○議事日程
平成28年 6月定例会
鎌倉市議会6月定例会会議録(2)
平成28年6月16日(木曜日)
〇出席議員 26名
1番 千 一 議員
2番 竹 田 ゆかり 議員
3番 河 村 琢 磨 議員
4番 中 澤 克 之 議員
5番 池 田 実 議員
6番 保 坂 令 子 議員
7番 岡 田 和 則 議員
8番 西 岡 幸 子 議員
9番 日 向 慎 吾 議員
10番 永 田 磨梨奈 議員
11番 久 坂 くにえ 議員
12番 長 嶋 竜 弘 議員
13番 前 川 綾 子 議員
14番 三 宅 真 里 議員
15番 渡 邊 昌一郎 議員
16番 納 所 輝 次 議員
17番 小野田 康 成 議員
18番 高 橋 浩 司 議員
19番 渡 辺 隆 議員
20番 中 村 聡一郎 議員
21番 上 畠 寛 弘 議員
22番 山 田 直 人 議員
23番 吉 岡 和 江 議員
24番 赤 松 正 博 議員
25番 大 石 和 久 議員
26番 松 中 健 治 議員
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〇欠席議員 なし
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〇議会事務局出席者
事務局長 三 留 定 男
次長 鈴 木 晴 久
次長補佐 藤 田 聡一郎
議事調査担当担当係長 笛 田 貴 良
書記 窪 寺 巌
書記 片 桐 雅 美
書記 菊 地 淳
書記 鈴 木 麻裕子
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〇理事者側説明者
番外 1 番 松 尾 崇 市長
番外 3 番 小 林 昭 副市長
番外 5 番 比留間 彰 経営企画部長
番外 20 番 文化財部長
桝 渕 規 彰
番外 6 番 歴史まちづくり推進担当担当部長
番外 7 番 松 永 健 一 総務部長
番外 8 番 柿 崎 雅 之 防災安全部長
番外 9 番 小 池 忠 紀 市民活動部長
番外 10 番 進 藤 勝 こどもみらい部長
番外 11 番 内 海 正 彦 健康福祉部長
番外 13 番 大 場 将 光 まちづくり景観部長
番外 14 番 征 矢 剛一郎 都市調整部長
番外 15 番 伊 藤 昌 裕 都市整備部長
番外 16 番 樋 田 浩 一 拠点整備部長
番外 19 番 佐 藤 尚 之 教育部長
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〇議事日程
鎌倉市議会6月定例会議事日程(2)
平成28年6月16日 午前9時30分開議
1 諸般の報告
2 一般質問
3 報告第1号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る ┐
専決処分の報告について │
報告第2号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
専決処分の報告について │
報告第3号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
専決処分の報告について │
報告第4号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
専決処分の報告について │
報告第5号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │市 長 提 出
専決処分の報告について │
報告第6号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の │
額の決定に係る専決処分の報告について │
報告第7号 継続費の逓次繰越しについて │
報告第8号 繰越明許費について │
報告第9号 繰越明許費について │
報告第10号 繰越明許費について │
報告第11号 事故繰越しについて ┘
4 議案第7号 緑地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の ┐
額の決定に係る専決処分の承認について │
議案第1号 鎌倉市子どもの家条例の一部を改正する条例の制定に係る専 │
決処分の承認について │
議案第2号 鎌倉市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の保育料 │
等に関する条例の一部を改正する条例の制定に係る専決処分 │
の承認について │
議案第3号 平成27年度鎌倉市一般会計補正予算(第9号)に係る専決処 │同 上
分の承認について │
議案第4号 平成27年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計補正予算 │
(第1号)に係る専決処分の承認について │
議案第5号 平成28年度鎌倉市一般会計補正予算(第1号)に係る専決処 │
分の承認について │
議案第6号 平成28年度鎌倉市下水道事業特別会計補正予算(第1号)に │
係る専決処分の承認について ┘
5 議案第8号 市道路線の廃止について ┐
│同 上
議案第9号 市道路線の認定について ┘
6 議案第10号 工事請負契約の締結について ┐
議案第11号 工事請負契約の締結について │同 上
議案第12号 工事請負契約の変更について ┘
7 議案第13号 物件供給契約の締結について 同 上
8 議案第14号 指定管理者の指定について 同 上
9 議案第15号 指定管理者の指定について 同 上
10 議案第20号 鎌倉市公正な職務の執行の確保等に関する条例の一部を改正 ┐
する条例の制定について │同 上
議案第21号 鎌倉市議会議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関す │
る条例の一部を改正する条例の制定について ┘
11 議案第23号 鎌倉市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準 同 上
を定める条例の一部を改正する条例の制定について
12 議案第19号 鎌倉市健康増進計画推進委員会条例の一部を改正する条例の 同 上
制定について
13 議案第16号 鎌倉市企業活動拠点整備事業選定委員会条例の制定について ┐
議案第18号 鎌倉市予防接種健康被害調査委員会条例の一部を改正する条 │
例の制定について │同 上
議案第22号 鎌倉市老人福祉センター条例の一部を改正する条例の制定に │
ついて ┘
14 議案第17号 鎌倉市空家等対策協議会条例の制定について 同 上
15 議案第24号 平成28年度鎌倉市一般会計補正予算(第2号) 同 上
16 議案第26号 平成28年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1 同 上
号)
17 議案第25号 平成28年度鎌倉市下水道事業特別会計補正予算(第2号) 同 上
18 議案第29号 鎌倉市固定資産評価員の選任について 同 上
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〇本日の会議に付した事件
1 諸般の報告
2 一般質問
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鎌倉市議会6月定例会諸般の報告 (2)
平成28年6月16日
1 6 月 15 日 市長から、次の議案の提出を受けた。
議 案 第 27 号 鎌倉市監査委員の選任について
2 請願2件、陳情7件を請願・陳情一覧表のとおり受理し、付託一覧表のとおり各委員会に付託した。
3 監査委員から、次の監査報告書の送付を受けた。
6 月 14 日 平成27年度平成28年3月分例月現金出納検査結果報告書
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平成28年鎌倉市議会6月定例会
請 願 ・ 陳 情 一 覧 表 (2)
┌─────┬──────────────────────┬─────────────────┐
│受理年月日│ 件 名 │ 提 出 者 │
├─────┼────┬─────────────────┼─────────────────┤
│ │請 願│子供達と高齢者の歩行空間の安全を守│鎌倉市極楽寺3−11−10 │
│ │第 1 号│る為、生活道路におけるあらゆる対策│鈴 木 義 則 │
│ │ │を講じるよう、鎌倉市に対して、働き│ │
│ │ │かけることを求める請願書 │ │
│ ├────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ │請 願│旧横浜地方法務局鎌倉出張所跡地を保│鎌倉市材木座3−1−6 │
│ │第 2 号│育園として施設配置の観点から早期の│川 上 明 子 │
│ │ │活用をすることを鎌倉市議会として、│ │
│ │ │鎌倉市に促すことを求める請願書 │ │
│ ├────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ │陳 情│「避難所想定施設へのダンボールベッ│鎌倉市今泉台三丁目18番4号 │
│ │第 5 号│ド供給体制」についての陳情 │長谷川 太 郎 │
│ ├────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ │陳 情│鎌倉市として健全な都市環境を守るこ│鎌倉市台2丁目8番6−4号 │
│ │第 6 号│とについての陳情 │山 田 恭 子 │
│ ├────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ 28.6.14 │陳 情│外部監査制度をすみやかに実施すべき│鎌倉市台2丁目8番6−4号 │
│ │第 7 号│ことについての陳情 │山 田 恭 子 │
│ ├────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ │陳 情│政務活動費が不正流用されないために│鎌倉市台2丁目8番6−4号 │
│ │第 8 号│Webサイトでの一般公開を行うこと│山 田 恭 子 │
│ │ │ついての陳情 │ │
│ ├────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ │陳 情│円覚寺結界尾根の学術調査の実施と北│鎌倉市高野27−25 │
│ │第 9 号│鎌倉隧道早期通行を求める陳情 │北鎌倉湧水ネットワーク │
│ │ │ │代表 野 口 稔 │
│ ├────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ │陳 情│北鎌倉駅大船側臨時改札口を改札口に│鎌倉市山ノ内520−1 │
│ │第 10 号│して頂く為の陳情 │藤 原 諭 他1名 │
│ ├────┼─────────────────┼─────────────────┤
│ │陳 情│北鎌倉隧道開削工事に関する法令違反│鎌倉市扇ガ谷4−6−6 │
│ │第 11 号│の事実を議会としてただすことを求め│岩 田 薫 │
│ │ │る陳情 │ │
└─────┴────┴─────────────────┴─────────────────┘
付 託 一 覧 表 (1)
┌─────┬──────┬─────────────────────────────────┐
│付託年月日│ 付 託 先 │ 件 名 │
├─────┼──────┼────┬────────────────────────────┤
│ 28.6.16 │総務 │請 願│子供達と高齢者の歩行空間の安全を守る為、生活道路における│
│ │常任委員会 │第 1 号│あらゆる対策を講じるよう、鎌倉市に対して、働きかけること│
│ │ │ │を求める請願書 │
│ │ ├────┼────────────────────────────┤
│ │ │陳 情│「避難所想定施設へのダンボールベッド供給体制」についての│
│ │ │第 5 号│陳情 │
│ │ ├────┼────────────────────────────┤
│ │ │陳 情│外部監査制度をすみやかに実施すべきことについての陳情 │
│ │ │第 7 号│ │
│ │ ├────┼────────────────────────────┤
│ │ │陳 情│北鎌倉駅大船側臨時改札口を改札口にして頂く為の陳情 │
│ │ │第 10 号│ │
│ ├──────┼────┼────────────────────────────┤
│ │教育こども │請 願│旧横浜地方法務局鎌倉出張所跡地を保育園として施設配置の観│
│ │みらい │第 2 号│点から早期の活用をすることを鎌倉市議会として、鎌倉市に促│
│ │常任委員会 │ │すことを求める請願書 │
│ │ ├────┼────────────────────────────┤
│ │ │陳 情│鎌倉市として健全な都市環境を守ることについての陳情 │
│ │ │第 6 号│ │
│ │ ├────┼────────────────────────────┤
│ │ │陳 情│円覚寺結界尾根の学術調査の実施と北鎌倉隧道早期通行を求め│
│ │ │第 9 号│る陳情 │
│ ├──────┼────┼────────────────────────────┤
│ │建設 │陳 情│北鎌倉隧道開削工事に関する法令違反の事実を議会としてただ│
│ │常任委員会 │第 11 号│すことを求める陳情 │
│ ├──────┼────┼────────────────────────────┤
│ │議会 │陳 情│政務活動費が不正流用されないためにWebサイトでの一般公│
│ │運営委員会 │第 8 号│開を行うことついての陳情 │
└─────┴──────┴────┴────────────────────────────┘
(出席議員 26名)
(9時30分 開議)
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○議長(中澤克之議員) 定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。20番 中村聡一郎議員、21番 上畠寛弘議員、22番 山田直人議員にお願いいたします。
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○議長(中澤克之議員) 日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
お手元に配付いたしました印刷物のとおりであります。
ただいまの報告に御質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
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○議長(中澤克之議員) 日程第2「一般質問」を昨日に引き続き行います。
まず、松中健治議員の発言を許可いたします。
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○26番(松中健治議員) それでは、まず最初に私の質問、子供たちのことから始めるわけでありますけれども、きょう、朝のニュースでイチロー選手が大リーグで安打数でトップに立ったと、日米通算で第1位となったというニュースが飛び込んできましたことは、私、少年野球をやって、子供たちが野球を楽しんでいることから考えて、非常に子供たちにとってもうれしいことだろうと、そして目標にもなるだろうという意味で、大変感激しているところであります。そういった意味では、イチロー選手に感謝申し上げたいことをまずここで表明しておきたいと思います。
それでは、給食におきますアレルギー対策ですね、どうしてこのような問題を私が取り上げたかというと、私、母がぜんそくで私が九つのときに亡くなっておりまして、それがアレルギーとか、そういうことがわからなかったんですね。それで、私自身も若いころからアレルギー体質、あるいはアトピー、そういった中でいまだに非常に苦しんでいる、そういった意味で、このアレルギーというのは非常に関心、私自身は高いのでありまして、湿疹が出たり、鼻水が出たり、あるいは喉が痛くなったり、いろんなアレルギー症状を起こすわけですけれども、せんだって、神奈川新聞に、保育施設の3割で誤配・誤食が、食物アレルギー対策という中で、緊急時対応の仕組みの必要性があるというようなことが記事で載っておりました。このことにつきましては、厚生労働省が非常に大きい調査を行ったんですね。それは、この記事に書いてあるように、保育施設が3割に上ることが厚生労働省研究班の初の全国調査でわかった。調査を担当したのが、それなりの専門家、記事で読んでいただければわかると思うのですけれども、いろんなアレルギーがあるわけですけれども、保育施設で急性のアレルギー症状を起こしたときは、これは大変心配なんですけれども、とにかく、何らかのアレルギーにかかわり得る中で、保育施設の3割が誤配・誤食、そういった記事が出て、これは鎌倉市では一体どうなっているのかと、それから民間施設はどうなっているか、とりあえず、このアレルギーの給食によることに対する対策はとっているという話も聞いたんですけれども、その辺のことを、やはり鎌倉市でも、これは誤配・誤食といった例もあるだろうと思いますけれども、心配なくはないけれども、一応、ある程度のことをつかんでいる、その辺はいかがでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 アレルギーの確認の仕方について、お話しさせていただきますが、保育所等への入所申し込みの際には、アレルギーの有無や必要な対応等について、児童調査票等の提出を求めております。また、医師の診断書等に加え、保護者からの聞き取りにより、アレルギーの内容を確認し、給食を提供しております。
公立保育園におきましては、平成28年6月1日現在、入所児童586人中25人と、一時預かりを利用している2人がアレルギー除去の対応を行っております。アレルギーの原因は、卵のみの方が11人と最も多く、そのほかに卵と乳、大豆、落花生などの組み合わせなどのアレルギーも見られているような状況でございます。
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○26番(松中健治議員) 鎌倉でも多少そのようなものが、答弁された中でも言われておりますけれども、せんだって、アレルギー除去状況ということで、25人程度のアレルギー体質の方がいる、そういった中での給食の体制というものは、非常に保育士の人も神経を使うだろうと思うんですけれども、そういった対応の中で、ゼロというのはなかなか難しいと思いますけれども、そういった中での給食体制はいかがでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 保育園では、保護者から提出された診断書、それをもとに栄養士がアレルギーの原因となる食材の除去や代替品、これを使った献立を作成して、それぞれのお子さんの状況に合わせて対応している状況でございます。
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○26番(松中健治議員) そういう事前に診断書等を提出されて対応していると。しかし、こういう給食のことから来るアレルギー、非常に保育園の中でも、そういう深刻な事態もあるだろうと思いますけれども、学校の給食、特に小学校ですね、いずれ中学校もそういうふうになるのかもしれないですけれども、現状は、どんな対応をしているか、一応、参考までに答弁願いたいと思います。
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○佐藤尚之 教育部長 学校関係でございますけれども、食物アレルギーを有する児童の確認につきましては、鎌倉市立小学校給食におきます食物アレルギー対応マニュアルに基づきまして、保護者の皆さんから提出された給食での食物アレルギー対応申請書、それから医師の診断に基づく学校生活管理指導表及び給食での食物アレルギー対応希望表にて対応を行っているところであります。
また、保護者の皆さんとの面談等を通じまして、学校教頭、養護教諭、栄養士、学級担任及び給食担当教諭等で構成される食物アレルギー対応委員会におきまして、対象児童の情報を確認し、共有しているところであります。
給食で使用する食材に対するアレルギーでございますけれども、やはり卵が最も多く、次いで乳製品、エビの順番になってございます。
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○26番(松中健治議員) これ、一生の問題になるようなことでも、私のように、それなりに時々大変苦しい思いをするようなアレルギー、あるいはアトピー、そういったことで対応することで苦しむときもあるんですけれども、とにかく子供ですから、自分から何かできるというようなことは、なかなかできないんで、保護者か、あるいは保育園なり学校なりが対応していくということなんですけども、そこで、神奈川新聞の記事の最後のほうに出ているのですけれども、全ての子供に目が行き届くような保育士を確保することは望ましいが、保育士が足りない中で、誤配が起こるのは仕方がない、保育士が緊急時の対応を学び、発症時には医療機関と電話で相談しながら対応していくというようなこともしているようですけれども、そういう意味で、保育士の人が大変だろうということでありますが、最近、保育士問題等もいろいろ議論がされて話題にもなっているところでありますが、それで、待機児童者数に関しては、高どまりしているけれども、この保育緩和要請が出てくることによって、忙しくなることによって、保育士の対応が緩くなると、このアレルギーという問題にかかわることでもあるので、ただ、保育緩和要請で待機児童者数というのは、横浜市が何か、一時ゼロになったようなことを言っても、何か、後で聞いたら、鎌倉市でも受け入れていたというような話もあるんで、一自治体が対応していたということでないようなこともあるのですけれども、その辺、要するに多少のやりくり、あるいは対応をしているかどうか、その辺はいかがでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 保育士不足の関係でございますが、保育士の配置につきましては、児童福祉法に基づく神奈川県の児童福祉施設の設備及び運営に関する条例を遵守いたしまして、定数の確保に努めており、定数を下回ることのないように努めているところでございます。
給食の誤配の関係ですけれども、調理員、保育士の確認不足、これが主な原因となっていることから、公立保育園においては、発生時に検証を行い、繰り返し間違えることがないよう、当該園のみでなく、園長会や栄養士及び調理員で構成する給食検討会等で確認して再発防止に努めているというような状況でございます。
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○26番(松中健治議員) それと、この保育緩和要請、国が考えているようですけれども、鎌倉市の場合には、これ、緩和しようとする、1人の保育士が5人から6人、あるいは緩和することによってもっと対応していくかどうか、鎌倉市は基本的にどういう考え方を持っているか、その辺、いかがでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 保育士の緩和というよりは、やはり手のかかる1歳児を中心にして、保育士の配置基準は特に鎌倉市においては、より手厚く対応しているような状況でございます。
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○26番(松中健治議員) 手厚くすることによって、こういう一つのアレルギー症状に対する保育時の対応もあるんですけれども、またそれだけではなくて、よく保育士が安い給料で働いているというような話もあるんですけれども、政府としては、保育士の給料アップをするという考え方もあって、しようとしているんですけれども、ここが問題なんですけれども、今、鎌倉市の保育というのは、これは直営でもあります。それから民間もあります。しかし、民間も外から入ってくることによって、その運営、経営実態というのが果たしてどこまで鎌倉市が把握しているかという問題もあるわけです。
それで、この記事の中に、緩和政策によって、規制緩和によって、保育の質が低下しないかというような自治体の懸念もあると。そこで、この記事の中に、例えばこれは東京都の場合ですけれども、人件費などを上乗せするが、保育士や保育所職員の給与を調べた結果、一部の法人では役員らに多額の報酬が支払われ、保育士の給与は低いままだったというようなことが記事に書かれているんですけれども、鎌倉市の場合には、そういうような民間保育園がどのような経営状態で運営しているかと、それで国が増額するだけではなく、保育士の職位や仕事内容に応じた給付体系を設定するなど、現場に行き渡る制度が必要だということも記事の中では、一つの声として取り上げているんですけれども、鎌倉市だけの保育園じゃない、だから、実態を非常につかみにくい。しかし、鎌倉市がお金を多少出していると、その追跡調査はどこがするのかと。かつては県じゃないかとか、そういう問題もあったんですけれども、せんだって、このようなことに関する鎌倉市の監査委員で監査できないかと言ったら、対象にはならないけれども、原局では努力しているというような話もあったんですけれども、まず、監査の対象にはできないかどうかというのは、いかがでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 保育所の運営に関する施設監査を所管する神奈川県におきましては、監査実施時に児童福祉法に基づく職員の配置状況、職員の処遇として給与規程、給与の支給状況の確認等を監査しております。
また、社会福祉法人の監査を所管する鎌倉市におきましても、社会福祉法人の会計処理を初めとする事業運営についての監査を行っており、市内の民間認可保育所に対しては、定期的に県による施設監査と本市による社会福祉法人監査が同時に行われている状況でございます。役員報酬や保育士等の給与の支給については、法人により考え方が異なる部分もありますが、問題があれば指摘し、改善を求めることとなりますが、本市において東京都のような問題は、現在の監査においては確認されていないという状況でございます。
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○26番(松中健治議員) 先ほど言いましたように、保育園が市内の民間保育園だけではなくて、他市から、あるいは遠くのほうから増園政策というか、こっちに進出しているという現実もあるだろうと思うんです。そういった中で、こういう一部の法人では役員らに多額の報酬が支払われ、保育士の給与は低いままだったというような現実が書かれているわけでありますから、これは注目し、また監査等、対応の仕方、しっかりやっていただきたいということを申し上げて、このアレルギーが生じて、保育士が非常に忙しくなるようなことの中から、誤食・誤配というようなことが起きてきたんだろうという面もあるだろうと。わからないのもあるかもしれないけれども、これからはそういう意味も含めまして、経営のあり方というのは注目していく必要があるだろうと思うわけであります。
