくり景観部で所管する景観法及び景観条例に基づき指定している歴史的な建造物などはどのようなものがあり、その件数はどのくらいあるのかを教えていただけますでしょうか。
 
○齋藤和徳 まちづくり景観部長  景観法に基づきまして景観上重要な建築物を保全するために指定をしております景観重要建造物、これは1件ございまして、雪ノ下二丁目の川喜多記念館敷地内にございます旧和辻邸となっております。
 また、鎌倉市都市景観条例に基づき指定をしております鎌倉市景観重要建築物等につきましては31件ございまして、これは鎌倉文学館などの建築物のほか、東勝寺橋ですとか極楽洞といった土木構造物も含んでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  その指定基準、どのような指定の基準なのか、また、その保存方法などはどのように考えていらっしゃるのかも教えていただけますでしょうか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  それでは、まずは文化財からお答えをさせていただきます。文化財の指定等の基準につきましては、国指定文化財につきましては指定基準が定められておりまして、意匠、デザインですね、あるいは技術、それから歴史的な背景、あるいは学術的な価値、こういったものの観点で優秀なもの、あるいは価値が高いもので、それぞれの時代あるいはその建造物の形式の典型となるものとされておりまして、県及び市指定の文化財は国の基準を準用して指定を行っているところでございます。
 また、国指定重要文化財のうち、そのデザインであるとか技術、これが極めて優秀で、かつ文化史的な意義が特に高いというものにつきましては、国宝の指定を受けているところでございます。
 登録有形文化財につきましても、建築後50年を経過した建造物のうち、国土の歴史的景観に寄与しているもの、あるいは造形の規範となっているものなど、一定の評価を得たものとされておりまして、こういった基準が設けられているということでございます。
 次に、これらの保存についてでございますけれども、指定文化財及び登録有形文化財ともに現在の状態、すなわち現状を維持していくことを基本としておりまして、所有者の管理のもとに修理等を実施することを原則としてございます。なお、所有者が行う保存、修理等につきましては、法令の定めるところによりまして、国・県・市が補助金をそれぞれ交付することができることとされているところでございます。
 
○齋藤和徳 まちづくり景観部長  景観法による景観重要建造物の指定は、地域の良好な都市景観の形成に重要な役割を持ち、歴史や文化を感じさせ、地域のランドマークとなっていることなどを基準としております。指定された景観重要建造物の保存につきましては、外観の変更などの行為を市長による許可制度とすることで担保してございます。
 また、条例による景観重要建築物等の指定の基準は、今申し上げました景観重要建造物と同様でございます。保存につきましては、外観の変更などの行為を市長への届け出制とすることで、先ほどの許可制よりも緩やかな形で担保している状況でございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  きょうこの歴史的な資産についてお伺いした理由としまして、やっぱり今ちょっとキーワードの中に、私のキーワードになったところがあるんですが、50年たてば何か指定していただけるようなものがあったり、例えば一つの時代をつくったような建築物、そういったものを一くくりに、例えば洋館を、例えば和館をというような、何かキーワードでくくって指定されていく、今後に残っていくであろうもの、資産というもの、これが鎌倉にはかつてあったんだなと。そして、この先もあってほしいなと私自身思います。
 ですので、お願いしたいのは、やはり先ほどもちょっと触れましたけれども、まちづくりって私は地域性があっていいと思ってます。鎌倉は800年の歴史、これをやっぱりどこかで皆さん受け継いでいるはずなんです。それは共通ワードとしてできるはずだと思っておりますので、ここから先の50年とか、本当に100年とかを私は意識しながら、今、私たちがつくっているものは価値があるんだと、思い切りそう言いたいというものをつくっていきたいと思います。御協力いただければと思います。これは市民の力も試されております。
 それでは、質問の大項目5番目、私にとりましては人権についてということを取り上げさせていただきます。
 これは、私に御相談がありました。人権ということについて、重く受けとめる言葉であると同時に、余り重く受けとめ過ぎて、言わなくなったらおしまいと、私は思っております。要するに、いじめに遭ったお子さんとか、いじめられていると感じている大人とか、それからパワーハラスメントを受けたと思っていらっしゃる方とか、そしてセクハラを受けたと思っている方とか、残念ながら今の日本、今の鎌倉にそういう方が存在しているということは、私は御相談を受ける中で非常に悲しくもあり、でも、これは表に出していかないと、だめなことはだめと言っていかないと救われない人がいるということが非常によくわかりました。それで、人権という言葉について、ぜひとも深くお一人お一人が考えていただくチャンスをつくりたいと。
 ただ、私、新人議員で何も偉そうなことを言えるようなこともできないものですから、仕事何してんだと言われるかもしれませんけれども、ほったらかしは嫌なんですね、私自身。なので、そういう人権侵害を受けたんだ、いじめを受けたんだ、困っているんだという方々の声をやっぱり議会で取り上げることによって、ぜひとも市民の皆様お一人お一人に考えていただき、それから理事者の皆様、職員の皆様もいま一度考えていただきたいとお願いしたいところです。
 では、質問いたします。現在、人権に関する御相談というのがあるかと思うんですけれども、どのような体制で臨んでおられるのか、教えていただけますでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  人権相談につきましては、法務大臣が委嘱します鎌倉市人権擁護委員に相談員となっていただき、毎月2回、第1、第3火曜日の午前、午後に人権擁護委員2名の面談による相談を行っているところです。また、女性の人権相談に対しましては、文化人権推進課に4名の専門の女性相談員を配置しまして、月曜日から金曜日まで、電話や面談による女性相談を受け付けているところです。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  そうしましたら、人権相談の相談概要、なかなか言いづらい部分もあるかと思いますが、個人を特定できない範囲で結構です。相談概要と、1年当たりの相談件数、これを教えていただきたいのと、また、内訳なのか別枠なのかわかりませんが、女性相談の相談件数、そして相談概要なども教えていただけたらと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  平成28年度の人権相談は26回開催いたしまして、相談実績は9件で、その概要としましては、敷地境界などをめぐる近隣トラブルや親族間のトラブル、こういったものが多くございました。
 また、平成28年度の女性相談は、面接相談が122件、電話相談が473件の合計595件であり、年々件数は増加しております。その多くは配偶者等からの暴力や、離婚に関する相談、人間関係の悩みや相談者の精神的な問題などでございますが、近年は高齢者や男性からの相談なども寄せられているところでございます。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  実は私、男性の側もあるんじゃないかと思っておりました。この数値を聞いて、ああ595人とか、何かそんな感じでいてはいけないなと私は思います。なぜなら、私自身、お一人のお話を本当に最初から最後まで伺わせていただいて、お一人に対応するって本当に時間も要するんですけれどもね、でも、私、例えばそのお一人を救えなかったら、595人も救えないと実は思いました。
 人権の相談というのは本当にプライバシーのことを話していただくということにもつながりますから、気を使わなきゃいけないところも多々あるかと思うんですけれども、人権相談では相談者に対してどのように御対応されているか、お伺いさせてください。
 
○比留間彰 経営企画部長  人権相談におきましては、相談者の方一人一人に真摯に向き合いまして、相談者の方のお話を傾聴し、相談者の気持ちに寄り添うことを心がけて対応しているところでございます。また、1回で解決しない場合は、継続的な相談が可能であることをお伝えしているところです。また、相談内容によりましては、法律相談や就労相談などの他の相談や専門的な支援団体の相談窓口を案内しているところでございます。また、関係する他の機関との情報共有が望ましいと考えられる場合は、相談者の方本人の御了解をとった上で、連絡をとり、連携を図っているところです。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  人権関係の相談に関しての個人情報、これについてもっと、守秘義務とか多分あるんだと思いますが、人間関係の相談、個人情報、どのように扱っているか、いま再びちょっと教えていただけますか。
 
○比留間彰 経営企画部長  今、御質問にございましたように、人権関係の御相談の内容は個人情報であることから、相談記録等の情報が容易に部外者の目に触れることがないよう、報告や保管につきましては十分な注意を払っているところです。また、人権擁護委員の方々、この方々は国家公務員に位置づけられておりまして、法により守秘義務が担保されているところです。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  本当にナイーブな部分もありますから、なかなか難しい案件もあるかと思いますが、鎌倉市としてしっかり鎌倉市民の困り事を解決することに注力していただければと思います。
 また、人権関係の啓発についてはどのような取り組みをされてきたか、教えていただけますでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  人権関係の啓発事業といたしましては、これまで年4回程度の講演会の開催、人権擁護委員による保育園での人権紙芝居ですとか、鎌倉駅前での街頭啓発活動、人権メッセージや女性に対する暴力をなくす運動のパネル展示などを行ってまいりました。特に講演会の開催につきましては、LGBTへの理解や、SNSでのトラブル、障害者への理解、人種差別など、その時々に話題となっております問題をテーマとして取り上げるようにしておりまして、今後も継続的に実施していきたいと考えているところです。
 
○2番(くりはらえりこ議員)  いじめの問題とかパワハラ、セクハラの問題とか、あとは東北の震災後、お子様が東北から来たからといっていじめられるようなことがあったとか、こういうのは、人間ですから、お互いのコミュニケーションの中でうまくいかないということは多々あって、あることはあるんですけれども、そこで、これがいじめだとわかった時点で誰も声をかけないとか、見て見ぬふりをするとか、そういうことがあってはいけませんし、例えば、コミュニケーションがうまくいかない、それをうまくやっていくためにはどうしたらいいのかというのを一人一人がやっぱり常に考えながら、とにかく自分に優しくしてもらおうと思ったら、まず私、人に優しくすることだと思いますし、そこは学校の先生方にもお願いしたいんですね。
 9月1日になると死にたくなるお子さんがいると聞きました。それから、そういったことをとめようと、それぞれが考えて、鎌倉の図書館では図書館に逃げてきていいよと声をかけた。これも一つの方法ではありますが、私としては、逃げていいよという選択肢もあるけれども、逃げないでいいよ、守るよという選択肢も欲しいと。そこを強く思うわけです。
 人権について本当にぜひとも、人権というと大きな話と捉えがちかもしれませんが、鎌倉市民のお一人お一人の幸せを考えて、ぜひとも、私、相談窓口、その充実、それから、相談を受けたら別の部署につなぐ、県につなぐ、国につなぐ、弁護士につなぐ。でも、弁護士につなげばいいってものじゃないということ、そこも意識していただいて、ぜひとも鎌倉市行政の皆さんに期待するところでございます。一市民としてもお願い申し上げ、それから一議員としてもお願い申し上げます。
 本日、以上をもちまして私からの一般質問終えさせていただきます。ぜひとも今後とも皆さんよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
 
○議長(山田直人議員)  次に、森功一議員の発言を許可いたします。
 
○13番(森功一議員)  自由民主党鎌倉市議会議員団、森功一でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 今回は、住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法の対応について質問いたします。平成30年6月から新法が施行される見込みですが、鎌倉市の民泊についての取り組み状況と今後の対応について伺ってまいりたいと思います。
 まず、鎌倉市の民泊の現状について伺います。民泊施設とはどのような施設なのか、確認させてください。
 
○服部計利 都市調整部長  現時点では、住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法でございますけれども、この法律が施行前でございますので、民泊という言葉の法令上の定義はございません。しかしながら、一般的には、住宅の全部または一部を活用しまして宿泊サービスを提供する施設とされております。
 
○13番(森功一議員)  では、住宅宿泊事業法施行前の現行法で民泊サービスを提供するためには、事業者はどのような手続をしなければならないのでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  宿泊料を受けて継続的に人を宿泊させる営業を行うことにおいては、民泊は旅館業法における簡易宿所に該当するとされております。このことから、事前に旅館業法を所管する神奈川県鎌倉保健福祉事務所から営業許可を取得しなければならないことになっております。
 
○13番(森功一議員)  保健所から営業許可を取得すれば鎌倉市内どこでも民泊サービスを提供できるのでしょうか。現時点では住宅地内では営業できないと聞いておりますが、いかがでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  民泊サービスでございますけれども、先ほど申しましたように、旅館業法上で簡易宿所に該当するということになっております。そのため、建築基準法上、建築物の用途がホテルまたは旅館となります。したがいまして、住居専用地域系の用途地域や市街化調整区域に定められている住宅地では、建築基準法や都市計画法で認められていない建築物用途となるということでございます。したがいまして、現時点においては営業することはできないということになっております。
 
○13番(森功一議員)  それでは、鎌倉市内で旅館業法の許可を取得し、適法に営業している民泊施設は何件ほどございますでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  民泊といいますか、簡易宿所ということでは、神奈川県がホームページで旅館業法許可施設一覧を公開しているところでございます。平成29年7月31日現在、大町、小町、御成町、材木座、由比ガ浜、長谷、坂ノ下及び腰越を中心に、簡易宿所として43件が許可を取得し営業しているところでございます。なお、この1年間で10件ほど増加しているところでございます。
 
○13番(森功一議員)  適法に営業している施設は43件ということですけれども、ネット上の民泊予約サイトを閲覧いたしますと、鎌倉市内にも多数の民泊が見受けられます。どのような状況か、把握されていらっしゃいますでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  民泊仲介サイトには市内の物件が多数掲載されてございますが、地図表示が曖昧で、宿泊を申し込まなければ民泊を実施している場所が明らかになっていないという実態がございます。施設の写真などから場所を特定できるものもあり、そのほとんどが営業許可を取得できない地域で営業している違法民泊施設でございます。その数は増加の傾向にあるということでございます。
 
○13番(森功一議員)  適法、違法、どちらの民泊もふえている現状、民泊にかかわる市民からの苦情は市に寄せられているのでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  都市調整部の建築指導課には、平成27年度は2件、平成28年度は6件、平成29年度はこれまでに13件の通報が寄せられておりまして、件数は増加の傾向でございます。苦情の内容は、不特定多数の人の出入り、夜間の騒音及びごみの問題など、近隣にお住まいの方が不安を訴えるものが多くございます。
 
○石井康則 環境部長  それでは、環境部に寄せられている内容についてお答えさせていただきます。これまで民泊に係りますごみと騒音の相談につきましては5件ほど寄せられているところでございます。ごみにつきましては、クリーンステーションへの排出を指摘するものでございます。騒音につきましては、空調機の室外機、また屋外にあるジャグジーの音、またその利用者の話し声などによるものでございます。
 事業系ごみのステーション出しに対しましては、事業者が特定できれば適正に排出できるよう直接指導いたしまして、その後許可業者との契約により改善されたケースがございます。室外機ですとかジャグジーからの騒音につきましては、神奈川県生活環境の保全等に関する条例の規制対象となりますので、規制基準を遵守するよう事業者に指導して改善を図っているところでございます。また、利用者の話し声などの騒音についても、利用者に利用上の注意を周知徹底するように事業者に要請をいたしまして、対応しているところでございます。
 
○13番(森功一議員)  苦情がことしに入ってからふえてきているようですけれども、自治会や町内会など、地域では民泊をどのように受けとめていらっしゃるのでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  本年夏に開催されました地域の課題等について意見交換を行うふれあい地域懇談会におきまして、幾つかの自治会、町内会で民泊が新たなテーマとして上げられたところでございます。内容としましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控えまして、今後さらに施設が増加することで、ごみ出しのトラブルや騒音の発生について懸念されるというものでございました。
 
○13番(森功一議員)  地域ではごみや騒音に対して懸念があるようですけれども、現状市として市民のこのような苦情や不安に対してどのような体制で対応しているのでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  民泊新法施行前の現時点におきましては、建築基準法の違反が多いことから、苦情や問い合わせの窓口を建築指導課に一元化するとともに、ホームページを開設し、民泊サービスの提供前に必要な手続等を案内して注意を促しているところでございます。建築基準法や都市計画法で営業を認められていない地域の営業であれば、神奈川県保健福祉事務所と連携して、厳正に対応しているところでございます。また、民泊の営業が認められている地域での営業であれば、神奈川県鎌倉保健福祉事務所に情報を提供しているところでございます。
 なお、民泊の営業に起因するごみや騒音の問題などの対応につきましては、関連課と連携しまして、管理者や事務所に注意を促しているという状況でございます。
 
○13番(森功一議員)  現時点で市が民泊にかかわる苦情や問い合わせに対応している案件はどれくらいあって、どのように対応していらっしゃるのでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  現在、都市調整部で対応しております件数でございますけれども、21件ございまして、そのうち対応済みのものが11件ございます。また、対応中の案件は10件でございます。対応中の10件の内訳でございますけれども、営業をやめるように指導中のものが5件、旅館業法の営業許可が必要か否か神奈川県鎌倉保健福祉事務所の判断待ちのものが1件、利用実態を調査中のものが1件、事業者とまだ会えてないというものが3件ございます。
 なお、違法民泊につきましては、神奈川県鎌倉保健福祉事務所と連携し、厳正に対応しているというところでございます。
 
○13番(森功一議員)  違法民泊については保健所と連携して御対応いただいているということです。
 それでは、来年6月には施行される住宅宿泊事業法の概要をお聞かせください。
 
○服部計利 都市調整部長  住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法でございますけれども、本年6月16日に公布されたところでございまして、1年以内に施行される見込みでございます。住宅宿泊事業を行う場合の事業者、管理業者及び仲介業者の手続方法、規制内容、条例による事業実施の制限などがこの法律では規定されております。
 なお、住宅宿泊事業法では、現行法で営業許可を取得できない住居専用地域系の用途地域や市街化調整区域であっても、県知事に届け出をすれば、年間180日以内であれば住宅宿泊事業を営業することが可能となります。
 
○13番(森功一議員)  新法施行後は、年間180日以内の営業であれば市内どこの地域でも民泊事業ができるようになると理解いたしました。
 この住宅宿泊事業法で規定されている営業日数180日とは、部屋ごとにカウントするのか、それとも施設ごとにカウントするのか、どちらでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  まだ政令、省令、ガイドラインといったものが施行されていないため、断定することはできませんけれども、神奈川県からの情報では、営業日数は施設ごとにカウントするというような情報を得ているところでございます。
 
○13番(森功一議員)  施設ごとのカウントということですね。
 次に、本年6月16日に住宅宿泊事業法が公布されましたが、その後、県の対応はどのような状況なのか、教えてください。
 
○服部計利 都市調整部長  神奈川県の対応につきましては、神奈川県鎌倉保健福祉事務所と随時情報の交換を行っているところでございます。住宅宿泊事業法施行後の県の窓口は県の保健福祉局が担当すると聞いておりますが、詳細はまだ決まっていないということでございます。
 
○13番(森功一議員)  新法施行まで時間がありませんので、神奈川県の動向を注視しながら御対応いただきたいと思います。
 それでは、鎌倉の観光の視点から民泊について伺いたいと思います。鎌倉市観光基本計画において、泊まる観光の推進とありますが、この狙いとはどのようなものなのか、教えてください。
 
○奈須菊夫 市民活動部長  泊まる観光を推進することで、宿泊客が増加し、平均滞在時間が延長され、これら宿泊客による朝夕の夕食等を通じ、観光消費の拡大が期待されているところでございます。これにより起こる地域におけるにぎわいの創出が、観光の担い手であるさまざまな関係団体のやりがいや達成感の醸成につながり、地域全体が活性化することが、泊まる観光の推進の狙いでございます。
 
○13番(森功一議員)  観光消費拡大により地域経済の活性化が泊まる観光の推進の狙いであるということですけれども、この泊まる観光の推進において、民泊は宿泊施設としてどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。
 
○奈須菊夫 市民活動部長  泊まる観光の推進を施策として位置づけており、この中で、民泊も泊まる観光の選択肢の一つとして有効な施策であると考えているところでございます。鎌倉には宿泊しなければ体験、体感できない魅力が多くあります。市民生活への配慮をしつつ、民泊を含め宿泊施設を活用した観光メニューを構築してまいりたいと考えております。
 
○13番(森功一議員)  泊まる観光を推進する上で民泊が有効な施策の一つであり、市民生活に配慮しつつ観光メニューを構築されるということです。
 次に、民泊を空き家対策の利活用という観点でお聞きしたいと思います。鎌倉市空家等対策計画では、空き家の利活用をどのように考えられていらっしゃるのでしょうか。
 
○齋藤和徳 まちづくり景観部長  平成29年3月に策定をいたしました鎌倉市空家等対策計画における重点対策の一つといたしまして、空き家等を利活用することを掲げております。その基本的な考え方といたしまして、市は所有者等とのつなぎ役としての役割を担い、所有者等が安心して相談することができる体制を構築することとしております。
 
○13番(森功一議員)  民泊施設として空き家が利用されれば、空き家対策に有効だと考えるのですが、いかがでしょうか。
 
○齋藤和徳 まちづくり景観部長  空き家が売却をされまして新たな所有者に使用されること、あるいは賃貸物件として貸し出されて使用されること、あるいは地域コミュニティーの場として活用されることなどと同様に、民泊につきましても空き家の利活用の手法の一つとして考えております。
 
○13番(森功一議員)  民泊も空き家利活用の手法の一つということがわかりました。
 次に、現状も問題とされておりますごみ出しについて確認させてください。住宅宿泊事業法施行後、民泊施設から排出されるごみはどのように処理されるのでしょうか。
 
○石井康則 環境部長  民泊施設から排出されますごみにつきましては、事業系ごみに該当をいたします。事業系ごみにつきましては、市の許可を受けました一般廃棄物収集運搬許可業者と契約をし処理を委託するか、あるいはみずから排出するごみに応じた処理施設に搬入することとなっております。
 
