○議事日程
平成28年 9月定例会
鎌倉市議会9月定例会会議録(3)
平成28年9月9日(金曜日)
〇出席議員 25名
1番 千 一 議員
2番 竹 田 ゆかり 議員
3番 河 村 琢 磨 議員
4番 中 澤 克 之 議員
5番 池 田 実 議員
6番 保 坂 令 子 議員
7番 岡 田 和 則 議員
8番 西 岡 幸 子 議員
9番 日 向 慎 吾 議員
11番 久 坂 くにえ 議員
12番 長 嶋 竜 弘 議員
13番 前 川 綾 子 議員
14番 三 宅 真 里 議員
15番 渡 邊 昌一郎 議員
16番 納 所 輝 次 議員
17番 小野田 康 成 議員
18番 高 橋 浩 司 議員
19番 渡 辺 隆 議員
20番 中 村 聡一郎 議員
21番 上 畠 寛 弘 議員
22番 山 田 直 人 議員
23番 吉 岡 和 江 議員
24番 赤 松 正 博 議員
25番 大 石 和 久 議員
26番 松 中 健 治 議員
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〇欠席議員 1名
10番 永 田 磨梨奈 議員
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〇議会事務局出席者
事務局長 三 留 定 男
次長 鈴 木 晴 久
次長補佐 藤 田 聡一郎
議事調査担当担当係長 笛 田 貴 良
書記 窪 寺 巌
書記 片 桐 雅 美
書記 菊 地 淳
書記 斉 藤 誠
書記 鈴 木 麻裕子
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〇理事者側説明者
番外 1 番 松 尾 崇 市長
番外 5 番 比留間 彰 経営企画部長
番外 7 番 松 永 健 一 総務部長
番外 8 番 柿 崎 雅 之 防災安全部長
番外 9 番 小 池 忠 紀 市民活動部長
番外 10 番 進 藤 勝 こどもみらい部長
番外 11 番 内 海 正 彦 健康福祉部長
番外 17 番 斎 藤 務 消防長
番外 18 番 安良岡 靖 史 教育長
番外 19 番 佐 藤 尚 之 教育部長
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〇議事日程
鎌倉市議会9月定例会議事日程(3)
平成28年9月9日 午前9時30分開議
1 一般質問
2 報告第12号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る ┐
専決処分の報告について │
報告第13号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
専決処分の報告について │市 長 提 出
報告第14号 継続費の精算報告について │
報告第15号 平成27年度決算に基づく健全化判断比率の報告について │
報告第16号 平成27年度決算に基づく資金不足比率の報告について ┘
3 議案第30号 市道路線の認定について 同 上
4 議案第31号 修繕請負契約の締結について ┐
│同 上
議案第32号 修繕請負契約の締結について ┘
5 議案第50号 建物明渡等請求事件の和解について 同 上
6 議案第33号 指定管理者の指定について 同 上
7 議案第34号 下水道管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償 同 上
の額の決定について
8 議案第43号 鎌倉市議会議員及び鎌倉市長の選挙における選挙運動の公費 同 上
負担に関する条例の一部を改正する条例の制定について
9 議案第44号 鎌倉市実費弁償条例の一部を改正する条例の制定について 同 上
10 議案第48号 鎌倉市パチンコ店等の建築等の規制に関する条例の一部を改 同 上
正する条例の制定について
11 議案第45号 鎌倉市子ども会館条例の一部を改正する条例の制定について ┐
│同 上
議案第46号 鎌倉市子どもの家条例の一部を改正する条例の制定について ┘
12 議案第42号 鎌倉市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例の制定につ ┐
いて │同 上
議案第47号 鎌倉市自転車等駐車場条例の一部を改正する条例の制定につ │
いて ┘
13 議案第49号 平成28年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号) 同 上
14 議案第35号 平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について ┐
議案第36号 平成27年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定に │
ついて │
議案第37号 平成27年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特 │
別会計歳入歳出決算の認定について │
議案第38号 平成27年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の │
認定について │同 上
議案第39号 平成27年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決 │
算の認定について │
議案第40号 平成27年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定 │
について │
議案第41号 平成27年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算 │
の認定について ┘
15 議案第51号 鎌倉市公平委員会の委員の選任について 同 上
16 議案第52号 人権擁護委員の候補者の推薦について 同 上
17 議員の派遣について
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〇本日の会議に付した事件
1 一般質問
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(出席議員 25名)
(9時30分 開議)
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○議長(中澤克之議員) 定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。17番 小野田康成議員、18番 高橋浩司議員、19番 渡辺隆議員にお願いいたします。
なお、本日の会議に欠席の届け出がありますので、局長から報告させます。
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○三留定男 事務局長 永田磨梨奈議員から病気のため、欠席する旨の届け出がございましたので御報告いたします。
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○議長(中澤克之議員) ただいまの報告に御質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
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○議長(中澤克之議員) 日程第1「一般質問」を昨日に引き続き行います。
まず、西岡幸子議員の発言を許可いたします。
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○8番(西岡幸子議員) おはようございます。大変爽やかな朝を迎えました。きょう私は「市民生活のQOL(生活の質)の向上を図る地域包括ケアシステムの推進について」と、「母子健康アプリケーションを活用したヘルスケア事業について」の2点について質問をさせていただきます。理事者におかれましては明快なる答弁をよろしくお願い申し上げます。
それでは、通告では市民生活のQOLを向上する地域包括ケアシステムの推進のほうが1番目になっておりますが、簡単に質問をしてまいりますので、母子健康アプリケーションを活用したヘルスケア事業についてを先に質問したいと思います。
この母子健康アプリケーションでございますが、県の事業で9月6日に知事が記者会見をいたしました。1日から始まる予定だった事業が若干おくれたようでございますが、私は8月に原課に参りまして、この情報をいただいて、これはぜひやらなければと思いまして、きょう質問の項目に急遽加えました。
まず、一番最初に、この電子手帳、電子アプリケーションになりますので、母子手帳の電子化ということでございますので、そもそも紙ベースの母子健康手帳についてはどういう位置づけになるのか、そのことについてお伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 紙ベースの母子健康手帳でございますが、母子保健法第16条で妊娠の届け出をした者に対して市町村が交付することを義務づけられているものでございます。妊娠中の経過から出産の状況、6歳までの子供の成長記録や予防接種の履歴等を管理するものでございまして、本人だけではなく、医師や助産師、保健師等専門職もその手帳にその内容を記載するということになっているものでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 母子保健法では紙ベースでこの母子健康手帳を配布するということになっていると、今、部長が御答弁なさいました。
それでは、この母子健康アプリケーションというのはどういう位置づけになるのでしょうか。どのようなものなのかお伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 母子健康アプリケーションでございますが、母子保健法にのっとって交付しています母子健康手帳を補完するものと捉えております。スマートフォンのアプリケーションを使って利用者自身が妊娠の経過や子供の成長記録のほか、予防接種の履歴等を入力し、妊婦や子供の健康管理ができるものでございます。平成28年度は神奈川県の事業として現在実施しておりますが、参加する各自治体に乳幼児健康診査の日程や子育てに関するイベントの情報の発信、利用者へのアンケートなどができるような機能が備えられているというものでございます。
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○8番(西岡幸子議員) これは県が県民に対して無償で提供していると。それで、希望者が自由に利用できるアプリケーションだということがまず一番基本ですね。パソコンやスマートフォンを利用して母親や子供の健康診断の結果や予防接種の履歴、また健康記録の情報を保管、管理できるアプリケーションを構築しているということでございます。
これは全市町村がこの事業に参加しているわけではなくて、鎌倉市は手を挙げたということでございますが、神奈川県内でこれはモデル事業でよろしいわけですよね。一応予定としてはこのモデル事業が何年のモデル事業で、参加市町村はどれくらいあるのか、お伺いします。
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○内海正彦 健康福祉部長 神奈川県のモデル事業でございまして、今年度、平成28年9月から開始されているモデル事業でございます。鎌倉市のほか、横須賀市、逗子市、伊勢原市、寒川町、大井町、松田町、愛川町の4市4町がこの事業に参加をしているところでございます。
この事業の期限でございますが、神奈川県に問い合わせたところ、現時点では最低でも来年までは実施すると聞いているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 来年までは実施をするということでございますが、鎌倉市はどういう利点を考えてこのモデル事業に参加したのか、お伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 利用者の利点といたしましては、子供の身長、体重を入力すると、それが自動的にグラフ化することができます。また、予防接種の履歴を入力することで、次回の予防接種の接種日が通知されるなど、スケジュール管理ができるというところがメリットとして挙げられます。また、イベント等で子育て情報のほか対象となる乳幼児の健康診査のお知らせなども効果的に周知することができる。さらには、保護者はスマートフォンを常に携帯しているということも考えられますことから、災害時でも手元に母子健康手帳がない場合でもお子さんの内容が把握できるという利点が考えられるということでございます。
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○8番(西岡幸子議員) たくさんの利点があるようで、今の若い方たちは紙ベースの母子手帳を持ち歩くことはなかなかないけれども、スマートフォンでしたらば常に携帯をしているということでございますので、市が参画することによって市のイベント等の情報もそこからキャッチができると。それと、もちろん健診の結果等をグラフ化することができるということ、スケジュール管理ができるという、今、お話でございました。
これは情報の共有化という点についてはいかがでしょうか。例えば、かわいいお孫さんの情報ですから、これはおじいさま、おばあさまのところにも送りたいといったとき、そういったこともこれは可能になるわけですよね。情報の共有化ということも可能でよろしいわけですよね。
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○内海正彦 健康福祉部長 このアプリの機能には、情報の共有化ということもできるようになっております。例えばですけれども、おじいさま、おばあさまがお孫さんから離れた場所にいらっしゃったとしても、携帯を利用することによって、その情報がほかの方にも共有、家族の中でそういった共有ができるというものでございます。
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○8番(西岡幸子議員) それでは、市で管理ツールとして住民への情報発信ができるということ、また、アンケート機能についてはどうでしょうか。自治体で、鎌倉市で例えば子育てのアンケートをするといった場合、その集計とか閲覧、またイベントの情報を送るということは、その申し込みもできるようにするということでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 その機能を使いまして、市でアンケートをとったりするというようなことも可能になると考えております。
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○8番(西岡幸子議員) 大変便利なこのアプリでございます。非常にこれは皆さんにお使いいただきやすいものだとは思いますけれども、県がやっているということで一つの安心感も持つところではございますが、このアプリケーションで気をつけなければいけない点についてお伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 アプリケーションを使うに当たりまして、生年月日の基本情報のほか、妊娠の経過、出産の状況、子供の健康診査、身長、体重の計測値、予防接種の履歴等の情報、これらの情報全てを利用者が入力する必要があるということでございます。
また、この入力した情報が正しく入力できなかった場合には、身体発育曲線、例えばグラフ化した場合ですとか、予防接種のスケジュールの管理などという、こういったものが自治体からの情報発信した内容とそごが生じてしまうというようなことが起きますので、そういった点が注意する点になるだろうと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) スマホ等を携帯しているのは全く同じことで、自己管理が大変重要になってくるということだと解釈をいたします。
それでは、この母子健康アプリケーションの周知についてはどのようにお考えか、伺います。
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○内海正彦 健康福祉部長 母子健康手帳交付時や、あとは乳幼児の健康診査、育児教室、健康相談等においてチラシの配布やポスターの掲示をしているところでございます。
また、こどもみらい部とも連携いたしまして、保育園、幼稚園、子育て支援センターや子ども会館等で周知をしていただくほか、市内産婦人科、小児科にも周知の協力を依頼しているところでございます。
あわせて、ホームページ、LINE、ツイッター等でも周知を図っているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) さまざまな機会を通じてお話をしていただけると、周知をしていただけるということでございましたので、安心をいたしました。皆さん多分待っていらっしゃると思いますので、ぜひそこはお願いをしたいと思います。
それでは、この母子健康アプリケーションを活用したヘルスケア事業ですけれども、神奈川県のマイME−BYOカルテと連動しているということですけれども、これは一体どういうものなのか、お伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 神奈川県が出していますマイME−BYOカルテでございます。こちらは体重や血圧、予防接種の履歴、内服薬、アレルギー等の健康情報をパソコンやスマートフォンから記録、閲覧する機能が一括管理されておりまして、それらを見える化することで、心身の状態の把握や健康の維持、改善に役立てることができるものでございます。こちらは母子健康アプリケーションとは異なりまして、自治体からの情報発信等のサービス機能はついてございません。
今後、母子健康アプリケーションの身長、体重、予防接種の履歴とのデータがこのマイME−BYOカルテに自動的に移行ができるようになるほか、食生活や運動関連のアプリケーションとの連携も図っていくということで神奈川県から聞いているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) それでは、そのマイME−BYOカルテとつながることによって、ある意味では一生の管理ができていく、紙ベースの母子手帳でしたら、これは6歳までで終わってしまうものが、この電子アプリケーションでしたらば、これが17歳までの管理ができる、そして、その後のマイME−BYOカルテに連動ができるということになると、自分のそれ以後、青年期から更年期に至るまで管理ができるようになる、そういう、ある意味では夢のあるアプリケーションということになると思います。
これは、先ほど母子健康アプリケーションの場合には1年間をまずはモデル事業であるというお話でございました。これは、もし神奈川県がモデル事業を終了した場合には、これは市として母子健康アプリケーションについて継続していくお考えはあるんでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 神奈川県が事業を終了した場合でございますが、このアプリケーション自体は、自治体からの情報発信機能はなくなりますが、その他の機能については継続して使用できるものということになります。
本市といたしましては、今回のモデル事業における市民の方からの利用状況などを評価した上で、市の事業として継続していくかについては判断していきたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) 仮に県が母子健康アプリを1年間で終了したとしても、その機能は残っていると。ただし市が発信する情報はなくなるけれども、その継続についてはこの1年間の状況を見て判断するというお話だったと理解をいたしました。
それでは、今もう県からこの母子健康アプリケーションを皆さんに周知するための掲示物等は届いているんでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 掲示物といいますか、パンフレットですね。鎌倉市向けの電子母子手帳のパンフレットの案内というのが、カラー版で印刷されたものが県から届いている状況でございます。
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○8番(西岡幸子議員) それでは、皆さんに周知をしていただいて、多くの方が便利に自分で自己管理をしながら、お子さんの予防接種であるとか、また市からのイベント情報であるとか、さまざまなことをキャッチできるようなツールとして、紙ベースの母子手帳とともにお使いいただけるように、よろしくお願いをしたいと思います。それでは、この母子健康アプリケーションを活用したヘルスケア事業についての項を終了いたします。
続いて、市民生活のQOL(生活の質)の向上を図る地域包括ケアシステムの推進について質問をしてまいりたいと思います。
まず初めに、地域包括ケアという言葉、この概念についてでございますが、改めて、これは1970年代に広島県御調町の公立みつぎ病院の医師山口先生の報道から始まったものでございます。山口先生によりますと、脳血管疾患で救急搬送され、緊急手術で救命をし、命拾いをして、リハビリによってやっと退院した患者さんが、一、二年後に寝たきり状態になって再入院してくるケースが目立ったそうでございます。その多くが褥瘡をつくり、またおむつを当てた状態で、しかも認知症症状が進んだ状態になっていることが多かった。
その原因というのは、共稼ぎ等による家族介護力の低下、おむつ失禁を余儀なくされる不適切な介護、自宅の療養環境の問題、さらに日中の家族不在により家に閉じこもりがちになるための認知能力の低下など、これらが見られることの複合的な要因によるものだったと分析されました。
山口医師はこの状況に対応すべく、医療を自宅に届ける出前医療、訪問看護、保健師の訪問、リハビリテーション、さらに地域住民による地域活動の充実、これらの活動を導入するとともに、1980年代には御自身の病院に健康管理センターを増設し、ここに町役場の福祉と保健行政を集中させて、社会福祉協議会を移設し、文字どおり保健、医療、介護の一体的な推進体制を構築することになった、ここから出発しております。利用者の生活課題を発見し、その課題の解決を目指して現場に必要なサービスをつくり出し、さらにこのサービスが有効に機能するようにサービス提供体制を地域で統合し、これを円滑に実施する実施体制を構築するために行政組織の統合にまで及ぶというこの実践、これが今日の地域包括ケアシステムの先駆けということでございます。
こういったところから、さまざまな力を結集して、在宅で、住みなれたところで元気に暮らし続ける、仮に介護になったとしても、障害を負ったとしても、そこで暮らし続けることができるようなサービスを提供する、そういうことが地域包括ケアシステムであるということをまず御理解いただきたいと思います。
この地域包括ケアシステムを平成30年までには各自治体で構築していこうということで、オレンジプラン、出発をいたしました。二度ほど質問させていただきましたが、きょうはそのQOLを上げる、生活の質を上げるための地域包括ケアシステムの推進についての質問をさせていただきたいと思います。
まず、一番最初に、鎌倉市の今の高齢者の人口について、その今日までの推移を伺いたいと思います。
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○内海正彦 健康福祉部長 65歳以上の高齢者人口につきましては、10年前の平成18年度が4万4,407人で、高齢化率は25.2%でございます。人数及び率ともに伸び続け、平成28年6月30日現在では5万3,648人で、高齢化率は30.4%となっております。
高齢者人口は、平成29年度、平成30年度あたりをピークにこれから緩やかに減少が見込まれますが、75歳以上の後期高齢者数は増加し、平成28年6月30日現在の2万7,967人に対し、平成37年度には3万2,574人になると推計しているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 高齢化率が高くなってきているというのはわかり切っていることですけれども、これが平成37年まで伸び続けるということであると思います。
それでは、障害者の65歳以上の人数についてお伺いをしたいと思います。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害者の方の65歳以上の人数についてでございます。身体、知的、精神のいずれかの障害者手帳の交付を受けている方につきましては、平成18年度は6,039人で、そのうち65歳以上の方は3,519人でございます。平成28年度は全体で7,062人で、65歳以上の方は4,072人となり、65歳以上の方は約550人増加したということになります。
障害者手帳の交付を受けている方の数の全体といたしましては、約1,000名増加しておりますが、65歳以上の方の割合は過去10年間で60%弱で推移しており、大きな変化はない状況でございます。
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○8番(西岡幸子議員) 障害者手帳をお持ちの方の60%が65歳以上の方で推移をしているということでございました。
今、高齢者人口がふえ続け、そして、障害者も65歳以上が手帳をお持ちの方の60%を占めるということでございまして、2025年、団塊の世代が皆さん75歳以上になるという、そういったときに、生産年齢人口の減少という状況がございます。この介護の担い手が不足することは今も課題として上げられておりますが、さらに不足をするという状況が見えております。大きな課題として今上がっておりますが、鎌倉市はこれについてはどのような対策をお考えなのか、お伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 2025年には本市も介護を担う生産年齢人口が減少し、後期高齢者の人口が増加すると見込んでおります。しかしながら、介護が必要な高齢者や障害者をサポートできるような高齢者には、現役時代に培った知識や経験を生かしていただき、身近な地域で支援の担い手として御活躍いただきたいと考えているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 今、60代の方、私もそうですけれども、皆さん大分個人差があるということは感じます。しかし、お元気な方が大変多くて、65歳以上、老年という定義も国が考え直しているところでございますが、今、部長が御答弁いただいたように、高齢者の支援を高齢者が行うという構図は当然のようにこれから生まれてくると思います。その高齢者の育成について今どのように、具体的なもの、こんなことを考えているということがおありでしたら、お答えいただきたいと思います。
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○内海正彦 健康福祉部長 高齢者の急速な増加が見込まれているところでございますが、そのおよそ8割以上の方が要支援、要介護の認定を受けていない元気な高齢者ということでございます。元気な高齢者の方が介護の支援者として活躍できる仕組みをつくることは、地域福祉の担い手を確保するだけでなく、高齢者の生きがいや社会参画につながり、高齢者がいつまでもお元気で暮らしていただけるまちづくりにつながると考えています。
鎌倉市の老人クラブ連合会におきましては、老人クラブの会員がひとり暮らしの高齢者を訪問し話し相手になる友愛チーム活動を行ったり、他市では、民間事業所においても高齢者を雇用し、高齢者による見守りを実践する事業所もあらわれているということを聞いております。
また、介護の総合事業の中におきましても、担い手として高齢者の役割は重要になってくると考えておりまして、高齢者の就労支援、ボランティアとしての資質の向上を図るための支援等、高齢者が地域社会の担い手であり続けられるような環境づくりを考えていきたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) 今、高齢者の8割はお元気であると。そのお元気な高齢者に生きがいを持っていただき、また支援の担い手になっていただくという仕組みづくりというのは大変重要であると思います。ぜひこの推進については力を入れていただきたいと考えます。
また、友愛事業、また傾聴ボランティア等については、本当に鎌倉は非常に立派なお仕事をなさってこられた高齢者の方が大変多くございまして、傾聴をする際に、傾聴ですから本当は聞かなければいけないんですけれども、どうしても御自分が歩んできた道、こんなことをしてきたという栄光の過去をお話しするようなケースが見られるようでございます。介護施設等にお伺いしていただいたその後、本来なら聞いていただく側の高齢者が、施設入所者が話をずっと聞いているものですから、その後の状態が非常に大変だというお話を施設の方からよくお聞きいたします。ぜひ高齢者の活用につきましては研修をしっかりしていただいて、ぜひ高齢者のための活動に結果としてなるようにお願いをしたいと思います。注意点等もよく踏まえていただいた上で、認知症の方、また在宅の方に接していただければと思います。対等にお話ができる方ばかりではございませんので、相手の状況をよく考えて、そこは行動、またお話ができるような体制をぜひとっていただきたいと考えます。
それでは、市の高齢者生活支援サポーターの事業についてお伺いいたします。今、サポーターの養成方法、またその人数についてはいかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 高齢者の生活支援サポーターは、NPO法人に委託をしまして、平成27年度の実績で年4回の養成講座を行っているところでございます。養成講座の内容は、介護保険制度や介護保険外の鎌倉市のサービス内容について、高齢者の身体的変化やサポーターの実際の活動、認知症サポーター養成講座をあわせた講座内容となっております。2日間の養成講座を受講した後、希望者はサポーターとして登録することとなっております。平成28年8月31日現在で129人の高齢者生活支援サポーターとして登録しているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) そのサポーターの皆さんの年齢の分布はどうでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 サポーター登録者129人の年齢の内訳でございますが、50歳未満の方が12人、50歳代の方が20人、60歳代の方が44人、70歳代の方が51人、80歳代の方がお二人という状況でございます。60歳代、70歳代の方が約7割以上を占めておりまして、平均年齢は65.4歳という状況になっております。
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○8番(西岡幸子議員) 既にもう高齢者が担っていただいているという状況がよくわかりました。
というところで、これは若い方の養成が、逆に言うと必要であるという、そのことについてはいかがですか。50歳以下、確かに若い方は子育て等、お仕事をなさっていらっしゃるということなんだと思いますが、40代以下がゼロというこの現実についてはどのようにお考えでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 確かに40歳代、50歳未満の方というのは12人しかいらっしゃいませんので、若い方が不足しているという状況でございます。子育てをされていたり、仕事をされていたりして、若い方がなかなか参加できないというような状況でございますけれども、今後は若い方の養成も行っていきたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) 失礼しました。50歳未満が12人とおっしゃったんですね。50代が20人ということで。確かに若い方が、50歳未満の方が少ないので、この養成についてはまたお考えいただきたいと思います。80代の方がお二人というのは、これまたすばらしいと思います。既に高齢者が担っている、さらにこの割合が高くなっていくということだと考えます。
それでは、この事業の対象者は今どのようになっていますでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 高齢者生活支援サポートセンター事業では、体力の衰えや気力の減退などを感じている高齢者や、要支援1、2及び要介護1程度の介護保険認定における軽度者のうち、ひとり暮らしの高齢者の方や高齢者のみで生活している方がその対象となっているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) このサポーターの皆さんの支援によって、要支援の方々のリハビリ等、これは重くなるのではなくて、さらにお元気になっていただける、そのためのサポーターということでございます。そこに存在するだけでありがたいという、いてくれるだけでありがたいというお声も聞いております。ぜひこの養成に力を入れて、QOLを高める一つの要因と捉えていただきたいと考えます。
それでは次に、人材不足、どうしてもこれは担い手不足になってまいりますので、その解消のために、今回、補正予算にも上がっておりましたけれども、施設に介護ロボットを導入するということも考えられると思いますけれども、この点についてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 身体介護を行うときに介護する人に身体的な負荷が大きくかかりますが、例えば、腰の負担の軽減を目的とした介護ロボットを施設が導入することにより介護職員の腰痛予防につながるなど、人材不足の解消に対しても一定の効果があるだろうと考えております。
