平成28年全員協議会
4月28日
○議事日程  
平成28年 4月28日議会全員協議会

議会全員協議会会議録
〇日時
平成28年4月28日(木) 10時00分開会 10時50分閉会(会議時間 0時間49分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席議員
前川議長、吉岡副議長、千、竹田、長嶋、保坂、西岡、日向、永田、池田、渡邊、三宅、中澤、納所、久坂、中村、山田、岡田、赤松、大石、松中の各議員
〇理事者側出席者
松尾市長、小林副市長、松永総務部長、三上総務部次長兼総務課担当課長、伊藤(昌)都市整備部長、関都市整備部次長兼都市整備総務課長、前田都市整備部次長兼道路課担当課長、加藤(隆)下水道河川課担当課長、杉田下水道河川課担当課長、田沼公園課長、永田浄化センター所長
〇議会事務局出席者
三留局長、鈴木次長、藤田次長補佐兼議事調査担当担当係長、西野次長補佐兼庶務担当担当係長、笛田担当書記
〇本日審査した案件
1 報告事項
(1)稲村ガ崎における下水流出事故について
    ───────────────────────────────────────
 
○前川 議長  ただいまから、議会全員協議会を開催いたします。
 本日の議会全員協議会は、市長から「稲村ガ崎における下水流出事故について」、議会に報告する必要があるので開催してほしい旨、依頼がありましたので開催した次第であります。
 まず、報道機関の取材及び傍聴の申し入れについて、事務局から報告を願います。
 
○三留 議会事務局長  本日の全員協議会に、読売新聞社から取材の申し込みが、また、1名の方から傍聴希望の申し込みがございました。本件の取り扱いにつきまして、御協議をお願いいたします。
 
○前川 議長  ただいまの事務局からの報告について許可することでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 報道機関及び傍聴者入室のため、暫時休憩いたします。
              (10時01分休憩   10時02分再開)
 
○前川 議長  再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○前川 議長  「稲村ガ崎における下水流出事故について」、理事者から報告を願います。
 
