平成28年 9月定例会
第4号 9月12日
○議事日程  
平成28年 9月定例会

          鎌倉市議会9月定例会会議録(4)
                                   平成28年9月12日(月曜日)
〇出席議員 26名
 1番  千   一   議員
 2番  竹 田 ゆかり 議員
 3番  河 村 琢 磨 議員
 4番  中 澤 克 之 議員
 5番  池 田   実 議員
 6番  保 坂 令 子 議員
 7番  岡 田 和 則 議員
 8番  西 岡 幸 子 議員
 9番  日 向 慎 吾 議員
 10番  永 田 磨梨奈 議員
 11番  久 坂 くにえ 議員
 12番  長 嶋 竜 弘 議員
 13番  前 川 綾 子 議員
 14番  三 宅 真 里 議員
 15番  渡 邊 昌一郎 議員
 16番  納 所 輝 次 議員
 17番  小野田 康 成 議員
 18番  高 橋 浩 司 議員
 19番  渡 辺   隆 議員
 20番  中 村 聡一郎 議員
 21番  上 畠 寛 弘 議員
 22番  山 田 直 人 議員
 23番  吉 岡 和 江 議員
 24番  赤 松 正 博 議員
 25番  大 石 和 久 議員
 26番  松 中 健 治 議員
     ───────────────────────────────────────
〇欠席議員
 なし
     ───────────────────────────────────────
〇議会事務局出席者
 事務局長        三 留 定 男
 次長          鈴 木 晴 久
 次長補佐        藤 田 聡一郎
 議事調査担当担当係長  笛 田 貴 良
 書記          窪 寺   巌
 書記          片 桐 雅 美
 書記          菊 地   淳
 書記          鈴 木 麻裕子
     ───────────────────────────────────────
〇理事者側説明者
 番外 1 番  松 尾   崇  市長
 番外 3 番  小 林   昭  副市長
 番外 5 番  比留間   彰  経営企画部長
 番外 20 番           文化財部長
         桝 渕 規 彰
 番外 6 番           歴史まちづくり推進担当担当部長
 番外 7 番  松 永 健 一  総務部長
 番外 8 番  柿 崎 雅 之  防災安全部長
 番外 9 番  小 池 忠 紀  市民活動部長
 番外 10 番  進 藤   勝  こどもみらい部長
 番外 11 番  内 海 正 彦  健康福祉部長
 番外 12 番  石 井 康 則  環境部長
 番外 13 番  大 場 将 光  まちづくり景観部長
 番外 14 番  征 矢 剛一郎  都市調整部長
 番外 15 番  伊 藤 昌 裕  都市整備部長
 番外 16 番  樋 田 浩 一  拠点整備部長
 番外 17 番  斎 藤   務  消防長
 番外 18 番  安良岡 靖 史  教育長
 番外 19 番  佐 藤 尚 之  教育部長
     ───────────────────────────────────────
〇議事日程
               鎌倉市議会9月定例会議事日程(4)

                              平成28年9月12日  午前9時30分開議

 1 一般質問
 2 報告第12号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る ┐
         専決処分の報告について                 │
   報告第13号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
         専決処分の報告について                 │市 長 提 出
   報告第14号 継続費の精算報告について                │
   報告第15号 平成27年度決算に基づく健全化判断比率の報告について   │
   報告第16号 平成27年度決算に基づく資金不足比率の報告について    ┘
 3 議案第30号 市道路線の認定について                  同     上
 4 議案第31号 修繕請負契約の締結について               ┐
                                     │同     上
   議案第32号 修繕請負契約の締結について               ┘
 5 議案第50号 建物明渡等請求事件の和解について             同     上
 6 議案第33号 指定管理者の指定について                 同     上
 7 議案第34号 下水道管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償  同     上
         の額の決定について
 8 議案第43号 鎌倉市議会議員及び鎌倉市長の選挙における選挙運動の公費  同     上
         負担に関する条例の一部を改正する条例の制定について
 9 議案第44号 鎌倉市実費弁償条例の一部を改正する条例の制定について   同     上
 10 議案第48号 鎌倉市パチンコ店等の建築等の規制に関する条例の一部を改  同     上
         正する条例の制定について
 11 議案第45号 鎌倉市子ども会館条例の一部を改正する条例の制定について ┐
                                     │同     上
   議案第46号 鎌倉市子どもの家条例の一部を改正する条例の制定について ┘
 12 議案第42号 鎌倉市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例の制定につ ┐
         いて                          │同     上
   議案第47号 鎌倉市自転車等駐車場条例の一部を改正する条例の制定につ │
         いて                          ┘
 13 議案第49号 平成28年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号)        同     上
 14 議案第35号 平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について   ┐
   議案第36号 平成27年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定に │
         ついて                         │
   議案第37号 平成27年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特 │
         別会計歳入歳出決算の認定について            │
   議案第38号 平成27年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の │
         認定について                      │同     上
   議案第39号 平成27年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決 │
         算の認定について                    │
   議案第40号 平成27年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定 │
         について                        │
   議案第41号 平成27年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算 │
         の認定について                     ┘
 15 議案第51号 鎌倉市公平委員会の委員の選任について           同     上
 16 議案第52号 人権擁護委員の候補者の推薦について            同     上
 17 議員の派遣について
     ───────────────────────────────────────
〇本日の会議に付した事件
1 一般質問
     ───────────────────────────────────────
                   (出席議員  25名)
                   (9時30分  開議)
 
○議長(中澤克之議員)  定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
 会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。20番 中村聡一郎議員、21番 上畠寛弘議員、22番 山田直人議員にお願いいたします。
 なお、本日の会議に遅刻の届け出がありますので、局長から報告させます。
 
○三留定男 事務局長  永田磨梨奈議員から病気のため遅刻する旨の届け出がございましたので、御報告いたします。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいまの報告に御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(中澤克之議員)  日程第1「一般質問」を9月9日に引き続き行います。
 まず、池田実議員の発言を許可いたします。
 
○5番(池田実議員)  おはようございます。それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。今回は、持続可能なまちづくりに関連して、二つの質問をさせていただきます。
 一つ目は地域コミュニティーの推進について。二つ目は深沢地域整備事業を中心とした深沢のまちづくりについて、以上二つの課題について順次質問してまいります。
 今回の質問につきましては、昨年6月定例会で取り上げた課題とほぼ同じ課題を取り上げております。昨年の質問から早1年3カ月が過ぎており、次期実施計画の策定前に、その後の施策の進行状況につきまして、方向性が総合計画に基づく方向に合致しているのか、また第3期基本計画や前期実施計画に沿っているのか、おくれている場合はその原因を明確にするとともに今後の方向性を正していきたいという思いからの質問であります。
 まず一つ目の質問ですが、昨年6月に取り上げた地域コミュニティーについて質問してまいります。地域コミュニティーは、まちづくりには欠かせないというよりは中心的なものであると考えております。広井良典氏の「コミュニティを問いなおす」では、戦後の日本社会は、一言で言えば農村から都市への人口大移動の歴史であったが、都市に移った日本人は、孤立した個人と個人のつながりという意味での都市的な関係性を築いていくかわりに、会社そして家族という、いわば都市の中の村社会とも言うべき閉鎖性の強いコミュニティーをつくっていった。経済全体のパイが拡大する経済成長の時代には、会社や家族の利益を追求することが社会全体の利益にもつながり、また個人のパイの取り分の増大もつながるという意味で、一定の好循環をつくっていた。しかし、経済が成熟化、そうした好循環の前提が崩れるとともに、会社や家族のあり方が大きく流動化、多様化する現在のような時代においては、それはかえって個人の孤立を招き、生きづらい社会や関係性を生み出す背景となっているとしています。
 鎌倉市に置きかえてみますと、大きく都市の形態が変わり始めたのはやはり高度成長期であると考えます。高度成長期を前半と後半に分けてみますと、前半期は昭和30年から39年、後半期が昭和41年から47年までだと言われております。鎌倉市において主に後半の昭和40年代に多くの大規模団地が造成され、現在の鎌倉市が形成されたと考えています。私自身は鎌倉を地元として生まれ育ったわけでありますが、高度成長期の移り変わりについてはさまざまな場面において肌で感じてまいりました。
 私が育った町内会は旧来の農村型の町内会であり、幼少期、昭和30年代においては、地域のつながりというものが非常に強かったと記憶しております。特徴的なのがお葬式であり、当時はまだ自宅で行いますので、近所の手伝いがなければ成り立たない儀式でありました。また、当時は家々の間で労働力を交換し合って作業を相互に手伝う「結」もまだ残っており、「結」により田植えも行っている。そんな時代でした。
 鎌倉市はその後の高度成長により、首都圏のベッドタウンとして宅地造成が始まり、人口急増とともに地域コミュニティーのあり方も大きく変化してまいりました。また、近年では核家族化、少子高齢化による世帯構造の変化や日常の利便性の向上などによる地域との協働の必要性の低下など、さまざまな社会構造の変化により、町内会、自治会のあり方も変わってきたと考えております。また一方では、近年多発する大規模地震によって、地域コミュニティーにおけるつながり、きずなの大切さがピックアップされ、見直しされてきたと言えます。
 地域組織の弱体化が進む中で、より大きな期待が寄せられるという矛盾に地域は今直面していると言えます。今回のテーマである持続可能なまちづくりのために、この矛盾をどのように解決していけばいいのか。地域コミュニティーと行政との役割と課題について考えていきたいと思います。
 まず一つ目の質問でありますが、地域コミュニティーの推進について伺ってまいります。ここでは地域コミュニティーの中心となる従来型のコミュニティー、町内会、自治会の課題と、その課題解決のための施策などについて伺ってまいります。
 まず、本市の町内会、自治会の加入率について、市はどのように認識を持っているのか伺いたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  平成28年6月1日の本市の自治・町内会加入率でございますけれども、83.5%で、県内ほかの市と比べましても高い状況にございます。ここ数年を見ますと、各自治・町内会長などの御尽力もございまして、80%台前半で推移しているという状況でございます。
 
○5番(池田実議員)  本市の加入率は今お話がございましたように、平成28年においては83.5%、かなり高いということですが、良好な状態であると言ってもよいのではないかと思います。しかし、実態として良好な地域コミュニティーを保っているかにつきましては、しっかりと見ていく必要があるのではないかと思います。
 ちなみに横浜市では、公表されている統計を見てみましたが、平成23年が77.2%、それから毎年徐々に減少していきまして、平成27年においては75.5%と毎年減少の傾向にあります。公表されている他の都市を見ましても、近年、都市部では加入率が減少の傾向にあるようです。
 その中で横浜市の施策を例にとってみますと、横浜市では加入率の維持向上のために、加入促進のヒント集のようなものをつくっていますが、本市においては加入促進のための対策は何かとっているのか、伺いたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  本市におきましては、自治会、町内会への加入促進のため、鎌倉市自治町内会総連合会が作成いたしましたチラシを、本庁舎市民課及び各支所で転入手続を行った方へ配布しております。また、神奈川県宅地建物取引業会鎌倉支部へもお願いしまして、同支部会員である不動産業者の各窓口でチラシの配布の協力を依頼しているというところでございます。
 
○5番(池田実議員)  また類似した質問になりますが、自治会へ加入していない方への対応はどのように行っているのか伺いたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  先ほども答弁いたしましたけれども、市の窓口では転入者向けに加入促進のチラシの配布などを行ってございます。今後さらなる加入促進に向けまして、自治・町内会が活用するための冊子の作成、あるいは市のホームページ、「広報かまくら」を通じまして、自治・町内会の活動や必要性についての情報提供などを行いまして、自治・町内会への加入に向けた働きかけを進めていきたいと考えてございます。
 
○5番(池田実議員)  広報紙等におきまして、地域の活動とともに地域課題の解決事例、そういったものも、あるいは市の地域へ向けたスタンスや考え方、そういったものを特集で組んでいただくのもいいかと思います。ぜひその辺、検討をお願いいたしたいと思います。
 次に、自治会、町内会の課題の一つに加入率の減少傾向とともに担い手の高齢化や役員のなり手が不足している。それが、またよく言われますが、本市の現状はどうか、またその対策は行っているのか、伺いたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  本市におきましても、自治・町内会の役員の高齢化、後継者不足による固定化等に苦慮している自治・町内会が多いことは、さまざまな場面を通しまして御意見をいただいているところでございます。まずは各自治・町内会が抱える課題やその解決方法等を共有できる環境をつくることが負担軽減の一助になるのではないかと考えてございます。現在市内でも高齢化が顕著に進行してございます郊外型戸建て住宅地の自治・町内会同士の交流会や意見交換会などを開催し、課題の共有を図っているというところでございます。
 
○5番(池田実議員)  恐らく地域で抱える課題というのは共通のものが多いと思います。また同じ鎌倉市内でも、地域によっては高齢化が他の地域よりも進んでいるとか、ひとり暮らしが多いとか、いろいろなパターンがあるかと思いますが、地域コミュニティー相互で課題を共有して、みずからの力で課題解決をチャレンジしていくということが本来の形であるとは思っております。今、意見交換会等を進めるという話がございましたけれども、非常によい取り組みだと思いますので、ぜひ積極的に今後も進めていただきたいと思います。
 ただ、解決できない場合、行政の支援が必要なケースもあるかと思います。そこでどのような支援、仕掛けが必要かを行政として見きわめていく必要があるのではないかと考えております。
 そこで次に、地域コミュニティーの果たす役割は、安全・安心、災害対策、子育て、介護など、ますます多様化していると考えておりますが、地域格差はあるにしても、現状のコミュニティーで本当に対応できると考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  各自治・町内会には日ごろから高齢者や子供の見守り活動、防災、防犯活動など、さまざまな地域の課題に対処し、地域の皆さんが安心して暮らすことのできる地域コミュニティーづくりの担い手として御尽力いただいているところでございます。しかし、それを支えてきました自治・町内会は、活動の担い手が不足しているといった課題もございます。一方で、地域には専門知識を有する市民活動団体などもいることから、その方々と自治・町内会をつなげる仕組みづくりを行うことが今後の地域コミュニティーを進める上で必要であると考えてございます。
 
○5番(池田実議員)  地域で抱える課題につきましては、少子化、高齢化の進展とともに年々増加していると思います。特に単身の高齢者の増加による孤独死の防止、あるいは認知症住民の徘回の生活の見守り、あるいは子供の安全、最近では空き家、空き地の管理など、さまざまな課題が地域に課せられてきております。これらが地域で本当に担えるのか。しっかりと現実に向き合っていく必要があると考えております。
 市民活動団体等の連携につきましては後に触れていきますが、地域の人材を有効な資源として考えれば、まだまだ地域のためになる人材資源の可能性は残っていると、そういうふうに考えております。
 次に、地域における役割の多様化とともに、一人の役員が、町内会であったり自主防災組織であったり地域福祉の担い手であったりと、かけ持ちで行っているケースも多く見られますが、住民の過剰な負担に対して市はどのように考えているのか。特に平常時はともかく非常時においては困難を伴うのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  自治・町内会の役員の高齢化、後継者不足など、また多様化する地域課題により、役員の方々への負担が増加しているという御指摘はそのとおりだと認識してございます。非常時には行政が十分な対応ができないということも想定されますことから、自治・町内会など地域の皆様に御協力をお願いしなければならないこともあると考えてございます。そのためにも、若い世代の地域活動への参加、地域の市民活動団体等との交流、連携を通しまして、自治・町内会等の機能を維持、強化していただくことが必要であると考えてございます。
 
○5番(池田実議員)  少し話は変わりますが、私が職員のころは、町内会、自治会への負担を最小限にしなければならないと、配布物を極力制限するようにしていたと記憶しております。恐らくその考え方は変わっていないのではないかと思っております。今回のテーマの中心となるのがまさにこの町内会、自治会への負担と担い手不足の課題です。
 ここで、名古屋大学名誉教授の中田実氏が書かれた「町内会・自治会の特質と現代的課題」という論文の中に、現代の様子がわかりやすく書かれておりますので、少し御紹介させていただきたいと思います。災害も高齢者介護も先のことと思いたい地域住民にとって、町内会、自治会の存在は影が薄く、マイカーとコンビニとSNSがあれば隣人とのつき合いは不要と思われることも多いのが現状です。その背景には、日々の仕事や生活に追われる中で、今、地域がどうなっているのかの情報もなく、直接関係のあること以外はなるべくかかわりたくないし、かかわる余裕もないという住民生活の姿があります。そのために、こうした住民で組織される町内会、自治会は、組織の加入率の低下や役員のなり手がいないという組織存続の条件を欠く事態に追い込まれようとしています。人口減少に転じた社会の構造変換がここにはあり、地域も自治体もこのような変化に対し、もしもの非常時に備えていかなければならないと、そういうふうに考えております。
 ここで次の質問に移りますが、持続可能なまちづくりをしていくためには、従来どおりの町内会、自治会の組織運営では難しくなってくるのではないかと考えますが、今後の方策について伺いたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  地域の課題を考え解決していくためには、既存の自治・町内会だけではなく、市民活動団体、学校、企業を初めとする、地域で活動するさまざまな団体が協力、連携していくことが必要であると考えております。そのためには、自治・町内会以外の多様な主体が集まり、それぞれの特性を生かしながら連携していく必要があると考えてございまして、今後、大船地域づくり会議などの参考事例を自治・町内会の会議などを通じて他地域に展開できるよう、情報提供をしていきたいと考えてございます。
 
○5番(池田実議員)  町内会、自治会以外にも地域にさまざまなコミュニティーが存在しております。地域課題を解決する一つの方法として、地域における多様な人材に目を向けることも大切なことと考えております。
 そこで質問いたしますが、地域コミュニティーにおける多様な人材、資源の活用という視点から、例えば地域に存在するNPOと町内会、自治会との協働が重要な視点かと思いますが、その現状と市の考え方について伺っていきたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  地域に存在します市民活動団体と自治・町内会との協働の事例は多くは見受けられないのは現状でございます。特定の目的を達成するために組織された市民活動団体は、活動内容や資金面において柔軟性があり、自治・町内会の役員の負担軽減や持続的な活動支援の観点から、市民活動団体との協働は地域コミュニティーの推進にとっては欠かせないものと考えてございます。
 具体的には、町内会とNPOが連携してまちづくりを進めております今泉台町内会の取り組みなどを参考にして、他の地域にも展開していきたいと考えてございます。
 
○5番(池田実議員)  地域に存在する市民活動団体と町内会と自治会との協働は、これからの地域のあり方として非常に重要な形であると考えております。さまざまな地域団体やNPOだけでなく、地域の企業や学校、福祉施設などが相互協力体制を築いていくことが大切なことではないかと考えております。しかし、現実にはそれがなかなか進んでいないことが課題であり、そこには町内会、自治会に対する理解の違いや、それぞれの団体の歴史的経緯の違いもあり、組織間の接点がなかなか見出せないのではないかと考えます。この両者とのつながりを持っているのは行政だけであり、この連携を進める役割がやはり行政にあるのではないかと考えております。
 次に、昨年6月定例会で提案しました施策について、その後の成果について伺ってまいります。
 地域コミュニティー活性化のためにはキーマンとなる人材が必要であり、例えば地域に住む行政職員や行政経験のあるOBなどが調整役を担い地域づくりに貢献していくという施策については、研究していくという御答弁をいただいておりますが、その後の研究成果について伺いたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  地域に住みます行政職員や行政経験のあるOBなどが、地域との調整役等を担い、キーマンとなって地域づくりに貢献していくことは、職員と地域のつながりや信頼関係ができることから、地域コミュニティーの活性化には効果的であると考えてございます。現在、OBの活用には至っておりませんけれども、昨年から職員研修の一つとして、市民活動団体の活動場所へ行きまして、市民と一緒に活動し、肌で感じてもらう取り組みを行っているところでございます。今後もこの研修を拡大するとともに、御指摘のOBの活用を含め、先進事例を引き続き研究していきたいと考えてございます。
 
○5番(池田実議員)  先ほどの地域団体に出向いていく、それは非常によい取り組みではないかと思います。地域に住む行政職員や行政経験のあるOBの活用につきましては、地域課題解決の一助となる施策と考えますので、引き続きの検討をお願いしたいと思います。
 次に、昨年6月定例会でも提案いたしましたが、職員課と連携し、研修の一環として町内会活動に参加するような機会をつくることはできないか、伺いたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  地域コミュニティーを活性化させるためには、職員がみずから地域づくりを実践することが必要であると考えてございます。昨年度から職員課と連携しまして、職員が市民活動団体の活動に参加する研修を実施しておりますので、さらに町内会の活動に参加する研修につきましても、今後、職員課と協議をしてまいりたいと考えてございます。
 
○5番(池田実議員)  既に近隣市などでも先進事例があると聞いております。職員がより深く地域活動を理解するよいきっかけになると考えておりますので、ぜひ前向きな検討をお願いしたいと思います。
 次に、大船地域づくり会議について伺います。これからの本市のコミュニティーのあり方を考えていく上で、大船地域づくり会議のモデル事業は大変重要な施策であると考えております。新たなコミュニティーの形をつくっていくことはそう簡単なことではないことは承知しておりますが、ますます加速する人口減少、さらなる高齢化社会を迎えるに当たっては、地域だけでの解決は難しい課題であり、社会構造に合う仕掛けを行政が地域とともに考えていく必要があるのではないかと改めて感じております。
 そこで、昨年6月の質問で、大船地域づくり会議での課題をどのように捉えているかの質問に対しまして、住環境や日常のコミュニティーの成熟度が異なる大船地域を、一つのコミュニティーとして構成メンバーで共有できる地域課題や将来ビジョンをつくり上げていくということに苦慮していると答弁されております。これに対しまして、まちづくりに関する専門家やファシリテーターのような人材が地域に入っていく必要があり、そのような人的支援について検討しているとしていますが、その後の人的支援は行ったのでしょうか。また、どのようにその課題解決を図ってきたのか、伺いたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  平成27年度の大船地域づくり会議の取り組みといたしましては、地域課題を解決するため、高齢化社会のまちづくりの専門家や防災関係の専門家を招きまして、講演や意見交換を行ったところでございます。
 具体的な取り組みといたしましては、地域の共通課題であります防災を切り口としまして、避難所運営マニュアル素案の作成を行い、現在は各小学校の実情に合ったマニュアルづくりに取り組んでいるというところでございます。
 
○5番(池田実議員)  地域課題解決のために専門家のお話を聞くというのは非常に有効だと考えます。ぜひ引き続きお願いしたいと思います。
 また、防災という切り口には、地域が一体となる可能性の高い課題であり、非常に有効だと思います。この点もぜひ取り組みを進めていただきたいと思っております。
 次に、やはり昨年の6月定例会でお聞きした課題ですが、地域コミュニティーの範囲については、例えば小学校区のように地域ビジョンを共有しやすい区域で、自律的に活動できる地域会議を支援し、さまざまな団体が連携をとり、みずからの力で地域課題を解決していくということができるコミュニティーの構築を目指していきたいとの答弁がございましたが、その後の検討状況について伺いたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  大船地域づくり会議につきましては、住環境や日常のコミュニティーの異なる大船地域を一つのコミュニティーエリアとしていることから、共通の地域課題の整理に苦慮してきたところでございます。このような中、平成27年度に地域の共通課題である防災をテーマに活動し、平成28年度は各小学校の避難所運営マニュアルづくりを進めているところでございますけれども、多様な主体が連携し、それぞれの特色を生かして、みずからの力で地域課題を解決するまでには至っていない状況でございます。
 大船地域づくり会議につきましては、今後も引き続き支援する必要があると考えておりまして、新たな地域課題に取り組みながら、みずからの力で地域課題を解決していくことができるコミュニティーの構築を目指していきたいと思います。
 
○5番(池田実議員)  まだまだ道半ばということだと思いますけれども、顔の見えるコミュニティーにはやはり一定の範囲があると思います。また、地域によりコミュニティー課題もさまざまであると思いますので、地域に合ったコミュニティーの推進の仕方、そういったものが大切ではないかと思います。
 次に、実施計画に関連して伺います。前期実施計画では平成28年度は小学校区などでの地域づくり支援を重点事業としておりますが、地域コミュニティー推進事業の推進状況と、今後どのように進めていこうと考えているのか伺います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  小学校区などの地域づくり支援につきましては、今泉台の取り組みを参考にいたしまして、当面、郊外型分譲地における交流会や意見交換会の開催などを通じて、地域が抱える課題やノウハウを共有する取り組みを進めております。その後、地域ビジョンが共有しやすい小学校など、各分譲地の周りの地域を巻き込みながら、各地域での地域コミュニティーを確立していくことで、他の地域での展開を進めていきたいと考えてございます。
 大船地域づくり会議につきましては、引き続き支援を行いながら、小学校区のような区域で、円滑かつ自立した運営手法についても検討を進めていく必要があるものと考えております。
 
○5番(池田実議員)  大船地域づくり会議を実施計画で進めてきたことは、非常に意義があったことだと私は考えております。
 最初にも申し上げましたが、地域コミュニティーは町を形成する中心的なものであり、時代とともに変化する多様な地域課題解決のためには、歩みが遅くても継続して取り組まなければならない課題だと認識しております。ぜひ次期実施計画におきましても着実な推進をお願いしたいと思います。
 次に、今泉台の取り組みについて伺います。鎌倉の特殊性を考えたこの取り組みにつきましては、非常に先進的であり、新しい地域コミュニティーの形として期待しているところですが、その後の取り組みについて、昨年6月の質問を踏まえまして2点ほど伺いたいと思います。
 まず、昨年の6月定例会では、今泉台の取り組みの課題として、住民の方々が主体となる持続可能なまちづくりを展開していくために必要となる担い手の確保、活動資金の確保については、既存組織では難しく、高度化、専門化していく地域課題に継続的に対応していくためには、新たな組織づくり、仕組みづくりが課題であると答弁されましたが、その後の課題解決へ向けての対応について伺います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  今泉台の取り組みでは、地域コミュニティーの核となる今泉台町内会の役員の高齢化、あるいは役員任期の短さが課題となっていたため、役員に若年層を取り込むルールや役員任期の改正、また役員OBで構成されますまちづくり組織を設けるなどの工夫によって、持続可能なコミュニティーづくりに取り組んでいるところでございます。
 また、市といたしましては、高度化、専門化した地域課題に対しましては、専門化やアドバイザーを派遣する制度を設けまして支援していく体制を整えているというところでございます。
 
○5番(池田実議員)  今泉台は高齢化が著しいという大きな課題を抱えている地域だと認識しております。いつまでも安心して暮らしていける持続可能なまちづくりのためには、継続した取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、今泉台の取り組みの今後の方向性として、市内に数多く存在する郊外型分譲地のまちづくりのモデルを構築するために取り組んできたとの答弁をいただきましたが、その後、ここで得たノウハウの他の分譲地への展開、検討は進んだのか、その進捗状況について伺いたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  平成27年度から各自治・町内会の課題解決のため、今泉台を含めた郊外型分譲地の交流会を実施いたしまして、課題解決のための取り組みやノウハウを共有する機会を設けてございます。今泉台の取り組みは、分譲地における自律的な地域運営のモデルケースであることから、引き続き後方支援するとともに、他の分譲地への展開が図れるよう、交流会や意見交換会などを開催していきたいと考えてございます。
 平成28年度は地域資源をテーマに交流会を開催いたしまして、六つの分譲地の役員が参加し、活発な議論が行われていたところでございます。今年度は各地域に専門家やアドバイザーを派遣する制度を設けており、積極的に地域での議論を進め、機運を高めるように働きかけていきたいと考えてございます。
 
○5番(池田実議員)  今泉台と同じように課題を抱えている他の地域への普及、これは非常に有効な施策であると考えます。ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
 ここまで地域コミュニティーの推進について質問してまいりましたが、時代の移り変わりとともにコミュニティーのあり方が大きく変わってきていることは確かです。しかし、近年多発する自然災害を見るにつけ、非常時には行政のできる対応には限界があり、やはり地域の中で日ごろから顔の見える関係を築き、助け合えるコミュニティーを築いておく必要があるのだなということをつくづく感じているところです。そのためには平常時に行政が手助けして、良好な地域コミュニティーづくりを地域とともに進めていく必要があるのではないかと考えております。
 以上、コミュニティーについての御質問をさせていただきました。よろしくお願いいたします。
 続きまして、2番目の大きな質問に移りたいと思います。深沢地域整備事業を中心とした深沢のまちづくりについてを質問してまいります。
 深沢地域のまちづくりにつきましては、2期目に入りまして、毎年質問させていただいております。今回で4回目の一般質問になります。事業の進捗に合わせてさまざまな課題について質問してまいりましたが、今回は、次期実施計画へどのような形で引き継いでいくのか、非常に重要な時期であると考え、質問させていただくことにしました。
 第3次鎌倉市総合計画、第3期基本計画では、深沢地域国鉄跡地周辺整備について、主な取り組みとして、深沢地域国鉄跡地周辺では、鎌倉駅周辺、大船駅周辺と並ぶ第3の新しい拠点の創造を目指し、少子高齢化社会への対応を初めとした、多様な都市機能の導入を図りながら都市拠点の実現に努めますと記されております。
 深沢地域国鉄跡地はまさに本市で、今、一番の課題と言える少子高齢化への対応を初めとした、多様な都市機能の導入を図るための市内における最大の適地であり、市民にとっても可能性に満ちた期待の事業地でもあります。前期実施計画策定当初の計画では、平成26年度から3カ年の事業内容として、平成26年度に土地利用計画案をもとに都市計画決定、平成27年度には事業計画認可、民間等事業者の選定及び仮換地指定手続を行い、平成28年度には事業に着手し、事業区域内の一部の整地を行うとしております。
 前期実施計画で示された計画を見る限りでは、市民にとっても西側の住民にとっても先の見える計画であったと言えます。しかしながら、都市計画決定が間近に迫る時期に新焼却施設の候補地として選定されたことや、地元市民団体の陳情が採択されたことなどによって、事業が先延ばしとなり、その後、都市区画整理事業の再構築が行われ、遅まきながらようやく軌道に乗りつつあるのかなと今感じているところです。
 平成16年9月に深沢地域の新しいまちづくり基本計画ができて早12年が過ぎようとしております。更地になった事業地を見るたびに、もうこれ以上おくらせることはできないという思いで今回の質問をさせていただきたいと思います。
 まずお聞きしたいのは、さまざまな要因はあることは承知しておりますが、平成25年度に都市計画決定の手続を開始して、法的な手続をきちんと進めながらも、結果的に事業がおくれてしまった原因はどこにあるのか、その判断はどのようにされたのか、改めてお伺いいたします。
 
○松尾崇 市長  今御説明をいただきましたけれども、平成25年11月より都市計画決定の手続を開始しましたが、平成26年1月に開催した公聴会で御意見をいただいたこと、また本事業の市有地が新ごみ焼却施設の四つの候補地の一つとなったこと、さらには平成26年12月定例会において地元のまちづくり団体から陳情が採択されたことから、それらへの対応や見きわめが必要となり、事業がおくれてきたものです。
 
○5番(池田実議員)  前期実施計画の実施事業についての説明を読みますと、基本計画に掲げる各施策と事業との関連性を明確にし、市が行う全ての事業、市民生活に直接影響のある事業を、基本計画を推進するための実施事業と位置づけ、その概要を示しています。と書かれており、さらに重点事業については、実施事業のうち第3期基本計画において計画期間内に優先的に取り組むこととした安全な生活の基盤づくりにつながる事業と、それ以外で重点的に推進する事業との二つに分けています。深沢地域整備事業につきましては、後段の重点的に推進する事業に当たると思われますが、そこには重点的に推進し、工程に沿って着実に進捗させなければならない事業を重点事業としました。としています。
 私がここで言いたいのは、実施計画事業のうち、重点事業として市長が決定した事業がそんなに簡単に修正されていいのかという点です。確かにさまざまな状況変化や要因があるにしても、予算の裏づけまでして、3年間という期間の年度計画まで明確にした重点事業を、市民としてどのように受けとめればいいのか。あくまでも計画であるということで理解できるのか。疑問が残るところです。
 ここでお聞きしたいのは、実施事業とは何か、重点事業とは何かを明確にお答えいただきたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  ただいま御説明いただきましたように、前期実施計画では、第3期基本計画において計画期間内に優先的に取り組むこととした安全な生活の基盤づくりにつながる事業を初め、計画期間内に重点を置き、着実に推進する事業を重点事業と位置づけ、3年間の事業工程や予算を示しております。これ以外の事業につきましては、全て実施事業という位置づけで計画に位置づけているところでございます。
 重点事業と位置づけたものの中でも、計画策定時に想定しなかった事象、例えば入札不調であったり事業の延伸など、こういったものが生じた事業ですとか、重点事業の目的を達成するために新たに工程を追加せざるを得ない事業、例えば政策決定ですとか法整備に伴う工程変更をせざるを得ないもの、計画や工程を変更せざるを得ないという形になるものも幾つか存在してございます。
 
○5番(池田実議員)  今お答えいただきましたけれども、着実に推進する事業が重点事業ということで、また、市の根幹的な計画と言えるのが実施計画であり、まさに今課題となっている施策や事業を重点的に行わなければならないものが重点事業に当たると私はずっと理解してまいりました。
 その中で、もう一度市長にお聞きしますが、平成25年5月に鎌倉市深沢地区まちづくりガイドライン案が提言され、この時点で平成22年9月に策定された土地利用計画案の空間的なイメージがようやくでき上がり、平成25年11月には都市計画決定手続を開始しております。平成26年1月には公聴会を行い、平成26年6月には都市計画決定されると思っていたやさきに、都市計画決定手続を見合わせるという決断がされました。
 しかし、ここで問題なのが、第3期基本計画、前期実施計画を平成26年4月に定め、この計画で行くということを決断されたのは市長だと思いますが、そのやさきに、4月に計画を発表して、6月にはこの実施計画、重点事業が計画どおりには進まないこととなったわけであります。
 総合計画、基本計画、実施計画は市の根幹的な計画であり、市民にとっても重要な指針となる計画であると考えます。この計画ができた途端に変わってしまうというのはどういうことなのか。この計画の変更で一番被害を受けているのは、計画地の西側に住んでいる住民の方々ではないかと思います。高齢化が進み、家屋を修繕したくても将来的な移転があるので我慢している世帯もあります。計画に好意的だった住民の方々が、最近では行政に対する不信感に変わろうとしております。これが現実だということをしっかり理解していただきたいと思います。
 そこで、まさに後期実施計画を策定されている最中かと思いますが、後期実施計画の策定に当たっては、西側の住民の方々の思いを裏切ることのないような、先の見える計画を策定していただきたいと思っておりますが、市長の御答弁をお願いいたします。
 
○松尾崇 市長  実施計画につきましても、計画期間内に着実に推進する事業として、事業工程や予算を明らかにしているものでございます。議員御指摘のとおり、後期実施計画につきましては、今後さらに財政状況が厳しくなることが想定される中での計画でありまして、真に市民生活に必要で、かつ着実に推進することができる事業を選択して、計画を策定してまいりたいと考えております。
 
○5番(池田実議員)  ぜひ実施計画に、地元の住民の方の気持ちを裏切ることのないような計画、目に見える、先の見える計画にぜひしていただきたいという思いは変わりません。
 さて、ここで事業の現状についてこれから伺ってまいります。
 深沢地域整備事業の現状についてですが、前期実施計画からはかなり事業がおくれながらも、担当の職員の方々の動きを見ると、今、一生懸命に事業を前に進めようとしている。その努力は理解しているところですが、そこで、今年度実施予定の事業を含め、事業全体の進捗状況について伺います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  深沢地域整備事業につきましては、新ごみ焼却施設の候補地選定、陳情採択等によりまして、約2年ほどおくれが生じておりますが、昨年度実施いたしました深沢地域整備事業のまちづくり意見交換会などを経まして、修正土地利用計画素案をまとめ、平成28年6月30日から7月29日までパブリックコメントを、また8月1日から8月10日まで民間事業者などを対象としましたサウンディング調査を実施したところでございます。現在、パブリックコメント、サウンディング調査でいただきました意見を踏まえまして、9月末までの修正土地利用計画案策定に向けまして取りまとめを行っており、策定後は交通管理者などの関係機関との協議を行うこととしてございます。
 
○5番(池田実議員)  9月末までに一応素案を案に固めていくということだと思います。
 次に、今回修正した修正土地利用計画素案は、平成22年9月に策定しました土地利用計画案と比べまして、主にどのような視点で見直しを行ってきたのか、またその主な修正点をお聞きしたいと思います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  今回、修正に当たりましては、まちづくりのテーマであります「ウェルネス」や、平成22年9月に策定いたしました土地利用計画案のコンセプト、「健康生活拠点・深沢」がわかりにくいといった御意見などを地元のまちづくり団体などからいただいております。そこで、これらの点をよりわかりやすくするといった視点で、ウェルネスを掘り下げまして、新たに六つの構成、コンセプトを導き出し、土地利用方針の見直しを行ったところでございます。また、主な修正点といたしましては、行政施設街区を集約化することで、総合体育館や公園などの一体利用を可能とするとともに、災害時の防災機能の拠点化を図ること、また湘南深沢駅前の交通広場を駅利用者の利便性に考慮しまして駅前に移動するなど、修正をしております。
 