市といたしましては、この9月の補正予算により介護ロボット導入施設に対しまして導入費用の一部を助成する事業を行っておりまして、市内では平成28年度中に1施設がその介護ロボットの導入を予定しているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 補正予算にかかってしまうのでここはこれだけにとどめますが、ぜひこの介護ロボットの導入についても、これは担う側も、それから介護をされる側も、さまざまなロボットが今ございますので、ぜひ金額的なところもこれは考慮しなければいけませんけれども、双方にメリットのあることでございますので、前向きに検討をいただきたいと思います。
平成29年4月から総合事業がこれまでのように事業内容を国が決めるのではなくて市が担うということになりますけれども、どのように鎌倉市としては実施をするのか、お伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 介護予防・日常生活支援総合事業を実施するに当たりまして、支援が必要となる高齢者の増加が見込まれる状況において、ボランティアやNPO団体などに支援の担い手として活躍していただくことや、地域のサロンを活用するなどして、住みなれた地域で元気に暮らしていただくことを目指しているところでございます。
平成29年4月から実施する内容といたしましては、現行サービスのほかに、支援の担い手を確保する観点から、ヘルパー資格を持たない人が一定の研修を受けることによって掃除、洗濯など家事支援の訪問サービスを提供することなどを予定しているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) これは市に移管されたことによってさまざまな工夫ができるということ、また、できるということは市が考えなければいけないということでございますので、今、部長が御答弁いただいたように、多少の工夫というのは今見られたかなと思いましたけれども、さらにお考えいただきたい点がたくさんございます。また、これは例えば運動、栄養、公衆衛生、そういったこともこの事業の中に加えていくことができますので、お願いをしていきたいと思います。
それから、施設入所についてお伺いしてまいりたいと思います。要支援1、2の認定、それから要介護1から5の認定者のうち、要介護3以上の方は今どうなっていますでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 平成28年6月30日現在でございます。要支援1、2の認定者数は2,674人、要介護1から5の人数が7,447人で、合計で1万121人となっております。そのうち要介護3以上の方につきましては3,518人となっております。
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○8番(西岡幸子議員) 要介護認定者のうちで施設入所をなさっている方、わかる範囲で結構ですので、その施設の種類ごとにお伺いをしたいと思います。
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○内海正彦 健康福祉部長 要介護認定者の施設入所につきましては、平成28年6月の実績でございますが、特別養護老人ホームに727人の方が入所しております。介護老人保健施設につきましては378人、介護療養型医療施設につきましては37人、グループホームに176人、介護付有料老人ホームに682人の方が入所しておりまして、合計いたしますと約2,000人となります。このうち介護付有料老人ホームにつきましては、要支援者の方が73人含まれている人数となっております。
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○8番(西岡幸子議員) 2,000人の方が施設を利用されているというのは、かなり大きな数字だと思います。これは市内とは限らないわけですよね。鎌倉市内の施設ということではなくて、市外も含めて入所をされている方と捉えてよろしいんでしょうか。それとも市内入所ということでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 これは市内の施設ということでございます。
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○8番(西岡幸子議員) この鎌倉市、そんなに大きな市ではございませんので、この鎌倉市で2,000人の方が施設でお暮らしになっていらっしゃるということ、これは在宅を進める上においても一つ指標になる数字なのかと思います。
これは、御希望なさって施設に行かれている方と、あとはやはり特養等、介護度が高くなって施設でなければなかなか生活が難しいという方と、さまざまいらっしゃると思いますが、統計によれば、なるべくやはり自宅で生活したいという御希望をお持ちでいらっしゃいます。そうなったときに、地域包括ケアシステムの充実、どこまで充実させることができるのか、これはなかなか全ての需要に応えるということは難しいかと思いますが、課題を一つ一つ上げながら、その解決のためにはどうしたらいいのかということを考えるところから方策が出てくるのではないかと思います。
さきに介護保険制度が始まる前ですけれども、地域包括ケアシステムのモデルをつくられた山口医師の話をしましたけれども、まず課題があり、その課題の解決のためにはどうすべきなのかというケースにわたって組織を構築していった、非常に私たちが参考にしなければならない点がたくさんあるかと思います。
それでは、特別養護老人ホームの現在の待機者と今後の施設整備について伺いたいと思います。
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○内海正彦 健康福祉部長 特別養護老人ホームの入所要件を満たす待機者数でございますが、平成28年4月1日現在で457人であり、そのうち243人が在宅での待機者となっております。
施設の整備状況につきましては、待機者数や施設の増設に伴う介護保険料の上昇などを総合的に勘案した中で3年ごとに策定いたします鎌倉市高齢者保健福祉計画で整備数を定めているところでございます。平成27年度から平成29年度までの現行計画期間内においては、特別養護老人ホームの定員を200人増する整備目標でございましたが、現在110人の整備のめどが立ったものの、90人の達成はめどが立っていない状況でございます。整備できていない分につきましては、引き続き公募をするか、または次期の計画に組み入れるのかについては、検討していきたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) 今、90人マイナスであるということでありましたけれども、山崎に建設中の特別養護老人ホームについては、これは平成29年度のオープンということで聞いておりますが、それでよろしいでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 山崎に建設中の特別養護老人ホームにつきましては、平成24年に公募による事業者選定を行い、平成26年度末までに建設が完成するスケジュールでございましたが、建設地において埋蔵文化財が発掘されたなどの影響で工事がおくれている状況でございます。現在急ピッチで工事は進めておりまして、今、議員がおっしゃられたように、法人は来年2月に竣工し、4月から運営を開始する予定ということで聞いているところでございます。
あと、先ほどの施設の入所の状況でございますが、私、市内の施設と申し上げたんですが、市内と市外の施設両方に入所している鎌倉市の方の状況でございます。申しわけありませんでした。
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○8番(西岡幸子議員) 今、山崎の特養は、これはこのマイナス90の中には入らないということですか。平成27年度から平成29年度まで200人増の予定が110人でとどまっていて、90マイナスだけれども、平成29年に建設ができるわけですよね。何床かわかりませんけれども。これはこのマイナス90を補うものではないのですか。
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○内海正彦 健康福祉部長 平成29年度に山崎にできる予定ですので、この山崎は目標が達成されたものと計算をしていますので、それ以外で90が不足しているということでございます。
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○8番(西岡幸子議員) わかりました。それでは、山崎は何床になるのか、もしわかったら教えていただきたいんですが、その分と合わせて今マイナスになっているということですね。だから、実際はマイナス90ではなくて、もっと多いということでよろしいわけですね。
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○内海正彦 健康福祉部長 失礼しました。申しわけありません。山崎は80床でございまして、これは達成されているものと今、計算上入れていますので、これを含めないで、これ以外にあと90人が達成できていないという状況でございます。
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○8番(西岡幸子議員) わかりました。ということは、今現在でマイナス170人ということでよろしいわけですよね。90は、この山崎の80人を含めていない数が90人であるということですから、それに山崎の80を足して、170がまだ満たされていないという数字でよろしいわけですね、特養については。
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○内海正彦 健康福祉部長 説明が悪くて済みません。達成されていないのが残り90ということになります。山崎は、80は達成できたという人数で数えていますので、あと残りできていないのが90という。200人が目標で、山崎はその中にもう入っておりますので、あと残り達成できてないのが90人ということでございます。
今現在、山崎ができてないということで数えますと、90と80なので170人。申しわけございません。
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○8番(西岡幸子議員) そういうことですよね。ということは、大きく目標からマイナスをしているということなので、在宅での待機が247人いらっしゃると、待機者が457人のうちの在宅の方も250人近くいらっしゃるわけで、この170のマイナスというのは、そういう意味ではかなりのウエートを占めていると思いますので、やはり計画どおりに進めることがいかに大事かということがこの数字からも言えるんではないかと思います。
なかなか文化財等の関係で計画どおりにはいかない鎌倉市ではございますが、ぜひその辺も見込んだ、見込めないのかしら。見込んだ上で、この特養についてはお考えいただきたいと思います。どこを掘っても何かが出てくるというところなのかもしれませんけれども、ぜひ特養については、このマイナス170は大変大きな数字でございますので、よろしくお願いいたします。
それでは、今、介護保険は40歳から私たち払っておりますけれども、この65歳に満たない2号被保険者の介護保険サービスの利用状況についてお伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 2号被保険者の要介護認定を受けている方につきましては、平成28年6月30日現在で171人となっております。そのうち介護保険サービスを利用している方は152人となっており、利用している人の率は約90%となっている状況でございます。
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○8番(西岡幸子議員) この2号被保険者の中で171人というのは、これは何の数字になるんでしょうか。2号被保険者はもっとたくさんいますけれども、171人で使っているのは152人ということですけれども、この171という数字は何を指しているのか、お伺いします。
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○内海正彦 健康福祉部長 171人というのは、要介護の認定を受けている方の人数ということでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 要介護認定を受けている方が171人で、そのうち使っている方が152人いらっしゃるということですね。
介護保険を65歳から使えるということなんですけれども、この65歳未満で今使っている方が152人ですけれども、状況によっては使えると。この2号被保険者、65歳未満で介護保険サービスの対象とならない、また、障害の手帳というのは障害が固定しないと受けられませんので、この障害の手帳も受けられない、そういう人に対する支援ということが、これは国で考えていかなければいけないことでございますけれども、こういう課題について市はどういうふうにお考えでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害者総合支援法におきましては、身体障害者、知的障害者、発達障害を含む精神障害者のほか、国が定めました332の難病等の疾病がある方については、障害の認定を受けていなくても障害福祉サービスの対象者とされている状況でございます。
しかし、各種福祉制度のはざまにいる方々がいることについては、今、御指摘がありましたように、認識をしているところでございます。現在その方々を対象とするサービスがないことについては、市といたしましても課題と考えておりまして、今後の国の施策の動向などを注視しながら検討してまいりたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) どこで区切ってもはざまは生まれるので、そこについては常に課題はついて回るということでございます。しかし今回、障害の認定、332難病指定が広がって、百幾つから広がったと思います。これだけ広がっても、それでもまだこのはざまが生まれてしまうということについては課題だなと受けとめております。これは市単独で考えることはなかなか難しいかもしれませんけれども、市の裁量でどこまでのことができるのか、やはり一人一人御相談にみえた方等には向き合っていただいて、何かの方策を考えていただきたいと思います。
それから、先ほどの2号被保険者の介護保険サービスの利用状況については、特定の疾病16というのがあるのではないかと思うんですが、これがわかったら後で教えていただきたいと思います。
それから、今の地域包括ケアの中で24時間対応できる訪問介護、看護というのが非常に重要になってまいりますけれども、今、鎌倉市内での現状はどのようになっておりますでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 訪問介護の現状でございます。平成28年9月1日現在におきまして、市内に15カ所ある訪問介護事業所のうち12事業所が24時間連絡及びその対応がとれる体制をとっているという状況でございます。
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○8番(西岡幸子議員) 随分ふえましたね。これは、どこどこの地域だから行かれませんということはなく、鎌倉市内どこでも対応をしていただけると考えてよろしいわけですね。
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○内海正彦 健康福祉部長 そのとおりでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 12事業者が24時間対応ができるというのは、鎌倉市は恵まれているほうだなと考えます。
在宅の療養支援の診療所は、今、市内どうなっていますでしょうか。市内の需要に応えられているのか。
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○内海正彦 健康福祉部長 在宅の療養支援の診療所でございますが、平成28年8月3日現在におきまして25機関ありまして、そのうち支援病院につきましてが3機関ございます。あと、このほかに、在宅療養支援診療所として届け出は行っておりませんが、かかりつけ医が必要に応じ対応している医療機関もあると聞いております。
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○8番(西岡幸子議員) そうしますと、かかりつけ医の診療も含めて、患者さんと申しますか、在宅の需要には応えられている現状であると、在宅の療養支援診療所の状況はその需要には応えられているということでよろしいでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 鎌倉市内におきまして診療所が25機関、支援病院が3機関ということでございますので、需要には応えられているだろうとは認識しているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 医療体制が大変整ってきている状況にあると考えます。
それでは、在宅の人に対する口腔ケアについては、鎌倉市はどのように考えて取り組んでいるのでしょうか。お伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 在宅療養者に対します口腔ケアでございますが、日常生活動作の維持・向上、低栄養・脱水予防、誤嚥、肺炎、窒息の予防等の観点から重要であると考えておりまして、歯科医や歯科衛生士、介護サービス提供者等が協力して支援することが望ましいと考えております。
鎌倉市歯科医師会におきましては、歯科衛生士等の人材育成や独自の訪問歯科診療リーフレットの作成により普及啓発に力を入れており、地域包括支援センター等での周知協力を行っているところでございます。今後も地域包括支援センター等と協力し、口腔ケアの重要性についてはさらなる周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) この口腔ケアにつきましては、鎌倉市の歯科医師会と観光厚生常任委員会との懇親会がございました折に、実際に120人入所されている施設に口腔ケアに行っていらっしゃる歯科医からお話がございました。その120人入所している施設で、年間約10人の誤嚥性肺炎を起こして入院する患者さんが出ると。御高齢の方が入院なさると。この口腔ケアを始めてから、その10人の誤嚥性肺炎を起こされた方の人数が2人に減ったと、1年間で。
約1週間入院をすると100万円の医療費がかかります。その100万円医療費がかかるということと、あとは、やはり入院なさってお帰りいただくのにベッドをあけておかなければいけない。ということは、その分は経営的に見るとマイナスになるということになります。口腔ケアを受けることによってその誤嚥性肺炎が起きなくなるわけですね。10人のうち8人が起こさなくなったということですから。それで、医療費だけ考えても800万円のマイナスになります。経営的に考えても1週間あくベッドがあかなくなる。一番いいことは、御本人が健康で食べられるということですよね。この口腔ケアをするということがさまざまなところでプラスのメリットがあって、ぜひこれは進めていかなければいけない事業であると考えます。
なかなか人材の育成という、マンパワーが足りないというところがネックになりますけれども、自治体によっては歯科衛生士の育成というところに支援をしている、そういう自治体もございます。鎌倉市もぜひこの口腔ケアに力を入れる支援策等をお考えいただきたいと思います。これは本当に保険料にも直接かかわってまいりますので、大きなプラスの事業でございます。費用対効果が大きい事業になってまいりますので、ぜひこれは積極的に考えていただきたいと思います。
それから、今、先ほど施設についてお伺いいたしましたけれども、緊急のショートステイの対応施設がどれくらいあるのか、お伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 緊急ショートステイの受け入れでございますけれども、市内全ての特別養護老人ホーム及び介護老人保健施設において緊急ショートステイの受け入れは可能という状況になっております。市内の介護老人福祉施設が9カ所、老人保健施設が5カ所ということでございますので、14カ所での受け入れが可能という状況でございます。
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○8番(西岡幸子議員) 緊急の対応はしていただけるという状況だということはわかりました。これは障害者サービスも同様に考えてよろしいでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 緊急その他やむを得ない場合のサービスの利用につきましては、利用の申請後決定がおりるまでの間、申請が困難な場合については、障害者総合支援法や身体障害者福祉法、知的障害者福祉法に規定があり、ショートステイを利用することは可能ということになっております。ただし、障害者の緊急的なショートステイに対応する施設につきましてはございませんので、障害者虐待の緊急一時保護事業を委託しております事業所を中心に短期入所の事業所として調整をして、その場所を確保していくというのが現状でございます。
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○8番(西岡幸子議員) それは何カ所あるんでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 緊急一時保護事業として実施している委託先になりますが、3カ所ございます。
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○8番(西岡幸子議員) 障害者の緊急一時というと、虐待等をすぐに頭に浮かびますけれども、そうでなくても、例えば家族のレスパイトのためにそれを使うということも可能ということでよろしいでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 そういった場合も可能ということでございます。
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○8番(西岡幸子議員) わかりました。それでは、在宅の高齢者または障害者が何かあったときに緊急に対応していただける施設は市内にありますよということを確認させていただきました。
それでは、今、障害者のお話を伺いました。障害者の生活の質、QOLの向上を図る取り組みについてはいかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害者のQOL、生活の質の向上を図る取り組みといたしましては、移動支援や余暇活動支援事業、休日開所事業など、余暇の活動を充実させる取り組みが上げられます。
このうち、移動支援につきましては、移動が困難な障害者が余暇活動や社会参加を目的に外出する際、移動の支援を行うサービスでございます。
余暇活動支援事業につきましては、障害者の理解促進を図る講演会の開催や、ともに支え合う地域の構築を目的とし、地域の清掃活動や行事などへの参加を行う事業となっております。
休日開所事業につきましては、ひきこもりなど支援のネットワークから外れ、孤立しがちな精神障害者を対象に、休日に自由に参加できる場所を提供する事業となっております。
これらの事業により、余暇活動が充実し、障害のある方のQOLの向上に効果があると考えているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) この余暇活動支援事業については、大変やはり好評を得ている事業でございます。拡大をしていかれるようにお願いをしたいと思います。
それでは次に、徘回の高齢者に関する防災メールによる情報提供ですね。最近私、これ件数が気になったものですから、その傾向を伺いたいと思います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 今、議員御紹介の行政無線とメールですけれども、高齢者の方などが行方不明となられてしまいまして、家族等から捜索の依頼が所轄の警察署に出された場合は、一義的には警察による捜索が行われることとなりますが、警察独自で速やかな広報ができない場合などにありましては、市が警察から依頼を受けまして、防災行政用無線放送及び防災安全メールを活用し広報することが、鎌倉、大船両警察署との覚書で定められております。
当該事案に係る防災行政無線と防災安全メールの配信実績でございますが、平成26年度は16回、平成27年度は21回、平成28年度は、これ8月末までございますが、4回となってございます。このような行方不明事案は季節や時間帯を問わずに発生するものと認識しておりますので、今後も人命尊重の観点を第一といたしまして、警察と連携し実施をしてまいりたいと、このように考えてございます。
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○8番(西岡幸子議員) これは警察から全てが依頼を受けるということではないと考えます。お名前等わからないほうがいいと、御希望なさらない方も多いのではないかと思いますけれども、この防災安全メールで高齢者の捜索を目にするたびに、本当に大丈夫かなと思うわけでございますが、ぜひこの事業は続けていっていただきたいと思います。そのことによってまた地域の見守りに対する思いも変わってまいります。防災安全メールが流れることによって、気づきがそこで一つまた生まれますので、そういう警告にもなりますので、お願いをしたいと思います。
それでは、ひとり暮らしの高齢者などに対して、地域で支えるために現在どのような体制がとられているのか、お伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 地区社協や自治会、町内会が行うサロン活動、地域での気づきや情報提供をもとにした民生委員児童委員や地域包括支援センターによる訪問、家庭ごみの声かけふれあい収集などさまざまな機関が連携して見守り活動を実施しているところでございます。このような重層的な見守り体制を築くことにより、ひとり暮らし高齢者などの方々が安心して住みなれた地域で暮らし続けることができるような取り組みを持続させていきたいと考えているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 重層的な見守り体制ができつつある、できているところもあるし、できていないところもある、また地域差があるというのが現実だと思います。そこのところをきちんと見ていただいて、できてない地域等にはどのようにしたらそれがなし得るのか、細かく見ていっていただきたいと思います。やはり町内会、自治会だけではなかなか現状打破ができないという地域もございます。そこのところの御相談に乗っていただいて、健康福祉部だけではなく、地域のつながり等を所管する部署と一緒になってこれは取り組んでいただきたいと考えます。
それから、高齢者の方に対して、中学生など若い人が地域で支えているという意識を持つことが大切であると考えます。釜石の奇跡では、中学生がリーダーシップをとって、子供や大人を率いて防災活動、命を救うという迅速な活動ができました。まさに地域の主体者になっている姿がございました。
そういったことからも、日ごろの高齢者の見守り、どちらかというと今、私も朝、週1回、交通の旗振りのおばさんをやっておりますが、横断歩道を渡る小学生、中学生も見守る対象になっております。中には中学生が横断歩道を渡るのに旗を振ることはないじゃないかと、見守ることはないじゃないかと、そういう厳しいお声をいただいたこともございました。しかし、やはり今の交通状況を考えますと、私は水道路なんですが、大変県道が混んでおりますので、水道路の車の数はかなり増加しております。そこを渡っていくのに大人が見守るということは、直接何もしなくても大事なことなのではないかと思っております。
ここでは中学生は見守られる側でございますが、本当に地域の、自分が住んでいるところの高齢者や障害者に対して若い人たちが地域で支える側という意識を持つことが私は大切であると考えます。今、学校ではどのように指導をなさっているのか、お伺いいたします。
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○佐藤尚之 教育部長 学校では、総合的な学習の時間などで子供たちが高齢者施設を訪問したり、また、地域のお年寄りをゲストティーチャーとして招き、交流しているところでございます。高齢者施設の訪問におきましては、子供たちと高齢者が一緒に運動や音楽、折り紙等を楽しんで、歌を発表したりしているところでございます。ゲストティーチャーの関係で申し上げますと、小学校では、昔遊びを教えていただいたり、田植えを手伝っていただいているところでございます。また、中学校では、部活動や、授業で茶道や華道、囲碁、将棋や着つけなどを指導していただいているところでございます。
こうした活動を通じまして、児童・生徒が地域のお年寄りをより身近に感じ、地域でともに生きるということを感じることができると考えてございます。このような取り組みを通しまして、年齢の違いや、あるいは障害の有無にかかわらず、お互いの人格や個性を尊重し合ってともに支え合えるような心を育めるよう、今後とも指導してまいる所存でございます。
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○8番(西岡幸子議員) さまざまな事業を行っていただいているということはわかりました。
今行っている事業で、高齢者や障害者、いわゆるだんだんと、見た目は全く違いがなくても、足が弱くなったり、階段が上れなくなったり、重たいものが持てなくなったり、そういう高齢者や障害者の自分との違いというものを、若い世代の、例えば中学生ぐらいの皆さんが気づいていただいて、日常そういう目で見ていただくということが一つは大事なんだと思います。お年をとるということがどういうことなのかということがまず若いとわかりませんので、接することによってわかること、それから教えなければわからないこと、いろいろあるかと思いますが、全てが学びであると思います。ぜひ地域にあって中学生が高齢者等を見守る側に立っていただけるような教育の現場であっていただきたいと要望をさせていただきます。
それでは、次ですけれども、この間、神奈川新聞に広域見守りの強化ということがうたわれておりました。1市だけで徘回等なかなか見守りをすることが難しいと、広域で見守り体制を推進してはどうかということが、国でもこれは予算をつけますという記事が載っておりました。これについて鎌倉市はどのように考えていますでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 現在ですけれども、徘回高齢者SOSネットワークということで、認知症による行方不明者の早期発見を目的にした事業が行われているところでございます。こちらの事業につきましては、高齢者が行方不明時に家族から依頼を受け、行方不明者の個人情報を公共交通機関や介護福祉事業者などに提供し、捜査の協力を依頼して行っている事業でございます。この範囲につきましては、県内、県外まで拡大し、協力を依頼することが可能なシステムということになっているところでございます。
今、議員御指摘のように、先日、国が広域化についての取り組みを強化していくということでございます。都道府県単位の広域での見守りの強化は、行方不明者のより効果的な発見につながると考えておりますので、今後も神奈川県からの情報に留意し、本市としても積極的な参加を図っていきたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) ぜひお願いします。これは広域であればあるほど有益であると考えます。また、歩いて徘回をするということは、目的がなく歩くのではなく、御本人が目的を持って歩いているということでございますので、近隣他市との広域の見守り体制の強化ということも一つ加えていただければと考えます。この間、ごみの覚書というお話がございましたけれども、この認知症不明者に対するこういう広域の見守りこそ大事なのではないかと考えますので、この広域での検討もお願いをしたいと思います。
それでは、次に参ります。認知症のチェックリストをつくっていただきましたけれども、この配布状況と、チェックサイトの利用状況を伺いたいと思います。
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○内海正彦 健康福祉部長 認知症簡易チェックリストにつきましては、物忘れや認知症が気になる方や家族がみずからチェックをしていただき医療機関等に相談できるよう活用してもらうためのツールということでございます。平成27年度から地区の社会福祉協議会、民生委員児童委員協議会、地域の健康教育等で配布し、自治会、町内会の掲示版や鎌倉市のホームページでも紹介しているところでございます。
パソコンやスマートフォンを利用した認知症簡易チェックサイトもあわせて開設しており、その利用状況は、平成27年度は1万2,153件、平成28年度は8月末現在で5,051件という状況でございます。
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○8番(西岡幸子議員) 大変多くの方が御利用いただいているようでございます。早期発見につながるこのチェックリストでございますので、さまざまな機会で皆さんの目に触れるようにしていただければと思います。
では、認知症対策で、今、本市が力を入れていることと、それから今後の課題についてお伺いします。
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○内海正彦 健康福祉部長 認知症を正しく理解し対応できる地域づくりを目的に、認知症サポーターの養成とオレンジカフェの開設支援に向けて力を入れているところでございます。
認知症サポーター養成講座につきましては、平成20年度から開始いたしまして、平成27年度までに約7,000人が受講している状況でございます。
認知症の方や家族が気軽に地域の人や専門職と交流できるオレンジカフェは、現在市内4カ所で開催されておりますが、日常生活圏域に1カ所程度の開設を目指し、地域への働きかけを行っているところでございます。