○松尾 市長  本日は、議会全員協議会を開催していただきまして、まことにありがとうございます。
 本日、報告させていただきます事項は、「稲村ガ崎における下水流出事故について」です。
 なお、本日、瀧澤副市長につきましては、諸般の事情により欠席させていただくことを御報告させていただきます。
 平成28年4月14日に稲村ガ崎におきまして、のり面の崩落と国道134号の歩道の陥没が発生しました。陥没した歩道には、本市の公共下水道の汚水圧送管が埋設されていることから、道路管理者である神奈川県の協力を得て、防護対策の準備を進めていましたが、4月22日の午後3時ごろに、この圧送管の継ぎ目部分から漏水していることを確認しました。
 直ちに応急措置により対応を図りましたが、管の下側の地盤が崩落しており、汚水管自体も下がってしまっていたため修復は不可能と判断しました。
 このため緊急措置として、同日午後7時ごろから坂ノ下付近にある公共下水道西部ポンプ場からの圧送を停止しました。これに伴い、同ポンプ場において消毒剤を投入した上で、一時的にポンプ場東側の海岸護岸から海へ放流せざるを得ない状況となっています。本復旧については、管の下側の地盤が崩落しており、根本的な対策が必要であり、相当な時間を要するため、応急的に別ルートを確保することで、汚水送水の回復に向けて取り組んでおります。
 引き続き、早期の本復旧に向けて、迅速かつ適切な対応を進めてまいります。
 引き続き、担当部長から詳細な内容についての説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  お手元に資料1として事故発生箇所の位置と現場写真を、資料2として崩壊・放流箇所位置図、資料3として仮設管工事平面図をお配りしております。
 国指定史跡である鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区の地盤が滑り、のり面が崩落したことに起因して、管径800ミリの下水道の圧送管が使用できなくなり、深刻な事態となっております。
 なお、経過につきましては、今から御説明いたしますけれども、本日午後には海への放流をとめることができるところまで、現場は進んでおりますことを先に報告させていただきます。
 現在はまだ調査段階ですので、原因は明らかになっておりませんが、稲村ガ崎の公園の地下にあった空洞が潰れたという想定で、山が動いて、海に向かって、公園ののり面の一部が崩落していると。これに合わせまして、国道134号の歩道に陥没が生じたという形で推測しております。
 県の藤沢土木事務所は、車道の下にも空洞が見つかったことから、片側交互通行の交通規制を行っているところです。
 お手元の資料1の1ページをごらんください。稲村ガ崎公園の崩落前の写真と、崩落後の写真を並べています。
 2ページ目をごらんください。4月14日に崩落及び陥没が発生したときの国道134号の稲村ガ崎での歩道部の写真です。上の写真の歩道の陥没部分の中央部分に丸く見えているのが下水道の管路の一部です。この管路は直径800ミリの鉄筋コンクリート管で、昭和45年に築造し、築造後46年を経過しております。
 また、資料1追加といたしまして、圧送管から漏水している状況の写真もお配りいたしました。この漏水により、今回の海への放流をせざるを得なくなったというものでございます。
 3ページ及び4ページは、稲村ガ崎公園の崩落状況です。
 次に5ページをごらんください。上の写真にガードレールが写っています。この写真は、国道134号の車道側から海方向に向かって歩道沿いののり面を撮影したものです。
 下の写真の上部に見える亀裂が、下部の道路面まで続いていることがわかります。この亀裂は既に20センチ以上開いています。つまり、稲村ガ崎の鎌倉寄りの部分が山ごと縦に割れて崩れているということでございます。
 6ページは、今回の崩落との因果関係は明らかではありませんけれども、稲村ガ崎の海側には大きな洞窟があるということがわかっております。
 7ページは、現在進めている仮設管の施工状況写真で、現在は完成しております。
 次にA3判の資料2をごらんください。この図で黄色く着色してある部分が、今回の崩落により影響を受ける排水の地域でございます。
 極楽寺地区を除く、旧鎌倉市内の汚水排水は、坂ノ下にあります西部ポンプ場を経由しまして、その圧力で、七里ガ浜に向かう稲村ガ崎の緩やかな上り坂を越え、その先は自然流下で、行合橋付近の七里ガ浜ポンプ場に流れまして、さらに七里ガ浜浄化センターに圧送し処理するという形になっておりますが、4月22日の圧送管の破損により、西部ポンプ場からの送水ができなくなっている状態です。
 市といたしましては、稲村ガ崎ののり面が少しずつ崩落している状況にあったことから、下水道の圧送管を防護するという意味で、4月22日に管のつなぎ目を補強・強化する工法を施工することとしていましたが、その作業中に漏水が確認されたものです。このため、送水を一時的に停止し、止水のため生コンで固める措置を講じましたが、一時は漏水がとまったものの、再びあふれ出す事態になりました。その後、緊急措置として、既存の管を撤去し、別の管でつなぐことも検討いたしましたが、崩壊したのり面がさらにもっと崩落してくるという危険性がございまして、また、管の下側の地盤が崩落して、弱くなっているということもありまして、これらを総合的に判断し、圧送管の修復を断念いたしました。
 その結果、七里ガ浜処理場への送水を行うことができなくなりましたので、やむを得ず、西部ポンプ場に集まる汚水に消毒剤を投入した上で、一時的にポンプ場東側の海岸護岸から海へ放流せざるを得ないものと判断いたしました。
 なお、24日からは、放流箇所付近及びその沖合において水質検査を実施しております。さらに、関係団体等への連絡につきましては、海上保安庁、県の横須賀三浦地域県政総合センター、鎌倉漁業協同組合、腰越漁業協同組合、地元町内会、鎌倉マリンスポーツ連盟等に報告しているところでございます。
 また、現地に看板を掲出するとともに、ホームページ等で放流箇所付近には近づかないようお願いしております。
 続きまして、資料3の仮設管工事平面図をごらんください。既存の圧送管は、今申し上げましたように、本復旧までには相当な時間を要するということになりましたので、応急的に西部ポンプ場から上り坂の頂上付近にあるマンホールまでの間、約450メートルのところに、仮排水管として塩化ビニール管を敷設し、別ルートを確保するということで、本復旧までの仮の送水路を確保いたしました。
 また、放流先となっております海の水質については、お手元の資料のとおり、昨日公表しております。
 さらに、昨日採取した海水の水質については、きょうの午前中に追加させていただき、別紙で1枚つけてございます。
 なお、昨日の公表資料の中で、枠で囲って記載しておりますとおり、25日に公表した内容のうち、西部ポンプ場からの圧送を停止した時刻に誤りがございましたので、訂正しております。
 今後も、破損した管渠の本復旧について、迅速かつ適切な対応を進めてまいります。
 以上で説明を終わります。
 
