平成28年 9月定例会
第6号 9月14日
○議事日程  
平成28年 9月定例会

          鎌倉市議会9月定例会会議録(6)
                                   平成28年9月14日(水曜日)
〇出席議員 26名
 1番  千   一   議員
 2番  竹 田 ゆかり 議員
 3番  河 村 琢 磨 議員
 4番  中 澤 克 之 議員
 5番  池 田   実 議員
 6番  保 坂 令 子 議員
 7番  岡 田 和 則 議員
 8番  西 岡 幸 子 議員
 9番  日 向 慎 吾 議員
 10番  永 田 磨梨奈 議員
 11番  久 坂 くにえ 議員
 12番  長 嶋 竜 弘 議員
 13番  前 川 綾 子 議員
 14番  三 宅 真 里 議員
 15番  渡 邊 昌一郎 議員
 16番  納 所 輝 次 議員
 17番  小野田 康 成 議員
 18番  高 橋 浩 司 議員
 19番  渡 辺   隆 議員
 20番  中 村 聡一郎 議員
 21番  上 畠 寛 弘 議員
 22番  山 田 直 人 議員
 23番  吉 岡 和 江 議員
 24番  赤 松 正 博 議員
 25番  大 石 和 久 議員
 26番  松 中 健 治 議員
     ───────────────────────────────────────
〇欠席議員
 なし
     ───────────────────────────────────────
〇議会事務局出席者
 事務局長        三 留 定 男
 次長          鈴 木 晴 久
 次長補佐        藤 田 聡一郎
 議事調査担当担当係長  笛 田 貴 良
 書記          窪 寺   巌
 書記          片 桐 雅 美
 書記          菊 地   淳
 書記          斉 藤   誠
 書記          鈴 木 麻裕子
     ───────────────────────────────────────
〇理事者側説明者
 番外 1 番  松 尾   崇  市長
 番外 2 番  小 礒 一 彦  副市長
 番外 5 番  比留間   彰  経営企画部長
 番外 20 番           文化財部長
         桝 渕 規 彰
 番外 6 番           歴史まちづくり推進担当担当部長
 番外 7 番  松 永 健 一  総務部長
 番外 9 番  小 池 忠 紀  市民活動部長
 番外 10 番  進 藤   勝  こどもみらい部長
 番外 13 番  大 場 将 光  まちづくり景観部長
 番外 14 番  征 矢 剛一郎  都市調整部長
 番外 15 番  伊 藤 昌 裕  都市整備部長
 番外 18 番  安良岡 靖 史  教育長
 番外 19 番  佐 藤 尚 之  教育部長
 番外 22 番  長 嶋 竜 弘  監査委員
 番外 62 番  渡 邊 好 二  選挙管理委員会事務局長
     ───────────────────────────────────────
〇議事日程
               鎌倉市議会9月定例会議事日程(6)

                              平成28年9月14日  午前9時30分開議

 1 諸般の報告
 2 一般質問
 3 報告第12号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る ┐
         専決処分の報告について                 │
   報告第13号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
         専決処分の報告について                 │市 長 提 出
   報告第14号 継続費の精算報告について                │
   報告第15号 平成27年度決算に基づく健全化判断比率の報告について   │
   報告第16号 平成27年度決算に基づく資金不足比率の報告について    ┘
 4 議案第30号 市道路線の認定について                  同     上
 5 議案第31号 修繕請負契約の締結について               ┐
                                     │同     上
   議案第32号 修繕請負契約の締結について               ┘
 6 議案第50号 建物明渡等請求事件の和解について             同     上
 7 議案第33号 指定管理者の指定について                 同     上
 8 議案第34号 下水道管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償  同     上
         の額の決定について
 9 議案第43号 鎌倉市議会議員及び鎌倉市長の選挙における選挙運動の公費  同     上
         負担に関する条例の一部を改正する条例の制定について
 10 議案第44号 鎌倉市実費弁償条例の一部を改正する条例の制定について   同     上
 11 議案第48号 鎌倉市パチンコ店等の建築等の規制に関する条例の一部を改  同     上
         正する条例の制定について
 12 議案第45号 鎌倉市子ども会館条例の一部を改正する条例の制定について ┐
                                     │同     上
   議案第46号 鎌倉市子どもの家条例の一部を改正する条例の制定について ┘
 13 議案第42号 鎌倉市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例の制定につ ┐
         いて                          │同     上
   議案第47号 鎌倉市自転車等駐車場条例の一部を改正する条例の制定につ │
         いて                          ┘
 14 議案第49号 平成28年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号)        同     上
 15 議案第35号 平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について   ┐
   議案第36号 平成27年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定に │
         ついて                         │
   議案第37号 平成27年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特 │
         別会計歳入歳出決算の認定について            │
   議案第38号 平成27年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の │
         認定について                      │同     上
   議案第39号 平成27年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決 │
         算の認定について                    │
   議案第40号 平成27年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定 │
         について                        │
   議案第41号 平成27年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算 │
         の認定について                     ┘
 16 議案第51号 鎌倉市公平委員会の委員の選任について           同     上
 17 議案第52号 人権擁護委員の候補者の推薦について            同     上
 18 議会議案第10号 台湾(中華民国)の国際民間航空機関(ICAО)など  岡田和則議員
           国際機関・国際連携への正式加盟・参加について支援を  長嶋竜弘議員
           求める意見書の提出について              渡邊昌一郎議員
                                      上畠寛弘議員
                                      松中健治議員
                                      提     出
 19 議会議案第11号 文書通信交通滞在費の使途報告並びに領収書の提出義務  長嶋竜弘議員
           づけとその公開を求める意見書の提出について      渡邊昌一郎議員
                                      上畠寛弘議員
                                      松中健治議員
                                      提     出
 20 議員の派遣について
     ───────────────────────────────────────
〇本日の会議に付した事件
 1 諸般の報告
 2 一般質問
 3 報告第12号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係  ┐
         る専決処分の報告について                │
   報告第13号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係  │市 長 提 出
         る専決処分の報告について                │
   報告第14号 継続費の精算報告について                │
   報告第15号 平成27年度決算に基づく健全化判断比率の報告について   │
   報告第16号 平成27年度決算に基づく資金不足比率の報告について    ┘
 4 議案第30号 市道路線の認定について 市 長 提 出
 5 議案第31号 修繕請負契約の締結について               ┐
                                     │同     上
   議案第32号 修繕請負契約の締結について               ┘
 6 議案第50号 建物明渡等請求事件の和解について             同     上
 7 議案第33号 指定管理者の指定について                 同     上
 8 議案第34号 下水道管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠   同     上
         償の額の決定について
 9 議案第43号 鎌倉市議会議員及び鎌倉市長の選挙における選挙運動の公   同     上
         費負担に関する条例の一部を改正する条例の制定について
 10 議案第44号 鎌倉市実費弁償条例の一部を改正する条例の制定について   同     上
 11 議案第48号 鎌倉市パチンコ店等の建築等の規制に関する条例の一部を   同     上
         改正する条例の制定について
 12 議案第45号 鎌倉市子ども会館条例の一部を改正する条例の制定につい  ┐
         て                           │同     上
   議案第46号 鎌倉市子どもの家条例の一部を改正する条例の制定につい  │
         て                           ┘
 13 議案第42号 鎌倉市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例の制定に  ┐
         ついて                         │同     上
   議案第47号 鎌倉市自転車等駐車場条例の一部を改正する条例の制定に  │
         ついて                         ┘
 14 議案第49号 平成28年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号)        同     上
 15 議案第35号 平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について   ┐
   議案第36号 平成27年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定に │
         ついて                         │
   議案第37号 平成27年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特 │
         別会計歳入歳出決算の認定について            │
   議案第38号 平成27年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の │
         認定について                      │同     上
   議案第39号 平成27年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決 │
         算の認定について                    │
   議案第40号 平成27年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定 │
         について                        │
   議案第41号 平成27年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算 │
         の認定について                     ┘
 〇 平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算等審査特別委員会委員の選任について
 16 議案第51号 鎌倉市公平委員会の委員の選任について           同     上
 17 議案第52号 人権擁護委員の候補者の推薦について            同     上
 18 議会議案第10号 台湾(中華民国)の国際民間航空機関(ICAО)など  岡田和則議員
           国際機関・国際連携への正式加盟・参加について支援を  長嶋竜弘議員
           求める意見書の提出について              渡邊昌一郎議員
                                      上畠寛弘議員
                                      松中健治議員
                                      提     出
 19 議会議案第11号 文書通信交通滞在費の使途報告並びに領収書の提出義務  長嶋竜弘議員
           づけとその公開を求める意見書の提出について      渡邊昌一郎議員
                                      上畠寛弘議員
                                      松中健治議員
                                      提     出
 20 議員の派遣について
     ───────────────────────────────────────
                 鎌倉市議会9月定例会諸般の報告 (3)

                                           平成28年9月14日

1 9 月 13 日 岡田和則議員、長嶋竜弘議員、渡邊昌一郎議員、上畠寛弘議員、松中健治議員から、
          次の議案の提出を受けた。
  議会議案第10号 台湾(中華民国)の国際民間航空機関(ICAО)など国際機関・国際連携への正式
          加盟・参加について支援を求める意見書の提出について
2 9 月 13 日 長嶋竜弘議員、渡邊昌一郎議員、上畠寛弘議員、松中健治議員から、次の議案の提出
          を受けた。
  議会議案第11号 文書通信交通滞在費の使途報告並びに領収書の提出義務づけとその公開を求める意見
          書の提出について
3 監査委員から、次の監査結果報告書の送付を受けた。
  9 月 9 日 平成28年度平成28年6月分例月現金出納検査結果報告書
     ───────────────────────────────────────
                   (出席議員  26名)
                   (9時30分  開議)
 
○議長(中澤克之議員)  定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
 会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。26番 松中健治議員、1番 千一議員、2番 竹田ゆかり議員にお願いいたします。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
 お手元に配付いたしました印刷物のとおりであります。
 ただいまの報告に御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第2「一般質問」を昨日に引き続き行います。
 まず、前川綾子議員の発言を許可いたします。
 
○13番(前川綾子議員)  おはようございます。ここしばらく一般質問から離れておりまして、きょうは2年半ぶりということでここに立たせていただいております。久しぶりの一般質問ですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 改めてこの2年間を振り返ってみますと、子供と子育てをめぐる環境や取り組みも変わってきています。子ども・子育て支援新制度が始まり、そして教育大綱の策定、ひきこもり調査の実施、子ども・若者育成プランの改訂など、真剣な取り組みが進められてきたことを評価しております。しかしその一方、一向に変わっていない課題もあるように思います。不登校やいじめもその一つだと思っております。
 子供にとっての義務教育の9年間は、人生100年といわれる今日にあって数字の上では1割にも満たない期間ではありますが、これから生きるであろう80年以上の最も基本となるその子の人生を左右する期間でもあります。今取り組みをせずして、いつやるというのでしょうか。私の市議としての3期目の任期もあと半年余りとなりました。その残る期間で一向に変わらない課題に正面から向き合い、ともに知恵と力を絞って変えていきたいと思っております。久しぶりの一般質問を始めるに当たって、改めて私自身の決意を新たにさせていただきました。
 今回は不登校について取り上げました。これまでにも幾度か取り上げているテーマではございますが、学校や教育委員会が決して努力をしてくださっていないわけではないとは私も承知していますが、依然として足踏み状態です。不登校の子供の増加は、鎌倉の将来にも響きかねない大きな問題だと思っております。こうしているときも、学校に行きたくても行かれない子供がいて、またその子供を見守りながらどうしたらいいか苦しむ保護者がいると思うと、何とかしてあげなくてはという気持ちになります。皆さんもそうだと思います。不登校がふえているということは本当に驚くばかりだと、改めて申し上げたいと思います。今こそ取り組むべき課題と思って今回は取り上げさせていただきましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速質問に入っていきたいと思います。
 まず、鎌倉市における不登校の現状と、それから取り組みについて伺っていきたいと思いますが、まずは基本に立ち返り不登校の定義を確認させていただきたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  文部科学省によりますれば、不登校とは、何かの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因、背景によりまして、児童・生徒が登校しない、あるいは登校したくてもできない状況にあるとのことであります。
 なお、国の問題行動等調査におきましては、年度間に連続または断続して30日以上欠席した児童・生徒のうち、欠席理由がさきに述べました不登校に該当するものについて調査を行っているところであります。
 
○13番(前川綾子議員)  では、そのような定義される不登校の子供たちが鎌倉市ではどのぐらいいるのでしょうか。そして、平成27年度の不登校の数を確認させていただきたいと思っておりますが、この近年の推移というところでお願いいたします。
 
○佐藤尚之 教育部長  本市の不登校についてでございますが、平成26年度でありますが、小学校では30名、また児童100人当たりの出現率でありますが、こちらが0.37でございます。また、中学校でございますけれども、人数は98名、同じく生徒100人当たりの出現率は2.84でございます。
 なお、平成27年度の数につきましては集計中でございまして、正式には12月定例会で報告する予定でございますが、集計中の数値を見ますとおおむね平成26年度と同様の数と捉えてございます。
 また、平成22年度から平成25年度までの数字を概括しますと、減少傾向ではございましたが、平成26年度は若干増加し、またこの動向については県あるいは全国的な数字においてもおおむね同様な傾向が示されているところでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  平成27年度の数を教えていただきたいと申し上げてきたんですけれども、3月までの集計ができているはずで、4月から国に調査をかけるべくその数を出していらっしゃると思っておりました。その数を教えていただきたいと思っていたんですけれども、12月定例会で報告をされるからということではっきりした数を教えていただけなかったことは残念に思っているんですが、今、部長の御答弁で横ばいということで判断したいということでございますので、そこで納得するようにいたします。平成25年度には減少傾向だったものが、また平成26年度から微増傾向であり、またそこが減ることなく横ばいだという認識でさせていただきたいと思います。
 不登校の数ですけれども、減少しないで今横ばいということでいるということですけれども、この分析はどのように考えていらっしゃるのか教えてください。
 
○佐藤尚之 教育部長  まず、生徒から見た視点でございますが、児童・生徒につきましては、本来家庭で備わるべき基本的生活習慣が身についていないことや、家庭や地域のつながりが希薄になっていること、また教員から鑑みますと、教員につきましては世代間交代が急激に進んだこともございまして、児童・生徒、そして家庭への対応に苦慮していることなどが考えられます。
 また、現在の子供を取り巻く状況から、子供たちが自分自身に自信が持てない、あるいは将来に希望が持てないなど、自己肯定感を持ちにくいのではないかと推察してございます。
 いずれにいたしましても、不登校への対応につきましては、学校と家庭との連携が極めて重要だと認識してございます。
 
○13番(前川綾子議員)  家庭との連携、必要だと分析されているということと、本当に自己肯定感が持ちにくいということで、日ごろの、家庭のこともあるでしょうけれども、学校での生活の中でもなかなか肯定感を持てないと、非常に苦しいだろうなと思ってしまうところでございます。
 次に、今伺ったのは、この件数というところで分析をどういうふうに考えていらっしゃいますかということですけれども、これはいろいろな相談を受けていらっしゃるところで、特に不登校について学校に相談があるケース、それから教育委員会や教育センター、相談センターに相談がある場合、いろいろなケースがあると思います。その相談をどのように把握し、そして不登校についてどのような件数が上がっているか、そしてこの近年の推移、どのようにつかんでいらっしゃるか、まとめてお願いいたします。
 
○佐藤尚之 教育部長  直近の平成27年度、これは教育センターで相談を受けた件数を御紹介させていただきたいと思います。
 まず、相談人数でございますが、286名でございます。また、相談件数は、これは延べ件数でございまして、2,442件でございます。このうち不登校に関する相談でございますが、人数は94名、相談件数は延べ999件でございました。
 少し年度ごとの数字を御紹介させていただきますと、不登校の相談人数は、平成24年度が90名、平成25年度が92名、平成26年度が104名と増加傾向でございます。また、延べ件数でございますけれども、同じく平成24年度が1,044件、平成25年度が1,416件、平成26年度が1,404件と推移してございます。相談人数がほぼ微増なのに対しまして、延べ件数が平成25年度、26年度が多いのは、お一人当たりの相談件数の増加ということで分析をしてございます。
 
○13番(前川綾子議員)  この相談の全体の4分の1を不登校が占めていると判断しているんですけど、それでよろしいでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  先ほど申しました平成27年度の実績で申しますと、全体で286件、そのうち不登校が94件でございますので、大ざっぱに言うと3分の1ぐらいでしょうか、こんな数字になると思います。
 
○13番(前川綾子議員)  大ざっぱに言うと3分の1と言っていただきましたけれども、非常に多い不登校の相談というのが広く多くなっているんだなということがあります。中身、いろいろな理由で相談を、もちろん不登校についてですけれども、その要因というのはいろいろございますでしょうと思っております。
 そこでお伺いしたいと思いますけれども、不登校に至ったきっかけについてはどのように分析されているかをお伺いさせていただきたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  平成26年度の国の問題行動等調査の結果、これは複数回答で見たところでございますけれども、まず小学校では最も多いのが「不安などの情緒的混乱」あるいは「親子関係をめぐる問題」、これがそれぞれ10件でございました。次いで、「学業の不振」が9件となってございます。
 また、中学校でございますけれども、最も多いのがやはり「不安などの情緒的混乱」が29件、次いで「無気力」が20件、「学業不振」と「いじめを除く友人関係をめぐる問題」がそれぞれ15件となってございます。また、少数ではありますけれども、「いじめ」は3件、「教職員との関係をめぐる問題」が3件となってございます。
 先ほども申し述べたとおり、家庭の問題や子供自身の問題に対して学校からのアプローチが難しくなっていること、また、子供が自己肯定感、自己感情を持ちにくくなったことなどが主なきっかけと考えてございます。
 
○13番(前川綾子議員)  「不安などの情緒的混乱」というのは、小学生でも、それから中学生でも1位を占めているということだと思います。この「不安などの情緒的混乱」の中には、何となく自分では表現できないいろいろな不安、家庭での問題もあるでしょうし、もちろん、学校に行って友達とうまくいかない、いじめを受けているというようなこともいろいろな不安がこの中に入ると思うんですね。さっきいじめは別に3件とおっしゃっていただいたんですけれども、恐らくこの「不安などの情緒的混乱」の中には言うに言えない不安を起こす要因が入っているんではないかと思って判断しております。そのところはどのようにお考えでいらっしゃいますか。
 
○佐藤尚之 教育部長  この問題については私も非常に関心がございまして、従来からそういう文献とか本を読んでいるんですけれども、やはり子供たちの発達が非常にアンバランスということがよくいわれます。それから、皆さん御承知のとおり、発達障害といわれる分野が非常に多岐にわたっていまして、例えばADHDだけを見た場合でも、多分議員も御存じのとおり、のび太型といわれる部分とかジャイアン型とかいわれる部分でそれぞれの行動特性が異なります。そして、先ほど申しました理由でもあるとおり、この友人関係をめぐる問題という中には非常にコミュニケーションの能力といいますか、これが非常に希薄、または能力が弱くなっている。そして、子供もストレスが溜まりますので、そのストレスに対する抵抗力といいますか、こういったものが非常に今、子供たちの中でも課題となっていますということをいろいろな文献を見ますと盛んにいわれています。ですから、こういった内容をぜひとも私たち全員が共有することがまず大事ですし、やはりこういった課題に対しては専門機関の助言を受けるということが極めて大事だろうなと思っています。これは大人も多分そうだと思うんですけれども、非常に精神科的な頼るべきそういう医療機関がなかなか見つからないということとか、児童に関する心理、精神という、こういう専門家が少ないと、こういう状況も社会の中で少し課題として思っています。
 できるだけこういった子供たちが、学校の中にいろいろなタイプのお子さんがいるんだよということを、我々も学校現場も共通で認識して、それぞれの対応の中で解決していくことが極めて大事だと思っています。そのためには、今、私がいろいろ文献を読んだということを申し上げましたけど、いろいろな分析が実はあるんですね。それをどう捉えるかというのは難しい部分がありますけれども、やはりそういった専門家の御意見を聞く機会、こういったものをふやしていくことも大事でございますので、ぜひそういうところは、間接的ではございますけれども、力点を置いて実施していきたいと考えてございます。
 
○13番(前川綾子議員)  教育部長もたくさん勉強していただいて、本当にありがとうございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 今、発達のお話がありましたけれども、そういうお子さんがいらっしゃるというところの理解も大切だと思っております。また、それが教室の中でいろいろな、その子に対して理解ができないために、言葉がうまく見つかりませんけれども、教室の中が混乱してしまう、その混乱の中に学校に行くのが嫌だなという不登校を起こしてしまうお子さんもまたいらっしゃるという、そういういろいろなもやもやの不安ということがこの中に入っているだろうと思いますので、ぜひそこはやはり学校現場でよく見据えていただきたいと改めて申し上げたいと思います。
 ここまで、不登校の現状についてを確認させていただきました。ここで方向を変えさせていただきまして、ひきこもりという視点から不登校の課題について考えてみたいと思っております。
 市が行ったひきこもりの調査結果が、ことし、平成28年2月にまとめられました。このひきこもりに関する実態調査は、そもそもニートの対応についての議論から調査の実施に至ったものです。この調査は、経営企画部政策創造課が担当しているものですけれども、教育委員会もその調査の結果を教育現場として把握されていると思っております。
 そして、この調査の件数は非常に少ないものですのであくまでも傾向を見るだけではありますけれども、ひきこもりに至るきっかけや、そして不登校の関連等についての調査結果を見ると、不登校がひきこもりの重要な要素になっていることは間違いないと思っております。不登校という視点から、このひきこもり調査の結果について幾つかお聞きしたいと思います。
 ひきこもりに関する実態調査からわかったこととして、市はどのように捉えているのか。これは、調査を実際に行っていただきました経営企画部長にお願いしたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  調査の中では、現在の状況、ひきこもりになったきっかけは大きく学校と仕事の二つに分けられるとしております。学校がきっかけとなっている人たちは、小・中学校時代の義務教育期間や高校時代のいじめや不登校、また先生との折り合いの悪さが原因で、休み癖あるいはひきこもり状態になっているケースであり、仕事がきっかけとなっている人たちは、人づき合いや文書作成、面接等の苦手意識などから一般的な就職ルートに乗ることができずにいるケースや、一度就職したものの、職場での人間関係に悩み退職したといったケースが見受けられました。
 
○13番(前川綾子議員)  今回は不登校についてということで、学校きっかけグループのところに、今、仕事きっかけグループのお話もしていただきましたけれども、学校きっかけグループのところに私も焦点を当てて読ませていただいております。このひきこもりに関する実態調査研究報告書、これ全部読ませていただきましたけれども、この内容、この間委員会でもお話しさせていただきましたけれども、教育委員会の教育委員の皆さんに報告していただいていますでしょうか。それで、報告されているということであれば、皆さんがその報告を受けてどのような御見解を持たれたかということをお聞きしたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  ひきこもりは広範な行政分野にまたがる社会問題であることから、教育委員会を初めまして関係各課による横断的な取り組みが必要であると我々も考えております。このため、本年度、平成28年度第1回目の総合教育会議におきまして研究結果報告書を委員の皆様に配付いたしまして、実態調査の内容等について事務局から説明を行ったところでございます。
 教育委員の方々からは、「学校において不登校になっている子供たちに対しては、学校の先生だけではなくいろいろな人がかかわりを持って対応していくことが必要である。」「子供たちのよき理解者の存在や安心できる場があることが大切。」、このような意見をいただいたところでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  教育委員に御報告いただいて、ありがとうございました。見解も聞かせていただいて、よくわかりました。
 学校きっかけグループは、小学校、そして中学校時代の義務教育期間や高校時代のいじめや不登校、そしてまた先生との折り合いの悪さが原因で、休み癖あるいはひきこもり状態になってしまうケースが見られたとありますが、このうちの「先生との折り合いの悪さが原因」ということについて教育委員会としてどのようにお考えになっているか。子ども教育大綱の基本目標3の部分に、「子供たちの安心感は教職員との信頼関係が基盤となること」と表現されていますので、教職員と子供たちの信頼関係が重要であるということは教育委員会としても十分認識されていると思っております。あえてどのようにお考えになっているかをここでお聞きしたいと思います。教育長にお願いします。
 
○安良岡靖史 教育長  先生と子供たちとの信頼関係が大切ではないかという御質問でございます。
 学校における教育活動におきましては、子供たちが安心して学校生活が送れるよう、やはり子供たちの近くに信頼できる大人がいるということが大切であると考えております。授業を初めとして日ごろからいろいろな形で子供たちと接しながら、先生と、そして子供たちとの信頼関係が築かれていくものと思っております。その信頼関係がうまく築けずに、先生との折り合いの悪さがもし不登校の原因になってしまっているということにつきましては、やはり私どもも重く受けとめなければいけないと思っております。
 今後、より一層やはり子供たちに寄り添った対応ができるよう取り組んでいくことが必要だと考えます。引き続き、子供の思いに寄り添った対応をさらに充実していくためには、担任一人ではなくて、管理職あるいは学年の教員、あるいは養護教諭、皆さんが連携を図りながら子供たちに対応していくこと、そして、よりよい支援ができるようにするためには、やはり一人ではなくて、教育相談コーディネーターを中心とした校内でのケース会議というのもございますので、このようなケース会議を開きながらチームとして子供一人一人の課題に対応するような指導というものが今後も必要になってくると考えております。
 
○13番(前川綾子議員)  今、教育長に丁寧に御答弁いただきまして、ケース会議というお話がございました。本当にケース会議は大事だと思いますし、学校の中でコーディネーターもいらっしゃいますから、このことについて話し合いましょうということは大事だと思うんですけど、それに至るまでに時間がかかってしまうと私は思うんですね。今、本当に先生お一人お一人がいつも気持ちの中で寄り添うということを考えていただいていければ、教育会議に至るまでに、そこまでにならないで済むんじゃないかと逆に思ってしまって、申しわけないんですけれども、それもそういうふうに思っております。ケース会議はしていただく、だんだん重くなっていく状況の中では、もちろん早くにケース会議をして学校全体で、さっき教育委員のお話もありましたけれども、先生一人ではなくてということでお話が、見解があったと思いますが、ぜひともお一人お一人がいつもいつも意識していただける先生であっていただきたいと思うんですけれども、教育長、こうした先生との折り合いの悪さで悩む生徒や保護者の声が届いていらっしゃるんでしょうか、お伺いさせていただきたいと思います。
 
○安良岡靖史 教育長  子供たち、あるいは保護者の声が教育委員会、教育長に届いているかという御質問でございます。
 教育委員会には相談という形で本人あるいは保護者の声が届いておりますけれども、全てではございませんけれども私のところまで報告があるケースもございます。教育委員会といたしましては、やはり相談の内容によって保護者の同意を得ながら、教育委員会と学校が連携し本人への支援を行っていきたいと考えております。やはり本人への支援を行う際に当たっては保護者の同意というものが大変重要になると思いますので、その同意を確認しているところでございます。
 学校への支援といたしましても、ことしから教育指導課の指導主事を各学校に月1回程度、小・中学校を訪問させていただきまして、授業を通して子供の状況を把握するとともに、学校の相談にも対応していきたいと考えております。また、教育センターの相談員、月1回、全小学校に派遣するとともに、中学校に配置しておりますスクールカウンセラーも、やはり担当中学校のブロックの中の小学校に月1回、半日程度派遣をさせていただきまして、子供と保護者の声を受けとめる、そんな相談につなげていきたいと、そういう形で、教育委員会だけではなくて、学校にも行きながら子供の声を、あるいは保護者の声を受けとめていきたいと考えております。
 
○13番(前川綾子議員)  相談体制の話は後でさせていただきますけれども、相談記録が上がって決裁されて上がってくる、教育長のところに上がってくるんじゃないかと思っておりますが、その事務の流れとしては結構なんですけれども、その相談内容が偏っていないで、その相談室での話は大丈夫だと思いたいのですが、学校の先生から上がってくる、こういうものがありましたよということがありましたよということが何か偏っていないかということが心配になっているところがあります。今回その質問はしないんですけれども、それで生の声がどういうふうに届いているのかということを確認させていただいている次第なんです。
 それでも、相談体制のあり方をもうちょっと考えていただいたほうがいいんじゃないかと申し上げようと思っていましたところ、この4月から、今教育長からお話しいただきました、相談体制が変わったということで、非常に回数も多くなって、今までは相談センターの相談室の中でお待ちになっていたものを、出前というか外へ出てきていただいて学校で直接相談をしていただくようになるとか、中学校にいらっしゃるカウンセラーも小学校に一日いらっしゃっているとかということで、あと心のふれあい相談員も相談の時間がふえたということもあり、そういう意味では相談体制を変えていただいたということは非常によかったと思っておりますし、評価させていただきたいと思います。
 このような体制を、今お聞きすると、小学校の相談を充実してくださったかなと感想を持っているんですけれども、この理由をお聞かせいただきたいと思います。
 
○安良岡靖史 教育長  小学校の相談体制の充実でございますけれども、鎌倉市におきましては、やはり小学生の不登校、あるいはいじめの件数というものが、平成25年度から比較いたしましてもやはりふえてきていると考えております。また、教育センターへの相談内容を見ますと、やはり子供たちの問題行動の多様化や低年齢化が見られるというようなことが私ども教育委員会が今把握しているところでございまして、やはりこれにどう対応するかというところの中から、心理の専門家による課題の整理、あるいは助言を学校や家庭での子供の支援に生かしていこうというようなことで、家庭と学校、教育委員会が一体となって取り組めるよう定期的な派遣を始めたところでございます。
 また、スクールカウンセラーを中学校区内の小学校に派遣いたしましたことにつきましては、やはり小学校、中学校のスムーズな連携を進めるということが目的になりますので、中学校での不登校や登校渋りというものを解消できるよう、小学校での情報、あるいは小学校でスクールカウンセラーが受けとめましたさまざまな対応をそのまま中学校に引き継げるようにというようなことで、今年度から派遣をしたところでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  問題行動が低年齢化しているということは、随分長いこと聞いている話だったと思っています。今、中1のギャップを解消しようという取り組みの中でも、小学校のうちに相談体制を充実して中学校にスムーズに行かれるようにとしたということだと理解しております。ぜひそのまま、中学校のスクールカウンセラーが大変だと思いますけれども、その辺もまた追って必要ならばもっと充実を図っていただく方向に持っていっていただければと思います。
 それで、ことし、私も教育長のところに実は保護者の方をお連れして生の声を聞いていただきました。その方は「もうこれでいいの」って、自分の子だけじゃなくて「これでいいの」ということを伝えたいということで私もお連れしました。残念ながら、何人か一緒にお連れしたんですけれども、お一人は引っ越されてしまいました。そういう結果になっておりまして、教育長や教育委員会の方は真摯に本当に聞いていただきまして受けとめていただいたと私も思っておりますけれども、こうした保護者の教育長への、教育委員会への生の声がその先どのように学校に伝わっていくのか、それをお伺いさせていただきたいと思います。
 