認知症の早期発見と支援の充実が課題と考えておりまして、かかりつけ医と連絡した相談支援体制を整備するため、認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員の設置を進めていきたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) 今、認知症の初期集中支援チームのお話が出ました。これはどのように推進していくおつもりなのか、お伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 在宅医療介護連携を推進するに当たりまして、認知症介護の問題は切り離せないものと考えております。在宅医療介護連携推進会議の部会といたしまして認知症支援検討会というのを位置づけ、設置を進めていく予定でございます。その検討会につきましては、認知症サポートのサポート医、お医者さんですね、あと、一般社団法人かまくら認知症ネットワークですとか、認知症の家族会、地域包括支援センター等の関係機関が参加する予定でございます。
県内には既に認知症初期集中支援チームを設置している市町村もあることから、本市におきましてもそういった他市の状況などを参考にしながら、国の定める設置年限でございます平成30年4月の設置を目指して検討を進めていきたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) 早期発見のチェックリスト、それからそういう初期集中支援チームが大事であると思います。また、この初期集中支援チームを既につくっているところ、出発をしているところで伺ったお話ですと、支援チームそのものよりも、まず相談体制が非常に重要であると伺いました。ですので、この初期集中支援チームに力を入れるのは当然のことながら、先ほどおっしゃったように、お医者様や認知症ネットワーク、また家族会等の、そういう相談体制を充実させることがまず重要であると思いますので、あわせてお願いいたします。
それでは、高齢者の消費者トラブルについてお伺いいたします。昨日、同僚議員の質問にもございましたので、少しはしょりたいと思いますが、高齢者の消費者トラブルの現状についてお伺いいたします。
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○比留間彰 経営企画部長 本市の平成27年度の消費生活相談の件数は1,532件でありまして、そのうち65歳以上の高齢者からの相談件数は659件、相談件数の約43%を占めておりまして、昨年度647件と比較しますと12件増と、最近増加傾向になっております。
高齢者からの相談案件の多くは、新聞の強引な訪問勧誘、古着を買い取ると訪問して実際は貴金属などの高額商品を廉価で買い取るもの、屋根、床下、水回りなどを点検して、修理が必要などと不安をあおり、不必要な修繕契約を結ばせたりするもの、住宅リフォーム工事等の高額な工事請負契約をいいかげんな契約書で締結させるものなどがございます。また、最近はインターネットに関連した通信回線契約、携帯電話ですとかスマートフォン、光テレビのトラブルなども多く見られております。
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○8番(西岡幸子議員) さまざまな、訪問販売含めて、消費者トラブルに御高齢の皆さんがお遭いになっているという現状でございますけれども、これに対しての対応はどのように行っているのか、伺います。
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○比留間彰 経営企画部長 高齢者の方々も含めまして、消費者トラブルにつきましては消費生活センターにおいて対応しております。既に起こってしまった事案につきましては、その内容に応じて、助言や情報の提供、法律相談への引き継ぎ、他機関、神奈川県弁護士会ですとか法テラス等でございますが、こちらへの紹介などを行っております。また、必要に応じまして、相談者、事業者との三者面談、あっせんを行うなど相談者の被害回復に努めております。また、契約や工事などが行われる前に受けた相談につきましては、同様の事例を紹介いたしまして助言をするなどしております。
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○8番(西岡幸子議員) 今は起きてしまったことに対する対処ですけれども、それでは予防策としてはどうでしょうか。
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○比留間彰 経営企画部長 高齢者の消費者トラブルの予防策といたしましては、自治・町内会や高齢者団体への出前講座や情報紙の配布などに取り組んでいるところです。
また、高齢者の消費者トラブルを防ぐためには、御本人だけではなく、御家族、民生委員、地域包括支援センター職員など周囲の皆さんでサポートしていただくことが非常に重要だと考えておりまして、このような周囲の方々への普及啓発ですとか、情報提供、こういったことを行ってまいります。民生委員の会合等での啓発活動ですとか、社会福祉協議会との連携の強化、こういったものに努めているところです。
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○8番(西岡幸子議員) さまざま予防策をとっていただいていてもひっかかってしまうという、被害に遭ってしまうという現実がございます。昨日、渡邊議員がおっしゃっていたステッカーのようなもの、これも一つは有効ではないかと思います。お年を召した方に視覚で、毎日それを見るということが、忘れない、思い出す、常に意識するということにつながりますので、そういう常に目にするところに何かがあるということは有効な策だと考えます。
通常の啓発、さまざまな啓発をしていただいているわけでございますが、その通常の啓発が届きにくい認知症等の高齢者に対しては、今どのような対応を行っていこうとお考えなのか。認知症の方の割合も大変ふえております。そういった方への対応をどういうふうに図っていこうとお考えなのか、お伺いします。
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○比留間彰 経営企画部長 ひとり暮らしの方々や判断能力が不十分な高齢者の消費生活問題の解決のために、地域包括支援センター等との連携を図りながら、トラブルの防止と被害の早期発見、回復に努めているところです。
また、平成28年4月1日施行の改正消費者安全法によりまして、地方公共団体、警察、保健所及び地域包括支援センターなどの地域の関係者が連携して、高齢者、障害者、認知症等により判断力が不十分となった人などの消費者被害を防ぐための消費者安全確保地域協議会、見守りネットワークといわれるものなんですけれども、この設置も可能となっております。このため、国、他の自治体の動向を見きわめながら、本市における効果的な手法を今後も研究してまいりたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) 続いて、振り込め詐欺の現状と、その対策についてお伺いします。
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○柿崎雅之 防災安全部長 本市内の振り込め詐欺の状況でございますが、被害が多かった平成25年、平成26年当時と比較いたしますと、平成27年以降は被害件数、被害金額ともに減少しておりますが、振り込め詐欺に関連すると思われる電話、これいわゆる前兆電話といわれていますが、これは今も市内に多く入電しているようでありまして、引き続きの対策が必要な状況だと認識しております。
振り込め詐欺の対策につきましては、警察や防犯協会などの関係機関と協力いたしました街頭キャンペーンの実施や、防犯アドバイザーによる高齢者団体などへの防犯講話の開催及び市のホームページなどで注意喚起などを実施しているところでございます。
また、市民の皆様や警察から振り込め詐欺の情報を受け取りますと、市からは注意喚起メールの配信、防犯アドバイザーによります発生現場付近の無人ATM等の見回りを実施いたすとともに、警察におきましては金融機関への注意喚起、パトロールを実施するなど、水際での被害阻止にも積極的に取り組んでいるところでございまして、実際に事件阻止につながった事案もあったところでございます。
今後も警察等の関係機関や市民の皆様との連携をより密にし、振り込め詐欺防止に取り組んでまいりたいと考えてございます。
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○8番(西岡幸子議員) ぜひさまざまな機会で注意喚起ができるようにお願いいたします。
それでは、救急搬送のときに活用できる救急情報シートについてお伺いしたいと思います。まず、現在の救急搬送の実態についてお伺いいたします。
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○斎藤務 消防長 高齢者の割合も含めましてお答えいたします。本市におけます救急搬送件数は年々増加傾向にございます。平成27年救急搬送件数は9,696件で、5年前の平成23年に比べまして642件増加している状況でございます。
その中で、高齢者の占める割合も増加しておりまして、平成27年の救急搬送人員は6,226人で、全体の63.8%であります。5年前の平成23年と比較しますと767人、4%の増加で、年々右肩上がりでふえ続けている状況でございます。高齢者の事故種別を見ますと、急病が最も多く、疾病分類としまして、意識障害、呼吸器疾患、消化器疾患と続いている状況でございます。
今後も救急搬送件数はますます増加すると見られ、その中でも高齢者の搬送件数、割合は増加していくものと考えているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 高齢者が大変救急搬送がふえているという実態を今お伺いいたしました。
大分前になりますけれども、救急情報シートというのを鎌倉市はつくりました。最初、冷蔵庫に入れる命のカプセルというのを質問いたしまして、試行していただいたんですけれども、なかなか、冷蔵庫をあけるのはいかがなものかとか、中に入れていろいろなものを詰め込んでしまうと、それが奥に入ってしまってわからないとか、さまざまな御意見があって、冷蔵庫に張るシートをつくってくださったんですね。そのシートの有効性についてお伺いしたいと思います。
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○斎藤務 消防長 救急情報シートとは、ひとり暮らしの高齢者宅へ救急出動した際、意識障害などでお話ができないときの傷病者の氏名、年齢、かかりつけ医療機関など情報を得られるシートでございます。昨年、意識障害のあるひとり暮らし高齢者宅からの救急要請に対しまして、救急情報シート配布世帯である旨を支援情報としまして救急隊へ情報提供し、この救急情報シートを活用して円滑に救急搬送を行うことができた事例がございました。
高齢者の救急事案では意識障害の割合が高く、高齢者の情報を確認できる救急情報シートは救急活動上大変有効であると考えているところでございます。このような奏功事例もあることから、今後も関係課と連携を図り、救急情報シートを活用し、迅速かつ適切に救急搬送を行ってまいりたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) 今、一番意識障害が高齢者では救急搬送の場合多いということで、救急情報シートが役に立ったという事例を御紹介いただきました。重要であるという、有効であるという消防長の御答弁を今いただきましたけれども、この救急情報シートの今の配布状況と、それから今後の取り組みについてお伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 救急情報シートの配布状況でございます。平成25年、平成26年にかけまして、試行といたしまして、ひとり暮らし高齢者登録をしている方のうち、市単事業によるサービス、介護保険サービス等を利用していない865名のうち希望のございました206名に配布を行ったところでございます。
今後の取り組みでございますが、ひとり暮らし高齢者登録をしていない単身者や老老世帯等に対しまして、関係機関の協力を得ながら順次配布していくことを検討しているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 今、平成25年度は希望者にということでございましたけれども、できればこういう有効なシートを、希望ということではなく、ぜひお使いいただきたいということで推進をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 できる限り配布をして御利用いただきたいと考えておりますが、中には個人情報を記載するというものでございますので、そういったところに配慮した中でできる限り推進していきたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) これは救急の情報シートなので、当然個人情報が書かれているわけでございますけれども、表から見てそれがわかるという状況ではなくて、かわいらしいシートがその上にかかっておりますので、全くそれをはがさない限りはわからないようにつくられておりますので、その辺も御紹介いただいて、有効活用していただきたいと思います。なるべく多くの方に安心して、何かあったときに意識障害で何もわからないということがありましたら大変でございますので、救急搬送していただく場合には有効な情報源ということでございますので、推進を図っていただきたいと思います。
それでは、地域包括ケアシステムのさまざまなことをお伺いしてまいりましたけれども、この地域包括ケアシステムの推進のために、さまざまな職種の連携を図らなければこういったケアはできません。その多職種の連携がどのように今、鎌倉市は行われているのか、お伺いいたします。
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○内海正彦 健康福祉部長 健康寿命の延伸につきましては、鎌倉市健康づくり計画においての目標の一つとして掲げておりまして、その実現のためには各方面との連携は重要であると考えているところでございます。
本市におきましては、鎌倉商工会議所や自治・町内会、小・中学校等に保健師、管理栄養士等が出向き、健康づくりのための正しい知識の習得や実践ができるよう専門的知識を生かしたサポートを行うなど、現在連携を図っているところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 地域包括ケアシステムの推進のための多職種の連携はどのように行っていますかと今伺ったんですね。市民の健康増進や健康寿命を延ばすための多職種の連携ということではなくて、地域包括ケアシステムの推進のための多職種の連携はどのようになっていますかという質問だったのですが。
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○内海正彦 健康福祉部長 失礼しました。高齢者が医療や介護が必要な状態においても安心に生活できる地域づくりを目指すということで、医療と福祉の連携会議、在宅医療介護連携推進会議、多職種ミーティングなどにおいてその連携の推進を図っているところでございます。
医療と福祉の連携会議につきましては、行政、医療、ソーシャルワーカー、主任ケアマネジャー、地域包括支援センター等の職員が参加し、お互いの役割を理解することにより事例を通した話し合いを重ねているところでございます。
在宅医療介護連携推進会議につきましては、医師会、歯科医師会、薬剤師会、介護事業所等の代表が参加し、連携の推進体制についての協議を行っております。
一方、多職種ミーティングというのを実施しておりまして、これは、多くの医療関係者の方や介護福祉事業者等が参加し、課題の共有や相互理解に向けた顔の見える関係づくりに取り組んでいるところでございます。
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○8番(西岡幸子議員) 医療と介護の連携は一番基本でございます。さまざま伺ってまいりましたけれども、本当にそれこそ多職種が連携をしていかないと、この地域包括ケアシステムというのはできません。その基幹が医療と福祉の連携であると捉えていただきたいと考えますけれども、さまざまな質問をしただけでもいろいろな、部長に今お答えをいただきました。そういった部署、箇所、多職種が連携をするということが非常に重要になってまいりますので、その実現に努めていただきたいと考えます。
そのためには、さまざまな方々と連携をするキーになるところ、トップになるところが必要だと思います。それはどこになるんでしょうか。次に健康寿命を延ばすというところ、先ほどお答えいただきましたので、この地域包括ケアシステムにおいては、鎌倉市は七つの支援センターがございます。その上に、自治体によっては基幹型の地域包括支援センターというものを設けているところがございます。
それぞれ鎌倉市で七つの支援センター、一生懸命やっております。現実の課題をクリアしていくのでいっぱいいっぱいであると思います。新たな課題に対してどのように取り組んでいこうか、マクロの視点で考えていくことというのはなかなか現場ではできません。それを考えていく、鎌倉市の地域包括ケアの現状、また未来像を考えていくというところも必要であろうと思います。それが今、健康福祉部になっているんですけれども、果たしてそれでいいんだろうか。この基幹型の支援センターの設置についてはどのようにお考えでしょうか、伺います。
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○内海正彦 健康福祉部長 基幹型の地域包括支援センターにつきましては、複数の地域包括支援センターがある市町村におきましては、その目標を共有しながら相互に連携し、効果的な取り組みにつながるよう、地域包括支援センター間の相互調整や困難事例に対する後方支援などの役割について設置することを可能としているものでございます。
神奈川県内の自治体におきましても、基幹型の地域包括支援センターを設置しているところは逗子市、藤沢市など5カ所ございまして、各市からの情報を集め、設置によるメリット、デメリットなどを検証しながら、本市の体制についても検討していきたいと考えております。
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○8番(西岡幸子議員) 地域包括ケアシステムを今回質問させていただいておりますけれども、さまざまな課題に対して一つ一つミクロの視点で考えることとマクロの視点で考えることと両面なければいけないと思います。現場を走っていると、なかなかマクロの視点で将来にわたった課題等について考えることはできませんので、基幹型の考え方、またこれを市が担えるのであればそれでいいんですけれども、その辺をよくお考えいただきたいと思います。それが鎌倉市のこれからの超高齢社会を支えていく大きな基盤になってまいりますので、ここは熟慮していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、最後です。市民生活のQOLを高めるために、保健、医療、福祉の拠点となるべきセンターが私は絶対に必要であると考えます。これは基本構想も考え方としてございましたよね。今は全くなくなってしまっているのに等しい状況でございます。どのようにお考えなのか、市長にお伺いいたします。
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○松尾崇 市長 平成28年3月に策定をしました鎌倉市健康づくり計画におきましても、市民の健康寿命の延伸を推進していくことから、健康づくりの拠点があることが望ましいと考えています。センターの設置につきましては、主体的に市民が健康づくりに取り組めるよう、優先順位の高いものから整備していくなど、本市における社会経済状況等実情も踏まえながら、健康づくり拠点のあり方や必要な機能について検討してまいりたいと考えています。
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○8番(西岡幸子議員) 今、市長がお答えいただいたのは健康づくりの拠点だけなんですね。視点はそこだけではございません。医療も福祉も。きょうの質問は高齢者を中心にいたしましたけれども、これからの国の考え方、今、国の地域包括ケアシステムをリードしている和光市でございますけれども、和光市の場合にはここに高齢者だけではなくて障害者と子供が加わっているんですね。そういう総合的な地域包括ケアシステムをつくり上げています。これからは国も、各自治体もそれを目指していこうということを打ち出そうとしているところだと今聞いております。ですので、この健康づくりの拠点という視点だけではやっていかれません。ここのところをよくお考えいただいて、いま一度過去にあった構想、この鎌倉市の、大事にお考えいただきたいと思います。
健康づくりという点では保健、そして医療と福祉の拠点と。そこに今、国は教育のことも、子供のことも入れております。さらに広がっている。そういった中で、鎌倉市の場合にはステーションというものが、キーステーションがない。市役所だけですよね。市役所というのは市民の役に立つところというのを市役所というわけですよね。そういう定義があったかと。どこかの、勝山市でしたか、市長がそう書いていましたけれども、市役所の存在、それから今、鎌倉市民の医療と福祉と健康とを担っていく、そういった拠点というものは大きい、重さがあると思います。
ここはしっかりとお考えいただいて、地域包括ケアシステムを、これからの鎌倉市の超高齢社会を支えていく大きな基盤になるものでございますので、よろしくお願いしたいと思います。市長、いかがでしょうか。最後にもう一言お願いをいたします。
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○松尾崇 市長 先ほど健康の視点ということでございましたけれども、今、御質問いただきましたように、地域包括ケアシステムの、これが高齢者のみならず子供や障害者も含めての、そうしたいわゆるまちづくりとも連動するような、もう少し大きな構想ということが。当然今後検討していく、研究していくということが必要になってくると考えます。そういう中において、どのような仕組み、拠点がふさわしいかということをあわせて検討してまいりたいと考えています。
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○議長(中澤克之議員) 次に、河村琢磨議員の発言を許可いたします。
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○3番(河村琢磨議員) みんなの鎌倉の河村です。通告に従って質問させていただきます。
まず初めに、障害児・者を抱える家族の支援についてから質問いたします。
まさに今、西岡議員がQOLについて御質問なされておられましたけれども、私も目指すところは同じでございます。多少重なる点もあるかと思いますけれども、別の角度からということで御理解いただけたら幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
きのうからリオデジャネイロパラリンピックが始まりました。さきのオリンピックで御活躍され、感動を与えてくれましたバレーボール女子日本代表の島村春世選手、7人制ラグビーの谷口令子選手に続いて、鎌倉市からは伊藤槙紀選手が女子卓球クラス11の日本代表として出場しております。ちょうど試合が始まった8日は伊藤選手、32回目のお誕生日だったそうですので、応援と一緒にお祝いを申し上げたいと思います。つい先ほどまで予選リーグの2回目の試合が行われていたかと思うんですけれども、結果が気になるところではございますが、ともかく地球の反対側、リオの大舞台で持てる力を存分に発揮してきていただけたらなと思っております。
その一方で、昨日、千議員の御質問にもございましたが、7月26日、相模原市緑区にある神奈川県の指定管理施設津久井やまゆり園で施設の入居者19人が刺殺、職員3人を含む男女27人が負傷するという、戦後最大級と言われる極めて凄惨な大量殺人事件が発生いたしました。犠牲となって亡くなられた方々に対してまずは衷心より御冥福をお祈り申し上げるとともに、御家族の皆様方には心からお悔やみを申し上げます。また、けがをされ治療を受けている方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
事件から1カ月余りがたったものの、この事件が引き起こしたとてつもなく大きな衝撃は障害を抱える当事者やその御家族を例えようのない不安へと陥れました。このヘイトクライムとも言える同園元職員による身勝手きわまりない凶行に対しては、強い怒りと憤りを禁じ得ません。
そして同時に、私たちの社会では一定の価値基準によって誰もが差別と排除の意識にとらわれてしまうという危険性をはらんでいるのではないかと感じました。今回の事件で弟さんを亡くされた女性が東京都内で開かれた追悼集会で読み上げたメッセージが、まさにそのことをあらわしていると思います。この国には優生思想的な風潮が根強くあり、全ての命は存在するだけで価値があるということが当たり前ではないので、とても弟の名前を公表することはできませんというものです。この女性は親御さんから弟さんの障害のことを隠すなと教えられて育ったそうですが、事件後は名前を絶対に公表しないでと言われたと言っています。心ないことを言ってくる人もいるであろうとの影響を心配して、今はただ静かに冥福を祈りたい、事件の加害者と同じ思想を持つ人間がどれだけ潜んでいるのだろうと考えると怖くなりますとメッセージを結んだようです。
つまり、今私たちが取り組んでいかなければならないことは、目に見えるハード面のバリアフリー化はもちろんのことですけれども、人々の意識を変える心のバリアフリー、これを成熟させることだと思います。みんな違ってみんないいという多様な差異と個性を尊重し合える共生社会、まさに国連が障害者権利条約の中で提唱しているインクルーシブな共生社会の構築を社会全体の問題として考えていくことだと思うのですが、まずはこの考え方について鎌倉市はどのような考え方でおられるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 インクルーシブな共生社会は、あらゆる人が孤立したり排除されたりしないよう、誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合い、人々の多様なあり方を相互に認め合える社会だと認識しているところでございます。
鎌倉市といたしましては、「障害のある人もない人も、だれもが一生にわたり、健やかで安心して地域で暮らせるまち」を将来目標といたしました障害者福祉計画で取り組む施策の中でインクルーシブな共生社会を構築していきたいと考えております。
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○3番(河村琢磨議員) 私、過日献花をささげにこの津久井やまゆり園に行ってまいりました。最寄りとなるJR相模湖駅からバスでおよそ10分、そのバスの本数も1時間に1本程度ということだったので、事前に調べた公共交通機関のアクセスではこの便の乗り継ぎが大変そうだったものですから、私は今回車で行きましたけれども、やはり実際に訪れてみると、この印象は、政令市相模原といっても中心部から離れた、本当に自然豊かなところといった感じの場所にこの施設はありました。
そこで真っ先に感じたことは、ここに通ってこられる入所者の御家族の方、さぞかし大変なのではないかなということです。およそ150名の施設利用者の御家族が皆このやまゆり園の近くに住んでおられるわけではないと思いますから、当然そのように思いました。そして、このような離れた場所に重度の知的障害者施設があるという現実、私はここに今日の社会の中で障害者とその家族が抱えている重たい現実というものを目の前に突きつけられたような感覚を覚えました。
そして思ったのは、知的障害のある子供を育てる親、そして障害がある人の兄弟、精神疾患や耳の不自由な親に育てられた子供、発達障害の夫の言動に悩む妻など、障害者のそばにはそれぞれ家族の存在があるということです。そして、家族はさまざまな悩みや葛藤を抱くことが多いと言われています。障害をどう受け入れたらいいのかわからない、本人中心の生活で自分のことは二の次、差別や偏見を恐れて誰にも相談できない、さらにはこうしたつらさや大変さを一人で抱え込んでしまうというケースも多いということで、抑鬱状態に陥ってしまったり、自己肯定感を持てなくなったりするケースも少なくないと聞いております。
そこでお伺いしたいと思いますが、鎌倉市ではこういった障害児・者を抱える御家族への支援ということについて、行政計画の中で家族支援として明記されているようなものは何かあるんでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害者を抱える家族への支援についてでございますが、平成29年度までを計画期間としております、鎌倉市が策定いたしました障害者基本計画と障害者福祉サービス計画に明記しているところでございます。
障害者基本計画では、施策の体系にあります地域生活支援の充実の中で、家族からの相談に対応して必要な情報提供や助言などを行う相談支援事業を強化・充実していくこととしております。
また、障害者福祉サービス計画におきましては、相談支援事業の中で、基幹相談支援センターが地域包括支援センターなどと連携して家族支援の必要な障害者の増加などに対応していくこととしているところでございます。
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○3番(河村琢磨議員) その行政計画に盛り込んで、実際、支援という形でしっかり反映されていると行政側は考えておられますか。
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○内海正彦 健康福祉部長 計画の中ではうたっているところでございますが、我々といたしまして認識しているのは、直接的な支援というところまではなかなかいってなくて、課題であろうと捉えております。例えばですけれども、移動支援ですとか余暇活動支援活動、休日開所事業などにより、障害者の方がその活動をすることによって障害者を見ている方が少し余裕のできる時間帯ができるというように、間接的な支援が今は中心になっているだろうと認識しているところでございます。
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○3番(河村琢磨議員) では、現在鎌倉市に住んでいらっしゃる障害者の方は何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。障害区分別に教えていただけないでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 平成28年4月1日現在の障害者の手帳所持者数でございますが、身体障害の方が4,943人、知的障害の方が933人、精神障害の方が1,186人、3障害合わせますと7,062人となっております。
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○3番(河村琢磨議員) 障害福祉サービスというのを利用していらっしゃる方というのはどれぐらいいらっしゃるんでしょうか。できれば児童福祉と分けて、それぞれ教えていただけるとありがたいんですけれども。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害福祉サービスの支給決定者数が、18歳以上の障害者が992人でございます。一方、18歳未満の障害児につきましては239人となっております。
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○3番(河村琢磨議員) これだけ多くの障害を抱えている方々が鎌倉市に住んでいるということですね。そこには御家族がいらっしゃるということになります。
当然、当事者に対してはライフステージや障害特性に応じた一貫した切れ目のない支援というのが必要だというのは言うに及ばないと思うんですけれども、特に子供から大人への成長過程における支援に当たっては、教育と一貫した進路支援というのが絶対必要であると思うんですね。そこには子供を主体とした家族、家庭への支援というのが最低条件として求められることになると思いますが、こういった障害を抱える子供を持つ家庭への具体的な支援というのは鎌倉市ではどのようなものがあるのでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 こどもみらい部の発達支援室、ここにおきましては、子育てで少し気になるという段階から相談を受け付けてございます。早期の相談におきましては、親子で参加するグループ活動を通し、保護者の悩みに寄り添い、必要な助言を行っております。また、子供に発達の課題がある場合には、子供の発達状況や保護者のニーズに応じて発達支援室に配置されている専門職による支援へとつなげております。運動発達における支援は理学療法士や作業療法士によるリハビリ指導、子供の発達や発音、聴力における支援は言語聴覚士による言語指導、全体発達や社会性などにおける支援は心理士や児童指導員、保育士がグループ指導を行っております。
また、支援を必要とする子供がライフステージに応じた一貫した継続した支援を受けることができるよう、教育や福祉と連携を図り、必要な支援を継続して受けることができるようにしております。