○前川 議長  ただいまの報告について、御質疑、御意見がありましたら、どうぞ、お願いいたします。
 
○中澤 議員  消毒方法ですけれども、具体的に教えてもらえますか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  一つは、西部ポンプ場の排水の最終の人孔のところに薬剤を投入しまして、それを経過した後に海に出ているという方策です。
 もう一つは、それよりもさらに上流の滑川沿いの前の消防本部があった隣に、中部ポンプ場というのがございます。その中部ポンプ場で、そこの汚水というのは西部ポンプ場まで圧送されているのですが、その中部ポンプ場において、次亜塩素酸による消毒を行っております。
 
○中澤 議員  その次亜塩素酸の実際の濃度測定というのはどのようにして、その結果はどうなっていますでしょうか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  一般的な基準に基づきまして、今、中部ポンプ場では、正確に投入量が計算できる機械を置いて、24時間、その機械によって投入量を決定しておりまして、最終的な水質の確認については、放流先の検査で確認しております。
 
○中澤 議員  放流先で残留塩素の数値についてのものが、どこかにありますか。最終放流地点での残留塩素濃度は出ていますか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  公表した資料の中には入っておりません。残留塩素については、十分投入する際の濃度を確認し出しておりまして、今、ここで公表できるような数値は持っておりません。
 
○中澤 議員  残留塩素で、まず1点が、それは全部攪拌されて、末端のところできちんと濃度が出ているのかどうか。0.1ppmというのは、水道の遊離残留塩素濃度ですけれど、これは0.1というのは、最低、大腸菌を死滅させる濃度だということになっているんですね。これは、pHが8を超えてきていて、アルカリに振れてきていると、絶対投入量の計算だけでは、消毒効果というのは、これはアルカリ性ですから、次亜塩素酸の消毒効果、殺菌の効果というのは低下してくる。そうなってくると、今の絶対量投入計算だけで判断しているということ自体の妥当性というのが、本当にあったのかという議論ですよね。そこのところについては、きちんと専門家なり、単なる入れればいいという話でやっていたのか。それとも、きちんと放流時点での、いわゆる一般的には遊離ですけれども、遊離残留塩素濃度をやりますけれども、その濃度をきちんとはかって放流していたのか。そこのところの確認はどのようにされていますか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  まず、この方法につきましては、事故発生後、日本下水道事業団、あるいは神奈川県と協議をして、いろいろな対策を講じる中で実施したものです。
 具体的な、今、御質問のずっと出続けている濃度については、申しわけございません、計測値を持っておりません。ただ、残留塩素については、放出口での数字をはかった上で、余り濃くなり過ぎないよう、最終的にはきちんと分解されて、全てが分解された状態で放流されるようにということで数値の設定をしてございます。
 
○中澤 議員  プールの衛生管理要綱で、残留塩素濃度というのは、最大で1ppmになっています。この1ppmを放流する前に下水道の水質基準、それから水質汚濁防止法の関係があって、そうすると、1ppmをプールに放流するときというのは、中和剤を入れていく。それで中和をして放流するということになっています。その放流時点での数値をきちんと確認していかないで、絶対量だけでやっていくと、こういう結果になっていくのは、もう目に見えて当たり前の話で、余り濃くなり過ぎてはいけないというベースとなるものというのは、何の法律をもとにして、どの数値を基準にしてやっているのでしょうか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  県を通じていろいろな放流基準、海上保安庁ですとか、そういう関係機関とも協議をしまして、こういう事故における水質の絶対的な基準はないというところは確認しております。
 ただ、今御指摘のように、どの時点で、どのぐらい投入したら、結果的に出口はどうなっているのかというのは計測しておく必要がございますので、これからもやっていきたいと思っております。
 