○安良岡靖史 教育長  教育委員会に届きました本人、保護者の声というものを、学校にどう届けているかということでございます。
 不登校の問題に限らず、教育委員会、あるいは私のところに届きました子供や保護者の声につきましては、校長に必ず事実確認を教育委員会から行います。そして、その後、学校と教育委員会でこの事案に対しまして連携して対応していくという取り組みを今しているところでございます。内容によりましては指導主事を学校に派遣して各学校への対応につきまして指導を行っているところでございますので、このような連携を引き続きこれからも取り組んでいきたいと考えております。
 
○13番(前川綾子議員)  どういうふうに届いているのかなって思ったのは、やはり教育長、そして教育委員会、それから学校、そしてそこに先生がいらっしゃるという、この間、同僚議員のお話で鎌倉市に600人以上の先生がいらっしゃるということでしたけれども、何か私の感覚なのかもしれませんけど、ここで行政に申し上げると、そこの後ろには職員の皆さんがいて見えているんですけど、教育長の場合は何か見えていないというような、何か遠いな、学校まで、ずっと伝わるのかなというような意識がすごくしてしまいます。やはりそれが、今、教育主事の方が伝えてくださるということですけど、その伝えてくださっていると思いますが、そこの伝わり方、非常に難しいんじゃないかと思いますけれども、学校が受けとめる学校側の先生の受けとめ方もあるでしょうし、やはり学校でどういうふうに受けとめていらっしゃるのかというのは私たちには見えませんので、そこは、もしも教育主事が何回も行っても、何回も説明してくださってもということがあれば、ぜひそこもチームでお願いしたいなと思いますけれども、その辺のところはいかがでいらっしゃいますでしょうか。
 
○安良岡靖史 教育長  事実確認を校長に行って、校長がやはり主体となって、チームリーダーといたしまして学校の中の取り組みを決めていくわけですけれども、そこに教育委員会の指導主事が入ってどういう学校の対応ができているのか、それはもう確認をしていきたいと思っております。その中で、学校の取り組みが十分ではないという判断がされれば、また教育委員会の中でも、校長も含めまして、やはりこういう取り組みが学校の中では必要なのではないかということを改めて話をして、では教育委員会がどう学校に支援できるのかということも含めて、また検討しながら学校への支援体制というものをつくっていきたいと考えます。
 
○13番(前川綾子議員)  決して教育主事の方の力がないとか、そういう意味ではないんです。ただ、学校の校長先生もそれなりにいろいろお考えがあるでしょうから、そこのところ、もしスムーズに伝わらなかったらということでお願いしたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 先ほど、このひきこもりの調査の対象人数が少ないと申し上げましたけれども、御承知のとおり11人しかいないので、でも11人の調査をしていただきました。そのわずか11人のうちでも、いじめを原因としているのが3人、それから不登校が原因となっているのが3人ということで、引きこもっての対象11人に対して6人がいじめや不登校を経験してひきこもりになってしまっているということがわかります。これは、本当に調査していただいた中でとても深刻だと私は感じました。教育委員会はこのことにつきましてはどのようにお考えになっているのか、どのようにお感じになっているのか、教育長にお伺いさせていただきます。
 
○安良岡靖史 教育長  ひきこもりの原因になっているのが、やはりいじめ、不登校の割合が高いということでございます。
 本調査及び内閣府の調査にあるように、いじめ、あるいは不登校が将来ひきこもりのきっかけになるということについては、私どもも認識をしているところでございます。不登校の早い段階での対応というものが、やはり子供にとっては大切であると思っています。子供の将来のためにも、やはり学校の役割の大きさというものを今感じているところでございます。
 学校では、ともに生活する中でお互いを認め合い、そしてよりよく生きていく力を身につけさせていくことが大切でありますので、子供一人一人の持っている力、あるいは課題を理解して、そして解決を目指した支援をすることで、全ての子供たちが安心して生活できる学校づくりというものを行っていくことが今私たちには必要ではないかと考えておりますので、そのような取り組みを今後も続けてまいりたいと考えております。
 
○13番(前川綾子議員)  ぜひお一人お一人の先生がそのような認識に立っていただければ、本当に不登校にならないで済むということが実現すると思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 このひきこもりの調査の結果を受けて、市はさまざまなサポート体制の必要性を述べています。そのうち、ヒアリングからもアンケートからも「居場所の必要性」を言っています。先ほどの教育委員の皆さんの見解からも、「子供たちの安心できる場があることが大切」とおっしゃっていました。この居場所づくりについては、これまでにも、私もそうですけれども、いろいろな同僚議員が要望してきたところだと思っているんですが、なかなか実現に至りません。居場所に求めるものは、気軽に立ち寄ることができ、同年代の仲間とおしゃべりをしたり遊んだり楽しい時間を過ごすことができる場所、こうした居場所は子供たちが地域とつながることができる場所でもあって大変重要なことだとずっと思って、申し上げてまいりました。
 以前、私がまだ1期目のときですけれども、当時の同僚議員と一緒に茅野市に見にいったことがございまして、茅野の駅前では、潰れてしまったデパートでしたかスーパーでしたか、それを利用して子供たちに中学生、高校生が集えるような場所を提供して、それから幼い子供たちが昼間は集められるような本当に気楽な場所を提供しているんですね。非常にそういう場所が必要だと思ってからもうはや8年も9年も10年もたってしまっているんだと改めて思いましたけれども、このことについては後ほどまた伺っていきたいと思います。
 一方、このたび鎌倉市の子ども・若者育成プランの改訂版、さっき申し上げましたけれども、これが策定され、その中で重点目標1に掲げられました「自立困難な若者に対して自己肯定感が持てる居場所づくりを目指す」という方向性のもとで、さっき自己肯定感のお話ありましたけれども、「若者たちが育ち合う場の創設」、それから「中学生、高校生向けのイベントの充実」と書いてあります。また、重点目標2には、「障害、不登校、ひきこもり、ニート等、さまざまな困難に直面している子供、若者に対する支援体制を充実します。」と定めて、「いじめや不登校対策の充実(居場所の確保も含む)」とあります。また、ひきこもりに関する実態調査にも、支援及び実施・検討一覧に「いじめや不登校対策の充実」として、青少年会館を初めとした公的施設での居場所づくりが検討されることになっています。私はやったと思ったんですが、これだけ重要と捉えているんですから第3次鎌倉市後期実施計画の中に、これは本当にまだこれから重点事業に持っていっていただかないといけないというすごいハードルがあるんですけど、位置づけて、子供のための居場所づくりをしっかり進めていただきたいと思っているんですけれども、まずはこの辺、こどもみらい部長にお伺いさせていただきたいと思います。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  青少年の居場所づくりの取組状況について、一部紹介させていただきたいと思いますが。
 平成28年4月に庁内関係課等によるひきこもりに関する連絡会、これを立ち上げ、ひきこもりに対する支援のあり方と課題の整理を現在行っております。
 今後の取り組みといたしましては、ひきこもり等への支援活動をしている団体との意見交換会を11月に開催していくことを予定しており、また、地域の中に支援体制を構築することを目的としたワークショップを1月から2月にかけて開催するとともに、3月には広く市民に向けた講演会の開催を予定しております。これらの取り組みを通しまして青少年の居場所づくりに必要なニーズ等をしっかり把握し、これからしっかりと進めていきたいと考えております。
 
○13番(前川綾子議員)  よろしくお願いします。青少年会館とか公的施設というところで、学習センターなのかな、何なのかなと想像しているところです。夕方以降は学習センターのロビーも使えたりするんじゃないかと想像しておりますので、ぜひそんなお話し合いもして早目に連絡会を進めていただきたいと思います。
 今こどもみらい部にはお聞きいたしましたけれども、経営企画部政策創造課が行ったこの実態調査でも居場所づくりが必要と認識されていると先ほど申し上げました。総合計画を所管する同じこの経営企画部としては今後どのような手順で関係各課との連絡を図って居場所づくりを進めていこうとされているのか、来年度から始まる後期実施計画の策定準備が既に始まっているというところですけれども、その辺のところ、まさか3年後、あるいはその後でなければ居場所が実現しないみたいなことじゃないでしょうねと思っております。今本当に求めている子供は、もう3年間でも、たとえ1年間でも1カ月でも、もう取り戻すことができないと私は思っていて、今までずっと申し上げてきたことなので、この居場所づくりを必要と認識されているお立場でぜひ経営企画部にはイニシアチブをとっていただきたいと思っているんですけれども、この辺のところで経営企画部長にお伺いさせていただきたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  ただいま議員からの御指摘、また政策創造課における調査等々において、この重要性については我々も認識しているところではございます。こどもみらい部長の答弁にもありましたように、現在こどもみらい部において庁内関連各課におけますひきこもりに関する連絡会を設置し、課題の整理と支援のあり方など具体的な取り組みに向けた検討が始められたというところでございます。
 現在作業を進めております実施計画の重点事業への位置づけに当たりましては、本市の全体の事業バランスを見ていくとともに、事業自体の熟度を総合的に勘案し、その位置づけについては判断をしていくこととしております。
 
○13番(前川綾子議員)  とにかく、こどもみらい部で、先ほどお話がありましたけれども、連絡会を進めてくださるということで、それも長いことやるのではなくてきちんとおしりを決めてやっていただいて、結果を出していただいて、経営企画部と連携をとっていただきたいと思っております。岡本二丁目のところの一帯も今度、あしたですか、委員会でも報告がありますけれども、その中にも含まれているのかなとも思ったり、空き家を利用できるのかなとか思ってみたりとか、いろいろなアイデアがあると思いますので、ぜひとも、経営企画部にはとにかく重点事業に上げていただけるように、そこで検討していただけるようにということでお願いしたいと思いますけれども、イニシアチブをとっていただきたいと思っています。予算の問題もありますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 子供の生涯を、命を左右する立場にあることを念頭に置いていただきまして、どう責任を持って子供たちのための待ったなしの政策をしていただけるのか、ここで市長にお伺いさせていただきたいと思います。
 
○松尾崇 市長  これまでも、次世代につなぐ持続可能な町をつくるということを念頭に進めてまいりました。しかしながら、本市が直面している人口減少、少子高齢の進行というのは市民力や地域力の低下を招いて、ひいては市民の安全な暮らしを守る上でも支障を来すということが懸念されてきます。そうした中で、昨年度、鎌倉市のまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しまして、子育てしやすいまちづくりを推進することで、若年層が住みやすい町をつくっていくということにさらに力を入れていくということを今進めているところでございます。
 全ての子供たちが夢、希望を持って成長できて、自立して生活をしていくことができるよう、そうしたことに対して未来の投資という意味でもしっかりと力を入れて取り組んでまいりたいと考えています。
 
○13番(前川綾子議員)  未来の投資、よろしくお願いしたいと思います。ぜひお願いします。
 これまでに議論してきたように不登校の原因は幾つか上げられるわけですけれども、その中に学業の支援ということがあります。さらに不登校が長引いてしまうと、その間の学業のおくれが大きな心配になります。特に中学校で不登校になってしまうと、高校進学で希望するところには進学できなくなってしまいます。これは、子供の将来にとって大きな損失ですし、深刻な問題だと思います。
 このことについては、先ほどの子ども・若者育成プラン改訂版の重点目標2の施策の方向性を、「障害、不登校、ひきこもり、ニート等、さまざまな困難に直面している子供、若者に対する支援体制を充実します。」と定めています。さらに、いじめや不登校対策の充実の中に、「スクールソーシャルワーカーと連携し、不登校ぎみの子供が学校以外の場で学習できるような体制づくりを進めます。」とあります。これもまた大いに期待するところなんですけれども、せんだっての同僚議員のお話の中でもスクールソーシャルワーカーがことしからお一人また配置されたということではございますけれども、どのように進めていただけるのかとても気になるところなんですね。学校以外の場ということでおっしゃっているんですけれども、これどういう方法でということをお聞きしたいと思います。教育部長にお願いいたします。
 
○佐藤尚之 教育部長  不登校児童・生徒に対します取り組みでございますけれども、まず少し学校の御紹介を先にさせていただきます。
 学校では、学級担任が家庭訪問の際に学習課題のプリントを届けたり、放課後にこの対象の児童を学校に呼んで学習指導を行ったりして、学習の支援を行っているところであります。さらには、自宅でインターネットを利用して学習するeラーニングの活用も行っているところであります。
 そして、学校以外のお話でありますが、教育支援教室、これ「ひだまり」でございますけれども、この「ひだまり」において不登校の児童・生徒を対象に少人数での指導を行っているところであります。また、教育センターの取り組みでございますけれども、夏休み期間中に個別学習支援教室「ゆい」でございますけれども、この「ゆい」を開設いたしまして、不登校児童・生徒を対象とした学習のフォローを実施しているところであります。
 
○13番(前川綾子議員)  それでは、子ども・若者育成プラン改訂版をよく見るといろいろ書いてあるんですけれども、「特定非営利活動法人、民間団体、フリースクール等と連携し」とあるんですけれども、公と民がどのように連携していくのかということを教えていただきたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  御指摘のように、不登校の子供の学習を保障することは大切であるという認識のもとでございます。保護者を交えて、不登校の児童・生徒には、先ほど御紹介いたしました教育支援教室「ひだまり」を御紹介させていただいているところです。そして、今御紹介ございました民間との連携でありますけれども、民間の連携といたしましては、私どものソーシャルワーカーと連携をいたしましてフリースクールそのものを紹介するケースもございます。
 このフリースクールとの調整でございますけれども、年に1回、市において連絡協議会を開催するとともに、湘南三浦地区におきましてはこの協議会の会合を3回行っているところであります。また、フリースクールとの合同の相談会も行っているところであります。
 こうして、民間やNPOなど他機関につきましては、一人一人の適性に応じて活用するなど、より効果的に今後も連携できるように努めてまいります。
 
○13番(前川綾子議員)  フリースクールを利用されるお子さんがいらっしゃるということですけれども、この場合、高校進学を目指すお子さんはこのフリースクールでの学習を出席扱いとみなすということが必要になってくると思いますけど、その辺のところはどういうふうになっているんでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  文部科学省の通知でございますけれども、「不登校への対応のあり方について」と、こういう通知がございます。この中では、公的機関、あるいは民間施設におきまして相談指導を受けた日数を出席扱いすることができると、このような通知がございます。本市におきましても、教育支援教室「ひだまり」はもとより、フリースクール等の民間施設で相談指導を受けた日数は、学校と施設が十分連携・協力関係にあることを前提に、学校長の判断で出席扱いとしているところであります。
 
○13番(前川綾子議員)  長いいじめに遭うなどして学校に行かれない子供が、友達づくりや勉強は、もう本当に学校に行かなくてもほかに場所があるとして、フリースクールが全国各地でできつつあるということなんですね。先日、テレビの報道で、悩んでいる子供たちに無料で場所を提供しているフリースクールが全国で20カ所に及んでいるという現状を聞きました。それほど助けを求めている子供がいるという現状は、非常に悲しいと思います。そして、やはり基本は学校に行きたくても行かれなくなってしまってどこかに避難をしなくてはならないという、これを大きな問題だとあえて言わせていただいて、フリースクールに行けばいいということではないと思っていただきたいと思います。
 さらに、ひきこもりに関する実態調査を読んでいると、ひきこもりが長引いてしまうと生活困窮者予備軍となっていくという危惧があり、その自立支援の必要性を言っています。これまでにも述べてきましたように、不登校からひきこもりに至ってしまうことが考えられる中で、そうした生活困窮のさらなる連鎖、生活困窮になっていってしまうというその連鎖を生まないためにも、生活困窮家庭の子供への学習支援は本当に必要だと思います。
 実際に鎌倉市でも生活困窮者の子供への学習支援を始めるということで、このことについては先週の同僚議員の質問で確認されましたので再度質問はさせていただきませんけれども、10月1日から始めていただくということと、週に2回、高校生までということで、そして、さらに教育委員会ともしっかり連携をとっていただくというところまで確認してくださっていました。私も同じことをお願いしようと思っておりましたので、息の長い取り組みとして、さらに必要なことはどんどん発展していただきながら、そこも充実していただきたいとお願いしておきたいと思います。
 当然のことですけれども、この居場所づくりや学業不振の解決の取り組みというのは、全て鎌倉の子供たちの状況を常に把握した上で実施することでなければニーズに合わないということでお願いしたいと思います。ですから、やはり教育委員会だけとか経営企画部だけじゃなくて、とにかくもういろいろ、青少年課も経営企画部も教育委員会もこどもみらい部も全部で連携していただきたい、横の連携を常にとっていただきたいとここでお願いしておきたいと思います。
 これまで調査結果などについて質問してまいりましたけれども、これまでの質疑からわかるように、鎌倉は、不登校から抜け出せなかった子供が一生、不登校の経験を引きずってしまうことを改めて認識する必要市がある時期にあると思っております。不登校に陥ってしまったきっかけはさまざまで、学校の環境や親子関係等、その背景にはそれぞれに違いがあり類型化は決してできないわけで、そのため解決法も不登校の数だけあると言えると思っています。今、改めてそういうふうに認識しているところでございます。
 そして、不登校についての著書、この間、7月にうちの会派で東京に、墨田区に行きまして、その中で不登校のお話も聞かせていただき、こうしたハンドブックも買ってまいりましたけれども、水野達朗さんという、若いんですけれども、大阪で教育委員をされている方が「無理して学校へ行かなくていい、本当か」という本を書かれておりまして、買ってまいりました。いろいろな不登校への対策、この方自身たくさんのお子さんを不登校から解決した方ですけれども、そんな話も聞かせていただきながらこの本を読ませていただきました。そうした著書、それから国のガイドライン、あるいは鎌倉市のひきこもりの調査、そして不登校に陥ってしまったお子さんをお持ちの保護者の方たちのお話を伺っての結論は、とにかく早期に発見して早期に対応していくことが何よりも大切、この本にもそういうふうに書いてあります。
 不登校で行動ができなくなってしまっている子供にどのようにしてかかわるか、いかに積極的にかかわるかが、少なくとも早く解決することのできる方法だと考えております。学校も教育委員会も取り組んでくださっているとは思っておりますが、その取り組みに成果が上がっているというケースはどれくらいあるのでしょうか。具体的にお聞きしたいと思います。
 
○安良岡靖史 教育長  学校における不登校の取り組みで成果が上がった事例でございますけれども、多く見られる事例といたしましては、やはり学級担任による家庭訪問、それから本人に寄り添って丁寧に話を聞くことが一番多く解決につながった事例かと思いますが、その際、担任だけではなくて、同級生が学校の行きや帰りに家庭に立ち寄りまして、プリントあるいは学校から出されている宿題等を渡したり、あるいは何か声をかけていく、そういうことだけでもすることによって早く解決できたというケースが多く見られております。
 そのほかに、子供たちにさまざまございますので、養護教諭あるいは教育センターの相談員、または学校に配置されていますスクールカウンセラーとの相談によって、保護者と学校の相談によりまして、発達の課題についてお互いが共有をして、学校と家庭が連携して子供の支援に当たったことによって解決したケースもございます。
 また、いじめが原因で不登校となったというようなことが発見された場合には、早い段階で、クラスの中で、子供たちとどんな働きかけをしたらいいのかということを子供と先生がともに考えて、そして子供たちが行動したことで学校に復帰できたというケースもございます。
 また、先ほど議員からお話もございましたように、担任との関係がうまくいかない、そのようなところから不登校になった場合、学校にいる前の学年の担任、あるいは部活動の顧問、または養護教諭というようなさまざまな先生たちがかかわりを持つ中で、特に子供が話をしやすい先生というものが、教育相談あるいは家庭訪問というような支援を行って学校に復帰できるようになったケースというものもございます。子供たちの状況を見きわめて、それぞれの対応をしていくことが重要と考えております。
 
○13番(前川綾子議員)  そういう成功例も、たくさん成果も上がっているとお聞かせいただきました。身近な例を申し上げますと、中学校で不登校になっても、子供を受け入れてくれる高校に行って、あるいは定時制に行って、元気になって羽ばたいていくという子供も実際に見ております。そういう子供も確かにいます。だからといって、通う学校が変われば元気になるだろうなという消極的な考え方があって、そういう考え方があるようなので、そうした考え方では学校への復帰は夢のまた夢の話になってしまうと思います。
 子供たちの可能性は無限です。支援のあり方も、さっきおっしゃっていただきましたけれども、無限であってほしいものだと思っているんです。だから、小学校、中学校で不登校でも、今の教育長のお話だと、手だてがないと思っていると思っていませんが、ただ、小学校、中学校で不登校でも手だてがないと思っていらっしゃる嫌いもあると感じてしまう場面がたくさんありました。ですので、そうした消極的な考え方をどのようにお考えでしょうか、改めてお聞きさせていただきたいと思います。
 
○安良岡靖史 教育長  学校の不登校への対応の中で消極的な考え方があるのではないかということでございますけれども、今議員のお話にございましたように、進級や進学などをきっかけに登校できるようになるケースはございます。しかし、私ども大切なことと思っておりますのは、待っているのではなくて、ふだんの働きかけなのかなと思います。どのような働きかけをしていくのかということが大切であると思います。
 学校生活の中で子供が抱える悩みというのはさまざまであり、また、支援の方法も多様であると思っております。日ごろから子供の何気ないしぐさなどを気にかけながら、一人一人の子供に適した対応というもの、手だてを探りながら働きかけること、それが教員の丁寧な対応につながっていくものと考えております。
 特に家庭訪問、あるいは電話で家庭への支援、様子を伝えることが支援につながると思いますし、学校と子供とのつながり、これらを常に意識しながら、学校に行ってみようと思うきっかけをつくること、それらが子供が抱える不安を理解して子供の思いに寄り添う丁寧な対応であると思いますので、そのような取り組みを日ごろからも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 
○13番(前川綾子議員)  それでは、不登校が生じたときに、鎌倉市の学校はまず最初にどういう行動をとるのか、お聞きしたいと思います。
 
○安良岡靖史 教育長  不登校ぎみになった子供たちへの対応でございますけれども、心配な様子のある子供が、理由がはっきりしないで欠席をした場合、1日目に休んだときには、まず電話を家庭に入れましょう、2日目も続けて休んだときには、今度は手紙で家庭に連絡をとってみましょう、3日目も休みが続いているようであれば、もうこれはすぐ家庭訪問をするというような対応につきまして、校長会、そして小学校では児童指導担当者会がございますので児童指導担当者会、中学校では生徒指導担当者会におきまして、初期対応の重要性について伝えているところでございます。
 また、不登校ぎみの子供に対しましては、特に担任個人ではなくて、学年、学校内で情報を共有して、ケース会議を開きながら対応方針を定めて、自分が一人でこの子は心配だなと思ったときには、早く周りの先生方といろいろな情報を共有しながら、家庭との連携を十分図ること、これが必要であると思います。家庭訪問によって教員は子供の様子を把握すること、これが第一でございますので、そのような取り組みを学校でも進めてまいりたいと考えております。
 
○13番(前川綾子議員)  それでは、申し合わせが鎌倉市で統一されたものというのはあるのでしょうか。お願いいたします。
 
○安良岡靖史 教育長  鎌倉市では、不登校の予防と対応ハンドブックを作成して、統一的な対応に取り組んでいるところでございます。また、神奈川県教育委員会が作成いたしました資料を用いまして、初任者研修あるいは教育指導課、教育センターが学校訪問した際に、全教職員に、不登校の子供へのきめ細かな対応について重要性を伝えているところでございますので、また、それらをもとに、学校でもそれぞれの会議の中で子供達の対応について確認をしているところでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  不登校ハンドブック、そうだったなと思いましたけれども、改めていただいて読ませていただきました。これは平成27年2月のものですけれども、こんなにすばらしいものがあるじゃないですかと、改めて読ませていただいて、こんなに書いてあるのだから、このとおりにやればと逆に憤りを感じるぐらいでした。現場でぜひ、さっきお話がありましたけれども、実践していただきたいと思います。2年に1回説明をするということなのかと思いますけれども、もっと回数を多くしてもいいんじゃないかというぐらいだと私は思います。
 私の知る限りでは、余り先生方から積極的に家庭訪問したり、電話をしたりするケースというのが残念ながら見られないというところがあります。そのところはどういうふうにお考えになるか、聞かせていただきたいと思います。
 
○安良岡靖史 教育長  電話や家庭訪問が少ないのではないかというお話でございます。そのような対応というものがあれば、これは申しわけないなと思います。子供を不安に思っている御家庭におきましては、先生が来てくれることというのはどれだけ心の支えになるかということは私どもも一番感じているところでございますので、そのような対応はとても大切であると思っております。
 不登校の当人の思い、あるいは保護者の考えに寄り添うためには、電話あるいは家庭訪問は大切な支援の一つであります。子供と保護者が不安にならないように、家庭訪問により子供の様子を把握していくということが大切であると今の段階では考えております。
 議員が今お話しいただきましたように、不登校の予防と対応ハンドブック、これらを学校では使いながら、家庭との連携の中で、それぞれの場所で相談できる場というものを設けていくことが大切だと考えておりますので、そのような取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 
○13番(前川綾子議員)  ぜひお願いしたいと思います。出欠の電話を先生がしてくださるときも、「きょう来ますか」みたいな、「ぐあいどうですか」と言うこともない。それから、プリントも2週間分まとめてぽんとポストに入ってしまっていて、ピンポンも押されなかったなということもあり、それから、学校も本当に異なるんですけれども、市内の学校のいろいろな相談を受けている中で、私が拙い相談を受けている中で、先生とのやりとりで心が折れちゃうんですということがあります。先生とのお話の中で、うちの子供には学校に居場所がないんだなと感じてしまうとおっしゃられるので、愕然とするんですけれども、先週の同僚議員のお話の中で、いじめを受けている子が別室登校をなぜするのかというお話がちらっとあったと思います。本当にこれもおっしゃっている親御さんはたくさんいらっしゃいまして、何でいじめを受けているほうが別室登校しなきゃいけないのかしらと、それも本当に気持ちが折れてしまうとおっしゃっています。
 ですから、担任の先生の個性が子供とぶつかるのであれば、ケース会議ではとにかくしなければいけないと思いますので、個性がぶつかってしまわないように、ほかの先生、ほかのコーディネーター、いろいろな方たちがいろいろなところで支援していただいて、子供の個性と先生の個性がぶつかって学校に行かれなくなってしまうようなことのないように、ぜひお願いしたいと思います。
 また、解決という言葉がふさわしいかどうかわかりませんが、再び学校に通えるようになったことがまずは解決としたとするならば、たとえそうならなかったとしても、不登校に陥った児童・生徒に先生、保護者がどれだけ寄り添っていただけるかということが大切だと思います。
 政府の統計で、平成26年度のものですけれども、不登校の子供たちが指導の結果登校する、またはできるようになった児童・生徒に特に効果があった学校の措置というものがありました。それには、全ての教師が当該児童・生徒に触れ合いを多くするなどして学校全体で指導に当たったというのが43.9%、そして教師の触れ合いを多くするなど教師との関係を改善したが46.6%、学校を促すため電話をかけたり迎えにいくなどしたが68.7%、家庭訪問を行い、学業や生活面での相談に乗るなどさまざまな指導、援助を行ったというのが68.8%ありました。この統計を見ても、それぞれ効果があると改めて感じていただけると思いますので、あえて取り上げさせていただきました。
 私自身、保護者の皆さんから相談を受けることもありまして、先ほどから申し上げておりますが、悩みをお聞きする機会がふえております。保護者の皆さんのお話を伺って、何よりも先生に受けとめていただくこと、寄り添っていただくことがとにかく大切と思いますが、もう一度聞かせていただきたいと思います。
 
○安良岡靖史 教育長  これまでもいろいろな場面で、家庭の支援ということで、学校の先生が担うべき仕事が重要だなと思っています。子供や保護者の思いというものを受けとめて、孤立することがないように支援していくことが重要だと考えております。学校に行くことができない状況が続いているときこそ寄り添うことが大切であると考えております。
 一人一人の子供が持っております課題というものを理解して、安心して過ごせる学校をつくるためには、教員のさまざまな研修として、一つは、子供の心に寄り添うための研修会や、県スクールソーシャルワーカーによる保護者の気持ちを酌み取る研修会など、そのような研修会を通して先生方が保護者の思いをうまく受けとめて寄り添うことができる、そんな先生方がふえていくような研修会もあわせて取り組んでまいりたいと思いますが、学校の先生方一人一人がお互いに声をかけ合っていくこと、これも重要だと思いますので、そのような声かけも学校の中でも取り組んでまいりたいと思っております。
 
○13番(前川綾子議員)  ぜひよろしくお願いいたします。本当にチームでという話もありますし、今しつこくいろいろ聞かせていただきましたけれども、ぜひ、先生方もお忙しいということは重々承知して、いろいろなお願いをしていることは心苦しく思う場面もありますけれども、鎌倉の子供たちのために、この不登校の問題、先生に寄り添っていただく問題、改めて心してお願いしたいと切にお願いするところでございます。
 鎌倉市の教育センターが発行いたしました7月号の「かまくら教育」を拝見いたしますと、スクールバディの取り組みを進めていくとありました。
 以前にも同僚議員が提案しておられましたけれども、このスクールバディについて少しここで説明いたしますと、いじめ防止プログラムとして、2007年に特定非営利活動法人湘南DVサポートセンターが始めたものです。内容は、スクールバディというピアサポートグループを編成して、生徒の主体的な活動を通して、いじめを予防するためのプログラムです。生徒、教員、保護者に対する講演会の後、全校クラスが四、五回のワークショップを実施して、その後、有志の生徒を募ってスクールバディとしての活動につなげていくということですけれども、必ずしも不登校イコールいじめではありませんが、不登校の一因に大いになり得るいじめ問題をなくしていき、不登校を未然に防ぐことにつながるために、このスクールバディの取り組みの成果が大いに期待されるところだと思っています。
 そこでお尋ねいたしますけれども、4月以降にこの導入を始められたということですけれども、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  今、スクールバディにつきましての経緯は、るる御説明していただいたとおりであります。教育委員会では、日ごろから子供たちが主体的にいじめ防止に取り組むこと、また、教職員が子供とともに、いじめの防止やよりよい学校環境づくりを進めていく必要があると日ごろから認識してございました。
 これは手広中学校で実践をしてございますけれども、実践校におきましては、いじめや不登校について、今までのように教員が子供たちに指導するのみではなく、子供たちが自発的に考え、取り組む機会をつくりたいとの思いで、いじめ防止教室の実践を希望したところでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  手広中学校で始めたということで、9校あるわけですから、中学校は。手広中学校でということなので、どうやって手広中学校になったのかということは聞きたいところでありますけれども、それはいいです。
 それで、スクールバディの対象、今、手広中学校でやっているわけですが、その中での対象はどのようなことになっていますか、教えてください。
 
