平成27年12月定例会
第1号12月 2日
○議事日程  
平成27年12月定例会

          鎌倉市議会12月定例会会議録(1)
                                   平成27年12月2日(水曜日)
〇出席議員 26名
 1番  千   一   議員
 2番  竹 田 ゆかり 議員
 3番  河 村 琢 磨 議員
 4番  前 川 綾 子 議員
 5番  長 嶋 竜 弘 議員
 6番  保 坂 令 子 議員
 7番  上 畠 寛 弘 議員
 8番  西 岡 幸 子 議員
 9番  日 向 慎 吾 議員
 10番  永 田 磨梨奈 議員
 11番  渡 辺   隆 議員
 12番  池 田   実 議員
 13番  渡 邊 昌一郎 議員
 14番  三 宅 真 里 議員
 15番  中 澤 克 之 議員
 16番  納 所 輝 次 議員
 17番  小野田 康 成 議員
 18番  高 橋 浩 司 議員
 19番  久 坂 くにえ 議員
 20番  中 村 聡一郎 議員
 21番  山 田 直 人 議員
 22番  岡 田 和 則 議員
 23番  吉 岡 和 江 議員
 24番  赤 松 正 博 議員
 25番  大 石 和 久 議員
 26番  松 中 健 治 議員
     ───────────────────────────────────────
〇欠席議員 なし
     ───────────────────────────────────────
〇議会事務局出席者
 事務局長        三 留 定 男
 次長          鈴 木 晴 久
 次長補佐        藤 田 聡一郎
 議事調査担当担当係長  笛 田 貴 良
 書記          木 田 千 尋
 書記          窪 寺   巌
 書記          片 桐 雅 美
 書記          菊 地   淳
 書記          斉 藤   誠
     ───────────────────────────────────────
〇理事者側説明者
 番外 1 番  松 尾   崇  市長
 番外 2 番  瀧 澤 由 人  副市長
 番外 5 番  比留間   彰  経営企画部長
 番外 20 番           文化財部長
         桝 渕 規 彰
 番外 6 番           歴史まちづくり推進担当担当部長
 番外 7 番  佐 藤 尚 之  総務部長
 番外 8 番  柿 崎 雅 之  防災安全部長
 番外 9 番  松 永 健 一  市民活動部長
 番外 10 番  進 藤   勝  こどもみらい部長
 番外 11 番  磯 崎 勇 次  健康福祉部長
 番外 12 番  石 井 康 則  環境部長
 番外 14 番  征 矢 剛一郎  都市調整部長
 番外 15 番  小 礒 一 彦  都市整備部長
 番外 16 番  渡 辺   一  拠点整備部長
 番外 17 番  斎 藤   務  消防長
 番外 19 番  原 田 幸 子  教育部長
 番外 21 番  八 木 隆太郎  監査委員
     ───────────────────────────────────────
〇議事日程
               鎌倉市議会12月定例会議事日程(1)

                                平成27年12月2日  午前10時開議

 1 諸般の報告
 2 会期について
 3 議会の請求に基づく監査の監査結果について
 4 一般質問
 5 議案第26号 平成26年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について   ┐
   議案第27号 平成26年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定に │
         ついて                         │
   議案第28号 平成26年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特 │
         別会計歳入歳出決算の認定について            │平成26年度
   議案第29号 平成26年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の │鎌倉市一般会計
         認定について                      │歳入歳出決算等
   議案第30号 平成26年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決 │審査特別委員長
         算の認定について                    │報     告
   議案第31号 平成26年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定 │
         について                        │
   議案第32号 平成26年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算 │
         の認定について                     ┘
 6 報告第14号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る ┐
         専決処分の報告について                 │
   報告第15号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
         専決処分の報告について                 │市 長 提 出
   報告第16号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
         専決処分の報告について                 │
   報告第17号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の │
         額の決定に係る専決処分の報告について          ┘
 7 議案第49号 市道路線の廃止について                 ┐
                                     │同     上
   議案第50号 市道路線の認定について                 ┘
 8 議案第51号 不動産の取得について                  ┐
                                     │同     上
   議案第52号 不動産の取得について                  ┘
 9 議案第59号 市有地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償
                                      同     上
         の額の決定について
 10 議案第53号 指定管理者の指定について                 同     上
 11 議案第54号 指定管理者の指定について                ┐
   議案第55号 指定管理者の指定について                │同     上
   議案第56号 指定管理者の指定について                ┘
 12 議案第57号 指定管理者の指定について                ┐
                                     │同     上
   議案第58号 指定管理者の指定について                ┘
 13 議案第61号 鎌倉市市税条例の全部を改正する条例の制定について     同     上
 14 議案第60号 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正す ┐
         る法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定につ │同     上
         いて                          │
   議案第64号 鎌倉市子ども会館条例の一部を改正する条例の制定について ┘
 15 議案第63号 地方税法第314条の7第1項第4号に掲げる寄附金を受け入
         れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条  同     上
         例の制定について
 16 議案第62号 鎌倉市建築審査会条例の一部を改正する条例の制定について  同     上
 17 議案第65号 平成27年度鎌倉市一般会計補正予算(第4号)        同     上
 18 鎌倉市選挙管理委員会委員の選挙
 19 鎌倉市選挙管理委員会委員の補充員の選挙
     ───────────────────────────────────────
〇本日の会議に付した事件
 1 諸般の報告
 2 会期について
 3 議会の請求に基づく監査の監査結果について
 4 一般質問
     ───────────────────────────────────────
                鎌倉市議会12月定例会諸般の報告 (1)

                    平成27年12月2日

1 12 月 2 日 市長から、次の議案の提出を受けた。
  報 告 第 14 号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分の報告について
  報 告 第 15 号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分の報告について
  報 告 第 16 号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分の報告について
  報 告 第 17 号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分
          の報告について
  議 案 第 49 号 市道路線の廃止について
  議 案 第 50 号 市道路線の認定について
  議 案 第 51 号 不動産の取得について
  議 案 第 52 号 不動産の取得について
  議 案 第 53 号 指定管理者の指定について
  議 案 第 54 号 指定管理者の指定について
  議 案 第 55 号 指定管理者の指定について
  議 案 第 56 号 指定管理者の指定について
  議 案 第 57 号 指定管理者の指定について
  議 案 第 58 号 指定管理者の指定について
  議 案 第 59 号 市有地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定について
  議 案 第 60 号 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律の施行に伴う関係
          条例の整備に関する条例の制定について
  議 案 第 61 号 鎌倉市市税条例の全部を改正する条例の制定について
  議 案 第 62 号 鎌倉市建築審査会条例の一部を改正する条例の制定について
  議 案 第 63 号 地方税法第314条の7第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人
          等を定める条例の一部を改正する条例の制定について
  議 案 第 64 号 鎌倉市子ども会館条例の一部を改正する条例の制定について
  議 案 第 65 号 平成27年度鎌倉市一般会計補正予算(第4号)
2 11 月 20 日 平成26年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算等審査特別委員長から、次の議案について委
          員会の審査を終了したので、本会議に報告したい旨の届け出があった。
  議 案 第 26 号 平成26年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について
  議 案 第 27 号 平成26年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定について
  議 案 第 28 号 平成26年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計歳入歳出決算の認
          定について
  議 案 第 29 号 平成26年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
  議 案 第 30 号 平成26年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定について
  議 案 第 31 号 平成26年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
  議 案 第 32 号 平成26年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定について
3 陳情1件を陳情一覧表のとおり受理し、1件を付託一覧表のとおり観光厚生常任委員会に付託、3件を
  配付一覧表のとおり全議員に配付した。
4 11 月 13 日 平塚市において、湘南地方市議会議長会議員研修会が開催され、会議規則第143条第1
          項ただし書の規定により、前川、吉岡、西岡、日向、池田、渡邊、三宅、納所、小野
          田、山田、大石の各議員を派遣し、大崎庶務担当担当係長が随行した。
5 監査委員から、次の監査結果報告書の送付を受けた。
  11 月 19 日 平成27年度平成27年8月分例月現金出納検査結果報告書
  11 月 30 日 議会の請求に基づく監査の監査結果について
     ───────────────────────────────────────
                  平成27年鎌倉市議会12月定例会
                   陳 情 一 覧 表 (1)
 ┌─────┬──────────────────────┬──────────────────┐
 │受理年月日│    件            名    │   提     出     者  │
 ├─────┼────┬─────────────────┼──────────────────┤
 │ 27.11.24 │陳  情│「マクロ経済スライド」による年金の│鎌倉市台1438番地3         │
 │     │第 24 号│削減の取り止めと最低保障年金制度の│全日本年金者組合鎌倉支部      │
 │     │    │実現についての陳情        │委員長 飯 田   洋       │
 └─────┴────┴─────────────────┴──────────────────┘

                   付 託 一 覧 表 (1)

 ┌─────┬───────┬─────────────────────────────────┐
 │付託年月日│ 付 託 先 │       件                   名     │
 ├─────┼───────┼────┬────────────────────────────┤
 │ 27.12.2 │観光厚生   │陳  情│医者が処方する薬の有効期限が、患者に判るようにする意見書│
 │     │常任委員会  │第 19 号│を国・県に提出することを求める陳情           │
 └─────┴───────┴────┴────────────────────────────┘

                   配 付 一 覧 表 (1)

 ┌─────┬───────┬─────────────────────────────────┐
 │配付年月日│ 配 付 先 │       件                   名     │
 ├─────┼───────┼────┬────────────────────────────┤
 │ 27.12.2 │全議員    │陳  情│介護従事者の処遇改善を図るために、国に意見書提出を求める│
 │     │       │第 22 号│陳情書                         │
 │     │       ├────┼────────────────────────────┤
 │     │       │陳  情│安全・安心の医療・介護の実現と夜勤改善・大幅増員のため国│
 │     │       │第 23 号│に意見書提出を求める陳情                │
 │     │       ├────┼────────────────────────────┤
 │     │       │陳  情│「マクロ経済スライド」による年金の削減の取り止めと最低保│
 │     │       │第 24 号│障年金制度の実現についての陳情             │
 └─────┴───────┴────┴────────────────────────────┘
                   (出席議員  26名)
                   (10時00分  開議)
 
○議長(前川綾子議員)  定足数に達しましたので、議会は成立いたしました。
 これより平成27年12月鎌倉市議会定例会を開会いたします。
 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
 会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。2番 竹田ゆかり議員、3番 河村琢磨議員、5番 長嶋竜弘議員にお願いいたします。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(前川綾子議員)  日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
 お手元に配付いたしました印刷物のとおりであります。ただいまの報告に御質疑ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(前川綾子議員)  日程第2「会期について」を議題といたします。
 お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から12月18日までの17日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、会期は17日間と決定いたしました。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(前川綾子議員)  日程第3「議会の請求に基づく監査の監査結果について」を議題といたします。
 監査委員におかれましては、当議会の求めに対し、鋭意監査業務に取り組んでいただきましたことにつきまして、議会を代表してお礼を申し上げます。
 では、監査委員から報告を願います。
 
○八木隆太郎 監査委員  議場の皆様、おはようございます。
 それでは、本年11月2日に本議会から請求がありました監査の結果につきまして、その概要を御説明いたします。
 まず、請求内容につきまして整理いたします。一つ目の請求事項は、サンコーコンサルタント株式会社が会員として参加する一般社団法人日本トンネル技術協会への委託の妥当性について。2点目として、一般社団法人日本トンネル技術協会からサンコーコンサルタント株式会社に対して支払われる外注費の妥当性、不当性の有無について。以上の2点が監査請求の対象でございます。
 この請求事項の2点目、すなわち委託先の一般社団法人日本トンネル技術協会から支払われた外注費については、受託業者が実施した支払い内容に関するものであり、市の監査委員としての監査権限の範囲外であることから、これを除外し、一つ目の委託の妥当性のみを監査事項として監査を行うことといたしました。
 監査の実施方法は、市長に関係書類の提出を求め、これらの調査を行うとともに、関係職員の出席を求めて聞き取り調査を実施いたしました。
 監査の結果についてでありますが、一般社団法人日本トンネル技術協会への委託は随意契約により行われており、契約手続、委託内容、結果報告書の受領及び支払い手続などいずれにおいても適正で、当該事務における不備は見受けられませんでした。また、北鎌倉隧道安全性等検証作業に関する委託先の検証委員会の第三者性に対する疑義についても、サンコーコンサルタント株式会社が一般社団法人日本トンネル技術協会の会員であるからといって、違法性、不当性は認められませんでした。
 したがいまして、委託先の検証等の内容及びその方法を含む当該委託業務について、特に妥当性を欠くと認められることはできませんでした。
 続きまして、監査の結果に至った理由について御説明いたします。
 詳細はお手元の報告書に記載のとおりでございますが、まず、市が行った一般社団法人日本トンネル技術協会に対する委託事務についてであります。
 委託先の選定において、当初、公益財団法人神奈川県都市整備技術センターに打診したところ、技術的な面で断られ、その際、全国的な組織で技術的にも信頼できる唯一の検証機関として一般社団法人日本トンネル技術協会を紹介されたもので、これらの経緯から、単独随意契約を行ったものであります。また、委託の成果である結果報告においても、北鎌倉隧道の安全性に対する検証結果及び当該隧道整備の方策の検討結果の検証と、この検証結果をもとにした本隧道の崩落等の可能性についての客観的な見解及び実現性のある新たな隧道整備の方策が提示された内容が報告され、その成果を踏まえて支払い手続が行われており、一連の事務手続については特に不備な点は認められませんでした。このため、妥当なものと判断をしたものであります。
 次に、検証の方法についてでありますが、これにつきましても、専門技術を有する外部の専門家4人を招聘して検証委員会を立ち上げており、その中で検証等を行っておりまして、全て決定する権限を検証委員会が有しているものとなっておりました。本来、サンコーコンサルタント株式会社が行った調査を検証する際に、調査を実際に実施した当該企業から事情や説明を聞くなどは当然のことと言えるものであります。また、新たな図面の作成等については、検証委員会の要求に応じて補助的に行ったもので、万が一にも検証委員会の判断にサンコーコンサルタント株式会社の意向が反映されるようなことがあれば、検証委員会、ひいてはそれを構成する各専門家委員の権威が損なわれるものと考えるところであります。このため、検証委員会の第三者性は担保されているものと判断いたしました。
 以上で報告を終わります。
 
○議長(前川綾子議員)  ただいまの報告に対し、御質疑ありませんか。
 
○7番(上畠寛弘議員)  八木監査委員、また納所議員、ありがとうございました。
 今回、この監査の請求につきましては、建設常任委員会でサンコーコンサルタントに対する疑義というものが大変あるんじゃないか、その検証について、それは果たして妥当なのかということが建設常任委員会の委員の方からの御発言があり、そこまでそのような疑義があるのであれば、議会としても監査委員の方々の御見解を聞かなくてはならない、また、それは日本トンネル技術協会に対してもそのような委託をした中で疑義があると言われて、第三者の立場から何の検証もないのに疑義があると断定するわけにはいかないということで、監査委員お二方に見解を求めたわけでございまして、そのような結果、今、受けとめたところでございまして、御説明には納得させていただきましたところでございます。
 この監査結果を受けまして、当然ながら、市長部局も建設常任委員会ではいろいろな、るる議論があったことはもちろん御存じで、これについてもいろいろと、どうなることかと考えていらっしゃったのかと思いますけれども、補正予算はさきに可決されまして、監査結果もこのような内容となったところでございますけれども、北鎌倉のトンネルに関しまして、これは松尾市長としましてはそのまま計画どおりに進めていくということでよろしいですか。
 
○松尾崇 市長  計画どおりに進めてまいります。
 
○7番(上畠寛弘議員)  時期についてはもう以前の、従前のとおりであるということで、もう何らそういったところで問題はなく進められるということでよろしいのでしょうか。部長でも市長でも、どちらでも構いませんが、時期についてもできれば明言していただければと思います。
 
○小礒一彦 都市整備部長  時期につきましては、当初の予定どおり行っておりまして、早ければ来年の1月には業者を決定いたしまして、事業を進めてまいりたいと考えております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  承知いたしました。
 当然ながら、いろいろな議論がございましたので、監査結果が出たからといって納得されない方もいらっしゃると思いますし、本当に北鎌倉のトンネルを守りたいという思いがあるのであれば、当然ながらこれから議会の側では100条委員会を設置してでもこの疑義を明らかにしたいと、そういうような動きもあるんではないかなと、私はそのように思いますけれども、私といたしましては、この北鎌倉のトンネルについてはどちらの立場でもなく、粛々と安全対策をしていただいて構わない立場でございますが、もし100条の動議などが出るのであれば、私としては設置には賛成したい立場なので、そういうものが本当にあるというのであれば、きちんと証拠を明らかにしていただきたいという立場でございますけれども、そういうような動きがあったとしても、これはもう結果として既に調査結果が出て、支払いも終わった件でございますから、万が一そういった支払いの、第2項については監査委員としても、日本トンネル技術協会が実施した支払い内容に関する監査ということで監査はできなかったということで、こちらについてあえて何か疑義を提示されるのかなと、提示することも可能なのかなと思いますけれども、そういった動きがあったとしても、これについて議会は議会の動き、それはそれで別として、この北鎌倉のトンネルの安全対策工事についてはきちんと進めていくということで、改めて松尾市長に確認します。よろしいですか。
 
○松尾崇 市長  計画どおり進めていくということです。
 
○議長(前川綾子議員)  以上で報告を終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (10時11分  休憩)
                   (10時12分  再開)
 
○議長(前川綾子議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(前川綾子議員)  日程第4「一般質問」を行います。
 質問の順序は、1番 山田直人議員、2番 久坂くにえ議員、3番 上畠寛弘議員、4番 保坂令子議員、5番 渡辺隆議員、6番 竹田ゆかり議員、7番 岡田和則議員、8番 吉岡和江議員、9番 渡邊昌一郎議員、10番 小野田康成議員、11番 三宅真里議員、12番 千一議員、13番 西岡幸子議員、14番 中澤克之議員、15番 赤松正博議員、16番 河村琢磨議員、17番 長嶋竜弘議員、以上の順序であります。
 まず、山田直人議員の発言を許可いたします。
 
○21番(山田直人議員)  おはようございます。それでは、質問通告に従い一般質問を行います。よろしくお願いいたします。
 今回は、第3次基本計画前期実施計画の重点事業でありますし、その中の行財政運営についての2事業についてと、もう一つは、歴史的風致維持向上計画に関連する質問ということで進めてまいりたいと思います。
 平成27年度が私にとってこれらの事業を進めるために大変重要な年であると位置づけております。先ほど行財政運営の件と言いましたけれども、公共施設の再編事業、あとは社会基盤施設マネジメント計画の策定を予定しております土木管理運営事務、これらは行財政運営に関するものです。あともう1点は、歴史的風致維持向上計画の策定ということを目指しております歴史的遺産と共生するまちづくり推進事業についてでございます。それぞれ個別に伺ってまいりますが、最後にこれら3事業に関し、横断的、総合的な視点からも質問させていただきたいと思っております。
 それでは、順次進めてまいりますが、まず、公共施設に関する質問から進めていきたいと思っております。
 平成27年度予算の討論で、私ども、対応を次のように申し上げさせていただきました。今年度末をもって公共施設再編計画が策定され、先行事業であるレイ・ウェル鎌倉の建物つき跡地の売却、鎌倉芸術館大規模修繕と運営のPFI事業化、市営住宅は6カ所から一、二カ所程度への集約化の細部具体化についてはなお不透明でございます。また、今年度には本庁舎機能の更新に係る基礎調査と、その他再編計画に上がっている諸施設の具体的検討実施が行われる予定でございます。再編計画を推進していくに当たっては、多くの利害関係者との危機感の共有が前提であり、危機感の共有なくしては個別事業を合理的に解決しながらの再編計画を推進していくことはできません。3先行事業から得た知見を合わせて再編実施を着実に進めていただきたい、このように予算の討論で申し上げさせていただきました。
 これを前提に質問させていただきますが、それでは、平成27年3月に策定された鎌倉市公共施設再編計画で、今日まで進捗した計画の概要について、まずお伺いしたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  今、御質問にございましたように、公共施設再編計画、こちらにつきましては、本年の3月の計画策定以降、4月から具体的な取り組みを進めているところでございます。
 計画の進捗につきましては、これまでも先行事業として位置づけてきました三つの事業のうち、レイ・ウェル鎌倉は建物つき土地の売却に係る入札の結果、予定価格を上回る額で落札をされました。次に、鎌倉芸術館は、本年の6月のPFI事業実施方針の策定、公表を経まして、現在PFI事業者の募集を行っております。市営住宅に係る取り組みにつきましては、平成26年度に実施しました内閣府の調査結果を踏まえ、市営住宅の建てかえにおける民間活力の活用や集約化等の検討を現在行っております。
 先行事業以外の主な取り組みといたしましては、本庁舎の整備方針の検討の一環といたしまして、本庁舎に係る基礎調査を実施し、また、地域拠点校の選定にかかわる検討につきましては、学校関係者の協力を得ながら、課題の整理、基本的な考え方の共有化等のための意見交換を現在行っているところです。
 
○21番(山田直人議員)  ただいま部長の御答弁の中で、レイ・ウェル鎌倉の件に触れられたと思いますが、そこの部分、これまでの経緯も含めて、詳細にお伺いすることはできますでしょうか。
 
○佐藤尚之 総務部長  レイ・ウェル鎌倉につきましては、今、御紹介ございましたとおり、公共施設再編計画の策定に向けた検討の中で先行事業として位置づけられたものであります。その取り扱いにつきまして検討した結果、建物つきで売却としたものでございます。
 少し経緯をお話ししますと、平成27年5月の鎌倉市市有財産評価審査会の答申を得まして、9月30日に入札を公告し、11月18日に入札を実施したところでございます。5社の参加がございました。結果、4億8,111万1,000円で落札をいたしました。今後、この落札者と売買契約の手続を進めていく予定でございます。
 
○21番(山田直人議員)  そうすると、レイ・ウェル鎌倉の売却については、年度予定ということで、これについては、今、4.8億円というお話でしたけれども、そういう進捗状況に至っているということを確認させていただきました。
 それで、この公共施設の再編計画の中には、そういったさまざまな施設に対して、項目としては、敷地面積ですとか、延べ床面積ですとか、そういったことが書かれ、あとは耐震性の話も記載されている部分がありますけれども、こういったことが、年次計画ですので、更新をされていかないと、最終的にはどれだけの費用がとか、今後かかる費用に対して今回の売却益というのはどういうふうにしていくのか、そういったあたりが年次で更新していかなきゃいけないと思うんですけれども、そういったあたりは、今後、こういう変更についてはどのように市民への情報提供がなされていくんだろうか、そういったところを確認させていただきたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設再編計画は、計画の適正な進行管理を行うため、進捗状況や再編効果の検証、改善策の検討などを踏まえまして、総合計画の実施計画見直しのタイミングに合わせて必要な見直しを行っていくことを予定しております。
 このため、対象施設に係るデータの把握については随時更新を行っていきますが、計画への反映については計画見直しのタイミングに合わせて行うことになります。
 
○21番(山田直人議員)  了解いたしました。
 それでは、26、27、28年度ですので、来年度が少し見直しにかかる時期に入ってくると思いますので、平成29年からですね、次は。そういったところでは反映させていくということを確認させていただきました。
 この公共施設の再編計画にあるロードマップの記載がございますけれども、この中で、公共施設等総合管理計画の策定というのが位置づけられているんですけれども、これは平成27年度中にこの策定を行うということになっておりますけれども、この具体的な中身についてお知らせいただけますでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  公共施設等総合管理計画、これは、いわゆる箱物に限らず、地方公共団体が所有する全ての公共施設等を対象に、その現状を把握し、更新、統廃合、長寿命化など公共施設等の総合的かつ計画的な管理を維持するためのものでございます。公共施設等総合管理計画については、公共施設再編計画と、現在策定を進めております社会基盤施設マネジメント計画から、国が示す計画期間、管理に関する基本方針などの指針を満たす内容を取りまとめ、策定するもので、現在、年内の策定に向けて作業を進めているところでございます。
 
○21番(山田直人議員)  今、年内とおっしゃったんですね。わかりました。
 それでは、あと1カ月ぐらいでこの計画はできるということになってくるんだと思いますけれども、次に、社会基盤施設、今お話が出ましたけれども、今回の公共施設等総合管理計画の策定ということで、公共施設と社会基盤施設と、両方あるという、その計画の策定をするということで今お聞きしたところですけれども、この維持管理計画ですけれども、昨年9月に私の一般質問の中で、白書に盛り込む内容は、社会基盤施設の数とか状態、現状の管理手法、これは社会基盤ですね、維持管理の計画などの把握、今後必要となる維持管理費用の予測、維持管理に関する課題の整理、今後の維持管理のあり方などを盛り込む予定とお聞きしています。
 また、社会基盤施設白書がことし3月に策定をされました。また、維持管理基本方針と社会基盤施設全体の管理方針を作成して、個別の施設ごとの維持管理方針の作成、削減する維持管理費の目標額の設定、そしてPDCAサイクルによります計画の評価と見直しなどを盛り込む予定と。また、具体的な財政的な視点ですとか、優先順位について、平成27年度に策定する予定の社会基盤施設マネジメント計画の中で明らかにする、そういった考えが昨年9月に確認をさせていただいております。
 これを踏まえて、平成27年3月に社会基盤施設白書が策定され、平成27年度の重要な作業と位置づけられる社会基盤施設維持管理基本方針及び社会基盤施設マネジメント計画の策定に向けた現状と今後の予定について、もう12月ですのでかなり期間が迫ってまいっておりますけれども、現状と予定についてお願いいたします。
 
○小礒一彦 都市整備部長  昨年度にまとめました鎌倉市社会基盤施設白書では、インフラの維持管理の課題といたしまして、インフラ機能における安全・安心の確保など5項目を掲げました。今年度につきましては、鎌倉市社会基盤施設マネジメント計画策定委員会を設置いたしまして、インフラの維持管理の課題解決方策を検討いたしまして、予防保全型管理を中心といたしました施設管理や効率的な業務運営などの施策を盛り込んだ社会基盤施設マネジメント計画、これの策定を進めているところでございます。
 今後につきましては、市民のアンケートですとか、計画素案のパブリックコメントを実施いたしまして、平成28年、来年3月末までに計画を確定してまいる予定でございます。
 
○21番(山田直人議員)  社会基盤施設白書の中に、現状の問題点について第5章でまとめられております。この中に、記載事項として、課題として、インフラ機能における安全・安心の確保が1点。中長期的な視点に立ったインフラ維持管理が2点目。厳しい財政状況における財源の確保が3点目ですね。総合的なインフラマネジメント体制の構築が4点目です。市民力、地域力や民間活力の活用というのが5点目と。これは課題として上げられています。
 この課題解決を今後目指していかなければいけないということではございますけれども、計画の中にそれは盛り込まれるんだろうと思いますけれども、このマネジメント計画を立案する際には、こういったことも含めて財政面でどのような考え方を折り込んでいこうとされているのか、お伺いをしたいと思います。
 ただ、この白書の中には、今後、平成25年度比で、一般会計では9億円、一般会計の上積み額が年9億円とうたわれていますし、下水道特会では38億円が年上積みになってくる、25年度比ですね。そういった最後の記載がございますので、そういったあたり、相当財政面では今後厳しい状況に行くんだろうと思いますけれども、計画と財政の関係、このあたりをどのように織り込んでいくのか、このあたりの考え方を、基本方針に関連することだろうとも思いますけれども、その辺の整合性を少し確認したいと思います。
 
○小礒一彦 都市整備部長  議員御紹介のとおり、近年の本市の財政状況を見ますと、インフラの維持管理予算の大幅な増額、これは難しいと考えておりまして、当面、インフラの維持管理に充てることのできる財源は現状のレベルで推移するものと想定をしております。
 一方、白書におきましては、今、御紹介がございましたように、将来のインフラの維持管理の経費は、平成25年度の歳出実績で2.16倍となると試算しております。現在のままでは、経費面では維持管理に限界が生じることは明らかでございます。
 このことから、現在、策定をしております社会基盤施設マネジメント計画では、維持管理の方法を予防保全型に転換することによりまして、必要な予算の規模、そしてまた予算の確保の方法、こういうものを盛り込んでいきたいと考えておりまして、策定委員会の中でも委員から同じような、いろいろな御指摘をいただいておりますので、その辺を十分に加味をした計画にしてまいりたいと考えております。
 
○21番(山田直人議員)  まだまだ抽象的な御答弁だろうと思います。これ具体的に、この計画、中期の計画を立てるときに、107億円でしたでしょうか、記憶では、それと実施・執行するべき事業との乖離、107億円ぐらいがショートしているということで、今回の計画策定を前倒しにして、3年、3年の前期実施計画、後期実施計画とされたわけですよね。
 ここに来て、平成27年は重要な年ですよということについては、公共施設については、これはもう本当に危機意識を共有しないとできていかない、同時に、社会基盤についても、相当明らかにされてきたとは言いながらも、一般会計、あるいは下水道特会に与える影響、財政的に与える影響というのはかなり大きいということは、この白書の中でも明らかにされています。
 そういったことを、これは、今の計画に入り込む前の状況にまで立ち至ったような状況に、今、既にあるんじゃないかということなんですね。要は、今、予算が今までどおりにしか執行できないんじゃないかというような形でこのプランを執行するわけには多分いかないんじゃないかなと思っているんですね。財源の確保は難しい。支出をどれだけ抑えていくか。今おっしゃったような予防保全型に変えることによって、どれだけ予算を抑えることができるか。このあたりをかなりきちんと捉えていかないと、本当に財政として、財政面で本当に鎌倉市が今後この事業を推進していくことができるのかどうか、このあたりが見えてこない部分になってくるんじゃないかと思いますね。
 当然、扶助費がどんどん上がってきているということについては、9月の監査委員からの報告、意見書の中にも上がってきておりますし、そういった面で、当然厳しい状況になることがわかっておりますので、そういったことを前提に、少し今後どうすればいいのかということについては、後に議論させていただきたいと思っております。
 それで、先ほど公共施設でお伺いをいたしました。今年度12月までに策定される公共施設等総合管理計画の策定という位置づけの中で、公共施設再編計画と社会基盤施設マネジメント計画は車の両輪であるということは、部長から昨年9月にも確認させていただきました。公共施設再編計画では、公共施設の資産管理の担当部署の新設というものが考慮されているということですね。計画は一体化にしていこうということで、先ほど御説明がありました。
 そうすれば、社会基盤施設マネジメントとの組織の関連、このあたりは、この計画1本の中で、組織が、公共施設はできる。今後、そういう資産管理する部分と、実際にサービスする部分を分けていこうという考え方。社会基盤施設マネジメント計画での組織、それをどういうふうに車の両輪として発揮させていくのか、そのあたりの御見解をお伺いしたいと思います。
 
○小礒一彦 都市整備部長  今、お話ございました公共施設の維持管理につきましては、これまでの所管する各セクションがそれぞれの判断で維持管理を行ってまいりましたが、御紹介のとおり、新たな資産管理セクションを設けまして、管理の一元化を図ることで、効率的、効果的な維持管理を行うという形で計画の中に盛り込んであります。
 これに対しまして、インフラの維持管理につきましては、現状におきましても基本的に都市整備部が行っておりまして、既に一定の集中はできていると考えております。そこで、社会基盤施設マネジメント計画では、これまでインフラごとにプライオリティーをつけていたものを、全インフラ、これのプライオリティーをつけまして、従来の枠にとらわれない管理方法や予算措置を行うことによって、適正かつ持続的な維持管理を行うという考え方でおります。
 
○21番(山田直人議員)  社会基盤につきましては、都市整備部が主体なんですけれども、その部分については全インフラを対象にして優先度、優先順位をつけていくということで、これが従来の枠にとらわれない管理手法とか予算措置という、今、重要な言葉があったかと思いますけれども、これについてもまた後ほど触れさせていただきたいと思いますが、そういたしますと、地方自治法では、最小の経費で最大の効果を実現するということが求められているわけですね。生産の効率性の視点から、先ほど課題に上げられた民間活力の活用について質問させていただきたいと思います。
 この辺の効率性を上げるために、民間活力をどのように活用していくのか。これは課題として5点のうちの最後に上げられておりましたけれども、民間活力を活用しようとしますと、市の組織が一体ではないとなかなか民間も入りにくいと私は思っていますけれども、そういう単一的な管理より総合的とか統合的管理のほうが収益性は高まるんではないかと。いわゆる、官は官、民は民というような形でまとめていくのか、民間活力をどのように今の市が実施しようとしている計画の中に織り込んでいこうとするのか、そのあたり、社会基盤の関係で結構ですけれども、民間活力を活用しやすいように考える、そのような方向性についても、十分担保していかなきゃいけないということで、課題として整理されていますけれども、このあたりの活用の手法、方法、具体的に何かお考えがあれば、お聞きしておきたいと思います。
 
○小礒一彦 都市整備部長  議員御提案の、総合的、統合的な管理、この具体的な手法といたしまして、民間への包括的な委託がございます。インフラの維持管理コストを削減する手法といたしまして大変有望な施策であると認識しております。民間への包括的な委託につきましては、社会基盤施設マネジメント計画の中でも効率的で効果的な維持管理手法の一つとして検討しているところでございます。
 
○21番(山田直人議員)  今は、組織的にはまだどういうふうにしようかというようなことについては、これは完全に委託だけに済ませるのか、もう少し、委託という形でしかないのかもしれませんけれども、もっと効率的な組織体制のつくり方というのはあるのではなかろうかとも思っているんですが、そういったあたり、民間活力をするということで、インフラマネジメント体制にどのように組み込んでいくのか、そういったところを、現在考えられる手法があるのであれば御紹介いただきたいと思います。
 
○小礒一彦 都市整備部長  民間活力の方策、特に包括的、先ほどお話しいたしました包括的民間委託では、導入に当たりまして、民間事業者の裁量の範囲、事業の採算性、管理水準の設定などの課題があると考えております。
 このような課題はございますが、民間活力の活用はマネジメント計画の実効性を担保する大きな要素でもございますので、民間活力、包括的民間委託などを取り入れた仕組み、これは、議員御指摘のように、組織の中でうまくこれを使っていけるような仕組み、こういうものを積極的に検討してまいりたいと考えております。
 