○中澤 議員  もともとの下水道ですから下水道法があって、それから、河川放流の場合は水質汚濁防止法というのがひっかかってきているのです。その時点で、法律が何もないからといって、では濃過ぎてしまう、薄過ぎてしまうという根拠も数値としてきちんと明示できないような状態で、これ出てしまいました、申しわけございませんと言われても、管理というのは一体どうなっていたのと、そのための全員協議会を開いているのではないですか。
 そもそも1ppmを超えたものを海にそのまま放流してもいいのという議論にもなってくるし、ましてpHが高いところに、これだけのものをどんどん放流していって、果たしてそもそもこんな効果があったのという、その検証すらできていない、ただ単に大丈夫です、大丈夫ですと。大丈夫じゃなかったから、こういう結果になっているんじゃないんですか。ここの数字をきっちりとどうやってきたのかと、管理をやってきたのかというものが示されないで、多分、CODは何、SSは何、DOは何という、そもそもの話からしていかないといけないし、過マンガン酸カリウム消費量などというものも、果たしてこれは本当にこれでいいのと。2以下になっていますけれども、そういうものを全て含めて言うと、余りにもこの数字だけ追っかけて、大丈夫です、大丈夫です、きょうの午後から云々といっても、今まで放流された大腸菌類というのが貝類に入っていた場合に、これは蓄積されていって、それはどうするんですか。貝類というのは、そもそも大腸菌類が入ってきた場合に、それを殺すために毒素を自分で発生させていって、それがいわゆる貝の毒になってくるんです。そういうことまで考えてやっていますか。ただ単に、漁業関係者の方と話をして、県と相談してというだけではなくて、根拠となる法律なり、生態系なりというものをきっちりと把握をした上で、この場に臨んでいるんじゃないですか。臨んでいないんだったら、何のための全員協議会ですか。ただ単に事故報告だけなのですか。そういう数値というのは持っていないんでしょうか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  繰り返しになってしまいますが、今回につきましては、事故が起きまして、すぐに県、あるいは海上保安庁等と連絡をとりながら、できる手段がどういうことがあるかということで、極力海を汚さないための、できる手段というのを施してまいりました。
 今、御指摘の投入した結果の水質を見て、その量を適切に判断すべきだったというところは、御指摘のとおりで反省しております。ただ、私どもとしては、確認した中で、特に今、基準がなくて、少なくとも海洋の基準として、一つは目安としての海水浴場の水質の基準があるというところと比較をした上で、現在は滅菌処理を施しているというところでございます。
 
○中澤 議員  海域の基準で話をしているんですけれど、そもそもの大腸菌がどうなっているのという話をしているわけです。
 
○松中 議員  これは聞きおく程度で終わらせておかないと、現状を説明できるということはできないと思うんですよ。
 中澤議員は専門家だから、専門的なことを聞かれたって、下水管の管とか、そういう設備のことはやっているかもしれないけれど、大腸菌等に対する専門家の答弁はできないですよ。
 だから、これは聞きおく程度で終わらせておかないとまずいですよ。実際、これだけの大腸菌が流れている。それが一体どうなっていくかなんていうのは下水道担当で答弁できるような内容じゃない。それぐらいのことは考えないと、聞きおく程度で。つまり、設備的な、あるいは施設的なことではなくて、それはそれで聞くのはいいけれど、大腸菌等についての質問をやったら、これは大変なことになると思うんです。風評も含めて。その後どうなるかという問題は、彼に答弁するわけにはいかないと思うんです。ですから、これは聞きおく程度で今回は終わらせておかないと、ただ、現状は、とりあえずとめることがきょう午後できるということで、今後、国道134号線の全体的なことをどうするかなんていうことも、当分できないだろうと思います。とりあえず、今回はそういう状態ですという説明をした段階で終わらせないと、これは風評等を含めて、今後の大きな問題として発展していく可能性があります。漁業関係者だけではなくて、海水浴場開設ということもあり得るわけですから。その点、諮っていただきたいと思います。
 
○中澤 議員  なぜそこまで細かく言っているかというと、一般質問の中でも、3・11の後に、下水道についての対応策をきちんと考えてくださいということについての質問もしているし、僕は被災地にずっと行っていて、つい一昨日から昨日にかけても行ってきましたけれど、下水道復旧というのが、物すごい向こうにとっては、ライフラインの復旧では、水道よりも下水道が遅かったですから、それはきちんと言ってきたのに、こういう事態が起きても、何らそれは教訓が生かされていないどころではなくて、何ら対策、具体的なものをきちんとシミュレーションもしていなければ、これに対しての対策もとっていなかったということですかね。そうなってくると、地震が起きるとわかり切っているところで、こういうことが、もし直下型ではなくても、大きな地震が来たときに想定され得るわけですから、それについて、今後で構いませんので、管の補強、それから震災等々に対しての対応策についての検討について、御答弁いただけますか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  今現在は、私ども市の職員では、水質に関して安全だという判断はできませんので、専門業者に水の採取から始めて、分析までを委託しております。そういう中で、今、御指摘の点をきちんと踏まえまして、この先、どういう形で、私どもでコメントできるのかというのを考えてまいります。申しわけございませんでした。
 