○13番(森功一議員)  民泊施設から出るごみは事業ごみということですけれども、家主居住型のいわゆるホームステイ型の民泊の場合、事業者の居住部分から排出されるごみはどのように扱うのでしょうか。
 
○石井康則 環境部長  事業者の住宅部分から排出されるごみにつきましては、事業活動に伴うごみではございませんので、家庭系ごみに該当いたします。家庭系ごみの分け方、出し方に従いましてクリーンステーションに排出することとなります。
 
○13番(森功一議員)  では、このごみの問題もそうですけれども、住宅宿泊事業法施行後、想定されるトラブルにはどのようなものが考えられますでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  住宅宿泊事業法が施行されますと、衛生確保措置、騒音防止の説明、苦情への対応、宿泊者名簿の作成と備えつけ、標識の掲示など、住宅宿泊事業者に対し適正な遂行のための措置を義務づけられることになるものの、これまでと同様に不特定多数の人の出入り、夜間の騒音やごみの問題など、近隣にお住まいの方が不安を訴えるものが想定されております。
 
○13番(森功一議員)  住宅宿泊事業法施行後、違法民泊施設や想定されるトラブルに対して、市としてどのような対応をお考えでしょうか。
 
○服部計利 都市調整部長  市としての対応でございますが、民泊に関する情報を共有することを目的として、定期的に市と神奈川県保健福祉事務所で会議を開催するとともに、違法民泊等については厳正に対応しているところでございます。さらに、平成29年度からは鎌倉警察署にも参加していただいているところでございます。
 住宅宿泊事業法施行後におきましては、本市に住宅宿泊事業者への指導監督の権限がないため、神奈川県保健福祉事務所や鎌倉警察署とも連携をさらに深め、市民の不安を速やかに対応していきたいと考えております。
 
○13番(森功一議員)  住宅宿泊事業法施行後、本市に民泊事業者への指導監督権限がないことはわかりました。しかし、もしトラブルがあった場合、鎌倉市民が影響を受けるわけです。住民の不安や相談を受けとめ、県や警察と連携して対応する担当部署が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  民泊を含め、宿泊施設の規制に関する法令の主なものとしましては、旅館業法、建築基準法などが上げられ、このうち市で所管するのは建築基準法であることから、違法民泊や苦情問い合わせ対応窓口をこれまで建築指導課として対応してきているところでございます。
 しかし、住宅宿泊事業法、民泊新法が施行されますと、建築基準法における用途の規制がかからなくなることから、新たな対応窓口が必要であると考えておりまして、現在、市民相談課を想定して準備を進めているところでございます。今後予定されている政省令の制定など、国・県の動きを見ながら、市民の方々にわかりやすい対応ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 
○13番(森功一議員)  新たな対応窓口ですが、市民相談課を想定して準備を進められていることを確認させていただきました。ぜひとも市民に寄り添った対応をしていただきたいと思います。
 最後に、2020年オリンピック・パラリンピックに向け、インバウンドの受け皿として、安心・安全を確保した上で、民泊をどのように活用しようと考えているのか、市長のお考えをお聞かせください。
 
○松尾崇 市長  訪日外国人が急増するという中におきまして、宿泊先の不足等が懸念をされているという現状である中で、やはり民泊への期待というのが非常に高まっていると認識をしております。また、民泊につきましては、空き家の有効活用だけではなくて、地域コミュニティーの活性化ですとか、国際交流ですとか、文化発信とか、そういうさまざまな効果が期待できると考えています。
 しかし、一方で、今、御質問いただいたように、各地域でのトラブルも発生しておりまして、本市におきましては、空き家を提供するだけではなくて、居住者が空き室を活用して外国人を一定期間ホームステイ的に受け入れる、いわゆる家主居住型のプログラムを推進していきたいと考えています。このため、民泊新法に基づきまして県条例で定める住宅宿泊事業実施の制限の制度設計に当たっては、本市の意向を反映してもらえるよう、機会を捉えつつ、近隣市町とも連携しながら働きかけをしてまいりたいと考えています。
 
○13番(森功一議員)  政省令が出ていない中、理事者の皆様におかれましては、最大限の御答弁をいただき、ありがとうございました。
 民泊は、2020年を控えますます増加が見込まれるインバウンドの受け皿として、地域経済の活性化や空き家対策に有効な施策となる可能性を秘めております。しかし、その一方で、民泊について不安を抱いている鎌倉市民も少なくありません。最優先すべきは市民の安心・安全であり、民泊新法を所管する神奈川県に対し鎌倉市の実情を反映した条例の制定の働きかけを行っていただくとともに、新法施行まで時間が迫る今、政省令の動向を見きわめた上で、安心・安全の確保に努めていただくことをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
 
○議長(山田直人議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (11時33分  休憩)
                   (13時10分  再開)
 
○議長(山田直人議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、保坂令子議員の発言を許可いたします。
 
○23番(保坂令子議員)  通告に従いまして質問をさせていただきます。神奈川ネット鎌倉の保坂令子です。
 今回、4年ぶりに市長の政治姿勢ということで質問をさせていただきます。先ごろ記者会見で松尾市長は、御自分の2期8年を振り返って、合格点には至っていない、残された課題を御自分の手で解決するという決意を述べられたと伺っております。課題としては、市役所のコンプライアンスの問題ですとか、市庁舎の整備、そして新ごみ焼却施設、そういったことに取り組むということで、懸案の課題で成果を残すという、そういう決意を述べられたのかなと思っているところですけれども、今回の私の質問は、2期目の4年間を通して抱いてきたことを、問題意識として持ってきたことを、公的不動産の利活用に絡めて伺っていきたいと思っております。
 今年度、鎌倉市では公的不動産の利活用の検討が行われていますが、一つ目の質問では、時系列的にさかのぼって、2015年3月に策定された公共施設再編計画について伺います。
 再編計画では、今後40年という長いスパンで捉えて、市が保有する施設に係るトータルコストを約50%削減する、新規単独施設の整備は行わない、施設の大規模改修、建てかえの際には複合化、集約化等を原則とするというものになっております。この複合化、集約化の流れの中で、4カ所の支所の地域活動支援機能は各地域の地域拠点校の建てかえにあわせて複合化して、将来的には支所をなくすという方向です。
 地域拠点校として優先的に検討していく学校5校はことしの3月に公表されました。しかし、地域拠点校への建てかえの時期は選定された学校の状況によって異なるため、長期的な再編のロードマップが示されているにもかかわらず、今後どんな順序でどういう取り組みがされていくのか、市民にとってはわかりにくい状況になっているのではないでしょうか。
 公共施設再編ニュースは毎号コンパクトにわかりやすくまとめられているということで評価させていただいておりますけれども、長期的な取り組みというのが毎号でわかるわけではないと思います。将来的な支所の廃止については知らない方は多いですし、また、知った上で、地域の拠点、市民サービスの窓口がなくなることを心配する声も多く聞こえます。拠点校選定のパブリックコメントに意見を寄せられた方が13名にとどまったのも、認知度不足によるところが大きかったのではないでしょうか。
 3年間かけて策定した公共施設再編計画、そこに示された考え方は、長期的に見れば合理的なものではあるのですが、実感としては進め方がわかりにくいものとなっています。この点について見解を伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設再編計画にありますロードマップは、計画期間でございます40年間を短期、中期、長期に分けて捉えまして、施設分類別に整理したもので、特に中長期的な取り組みは今後さらに詳細な検討を要するものもあり、基本的な考え方のみを示すにとどめているところでございます。
 例えば、学校施設を例に挙げますと、学校への機能集約は、各地域に地域拠点校1校を選定すること、施設の老朽化等を踏まえた学校施設の整備にあわせて地域拠点校とそれ以外の学校にそれぞれに必要な機能の集約を行うという、そういった考え方のみを定めているところです。このため、整備の順序や時期などは、現在教育委員会が進めております学校施設老朽化状況調査、この結果を踏まえて策定する整備計画に沿って今後検討することになります。
 このように、個々の事業計画の具体化に合わせて公共施設再編計画のロードマップにしっかりと位置づけるなど、市民の方々にわかりやすく示していきたいと考えているところです。
 
○23番(保坂令子議員)  長期的なものをつくるというのはもちろん必要ですけれども、それがゆえにいろいろなものが並行して、一直線ではなくて複数路線で進んでいるために、わかりにくいという状況があるのかと。
 そこに来て、市役所の整備というのが今上がってきているわけですけれども、では、市役所本庁舎の整備ですけれども、昨年度1年間の検討を経て、この3月に移転による整備という方針が公表されました。現在地建てかえは選択肢としてはないという結論を導くためにたくさんの理由が示されています。津波想定浸水範囲内にあり、大規模災害時に、直接的な被害による本庁舎の機能停止だけでなく、道路寸断や渋滞で防災復旧の中枢機能が担えないおそれがある、風致景観地区による建物の高さ制限があり、高層化できないため、建てかえても執務スペースが確保できない、埋蔵文化財包蔵地のため、貴重な遺構が発見される可能性が高く、発掘調査の長期化、計画の中止も想定される、仮庁舎の整備、仮庁舎への引っ越し費用などで移転よりも費用がかさむなどです。
 けれども、普通なら移転先を上げてどこそこに移転の方針と示すところ、ただ移転による整備とだけ公表されているために、本当に決まったのという問いかけを多くいただきます。そして、鎌倉地域の住民の方たちからは、現在地での建てかえを難しいとした理由の一つ一つについて、パブリックコメントで寄せられたような異論が表明されています。
 中でも多く耳にするのは、風致地区の制限超過で用途地域変更を行ってでも高層化による建てかえをするという選択肢はないのか、景観に調和した建物になるようにすれば、高層でもよいのではないかという意見です。これを困難とする理由としては、合意形成に膨大な時間がかかるということが上げられていますが、これは具体的にはどういうことでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  ただいま御紹介ございましたように、現在本庁舎がありますこの場所でございますが、風致地区の指定がありまして、建物高さ10メートル以下、建蔽率40%以下といった制限がございまして、この場所だけで本庁舎として必要な床面積を確保することはできないということでございます。
 風致地区の指定を外すといった都市計画制限の変更を行う方法で整備するということも考えられますが、風致地区などの地域地区の変更は敷地単位での検討ではなく、駅周辺のまちづくり、鎌倉地域の中心市街地のまちづくりのあり方を考えた上で検討すべきものでございます。現行の都市計画制限は、これまで時間をかけた議論と市民の方々の合意形成を重ねた上で指定されているものでございまして、これを見直すには相当な時間を要するという、こういう趣旨のものでございます。
 
○23番(保坂令子議員)  今、御答弁の中で、敷地単位でではなくて周囲にも影響が及ぶとおっしゃいましたけれども、どれくらいのところまで影響が及ぶと想定されているんでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  都市計画ですので、一定のゾーニング、この地域をどうしていくかという議論が必要になってくるかと思います。これは県の整備、開発及び保全の方針、また都市計画マスタープラン等との整合も図っていくことが必要かとは思いますけれども、通常考えていきますと、当然、駅周辺、この一帯の商業地域に指定されている部分、あとそれを取り巻く住居系の用途を指定されている部分、その辺一帯を捉えて検討することが必要ではないかと私としては認識しております。
 
○23番(保坂令子議員)  住居系のところまで影響が及ぶという、そういうお答えでした。これまで取り組んできた景観行政ですね、鎌倉市、力を入れてきていると思いますけれども、その景観行政をみずから逸脱することはできないということは大きいと思います。
 でも、今伺いました高層化に限らず、現在地建てかえが困難だと鎌倉地域の住民の方たちに納得していただくのは簡単ではないという認識は持ち続けていただきたいと思います。そして、移転の場合の現在地の整備については、具体的なことは財源のめどが立ってからというのではなく、並行して検討を進めて示していく必要があるのではないでしょうか。それがなくて、移転の方針はもう決まったことなので、というのでは、合意は広がらないのではないかと思います。
 今、新ごみ焼却施設の建設候補地とされた山崎浄化センターの周辺住民の方たちに、全国の環境負荷の小さい最新鋭の焼却施設の事例を紹介しようとしても、振り向いていただけない状況があります。そういう膠着した状況になってしまったのは、ごみ焼却施設という難しさはもちろんありますけれども、長年にわたる経緯と、候補地選定時の進め方が影響していると思わないわけにはいかないです。
 では、3月に公表されている本庁舎整備方針について伺います。本庁舎の行政機能を移転した場合も現在地に一部の行政機能を配置すると記されていますが、一つ目の質問で触れた将来的な支所廃止の方向性の話にもこれは絡みますけれども、そもそも行政の市民サービス、窓口機能とは何でしょうか。伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  行政が提供します市民サービス、窓口機能、これは画一的に定義されるものではないと考えておりまして、地域や利用者の方々のニーズに合ったサービスということになろうかと思います。ここで言っております市民サービス、窓口機能と申しますのは、諸証明の交付や相談などの市民の方々に必要な窓口やサービス、こういった機能を指しているものでございます。
 
○23番(保坂令子議員)  今、相談ということも御答弁の中で出ましたけれども、市民のニーズということで、一様ではなくて、きちっとそのあたり見ていかなければいけないということだと思うんですね。
 では、現在地に一部残して配置することが現時点で想定している行政機能とは何でしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  現在地に残す行政機能の詳細、これにつきましては、今後検討していくことになりますが、諸証明の交付ですとか相談などの市民の方々に必要な窓口、サービス機能などは残し、利便性が著しく低下することがないようにしていきたい、このように現在考えているところです。
 
○23番(保坂令子議員)  このあたりの検討は本当にしっかりやっていただきたいなと思っているところです。移転ありきということで言っているのではないんですけれども、そのあたりの検討の状況によっては、地域の住民の方の判断が変わると思いますので、しっかりやらなければいけないことだと思っております。
 そして、本庁舎整備方針の検討を全体的に見ますと、現在地での建てかえ案は最初示されていたわけですけれども、この現在地での建てかえ案、現在地では建物を建てられる用地が限られ、高さも制限されるとして、別の敷地にも庁舎を建てて、行政機能の一部を配置するということが前提の案でした。これに鎌倉地域の公共施設の再編という要素が加味された結果、そうした現在地建てかえ案なら、移転案、ただし本庁舎は移転して整備するが現在地に行政機能を一部残すという、そういう移転案と、形の上では似通っているというまとめられ方になっていきました。
 現在地建てかえ案と移転案が、行政機能の配置バランスこそ違うものの、パターン的には似通っているとされた結果、両者を合わせた改善案が現在整備案として示されていると受けとめております。すなわち、本庁舎は移転して整備、現在地に行政機能の一部を配置し、鎌倉地域の公共施設の再編もあわせて行うという、そういう整備パターンです。
 何だかちょっとだまし絵を見せられているような展開だなと思ってしまうんですけれども、そこで伺いますが、現在地にも行政機能の一部を残すという考え方は検討のどの段階で出てきたものなのでしょうか。地域からの要望がパブリックコメントなどで示されて、それを受けたものなのですか。
 
○比留間彰 経営企画部長  現在地に行政機能を残すといたしましたのは、本庁舎整備方針策定委員会におきまして、本庁舎の移転後も一部の行政機能を配置することの必要性が議論されておりまして、こうした議論を踏まえて決定したものでございます。
 なお、本庁舎整備方針素案について行いましたパブリックコメント、こちらにおきましては、現在地に行政機能を残すといった内容の御意見はいただいておりませんでした。
 
○23番(保坂令子議員)  現在地に残すとしている行政機能いかんでは今後の計画の進捗が変わってくるなと思っております。アリバイ的と受けとめられると、またそれはそれで禍根を残すようなこともあると思いますので、そのあたりは非常に留意していただきたいなと思っているところです。
 では、整備パターンにあります鎌倉地域の公共施設再編に話を移します。本庁舎整備方針では、本庁舎を移転し、現在地を活用することで鎌倉地域の公共施設の再編が進むとされています。鎌倉生涯学習センターについては、再編の対象はホール、ギャラリー機能となっています。集会室などの残りの機能は将来的に地域拠点校に複合化するという方向のようですが、御成小学校の拠点校化までの相当長い期間はどうなるのでしょうか。また、拠点校化の時点でスペースの確保が難航するおそれもありますが、どのように考えていらっしゃるのか、伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設再編計画では、場所を限定せずに、ただいま御紹介いただきましたように、鎌倉生涯学習センターのホール、ギャラリー機能は鎌倉地域の既存公共施設用地等に移転し、他機能と複合化することにより、生涯学習機能を推進する拠点としての役割の充実を図ること、また、5地域の学習センター機能、集会室等は、多世代が交流できる機能として地域拠点校へ複合化する、このように定めているところでございます。
 このため、鎌倉生涯学習センターのホール、ギャラリー機能以外の機能は、鎌倉地域の地域拠点校の整備により集約化を図る予定でございますが、昨年度実施しました市民対話ですとか、本庁舎整備方針策定委員会、また今年度設置して検討を進めております公的不動産利活用推進委員会では、本庁舎跡地の利活用により文化活動、生涯学習、市民活動を推進するといった考え方が示されていることから、集会室など市民活動や交流のための機能も取り入れていくべきと考えているところでございます。
 
○23番(保坂令子議員)  そういった検討を行っていかなければならないと思うんですけれども、今、御答弁を聞いても、非常に不確定要素が多いと。今、先走った内容を聞いているという印象を持たれてしまうかもしれませんけれども、考え方として確認する必要があると思っているところです。複雑、不確定要素が多いと申し上げましたけれども、うまくいくのかというところで、今後とも見ていきたいと思っております。
 鎌倉地域の公共施設再編については、中央図書館も絡みますけれども、図書館については後ほど伺います
 さて、本庁舎整備方針では、移転先については、深沢地域整備事業用地などのほか、他の公有地や低未利用地の活用なども含めて全市的な視点から適地を定めていきますとされております。これを受けて、今年度、公的不動産の利活用の検討が行われておりまして、推進委員会ですか、5月から8月まで4回開催されたとのことです。
 まず伺います。公的不動産の利活用とは何でしょうか。目的を改めて確認するとともに、どのような手法があるのか、伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  公的不動産の利活用とは、現在低未利用となっております公的不動産を資産として捉え、全市的な視点で利活用を検討し、持続可能な都市経営につながる魅力ある都市を創造していこうというものでございます。これを推進するため、平成29年5月に学識経験者、各種団体からの代表者等で構成します公的不動産利活用推進委員会を設置し、現在利活用の方針について検討を進めているところです。
 実現に向けましては、指定管理やPFIなど、民間の資金やノウハウの活用といった従来の公民連携の手法のほか、さらに一歩踏み出しまして、市とともにまちづくりに取り組み、鎌倉のまちや地域の価値を高めていこうというパブリックマインドを持った事業者との協業など、新たな事業手法の検討を進めていきたいと考えているところです。
 
○23番(保坂令子議員)  手法としては、指定管理やPFIというこれまでの手法に加えて、パブリックマインドというのが出てきているわけですね。これについてはまた伺いたいと思っております。
 鎌倉市役所現在地、梶原の野村総研の跡地、深沢地域整備事業用地のうちの行政用地部分、鎌倉山の扇湖山荘、岩瀬の資生堂工場跡地の5カ所を選んで検討を進めているわけですけれども、この5カ所を選んで進めている理由というのは何なんでしょうか。本庁舎の移転先の決定と現在地の跡地利用という枠組みで検討を行い、ほかの施設、用地は別枠で個別に利活用の可能性を探ったほうが、進めやすく、わかりやすいのではないのでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  第1回目の公的不動産利活用推進委員会におきまして、16ある公的不動産の中から、用地面積が大きく、また本市の将来都市像やまちづくりに効果、インパクトが期待できるものとして、まずは5カ所を中心に議論を進めることにいたしました。また、本庁舎の移転は本市のまちづくりに大きな影響を与えるものであることから、単体で検討するのではなく、市が保有する低未利用地を含めた公的不動産の利活用とともに、全市的な視点から検討を行い、鎌倉のまち全体の将来像とともにその考え方を示すことが必要だと考えているところです。
 
○23番(保坂令子議員)  これについてはちょっとまた別の質問でも伺いたいと思います。
 公的不動産利活用推進委員会の配付資料や公共施設再編ニュースを見ると、先ほどもちょっと触れられましたけれども、年度末までに都市創造ビジョン、公的不動産利活用推進方針を取りまとめることになっています。これですけれども、理念とか考え方レベルのものなのでしょうか。それとも、個々の公的不動産の活用の仕方を具体的に示すものでしょうか。どちらでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  将来都市像やまちづくりに効果、インパクトが期待できるとして、先ほどお話のありました、中心的に議論を進めていくこととしました5カ所の公的不動産、こちらにつきましては、個々に具体的な利活用の方針を策定するとともに、実現に向けた事業手法の考え方も示していきたいと考えております。その他の公的不動産につきましては、規模や用途などでくくり、活用に向けた考え方を整理し、提示していくこと、これを予定しております。
 