○5番(池田実議員)  市民からは、わかりにくいという、そういった意見があったということで、今回修正された土地利用計画素案は、コンセプトも含め、土地利用の前回のものと比べまして、より精査された案になったと私は感じております。この点につきましては評価できると思います。特に行政施設街区の集約化やコンセプトの明確化などにより、よりわかりやすい計画、素案になったと感じております。
 次に、この6月28日から7月29日まで修正土地利用計画素案に対するパブリックコメントを実施したかと思いますが、パブリックコメントでは何件意見があり、主な意見はどのようなものだったのか、伺いたいと思います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  パブリックコメントを行いました結果、989件の意見をいただいております。主な意見といたしましては、コンセプトの関するものもいただいておりますが、総合体育館、グラウンドなどのスポーツ施設に関するものが大半でございました。
 なお、意見の詳細及び意見に対します市の考え方につきましては、修正土地利用計画案に合わせて公表してまいる予定としております。
 
○5番(池田実議員)  989件ということで、地域の中で私が聞く声は、やはりグラウンドや体育館がどうなるのか、規模は、正式なトラックができるのか、現在のような多目的な活用ができるのか、などスポーツ施設に関する声が非常に多かったように私も感じております。
 次に、修正土地利用計画素案に対するパブリックコメントの実施に合わせまして、西側地区権利者やJRへの説明は行ったのか。また、その際の反応はどうだったのか、その点についてお伺いしたいと思います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  西側地区権利者へは、平成28年7月3日に開催しました第29回深沢地区まちづくり検討部会全体会におきまして、修正土地利用計画素案の説明を行い、JR東日本へも平成28年6月20日に説明を行ったところでございます。西側地区権利者並びにJR東日本ともに、修正土地利用計画素案に反対の意見はいただきませんでしたが、西側地区権利者からは、今後のスケジュール、早期の事業実施、権利者街区の先行着手といった意見をいただいております。またJR東日本からは、変更しました湘南深沢駅の交通広場の形状につきまして、住宅街区が不成形になるため形状を変更したほうがよいのでは、といった意見をいただいております。
 
○5番(池田実議員)  西側の権利者の方々の意向というのは、とにかく早く将来の見える計画にしてほしいと、事業を前に進めてほしいということではないかと捉えております。この点を踏まえまして、西側地区権利者の先行換地、権利者街区の先行着手ですか、そういったことを検討すべきではないかと考えますが、お考えを伺いたいと思います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  西側地区権利者の方々からは、スケジュールの遅延から先行して換地ができないかといった要望はこれまでもいただいております。しかし、先行して換地し移転を開始するためには、道路やライフラインの整備を完了することが必要となります。このようなことから、早期に装備ができるよう施工手順や工事展開などを工夫しながら検討する必要があると考えております。
 
○5番(池田実議員)  都市計画決定が早くされなければ換地もできませんので、都市計画決定までの時間をできる限り圧縮できるような、一生懸命、その辺、努力をお願いしたいと思います。
 次に、6月上旬ですか、深沢中央商店会から深沢地域整備事業についての要望書が提出されたと聞いておりますが、その概要と市の考え方をお伺いしたいと思います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  JR用地が更地になったため、深沢地区のにぎわいを早く取り戻したいなどとした要望書が6月に深沢中央商店会から提出されております。要望は10項目ありまして、主に早期実施の要望となっている一方、ショッピングモールや大型スーパーを建設しないでもらいたい、店舗建設であれば小規模店舗で、既存店舗と競合しないものを建設誘致してもらいたい、といった要望もいただいております。市といたしましては、同商店会と情報共有を図りながら、今後、御意向などを伺う中で、対応について検討してまいりたいと考えております。
 
○5番(池田実議員)  私も商店街の方からお話を伺いましたが、JRの官舎がなくなって以来、人の流れが少なく、商売にはかなり影響が出ているとのことであり、まずは早く事業を進めてほしいと、にぎわいを取り戻してほしいということが一番の要望であるように受けとめました。
 次に、パブリックコメントと同時期に、修正土地利用計画素案及び町の魅力を高めるための導入施設機能について、民間事業者の皆様から御意見をいただくサウンディング調査を行ったかと思いますが、その状況はどうだったのかお伺いいたします。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  サウンディング調査でございますが、修正土地利用計画素案及び町の魅力を高めるための導入機能施設につきまして、民間事業者の意向把握などを目的に公募を行いまして、平成28年8月1日から8月10日の間、ディベロッパー、ゼネコン、コンサルタントなどの業種24社と対話形式で調査を行ったところでございます。民間事業者からは土地利用の配置や規模などはおおむね妥当であるとの意見をいただいており、あわせて、町の魅力を高めるための導入施設や機能につきまして、行政施設街区と連携したスポーツ施設の導入や高齢者向け住宅の導入が考えられること、さらには、町の魅力を高め各施設が連携を図るためには、エリアマネジメントを行っていく必要であるとの意見もいただいたところでございます。
 
○5番(池田実議員)  町の魅力を高めるためには施設の連携を図ることは大切なことだと思います。そのためには、エリアマネジメントができるような体制なのか、企業なのか、そのあたりがポイントになってくると考えます。
 次に、村岡新駅につきまして何点か伺いたいと思います。
 新駅につきましては、かつては藤沢、大船間の距離が短いためJRも積極的ではなかったと聞いておりますが、東日本大震災以降、まちづくりに対して積極的になってきたとも聞いております。今回の深沢地域整備事業におきましては、この新駅がまちづくりの重要なキーポイントになると考えております。
 町自体の広がり、藤沢市との広域的なつながり、町のポテンシャルアップ、環境負荷や超高齢化社会に対応した公共交通を中心とした交通戦略など、駅のある、なしでは、町の魅力が大きく左右されます。さらに町の魅力が上がることによって、土地の価値も大きく変化し、その結果、保留地処分の際の事業費にも大きく影響してくることになると考えます。
 ここで、昨年度、湘南地区整備連絡協議会で、村岡新駅工事コスト縮減の検討が行われ、先日、工事費が公表されました。結果的に概算工事費が上昇してしまったわけでございますけれども、その要因は何か、そのあたりについて教えていただきたいと思います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  検討の結果では、駅利用客数を見直しまして、ホーム幅や駅務室の規模を縮小することによりコスト縮減は図られますが、一方で、JR東日本に工事施工を委託する際に発生します管理費、地盤改良に要します費用、電気設備工事に伴いますケーブル等の移設、建設費の高騰の大きく4点が概算工事費の上昇の要因となっております。
 なお、これらの工事費につきましては、現時点におけます諸条件をもとに算出したものでございまして、今後、事業実施に当たりましては、改めて詳細な調査を実施することになるものと考えております。
 
○5番(池田実議員)  平成22年度の調査では、相対式99億円、島式が109億円で、今回の調査では155億から159億円ですから、約50億円ぐらい上昇してしまったということになるかと思います。縮減する予定が、かなり逆にふえてしまったということで、今後の事業全体への影響が心配になるところであります。
 次に、村岡新駅については、これまで県、藤沢市、鎌倉市の三者で費用負担の協議を行ってきたかと思いますが、費用負担割合は決定したのでしょうか。まずこの点について伺いたいと思います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  平成27年度に神奈川県、藤沢市、鎌倉市で構成いたします(仮称)村岡新駅の実現に向けた検討会を設置いたしまして、新駅の費用負担にかかわる協議を行ってまいりましたが、合意には至っていない状況でございます。平成28年度につきましても、引き続き協議を進めていくこととしてございます。
 
○5番(池田実議員)  なかなか思うように進んでいないということでしょうか。
 次に、費用負担割合が決定しないということで今お話がございましたけれども、深沢地域整備事業の実現には村岡新駅が必要と私は考えております。そもそも市長としてはどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
 
○松尾崇 市長  新駅ですけれども、深沢の事業にとりましては、ポテンシャル向上に寄与するものと考えておりますけれども、新駅負担につきましては、本市の抱える事業全体のバランスを見据えつつ、(仮称)村岡新駅の実現に向けた検討会での検討を踏まえて、慎重に判断してまいりたいと考えています。
 
○5番(池田実議員)  私はとにかく市長の決断が今必要ではないかと考えております。新駅の話が進まないと、整備事業自体がおくれるというのは避けなければならないと考えております。しかし、費用負担が決まらない段階でも、第三の拠点としての役割を果たすために必要な新駅をつくるという決断をして、方向性を明確にしていくべき時期に来ているのではないかと、そういうふうに考えております。
 次に、概算工事費用をトータルしますと、平成22年度当時に比較して工事費が1.5倍となっております。費用負担割合は決まっていないものの、区画整理事業に村岡新駅の負担を加えると、事業費は膨らむことになりますが、その場合、区画整理事業費の全体事業費はどのくらいになるのか、わかる範囲で教えていただきたいと思います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  平成22年9月に策定しました土地利用計画案では、区画整理事業の総事業費はおおむね138億円となっております。昨今の工事費等の高騰を踏まえまして、事業区域を縮小することで整備コストの見直しを図りましたが、1割程度上昇するものと考えております。また、駅工事費が上昇することによりまして、本市の負担額は増すことになり、あわせて国庫補助金が東日本大震災の復興など重点事業への重点配分されておりますことから、公共団体施工の区画整理事業への国庫補助充当率が大幅に低下しておりまして、その分を保留処分金や市単独費で賄わなければならず、事業を進めていく上で厳しい状況となっております。
 
○5番(池田実議員)  国庫補助の充当率が低下しているということで、東日本大震災の復興へ国庫補助金が充てられているため、区画整理事業への国庫補助金の充当率が下がってくるということですが、そのような中で本当に区画整理事業を進めていくことができるのか、この点について伺いたいと思います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  国庫補助金の充当率の低下は本事業の推進にも多大な影響を及ぼすと考えておりまして、充当率を上げる工夫をしていく必要があると考えております。このような中、国土交通省や神奈川県から、新駅を前提とした村岡地区と深沢地区の2地区一帯の広域のまちづくりが展開できるのであれば、国庫補助金の重点配分となるのではとの見解が示されておりまして、広域のまちづくりにつきましても検討を進めていく必要があると考えております。
 
○5番(池田実議員)  方法として、補助金の充当率を上げる工夫と、もう一つは広域化のまちづくりによる補助金の重点配分の検討、そういったものを行うということですが、市の財政負担を考えますと、区画整理事業に係る国庫補助金の充当率を上昇させることも重要と考えますが、さらに村岡新駅整備に対しても同様に国庫補助金の導入を検討する必要があるのではないでしょうか。この点について伺います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  神奈川県、藤沢市、鎌倉市で構成します湘南地区整備連絡協議会におきまして、新駅への国庫補助金の導入を図るため、村岡・深沢地区総合交通戦略を検討し、平成28年3月に取りまとめを行ったところでございます。今後、新駅につきましては、総合交通戦略をもとに国に対して国庫補助金の導入を働きかけていく必要があると考えております。
 
○5番(池田実議員)  ぜひ積極的に国に働きかけていただきたいと思いますが、ここで、国土交通省御出身の小林副市長にお聞きしますが、このようなケースにおきまして、国から国庫補助を持ってくる手だてというのは何かあるのでしょうか、伺いたいと思います。
 
○小林昭 副市長  深沢地域整備事業で補助を得ようとしております社会資本整備総合交付金は、各自治体からの要望も多いために、国費の枠が大変厳しいものになっているというような状況でございますけれども、広域連携など、国の予算配分方針に合致している事業には重点配分がされ、充当率も高くなるというようなことを踏まえまして、国の重点配分方針に合致した計画を構築していく必要があろうかということで考えております。
 
○5番(池田実議員)  国の補助が持ってこられるように、ぜひその辺、御尽力をお願いしたいと思います。
 次に、区画整理事業の実施方法ですが、これまで民間活力を活用した市施行、包括委託方式で進めると聞いておりましたが、その後の検討状況についてお伺いいたします。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  包括委託の検討でございますが、平成27年度に民間活力を活用した事業手法としまして、市施行におけます包括委託方式の事業スキームについて検討を行ったところでございます。その結果、包括委託方式の導入の可能性はあるものの、新駅が前提であること、保留地の処分価格や処分時期が事業者の参画意欲に大きく影響を与えますことから、今後事業スキームについてのサウンディング調査を実施し、確度を高めていく必要があると考えております。
 
○5番(池田実議員)  県内で言いますと、相模原市で何か区画整理事業、30ヘクタールにつきまして、民間業者に包括委託業務をということでの告示があり、その後決定したと、そういった情報も見ております。ぜひそういった方式を参考にしながら、今後この検討を進めていただければと思います。
 次に、区画整理事業もさることながら、新たに導入しようとする公共施設の整備事業を考えますと、深沢地域整備事業が進まなくなるとも感じますが、後期実施計画はどのように進めていこうと考えているのか、伺いたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  御指摘のとおり深沢地域整備事業は、区画整理事業に加えまして導入する公共施設の建設コストも考慮することが必要で、現在策定中の後期実施計画において、整備に必要となる財政負担と今後の財政見通しを踏まえ、事業スケジュールの検討を行っているところです。
 深沢地域整備事業の推進に当たりましては、本市の抱える事業全体とのバランス、また導入します公共施設も含めた長期的な財政負担を見据えて、本市の財政状況にあった事業スケジュールを組み立てていきたいと考えております。
 
○5番(池田実議員)  財政事情、非常に重要であると思いますけれども、将来的な投資という考え方から、ぜひ積極的な計画、その辺を推進、後期実施計画、そのようなものをお願いしたいと、そういうふうに思っております。
 次に、神奈川県警との交通管理者協議というのを実施すると聞いております。現在の進捗状況につきまして、まず伺いたいと思います。
 また、協議にかなり時間を要すると聞いておりますが、全体計画がおくれている中で、協議を短縮するという、そういった手段はないのか、その辺についても伺いたいと思います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  神奈川県警察との交通管理者協議につきましては、修正土地利用計画案を策定してからとなりますので、現時点では協議に入っていないところでございます。前回の交通管理者協議の際は協議に約1年を要しましたことから、今回の協議におきましても、ある程度時間を要すると考えております。こうした状況を踏まえまして、修正土地利用計画案策定に先立ち、時間短縮となるよう、6月定例会において補正予算を御承認いただき、現在、交通管理者協議に向け必要な協議資料の作成を行っているところでございます。
 
○5番(池田実議員)  周辺交通計画というのは非常に重要であると思います。やはり短縮することも重要ですけれども、きちんとその辺はしっかりした資料を作成して、協議を進めていただきたいと思っております。
 次に、市の計画に沿った深沢地域のまちづくりを実現するためには、平成25年度に策定したまちづくりガイドラインを現計画に合わせて策定する必要があると考えていますが、今回の修正土地利用計画案策定後に同様のガイドラインを策定していくのか、またその時期はいつの時点で策定するのか、伺いたいと思います。
 
○樋田浩一 拠点整備部長  平成25年5月に策定しました深沢地区のまちづくりガイドライン案につきましては、修正土地利用計画案の内容に合わせ修正していくこととしております。
 
○5番(池田実議員)  まちづくりガイドラインは目指すべき町の姿の実現、これのために欠かすことのできない重要なものであり、しっかり作成していっていただきたいと思います。
 次に、周辺整備の観点から、JR引き込み線の買収に向けた取り組みについて伺いたいと思います。JR引き込み線の扱いはどうなるのか、過去にも何回か質問してまいりましたが、地域にとっては地域の環境改善のために活用が期待されているところであり、取り組みがどこまで進んでいるのか、その状況をお聞かせいただきたいと思います。
 まず、JR引き込み線の買収に向けた取り組みは現在どこまで進んでいるのか、伺いたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  JR引き込み線跡地は市街地に残された貴重な空間であり、大船地域、深沢地域の抱える課題解決に資する土地であると考えております。この土地の一部は三菱電機鎌倉製作所の工場敷地に囲まれておりますが、三菱電機鎌倉製作所敷地との交換により、課題となっております周辺道路の拡幅整備等が可能になってまいります。このため、これまでJR東日本横浜支社及び三菱電機鎌倉製作所との三者で協議を重ねてきたところ、周辺のまちづくりに向けて相互に協力するという方向性が確認できたことから、用地取得に向けた考え方についての覚書を三者で締結したところでございます。
 
○5番(池田実議員)  かなり現実的に進められてきたと受けとめます。
 その中で、次に、今後の買収に向けた取り組みがどのように進んでいくのか、そのスケジュールについて伺いたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  今年度の今後の取り組みといたしましては、年度内に不動産鑑定を行うとともに、用地取得に向けた諸課題の整理を行うことを予定しております。
 なお、今年度の土地鑑定評価を実施しまして、平成29年度の取得に向け取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 
○5番(池田実議員)  次に、JR引き込み線を活用した周辺のまちづくりにつきまして、3点ほど、提案を含めて、その可能性について伺いたいと思います。
 一つ目は、過去にも取り上げさせていただきましたが、三菱電機南側の道路整備についてですが、平成16年に策定した深沢地域の新しいまちづくり基本計画では、大船西鎌倉線と腰越大船線への接続する補助幹線道路として位置づけられているところですが、現在、東側はセブンイレブンが建設されたことで東西道路の敷設は困難になりましたが、JR引き込み線敷地を活用した形で腰越大船線への接続ができれば、地区の交通環境がかなり改善されると思いますが、その可能性について伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  御指摘のとおり、通学路でもあります三菱電機鎌倉製作所周辺の道路が狭隘であり、地区内の交通環境の改善は喫緊の課題であると我々も認識しております。土地取得後は御提案の方法も含めまして、安全の確保及び交通環境の改善に向けまして、できることから着手してまいりたいと考えております。
 
○5番(池田実議員)  ぜひ検討をお願いしたいと思います。
 次に、今後、大船立体が完成しまして、県道腰越大船線の交通量がふえてくることが想定されますが、その中で、以前より課題となっている鎌倉武道館前の交差点の目違いの是正が、JR引き込み線敷地を活用することによって可能になるのではないかと考えますが、市としてどのような見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  ただいま御指摘がございました鎌倉武道館前の交差点、これにつきましては、手広方面からの直進車線と大船方面からの右折車線が対面する目違いの交差点となっております。当該道路は県道でありますことから、平成28年2月に開催されました神奈川県藤沢土木事務所との意見交換において、目違い是正の改良工事等の要望を行ったところ、神奈川県からは、用地の確保ができるのであれば、その土地の利用計画と調整し検討したい旨の回答を得ているところでございます。このため、本市といたしましては、引き続き、引き込み線跡地を活用した改良を県に要請してまいりたいと考えております。
 
○5番(池田実議員)  私もあそこ、よく通過するときに、非常に目違いによって通行しづらいという経験がございます。その辺について検討をぜひ進めていただきたいと思います。
 次に、JR引き込み線敷地は、その他の活用も含めまして、地域の環境改善、魅力向上につながると私は考えておりますが、市としてどのように考えているのか、全体について伺いたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  JR引き込み線跡地、その活用方法については地域の環境改善、魅力向上に大きく寄与するものと我々も考えております。このため、当該引き込み線用地だけではなく、近接する道路等の公有地も含めまして、周辺の町全体のデザインを考えていくことが必要であると我々も考えております。
 
○5番(池田実議員)  よろしくその辺、検討をお願いしたいと思います。
 次に、深沢地域整備事業に関連しまして、市営住宅の再整備について伺います。
 市営住宅の再整備につきましては、公共施設再編事業の先行事業として平成26年度から前期実施計画に位置づけられ、重点事業として進められてきたかと思いますが、現在の進捗状況と今後のスケジュール等について伺ってまいります。
 今回の深沢地域整備事業の修正土地利用計画素案では、市営深沢住宅の敷地が除かれていますが、公共施設再編計画では市営住宅の集約化を先行事業に位置づけております。平成26年度には国のPFI調査を実施したと思いますが、その内容と現在の検討内容についてお伺いしたいと思います。
 
○伊藤昌裕 都市整備部長  内閣府が実施いたしました平成26年度複数施設集約化及び余剰地の利活用を図る公営住宅等の整備・運営事業に関する調査・検討支援等業務は、PFI手法の導入を前提条件としたもので、本市をモデルケースとして行われました。
 その内容は、11団地642戸の市営住宅のうち、市が所有している7団地547戸から、平成8年に建築されました市営諏訪ヶ谷ハイツを除きました6団地496戸につきまして、土地の評価等を行って、集約化計画の案がつくられたものでございます。
 その結果といたしましては、公営住宅の再整備においては、PFIを初めとした民間手法を積極的に導入していくことが望まれるとされております。この先、平成29年度には、この計画案を踏まえまして、公共施設再編計画に基づく施設再編の基本計画を策定する予定としてございます。
 
○5番(池田実議員)  この国のPFI調査の結果というのを私も見せていただきまして、過去、私、職員時代に住宅の担当を通算で7年ぐらいやらせていただいた経験がございます。そういう中でも、そういう視点でこの報告書を見せていただきましたけれども、非常によく調査され、分析されているなという印象を受けました。貴重な調査結果だと思いますので、しっかり活用して、市営住宅の今後の集約化に進めていただきたいと思っております。
 次に、市営住宅入居者の、最近、高齢化が非常に進んでいると。そういう中で単身高齢者が増加する傾向にもあります。部屋の間取りやニーズが居住の住宅とマッチしないといったミスマッチの問題も起こっております。老朽化した旧式の住宅では対応できない現状がかなり多く出てきていると考えております。この現状を踏まえまして、建てかえ等、早期の対応が必要になってくるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 
○伊藤昌裕 都市整備部長  施設の老朽化や、既に入居している方の経年による家族構成の変化などによりまして、現在の入居者のニーズと提供している住宅の間取り等に差異が生じているということは課題であると認識してございます。先ほど申し上げました平成29年度に施設再編の基本計画を策定していきますので、その中で世帯構成に合わせた居住空間の確保等の対応を検討してまいります。
 
○5番(池田実議員)  今後、市営住宅の集約化を進めていくことになると思いますが、それに当たりまして、新たな市営住宅をつくるということは、必ず一時移転をしなければならないという課題があります。これは非常に入居者にとっても二度の引っ越しをしなければならないと、非常に負担になることだと思います。そういった視点から、未利用地の土地を活用して、まずは建設して順次移転していくということが、一回の引っ越しで済むということで非常に望ましいと考えております。
 現在、本来の役割がほぼ終わっており、また国のPFI調査のモデル地にも第一集約のモデルとして選定されております、深沢クリーンセンターの跡地への建設の可能性についてお考えをお伺いいたします。
 
○伊藤昌裕 都市整備部長  内閣府が実施いたしました、先ほど御紹介した調査では、仮に深沢クリーンセンター跡地を活用した場合ということで検討いたしました。現在、集約するための規模を有します土地といたしまして当該用地が候補として考えられることから、平成29年度の計画策定の中で課題について精査等を行いながら、再編整備の方向を決めていくこととしております。
 
○5番(池田実議員)  本当に住宅は老朽化しておりまして、本当に40年、50年たっている住宅、ぜひそういったことを、集約化、積極的に今後進めていっていただきたいと思います。
 次に、住宅の再整備についての今後のスケジュールについて伺います。
 
○伊藤昌裕 都市整備部長  今後のスケジュールでございます。先ほど申し上げました平成29年度については、PFIの活用も視野においた市営住宅の集約化の基本計画を策定いたしまして、平成30年度には実施方針を策定、そして平成31年度には各種調査、それから実施設計を行い、その後の着工を目指してまいります。
 
○5番(池田実議員)  本年6月定例会の一般質問の中で、私の質問の中で、若者支援の視点から、鎌倉市まち・ひと・しごと創生総合戦略を取り上げまして、若者が住みやすいまちづくりにつながる具体的な戦略であるとして評価しましたが、職住近接のライフスタイルが可能な「働くまち」と、子育て、環境の整備と支援、そして鎌倉の魅力を高めることによって、「住みたい・住み続けたいまち」を実現していくためには、場所が必要であり、その場所として深沢国鉄跡地はまさに適地であると考えております。このことを踏まえて考えますと、鎌倉市において、まち・ひと・しごと創生総合戦略を実現するためには、深沢地区の整備の推進しかないといっても過言ではないと考えますが、いかがでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  平成28年3月に策定しました鎌倉市まち・ひと・しごと創生総合戦略では、ただいま御紹介いただきましたように、「働くまち鎌倉」「住みたい・住み続けたいまち鎌倉」の実現を基本方針と掲げております。この基本方針を実現するに当たりましては、御指摘のとおり深沢地域のまちづくりも重要な事業の一つであると認識しており、その推進が求められるものと我々としても認識しているところでございます。
 
○5番(池田実議員)  深沢地域整備事業につきまして、ここまでるる質問させていただいてまいりましたが、最後に市長に質問させていただきたいと思っております。
 深沢の国鉄用地につきましては、私にとっては生まれたときからのおつき合い、60年を超えたおつき合いですが、昭和62年4月1日に国鉄からJRに民営化されたときに、約8.1ヘクタールの旧国鉄清算事業団用地が生まれたと当時に、将来の深沢のまちづくりへの可能性が生まれたと認識しています。平成6年11月には深沢地域の国鉄清算事業団用地を中心とした新しいまちづくりの基本方向についてが提言され、平成8年1月には深沢まちづくり会議の成果として、深沢地域の新しいまちづくり基本計画の原型である素案がまとめられております。その後、平成16年3月には深沢まちづくり協議会の成果といたしまして、現計画の基本となる深沢地域の新しいまちづくり基本計画が策定されました。
 こう考えますと、新しい深沢のまちづくりの可能性が生まれてから29年が過ぎて、30年も間近です。私が議員になってからは、当時、瀧澤部長が最初だったと思いますが、その後、山内部長、それから渡辺部長と、そして現在の樋田部長へと引き継がれてこられましたが、特に山内部長は長く携わってこられたので、深沢の事業への思い入れも非常に強いものがありました。道半ばで逝去されたことは、山内部長は本当に残念でしたが、後任の渡辺部長も1年3カ月でしたか、短い期間ではありますが、深沢のまちづくりへの思いを熱く語っていたことが記憶に残っております。
 このように職員も一生懸命に携わってきた歴史のある事業ですが、現状は用地活用しているところを除けば、見事に更地化され、いつ事業が始まってもおかしくない状況にあります。さまざまな背景、特に財政上の課題があることは承知しているところですが、人口減少時代において、経済効果を含めて多くの可能性を秘めた土地は、鎌倉市においてはほかにないと認識しているところです。
 このことを踏まえまして質問いたします。今後、人口が減少し、高齢化が進展する中で、新たな財源を確保していく必要があると考えます。そのためには新駅を含めた事業を進めていくことが不可欠と考えますが、最後に市長のお考えをお聞きしたいと思います。
 
○松尾崇 市長  深沢地域の国鉄跡地周辺整備事業につきましては、まさに本市の将来のための先行的な投資であると言えますけれども、一時的には財政負担を伴う事業でありまして、将来的な財政見通しが非常に厳しい現状であることを鑑みますと、投資した財源に見合った税収などの歳入が確実に見込めるスキームを構築していくことが求められると考えています。こうした点を踏まえまして、全体のバランスを見ながら事業を組み立ててまいりたいと考えます。
 
○5番(池田実議員)  今回は持続可能なまちづくりを大きなテーマとしまして、地域コミュニティーの推進について、それから深沢地域整備事業を中心とした深沢のまちづくりについての二つのテーマについて質問させていただきました。非常に重要な二つのテーマですが、やはり一つ一つの事業に対する市長の決断が大切ではないかと考えております。特に深沢のまちづくりにつきましては、待ったなしの時期に来ていると考えております。厳しい財政状況は十分承知しておりますが、だからこそ新たな歳入確保、経済効果を生む深沢地域整備事業を優先して取り組まなければならないと私は考えております。
 ぜひ、後期実施計画へは市民にとっても地域住民にとっても先の見える計画にしていただきたいということを強くお願いしまして、私の一般質問を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  次に、日向慎吾議員の発言を許可いたします。
 
○9番(日向慎吾議員)  おはようございます。鎌倉夢プロジェクトの会の日向慎吾です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 ちょうど私で11番目となりまして、ちょうど半分ぐらい進みました。もう半分終わったと思うか、まだ半分残っているなと思うか、いろいろ人によって認識があるようですけれども、前半戦最後ですので、ぜひよろしくお願いいたします。
 今回は、1、海水浴場について、2、民泊について、3、落書き対策の取り組みについての三つの項目について質問させていただきます。質問の順番なんですけれども、2の民泊についてと、3の落書き対策の取り組みについての順番を入れかえさせていただきまして、1番目に海水浴場について、2番目に落書き対策の取り組みについて、3番目に民泊についてを質問させていただきます。
 初めに海水浴場についてです。毎回のように質問をさせていただいておりますが、やはり海水浴場の健全化というのが私自身も目指していきたいという思いがありますので、進捗状況や取り組みについて引き続き今回も質問させていただきます。
 それでは、早速、海水浴場についてお聞きします。昨年の質問で、幾つか他市の取り組みを含めて健全化に向けての御提案をさせていただきました。その中で、ことし鎌倉市として新たな取り組みを実施していただきましたので、その結果をお聞きしたいと思います。
 最初に、ことしの新たな取り組みについてはどうだったでしょうか。お伺いします。
 
○小池忠紀 市民活動部長  今年度からの新たな取り組みといたしまして、子供が安心して海水浴を楽しめるよう、材木座、由比ガ浜、腰越の各監視所で、子供向けライフジャケットの無料貸し出しを行ってまいりました。また、逗子市、葉山町の海水浴場と連携いたしまして、ごみの分別回収のサポートやビーチクリーンを行い、清潔で快適な海水浴場になるよう取り組んでまいりました。さらに昨年好評でございました「ライフセーバーと遊ぼう 海の安全教室」につきましては、ことしは実施回数を3回から6回に倍増しまして、昨年より多くの子供が参加できる体制を整えました。ことしの取り組みは好評でございましたことから、来年度以降も継続し、より一層ファミリー層が安心して快適に海水浴を楽しめる環境にしていきたいと考えております。
 
○9番(日向慎吾議員)  新たな取り組みでしたので、実施した結果によっては来年以降にも関係してきますが、好評であったということで、よかったと思います。しかしながら、よい取り組みならば、これ、継続することが大切です。また、取り組んだ結果、さらによくできる点は改善していっていただきたいと思います。
 それでは、一つずつですが、どういった内容だったのかをお聞きします。
 まずは子供向けライフジャケットの貸し出しについてお聞きします。私も三つの海水浴場に行った際に貸し出されている状況を確認いたしました。特に腰越の海水浴場では全て貸し出されているという日もあったりして、実際にライフジャケットを着用して泳いでいる子供たちの姿を見ると、私自身、手応えを感じたといいますか、取り組んでよかったなと思いましたが、この子供向けライフジャケットの貸し出しについて、どうだったでしょうか。お伺いします。
 
○小池忠紀 市民活動部長  子供向けライフジャケットの貸し出しにつきましては、材木座、由比ガ浜、腰越の各監視所で延べ434名に貸し出しを行いました。ライフジャケットは材木座に8着、由比ガ浜に16着、腰越に8着の合計32着を配備したところでございます。利用状況といたしましては、海水浴場の規模に応じて適切に配備したため、多くの子供たちに利用していただけたものと捉えております。この取り組みは子供連れのファミリー層が安心して海水浴を楽しむことに寄与するものであることから、来年度以降も引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  私自身、全て貸し出されているという様子も見たりしたので、多少不足とかしているのかと思ったんですけど、適切だったということで、わかりました。安心しました。
 その準備した数がちょうどということですけれども、本当に子供たちの安全対策について極めて有益なものですので、ぜひ来年も実施していただけるようにお願いしたいと思います。
 それで、貸し出しの場所についてですけれども、ことしは監視所の前にライフジャケットがかけられている状態で、その近くに旗を立てて、わかりやすくしていただいておりました。ライフジャケットの貸し出しを周知していただいたということ、貸し出しを知っている方は本当に借りようと思ってその監視所まで行くと思うんですけれども、近くに行けば旗があるので、ここで借りられるんだなとすぐに認識できると思います。ただ、ライフジャケットを貸し出されていることを知らないという方もいたと思います。もしその実際貸し出されていて、借りられるなら借りたいなという家族の方がいたかもしれません。ですので、そういった方たちというのは、監視所に行かないで本当にただ砂浜におりていっちゃうと、そういったことに気づかないで、貸し出されているのを知らないでそのまま泳いでいるというパターンになってしまいますので、できればその監視所の前に置いて旗を立てるというだけでなくて、出入り口のところに「ライフジャケット貸し出し中です」みたいな形で案内を入れていただければなと思うんですけれども、そういったこのライフジャケットの貸し出しを行っていることを知らない海水浴客に対しての周知する方法というのは、いかがでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  子供向けライフジャケットの貸し出しにつきましては、「広報かまくら」や市ホームページ、SNSなどを活用いたしまして広報の周知を図ったところでございます。来年度はより多くに周知できますよう、海岸入り口看板への掲示や監視所の放送を活用するなど、海水浴に来た方に対して効果的な広報周知の手法を検討してまいりたいと考えてございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  検討していただけるということで、実際、ライフジャケットが不足していなかったということですので、ぜひ、知らないで海水浴場に来た方にも貸し出せるような形で取り組んでいただければと思います。
 次に、砂浜の出入り口で行っていたごみ分別回収ボランティア、昨年、私、これ、エコステーションということでお話をさせていただいたんですけれども、梅雨明けした最初の週末、土曜日だったと思います。由比ガ浜の海水浴場に伺いました。実際にそのボランティアをされている状況を横で見ていたんですけれども、時間があいたところがあったので、そこの方にお話を伺いました。どうですかというお話をさせていただいたんですけれども、ごみ袋を持った人たちが帰る際に捨てに来てくれることが多くて、また、自分たちで声をかけて分別を促すことで、ごみ捨てに対する効果というのはあるんじゃないかとおっしゃっておりました。ただ、まれに酔っぱらった人が捨てに来るというのがあったりして、少し怖いなということを言った方もいらっしゃいました。
 実際にこのごみ分別回収ボランティアについて、市としてはどのような感じだったんでしょうか。お伺いします。
 
○小池忠紀 市民活動部長  今年度、新たに逗子市、葉山町の海水浴場と連携いたしまして、材木座に1カ所、由比ガ浜に2カ所エコステーションを設置いたしまして、延べ170名のボランティアに参加していただきまして、ごみの分別回収のサポートやビーチクリーンを行ったところでございます。この取り組みは、清潔で快適な海水浴場の維持に寄与するものであるため、来年度以降も継続して取り組んでいきたいと考えております。
 
