平成27年総務常任委員会
6月25日
○議事日程  
平成27年 6月25日総務常任委員会

総務常任委員会会議録
〇日時
平成27年6月25日(木) 9時30分開会 18時45分閉会(会議時間 6時間01分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席委員
永田委員長、保坂副委員長、河村、前川、長嶋、中澤、吉岡の各委員
〇理事者側出席者
松尾市長、瀧澤副市長、小林副市長、能條経営企画部次長兼行革推進課長、桝渕歴史まちづくり推進担当担当部長、服部(計)歴史まちづくり推進担当担当次長兼歴史まちづくり推進担当担当課長、服部(基)歴史まちづくり推進担当担当課長、吉田(宗)文化財課担当課長、佐藤(尚)総務部長、三上総務部次長兼総務課担当課長、内海(正)総務部次長兼財政課長、今井総務部次長兼職員課担当課長、小林(昭)総務課担当課長、保住職員課担当課長、上田管財課長、松永市民活動部長、奈須市民活動部次長兼地域のつながり推進課長、花岡腰越支所長兼地域のつながり推進課長、小澤観光商工課担当課長、栗原保育課担当課長、池田生活福祉課長、伊藤(元)高齢者いきいき課担当課長、関沢都市計画課長、芳本都市景観課長、吉田(浩)都市調整部次長兼建築指導課担当課長、伊藤(昌)都市整備部次長兼都市整備総務課長、前田都市整備部次長兼道路課担当課長、原田(裕)道水路管理課担当課長、谷川(宏)道水路管理課担当課長、森道路課担当課長、都筑建築住宅課担当課長、斎藤(政)深沢地域整備課長、斎藤(務)消防長、芥川消防本部次長兼消防総務課長、中嶋警防救急課長、秋元(弘)指令情報課長、山本指令情報課長、高木(守)予防課長、柴田鎌倉消防署長、郷原大船消防署長
〇議会事務局出席者
三留局長、鈴木次長、藤田次長補佐兼議事調査担当担当係長、窪寺担当書記
〇本日審査した案件
1 議案第10号物件供給契約の締結について
2 報告事項
(1)歴史的風致維持向上計画の策定に向けた取組状況について
(2)世界遺産登録に関する取組状況について
(3)(仮称)鎌倉歴史文化交流センター整備の進捗状況について
3 議案第17号平成27年度鎌倉市一般会計補正予算(第2号)
4 報告事項
(1)平成26年度陳情第8号「市が定めたルールの全てを市ホームページに掲載することを求める陳情」のその後の状況について
(2)平成26年度陳情第58号「旧鎌倉図書館解体についての陳情」のその後の状況について
5 陳情第9号旧鎌倉町立図書館の保存・活用を求めることについての陳情
6 職員のコンプライアンスについて
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○永田 委員長  総務常任委員会を開会いたします。
 まず初めに、会議録署名委員の指名を行います。委員会条例第24条第1項の規定により、本日の会議録署名委員を指名いたします。前川綾子委員にお願いいたします。
 
○中澤 委員  議会基本条例をつくって、開かれた議会を目指すということをうたっているわけなので、この際、一言申し上げておきますけれども、今回の役員選考において、委員長を選定した件について役員選考委員長から、三役、それから各委員長に誰が決まったという報告が一切ない中で委員長選考を行いました。その時点で、私の所見として、現永田委員長は、ことしの2月に委員長を解任されているので、ほかの方がいいのではないかということを申し上げたところ、吉岡委員から役員選考委員会で決まったんだから、それでいいということで同意をしました。
 ただし、一言申し上げておきますけれども、平成25年9月26日、無断欠席、平成26年4月16日、無断遅刻をしているのは永田議員です。このことについて、当時の正・副委員長の配慮によって問題化していないので、そのことをよく踏まえた委員会運営をしていただくように、申し添えておきます。
 
○永田 委員長  事務局に確認しますが、その際、私、当事者なんですけれども、ここで発言してしまってよろしいのでしょうか。理由等は事務局に伝えてあると思うんですが、確認はしていただいていますか。
 
○事務局  確かに今言われたように、当時の永田委員は、平成25年9月26日、委員長報告の読み合わせだったと思いますが、欠席されています。また平成26年4月16日、遅刻でしょうか、後ほど来られたという形で確認しています。
 理由としては、特に事務局としては、委員会が始まる直前になりましたら、御連絡をする形になっております。その際に、明確な理由までお聞きできないという状況になるときもありまして、その際には、基本的には所用により欠席、もちろん病気の場合は病気ということで処理することになると思いますけれども、そのような形になっております。答えになっているかわかりませんけれども、そのような形です。
 
○中澤 委員  それについて、委員長の身分について、事務局に確認をとってやっていくということ自体、委員会運営というのはあり得ない話であって。当時、私が委員長でした。始まるまでに、委員長に対しての欠席並びに遅刻についての申し入れというのは、僕は事務局から受けていない。その中で、そういう態度について、当時の4人が、この委員長では委員会運営は無理だろうということで解任動議で賛成している状況、だから、それを踏まえた上できちんとした委員会運営をやっていただかないと、また同じ結果になるということだけを申し添えているだけのことであって、それは当時の委員長として、そういう事実があったので、それをどんなに主張されようが、事実は事実なので、委員長のところに欠席、それから遅刻の話というのは、事前には申し入れがないので。
 
○永田 委員長  御意見ということで承って、進めさせていただいてよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは進めさせていただきます。
    ───────────────────────────────────────
 
○永田 委員長  審査日程の確認をしたいのですが、まず初めに委員長から何点か確認をさせていただきます。
 補正予算議案の審査方法についてなんですが、補正予算議案及び補正予算議案に関係する議案及び報告事項につきましては、平成25年6月17日の当委員会で確認したとおり、補正予算議案の前に審査を行い、その後、補正予算議案の審査を行うことについて、御確認をお願いいたします。
 続いて、歴史まちづくり推進担当部分の審査日程についてですが、通常、歴史まちづくり推進担当部分の日程については、経営企画部の後に行いますが、本日は午後から歴史的風致維持に関する協議会が予定されていることから、消防本部の後に掲載をさせていただいていることについてあわせて御確認をお願いいたします。
 そして、所管外の報告事項についてですが、日程第8報告事項(1)「開発許可処分取消請求判決に係る上告受理申立てについて」ですが、4月22日開催の当委員会協議会から引き続いた案件であることから、本日の日程に掲載をさせていただいております。
 ここまで確認はよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認いたします。次に、一括議題についてです。日程第4報告事項(2)「平成26年度陳情第58号旧鎌倉図書館解体についての陳情のその後の状況について」及び日程第5「陳情第9号旧鎌倉町立図書館の保存・活用を求めることについての陳情」は、関連する議題であることから一括議題とし、報告、説明及び質疑を一括で行った後に、報告事項については了承かどうかの確認を、陳情については、意見取り扱いを順次協議することでよいか、御確認をお願いいたします。よろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 確認させていただきます。
 
○中澤 委員  日程追加でいいかと思うんですけれども、何点かあります。1点目が、職員のコンプライアンスについて。これは総務部になると思いますが、これについては、都市計画課、腰越支所長、それから市民活動部長、それから建築指導課の出席をお願いするというのが1点目になります。
 
○永田 委員長  中澤委員から日程追加で、職員のコンプライアンスについてというタイトルで、関係課として、都市計画課、腰越支所長、市民活動部長、そして建築指導課に出席要請するということでよろしいですか。
 
○前川 委員  わかるんですけれど、もうちょっと詳しく教えていただけることはできますか。
 
○中澤 委員  これは質疑内容によって、どういう答弁がくるかわからないので、職員のコンプライアンスはコンプライアンスです。それだけですね。
 
○永田 委員長  よろしいですか。
 
○前川 委員  ほかの委員がどうなさるのか。いいですけれど、わかりました。
 
○中澤 委員  2点目、経営企画部関係で行きます。1点目は、公共施設再編について。これについては建築住宅課、建築指導課、学校施設課、また公共施設再編なので経営企画課も入ると思いますが、それをお願いします。
 
○永田 委員長  公共施設再編についてということで、建築住宅課、建築指導課、学校施設課、あとは経営企画課というところでよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 確認させていただきます。
 
○中澤 委員  次に3点目に行きます。これは本会議で、議長の御配慮でやらせていただいたんですけれど、セキュリティーについてということで、その後、何点か、また新たなことが出てきているので、情報推進課、総務課、市民課、並びに保険年金課の出席をお願いします。
 
○永田 委員長  セキュリティーについてということで、情報推進課、総務課、市民課、保険年金課、以上を呼ぶということで御確認いただいてもよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 確認させていただきます。
 
○中澤 委員  続いて、所管外をお願いしたいんですけれども、日程第2報告事項(3)「(仮称)鎌倉歴史文化交流センター整備の進捗状況について」のところで、歴史まちづくり推進担当以外に、都市計画課、それから、建築指導課の出席を所管外でお願いします。
 
○永田 委員長  日程追加ではなくて、今ある「(仮称)鎌倉歴史文化交流センター整備の進捗状況について」のところで、都市計画課と建築指導課の出席も願うということでよろしいですか。
 
○保坂 副委員長  確認させていただきたいんですけれども、日程追加ということで、今、結局、3件提示がありましたけれども、戻るんですけれども、2点目の公共施設の再編というのは、ずっと総務常任委員会でやってきたものなんですけれども、どこか施設に例を挙げての質問をされるということでよろしいのでしょうか。そこだけ確認させていただいてよろしいですか。
 