○23番(保坂令子議員)  具体的な手法、具体的な活用の方向性を示すということですけれども、PFIの手法による施設の更新というのは、鎌倉芸術館の大改修で行おうとして、PFIのアドバイザリーの契約とかもしてやりましたけれども、結局手を挙げる事業者がいなくて、できなかったわけです。
 PFI、主に公共施設などの設計、建設、改修、維持管理、運営などを民間の資金、経営能力、技術的能力を活用して行うことを指すPFIですけれども、総務省が2年半ほど前に出した調査・研究の報告書を見ると、PFIで公共施設を整備するのに、附帯事業として定期借地権方式で民間施設を整備している事例として、都心の一等地での高層化のプロジェクトが紹介されています。また、先ごろ総務常任委員会で日帰り視察を行いました大和市では、高座渋谷駅前複合ビルを当初PFI方式で整備しようとしましたが、定期借地権方式に落ちついたという、そういう話も聞きました。
 PFIにしろ、違う手法のPPPにしろ、土地の高度利用ができない鎌倉市ではハードルが高く、だからこそ人が集まる鎌倉駅に近い現在の市役所所在地で行ってみようということなのだと思いますが、市役所をよそに移転させ、その跡地に収益の上がる民間施設が建つということになるかもしれないわけですよね。そういうことに対して住民の合意形成、これもまたハードルが高いと見られます。
 先ほどの質問と違う言葉で聞いていて、趣旨としては同じなんですけど、5カ所について一緒に論じて、こちらはこのパターンでやります、こちらは別のこのパターンでやりますと、多様な取り組みの一つとして見せたほうが抵抗感を和らげられると考えているんだろうかと、少しうがった見方をしてしまいますが、この推察は違っているんでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  公的不動産の利活用の検討は、現在低未利用地となっている公有地を活用することで都市の魅力向上を図ることを目的としたもので、これらを推進していくには、当然のことながら、民間の資金やノウハウの活用は不可欠であると考えております。PPPやPFIは目的ではなく手段でありまして、今回は特に従来の公民連携よりもさらに一歩踏み出して、市とともにまちづくりに取り組み、鎌倉のまちや地域の価値を高めていこうというパブリックマインドを持った事業者との協業など、新たな事業手法の検討を行うことでよりよいまちを効率的につくっていこうと考えているもので、御質問のような民間事業者との連携のハードル、これを下げていこうということを目的としているものではございません。
 
○23番(保坂令子議員)  計画としては非常に聞こえのいいものになっていると思うわけなんです。本庁舎の整備や、寄附を受けてそのまま利用できないできた施設を活用するための財源の確保では、民間の資金を利用します、定期借地権方式で市有地を貸し付けます、不要となる用地を売却しますというと、苦しい財政事情を反映した綱渡りのような施策展開という印象になりますが、一方、今、部長がおっしゃっているように、全市的な視点を持った公的不動産の利活用により、持続可能な都市経営につながる魅力ある都市創造と、こういうものを行うと言うと、全く違った印象で、物は言いようだなと思ってしまうわけです。
 では、五つの施設全般ではなく、本庁舎の移転整備候補地の選定と、移転した場合の跡地利用に限って言えば、どうでしょうか。財源確保の手法が主になっているのではなく、まちづくりの効果を狙ったものだとはっきりと言えますか。こんな質問をするのは、まちづくりの効果というのが後から取ってつけたように思えてしまうからなのですが、いかがでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  先ほど御答弁しましたとおり、本庁舎の移転は本市のまちづくりに大きな影響を与えるものであることから、単体で検討するのではなく、市が保有する低未利用地も含めた公的不動産の利活用とともに、全市的な視点から検討を行いまして、鎌倉のまち全体の将来像とともにその考え方を示すことが必要だと考えており、公的不動産の利活用と本庁舎の移転候補地とをあわせて検討を行っているところです。
 また、単なる方針にとどめることなく、確実に実行するためには、財源的な裏づけも必要なことから、移転先選定とともに、財源確保の手法、双方を並行して進めているものでございます。特に今回の検討を進める中では、市はこのまちの最大規模の大家であるというような、そういう意識を持ちながら、市の持っている資産を有効活用してこのまちをよくしていこう、そういう視点で検討を進めているところです。
 
○23番(保坂令子議員)  全市的なまちづくり、持続可能なよりよい鎌倉のまちづくりに向けての位置づけだということ、先ほど来御答弁いただいているわけなんですけれども、こちらもちょっとしつこいですけれども、同様のことをいろいろな聞き方で聞いているわけですけれども、8月21日に開催された公的不動産利活用推進委員会の配付資料に、五つの公的不動産の利活用の効果がありまして、この中に参考データとして経済波及効果の算定が載っています。
 あくまで経済波及効果の算定を行うための想定としての床面積ではありますが、市役所現在地については、公共施設4,000平米、民間施設8,000平米としています。跡地利用をする場合に床面積は最大限で1万4000平米可能であるところ、オープンスペースの確保などにも配慮して1万2000平米とし、公共施設としては、図書館2,600平米、鎌倉生涯学習センターのうちのホールとギャラリーで700平米、他の市民活動促進機能や一部配置するという行政機能を加えて、合わせて4,000平米と見積もられるので、そのほかの8,000平米に民間施設を持ってこられる、そういった内訳になっています。試み、試算ということであっても、民間施設が公共施設の倍の面積ということについては、多分議論の余地があると思います。
 しかし、それはひとまずおいて伺いたいのは、PFI、定期借地などの民間活力の導入で手当てできる財源は、本庁舎移転の経費に充てるのでしょうか。それとも、現在地にしっかりとしたものを整備するのに充てるのか。公的不動産利活用全体の中ではどのように考えているのかということです。いかがでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  公的不動産の利活用に民間のノウハウや資金を活用する場合、個々の不動産単体における事業収支をまずは検討することになるかと思いまして、今後詳細な検討をしていくことになります。
 例えば、一例を挙げてみますと、土地を市が所有したまま建物を民間に建築していただいて、土地の賃料を市が得る、こういう方法がございます。その建物に行政機能をもし配置するとすれば、建物賃料を事業者の方に支払うことになります。さらに、運営コストや維持管理コストが発生するため、そこにも民間の土地を貸したお金、民間から得た賃料を充てることとなります。
 このように、市の支出を抑えるよう個々の事業手法を検討していくことになりますが、仮に敷地単位で、個々の場所単位で余剰が生じれば、市の歳入として、他の公的不動産の利活用なども含めて市の事業に充てることは可能であると考えております。
 
○23番(保坂令子議員)  公的不動産利活用、五つの施設、市全体ということで話がされているわけなんですけれども、本庁舎整備の資金がショートしてしまった場合のしわ寄せを、今から懸念しても仕方がないと思われるかもしれませんけれども、このあたりは大変気になるところだということを申し上げておきます。
 では、先ほどちょっと後回しにしました図書館です。現在地に集約される機能として上げられている中央図書館について伺いますが、あるべき中央図書館の機能をどのように考えているのでしょうか。目指す施設像が見えてきていません。ハード面を視野に伺っております。検討はされているのでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  平成28年11月9日の鎌倉市図書館協議会からの答申を受けまして、現在、開館時間の延長や運営面に関して検討しているところでございます。これらと並行いたしまして、これまでも中央図書館の開架スペース、閲覧スペースの狭隘な現状、また、紛失防止や自動貸し出しなど蔵書管理に活用するためのICタグの導入、あるいは資料のデジタル化、電子書籍への対応など、諸課題につきまして図書館内部で話し合ってきているところでございます。今後はより踏み込んだ検討を行ってまいります。
 
○23番(保坂令子議員)  実は、図書館についてはちょうど昨年の9月定例会でも質問をしたところですけれども、そのとき、平成26年度に耐震診断を行ったところ、Is値が0.55であると。平成27年度にIs値を改善するための耐震設計を行ったと。今後耐震については抜本的なところで考えていかなければいけないというような、そういう御答弁をいただいたと思うんですね。ですので、図書館の建物をどうするんだというのが、今、鎌倉地域の公共施設の再編という大きな枠がありますので、今、図書館だけ先行してというのはやりにくいのかもしれないんですけれども、それにしても、どうするのかというそのハード面のあたり、考えていく必要があると思うんです。
 昨今新設されている公共図書館というのは、従来の本の貸し出し機能重視型から、過ごすスペースとしての図書館、市民にとっての場としての図書館に変わってきているとも言われています。昨日高野議員も紹介されていましたが、総務常任委員会で視察に行きました大和市の文化創造拠点シリウス、こちらもそうでした。シリウスの数年前にオープンした武蔵野市の武蔵野プレイスも、図書館、生涯学習支援、市民活動支援、青少年活動支援の四つの機能を備えた、人と情報がつながる場として本当に全国的に注目されています。現在行われている公的不動産利活用の検討の中で複合施設化の案が出ているんだったらなおさら、図書館という機能について早い段階から検討を始めておくべきだと思います。
 またこの後サウンディングの話が出てきますけれども、サウンディングで民間企業の意向を吸い上げるということですけれども、市としてはどう考えるのか、市民のニーズをどう把握するのかということが反映されなくてはなりません。それとも、民間が立派な案を示してくれるだろうから、お金が折り合えばそのとおりにすればよいという、そういうことではないと思いますけれども、どのようにお考えなのか、もう一度伺います。
 
○佐藤尚之 教育部長  図書館は図書等を収集、保存、整理するとともに、その活用を図る施設でございますが、今、御指摘のとおり、人々が交流し、くつろぐ場としての居場所という機能も求められてございます。これまで中央図書館の中では、交流や集いの視点からお話し会やブックスタートなどの事業も実施してございます。
 鎌倉市図書館にとって基本的な計画である第2次鎌倉市図書館サービス計画が平成30年度末で終了することとなってございます。この第2次計画を検証しつつ、公共施設再編計画とも整合性を図りながら、図書館の機能についても検討し、今後の図書館のビジョン、こういったものを確立していきたいと考えてございます。
 
○23番(保坂令子議員)  そういった議論を並行して行っていただきたいということを先ほど来申しているわけです。
 今、サウンディングと申し上げましたが、8月21日の委員会の配付資料で、公的不動産の利活用に関するサウンディング型市場調査の実施について(案)が示されました。サウンディング、間もなく行うわけですね。これについて簡潔に説明していただけますか。
 
○比留間彰 経営企画部長  それぞれの公的不動産における市場性や実現性の有無を確認するとともに、利活用に向けた事業手法やアイデア等を事業者との意見交換から聴取する目的で実施を予定しております。サウンディングの実施は、現在先行して議論を重ねております5カ所を中心に行うことを予定しております。
 
○23番(保坂令子議員)  では、サウンディングのガイドラインを作成すると聞いておりますけれども、これ随分前に聞いたと思います。作成状況はどうなっているでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  これまで実施してきましたサウンディングの実績をまとめ、原課においてサウンディング調査を実施する際において公平性・公正性とともに透明性を保つための考え方を盛り込みましたサウンディングガイドラインを平成29年3月に策定いたしました。今後さらに運用を通じまして内容を充実させていきたいと考えているところです。
 
○23番(保坂令子議員)  では、ちょっと具体的なところで伺いたいんですけれども、深沢におけるサウンディングは深沢地域整備事業用地全体を対象とするのでしょうか。行政施設用地のみを対象とするのか、どちらでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  現在取り組んでおります公的不動産の利活用の検討の中で予定しておりますサウンディング調査は、本庁舎を中心とした行政施設用地内の建物等に係る調査でございます。そのため、サウンディング調査の実施は行政施設用地について行うこととなりますが、当然のことながら、深沢地域整備事業全体を所管します拠点整備部と連携して、今後詳細な実施方法について決定していくことを予定しています。
 
○23番(保坂令子議員)  整備事業用地全体というところとの関連をなしでやってしまうというのは非常に意味が見出せないところなので、そのあたりは連携をきちんとやっていただきたいと思います。
 では、扇湖山荘はどうでしょうか。扇湖山荘は市が修繕しなければ、民間が手を挙げるのはなかなか難しいのではないかと思います。また、推進委員会の資料などを見ますと、旧邸宅ネットワーク形成の拠点という捉え方もされています。これはどういうものなのでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  本市には近代に建築された邸宅が数多く存在し、市も扇湖山荘のほか、旧華頂宮邸、和辻邸、吉屋信子記念館、村上邸など数件所有しているところです。これらをネットワーク化して群と捉えることで、個々、単体での活用が困難なものにつきましても利活用の可能性が高まるものと考えているところです。また、単体ではなく群として利活用に取り組むことで、鎌倉の歴史、文化、まち並み保存といった新たな価値創造、地域に存在する資源を活用したまちづくりを誘発していくことができるのではないかと考えております。扇湖山荘はこれらの近代に建築された邸宅の象徴となるものと考えており、先導的な活用を進めることで、これら全体の利活用を推進していければと考えているところです。
 
○23番(保坂令子議員)  サウンディングを実施しても、参入の意向をどこも示していただけなければ仕方がないわけで、サウンディングの仕方というのを工夫しているのかなと思います。扇湖山荘についてはそういう旧邸宅ネットワークというコンセプトもつくってやるのかなと思いました。例えば、歴史的建築物の保存及び活用に関する条例なども今後かかわってくる話かなと思いながら聞いているところではあります。でも、本当に5カ所について、この旧邸宅ネットワークという形で捉えれば、もっと箇所的には多くなるわけですけれども、今回一どきにやってしまうというのは、大きなことだと思っているわけですね。
 PFIなどのPPPの手法を取り入れて、公共施設を整備、維持管理していくことは容易ではないので、サウンディングを行って実現可能性を確かめながら進めることには異存はありません。ただ、手順を踏んでいっているようでいて、肝心なところでストップしてしまう、そういう厳しい状況が現にあることも顧みなくてはならないのではないでしょうか。
 ここで、再び新ごみ焼却施設の整備計画について触れさせていただきます。進捗状況は現在どのようになっていますか。
 
○石井康則 環境部長  これまでの話し合いの中で、周辺住民は、山崎浄化センターとの併設による負担の公平性や既存施設の臭気等の課題を理由に、白紙撤回を要望しているところでございます。市からは、山崎浄化センターの運営や臭気等については、焼却施設とは別に適切に対応を図っていくということとしてございます。また、負担の公平性につきましては、安全で安心な施設整備を図るとともに、周辺まちづくりの推進を図り、地域に最大限貢献できる施設づくりを提案するということを説明してきております。
 さらに、平成29年4月の話し合いでは、安全で安心な施設づくり、またその周辺まちづくりの具体的な提案内容につきまして、資料をもとに説明をし、今後、周辺住民の意向を把握しながら、具体的な内容を決めていきたい旨を説明をしたところでございますが、白紙撤回の考えには変わりない、こういう状況でございます。
 次回は10月に話し合いを行う予定で、実現可能なまちづくりの施策等について説明をし、今後とも粘り強く話し合いを続けて、理解が得られるように努めていきたいと考えております。
 
○23番(保坂令子議員)  話し合いを続けるということですけれども、これまでの長い経過、そして浄化センターをめぐる現状、そして今後ということで、非常に難しい要素が絡んでいるんだと思います。パズルを例にとると、ピースを外側からはめているので、初め見えてくるのは大きな空ですとか地面とか、大きい部分で、絵の中心部分がわからないうちに進む感じです。外枠からはめていって、もうこのピースはここにしか来ないという段になって形や大きさが当てはまらない、思っていたのとは違う絵柄だった、そういうことでは、大きな損失なわけです。
 ちょっと抽象的な言い方をしましたけれども、ようやくここで市長の政治姿勢ということで市長に伺います。事業の外枠を決めて進めていくのも大事ですけれども、事業の中身、あるべき姿がしっかり示されず、地域住民の合意を得ながら進めていないために、最後になってパズルのピースがはまらないような状況を引き起こしていないでしょうか。新ごみ焼却施設と同様のことが市庁舎整備でも起きないかということを懸念しております。市長はどのようにお考えですか。
 
○松尾崇 市長  ここまでなんですけど、公的不動産の利活用につきましては、公的不動産利活用推進委員会と庁内組織であります幹事会を中心に、本庁舎の移転先とともに、市が保有する低未利用地の公的不動産の利活用を、全市的なまちづくりの視点から検討を行っているところでございます。9月下旬にはこれまでの議論を中間取りまとめとしてまとめまして、市民に広く公表をしていくという中において、対話等を通じて広く意見を聞いていきたいと考えております。
 これまで私は機会を捉えまして市民の方々へ情報発信や意見聴取に努めてきたところでありますけれども、さらにきめ細かな説明と合意形成が必要であると考えておりますので、今後も引き続きわかりやすく検討の過程を示すなど、丁寧な情報発信と合意形成に努めてまいりたいと考えます。
 
○23番(保坂令子議員)  松尾市長はこの間のふれあい地域ミーティング、私も1カ所行きましたけれども、ふらっとミーティングですか、そのときもこの市庁舎整備の問題について直接語っていらっしゃいましたけれども、残念ながら余り参加の方からは意見が出ず、それは問題がないと思っていらっしゃるのか、余り、認知度が低いからなのか、どちらなのかなとちょっと思ってしまったりしているわけです。
 それで、今の御答弁では、本当に全体を捉えてこうやって進めていきますということをおっしゃっていたんですけれども、本当に住民の合意を高めなければいけないというのはこの全体の中で何なのかということを認識して、そこに取り組んでいただきたいなと思うわけです。その懸念を今お示ししたつもりだったんですね。
 松尾市長の鎌倉市政に望むスタンスというのをこれまで見てきたところ、何度も申し上げていることなんですけれども、困難なことを後回しにするという、そういうところが見えるように思えてならないんです。そういうことを指摘させてきていただいております。ですので、それを繰り返してはいけないというのを、この公的不動産利活用、市庁舎整備問題、その他の部分もありますけれども、このことについても思っておりまして、何度も質問をしているということです。ちょっとなかなか通じていないようなところがあるかもしれませんが、ちょっと続けさせていただきます。
 公民が連携して公共サービスの提供を行うスキームを総称して、先ほど来PPP、パブリック・プライベート・パートナーシップ、これ公民連携、官民連携と言いますけれども、そしてPFIがその代表的な手法ですけれども、これについて話をしております。松尾市長になられてから、このPPPや、またはアウトソーシング、そういったことが拡大していると思っております。今回のサウンディングの実施と、その後のPPPや定期借地権方式の手法の模索というのは、これまで行われてきた以上に大きな規模で、ある意味一線を越えるものだと、そういうふうに受けとめております。
 公共施設再編計画から公的不動産の利活用の検討までを通して言えるのは、プランニングの支援業務をしかるべき民間事業者に委託し、大規模なデータに基づいた検討、提案をさせていることです。結果、理にかなったと言うべき案ができ上がります。でも、その過程で、複雑であるがゆえに周知が徹底しない、個別の施設についての住民合意が図られないといったことが出てくる。そうした周知や住民合意が置き去りになっている状況について、しつこく申し上げてきております。
 置き去りということで、少し角度は変わるんですけれども、つけ足したいことがあります。松尾市長のもとで鎌倉市のまちづくりの取り組みでは、高齢化社会における福祉のネットワークづくりのための地域の拠点、地域包括ケアシステムの構築に欠かせない地域の拠点づくりが置き去りにされているように思われてならないんですけれども、いかがでしょうか。これについて、健康福祉部長と市長に伺います。
 
○内海正彦 健康福祉部長  まちづくりを進める上で福祉の視点というのは大変重要であると考えてございます。現在、喫緊の課題といたしまして、高齢者が可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、高齢者を対象とした地域包括ケアシステムの構築を進めており、地域での相談窓口等の拠点として地域包括支援センターの整備も進めてきたところでございます。
 地域住民の生活課題は世代や分野をまたがり複合化してきており、現在の地域包括支援センターの機能では対応できないような状況も出てきております。そうした状況を踏まえまして、改めて地域住民の生活課題に対応できる地域包括ケアシステムの構築のあり方、また拠点のあり方について検討をしているところでございます。
 
○松尾崇 市長  まちづくりに取り組む視点としまして、地域福祉、地域コミュニティーなど、地域住民の方の活動の場ですとか、地域の拠点という考え方は必要であると思っておりまして、今、部長が答弁させていただきましたとおり、これまでも取り組んできたところであります。
 本市におきましては、そうした視点については、例えば都市マスタープランにおいて地域特性を生かした取り組みの推進ということを掲げて、他の分野の計画とも連動させて取り組んでいるところです。今後とも地域福祉の拠点づくりという視点も含めてまちづくりに取り組んでまいります。
 
○23番(保坂令子議員)  地域包括支援センター、10カ所にふえまして、全てのところで、規模は小さいですけれども、そこから地域に出ていくということを頑張ってやっていらっしゃるなとは思っているところです。でも、本当に今後さらに拡充していかなければいけないと思うわけなんですね。そういった地域の拠点、つくっていくということは、先ほど来出ております公的不動産の利活用の中で上げられている、持続可能な都市経営につながる魅力ある都市の創造という、こういう非常に立派なコンセプトとは対極にある話だと思うんですけれども、決して置き去りにされてはいけないと思っているということを伝えたいと思います。
 またちょっと別の角度から、市長の政治姿勢というんでしょうか、問いたいところがございます。今進めております公的不動産の利活用の検討も視野に入れてお聞きするんですけれども、これが前段の最後の質問です。
 事業が大きくなればなるほど、職員の仕事が企画立案を直接やるということから、外部に委託した事業の進行管理に傾いているのではないでしょうか。これは鎌倉市に限ったことではありませんが、本市では近年とみに強まっている傾向であるように思われます。組織を疲弊させないためには、職務の遂行でやりがいが感じられるようにすることが大事だと思います。トップである市長はどう思われているのでしょうか。
 