○佐藤尚之 教育部長  この実践校では、1学期に教職員対象の研修会を1回、そして1年生全体への指導を1回、スクールバディトレーニングを3回実施したところでございます。このスクールバディトレーニングとは、希望する生徒、1年生の学級委員、2年生の生徒会役員を対象に実施したところでございます。講師の方からいじめについての講義を受けまして、ロールプレイング方式で共感の大切さを体験したり、人前で自分について話したりするなど、プレゼンテーション能力などを高める訓練を行ったところでございます。
 今後2学期以降もスクールバディ活動を継続いたしまして、生徒が作成したスローガンやポスターを全校生徒に周知するなど、子供たちが自主的に活動を進めていく予定でございます。
 
○13番(前川綾子議員)  1学期が終わって、いろいろ生徒が見えているところだと思いますけれども、この導入に当たり予算はどれぐらいになりますでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  この実施は、県の事業ということになってございまして、直接的な経費は県の負担になってございます。
 
○13番(前川綾子議員)  この先ずっと県の負担でやってくださるのかどうかということはあると思いますけれども、手広中学校だけじゃなくて、鎌倉市の中には9校あるわけですから、全校で実施していただきたいというのがあります。恐らく、この1年の成果を見て、なんていうことかもしれませんけれども、1年の成果を見てからでは来年につながっていかないかなと、予算的にも思うんですね。私が聞いたところでは、20万円ぐらいなのかと、1回の導入が。ということであれば、9校で180万円、200万円かかるかどうかというところだと思いますので、ぜひとも全校実施して、中学校1年生になるとこれを経験するとしていただきたいと思いますが、その辺のところはいかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  教育委員会では、現在スクールバディプロジェクトを実施しております学校の成果を検証しつつ、他校にも実施していきたいと基本的には考えてございます。予算の話が出ましたが、確かにいろいろな規模、クラスによって、経費といいますか、これも異なってまいりまして、そういった予算的な手だても課題としては考えてございます。
 教育委員会といたしましては、このスクールバディプロジェクトを実施している学校でその活動の様子を見ており、まずはこの様子の内容を他校に紹介していくことも重要だと思ってございます。また、教職員の研修や情報提供を通じまして、スクールバディの考え方を鎌倉市内の学校にも広く広げていきたいと考えてございます。
 
○13番(前川綾子議員)  いろいろと同時進行でお願いしたいと思います。実施しているところ、実施していないところへの報告をしながら広めていくとお話しされていると思いますので、その結果を早く、効果があると私は思います。先生にお任せするには余りにも大きなプログラムだと思いますので、専門家がきちんと研究されてやってくださっていることですので、全校で経験してほしい、体験してほしい、そして鎌倉の子供たちがいじめに対して本当に真剣に取り組む、それが将来、鎌倉の学校に入学しようとする子供、そして保護者の方たちの安心にもなると思いますので、ぜひとも全校実施に向けてよろしくお願いしたいと思いますが、その件についてもう一回、教育長いかがでしょうか。
 
○安良岡靖史 教育長  いじめの防止につきまして、子供の力を生かした取り組みというのはとても重要になっていると思います。小学校段階でも、いじめを取り上げた授業や、生活の中でも指導を行っているとともに、子供たちの自主的な活動であります児童会活動の中でも、いじめ防止ポスターや標語等子供たちが自発的に作成して、広報活動にも取り組んでいるところでございます。
 いじめについては未然防止が大切でございますので、小学校低学年のときから、いじめは絶対にいけないということを気づき、そして考えていくことが重要であると考えております。学校では、児童の学校生活のさまざまな場面を見守りながら、担任だけではなく、複数の教職員、あるいは専門スタッフで情報を共有しながら、チームとして、子供の持っている力を生かした活動が大切になっておりますので、そのようなもとで活動を進めていきたいと考えます。
 
○13番(前川綾子議員)  なかなかお答えいただけませんけれども、ぜひ全校実施に向けてお願いしたいと思います。
 一方で小学校も、さっき低学年の問題行動が非常に多くなったから、相談体制を小学校で充実したとおっしゃっていますけれども、小学校ではスクールバディはなくはないかもしれません。小中連携でやっていくということもできるというお話も聞いていますけれども、小学校で、いじめをしない、それからいじめを見逃さないというような授業、あるいは取り組みがされているかどうかということをお伺いさせていただきたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  このスクールバディにつきましては、基本的には中学校以上が対象とお聞きしてございます。なお、湘南DVサポートセンターによりますと、隣の藤沢市なんですけれども、小学生を対象とした取り組みがあると伺ってございます。私としても、このスクールバディの取り組みは藤沢市がかなり先進的だと言われてございますので、ぜひお訪ねをして、どういう状況なのかということは近々に伺ってまいりたいと思ってございます。
 こうした中で、小中連携の観点からも、小中連携したプログラムの実施は極めて効果的であるのではないかと考えてございますので、こうした視察等を含めて今後検討してまいりたいと思います。
 
○13番(前川綾子議員)  子供たちはすごく力があって、いろいろな力を生かすことができると思っております。長くなりますので、ここで紹介するのは省きますけれども、山手学院中学校・高等学校ですけれども、ここではメディアに対して、自分たちの使うスマホとかそういうものに対しての条例を自分たちでつくっているんですね。12カ条ぐらいあります。山手学院のホームページに出ておりますので、皆さん確認していただければと思いますけれども、これは「山手学院ソーシャルメディアポリシー&携帯・スマホマナー」ということで、子供たちの力で条例をつくっています。誹謗中傷はしないとか、話し合いはフェース・ツー・フェースでとか書いてありまして、大人にも参考になることだと逆に思うぐらいなので、ぜひそうやって子供たちの力を生かす方法で。
 さっきも、スクールバディのプログラムを取り入れた、導入した理由とされたのは、先生からではなくて、子供たちからとおっしゃっていましたね。子供たちからの意識をということで。それはすごく大事だと思いますし、子供たちの発想はすばらしいものがたくさんありますし、素直ですし、ぜひよろしくお願いしたいと思います。小学校からの取り組みを、事件が起こってしまってからではなくて、日ごろから話題にしていく。いじめに遭ってしまってからでは、なかなかいじめを受けていると言えないものですから、お願いしたいと思います。
 この後、協働についてお話を伺おうと思ったんですが、時間がないので、少し省かせていただきまして、最後に、いろいろ申し上げてまいりましたけれども、先ほどもお話ししましたけれども、教育長と、それから教育委員会と学校現場の距離をなくして、一丸となって不登校をなくしていただきたい。いろいろな施策も、スクールバディの話もさせていただきながら、一丸となってやっていただけるんだと確認しているつもりではおりますけれども、改めてこの問題に対してよろしくお願いいたします。
 
○安良岡靖史 教育長  不登校に対する取り組みでございますが、学校だけではなく、私を初めといたしまして教育委員会も一丸となって、全ての子供たちにとって学校が安心して活動できる場になるよう、一緒に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、不登校の状況にある子供たちは、家庭に働きかけながら、子供とのかかわりを持ち続けるとともに、学校だけでは支援が難しいケースも多くなっておりますので、関係機関と連携したネットワークを構築いたしまして、子供、保護者の支援も含めまして、全ての子供たちが友達と一緒に学校生活を送ることができるような取り組みを目指してまいりたいと考えております。
 
○13番(前川綾子議員)  教育長ぜひよろしくお願いいたします。そして、行政としても教育委員会を、今までのお話を聞いていただいたと思いますけれども、全力でバックアップしていただきたいと思いますけれども、一人でも不登校をなくして、子供たちが豊かな人生を送れるように願っていきたいと思うんですけれども、していただきたいと思いますが、市長どのようにお考えですか、最後に伺わせていただきます。
 
○松尾崇 市長  鎌倉市の全ての子供たちが生き生きと夢、希望を持って成長していく、この環境づくりについて、教育委員会としっかりと連携をして進めていきたいと思います。また、鎌倉というこの地域に愛着を持って、誇りを持って育ってほしい、そういうことも含めて、今後取り組みをしっかりと進めてまいりたいと思います。
 
○13番(前川綾子議員)  教育長と市長にお伺いを最後させていただきましたが、そしてまたいろいろ伺わせていただきましたが、ぜひともよろしくお願いいたします。横の連携を持って、鎌倉の子供たちのために、不登校について今回お話しいたしましたけれども、一丸となってお願いしたいと思います。この項はこれで終わらせていただきます。
 次に、鎌倉の漁港についてというところで質問に入らせていただきます。
 今、平成28年でございますけれども、これは昭和28年の話でして、昭和28年に鎌倉漁港建設に関する請願が市に提出されています。それから63年がたったと計算できますけれども、この間に、昭和54年、56年、60年と漁港建設に関する陳情が提出されています。そして、平成22年2月16日には、(仮称)鎌倉漁港の建設に向けて諸手続の促進についての陳情が提出されています。
 また、この間には、第1次、2次、3次と鎌倉漁業対策協議会が昭和63年から平成23年の3月までの間に開催されています。この第3次漁業対策協議会では、鎌倉海岸における操業の安全を確保するという観点から、漁港建設は長年の懸案であり、可及的速やかに建設に着手することということで答申が出されているわけですね。
 平成22年の先ほどの陳情は、平成21年に松尾市長が就任されて、漁港建設整備への考え方が、推進するための事業費を財政上を理由に大幅に見直すという、つまり凍結という方向にがらりと変わってしまったことに対して、本当に危惧した鎌倉漁業協同組合の皆さんから出された陳情でした。
 一方、議会でも、平成22年度に漁港建設の基本構想を策定することになっていたものを凍結してしまうということで、平成24年度に予定していた基本構想の策定をやめることになってしまったら、防災上も必要とされる漁港の建設は遠のいてしまうから、いざ計画を再開することになった際に、初めから検討するのに余りにも膨大な費用がかかると予算特別委員会でなりまして、鎌倉地域漁港対策事業の基本構想策定に係る費用としての800万円が計上されて、何とか凍結からは逃れたと認識しております。
 とにかく、ずっと前にもお話しさせていただいています。これまでも何回もお話しさせていただいておりますが、鎌倉地域の漁港建設整備は、長い長い歴史の中で、鎌倉地域で漁業を営む漁師たちの本当に悲願でございます。ですので、この推進の考え方が市長によって変更されたことで、平成21年の12月定例会からは、私も微力ではありますけれども、鎌倉地域の漁港建設に対して、私なりに推進の立場で質問や討論をしてまいりました。
 平成21年の10月8日、市長が就任される直前ですけれども、早朝に忘れることのできない台風被害が鎌倉海岸にはありました。それは、鎌倉の材木座から坂ノ下の海岸一帯にかけて、台風18号が上陸して、高波に、そして高潮による大きな被害をもたらしました。浜小屋は高波にさらわれてしまい、船を急いで県道に上げたり、それが間に合わなかった船は海岸から稲瀬川に上ってしまってはまってしまうなど、大きな被害が出たということが記憶にあると思います。
 平成21年にこの事業凍結が復活して7年がたちました。それで、この7年間にどのように進められてきたかということを、今回質問しながら確認させていただきたいと思います。平成23年度に開催されました漁港建設における市民合意を得るために、鎌倉地域の漁業と漁港に係るワークショップが開催されている状況を平成24年の9月定例会で伺っておりますけれども、このワークショップは平成23年度から平成24年度にかけて2年間、計13回開催されてきています。たくさんの意見が出ていて、報告書も私も読ませていただきましたけれども、ここで特にハード面での整備についてどういう結論が出たのか、まずお聞きしたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  鎌倉地域の漁業と漁港にかかわるワークショップでございますが、鎌倉地域の漁業と漁港について議論を行うことを目的にいたしまして、平成23年9月から平成24年11月までに延べ13回開催されたところでございます。ワークショップでは、公募市民や関係団体による話し合いを重ねまして、平成24年12月にワークショップからのメッセージがまとめられました。この中で、ハード面に関しましては、台風被害など鎌倉の漁業者が抱えている喫緊の課題について、行政が早急に具体的な対策を実施することが必要であるとしてございます。
 
○13番(前川綾子議員)  このワークショップの方たちは、実際に現地を見てくださって、そういう結論を出してくださったんだと思います。現在、船を揚げる場所として使用しているところは狭くて、ウインチもなくて、ついこの間までは手で船を揚げていました。やっと最近では、トラックにロープをつけて、台船を使って浜に船を揚げているということですけれども、その一々の作業というのは本当に毎日大きな負担になっている。その様子をワークショップの方たちは見てくださったんだと思います。ですから、すぐに漁港建設とはいかないまでも、船揚場の整備が早くに必要だと結論を出していただいているんだと思います。
 この船揚場ですけれども、何年かに来るスーパー台風に対しては無力だとは思いますけれども、日ごろの就労環境とか、少々の高波であれば、本当に希望するところで、強く求めるところでございます。
 その後、平成26年4月からの第3次鎌倉市総合計画第3期基本計画、期間は平成26年度から平成31年度ですけれども、策定されましたが、その中の鎌倉地域漁港対策事業について、この事業はつまり、船揚場、漁具倉庫等の漁業施設の設置が重点事業になっております。前期実施計画の策定当初のこの事業内容、そして事業工程を確認させてください。
 
○小池忠紀 市民活動部長  第3次鎌倉市総合計画第3期基本計画前期実施計画の重点事業でございます鎌倉地域漁港対策事業は、鎌倉地域の漁業支援策として、台風等の災害から漁船の安全を確保するための船揚場等の設置に向けて、調査、設計等を行うこととしてございます。
 当初計画では、平成26年度は都市計画の変更準備、漁港区域指定の準備、平成27年度は海岸利用の関係機関調整、基礎調査、都市計画の変更、漁港整備計画策定、漁港区域の指定等でございます。平成28年度は実施設計を予定していたところでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  まずここで確認したいと思いますけれども、漁港建設は引き続き検討するとしながらも、ひとまず漁業者の喫緊の課題である就労環境の改善、先ほど申し上げましたけれども、改善のための船揚場を設置することについて、漁業者の皆さんの理解は得ておられるのでしょうか。また、将来的に漁港の建設を目指すという方針には変わりがないのでしょうか、確認させていただきます。
 
○小池忠紀 市民活動部長  現時点では、当面の漁業支援策といたしまして、船揚場等の設置に向けて取り組みを進めることで、鎌倉漁業協同組合の漁業者の方々の理解は得られるというところでございます。
 市民への新鮮で安心安全な魚介類の提供、食の安全確保の観点から、鎌倉の漁業を将来にわたり継続していくことが必要でございまして、漁港の整備は、本市の財政状況や国の交付金制度の状況も鑑みながら、今後も引き続き検討すべき課題であると考えてございます。
 
○13番(前川綾子議員)  漁港の建設がなくなってしまったわけではないということを確認させていただきました。
 今年度は前期実施計画の最終年度になるわけですけれども、先ほど計画策定当初の予定をお聞きしましたが、それでは、これまでの事業の進捗状況をお聞きしたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  平成25年度に、漁業操業状況や支援施設等に関して漁業者へのヒアリング調査などを実施するとともに、船揚場等の配置案や事業工程などの検討を行ってまいりました。しかし、船揚場等の具体的な位置、形状等を決定するにはさらなる協議が必要となりまして、平成27年1月から鎌倉漁業協同組合と位置等についての検討、協議を進めてまいりました。また、平成27年度には自然環境調査を行うとともに、県などの関係機関との協議を行ったところでございます。
 今年度でございますが、当初計画では実施設計を行う予定でございましたが、船揚場等の位置、形状の確定に向けた自然環境調査や漁業者との協議などの進捗がおくれたため、現在改めて漁業者へのヒアリングなどを行っておりまして、最終的な位置、形状の決定に向けて取り組んでいるというところでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  ことしは実施設計が本当は行われていなければいけないということだと思いますけれども、当初計画から進捗がおくれてしまっているということですね。そのために、平成27年度には計画の変更を行っていると思います。当初計画どおりに進まなかった理由はどこにあるのか、教えてください。
 
○小池忠紀 市民活動部長  船揚場等の具体的な位置、形状につきまして、鎌倉漁業協同組合との調整及び確定ができず、都市計画変更等の準備工程に進めなかったことから、平成28年2月に、実施計画における重点事業の工程を変更することとしたものでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  船揚場の位置や形状の確定を鎌倉漁業協同組合と調整し、確定することが事業のおくれの理由、おくれてしまったということだと思います。もっと協議の回数をふやしてもよかったんじゃないかと思いますけれども、それは後であれしますが、では、修正変更後の実施計画の内容を聞かせてください。
 
○小池忠紀 市民活動部長  事業工程の変更によりまして、平成27年度は、海岸利用の関係機関調整、基礎調査でございました。平成28年度は、支援施設整備位置確定に向けました調査等を実施することとしたものでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  先ほどの船揚場のお話で申し上げましたけれども、船揚場の位置が確定できなかったから決められなかったということでしたけれども、それは今後どのようにして決定していくことなんでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  船揚場等の位置の決定につきましては、まずは実際に漁業に従事されております漁業者の御意向を尊重し、環境面なども踏まえて計画に反映することが重要であると考えてございます。
 また、漁業施設の改善によりまして、漁業が将来にわたり安定的に継続されることが、新鮮で安全な地場の海産物を市民に提供するための取り組みであるということを市民の皆様にも理解していただくことが必要であると考えてございます。
 
○13番(前川綾子議員)  船揚場の設置位置の決定というのが一番基本になっているということだと思いますけれども、漁業者の意向を尊重して反映させることが重要とおっしゃっておりますけれども、現在その意向の確認をどのように行っているのか、お聞かせいただきたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  漁業者の御意向を反映した施設とするために、平成27年1月から鎌倉漁業協同組合に設置されました斜路建設委員会のメンバーの方々と市との検討会を設けまして、平成27年度は11回の意見交換及び検討を行ったところでございます。平成28年度につきましては、斜路建設委員会を中心にしまして、組合の役員数名も参加して協議を進めており、御意向を確認しているというところでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  とにかく位置が決まらないと前に進めないということだと思いますので、平成27年度から斜路建設委員会を設置されたということで、平成27年の1月からということですよね。平成26年からこの前期実施計画はあるわけですから、ここでいろいろなことと並行して斜路建設委員会を設置していただいて、もっと早い時期に進めていただければおくれなかったんじゃないかと思っています。
 既に船揚場の位置は決定したんでしょうか。エリアは決定したんでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  平成25年度に検討いたしました船揚場等の配置案をもとに検討をしてきた中で、最終的な位置の決定には至っておりませんけれども、坂ノ下海岸の最も西寄りのエリアに整備する方向で現在協議を進めているというところでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  エリアとしては、昔というか、かつて坂ノ下の西寄りと稲瀬川寄りと2カ所ぐらいの候補があったという記憶がありますけれども、今回西寄りのほうで検討が進められているということで今御答弁があったと思います。
 日ごろの波の状態を見ていますと、大潮の際に潮が引いてしまうと、今の浜と水の部分とくぼみができてしまうんじゃないかと思っていて、そんなお話も聞かせていただいておりますので、実際に船揚場ができるときには、当然やってくださると思いますけれども、漁業者の皆さんの声をよく聞いて、日ごろよく御存じなはずですから、十分に聞いていただいて、正しい正確な位置を決めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 船揚場の位置は話し合いで決まって、さらにその位置について、本当にそれでいいかを斜路建設委員会で話し合っていく。位置じゃないですね。船揚場のエリアが決まって、位置を決めて、それを斜路建設委員会で話し合っていくということですけれども、位置が決まってこれからやるべきことはどういうことなのか、今後のミッションをお聞かせいただきたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  現在は、具体的な船揚場等の位置、形状等について、漁業者の御意向だけでなく、地形、海岸環境や周辺景観への影響、また漁業者以外にも海岸、なぎさを利用する多くの市民、観光客、またマリンスポーツ利用者への安全性なども考慮しながら検討を進めているというところでございます。今後につきましては、市民の理解を得るための場の設定についても予定しているところでございます。また、あわせまして、国・県等との調整・協議も進めておりまして、船揚場等の設置に必要な行政手続のための準備を行っていくというところでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  まだまだ船揚場をつくるまでには、国や県との調整も必要になってくるし、それから幾つもの手続や調査や法令手続のための準備をしなくてはならないということだと思います。とにかく重点事業に上がっているわけですから、計画が丸1年おくれてしまうということは本当に残念で、またこれが1年、2年とならないようにしていただきたいと思います。本当に切なる悲願であるということを念頭に置いていただいて、担当がかわった際にも引き継ぎをしっかりとしていただくということも重要なのかなと感じております。
 平成29年度以降のスケジュールはどのようになるのか、このおくれがどういうふうに響いていくのかということもお聞かせいただきたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  平成28年度につきましては、船揚場等の位置、形状等を確定するため、地形変化予測及び周辺環境調査を実施するとともに、物理環境面から見ました支援施設の配置を検討し、基本方針の作成及び施設規模の決定を行っていくと考えてございます。
 また、平成29年度につきましては、今年度の作業を踏まえまして、地形測量など実施設計に向けた調査を行いまして、船揚場等の位置に必要な行政手続へと進めていきたいと考えているところでございます。
 
○13番(前川綾子議員)  ここで、前期実施計画の重点事業である工程がおくれてしまっているということに対して、工事着工の時期について、かつて鎌倉地域の漁港建設の所管の部長でおられました立場から、小礒副市長がいらっしゃいますので、どのようにお考えになっているか、どのように思っていらっしゃるか、お聞かせいただけますでしょうか。
 
○小礒一彦 副市長  船揚場などの整備につきましては、漁業者が抱える喫緊の課題と考えておりまして、重要な事業であると認識してございます。前期実施計画の進捗状況を踏まえまして、現在策定しております後期実施計画の中でスケジュールを見直しまして、早期の工事着手に進めてまいりたいと考えております。
 
○13番(前川綾子議員)  本当にお願いしたいと思います。後期実施計画は平成31年までですけれども、今年度予定していた実施計画は平成29年度になってしまうのかと思いますけれども、それにしても、平成31年度までに「工事着工」という4文字が載るように切に願っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。日ごろの営みにもしっかりした船揚場が本当に大切なので、ぜひ、これは60年以上、先ほども申し上げましたけれども、あっという間に70年になってしまいますので、1年でも早く、気持ちを入れて取り組んでいただきたいと思います。
 ここで、鎌倉市の漁業組合のことを伺いたいと思いますけれども、このところ若手の漁師さんたちがとてもふえているように見えているんですけれども、その辺のところの実態を教えていただけますか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  組合員数でございますけれども、平成18年は67名、平成23年は57名、平成27年は54名でございまして、このうち年間を通して90日以上漁業に従事する正組合員の数は、平成18年は41名、平成23年は27名、平成27年は31名という状況でございます。
 
○13番(前川綾子議員)  組合員数の全体の数はふえていないかもしれませんけれども、いろいろ世代交代もあったりする中で、やめられてしまう方もありますので、若い漁師たちがふえているというのは、家業が漁師ではなくても、漁業者じゃなくても、改めて自分の仕事、今までやっていたものをやめて、夢を持って漁業に入るという方たちがこのところふえていると思っています。
 とにかくこういう方たちが一生懸命やっている鎌倉地域の漁業ですので、市民を初め多くの方たちに鎌倉の漁業というものを、まず船揚場ができるとか、漁港建設のこともありますので、知っていただくという方法が非常に必要だと思いますけれども、漁業者の皆さんで取り組んでいることというのはどういうことがあるか、教えていただけますか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  毎月恒例の漁業協同組合によります朝市の開催のほか、主に若手の漁業者が中心となりまして、各種イベントにも積極的に参加しているという状況でございます。具体的に申し上げますと、鎌倉ビーチフェスタ、大船ペデマルシェ、三世代交代事業の地びき網や秋の収穫まつりなど、さまざまな機会を通じまして鎌倉の漁業のPRを行っているという状況でございます。
 
○13番(前川綾子議員)  一生懸命漁業者の皆さんはやっていらっしゃると思います。鎌倉市の場合は、農業は、鎌倉野菜ということで非常にブランド化が進んで、すばらしいことだと思います。これは農業者の皆さんの努力と、それから市の連携のたまものだと思っております。
 漁業も、ぜひともこれからは今まで以上に市の協力をしていただきたいと思っているんですけれども、その辺のところはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
 
○松尾崇 市長  日々漁業活動と並行しながら、今御紹介させていただきましたように、鎌倉の漁業のPRということで、さまざまなイベントに出て活動していただいているということは、漁業者の方々の努力でございまして、とてもありがたいと思っております。このような取り組みに関しましては、市民の皆さんからも大変好評を得ているという取り組みでございまして、今後の鎌倉の漁業の維持、発展につながるものと認識をしています。こうした活動の支援につきましては、さらなる支援について検討してまいりたいと思います。
 
○13番(前川綾子議員)  ぜひともよろしくお願いいたします。PR活動、いろいろな場を持って、漁港がないので、結局とってきた魚をすぐ売るとか、加工するということもできないわけですので、いろいろな場所へ出向いていかなければ漁業者の皆さんはPRができませんので、そこのところはいろいろと支援をしていただきたいと思っております。
 最後にお伺いさせていただきますけれども、もう一度、とにかく漁港建設は一番の願いではありますけれども、早期の船揚場の設置に向けて、漁業組合の方たちは百歩も譲ってというところで実現を待っていらっしゃると思っておりますので、ぜひ全力で対応していただきたいと思います。計画の1年のおくれが2年、3年になってしまわないようにと思いますが、市長、御見解をお願いいたします。
 
○松尾崇 市長  議員御指摘のとおり、鎌倉の漁業者の皆さんが大変長い間漁港建設の願いを持っておられるということは承知をしています。そういう中にあって、まずは喫緊の課題であります漁業の就労環境の改善、また鎌倉の漁業を安全で安定的に今後も継続していくためにも、早期の船揚場等の漁業支援施設の整備に取り組んでまいります。
 
○13番(前川綾子議員)  ぜひよろしくお願いいたします。
 きょうは、不登校の問題、それから鎌倉の漁港についてというところで、いずれも私にとっては新しい課題ではないんですけれども、まだ進んでいないというところで、指摘をさせていただきながら質問させていただきました。長いことどうもありがとうございました。
 
○議長(中澤克之議員)  次に、納所輝次議員の発言を許可いたします。
 
○16番(納所輝次議員)  それでは、通告に従いまして一般質問を行いたいと思います。私も一般質問は多分1年半ぶりぐらいだと思います。久しぶりの質問でございますけれども、今回は、鎌倉市における小中一貫教育について、それからチーム学校の推進についてという市の教育課題について伺ってまいりたいと思います。
 まずは鎌倉市における小中一貫教育について伺ってまいりますけれども、教育委員会は、この小中一貫教育について、各学校が、小学校から中学校卒業までの9年間を見通した教育課程を編成し、子供たちの育ちと学びの連続性を保障した教育活動を行うということを目指しておられます。これまでの小中連携の取り組みを推進、充実させるため、平成23年2月に基本方針を策定しておられます。また、各中学校ブロックでの取り組みに向けた参考資料として、鎌倉市教育課程編成の指針、鎌倉市における小中一貫教育の推進についてを平成26年11月に策定しておられます。
 この基本方針や指針に基づいて、各中学校ブロックでは、平成27年度から鎌倉市における小中一貫教育を順次実施しており、今年度から全ての中学校ブロックで小中連携を深める具体的な取り組みの本格実施が始まっているということでございますが、この鎌倉市が実施している小中一貫教育はどのようなものなのか、これまでの小中連携とどう違うのか、まず伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  全国的な小中一貫の取り組みの形態につきましては、同一施設内で行う一体型一貫教育校、中学校区で連携を深めながら地域の子供たちを育てていこうとする施設分離型一貫教育校がございます。本市におきましては、後者の考え方で、連携強化が子供の成長や学力の向上につながっていくものと考えてございます。
 鎌倉市における小中一貫教育が目指すものは、現在、各中学校ブロックで行われている小中連携の取り組みの延長線上にございまして、その取り組みをさらに充実させようとするものでございます。各学校が、小学校から中学校卒業までの9年間を見通した教育課程を編成し、子供たちの育ちと学びの連続性を保障した教育活動を行うことを目指してございます。また、小・中学校が滑らかな接続を進め、小中連携推進を充実していくこととしてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  一般に小中一貫教育というのは、教育目標や目指す子供像、またカリキュラムをともにつくり上げる取り組みで、小学校と中学校が目指す子供像を共有し、9年間を通じた教育課程を編成して、系統的な教育を目指す教育活動を言うわけでございます。これに対して小中連携は、小・中学校がそれぞれ別の学校であるとの前提のもと、小学校と中学校が互いに情報交換や交流を行うことを通じて、小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指すさまざまな教育活動とされております。
 小中一貫教育は、教育目標や目指す子供像、カリキュラムをともにつくり上げる取り組みということが言えるわけでございますけれども、この目指す子供像について伺います。鎌倉市教育委員会が目指す小中一貫教育における目指す子供像とは何か、お答えいただきたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  この目指す子供像とは、中学校ブロック内での共通の目標でございます。各中学校ブロックの小・中学校で、教職員が、児童・生徒の発達や学習の状況、学校の基本的な考え方、あるいは保護者、地域での教育的ニーズの情報共有と共通理解を図り、どのような子供を育てていくかをまとめたものでございます。児童・生徒が本来持っている力をより伸ばしていくための教職員側の指導の目標ともなってございます。
 
○16番(納所輝次議員)  市の基本方針では、目指す子供像の設定について、今お話がありましたように、どのような子供を育てていくか、教職員が共通認識を持つために話し合うとしております。一見妥当な取り組みのように思いますけれども、少し私は違和感を覚えました。
 教育とは本来、子供が持っている力を引き出し、その力をその子にとって正しい方向に発揮できるようサポートすることではないかと思うわけですけれども、市の方針はどちらかというと上から子供を見ているように思えてなりません。そのようなことから、鎌倉市の目指す子供像の考え方を具体的に伺っていきたいなと思うわけですけれども、この目指す子供像を各中学校ブロックで設定をするということでございますが、各中学校ブロックで設定しても、1中学校1小学校のシンプルな組み合わせのブロックというのは市内に一つしかないわけですね。これは第二小学校と第二中学校の組み合わせ、このブロックだけで、ほかは複合しております。
 くしくも、きょう一般質問する3人の議員はみんな第二小学校と第二中学校の卒業生でございまして、そういった意味で、接続というものはうまくいっているのかと思うんですけれども、ただ、複数の小学校であっても、進学先が一つの中学校だったらいいんですよ。幾つかの小学校が一つの中学校に進学するというブロックだったらいいんですけれども、小学校によっては、卒業後の進学先が別々の複数の中学校にまたがっているというケース、そのような小学校は16校中6校ございます。中学校ブロックごとに目指す子供像を設定しようとしても、小学校によっては同時に二つの中学校への設定が求められるということ。これは、隣接する中学校ブロックで見てみますと、目指す子供像について同じ設定をしているブロックもありますけれども、それではブロックごとに目指す子供像を設定する意味がないような気がするわけですね。
 この複数の中学校ブロックにまたがった小学校において、目指す子供像の設定と実践は実際にどのように行われているのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  今のような混乱がないように、まずブロック内での十分な検討を行いまして、ブロック間でも連携して、目指す子供像を設定したり、小中連携の取り組みを行ったりしてございます。
 第一中学校と御成中学校、そして岩瀬中学校と大船中学校区は、一つの小学校から複数の中学校に、今御紹介があったように進学するため、拡大ブロック会議を開きまして、共通の目指す子供像として設定をいたしました。
 