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○3番(河村琢磨議員) 当然、障害特性による支援の形というのはあると思います。そこには違いがあると思うんですね。ここで大事なことは、決してこの手帳のみではないということではないかなと私は思っています。何らかの障害、疑いも含めて、保育や教育、地域生活に特別な配慮と支援を必要とする一人の子供として個別に判断をしていくことが最も重要なことだと考えます。つまり、どのような障害や生きづらさを抱えていても、皆同じ一人の子供として健やかに成長し、地域社会の中で育んでいけるような支援を施していくことが、市民と直接触れ合う地方行政の役割としてとても大切なことだと思います。
適切に一人一人の個性と能力を見きわめ、支援をしていっていただきたいと考えますが、これについて市はどのようにお考えでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 一人一人の発達状況や発達の特性、家庭状況に応じた支援を行っていくことは大変重要であると考えております。支援を必要とする子供とその家族が地域で生き生きと生活していくためには周囲の人の理解が不可欠であることから、発達障害などの理解促進を目的とした市民啓発講演会を開催し、理解、啓発を図っているものでございます。
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○3番(河村琢磨議員) では、反対にこれから親になる、またはなろうとしている障害者の方への支援というのは何かあるのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 妊娠、出産に関しまして心身の状況等に課題とか不安のあるような場合につきましては、障害のあるなしにかかわらずでございますが、個々の状況を踏まえた中で、保健師、助産師等が指導、助言を行い、必要に応じて障害者福祉課やこども相談課、保健福祉事務所や医療機関等と連携し、支援に努めているところでございます。
また、出産後におきましても、必要な場合には保健師等が継続した家庭訪問を実施するほか、ヘルパーなどを派遣し、家事の援助などを行っているという状況でございます。
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○3番(河村琢磨議員) これはフィンランドのネウボラのような、妊娠、出産から子育てまで切れ目なく家庭、家族を支援し続ける育児支援サービスのようなものがあれば、障害の有無にかかわらず安心して妊娠、出産、子育て、これ専念できるのではないかなと私は思うんですね。そして、問題となっている母親の孤立化というのも防げるのではないかと。
後々起こり得るリスクなどを回避して、まさにいいことずくめと言ったらあれですけれども、こういったネウボラについて鎌倉市はどのような見解をお持ちでいらっしゃいますか。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害があるなしにかかわらず、妊娠、出産から子育てまで切れ目なく一貫して支援するネウボラのような仕組みづくりについては、重要な課題であると認識しているところでございます。現在、既存の母子保健事業、子育て支援事業等において支援を行っているところでございますが、ネウボラのような育児支援サービスをすぐに実施できるということではございませんが、妊娠から一貫したきめ細かい支援のあり方については今後とも検討してまいりたいと考えております。
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○3番(河村琢磨議員) では、少し具体的な事例について伺っていきたいと思いますけれども、兄弟、いわゆる兄弟姉妹が障害を抱えているという人たちへの支援というのは何かありますか。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害のある方への御兄弟への直接その方を対象とした支援というものの施策というのは現在ございません。家族に障害のある方がいる場合、保護者の方が障害のある子供を優先する傾向があることから、障害のない御兄弟がさまざまな場面で疎外感を持つことが多いというような話は聞いているところでございます。
間接的な支援にはなりますが、障害のある方が余暇活動の充実などを目的とした移動支援サービスや短期入所などの家族支援のサービスを活用することにより、御兄弟が保護者の方とゆっくり過ごすことができるような良好や親子関係や兄弟関係を築いていく一つの方策になるのではないかと考えているところでございます。
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○3番(河村琢磨議員) この後もお話しいたしますけれども、兄弟の方々というのは疎外感を感じたりということが多いと思います。
我が国において兄弟に対する支援の必要性というのが指摘され始めたのは、1963年に設立された「全国心身障害者を持つ兄弟姉妹の会」が1995年に名称を全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会と変更した翌年からと言われています。そして、この「全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会」、以後全国兄弟会と呼ばせていただきますけれども、この全国兄弟会によりますと、各年代での状況と求める支援について、次の五つの時期、ステージに分けて必要な支援内容を述べています。
まず、出生から学齢前期では、親が障害がある子供を優先し、親の愛情が十分でないと感じてしまうことや、学校でのいじめに苦しむことへの支援、まさに今おっしゃられたところですね。続いて思春期では、交友関係に消極的になったり、孤独感を強めたり、将来への不安を感じることへの支援。三つ目の青年前期では、自分の仕事や結婚など直面してくる現実問題への支援。四つ目の青年後期から結婚後の中年期では、親のかわりとなって障害ある兄弟の世話をすることや自立に向けた取り組みへの支援。五つ目の熟年期では、兄弟の施設入所を含めた広義の意味での自立と親亡き後への支援ということになります。
そして、この中で直面する課題として三つの課題を上げています。それは、自身の結婚、親亡き後や親にかわるとき、成年後見の三つです。つまり、成長に伴って親の役割を兄弟姉妹が少しずつ担っていかなければならなくなっていく、そしてその役割が大きくなる人生の節目において特に支援が必要になると全国兄弟会では言っています。
詳しくはこの全国兄弟会のウエブサイトに記載されていますから、ぜひ見ておいていただきたいと思うんですけれども、この障害ある人の兄弟が抱える課題というのは、決して特異なことではなく、むしろ障害児・者を抱える御家族に対する支援のヒントというのがここに詰まっているのではないかと私は思っています。このことについて鎌倉市はどんなふうに捉えていらっしゃいますか。
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○内海正彦 健康福祉部長 議員御紹介いただきました全国兄弟会のサイトには、会員同士の親睦活動や学習活動のほか、障害のある人の兄弟の悩みと必要な支援などについて、年代別の支援の内容や直面する課題など家族に対する支援のヒントになることが掲載されていると考えております。現在、障害のある方のサービスの支給決定をするに当たりましては、家族の意向やサービス等利用計画案などを勘案しているところでございますが、サイトにもある兄弟の悩みや課題と捉えられている点なども踏まえまして、相談支援事業所とも協力しながら支援する体制を築いてまいりたいと考えております。
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○3番(河村琢磨議員) これまで障害者をめぐる問題の多くというのは、まずは本人ありきであって、こうした家族の抱える問題が取り上げられるということはほとんどなかったのではないかと思います。もちろん障害福祉計画はサービスごとの必要な見込み量の算出でもありますから、当然と言えば当然なんですけれども、そのため、家族支援に対する社会の理解というのが進んでこなかったと言えると思います。
繰り返しになりますが、私たち、本当にインクルーシブな共生社会の実現を目指すというのであれば、障害児・者を抱えている御家族が、障害者の家族として生きるのではなくて、個人としての人生を送ることができるような環境を提供していくことが必要であると私は考えております。それは、直接家族の負担が少なくなれば、介助してもらう障害者本人の精神的負担を減らすことになるだけでなく、家族全体のQOLを高めることになると思います。そして、それがひいては私たち社会全体のQOLを高めることにつながっていくのではないでしょうか。
この項目の最後に市長に御家族支援への考え方について伺わせていただきたいと思いますが、鎌倉市では今後きちんと行政計画の中で家族支援をもっとしっかりと捉えていくべきではないかなと考えておりますけれども、どのようなお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。
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○松尾崇 市長 議員御提案の家族支援は、障害のある方を含めた家族全体の生活の質を高めることにつながるものだと捉えています。平成30年度から始まります次期障害者福祉計画の策定に当たりましては、今まで以上に御家族、兄弟の支援といった視点を取り入れながら、インクルーシブな共生社会の実現を目指していきたいと考えます。
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○議長(中澤克之議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(11時42分 休憩)
(13時10分 再開)
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○議長(中澤克之議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
河村琢磨議員の一般質問を続行いたします。
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○3番(河村琢磨議員) それでは、次の介護離職問題についての質問に移ります。午前中は障害児・者を抱える家族への支援について質問をしてまいりましたけれども、続いては家族介護の問題について伺っていきたいと思います。
介護というと、とりわけ親の介護を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、実際親に介護が必要になったとき仕事を続けられるのか、私たち現役世代にとっては切実な問題です。2015年9月24日、安倍首相はアベノミクスの第2のステージ、新3本の矢の中で仕事と介護の両立の課題に触れられ、家族らの介護を理由に離職せざるを得ない、いわゆる介護離職をゼロにしたいとの目標を示されました。首相は、働き盛りの御夫婦が介護のために離職をしなければならないことが起こっている、具体的な目標として考える一つは介護離職をゼロにしていくと述べられ、仕事と介護を両立できる社会の実現に取り組んでいく考えを示されたわけです。
今、介護が原因で仕事をやめる介護離職は年間10万人、介護のために仕事をやめざるを得ないまたは転職を迫られているという離職予備軍は42万人にも上っていると言われています。もちろん介護といっても高齢者だけではなく、病人や障害者の生活支援をすることも含んでいるわけですが、つまり、身近な方の介護を行うために現在勤めている仕事を退職しなければならない、またはその可能性があるという方々がこれだけ多くいるということです。
そこで、最初にお伺いしたいのですが、鎌倉市ではこの介護離職問題をどのように捉えておられるのか、市の考え方をまずはお聞かせいただけますでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 介護保険制度でございますが、それまでは家族が主体であった高齢者の介護を社会全体で支える仕組みといたしまして保険制度というのは平成12年度に始まったものでございます。しかしながら、現実的には家族の負担は残っていると考えられます。平成26年1月に市が実施いたしました介護保険に関するアンケートにおきまして、就業しながら介護ができているかという設問に対しまして、約30%の人が余りできていないまたはできていないと回答しているところでございます。
介護休業制度の利用に係る周囲の理解や介護者を支える仕組みの不足等があると考えられることから、それらの充実を図ることによって介護者にかかる負担を軽減し、社会全体で介護離職を出さないようにすることが必要であると考えております。
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○3番(河村琢磨議員) この介護離職がふえている背景の一つは何といっても人口構成の変化というのが上げられると思うんですね。世の中が少子高齢化、人口減少社会に向かっていくに従って、おのずとその傾向を示していくのはある意味では仕方のないことだと思うんですけれども、ただ手をこまねいているわけにはいかないと思うんですね。
そして、この高齢化率の上昇とともに介護保険制度上の要支援・要介護認定者数というのは年々増加をしております。介護、医療、社会保障費の急増が懸念されていますけれども、何よりも2025年には第1次ベビーブームに生まれたいわゆる団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となる2025年問題を迎えることになります。やがて来るその問題に対しては、政府も社会保障と税の一体改革の中で、重度な要介護状態になっても住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療、介護、生活支援等が一体的に提供される地域包括ケアシステムの実現を打ち出していることから、まさに施設から在宅への流れが明らかになっていると言っても過言ではないと思います。加えて、日本創成会議では、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で2025年には介護施設が約13万人分も不足するとの推計をまとめているようですから、まさに施設に入りたくても入ることができない、そんな未来がこのままでは現実のものとなってしまうのかもしれません。
そこでお伺いしたいと思いますけれども、鎌倉市ではこの2025年における介護の未来予想というのは一体どのように予測、描いていらっしゃるのか。介護者、要介護者の人口構成、男女比、利用施設数、介護サービス提供状況、地域包括ケアシステムの機能など、具体的にどのようになっていると想定されていらっしゃるのでしょうか。できれば、先ほど西岡議員が少し御質問の中で聞かれていましたけれども、そういった意味からも俯瞰的な視点で教えていただけないでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 2025年には要介護認定者が現在から約16%増加し1万1,696人となり、介護が必要な高齢者が増加すると見込んでいるところでございます。
2025年における介護者、介護サービス提供状況などの具体的な推計はしていないところでございますが、要介護認定者の増に比例して介護サービスの需要が高まってくるものと考えられます。また、在宅で介護を受ける人がふえると見込まれることから、医療と介護の連携や地域で支える体制づくりを行い、地域包括ケアシステムを機能させていくことが求められていると思います。
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○3番(河村琢磨議員) 介護離職は在宅介護にかかわっているときに起きるというのが多いと言われているんですね。その現状に直面してしまう前に、それこそ本当に今の段階から仕事と介護の両立支援策というのを私は講じていく必要があると思っています。殊さら介護者、働き盛りの世代が多いということになるのであれば、それは管理職として活躍する方や職責の重い仕事に従事している方々も少なくはないはずです。経験豊かな従業員や中核を担う人材が離職することによってこうむる大きな損失というのは、ひいては日本社会全体の発展にも影響を及ぼしかねません。
このため、厚生労働省では、育児・介護休業法に定められた介護休業制度などの周知徹底を図り、企業と労働者の課題を把握し、事例集を作成するなど、介護を行っている労働者の継続就業を促進していこうと今から取り組んでおりますけれども、鎌倉市では2025年に向けて何か具体的な対策や取り組みのようなものは行っていかれるのでしょうか。そして、実際に市民から相談があった場合などは市としてどのような対応が可能なんでしょうか。教えていただけますでしょうか。
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○小池忠紀 市民活動部長 介護離職の防止、仕事と介護の両立支援のため、平成29年1月から育児・介護休暇制度が改正施行され、介護休業、介護休暇が取得しやすい制度への改善が図られることとなります。現在、市といたしましては、介護をしている労働者の就業継続の促進に関する対策や取り組みにつきましては特に行ってはおりませんけれども、今後、介護休業等の制度改正につきまして、「広報かまくら」や市のホームページ等を利用して周知に努めていくとともに、国・県、また他市の動向にも注視しながら市としての取り組みについても検討していきたいと考えているところでございます。
また、市民から介護休業等を取得できないなどの相談があった場合には、市が実施しております労働相談や労働法律相談で専門の相談員により対応することとしております。
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○3番(河村琢磨議員) これは労働相談となると、やはりなかなか行政でかかっていくのは難しいのかと思うんですけれども、やはりどうしても介護となると、民間の企業の従事者同士で話をしていくというのは難しいとは思うんですね。どんなサービスがあるのかということも含めてやっていかなければいけないと思います。
そんな中で、庁舎内に目を移してみたいと思うんですけれども、これまで介護を理由に職員が離職するというようなケースはあったんでしょうか。
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○松永健一 総務部長 介護を理由に離職する職員数についての統計的なデータは有しておりませんが、当然、退職者の中には介護を理由に離職せざるを得ない職員もいるものと考えております。現在40歳以上の職員が半数以上に上ることもあり、今後さらに職員が抱える介護問題は深刻になっていくであろうと考えており、人事上、労務上の配慮の必要性が増しているものと捉えております。
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○3番(河村琢磨議員) 何年か前にNHKのクローズアップ現代という番組で、ちょうどこの介護離職の問題をやっていたんですね。タイトルは「どうする介護離職〜職場を襲う“大介護時代”〜」というタイトルだったと思うんですけれども、多分2年ぐらい前ですかね。そこで、この特集で取材を受けていた企業、これは社員数約4,300人の日本五大商社の一つである丸紅株式会社だったんですけれども、もちろん日本を代表する大手総合商社ですから、福利厚生はしっかりとしていまして、これまでも介護休暇をふやすなどさまざまな介護支援策というのは取り組んでこられたようなんです。
ただ、最近になって介護を理由に転勤を望まない社員がふえてきているということで、40代、50代を対象に初めて実態調査というのを行ったようです。すると、結果は経営陣にとっては大変衝撃的なものでした。当時既に介護していると答えた社員は11%だったんですけれども、それが2016年の時点、まさにことしですね、84%もの社員が介護に直面する可能性があると答えたそうなんです。この数値は一体何を意味しているかといいますと、40代、50代の幹部社員が介護で転勤できなくなったり退職したりということになってしまうと、国内外で重要なポストに穴があいてしまうというおそれが出てくると思います。つまり、経営に直面した、本当に直結した深刻な問題であると言っておりました。
本当にことしはその2016年ですから、今、把握をしておられないというお話でしたけれども、大手総合商社と地方行政自治体では働き方は違うのかなとは思いますけれども、もし仮に介護をする可能性のある職員の割合がこの丸紅株式会社と同じような状況だったとしたら、即運営に影響が出ることはないのかもしれませんけれども、逆に考えれば、行政の役割として万が一にも自治体の運営に支障が出てしまうようなことがあれば、それは問題だと思うんですよね。
そこでお伺いしたいんですけれども、鎌倉市としては現時点での職員の潜在的介護需要の把握というのはできているんでしょうか。実態調査はしておいたほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
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○松永健一 総務部長 職員のストレスチェックというものがございまして、その調査においては、介護の有無や健康リスクの度合いについて、そういったような把握は行っておりますが、今、提案いただきました潜在的な実態調査というようなものはまだ行ってないのが実情でございます。
働き盛りの世代の介護の負担が増すことが予想される中で、介護を行っている職員、または将来的に行うことが予想される職員の潜在調査を行い、職員のニーズや課題を把握し分析していくことは、介護をしながら働き続けられる環境の整備をしていく上で必要なものと考えておりますので、今、提案いただきました調査の方法を含め、実施に向けて検討していきたいと思います。
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○3番(河村琢磨議員) そうですね。ぜひお願いしたいと思います。やはりそこから、庁舎内の職員の方々の状況を見るだけが目的ではなくて、そこから市全体にも何となく、雰囲気というのでしょうか、傾向というのはつかんでいけると思いますから、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
では、現在、鎌倉市では介護する職員のための休暇制度や支援制度というのはどのようになっているんでしょうか。
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○松永健一 総務部長 鎌倉市では、介護休暇に相当する制度といたしまして、本市では特別休暇として介護、育児双方に対応できる看護休暇制度を設けております。看護休暇の期間は1暦年につき60日以内の必要な期間として、1日または半日を単位に取得でき、このうち7日間は有給で取得できるという制度でございます。
また、支援体制といたしましては、所属長や職員課が介護に関する相談等を受けているほか、人事上の配慮や要望等につきましては、自己申告制度を利用していただく中で必要な支援を行っているところであります。
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○3番(河村琢磨議員) 看護休暇制度、これは民間のと比べると若干日数とかが短いのかと心配しますけれども、これ介護、育児と分けることなく包括的な休暇取得ができるということであれば、私は比較的取得しやすい制度のような印象を受けるんですけれども、これ皆さん有効的に活用していらっしゃるんでしょうか。もし評価等があれば、その辺含めて教えていただけないでしょうか。
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○松永健一 総務部長 看護休暇のうち介護のために休暇を取得したという者は、過去3年間の平均で24名となっております。介護が必要な親を抱えて働く人は40代、50代という働き盛りに多いこともありまして、また責任ある立場にある職員が多いということもありまして、介護のために長期の休みが取得しにくいという状況もあり、過去3年間において10日以上の長期取得者というものはございません。看護休暇制度そのものの評価というよりも、むしろ長期休暇をなかなかとれる職場環境にはないということが課題であると捉えております。
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○3番(河村琢磨議員) 離職に陥ってしまう人たちの理由として、介護するなら仕事はできないと、介護イコール離職という思い込みが大きいと、その専門家は言っています。特に40代、50代という年代の人たちにその傾向は強いということなんですね。
そして、せっかくこの介護休業制度も何となく申しわけないと、これ以上迷惑はかけられないという職場に対する負い目のような、心理的な負担感、俗に言う空気ですね、そういった空気から実際の利用は5%しか使われていないそうなんです。つまり、最大の敵は職場の空気であり、その空気感が介護離職へと追い込んでいくというわけです。
先ほど、御答弁いただきましたけれども、この看護休暇制度の10日以上の取得というのがないということでしたけれども、ここが心配なのですが、実際に介護としての活用実績はありませんでしたけれども、これは空気感から何となく利用しづらくて利用していないなんていうことはないですよね。今方向性が違うというようにおっしゃっていましたけれども、その辺をもう一度確認させていただけないでしょうか。
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○松永健一 総務部長 空気感というお話でございますけれども、やはり先ほどもお話ししたとおり、40代、50代という職員は職責等も重く、周りのリーダー等、リーダーシップを発揮してやっていかなければなかなか仕事がはかどらないということもございまして、職場に迷惑をかけられないという思いが、そういったようなところでの職場環境になっているのではないかなと捉えております。
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○3番(河村琢磨議員) そうすると、迷惑はかけられないという、しっかり責任感があると思いますけれども、そうすると、介護が発生してしまった場合というのは、やはりやめざるを得なくなってしまうんではないかなという心配もあるんですけれども、そこは大丈夫なんでしょうか。
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○松永健一 総務部長 今現在は介護等につきましては、相談等を受ける中で、例えば時間外勤務の配慮ですとか、あるいは課の中では業務分担の割り当てによる調整ですとか、それだけでは済まない場合には異動も含めた人事上の配慮というような形で対応はしておりますけれども、ただ介護等が深刻になった場合というのは、それだけでは済まないのかと思いますので、今後も制度については考えていく必要はあろうかと思っております。
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○3番(河村琢磨議員) 介護は育児と異なって突発的に問題が発生するということがあると思うんですね。介護を行う期間、方策というのも多種多様であることから、仕事と介護の両立というのはどうしても困難を伴うと思うんです。例えば、せっかく介護サービスを利用できたとしても、通勤時間とデイサービスの送迎の時間が合わずに仕事をやめざるを得なかったとか、深夜でもトイレに起こされて睡眠がとれず会社で仕事にならなかった、そんなケースも考えられると思います。
自分たちが、そして家族が介護という現実に直面してしまったとき、果たしてそれはどのような介護状態で、具体的にどのようなサービスや働き方を組み合わせたら介護と仕事の両立ができるんだろうかというベストプラクティスのような両立の情報というのがまだまだ不足しているんではないかと思うんです。社会全体としてサービスや介護保険制度があるわけですから、自分の場合どういうことをやれば乗り越えていけるのか、もっともっと具体的な事例などの情報を集めて共有できるようにしていくことが、国や地方行政の大きな、大事な役割となっていくんではないかと思っています。
この項目のまとめとして、ここまでを通して松尾市長の御見解をお伺いできればと思うんですけれども、介護離職問題をどんなふうに捉えられましたか。
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○松尾崇 市長 この介護離職問題の解消につきましては、介護保険サービスだけでできるものではなく、休業制度や職場復帰、再就職に対する支援など働く環境の整備や福祉的サービスの提供など多機能、他部署の連携が必要であると考えます。このような連携を図る中で、まずは情報収集に努め、介護と仕事の両立に悩まれている方々に対してどのように情報の発信をしていくのが有効か、その方法につきましても含めて研究してまいりたいと考えています。
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○3番(河村琢磨議員) 介護離職を防止するというよりも、仕事も介護も両立できる社会を実現させていくという、ある意味で究極のワーク・ライフ・バランスの形を目指して、これからの大介護時代、地方行政から社会的機運の醸成を図っていっていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、最後の質問をさせていただきます。市長の政治姿勢について質問させていただきたいのですけれども、市長の政治姿勢についてというと、どうしても厳しく追及するような、印象がありますけれども、私は素直に首長としての考え方についてお伺いしてみたいと思っています。
市長、唐突ですけれども、トロンというのを御存じですか、これは映画のトロンのことではないんですね。日本で独自に開発されたパソコンの基本ソフト、いわゆるOSのことなんですけれども、OSというと、アメリカの発想で、研究も開発も全て独自でアメリカは行っていたのではないかと思っている方多いと思いますが、実はそうじゃないんですね。その昔、日本とアメリカではパソコンやOSの研究開発をお互いに競い合っていた時代が実はあったんです。そんな話を少しさせてください。
今、世の中にはたくさんのOSが存在しておりますけれども、皆さんが職場や家庭で使っておられるパソコン用のOSに限って言えば、現在の世界標準は言うまでもなくアメリカ、マイクロソフト社のウィンドウズであるというのは誰もが認めるところだと思います。現に、多分鎌倉市の庁舎内でも使っているPCもOSはウィンドウズというのが多いのではないかと思います。現に世界シェアはいまだ90%近く持っていまして、OSプラットホームの覇者として君臨し続けております。
そして、そのウィンドウズが大躍進したきっかけというのは、何といっても1995年に発売されたウィンドウズ95の存在だと思います。技術的な細かいお話はしませんけれども、当時最先端の技術を詰め込んだ、本当に革新的なものでした。初めて買ったパソコンがこのウィンドウズ95だったという方も多いんではないかと思います。
そんなウィンドウズ95が発売される10年も前に、既に日本ではもっと画期的なOSの開発に成功していたんです。それがトロンなんです。このトロン、東京大学の坂村健教授という日本のコンピューター科学者の手によって考案されたものなんですけれども、抜群の安定性を誇っていて、扱いやすく、特筆すべきは無償で公開されているという点が何よりも革命的でした。今ではネットの無償公開などは当たり前になってきておりますけれども、当時その先進性はアメリカの研究者たちを驚嘆させて、坂村教授の思想と技術に多くの賛同が集まりました。結果、140社以上の企業が集まったトロンプロジェクトというのが結成されることになったんですね。このトロンプロジェクトが結成されたのを皮切りに日本の大手メーカーは次々と試作機をつくり始めまして、1987年には当時の文部省が学校に配布する予定だった教育用パソコンにこのトロンの採用を決定するとまで決めたんです。まさに実用化まであと一歩というところまでこぎつけることができたわけです。
しかし、そんなやさき、1989年、順風満帆だったトロンの前にアメリカが立ちはだかるわけなんです。このトロンが世界を席巻すると見るやいなや、同じくOSを開発していた米国企業はこれに大打撃を受けるとして、アメリカは日本に圧力をかけてきました。御存じの方は多いと思いますが、スーパー301条というやつですね。当時、日本はバブルの真っただ中、対してアメリカは既に日本製の自動車、家電製品などで圧倒されておりまして、巨額の貿易赤字を抱えておりました。米国は日本との輸出入が特に不均衡とした項目についてのみ指定したと言っていましたけれども、まだOSなんて概念がない時代にもかかわらず、このトロンは規制対象とされてしまったわけです。
そして、このスーパー301条を振りかざして日本におどしをかけ、トロンプロジェクトから手を引くことをアメリカは迫ってきたんです。私、何でここでおどしと言ったかというと、この1カ月後にスーパー301条の項目からトロンを外しているんですね。その結果、次々と日本メーカーは撤退を表明、文部省も計画していた教育用パソコンへの採用というのを取り下げてしまいました。こうしてトロンの命運は尽きてしまったわけです。
圧力を受けたからといって大切な技術を放棄するというのは、日本の政府はそんなに弱腰なのかと思われるかもしれませんが、この当時は日米貿易摩擦の問題が大々的にマスコミで報じられていた時代です。記憶に残っている方も多いのではないかと思いますけれども、日本製の車やラジカセをアメリカの労働者がハンマーでたたき壊す映像なんていうのも連日象徴的映像として流されていました。アメリカは本気で怒っているんだよと。これに日本政府や輸出企業は震え上がってしまったというわけです。今の時代になって考えてみれば、制裁を盾にこういった輸出制限といった貿易のルール違反というのをアメリカがするはずがないのかもしれませんけれども、当然、時代もあったんでしょう。日本は勝手に恐れおののいて、みずからトロンを人質に差し出してしまったということになります。