○9番(日向慎吾議員)  来年度以降も引き続きということで、本当にただごみ箱が置いてあるというよりも、声かけというのをするので、本当により一層効果が出たのかなと思います。私が見ていても次から次へと捨てに来る方がいた様子を見ました。
 御答弁にはなかったんですけど、砂浜のごみ拾いもしていただいたということで、これはその方がおっしゃっていたんですけれども、そのごみ拾いをするというのは、以前も申し上げましたけれども、ごみを拾っている姿というのを見せることで、海水浴に来ている方に対する、ごみ拾いする人がいる横でごみを捨てる人はなかなかいないと思いますので、啓発効果にもつながりますので、そういった取り組みを含めて、実施してよい方向に進んだと思いますので、ぜひ継続をお願いしたいと思っております。
 次に昨年も実施された、先ほど拡充したということでしたけれども、「ライフセーバーと遊ぼう 海の安全教室」について、これについてはいかがだったでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  「ライフセーバーと遊ぼう 海の安全教室」につきましては、材木座、由比ガ浜、腰越で、それぞれ2回ずつ開催いたしまして、延べ49名の小学生が参加したところでございます。内容といたしましては、海で安全に楽しく過ごすためのルールやエチケットのほか、海の環境問題を考えるきっかけとして、捨てられたごみが海の生物に与える影響をパネルにして、ライフセーバーが子供たちに説明したところでございます。実施回数は昨年度から倍増したものの、参加延べ人数はそれほど増加しなかったため、来年度に向けましては、より多くの小学生に参加してもらえるよう、募集の広報周知を改善していきたいと考えてございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  安全性だけでなく、環境とかそういったことの授業というのは本当にいいと思います。座ってずっと聞いていると集中力というのが切れてしまいますので、つまらなくて退屈になってしまうおそれもありますけれども、座学と実技によって、いろいろと楽しみながら経験ができたんだと思います。なかなかライフセーバーの方とお話をするという機会もないと思いますので、本年度はそれほど人数がふえなかったということもありますけれども、ぜひ何とか継続をしていっていただきたいと思います。
 やはり海は楽しい場所というのはありますけれども、これは安全に過ごすことが大前提でありまして、その知識を学ぶことによって、より鎌倉の海を好きになる子供がふえることにつながればと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、海水浴場の変化についてお伺いします。ことしは海岸に近い駅周辺や砂浜を歩いていると、お酒を大量に持っている人たちや音響機器を使用している人たちは少なくなり、条例の周知がされてきているなと思いました。昨年と比べても健全化に向けてよくなってきていると、私が感じたものなんですけど、そういうふうに感じたんですね。やはり少しずつかもしれませんが、周知をし続けた結果、鎌倉市が条例が制定されていて、砂浜で飲酒が禁止されているとか、そういったことが広く伝わってきているのかなと思います。
 その証拠というわけではないんですけれども、昨年ほとんど見かけなかったんですけれども、水筒を持ってきている観光客の方が多かったんですね。水筒で飲み物を飲んでいる方というのが結構いらっしゃいました。さすがにその水筒の中身は何ですかと確認することはできなく何とも言えないんですけれども、堂々と缶とかで飲んでいたら注意されるというのがわかっているので、工夫してそういった形で持ってきて来られた方がいるのかなと思います。
 こういった形でも、条例の浸透がされてきたということで変化を感じ取れましたが、昨年と比べて海水浴場の雰囲気はどのように変化したと捉えていますか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  ことしにつきましては、昨年の取り組みを継続し、条例の禁止事項の周知を徹底するため、海水浴場で注意する警備員を繁忙期には昨年より増員し、禁止事項を掲載したポスターを、酒類を販売する店舗の売り場に張りやすい大きさにして掲示してもらうなどの工夫をしたところでございます。これらの取り組みの結果、禁止事項が徐々に周知され、昨年に比べて風紀を乱す若者グループは減少したと捉えておりまして、海水浴場の雰囲気は着実に改善していると考えてございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  鎌倉市の海水浴場ではもうお酒が飲めないというのがもう本当に浸透していき、いずれは当たり前になるようになるのがベストであり、そうなるように、昨年よりことし、ことしより来年と、情報の発信を継続していっていただきたいと思います。
 そして、夜も20時30分以降は新規のお客さんを入れないように、海の家で入り口にチェーンというかロープのようなものを張ったりとか、あとは看板とかを置いたりして、ルールを守っているというお店も幾つかありました。もちろんチェーン等をされなくても、新規のお客さんを入店させないというお店もあったと思いますが、そういったことを統一して、そのように、入り口にもう入れませんよというのを海の家全体がやっていければ、よりよくなっていくのかなと思います。
 もちろんその20時30分過ぎてからもお客さんがいたのは確かなんですけれども、新規を入れないということが重要だと思いますし、そのお客さんが帰る時間までは、もちろんそれは多少の部分は仕方ないところもあるのかと思いますけど、新規を入れないでずっと営業しているとはしないような形でやっていっていただけたらと思います。本当に以前より実感できるほど変わってきていますので、ぜひ今後もよろしくお願いいたします。
 次に、ブルーフラッグについてお伺いします。ブルーフラッグは世界の50の国と約4,000カ所で取得されている、ビーチやマリーナを対象とする国際環境認証ということです。水質、環境マネジメント、環境教育、安全とサービスについての基準を達成することによって与えられます。
 このブルーフラッグをアジアで初、由比ガ浜海水浴場が取得しまして、大変注目が集まりました。本当に由比ガ浜海水浴場に掲げられているブルーフラッグを見ると、私も誇らしく感じまして、行くたびに、同じ角度なんですけど、写真を毎回撮っていました。ほかに撮っている方は余りいなかったんですけれども、自分は一生懸命撮っていたというのがあります。これは由比ガ浜海水浴場で海の家を営む組合の方々を初め、海水浴場にかかわるさまざまな方々の御理解と御協力の結果であると認識しております。大変感謝しております。
 ただ、実際のところ、まだ日本では認識が薄い部分もありまして、ブルーフラッグの取得によって大きな効果があらわれたかどうかはわからないかなと思います。ブルーフラッグを取得しているから行こうという形には、まだまだ日本ではなっていないのかと思います。ただ、ヨーロッパなどの海外では有名であるということですので、海水浴場の大きな魅力として発信することができます。このブルーフラッグの取り組みは今後も継続や拡大をしていくんでしょうか、お伺いします。
 
○小池忠紀 市民活動部長  ブルーフラッグの認証取得につきましては、海水浴場が単に環境面ですぐれていることを証明するだけでなくて、海水浴場にかかわる全ての方の環境に対する理解を促進し、持続可能な海水浴場の運営に寄与する取り組みと認識しているところでございます。今後、現在認証されております由比ガ浜につきましては、海の家の組合と協議していく必要があると考えてございます。また、ブルーフラッグの取り組みの拡大につきましては、材木座や腰越の海の家の組合の意向を確認しながら、その方向性について検討していきたいと考えてございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  ことし由比ガ浜海水浴場が取得しましたが、取得してから新たなスタートという形になり、継続していくことがさらに大変になっていくと思います。国際環境認証ですし、今後ブルーフラッグを日本全体に浸透させていくためにも、由比ガ浜海水浴場が先頭で旗を掲げていっていただきたいと思います。そうすればブルーフラッグの効果がどんどんあらわれてくるのかなと感じておりますので、そこはお願いします。
 ほかの材木座海水浴場と腰越海水浴場も拡大をしていっていただければ、鎌倉市の海水浴場は全てブルーフラッグの認証を受けているということでも、さらなる大きなアピールにつながりますので、各海水浴場の組合の方々の御協力がなければできませんが、認証を目指していっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、7月15日金曜日に実施した海水浴場等津波避難訓練についてお伺いします。当日、私は腰越海水浴場の避難訓練に参加いたしました。開始時間になって、監視員の方がオレンジフラッグを掲げながら避難誘導をし、また旗を振っていました。ただ、実際に参加した避難者というのは、腰越海水浴場は3人でした。私含めて3人です。海岸にもうそれだけしかいなかったという状況です。天気も多少悪かったというのもあるんですけれども。三つの海水浴場の合計でも、運営者が182人、避難者が68人ということで、休日のにぎわいを考えると、もう明らかにこれは少ない状況だと思います。大体1日平均で1万人以上はこの夏は来ていたと思います。平均を考えますと、68人の人というのは全然少なくて、これも平均ですので、ことしは最高1日5万7,400人が訪れていたという発表もありました。
 せっかく訓練をやるんですから、実際の人数に近い海水浴客でにぎわっているときに誘導できるかどうかというのをやっておかないと、余り意味がないのかなと思います。この津波避難訓練について、海水浴客が多い時期に実施する考えはないのでしょうか、お伺いします。
 
○小池忠紀 市民活動部長  海水浴場における津波避難訓練につきましては、監視員を初め、海の家やマリンスポーツ関係者などと協力し、海水浴客を海岸出口まで誘導しているというところでございます。この訓練につきましては、海水浴客が本格的に増加する時期を前に、避難誘導に携わる関係者の体制を早期に構築し、有事の際の迅速な避難を実現することを目的としているというところでございます。そのため、訓練を海水浴客が多い時期に実施することにつきましては、実際に誘導に携わる関係者と意見交換を行っていきたいと考えてございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  いろいろ実際に多い時期にやるというのは大変なのかもしれませんし、協議が必要ということです。ただ、前もって観光客に対しては訓練をやりますよと伝えておけば、実際は本当に多過ぎて混乱する可能性というのは十分あると思います。ただ、本当に起きたときには、その状態で誘導をしっかりしなきゃいけないということを考えますと、やはり人数が68人という状態での避難と、1万人、下手したら5万人いるときの避難というのは全然違うと思いますので、ぜひ、今後の協議ということもありますけれども、そういったところで、なるべく多いときにやっていただけるようにお願いしたいと思います。
 次に、花火大会のことについてお伺いします。御承知のとおり、花火大会当日はJRや江ノ電は大変混雑いたします。そうなってくると、会場から多少遠くても自転車やバイクで見に行かれる方も多いと思います。別にそういったことで自転車やバイクで行くことはいいと思うんですけれども、結構会場近くの歩道にとめている、自転車が多かったんですけれども、自転車やバイクがあったんですね。やはり観覧する人と自転車とバイクで、もう歩道がいっぱいという状況だったんですけれども、この花火大会の際に歩道に自転車やバイクをとめたまま観覧している人がいたんですけれども、これ、駐輪対策というのはどうだったんでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  花火大会の際の駐輪対策といたしましては、鎌倉海浜公園由比ガ浜地区の一部に駐輪スペースを設置いたしまして、花火鑑賞マップやホームページを通じて来場者へ周知を図るとともに、当日は道路上に配置いたしました警備員や市職員が、来場者に対して駐輪スペースの案内を行ったところでございます。来年度以降につきましては、歩道上に駐輪することがないよう、こうした取り組みをさらに徹底していきたいと考えてございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  自転車やバイクで来る方というのを規制するわけではないんですけれども、電車の混雑を考えたら、多少遠くても自転車やバイクというのは正解だと思うんですね。近くに住んでいる市民の人にとっては。なので、そういった方たちのためにも、会場付近にきちんと駐輪する場所は確保する必要があり、ことしも確保してくださっていたということですので、とめる場所がなかったわけではないので、誘導していただければと思います。とめる場所がわからなくて何となく近くまで行ってとめたという方もいらっしゃると思いますので、その辺の誘導というのはしっかりしていただければと思います。
 砂浜の混雑というのを考えると、歩道で観覧される方というのもたくさんいらっしゃいますし、その歩道が自転車でいっぱいだと、観覧スペースがなくなって道路にはみ出してしまうというおそれもあって、危険です。また、終了後には、自転車を乗るためにとりに来る人と、帰る人で結構いっぱいで、どっちに進むのも混雑がすごい激しくなっているところもありましたので、ぜひ、やはりとめる場所を確保していただいているということでしたら、そこに誘導していっていただければと思います。よろしくお願いします。
 海水浴場については最後の質問になります。鎌倉市はファミリービーチを目指し、飲酒やタトゥーの露出、音声機器の禁止など、規制という部分では周知が広がってきて、健全化が進んでいると思います。これは本当によい方向だと思っております。私も昨年、おととし、その前と毎年歩いてきておりますが、感じております。ただ、ファミリービーチ化というのが進んでいるかというと、「キッズ&ファミリービーチ」の解説などはしていただいておりますが、いま一つイメージの浸透が薄い気がします。
 それで、例えばなんですけれども、鎌倉市で海開き式をやられていますけれども、お隣の逗子市の海水浴場海開き式というのは、御存じの方もいらっしゃるかもしれないんですけど、神事が終わった後にカウントダウンをして、地元の小学生らが一気に海に飛び込むんですよね。市長がカウントダウンしてからなんですけど。本当に海を楽しむ一番最初の瞬間、一番最初に地元の子供たちが入るというので、まさにファミリービーチだなというイメージがアップするのかなと思います。地元の子供は要は必ず1年に1回地元の海に入るということができるので、そういったイベントとして、もう子供に海を楽しんでもらうというのはすごいいいなと思いました。映像でしたが私も拝見しましたが、本当にすごく夏が来たと感じさせられる映像でした。鎌倉市も同じようなことを、同じことをしてほしいとは言うわけではないんですけれども、やはりこういった取り組みもファミリービーチとして大きく発信につながると思うんですね。ですので、このファミリービーチのイメージをさらに向上させるために、今後の取り組みについてどのようにされるつもりでしょうか。市長にお伺いしたいと思います。
 
○松尾崇 市長  これまで誰もが安心して楽しめるファミリービーチを目指して取り組みを、近隣住民の方もしくは事業者の方の御協力、御理解を得ながら進めてきたところです。その成果として、昨年、さらにはことしという形で、大変風紀の乱れということの改善が図られていると実感をしているところでございます。今後も健全な海水浴場というイメージを向上させるために、引き続き風紀の改善に努めるとともに、今御指摘がありましたように、地元の子供たちがより海水浴場に行きたいと思える、そういう行きたい海水浴場づくりをさらに目指していきたいと思います。
 
○9番(日向慎吾議員)  ことしが終わったばかりですので、次、すぐに来年度の取り組みというのは具体的には難しいかと思いますけれども、海水浴場ごとの特徴を生かした形でファミリービーチ化を進めるのもいいのかなと考えております。ぜひ鎌倉ならではの取り組みをしていっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次の項目、落書き対策の取り組みについてお伺いをさせていただきます。
 落書きについては、鎌倉市落書き防止条例を策定してから10年以上経過しておりますが、私の感覚として、最近ふえてきている印象があります。落書きは自己主張やスリルを味わうこと、単に描きたいだけなのかもしれませんが、犯罪であります。大きさに限らず、なくしていかなければならないと思います。
 そんな中、先週末、新たに腰越海岸で大きな落書きを発見しました。腰越海岸の壁には、2カ月ぐらい前ですかね、7月ぐらいに壁に黒字で、大きな10メートルぐらいの落書きがされてありまして、夏の間どうしても消されなくて、8月31日に私が見回りをしたときにもまだその落書きは残っていたんですね。9月に入って多分消していただいたということなんですけれども、先週末なので、本当に消していただいたのにすぐにまた描かれてしまったという状況になっています。
 描かれて、残っているうちはそのままにしておいて、消されたからすぐ描きに来たという感じかもしれませんけれども、この描かれたらすぐ消すということの体制、これを継続していくというのももちろんだと思うんですけれども、やはり描かれることを防ぐというのに今後積極的に取り組んでいただきたいという視点で、今回はこの落書き対策について質問をさせていただきます。
 そこで、市の取り組みについてです。初めに、鎌倉市の落書きのないまちづくりの取り組みの経緯をお伺いしたいと思います。
 
○石井康則 環境部長  市では平成17年4月に、落書きの防止が町の美化や良好な都市景観の保持に欠かせないものといたしまして、落書き防止条例を施行したところでございます。この条例に基づきまして、落書きのない環境を実現するということで、落書きのないまちづくり行動計画を策定し、市民、公共施設の管理者、事業者、建築物の所有者等が共同して、落書きのないまちづくりの推進に取り組んでいるところでございます。
 行動計画については2回の改訂を経まして、平成28年3月に第3次の鎌倉市落書きのないまちづくり行動計画を策定し、落書きの防止に必要な施策を現在実施しているところでございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  落書きのないまちづくりに対してさまざまな取り組みをしてきていただいておりますが、どの町でもそうかもしれませんが、やはり落書きがあるだけで気持ちがいいものではありません。美観を損ねるだけでなくて、治安の悪化につながることもあります。そして、描かれたらすぐ消すというこの作業が、落書きをふやさないための一つの対策になっていると思います。ですが、この描かれたらすぐ消すという作業というのは、この大変さであったり、単純に塗り潰すだけでなくて、同じ壁の色にしてもとどおりにするとか、そういうのってもう本当にさらに労力とコストがかかってくるんですね。
 この落書きのないまちづくりを取り組んできている中での鎌倉市の落書きの現状について、傾向や件数もわかりましたらお伺いさせてください。
 
○石井康則 環境部長  以前は商店街のシャッターですとか鉄道の跨線橋などに、大きな落書きが市内のあちこちに目立っていたというところですけれども、この落書き防止条例の施行後は、この10年間を見てみますと、そういった大きな落書きというのは減少傾向にあるのかなと考えています。しかしながら、最近はタギングと呼ばれる記号的な落書きですとか、あるいはシール状の落書きがふえておりまして、小型化した落書きが多く描かれる傾向に変化をしているのかなと考えています。
 落書きの件数でございますけれども、平成26年度が593件、平成27年度が613件で、毎年約600件程度と推移をしていると考えています。平成27年度の落書きの地域別の件数では、鎌倉地域が485件で最も多く、大船地域が41件、玉縄地域が37件、深沢地域が27件、腰越地域が23件でございます。やはり来訪者の多い鎌倉地域が特に落書きの件数が多い傾向だと考えております。
 
○9番(日向慎吾議員)  大体600件程度ということですね。小型化してきたこともありますけれども、若干、平成26年593件、平成27年613件、少しふえてきたのかなと思います。
 私としては特定の場所に描かれてしまうのかと思っていたんですけれども、市内全域に描かれている中で、エリアとしては鎌倉地域が多いということで、来訪者が多い場所だということが関係してくるんじゃないかということですね。
 それでは、その年間600件発生している落書きの処理状況については、どのようになっているんでしょうか。お伺いします。
 
○石井康則 環境部長  発生した落書きにつきましては、落書きがされた場所ごとに、官民問わず施設の管理者や所有者が落書きの消去を行っているところでございます。公共施設以外の個人住宅などの落書きにつきましては、所有者から依頼があった場合に、市民活動団体がボランティアとして落書きの消去に当たっているところでございます。こうした役割分担によりまして、ほとんどの落書きが速やかに消去されている状況だと考えております。
 
○9番(日向慎吾議員)  積み残しのないように消していっていただいているということですね。感謝いたします。市民の方も発見したらすぐに通報してくださって、消す作業を市民団体を初めとする多くの方々が対応していただいているということで、発見、通報、確認、対応といった流れがきちんとできているのかなというその証拠で、積み残しがないのかと思います。ただ、それでも件数が減らない状況というのが悔しいというか残念なところであります。この落書きの対策の具体的な取り組みというのをお伺いしたいんですけれども、いかがでしょうか。
 
○石井康則 環境部長  行動計画に基づきまして、三つの落書き対策に現在取り組んでいるところでございます。一つ目の取り組みといたしまして、落書きされにくい環境づくりでは、市民活動団体から提供されました落書き情報を、毎月被害のあった地域の自治・町内会へ周知をし、情報を共有して関心を高めている状況でございます。二つ目の取り組みとして、落書きに気づく体制づくりでは、落書き対応マニュアルを活用しまして、落書きの早期発見、通報、消去について意識の向上を図り、市民や施設管理者が落書きに気づいたら、市へ情報提供を行うように呼びかけているところでございます。三つ目の取り組みとして、落書きされたらすぐに消す体制づくりでは、落書きの早期発見と通報、消去に取り組む市民活動団体の活動を支援しております。また、市民活動団体と連携をいたしまして、市内の高校に落書き防止の出前授業ですとか、落書き消去の体験実習を実施しているところでございます。これらを通じて落書き対策に取り組んでいるところでございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  市の役割といいますか、具体的な三つの取り組みについてお伺いさせていただきました。落書きは繰り返し描くパターンや、消されたらすぐ描くなど、今回の腰越海岸のがそうだと思うんですけれども、そういった形で同一犯が多い場合があります。描かれてからすぐ消すという対応では、もう切りがないのかなと感じてきております。もちろんこの600件という件数で毎年抑えられているというのは、やはりそうした市民団体等の方々とのすぐ消す対応というのをしていただいておるからだと思うんですけれども、描かれない対策、これを考えていっていかないといけないと思います。ですので、この落書きを今度は防止するための対策として、どのような取り組みを行っているんでしょうか。お聞きします。
 
○石井康則 環境部長  落書きを防止するための対策としては、被害を拡大させないために、市及び施設管理者、警察、さらに市民活動団体が、協力、連携して取り組むことがやはり重要であると考えております。このため、落書きは犯罪であるという認識に立って、関係機関が今まで以上に力を合わせて、落書きを行う者の特定に向けた対応として、防犯カメラの設置や巡回監視活動の強化に取り組んでいるところでございます。あわせて、落書きが発見された場合には、施設管理者から警察に被害届を提出することも呼びかけているところでございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  本当に描かれてから消すという繰り返しの中で、いよいよという思いもあります。やはり人がいなくて落書きしやすい場所や、夜に描かれたりするという場合には、確かに巡回を強化していただくというのもあるんですけれども、それだけでは難しいのかなと思います。
 そこで、先ほど防犯カメラの設置という御答弁がありました。本当にこれはいい取り組みだと思います。犯人特定だけではなくて、抑止力にもつながると思います。各機関との連携をして、犯人を特定していくと向かっていくということですので、ぜひお願いをしたいと思います。
 それで、防犯カメラといっても町なかにカメラを設置するわけになります。プライバシー等を侵害するおそれがあり、むやみに設置することはできません。設置する際には、どこにとか、どの目的で設置するかを明確にして、目的を達成するために必要な範囲を撮影すると、そういった場所に設置することであるとか、あとは映像を漏えいさせないための安全管理というのもあると思いますし、防犯カメラが設置されていることへの不安を感じている方、こういった方にも対応が必要になってくると思います。この防犯カメラの設置に当たり配慮すべき内容についてはどのようなことがあるんでしょうか、お伺いします。
 
○石井康則 環境部長  落書きの防止対策では、特に落書きをした犯人の特定のためにも防犯カメラの設置は有効な手段であると認識しております。防犯カメラの設置に当たりましては、設置者は神奈川県が定めた防犯カメラの設置管理に関するガイドラインに基づきまして、管理、運用の基準を定めているところでございます。配慮すべき内容といたしましては、設置場所や撮影範囲、画像の利用や提供の制限、さらに個人情報の保護などが求められているところでございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  県のガイドラインに基づいて設置ということですね。わかりました。
 それで、先ほど防犯カメラの設置に向けて連携していくという御答弁でしたけれども、仮にこの落書き防止対策として、市が管理している施設での防犯カメラの設置についてはどのようにお考えをしていますか。
 
○石井康則 環境部長  落書き防止対策では、犯罪の防止と犯人の特定のために防犯カメラの設置が有効でございますので、市が管理している施設においても、落書き等の被害が多く見られる場合には、施設管理者に防犯カメラの設置について積極的に要請をしていきたいと考えております。
 
○9番(日向慎吾議員)  改めて市も積極的に取り組んでいただけるという姿勢を確認させていただきました。
 また、防犯カメラの設置が難しくても、明かりがあるだけでも落書きが減るというお話を聞きました。暗くて人目のつかない場所を少しでも減らすということが、落書き以外にも、防犯面でも市民の安全な通行を確保できますので、カメラの設置というだけでなくて、明かりをふやすとか、そういったところも考えていっていただければと思います。
 防犯カメラ等による落書きされない環境づくりも必要ですが、一方で、消す体制として、市民団体との関係を継続していくことや、担い手の確保、ふやしていくことも必要だと思います。今後対応すべき落書き対策として、市が強化したい取り組みは何かありますでしょうか。お伺いします。
 
○石井康則 環境部長  本市の落書き対策については、落書きがされにくい環境づくり、落書きに気づく体制づくり、また落書きされたらすぐに消す体制づくりを推進していくことが重要であると考えております。特に強化したい取り組みとしては、落書き対策の周知啓発と、新たな担い手の育成と考えております。周知啓発につきましては、鎌倉市だけの落書き防止にとどまることなく、近隣市と連携を図った取り組みが重要と考えております。ことしの11月には藤沢市、逗子市、鎌倉市が連携をして、落書き対策で協働している市民活動団体とともに、落書きのないまちづくりをテーマとしたシンポジウムを行う予定でございます。また、新たな担い手の育成については、市内で清掃活動を行っている多くの市民団体があることから、これらの団体が地域ごとに落書きの発見、通報、消去を含めた町の美化活動に担い手として広がるように支援をしていきたいと考えております。
 
○9番(日向慎吾議員)  現在は、先ほども何度も申し上げましたけれども、市民団体の方が対応してくださることであり、町が落書きであふれていないのかなと思います。地域での清掃活動等をされている方々に対しても、この落書きにも目を向けて対応していただくというのが確かによい方法だと思いますので、たくさん市内ではそういった美化活動をされている方はいらっしゃると思いますので、ぜひ落書きにも目を向けていただけるような形で、またそれが市全体に広がっていくということも考えていただければと思います。
 他市の例なんですけれども、落書きが多発する場所に、新たな落書きの発生や犯罪防止の効果を狙って、小学生の子供たちが描いた絵をその壁に飾るという取り組みをされている市もありました。こういったことでも抑止につながっているんでしょうけれども、そういった形になると思いますので、そういったことも含めて、単純にいつも消すというのでなくて、何かこういった子供が描いた絵があると描かれないということもあるということですので、そういった取り組みもしていっていただければなと思います。
 それでは、この項目の最後に市長にお伺いしたいと思います。落書きのないまちづくりの推進のために、市長はどのように考えていくのでしょうか。お伺いします。
 
○松尾崇 市長  今まで市民活動団体の皆さんの本当に熱心な活動、御協力によりまして、他市に比べましても大きな落書きがない、また描かれたらすぐに消すということを日常から繰り返しいただいていることによって、鎌倉市の景観美化に大変大きく寄与していただいていると感じているところです。
 今御質問いただきましたように、この落書きのされにくい環境づくりということがより一層必要だという御指摘でございました。警察を初めといたします関係機関との連携の強化、さらには防犯カメラの設置といったような形での強化ということを実施をして、より落書きのないまちづくりに向けて進めてまいりたいと考えます。
 
○9番(日向慎吾議員)  最初に申し上げましたが、落書きは犯罪です。描かれたら消すという体制は、長年対応してくださっている市民団体の方々や関係機関との連携でできてきております。しかし、今後もこれを継続していくためにも、担い手をふやし、先ほどシンポジウムも開催されるということもありましたので、広域で落書きに対する取り組みをしていっていただいて、また市内でも各地域でそういった落書きに対する対応を強化していっていただきたい。そして最後に、やはりこの落書きをされないためにも、この犯人を検挙するに向けた対策を積極的に取り組んでいっていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、最後の項目であります。民泊についてお伺いさせていただきます。民泊とは一般の民家に泊まることを今までは指しておりましたが、現在では時代の変化とともに、個人や所有している部屋を貸し出すビジネスも民泊と呼ぶようになってきております。また、そうした民泊をしたい個人と民泊として貸したい個人をつなぐ予約サービスが国内外で次々と誕生しています。特に国内では、訪日観光客の大幅な増加を受けて、従来のホテル施設が足りなくなってきており、報道等でも民泊が有効な宿泊方法として注目を受けています。今回は、鎌倉市の民泊の現状と課題、そして今後に対する考え方についてお伺いをさせていただきます。
 それでは初めに、観光施策として泊まる観光を推進する観点から、民泊についてどのようにお考えになっているでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  民泊とは、法令上の定義はございませんけれども、一般的には住宅の全部または一部を活用して宿泊サービスを提供することとされております。本市といたしましては、平成28年3月に策定いたしました第3期鎌倉市観光基本計画におきまして、滞在時間の延長や、朝、夕の飲食等を通じて、観光消費額の増大に寄与する宿泊客を増加させるための泊まる観光の推進を図ることとしてございます。
 今後、宿泊客をふやすためには、外国人を含めた観光客の多様なニーズに応えられる受け入れ環境の整備が求められることから、民泊の活用につきましても、一つの手段として検討していく必要があると考えてございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  確かに一つの手段としては私も活用していくことは推進します。しかしながら、あくまで正しい民泊というか、つまり違法性がないのはもちろんなんですけれども、市民や特に近隣住民の方が安心できるルールのもと行われる民泊、これが私としては推進していくには大前提になってくると思います。
 通常のホテルや旅館の場合は、自治体などの許可をとってさまざまな規定に従いながら営業しています。単純な例として、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業には旅館業の登録が必要だとか、そういったところです。
 しかし、今、広がりを見せている民泊は、そういった基本的な部分が守られていないまま急速に拡大していると思います。許可を受けないままでも民泊ができてしまえば、空き家や空き部屋がある人にとっては、これは大きな利益を生むことができるんですね。ですので、これ、行われてきてしまっているというのが実態だと思います。
 例えば家賃10万円の部屋を1泊1万円で貸すといたします。そうすると、稼働率が50%だとしても、家賃の1.5倍稼げることになりますね。また、ベストな運営をすれば、同じ物件を賃貸で回している家賃収入の約3倍稼げるとも言われております。しかもこの仲介業者にお願いをすれば、自分はほぼ何もしなくても民泊営業というのができてしまいます。そういった空き家や空き部屋に対して民泊を進める業者も出てきているようです。
 許可をとらないわけですから、設備も変えることなく、現状の部屋の状態で貸してしまう。ですので、ホテル等より安い宿泊料が設定できますので、需要は確保できます。そして、ウエブを介して予約した場合など、施設側と宿泊者の面識がなく、会わなくても成立してしまうために、何かあったときに誰に連絡していいかわからない。誰に借りたか、誰に貸したかもわからないなんていう状況にもなっています。
 そして、一番の問題は近隣住民との問題です。許可をとっていないわけですから、民泊をやりますよという形で近隣に伝えずに、もういきなり近隣の方にとっては始まっていて、外国人が入れかわり隣の家に泊まりにきているんだろうみたいな感じで、不安な状況に陥ってしまっています。また、そういった場合に、誰に相談していいかわからないという市民の方もいらっしゃいます。騒音やごみの分別問題で、これ、トラブルに発展する可能性も十分ありますが、数日間しかいない宿泊客に対して、どういったことを伝えていいのかわからず、また言葉もわからなければ、本当に近隣の方にとっては何もできないままずっと過ごすしかできない状況です。
 私自身もこの外国人の方が入れかわり泊まりに来ていて不安だというのを相談を受けたこともありまして、そういったことも踏まえて市に御相談をさせていただいたんですけれども、このような民泊に関する苦情等について、中には違法な民泊もあると考えますが、市民や関係機関などから民泊についての苦情や問い合わせは寄せられているんでしょうか。お伺いします。
 
○小池忠紀 市民活動部長  観光商工課におきましては、民泊を事業として実施したいと考えている民間事業者から、開業に向けた手続、あるいは民泊に関する制度の内容についての問い合わせを、昨年度はございませんけれども、今年度に入りまして3件ほど受けているという状況でございます。
 
○征矢剛一郎 都市調整部長  建築指導課ですとか開発審査課には、市民の方から、民泊を実施しているのではないかというような苦情が寄せられております。平成27年度は2件だったのですけれども、平成28年度に入りましてからは既に6件ございます。増加傾向にあるのではないかと考えております。
 その内容につきましては、今御紹介ありましたけれど、不特定多数の出入りがあるというようなことですとか、夜間の騒音に関するもの、近隣にお住まいの方から不安を訴えるようなことが出ているということでございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  件数が少ないですが、増加してきているということですね。民泊をやりたいというのが昨年から、ことしに入って3件になったというのは、民泊ビジネスというのが浸透してきている証拠なのかもしれません。
 苦情については、昨年が2件でことし6件ということで、昨年分も引き続き調査中ということですので、8件の解決がまだないという状況ですかね。
 相談の内容によって担当課が異なるというのは仕方がないことなんですけれども、市民としてはこの民泊の相談というのはどこにしていいのかわからないと思っております。特に最近ふえてきた状況ですので、まだまだの部分はありますが、今後この苦情や問い合わせはさらにふえていくと考えられます。現在この民泊に関する苦情や問い合わせにはどのように対応しているのでしょうか。課題もあればお伺いさせていただきたいと思います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  観光商工課では、民泊を事業として考えている事業者からの問い合わせであったため、宿泊料を受けて人を宿泊させる簡易宿泊所として営業する場合には、旅館業法に基づく許可をとる必要があることを説明し、鎌倉保健福祉事務所に問い合わせするよう案内をしているというところでございます。
 民泊につきましては、県による国家戦略特区制度を活用した事業や、旅館業法とは別の新たな法制度による運用が検討されている状況でございます。しかしながら、現時点におきましては特区活用の見込みや民泊の新法の全容が明らかになっていないために、制度の内容や開業に向けた手続を具体的に案内することができないという課題があるところでございます。
 
○征矢剛一郎 都市調整部長  都市計画法ですとか建築基準法の関係では、簡易宿所として民泊を実施するためには、旅館業法を所管しております神奈川県から事前に営業許可を取得しなければならない。そんなふうになっておりまして、民泊は、建築基準法、都市計画法で、住居専用地域系の用途地域ですとか市街地調整区域では実施することはできないということになっております。
 苦情は営業許可を取得できない場所が多くて、現行の法令に基づきまして、神奈川県鎌倉保健福祉事務所と連携しまして、営業を中止するよう指導するなど、厳格に対応しているところでございます。しかしながら、民泊と特定するためには、宿泊料の徴収の有無ですとか、不特定多数の者を宿泊させているかなど、実態を把握する必要があります。管理者不在で連絡先も不明な場合が多く、民泊と特定するのが難しく、また特定するまで時間がかかるなどの課題がございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  民泊をやりたいという形の問い合わせにつきましては、旅館業法が関係してきますので、現状に、相談という形で対応していただいているということですね。ただ、ぜひ、民泊をきちんと許可を得てやりたいという方の問い合わせでしたら、空き家等を活用してもらえば市としてはプラスになりますので、市側も何か協力をしていく形ができればなと思います。
 そして苦情に関しては、実態を把握するのが難しいということですけれども、確かにその部分というのは重々承知しておりますが、何か対策を打って出ないことには、鎌倉では適法でない民泊というか、近隣住民が不安を抱えているのにもかかわらず、民泊を行う業者がどんどん出てきて、さらにふえる可能性があります。やはりここはきちんと対応策を打っていただきたいと思います。
 そうした中で、インターネットを通じて、不特定多数の一般個人によるサービスの提供と利用者を仲介する民泊仲介ウエブサイトというのが幾つも出てきております。やり方は本当にホテルを予約するのと変わらない形で、日付と場所を入力すると、もう宿泊施設が検索できる仕組みです。また、地図から場所を選ぶというサイトもありました。このような民泊仲介ウエブサイトでは鎌倉市内の物件も掲載されていますが、それらの物件が適法な民泊かどうか、市としては確認しているんでしょうか。お伺いします。
 
○征矢剛一郎 都市調整部長  市としましても、民間仲介のウエブサイトに市内の物件が多数掲載されていることを承知しております。現地調査に行くような場合などには、参考までに閲覧をして行っているというのが現状でございます。しかしながら、民間仲介のウエブサイトは地図の表示が曖昧でして、宿泊を申し込むようなところに入っていかないと、具体のその宿泊を実施している場所が明らかにならないというようなこともありまして、所在地が特定できないということになっております。物件が適法な民泊かどうかを確認するというのは非常に難しい状況になってございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  確認しようとしても地図と住所が異なっているということなんですかね。明らかにそれは、普通、泊まるのにどこにあるかわからないのに予約するというのもすごいですけれども、そういったところで、わからないというのは、多分予約者にはメールとかで場所を伝えたりとかしているんでしょうけれども、この宿泊者として、お金を払えば誰でも泊まれて、予約した人と実際に宿泊した人が別であってもわからない。どんな人が宿泊しているかも多分仲介業者もわかっていないと思いますし、物件の所有者はなおわからないと思います。
 そうなってくると、怖いのが、犯罪者の潜伏先であったり、犯罪自体にこの民泊の物件を利用される可能性があります。Aさんという方で予約して、別にBさんが泊まっていてもわからないわけですから、これはもう本当に犯罪に使おうと思えば考えられなくもない、一つの泊まる、潜伏する手段なのかと思いますので、そういったところをきちんと対応していかないといけないと思っております。
 こうした実態のつかめない中で、京都市では近隣住民から通報を広く募るということで、所在地が特定できなかった民泊施設を特定し指導を行う目的で、民泊通報相談窓口というのを開設されました。この民泊通報相談窓口というのは、民泊に関することについての通報、苦情、相談、問い合わせ、意見等を受け付ける窓口という位置づけで、民泊に対する市民の不安に的確に対応するとともに、旅館業法等の許可を取得した宿泊施設をふやすために、民泊に関する法制度等について説明していくことが必要と考え設置したと、京都市ではこのように言っております。
 先ほど御答弁でありましたが、物件の詳細の場所がわからないんだったら、実際に宿泊客が訪れて不安となっている市民の方から聞こうという、こういった形のスタンスでやられたのかと思います。成果としては、7月13日に設けられてから、7月末までの受け付け件数が260件で、うち通報は164件、相談は44件、意見等は52件でありました。通報のあった164件のうち99件は調査及び指導を行い、19件は所在情報が不明確であったため調査不能、46件は通報者との連絡調整待ち等の理由で調査未着手だそうです。結局この260件の受け付けのうち約6割が通報であり、そのうちの6割がもう実際に着手されたということになります。違法民泊をなくそうという京都市の思いが強くあらわれた、一歩進んだ対策だと私は思います。
 鎌倉市はまだ問い合わせ件数が少なく、苦情は調査中も含めて合計8件ということですけれども、この8件の物件の近隣の住民は不安を抱えながら生活しています。京都市のような姿勢で取り組むことが必要になってくるはずです。
 しかし、初めにも申し上げましたが、鎌倉市は宿泊施設が不足している状況を考えると、違法民泊はなくすが、民泊自体は推奨していく、これが必要だと思います。許可をきちんととって営業していただけるなら、空き家を民泊に活用するように紹介してもいいと思いますし、これ、適法な民泊を進めることでどれほど宿泊施設不足に貢献するかという例を御紹介いたしますと、例えば20件の空き家を利用して、その空き家に10件ベッドがあると考えますと、200ベッド確保できるわけですね。この200ベッドというのは鎌倉市にとってどのぐらいの確保になるかといいますと、鎌倉プリンスホテルの部屋数は全部で95室です。詳細がわからないですけれど、仮に1部屋二つベッドがあると考えたら、190ベッドになるんですよね。そうしますと、鎌倉プリンスホテルを誘致する、それ並みの、それに匹敵するホテルを誘致するというのと同じになるんですね。これは本当に宿泊施設不足に対して大きな貢献になると私は思っております。
 実際、鎌倉に泊まろうとしに来る方にもさまざまなニーズがありまして、なるべく安く泊まりたいという人や、ホテルのサービスを受けたいという人もいます。このニーズに合った宿泊施設を紹介していき、宿泊施設がないからという理由で近隣市に泊まっているお客さんを確保していく形になればと考えております。結果的にこれがまた空き家の問題についてもプラスになってくることになるのかと思っております。
 この現状からの打開策として、適法な民泊、きちんとして民泊をやるならば、きちんとバックアップをして、違法な民泊を排除する。これを今からきちんとやっていかなければならないと思います。ですので、今後はこの民泊に関する問い合わせが増加すると思われるため、一元化したわかりやすい窓口を設置して対応していくことも考えられますが、いかがお考えでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  現状におきましては、苦情や問い合わせに対してそれぞれの担当課で対応しているところでございますけれども、今後、民泊に関する新たな法制度が創設された場合には、民泊についての問い合わせが今まで以上にふえることも想定されると考えてございます。このため、今後は民泊をめぐる制度改正や問い合わせの動向を注視しながら、窓口の一元化も含めまして、問い合わせに対する体制の整備について、庁内関係部署と連携しながら検討していきたいと考えてございます。
 