それでは次に、かつて私、この議会で旧法務局の跡地の保育園の活用につきまして質問しました。
法務局は、あそこに残ったんですね、二十数年前、それは小泉純一郎さんにお願いして、何とか残すようにと、近隣の司法事務所が陳情に来たものですから、我々は、小泉純一郎さんに頼んで、そしてあそこに福祉センターを当初考えたんですね、市は。それで、あそこに法務局を残して、それで福祉センターの土地が宮内庁の土地で、それが財務省関東財務局におりてきて、それで財務省に話をしていただいて、小泉さんを通して、ああいう社会福祉センターが実現して、今日来ているのですけれども、しかし、数年前、この法務局が辻堂のほうに移転することによってあそこがあいていたので、昨年、私も質問して、この問題は昨日、上畠議員が言った内容で手続的にも、もう財務省と法務省の関係が目前に解決が迫っていると。しかし、私、そういう意味では、こういう問題が実現するに当たり、鎌倉というところに非常に関心を持っていただいたという人間関係の中で実現しているということだけは申し上げたいと思っております。
それは、まず、私がこの問題を取り上げ、それで東京の自民党の会合に出たとき、上畠議員から中山外務副大臣を紹介されたら、何と、鶴田真由さんが同級生なんで、よろしくと言われたんで、鎌倉と縁のある方だなとなって、そういうことで、中山先生の会に行ったら、そこに大塚拓法務政務官がおりまして、名刺を交換したら、鎌倉の市議会議員ですか、私の母の実家は鎌倉です、小町ですと。おかしいなと、私も小町ですよ、育ったのは。そしたら、私の全く幼友達のおいっこさんが今政務官をやっている、今、奥さんが丸川さんという環境大臣なさっているのですけれども、それで、話をして、大塚政務官から非常に動いていただいて、法務省の、調べたら、もう財務省に移管してもいいと、そして地元に使えるように言っておきましたからと。そうしたところ、以前から鎌倉の山本条太郎邸というものを何とか登録有形文化財にしようという動きの、鎌倉らしい日本建築がある、その山本条太郎さんが吉田茂首相といとこだったものですから、麻生さんにその話を伝えようじゃないかと言ったら、財務大臣になったものですから、財務大臣になったなら、この法務局の話もしようということで、上畠議員も動いてくれて、それ誰か麻生さんにつなごうということになったら、山東昭子先生が動いてくれることになったら、何と、そこにかかわった、これは市長も知っていたと思うのですけれども、秘書の方が鎌倉にかかわった秘書の方なので、非常によく動いていただいて、それで、もう鎌倉のことだということで、どんどん非常に好意的に動いていただいて、その話も麻生さんから快諾を得ているところであります。
そういった意味で、鎌倉のかかわり方というのは、非常におもしろいと思うのですね。そういうものを知ると、非常に動いていただける。ですから、積極的にその辺のルートというものは使ったほうがいいし、あるいはそういう形の中で動いたほうがいいと思っております。
この報告もいずれはしないといけないと思いますけども、この旧法務局の跡地の、きのうの上畠議員の答弁によると、法務省から財務省財務局、あるいは関東財務局で、しかし正式に契約があるわけじゃないですから、勝手に絵を描くこともできないでしょうし、またそのようなこともしたら失礼だろうと思うけれども、建物等の調査が行われているというような点もありますので、その辺のことはいかがでしょうか。
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○進藤勝 こどもみらい部長 現在、この建物を所管している横浜地方法務局、それと今後財産処分を所管する横浜財務事務所、この両方と現在協議を進めさせていただいているところでございます。
昭和61年に建てられた建物で、その建物の状況等を含めまして、現在、協議を進めさせていただいている状況でございます。
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○26番(松中健治議員) そういうことで、大分たっているようですけれども、使えるということならば、引き渡された後、速やかに対応して、改修して、子供たちの待機児童対策に使っていただきたいと思います。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
工事計画と工事経過情報発信、広報、これは下水道の汚水の放流、これ稲村ガ崎が崩落したことで起きたわけですけれども、この一連のことで、広報のあり方、情報の提供のあり方、ケースによっては、いち早く知った市長がフェイスブックに載せていて、我々はこれ聞いていないんだけれども、どうなっているとか、そういう話もあった中で、私なりに考えて、工事計画と工事経過情報発信と、例えば、泳いじゃいけないということがある程度わかったら、防災無線でも使ってやったらという提案をして、一度はやったんです。これはどういうことかというと、光化学スモッグが出たときには、非常に頻繁に、今、光化学スモッグが発生しておりますので、なるべく外に出ないようにと発信していますよね。あるいは、放送しているわけです。そういった、当然災害というか、大雨とか台風とか、そういうときは使っておりますけれども、光化学スモッグでも使っている。それから、一人の老人が行方不明になったとき、みんなで探すという意味もあるかもしれないし、見つけた場合には連絡してほしいという、老人の行方不明を探す意味でも、一人の人をそのような形で、非常に有効的に使っているということから考えたら、今回の下水の汚染水の放水というのは、海の中に入っては非常にまずいんだったら、僕は防災無線を使ったほうがいいのではないかと。そして、担当の都市整備部で本当に一生懸命やっていて、僕は言ったんです、部長にも。都市整備部はもうとめることだけ考えて一生懸命とめることを考えると。それで、広報は広報担当、あるいは環境に対しては環境部で対応するように、そういう体制にすべきではないかと、そういうことになってきたようですけれども、しかし、とにかく都市整備部で放水あるいは放流をとめたというのは、本当に心から感謝することもあり得るんですね。なぜかというと、経験がなかったということです。経験がないことに、これだけ、いろんな問題もあったかもしれないけれども、とめることでほっとしたという、市民から、何人も言われているので、とにかくよかったと。今後はどうするかということに関しては、環境部あるいは市民活動部とか、そしてその全体の広報、あるいは情報発信というものはやっていただかなきゃいけない。
そして、我々にはせめてこの工事のあり方、そして内容に関しては、細かくある程度知らせていただかないと、今どうなっているかといったときに、非常に我々は戸惑うんです。もうしようがないじゃないですか、流れたんだから。流れたことに対しては、もうこれをとめることが最優先になっている状況の中で、だからその状況の中で、どうして最初の工事計画が、あるいは工事がああいうふうになっていくのか。そうすると、やってみなきゃわからない、そのやってみなきゃわからない中での情報というのが私は大事だろうと思うんですけれども、その点について、この広報のあり方、あるいは情報の発信の仕方、これはそれなりの対応の部があると思うんですね、市民活動部も、将来、海にかかわることでもあるし、環境にもかかわることであるし、もちろん環境もあるし、あるいは当然そこを扱っている都市整備部もあるだろうし、これは本当に、あるいは鎌倉市だけじゃなくて、例えば、国道134号線なんだから、国道134号線というものがああいう事態になった、これは影響なかったわけじゃないだろうと思う。そういった意味でも、広い意味でも情報というのは、我々は知っておく必要があると思うんです。
つまり、どういうことかというと、これは自然災害だと、きのうありましたけれども、しかし、これは大きな自然災害があっても、その後の対応の仕方がまずければ人災になるんですね。天災じゃなくて、天災が人災になるということなんです。そういう意味での、要するに情報が発信されて、市民もある程度やむを得ないという納得があるならば、それほど人災という騒ぎ方はしないかもしれないけれども、この辺のことは、きちんとやってもらいたいと思うんですけれども、担当部局の情報発信、それは去年だったか、サメが出たら、サメが出ましたという情報を防災無線でたしか流したんですね、去年は。だから、泳いじゃいけない、汚れている、あるいは非常に状態が悪いというようなことは、それは反響が多いかもしれないけれども、情報発信を防災無線等で速やかにしたほうが。だけど、何かふっと見ると、何か市長が、今こんなことですというようなことを笑ったプロフィールの写真でやると、何かむかっとするって、そういうところで、非常に担当には厳しく言ったんですけれども、それを中心的にやっているのは経営企画部なのかな、その辺は全体の組織のあり方からいっても、それぐらいの対応をしないと、まさに天災が人災になる。これはもっと大きい意味では、防災という意味でも、それはやっていなきゃいけないんですね。天災だったんだ、あるいは自然災害だといったって、それはある程度見れば、年がら年中チェックして、例えば、あそこにプールがありますね。あれだって、いつ周りが崩れるかわからないんです。だから、そういう意味では、あの一帯というのは、非常に危険な場所だし、国道134号線が私は欠陥道路と言っているんです。実際、そういうことになるだろうと思うんですけれども、その辺の情報の発信のあり方というのは、どういうふうにお考えになっているんですか。
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○比留間彰 経営企画部長 ただいま御指摘いただきましたとおり、危機管理広報、これは非常に重要なものと認識しておりまして、日ごろからも、この危機管理広報のあり方について庁内的に共有していこうというような取り組みをしているところでございます。
ただ、今回のことにつきまして、どのような情報発信をしていくか、広報ですとか、状況が刻々変化する中で、正確な情報を迅速にお伝えして、皆さんに知っていただくとともに、しかしながら不安や混乱を招かないように、どのようにしていくかというところは、いろいろ議論をしながら、情報発信に努めてきたところでございます。
ただ、議員御指摘のように、防災無線を使って、非常に広く広報していくべきだとか、あとは「てのりかまくら」のようなツールを使って、SNSやそういうものを使って市民の方に知らせていくべきか、こういうものを対応して、少し指摘を受けてからということになってしまったんですけれども、対応してきたんですけれども、やはり御指摘のように、今後はこの危機管理広報、もっとしっかりして、やはりその対応によっては、非常に後の責任問題とか、そういうことですとか、第2次、第3次の被害につながってくるということも想定されますので、十分にこの辺に注意をしながら、危機管理広報に努めていきたいと考えております。
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○26番(松中健治議員) 東日本大震災で非常に悲しい事故というか、地震の被害があったのが大川小学校ですね。大川小学校は、地震が起きて、津波が来る、津波が来るんだけど、そこで議論していたんですね、どこへ逃げようと。そうじゃなくて、とっさに判断する、そういうあり方というのは、情報を流すという意味でも、もう早くから、そこのところに、もう山へ上がれとかという情報が即断できるようなことが絶対必要だと思うんです。海で泳いでいて、実は汚れていました。後からこうですと。それから、あそこは自然災害です。そのとおりかもしれない。しかし、国道134号線ができたのが、もう既に関東大震災以降にできて、あそこは埋め立てのところですから、当時の、数十年前の車の量と今の量が全然違うのです。車の量が違えば、要するに国道134号線だって、それはもう傷みが激しくなって、揺れも起きて、その周りも揺れていくということはあり得るので、それは鎌倉市としての問題じゃないにしても、そういうチェックの仕方というのは、常になくてはいけないし、またその情報というものも、幾ら県・国のところであったとしても、やはり我々がかかわる、そこのところを下水を通しているわけでありますから、それもヒューム管だという。私覚えています、中学校から高校のときに、鎌倉の若宮大路が洪水になって、それでえぐられたら、その下にヒューム管が埋まっていて、こんな浅いところにヒューム管が埋まっているのかなと思うぐらいえぐられたことがあるんですけれども、そういう状態なんですね。下水道の問題は後にします。しかし、工事計画と工事経過情報発信のあり方というのは、これは本当に我々にもきちんとしていただきたいんですよ。それはどういうことかというと、今度の北鎌倉のトンネル工事の、とまっているあの状態というものが、一体何でとまっているのかと、どうしてとまっているんだと、もう本当にわからないですよ、僕ら。もう最初のころからやったのに、トンネルの強度を後から考え、そして今度は史跡だ、あるいは文化財だという議論が出てきて、その問題は後にしても、このあり方は、多分、鎌倉の工事とか、民間の工事も含めて、工事あるいは許認可含めて、非常にそういうところが多いんですね。情報を発信してくれれば、はっきりそこのところはこうしたらいいということをきちんと言えるんだけど、その内容が一体どうなんだと、後からこうだったんじゃないかと、実はというような話が出たら、これは、一番いい例が岡本マンションなんです。岡本マンションの問題と同じように、この北鎌倉のトンネルもなるんじゃないかと思うんですよ。あるいは、なっているのかもしれない。その岡本マンション、これ御存じのように、約10年近くやって、一体今の実態は、市長見に行っていますか。今、僕が何回かあの辺を通ると、工事をやっているのを見ないんですよね。どうなっているんですか。市長は、あの問題を大問題として取り上げて、市長自身だって運動を展開していたんだから、その関心というのは持っているはずなんですけど、現状は、市長自身はどういうふうに考えているんですか。見ているんですか、現場。
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○松尾崇 市長 岡本マンションの問題のあった跡地の現場については、前の道路を通るときには気になって見るということで、改めて、ことしになってから、現場の特化した視察ということは実は行ってはおりません。
今現在、岡本マンションの計画が終わって以降、現場としては、適宜管理をしているという状況になっているというところでございまして、今後、階段の復旧、それから実際のあそこの跡地の活用ということになっていくということでございます。
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○26番(松中健治議員) 市長、私が今工事しているんですかと言ったのは、市として工事しているんですか。つまり、階段の復旧ですよね。階段の復旧、いつからやっている、それをわかっているんですよね、あれだけの問題ですから。市長、わかっていますか。
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○松尾崇 市長 階段の復旧につきましては、ことしの真夏ごろ完成をめどに進めていると認識をしております。
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○26番(松中健治議員) だから、いつからスタートしたんですか、道路復旧は。そんな程度なんですか。市長、見てないと言うけど、私、あそこを通ったりすると、工事をやっていないんですよね。市長、工事をやっていない状態は知らされているんですか。今の答弁、どういうことなんですか。工事をやっていること、私、最近見ないんですけれども、どういうことなんですか。いつからスタートしているか。私、写真にしてきたんですけれども、何で私がこういうことを言うかというと、北鎌倉は、岡本マンション化するから、私はその質問をしているんですよ。
2月19日、そんなメモ流して、今答弁されたって困るんだけれども、知らなかったんですね。そう言ってくださいよ。
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○松尾崇 市長 今、工事がとまっているという状況は、私自身知りませんでした。
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○26番(松中健治議員) だから、私はさっき言ったように、情報だけはきちんと流してくださいよ。そうでないと、それでいつからこれとまっているんですか。工事を始めたのは2月19日じゃないんですか。それで、一、二カ月やったんだろうと思うけれども、とにかく、あの辺をよく通るんだけど、工事はユンボが1台入っているんだけど、市長は見ていないからわからないけど、原局、いつからとまっているんですか。どういう状態になっているんですか。
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○伊藤昌裕 都市整備部長 申しわけございません。今、とまっている理由を確認できていないものですから、確認させていただければと思います。
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○議長(中澤克之議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(10時11分 休憩)
(11時00分 再開)
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○議長(中澤克之議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
理事者の答弁を願います。
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○小林昭 副市長 お時間をいただき、恐縮でございます。担当部長から答弁をさせていただきます。
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○伊藤昌裕 都市整備部長 階段の工事につきましては、隣接所有者との調整によりまして、一部宅造計画の見直しが必要となりました。実際には、平成28年5月9日から工事を中断してございます。現在は、宅地造成等規制法の許可の変更手続中でございます。
当初の着手は平成28年2月19日で8月中の完成を予定しておりましたが、このことで約1カ月程度完成が延びる予定となっております。
この変更申請につきましては、既に審査はおおむね終了しておりまして、近々には許可がおりて、工事を進められると考えております。
今回の件につきまして、工事の状況を皆様に情報提供、不十分でございましたことについて、まことに申しわけございませんでした。
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○26番(松中健治議員) そういうことで工事がとまっているんだというならば、前面に張ってある看板に、階段を直す工事をしていますというところに、北鎌倉のように、休工中というものでもしておいていただければ、休工中で、今は工事が何か理由があってとまっているんだなと思えるので、ひとつその点もよろしくお願いします。
また、情報等は関係している所管の建設常任委員会ぐらいは話をしていただきたいと思っております。ただ、10年かかった岡本マンション計画跡地のところですから、そういう意味では、かつて、小町通りの電柱地中化の問題も、善意に解釈して、東日本大震災だと思ったら、地下に埋まっているものが、流用の仕方がおかしかったんで、おくれていったと。それも、実はということになって、私としては、あるいは多くの人が迷惑したということもありますので、多分そういうことから考えてみますと、北鎌倉のトンネルの安全対策というものは、岡本マンションのような事態になってくるんではないかということは、残念ながら予想されます。そういう意味で、市長は、本当にその辺のことは考えておかないと、あるいは七里ガ浜の開発問題も数年たっているんですかね、あそこも、ある意味泥沼化していく。それはもう、実はということになっていってしまうので、そのときはもうどうにもならない、足が抜けないぐらい泥沼になってしまう。そういう意味では、岡本マンションが一つのいい例であります。そして、七里ガ浜、小町は急いで電線の地中化はしました。今では、人もかなり通っておりますけれども。
そういった中で、この北鎌倉の問題、きのうの上畠議員とのやりとりで聞いていると、市長の言っていることがもうわからない。まず、どういうことかというと、ここは危ないから、開削工事でも何でも、安全対策をするんだということは決まっているわけですね。ところが、その安全対策の方法が、そうではなくしたって、安全対策、安全上大丈夫だというところで、トンネル協会に諮ったと。今度は、史跡が出てきて、あるいは文化財が出てきて、史跡というか、そういうものが出てきたら、それもこれも、そうすると、今度はそっちで、実はとなっていると、市長は、工事はやって、やりながら協議をすると聞こえたんですけれども、休工して、文化財の協議をするんですか。つまり、文化財を調査する意味、危険な面を調査する意味で樹木の伐採もあり得るでしょうけれども、工事は休工するけれども、調査等の工事はするということなんですか。つまり、本来の工事は停止するんですか。まず、それをお答えください。
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○松尾崇 市長 今、北鎌倉の工事につきましては、休工中ということでございまして、県の許可が得られ次第、再開をするという、そういう予定になっております。そこがまだはっきりと日程がわからないというところでございます。
ただ、今の御質問からすると、この休工、仮に許可が出ても、この文化財専門委員の協議というところまでは休工を続ける予定で御意見を伺うということを予定しています。
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○26番(松中健治議員) そうすると、当分の間、文化財との協議が終わるまでは休工だと。きのうは継続みたいなことを言っていた、考え方としては継続という考え方をとっているようなのか、そうじゃなくて、工事そのものは休工して、それで、県の許可がおりないというのは、これはどういう理由なんですか。これ、工事、本来的には県がやる工事なんじゃないですか。鎌倉市がやる工事じゃなくて、崖地対策の急傾斜地としてなら、本来的には県がやるんじゃないですか。その点、いかがですか。
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○伊藤昌裕 都市整備部長 急傾斜地の崩壊に対しての工事というのは、県が所管する部分が大部分でございますけれども、今回のこの案件につきましては、鎌倉市が道路をつくっていくという中で急傾斜地崩壊危険区域の中ののり面も、道路工事によって安全対策を施していくということになりますので、鎌倉市で実施していくということでございます。
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○26番(松中健治議員) そうじゃなくて、急傾斜地というのは、本来、県がやるんじゃないですか。例えば、あの周り、急傾斜地でやっているところがありますね。私も、かつて円覚寺の正面の右側、あれが急傾斜地で工事が行われたとき、東慶寺の和尚さんが、もう怒りまくって、あれは景観上とんでもないと、何とかやめさせるか何とかしてくれと。もうそれはすごかったです、確かに。同じ円覚寺の中の話だったんですけど、しかし、あそこも急傾斜地やらないと、危ないんですね。だから、地元の人たちは、申請すれば県がやってくれたんですね、鎌倉市もお金は多少払っているかもしれないけれども。それで、和尚さんに説得したのは、これはもう危ないから、私は危ないから急傾斜地やらざるを得ないと。だけど、アイビーか何か、上から垂らして緑で覆うようにすると。だから、規模からいったら、ここより相当大きいですね。これずっとやりましたよ。それは認めざるを得なかった、危ないから。あの鐘撞堂の下ですね、一帯は。だけど、下には多少人家があるんですけれどもね。だけど、本来的には、そういう意味では県の考え方で、県が許可をなかなかおろさないというのはどういうことなんですか。
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○伊藤昌裕 都市整備部長 議員おっしゃるように、急傾斜の工事については、原則的に県が主体となって工事を進めていくというのは、そのとおりでございます。
県が実施する中でも一定の基準がございますので、ある程度の高さを超えているとか、あるいは崖下にお住まいの方がどのぐらいいらっしゃるかとかという基準の中でやっていくことになっております。
先ほど申し上げましたように、今回のこののり面の処理につきましては、鎌倉市が道路を築造するために必要となる部分でございますので、鎌倉市がやっていくという形になっております。
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○26番(松中健治議員) だって、急傾斜地で県が危ないと言っているなら、危ないところをとるという作業は県がやらなきゃいけないんでしょう。道路をつくるとか何かは別として、危ないという指定をしているのは、県なんでしょう。危ないと考えているところは、県が判断して、だけど工事は鎌倉市がやるならやってもいいよと。だけど、県がもう危ないという判断をしているところですね、ここは。
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○伊藤昌裕 都市整備部長 御指摘のように、県が急傾斜地崩壊危険区域として指定している部分でございます。
私どもで道路工事をやっていく中での安全確認をしていくという中で、県からは、その安全を保つためにどういう形ののり面処理がいいかということについては、協議して確認しているという状況でございます。