結局、パソコンの心臓部であるOSというのはアメリカに握られてしまったわけなんですけれども、いまだに握られてしまって、ライセンスという形で日本のメーカーは弱みを握られているわけですから、現在も苦しみ続けているというわけです。
それもこれも、日本に国家戦略というのがなかったということが私は最大の原因だと思います。将来IT時代が来ると予想ができていれば、ソフトウエアが最重要だとわかるわけです。であるならば、本当は日本は全力でこのトロンを守るべきであったのではないかと思います。それができなかったということです。未来のビジョンをしっかり描いていなかったために、ハードをつくるすばらしい技術はあっても、日本はIT技術の覇権を握るチャンスを逃がしてしまったんです。
これ市長、どこか似ていませんか。北鎌倉の隧道だとか、旧図書館の問題、そしてごみ処理問題、何となく私、今の鎌倉の市政運営に似ているのではないかなと思うんですね。さまざま圧力があるかもしれません。そんな中で市長に1点お伺いしたいと思うんですけれども、松尾市長は鎌倉の首長として戦略やビジョンをどのように描いていたんでしょうか。市政運営の中で戦略という言葉が私、適当かどうかわかりませんけれども、あえてマスタープランという言葉ではなくて戦略と言わせていただきます。市長御自身が市政を運営していく上で柱としているものは何なのか、また、これまで市長が取り組んでこられた施策の達成状況への自己評価と、今後残り1年の任期の中でどのように市政運営に取り組んでいこうとしているのか、お聞かせいただけないでしょうか。
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○松尾崇 市長 私自身、就任して以来ずっと申し述べさせていただいているのは、「世界に誇れる持続可能なまち」というものを目指していくということで、2期目の政策集で掲げさせていただいたのは、「子育て・教育のまち」、それから「いつまでも住み続けたいまち」「市民みんなが誇りに思うまち」「オープンでコンパクトな市役所」ということを柱にして進めてきたところでございます。こうした中、2期目の具体的な政策としましては、由比ガ浜のこどもセンターの建設、中学校給食の導入、子育て・教育環境の整備という、そうした全般でございます。また、津波避難対策を初めとします防災・減災対策、鎌倉市歴史風致維持向上計画の策定等々取り組みを進めてきたというところでございます。
また、行政コストの圧縮という視点で言えば、公共施設再編計画や社会基盤施設マネジメント計画の策定、これを実現していくということが必須であると考えております。これらを実現をしていくということが、私にとってこの鎌倉市を発展させていくことであるという使命を持って進めているところでございます。
今、トロンのお話が引き合いに出されました。この来るべきIoT社会を築いていく中では、日本にとって大切にしなければいけない技術なのではないかと考えているところでございます。そういう意味において、今後新たな戦略を持ってトロンが復活をしていくのかどうかまでは私わかりませんけれども、私自身、今与えられた任期を、残り1年少しとなりましたけれども、全力で取り組んで実現していくことによって、少しでもこの鎌倉の町のために力を尽くせればと考えているところです。
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○3番(河村琢磨議員) わかりました。御自身でしっかりとそういう評価の部分を含めてやっていただきたいと私は思っています。
トロンを今引き合いに出して戦略的なものというのをお話ししました。市長もIoTを今出されましたけれども、新しいものも含めてしっかりと戦略を私は練っていくべきだと思います。そこをぜひお願いしたいと思います。
市長、最後にお伝えしたいんですけれども、私の好きな曲に、ザ・ブルーハーツというバンドの「青空」と書いて「あおいそら」という曲があるんですけれども、これはくしくもスーパー301条が発動された1989年にリリースされた曲なんですけれども、その曲の一節にこんな歌詞があるんですね。「こんなはずじゃなかっただろ、歴史が僕を問い詰める」という一節があるんです。
市長、政治というのは結果だと私は思うんですね。結果責任だと思います。当然、人間がやっていくことですから、間違いだったと思うような選択をしてしまうということはあるかもしれません。だからこそ、一番大切なのはしっかりとビジョンを描き、自分の信念に従ってぶれずに政治を行っていっていただくということだと思います。戦略なきビジョンは本当に絵に描いた餅にすぎないと思うんですね。何年か後に振り返ってみて、このトロンの運命と同じようにこんなはずじゃなかったとならないように、私は、執行側の長として松尾市長には未来に責任が持てる、本当に鎌倉の市政運営を最後までやり遂げていただきたいと思っております。
最後に、ブルーハーツのその「青空」にあるもう一つの歌詞、「隠しているその手を見せてみろよ」という一節、これを市長の残り任期への期待をかけて贈らせていただきまして、私の一般質問を終わりたいと思います。
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○議長(中澤克之議員) 次に、三宅真里議員の発言を許可いたします。
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○14番(三宅真里議員) 神奈川ネットワーク運動・鎌倉の三宅です。通告に従いまして一般質問を行います。
今回は「子ども・子育て支援について」ということで、これまでも申し上げてきたこと、それから常日ごろ考えていることを中心に伺ってまいりたいと思っております。そして、子供のことですから、教育部にもところどころで突然お伺いすることがあるかもしれませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、待機児童対策について伺います。
ことし4月1日時点で全国の待機児童は2万3,553人、隠れ待機児童といわれる子供は6万7,354人で、2年連続でふえ続けていると厚生労働省が発表いたしました。新たな子ども・子育て支援法に基づいて、2017年度、平成29年までに待機児童をゼロにする目標で施設整備が進み、受け入れ定数もふやしてまいりましたけれども、保育ニーズはどんどん高まっています。鎌倉市においても毎年定数をふやして努力をしていただいておりますけれども、待機児童は相変わらず50人前後で推移してきています。
さて、今年度、保育所の待機児童を初め、入所の状況についてまず伺いたいと思います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 平成28年4月1日入所における国定義の待機児童数、これは、今、御案内あったように44人でございます。平成27年4月1日時点の50人から6人減少している状況です。また、44人の待機児童を含めた、保育所に入所できなかった保留児童数、これは132人となっております。
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○14番(三宅真里議員) 保育所の入所を希望しても入れなかった子供たちは、鎌倉市では入所保留児とあらわしていますけれども、いわゆる隠れ待機児童と言われるお子さんだと思いますが、132人ということでした。その子供や親たちがその後どういうふうに過ごしているのかという状況を把握するために、私はこれまでも追跡調査をぜひ行ってくださいとお願いをしてまいりましたが、行ってもらっていると思っていますが、その調査内容と、そこからわかってきたこと、結果について教えてください。
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○進藤勝 こどもみらい部長 6月17日に、平成28年4月入所保留児童132人のうち、既に入所ができた人や育児休業を延長したことにより申し込みを取り下げた人などを除いた105人の世帯に状況調査を行いました。調査票では、現在の保育状況や保護者の就労状況などについて記載をお願いし、79人の方から回答を得たところでございます。
調査結果といたしましては、ほとんどの方が引き続き保育園への入園を希望しており、そのうち約半数の保護者が仕事をやめたり勤務時間を減らして保育を行っている状況が明らかになりました。
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○14番(三宅真里議員) 仕事をやめたという人がいるというのは、これは大変重く受けとめなければいけないと思います。「一億総活躍社会」だと政府も言っておりながら、でも実際は子供を保育園に入れることができずに仕事をやめてしまったと、そういう現実がこの後追い調査をしていただいて明らかになっているわけですよね。ほかにも私が伺ったところでは、勤務時間や勤務日数を減らしたとか、仕事をしながら子供を見ているとか、職場に連れていっているとか、そういったいろいろなケースがあったと伺っています。
さらに踏み込んで、この方たちの働き方、そしてフルタイムか、短時間就労であるとか、どういった形態の保育をお望みでいらっしゃるのかとか、そういったきめ細やかなニーズを把握しておく必要があると思っているんですけれども、それがまず一つの対策につながっていくのではないかと考えています。今の段階では大きな施設をすぐにつくれるというわけではありませんので、まずは一人一人に、待機していらっしゃる人の状況に合わせて、どういう対策ができるのかとか、そういうことを行っていただくのが、今年度設置された保育コンシェルジュの役割かと思っていますが、そのあたりのお考えについて伺います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 保育コンシェルジュの役割といたしましては、保育園や幼稚園などの基本情報の提供や利用相談、保育所に入所できなかった方への一時預かりや幼稚園の長時間預かりの情報提供等のアフターフォローを実施することを目的として設置しております。
追跡調査のアンケートにおいても、保育コンシェルジュの連絡先を記載し、入所保留者に対する相談の案内を行いましたが、今後も追跡調査の回答内容をもとに個別に保育コンシェルジュから連絡を行うことで、入所保留者へのアフターフォローを継続していく予定でございます。
また、保育所に入所した児童の保護者の相談については、まずは通っている施設が受けとめることとなりますが、施設に話しにくいような内容については、入所後のアフターフォローとして保育コンシェルジュが相談を行うこともしております。
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○14番(三宅真里議員) 今あるサービスの、認可外であるとか、それからファミリーサポートセンターといった、そういうサービスもあるなので、そのあたりも充実をさせていかなければいけません。いろいろな組み合わせで何とか仕事をやめなくても済むということもあり得るわけですから、きめ細かなサポートをぜひお願いをしたいと思います。保育コンシェルジュの方はいろいろな制度とか、地域の状況とか、そういうことを知っていただいている方なんだと思っていますので、そこは私も設置を求めてまいりましたので、期待をしているところです。
それから、今、部長がおっしゃってくださったように、保育園に入った後の、特にお母さんの悩み事であるとか、そういうことを受けとめる、そういう役割も担っていただけるということで、そこにも大きな期待を寄せています。お母さんたちは仕事をしていますから、保育園に行って送り迎えをするのみにとどまっていて、横のつながりがなかなか持てないと。だから、自分の悩みとか、同じように悩んでいるという状況がなかなかわからないので、どこかに相談したいんだけれども、園には相談しにくいというお声もいただきましたので、やはりここは保育コンシェルジュの方に期待をしていますので、お願いしたいと思います。
そして、一時保育のことですけれども、保育所に入所できずに、毎回利用料を支払って一時保育を利用してしのいでいるという人たちがいます。一時保育は緊急時やリフレッシュにも使うことができますが、その利用状況について伺います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 平成25年度の一時預かりの利用者延べ人数は5,675人でありましたが、平成26年度は5,717人、平成27年度は6,751人となっており、年々増加している状況でございます。一時預かり利用者のうち、就労を理由としている方は、平成27年度で約67%に上っている状況でございます。
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○14番(三宅真里議員) 一時保育が伸びているというのは、新しくできた施設にも一時保育を設置していただいているということもあると思うんですけれども、希望もあると思うんですね。
就労には67%ということで、あとは緊急時とかリフレッシュとか、いろいろなことに利用していただけるんだと思うんですが、就労のために利用されている場合、公立保育園の一時保育の利用は1時間400円ですけれども、民間は料金設定がまちまちで、いろいろ調べましたけれども、大体平均で1時間600円としても、食事代300円が加算されて、計算すると、1日7時間預けるとして週3日、そうすると月大体5万4,000円ぐらいで、週5日だとすると9万円にもなるんですね。それは認可保育園に入れた子と比べると大変大きな負担になります。しかも土曜日に預かってくれるというところは限られて、時間も普通保育よりも短くて、延長も多くの保育園はやっていません。
それで、帰りが遅くなる場合は新たにファミリーサポートセンターとか認可外のところにお願いをすることもありますが、まずおばあちゃんたちに見てもらう、迎えに行ってもらうというのが大体多くの御家庭では行っておられるようです。おばあちゃんたちは多分私と同じぐらいの、50代、60代ぐらいの方が多いんですけれども、仕事も切り上げて、ボランティアも切り上げて、それで急いで迎えに行くとか、そういう実態なんですね。
介護保険で総合事業が始まって、地域のボランティアと言っていますけれども、地域のまさしくボランティアをしている、ちょうど50代、60代の方たちは、自分の親の介護もあるけれども、子供たち、孫のお世話もあるとか、本当にダブルケアを行っている人たちが多いです。そうすると、全てのことがうまくいかなくて、悪循環が繰り返されてしまうので、介護ももちろん社会化を進めなければいけないんですが、保育ということについても十分な制度として整えていかなければいけないということなんだと思います。
認可保育園の保育料は所得に応じて設定をされていますが、一時保育は一律の料金設定、それぞれの園で料金設定になっています。保育所を希望しても入れずに待機になった上に、近くの保育園には一時保育がなくて、遠くまで連れていくことになって、経費負担も大きいのでは、全く理不尽な状況になります。公立園と民間園との料金設定に差が生じていることを含め、保護者の負担軽減策が必要だと考えますが、御見解を伺います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 現在、一時預かり利用をしている方への負担軽減策といたしましては、生活保護世帯を対象とした減免制度はありますが、保育所への入所が必要な方が保育所に入所できることが根本的な解決策であると考えております。認可保育所へ入所している場合と、待機となり一時預かりを利用する場合の費用負担の格差を是正するためにも、新園の設置や既存園の定員拡充などにより保育が必要とされる全ての児童が認可保育所へ入所できることができるよう、引き続き待機児童対策に取り組んでいきたいと考えております。
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○14番(三宅真里議員) 2017年には待機児をゼロにするということになっておりますので、そこは計画どおり進んでいけるんでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 現在さまざまな待機児童対策に取り組んでおりますが、現在、施設整備も、明照フラワーガーデンができたり、岡本保育園を建てかえしたり、今年度は聖アンナの園の建てかえにより定員が拡充したところですが、2017年で待機児童がゼロになるというところまでには残念ながら至っていない状況でございます。
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○14番(三宅真里議員) そうしますと、こうやって一時保育に預けてしのいでいるという状況は相変わらず続いて、まだそこに預けられればいいんですけれども、さっき追跡調査の結果では、仕事をやめたとか、いろいろなケースがありました。せめて一時保育に預けて、そこの方々の何とか負担を和らげるということを考えていかなければいけないと思うんです。
待機児が解消されてしまえばそれで全てのことは解決するんですけれども、どうも今お聞きすると、そういう状態ではないということですので、これは、たまたま保育園に入れなかった、それでも何とか頑張って仕事をしなきゃいけない、一時保育に預ける、でも預ければ預けるほどお金がかかるというような状況は避けなければいけないと思うんです。
仕事をやめてしまえばいいのかということでは決してありませんので、そして、一時保育もそうですけれども、ファミリーサポートセンターとか、それから認可外のところにお願いをしているというケースもありますので、そういう方々への支援策、こういったこともあわせて考えていかなければ、本当に不公平感が大きくなってしまいますので、もう一回お考えをお聞かせいただいてよろしいでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 認可保育園がなかなか整備が行き届いてないところもございますので、小規模保育施設ですとか、認可外保育施設の支援をすることによって、それまでの待機の方に対する対応策についていろいろ検討していきたいと考えております。
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○14番(三宅真里議員) 実態調査を行っていただいておりますので、コンシェルジュの方にも御協力をいただいて、どういう実態なのか、毎月どれぐらいのお金を使わなければならなくなっているのかとか、そういうこともあわせてきちんとデータをそろえて調査をした上で、それで支援策を検討していただきたいと思います。
待機児童が解消されれば、本当にこういった問題は全てクリアするわけですけれども、なかなかそういうぐあいにはいっていません。こういった現状を踏まえて、今、予定をしている施設整備の計画について伺いたいと思います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 現在、(仮称)由比ガ浜こどもセンターにつきましては、埋蔵文化財の現場調査が8月10日に終了いたしました。建設工事に現在着手しているところでございます。今後、平成29年8月下旬の工事完了、11月ごろの施設オープンを予定しております。
また、旧横浜地方法務局鎌倉出張所跡地の活用については、横浜地方法務局及び横浜財務事務所と活用に係る手続の確認を行いながら準備を進めているところでございます。
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○14番(三宅真里議員) (仮称)由比ガ浜こどもセンターについては、材木座と稲瀬川との統合園になるということで、受け入れ定数は余り変わらないと聞いているんですけれども、待機が多い年齢を考えて、受け入れ定員の年齢構成、そこは変えていくことができるんでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 由比ガ浜こどもセンターの保育園の定員につきましては、材木座保育園と稲瀬川保育園のそれぞれの定員90人を合計した180人と、一時預かりの10人を予定しております。定員構成といたしましては、ゼロ歳児17人、1歳児25人、2歳児30人、3歳児35人、4歳児36人、5歳児37人とし、待機児童の多いゼロ歳児から2歳児の定員を増加し、待機児童解消に努めるものでございます。
なお、4歳、5歳児につきましては、現行定員より減となりますが、定員を超えた弾力的な受け入れにより、移転時においては両園の全園児の受け入れは行うことができる体制となっております。
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○14番(三宅真里議員) 鎌倉地域は特に待機児童が多くて、低年齢のお子さんの受け入れを少し幅を持たせるということをお願いをしていきたいと思います。
法務局跡地については、手続を急いでおられるというようなことだと思いますので、そこは早急に進めていただければと思っています。
それから、岡本二丁目の用地につきまして、そこはせんだって総務常任委員会でも報告があったように聞いているんですけれども、今は何もお答えの中には入っておりませんでしたけれども、そちらの状況はどうなっていますか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 岡本二丁目用地の活用につきましては、平成27年3月に策定いたしました岡本二丁目用地活用基本計画で導入する具体的な機能等の基本的な方向性を定めているところであり、認可保育所等の機能を導入する計画となっております。当該地については、崖面に恒久的な安全対策を施す必要など技術的な検証を深める必要があったため、基本設計、実施設計に先立ちまして検証を行ったところ、概算事業費及び建設工事等について当初の予定を大幅に上回る結果となっております。
また、施設設置等の敷地設定等の検証においても近隣土地所有者との間で疑義があることが判明するなど、事業推進に当たっては多くの課題が判明しているところでございます。このため、課題解決のめどが立った時点で、導入施設の再構築も含めた検討を行っていきたいと考えております。
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○14番(三宅真里議員) 経費の増加とか隣地との境界の確定ということを総務常任委員会でもあったんだと思いますけれども、予定どおりにはなかなか進まないということだと思いますが、この後教育こどもみらい常任委員会でも詳しい報告があると承っておりますので、余り詳しいことは聞きませんけれども、現行の計画である鎌倉市の子ども・子育てきらきらプラン、こちらとの関係もありますので、そちらを少しだけ伺っていきたいと思います。
きらきらプランは2015年から2019年、平成31年度までの5カ年を計画の年度としていると思います。このきらきらプランに基づいて保育施設の整備計画も立てていると思いますが、岡本二丁目の施設は2019年度までに完成する、着工のめどは立っているのでしょうか。全くわからないんですか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 きらきらプランの中では、岡本用地が活用できるように見込んではいたところでございますが、現在のところ先ほど説明したような課題の解決のめどはまだ立っていない状況でございますので、なかなかこの5カ年の間に着工できるというところは、まだ今のところ断言できないところでございます。
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○14番(三宅真里議員) そうしますと、きらきらプランは2019年にはもうこれで5カ年たってしまうんですけれども、そのきらきらプランがもう終わって次の計画に入っていくのですが、今の計画がもう終わるけれども、でも整備計画だけは残していくということになっていくのですか。整備の整合性はどのようにとっていかれるんでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 きらきらプランの中でも、保育のニーズ量、それと、その整備方針につきましては随時見直しができるということになっております。現在、既に当初予定していたニーズ量よりもふえてございますので、その整備計画についても改めて見直していきたいと考えております。
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○14番(三宅真里議員) 保育ニーズがふえているから、それで岡本二丁目の施設整備計画はそれに沿って見直していくということなのですか。そのニーズがふえているかどうかというのは、5年たったときにそのニーズというのはどれだけになっているのかわからないわけじゃないですか。もう既に子供の数は頭打ちで、減っていくという予測を立てていらっしゃいましたでしょう。そういう段階で、まだ着工のめども立っていない施設の整備計画をそのまま残して、ニーズは今は少しふえているかもしれないですけれども、どんどん減っていくという想定はしているわけですよね。そうすると、本当にここに保育の関係の施設をつくっていいのかどうか。つくったときに、そんなにニーズがなかった、そうしたらほかの近くの園とも競合しますし、そういうこと全体の保育計画というのをもうちょっと考えていかなければいけないんだと思うので、どうなんですかと思ったんです。それで、鎌倉地域の待機が多いのは、法務局の跡地もまた新たに整備をされていくわけですよね。
それで、きちんとしたニーズを把握するというのは、毎年毎年のさっきの追跡調査というのも生かしていただかなければいけませんけれども、そのときにならないとわからないとか、そういうことでは計画にはならないわけですよね。
ですから、見通しが立たない、めどが立たないというものを施設整備計画をそのまま残しておくということについては、疑問があるわけなんです。なかなか見通しを立てろというのは難しいことかもしれませんけれど。
ここの施設は複合施設になっていますから、こどもみらい部の関係だけではありませんでしたよね。この施設の整備についての責任というのはどこが持っていかれるのか。教育部なのか、市民活動部も、NPOの関係とかが入るとか、いろいろ計画がありましたが、どうなっていくんでしょうか。ここの岡本二丁目用地の施設の責任者というのは公共施設の再編ですか。どこが今後この計画を扱っていくということになりますか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 現在、こどもみらい部で施設整備の基本計画を作成に向けて努めているところでございまして、導入機能が、子ども・子育て支援機能ですとか、市民活動支援機能、交流機能、この三つの機能を導入するということで今、計画づくりをしているところでございますので、現時点ではこどもみらい部が中心となって進めていくということで考えております。
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○14番(三宅真里議員) 子供の施設が中心になっていますけれども、でも全部そうではありませんし、それでニーズの把握ということもあわせて、こどもみらい部にとって本当に必要な施設であるのかどうかという、それを総合的に判断していかなければなりませんから、こどもみらい部だけの問題では全然ないわけですよね。こどもみらい部が、いやもううちはニーズがないから要らないとなってもいいわけなのですか。
そこの責任はどこが持たれるのか、どういうふうに取り扱っていかれるのかと思って聞いたんです。こどもみらい部はもう必要ないとなったらもう要らないということなんですよね。どなたに聞けばいいですか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 まず、先ほどお話ししたように、現在、概算事業費、建設工事、この辺で当初見込んでいたときと大分変わってきているということもございますので、それと、敷地設定の検証についても少し疑義があるということで、工事の着工のめどは今の段階ではまだついてないという状況でございます。この辺をしっかりと捉まえて、こどもみらい部だけで現時点で進めるべきなのか、それとも、この辺の工期も含めて工事の着工時点をしっかり捉まえて、必要な導入機能の見直しも必要な場合については全庁的な対応も含めて改めて見直す必要が出てくるかなと考えております。
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○14番(三宅真里議員) 施設整備計画を初めとして報告を教育こどもみらい常任委員会でしていただくということですので、その計画の扱い、そういうことについては質疑などを注視させていただきたいと思います。
それからまた、岩瀬一丁目の資生堂跡地に建設予定である共同住宅ですよね。400戸7階建てという大型の集合住宅が予定されていると伺いました。一番最初の上畠議員の質問のときにも、高齢者の施設も隣に建てられる予定と伺っておりまして、そうすると、さっきから言われている待機者、介護のほうの、特養の待機者も計画ではマイナス90ということでしたけれども、ここにうまく特養に来ていただくことができれば、それも解消できるのかなと思いながら私は聞いておりました。
そちらの質問はいたしませんが、子供のことなんですね。こういった大規模な開発というか、マンションが建ったり住宅が建ったりというときには、保育の施設、保育所とか学童の整備をお願いしていくという方針を持っておられるのでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 平成27年3月に策定いたしました子ども・子育てきらきらプラン、これにおきましては、平成31年度までの保育の量の見込みと、量の見込みに対する確保方策を計画しておりますが、大規模マンション等の建設など社会状況の変化により急激なニーズ量の増加は計画の中では見込んでいないということになっております。
大規模マンション等の計画に対しましては、戸数の規模や建設地域の待機児童の状況等を踏まえまして、事業者に建物内への保育施設の設置を求めるなど、保育事業への対策を図るよう、まちづくりの部局と連携して取り組んでいるところでございます。
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○14番(三宅真里議員) 民間園となるのか、どういう形になるのかわかりませんけれども、用地も建物もそれぞれ努力をしてつくって、整備をしていただくということになるのだと思いますが、市が保育園に貸している不動産があると思いますが、それは現在無償になっています。事業者の負担見直しについて伺っておきたいと思います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 これまで民間保育園の施設整備に当たりましては、市の土地等の無償貸与を行うことで運営法人の経営安定化を図り、事業の実施を促進させてきた経過がございます。しかしながら、市の財政状況、受益者負担の考え方から、今後新たに貸し付けを行う案件では、有償貸し付けを基本として考えております。
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○14番(三宅真里議員) 今後のことだけではなくて、これまで無償で貸してきた物件についても、長年にわたって全く無償での貸与というのは、市の財政からも、それから先ほども申し上げましたが、事業者間の公平性からも見直すべきではないかと、これは以前から問題提起をさせていただいているところです。有償化により得たものを子供に関する別の事業に充てるという考え方をぜひ持っていただきたいと思います。
さらに加えて言わせていただくと、市民は利益を出さないボランティアのために公共施設を使うときも利用料金を支払っています。市民ばかりに負担がふえるのはいかがなものかと思っていますし、そういう声も当然上がります。入ってきたお金を市民に還元する目的とか流れを明らかに示すということで、ぜひ御理解をしていただく努力をしていただければと思いますので、ここは再度お願いをしておきたいと思います。
次に、障害児支援ということで伺っていきます。
平成24年4月の障害者自立支援法、児童福祉法の一部改正により、原則として全ての障害福祉サービス等を利用する障害児、障害者についてサービス等利用計画を作成することになりました。その翌年の12月の定例会で質問したときには、対象1,000人中まだ80人ぐらいの計画しか策定できていないということだったんですけれども、特に子供の支援計画をつくる事業所は少なくて、行政としても御苦労があったと思います。子供の現在の計画の導入状況について伺います。
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○内海正彦 健康福祉部長 現在、市内の指定障害児相談支援事業所は11カ所ございます。うち6事業所で障害児支援利用計画の作成実績がございます。平成28年6月30日時点で障害児発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援を利用している児童数は245名で、導入率は100%となっております。計画作成した245名のうち、発達支援室が152名、その他の事業所が91名、セルフプランの作成者が2名となっており、発達支援室は全体の62%を作成している状況でございます。
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○14番(三宅真里議員) 100%ということで、随分努力をしていただいております。発達支援室が計画の6割を作成しているということですが、これは、相談事業者は6カ所で少ないということなんでしょうか。どういうふうに分析をなさっているのか、伺います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 発達支援室では、就学前から小学校低学年の子供を中心として障害児支援利用計画を作成しております。子供の発達に課題がある場合、発達支援室における相談を経由して児童発達支援や放課後等デイサービスなどを利用することが多いため、継続して発達支援室で計画作成を希望する保護者が多いという状況でございます。年齢が小さい時期は保護者の不安も大きいため、子供の状況や相談の経緯を把握している発達支援室で作成することが、保護者が安心して相談でき、円滑に手続を進めることが可能となっているというような状況になっております。