○9番(日向慎吾議員)  まだ先のことが不明というか、わからない部分があるからということで、ただ、そういった形で、今後ふえてきたら一元化するということも考えていただけるということで。私としてはその担当の窓口というのは必要があるのではないかと思って、今回はこの質問をさせていただいているんですけれども、例えばほかにどういったところに相談できるのかなと考えてみたんですけれども、例えば先ほど保健所というところがあったんですけれども、保健所というのは旅館業の営業許可を持った適法な民泊に対しては、旅館業法等に基づいて指導することというのができるんですね。しかし、最初から営業の許可を取得する意思もなくて、違法な営業で利益を上げようとたくらんでいる違法民泊をする業者にとっては、この旅館業法の営業許可を前提とした、ある意味、旅館業法をとってくれと言った形の指導では、これ、全く違法をやろうとする業者にとっては効果がないというか、とってくださいといっても、いや、とる気もないので、という形になってしまうので、そこが保健所ではどこまで対応できるのかなというところがあります。
 あと、一方で、警察に通報したという場合を考えてみますと、旅館業法では、許可を受けないで旅館業を経営した者に対する罰則というのは、六月以下の懲役または3万円以下の罰金と規定されています。この旅館業の無許可営業は確かに犯罪ですけれども、実際に警察に捜査してもらうとか動いてもらうというのは、確かな証拠があって、具体的に事実を説明して、犯罪だからやってくださいと伝えなければならないと思います。しかし、先ほどもありましたとおり、違法かどうかの実態をつかむことが、これは大変であり、時間がかかるということですので、それを市民の方が調査するというのは、これはもう負担としては大き過ぎます。ですので、どこかがきちんと対応していかなければならないと思います。
 市民が不安を持っているというところがあるわけですから、やはりこれは市が体制を整えてやっていく必要があるのではないかと思っております。
 現在は、苦情8件ですけれども、これがさらにふえていった場合に、どこまで今の苦情を受け付けているということで、都市調整部の方たちだけで対応できていけるのかなというところもあります。また、先ほど民泊、新しい法律というお話がありました。現在その民泊新法というんですか、あえて呼ばせていただきますけど、結局民泊のルールを緩和していくという形で予想されております。結局簡単な届け出で住宅でも民泊をできるような形にしようという方針が出てきているのではないかと思っております。
 この民泊新法によっても住居専用地域で民泊が可能になったとしても、鎌倉市の独自のルールを策定して、近隣住民の安心、安全の確保は当然ですけれども、さらには泊まりに来る宿泊客の安心、宿泊客が安心して泊まることができる、この生活環境との調和がとれた、鎌倉らしい民泊を推進していっていただきたいと思います。
 いろいろと申し上げましたけれども、民泊について市長にお伺いしたいと思います。今後、市としてはこの民泊に対してどのように取り組んでいただけるのか、お伺いしたいと思います。
 
○松尾崇 市長  民泊についてでございますけれども、御指摘いただきましたように、市民生活における安全安心の課題ですとか、公衆衛生の確保、近隣住民とのトラブルの防止、民泊サービス提供者を行政がいかに把握できるかなどなど、課題がとても多くあると受けとめているところでございます。市としては、この適法な民泊ということを普及を図っていくということは必要であろうと考えています。
 今、御説明ありましたように、民泊に関する新たな法制度の動向ということがございますので、こちらの動きも注視しながら、市としては、そうした問い合わせ窓口の一本化ということは、これは早急に整えていく必要があると考えています。これらを含めて、今後、民泊に対しての取り組みということを進めてまいりたいと思います。
 
○9番(日向慎吾議員)  いろいろと協議していただいておりますし、対応もしていただいているのは十分承知でおります。
 しかしながら、先日チラシがポスティングされているということをお伺いしまして、鎌倉市全域を対象に、「空き家を募集します」みたいな形のチラシがポスティングされているのをお聞きしました。内容は、大きく「空き家&空き部屋でお困りの所有者様へ 大切なお知らせです」と大きく書かれていて、内容は、今後インバウンドにより宿泊施設が不足しています。遊休不動産、空き部屋、空き室等を所有のオーナー様、頭金、自己資金を必要とせず、当社が全面プロデュースしますと書かれております。対象地域は鎌倉市全域、募集は25部屋です。そういったことが書かれているのが、鎌倉市の空き家に対してチラシがポスティングされています。
 この業者が空き家等を募集してどういった営業をするのかというのはわかりませんし、仮に民泊をしようとしても、適法なのか違法なのかというのは全くこれはわかりません。しかし、市の空き家等に対して興味があって、ビジネスになると考えている業者がもういるんですよね。25部屋も募集しているということは。
 このように業者はもうどんどん民泊をしようというので動いてきております。鎌倉市はこの違法をなくしていく姿勢を示して、本当に適法な民泊を推進していくことを表に出していかないといけないと思います。市民に民泊がふえていることをきちんと周知して、何かあればここに相談してくださいという形で相談窓口を設けるなどして、体制づくりをお願いしたいと思います。
 今回は、起きてからの対応というのはさまざましていかなければいけないと思います。しかし、起きる前にやれることの対策、これをきちんとやっていくこと、防止する対策や、今後起こり得る可能性があることに対しての取り組みも大切という視点で質問をさせていただきました。先が見えないから、決まってからやるというのは、一見効率がいいようで、起こってしまってからの対処のほうが時間や労力が多くとられてしまったり、意外と実際にそうなったときには手おくれなんていうこともあります。ぜひ、今まで以上に先を見る目で今後も取り組んでいっていただきたいと思います。
 以上で私の一般質問を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいま一般質問中ですが、議事の都合により、暫時休憩いたします。
                   (12時00分  休憩)
                   (13時20分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  休憩前に引き続き、会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。
 次に、小野田康成議員の発言を許可いたします。
 
○17番(小野田康成議員)  鎌倉夢プロジェクトの会、小野田康成です。通告に従いまして、一般質問させていただきます。
 私は12番目ということで、またお昼過ぎということで、折り返し地点をちょうど過ぎたところで、一番スピードダウンをしているころかと思いますけれども、後半戦、頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 鎌倉市地域防災計画平成26年度平成27年度資料編には、協定書そのものが記載されております。これら協定書に目を通しておりますと、この協定は実際に災害が発生したときに本当に有効なのか、実際に災害が発生したときの視点で協定の内容が書かれているのか、協定自体に実効性のある内容の記載がない場合には、行動要領など別の書面が所在するのか等々、以前から気になっておりました。
 その代表例としまして、アマチュア無線非常通信協議会との協定について何度か質問させていただいてまいりました。担当原局の御努力や関係者の皆様の御尽力により、実効性が確保された結果が先日行われた鎌倉市総合防災訓練におきましても見ることができ、この協定の実効性を証明する通信訓練が行われたものと感じております。関係された方々には厚く御礼申し上げます。
 さて、通告の内容1番、協定の実態から入らせていただきます。アマチュア無線非常通信協議会との協定については、以前より協定の内容と実態が乖離しているのではないかという指摘をしておりましたが、その後、この乖離を解消するためにどのような対策がなされてきたのでしょうか。また、この乖離を生むこととなった原因はどこにあるとお考えでしょうか。お答えください。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  以前、平成25年当時ですか、御指摘いただきました鎌倉市アマチュア無線非常通信協議会の運営実態は、十分な実効性を有したものではなかったとは今認識をしております。こうした状況を踏まえまして、まずは市と協議会との話し合いを開始し、協議会に対しまして組織の見直しをお願いするとともに、協定の実効性を高めるために、平成26年には災害対策本部室に無線用のアンテナを設置するなどの対応を図りました。その後も年に数回の話し合いの場を設けまして、緊急時の無線の活用についてなど、幅広く意見交換を行っておりまして、現在は一定の実働性を有する協議会となっているものと認識をしております。
 また、当時そのような状況になった原因でございますが、これにつきましては、アマチュア無線を取り巻く状況の変化等によりまして、当該協議会と本市とが接する機会が少なくなってきたこと、また本市といたしましても、その状況の解消に向けた取り組みが進んでいなかったことなどが考えられます。いずれにいたしましても、基本的には協定先の運営がどういった形態で行われているかといった点までは踏み込むことは難しい面もございますが、協定の実効性を確保していくことは最も大切でありまして、必要なことであることから、今後も同協議会はもとより、各協定先と緊密に連携を図っていく必要があると考えております。
 
○17番(小野田康成議員)  実効性のある形で進んできていただいていることは認識しておりますが、まだ若干乖離している部分があるのではないかと感じている点も幾つかございます。
 その一つとしまして、この協定書の災害時非常無線通信の協力に関する協定の第3条、協力要請の手続というところを見ますと、「前条第1項の規定により、無線局に協力を要請する場合の要請手段は鎌倉市消防長(以下、「消防庁」という)が担当するもの」と書かれております。この点についてはどのようにお考えでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  確かにこの昭和48年当時結んだ協定の第3条には、無線局に協力を要請する場合の要請手続は鎌倉市消防庁が担当するものとすると書いてございますが、現実、実態は今そういうことになっておりません。当協議会に限らず、協定の内容の変更等の必要が生じた場合については、市と協定先の双方が協議する上、対応することが一般的な手法となってございます。当協議会に関しましては、市からも協議会からも特段な話が出なかったことから、議員御指摘の状況が長く続いてしまったものと考えられます。
 現在は、現状にそぐわない記述がそのまま残っていることに関しまして、当協議会側とも共通認識はしているところでございますので、今後機会を捉まえまして協定の見直しについて協議してまいりたいと、このように考えてございます。
 
○17番(小野田康成議員)  現状にそぐわない状況、記述につきましては、今後、機会を見つけて修正をしていっていただけるということで、よろしくお願いいたします。
 続きまして、自主防災組織についても平時の取り組みが重要であると考えられます。現在、市では備蓄品や資機材の購入についての補助制度を運用しておりますが、補助金を活用して購入した資機材の確認はどのようにして行われているのでしょうか。特に発電機やトランシーバーなどは、操作方法を平時から確認しておかなければいざというときに使うことができないと思われますけれども、いかがでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  地域における共助の中心となる自主防災組織に対しましては、鎌倉市自主防災活動育成費補助金によります活動支援を行っているところでございます。備蓄品や資機材の購入に際しましては、総合防災課職員によりまして、購入物品と申請内容の確認を行っております。しかしながら、議員御指摘のように、発電機やトランシーバーなどは平時から一定程度操作になれておく必要がありますことから、今後とも自主防災組織に対しましては、訓練を実施する際などには資機材の使用操作訓練もあわせて積極的に行っていただくよう呼びかけるなど、さまざまな機会を捉まえまして啓発を行ってまいりたいと、このように考えてございます。
 
○17番(小野田康成議員)  ぜひ使用方法等、常時からなれておくようにしてもらいたいと思います。
 自主防災組織の備蓄品だけでなく、このミニ防災拠点の備蓄品を見てみますと、例えば石油ストーブがあります。これ、燃料となる石油の入手というのは確保できているのか、また、乾電池、これは古くなって液漏れとかを起こしていないのか。あと発電機ですね。これ、ガソリン携行缶は同じ備蓄品のリストに入っておりますが、ガソリンは確保できるのか。それと発電機はガソリンだけでは動きませんので、オイルが必要です。オイルの入手は可能になっているのか。また、そもそも発電機を動かすことができる人がいるのかどうか。スイッチ一つにしても、オフのまま幾ら発電機を動かそうとしても動きません。そういったことなどが思いつきます。
 平時から使用できる状態でなければ、災害発生時には役に立ちません。せっかく補助金まで使って災害発生時に備えているのに、実際に役に立たなかったとしたら非常に残念なことです。このようなことがないよう、自主防災組織などで行っている防災訓練に、積極的に市の職員の方や消防職員の方が出向くような機会を見つけて、というよりもつくっていただいて、意識啓発を積極的に行っていただきたいと思います。
 さて、発生する災害にも、津波とか崖崩れ、河川の氾濫などさまざまな種類が想定されますが、地形的なというか、地域的な関係から、お隣の藤沢市では津波を最も警戒しているように思われます。といいますのも、高所カメラを市内3カ所に設置されて、そして4台のカメラで常に海の監視を行っているとのことです。また、海老名市においても、ビルの屋上に高所防災カメラを設置しましたという記事が出ております。
 それで、質問は、大きな項目の二つ目に移らせていただきたいんですけれども、映像による情報収集ということで、災害発生時には情報収集が重要となりますけれども、無線などによる音声によるものと、ライブカメラなどによる映像によるものがありますが、鎌倉市における映像による情報収集の現状はどのようになっているか、お聞かせください。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  現在、本市におけます災害時に関する映像による情報収集といたしましては、神奈川県が県管理河川3カ所に監視カメラを設置いたしまして、県のホームページを通じて映像の閲覧が可能となってございます。
 この台風などで河川の水位状況などを把握する際には、この当該カメラの情報や、同じサイトで公表されている河川水位情報を今活用しているところでございます。また、別に、津波監視として、由比ガ浜海岸には同じく神奈川県により津波監視カメラを設置しております。河川監視カメラと同様に映像が閲覧できるようになっているところでございます。
 
○17番(小野田康成議員)  県の河川監視カメラがあったり、由比ガ浜にはまた別の県のカメラがあったりということで、やはり鎌倉市だけで対応するというのはなかなか難しいですから、ぜひそういったカメラ等も利用していただいて、また鎌倉市でも、後ほど質問させていただきますが、独自な形でのカメラも必要でないかなと思っております。それは後ほど質問させていただきます。
 この映像ということで、ことしの夏に話題となった映画、この一つに「シン・ゴジラ」があります。ごらんになりましたでしょうか、皆さん。その一つのシーンに、ゴジラが由比ガ浜海岸に上陸してくる場面があります。由比ガ浜の沖合から134号線を越えて、公園にゴジラが上陸してくる映像を目の当たりにしますと、架空の存在であるゴジラが上陸するシーンを非常にリアルに感じてしまいます。恐らく台風であったり津波であったり、何か外敵がこの鎌倉に向かってくるとしたら、このような場面になるのではないかと。なれ親しんだ風景と想定外の事象を私の頭の中に結びつけて想定している自分がいるのではないかと感じました。海と山に囲まれた鎌倉ですけれども、海に関する情報として、映像による情報の必要性というものを感じた次第です。
 そこで、先ほど県のカメラが由比ガ浜にもあるということでお聞きしましたけれども、調べましたら、ある企業のこれは資料なんですけれども、クロスメディア向けライブ配信用ネットワークカメラ全国設置場所ということで、海沿いは既に県以外にもカメラが設置されて、波情報ですね。この会社は、波情報を報道機関に配信しているようです。実際には場所は由比ガ浜だけじゃなくて、由比ガ浜、七里ガ浜、腰越の3カ所でカメラを回しているようですけれども、そのような企業と、津波に関する映像を災害発生時には防災本部に提供してもらえるような、そういった協定を結ぶべきではないかと思います。
 また、以前、同僚議員の質問に、観光の施策としてライブカメラの設置の検討をお願いしたいと。それで、検討しますというような御答弁があったと思います。また、防災安全部では、この4月に津波シミュレーション動画を公開しております。こうした媒体を活用して、実際の風景と災害時の状況を重ね合わせてイメージしておくことが大切だと思いますけれども、例えば津波シミュレーション動画をどのような意図で制作されたのか、そういった制作の意図等につきまして御説明してください。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  議員御紹介いただきました津波シミュレーション動画でございますが、これは津波が本市に来襲した場合を想定いたしまして、どのような状況になるのかを、市内4カ所をポイントにコンピューターグラフィックで再現いたしまして、具体的な避難をイメージしてもらうとともに、津波発生のメカニズムや想定される津波の到達時間等々をわかりやすく解説したものとなってございます。
 議員御指摘のこの動画を作成した意図でございますが、東日本大震災から5年が経過いたしまして、記憶の風化が懸念される中、市民の皆様に視覚による津波の危険性を認識をしていただきまして、危機意識を持ち続けていただくとともに、本市に起こり得る災害リスクを正しく把握し、冷静、確実に避難するためには、日ごろから避難経路や避難場所を確認するなど、平時からの取り組みが重要であることをお伝えすることを目的に作成いたしました。今後も防災関連の集会や訓練等の機会を捉まえまして、津波避難計画あるいはこの動画を活用して防災意識の啓発を図ってまいりたいと考えてございます。
 
○17番(小野田康成議員)  今、部長からも御答弁ありましたように、日ごろからの取り組みが重要ということで、それを意識するために、こういったDVDによって意識啓発を図るというような意図で作成されたということだとお聞きしました。非常にその点、大事だと思います。特にこの防災に関しては、近年、学校における防災教育の面においても非常に重要な位置を占めておりますので、後ほどこの教育関係につきまして、この津波DVDに関連したことで質問させていただきますが、特に子供たちに対するこういった危機意識の啓発というのは大事だと思っていますので、後ほど質問させてください。
 こういった災害に備えるために、防災備蓄品に関しましては賞味期限を確認したり、常日ごろから防災グッズになれておくことが大切であるということは、私たちは認識するところだと思います。しかし、常日ごろから使うという場面をつくりにくい備蓄品もあります。その例としまして、発電機を先ほど挙げさせていただきましたが、映像に関しても同じだと思います。観光名所としましてこの鎌倉の海は津波がやってくるという場所でもあります。また、海沿いの国道に関しましても、災害発生時には交通渋滞が発生しやすい場所でもあります。
 実際に災害が発生したときに、その場所の映像を眺めているような人はその場ではいないと思います。避難しちゃいますから。ですから、常日ごろからそういった場面、これを意識している、そういった映像が脳裏に浮かんでくるようであれば、そこに津波の情報とか交通渋滞の情報を重ね合わせて、とっさの判断につながってくるのではないかと思います。観光の施策としまして、そして防災意識の啓発のために、鎌倉の海を映し出すライブカメラの設置の実現をぜひお願いしたいと思います。
 続きまして、3番目ですね。火災警報装置の実態というところに移らせていただきます。火災警報装置と書きましたが、具体的に言えば住宅用火災警報器のことです。御家庭に皆さん、家に設置されておりますでしょうか。私の家にも設置されておりまして、先日、害虫駆除の煙が出るやつを設置して、何かそれには、煙が影響しないようにということで袋がついていて、かけたんですけど、1個かけ忘れたのがありまして、どこで鳴っているのかわからなくて、すごい音が出ちゃって、その煙の中を口を押さえながら入って、それを無理やり引き剥がしちゃって、後で修理するのは大変だったということがあります。ただ、もしそれが火事だとしたら、本当に反応するんだなと思って、非常に大事だなと思いました。
 津波という災害も恐ろしいですけれども、この火事という災害も非常に恐ろしいものです。私たちにとって最も身近に起こり得る可能性の高い災害の一つが火事、つまり火災であると言えます。火災によってどのような方がお亡くなりになっているとかといいますと、実は6割強の方が高齢者であるということを、住宅防火対策推進協議会が消防本部の実施施策と高齢者の実態に関する調査研究という研究報告書の中で発表しております。高齢者がふえればふえるほど犠牲者がふえることが想定されるわけです。現状でも高齢者の10人に1人の割合で火災につながるひやりとした経験があり、100人に1人は実際の火災を経験しているそうです。高齢者の起こす火災を防ぐための対策としましては、一つは火災を起こしにくい暖房器具を使用すること、またもう一つは高齢者のお宅を定期的に訪問すること、また、今回質問させていただくこの住宅用火災警報器などの警報を発する装置を設置することなどが挙げられると思います。
 この住宅用火災警報器は2006年の改正消防法により新築、既存住宅を問わず設定が義務づけられましたけれども、鎌倉市内の設置率はどれくらいなんでしょうか。また、この住宅用火災警報器を設置したことによる効果はどの程度あったのでしょうか。お聞かせください。
 
○斎藤務 消防長  平成28年6月現在ですが、鎌倉市の住宅用火災警報器の設置率は72%となります。住宅用火災警報器を設置したことによる具体的な奏功事例としまして、ガステーブルで調理中に、目を離した際に鍋の内容物が煮詰まり煙が発生したことにより、台所の住宅用火災警報器のベルが鳴動し、家人が気づき、ガステーブルのスイッチを切り、火災に至らなかった事例がございました。また、ガステーブルを消し忘れ、外出した留守宅から住宅用火災警報器のベルが鳴動し、隣人や通行人からの119番通報により到着した消防隊により早期に消火活動がなされ、延焼拡大に至らなかった事例等がございます。住宅用火災警報器の設置につきましては、火災の発生防止に大変有効であると考えているところでございます。
 
○17番(小野田康成議員)  設置率が72%ということで、まだ28%のお宅では設置されていないということのようです。
 昨年亡くなってしまったんですけれども、うちの母が昨年7月に亡くなりまして、まだ実はその母の部屋がそのままとってあるんです。台所のところに大きく張り紙がしてありまして、「消し忘れ注意」とマジックで書かれた紙が張られていました。多分似たようなことをやってしまって、私に言うと怒られるので、自分なりに注意するために書いたんじゃないかなと思われます。もちろんこの住宅用火災警報器は設置してあったんですけれども、もし設置していなかったとしたら、うちの母なんかもうっかり者でしたから、火事になってしまったのかなということが危惧されます。現実に100%というのはなかなか難しいかと思うんですけれども、ぜひ設置率100%を目指して指導をお願いしたいと思います。
 この住宅用火災警報器の設置が義務づけられたのは2006年ということですよね。義務化からことしで10年となりますけれども、電池交換の周知はどのように行っているのでしょうか。
 
○斎藤務 消防長  住宅用火災警報器の電源は、家庭用の100ボルトのものもございますが、一般に普及しているものは工事が不要である電池式で、寿命についてはおおむね10年としているところでございます。電池交換の周知につきましては、住宅用火災警報器設置の促進とあわせ、「広報かまくら」、ホームページ、各種消防のイベント、あらゆる機会を通じて電池交換について周知を図っているところでございます。共同住宅につきましては、立入検査の際に住宅用火災警報器の電池交換の時期について関係者に周知し、火災予防上有効に作動するよう指導しているところでございます。
 
○17番(小野田康成議員)  一般的には電池交換が必要なものがほとんどであるということですね。皆様、多分、御自宅にはその住宅用火災警報器が設置されていると思いますけれども、何年たったか覚えていらっしゃいますか。私は覚えていなかったというか、つけた場所も、先ほど害虫駆除の煙のお話でしましたけれども、どこにつけていたかも、うっかり1個忘れていたということがあります。電池切れしているかどうかというのはなかなか把握しづらいところもあります。ぜひ、この電池切れによってこの住宅用火災警報器の効果が出ないなんていうことがないように、注意をしていただきたいと思います。
 先ほどから協定に関する質問を初めとしまして、いざというときに実際に役に立つのかという視点、つまり理想と現実とのギャップ、決められていることと現実との乖離に関して質問を繰り返してきておりますが、この住宅用火災警報器を初めとするさまざまな電池を使用する機械で、電池が切れていて役に立ちませんでしたということのないよう、注意喚起を徹底していただきたいと思います。
 住宅用火災警報器を製造しているメーカーからは、電池が切れると音が発生しますというような発表がされている。そういったものも見ましたけれども、機種によっては音声で電池が切れた旨を伝える物もあると思います。「電池が切れました、電池が切れました」と。でも、古いものですと、単に発信音だけで電池切れを知らせる機種もあると思います。音声案内であれば誤解はないと思いますけれども、単に住宅用火災警報器から音が出ているだけの場合、そもそも家庭内のどこから音が出ているのかわからない方もいらっしゃるかもしれませんし、警報器の故障だと勘違いされる方もいると思います。
 先日、この議場でも停電が起こりました。その際に、どこかからわからないんですけど、「ピッピッ」という電子音が鳴り続いておりまして、その原因が何だかわからずに、「この音は何、この音は何」と繰り返し聞いておられた同僚議員もおりました。想定外が起こると、人というのは非常に不安になるものなのかなと感じました。
 御家庭においても、突然この意味不明な電子音が鳴り始めた場合に不安を感じる人も多いと思いますし、ましていわんや電子機器になれていない高齢者にとってはなおさらのことだと思います。この住宅用火災警報器がそのような音を発する可能性があることを十分周知していただきたいと思います。
 続きまして4番目です。特定空き家等についてです。今定例会中に開催される委員会におきまして、この特定空き家等については報告がされるそうですので、その内容に触れないように注意して質問させていただきたいと思います。また問題のない範囲での御答弁をお願いします。
 平成28年6月定例会において、鎌倉市空き家等対策協議会条例が可決され、条例が公布されましたが、鎌倉市空き家等対策協議会では具体的にどのようなことをされるのでしょうか。お聞かせください。
 
○大場将光 まちづくり景観部長  特定空き家等に関して、御質問でございます。鎌倉市空き家等対策協議会条例では、「空き家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関する事項につきまして、調査、審議する」と、このように規定をされてございます。
 具体的には、平成28年度は本市における空き家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するための鎌倉市空き家等対策計画と、特定空き家等の判断基準を定める鎌倉市特定空き家等に対する措置に関するガイドラインの策定に当たりまして、これらにつきまして御意見をこの協議会からいただくということになってございます。平成29年度以降につきましては、この特定空き家等の認定に当たりまして御意見をいただいてまいると、このような予定でございます。
 
○17番(小野田康成議員)  この特定空き家等の認定につきましては、この協議会で認定していくのでしょうか。
 
○大場将光 まちづくり景観部長  特定空き家等の認定につきましては、まず鎌倉市特定空き家等に対する措置に関するガイドライン、これによりまして、特定空き家等の判断基準に基づきまして、市が特定空き家等に該当するか否かの判断を最初にさせていただくことになります。特定空き家等に該当すると判断した物件につきましては、鎌倉市空き家等対策協議会に諮問をいたしまして、答申をいただくことによりまして、その内容を踏まえて市長が特定空き家等の認定を行うということになります。
 
○17番(小野田康成議員)  流れについてはわかりました。
 では、その特定空き家等に認定されるとどのようになるのでしょうか。
 
○大場将光 まちづくり景観部長  まずは所有者に対する、適切な管理を促進するための必要となる情報の提供や助言・指導を行います。助言・指導に従わない場合は、市長が特定空き家等の所有者等に対して、周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告するということになります。
 なお法制度上は、勧告後、命令を経まして、最終的に代執行、行政で行うということも可能となってございます。また、勧告をした場合、特定空き家等に係る敷地につきまして、固定資産税等の住宅用の特例の対象、こういうふうになっておるんですが、これから除外をされることになります。
 
○17番(小野田康成議員)  この特定空き家等に認定された場合に行われます内容につきましては、理解ができました。代執行が行われるとか、あと住宅用地の特例の除外があるとか、そういったことがあるということでわかったんですけれども、ただ、実際に本当にそのようにうまくいくのか。先ほど来からずっとお話ししていますように、理想と現実とのギャップ、この辺がないのかどうか不安になります。
 といいますのも、葛飾区の例によりますと、今御答弁いただいたとおりにうまく事が運んでばかりもいないというようなデータもあります。といいますのは、空き家でなくてここは倉庫なんだと主張されて、倉庫としてもう利用実態がないということを再証明するために、一からやり直さなくてはならなくなったというような事例もあると聞きます。各事例をよく研究して対応していただきたいと思います。
 そして、鎌倉市では固定資産税納税通知書に、空き家等の適正管理についてのお願いという文書を固定資産税の納付書に同封していただき、啓発していただいておりますが、今後はこの特定空き家等に認定されて必要な措置をとることが勧告された場合には、その敷地について固定資産税等の住宅用地の特例の対象から除外されますよということにつきましても伝えていく必要があると考えますけれども、いかがでしょうか。
 
○大場将光 まちづくり景観部長  市では平成26年度から、固定資産税納税通知書に空き家等の適正管理についてのお願いというものを同封させていただきまして、周知、啓発を行っているところでございます。議員御提案のように、特定空き家等につきましての周知が必要であると考えております。今後は納税通知書に同封している文書の内容を見直すということとともに、市広報紙あるいはホームページなどにおきまして、情報提供につきまして検討していきたいと考えております。
 
○17番(小野田康成議員)  ぜひ目立つような形で周知をしていただきたいと思います。
 この固定資産税の納付書に空き家に関する周知の文書を入れていただいているんですけれども、そんな多くの人数じゃないですけど、私は機会があるごとに、そういった文書が入っていましたけれども見ましたかと聞きますと、意外と気がついていない方が多いんですね。多分、わら半紙状のもので入れているので、余り重要ではないと思われているのかもしれません。その辺はわからないですけれども、ただ残念ながら気がついていないという人が、私の周りでは多いんですね。ですので、周知文書のデザインを工夫するとか、フォントを工夫するとか、必要に応じてはカラーにするとか、そういったことも検討していただきまして、効果的な周知文書の作成に力を注いでほしいと思います。
 これ、入れていただくことは間違いないんですよね。
 
○大場将光 まちづくり景観部長  今の固定資産税納付通知書に空き家等適正管理に関するお願いというのは、きちんと同封されているのは私どもも確認をしております。
 
○17番(小野田康成議員)  入れていただくということは確実にしていただくということで、よろしいですね。
 続きまして5番目、緑、竹林の管理、活用に移らせていただきます。
 旧野村総合研究所跡地の竹林の整備状況について、お聞かせください。
 
○桝渕規彰 文化財部長  旧野村総合研究所跡地の竹林につきましては、適切な竹林の状態に整備することを目指しまして、平成27年度からボランティアを募集し、市民と協働で間伐などの管理を行うとともに、神奈川県林業協会や公益財団法人かながわトラストみどり財団の協力を得る形でも、計画的な竹林管理を行っているところでございます。
 
○17番(小野田康成議員)  その整備をしていただいているということで、ありがとうございます。
 この整備の際、伐採した竹が出てくると思うんですけれども、それはどのようにして利用されているのでしょうか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  伐採した竹につきましては、例えば近隣の保育園や自治会などが七夕などの行事で使う材料として利用しているほかに、こどもみらい課で実施しております冒険遊び場事業におきまして、秘密基地やおもちゃの材料として利用するなど、そういった用途に一部利用しているということでございます。
 
○17番(小野田康成議員)  冒険遊び場とか、子供たちのために活用していただいているということで、非常にありがたいと思います。
 今、旧野村総合研究所の竹林のことを聞きましたけれども、竹林というか、竹はほかのところにもたくさん生えておりますが、もう全体として、公園課が管理されている緑地の竹の管理状況としましてはどのようになっているんでしょうか。
 
○伊藤昌裕 都市整備部長  現在市が所有しております緑地の管理につきましては、特に竹というところに限ったものではございませんけれども、周辺住民の皆さんの安全を確保するために、道路や家屋に接する危険な状態にある物、これを伐採していくことを優先して実施しているという状況になっております。
 
○17番(小野田康成議員)  こちらをお聞きしますと、危険な物を伐採ということで、先ほどの文化財部長の御答弁とは温度差があるのかなと。使っている、有効利用しているというよりも、どちらかというと危険な物をただ切っているという御答弁だったかと思いますけれども、私としましては、もう各課のこの維持管理で発生しました竹につきましては、有効に使ってもらいたいなと。なかなか有効に使える資材を鎌倉市で持っているというのはそんなにないと思うんですね。せっかく使える物なので有効に使ってもらいたいなと思っているんですけれども、どのようにお考えでしょうか。
 
○伊藤昌裕 都市整備部長  緑地や公園等の樹木管理によりまして発生いたしました竹などの間伐材、これの有効利用を図る目的で、平成27年9月から間伐材等の無償頒布を実施しております。現在は実施後1年を経過する中で、制度の周知あるいは運用方法について検証を行いまして、引き続き間伐材の有効活用に向けて取り組んでまいります。
 
○桝渕規彰 文化財部長  文化財課では、旧野村総合研究所跡地、あるいは史跡におきまして竹林の管理を実施しておりますが、当面は繁茂している竹を間伐するなど、計画的に竹林管理を進めていくことに重点を置いております。竹林管理で発生する竹の有効利用につきましては、先ほど申し上げましたが、保育園や自治会等の行事、こどもみらい課で実施している事業のほか、今、都市整備部長よりお話がありました、公園課で行っている竹の間伐材の無償頒布なども参考にしながら、関係各課と連携して今後検討してまいりたいと、このように考えております。
 
○17番(小野田康成議員)  平成27年6月から間伐材の無料の頒布ということで、なかなかこの無料を何とか有料としていくのは厳しいのかなと。法的なハードルがあって厳しいのかなと思うところもありますけれども、やはり市においては収入確保について非常に苦労されていると思います。この収入確保の方法としまして利用できないかどうかということを、各課協力して検討を重ねていただいて、せっかくある資源ですから、有効にこの市のために、市民のために使っていってくれたらうれしいなと思いますので、御検討のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、項目の最後としまして、教育現場の実態ということで、非常に大きい範囲で伝えてしまったようで、そんなに実態、中身を全てわかっているわけではないので、ある一部の場面に関しましてどういうふうになっているのかと思った次第ですので、その点は御了承ください。
 新しくなりました大船中学校、これを先日内覧会で拝見させていただきまして、非常に思うところがたくさんありました。まずこの新しくなった大船中学校は、どのような考えでこの近代的なデザインになったのか。また、今後学校を改築する際のデザインの方向性について、市のお考えをお聞かせください。
 
○佐藤尚之 教育部長  大船中学校の改築工事に当たりましては、学識経験者や学校関係者のほか、保護者の皆さんや地域の代表により構成されました大船中学校改築検討協議会を設置いたしました。この協議会におきまして、パブリックコメントなどを反映した上で改築基本計画を策定したところでございます。
 策定されましたこの基本計画をもとに、平成24年に実施いたしました公募型プロポーザル方式により、設計業務を委託する事業者を選定したところであります。なお、選定の際には学識経験者や保護者の代表などにより構成された審査委員会において決定したところでございます。
 具体の設計に当たっては、設計事務所が作成をいたしました基本設計案に対しまして、市民の皆さんや公募した意見、あるいは学校からの要望等を反映して、実施計画としてまとめたところでございます。
 今後でございますけれども、今後の学校改築に当たりましては、大船中学校同様に市民等の意見や要望が反映できる方法を採用しながら、デザイン等についても検討してまいります。
 