○中澤 委員  特定施設、御想像のとおりだと思うんですけれど、それとあわせて、答弁内容によっては、ほかの施設についてもやろうかと思っているんですけれど、ほかの委員が、公共施設再編で、もともと総務常任委員会所管なので、他の施設についてというのも、経営企画課が入っているので、それは他の委員も、質疑は特に可能なので、私個人としては、どこまで言っていいかというのはあるのですが、御想像のとおりのところを、公共施設再編計画という観点からやりたいのと。
 それから、もう一つ新たなことはあるので、それについて質疑を行いたいということで追加をお願いしたいということでお願いします。
 続いて、たくさんで申しわけないのですが、防災安全の防災対策の取り組み状況について、ここで情報推進課、文化財課の出席をお願いしたいと思います。
 
○永田 委員長  「防災対策の取り組み状況について」で、情報推進課と文化財課の2課でよろしいですか。ここまでは確認よろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 
○永田 委員長  確認します。
 
○中澤 委員  最後に、日程第8報告事項(1)「開発許可処分取消請求判決に係る上告受理申立について」のところで、これは都市調整部長と総務部長の出席をお願いいたします。
 もし既に出席することの確認がとれているのであれば、今のは所管外ということではなくて、予定どおりの出席でお願いをします。
 
○永田 委員長  以上でよろしいですか。
 
○中澤 委員  あと総務常任委員会については、理事者質疑については適宜ということでなっているので、事前に市長の日程については、所管に確認をとってもらっているので、なるべくないようにはしますけれども、必要に応じてはさせていただきたいと思います。私から以上です。
 
○永田 委員長  では、その都度、理事者質疑については確認させていただくということで進めていきます。
 今、中澤委員から日程追加等ありましたが、事務局で確認をお願いいたします。
 
○三留 議会事務局長  ただいま中澤委員から、場合によっては理事者質疑というお話がございました。担当書記から、そういったお話があるということで、私、けさ、理事者に確認をしに行ってまいりました。本日いろいろ用務が入ってございまして、聞いておりますのは、10時半から14時半までは外出の御予定がある。それから、15時からは歴史的風致維持に関する協議会ということで、こちらの冒頭、御挨拶をされる御予定が入っているということでございます。そのほか、16時40分からは来客の御予定が入っていると、この3点、御予定を伺っております。
 
○永田 委員長  暫時休憩いたします。
              (9時44分休憩   9時45分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
 今、休憩中に皆様に御協議をいただきましたが、理事者質疑については、その都度、答弁次第ではというところで確認させていただきながら、理事者等のスケジュールを確認させていただくということでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認いたします。改めて事務局から、日程追加等について確認願います。
 
○事務局  ただいま中澤議員から追加の日程の御発議を確認されまして、まず一つ目が、職員のコンプライアンスについてになります。こちらは総務部の関係ということで、関連課として、都市計画課、建築指導課、腰越支所長、市民活動部長を含んだ市民活動部の職員という形でよろしいでしょうか。
 
○中澤 委員  すみません、建築指導課ではなくて、職員課ですね。お願いします。
 
○永田 委員長  日程追加一つ目のところは、建築指導課ではなくて、職員課ということで確認をお願いします。
 
○事務局  再度申し上げます。都市計画課、腰越支所長、市民活動部長を含んだ市民活動部の職員並びに職員課ということで、場所は総務部の中の職員課の関係ということで確認をお願いします。
 次に2点目としまして、公共施設再編について。こちらは建築住宅課、建築指導課、学校施設課、また、所管になると思いますが、経営企画課も職員の出席を求めるということ。
 3点目がセキュリティーについてになります。こちらも経営企画課の部門になりますが、情報推進課、総務課、市民課、保険年金課、以上が関連課として出席するということ。
 最後に、こちらは日程追加になりまして、関連課の関係になりますが、日程第2報告事項(3)の歴史文化交流センターの関係になりますけれども、関連課としまして、都市計画課、建築指導課の2課を関連課として呼ぶということ。
 次に、防災安全部になりまして、日程第6報告事項(1)「防災対策の取組状況について」に、情報推進課並びに文化財課の出席ということ。
 続いて、日程第8報告事項(1)「開発許可処分取消請求判決に係る上告受理申立てについて」になりますけれども、こちらは総務部長、都市調整部長の両部長が出席するという確認がとれております。
 最後に理事者質疑になりますけれども、こちらは適宜ということでなっておりまして、場合によっては、所管をする副市長の出席を要請するかもしれないということで、こちらは事務局で御予定などを確認させていただければと思います。
 以上、再度確認いただければと思います。
 
○永田 委員長  よろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 確認させていただきます。
 
○事務局  ただいま追加されました3点につきまして、日程追加の場所について御協議いただければと思います。
 1点目の「職員のコンプライアンスについて」は総務部になりますので、通常でしたら、総務部の一番最後ということになると思いますので、ただいま、日程第4の(2)及び日程第5、こちらが総務部関係の最後になりますので、この後で追加することでよろしいか、また、「公共施設の再編について」及び「セキュリティーについて」につきましては、こちらは経営企画部になりますので、日程第7の(5)鎌倉芸術館PFI事業についての後にそれぞれ追加することでよろしいか、あわせて確認をお願いいたします。
 
○永田 委員長  よろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 確認させていただきます。
 続けて事務局からお願いします。
 
○事務局  事務局から関係職員の出席等について御報告いたします。
 関連課の職員についての出席につきまして、ただいま確認されました以外のものになりますが、日程第3「議案第17号平成27年度鎌倉市一般会計補正予算」につきまして、補正予算に関連する部署の職員が、また、一括議題として確認されました日程第4報告事項(2)「平成26年度陳情第58号旧鎌倉図書館解体についての陳情のその後の状況について」及び日程第5「陳情第9号旧鎌倉町立図書館の保存・活用を求めることについての陳情」につきましては、行革推進課、都市景観課、建築住宅課、文化財課の4課が。また、日程第7報告事項(3)「総合教育会議について」つきましては、教育総務課が。最後に日程第8報告事項(1)「開発許可処分取消請求判決に係る上告受理申立てについて」は、開発審査課職員がそれぞれ関係課として入室することを報告いたします。確認をお願いいたします。
 
○永田 委員長  よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 
○事務局  続いて、陳情の提出者の陳述について報告をいたします。
 日程第5陳情第9号につきましては、陳情の提出者から陳述の申し出がございます。発言を認めるかどうかについて、協議、確認をお願いします。
 
○永田 委員長  よろしいでしょうか。
 
○中澤 委員  基本的なことで申しわけないんですけれど、この陳情について、総務常任委員会の12月定例会で、補正予算を附帯決議つけないで通していますよね。その内容について、相反するものですよね。これについて扱えるのかどうかの見解を統一しないと、どっちが盾か、どっちが矛かになってしまうので、そこのところを整理をお願いしたいんですけど。これは議会運営委員会でどういう結果になって、こちらに付託になっているのか、教えてもらえますか。
 
○事務局  6月10日の議会運営委員会におきまして、これは正・副委員長から付託先等については、協議を要する陳情として提示されております。
 協議していただいた結果、結論としては全会一致で、総務常任委員会に付託が確認されています。その際の意見として出されましたのは、これは陳情の趣旨に書かれている部分なのかもしれませんけれども、状況の変化があるというもの。また、事前になされたと思うんですけれども、新聞報道について、市の対応を確認する必要があるといった御意見が出されまして、協議の結果、特に御異論はなくという形になりますが、全会一致で総務常任委員会に付託が確認されたという経緯だけ御報告いたします。
 
○中澤 委員  そうすると陳情の意見陳述について云々ではなくて、その前段階で、議会としてもそうなんですけれども、当委員会としても、12月定例会で解体について賛成して、その土地についても跡地図面を資料要求して、プレハブで子どもの家を入れるという図面も出してもらって、それを審議して、それで賛成しているわけですよね。附帯決議をつけているわけではないので。
 そうなってくると、そのときに賛成をしておきながら、これは陳情の内容が相反することになります。その場で残しておくとなると、議会として整合性がとれなくなってしまいます。それについて、そもそも扱えるのかどうかということの見解というのは、どういう見解で、総務常任委員会に来ているのか。そこは正・副委員長でも整理はついて、日程に入れているのですか。
 
○事務局  基本的な日程の組み方としては、付託された案件というのは、当然ながらほかの議案などと一緒に、自動的にと言ったらなんですけれども、議案、報告、陳情という形で組んでいく形になります。
 ただ、ただいま中澤委員の言われたように、前回、12月定例会での補正予算の表決の態度、そのあたりというのは、個々の議員の責任において、自分の態度を表明していることになっていると思います。補正予算の際に出された意見としては、壊すということがあっても、市民と連携をとりながら進めてほしいと、そういったいろいろな御意見というのは委員長報告には付されたことになると思いますが、基本的には、補正については個々の議員の責任として表決をしている。ですから、今回の陳情に当たっても、そのあたり整合性というのがあるかもしれませんけれども、そのあたりは各議員、各委員の御判断に任せるものになるのかなと考えております。
 
○中澤 委員  それはおかしな話であって、議員というのは質問する権利を有して、採決をする権利を有しているだけなんです。それに対して採決をして、附帯決議がついているんだったらわかります。確かに意見は付しています。ただ、意見を付しているというのは、当時は市民の方に十分説明をしていないから、きちんと説明をしてくださいねという意見でしかないわけですよね。そのときには、今の委員会の正・副委員長も総務常任委員会にいたんだから、その辺の整理は正・副委員長で話し合って、この日程に出してきているんじゃないんですか。全部整理した上で、そこの解釈は委員長としてどうやって、日程に入れたのですか。
 
○永田 委員長  今、事務局が説明したとおり、基本的には議会運営委員会で付託をされた案件については日程に入るということで了承しておりまして、今回の件についても、議会運営委員会で協議の中で、総務常任委員会に付託をするという結論に至りましたので、日程の中にも加わえさせていただいているということです。
 