○21番(山田直人議員)  白書を見させていただきまして、平成44年の人口推計が16万570人ということで、人口はインフラの規模や利用頻度に影響を与えるとの記述もございます。どのような影響があると言えるのか、また、どのような方策が求められるのか、人口減に対してどのようにお考えなのかということをお聞かせいただきたいと思います。
 
○小礒一彦 都市整備部長  人口とインフラの関係につきましては、社会基盤施設マネジメント計画の中で具体的な検討を今行っております。例えばでございますけれども、将来人口が減少することによりまして、下水道終末処理場の処理能力を縮小できる、こういうこともありますし、また、公園の利用頻度ですとか利用の仕方も変わってくるものと考えております。
 インフラは市民の生活に必要不可欠な施設でございますので、基本的には、廃止などによりまして総量を減らすことができません。なかなかできないものだと考えております。将来の人口減少ですとか、高齢社会の進展によりますニーズの変化、こういうものを念頭に置いて、施設の規模、機能を見直していくことも必要になるかと考えております。
 
○21番(山田直人議員)  それでは、社会インフラの整備というのは、私、人の経験に依存することも大変多いと思っているんですね。本市においても、インフラ維持管理を長期的視野に立って推進する場合、人材の確保というのは大変重要と考えております。人材の確保ですとか育成など、インフラ維持管理を継続していくための施策について御見解をお願いしたいと思います。
 
○小礒一彦 都市整備部長  御指摘のとおり、インフラの維持管理には、それに携わる人材の確保が不可欠でございます。現在の取り組みといたしましては、経験豊富な職員がみずから携わった業務につきまして、若手の職員に伝える場の設定、さまざまな外部研修への参加、再任用職員と若手職員がペアを組んで業務に当たるなどによりまして、インフラの維持管理の知識、経験を継承してございます。
 また、神奈川県都市整備技術センターや日本下水道事業団につきましては、地方公共団体の執行体制を補完いたしまして、行政目的の効率的な達成を支援することが業務の一つでもございます。これらの活用によりまして不足する人材を補うことも視野に入れてまいります。
 
○21番(山田直人議員)  今、部長から御紹介いただきましたさまざまな施策で、人材の確保にお努めいただいているということではございます。これまで、先ほど御紹介、御答弁いただきましたけれども、事後保全という部分から予防保全というところにシフトしていって、財政的な面での負担を減らしていこうと、そういったことの御紹介もありました。従来の管理手法と少し違ってきているものだと思いますので、そういった管理技術の習得、今、御紹介いただいたものの中に、予防保全型に適した施策があるんであれば、私、内容を十分にわかっていないということで申し上げますけれども、予防保全型の管理にするために必要な、そういった技術、あるいはその技術を得るような人材の確保、そういったものについても十分お願いしていきたいと思っております。
 それでは、次の話題に移りたいと思いますけれども、最後に、歴史的風致維持向上計画についての質問をさせていただきたいと思います。
 また本年度の予算の討論から少し引用させていただきたいと思います。予算に、仮称としますけれども、鎌倉市歴史的風致維持向上計画策定等事業委託料が盛り込まれ、年度内に当該計画の認定を目指しています。計画に盛り込まれる重点区域には、50年以上にわたり地域で営まれてきた活動と、その活動が行われる歴史的価値の高い建造物及びその周辺の市街地の3要素が一体となって形成してきた良好な市街地の環境が求められています。この計画に基づき事業を実施することにより、鎌倉が変わったなと実感できるようにしたいとの意気込みが確認できたと評価させていただいております。
 そこで、この8月に歴史的風致維持向上計画素案というのは、今、手元にございますけれども、策定をされました。今まさに生きている歴史的遺産である六つの歴史的風致について、この計画により維持向上していく決意が込められているんだなと感じることができました。
 ここでは、これまでの質問との関連から、まず、素案の第6章に、歴史的風致維持向上施設の整備及び管理に関する事項というのが上げられております。これに関連して各種事業が記載されておりますが、これらの事業の事業経費、実施時期、実施期間などの計画の具体化はいつごろなされるのか、お伺いしたいと思います。
 
○桝渕規彰 文化財部長  本年8月中旬に策定いたしました鎌倉市歴史的風致維持向上計画の素案におきましては、歴史的風致の維持向上のために実施すべきと考えます主な事業の概要につきまして記載しておりましたが、その後、関係部局と調整を進め、最終的には25本の具体的な事業を計画に登載することといたしました。
 現在は計画確定のための庁内的な手続を進めておりまして、近日中に国への申請を行い、今年度中に国の認定を受けまして、次年度、平成28年度から計画をスタートさせる予定でございます。計画に登載いたしました事業につきましては、10年間の計画期間の中でそれぞれの実施時期や事業期間を明記しておりまして、そこに記載した内容のとおりに確実に取り組みを進めていくものでございます。
 
○21番(山田直人議員)  ここの中で掲載されている事業は25本まではないんですけれども、その加除については、何か特徴的なものございますか。こういう部分については除きました、こういう部分については入れましたというようなことを確認させていただけますでしょうか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  素案の段階では、事業のジャンルと申しますか、部門ということで五つ上げさせていただいておりまして、現段階で検討しておりますのは、その中に位置づける具体的な事業ということで、25本を今のところ上げているということでございます。
 
○21番(山田直人議員)  そうしますと、今、計画期間10年というのは、この歴史的風致維持向上計画の計画期間ということで10年が定められているという位置づけとの話ですが、この期間で実施できる事業というのは、中を見させていただいても、かなり長期の期間を要するような内容のものも含まれているし、10年間で全て解決するような内容のものではなかろうとも思われるものも含まれているんですけれども、この事業を、個別事業についてはまだ私のほうでは見えませんけれども、掲載する事業で、10年間で完了できるもの、さらに完了できないもの、期間が不足するであろうというようなこともあろうかと思いますけれども、そういった意味で、個々の事業については結構でございますけれども、どういうものが今後10年間では解決し、10年間でまとまりがつかないような内容のものはどのような事業なのか、その辺御答弁いただけますでしょうか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  この計画に登載します歴史的風致の維持向上に資する事業としましては、インフラ整備等のハード整備事業と、それから、歴史的遺産を公開するなどのソフト事業とに大別することができます。このうちハード整備事業に属するものといたしましては、市が所有いたします歴史的な建造物の保全、公衆トイレの整備、歩行空間の整備などがございます。ソフト事業といたしましては、啓発イベント、あるいは文化財の展示などを上げておるところでございます。
 こうした歴史的風致維持向上計画に登載する事業につきましては、国も積極的な支援を行うという姿勢を示しておりまして、登載する事業につきましては、計画期間を限定しているところでございまして、その期間内に確実に実施を見込んでおります。
 しかしながら、市域全体のインフラ整備という課題に関しましては、到底この10年間で、計画期間内で全てが解決できるとは考えられないところでございます。
 
○21番(山田直人議員)  今の御答弁をお聞きいたしますと、10年間でできるもの、これは国の補助もございますから、積極的にそれについてはできるけれども、ハードウエアの一部については、社会基盤との関連で、少し時間のかかる分も出てくるだろうとお聞きをいたしました。
 そのあたりが10年後にどういう計画の再作成といいましょうか、計画の再設定といいましょうか、そういったふうになっていくのかについては、今後、進捗をしながらさまざまな議論がなされるものとは思いますけれども、そういった意味では、社会基盤施設マネジメント計画というのも、最小の経費ということを目指していかなきゃいけない。先ほど、かなり財政負担が大きくなりますよということは申し上げたとおりでございますけれども、今の、特にインフラ整備関係、ハードウエア関係で、長期を要するようなもの、これは歴史的風致維持向上計画の中でも出てくるという、その計画の視点から言っても出てくるものでございますので、そういったことの整合性は、社会基盤施設マネジメント計画と整合性をとっていかなきゃいけないと思っていますので、このあたりは最小の経費ということでどのようにハンドリングしていくのか、そういったことが重要な視点になってくるんだろうと思います。
 そういった意味で、公共施設があり、社会基盤施設マネジメント計画があり、歴史的風致維持向上計画という大きな3本の柱が、それぞれハードウエアの面ではある種統合的、総合的な、そういったものの考え方をしていかなきゃいけないんではないかという視点に、今、私自身も立っているところでございます。
 それで、まちづくりに関連する事業の推進に当たっては、今申し上げたような公共施設再編、社会基盤施設マネジメント計画との整合を図る必要があると考えております。そういった意味で、今、組織体制としても、三つの大きな計画を推進するための組織体制、公共施設についてはもう明らかになりました。まだ社会基盤施設については今年度末に多分そういったあたりの事業をどうするか、それを統合したような計画、冒頭で聞いたような計画づくりをしますというところには、歴史的風致維持向上計画の施策をどういうふうに進めていくかというところがまだ漏れている状態です。
 私の視点は、その三つを統合していかないと、これは難しいんではないかなとは思っておりますけれども、3者の推進を一つの組織体制でということを私は願っておりますけれども、そういったところをどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  三つの計画の整合を図ることは、御指摘のとおり、大変重要であると考えてございますが、対象施設が必ずしも一致していないことから、現時点では一つの組織体制で行うことは考えておりません。各種計画の実施に当たりましては、実施計画への位置づけが必要となることから、実施計画を所管いたします経営企画課が全体調整を行いまして、財政を所管する総務部とも連携を図り、それぞれの計画を着実に進めてまいりたいと考えているところです。
 
○21番(山田直人議員)  行政というのはなかなか横断的な組織というのはつくるのが難しいんだなとも思いますし、それが果たして効率的かどうかとなると、私自身も今、即座に答えを持っているわけではありません。いずれにしても、効率的な方法でやらなきゃいけない、貴重な、いわゆる税金を活用するためにも、効率的な、最大の効率を求めた計画推進が必要だろうと思っているところであります。
 そういった意味では、まだまだ3事業は個別事業的にやっていかなきゃいけない時期が、今、当初のところでは、今、御答弁いただいた内容になるんだろうと思いますけれども、既に、従来型の行政運営、あるいは行政経営というのは、もう破綻しているのではないかと。いろんな自治体でいろんな施策を組みながら、いかにみずからの自治体を市民にとって幸福な自治体にしようかというようなことについては、どこの自治体も今は考えていますし、逆に言うと、考えあぐねている部分が今みたいな、いわゆる組織がなかなか柔軟な動きができない部分にもあらわれるんではないかなとも、私の見解ですけれども、思っています。
 御紹介させていただきたいことが少しありまして、地方財政、書物の中から関西学院大学の林宜嗣先生という方の投稿論文がありまして、そこを引用させていただきたいんですけれども、組織の目標や目的を達成するために必要な条件や要素を分析し、組織が持つ資源や資産を活用する一連の流れのことであり、組織全体で取り組むべきものであるというのがマネジメントであると定義をしていると。組織全体で取り組むべきこと、まさにこれからの財政をハンドリングするために必要な組織体制、それをきちんとするのがマネジメントなんだと。
 ですから、まだ個別の包括予算的なマネジメントが行われているけれども、全庁的な、あるいはこういう計画を全て進捗させるための必要なマネジメントというのは、まだ、私の観点、私の視点から言うと、少し不安なところがあるんではなかろうかなと思っています。
 全体を見渡す方が目配りをしないと、その計画が、一つの計画がどんと走っていくところもあるわけですよね。往々にして個別最適化というのが全体最適にはならないということがよくあります。個別最適しようと思うと、全体の最適化を損なうケースというのが幾らでもあります。そういったことも、よく言われることでありますけれども、全体の計画をしっかりと見る方が、少なくともこの3事業については相当膨大なお金がこれからかかると思います。歴史的風致維持向上計画についても裏負担が必ず出てきますから、この裏負担の処理もしなきゃいけない。社会インフラは、先ほど御紹介したとおり、特会も40億円近いお金が出ていくと想定はされている。それをどうマネジメントするのか。公共施設がまたお金がかかってくる。これもやらなくてはいけない。
 そういったことで、先日の決算特別委員会のときにも若干こういう部分にも触れさせていただきましたけれども、とにかく平成27年は正念場、平成28年できちんと計画を立て、平成29年からの後期実施計画をどのように、財政的な裏づけも含めて、きちんと整合をとっていくか、これが最大の焦点になるのが平成28年度予算の策定作業になるだろうと私は思っております。
 そういった意味で、平成29年からすっきりと後期実施計画が実施できるような財政の裏づけ、そういったものを計画の中できちんと担保していく、それを総合的にというような形で、とにかく我々に見せてもらいたい。少なくとも私個人には見せていただきたい。これを我々全体の議論の場に持ち込みますので、そういった意味で、本当に我々議会の中でも公有財産の問題というのは特に大きな課題として捉えておりますので、ぜひ理事者の皆さんには、平成28年度予算の策定に向けて、そのような視点も我々も持っているということを御確認いただいた上で、私の一般質問を終わりたいと思います。
 
○議長(前川綾子議員)  次に、久坂くにえ議員。
 
○19番(久坂くにえ議員)  おはようございます。今回はごみ屋敷の課題を取り上げさせていただきます。
 近年、管理が行き届かず、ごみ屋敷になってしまった家屋を報道を通じて見聞きする機会が多くございます。一番記憶に新しいところでは、最近、京都市で代執行によるごみの強制撤去が実施されました。これは日本で初めてのケースであったということなんですけれども、ごみ屋敷の課題というのは、ほかの自治体もいろいろ抱えている、そんなことを思いました。
 このごみ屋敷に関しましては、対応する条例を制定している自治体もございまして、今、申し上げました代執行の取り組みを盛り込んでいたり、最近ではこうしたごみ屋敷の原因として、主に家主の方が認知症であるとか、生活意欲が低下している、また生活機能が低下していたり、またセルフネグレクトの結果がごみ屋敷ということになった、こういうこともクローズアップをされまして、家主の方への対応を重視して支援を行うことを、ごみ屋敷に対するもう一つの対応策として潮流となってきている、そういうことも感じております。
 こうしたごみ屋敷につきましては、以前、空き家の課題もこの議場において取り上げをさせていただきましたけれども、本当に周辺地域に与える課題が大きくて、対策を立てることは必要だと思っております。現に市内においても既にそうした家屋、ごみ屋敷になっているなという家屋も見受けております。
 そもそも、ごみ屋敷と聞いた場合に、私たちはすぐ、家の外ですとかベランダまであふれて堆積したごみ、また荒廃した家屋などを想像するんですけれども、まず冒頭に、鎌倉市はごみ屋敷とは一体どういった家屋と認識しているかをお伺いをいたします。
 
○石井康則 環境部長  いわゆるごみ屋敷でございますけれども、法的な定義は今なされていないというところでございますが、一般的には、市民が居住する建築物におきまして大量の物品等が堆積し、害虫や悪臭の発生、樹木の繁茂、火災の発生のおそれがあるなど、不良な状態が生じて、居住者とともに周辺の生活環境が著しく損なわれている状態にあるものと捉えているところでございます。
 
○19番(久坂くにえ議員)  冒頭に部長がおっしゃられたように、法的な定義は今のところないということなんですね。一般的な定義はございませんけれども、例えば、国土交通省では、病害虫の発生や悪臭など、常に社会的な問題となっていたり、周辺住民から何らかの苦情が寄せられているものと定義をしております。
 また、いち早くごみ屋敷対策として生活環境の保全に関する条例を制定した足立区では、適正な管理がなされていない廃棄物、繁茂した雑草または樹木により土地または建築物の周辺の住民の健康を害し、生活環境に著しい障害を及ぼしまたはそのおそれがある状態を不良状態とし、改善すべき状態としております。また、荒川区では、同じくごみ屋敷対策として、良好な生活環境の確保に関する条例を制定しておりますが、その中では、廃棄物並びに枯れ草、樹木をも廃棄物などと表現し、それらによる不良状態が生じているとき必要な措置をとると規定しております。条例制定した自治体ではその姿が明確に条例の中ではうたわれているということがおわかりいただけると思います。
 このようなごみ屋敷なんですけれども、ごみ屋敷の課題と一般的に思ったときに、先ほど申し上げました外までごみがあふれていて、一見してごみ屋敷とわかる家屋の課題について、お伺いをしてまいりたいと思います。
 先ほども部長からございましたけれども、やはり不衛生なごみが放置されることで、その中から病害虫が発生したり悪臭が出ることが考えられます。また、ごみの山にたばこの吸い殻などがポイ捨てされること、また、堆積したごみの中に発火性のものが放置された場合、引火して火災の危険性もございます。また、道路にまでごみがはみ出した場合には、通行の妨げとなる可能性もございます。さらに、ごみが大量に放置されていることで、新たなごみの不法投棄を招くこともございますし、こうしたごみ屋敷は近隣の風景や景観を損ね、周辺住民の生活の不安の要素となっております。
 国土交通省の表現をかりれば、まさしく地域に著しい迷惑、つまり外部不経済をもたらすごみ屋敷でございますが、今、つらつら申し上げてきました課題につきましては、実際に市内での対応状況はどうなのか、まず担当部署に順次伺ってまいります。
 最初に申し上げました、堆積したごみからの病害虫や悪臭など発生する、こういった件につきまして御相談があったのか、また、対応状況についてお伺いします。
 
○石井康則 環境部長  屋外に堆積物がある事案といたしましては3件と認識をしておりまして、環境部、消防本部、都市整備部、健康福祉部が重層的に対応しているところでございます。
 そのうち環境部で把握している事案については2件でございます。1件につきましては、敷地内の樹木が繁茂し、道路や隣家の敷地にまではみ出している、そういう状況でございます。もう1件につきましては、敷地内の樹木や雑草が繁茂して、道路や隣地の敷地まではみ出すとともに、敷地内の庭などに大量のごみが積まれている状況でございます。居住者には電話で蚊の発生のおそれがあるということを伝えまして、駆除剤の配布について説明を行ったところでございますが、これは断られまして、面会ができずに、敷地内への立ち入りもできなかったというところでございます。この後者の件につきましては、民生委員ですとか町内会長の積極的なサポートがございまして、居住者の了解を得て、町内会が敷地外にはみ出しました樹木の伐採を行い、地域ぐるみでの支援の取り組みが実施されているところでございます。
 環境部で相談があった場合でございますけれども、生活環境の観点から、樹木の繁茂、ごみの散乱、ハエや蚊などの害虫や悪臭の発生について確認を行うということになってございます。
 
○19番(久坂くにえ議員)  次に、大量のごみなどが堆積された場合のたばこなどのポイ捨てや、またその堆積物の中にカセットコンロやボンベなどが放置された場合、引火の可能性がございます。こうした種類の相談があったのか、また、あった場合にはどのような対応があったのかをお伺いします。
 
○斎藤務 消防長  消防本部におきまして、ごみ屋敷に関します市民からの御相談はありません。しかし、消防が管内巡回で把握をいたしましたごみ屋敷は市内に2軒を確認しております。いずれも樹木が繁茂し、敷地内に可燃物が存置している状況であります。可燃物の整理につきましては、過去に注意喚起を行ったところでございます。
 今後も職員間で情報を共有しまして、火災発生につながらないよう、定期的な巡回を行ってまいります。
 
○19番(久坂くにえ議員)  さらに、通行の妨げとなるような物件が道路に放置されているといった相談につきましては、道路の管理者の観点から相談があったのかどうか。また、先ほどもありますけれど、繁茂した樹木につきまして、道路にまで、先ほどもあったというお話もあるんですけど、改めてこういった相談につきまして、あったのか、また、対応状況につきましてお伺いをいたします。
 
○小礒一彦 都市整備部長  いわゆるごみ屋敷からごみが道路にはみ出している事案、この相談は、今年度1件ございました。現場の確認を行っております。この事例は、ごみの一部が道路にはみ出していましたが、交通の支障にはなっておりませんでしたので、引き続き現場の確認を継続いたしまして、必要に応じまして管理者などに対して交通の支障となる物件の撤去を要請してまいります。
 また、道路に樹木がはみ出している場合、こういう場合につきましては、通行の安全確保に支障がある場合につきましては、管理者などに対しまして、樹木の剪定ですとか伐採、これを要請しているところでございます。
 
○19番(久坂くにえ議員)  樹木ですとか、そのはみ出しがある、そういった対応をしていただいていることが、今のお話の中で市内に存在しているということを確認させていただきました。
 続いてお伺いしていくのが、家の中に入ってみたらごみ屋敷とわかるケースについてお伺いをしたいと思います。特にこういったケースにつきましては、家屋が外部からの視線を完全にシャットアウトしている場合には、通行人や近隣の方々は異変に気づくことが難しく、屋内に大量のごみを積み上げている可能性がございます。地震などの災害時には、内部でこういったものが倒壊して、被害が大きくなる可能性がございます。
 こういったごみ屋敷につきましては、ヘルパーや民生委員の方の訪問といった、家主の方が福祉サービスの受け手であることから判別することがあるとも伺っております。家主の方が高齢者であるのか、また、精神疾患のある方なのか、もしくは生活に困っている方なのか、さまざまなバックグラウンドがあるとは思います。対応している関係各課も異なる可能性もございますが、福祉の観点からこういったケースについて、把握しているケースですとか対応状況につきましてお伺いをいたします。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  ただいま三つの部から敷地内や道路にはみ出したごみなどについての対応の説明がございましたけれども、健康福祉部では、加えて、建物内のごみの問題についても対応しているところでございます。部として対応した件数は、平成19年度以降把握できているもので18件であり、そのうち現在も7件が対応中でございます。
 かかわりの経緯としましては、障害者相談支援事業所、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、民生委員及び近隣住民から対象者への対応についての相談で始まることが多く、対象者の内訳としましては、精神疾患、精神障害のある方が11件、認知症の方が4件、精神疾患などと認知症の両方の問題がある方が3件となっております。
 健康福祉部としての対応は、どの相談ケースにおいても、その方が抱える生活全般の問題抽出、課題解決に向けてのケアを中心に行っており、ごみの撤去そのものを目標としているわけではございません。
 
○19番(久坂くにえ議員)  ごみの撤去は目標ではないということだったんですけど、実際に、そうはいっても、生活環境を整えるためにごみの撤去も行っていただいたこともあるとは思うんですが、こういった場合の費用につきましてどちらが御負担をしたのか、そういった点を把握されていらっしゃったらお願いをいたします。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  過去にごみの撤去作業を行った実績はございます。それに要した費用につきましては、全て対象者自身、もしくは親族に負担を依頼したところでございます。
 
○19番(久坂くにえ議員)  わかりました。一定のケースにつきまして、こちらの家の中に入ってみたらわかった、こういったごみ屋敷のケースにつきましては本当に一定数がある中で、関係部署で、皆さんで御負担をいただいて、本当に撤去をやっていただいていることがわかりました。
 また、こういった片づけに関しましては、福祉サービスに委ねてお願いをするということも伺っているんですけれども、こういったお願いをする場合には、御本人の価値観や意思を尊重していただいて、丁寧に対応していただけることをお願いしていただきたいと思っております。
 また、多忙化する現場の中で、実際に職員の方が、福祉サービス以外に職員の方が片づけをしていることにつきましても伺っておりまして、今後、ごみ屋敷の数の推移によっては、現場にまた多くの負担がかかっていくということも予想されました。こういった今後の状況につきまして、どういった負担軽減を図りながら業務に当たっていただくかということも、今後御検討いただきたいと思っております。
 このごみ屋敷なんですけれども、今、伺ってきましたとおり、ある程度の傾向はあるものの、その内容は一つ一つ異なりまして、当然ながら対応も異なってくるということは、聞き取りの中でお伺いをしたことがございます。そういった点におきまして、このごみ屋敷の課題は多方面に及んでおります。その場合は、単一の部署で完結するものではなく、複数の部署で対応をされている、そういったケースもあると思います。こういった場合の庁内の連携についてはどうなっているのか、お伺いをいたします。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  対象者の状態が精神疾患や精神障害、高齢など複合的に絡む場合もございます。健康福祉部としましては、常に部内関係課が連携をとりながら対応をしているところでございます。また、必要に応じて、こどもみらい部、環境部、都市整備部、消防本部など関連部署との連携を図り、取り組んでいるところでございます。
 
○19番(久坂くにえ議員)  その連携のとり方についてお伺いをしたいんですけれども、ケース、ケースについて必要であれば招集をされて、一度に皆さんが集まって話し合う、そういった連携体制がとられているのか、そこら辺のところをもう一度お伺いをいたします。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  いろいろ近隣の方から苦情等が寄せられると、受けた課が中心となりまして状況を伺った上で、関連する課と連携して今後の対応なりを調整しているところでございます。
 
○19番(久坂くにえ議員)  あと、庁内のみならず、庁外の機関とも連携が大切になってくるこのごみ屋敷の問題でございます。庁外との連携につきましてはどのように図られているかをお伺いいたします。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  精神疾患、精神障害が疑われる場合や、医療につながっていない場合には、鎌倉保健福祉事務所と連携を図り、介入方法から検討し、医療につながるよう働きかけております。
 医療につながっており、障害福祉サービスや介護保険サービスの利用ができる場合には、医療機関や障害者相談支援事業所、地域包括支援センター及び介護事業所などと連携をとり、定期訪問やケア会議の開催を通しまして、対象者に必要な支援を行っております。
 
○19番(久坂くにえ議員)  本当に庁内のみならず庁外の方々の御協力もいただきながら適切に対応できる、そういった連携をとりながら、ごみ屋敷の課題につきましては対応していただきたいと思っております。
 今、部長からいろいろお話もございましたけれども、今般のごみ屋敷はごみへのハード面の対策ももちろんなんですが、家主の方のケアへと、また周辺住民の方の支援に重きを置いた対策を行う自治体もございます。ごみ屋敷の家主の方へは、先ほど確認しましたように、認知症の方ですとか精神疾患のある方、生活意欲が低下したり生活機能が本当に低下している方が考えられます。
 今、伺った中で対応を行っていただいていることはわかりましたけれども、例えば、こういった方がごみの撤去などを無事に終えて、ごみ屋敷の状態から抜け出したとしても、その方が施設入所などをされず地域に引き続き居住される場合には、再び生活環境が低下したり、本人の健康状態が悪くなって、またもとの状態に戻るといったことのないように、再発を防止する見守りなどの持続的なケアが必要だと思いますが、こういった持続的なケアへの見解と対応につきましてお伺いをいたします。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  認知症と精神疾患、精神障害では、ごみに対しての意識に違いがございます。認知症の場合は、ごみと理解していても捨てる行為ができなくなり、たまっていくことが多く、認知症の進行ぐあいなどを見きわめながら介護保険サービスの提供、導入、施設入所することで解決が進み、ごみの問題もあわせて解決する場合がございます。
 これに対しまして、精神疾患や精神障害のある方は、その人自身特有の考え方やこだわりがあり、周囲の人との関係をうまく築けないという特性もございます。第三者にはごみと思われるものを本人が理解、納得しない状態で強制的に片づけても、もとの状態に戻ることが明らかなため、関係機関と連携を図りながら、生活全般を視野に入れ、対象者の特性に合わせた粘り強い継続支援が必要になるものと考えております。
 
○19番(久坂くにえ議員)  本当に、ごみを片づけてもそれで終わりではなくて、それ以降のケアも本当に大事となるということで、そういったことを続けられるような体制をぜひ整えていただきたいと思っております。
 それで、ごみ屋敷につきましては、ごみ屋敷そのものだけではなくて、ごみ屋敷とその周辺住民の地域の課題につきまして伺ってまいりたいと思います。ごみが家の中だけにとどまらず、外から見て一見してごみ屋敷とわかる場合には、先ほども申し上げましたけれども、地域の景観を損ねて、地域コミュニティーからは阻害要因と認識されて、そのごみの状況がすぐ改善されない場合には、家主の方が地域から孤立をして、ますますごみが堆積して、状況が悪化をすることも考えられます。
 ごみ屋敷の対応につきまして、行政は支援を行っていること、また、その状況につきまして地域と一定の情報共有を行っていくこと、また、こうしたごみ屋敷によってストレスを抱えてしまった、そういった周辺住民の方の支援は、私は必要だと思っております。こういった対応や支援につきましてはどのようになっているのか、お伺いをいたします。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  これまでも自治・町内会の方や周辺にお住まいの方に対しまして支援状況などの概要説明を行うなどしておりますけれども、個人情報の保護の観点から、対象者について細かい説明ができていないことや、ごみを強制的に片づけられないこと、ごみ以外のケアも行っていることが周囲にはなかなか見えづらいことなどから、現在は十分な理解を得られているとは言いがたい状況にございます。
 対象者が抱える問題を理解してもらうために、一般市民向けのセミナーや民生委員児童委員協議会での研修などを実施し、精神疾患や精神障害に対する理解、啓発に取り組んでいるところでございます。
 
○19番(久坂くにえ議員)  今おっしゃっていただきましたように、なかなか理解されないなということを私も思っております。ごみが片づくことが本当に住民の方にとって一つのゴールでありまして、しかしながら、行政は家主の方への対応を、ケアを重要視されておりまして、そこら辺がなぜそうなんだろうというところが、理解が進まないなと思っております。
 というのも、周辺住民の方は、そのごみ屋敷を毎日毎日目にしながら生活をしておりまして、いわばその風景や状態に耐えているんですね。ですので、本当に家主の方への支援が一体どういうものであって、どんなことを行っているのか、また行政は何を目指しているのかということを丁寧に御説明して、共有をしていただくこと、また、支援はきちんとやっていて、継続しているんだよということを近隣の皆さんにも理解してもらうことは非常に重要であると思います。こちらにつきましては、先ほど、セミナーですとか、そういったことを開催するということもお話をいただきましたけれども、それも含めた相当な御努力をいただきまして、御理解をしていただく、そういったさらなる努力を求めたいと思います。お願いいたします。
 一方で、先ほど町内会の方が樹木を伐採したというようなお話もあったんですけれども、自分たちの力で、地域の力でこうしたごみ屋敷に対応したいと考える地域があった場合には、一定の支援があってもいいのではないかと私は思っております。
 東京都足立区では、こうした地域の方が実際にごみ屋敷のごみ撤去などに動いていただいた場合には、団体に対しまして、5万円を上限に片づけるための物品や消耗品費の支払いを行っていますし、活動時の洋服の貸し出し、そういったことを行う規程も持っております。地域の方に一緒に動いていただく仕組みを整えることで、生活環境を改善する役割を担っていただけるかもしれません。
 また、先ほどの事後ケアの中で、例えば見守りについて地域の方の力をいただくこともあるかもしれません。地域の方をこうした活動に積極的に動いていただく、こういった仕組みをつくってはと私は思っていますけれども、実際、今、市の中でこういった補助を行っているのか、そういった現状につきまして、お伺いをいたします。
 
○石井康則 環境部長  現在のところは、その地域の方がごみの撤去について御支援をいただいた場合の、例えば謝礼ですとかの支援ですね、こういったことは実施をしていないというところでございます。
 
○19番(久坂くにえ議員)  協働といった意味で、地域の方の力がますます重視される中で、仕組みを検討することが必要だと思っております。後ほども触れますが、御検討いただきたいと思っております。
 さて、各部署の皆さんの精力的な動きによりまして、先ほど来お伺いしておりましたように、ごみ屋敷については、解決しているケースもございますが、解決に至っていないケースがあることは先ほどお話をいただいておりました。中には、数年来にわたってごみが散乱した状況が続いて、地域の方がこれ以上は耐えられない、そんな様相を呈している家屋も市内にはございます。
 ごみにつきましては、先ほど部長の答弁にもございましたけれども、外部から見たら明らかにごみであるのに、本人にとってはごみでない、そういったごみについての認識の乖離ですとか、そもそも家主の方とコミュニケーションがとれないコミュニケーション不全といった本当の難しさがございますけれども、こういった解決に至らないごみ屋敷についてはどういうことが課題としてあるのか、認識されているのか、お伺いをいたします。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  御案内のとおり、第三者が見るとごみと思われるものでありましても、対象者の居宅内にあるものについては財産であり、所有権の観点から勝手に処分することができないという問題がございます。また、対象者の経済的理由や、家族や親族との関係が希薄になっていることが、解決が困難になっていることの一つの原因であると考えています。対象者の特性を理解し、その人との人間関係を築き、少しずつ対象者が変化し、ごみという認識ができるよう、長期的にかかわることが大切であると考えています。
 
○19番(久坂くにえ議員)  本当にごみにつきましては、今おっしゃっていただきましたように、勝手に処分できないですとか、経済的なこと、また、御本人の人間関係につきまして課題がある中で、課題が解決に至らず長期的になっている、そういったことをお伺いしておりました中で、ただ、この問題をどうしていくのかというようなことを、本当に長期化していいのかというような課題があると私は思っております。
 と申しますのも、ごみ屋敷については、家主本人へのケアが重要視されるのは当然なんですけれども、先ほど来お話をしておりますように、周辺住民の方にとってはそのごみ屋敷の風景は毎日毎日そこにあるものでございます。周辺住民の方の御努力ではどうしようもなくて、耐えられないほどの状況を長期的にもたらしたときは、本当に家主本人のケア、そしてまた周辺住民の方へのケア、そのバランスをどうとりながら行政として対応していただくのか、こういったことがごみ屋敷の投げかける課題だと私は思っております。
 ごみ屋敷を抱える自治体、鎌倉市もそうなんですけれども、そういった点に苦慮しながら対応していただいているわけですが、先ほどからお話をしておりますごみ屋敷、対応の条例を制定している足立区ですとか京都市、また、御本人のケアや周辺住民の支援のことを重視して条例を制定しようとしている世田谷区など、こういったごみ屋敷に関連する条例が数々ございます。こういった条例を制定することで、ごみ屋敷の定義を明らかにしていただくこと、御本人にとっては財産であっても、周辺の住民の健康を害したり環境を悪化させる状況は、対応すべき不良状況として、行政の対応の入り口と条例では明確化できます。
 また、一般的にこうした条例の中では、ごみ屋敷に対しての調査や立ち入り、また、首長の命令や公表、代執行、そして財政的な支援や審議会などの設置を規定しております。支援につきましては、重ねて申し上げますと、庁内連携による家主への生活再建や、また、先ほど申し上げました自治・町内会などへの支援、また、求償はするものの、ごみ撤去費用の負担などが含まれていることもございます。また、支援につきましては、高度な専門性を持つ弁護士や医師などを含めた対応を図るため設置する審議会で検討を行いまして、事案に対してより高い連携性を持ちながら行動することが担保されております。行政がこうしたごみ屋敷に対応する際の法的根拠、また、市として積極的にこうしたごみ屋敷に対応するんだ、そういった姿を明確に打ち出されております。
 鎌倉市におきまして、現時点で未解決のケースも含めまして、今後、ごみ屋敷は、ふえていくことはあっても減ることはないと私は思っておりまして、条例制定をする意義は多分に高いと私は思っております。市でごみ屋敷に対応するための条例制定につきましての考え方をお伺いいたします。
 