○17番(小野田康成議員)  非常に対照的で、第二中学校は非常に木造校舎で昔ながらの建物だなという感じだったんですけれども、この大船中学校はそれと反するというか、反すると言ったら言い方が、悪いという意味合いで言っているんじゃないですよ。非常に対象的なデザインで、びっくりしたというのが正直なところです。今後も地域に合ったデザイン、そして市民からの要望に応えられるデザインであることを希望させていただきます。
 特にびっくりしたというか、すごいなと思ったのが、廊下側からも教室内が見える開放的な設計でした。たまたまこの内覧会に行ったときに、中で生徒たちが部活の練習をしていたんですけれども、この部活を練習していた子がたまたま私が教えているおはやし教室の子供でして、その子と、私がたまたま廊下を歩いていたら目が合って、あっと手を振って廊下にぱっと出てきたんですね。本当だったら、普通の今までの校舎だったら、そんなことはあり得ないんですけれども、すごい効果だなというのを感じました。この廊下と教室の中との隔たりというのが、なくなっているんだなということを本当に感じた次第です。
 今までの教室の環境と、がらっと変わりますので、教員の方、また管理職の方は、それを今後どのようにして生かしていくのか。ただ中が見えるというだけでは意味がないと思うんですよ。やはり中が見えるからこそこういったふうにプラスになるんだよというところを、当然お考えだと思うんですけれども、その辺をお聞かせください。
 
○佐藤尚之 教育部長  今、議員から御紹介ありましたとおり、まず生徒にとっても利点がございます。生徒たちにとっては、明るく開放的な空間で、伸び伸びと学習活動や学級活動に取り組んだり、友達と語り合ったりすることが期待できると考えてございます。また、教員にとっては、授業や学級の様子が見やすくなり、お互いの授業を見合うことで、よりよい授業のあり方や生徒の情報交換に生かしていくことができるものと考えてございます。さらには、管理職としても、生徒の活動状況の確認や健康観察等がしやすくなるとともに、教室での教員の指導状況を観察することにより、適宜助言等をすることができ、授業の改善にもつながると考えてございます。
 
○17番(小野田康成議員)  せっかく新しい形でこのハード的なものが変わっていきましたので、これをどのように生かすかというのは非常に重要なことだと思います。まだどうなるかというのは、想像するだけではわからない面もあると思いますけれども、ぜひ効果的に使っていけるようにしていただきたいと思います。
 私もこの開放的な教室にするというのは大賛成なんですけれども、ただ、生徒指導をしていく側面では、隔離された空間というのが必要になってくる、そういった場合もあると思います。例えばいじめとかによる問題が発覚した場合などは、大抵の場合では複数の生徒から事情を聞くことになる。そういったケースが多いと思いますが、そのような場合には、そのいじめにかかわった生徒一人一人を、部屋を離して、そして話を聞くということになると思います。
 といいますのも、複数の生徒からまとめて一遍に話を聞きますと、彼らはお互いに都合を考えてしまって話をしますから、時には真実とは異なる方向で話が進んでいってしまうという可能性があるからだと私は思うんですけれども、一人一人隔離して話を聞いた場合には、お互いに意識する必要がないですから、仮に真実と異なる話がその一人一人の中から出てきた場合には、各自の話が矛盾点が出てきますので、そういったことから、真実、本当はどうだったのかということに導いていくことができると思うんですね。
 ですので、この開放的な教室だけでなくて、外からは見えない部屋というのも中では必要ではないかと思うんですけれども、そのような施設はこの大船中学校ではあるのか、また先ほど私が例示したような場面以外では、そういった場所がもしあるとしましたら、どのような指導場面で活用するんでしょうか。お聞かせください。
 
○佐藤尚之 教育部長  今るる御紹介いただいたとおりでありますけれども、特に特別な支援を必要とする生徒のための、例えばクールダウンをするための部屋、あるいは相談の部屋、スクールカウンセラーによるカウンセリングを受ける部屋、あるいは健康相談室等々が用意されてございます。学習相談、進路相談、健康相談、あるいは友人や家族に関する相談等、個別に対応しなければならない場合には、生徒のプライバシーを保護する等から、これらに配慮した相談室のような部屋を活用しているところでございます。
 
○17番(小野田康成議員)  では、その個別の指導とかで使うようなお部屋は一応確保されているということで、お聞きしました。
 そして、大船中学校、新しい校舎になって、本当にすばらしいんですけれども、この新しい校舎を大切に使っていく、壊さないように使っていくという、その気持ちはとても大切なことです。これは間違いないです。ただ、そういった中学生たちが使っていく中で、生活をしていく中では、汚れてしまうとか壊れてしまうということは、これはある程度は仕方のないことであるのも事実です。汚さない、壊さないということを理想とすることは大切なんですけれども、現実的で考えますと、どうなのかと思う部分もあります。
 例えばこの真新しい校舎には白い壁の部分が結構ありました。特に高いところ、上のほうですね。その白い壁を見ていますと、ああ、ここの高いところにボールの跡、バンとぶつかった跡とか、あと上履きの跡、生徒がぽいっと投げて、上履きの靴底の跡がついてしまうような光景も想定されたんですね。残念ながらそういったことがあるかもしれません。
 また、吹き抜けの施工による高所などの清掃、例えば壁面のところに、ガラス面がばっと高いところまでありまして、そういったところを生徒が清掃するのは不可能のような感じを受けました。どうやって掃除するのかなと思いまして、教室の中の掃除用具入れを開けさせていただいてみたら、従来の清掃で使用するほうきとかちり取りは入っていました。基本的な掃除用具は入っておりましたけれども、それだけでこれ、できるのかなと思いました。窓の大きさも非常に大きくなって変わりましたし、数もふえています。それに応じた清掃が当然必要となってくると思うんですけれども、この昔ながらの雑巾とかほうきだけで対応することも、可能かもしれませんけれども、実際にこの清掃に当たる場合、これは非常に負担が大きいんじゃないかと思いました。
 普通、今、窓をきれいにするときには、ワイパーというんですか、ゴム状になったもので汚れを落とした後で乾拭きをするとかという場合が多いと思うんですけど、そういった道具を使ったり、また床面が滑らかな床は、普通のほうきとかよりもドライモップを使ったほうが清掃は楽になるし、実際きれいになるんじゃないかということが想定されます。確かに費用はかかるかもしれませんけれども、必要と思われるところには、現場の状況に合わせて必要な清掃用具を新しく準備されたほうがよいのではないかと感じました。
 近代的なデザインの大船中学校の校舎でありますけれども、清掃についてはどのような指導が行われていくのか、また生徒では不可能な場所の清掃についてはどのようにされていくのか、お聞かせください。
 
○佐藤尚之 教育部長  皆様も内覧会とか施設の見学会で、生徒たちがロビーのところに、旧校舎と新校舎に対する思いを文章で書いたところを皆さんごらんになったと思うんですが、その中でも生徒一人一人が、新しい校舎を汚さないようにきれいに使っていこうねと、こういうメッセージがたくさん書かれたと記憶してございます。
 こうした中で、新校舎に対応した生徒の清掃分担をしっかり作成して、清掃指導をしていきたいと考えてございます。今、るる御紹介ございましたとおり、今後、細かい清掃方法を検討しながら、施設の特性に合った清掃用具についても工夫してまいりたいと考えます。
 また、大船中学校の新校舎には吹き抜けの大空間など、生徒や教職員のみでは清掃が難しい箇所もございます。こうしたことから、事業者への清掃業務委託も、今後この大船中学校の利用状況をしっかり捉まえながら、必要に応じて対応してまいります。
 
○17番(小野田康成議員)  よろしくお願いいたします。余り、業者がやるんだったら問題ないんですけれども、この清掃指導って意外と大変だと思うんです。特に窓拭きなんか、万が一のことがあったら人命にかかわりますので、非常に注意しながら各先生方指導されていると思います。やはり道具とかも非常に大事だと思いますので、ぜひ用意をしてあげていただきたいと思います。
 この落成式典の教育長のお言葉の中で、この大船中学校にはさまざまな工夫がありますというようなお言葉があったかと思うんですけれども、窓が多くて開放的であるということは先ほどお話ししましたが、そのほかにどういったような工夫がこの学校ではされているのでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  何点か事例を挙げて御紹介させていただきますが、まず設備面として、まず校舎屋上に35キロワットの太陽光発電パネルを設置いたしまして、発電した電力を校内で使用してございます。また、外部に面した全ての窓に遮熱効果が期待できる複層ガラスを採用し、またトイレの洗浄には雨水を利用するなど、省エネルギー、省資源に努めているところでございます。
 さらには地域の防災拠点となる避難所の機能がございますので、かまどベンチやマンホールトイレをスポーツ棟周囲に設けたほか、避難所生活の長期化を想定いたしまして、スポーツ棟の武道場に電気式冷暖房設備を設置したところでございます。
 
○17番(小野田康成議員)  この避難所としての機能、これ、いろいろ持っているというお話があったと思うんですけれども、先ほども津波シミュレーションのDVDのところでも少し触れさせていただきましたけれども、ぜひこの防災教育にも力を入れていっていただけるとありがたいなと思います。
 というのも、ここに興味深い記事があるんですけれども、この2016年4月9日付の教育ICTリサーチブログというのがありまして、その中で、「教材に使えるかも?鎌倉市津波シミュレーション動画」というような内容の記事が書かれておりました。御紹介させていただきたいと思います。
 鎌倉市の小・中学校では、防災教育にも役立ちそうだなと感じました。津波のDVDのことです。動画の中で、由比ガ浜にいて大地震に遭った場合、鎌倉駅にいて大地震に遭った場合、七里ガ浜にいて大地震に遭った場合と、どのような状況になるのか、どうすればいいのかということを、津波のシミュレーション動画で説明しています。知っている場所に置きかえて考えるということは必ず行いたいことではありますが、なかなか想像しにくいものです。こうしてシミュレーション動画で見せることができれば、自分のこととして考える機会になるのではないかと思いました、と書かれております。最後に、こうして実感を持たせるというのもICTならではの利点だと思います、と締めくくられております。
 この最後の、こうして実感を持たせるというのもICTならではの利点だと思います、という文言から、私はこのような教材がアクティブラーニングの中で有効に活用されていくのだろうなと感じた次第です。アクティブラーニングというのは、簡単に申し上げますと、体験型の学習など生徒が能動的に授業に参加できる学習形態のことということですけれども、この防災安全部作成の津波シミュレーションDVDを使ってのアクティブラーニングによる防災教育を行う場合、どのように取り入れられることが考えられるか、お聞かせください。
 
○佐藤尚之 教育部長  今御紹介いただきましたDVDにつきましては、小・中学校全校に配付する準備を今進めているところでございます。小・中学校で行われております防災教育では、体験や話し合いを通じまして、状況に応じ的確な判断ができる力を身につけることを目標とし、発達の段階に応じた学習活動が行われてございます。津波DVDの活用は、これらの学習と同様に、課題の発見、解決に向けた主体的、共同的な学習、すなわちアクティブラーニングで進めていくものと考えてございます。
 
○17番(小野田康成議員)  ぜひ、せっかくつくったDVDですから、このDVDによる映像は防災教育の中で有効に使っていただきたいと思います。
 今、話題に挙げさせてもらいましたアクティブラーニングについてですけれども、学習指導要領の改訂に伴って、2020年度には全面的な実施が予定されているそうですが、この全面実施に向けては順調に進められているのかなというのが少し疑問に思うところです。
 といいますのも、このアクティブラーニングに関しましては、学びの共同体という学習法の中で紹介されていましたが、授業の課題を確認したり全員で考えたりする際は席をコの字型にする。あと、少人数で意見を交わし合うときは4人の班に変える。あと教員のテンションを下げる。これ、上げるじゃないんですね。教員のテンションを下げるんですね。といった従来の指導方法とは全く異なる方法が紹介されておりました。
 今まで教員は黒板の前に立って話をして生徒はそれを聞くという、従来の授業形式から大きく変わることになります。多くの研修を行って従来の授業方法からの転換を行っていく必要があるわけです。生徒たちが自分で体験して学ぶことができて、楽しいと思える学習方法を取り入れることによって、世界に通用するような人材を育成するということはすばらしい理想であると思いますし、教員がそのような授業を展開できるようになることは教師として本望であると思います。
 しかし、この日々多忙である教員たちが、さらに多くの時間を研修の時間に費やしていくことが果たして実現可能なのか。それに見合った教育効果を上げられるのかなとも思いました。中途半端な研修によって、単純にこの指導方法だけをまねしてしまったり、形式面だけを取り入れようとするようになったりしますと、例えばですけれども、教育指導の技術法則化運動というのがありましたが、それに沿ってマニュアル教育に陥ってしまいますと、先般、同僚議員の中からもお話がありましたけれども、疑似科学拡大を助長する授業、こういったものが展開されてしまう危険性も出てくるわけです。別に私はこれらの指導方法について賛成派でも反対派でもありませんけれども、その内容につきましては、よくよく吟味していく必要性があると思っております。
 この学習指導要領の改訂に伴って、各教科におけるアクティブラーニングはどのようにして導入されていく御予定でしょうか。お聞かせください。
 
○佐藤尚之 教育部長  まず、現学習指導要領のもと、基礎的あるいは基本的な知識、技術、技能の習得と、思考力、判断力、表現力などを育成しているところでございます。御紹介いただきましたとおり、平成30年に改定される学習指導要領では、これらを基盤として、課題を発見し、解決に向けた主体的、共同的なアクティブラーニングが求められているところであります。教育委員会といたしましては、教員のスキルアップのためにも、教育センターにおきましてアクティブラーニングをテーマとした研修会を開催し、先進的な実践を御紹介するとともに、研究会を立ち上げ、具体的な実践事例等を作成しているところであります。
 また、研究指定校におきましても、児童・生徒同士で話し合いながら、教科の目標に向かっていく授業や、主体的に学び向かう教材、教具の開発など、アクティブラーニングを視野に入れた研究に取り組んでいるところであります。これらの研修内容や研究内容が他の学校にも広がっていくことにより、授業の質的改善につなげていきたいと考えてございます。
 
○17番(小野田康成議員)  先ほども申し上げましたけれども、教師の本望は授業であると思います。さまざまいろいろ活動しなきゃいけない内容はありますけれども、やはり授業がうまくできて何ぼというところがあると思いますので、このすばらしい授業を展開できるような教員をサポートできるような体制、先日も同僚議員から御提案がありましたけれども、スクールソーシャルワーカー、これらを増員することによって、教員の授業以外の負担を少し軽くしていただいて、その分、質の高い授業を行えるようにする。もちろんこの時間ができた分、その分でこういった研修をしっかり受けていただくという意味合いにおいてですけれども、そして高い質の授業が行われるようにするのがよいのではないかと私は思います。
 大船中学校も含めまして、今度、鎌倉市内の中学校7校にエアコンが設置されたとお聞きしました。ここのところ猛暑になる夏が続いておりますので、夏場の授業にはエアコンが必要であるという考えはもっともなことです。しかし、この緑が多く、都内と比べると若干涼しい鎌倉に住んでいるという方の中には、なるべくエアコンを使わずに生活しているという御家庭もあります。また、正式な名称ではないそうなんですけれども、冷房病ですね。冷房が強くきいたエリアの長時間いた後、外気温にさらされることを繰り返したときに体調不良が起こるという、これ、いわゆる冷房病と言われていますけれども、これにかかるという人がいることを考慮しますと、一概にこのエアコンによって温度を下げること全てがよいものでもないということが言えます。一般的に外気温との差を5度以内にするのがよいとも言われておりますけれども、市内の学校で空調導入による生徒の体調管理について、どのような考えをお持ちなのかお聞かせください。
 
○佐藤尚之 教育部長  本年9月から供用を開始してございます冷房設備につきましては、政府が示しております推奨値でございます摂氏28度を設定温度とするよう学校に対し通知したところでございます。基本的には摂氏28度という設定温度で冷房を使用する中で、生徒の体調や教室の環境などの状況を鑑みて、適切な運用を図ってまいります。
 
○17番(小野田康成議員)  体調を崩してしまう子もいるかもしれません。やはり教室にいる子供たちがどういう形で今のところ温度設定を行っているかというと、やはり声の大きい子にどうしても流されてしまうところがあると聞いています。担任の先生しかさわれないということで、クラスの中では決められているということですけれども、ただ、その先生も、暑い暑いと言うと、中では、えっ、これ以上寒くされたら震えちゃうのにと思っている子は、なかなかそれを言い出せないというところがあって、寒くて震えてしまうということもありますので、ぜひその体調管理の面でしっかりと、そういった子供たちが出ないように、よろしくお願いします。
 以上、今回の私の一般質問では、実践的な面からさまざま質問させていただきました。決められていることと現実との乖離や、理想と現状とのギャップ、こういったことを私よりもずっと多く市長は感じられていることと思いますけれども、最後に市長にお伺いしたいんですけれども、今後さまざまなこの乖離とかギャップの情報、これをどのようにしてまず捉えていくのか。なかなかそれって上がってこない場合が多いんですけれども、どのようにして捉えていくおつもりなのか。また、捉えた場合、その溝をどのようにして埋めていくとお考えなのか、お聞かせください。
 
○松尾崇 市長  今御質問でも幾つか現実と理想とのギャップという御指摘でございました。実際に市が施策として実施していることがその現場においてどうなっているか、どういう状況かということは的確に判断して、それが想定と違っていれば、当然それを見直していくということをしなければいけないと思います。その全体を捉えるというのは本当に課題として難しい点がございますけれども、より現場での声ということを、やはりきめ細かくそこに耳を傾けて寄り添って、声を吸い上げていく、聞いていくということが非常に重要だと考えますので、より一層そのことにも注力しながら取り組んでまいりたいと思います。
 
○17番(小野田康成議員)  よろしくお願いいたします。本当に、市長1人でそれらを全部情報を吸い上げていくということは難しいですよね。やはり部長たちからの上がってくる情報、そして部長たちはその下の職員の方々から上がってくる情報、こういったのがスムーズに上がってきて、そして課長、部長、そして副市長、市長、こういった形で上がってこないと、やはり現場の話というのはなかなかわからないと思うんですね。ですので、ぜひしっかりその辺を、スムーズに情報が上がってくる、そして現実と理想とのギャップを把握してもらう、市長にしてもらうと、そういった形をつくっていただきたいと思います。
 以上で私の一般質問を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  次に、永田磨梨奈議員の発言を許可いたします。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  鎌倉夢プロジェクトの会、永田磨梨奈です。通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。まだ体調が完調ではなく、マスクを着用したままでの質問、お許しください。よろしくお願いいたします。
 また、先週は体調を崩しまして、議会を休みましたことをまずはおわびを申し上げます。大変申しわけありませんでした。実際に体調を崩しまして、前回みずからの一般質問で健康経営ということをやらせていただきましたが、その際にはメンタルの部分というところを大きく取り上げましたが、病院にかかりましたら、今、私の年代ぐらいの肺炎ですとかはしかがはやっているということで、早期の発見をするためにも、若年の健康診断の大切さですとか、そういったことも身をもって学びました。しっかりそういったことも今後糧にしてやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、今回の私の一般質問は3点挙げさせていただきました。毎回取り上げさせていただいている女性の就労の環境について、そして企業誘致と誘致後の支援、施策方針について、全体的にということで、いわゆる企業立地支援といったところについてお伺いします。そして三つ目が(仮称)市民活動推進条例の制定の進捗について、以上の3点についてお伺いをしますので、理事者におかれましては明快なる御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 それでは早速質問をさせていただきます。
 まず、1点目の女性の就労環境についてですが、まずは最初に、市役所内の取り組みについて引き続きお伺いをしたいと思います。こちらも前回の一般質問の際にお伺いをしました。女性職員に向けた意識調査、アンケートをやってほしいといったことをずっとお願いをしまして、前回の一般質問の際に7月ぐらいに実施をしていきたいと言ったところでお答えいただきましたが、その後の進捗がどうなっているのか、お聞かせください。
 
○松永健一 総務部長  女性職員のワーク・ライフ・バランスやキャリアへの意識に関するアンケートについてでございますが、7月に調査票を配布し、8月に回収いたしております。実施内容は女性職員の家庭環境や職場環境、仕事やキャリアアップに関する意識など、約40問の設問で調査しており、現在集計を終え、今取りまとめを行っているところであります。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  実際にそのアンケートを拝見させていただいたんですけれども、かなり今までのアンケートよりも踏み込んだ内容の質問が多いといいますか、かなり迫っていただけるようなアンケートになっていると思いますので、今現在で、8月に回収したということですので、そのあたりの、返ってきたバックの回答率ですとか、これから検証されるということですけれども、まず今の段階でどのような所感をお持ちになられているのか、お聞かせいただけますか。
 
○松永健一 総務部長  まずアンケートにつきましては、対象者341名のうち、7割の238名から回答を得ております。現在結果を取りまとめているところでございますが、子育て支援に係る特別休暇については、制度によってはまだ認知度が低いものがあること、また女性が働きやすい職場環境の整備として、要望として上げられることが、育児中の職員の状況に配慮した人事異動、あるいは育児休業、休暇制度等の周知という要望が高かったということが今見えてきていました。あとキャリアアップにつきましては、昇任したくないと考える人が多いなど、そういったような課題が見えてきているところでございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  やはり制度の周知、認知度がまだ低いところがあるといったところがわかった。あと一番の問題は、キャリアアップについて、昇任したくないと考えている職員が多いといったところだと思います。この原因がどこにあるのか。キャリアアップをしたくないと思われているのが女性職員独自のものなのか、それとも全体的に、鎌倉市役所全体が今、昇任したくないといった機運になっているのか、やはりこのあたりもしっかりとひもといて考えていかないと、この後のどういった人を育てていくのか、職員を育てていくのかというところが大きく変わってくると思いますので、実際にそういったあたりも今後調べていっていただきたいと思うんですが、このあたりは今後しっかりと検証していって、実際に何か制度とか施策に何か生かしていっていただけると考えてよろしいでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  繰り返しになりますけれども、今の調査では女性だけですけれども、昇任したくないというのが過半、あるいは管理職として活躍したいと考えている女性職員は3.8%というような、今取りまとめですけれども、そういったような数字が出ております。これは女性だけか男性だけかという、やはりこれも大きな問題でございますので、この辺を取りかかりに、やはり全職員にも昇任等についてどう考えているのかということを、これから調査を含め、それでまた結果によっては対応策等は考えていかなければならない状況ではないかと思っております。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  3.8%。30%じゃないですよね、3.8%ですよね。これはびっくりな数字だなと思ったんですが、女性職員がキャリアアップをしたくないと考える理由があるのか、あと本当に今部長がおっしゃったように、男性職員の方にも同じようなアンケートをとっていただいて、市役所全体として昇任に対する何かネガティブなものが今あるのか、やっていただきたいと思うんですけれども、実際にこれからパパになる職員の皆さんへということで、男性の育児休暇ですとか制度について周知するようなこういったチラシを全職員に配っていただいたということで、職員課の方から見せていただきました。この女性の働く環境、就労環境についてというところでは、パートナーですとか、そういったところの理解が非常に不可欠になってくる問題です。
 今の昇任についてというところも驚いたんですけれども、同じような形で、前々からこのアンケートの際にお願いしていますが、男性職員に向けてと、あとは管理職に向けてといったところの、この3層でそれぞれアンケートを今後もやっていただきたいと思うんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  人事管理上、非常に重要な調査だと思いますので、そういったようなことを検討していきたいと思います。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  ぜひお願いいたします。これ、毎度のお願いになってしまうんですけれど、女性職員にとどまらず、男性職員、管理職と広げていって、この3.8%以外の方がキャリアアップをしたくないと考えている理由がどこにあるのか、そういったところの総合調査でも解明をしていっていただきたいと思います。
 こちらも前回の一般質問の際に市長にもお伺いしましたが、イクボス宣言についてです。みずからが私はイクボスですということで宣言をして、そういった機運といいますか、雰囲気づくりから、市役所全体を働きやすいワーク・ライフ・バランスの整った働き場にするといった宣言を、ぜひ考えていただきたいというところで、かながわ女性応援団ですとか、神奈川県知事がみずからプロモーションビデオに出てこのイクボス宣言をしているといったところを御案内させていただきました。その際にも前向きな御答弁があったんですが、この実施時期、やりますとお答えはいただいたんですけれども、実際に実施していただけるのか、実施時期について教えてください。
 
○松永健一 総務部長  平成28年1月に管理職職員を対象といたしましたイクボス研修を実施し、管理職みずからがワーク・ライフ・バランスを充実させることで、職場の職員も理解を深めることができることや、子育てなど多様なライフスタイルを持つ職への配慮の仕方、コミュニケーションのとり方など、イクボスになるための心得などについて学びました。今年度は10月または11月ごろに同様のイクボス研修の実施を予定しており、あわせてその際にイクボス宣言も行っていきたいと考えております。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  鎌倉市役所は10月かもしくは11月にイクボス宣言を行う市役所ということで、確認をさせていただきました。その際にも、県内でイクボス宣言をしている自治体の紹介などもしましたが、やはりこのイクボス宣言、かなり初期にイクボス宣言というものが始まったというところで、ぽんぽんと、宣言するところは研修とともに1回ですぐにイクボス宣言しているんですね。そういったところを含めますと、1月にまずはそういった研修をしたのに、その際に見送った。今回、1年近くあいた10月、11月といったところで、改めてもう一度研修を受けてイクボス宣言をするといったところにも、そのスピード感もそうですし、一度研修を受けて、もう一度研修を受けてイクボス宣言をされるといったところにも、実際に前回の一般質問の中でも言いましたが、こうやって見ても御答弁される中に女性もいませんですし、そういったところにも鎌倉市役所の欠点というかウイークポイントがあるのかとも思いますので、ぜひこれは10月、11月に確実にやっていただけたらなと思います。
 もう1点、今回御提案というか、皆様にぜひやっていただきたいと思うものがありまして、ここで御紹介をさせていただきたいんですけれども、配偶者同行休業制度といったものに関する条例についてです。これは地方公務員法第26条の6、配偶者同行休業に基づく制度としまして、公務の運営に支障がないと認めるときに、職員の勤務成績そのほかの事情を考慮した上で、配偶者同行休業を認めるもの、海外に限定するといったものなんですけれども、地方自治体の条例化については、平成25年11月22日付で総務大臣の名前で通知があったものです。もちろん鎌倉市には今こういった制度はないんですけれども、こういった制度について鎌倉市がどのように思われているのか、お聞かせいただけますか。
 
○松永健一 総務部長  今、御紹介いただきました配偶者同行休業制度につきましては、現在、神奈川県の中では政令市を除く15市のうち5市が条例を制定し、うち2市では職員の利用実績があると聞いております。これまで鎌倉市では新たな人事給与制度の導入についての組合交渉を進めてきたところでありますが、今後は配偶者同行休業制度を含めた休暇制度や勤務条件全般について協議を進め、制度の充実、見直しを図っていく予定でございます。配偶者同行休業制度についてもその中で、今後は条例制定に向けた対応を図っていきたいと考えております。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  配偶者同行休業制度、やっていきたい、条例制定に向けて準備を進めていくと御答弁をいただきました。これは配偶者同行休業制度という名前のとおり、配偶者が海外勤務になった際に休業することができる。今まででしたら、やめてついていくか、それか別々に暮らしてそれぞれの仕事をするかといったところの選択が迫られていたものが、おおむね3年以内であれば同行の休業を認める、復帰を認めるといったところのものです。
 これも今、部長から御紹介がありましたとおり、県内では政令市を除いて7市、全部で19市が定めているところではあるんですが、先ほど申しましたとおり、平成25年11月に地方自治体でのそれぞれの条例化を総務大臣の名前で通知がありましたが、その後、割と平成26年前半で制定しているところは、ぽんぽんと制定をしているところが多いようです。遅くても7月までにはやっている。その後はほぼ動きがないといったところを見ますと、これは配偶者同行休業なので、女性に限らずもちろん男性にも適用できるところではあるんですけれども、その働くといったところ、あとは職員がやめずに済むように制度をつくるといったところ、先ほどの管理職への任用が嫌だと言っている職員が多い鎌倉市もそうなんですけれども、イクボス宣言のおくれといい、この通知があってなぜすぐに検討していただけなかったのかなというところが、不思議でしようがありません。
 まだ確かにそんなに多く使われるものではないものの、やはりこういったものがあるのとないのとでは、職員の方が、特にこれからますます活躍をしていきたいと思っている職員の方たちが、不安なくモチベーションを上げること、下げることなく働けるかどうかに大きく関係してくると思いますので、ぜひこれ、制定に向けて準備を進めていくということですが、もう早急にやっていただきたいと思います。
 ただ、条例ですので、こういった制度にはメリットもデメリットもあるということはわかっていますので、市として、メリット、デメリットがどういったところにあるのか、考えているのか、教えてください。
 
○松永健一 総務部長  制度導入のメリットといたしましては、主に三つあると考えております。一つ目は職員の雇用の継続が図れること。二つ目は仕事と家庭の両立支援ができること。三つ目は、職務復帰後もこれまで培ってきたキャリア、能力及び経験を生かして公務への還元が期待できるところであります。一方、デメリットといたしましては、休業制度を利用している間の代替職員の確保や、職場内にほかに病気休職者等がいる場合においては、その人員配置などに課題があると考えております。あわせて復職時にブランクのある職員へのフォローについても、育児休暇者と同様職場配慮が必要だと思っております。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  メリット、デメリット、私もデメリットとしては多分そういったところが上がってくるのかとは思っていたんですが、今後、条例制定に向けて準備を進めていくというところですので、こういったデメリット対策とか、そういったところも具体的にしっかりと考えていただいているのか、これから考えるのか、どういう状況なのか教えてください。
 
○松永健一 総務部長  メリット、デメリット、双方ある制度でございますけれども、女性の活躍ですとか、男女の仕事と子育ての両立支援という制度の趣旨は否定するものではなく、自治体としては率先して対応していかなければならないものだと思っております。デメリットがあるから導入しないということで済むものではないので、今言ったデメリットについても、代替職員の確保策ですとか、そういったようなものをきちんと構築しながら進めていきたいと思っております。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  そうですね。デメリットがあるからやらなくていい、やらないほうがいいといったもののタイプのものではないと思いますので、しっかりデメリットと思われるところを潰していただいて、条例制定に向けてスピード感を持ってこちらもやっていただきたいんですけれども、イクボスと同じで、どうしても、やったほうがいいよという通知が出てから何でこんなにおくれちゃうんだろうというところが悲しくて、その辺が納得がいかないところではあるんですが、次に進みます。
 この制度、今のお話ですと、これからいろんなことを検証して考えられて、そして条例制定というところに入るということなんですが、まだ制度を導入するまで時間がかかると思います。どんなに急いでいただいても、まだそのデメリット潰しですとか、そういったところもまだ具体的にこれからやるといった感じのお答えでしたので、そうなってくると、導入するまでの間にこの当該の条例に該当するような職員があった場合、これについては救済措置、これからこういう条例をつくるのだからということで、救済措置というのは考えてあげることはできるんでしょうか。
 
○松永健一 総務部長  配偶者同行休業制度を導入するまでの間の救済措置ですけれども、残念ながら今の法体系においては、そういったような救済措置をとるというようなことはしにくいというのが、今、現状でございます。ですから、だからこそ、早く一つ一つ課題を整理していって、条例制定に向けた早期対応を図っていきたいと思っております。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  鎌倉市として難しいというよりも、今の法的な問題で、なかなかそういう救済制度をすることは難しいということだと確認をさせていただいてよろしいですか。わかりました。
 となれば、より、正直イクボスももちろん大事なんですけれども、こういったものがないと退職をせざるを得ないといった職員が出ないようにやっていただいて、若い方もそうですし中堅の方もそうですしベテランの方もそうですし、働きたい、やる気があると思われている方がやめなくてはいけないとなってしまうことほど悲しいことはないと思いますので。またこれは鎌倉市全体の損になっていきますので、ひいては市民にとっての損になります。優秀な職員を手放すというのは。しっかりこういった制度の導入をしていただくとともに、今後、今回は海外勤務といったところに限られているんですが、例えば国内勤務でもこういったことが該当できるように国で先になるかもしれない。そういったところの情報を敏感にキャッチしていただいて、今回のように総務省から通知があってから、かなり時間がたってから行うのではなくて、なるべくそういうものが来たらすぐに、こういったものは対応できるんだろうかということを協議できるような体制づくりをしていっていただいて、先ほどのイクボス宣言と女性職員のアンケートとともに、全てのところでこういった就労環境について改善を進めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ここまでは、前回お伺いをしました市役所内での取り組みについての進捗ですとか、新たな条例の制定のお願いをさせていただきました。次は市民や市内企業への取り組みについても少しお伺いをしたいと思います。
 鎌倉市、改めてですが、市民の方への、女性の就労支援について、女性の就労といったものについて、どのように考えられているのか、教えていただけますか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  平成28年3月に策定いたしました鎌倉市まち・ひと・しごと創生総合戦略の中では、さまざまなライフステージ、キャリア等に応じた就労環境の整備に向けた取り組みを進めることとし、就労を希望する女性を対象とした女性就労応援セミナーの実施、女性の就労を促進する企業への支援や、培ってきたキャリアを生かすことができるよう、専門家によるキャリアカウンセリングの充実を図っていくこととしております。
 本市におきましては、女性の個性と能力が十分に発揮され、働く女性の環境整備を図ることは重要なことと考えてございまして、今後、庁内の関係部署や関係機関と連携し、女性の就労について積極的に支援していきたいと考えてございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  鎌倉市版のまち・ひと・しごと創生総合戦略の中に、今、部長がおっしゃっていただいたことが全て書かれています。鎌倉市としては、女性が十分に能力を発揮して、働く女性の環境整備を図ることを重要なことと捉えていて、庁内の関係部署と関係機関と連携して積極的に支援していきたいと書かれていることを今御答弁いただきました。
 では、実際に鎌倉市が女性の支援についてどのような取り組みをされているのか、教えていただけますでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  女性への就労支援策といたしましては、平成28年度から就職を希望する女性に対しまして、女性の就職を取り巻く現状を把握していただくことや、就職活動の取り組みを支援するために、女性のための就職応援セミナーを年2回の計画で実施しているところでございます。また、子育てしながら働きたい女性に対しましては、就職相談や保育に関する情報提供等を通して仕事探しを支援しているハローワーク藤沢のマザーズコーナーを、ホームページ等を通して紹介しているというところでございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  では、平成28年度、今年度から、就職を希望する女性に対して、女性のための就職応援セミナーを年2回の計画で実施をするといったところと、あとはハローワーク藤沢のマザーズコーナーをホームページを通して紹介していると、この2点を今挙げていただいたと思います。
 では、年に2回セミナーをすると言っているこの女性のため就職応援セミナーですが、もう実際に1回目を行ったと聞いています。このあたりはどうだったんでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  本年7月5日に実施いたしました第1回のセミナーの内容は、女性の就職を取り巻く現状として、女性就業の状況、企業が求める人材や採用側が求めているニーズの把握、さらに実際の就職活動に向けた情報収集や応募書類の作成、面接、試験への準備や進め方について理解することでございました。しかしながら、残念ながら参加者につきましては2名だったという状況でございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  とても担当の課の方たちが頑張って周知ですとか、ぎりぎりにはなったんですか。でも頑張っていらっしゃるのは見ていたんですけれども、ごめんなさい、私、実際のそのポスターを、きょうチラシを忘れてしまったんですが、たしか「女性の就職応援セミナーを実施します」といったものが書かれたチラシだったと思います。
 1点、私そのときにそのチラシを見て思ったので、もちろん担当の課の方にもお話はさせていただいたんですけれども、一言で女性の就労といっても、どういった就労のスタイルをしたいと思っているのか、就労スタイルを求めているのか、またどういった立場の女性の方なのか、それによって大きくワーキングスタイルというのは変わってくると思います。ざっくばらんに簡単な言い方をしますと、生活を100の割合で仕事をしっかりとしていきたいと思われる。100%仕事をしっかりやっていきたいと思われているのか。今はいろいろと自分の時間を大切にしながら、70%、60%の力で仕事をしていきたい。もしくは今子育て中で、子供がもうちょっと大きくなったら正規として復帰したいけれども、それまでの間に短時間労働ですとかそういったもので仕事をしていきたいと思われている方。もしくはパートタイムで働きたいと思われている方。いろんな種類がある中で、女性のための就職を応援というあのチラシを見たときに、これは行きにくいだろうなとは思いました。
 やはり自分をターゲットにしていると思わないと、多分、普通の当たり前の就職までのフローみたいなものを説明されるセミナーなのかと思ってしまいますので、しっかりとターゲットを設定して、どういった方のための就職セミナーなのかということを打ち出していかない限り、なかなか集まらないんじゃないかと思ったのと同時に、市としての考え方も、女性のための就労応援セミナーと出してしまっているうちは、本当にどこにもヒットしないというか、どこの女性に対しての就労の応援にもなかなかなりづらいんじゃないかなと心配しました。
 これ、年に2回ということで、次もやられるということですので、こういったターゲットですとか絞り込みというのは、どのように次は考えていただけるのか、今の段階でのお話をお聞かせください。
 