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○14番(三宅真里議員) ほかの自治体の状況を伺ったところでは、簡単な聞き取りとか調査で利用計画をつくっていたりとか、家族によるセルフプラン、これが多いようだとも伺っております。子供が小さい場合は、親は子供を育てるのに精いっぱいで、どんなサービスが受けられるのかとか、そういったことが余り把握をできないというような状況があると伺っています。それで、かといって、自分でプランをつくるということになると、物すごく時間がかかって大変なんだと当事者のお母さんから伺いました。
鎌倉市は御家族によるセルフプランの導入、先ほど2名とおっしゃったんですけれども、これが少なくて、専門的に計画を作成しているというケースが多いと思ったんですけれども、これはどこに要因がございますでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 障害児支援利用計画につきましては、指定障害児相談支援事業所が作成することとなりますが、本人が御希望する場合には、サービスを利用する障害者や御家族、支援者が作成するセルフプランが認められているということでございます。
指定障害児相談支援事業所が作成する場合には、本人の抱える課題解決やサービスの適切な利用に向けて、相談支援専門員による専門的な知見に基づいて作成されるため、よりきめ細やかな支援が可能となります。また、計画作成後につきましても、一定期間ごとにモニタリングを行い、サービスの利用状況の確認と計画の見直しが行われますが、セルフプランの場合、モニタリングは行われません。このような利点があるため、市ではサービスの申請者に対しましてはできるだけ指定障害児相談支援事業所での作成を御案内しているところでございます。
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○14番(三宅真里議員) 御自分でつくられる場合はモニタリングもないということで、それで、さっきも申し上げましたけれども、自分の御家庭でつくるというときには大変御苦労があるというので、鎌倉市の場合は発達支援室があって、それで生まれたときからずっと一貫して子供を見ているということで、それで支援計画の率が発達支援室が高いのかなと思いました。
ほかの事業所は、子供の計画をつくるのというのは親でもすごく時間がかかるんですよね。それで、事業者の方に計画をつくっていただくというときもやはり同じで、小学校から中学校に移ったときは、通学の仕方であるとか、細かなサービスの内容とか、そういうのが大きく変わったりするので、そのたびにとても時間をかけて1人ずつに合わせてヒアリングをして、それで計画をつくるんだということで、恐らく事業者の方も余りメリットがないといいますか、大変子供の計画をつくるのはそういった事情もあって進まないのかなというのもあります。なので、発達支援室がそこのところを牽引してきているというのも、これは大きな事実というのがあると思うんですね。
発達支援室の仕事というのは、親にとっても小さいときからずっと見てもらっているという安心感のもとに計画づくりもお願いするということになっているわけですから、そういうことをきちんと受けとめて、より一層頑張っていただきたいとエールを送っておきたいと思います。頑張ってください。
安心という面では、放課後等デイサービスの事業所が増加して、従事する人の資格が必要がないということもあって、全国的にその質が問題とされています。鎌倉市にも次々ふえて、今何カ所になっているのでしょうか。大分ふえたと思いますけれども。書類が整っていれば県が指定を出すことになっておりますけれども、市としては安心を得るためにどのような対策をとっていらっしゃるのか、伺います。
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○内海正彦 健康福祉部長 市内の放課後等デイサービスの事業所の状況でございますが、今、議員がおっしゃられたとおり、平成25年当時は3事業所でございました。それが平成26年度に9事業所に増加し、現在では10事業所となっております。この事業所につきましては、国が定めた放課後等デイサービスガイドラインに沿って運営が図られているところでございます。
市では放課後等デイサービスや児童発達支援などを提供する事業者と児童通所事業所連絡会を立ち上げました。この連絡会の中で事業者間の情報共有や連携、支援のあり方の検討などを行っております。今後も研修の実施予定などもあることから、質の向上が図られると考えております。
また、鎌倉市障害者支援協議会において、障害児サービスの利用の仕方や子育て支援について協議を行う場が必要とされていることから、専門部会としてこども支援部会を平成28年度から立ち上げており、この中でさらに質の向上を図っていきたいと考えております。
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○14番(三宅真里議員) 連絡会を設置したり、市としてもさまざま努力をしていただいていると思います。そこで情報共有とか支援のあり方を共有していただいているのは大変評価ができますけれども、現場でいろいろな事例に直面をすることがあるわけですから、研修は現場でもぜひ行っていただきたいと思います。事業者に積極的に働きかけていただくことはできるのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 今申し上げましたとおり、児童通所事業所連絡会というのがございますので、この中で研修につきましても積極的に働きかけを行っていきたいと考えております。
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○14番(三宅真里議員) それで、現場に戻って、さらにブラッシュアップをすると、それぞれがレベルアップをするということをお願いしていきたいと思います。
さて、障害児支援の最後に、通学支援について伺います。障害者の移動については移動支援サービスがございますが、これは余暇活動、外出をするときの支援とされて、基本的には通学には使えません。家族が学校の送迎をしている現状です。ひとり親家庭であれば家計を支えるために働かなければなりません。また、親が病気のときには子供は学校に行きたくても行かせることができません。子供の学習する権利を奪うことになりかねず、これは問題だと考えます。
移動支援サービスを通学に利用できる制度に見直すことについて、お考えを伺います。
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○内海正彦 健康福祉部長 移動支援サービスにつきましては、基本的な考え方や支給決定に関する事項、費用負担などにつきましては鎌倉市移動支援サービスに関するガイドラインに沿って運用をしているところでございます。移動支援サービスは介護者がいない場合の社会上必要不可欠な外出及び余暇活動などの社会参加を目的とした外出を対象としているところでございます。個別に御相談をいただきまして移動支援の必要性が特に認められた場合を除き、原則通学の支援は対象としていないのが現状でございます。
通学の支援に対する御要望は多くいただいておるため、課題であると認識しております。移動支援の提供方法の課題につきましては、今後、鎌倉市障害者支援協議会の地域生活支援部会などにおいて検討していく予定でございます。
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○14番(三宅真里議員) 教育部長にもお尋ねいたします。教育の観点から、障害児の通学支援ということについて、これはどういうふうにお考えでしょうか。子供の学ぶ権利といいますか、そういうのにもかかわってきますので、お考えを伺っておきたいと思います。
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○佐藤尚之 教育部長 学校においては、特別支援級、あるいは通級指導級ということで特別な支援の必要なお子さんたちがございます。教育委員会といたしましても、受け皿としては全校にこういった環境を整えていこうと考えてございますが、やはり子供が学校に来るまでの支援、これが、今るる御紹介があった移動支援ということが一つの福祉サービスの一環だとは理解してございます。私も、健康福祉部長もこどもみらい部長も経験いたしましたので、全体の今の制度のあり方の中で非常に課題があるということは十分認識をしてございます。
ただ、私たちが受け入れ側という感じで申しますと、やはりこういったサービスの拡大が学校の教育現場においても有益になっていくということは当然あろうかと思います。そういった中で、私たちも今、健康福祉部が一生懸命考えていただくような場面において、こういうニーズがあります、こういうことがあったらいいねということは伝えていきたいと思います。
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○14番(三宅真里議員) ニーズの把握ということなんだと思うんですね。今、教育部長がお答えになられたことを聞きますと。きちんとしたニーズ調査をぜひしていただいて、多分こういう御希望はすごくあると思うんです。検討の俎上に上がっているということでしたので、前向きな検討をぜひしていただいて、子供たちはどの子も学ぶ権利があるわけですから、そこは公平感が損なわれないようにお願いをしていきたいと思います。
次に、アレルギー対策について伺います。
保育所や幼稚園でもアレルギーの子供がふえていると伺っておりますが、保育所ではアレルギーについてどのように対応しているのか、伺います。
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○進藤勝 こどもみらい部長 保育所への入所申し込みの際に、食物を初めとしたアレルギーの有無や必要な対応等について児童調査票等の提出を求めております。公立保育園では医師の診断書や保護者からの聞き取りなどによりアレルギーの内容を確認しており、食物アレルギーの場合は栄養士が個別に作成した献立に基づき給食を提供しております。
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○14番(三宅真里議員) 食物アレルギーについては、離乳食を始めるに当たっても、これは場合によっては親よりも子供のことの把握を保育園がしていただいているということもあると思います。御家庭との連携で、子供のアレルギーがあるかどうかという気づきも含めて、給食について具体的にはどういった配慮をしていただいているのかということを教えてください。
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○進藤勝 こどもみらい部長 給食では、具体的な対応の内容でございますが、朝礼でまず調理員と保育士が当日の対応内容を確認いたします。それで、配膳に当たっては、調理室では個別のトレーに氏名、アレルギー源の除去内容を明記するとともに、保育室内では誤提供を避けるため、トレーの氏名、除去内容を改めて確認しております。また、乳児クラスでは、他の園児の食べこぼし等を口に運ぶ可能性があるため、アレルギー児の着席位置や介助する職員の位置についても配慮し、事故防止の徹底に配慮しているところでございます。
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○14番(三宅真里議員) 民間園もあわせて情報を共有しながら、どの子も食べることが楽しいと思える給食の提供をお願いします。
さて、学校ではいかがでしょうか。アレルギーのある子供に対する対応を伺います。
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○佐藤尚之 教育部長 学校におきます食物アレルギーを有する児童の確認につきましては、鎌倉市立小学校給食における食物アレルギー対応マニュアルに基づきまして、保護者から提出されました給食での食物アレルギー対応申請書、そして医師の診断に基づく学校生活管理指導表、そして給食での食物アレルギー対応希望表において行ってございます。また、保護者の皆さんとの面談等を通じまして、校長、教頭、養護教諭、栄養士、学級担任、そして給食担当教諭等で構成される食物アレルギー対応委員会におきまして、対象児童の対応内容を決定し、情報を共有しているところでございます。
実際の給食の提供に際しましては、調理時に原因食品を除去する除去食での対応を基本としてございます。しかしながら、調理過程で除去できない食品もあるとき等は、家庭からのお弁当の持参をお願いする場合もございます。また、誤って食べてしまうことを未然に防ぐために、除去食は別の色のお盆で配膳をしてございます。学級担任は当該児童の除去食が正しく提供されたか、また除去食を間違いなく食したか、食後に症状が出ていないかなどの確認をしてございます。
なお、事故防止のために、除去対応していない給食のおかわりはしないこととしてございます。
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○14番(三宅真里議員) 細かく配慮していただいていると思いますが、今は除去食でアレルギー源になっているものは取り除くと。それにかわった食材、代替食についてのお考えを伺います。
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○佐藤尚之 教育部長 まず、この食物アレルギー対応で最優先されることは児童の安全性の確保だと認識してございます。日本学校保健会によります学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインにおきましては、代替食の対応の場合は、食材が絶対に混入しないように調理室を区画すること、調理機器や器具を別に用意すること、対象人数に応じた調理員を確保する等が求められてございます。
現在の小学校の調理室の施設設備及び調理員の配置状況を鑑みますと、食物アレルギーを持つ全ての児童に代替食を提供するのは難しく、除去食での対応を行っていることでございます。
なお、代替食ではございませんが、例えばエビアレルギーについて、標準献立の例えばエビピラフを、当該児童が所属する学校におきましてはチキンライスにかえる対応をするなど、献立自体を工夫することでできる限り全員が同じものを喫食できるような対応に努めているところでございます。
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○14番(三宅真里議員) 各学校に1人栄養士の配置をお願いしておりまして、それで栄養士がそれぞれ工夫をしていただいているんだと今伺いました。それは大変感謝をいたします。
さらに、例えばはんぺんに卵の白身が入っているものはちくわにかえるとか、牛乳がだめだったら豆乳だねとか、そういうことを親も大変苦労していますので、一つずつ、全部かえるということはなかなか難しいと思うんです。なので、まず一つずつ解決できる方向で御努力をお願いしていきたいと思います。
これも子供は同じように食べられるのが一番よろしいので、そういう工夫を、栄養士1人いてくださるので、そこでさらに見識を広げて、いろいろなところからの情報収集をしてもらうようお願いいたします。
中学校給食については、安全性の追求はもとより、食材についてのまず十分な情報提供をお願いしたいと思います。
食品添加物を初めとして現代社会は化学物質があふれています。シックスクール対策についての取り組みを伺います。
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○佐藤尚之 教育部長 学校などに使用されます建材や換気設備等につきましては、建築基準法により厳しい基準が設けられているところでございます。また、校舎等の建設に当たっては、揮発性有機化合物の測定を行い、厚生労働省が定める指針以下であることを確認した上で供用を開始しているところでございます。その後は、文部科学省の学校環境衛生基準に従いまして、教室内のホルムアルデヒド、トルエンなど揮発性有機化合物6項目の空気中の調査や保健室の布団のダニアレルゲン検査などを実施し、健康被害の未然防止に努めているところでございます。
また、学校で使用いたします教材や備品等の購入に当たりましても、アレルギーに配慮したものを選択しているところでございます。
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○14番(三宅真里議員) 神奈川ネットとしては以前から化学物質について気をつけてくださいとお願いをしてまいりました。ワックスについても環境にも体にもいいものということで、それは受けとめていただいていると思っています。
特に新しい学校のことが気になるんです。古いところは、壁紙の接着剤にしても、部長がおっしゃったホルムアルデヒドなんかは揮発して外に出ていっていますが、新しい学校というのは壁紙とかカーペット、建材、机や椅子などからいろいろな化学物質が出てくると考えられます。今言ったような、主に接着剤に使われているようなホルムアルデヒドを中心とした環境ホルモンといわれる化学物質が気になります。
加えて、洗濯をした衣類から出る洗剤や柔軟仕上剤、それから、今の子は体育の後にしゅっとこうやったりするとも聞いているんですけれども、そういった消臭剤ですよね、教室の中はさまざまな化学物質であふれて、充満しているということが予測できます。
それで、エアコンの設置が進めば、教室は閉め切った状態になって、揮発した化学物質の密度が高くなるということが懸念されます。特にさっき言ったように新しい学校ではそうだと思います。頻度を上げて調査をしていただくということについてはどのようにお考えでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 国等からさまざまな通達等が出てございます。一例を申しますと、平成24年1月に文科省から学校における化学物質による健康被害に関する参考資料として、健康的な学習環境の維持管理をするためにと、こういったガイドライン、指針が出てございます。こういったことを逐一チェックするとともに、できるだけ今るる御指摘のあった化学物質の検査を丁寧に実施していきたいと考えてございます。
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○14番(三宅真里議員) 空調管理が整えば整うほど教室は密閉状態になって、それで新鮮な空気に入れかえるなどの配慮は必要だと思います。また、教職員のトイレに芳香剤とか消臭剤が置いてありましたが、取り除いてください。私は結構敏感で、そばまで行くとにおうと思います。あれに反応するお子さんもありますので、気をつけていただければと思います。
さまざまな化学物質に反応いたしますので、できるだけ体の中に食品添加物を初めとした化学物質をためないということが必要で、子供たちの今の健康、それから将来にわたっての健康を守るために、教職員の皆さんには化学物質の体への影響について知っていただきたいと思います。そのための研修についてはどのようにお考えか、伺います。
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○佐藤尚之 教育部長 本市の食物アレルギー対応マニュアルにおきましては、教職員研修を年間計画に位置づけてございます。各小学校におきましては年1回以上の研修を実施しているところでございます。このほか、教育委員会教育センターが危機管理対応能力育成研修会におきましてアナフィラキシーなどの対応をテーマとした研修を開催しているほか、エピペンの使用研修も行う神奈川県主催の食物アレルギー緊急時対応研修会などの参加を行っているところでございます。
アレルギーへの適切な対応につきましては、子供たち一人一人が安心して安全で学校生活を送ることができるように、職員全体が理解を深めることが極めて重要であることから、今後も研修の充実に努めてまいります。
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○14番(三宅真里議員) いざというときに対応ができないといけませんから、だからそういう研修をしていただいているということだと思いました。過敏症を発症した子の実録の映画もあります。そして、その映画を撮った監督やカメラマンのお話を聞くこともできます。ぜひ積極的な取り組み、広い視野を持って行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、最後の項目に入ります。貧困の連鎖を断ち切るための対策です。
就学援助費の受給家庭が小・中学生合わせて1,800人を超えているという中、中学校給食の導入は大変よかったと思っています。ランチボックス形式のお弁当で1カ月前に申し込みをして、支払いについては前払いを検討していると伺っております。
しかし、前払いが困難な御家庭もあるのではないでしょうか。就学援助を受けている家庭などは、一旦御家庭から支払ってもらうのではなくて、市が後で業者に支払うなどのシステムに変更することはできないのか、伺います。
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○佐藤尚之 教育部長 今、御紹介がございました中学校における給食費の支払い方法につきましては、前払い方式、いわゆるチャージ制でございますけれども、これを予定してございます。その理由といたしましては、委託民間事業者が事前に給食食材を購入するための資金であることや、給食費の負担に対して公平性を担保することが理由となってございます。
平成28年5月末現在、本市におきましては中学生3,504名のうち545名、15.6%の家庭が就学援助の対象として認定してございまして、支援が必要である生徒が多くなっている現状を認識してございます。こうしたことから、中学校の給食費支払いに関する就学援助での支払い方法等につきましては、学校現場等と協議・連携をしながら、既に検討を始めているところでございまして、来秋の実施までの間にはこういった対応が実現できるように取り組んでまいります。
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○14番(三宅真里議員) まだシステムが完全に整っていないというので、それで今、問題提起をしなければと思って言わせていただきました。ぜひ検討をお願いしたいと思います。
小学校はまた別になっておりますか。小学校ももし同様であるということであれば、こちらも変更はできるのでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 中学校給食の新たな支払い方法と、現在行っている小学校の支払い方法は違いますので、また内容は吟味しながら、この中学校の前払い方式で導入することではない考え方のもとに、小学校の部分について対応が必要であれば、それについても同じく検討していきたいと思います。
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○14番(三宅真里議員) 恐らくどこの自治体もこういうことは考えていないと思います。多分鎌倉市が最初になるかもしれませんので、鎌倉市から広く発信をしていくということで、自信を持ってお進めいただきたいと思いますので、期待をしております。よろしくお願いいたします。
次に、生活困窮者自立支援法における任意事業である学習支援事業を10月から始めるということを前回6月の一般質問でも確認させていただきました。現在の進捗状況について伺います。
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○内海正彦 健康福祉部長 学習支援事業の現在の状況でございますが、公募型プロポーザル方式により一般社団法人インクルージョンネットかながわを選定し、10月1日から事業を開始する予定でございます。実施時間等につきましては、毎週火、木の午後4時半から午後7時半の週2回を予定しております。対象者につきましては、生活困窮世帯及び生活保護受給世帯の小学生から高校生、高等学校中退者、中学校卒業後の進路未定者のうち未成年者を対象といたします。実施方法につきましては、対象者の状況に応じた形式で行う学習支援のほか、保護者への学習の理解を促すための就学支援と子供の居場所づくりもあわせて実施する予定でございます。
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○14番(三宅真里議員) インクルージョンネットかながわは、これまでも学習支援とあわせて、WAM、独立行政法人福祉医療機構の基金で「Spaceぷらっと」という居場所事業を独自に実施し、その中で地域のボランティアの皆さんの協力を得て食事支援も行っています。学習支援については後で伺うとして、まず食について先に伺います。
全国的に子供食堂がふえて、朝日新聞の調査では5月末時点で319カ所と報道をされていました。今後さらにふえるということです。運営主体はさまざまで、厚木市のように行政主導で担い手を呼びかけているという自治体も今は出てきています。鎌倉市としては食の支援についてはどのようなお考えをお持ちでいらっしゃいますか。
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○内海正彦 健康福祉部長 子供の貧困対策の一つとして、食の支援も大変重要であると認識しているところでございます。今回10月から実施いたします学習支援事業では、基本的には子供1人当たりの支援時間が1回60分から90分程度と短いことから、今回本市で実施する学習支援事業の中には食の提供は含まれておりません。
しかしながら、今回の受託事業者が自主事業として既に食の支援を実施していますことから、居場所づくりの一環としての食の支援につきまして、本市が実施いたします学習支援事業に参加する子供の実態などを見ながら、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
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○14番(三宅真里議員) 経済支援が必要な物質的な貧困と、それからひとり親や、親が忙しくて孤食になっているという場合もあります。特に学校が長い休みになったときの支援はとても重要だと思います。対象を広く設定した取り組みが求められます。
NPOとか市民団体、地域のボランティアの方に担ってもらうというので私はいいと思っているのですが、そういうときにこそ市は公共施設の無償貸与とか、それから家賃補助などのサポートをお考えいただければと思うんですけれども、これから「インクルージョンネットかながわ」が独自事業で行う食事の支援という、提供、そこから様子を見るということでしたので、さらに踏み込んだ検討を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 今、議員おっしゃられるように、委託事業として実施するということも一つの方法ではございますけれども、市としてできる支援、今、御紹介いただきましたように、場所の提供ですとか、そういったことも含めた中で、広い範囲での支援ということで検討してまいりたいと思います。
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○14番(三宅真里議員) よろしくお願いいたします。
さて、学習支援事業を実施していく上で、子供の学習状況を初め生活実態をよく捉えているのが教育現場だと思います。学校や教育委員会との連携についてのお考えを確認しておきたいと思います。
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○内海正彦 健康福祉部長 生活困窮世帯の児童・生徒等を早期に発見し、支援に結びつけていくためには、学校や教育委員会との連携は大変重要であると考えております。既に本事業の内容につきましては校長会での説明を実施したところでございます。今後も受託事業者が学校へ行き、事業の周知をしながら、また本事業に参加している児童についての情報共有を図っていくなど、教育委員会との連携を図っていきたいと考えております。
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○14番(三宅真里議員) 代表質問や6月定例会でも、足立区のように、学校の協力を得て貧困状況にある子供や家庭の生活実態調査を行ってはどうか、と申し上げました。内閣府が調査に4分の3の予算をつけています。北海道から沖縄まで都道府県を含め実施する自治体がふえてきています。全ての子供たちが生まれ育った環境に左右されることなく健やかに育つ環境を整備するためには早急の調査が必要と判断した愛知県は、急遽調査の実施を決めました。県下では、川崎市が実施に向けて調査対象や調査項目について検討を進めており、パソコンやゲーム機の所有状況、外食の回数などの生活実態も調べる方針だそうです。
子供の貧困対策に連携して取り組む、子どもの未来を応援する首長連合、子どもの貧困対策連合という組織も発足して、全国の首長たちの問題意識も高まっています。子供を適切な支援につなぐためにも、まず子供の健康や生活実態を把握することは大切なことです。そのためには学校の協力は欠かせませんが、きちんと方針を持つのはやはり健康福祉部ではないかと考えます。健康福祉部のお考えを伺います。
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○内海正彦 健康福祉部長 今、議員御紹介いただいたように、足立区で実施しているアンケートのようなものにより子供の生活実態等を把握することにより、支援を必要としている児童・生徒を早期に発見し、学習支援事業を含めたさまざまな支援策へつなげることができるということで、大変重要であると考えてございます。
10月から学習支援事業を実施していく中で、参加してくる児童等のニーズの把握や抱えている課題等について、学校や教育委員会との連携を図りながら検証してまいりたいと考えております。
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○14番(三宅真里議員) 10月から始める学習支援に来る生徒、そこからのニーズ調査といっても、それは広く調査ができないわけですよね。そうではなくて、もう少し広く子供たちの本当の生活の実態というのは一体どうなんだろうか、健康を初め、そういうことの調査を進めてほしいと思っているんです。
これは貧困というだけにとどまらず、子供たちの健康とか、それから御家庭の生活実態という、踏み込んだ調査になりますが、それはどういった項目で調査をすればいいのかというのがなかなか捉えることができずに多くの自治体は足踏みをしているという状況だと伺っています。
それで、市役所の中だけでいろいろなことを考えていても、進まないと思います。こういうときこそ現場の人たち、今、地域では、鎌倉だけではなくていろいろなところで困難を抱えている子供たちや若者たちの支援をしている団体がたくさんあります。御紹介をしてもよろしいですけれども、そういうところに行って、どういう項目の調査をすれば実態がわかるのかということをぜひ調べてもらいたいと思います。そういう努力を積み重ねて、初めて子供たちの貧困対策というところにつながっていくと思います。よろしいでしょうか。来る人たちのことを待っているのでは進まない。外に出ていって、一歩出ていって、それで調査をしていくという姿勢が私はとても大事だと思っているんです。そこは申し上げておくだけにしておきます。
そして、学習支援や食事支援などの具体的な支援のためには学校との連携が重要です。これは先ほどもお答えいただいたとおりです。しかし、教育現場では先生方は忙し過ぎます。教科を教え、クラス担任もし、不登校の子のサポート、教科主任、学年主任、事務作業、保護者対応、研究授業や朝練、それから放課後の部活まで見ていては、1年365日ほとんど休む暇がありません。寝る時間を削って仕事をしているという、本当にそういう状況の先生もいます。頑張る人はね。
先生がいろいろ御自分で抱え込まずに、困難ケースに福祉の視点でサポートできる体制を整えるということが非常に重要だと考えます。家庭と学校、地域、公的な支援などをつないで、子供を取り巻く環境整備を行うのがスクールソーシャルワーカーです。現在、県から1人と市単で1人のスクールソーシャルワーカー、2人体制で頑張っていただいております。役割を十分発揮して、子供一人一人に寄り添ったパーソナルサポートができる体制をつくるために、スクールソーシャルワーカーをせめて中学校区に1人とふやすことについてのお考えを伺います。
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○佐藤尚之 教育部長 今、議員から御紹介がございましたとおり、本年、平成28年度より県費のスクールソーシャルワーカーが新たに配置されたところでございます。今後の状況の推移を見守りながら、このスクールソーシャルワーカーの有効な活用方法などを研究いたしまして、適切な対応に努めてまいります。
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○14番(三宅真里議員) 先生方だけでは解決できず、特に福祉的な分野については学校関係者じゃないところに相談したいというお声もあります。ですので、国でもスクールソーシャルワーカーをふやすという議論もされているとも伺っておりますので、そこは状況を見て、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。
余りいろいろなところが縦割り、縦割りでは、市民の多様な課題を解決することは難しいと思っています。学校にはスクールソーシャルワーカーを、地域には、今コミュニティーソーシャルワーカーといわれておりますけれども、そういう人を配置して、関係各所につなぐと、そして福祉支援を充実させていくということがとても重要なことです。