○小林 副市長  補足させていただきますが、実際、金曜日に管が漏水を始めたということで、直接、稲村ガ崎からそのまま下水が噴き出すという状況の中で、これをとめざるを得ない。通常の国土交通省がまとめております下水道の危機管理マニュアルでいきますと、どこかにまずためることを考えるというのが、危機管理の対応の原則でございます。通常、河川に放流していますと、例えば河川に矢板を打って、そこをプールにするとか、いろいろなことがありまして、あそこの場合、地面に穴を掘ってためるかという検討もしました。それから、プールが使えないかというような議論もしました。それと同時に、発災後、すぐに下水道事業団、あるいは下水道関係の専門家にも直接この対処方針について、やられたところを何とか直すのか、あるいはバイパスを早急に確保するのか。とにかく1秒でも早くこの下水の流出をとめるのが、第一義のやらなくてはいけない、我々のミッションだというようなことで取り組んでまいりました。
 そういう中で、理想でいえば、ちょうど東日本大震災のときにも、沿岸部のポンプ場、あるいは下水処理場が大きなダメージを受けまして、そのときにも、オイルフェンスで、例えば、仙台のときには流出を少しでもとめるということでございますけれども、今回の事案では、日量2万2,000トンという量の中で、これをどうするかということで、一刻も早くバイパスをつくるということに専念したというのが実態でございます。
 その中で、水質をどうするかということで、最初は、固形塩素の対応だけでしたけれども、下水道事業団、あるいは専門家のアドバイスの中で、上流のところで次亜塩素酸を入れて、流下する間に、少しでも滅菌をするというアイデアが提案をされて、その両方の併用ということで、できることということでやってまいりました。その濃度についても、つくば市にあります土木研究所の専門家と連絡をとるとか、緊急避難的な対応はさせていただいたということでございますが、議員からも、この問題については、まずはこの下水をとめた中で、その後、きちんとデータを掌握した上で適切に対応する。その時点で専門家の意見も聞いていくという対応も必要だと思っている次第でございます。
 
○中澤 議員  長々とやりませんけれど、固形剤でやろうとしても、固形剤というのは濃度が一定にならないので、そもそも論で液体を希釈したものを使っているというのは当たり前の話で、だから、上流で次亜塩素酸の液体を多分使っていたのでしょう。固形のタブレットの下でやっても、濃度的には難しいと思う。後で細かいことを何点か確認したいと思うので、後でいいから、お願いします。
 
○渡邊 議員  二つほど御説明いただきたいのですが、まず、県の水産課は、何かコメントを出しているのか。というのは、水産物に非常に影響があるのではないかと思われる点がまず一つです。
 それから、先ほど山が動いたということがあったのですが、これは大昔のことをイメージしていただいて、この先、この山がどう動くのかという想像を、シナリオを少しでも描いておかないと、また、ほかの箇所で崩落の可能性があるということも考えられると思うのですが、その辺のことを御説明いただきたいと思います。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  県の水産課からは、とにかく早くとめることが優先だということでコメントはいただいております。水質については、もちろんきちんと計測して、報告するようにという指示は受けております。
 もう一つ、山が動いたということに関しましては、先ほど御説明いたしました写真の中で、縦に亀裂が入っているのが、目の高さから地面まで、ずっと割れて、奥まで進んでおりますので、あの部分は既にもとからは分離されてしまっていると思われますので、今考えているのは、その部分については、全て削り取ってしまわなければならないだろうという想定をしております。ただ、それをしても、それが動いた原因というのが、もっと深いところにあるのではないかと思われますので、その部分については、これから検討、協力をしながら調査をかけてまいります。
 
○渡邊 議員  最初の質問の中で、水産物の影響を考えてほしいと申し上げたのですが、現時点では、水産課は、とめるという意見にとどまっているということですか。これから水産物について、どのような影響があるかというのを調べるという段階ではまだないのですか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  水産課で、直接その影響を調べるということではなくて、あくまでも市で水質検査をしておりますので、その水質検査の結果を御報告して、指示を仰ぐということになっております。
 