○松尾崇 市長  今、事業の規模が大きい場合ということで、専門知識を必要とする場合、業務の一部を事業者に委託をするということは実際にやっていることですけれども、事業の企画立案ですとか、事業全体のコーディネート、これらについては職員が担うものでありまして、決して進行管理に傾き過ぎているということは当たらないのではないかなと考えています。また、業務の進行管理の場面におきましても、PDCAサイクルによりまして、事業を効果的、効率的に進めるための企画立案、調整を行っているところでございます。
 大切なことは、常に事業の目的と達成目標というものを確認をしながら、現在の業務が最も効率的であるかを考えながら取り組むことであると考えておりまして、その結果として到達した成果につきましては、達成感ややりがいにつながるものだと考えています。
 
○23番(保坂令子議員)  今、市長が答えられたとおりだといいんですけれども、実際のところ、そんなしょっちゅう見ているわけではありませんけれども、いろいろな委員会などを傍聴したりしていますと、やっぱり進行管理というのに傾いているように見受けられるものですから、本当に市長には組織全体を俯瞰していただきたいと思っております。
 ちょっとつけ足しますと、ここ二、三年は、議会がそうさせている部分もありますけれども、組織の内部マネジメントにかかる労力も過重になってきているようにも見えているということをちょっと一言つけ足したいと思います。組織のあり方ということで一言させていただきました。
 続きましては、官民連携、市民協働から市長の政治姿勢を問うということで伺っていきます。
 今日本当にさまざまな分野で官民連携、公民連携が進んでいます。鎌倉市での具体的な事例を少し挙げますと、今泉台で行われた長寿社会のまちづくりの取り組みでは、町内会、横浜国立大学、株式会社リクシル、鎌倉市の4者がまちづくり共同研究に関する覚書を交わして、共同研究を進めました。
 そして、今泉台では現在、さまざまな主体がかかわって鎌倉リビング・ラボが行われているとのことです。さまざまな主体の間で連携にかかわる協定を結んで行っているのでしょうか。また、町内会にとってのリビング・ラボ参画のメリットは何か、伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  鎌倉リビング・ラボには、東京大学、今泉台の庁内会及びNPO法人、テストする商品の提供等で参加する企業グループ、鎌倉市の四つの団体がかかわって、平成29年1月に活動を開始したところでございます。4者全体としての協定締結は予定しておりませんが、この活動を主体的に推進しております東京大学と各団体間で個別に、また案件ごとに協定を結ぶ予定でございまして、現在準備をしているところです。
 住民の方々が参加することのメリットとしましては、暮らしを豊かにするために必要なサービスをみずから生み出すことが可能となり、社会参加をしていることが実感できること、また、事業協力をすることでNPOの活動資金を得ることができる場合もあるといったことなどが上げられます。また、活動を進めていく中で地域活動の担い手が発掘されるなど、地域活性化につながるといったことも上げられるところです。
 
○23番(保坂令子議員)  ちょっといろいろな要素が絡んだプロジェクトなのだなと思いました。
 別の事例ですけれども、昨年度、コーポレートフェローシップにより4カ月間NECの職員派遣を受け入れていますが、その間どのような取り組みがされたのでしょうか。コーポレートフェローシップは鎌倉市にとってはどのような成果が期待できるものなのか、また、今年度も人材を受け入れるのか、伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  ただいま御紹介いただきましたコーポレートフェローシップには、NECから1名の研修員を受け入れまして、民間の視点から市の業務の進め方や市民の方々への情報提供の手法について提案をいただいたところです。
 具体的には、本市にふるさと寄附を多くしてもらうためのターゲットの絞り込みや、効果的なPRを行うためのマーケティング調査や分析、(仮称)市民活動推進条例の検討状況を広く発信するためのウエブサイトの提案や作成等に取り組んでもらいました。また、マーケティングの手法を取り入れた顧客分析を学ぶためのワークショップを実施することで、マーケティングや顧客といった概念を職員が意識するきっかけづくりの提供もしていただきました。
 平成29年度も、オープンデータの整備と活用を課題といたしまして、11月からの3カ月間、コーポレートフェローシップによる研修員の受け入れを実施予定でございまして、今年度も昨年度と同様に、民間ならではの手法を取り入れ、市職員のスキルアップや具体的な事業の推進につながる成果を期待しているところです。
 
○23番(保坂令子議員)  3カ月という間にいろいろなことをやっていただいていたということで、ことしもやるということですね。
 NECとは8月下旬に包括連携協定というのを結んでいます。この包括連携協定はどのようなものですか。
 
○比留間彰 経営企画部長  包括連携協定でございますが、本市が抱えるさまざまな社会課題に対し、行政及び民間企業、NECですね、がそれぞれの強みを生かし、共創、ともにつくるの共創でございますが、共創により解決を目指すことを目的に協定を締結いたしました。
 検討を進める分野といたしましては、AIを含めたICTの活用による地域の発展を目指す活動、二つ目としまして、健康で生きがいに満ちた福祉のまちを目指す活動、三つ目といたしまして、豊かな心を持った人間を育てる活動、四つ目といたしまして、気軽にスポーツを楽しめるまちを目指す活動、最後五つ目としまして、これまでに申し上げました各事項の実現に向けた人材育成の5点でありまして、詳細は今後協議しながら決めていくということになっております。
 
○23番(保坂令子議員)  包括という名称のとおり、いろいろなメニューを詰め込んでというか、考えている、その中でどれをされるかというのは今後の検討なのかなと思いますけれども、NECとの包括連携協定の締結は、神奈川県内自治体では鎌倉市が初めてとのことです。
 自治体と民間企業の協定というと、従来防災にかかわるものが多かったのが、近年は分野が広がってきて、包括連携協定として各自治体が複数の民間企業とそれぞれ複数の取り組みについて連携することが行われています。コーポレートフェローシップで受け入れる人材、包括連携協定の連携先が今後同じところばかりというのはいただけませんので、目配りをしていただきたいと思うところです。
 天下りにまつわる規制などではより顕著ですけれども、民間の人材の任期付採用においても、もとの会社に在籍したままでは採用しないなどの、特定の企業との間で人脈を通した癒着が生じないような配慮が一般にされております。いろいろな形で公民連携が進んでいる中で、同種の配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  官民連携を進めるに当たりましては、特定の企業や団体を優遇している、また有利な取り扱いをしているのではないかといった疑念を持たれることがないよう、公平性・公正性とともに透明性にも十分留意して、業務範囲や役割など慎重に対応してまいりたいと考えております。
 
○23番(保坂令子議員)  包括連携協定ではありませんが、8月の初めにはドリームエリア株式会社とマチコミリサーチを活用した意識調査に関する協定を締結しました。連携先の会社は、連絡網サービス「マチコミメール」を運営して、全国で150万人の登録者を抱え、登録者を対象に毎週アンケートを実施している、そのシステムを利用して、これまでなかなか意識調査の対象にしてこられなかった20代から40代の女性層の意見を取り込むとのことです。一昔前なら業務委託で経費が発生するようなことが、連携の協定でできるので、市民にもアピールできると考えられているのでしょう。協定締結の記者発表も何か華やいだ感じでした。
 公民連携と一くくりにしても、PPP、PFIのような、民間企業にとっては、営利活動ベースである公民連携と、CSR的な要素、それから、先ほど部長が紹介されましたパブリックマインドですか、パブリックマインドが加わったもの、コーポレートフェローシップや包括連携協定、個別事業の連携協定まではどちらかというとそういった部類なのかもしれませんけれども、いずれにしても多様な展開が見られます。例えば、北海道庁では、民間企業との協働に関する提案募集制度という形で整理して、民間企業からの提案に基づくタイアップ事業や包括連携協定について定めています。以前から民間との協働の条例化をと申し上げてきましたが、そうした内容を視野に入れない、長い名前の(仮称)市民活動推進条例が提案されているのを改めて残念に思っているところです。
 全体的に見て今回の質問はPPP、PFIといったことに関するものが多くなってしまっているんですけれども、それは、先ほども述べましたように、公的不動産の利活用に絡んで一線を越える状況があり、市長が公的不動産の利活用イコール事業財源の確保くらいに考えていらっしゃるんだったら危険だと思っているからです。非常にうがった見方だと思われてしまうかもしれませんけれども。
 実は、国は公共施設などの整備に民間の資金、経営能力、技術的能力を活用していくことが重要であるとして、多様なPPP、PFI手法の導入を優先的に検討しなさいという指針を自治体に示して、人口20万人以上の自治体に対しては、その優先的な検討についての規定を平成28年度末までに策定するように要請しています。鎌倉市のような20万人以下の自治体に対しては、同様の取り組みを行うようなお願いになっています。もう至れり尽くせりで、さまざまな事例が紹介されております。
 質問ですけれども、公的不動産の利活用における手法の検討も、今ここでまたさかのぼって伺うわけですが、国との関係ではこの大きな流れの中にあるということになりますか。いかがでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  ただいまの御質問とも多少重複するところですが、国は、厳しい財政状況下で経済成長を実現するためには、民間の資金や創意工夫を取り入れたPPP、PFIの推進が必要としまして、平成27年12月に多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針というものを決定いたしました。この多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針でございますが、国や人口20万人以上の地方公共団体等が公共施設等の整備等に当たりPPP/PFI手法の導入が適切かどうかをみずから整備等を行う従来の手法に優先して検討するべきであり、この仕組みを構築する際の指針として定められたものでございます。
 このため、本市で現在検討を進めております公的不動産の利活用の取り組み、これとは直接的な関係はございませんが、民間の資金、ノウハウの活用が効果的、効率的な事業はPPP、PFIの手法を導入して検討していく、こういう考え方では共通している部分があるということでございます。
 
○23番(保坂令子議員)  国が進めているのとは直接は関係ないけれども、流れとしては一緒になっているということだと思うんです。
 こういう大きな流れがあることも、そして鎌倉市においてもその流れと合致したようなことが行われているということも、多くの市民にとっては「へえっ」という、本当に知られていないことだと思うんです。でも、実際にこれが本当に進むと、民間との合築の公共施設ができるとか、この鎌倉市においても大きな変化があるわけで、そういったことというのはきちんと、こういう流れがあります、鎌倉市はこういうふうに取り組みを進めていますということをわかっていただけるように知らせていくことが本当に大事じゃないかなと思っております。それでこういった質問をしているわけなんです。
 昨年の9月議会にまたちょっと戻りますけれども、昨年の9月議会で公共施設再編計画について伺っております。そのときに、サウンディングや民間提案制度の活用を経て事業化が決定し、改めて事業者の選定を行うために公募型プロポーザルなどを行う場合に、事業化決定に向けて提案を行った事業者の位置づけをどうするのか、透明度の高いルールをつくらなくてはならないと指摘いたしました。
 今、公的不動産の利活用を進める、間もなくサウンディングを行うというこの時期に、ルール化が急がれるのではないのでしょうか。国がつくるように言っているPPP、PFI導入を優先的に検討するための規定とは趣旨が違いますが、透明性、公平性確保のために必要だと思います。いかがでしょうか。
 
○松尾崇 市長  サウンディングですとか民間提案制度につきましては、民間のノウハウを最大限活用するための有効な手法の一つであると考えております。一方、この提案内容の保護ですとか、特定の事業者に有利に働くなどの課題ということがありまして、ルール化の必要性ということは御指摘いただいたところでございまして、このたびサウンディングのガイドラインを策定する取り組みを進めているところです。今後もガイドラインの運用を通じて内容を充実させるなど、公平性、透明性を高めるように努めてまいります。
 
○23番(保坂令子議員)  そのサウンディング以降の部分についてもルール化というのが必要かなと思っているところです。
 では、最後のパートに行きます。以前にも伺っていますが、改めて確認させていただきます。ことし4月施行の企業立地等促進条例、この条例の趣旨はどのようなものでしょうか。
 
○奈須菊夫 市民活動部長  企業立地等促進条例の趣旨は、産業の活性化及び雇用機会の増大を図り、もって活力あるまちの創出に寄与することを目的に、市内で新たな立地、設備投資などを行う企業に対し、固定資産税や法人市民税の軽減措置を実施し、市内企業の事業継続を支援するとともに、新たな企業を市内に誘致しようとするものでございます。
 
○23番(保坂令子議員)  では、条例による立地促進、条例を活用できる企業は5カ年で何社程度が出てくると見込んでいるのでしょうか。伺います。
 
○奈須菊夫 市民活動部長  企業が市内で新たに立地する場合、土地を確保するということが必要となりますことから、見込みを立てることは難しいところでございます。条例を施行した4月以降、鎌倉に立地を希望する企業から数件の相談を受けているという状況でございます。設備投資につきましては、平成28年度の課税実績から、償却資産数は年間約100件程度が対象と見込んでおります。こういうところから、5年間ではその5倍ということになろうかと考えております。
 
○23番(保坂令子議員)  そうですか。ではこの後ちょっと市長に伺いたいと思うんですけれども、6月議会では企業活動拠点整備事業の補助対象の事業者選定の公平さを問題にいたしました。補助対象となった株式会社カヤックの代表が今年度の花火大会の実行委員会の中心的な担い手であると。また、同社は新社屋を御成町に建設すると聞いています。本社は既に市内にあるということですけれども、新社屋ですね。企業立地等促進条例に基づき減税が受けられるのではないでしょうか。
 市長は別個の話であるとおっしゃるのかもしれませんが、市長に近い人脈で市政が動いていると見られてしまっても仕方がないのではありませんか。特定の業種、特定の事業者を優遇することはあってはならないと考えます。この指摘に対して市長はどうお答えになるんでしょうか。
 
○松尾崇 市長  企業活動拠点整備事業ですけれども、この選定の場合にも補助要綱の基準どおりの提案を受けまして、選定委員会で採択をされたものでありまして、特定の事業者を優遇するものではないものです。この事業によりまして、空き家、空き店舗等を活用した新しいビジネスモデルが4件実現をしたということです。
 企業立地等促進条例ですけれども、こちらも地域経済の活性化及び雇用機会の増大に向けた効果が期待できる業種としております。具体的には製造業、情報通信業、宿泊業、自然科学研究所を選定したものでございまして、この4業種の立地支援を行うことで「働くまち鎌倉」の実現に向けて取り組んでいるものでございまして、特定の企業を優遇するという趣旨では全くないと考えています。
 
○23番(保坂令子議員)  企業活動拠点整備事業については、6月議会でとても詳しく伺いましたので、余り言いませんけれども、同じ事業者が2件で補助金をもらっているというのはやっぱりおかしいということは言わざるを得ませんし、立地促進の条例ですけれども、タイミング的にどうだったのかなということをやはり思ってしまいます。違いますよということで、きちっとルールに従ってやってますともちろん市長はおっしゃると思うんですけれども、でも、外から見るとどう見られるかということはあると思います。やはりそのあたりのところを、市長に近い人脈、動いているのかと見られてしまうのではないかと思います。
 しつこいですけれども、もう1点、9月2日に松尾崇鎌倉市長の猛省を活かす会という集会がありました。主催者は鎌倉を世界に誇れる街にしたい有志一同ということでしたが、これ、今出ました株式会社カヤックが中核となっているカマコンの有志が主催者です。この主催者によれば、市長を応援する集会ではないとのことでしたが、実際に参加したところ、会の成否はともかく、市長を応援したいという気持ちで企画された集会だったと思っているということを申し上げます。
 せっかくなので、最後に伺いますが、市長はこの集会主催者の有志の人たちのように、鎌倉を世界に誇れるまちにしたいですか。それとも、市民が暮らしやすいまちにしたいですか。二者択一でしたら、どちらでしょうか。
 
○松尾崇 市長  市民が暮らしやすいまちとして、住みたい、住み続けたいと思っていただける、そういう鎌倉のまちというのを目指していきたいと思います。私もかねてから世界に誇れる持続可能なまち鎌倉を目指すと申し上げているのは、それらの取り組みの延長線上にあるものだと考えます。
 
○23番(保坂令子議員)  市長にお答えいただきました。市長は首長としてはまめな方なんだと思っております。さまざまな場でさまざまな人の声を聞いていらっしゃいます。でも、実際に事業を行うに当たって視野に入れる、意見に耳を傾けるのは、日々の仕事や子育て、介護に追われる方、高齢で行動範囲が狭まっている方など、市政に直接物を言う機会がない広範な市民の方ではありません。御自分の周りで強く物を言う方たち、市長が将来にわたって成長株だと思っている分野の担い手、既得権で影響力を持った人たちであるように見えてなりません。そのことが市政のさまざまな局面に影響を及ぼしていると申し上げて、私の質問を終わります。
 
○議長(山田直人議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (14時27分  休憩)
                   (14時40分  再開)
 
○議長(山田直人議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、納所輝次議員の発言を許可いたします。
 
○16番(納所輝次議員)  それでは、通告に従いまして一般質問を行います。
 今回はまず、鎌倉市の防災行動計画、いわゆるタイムラインについて伺ってまいりたいと思います。
 ことしの夏は国内各地で豪雨災害が発生いたしまして、多くの方が被害に遭われました。この場をおかりいたしまして不幸にしてお亡くなりになってしまった方の御冥福をお祈りするとともに、また被災された皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
 特に福岡、大分両県で36人の死者を出した九州北部豪雨災害は、この9月5日で発生から2カ月になりました。両県では一時540人が避難生活を送り、この夏は福岡県朝倉市では行方不明5名の方に対して猛暑の中の捜索活動が続きました。道路や河川が大量の土砂と流木で埋まり、復旧作業が難航している地域もあり、生活再建への道のりは長いとされております。また、避難所ではなお145人が暮らしていらっしゃるということ、また、仮設住宅などを含めれば福岡、大分両県で1,100人以上の避難生活を強いられているということでございます。
 この九州北部豪雨直後の7月22日から23日にかけて、今度は秋田県内を豪雨が襲いました。局地的な大雨に伴う河川の氾濫や土砂災害は農家に甚大な被害をもたらしたということでございます。秋田県によりますと、農林水産業への被害額は53億円に上り、中でも秋田市や大仙市では主力作物である米や大豆、枝豆などの生育や出荷に大きな影響が出ているとのことでございます。
 この7月の九州北部豪雨は、その前に中国地方で大雨をもたらした線状降水帯が梅雨前線の南下とともに発生場所を変えて、九州北部に記録的な豪雨をもたらしたということですが、昨今この線状降水帯が狭い範囲に長時間の大雨を降らせるのが特徴的で、1時間に50ミリ以上の大雨がふえているだけでなく、九州北部豪雨では福岡県朝倉市で1時間に129.5ミリという、7月としては全国で歴代4位の記録的な豪雨であったということでございます。大雨を降らせる原因の一つが積乱雲ですが、線状降水帯も連続発生した積乱雲が連なって形成されるものだそうです。大雨に備えて早目に避難行動を行うためには、積乱雲の発生や線状降水帯の発生が予測できれば可能になると思うのですが、予測は難しいようでございます。
 関東地方でも8月1日午後、大気の状態が不安定となり、神奈川県東部で局地的な大雨となりました。鎌倉市のほか横浜市や川崎市、横須賀市、藤沢市などに土砂災害警戒情報が出され、横浜市と藤沢市の一部には避難勧告も出されました。気象庁は8月1日は夜にかけて低地の浸水や河川の増水、土砂災害に警戒するよう呼びかけました。相模原市中央区では午後3時50分までの1時間に69ミリ、藤沢市では午後4時10分過ぎまでの1時間に60ミリの非常に激しい雨が降ったわけでございます。
 この8月1日の豪雨に対する鎌倉市内の状況と、鎌倉市がどう対応したのか、ここで確認したいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  去る8月1日は、議員御紹介のように、日本の南に低気圧が停滞いたしまして、南から暖かく湿った空気が流れ込んだことによりまして、大気の状態が非常に不安定になりまして、鎌倉市でも午後から大雨に見舞われました。
 鎌倉市における気象情報でございますが、14時53分に大雨警報が、15時36分に洪水警報が、そして16時05分に土砂災害警戒情報がそれぞれ発表されまして、その都度防災行政用無線等で市民の皆様に情報提供を行いました。
 市では大雨警報の発表を受けまして、情報収集に当たる中で、16時30分に災害警戒本部を設置いたしまして、避難所の開設も視野に入れた態勢をしいたところではありますが、降雨のピークは一時的なものであったため、避難所の開設には至らなかったものであります。その後も引き続き情報収集態勢をしいていましたが、夕方から降雨も小康状態となりまして、土砂災害警戒情報が19時33分に、大雨警報が23時49分に解除されまして、大きな被害も幸い発生しなかったため、翌8月2日午前8時30分をもちまして災害警戒本部を解散したものでございます。
 以上が一連の対応状況でございます。
 