きょうは子ども・子育て支援について質問をさせていただきました。家庭環境や社会環境によって子供の育ちに格差が生じないように、社会全体で支えることが必要です。一人一人の子供の豊かな育ちを支え、子育てしながら多様な生き方、働き方が可能な社会を目指してまいりたいと思います。
では、これで終わります。
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○議長(中澤克之議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(14時58分 休憩)
(15時15分 再開)
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○議長(中澤克之議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、竹田ゆかり議員の発言を許可いたします。
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○2番(竹田ゆかり議員) それでは、通告に従いまして一般質問を始めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
一番初めに、インクルーシブ教育について伺います。
7月26日の未明に起きた障害者施設津久井やまゆり園での殺傷事件、既に同僚議員も取り上げていらっしゃいますので、なるべく重ならないような質問をしていきたいと思います。
この事件は本当に日本の犯罪史上類を見ない凄惨な事件と言えるものです。報道によると、抵抗することが難しい重度の障害者ばかり19人が殺害され、職員を含む27人が負傷しました。被害に遭われた方々の恐怖と苦痛はどれほどだっただろうかと思うと、悲しさと悔しさと怒りが込み上げてきます。心から御冥福をお祈りするとともに、一日も早い体と心の回復を願わずにはいられません。
県の発表によりますと、今回被害に遭われた方は県内さまざまな地域の方々でしたが、鎌倉市民の方は入所していらっしゃらなかったようです。しかし、それはたまたまのことであって、鎌倉市民にとって決して無縁な事件ではありません。以前入所していらした方がいらしたと聞いています。
現在、鎌倉市には障害者手帳をお持ちの方、これ質問としていましたけれども、先ほどの同僚議員への御答弁をいただいておりますので、質問は割愛させていただきます。7,062人と答弁されていらっしゃいました。
今回の殺傷事件は障害者への強い差別感情が生み出した事件で、加害者は事件後も障害者の存在を否定するような発言を繰り返しています。鎌倉市にお住まいの障害を持たれた方々は今回被害に遭われませんでしたが、この事件で心が深く傷つき、不安な気持ちになっていらっしゃるのではないでしょうか。鎌倉市内7,062人の障害を持った方々、御家族を入れれば、もっと多くの方々が傷つき、不安な思いをされていらっしゃるかもしれないということを私たちは受けとめなければなりません。
事件後、国や県から鎌倉市に何か通知のようなものはあったのでしょうか。あった場合はどのような内容の通知なのでしょうか、教えてください。
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○内海正彦 健康福祉部長 厚生労働省より県を通じまして本市の障害者福祉課、高齢者いきいき課、文化人権推進課へ社会福祉施設等における入所者等の安全の確保についてという表題で通知がございました。その内容は、防犯措置の徹底や通報体制の構築などについて留意するよう関係施設に対し注意喚起を行うことを求めるというものでございます。
また、神奈川県からは本市の市民安全課へ「県立津久井やまゆり園事件に係る犯罪被害者支援の対応について」という表題で依頼があり、被害者などの日常生活の回復に向けて県と市が連携して支援に当たっていくことについての協力を求める通知がございました。
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○2番(竹田ゆかり議員) 鎌倉市はこの通知を受けてどのような対応をしたのでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 通知を受けての対応でございますが、市内の障害福祉サービス提供事業所90カ所、市の指定した地域密着型サービス事業所のうち宿泊を伴うサービスを提供する20カ所、市内の高齢者のための入所施設など47カ所に国や県からの通知の写しまたは通知と同趣旨の文書を別途作成した上でメール配信及び郵送し、周知の徹底を図ったところでございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) 今回の事件を受けて福祉施設等が防犯対策をとることは非常に重要なことだと思いますが、やはり心配される余り過剰になり過ぎて、今までせっかくつくり上げてきた地域社会との連携が、関係性が途絶えたり、あるいは地域社会に開かれた福祉施設の運営、さらには施設から地域への流れが途絶えてしまう、あるいは逆行するようなことがあってはならないと思いますが、市はどのようにお考えになりますでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 事件直後に国から出された通知のとおり、施設の防犯対策は非常に重要な課題だと認識しておりますが、地域の一員として行事の企画やボランティアの受け入れなどを行って開かれた施設を目指してきた取り組みを萎縮させてはならないと考えてございます。
鎌倉市では障害者基本計画の将来目標に「障害のある人もない人も、だれもが一生にわたり、健やかで安心して地域で暮らせるまち」を掲げており、共生する社会の実現に向けて取り組みを進めているところでございます。相模原市で事件がございましたが、施設に入所されている方がグループホームや一般住宅など地域生活に移行していかれるように、引き続き支援を行っていき、施設から地域への流れをとめることのないよう、施設や地域の方々との連携を図っていきたいと考えております。
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○2番(竹田ゆかり議員) 障害者福祉サービス計画の中にも、福祉施設入所者の地域生活への移行を推進するためにグループホームなどに移行する人数目標を12.1%、県が11%のところを鎌倉市は12.1%と設定しています。これはしっかりとこの計画を進めていっていただきたいと思います。
今、内海部長の御答弁の中で、障害者基本計画で掲げられている言葉、「障害のある人もない人も、だれもが一生にわたり、健やかで安心して地域で暮らせるまち」、これは本当に当たり前のことなんだけれども、改めてその意味の重さを感じます。このたびの事件を受けて、鎌倉市の考えとして改めて市民の皆様に発信していくことはできないのでしょうか。再確認するためにも、また今、心を痛め不安になっていらっしゃる方々のためにも、この市の考えを発信すること、いかがでしょうか。検討していただけないでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 地域に開かれた施設運営を目指してきた取り組みを萎縮させないように、また地域の方々との連携の重要性について、改めて市の広報やホームページなどで市民に向けて発信してまいりたいと考えております。
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○2番(竹田ゆかり議員) 本当にぜひよろしくお願いします。今までもホームページには書かれてあったと思うんですけれども、こういう事件の後だからこそ、市の姿勢、市のよって立つところの考えをもう一度しっかりと打ち出して知らせるということは非常に重要なことだと私は思います。ぜひよろしくお願いします。
さて、昨日同僚議員も触れていらっしゃいましたが、この事件では神奈川県警は被害者を匿名で発表しました。理由として、プライバシーを保護する必要性が高い、亡くなった19人の遺族からいずれも匿名を希望する意向が示されたとのことでしたが、しかし、どうなんでしょうか。一般的な事件で被害者家族が匿名を希望しても、匿名になることは通常はないと言われています。神奈川県警が氏名を公表しないことには二つの問題が指摘されています。
一つ目は、県警のプライバシー保護という判断です。名前公表に当たって被害者には特別扱いを必要とすると考えることは、普通から排除することであり、人間を扱うときのルールから排除することだ、つまり加害者と同じ発想ではないかと映画監督の想田和弘氏は述べています。
二つ目は、遺族が匿名を希望せざるを得なかった事実です。それは障害者の家族がずっとこれまで社会の偏見や差別を強く感じてきたからではないでしょうか。加害者は衆議院議長に宛てた手紙の中で、障害者は生きていても仕方がない、安楽死させたほうがいいと述べています。このことにインターネット上で加害者の考えに同調する書き込みが多数見られたことは、この事件は単にひとりの加害者の問題ではなく、日本の社会の意識のあらわれであると、ある障害者の団体が述べていました。私もそう思います。
障害者権利条約が批准され、障害者差別解消法が4月から施行され、法律は整備されたけれども、法律の理念に心が追いついていない現状が皮肉にも表面化した事件だったと言えるのではないでしょうか。
この事件を受けて、鎌倉市は障害者理解のための啓発を進めることが必要と思いますが、どのような取り組みをしていくお考えでしょうか。
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○比留間彰 経営企画部長 本市では、平成26年1月に改定しましたかまくら人権施策推進指針に基づきまして、これまでも人権施策を進めてまいっておりますが、この中でも障害者の人権尊重は大きな課題の一つと捉えておるところでございます。今回の事件は障害者の人権を侵害する許すことのできない凄惨な事件でありまして、二度と起こることのないよう障害者の理解の啓発を進めていかなければならないと認識しております。
今回の事件を踏まえまして、障害者への理解を一層進めるために、健康福祉部とも連携しまして、12月の障害者週間と人権週間に合わせまして、市民の方々に向け障害者理解のための人権啓発講演会等を実施して、啓発を図っていきたいと考えております。人権問題が複雑・深刻化する中、今後ともより一層人権意識の醸成に努めてまいりたいと考えております。
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○2番(竹田ゆかり議員) 事件は7月に起きているんですね。鎌倉市としては機会を捉えて啓発を進めていく計画のようですけれども、私はなるべく早い時期に行われることがよいと思います。
障害者福祉課に伺ったところ、10月中旬に障害者差別解消法について市民に御理解いただく講演会を行うと伺いました。この法律の理解とは、この法律の目指す理念を理解することが根底になくてはならないと思います。ぜひこの10月中旬に計画されています、障害者差別解消法についての講演、多くの市民の皆様が御参加できるような情報提供をしていっていただければと思いますが、いかがでしょうか。
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○内海正彦 健康福祉部長 今、議員から御指摘いただきましたように、10月中旬の障害者差別解消法の講演の中では多数の方が参加できるように取り組んでまいりたいと考えております。
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○2番(竹田ゆかり議員) ある障害者団体が神奈川県知事に申し入れた内容を紹介します。神奈川県行政の責任は、一般社会に潜在する障害者への差別と偏見をなくすことにあります。それは一人一人を大切にするなどの美辞麗句や健常者目線での研修では解決できません。互いにせめぎ合いながら、障害者を社会の一員として、障害児をクラスの仲間として分け隔てなく当たり前に生きていく中でしか互いを認め合う関係は生まれませんと述べています。
この障害者団体のおっしゃっていること、長年、私は学校現場にいた者として非常に共感するものがあります。障害のある子をクラスの仲間として、私は何度もクラスの中で一緒に学びましたけれども、毎日一緒に当たり前に暮らしていると、子供たちはその子のよさを知っていく、そしてその子の成長を喜ぶようになります。その経験が差別感情を自然に取り除いていくということ、私は何度も経験しました。
また、障害者の雇用を受け入れている多くの事業主は、実は小・中学校時代に障害を持つ子供と一緒に学んだ方が多いそうです。それは、障害を持つ子を障害者として一くくりに見るのではなくて、障害を持つAちゃんという子と接する中でそのAちゃんのよさを知り、かけがえのない存在であることを感じ取る経験をした方、そういうことだと思います。幼いころからともに学ぶ経験は大事です。まさにインクルーシブ教育の果たす役割は大きいと言えます。
そのためには、鎌倉市の学校現場において、いま一度しっかりとインクルーシブ教育の理念に立った教育を進めていくことが重要と考えます。教育委員会としての考えをお聞かせください。
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○安良岡靖史 教育長 初めに、お亡くなりになられました方々に哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々の一日も早い回復を願っているところでございます。
学校におきますインクルーシブ教育におきましては、障害のある人と障害のない人がともに学ぶ場、この教育環境づくりを今進めているところでございます。ともに学ぶことを通して生命の尊重、思いやりや協力の態度などを育む人間性豊かな心の充実を図ることができると考えております。あわせて、同じ社会に生きる人間としてお互いに正しく理解し、ともに助け合い支え合って生きていくことの大切さを学ぶことを目指しているところでございます。このような共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育の充実に向けて、今後も取り組んでまいりたいと考えております。
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○2番(竹田ゆかり議員) 本当に改めてこのインクルーシブ教育というのは何を根底に持っているのかということを、学校現場でしっかりとその理念を根づかせて取り組んでいっていただきたいと思います。
いよいよ2学期が始まりまして、夏休みが明けて子供たちが学校にたくさん戻ってきました。この事件のことを知っている多くの児童・生徒、加害者の言葉、障害者はいなくなればいいという言葉がどのような影響を及ぼしているか心配でなりません。始業式で各学校の校長先生はどのような話をされたんでしょうか。特に支援級のある学校ではどのような対応をとられたんだろうか。各学級でも成長段階に合わせて子供たちにわかるように、互いの存在を認め合うことの大切さを今だからこそ語り込んでほしいと思います。障害を持っている子供の不安、保護者の不安が払拭されるような、しっかりとした心に落ちる語り込みをしてほしいと思います。
教育委員会として、このやまゆり園の事件を踏まえて、改めてどのような取り組みを進めていかれるか、予定されているものがありましたら教えてください。
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○安良岡靖史 教育長 学校での取り組みを進めるに当たりましては、インクルーシブ教育の理念を教職員がもう一度確認して、そして子供たちがお互いの多様性を理解し、尊重し、ともに学ぶ、ともに育つことの大切さについて考える場をつくっていくことが大切と考えておりますので、そのような場を校長会を通じて教職員が各学校で実践できるよう伝えてまいりたいと考えております。
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○2番(竹田ゆかり議員) この理念をもう一度先生方で、職場で再確認していただくということ、そのために校長会を通じてお伝え願えるということで、本当によろしくお願いいたします。
それと同時に、私は思うんですけれども、子供たちに語り込むことと同時に、やはり大事なのは学校現場での実践です。教職員みずからがどの子にも分け隔てなく接すること、その姿を子供たちは見て学びます。共生社会形成に向けてインクルーシブ教育の推進はとても重要です。
さて、文科省はインクルーシブ教育の推進に当たって次のように述べています。障害のある子供がその能力や可能性を最大限に伸ばし、社会参加することができるよう、十分な教育が受けられるよう、障害のある子供の教育の充実を図ることが重要である。もう一つあります。障害のある子供が地域社会の中で積極的に活動し、その一員として豊かに生活する、生きていくことができるよう、障害のある子供と障害のない子供が可能な限りともに学ぶことができるよう配慮することが重要であると文科省は述べています。
では、鎌倉市において障害のある子も障害のない子も可能な限りともに学ぶことができるよう、どのような体制がとられているのか、伺います。
初めに、学齢期を迎えた子供が小学校入学までの教育委員会が行う手順を教えてください。
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○佐藤尚之 教育部長 教育委員会が行います就学事務といたしましては、まず、市内にお住まいの就学児童の保護者の皆さんに対して9月に就学時健康診断の実施について御通知し、10月から11月にかけまして市内の学校で受診をいただいているところでございます。また、就学児童の学齢簿を10月1日現在の住民基本台帳に基づいて作成をしてございます。その後1月初旬に入学通知書を保護者の皆さんに御送付し、入学期日、入学先の学校、入学説明会の日程をお知らせし、4月に指定された学校に児童が入学するという流れになってございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) 今、御説明の中にありました就学時健康診断の目的はどのようなものでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 この就学時健康診断でございますけれども、学校保健安全法に基づきまして、小学校入学前に子供の健康状態を把握し、治療の勧告や保健上必要な助言を行うことを目的としてございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) この就学時健康診断通知書とともに、就学相談のお知らせも一緒に発送していると聞きました。御相談するかしないかは保護者の判断だと思うのですが、就学時健診の結果を受けて保護者に就学相談への呼びかけをするようなことはあるのでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 今、御紹介いただきましたとおり、鎌倉市では就学時健康診断通知書の発送の際に、子供の言葉や耳の聞こえ、体の動き、集団でのかかわりに関する就学相談についての御案内、これを同封してございます。これは御紹介のとおりでございます。そして、就学時健康診断の結果をもって保護者の方に就学相談への直接的な呼びかけは行ってございません。相談があった場合に個別に対応するという形をとってございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) この就学時健診の中には、耳の聞こえだとか体の部分とともに、集団への適応状況だとか、昔は知能テストみたいなのがありましたけれども、今はそれはありません。そうすると、保護者の中には就学時健診で自分の子供の何が読み取られるのか、そのことによって教育委員会から就学支援委員会の相談をしませんかと呼びかけが来るのではないかと非常に不安を持っている保護者の方が実はいらっしゃるんですね。でも、今の御答弁を伺いましたら、結果をもって直接的に相談への呼びかけはないということがわかりましたので、安心しました。
では、鎌倉市の就学支援委員会の目的はどのようなものでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 鎌倉市就学支援委員会でございますけれども、特別な配慮や支援を必要とする児童・生徒一人一人の適切な就学支援について調査等を行いまして、専門的な見地、立場で助言や検討を行うことを目的としてございます。なお、この委員会は医師や心理職、学識経験者、校長、特別支援学校や特別支援学級の先生方で構成されてございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) それでは、就学支援委員会の目的は伺わせていただきました。どのような場合に就学支援委員会で就学先の判断をすることになるのか、また就学支援委員会の判断から就学先決定までどうなっているのか、流れを教えてください。
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○佐藤尚之 教育部長 先ほど御紹介したとおり、まず保護者の皆さんからの申し出によりまして、教育委員会が就学相談を行っていることをまずお話しさせていただきます。そうした中で、相談の中で子供の状況を聞き取りまして、保護者の考え方や意向などを踏まえ、これまでの在園幼稚園や保育園などからも情報収集することもございます。また、就学支援委員会では教育上特別な配慮を要する児童及び生徒に対する適切な就学支援について調査及び検討を行ってございます。その後保護者に就学支援委員会での判断を伝え、合意形成を図った上で就学を決定いたします。
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○2番(竹田ゆかり議員) そうすると、初めの部分で説明いただきましたけれども、保護者から就学相談がない限り就学支援委員会での審査、検討が行われるということはないということでよろしいですね。確認です。
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○佐藤尚之 教育部長 そのとおりです。
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○2番(竹田ゆかり議員) 2011年8月に障害者基本法が改正されました。それを受けて、2013年、障害のある児童・生徒の就学先決定の仕組みが大きく変わりました。旧制度では一定程度の障害のある児童・生徒は原則支援学校に通うことになっていましたが、制度が変わって、全ての子が地域の学校に通うことが原則となりました。このことに関して文科省は概略、次のように述べています。障害のある児童・生徒の就学先決定に当たっては十分な情報提供がなされ、本人や保護者の意見を最大限、可能な限り尊重しつつ、総合的な観点から判断、合意形成を行う。最終的には市町村教育委員会が決定するのが妥当であるということになりました。
ここでやはりこの最大限可能な限り保護者本人の意向を尊重するということ、でも一方で最終的には教育委員会が決定することが妥当ですよというところ、非常に一見矛盾するようにも見えるんですけれども、就学支援委員会での判断、意見で保護者との考えが異なった場合、保護者や子供の意向はどのように尊重されるんでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 教育委員会は就学支援委員会の専門的な立場から対象児童の支援に関する助言や就学先に関する御意見をいただいてございます。その就学支援委員会での検討や意見をもとに教育委員会と保護者で就学相談をし、合意形成を図っているところでございます。
こうした中で、教育委員会といたしましては、本人、保護者の意見を、先ほど来御紹介があるとおり、最大限尊重しながら就学先を決めてございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) そのことはわかるんですね。最大限尊重して決めている。つまり、はっきり言いますと、最終的にどうしても合意形成がなされなかった場合、保護者や本人の意向と違っても、合意形成がなされなかった場合は最終的には保護者や本人の意向が尊重されるということでよろしいんですね。
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○佐藤尚之 教育部長 御指摘のとおりであります。
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○2番(竹田ゆかり議員) ここで大事なのは情報提供のなされ方なんです。以前ある保護者からこんなことを聞きました。担当の方からお宅のお子さんは通常級ではほっておかれますよ、いじめられますよ、不登校になるかもしれませんよなどの支援学校や支援級を選ばざるを得ないような声かけがなされたと、そういうことを聞いたことがあります。これ以前の話です。
そのようなことは現在はないと思いますが、通常級を選んでも最大限その子の教育的ニーズが保証される仕組みが準備されてこそ、初めて保護者にとっての選択肢と言えるんじゃないでしょうか。普通級に行くとこうですよ、ああですよ、こんなことになりますよ、だからおたくは支援級に行くべきですよ、適切ですよと言ったら、これは選択肢ではなくなりますからね。そこを選ばざるを得ないということではあってはならない。法の改正では原則通常級に通うことが原則になりましたので、通常級に行っても、それから支援級に行ったとしても、両方選べる教育的なニーズ、それに応える合理的配慮が準備されなければならないと思います。初めから支援学校、支援級しか選択肢がないような情報の提供のあり方はあってはならないと考えますが、いかがでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 今、議員が前段でお話しになりました、過去にというフレーズがついておりますけれども、本来そういった指導につながるような、強制的な指導のような誘導は本来あってはならないと考えてございます。今後もそういうふうに考えてございます。
そうした中で、保護者の皆さんと子供の状況についてまず共有すること、状況がどういうことなんでしょうかということをまず共有すること、そして、子供の能力を伸長させることについて、こういったことを中心に相談を進めていく、これが肝要だと思ってございます。その際、特別支援級での個に応じた支援や自立活動が有効だと、その子にとって極めて有効だと、こういったことを考えられる場合に、この保護者の合意形成をもとに支援級に決定をすると、こういう流れが自然な流れと考えてございます。
こうしたことから、子供たち一人一人の立場に立ってどのような支援を必要としているのかについてしっかり把握するとともに、何よりも保護者の意見に耳を傾けて、理解と納得を基調とした対応が必要だと考えてございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) おっしゃるとおりだと思います。先ほど過去の事例で、その方は結局は通常級を選んで、今は高校に行かれていますけれどもね。本当に通常級でよかったと、あれほど支援級にと言われたけれども、通常級に行って本当によかったとおっしゃっていましたので、やはりそういうところが両方選択できるということを、しっかりと情報提供のあり方、その子に合った、もちろんその子にとって何を求めているのか、それから保護者が何を求め本人が求めているのかということが最優先にされながら、客観的な、総合的な判断で保護者も考えていくんだと思いますけれども、そういう誘導的なことはないということで安心しました。
さて、子供たちが入学してからのことを伺います。全ての学校に支援級があるわけではないんですけれども、各学校では支援級と通常級の交流は交流授業や行事等の中でなされています。それは非常に学校が意図的にプログラムを組んで準備されたものなんですけれども、それと同じぐらい大事なのは、日常生活の中でも校舎の内外で支援級の子供と通常級の子供が自然に触れ合える環境をつくっておくことがインクルーシブ教育を推進していく上で大変重要だと思います。
文科省も可能な限りともに学ぶことができるよう配慮するようにと述べています。交流授業や学校行事のときにしか会えないという環境ではなくて、日常的に同じ学校に通っている仲間だと、しっかりと日常的に触れ合える環境、出会える環境をつくっていく、その必要性について教育委員会はどのように判断されますでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 交流や共同学習におきましては、障害のある子供たちにとって有意義であるばかりでなく、小・中学校等の子供たちや地域の方々が障害のある子供とその教育に対する正しい理解と知識を深めるためのよい機会でもあることから、特別支援学級設置校におきましては、今るる御指摘のように、積極的に進めているところでございます。
また、日常の学校生活のさまざまな場面におきまして、通常学級と特別支援学級との双方を行き来したり、ともに学習したりすることが重要であるという認識のもとに子供たちが生活できるよう、こういった環境づくりが大切と考えてございまして、その実践に努めているところでございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) よろしくお願いします。私、以前、ある小学校の教員をしておりまして、支援級が校舎の隅っこのほうにあって、これじゃいけないよねと。交流のときだけ会えるのではなくて、いつだって廊下で会える、それから通常級の子がのぞいて、コンコン、何ちゃんいると声かけられる、そういうような同じ学校に通う仲間として、通常級と支援級、クラスは違うけれども、自然に出会える環境をつくっていこうということで、教室移動をしました。これは非常に効果がありましたね。子供たちが支援級にたくさん遊びに来てくれました。
さて、鎌倉市の特別支援学級はまだ全部設置されていないんですね。あと何校残っているのでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 今、御案内のとおり、教育委員会では平成27年6月に策定いたしました鎌倉市における特別支援学級設置の基本方針に基づきまして、特別支援級の全校設置に向けて今後も計画を進める予定でございます。平成28年度現在、小学校9校、中学校7校には設置してございます。今後これを差し引きますと、小学校7校、中学校2校が設置の予定の対象になります。
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○2番(竹田ゆかり議員) そうですか、わかりました。今後、この支援級を設置するに当たって、先ほど来るる話させていただきましたけれども、支援級の子供と普通級の子供が自然に交流できる校舎内外の配置を、設置するに当たって考えていっていただきたいと。何か繰り返しになるようですけれども、いかがでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 特別支援学級の校舎内への設置場所につきましては、開級時には検討委員会を開級前年に開く中で、学校全体で特別支援級を見守り、自然に交流できる教室配置など、十分な検討を踏まえて開設に向けて準備をしてございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) わかりました。質問外なんですけれども、この検討委員会なんですけれども、検討委員会にはいろいろな方が入ると思うんですけれども、その学校の支援級担当者だけではなく、本来は支援級をどのような環境のもとに置くのかということは、先生方は転勤しますので、ですから、支援級を担当している先生方みんなが共通理解して、ここだったらいいよねと、その学校の先生だけがこれでいいと思うのではなくて、全ての支援級の先生たちの集まりの代表の方でもいいですけれども、そういう人たちの意見もぜひともこの検討の中に入っていくということでよろしいですか。
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○佐藤尚之 教育部長 いろいろ、学校内で新たな教室を開く際にはいろいろな検討をしなきゃいけません。当然、学校施設を所管している施設課の担当もそうですし、学校の先生もそうですが、特に新たに支援級を開設するような場合は、他の学校の支援級の開設状況、あるいはどういうところに配慮したかというような、そういった経験値は大変有効でありますので、当然ながらチームを組んで、より最善の、最良の方法の開級に向けた検討というのをいわゆるチームを組んで実施しているところでございます。今後もそういった考え方のもとに実施していきたいと考えてございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) そうですね。そこのところよろしくお願いします。
やはり支援級の先生もインクルーシブ教育についていろいろな認識の深さだったり浅さだったりあるわけです。ですから、チームを組んで、その学校の支援級の先生だけではなく、支援級の先生のお集まりの中でしっかりと、より通常級の子供と交流できる配置はこれでいいだろうかということを今後検討していっていただきたいと思います。
最後に改めて、今回の相模原市での事件を受けまして、障害者差別を許さない、ともに学びともに育つ、そしてともに暮らす鎌倉市を目指していくということを市長の決意として伺いたいと思います。
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○松尾崇 市長 今回の事件ですけれども、障害者の方の命や尊厳を一方的に否定をする、本当に憤りを感じる事件でございます。今回の事件によって障害者やその御家族の方が不安に思われることがないよう、今後も障害者差別を決して許さないということを発信していくこともより重要だと思っています。
鎌倉市では、障害のあるなしにかかわらず、市民全員が安心して自立した生活を送れるよう、ともに学びともに育ち、そしてともに暮らす環境づくりと、障害者差別のない地域づくりを目指してまいりたいと考えています。