○中澤 委員  質問している内容が違うんですけれど、議会運営委員会の流れなんてもう知っているので。ただ、今、僕が言った12月定例会での当委員会での判断と、今回持ってきたものの相反しているものについて、どう整合性を正・副委員長で話し合って、ここに日程に入れているんですかということを聞いているんです。その議会運営委員会で付託されたから自動的に入れるなんて、そんな話を聞いているわけではないんです。
 
○永田 委員長  大変申しわけないんですけれども、繰り返しになってしまうんですけれども、議会運営委員会で十分に協議された上で、総務常任委員会に付託されたと思っているので、日程には組んでいるということですね。
 暫時休憩します。
              (9時56分休憩   10時01分再開)
 
○永田 委員長  再開をさせていただきます。
 
○中澤 委員  休憩中に議会運営委員会での取り扱いについて、非公式に議長からいろいろ御説明をいただきました。陳述については、そのまま市民の方は特に問題なく聞かせていただきたいと思います。内容については職員に聞いてもどうしようもないことなので、これについては市長に直接伺いたいと思います。
 
○永田 委員長  日程第4報告事項(2)の陳情第58号の関係と今回の陳情第9号について、理事者質疑ということでよろしいですか。
 では、こちらについては、先ほど日程確認のときにありましたように、理事者の本日のスケジュール等々もありますので、そのときにまた御協議いただくというような形でもよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 確認いたします。
 
○事務局  日程第5の陳情第9号に係る資料について報告いたします。日程第5の陳情第9号につきましては、陳情の提出者から事前に資料の提出がございまして、各委員に事前に配付をしております。確認をお願いいたします。
 
○永田 委員長  陳情について、資料の確認をお願いしてもよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認いたします。
 審査日程の確認は以上になります。
 消防本部職員入室のため、暫時休憩いたします。
             (10時03分休憩   10時04分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
 まず初めに、異動職員の紹介をお願いいたします。
                  (職 員 紹 介)
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○永田 委員長  日程第1「議案第10号物件供給契約の締結について」を議題といたします。原局からの報告をお願いいたします。
 
○警防救急課長  議案第10号物件供給契約の締結について、その内容を御説明いたします。
 議案集その1、42ページをお開きください。
 本件は、大船消防署玉縄出張所に配置予定の高規格救急自動車の購入についての供給契約を一般競争入札で行い、その結果、鎌倉市津西一丁目8番8号、神奈川日産自動車株式会社西鎌倉店、店長、久保田崇嗣と締結しようとするものです。
 この物件の消費税及び地方消費税を含む契約金額は1,922万4,000円です。
 同社は、高規格救急自動車を厚木市、大和市などに納入実績があり、信頼できる業者と認められます。
 なお、納入期限は平成28年1月27日を予定しています。
 以上で説明を終わります。
 
○永田 委員長  ただいまの説明に御質疑はございますか。
 
○中澤 委員  これは今、玉縄に救急車はあると思うのですが、それはどうする予定なんでしょうか。
 
○警防救急課長  今現在ある玉縄の救急車を今度鎌倉消防署の非常用救急車にいたします。
 
○中澤 委員  非常用救急車の待機場所は、どこに置いておくのですか。
 
○警防救急課長  待機場所は、鎌倉消防署に置きます。
 
○中澤 委員  鎌倉市は買いかえた消防救急車等々については、たしか海外で使えるなら海外にという話があったと思うんです。今回はそれにのせないで、待機として置く理由はなんでしょうか。
 
○芥川 消防本部次長  今回、購入する車両の代替につきましては、鎌倉消防署の非常用となります。廃車する車両といたしまして、鎌倉消防署の非常用が1台、廃車予定でございます。
 
○中澤 委員  これは当委員会でもやったんですけれども、当時、モンゴルへ持っていきました。モンゴルに持っていったときに働きかけた議員の名前を、委員会でもきちんと述べてもらっているんですけれども、当時の議員だった本田達也議員、そして鎌倉市の顧問弁護士が与党会派として認めた高橋浩司議員、2人がモンゴルに持っていくことについては働きかけをしたということは当委員会でも所管から答弁をいただいていますけれど、今回はそういう働きかけはないのでしょうか。
 
○警防救急課長  今回、そのような話はございません。
 
○中澤 委員  モンゴルへ持っていったあれは、では何だったんでしょう。モンゴルに1台だけ持っていって。それで終わりなんでしょうか。
 当委員会でも言ったことがあるんですけれども、継続して持っていくんだったら、持っていきましょうよという話をしたと思う。本会議だったかな。だけど、1回こっきりでやめちゃったんだったら、それはそれで変な疑惑を生みますよね。なんでそのときだけモンゴルなのと。まして職員までみんな募金を半強制的に集めて旅費にして、職員も行っているわけですよね。なんでそれは1回こっきりなんですか。
 
○芥川 消防本部次長  うちに、日本消防協会から継続して提供依頼が来るわけなんですけれども、ほかからは現在どこも来ておりませんので、うちで手続をとっていないというのが現状でございます。
 
○中澤 委員  いろいろ調べたんですけれども、当時も協会からあらかじめモンゴルという話ではなくて、議員がかなり強く働きかけて、流れとして、そういう協会からという形にしたわけですよね。でしたのだったら、なんでそれを継続してやらないのですか。当時、協会からありました。今回はありません。それはそれでまたおかしな話ですよね。あるのだったら継続してあるはずですよね。予備であったものを今回廃車するのだから、それはまた持っていけるわけですね、どこかに。そこの整合性もまたとれなくなってきて。そこはどうなんでしょう。
 
○芥川 消防本部次長  前回御答弁したとおり、国際協力という観点から、うちとしましては日本消防協会だけではなく、ほかの御依頼があれば、関係課と協議をしながら進めていきたいという答弁をしたと思うんですけれども、そのような依頼がないのであれば、うちは物品返納をする手続でいくしかないかと思います。
 
○中澤 委員  当時は総務部長も行っていますね。消防の職員も行っています。大々的に記事にしています。ましてや議員2人が絡んでいるわけです、当時の。そこまで華々しくやったものが、向こうへ行ってホースが接続できなかった。それについては理由がありますという話をされましたけれども、いや、そんなことはないと、行った総務部長から僕は当時聞いたんです。つなげなくて、放水のセレモニーができなかったんです。行った人から僕は聞いたんです。おかしいですよね。ほかの市の関係の方だって、モンゴルに行っているわけです。だったら、そこまで鎌倉市として大々的にモンゴルでやったんだったら、それは継続してやらなければおかしいですよね。
 依頼が来ないからじゃなくて、ルートができたんだったら、そこで何でやらないんですか。1回こっきりで、その後、名前を挙げていただいた議員からは、本田議員、それから当時の高橋議員なんて今だって議員なんだから、その話、全然ないんですか。
 
○芥川 消防本部次長  それ以降は全くございません。
 
○中澤 委員  だったら、モンゴルへ持っていったのは何だったんですか。結局、議員2人に言われて、その議員の圧力に屈して、全然計画にも何にもないものを持っていって、それでそれに当時の総務部長が行って、消防の職員も、みんな職員からカンパを集めて、それで旅費にして、私の旅ということにして行っているわけですよね。みんな職員が絡んでいる。関係しているわけですよね。だったら何でそれは1回こっきりでやめちゃって、議員がそういうことをやれば、みんなそうやっちゃうんですか。こんな1,900万円もするものでしょう、新車で。今回のは救急車ですけれど、議員からそう言われたら、消防というのは動いちゃうのですか。
 
○芥川 消防本部次長  前回、モンゴルの関係もありまして、御答弁したように、国際協力という大局的な見地から検討していこうということで、今の消防本部の見解としているところでございます。
 
○中澤 委員  国際協力だったら、今回、廃車するのはどこに行く予定なんですか。
 
○芥川 消防本部次長  日本消防協会からも提供依頼が来たんですけれども、その車両に合致しませんので、今年度については、救急車を1台廃車するんですけれども、物品返納単独にする予定でいます。ただ、消防車につきましては、今年1台廃車する予定がございます。それについては適用範囲に合致しますので、1台、日本消防協会に提供するという形で事務を進めております。
 
○中澤 委員  その消防車は協会へ持っていって、そこから先、どこに行くのですか。
 
○芥川 消防本部次長  現在のところ、提供先の連絡はまだ受けておりません。
 
○中澤 委員  手続的におかしな話で、当時は、モンゴルということで消防協会からきて、モンゴルに大々的にセレモニーまでやって行っているんだから、それをやるんだったら、継続しなければおかしな話になっちゃいますよね。
 それから、消防協会から依頼がないんだったら、ないから救急車は廃車しちゃって、そのままと。だけど、もしかしたら途上国で使えるかもしれないので、消防協会に限ったことではなく、これは前も質問したことあるんですけれども、だけど、そういうルートを探すということはしないんですか。誰か議員が1台ちょうだいといったら、簡単にあげちゃうんだけど、そういう探す努力というのはしないですか。
 
○芥川 消防本部次長  今までそういうルートを探してこなかったというところもございますけれども、他市の状況も調べまして、今後はルート開拓、その辺も勉強していきたいと思います。
 
○中澤 委員  せっかく日本の消防車、救急車、緊急車両というのは、途上国は今、物すごい需要があって、ただ、そのルートがないからなんでしょうけれど、日本車が、例えば10年たってだめになるというのは、パッキンとかそういうものは別として、最も壊れないですね。そうなってくると、もったいない。本会議でも言いましたけれど、せっかくルートをつくって、モンゴルだっていいんです、別に。だったら、何でそれを継続してやらないの。それにかかわった議員がなんでやらないのという話ですよね。だから、変な疑惑になっていくだけのことであって、いいことだと思ってやったんでしょうから、消防は。別にねちねち議員から言われてやったんじゃないと思いますから、それについてはいいですけれど、ただ、救急車も、予備のも、ただ単に捨てちゃうというのももったいないので、何かもしルートが、それが業務になってしまうと困っちゃうんですけれど、もしルートがあるようであれば、そこで1回検討してみてください。
 