○渡邊 議員  そうすると、市が調査をした数字を出して、水産課に連絡をして、その数字をもとに水産課は動くか動かないかということを判断するという理解でよろしいんですか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  今わかっているところは、あくまでも私どもからの数値の報告を受けてというところでございまして、その先、県の水産課から、どういう形での指示をいただけるかというのは、まだわかっていない状況でございます。
 
○渡邊 議員  では、水産課を含めての御検討をお願いしたいと思います。
 
○長嶋 議員  皆さん土日も含めて、毎日遅くまで御尽力いただいていて、何とか早くとめたいということで、一生懸命やっていただいていまして、それに関しましては感謝申し上げます。
 その中で道路関係のことだけ伺いたいのですけれど、部長からは、いろいろ御説明いただいたりしていまして、何とかゴールデンウイークまでには国道134号の交互通行を解消したいということで、お話を伺っているのですけれど、その状況については、今見た限りでは、まだ終わりそうにないなという感じもとれるのですが、ゴールデンウイークまで、きょうが期限になってしまうのですが、その辺は大丈夫なのでしょうか、状況的にはどうでしょうか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  藤沢土木事務所に確認しておりまして、結果的には、今、H鋼を打って、防護壁をつくってあります。あの防護壁の下の車道側部分も空隙があったということで、埋め戻しをした上で、さらに道路面から薬液注入、固める薬液を注入していくという作業については既に県は完了しております。あとは表面を少し削って、防護壁がある部分だけセンターラインを微妙に少しずらすという作業を本日行った上て、県の見込みとしては、本日夕方には片側通行どめを解除して、交互通行にできるということで考えていると聞いております。
 
○長嶋 議員  わかりました。そこで不安があるのですけれど、先ほど渡邊議員から話もあった中で、山が動いて崩れて、地盤もわからない状況ということで言っておりますけれども、それは神奈川県、藤沢土木事務所は、現状でそこを通して、地盤等々近隣も含めて大丈夫だという判断をされているということですか、その工事が終わったら通していいということは。これは崩れたということは、ほか先のところとか、可能性がなきにしもあらずような気するのですけれど、その御判断を県なりでしているということですか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  藤沢土木事務所から得ている情報では、車道の縦断方向に沿ってある程度の長さで地中の状況を探査しました。探査した結果で、一番弱くなっているところについては既に埋め戻しを終えて、広い範囲に対して薬液注入をしているということですので、今あの現場に車を通すことによって崩れてしまうということは、県としては考えていません。
 おっしゃるように、どこまで影響が出ているかというのは、まだわかっていませんので、例えば、先ほど申し上げました、縦の割れ目が入っている稲村ガ崎の山が、これから崩れて落ちてしまうかもしれません。そのような可能性については、県も既に調査業者に委託しまして、調査を開始しております。なかなかここは全体大丈夫ですよという話は難しいのですけれども、やはり交通量の多い国道でございますので、ゴールデンウイーク中は、何とか両面通行したいということで応急措置をしたと受け取っております。
 
○長嶋 議員  今、調査を始めたというお話だった。これはゴールデンウイーク中とかもやって、どのくらいをめどに、詳細な調査で、どこが危ないというのがそれで明らかになると思うのですけれども、どのくらいをめどに考えられておられるんですか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  調査の発注をしたというところは確認しておるのですが、ゴールデンウイーク中に、例えば、調査のためのボーリングをするとかということをすると、それが原因でさらに崩れてしまうという可能性があるということで、今、私で知っている限りでは、県は調査業務は発注しておりますけれども、現場でボーリングをやるとか、そういう影響が出るような工事は、ゴールデンウイーク中はやらないだろうと聞いております。
 
○長嶋 議員  そうすると、その調査の結果待ちじゃないと、状況は我々にとってはわかりにくいということだと思うのですが。あと本設はまだ全然わからないとは思うのですけれど、その辺も本設をどうするかというのも、今後のそういった調査の結果を見て、市で判断するという考え方でよろしいでしょうか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  おっしゃるとおり、今、県で調査している範囲というのが、実際には、今、防護壁がある崖面、歩道のすぐ左側の崖面は、道路区域なんですね。実際に海側は、国指定史跡の稲村ガ崎公園になっております。その辺はどこが崩落するというのは、現場でよくわかりませんので、県と協議をしまして、県と市と一緒になって、調査した結果で、どういう形でやっていくのが一番安全かというのを決めてまいります。それが決まらないと、壊れてしまった下水管の本復旧も決められないという状況になっております。どのぐらいの期間がかかるのかというのは本当にわからないんですけれども、少なくとも崩れてしまっている状況がありますので、1年とかという単位でやるつもりはございませんので、極力早くやっていこうと思っております。
 