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○26番(松中健治議員) そうすると、危ないところであるかもしれないけれども、そこが重要なところであるという考え方、つまり、そこは文化財というか、史跡的なところで重要だという判断も含んで、県は、急傾斜地の許可をおろすんですか。鎌倉市が危ないとか何とかの以前に、急傾斜地は本来的にやるのは県であるし、鎌倉市がたまたま道路をやるからやるんだろうと思うけれども、県は史跡だけれども、急傾斜地としては、工事はやるべきだという考え方をとっているところ、あるんじゃないですか。県が急傾斜地だということになったら。だけど、そこは史跡だから、急傾斜地はやらないよと、指定しているけれども、やらないよと、鎌倉市は道路としてやろうとしているけれども、県が、やってもいいかどうかという判断は絶対するわけじゃないですか、急傾斜地の場合、史跡であっても。そうでしょう。急傾斜地を指定して、史跡と急傾斜地と、どっちが優先するんだといったら、考え方によっては、人の命が危ないから安全、だから急傾斜地の工事はやると。いや、史跡が大事だから急傾斜はやらないということになるじゃないですか、県が。急傾斜地の工事はやらなくていいという判断をするんじゃないですか。
県が急傾斜地の判断をしないという理由は何なんですか。だって、長過ぎるじゃないですか。何年前からここのところの工事をやるというのは。県に申請したのは、県と相談したのはいつから相談しているんですか、ここのところの道路のあれをするというのは。急傾斜地で、県と話をスタートしたのはいつですか。最近じゃないでしょうね、まさか。
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○伊藤昌裕 都市整備部長 今回、具体的に開削工事について県に図面で協議をし始めたのはことしの2月でございます。
その中で、協議していく中で、道路区域についてこういう形でののり面の処理になりますという形でお話をしていって、その協議を重ねていく中で、神奈川県からは、道路区域だけではなくて、その道路区域の上の部分、民有地になりますけれども、その部分についても一括して安全対策を施すようにということで、その安全対策の方法について、具体的な図面を出して協議してくださいということを御指導いただいて、今まで協議を続けているという状況でございます。
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○26番(松中健治議員) そうすると、県は、どういうことなんですか。民有地を急傾斜地で対策してくれと市に言ってきているかもしれないけれども、だけど、県はまだどうしたらいいんだということは判断していないということですね。史跡のことは別として。そこは危ないからこうしてくれということはまだ何も。鎌倉市は出していますよね。だけど、判断はしていないということでしょう、許可がおりていないということは。何で判断できないんですか。
とにかく、民有地に言っているんでしょう。市に言っているんじゃないでしょう。民有地は、本来は県でやることじゃないんですか。県で判断するんじゃないですか。急傾斜地は危ないから、こういうふうにしろということで、工事をやれと言うなら。そういう必要ないなら、急傾斜地の指定していないわけじゃないですか。急傾斜地に指定をしている以上は、こうやって工事をやるようにといって判断するのは県ですね。
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○伊藤昌裕 都市整備部長 急傾斜地崩壊危険区域に指定しているのは県でございますので、その内容についても県が把握していると。今現在の状況を申し上げますと、もう技術的にどういう形でのり面の安全性を保つかということについては、ほとんど協議は終了しております。あと、わずかな指摘につきまして、鎌倉市から書類を出せば、県からの許可はもうすぐおりるという状況でございます。
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○26番(松中健治議員) そうすると、一つは急傾斜地の許可がおりない限りは工事はやらないですね、おりない限り。おりるだろうという話じゃなくて、おりない限り工事はやらないですね。
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○伊藤昌裕 都市整備部長 御指摘のとおり、急傾斜地の許可をきちんといただいて、それから工事再開してまいります。
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○26番(松中健治議員) そうすると、この工事は、その許可がおりるまではやらないですね。市長自身もそういう考え方ですね、とりあえず。急傾斜地の許可がおりない限り、市長もやらないですね。そういう判断ですね。
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○松尾崇 市長 はい、そうです。
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○26番(松中健治議員) それで、次に史跡ですけれども、史跡は文化庁、文化財、これはこれから史跡として残せと、そこをいじるなと。いじるなという判断は最終的にどこがするんですか。文化庁の個人的な見解じゃないでしょう。文化財じゃないんですね、まだ。文化財じゃないものの工事をとめられる権限が文化庁にはあるんですか。それとも、要するに史跡に指定するから工事をやらないでくれと言っているんですか、その点はいかがですか。
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○桝渕規彰 文化財部長 今のところの文化庁の見解としましては、この北鎌倉隧道があります尾根というもの、これが重要文化財に指定されている円覚寺境内絵図に描かれている尾根の一部であると。それをもってして文化財的価値があるので、これについては、鎌倉市で外部の委員会なり何なりを立ち上げて、きっちり検討しなさいというところまででございます。
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○26番(松中健治議員) それは文化庁がおかしいじゃないですか。文化庁が、そこが重要だと、古絵図があるから重要だと言っているなら、自分のところで何で判断しないんですか。何で鎌倉市で判断してこいということになるんですか。普通は鎌倉市が重要だというんで、下から上へ上げていって、要するに国の史跡指定を得るわけですけれども、そこはもう頭から重要であるという考え方をとっているなら、自分のほうで重要だという判断をする体制を、鎌倉市は工事をやると言っているんですね。だけど、まだ重要なところはいじらないんです。重要だから工事をやるなと言っているんですか、文化庁は。その点はいかがですか。
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○桝渕規彰 文化財部長 やるなというところまでは聞いておりません。
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○26番(松中健治議員) そのやり方次第の内容によって、それはまずいよということはあるかもしれない。だけど、絶対、そこのところは残せという、絶対ここのところはいじるなということは言っていないんですね。
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○桝渕規彰 文化財部長 繰り返しになりますけれども、重要であると、文化財的価値があるということであるので、第三者の意見を聞いて検討しなさいと、そういうところまででございます。
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○26番(松中健治議員) そうすると、文化庁が言っているのは、重要だとは考えている。だけど、意見を聞きなさいと。意見を聞きなさいと言っているけど、どういうふうにしろとも何にも言っていない。そうすると、市長自身は、この工事は急傾斜地の許可がおりるまではやらない。だけど、協議がどういう内容であるか、はっきりするまでは工事やらないんですね。調査に向けての工事は別として、工事はやらないんですね、休工中にしているんですね。急傾斜地の許可がおりるまではやらない。だけど、文化財の場合には急傾斜地じゃなくて、重要な文化財であるという判断はしているけれども、そのやり方は協議してこいと言っている。文化庁は重要だとは言っているだけで、あとは協議してこいと言っているだけで。しかし、協議が終わるまで休工中にする、工事をやらない。それははっきりしないと。わからないんですよ、何でとまっているのか。だから、協議が成立じゃなくて、結論が出るまで工事はやらないのか。そうじゃなくて、工事は県の許可がおりたらやるのか、そこははっきりしてくださいよ。
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○松尾崇 市長 この文化財専門委員会の結果が出るまで、基本的にその工事はやらないということです。基本的にと申し上げますのは、まだこれははっきり決まっておりませんが、この文化財専門委員会の中で文化財の議論をするのに必要な木の伐採ですとか、測量ということがもし発生するとすれば、そういうことは行うということでございます。
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○26番(松中健治議員) それでは、確認しました。文化財の協議が終わるまでは工事はやらないと、必要な文化財の調査をする上での工事はやるけど、トンネルの安全対策工事は休工中だと、それでいいわけですね。これは確認しましたよ。だから、それまではやらないと。協議が終わるまではやらないと、それでいいですね。
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○松尾崇 市長 文化庁との協議ではなく、この文化財専門委員会の結果が出るまでやらないと申し上げました。
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○26番(松中健治議員) いいですよ、文化財の結果が出るまでだから、それをどう判断するか、文化庁はその後ですから。とりあえず、協議が終わるまではやらないということだけは確認しておきます。そうですね、いいですね。
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○松尾崇 市長 繰り返しになりますけれども、この文化財専門委員会の結果が出るまではやらないということです。
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○26番(松中健治議員) それでは、確認しました。昨日のやりとりの中で、非常によくわからなかったんです。そういう意味では、とにかく文化財の協議が終わるまでやらないということで確認しましたので、これはだんだん岡本マンション計画地の跡地的になっていくことが予想されますので、きのうの話ではないけれども、慎重にやってください。この件については終わります。
次に、文化財保存という点で、新しい文化財資源とか、あるいは観光資源ということなんですけれども、釈迦堂トンネル、大町釈迦堂口遺跡は史跡になっています、上が。ですけれども、トンネルそのものは危険なので、その調査費はついて、今後どう計画をとっていくかということは決まっておりますけれども、この進捗状態はどのようになっていますか。
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○桝渕規彰 文化財部長 大町釈迦堂口遺跡のトンネルにつきましては、平成28年度に国庫補助事業を活用いたしまして、ボーリング調査などによります地質の状況及び岩盤の安定度の把握、そして崩落対策の必要性の分析、さらに安定対策工法の検討などを内容といたします崩落対策調査というものを都市整備部と連携しながら実施していく予定でございます。
そして、その調査結果を踏まえまして、平成29年度以降、トンネルと周辺の崖の崩落防止対策につきまして具体的な検討を行い、国・県とも相談しながら実施してまいりたいと、このように考えております。
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○26番(松中健治議員) そういうことになると、今後の見通しの中で、国の補助金等はある程度想定されますか。
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○桝渕規彰 文化財部長 この調査自体も国庫補助事業を活用しておりまして、前提としまして、次の安全対策工事、保存修理工事ということになりますが、これも国庫補助事業を活用できればと考えております。
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○26番(松中健治議員) ぜひ頑張っていただきたいと思います。
それと、これは前回も言いましたけれども、新しい文化財、ビューポイントという点についての内容ですけれども、稲村ガ崎から富士山、あるいは伊豆山々、夕日、江の島というものがすばらしいビューポイントとして稲村ガ崎があるわけですけれども、ライブカメラ等をつけたらどうか、現在の進捗状況をお願いします。
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○小池忠紀 市民活動部長 鎌倉市におきましては、歴史的・文化的遺産とともに、自然環境や景観も重要な観光資源の一つと考えているところでございます。
特に、御指摘のありました稲村ガ崎から富士山を望む景色につきましては、葛飾北斎の富嶽三十六景に描かれ、また関東富士見百景にも選定されているということで、景勝地の名にふさわしい、すばらしいものと考えているところでございます。
そのため、稲村ガ崎にライブカメラを設置いたしまして、富士山や七里ガ浜の映像をリアルタイムで市民や観光客に配信することにより、現地へ行かなくても多くの方々に景色を見てもらえることから、早期の実現に向けて取り組んでいきたいというところでございます。
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○26番(松中健治議員) せんだって、麻生財務大臣にお会いしましたとき、西瓜ヶ谷の国有地の払い下げ問題、これはぜひやぐら等の史跡があるところですから、払い下げをしないようにという要望をしたところ、即決で、それはしないと。しかし、今後の西瓜ヶ谷のやぐら群ですね、この指定に向けてのあれは文化庁だと、そっちでやってもらいたいというような話もありました。ですから、あそこはもう守ることができます。しかし、史跡指定に向けての、これからの手続はどうなっていくでしょうか。
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○桝渕規彰 文化財部長 ただいま議員御指摘の西瓜ヶ谷やぐら群につきましては、教育委員会としまして、史跡指定を行って保護を図っていくこととしておりまして、平成25年度以降、発掘調査を実施いたしまして、平成28年度、今年度には調査の結果に基づく、そのやぐら群の歴史的な価値の検討を行っているというところでございます。
この歴史的な価値づけが定まった後に、国の史跡指定を受けたいと、このように考えておりまして、現在、指定に向けた段取りなどの協議を国・県と進めているところでございます。
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○26番(松中健治議員) せんだって長谷小路周辺遺跡を見学させていただきました。この点について、大変な評判を受けて、私のフェイスブックも1万件を超えました。そういった中で、関係方面の方々も、非常に興奮したことだろうと思います。私も見て、鎌倉市の新しい歴史のロマンが湧いてきました。特に、一つの葬送のあり方、あるいは死のあり方、つまり当時まだどれほど宗教的な背景があったかわからないけれども、そういう意味から考えても、あるいは学術的な意味から考えても非常に珍しい貴重な発見だと思いますが、その点についての見学会等を含めた反応等の御意見を伺いたいと思います。
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○桝渕規彰 文化財部長 ただいま議員御紹介の由比ガ浜で出土しました石棺墓でございますが、これは鎌倉市内での初めての出土ということもありまして、特に、鎌倉における古墳時代の葬送であるとか、墓制、こういったことを物語る上で非常に貴重な発見だと考えておりまして、また県内でも13例目ということで、同様の事例は横須賀や三浦半島、こういったところに集中しております。そういった海浜部での発見が多いということで、今回の葬られた方につきましては、海を介在とする一つの勢力の存在というものをうかがわせる、そういったことが考えられます。
また、葬られた方は10代後半というような年代が推定されておりまして、そういった若い人を石棺をつくって丁寧に葬っているという行為からして、一族の長とまではいかないまでも、その後継といいますか、後継ぎといいますか、そんな人物だったのかもしれないなどということが今考えられております。
また、こういった貴重な発見ですので、6月12日に現地見学会を開催させていただきました。当日ですけれども、午前中に1,800名余り、午後からは2,000名余りということで、約3,800名の方が訪れて遺跡を見学されました。見学を終えた多くの方々からは、とても貴重な遺跡を見ることができたというような感想をお聞きすることもできましたし、また、遺跡や出土品について職員に積極的に御質問されるという方も多く、市民の興味・関心の高さというものがうかがわれたところでございます。
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○26番(松中健治議員) 私も、大変そういう意味では今回の石棺墓の発見というか、出土は大変なことだと考えます。しかし、この前、見学会を催しましたが、今後これをあそこに残すのか、あるいはこれをどこかへ移して保存して展示する、これはまだまだ見たい人がたくさんいるだろうし、また研究的な意味でも、学術的な意味でも、非常に貴重なものだと思いますが、その点についていかがでしょうか。
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○桝渕規彰 文化財部長 この石棺の石質は泥岩でございまして、非常にもろいということ、それから人骨も適切に管理しなければ次第に劣化し、風化してしまうということでございまして、そのまま保存することは大きな困難を伴うため、石棺墓を現地で、出土したままの状態で保存するということは非常に難しいと考えております。
さらには、現地におきましては、調査終了後、保育園施設がつくられるため、その敷地内で展示を行っていくということになりますと、多くの方々にごらんいただくことができないような、そんな可能性もあるだろうと思います。
展示場所につきましては、博物館などのより多くの方の目に触れることのできる施設というものを考えてまいりたいと思っております。
また、今後は石材と人骨の劣化防止のために、適切な保存処理ということを考え、そして展示が行える場所、またその展示の手法等についても検討してまいりたいというように考えております。
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○26番(松中健治議員) 大変貴重なものですから、あらゆる形で御検討をお願いいたします。
次に、これは私から市民活動部に一つ提案ですけれども、日本遺産になりました。日本遺産になりましたけれども、日本遺産というのは、「いざ、鎌倉」ということで、モザイク状の町並みというか、都市という考え方がある中で、やはり「いざ、鎌倉」というタイトルというか、そういうコンセプトの中で日本遺産に指定されたわけですけれども、鎌倉幕府の立ち上がりに大変坂東武者の御家人には世話になったわけですから、今日こうやって鎌倉があるのは、この御家人の皆さんのおかげだと。坂東武者の心意気もあるわけですから、三浦半島サミットもあるかもしれないけれども、もっともっと広く考えたほうがいいというのは、今、世界遺産も、1カ所だけじゃなくて、関連すると、例えば鉄文化でいったり、近代文明でいったら、八幡の製鉄所とか、萩とか、あるいは軍艦島とか、韮山とかという考え方をとります。また、最近では、西洋美術館、この西洋美術館も、ル・コルビュジエが設計した美術館が17カ国、17カ所、世界遺産に、その人が手がけたものがなった。このコルビュジエの弟子が鎌倉の近代美術館の建物ですね、近美、あるいは鎌美とも言いますけれども、坂倉準三であります。そういった中で、非常にそういう広範囲に、あるいは広く考えたほうがいいと思うんですけれども、鎌倉市の場合、この鎌倉幕府を考えたわけですから、でき上がったわけですから、150年の間に、この御家人というものが何人かいると思います。そういう方々で成り立ってきたと思います。そういう意味で、御家人の家紋やのぼり旗をつくって、その関係自治体とか、関係者と、友好的な、深い考えじゃなくても、要するに歴史的な関係ということを理解してもらうためにも、いろんな会合とか、サミットとか、当時御家人が誕生しています。そういう意味では、各地に弁慶と義経、伝説だけでも、これだけ大きい記事になるんだなと。そういう意味で、鎌倉との関係を持ちたい自治体はたくさんあると思う。あるいは、関係を持ちたいところもたくさんあると思うんですね。そういう意味では、御家人を、まず関東から始めて坂東武者にかかわる相手を決めて、関係を持って、あるいは鎌倉幕府、あるいは御家人手形なんかを発行して利用したほうがいいんではないかという提案をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
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○小池忠紀 市民活動部長 ただいま御提案いただきましたような、例えば鎌倉幕府の御家人をテーマとした観光案内など、知られざる鎌倉の歴史にまつわる取り組みにつきましては、鎌倉の魅力や価値をこれまで以上に高めるとともに、鎌倉の歴史や観光を多くの方々に理解していただくための新しいツールであると考えてございます。
御指摘の取り組みにつきましては、貴重な御提言として受けとめさせていただきまして、今後の研究課題とさせていただければと思っているところでございます。
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○26番(松中健治議員) 今回は、一つの提案なんですけれども、それに基づくものとして、僕は文化財部で扱ってもらいたいという希望もあるんですけれども、市民活動部で、この鎌倉に旧跡を、何か石碑がたくさんありますね。80以上あるのか、それをまとめた鎌倉旧跡という、すばらしい本が、雪ノ下のお医者さんだろうと思うんですけれども、発行しているんですね、もう5年前に。そして、そこに御家人の屋敷跡とか、たくさん写真を載せて、そこから鎌倉を見ると、この国の過去と未来が見えてくるという、これ非常にわかりやすい、いい、大人向けにも使えるような教科書として「鎌倉遠足」、これはJTBじゃないんですよ、この「鎌倉遠足」は。これはすばらしい本だと思います。ここには御家人とか、いろんな鎌倉の、わかりやすい解説があります。
ぜひとも、このようなことをしていただいて、幾つかの本が出ておりますけれども、そういった中で、かつて同人会、特に鎌倉町青年団が携わった石碑がここに載っているようなものを再整備して、QRコードなんかで、多言語で解説するようなことに取り組んだらいかがかと思いますが、これは、こういうものが鎌倉市内にもある、そしてさっきいった坂東武者、そして御家人、この一連にかかわってくる、そして鎌倉街道、こういうものを積極的に、つまり世界遺産も広範囲に考えるように、自分のところだけでこんなのは考えないで、広く考えて、そして鎌倉と関係を持ちたいんですね、私、関東市議会議長会のときの役員だったんですが、とにかく鎌倉に関心あるんだと、川越なんか呼んでくれたらすぐ行くよと言うんですね。いろんなところが、その御家人関係の自治体なんかも、さっき言ったように弁慶・義経、あるいは大田原なんて、うちはもう那須与一だから、ぜひ鎌倉と、本当に鎌倉に来ることを楽しみにしてかかわり合いたいと、そういう意味では、とりあえずまず鎌倉に来たら、御家人の屋敷がここにあったなんていうような意味でも、石碑をぜひとも再整備してもらいたい、あるいはQRコードを張りつけて、わかるようにしていただければいいと思いますが、いかがでしょうか。
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○小池忠紀 市民活動部長 今、御指摘のございました石碑でございますけれども、市内に点在してございまして、史跡の名称、あるいは案内等が刻まれておりまして、観光客等に鎌倉の歴史を紹介しているというところでございます。
しかしながら、その中には文字が消えていたり、一部には傾いていたりするものも散見されるところでございます。私有地にある石碑につきましては、鎌倉同人会や鎌倉ガイド協会が主体となって、たしか平成24年ごろだと思いますが、適宜、文字等の補修を行ったということは聞いているところでございます。
市といたしましては、平成24年度に石碑が設置されております土地所有者の調査を実施したところでございますけれども、石碑の維持等につきましては、鎌倉同人会とも必要な協議を行っていきたいと考えているところでございます。
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○26番(松中健治議員) ぜひとも、1基つくったら何百万円もするような石碑なんですね。皆さんもよく見ると思いますが。ぜひともそれを手入れして、横にQRコードで、多言語で紹介していただきたいと、それを取り組んでいただきたいことを申し上げたいと思います。
次に、国道134号線等の交通渋滞、これはもう何度も何度も言っているんですけれども、細かいことを言っても、とりあえず大きく捉えて、一つはショッピングセンターなんか本当につくったら大問題になりますよ。この前の下水道の放流したときの、あのことを考えてもそうだし、現実、今、鎌倉高校あたりの、あの辺の国道134号線のこともありますけれども、もう一つ問題が出てきたのは、これは脇道にどんどん逃れていくんですね。何でかと思ったら、せんだって、住民の方と鎌倉警察署に話し合いをする席に同行したんですけれども、そのとき、交通課長からの、ああ、そういうことかと、この鎌倉が最近交通渋滞、深沢方面もふえてきたなと思ったのはこういうことなんですね。鎌倉の脇道が渋滞している、あるいは車が多くなった理由の一つが、圏央道の道路が開通することによって、鎌倉を通って国道134号線から上がる、そういうのが早かったんですけれども、そこが渋滞しているために、鎌倉市役所の通りから深沢へ抜けていく、そして新湘南バイパスの方面に上がっていくのが近いということがカーナビで出てしまうんですね。渋滞を避けるために、ここをポンと押すと、やってみると、こっちから行くと数分遅いように書かれているんですけれども、30分、1時間おくれるんだったら、こっちの裏通りを通ったほうがいいと、そういうことでだんだんふえてきて、鎌倉の交通事情が大変変わってきている。脇道をどんどん車が通るようになってきた。そういった意味で問題と、それからショッピングセンターの問題と、それから国道134号線は特に地震、津波、災害、崖崩れ、大きい意味でこの問題を捉える意味で取り組んでもらいたい。その点、いかがでしょうか。