○小池忠紀 市民活動部長  7月5日に開催いたしました第1回のセミナーの状況を踏まえまして、今後につきまして、例えば主婦の方々の就業サポートセミナーなどを行っております市民団体の意見も参考としながら、働く女性側のニーズに即した、例えば子育て中の女性や、子育てが終了してセカンドキャリアを求めている女性をサポートできるような、御指摘のようなターゲットを絞ったセミナーの内容についても検討していきたいと考えてございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  そうでした。セカンドキャリアという言葉が今出なくて。そうですよね、いろいろと本当にいろんな段階の女性の方がいらっしゃると思いますので、しっかりターゲットを分けて、しかも年に2回しかセミナーは開催できないのであれば、なおさら1回がすごく大事で、前回あれだけ頑張っていただいていたのに、2名の方の参加というのは本当にもったいないことですし、しっかりそういったところのターゲット狙いというか、そういったものもしっかりしていただきたいと思います。
 いつも市役所内のことに対してもですし、こういった働く女性へといったところですとか、女性が働くといったところには、女性に対する支援ですとか、そういったところのお話を伺うことが多かったんですけれども、これ、働きたいと思っている女性を受け入れる側の企業についても考えていかないと、そのパイはなかなかふえてこないと思います。
 といいますのも、やはり女性に対するですとか、ワーク・ライフ・バランスをしっかりと徹底しているところ、子育て中の方に対する制度が手厚いところ、全て企業体力があるところが多いんですね。やはりしっかりした、しっかりしたというか、大きな企業はそういった制度も手厚く行っていて、そのまま何年間かお休みしながら自分の働き方を探しながらですとか、御自宅でワークシェアをできるとか、いろんなことをされていると思うんですけれども、実際に、市内に住まれていて、今は離職されていて、でも実際にちょっとずつ働いていきたいと思われていたりですとか、再就職ですとか新卒はまた話が別だと思うんです。それはまた就職活動の一環になってくるので。そうではなくて、この鎌倉市内で何かあってちょっとずつ働いていきたいですとか、働きたいということを希望されている方に向けて、どういうことができるかと考えてくると、その通勤時間なども踏まえると、鎌倉市内での企業で、そういった短時間労働ですとか、いろんな働き方が提供できるというのがベストになってくると思います。
 ただ、そうなってくると、鎌倉市内の企業は都内に比べて大手ばかりではないですし、そういったところと行政が、いかにそういった企業と女性ですとか、もちろんそれは女性ではなくて男性もそうなんですけれども、多様な働き方を求めている方に対して手助けができるのか、助力ができるのかというところが試されていると思います。そういったところ、市内の就労を希望している女性や市民のために、市内企業に対して鎌倉市がどういった働きかけをしているのか、教えてください。
 
○小池忠紀 市民活動部長  女性の就労支援につきましては、今後、主婦の方々の就労サポートをしております市民団体との協働事業なども検討していきたいと考えてございます。また、多様なライフスタイルの中で就職を希望している女性と市内企業との意見交換、こういった場も設けながら女性の就労促進に向けた検討も行いたいと考えてございます。
 さらに市内企業への取り組みといたしましては、女性の積極採用や、配置、育成、教育訓練に関する取り組み、また継続就業、就労ブランクのある女性が再就職する際の支援など、女性の就労を促進する企業に対する支援を検討していきたいと考えております。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  ぜひともやってください。企業側もそういった方をぜひお受けしたいと思っているところがあっても、実際その企業にそこまでの持ちこたえる体力がないですとか、いろんな御事情の中で、短時間労働ですとか、試しで労働を採用するということに二の足を踏んでしまっているというところがあるとも意見としては伺っています。市内で働きたいと思っている方と、ぜひそういった方を受け入れたいけれどもと思ってしまっている方をかけ合わせていただけるのも、行政ができるわざなのかなとも思いますので、ぜひこういったこともやっていっていただきたいと思います。
 一番最初は、放課後の児童の環境の向上といいますか、そういったところで学童のお話なんかもしました。女性が働くといったところでは、もちろん保育園の待機問題もそうですし、小学校に上がれば今度は学童の問題。今度そういったところがクリアすれば、どこで働くのか。時短にするのか、それとも正規で働くのか。そうなってきたときに、企業、都内に働きにいくのか市内に働きにいくのか。市内に働くのであれば、市内の企業での受け入れ先があるのかないのか。
 そういったところで、多岐にわたって、いろいろな部署にわたっての問題が起きてくると思います。企業に向けて発信を強くしていただいても、それを受ける側の女性がその情報をキャッチしていなければ、そういったことは結びつきませんし、またそういったところがしっかりと、産業振興とかそういったところがしっかりとしても、今度は保育園の待機があれば結局は働けないという話にもなりますし、学童でまた待機が出てしまえば、そういった仕事も一回諦めなければいけないしですとか、もう本当にいろんなことにわたっての問題が出てくると、課題が出てくると思います。
 まち・ひと・しごともそうですし、計画上は一つのところでまとめて進めていく、統括的に見て進めていくということが大事になると思いますが、実際はこの働く環境についてといったところは、全庁的な問題で、本当に他部署にわたって皆さんが連携して情報を交換して、実際に市民の方と企業側とどういった思いを抱えられているのかということを密に連絡を交換しながら、しっかりと本当にやる気で取りかかっていかないと、なかなかできない問題だと思っています。
 そういった意味では、全庁的なところをしっかりリーダーシップを持ってやっていただけると信じています。松尾市長に最後、こういった女性就労の推進についての思いですとか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 
○松尾崇 市長  鎌倉市の人口ビジョンですとか、今御紹介いただきました鎌倉市のまち・ひと・しごと創生総合戦略の策定時におけるアンケート調査ですとか、また昨年実施したお母さん方との意見交換の間でも、やはりこのキャリア形成と出産、子育ての両立を望む声というのが非常に多くございました。このため、総合戦略においては、この職場におけるワーク・ライフ・バランスの向上や、安心して結婚、出産ができる環境づくりということに取り組んでいくということとしました。
 また、本市におきましては、現在、女性活躍推進法に基づく推進計画を策定しておりまして、女性の採用、登用の拡大ですとか、ワーク・ライフ・バランスの向上を目指して、市内の事業者に積極的に啓発活動を行っていく予定としています。
 これらの取り組みをより効果的なものとするためにも、全庁的な連携を図りながら総合的に施策を推進することで、女性が活躍できる町をつくってまいりたいと思います。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  総合的にやっていただけると信じていますので、また逐一こういったことがどうなっているのかなど、進捗ですとか、お聞かせをいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 次です。企業誘致と誘致後の支援、施策、方針について。いわゆる一つの企業立地支援といったところなんですが、先ほど来の話にも出ましたが、この企業といったものが育たないと、また企業といったものに鎌倉市がしっかりとコミットして育つ手助けをしていかないと、市内での働く場というのもなかなか育ってこないところがあります。鎌倉市における企業誘致、創業支援の取り組みがどうなっているのか、改めてお聞かせください。
 
○小池忠紀 市民活動部長  本年3月に策定いたしました、まち・ひと・しごと創生総合戦略の基本的方向といたしまして、創業支援、企業立地支援を掲げております。現行の取り組みといたしましては、創業支援といたしまして、制度、融資における創業者向けの融資制度の実施、商工業元気アップ事業による事業化支援、本市の創業支援事業計画に基づく支援などを進めております。また、企業立地支援といたしまして、新規に立地する企業及び市内の既存企業に対する支援の新たな制度構築に向けた準備を進めているところです。
 現在、庁内での協議はもとより、鎌倉商工会議所等との意見交換を行い、企業にとってよりよい支援策の構築に向けて取り組んでいるところでございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  今やっていただいている元気アップ事業ですとか創業支援事業計画に基づく支援などを進めているのと、ほかに新たな新規に立地する企業に対する支援ですとか、既存の企業に対する新たな制度構築に向けて準備を進めていただいているとのことですので、このあたりはまた進捗をお聞かせいただきたいと思います。
 まち・ひと・しごとといったところのお話が出ましたので、これも一つお伺いをしたいんですけれども、そのまち・ひと・しごとの創生総合戦略の中で、地方創生加速化交付金で、今回、空き家・空き店舗等の不動産を活用した企業活動の拠点整備ということで、一つ事業があったかと思います。この現在の進捗状況がどうなっているのかお聞かせいただけますか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  御指摘の鎌倉市企業活動拠点整備事業でございますが、本年7月1日から7月29日までの約1カ月間、空き家・空き店舗等の不動産を活用して企業活動を行うことを目的とし、鎌倉にオフィスを求める事業者を募集したところ、12事業の応募がございました。その後、企業活動拠点整備事業選定委員会を開催いたしまして、審議を経て、9月6日付で5事業を認定したという状況でございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  多分、国からの交付金ですので、時間がない中で応募をかけてやっていただいたということで、7月1日から29日まで、1カ月にも満たない中で募集をしたところ、12件の応募があったということです。
 私、この1カ月足らずで12件応募があったというのは、かなり数としては私は多いというか、いい数なんじゃないのかな。というか、やはり改めて鎌倉市における、創業したいというか、そういった思いを持たれている方が多いということがよく分かった結果なんじゃないかと思っているんですが、市としてはこの12件という数に対してどのように捉えられているんでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  今回の事業でございますが、国の地方創生加速化交付金を活用した事業でございまして、時間的な制約から応募期間を1カ月間としたものでございます。対象となる空き施設を事業者がみずから見つけてくるものでございまして、募集期間が決して余裕のある日程とは言えない中で、12件の応募は、鎌倉にオフィスを設置することに対する事業者の関心が大変高いものと受けとめているところでございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  そうだと思います。この企業活動拠点整備事業は、このまち・ひと・しごとの地方創生加速化交付金については今年度限りの事業ということになりますし、また国の補助金ということでいろいろな制約がある中で、こういった12件の応募があったとなりますので、今後もぜひ継続して、こういった企業への補助というか、補助じゃないですね、企業への後押し、応援するといったことを、市としての姿勢としてぜひやっていっていただきたいと思っています。
 今回はこれでもう、単年度で国からの補助はこれで終わり。市として、こういった立地支援といいますか、ニーズのあるところに手を差し伸べていく、そうした鎌倉市独自のこういった事業を行っていくというようなお考えはあるんでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  企業活動拠点整備事業でございますが、現在、制度構築に取り組んでおります企業立地支援の制度においても活用できるものと考えてございまして、当該事業の事業効果を検証した上で、本市の企業立地支援に改めて反映してまいりたいと考えているところでございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  改めて反映してまいりたいということは、鎌倉市独自のこういった応援の事業も、今後、企業立地支援の制度の中に取り込んでいきたいということで確認していいですかね。
 
○小池忠紀 市民活動部長  そのとおりでございまして、ただ、やはりこの制度、当該事業のやはり事業効果も検証する必要があると考えてございます。その上で、現在、企業立地支援策を制度構築に取り組んでおりますけれども、その検証を踏まえた上で反映していきたいという形で考えてございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  もちろん今回のこの国の事業はしっかりと効果も検証していただきたいんですけれども、何も空き店舗や空き家に特化してと言っているところだけではなくて、鎌倉市で創業したいですとか、そういったニーズがある事業者に対して、鎌倉市独自のバックアップ体制を今後もつくっていっていただきたいといったところで、やっていっていただけるということだけ確認をさせていただきたいと思います。もちろんこちらは国の事業ですので、しっかりとその検証効果はしていっていただきたいと思います。
 今、部長おっしゃったように、私の中でのその検証ですとか効果というところの一つに、立地のニーズはあるものの、数年たつと鎌倉市から出ていってしまうといった企業が多いとも聞いています。そういったところに、本当の意味での鎌倉市がバックアップをするべきところがあるんじゃないかと考えているんですが、こういった企業の市外転出に対する取り組みというのは何かあるんでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  既存の企業でございますが、こちらが市外へ転出することなく、引き続き市内で事業を継続してもらうことは、商業振興の観点から取り組むべき重要な課題と認識してございます。今後策定いたします企業立地支援の制度におきましては、市外から企業を誘致するだけでなく、市内に企業に事業継続を促す支援についても、あわせて取り組んでいく考えでございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  来ていただいて、それで出ていかれないように、今後も考えていくといったところなんですが、市内で創業した事業というのが事業継続していけるよう支援するような取り組みというのも、同時に考えていただいているんでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  既に実施しております創業支援事業計画に基づく支援では、事業計画の具体化や資金面の支援など、創業前の支援だけでなく、事業経営や事業拡大に関する相談対応など、鎌倉商工会議所や湘南信用金庫などの専門機関と連携いたしまして、創業後も支援を行っているというところでございます。こうした取り組みは事業継続につながるものと考えておりまして、引き続き支援に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  いつも思うんですけれども、先ほどの女性の就労といったところでもそうなんですが、該当する方たちが、一体、何で出ていってしまったのかですとか、何がネックになって鎌倉市でこれ以上事業を継続することが難しいと判断されたのですとか、そういったところの実態を把握するということがすごく大切になってくると思います。
 先ほど来、部長から、商工会議所ですとか信用金庫ですとか、いろいろと専門機関と連携してといったところで言っていただいて、もちろんそれは継続して続けていっていただきたいんですけれども、そこに入られていないような企業にこそ、その答えがあるのかなと思ったり、なかなか言うは易しで、そういった全市内の企業に声を聞けというのは、言うのは簡単ですけれども、なかなか実施するのは難しいということはもちろんわかっているんですが、実際に本当に、どこが、何が課題で出ていってしまうのかというところを、しっかりとニーズを把握した上で施策を打たないと、また机上の空論になってしまうというか、ある一定以上のところにだけキャッチできるようなものになってしまう危惧があると思います。
 そういったことにならないように、本当の意味で、意見交換じゃないですけれども、どういうふうにしたら一番効果的なのかというのは、私もなかなか答えが見つからなくて、非常に言うのが心苦しいところではあるんですが、いつも同じようなところの方々とお話ししているのではなくて、そういった何か調査とかをいきなり送ってみるんですかね、アンケートとか。何か考えていただいて、いろんな、しかも今言っていただいたところだけではなくて、いろんな企業の集まりの団体って市内にはあると思いますので、団体からそこで紹介された何か小さな集まりでもいいですし、むしろそういうところに、本当にこういうところで企業を持続させていきたいと思っているけれども難しくなってしまったという答えがあると思いますので、ぜひ何かそういったところにも声が聞けるような取り組みというのを考えていっていただきたいと思います。
 改めてお伺いをします。企業にとって、市外へ転出するなど市内での事業継続が困難となる場合、何かしらの原因があると思われます。企業立地支援策の策定に当たっては、こうした原因に対応した支援メニューが必要だと思いますが、改めて、それについてどう取り組んでいかれるのかお聞かせください。
 
○小池忠紀 市民活動部長  企業立地支援の制度構築に当たりましては、企業が直面する課題に対応した実効性の高い施策とする必要があると考えてございます。これまで県内各自治体における具体策を調査し、利用実績の高い支援メニューを参考に、本市の特性に合った支援策の検討を進めてまいりました。今後は商工会議所など関係機関を通じまして、できる限りさまざまな企業から現場の御意見をいただき、企業にとってよりよい支援策の構築に向けた準備を進めてまいりたいと考えてございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  ぜひお願いをいたします。今もろもろ述べましたが、改めて松尾市長にお伺いをいたします。こうした創業ですとか事業継続、また事業が転出しないための取り組みですとか、いろいろなところで課題があると思われますが、改めて全体の企業立地支援施策に対する松尾市長のお考えをお聞かせください。
 
○松尾崇 市長  この企業立地支援の取り組みですけれども、本市が掲げます「働くまち鎌倉」における、この実現に向けてその柱となるものであると考えています。取り組みに当たってですけれども、昨年は私も担当課長とともに市内の企業を訪問して、直接お話を聞いて、さまざまやはり抱えている課題ということがございました。全て私自身が解決できるわけではないですが、それらを担当課とも協議をするという継続した取り組みにもつなげているということもございますが、そうしたことを積み重ねて、まず鎌倉市内にある企業には、このまま継続してやはり鎌倉で続けていただきたいという思いをお伝えするとともに、そのために必要な課題ということを正確に捉えていく。そして信頼関係を築いていくということが非常に重要であろうと思っています。
 また、さらに鎌倉市内に誘致したいというような企業等々につきましては、企業立地支援策等々におきまして、そうした情報も発信をしていくことが必要だと思っています。企業立地支援における情報発信に当たりましては、今後も私自身も先頭に立って続けてまいりたいと考えています。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  これだけここで事業を展開したいと思っていただける自治体って、なかなか全国的に見てもまれだと思います。企業誘致を成功させている自治体の例ですとかを、いろいろなところで、経済産業省のホームページですとかいろんなところで見ても、やはりどちらかというと、地方でいろいろと問題を抱えられていて、市が、県がしっかりと政策で練りに練って企業に来ていただいていると。それが功を奏して、しっかりと企業誘致が成功しているといったところが多いように感じます。
 鎌倉市ほど、何もしないとは言いませんけれども、やりたいという気持ちで鎌倉市に来ていただけているといったところが多い市というのは、恵まれているように思えます。せっかくそういう気持ちを持って鎌倉市に来られて、また、そういったところが来ていただけると、今まではベッドタウンとして、鎌倉は住むところで働くのは外というところが多かった中で、働くことと住むことと、新しい関係というのを、全国に先立って新しいスタイルというのをつくれるチャンスだとも私は思っています。
 そういったところのチャンスを潰さないように、来ていただいている企業にしっかりと意見を伺いながら、どうしたら事業継続ができるのか。もちろん土地の問題ですとかいろいろと、鎌倉は抱える課題がそういった事業に対しては多いと思いますが、本当にもったいないと思いますので、出ていかれないように、そして発展していけるように、そして市内の雇用がふえるように、双方向でやっていっていただけたらなと思います。
 最後に、(仮称)市民活動推進条例の制定の進捗についてお伺いをいたします。これは昨年9月に、ぜひ、先進市の例を挙げまして、市民活動推進条例なるものを制定してくださいということをお願いをさせていただいたその後ですので、まず、現在そういった経過がどうなっているのかお聞かせください。
 
○小池忠紀 市民活動部長  (仮称)市民活動推進条例の制定に当たりましては、市民が主体的にかかわる市民参画型で進めるため、実際に市民活動を実践しております市民の方々と、市民活動に精通された学識経験者など17名の方々で、検討会を8回これまで開催し、意見交換を行ってまいりました。
 また、あわせてシンポジウムやワークショップも5回開催し、本市の(仮称)市民活動推進条例の策定に向けた取り組みを広く市民に周知をしつつ、御意見をいただいてきたという状況でございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  シンポジウムやワークショップを5回開催していただいていると。また学識経験者や市民活動に精通された方で委員会を開いていただいて、検討会をこれまでに8回やっていただいているということですね。確認いたしました。
 今後のスケジュールはどうなっているんでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  条例案につきましては、10月中を目途に条例案をまとめ、その後、パブリックコメントを実施いたしまして、平成29年2月定例会への上程を現在目指しているところでございます。また、条例制定後の平成29年度でございますが、この年度には条例の実施計画となる指針を策定する予定でございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  わかりました。条例の実施計画となる指針を策定すると、平成29年度中に。このあたりについては後ほど伺いたいと思いますが、今おっしゃられる範囲で大丈夫ですので、条例の中身について、内容、どのようなものになりそうかといったところをお聞かせいただけますか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  現在、検討会で多くの御意見をいただきまして、意見の集約と条例案をまとめているという段階でございますけれども、条例の構成といたしましては、前文、基本理念、指針の策定、委員会の設置を想定することとしております。
 前文では、自分たちの町をみずからつくり上げてきた鎌倉の歴史、誇りをうたい、その誇りを未来に受け継ぎ、より魅力的な鎌倉を自分たちでつくっていくという思いを示すこととしてございます。また、基本理念では、一人一人が鎌倉の町をつくっていく、皆で協力して輝ける鎌倉をつくっていくという思いを宣言することとしております。指針の策定では、指針を策定することを条例に定義することにより、実効性を担保することとしてございます。委員会の設置では、指針の策定や施策の進行管理等を市と市民がともに話し合う場を設置することとしてございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  よく言われるのが、こういった市民活動推進条例は理念条例になってしまって、結局、つくったはいいけれども、それで何か変わったことがないと、そういったものになりがちだと言われるんですけれども、この鎌倉市が策定している、今制定している市民活動推進条例の実効性を確保するため、皆さんが何か考えられている工夫みたいなものはあるんでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  条例の実効性を担保するためでございますが、市民活動の推進、協働の推進のための具体的な施策を定めた指針を策定するとともに、施策の進行管理等を市民とともに検討する場といたしまして、委員会の設置を定めることとしてございます。現在想定している指針に盛り込む内容については、専門家派遣制度などの人的支援、市民活動センターの機能の充実、協働推進に関する施策などを現時点では考えているというところでございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  実効性を担保するためのものが指針と。そうなってきますと、いろんな条例がある中で、条例の中に指針、実効性の確保性を入れ込まずに分けた理由というのは、ここが鎌倉市の条例としては何かポイントなんでしょうか。どうなんでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  条例で詳細を定めるのではなく、指針で具体的な施策等を定めることによりまして、時代の変化に合わせた見直しを随時行っていくことができ、柔軟かつ迅速な対応が可能となると考えてございます。
 検討会では、条例は鎌倉の町をつくっていくのは「私」であることを、市民だけではなく鎌倉に住む人、働く人、学ぶ人、鎌倉の町を愛するさまざまな人、その一人一人が自分事として認識するためのきっかけ、ツールとしたいという意見が多かったところでございます。さまざまな人々が自分事として認識し、多くの市民の方々が理解し、親しんでもらうためには、他市の条例のように、言葉の定義、責務、役割等を列挙する条例ではなく、わかりやすい内容にすることとしたものでございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  検討会での意見を箇条書きでまとめたものをいただきまして、拝見させていただきますと、本当にすばらしい意見交換を職員と検討会のメンバーとでされているなと思っています。
 今、部長からも答弁があったように、自分事化するですとか、あとは私たち一人一人がつくっていくものなんだというところをしっかりと指摘されていまして、「市民」という言い方ではなく、「私たち」という言い方にするですとか、「市議会」「行政」ではなく本当に「私たち」に一つずつしていくですとか、協働のためなのか、活動団体が活動するものなのか、そうではなくて、この条例は市民に興味を持ってもらうためのものなのかですとか、本当に本質を突かれている検討がされているなということをすごく感じています。
 これだけのすばらしい検討会をやっていただいている中で、ぜひ、ここでこれから条例を上げていただきますが、二周おくれとも三周おくれとも四周おくれとも言われる中で、今回はこういった市民活動推進条例を出します。全国的に見てもそんなに早いほうではないです。そういった中で市民活動がすごく盛んな鎌倉市が推進条例をつくるということは、本当に理念条例ですとか何かそういったものになってしまうと、結局あれは何だったんだと、逆に大きな声としてなりかねません。そういう中で、覚悟を持って検討会を開きながら、しっかりとここまで進めていっていただいているので、きっと鎌倉らしい独自性のあるものができると信じているんですが、この条例を制定する意味ですとか、条例の鎌倉らしさ、この時期だからこそ、鎌倉だからこそできる条例ですとか、アピールポイントがありましたらお聞かせください。
 
○小池忠紀 市民活動部長  本市では、他市のような市民活動条例がない中で、今までもさまざま活動が活発に行われてきましたけれども、条例の制定をきっかけといたしまして、さらに充実して活動するための機運の醸成、環境の整備を目指していきたいと考えてございます。
 また、私たちの鎌倉を未来につなぎ、輝き続けられるようにしていくためには、鎌倉を愛する全ての人が行動していくための規範となるようなものとしたいと考えてございます。
 条例の特徴といたしましては、前文、基本理念、指針、委員会の設置という4項目程度に限定し、あえて詰め過ぎない内容とし、さまざまな人々が理解し、親しんでもらえる条例にしたいと考えております。また、「市民活動」「協働」といった表現をあえて使用せず、多くの人々が条例を自分事として捉えてもらうために、「鎌倉のまちをみずからがつくっていく」「互いに手を取り合って」など、わかりやすい言葉で表現したいと考えているところでございます。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  私もこの条例をぜひやってほしいとお願いしたときに思っていたことは、市民協働のためではなく、市民活動のためではなく、市民のためではなく、もう本当に一人一人の自分たちのためにある条例なんだと、市民一人一人が感じてもらえるようなものでなければ意味がないと思っていました。ある一定の活動されている人ですとか、ある一定のその協働を推進したい行政がつくったんだろうとか、そうではなくて、市民一人一人が身近に感じられるようなものでなければ、そして実効性がなければ、余り意味がないなと思っていた中で、こういった指針と条例を分けるですとか、条例の中の言葉をやわらかくするですとか、さまざまなこれまでの検討会の検討を経て考えていっていただいたと思っています。
 ワークショップですとかこういった検討会を経て、職員の方と市民の方は本当に多くのことをお話しされていたと思います。これが、条例はまだできていませんが、条例制定に向けてこれだけの時間をかけてみんなで一つのことを話してやってこられたということが、まさに本当に市民協働をされたんだなと私は思っています。ぜひここまでやっていただいた皆様のためにも、一人一人がこれは自分のための条例なんだと思えるような条例を、今後もぜひ最後の詰めとしてつくっていっていただきたいと、さすが市民活動が盛んな鎌倉市の条例だなと思ってもらえるようなものをつくっていただきたいと思います。
 最後に、市民活動や協働、そして今回制定する条例に関する市長の思いをお聞かせいただいて、終わりにします。
 
○松尾崇 市長  先ほど四周おくれというような話がございましたけれども、市民活動にかかわる条例という意味では、他市が先行事例が多くあるということはそうだと思います。鎌倉としては、この長らく市民活動というのは本当に活発に行われてきた町ということはもう皆さん御承知のとおりで、同人会から御谷騒動、それからNPOセンター等々、本当に皆さんがこの鎌倉の町を自分たちの手でつくっていこうということで行動されてきた経過があります。
 今回のシンポジウム等々でも、そういう皆さんの熱い思い、また今現在そうして活動している方々の思いをたくさん出していただいて、それらを受け入れて、この条例にはしっかりとその思いを取り込んでいきたいと思っています。
 この条例によって、鎌倉にかかわる一人一人の方たちが、この町の課題について自分事として捉えて、それをみずから解決していくために行動していこうと、そういうふうに思えていけるようなことがスタートできる、そんな条例づくりができればと思っています。
 
○10番(永田磨梨奈議員)  期待しております。ぜひお願いいたします。
 今回、三つ伺いました。特に最初の女性の就労環境ですとか、2番目の企業誘致のところ、企業立地支援といったところでは、今回はそういうふうには伺わなかったんですが、何か市として具体的な数字として目標ですとか掲げるものというのは、何かできないのかなと考えていました。実際にこういったことを取り組んでいきたいですと御答弁いただいて、やっていただけるんだなと思っても、実際に市民の方々は、何をどうやってくれるのか、一つ事例ができればもちろんそれはそうなんですけれども、あとは市民の方や事業者の方たちに意見を聞いてくれ、全体に聞いてくれといっても、なかなか全体に行政で行き渡るのは難しい問題で、向こう側からも意見を持ってきていただけるような関係になるのが非常にベストというか、それが一番の形だと思っています。
 そのためには、市がこういったことを取り組むんだという強い発信を、メッセージ性を持って発信を強くすることが、向こう側からも情報を持ってきてもらえるような関係を築くきっかけになるんじゃないかと思っています。
 例えば横浜市の待機児童ゼロを目指しますとか、本当に簡単な例ですけれども、そういった具体的にこれをいつまでにこれぐらいにしますですとか、そういった市民が見てもわかりやすいような数値目標ですとか、そういった具体目標みたいなものを掲げると、よりまた市民の目ですとか、それにかかわろうとしている事業者の目というのは変わってくるのかと思いますので、今後ぜひ、もちろん庁内の中での検討ですとか、いろいろ大変なことはあるかと思うんですけれども、そういう誰が見てもわかるような具体的な指数というか、そういったものが出せないかどうかというのも検討しながら進めていっていただきたいとお願いをしまして、一般質問を終わらせていただきます。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいま一般質問中ですが、議事の都合により、暫時休憩いたします。
                   (15時35分  休憩)
                   (15時50分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。
 次に、久坂くにえ議員の発言を許可いたします。
 
○11番(久坂くにえ議員)  よろしくお願いいたします。今回は、放課後児童の環境について、そしてごみ屋敷の対応、こちらの2点についてお伺いをしたいと思っております。
 まず最初は、放課後児童の環境についてお伺いをしていきます。
 子供にとりまして、就学した子供にとって、学校が終わってから放課後の時間というのは、実質的にとても長いものでございまして、その時間をできるだけ豊かなものにするということは本当に意義があることだと思っております。これまでも放課後の環境につきましては、私を含めて議会から多くの要望、議論がこの場でもございました。
 こういった中で、昨年度末に策定されました鎌倉市教育大綱、これは平成27年度から31年度までの5年間が対象期間となっているんですけれども、この期間内に重点的に取り組む施策が五つございます。その1点目に、放課後児童対策の充実がございます。この放課後児童対策の充実をあえて期間内に重点的に取り組む施策、こうしていただきましたその思いと狙いにつきまして、市長と教育長に伺ってまいりたいと思います。
 
○松尾崇 市長  共働き家庭などにおける小1の壁を打破するとともに、次代を担う人材を育成するため、全ての児童が放課後などを安全・安心に過ごして、さまざまな体験活動を行うことができる体制として、一体型を中心とした子どもの家と放課後子ども教室の整備を進める放課後子ども総合プランを国において推奨しているところでございますけれども、本市におきましても、今御指摘いただきましたように、放課後の子供たちの生活によって時間というのはとても重要であると思っています。子供たちが放課後を生き生きと過ごせるよう、この放課後子ども総合プランを早く実現をしたいと考えまして、鎌倉市の教育大綱において重点的に取り組み施策として位置づけをしたところです。
 
○安良岡靖史 教育長  学校におきます放課後子ども教室につきましては、平成19年から稲村ヶ崎小学校で始めたところでございます。その後、平成26年度から今泉小学校においても開始をしたところで、現在2校におきましてこの放課後子ども教室を開始しております。
 やはり議員のお話のありましたように、全ての子供たちが充実した放課後の時間を過ごせるよう、この教育大綱の中におきましても、子どもの家との一体型としての放課後子ども総合プランの実現に向けまして、鎌倉市教育大綱において重点的に取り組み施策として掲げたところでございます。
 
○11番(久坂くにえ議員)  今、市長、教育長のお話にあった中で、このお考えをベースとして話をさせていただこうと思っておりますけれども、今お話の中にございました放課後子ども教室、そして放課後子ども総合プラン、またもう一つは子どもの家を取り上げまして、順次お伺いをしていきたいと思っております。
 まず、放課後子ども教室についてお伺いをしてまいります。これも本当に何回も取り上げさせていただきました課題でございまして、今、教育長からもお話がございましたが、平成19年度から稲村ヶ崎小学校で、試行という意味で平成26年から今泉小学校で始まっておりまして、この放課後子ども教室、今さら申し上げる内容でもないんですけれども、放課後の教室や学校を利用をして、地域の方が理科実験や読み聞かせ、また音楽や昔遊びの時間や、また囲碁、そういったものを教えてくださる、本当に多様な魅力的な内容となっております。地域の方の協力を得て、十分かかわり合いを持ちながら、学校とは違う多様な活動ができる場所でございます。
 今申し上げましたように、今、稲村ヶ崎、今泉ということで、本当に2校の取り組みということに限定しているんですけれども、本当に最初に稲村ヶ崎でやっていたときから、他地域の保護者から地域の拡大に向けて要望があったと私は認識しております。放課後の子供の時間を充実させたいという保護者の思いは強い、そういった中からこういった御要望もあったと思います。そして、やってみてどうだったかという話についても、実際、最新の平成27年度の実施についてのアンケートを拝見しましたけれども、稲村ヶ崎小学校の「らんらんスクール」は参加してよかったという回答が保護者が96%、子供も、よかったというのが99%、楽しかったと回答しております。また、今泉につきましても、こちらは「おもしろクラブ」という名称ですけれども、参加させてよかったという保護者が87%、また子供も94%が楽しかったと回答しておりまして、本当にいかに評価の高い取り組みかということをあらわしております。
 この評価の高い取り組みをぜひ全校に拡大してほしいということで、もう何度も同僚議員からも、学校以外の実施場所の検討や運営方法の工夫など、また私も地域人材の積極的な活用などさまざまな提案を行ってきており、どの学校から実施できそうなのか、その可能性を探るといった御答弁もいただいておりますが、いまだにその2校という以外に、なかなか遅々として進まない状況だなということを私は今思っております。こちらの事業につきまして、ニーズと、改めて拡大についての課題をどのように捉えているのかを改めてお伺いをしたいと思います。
 
○佐藤尚之 教育部長  今るる御紹介いただきましたアンケート調査でございます。平成27年度に行った調査でありますけれども、両校ともに、子供たちあるいは保護者からの評価というのをいただいているところでございます。また、平成28年5月に実施いたしました市政e−モニターのアンケートでございますけれども、特に自由記述のところで拡充を望む声が多く寄せられておりまして、放課後子ども教室のニーズは高いものと認知してございます。
 この放課後子ども教室につきましては、先ほど御紹介のあった放課後子ども総合プランによる実施を含めて、早期に市内全小学校区において実施したいと考えてございます。今後とも関係課や学校との調整、あるいは担い手となる人材の確保など、具体化につきまして鋭意図ってまいります。
 
○11番(久坂くにえ議員)  今かなり前向きな内容で御答弁いただいているのかなと思うんですけれども、これ、今伺ったのが放課後子ども教室なんですが、続けて放課後子ども総合プランについてお伺いしてまいりたいと思います。
 こちらは今申し上げた放課後子ども教室と学童保育、鎌倉でいうところの子どもの家を連携して運営して、子どもの家に入っているかどうか、その在籍の有無にかかわらず、全ての小学生が放課後の時間を安全・安心に過ごし、多様な体験と活動を行うことを目的としている場所でございます。先ほど早期というお話もあったんですが、鎌倉市の子ども・子育てきらきらプランでは、こちらは平成31年度までの計画期間内で、この放課後子ども総合プランの事業を1カ所以上で整備するということを目標としておりますが、今後数年間ある中でたった1カ所の新設という点については、余りにも少な過ぎるのではないかという指摘は既にさせていただいております。
 冒頭取り上げました教育大綱の策定は、このきらきらプランの策定の後なんですけれども、先ほどお伺いしました市長と教育長のその思いを、この1カ所以上という計画内容で果たして実現できるかというのが印象でございます。この教育大綱におきまして、放課後児童対策の充実が重点施策になったことも踏まえ、現在のきらきらプランの進捗と検討状況についてお伺いをいたします。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  子どもの家と放課後子ども教室を一体型で行う放課後子ども総合プランにつきましては、こどもみらい部、教育部、小学校校長会代表による放課後子ども総合プラン検討委員会を平成28年2月に設置し、同年3月に第1回を開催してから、現在まで5回開催しているところでございます。また、5月には検討委員会において既に放課後子ども総合プランを導入している中野区の小学校を視察し、実態を把握したところでございます。
 平成28年度は、鎌倉市の放課後子ども総合プランの概要、実施要綱案を作成し、平成30年度、31年度に各1校ずつ放課後子ども総合プランの導入を目標に、現在検討を進めているところでございます。
 
○11番(久坂くにえ議員)  今言った1校、1カ所以上というようなところで、本当に1カ所なのかというお話につきましては、平成30年度、平成31年度にそれぞれ一つずつふやすということで、2カ所やっていただけるというお話を伺いました。一つよりは積極的に進めていただいているというのは私も把握をしているところなんですけれども、それで本当に市内のニーズに応え切れて、そして先ほど来言っております理念を実現できるのかという懸念はございます。
 今お話しくださいました庁内検討委員会を設置していただいておりまして、議論を進めているということも今御紹介がございますが、この放課後子ども総合プランについては、どういった手法で実施していくのか、そしてまたニーズについてはどのように把握をしているのか、またそのニーズに見合った内容で実施するにはどういった点が課題と、この検討会の中で把握されているのかお伺いします。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  学校の敷地内において放課後子ども総合プランを実施することにより、全ての児童に放課後の安全で安心な居場所を提供することが求められていると認識しております。しかしながら、市内の小学校には余裕教室が少ないため、放課後の居場所として利用できる場の確保が現在課題になっているというところでございます。
 