○石井康則 環境部長  今、御紹介いただきましたように、不衛生な物品等が蓄積をして、居住者及び周りの生活環境が著しく損なわれている状態を改善するための条例を整備している自治体があることは認識をしてございます。その内容についても、居住者への福祉的な、あるいは医療的な支援、居住者の生活状況等の把握、立入調査、指導、勧告、命令、公表、代執行の実施、また、公平性とか客観性を確保するための審議会の設置などが規定をされていると認識をしてございます。
 本市におきましては、まず、関係部局が連携をいたしまして、現状の把握と課題を整理いたしまして、先進的に取り組みを進めております事例を参考に、居住者へのアプローチ、またその不衛生な状態の解決に向けた取り組みを検討してまいりたいと考えております。
 
○19番(久坂くにえ議員)  連携とかやっていただいておりまして、本当に御努力をいただいていることもわかるんですけれども、なかなか検討だなと、今の御答弁ではあったんですが、最後に市長に考え方を伺っていきたいと思うんですけれども、ごみ屋敷につきまして、先ほど来、周辺住民の方が本当に御苦労なさっているというお話をさせていただきました。
 もちろん、ごみ屋敷につきましては家主の方への丁寧な対応をしていかなければならないんですけれども、一方周辺住民の方にとっては本当に御負担になっております。それを地域の脅威と表現する地域もございまして、ある地域の方は、今まで私たちは地域コミュニティーの推進と言われて、本当に一生懸命いろいろやってきました。だけれど、こういったごみ屋敷を地域に存在させること、これを見過ごすことでいいのか。こんなことを見過ごして、地域コミュニティーなんてきれいごとは言っていたくないといったようなお話もいただいたことがありまして、本当に地域の方に御負担をかけているごみ屋敷の課題なんだなということを私は痛感をいたしまして、申しわけない思いでいっぱいになりました。
 一方、今、伺ってきたように、行政の方々も御努力をいただいておりまして、いろんな制約がある中、家主の方へのコミュニケーションが難しい、本当にいろんな状況がある中で、御努力もわかっているんだけれども、この状況をもう一つ前に進めるために、強い動きをお願いしたいと思っておりまして、今回の質問をさせていただきました。
 最後に、市長に条例制定を含めた市の積極的な取り組みについてお伺いをいたします。
 
○松尾崇 市長  るる御質問いただきましたように、居住者の方が何らかの課題があってごみの排出ができない状況によって、居住者はもとより、周辺の住民の方々にも大変御迷惑もかけているという状況が、今後も、これは状況から見ましても、減ることはなく、ふえていく可能性があることなんだろうなと感じています。
 ただ、ごみを片づければ終わるという話ではないということで、根本的な解決のためには、きめの細かい医療的、もしくは福祉的なアプローチによって、粘り強い継続的な支援ということが必要なんだろうと、るる御答弁させていただいたところでございます。
 そういう意味においては、今、市としましては、庁内横断的な連携をとりながらアプローチをしているというところでございまして、対応しているところでございますけれども、議員御提案のような、より強いメッセージ、条例化も含めた取り組みというところでございますので、今、こうした課題というところを捉えながら、今後そうした動きも視野に入れながら、より積極的に検討してまいりたいと思います。
 
○議長(前川綾子議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (11時29分  休憩)
                   (13時10分  再開)
 
○議長(前川綾子議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 なお、上畠寛弘議員の一般質問に関連して、議長職権により資料を配付させていただいております。
 一般質問を続行いたします。次に、上畠寛弘議員。
 
○7番(上畠寛弘議員)  それでは、12月定例会の一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今、鎌倉の政界は大変いろいろな問題が噴出しており、市民の皆さんもどうなることやらというような形で、ますます政治不信が強まっていくんじゃないかなという懸念はしております。私も議員という職責を持っている身として、きちんと選挙で信託を勝ち抜いてきた身としては、やはり市民の皆様からいただいた信託の期待に応えるべくしっかり頑張りたいと、そのような思いをしております。選挙をして勝った身としまして。
 それゆえに、そういうふうにして鎌倉市民の方の期待を裏切るような行為をするような方々に対しては許せない思いもございます。いろいろな言葉、ちまたでは老害という言葉もありますけれども、私は老害という言葉で一緒くたにお年寄りを批判するのは間違いだと思います。老害というような存在もいらっしゃると思いますけれども、知恵のある方、経験のある方、たくさんいらっしゃいますので、そういった方々の意見はきちんと傾聴して頑張ってまいりたいなと。27歳最後の質問になりますので、27歳の若者としてしっかり質問したいと思います。
 きのうは松中議員と紅葉を追いかけて、源氏山公園、そして東慶寺に参りました。そこで、三木内閣で労働大臣を務めた長谷川峻大臣のお墓が東慶寺にあると松中議員から教えていただき、お参りをいたしました。人事労務、労働法制の真理を追求し、政治家としての専門畑にしてまいりたいと私自身思っております。その者といたしましては、この三木内閣の長谷川峻労働大臣、また、福田赳夫内閣の石田博英労働大臣、よく「石田バクエイ」と言われますけれども、この方々の労政は見事なもので、やはり目指すべき姿だなと思っております。長谷川大臣いわく、労使関係は人間関係である。しかし、法律関係であるという言葉は、まさに本質を突いたところでございます。本日もそのようなことを頭に置きまして、しっかりと質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 まず、通告は、労働のことではなく、文化財部から質問に入らせていただきたいと思いますけれども、一般質問の時間、たった2時間しかございませんので、こちらも早口になりますが、どうぞ部長方、市長、また副市長、御協力のほどよろしくお願いします。
 まず、文化財部の質問に入らせていただきます。通告に従いまして、まず国宝館の活動、この充実についてお伺いしたいと思います。
 国宝館の館長と、松中議員に取り持っていただいて、お話しする機会もございました。ほかのすばらしい博物館、美術館における展示というのはすばらしいもので、鎌倉市でもこういった展示をすれば、さらなる市民の方々の歴史・文化への理解も深まり、また、アカデミック、そういったところの追求も深まっていく、そういう意味では、鎌倉市における国宝館の存在は大事なもので、こういったところの充実は大変進めていかなくてはならない、まさに古都鎌倉と言うのであれば、国宝館の充実なくして古都鎌倉なし、そういう思いがございます。
 実際に国宝館、手狭な環境でございますけれども、学芸員の皆様、館長、さまざまな努力をされて、いろいろな企画特別展をされていたり、また、子供たちの描いた絵を展示することで、あのような国宝館という格式あるお名前のある施設で展示されるということは、子供たちにとっても誉れになるすばらしいことだなと思っております。
 実際にどのような展示をしているのか、文化財部としてどういうふうに企画特別展を行っているかという、まずその現状、具体的な内容について教えていただけますか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  鎌倉国宝館における企画特別展でございますけれども、例年、年間5回から7回実施しているところでございます。ちなみに、平成27年度の企画特別展を紹介させていただきますと、まず、4月から5月にかけまして長谷寺と鎌倉の名宝展、それから、5月から6月にかけましては、常盤山文庫名品展としまして、鎌倉禅林の墨蹟と頂相展、そして7月には平常展として平成26年度市新指定文化財展、さらに7月から9月にかけましては「ミホトケをヒモトケ!」と銘打ちます仏像入門展、9月から10月にかけましては国宝鶴岡八幡宮古神宝展をそれぞれ開催いたしました。
 現在は、10月から鎌倉震災史展を開催中でございまして、これはメディア等にも取り上げられまして、なかなか好評を博しておるところでございます。
 今後の予定でございますけれども、明年1月から2月にかけましては「肉筆浮世絵の美−氏家浮世絵コレクション−」展、2月から3月にかけましてはひな人形展をそれぞれ開催する予定でございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  今、さまざま御紹介をいただきました。
 震災展に関しましては、昨年、佐倉市の国立博物館で私と松中議員も見たところ、鎌倉市から提供されているすばらしい記録、関東大震災の絵巻等もありまして、それが実際鎌倉市民として見たことがなかったものですから、それを鎌倉市で実現されたということは、大変私としてもうれしい思いでございますし、そういった内容について、どういったことが過去にあったのかと、まさにビジュアルで見るということもそうですし、あれを記録したその思いとは何なのかと、絵巻にして、その背景は何だったのか、描かれた作者の思いを考える、そういったところに、後世に残していきたいと、そういった思いもあったのかなとあわせて見ますと、大変そういったものを今現在において展示することは大変意義深いものであると、私としても考えるわけでございます。
 しかしながら、先ほど申しましたとおり、やはり展示会を行うに当たっては、なかなか、手狭な場所であったりとか、ほかの自治体の特別館とか美術館等のそういう予算と比べて、国宝館に対する予算というのは私としては少し少ないんではないかと。これで本当に、理想のとおりの展示等ができているのかなと心配になるわけでございますけれども、実際、実施に当たっての課題、また、必要な予算、課題と言えば施設もあれば予算面でもありますけれども、そういったところの課題、また予算は十分に確保できているのか、そのあたりについては、文化財部としていかが御見解をお持ちですか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  国宝館の事業につきましては、全市的な厳しい財政状況、その中で限られた予算を有効に最大限活用していくということで、創意工夫に努めながら事業を実施している、こういうところでございます。
 主な例といたしましては、出版物として毎年秋季特別展に図録を刊行するほかに、仏像の見方について易しく解説した「仏像のキホン」、あるいは日英2カ国語によります「鎌倉国宝館収蔵名品目録」といったものを刊行して、これを有償で頒布するというようなことで、歳入の確保に努めているところでございます。
 また、毎週土曜日に開催します列品解説を初めとしまして、随時対応します特別解説、公開講座、出前講座、講演会、そのほか、先ほど議員御紹介いただきましたけれど、本年度からはワークショップとしまして夏休みこども仏像教室を開催するなどいたしまして、来館者の増員、これを目指しているところでございます。
 なお、これも先ほど議員から御紹介ございましたけれども、鎌倉国宝館は昭和3年に建築されまして、もう既に90年近くを経過してございます。これまでも適宜施設の改修等を行ってきたところではございますが、今後も展示ケースの免震化であるとか、資料搬出入用のエレベーターの更新であるとか、さらには、オリンピック・パラリンピックを見据えまして、バリアフリーの対策、こういったことも課題として解決していかなければならないと。しかしながら、こういったことにつきましては、財政状況を見きわめながら適切に対処してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  わかりました。そういった課題について私と同様な認識でございました。
 実際に財政状況も大変苦しい中で、いかにして文化財の行政を進めていくかというところは、頭を抱えて悩ましい問題だなと思うところでございますけれども、鎌倉市は、鎌倉であるゆえんというのは、この鎌倉の歴史、そういったものを考えたときに、鎌倉市がほかの自治体と違うのは、その背景があり、鎌倉という名がその自治体名についていると。そういったところを考えれば、文化財行政というのは本当に投資しなくてはならない、鎌倉市としては必須な行政ではないかなと思いますので、本件、この後、展示だけではなく研究の充実についても質問させていただきますけれども、これについて市長もよく聞いていただいて、そのあたりの問題意識を共有できればと思います。
 現在、重点項目にも入っておりますけれども、史跡管理についてということで、市内には多くの重要な史跡が多々あります。それらの史跡、維持管理上、いろいろ買った後が大変だというようなことも話も聞きますが、そのあたりの課題についてどういった御認識であるか、これについてもお願いいたします。
 
○桝渕規彰 文化財部長  市内には国、県、市の指定を受けております史跡が42ございます。そのうち19の史跡につきましては、市が所有者あるいは管理団体として適切に維持管理し、積極的に公開活用を図る必要があります。
 これらの史跡のうち、現在、本市におきましては、永福寺跡につきまして積極的な公開活用を図るべく整備を行っておりますが、他の史跡は未整備ということでございまして、さらに、維持管理が必ずしも十分に行き届いていないということにつきましては認識してございます。
 史跡の維持管理につきましては、危険箇所の草刈りや高木の伐採など必要な経費を予算化しているところでございますが、限られた予算の中、平地の草刈り、あるいは倒木の処理などについては職員が対応しているような、そういう状況でございます。
 今後は、市民と協働ということで史跡の管理を行うなど、経費を抑えながら管理をしていく方法などについても実施することとしておりまして、さらなる創意工夫を重ねまして、適切な維持管理に努めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  後ほど、人員がそういった草刈り業務、そういったところに割かれているといった状況を考えたときに、本来するべきアカデミックであり、そういった研究、そこのあたりが本来やるべき仕事はそちらですよね。それについて支障があるのかなと思いますので、このあたりについては後ほど市長部局にもお話を伺いたいと思いますけれども、具体的なところになりますけれども、釈迦堂トンネルについて、前回、9月議会においてまた松中議員が取り上げられていらっしゃいましたけれども、私も釈迦堂トンネルを見にまいりました。崩落の危険等の状況についての認識や課題について、その際にもお話が市長部局からもございましたけれども、このあたりについての課題、認識はどういうふうに考えていらっしゃるのか。お願いいたします。
 
○小礒一彦 都市整備部長  釈迦堂切通周辺の道路でございますけれど、崩落の危険がございますことから、昭和52年から通行禁止としておりまして、現在、大町側、浄明寺側、両側にバリケードを設けてございます。平成25年度に実施いたしましたトンネル目視点検の結果では、トンネル天井部の岩盤にひびが入っていることが確認できるなど、今後崩落する可能性を示す箇所があると報告を受けております。道路の通行を確保するためには根本的な安全対策が必要でございますが、上部の史跡の保護や景観の配慮など、両立しなければならない課題があると認識してございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  今、崩落の可能性があるというお話ございましたけど、トンネル、その上には何より大事な史跡があると。当然ながらトンネルが崩落してしまえば史跡もパアになってしまいますけれども、実際にこの釈迦堂トンネルにおける環境によって、まさにその史跡、これについてはどうなんでしょうか。危機的状況だと、それは文化財部長として御認識ありますか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  この大町釈迦堂口遺跡のトンネル部分につきまして、トンネル自体につきましてはこれまで大規模な落石等が発生したということはございませんが、ただいま都市整備部長からお答えいたしましたとおり、崩壊に至る可能性を示唆するような、そういう箇所があるということでございまして、史跡の保護上問題なしということでは決してないという認識を持っております。ただし、直ちに崩壊してしまうのかどうかという危険性、これを科学的、具体的に把握できている状況ではございません。
 
○7番(上畠寛弘議員)  まさにその状況、1年もつのか、10年でももつのか、半年でもうやばいのか、いろいろ問題ありますよね。しかも、どのあたりが問題あるのかというのは、具体的な箇所まではわかっていないと。
 そういった中で、調査がまず必要だと思いますけれども、今後の安全等の調査、これについて分析等行う予定、これについていかがですか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  文化財保護の観点から、このトンネルの上部のやぐらをしっかりと保存していく、そのためにはトンネルを保護するということになろうかと思いますが、崩落の危険性、これを把握するために、専門的な調査というものを早急に実施したい、このように考えているところです。
 
○7番(上畠寛弘議員)  わかりました。実際に危機的状況があり、いつ崩落するか、直近の課題なのか、長期的にまだ見ても大丈夫だというのか、いろいろな中身、とにかく調査しないとわからないという状況ですので、早くしなくてはならないと思いますけれども、こちらも予算の関係があると思うんですね。しかしながら、これは国指定の史跡であり、これまでいろいろなところで市民の方から残してくれ、保全をしてくれという建物などとは違い、明らかに日本国として守っていかなくてはならないものだという状況であると私は思います。
 これについて、ぜひ市長のお考えも伺いたいんですけれども、ぜひ調査は早急にしていかなくてはならないと考えるところでございますけれども、市長として調査するお考えとか、そういったところに対する御理解はありますか。いかがですか。
 
○松尾崇 市長  今、文化財部長が答弁しましたように、早急に調査をする必要があると考えています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  承知いたしました。ぜひ、国の指定の史跡ということですので、これを守っていくためにも、しっかりとやっていっていただきたいと思いますので、ぜひ教育委員会と市長部局、連携してください。
 当然ながら、釈迦堂トンネルについては文化財課だけでできるものではありません。やはり他課との協力、特に市長部局との協力が必要だと思いますけれども、庁内でどのような協力体制をとられているか、これについて、簡単にで構いませんので、教えてください。
 
○桝渕規彰 文化財部長  大町釈迦堂口遺跡のトンネル部分の対応につきましては、これまでも道路管理、あるいは景観などの関連課と協議を行ってきているところでございます。先ほど答弁申し上げました調査を実施した結果、崩落の危険性というものが判明して、崩落防止対策工事というものを実施するという検討を進める段になりましたらば、さらにこういった通行の安全確保、景観の保全などについて関係部局と十分な協議・調整、連携を図ってまいりたい、このように考えております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  今後、この釈迦堂の史跡というよりトンネルですね、今、危険だと言われているのは。これについて、景観面の観点からも守らなくてはいけないというところもあると思いますし、史跡に係る部分ですから、どのようにしたらいいかということは、市の独断でできる問題ではないと思いますが、これについて、今後、行うに当たっては、本来市の独断でやるというものではなく、文化庁に対して照会とか相談をすると、そのような流れでよろしいんでしょうか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  この大町釈迦堂口遺跡、国の史跡の指定を受けておりますので、防災工事を進める場合は、計画、そして設計を行っていく段階から適宜文化庁に相談をしながら、その指導を仰いで進めていくということになります。その場合、史跡への影響を最小限にとどめて、史跡の価値を損なうことなく、また景観に配慮した工法で実施することなどを考慮しまして、市として計画、設計、こういったものをしていく必要があると考えております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  何より調査結果に係るというところなので、調査をしっかりとやっていただいて、万全の体制で行っていただきたいと思います。
 実際にこういうことを文化財部が窓口になって相談されるかと思いますけれども、整備について市からこうやって相談して、文化庁から適切な回答があった場合、当然ながら、トンネルの部分の所管というのは市長部局の都市整備部だと思います。
 これについて、そのような何らかの文化庁からの了承というか、問題ないというような何らかの回答が得られれば、それに基づいた工法の検討というのは直ちに、速やかに行っていただけるということでよろしいでしょうか。
 
○小礒一彦 都市整備部長  先ほどからお話ありますように、釈迦堂の切り通しは市道でございますので、ただ、上が国指定史跡でございますので、文化庁から整備の考え方が示されれば、文化財部と連携しながら、通行の安全確保に向けた工法の検討をするなど、速やかに対応してまいりたいと考えております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  ぜひ速やかにお願いいたします。文化財の保全というのは喫緊の課題でございますので、特にこの釈迦堂、大変心配しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ほかにも、これから調査研究を進めていかなければいけない問題としましては、昨年も話題となりました政所跡について、これについても、文化財としてどのような体制が組まれて、実際に研究等は進んでいるのか、こういったところについてはいかがでしょうか。
 
○桝渕規彰 文化財部長  政所跡に関する調査研究でございますけれども、平成26年度に文化財部及び歴史まちづくり推進担当の学芸員を中心とする職員でプロジェクトチームを組織いたしまして、「吾妻鏡」に記されております政所の内容について調査を実施いたしました。この調査では、「吾妻鏡」に記載されております政所の記述、これを全て抜き出しまして、その記載内容を分類した上で、場所に関する記述をもとに推定地の検討を行ったところでございます。
 鎌倉市史では、政所の推定地は現在の鶴岡八幡宮東側とされておりますが、このプロジェクトチームによる調査・分析の結果からも、その可能性が高いということが再確認されたところでございます。
 一方、考古学的には、政所の位置が証明されているわけではございませんで、これにつきましては引き続き、現在までの発掘調査成果と、今回のプロジェクトチームの成果を照合していくこととともに、今後、発掘調査が行われた場合、その結果を積み重ねてさらに検証を深めてまいりたいと、このように考えております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  せっかく、今、桝渕部長は県から来てくださっていらっしゃいますので、神奈川県との連携等もしっかりとやっていただきまして、ぜひこの文化財における、やはり鎌倉市が鎌倉であるゆえんだと思うんですね、この政所跡というのは。ぜひこのあたりの調査研究を何とかしっかり進めていただいて、政所跡はどこかということを明らかにしていただきたいと思います。
 今、調査研究についていろいろ伺いましたけれども、これらを行う上での課題というのは、先ほども部長からの御答弁でありましたとおり、草刈り等の業務が、本来学芸員がやるべきことではないのにもかかわらず、そういったことについても時間がとられてしまって、本来業務である研究等に支障が出ているというお話も伺いました。これについて、史跡の草刈り業務は学芸員がそもそもやるというような内容ではないと思うんですね。当然ながら、発掘調査とか、そういった肉体的ないろいろ調査は必要だと思いますが、史跡を購入した後の、ただ草刈りをするといったこと、これについてはどういうふうにやればいいのかといえば、本来学芸員がやるのではなく、実際に人員を鑑みたときに、教育委員会だけではなく市長部局の協力も必要だと思います。
 実際に今、環境部では、新たに人員を採用することは不補充だと、計画として進められていらっしゃいます。そのことを考えて、実際に外部委託も進めていて、どちらかというと環境センターの人はどんどん減らしていきたいというような方針で進めていらっしゃるんだと思いますけれども、当然ながら、人員を減らしたいからといってすぐに解雇、首なんてすれば、労務リスクが発生いたしますから、こういったときには、ぜひ、例えば草刈り業務ということについて、技能労務職の方で、環境センターにいらっしゃる方で、そちらに移ってやっていただくことは可能なのかとか、また、バランスを考えないといけません。実際に、それで環境センターから草刈り業務に移ることによって、環境部の外部委託が進んでしまいますから、そのときに、それなら文化財部で外部委託するほうがコストが安いのか、そういったバランスというのはきちんとコストで考えなくてはならないと思いますけれども、とにかく学芸員に本来必要でない業務をさせてしまっていて、行わなくてはならない研究が滞ってしまうということは、懸念するところでございますけれども、このあたりについて、外部委託、技能労務職の活用、これについて、経営企画部が行革を推進されていらっしゃいますので、このあたりいかがでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  全く議員御指摘のとおりで、本市においては民間でできることは民間に委ねる、これを基本としまして、これまで他都市と比較して人数の多い技能労務職、こちらについては、退職者不補充を原則として、委託化を進めてきているところです。
 文化財の草刈り業務についても、こういった考え方からは、まず委託化の検討、これが必要かなと考えております。御指摘のとおり、文化財の草刈り業務に他部署の技能労務職を従事させれば、異動元の職場の技能労務職が不足して業務委託が必要になってしまうようなことも発生することが考えられますので、史跡の草刈り業務を技能労務職でやるべきなのかどうか、費用対効果も見据えた上で検討していくことが必要と認識しております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  経営企画部の御協力が必要ですので、このあたり、コスト面においてもある意味効果があるかもしれませんので、ぜひとも次の予算においても検討していただきたい、そういったところでございますが、それは要望させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
 退職者不補充というその原則と外部委託のバランスということは、後ほどの人事戦略、労務管理のところでも指摘させていただきますけれども、まず、経営企画部として文化財保護に関してどういうお考えなのかなというところは聞きたいと思います。
 当然ながら、財政はそんな潤沢な状況ではございません。実際にさらなる予算というのは、鎌倉市が鎌倉であるゆえんだと思いますので、必要なところにはちゃんと必要だと思いますけれども、今後、実施計画に登載して、重点事業化する、そういうお考えはどうなんでしょうか。経営企画部としていかがですか。
 
○比留間彰 経営企画部長  現在の実施計画は、第3次総合計画第3期基本計画前期実施計画といたしまして、平成26年度から平成28年度までの計画になっております。その中で、重点事業につきましては、東日本大震災の経験を踏まえまして、安全な生活の基盤づくりにつながる事業を中心に、そのほか計画期間内に達成すべき事業を登載しているものでございます。
 文化財関連分野の重点事業は、現在、史跡買収事業及び史跡環境整備事業を位置づけておりますが、今後この分野の拡充につきましては、来年度に予定しております後期実施計画の策定作業の中で判断していくことになってまいります。
 
○7番(上畠寛弘議員)  部長としてそういう御答弁、大体予想はつきましたが、ぜひとも文化財行政への理解をいただきたいと思います。
 市長としても、そういった思いも鎌倉市長として、歴史ある鎌倉の市長をされていらっしゃるので、文化財保護行政についてそういう理解はあるのだろうと思いますけれども、御成小の旧講堂や、そのほか旧図書館等も大事だと思いますけれども、近代以前のさらに古い中世の部分、そういったところについてはもう手をつけていかなくてはならない、中世より以前のものも、さらに研究していかなくてはならない分野というのはさまざまございますけれども、市長としてのリーダーシップがこれについても必要不可欠だと考えておりますけれども、市長として文化財全般についてどのようにしてまいりたいのか、そういった思い等ございましたら伺いたいので、よろしくお願いいたします。
 
○松尾崇 市長  鎌倉時代以降の社寺にかかわるこうした文化財、これは鎌倉が世界に誇るというんでしょうか、そういう文化財だと思います。鎌倉が持つ、ほかの自治体ではもちろんまねすることができない、鎌倉特有のものだと思います。
 これらを保護していくためには、国や県との連携をまさに強化をしていくということも重要だと思いますし、所有している社寺ですとか、そういう関連機関との連携ということも今後ますます重要になってくると思っています。特に、今、インバウンドという中では、観光行政の大きな一つのかなめにもなってくるということになってまいります。そうした意味で、大変重要なものでございますから、今後、より一層力を入れて、この文化財を活用というんでしょうか、保護のみならず積極的な活用も含めて進めてまいりたいと思っています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  これについては、市長、期待しておりますので、ぜひお願いいたします。本当に守るべきところ、調査すべきところをきちんとやっていただきたいと思います。議会の側からもきちんと応援してまいりますので、よろしくお願いします。
 では、技能労務職の活用等質問させていただいておりましたけれども、次の項目に移りまして、実際に、今、外部委託化の推進という話がございました。法理上、ほかにもごみ行政に関しての退職者不補充というような考えだとおっしゃっていますけれども、実際にほかにも外部委託できる部分というのはさまざまあると思います。それこそ窓口業務であったり、ほかにも用務員、そういった業務、いろいろな業務を外部委託にしたほうがコストとしては安いんじゃないかと思うところもございますけれども、実際に外部委託等をしてそういった事業が改廃された場合、要は、業務として市職員が行う業務ではなくなった、要は委託等をしたことでなくなった場合、そういうときに、人員整理というのは、民間では行うかと思うんですけれども、これ、市役所の場合に、そういう人員整理のために職員を解雇するということは、法理上はそういったことは可能なのか。いかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 総務部長  地方公務員法に定めがございまして、職制もしくは定数の改廃または予算の減少を理由として降任または分限免職を行うことが可能であると、こうされてございます。
 しかしながら、職員にとっては重大な問題でありますことから、実際に降任または分限免職を行う場合には、前提である職制及び定数を改廃するとともに、予算上の減員措置もあわせて明確にした上で行う必要があると考えてございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  わかりました。私も逐条解説で勉強させていただきまして、定数の改廃または予算減少、職の廃止、人員が過剰となったときはそういったことが可能であると思います。
 何より、少ない資源でございますから、そういった限りある資源、そういう財源をいかに効率的に運用するかというところを考えたときに、そういったところをもっと考えて活用していただきたいと思います。ぜひ、前回も取り上げましたけれども、足立区の例とか、そういったところを研究していっていただいて、そのあたり、労務管理としてどのようにそういった労務リスクを軽減させていったのか、そういったところもぜひ研究していただければと思います。
 実際にそういったところも行っていただきたいと思いますけれども、これ質問前後しますけれども、いろいろと技能労務職のあり方、ほかの自治体に比べて過剰になっているところを考えたときに、どうすればいいのかなと。すごい技能労務職イコール単純労務職と法的には決められているというような見解をお持ちなのか知りませんけれども、技能労務職は労働組合を結成できる。ゆえに、労働組合にいらっしゃる組合員だから、なかなかそこの整理、解雇というのはできないと。だから、退職者不補充というような手をとっていらっしゃるのかなと思いますけれども、文書質問でも伺いましたけれども、技能労務職と単純労務職は同義語であると答弁を総務部はされていますけれども、全ての技能労務職員が単純労務職と言えるのか、これについていかがですか。
 
○佐藤尚之 総務部長  まず、総務省にあります研究会の報告書におきまして、この技能労務職という言葉を用いてございます。法令上は地方公務員法に規定する単純な労務に雇用される者という語が用いられてございます。地方公務員法を所管している総務省においてこのような取り扱いを行っていることから、技能労務職と単純労務職は同意語であると一定の中では考えてございます。
 ただし、地方公務員法制定時から相当の時間が経過してございまして、現在の技能労務職の業務の実態については、単純な労務という語から受ける語感とは一致しない部分があるのではないかとは考えてございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  私も労組法の適用の職員の範囲として、今、御紹介ありました総務省が使っている廃止された政令、これに基づいて判断されているということなんですけれども、実際に地方公務員法附則第21項に規定する単純な労務に雇用される職員とは、一般職に属する地方公務員で左の各号の一に掲げる者の行う労務を行うもののうち技術者、監督者及び行政事務を担当する者以外の者をいうと政令には書いているんです。これお持ちですよね、そちらでも。技術者と書いているんです。
 ここの政令はなかなか、そのまま読むのも厳しい文言が、過去の政令ですので、ございますけれども、中には小使さんだとか、清掃夫だとか、そういったことをそのまま政令として総務省は使うようにと言っている。これは実際、総務省行政、また立法の怠慢であると、こういったところで、廃止された政令に基づいて自治体に判断しろなんて、そんなおかしい話はないと思うんですね。
 紹介したとおり、技術者以外の者を単純労務職というような考えだとなっていた場合、実際に鎌倉市の技能労務職、これは今ぱっと挙げられますか。そらで。
 
○佐藤尚之 総務部長  全部一くくりで話すのは難しいと思うんですけれども、例えば、現場の作業の中でいろんな工作機械を使うような場合に、いろんな免許を持たなきゃいけない。溶接の技術とか、フォークリフトの技術とか、そういったことを広く考えますと、これが単純労務なんですかという議論はございまして、本市における技能労務員、いろいろな業務に携わっていただいているんですけれども、そういった意味においては、先ほど御答弁させていただいたように、単純な労務という受ける語感とは大分ずれるのかなという認識は持ってございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  今、総務部長が御答弁されたとおり、かなり不安定な状況にあると。それぞれの解釈も不安定なんですね。無理くりこの字からして判断できるようなこと、実際に運転手を運搬夫なんて今言いませんから。そんなこと言ったら大変な問題になります。しかしそういった政令をいまだに引用しろと総務省は言っていると。
 そんな中で、ただ、一つの政令の中では、技術者は除くと書いているというのは、これまたなかなか悩ましいところでございますけれども、今の、総務部長の御紹介あったとおり、技術者は実際にいらっしゃると思うんです。だから、その技術者の方々は、この労組法適用の職員の範囲には該当しないと思うんですね。
 要は、公務員における労働組合法の適用の職員の範囲というのは、あくまでも単純労務職でございますから、技能労務職ということはございません。ですから、実際に本当に単純労務職なのかと。実際にこの人は技術者ではないのかと。実際、鎌倉市における単純労務職といわれる技能労務職の方々が加盟している、いわゆる現業評議会ですね。現業評議会の方々が全員そもそもこの政令に規定されるような方々であるのかと。実際に御本人たちは、我々は高度な技能を持っているとおっしゃっていますし、実際、その作業センターの方々なんて、すごい技術者でいらっしゃると思いますよ。それを、イコール一般職に属しない単純労務職であると判断するということは、なかなかできないと思うんですけれども、これについて自治体側から議論していかなくてはならないと思います。実際にこれで困っているわけですから。
 このようなことから言えば、単純労務職イコール技能労務職という、そういった文書質問の答弁がございましたけれども、改めてこういった不安定な状況であるということを考えた上で、これは市長としても研究課題として上げていただいて、まさにこれは県、総務省、こういったところにも議論を求めていっていただきたい。
 実際に第一次的な解釈、認定権というのは、鎌倉市側にございますから、そういったところ、法理上の観点、労働組合法、また地方公務員法等もありますけれども、そういったところを国にもこれはもうとにかくどういうものか定義づけてくれと、単純労務職とはそもそも何ぞやと、そういったところも議論していくべきだと思いますけれども、このあたり、市長としてぜひ文書質問でイコールと答えていらっしゃいますけれども、改めてそこは考え直していただきたい、また、検討するべき内容だと思うんですけれども、そのあたりは市長、いかがですか。
 
○松尾崇 市長  現在の市の考え方というのは、質問でお答えしているとおりですけれども、これは議論があるところだとも承っているところでございますし、そういう意味では、今後どういう形がより望ましいのか、そういう研究というのはしてまいりたいと思います。
 