○長嶋 議員  わかりました。最後に意見だけ言っておきますけれど、議員の中では私が多分ここの現場、一番家が近いんですね。私はここの歩道の穴があいてしまったところもしょっちゅう自転車で通るので、いつも走り回っているのですけれど、きのうも近隣の住民の方々とお話をしたりして、皆さん心配をされているのは、そういうことで崩れて、国道134号がある程度使えなくなったりするとどうなるかというと、あそこの稲村ガ崎、また先のほうは鎌倉高校前からですけれど、裏のところを、副市長もお住まいですけれど、稲村ヶ崎駅前を通って、極楽寺駅前を通って、坂ノ下に抜ける道が、裏道、抜け道というか、ただでさえ渋滞がふえている中、鎌倉高校前のところの工事を含めて、国道134号線の車の量がふえている中で、裏にみんな入ってきている中で、今、片側交互通行をやっているので、さらにふえているんです、間違いなく。私もあそこは、しばらくの間、毎日のようにチェックしていますけれど、近隣の住民の方は飛ばすんです。皆さん渋滞して並んでいる中で、時間がかかる。仕事で急がれているんだと思うんですけれど、裏道を入って、急ごうと思うから物すごい飛ばすんです。非常に接触事故も、お話したとおり、起きておりまして、近隣の住民の方は、裏の沿線の方は、こちらの不安ももちろんあるのですけれど、そういうことの不安を皆さんおっしゃっているので、その辺は十分、今後もし長期間にわたって、国道134号線が片側交互通行になるような状況になった場合、その辺の交通安全対策等々もきちんと考えて臨んでいただかないと、事故が起こる可能性も出てきますので、ぜひその辺は十分そこも頭に置いて、所管がまた違ってくるかもしれませんけれども、お願いしたいと思います。
 
○岡田 議員  1件だけお願いします。下水が漏えいしているということなんですけれども、きょうはとめると崩壊してしまうと、それはそれでわかる。その間のトン数はどれぐらいなんですか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  こちらの管が圧送管ということで、先ほど御説明しましたように、旧市内の多くの汚水を稲村ガ崎から七里ガ浜に送っている管でございます。1日当たり2万2,000トン、平均で送っているという状況でございます。
 
○岡田 議員  時間とか、大体これぐらい我々はつかんでいるよと、誤差はいいですけど、どんな感じなんでしょうか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  確実な量、放流開始から全部把握しているわけではございませんが、今の日数からいきますと、5日間経過して、おおむね11万トンぐらいが流れ出てしまっているという状況になります。
 
○三宅 議員  6年くらい前にも、七里ガ浜のところが陥没をして、そのときにも、道路が空洞になっていたということがあったので、あの一帯は県に直していただいているのですけれども、今回も、先ほどの御説明では、道路の下は、下水の下が空洞化をしているということなのですね。今のところ、ほかの部分については、どのような状況になっているかということは、これは県が調査をするものなのか。下水管は市で、道路管理者は県ということになっているのですけれども、そのあたりのことをお聞かせください。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  今回の崩落を受けまして、すぐに稲村ガ崎以外の部分の、以前、七里ガ浜であった現場とか、そういったところを全て調査するというのは、今、手が回りませんので、ここについては、計画的に今、下水道の中でいろいろな計画を進めております。ここについても、もっと深いところに太い管を埋めて、いろいろな津波とかの影響がないようにという計画も立てておりますので、そういう中で、これから検討させていただけたらと思っております。
 