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○大場将光 まちづくり景観部長 国道134号でございますが、渋滞の状況につきましては、毎年11月に調査をしておりまして、実態といたしますと、滑川交差点から逗子方面に延びる、ピーク時、大体15時でございますが、渋滞の長さが1,520メートルぐらいございまして、車の台数に換算いたしますと、250台ぐらいの乗用車が連なっていると、こんな推定がございます。
それから、滑川交差点から小動方面でございますが、11月22日の日曜日に調査しているんですが、そのときは渋滞が見られなかったということでございます。
それから、滑川の交差点から八幡宮に向かいまして、やはり同様に、ピーク時が15時でございますが、渋滞長が610メートルございまして、換算いたしますと、約100台ぐらいの乗用車が連なっていると、こういう推定がございます。
あと、やはり渋滞があって、日々、ラジオなどで国道134号の渋滞情報というのは流れておるわけでございまして、今、議員御指摘のように、近年圏央道が整備されまして、鎌倉には関東圏からやはり車でお見えになる方がふえているということでございます。それの具体的な調査はいたしておりませんけれども、そういうことは言われている状況でございます。
私どもといたしましては、やはり鎌倉市内につきましては、交通需要管理をする、あるいは公共交通への転換のための策を今検討のさなかでございまして、地道な対策といたしましては、パークアンドライドなどを進めております。
また、一方ではロープラなどの対策につきましても、さまざまな課題はございますけれども、鋭意努力をさせていただいておるところでございます。
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○26番(松中健治議員) これは確かに、交通問題は難しい問題で、道路は昔のまま、自動車文明は発達して、自動車がどんどん走る時代、それで車も本当に1家に1台じゃなくて2台、3台と、それから大型化するというような問題もあります。大変広域的な解決策を考えないとどうしようもない。だから、あの部分的なショッピングセンターはとても納得いくようなことではないということだけは申し上げておきます。
それから、国道134号線、欠陥道路です。これは明らかです。今後、いろんな形で問題が起きてくるだろうと思います。その背景が、これを見て驚いちゃったんですけれども、まさか、今後30年間に震度6以上の揺れに見舞われる確率が、横浜市が80%以上、全体的にはもう上がってきているんですね、政府の地震調査委員会が公表した。これは、新聞を皆さん見てわかるから、この点についてはしませんけれども、隣が80%、千葉が85%、震度6以上だと。だからそういう意味では、坂ノ下のプールなんていうのはすぐやめるべきだと。そういうことで、危機感を感じてもらわないといけない。そういう意味で、私は警鐘というか、あおるつもりじゃないんですけれども、新聞の扱いが大々的にトップで扱っているんですね。せんだって、河野防災担当大臣がおっしゃっておりました。この大臣いわく、天気予報の場合、雨のほうが70%だったら傘を用意して持っていくだろうと。そうすると、地震だって30年のうちに、今もう80%というところが神奈川県にあるわけですね。これ完全に何か用意しておかなきゃいけない。用意しておかなきゃいけないということは、地震・津波に対応することも大事だけれども、災害後、非常に問題になってくるのが、仮設住宅、あるいはトイレ、いろいろあるんですけれども、しかし、まず一つ聞きたいことは、災害対策基本法で定められている指定緊急避難場所につきましては、鎌倉市はない。特に、一番必要とする由比ガ浜一帯にない。ないからこれはしようがないといえば、しようがないけれども、これはつくらなければいけないんだろうと思うんですけれども、指定緊急避難場所がないというのは事実ですね。
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○柿崎雅之 防災安全部長 指定緊急避難場所、御紹介ございましたけれども、現時点においては、本市ではまだ指定はできておりません。若干、この指定にかかわる経過といいますか、手続というものを述べさせていただきたいんですが、その理由ですが、従来は切迫した災害の危険から命を守るための場所と、避難生活を送るための場所が必ずしも明確に区分されておらず、これが東日本大震災におきまして混乱を招く一因となったことが課題の一つとして上げられました。
このため、平成25年に災害対策基本法が改正されまして、切迫した災害の危険から逃れるための指定緊急避難場所と、それから被災後、避難生活を送るための指定避難所というものをそれぞれ指定することが定められました。この改正におきましては、その災害の種別ごとに指定緊急避難場所等を指定することや、想定される災害に対応する構造上の一定の条件等を満たすことが求められております。本市におきましては、従来から避難場所及び避難所を津波災害、地震災害、風水害など、災害ごとに分類して指定しているところですが、同一の施設が複数の用途を兼ねているケースも多いのが現状でございます。
今後は、指定に向けまして、まずは施設の現状や指定要件の確認といった準備作業が行えるよう取り組んでまいりたいと考えております。
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○26番(松中健治議員) とにかく、鎌倉の対応は、しようがないといえばしようがない、この鎌倉に人口が密集し、住宅が密集してくる。そういう状況の中で土地が高い。いろんな意味が起きているわけですけれども、道路もない。幹線道路がわずかしかないんですね、それで、仮設住宅をどうするか。こういう問題もあるけれども、私はJR跡地の計画は見直して、あそこを災害時、あるいは災害後の広場、仮設住宅等にすべきだと。鎌倉に仮設住宅をつくるのは、どこにあるんだといったらないんですね、ほとんどないですね、はっきり言って。それでは、学校の校庭を使うと。視察へ行ってわかったんですけれども、そこへ仮設住宅をつくると、子供たちが欲求不満になって大変なんです、精神的に。こういう問題も起きているんですね。だから、そういう意味では、早くからこういう地震対策はしておく必要があると思います。ただ、またこれも驚いたんですけれども、特別警報を鳴らしても、なかなか差し迫る危機感を感じないという、私もそうかもしれないんですけれども。そういう意味では、鎌倉は地震が来るんだといったら大変だという意味では、鎌倉の坂ノ下の温水プールはなぜやめるんだといったら、地震が来るんだと単純に言ったほうがいいと思います。いずれは来るのはわかっていても、来るまで泳いでしまおうという、そういう考え方かもしれないけれども、そういうもので、意識を持っていただく。
それから、JRの跡地は、私以前から提案しているように、大清掃工場を建設し、瓦れき等の、もし余裕があったら他市のものも面倒を見る、困ると鎌倉は他市に世話になっているんだけど、鎌倉も、あれだけ場所があるじゃないかとよく言われますよ、そこにつくればいいじゃないかと言われるんです。困ると、他市に頼むんじゃなくて、他市が困ったら少しでも面倒を見る、そのぐらいの気持ちじゃないとだめだと。
そして、JR跡地の見直しを図り、駅なんて当分できないんですよ、なかなかできない。これは、もう何十年もたっているんですよ、30年ぐらいたっていますね、あそこのJRの跡地の問題、大船の再開発だって20年以上たってまだできない。ですから、下水道の一元化も想定されていますけれども、そういう意味で、ライフラインとして、私たちは下水道必要なんです。だから、今後要するに見直す、見直すというか、インフラの意味で下水道を考えた場合には、新設された大船方面はいいですけれども、鎌倉市はこれからああいう事態になり得ることが想定されますので、下水道の部署、あるいは下水道行政を拡充しておかなければ、どこかに、コンサルタントに頼むとか、下水道事業団に頼むとか、いろいろしても、しかし出たとこ勝負みたいなことで今日、ああいうことになっていたので、下水道部をつくるべきだと思うんですね。これは、どんな市長であろうと、鎌倉市としての責任として、これは古いところは四、五十年使ったヒューム管ですから、そういうものをある程度して、何かしたら使えるようになるかもしれないが、そういう問題じゃないんですね、もう処理場そのものも古くなってくるんですね。私、総務常任委員長を務めたときに、当時の岩沢助役が、お願いがあるんでというんで、私に頼みに来たんです。何が頼みですかと、松中議員の力をかりたいと、うるさい松中が騒がれたら困るということで、何なんだと言ったら、下水道事業団と委託契約をしたいと。その下水道事業団は一体何なんだと、よくわからなかったんです。そしたら、もう鎌倉市では処理場をつくるとか、それから幹線をあれしていくには、下水道事業団の力をかりたいと。そのためには委託契約をして、大きい事業はそこに任せるようにする。幾らぐらいかかるかと言ったら、当時、100億円の委託契約をしたいと。えっと、驚いたんですけれども、それを下水道事業団が鎌倉市の処理場と、それから幹線を扱うようになってきているんですね。だから、当初私にはわからなかった。職員の技術的なことはどうだと、技術的な意味でも、向こうのほうがすぐれているので、いろんなものは相談していくと。そういうところにはコンサルタントがみんなついているんですよ、みんなもう一つ、私も中本さんという人を知っていたし、それから腰越のポンプ場をつくる話、そのとき、黒川さんという人がいまして、黒川さんが下水道局次長だったかな、計画課長だったか、その人に聞いて、その話をしたら、といって、腰越のポンプ場をやめるようにしてくれたんです。そのときに考えたのが、シーリング方式、ばっと何かやるらしいですね、青函トンネルをつくるようなことの工法があるよというんで、やってくれて、そして西鎌倉の開発のところのコミプラは、全部なくなって、ずっとつないでいく。だから、そういう工法、そういうものの技術的な意味も、取り入れていかなきゃいけないし、鎌倉市の職員では対応するには正直言って大変だろうと。そういう意味では、下水道は新たに布設するわけじゃないけれども、メンテナンスしていかなければいけないわけですから、そういう意味では、部をつくっていくべきだと私は考えます。そのためには、これは必要性から言ったら、例えば経験から対応できるらしいんですけれども、下水道技術士、この資格、これ国家試験かもしれないんですけれども、あるいは下水道管理技術者とか、そういう資格を養成するぐらいの、鎌倉市は対応していく部を持つべきだろうと思うんですけれども、その点について、いかがでしょうか。
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○比留間彰 経営企画部長 本市が管理します道路、下水道などの社会基盤施設は、老朽化が進んでおりまして、今後適正かつ持続的な管理のためのマネジメントが必要になることから、市民の安全・安心を守り、市民生活を支え続けることを目指しまして、社会基盤施設マネジメント計画を平成27年度に策定したところでございます。
平成26年、さきに策定しておりました公共施設再編計画においては、公共施設のマネジメント計画推進体制としまして、資産管理部署により一括管理するなど、公共建築物の効率的な維持管理に向けた体制を整えていくこととしておりますが、社会基盤施設マネジメント計画では、道路、下水道などの部門別に責任を有する管理責任者を置きまして、総括的に計画を推進していく体制を目指しております。
このため、当面は建物を管理する資産管理部署と、社会基盤施設の管理を行う管理責任者が情報共有を図るとともに、連携をしながら、市の保有する資産のマネジメントを効率的に進めていきたいと考えているところです。
また、議員御指摘の施設を管理する部の創設という組織体制の見直しについては、公共施設等のマネジメントの一元的な管理の観点から、今後研究をしてまいりたいと考えております。
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○26番(松中健治議員) 今回、下水道の汚染水の放流問題が起きて、これを機に、やはり充実させていく対応を考えなきゃいけない。本当に、都市整備部の伊藤部長初め、よくとめてくれたという、本当に感謝です。あれがなかなかとまらなかったら、海を売り物にする鎌倉も寂しい思いもするわけですから、とりあえず頑張っていただいたことには、心から感謝申し上げます。しかし、それだけでは終わってはいけない、そのときは、とめてくれたということは、大変なことだと思いますが、こういうことが再びあってはならない、またあり得るかもしれない。そういう意味では、部を設置するぐらい考えていかないと、そして指導を受けるなら、それは下水道事業団のほうがすぐれているでしょう、大体国土交通省の天下りの人が幹部になっているんですけれども、広域的な意味では、そういうところ貴重でしょうし、また免許等、あるいは資格等はコンサルタントが持っている。しかし、実際工事をやるのが地元の建設業者だとなると、それだけのことになるかというと、やってみたら合わなかったなんていう話、笑っていられないんだけれども、とにかくとめてくれたことを感謝申し上げ、またこれを機に下水道部を設置することをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
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○議長(中澤克之議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(12時00分 休憩)
(13時20分 再開)
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○議長(中澤克之議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、赤松正博議員の発言を許可いたします。
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○24番(赤松正博議員) それでは、通告にありますように、きょうの私の質問は、北鎌倉の洞門、隧道と言われていますが、その保全と活用ということの1点に絞っての一般質問ですので、どうぞよろしくお願いをいたします。
私も議員経験は長いんですが、一般質問に立つとなると、緊張するもので、昨夜もいろいろ寝ながら、頭の中をいろいろこの問題をめぐっていまして、十分睡眠もとれませんでしたけれども、頑張ってやりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
けさ、起きまして、テレビのスイッチをつけましたら、どのチャンネルも舛添知事の辞任の報道でありました。新聞を見ても、私は2紙とっているんですけれども、1面は全部そうでありました。日本中を驚嘆させた問題であります。私たち、私も議員の一人として、やはり政治はきれいでなくてはいけない、そんな思いを強くしながら、ひょっと頭の中に、こんな言葉が浮かんでまいりました。「無理が通れば 道理が引っ込む」こんな言葉が私の頭に浮かんでまいりました。唐突で申しわけないんですけれども、市長、この言葉はどんなふうに受けとめられておりますか。お考えですか。
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○松尾崇 市長 議員の今回の御質問から推察をしますと、北鎌倉の洞門の問題をそのように感じられているのかなと思いました。
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○24番(赤松正博議員) さすが市長、勘がいいと思います。確かに、それに触れるわけですけれども、新聞でも、テレビでも厳しく報道されておりましたけれども、公私混同も甚だしい、政治資金の私的流用、あるいは海外施設の豪華予算の使い方、自分の別荘へ行くのに公用車を使って、平然としていると。この問題では、公用車の点では、舛添さんはこう言いましたね。動く都庁なんだと。よくこんなこと言えるものだと、私は率直に感じました。行政には、無理が通って、道理が引っ込むようなことが絶対あってはならない私は、そう強くこの事件を通して受けとめております。
実は、この言葉どおりの事態が、私は先ほど市長が直感的に思われたこの洞門の問題、北鎌倉のトンネルの問題、この問題も関連されるんだろうと市長は思ったようですけれども、まさしくこの洞門の問題、道理が引っ込めば無理が通ると、こういう問題に私はこの問題は直面していると思っております。
何が無理が通って、どういう道理が引っ込んでいるのかという問題であります。
この北鎌倉の問題は、議会で正面から議論になったのは、一昨年の12月定例会に陳情が提出されました。これが発端でございました。それまで、私、正直、この問題がこういう形で進行しているということを知らなかった。いろいろ、聞いたり、調べたりして、だんだん状況がつかめるようになってきて、それ以来、1年半になりますか、建設常任委員会中心に、ほとんど毎回と言っていいぐらい、この問題、報告事項になったり、いろいろ議論になりまして、私も私の立場で意見を申し上げ、市長、理事者質疑もしました。予算特別委員会でもこの質問をいたしました。理事者に質問をさせていただきました。
その中で、私が特に、厳しく指摘した点、幾つかあるんですけれども、第一に、これはもう絶対に許せない問題、文化財専門委員会の委員の先生方の発言した会議録、これを改ざんしたという問題であります。絶対にこれは許せない。厳しくこれは建設常任委員会で追及をいたしました。
きょう、就任された小礒副市長、部長当時、建設常任委員会の席で謝罪をいたしました。
二つ目、このトンネル計画に対して、トンネルの安全計画をめぐって、市はさまざま、地域住民の皆さんに情報を提供しておりましたが、その中に、あのトンネルが崩落して、崩壊して、線路になだれ込んで大惨事になることも予想される、こういう回覧板を通じて印刷物を流しました。まさに、これは世論操作であります。これは、日本トンネル協会への調査の結果でも、そんなことはあり得ない話である、それは3・11のあの大震災、それ以上のものが来れば、一定の崩れはあるかもしれませんけれども、こういう意図的に情報を操作した問題、これは理事者質疑の場で、私は市長にこの点を厳しく追及をいたしました。市長から、どういう言葉で市長が述べたかはわかりませんが、一言で言えば、謝罪というか、謝ったというか、そういう言葉がありました。
その後、日本トンネル協会への委託をした、報告書が出た、報告書に附属する詳細な検討をしてきた過程を示す委員の先生方の発言も全部記されているものも資料としていただきました。これを総合的に考えたときに、両立の道がしっかりとあるんだということも明らかになりました。それならば、その道をしっかりと追求するのが行政として大事なことではないかということも言いましたけれども、それは採用されなかった。
さらにもう一つ、その後の話ですけれども、最近になってですね、ある学者の先生の調査の結果、これは私も予算特別委員会で質問をいたしましたけれども、当時陸軍が測量をした図面、これを委員会の場で関係職員にも配りました。委員の皆さんにもお配りしました。見ていただいて、測量図からいって、県道まであの尾根が伸びているという事実はないのではないか。私は断定的には言っておりません。いずれにしても、こういう問題が今提起されているんだから、疑問符がついたんだから、立ちどまって検討すべきだと、こういうことも言いました。しかし、その必要なしという答えが返ってきました。
そして、どういうことになったかというと、昨年の12月定例会で開削工事の予算が計上され、多数で可決されました。私は、その予算に反対の理由、四つ上げましたけれども、その中にこの問題を申し上げました。
こういう問題点を抱えていながら、いっぱい問題点がありながら、開削を決定したというのは、私はまさに無理が通れば道理は引っ込む、この言葉にぴったり合った事態だと思っております。
さて、前置きが長くなったんですけれども、私が今指摘した点については、小礒副市長も含めて、そういうことを確認していただけますか。改ざんの問題、故意に情報を操作したという問題、こういうことについては謝ったことについては確認していただけますか。
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○松尾崇 市長 今お話をいただきました点、当時の都市整備部長である小礒が謝ったという、その事実ですね、また私自身も理事者質疑の中で故意に危険であるということをあおったという指摘がありました。そのことについて、いまだに訂正がされていないという、そういう御指摘がございました。日本トンネル協会での違った見解が出されたという、その後の対応について地元に周知をしていないということについて、私は謝罪をさせていただきました。
それから、立ちどまってと提案をされましたけれども、その段階で立ちどまるという、そういう判断はしていないということで、事実としてはその点は確認をさせていただきたいと思います。
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○24番(赤松正博議員) 開削を決定した最大の要因の一つに文化財の問題があったと思います。これは、きのう、きょう、同僚議員から質問で、私、自分の質問で聞こうと思っていることの7割から8割が、大体そのお二人の議員の質問で既にここで一定の議論がされておりますから、そうそう重ならないように私質問したいと思っておりますけれども、今の点については、厳然たる事実なんです、会議録を見れば一目瞭然であります。
4月4日に、昨年の12月定例会で可決された予算の執行、4月4日に工事の着工が始まりました。準備工事から始まるわけですけどね。多くの住民の皆さんが、あの景観を大事にしろと、あの洞門を将来にわたって北鎌倉のとてもすばらしい景観の一つとして、また中世の歴史を物語る、そういう文化財としてこれは残してほしいという、そういう声を押し潰して工事がスタートいたしました。
この洞門を含む、あの北尾根一帯の保存を求めているのは住民の皆さんだけではありませんでした。平成27年1月28日付で日本考古学協会から要望書が出されております。円覚寺西側結界遺構の保存に関する要望書であります。
まずお尋ねします。一般社団法人日本考古学協会という団体はどういう団体か、ざっとお答えいただければと思います。
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○桝渕規彰 文化財部長 実は、私もかつてその団体に所属していたこともございますが、全国の考古学を研究する者たち、大学の教員であるとか、あるいは行政の中にいる埋蔵文化財を担当する者たちが集いまして、そこで日ごろの研究の成果を発表し、現今の考古学的な課題等について共有をしていくと、そういう団体だと認識しております。
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○24番(赤松正博議員) 私も本当に勉強不足で何もわからない一人ですけれども、関心だけは持っていまして、協会の会員になっておられる歴史学や、あるいは考古学の先生方、何人か存じ上げておりまして、特に、それは御成小学校の改築計画で、あの古代と中世の遺構が重なり合って出てきた、特にグラウンドから、鎌倉郡という郡衙の遺構が発見された。こういう問題をめぐって、大きな行政を揺るがした大事件が起こったんですね。そのとき以来、懇意にさせていただいている考古学の先生など複数いらっしゃって、いろいろと関心を持ち続けてきたんですけれども、日本考古学協会といえば、やはりこの分野では、日本の最高の権威のある学術団体といいますか、研究団体といいますか、そういうふうに言われております。その日本考古学協会が円覚寺西側結界遺構の保存に関する要望書というのを出されました。資料で、職員の皆さんにも、議員の皆さんにも資料、一番最後の、4枚目、5枚目かな、行っていると思います。ぜひごらんいただきたいと思います。一言で言えば、円覚寺の境内絵図の世界がそのまま残っている極めて重要な遺跡だと。削平計画を、つまり開削計画ですね、一旦白紙に戻し、改めて歴史的遺産の保全と安全性の確保という双方に配慮した新たな措置を検討してほしいと、これが日本考古学協会から寄せられた市長への要望書でありました。
これ、今読んでみて改めて感ずるんですけれども、きのう、上畠議員の質問で、文化庁から出された見解ですね、ぴったりですね、これ。文化庁が鎌倉市に指導した内容と全く同じ中身です。円覚寺境内絵図の世界が、ここではその世界がそのまま残っている極めて重要な遺構、遺跡と言っていますが、文化的価値があるということで、全く同じ評価に基づいて文化庁からも、鎌倉市に指導が寄せられる。日本で一番権威のある日本考古学協会からも、これは大事にして保全と安全性を双方に配慮した計画を考えてほしい、こういう要望書が出されています。最も道理のある学術団体からの要望書だと思っております。
これに対して、市長名で回答されておりますが、市長、どんな回答をしましたか。
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○桝渕規彰 文化財部長 私からお答えさせていただきます。
これに関しましては、平成27年2月12日付で回答しておりまして、基本的には、このトンネルの安全性の問題、そこからやはり早急に安全対策を施さねばならぬということで、地元町内会等の協議を重ねながら、道路環境の整備に努めてまいりますということでお答えを申し上げております。
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○24番(赤松正博議員) 今、桝渕部長が答弁されましたけれども、この回答書は文化財部が書かれたんですか。
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○桝渕規彰 文化財部長 こちらについては、都市整備部で作成をされたと記憶しております。
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○24番(赤松正博議員) 都市整備部が、これ回答を書いているんですね。私は桝渕部長が答弁される立場にないと思いますよ。なぜなら、これ市長宛てに出た要望書なんです。教育委員会に出た要望書じゃないんですから。再要望書というのは出ていますよ。この4月28日に、市長宛てと教育委員会宛てと両方に出ています。だから、回答するのは市長であり、教育委員会ですよね。だけど、この1月の段階で要望書が出たのは、市長宛てに出たんです。市がこういう計画を立てているから。つまり、開削計画を立てているから、市長に対して再考してほしいという要望書が出た。