○16番(納所輝次議員)  当日は腰越地域を流れる神戸川が氾濫するおそれがあるということで、NHKのニュースでも繰り返し取り上げられておりました。鎌倉市では洪水ハザードマップなどが作成されておりますけれども、それに基づいて市民はどのように行動すべきなのか、市の考えを確認したいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  災害による被害を軽減する上で重要なことは、平時からの備えをしっかりと行った上で、いざというときの行動を想定しておくことであると考えております。
 市では従来から洪水、津波、土砂災害など各種災害別のハザードマップを作成、配布をしてまいりましたが、さらに一歩進みまして、あらゆる災害リスクを一元的に把握し、具体的な行動をイメージしていただくことを目的といたしまして、昨年、平成28年9月に地区別危険箇所マップを作成し、各家庭に配布をいたしました。当該マップによりまして、お住まいの地域でどのような災害に注意が必要で、どこへ避難するのかといったことを常に平時より意識していただき、減災対策に活用していただきたいと考えているところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  この鎌倉市における災害対応も毎年のように展開をされているわけでございますけれども、近年の災害対応実績の傾向や災害の種類、鎌倉市の特徴的なものがあれば、伺いたいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  近年は集中豪雨、これが全国各地で発生しておりまして、気象の専門家によりますと、先ほど議員御紹介のあった線状降水帯によります豪雨は条件次第で関東地方でも発生の可能性があるとされておりまして、本市におきましても、洪水の発生、内水による被害、土砂災害の発生等への対応が急務となっていると認識をしているところでございます。
 ここ数年で災害対策本部を設置いたしまして全市的な対応を行った事例は、平成26年10月の台風18号の対応と、平成28年、昨年の8月の台風9号の対応のみでございますが、災害対策本部の設置に至らないまでも、警戒態勢をしいた上で避難所、災害コールセンターの開設を行った事例は毎年発生している状況であります。
 基本的な考えといたしまして、被害の可能性が少しでも予測される場合は、十分な態勢をしき、避難所の開設などはできるだけ早目に行うことによりまして、市民の皆様に安心感を持っていただけるよう努めているところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  局地的な大雨が全国各地で大きな被害をもたらしている現在、早過ぎる避難を取り越し苦労と笑うことはできません。予測が難しい地震などの災害と違い、台風などの水による災害はある程度準備して早目の対応を図ることが可能とされています。
 そこで、現在注目されているのがタイムラインです。台風などの接近を前に、災害の発生を想定し、その状況予測を共有した上で、いつ誰が何をするかという防災行動と実際に動く主体を時系列的に整理した計画をあらかじめ用意しておく防災行動計画、いわゆるタイムラインが注目され、国、地方公共団体、企業、住民等に導入が広がりつつあるといいます。
 まず、ここでお伺いいたしますが、タイムライン、防災行動計画とはいかなるものか、市としての認識を御説明いただきたいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  議員御紹介のこのタイムラインですが、これはアメリカでハリケーンの被害軽減策として始まったと聞いております。台風や豪雨に伴う被害発生予測時間帯から逆算をいたしまして、自治体や住民の動きをあらかじめ定めておくもので、近年我が国におきましても導入が広がりつつあることは承知してございます。具体的には、予報をもとに3日前、1日前などの各段階で関係機関が実施すべきことを明確にいたしまして、対応が後手に回ることがないようにするのが狙いであると認識しております。
 
○16番(納所輝次議員)  今、御説明いただきましたように、タイムライン防災の原型はアメリカに始まったということでございます。2012年10月29日、アメリカ・ニュージャージー州、ニューヨーク州に上陸したハリケーン・サンディが大都市を直撃、地下鉄や地下空間への浸水を初め、交通機関の麻痺、ビジネス活動の停止など、近年発生した災害の中でも極めて甚大な被害をもたらしたということでございます。
 そこで、ニューヨーク州知事らは、被害の発生を前提とした防災用として、事前にタイムラインを策定しておりまして、タイムラインをもとに住民らに対する対策を行ったことで、ハリケーンによる被害を最小限に抑えることができたということでございます。
 このことに注目した日本政府ですが、2013年に国土交通省は防災関連学会との合同調査団を結成しまして、アメリカでの現地調査とヒアリングを行いまして、2013年10月に最終報告書を作成しております。この報告書では、米国での教訓等を活用しつつ、我が国の実情に合ったタイムラインの策定、活用を進め、大規模水災害が発生することを前提とした防災・減災対策を進めることを提言しております。そして、2014年1月、国土交通省水災害に関する防災・減災対策本部を設置し、リードタイムを活用した発災前の活動に着目し、防災・減災に向け、タイムラインの考え方を生かした行動計画を検討するため、防災行動計画ワーキンググループを設置しております。
 既にタイムラインの先行事例が幾つかあるということでございます。このタイムラインの先行事例における効果をどう市は把握していらっしゃいますか、伺いたいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  自治体のタイムラインといたしましては、三重県や東京都の千代田区及び荒川下流域の足立区など、複数の自治体が作成していることを把握しております。このタイムラインの活用によりまして、他部署との連携及び役割分担の明確化について共通の認識を持つことで、早目の対応による一体的かつ迅速な対応に資することができるものと考えております。
 
○16番(納所輝次議員)  このタイムラインの対象とする災害の設定についてでございますが、タイムラインの対象となる災害は近づく台風などによるいわゆる進行型災害を基本としますが、突発型災害を対象とすることもできるということでございます。また、タイムラインの策定に当たっては、災害対応時の想定外の事態を減らすため、最悪の状況を含む災害も想定することが大切であるということでございます。
 水災害、雪害や南米のチリ津波など、遠地津波災害等の災害を進行型災害と定義するそうです。タイムラインでは進行型災害を基本とし、事前に起こり得る状況を想定し、共有した上で、防災行動をタイムラインとして策定します。
 地震などの突発型災害では、事前に防災行動を実施することは困難ですが、例えば、地震発生後の人命救助のために重要な72時間を意識して、それまで何を行わなければならないかについて検討する等、地震発生後の行動をタイムラインとして策定する事例もありまして、タイムラインは災害発生後の対応でも有効な手段の一つとなり得るとのことでございます。
 タイムラインを構築するため、対象災害の設定とともに、主な災害の発生時点を定め、この時刻をゼロ・アワーとしております。また、このゼロ・アワーから時間をさかのぼりまして、個々の防災行動を実施するタイミングと防災行動に必要な時間、リードタイム、並びにその事態の進行状況を整理するそうです。
 タイムラインは災害発生後の対応につながるものとして、災害の発生を前提として、防災行動を迅速かつ効率的、効果的に行うものです。このため、タイムラインの策定に当たっては、防災関係機関が広く参加することが大切であるということでございます。
 タイムラインの導入により期待される効果ですが、まず、災害時、実務担当者は先を見越した早目早目の行動ができるということ、また、意思決定者は不測の事態の対応に専念できるということです。次に、防災関係機関の責任の明確化、防災行動の抜け、漏れ、落ちの防止が図れるということ、防災関係機関の間で顔の見える関係を構築できるということでございます。さらに、災害対応の振り返り、検証、改善を容易に行うことができます。
 平成27年9月、関東東北豪雨災害、もうちょうど2年たつわけでございますけれども、このときに氾濫危険情報が発表された市町村のうち、避難勧告の発令等に着目したタイムラインを策定した市町村における避難勧告または避難指示を発令した市町村の割合が72%、タイムライン未策定市町村では33%となっておりまして、タイムライン策定済みの自治体のほうが発令率が高い傾向となっております。
 ことし7月21日に発生し、8月9日に温帯低気圧に変わるまで長期間にわたり迷走した台風5号については、タイムラインで対応した三重県の例がございます。8月4日朝、台風5号の進路を注視していた三重県防災企画・地域支援課の職員は、気象庁発表の予報円が県域に入ったことを確認、午前9時、タイムラインを発動しました。直ちにツイッターによる県民への注意喚起や地元気象台と連携した情報収集などが行われ、正午過ぎには知事や各部局長らによる緊急会議を開催、台風に関する専門家の見解や予定行事への対応などについて情報を共有しました。タイムラインは災害前から災害後にかけて防災関係者がとるべき行動を時系列にまとめたもの、三重県は試行版を6月から運用しておりました。今回の運用につきまして、行動項目に従って漏れなく早目の対応を関係機関に促すことができたとしております。
 鎌倉市の災害対応には、防災安全部及び関係課による対応、次に調整会議による各部対応、災害警戒本部の設置、災害対策本部の設置の各段階がございます。そこでお伺いしますが、鎌倉市の災害対応段階の配備態勢の設置基準、これを確認したいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  災害対策基本法におきましては、市町村の地域について災害が発生し、または災害が発生するおそれがある場合には災害対策本部を設置することとしておりまして、本市におきましても災害対策本部設置条例等で設置及び対応方針を定めているところでございます。
 本市における災害対応の段階でございますが、まず、風水害等による災害の発生が予想されたとき、災害警戒本部長であります副市長が関係部長をメンバーとする調整会議、これを招集いたしまして、警戒対応方法等を協議します。その結果、統括的な警戒活動が必要と判断した場合には、警戒態勢を整備いたしまして、安全確保対策を実施するための災害警戒本部、これを設置することとなっております。さらには、全市的な対応、これが必要な状況となった場合には、市長を本部長といたします災害対策本部を設置いたしまして、対応に当たることとしているところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  その災害が発生した場合には、まずいかに早く市民が避難所に避難するかということでございます。小学校16校が避難所になっておりますけれども、どういう状況で避難所が開設されるのか、伺いたいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  大雨、洪水や土砂災害によりまして、被害の発生が予測され、避難の必要が認められる場合、状況に応じまして市立小学校に避難所を開設することとしております。避難所の開設に際しましては、市民の皆様の避難行動に係る安全面、これを第一に考慮いたしまして、風が強くなる前や日没前に避難できるよう、早目に避難所を開設するよう努めているところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  その早目というのが非常に重要なキーワードでございまして、災害非常事態における報道については、最近はかなり早目の段階で避難を呼びかける傾向がございます。その呼びかけに応じて市民が早目に避難をしても、地元ではまだ避難所が開設されてないという場合もあるということでございますが、実際鎌倉市で避難所開設前に避難してきた事例はあるのかどうか、その際市民へはどう対応しているのか、伺いたいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  風水害時におけます本市の対応といたしまして、早目に避難所を開設するよう努めていることもございまして、避難所の開設前に市民の方などが避難してきた事例は現在のところ出ていない状況です。しかしながら、これまでも、避難所開設には至らない状況下におきましても、避難所についての問い合わせが寄せられた事例がございまして、このような場合は本庁舎等への一時的な受け入れなど、状況に応じた柔軟な対応を図ることとしているところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  柔軟な対応が即座にできる、それは実際に事前に準備しておかなければできないことでございますけれども、避難所開設前の段階で避難準備待機場所、避難所開設前に避難する待機場所、これを設置することは可能なんでしょうか、伺いたいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  台風などある程度予測が可能な災害に対しましては、議員おっしゃるように、早目の避難所開設を今図っているところでございますが、避難所開設前に避難者が自宅以外で待機せざるを得ない、こういった状況も想定はされるところでございます。
 現在、避難所に準ずる場所といたしまして、一部自治会・町内会等では、災害発生時の一時的な避難場所や集合場所といたしまして、町内会館など地域のコミュニティー施設を活用している事例もあることは把握してございます。それぞれの地域の実情にもよりますが、このような地域におけるいわゆる共助、この取り組みを推進することによりまして、避難体制の補完措置、これがなされまして、体制の充実が図られるよう取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  町内会や自治会等も、その自治会館等、それが避難準備の待機場所もしくは集合場所で使えるというのは非常にありがたいことですが、ただ、無人であいてないという場合も考えられます。例えば、民間の事業所であるとか、民間施設ですね、ふだんあいているその場所に協力をお願いするなども一つ考えることができるんではないでしょうか。地域のコミュニティー活動の一環としても、避難住民の待機場所として指定するなどの取り組みも今後考えられるのではないか。ストレートに避難所がすぐ開設できれば問題ないということなんですが、避難所までがちょっと遠いであるとか、さまざまな地域の事情、それに柔軟に対応できるような体制をぜひつくっていっていただきたいと考えております。
 また、災害への対応後、策定したタイムラインと災害対応の時系列の記録、これをクロノロジーというそうでありますけれども、その比較や、防災行動を実施した事象をもとに振り返り、いわゆる検証を行うことによって改善策を検討し、必要に応じてタイムラインに反映させるなど、防災行動や災害後の対応を継続的に改善、充実していくことも重要であるということでございます。
 ただ、鎌倉市では過去に、接近する台風に対して災害発生を想定して、いわゆるタイムラインを意識した対応を図ったことがあると伺っております。その状況を伺いたいと思うんですが、また、その是非と課題についてどうお考えか、伺います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  平成26年でございます。平成26年10月6日に本市に最接近した台風18号は、10月3日の時点で中心気圧が935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルと、大型で非常に強い勢力で日本の南を進んでおりました。
 本市では10月3日の時点でタイムラインを意識いたしました対応策を作成いたしまして、災害警戒本部、災害対策本部等の設置時期、避難所、災害コールセンターの開設時期、閉庁時間帯における関係職員の連絡体制等について情報共有を図りました。その後、10月5日(日)12時に災害警戒本部を、16時に避難所を設置、21時に災害対策本部に移行いたしまして、全庁的な体制で対応に当たった結果、浸水、倒木等の被害は発生したものの、人的被害は発生することなく終息に向かいました。
 風水害、特に台風のようにある程度、議員おっしゃるように、予測が可能な自然災害の場合、ピークの時期から逆算いたしまして、先手先手で必要な対応を図ることの有効性は確認できたと考えております。このようなことから、平時よりタイムラインの考え方について共有を図りまして、共通の認識のもとで災害対応に当たる体制を構築していくことが大切であると考えているところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  水害対策では、災害に備えて自治体関係者らがどのように行動すべきかを時間軸に沿って整理した防災行動計画、このタイムラインが効果的であると言われております。昨年度はタイムラインを策定した自治体が148市区町村だったそうでございます。政府は2020年度に730市区町村にまでふやす考えだとのことでございます。
 台風などの接近が想定されるならば、事前の対応は当然ながら必要ですけれども、あらかじめ計画立てておくタイムラインがあれば、より迅速な対応が図れるのではないでしょうか。そこで、鎌倉市としてタイムライン防災導入の必要性、そして課題があれば、伺いたいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  タイムラインの考え方に基づきます災害対応の有効性は認識しているところでございます。現在も風水害時におきましてはタイムラインを意識しながら対応策について協議・検討を行っております。
 また、一方、専門家によりますと、タイムラインの先駆けであります、先ほど御紹介いただきましたアメリカと比べまして、我が国は気象条件が複雑で災害の種類も多く、よりきめ細かな判断基準や地域の災害種類を考慮する必要があるとの指摘もなされているところでございます。
 しかしながら、いずれにいたしましても、タイムラインの導入をすることによりまして、あらかじめ事態を想定し、対応の選択肢がイメージしやすくなり、減災の効果を高めることができるものと考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  タイムラインは行政だけではなく、企業や事業所、地域の自治会、町内会、福祉施設などでも導入しておくことが望ましいとされております。
 昨年、台風10号による豪雨で岩手県の小本川が氾濫し、岩手県と北海道で合計23人が亡くなったり行方不明になりました。この8月30日で災害発生から1年を迎えたということでございます。この台風は観測史上初めて東北地方の太平洋側に上陸するという特異な台風災害でございます。岩手県内5市町村では8月1日現在214世帯が仮設住宅で現在も生活をなさっているということでございます。特に岩手県岩泉町で高齢者グループホームの入所者9人が死亡したという痛ましいニュースは記憶に新しいところでございます。
 高齢者は災害弱者になりやすく、頻発する豪雨に備えての対策も気にかかります。鎌倉市では高齢者向けの施設が多く、津波避難地域や洪水が予想される地域、土砂災害の危険が予想される地区にも施設は存在しております。洪水や土砂災害の危険の高い地区にある高齢者など配慮が必要な方向けの施設はどのくらいあるんでしょうか。市の把握しているところを伺いたいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  土砂災害警戒区域内に立地いたします高齢者などの要配慮者利用施設につきましては、現在144施設あることを把握してございます。また、洪水浸水想定区域に立地する同様の施設につきましては、本年、平成29年8月末に調査が完了いたしまして、現在35施設あることを把握してございます。
 
○16番(納所輝次議員)  土砂災害警戒区域で144、洪水浸水等についても施設として34施設ということでございます。
 これまでに経験したことがないような災害が起こると予想される場合に発表される特別警報がございますけれども、ことし7月に九州北部を襲った大雨では大雨特別警報が発表されまして、一時51万人以上に避難指示・勧告が出されました。
 災害発生時、避難に時間を要する高齢者にとって、こうした特別警報の意味をしっかり理解しておくことは、命を守ることにつながります。大雨や防風などの気象に関する6種類の特別警報が発表される前には、順次注意報や警報が発表されます。災害弱者となりやすい高齢者などはこれらの情報に留意し、早目早目の行動ができるよう準備しておくことが重要でございます。もし特別警報が発表された際は、これまでに経験したことのないような災害が起こる可能性が高いため、直ちに行動を起こす必要があります。
 鎌倉市などの自治体から発令される避難情報には、避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示(緊急)の三つがございます。特に高齢者の場合は避難準備・高齢者等避難開始が発令された段階で速やかに避難を開始する必要がありますので、あらかじめ避難計画を策定しておくとともに、タイムラインを導入しておくことが望ましいと思います。
 市内の高齢者など配慮の必要な方向けの施設において、避難計画の策定状況や避難訓練の実施状況、これは把握しているかお伺いするとともに、近隣住民などによる避難などの支援体制が組まれている例を把握していれば、伺いたいと思います。その例がなければ、避難計画策定や支援体制の確立を促すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  現在、要配慮者利用施設におきます避難計画、避難訓練でございますが、火災に関しましては、一定規模以上の施設につきましては、これは消防法で計画策定及び訓練を行うことが定められているところでございます。
 一方、議員御紹介の洪水、土砂災害ですが、これにつきましては、これまでは義務が課せられていなかった状況ですが、本年6月19日に水防法と土砂災害防止法が改正されましたことによりまして、浸水想定区域や土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設における避難計画の作成、避難訓練の実施が義務づけされたところでございます。今後、先ほど御答弁申し上げた施設の管理者等に避難計画の作成や避難訓練の実施を促していくように取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  神奈川県県土整備局河川課によりますと、一昨年の関東・東北豪雨や、今取り上げました岩手県の小本川氾濫を背景に神奈川県が設置した大規模氾濫減災協議会では、水防災意識社会再構築ビジョンの中で、施設では防ぎ切れない大洪水が必ず発生することを前提として、社会全体でこれに備える水防災意識社会を再構築する取り組みを行うとしております。
 鎌倉市の場合、大規模氾濫に備え、柏尾川、滑川、神戸川の治水対策が重要でございます。過去に議会で採択された請願や陳情では、昭和49年の柏尾川周辺の水害防止、昭和50年の滝ノ川護岸工事、平成16年の神戸川流域の水害防止対策などがありまして、以前から浸水など水害対策への市民要望が多く寄せられております。それだけに、抜本的な対策とともに、早期に避難を促す情報伝達が求められているということでございます。
 鎌倉市内の主要3河川であります柏尾川、滑川、神戸川は、観測用のカメラと水位計で状況を把握していると思いますけれども、水位の変化について防災上の対応はどうなっているのか、確認したいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  神奈川県の管理河川でございます柏尾川、滑川、神戸川の3河川には、水位計とカメラが設置されております。これはインターネットにより常時確認できるほか、各基準水位を超えた場合は県から情報が提供されることになっております。
 議員御指摘のこの3河川は、それぞれに神奈川県が、水防団が準備に入る水防団待機水位、水防団の出動の目安となる氾濫注意水位、そして避難の準備、高齢者等が避難を開始する避難判断水位、避難勧告を発令する氾濫危険水位を設定しておりまして、避難勧告等を発令していく判断基準としているところでございます。私どもとしましては、この水位の状況を注視いたしまして、避難勧告等の発令について的確に判断いたしまして、対応に当たるよう努めているところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  鎌倉市では平成16年、二度にわたる台風が鎌倉を襲った際、鎌倉市の主要3河川ではなく小河川や準用河川が氾濫し、浸水や道路冠水など住宅や交通に大きな影響がありました。
 鎌倉市の過去の浸水被害についてでございますけれども、昭和41年の台風被害では3,205件もの床上・床下浸水、昭和48年も3,016件、昭和57年でも1,825件の被害件数が記録されております。その後、平成2年の台風20号では706件、平成5年11月の豪雨では18件、平成16年台風22号では832件というように、被害件数自体は減少傾向にあるということでございます。これは河川改修や下水道整備が進んできたことによるということでございますが、浸水被害がなくなったわけではありません。というのも、鎌倉市の既設の雨水管渠の流下能力が不足していることや、雨水管渠が流れ込む先の神戸川や柏尾川の水位が高くてせきとめられてしまうと、このことが浸水被害の要因となるということでございます。
 この市内を流れる小河川に対する水害対策はどのようになっているのか、避難等の判断基準や簡易型水位計などの設置の必要性についてお伺いしたいと思います。
 
○樋田浩一 都市整備部長  市内の小河川の水害対策といたしましては、流れの障害となります堆積土砂のしゅんせつや護岸の草刈りなどを行い、溢水防止を行っているところでございます。今、御案内ございました簡易型水位計などを設置することは大変有効な手段であると考えております。こうしましたことから、平成28年3月に策定いたしました鎌倉市社会基盤施設マネジメント計画の中で、防災のためのソフト施策としまして河川水位等の情報提供を行うことを位置づけ、それに基づき必要な検討を始めているところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  簡易型水位計としても、費用のかかることでございますが、一番心配なのが、水位計がないところに例えば担当職員が危険を冒して行くということ、これが一番大変心配されることなんですね。数少ないマンパワー、それを割いてそれぞれの心配な場所に直接出向くということは、これはぜひ避けていただきたいと思いますし、それを補完する簡易型の、いろんな工夫をしてでも水位計が設置されれば、必要なところに必要な人材を集中できると思っておりますし、職員の安全も確保できるのではないかと考えております。さまざまな工夫をして、簡易型水位計等で遠隔して状況が把握できるようなシステムをぜひ構築していただきたいと思っております。
 ただ、水位がわかっただけでは、いわゆる内水による浸水被害を防ぐことはできません。雨水調整池の設置が最も重要になってまいります。鎌倉市では河川の周辺地域で豪雨時に、既設水路の容量や低地部などの地形的な要因によって浸水被害が発生しております。8月の大雨でも鎌倉駅近くの下馬の横須賀線ガード下などが冠水により通行どめになるなど、市内各地の交通に影響が出ました。
 この場合、雨水を地下空間に一時貯留することで、たとえ10年に一度の大雨が降っても浸水被害を防げるようにしておくということが必要であると思います。そこで、必要なその雨水調整池でございます。鎌倉市における雨水調整池の設置状況と、課題があれば、伺いたいと思います。
 