○7番(上畠寛弘議員)  ぜひお願いします。それによって、今、実際、労働組合と問題になっておりますけれども、労働組合を自称する職員団体は労働組合じゃないんです。あくまでも法律上は単純労務職に該当する方が組織する労働組合が労働組合なんです。そことの労使交渉というのはかなり慎重にやらなくては、いろいろな命令等も受けてしまいますが、そのあたりの整理、きちんとやらなくては、労務リスクはかなりございますから、このあたり市長もおっしゃいましたけれども、ぜひ総務部長でも、総務部内でも検討課題として研究いただければと思います。
 委託化、実際に単純労務職における実際、これはまさに、逆にこれ一般職員じゃないとできないのかと。単純労務ではないかと。これは別に市としてかなり重要な仕事ではなく、むしろ外部委託もできるような内容も実際あると思うんですけれども、そういったところで、窓口業務の委託化の話というのは以前もさせていただきましたし、このあたりの進捗状況、経営企画部長、いかがなっていますか。9月定例会からの進捗等どうでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  窓口委託の進捗状況につきましては、平成23年度から取り組みを開始しました新鎌倉行政経営戦略プランにおいて、ごみ収集の委託化、学校給食調理員業務の民営委託に取り組み、財政成果を上げてきたところは御報告したところでございます。現在は第4次鎌倉市行政プランを策定し、委託化についても引き続き推進することとしております。
 その中で、現在、住民票等の各種証明書のコンビニエンスストアでの交付について検討を進めておりまして、あわせて支所窓口機能のあり方の検討に向けた課題の洗い出しをしているところでございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  あくまでもコストとの比較というのも重要ですし、また、リスク、何らかの災害が起こったときに、外部委託で大丈夫かというところの危機管理も必要ですけれども、とはいっても、実際に民間の企業の方々、震災があったときに対応を見ていれば、むしろ民間企業のほうがしっかりやっていたというケースもあると思います。やはり民間だからだめだとか、市役所だからいいとか、そういったような何らかの聖域を設ける、そういったことはせっかく松尾市長が今、市長でいらっしゃるので、取り払っていっていただいて、タブーを設けずに、しっかりと話し合うべきだと思います。
 実際に震災の日でも、旧国鉄、今、JRですけれども、JRでさえも、ほかの私鉄はみんな、もうすぐにでも動かさなきゃいけないとして、3・11の夜、深夜にはもう復旧していたのに、JRはいまだに動いていないと、そういったところもまだ体質としてあるのかなと私も感じたところでございますけれども、民間だから頑張るというところもあると思いますので、そういった社会的責任は今、CSRという考え方もありますから、そういったところを鑑みたときには、ぜひやっていただきたいなと思うところであります。
 民間企業のあり方について、私も民間で人事を担当しておりましたから、引用させていただくことが多々ありますけれども、私も市議会議員になって初めての一般質問で取り上げましたように、懲戒処分のあり方というのは少しおかしいんじゃないかなと思います。民間企業の感覚といたしまして、本来ならば、これはもうこの職場から去っていただかなくてはいけないような内容等もあると思うんですね。実際に鎌倉市はよく国の人事院とか国公準拠だというお話をされますけれども、実際に国の人事院が規定する懲戒処分の指針として、内容として軽いのではないかなという内容も多々ございます。本来ならば懲戒にしなくてはならないだろうということで、懲戒になっていないようなこともあります。
 そこで、先日いただきました資料においては、違法な職員団体の活動で、あおりであったりとか、政治的目的を有する文書の配布であったりとか、公務外の非行であれば横領とか盗撮行為、こういったものは懲戒処分の対象とはなっていない。実際に違法な職員団体活動についても甘いんじゃないかというような考え方もございまして、少なくとも国より今、厳しくはできないとは思いますけど、いきなり、ただ、国と同じ、もしくは国で処分すべき内容となっているのは、鎌倉市においても処分するように、懲戒指針を改定すべき内容だと思いますけれども、このあたり、市長のお考えいかがでしょうか。
 
○松尾崇 市長  人事院が示します懲戒処分の指針と本市における懲戒処分の指針ですけれども、比較をしますと、御指摘の部分で国のほうが厳しい部分がありますが、逆に市のほうが厳しいというものも多くございます。このあたり、平成14年に本市の指針は制定をしているんですけれども、その後改正等も行っておりますので、このあたりは必要に応じて見直しをしていく必要があると思っています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  今まさに必要に応じて行われるべき内容だと思います。特に、国では懲戒だけれども市では懲戒になっていない違法な職員団体活動のあおり、そそのかしというのは、国では免職または停職という重い内容になっているんですね。そういったところをきちんと労使交渉できなければ、問題だと思います。
 実際、この懲戒指針についても労使で協議する項目だとございますけれども、そもそもの決定権は市長にございますから、全て同意してもらわなきゃいけないというわけではございませんので、こういった懲戒処分について、私は国の内容でも不満なところは多々あります。
 私の2年前の質問においては、民間企業における大体の基準と公務員に対する懲戒の基準というのはなかなか乖離があると申しましたとおりでございまして、そのあたりについては市長も研究したいとおっしゃっていましたけれども、民間の感覚として、今覚えていらっしゃるかどうかわからないんですけれども、実際、市長も民間企業にお勤めでいらっしゃって、私も民間企業で制裁委員会の事務局を務めて、このあたりはこの程度の制裁だなということを、大体の量刑を決めて、それを諮るというようなことを、上長に諮って制裁を決めておりましたけれども、そういったところで、民間企業等の研究というのを、2年前から余り進んでいるようには思えないですけど、このあたり、ぜひきちんと、市長が唯一の民間人じゃないですか、市役所にいる。市民の方から信託を得ているので、このあたりは民の感覚というのを取り入れて、きちんと退場すべきものは退場させるというところをやっていただきたいと思いますけれども、このあたり、具体的なことは何か今、答弁はできないと思いますけれども、このあたりの御覚悟とか、2年前にも私も取り上げておりますので、このあたりも鑑みた上でどういった御見解をお持ちか、市長として御答弁いただけますか。
 
○松尾崇 市長  この懲戒処分ですね。指針がありまして、過去、こうした指針に照らして処分をしても甘いんじゃないかという御指摘をいただくことが多々ございました。私自身もこの処分の難しさというんでしょうか、量刑が何が適切なのかということは非常に悩む部分でございます。
 そういう意味においては、この懲戒指針自体がよりどころとしてなってきますので、この指針自体が甘いという指摘を受けないように、より正すところは正していくと。今、御指摘いただきましたように、国よりも甘い部分があるというところについては改正をしていきたいなと思います。そういう意味で、この指針に沿って処分をしていくということが必要だと思っています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  その際にはぜひ民間企業の民間のケースも、経団連等に結構そういったデータもございますので、そのあたりもぜひ活用してください。
 時間も半分過ぎましたので、市職労の庁舎不法占拠問題について伺いたいと思います。
 本日皆様のお手元にお配りさせていただきましたとおり、先日の全員協議会でもいろいろ取り上げましたけれども、こういった産経新聞以外にも、読売新聞、ほかの新聞社もいろいろ書いていらっしゃって、事務所立ち退き拒否と。市との対立激化。本当に不法占拠はいまだに続いていまして、本日も続いていると。
 実際に私も、鬼ではございませんから、いろんな代替案については理解するところでございます。福祉センターだって別にいいですよ。配らせていただいた、これ。私がきのうつくったものなんですよ。グーグルマップを使って。
 実際に星印が今、旧901号室の場所ですね。本当なら図書館の裏側を通ればもう3分ぐらいで行けちゃうんですけれども、あえて遠回りをしたケースで福祉センターまで行ったら、大体一番近いのは福祉センターだと思いますから。これで見たところ、下に書いていますとおり、350メートルで5分で行けちゃうんですね。私が実際に歩いたら4分ほどでございました。それを考えて、裏のルートを使えば3分ぐらいで行けるんだと思うんですけど、遠回りしても5分。
 この距離に、移動したくない、子供たちの福祉施設、実際に出ていかないで犠牲にして、退去せず、計画を妨害しているのは、実態として、鎌倉市職員労働組合です。計画を妨害して、さらにはサテライトの窓口をつくれと。窓口というのがどれぐらいの規模で、狭いのかなと思ったら、ひどいもので、事務員2人、コピー機も置けるように。そういった機能、当然電気も必要で、電話等も必要だと。そういった内容なのかなと思いますけれども、実際にこのような実態があって、5分のところに、しかもこれただで貸すんですよね、また。ただで貸すんだったら、こんなにありがたいスペースないじゃないですか。
 これについて、実際に、質問前後しますけれども、さっきおっしゃったような窓口、そういった場所をつくるような余裕があるのかということをお伺いしたいと思いますけれども、どうですか。実際、それであるなんておっしゃられたら、我々鎌倉市議会はあんな狭い控室で、タコ部屋みたいですよ。松中議員の部屋なんてむちゃくちゃ狭いじゃないですか。それで、事務員2人の部屋までつくって。我々だって前まで控室4人で使って、ぎゅうぎゅうな状態だった。そんなことあり得ないとは思いますけれども、サテライトのための場所を確保することは可能なのか。改めて伺いますけれども、どうですか。本庁舎内にそれは可能なんですか。敷地内とか本庁舎内に。
 
○比留間彰 経営企画部長  本庁舎内に必要な事務スペースを確保できていないことから、賃借料を支払いまして旧県税事務所を借りている状況にございます。現時点では、本庁舎敷地内にこのサテライトを設置するための場所、これを確保することはできないという状況でございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  これはできないということで確認しましたので、ぜひお願いします。
 議員だってああいう狭いところでぎゅうぎゅう詰めで、それでも我慢して、別に広くしろなんて言ってないんですよ。ですから、そういったわがまま、子供たちの福祉が何より優先ですよ。特にこの学童保育というのは、共働き家庭、ひとり親家庭の方々が働いている間に、子供たち、放課後、何らかの犯罪に巻き込まれちゃ危ないと。そういった意味でも、子供たちの放課後の居場所づくり、こういったものは大変重要なものであるわけで、実態として妨害しているのは事実ですから。出ていかないことで、そういう条件をつけて。
 これについて、まさに条件闘争に入っているなと私は考えるんですけれども、大阪市の事例で、先日、中央労働委員会の命令の内容について出ました。大阪市の中労委に関する命令の内容をどのように把握しているのか、このあたりいかがですか。
 
○佐藤尚之 総務部長  今回の中央労働委員会の命令は、組合事務所としての行財政財産の不許可とすることに関して、合理的な理由がなく、通告してから退去させる期日までの期間が短い等の手続的配慮がない場合、施設管理権限の濫用に当たり、当該不許可処分は組合活動に対して干渉となり、不当労働行為が成立するとの見解であると認識してございます。このようなことがございまして、私どももこの内容を把握してございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  実際に大阪市、中労委、これ命令が行政機関として出されていますけれども、そもそも司法の判断というのは出ておりまして、実質的勝訴の内容だと思います。これは以前にも紹介したとおり、高裁判決は市長の行政財産の目的外使用許可の裁量権行使の判断の枠組みについて、市長に極めて広範な裁量権を認めているんです。不当労働行為を認めたとしても、それだけでは不許可の違法性は認められないというような判決が出ている。これについて改めて、9月にも確認しましたけど、この内容はちゃんと把握されていますよね。いかがですか。
 
○佐藤尚之 総務部長  把握してございます。私、先ほどの答弁、正確じゃなくて、労働委員会の命令書を御紹介したいと思います。
 平成27年11月26日に中央労働委員会から命令書が交付されてございます。その内容をもう一度御紹介します。組合らが目的外使用許可を受け、継続的に使用してきた組合事務所について、市が平成24年1月30日に同年3月末日までの退去を求め、平成24年度の使用許可を不許可としたことは、その合理的理由はなく、退去まで切迫した期限になされ、理由の説明も不十分であるなど、手続的配慮を欠き、施設管理に係る権限を濫用したものである。また、それらは組合運営への干渉や支障をもたらし、市はこれらの組合らの不利益を認識しながらあえて行ったことに不当労働行為の意思もあったことと認められ、労組法第7条第3号の不当労働行為に当たるとし、大阪府の労働委員会の文書を手交する命令を容認したと、こういうことでございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  あくまでも何か重いような命令だと取り上げている方々もいらっしゃいますけれども、実際はこれ、ただ手交することを命ずる内容であって、高裁判決は当然ながら中労委が覆せるわけではございませんし、実際に先ほど紹介しましたとおり、不許可の違法性は認められないというものでございます。これについては堅持しておりますし、大体、大阪市長の意思は、後から事務所のスペースが足りないと言っていますけど、明らかに労組の弱体化をしたいんじゃないかという意思が見え見えです。
 しかしながら、穏健な松尾市長、瀧澤副市長を見ても、そういう意思は全く感じられませんし、実際に場所が足りてないのはもう、大阪市は広い大阪市役所、私も見ていますけど、でっかいですよ。場所はあるんじゃないかなと思いますけれども、実際、鎌倉市なんてこういう古い、老朽化した施設で、まさにそういう弱体化の意思なんかあるどころか、あくまでも行政計画にのっとったものであるので、何ら問題はないと。高裁判決は、これが出ているわけですが、これはしっかりと高裁判決、研究していただいて、鎌倉市には何ら不当なところはないとわかっていただきたいと思いますけど、改めて確認しますけれども、大阪市と鎌倉市ではこれは本質的に異なる問題であると認識しておりますが、これについて市としての見解、また、中労委の命令は鎌倉市に対して何らかの影響を与えるのか、これはいかがですか。
 
○佐藤尚之 総務部長  大阪市の場合と鎌倉市の場合を比較させていただきます。
 大阪市の場合は、継続して使用を認める方針を急遽転換したこと、それから、政治的活動を行うおそれの払拭や、事務スペース利用の必要性について市の検討過程が不十分であり拙速であり、不許可は合理的な理由を欠くこと、それから、退去勧告及び不許可処分の退去までに切迫した時期とみなされ、理由の説明も不十分であったことが、施設管理権限を濫用し、組合らの運営に対する干渉や支障をもたらしたというものでありまして、労使関係を壊し、組合らに不利益を与える影響がありながら処分を行ったことから、不当労働行為の意思を有しているものとして中央労働委員会が認定したものであると認識してございます。
 これに対しまして、鎌倉市でございますけれども、平成26年度当初から本庁周辺執務室改善を検討し始め、同年11月に方針を定め、同月13日には職員団体への説明を開始していること、その後も代替施設の検討や打診も行っていること、使用許可についても、当初は平成27年3月31日を期限としていたものを、最終的には平成27年10月31日までと6カ月延長し、その間に誠実な協議を行っていることなど、大阪市の事例とはその事実経過等に相違があると認識してございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  まさにそのような理由でございますので、今、神奈川県の県労委の審査委員や会長らはかなり市職労に対して肩を持っているような状況であるのかなと推察されますけれども、こういった高裁の事例等、また鎌倉市の正当性、きちんと主張していただきたいと思うところでございます。
 実際に仮処分等の手続もとって、私はこの仮処分に対しては大変な不服もあって、いろいろな御指摘はさせていただきましたけれども、今この場では申しません。それによって向こう側に有利になるようなことは困りますので。
 実際に心配しているのは、何より、去年補正予算を可決しました。総員で可決しました。ここにいる全員が賛成しているんです。旧901会議室の解体予算、今年度中にきちんとこれ執行できるんですか。10月末デッドラインと言っていましたから、できないと思いますけど、改めて確認しますけど、その予算の執行について、可能なのか否か。もう無理ですか。どうですか。
 
○佐藤尚之 総務部長  平成27年度中に解体工事を完成させるためには、平成27年12月7日に事業者選定のための入札公告、そして明年、平成28年1月6日に工事請負業者との契約を締結する必要がございます。
 この行程どおり計画を進めるためには、公告予定日である、先ほど申しました平成27年12月7日までに、職員労働組合に旧901会議室から退去していただき、空室としておく必要がございます。また、仮に同日までに退去できない場合には、工事請負契約の締結日である明年、平成28年1月6日までには退去していただき、空室にしておくことが絶対条件であると考えてございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  退去していただきって、退去させなきゃいけないんですよ。いただきなんて、もうそんなどころじゃないんですよ。不法占拠していますからね。
 実際にこういった問題について、まさに12月7日までもう間に合わないかと思います。それまでに仮処分が出たらいいですけど、その仮処分だって私は不安定なところがあると思っていますので、何とか仮処分で認めてもらえればいいですけれども、これについて我々予算可決しています。10月末、退去のデッドラインといった中で、12月7日まではと今、延ばされた感じですけど、我々議会が総員で可決した、その住民代表である意思を、組合の妨害活動によって阻害されることになる。これについて鎌倉市長としての御責任、あると思うんですね。
 市長としての責任は、当然もう何度もおっしゃっていますが、感じていらっしゃると思いますけれども、これについて、仮処分でたとえ認められなかったとしても、きちんとこれは裁判を行っていくと、そういう方針であるとは思います。しかし、これは絶対に勝たなくてはならないという意思を持って、たとえそれが最高裁に行くようなマターになったとしても、それはきちんと鎌倉市の正当な主張を論陣張って述べていくと、きちんと鎌倉市として勝訴を目指していく、そして、本来の計画を全うするということでよろしいですか。市長、いかがですか。
 
○松尾崇 市長  裁判にも負けるわけにはいきませんから、我々としては当然、まずはこの旧901会議室の解体予算を執行していくということを目指して取り組みをしていきたいと考えています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  であれば、裁判においても、高裁、最高裁、そういったところでもきちんと、敗訴に万が一なった場合、地裁はいろんな裁判官がいますから、賢明な判断をしない方もいらっしゃいます。橋下市長ではないですけど、地裁ごときに市長の判断が曲げられてたまるかと、そういったことを市長がおっしゃれば、当然ながら司法に悪影響を及ぼすかもしれませんので、十分気をつけていただきたいと思いますけれども、最高裁、日本の司法の最高な機関においての判断をとらなくてはならない場合も、きちんと、敗訴等になったような状況であったとしても、きちんと高裁、最高裁、そこまできちんと闘って、勝っていただけると。勝つかどうかはわからないですが、その方針はきちんと持っていただけるということでよろしいですね。最高裁まで。
 
○松尾崇 市長  本当にそうならないことを願いたいです。早急に退去してもらうために、まず我々努力をするわけですけれども、今回議会でもお願いしております。議案として出させていただいております。裁判においては、これはもう徹底的に闘っていくということであります。
 
○7番(上畠寛弘議員)  では、最高裁にならないことを願いますけれども、そういったことも踏まえて徹底的に闘うということでよろしいですね。もう一度答弁お願いします。
 
○松尾崇 市長  闘っていきます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  今現在、県労委でいろいろ調査が行われております。いろんな協議も行われていると聞いておりますけれども、実際に鎌倉市職員労働組合、これはあくまでも労働組合ではなく職員団体にすぎないもので、労働組合法に基づく労働組合の不当労働行為の救済の対象にはならないのではございますけれども、実際、県労働委員会の調査において、職員団体であるこの市職労の芳賀委員長が発言をされて、いろいろなお話をされていると考えておりますけれども、芳賀委員長自体は主体的な申立人ではなく、しかも代理人でもなく、あくまでも補佐人にしかすぎない。これについてはいかがですか。
 
○佐藤尚之 総務部長  御指摘のとおり、申立人である鎌倉市職員労働組合現業評議会が神奈川県労働委員会に補佐人の許可申請をして、これが労働委員会として許可されておりますので、補佐人の立場ということになります。
 
○7番(上畠寛弘議員)  そうなんです。あくまでも補佐人なんです。申立人には絶対になれないわけなんですよ。それなのに、混合して、まるで鎌倉市職員労働組合全部、もう何もかも県労委に任せて助けてもらおうとしているわけですけれども、いやいや、一般職員はまさに公僕、公務員ですから、そんな簡単に鎌倉市職労の問題として、地方公務員法に基づく職員団体が、要は県労委の命令等を受けて市長の判断等を揺るがすことはできないわけですよ。
 実際に私も速記録等は読んでおりますけれども、県労働委員会の調査においては、職員団体である鎌倉市職労の問題が議論されているケースであるとか、これは労働条件としては本来労働組合法に基づく地労委での対象にはならない、一般職員の勤務条件に係る問題についても、主に補佐人から発言されている、そういった事態にはなっているのかということで、これについてどうですか。そういう御認識はありますか。
 
○佐藤尚之 総務部長  そういう認識は持っています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  持っているということで、安心いたしましたが、本来、県労働委員会の調査においては、地方公務員法に基づく職員団体である自称鎌倉市職員労働組合の話は議論されるべきではないと考えます。これは議論の交通整理できなくなりますから、ぐっちゃぐちゃの混合組合ですからね。
 だから、そのあたり、本来なら職員団体の話は県労委の調査において議論されるべきではない、また、一般職員の労働条件についても議論されるべきではないと、そういう認識でよろしいですか。
 
○佐藤尚之 総務部長  いわゆる労働組合法の適用を受けない職員団体に係る問題につきましては、労働委員会での調査の対象ではないと考えています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  だから議論されるべきではないですよね。どうですか。
 
○佐藤尚之 総務部長  今の御答弁のとおり、対象ではないので、議論の対象ではないということになります。
 
○7番(上畠寛弘議員)  では、そういったときに、鎌倉市職員として鎌倉市側で出ていらっしゃる方々、総務部長も出ていらっしゃるでしょうし、職員課長らも出ていると思います。弁護士も出ているんですか。どうですか。
 
○佐藤尚之 総務部長  基本的には弁護士を中心に審議を進めています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  実際に私も地労委いろいろ、労働委員会、ほかのケースでも多々出席して傍聴したこともございますし、どういうものかということはよく存じ上げております。地労委のケース、いろいろ見たときに、そういったときには、被申立人側は有効な反論をきちんとしているんですよ。いや、これは違うでしょうと。あくまでも今回のケースとは異なる、あくまでも地方公務員法に基づく職員団体のものであって、地労委で話し合うべきは労働組合法に基づく不当労働行為だけであると。
 そういったことをきちんと反論して、これについてはおかしいですよと、またそれは印象操作だと、適切な反論をしなくてはならないんですけれども、その適切な反論というのは、速記録を見たところ、余りされていないような認識があるんですけど、そういった、今、話をしたケース、職員団体についてとか、一般職員の勤務条件についてだとか、そういったことについて適切な反論は行っていますか。
 
○佐藤尚之 総務部長  一つ一つ確認はしてございませんけれども、私たちの立場は、今、原則などを申し上げたとおりのことでありまして、いわゆる現業評議会との関係において申し立てがされてございますので、それを中心に議論をしていくということが前提でございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  それについては、労働委員会の、実際見ていらっしゃるからわかると思いますけれども、その場合は、それはだめですよと、違いますと、整理を求めることができるんです。審査員の先生方に。その有効な反論はしていますかということについてはどうですか。検討課題ですか。まだできていない。どうでしょうか。心配なので。
 
○佐藤尚之 総務部長  私も逐一議事録を読んでいますけれども、かなり弁護士の先生も強い口調で反論する場面は数あります。たまたま上畠議員がいらっしゃらないときかもしれませんけれども、そういう場面、場面は議事録の中でも確認してございますし、帰ってきて報告を当然私も受けますけれども、その状況がどうだった、こうだったということを、逐一正式な議事録ができる前に報告を受けていますので、そういう印象は持っています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  ぜひ、今、総務部長は強い口調でおっしゃいましたけれども、県労委においてもぜひ強い口調できちんと姿勢を明らかにしていただきたいと思います。弁護士がそのように有効な反論をしていただいているならいいんです。
 しかしながら、やはり地労委の見解というのは、労働者寄りではございますけれども、あくまでも別ですから。職員団体に貸しているということなんですよ。旧901会議室は。もう今、貸してないですけどね。過去は。現業評議会に貸しているわけではないんです。なので、そのあたりのことをきちんとよく理解していただきたいと思うところでございます。
 実際に鎌倉市職員労働組合と今後整理しなきゃいけないと思うんですけれども、鎌倉市職員労働組合の現業評議会の労働条件についてと、実際に総務部等で労使交渉する場面がありますよね。そういった場面において、本来ならば上部組織というわけではなく、混合組合で、一般の公務員がわざわざ現業評議会の労働条件について申し立てているケースというのも、速記録を拝見しましたところ、見ているんですね。これは労使交渉ですよ、鎌倉市と組合の。
 現業評議会は現業評議会で反論させればいいじゃないですか。それで、その上の自治労連とか、そういうところが聞いたら、労使交渉ですから、そういう闘う場面には、同席を求める場合は、当然ながら労連の参加も認めなきゃならないと思いますけれども、そういったところで、一般職員の方々が技能労務職という現業評議会の方々の交渉に入ってくること、これ自体もまざってくると思うんですね。あなたが反論すべきじゃないでしょうと。実際に現業評議会は現業評議会の方で反論すればいいんですよ。労働組合法に基づく正当なものであれば。
 このあたり、整理すべき問題だと思います。9月定例会でも監査請求の結果が出て、いろいろごちゃまぜになっているところはあるというように、整理すべきだという指摘は監査からもございましたけれども、このあたりについてもきちんと整理すべき問題だと思いますけれども、このあたりの課題認識等は市長、お持ちですか。
 
○松尾崇 市長  整理をこれまでしてきた部分ありますけれども、その交渉の中について整理というのは、まだ我々としても研究課題というところでございますから、今後、そこは整理をどのようにしていくかということを研究していく必要があると思っています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  ぜひよろしくお願いします。
 時間もあれですので、納税課職員によるたび重なる公文書改ざん等刑事責任等について、お伺いしたいと思いますけれども、実際にこの納税課職員については公文書の改ざんを行いました。毎日新聞も報道しましたし、いろいろな新聞も書いていましたけれども、遅刻44回を行っていたと。公文書の改ざんは20回、しかもそのうちの何回かは末端の組合員に対して指示して、末端の組合員が実際の改ざん行為を行っていたという問題でございまして、これは決して、私は許すことはできない大きな問題だと思いますけれども、これらについて、公文書の改ざん、しかも電磁的な記録の媒体であるということは、前回、全員協議会においても長嶋議員からの御指摘もございましたし、これについて研究等はされていらっしゃると思いますけれども、具体的にさまざまな公文書であったり、電磁記録という問題について、これについて刑法に抵触する可能性はあるのかないのか、いかがですか。包括的にお答えください。
 
○佐藤尚之 総務部長  いずれも全員協議会の協議を受けまして、所轄の警察にも確認させていただいております。公文書偽造につきましては一定の見解、もちろん電磁記録も一定の見解を受けてございますので、御紹介いたします。
 公文書に該当するかどうかは、その文書の公的信用性を害する危険性があるかどうかで判断すべきであると。今回の出勤データは、あくまでも市役所内部の服務上の管理に作成するものであり、公的信用性を害する危険性まではないものと考えていることから、公文書偽造の公文書には該当しないと考えているということでお答えをいただいてございます。
 また、電磁記録でございますけれども、電磁的記録不正作出及び供用に関する罪は、人の事務処理を誤らせる目的を持って行為した場合に成立するものであり、市の服務違反を逃れる目的であれば、この罪に該当する可能性があるとコメントをいただいてございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  つまり、構成要件は満たしているということですね。刑法第161条の2の構成要件を満たしている可能性があるということは、所管の警察は認めているということでよろしいですね。改めて確認させてください。
 
○佐藤尚之 総務部長  そのとおりです。
 
○7番(上畠寛弘議員)  これは納税課の職員ですよ。しかも再任用された。前にも申しましたけれども、こういった人間がいらっしゃることっていいんですか。しかも、その構成要件を満たすような行為は、再任用を決定する前の行為も含まれていますよね。いかがですか。
 
○佐藤尚之 総務部長  そのとおりです。
 
○7番(上畠寛弘議員)  遅刻の問題からこういった問題に、まさに長嶋議員が御指摘されてこういったことになって、今まで職員団体の代表として、これまでずっと中枢の人間として彼はいらっしゃっていて、委員長としていて、自分たちの権利のことは主張していながら、職員としての義務は果たさないどころか、刑法に抵触するような行為を行っていた。改ざんをしていた。これは本当にもう大きな裏切り行為ですよ。信頼失墜も甚だしいですよ。
 市長として、今まで職員団体と、実際に部下ではあるけれども、対峙してお話しするということもあったと思いますけれども、どうですか、遅刻44回。これについても許されませんけれども、まさに刑法に該当するような行為を、抵触するような行為を行っていた職員が、今も実際にいる、この市庁舎内に。市長としての御感想はいかがですか。御見解。
 
○松尾崇 市長  これまで出てきました44回の遅刻、20回に及ぶ改ざんということ、これは職員として許される行為ではないと思います。
 
○7番(上畠寛弘議員)  そういったことに対して、市民の方々に対する思いはどう思いますか。職員団体ということの、労組の役員を務めるということは報道にものっているわけですよ。当然ながら今までわたりの問題とかで議会を訴えたりしていることも、市民の皆さんは知っているわけです。許されないことだと思います。許されませんよ。しかし、市民の方々に対しての気持ち、そういった思いはどうですか、市長としての。
 
○松尾崇 市長  組合の委員長であるかどうかということはさておき、市の職員がこうした遅刻を44回、繰り返して、かつ20回改ざんしているというのは、市民の皆さんに対して大変申しわけない気持ちでいっぱいです。
 
○7番(上畠寛弘議員)  まさにそのとおりだと思います。その感覚が正しいです。であるならば、適切な対応をしなくてはならない。判断は司法が行うべきものであると思いますけれども、今後、所轄の警察署は鎌倉署だと思いますけれども、それ以外にも、県警本部の告訴センターが適切な相談場所だとも思います。そういう場合、あくまでも鎌倉市は告発じゃなくて、被害者ですから告訴なんです。刑事告訴しなくてはならない。告訴センターにきちんと相談して、それがまさに構成要件を満たしていると判断できるものであれば、市長として、これは適切に刑事訴訟法にのっとって対応していくということでよろしいですか。
 
○松尾崇 市長  そのことも視野に入れて対応してまいりたいと思います。
 
○7番(上畠寛弘議員)  刑事訴訟法というのは公務員の告発義務のことでございますから、まさに被害者ですから、告発より重いですからね。ぜひこのあたりしっかりやっていただきたいと思います。
 こういった人間が再任用を決定する前から、実際にこういう事例を起こしていたことが発覚した場合、再任用としての採用を行ったけれども、これはまさに刑法上に抵触するような問題があった場合、採用をさかのぼって取り消すことは、法理上はできないんでしょうか。
 
○佐藤尚之 総務部長  地方公務員法では当該地方公共団体において、懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しないものは職員として採用できないというような欠格条項の規定がございます。採用時点でこの欠格条項に該当していたことが採用後に発覚した場合は、その採用は無効となり、さかのぼって採用を取り消すことになります。
 
○7番(上畠寛弘議員)  できないんですか。どうですか。
 
○佐藤尚之 総務部長  これは懲戒免職2年ではございませんので、できないということになります。
 
○7番(上畠寛弘議員)  内容は遅刻44回ですよね。ただ、今後、刑法上の問題になってくれば、新たな懲戒処分をしなくてはならない可能性がある。そういうケースがある。これはよろしいですね。どうですか。刑事的責任に波及した場合。
 
○佐藤尚之 総務部長  この欠格条項の一つに、禁錮以上の刑に処せられ、その執行が終わるまで、またはその執行を受けることがなくなるまでの者も欠格条項にあります。ここに該当すれば、当然欠格条項になりますけれども、この推移を見守って、結論が出ないと、この時点ではわからないということになります。
 
○7番(上畠寛弘議員)  そういったケースになるかもしれませんし、刑事訴訟法上、まさに条文どおりで、義務があると書かれていますけれども、一定の裁量はあると思います。しかしながら、市側に告発、告訴する一定の裁量はあると読み解けますけれども、これについて裁量として、まさか告訴しないというような内容はないと思うんですね。市民の皆さんはよく御存じですから。重いですからね、内容が。何かちょっとした軽犯罪とかではないんですよ、実際に。酔っぱらったら軽犯罪とか、そういったことはありますけれども、軽犯罪ではなくて、刑法に書かれていて、しかも懲役は10年以下、そういった重い内容だということも鑑みてしっかりと、裁量があるから告訴しなくていいやなんていうことはなく、市民の信頼を取り戻すべく、きちんと厳しい対応をしていただくことを鎌倉市長としてお約束ください。いかがですか。
 
○松尾崇 市長  先ほども答弁しましたとおり、この件については大変重く受けとめておりまして、しっかりとした対応をしてまいります。
 
○7番(上畠寛弘議員)  あと1点、確認し忘れていたんですけれども、2015年11月30日に鎌倉市職労がツイッターで書かれているんですけれども、きょうは組合事務所の問題で市当局に申し入れました。大阪市の組合事務所追い出し問題で、中労委で不当労働行為を確定したことで、大阪市も命令を受け入れる表明をしたことを伝えて、鎌倉市も早期に解決すべきと申し入れたと、何かツイッターで書いてあるんですけれども、これは趣旨としてはそのとおりで、ただ、鎌倉市としてはそのような意思はないということで、命令を受け入れる表明をしたことを大阪市も伝えたと書いてあるんですね。市職労の公式のツイッターで。鎌倉市も早期に解決するべきと申し入れたということですけれども、改めて確認しますけれども、何かこういう申し入れがあったとしても、それは大阪市は大阪市のままで、鎌倉市は鎌倉市として、行政計画、しかも子供たちのための福祉のために進めていくということでいいということですね。
 これ、内容とこれは問題、何も何ら変わらないということは、改めて答弁をお願いします。
 
○佐藤尚之 総務部長  ツイッターの内容まで確認していませんけれども、後段の、大阪市は大阪市、鎌倉市は鎌倉市ということは変わりません。
 
○7番(上畠寛弘議員)  わかりました。そのあたりきちんと確認できればいいんです。しっかりとこのあたりの問題をやっていただきたい、裁判もきちん闘っていっていただきたいと思います。
 次の項目に移ります。来夏の鎌倉の海の治安改善についてということで、鎌倉の海の状況、もう9月定例会は終わって12月で、また2月になれば話し合いをしなくてはいけなくて、午後8時30分にどうするかとか、そういった問題いろいろあります。時間としてはきちんと午後8時30分に閉店させるかどうかといった問題があると思いますけれども、材木座、由比ガ浜、腰越の三つの海水浴場を見ると、ファミリー層が多い地域、お子さん連れが多いとか、若者が集まる地域、客層の違いは見受けられるけれども、鎌倉の海水浴場全体としてはどうあるべきかという、市長の改めて考え、きちんとお聞かせいただきたいと思いますが、いかがですか。
 