今、桝渕部長が答弁していましたけど、いわゆるトンネルが危険だから、住民の安全を確保するために計画を今進めているんですという、こういう回答でありました。これ、文化財について非常に重要な指摘をしているのに、今で言えばね、文化庁から指導されている中身と同じ中身ですけれどもね、その回答に文化財について一言も触れていない回答なんですよ、これ。どう思いますか、市長。こんな無責任なひどい答弁はないですよ。
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○松尾崇 市長 回答としては、当時の我々のこの北鎌倉のトンネルに対する考え方ということで説明をさせていただきました。
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○24番(赤松正博議員) 先ほど、部長が答弁しましたけど、こういう回答をしたということは、文化財部は承知していたんですか。それと、何らかの協議はあったんですか。
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○桝渕規彰 文化財部長 市長からこういう回答をされたということについては承知しております。
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○24番(赤松正博議員) こういう回答をしたということは承知しております。事前に相談はありましたか。
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○桝渕規彰 文化財部長 こういう回答をするということで、照会といいますか、問い合わせはございました。
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○24番(赤松正博議員) 私ね、ここは非常に大事な問題だと思っているんですよ。このいわゆる開削計画を市が決定する、ここに至る経過の中で、同じ行政のこの屋根の下で仕事をしていても、市長部局と一般行政分野と、教育委員会というのは独立した行政機関で、独自の権限を持っている機関なんです。だから、それぞれ一つの事業をやる場合でも、特に文化財の問題ですから、土木に関係する土木工事をすることによって、影響を受けるであろう、そういう地下の埋蔵物、文化財、特に史跡指定だとか、あるわけですけれども、だから必ずこれはきちっとした協議が十分に行われなければならない。計画を策定するにおいても、事前の調査なり、何なりというのは、十分行われて、そしてその工事の仕方についてまで双方の協議が十分行われて、着工ということになる。そういう双方の行政機関のお互いの責任と、それからそこを調整していくという、非常に大事だということ、これは私、今からもう25年も前の話、御成小学校のあの学校改築のときに学んだ第一のこれは教訓でした。
そういうことが今回のこの問題でどこまで生かされていたんだろうかという点で、確かに、その後、文化財専門委員会が開かれて、専門委員会の意見を聞くということはやられました。やられましたけれども、今、これは考古学協会への回答の問題ですけれどもね、この回答をするにしても、十分市長部局と都市整備部と文化財部が、あそこの歴史的な価値の問題、さまざまそういう専門的な立場からの意見と都市整備部との協議の中で、あそこを開削するということについて、どこまで協議がきちんと行われていたのか、それはこの回答の中に具体的に示されているんだと私は思うんです。
回答書の中には文化財のぶの字もないんです。円覚寺の結界のえの字もないんです、あの回答の中には、全く文化財無視の回答なんです。こういうことで私は事が進行したというのは事実だと思いますよ、市長、どうですか。
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○松尾崇 市長 この要望書に対しての回答としては、当時のトンネルに対する考え方を御説明をさせていただいたということです。
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○24番(赤松正博議員) 回答書の回答欄の一番最後に、事務担当、道路課、こう書いてありました。
質問を先に進めますが、日本考古学協会からこういう要望書が出されて、今その回答をめぐって、質問させていただいたんですが、実は、全国の歴史学や、特に中世史、考古学の学者や研究者の皆さん方、大変心を痛めております。今鎌倉市の進行している事態に。そして、やむにやまれぬ思いで、私も京都・奈良・鎌倉の歴史的遺産と景観を守る住民の、市民でつくっている会の事務局の仕事もやっている関係もあって、随分問い合わせがありました、奈良や京都から。そんな中で、29人の学者、研究者の皆さんが、それなりの思いを寄せていただいて、29人の皆さんが連名で市長宛てのお願いの文書も出されました。これ、資料何枚目だか、私の資料の2枚目か3枚目に名前と要望の中身が書かれております。そして、その前のページにたしか、今私が紹介しようと思う学識者の緊急アピールという、載っていると思います。これは一部ですけれども。
私、これ紹介したいと思うんですよ。
金子哲さん、中世史のこれはもう大変な権威のある先生です。
北鎌倉駅近くにある、通称「緑の洞門」が開削されて、トンネルができている尾根筋は、建武年間に描かれたと考えられている「円覚寺境内絵図」の結界線と重なる重要な存在です。この尾根筋は中世と現在とを結び、景観的価値のみならず、歴史的価値文化的価値も極めて大と考えます。この尾根筋の破壊に反対するとともに、通称「緑の洞門」の補強を含むこの尾根筋の保存を強く必要と考えます。
そのページの一番下、中島圭一さん、慶應義塾大学文学部教授、日本中世史。
鎌倉市長松尾崇様。北鎌倉駅ホーム横の尾根開削によって、中世以来の歴史的景観を回復不可能な形で破壊してしまうことは、我が国の歴史研究と祖先から伝えられてきた文化財の保全にとって極めて大きな損失であるばかりでなく、古都鎌倉の世界遺産申請にとっても重要な障害になる行為として、深く憂慮します。
釼持先生。赤星直忠博士の研究資料館の研究員の先生です。
長いですから紹介はいたしません。
本郷和人さん。東京大学史料編纂所の先生で、NHKの大河ドラマ「平清盛」を監修した先生であります。
松尾剛次先生、これはもう鎌倉のことは本当に知り尽くしている中世の歴史の先生です。
円覚寺門前の北鎌倉一帯には、建武元年から建武2年7月以前ごろに描かれた「円覚寺境内絵図」に見える風景が残されてきました。「円覚寺境内絵図」の世界が、いわばそのまま残っている極めて貴重なゾーンと言えます。ところが、鎌倉市は、このたび、その施設を壊してしまう計画のようです。古都鎌倉がユネスコの世界文化遺産登録に失敗した理由の一つに、中世の目に見える遺物の少なさがあったのですが、「円覚寺境内絵図」世界を破壊するのは、暴挙というほかないひどいことです。ぜひ、何らかの保存処置を行うようにお願いする次第です。
こういう29名の方の連名での鎌倉市への要望、これはまさに先ほど紹介した日本考古学協会からの要望に凝縮されているんですね。その回答が、まさにあのトンネルが危ないから、安全を早く確保して云々という、そのことのみで、文化財との関係はどうなのか、それとの、例えば両立を検討したけど、こういうことで難しいとか、実は難しくないんですよ、方法はあるんですから、だけどそういう判断をしたんだから、文化財のぶの字もない回答を出すなんていうことは、大変失礼な話であります。これは市長ね、しっかりと胸に受けとめておいていただきたいと思います。
この先生方というのは、いろんなかかわりが鎌倉にもあるわけですよ。世界遺産登録、再登録を今目指して取り組みを進めていますよね。ここの29名の中に名前を出していない先生方も何人もいらっしゃるんです。私はそのうち、2人の方を知っています。名前を出すのは、遠慮させてもらう。だけど、思いは同じ。私はまた別な機会に市長に言うチャンスもあるからという方もいらっしゃいました。
だけど、今、このまま進んでいったら、きのう、きょうのやりとりの中でも、何か文化庁の指導に従って調査もするということのようですけれども、どうも、開削工事との兼ね合いがすっきりしないものを、まだもやもやしている、それは後で私、確認したいと思っておりますけれども。
いずれにしても、そういう鎌倉のことにも大変詳しい方々、中世の専門の先生方がこうやって真剣に鎌倉市にお願いをしているのに、それにも耳をかさずに開削工事をやろうとして、4月4日に着工に入った。
もう一つ聞きます。これは教育委員会に聞きます。
文化財専門委員会が平成26年7月に行われました。その直後に、8月ですね、北鎌倉駅裏トンネル安全対策協議会、これは町内会長さんの皆さん方で組織されている協議会ですけれども、ここで市から文化財専門委員会で協議された内容が報告されておりますが、どういう内容が報告されたか、文化財部、御存じですか。
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○桝渕規彰 文化財部長 申しわけありません、手元に詳細の資料がございませんので、私の記憶の中でお答えさせていただきますと、文化財専門委員会において議論された内容として、その景観的な部分であるとか、それからここの絵図との対比の中の、これは高橋慎一朗委員が発言された内容、鎌倉の境界ラインということに関しては、いろいろ諸説があるので確定ができないんではないかというような、そんなお話をされたかに記憶しておりますが。
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○24番(赤松正博議員) 8月28日に、北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会、これ、議事録でありますが、鎌倉市文化財専門委員会からの意見報告、つまり鎌倉市文化財専門委員会を開いて、こういう意見だったということを会議録で書かれているんですね。
読んでみますと、小袋坂の風景がここであるというのは、少なくとも定説ではなく、死守すべき史跡ではないという意見があった。
トンネルの存在する岩壁は地質学的に貴重であるから、できれば観察できるように配慮してもらいとの意見があった。
それから、北鎌倉史跡研究会、これ市民の団体ですね、ここからは、読むと長いから、保存してくれというような趣旨の要望書、意見があったと、こういうふうに書かれております。
問題は、文化財専門委員会でどういう議論がされたのか、この報告が死守すべき史跡ではないという意見があった。この高橋先生の発言です、これは。高橋先生の発言は、これだけ捉えると、あれはもう大した文化財じゃないんだ、こうとれるような書き方なんです。これ、市長は、テレビの取材で、やはりこの言葉を引用して、開削計画に至る一つの根拠に、この言葉を引用されているんです。
私は、この問題、もう大変重要な問題だと思って、建設常任委員会で厳しく追及しました。そういう議論の中で、文化財専門委員会の会議録が改ざんされていると、大変大事な発言をされているところは消されて、削除されて、活字に出てこない。ある先生が言ったことが、別な先生が言ったこととくっついて、その先生の発言になっていたり、とんでもないことをやったんです。
だから、私は追及して、認めて、謝罪されたんですよ。だから、文化財専門委員会の意見がどれだけ正確にこの協議会に反映されたのか。大いに疑問がある。だから、私はちゃんとそれは訂正しなさいということも要求しました。その後、訂正して報告もしましたと報告は後で受けていますけれども、この8月に開かれた第5回協議会で開削方針が決定されたんです。協議会で決定したということは、その前に、鎌倉市の内部では意思決定されているということですよね。でないと提案できないと思います。
だから、私はここで言いたいことは、文化財専門委員会の意見だって十分反映されていないんですよ、何人もの先生が大事な発言しているんですよ。だから、私はまた別な建設常任委員会の場で、あそこで出された貴重なこういう意見、こういう意見はどう反映されたんですかということを質問しました。
何もやっていない。開削ありきで突っ走ったんです。こういう文化財行政のあり方というか、先ほども言ったように独立した行政機関なんですから、きちっとそれなりに、しかも場所が円覚寺境内絵図という国の重要文化財に指定されている、そこに描かれているそのものじゃないですか。それが残っているんじゃないですか。そこをやろうというわけですから、もっと慎重な検討と、それがあってしかるべき。それがないまま事は進んだ、そして鎌倉市としては、あそこは開削するという政策決定をいたしました。
さあ、政策決定をしたんですから、鎌倉市として方針を決定したんですから、全ての職員がそれに縛られるんです。一人一人の職員がどう思っていたって、市が方針を決定したら、それにみんな従うことになっちゃうんですよ、これ、現実に。
だから、私は、その後、文化財部が、今伊藤正義先生が、測量図、陸軍がやった資料だとか、専門的に、学術的に今検討されて、尾根は大きく切られて、文化財的価値をなくするような、そういうことではなかったのではないかという新たな問題提起を今されたんです。それは、さまざまなデータをもとにしてやっています。
最近では、その当時の昭和の初めごろに写した写真から尾根の一番先端の部分が、長い一定の期間によって、穴ぼこが、穴ぼこと言ったらおかしいですけれども、やぐらとまでは言わないですよ、そういう形になっていることを捉えて、先端だからこういうことになったと。北鎌倉駅のホームは、いわゆるあの岩塊が出ている、そこのところで大船側のホームが広くなったのが、ぐっと狭まって、そこを壊さない形でホームが狭く、北鎌倉駅側にホームがつくられている。JRからの住民の照会に対して、これを切ってやるようなことではなくて、そこを保護した形でホームを狭くしたという回答も寄せられていると、そういうようなことも含めて、今まで、これは誰もがそう思っていた。ずっと尾根は県道まで伸びていたらしい、絵図などから言ってね。それが切られてしまったから、文化財的価値はなくなったんだという、これは当たり前の何か常識のように言われていたのに疑問符がついた。ならば、ここで立ちどまって、重要文化財に指定されている絵に描かれているものがなくなるかどうかということなんですから、立ちどまって検証すべきだというのが私が市長に申し上げた、そういう意味なんです。
でもそれもやらないよということで、予算もつけられました。そういうことで、現在に来ているわけであります。
いずれにしても、第5回安全対策協議会で開削方針が決定された以後、鎌倉市としても、方針は開削ということになっていますから、関係する職員の皆さんは、それに忠実に従わなくちゃならないという、そういう形になって、特に文化財部はそういう学者の先生から、いろいろ出ても、鎌倉市としてはそういう方針で決定しているわけですから、何か私はそこに大きな問題が関係している職員の皆さんにとっても、私はあるんではないかと察しているんです。それに反旗を翻すようなことはなかなか言えないと、今さら。だから、私はここで教育委員会の文化財部に学芸員の先生何人かいますよね、そういう専門職の方々にとって、この開削方針というのはどうなのかというのは、私は個人的に聞いてもいないからわかりませんけれども、だから、そういう専門領域の問題について、市長はしっかりと思いをめぐらさなくちゃいけないですよ、これ。
そんな中で、私はここまで市が強行している姿勢に大変大きな疑問を持ちました。そして、このままいったら、私などにとめる力はないですから、何の権限もないですから。せいぜい、こういう場で質問をするぐらいしかできませんから。思い余って、国会議員とも相談しました。力かしてくれって。国会議員通じて、文化庁の主任調査官を含む3人の担当官と面談することができました。3回私は会いました。4月12日、27日、6月3日、文化庁に行きました。吉岡団長も一緒に行ってまいりました。そして、真剣に鎌倉で今起こっている出来事をお話をし、そしてさまざまな資料も持って説明をさせていただきました。踏み込んだ発言は文化庁からはありませんでした、その段階ではありませんでしたけれども、文化庁のある調査官は、鎌倉市、もう少し丁寧に文化財について検討して、踏みとどまる勇気を持ってもらいたいですね、こうおっしゃいました。
文化庁の見解は、既にきのう、上畠議員の質問で紹介をされました。私も、先週の金曜日に文化財部にお願いして、私が3回にわたって、特に最後の、4月27日ですね、それから6月3日、文化庁の担当官が、主任調査官が、5月24日に現地を訪問して、担当職員とも、いろいろ現地を案内していただきながら、現地を視察して、市長にしっかりと伝えてくださいと言った言葉がありました。それを私、担当課長に聞きました。その言葉が、間違いはないだろうなと、別に疑っているわけじゃないけれども、大事なことですから、だから私は正確に知りたいと思って、6月3日に文化庁に行きました。それで、間違いのないことが確認できました。
ということだったので、文化財課にお願いして、言葉じゃなくて、活字で、ひとり歩きしたらいけませんからね、尾ひれがついて、活字にしてほしいということで、文化庁の見解というのを文書でいただきました。それが、資料として皆さんにもお配りしている1枚目、これはホチキスどめになっていないと思うんですけれども、1枚目、ペラであると思うんです。
それは、きのうの上畠議員の質問に対して、担当部長から答弁があった文化庁の時系列的な答弁もありましたけれども、その中とぴったりと符合している中身であります。
繰り返しになって申しわけないですけれども、私がいただいた資料で言いますと、文化庁の見解というところで、北鎌倉トンネルが所在する尾根は、重要文化財に指定されている円覚寺境内絵図に円覚寺の境界として描かれていることから重要であり、文化財的価値がある。
当該尾根の文化財的価値について、文化財専門委員以外の専門家による検討が必要と。
円覚寺境内絵図に円覚寺の境界として描かれていることから重要であり、文化財的価値があるという、この言葉ですね。これはもうぴったりと日本考古学協会から出されている要望とも符合いたします。ぴったりと一致しているんです。
そこでね、私、改めて部長に円覚寺の境内絵図、この説明をしていただきたいと思うんですよ。特に、この周りにぐるっと見ますと、同僚の議員の皆さんには、カラーコピーなんですけれども、職員の皆さんは、カラーコピーじゃなくて白黒になっていて申しわけないんですけれども、こういう印が1カ所、2カ所、3カ所、4カ所、5カ所、ついていますね。こういうものの意味だとか、そういうことも含めて、これが国指定の重要文化財に、この絵図そのものが指定されていることの意味を説明していただければと思います。
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○桝渕規彰 文化財部長 それでは、お手元にカラーの図面が配付されているということですので、ごらんください。
まず、これは重要文化財に指定されております円覚寺境内絵図でございまして、この図自体は、円覚寺の境内とその境界を鳥瞰図風に描いているものでございます。描かれている建物などの状況、あるいは今、議員から御紹介ありましたが、何かマークのようなものが5カ所あるとありますが、これは花押と申しまして、当時の武家のサインですね、この花押は誰かといいますと、足利直義の執事を務めておりました上杉重能という人物の顔でございます。当時の室町幕府、足利直義ですから、尊氏の弟ということになって、当時、鎌倉を拠点としておりました。その人間の執事ですので、かなりの権力を持っていた者がサインを花押でしていると、そういう意味合いのものでございます。
この人物の活躍した年代等から考えまして、恐らく14世紀の前半、西暦で申しますと1333年から1335年の間に描かれたものだろうと推定されておりまして、中世の円覚寺の様子を伝える資料だと捉えられます。
今、議員からお話のありましたこの絵図に描かれている赤い線ですね、これは円覚寺の境界を示している、円覚寺の寺域と、寺域といいますか、寺領と、その他外側を区別する、そういう境界ラインということで、なぜ境界ラインと申し上げるかといいますと、先ほど申し上げた花押が、まず四周、東西南北に4カ所書かれております。そして、中心付近、今で言う白鷺池の右手あたりにもう一つあります。そこには寺領安堵という言葉が墨書きで書かれておりますので、重能なる人物が円覚寺の寺領の境はここですよ、それを認めますよというサインをしているという、そういう意味合いのものだと。すなわち、円覚寺の境内の範囲を安堵する、あるいは保証するという意味合いの図面であります。
この中に描かれている左下の尾根の部分ですね、今現在残っている北鎌倉駅北側のあの尾根は、ここに描かれた尾根の削られてはいますが、残っている部分に相当するだろうというところでございます。
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○24番(赤松正博議員) 鎌倉には、この年代に創建されて、しかも1300年代、14世紀前半といいますか、室町期になるわけですけれども、こういう絵図が描かれていて、しかも、国指定の重要文化財に指定されているこういう絵図というのは、円覚寺以外にどこかあるんですか。
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○桝渕規彰 文化財部長 私の調べた限りでは、ほかに2件ございます。まず、1件目が1333年から1335年、ほぼこの円覚寺絵図と同じ時期に描かれたであろうと考えられております重要文化財に指定されております浄光明寺敷地絵図がございます。こちらにつきましても、実は先ほど申し上げた上杉重能の花押が境界ライン、朱書き線の上に付されております。全く同スタイルの図面だと考えてよろしいかと考えられます。
それからもう一つは、鎌倉ではございませんが、横浜市金沢区にございます称名寺の結界を示す絵図というのが残されております。ほぼ13世紀の末から14世紀の初頭と考えられておりますので、同時期のものかと推定されます。
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○24番(赤松正博議員) そういう意味では、お寺さん、たくさん鎌倉にありますけれども、この年代で、ほぼ同時期ですね、この三つの寺社の境内図が描かれていて、しかも国指定の重要文化財に指定されているということであります。
これ、いずれも神社、寺院等、11ですか、神社とか、お寺とか、世界遺産登録に向けての、いわゆる構成資産の重要な一つとして、この円覚寺も称名寺も、浄光明寺も、資産として位置づけられているわけですね。しかも、重要文化財として国から指定されている、この絵図、この構成資産になっている、この円覚寺で言えば、構成資産の一つである円覚寺のこの国の指定を受けている重要な文化財、その中に描かれている絵の一部に今問題の、この北側の境界を示す尾根があるということであります。
これを壊すということは、どういうことなんでしょうか。確かに、トンネルのあるところは史跡から外れているのは事実です。史跡から外れているから価値はないのか。そうではないんですね。史跡になっているか、なっていないかというのは、さまざまな要件によって、一帯のものであっても、さまざまな要件で史跡から外れるという場合があります。まず、第一義的には、土地所有者の同意がなければ、できません。いろんな事情があると思いますね。
この2月の議会で教育こどもみらい常任委員会で陳情が審査された際には、教育委員会は史跡指定から外れている理由について述べておりますよね。それもう1回紹介していただけますか、部長。突然の質問ばっかりが多くて申しわけないんですけれども。
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○桝渕規彰 文化財部長 これは、実は、当時の指定申請書、意見具申書、残っていないかどうかということで、文化庁まで調べに行ったんですけれども、残念ながら記録が残っておりませんで、これは推定でしかないのですが、2月定例会の折、お答え申し上げたのは、絵図に描かれている尾根の残りであろうと。しかしながら、その大半が横須賀線敷設時に削られ、その後の宅地造成によって削られて、さらにはそのほかの部分でも、かなりの部分で開削を受けていると、こういう状況においては、史跡指定等をかけて、強制力を発揮して保護していくという、そこまでやるべきものではないというようなお答えをしたかと思います。
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○24番(赤松正博議員) 記録が残っていないわけですよね、なぜ外れたかというね。だから、今、部長答弁にありましたそういう要素もあったかもしれません。しかし、わかりません。土地保有者がオーケーしなければこれ指定できないですよ、これはもう常識です。だから、尾根が県道まで延びていただろうと、これ誰もがそういうふうに思っているわけですよ、そういうふうに言われているから。誰か検証したことがあるのかと、それを。今まで誰もやったことがないんです、それ、検証したことは。最近、文化財部はそういう、伊藤先生の、そういう話の中で、こういうことがある、こういうことがあると、いろんな材料を用意されて、確かに切られていたということを言っていますけれども、私、これ何で文化財部がこんなことをやらなくちゃいけないのか。切られていることを一生懸命調べ上げて、そして、開削する計画が何ら無謀でないなんていうような、こんなことをなぜ調べなくちゃいけないのかと、正直私は思っているんですよ、個人的に。まあ、それはいいですけれども、どういう根拠で尾根は切られていなかったと主張されている方々の主張を一つ一つ丁寧に検証して、事実はどうだったんだろうかということは、共同作業でこれは私はやっていくことが大事じゃないかと思っているんですよ。そういうことであれば、またこれは新たな発見なんです。
そういうことになってくれば、私は、どうしてなのかなと思うほど、境界を示す上杉何がしが花押した、このライン、これが必ずしもぴったりではないんですよ、史跡の範囲というのは、ちょうどここの部分が今問題になっているところだけが、ぐっとよけて史跡の範囲になっているんですよ。だから、史跡の史跡じゃないから、壊してもいいんだみたいな理屈になっていっている。だけど、そうじゃないんです、大事なことは。そういうことから私は新たな検証が求められていると。
文化庁から指導された中身も、そういう大きな中の一つと私は受けとめることが大事ではないかと思っております。
2月定例会で、教育こどもみらい常任委員会の審査の中で、先ほど今紹介された史跡指定から外れた理由ですね、これはあくまでも史跡指定から外された理由なんですよ。こういう教育委員会の説明を聞いて審査が行われた。きのうの上畠議員の質問の中で、そういう説明を受けているから、まあ、私はもうこれはしようがないのかなと思っていたと。だけど、文化庁からこういう、今新たな指導が来たと。文化庁が文化的価値があると、こう言っている。どうなんだと、こういう議論がありましたけれども、教育委員会の説明は、あれはあれで、相当私たち議員に与えるインパクトというのは、非常に大きなものがあったことは事実であります。
ですから、問題点が新たに指摘されている中では、新たな検証が私は求められているということを改めて申し上げておきたいと思います。