○16番(納所輝次議員)  拡大ブロックもしくはブロック間の連携ということで、実は目指す子供像の設定は、各中学校ブロックということではなくて、鎌倉市全体で設定したほうが混乱がないのではないかと思うんですね。ブロックごとに設定する意義をどのように捉えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  まず、かまくら教育プランがございまして、このかまくら教育プランにおきまして、鎌倉市全体の学校教育における基本方針と目標を示してございます。それに基づきまして、各中学校ブロックでは、子供の実態や地域の特徴を踏まえまして、目指す子供像を設定しているところであります。ブロック内の教職員が、ブロックとしての地域の特性を踏まえ、子供の実態を把握し、議論しながら主体的に目指す子供像を作成し、小・中学校で共有することに意義があると考えたものでございます。このため、各中学校ブロック内で目指す子供像を設定したところであります。
 
○16番(納所輝次議員)  そういった目指す子供像を共有しながら、さまざまに鎌倉市の小中一貫教育においては、10年間の系統性、連続性の確保のために取り組んでいるわけでございますけれども、具体的には9年間の系統性、連続性の確保のためにはどのような取り組みが行われているのか、御紹介いただきたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  一例ではございますけれども、手広中学校ブロックでございます。このブロックでは、英語教育に視点を置いた取り組みを行っているところであります。中学校英語の免許を持つ非常勤講師でありますけれども、その講師がそのブロックの小学校5、6年生の外国語活動及び中学校の英語科を指導している、こういった状況でございます。
 小・中学校両方の子供たちの指導に直接にかかわりまして、いわゆる顔の見える、知っている先生がいるということは児童・生徒の安心感にもつながり、小学校から中学校に進学する際の接続が円滑にでき、新しい環境での学習や生活へ滑らかに移行できると考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  この小中一貫教育における教育課程、指導方法につきましては、合同行事の実施や、9年間を一まとまりに捉えた学校目標の設定、9年間の系統性を整理した小中一貫カリキュラムの作成、また、9年間を見通した学習、生活規律を設定するほか、研究開発学校制度の活用、教育課程特例校制度の活用など、特例を活用して新教科の設定、また今お話がありました手広中学校の取り組みのような英語教育の早期化、指導内容の前倒しを行うという取り組みもございます。
 今年度からの小中一貫教育全市実施に当たって、モデル授業等を通じた好事例の収集、分析、周知はどうなされたのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  先ほども議員から御紹介がございました鎌倉市教育課程編成の指針、これは平成26年12月と先ほど御紹介いただきましたが、こうした指針を作成するために、平成25年度から2年間、大船中学校ブロックを実践研究推進校に指定したところでございます。こうした取り組みを分析し、成果と課題をこの鎌倉市教育課程編成の指針にまとめることにより、各学校へ周知したところでございます。
 
○16番(納所輝次議員)  この小中一貫教育においては、9年間の学年の区切りにおいても、各自治体においてさまざまな取り組みがあるようでございます。従来の6・3制、一番好評なのが4・3・2ですね。小学校4年間と中学校をまたいだ3年間、そして中2、中3の2年間。4・3・2制、または5・4制など、さまざまな取り組みを持たせております。
 例えば以前に視察しました京都市の御池中学校では、二つの小学校を、中学校の建物に6年生だけ持ってきているということで、小学校6年生になると御池中学校の建物に行く。別々の小学校の6年生が行く。これは5・4制ということで、そしてスムーズに中学校生活へと移行させようというような取り組みも見たことがございますけれども、鎌倉市の小中一貫教育において、学年の区切り、これはどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  鎌倉市におきます小中一貫教育は、あくまでも学習指導要領の範囲内で行い、現在の小学校における教育課程、また中学校における教育課程をつないでいくという考えのもとでございます。したがいまして、義務教育学校を考えているわけではございませんので、学校名や学年の呼び方等々につきましては現行のままで実施していきたいと考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  6・3制を維持して、それぞれ校舎が別であるということ、それから複数の小学校、複数の中学校が複雑になっているというところもありますので、6・3制というのが一番いいと思いますけれども、最終的に小中一貫教育というのは、例えば校長先生一人が管理者として全て統括するというような形となると、また6・3制というものを少し考え直す必要も将来的には出てくるのかと思います。
 こういった小中一貫教育というのは、教育目標、目指す子供像とともに9年間のカリキュラムもつくり上げる取り組みということでございますけれども、鎌倉市において小中一貫教育のカリキュラムの用意についてはどう考えているのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  いわゆる9年間を見通した教育課程の編成、実施が重要であると考えてございます。先ほども御紹介をいただきました鎌倉市教育課程編成の指針、これを平成26年11月に作成し、翌月12月から各学校に配付したところでございますが、先ほども御答弁したとおり、各学校において小中連携を充実させていく際に、参考となる具体的な事例や指導例、あるいは取り組み例というものがこの中に掲載されてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  カリキュラムというのは、単に学校の教育計画を示すものではなくて、子供たちがどのような学びを経験し、どのような力が身についていくのかを本格的に示すものということで、非常に重要なものでございます。小中一貫教育での教育内容の量的、質的充実への対応では、平成20年の学習指導要領改訂によりまして、小学校高学年への外国語導入、理数教育の一層の充実を図ることとされていることから、これを進めるには、小学校高学年での専門的指導の充実や、児童・生徒のつまずきやすい学習への長期的視点に立ったきめ細やかな指導が求められまして、さらには、それに対応する組織運営上の工夫が求められております。
 先ほども少し御紹介がありました。鎌倉市では、小学校高学年への外国語導入、また理数教育の充実についてはどのように取り組んでいらっしゃるんでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  今御紹介がありましたとおり、平成32年度から導入される小学校での外国語教育の教科化を見据えて準備を進めているところであります。また、理科教育の充実に関しましては、理科の実験や観察、数学の問題を解く学習の過程で、考え方やわかったことを説明したり、また調べたり、まとめたり、発表したりといった言語活動や体験的学習を重視するような学習活動を設定しているところであります。
 
○16番(納所輝次議員)  鳥取市の教育委員会は、昨年度から、小・中学校間の連携をより密にしようということで、小・中学校を兼務する教員を全ての小・中学校に配置しました。主に中学校の教員が学区内の小学校の教員を兼務する形態だそうで、生活指導主任や養護教諭が小学校に出向き、児童に講話をしたり、特別支援教育の主任が、中学校入学を控えた小学生やその保護者と面談をしているということでございます。
 この鎌倉市の小中一貫教育推進に当たりまして、小・中兼務教員の配置状況、または小・中兼務体制はどうなっているのか、また、小中一貫教育を実施する上で適切な教職員定数をどう算定しているのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  本市では、現時点では正規教員の兼務はございません。平成28年度でございますけれども、小中一貫推進非常勤職員でございますが、これを2名配置しているところであります。1名は、先ほど御紹介いただきました小・中学校の外国語教育の連携に携わる役割、もう一名は、小・中学校間をつなぐコーディネーター役の役割を担っていただいているところであります。
 各中学校ブロックで小中一貫教育を機能的に推進していくためには、今後、人的な支援も必要と考えております。
 
○16番(納所輝次議員)  そういった意味では、県の加配だけではどうしても賄い切れないところがあるかと思いますけれども、適切な教職員定数をきちんと算定をして、体制を強化していくべきであろうと思っております。
 なぜこの小中一貫教育が必要とされるのか、一番の要因は中1ギャップにあると言われております。前川議員から不登校についての質問がございましたけれども、中学進学時の不登校、いじめ等が急増するということ、また、なぜ中1ギャップが起こるのか。御承知のように、義務教育において最も環境変化が起こるのが小学校と中学校の境目でございます。
 小学校では学級担任制ですが、中学校になると教科担任制となります。中学校の授業は小学校に比べて板書が多く、スピードが速い。それまでグループ学習型であった授業が、中学校では教師主導型で進められて、その評価も定期テストが始まる。小学校では単元ごとに確認をしていくというテストが行われておりました。
 意欲、関心、態度を重視した評価から、中学校では知識、技術を中心。学校生活についても、中学校になるとより厳しい生徒指導が始まり、また、上級生と下級生の先輩、後輩の上下関係が強い部活動も始まります。クラスでは、ほかの小学校からの進学者との新たな人間関係をつくらなければならない。ちょっと考えただけでもこれだけの環境の変化を12歳の子供が味わうということでございます。そこに中1ギャップの起こる要因があり、不登校やいじめが起こるきっかけであると言われております。
 果たしてそれが小学校から中学校への段階で顕著なのかどうかということも確認しなければいけないんですけれども、先ほども少しお話が前川議員の質問でございましたけれども、鎌倉市における学年別の不登校児童・生徒数、学年別いじめの認知件数、この動向はどうなのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  平成26年度の数字でございますけれども、小学校の不登校児童数は30名でありまして、100名当たりの出現率、これが0.37でございます。一方、中学校の不登校生徒数は98名で、100名当たりの出現率、これは2.84という数字でございます。全体的な傾向といたしましては、この不登校の状況は、年齢が上がることにより増加傾向が示される、こういう傾向がございます。
 また、いじめについては、小学校では高学年に、中学校では2年生に特に増加傾向が見られます。
 
○16番(納所輝次議員)  先ほども質問の中で御答弁があったところでございますけれども、小学校で出現率が0.37が、中学校になって2.84、これはかなりの割合で出現しているという不登校の実態ではないかと思いますし、さらにいじめも、高学年になればなるほどふえてくるということ。これは中1ギャップとは限らず、年齢を追うごとに、複雑な人間関係もしくは環境の変化に苦しむ児童・生徒がいるということ、それも毎年一定の割合で苦しむ子供がいるんではないかと思うわけでございます。
 こういった小6から中1への教育環境の変化に限らず、児童・生徒を取り巻く環境は日々変化してきている、また複雑化してきている。その背景でございますけれども、少子高齢化の進行、核家族化の進行、共働き世帯の増加、母子世帯、父子世帯の増加、または地域の教育力の低下、いずれ鎌倉市でも少子化に伴う学級規模の減少などが現実のものとなるでしょうし、そして、少子化に伴う学校の社会性育成機能の強化を求められてくるようになっているのではないかと考えられます。
 つまり、それまで地域社会、家庭が行っていたもの、そういった社会性を育てる教育機能を学校に求めるようになっているのではないかと思っているわけでございます。この鎌倉市において社会的育成機能強化の面で学校に求められている役割、これをどう捉えているのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  今議員から御紹介いただきましたさまざまな背景、こういったものは私自身も共有し、またそんなイメージ感というのを強く持ってございます。そうした中で、本来学校の持つ役割は、基礎学力の定着、あるいは集団生活の中での社会性の育成、他者とのかかわりによる協調性や思いやりの心、さらにはコミュニケーションの力の育成などが考えられます。
 加えて、近年では、今までは家庭や地域で行われていた基本的生活習慣の定着や生活指導も、学校教育の中で求められていると認識してございます。児童・生徒や家庭が複雑化、多様化する中で、学校に求められている役割は年々歳々大きくなっていると認識してございます。
 
○16番(納所輝次議員)  学校がしつけまでかかわらなければいけないということでございますけれども、本来は、家庭もしくは地域とのかかわりというものがもっと濃くなってくるといいのかなと思うわけでございます。
 また、小中一貫教育を進めるに当たっては、9年間の学びを地域ぐるみで支える仕組みづくりも必要ではないかと思うわけでございます。鎌倉市の小中一貫教育について、保護者や地域住民の理解はどのように得られているのか、またどう得ようとしているのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  本市の小中一貫教育につきましては、教職員はもとより、PTA、保護者会役員、学校評議員の方々から意見をいただきまして、先ほど御紹介もありました平成23年2月に基本方針をまとめたところでございます。
 また、市民の皆さんへの周知あるいは広報につきましては、鎌倉市における小中一貫教育基本方針、鎌倉市教育課程編成方針の指針、あるいは先ほど来御紹介がございます各ブロックの目指す子供像をホームページにアップをして、御紹介をさせていただいているところであります。
 小中一貫教育の推進に当たりましては、地域の方々の理解、協力は必要不可欠だと認識してございます。今後、各学校からの便りや学校ホームページ、あるいは地域教育懇談会など、さまざまな場面におきまして情報提供を行いながら、さらなる理解を得ていく必要があると考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  各中学校ブロックからのその地域に向かっての情報発信というものをさらに充実をしていくべきであろうと思っております。
 この小中一貫教育の推進に当たりましては、それに応じた学校評価の充実と、鎌倉市としての評価検証がしっかりとなされる必要がございます。小中一貫教育に応じた学校評価のあり方と検証のあり方、これについてはどう考えているのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  現在、学校評価につきましては、学校評議員会や学校公開、あるいは学校アンケートなどの機会を通して行っているところであります。各学校におきましては、学校評価の項目に、例えば中学進学不安への解消などについて、小中一貫教育についての取り組みの項目を加えることなどが必要であると考えてございます。また、教育委員会は、各ブロックからの報告書や学校からの聞き取りから成果や課題を検証するとともに、すぐれた取り組み等の他のブロックへの紹介などを通じまして、全市的な小中一貫の教育の推進を図ってまいりたいと考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  そういった評価の検証においては、評価の共有、好事例の共有、または課題の共有も必要であるかと思います。情報発信というのが、中学校ブロック側でも必要でしょうし、教育委員会側からも必要ではないかと思うわけでございます。
 この小中一貫教育の成果を検証するときに、まず成果が認められるケースとしてはどういうものがあるかというと、例えば中学進学に不安を覚える児童が減少した、中1ギャップが緩和された、小・中の教員間で協力して指導に当たる意識が向上した、小・中共通で実践する取り組みがふえた、小・中で互いのよさを取り入れる意識が高まったとされるということがあると思います。一方、課題が認められるケースとしては、教職員の負担感、多忙感の解消が進まない、小・中の教職員間での打ち合わせ時間の確保ができない、小・中合同の研修時間の確保ができないという場合が考えられます。
 しかし、子供たちにとって教育の失敗はあってはならないわけで、そうならないために、行政側の支援体制が整っている必要があります。神奈川県教育委員会は昨年度、神奈川県として目指す小中一貫教育校のあり方最終報告をまとめました。海老名市の中学校区の1中学校・1小学校隣接型と二つの小学校分離型の併存、秦野市の1中・1小隣接型、箱根町の1中・3小分離型で、町全体の取り組みなどのモデル校を示すとともに、モデル校支援のあり方として、教育委員会の体制づくりに小中一貫教育サポートデスクの設置、各モデル校の取り組みを共有する小中一貫教育連絡協議会の設置、管理職配置の検討など、人的支援などを提案しております。
 鎌倉市に対して県による積極的な指導、助言、援助はあるのかどうか、小中一貫校の支援体制について、鎌倉市に対する県の支援体制はどうなっているのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  神奈川県の学校教育指導の重点では、幼稚園を含め義務教育9年間の学習内容の系統性や発達の連続性を考慮し、校種間のつながりを今まで以上に重視する、このようになってございます。現在、教員の加配やこれらの事業の推進のための補助金、こういった内容につきましては具体的な支援が示されてございません。
 
○16番(納所輝次議員)  もっと県は、人的な支援もそうでしょうし、補助金等での支援がなければ、なかなか自前でこの小中一貫教育を実践するとしても、課題が多過ぎて立ち行かなくなってくるのではないかという危惧がございます。この点については、県にしっかりと働きかけていただきたいと思っております。
 鎌倉市教育委員会としては、今後この小中一貫教育をどう進めていこうと考えているのか、またその最終形をどう考えているのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  小・中学校の教職員間で児童・生徒観、あるいは学力観、あるいは指導観、評価観等の情報を共有いたしまして、小・中学校9年間で目指す子供像の具体化に向けて、連続性、系統性のある教育課程を編成していくことが、本市の小中一貫教育の目指すところでございます。そのためにも、今後も、小・中学校の滑らかな接続を図り、子供たちが安心して中学に進学し、新しい環境で力を十分発揮できるよう、きめ細かで個々に応じた対応に努めてまいる所存でございます。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいま一般質問中ですが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (11時57分  休憩)
                   (13時30分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 納所輝次議員の一般質問を続行いたします。
 
○16番(納所輝次議員)  それでは、午前に引き続きまして質問を続けさせていただきたいと思います。
 今度の項目は、チーム学校の推進についてということで伺ってまいりたいと思っております。
 中央教育審議会は、昨年、外部人材を積極的に活用し、学校の教育力を高めるチーム学校の取り組みを推進すると文部科学省に答申しました。スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーといった専門職の学校での位置づけを明確にすること、部活動専門の指導員の配置や地域との連携強化などを提言しております。それを受けて、政府は現在、教員の負担軽減へ、心のケアの専門家スクールカウンセラーや、福祉の専門家スクールソーシャルワーカーなど専門スタッフを学校に配置し、教員と連携して学校全体で課題に対応するチーム学校の構築を進めています。
 その背景には、この国ならではの事情があります。いじめや不登校、子育て世代の生活困窮など、深刻化する学校の課題に追われる日本の教員は、世界一忙しいからだとされております。先進国で構成されます経済協力開発機構(OECD)が2014年に発表した34カ国地域の調査によると、中学校の教員の各国平均勤務時間は、1週間で38.3時間、これに対し日本は約1.4倍の53.9時間と参加国中最長でした。事務や部活動など授業外の仕事に多くの時間がとられているとのことです。
 また、学校スタッフに占める教員の割合は、アメリカが56%、イギリスが51%、日本は82%と突出しております。日本の教員に求められる役割は大きく、その過重な負担を専門家らで分かち合う発想がチーム学校で、ここでは、教員が最も大切な生徒と向き合う時間の確保を進める観点から、チーム学校の推進について質問してまいりたいと思っております。
 教員に時間的な余裕ができれば、授業の準備や教材の研究に一段と力を入れることができる上に、学校内外での研修などにも参加しやすくなります。何よりも子供たちと向き合う時間がふえ、一人一人の個性や学習状況に合わせた質の高い教育が期待できます。
 先日も同僚議員が取り上げておりました、平成30年から実施されます新学習指導要領改訂の柱に掲げられているアクティブラーニングについて取り上げたいと思います。アクティブラーニング、つまり主体的な学びのことですが、学習者の能動的な学習への参加を取り入れた教授・学習法の総称で、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図ることだそうです。これには、発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれますが、教室内でのグループディスカッション、ディベート、グループワーク等も有効なアクティブラーニングの方法だそうです。
 教師が一方的に知識を伝達する記憶重視型の一斉授業ではなく、子供たちが主体的、そして対話的に深く学ぶ授業の総称でありますこのアクティブラーニングについて、鎌倉市では今どう取り組んでいるのか、また、今後アクティブラーニングを展開していく上での課題はどう考えているのか、まず伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  現在、本市の小・中学校におきましても、今御紹介にありましたアクティブラーニングにつなげていくよう、児童・生徒が主体的に学習し、言語活動の充実を図るため、グループディスカッションやディベート学習、あるいはグループワークなど体験的な学習等を積極的に授業に取り入れているところであります。このアクティブラーニングを進めていく上では、教科の特性や児童・生徒の発達の段階に応じまして、きめ細かな取り組みをしていくことが必要であると考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  しかし、2013年のOECDの国際教員指導環境調査によりますと、日本の教員は、この主体的な学び、アクティブラーニングを引き出すことに対しての自信が低いそうです。批判的思考を促す、勉強ができると自信を持たせる、関心を示さない生徒に動機づけをする、学習の価値を見出す手助けをするといったことに対して自信があるとする教員は、調査国の平均で約70〜80%であるのに対して、日本の教員は15〜26%ということで、アクティブラーニングに対しては自信がないということでございます。また、ICT等も余り活用できていないということで、調査国平均約38%がICTを活用しているのに対して、日本は10%であるという現状が指摘されております。
 次に、カリキュラムマネジメントについて伺います。次期学習指導要領改訂の重点項目とされておりますカリキュラムマネジメントですけれども、このカリキュラムマネジメントとは、カリキュラムを適切に管理し、学習者の実態に合わせて意図的、計画的に構成し、運営、実践、評価することで、教育活動において、子供の実態等と将来求められる資質、能力を踏まえた教育目標を具現化し、カリキュラムのPDCAサイクルを確立することだそうです。学校の経営活動において、組織のあり方、カリキュラムのあり方で、家庭、地域社会、行政との連携でリーダーシップを発揮するということがカリキュラムマネジメントだそうで、それを実行管理するのが管理職である校長の腕の見せどころです。
 それには、教員の資質向上だけではなく、専門スタッフによるサポートが必要です。そういった校長のリーダーシップに基づく学校のマネジメント強化がなされること、これこそがチーム学校に求められる学校の活動であるということだそうでございます。
 どこにリーダーシップを発揮するか、カリキュラムマネジメントの目的は、あくまでも子供たちを中心に据え、彼らとどう向き合うかにございます。子供と向き合う時間の確保等のため、カリキュラムマネジメントを行うことについて現在市ではどう取り組んでいるのか、また今後の課題としてどう考えているのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  今御紹介がございましたカリキュラムマネジメントでございますけれども、各学校の校長のリーダーシップのもと、子供や地域の実態を踏まえ、学校教育目標の実現に向けて、教職員全体での意識や取り組みの方向性を共有することが重要なことから、そういった方向で取り組んでいるところであります。
 教師が子供と向き合う時間をより多く生み出すために、こうした取り組みを通じまして、今御紹介がありましたとおり、PDCAサイクルにしっかり乗せていく、こういったことが重要なことだと思ってございます。こうしたPDCAサイクルの確立、こういったものが課題と考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  ところが、現実の教育現場は、いじめや不登校など、生徒指導上の課題、特別支援教育の充実への対応など、学校が抱える課題が複雑化、多様化しております。全国的にも子供の貧困問題への対応や地域活動への対応など、学校に求められる役割は大きく変化しており、子供を取り巻く課題の複雑化、多様化に対応して、心理や福祉等の専門性が求められるケースがふえているといいます。
 そこで、心理や福祉等の専門性が求められている実態、これは我が鎌倉市の教育現場ではどうか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  児童・生徒や家庭の課題が複雑化、多様化する中で、学校あるいは教員だけでは対応し切れないケースがふえている、こういう認識は私も持ってございます。教育委員会では、臨床心理士の資格を有する、これは教育指導課の特別支援教育巡回指導員や、学校心理士等の資格を有する教育センター相談員やスクールカウンセラー、あるいは社会福祉士であるSSW、いわゆるスクールソーシャルワーカーのことですけれども、こうした方々を必要に応じて学校に派遣をし、学校からの相談を受けてございます。しかしながら、今御指摘のような点を含めて年々ニーズが高まっているところであります。
 教員一人一人が抱え込むことがないように、外部の専門的な関係機関の力をおかりしながら、いわゆるチーム学校で、児童・生徒や家庭の課題に対して対応していくことが重要であると考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  平成25年の学校基本調査によりますと、小・中学校で障害に応じた特別な指導、通級指導を受ける子供が増加しているということでございます。小・中学校で障害に応じた特別な指導、通級指導を受ける子供が増加しているということについては、その実態は鎌倉市の教育現場ではどうでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  まず、本市の小学校でございますけれども、言語・難聴通級指導教室、これは「ことばの教室」あるいは「きこえの教室」と呼んでございますが、この教室が市内に3校ございまして、各校年々、通級指導児童が増加している状況がございます。御案内のとおり、平成28年度には本市で初めての情緒通級指導教室、これは「つどいの教室」と呼んでございますが、こちらが開設をされまして、本年5月1日現在で41名の児童が通級しているところでございます。今後さらにこうしたニーズは高まるものと認識してございます。
 
○16番(納所輝次議員)  10年前、平成18年の教員勤務実態調査によりますと、既に当時の教員のほとんどが仕事量や保護者対応に負担を感じているという結果が出ております。それから10年たっているわけでございますけれども、教員の仕事量や保護者対応について、鎌倉市の実態はどうでしょうか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  地域や保護者の方々を含め、社会全体から学校に期待される役割が以前より増して増加していると認識してございます。また、児童・生徒以外にも、保護者あるいは地域との連携や新たな教育課題の対応など、さまざまな面で対応が求められているところであります。また、授業力向上のほか新たな教育課題に的確に対応する資質向上のため、これまで以上に教職員の研修や研究の時間の確保も必要となっております。授業の準備、教材の研究や児童に向き合う時間の確保が大きな課題であると考えてございます。いずれにいたしましても、文科省の通知にもございますとおり、学校現場における業務の適正化に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  学校現場が抱える問題が深刻化していると言われていることについて、鎌倉市の学校現場の実態について伺ってまいりたいと思いますけれども、まず学校内での暴力行為の件数の変化はいかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  暴力行為の件数でありますが、これは小・中学校を合わせた傾向ということでお話しさせていただきます。当然ながら、年度年度で多い年、少ない年がございますが、ここ5年間の数字を概括しますと減少傾向にあります。ちなみに、平成22年度は小・中合わせて57件でありましたが、平成26年度は35件ということで、減少傾向にはあると認識してございます。
 
○16番(納所輝次議員)  数が減っているということはいいことでございますけれども、その実態も軽微なものであればいいな、もしくは暴力行為がゼロに近づいてくるといいなと思っております。ところが、社会では、昨今も暴力行為で命を失ってしまう生徒がいたりという事件もございます。その変化については注視してまいりたいと思います。
 一方で、日本語指導が必要な外国人児童・生徒数の変化と、市の対応はいかがでしょうか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  平成27年及び28年度でございますけれども、これは増加傾向を示してございます。これは数だけではなく、日本語指導が必要な児童・生徒の母国語自体が多様化しているということであります。
 対応といたしましては、鎌倉市日本語指導等協力者派遣事業におきまして、日本語指導等を必要とする児童・生徒が在籍する小・中学校に対し、この協力者を派遣いたしまして、日本語の基本的な指導、あるいは学校生活に適応するための支援、こういったものを行っているところであります。
 
○16番(納所輝次議員)  また、特別支援学級に在籍する児童・生徒数の変化はどうでしょう。これは転籍も含めて伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  全体としては、この10年間で、これは平成19年から28年までの傾向でありますけれども、75名から162名とほぼ倍増してございます。特に小学校では、通常学級に在籍した児童が、環境の変化や学習に困難さを感じ、中学校の進学時に特別支援学級に転籍するケースが数年前から増加傾向が見られます。
 
○16番(納所輝次議員)  これらの変化を踏まえまして、子供と向き合う時間の確保等のための体制整備、これが必要ではないかということでございます。教職員総数に占める教員以外のスタッフの割合、先ほど言いましたように、アメリカは約44%、イギリスが約49%、日本は教員以外のスタッフの割合は約18%ということで、日本の学校は欧米諸国と比較して教員以外の専門スタッフの配置が少ないとされております。
 日本の教員は、授業以外に生徒指導や部活動等の業務が多く、授業等に専念することができないのが現状と言われておりますけれども、鎌倉市の実態はどうでしょうか。また、日本の教員の勤務時間は国際的に見て長いと言われておりますけれども、鎌倉市の実態はどうでしょうか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  本市の教員でありますけれども、児童・生徒上の課題に対して丁寧に時間をかけて対応しているものと私自身認識してございます。また、部活動につきましても、教育的な意義が大変大きいことから、極めて熱心に取り組んでいらっしゃるということもあわせて認識してございます。授業以外の業務に時間がかかることも事実でございます。わかりやすく楽しい授業づくりに向けてしっかりと準備をし、取り組んでいると考えてございます。
 日本の教員の勤務時間につきましては、今御紹介がありましたとおり、平成25年に行われました国際調査の結果では、課外活動や事務業務にかかる時間が特に長く、他国と比較して長くなっているものでございます。本市独自での同様の調査は実施しておりませんけれども、我が国の数値ですね、先ほどるる御紹介があったような、同様の傾向であるということは認識してございます。
 