○松尾崇 市長  議員御指摘いただいたように、材木座、由比ガ浜、腰越と、それぞれ客層に違いがあるというところはあったなと私も印象を受けています。
 いずれにしても、子供からお年寄りまでが楽しめる、そういう海水浴場を目指していくということですけれども、今後、こうしたそれぞれの海水浴場の特徴、長所をより伸ばしていくと、そういうことも考えていきたいと思っています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  確かに長所もありますし、逆に改善すべきという問題も、認識は、これは共有されているかと思います。もう何度もやっておりますし。
 今年度、市は条例を強化して臨んだと。ただ、罰則や強制力のない条例であったことから、マナーの悪い海水浴客も一部残って、特に子供たちにとって、材木座とか由比ガ浜の住民の方に聞くと、子供だけでは行かせることはできないというような率直な意見を伺いました。確かに、特に由比ガ浜は怖いなという思いはあります。子供一人行かせるのはどうなんだろうと思うところもあって、実際その子供たちにとって安心して遊ぶことができない環境もあると思うんですね。今、いろいろ傾向あったと市長おっしゃいましたけれども。
 来年の夏に向けて、条例の実効性をぜひ高めていただきたい。厳しくやっていただかなくては、これは困ると思うんですけれども、このあたり、実効性を高めるための具体的方策はあるのか。部長、いかがですか。
 
○松永健一 市民活動部長  ことしの夏につきましては、条例が定める禁止行為を事前周知するための取り組みに加えまして、巡回警備員の繰り返しの注意により、海水浴場の風紀は大分改善したと捉えておりますが、条例が定める禁止行為の事前周知の期間が短かったこともありまして、マナーの悪い海水浴客については指摘のとおり一部見られたと捉えております。
 来年度以降は、本市の取り組みがさらに周知できるものと考えておりますため、今年度スタートさせた取り組みを地道に継続させていくことで、さらなる効果を得ていきたいと考えております。具体的な方策については、今年度の状況を総括する中で、さらに改善できる部分については工夫を凝らして、より効果の高い取り組みを続けていきたいと考えております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  ぜひその具体的方策、今、足りないなという感じはいたしました。強制力というのがなかなかございませんから、そのあたりで懸念というのはいろいろ出ているかと思います。
 質問1個飛ばしますけれども、鎌倉警察署との連携・協力体制ということで、強制力がない分、鎌倉署としては当然、通常のパトロールはしてくださっているし、大変市に対しても御協力してくださっているのはよくわかります。むしろ体感治安について不安なところ、住民の体感治安の不安なときに、警察官の方がパトロールしているだけで、ああ、何かあったら警察官の方に助けを求めることもできる、そういった声もある分、パトロールというのは大変ありがたいところなんですけれども、実際に鎌倉市役所との連携・協力体制について、このあたり鎌倉警察署からどのような指摘、要望があったのか。実際の実情、このあたり、市民活動部長からお答えください。
 
○松永健一 市民活動部長  海水浴場の現場に携わっていただきます警察官とは、日ごろから情報交換や意見交換を行っておりますが、海水浴場対策協議会等の場におきましても、条例の規定ですとか運用に対しては特段の指摘や要望等はいただいておりません。
 鎌倉警察署は海水浴場の健全化を目指す市にとって重要な協力者と考えておりまして、各海水浴場の監視所を警察官立寄所として位置づけ、定期巡回していただくほか、関係者による海水浴場の視察にも参加いただいているところであります。
 また、海水浴場巡回警備の現場におきまして、特に悪質で危険を感じる条例違反者に注意を行う際には、警察官に同行していただくなど、密接に連携して対応に当たってきたところでございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  強制的な条項ではないですけれども、そういった注意勧告のときに悪質な場合、これは警察官が同行するというのはもう、基本的には警察官の方は、人員もいろいろあるとは思いますけれども、きちんと同行していただいて、実際にそういって警察が来てくださった場合は、違反者も改善傾向にあるという認識でよろしいですか。
 
○松永健一 市民活動部長  警備員の注意だけではなかなか取り締まりができない、さらに、警備員に対して暴言ですとか、あるいは危害を加えるような状況が見受けられるときには、いつでも声をかけてくださいというような連携の中で、その現場に警察官も来ていただいております。
 それで、警察官の方々は粘り強く、警備員とか観光商工課の職員と一緒に説得を繰り返し、それで何らかの形で暴行行為等が見受けられるようなときについては、体の拘束も含めて適切な対応をとっていただいているという事例がございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  改善しているんですか。要は、暴力行為等は見受けられないと言うけれども、警察官が、もう最悪の場合で警察と一緒に注意に行くマターのときには、必ずそういった違反行為はきちんと改善、解決しているのかということを確認したかったんです。いかがですか。
 
○松永健一 市民活動部長  警備員だけが対応するよりも、警察官が来ていただいて、条例の趣旨とか、あとは周囲の方々に迷惑になるとか、そういったようなことを説得していただきますと、かなりの確率で改善の傾向が見られて、おとなしく従っていただくという傾向は見受けられました。
 
○7番(上畠寛弘議員)  かなりの確率で可能性としては改善しないケースも、警察官が来たとしても、あるということなんですね。一応、課題の確認ですから。
 
○松永健一 市民活動部長  悪質の中でも特に、さらに悪質な方に関しては、警察官が言っても聞き入れてくれないというケースも確かにあることはあると確認しております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  まさにそういう人こそ来ていただきたくないわけでございます。そういった、イエローカード、レッドカードじゃないですけれども、何らかの警告を何回か受けた場合は退去命令を下すとか、命令に違反した場合は何らかの過料等を科すとか、そういった課題もあるんではないかなと思います。
 まさにそういう人こそ、わかっているんですよね。条例はしょせん任意のもので強制力ないだろうと。罰金もないだろう、罰則もないだろうと。そういうことをわかっている人間こそまさに来てもらいたくない。そこで受け入れてくれる人はまだかわいいですけれども、そういうルール違反者がいるんですね、実際に見ていると。明らかに、本当に、よくこういう人間がいるなと。鎌倉市がこんなふうにしてだめになるのかと悲しくなる思いもございます、海を見たときに。ぜひそういったところを課題だということは認識していただかなくてはならないと思うんです。
 だから、イエローカード、レッドカードではないですけれども、こういったケース、また警察の方々との要望、指摘、連携等を鑑みたときに、市長としてこのあたり、海の家とは別で、海水浴場の風紀について、今後ぜひ強化等も考えていただきたい問題で、警察官の方も協力していただいていることもあるので、何回かですよ、いきなりもう出ていけというような強硬的なものではないですけれども、そういったところもぜひ検討していただきたいと思いますけれども、そのあたり、市長、いかがですか。
 
○松尾崇 市長  部長が答弁させていただきましたとおり、公式の協議の場では警察から特段そうした要望というのはなかったんですけれども、現場を一緒に回っている中では、それぞれ警察の方から、罰則を設けていただいたほうがより警備を強化できることですとか、一方で、大分風紀もよくなってきた、さまざまなそういう意見交換というのはさせてきていただいたところでございます。
 今、こうした取り組みで風紀が改善の方向に向かっていると私は認識しています。そういう意味では、この取り組みを継続していきまして、その中で風紀がより悪化をするようなことがあれば、そういうより強い対応ということも考えていかなければならないと思っています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  今回はそのあたりで構いません。そういったケースありますので、毎年毎年これをやるのは嫌ですから、これで運用を進めていって、しっかりと鎌倉の風紀はすっかり改善できて、子供たちも行けると。
 本来ならマナーの悪い方が来ないのが一番いいんですけれども、そこまでしなきゃ日本人のモラルは落ちてしまったのかという悲しい思いもあるところはあります。強制力を行使しなくたってできるところもあるんじゃないかという市長の主張もわかります。ただ、どうしても聞かない人間というのは何らかのパーセンテージで出てきますから、そのあたり、しっかりと見ていただいて、やっていただきたいと思います。
 海の家の営業時間は、この鎌倉市議会でもいろいろ議論となって、いろいろあった結果、午後8時30分となり、私の求めるところになったので納得いたしましたが、ただ、毎年更新というか、協議しなければいけないから、来年はどうなるかわからないと。実際に午後8時30分までとするのか、これはどうかということと、また、タイ村ですね。名前を上げますけど、前回も言いましたけど。あそこが結構、私が見たところ、午後8時30分ルールに違反されていたなというところもあります。
 ルール違反店には何らかの、あくまでも海の組合の自治に基づくものだと思いますけれども、鎌倉市はそれを監督しなければいけないし、必要ならば指導しなければならない。そういったことを考えたときに、鎌倉の海の家の営業時間について午後8時30分と自主的にしたのであれば、条例だってしてないんだから、営業停止処分を下すなど、そういった厳しい対応も必要だと思います。そういうようにするように促すことも必要だと思いますけれども、このあたり、市長としての御見解、お願いいたします。
 
○松尾崇 市長  まず、自主ルールの徹底という意味では、海浜組合連合会がこの自主ルールに違反した店舗に対して是正指導を行って、店舗は営業を自粛したという事例もありまして、組合の自浄作用が働いていると認識しています。
 ことしの夏、海の家の営業時間が午後8時30分に短縮されたことによりまして、鎌倉の海水浴場が近隣よりも規制が緩いというイメージについては払拭できたと思っています。また、海水浴場に関して市に寄せられた苦情の件数が半数以下に減ったことや、苦情の中に海の家の営業時間に関するものは特になかったということから見ましても、この自主ルールの強化が風紀の改善に一定の効果があったと思っています。
 そういう意味では、午後8時30分という時間を、来年の夏もことしと同様のルールで臨んでいきたいと考えています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  その中では厳しい対応もしていただきたいということでございますので、よろしくお願いします。また直前の6月、2月に話はしなくてはならないと思いますけれども、ぜひそういったときに指摘せずに済むように、何とかしっかりと安心できる海をつくっていただきたいと思いますので、これは鎌倉市長のリーダーシップが求められているところでございます。
 子育て支援の充実と教育の強化ということで、子育て支援、特に、初めて子供を持つ方の不安を軽減することが、3人目も当然大事なんですけれども、少子化対策として最近は産む選択をしない、余り欲しくないと。実際、日曜日にNHKの朝の番組を見ていたところ、金銭的に不安だという理由が3番目ぐらいまであって、経済的に不安だと。
 実際にその不安、特に初めて子供を持つケース。私自身も、前に話しましたけれども、今、家内が妊娠しているところでございまして、そういったところで、若くしてまだ所得も少ないのに不安だと、企業に勤務している同期の者などは言っておりますけれども、ぜひ、初めて子供を持つ方への不安を軽減する、こういったところについて新たな観点を持って対応していただきたい、そう思いますけれども、このあたりどういう対応、新たな対応を行っていく予定等あるのか、いかがですか。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  本市におきましては、妊娠届け時に就労している初妊婦の方が約7割おります。産前休暇まで十分な情報を得る時間もないまま、出産・育児を迎える方もいると推測されます。
 こうした状況を踏まえ、母親の疾患のほか、産後のサポート体制、経済面などの不安が予測される場合、妊娠期からの専任の助産師や保健師の面接、電話、家庭訪問等によりフォローアップをしております。生後4カ月までに行う乳児家庭全戸訪問の平成26年度の実施率は約98%でございました。
 今後も集団健診や教室におきまして、相談しやすい場づくりに努めてまいります。また、主任児童委員や子育て支援団体などが地域で開催しているサロンなどにも出向き、育児相談のPRなど、妊娠期からの切れ目のない支援をより充実してまいります。
 
○7番(上畠寛弘議員)  ぜひそのあたりお願いしたいと思いますけれども、特に出産前後の相談体制、このあたりが気になるところでございます。
 基本的に母子手帳を求めれば、当然ながら対応はしてくださって、保健師さんも丁寧にお話も聞いてくださいますし、父親になる者に対してもすごく丁寧に、いろいろ不安があれば御相談くださいと親身になって聞いてくださるところがあって、私として特に大変だなと思うのは、みずからSOSを発信することができない母親に対してどうするのか。みずからですよ。自分で何らかのサロンに出てきてくれたり、窓口まで来てくれたらいい。ただ、そのみずからSOSを発信することができないお母さんに対してどういうふうに行政から働きかけができるのか。また、お母さんとして受信力を高めていただくためにどういった施策をとることができるのか。情報を受信するか否かでも全然違いますから、そういったところについていかがか、お答えいただけますか。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  母子健康手帳を本庁舎で交付する際には、保健師が面接をしております。妊娠、出産、育児へのリスクが予測される場合には、助産師と協力し、面接、電話、家庭訪問などによる支援を行っております。
 乳児期は個別の健康診査や予防接種などの機会を通じたかかりつけ医による相談体制があり、さらなる支援を必要とする対象者につきましては、地域の医療機関と連携しながら電話や訪問で支援をしております。
 乳児期の集団健診では、保護者と保健師が1対1で話す時間を設け、育児不安の軽減や相談しやすい場づくりに努めています。また、健診未受診者には受診勧奨の電話などによるフォローも行っております。母子健康手帳の交付時における丁寧な説明や、「かまくら子育てナビきらきら」などの配布、LINEを利用した情報提供などにより、こうした情報を市から積極的に発信しているところでございます。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  出産前後に保健師等が母親にかかわる中では、子供の養育にリスクが予想される場合、特に出産前から支援が必要と思われる母親は特定妊婦として、また、出産前後に支援が必要となった場合には要保護あるいは要支援児童としてケース化し、市の関係課、病院、児童相談所等の関係機関が連携し、さまざまな支援を行っております。また、こどもと家庭の相談室や子育て支援センター、つどいの広場などでは、子育てに関する相談を電話や面談で丁寧に聞き取り、必要に応じて助言や子育て講座の案内などを行っております。
 みずからSOSを発信することができない母親の声を行政が吸い上げることは、非常に難しいことではあると思っておりますが、今後ともこうした母親が助けてという声を上げやすいよう、さまざまな相談窓口などを積極的に発信していくとともに、児童相談所などの専門的な機関との連携を強化していきたいと考えております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  そのあたりのみずから発信できない方への対策というのは急務でございます。
 民生委員の活用ということもあると思うんですね。民生委員・児童委員、大変頑張ってくださる方もあれば、町会によっては名誉職になっているだけで、順繰りで回っているんだなというようなところもある。そういった中で、モチベーションとか、民生委員の資質、やる気等、いろいろ異なる部分があると思うところでございますけれども、子育て支援として、民生委員・児童委員を活用するため、特に困っていてもSOSを出せない場合、民生委員に対する依頼方法、これについて課題だと思うんですけれども、これについてどのようにしていきたいか、課題等の認識等あれば、部長からお答えください。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  市内に民生委員・児童委員の方が224名いらっしゃいまして、各市内を10地区に分けまして、それぞれ400世帯くらいに1人の割合で配置がされております。この方たちは、それこそ母子から高齢者に至るまで、身近な相談の窓口になっているということで対応させていただいているところでございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  具体的なところがわからなかったところが、私の質問が悪かったのかもしれませんけれども、ぜひこの民生委員・児童委員の役割というところを改めて認識していただいて、行政だけではなかなか対応できないところがありますから、ぜひ御活用いただきたいと思います。
 一つの問題として、乳児家庭全戸訪問の実施率98%とございました。この98%、全戸訪問しているのは98%で問題ないと思いますけれども、この残りの2%が、訪問していない2%が不安です。この2%をどう解決するか、このあたりについて御認識いかがでしょうか。簡潔にお願いいたします。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  残り2%の方につきましては、主に長期の里帰りや医療管理入院中のお子さんとなっております。生後6カ月を過ぎて里帰りから戻られたお母さんや退院されたお子さんに対しては、母子保健法に基づく家庭訪問を実施し、乳児家庭全戸訪問の未実施世帯へのフォローを行っているところでございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  そのあたりのフォローはできているということで、2%についても後ほどちゃんとフォローして、きちんとできているということですね。
 参加機関も最近ふえてきて、ティアラかまくらが設置された状況とは異なってきていると感じます。ティアラかまくら、せっかく運営に公費を投資しているからこそ、民業圧迫ではございませんけれども、ティアラかまくらを充実すること、民業ではできないことを何かできるのではないかと。
 実際にティアラかまくらを、今後も維持するのであれば、民間ではできない、ティアラかまくらという公費を投じるからこそできるようなもの、赤字が出た場合は補填するというぐらいの施策も展開しておりますので、ぜひともティアラかまくらの内容充実、向上はしていただきたいと思いますが、その具体的な展望や考えがあれば示してください。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  現在、鎌倉市内の産科が大船地域に集中していることから、市民の方の利便性を考えた場合、唯一鎌倉地域にあるティアラかまくらには一定の存在理由、意義はあると考えています。
 市内に分娩施設がふえましたことから、ティアラかまくらの分娩取り扱い件数が減少し、市からの運営補助金も増加傾向にあることから、産後ケアや予防接種のほか、妊産婦だけでなく、将来母親となる女性に対しても各種教室を開催するなど行っております。
 しかしながら、その効果は思うほど上がっていないのが現状でございます。今後、ティアラのあり方などを医師会と協議し、その方向性を決めていく必要がある時期に来ているのではないかなと考えております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  では、次の質問で、不安の中では小児医療ということで、自治体によっては大変状況としては子供にとって優しい、子育て家庭に優しい政策が展開されていると。
 実際に比較したいと思いますけれども、75歳以上の後期高齢者医療制度に係る鎌倉市の負担額と、例えば小6まで所得制限を設けなかった場合の費用、また中学まで完全に実施した場合の費用、これ要は、小学校まで実現した場合と小・中学校とを完全にした場合の費用、それぞれ鎌倉市の負担額、75歳以上の後期高齢者医療制度に係る負担額、比較したいので、それぞれお答えいただけますか。このあたりいかがでしょうか。
 
○磯崎勇次 健康福祉部長  65歳以上で一定の障害のある方や、75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度では、病院などで支払う自己負担金を除いた医療給付費の約47%を公費で、残りの約53%を保険料や現役世代が加入する医療保険者からの支援金で賄っております。公費で負担する47%のうち、約8%が市町村負担となっています。平成26年度の鎌倉市の定率負担金は2,688人の被保険者に対し約15億7,000万円でございました。
 それから、小児医療費ですけれども、小学6年生まで所得制限を設けずに実施した場合の費用額は、約8,900万円の増加。中学生を加えた、中学3年生までの所得制限を設けずに完全実施した場合の費用額は、約1億8,200万円でございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  今、実際にお話を伺って、後期高齢者の方々、75歳以上の方々で15億7,000万円。小学校だけ実現したら8,900万円。小・中学校実現しても1億8,000万円程度であると。全然金額が違いますね。
 ただ、子供たちに投資してもらわないといけないとあります。お年を召した方々の負担もわかりますけれども、まさに将来世代への投資ということは、結果的にお年寄りを支える世代の支援になるということで、結果として安定した社会ができると思いますけれども、まさにこの金額、1億円程度、2億円にもならない、この金額を考えたときに、ぜひ小児医療費の完全無料化を行っていただきたいと思います。これについて市長の見解をお答えください。
 
○松尾崇 市長  本市の小児医療費助成制度ですけれども、平成5年に小児の入院費の助成を開始しまして、平成21年10月に所得制限を設ける中で小学6年生までの充実を行って、現在に至っているところです。
 医療費助成制度を通じて子育て世帯の経済的負担を軽減するということは、重要な施策であると認識をしておりますけれども、この中学校卒業までの医療費を無料にするということにつきましては、本市の子育て支援施策に係る状況を踏まえて、引き続きの検討課題としたいと考えています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  このあたりについては国庫負担の充実も必要だと思います。自治体によって差が出ているのも、これも問題だと思いますから、日本国においては中学校までは完全無料化というのを実現したいと思いますけれども、ぜひとも鎌倉市がリーダーシップをとっていく、そのような姿勢を市長には求めていきたいと思います。
 子供の安全対策で質問させていただきますけれども、子どもの家の防犯対策はどういう状況になっているのか。電子錠をつけている場合と、防犯カメラを設置している場合、そのような場合があるという認識ですけれども、電子錠、防犯カメラの設置、いずれかの対応が必要だと思いますけれども、有効だと思いますが、こどもみらい部長、いかがですか。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  子どもの家では、不審者が侵入した場合の子供の安全確保や不審者への対応、警察への緊急連絡が適切に図られるよう、少なくとも毎年1回、不審者侵入対策訓練や防犯教室などを実施しております。
 また、各施設の状況を踏まえて、防犯対策として、子どもの家16施設のうち、第一子ども会館・子どもの家においては防犯カメラを設置して、第一子ども会館・子どもの家と小坂子ども会館・子どもの家においては電子錠を設置している状況でございます。
 
○7番(上畠寛弘議員)  ぜひこのあたり、全てで充実していただきたいと。私も大阪のほうから参りましたので、過去悲しい、子供が被害者となる事件がございました。ここはしっかりやっていただきたいと思いますけれども、実際、おなり子どもの家について、施設の構造上電子錠はつけることができない施設となっているのでしょうか。実際、防犯カメラの設置等、もし、どちらかができればいいと思いうんですけど、防犯カメラの設置についてどういうふうになっているのか、防犯状況を踏まえた上でいかがでしょうか。
 
○進藤勝 こどもみらい部長  おなり子どもの家の防犯カメラですけれども、防犯カメラは犯罪を未然に防ぐ一定の効果が期待できると考えております。しかしながら、第4分庁舎はおなり子どもの家関係者のほかにも出入りがあることから、犯罪を未然に防ぐためには第4分庁舎のおなり子どもの家の出入り口にカメラつきインターホンを設置することも効果的ではないかと考えており、検討を進めていきたいと考えております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  そのあたり、総務部と協力して、お話ししてください。ぜひおなり子どもの家の防犯カメラの設置、大事だと思います。実際、ここの市役所の入り口だと守衛さんがいますし、議会の入り口にも守衛さんがいらっしゃるから安全ですけれども、あそこは人が見えないんですよね。分団小屋もあって、裏が暗くて。いろいろ部外者の方々も通ったり、いろんな人が通るということで、本来ならあそこにも守衛を置くべきですけど、そのコストも考えたときに、おなり子どもの家の子供たちの安全を考えたときには、きっちり防犯カメラの設置も考えていただきたいということは要望させていただきますので、このあたりまた進捗、確認してまいりますから、ぜひお願いします。
 教育委員会に参りますけれども、子供たちの学力の強化ということで、さらに教育環境を向上していただきたいというのは、何度も言っているとおり、教育強化していただきたい。義務教育の使命は、学習指導要領をきちんと子供たちに教えて、子供たちがそれを理解して、人生において使えることになるようなことだと思うんですけれども、学習指導要領について、やはり原級を留置させて、きちんとマスターさせるという言い方は適切ではないかもしれませんけれども、きちんとそれを理解できるようにすること、これはまさに大事な問題だと思いますけれども、これについて教育部、教育委員会、御見解いかがですか。
 
○原田幸子 教育部長  学習指導要領は、全国のどの地域で教育を受けても一定の水準の教育を受けられるように、文部科学省が定めているものでございます。学習指導要領は教育の目的や目標を達成するための学校の教育計画の基準ということで、それぞれの教科等の目標や、教えるべき内容を示しております。
 学校教育の目的は、人格の完成を目指すものであり、生涯にわたる学習の基盤をつくることや、同世代の仲間との共同生活を通じて、人間性や社会性など、豊かな心と健やかな体を育成することと考えております。原級留置というお話ございましたが、学校での原級留置というのは、何らかの理由で進級しないで、引き続き同じ学年で学習を続けることでございますが、鎌倉市では、児童・生徒一人一人の教育的ニーズを把握いたしまして、個に応じた適切な指導や支援を行っております。こうした子供の発達の段階に応じた指導というのは非常に大切なものであると思っております。学習指導要領に示された内容を理解できているかどうかということだけの判断で原級留置を決めるものではないと考えております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  原級留置という言い方、いわゆる留年ですよね。留年というのは、子供たちにとってまるでペナルティーのように思われるかもしれませんけど、実際に義務教育において学ぶべきことをきちんとできるようになることは、これはまさに子供たちの人生にかかわる問題で、結果として子供たちの人生を考えたときには、広い意味で子供たちのためにやるべき行為だと思うんですけれども、なかなか鎌倉市の教育委員会側からいきなり、校長から原級だとか留年だとか、そういうことは難しい課題があるところは、年齢主義もありますから、難しい課題があると思いますけど、やはり先進国の事例を見てください。そもそも子供たちのことを考えたらどうすればいいのかということは課題だと思います。
 神戸市では、親が原級留置を望んだにもかかわらず、学校長が進級させて、訴訟になったケースがあります。鎌倉市では、普通学級では原級留置したことはないということですけれども、例えば原級留置を、実際不登校であったりとか、病気であって学校に行けなかったというケースにおいては、保護者、そして児童から希望があった場合、例えばそこは柔軟に、本来の年齢とは異なる下の学年に行くことというのは柔軟に対応していっていただくことこそ、子供たちのきちんとした学力、教育環境の充実にもつながると思うんですけれども、このあたりの柔軟性、これはいかがでしょうか。
 
○原田幸子 教育部長  鎌倉市では、保護者から出席できない状況における学習のおくれに対する不安等から、原級留置に関する相談があったときには、本人、保護者の意向を尊重しながら、本人の不利益にならないように柔軟な対応をしてまいりたいと考えております。
 
○7番(上畠寛弘議員)  ぜひお願いします。本当に不利益なのは何なのかと。いっときの、1年、2年の、体格の違いとかもいろいろありますけれども、そこで留年することが果たして子供たちにとって不利益なのか。そもそも学ぶべきことも学べないのが不利益なのか。そのあたりは検討の課題にすべきだと思いますし、これは市長としても今後一緒に考えていっていただきたいと思います。
 子供たちにとって本来学ぶべきことはきちんと学んで、マスターでき、理解し、実際に人生において活用できるような能力をつけてあげるということは、子供たちにとって大きな財産でございますので、そのあたりをしっかりとやっていただきたいなと思うところでございます。フランスの事例とか、いろんな先進国の事例もございますので、そのあたりはしっかりと対応していただきたいと思います。
 中学卒業というのは、ある意味資格です。中卒の判断、小学校卒業、高卒、大卒、いろいろな、一つの資格でもありますから、その資格の内容を担保するためにも、学習指導要領をきちんと理解させることというのは重要だと思いますので、応用力もさることながら、しっかりその基礎を身につけるべく努力していただきたいということを要望します。
 最後に、市長の政治姿勢と進退等ということで、9月定例会、さまざまなことがあり、44日間の延長がございました。これについては、私は徹底してやるべきだと思いますし、44日間の延長は必要であったと思います。
 あの調査、議会が強制的にそういうふうにしなければ、実際、20年間もいろいろな不適切な処理をしていたこともあるので、それでは信用できないという話はよくわかりますし、ここまでひどいのかということはショックを受けました。
 市長自身もこれはある意味、まだ市長2期目だというけれども、市長の任期においても行われていたことは、これ市長の責任もあると思うんですけれども、市長の責任ももちろんなんですけど、プロパーとして瀧澤副市長の責任もあると思うんです。市長を補佐して、今まで鎌倉市役所で人生を歩まれてきた中で、やはり瀧澤副市長とか、総務部長も、健康福祉部長も、いろいろとありましたけれども、そういったところは責任を感じていただかなくてはならないと思いますし、これを知らなかったのかという、私は大きな疑念がありますけれども、瀧澤副市長の責任への考え方と、これについての問題意識、把握、このあたりどうでしょうか。
 
○瀧澤由人 副市長  まず、責任です。私は当然、私に重大な責任があると思っています。知った、知らないということ以前に、こういうことを私の立場で見過ごしていた。少なくとも過去の責任にはしたくないと思っています。現時点までこういうことをやっていたということに対して、そのことを含めて十分反省して対応していきたいと思っています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  これは知らなかったんですか。実際どうですか。話を聞いたことはありませんでしたか。若いときとか、部長のときとか。
 
○瀧澤由人 副市長  申しわけございません、実務としてはこういうことがかなり頻繁にやられたということは知っていませんでした。
 
○7番(上畠寛弘議員)  そのあたりの問題というのはあると思います。小林副市長もせっかく外部から来たんですから、外部の風を入れてもらわなくては小林副市長の意味がありませんから、ぜひそのあたりはどういうふうに改革していいのかというのは、しっかり市長を支えなくてはなりません。市長として、これ本来なら不適切な事務処理で、責任は市長にあると中澤議員の御質問に対しても答弁されていらっしゃいました。市長の責任だと。
 実際、その対応に費やしたコストを含めた分、実はこれ損害だと思うんですね。本来必要のないコストが発生して、調査しなくてはならなかったということですから、このあたりの不適切な事務処理に対する責任として、費やしたコスト、経費を含めて、これは誰がとるのか。このあたりの責任の所在について、市長のきちんとした御見解をお願いします。
 
○松尾崇 市長  今後、調査委員会の中で一連の事務処理に対する責任の所在を明らかにしていくとともに、公金の不当な支出や違法な支出があるかどうかという判断も行ってまいりたいと思います。
 
○7番(上畠寛弘議員)  ごめんなさい、私の趣旨が伝わってないのか、不適切な事務処理がありましたよね。それによって無駄なコストが発生していますよね。本来調査するべきではない、調査する必要もなかったのに。
 9月の段階で、9月半ばに私が文書質問出したときに、もう既に250万円近くのコストが人件費としてかかっていると。調査のコストに。もう1カ月たったら1,000万円かかっているわけですよ。そのあたりのコストだって、本来ならば必要のなかったコストですし、瀧澤副市長だってきちんとそれがマネジメントできていれば、そういったことはなかったわけですよ。だから、副市長、市長の責任は大変重いし、部長の皆さんの責任は重いと思いますけれども、このあたりの対応に費やしたコスト、このあたりの責任はいかがですか。誰がとるのか、このあたりいかがか、改めて。
 
○松尾崇 市長  必要なコストということもありますし、今、御指摘いただいたように、本来かからなかったという見方もあると思っています。そのことも含めて、今後の調査委員会の中でその責任のあり方を明確にしてまいりたいと考えています。
 
○7番(上畠寛弘議員)  責任のあり方って、調査委員会の委員長は市長でしょう。市長が御答弁してくれなきゃ。市長が決めるんですよ。協議するんでなくて、委員長として、市長としてどういうふうに判断されるのか。市長の御責任ですし、市長の責任として一旦は全てのコストは市長にあるわけですよ。全てのかかった経費等の責任も。それで、誰が悪かったかといえば、その方々に適宜損害賠償すればいいんですから。まずはきちんと市長に責任があったと言わないと、その後市長から必要な方に対して損害賠償請求、過去の部長、過去の市長に損害賠償しなきゃならないかもしれませんから、市長の責任はあるんですよね、このコスト、経費かかったこと。だって、もう市長は6年間やっていたわけですから。2期も。市長の責任があるということでよろしいですか。きちんと答弁してください。
 
○松尾崇 市長  誤解があったらいけませんけれども、決して責任がないということを言っているわけではなくて、そのあたりの責任も含めて今後明確にしていくということでございます。最終的には私に責任がありますから、私が責任を持ってこれら全てのこうした、これまでの議会の皆様方、市民の皆さんにこうした不審、不法と思われてしまったことについて明らかにしていく、そういう責任があると思いますので、その中で明らかにしてまいります。
 
○7番(上畠寛弘議員)  責任を明らかにしていっていただいて、その責任のときに、部長とか、過去の部長、過去の職員において責任がある、過去の市長に責任があると思えば、強い対応をしてください。毅然として。そこで厳しい対応をしなくては、市長、これでもう、また普通に流してしまえば何ら問題はないんだと思ってしまえば、結局組織はよくなりませんよ。優しい顔も大事ですけど、厳しい対応もたまには必要です。市長としてのリーダーシップが求められていますから、責任の所在を明らかにして、損害が出ている、この230万円だって不適切な事務処理をしてなかったら問題なかったんだから、20年前の職員から全て上げて、対応させればいいんですよ。亡くなっている方がいれば、遺族だって民事的な責任だって負うでしょう。いろいろ対応できること、あらゆる方法を考えて、責任の所在をきちんとしていただきたい。
 改めて、調査委員会を設置したことについても、第三者性の担保、みずから行っていた組織でみずからを大丈夫かどうかなんて判断なんて、できないと思いますよ。そのあたりの自浄作用がないからこそ、20年間発覚していなかったんだから、そのあたりのこともしっかりとやっていただきたいということ、第三者も使うということもありましたから、そのあたり注視しますけど、問題があれば、また全員協議会、そして100条委員会の設置だって、議会側でやらなきゃいけない問題ですから、このあたり、きちんとする、私はもう何だってやりますよ。その是正のためなら。ですので、そのあたりをきっちり決意いただいて、御対応いただければと思います。
 以上で私の一般質問を終わります。
 
○議長(前川綾子議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (15時13分  休憩)
                   (15時55分  再開)
 
○議長(前川綾子議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 議事の都合により、この際、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。次に、保坂令子議員。
 
○6番(保坂令子議員)  神奈川ネットワーク運動の保坂令子です。通告した順番から変えまして、協働のまちづくりの推進と条例化、防災施策、鎌倉市の行政運営についての順で質問してまいります。よろしくお願いいたします。
 初めに、協働のまちづくりと条例化についてです。9月議会で空き家対策について質問した中で、協働推進、市民活動推進の条例をつくるに当たっては、協働になって進めていくプラットホームを設けて、そこに予算をつけていく、そういう方向性が必要だと申し上げました。引き続きこの点に沿って伺っていきます。
 市長は9月定例会において、同僚議員の質問に答えて、市民活動推進のための条例づくりを目指すと言明されていますが、条例制定に向けて既に何か取りかかっていらっしゃるのでしょうか。市民活動部長に伺います。
 