○11番(久坂くにえ議員)  余裕教室というところにつきましては、本当にこの稲村ヶ崎小学校の放課後子ども教室をもうちょっと拡大してほしいとお伺いをした中で、やはり場所の確保についてはなかなか難しい、そういった課題が以前からありまして、なかなか今解消がされていないんだなということを今再認識をいたしました。
 そういっては、一方ではやはり課題があるんだけれども、よい取り組みを進めるためには、まず、やるということを決めていただいて、その課題をどうやったら解消していくんだろう、そういったふうに姿勢を考えていただくのも私は必要かと思っております。
 いつも申し上げているんですけれども、市内で本当によい取り組みを一部の方にしていただいている。本当にいいんですけれども、それが点で実施されていた場合には、本当に多くの市民の方がいい取り組みをしていただいているんだなということはなかなか実感はできません。その点の取り組みを面的に広げていただくことによって、それで初めて市として実施している、そんなふうに言っていただけるのではないかということも私は感じております。
 冒頭申し上げましたように、放課後児童対策の充実が教育大綱の重点事業とうたわれている以上、先ほど来お話しございますけれども、放課後子ども総合プラン、また放課後子ども教室につきましては、鎌倉市の全ての子供たちが豊かな放課後の時間を享受する、そういったことを目指し実現していただくのは、本当に当然のことだと思っております。
 今も言いましたけれど、全市域において実施するという方向性とスケジュールが明確に示される中で、そこで初めて場所や予算といった課題がより積極的に検討されることだと思っております。
 先ほど場所の、教室の課題もございましたけれども、その場所の制約があるけれども、期間的には使える、こういった時間にはここの教室は使えるですとか、ランチルームですとか、ほかの市ではランチルームですとか図書室のサブのような教室を使っているところもございますし、それは考え方一つで、ここも使えるんじゃないか、そういった初めてやるんだという取り組みを示していただいて、これを使っていこう、そういうふうに考えていただけるんじゃないかと私は思っております。
 先ほどから言っておりますけれども、初めから課題があるといった姿勢では、なかなか実現は難しいのだなということを思っております。しかしながら、先ほどから全ての子供たちにおいてというようなお話がある中、まずは開催日時が年間40日から50日と限定されておりまして、そういった意味で、開催場所また財政的にも比較的負担の軽い、しかし非常に評価の高い放課後子ども教室を、全市的に展開することを明確な方針として位置づけることを私は求めたいと思っております。そして同時に、放課後子ども教室と連携を図る、その一体型の放課後子ども総合プランにつきましては、鎌倉市では待機児童の解消も主な目的の一つと伺っている中、子どもの家のニーズ量が高い、施設的に課題のある地域を先行的に優先させて最終的に全市展開を図る、そういった計画を策定すべきと考えておりますが、いかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  先ほど来、放課後子ども教室と総合プランの話がるる出てございます。先ほどこどもみらい部長も御答弁したとおり、私も5月に中野区の放課後子ども総合プランの現状を視察してまいりました。実際に現地の職員との意見交換とか、一部指定管理を付してございますので、そのスタッフの方々とか、いろいろ具体的な意見交換ができたことは非常に有意義だと思っています。
 先ほど私が先に答弁させていただいたのは、この放課後子ども教室については、この総合プランによる実施と、それからいわゆる子ども教室単独といいますか、今、稲村ヶ崎小学校と今泉小学校でやっているこの教室、これをもう全市に向けて、全校実施に向けて取り組んでまいりたいとお話をいたしました。
 子どもの家との合体型については、先ほど来こどもみらい部長からも御答弁があったとおり、現在庁内の検討委員会の中で検討してございます。この中にも学校の先生が入っていらっしゃっておりまして、現行やっている子ども教室の現状の中で、いろいろ先ほど来御指摘があったように課題として認識がございます、時間をどう設定するのか、場所をどう共有するのかということで、今、40日とか50日でやっている部分を、なるべく拡大をしていきたいとは思ってございますけれども、やはり学校運営に支障がないということが前提でございますので、この点についてはまた鋭意検討してまいりたいと思います。
 それから全体計画でございますけれども、まだまだこの、先ほど言った関係課や学校との調整というものが、この学校では大丈夫だろうということが、何となくですけれども見えてまいりました。そういった学校を中心にしながら、放課後子ども総合プランについては実施していきたいし、教室についても同じようなスタンスで、この全校実施に向けた課題等々を整理して、早急に実施していきたいと考えてございます。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  今、教育部長からお話しあったように、子ども教室とあわせて、放課後子ども総合プランについても、機会の均等という視点からは全市的に展開することが望ましいと考えております。放課後子ども総合プランについては教育委員会と十分協議しながら、早期に計画策定に取り組んでまいりたいと考えております。
 
○11番(久坂くにえ議員)  早期にやっていきたいという御表現をいただいた中で、重ねてお伺いをしていきたいんですけれども、御参考までに、小田原市の放課後子ども教室の例を御紹介したいと思います。
 先般、視察に行ってまいりました。小田原市の場合は、この放課後子ども教室を見に行ったんですけれども、この内容は、体験活動もやっているんですけれども、やや若干学習支援に力点が置かれておりますが、私はここでお話ししたいのが、その展開スピードなんですね。鎌倉市よりおくれております、最初の取り組みは。昨年、小田原市ではスタートしました。しかしそれでも、2020年、あと4年後までに市内25校で全校実施するというような計画を持っております。ことし1月16日付の神奈川新聞でもこの取り組む予定につきまして報道がなされておりました。本当にスピード感を持って意欲的な展開をしているなと思っております。
 この小田原市の教育大綱でも、重点方針には子供たちの生活力の向上に、放課後子ども教室や地域活動等への参加を促すことによって、子供の育ちにつなげる能動的な力や生活力を育みますと表現しておりまして、まさしくこの重点方針の実現を目指しているわけでございます。
 先ほど両部長から御答弁を、早期にということをいただきました。先ほど来お話ししている鎌倉市教育大綱の期間は5年でございます。その5年間の重点事業として取り上げたからには、何とかしてこの期間に全校設置してほしいという気概を持って取り組んでいただきたいと私は思っているんです。
 先ほど言いましたけれど、この放課後子ども総合プランにつきましては、多様な活動の場を提供するということとともに、子どもの家の待機児童の解消を目指しております。今入所しているのが、平成25年には1,068人であったのが、平成31年度のニーズ量の見込みは1,666人ということで、本当にほぼ1.5倍に増加しています。この子どもの家のニーズを満たすのであれば、少なくともこのニーズ量をカバーするといった方針を持ちまして、本当に早期にやっていただきたいと思っております。
 この子ども教室につきまして、教育委員会の事務の点検という中で、学びの場というような表現がありまして、本当にいろんな活動ができる学びの場、それが一定地域だけに偏っているのは、機会の公平性を欠いているということを私は改めて申し上げたいと思います。少なくとも早期というお話はいただきましたけれども、早期というのは大体どのぐらいなのかということをお伺いしたいと思います。本当に稲村ヶ崎小学校から今泉小学校の間に、平成19年から26年、7年のブランクがありました。もう稲村ヶ崎小学校からやり始めたときから、もう本当に皆さんと、やってほしい、拡充してほしい、というような声を届けて、やっとそれで2校目がというようなところで、今、早期にやりたいというお話をいただきましたけれども、本当にその早期って一体何年でしょうかということを、目安をぜひお伺いをしたいと思います。市長と教育長に、よろしくお願いいたします。
 
○松尾崇 市長  市民の方々のニーズにもあらわれておりますとおり、この放課後子ども教室、今現在2校で行われているということを今後拡充していくということが求められているし、またそれを実施していきたいと考えています。全ての子供たちが参加できるように、市内全小学校区において実施するということが望ましいというのは、これまでも答弁をさせていただいてきたとおりです。
 放課後子ども総合プランや放課後子ども教室の実施状況を踏まえまして、これは教育委員会と連携して、さまざまな課題が今ありますけれども、これをスピード感を持って課題を解決をしながら、できる限り早期の全市実施の展開ということを取り組んでいきたいと思っております。具体的には後期実施計画の中で、そのあたりの実施年度ということも今後明確にしてまいりたいと思っています。
 
○安良岡靖史 教育長  放課後はやはり子供たちが興味、関心を持っていることを友達と一緒に取り組むということは、やはり子供の成長においても大切なものと考えております。そのような場を子供たちに提供していくということは、やはりこれからも大変重要になってくるところだなと考えております。放課後子ども教室を実施するに当たりましては、活動場所それから担い手の確保など、工夫をしていかなければいけないところがございますけれども、市長部局と連携いたしまして、まず放課後子ども総合プランによる実施も含めまして、教育委員会でも全校実施に向けて取り組んでまいりますが、この平成31年度までに放課後子ども総合プランのところの一体、一つの実施というところに向けまして、まずは全力で取り組んでいきたいと考えております。
 
○11番(久坂くにえ議員)  何か市長の答弁、後期実施計画に位置づけをぜひお願いしたいのと、先ほど、今いただいた教育長のところで、平成30年、31年度の放課後子ども総合プラン、確実にというところ、それは本当に確実にお願いしたいと思うんですけれども、その先の早期というのは本当に確実にお願いをしたいと思っておりまして。次にやっていただけますというときに、それが、5年、10年ともうたっちゃうと、もう早期ではないと私は思っておりまして、5年は早期と皆さんおっしゃるかもしれないんですけれども、それでも、小学校に入った子供はもう6年になり卒業していく中で、なかなかせっかく後でいい取り組みをしてもらったのに、それが体験できなかったなと多くの子供に思っていただくのも残念だなと私は思っています。
 総合教育会議、私、初回は傍聴しまして議事録も後で読んだんですけれども、その中で教育長もまた市長も、市長がもうおっしゃってくださいました。放課後にゲームをする子供も多いという中で、あとは一人で遊んで、一人でゲームしている子供もなかなか多いということが、かまくらっ子の調査の中からも今わかってきている中で、この時間を何とかしたいと、御発言を私改めて確認した中で、本当にわかってもらっていると思いました。なので、その実現に向けまして、ぜひとも早期、お願いをしておきたいと思います。
 話が移りますけれども、放課後の子供の環境として、もう1点お伺いをしておきたいのが、現在の子どもの家の対応でございます。なお、今定例会におきまして、指定管理の議案上程が予定されておりますので、この件に絞ったという話ではなく、一般的な今後の子供のあり方について確認をさせていただきたいと思います。
 先ほど子どもの家のニーズ量の増加につきまして話をさせていただきましたが、今本当に子どもの家は大変だということも私は思っております。子ども・子育て支援新制度が実施されることで、対象学年が6年生まで上がっております。共働き世帯も増加しております。子どもの家の入所申し込みがますます増加をして、幾つかの子どもの家で待機児童が発生し、支援員の確保がままならない。そして派遣を入れていただいております。また、そうした職域の異なる職員を抱えた難しい運営を各子どもの家の現場に委ねております。そうした中、残念ながら子供への対応がずさんとなって、質の低下が見られることもある。いろんな課題が私、今、発生していると思います。担当部局として、今、子どもの家がどういった課題に直面をして、またこの状況をどのように解決しようとお考えなのか、お伺いします。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  平成27年度から子ども・子育て支援新制度がスタートいたしまして、子どもの家の支援員の資格要件、配置基準、児童1人当たりの面積が規定され、施設の増床及び追加により、利用定員を増すことで、ニーズ量を確保してきた状況でございます。その結果、施設の大規模化が進み、利用定員が100人を超える施設がふえ、従来の公設公営では子どもの家の運用に課題が生じているような状況でございます。このため、民間のノウハウを活用することにより、安全で安定的な運営管理を行い、利用者のサービスの向上が図れる指定管理者制度を導入していきたいと考えております。
 
○11番(久坂くにえ議員)  今、部長から言っていただきましたとおり、もう本当に多くの子供がひしめいている中で、本当に今、大変な子どもの家という状況がございまして、指定管理も含めた民営化の実現につきまして今動いているというのはございます。
 教育こどもみらい常任委員会の中や、予算・決算の特別委員会の中でも、こうした要望につきまして、ほかの委員からお話や、それに沿った答弁が過去行われてきたのは私も把握しておりまして、そういった方向性に異議を唱えるものではありませんけれども、しかし、その方向性に進むに当たっては、どういった方向性を持って運営をしていくのか十分に議論し、指針を明らかにしてほしいということはたびたび私は要望してきたつもりでございます。
 と申しますのも、この子どもの家、学童保育というのは、主に共働き世帯の児童の放課後の遊びや憩いの場でありまして、夏休みや冬休みといった長期休暇の場合には、文字どおり、もう本当にお弁当を持って、朝8時から夜7時、8時まで子供たちが過ごす生活の場でありまして、子育てを保護者と共同して行う大切な場でございます。子供たちへの丁寧な対応が子どもの家には求められておりまして、こういった観点から、私、例えばその保育園やこの子どもの家と大差はないと思っております。
 しかし一方、保育園の民営化が鎌倉市で議論された際には、児童福祉審議会に諮問を行いまして、その答申をベースとして民営化による効果や保育園の選定、選定方法や移管先の進め方、スケジュールなど、細かな内容を網羅した計画が策定をされておりました。丁寧な進め方をしていただいたと私は思っておりますけれども、一方、子どもの家につきましては、こういった審議会等で議論がなされていなかったですとか、方向性の議論、どういった選択肢を持って子どもの家を移管していくのか、私ども議会にとってもその検討内容が十分明らかにされないまま進められていようとしていると私は思います。
 今申し上げましたように、保育園と学童に何ら差がないと私は思っているんですけれども、どういった背景や理由を持ってこういった対応に違いがあったのかをお伺いをしたいと思います。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  指定管理者制度の導入につきましては、子どもの家が急激な大規模化が進んだことにより、子どもの家の運営に課題が生じていることから導入を検討することとなりました。指定管理者制度を導入した場合においても、子どもの家が市の公の施設であることには変わらず、管理運営だけを指定管理者に行わせることから、保育園の民営化とは状況が若干異なるものと認識しております。児童福祉審議会に諮問は行っておりませんが、子ども・子育て会議において子どもの家に指定管理者制度を導入することについて報告し、御意見をいただいているところでございます。
 
○11番(久坂くにえ議員)  わかりました、とは言えないんですよ。急激な増員がございましたという話があったんですけれども、もともと前から、私のその前の任期から所管の委員会で、もうこことここの子どもの家は、もう子供がいっぱいで困っているから何とかしたらどうかというような議論が、本当にあったわけなんですね。もう明らかに保育園が混んでいるというところから、その保育園が学校に上がると、当然学童は混んでくるだろう。そういったことは私、もう当然予測できたことではないかと思います。ですので、今、部長が前段おっしゃってくださった、急激なとおっしゃるんですけれども、それについてはどうだったんですかというのを私は思っているんです。
 今、指定管理ですので民営化とは違いますよというお話もあったんですけれども、市の所管下であるということは確かですけれども、でも、現場の運営を任せることには違いはないですよね、ということを考えますと、子育て会議でも議論を出しましたと言うんですけれども、それと、その審議会とのそのかける、もうちょっと配慮を私はいただいてもよかったのではないかということを思っております。
 今、子ども・子育て会議で議論はしましたということなんですけれども、今後の進め方に当たりましては、その方針や手法、スケジュールを、要はその議論の結果をもってきちんと明らかにしまして丁寧に進めていただくことが、子どもの家の質の向上を求める保護者にとっても十分説明責任を果たすことになると思うんですけれども、考えをお伺いいたします。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  指定管理者の導入に当たりましては、鎌倉市子ども・子育てきらきらプランに位置づけているニーズ量を確保しており、かつ施設整備が済んでいる子どもの家を対象に導入を検討しているというところでございます。子どもの家の質の確保、また向上につきましても、子ども・子育て支援新制度を受けて平成27年3月に改正した子どもの家の運営指針を基本としまして、それをもとに民間のノウハウを利用して、さらなるサービスの向上が図れる運営がなされるよう指定管理者を導入していくように、利用者に対しても丁寧に説明していきたいと考えております。
 
○11番(久坂くにえ議員)  利用者についても、またそしてどういう方針を持って進められるかも、私どもにも御説明をいただきながら進めていただきたいと思っております。本当に子どもの家の質ということにつきましては、もう本当に子どもの家は主に一・二年生の低学年が入所して、高学年になってからはなかなか行かないですよという、一般的に言われていますね。高学年になってからは、習い事ですとか塾とか、一人で家で過ごすことができて、だから行かなくなるんですよという話も現場からもいただいているんですけれども、本当にそうなんですか、というのを私は言いたいんです。
 先ほどお話をしている放課後子ども教室のアンケートで、もちろん一概に比較はできないんですけれども、何年まで行かせたいですかという問いに対しまして、稲村ヶ崎小学校の保護者の方ですけれども、4年生まで通わせたいが39%で、6年生までも通わせたいという回答が49%でして、4年生以上ということでくくると、数字を合算すると88%。私、この数字に本当にびっくりしてしまいました。今言ったように、子どもの家は高学年になるとつまらなくて行かなくなるんですよと言うんですけれど、その場が充実していておもしろければ、高学年になっても行かせたい、行きたいと思うのではないでしょうか。そういった意味から、質の高い、子供が本当に行きたいと思う子供の場というのは何なのかということを考えながら、今後取り組みを進めていただきたいと思います。ぜひよろしくお願いをいたします。
 二つ目は、以前もお伺いしたごみ屋敷の対応について、以前も取り上げましたので、その後の状況についてお伺いをしたいと思っております。この課題を取り上げた際に、ごみ屋敷はごみの撤去など、ごみを直接的な対応のみならず、ごみ屋敷を発生させている人そのものへの支援が必要ということ、また大きな影響を受けている周辺住民の方々への対応が必要ではないかといった観点で、幾つかの質問や要望を行ってまいりました。
 まず、その際伺いましたごみ屋敷の周辺への理解促進の取り組みについて、改めて確認をさせていただきます。
 本当にごみ屋敷がニュースや雑誌など、よその世界のことであればいいんですけれども、自分の住まいのお隣にあった場合には、毎日毎日そのごみを目にしながら、もう本当に何とかならないか、対応を行政にお願いしているのに一向にごみは片づかない、一体行政は何をしてくれているんだろう、こういった感情を周辺住民の方々は持っていると思われます。ごみ屋敷によってストレスを抱えたこうした住民の方への対応として、まさしく行政が行っている課題解決に向けた取り組みの内容やその状況について、周辺住民の方と一定の情報共有や交換を行うことなど、対応や支援が必要ではないかと指摘をさせていただきました。
 その際の御答弁では、ごみ屋敷を発生させているその対象者が抱える問題を理解してもらうため、セミナーや研修を実施するということでしたが、その成果と実施状況も含めてお伺いをいたします。
 
○内海正彦 健康福祉部長  ごみ屋敷となってしまう原因は、身体的状況や障害等さまざまであり、地域住民や民生委員、地域包括支援センター等に、対象者の方の特性を理解してもらい対応していくことが重要であると考えてございます。
 地域での話し合いの機会があれば参加し、あわせて地域住民への個別の対応を行っているところでございますが、理解の促進にはなかなかつながりにくいのが現状でございます。対象者が抱えている問題を理解してもらうための一般市民向けセミナーにおいて、今後、ごみ屋敷を含めた社会的な問題との関連性について、理解を深めてもらえるような内容を取り入れていきたいと考えております。
 
○11番(久坂くにえ議員)  ぜひお願いをしたいと思っております。このごみ屋敷の課題は、今御答弁いただきました健康福祉部のみならず、環境部はもとより、消防ですとか、公道にあふれたごみという観点から都市整備部長、前回いろんな部署から御答弁をいただきました。本当にごみ屋敷には多角的で横断的な取り組みが必要だと思っております。今後庁内横断的なアプローチをするといった答弁を前回いただいておりますが、実際どのような活動が行われたのかをお伺いをいたします。
 
○内海正彦 健康福祉部長  ごみ屋敷の住民が抱える問題は、認知症等の精神疾患、障害、加齢など複合的に絡むことが多く、部内関係課が情報を共有し、連携をとりながら対応しているところでございます。現在は健康福祉部内各課のほか、環境部、都市整備部、消防本部などと連携を図り取り組んでいるところでございますが、新たな課題が生じた場合には、その必要に応じて連携の拡充を図っていく予定でございます。
 
○11番(久坂くにえ議員)  ぜひ横断的なアプローチをする中で、しっかりとした情報共有を行って取り組んでいただきたいと思っているんですけれども、このたび神奈川県内におきまして、初めて隣の横浜市でごみ屋敷条例、正しくは建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るための支援及び措置に関する条例を制定する運びとなりました。健康福祉局や資源循環局、区役所を中心に構成する全庁的なプロジェクトを立ち上げて検討が進められてきたということで、同市について調査を行っております。
 横浜市での条例制定につきましては、ごみ屋敷が地域に深刻な影響を与えていることがきっかけということでしたけれども、制定のメリットとして、地域や関係団体の協力を得られること、発生の防止や再発防止の段階でもごみの堆積者にアプローチできること、堆積物の状態、建築物など、所有関係その他必要な調査が実施できること、また再三の説得にも応じない場合、指導、勧告、命令、代執行ができるようになるなど、こういったことを条例制定のメリットとして挙げております。これらのメリットを、横浜市では幅広いアプローチと表現し、このアプローチを可能とするために条例を制定するということでした。
 今私が申し上げましたこれらのメリットについて、どう感じられたか、お伺いをします。
 
○石井康則 環境部長  横浜市ではいわゆるごみ屋敷問題の解決に向けて、ごみを片づけるだけではなくて、居住者に寄り添った福祉的支援に重点を置いて、調査や指導、勧告等の措置及び審議会の設置等を規定した条例の制定を予定していると考えております。
 今の御案内にありましたように、条例案の検討に際しては、健康福祉局、環境創造局及び区役所による庁内横断的なプロジェクトを設置いたしまして、対策の基本的な方向性、条例制定の必要性、関係部局の役割等の検討が進められてきたとのことでございます。
 本市におきましても同様の課題がございますことから、これまでの取り組みを一層推進していくために、関係部局が連携をし、横浜市の条例案など、先進的に取り組みを進めている事例を参考にして、いわゆるごみ屋敷問題の解決に向けた取り組みを検討していきたいと考えてございます。
 
○11番(久坂くにえ議員)  ぜひ、よその県とかではなくて、本当にお隣ということで、しっかりと見ていただきたいと思っているんです。
 話は変わりますけれども、先般、あるごみ屋敷の周辺住民の方とそのごみ屋敷を抱える当該町内会の役員の方が、ごみ屋敷の対応について話される機会がありまして、これ、先ほど部長の答弁からもありましたけれど、何かの会合の場に出席したりというような御答弁が先ほどありました。これ、会長から多分お声がけがあって、職員の方も御出席されていたなと私は拝見していたんですが、私もその話し合いを伺う機会があったので、内容を聞いていたんですが、その話し合いの中では、行政が行っている取り組みについて住民の方の理解が本当に不足していること、またこれからこういったことをやりたいんですよということについても、本当に効果があるんですかというような疑念もございました。また数年来ごみ屋敷が隣にある。いつまで続くんだろうといった、出口の見えないいら立ちですとか、御自分の住環境が日々破壊されていることへの不満とおそれ、いろんな御意見が出されまして、これ以上感情の高まりがあれば一触即発の危険がないとも限らない、そういった危機感を持った御発言もありまして、本当に厳しい状況だということを私も肌に感じました。
 先ほど御出席をしていた職員の方もいたんですけれども、どういった思いを持たれたのかということをお伺いをしたいと思います。
 
○内海正彦 健康福祉部長  ごみ屋敷の課題の改善や解決には長期間を要することが多く、地域住民、また民生委員、行政等が一体となって対応することが大切であると感じております。また対象者への継続した働きかけを行うとともに、地域住民へのきめ細やかな対応を心がけ、地道に粘り強く理解を求めていくことが必要であると感じたところでございます。
 
○11番(久坂くにえ議員)  もう本当に今、部長におっしゃっていただいたとおりなんですけれども、その場で、条例制定について市民の方から、つくれないのということで職員の方にお話があったと思います。私の以前の一般質問でこのごみ屋敷の対応の条例制定を求めた際には、なかなか難しいというような回答しかいただけませんでした。本当に条例制定をしている自治体も、つくったからといって、すぐにごみが撤去できるわけではなく、早期にこの問題が解決するわけでないことは課題として認識しています。
 今話にありました横浜市でも、条例制定後の課題として、代執行に至るまで再三の説得を行うなど、相当の時間がかかることを想定している。そのため、迅速な解決を望む市民感情に対しても丁寧な説明が必要なこと、また行政代執行を行ったとしても、代執行で行える堆積物の強制撤去は公益に反する必要最低限なため、堆積物全ての撤去を望む近隣住民に対して丁寧な説明が必要なこと、そういったことを課題として挙げております。
 なお、同じごみ屋敷条例を制定している足立区の方が、ある書籍で発言していたので、この発言を御紹介したいと思うんですけれども、それでも条例を制定するのは、長年にわたり迷惑を受けている、また困っている住民の方々が、もう本当に自分たちの努力だけではどうしようもないという場合には、行政が動かなければならないのではないかということで、この条例が制定された。また、行政による解決をメーンとして進むわけではないということです。それでも行政は姿勢を示さなければならないということをおっしゃっていました。
 現在、ごみ屋敷で困っている鎌倉の市民の方々は、ほかの自治体ではごみ屋敷の対応する条例が制定されている。自分たちも同様の課題でこれだけ困っている。それなのにどうして鎌倉市では制定できないんだろうか、本当にそんな素朴な、そして強い不満、そうした強い疑問をお持ちでございます。本当に今こそ行政の姿勢を見せていただくことが必要な段階だと私は思っております。ごみ屋敷の対策の条例の制定を行っていただき、この課題に力強く当たっていただくことを求めますが、いかがでしょうか。お考えをお伺いします。
 
○松尾崇 市長  いわゆるこのごみ屋敷問題ですけれども、課題解決には、ごみの撤去だけではなくて、居住者へのきめ細かな福祉的な支援ですとか、また再発防止の見守りなど、幅広いアプローチ、また地域住民の御理解、御協力が必要だという認識を前回も述べさせていただきました。
 条例を施行して課題解決に取り組んでいる横浜市等の事例を今御紹介いただきましたけれども、本市としましても、関係部局が連携してプロジェクトを立ち上げまして、条例化を含めて、いわゆるごみ屋敷対策の取り組みを進めてまいりたいと考えます。
 
○11番(久坂くにえ議員)  今の答弁につきましては、前回の一般質問のときと、残念だけど余り変わらないのかなと思ってしまいました。本当にこれは、つくったからといって一朝一夕に解決する課題じゃないんだけれども、だけど、もうこれ以上、本当にもう我慢できないですとか、本当にもうこれ以上どうしたらいいんだろうと、今言いましたけど、出口がない状況の中、本当に皆さんのことを頼りにされていらっしゃいます。そういった中で、より積極的な取り組みをぜひともお願いしまして、私の一般質問を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  ただいま一般質問中ですが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (16時39分  休憩)
                   (16時50分  再開)
 
○議長(中澤克之議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 議事の都合により、この際、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。
 次に、保坂令子議員の発言を許可いたします。
 
○6番(保坂令子議員)  神奈川ネットワーク運動・鎌倉の保坂です。通告に従いまして、質問をいたします。今回取り上げるのは、公共施設再編の取り組みと市民協働です。
 初めに公共施設再編です。公共施設の維持管理が将来的に大幅な財源不足の要因になると予想をされることから、2015年3月に40年間を計画の期間とする公共施設再編計画が策定されました。40年間の施設更新コストの半減と保有施設面積の削減を目標に掲げています。別の角度から言えば、コスト負担への危機感の共有化により、市民に再編の必要性を納得してもらうという意図が根底にある計画でもあります。
 40年間という長期で見れば、まだ緒についたばかりと言えますが、2019年度までの短期間の進捗状況は、モデル事業として先行させた鎌倉芸術館のPFIの手法導入の断念を初めとして、厳しい展開になっています。
 まず、公共施設のマネジメントの推進体制について伺っていきます。公共施設再編計画では、新たな資産管理の担当部署を設けるとされています。これにはかなりの規模の機構改革を伴うことから、現段階では建築住宅課にファシリティマネジメント担当を置くにとどまっています。建築住宅課に置いたこの担当の業務内容、守備範囲は具体的には何でしょうか。
 
○伊藤昌裕 都市整備部長  現在、建築住宅課に設置されておりますファシリティマネジメント担当では、主に三つの業務を行っております。一つ目として、公共建築物の点検として、定期点検対象建築物の法廷定期点検の実施。二つ目として、公共建築物の工事履歴を含んだ建築物のデータの管理。三つ目として、耐震化されていない建物について耐震化するための耐震改修事業でございます。
 
○6番(保坂令子議員)  ファシリティマネジメントは、一般には土地、建物、構築物、設備等の業務用不動産の全てを、経営にとって最適な状態、つまりコスト最小、効果最大で保有し、運営し、維持するための総合的な管理方法と定義されています。現在の担当の業務内容とは大きな隔たりがあると考えます。
 公共施設の再編を掲げたからには、担当者一人の設置では本当に過渡的な措置に過ぎず、資産管理の担当部署の設置という次の段階に進むために最大限の努力をするべきです。次の段階に進めないでいるのは、何かクリアしなければならない要件があるのでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  資産管理担当部署は公共施設マネジメントの実現に向けた総合的かつ計画的な維持管理を総括するもので、資産管理の担当部署を設置することで、施設管理とサービス提供を完全に分離しようとするものでございます。
 公共施設再編によって、複数部署での建物の共有や余剰不動産の売却、賃貸、民間施設の賃貸によるサービス提供など、今までにない施設管理の形態が生じてくることになります。このため、資産管理の担当部署の新設に当たっては、公共施設及びそれらの利用環境を、経営戦略的視点から総合的、統括的に企画、管理、活用するためのノウハウの蓄積や職員の能力向上が求められるところでございます。また、全庁的な連携体制の構築など、さらなる環境整備を進めた上で組織を設置していく、こういうことが求められると考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  小手先の機構改革ではだめで、その職員の能力のアップというのも伴わなければいけませんということで、拙速はよしとはいたしませんけれども、今の厳しい状況に対応するためには、やはり急がなければいけないと考えます。
 鎌倉市は公共施設再編の計画をつくるという点では、他の自治体に先駆けて進めてきましたが、実働のファシリティマネジメントではおくれをとっていないでしょうか。他自治体の資産管理の担当部署の設置事例ではどのようなものがあるか、把握していたら教えてください。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設マネジメント、ファシリティマネジメント、PREといった観点から、資産管理の担当部署を設定している自治体としましては、さいたま市、東京都武蔵野市、千葉県流山市、横浜市などがございます。組織体制は自治体の規模などによりさまざまでございますが、武蔵野市の例を挙げますと、関連部署として当時の企画部の財政を所管している部分、総務部で管財を所管している部分、建設部の建築を担当している部分、こういったものが一緒になって組織しているということでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  他市の取り組みも、参考にできるところは参考にしていってほしいところです。人口規模は同じくらいでも、施設の状況とか市民のニーズは一様ではありませんので、鎌倉市独自のあり方をよく検討をしていっていただきたい。従来の縦割りのあり方をもう本当に廃して、抜本的な機構改革というところで本気で取り組まないと、今の状況を打破して先に進めていくことはできないと考えます。
 ここで官民連携ということに触れたいと思います。鎌倉市では2013年度に国の先導的官民連携支援事業の補助金を受け、鎌倉市地域経営型PPPの検討調査に取り組みました。PPP、Public Private Partnership、公民連携、官民連携と言われます。この検討調査は、市民、事業者、観光客等が、公共施設の整備等に対して地域課題の発掘から実行に至るまで参画協働することによって、その知恵や技術、資金を活用する官民連携の仕組みを探るというものでした。検討してその後どうなったのかはうやむやで、広い層の鎌倉ファンからの資金調達策は、昨今は専らふるさと寄附金にシフトしています。苦言を述べざるを得ない事例ですが、官民連携を模索した取り組みとして、松尾市長に思い出していただきたいと思い、質問の流れからはそれますが、寄り道をいたしました。
 さて、官民連携では、これまで多数の自治体でPFI、指定管理者制度、市場化テスト、包括的民間委託などの手法がとられてきました。その多くは自治体が提供するサービスや実施する業務内容、官民連携の手法等を決め、それを受けて民間等が実施するものでした。事業の枠を決めるのは行政側であったわけです。それが、近年は民間発案型の官民連携として、民間提案制度や民間提案型市場化テストなどの手法が広がりつつあるようです。
 資料を配っていただいております。この大判のA3ですけれども、これは内閣府による文書です。こちらのところで、第2章、主要な官民連携の手法というようにありまして、第3章、新たな視点に立った官民連携の取り組み事例と下のほうにありますが、こちらの新たな視点という、こちらですね、こういう動きがあるということで、こちらで紹介をしています。後ほど例を挙げて伺いますが、鎌倉市でも事業に参入して収益が上がるか、市場性があるかどうかについての民間の意向を確認するサウンディング調査を取り入れる事例がふえてきています。新しい民間発案型の官民連携という方向に鎌倉市も向かっているのかどうか、このことに関心を持って以降の質問を続けます。
 公共施設再編計画の推進体制の中では、民間事業者との協働がうたわれています。指定管理者制度やPFI事業にとどまらず、民間事業者等から提案を受けて事業を進める民間提案制度の導入を検討すると書かれています。鎌倉市では具体的にはどういうものを想定しているのでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設再編計画に位置づけました民間提案制度の導入は、公共建築物の整備、維持管理におけるコスト削減の方法や公有資産の有効活用などを、広く民間事業者から提案を受ける体制や仕組みづくりを想定したもので、ただいま議員から御紹介があったようなものも含んだものでございます。公共施設包括管理業務委託における管理業務の効率化に係る民間からの提案もこの導入事例の一つであるということができます。
 
○6番(保坂令子議員)  民間の自由な発想、経営感覚に裏打ちされた発想を取り入れることは有意義ですが、丸投げにならないようにしなくてはなりません。出された提案を適切に判断する市の力量も問われていると認識していただきたいと思います。
 先ほど例に挙げた中で、千葉県流山市のファシリティマネジメント推進室は、PPPを積極的に活用してシンプルに実践するということを掲げています。鎌倉市で公共施設のファシリティマネジメントの分野で民間提案型の導入を行う場合、主体となってこれを行うのは、これからつくられるという資産管理の担当部署でしょうか、それとも別のところになりますか。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設再編計画におけます第2段階として位置づけております資産管理担当部署では、公共施設再編計画の進行管理とともに、公共施設マネジメントを実施していくことを考えております。このため、公共施設マネジメントに係る民間提案制度の導入やさまざまな事業手法の検討については、資産管理担当部署で行うことを考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  先ほど部長から出た職員の力量というんですか、能力のアップも必要という、答弁の中にありましたけれども、本当にそのとおりかと思うんですね。新しい部署の守備範囲は大変広いということで、そしてやらなければいけない、取り組むべき仕事というのは非常にレベルの高いものを要求されていると思います。
 では、先ほど触れたサウンディングについて改めて伺います。公共施設再編計画の対象施設ではありませんが、鎌倉市に寄附された鎌倉山一丁目の扇湖山荘の保全活用に向けて、2014年の秋に、また西御門二丁目の旧村上邸の保全活用に向けては、現在サウンディング、対話型市場調査が行われています。また、公共施設包括管理業務委託の実施に向けても、2015年10月と12月にサウンディング市場調査が行われました。午前中の一般質問でも8月に実施された深沢地域整備事業の導入施設機能についてのサウンディングの結果報告がありました。今後もこの手法が多用されると予想されます。
 サウンディング市場調査を行う意義、メリットは何でしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  市場調査、マーケットサウンディングでございますが、事業発注をする際に市が一方的に仕様を決定するのではなく、民間のノウハウや資金等を最も発揮しやすいスキームを組み立てるために行うものでございます。また、市場調査を行うことで市場性の把握も可能となります。市場調査の実施によりまして、事業効果を高め、また効率的な事業実施が可能になると考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  公共施設の包括管理業務委託に話を戻したいと思います。これは市役所、行政センター、小・中学校等を合わせて43施設の保守管理を一括業務委託するものです。このほど行われた公募型プロポーザルの前にサウンディングを行った効果については、どうお考えですか。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設包括管理業務委託の導入に向けまして実施した市場調査、サウンディングについては、市場性の確認、受託可能な契約機関や事業者選定から事業開始までの準備期間の必要性など、事業スキームを組み立てる上で非常に有益であったと感じております。
 