○三宅 議員  七里ガ浜の陥没のときに、その後、一般質問をさせていただいて、今のようなことを申し上げたという記憶がありますので、これは県ともきちんと連携して、それで調査をして、あのときに、既にここのところは全体的に浅い部分に下水が通っているということがわかっていたわけですから、それで今回のまたこんな事態になっているということなので、全体的にスピードアップして、対策を早めていただきたいと思います。そうではないと、あのときに、海に下水が垂れ流しになるという結果が起きるんじゃないですかと申し上げたと思いますので、よろしくお願いします。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  御指摘のとおり、下水道施設、実際に下水道を始めたのが、旧鎌倉市内は特に古くから始めておりまして、その当時の技術では、シールドとかという形で、深いところに埋めていくということができていません。その結果、こういう道路の浅いところに入っている管が多くございますので、その辺は、平成27年度にまとめました社会基盤施設マネジメント計画の中でも、計画的に更新していく、あるいは悪いところについて優先して直していくという形を考えておりますので、全体の予算の中で、なかなか難しいところはありますけれども、今御指摘のように、悪いというところから、積極的に直していこうと思っております。
 
○三宅 議員  それから、下水ということではないのですけれども、当時、2009年でしたか、七里ガ浜の道路が陥没をしたときに、そこはくいがずっと打ち込まれているはずなのですが、でも、実際は岩着して岩盤まで届いていないという、そういった道路であるということを藤沢土木事務所で確認してきました。それで国土交通省にも言って、そこは早急に全部調査をして、安全な道路にしていただきたいというお願いもしておりますので、そこももう一回確認をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  国道134号線の話でございますので、私どもとしては、藤沢土木事務所にその辺の要望は強く出しておりますし、これからもそういう形できちんと調査をした上で対応していただけるように、私どもから働きかけてまいります。
 
○中村 議員  今回の事故に関しての費用負担の考え方をお伺いしたいんですけれども、道路は国県道ということで土木かもしれませんし、下水ということになれば市の負担ということになるかもしれないし、仮に原因が特定できて、それが道路に関することであれば、どちらが負担するとか、まだ原因が特定できていないのかもしれませんけれども、そういった費用負担の考え方というのを教えていただければと思います。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  今、道路陥没と下水道の管の損壊というのは、直接関係があるのかというのは、きちんとわかっていません。根本的に、今回、崩落が起きてしまった。その崩落によって道路も陥没したし、結果的には下水管も壊れてしまったというところがございまして、今それについては、先ほど申し上げましたように、県と一緒になって調査をした上で、最終的に原因が解明できれば、その辺の分担というのはできるんでしょうけれども、今のところは、私どもは下水道管理者として、下水道のパイプを今、仮設でつくりましたし、この先、本復旧をしてまいります。その辺についても、鎌倉市の負担でやっていけたらと考えておりますけれども、それはあくまでもこの先の調査が進んで、原因が解明されてから、県ときちんと案分をしましょうというところで今は進んでおります。
 
○納所 議員  今回の崩落の原因についてなんですけれども、これは風化によるものなのか、山が動いたとおっしゃいましたけれども。
 それから稲村ガ崎地区、東側壁面の2009年の写真を見てみますと、海食崖、海食洞というものが見受けられます。これは海食崖、海食洞による侵食が進んだものなのか。風化によるものなのか。今、崩落の原因については、どのようにお考えでしょうか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  今は崩落の原因について、単に海から下の洞窟が侵食されたことによって、稲村ガ崎のあの山があんなふうに崩れていったのか、あるいは風化によって崩れてきたのかというのは、本当にわからない状況でございまして、その辺は今後の調査が進まないと、何とも今は断定できないと考えております。
 
○納所 議員  これによりますと、本復旧のルート選定なんですが、この場所に本復旧を行うとなると、さらにそれも折り込んだ海食洞、海食崖の侵食等も含んだルートを選定しなければいけない。その余裕が、この狭い土地にあるかどうかということがあるのですけれども、本復旧の場合、別のルート、迂回ルート等を考えるという可能性はいかがでしょうか。
 
○伊藤[昌] 都市整備部長  国道134号線から外して設置していくというのは、なかなか今、難しいと思っておりまして、具体的には、今、県が薬液注入をして固めた車道部分がございますので、少しでも海から離れて、今は歩道に入っていますけれども、それよりも1メートル、2メートル中に入った車道の中に迂回できないかというのは、今考えております。
 
○前川 議長  ほかに御質疑、御意見はございますか。
                  (「なし」の声あり)
 質疑及び意見を打ち切ります。
 本件については、本日は報告を受けたということで確認してよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認させていただきました。
 本日の議会全員協議会はこれをもって閉会いたします。