○16番(納所輝次議員)  これらの現実を踏まえて今の学校のあり方を見てみますと、自己完結型の学校形態であるということが言えると思います。組織は、校長、教頭以下は横並びの教員という、形で言うと鍋ぶた型の組織、また内向きな学校構造、担任が学年、学級王国を形成し、教員間の連携も少ないという実態、これは事実としてあるのではないでしょうか。学校教職員に占める教員以外の専門スタッフの比率が国際的に見て低い構造で、複雑化、多様化する課題が教員に集中し、授業等の教育目標に専念しづらい状況が考えられます。また、学校のマネジメント面でも、主として教員のみを管理することを想定したマネジメントではないでしょうか。
 これに対してチームとしての学校は、多様な専門人材が責任を持って学校に参画し、教員はより教育指導や生徒指導に集中でき、学校のマネジメントが組織的に行われる体制がとられ、チームとしての学校と地域の連携を強化していこうというものでございます。授業形態も、教員による一方的な授業への偏重がありましたけれども、変化する社会の中で新しい時代に必要な資質、能力を身につける必要もあり、アクティブラーニングの視点から不断の授業改善が求められております。そのための教員の業務のあり方では、専門スタッフ等との協働により、複雑化、多様化する課題に対応しつつ、教員は教育指導により専念できるようにするというのがチーム学校のあり方です。
 学校組織の運営についても、先ほど述べた鍋ぶた型の教職員構造、担任が学年、学級王国を形成しがちな組織ですが、現在では総括教諭の導入等の工夫がなされておりますけれども、学校教職員に占める教員以外の専門スタッフの比率は国際的に見て低い構造です。これをふやしていこうと、チーム学校では多様な専門スタッフが責任を持って学校組織に参画していく校務を運営しようというのがその目標でございます。
 また、学校の管理職のあり方でございますけれども、校長が主として教員のみを管理することを想定したマネジメントから、チーム学校では、多様な専門スタッフを含めた学校組織全体を効果的に運営するためのマネジメントに脱却することが必要であるとされております。
 また、地域との連携につきましても、これまでの閉鎖的な学校から、現在でも地域に開かれた学校づくり、これを推進しております学校運営協議会等の仕組みを活用して、チームとしての学校と地域との連携体制を整備していくことが求められております。
 ここで教員が担うべき業務に専念し、子供と向き合う時間を確保するため、学校や教員が携わってきた従来の業務を不断に見直し、教員の業務の適正化を推進することについて、鎌倉市教育委員会はどのように考えているのか、伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  教育委員会におきましては、これまで、多様化、複雑化する児童・生徒指導に対応するために、学級支援員やスクールアシスタントなど人的な配置をしたり、事務負担を軽減するために、教職員用のパソコンの拡大導入を図ってまいりました。こうして教員が子供と向き合う時間を確保するための一定の取り組みを図ってきたところでございます。
 本年6月、文部科学省の通知におきまして、教員の行う業務の明確化等による業務改善と、スクールカウンセラーといった専門スタッフの配置拡充等による学校指導体制の整備を両輪として、一体的に業務の適正化を進める必要性が示されたところでございます。この点につきましては先ほども御紹介したとおりであります。
 こうしたことを踏まえまして、本市といたしましても、今後さらなる人的配置や教職員用のパソコンの配備拡充などに取り組むほか、教員の業務の適正にさらなる努力をしてまいりたいと考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  その教員の多忙の原因の一つに部活動のあり方が課題とされております。楽しいはずの部活動が、いつの間にか優勝など順位を追求するようになり、将来のスポーツ選手などの育成の場となっており、平日だけでなく休日も練習や試合が組まれるケースが少なくありません。過密な活動が睡眠や学習時間の不足、家族とのコミュニケーションの低下をもたらすという懸念もあり、部活動が生徒、教員の過重な負担となっている場合があります。もちろん、当然、やる気を持って楽しんでいるという部活動を楽しむ姿もあるわけでございますけれども、一面、生徒、教員の過重な負担となっている場合もあるということでございます。
 本年7月発表の文科省の調査結果によりますと、中学校の運動部で週1日以上の休養日の基準を設定している教育委員会は、全体の3割に満たないそうです。部活動の本来の目的は生徒の健全育成にあります。現行の部活動は、生徒の自主的、自発的な活動として教育課程の外に位置づけられておりますけれども、新学習指導要領中教審の審議まとめ案、つまり、2020年度から順次始まる新学習指導要領の概要では、中学校の部活動に対して深い学びを求めております。例えばスポーツでは、「する」に加えて、「見る」「支える」「知る」を科学的知見を踏まえて指導するとしており、指導者を教育する必要性、休養日や活動時間を適切に設定することを求めております。特に運動部活動では、実態を調べ、どのような休養日設定が適切か、基準をつくる方針だそうでございます。
 部活動は、教員の負担軽減を図りつつ、部活動の指導を充実するとされていることについて、鎌倉市教育委員会ではどういうふうに考えておりますでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  部活動は、授業や学校行事などでは得られない、異年齢集団で一つの目標に向けて取り組むという貴重な経験ができる場でございます。責任感、連帯感の涵養、互いに協力し合って友情を深めるなど、意義があると考えてございます。
 部活動の活動日数、時間が多いことで、教員や生徒自身が過度な負担になることがないよう、各学校で休養日を積極的に設けるなど、工夫をしているところでございます。また、部活動の顧問につきましては、競技の専門でない教員が担当する場合も多くございます。各部の専門部会での研修を実施したり、合同練習をしたりするなど、指導力の向上にも努めているところであります。さらには、地域や卒業生などの部外指導者の活用を図り、部活動指導も行っております。教員の負担軽減や競技力の向上に寄与するよう今後も務めてまいります。
 
○16番(納所輝次議員)  今御説明がありましたように、特に休養日の設定を徹底した上で、地域のスポーツ指導者や引退したトップアスリート、退職教員、運動部や文化部所属の大学生等、地域の幅広い協力を得て行えるよう環境整備を進めるべきであると考えます。
 日本の教員勤務時間は週53.9時間と突出して長くなっていると述べましたけれども、教員の1週間の勤務時間の内訳は、授業以外の事務作業に5.5時間、OECDの平均では2.9時間だそうです。部活動など課外活動の指導に7.7時間、OECD平均では2.1時間かかっております。肝心の授業などの指導時間は、1週間当たりですけれども、日本は17.7時間、各国の平均は19.3時間を下回っているという現状がございます。このほか日本では、いじめや不登校、子供の複雑な家庭環境への対応など、これも教員が担っておりますので、勤務実態や心身への負担が懸念されます。
 教員の長時間労働という働き方を見直し、心身ともに健康を維持できる職場づくりを推進するため、定期的な実態調査の実施やメンタルヘルス対策の推進を図ることについて、市の教育委員会ではどう取り組んでいるのか伺います。
 
○佐藤尚之 教育部長  教職員の長時間労働によります疲労度などを早い時点で気づき、対応することができるよう、その状況調査に努めているところでございます。特に月80時間を超える職員には、管理職が働きかけ、希望があれば産業医との面接ができるようになってございます。また、80時間以下の場合であっても、希望者、または管理職が気になる教職員に対して面接ができるようにしてございます。
 また、メンタルヘルス対策の一つといたしまして、メンタルヘルス調査を実施しているところでございます。全ての教職員が調査票に回答し、専門業者が分析をして、結果を本人に返して、メンタルヘルスの状況把握に役立てるものでございます。また、電話やメールによる個人相談に心理カウンセラーが対応することもできるようになってございます。また、この調査でございますけれども、各学校の傾向を集団結果として学校長にお返しをし、職場環境改善のための材料の一つとしてございます。
 いずれにいたしましても、労働安全衛生という観点から、こうした労働環境の改善に向けた取り組みについては取り組んでまいりたいと考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  これからの学校教育では、チーム学校の取り組みを進め、専門スタッフがふえれば、教員が授業や生徒指導に専念できる環境が整うと期待されております。
 そこで最後に伺います。教職員体制の整備充実を図るとともに、専門職員や専門スタッフ等が学校運営や教育活動に参加していくチーム学校、これは早期に実現していくべきであると考えますが、どうでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  教員の専門性だけでは対応が困難になってきてございます。教員に加えまして多様な専門スタッフを配置し、専門職やさまざまな人的資源の力を活用し、さまざまな業務の連携、分担、こうしたチームとしての職務を担う体制を整備することが重要であると考えてございます。こうしたことを通じまして、一人一人の児童・生徒の状況に応じた教育を実現していきたいと考えてございます。
 
○16番(納所輝次議員)  以上で私の一般質問を終了いたします。
 
○議長(中澤克之議員)  次に、高橋浩司議員の発言を許可いたします。
 
○18番(高橋浩司議員)  鎌倉夢プロジェクトの会、高橋です。通告に従いまして、行財政改革について質問をさせていただきます。
 本定例会では22名の議員が一般質問することになりまして、私が22番目、最後の質問者でございます。市長初め理事者の皆様には大変お疲れでしょうけれども、気力を振り絞っていただきまして、明快かつ真摯な御答弁をいただきますように、冒頭お願いしておきたいと思います。私もなるべく短縮して質問をしてまいりたいと思っております。
 今回、行革に関連いたしまして六つの観点からお伺いをする予定でおりましたけれども、半分は12月に先送りをさせていただきまして、今回は三つの観点からお伺いしてまいります。1点目は、起債や債務保証等借金の縮減に関する観点から、二つ目は人事評価に関する観点から、三つ目は、鎌倉市公正な職務の執行の確保に関する条例の運用に関する観点からお伺いしてまいります。
 それでは、1点目の起債や債務保証等借金の縮減に関する観点からお伺いをしてまいります。
 松尾市長が就任した平成21年の借金の総額は、億円単位でありますけれども、1,046億円ありました。これは、土地開発公社への債務保証は含めておりますけれども、PFI事業の部分については入れておりません。サービスの買い取り等難しい計算がございますので、除きましたけれども、実質的にはもう少し借金はあるという認識であります。それらは着実に返済を進めていただきまして、平成27年度末の借金の総額は884億円でありました。就任以来161億円以上の縮減をしていただいておることになります。実態を見ますと、7年間で980億円以上の返済をしていただいております。
 一方で、新たな借金や起債や債務保証も行っておりまして、803億円以上の新たな起債や債務保証をしております。単純な見方をすれば、借金がなければ、7年間に980億円分の事業ができたということが言えます。新たに行った事業費が803億円ありますから、それを差し引いても、まだ177億円で別な事業ができるという計算になるわけです。本来市が目指すべき理想の姿というのは、無借金運営、無借金経営にあるのではないかなと私は考えております。こうした体質にしていくことは難しいことなんでしょうか。
 財政調整基金に着目して見ましても、財政力がついてきていることがわかります。松尾市長が就任した平成21年度末の残高は20億円でありました。平成27年度末の残高は47億円であります。7年間で27億円の積み増しをしていただいておるわけであります。実際には100億円以上の基金残高があった年もありますから、必ずしも多いとは言えないかもしれませんけれども、こうした状況を見ますと、借金をしないで運営をしていくことができる可能性があるんじゃないかと考えるわけであります。
 まずは、かなり大づかみの話でありますけれども、無借金経営というようなことに鑑みて、市長の考えを伺っておきたいと思います。
 
○松尾崇 市長  過去に発行しました市債の償還が進んだことから、平成16年度をピークに市債残高については着実に減少してきているというのが現状でございます。市債には、必要な財源の確保のほか、世代間における負担の公平性確保や財政負担の平準化、そういう効果もありますが、無計画な市債発行は将来負担を増大させることや、財政の健全性を損なうことにつながりかねないことですから、市債残高や公債費比率の推移等の将来負担を慎重に見きわめながら、有効に活用していきたいと考えています。
 
○18番(高橋浩司議員)  今の状況ですぐ起債をしないでやるということは不可能だということはわかっております。ただ、大きな事業というのは、例えばごみの焼却炉ですとか、大体見えているわけですね。そういうものをやるときに、着実に積み立てをして起債を少なくしていくとか、そういう努力というのはできるんじゃないかと思います。ぜひ理想の形を見据えながら運営をしていただければなと思っております。
 土地開発公社に対する債務保証も大分少なくなってきているとはいえ、まだまだ大きなものがあります。しかし、こちらにつきましても努力をしていただいておりまして、松尾市長就任の平成27年度末の残高が109億円でありましたが、平成27年度末の残高は53億円であります。56億円の圧縮をしていただいておるわけであります。
 こちらも、7年の間に新たな土地を購入する等のことがあって、ふえた年もありましたけれども、市長が問題意識を持って運営をしていただいているおかげで、全体としては縮減をしてきたわけであります。しかし、首長というのはかわるのが常でありますから、かわった後、就任された首長が土地をたくさん買うということもあり得るわけでありまして、そろそろ廃止の方向で検討していただけないだろうかと思うわけであります。
 そもそもこの土地開発公社というのは、土地の値段が右肩上がりに値上がりしていた時代に、土地をまず先行取得をしておいて、総事業費を圧縮するために創設された公社でありまして、土地の値段が下がっていたり横ばいになっているような状況では、その効果はマイナスに働くわけであります。また、議会の議決を受けずに土地買収ができることから、かつては利権の温床となって事件化するような事例もあったわけであります。そうした経過もありまして、他市では土地開発公社を解散したところもあるのであります。
 先ほども申し上げましたけれども、鎌倉市もそろそろ土地開発公社の解散の決断をする時期が来ているのではないかと思います。また、この土地開発公社を解散すれば、市全体の借金体質の改善にも通じていくものと考えますけれども、市長のお考えを伺いたいと思います。
 
○松尾崇 市長  土地開発公社でございますけれども、現在の活用としまして、事業用地を取得する年度に国庫補助金が受けられない場合に、土地開発公社で先行取得して、その後、国庫補助金の交付額に応じて鎌倉市が再取得をすることで、国庫補助金の有効活用となって、市の財政負担の縮減につながるということをしております。こうしたことから、土地開発公社を活用するという意味があると現在考えているところです。
 
○18番(高橋浩司議員)  土地の基金もありますから、必ずしも公社を使わなくても、庁内で対応することも可能なんですね。土地の基金は、小さい土地を買うときに活用しているものでありますから、余り大きな土地には活用するようにはなっておりませんけれども、そういうような事情があっても、公社を使わなくても市の中でやっていけるということもありますので、ぜひこの辺についても、全体のことを考えて決断を早い時期にしていただきたいと思っております。
 松尾市長が就任して以来取り組んでこられました行財政改革で最も大きな功績というのは、給与体系の構造改革であったと思っております。そのほかにも、特殊勤務手当の廃止や超過勤務手当の大幅な縮減等々、その効果がそろそろあらわれ始めて、財政力がついてきたのではないかなと評価をさせていただいております。
 しかし、あと二つ大きな改革に取り組んでいただかなければならないと思っておりまして、一つは第4次職員適正化計画の策定であります。6月に取り組み状況につきましてお伺いをしまして、12月に御報告いただけるということでありますから、この報告につきましては待ちたいと思いますけれども、最低でも同規模自治体の平均人数までは削減していくことを目標としてしっかりと明記した上で、さまざまな取り組みにつきまして具体的に示して御報告をいただきますことを、再度お願いをしておきたいと思います。
 もう一つやらなければならない大きな取り組みでありますけれども、地域手当の削減であります。給与の構造改革の際は、国公準拠ということを根拠に改革をしてきましたが、地域手当は、国家公務員法では義務規定となっておりますけれども、地方自治法ではできる規定となっており、そもそも国公準拠という考え方は当てはまらない制度であります。
 日本全国に赴任する国家公務員が、地域経済の物価等による地域間格差が生じないようにとつくられたのが地域手当でありますから、基本的に市内の異動しかない基礎自治体の職員に対しては、できる規定になっていても当然のことかとも思います。
 他の自治体を見れば、地域手当の支給率を引き下げている自治体は30以上ありまして、神奈川県下でも厚木市と二宮町が実施しております。厚木市は鎌倉市と同じ不交付団体でありまして、財政力はよいと評価されている市であります。地域手当の基本支給率につきましても、鎌倉市と同じ15%であります。しかし、厚木市は、地域手当を3%引き下げて12%の支給としております。最後の大なたとして鎌倉市も地域手当の引き下げに着手すべきと思います。
 鎌倉市の場合、地域手当の1%に相当する額というのはどのくらいの金額になりますでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  平成28年度の地域手当の当初予算額から推計いたしますと、約5,600万円の削減となります。
 
○18番(高橋浩司議員)  5,600万円ということでありまして、厚木市と同様に3%削減すると1億6,800万円となります。仮に土地開発公社の土地の買いかえの財源にした場合は、三、四年で公社を解散することも可能になります。
 松尾市長の2期目の任期も残すところあと1年、行財政改革の仕上げに向けて、地域手当の引き下げを含め、どのような考えを持って臨まれるのか、お伺いをしたいと思います。
 
○松尾崇 市長  地域手当についてですけれども、現在、国の支給割合に準じているところでございますが、今後、社会経済情勢の変化や市の財政状況の変化に応じて、必要があれば見直していかなければならないと考えています。行財政改革をさらに推し進めるためには、まずは第4次職員数適正化計画を策定して、人件費抑制の道筋をつけてまいりたいと考えています。
 
○18番(高橋浩司議員)  いろいろな思いはお秘めでしょうけれども、とにかくあと1年でありますから、まずは方向性をきちんと示して道筋をきちんとつけるということを基本に、できることは実施をしていただきたいと思っております。
 それでは、二つ目の観点、人事評価に関する観点に入りたいと思います。
 昨年の地方公務員法の改正に伴いまして、本年2月定例会におきまして、関係する諸条例の整備を行いました。特徴的な体制のポイントはどのようなところにあったのか、簡単で結構でございますので、御説明をいただきたいと思います。
 
○松永健一 総務部長  地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律が平成28年4月1日から施行されましたが、その概要は、能力及び実績に基づく人事管理の徹底、それと退職管理の適正の確保を行おうとするものでありました。
 2月定例会では、1点目として、給料表の級ごとに基準となる職務の内容を定めた等級別職務基準表を、それまでは規則で定めていたものを改めまして、職員の給与に関する条例に規定し直したところでございます。これは、能力実績主義の人事管理の土台となる職務給の原則を徹底するため、改正地公法で条例化が義務づけられたことに伴うものであります。
 2点目は、元職員が影響力を行使することにより職務の公正な執行及び公務に対する市民の信頼を損なうことがないよう、鎌倉市の退職管理に関する条例を制定いたしまして、退職後に営利企業等に再就職した元職員の規制されるべき働きかけの内容と期間について、法に定められております部長級と同様に、次長級及び課長級職員についても規制したところでございます。また、再就職の情報についての届け出の義務づけ化なども定めたところでございます。
 
○18番(高橋浩司議員)  主な特徴として2点ほど上げていただきまして、一つは、退職者に対して、どこに勤めたかというのをきちんと報告してくださいということで、天下りとやゆされるようなものをきちんと管理をしていこうということであろうかと思います。もう一つは、一人一人の能力に合った対応をしていただきたい、こういう内容でありまして、階級ごとの職制というんですか、そういったものをきちんと条例の中にあらわしていったわけであります。
 この中身といたしまして、国の改正の大きな狙いの一つが能力にかかわる部分でありまして、これが人事評価に関する案件であります。国では平成19年から法改正等取り組んでまいりまして、そうした人事評価のいろいろな取り組みを地方自治体にも取り入れていただくべく改正に盛り込まれてきたわけであります。
 内容としては、勤務評定制度から人事評価制度へ、そういう移行が期待するところでありますけれども、鎌倉市では、松尾市長が就任した翌年の平成22年12月から先行して人事評価制度を実施してきておりまして、今回その点では大きな評価のあり方の変更というのはなかったわけでありますけれども、従前の勤務評定では、評定項目が不明瞭であったり、上司が部下を一方的に評価して、評価を受けた職員は、その評価の内容についても知らされることもなく、どうすれば職場の中で評価が上がるのか、どういうふうに努力目標を設定すればいいのかというようなこともわからず、人事管理になかなか生かされない制度でありました。
 しかし、平成22年度から導入されました人事評価は、級別に評価項目を決め、自己評価、1次評価、2次評価と複数の評価で客観的に評価ができる仕組みとし、直ちに人事管理に直結できる制度となりました。この人事評価の改正につきましても、松尾市長が取り組んだ大きな行革の一つと大いに評価できるものと考えております。
 そうした制度でありますが、評価を受ける職員にとっては不満な評価を受ける場合もあります。その場合には、苦情処理委員会に申し立てができるようになっているとのことですけれども、その制度というのはどのようになっているのか、お伺いをしたいと思います。
 
○松永健一 総務部長  能力・意欲評価の結果について苦情があるときは、職員課がその苦情の申し出を受けることになります。その後、その苦情の内容を審査するため、鎌倉市能力意欲評価結果苦情処理委員会を設置することになります。同委員会におきまして、苦情申し出者と評価者の双方から事実確認を行い、評価結果の正当性について審議した上で、評価結果の正当性を認めるか、あるいは再評価すべきかのいずれかを決定いたします。再評価すべきと決定した場合は、直ちに再評価を行うよう評価者に求めるというのが制度の概要でございます。
 
○18番(高橋浩司議員)  平成22年から6年間やってこられたわけでありますけれども、この苦情処理の申し立てというのは何件ほどあったんでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  平成25年度に1名、平成28年度につきましては9名の事例がございます。
 
○18番(高橋浩司議員)  これまでは1名しかなかった。本年に入って9名の方が申し立てをしたということであります。事前に要綱をいただいておるんですけれども、この中身を見せていただきますと、御説明をいただいたことがるる書いてあるんですが、苦情処理委員会の構成メンバーが書いてありまして、委員長は総務部長が当たりますよと。副委員長がいて委員がいるわけです。この副委員長が教育総務部長が当たるとなっているんですね。とっくに機構が改革されておりますから、教育部長になるのかとも思うんですけれども、ここはどういうふうになっているんでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  御指摘のとおり教育部長が所管するものになると思います。機構改革を実施した際に、条例ですとか規則等、これにつきましては行革推進課において一括して改正の手続を行っておりますが、各課が所管しておる要綱等につきましては、各課長の責任におきまして改正することとなっておりまして、この鎌倉市職員の能力意欲評価結果に関する苦情処理実施要綱、これにつきましては、この要綱を所管します職員課担当課長が改正する必要がございました。
 
○18番(高橋浩司議員)  具体的には何部の責任なんですか。
 
○松永健一 総務部長  この要綱を所管するのが職員課、それは総務部に属しておりますので、総務部として責任を持って、マニュアル等について、機構改革と照らし合わせてチェックをするべきところでした。本当に申しわけございませんでした。
 
○18番(高橋浩司議員)  この要綱に基づいてことしも9件申し立てがあるんですけれども、どういうふうに対応するんですか、今後。
 
○松永健一 総務部長  10月上旬にでもこの委員会、先ほど御案内させていただきました委員会を開きまして、先ほど述べましたとおり、評価者と苦情の申し出者の双方の言い分を聞くところから始まります。それで、この評価が妥当だったかどうかということを判断し、しかるべき対応をとっていくという予定でおります。
 
○18番(高橋浩司議員)  それは具体的な対応でわかるんですけれども、この要綱がまだ変わっていないわけですよ。教育総務部長というのを教育部長にするんですか。いつするんですか。
 
○松永健一 総務部長  この要綱改正につきましては、きょうにでも速やかに、誤謬がわかりましたので、正していきたいと思います。
 
○18番(高橋浩司議員)  誤謬とかそういう問題じゃないんですよね。きちんと変えるべきことは変える。誤謬というような問題じゃない。職務怠慢ですね。これが出てきていないんだったらいいんですよ。出てきているわけですから、これ使わなきゃいけないじゃないですか。使うときに、またきちんとどういうふうにやるのか、チェックして間違いがないかとか、6月のことですから、6月の評価に対して申し立てがあるわけですから、既に始まっているわけです。そこのところは、きちんと直すところは直してやっていただきたいと思います。
 このほかにも多分、機構が変わって各課で対応していないものもあるかもしれないですね。そこのところはきちんと一通りチェックをしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  御指摘いただいた内容につきましては、改めて速やかに各課に周知を図りまして、もう一度改めてチェックするようにいたします。
 
○18番(高橋浩司議員)  こういうことというのは、本当に申し上げにくいんだけれども、指摘されてやることじゃないと思うんですね。変わったら必ずやる。それは各課の責任なんですけれども、どこかがきちんとチェックをして、見たかどうかということもきちんとチェックをしておかないと、漏れが出てしまう。そこは制度としてやっていただきたいと思います。
 それで、人事評価の制度の中身について少し伺っていきたいなと思いますが、鎌倉市の人事評価制度は大きく二つに分かれておりまして、管理職の方を対象とする実績評価と、一般職の方を対象とする能力意欲評価であります。管理職の方の場合は勤勉手当にも反映されるようになっておりまして、一番勤勉手当をその評価によってたくさんもらえる方でも3万3,000円なんですけれども、プラスされるようになっております。
 一般職の場合には勤勉手当には反映されるようにはなっていませんで、昇任に対する評価のみということになっております。国では、一般職の方も勤勉手当に反映される制度となっておりまして、鎌倉市も一般職の方も勤勉手当に反映できるような制度とすべきじゃないかと思いますが、現在の管理職で行っているレベルで一般職の方も勤勉手当に反映できるような制度として実施した場合は、どのくらいの予算が必要となるでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  管理職につきましては、前年度の目標に対する達成度に応じましてA、B、Cの3段階にランクづけし、これを、今紹介いただきました3万3,000円等の格差をつけ、実績評価の結果として勤勉手当に反映させております。実績評価の結果は、その都度その年度によって変動するものであることから、全職員を対象に勤勉手当に反映させた場合の予算がどの程度になるのか、一概に増額を必ず伴うというような制度でもないので、それは一概には言えませんが、仮に平成28年6月期の勤勉手当のケースに当てはめますと、今年度については、A評価が24人、B評価が94人、C評価が2人でありましたため、仮に全職員が同じ割合で評価を受けたとして試算いたしますと、約500万円の増額となります。しかしながら、国家公務員の制度におきましても人件費総額の枠内での運用が行われており、人件費総額がふえることがないようにしていることから、本市でも、全職員に拡大する際には、人件費総額がふえることのないように配慮した運用をしていく必要があると考えております。
 
○18番(高橋浩司議員)  A、B、C評価でAの方が3万3,000円ですね。管理職の方。Cの方は3万3,000円下がっちゃうんですね。ですから、逆にやったらもうかっちゃうかもしれないですね。そういう制度でありますけれども、ことしの分で考えると500万円ぐらいプラスになるだろうということでありまして、ただ、やったことがお金としてきちんと見える形で評価をするということは、モチベーションの上でも大事かなとも思います。
 国家公務員の一般職の方は勤勉手当に反映する制度になっておるんですけれども、最高に評価される、S、A、B、Cといくんですけれども、Sの方は一般職の方でも大体40万円ぐらい上乗せしていただけるようになっているんですね。鎌倉市のレベルで計算しての話だから、ひょっとするともっと上かもしれないですけれども、40万円以上もらえるようになっています。
 鎌倉市の場合には管理職で3万3,000円ですから、これは管理職の場合には、1人だけ、キャラクターだけを評価するということじゃなくて、組織をきちんと目標どおり管理できたかとか、目標どおりにいろいろな施策が行われたかとか、そういう総合的な評価でありますから、当然自分一人ではできない。部下の協力があって初めてできることでありまして、そういう意味では、日ごろいろいろ負担をかけた部下に、A評価をいただけたならば、「ありがとう」と言って、食事でも行こうかというようなことにもなるわけでありまして、そうなりますと、3万3,000円だけでは足が出てしまうなと。そういうことにならないように、こういうときこそ国公準拠ということをきちんとやっていただいて、勤勉手当にもう少し反映できるようなことをやったらどうかと思います。
 地域手当の引き下げをイコール財源にするというのは、制度としてそういうことはできないんですけれども、両方一緒に、地域手当は引き下げるけれども、きちんと勤勉手当に、評価に対してつけますよと。これは40万円以上つくんですよ、S評価になれば。そのくらいのことをやったら、かなりモチベーションも上がるんじゃないかと思います。そういうふうにぜひ、国公準拠ということでやってきた部分がありますので、取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  人事評価を勤勉手当に反映させることの目的は、職員のモチベーションを高めることにより、ひいては市民サービスの向上につなげることであると認識しております。モチベーションの向上につながる適切な格差のあり方について、国や他市の動向を踏まえ研究をしていきたいと思います。
 
○18番(高橋浩司議員)  ぜひ、やれることであれば速やかに対応していただきたいと思います。
 国は、この人事評価によりまして降格ということもあるんですね。最悪の場合には免職というのもあるようになっているんですね。鎌倉市は、この人事評価に立って降任とか免職というのができるような形になっているのでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  国におきましては、全職員を対象に、2回連続して最低の評価を受け、また改善措置を行っても改善が不十分な場合は、公務員等の分限処分の判断材料として人事評価を活用していると聞いております。
 本市におきましては、人事評価をもとに降任を行った事例はございませんが、今後は本市においても、降任や分限処分も含めまして、人事管理の基礎としての活用に向け検討を進めていく必要があると思っております。
 
○18番(高橋浩司議員)  国はそういうふうにやっているけれども、鎌倉市はやっていない。これについても、免職はともかく、降格みたいなことについては検討すべきかと私も思います。
 幾つか例を挙げながらお伺いをしてきたんですけれども、ほかにも、例えば鎌倉市の人事評価と国の人事評価で相違する点で特徴的なことがあれば伺っておきたいんですが。
 
○松永健一 総務部長  本市におきましても、国と同様、能力・意欲評価については部長級を除く全職員を対象に、実績評価については課長級以上の管理職を対象に実施しております。国においては、能力評価及び業績評価のいずれも全職員を対象に行っております。また、本市では、能力・意欲評価の結果を係長級以上の昇任に使っておりまして、また実績評価の結果については、先ほどから説明させていただいているとおり、6月期の勤勉手当に反映させているのに対しまして、国においては、全職員の昇任・昇給、あるいは勤勉手当に反映させております。主な制度の基本的な考え方、制度についての相違はございませんが、その対象範囲ですとか活用の仕方に差があるというのが実情だと思っております。
 
○18番(高橋浩司議員)  こういうところは国公準拠という考え方が成り立つ部分でありますから、ぜひ褒めるべきところは褒める、だめなところはきちんと改善する、そういう制度としてやっていただきたいと思います。
 また、国や県や政令市では、人事評価をより客観的に行うために昇任試験を取り入れておりますけれども、これもそろそろ本市も実施すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  職員のモチベーションを上げていくためには、適正かつ公正な昇任制度の構築は非常に重要なものと捉えております。本市では、昇任に当たりまして、能力・意欲評価で一定基準の評価を得ていることを条件としており、さらに、係長昇任時には面接試験を行って選考を行っております。横浜市では係長昇任時に筆記試験を実施していると聞いておりますが、受験者数の減少等が顕著になり、今は筆記試験を行わない選考に力点を置いていると聞いているところでございます。本市といたしましても、現時点で筆記試験の導入は考えてございませんが、適正かつ公正で職員のモチベーション向上につながる仕組みづくりについては、今後も引き続き検討していかなければならない課題であると思っております。
 
○18番(高橋浩司議員)  筆記試験は行っていないけれども、面接も、面接試験とかいいますから、ある種の試験と捉えることもできると思います。そういうことが、客観的に誰が見ても納得できる内容だったなと行っていただきたいと思うわけであります。ことしのように9人も不服が出るようでは、きちんとした制度になっていないんじゃないか、何か問題があるんだなと、そこは敏感に感じていただきたいと思います。
 人事評価の中では、先ほども申し上げましたけれども、1次評価、2次評価、自己評価をする欄があるんですね。自分自身1年間どうだったかということをきちんとやる。そこは当然、アピールするところはアピールしていただいてということになろうかと思いますが、例えばその1年間の間に取った資格がこうでしたよとか、こういう講習を受けましたよとか、そういったものが本来であればきちんと評価できるような形に、仕組みにしてあるということがモチベーションを上げるベースになるんじゃないかと思うんです。講習の場合には何でもかんでも受ければいいというものじゃありませんから、市で、こういう講習について受けた場合には評価しますよと。評価するときも、人事評価の中で評価するということがベースになりますけれども、できれば、資格を取ったり、そういう講習を受けて修了証をもらった場合には、1号とか2号とか上がるというような具体的なことがありますと、それぞれが頑張るんじゃないかと。
 級が上がるというときには、それは人事評価の中で総合的に能力が職場で生かされているかということを判断をするということが非常に客観的な評価になっていくと思うんですけれども、これについてはいかがでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  行政需要の多様化、専門化に対応しまして、必要な知識を職員みずからが意欲的に得ていくことを適切に評価することは重要であると考えております。例えば1級建築士など市として求める資格の取得には、現在資格取得奨励金制度を通してインセンティブを与えているところでございます。今後も職員の意欲的な取り組みに向き合い、しっかり評価し、適切な対応を図っていけるように努めていきたいと思っております。
 