○長嶋 委員  最初の御説明のところで気になったんですけれど、今、中澤委員の質問のところで、玉縄に今置いてあるやつを非常用として鎌倉署に持ってくるというお話だったんですけれど、非常用で置くのだったら、あそこは津波の関係等もあるので、鎌倉署に置くのではなくて、違うところに置くべきではないかと思うんですけれど、どうしてもスペースの関係で置けないとか、そういうことですか。
 
○警防救急課長  ただいまの質問なんですけれど、今現在、非常用救急車は大船消防署に1台、そして鎌倉消防署に1台配備しております。
 今、長嶋委員から御指摘がありました、鎌倉署は津波が予想されるということで、確かに緊急に出動する車でありますから、この辺は津波が直接受けないような深沢ですとか七里ガ浜ですとか、いろいろありますので、この辺はうちでも前向きに考えまして、配置場所を検討していきたいと思います。
 
○長嶋 委員  非常用が非常用にならなくなると困るので、そこは今の御答弁では心配なので、きちんと考えて、意味がなくなっちゃうんで。答弁はいいです。お願いします。
 
○前川 委員  今の件ですけれど、私も同意見なんですが、そもそも前に聞いたような気がするんですけれど、鎌倉消防署で何かがあったときには、直ちに車を鎌女のところの丘に上げることになっていると昔伺った記憶があるんですけれど、今その体制は残っているんでしょうか。
 
○警防救急課長  ただいまの質問なんですけれど、津波警報等が発令されましたら、部隊は海岸線、これは避難誘導する部隊、それと他の部隊にあっては、車両を昔は第一小学校と言っていましたけれど、今は九品寺方面の高台に避難広報、避難を広報しながら車両を移動させるととっております。
 
○前川 委員  広報しながらということは、簡単に言うと津波が来ますよと、大きい地震がありましたよというところでなさるということで車を出すということでしょうか。
 
○警防救急課長  そのとおりであります。
 
○前川 委員  今、長嶋委員がおっしゃったことは、そのとおりだなと思います。直ちに、ただ車をとにかくどこかに移動するということであれば、不安だから鎌倉署にあって非常用にあってほしいなという気持ちも残ります。ですので、その辺のところ、今、私が質疑を聞いていて、お聞きしたことの対策が残っているということであれば、それをもうちょっと綿密に研究していただいて、よんどころなければ、深沢に持っていくということもしようがないとは思いますが、いかがでしょう。
 
○警防救急課長  今、委員がおっしゃったとおり、消防も慎重に、それと迅速、的確に対応をしていきたいと思います。
 それと、1点訂正をさせていただきたい思います。ただいま、私の答弁の中で、九品寺と言いましたけれど、材木座長勝寺に訂正させていただければと思います。大変申しわけございませんでした。
 
○河村 委員  今の流れの中で、非常用というのは、いざ使おうというときに、例えば救急車が使えなかった予備として日常的にも使う可能性があるということで、非常用ということで理解でよろしいでしょうか。
 
○警防救急課長  そのとおりでございます。
 
○河村 委員  それでしたら、私は確かに津波の心配があると思いますけれども、そういった中で、私は必要性があるんじゃないかなと思っています。
 玉縄に今度、非常用として来るということですけれども、高規格というのと非常用になるというのは何か違いはあるのですか。
 
○警防救急課長  別段違いはありません。非常用という名前だけでありまして、高規格救急自動車には変わりはありません。
 
○保坂 副委員長  今回の物品供給契約ですけれども、一般競争入札ということで、応札は何社あったんでしょうか。
 
○芥川 消防本部次長  2社ございました。
 
○保坂 副委員長  2社のうちの1社に決まったということで、契約金額が2,000万円くらいということですけれども、これは今進めていますデジタル化ということで、デジタル無線とか、車載のデジタル機器といったものも含まれる金額になるのかどうか、確認させてください。
 
○警防救急課長  車載の費用も含まれた額でございます。
 
○保坂 副委員長  長嶋委員も触れていましたけれども、高規格救急車ということで、2月、予算特別委員会のときだったか、消防で持っている車両の一覧表とか出していただいたかと思うんですけれども、今、手持ちでないので、高規格というのは車体も高くて、救急車の中で救命救急活動というのも、従来のものよりもよりできるようなスペースもあるし、機器も積めるということなのかなと思っているんですけれども、高規格化というのを進めていて、全部高規格になるということなんでしょうか。
 
○警防救急課長  そのとおりでございます。
 
○永田 委員長  ほかに御質疑はございますか。
                  (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 次に、委員間討議の実施の有無を含め、御協議をいただきたいと思います。今、委員の皆様にるる質問をしていただきました。救急車の廃車先はどうなるのかといった点、また非常用の救急車をどこに置くべきなのかといった点、そして契約に関する点などをるる質疑が出ましたが、委員間討議についてはいかがでしょうか。行わないことでよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 委員間討議は行わないということで、確認をさせていただきます。
 御意見はございますか。
 
○中澤 委員  救急緊急車両の新規購入に伴っての廃車車両については、途上国等、必要とされるところを可能な限り模索し、有効活用を図っていただきたい。
 
○永田 委員長  ほかの委員の方はよろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 意見を打ち切ります。
 議案第10号物件供給契約の締結についてを採決いたします。本件は原案のとおり決することに御賛成の方の挙手をお願いいたします。
                  (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第10号物件供給契約の締結については原案可決されました。
 職員入退室のため、暫時休憩いたします。
              (10時25分休憩   10時28分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
 
○永田 委員長  歴史まちづくり推進担当の異動職員の紹介をお願いいたします。
                  (職 員 紹 介)
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○永田 委員長  日程第2報告事項(1)「歴史的風致維持向上計画の策定に向けた取組状況について」を議題といたします。原局から報告をお願いいたします。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  日程第2報告事項(1)歴史的風致維持向上計画の策定に向けた取組状況について、御説明させていただきます。
 歴史的風致維持向上計画の策定につきましては、平成26年12月に開催いたしました本常任委員会において、「歴史的風致の具体化に向けた考え方」や「計画書の構成に関する検討状況」などを御報告いたしましたが、本日は、その後、さらに検討を深めてまいりました「鎌倉における歴史的風致(案)」の内容を中心に、御説明させていただきます。
 資料1「歴史まちづくり法に基づく鎌倉の歴史的風致(案)」及び資料2「歴史まちづくり法に基づく鎌倉の歴史的風致の範囲図(案)」をごらんください。
 歴史まちづくり法に基づく歴史的風致は、「歴史上価値の高い建造物及びその周辺地域において、伝統的な人々の活動が行われている良好な市街地の環境」と定義されておりますが、この要件を踏まえ、関係省庁との協議及び、学識者等で構成するアドバイザー会議での意見交換などを重ねながら検討を進めた結果、資料1で体系的に整理した6件を鎌倉市における歴史的風致とし、その範囲を、資料2に記載したとおり定めようとするものでございます。
 それでは、資料1に沿って、六つの歴史的風致の概要を個別に御説明させていただきます。
 初めに、「(1)社寺における祭礼・行事にみる歴史的風致」でございます。
 中世以降、幕府が中心となって建立された社寺は、歴史上価値の高い建造物を有するとともに、周囲の緑を含む良好な自然環境と一体となって現在も宗教活動を続けていることから、これを歴史的風致とするものでございます。
 また、以降御説明する(2)から(6)の歴史的風致については、その基盤に「生きている歴史的遺産」としての社寺が存在しているものとしております。
 次に、「(2)海の伝統行事にみる歴史的風致」でございます。
 史跡「和賀江嶋」が所在する材木座を初めとする地域では、近世のころから現在に至るまで、沿岸漁業など海にまつわるなりわいや伝統行事が脈々と営まれていることから、これを歴史的風致とするものでございます。
 次に、「(3)若宮大路周辺における商いにみる歴史的風致」でございます。
 泰平の世が訪れた近世以降、鎌倉の社寺には遊山客も訪れるようになり、観光客を対象とした商いが、この地で続いていることから、これを歴史的風致とするものでございます。
 次に、「(4)周遊観光にはじまる「江ノ電」にみる歴史的風致」でございます。
 100年以上の歴史を有する江ノ電は、この地の周遊観光を支える主要な鉄道として発展し、海や山、社寺などを背景に走る姿が鎌倉固有の風景を醸し出していることから、これを歴史的風致とするものでございます。
 次に、「(5)別荘文化に由来する歴史的風致」でございます。
 近代以降、古都の風情を有する保養の適地とされた鎌倉には、多くの別荘が建てられ、ここで生まれ育った文化が、今日の鎌倉に住まう人々の趣向にも深く関り、関連する歴史的な建造物も多く残されていることから、これを歴史的風致とするものでございます。
 最後に、「(6)歴史的遺産と一体となった緑地の保全活動にみる歴史的風致」でございます。
 御谷騒動に端を発する緑の保全活動は、鎌倉の良好な自然環境と相まって、現在も多くの人々によって営々と続けられていることから、これを歴史的風致とするものでございます。
 続きまして、資料3「歴史的風致維持向上計画策定スケジュール及び検討状況」をごらんください。
 平成27年2月以降、前述いたしました「歴史的風致(案)の取りまとめ」の作業と並行して、歴史的風致維持向上のための実施事業に係る国庫補助の調整なども行ってまいりましたが、今後は、学識者や関係団体、公募市民等を委員とする鎌倉市歴史的風致維持向上計画協議会の開催や、広報紙等による市民への周知、意見公募などを行いながら、歴史的風致の維持向上のための方針や実施事業を精査し、成案のまとめに向けた作業を進めてまいります。
 以上で御説明を終わります。
 