○松永健一 市民活動部長  9月以降の動きでございますけれども、市民活動推進条例は市民みずからが主体的にかかわりながら制定する必要があり、その策定プロセスが非常に重要になることから、既に同様の条例を制定した先進市、近隣市の条例や制定過程を調査してきたところでございます。
 今後はこの調査結果を踏まえ、鎌倉市に適した検討組織を立ち上げるなど、条例制定に向けた準備に着手していく予定で現在準備を進めているところでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  本当に近隣他市の多くがこういった条例を持っているということです。
 その中で、協働推進条例、そして市民活動推進条例、名称としては2種類あります。この違いですね。内容的な違いというのを把握されているのでしょうか。また、鎌倉市としてはどちらにしたいと考えていらっしゃるのか、確認させてください。
 
○松永健一 市民活動部長  近隣市の条例を見る限り、名称の違いはございますけれども、いずれの条例も市民活動を活性化させ、協働によるまちづくりを進めることを目的としているものでございまして、さほど内容に差異はないと認識してございます。条例の名称や内容につきましては、広く市民や市民活動団体の皆さんとともに検討していく中で定めることになろうかと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  市民活動推進条例という言い方ですと、協働のパートナーとして市民及び市民団体を積極的に位置づけている姿勢を示しているのかなと思いますけれども、確かに条例の名称については、これから市民参画で進めていく中で、鎌倉市にふさわしいものをつくっていくということが一番いいのかなと思います。
 これまで、市民との協働については、しばしば行政側の意識啓発の必要性が言われてきています。これは協働に適した事業だと感じ取れる感性を全庁的に高める必要があると思います。この点についてはいかがでしょうか。
 
○松永健一 市民活動部長  市民ニーズの多様化や本市の行財政状況から、市民力、地域力を生かした市民自治が必要であることは、多くの職員が意識しているものと認識しております。しかしながら、ふだん市民活動団体の皆さんなどと接する機会のない部署も多くあることから、外に目を向け、協働に対する職員の理解を深めていくことが大切と考え、市民活動や協働に関する職員研修を行ってきており、今年度は実際の活動に参加させてもらう研修も実施したところでございます。意識啓発については十分ということはないと考えておりますので、引き続き機会を捉え、全庁的な意識の高揚を図っていきたいと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  その実地での研修というのは、市民団体等に受け入れをお願いして、そこに職員を実際に、一緒に働く経験を持たせるというものでしょうか。
 
○松永健一 市民活動部長  今、説明いただきましたとおり、NPO団体の御理解をいただきまして、若手職員を中心に、実際の活動に参加をすることで、行政職員と市民との交流の場にしたというようなものでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  常によく言っていますのは、協働の定義というんでしょうか、考え方をなるべく広く捉えて、いろいろな場で市民と一緒にやっていける機会を捉えることが大事ではないかという、そういった流れの中で職員研修も行っているのかなということなんですけれども、今は本当に市民協働を進める社会的ニーズが高まっていると感じています。
 9月議会でも申し上げましたけれども、空き家の利活用、それから、9月議会の議案になりました景観重要建造物等の保全基金ですね。これの実際のこれからの運用。それから、避難行動要支援者対策ですとか、地域の見守り推進など、鎌倉市の今後の事業展開においても、協働を視野に入れて進める好機、よいタイミングであるとは考えられないでしょうか。
 
○松永健一 市民活動部長  今、指摘いただきましたとおり、昨今、空き家の問題ですとか、避難行動要支援者制度など、市民生活のあらゆる場面で行政だけでは担い切れない新たな地域課題があらわれてきております。まさにこれらは協働を視野に入れた取り組みが必要な施策課題であり、私どももまさにこれらが本市の協働を推し進める大きなきっかけになるものと捉えております。
 
○6番(保坂令子議員)  策定に向けて取りかかっているということですけれども、その実際の策定方法については、行政が一方的につくるのではなく、市民参加型をつくる方針ということなのかなと思います。このことについて少し、この策定方法ですね、確認させてください。
 
○松永健一 市民活動部長  今回検討しております条例につきましては、市民活動を活性化させ、協働によるまちづくりを進めることを目的としている条例であるため、御指摘のとおり、行政のお仕着せではなく市民が主体的にかかわり、考え、市民参画型での手法によって策定することが必要だと思っております。
 条例の策定過程におきましては、意見交換や交流を行えるワークショップやフォーラムなど、多くの市民の皆さんに参加いただける手法を取り入れながら、市民の皆さんに広く理解していただき、ともにつくり上げていきたいと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  ワークショップとかフォーラムということを今、御答弁いただきましたけれども、外部のファシリテーターへの業務委託をして仕切ってもらうという方法もありまして、近年、鎌倉市においてはこの手法が多用されていますが、意識啓発の意味でも、市民参加型の策定過程に職員が積極的にかかわることが必要だとも考えますが、いかがでしょうか。
 
○松永健一 市民活動部長  この条例策定につきましては、市民、市民活動団体、行政がラウンドテーブルを囲みまして、さまざまな部署の職員がかかわり、市民と協働でつくり上げていくという姿勢が必要になろうかと思っております。
 その中で、ワークショップのような対話型の議論を行うに当たりましては、第三者である外部のファシリテーターなどの専門家が入り、市民と行政とが対等に議論を進めていくことも効果的であると考えておりますので、円滑に議論が進み、実りある成果が出るような形での取り組みというものを検討していきたいと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  行政と市民が対等の立場で練り上げていくので、行政が仕切るというところだと、少し上に立つような、そういうイメージがあるとして、仕切るということはしないほうがいいという御回答で、一理はあるのかなと思いますけれども、そういった外部のファシリテーター頼みにならない形で、本当に積極的にかかわっていくということで、若手の職員も参加してもらって、進めていってほしいなと思います。
 それで、これから中身の関係なんですけれども、中身がない、理念的条例にさせないためにはどうすればいいかということで9月議会でも話が出ましたけれども、私の考えでは、具体的な財政支援の仕組みを盛り込んでいくことが必要ではないかなと思うわけです。真っさらな状態から、ワールドカフェ形式等を採用して、市民参加型で進めるにしても、市として財政的措置を講ずる覚悟、姿勢というものを持って臨むことが求められると考えますが、いかがでしょうか。
 
○松永健一 市民活動部長  条例の策定に当たりましては、まずは市民活動団体や市民、行政がビジョンについて話し合い、共有することが必要であり、そしてそれを具現化していくのが条例になろうかと考えております。
 条例の理念に基づいて、市民活動の活性化や協働を実現していくために財政的な支援が必要であれば、当然それを担保するような条例でなければ実効性は期待できないと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  最初から枠をはめてということを申し上げているわけではないんですけれども、そういったことを視野に入れて臨む必要があるかなと考えをお示しいたしました。
 財政的支援については、市民から広く集めたお金も原資にすることで広がりを持たせている自治体が実際にかなりあるということだと思います。市には緑地保全基金とか風致保存基金、それから、先ごろ条例化した景観重要建造物等保全基金などのさまざまな基金があって、市のホームページでも寄附を呼びかけていますが、新たに市民活動推進基金的なものを設けて資金を募って、同時にそれが市民活動推進の裾野を広げる、そういうようなイメージを持っているところです。
 今申し上げた財政的支援措置をもう一度別の角度から捉えると、冒頭で申し上げたプラットホームということに重なります。例えば、茅ヶ崎市、「市民活動げんき基金」というのを運用しています。それから、活動拠点としての市民活動推進センターなどの、そういう拠点ですね、そういったものもある意味プラットホームなのかなと思うんですけれども、協働を実施するに当たって、担い手となる多様な主体がコミュニケーションできる基盤、そういうものが必要であると。そのようなプラットホームを構築するという考えについてはどのように思われますか。
 
○松永健一 市民活動部長  協働のまちづくりを推進していくためには、市民が互いに交流し情報交換できる活動の場ですとか、その活動基盤となる資金、あるいは支援するスタッフ、支援体制、そして情報ですとか、こういったものが集まる場としてプラットホームというものが必要になると思いますので、これから条例を策定するに当たりまして、多くの市民の声等を聞きながら、鎌倉市の市民活動にとって必要なプラットホームというものを考え、構築していきたいと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  真っさらなところから市民参加で条例をつくるという方針に枠をはめる気はありませんけれども、市民参加で練り上げていく中で、変更等を加えてよいものにしていけばいいということだと思うんですね。同種条例を保有している自治体が近隣にもたくさんありますので、ぜひ情報収集に努めて、市としてもビジョンを持って臨むと、そして市民とともに練り上げていくという方向性でぜひいっていただきたいと思います。
 続きまして、防災施策についていろいろ伺っていきたいと思います。
 9月の関東・東北豪雨を受けて総務省消防庁が行った調査の結果が11月17日に公表されました。庁舎が浸水するおそれがあり非常用電源を設置済みの市区町村のうち39%の199団体で電源を浸水から防ぐ対策をとっていないという調査結果で、全国的に危機管理ができていない状態があることに驚いた次第です。
 鎌倉市役所の場合は、洪水による浸水よりも津波による浸水に備える必要があります。本庁舎の非常用電源は屋上にありますが、配線は地下を通っていて、大津波では浸水してしまうと、これまでの議会答弁で聞いているところです。現在、どのような対応を考えているのでしょうか、伺います。
 
○佐藤尚之 総務部長  津波浸水時を含め、災害時の状況に応じた本庁舎機能維持を図るため、庁内に本庁舎機能維持基本方針策定委員会を設置いたしまして、この中で被災地の視察などを行うなど、その対策について検討しているところでございます。
 津波浸水対策の一環といたしまして、平成28年度に簡易発電機の導入、あるいは燃料の備蓄庫としての危険物倉庫の増設などを現在検討しているところでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  具体的な対策を検討しているということで、新年度においてはそれがある程度具体化するかなということを、今、確認させていただきました。
 では、避難所についてはどうでしょうか。市内25カ所の市立小・中学校の避難所には非常用発電機が配備されています。けれども、消防法の少量危険物貯蔵所の基準ですか、これに基づき、発電機に使えるガソリンは備蓄されていないと聞いています。災害発生により避難所において非常用発電機を使う必要が生じたときの対応はどのようになっていますか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  災害時、避難所では、夜間における照明の確保などの観点から、非常用発電機の確保は、議員おっしゃるとおり、重要であると認識しております。また、議員おっしゃるとおり、一方、発電機の燃料となるガソリンですが、消防法上の危険物に該当することから、保管には十分な注意が必要であること、また、管理運用の観点も踏まえまして、現在のところ備蓄は行っておりません。
 しかしながら、燃料の確保につきましては、現在、本市と鎌倉市危険物安全協会との間で燃料の搬送や給油といった災害応急対策の円滑な実施を図る旨の災害時燃料供給協定を締結し、対応体制の確保を図っているところでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  協定を結んで燃料のガソリンの確保体制はできているということですけれども、鎌倉市危険物安全協会、これ搬送もこちらに依頼してというか、お願いすることができるという体制になっているということですか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  協定の中ではそのようになっております。
 
○6番(保坂令子議員)  これについては、本当に実際の災害時、道路の通行ができるかどうかとかいったことも含めて、協定を結んでいることは大変重要なことだと思いますけれども、確保体制ということは今後ともいろいろ検討を進めて、本当に災害が起きて道路とかが寸断されたときのことも含めて検討を進めていっていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。今度は蓄電池についてなんですけれども、環境省は太陽光などの発電設備と蓄電池設備を防災拠点や避難所に設置する費用を全額補助する事業を行っています。先ごろこれは、今度は会計検査院なんですけれども、会計検査院が設置数の多い10府県について実地調査をしたところ、調査した327基のうち固定が不十分のため地震で転倒して使えなくなるおそれのある蓄電池設備が100基以上あることがわかりました。
 神奈川県は今回の会計検査院の調査の対象にはなっていませんでしたが、鎌倉市で補助金により設置された設備はどういう状況にあるのでしょうか。
 
○石井康則 環境部長  市におきましては、神奈川県再生可能エネルギー等導入推進基金市町村施設整備補助金を活用いたしまして、平成26年度に玉縄行政センターに蓄電容量10キロワットアワーの蓄電池を設置したところでございます。
 補助金の交付に際しましては、県から蓄電池の耐震性の確保が要請をされておりまして、設置工事におきましても、耐震計画を行った上で十分な耐震性を確保した工事を実施したところでございます。
 工事完了後につきましても、耐震性について県の検証を受け、会計検査院の要請する基準を満たしていることを確認しているところでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  わかりました。しっかり配慮されるということで安心いたしました。
 この蓄電池についてもう少し伺いたいのですけれども、蓄電といいますか、非常時の電源ですね。太陽光発電のための屋根貸し事業というのを鎌倉市は進めていて、小・中学校で4校ですか、行われていて、災害発生時には電力を融通してもらえるとも聞いていますけれども、一部の学校ですし、蓄電池は避難所などの備蓄資機材にはありません。災害時に必要となる資機材、例えば無線機器の電源のバックアップ、こちらはどのようになっているでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  災害時における無線機器の電源のバックアップにつきましては、防災行政無線の指令卓及び遠隔操作卓、屋外子局は平時から通常電源でバッテリーに充電し、電力が遮断された場合は自動で切りかえになるよう設計されております。
 その他非常用通信機といたしまして運用しておりますMCA無線においても、同様にバッテリーのバックアップを備えており、電力が遮断されても運用が可能な状態となっております。
 
○6番(保坂令子議員)  今、御紹介いただいた機器はどれぐらい電力がもつと考えればよろしいでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  個々に御紹介をしますと、例えば防災行政無線の指令卓については、1時間に5分放送した中で72時間の使用が可能です。あと、遠隔操作卓、いわゆる子局の関係は、これが同じ条件でやって20時間使用可能でございます。それから、防災行政無線の屋外の子局、これは1時間のうち5分放送した場合で約72時間使用ができるという状態になっています。MCAについては約20時間の使用が可能となっております。
 
○6番(保坂令子議員)  ずっと使いっ放しではないということなので、例えばMCA無線でも1日以上使えるということで、非常時にそういう状況にあるということは大変重要だと考えます。
 この防災の関係で、三つ目としましては、地域における共助の推進ということで伺っていきたいと思います。
 まず初めに、避難所なんですけれども、市内25カ所の市立小・中学校の避難所の各対象エリアの中には、避難所から離れたところに多くの方が居住されている、そういうところもあります。決算審査特別委員会でも風水害等避難場所の活用についての質疑がありましたが、各エリアでは、公会堂、自治会館なども風水害避難所に位置づけられています。地域の必要性に応じて避難所までの距離が遠い住民が一時的に避難できるサブ的な避難所の整備も必要ではないでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  台風などの風水害時には、御存じのように、市としてはできる限り早目に市立小・中学校に避難所を開設し、自主避難を呼びかけるとともに、避難が困難な場合は、安全確保のため、建物内への垂直避難等も有効であることもお伝えしているところでございます。
 避難所への移動に際しての負担が少ない地域独自の避難所を開設することは、高齢者の方々など、歩行に支障のある方々などについてはメリットがあると考えられ、実際に公会堂や町内会館などを独自の避難所として検討したり、訓練を行っている地域があることは承知しております。今後も自主防災組織や自治・町内会が地域内の避難所の検討を行う場合は相談に十分応じるなど、協力を図ってまいりたいと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  原則、状況に応じた判断が大事だということだとは思います。けれども、今御紹介いただいたように、実際にサブ的な避難所ということで、より近いところの避難所、避難場所ですね。実際に取り組んでいる地域が既にあるということでした。
 そうなりますと、備蓄品を分散させるかどうかということも含めて、地域性を考慮するということになりますが、地域の避難計画として位置づけを進めるべきところは市内に複数あると思いますので、市としてもその認識を持って臨んでいっていただきたいと考えます。
 次に、これも決算審査特別委員会で質疑のあったことですけれども、市内の消火栓、消防水利の状況について、改めて確認させてください。
 
○斎藤務 消防長  市内の消火栓を含みます消防水利の状況です。国が示します消防水利の基準に照らし合わせて、現有数3,740基、95.4%充実している状況でございます。今後も水道局が行います配水管の敷設工事等に合わせて新設を進めてまいります。
 
○6番(保坂令子議員)  94.5%の充実ということで、これ決算特別委員会でも御報告いただいている数字ですけれども、現状での課題としては何かありますか。
 
○斎藤務 消防長  課題につきましては、市内の消火栓につきましてもおおむねの水利について確認しております。水利が低い場合においても消防車の積材でありますポンプにより水圧を一定にして消火活動に対応している状況でございますので、現状においては課題等はありません。
 
○6番(保坂令子議員)  確認させていただきました。
 では、自主防災組織について関連して聞いていきたいんですけれども、自主防災組織の編成では、消火班、救出救護班等があり、補助を受けて配備、備蓄している資機材の中に初期消火用具、救出救護用具等が含まれます。消防による自主防災組織の指導は、日常的にはどのように行われているのでしょうか。
 
○斎藤務 消防長  自主防災組織の指導につきましては、消防職員が担当を持ちまして、地域の防災力の強化のため、災害時における知識及び技能について指導・促進を図っているところでございます。
 内容としましては、防災講習会の開催、消化器等を使用した初期消火訓練、救急講習並びに避難訓練など、今後の防災に対します危機意識の啓発と具体的・実践的な訓練を行うことで、さらなる市民の防災力を高めるよう努めてまいります。
 
○6番(保坂令子議員)  日常的にさまざまに御努力いただいているということを確認させていただきました。
 ではまた、防災安全部長に伺います。自主防災活動の育成のための補助金の対象となっている防災資機材については、新たな品目の普及や自主防災組織からの要望などによって見直しというのは行っていますか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  自主防災活動育成費補助金は、市内の自主防災組織が行う普及啓発活動の育成及び防災資機材等の設置などに係る経費の2分の1以内において助成を行っているものでございます。
 補助の対象となる事業につきましては、要綱で規定しておりますが、状況の変化に応じまして新たな品目の設定や変更を行うなど柔軟性を持って運用しているところでございます。例としまして、直近では、AEDの普及を受けまして、補助対象品目への追加を行っております。
 今後も社会的ニーズや自主防災組織からの要望などを踏まえまして、補助対象品目の追加・変更の必要がある場合は適宜対応してまいりたいと、このように考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  先ほど御答弁いただきました、消防による自主防災組織の指導で、初期消火については消火器の使い方指導というお話でした。補助対象品目一覧の防災資機材の初期消火用具では、可搬式動力ポンプというのも上がっています。可搬式動力ポンプは、防火水槽から取水して消火栓の水圧が低いところでも使える利点がありますが、裏を返せば、防火水槽の近くでしか使えない。それから、重量も重いなどの難点もあると聞いています。
 最近では、消火栓や配水線などを使用して直接消火できるスタンドパイプ消火資機材の普及も見られるということです。大和市は市内の全ての自主防災組織に無償で配備し、県内でも茅ヶ崎市、相模原市、厚木市などが防災備品としての補助対象品目にしているそうです。
 市内の自主防災組織からも鎌倉市でもぜひ補助の対象にということで要望書が上がっていますが、このスタンドパイプ消火資機材を補助対象品目とすることは可能でしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  今、議員御紹介のスタンドパイプですけれども、これは消火栓に直結しまして、いわゆる水道管自体の水圧を利用して給水して、ホースから放水する初期消火器具であります。
 近年、このスタンドパイプを自主防災組織の備蓄資機材として導入している自治体が増加していることは承知しております。本市におきましても、以前に研究した経過がございますが、消防隊の活動や消防水利の状況などによりまして、有効な活動に影響を及ぼす懸念があることとか、取り扱いに関する安全性の観点などから、現在のところ積極的な普及促進には至っておりません。
 なお、現行の自主防災活動育成費補助金交付要綱におきましては、当該機具を補助対象とすることは可能となっておりますが、補助対象として認定をしていくためには、事前に地域の実情や、先ほど申し上げたような課題の解消を踏まえまして、いわゆる実効性の確認をした上で慎重な対応を図っていただくよう工夫する必要があると考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  そういった地域特性、状況を把握した上でということで判断されるのが、求めている自主防災組織、そういった地域にとっても結果的にはよいことですので、そのあたりは対話といいますか、言われるままにということではなくて、コミュニケーションをとりながら、必要に応じて進めていっていただきたい。地域によっては、本当に通常のときはいいですけれども、災害時に同時多発的に火災等が起きたときに、自分たちでやらなければいけないんじゃないかというような、そういった危機感を持って積極的に自主防災活動に取り組んでいるところもありますので、それは一律どこも同じようにということではなくて、コミュニケーションをとりながら、地域の特性を考慮していただくという姿勢で今後、前向きにというんでしょうか、検討していっていただきたいと思います。
 今、スタンドパイプ消火資機材について申し上げましたけれども、自主防災組織の備蓄品等については、避難所単位での合同防災訓練の機会などを通して、自主防災組織間の情報交換、情報共有化も図られていると思いますが、市としても情報提供も含めた支援というのを行っていってほしいと思います。
 続いて、たびたび質問している津波避難計画についてです。ことし7月に全市的な津波避難計画ができました。計画の最後に今後の取り組みとして、地域の方々との協働により各地区の津波避難時の考え方や方針について検討し、津波避難路や避難場所をまとめ、地域で共有化することを目指すとあります。これには今年度予算もついています。地区別計画の策定は、現在、住民参加で進んでいるのでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  この津波避難計画の全市版につきましては、平成27年4月の防災会議に報告を経まして、7月にホームページで公開をしたところでございます。
 これを受けまして、本年度は津波浸水が予想される沿岸地域ごとの具体的な避難計画を示す地域別実施計画を策定する準備を現在進めております。この計画では、沿岸地域3カ所について2回ずつ住民参加のワークショップの機会を設け、住民意見を反映した実効的な避難計画にしたいと考えてございます。
 現在、計画の策定支援事業者選定のための契約事務を進めておりまして、事業者確定後、速やかに計画の策定に着手し、地域にお住まいの皆さんとの対話の機会を設けながら、年度内の計画設定に向け取り組んでまいります。
 
○6番(保坂令子議員)  全市的な計画はことし7月に公開ということでしたね。
 地区別計画ですけれども、3カ所に大きく分けてワークショップとかも行うということですけれども、スケジュール的なことですよね、年間での。津波避難の地区別計画というのは、総合防災課の今年度の事業としては、これまでの取り組みの中間まとめの意味でも重要なものであると考えております。けれども、結局は年明けの二、三カ月で形にするということですよね。どこまで住民からの具体的な提案をすくいとったものになるか、そのスケジュール的、期間的なところにおいては、ワークショップを開くということですけれども、心細いなと考えます。
 けれども、沿岸地域には積極的な防災・減災に取り組んでいる地区がありますので、全体的な防災意識の向上を図るとともに、国からの補助金が得られる整備事業も組み込んで、実効性のあるものにしていってほしいと思います。
 今回は共助の推進ということで質問していますが、鎌倉市は公助においてもやるべきことを十分にやっているとは言えません。特に津波避難対策です。共助と公助をうまくつなげるという視点で、地区別計画をしっかりと策定していってほしいと思います。
 では、次の質問に移ります。次は、一昨年の6月定例会で問題提起をいたしました大規模盛土造成地調査についてです。
 今年度予算がついて、現在調査実施中の大規模盛土造成地調査業務委託、この調査の内容と進捗状況はどうなっているでしょうか。
 
○征矢剛一郎 都市調整部長  委託業務の調査につきましては、国土交通省の大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドラインと、国土地理院の人工改変地形データ抽出のための手順書、この二つに沿いまして、地図データなどをもとに行っております。大規模盛土造成地マップ作成まで行おうとしているところでございます。具体的には、新旧の地形図や空中写真を重ね合わせまして、標高のデータの差をもとに盛土箇所を抽出し、現地踏査の上、大規模盛土造成地マップを作成しようとしております。
 現在の進捗といたしましては、データを抽出し終えておりまして、マップ作成作業を行っているという状況でございます。
 
○6番(保坂令子議員)  過去に大規模盛土で造成された土地の滑動崩落ですよね。その危険度の調査ということですけれども、現在行っている、これは本当に第1次の調査ということで、机上のデータからということだという御説明でした。
 国土交通省はことしの5月に大規模盛土造成地調査ガイドラインを改定しております。鎌倉市の調査の予算計上はこのガイドライン改定前でしたけれども、その調査業務委託に当たっては、ガイドラインの改定を受けた形になったと思います。このガイドラインの主な改正点、改定点というのは何でしょうか。
 
○征矢剛一郎 都市調整部長  大規模盛土造成地調査ガイドラインの改正点についてでございます。平成23年の東日本大震災の被災実態を分析しまして得られた知見ですとか復旧事例を踏まえまして、大規模盛土造成地調査に関するものとして主に二つの点が改正されてございます。
 一つ目といたしまして、大規模盛土造成地マップ作成において、以前には国の手順書で示されておりました今後の計画策定に向けた詳細調査や、住民への事前説明事項というものが除かれております。また、そのかわりとしまして、これが2点目になりますが、マップ公表後の次の調査の段階において、今、除かれたような事項をより詳細にかつ具体的な調査等を行うよう、明瞭・明確に規定がなされたということでございます。
 この改正によりまして、マップ作成までの行程が簡略化されまして、早期のマップ作成が可能となったものでございます。その後につきましては、より綿密かつ高度な調査が必要になったということでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  ガイドラインの改定で、マップ作成までのハードルは下がりましたけれども、それ以降が、本気で取り組むと、より大変だということですね。
 ともかく、第1次スクリーニング調査を終えないと、鎌倉市においてさらに詳細に調査すべき箇所があるかどうかはわかりません。結果は当然公開していくということだと思います。国も自治体に対して公開を強く働きかけているようです。
 では、この大規模盛土造成地マップ作成の意義は何でしょうか。もう一度確認したいと思います。
 
○征矢剛一郎 都市調整部長  本市におきましては、東海地震、神奈川県西部地震、長期的には南関東地震の発生が想定されているところでございます。建築物の基盤となる宅地の安全性について、計画的に向上していくことが求められていると思っております。
 そこで、日ごろの防災意識を高め、災害の事前防止や災害の軽減につなげる一つのステップとして、市民の皆様にその存在を知っていただくことを目的に、大規模盛土造成地マップを作成し、公表しようとするものでございます。
 ただ、マップに示される盛土造成地は、あくまでも新旧地形図を重ね合わせ、抽出しました主に3,000平米を超える盛土造成地のおおむねの範囲を示したものでありまして、危険な箇所を示すものではございませんことから、公表方法などにつきましては慎重に進めていく必要があるだろうなと思っているところでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  マップに載った箇所が即危険だということではないけれども、盛土造成地があるということを自覚しておいてほしいというメッセージを住民に対して正確に伝えた上で、情報としては公開していくというふうに努めていっていただきたいと思います。
 この大規模盛土造成地の滑動崩落対策については、国土交通省は調査のガイドラインを、今、御紹介いただいたように改定し、そして一定の財政的支援措置を行い、進捗状況や作成されたマップを公表するなど、全国の自治体に取り組みを促しています。
 それと対照的なのが、内閣府が所管する避難行動要支援者支援対策です。国は2013年6月に災害対策基本法を一部改正いたしまして、災害発生時の避難等に特に支援を必要とする避難行動要支援者の名簿の作成を市町村に義務づけ、同年の8月に名簿の作成・活用に係る具体的手順等を盛り込んだ取組指針を策定、公表しました。しかし、それ以降の国の動きは見えてきません。
 これまで再三質問してきましたが、鎌倉市において避難行動要支援者対策ははかどっているとは言えない状況です。他市においてはどうかと、内閣府のホームページを気をつけて見ているんですけれども、全国的な進捗状況を公表する気はないようです。先行した取り組み事例の紹介もされていません。国は個人情報の取り扱いのところを整理したのだから、あとは各市町村で頑張れということなのかと思わざるを得ないところです。そうではあっても、国と違って現場と向き合う自治体においては、途中までやって終わりということはあり得ません。
 避難行動要支援者対策については総務常任委員会でも報告が予定されていますので、ここでは余り細かいことは伺いません。最初に伺うことは、10月からモデル実施地区を除く全市域の対象者の意向確認を実施しています。支援を必要とされる方からまず回答を得なくてはなりませんが、その後の取り組みを担っていただく支援する側への説明も重要だと考えます。現状ではどうでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  避難行動要支援者支援制度につきましては、御紹介のように、災害対策基本法の改正によりまして、自治体による避難行動要支援者名簿の作成と支援組織への名簿の提供が義務づけられました。本市では平成27年10月に該当者への個人情報開示の意向確認を実施いたしまして、現在、支援する機関や団体などへの名簿提供の準備を進めているところです。
 当該制度の運用開始に当たりましては、支援する側の制度への理解が非常に大切であることから、そのための説明は大変重要であると認識しております。現在、今年度に入りまして、各関係機関、民生委員・児童委員につきましては7回、自主防災組織1回、地区社会福祉協議会2回、計10回の説明の機会を設け、制度の周知を図ってきております。今後とも必要に応じて鋭意対応を図ってまいりたいと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  説明会などでは、自主防災組織の担当者から負担が大きいという声が出たということも聞いております。どこまで取り組めばよいのか、また、要支援者情報は時間の経過で更新されるものですので、支援プランも一度つくれば済むというものではないなど、担う側の負担がどこまで大きくなるかわからないことが、そういった厳しい声の背景にあるのではないかと思いますが、このあたりについてはどのように受けとめていらっしゃいますか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  この避難行動要支援者対策の最終的な目標というのは、支援者側による個別の支援プランの作成、これが理想であることは認識しております。しかしながら、今、議員御紹介のように、名簿を受け取った後の取り組みについては、支援する側のおのおののマンパワーの確保の状況や組織体制や地域の実情などによって、一定の温度差が出ることは予想されます。
 しかし、いずれにいたしましても、市としましては、各支援団体と支援側の規模や受け入れ体制について配慮しながら緊密に協議を重ね、その組織に適した現実的な方法を協働で模索・検討していきまして、地域における共助の力、共助力の育成を図ってまいりたいと、このように考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  地域によって取り組みに差が出てくるということは、事前に予想しつつ、そして、それぞれの地域においてできる限り、その地域の状況に合った取り組みを進めていっていただきたいということになるのでしょうか。
 
○柿崎雅之 防災安全部長  そのとおりでございまして、支援を担う立場となる方々への説明や意見交換の中では、やはり防災と福祉の連携の重要性や、町内会等での名簿の取り扱いに関する不安、さらに制度理解のための説明の必要性などといったさまざまな御意見をいただいているところでございます。支援体制の温度差を解消していくためには、こういった御意見を十分踏まえまして、具体的な方法を一緒に協議していくことが肝要だと、このように考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  支援する側の状況を考慮して、現実的な方法を協働で模索していくという姿勢は基本だと思います。到達点は一律ではなくて、そして、最終的には共助の力を伸ばすということが非常に重要だなと思います。ただ、新たな要支援対象者の意向確認作業と名簿の更新をどれくらいの間隔で行うかということについては、しっかりと検討を進めていっていただきたい、そのように考えます。
 防災施策について伺いましたけれども、大きなくくりでの三つ目は、鎌倉市の行政運営についてということで、本当に大きなくくりになってしまうんですけれども、その中で、まず初めに、情報システムを用いた業務遂行について伺っていきたいと思います。
 前の質問で避難行動要支援者対策の進捗と今後の進め方について伺った際には直接触れませんでしたけれども、先ほどお話があった10月上旬に避難行動要支援者の要件に該当する市内の、これは約2万2,000人ということですけれども、その方に意向確認書を送付した際、送付漏れ、誤記載、対象外の高齢者への送付といったミスが大規模に生じました。幸い個人情報の漏えいはありませんでしたが、送付漏れが446人に及んだというのは深刻に受けとめざるを得ません。原因としては、データ間の連携ミスやデータ出力時の操作ミスが上げられると報告されています。
 この事故は、10月27日と28日の総務常任委員会で明らかにされたものですが、私は情報システムとそのセキュリティーの確保についてはかねてから気にしておりまして、マイナンバー制度の開始という状況も踏まえて、さまざまな事態への懸念も増しているところです。
 そこで、鎌倉市の近年の状況を確認しようと、9月上旬に情報セキュリティーに関する事故及び障害についての報告を情報公開請求いたしました。その結果、請求対象でした平成25年度第1四半期から平成27年度第1四半期までの2年3カ月間に鎌倉市のセキュリティーポリシーに違反した危機事案が、許可されていないフリーソフトウエアのインストール、業務と無関係のウエブサイトを閲覧したことによるウイルス検知など、12件あったことがわかりました。
 こういう状況についてはどのように受けとめているのか、伺います。以前に情報システムについて委員会で質問した際、セキュリティーポリシーがあるから大丈夫だという答弁でした。セキュリティーポリシーは機能しているとお考えでしょうか。
 
○比留間彰 経営企画部長  情報セキュリティーに関する事故報告につきましては、例えば不要な広告表示を行うマルウエアの検知事案など軽微な事象も含んでいるものの、毎年何らかの事故が発生していることに対しては危機感を持っていると感じております。軽微な事故であっても、それを見逃すことが重大な事故につながるという意識を持って、全庁に向けた事例の紹介や対応策の周知などにより、事故の根絶に努めてまいりたいと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  軽微な事故も見逃さない、軽微なミスも見逃さないという姿勢は非常に大事だと思います。けれども、本当に毎四半期ごとに何らかの事故といいますか、問題の事案が発生しているということについては、そのあたりについては気を引き締めなければいけないところです。
 それで、情報セキュリティーポリシーですけれども、これは一般的な基準を定めているもので、個別の情報システムを運用している課においては、そのシステムの運用に即した個別の情報セキュリティー実施手順を策定して、適正な管理に努めるものとされています。それぞれの課において情報セキュリティー実施手順の策定は徹底しているのでしょうか。また、策定されているのかどうかのチェックはいかがですか。
 