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○2番(竹田ゆかり議員) この間、私、文化人権推進課の方がおっしゃっていた、庁内全ての仕事、行政の仕事は根底には人権の精神、人権を大事にするという、人権を守るということがあって、そしてその上にそれぞれの仕事があるんですという話を伺って、私は非常に感銘を受けたんですけれどもね。
今回、例えば障害福祉関係の方だけではなく、全庁的にやはり今回の問題を受けとめて、これからそれぞれの部署で仕事を進めていく上で、その視点に立って共生社会をつくっていく、鎌倉市はともに学びともに育ち、ともに暮らす鎌倉市をつくっていくんだという理念をしっかりそれぞれの部で持って取り組みを進めていっていただきたいと思います。
教育はとかく人材育成にばかり目が行きがちです。インクルーシブ社会の一員としての人格形成をしていくという大きな目的、それをしっかり見据えて鎌倉市における学校教育がさらに進めていかれるように願っています。
では、次の質問に参ります。次は順番を変えまして、教育環境整備について伺います。
6月の一般質問で鎌倉市立小・中学校650人の教員のための安全衛生委員会設置の必要性について質問させていただきました。その中で、全国の公務災害認定件数が減少する中、教職員の公務災害認定件数は年々増加している事実、鎌倉市職員1,400人のために安全衛生委員会は設置されており、昨年では産業医面談も数多くなされました。しかしながら、鎌倉市立小・中学校650人の教職員のための安全衛生委員会が設置されていないことから、産業医面談に一件もつながっていなかった事実などなど、るる話させていただきました。
6月議会の御答弁では、今後、安全衛生委員会の設置に関して研究・検討の成果と課題の解決を図りながら導入に当たって学校にとってどのような仕組みがふさわしいかということについて検討を進めていきたいとの御答弁をいただきました。御答弁からは一歩踏み込んだ検討に入っていただけるものと私は認識しましたが、その後の進捗状況を伺います。
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○佐藤尚之 教育部長 この労働安全衛生の必要性というのは、前回の御答弁のとおり、強く認識してございます。そうしたことから、安全衛生委員会につきましては、その設置に向けて現在関係課と協議を進めているところでございます。詳細を詰めているというところであります。
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○2番(竹田ゆかり議員) 引き続きどのようなつくり込みが現場にとって最も有効的であるかなど、検討をさらに進めていただけるようよろしくお願いします。
さて、文科省は6月13日、学校現場における業務の適正化に向けて、次世代の学校指導体制にふさわしい教職員のあり方と業務改善のためのタスクフォース報告を公表しました。そして6月17日は報告を踏まえて対応を求める局長通知、学校現場における業務の適正化に向けてを都道府県教育委員会、指定都市教育委員会に通知を発出しました。その中で、教員の長時間労働の実態が明らかになり、次世代の学校を実現するためには教員が誇りや情熱を持って責務を追求できる環境を整えることの必要性が述べられて、そのためには教員が担うべき業務に専念できる環境を確保することが大事であり、そのための業務改善と学校指導体制の整備を一体的に推進していくことが必要であると報告されていました。
長くなりましたが、その業務改善の中に、これまで私が再三にわたって一般質問で取り上げてきた給食会計事務について、次のように文科省は述べています。学校給食費などの学校徴収金会計事務の負担から教職員を解放するため、学校給食などの学校徴収金会計業務を学校の教員ではなく学校を設置する地方自治体がみずからの業務として行うための環境整備を推進すると、こう記載されていました。
これまで何回かにわたって私は給食会計事務の負担軽減してください、一般質問で訴えてきました。教育委員会は一定程度は理解していただけたものの、みんなで分担すれば一人当たりの負担は減るのではないか、あるいは包括予算制度の中では厳しい、その部分はわからなくもない等々、教育委員会としては、時間数調査はしていただけたものの、一歩も踏み出す気配がありませんでした。このタスクフォース報告を鎌倉市教育委員会はどのように受けとめたでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 今、御紹介いただきましたとおり、文科省からこういった通知が私どもにも届いてございます。るる読ませていただくと、いろいろな視点で給食費の徴収の問題を含めた御指摘があるように感じてございます。特に教員が担うべき業務に専念できる環境を確保すると、こういう項目がございまして、この中では、業務改善、教員の行う業務の明確化、事務職員の職務内容の見直し、業務アシスタント、これ仮称ですけれども、検討、民間ノウハウの活用の推進、これと同列に、給食費等徴収管理業務からの解放、統合型校務支援システムの整備、こういったことが上げられてございます。
また、一方で、学校指導体制の整備ということが掲げられてございまして、教育課題に対応した教職員定数、スクールアシスタント、スクールソーシャルワーカーの配置拡充、マネジメント等を担う事務職員等の定数改善と、こういったものが両輪として一体的に改善、推進していくよう述べられてございます。
こういった新たな通知をいただいたこともございまして、こういった内容をしっかり受けとめながら、今、宿題をいただいてございます給食事務のあり方についても、こういった一つの方向性が明らかになってきましたので、こういった部分をこれからの検討の中にまた加えていきたいと思ってございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) 少し安心しました。実は、タスクフォース報告で述べられているものの中で、給食会計などの徴収事務と言っていて、つまり学校徴収金全体を言っていますね。学校徴収金というのは、修学旅行、学級会計、教材費などを含めての公会計化の問題なんですね。
今るるおっしゃってくださったように、いろいろなものが両輪としてやっていくということになっているのですけれども、この中で一番学校現場が負担に感じているのが給食会計事務なんです。ですから、既に先行して藤沢市、横浜市、厚木市、海老名市などでは、会計の中でも一番給食会計事務は大変だよねということで、この部分だけ切り出して教育委員会が担っています。
今後国や県が実証、検証して、ガイドラインを検討して、予算措置も含めた取り組みをするとは言っていますけれども、今おっしゃっていただいたように、それは職員定数改善、35人以下学級、SC、SSWの配置、校務支援システムなど全てを含めてのことで、今後、国の予算措置とは言っていますけれども、給食会計事務について予算措置、今すぐにでも出てくる、そういう問題ではないんです。
国や県の動向を見て、国が予算措置をしたならば、県が予算をおろしてきたならば、待っていることでは私はないと思うんです。もちろん当然後から国からの予算、県からの予算が出てきた場合には、それはよかったねということでそれを使わせてもらうわけですけれどもね。だから、藤沢市などはもう待てないということで、さっさと公会計化に踏み込んだわけですね。今回藤沢市も不祥事ありましたけれどもね。
ですから、鎌倉市としても学校設置者が学校現場から給食会計事務を引き取って、検討していくという方向性の検討をこれからも進めていっていただけるということを聞いて、安心しました。もしかしたら、国からお金が出てくるまで、県からお金が出てくるまでずっと待ちますなんて言われたらどうしようかと思ったんですけれども、こういう文科省のタスクフォース報告の中で、業務改善の中で一番に給食会計事務、学校ではなく自治体、学校設置者が担うべきだと言っていますので、ぜひ市も他市の例に倣って先行的に取り組んでいっていただきたいと思います。
ただ、課題として認識してくださっていることも何回も伺いました。検討、検討で早6年。私が議員になる前にも、議事録を見ましたら、ある議員が聞いていて、検討しますと6年前にもおっしゃっている。ですから、課題は解決しなければいつまでも解決しません。私は先行して鎌倉市職員、あるいはどういう形になるかわかりませんけれども、非常勤嘱託員という形もあるかもしれませんけれども、まず先行的にやっていただけるように、強く前向きに検討していただくことを強く要望したいと思います。
このタスクフォース報告では、教員が子供たちと向き合う時間の確保のために業務改善をすると言っています。まさに教育環境の整備のために教員の業務改善は必要だと言っている。1年前、この4月からスタートしましたが、教育環境の整備を教育大綱の重点施策にのせた鎌倉市は、タスクフォースを先取りして、私はすばらしいのではないのかと思います。
6月議会で、ことしの3月、参議院文部科学委員会である若い先生の悲痛な思いを紹介させていただきました。最近何で自分が先生になったのかわからなくなった、まるで自分がマシンのようだと。実を言うと、教員は、今している仕事が子供の成長につながっていく仕事をしているときは、どれだけそれに時間を費やしても徒労感とか多忙感は余りないんですね。しかし、給食会計のような直接子供の成長につながるものではない、本務ではない仕事をするときに徒労感、多忙感が生まれてきます。ぜひとも文科省のタスクフォース報告で述べられているように、教員が本来担うべき業務に専念できるよう、繰り返しになりますけれども、他市の事例に倣って、給食会計事務を学校現場から引き上げて学校設置者が行っていただけるようによろしくお願いします。
これまでの議論を聞いて、大綱をつくられた市長の御意見を伺いたいと思います。
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○松尾崇 市長 学校の先生方は、授業だけではなくて生活指導ですとか保護者への対応など多岐にわたる業務を日々熱心に取り組んでいただいていると認識をしております。各学校におきまして、教職員が心身ともに健康で業務に専念するということが子供たちの健やかな成長につながるものであると考えています。そのようなことから、教育大綱で重点的に取り組む施策として掲げたところでありまして、教職員が心身の健康を維持するための支援を充実させていきたいと考えています。
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○2番(竹田ゆかり議員) その心身の健康という部分では、徒労感、多忙感を抱くと心が折れてくる、そういう先生も出てくるわけですよね。ぜひそこの部分の業務の改善という部分についても教育環境整備に入ってくると思いますので、取り組みを、市長も力強く教育委員会を応援してくださって、事業を進めていっていただければと思います。
では最後に、鎌倉市図書館運営について伺います。
昨年の7月、図書館協議会に諮問された図書館業務の効率化とサービス向上について、今年度、7月28日開催の図書館協議会で答申案について協議されました。私も傍聴させていただきました。非常に傍聴者が多くて、いつもこんなに多いのですかと言ったら、そうじゃない、きょうは非常に多いと。それは、今後の図書館運営を左右する答申の協議とあって、市民の関心が非常に高かったのだと思います。
この日答申案は可決しましたが、答申内容については教育こどもみらい常任委員会で報告があるということですので、そこで質問させていただくとして、一般質問では、この間の図書館協議会の進め方について幾つか疑問に感じることがありますので、6月に引き続き質問をさせていただくことにします。
まず、私、傍聴しまして、図書館協議会設置条例によると定数は5名と書いてありました。当日は4人の委員による協議となりました。こんな最後の最後の答申案を決するときに4人しかいない。その理由を教えてください。
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○佐藤尚之 教育部長 今、御紹介ありましたとおり、図書館協議会の中の定数は5名であります。当然ながら、スタート時点では5名でございまして、平成27年度の第4回までの協議におきましては5名でございました。そのうち1名の方が、大変残念でございますけれども、その後お亡くなりになりまして、この方は社会教育委員会からの御推薦を受けている委員でございまして、その事実といいますか、内容がわかったときにはもう7月28日の協議会も決まってございましたので、追加の委員の補充はできませんでした。今後はまた追加の委員の補充は予定してございますけれども、最後の第5回目の答申を出したときは4名ということであります。
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○2番(竹田ゆかり議員) 今回欠員となった社会教育関係者が図書館協議会の委員に入っている理由は、教育委員会は何だと考えますか。
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○佐藤尚之 教育部長 当然ながら社会教育委員は社会教育を議論する場の中枢の機関でございますので、その中から委員を登用するということでございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) 非常にまとめたような形で話されましたけれども、図書館法の第1条、この法律は、社会教育法の精神に基づき、図書館の設置及び運営に関して必要な事項を定め、その健全な発達を図り、もって国民の教育と文化の発展に寄与することを目的とする。つまり、図書館は社会教育法の精神に基づき設置運営すると書いてある。だからこの社会教育関係者が入っているわけですよ。つまり、社会教育関係者は社会教育法の精神を背負って委員としての役割を果たす、そういう方が不在で協議をすることは、私は適切ではないと思います。
しかし、今、部長は追加できなかったと、社会教育関係者の枠はお亡くなりになったので追加できなかったとおっしゃった。なぜ追加できなかったのでしょうか。
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○佐藤尚之 教育部長 時間的なことだと考えています。
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○2番(竹田ゆかり議員) お亡くなりになったのは6月ですよ。社会教育委員会は8月の十何日に開かれているんです。私は時間がなかったとは思いません。本当に時間がないから選ばれなかったんでしょうか。6月にお亡くなりになったということはすぐにわかったんですよ。そしてことしの第1回目、7月28日まで時間があるじゃないですか。今、私は追加できなかった、その理由は時間がなかったと。本当にそうなんでしょうか。もう一回伺います。
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○佐藤尚之 教育部長 確かに6月のたしか末にお亡くなりになっているのですけれども、私たちが知ったのはもう少し後であります。そういったことが理由になってございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) 私は時間がなかったからではないと聞いていますよ。委員の数は5人だが全員という決まりはない、欠員でも協議できることになっている、11月の改選まであと2回しかないから、余り入っても意味がない、無理して入れる必要はないと、館長が社会教育委員会に無理しなくていいですよと言っているじゃないですか。時間がないんじゃないんです。館長が無理しなくていいですと、あと2回しかありませんからと。私はこれ、社会教育関係者の立場を軽んじていると思います。それから、協議会そのものを軽んじていると思います。
これ重要な問題です。たとえ2回であっても、その1回は最後の答申を出す日じゃないですか。無理しなくてもいい、無理しないで出す必要ないと言っているんです。そんなこと言うべきじゃないですよ。確認してください。これ大問題です。(私語あり)
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○議長(中澤克之議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(16時22分 休憩)
(17時05分 再開)
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○議長(中澤克之議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
議事の都合により、この際、会議時間を延長いたします。
竹田ゆかり議員の一般質問を続行いたします。理事者の答弁を願います。
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○安良岡靖史 教育長 貴重な時間をいただきましてありがとうございました。確認をしましたところ、社会教育委員を出さなくてもよいというような発言がございました。この図書館協議会におきまして大変重要な役割を持っている社会教育委員不在でもよいというようなことは不適切な発言でございました。申しわけございませんでした。
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○2番(竹田ゆかり議員) 本当に図書館を統括する図書館長からそういう発言があるということは、私は本当にこれは問題だと思いますよ。社会教育関係者の立場を軽んじている、ひいては協議会そのものを軽んじていると言わざるを得ないと思います。
この御逝去された社会教育関係者の方は、生前、この協議会での今回の諮問内容について大変疑問を呈していらした方なんです。それまでの協議に参加していたとはいえ、最終的な答申案はとうとうごらんになっていないんです。賛成の数が3人だからもういいんだと、そういう話ではないんです。私はこの日可決した答申、社会教育関係者の最終的な判断が盛り込まれなかった答申と言わざるを得ない。そのような答申でこれから先の地域館のあり方、方向性を決めていっていいのか、そういう強い強い憤りを感じます。
さらに言えば、これ答申には附帯意見がついたんです。もう一つ、市民代表の方が転居しましたね。急遽転居されたんです。かわりにある方が、市民公募の方が入ったんですよね。その方、出席することになったこの方、答申に自分の名前を記載することになるのであれば、自分も少しは意見を述べさせてくださいと、皆さんと協議させていただく時間が欲しいと、そう発言されたんです。私は当然だと思います。
しかし、委員の中から、きょう答申を出さないなら、私は仕事があったのに来たんだから、退席しますよなんていう言葉まで出て、傍聴席は騒然としましたね。委員長から答申の延長はできるんですかとの質問に、館長から、なるべく早目に出していただきたいと。私はもしかしたら7月28日に答申を出すのは、委員の皆さんの意向ではなくて、館長が出したかったんじゃないのかなと。委員長はこう言っているんですよ。答申の延長はできますかと聞いているんですよ。それに対して館長はなるべく早く出してもらいたいと。
そのため、新たに加わった委員の意見、何と、それでも新たに加わった委員の方は意見をせっかく述べさせてほしいと言っているんですけれども、議論の中で新たに加わった委員の意見を附帯意見としてつければいいじゃないかと、そういう話になっていったんです。附帯意見の内容は、今言った意見を述べることができなかった人が書いて、各委員の了承を得るという形での、その場は答申案のみの採決になった。附帯意見は後でつけると。
しかしながら、附帯意見というのは本来協議会の審議の中で答申を決定するときにその答申を受けて執行するに当たってそれまで話し合われていた内容、意見、希望をつける、通常審議の中で出てきている意見が盛り込まれるものなんですよ。あなたが言いたいことがあったら附帯意見をつくってくださいと、そういう附帯意見のつけ方は、私これも問題だと思います。
つまり、今回教育こどもみらい常任委員会に出される答申、附帯意見は、何ら市民にはこの附帯意見がどのようにまとまっていったのか、経過がわからないんです。市民への公開性が全く失われている。これは問題じゃないですか。御答弁お願いします。
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○佐藤尚之 教育部長 今、御説明いただいたとおり、新たな委員が今回加わったということは承知してございます。協議会の進め方でございますけれども、平成27年度から継続的に審議をいたしまして、少し経過を御説明しますと、平成27年中の答申を目指しておりましたけれども、もう一度審議を加えようということで、平成28年度もう一回追加したということでございます。そして、それまでの経過の中では、この7月28日に答申にこぎつけようということが委員の中では共有されていたと認識してございます。
そうした中で、新たな委員が加わっていただいたものでありましたので、その委員会の中で附帯意見の取り扱いが提起され、答申に加えるということになりました。その後、内容につきましては協議会の委員の皆様方に附帯意見の内容を確認していただいて、協議会の会長が最終的に御判断をいただきましたので、答申を受けたという形になってございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) その経過は私も聞いています。だけれども、私が言いたいのは、結局附帯意見について、本来だったら附帯意見が決まっている段階も市民への公開性が担保されなきゃいけないことなんですよ。この附帯意見が全く公開の場でなされなかったというこの問題点について私は言っているんです。館長が、市民代表の方が述べることのできなかったことを書いて、これでどうだろうかと出した、それを委員に確認してもらって、それに、それは市民は全く、それは水面下で行われることであって、今まで協議会を公開の場でやっていた意味がないんですよ。何でその附帯意見がついたのか、どういう経過でついたのか、市民は全くわからないんですよ。その問題性について私は言っているんです。それでいいんですかと。
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○佐藤尚之 教育部長 協議会の中で御議論があって、そういう取り扱いで決せられたと私も考えてございますので、当然その附帯意見の協議の内容が、これまでの公開の場ではない形には結果となりましたけれども、協議会の判断として承ったことと認識してございますので、私としてはそれ以上申し上げることはございません。
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○2番(竹田ゆかり議員) 協議会の中でやったことだからと今、部長おっしゃったけれども。でも協議会がなぜこんな市民の公開性もない附帯意見をばたばたとつけなきゃならなくなったかは、館長の協議会の中の発言に実は原因があるんです。
委員長は答申の延長はできますかと聞いているんですよ。委員長は理解したんです。新たに入ってきた市民の代表、私も名前が載るならば意見を述べさせていただきたいと言ったんです。だから委員長はそれを理解して、答申延長できますかと言ったんです。そうしたら館長がなるべく早く出していただきたいんですと。それで協議会委員は困り果てたんです。それでこうなったのに、それは協議会での判断ですって、おかしいですよ。館長がきょう出してくれと、困り果てた、こういう形にならざるを得なかった原因は館長側にあるんですよ。それを今さら協議会の判断だ、それはおかしいですよ。どう思いますか。
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○佐藤尚之 教育部長 多分館長としては、今後の図書館の運営のあり方については1年余議論をしていただいて、予定どおり答申をいただきたいという思いが多分あったと思いますが、とりわけこの協議会の会長の御発言で延長することはできますかという発言の中では、直接できませんというお答えはしていませんけれども、今、議員が御指摘のとおり、できるだけ答申をいただきたいということができないと捉えられても少し仕方がないかなという気持ちはありますが、ともかくこの協議会の答申ということを1年余かけて、各委員の中でもそういった議論を踏まえた答申と私は考えてございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) この経過を聞いて、傍聴された方は非常に市民の皆さんは納得していませんよ。こんなどたばたとした、いいかげんな、追い詰められたような協議、そして、変則的な附帯意見を決定していく過程が市民が見えない水面下で行われたということ、これは市民は納得できません。市民が納得できないような答申でもってこれから鎌倉市の図書館、地域館の運営をやっていくんですか。
意見は違っても、市民と考えが違っても、協議会を傍聴して、しっかりと十分な丁寧な議論がされて、そこに透明性があって、そして答申が出たのなら市民は納得するんです。でも、最後の28日は本当に傍聴者、びっくりしていましたよ。こんな審議のあり方どうなんですかと。市民が納得できないような、そんな決まり方、そんな答申に従ってこれから教育委員会は鎌倉市の図書館、地域館の運営はやっていっちゃいけないですよ。地域館は市民とともに、市民の協力があって、そして成り立っているんじゃないですか。鎌倉市の図書館は本当にボランティアの人たちの力によって地域に根づいているんじゃないですか。そういう市民の方々が納得できないような、その納得というのは内容ではないですよ。協議の仕方、審議の仕方に納得できないんです。
さらに言うならば、答申案を決議する日にかかわらず、ある委員から、地域館の館長の考えを伺いたいと発言があったんです。びっくりしました。この期に及んで、答申案をきょうはどうしても決めるんだ、だから来たんだという委員もいましたけれども、それぞれの地域館の館長はどういうお考えを持っているんでしょうか、この期に及んで委員からこういう意見が出る、質問が出るということは、職員の声も把握できていない、答申そのものが熟議されていないと言わざるを得ないんですよ。そう思いませんか。
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○佐藤尚之 教育部長 今、職員のお話でございますけれども、図書館の中では館長会議という会議がございまして、毎月1回程度開催をしてございます。こういった中でも館長からは職員に対して答申案についても説明をしたと聞いてございます。
また、私自身ですけれども、図書館司書の、全員ではございませんけれども、何名かの職員と面談もいたしました。今後の図書館のあり方についての図書館司書の職員の思いということも私の立場ではお聞きしてございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) 部長は6月のときにもおっしゃった。私が職員はどう考えているのかと、十分な説明はなされたんですかと言ったら、必ずしも100%十分な説明はなされたとは思わない。これから十分に理解をしていただくように努めていくというような、そういうような御答弁でした。
でも、この地域館の館長の一人一人の思いを述べられたときに、私は地域館の館長、納得されてないなということは非常によくわかりましたよ。現場で市民と接する、レファレンスをする、一番地域館のことをわかっている館長が必ずしも納得できていない、そういうお答えが出てきました。でもそのままスルーして、多数決で決まっていったんです。
私、この答申、問題だと思います。まず十分な議論がなされているとは言えない。先ほど言った教育関係者の了承。審議の議論の中では意見は述べられたかもしれない。でもこの亡くなられた方は最後の最後まで憂えていましたよ、この諮問に対して。その大変憂えていた方が、最後に答申内容もごらんになれずに、それについて意見も述べずに亡くなられたんです。社会教育関係者の了承を得ていない答申内容であるという問題。それから、今言いました附帯意見について委員間での審議が全くされない、市民への公開性が失われている問題。
このような問題を抱えている答申、これに基づいて教育委員会は今後地域館の体制をつくっていくことはあってはいけないと思います。市民は納得できない、もっとこれから、鎌倉の図書館の方向性を決める協議会なんですから、市民の納得いく十分な審議を尽くして、透明性がしっかり保たれた答申の出され方でなければいけないと思いますが、もう一回聞きます。いかがですか。
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○佐藤尚之 教育部長 この図書館のあり方、今後の運営ということで諮問をさせていただいたいろいろな背景がございます。これから持続可能な行政運営をしていく中で図書館運営をどうしていくのか、こういった大きな命題の中でこの協議会に対して諮問をなされてございます。
さまざまな御意見があることは承知してございますけれども、当然ながら図書館を持続可能に運営していくための知恵出し、これが大事な点でございまして、その点についてこの協議会の中から答申をいただいたと考えてございます。
答申をいただいた後の動きについては当然教育委員会の中でもしっかり議論したいと思っていますし、また、職員に対しても十分な説明をするつもりであります。職員一人一人がやはりこの持続可能な行政運営をしっかり理解しないと図書館運営も立ち行かないということも、この間司書と面談したときも私から申し上げました。こういったことを重々頭に描きながら、今後対応していきたいと考えてございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) すれ違っているなという気がします。十分な説明をするとおっしゃって、当然なんだけれども、その説明する答申のつくり込み方が、議論が、審議が不十分じゃないですかと、私はそう言っているんですよ。
先ほども言いました、社会教育関係者、最終的にこの決定するところにいない。そこに社会教育委員の人が補充として入っていればまだよかったですよ。その方も入っていない中で、まさに多数決で決まっていったんですよ。そして、市民の補欠の人は自分の意見も述べることができないで、水面下での附帯意見をつくらざるを得なかった。これは幾つもたくさんの問題を抱えていますよ。
それでもってこれから鎌倉市の図書館、方向性が出たなんて、これでいきましょうなんて話じゃない。私はもう一回十分な審議を尽くすべきだと思いますけれども、もう一回話し合う必要性は部長はみじんたりとも感じないということですか。
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○佐藤尚之 教育部長 いろいろな方々と議論するのは当然ながらいろいろな場面で必要だと思っています。ただ、この答申は一つの協議会の御意見の集大成でございますので、この答申は真摯に受けて、今後の議論の糧にしたいと思っています。いずれにしても、いろいろな行政運営をする中では、職員の理解、あるいは市民の皆さんの理解、こういったことは不可欠だと考えてございます。
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○2番(竹田ゆかり議員) しつこくなりますけれども、それは答申がきちんと手続にのっとってできたんなら、それは市民に理解を求めるんです。つくり込んでいく過程が非常にどたばたしていて、必ずしも協議会の中で審議が尽くされていない。
まして、もっと言うならば、私この附帯意見、さっき私、市民の方の公開性、失われているじゃないかと、それも大問題ですよ。これ一つとったって大問題です。それを、この協議会の庶務ですよね。図書館協議会の規則の中に庶務担当がいますよ。庶務というのは本来会議の内容をまとめるんですけれども、この附帯意見をつくっていく段階で。附帯意見をつくりました、提出しましたと。庶務担当がこれはだめ、あれはだめ、こうしなさいと誘導しているんです。これ一つとったって協議会の独立性が担保されてないじゃないですか。私、もうちょっと時間があるから言いたくなっちゃいましたけれども。(私語あり)
諮問内容について説明する冒頭、館長は、200人以上の職員を削除しなければならない。図書館も例外ではなく、効率化という観点から図書館の運営を考えていかなければならない。つまり結論ありきでせき立てられるようにして出された答申なんです。委員長は延ばしたい、延ばせますかと言っているのに、延ばせない。委員長はその場の雰囲気でこれはもう一回議論したほうがいいと判断したんです。だからもう一回延ばさせてほしいから延ばせますかと言ったら、早く出してくださいと。そんなどたばたの中で決まっていった。さまざまな問題がある。(私語あり)
要するに、諮問の段階から非常に時間を切って、この平成27年度中に200人を削減。そして時間はありません。きょう早く出してください。だから非常に変則的な決まり方をしていった。社会教育関係者は無理しなくていい。どれ一つとったって問題です。
ですから私は、この答申のような、市民が、少なからずたくさんの人が見ていましたから、納得できないような審議のなされ方によってつくった答申に基づいて今後地域館の体制をつくっていくべきではない、そう申し上げて、この質問を終わります。あと常任委員会で質疑をさせていただきます。
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○議長(中澤克之議員) お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、運営委員会の協議もあり、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
なお、残余の日程については、来る9月12日午前9時30分に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
本日はこれをもって延会いたします。
(17時31分 延会)
平成28年9月9日(金曜日)
鎌倉市議会議長 中 澤 克 之
会議録署名議員 小野田 康 成
同 高 橋 浩 司
同 渡 辺 隆
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