○永田 委員長  ただいまの報告に御質疑はございますか。
 
○中澤 委員  これを見ると、意見公募を7月からやっていくと。そこのあたり、スケジュールをもう一回説明お願いします。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  今後の予定でございますが、意見公募につきましては、この後、8月を目途に一応実施しようと思っております。また、法定協議会につきましては、本日の午後、第1回の法定協議会を開催する予定でございます。
 
○中澤 委員  これはいわゆるゾーン指定をして、これは歴史まちづくりで全て取りまとめて、それから申請、認定をやっていって、全部をまとめてやっているのですか。それとも、これはそれぞれの所管で、例えば、まちづくり関係の部署、それから観光関係の部署、そういうところが具体的なものを出しているのを取りまとめていくのか。具体案まで歴史まちづくりがつくっていくのか。そこはどっちなんでしょうか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  中澤委員が今御質問された内容としましては、恐らく実施される事業のことかと認識しております。結論から申しますと、各所管課でやりたいと、進めていきたいという事業も歴史まちづくりの計画に搭載する場合もございます。
 また、歴史まちづくり推進担当で、こうした事業を実施するほうが歴史的風致の維持向上になるのではないかというものがございましたら、それはそれぞれの所管課に相談をさせていただいているところでございます。
 
○中澤 委員  この歴史的風致の範囲云々というのがあるのですけれど、そもそも論なんですけれども、これはエリア指定をして、そこで何か事業をやっていくのか。それとも緑を守るためのものなのか。それとも伝統行事を守るものなのか。それが個々なんですよというものがあると思うんですけれど、それとこの後あると思うんですけれど、世界遺産登録との兼ね合いというのですか。それはどういう位置づけにしているんでしょうか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  このエリア指定につきましては、鎌倉の守るべき歴史的風致というものを定めると。これが大きな目的となります。その中で守るために、どういったことをやっていくのかということにつきましては、さらにこの歴史的風致が重なり合っている範囲の中で、重点区域というものを定めまして、重点的かつ一体的に事業を進めていくと、そういうスキームになります。
 また、世界遺産登録との関係でございますが、そもそもこういった鎌倉の町、ハード整備、ソフト整備を進めまして、こういったことを進めていくというのが積年の課題だと捉えております。こういったものが町のベースができ上がっていくことによって、将来的に世界遺産登録というものもかかわってくるのかなと認識しております。
 
○中澤 委員  そもそもこの20年間で、世界遺産を目指したまちづくりをしてきたはずですよね。その結果が今の鎌倉市の姿のはずですよね。それとまた別の姿を今度つくっていくというのが歴史的まちづくりの、鎌倉市がやろうとしていることなんですか。そこはいま一つわからないのですけれども。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  世界遺産登録につきましては、御存じのとおり、ユネスコの世界遺産条約に基づいてコンセプトを練り上げて、世界に文化財を認めていただくという考え方でございます。
 歴史的まちづくり、歴史的風致維持向上計画につきましては、どちらかといいますと、町、文化財も含めるところなんですけれども、町中を整備していこうというのが大きな目的になるかと思います。
 
○中澤 委員  町中を整備していく。そうすると、あくまでも町中を整備していくというと、土木の考え方なんですか。それともいまひとつわからないのが、世界遺産登録は20年かけてやってきましたよと。それについて、町もつくってきて、ICOMOSの方に来ていただいて、結果的に推薦にならずになっていて、だけれども、同じような考え方でここを確かに個別は違うんですけれども、同じような考え方で町をつくっていくというものだと、今までやってきたものを否定してやるのか。それとも今までやってきたものに乗っかっていくんです。乗っかっていくんだったら、乗っかっていくだけのものが、既にないとだめですよね。そこはどっちの考え方なんですか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  決して、世界遺産登録自体を否定するものではないとは認識しております。世界遺産登録の場合、文化財の顕著な普遍的価値というものを証明していこうというのが、これが世界遺産登録でございます。
 歴史まちづくりにつきましては、そういったもの、ここは核となる文化財を活用しながら、周辺のまちづくりを進めていこうということになりますので、コンセプトといいますか、いろいろ考え方はあると思うんですけれども、歴史を生かしたまちづくりという観点から行きますと、これは双方バッティングするものではないとは認識しております。
 
○中澤 委員  そうすると、世界遺産登録については、鎌倉時代、中世を中心として、文化財等々を推薦していった。ところが、鎌倉市には、当時の面影というのがほとんどないんじゃないかということで、結果的にだめだった。永福寺は今、整理をやっていますけれど。
 これは資料1を見ると、どちらかというと近世というよりももっと近い、近現代から現代にかけてのものが中心になっているような気がするんですが、これは明確に世界遺産登録の目指したまちづくりと、そこは確実に線を引いていますよね。近現代なんだから。そうすると、この考え方というのは、鎌倉市においては近現代の歴史的なまちづくりをつくっていくという考え方なんでしょうか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  資料1に整理いたしました、六つの歴史的風致でございます。近現代のみというよりも、中世から続いている、時代ごとにそれぞれの活動というものが生まれてまいりました。それらを切り取って、ここに整理しましたら、六つの階層になったと。それぞれ場所、重なり合う部分がございます。どちらかというと、近現代限定というよりも、歴史の流れの中で、鎌倉で生まれた文化、あるいは活動、そういったものをここで取りまとめていると御理解いただければと思います。
 
○中澤 委員  近現代と、いまいちそこのところが取り扱いが明確にわからないんですけれど、今後、世界遺産登録をどうするのかというものが最初にあって、世界遺産登録のまちづくりというものは、もう諦めますよと。ついては新たなまちづくりの考え方として、中世から、もっといえば、もう少し前からあるんですけれど、中世から近世、現在に至るまでの階層をつくっていくまちづくりをするというものだったら、それはそれでわかるんですけれども、一方で、いまだに世界遺産登録を目指しますよというものを、まだおろしていないわけですから、この後あるんでしょうけれども、そうすると、その世界遺産登録を目指したまちづくりというものが残っていながら、この歴史まちづくり法に基づく歴史的風致のまちづくりをつくっていくというものの、それが明確にきちんと整合性がとれて、まちづくりがやっていけるのか。それとも、世界遺産登録は諦めますよと。新たなまちづくりをやっていきますよというものなのかによって、整備方法は全く変わってきてしまう。
 例えば、近現代を中心としたまちづくりをやっていけば、当然ながら町並みのつくり方というのは、その町並みのつくり方、当時のおもかげを残していくようなまちづくりにする。また、復活させられるものがあるのだったら、復活させていくというものになりますよね。だけど、あくまでも世界遺産登録のものを残していくんだったら、そこに対しての動線を残していかなければいけない。確保していかなければいけない。だけど、こっちのものだったら、新たな導線をつくっていかなければならないというものの中で、位置づけをどうするのかというものが曖昧なままになっている。だから飛びついちゃっているだけになってしまう。
 世界遺産登録、この後、踏み込めないんですけれど、世界遺産登録については、全く別の考え方で今後もまちづくりをやっていきますよという中で、これはこれで歴史まちづくり法に基づいたゾーン指定をして、重点を決めていってやっていきますよというもの、そこは区切られているのか。それとも今後も一緒になってやっていくのか。そこのところを明確にしていただけますか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  世界遺産登録、時期が今現在、ICOMOSの不記載勧告というものを受けて、また一から、ゼロからと言ったほうがいいかもしれませんけれども、やり直していると。
 その一方で、今、歴史まちづくり法に基づく歴史まちづくり計画というのを策定しております。どちらが優先ということではないと思うんですけれども、タイミングとしては、こちらの歴史まちづくり計画が先行しますので、今後、この計画を推進していく中で、これは粛々と進めると。
 一方で、今現在、世界遺産の関係につきましては、コンセプトの練り直しに向けたベースとなる調査等々を行っておりますので、最終的にその部分は中澤委員がおっしゃったとおりです。どこかで整合性を図って、市民の方にわかりやすい歴史を生かしたまちづくりというものは進めていかなくてはいけないのではないかと思います。
 
○中澤 委員  去年登録になった富岡製糸場に去年2回行って、荒船風穴なんかも行ってきたんですけれども、世界遺産になってから、そんなことないと思うんですけれども、世界遺産になって一気に町整備を進めていって、あそこは電車の便が余りよくないので、大きい駐車場をつくって、その駐車場から富岡製糸場までの道路のお土産屋さんなんかも、まだこれからなんです。数軒新しいのができて、町はこれからどんどんつくっていきますよ。世界登録を中心とした町をつくっていく。荒船風穴なんかも、下までずっと車で行けないで、上で待機をして、そこからずっと20分近く歩くんですけれど、帰りは下にタクシーが待機していて、そこだけ往復するというアクセスをつくっているんです。その自然を守っていこうという考え方と。それから、歴史まちづくり法の考え方というものが、整合性がとれていくようなまちづくりを鎌倉でやっていくんだったら、それはきちんと整合性がとれるような計画をつくらなきゃいけないと思うんですけれど、資料1を見る限りは、近世から後のが5項目あって、中世からのは1項目だけになっていますよね。そうすると、この中世からのものに世界遺産登録を混ぜ込んでしまった計画にするのか。それとも先ほどから言っているように、別個のものなのかというものをやらなければ、事業をやるにしても、予算を持ってきました、こういう町をつくりますというときに、それは世界遺産登録を考えたときに、これから目指すときに、これはICOMOSの方がもう一回来ていただいたとき、それはそぐわないよというものになってしまう可能性も出てきますよね。近現代のまちづくりにしてしまうのだから。そこのところは明らかにした上でないと進めようがないですよね。やったはいいけれども、それで取り返しがつかなくなっちゃうので、どうでしょう。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  歴史的風致維持向上計画につきましては、今現在ある歴史的風致が、どういった背景の中でこうなってきたのかという証明はこの中でいたします。ただ、守るべき歴史的風致というのは現在の町並み環境と申しますか、それを維持向上させていこうと。
 ですから、それを例えば、当時の時代の町並みに戻すですとか、基本的にそういうことよりも、現在の良好な市街地環境というのを守っていこう、まさしく町のベースをつくっていこうというところでございます。
 ですので、今後、世界遺産登録で、どういうコンセプトで進めていくことになろうか。それはまだはっきり見えない部分がございますけれども、世界遺産、ある程度こういった形で目指そうとなったときに、逆に町のベースができ上がっているということが理想かなと思っています。
 