○樋田浩一 都市整備部長  現在鎌倉市では38カ所の雨水調整池を管理しておりまして、その総容量は約13万立方平方メートルとなっております。また、不用となりましたコミュニティープラントを雨水貯留施設へ転用する事業も行っておりまして、貯留容量の確保に努めているところでございます。
 管理しております雨水調整池の課題といたしましては、設置から30年程度経過している調整池もございまして、施設のメンテナンスや土砂等のしゅんせつなど定期的な維持管理が必要となっております。また、ゲリラ豪雨などへの対応には新たな調整池の設置が必要となっており、そのための用地確保が課題と考えております。
 このようなことから、民間の開発事業におきましても、開発規模により雨水流出を抑制する施設の設置を定め、事業区域が3,000平方メートル以上の場合は、雨水貯留型の施設設置の指導を行っております。また、事業区域が500平方メートルから3,000平方メートルまでの事業では、雨水浸透型施設の設置を指導しているところでございます。
 先ほど13万立方平方メートルと申しましたが、13万立方メートルでございます。失礼いたしました。
 
○16番(納所輝次議員)  38カ所の雨水調整池がある、ただ、老朽化であるとか、そういったものの課題もあるということでございます。
 きょうの神奈川新聞によりますと、お隣の藤沢市で水害対策の計画を見直すという記事が載っておりました。9月の定例会の中で明らかにされたようでございます。いわゆる雨水貯留管整備におくれが出る、これも近年のゲリラ豪雨などによって重点地区以外の地区でも水害が発生しているということで、いわゆる浸水箇所の絞り込みや重点地区の見直しを行うということで、その計画を見直さなければいけない事態が出てきているということだそうでございます。いわゆるゲリラ豪雨への対応というもの、これと同時に、やはりお隣の藤沢市でも老朽化した下水道管の補修や改築についてもなかなか目標どおりに計画が進まないという事情もあるようでございます。これは我が鎌倉市でも同じような課題というのは抱えているのではないかと思っております。
 雨水調整池の設置状況ということでございますけれども、鎌倉市の取り組みといたしましては、現場力を最大限に生かし、山谷の多い鎌倉の環境や交通における安全・安心の確保と豊かさの実現、市民生活を守る施策の推進に努めるべきであると思っております。
 老朽化している鎌倉市の社会インフラの整備を早く進めることで、経済活性化をもたらします。市、また観光のあり方にも寄与します。特に各地で頻発する集中豪雨を含む災害については、他山の石として貴重な教訓と捉え、鎌倉市全体で自然災害に備える防災意識社会への転換を進めながら、ハードとソフトの両面から対策を進める必要があると考えております。
 鎌倉市として、洪水被害を防ぐため、逃げおくれゼロ、社会経済被害の最小化に向け、あらかじめタイムライン、防災行動計画を作成することを求めますけれども、市の見解を伺いたいと思います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  議員御指摘のとおり、タイムラインは、逃げおくれゼロ、社会経済被害の最小化、これに向けた有効なツールであると認識をしております。本市におきまして、タイムラインの考え方につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、既に取り入れているものと捉まえておりますが、これまでの取り組みを継続する一方、まずは市の内部で共通の認識を持つためのタイムライン、この作成に鋭意取り組んでまいりたいと考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  次に、学校トイレの洋式化及び体育館への多目的トイレの設置の推進について伺ってまいりたいと思います。
 平成28年8月、文部科学省は公立の義務教育学校の施設整備について、基本方針、いわゆる施設整備の目標を定めるものと、基本計画、方針に基づき交付金を活用した改築、改造事業を定めるもの、これを改正いたしました。この改正では、基本方針として、学校施設の長寿命化改修や非構造部材の耐震対策とともに、トイレ環境の改善など教育環境の質的向上という整備の目標が示されておりまして、また、基本計画としては、長寿命化改修事業とともに、トイレ環境改善が明記されております。これは文部科学省の通知でございます。
 また、昨年4月の熊本地震を受けた熊本県教育委員会の報告によりますと、避難所となった学校における施設面の課題として、体育館内の多目的トイレの必要性が上げられています。熊本地震で被災された障害者の皆さんからは、東日本大震災のときにも聞かれましたけれども、避難所となった学校のトイレが和式で使えず、引き返したとの御意見があったと報道されておりました。被災者に避難生活で不足したものを聞いたアンケートでは、水、食料に続いてトイレとの回答が多かったようでございます。
 そこで、学校のトイレの洋式化及び体育館への多目的トイレの設置に関して、教育委員会の考えについて質問いたします。横浜市では、トイレの改修に当たり市内の小・中学校にアンケートを実施しましたところ、全体で見ると洋式化率は65%だそうですが、中には洋式化率が15%しかない学校があったとのことでございます。現在、鎌倉市立の小・中学校のトイレの洋式化率、これは把握していらっしゃいますでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  本市の学校トイレの洋式化率でございますけれども、平成28年度末の時点で38%でございます。なお、小・中学校25校のうち、洋式化率の最も高い学校は100%、そして最も低い学校は15%でございます。
 
○16番(納所輝次議員)  やはり15%の学校があるということでございます。当然それに対する改修計画をお持ちであると思っております。今後の学校トイレの改修計画はどのようになっておりますでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  本市では原則的には建築年の古い順にトイレ改修工事を行っているところであります。現在進めております後期実施計画期間中におきます計画でございますけれども、平成30年度以降にトイレ改修工事を予定している学校は、植木小学校、関谷小学校、腰越中学校、そして深沢中学校の4校でございます。なお、今年度、平成29年度につきましては、富士塚小学校と小坂小学校の改修工事を実施しているところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  ことしが現在富士塚小学校と小坂小学校で、平成30年が植木小学校、関谷小学校、腰越中学校、深沢中学校ということで、ただ、なかなかこれ進まない、予算の関係もあるでしょうけれども、一遍には改修が進まないという現状があります。横浜市でも築年数の古い学校から改修を行っておりましたけれども、2015年度からは方針を変えて、洋式化率の低い学校から改修を進めることにしたということでございます。
 1校当たりのトイレの改修はどういう改修内容になっているんでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  改修工事の内容でございますけれども、まず、便器の洋式化、これは必須でございます。そして、床材の乾式化、これは湿式から乾式にかえるということですね。それから、最も重要なのは給排水管の交換、そして、鎌倉市ではみんなのトイレと呼んでございますけれども、いわゆる多目的トイレの整備、こういったことが中心になります。
 
○16番(納所輝次議員)  まずは急いでもらいたいのが洋式化ということでございます。簡単に便器を和式から洋式に取りかえられない事情もわかります。トイレ改修工事で洋式化する際の課題は何か、確認したいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  学校のトイレのドアなんですけれども、家庭用と異なり、内開きになります。和式便器の場合は便器の上をこのドアが通過するため、狭いスペースでもドアの開閉が可能になりますが、洋式便器に変更する場合は、従前のスペースでは便器にドアがぶつかってしまいまして開閉ができないため、和式よりより広いスペースが必要となってまいります。しかしながら、限られたトイレの面積の中で改修を行うため、場合によっては便器の数が減ってしまうこともございます。こうしたことが課題として捉えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  先日教育こどもみらい常任委員会で第二小学校のトイレも視察させていただきましたけれども、その際、トイレの洋式化で問題になるのはやはり扉であると伺いました。そこで、第二小学校では、扉が弧を描いて開閉するアークスライド方式、これを採用したトイレがございました。これなら限られたスペースで使い勝手をよくして安全性を高められるのではないかなということでございます。
 文部科学省の基本方針、基本計画に示されているように、学校トイレの洋式化は教育環境の質的向上を図るために必要でありますし、家庭のトイレが洋式主流であるということも大きな要因でございます。横浜市では外国籍の児童・生徒がふえていることから、洋式トイレが特に必要とされているそうでございます。洋式化が進んでない学校では洋式ブースに行列ができることもあると伺いました。
 全面改修に取りかかるまで時間がかかるのならば、いわゆる暫定的な洋式化の手法は考えられないでしょうか。いわゆる改修ではなくて修繕という形での洋式化の手法は暫定的には考えられないかどうか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  今、御指摘のとおり、当面改修工事が未定な学校、幾つかございます。こういった学校につきましては、洋式便器への一部変更や臭気対策、こういったことを施しまして、児童・生徒が快適にトイレが利用できるよう改善するため、限られた予算の中のやりくりの中で随時これまでも個々の修繕を実施しているところでございます。こうした修繕を引き続き継続していきますが、できるだけ洋式化ということに着目しながら、プライオリティーをつけながら実施してまいりたいと考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  学校トイレの洋式化、当然普通教室のある校舎が優先的に改修されるということでございますが、体育館、これが余り重視されてないような印象がございます。また、多目的トイレについても、特別な配慮が必要な児童・生徒の入学に合わせて、必要に応じて整備するということになるのではないでしょうか。しかし、特に小学校体育館は避難所にもなっていることから、地域のさまざまな方が利用します。ですので、体育館のトイレの洋式化とともに、多目的トイレの整備が必要になってくるのではないでしょうか。
 熊本地震を受けた熊本県教育委員会の報告書などにも、学校は災害時に避難所となることから、避難所の機能強化のために学校トイレの洋式化及び体育館への多目的トイレの設置が必要とございました。体育館トイレの洋式化及び多目的トイレの設置についてはどう取り組むのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  トイレの改修工事の実施に当たりましては、校舎内の児童・生徒用のトイレを、先ほど御指摘のとおり、優先的に進めてきたところでございます。こうしたことから、体育館のトイレの改修はおくれている状況は否めません。
 御指摘のとおり、避難所に指定されていることから、多目的トイレや洋式便器を設置する体育館が少ないことは重要な課題として認識してございます。今後は校舎トイレの改修にできるだけあわせて実施するなど、体育館のトイレの改修につきまして取り組んでいきたいと考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  そして、多目的トイレでございますが、特に多目的トイレはオストメイト対応も重要でございます。このオストメイト対応の多目的トイレ化について見解を伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  先ほど冒頭でもお話ししましたけれども、多目的トイレは本市ではみんなのトイレと呼んでございます。老若男女問わず、体が不自由な方でも健常な方でも誰でもが利用できるトイレということで、みんなのトイレと呼んでございます。このみんなのトイレにつきましては、体が不自由な方が利用でき、車椅子利用の方のみならず、オストメイトの方につきましても対応可能な衛生設備がございまして、極めて重要なトイレと認識してございます。
 
○16番(納所輝次議員)  特に体育館については多目的トイレの設置と、それからオストメイト対応を考えた、いわゆる校外の方が利用する機会の多いトイレであるという認識で取り組んでいただきたいと思います。
 この避難所としても利用される公立学校の体育館のトイレについてですけれども、文部科学省はつい先日、8月29日、災害時の避難所に指定されている全国の公立学校の防災機能に関する調査結果を公表しております。ことしの4月1日時点で断水時に水洗トイレにかわる機能を備えている学校は半数にとどまっており、昨年4月の熊本地震ではこうした機能を確保できず、避難者が体調を崩すケースなどもあったことから、文部科学省は各教育委員会に取り組みの強化を求めるということでございます。
 鎌倉市の避難所ではこういった問題は少ないと考えておりますけれども、現在鎌倉市の避難所では断水時のトイレはどのように確保されているでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  議員御指摘のとおり、昨年4月に発生した熊本地震では、避難所等におけるトイレの衛生対策、これが大きな課題であったと認識をしてございます。
 本市におきましても、災害時、断水などライフラインが停止した場合のトイレ確保は重要な課題であると認識しておりまして、現在、組み立て式の簡易トイレを避難所となる各小・中学校に10基ずつ備蓄いたしまして、これまでも自主防災組織による避難所運営訓練の際には、簡易トイレの紹介や、実際に組み立てを行うなど、実践的な取り組みを実施してきているところでございます。
 さらに、本年度、衛生面での課題を解消するため、自動ラップ式トイレなど新たな考え方を取り入れたトイレの導入や、既設の洋式トイレの便座に袋をかぶせて使用する非常用トイレセットの備蓄も予定しているところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  今、確認しましたとおり、鎌倉市の各避難所には防災用の簡易トイレなどが配備されていることから、水が使えない事態になった場合でも何とか対応できる体制は確保しているようでございます。
 水が使えるときであっても、避難所のトイレが使いなれなかったり、使い方に苦労する和式トイレでは、避難者が体調を崩してしまうことが懸念されます。体育館トイレの洋式化を早急に進めていくべきであると主張いたします。
 その一方、文部科学省の調査結果では、施設利用計画策定済みの学校が4割に満たないということが指摘されておりました。この施設利用計画は、運営本部をどこに設置するか、感染症患者の専用スペースはどうするかなど、避難所としての運用方法を定めるものでございます。被災者を円滑に受け入れ、学校施設を効果的に利用する上で大変重要なのがこの施設利用計画でございます。
 そこで伺います。鎌倉市立小・中学校における施設利用計画の策定状況を確認したいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  各学校におけます学校防災マニュアルにおきましては、避難所として開設できる場所の表示など、避難所としての使用可能場所を掲示するなどを定めてございますが、今、御指摘のような、具体的にどの教室、あるいはどの会議室をどのように使っていくか、こうした詳細な施設利用計画につきましてはまだまだ十分に至ってないという状況でございます。
 したがいまして、我々教育委員会、あるいは総合防災課、関係課、ひいては地域の方々も含めて、こうした計画が定めていかれますよう、早急に検討してまいりたいと考えます。
 
○16番(納所輝次議員)  災害時、緊急時の混乱に拍車をかけることがないように、早急な計画策定を求めたいと思います。公立学校の耐震化はほぼ完了しているとのことでございますけれども、次の課題は、避難所として求められる機能を十分に確保することではないでしょうか。多くの大規模災害による教訓を無駄にしてはならないと思います。
 教育環境と避難所機能の面から学校トイレのあり方について質問してまいりました。子供たちが毎日使うトイレの使い勝手はできるだけ平等にしてあげたいものです。さらには、避難所の機能強化も優先度が高いことから、限られた予算を上手に使うためにも、現状をしっかり把握し、本当に必要とされるところに計画を前倒ししてでも予算を配分するべきであるということを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
 
○議長(山田直人議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (15時41分  休憩)
                   (16時10分  再開)
 
○議長(山田直人議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 議事の都合により、この際、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。次に、大石和久議員の発言を許可いたします。
 
○25番(大石和久議員)  皆さん、こんにちは。きょう最後の登壇者となりました。
 市長選挙を控えて、2期8年の松尾市政に対し最後の一般質問になるのかと思います。2期8年の松尾市長の政治姿勢についてを大項目として、ごみ行政と岡本二丁目用地の施設整備計画を中心に質問をさせていただきます。理事者におかれましては明快なる答弁をよろしくお願いいたします。
 まず、ごみ行政についてですが、焼却ごみの半減化計画の取り組みや進捗状況を、平成13年から16年にわたり、時あるごとに質問をさせていただいてまいりましたが、振り返りますと、横須賀市、三浦市、逗子市、鎌倉市、葉山町の4市1町で担当するごみ処理施設を建設し、4市1町で処理をしていこうとする広域化計画や、その後、分割しての逗子市との広域化計画、また、元県知事の岡崎さんが中心となったエコループ構想などで行政計画も左右されたようでございますけれども、広域化やエコループ計画への対応もしつつ、鎌倉市においては、焼却ごみの半減化計画に長い期間をかけて取り組んできた経過があります。
 松尾市長が市長として平成21年に就任され、8年経過したわけでございますが、2期目の任期を目の前にしても、焼却ごみを3万トン以下にするという行政目標は達成されておりません。現在では、焼却ごみの中で約50%を占める生ごみに焦点を当て、減量効果が期待され計画された生ごみ処理施設は、松尾市長就任とともに見直され、同僚議員も心配し、目標を達成するための減量化施策は何かと、所管する観光厚生常任委員会やこのような場で多くの議員が質問をされておりましたが、3万トン以下にするためこれは有効であろうとされる施策をこの8年間提示することはできませんでした。そのような中、昨年末には、有料化実施前の駆け込み需要ということが大きな理由で、自区内で焼却することができず、約1億3000万円余りの経費を使い域外処理を行うという結果となってしまいました。
 そのような経過も踏まえて質問をさせていただきます。この確認はごみの質問をするたびに聞いておりますけれども、焼却ごみを3万トン以下にするという目標は、市長、変わらないのでしょうか。
 
○松尾崇 市長  第3次ごみ処理基本計画で家庭系、事業系ごみの減量施策を推進することによりまして、平成29年度に3万1038トン、平成30年度に2万9896トンとする計画としております。この目標に変更はございません。ごみの組成調査から、平成30年度の焼却ごみには6,000トン以上の資源物や異物等が混入していると推計をするところでございます。これら混入をできる限り減らして、また、食品ロスの削減や新たな資源化に御協力いただくことで、焼却炉3万トン以下を目標とするということを考えております。
 
○25番(大石和久議員)  約3万1000トンのうち6,000トンが資源物や混入物ということで、ちょっと私も今びっくりしましたけれども、今年度末での焼却量見込み量は3万1000トン余りと聞いておりますけれども、1,000トン余りを減量する施策というものはどういうものを考えられているのか、教えてください。
 
○石井康則 環境部長  平成30年度につきましては、資源物や産業廃棄物の混入率をさらに引き下げていくということで約390トン、平成29年10月から回収いたします製品プラスチック等の拡大と皮革製品の資源化によりまして約320トン、さらに、食品ロスの削減や生ごみの資源化などによりまして約310トンの減量を中心に施策を進めていき、さらに1,000トン余りを減量する予定でございます。
 
○25番(大石和久議員)  資源物、廃棄物の混入率を下げる、6,000トンある中で390トン。そして、来月からスタートするんですかね、廃プラの拡大、革製品の資源化で320トン。そして、食品ロスの削減、生ごみの資源化で310トン。合計で1,020トン余りを削減するということですけれども、プラというのは軽い性質を持ってますね。プラの対象拡大や事業系ごみの排出指導などで、また生ごみの資源化というのはずっとやってきているわけですよね。その排出指導などの施策で減量効果というのは、私は多く望めないと考えております。分別などの協力率を見ても、市民の方々は大変な御協力をいただいております。過去うちの会派の西岡議員の質問においても、これ以上の市民負担は乾いた雑巾を絞れと言っているようなものだというような指摘がありました。
 私は、市民協力のほかに、有料化と、財政的な負担を市民に上乗せする、私はこれはちょっと消極的だったんですけれども、焼却するごみの有料化を行いましたけれども、ごみの有料化事業の検証結果というのはどのようになっていたのか、教えてください。
 
○石井康則 環境部長  有料化開始直後につきましては、有料袋を使用しない不適切な排出がございましたが、市民の方の御協力、御理解によりまして、その後は混乱なく実施をしているというところでございます。
 また、減量効果でございますけれども、収集量ベースでいきますと、平成26年度と比較すると、平成27年度は約17%、トン数でいきますと約4,100トンの削減効果がございました。平成28年度は、平成27年度と比較しますと約1%、トン数でいきますと約220トンの削減、そして今年度、平成29年度は、8月末までの5カ月間で比較いたしますと約0.3%、トン数でいきますと約25トンを削減しているということから、リバウンドもなく減量が進んでいると認識してございます。
 引き続き有料化を継続するとともに、家庭における食品ロスの削減や家庭用生ごみ処理機のさらなる普及啓発、製品プラスチックの資源化品目の拡大など、新たな資源化に取り組んでいくことで減量施策を推進していきたいと考えております。
 
○25番(大石和久議員)  リバウンドというような答弁もありましたけれども、これも有料化をして三、四年後、顕著にあらわれてくるというようなデータもどうも出ているようです。そういう中でちょっと様子を見なければいけないのかなというような不安部分もあります。
 また、生ごみ処理機のさらなる普及というのも、これもずっとやってきてますね。ここで私は、前の質問でも、これはいっぱいなんじゃないですか普及は、というようなお話もさせていただきましたけれども、やっぱり有料化に伴う、分別化、資源化が進んでいた鎌倉市にとっては、やはり有料化の効果というのは少なかったかなと。4,000トンという部分が4,100トンでしたっけ、評価するわけではないですけれども、やっぱり分別・資源化が進んだ鎌倉市にとってはこの成果というのはやはり少ないと私は考えております。
 さらに、特に事業系のごみに焦点を当てて取り組むという話も聞いておるんですけれども、これはどのようなことをやられるんですか。
 