○18番(高橋浩司議員)  今一級建築士の事例が出ましたけれども、かつて5万円ぐらいだったのが今度10万円か何かに上がっているんですね。ただ、一級建築士というのは、職務上持っていないとできない職責というのもあるんですね。例えば救急救命士、これも持っていないとできない業務がありますので、救急救命士をふやさなければいけないということで、これは6カ月間で300万円ぐらいかかるんですけれども、市で全額お金を負担して講習に行っていただいて、国家資格を取ってもらって救急救命士を育成した。一級建築士を取るのに専門学校があるんですけれども、これも1年間で何百万円もかかるんですね。
 救急救命士と一級建築士、どちらもその資格がないと困る職責がある、そういうものでありますから、片方は10万円で、片方は全額負担。ただ、人数が、一級建築士が必要な職責というのは何人必要なのかというのもありますので。消防の場合にはかなりの人数が必要だと。それは本当に自主性を待っていたのでは間に合わない。一級建築士の場合には、一級建築士を条件に募集をするということもできなくはないので、その辺は差はあるという認識はありますけれども、そういうこともありますので、ぜひもう少し評価を上げられるような。1回10万円もらうよりも、号給が上がれば、ずっとそれが給料として反映していくわけですから、やりがいもあると思うんですね。そういう意味で、この辺も勘案できるような制度にしたらどうですかと申し上げているんですけれども、もう一度お願いできますか。
 
○松永健一 総務部長  今お話にありましたように、例えば一級建築士ですとか、救急救命士ですとか、そういったような職務と資格が密接に関係するもの、それについての処遇というものはまた別視点で考えていく必要があるかと思っております。その他、例えば行政書士ですとか、宅地建物取引主任者ですとか、一般的な意味での知識あるいは業務に携わる教養をふやしていくという意味での資格については、またそういったようなインセンティブが高まるような、いろいろな組み合わせでこの辺の奨励をしていきたいと思います。
 
○18番(高橋浩司議員)  かつては弁護士資格を持っておられる職員の方もおられましたよね。今は独立されたのかな、わかりませんけれども、いろいろな資格があると思います。それがきちんと評価できて、職場で頑張ってもらえるような、意欲を駆り立てるような制度にしていただきたいと思います。
 それでは、最後の観点に移りたいと思います。鎌倉市公正な職務の執行の確保等に関する条例の運用に関連した観点からお伺いをしていきたいと思います。
 この条例は、松尾市長が市議会議員の時代に議員提案をしたいということで、一生懸命取り組んでいたものでありまして、なかなか提案の見通しが立たなくて、岡田議員と私がお手伝いをさせていただいて、何とか議員提案をした案件であります。しかし、議員提案したんですけれども、そのときはあえなく玉砕ということで、否決になってしまった条例であります。
 当時もいろいろとコンプライアンス等々に関する事件が後を絶たない時代でありまして、全国でもこの種の条例がいっぱいできました。口利き条例と称されまして、各市で取り組んでいたものであります。ですから、ひな形がいっぱいありましたので、条例をつくり込みするのは比較的簡単ではあったんですけれども、なかなか運用とか評価というのが評価されなくて否決になってしまったわけであります。
 松尾市長は、市長に就任した後も何とかこの条例を制定させたいということで、市長提案ということで提案をして条例が制定されたわけであります。その後、運用がうまくいっているのかなと思いながら、過去2回ほど私も記録シートを資料要求して質問をさせていただいてまいりました。そのときは、市長以外の理事者の方はほとんど記録を残しておられませんでした。2回ともそうでした。
 そこで、どのようなことを記録に残すのか、マニュアルをきちんとつくって、皆さんが共通認識を持って運用していただきたいということでお願いをしてまいりましたが、今回持ち込み資料ということで配付をさせていただいておりますけれども、鎌倉市公正な職務の執行の確保等に関する条例の運用についてということで、その定義とか運用のやり方、記録の仕方、システムにどういうふうに記録をするのか、記録用紙の見本みたいなものも添付をして、非常にわかりやすくやっていただいているわけであります。
 このマニュアルをつくりまして、各理事者の方々にしっかり理解をしていただいて運用していただくということになるわけですけれども、その理事者の方々への働きかけというのはどういうふうにやってこられたんでしょうか、お伺いいたします。
 
○松永健一 総務部長  平成24年10月に鎌倉市公正な職務の執行の確保等に関する条例の運用についてとする運用マニュアルを作成いたしまして、対象職員に周知するとともに、グループウエア上でいつでも運用マニュアルを確認できるよう今も公開しているところでございます。今後とも、庁内研修などを通じて制度を説明するなど、周知に努めていきたいと考えております。
 
○18番(高橋浩司議員)  最後聞き取りにくかったんですけれども、研修をやっていただいたということですか、これからやろうという話なんですか。
 
○松永健一 総務部長  具体的にこの口利き条例に関する運用という研修は今までやったことはございませんけれども、今後さらに周知していくために、研修ですとか、あるいは政策会議等での定期的な呼びかけですとか、そういったようなものを導入していきたいなと考えております。
 
○18番(高橋浩司議員)  一応それなりにやっていただいているのかなとお聞きしましたけれども、パソコン上にフォーマットもきちんとつくって、何かあけるのにややこしいかなという感じは、これだけ見るとするんですけれども、なれればそんなこともないのかと思いますが、そうやって用紙が出てくれば、そこに日付と、どなたが来られたとか、内容はどうだったということを書き込めばいいだけなので、そんなに作業量としてはあるわけではないかと思いますが、ここまでやっていただいていれば、あとは理事者のそれぞれの皆さんがきちんと運用して記録に残すということだと思いますが、平成27年度は何件の記録が残されたんでしょうか、伺います。
 
○松永健一 総務部長  平成27年度における記録は4件となっています。内訳は、市長が2件、市民活動部長が1件、教育部長が1件となっております。
 
○18番(高橋浩司議員)  過去2度ほどこの記録シートを出していただいたんですけれども、そのときのほうがもう少し記録が残っていたなと思うんですね。4件しかないというのは、いろいろいやっていただいているみたいなんですけれども、皆さんの認識の中に、きちんと何をすべきかということが伝わっていないんだと思うんですね。部長も、口利き条例と通称的に使いますけれども、これはでも、最初はそこからスタートしていますけれども、これは口利き条例みたいなものではないんですよ、実態としては。口利きというのは何かすごく悪いイメージがあるじゃないですか。悪い、危なっかしいことを言ってきたときに残せばいいんだみたいなイメージになるんですけれども、全然そういうことではないですね。
 何で4件しか残らなかったと思いますか。どこに問題があると認識しておりますか。
 
○松永健一 総務部長  要望や提言、意見などにつきましては文書で寄せられていることが多く、この条例に基づく記録を残すような口頭による要望等は少なかったのではないかとも考えております。しかしながら、以前に比べて件数が大分減っていることを考えますと、やはり再度、制度の運用について周知徹底していく、この辺も欠けていたのではないかなと認識しているところでございます。
 
○18番(高橋浩司議員)  持ち込みでお配りさせていただいた資料に、定義が1番のところに書いてあるんですけれども、職員以外の者が職員に対して行う職務に関する要望、提言、提案、相談、意見、苦情、依頼、その他これらに類する行為、こういうふうに定義をしているんですね。先ほども申し上げましたけれども、口利き条例なんていいますと、本当にイメージとしては悪いもの、そういうものだけを記録すればいいのかなというイメージが潜在的にあるかもしれないんですけれども、これは本当に要望とか提案、提言、意見、苦情とか、そういうものも記録することになっているわけです。
 午前中、前川議員が質問されまして、保護者の方と教育長のところに伺った。これも相談の一種だと思うんですね。そういうことが全然記録に残っていないんですけれども、教育長どうですか。
 
○安良岡靖史 教育長  その件については記録を残しておりません。
 
○18番(高橋浩司議員)  出てきていないので残っていないんですけれども、今はこういうものを残すべきなんじゃないかというような議論をしていまして、どういう御認識でおられたのかなということを聞きたいんですが。
 
○安良岡靖史 教育長  その時点では、私自身がこれに残すという認識がなかったと判断しております。申しわけありません。
 
○18番(高橋浩司議員)  例えば昨年もいろいろな問題がありましたけれども、今でも続いていますね、北鎌倉のトンネルの問題なんかも、多くの市民の方々がいろいろな働きかけをしてまいりました。議員もいろいろ動いたり、そういう面では、文化財部長なんかも、そういう市民の皆さんや議員なんかとも対応されていると思うんですけれども、何も残っていないんですけれども、その辺はどうでしょうか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  北鎌倉隧道の件では、平成28年2月定例会に、円覚寺境内北尾根を国指定史跡円覚寺境内に追加指定することについての陳情が提出されて以降、市民の方々からお話を伺う機会もございましたが、そのお話の趣旨としましては、そのときにいただいた要望書あるいは意見書、あるいは別にいただいたそういった要望書や意見書などの文書と同趣旨のものであったと認識しております。これらの文書につきましては、関係課で収受いたしまして記録として保存しているため、この条例にのっとった記録は作成していないということでございます。
 
○18番(高橋浩司議員)  そういう現場の対応はよかったかなと思いますけれども、本来、こういう記録に残すという趣旨であれば、1行でも2行でもきちんと残しておくべきだったんじゃないかと思うんですけれども、そういう御認識はありますか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  特にこの北鎌倉隧道の件につきましては、市の課題として非常に大きなものとして、部局横断的に取り組みを進めているということでございまして、そういったことから、要望書や意見書という文書、これが共有されるということでは庁内的な共通認識のもとに進めているということでございますので、こういう形での記録を残すということは必要ないと判断をいたしました。
 
○18番(高橋浩司議員)  これを管理するのは総務部ですかね。そういうことでいいんでしょうかね。どなたかが来て要望書を置いていった。これは要望も残すということになっているわけですから。何々についての要望がありましたと。文書を置いていきましたよということで残しておけば、それで済むことだと思うんですけれども、そういう運用をすべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  基本的には、文書等あるいは議事録等であるものについては改めてこの記録は残さなくてもいいというような運用になっておりますけれども、どうしても通常の実務のところではグレーゾーンというものが出てきますので、今後、全庁的にどういうような解釈の中で適正運用していくか、それは改めて考えていく必要がある課題だと思っております。
 
○18番(高橋浩司議員)  文化財的な価値を残すということで文化財部長、そこの危険な箇所を安全にするということでは都市整備部長が担当になるんですけれども、当時は小礒副市長が担当しておりましたので、こちらについても何も記録は残っていないんですけれども、何を残すべきかという認識を含めて、小礒副市長にも御答弁いただければと思います。
 
○小礒一彦 副市長  条例の第5条によりますと、要望等を口頭で受けたときは、その内容を確認し、簡潔に記録するものとする、そういうような規定がございましたので、先ほどの文化財部長と同じですけれども、北鎌倉隧道の安全対策に関する市民などからの要望、意見につきましては、書面で基本的にはいただいております。この書面については担当課で収受をいたしまして保存されておりますことから、条例規定の記録は行わなかったものでございます。
 
○18番(高橋浩司議員)  市民の方は文書を持っていかれたかもしれないですけれども、多分、議員もいろいろお話に行っていると思うんですね。提案もあったと思うんです。こうじゃないか、こうしたほうがいいんじゃないか。そういうことを残したらいいんじゃないですか。別に悪いことじゃないんですよ。皆さん、いいことだと思って、そういう思いでやっているわけですから、そういう記録がありましたと。その案件に関してあるところから要望書が出てきたから、それはもう案件全てが何も残さなくていいんだというようなことではないんじゃないかと思うわけであります。
 これは一つの例でお伺いをしましたけれども、ほとんどの理事者の方が残しておられませんから、今後きちんと、もう少しどういうふうに。本当、ほぼ毎日残すようなことがあると思うんですね。それを習慣化していくようにしないと、なかなか難しいのかなと。
 持ち込み資料の下のほうに四角い枠に囲われたところがありまして、次長、担当次長以下の職員についても、当該条例の趣旨にのっとって適切な対応に努めてください。これはどういう意味かと思うんですけれども、多分、窓口に寄せられた重要だと課長が判断したものは、部長に上げて記録を残すべきと私は解釈をしたんですけれども、そういうことでよいのでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  この趣旨でございますけれども、次長以下の職員であっても、当該条例の趣旨にのっとりまして、重要だと思われる要望等を受けた場合は、それぞれの職員がその内容等を何らかの形で記録にすることが適当と考えており、それをマニュアルで求めているものでございます。その文書は当然、文書管理システムにより報告が行われ、部長に上がっていくというような形になるものと考えております。
 
○18番(高橋浩司議員)  かつて開発ができないところで開発をさせろ、そこはできないエリアですとか、そのときに職員の方を蹴っ飛ばしたりとか、いろいろ私も目の前で見たんですけれども、職員の方がネクタイを引っ張られて本当に苦しそうにしていたりとか、そういうこともあるんですね。開発とか何かにかかわって。そういうものは悪い口ききに類することですから、そういうのはきちんと残しておかないと。その先警察と相談してどうだこうだというようなこともそのときにはあったんですけれども、そういうきちんと記録を残していくということが日常化していけば、そういう悪い口ききみたいなものはどんどん減っていくと思うんですね。ですから、そこはぜひ習慣にしていただきたいと。
 今は部長が残すということになっているんですけれども、この括弧書きをしているんでしたら、課長以上はみんな残す。課長は課の皆さんの様子を見て、大切だなと思ったものは自分の責任においてきちんと残していくとしていったほうがいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  先ほど答弁しましたとおり、マニュアルにも示しているとおり、次長以下、課長も含めまして、この趣旨を踏まえた対応に努めるよう求めているところでございます。実際要望等を受ける機会が多いのは現場を預かる課長ということもありますので、さらにこの条例の趣旨の徹底を図っていきたいと思っております。
 
○18番(高橋浩司議員)  そうですね。本当に部長のおっしゃるとおりで、現場の課長が一番、いろいろな面では日常的にいろいろな対応、最前線に立っていますから、ぜひそうしていただきたいと思います。
 それで、マニュアルの中で1点だけ気になるところがありまして、定義の中で、「職員以外の者が」と定義をしているんですけれども、担当外の職員にお願いをして、担当者のところにいろいろ伝えていったものというのは、記録を残さなくてもいいことになっているんですね。これは、ある面では逃げ道になっているのかなと。隠れみのといいますか、そういうふうになる可能性がありますので、職員だろうが、市民だろうが、そういう区別なく、寄せられた要望等、これはいろいろ定義がありますけれども、これはきちんと残すべきものは残すとすべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  職員から職員への要望ということはあれなんですけれども。ただ、その職員が市民から、第一義的に市民から要望を受けた職員については、それが所管外であろうが所管外でなかろうが、やはり曖昧な運用をしないためには必ずそれを記録にし、また担当原局が違ったところにあれば、それの伝達も含めて明確に記録をしていくというのが大切になろうかと考えております。
 
○18番(高橋浩司議員)  そういう運用であれば、こういう職員以外の者がなんていうところは、別に必要ないんじゃないかと。そこのところは、きちんと是正するところは是正していただきたいと思います。
 今回マニュアルの中で、そのパソコン上にフォーマットをつくってやっていただいているんですが。ここまでやったんでしたら、管理職はどこの部署でどういうものがあるのかということをきちんとわかるように、庁内LANで管理職は常に閲覧できるようにして、どこかで記入されたら新着の赤いのがつくとか、そうしたらどこの部署でどういうのがあったのかなときちんと見るとか。そういうふうにして、それぞれの皆さんが、また来年その部署に異動するかもわからないですし。そういう面では、どこの部署でどういうことが行われているのかというのを、しっかりと頭の片隅に入れておく必要があると思うんです。ここまでやってあるんだったら、庁内LANで管理職以上はきちんと見られるようにするというほうが、より相乗効果が高まると思うんですけど、いかがでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  要望等には個人情報等も含まれておりますので、全ての要望をリアルタイムで共有することは難しい面もございますが。まず市民等から寄せられる要望というものは非常に貴重な情報源でございますので、必要に応じてその情報を集約し、内容を把握することができるような運用面と活用面についての検討も今後進めていきたいと思います。
 
○18番(高橋浩司議員)  今回、質問をするということで、記録シートの提出をいただいたんですけれども。結局、その各部に1件1件全部照会をして、担当してくれた方が、これだけですって言ってお持ちいただいたんですけれども。結局、昨日の夕方ですかね、実は平成28年に追加がありましたと言って、また何件かお持ちいただいたんです。そういう面でも非効率なんです。皆さんが、管理職がきちんと見られるようになっていれば、もう1カ所に集まるわけですから。資料提出となれば、個人情報とかそういうものはきちんと消して、ぱっと出せる。そういうことにもなりますので、ぜひここは庁内LANということを前向きに検討していただきたいと思います。
 この記録を残す取り組みは、東京都で今、小池都知事が頑張っておりますけれども、行政の公開を促進をして、悪い口ききを防止する。そういうことがメーンで言われておりますけれども、実はもう一つ大きな意味合いが、私はあると思っているのです。それは職員の皆さん、お一人お一人を守るものなんだと思うんです。皆さんを守るためにも、これはうまく活用していただきたいと思うんです。うまく活用していただくって、まずいことは載せないとかそういうことではないです。ありとあらゆるものを載せていくという、どういうことが起こっているんだということをきちんとやっていただきたいと。
 昨年を振り返れば、先ほども北鎌倉のトンネルのことを伺いましたけれども、旧図書館の問題とか、山崎のごみ焼却炉の問題とか、もういろいろ大きな問題がありました。市民の皆さんや議員が市長のところを訪ねて、いろいろとその相談や要望や提案やいろいろなことがあったと思うんですが、そういったことは特に記録されてないです、市長。
 この条例は、御自身の信念に基づいて提案をして実現したわけでありますから、これは提案した市長が率先して記録をきちんと残していかないと、ほかの理事者の方は残すようにはならないと思うんです。小さなことをきちんとやっていかないと、大きな改革というのは絶対できないと私は思っております。残りの任期をきちんと、ふんどしを締め直して取り組んでいただきたいと思いますが、市長の決意を伺っておきたいと思います。
 
○松尾崇 市長  御指摘いただきました本条例ですけれども、この目的としましては、職員の法令の遵守、倫理の遵守を図るとともに、公正な職務の執行の確保と市政の透明化を推進していくということでございます。これらを実現していくということのためにも、この条例に基づいた運用ということを、私自身も改めて、よりきめ細やかに対応していくということが必要だと思っています。
 この運用が、ほかの部長も含めて、管理職を含めて運用が進んでいくように取り組んでまいりたいと思います。
 
○18番(高橋浩司議員)  松尾市長は孔子の論語の勉強をされたり、政治姿勢として私は本当に立派だなと。本当に全く私心なくやっているところは、立派だと私も思っております。
 孔子と対照的に言われている老子は、いながらにして、その現場のことを掌握しろということを残しているんです。現場に行かなくても、ここにいて現場のことをきちんと監督できるようにならなければ、そのリーダーはだめですよと。これはいろいろなやり方があるんです、その耳目を置くとか。耳目を置くというのは、耳と目ですよね。それは諜報活動みたいにスパイ活動的で、私は余り王道とは言えないと思っています。こういうことは、王道なんです。孔子の政治というのは、王道政治ですから。覇道政治や覇権政治とは全然違います。そういう意味では、制度としてきちんと、現場を掌握してやっていただくということに、これはすごく役立つと思うんです。
 それからもう一つは先ほども言いましたけれども、職員の皆さんが、市全体でどんなことが起きているのかなというのを、管理職全員で共有してみんなで鎌倉市を支えているんだという意識を常に持ってやっていただきたい。
 そんなことで、ぜひこういったものがきちんと機能することをお願いさせていただきまして、一般質問を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  上畠寛弘議員の関連質問を許可いたします。
 
○21番(上畠寛弘議員)  ただいまの高橋議員の一般質問、3年ちょっと議員をやりまして、高橋議員の一般質問で最も共感したすばらしい一般質問でした。私もこの最後の公正な職務の執行の確保等に関する条例で、伺いたいところがあったんです。
 さっき高橋議員が職員間の要望の記録、それは第三者から違う担当課が聞いて、それがその本当の所管のところに、要は間接的に通じた場合の記録って、今どうなっているのというようなところも聞かれていたと思うんですけど。私がもうひとつ職員間で大事な、きちんと記録しなきゃいけないと思ったのは、職員自体の要望。だから同じ職場の同僚に対して、これやっておいてよという便宜供与、要は職務とは関係ない便宜供与というのもあり得ると思うんです。そういったところに関しても本来の趣旨にのっとれば、きちんと記録するべきだと思うんですけども。そこのところも含めて、検討していただきたいと思いますし、その必要性というのは市長御自身どうでしょう。感じられませんか、いかがですか。市長の考えでいいですよ。
 
○松尾崇 市長  今、御指摘いただいたような点につきましては、当然いわゆる公正な職務を進める上では支障になり得ることだと考えています。そういう意味で、今、御指摘の点をどのような形でこの記録に残していくか、条例上どう運用していくかということは検討してまいりたいと思います。
 
○21番(上畠寛弘議員)  せっかく市長が提案されて議員時代からの思いで実現された条例なので、つくって終わりじゃなくて、この要望等の定義、職員以外の者がというところは、要らないと思います。職員に対して行う職務に関する要望、提言、提案、相談、意見、苦情、依頼、その他これらに類する行為にしたらいいと思いますので、この高橋議員がお配りになった資料によると。ただ、そのあたりきちんと改正が必要なら改正していただいて、運用をしっかりやってください。
 このお配りされた資料の一番最後の要望等記録票の記載例というのがあるんです。この記載例を見たら、私有地の樹木が道路まで鬱蒼と茂って信号機の認識ができない状況だと、要は要望としてはそこまで重くない、軽い内容だと思うんです。でも、もっと市にはいろいろなえげつない要望とか、えげつない陳情とかもいろいろ入ってきますよね、悪い意味での口ききとか。それだけではない提案とかもあるということでしたけど。この程度を記載例に書くんだったら、これ以外こんな要望なんかいっぱいあるんだから、本来記録がいっぱいされてなかったらいけないわけだけど、今の時点ではそこまで記録されてないということなので。この記載例に則して言えば、結構記録しなきゃいけないことはたくさんあるのに、ほったらかしだったというような問題提起で高橋議員も質問されたんだと思うんですけど。
 そのあたり、この記載例にのっとれば、かなり記録しなきゃいけないということがある。その運用の義務なんですよね。義務ではない。だったら市長がどういうことをどういう思いでやったかというのを、きちんと運用できるようにやってください。目的があるのに、その目的が達成されてなきゃ意味ないですから。議員でもいっぱい要望されている方もいると思うので、そのあたり、この記録票なんてそんな大した要望ではないけども、こうやって記録しますよって書いているんだったら、きちんと記録すべきだと思います。政策会議でもいいから部長、少なくともまずは部長、ほか次長、課長、職員もみんな徹底するように市長、音頭を取ってやってください。いかがですか。
 
○松尾崇 市長  現在、部長以上ということで、これは記録を残すということでございます。こういう、この事例に出ているような、事例というのは、課長が受ける例が多いとは感じますけれども。いずれにしましても、これが徹底をしていけるように政策会議等で周知をしてまいりたいというように思います。
 
○21番(上畠寛弘議員)  ぜひ、その関係できちんと徹底していただけるということなので、進捗等も確認させていただければと思います。以上です。
 
○議長(中澤克之議員)  以上で一般質問を終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (15時16分  休憩)
                   (16時10分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 議事の都合により、この際、会議時間を延長いたします。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第3「報告第12号交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分の報告について」「報告第13号交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分の報告について」「報告第14号継続費の精算報告について」「報告第15号平成27年度決算に基づく健全化判断比率の報告について」「報告第16号平成27年度決算に基づく資金不足比率の報告について」以上5件を一括議題といたします。
 理事者から報告を願います。
 
○松永健一 総務部長  報告第12号交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分について、地方自治法第180条第2項の規定に基づき報告いたします。議案集その1、48ページをお開きください。
 本件は、平成28年5月9日、鎌倉市稲村ガ崎一丁目5番11号で発生いたしました、環境部環境センター名越クリーンセンター担当所属の軽ダンプ車による、交通事故の相手方に対する損害賠償です。
 相手方は、議案集に記載のとおりです。
 事故の概要は、名越クリーンセンター担当用務で軽ダンプ車を同所先路上の下り坂にとめ、ごみ収集作業を行っていたところ、サイドブレーキのかけ方が十分ではなく、また車輪どめをしていなかったため、車両が動き出し、前方の民家の壁に衝突して、壁及び扉を損傷させたものでございます。
 その後、相手方と協議した結果、当方の過失と認め、壁及び扉修理費を支払うことで協議が調いました。
 損害賠償額は46万8,720円で、処分の日は平成28年7月28日です。
 続きまして、報告第13号交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分について、地方自治法第180条第2項の規定に基づき報告します。議案集その1、49ページをお開きください。
 本件は、平成28年5月19日、鎌倉市玉縄二丁目8番地32で発生した、総務部管財課所属の貸出軽貨物自動車による交通事故の相手方に対する損害賠償です。
 相手方は、議案集に記載のとおりです。
 事故の概要は、資産税課用務で軽貨物自動車を運転し、用務終了後に同所敷地内駐車場から出庫する際、ハンドル操作を誤り、当方車両右後輪を玄関ポーチに接触し、側面タイルを損傷させたものです。
 その後、相手方と協議した結果、当方の過失と認め、玄関ポーチタイル補修費を支払うことで協議が調いました。
 損害賠償額は3万5,640円で、処分の日は、平成28年7月28日です。
 続きまして、報告第14号継続費の精算報告について説明いたします。議案集その1、50ページをお開きください。
 鎌倉市一般会計予算中、腰越子ども会館・子どもの家前面道路後退事業ほか2件につきましては、精算報告書のとおり、平成27年度までの継続事業として執行し、継続年度が終了したものでございます。
 腰越子ども会館・子どもの家前面道路後退事業につきましては、平成26年度から平成27年度までに総額で2,753万3,520円を支出しました。
 次に、名越クリーンセンター基幹的設備改良事業につきましては、平成24年度から平成27年度までに、総額で33億1,849万6,380円を支出いたしました。
 続きまして、鎌倉体育館耐震改修等事業につきましては、平成26年度から平成27年度までに、総額で4,991万1,120円を支出いたしました。
 以上、地方自治法施行令第145条第2項の規定により報告いたします。
 続きまして、報告第15号平成27年度決算に基づく健全化判断比率の報告について説明いたします。議案集その1、52ページをお開きください。
 地方公共団体の財政の健全化に関する法律により、健全化判断比率の四つの指標のうち、いずれかの指標が早期健全化基準とされる基準値を超えた場合、財政の早期健全化のための計画を策定すること。また、財政再生基準とされるさらに高い基準値を超えた場合は、財政再生のための計画を策定することが義務化されております。
 四つの指標のうち、一つ目の実質赤字比率とは、実質赤字額を標準財政規模で除したもので、本市の場合、対象は一般会計、大船駅東口市街地再開発事業、公共用地先行取得事業の両特別会計で、標準財政規模は約356億円です。実質赤字が発生しない場合はこの比率も生じないため、平成27年度はバー表示となっております。黒字のため比率としては使用しませんが、計算上の数値はマイナス6.34%となります。
 実質赤字比率の早期健全化基準は標準財政規模によって異なりますが、本市の場合は、11.59%が早期健全化基準、20%が財政再生基準となっております。
 二つ目の連結実質赤字比率とは、実質赤字比率同様、実質赤字額を標準財政規模で除したもので、対象を下水道事業や国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業の各特別会計まで広げたものです。実質赤字比率同様、黒字の場合は比率が生じないため、バー表示となります。黒字のため比率としては使用しませんが、計算上の数値はマイナス10.19%となります。本市の場合は、16.59%が早期健全化基準、30%が財政再生基準となります。
 三つ目の実質公債費比率は、市債等の返済に要する経費が、その年度の財政に占める割合を見る指標です。対象となる会計は一般会計等ですが、ここでは一般会計からの繰出金によって賄われる下水道事業特別会計の市債の返済費用も算入されています。また市債の返済額だけではなく、市債に準じる債務負担行為に基づく支出も算入されています。それら市債等の返済に要した一般財源の額が標準財政規模に占める割合を示す数値であります。
 本市の平成27年度の比率は、マイナス0.7%となりました。この比率については、25%が早期健全化基準、35%が財政再生基準となります。
 最後の将来負担比率とは、財政の状況を市債残高や債務負担行為に基づく支出予定額などストックの面から見るもので、直接の対象となるのは一般会計等ですが、下水道事業特別会計の市債の償還に必要となる一般会計からの繰出金の見込み額も含め、最終的に一般会計等の負担となる可能性のあるものを捉える指標となっております。この一般会計等が将来負担すべき実質的な負債の標準財政規模に対する比率が350%以上となると、早期健全化計画を策定することになります。負数のため比率としては使用しませんが、計算上の数値はマイナス3.5%となります。
 以上、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定により報告いたします。
 