○中澤 委員  世界遺産登録のときに、余りにも鎌倉の町が近代化している。現代風だからそぐわないよねという話になってきていて、例を挙げると、平泉というのは、駅を降りて毛越寺に向かって、昔は普通の道路だったんです。今から35年前。それから一気に世界遺産登録云々という話になったときに、毛越寺までの道路をすごい拡幅して、そこに歩道を整備して、両側にあった民家はみんな移転させているんです。無量光院跡というのがあって、そこのところも史跡整備をやっていくに当たって、そこにも町道があって、そこの間に家がずっと並んでいたんです。それもみんなどかしちゃっているんです。つまり、中世の世界遺産登録にふさわしいまちづくりをそこでつくっていっているんです。
 柳の御所跡というのは、もともと4号バイパスで道路の下に入る予定だったのを4号バイパスを北上川にずらしているんです。それが世界遺産登録を目指すまちづくりなんです。それをやっているんです。一部、伽羅之御所跡というのは民家がいっぱいあって、そこはできないんですけれども。
 今のお話だと、今ある町を残しながらという話になってくると、明らかに世界遺産登録を目指す町とは相いれない。だから、今の御答弁だと世界遺産登録は諦めて、こっちにシフトしていきますよという話ですよね。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  今現在守られている町並みというのは、鎌倉は御存じのとおり、古都法ですとか、あるいは景観法、そういったもので、例えば、建物の高さがコントロールされているですとか、そういったことがなされた上で、良好な市街地環境というのが守られているとは認識しております。
 世界遺産の場合、何をもって世界遺産登録を目指すのかというところで、前回は「武家の古都・鎌倉」ということで、社寺、あとそれを取り囲む山稜部といったものがメーンになってきているというところでございます。
 繰り返しで申しわけないんですけれども、その町並み自体は、今のものを維持しつつ、社寺、あるいは山稜、緑、こういったものをなおかつ守りながら、世界的に守らなければならない本質的な価値というものを証明していくというのが、世界遺産の作業になるかと思っております。
 
○中澤 委員  それだと世界遺産登録は諦めたという流れですよね。だって世界遺産登録を、「武家の古都鎌倉」のコンセプト、その前もまた違うコンセプトで、新たなコンセプトをつくりますよといっても、町並みとしては今の町並みをそのまま生かしていきますよという近現代にシフトしちゃっているんだから、そうすると普遍的な価値として目に見える世界遺産、目に見えるものというのは本当に限られちゃっている。当時のものというか、例えば、大仏にしても、明確に何年に鋳造されたというのがわからない部分があるんですけれども、だけど、多分鎌倉時代だろうと。それからあと残っているのは何だ。そういう幾つかのピンポイント。永福寺だって、来年の春に向けて整備をやっていますけれど、あれだって当時の姿じゃないですからね。観自在の跡とか、毛越寺の庭園なんていうのは、当時の遺構をそのまま生かして復元しているのに、鎌倉は、これ言ったことありますけれど、永福寺は違う形にやっちゃっていますよね。そうすると世界遺産登録を諦めて、こっちにシフトして、今のまちづくりを、また新たな町並みを整備していくという考えだと、それはそれでわかるんです。だからそこは明確に次の項でやるんでしょうけれど、世界遺産登録を諦めた、次の歴史的まちづくりを鎌倉市は目指すのですねというところなんです。そこが違うんじゃないって。どうなんですか。
 
○桝渕 歴史まちづくり推進担当部長  世界遺産登録につきましては、歴史まちづくり法をやるということで諦めたということでは決してございません。むしろ今期の総合計画の中で、歴史的遺産と共生するまちづくりと位置づけまして、それの具体的な施策の両輪の一つとしまして、歴史まちづくりの計画づくり、そして世界遺産登録の推進、これを我々は位置づけております。
 それはなんとなれば、前回、武家の古都・鎌倉が、直接的には顕著な普遍的価値の証明がなされていないということを理由に不記載となったわけですけれど、さらにはその理由としまして、決して推薦書の中で、町を推薦したわけではないのですけれども、そこのところを問題視されたと。そこを謙虚に受けとめまして、まちづくり、特にさまざまなまちづくり上の課題というものを抱えたまま、二度目の挑戦というのはできないだろうと。それを同時並行的に進めていく。その一つのツールとしまして、この歴史的風致維持向上計画、これを策定して、まちづくりを進めましょう、一方では、世界遺産登録というものも、両輪の一つとして進めていく。
 そういった考えに立ちまして、歴史的風致を考えるという場合、これは現実、鎌倉に残されている歴史的なものを見た場合、一言で言いまして、鎌倉の歴史、文化というのは、時代の重層性ということで捉えることができるかと考えております。これは鎌倉といいますと、どうしても中世の歴史というものにスポットが当たりがち、しかもそこに非常に大きな価値があることは間違いがない。だからこそ、そこを中心に世界遺産の顕著な普遍的価値というものは追求してくるかなと。しかしながら、現実の鎌倉の歴史を見た場合、長い歴史の中で、中世からの社寺といったものがベースになって、それを慕って、例えば近世になると、たくさんのお客さんが見えるようになった。それから、明治時代になると、多くの方々が、古都の雰囲気というものを重視して別荘を建てて、そこで暮らすようになった。江ノ電が開通するという、全て社寺をベースにしながら、歴史というものが展開してきて、それが今現在は、断片かもしれませんけれど、さまざまな場面で、時代的な重層性を持って残っている。こういう捉え方をしていこうということで、今回、歴史的風致を設定しようと考えたところでございます。
 繰り返しになりますが、そういった歴史的遺産と共生するまちづくりの両輪としての位置づけということで御理解いただければと思います。
 
○中澤 委員  例えば、韮山の反射炉なんていうのは、あそこは目の前にお土産屋さんができて、大駐車場をつくっているんです。もの自体はそんなに大きくはないですけれども。
 一方、世界遺産登録になっている京都の話、京都というのは、御存じのとおり、応仁の乱で全部焼け野原になっちゃって、それ以降で、実際、今のまちづくりの基本をつくっていったのは、豊臣秀吉がつくっていった町並みがそのまま今の流れになっていっている。だから、それ以降なんです、みんな。それでも世界遺産登録、ああいうふうにやって、町をきちんと残していって、整備をしていっているのが、京都のつくり方。まねはできないと思うんですけれど、だけど、いま一つ、歴史まちづくり法で、きちんと町をつくって本当にいけるのというときに、きちんと強いコンセプトで町をつくっていかない限りは、中途半端になってしまう。世界遺産登録のときと同じになってしまう。
 だから、そこのところは(2)であるんですけれど、もう少し世界遺産登録等の兼ね合いというものを少し整理した上で、個別事業をやっていただきたいなということを要望だけしておきます。
 
○吉岡 委員  このまちづくりの計画については、うちの赤松議員が提案してやって、今、実行されてきているんですけれど、そもそも鎌倉の町というものが、歴史的に見ると、山城であり、海があり、その辺の全体の問題、山そのものが歴史であり、実際には遺構になっていると。
 だから、古都保存法ができたときに、それはそれで非常によかったんですけれども、先輩たちが非常に憂えたのは、古都保存法のところはいいんだけれども、その裏側のところというのですか、市街化区域になってしまった山や、そういうところがどんどん壊されていってしまうということで、そこからどうやって守るかということで出発して、私も三都フォーラムという、奈良や京都や、そういうところの町並みを学びながら、どうしていったらいいのかということでやってきて、京都や奈良は先駆的に世界遺産になりましたけれども、残念ながら、鎌倉はそういう状況なんですけれども、今これをつくっていくことはどういう意味があるのかというところ、市民の皆様にも理解していただいて、非常に大事かなと思うんです。
 今まで鎌倉でいろいろ神社仏閣とか、それから鎌倉は埋蔵文化財が非常にあって、埋蔵文化財というのは非常に見えにくい。だから、どういう価値なのかというところを証明していくのがなかなか大変だと。山城そのものも自然の中ですから、そこをどう持っていくというのも非常に難しい。だけども、今回そういうものも守りながら、鎌倉の歴史、町をどうやって全体として保存し、後世に伝えていくかということが、今回の趣旨かなと思っているんです。
 古都保存法や、文化財なんかで、埋蔵文化財、いろいろなものがあった場合にはそれなりに補助事業があったりするんですけれども、今度の歴史まちづくりで重点になった場合には、具体的にどういうところでお金がつくのかとか、それぞれ市町村によっても、重点の考え方が違いますよね。
 高山に行ったときも、高山は町並みを保全しながら、たしか歴史博物館的なものにそういうお金を使ってやったと。ですから、重点をどう決めて、何をどう守ってという点では、景観もそうですし、それから、そこの町のお祭りだとか、いろいろな行事を含めて、確かいろいろやっていると私は認識しているんですけれど、鎌倉を今、幾つか重点というのですか、考えていらっしゃるということなんですけれど、そんなイメージでよろしいのですか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  ただいま吉岡委員から御質問ございましたとおり、イメージとしては大体そういうことでございます。歴史的風致が重なり合っている場所、これを中心として重点区域というものを設定していくと。鎌倉、こちらは資料にごらんいただくとわかるように、かなりベースとなります社寺における祭礼行事に見る歴史的風致、茶色の部分がベースとなって、その上にかなりいろいろな部分で重なり合っているので、ほぼこういったエリアが重点区域になっていくのかなと認識しております。
 その中でどういった事業を打っていくかという話になるんですけれども、そもそも財政的な支援の話からしますと、これは国土交通省が持っております補助制度、既にあるものを活用していくと。ただ、この補助計画に乗せると、それなりに優遇される等々というものがついてまいります。
 他都市の事例を見ますと、ハード面、ソフト面、そういったものでいろいろ御支援はいただけているというところでございます。
 