さて、話をもうちょっと先へ進めます。横道にそれてしまいました。
文化庁から指摘された事項について、市の考え方ということで、6月10日、文化財課から、これ活字でいただきました。関連する許可等が得られ次第、速やかに工事を進めていくが、文化庁から北鎌倉トンネルが所在する尾根の文化財的価値について検討が必要との意見があったのでという、私はこの言葉に非常にひっかかるんです。だから、もともとは、急傾斜の工事に向けての県の許可が得られ次第、風致だとか、いろいろほかにもありますけれども、得られ次第、速やかに工事を進めていくけれども、文化庁から文化的価値について検討が必要だという意見があったので、伐採地形測量も行いながら、こう言っている。
文化財部は、文化庁から指摘があったからやるんですか、これ。そういう意見が寄せられなければ、もうそういうことは必要ないと思っていたんですか。
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○桝渕規彰 文化財部長 この伐採地形測量、特に地形測量に関しましては、より丁寧な対応が必要だろう、この間、さまざまな議論がございましたので、地形測量をやっていくと、それをデータとして、より尾根の状況というものを確認していこうということで、これは、実は文化庁からそういう文化財価値についての検討があったということ以前から、この測量等については考えておりました。
また、あったのでと、これは非常に、議員もおっしゃられるように、文化庁という、我が国の文化財行政を所管する責任ある立場ですので、そこからそういう御意見を頂戴したということは、昨日、市長も申し上げたとおり、しっかり受けとめてということでございます。
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○24番(赤松正博議員) きょうも、午前中、松中議員の質問の中で、今、私が質問しようとしていることに関連するやりとりは随分やられました。一部、きのうの市長の答弁と、バッティングするような答弁も実はあったんですよ。
どちらかといえば、より前向きな、きのうより前向きな答えもあったんですけれども、私が気になったのは、きのう、こういうやりとりがあったんです。今、私が質疑しているようなやりとりの後に、工法の見直しもあるのかと、すなわち、開削方針の見直しもあるのかと、こういう質問されたんですね。これに対して、調査をし、調査の結果を文化庁と協議をして、文化庁から出た指示に全て従うということではない。指示が出たからといって全て従うということではない、こういう答弁があった。それに対して、上畠議員は、再質問しました。何度かしました。休憩になったんです、それで。休憩後の答弁では、外部の専門家の意見を聞いて、慎重にやっていきますと、こういう答弁に変わったんです。かなり、これ、二つの答弁には距離があるんですよ。文化庁と協議して、指示があったときに、その指示に全て従うということではない。こういう考えであったということは、この答弁にあらわれているわけですね。
だけど、そんなこと言ったらまずいと思って、外部の専門家の意見を聞いて慎重にやっていくと答弁を変えたのかなと、私は思うんですけれども。きょうのやりとりでは、文化財の外部の専門家の結果が出るまでは開削工事はしない。それから、文化財の調査に必要なこと以外はやらない。こういう二つの答弁をされました。間違いないね、それは、市長。
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○松尾崇 市長 今、二つありましたけれども、後段の部分が、そのように発言はしていないかなと思ったところなんですが、もう一度、おっしゃっていただけますか。
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○24番(赤松正博議員) 一つは、文化財の専門委員会の結果が出るまでは開削工事はしないというのが一つ。それから、文化財の調査に必要なこと以外のことはやらない。この二つのことをきょうお答えになりました。
結果が出るまでは休工するとかね、そういういろんなことはありましたよ、休工ということは、工事やらないということですけれども、大きく言えば、この二つのことです。いかがですか。
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○松尾崇 市長 基本的にその考え方でございます。
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○24番(赤松正博議員) 私は、文化庁の見解というのは、学者、研究者の皆さんからも、いろいろ要望の中で出ているように、あるいは考古学協会からの要望の中でも明らかなように、私はこの絵図と現況のあの姿と、その他、写真であるとか、いわばこの実態そのものが文化的価値があるということであって、何かここをいろいろやってみてね、文化財的価値があるのか、ないのか調べるという、そういう問題ではないんじゃないのと、ここにあるこの姿そのものに文化財的価値があるということではないんですか、私はそういうふうに思います。
すなわち、ここも含めて、三つの国指定重要文化財に指定されているこの絵図、そしてこれが世界遺産登録の重要な構成資産の一つになっている。そこに描かれている、それが現存しているもの、それ自体が文化的価値があるということであって、何かそこに木を伐採して測量して、何が発見されたら重要で、発見されなかったら重要ではないという、そういう判断の材料というのは何なんだと、私は正直わからないんですけれども、その点、いかがですか。
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○桝渕規彰 文化財部長 伐採して測量を行うというのは、あくまで地形の詳細を見たいということで、何か遺構を発見するために調査をするとか、そういうことでは決してございません。
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○24番(赤松正博議員) わかりました。それはそれとして、木を伐採してやったからって、この境内絵図にある、このお寺の境界を示す、この赤いライン、赤い線が出てくるわけじゃないんですよ、これ。しかも、いわゆる尾根の稜線がそのまま寺の境界になっているとも限らないんです。稜線がこの赤い線のラインだということではないんです。これはもうはっきりしています。ほかの浄光明寺にしても、称名寺にしても、ここでも、円覚寺でもそうですけれども。稜線のこういうとんがったところが見つからなかったら、文化的価値がないなんていうものじゃないんです。そこは、はっきりさせておかなくちゃいけない、これはもう。いわゆる考古学的に、学術的にということは一言申し上げておきたいと思います。
私は、文化庁からこういう見解が示され、鎌倉市もそれに沿って、調査をするというのは、大変うれしく思っております。しかも、その結果が出るまでは、全て開削工事にかかわる、関連する工事そのもの全部をストップするということですから、私はこれを評価したいと思います。しっかりとした検討を行っていただきたいと思います。
現在のトンネルがある、あの一帯の尾根が、この円覚寺の境内絵図に描かれている、この尾根であるということの確認さえ私はもう一度しっかりとできれば、それでいいと思っているんですけれども、外部の専門委員の方にも委嘱して検討するということですから、いいんですけれども、教育委員会、文化財部が、あれは歴史的価値がないんだという、そういう立場に立って検討をされたんでは、正しい結果が本当に得られるのかなということも心配なんですよ。だから、外部委員会、よく舛添さんも外部委員会と言って、2人の検事経験の弁護士さんやって、やりましたけれども、大変あれ不評でしたね、マスコミも厳しい指摘をしておりましたけれども、外部委員なら誰でもいいというもんじゃないと私は思いますよ。きちっとした方にお願いをする必要があると思います。
そして、その結果について文化財専門委員会でもきちっと議論していただくと同時に、文化庁にも報告をし、そしてその協議結果を大事にして、改めて北鎌倉のいわゆるトンネル問題というか、洞門の問題というか、これの方向づけをしていただきたいと。開削ありきではないということを、私はもう一遍確認をさせてもらいたいと思いますが、市長、いかがですか。
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○松尾崇 市長 るる御質問いただいた中で、開削にかかわる一切の工事ということをしないという確認をされましたけれども、昨日来申し上げさせていただいているところで、少し私の中で言葉足らずがあったのかもしれませんけれども、今、全体の工事の中で、県の許可がまだ今出ていないという状況が一つあります。それからもう一つは、文化庁からの指摘があり、これから文化財専門委員会を開催するという工程がこの中に入ってきたということがございます。
ただ、大前提として、ここの道路の安全対策と、また道路を通行できるようにするということは、これは急いでいかなければならないということを抱えているというところでございます。
そういう中においては、この文化財の専門委員会に至るまでの間に、木の伐採と測量ということをやるというお話をさせていただきました。これをやりながらと申し上げさせていただきましたのは、そこまでの、少なくとも工程というのは、特に、失礼しました。木の伐採については、この開削工事、今発注をしております開削工事の工程の中で入っているものですから、そこはその工事の中で実施をするということを予定しております。そこまでの工事というところまでは、最低でもやっていくということを予定しています。
ただ、ここで文化庁が指摘をしているような、そうした尾根についての工事、その本体の工事については、着手をしていかないという、そういう意味合いで工事を休工すると、そこまでの文化財の価値というところの協議までは休工していくという、そういうことでお話をさせていただきました。
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○24番(赤松正博議員) いずれにしても、文化庁の指示といいますか指導といいますか、それに基づいて調査をするという、その場合に外部の専門家の先生、委嘱するわけですけれども、その先生方を含めて、きちっと協議をして、調査の方法も含めて協議をし、文化庁の指導・援助も受けて、その調査に入っていただきたいと私は思います。
最後に質問ですけれども、今の点と、それから外部委員というのは、何人ぐらいを予定されているのか、この二つ、お尋ねいたします。
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○桝渕規彰 文化財部長 調査ということでございますが、改めて専門委員会、あるいは外部の有識者の方に何か調査を依頼するということではなくて、この専門委員会に外部の有識者、外部という言い方が適切かどうかわかりません。専門委員以外の有識者をお招きして、来ていただいて、皆さんで議論していただく。その議論というのが、今問題となっております尾根の文化財的価値についてということで、議論をしていただき、御意見を頂戴するということを文化庁の指摘を受けて考えているところでございます。
それから、今現在、外部から来ていただく方の人選については、いろいろと考えているところでございますが、何人程度というあたりも、何人がいいのかと、5人がいいのか、10人がいいのかというようなことは、これからきっちりと教育委員会内部で詰めていきたいと、このように考えております。
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○24番(赤松正博議員) もうそろそろ終わりたいと思っておりますが、いずれにしても、文化庁から今まで、今現在ストップしている原因というのは、急傾斜地の許可であるとか、あるいは風致の許可だとか、そういうことですよね。それの許可がおりれば、工事、本格的に再開するという、行政のスケジュールはそういうスケジュールになっている。だけど、あそこの北尾根の重要性の問題については、あの絵図の説明もしていただきながら、改めて認識を深めているわけですけれども、そういう重要な位置にあるものであって、したがって、しっかりとした、これは調査をして、文化的価値についてしっかりと検証しなさいという指導があったということですから、まず、それをすることが大前提。本格的な工事というのは、その結果によってどういう結果になる、どういう方向になっていくのかというのは、その先の話だということを私は強く申し上げておきたいと思います。
そして、全て文化庁の指導のもとで進めているわけですから、そのことのスタートから終わりまで、文化庁と緊密な連携をとって、その指導のもとに進めていくことを強く要求しておきたいと思います。事の進展の状況の中で、また建設常任委員会なり、何なりで、いろいろとまた疑問点などについては質疑をさせていただきたいと思いますし、さらに教育こどもみらい常任委員会に、きのうの陳情が何か出てきたということで、新たにまた付託もされるということでありました。ということですので、しっかりとした議論を深めていただいて、よりよい方向を見出していただきたいと私は思います。
最後に、これは世界遺産登録に向けて、国宝館、金沢文庫、それから県立歴史博物館、3館で連携して展示会が行われました。立派な冊子が出ておりました。私も関心のあるところを読ませていただいたんですけれども、その中で、これは、県立歴史博物館の展示のところの最後に描かれていた文章があります。それを紹介したいと思います。
これは、鎌倉の開発と文化財保護という記述であります。
鎌倉に比較的たくさんの埋蔵文化財が残されていたのは、鎌倉が決して繁栄が持続した都市ではなかった、そのことが逆に遺跡の保全につながったんだと、こういう記述がありました。ところが、昭和30年代の後半から40年代前半にかけて、鎌倉外周部の造成が大規模に開始され、文化財保護に対する取り組みが市民運動の中から醸成されてきた。文化財を将来に残し、伝えていくためには、意識的な保護・保存活動が行われなければならないことをこの展示会を機会に再発見していただきたい。こういう記述でありました。ここにあるとおり、行政の誤った行為によって、誤った判断によって、世界遺産登録に向けての構成資産であり、重要文化財に指定されている絵図に、そのまま生きて存在している風景を壊すような愚行は絶対に行わないでもらいたいことを強くお願いをして、私の質問を終わります。
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○議長(中澤克之議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(14時46分 休憩)
(15時30分 再開)
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○議長(中澤克之議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、池田実議員の発言を許可いたします。
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○5番(池田実議員) それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
今回は三つの質問をさせていただきます。一つ目は、災害対策についてです。二つ目は、自治体における広義の危機管理についてでございます。三つ目は、若者支援について。以上、三つの課題について、順次質問させていただきたいと思います。
質問項目が若干多いため、若干長くなるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
熊本では、先日も震度5弱の余震がありまして、熊本地震は終息したわけではありませんけれども、大きな地震がいつどこで起こるかわからない、もちろん、関東でもその状況は変わらないわけでございます。今回の震災を踏まえまして、今できることは、すぐにでも準備しておかなければいけない、そういう必要性を感じて今回質問することにいたしました。
まず、熊本地震から見えてきた新たな課題についてということで順次質問させていただきます。
今回の熊本地震は、前震の28時間後に阪神大震災級の本震が襲ったことで、犠牲者が5倍にふえ、その後も強い余震がやまない、常識を覆す連鎖地震でした。これは、最初の大きな地震を本震とみなし、余震は小さいという思い込みが大きな被害につながった、長年の常識を覆す地震であったと言えます。
地震活動が時間の経過とともに、徐々におさまるという常識も崩れ、終わりを見せない住民の不安感や長期避難のストレスにも対応できる防災対策を今後整えていかなければならないと考えますが、どのような感想をお持ちでしょうか、お聞きいたします。
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○柿崎雅之 防災安全部長 熊本地震に関する所感的なことでございますが、議員御指摘のとおり、今回の熊本で発生いたしました地震は、震度7の揺れが二度にわたって観測されまして、それ以降、震度1以上を観測する余震が1,700回を超えるなど、従来の地震についての常識や経験則を覆した地震災害となりました。
本市におきましても、これまでさまざまな想像に基づく地震災害対策を進めてきたところでございますが、今回の地震を教訓に、議員おっしゃるように、改めて災害に強いまちづくりによる減災の取り組みを推進していく必要性を感じておるところでございます。
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○5番(池田実議員) 次に、今回の熊本地震では、活断層に沿った地域が局地的に大きく被災しています。一般に活断層が動く頻度は、1,000年程度から数万年に一度と言われており、国内に2,000ある活断層のうち、30年以内に動く可能性が高い97の断層帯を主要活断層と位置づけており、今回の熊本地震では、震源地はこの主要活断層に含まれていました。
本市におきましては、活断層はないものの、地質断層があるとされておりますが、この点についてはどのように理解したらよいのかお伺いいたします。
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○柿崎雅之 防災安全部長 活断層とは、数十万年くらい前に活動した証拠が確認されておりまして、今後も活動する可能性のある断層を指します。その活動が地震の原因となり、発生時には周辺に大きな影響を及ぼすことが想定されます。
一方、地質断層でございますが、地質断層は活動する可能性が極めて低い断層を指します。活断層でございますが、神奈川県内でございますが、御紹介しますと、西から塩沢断層帯、平山−松田北断層帯、国府津−松田断層帯、伊勢原断層帯及び三浦半島断層帯といたしまして、武山断層帯、衣笠・北武断層帯、南部断層帯の、計七つの活断層が確認されておりますが、鎌倉市内では、議員御紹介のとおり、現在のところ、活断層については確認をされておりません。
しかしながら、三浦半島断層帯など、本市の近傍で地震が発生した場合は、少なからず影響があるものと考えております。
いずれにいたしましても、地震災害につきましては、あらゆる状況を想定しまして、情報の提供や日ごろへの備えの啓発を進めていくのが何より大切であると考えているところでございます。
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○5番(池田実議員) 今回の熊本地震は、地震の少ない九州の内陸部という地域性も住民や自治体の油断を招いたと考えております。また、東日本大震災の防災意識は津波に偏っていたとも言え、津波対策が強化された一方で、活断層、直下型への意識が薄くなりがちだったということが考えられます。
本市におきましては、今後、南関東直下地震、いわゆる関東大震災のような直下型の大地震が発生する可能性があり、いつでもどこでも地震は起こり得るという前提で、耐震化など、身近な減災対策をもう一度、再点検して、地道に進めていかなければならないと考えますが、この点については、いかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 本市の防災対策は、21年前の阪神・淡路大震災、5年前の東日本大震災の教訓をそれぞれ踏まえまして、さまざまな角度から災害に強い町を目指すといった方針を基本としております。
東日本大震災以降、津波対策を喫緊の課題と位置づけ、各施策を展開してまいった点は、議員御指摘のとおりではございますが、それとあわせまして、耐震化や初期消火などの地震防災対策につきましても、防災の基本事項として大変重要なテーマであると考えておりまして、並行して取り組んでまいったところでございます。
しかしながら、今回の地震の教訓を踏まえまして、減災の観点から、改めて本市の防災対策を点検するとともに、市民の皆様に対しましても、身近な防災対策の重要性を啓発していくことなど、地道な取り組みを進めていくことが大切であると感じております。
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○5番(池田実議員) 身近な減災対策、これは本当に大事だと思いますので、ぜひその辺の周知、よろしくお願いしたいと思います。
続きまして、今回の地震の被災地域は、昔の地形図をもとに調査分析がされましたが、昔、谷があった場所と被災地域が一致していることがわかっています。谷筋は軟弱な地盤が多く、東日本大震災でも谷を造成した住宅街が被害を受けており、建物の耐震がしっかりしていても、地盤が崩れれば住むことはできなくなります。谷戸の多い本市においても、今後古い地図などを基に、地歴調査を行い、地盤が軟弱である土地は危険性があるということを明確にして、住民が危険性を認識できるような対策も必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
また、埋立地での液状化現象も多く確認されておりますので、あわせて明確にしておくべきと考えますが、いかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 地震による被害の大きさは、議員おっしゃるようにその土地の地盤の状態も非常に大きな要因の一つと考えられます。液状化など、地盤に関する各種情報は神奈川県の「e−かなマップ」で公表されておりまして、本市におきましても、お問い合わせ等をいただいた際には当該マップを御紹介しているところでございます。
また、本市における取り組みといたしましては、地震も含めて洪水、内水、津波、土砂災害等のさまざまなリスクの要因情報を防災読本というものに掲載いたしまして、これを全戸配布することにより周知していますほか、また本年秋に予定しております地区別危険箇所マップの作成を予定しております。これにつきましては、やはり全戸配布により周知を図っていく予定でございますので、さらなる情報周知を図ってまいりたいと、このように考えております。
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○5番(池田実議員) また、今回の熊本地震での死者48人のうち、建物倒壊が原因と見られるケースが8割近くを占めておりました。新耐震基準以前の住宅への耐震化のさらなる促進とその対応が必要と考えております。
一方で、古い住宅に住む世帯は高齢化が進んでいるケースも多く、市の補助金はあっても、改修費用が足かせとなってなかなか改修できない、そういったケースも多いのではないかと推測されております。例えば、横浜市などでは、寝室だけを耐震化する耐震シェルターなどの対策の推進も図っていると聞いておりますが、本市の対策について伺いたいと思います。
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○征矢剛一郎 都市調整部長 本市では、昭和56年5月以前に建築された住宅等を対象といたしまして、耐震診断や耐震改修工事に対する助成等を行ってきているほか、新たに平成28年度から耐震診断義務化路線沿道の耐震診断の補助制度を創設したところでございます。
今回の熊本地震発生後には、地震相談の希望をする市民の方がふえまして、市民の意識が高まっていると認識しているところでございます。
このような状況を踏まえまして、さらなる耐震化の促進を図るため、より一層の啓発に努めるとともに、制度の充実について、横浜市の耐震シェルターや他市の耐震化施策なども参考にさせていただきながら調査研究してまいりたいと考えているところでございます。
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○5番(池田実議員) 新耐震基準を満たした建物であっても、震度7が繰り返し襲うことは想定していなかったことから、本来、安全のはずの災害時の緊急避難場所や災害医療拠点病院などが二度の激震で使用停止に追い込まれるケースが多く見られております。ある保健福祉センターでは、認知症患者らを優先的に受け入れると町で定めた施設が一般の被災者で埋め尽くされ、混雑の中で、おむつがえや徘回癖を迷惑がる人もいたため、応急危険判定で赤紙が張られた元の施設に戻らざるを得ない、そういった状況が報道されております。
また、今回の連続する一連の地震で想定していた物資の集積場所が使用不能となったことによりまして、政府や他県から届いた物資の集積場所が機能しなかったケースも多々あったと聞いております。
このようなことを防ぐためにも、本市における指定避難施設に対して、構造部材等を含めた再点検が必要ではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 避難施設も含めたその施設の再点検といいますか、点検の関係でございますが、大規模な地震が発生した際には、庁舎及び各支所では被害の状況を点検いたしまして、ライフラインの状況確認も速やかに実施することとなっております。
また、避難所におきましては、施設の被害状況を点検し、避難所として使用可能かどうかを確認しまして、可能と判断した場合に避難所として運営することとしております。
しかしながら、議員御指摘のとおり、熊本地震におきましては、震度7を二度観測し、被害が拡大したことなどから、施設の安全確認、これにつきましては、市といたしましても、これまで以上に配慮する必要があると考えてございます。
なお、今回の地震を受けまして、国や各専門機関におきましても、さまざまな研究が行われると聞いておりますので、今後新たな知見や情報が公表された場合は、その知見や情報に即しましたより適切な施設点検に取り組む必要があるものと考えてございます。
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○5番(池田実議員) 今回の熊本地震では、連鎖地震による想定外の避難者数のため、水や食料の備蓄が底をついてしまったと聞いていますが、本市の災害備蓄の状況について伺いたいと思います。