○伊藤昌裕 都市整備部長  報告第16号平成27年度決算に基づく資金不足比率の報告について説明いたします。議案集その1、53ページをお開きください。
 平成20年度から資金不足比率が経営健全化基準とされる基準値を超えた場合、公営企業経営の早期健全化のための計画を策定することが義務化されました。資金不足比率は公営企業会計、本市の場合は下水道事業特別会計の経営状況を見るもので、下水道事業の資金の不足額を事業の規模で除したもので算定いたします。
 平成27年度は資金不足が発生しないため、この比率は算定されないことからバー表示としております。なお、資金不足比率における経営健全化基準は20%となります。
 以上、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第22条第1項の規定により報告いたします。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいまの報告に対し、御質疑または御意見はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 以上で報告を終わります。
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○議長(中澤克之議員)  日程第4「議案第30号市道路線の認定について」を議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○伊藤昌裕 都市整備部長  議案第30号市道路線の認定について、提案理由の説明をいたします。議案集その1、1ページをお開きください。また、2ページから5ページの案内図、公図写しを御参照願います。
 枝番号1の路線は、岩瀬字内耕地754番1地先から、岩瀬字内耕地746番1地先の終点に至る幅員4.56メートルから7.64メートル、延長41.06メートルの道路敷です。
 この路線は、私道として築造された道路で、既に一般交通の用に供しており、当該道路の寄附申し出がされたため、道路法の規定に基づいて認定しようとするものです。
 枝番号2の路線は、長谷三丁目592番8地先から、長谷三丁目592番15地先の終点に至る幅員5メートルから9.36メートル、延長40.79メートルの道路敷です。この路線は都市計画法に基づく開発行為に伴い築造された道路であり、一般交通の用に供するため道路法の規定に基づいて認定しようとするものです。
 以上で説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 ただいま議題となっております議案第30号については、運営委員会の協議もあり、建設常任委員会に付託いたします。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第5「議案第31号修繕請負契約の締結について」「議案第32号修繕請負契約の締結について」以上2件を一括議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○比留間彰 経営企画部長  議案第31号修繕請負契約の締結について、提案理由の説明をいたします。議案集その1、6ページをお開きください。
 本件は、鎌倉芸術館大小ホール舞台照明設備改修修繕についての修繕請負契約を東芝エルティーエンジニアリング株式会社首都圏営業所と締結しようとするものです。消費税額及び地方消費税額を含む契約金額は、5億4,000万円です。修繕業務の完了は、平成29年9月の予定です。
 引き続きまして、議案第32号修繕請負契約の締結について、提案理由の説明をいたします。議案集その1、11ページをお開きください。
 本件は、鎌倉芸術館舞台機構設備更新修繕についての修繕請負契約を森平舞台機構株式会社と締結しようとするものです。消費税額及び地方消費税額を含む契約金額は、2億3,112万円です。修繕業務の完了は、平成29年9月の予定です。
 以上で説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 ただいま議題となっております議案第31号外1件については、運営委員会の協議もあり、総務常任委員会に付託いたします。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第6「議案第50号建物明渡等請求事件の和解について」を議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○松永健一 総務部長  議案第50号建物明渡等請求事件の和解について、提案理由の説明をいたします。議案集その2、1ページをお開きください。
 本件は、原告、鎌倉市と被告、鎌倉市職員労働組合ほか1名との間で係争中の、横浜地方裁判所平成28年(ワ)第1244号建物明渡等請求事件について、次のとおり和解しようとするものです。
 事件の当事者の詳細及び和解の要旨は、議案集に記載のとおりでございます。
 本件は、鎌倉市役所本庁舎敷地内の旧901会議室の使用について、地方自治法及び鎌倉市公有財産規則の規定に基づき使用許可をした相手方、鎌倉市職員労働組合が、許可期限である平成27年10月31日を過ぎても使用し続けていることから、旧901会議室の明け渡し、損害賠償金の支払いを求めるため、建物明渡等請求訴訟を提起していたものでございます。
 その後、平成28年6月13日をもって被告らが本件建物を明け渡したことから、本件のうち建物明け渡しについての訴えを取り下げ、損害賠償金の支払いを求めていました。
 このたび、横浜地方裁判所からお手元の資料の内容で和解勧告があり対応について検討したところ、労使関係を健全化し、今後の交渉において建設的な議論を行える環境を整えていくことが重要であることなどを総合的に判断し、横浜地方裁判所の和解勧告を受け入れようとするもので、地方自治法第96条第1項第12号の規定に基づき、市議会の議決を求めるものであります。
 以上で説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
 
○21番(上畠寛弘議員)  ただいま御説明のありました件に関しまして、私もずっと携わっておりますので、質問させていただきます。
 まず和解条項、これ皆様お手元に配られておりますけど、和解条項にこれ以上の意味というのはないのでしょうか。簡単に。この条項にあるのみで、何か裁判官から別にこうこうこうだよと言われたりとか、そういったものはなく、和解条項はもうこのとおりで、この意味のまま理解していいんですね。
 
○松永健一 総務部長  具体的な和解条項の案につきましては、ここの1、2、3で述べられているとおりです。ただ、この和解条項に付随しまして地方裁判所から付記されていた全文の中には、当裁判所は本件に関し、原告及び被告ら双方の間で事実認識及び法的見解に食い違いがあるものの、本件訴訟の経緯、事実の性質など諸般の事情に鑑み、本件について紛争の早期かつ円満な解決のため、こういったような和解を勧告するというようなものが付記されておりました。
 
○21番(上畠寛弘議員)  今回の、この裁判というか訴えた経緯としましては、建物の明け渡しと損害賠償ということでしたよね。建物の明け渡しに関しては、市職労が出ていかれましたので、それは解決されたと。その後の損害賠償について訴訟が継続していて、こういった和解案が出たということでいいんですよね。
 
○松永健一 総務部長  そのとおりでございます。
 
○21番(上畠寛弘議員)  今回の和解金、この20万円については、要は損害賠償請求を有する訴訟であり、市としては損害賠償に係る金員を払えと請求していたということもあることから、この和解金に関しては損害賠償の性質があるものと考えてよろしいんですか。
 
○松永健一 総務部長  具体的に和解の趣旨、裁判所からは、これは解決金なのか損害賠償金なのかというようなところの説明はございません。和解金として20万円という提示がされているだけでございます。
 
○21番(上畠寛弘議員)  和解金ですけど、本来なら労働組合法によって正当な労働組合活動であれば、刑事的責任も民事的責任も両方免責されているんです。御存じですよね、労働組合法。もう初歩の初歩ですから。労働組合法によれば、正当な労働組合活動であれば民事、刑事の免責があるから、問題ないんです。その場合に、鎌倉市に対して市職労が20万円払わなきゃいけないと。その払わなきゃいけないということは、明らかにその民事における免責がされてないということなんですね、意味わかりますか。つまり裁判所も20万円に関しては和解金というそういう名前のものではあるけども、市に対して市職労は20万円払わなきゃいけないよということは認めているんですよね。
 
○松永健一 総務部長  労働組合の運動というよりも、今回は、市は使用許可の不許可にもかかわらず立ち退きをしないことは、公有財産規則違反による不法占拠と考えて係争していたと。一方、組合側は市の不許可処分を、権利の乱用をあるいは不当労働行為として捉え、両者が対立していたというのが経過でございます。その使用許可の問題をどう解釈していくかということが、今回の20万円ということの和解ではないかと捉えております。
 
○21番(上畠寛弘議員)  今の、全く説明できてないですよ。意味がわかりません。何を言っているんだか、わけがわかりません。前総務部長に聞きましょうか、答えられないと思うから、今、言わないけど。
 つまり最後の質問のところだけ答えてくださいよ、わけわからないこと言わなくていいから。20万円、市に対して市職労は支払わなきゃいけませんよということを裁判所は認めているということなんですよね。
 
○松永健一 総務部長  市職労は平成27年の11月1日から明け渡しがある6月12日まで、実際問題、旧901を会議室として活用しておりました。その額として、当然我々は、不許可にもかかわらず居座るということで、195万円の請求をしておりましたけども、その使用に対して市職労は20万円を払いなさいというような趣旨の和解だと思っております。
 
○21番(上畠寛弘議員)  これ和解案として示されたんですよね、横浜地裁から。示されたときに、本和解金と連帯して20万円の支払い義務のあることを認めるというような和解案を締結しなさいと双方に言ったわけでしょう。つまり裁判所は、この20万円を市職労は支払う義務があるということを、この和解案の提示によって認めたということですよね。そうとしか捉えないんだから、そうですと言ってくれたらいい、そうですよね。
 
○松永健一 総務部長  支払い義務があることを認めるということで、ここにも書かれております。
 
○21番(上畠寛弘議員)  今おっしゃいましたよね。であるならば、労働組合法においては、不当なものだとだめなんですけど、正当な労働組合活動であれば民事責任も刑事責任も問われないから、本来であればこういうのを支払えと言われること自体がないんです、正当な労働組合活動をしていたら。これはつまり、横浜地裁としては、この和解金の20万円の支払い義務を労働組合に対してあると認めたということは、これは民事的な責任として20万円払いなさいと言っているということなので、この免責は適用されていない。つまりは、正当な労働組合活動ではなかったということなんですが、その解釈に間違いはありますか。今、義務があると答えましよね、総務部長。
 
○松永健一 総務部長  実際問題、旧901会議室を使用していたわけですから、その部分の我々とその間で争われましたけど、その間の使用料というようなものを幾らに持っていくかということが、まさに紛争のあれでしたけれども。それを払いなさいというようなものだと、私は捉えております。
 
○21番(上畠寛弘議員)  私は捉えているというけど、市長、それでいいんですか。今の説明、意味わかりますよね、経緯として。本来、正当な労働組合活動であれば、労働組合法に基づいて刑事責任も民事責任も何ら問われないんです。ですからこの和解案自体出ることはないんです、正当な労働組合活動であれば。
 しかしながら要は民事的な責任ということは、この家賃の支払いとかそういったことも民事的な責任に含まれますから、労働組合法に基づけば正当として何も必要ないんです。これは支払い義務があるということを裁判所が認めているということは、つまりはそういった性質もあるということですよということなんですけど、御理解はいただけますか、市長。
 要は整理しておいた方が後々のためにいいから言っているんですよ。
 
○小礒一彦 副市長  この目的外使用許可なんですけど、この不許可に対する行為でございまして、交渉事項である労働条件に当てはまらないということで、争議行為に該当しない。ですから、今、議員がおっしゃっている免責、それ以外の事案ということで解釈しています。
 
○21番(上畠寛弘議員)  そうおっしゃると思っていたんですよ。事務所の提供については、これまで私は事務所を提供するな提供するなと言っておりましたが。廣瀬部長時代から、私ずっと追及しておりますが、この事務所の提供について、鎌倉市は福利厚生の一環ですから事務所を提供していますと言っていませんでしたか。言っていましたよね。言っていたか言ってないかだけ答えてください。
 目的外使用の、その性質。与えるかどうかというのは、目的外使用許可という形で貸していましたけど。福利厚生の観点から、これについては貸し出していますと。組合の掲示板についても、福利厚生の観点から職員団体だし貸していますとおっしゃっているんですけど。要は組合事務所は福利厚生の観点から、観点ですよ、貸し方なんてどうでもいいんです、ハウツーは。賃貸契約とか目的外使用とかそんなのはどうでもいいわけで、観点に関しては福利厚生の観点から貸していたということは、今までどおり答弁に変更はないですよね。
 
○議長(中澤克之議員)  議事の都合により、暫時休憩します。
                   (16時34分  休憩)
                   (17時00分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 上畠寛弘議員の議案質疑を続行いたします。理事者の答弁を願います。
 
○松永健一 総務部長  先ほどの質疑にありました平成25年の廣瀬部長の本会議での答弁の確認をしてきました。お時間をとっていただいて、どうも済みませんでした。
 その中で、上畠議員がおっしゃるとおり組合事務所の使用許可ですとか、あるいは減免についての説明をするときに、職員の福利厚生というような意味合いを含めて組合の使用ですとか減免についての説明をしていた経過は確かにございました。
 
○21番(上畠寛弘議員)  つまり福利厚生であるということですよね。労働条件に、組合の目的は労働条件の向上、労働関係の向上ですから、労働条件に福利厚生は含まれていますね。
 
○松永健一 総務部長  労働条件の中に福利厚生というのは大きな要因として含まれております。
 
○21番(上畠寛弘議員)  ということは、その福利厚生の含まれた労働条件のためにさまざまな行動をするのは労働組合ですから。今回のこの行為というのは、いわゆる争議行為にも該当するんじゃないかと、私は考えるんです。
 そうすると、そもそも争議行為の一環と、要は労働条件の向上のために争議行為をするわけです。職場の閉鎖とか、それこそその旧901号室の占拠というのは、そもそもがそれは何のためかといったら、福利厚生の向上、労働条件の向上のためにやっていたということなんだから、私はこれ争議行為に該当すると思うんです。
 これとは別に一般の法解釈でお伺いしたいんですけども、現業職員の労働組合、また一般職員の職員団体という労働組合、労働組合と称していますよね。その二つに関していずれも公務員であるからには、争議行為自体は禁止されている。この解釈は間違いないですね。
 
○松永健一 総務部長  一般職員はもとよりも単純労務職員についても、いわゆる労働三権のうち争議権は明確に禁止されております。
 
○21番(上畠寛弘議員)  だから争議行為は禁止されているんですよ。今回、これは労働組合の皆様も不当労働行為として労働委員会に申し立てた。申し立てている中で、労働組合は現業職も一般職員も、ともどもに旧901号会議室を占拠していた。そういう行為が行われていたと。とどのつまり、この行為については、要は、私たち労働組合の要求を聞いてくれ、この場から立ち去らせないでくれ、もしくはサテライトの窓口をつくってくれというような新たな福利厚生を要求していた。これは、つまり労働条件に係る闘争をされていたわけです。となると、これに関して私は争議行為の可能性についても否定できないものであると解釈できると思うんですけども、争議行為の可能性は否定できないと思いますけど、いかがですか。
 
○松永健一 総務部長  今の上畠議員の解釈にのっとっていった場合は、確かに福利厚生ということは労働条件でございますので、明確に争議行為に該当するかどうかということは明言できませんけれども、その可能性についての否定はできないとは思います。
 
○21番(上畠寛弘議員)  争議行為の否定はできないと。今回、労働組合と鎌倉市の間で和解案が結ばれると。恐らく構成的に見ても議決されるでしょう。私自体も安くなったことには不服ですよ、190万円とか要求していたのに20万円。ただ、組合に対してこれだけの支払い義務があるということを言った内容については、一定の和解案に評価はします。労働組合の問題としては、この和解案によって終わるけども。しかしながら労働組合を構成する公務員の、要は組合員たる公務員の個人たる問題は何ら解決していないと思うんです。
 つまり組合員とはいえ職員であっても、組合員とは職員ですよね。であるならば、争議中というか争議自体そもそも否定できないと言っていましたけど、争議自体してはいけないと。争議はしちゃいけない。そんな中で、争議中の中で、そもそも皆様は不法占拠と主張されていましたけども、これ争議中であったとしても懲戒指針等の規則の適用は受けるので、非違行為があったとして私は懲戒処分できると思うんです。つまり労働組合としてはそれをやっていたわけだけど、そもそもそれを実行していたのは組合員だから、その行為自体はその個人に帰属するものであって、不法占拠をしていたこととか、そういったことに関しては、それぞれの職員にはそういった懲戒処分を受ける可能性というのは、これもまた否定できない問題であると思いますが、それはいかがお考えですか。
 
○松永健一 総務部長  確かにこの和解案とは別に、今後処分等につきましては、これは任命権者が、この和解案によらずに独自に、行政の意思決定としてやっていかなければならないものと考えております。法的にできるできないかということとは別に、今の鎌倉市とすると紛争の発端となった明け渡しについては、もうなされている今にあっては可能な限り円満かつ早期に労使関係の健全化を進めていきたいと思っております。その辺を踏まえて、最終的に総合的な判断でどういう形になるかというのは、今後の話になろうかと考えております。
 
○21番(上畠寛弘議員)  できるできないでは、できるんですよね。でも、あとは決定するか否かは市長の判断だと。そういうことだというのは今伺ってわかったんですけど。
 となると、この場合、新たなリスクが発生してくることはきちんと予見されて、それも含めた上で今の答弁をされたかというところは別問題。これは昨日、職員課の課長と法制の課長ともお話しさせていただきましたけど。つまり今回、これは懲戒の可能性があるけども、懲戒するしないは別で、できることはできるんですよね。ただ、するしないかは市長の意思決定ということですよね。
 
○松永健一 総務部長  非常に厳しい質問でございます。うちとしましては、不法占拠と考え係争していたものであり、その考え方というのは今も変わっておりません。ただし、その辺の明確なジャッジメントというものがあれば、それで明らかに規則違反だよということであれば、非違行為ということも説いていけると思います。
 また、争議行為についても先ほど答弁したとおり、その可能性は否定できないまでについても、まだ我々の法的な理論武装というものはしてございませんので、可能性での話でしかありませんけれども。そういったようなものを積み重ねて懲戒処分をするかどうかどうかというのは、あくまでも任命権者の判断であり、この和解案に左右されるものではないと考えておりますけれども。総合的に何をもって一番行政運営としての最適解とするかというものは、また判断になろうかと考えております。
 
○21番(上畠寛弘議員)  その判断材料の中で市長に気をつけていただきたいのは、今回こうやって出ていっていただいたということです。今回、懲戒にしなかった。つまり組合とは和解して賠償金となる和解金を払ってもらったけども、組合個々の責任というのは何も問うてないですよね、組合員の個々の責任は。でも行為者の責任って、問わなきゃいけないわけですよ。
 今回、市長がそれを問わないという判断をした場合、10年後、20年後、深沢クリーンセンターに移ったからといっても、今後深沢の情勢によったら、あれもまたどうなるかわからない。そうなったときに同じような占拠をした場合に、このときには懲戒したけど、その深沢クリーンセンターで同じような占拠が起こった場合に、そのときに、これは不法行為だ、本来では非違行為として懲戒するとしてしまえば、比例原則の観点からもおかしい判断になりますし。また、この条件におけるその問題については懲戒処分しなかったけども、そのときに懲戒処分をするとなると、同じ事象なのにこっちには懲戒して、こっちには懲戒しないという、まさにこれは不当労働行為になるんです。そのあたりのリスクはきちんと配慮した上、今後まだ判断してないということなので、今後このリスクもきちんと含めた上で懲戒するかしないか判断してもらいたいと思いますが。今のロジック、わかっていただけますか。
 今、懲戒しなかったことを10年後懲戒するということは、同じ事象なのに、こっちには罰しないでこっちには罰するということは、労働組合員だけじゃなく労働者の平等性の観点からもできないですよと、私は労働者の立場に立って言ってあげているんです。わかりますね。だからそういったリスクも配慮した上で、今の検討はきちんとしてください。それは市長、お約束いただけますか。
 
○松尾崇 市長  この和解に関するそうした全体の中での、今、言われました今後のリスクということも含めて、それは判断をしてまいります。
 
○21番(上畠寛弘議員)  今、私、別に労務管理の観点からリスクをいかに減らすかというために言っているわけですから。ふだんは市長のことをぼろかす言っているけど、これに関しては市長の、いかにも市長が法的に問題を起こさないように執行できるかということを心配して言っているわけですからね。
 これに関してあと1個教えておきますが、組合員といえ職員であるということで、争議中かどうかの可能性は否定できないということで、今後、検討していただけると思うんですけど。一応、組合個人の、懲戒できるかどうかということは、これはもう最高裁の判例が出ております。
 最高裁の判例、朝日新聞小倉支社事件、昭和27年10月22日の判例でございますけども。約1年にわたってビラ張り約1万枚、ゼッケン着用、ハンドスピーカー、大声でのデモ行進等の行為に対する出勤停止処分をしたんです、懲戒指針に基づいて、就業規則に基づいて。これについては、最高裁は既に正当と判断しております。最高裁は就業規則に違反する不当なる組合活動をした組合員がある場合においては、使用者がその組合活動を理由に就業規則を適用して、これに懲戒を行えることは当然であると最高裁は判例において書いているんです。
 さらに、その適用すべき事由が平和時でなく、争議行為時に生じたものであったとしても、これは就業規則を適用するのが妨げられるとは解せられないと明らかに書かれておりますので。こういったところは、民間のほうが労働判例としてたくさん実績がございまして、いろいろな参考になる実例がありますので。こういったところの解釈もやはり鑑みて、しかも賠償金の性質を有する和解金を市職労が市に結局支払わなくなったという事実を鑑みれば、やはりこれについては個人についてもきちんと御判断いただきたいと。今の判例、ほかにもこういう類似する判例ございますけども、そういったところもきちんと含めて、今、言ったところ改めて検討してください。
 
○松尾崇 市長  繰り返しになりますけれども、今後のリスクということも含めて市としては慎重に判断をしてまいります。
 
○議長(中澤克之議員)  質疑を打ち切ります。
 本件は、運営委員会の協議もあり、総務常任委員会に付託いたします。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第7「議案第33号指定管理者の指定について」を議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○比留間彰 経営企画部長  議案第33号指定管理者の指定について、提案理由の説明をいたします。議案集その1、16ページをお開きください。
 地方自治法第244条の2第6項の規定に基づき、鎌倉市芸術館の指定管理者をサントリーパブリシティサービスグループに指定しようとするものです。
 指定期間は、平成29年1月1日から平成34年3月31日までの5年3カ月間で、指定しようとする団体は鎌倉市芸術館指定管理者選定委員会の審査結果を踏まえ、選定したものであります。
 以上で説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 本件は、運営委員会の協議もあり、総務常任委員会に付託いたします。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第8「議案第34号下水道管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定について」を議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○伊藤昌裕 都市整備部長  議案第34号下水道管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定について、提案理由の説明をいたします。議案集その1、17ページをお開きください。
 本件は、平成28年6月25日、鎌倉市二階堂110番地6で、鎌倉市管理の下水道雨水幹線である二階堂川の敷地内で倒木が発生したことにより、屋根、雨どい、シャッター、フェンスが損傷した事故につきまして相手方に損害賠償をするものであります。
 相手方は、議案集に記載のとおりです。
 事故後、相手方と協議した結果、事故の原因を下水道管理瑕疵と認め、市が修繕費等として38万8,800円を支払うことで協議が調ったため、地方自治法第96条第1項第13号の規定により、損害賠償額の決定について提案するものであります。
 以上で説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております、議案第34号については、運営委員会の協議もあり、会議規則第44条第3項の規定により、委員会の審査を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、議案第34号については、委員会の審査を省略することに決しました。
 これより討論に入ります。御意見はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 討論を打ち切ります。
 これより採決に入ります。議案第34号下水道管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定についてを採決いたします。
 本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第34号は原案のとおり可決されました。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第9「議案第43号鎌倉市議会議員及び鎌倉市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例の制定について」を議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○渡邊好二 選挙管理委員会事務局長  議案第43号鎌倉市議会議員及び鎌倉市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例の制定について、提案理由の説明をいたします。議案集その1、28ページ、29ページをお開きください。
 この条例は、公職選挙法等に基づき、鎌倉市議会議員及び鎌倉市長の選挙における選挙運動用自動車の使用、選挙運動用ビラの作成、選挙運動用ポスターの作成の公費負担に関し必要な事項を定めたものですが、本年4月8日、公職選挙法施行令の一部が改正され、公費負担の限度額が引き上げられたため、本市においても同様の措置を講じようとするものです。
 具体的には、選挙運動用自動車の借り入れに対して支払う1日当たりの限度額を、1万5,300円から1万5,800円に。選挙運動用自動車に供給した燃料の代金につきましては、1日当たりの限度額を7,350円から7,560円に。市長選挙における選挙運動用ビラの作成につきましては、作成単価を1枚当たり7円30銭から7円51銭に。選挙運動用ポスターの作成に対して支払う限度額の計算に用いる金額を510円48銭と30万1,875円から、525円6銭と31万500円にそれぞれ改めようとするものです。
 なお、施行期日は公布の日からとし、施行日以降にその期日を告示される選挙から適用することとします。
 以上で説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております、議案第43号については、運営委員会の協議もあり、会議規則第44条第3項の規定により、委員会の審査を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、議案第43号については、委員会の審査を省略することに決しました。
 これより討論に入ります。御意見はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 討論を打ち切ります。
 これより採決に入ります。議案第43号鎌倉市議会議員及び鎌倉市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを採決いたします。
 本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (多 数 挙 手)
 多数の挙手によりまして、議案第43号は原案のとおり可決されました。
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○議長(中澤克之議員)  日程第10「議案第44号鎌倉市実費弁償条例の一部を改正する条例の制定について」を議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○松永健一 総務部長  議案第44号鎌倉市実費弁償条例の一部を改正する条例の制定について、提案理由の説明をいたします。議案集その1、30ページをお開きください。
 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律の施行に伴い、鎌倉市実費弁償条例における引用条項及び文言を改めようとするものでございます。
 内容としては、鎌倉市実費弁償条例第2条第1項第8号について、農業委員会等に関する法律の条項が改められたことから、第29条第1項を、第35条第1項に改め、耕作者を農業者とし、同法の表記にあわせます。
 この条例は、公布の日から施行します。
 以上で説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております、議案第44号については運営委員会の協議もあり、会議規則第44条第3項の規定により、委員会の審査を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、議案第44号については、委員会の審査を省略することに決しました。
 これより討論に入ります。御意見はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 討論を打ち切ります。
 これより採決に入ります。議案第44号鎌倉市実費弁償条例の一部を改正する条例の制定についてを採決いたします。
 本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第44号は原案のとおり可決されました。
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○議長(中澤克之議員)  日程第11「議案第48号鎌倉市パチンコ店等の建築等の規制に関する条例の一部を改正する条例の制定について」を議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  議案第48号鎌倉市パチンコ店等の建築等の規制に関する条例の一部を改正する条例の制定について、提案理由の説明をいたします。議案集その1、40ページをお開きください。
 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)が改正され、平成28年6月23日に施行されました。
 このため、本市において規定する鎌倉市パチンコ店等の建築等の規制に関する条例についても、引用条項を整備するものです。
 なお、施行期日は公布の日から施行いたします。
 以上で提案理由の説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております議案第48号については、運営委員会の協議もあり、会議規則第44条第3項の規定より、委員会の審査を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、議案第48号については、委員会の審査を省略することに決しました。
 これより討論に入ります。御意見はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 討論を打ち切ります。
 これより採決に入ります。議案第48号鎌倉市パチンコ店等の建築等の規制に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第48号は原案のとおり可決されました。
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○議長(中澤克之議員)  日程第12「議案第45号鎌倉市子ども会館条例の一部を改正する条例の制定について」「議案第46号鎌倉市子どもの家条例の一部を改正する条例の制定について」以上2件を一括議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○遠藤勝 こどもみらい部長  議案第45号鎌倉市子ども会館条例の一部を改正する条例の制定について提案理由の説明をいたします。議案集その1、32ページをお開きください。
 腰越子ども会館及び山崎子ども会館は、民間の活力を利用し、管理経費の縮減及び安定した管理運営を図るとともに、利用者の利便性の拡大を図るため、平成29年4月1日から指定管理者制度を導入し、管理運営を行わせるため、鎌倉市子ども会館条例の一部を改正するものです。
 次に、条例の内容について説明いたします。
 鎌倉市子ども会館条例別表に鎌倉市腰越子ども会館及び鎌倉市山崎子ども会館と、既に指定管理者制度を導入することが決定している鎌倉市梶原子ども会館を掲げ、それらの指定管理者が管理する施設として「指定管理施設」と規定します。このように規定したことに伴う所要の改正を行うとともに、休館日の規定の順序を指定管理施設以外の子ども会館、指定管理施設の順に整えます。
 この条例の施行日は、平成29年4月1日からとし、指定管理者の指定に係る改正規定は、公布の日からといたします。
 続きまして、議案第46号鎌倉市子どもの家条例の一部を改正する条例の制定について提案理由の説明をいたします。議案集その1、34ページをお開きください。
 鎌倉市こしごえ子どもの家「かもめ」及び鎌倉市やまさき子どもの家「めじろ」は、民間の活力を利用し、管理経費の縮減及び安定した管理運営を図るとともに、利用者の利便性の拡大を図るため、平成29年4月1日から両子どもの家に指定管理者制度を導入し、管理運営を行わせるため、鎌倉市子どもの家条例の一部を改正するものです。
 次に、条例の内容について説明いたします。
 鎌倉市子どもの家条例別表第2に鎌倉市こしごえ子どもの家「かもめ」及び鎌倉市やまさき子どもの家「めじろ」を掲げ、それらを指定管理者が管理する施設として「指定管理施設」と規定いたします。指定管理施設の休所日、利用時間、入所の承認、利用料、利用料の減免、利用料の還付について規定いたします。施設等を破損した場合の損害賠償について、指定管理者の指定について新たに規定いたします。
 この条例の施行日は、平成29年4月1日からとしますが、指定管理者の指定に係る規定の施行については、公布の日からといたします。
 あわせて、指定管理者を選定するに当たり、指定管理者選定委員会を設置することから、鎌倉市公の施設の指定管理者選定委員会条例第2条別表の「鎌倉市子ども会館指定管理者選定委員会」を「鎌倉市子ども会館・子どもの家指定管理者選定委員会」と改正し、施行期日については、公布の日からといたします。
 以上で提案理由の説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 ただいま議題となっております議案第45号外1件については、運営委員会の協議もあり、教育こどもみらい常任委員会に付託いたします。
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○議長(中澤克之議員)  日程第13「議案第42号鎌倉市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例の制定について」「議案第47号鎌倉市自転車等駐車場条例の一部を改正する条例の制定について」以上2件を一括議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○征矢剛一郎 都市調整部長  議案第42号鎌倉市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例の制定について提案理由の説明をいたします。議案集その1、19ページをお開きください。
 歴史的な価値を有している建築物を地域の資産として良好な状態で将来の世代に継承していくため、建築基準法第3条第1項第3号の規定により、同法の適用を除外し、保存・活用が図れるよう手続について必要な事項を定め、公布日から施行しようとするものでございます。
 以上で提案理由の説明を終わります。
 
○大場将光 まちづくり景観部長  議案第47号鎌倉市自転車等駐車場条例の一部を改正する条例の制定について提案理由の説明をいたします。議案集その1、38ページをお開きください。
 本件は、鎌倉駅西口の駐輪場利用待機者の解消を図るため、「鎌倉駅西口暫定自転車駐車場」を市役所敷地内に設置し、指定管理者による管理運営を行うことから、当該自転車駐車場の名称及び位置を定めるものでございます。
 施行日は、公布の日から起算して9月を超えない範囲で、規則で定める日といたします。
 以上で提案理由の説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
 
○6番(保坂令子議員)  神奈川ネットワーク運動・鎌倉は、こちらの議案第42号、付託予定の委員会に委員がおりませんので、この場をかりまして条例案の中身について2点だけ質問させていただきます。
 こちらの条例、歴史的価値を有する建築物の柔軟な保存・活用に向けてのものだと理解しております。保存活用を希望する建築物の所有者は、保存活用計画を提出し登録申請を行う。市長は、建築審査会専門委員会の意見を聞いて判断し登録簿に登録するという流れです。条例案で想定しているのは、増築等または増築等手を加えた後の新たな活用を具体的に予定している場合の登録申請でしょうか。それとも近い将来そういった予定がない場合においても、こういった登録申請が行われるということを想定しているのかということを伺います。
 
○征矢剛一郎 都市調整部長  これは、建物を利用される方があくまでも活用を前提として相談、申請をされて、それに対して適用除外をしていくという流れになります。ですから、活用がない中で、この建物だけを何とか抜くように登録できないかというような趣旨ではございません。
 
○6番(保坂令子議員)  この保存活用計画というものがどれくらい細かい専門的なものなのかというイメージがないものですから確認したいんですけれども、この条例案は、歴史的価値を要する建築物について建築基準法の適用を独自に除外する手続を定めています。今、御答弁あったとおりなんですけれども、建物の価値を保ちつつ、安全性が確保できる増築等や今言われた活用の方法ですね。これを示した保存活用計画というのは、市が保有したり管理している建物については、計画を組み立てるということはそれほど難しいものではないのかもしれませんけれども、この対象になっている建築物の中には、都市景観条例に基づく景観重要建築物がありまして、こちらは個人の住宅ですとか店舗が多いわけですね。保存活用計画をつくるために、活用したいと思っても、その保存活用計画をつくるために相談とか支援体制も必要ではないかと思うんですけれども、このあたりの御認識を伺います。
 