○吉岡 委員  この地図で見ますと、基本的には、古都保存法とか、そういう分野が圧倒的なのかなと思うんですけれども、江ノ電なんかの沿線という点では、そういうところではない部分もあるかもしれないのですが、それと全体として、今、六つの中に、基本的には古都保存法のエリアというのですか、そういうところは大体入っていると認識していいんですか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  基本的に重点区域につきましては、古都保存法のエリアも含まれるように取り組みは進めていこうと。そういったところに、歴史的風致の維持向上をさせるための課題というのは存在しているだろうと思っています。
 ただ、ベースとなりますのは、どちらかというと産業というよりも市街地の部分、そちらがメーンになってまいりますので、そういったところでの事業というのがメーンになってくるのかなと思っています。
 
○吉岡 委員  そうすると、町並みということですけれど、前に世界遺産や何かの問題で論議になったのはコアの部分だけではなくて、バッファーゾーンの兼ね合い、考え方というのが特に大事じゃないかということで、それで緑を守るとか、いろいろな問題でも、そういうコンセプト、どうやってバッファー、全体を守っていくのかと。その辺は世界遺産登録する、しないにかかわらず、町並みとしてはきちんと守っていきたいと私は思いますし、鎌倉市がやってきた歴史的なことからいっても、それは大事な問題だと思うんです。それと同時に世界遺産なり、計画の中で、鎌倉らしさも守っていくと。
 鎌倉らしさとは何なのか。市民の合意ってあると思うんです。そこら辺は、市民の皆さんにこうなんだよということをわかっていただくことが大事ですし、基本的に私はそう考えているんですけれど、だから山並みとか、いろいろな法律の問題や開発の問題やら、いろいろな問題があって、それについては一つ一つ担当部局が努力はしていますけれども、この部署としては町並み、まちづくりという点での認識は非常に大事かなと。それとこの計画をどうマッチングさせていくのか。それで世界遺産の関係もありますけれども、というのが大事だと私は思っていますが、いかがですか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  本日お示ししましたのは、歴史的風致の範囲と六つの歴史的風致の内容でございます。これを一冊の計画書にまとめる際に、これに関連して、どういった取り組みを行っていくのかというところも書き込んでまいります。加えて、これまでに取り組んできたもの、例えば、古都保存法の制定ですとか、あるいは景観法、都市計画法等々、そういったものも連携しながら、歴史的風致の維持向上に努めていきますと記載をしてまいります。
 ただ単純に補助を得て、事業を打てば、歴史的風致が守られるとは我々も思っておりません。ほかの部署の取り組みと横の連携を深めながら進めていきたいと思います。
 
○吉岡 委員  それはすごく大事な点で、一つ一つがばらばらではなく、鎌倉の皆様が何を望み、歴史それはまちづくりという形でやらないと、結果的にはうまくいかないんじゃないかなと思っていますので、その辺は大事にしていただきたいと。
 今、景観や、それぞれの町の文化や町並みということでいきますと、例えば、これも提案しましたけれども、北鎌倉の洞門の問題は皆さんに大きく関心を持たれていますけれども、そういう点では、鎌倉に来て、まず北鎌倉の風景、鎌倉に来たなと皆さん感じて、全体として、そういう町並みというのは、道路だけではなく、全体の自然環境を含めての鎌倉らしさだと私は思うんですけれど、その辺はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  お示ししております、資料1の歴史的風致の中の(6)です。まさしく吉岡委員がおっしゃられた局地の保全活動、あるいは自然と一体となった歴史的風致の一つであると認識しております。ですので、古都の風情といいますか。そういったものを醸し出す良好な自然環境、これも歴史的風致の維持向上のため、維持するためには必要である。そういう認識はございます。
 
○吉岡 委員  そういうところは防災問題とか、いろいろなのがもちろん絡んできますから、それは安全対策をやるのは当然のことだと思いますけれども、ただ、鎌倉のいわゆる歴史、景観、それは一度壊してしまえばもとに戻せないという点では、非常に大事な取り組みだと思うんです。だから、そこら辺はどう位置づけるかによって、市がどう考えるかによって、補助メニューのやり方も違ってくるのかなと思いますので、そこら辺は、景観の一つだということはわかりました。
 それともう一つ、今、皆さんが問題にしているのは、例えば、今小路、御成小学校の建設のときには本当に大問題になって、遺構が二重に眠っているということで、非常にセンセーショナルになりました。あのときも100本の杭を打つということで、私はまだ議員ではありませんでしたけれども、文化財専門委員の方が総辞職されて、鎌倉のそういういろいろなものを守れということでおやりになった。
 だから、そういう面では、こういう歴史と、それから近代の歴史と、二重にいろいろ由緒あるところだと思うんですけれども、その中でこの景観を守るという点では、市民の方からは、講堂の件とか、図書館の件とかございますけれども、その辺については、この計画の中ではどのようにお考えなんでしょうか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  この風致維持向上計画の中では、歴史上価値の高い建造物を守っていこうという考え方も一つございます。
 ただ、そういったものの対象とするには、建物の価値の証明が必要になってくると。その上で建物自体を通して保存していくのかどうか。という検討を要する必要があると認識しております。
 
○吉岡 委員  今、検討の材料になっていないようなんですけれども。
 ただ、今お話がありましたように、古都保存法や、それから埋蔵文化財や埋蔵文化財の価値というものは、これは大変な価値があるということで残されたわけですけれども、ですから、その辺で近世の景観、それから歴史、それとの関係でも、ぜひ検討していただくということは非常に大事なことかなということは改めて思います。
 歴史というのは、もちろん人が生きていっているわけですけれども、鎌倉らしさということは、非常にいろいろな問題があるということで、世界遺産との関係でも、なかなか証明しにくいというのですけれども、それだけ全体の町並みそのものが鎌倉の歴史的な、ある面では文化財であるのではないかと思っておりますので、ぜひそういう視点で取り組んでいただきたいと思いますけれど、よろしいですか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  ただいま吉岡委員からいただきました御意見を十分に踏まえながら、維持向上計画の検討、もっと進めてまいりたいと思います。
 
○長嶋 委員  私も世界遺産との整合性というか、関係性、非常に腑に落ちないところが多々ありまして、先ほど中澤委員と議論がいろいろあったので、私も聞こうと思っていたんですが、大体出たので、ここではやめておきますけれど、最初に吉岡委員もちょこっと言われていましたけれど、これをやるに当たって、いろいろな方の協力というのが必要だと思うんです。そこは最初にやっておかないとだめだと思うんです。
 さっき高山の話もありましたけれど、私は高山に1年半ほど住んでおりまして、いろいろな流れ、白川郷の世界遺産をちょうどまさにやっていたとき、その後、歴史まちづくりで登録されたと。裏にはいろいろな話があって、高山の場合は、旦那衆という、大店の企業の社長たち、歴史のある老舗の人たちが協力を非常にして、自分たちのお金も大枚をはたいて、相当協力をしてくれた。町のいろいろな方々、その人だけじゃないですけれど、協力してくれて、ぜひやりたいということで、いろいろなことを皆さんで協力して、そこに行政がどっちかというと乗っかったといったほうがいいのかなという気もしますけど、そういうことで達成できたわけですね。そういうところが、現状を見ていると、先にそこが合意形成しておく必要があると思うんですけれど、どうも余り見えないんですけれど、その点はいかがですか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  今回お示ししました歴史的風致の考え方、案につきましては、昨年度、平成26年度1年間かけまして、事務局がこの法律を所管する3省庁と協議をしながら、鎌倉の中で歴史上価値の高い建造物と活動、それと周辺の良好な市街地関係、この3点セットを考えた場合どうなるだろうという議論を重ねて定めたものでございます。なので、今のところ検討素材というような位置づけでよろしいかなと思います。
 今後、これは市民の方々に当然のことながらお示ししていきます。この歴史的風致の考え方につきまして、そこは皆様にしっかりと御説明は必要になるかと。その上で合意を得た上で進めていこうと思います。
 
○長嶋 委員  それは、なるべく先にやったらいいと思うんですけれど、話すときには、さっき中澤委員が言われた世界遺産との関係は、皆さん絶対言われるはずなんです。市民、皆さんそう思っているので、それはさっき議論がありましたけれど、整理しておかないと、きちんと説明できないことになりますので、そこはしっかりやってから臨んでいただきたいと思っております。
 中身のことを全然出なかったので、細かいことを聞きますけれど、ここの1番に、祭礼行事に見る歴史的風致とありますけれど、祭礼行事はどういったものを想定して計画を進めるのでしょうか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  ここの資料1にございますとおり、社寺におけるということでございます。鎌倉における神社、代表格としまして鶴岡八幡宮、それ以外にも神社はございます。また、お寺、寺院につきましても、禅宗寺院というものが代表格になるのかなと、それ以外にもいろいろお寺様はございます。
 それぞれの寺院、神社によって、行われている年中行事といいますか。この計画を検討していく中で、基本的には、50年以上続いているような活動という定義が持たれておりますので、そういったものを洗い出していきます。例えば、鶴岡八幡宮でいえば例大祭ですとか、そういったものがずっと続いていると。ほかにももろもろそういったものがございます。
 