○石井康則 環境部長  事業系ごみにつきましては、事業系から排出されるごみの分別徹底がやはり重要であると考えているところでございます。引き続き専門チームの訪問指導を継続するとともに、平成30年1月に施行する事業系手数料の改定を踏まえまして、分別徹底を推進していきたいと考えております。また、多量排出事業者を中心に、食品リサイクル法に基づきます登録再生利用事業者の情報提供を積極的に図っていきたいと考えております。
 また、フランチャイズ型の事業者に対して、特にコンビニなんですけれども、市内の加盟店の生ごみの資源化を進めるために、フランチャイズの本部に行きまして、エコフィードですとか食品リサイクルループの活用を現在働きかけているところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  はっきり聞きますと、その施策で安定して焼却量を3万トン以下にすることができ、またその3万トン以下という部分を継続していけるんですか。
 
○石井康則 環境部長  3万トンの目標値につきましては、資源物や異物の混入率を減らし、食品ロスの削減や生ごみの資源化を進めるといった施策により達成できると判断した数値でございます。平成27年度に導入いたしました家庭系ごみの有料化による減量が現在リバウンドすることなく継続していることを考慮しますと、3万トンは維持できると考えているところでございます。また、平成28年度には17万3736人と推計いたしました本市の人口が、平成37年度には16万7187人と、約3.8%減少をいたします。このことからも、焼却量の減少の要因になると考えているところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  今の答弁で、人口減少も含めて計算をしているというようなことでしたけれども、ごみの排出量については、皆さんもよく言われるんですけれども、景気動向にも大きく左右されるものですし、ごみ処理に関する技術革新などもこの数年で、ずっといろいろな技術出てますのでね、この数年で技術革新などもあるとは思いますけど、それを待っている余裕というのが鎌倉市には今ないという状況です。それは認識されていますか。
 
○石井康則 環境部長  本市では資源化が全国トップレベルでありますように、これまではさまざまな資源化の施策を進めてきたというところでございます。御指摘のように、ごみの減量における課題というのは、やはり分別を徹底することと、発生抑制と再使用を促進することだと考えてございます。第3次のごみ処理基本計画におきましても、いまだ家庭系ごみが13%、また事業系ごみでいきますとやはり24%程度を占める燃やすごみ以外の混入率を減らすことと、食品ロスの削減や生ごみの資源化を進めていくことが必要だと考えております。
 
○25番(大石和久議員)  先ほどの答弁のような施策を打ちながら3万トン以下にしていくというような形の答弁だったと思いますけれども、名越クリーンセンター周辺の二つの自治会、町内会と鎌倉市で結ばれた管理運営に関する協定がありますけれども、平成30年3月末で3万3000トンまでの焼却を認めていただいておりますけれども、平成30年度以降は名越クリーンセンターでの3万トンを超える焼却は行わないことがうたわれております。その期限も半年後と迫っておりますけれども、現状のままでは1,000トン余りが域外に出てしまう状況ではないでしょうか。その対応についてはどのようにされるんでしょうか。
 
○石井康則 環境部長  期限であります平成30年度には資源物や産業廃棄物の混入率のさらなる軽減、また製品プラスチック等の拡大と皮革製品の資源化、食品ロスの削減、生ごみの資源化等の減量を中心に減量施策を進めて、さらに1,000トン余りを減量していきたいと考えてございます。焼却量につきましては、平成29年度の目標値3万1038トンから平成30年度には2万9896トンとなり、協定で示した3万トンを超えない焼却量にしていきたいと考えております。
 
○25番(大石和久議員)  2万九千何がしという形で3万トン以下になるというようなことですね。半年ぐらい後に。今までずっとごみ処理基本計画を1次、2次、3次とずっと3万トン以下にならない形で見直し、見直し、見直しと来ている中で、わずか1,000トン余りですけれども、ここを1,000トン余り減らす施策としては、生ごみ処理機の普及だとか、いろいろありますけれども、ちょっと弱いのかなというような気が私はしております。
 それで、それができなかったらどうなるかというと、協定書を結ぶ説明会の中で、名越ですね、今後、焼却量を3万トン以下にするとの説明をしたわけです。でも、その説明に信用できないという声が上がったように聞いております。協定の延長は名越の地域の方々の、周りの方々の不信感を買ってしまうと私は思います。
 基本計画どおり3万トン以下にしますとの答弁ですけれども、この8年間何回、先ほども言いましたけど、見直し、見直しで、ごみ処理基本計画を変更したのかという状況を見ると、少し私は不安だなと、心配だなと思っております。
 環境施設課で日本各地域の5カ所のごみ処理施設に行政視察というものを行ったということだそうですけれども、各地の焼却施設の視察目的、また考察というのはどういうものですか。
 
○石井康則 環境部長  平成28年度に行いました5カ所の視察の目的でございますけれども、発電設備等最新技術のごみ焼却施設の現状の確認、さらにはその周辺住民への対応、また狭隘敷地における建設の状況を把握するために実施をしたものでございます。
 視察を行った結果でございますけれども、焼却施設の建設を進めるには、やはり改めて周辺住民への丁寧な説明が重要であるということを認識したところでございます。また、最新のごみ焼却施設では、ごみ焼却施設の基本計画で試算した以上に発電が十分可能であるということも確認をしたところでございます。また、本市よりも狭隘な敷地でも施設建設が十分可能であるということなどを確認できたと認識しているところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  今の答弁だと、周辺住民への丁寧な説明が重要であること、また、鎌倉市が今予定しているような狭隘な土地であっても施設建設が可能であろうと。それは、やっぱり今予定されている3万3000トンというような施設をもっと狭隘な面積でできるということですかね。
 
○石井康則 環境部長  実は狭隘なところというのは、寝屋川市を見に行ったんですけれども、そちらは日量で200トンを処理する。ですから、鎌倉市は124トンを想定してますので、それも大きな施設でありながら、敷地面積については4,000平米ぐらいで対応できるということです。今は山崎では8,000平米ということで考えておりますので、ですから、割と8,000平米でも十分対応が可能だと認識したところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  この鎌倉市の山崎予定地周辺の住民の皆さんの理解促進というのはやっぱり重要だと思います。先ほどの答弁のように、改めて周辺住民への丁寧な説明が重要であることということをこの視察で学んできたということなので、やはり今まで8回の説明会を開催されております。その都度反対される地域の方々の中心者が毎回の協議の内容をレジュメにして届けていただいておりますけれども、拝見するところ、協議は平行線で内容に変化がありませんし、また、山崎地域10自治会、町内会連名で建設反対の陳情も出されたというようなお話もございます。これをどのように捉えていくんですか。
 
○石井康則 環境部長  これまでの周辺住民との話し合いの中では、山崎の浄化センターとの併設による負担の公平性ということ、さらには既存施設の臭気等の課題を理由に白紙撤回を要望されているところでございます。
 市としても、その山崎浄化センターの運営に関するものにつきましては、焼却施設とは別に適切に対応していきたいということを御説明させていただいているところでございます。また、負担の公平性についても、安全で安心な施設整備を図るということと、周辺のまちづくりの推進を図りながら地域に最大限貢献できる施設づくりを提案するということも説明をしてきているところでございます。
 また、平成29年4月の話し合いでは、安心で安全な施設づくり及び周辺まちづくりの具体的な提案内容について、資料をもとに御説明をさせていただき、今後、周辺住民の意向も踏まえながら具体的な内容を決めていきたい旨も御説明させていただいたところでございます。しかし、住民の方の意向としては、やはり白紙撤回の考えは変わらないという、こういう状況でございます。
 また次回、10月に話し合う予定でございます。引き続き今後とも粘り強く話し合いを続けて、理解が得られるように努めていきたいと考えているところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  御理解をいただくというのは、どうも今の状況では大変厳しそうですね。この9月定例会に陳情が出るんですから。白紙撤回の陳情が出ていると思っております。最近では新ごみ焼却施設建設に反対する住民の会という名前で、これも陳情者と同じだと思いますけれども、山崎に迷惑施設二つは要らないとか、反対山崎ごみ焼却場建設などの文字を染め抜いたのぼり旗や横断幕が徐々にふえてきております。
 この状況の中でも、今年度中に御理解をいただけるようにしたいというような意向があるようですけれども、今後はどのようにしていくのかお聞きしたいんですけれども、先ほどの答弁で10月に説明会を予定していると。10月というところにちょっとひっかかったんです。これ市長選の真っただ中、たしか22日に市長選の投票日ですよね。これ10月っていつやるんですか。
 
○石井康則 環境部長  10月につきましては、10月11日の日に反対する住民の会の役員の方にお越しいただきまして、市長を含めて協議をさせていただくということでございます。
 
○25番(大石和久議員)  ちょっと待ってくださいね。私、事あるごとに市長前面に出てくださいと言っております。10回程度開かれた説明会の中でも3回しか市長は出ておりません。これで住民の理解が進むわけないじゃないですか。10月11日、これ市長、出るんですか。
 
○松尾崇 市長  この段で住民の方から私を含めてお話し合いをしたいという、そういう打診が先方からあったところでございます。議会中なかなか日程というところでお会いできないというところ、10月、議会終わってすぐにという中で調整をしていたところで日程が決まったところでございまして、私が住民の方とお会いをするということになります。
 
○25番(大石和久議員)  ちょっと市長が出るということで安心をしましたけれども、今年度中に、この工程表がありますよね。施設建設計画、工程表が基本計画にも出てますけれども、今年度中に、先ほども申しましたように、周辺の住民の皆さんの御理解をいただきたいと、今年度中にね、ということがあるものですから、今後はどのような対応をされていくんですか。ちょっと難しいですけどね。市長選があって、今年度中って来年の3月で、もしかしたらですけど、松尾市長がかわられているかもしれない。新たな方がいるかもしれない。また、松尾市長がそのまま市長でいるかもしれない。という状況はありますけれども、今後どのようにこれ対応していくんですか。
 
○石井康則 環境部長  新ごみ焼却施設建設に当たりましては、現在までの話し合いで住民の方は白紙撤回と主張しておりますが、やはり住民の理解と協力というのが不可欠だと考えているところでございます。市といたしましては、安全で安心な施設整備を図るということとともに、地域の防災、あるいは地域コミュニティーなど周辺のまちづくりの推進と一体となった計画を提案をいたしまして、今後とも粘り強く話し合いを続けて、周辺住民の理解を得た上で施設整備を図りたいと考えております。
 
○25番(大石和久議員)  松尾市長がこの説明会の中に出席をされたときに、こういうふうに言ったかどうかわかりませんよ。だけど趣旨は多分同じだと思います。私が市長でいる限りは建設予定地を変更することはありませんと断言している中で、説明会にしても、用地選定をして2年が経過する中でたった8回の開催です。少ないと思いませんかね。回数だけを見ても理解を深めようとする努力が欠けているように私は思います。
 このままでは施設整備基本計画にうたう事業の工程計画を押していってしまうんじゃないか。終了している項目もあるとは思いますけれども、基本設計やら都市計画決定、また生活環境影響調査、また事業者選定、詳細設計、また施設建設期間も、という工程を今後約7年間でやっていかなければいけないわけです。その計画をやっぱり押していくということが心配であります。
 質問になりますけど、ごみ焼却施設基本計画には基本方針、コンセプトとして、生活環境整備審議会からの答申をベースに、安全・安心で環境に十分配慮し、市民に愛され、地域に開かれた施設を目指すということで、1項目から5項目までうたっております。1として「地元住民に安全で安心してもらえる施設」、2として「周辺環境と調和した環境にやさしい施設」、3として「市民に愛され、地域に開かれた施設」、4番目として「エネルギーの創出ができる施設」、5番目として「災害に強い施設造り」という5点を基本方針として、施設整備を進めるとしておりますけれども、施設建設の初期段階で重要だと思われます3項目め、「市民に愛され、地域に開かれた施設」という3項目めが、評価するにはなじまないため、評価をすることをやめたとしております。基本計画の中で。これを市長、どのように考えますか。
 
○松尾崇 市長  御指摘の点につきましては、可燃ごみの処理方式の絞り込みに当たりまして、焼却方式、それからごみ燃料化方式、それから炭化方式の三つの処理方式について、今お話しいただきました五つの基本方針に照らして評価をしたものでございます。「市民に愛され、地域に開かれた施設」という基本方針の考え方は、この三つのどの処理方式でも評価に差異が生じないために、評価するにはなじまないという、そういう表現をさせていただいています。ですので、この新ごみ焼却施設が「市民に愛され、地域に開かれた施設」とすることの重要性はどれでも変わりないということになります。
 
○25番(大石和久議員)  市長、その部分が違うんですよ。ごみ処理施設基本計画については、筆頭にこれをうたっているんですよ。方針としてもこうやって言っています。安全・安心で環境に十分配慮し、市民に愛され、地域に開かれた施設を目指すをベースにして5項目つくっているんですよ。そして、3項目めに、「市民に愛され、地域に開かれた施設」、これをうたっているんです。それが、焼却方式だとか、燃料化方式だとか、炭化方式だとか、焼却方式を決めるためにこれがあるんですか。違いますよ。重要じゃないとは言わないと今答弁しましたけれども、この基本計画の中の3番目というのは、住民が今理解するためには一番必要なところじゃないんですか、これ。それを評価することをやめたと言っているんですよ。こんなばかなことありますか。
 だったら、何でうたうんですか、こんなこと。焼却方式を決めるために、その約束をしているというか、計画の中にうたっている、「市民に愛され、地域に開かれた施設」にしたいということは評価するのをやめた。ほかは全部評価してますよ。でも、ここだけはやめているんです。こんなことあります。住民の理解を求めるんでしょう。今年度いっぱいまでに。どうですか。
 
○松尾崇 市長  ちょっとそこは理解に誤解があろうかと思っています。この市民に愛され、地域に開かれた施設を目指していくということは、住民の方にも十分説明をさせていただいておりまして、今、議員が御紹介いただいているこの評価につきましては、この三つの処理方式の評価でございますから、「市民に愛され、地域に開かれた施設」ということを評価をしないということとは違いますので、そこは御理解をいただきたいと思います。
 
○25番(大石和久議員)  いや、基本計画の中に、選ぶところはまた別ページであるんです。そこで、ここはなじまないというんだったら、それでいいですよ。一番、その前にもあるんですよ。私はこの住民の理解を得るという段階で一番大事な項目ではないかなという認識があります。
 評価できる方法はないんですか。せっかくここにうたっているんですから。市民に愛されているということはどういうことなのか、開かれているということはどういうことなのか、その施設で。どういうイメージをしているのか。これをそのままにしておいたら、理解というのは私は進まないと思いますよ。私はそう思います。これ以上やりません。
 新焼却施設建設とともに検討していただきたい件がございます。平成37年度以降の名越クリーンセンターの土地利用として、新焼却施設との相互利用として協議することはできないかということでございます。新焼却施設が耐久年数を迎える前、例えば新焼却施設ができたとします。そうすると20年、30年ということで耐久年数が来るわけでございますけれども、今、名越クリーンセンター用地で新焼却施設を建設できるという、交互に相互利用としようとするものですが、これ一つの提案です。
 まあ、ああいうところに出てますから、制限も大変大きいことはわかります。1回潰しちゃったら同じものができるかどうかというのもあると思います。だけれども、相互利用というのはできないですかね。耐久年数が迎えられる直前にこちらに新しい焼却施設ができる、こちらが耐久年数を迎える前に、例えば今もしも決まるんであれば、山崎に建設ができると、こういう相互利用というものができないでしょうか。
 
○石井康則 環境部長  焼却施設につきましては、一定年数稼働後に建てかえが必要となり、その都度地元の方との協議を行っているということでございます。
 今いろいろ御案内いただきましたように、理想を申し上げれば、市内数カ所で順番に施設整備を図るのがやはり効率的であると考えているところでございます。しかし、地元の理解を得るということが前提となりますので、現実的には非常に厳しい部分もあると考えますけれども、相互利用の考え方はやはり十分理解をするところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  景観への配慮や世界遺産登録への再挑戦というようなお話もありますけれども、将来にわたって鎌倉市内に焼却炉が必要だとすれば、狭隘な敷地の中でも今できる技術があるというようなお話がありましたけれども、1ヘクタール弱の規模の土地が必要なわけで、現在建っている横に建設ができるような状況だったらいいんですけれども、今回のように山崎に至るまでの用地選定だけでも二、三年かかっています。
 候補地の一つとされた深沢の区画整理事業は、平成27年度に都市計画決定を打つはずでした。それが、候補地となったために都市計画決定は平成31年度まで先延ばしされたんです。そして、西側権利者の方々はほぼ90%、100%近い御協力をいただけるという状況になっていたのに、これを候補地として決めて、平成30年以降、平成27年には都市計画決定は打てませんという状況になったときに、ほぼ100%の方が反対に回ったんですよ。協力しないという形になってしまったんです。他の事業に影響が出るような形での用地選定というのは避けるようにしたほうがいいと。できれば交互に使う、もう一つあるんだったら、3地域をぐるぐる回すとか、狭隘な鎌倉市の中ではなかなかそういう土地というのはないわけですから、本当に検討していただければと思っております。
 また、名越クリーンセンターは焼却終了後も環境部でごみ施設用地として管理していくことを聞いております。もちろん地元の御理解が本当に必要なことですけれども、ぜひ検討していただきたい。市長、いかがでしょう。
 
○松尾崇 市長  今、議員お話しいただきましたように、こうした負担ということがそれぞれで公平に行うというお話というのは、そうしたお考えというのも山崎の方からはいただいているところでございます。そうしたお話をしっかりと受けとめまして、そういうことができるかできないかというところも含めて、そこは検討してまいりたいと思います。
 
○25番(大石和久議員)  よろしくお願いしたいと思います。
 先ほど、視察、5カ所ぐらい全国の施設へ行かれたようですけれども、本当に山崎の方々の理解が進んだらということが大前提ですけれども、焼却施設の視察を、山崎の周辺の方々を中心に施設見学会の開催というものはやってみたらいかがかと。これ、今の段階で提案するようなものではないかもしれませんけれども、施設見学をした場所なんかも私見ました。本当、埋め立て地のところにあったり、人里離れた山の中にあったり、そういうところではなくて、市街地の中にどんとあるような施設で、こういう施設がありますという形で、御理解をいただく一助にしていただければと思うんですけれども、いかがですか。
 
○石井康則 環境部長  最新のごみ焼却施設は、これまでの清掃工場というイメージではなく、最新の技術を導入することによります安全・安心な施設で、また、外観もこれまでのものとは違う、景観に配慮されているものになってございます。周辺住民の理解が得られれば、最新のごみ焼却施設の視察はぜひ提案をしていきたいと考えております。
 
○25番(大石和久議員)  よろしくお願いします。
 次に、焼却施設に伴う補助金、また交付金の関係の質問をさせていただきます。環境省のエネルギー回収型廃棄物処理施設整備マニュアルをベースに鎌倉市ごみ処理施設基本計画を作成したものと思いますけれども、環境省は温暖化対策推進を目的としまして制度の充実を図りました平成21年度から、低炭素社会実現の切り札としての交付金、2分の1ですね、循環型社会形成推進交付金、交付率が2分の1の対象となるのは、高効率などに必要な設備に限るとしておりますけれども、鎌倉市としてはどのような方式を考えているのか、教えてください。
 
○石井康則 環境部長  高効率発電といたしましては、高温高圧ボイラーの採用ですとか、また、より効率の高い蒸気タービンの採用等によりまして、2分の1の交付金が得られるようにしていきたいと考えております。
 
○25番(大石和久議員)  環境省が出しております循環型社会形成推進交付金の総則の中で、高効率のごみエネルギー回収施設の建設に対する補助の関係で、交付要件が100トンから150トン以下の施設規模ですと、平成22年3月のマニュアルですと、発電効率14%を交付要件としておりました。しかし、年々発電効率の数値目標が上がりまして、平成28年3月に改定されたものでは、予定する規模の施設の発電効率は、交付要件ですよ、16.5%になっています。2.5%上がっているわけです。近年ではマニュアルも毎年改定されまして、見直しされ、今後、補助金や交付金申請時の要件は回収率も上がることが考えられます。
 鎌倉市ごみ処理施設基本計画では、16.5%のエネルギー回収率を目標として、2分の1の交付金を目指すとなっておりますけど、これでよろしいのですか。
 
○石井康則 環境部長  ごみ焼却施設基本計画では、計画をいたします施設区分におけるエネルギー回収可能量につきまして、プラントメーカーへのヒアリングにより、回収率16.5%以上の17.5%の回収率が可能と積算をしております。こういったことから、2分の1の交付金を目指していきたいと考えております。
 
○25番(大石和久議員)  それとともに、今、17.5%が予測されている、ヒアリングですか、施設の管理者とそういうヒアリングを行われているということですよね。わかりました。
 交付率を2分の1とするメニューというのは、平成25年度までの時限措置とする、また、改訂版では平成27年度までの時限措置とするとしておりましたけれども、これは改定されているんですか。
 
○石井康則 環境部長  平成28年3月に改訂をされましたエネルギー回収型廃棄物処理施設整備マニュアルによりますと、交付率を2分の1とする高効率のエネルギー回収型廃棄物処理施設の整備のメニューにつきましては、平成30年度までの時限措置ということになってございます。
 
○25番(大石和久議員)  今の段階では平成30年度までの時限措置であるということですよね。焼却施設の事業工程計画の中では、建設が始まるのが平成33年の半ばぐらいですかね。ということで、まだまだちょっと不透明なところがありますよね。この時限措置が打ち切られる可能性だってなきにしもあらずという、ちょっと怖い部分も持っているわけです。
 金額に行きたいと思いますけれども、ごみ焼却施設基本計画では、概算で建設事業が87億5400万円としておりますけれども、これはエネルギー回収設備も含まれた金額、つまり総額として考えてよろしいんですか。
 