○征矢剛一郎 都市調整部長  その保存活用計画をどういうふうにつくっていくかというのは、我々としてもこれからになろうかと思います。ただ、市の建物であれ、民間の建物であれ、基準法を適用除外していくわけですから、それなりに十分な維持管理がされなければいけません。ですので、そういうようなことが書かれるようなこと、あとは基準法の何が活用に対して支障になるのか、そこのところで、例えば構造というお話だとか、防火性能というお話だとか、そういうようなものが基準法のルールによらなくても安全が担保できるようなものをということになりますと、やはりそれなりの資格者に検討していただくということになりますので、そのあたりも条例の中にも盛り込んでありますけれども、それなりの方に一般的には建築士の方に相談してやっていただくということになろうかと思います。それに対する支援というのは、それぞれやっていただくということになりますので、やはり活用される方の責任においてそこはやっていただくということになろうかと思います。また、景観重要建築物ですとか、そのあたりはまた別の次元での必要な補助があるんであれば考えていく必要があると思いますけれども、今回この条例の中では特に支援というものは考えておりません。
 
○6番(保坂令子議員)  その条例がカバーする範囲で考えられる事例で、漏れなく条例が生かされる運用に向けて配慮が必要だと考えて質問いたしました。
 
○議長(中澤克之議員)  質疑を打ち切ります。
 ただいま議題となっております議案第42号外1件については、運営委員会の協議もあり、建設常任委員会に付託いたします。
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○議長(中澤克之議員)  日程第14「議案第49号平成28年度鎌倉市一般会計補正予算」を議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○松尾崇 市長  (登壇)議案第49号平成28年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号)の提案理由の説明をいたします。
 今回の補正は、鎌倉芸術館管理運営事業費、自治会・町内会等支援事業費及び緑地取得事業費などを計上するとともに、公園用地取得事業費の減額を行うものです。そして、これらの財源といたしまして、県支出金及び繰越金を計上するとともに、国庫支出金、繰入金及び市債の減額を行いました。
 また、妙本寺公衆トイレ改築事業に係る繰越明許費の設定、鎌倉芸術館管理運営事業費に係る債務負担行為の追加、鎌倉芸術館設備改修事業費に係る債務負担行為の変更及び都市計画事業費に係る地方債の変更をしようとするものです。
 詳細につきましては、担当職員に説明させますので、御審議をお願いいたします。
 
○松永健一 総務部長  議案第49号平成28年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号)についてその内容を説明いたします。議案集その1、42ページをお開きください。
 第1条、歳入歳出予算の補正につきましては、歳入歳出それぞれ2億1,275万3,000円の減額で、補正後の総額は、歳入歳出とも616億4,733万7,000円となります。
 款項の金額は、第1表のとおりでございます。
 まず歳出ですが、第10款総務費は1,646万5,000円の増額で、鎌倉芸術館改修設計等業務に係る経費及び公会堂等建築改良工事費補助金などの追加を。第15款民生費は553万1,000円の増額で、腰越老人福祉センター外構工事に係る経費などの追加を。第45款土木費は2億3,474万9,000円の減額で、近郊緑地取得事業に係る経費の追加並びに鎌倉広町緑地用地取得事業に係る経費及び(仮称)山崎・台峯緑地(公園)用地取得事業に係る経費の減を行おうとするものです。
 次に、歳入について申し上げます。第55款国庫支出金は5,998万9,000円の減額で、地域介護・福祉空間整備推進交付金の追加及び社会資本整備総合交付金の減を。第60款県支出金は180万円の増額で、神奈川県地域防犯力強化支援事業補助金の追加を。第75款繰入金は1,768万2,000円の減額で、緑地保全基金繰入金の減を。第80款繰越金は1,941万8,000円の増額で、前年度からの繰越金の追加を。第90款市債は1億5,630万円の減額で、(仮称)山崎・台峯緑地(公園)用地取得事業などに係る都市計画事業債の減を行おうとするものです。
 次に、第2条繰越明許費は、45ページ第2表のとおり、妙本寺公衆トイレ改築事業について繰越明許費を設定しようとするものでございます。
 次に、第3条債務負担行為の補正は、46ページ第3表のとおり、鎌倉芸術館管理運営事業費の追加及び鎌倉芸術館設備改修事業費の変更をしようとするものです。
 次に、第4条地方債の補正は、第1条の歳入歳出予算の補正で説明いたしました対象事業の財源として、その起債限度額を47ページ第4表のとおり変更しようとするものでございます。
 以上で説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 本件は、運営委員会の協議もあり、総務常任委員会に付託いたします。
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○議長(中澤克之議員)  日程第15「議案第35号平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について」「議案第36号平成27年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定について」「議案第37号平成27年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計歳入歳出決算の認定について」「議案第38号平成27年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について」「議案第39号平成27年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定について」「議案第40号平成27年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について」「議案第41号平成27年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定について」以上7件を一括議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○松尾崇 市長  (登壇)ただいま議題となりました平成27年度鎌倉市一般会計及び6特別会計の歳入歳出決算につきまして、その大要を説明いたします。
 国の経済動向等によると、平成27年度の日本経済は、経済財政政策の推進により緩やかな回復基調が続きましたが、個人消費及び民間設備投資の回復にはおくれが見られたとのことでした。政府は、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」の実現に向けた緊急対策を取りまとめたことにより、現在、景気は緩やかな回復を続けていると考えられます。
 神奈川県内の景気動向についても、日本銀行横浜支店が公表している「神奈川県金融経済概況」によると、緩やかに回復しているとのことでした。
 このような経済状況の中、平成27年度における本市の歳入は、一般会計では、平成26年度と比較して約8億円増加しました。主な内訳として、市債が約13億円、繰入金が約3億円減少となりましたが、消費税率8%への引き上げにより地方消費税交付金が約12億円、財産収入は約5億円の増加となりました。
 一方で、歳出の面で申し上げますと、平成27年度は本市にとりまして第3次鎌倉市総合計画第3期基本計画前期実施計画の2年目であり、防災・安全の分野を中心とした「安全な生活の基盤づくり」につながる事業と各施策において重点的に推進する事業に基づいて予算を構築し、関係する事業の推進に取り組んでまいりました。
 その一端を申し上げますと、防災・安全の分野では、津波対策として津波シミュレーション動画や津波避難経路マップの作成のほか、防災行政用無線の建てかえ、消防団車両へのデジタル無線機の設置などの防災情報の提供、情報伝達体制の強化を図るとともに、その他の分野では、ことし7月に完成した大船中学校改築工事や平成27年4月から実施の家庭系ごみ有料化に伴うごみ収集事業、経年劣化が著しい汚水管路施設の長寿命化に向けた措置、マイナンバー制度の利用開始に伴う各種システムの改修のほか、カード交付事務を行っています。
 以上の施策を初めとして数々の事業に取り組んできたところでありますが、各会計の詳細な決算計数につきましては、「鎌倉市歳入歳出決算書及び付属書」のとおりであり、その成果につきましては、別冊「主なる施策の成果報告書」のとおりであります。
 なお、8月24日に監査委員からいただいた「平成27年度鎌倉市各会計決算等審査意見書」の「審査の意見」の中で、不適切な事務処理の撲滅についてとし御意見を頂戴しております。白紙請求書問題や生活保護費に関する事案など、公金の出納、保管に関する不適切な事務処理が相次いで発覚しており、こうした事態を招いたことにつきまして、私としましても大変遺憾に思っております。監査委員の御指摘も踏まえ、私も職員とともに、市民の皆様の信頼回復に向けて全力で取り組んでまいります。
 それでは、一般会計及び6特別会計を合わせた全会計の決算総額について申し上げます。
 予算現額1,139億7,303万4,335円に対し、歳入総額は1,109億2,460万5,412円、歳出総額は1,059億6,587万219円で、歳入歳出差し引き残額の49億5,873万5,193円を翌年度に繰り越しました。この繰越額から継続費逓次繰越分、繰越明許費繰越分及び事故繰越し繰越分の合計額13億3,294万1,969円を差し引いた36億2,579万3,224円が実質収支額であります。
 全会計決算総額を前年度と比較いたしますと、歳入は43億7,829万5,780円増で、率にして約4.1%の増、歳出は29億4,286万1,579円増で、率にして約2.9%の増となりました。
 次に、議案第35号から第41号まで、会計ごとに説明します。
 議案第35号平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算は、予算現額635億3,839万8,415円に対し、歳入は608億6,878万3,222円、歳出は573億497万3,029円で、予算執行率は90.2%となります。
 歳入歳出差し引き残額35億6,381万193円を翌年度に繰り越しました。この繰越額から逓次繰越額及び繰越明許費繰越額の合計13億1,237万8,369円を差し引いた22億5,143万1,824円が実質収支額であります。
 次に、議案第36号平成27年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算は、予算現額69億6,833万3,920円に対し、歳入は68億9,696万8,334円、歳出は67億2,443万9,098円で、歳入歳出差し引き残額1億7,252万9,236円を翌年度に繰り越しました。この繰越額から繰越明許費繰越額及び事故繰越し繰越額1,284万1,600円を差し引いた1億5,968万7,636円が実質収支額であります。
 次に、議案第37号平成27年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計歳入歳出決算は、予算現額6,200万円に対し、歳入は6,209万3,196円、歳出は5,060万7,253円で、歳入歳出差し引き残額1,148万5,943円を翌年度に繰り越しました。この繰越額から繰越明許費繰越額772万2,000円を差し引いた376万3,943円が実質収支額であります。
 次に、議案第38号平成27年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算は、予算現額220億2,450万円に対し、歳入は217億4,053万7,681円、歳出は212億6,666万4,032円で、歳入歳出差し引き残額4億7,387万3,649円が実質収支額であります。
 次に、議案第39号平成27年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算は、予算現額4億9,830万2,000円に対し、歳入は4億9,830万449円、歳出は4億9,830万449円で、歳入歳出差し引き残額はありません。
 次に、議案第40号平成27年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算は、予算現額157億6,860万円に対し、歳入は157億5,304万276円、歳出は150億4,782万1,235円で、歳入歳出差し引き残額7億521万9,041円が実質収支額であります。
 最後に、議案第41号平成27年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算は、予算現額51億1,240万円に対し、歳入は51億488万2,254円、歳出は50億7,306万5,123円で、歳入歳出差し引き残額3,181万7,131円が実質収支額であります。
 以上で、各会計の決算の説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  この際、監査委員から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
 
○長嶋竜弘 監査委員  (登壇)ただいま市長から提案されました平成27年度鎌倉市各会計歳入歳出決算等の議会における審査に当たり、監査委員として意見を申し述べさせていただきます。
 決算等の審査の経過について申し上げますと、市長から、各会計歳入歳出決算等について審査に付されたことを受けまして、7月25日から8月24日までの間、八木監査委員とともに審査を行ったものであります。
 審査は提出を受けた歳入歳出決算書及び付属書と、関係諸帳簿類との照合を行うとともに、関係部課等への聞き取り調査や、全部課等から提出を受けた財務事務監査等、資料及び定期監査、例月現金出納検査の結果を参考に実施いたしました。
 審査に当たっては大きく三つの観点から審査を行いましたので、その結果について申し上げます。
 一つ目の観点として、決算書等が法令に規定された様式に基づいて作成されているか。係数に誤りはないか。財産管理は適正になされているか。定額資金運用基金の運用状況について、その管理・運用が確実・効率的に行われているかを審査いたしました。
 その結果、各会計の歳入歳出決算書等事項別明細書の作成並びに財産及び定額資金運用基金の管理運用は適正になされているものと認められました。
 二つ目の観点として、財政運営は健全になされているかについて審査いたしました。本市の平成27年度の一般会計と特別会計を合わせた決算額は、歳入総額が1,109億2,500万円、歳出総額が1,059億6,600万円となっております。前年度と比較すると歳入で43億7,800万円の増加、歳出で29億4,300万円の増加となっております。また歳入歳出差し引き額は49億5,900万円で、この額から翌年度繰越財源を差し引いた実質収支額は36億2,600万円の黒字、そして実質収支額から前年度の実質収支額を差し引いた単年度収支額は3億8,100万円の黒字となっております。また、全ての基金との収支などを加味した実質単年度収支額については16億2,700万円の黒字となっているところであります。
 普通会計の財政状況を見ますと、平成26年度まで5年連続で低下していた財政力指数は1.026となり、6年ぶりに上昇に転じました。また、特定財源を含む経常的収入に対する経常的経費の割合は、25年度から27年度にかけてはいずれも100%を下回り、財政構造の安定性は確保されているものの、96.4%、95.9%、96.3%と推移しており、安定性が大きく好転したとは言えない状況にあります。市債の借入残高につきましては、平成16年度の1,077億円をピークに、以後は減少傾向に転じ、27年度末においては832億円となっております。
 以上、申し述べたとおり、本市の財政運営につきましては、数値的には交付税交付団体となった25年度と比べると、26年度から27年度にかけ財政状況はやや改善された兆しが見られるところです。しかしながら、今後の見通しとしては、歳出面では扶助費などの社会保障費の増加が予想され、一方では歳入面で大幅な税収増が見込めないことから、経費節減に取り組みながら、30年、50年先の鎌倉の町をこうしていくのだという明確なビジョンを持って行財政運営に努めるよう望むものである。
 三つ目の観点として、予算の執行が予算編成方針及び総合計画、実施計画等に沿い効率的に行われているかなどの審査を行った結果について申し上げます。
 26年度を初年度とする第3次鎌倉市総合計画第3期基本計画では、市民の生命を守り安全を確保することを全てに優先する取り組みとしており、防災・安全の分野を中心とした安全な生活の基盤づくりにつながる事業と、各施策において重点的に推進し、行程に沿って着実に進捗させなければならない事業を重点事業とし、これらに基づいて27年度予算は構築されたものであります。
 27年度は28年度に竣工が予定されていた大船中学校の改築工事や、27年4月から家庭系ごみ有料化が始まり、有料化に係る事業を行ったほか、(仮称)山崎・台峯緑地用地などの公園用地取得事業、マイナンバー制度の利用開始に伴う戸籍住基一般事務、経年劣化が著しい汚水管路施設の予防保全措置や極楽寺東部及び南部汚水中継ポンプ場の改築工事などに係る汚水排水施設整備事業などが実施されました。翌年度に繰り越された事業もありましだが、それ以外の事業については実施計画に基づき総合計画の将来目標の達成に向けた取り組みが行われたことが認められました。
 次に、審査の意見といたしまして申し添えておきたいことを述べさせていただきます。
 家庭系ごみ有料化により、平成26年度3万7,284トンあったごみの焼却量は、27年度は3万2,928トンとなり、収集量からの推計では約4,300トン強の削減が図られたことになります。また、ごみの有料化で得られた歳入のうち、1億9,700万円を一般廃棄物処理施設建設基金への積み立てとし、新たな焼却施設の整備に向け財源確保の取り組みが行われたところです。今回の意見書の中で要望した焼却施設整備に係る関係機関との十分な調整協議はもちろんですが、今後のごみ処理施策については、特に期待したほどの結果があらわれていない事業系のごみの発生抑制についても積極的な取り組みを望むところであります。
 次に、インフラの管理についてでありますが、ごみ処理と同様に市民が生活を送る上で欠くことのできない道路、下水道、河川などのインフラについては適切な管理が重要となるものです。このため、27年度に社会基盤施設マネジメント計画が策定され、今後40年間に要するインフラに係る経費が試算されたところ、このマネジメント計画の実践によって852億円の経費削減が見込まれるとされています。しかしながら、なお3,000億円強の経費が見込まれることから、市債の効率的な活用などを検討する中で適切な財政運営を望むものであります。また、マネジメント計画には、予防保全型によるインフラ管理手法を上げておりますが、このことは財政負担軽減の側面だけでなく、重大な事故を未然に防ぐことにもつながりますので、このことを十分に認識し、将来向けた取り組みを早期に実施することを願うところです。
 収納率の向上につきましては、27年度4月に債権管理課が新設されたところですが、平成27年度の市税の収入未済額は13億2,300万円となり、前年度比で3億円減少し、このうち滞納繰越分が2億5,800万円を占めています。滞納繰越分は現年度分よりも未済額の回収が困難でありますが、債権管理課が設置され、滞納繰越分の処理に力を入れてきた成果であると考えるところであり、今後も市民の税負担の公平性の観点からも引き続き努力されることを期待します。
 次に、意見書の中では要望しませんでしたが、行政運営が健全に営まれるためには、組織をなす職員の一人一人が何事も前向きに取り組んでいける環境にあることも大切です。本市職員のメンタル不調による90日を超える休職者数は平成26年度は31名で、その割合は2.28%です。神奈川県内17市平均値が1.01%ですので飛び抜けて高い数字であります。平成27年度が25名と聞いておりますので、多少減少してはいるものの、依然多い状況がございますので、今後は健康経営の視点を取り入れてメンタル休職者撲滅に取り組んでいただきたいところであります。
 さて、最後は極めて残念な話をせざるを得ません。平成27年度以降、白紙請求書問題、期限切れワクチン接種などを筆頭に不適切な事務処理が相次いで発覚し、さらには生活保護費盗難事件、定期代不正受給、遅刻データ改ざんといった公務員としてあるまじき行為も相次いで発覚いたしました。かかる事態が起きているのに、市長以下幹部職員の言動からは、真摯に反省し改善に向けた取り組みを進めていくという強い意志があるようには到底見受けられませんし、幹部職員だけではなく、いまだに自分事として捉えられていない職員が多いのではないのかと考えざるを得ない状況です。この事態はコンプライアンスの観点から看過されるべきものではなく、すぐに意識を切りかえて、まずは起こった事実を包み隠さずその全容を明らかにし、問題解決に向けて不退転の決意で臨んでいただけることを強く要望しておきます。
 これらの行為がなぜ行われてきたのかを考えますと、まず公務員としての自覚の欠如が上げられます。また、さまざまな業務が慣例的な流れに任せてなされてきたこと、そして職員一人一人が個々の業務の持つ目的や意味を理解することなく、安易に前例を踏襲し、漫然と事務に当たってきたといった鎌倉市役所のあしき風土にあると考えます。このことから、不適切な事務処理の撲滅に向けては、まず地方公務員法の精神にのっとり、公務員としての自覚を持って職務の遂行に当たることを御徹底いただきたいと思います。
 また、平成21年7月に定められた鎌倉市職員行動憲章の「職員は法令や社会規範を守りみずから考えて行動すること」や「慣習や先例に捉われず、常に問題意識を持つことなど」に留意されて職務の遂行に当たることを望むところであります。
 さらに組織として取り組むべきこととしては、個々の事務処理の節目ごとのチェック機能が十分に働くよう、各職場で責任を持って仕組みの構築や体制の整備を行うこともあわせて必要なことと考えます。
 ただいま申し上げました審査結果及び意見の詳細につきましては、お手元の平成27年度鎌倉市各会計決算等審査意見書を御参照いただければと存じます。
 以上、議会における御審議の参考までに所見を述べさせていただきました。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 ここで御報告申し上げます。ただいま上畠寛弘議員から議長の手元まで、議案第35号外6件については特別委員会を設置し、これに審査を付託したい旨の動議が文書をもって提出されました。
 提出者から説明を願います。
 
○21番(上畠寛弘議員)  (登壇)ただいま動議として提出いたしました特別委員会の設置につきまして提出理由の説明をいたします。
 ただいま一括議題となっております議案第35号平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について外6議案については、長期にわたる監査委員の御努力によって私どもの手元にその意見書が配付されています。私どもは、監査委員の御努力に対し深く敬意を表するものでありますが、さらに議会の立場から、平成27年度予算がいかに執行され、かついかなる効果が上がったのか、などについて審査を加え、将来の市政に向けての反省と問題点を究明する必要性を強く感じますので、お手元に配付しましたとおり、特別委員会を設置し、これにその審査を付託すべく動議を提出した次第であります。
 総員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
 以上で提案理由の説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいま上畠寛弘議員から提出されました動議については、既に所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。よって、本動議を直ちに議題といたします。
 お諮りいたします。本動議のとおり決することに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、特別委員会を設置し、これに審査を付託する動議は可決されました。
 なお、この際、ただいま設置されました特別委員会の委員の選任をする必要がありますので、日程を追加したいと思います。
 お諮りいたします。平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算等審査特別委員会委員の選任についてを日程に追加し、直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、日程に追加し、直ちに議題とすることに決定いたしました。
 平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算等審査特別委員会委員の選任についてを議題といたします。
 本件については、鎌倉市議会委員会条例第6条第1項の規定により、議長が会議に諮って指名することになっております。
 便宜、局長から申し上げます。
 
○三留定男 事務局長  平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算等審査特別委員会委員の氏名を申し上げます。
 6番、保坂令子議員、8番、西岡幸子議員、9番、日向慎吾議員、10番、永田磨梨奈議員、11番、久坂くにえ議員、13番、前川綾子議員、20番、中村聡一郎議員、21番、上畠寛弘議員、22番、山田直人議員、23番、吉岡和江議員、以上10名でございます。
 
○議長(中澤克之議員)  お諮りいたします。ただいま申し上げました10名の方々を特別委員会委員に選任すること御異議はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、ただいま申し上げましたとおり、特別委員会委員に選任することに決定いたしました。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第16「議案第51号鎌倉市公平委員会委員の選任について」を議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○松尾崇 市長  (登壇)ただいま議題となりました議案第51号鎌倉市公平委員会委員の選任について提案理由の説明をいたします。議案集その2、4ページをお開きください。
 鎌倉市公平委員会の委員のうち、小泉淑子委員の任期が平成28年10月15日をもって満了となります。つきましては、その後任者について検討いたしました結果、小泉淑子さんを引き続き委員として選任することが最も適当であろうと考え、ここに提案する次第です。
 なお、小泉淑子さんの略歴につきましては、お手元の資料により御了解を願いたいと思います。
 御審議の上、御同意くださいますよう、お願いいたします。
 以上で提案理由の説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております議案第51号については、運営委員会の協議もあり、会議規則第44条第3項の規定により、委員会の審査を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、議案第51号については、委員会の審査を省略することに決しました。
 これより討論に入ります。御意見はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 討論を打ち切ります。
 これより採決に入ります。議案第51号鎌倉市公平委員会委員の選任についてを採決いたします。
 本件は、原案に同意することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (総 員 挙 手)
 総員の賛成によりまして、議案第51号は原案に同意することに決定いたしました。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第17「議案第52号人権擁護委員の候補者の推薦について」を議題といたします。
 理事者から提案理由の説明を願います。
 
○松尾崇 市長  (登壇)ただいま議題となりました議案第52号人権擁護委員の候補者の推薦について提案理由の説明をいたします。議案集その2、7ページをお開きください。
 人権擁護委員につきましては、定数14名のうち2名が平成28年12月31日に任期満了を迎えます。このことから、このたび2名の後任者を法務大臣に推薦するに当たり、人権擁護委員法第6条第3項の規定に基づき、市議会の意見を求めるものです。
 つきましては、人権擁護委員として、引き続き新井貴子さんを、新たに三留利夫さんを推薦したいと思います。
 なお、略歴につきましては、お手元の資料のとおりでございます。
 以上で提案理由の説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております議案第52号については、運営委員会の協議もあり、会議規則第44条第3項の規定により、委員会の審査を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、議案第52号については、委員会の審査を省略することに決しました。
 これより討論に入ります。御意見はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 討論を打ち切ります。
 これより採決に入ります。議案第52号人権擁護委員の候補者の推薦についてを採決いたします。
 本件は、原案に同意することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (総 員 挙 手)
 総員の賛成によりまして、議案第52号は原案に同意することに決定いたしました。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第18「議会議案第10号台湾(中華民国)の国際民間航空機関(ICAO)など国際機関・国際連携への正式加盟・参加について支援を求める意見書の提出について」を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を願います。
 
○26番(松中健治議員)  (登壇)ただいま議題となりました議会議案第10号台湾(中華民国)の国際民間航空機関(ICAO)など国際機関・国際連携への正式加盟・参加について支援を求める意見書の提出について提案理由の説明をいたします。
 便宜、文案の朗読をもちまして説明にかえさせていただきます。
 台湾(中華民国)の国際民間航空機関(ICAO)など国際機関・国際連携への正式加盟・参加について支援を求める意見書。
 今月下旬よりカナダ・モントリオールで国際民間航空機関(以下、「ICAO」)総会が開催される。ICAOは、国際民間航空が安全にかつ整然と発達するように、また、国際航空運送業務が機会均等主義に基づいて健全かつ経済的に運用されるよう、各国の協力を図ることを目的とし設立され、この目的達成のため、ICAOは国際航空運送業務やハイジャック対策を初めとするテロ対策等のための条約の作成、国際航空運送に関する国際基準、勧告、ガイドラインの作成等を行い、国際社会において重大な使命を担っている。
 このICAOには、前回の総会において、台湾(中華民国)が特別ゲストとして招致を受けて、初めて参加し、各国が歓迎した。台湾の台北飛行情報区空域の広さは18万平方キロメートルに及び、国際線14路線、国内線4路線をカバーし、我が国の福岡飛行情報区とも隣接している。台北飛行情報区が公表したデータによると、総発着回数は153万回を超え、台湾を往復または経由した旅客数は5,800万人に対し、特別ゲストという立場とはいえ、台湾の代表がICAO総会に参加したことは、大変意義深いものであった。
 また、日本と台湾の相互往来は、540万人を突破し、ことしの上半期も既に300万人を超えており、台湾がICAO総会に継続的に参加することは、国際航空運送業務の健全な発展と安定に貢献し、法人往来数や貿易額を鑑みれば、我が国の国益にもつながるところだ。
 また、鎌倉市には台湾から多くの観光客が訪れており、また、本年は江ノ島電鉄と台湾平渓線との友好鉄道協定の締結によって、台湾の方々の鎌倉市への訪問を通じたますますの日台親善交流が期待され、日台両国を結ぶ国際線の安定は、鎌倉市議会としても強く望むものである。
 しかしながら、ICAOには台湾は正式には加盟しておらず、総会参加について確約されたものではなく、不安定な情勢であるが、台湾の経済規模、各国との貿易額、人的往来数などを鑑みればICAOはもちろんのこと、世界保健機構(WHO)、国際労働機関(ILO)、世界貿易機関(WTO)などの国際機関への正式加盟や、国連気候変動枠組条約や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などの国際連携への参加は不可欠であり、台湾も加盟や参加を希望しており、国際社会の平和的な発展と安定を目指すためには台湾を決して孤立させるべきではない。日本政府は、先の中華民国総統選挙の結果を受け、台湾について「我が国にとって、基本的な価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーである」との声明を出しており、実際に東日本大震災に際して、台湾より我が国が絶大な支援をいただいたところである。
 よって、日本政府、国会を初めとする関係機関におかれては、国際社会の平和的な発展と安定と日台両国の友好発展のためにも台湾(中華民国)のICAOなどの国際機関への正式加盟、国際連携への参加についての支援することを要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成28年9月14日。鎌倉市議会。
 総員の御賛同を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 以上で提案理由の説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております議会議案第10号については、運営委員会の協議もあり、会議規則第44条第3項の規定により、委員会の審査を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、議会議案第10号については、委員会の審査を省略することに決しました。
 これより討論に入ります。御意見はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 討論を打ち切ります。
 これより採決に入ります。議会議案第10号台湾(中華民国)の国際民間航空機関(ICAO)など国際機関・国際連携への正式加盟・参加について支援を求める意見書の提出についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (多 数 挙 手)
 多数の挙手によりまして、議会議案第10号は原案のとおり可決されました。
 なお、ただいま議決されました意見書については、議長において関係機関に送付いたしますので、御了承願います。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第19「議会議案第11号文書通信交通滞在費の使途報告並びに領収書の提出義務づけとその公開を求める意見書の提出について」を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を願います。
 
○21番(上畠寛弘議員)  (登壇)ただいま議題となりました議会議案第11号文書通信交通滞在費の使途報告並びに領収書の提出義務づけとその公開を求める意見書の提出について提案理由の説明をいたします。
 以下、文案の朗読をもって説明にかえさせていただきます。
 文書通信交通滞在費の使途報告並びに領収書の提出義務づけとその公開を求める意見書。
 文書通信交通滞在費は、国会法第38条、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律第9条の規定によって定められ、衆参両院の国会議員は歳費とは別に月額100万円を受けている。その趣旨は、「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため」と、国会法に規定されているところであるが、この文書通信交通滞在費は、使途報告についても、領収書の添付も義務づけられていないため、万が一、国会議員がこの趣旨に反して、文書通信交通滞在費を使ったとしても、監視機能は働かず、不正が明らかになることはない。このような不透明さから、文書通信交通滞在費を国会議員の「第二の給与」とやゆする声も存在する。
 地方議会においては、性質は異なるが、政務活動費の全面公開は当然行われるべき情報公開というのが全国的な流れとなっており、鎌倉市議会においてもその使途は全て公開されており、報道された神奈川県議会における政務活動費の不正支出に係る事案についても、厳しく処すよう意見書の提出をしてきた。また、国会議員に係る件については、国会議員関係政治団体においても、平成21年から、少額領収書等の開示手続制度が創設され、1円以上の領収書の開示も義務づけられているところである。
 よって、文書通信交通滞在費についても、そもそも源泉が血税であることに鑑みれば、国権の最高機関を構成する国会議員たる者、国民からあらぬ誤解や疑念を持たれぬよう、文書通信交通滞在費について、趣旨から見て書類の発送費や通信費、滞在費という機密性の求められる性質ではないことから、早急にこの使途報告と領収書の提出を義務づけるとともにこれら報告について公開し、国民への説明責任を果たすべく、早急に国会で議論し、環境整備を行うことを、鎌倉市議会は全ての衆議院議員、参議院議員に強く求める。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成28年9月14日。鎌倉市議会。
 総員の御賛成をいただきますようお願い申し上げます。
 以上で提案理由の説明を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております議会議案第11号については、運営委員会の協議もあり、会議規則第44条第3項の規定により、委員会の審査を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、議会議案第11号については、委員会の審査を省略することに決しました。
 これより討論に入ります。御意見はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 討論を打ち切ります。
 これより採決に入ります。議会議案第11号文書通信交通滞在費の使途報告並びに領収書の提出義務づけとその公開を求める意見書の提出についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (多 数 挙 手)
 多数の挙手によりまして、議会議案第11号は原案のとおり可決されました。
 なお、ただいま議決されました意見書については、議長において関係機関に送付いたしますので、御了承願います。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第20「議員の派遣について」を議題といたします。
 地方自治法第100条第13項及び鎌倉市議会会議規則第143条第1項の規定により、お手元に配付いたしました印刷物のとおり、姉妹都市親善訪問事業のため議員を派遣いたしたいと思います。
 お諮りいたします。ただいま申し上げましたとおり、議員を派遣することに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、ただいま申し上げましたとおり、議員を派遣することに決定いたしました。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 再開の日時は、来る10月4日午後2時であります。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
 本日はこれをもって散会いたします。
                   (18時20分  散会)

平成28年9月14日(水曜日)

                          鎌倉市議会議長    中 澤 克 之

                          会議録署名議員    松 中 健 治

                          同          千   一

                          同          竹 田 ゆかり