特に、本市の場合は、観光都市であることを考えると、多くの帰宅困難者が出るおそれがあると思われますが、あわせてその状況を伺いたいと思います。
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○柿崎雅之 防災安全部長 本市では、災害に備えまして、市立小・中学校の防災倉庫や消防の備蓄倉庫に市民向け食料約30万食と飲料水、毛布などの資機材を備蓄しております。
また、災害時に発生する帰宅困難者の収容施設として、鎌倉芸術館や生涯学習センターなど8カ所を指定しているところでございますが、帰宅困難者向けの備蓄といたしましては、食料約3万食、アルミブランケット約2万枚などを確保しているところでございます。
また、さらに自助、この自助の観点から家庭における食料備蓄につきましても、これまで以上に啓発を促し、市域全体の備蓄体制の向上を目指したいと、このように考えてございます。
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○5番(池田実議員) 報道によりますと、ニーズを把握できない、未知の避難所が続出したと聞いております。これに対しては、住民側も支援を待つだけでなく、ふだんから自主防災組織などを通して、行政にニーズを伝えられるような伝達手段を平常時に行政と住民で取り組みをしておく、そういった必要があるのではないかと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 今、御紹介のありました熊本の例などからも、大規模災害時には、行政と市民の皆様との情報伝達手段の確保は大変重要でございます。
一例といたしまして、避難所や支所のMCA無線、これを使用することで、電話が不通になった場合においても、情報伝達が可能となります。そのためには、平時の訓練や情報共有の場を通じまして、顔の見える関係を構築しておくことが効果的であると考えられます。
本市におきましては、鎌倉市自主防災組織連合会を通じまして、自主防災組織の横の連携と行政との情報共有を図っているところでございます。
こうした仕組みを活用した自助・共助・公助の連携をさらに強化していくことが減災効果を高めることにつながると考えております。
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○5番(池田実議員) また、今回の熊本地震におきましては、自主防災組織が災害時において機能不全であったと、そういった報道がされております。形だけの組織にならないようにするためには、計画や訓練に実効性を持たせなければならないと考えます。
また、全ての自治体や地域住民が連携して日常から防災や危機管理意識を高めていく取り組みとともに、かなめとなって働くリーダーの育成や構成者が日ごろから意思疎通を密にする取り組みが必要と考えますが、この点についていかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 地域におけるリーダーの育成と連携でございますが、災害による被害を減ずるためには、地域住民の皆様と行政との意思疎通を密にすることは極めて重要でございます。その役割のかなめとなる地域リーダーの育成は、これまた大切なことでございます。リーダー育成のための市の取り組みといたしましては、毎年2回自主防災組織リーダー等研修会への参加を各自主防災組織に呼びかけまして、平成27年度につきましては、合計44名の方が御参加をいただいており、平成28年度もこの秋に研修会を実施し、地域のリーダーとなる人材の育成に努めているところでございます。
また、小学校区でブロックごとの合同訓練を実施するなど、リーダー育成の土壌づくりに努めているところでございます。
さらには、消防団OBの方々にも御協力いただき、これまで培った経験をもとに、地域のリーダーとしての役割を担っていただくことも現在考えております。このように多角的に考えていきたいと思っております。
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○5番(池田実議員) また、報道によりますと、紙管、紙でつくった管ですね、これを組み合わせた骨組みに、カーテンがわりの布を安全ピンでとめた簡易間仕切りをつくり、持病のある方とか、個室を必要な方、この方たちに60室提供したとの記事がございました。
また、登山家の野口氏は、車中泊を続けている人たちへのテント100張りを提供したとの記事もございました。
間仕切りにつきましては、本市でも一部備蓄しているということは承知しておりますけれども、持病を持つ避難者などへ配慮するためには、一定程度の準備が必要と考えます。
また、避難所に入りきれないケースなどの想定から、テントの一定の配置なども今後必要と考えますが、いかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 避難所での間仕切り等を用いたスペースの活用は、避難者のプライバシーの保護や、ストレス対策の観点から、特に中・長期の避難生活への配慮として、大変重要な課題であると認識してございます。
避難所には、身体的あるいは精神的に配慮が必要な方も避難してこられるため、こうした方々のためのスペース確保やキャパシティーの問題も懸念されます。一般の避難所でも、配慮が必要な方のための設備面や福祉の視点に立った避難所運営といったソフト面での充実を図ることが一つの方策になると考えてございます。
避難所の開設時には、職員と地域の方々が協力して運営することになるため、議員御指摘のテントの導入なども含めまして、小学校区単位でのブロック訓練などの機会を捉まえ、配慮が必要な方にも対応でき得る避難所となるよう、双方協力しながら検討してまいりたいと、このように考えております。
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○5番(池田実議員) さきの東日本大震災を教訓にしまして、携帯電話各社につきましては、基地局のバッテリーを大容量化するなどの対策に力を注いできたと聞いていますけれども、連鎖地震によって、長時間の広域停電が今回の場合発生いたしまして、想定外の出来事であったとのコメントがございました。
一方で、コンビニ等で常設されているWi−Fiスポットが非常に有効であり、スマホを使ったSNSによる情報伝達が役に立ったとの報道がございました。スマホにつきましては、充電切れが不安材料ということでありますが、Wi−Fiスポットは非常に有効であり、今後も、さらなる普及が必要と考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 東日本大震災当日におきましては、本市におきましても、5,000人を超える帰宅困難者が発生したことや、東京オリンピック・パラリンピックに向けまして、外国人観光客の増加が見込まれることなども踏まえまして、防災拠点及び帰宅困難者一時滞在施設に公衆無線LANの整備を進めております。
平成27年度には防災拠点であります本庁舎、第3分庁舎及び帰宅困難者一時滞在施設であります鎌倉生涯学習センターにWi−Fiを整備したところでございます。これにより、情報収集、市民等への情報の提供を確保したところでございます。
引き続き、本年度も事業を拡充し、災害時の拠点となり得る4支所と帰宅困難者の一時滞在施設である鎌倉武道館及び鎌倉芸術館への整備を予定しているところでございます。
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○5番(池田実議員) 続きまして、平成14年11月に改正災害対策基本法が成立いたしまして、放置車両の強制撤去はできるようになりましたけれども、今回の場合、給油待ちの車が渋滞を悪化させ、物資輸送の障害になったということを聞いております。これについても、一定の対策が今後必要と考えますが、いかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 災害時の物資の輸送経路の確保は、これもまた重要な課題でございます。近年、災害時に給油待ちの車によりまして、一部道路で渋滞が発生し、緊急輸送に支障が生じるおそれがあるとの事例が報告されております。
本市におきましても、災害発生直後から市内のガソリンスタンドに付近で給油待ちの車が路上に待機することがまた想定されます。難しい問題でございますが、こうした場合においても交通に支障がないよう、運転者に対して適切な指導・誘導が必要であると考えられますことから、交通管理者、道路管理者とも連携をいたしまして、適切な指導対応が図られるようこれからも取り組んでまいりたいと考えております。
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○5番(池田実議員) 熊本関連については、これで最後になりますけれども、環境の悪化による避難所等での感染症、ノロウイルスであったり、インフルエンザ、エコノミークラス症候群などの対策に対しまして、厚生労働省では、避難所等での感染症、DHEATというんでしょうか、公衆衛生を担う医師、保健師、栄養士ら、行政職員を中心に5人程度で構成したグループの養成に乗り出したと報道がございました。熊本地震でも相次いだ災害関連死、これを減らす効果も期待されるとしていますが、本市における避難所等での感染症対策、これについては、現状どうなっているのか伺います。
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○内海正彦 健康福祉部長 避難所において感染症やエコノミー症候群等の発症予防のための対策や健康管理は非常に重要であると考えてございます。
本市の地域防災計画において、大規模災害発生時には、各避難所に自主防災組織や教職員、市職員、避難者から成る避難所運営委員会が組織されることとなっております。この委員会において、避難者の感染予防の周知徹底や健康管理の把握に努めていくこととなっております。
また、避難者の健康状況を確認するため、市の保健師等が避難所を巡回し、必要に応じて、県や医療機関などと連携し、重症化予防、拡散防止等を図っていくこととなっております。
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○5番(池田実議員) 続きまして、災害対策の2番目といたしまして、集中豪雨対策について、伺ってまいります。
集中豪雨による土砂災害につきましては、一昨年の平成26年8月20日に広島県で発生しました大規模な土砂災害が思い起こされます。また、河川の氾濫につきましては、昨年の平成27年9月10日、台風18号の低気圧の影響によりまして記録的な大雨となった茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊し、大きな被害が出たことが記憶に新しいところでございます。
そこで、集中豪雨対策につきましては、平成26年9月定例会におきましても一連の質問をさせていただいたことがございますけれども、その後の進捗状況含めて、何点か伺ってまいりたいと思います。
まず一つ目ですが、平成20年度に策定されました鎌倉市下水道総合浸水対策基本計画におきまして、計画降雨量を超える超過降雨量への対応として、四つの重点地区について施設整備等の検討がされました。その一つとして、大塚川の水を水量に余裕がある新川への分水計画があり、河川周辺に住宅が張りついた状況である大塚川の改修は、事実上困難であるということから、浸水災害を未然に防ぐための減災のためにも、早期の計画の実施が望ましいのではないかとの質問をさせていただきました。
その後、平成27年度の重点事業の一つとして、大塚川から新川へ向けた基本設計を実施したかと思いますが、その後の計画の進捗状況について伺いたいと思います。
また、他の重点地区、ほかに三つございますけれども、そちらの整備計画ですか、そちらはどうなっているのか伺いたいと思います。
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○伊藤昌裕 都市整備部長 大塚川から新川への分水路の整備事業は、手広地区及びその沿線の浸水被害を解消するもので、平成27年度に基本設計業務委託を実施いたしました。
この基本設計では、支障となります県道内の地下埋設物の状況や水路の布設スペースの確保などの視点から、ルートの選定や工法等の検討を行いました。
今後は、土地の権利関係等を含めまして整理を行い、現実的で実効性のある計画とするため、地元の方々との調整を図りながら、実施に向けて進めてまいります。
また、ほかの三つの重点地区におきましても、平成27年度に旧コミュニティープラントの雨水調整池への転用などに取り組んでおり、今後も順次実施してまいります。
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○5番(池田実議員) 次に、浸水対策及び津波遡上対策に関連してなんですけれども、国土交通省京浜河川事務所が、この5月30日に水防法に基づき、1級水系の多摩川、相模川下流部での最大級の雨による洪水が起きた場合の浸水想定地域図を公表いたしました。
近年の温暖化の進行などの影響を受けてか、浸水地域が多摩川では10年余り前に公表された従来想定の1.3倍、相模川では2.5倍に拡大していると、そういった結果が出ております。新聞報道等では、河川改修では洪水を防げないために、地元自治体や住民と命を守る避難対策を検討するとしております。
国では、近年の相次ぐ深刻な水害や、今後増加が見込まれる強雨のリスクを考慮し、被害の軽減に向けた取り組みを定めた改正水防法により対策が進められていると聞いております。
そこで、私が住む地域の身近な河川である境川の支流である柏尾川周辺について、集中豪雨対策について伺ってまいりたいと思います。
一つ目としましては、現在整備が進められているJR深沢跡地整備事業において計画されている調整池機能、これについては集中豪雨対策としてどのような効果があるのか、周辺に対してどのような効果があるのか伺います。
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○樋田浩一 拠点整備部長 現在、深沢地域整備事業では、雨水調整池の規模につきまして、河川管理者などとの関係機関協議の結果をもとに、容量を約1万2,000トン確保する計画としてございます。調整池に貯留しました雨水につきましては、流出量を調整しながら放流することになりますので、河川への負荷は軽減され、下流区域への一定の減災効果に寄与できるものと考えてございます。
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○5番(池田実議員) 次に、柏尾川と隣接する地域におきましては、従来から浸水の危険性のある箇所が何カ所か見受けられておりますが、この地区における集中豪雨対策と緊急避難路の確保について、どのようにお考えか、伺いたいと思います。
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○伊藤昌裕 都市整備部長 柏尾川を含めます境川が平成26年6月に特定都市河川に指定されたことによりまして、境川上流部での全ての自治体が指定区域内で1,000平方メートル以上の雨水浸透阻害行為を行う場合に、雨水貯留施設等の設置を義務づけるなど、浸水被害防止対策を実施することとなりました。
これによりまして、上町屋地区を含めます柏尾川沿線地域における浸水被害の軽減が期待できると考えております。
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○柿崎雅之 防災安全部長 整備による浸水対策の、今答弁ございましたが、進捗によりまして、浸水リスクの低減が期待されるところでございますが、昨今の集中豪雨を考えた場合、やはり速やかに避難をすることによる安全確保は第一義的に重要であると考えます。防災の立場といたしましては、引き続き的確な情報を提供するよう、体制を維持しつつ、避難所への早期の水平避難、あるいは屋内での垂直避難の重要性を周知してまいりたいと考えてございます。
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○5番(池田実議員) 豪雨のときには、まず情報提供と、それとどう逃げるか、これについては、十分日ごろから地域の中でも検討していかなきゃいけないと思っております。
続きまして、土砂災害についてですけれども、現在、神奈川県で調査が進められている土砂災害警戒区域、イエローゾーン及び土砂災害特別警戒区域、レッドゾーンの調査と本市の指定状況と今後の指定区域の取り扱い、そういった住民への周知方法等につきまして、現状についてお伺いさせていただきます。
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○柿崎雅之 防災安全部長 現在のところ、急傾斜地の崩壊にかかわる土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンは、市内において414区域が指定済みとなっており、土砂災害、ハザードマップ等で市民の皆様に周知を図っているところでございます。
一方、土石流についての土砂災害警戒区域、特別警戒区域、イエローゾーン、レッドゾーンは、平成27年度、神奈川県による市内全域の基礎調査、これが終了しておりまして、今後指定に向けて神奈川県が土地所有者への個別通知、説明会などを予定しております。
また、市の広報での周知を図るなど、神奈川県と連携を強化してまいります。
また、急傾斜地の特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンに関する基礎調査につきましては、現在、神奈川県により作業が進められている最中と聞いております。本市で現在作成中の地区別危険箇所マップには、この土石流のイエロー・レッドゾーンの基礎調査情報を掲載して、秋には全戸配布をしたいと考えてございます。
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○5番(池田実議員) 以上で災害対策についての質問を終わりまして、次に、2番目の自治体における危機管理について質問させていただきたいと思います。
自治体において住民を守るために、平常時に準備しておかなければならない危機は、大きく分けて二つに分けることができます。一つは、自然災害による危機、大規模地震、津波、台風、火山噴火、ゲリラ豪雨、河川氾濫、ダム崩壊、山崩れなどがあります。
もう一つは、人的災害による危機、戦争、侵略、テロ、飛行機事故、船舶の事故、ガス爆発などがございます。
今回は、自然災害における危機管理のうち、BCP体制についてと、もう一つは、外的な要因ではなく、自治体が本来守るべき、住民から信頼を失墜させるような行為を自治体の危機として捉えた危機管理について質問させていただきます。
住民から信頼を失墜させる行為とは、住民に対して説明できない、説明しても納得してもらえないことを起こす、アカウンタビリティーが果たせない状態のことです。このような組織運営上の危機管理についても同時に伺ってまいりたいと思います。
まず、地震災害時業務継続計画、BCPについて伺いたいと思います。
今回の熊本地震で被害の大きかった5市町のうち、3市町でBCPが策定されていなかったために、庁舎損壊によって役所機能が停止し、罹災証明が出せない状況がございました。昨年12月の国による調査では、全国でBCPを策定済みの市区町村は36.5%にとどまっているとのことです。
本市においては、既に地震災害時業務継続計画(第1次)が策定されており、平成28年度においては、防災危機管理図上訓練を予算化し、実施予定であるということは承知しているところでございます。
今回の訓練の実施に当たっては、熊本地震の状況等も踏まえた、幅広く、市民にとって安心のできるBCPであるよう、より実践的な訓練が必要と考えますが、いかがでしょうか。
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○柿崎雅之 防災安全部長 今、御紹介のBCPでございますが、BCPは災害が発生したことによりまして、市役所機能の低下を余儀なくさせることがありましても、応急対策と市民生活に密接する通常業務の継続や、早期復旧に努める必要があることから、事前にその手順等を定めておくものでございまして、本市の現行の第1次BCPは、平成25年6月に策定されたものでございます。
本年度、平成28年度は、本庁舎の機能維持基本計画、これが策定される予定でございますので、その内容を踏まえまして、第1次BCPの見直し改定に着手したいと考えております。
あと、訓練でございますが、市は平成24年度から毎年図上訓練を実施してきたところでございますが、本年度、平成28年度は協働連携体制のさらなる強化を図るべく、この4月20日に県の危機管理対策課、それから自衛隊、それから警察、病院やJR鎌倉駅、江ノ電等の関係者機関の方々の参加によりまして、化学剤の散布を想定した国民保護図上訓練というものを実施したところでございます。
また、BCPのさらなる実効性向上のため、来年でございますが、平成29年1月ごろを目途に地震災害に係る図上訓練を行う予定でございます。
実施に当たっては、熊本地震による状況も踏まえまして、地震発生直後の最も厳しい時期における災害対策本部での情報収集、分析活動や市で最低限必要な業務の絞り込みにつながる実践的な訓練になるよう努めてまいります。
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○5番(池田実議員) わかりました。災害時の手足となる関連各課がどう動くかということ、これをきちっと実践的に動けるような形で整備をぜひお願いしたいと思います。
次に、総務省消防庁によりますと、防災拠点となる全国19万棟の耐震化率は2015年3月現在で88.3%でありますが、自治体庁舎は財政事情を理由に、学校や病院に比べて低く、74.8%にとどまっているとしております。
本市における本庁舎は既に耐震化が行われておりますけれども、建物の老朽化や地震発生時の機能維持の問題、津波想定浸水範囲に入っているなどの理由から、今年度、平成28年度中に庁舎の整備方針を検討しているとのことであると認識しております。
今回の熊本地震を見ましても、市役所庁舎の存続は被災した住民にとっても、非常に大きな存在であり、よりどころであると再認識したところであります。
今後の庁舎のあり方につきまして、どのように考えているのか伺いたいと思います。
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○比留間彰 経営企画部長 議員御指摘のとおり、市役所本庁舎は市の防災中枢機能を果たす施設の一つであるとともに、市民アンケートにおきましても、災害時にも機能する災害に強い庁舎を望む意見が一番多い結果として示されておるところです。
公共施設再編計画では、市役所本庁舎は、現庁舎の防災的な課題解決に取り組みながら、老朽化に伴う本庁舎の機能更新の検討を進めるとしておりまして、今年度中に現在地建てかえ、現在地長寿命化、その他用地への移転方策などについて検討し、将来の整備方針を決定することとしております。
検討に当たりましては、現庁舎が抱える防災、老朽化等の課題の解決を目指すとともに、本庁舎として求められる防災中枢機能や市民サービス機能などを見据えながら議論を重ねていきたいと考えております。
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○5番(池田実議員) 自治体における危機管理の2番目としまして、職員の不祥事、不適切な事務処理などの危機管理について伺ってまいります。
事務執行における危機管理では、まず大切なのは、知識よりも、何か変だなと思う意識であると考えます。また、問題があっても指摘しにくい職場の風土や慣習が改善に時間がかかる要因ではないかと考えております。これらの点を踏まえまして、質問させていただきます。
1番目として、現在整備しようとしているコンプライアンスの推進の仕組みづくりについて、どのような形で整備しようと考えているのか伺いたいと思います。
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○松永健一 総務部長 コンプライアンスの推進のためには、マニュアル等の整備とともに、内部牽制機能を強化するための体制整備が不可欠と考えております。全庁的な観点からは、コンプライアンス推進組織等を設置し、不正等の未然防止、早期発見につながるマネジメント対策の整備を図るとともに、現場レベルでは、作業プロセスの再点検、再構築などを行い、不正や誤謬が発生しにくい事務執行体制を確保するなど、内部牽制機能の強化につながる仕組みづくりを進めていく必要があると考えております。
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○5番(池田実議員) 次に、何か変だなと思う、職員一人一人の意識改革が重要と考えておりますが、どのように教育を行い、実際、どのように実践していこうと考えているのか、この点について伺いたいと思います。
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○松永健一 総務部長 このたびの一連の不祥事、不適切な事務処理等を見ますと、今言われましたとおり、事実を認識していても、そもそもそれが問題だとは気づかず、また疑問にも思わない、仕事に臨む上での公務員としての自覚、姿勢、態度に大きな問題があったと捉えております。
コンプライアンスの推進について先駆的な取り組みを行っている民間企業や自治体におきましては、例えば、コンプライアンス違反事例を題材に、職場ごとにディスカッションする場を設け、コミュニケーションの強化を図りつつ、隠れた問題点への気づきのきっかけづくりを行うなど、効果的な実践活動を行っているところもありますため、そのような先進事例等を参考に、職員一人一人が常に問題意識を持って、みずからの業務をチェックしていくことを促す意識改革を図っていきたいと考えております。
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○5番(池田実議員) 次にですが、組織内での浄化作用が働くような職場環境づくり、これが最も重要、必要ではないかと考えております。特に、問題があっても、指摘しにくい職場の風土や慣習を勇気を持って改善していけるような組織づくり、意識づくりを管理職を中心に実施していく必要があると考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