○比留間彰 経営企画部長  御指摘のとおり、システム導入に当たりましては、情報推進課と原課との間でシステムの構築やセキュリティー対策について協議を行いまして、その結果を踏まえて各システムのシステム管理者により情報セキュリティー実施手順が策定される、こういった手順になっております。策定された実施手順は、システムの運用が始まるまで情報推進課に提出されまして、情報推進課内で内容をチェックし、必要な助言を行っている、このような運用をしているところでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  今の御答弁ですと、情報推進課に提出されて、つくられているということを確認している、中身も見ているということですね。この情報セキュリティー実施手順ですけれども、本当につくられたかどうか、最後のところまで確認する仕組みというのはしっかりと運用していっていただきたいと思います。
 この情報セキュリティー実施手順、今後、マイナンバー制度の実際の運用に向けて、かなり込み入ったものをつくることになると思います。セキュリティーに違反した危機事案は、軽微なものとはいえ、先ほども申し上げましたように、毎四半期発生しています。マイナンバー制度に関しては、従来のケース以上に慎重を期して情報セキュリティー実施手順をつくらなければならないと考えますけれども、これについては後日また質問させていただきます。
 話を情報公開されました事故及び障害についての報告書に戻しますと、設定ミスによって市民に影響が及んだ事案も気になりました。例えば、後期高齢者医療システムで、コンビニエンスストアで納付された場合に納付確認がされないものがあった件では、カスタマイズ対応をした納付証明書の情報について、社内テストは完了していたが、鎌倉市の環境に適用されていなかった。また、例えば幼稚園就園奨励費の金額を誤った件では、システムの使用に関しての導入時にベンダーとの調整作業が不足していた。こういった例があるわけです。
 避難行動要支援者の意向確認時の誤送付、誤表記も含め、このような確認不足、調整不足によるミスを防ぐ、また、ミスがあったとしてもすぐに気がついて市民に影響が及ばないようにするには何が必要だとお考えでしょうか、具体的に伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  システム導入時の検証ですとか、実データによる初めての運用については、十分なテストを行うことが肝要で、システム開発の仕様書にもテストや研修の内容について盛り込んでいるところでございます。原課と事業者のたび重なるやりとりを経てシステムは完成していくわけでございますが、最終的には業務に精通しています原課による出力内容のチェック、これが最も重要で有効な仕組みであると考えております。これを徹底していくこと、これが重要になるかと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  今、徹底ということで御答弁いただきましたけれども、大きな事故、危機事案につながりかねないような、これ、いわば人為的ミスの場合が多いわけですよね。その出力テストをきちんとやらなければいけないということも含めてですね。そういった人為的なミスを防ぐには、やはり余裕のある業務を進める体制というものがなければならないと思うところです。
 以上で情報セキュリティー、情報システムの関連の質問は区切らせていただきまして、次に、行政文書の作成・保存についてです。これは、これまでに何度も取り上げてきたテーマですけれども、最近また気になるケースがありましたので、質問をいたします。
 鎌倉市の行政文書管理システムは、保存期間を1年以上と定めない文書は、紙ベースであってもメールなどの電磁情報であってもシステムに保存しないというルールを決めていると思いますが、一般的な文書管理事務として、職務上外部とやりとりをした電子メールの取り扱いはどのようになっているのか、確認させていただきます。
 
○佐藤尚之 総務部長  今、御紹介いただきました鎌倉市行政文書管理規則第3条では、事務処理に当たっては処理の内容を行政文書として記録しなければならない。ただし、事務処理に係る事案が軽易な場合はこの限りでないとされております。
 この電子メールを受信した場合でございますけれども、文書取扱責任者は行政文書として取り扱うか否かの判断をし、保存期間が定められていないもの、いわゆる1年未満のものですけれども、これを除き、当該電子メールに係る事務処理を行うべき者、職員ですけれども、その者が文書システムにより収受する、こういう形になります。それから、収受後は、文書管理システムによりまして、規則に従って行政文書の事務処理を行うこととなります。
 
○6番(保坂令子議員)  では、一つケースを取り上げたいと思いますけれども、北鎌倉隧道の安全性検証業務委託で、業務委託先の一般社団法人日本トンネル技術協会と道路課との打ち合わせなどのメールを市民が情報公開請求しようとしたところ、半年ほどもたっていないのに、メールの保存容量が限られているので消してしまったと言われたと聞いています。
 事務的なやりとりであっても、後になって経過がどうだったかチェックする必要が出てくることもあります。継続中の事業で、しかもその事業の是非が問われている事業なのに、なぜこの当該メールというのは保存されなかったのでしょうか。
 
○小礒一彦 都市整備部長  電子メールにつきましては、先ほど総務部長のお話ありましたように、鎌倉市行政文書事務ガイドラインの中で、電子メールを受信した場合は文書取扱責任者は行政文書として取り扱うか否かを判断を行わなければならないと規定されております。
 御指摘の道路課と日本トンネル技術協会間の電子メールにつきましては、委託業務の実施過程で、検証委員会の進行手順ですとか資料作成等の進捗状況の確認のために行ったものでございます。このことから、内容を確認いたしました時点で電子メールの目的が達成されたため、文書取扱責任者が行政文書として取り扱う必要がないと判断をいたしまして、削除いたしました。
 
○6番(保坂令子議員)  内容確認をした上で、その担当課において保存する必要がないという判断だということですけれども、先ほど申し上げましたように、これ継続中の事業で、問題視されている部分もあるわけなんですね。そういう事案であると、経過ということも非常に問題になるわけです。それについて、外部から、市民等からこの事業の経過はどうだったのかということで追及されるということもあり得るわけですし、そして、みずからもその業務が適正だったかということが、進め方が、プロセスというところが適正だったかどうかということが検証できるようにしておくというのは、やはり必要であって、内容を確認して、これがどんどん次のメールで、またその次のメールで更新されているからよいのだというのとは、そのあたり、危機管理という意味では違うなと思うんですね。確かに市役所内部での一般的な取り扱いとしてはそれで正しかったのかもしれませんけれども、自覚を持って判断するということがすごく大事なんじゃないかと思うわけです。
 継続中の重要な案件についての外部とのやりとり等の電子メールについては、特定のフォルダーを設けて、今の例、単純な連絡メールと、単純なというんですか、どんどん情報が更新されていくような連絡メールだったかもしれませんけれども、そういったものも含めて、必要な期間保存しておくべきじゃないでしょうか。そのフォルダーを設けて必要期間保存するということは、特段難しいものではないし、後になってその経過を検証するという意味でも、これ普通にもやっていることなので、これがどうして市役所の中でできないのかなと思いますが、いかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 総務部長  電子メールでございますけれども、当然ながら、先ほど御答弁したように、文書取扱責任者が行政文書として取り扱うか否かの判断を行った結果、それが行政文書とするということになりますと、さらに課長等はこの文書管理規則第5条の規定により、行政文書として事務の性質、あるいは内容、こういったものに応じて系統的に分類し、整理し、及び保存することということで行政文書管理規則では規定をされてございます。
 
○6番(保坂令子議員)  文書取扱責任者の判断ということですけれども、本当に現場の判断で、それぞれの課で行っている事業が、それが非常に重要なものであるし、後になって検証が必要とされるような事案であったら、そのことに配慮して、電子メール等においても必要な保存を考えるという姿勢が求められるのではないかと思います。
 別の事案に移りますけれども、これも通底しているところは同じ案件です。6月定例会で陳情第2号鎌倉市一般廃棄物最終処分場(6号地区)の20年間放置に関する陳情が採択されています。平成7年から焼却残渣の埋設が始まった6号地区の地権者7名と市が交わした営農損失補償の補償協定書を、先ごろこの陳情の提出者が情報公開請求したところ、文書不存在の決定がおりたということです。
 市は地権者との間で7年経過後までを一括した補償協定書を取り交わしました。平成12年以降は毎年更新で補償協定書が交わされていますが、この当初の補償協定書は保存期間が経過したため廃棄されたとのことです。営農損失補償は続いているのに、当初の補償協定書はなぜ廃棄してしまったのでしょうか。その理由も今となっては確認できないということになりますか。
 
○石井康則 環境部長  関谷6号地の最終処分場の当初の補償協定書につきましては、平成4年から平成11年までの7年間の協定でございます。文書管理規則では、契約に関するものにつきましては基本的に保存期間は5年としており、起算日は契約に関する債権債務が消滅した日の属する年度の翌年度の4月1日としてございます。したがいまして、当初の補償協定書につきましては、平成12年4月1日を起算日として文書を保存し、保存期間が終了後に廃棄をしたということでございます。
 一方、当初の補償協定期間終了後に、危機管理として最終処分場を存続するため1年ごとの契約している補償協定書のうち、平成22年度以降の協定書は5年保存文書として現在保存されているというところでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  その保存年限の規定に沿って運用しているということは、それはもちろんわかるわけですけれども、その保存年限がたとえ過ぎたとしても、後追いで検証するためには、検証を可能としていくためには、保存しておくという姿勢が必要だということを申し上げているところです。
 当初の協定書、今、更新されたものがとってあるということですけれども、当初の協定書にはもっと別の内容も記載されていたのかもしれませんが、もうその情報は市としては把握できないということでいいのかということで、問題提起をさせていただいております。
 では、その保存年限ですね。保存年限が過ぎた行政文書の廃棄の判断をどう行うのか、改めて確認させていただきます。
 
○佐藤尚之 総務部長  その手順を含めて御案内させていただきます。保存文書の廃棄につきましては、総務部総務課から各課に依頼文を出します。毎年4月の初めからおおむね2週間程度の縦覧期間を設けてございます。各課等におきまして縦覧期間内に縦覧を行いまして、各課等において廃棄してよいかどうかの決裁をとった後に、総務課において廃棄をすると、こういう手順になってございます。
 
○6番(保坂令子議員)  手順としてはわかりました。問題となっている事業や現在も継続している事業に関する行政文書は、廃棄せずに保存しておかなければ、事業の成否の検証ができません。保存期間が過ぎた完結文書というんですか、完結文書の縦覧の折にも、この点の考慮を徹底すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 総務部長  この鎌倉市行政文書管理規則第7条第2項におきまして、課長等は保存期間を経過した行政文書について、文書ごとに職務の遂行上必要があると認めるときは、総務課長にあらかじめ協議して、一定期間当該保存期間を延長することができる旨が規定されてございます。したがいまして、保存期間の延長につきましては、総務課長と協議し対応していくことが望まれます。
 
○6番(保坂令子議員)  文書の保存について何点か確認いたしました。
 続いて、文書作成について少し伺いたいと思います。岡本二丁目マンションの計画用地の土地所有者の事業者と市との交渉の議事録の情報公開請求において、議事録が長期にわたって作成されていなかったために、異議申し立てが出され、ことし8月28日に鎌倉市情報公開・個人情報保護審査会において答申が出されています。この答申の中で、行政文書の作成について審査会はどのような見解を示していますでしょうか、御紹介ください。
 
○佐藤尚之 総務部長  今、御案内の平成27年8月28日の答申中、審査会の判断というところを読ませていただきます。
 文書管理規則第3条第1項は、事務処理に当たっては、処理の内容を行政文書として記録しなければならない。ただし、事務処理に係る事案が軽易な場合はこの限りでないと規定している。実施機関は、土地所有者からは情報漏えいに配慮してほしいとの強い要望があったため、最終的な方向性が確認されるまでは正式な文書として作成することをとどめていたと主張するが、何らかの事情があることを理由に職員が市政において重要な事案である事実経過に関する行政文書を作成しないことを容認すれば、前記文書管理規則に反するだけでなく、行政としての透明性を欠き、説明責任が果たせないこととなり、情報公開制度の趣旨が没却することとなりかねないと述べてございます。
 
○6番(保坂令子議員)  何らかの事情があることを理由に職員が市政において重要な事案である事実経過に関する行政文書を作成しないということは容認できないと。この審査会の指摘は本当に当然のことなんですけれども、この当然なことがされていない状況があります。審査会には明解な見解を示していただいて、大変よかったと思います。
 では、別のケースです。深沢地域整備事業では、進捗状況などについてまちづくりニュースでわかりやすく公表していることは認めますが、関係機関や権利者との会議録も可能な限り公表していくことはできないのでしょうか。例えば、地権者であるJRとの交渉記録の実質的な部分の公開度が大変低いのが現状です。これについて市としてはどのように説明をされますか。
 
○渡辺一 拠点整備部長  深沢整備事業に係る関係機関や権利者との会議録につきましては、情報公開請求を受けた場合、情報公開条例にのっとって可能な限り公開しております。しかしながら、例えば、権利者でありますJRとの交渉に係る会議録等につきましては、権利者の権利、利益に直接的に影響を及ぼすおそれがあることから、公開できる範囲が限られているのが現状でございます。
 
○6番(保坂令子議員)  交渉記録の全てに第三者の企業情報が含まれているわけではありません。交渉自体に支障を来すようなことがあってはいけませんが、相手方にも理解を求め、公開度を上げるように努めるか否かというところで市の姿勢が問われていると思います。
 鎌倉市の行政運営に関連して、情報システムとそのセキュリティー、行政文書の作成・保存について伺ってきましたが、最後は行政運営の透明度を上げるという視点で、事例を挙げて質問いたします。
 神奈川ネットワーク運動は9月定例会の補正予算に反対しましたが、反対の理由を大きく捉えて申し上げれば、意思決定過程の不透明さということに尽きます。
 北鎌倉隧道の安全対策については、結局、市としてはずっと開削という方針だったのだなと受けとめています。しかし、検討の集大成として行った日本トンネル技術協会への検証業務委託の結果、検証委員会の委員から示されたもろもろの見解が開削決定に導かれた、その道筋が不透明であることが問題だと思います。
 では、旧図書館についてはどうでしょうか。昨年12月定例会で、分庁舎及び旧教育センター解体工事に係る経費として、解体に係る補正予算が提示され、これは議会が可決しました。次いで、ことし2月の定例会では、旧鎌倉図書館解体についての陳情が総務常任委員会で閉会中継続審査となりました。市においては、議会において継続審査となったことを重く受けとめて、陳情を提出した団体と話し合いの場を持ったこと、また、団体が専門の調査機関に委託してまとめた旧鎌倉図書館現況調査等報告書を尊重したものと推察いたします。それはある程度評価しております。
 けれども、市民団体とどのような話し合いをしたのかとか、現況調査報告書に示された内容のどの部分が保存・活用への方針転換の決め手となったのかなど、十分に説明されているとは思えません。保存・活用の意思決定はどのようにして行われたのでしょうか。市長に伺います。
 
○松尾崇 市長  旧図書館の解体につきましては、平成26年12月議会で補正予算の議決をいただきましたが、その後、市民団体からその保存を求める陳情が提出されました。平成27年7月31日に市民団体から専門家による建築評価や耐震補強の可能性などをまとめた調査報告書が提出されました。また、保存に必要となる費用集め、募金活動に積極的に取り組んでおり、今後も継続していきたいとの意向が示されました。
 旧図書館は戦前に建てられた神奈川県唯一の図書館の遺構であり、御成小学校旧講堂や御成門と一体となって良好な景観を形成しているという専門家の評価、耐震改修により活用が可能であるとの建築調査の結果、さらには保存に必要となる費用集め、募金活動を市民と行政の協働による歴史的建造物の保存の新しいスタイルと評価をして、方針を変更しました。
 方針変更に当たりましては、庁内検討会議を開催し、私の決裁にて方針変更しました。また、政策会議において報告した後に、9月議会に必要経費を補正予算として上程させていただきました。
 
○6番(保坂令子議員)  そういった庁内検討会議ですとか政策会議の情報というのは、その経過において積極的に示していかれるということがすごく大事ではないかということを、今、御答弁を伺って思いました。そのことについては、また後ほど述べたいと思います。一旦解体を決めて、補正予算まで通した方針を転換したのは、大きなことです。その経過と理由が9月議会に先駆けてはっきりと示されるべきだったと思います。
 次に、御成小学校旧講堂について、市長に伺いたいと思います。市長は7月13日の議会全員協議会で、学校施設として保存・活用する方針と、アスベスト含有の可能性が高い屋根材の夏休み中の撤去方針を公表されました。旧講堂については、1996年の校舎改築計画報告書に修復保存して利用すると示されており、保存・活用の方針はずっと継続していたともとれますが、活用方法も定まらず、改修も行われない状態が続いており、保存・活用方針は封印されていたようなものでした。
 本来でしたら、昨年12月からことし3月にかけて実施された現況調査の結果を受けて、対応方針の検討を急ぐべきでしたが、そうはならず、6月議会で屋根材へのアスベスト含有の危険性が大きくクローズアップされたことから決断を迫られたという経緯なのでしょうか。市長としては、封印されていたとはいえ、継続していた保存・活用という方針を追認されただけなのでしょうか。それとも、何かの決断材料があって、御自分の判断として保存・活用を決められたということでしょうか。もしそうでしたら、その決断材料が何であったかということも含めてお示しいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 
○松尾崇 市長  今、議員御指摘いただきましたとおり、御成小学校の旧講堂につきましては、平成8年1月作成の改築基本計画において、修復保存して活用を図る方針ということを示しております。
 一時期、世界遺産ガイダンス施設としての活用を検討しましたが、ガイダンス施設はほかの場所で計画をすることとなりました。その後、旧講堂の屋根などの部分的な補修を行ってきましたが、全体的に老朽化が進んでしまったため、平成26年度に現況調査を実施し、旧講堂の老朽化の度合いや耐震性を把握したところです。
 この現況調査結果を踏まえまして、旧講堂の歴史的・文化的価値と、御成小学校の教室不足等の現状を考慮して、旧講堂を保存して学校施設として活用していく方針を決定し、平成27年7月の議会全員協議会において報告したものでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  一連の経過報告としては、今、伺いました。ただ、神奈川ネットでは6月議会において、市として旧講堂をどうするかの方向性を決める前に屋根材の撤去を先行させることに合理性が見出せないと指摘いたしました。その旧講堂の方向性というのは、保存するか壊してしまうかということにとどまらず、建物としてどう活用するかというビジョンまでも含めたものです。旧講堂の保存・活用に反対するものではありませんが、意思決定を行う順番が迷走していて、そのために無駄な経費がかかることを懸念してきました。そして、今後についてもその懸念は払拭されていないということを申し上げます。
 次に、教育行政における意思決定はどこで行うのかという視点で、全国学力・学習状況調査について伺います。
 まず、教育部長に、全国学力・学習状況調査の実施の目的は何か、伺います。
 
○原田幸子 教育部長  全国学力・学習状況調査の目的でございますが、義務教育の機会均等とその水準と維持向上の観点から、全国的な児童・生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ること、学校における教育指導の充実や児童・生徒の学習状況の改善等に役立てること、また、そのような取り組みを通じて教育に関する継続的な検証・改善サイクルを確立することでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  続けて、もう1点教育部長に伺いますが、鎌倉市においては、教科に関する調査については小・中学校ともに良好な結果であったという報告が例年されています。では、課題のある学校に教職員を手厚く配置したり、授業の内容に特別な配慮をしなくてはならないほど、学校間格差、地域格差というものがあるのでしょうか。いかがですか。
 
○原田幸子 教育部長  学校によって多少課題というものはございますけれど、議員おっしゃるように、問題があるということでは認識しておりません。
 
○6番(保坂令子議員)  では、市長に伺いたいと思います。市長は、同僚議員がさきに行いました調査結果の公表についての文書質問への回答で、学校ごとの正答率を公開していくことが望ましいという趣旨の答弁をされていますが、望ましいとお考えになる理由は何でしょうか。
 
○松尾崇 市長  私の考えとして、鎌倉市の小・中学生の学習状況調査についての結果について公開をしていくことによって、今の子供たちの置かれている状況、また、それによってさまざまな工夫、切磋琢磨できるという考え方から、公開していくことは望ましいと考えています。
 
○6番(保坂令子議員)  今のお答えですけれども、それについては、さきに述べていただきましたそもそもの全国学力・学習状況調査の目的ですね、学校における児童・生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる、これに鑑みても、具体的な学校ごとの結果を公表するということがこの目的の達成に結びつくとは考えられないわけです。
 今、市長の御意向は、鎌倉市の教育部が例えばホームページに掲げている考え方、これとはかなり異なっています。鎌倉市教育部は、ホームページの中で、この調査は児童・生徒の学力・学習状況を分析することにより成果と課題を把握し、その改善を図ることを目的としています。今回の調査結果を活用し、各学校において今後の指導内容や指導方法の改善・工夫につなげていきたいと考えています。なお、本調査により測定できる学力はあくまでも特定の一部であることや、学校における教育活動の一側面にすぎず、子供たちの学力の全てをあらわすものではありません。
 この書き方は大変、全国学力・学習状況調査についてどこまでのものなのかということを的確に記載していると思います。今、市長がおっしゃったような、公表方法を変えなくてはならない理由というのは、私は見出せないと思うところです。
 最後に確認したいんですけれども、学校教育においては教育委員会の考え方を尊重するという姿勢に変わりはないでしょうか。市長にお尋ねします。
 
○松尾崇 市長  変わりはありません。
 
○6番(保坂令子議員)  確認させていただきました。
 行政運営の透明度を上げるということで、意思決定にかかわる事例を挙げて質問いたしましたが、最後はオープンデータについてです。
 鎌倉市程度の規模の自治体ですと、行政情報の分野によってはオープンデータとして提供すべきでないセンシティブ情報とクロスしてしまう可能性もあり、ある意味慎重さも求められると考えますが、オープンデータを進めるべきではないとは申し上げません。鎌倉市においては、オープンデータについてどのような取り組みがされているのか、伺います。
 
○比留間彰 経営企画部長  鎌倉市では、政府の取り組みも踏まえまして、平成26年9月から鎌倉市オープンデータポータルを開設するなど、オープンデータの推進に取り組んでいるところでございます。現在は人口統計などの統計データ、公共施設・避難所情報などを中心に、幾つかのデータをオープンデータとして公開しております。今後まだまだ取り組みの充実を図っていく必要があると考えており、さらなる研究を進めているところでございます。
 
○6番(保坂令子議員)  他の自治体の例を挙げさせていただきたいんですけれども、世田谷区ではオープンデータポータルを開設して多種多様なオープンデータの提供を進めていますが、世田谷区オープンデータ推進指針においては、オープンデータ推進の意義として3点が上げられています。1、行政の透明性・信頼性の向上、2、区民参加の推進、3、地域課題の解決です。この3番目の地域課題の解決というのは、公共データを新たなサービスの創出につなげることにより、地域課題を解決し、区民生活の向上を図るということなのですが、それよりも、この1番目に行政の透明性・信頼性の向上を上げているところが、世田谷らしいなと思います。
 オープンデータの取り組みは、民間がデータを活用し、事業化することに目が向けられがちであると思いますが、まずは行政の透明性を高めていくことで市民の信頼を得ていく、そういう考え方に立つことが重要ではないでしょうか。いかがですか。
 
○比留間彰 経営企画部長  総務省のIT戦略本部が平成24年に取りまとめました電子行政オープンデータ戦略におきましても、透明性・信頼性の向上、国民参加・官民協働の推進、経済の活性化・行政の効率化、この三つが期待される効果として掲げられております。
 庁内でオープンデータを進める際にもこの考え方について周知を図っているところであり、行政の透明性を高めることは大きな目的の一つであると考えております。今後も引き続きこの点を踏まえ、オープンデータの推進に努めてまいりたいと考えております。
 
○6番(保坂令子議員)  民間がデータを活用して事業化するということに特化しているわけではないというお答えだったと思います。
 さらに、世田谷区はオープンガバメントということも標榜しておりまして、具体的には庁議の議事要旨と配付資料のネット公開、これを行っております。鎌倉市の政策会議は決定を行う場ではない、どちらかというと重要な施策についての報告、そして、審議されて方向性を確認するという場だということですけれども、庁議として市政の動きを理解する上での行政情報が詰まっていることは確かです。先ほど市長が御成小旧講堂の保存の意思決定についても政策会議ということをおっしゃって、庁議のことをおっしゃっていたとおり、これを公開していくということは非常に大きな前進ではないかと思うんですね。
 市長、庁議のネット公開に限った話ではありませんが、オープンガバメントという方向性についてどうお考えでしょうか。最後の質問です。お答えをお願いいたします。
 
○松尾崇 市長  オープンガバメントの取り組みですけれども、まさしく、今、御指摘いただきましたオープンデータの取り組みとも共通するところですけれども、こうした行政の透明性を高めて、市民の皆さんの信頼を高めていくと、また、市民協働を推進していくという、このことを目指していくものだと思います。そういう意味においては、オープンガバメントという考え方においても、その方向に向けて積極的に進めていくという姿勢でおります。
 
○6番(保坂令子議員)  御答弁をいただきました。行政運営の透明度を上げるということで、さまざま申し上げてまいりました。隠しておきたいことも明らかにするわけですから、透明度を上げるには市民への信頼が必要です。けれども、それによって市民からも信頼されるという相関関係があり、そうした信頼関係に努めていくことが、今、本当に求められていると考えます。
 最後に、戸別収集の全市展開の方針決定について触れます。有料化実施後6カ月間の燃やすごみの排出状況調査、市民アンケート、この二つの結果からは、どう考えても戸別収集の全市展開に進むべきだという結論は導き出されません。意思決定の経過も根拠も全く不透明です。それぞれの状況において最適な選択をすることも、首長の重要な責務です。その選択が方針転換を伴うものであっても、状況に応じた最適な選択であれば、市民に共感してもらえる説明ができるはずです。最適な選択でなければ、明解な説明はできず、行政運営の透明性はまた低下せざるを得ません。
 戸別収集については、この後同僚議員が質問を予定していますので、これにとどめて、以上で私の質問を終わります。
 
○議長(前川綾子議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (17時26分  休憩)
                   (17時45分  再開)
 
○議長(前川綾子議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、渡辺隆議員。
 
○11番(渡辺隆議員)  通告に従い、一般質問を行います。
 前回の私の一般質問におきまして、デービッド・アトキンソンさんのお話をさせていただきました。そのときはテレビでしか見てなかったんですけれども、今回、「新・観光立国論」という本を読ませていただきまして、アトキンソンさんは外国人で、イギリス人であり、キーアナリストとして日本でも活躍されていたと。非常に客観的な視点というのを持っていらっしゃるという意味で、非常に参考になりました。
 私も50年ですか、鎌倉市に住んでいて、鎌倉で暮らしているわけですから、当然鎌倉を知っていると思うんですけれども、むしろ私は客観的な視点というものを失ってしまっているのではないかなと。鎌倉のよさということ、外から見たよさということについて、私のほうが気づいてないんじゃないかなとも感じてしまう。その部分で言えば、そういう方の意見ということは非常に重要かなと感じています。
 昨今、ラグビーのワールドカップがありまして、エディー・ジョーンズ監督、五郎丸さんもすばらしいんですけれども、私は多少ラグビーに携わった身として、信じられない勝利を導いたと感じていますけど、そのエディー・ジョーンズさんのマネジメントということは非常によかったんではないかなと。御案内のとおり、エディーさんもオーストラリア人であります。やはり日本ということを外から、一歩下がったところから見詰めて、どのような形でチームをつくっていくのかということを実行されたというところがこの強さにつながったのかな。いわば改革ということをされたということだと思います。
 今回の質問は、観光振興と文化財という部分です。観光振興、デービッド・アトキンソンさんもおっしゃっているんですけど、黒船がもう来ているよとかですね、デービッドさんは外国人観光客については短期移民であるというような表現もされています。そこが非常にこれからの日本の観光産業ということに大きなインパクトを与えるであろうということだと思います。
 著書の中で、今、日本は1,300万人ぐらいの外国人観光客の方がいらしているということですけれども、ことしは1,600万人ぐらいになるかなとも言われています。その中で、日本は2020年までに2,000万人を達成しようというような目標を掲げているようです。デービッドさんはこの著書の中で、2030年に8,200万人にできるんじゃないかと、それだけのポテンシャルを日本という国は持っているんじゃないかというようなことをおっしゃっています。それはもう当然、今までの引き伸ばしではなくて、きちんとした改革を行えば、そういう数字が達成できるというようなこと、当然キーアナリストでいらしたわけですから、そういう根拠も持っていらっしゃると思います。
 鎌倉市の中で、私もインバウンドということに関して、外国人の方、非常にふえているなと。市の調査でも、73.4%ぐらいの市民の方たちが外国人観光客の方がふえていると思っていらっしゃるようです。私も英語とか、中国語でない言語をしゃべっている方々が、例えば私の住んでいる材木座であるとか、由比ガ浜の辺りであるとかいうところでよく見かけるようになりました。だから確実に変化しているなという実感を市民の方も、私自身もそうですけれども、思っています。そのインバウンドということをふやしていくにはどうしたらいいのかというところで、今回質問をさせていただきます。その中で、視点は行革という部分に置きたいと思っています。財源の確保、ネーミングライツであるとか、クラウドファンディングとかいう部分では、市は取り組んでいるのはわかっていますけど、私の場合は、税源の確保という部分にこの観光振興をつなげていきたいと、その中でインバウンドをふやすためにはどうすればいいかというところで、きょうは質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、鎌倉市の観光振興ですね。鎌倉市は観光振興に重点を置いていくのかと。そして、産業振興をしていくつもりがあるのかというところで確認をしたいと思います。
 
○松尾崇 市長  観光客の方が本市を訪れていただけることによりまして、消費の増大ですとか、都市イメージの向上ということにつながっていくものでございます。観光振興はそうした効果を地域経済の活性化や産業振興に結びつけていくという重要な役割があると思っています。そのため、国内有数の観光地である本市としましては、産業振興につながる、これは重要な施策として力を入れて取り組んでいく必要があると考えています。
 
○11番(渡辺隆議員)  ということは、鎌倉市は観光都市であるということは十分に認識されていると理解しました。
 その観光振興を目指す必要はどこにあると、その意味ですね、意味づけということは、必要性というものはどこにあるのかと考えておられるか、伺いたいと思います。
 
○松尾崇 市長  観光振興ですけれども、産業振興や雇用促進といいました経済的効果のほか、市民の皆さんの郷土愛ですとか誇りですとか、こういった、観光客としても鎌倉を訪れた方が住んでみたいと思っていただけるような、社会的な効果という、大きく二つに分けられるのかなと考えています。
 こうした観光振興の効果や意義ということを踏まえますと、今後迎える人口減少社会におきまして、市内消費や定住人口の減少による地域経済への影響を緩和して、活力ある地域社会を維持するためにも、観光振興に力を入れていくという必要性があると考えます。
 
○11番(渡辺隆議員)  松尾市長も6年という話で、何遍も伺っているんですけど、なかなか今おっしゃったようなことは当然しかるべきだと思いますけれども、鎌倉市の財源をふやしていくという視点が足りないのかなと私は感じておりますので、この後質問をしていきたいと思いますけど、今、松尾市長がおっしゃった内容でも結構ですけれども、鎌倉市が観光振興を目指すためには何が最も大切であると認識されておりますでしょうか。
 
○松尾崇 市長  本市がこれから観光振興を目指していくという中には、さまざまな現状においても課題がございます。市民の皆さんに対する影響ですとか、なかなか観光客の方々の1人当たりの消費額ですとか、こういう課題ということが明らかになってきているところでもありますし、また、時間当たり、また季節によって、場所によっても隔たりがあるというような課題、こういうことを解決していかなければならないわけなんですけれども、今最も何が大切かという意味におきましては、本市が誇る歴史的・文化的遺産、文化財こそが最も重要な本市にとっての観光振興を目指すためのものだと考えます。
 
○11番(渡辺隆議員)  そうですね。そのコンテンツ、その中身ということで、何が一番大切かということを共通認識として持っていかなければならないのかなと。でないと、なかなか観光振興ということに全ての力を結集して、集中していくことができないんじゃないかなという意味で、今、松尾市長が答えられた文化財ということは非常に重要なのかなと考えておりますので、少し細かく鎌倉市の取り組みについて伺いたいと思います。
 日本にとって観光は国の経済を支える柱になると、今、考えていると。今、政権が、成長戦略であるとかGDPを上げて、上げていくというか維持していかなければならないと。その背景にあるのは当然、少子高齢化ということだと思います。
 その中で、国や県は鎌倉市というのを戦略上どのような位置づけで捉えているのかということを伺いたいと思います。
 
○松永健一 市民活動部長  国におきましては、観光庁が平成24年度に実施いたしました訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備事業におきまして、鎌倉市を地方拠点に位置づけており、これを受けて本市では外国人観光客の案内の充実に向けました先進的・モデル的な受け入れ環境事業を実施したところでございます。
 また、県では、県の観光施策等の展開に当たっては、本市を横浜市、箱根町などとともに重要な地域と捉え、意見を聴取するなど、影響力の大きな自治体としてみなしていると認識しているところでございます。
 
○11番(渡辺隆議員)  今、伺っていても、当然、国がそういう大方針を出しているわけですから、もっと普通に考えても、東京というのが日本の首都であるわけですから、そこに人が集まるということは当然のことで、京都、奈良までではなくても、鎌倉という位置づけというのは非常に重要になってくるのかなと。もちろん、例えば箱根も非常に重要な観光地であり、横浜もそうだと思う。その歴史文化という意味においては、東京の近辺という意味では、鎌倉というのは非常に重要な位置づけであるということで、今、部長から答弁いただいても、具体的に国や県から何かアプローチがあって、このような戦略でやっていきましょうというような感じにはなってないのかなと感じてしまいますので、その面ということは、はっきり国や県に言って、鎌倉市の位置づけということを聞いてきていただければなと、もう少し意を深めていただくと、共通認識を持っていただくと、ないし情報共有していただくということは必要かなと。必ず鎌倉にはアドバンテージはあるわけですから。
 次に、鎌倉市として、鎌倉市の観光地としての魅力は何であると考えておられますか。
 