○石井康則 環境部長  概算の建築事業費につきましては、今、御案内いただきましたように87億5400万円でございますけれども、これはエネルギーの回収設備を含んだ総額でございます。概算の建設事業費につきましては、環境省の施設規模別の1トン当たりの事業費の単価と鎌倉市の施設規模から算出をしたものでございます。
 
○25番(大石和久議員)  87億5400万円で、これは消費税を入れると約95億円ぐらいになるんですか。約100億円の事業費が必要となるわけですよね。平成27年12月16日に、松尾市長、石井環境部長などが環境省に出向いて焼却施設建設に対する協力要請に行かれていると私聞いておりますけれども、これはどのような要請をされて、環境省とはどのような協議をされたんですか。
 
○石井康則 環境部長  平成27年12月16日に行われました環境省との協議でございますけれども、まず、市長から新ごみ焼却施設建設の必要性、さらには下水道施設とのエネルギー相互利用を施設整備の考え方としていることを御説明させていただきました。さらに、建設には多額の財政負担が必要となることから、今後確実に交付金を得られるように要請をしたところでございます。
 環境省からは、地球温暖化対策として、焼却施設と下水道の終末処理場とのエネルギーの相互利用の優良な事例としてモデル的に発信することができるということや、新たな交付制度をつくることも考えられるということで、アイデアを出してもらいたい旨の話があったところでございます。今後、市がアイデアを考えて相談させていただきたい旨の確認をしたところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  環境省からは、担当の課長、そして技術担当課長補佐、そして補助金担当の課長補佐、この3名が担当していただいたと私聞いております。この鎌倉市の要請に対して課長以上が国で対応していただいたということは、これはすごいことだなと思います。今の答弁ですと、下水道施設の直近に建設される施設なので、下水道施設とのエネルギーの相互利用をしたいと。鎌倉市のアイデアに対して、全国に発信できるようなモデル事業として、環境省としても新しい交付金の制度のメニューをつくりたいと考えているので、さらにそのアイデアを鎌倉市としても出してほしいというようなお話だったということですよね。
 その後の環境省との協議でございますけれども、平成28年1月、またその4月、また平成29年1月、環境部の職員が環境省へ出向いたと聞いておりますけれども、そのときの協議というのはどうだったのか、教えてください。
 
○石井康則 環境部長  少し時間がかかってしまいますが、順を追って御説明させていただきます。
 平成28年1月には、環境省に出向きまして、現在新たなアイデアについて検討しており、その内容が固まり次第相談に伺いたい旨の説明をしたところでございます。
 平成28年4月には、新たな補助メニューとして、ごみ焼却施設から出る電力や熱を下水道処理施設へ供給し、また、下水道処理施設から出る処理水をごみ焼却施設へ供給する、そのエネルギーの相互利用の際の電力の自営線等の附帯設備への補助、また、災害時の避難場所などとして活用する場合の補助について提案をしたところでございます。環境省からは、引き続き相互で協議をしていきたい旨の話があったところでございます。
 平成29年1月には、環境省の担当者がかわったことから、前回提示をした補助メニューの説明を行うとともに、施設内の蓄電設備や電気自動車の導入により地域への有効利用を行うアイデアを提案したところでございます。環境省からは、施設外、これはごみ処理施設の施設外の内容については補助対象外となることから、下水道処理場との関係については、今後国土交通省との協議が必要となりますというような話がございました。
 その後、環境省から平成29年5月にメールをいただきました。これは、廃棄物の焼却施設からの予熱等の有効利用に係る実現可能性調査モデル事業への補助申請について御連絡をいただいたところでございます。補助申請につきましては、周辺住民の理解が現在得られてない状況で、やはり慎重に対応する必要があるということから、積極的に活用したいんですけれども、今回は申請を見送らせていただきたい旨の回答をしたところでございます。環境省からは、本モデル事業につきましては今後も継続するので、条件が整った場合には来年度以降連絡いただければという回答をいただいているところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  ちょっと残念なお話が最後のくだりにありましたね。環境省が言った話というのは、新技術、高効率発電などの計画で、下水道施設なども含んだ計画ということであれば、国土交通省との協議も必要とのことで、ことし5月には実現可能性調査モデル事業として交付申請を鎌倉市が行ったらどうだというような御連絡をいただいたということだと思います。鎌倉市としては、それを検討した結果、予定地周辺の住民の皆さんの理解が得られていないので、住民理解を得ることを最優先としたいということで、今回は申請を見送ったということですよね。
 先ほども質問させていただきましたけれども、住民理解を最優先としていることは、私もう本当に重要だと考えて、理解するところではございますが、先ほども何回も言いましたけど、説明会が約2年間で8回、そのうち市長が出席しての説明はわずか3回、これでは理解が進みませんよね。松尾市長、今の質問のやりとりを聞いていて、いかがですかね。
 
○松尾崇 市長  新ごみ焼却施設建設を進めるためには、住民の理解が一番重要であるという考え方でございます。今後もそういう意味で粘り強く働きかけを続けて、理解が得られることに努力をしてまいりたいと考えています。今、御指摘いただきました環境省のモデル事業につきましても、その上でその活用ということを検討してまいりたいと考えます。
 
○25番(大石和久議員)  住民の皆さんの理解を最優先としたいので、環境省から申し入れをいただいたモデル事業の交付金申請、お金を出してくれるというんですよね、そういうモデルであれば。それをお断りしたと。せっかく鎌倉市が考えている事業が、調査段階から使えるお金だと聞いていますので、その利用できる交付金の申請を諦めるしかなかった。これはなぜか。住民への理解が進んでないから。2年間でですよ。地域の方々と2年間協議して、一致点を見出すことができないで、環境省からわざわざ、鎌倉市がそういうことを考えているんだったら、こういうモデル事業として申請すればこれだけ出ますよ、1,500万円ぐらいだと私聞いていますけれども、それをそういう申し入れを断らざるを得なかったということを松尾市長は重く受けとめていただきたいと私は思います。
 最近の焼却施設に対する交付金の厳しい例というのが一つ報道で出ていました。これは山形県鶴岡市、人口13万人のところですよね。これが、2020年までに新たに整備するごみ処理施設に活用する補助金なんですけれども、今年度予算として歳入を見込んでいた当初事業費の4,000万円のうち3分の1が本当は交付金として出るものなんですけれども、その3分の1が、4,000万円ですから1,350万円になるわけです。国から出た内示の金額というのは、わずか49万円。見込んでいた1,350万円のわずか3%です。これぐらい厳しい状況になっているという報道でした。鶴岡市は、国から追加内示がもしもなかった場合は市債や一般財源で対応すると、自腹を切る可能性があることを示唆をしたとの報道もありました。これを見ても、交付金や補助金の関係は今、大変厳しい状況にあるのではないかと考えております。
 松尾市長は、公共施設の再編計画、基本計画作成に当たっても、少子高齢化の進行や厳しい財政状況の中で歳入面の大きな増加を見込むことはできないよと、歳出面では社会保障関連の経費の増大が見込まれていて、公共施設のみに集中して財源を確保していくことは現実的には不可能であると言われています。また、次世代にできるだけ負担を残さない公共施設のあり方について、スピード感を持ってこの課題に取り組みますとしておりました。
 これは本当にスピード感を持ってやっていただかないと、工程を先ほど押してしまうというお話ありましたけれども、これ平成36年度末に焼却施設ができなかった場合は、やっぱり大変な問題になると思うんですよ。平成36年度以降、名越に燃やしてもらうんですか。計画をせっかく立てて、その計画どおりいかないのはなぜなんだと。そこを本当に注目して解決をしていかなければ。今の段階では住民の理解です。その住民の理解という部分が、さっきの基本計画の項目ではないですけれども、評価をしないというような、ちょっと軽い状況になっているのではないかと私は感じております。
 そして、次の、前、質問をさせていただきましたごみの広域連携についてお伺いさせていただきたいと思います。平成28年7月に、広域化の基本的方向性を確認したものとして2市1町で覚書を締結いたしました。この中では、ごみ処理広域化実施計画の策定について協議を進めるとしておりましたが、1年以上が経過して、その進捗状況を教えてください。
 
○石井康則 環境部長  昨年7月に締結いたしました覚書に基づきまして、平成29年度にごみ処理広域化の実施計画を策定するということを広域化の検討協議会で確認をしているところでございます。現在の検討状況でございますけれども、実施計画策定に向けまして、まず、2市1町のごみの排出実績、また将来予測、それからごみの分別方法や収集方法、さらにごみ処理施設の状況などにつきまして、まず整理を行ってございます。その後、整理をいたしましたデータに基づきまして、ハード面では、10年間に広域で連携できる施設の可能性について協議をし、また、ソフト面につきましては、広域で連携ができる可能性のあるごみ減量・資源化施策などの整理を行いまして、具体的な連携について現在協議をしているところでございます。今後は平成29年度に策定に向けまして、協議の頻度もふやして検討を行っていくというところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  その平成29年度策定、これできますか。平成29年度といったら、今年度ですよね。あと半年しかない中で、策定できるんですかね。あの中には実施計画なんていうのも入っていて、1回ここでとめちゃったこともありますけど、基本構想、基本計画、実施計画、実施という基本的な流れがある中で、実施計画をつくるということで、じゃあその前段階にある基本構想、基本計画あるんだったら出してくれというような話もありましたけど、これ実施計画つくるという覚書になっています。あと半年でできるんですか。
 
○石井康則 環境部長  今、2市1町の検討協議会の中に県も入っているんですけれども、その中では、平成29年度中にやはり実施計画というものをまとめていく必要性があるということで、今、対応しているところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  わかりました。あと半年後に提示されることをお待ちさせていただきたいと思います。
 これは、先ほど2市1町での協議というのがどうしても必要だと思います、覚書に伴う。これは何回ほど行われたんですか。
 
○石井康則 環境部長  ごみ処理広域化の検討協議会につきましては、平成28年7月の覚書を締結した後でございますけれども、これまで平成28年度に2回、平成29年度に2回の計4回、また、その下に作業部会が今あるんですが、その作業部会につきましては、平成28年度に2回、平成29年度に4回の計6回、合わせて10回開催をしているところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  ここではその回数で平成29年度で提示できるかどうかというところまで詰めません。ここの覚書では、可燃ごみの多くを占める生ごみの減量・資源化を共通の課題として、連携し取り組みを進めますとうたっておりましたけれども、その生ごみの減量化、資源化を共通の課題とするわけですが、ここの部分の取り組みというのはどのようになっておりますか。
 
○石井康則 環境部長  まず、家庭系の生ごみの減量・資源化につきましては、ごみ処理広域化の実施計画策定の協議の中では、2市1町で取り組める、その可能性について整理を行っているところでございます。また、事業系の生ごみの減量・資源化につきましては、食品リサイクル法の取り組み状況や課題、また食品リサイクル法に基づく登録再生利用事業者の誘致が進まない課題が一体何なのかということを県を交えて協議を行っているところでございます。広域連携で取り組む生ごみの減量・資源化施策については、今後ごみ処理広域化の実施計画の中でお示しをしていきたいと考えております。
 
○25番(大石和久議員)  今の答弁の中で、ごみ処理広域化実施計画、平成29年度末に提示されるものだと思いますけれども、その中でしっかりとうたうという答弁でしたので、じゃあそれをお待ちさせていただきます。
 もう一つ、既存施設における共同処理の可能性を協議・検討としておりましたけれども、その協議の結果というのはどうなっているんですか。
 
○石井康則 環境部長  既存施設における共同処理につきましては、やはりこれも2市1町の既存施設の状況を現地で確認をしながら、現在具体的な共同処理の可能性について協議を行っているところでございます。この点についても今後ごみ処理広域化の実施計画の中でお示しをしていきたいと考えております。
 
○25番(大石和久議員)  これも実施計画の中ですね。ちょっと早かったのかもしれませんね。でも、平成27年に締結をしてきたものですから、どういうふうな形になっていくのか、しかも2市1町ですから、苦い経験も鎌倉市はしているはずです。前の質問でも言いましたけれども。心配でちょっと確認をさせていただきました。
 あと、戸別収集の関係。市長はこの戸別収集を諦めずに、状況が変化すれば進めていきたいというような記者発表でのお話もあるみたいですけれども、平成25年に全市における戸別収集の見積もりというものをとって、資料請求をして私も見させていただきましたけれども、年間でやっぱり20億円を超えるような予算が必要なものになっておりましたね。精査をしてもっと少額になったとしても15億円ぐらいだったというような記憶があるんですけれども、鎌倉市の財政状況や、今後予定される多くの事業にかかる費用を考えれば、今改めて市長が市長選に向けて戸別収集を目指したいと言われるところにすごく違和感があるんです。
 例えば、15億円といったって、年間15億円ずっとかかるわけですよ。私、軒並み事業が進んでいて、資金計画を出してもらいたいというような質問も前回させてもらいましたけれども、もう一般会計の年間予算を上回るような、合計すればですよ、事業予算が目に見えて将来的にわかっているのに、年間15億円もかけなければいけない、さらに入れなければいけない。やっぱり受け持つほうだって、昇給もあるでしょうし、年間どんどん上がるものですよね。
 36億円ぐらい、今、年間ごみ処理にかけてますけど、そこへ15億円足して50億円という金額がずっとかかってしまうというのはどうなのか。15億円あれば、大きな事業の償還に充てたり、そういうことができますよ。ここもやっぱり一考していただきたいと要望をさせていただきます。ごみの質問はこれで終わらせていただこうと思っております。
 続いて、岡本二丁目の施設整備計画についての質問でございますけれども、6月定例会において要請しました近隣所有者との面談ですけれども、8月29日、松尾市長は所有者と面会したと伺っておりますけれども、面会時の近隣土地所有者のお話というのはどのようなものだったのか、また、改めて事業の協力要請などはしたのか、教えてください。
 
○松尾崇 市長  隣接土地所有者との面会ですけれども、岡本二丁目260番2の境界につきまして、隣接土地所有者の考えを伺った後に、私からは、施設建設を優先して進めたいので事業へ協力していただきたいということを要請をしました。また、境界確定に当たりましては、筆界特定制度を利用して早期に境界を確定したいことへの協力を要請したところです。
 一方、土地所有者からは、境界確定に当たっては、まずはお互いにこの土地の過去の経緯を調べた上で境界の問題を解決しないことには、施設建設は認められないという、こういう強い主張がありました。このため、まずは双方で調査を行いまして、話し合いについては今後も継続していくということで合意をしたところでございます。
 
○25番(大石和久議員)  過去の経緯というのは昭和39年ぐらいのときのことを言われているんだと思いますけれども、ようやく市長が土地所有者にお会いすることができ、協力要請ができたということは評価させていただきたいと思います。だけど、土地をいただいてもう2年がたってますからね。3年か。平成26年にいただいているから、平成26年10月ですね。3年たって初めて土地の所有者にお会いしたということがございます。相手の主張を聞いて、今回は終わったというような形かもしれません。
 松尾市長は、境界の合意を得られる努力をしますとか、境界については隣接土地所有者の御理解がいただけるよう積極的に協議をしていくと、私の過去の質問にも答弁しておりましたけれども、市長、これは次回というのはいつ、こういうふうになったらでもいいです、お会いしに行くということというのは決まっているんですか。
 
○松尾崇 市長  次回の面会日程ですけれども、現時点では日程は決まってませんが、お互いの調査結果を踏まえて、できるだけ早期にお会いしたいと考えています。
 
○25番(大石和久議員)  何回も言うようですけれども、市長選まで2カ月切っているわけですよね。調査結果というようなところもちょっと私ひっかかるんですけれども、土地の寄附を受けて、先ほど言いましたように、3年間経過しておりまして、施設整備計画がもう大幅におくれているということを考えれば、もう少し詰めた面談をしていただきたかったと思います。この土地をいただいたときには特命担当をつくって、早期に早くから土地利用をするという、そういう使命を持った特命担当部署というものを設けてスタートしたわけですから、ぜひ早期の解決をしていただきたかったと私は思います。
 都市整備部長も市長が近隣土地所有者とお会いしたときの話はお聞きしていると思いますけれども、それを受けて、今後、都市整備部としてはどのような対応をされていくのですか。
 
○樋田浩一 都市整備部長  まずは隣接土地所有者から求められました調査を行いまして、その土地所有者と協議・調整を行った後に、そこで合意が得られればいいんですが、万が一主張が合わないということになりますと、先ほど御案内ありました、筆界特定制度の手続に移行してまいりたいと考えております。
 
○25番(大石和久議員)  前回の質問の答弁で、この境界の問題に関しまして、私は筆界と言ったんですけど、筆界特定制度を利用して対応していきますとの答弁があって、全く同じだと思うんですけれども、今後この筆界特定制度を利用するに当たって行政内で整理する事項というのはどんなものがあるんですか。
 
○樋田浩一 都市整備部長  筆界特定制度の利用に向けましては、まず、260番2の位置につきまして、市の主張の根拠となります関係資料あるいは裁判結果の整理を行うこととしております。また、筆界特定の結果に対しまして、隣接土地所有者から理解を得られなかった場合の対応も整理しておくこととしております。
 
○25番(大石和久議員)  土地の寄附を受けて3年経過した中で、260番2の位置、また市が行う主張の根拠、これってもう整理されているんじゃないんですか。前回の質問の中でも、裁判の結果を根拠にというようなお話があって、それはいつの裁判ですかと言ったときに、副市長が、平成18年に結審をした裁判結果に基づいてとか、いろいろな形で、もう土地をもらって3年たっているんです。市側のそういう根拠というのはもう整理されているのではないんですか。違いますか。
 裁判結果あります。260番2も過去に測量入ってます。そういう中で今から、もう3年たったんですよ。土地をもらって3年たっている。で、筆界制度、相手がいらっしゃる。その中で、市が協議したり調べたりというものは、もう既に終わっているんじゃないですか。今すぐにでも御相手に提示できる、そういう状況にあるんじゃないですか。違いますか。
 
○樋田浩一 都市整備部長  当然これまで積み上げてきている資料がございますので、もちろんそれは今後この筆界特定制度を使う場合には有効になりますけれども、そのほかに、図面等につきましてもこの筆界特定制度に合わせて作成等をしていかなければいけないということも含めまして、関係する資料を整理するということでございます。
 
○25番(大石和久議員)  そのような整理をしていただいた上で、近隣土地所有者に提示をされるわけですよね。市が直接やるような制度じゃないと思うんですけど。承諾をいただく形になる期間、だめだと言うのかもしれませんけどね。それはどの程度の期間を見込んでいるんですか。
 
○樋田浩一 都市整備部長  筆界特定制度によりまして筆界が特定されますと、横浜地方法務局からこの隣接土地所有者に筆界特定書が通知されることになっております。これをもって隣接土地所有者の承諾が得られれば境界確定ということになりますが、承諾が得られなかった場合は速やかに次の手続に進んでいくことになると考えております。
 
○25番(大石和久議員)  承諾をいただければ本当にスムーズにこの後は進むけど、承諾をいただけなかったときに、次の手続に進んでいく、この次の手続というのは何ですか。
 
○樋田浩一 都市整備部長  筆界特定の結果に対して、隣接土地所有者から合意が得られなかった場合につきましては、これは境界確定の訴訟という手段になってこようかと思っております。当然訴訟ということになるんですが、市民の財産であります岡本二丁目用地の施設整備事業につきましては、これはやはり市としましても重要であり、かつ早急に進めていく必要があるということで、こういった境界確定訴訟に踏み切ることも視野に入れなくてはいけないと考えております。
 
○25番(大石和久議員)  私もこれが本当は一番最初の質問で、過去からのいろいろな経過があるという中でいただいた土地で、今度事業主が行政、鎌倉市となったときに、近隣だとかそういうところで、工事差しとめ請求だとか、裁判を起こさなければ解決できないとか、そういうことがあってはいけない土地なんですよということは、一言くぎを刺しておいた経過がございます。過去の質問で。でも、今の状況ではこういう方法でやっていくしかないのかと。もう本当に、一番最初に私が指摘した、境界を確定し、面積を確定した形で土地は寄附をいただいてくださいというような質問、要望が聞き入れられなかった形の中で、この無駄な3年間を過ごしてしまったかなと思っております。
 また、過去の質問の答弁の中で、鎌倉市が主張する境界は十分接道幅が確保できるものであり、この区域で事業を進めるとしておりました。これは、先ほど言いましたように、平成18年の判決がベースになっているのだと思いますけれども、行政が、相手がおり訴訟まで発展することも予想される案件でこれほどはっきり答弁することもまれではないかなと思っております。それだけ市としてはきちっとした根拠があると私は捉えさせていただいております。
 複数の弁護士の見解も求めているようでございますけれども、早期にこの境界の問題を解決していただいて、一刻も早く施設整備に取り組むよう要望させていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 
○議長(山田直人議員)  お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、運営委員会の協議もあり、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
 なお、残余の日程については、明9月8日午前9時30分に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
 本日はこれをもって延会いたします。
                   (17時25分  延会)

 平成29年9月7日(木曜日)

                          鎌倉市議会議長    山 田 直 人

                          会議録署名議員    竹 田 ゆかり

                          同          志 田 一 宏

                          同          長 嶋 竜 弘