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○松永健一 総務部長 業務上のトラブルや疑問、問題などについて自由に話し合える風通しのよい組織づくりは、コンプライアンスの仕組みを有効に機能させる上での土台になるものと考えております。民間企業などでは、部門や役職、世代を超えた交流を深められる場を用意し、自分の上司や課内ではなかなか言えない相談を他部署の先輩等にもできるよう、風通しのよい職場を意図的に整備しているところも多くなっております。民間等の事例を見ても、風通しのよい職場づくりは、全庁一丸となって取り組んでいかなければならない課題であることから、管理職にあっては、自分の課のみではなく、他部署の職員の相談にも乗り、サポートし合っていけるような組織づくり、意識づくりを進めていく必要があると考えております。
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○5番(池田実議員) 管理職が職場全体を見渡しまして、そこで気づいていく、管理職自体が中心にやっていくということが本当に重要ではないかと思います。そういう意味での、今後の管理職の教育といいますか、育てていく、そういったことが重要になってくるのではないかなと思っております。
続いて、地方自治体の危機につきましては、冒頭で申し上げましたが、昨今、住民からの信頼を損なうような行為が非常にふえてきているように思います。一部の職員の行ったコンプライアンスに反する行為の与える功罪は非常に大きく、自治体にとっては大きな損失であると言えます。
市民から税金を預かる身として、コンプライアンスを守ることが自治体にとってもそもそも大前提のことでございます。期待される役所の第一歩は、住民との信頼関係を損なわない行動と事務執行ではないかと考えます。コンプライアンス遵守を目に見えるような形で整備し、住民の信頼に応えるために、リーダーとして、市長に決意をここでお聞きしたいと思います。
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○松尾崇 市長 今お話しいただきましたように、大前提としてということでございます。税金を預かる立場として、市民の皆さんから、それはもう信頼をするからこそ納税をしていただき、また市役所にこうしたさまざまな市民の生命・財産を守るということをお任せいただいていると。その大前提が崩れるということは、本当にあってはならないことだと受けとめております。
そうした意味におきまして、私が職員の先頭に立ち、コンプライアンスを推進することで、この間失ってきた信頼、信用ということを取り戻すべく全力で当たっていきたいと思います。
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○5番(池田実議員) 以上で自治体における危機管理、広義の危機管理ですけれども、それについて終わりたいと思います。
続きまして、三つ目の課題でございます若者支援について伺ってまいりたいと思います。
若者支援といいますと漠然とした問いになりますが、今回の質問では、何点かに絞って、若者の現状と地方自治体に何ができるか、その課題と施策について伺ってまいりたいと思います。
若者の範囲につきましては、内閣府で実施された我が国と諸外国の若者の意識に関する調査を参考にして、13歳から29歳、さらには、子育て世代の若者をイメージした範囲での質問をさせていただきたいと思います。また、昨年の9月定例会では、高齢者支援の質問をさせていただきました。人は必ず老いていくことになります。人の終末が納得のいくものでなければ、若者の夢や希望にも影響があるのではないかと考えております。人の一生は1本の道でつながっていくものであり、将来の社会保障の不安定さが今生きる若者の生活設計や将来の希望にも、さまざまな影響を及ぼしているのではないかと考えております。
現在、課題あるいは社会問題となっている保育施設や子ども会館などの子育て施設、子育て環境の不足や学校教育も含めた、さまざまな支援体制、ライフステージに応じた就労環境などなど、若者支援の課題は多岐にわたっており、これらの課題を一つ一つ解決していくことが自治体の役割であり、課題をクリアすることによって、若者にとって住みやすい環境、町になってくるものと考えております。
このような視点から幾つか伺ってまいります。
まず、一つ目、若者の現状についてでございます。
まず、若者の現状についてですが、内閣府で実施された我が国と諸外国の若者の意識に関する調査のデータをもとに書かれました「日本の若者はなぜ希望を持てないのか」、明治大学国際日本学部教授、鈴木氏の著書を参考に、若者の現状について考えてみました。
当調査では、子ども・若者育成支援推進法第8条に基づく大綱の推進や、その見直しの資料として使われているものでございます。日本及び6カ国、アメリカ、イギリス、スウェーデン、フランス、ドイツ、韓国における13歳から29歳までの若者を対象に共通の質問項目を用いて行われた国際世論調査であります。
この中で、あなたは自分の将来について明るい希望を持っていますかの問いに対して、希望がある、どちらかというと希望がある、どちらかといえば希望がない、希望がない、この四つの選択肢の中で、希望があるはわずか12%、どちらかといえば希望があるを含めても6割をやっと超える程度でありました。
それに対して、他の国々を見てみますと、希望があると、どちらかといえば希望があるを合わせて8割を下回る国はありませんでした。また、日本の中学、高校における希望の水準は、他の国々に比べてもともと低いのに、高校を卒業した後に、それがさらにぐっと下がってまいります。日本以外の国々では、二十歳後半になっても、8割か、それを超えるほどの若者が希望ありなのに、日本では18歳を超えると希望なしの若者が4割を超えております。
一方で、自分に満足している人のほうが満足していない人よりも希望がある、可能性が高くなっている、つまり幸福感と総合的希望はリンクしていることがわかります。
しかし、一方で、日本では現在満足しているが、将来に希望のない若者が目立つのに対して、アメリカやスウェーデンでは、現在は満足していないが将来に希望のある若者が多いことが明らかになっております。
これらから、未来に関するネガティブな予想をリスクあるいは不安ということ、現代日本社会は、リスクへの不安が支配し、希望の力が失われているため、リスクへの不安の増大が人々を萎縮させ、希望を抱きにくくしていると言えます。
このように、希望に対して、リスクや不安が上回る、日本の若者の現状について、どのように感想を持っているのか、また本市の若者の現状について伺いたいと思います。
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○佐藤尚之 教育部長 今、御紹介いただきましたこの書籍のデータの根拠になっております内閣府がまとめた平成26年度版子ども・若者白書によりますと、自分自身に満足している若者は日本の数字45.8%に対して、一つの国を例に申し上げますと、アメリカが86%、将来への希望を持っている若者は日本の61.6%に対してアメリカは91.1%という数字が出てございます。数字的には大きな差があるというのが第一印象でございますが、特に、将来の希望、アメリカ91.1%というのは、やはりアメリカンドリームの国だなという印象を持ちました。
また、今申し上げましたデータの対象は、先ほど御紹介がありましたとおり、13歳から29歳という幅広い年齢でございます。年齢の違いこそございますけれども、小・中学校を対象とした我が国の全国学力・学習状況調査におきましても、将来の夢や目標を持っていますか、また自分にはよいところがありますかといった同様の質問項目がございました。この回答結果から、鎌倉市、本市の小学校6年生は、8割以上の児童が、また中学3年生は7割以上の生徒がそれぞれの質問について肯定的な回答をしてございます。
これらは、全国平均よりも高い数字を示してございます。これだけで一概に判断はしにくいんですけれども、やはり先ほども御紹介があったように、18歳を超えて数字が少し下がるというのが大きな課題の一つかという印象を持ってございます。
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○5番(池田実議員) 鎌倉市は、ほかの、平均といいますか、今の私が述べた部分につきましては、比較的希望のある子供たちが多いということだと思います。よければいいんですけれども、さらにそれ以上の、今後希望を持てるような教育というのは必要があるのかなと思います。
次に、教育の諸課題についてでございます。
ここでは二つの課題について伺ってまいります。
一つ目は、格差社会の教育への影響についてということでございます。
日本の子供の6人に1人が貧困状態にあると言われておりますが、2012年には、子供の相対的貧困率は16.3%に達しています。主な要因としては、経済的に苦しいひとり親家庭がふえていることが上げられております。相対的貧困率は2014年のOECDの資料によりますと、加盟34カ国のうち、悪いほうから10番目に位置しております。さきの調査では、日本人は中の中が54%、中の上、中の下を入れると94%が中流意識を持っているとのことがわかっております。このような経済状況と意識のギャップの中で、教育における若者への影響について伺ってまいりたいと思います。
まず一つ目ですが、格差社会の本市の教育への影響の現状について伺いたいと思います。
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○佐藤尚之 教育部長 まず、経済的な生活困窮者への取り組み、あるいは子供の貧困対策というのは、極めて重要であると認識してございます。
本市におきましては、いわゆる経済格差によって学習の機会に差が生じないよう、経済的な支援という形でありますけれども、学習援助制度を実施してございます。
現在のところ、学校における学習の機会という点におきましては、一定の均衡が図られているものではないかと認識をしてございます。
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○5番(池田実議員) 次に、本市の格差社会の現状を踏まえました今後の取り組みについて伺ってまいりたいと思います。
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○佐藤尚之 教育部長 済みません、先ほど学習援助制度と申し上げましたけれども、就学援助制度の間違いでございますので、申しわけございませんでした。
義務教育におきましては、教育を受ける機会が均等であることは、極めて重要であると考えてございます。
今後とも、学習支援や生活支援という面で、個々の児童・生徒の状況に応じた支援を行ってまいります。
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○5番(池田実議員) 次に、基礎学力の底上げについて、この言葉が正しいかどうかは別といたしまして、そういったイメージとして受け取っていただければと思うんですが、格差社会の影響で、ともすれば貧困による負の連鎖に陥る子供たちを絶対にふやしてはいけないと考えております。小学校低学年、3年生までに基礎となる学力や道徳心を身につけていくことがその後の人生に大きな影響を及ぼしてくるのではないかと考えております。
現実の問題としまして、学校教育におきまして、子供たちの勉強のおくれをカバーするための学習支援が必要と考えておりますが、本市の現在の取り組みについて伺います。
まず一つ目ですが、基礎学力の底上げを図るために、現状、どのように取り組んでいるのか伺います。
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○佐藤尚之 教育部長 文部科学省では、子供の学力の状況を把握するため、小学校6年生、それから中学校3年生を対象に、先ほども御紹介いたしましたけれども、全国学力・学習状況調査を行っているところであります。
平成27年度の調査結果でありますけれども、本市の小学校の国語、算数は、全国の平均回答率と同程度でございました。また、中学校の同じく国語、数学におきましても、全国の平均正答率を上回る結果でございまして、基礎学力の定着度はおおむね良好と考えてございます。
また、学校では児童・生徒が基礎的、基本的な知識・技術を習得するために、教員は指導法の工夫や改善を行っておりまして、ティーム・ティーチングや少人数授業など、個々に応じた指導体制を取り入れているところであります。
それとあわせまして、学習支援や生活支援という面で、スクールアシスタントや学級支援員等を配置し、支援を行っているところであります。
また、休み時間や放課後の時間、あるいは長期休業中の時間等を活用いたしまして、学習会や個別指導を行うことで、子供たちの学力の向上に取り組んでいるところであります。
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○5番(池田実議員) 次に、今いろいろ基礎学力の底上げについて伺いましたけれども、それを図るための現状の課題ですか、それと今後の対応について教えていただきたいと思います。
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○佐藤尚之 教育部長 学校におきましては、児童・生徒一人一人の個性を生かして、個性を伸ばす授業に取り組んでいるところであります。
こうした取り組みには、個に合わせた指導・支援をしていくための時間の確保や、日ごろから授業力向上など、教員自身のスキルアップも必要であると考えてございます。
また、子供たちの基礎学力を定着させるためには、これからも人的な学習支援が必要でありまして、こうした充実した取り組みができるよう、今後とも努めてまいります。
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○5番(池田実議員) 次に、シチズンシップ教育、その必要性について伺ってまいります。
約1年前の6月17日に公職選挙法等の一部を改正する法律が成立いたしまして、選挙権年齢が現行の20歳から18歳に引き下げられました。選挙権年齢の引き下げでは、1945年の終戦直後に25歳以上から20歳以上にとなって以来、70年ぶりの改定となっております。この6月19日には施行され、6月22日公示、7月10日投開票の参議院議員選挙から適用されることとなっております。
この改定によって、明治学院大学法学部の中谷准教授は、三つの肯定的な変化を期待しているとしています。一つは、純粋に若い世代が自分の意思を表明できる機会が広がる。二つ目に、若い世代の投票率が他の世代より低く、こうした世代間の投票率が政策の不均衡を引き起こすことが危惧されている中、これを機に、各政党が若い世代を取り込もうとする動きが出てきているとのこと、このことは政治と有権者をつなぐ新たな回路ができる可能性があるとしております。三つ目に、新しく有権者となる世代、また将来有権者となる世代を含めた主権者教育を積極的に行わなくてはならないという機運が高まっております。特に、この三つ目の変化は、従来消極的とされていた日本の政治教育に大きな変化を促し得るものとなります。
実際、総務省と文部科学省によって、高校生向けの主権者教育が実施されることが検討されております。
神奈川県を見てみますと、神奈川県立湘南台高校では、県教育委員会により、平成22年から平成24年度に県立高校教育推進事業「教育活動開発校(シチズンシップ教育)」の研究指定を受けまして、政治参加教育、司法参加教育を中心に、研究及び実践が進められてきております。
シチズンシップ教育は、日本では市民性と訳されておりますが、シチズンシップ教育は1990年代ごろからイギリス、フランス、ドイツ、北欧諸国やアメリカなど、世界各国で進められており、日本でも注目されるようになってきております。
その要因といたしましては、第一に成長型社会から成熟型社会へ移行したことで、知識を効率的に身につける力よりも、さまざまな知識を柔軟に組み合わせて、現実社会の複雑な課題を考えたり、判断できるような力を育てようとすること。第二に多文化社会の到来によりまして、価値観を尊重して行動したり、それぞれの利害を話し合って調整しながら政治の課題に取り組む姿勢が必要になってくること。第三に、学校が生徒を送り出す際に、多様な選択肢の中から自分のやるべきことを見つけて、判断する力を持って社会にかかわることのできる大人にして社会に送り出す必要性が増してきているということが上げられております。
このような社会変化の中で、政治的リテラシーを身につけることで、能動的に政治的にかかわる市民を育成し、希望の持てる未来を若者たちがみずからつくっていくためには、シチズンシップ教育は欠かすことのできないものと考えております。
このような観点から、本市の状況等について2点ほどお伺いさせていただきます。
まず、1点目ですが、シチズンシップ教育の本市の現状について伺いたいと思います。
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○佐藤尚之 教育部長 中学校の社会科、これは公民的分野でございますけれども、民主政治と政治参加について扱ってございまして、良識ある主権者として主体的に政治に参加することの意義を考えられるよう授業を行っているところであります。
その一つといたしまして、選挙管理委員会の御協力を得まして、模擬選挙を実施し、議会制民主主義がより身近な学びとなるよう取り組んでいるところであります。
また、教育委員会主催ではございますけれども、かまくら子ども議会を開催し、小・中学校の代表児童・生徒が市議会の模擬体験をしているところでございます。
なお、中学校での生徒会役員選挙におきましても、みずから票を投じ、代表者を選出する行為を通し、生徒会活動に責任を持って参加する機会とさせていただいております。
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○5番(池田実議員) 次にですが、シチズンシップ教育を今後どのように取り組んでいくのか、この点についてお伺いしたいと思います。
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○佐藤尚之 教育部長 社会科の授業などを通しまして、児童・生徒が地方公共団体の政治の仕組みについて理解するとともに、キャリア教育やボランティア活動などを通じまして、地域と連携を図りつつ、社会参加の大切さに気づくよう努めてまいります。
また、生徒会活動や学級会活動におきまして、自分たちの学校や学級をよりよくしていこうという取り組みを行っております。今後とも、こうした取り組みを通じまして、自治意識の基礎を育ててまいりたいと考えてございます。
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○5番(池田実議員) 次に、若者の就労環境について伺いたいと思います。
厚生労働省が5月31日に発表しました、ことし4月の有効求人倍率は、前月比0.04ポイント上昇の1.34倍で、上昇は2カ月連続であります。これは、1991年11月以来の24年5カ月ぶりの高水準となっております。
このことからも、昨今の若者の就労環境は決して悪くない状況と考えられます。しかしながら、厚生労働省が公表している資料の中に、新規学卒者の離職状況に関する資料というデータがあります。2011年3月に大学を卒業した者のうち、13.4%が1年目で、10.1%が2年目で、8.8%が3年目で離職しており、その合計は3年で32.4%となっております。3年離職率は大学卒業者の3人に1人が3年以内に離職しております。離職して、再就職がうまくいけばよいのですが、中にはうまくいかないケースも多々あると考えられます。
このようなことを前提としまして、本市の状況について伺いたいと思います。
まず、若者の就労環境、これについてはどのようなものであるのか、伺いたいと思います。
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○小池忠紀 市民活動部長 若者の就職状況でございますけれども、文部科学省の大卒・高卒の就職状況調査によりますと、平成28年3月末の就職状況は、大卒が97.3%で、前年同期と比べまして0.6ポイントの増加でございます。また、高卒につきましては97.7%で、前年同期と比べまして0.2ポイントの増加という状況でございます。
若者の就職状況は、かなり改善がありましてリーマンショック以降におきましては、平成28年3月末の就職率は最高の数値を示しているという状況でございます。
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○5番(池田実議員) かなり高率で、就職率がいいということがわかります。
次に、若者の就労における課題、その支援についてどのように考えているのか伺いたいと思います。
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○小池忠紀 市民活動部長 まず、若者の就労における課題といたしましては、いわゆるブラック企業など、若者を使い捨てるように扱う企業に就職し、ストレスのため退職する若者がふえているということ、また就職した会社の環境になじめず、退職した後、ひきこもりとなったり、あるいは再就職にためらいを持つ若者がふえていると考えているところでございます。
こうした状況の中で、本市では、いわゆるブラック企業への就職を防ぐため、若者に労働関係法の知識を身につけてもらえるよう、働く上でのルールを記載いたしました冊子を青年のつどいで配布いたしましたり、その内容をホームページに掲載するなどの啓発活動に努めているところでございます。
また、ひきこもりや就職にためらいを持つ若者に対しましては、自分に適しました仕事や就職活動のアドバイスを行う就職支援相談や、若者の自立や就職の支援を行う湘南・横浜若者サポートステーションと連携を図りながら、若者に対する支援をしているところでございます。
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○5番(池田実議員) わかりました。
次に最後の質問ですが、鎌倉市まち・ひと・しごと創生総合戦略、これに関連して若者支援について伺ってまいります。
人口減少と地域経済縮小を克服するために、三つの基本的視点、東京一極集中の是正、若い世代の就労、結婚、子育ての希望の実現、地域の特性に即した地域課題の解決をまち・ひと・しごと創生法が施行されまして、本市におきましても、まち・ひと・しごと創生法第10条に基づき、平成28年3月に鎌倉市人口ビジョン及び鎌倉市まち・ひと・しごと創生総合戦略が策定されました。
人口ビジョンから見た本市の特徴である20代の若年層の転出超過をどう食いとめるか、また30代、40代のファミリー層の転入超過をどう維持していくかなどが課題となりまして、本市の特徴を捉まえた新たな施策の展開に期待をしているところであります。
本市の策定した総合戦略全体を通して見ますと、職住近接のライフスタイルが可能な働く町と、子育て環境の整備と支援、そして鎌倉の魅力を高めることによって、住みたい、住み続けたい町を基本方針として掲げ、展開していく個々の施策については、若者が住みやすいまちづくりにつながる具体的な戦略であると認識しております。
若者支援の視点から伺ってまいります。
まず、本市の総合戦略ですが、何を目指そうとしているのか、改めて確認しておきたいと思います。
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○比留間彰 経営企画部長 本市の総合戦略は、今後ますます深刻化する少子高齢、人口減少を克服し、安定した都市経営を行うため、これらの要因となります拡大する自然減、拮抗しつつある社会増に歯どめをかけるための施策により構成しているものです。
具体的には、働く町、住みたい、住み続けたい町の実現を基本方針としまして、戦略に位置づけた事業を推進することで、出生率の向上による人口の自然減の克服や、転入超過の継続を図り、持続可能な都市経営を行っていくことを目指しております。
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○5番(池田実議員) 次に、総合戦略におきまして、具体的にどのような施策を行っていこうと考えているのか、主な点について伺いたいと思います。
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○比留間彰 経営企画部長 総合戦略では、基本方針である働く町、住みたい、住み続けたい町の実現を目指し、創業支援や企業立地支援、事業活動の継続や就職支援といった働く場の創出や住環境の整備、観光振興や歴史的遺産等の保存による本市の魅力向上、子育て支援や教育環境の充実などの事業を行っていくこととしております。
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○5番(池田実議員) これが最後の質問になりますが、若者が希望の持てる社会、これが今回の若者支援の主題ですけれども、最後に総括といたしまして、市長に伺いたいと思います。
若者が希望の持てる社会を考えたときに、地方自治体で何ができるか、ただいま質問させていただきました総合戦略を確実に進めていくことで、若者が希望の持てる社会につながっていくと考えておりますが、その辺、市長の見解についてお伺いしたいと思います。
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○松尾崇 市長 御紹介いただきましたように、本市の総合戦略ですけれども、職住近接ということで、「働くまち鎌倉」と、また、住みたい、住み続けたいということを基本方針に据えているところでございます。若年層、若者が安定して働いて、結婚、出産、子育てということが実現できる、そういう社会をこの鎌倉が実現していくということが希望の持てる社会につながっていくということだと思います。そのための総合戦略の各種施策を着実に進めていくということが、希望の持てる社会につながっていくものになると思っております。
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○5番(池田実議員) ぜひ、若者に希望の持てる鎌倉という町をぜひつくっていっていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
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○議長(中澤克之議員) お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、運営委員会の協議もあり、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
なお、残余の日程については、明6月17日午前9時30分に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
本日はこれをもって延会いたします。
(16時45分 延会)
平成28年6月16日(木曜日)
鎌倉市議会議長 中 澤 克 之
会議録署名議員 中 村 聡一郎
同 上 畠 寛 弘
同 山 田 直 人
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