○6番(保坂令子議員)  非常に有益だったというお答えです。手法としてはそうなんですけれども、公共施設包括管理業務委託を進めていけば、長期化した場合、市の組織の中に施設の保守管理の知識や技術を身につけた人材が手薄になることが懸念されます。現場がわかる人がいなくなることにより、業者の言いなりになりかねません。市民の財産を守るために、責任を持って今後も人材を確保して育てていく必要があると考えていることを言い添えたいと思います。
 さて、ここからが問題提起の部分です。サウンディングや民間提案制度の活用を経て事業化が決定し、改めて事業者の選定を行うために、公募型プロポーザルや総合評価、一般競争入札を行う場合について、総務省は事業化決定に向けて提案を行った事業者の貢献度に対して加点を付与する対応が考えられるということを言っています。そういうインセンティブ策を行うなら、なおのことですが、妙なしがらみをつくらないよう、サウンディングや民間提案制度の活用についてはガイドラインを作成するなどして、加点理由の説明責任などを果たし、事業者選定の透明性の確保に一層努める必要があると考えます。御見解を伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  サウンディングや民間提案制度をより効果的に活用するには、民間事業者が個々に持っている独自の技術、知見、ノウハウなどを提供してもらうことが必要であると考えます。これには、御指摘のように貢献度に対する加点付与といった制度がやはり必要であると我々も認識しております。今後、サウンディングや民間提案制度を本格的に運用するに当たりましては、ガイドラインの作成などにより、公平・公正かつ民間のノウハウを最大限引き出せるような制度設計を行うことが必要だと認識しております。
 
○6番(保坂令子議員)  公正・公平、その透明性の確保ということでお答えいただきました。
 先ほどの公共施設の包括管理業務委託、受託業者が大幅な利益を追求するのが難しいので、応募が1者にとどまったと伺っています。それでも手を挙げた事業者があったのは、市としては助かったわけですが、例えばその事業者が、包括管理業務の対象施設が指定管理に移行する場合に、そのまま指定管理者になってしまったら、不透明な決定だとの批判は避けられません。2013年12月定例会の一般質問では、民間から持ち込まれた企画に対し、持ち込んだ事業者と随意契約を結んだ事例を取り上げて、その癒着とも言える構図を厳しく指摘いたしました。随意契約に限りません。疑念や批判を招かないためには、さまざまな局面において透明性の確保を図ることが必要だと考えます。
 公共施設再編についての質問を続けます。集約化、複合化の方向で施設の更新を進める上で、整備計画の進捗が他の施設に影響を及ぼす場合があります。そのうちの一つ、中央図書館の建物の更新に関する現状はどのようになっているのでしょうか。
 
○佐藤尚之 教育部長  中央図書館でございますけれども、昭和49年の建築でございます。現在、外壁、屋根のシート防水等に老朽化が見られるところであります。平成26年度に耐震診断を行ったところ、いわゆるIs値でございますけれども、この数値が0.55でございました。平成27年度にIs値を改善するための耐震設計を行ったところでございます。教育委員会といたしましては、今後、耐震工事を行っていきたいと考えてございます。
 なお、大規模改修または建てかえ等々に関しましては、庁内で十分調整を図ってまいりたいと考えてございます。
 
○6番(保坂令子議員)  喫緊の課題としては耐震の改修ということですけれども、その大規模、今後どうするのかという、建物の更新については検討中、これからということですね。
 本庁舎の整備方針によっては、連動して中央図書館の移転という事態もあり得ます。個々の施設の整備にとどまらない大きな公共施設再編の立案を担う体制というのは整っているのでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  現在、本庁舎の整備の方針について検討を行っておりまして、平成28年度中にその方針を決定することになっております。また、現在、拠点校の選定にも取り組んでおりまして、今年度中には本市の公共施設再編をより具体化して提示していくことができるのだと考えております。このため、これらの検討に当たりましては、全市的な視点で本市の公共施設再編の検証を行うことが必要で、経営企画部を中心に全庁的に議論しながら進めていくこととしております。
 
○6番(保坂令子議員)  経営企画部を中心にというお答えでした。中央図書館の大規模改修または建てかえというのは、公共施設再編のロードマップでは、たしか平成31年度までとなっていたと思いますけれども、そのあたり、本庁舎をどうするのかというところ、それから今進めているのは拠点校をどうするのかということですけれども、そういったことと連動して、なかなか決まらないという状況があるということを確認いたしました。
 9月1日の総務常任委員会協議会で、認可保育所、ファミリーサポートセンター、市民活動センター等、三つの機能、六つの施設を導入する方針の岡本二丁目用地施設の概算事業費が増加となり、建設工期も長期化することが明らかになりました。開設の時期が大きくずれ込むばかりでなく、計画自体が立ち行かなくなる懸念も出てきています。また、深沢地域整備事業に関する村岡新駅の事業費についても、従来の1.5倍のコストが明らかになったことで、整備事業の枠組みについて見直しを求める声が大きくなることも予想されます。スキームの構築は全体のバランスを見ながらという答弁もきょう午前中ありました。それぞれの所管においての対応を行っていくようですが、公共施設再編の進行管理をする経営企画部、先ほどそういうふうに答弁ありましたけれども、経営企画部はどのように受けとめているのでしょうか。各担当にお任せして3年ごとの計画の見直しだけを行えばよいとは思えません。資産管理の担当部署ができていない今日、全体のマネジメントをどのように行っていくのでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設再編計画を計画的に推進するため、計画期間でございます40年間を、短期、これは平成31年まで、中期、平成37年度まで、長期、平成65年までの期間に区分にしまして、計画ではロードマップを策定しているところでございます。しかし、あくまでもこれはロードマップでございまして、個々の事業は総合計画の実施計画により実施計画等の詳細を定めていくことになります。公共施設再編計画におきましても、今後の人口動向や社会情勢の変化などに柔軟に対応するため、基本計画の策定段階に合わせ計画を改定するなど、計画の硬直化を招かないように取り組んでいくとしております。基本計画策定時期に、必要があれば改定を行うと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  先ほど来伺っているのでは、一つの施設について計画の進捗がはかばかしくないと。そうすると、それがまたほかの施設の整備にも影響を及ぼす。そういう非常に、要するに難しい進め方をしなければいけないのがこの公共施設再編なわけですよね。ですので、本当に、40年という長いスパンで見たら二、三年のおくれはいいでしょうというものでは済まなくて、この短期計画、最初のところから、例えば鎌倉芸術館のPFI導入とかでは、つまずきというんでしょうか、思ったようにならなかったというのもあり、そしてまた、こういった今申し上げたような大きな施設においても、施設の更新の費用が大変、また新設の費用が大きくかかる。しかもいろいろな状況、非常に残念なことには、例えば境界線の確定がきちんとできていないような、最初のところのつまずきでどうなるのかわからない。そういうところも含めて、個々の担当の所管のところではなくて、全体としてマネジメントを見ていくところ、それが新しい担当部署だと、資産管理の担当部署だということなんですけれども、それができていない現在において、どうやっていくんだ、どこが責任をもってやっていくのかということを伺っているわけです。当然のような、お答えしかなかったなと思います。
 また別の角度から伺います。6月の総務常任委員会で、本庁舎の整備や深沢地域整備事業の経費について取り上げられた際、市の保有する余剰資産の売却も含め、財源は多面的に求めていくとの答弁がありました。公的不動産、PREの活用は、公共施設再編計画の中に織り込み済みなのでしょうか。現在未利用、低利用の市有不動産の売却、賃貸しだけでなく、公共施設再編計画に基づく機能集約で売却、賃貸し等が可能となる不動産のリストアップといったことは行われているのでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設再編計画では40年間で990億円のコスト削減を目標とし、施設の複合化や機能集約に伴う削減に取り組むこととしております。本計画では、施設の集約化や複合化などによりまして活用可能な用地が創出された場合、遊休余剰資産として売却、賃貸等を行うことによる収入も想定し算定をしておりますが、現時点で具体的な売却、賃貸等のリスト化を行っているものではございません。計画推進に当たっては、民間事業者との協働等、今後さまざまな事業手法の導入の可能性を探っていくことになり、これに合わせ最良の方法を見出していきたいと考えているところです。
 
○6番(保坂令子議員)  総務常任委員会では、6月なんですけれども、市の保有する余剰資産の売却も含めて、財源は多面的に求めていくと、非常に厳しい状況にあるという答弁だったと思うんですね。でも、本当に市の保有する資産を売却するというのは大変なことですけれども、でもシミュレーションとして、今の段階で全く持っていなくてよろしいんでしょうか。もう一度伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  具体的にこの施設をこういうふうに売却していく等々のリストというのは持っておりません。
 
○6番(保坂令子議員)  そうなりますと、結局のところ、新たにこれからつくる資産管理のこの部署、そこの働きというのは大変大きな大きな責任があるなというのを改めて思いました。
 公共施設再編に関する最後の質問です。神奈川ネットは空き家・空き店舗の福祉の視点での地域貢献型活用ということをずっと言っていますが、空き家・空き店舗に限りません。施設再編の大きな方向性として、地域拠点校を核にした公共施設の集約化、複合化がありますが、地域拠点校以外で、複合化する施設の一部や公共施設再編で空きができた施設などを地域の福祉拠点として生かすこと。例えば藤沢市の「地域の縁側」のような地域の居場所、相談スペースや見守り活動のステーションに提供するような視点が必要ではないでしょうか。公共施設再編の立場からの見解を伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設再編計画における複合化に当たりましては、多世代が多目的に利用できる多機能な施設にすることで、施設の付加価値を高めていきたいと考えております。このため、公共施設の再編に当たっては、全庁の横断的な議論とともに、地域住民の方々の意見も聞きながら、御提案の多世代交流や居場所づくりなど、市民の方々にとって魅力が感じられるような再編事業となるよう努めてまいりたいと思います。
 
○6番(保坂令子議員)  市民が魅力を感じるような、本当にこの方向で進んでよかったなと思うような公共施設再編の方向性を目指していただきたいと思います。
 以上、公共施設再編に関する質問では、ファシリティマネジメントと官民連携の手法について、新たな動き、それが見られるので、確認する必要があると考えて詳しく聞きましたが、施設の更新、維持管理コストの削減のためには何が何でも官民連携の手法を採用するべきだとは考えておりません。押さえておきたいのは、官民連携を手法として採用する場合は、透明性の確保に一層努めるということです。また、民間への業務委託をさまざまな形で進めても、市職員の人材育成と適切な人員の確保は必要です。そして、再三申しておりますけれども、新たに設ける資産管理の担当部署、これはもう縦割りを廃して、本当に抜本的なところで横の連携を強めてやっていかなければ立ち行かないものだと思いますけれども、この新たな担当部署の機能強化に危機感を持って取り組むべきこと、このことを申し上げて、次の質問、市民協働に移ります。
 市民協働については大きく三つのパートに分けて質問いたします。
 まず最初に策定中の(仮称)市民活動推進条例に関連して伺います。昨年の12月定例会での私の質問に対して、当時の松永市民活動部長は、市民協働推進条例と市民活動推進条例、近隣市の条例を見る限り、名称の違いはあるが、いずれの条例も市民活動を活性化させ、協働によるまちづくりを進めることを目的としており、さほど内容に差はない、差異はないと認識していると答弁されています。それも間違いではないと思うんですけれども、協働によるまちづくりという目的は同じでも、市民活動の推進は、市民活動に対して市がどう向き合うかに重点があるのに対し、市民協働の推進は、市が担ってきている事業、業務を点検して、市民、民間事業者等とともに担うあり方を考えるというところに重点があり、私としては行政の立ち位置が違うのではないかと思っているところです。
 では、質問に入っていきます。ともあれ、鎌倉市は現在(仮称)市民活動推進条例を策定中です。策定に当たっては、市民参加型の手法がとられていますが、その一つが(仮称)市民活動推進条例検討会の開催で、5月から8月の間に8回の検討会が持たれました。私はこのうちの第6回と最終回の第8回を傍聴しました。ワークショップの形式で熱心な意見交換がされていました。条例案の策定に当たっては、福井県鯖江市の条例や近隣市の同種条例が参考にされています。
 ここで確認しておきたいのは、市民活動として捉えている範囲です。横浜市では2012年6月にそれまでの市民活動推進条例から市民協働条例に全部改正しました。協働条例では、協働のパートナーを市民等として、市民、法人、地方自治法に定める地縁団体及びこれらに類する者と定義しています。この点について、鎌倉市の条例策定過程ではどのような議論になっているでしょうか。
 先ほど同僚議員の質問で、優しく親しみやすい言葉を使うことを心がけたという答弁でしたけれども、逐条解説を読まなくては、また読んでも、条例をつくる側の市のスタンスがわからないというのでは困ります。市民活動の中に営利企業の公共的、公益的、かつ営利を主たる目的としない活動も含むのかどうかということを市民活動部長に伺います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  検討会の議論におきましては、協働のパートナーといたしまして市民、NPO、自治・町内会など、営利を目的としない団体等だけではなく、事業者、また学校や病院など、地域を構成するさまざまな人、団体を対象としているところでございます。
 御指摘の事業者が行う営利を目的としない公共的、公益的な活動につきましても、条例の対象として含んで考えているところでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  市民活動を広義に捉えていることを確認いたしました。
 次です。市民活動推進条例検討会の最終回では、条例のイメージと題されたたたき台をもとに議論がなされていました。まだ条例案の前段階の条例のイメージということなので、文言について細かく意見を述べることは控えますが、1点、第3条、指針について確認させていただきます。
 この第3条、指針ですけれども、条文案には「市は基本理念に基づく活動の推進のための適切な支援(場の提供、財政支援、市が行う業務への参入機会の提供、積極的な情報公開や提供など)を行うため、指針を策定するとともに環境の整備を進めます。」とあります。市としての責務を、公共的、公益的市民活動の推進のために支援を行うことに限定して捉えているように感じられます。しかもその中身は条例本文ではなく別途委員会を設置して策定する指針に委ねるとのことです。条例の全体像は、結局指針の作成を待たなくては見えてこないのでしょうか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  条例におきましては、市は支援する立場だけではなく、市民、市民活動団体、事業者などと同じく、市、市職員も鎌倉の町をつくっていくその一員、当事者であり、パートナーでもあり、また支援者でもあると考えてございます。
 条例の組み立てにつきましては、基本理念のほか、指針の策定と委員会の設置を定める予定でございます。指針の内容といたしましては、市の施策といたしまして、場の提供、市が行う業務への参入機会の提供、積極的な情報公開などを想定しているところでございます。委員会は指針の策定、また施策の進行管理などを市民とともに検討する場として設置するものでございます。
 なお、条例の全体像につきましては、条例制定の際に逐条解説のようなものを作成する予定でございます。
 
○6番(保坂令子議員)  結局のところ、条例の全体像が今のところでは見えてこないな、実際に市がどんな取り組みを考えているのかということはなかなか見えてこないと、そういう印象を持っているわけです。支援だけではないというお答えでしたけれども、確かにこの条例のイメージというのを見ますと、主語が「私たち」になっており、市の職員も「私たち」の中に入るのだという意見交換もされていたところですけれども、もう一回同じことを言いますけれども、親しみやすい言葉を使うことで本当にわかりやすくなっているのかな、残念ながら、非常に短い条例のイメージ、条例案ではありますけれども、それを読んだだけでは、この条例をつくって市が何をしようとしているのかということは、なかなか見えてこないと思っています。それでも、理念条例にしないということですので、次の質問、伺いたいと思います。
 昨年12月定例会の一般質問では、理念条例に終わらせないためにはプラットフォームの構築が必要だということを私は申し上げました。そして、市民活動部長からは、協働のまちづくりを推進していくためには、市民が互いに交流し情報交換できる活動の場、その活動基盤となる資金、あるいは支援するスタッフ、支援体制、そして情報、こういったものが集まる場として、プラットフォームというものが必要になると思うので、条例を策定するに当たっては、鎌倉市の市民活動にとって必要なプラットフォームというものを考え、構築していきたいという答弁がありました。
 このときはプラットフォームの例として、茅ヶ崎市のマッチングギフト方式の市民活動げんき基金の運用と、活動拠点としての市民活動推進センターを挙げましたが、何か決まった形態があるわけではありません。これまでたびたび紹介してきた世田谷区の一般財団法人世田谷トラストまちづくりもプラットフォームです。
 イメージを広げるために、例えばということで言わせていただければ、鎌倉市芸術文化振興財団、風致保存会、観光協会、公園協会に加えて、既にできているわけではありませんが、景観重要建造物保全基金のサポーターズのような組織や、空き家・空き店舗の地域貢献型活用をコーディネートする組織、またNPO、市民団体の中間支援組織などが寄り合い的に集まれば、強力なまちづくりセンターであり、市との協働事業を展開するプラットフォームになるでしょう。
 思いつくまま具体例を挙げれば、複数の市民団体の連携による空き家・空き店舗を用いた地域の居場所事業、芸術文化振興財団と風致保存会などが絡んだ文化サロン事業、NPO法人と公園協会が一緒になった梶原子ども会館での青空保育や冒険遊び場事業、芸術文化振興財団と観光協会など連携して、やぶさめの定期開催、そういったもろもろのこと。まちづくりセンターがコーディネートすることでできるのではないか。そういったことも考えられるのではないか。鎌倉市の中で活動する多様な団体が寄り合うことでパワーアップするプラットフォーム構想によって、鎌倉の魅力をより広く発信することができるのではないかと考えます。分散された補助金を整理することで、財政改革にもつながる。そのように考えます。
 条例を作成するに当たって、こういったプラットフォームになるもののイメージをぜひ膨らませていただきたい。それが大切だと思います。市民活動部長はどうお考えになりますか。
 
○小池忠紀 市民活動部長  市民活動の推進や協働のまちづくりを推進していくためには、活動の場、資金、支援するスタッフ、支援の体制、情報などが集まる場としてのプラットフォームというものが必要になるものと思っております。具体的な仕組みを構築するために、今後、策定をする指針の中で、必要なプラットフォームについても議論をしていきたいと考えてございます。
 
○6番(保坂令子議員)  イメージを膨らませていただきたいということで質問しております。理念条例に終わらせないためには、理念が実際に具体化するための仕組み、プラットフォーム構築の視点が必要である。大きな構想ですけれども、松尾市長はどのようにお考えになりますか。
 
○松尾崇 市長  市民活動のさらなる推進、また行政を初め各主体が協働する仕組みづくりは、これから鎌倉市が個性豊かで活力ある地域社会の構築を目指す上で必要不可欠であると考えています。今回、市民活動や協働を推進するための条例制定を目指しておりますが、条例制定に当たりまして検討会やシンポジウムなどで多くの方々の熱い思いをいただいており、そうした思いの詰まった条例にしていきたいと思っています。
 御指摘のプラットフォームの視点につきましては、具体的な支援策を構築する上で有効な手段の一つであり、課題として捉えてまいりたいと思います。
 
○6番(保坂令子議員)  具体的な取り組みは来年度つくられる指針の中に盛り込むということで、そういう意味では、まだ時間的な猶予があるということなので、ぜひイメージを膨らませていただきたいと思います。
 次に二つ目のパートとして、官民連携の中に協働を位置づけた視点で何点か伺います。先ほど公共施設再編のところで、新たな視点に立った官民連携の取り組みとして民間提案制度に触れましたが、総務省が新たな視点に立った官民連携の取り組みと言っているのはほかにもあり、協働事業提案制度もその一つに上がっています。新たな担い手育成型との位置づけです。お配りしている資料の右下のあたりにありますので、ごらんください。
 協働事業提案制度、鎌倉市においては相互提案型協働事業を既に何年も続けているので、新たな視点に立ったというのはぴんとこないのですが、協働事業が広がり、長期に活動が及んだ結果、次のステップ、例えば指定管理者制度に挑戦するということも出てくるでしょう。協働の関係の中で、公共サービスの新たな担い手として市民団体が期待される事業の分野はもっとあるはずです。
 6月定例会では、子ども会館の指定管理者に、協働の形で運営を担ってきた団体ではなく行政相手の人材派遣会社が選定されたことに対し、協働の実績の評価が論議の的になるとともに、協働の担い手の育成、支援の必要性が指摘されました。今後、指定管理などの官民連携で、NPO団体などと営利企業が指定をめぐって競うということも出てくると思います。
 そこで、伺います。行政相手の人材派遣会社がシェアを伸ばしている現状にあって、今後、子どもの家の指定管理の拡大は、そうした人材派遣会社の参入を広げることにつながりそうです。市としては、指定管理を広げる上でどのようなことに留意をするのでしょうか。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  指定管理者の選定に当たりましては、条例等に規定された選定基準、評価項目等に基づき、透明性、公平性を確保してまいります。また、指定管理者の募集に当たりましては、放課後児童健全育成事業、青少年育成事業等の経験を有する団体等を公募資格要件とするとともに、子どもの家に配置するスタッフに地域の人材の活用を要件とすることも考えております。先行市の事例を見ますと、人材派遣会社だけでなく、NPO法人や学校法人、公益財団法人等、幅広い団体が担っております。
 
○6番(保坂令子議員)  子供たちが育つ環境をよりよくという視点を第一に進めていかなければいけないと思いますけれども、指定管理の事業者選定には、今、答弁されたように公平性、透明性の確保が必要です。それ以前において協働の実績のある事業者が応募した場合に、どのように評価しているのでしょうか。例えば、広町緑地の指定管理者を選定したときはどうだったのか、伺います。
 
○伊藤昌裕 都市整備部長  平成26年度に実施いたしました鎌倉広町緑地の指定管理者選定におきまして、市民協働の実績があるNPOの応募がありましたが、審査の結果は、候補者に適さないと判断されております。その主な理由は、財務の安定性が確保されていないことや、従事する職員数の不足など、指定管理者としての組織体制の脆弱さによるもので、選定委員会による評価点数が合格点に達しなかったものでございます。指定管理者を選定できなかったことから、必要な管理は市が直営で行っておりました。
 翌平成27年度の応募には、特定非営利活動法人鎌倉広町の森市民の会と、公益財団法人鎌倉市公園協会との共同事業体としまして、鎌倉広町パートナーズとして応募がありまして、選定委員会で候補者に選定されているという経過がございます。
 
○6番(保坂令子議員)  二度目のチャレンジでNPO団体も参画したという経過ですね。確かに事業者選定の公平性、透明性の確保というのがまず必要です。それまでの貢献度にもし加点を付与するなら、そのこともガラス張りにした上で、でも業務内容を適切に執行できるかどうかの判断については、きっちりと公平な評価を行うということだと思います。そして、協働の担い手の団体に対しては、財政力、マンパワー、ノウハウなどの体力をつけるための支援をしていくというのが協働の推進なのだと思います。それは総合計画に市民意識の醸成と明記した鎌倉市としては当然の責任ではないでしょうか。
 では、公共施設再編のところで触れました旧村上邸の保全活用について再び伺います。保全活用に向けたサウンディング、市場調査では、アイデア募集の対象は法人限定でしょうか。市場性の調査だから営利企業の意見を聞くわけですが、それだけで公益性、公共性のある活用につながるのかなと思います。趣があるだけでなく、地域の人が集うのに手ごろな規模の建物です。この建物を地元自治会などでは活用できないのでしょうか。
 
○大場将光 まちづくり景観部長  旧村上邸の市場調査の件でございます。今回の対話型市場調査でございますけれども、民間活力を導入いたしまして、みずからが事業主体となることを前提に募集したものでございまして、法人限定の募集でございます。
 今回の対話では、景観整備機構との連携ですとか、地域住民のニーズ、あるいは地域課題への対応、地域貢献などを含めました事業アイデアの提案をいただきたいと、このように考えているところでございます。その際、地域貢献の一環といたしまして、地元自治会の利用などについても聞いていきたいと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  サウンディング、その対話型市場調査とは別に、自治会等々も意見交換をしていくという御回答でした。
 この旧村上邸の保全活用ですが、景観保全の意味合いだけではなくて、文化活動の場、地域で人が集う拠点と、さまざまな工夫の余地があり、建物活用と協働のモデルケースになると期待しているところです。
 協働について二つ目のパート、これの最後の質問です。茅ヶ崎市、ここは「官民連携」ではなく「公民連携」と言っているんですけれども、茅ヶ崎市は2012年2月に公民連携のための基本的な考え方を策定し、協働を優先する事業の検討を行っています。この中で、市民活動団体、地域団体等との協働を優先する事業として、市民による主体的な事業実施を通じて、自治意識の高揚が期待できる事業、地域におけるニーズにきめ細かく対応できる事業などを上げています。鎌倉市においても同様の協働を優先する事業というのでしょうか、検討を進めるべきではありませんか。見解を伺います。
 
○小池忠紀 市民活動部長  市民活動団体や地域団体等との協働を進めるためには、市の全ての事業内容を精査した上で、協働で実施できる事業の整理や契約の仕組みの見直しも必要と考えているため、今後、関係課と検討を進めていきたいと考えてございます。
 
○6番(保坂令子議員)  ぜひ進めていっていただきたいと思います。
 市民協働についての三つ目、最後のパートは、協働について本気で考えなければならない事業分野についての問題意識のない協働でよいのかという問いかけの質問です。目下進行中の条例策定のプロセスを見ていると、市の側に条例をつくって協働を進めようという切実さのようなものが感じられません。現在の鎌倉市には、持続可能な市政運営を行うには多様な主体による協働がどうしても必要だという切実さを持って、協働の可能性を探らなければならない事業の分野が数多くあるのに、そうした視点が抜け落ちているように感じられます。
 その分野として、地域福祉、防災、景観保全を上げたいと思います。国は高齢者ができる限り住みなれた地域で暮らし続けられるよう、介護、医療、予防、生活支援、住まいを一体的に提供できる地域包括ケアシステムの推進を自治体に求め、鎌倉市でもこの8月に地域包括支援センターが新たに3カ所開設されて、10カ所体制になったところです。しかし、この地域包括ケアシステムをもっと大きなビジョンで捉えて取り組みを進めている自治体があります。一般質問の3日目に紹介のあった和光市もそうですが、お隣の藤沢市も藤沢型地域包括ケアシステムを掲げて、高齢者に限らず、子供、障害者、生活困窮者、社会的に孤立した人なども含め、支援を必要とする人が身近な地域で確実に支援を受けて、自分らしく暮らしていくことができる地域づくりを目指しています。縦割り行政ではとても構想できません。
 藤沢市では12の部と約40の課が横断的なチームをつくって取り組み、公的、専門的な機関と民間事業者、地域の団体等が分野を横断して連携していくとのことです。協働の視点で言えば、限られた地域の担い手に不安、負担が集中したり、コストダウンのために市民のボランタリーな活動に過度に依存することがないような連携を考えていかなくてはならないでしょう。藤沢型地域包括ケアシステムは、容易な取り組みではありませんが、その方向性は本当に将来を見据えたものと言えます。鎌倉市においても真剣に考えるべき方向性であり、市民協働を進めるに当たって視野に入れておくべき取り組みだと思いますが、いかがでしょうか。健康福祉部長と市民活動部長の両方の御見解を伺います。
 
○内海正彦 健康福祉部長  誰もが安心して暮らし続けられるためには、高齢者に限らず、子供、障害者、生活困窮者など、地域で生活する全ての方に対応した包括的なケアシステムが構築されることが望ましいと考えております。こうした包括的なケアシステムをつくり上げるためには、現在構築中の高齢者を対象とした地域包括ケアシステム以上に、地域住民や地域で活動する関係団体、事業者、行政などが一体となり、地域でのつながりを重視した体制の構築が必要であると考えております。
 本市では、こうした体制の基礎となる高齢者を対象とした地域包括ケアシステムの構築を進めるとともに、庁内関係部署が連携して、鎌倉型の地域包括ケアシステムについて研究してまいりたいと考えております。
 
○小池忠紀 市民活動部長  現在進めております今泉台住宅地をモデルとした持続可能なコミュニティーづくりや、大船地域づくり会議は、多様な活動主体の連携を促すプラットフォームの構築を目指したものでございます。多様な活動団体と連携し、地域福祉はもちろんのこと、さまざまな地域課題を解決していくためには、協働の視点が必要であると考えております。そのためには、大船地域づくり会議等でのノウハウや課題を庁内で共有し、既存の自治・町内会や市民活動団体、福祉や子供を所管する関係課とも連携しながら、鎌倉型の地域包括ケアシステムのあり方について研究してまいりたいと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  地域包括ケアシステムというのは、多様な主体、多様な人的資源を駆使しなくてはできないことなので、高齢者の方への対応だけではなく、障害者、社会的に孤立した人、生活困窮世帯への支援も、別々に組み立てていくのではなく、一緒に捉えていくのが必要だと思います。そしてそこのところに協働の視点から見ていくということが大事だと思います。
 続いて、防災です。防災の分野では、鎌倉市はかねてから公助の限界ということを言い、共助、互助を広げる必要性を訴えています。これに対しては、共助を強調することで、市として行うべき公助、特にハード面での整備から逃げていませんかとたびたび指摘してきたところですけれども、共助、互助と協働、使う言葉は違いますが、行政において協働の必要性が認識されている分野であることは確かだなと思っております。
 今回も避難行動要支援者対策について伺いますが、これまでとは異なる角度からです。現在、要支援者名簿を自治会、町内会へ提供し、個別支援計画の策定を目指す取り組みが進められています。この取り組みは自治会、町内会との連携なしには全く進まないものです。協働という視点では大変意味がありますが、自治会、町内会にとっては相当の負担を伴うものと考えられます。現時点の取り組み状況には地域差が大きく、自治会、町内会からの戸惑いの声も聞こえてくるところです。この点について、防災安全部としてどう捉えているのか伺います。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  災害時避難行動要支援者名簿につきましては、災害対策基本法の規定に基づき、現在、支援組織である自治会や町内会への名簿の提供の準備を進めているところであります。この名簿を受けていただいた自治会、町内会には、要支援者ごとの、議員御紹介の個別支援計画の作成をお願いすることになりますが、この作業には、戸別訪問や聞き取り、計画書の作成などを、自治会、町内会の方々に相応の御足労、御負担をお願いすることになると考えてございます。
 しかしながら、東日本大震災の教訓などから、要支援者の支援は公助だけでなく地域における共助の取り組みとの連携が求められておりまして、災害対策基本法においてもこのような趣旨から支援組織への情報提供について規定されているものと理解しております。今後ともこの個別支援計画の作成が円滑に進むよう、関係者との意見交換などを通じまして、支援を担っていただく方々への負担をなるべく軽減できるよう、丁寧な対応を図ってまいりたいと、このように考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  避難行動要支援者の名簿の提供を受けて、自治会、町内会が行う対応策というのは、一日ではなく、それぞれの状況に応じた自発的なものが形づくられればよいと思います。市としてもその後押しをすると。
 防災という切り口は、誰もが自分のこととして捉えられ、協働の糸口としては最適と言えます。防災安全部としてはよいコースでボールを投げて、また返球を上手に受けることを心がけていっていただきたいと思います。
 協働を考える上で、ぜひ取り組まなければいけない分野ということで、三つ目、景観保全です。鎌倉市には景観法に基づいて景観重要建造物に指定された旧川喜多邸、和辻邸ですね、に加えて、鎌倉市都市景観条例に基づいて指定された32の景観重要建築物等があり、保存、活用が図られています。昨年11月には鎌倉市景観重要建造物等保全基金条例を制定して、新たな基金を設置し、景観重要建造物、景観重要建築物等に御成小学校旧講堂と旧鎌倉図書館の2軒を加えて、基金による保全の対象としました。このうち景観重要建築物については、多くが個人所有で、現に住居として使われており、保存活用のためには所有者への支援も必要とされるところです。
 横浜市の都市整備局都市デザイン室は、公益社団法人横浜歴史資産調査会と連携して、歴史を生かしたまちづくり相談室を開設しています。歴史的建造物の所有者を対象として、専門家や関係活動団体、行政が連携し、具体的な対応策について提案する窓口で、自宅は古いが歴史的価値があるのかわからないで調べてほしい、建物は残したいが相続が発生すると家族で持ち続けることが困難なのでよい方法はないか、歴史的建造物の改修を任せられる腕のよい職人を教えてほしい、などの相談に対応しているそうです。
 鎌倉市は民間団体や市民による景観保全整備の一層の推進を図る観点から、2011年には一般社団法人ひと・まち・鎌倉ネットワークを景観整備機構に指定しています。景観整備機構については先ほど答弁の中でも触れられていました。こちらは毎年度事業計画を出していただいていると思いますが、どのような活動状況で、市としてはどのような協働を想定しているのか、伺います。
 
○大場将光 まちづくり景観部長  景観整備機構との協働でございます。一般社団法人ひと・まち・鎌倉ネットワークにつきましては、平成23年4月に景観整備機構として指定をいたしました。業務の内容といたしましては、景観法第93条第1号に基づきます良好な景観の形成に関する専門家の派遣、情報提供、相談、その他の援助、及び同法第6号に基づきます良好な景観の形成に関する調査、研究、こういうものでございます。
 具体的には由比ガ浜通り景観形成協議会、それから由比ガ浜中央景観形成協議会への景観デザイン協議、あるいはデザインレビューの開催等に対する専門家の派遣ですとか、地域住民が景観、まちづくり活動を行う上で必要な助言、あるいは相談等を行っていただいております。このことによりまして、景観形成地区の良好な景観形成が推進されておりまして、今後もこうした活動を通しまして、良好な景観形成について協働を推進していきたいと、このように考えているところでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  そして、先ほど紹介があったように、旧村上邸の保存活用に向けても加わっていただいているということだと思います。
 景観整備機構の指定は景観法に基づくというものですけれども、鎌倉市によるひと・まち・鎌倉ネットワークの指定は、県内初だと伺っています。連携の輪を広げて取り組めることはたくさんあるんじゃないかと思います。先ほど協働の推進には基盤となるプラットフォームが必要だと申し上げましたが、例えばこうした団体が核になって、鎌倉市との連携で相談支援や情報交流の窓口を開設してくれたら、まちづくりセンターとしてのプラットフォームとなる可能性もあるのではないか、そのように考えているところです。
 最後の質問です。旧鎌倉図書館については昨年の9月定例会で耐震補強設計等の業務委託費の補正予算が可決し、今月1日の総務常任委員会協議会で耐震診断業務委託の結果が報告されました。耐震性を確保するための補強案が3通り示され、概算工事はいずれも税抜きで2億5,000万円強でした。今後、工事の内容等を検討し、経費圧縮の方策を探るとのことですが、大きな経費であることに変わりはありません。景観重要建造物保全基金はまずこれに充てられると聞いていますが、基金は現状で35件の建築物等を保全の対象として設計されたものです。より多くの市民に鎌倉に現存する景観形成に資する建築物の価値を知ってもらって、息の長い支援の輪を広げていく努力が求められます。
 先週末からこれから12月にかけて、相模湾沿岸エリア一体で第11回湘南庭園文化祭が開かれ、景観を形成してきた邸宅、庭園、歴史的建造物に人々が訪れます。鎌倉市の景観重要建築物は、先ほども申し上げましたように所有者がお住まいで、または店舗として使用中のところが多く、一般公開の機会はごく限られていますが、市民協働で基金への協力を募る企画が多彩に行われることが望まれます。今申し上げました湘南庭園文化祭というのは、この湘南、相模湾沿岸一帯エリアの市民団体と神奈川県との協働ということですね。神奈川県都市整備課との協働事業です。そういった多彩な企画というものが行われることが望まれます。緑保全だけでなく、都市景観、建築物の保全も含めた景観保全についても、これまで以上の市民協働を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
 
○大場将光 まちづくり景観部長  景観保全に当たりまして、市民協働いたしまして、平成27年度に設置いたしました、今御紹介ありました鎌倉市景観重要建造物等保全基金、これも一つの協働の形であると思います。また、住民みずからが御自分の所有する、管理をする建築物、あるいはお庭ですとか庭木などを含めまして、周辺の町並みに調和させていくということも、景観保全に当たっては市民協働の一つと言えると思っております。
 加えまして、景観資源等の維持管理でございます。これは非常に大変でございまして、これについてボランティア活動などで労力を提供していただくということにつきましても、良好な景観形成を推進していく上でも協働であると考えております。
 このようにさまざまな形で協働を進めていくということについては、非常に意義があることだろうと思っております。
 
○6番(保坂令子議員)  かねてから申し上げておりますけれども、協働を広い視点で捉えてほしいということです。
 協働についていろいろな角度から伺ってきました。市民活動部長からは、市の事業を全体的に洗い直してというんでしょうか、検討して、協働の可能性を探るということも答弁の中で言っていただいておりまして、それを本気でやったら物すごく大きいことだなと思います。ただ、これから後期実施計画、財源難というのが予想されますけれども、それを補完するために事業実施のコストダウンを図ると、そのために協働というのだと、それは違うと思っております。本当に市と市民がよりよい鎌倉の町をつくり上げていくための協働ということで、言うとすごく何かきれいごとなんですけれども、市民活動推進条例も制定です。これはやはりその協働というところでやっていっていただきたいと思いますけれども、そういったきらきらと輝くようなアクセサリー条例ではなく、中身のあるものをつくっていくということも大変大切だと思います。
 以上で私の一般質問を終わります。
 
○議長(中澤克之議員)  お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、運営委員会の協議もあり、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
 なお、残余の日程については、明9月13日午前9時30分に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
 本日はこれをもって延会いたします。
                   (17時58分  延会)

平成28年9月12日(月曜日)

                          鎌倉市議会議長    中 澤 克 之

                          会議録署名議員    中 村 聡一郎

                          同          上 畠 寛 弘

                          同          山 田 直 人