○松永健一 市民活動部長  毎年本市が実施しております来訪者アンケート調査によれば、観光客の約半数が、鎌倉を訪れた主な目的として、神社仏閣・史跡と回答しており、次いでハイキング・自然が約2割となっております。また、昨年度実施いたしました外国人観光客街頭アンケート調査においては、8割以上が鎌倉を訪れた主な目的として神社仏閣・史跡という回答をいただいております。さらに、無作為抽出した市民2,000人を対象に昨年度実施しました市民意識調査結果によれば、約6割の市民が今後も重要な鎌倉の魅力・特性として、古都鎌倉としての歴史的背景、神社仏閣・史跡などを上げております。
 これらのことからも、鎌倉が誇る歴史的・文化的遺産と豊かな自然環境が観光都市としての最大の魅力であると考えているところでございます。
 
○11番(渡辺隆議員)  今、部長から数字を出していただきました。草創塾、部長も前、関与されていたと思うんですけれども、確かに史跡・寺社というところが目的であるということが50%。あと自然が25%ぐらいかなと、私はそういう計算していたんですけど、それでも、観光計画の中に、アクションプランの中で文化財をどうしていこうという記載はないんですよね。何か私はそこが変だなと思うんですけれども。
 デービッド・アトキンソンさんもその著書の中で、気候、自然、文化、食事というこの四つの切り口で観光地の魅力ということを分類しているんです。例えば自然、例えば北海道であるとか沖縄、これは圧倒的な自然の魅力があるわけで、気候というのは、日本は割合、全体的にはいいのかなと思うんですけれども、あと文化ということも上げておられると。そして食事と。食事というのは、やはり東京というのは非常にアドバンテージを持っているのかなと思いますけれども、鎌倉の魅力は文化ということだと思いますので、そういうところを十分に認識していただいた上で、今後の計画ということも考えていただくということが当然必要になってくると思っております。
 観光振興目標を達成するために、現在、どのような点に力点を置いて計画を実施しておられるのか、伺いたいと思います。
 
○松永健一 市民活動部長  鎌倉には年間延べ約2,000万人を超える観光客が訪れておりまして、観光客が集中する地域におきましては、年間を通してかなり混雑した状況となっております。
 そこで、鎌倉を訪れる観光客に対する取り組みの中で最も喫緊かつ重要なことは適切な案内と誘導であると考えており、観光案内板や公衆トイレなどの観光基盤施設の充実に加え、観光客の季節的、時間的、地域的な平準化による回遊性の向上を図ることなどにより、観光客の満足度を向上させるような取り組みに力点を置いて、現在取り組んでいるところでございます。
 
○11番(渡辺隆議員)  ですから、ずっと議論がずれちゃっているんですけれどもね。それはいいんです。今回、ずれを確認しようという意図もありますんで。
 もちろんトイレ、案内板であるとか、ITの環境であるとか、そういうものも周辺の整備としては非常に重要かなと思っておりますけれども、やはりその文化財についてどのような取り組みをということがまずあってしかるべきだということだと思います。
 例えば、観光地としての知名度であるとか、交通アクセス、治安という点において、鎌倉は悪くはないほうだとは思います。そういうことで観光客の方たちはいらっしゃると考えれば、周辺整備ということは大変重要だと思いますけれども、それが目的だけではないですね。
 我々が観光に行くときに、治安が悪くても見たいものがあるときは当然そこにある程度の覚悟を持っていくわけですし、交通アクセスが悪くて遠い国でも、それがどうしても私としては文化的に見たい、その自然環境に触れたいと思えば、無理をしてでも行くわけですし、そういうところであれば、必ずしもそこが第一次で、それはもちろん周辺整備、二次的には必要であるけれども、第一次的には何なのかというところが、きょうの私が申し上げたいところなんですけれども、これはマーケティング的なところだと思うんですけど、観光客の方たち、今ですね、何を目的に鎌倉を訪れておられると。動機づけですね。という部分についてはどのように捉えられていますでしょうか。
 
○松永健一 市民活動部長  重複した回答になりますけれども、日々の窓口業務ですとか、先ほど紹介させていただきました観光客に対して実施したアンケート結果から推察しますと、やはり大多数の観光客は鎌倉が誇る歴史的・文化的遺産と豊かな自然環境に魅力を感じて訪れていただいているものと捉えております。
 
○11番(渡辺隆議員)  今、そういうようにおっしゃって、例えば、これデービッドさんが書いているんですけれども、おもてなしとか世界遺産とかゆるキャラとかあるわけです。それは、そういうものも一つの観光客の方が来ていただく動機づけにはなるのかなと思うんですけれども、それが目的とはならないんじゃないかなと。文化財と。鎌倉で言えばですね。その文化的な財産に魅力を感じて来られているということ。ないし、おもてなしは、さっき申し上げましたみたいに、治安が悪くても本当に見たいと思ったら行くときは行くわけですし、おもてなしにしてみても、それはもちろんおもてなししていただいたほうがいいとは思うんですけれども、絶対条件ではないんじゃないかなと。
 要するに、精神論じゃなくて、文化財ということを目的にしているわけですから、文化財というものに磨きをかけていくということが一番の、観光客の方に満足をいただけることなのではないかなと私は考えております。
 ですから、次の質問では、どのような観光客の方に来ていただきたいと考えているのか。それと、重要なのは観光客の人数なのか、それとも客層、客層というのは変ですね。人数なのか、客層なのかと。どういう方に来ていただきたいのかという部分について、どのように考えておられますか。
 
○松永健一 市民活動部長  本市は社寺を初めとする世界に誇る貴重な歴史的遺産を有するとともに、明治以降の別荘文化やいわゆる鎌倉文士を育んだ町など多様性にあふれた魅力があると考えており、そうした歴史的・文化的価値や魅力に深い理解と共感を得て、訪れてよかったと思っていただける観光客を迎え入れていきたいと考えております。
 また、本市としては、単に観光客数に着目するよりも、今言ったようなお客様ですとか、あるいは滞在時間の延長や宿泊率の向上など、観光消費額の増加につながるような取り組みにも力点を置くことにより、地域経済の活性化に資する観光振興を目指していく必要があると考えております。
 
○11番(渡辺隆議員)  私は、いつ、どこから、どれくらいの方に何をしにきていただいて、幾らぐらい使っていただくかということまで、最終的にはターゲットを絞って考えていくべきだなと。それに外れている人に来てもらっちゃ困るということではないんですけれども、鎌倉がもしも文化財というものが最重要だと考えるのであれば、当然そういう戦略を打っていかなければならないと。
 例えば、中国人の方で、ことしも流行語大賞みたいになっているみたいですけれども、爆買いということ。鎌倉で爆買いは恐らくしないですよね。そうすると、例えばそういう文化とかに興味がある方、例えばこれ、デービッドさんの著書でもそうだったんですけど、オーストラリア人の方というのは非常に、国民の1人当たりの観光に使うお金は非常に多い国民であるそうです。世界で5番目らしいですけれども、地理的にも近いですね、日本に。そういう方たちがどういうものを求めて来ているのかというところ。
 簡単に量対質とは言いませんけれども、鎌倉市はもう休日、ゴールデンウイークなんかでも、ぱんぱんですよね。来ていただく方、駅とか見ていても、満杯の状況であるというような、これ以上休日に来ていただくような方たちの人数を求めていくのか、それとも、ターゲットということをある程度絞り込んで、文化的なことを理解していただく方たちになるべく来ていただくような戦略を打っていくのかというところは、はっきりしていかなければならないんじゃないかなと思っております。
 その上で、鎌倉市が求めている観光客に来ていただくために、どのような現状把握、現状分析を行っているのでしょうか。
 
○松永健一 市民活動部長  観光客の動向や意識につきましては、毎年実施している入り込み観光客数調査と、また、それと同時に実施しております来訪者アンケート調査などにより把握しておりますが、現状把握等につきましては、延べ観光客数、宿泊客数、観光消費額などのマクロ的な数値把握にとどまっているのが現状であります。
 今後は、本市が求める観光客の誘致につながるような有効な観光施策を展開していくためには、さらに観光客の属性や観光行動などに着眼したマーケティング分析が必要になると考えております。
 
○11番(渡辺隆議員)  言っていただきまして、そのターゲットを絞り込んでいくと。目的を現状分析した上でターゲットを絞り込んで、どのような展開していくのかと、戦術を組んでいくのかという部分で言えば、マーケティングということは欠かせないことであり、例えば、国や民族や宗教や習慣、そこまで落とし込んで考えていかなきゃならないという意味では、毎年出していただいている2,000万人の入込数ということは、統計データとしては参考になると思います。ただ、その内容については、ただ2,000万人というだけの話で、それ以上の言葉は何も語ってくれないわけですから、やはりその内訳の中に踏み込んでいただきたいと。
 アンケートも、渡して回収するんでは、よっぽどプロとして見る目があれば別でしょうけれども、なかなかその中から現状を把握する、その人たちのニーズを把握するというのは難しいと思います。ですから、私は前から申し上げている、聞き取り調査のほうがいいんじゃないかなとも思いますし、そこまでやる前に、ぜひとも2,000万人の中身に一度突っ込んでいただきたいなと思っておりますんで、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、先ほどから市長も部長も認識されているようですけれども、やはり文化財ということが非常に鎌倉の観光振興においては、歴史・伝統を守るという意味だけではなくて重要だという認識だと思います。私も、先ほど上畠議員から国宝館の話がありました。震災史ということで今回取り組まれて、恐らく館長が防災におられたんで、そういうところで、例えば仏教と震災というものを結びつけたという新しい切り口でやられたところで、仏教や仏像に興味のある方だけではなくて、震災という皆さんが関心があるようなテーマをひっかけたことによって、今まで来られなかったような方たちもいらしているんではないかなと思っております。
 その中でも、日蓮上人の絵巻がありまして、それがその絵巻をもって北条政権に救済を願い出たというような話を伺いました。その絵巻も見てみると、ゴーギャンやピカソみたいに表現力という意味では伝わるものということでは、ビジュアルに見せられると、悲惨さということは十分に伝わってきました。そういう、日蓮上人も北条さんにお願いするときは、そういうものをストーリーにし立てて、持っていったんだなと思います。
 私自身もそういうストーリー、お話を聞くと、日蓮上人はそういうことをやっていらしたんだということが非常に、日蓮上人というのはどういう人なんだろうというような、ストーリーの展開があって、その歴史ということをより理解したくなる、好奇心が生まれるということだと思いますので、非常にそのストーリーということは重要だと思っております。
 そのような中で、文化財ということの前提として、先ほども、42というお答えがありました。一応前提として、鎌倉の指定文化財というものが、何件あるのか伺います。
 
○桝渕規彰 文化財部長  鎌倉の現在の指定文化財の数でございますけれども、これは国、県、市の指定を合わせまして591件ございます。この591件という数は、神奈川県内の国・県・市町村指定文化財の総数の約4分の1が集積しているという状況でございます。
 それらの内訳につきましては、御案内のとおり、国宝の鎌倉大仏、円覚寺舎利殿を含みます国指定文化財が216件、光明寺山門などの県指定文化財が65件、寿福寺仏殿、あるいは内藤家の墓地などといったような市指定文化財が310件となってございます。
 
○11番(渡辺隆議員)  先ほど私が42件と言ったのは、何の数字だったんだろう。すいません。部長の答弁のとおりだと思います。
 文化財の保存・修理、史跡の整備ということが重要だと思いますけれども、どのような法令に基づいて整備をされているのかということを伺いたいと思います。
 
○桝渕規彰 文化財部長  まず初めに、先ほどの上畠議員にお答えした42件という数字ですけれど、これは国・県・市指定の史跡の数ということでございます。
 それでは、ただいまの何に基づいてということでございますが、文化財の保護に関しましては、昭和25年に制定されました文化財保護法、これを根本といたしまして、昭和30年制定の神奈川県文化財保護条例、そして昭和35年制定の鎌倉市文化財保護条例、これにのっとって行っているところでございます。
 そして、文化財の保存・修理、あるいは史跡整備等の必要性につきましては、文化財保護法第4条におきまして、文化財の所有者その他の関係者は文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開するなどの文化財的活用に努めなければならない。この規定に基づき実施しているところでございます。
 
○11番(渡辺隆議員)  大きく言えば文化財保護法だということだと思うんですけれども、例えば、今話題になっている歴まち法であるとか、景観法であるとか、古都保存法であるとか、都市計画法もそうなのかなと思うんですけど、あらゆる法律というものを利用して、いかに文化財の環境を整えていくのかという部分も、そういう視点も必要になってくると思いますので、今後もそのところということは進めていただきたいと。
 文化財の保存、修理、整備ということにかかわる事業ですね、それの国、県、市、所有者の負担割合というものについて伺いたいと思います。
 
○桝渕規彰 文化財部長  文化財の補助制度、その補助金の割合ということでございますが、国指定文化財につきましては、原則としまして国が総事業費の50%から85%を補助いたします。県と市は残り残額の3分の1を上限として補助をいたしまして、さらに残った部分が所有者の負担ということになります。県指定の文化財につきましては、県が原則としまして事業費の3分の1を補助しまして、市は4分の1を上限とし、残りを所有者が負担すると。市指定の文化財につきましては、市が事業費の半額を上限として補助いたしまして、残りを所有者が負担するというシステムになってございます。
 しかしながら、昨今の厳しい市の財政状況によりまして、国・県の指定文化財の保存・修理に係ります市の補助額につきましては、なかなか上限の補助率が適用できないというような状況になってございます。
 
○11番(渡辺隆議員)  今、部長から市の財政状況というお話もありましたけど、恐らく鎌倉のお寺や神社に関しても、人口が減っているわけですから、当然、日本の観光客というのは減ってくると予測されます。それとか、当然、檀家というのも、今いろいろなお墓の状況とかも変わっていますので、檀家とかも減ってくるのかなという部分で言えば、なかなか所有者の方たちが維持していくのも難しくなってくるのかなと思いますので、その辺の将来的なところも考えた上で、市はどのような考え方を持っていくのかということがさらに重要になってくるかなと思っております。
 文化財の保護の経費について、どのような方針を持って予算編成ということを行っておられるのかと。それと、今、お話もありましたけれども、十分な予算が確保されているのかという部分で伺いたいと思います。
 
○桝渕規彰 文化財部長  現在、市の予算につきましては、包括予算制度による予算編成を行っておりまして、文化財の予算につきましてもその枠組みの中で編成を行うということでございます。
 先ほど申し上げましたように、限られた予算の中、いろいろな工夫をしておりますが、まずは文化財の保存・修理に関する緊急性、そして重要性、こういったものを的確に判断しながら優先順位を見きわめる、その見きわめた優先順位に従って計画的に必要な予算措置を行っているという状況でございます。
 さらに、できる限り国や県などの補助金等を活用するなどしまして、特定財源の確保を図りながら文化財の保護に努めているところでございます。
 今後につきましては、さらに税金に頼らないいろいろな工夫をしながら、財源の確保といったことも考えていかなければならないと考えているところでございます。
 
○11番(渡辺隆議員)  非常に厳しい状況であるというのは事実だと思いますけれども、私は、先ほど議論の中でも、文化財ということは非常に鎌倉市にとって重要であると。部長は今、そこまではおっしゃらなかったんですけれども、税源として文化財を活用することによって観光振興を図って、その財源が鎌倉市として確保できるのであれば、また文化財に戻してくる、より一層磨きをかけていくというようなサイクルができればいいなんていうのは、ずっと私の主張なんですけれども、なかなかそういうところも難しいなと思われているのかもしれないんですけれども、いつか、どのタイミングかでくさびを打たなければいけないのかなとは考えております。
 それと、包括予算というのは、文化財は大切なんですから、余りなじまないんじゃないかなと。これは松尾市長も教育ということは大事だということをおっしゃっていますんで、例えば学校であるとか文化財という面においては、私は包括予算ということは余りなじまない。それは、何が何でも、何でもかんでもやるということではなくて、その分野に関してはトップダウンではなくてボトムアップから考えるというような姿勢が必要かなと私は思っております。
 文化財課でまとめとして、文化財保存・維持に加えて情報発信、公開活用ということが最も重要だと思います。今申し上げたみたいに、日本人ということに限って言えば、文化財を保存していくということだけで満足なのかもしれませんけれども、やはり外国人の方たちに来ていただいて、見ていただくということにおいては、情報発信や公開活用ということが重要になっていくと。
 その部分では、どこがやっていくのかということも非常に重要になってくると思いますんで、どのようなお考えを持っているか、伺いたいと思います。
 
○桝渕規彰 文化財部長  考えということで、文化財というものは、地域の歴史や文化を学び、理解する上で必要不可欠というようなものでございまして、貴重な国民共有の財産と法にもうたわれてございます。これは郷土への愛着、これを育んでいく上でも格好の題材であると考えてございます。
 本市の文化財の特徴は、先ほど申し述べたとおりなんですけれども、原始、古代から現在までの歴史を物語る多種多様な文化財が数多く残されている。とりわけ頼朝の幕府開祖以来の社寺、あるいは切り通しといった文化財は本市を特徴づけるものでありまして、こういった文化財が数多く集積しているということが本市ならではのあり方でありまして、これが本市にとっては有望な地域資源と考えられるところでございます。
 このような鎌倉の文化財について情報を発信し、公開活用を積極的に行うということは、文化財を守っていく、維持していくという上でも非常に大事なことではあります。それを基本としまして、さらに、これら本市が誇る文化財を有望な地域資源、すなわち強力な本市の武器と位置づけまして、積極的に活用し、市の観光、あるいは産業、こういったことを活性化することに資するために、関係各部局、社寺、そして民間、関係団体などとも連携しまして、戦略的かつ野心的に情報発信を進めていく必要、これが今後重要になってくると考えております。
 
○11番(渡辺隆議員)  情報発信という部分、公開活用ということも文化財課で考えていくと解釈しましたけれども、それは非常に今までと同じような仕事のやり方ではなくなってくるのかなと。やはり情報も必要ですし、先ほど議論ありましたマーケティングという部分も重要。やたらやればいいというものでもないと思います。
 デービッド・アトキンソンさん指摘されているのは、説明すること、それと展示をどうしていくのかということが非常に重要だと。その説明という部分については、例えば、この間、「海街diary」という映画があったと。私はごめんなさい、見てないんですけれども、そうすると、鎌倉のすてきな暮らしというものに憧れるということに対してのアピールが非常にあったというような評が書いてありました。
 もちろんその部分に鎌倉市以外の方たちが魅力を感じていただくというのは非常にありがたい話だと思うんですけど、そういう映画みたいなものがあると、ただ文化財と、アカデミックな、学術的な部分で見ていただくということではなくて、どういうストーリーの中でその文化財が生まれたのかということがわかっていただくには、やはり映画みたいなものということに取り上げられると、好奇心が沸くし、理解も深まる、そして次につながっていくというようなことがあるのかなと思っております。ですから、それは一つの提案ということ。
 それと、ガイドですね。今のボランティアガイド、私も町なかでよく見ますけれども、一生懸命やっていただいている。非常に学術的な説明をしていただいているとは思っております。ただ、今後は、お金を払ってでも、例えば文化財、歴史について話を聞きたいというお客様たちもいらっしゃると思います。質の高い説明をしていただけるのであれば高いお金を払ってもいいよというような方たちも当然その客層の中に含まれていると思いますので、その辺についても、当然、観光商工課と連携してだと思いますけれども、そういうところにも目を向けていただきたいなと思います。
 私、一つ例として、たしか日光だったと思うんですが、ニュースでやっていたんですけれども、小学生の子供が観光客の方に説明をすると。要するに、自分たちが日光の歴史を学んで、それを観光客の方に説明をするという取り組みをされているそうです。そうすると、小学生の方のもちろん勉強、郷土愛にもつながります。大人も、小学生がそれだけ知っていて、例えば説明をしてもらえるんですから、一生懸命聞くわけで、これをこのままやってくれというわけではありませんけれども、そういう視点から見ていけば、今テーマとして上げている情報発信、公開活用ということも一歩進んだ形になって、新たな客層も取り込むきっかけになるんじゃないかなと思っております。
 さっき文化財の件で上畠議員の質問を聞いて、非常に参考になったんですけれども、要は、上畠議員は大阪から来られていたと。しかも私より二回りぐらいお若いというところで、私は50年鎌倉に住んでいると。私のほうが知っていると言いたくなるんですけれども、そうじゃないんですよね。
 私は、政所というのは、吾妻鏡もことしの夏、読書させていただいたんですけれども、政所という話、たしか吾妻鏡にはいっぱい出てきますよね。政治も行われたし謀略も行われたというような大切な土地であると思うんですけど、もう埋まっちゃっているから無理なんじゃないかなというのは、私はですから余り政所ということは余り思っていなかったんです。でも、それを、客観的な視点を持っていらっしゃるんでしょうね。当然それは、鎌倉幕府の中心は政所ですから、そういうことも、客観的な視点を持っているんであれば、興味を持っていただける方たちもいらっしゃると思いますし、そういうことを聞いていって、今やっている仕事のやり方を変えていくということにつなげていただければなと文化財については思っております。
 今申し上げた財源の確保につなげていくという意味では、私は必要性があって、鎌倉市は、計算してみると、鎌倉市の文化財の市民1人当たり2,000円ぐらいかかっていると。これは全国平均だと63円ぐらいなんですよ。恐らくですけど、奈良や京都に関してはかなり国からの補助が来ているんで、鎌倉市より低いんじゃないかなと。人口も多いですからね。でも、鎌倉に関しては2,000円以上かかっていると計算できますんでね。それは、市民の負担感ということは非常に強くなってくる。やはり財源を確保していかなきゃならないという部分では、財源の確保の視点ということを持っていかないと、この数字が市民の皆さんにわかってしまったら、それは余りにも多いだろうということになってしまうのかもしれません。
 その意味でも、市民の方々にどうやって説明していくのか、まちづくりにどう生かしていくのかという視点が非常に重要だと思いますんで、伺いたいのは、市の全体の計画ですね。観光の事業計画ということは、例えば交通政策、インフラ整備などにどう生かされているのかということについて伺いたいと思います。
 
○比留間彰 経営企画部長  市の全体計画、これは総合計画に本市の将来都市像と、それを実現するための施策の基本的な考え方を定め、個別計画はこれに即して策定されていることになっております。
 御質問の観光振興に係る事業計画も同様で、また、交通政策やインフラ整備などに関する個別分野の計画と調整が行われているものと認識しております。しかしながら、観光振興を主軸に置いて各個別計画が策定されていないというのが現状でございます。
 
○11番(渡辺隆議員)  そうですね。観光中心には考えられていない。でも、私は、一つ観光ということをとれば、まちづくり、いろいろ松尾市長も悩まれていると思いますけれども、一つの切り口を持てば、いろんな件の結論を導くには導きやすくなるのかなとも考えています。ですから、観光計画そのもの、例えば総合計画であるとか、そこまでの必要は別にないと思いますけれども、切り口として考えれば、交通政策どうしていくのか、道路どうしていくのかという部分に必ずつながってくると思います。
 例えば、新駅、深沢の件についても、駅が必要かと考えるのか。観光振興していくという意味でですね。そういう視点も必要かなと。というのは、デービッド・アトキンソンは著書の中で、どうもおととしの花火大会にデービッドさんがいらしていたらしいんですね。その中で、花火はすばらしかったと。ただ、そこまで来るアクセスですよね。電車に乗って駅でおりて海まで行くと、その混雑にとにかく辟易としたということを、その本の中で、鎌倉花火大会ということで書かれています。花火大会としてのロジスティクスができてないんじゃないかというような御指摘でした。
 ですから、例えばJRと交渉して本数をふやしてもらうような提案ということを書かれていましたけれども、そこまでできるかどうかわかりませんけれども、その量ですよね。鎌倉市にそれだけの方たちがいらっしゃっている状況をどう、そういうイベントをやるからにはどのようにしていくのかということを、まちづくりの視点を持って考えていかなければならない時期に来ているんじゃないのかなと思います。みんなに、観光客の皆さんに我慢を強いるんじゃなくて、もちろんできることできないことありますけれども、そこのところを考えていくということが観光の政策をまちづくりに生かしていく視点だと思いますので、駅等の件も含めてお考えいただければと思います。
 それとあと、観光振興を目指す考え方ということ、これは皆さんと共通認識を持っていなければならない。市内の事業者と、お寺や神社、そして市民の理解を、鎌倉市の計画ということは理解を得られているとお考えでしょうか。
 
○松永健一 市民活動部長  本市の観光施策に係る根幹の計画となります鎌倉市観光基本計画の策定及びその進行管理におきましては、市内事業者の代表である観光協会、商工会議所、神社庁支部、仏教界の推薦を受けた委員などの参画をいただいており、本市の観光振興に向けて市と協働して取り組んでいただいているところでございます。
 市民の理解につきましては、昨年度実施いたしました市民意識調査結果によると、約8割の市民が交通渋滞や駅前の混雑など観光客による日常生活へのマイナスの影響があると答えている一方で、約過半数の市民が観光客によって日常生活にプラスとなる影響を感じると回答しており、その理由といたしましては、町ににぎわいが出る、鎌倉のブランドイメージが高まる、観光収入が得られるなどの理由を上げられております。
 これらのことから、観光振興を目指す本市の考え方については、事業者、社寺、市民ともに一定の理解を得られているものと考えておりますが、交通渋滞など市民生活へのマイナス面もあるため、その中で観光振興を進めていくためには、その意義や重要性についてさらに市民理解を深めていく必要があると考えております。
 
○11番(渡辺隆議員)  理解は得られているということであればいいんですけれども、私は各事業者の方、寺社、市民の方ということは、個々でメリット、デメリットが違うと思うんですよね。ですから、そういうグループごとというか、立場の方たちごとに丁寧にメリット、デメリットというものを示していくということが必要かなと。ですから、もう一歩踏み込んだ上で理解をしていただくと。共通の認識を持たなければ、必ず観光振興というのは図れないということになりますので。
 例えば、事業者であれば経済効果というものをきちんと示してあげるということが必要でしょうし、市民の方にとっては何かしらの福祉的、教育的な恩恵があるとかいうことも必要だろうし、寺社については文化財というものをきちんと守っていきますよという、鎌倉市は守っていくんだというような姿勢がメリットになってくるかもしれません。財源の裏づけを伴ってですね。そういうものをもう一歩踏み込んできちんと話していただければなと思っております。
 もう一つが、観光振興が税収に結びつかなければならないと私は思っているんですね。もちろんそうじゃない、産業がもうかってくれればいいということもあるのかもしれませんけれども、鎌倉市に関しては、今まで議論してきたように、お金が足りないという部分であれば、税収の確保ということにもつなげるという覚悟があっていいんじゃないかなと思っています。そういう仕組みづくりは今できていると思っていらっしゃいますでしょうか。
 
○松永健一 市民活動部長  具体的な仕組みづくりはまだできておりませんけれども、観光振興にかかわる取り組みにつきましては、観光客数の増加や観光消費額の上昇につながり、市民所得の増加や雇用の確保、ひいては税収確保に一定の効果があるものと捉えております。
 
○11番(渡辺隆議員)  産業者にとってはいいと思うんですよ。市民や、文化財を守っていかなければならないお寺や神社についてはどうなのかなと、私はずっと疑問に思っております。
 ですから、税収が上がって、そういう方たちにきちんと、市民に対しては事業が打てるとか、お寺や神社については文化財ということについて鎌倉市が積極的に補助をしていくと、周辺整備も含めて、ということにつなげていかなければ、さっきこの前の質問で申し上げたメリット、デメリットということは示されていないんじゃないかなと私は思います。
 私は、ちょっと過激かもしれないと言われる批判もあるんですけれども、むしろ法定外目的税みたいなものを設ける必要がある時期なんじゃないのかなと。例えば、私が、鎌倉煎餅という煎餅屋をやって、事務所は東京か横浜に構えてですね、本社は。鎌倉で8人ぐらいアルバイト使って、そういう商売を小町通りでやったと。法人税に関しては、雇用は8名ということで、それはアルバイトですけどね、雇用ということはあるかもしれません。ただ、税金というものは横浜や東京で払われる。地下デパートとかで、横浜、東京や、全国のですね、鎌倉煎餅と言っただけで、多分売れるんだと思いますね。ですから、そういうものに関してどういうふうに捉えていくのかということもこれから考えていかなければならないんじゃないかなと思います。
 それで、鎌倉市内の業者にしてみても、これは赤字であれば税金払わないわけですから、何社ぐらいが払っているのかとか、そういうところも、どういう業種がきちんと払われているのか。きちんとというのは、それは法律に基づいてですけれども、税法に基づいてですけど、そういうところまでわかってくれば、どんな会社、どんな産業、サービスを鎌倉は誘致してくればいいのかと。どういう会社に来てほしいのかということにもつながってくると思いますのでね。
 ですから、この面についてももう一歩。前から申し上げているように、鎌倉市は幾ら投資してどれだけ回収しているのかということ、観光に関して。それはクライテリア、基準は難しいと思います。でもそれは、調査するんだ、勝手につくればいいわけですよ。いつも観光客のごみとかいう話でしかないわけで、公衆トイレとか。いろんな間接的な要因も加えて、どれだけ観光客の方たちに鎌倉市は投資しているのか。実際、企業で利益を出していて、観光業で。利益が税金として幾ら納めているのかというのをいいかげん調べてほしいなと思います。多分、興味深い数字が出てくるなと思いますので、これ調査ですから、勝手に基準をつくればいいわけですから、一度見ていただければなとお願いしたいと思います。
 私はこういう前提の上にも観光振興条例みたいなものを制定する必要がある時期に来ているのかなと。市がイニシアチブをつくって、もちろん理念条例でも結構です。例えば、株式会社鎌倉ですか、そういうようなものも民間の方たちが立ち上げているようです。その中でコンセンサスを得る上では、そういうものが必要な時期だし、鎌倉としてはそういうものをつくっていく義務があるんじゃないかなと考えておりますけれども、市長、いかがでしょうか。
 
○松尾崇 市長  本市の観光振興に関する考え方、その方針を広く市民の皆さんにも理解をしていただく、市民のみならず観光振興にかかわる方々に理解をしていただくことというのは本当に重要だと思います。
 本市では、今、観光基本計画がその役割として策定をしているわけでございますので、条例化というところにつきましては、条例化するだけのメリットというところを、これは研究をさせていただきまして、本市が目指すべき方針ということをよりわかりやすく、それは今後も発信していくことには力を入れてまいりたいと考えます。
 
○11番(渡辺隆議員)  松尾市長も任期6年たって、いろいろ政策的に大変なところもあるなと思っております。そういう中で、夢があるようなことということにもぜひ取り組んでいただきたいと思いますし、るる申し上げましたが、鎌倉というのはかなりスペシャルでユニークな土地柄であり、鎌倉市というのは知らない方は余り全国にもいらっしゃらないんじゃないかなと。そういう位置づけの市であって、しかも観光が大事であると、しかも文化財を守っていかなきゃならないと、財政も厳しいという上では、条例とかをつくって、その理念ということを全国に示していくということが、松尾市長の仕事としても非常に夢があるし、全国初ですし、独創的な条例をつくれば、それが日本の観光振興をリードしていくような立場になれるんじゃないのかなと私は思っておりますので、ぜひ検討していただければなと思います。
 私だけじゃないんですけど、取り組んできた和賀江嶋の保全ということで、予算をつけていただきまして、今どういう、進捗状況についてお伺いしたいと思います。
 
○桝渕規彰 文化財部長  和賀江嶋の保全の進捗状況でございますが、まず、この和賀江嶋の現状は、御案内のとおり、島を構成する港跡の波止場を構成する石がいろいろ長年の波浪で散ってしまっているというような状況でございまして、これをもとに近い位置に戻していくというのが当面の課題と捉えておりまして、そのために、今現在、石がどういうふうに散らばっているのかという現況調査を進めているところでございます。
 今後につきましては、今年度行った調査結果、そして、さらにもう一度、経年変化も見るということで、もう一度時間をおいて同趣旨の調査を行いまして、石の動きぐあいを見定めた上で、石をどのようにもとに戻していくのかということについて、整備の方向性ということで国・県とも協議をしながら進めてまいりたいと考えておるところでございます。
 また、維持管理ということにつきましては、地元の方々と協働して、例年ごみ拾い、清掃ということもやってございますが、もう一歩進めるような形で石をどう管理するかというあたりも一緒に考えていきたい、このように思っております。
 
○11番(渡辺隆議員)  ありがとうございます。私、材木座に住んでいますけど、若宮大路から海に向かって右側というのは非常にはやっているんですけど、左側というのはなかなか人が来ない状況もあると思いますので、その和賀江嶋等は、まちおこしというか、観光振興にですね、つながっていくのかなと思っていますし、部長まさにおっしゃっていただいたように、地元の方たちを巻き込んでいくということが今後のモデルケースになっていただければいいかなと思っておりますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
 最後に、現状分析ということが私は必要なのかなと思っております。松尾市長の肝いりでつくられた草創塾というのは今もあるんですよね。見させていただきましたけれども、正直、私から見ると0点と言わざるを得ない。それがマーケティングと言われると、私としても厳しいなという部分もあります。ぜひ、市長も何かお会いしたことがあるそうなので、デービッド・アトキンソンさんにぜひ見てもらったほうがといいと思います。多分私と同じような感想を持つんじゃないかなと思っていますけれども、ですから、その現状分析がなかったら仮説も生まれないし、仮説がないということは実施もできませんので、実施しないほうがいいんですね、現状分析ができてないうちは。ですから、まずその現状分析ということを徹底的にやっていただくということから始めていただきたいなと。
 その上では、マクロ的な部分、GDPとか、特に、例えば名目GDP、1人当たりのGDPがどうなっているのかなと始まれば、当然、どういう客層をターゲットにしていくのかということもわかってきますので、その辺をもう一歩踏み込んでいただいて、今後の観光振興と文化財の保全というところにつなげていただきたいなとお願いをいたしまして、一般質問を終わります。
 
○議長(前川綾子議員)  お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、運営委員会の協議もあり、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
 なお、残余の日程については、明12月3日午前10時に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
 本日はこれをもって延会いたします。
                   (18時43分  延会)

平成27年12月2日(水曜日)

                          鎌倉市議会議長    前 川 綾 子

                          会議録署名議員    竹 田 ゆかり

                          同          河 村 琢 磨

                          同          長 嶋 竜 弘