○長嶋 委員  具体的な名前は1個しか出てこなかったんですけれど、これは現在も宗教活動を継続していると書いてあるんですが、ここの政教分離の観点とか、宗教活動に係るということ、法的な整理はできているんですか。私、その辺が、他市の事例とかもあると、問題ないということでいいですか、確認して。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  この計画の中で、宗教活動を支援するというよりも、淡々と歴史事実を書き出すというところですので、他都市、既に49の都市がこの計画認定を受けておりますけれども、そういった中で見ている限り、特にそれが問題になったとは伺っておりません。
 
○長嶋 委員  わかりました。
 次ですけれど、3番の(3)、商いに見る歴史的風致ということで、これは歴史的建造物、別荘のところもそうだと思うんですけれど、これは想定している物件、景観重要建築物に指定されているものとか入っていると思うんですけれど、それはどういったところがあって、それは誰がどういう基準でそれを入れるのかということ。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  3番の若宮大路周辺における商いに見る歴史的風致なんですけれども、若宮大路自体が国指定史跡になっております。これは一つ建造物と位置づけられると認識しております。
 御説明、先ほど差し上げましたけれども、若宮大路周辺で行われている商い、商業活動、これが長年続いている活動、このセットが基本になるだろうと。そのほかに、歴史的風致を補強すると申しますか、今現在、若宮大路に、例えば、湯浅物産館ですとか、三河屋ですとか、昭和初期に建てられた建物がございます。こういったものが、この地で長く商いが続けられてきた証明となるような、そんな書きぶりで今のところ考えております。
 
○長嶋 委員  その基準がよくわからないんです。今言った三河屋とか、湯浅物産館とかは、指定されている33のうちのものだと思うんですけれど、何でその建物がそれに入るのかということ。私が懸念しているのは、いろいろな要望等々を言われて、それこそたくさん来る可能性もあって、そのときにきちんとした基準を持って、こういうことならそこに入れますよという基準がないと、曖昧になってくるとわからなくなるので、そこはどうなのですかということをお聞きしているんです。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  基準と申しますか、歴史的風致を一つのストーリー仕立てで書き上げるというのがこの計画の中身になります。
 考え方としては、市の景観重要建築物、あるいは登録有形等々、そういった文化財保護法に指定されているもの、あるいは市の一定の基準に沿って指定されているもの、こういったものがメーンで、この計画の中にも書かれてくるだろうと思っています。
 
○長嶋 委員  その辺、明確な基準をきちんと示してやらないと、後でもめたり、問題になる可能性があるので、そこはきちんと市民の皆さんに説明できる、景観重要建築物とか、有形文化財でもいいですけれど、そういう基準はきちっと、そこの範囲の中でやりますよとか、そういうことは曖昧だともめるような気がしているので、私はそこを懸念しています。ほかの方はどう思われているか知らないですけれど。なので、一応そういうことは言っておきます。
 あと4番の江ノ電に見る歴史的風致、鎌倉を代表する景観を形成し、人々に親しまれていると書いてあります、江ノ電沿線。
 江ノ電沿線の景観ということなんですけれど、今、私いろいろやっている中で、都市景観課もいろいろ指導しているんですけれど、江ノ電は安全対策といって、例えば、黄色い線を大幅に引いているところが何カ所もあったりとか、都市景観課では、これは景観上、余りよろしくないということでやりとりをしているけれど、江ノ電はこれは安全対策ですからということでやっているわけですね。あと通路の封鎖問題というのも陳情等で出て、議論になっていますけれど、そういうことがあるんです。あと、広告が全面に載っている電車を走らせているわけですよ。鎌倉を代表する景観を形成と書いてあるんですけれど、そういうのが鎌倉を代表していると言われると、みんなそこらじゅう、そういうふうになっちゃうんですけれど、こういう点は配慮を考えておられますか。現地、江ノ電沿線の場所はそうなっている。市役所の違う部署では、これは余り景観上よろしくない、景観を所管する一つと担当課は言っている。その辺はいかがですか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  今、長嶋委員御指摘のとおり、ミクロの部分というのを見ていきますと、改善すべき事項というものは確かにあろうかと思います。
 もう少しマクロ的に捉えた中で、江ノ電が腰越から海沿いにゆっくりと走ってきて、稲村ヶ崎を抜けて、鎌倉の町中を民家の軒をかすめながら走っていくと。こういったものにつきましては、市民の方々も愛着のある風景ではないかと思っております。その両立の部分、非常に難しいとは思うんですけれども、こういった歴史的風致として位置づけていく上では、改善すべきところは改善する必要があるだろうと思います。
 
○長嶋 委員  今のお話で、私も確かに小さいころから沿線に住んでいるから、なじんでいる風景だけど、そこに広告がばりばり入っている車両の江ノ電がひゅっと来ても、我々は違和感を感じるわけです。そういうところ、きちんと事業者と話すなり、それこそ入っている範囲のところに、ばっと黄色い線を引かれちゃって、違和感を感じるわけです。住民の皆さんもそう思っているから。それを歴史まちづくり法に位置づけてやるというとなると。後でどうなんですかという話になりますから、きちんと考えて、最初からやっていただけたら思います。
 あと全体のところで1点、懸念しているところは、これは私は別にやることを反対しているわけではないですけれど、認定されて、登録されて、進んでいくとなると、メディア等々にも、またいろいろなところが出ます。報道等は勝手に何でも取り上げてやるわけです。そうすると、メディアに出る機会というのはどんどんふえていって、最近、一般質問でも結構出ていましたけれど、交通混雑とか、市民生活に非常に悪影響を与えている集中的な場所ですけれど、そういう状況がある中で、また、それが増幅されるという懸念を私は非常に持っています。フィルムコミッションもない中で、そういうコントロールを鎌倉市はできない状況に今あるわけですね、メディア等々も。
 そういうことによって、私の近所でいうと、稲村ガ崎小学校の子供たちが危険な目に遭っているんです。映画やドラマの影響です。そういうことがまたどんどんメディアに出ることによって発生しかねないんですけれど、そういうことはいろいろな部署と横の連携でやらなきゃいけないんですけれど、そういう考え方は余りないように思うんですけれど、いかがですか、その辺は。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  歴史的風致の維持向上に関する施策という面で、例えば、来訪者の観光の周遊性の利便性向上ですとか、あるいは歩行者の安全性、こういったものも、維持向上のための事業であろうとは認識しております。大幅に道路を拡幅するですとか、なかなか難しい問題はあるんですけれども、そもそも維持向上計画を策定する以前から、観光客の方が大勢お越しになられて、地域の方々の生活に少なからず支障を来しているという現実は認識しておりますので、そういった部分は関係課と調整をしながら、この計画をつくって、さらにメディアで、鎌倉は宣伝されるということも踏まえながら少し検討は進めていきたいと思います。
 
○長嶋 委員  今、幾つか懸念事項ということで申し上げておきましたけれど、最初にやっておけばうまく制御できるんです。でも、昨日も説明をいただきましたけれど、聞いていると、そういうところが抜けていますので、きちんと考えてやっていただくと。後からだと取り返しがつかなくなりますから、そこは申し上げておきます。よろしくお願いいたします。
 
○永田 委員長  質疑の時間が長くなっていますが、一度ここで休憩を入れたほうがよろしいかどうか、いかがですか。続行してしまって大丈夫ですか。
                  (「はい」の声あり)
 では、ここが終わるまで続行させていただきます。
 
○前川 委員  この歴史まちづくり法の歴史的風致維持向上計画なんですけれど、世界遺産等のお話もさっき出ておりましたが、私の理解としましては、歴史的にずっと続いている文化であり、保全していかなければいけないものであり、そこに人がかかわってきているということ、ずっと地域の人々がかかわってきて、維持されてきているというところが、今、六つ決められているところ、江ノ電というのは、さっき長嶋委員もおっしゃっていましたけれど、反対はしませんけれども。それ以外、そういうことなのかなと理解しているんですけれど、違いますか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  今、前川委員がお話しいただきましたとおり、まさしく歴史まちづくり法は、人々の活動というのがかなり肝になっているかなと。ただ、単純に建物が古いものが残っていればいいということではございません。そこで行われている活動というのが肝になっております。
 
○前川 委員  そうなんですよね。私もそう思っております。この間まで私が所属しておりました教育こどもみらい常任委員会で太宰府に行きました。太宰府でいろいろ話を聞いてまいりまして、歴史まちづくり維持向上計画をやっていらっしゃいまして、極端に言うと、町の考え方ですからあれですけれども、ああ、なるほどと思ったのは、ずっと守ってこられた、本当にどの時代からかわからないけれども、お地蔵さんをずっとあるおばあちゃま、おじいちゃまたちで守ってきた。その守ってきているということ、毎日お掃除をして、毎日お水をあげて、毎日お花をあげてと。町角にある。農道にある。それに対して、登録の中に入れるんですよということを聞かせていただいて、まさに人とのかかわりがずっとあって守られてきたものと、これについては理解してきたんです。ですから、それを表に出されないと、限りなく、これもこれもということになりかねないと思って、この報告を聞かせていただいているのですけれど、その辺のところは、今、御答弁があったような気もしますけれど、いかがでしょうか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  本日お示ししました六つの歴史的風致の案でございますが、それぞれ長く続いている人々の活動というものを記載しております。ちなみに江ノ電にかかわる活動というのは、人々の観光周遊という活動ですね。江の島詣でから始まって、鎌倉に参って、それで江戸へ戻っていくという活動ですね。そういったものの発展形だと考えております。そういったものをこの計画を説明していく中で、明確にお示ししていきたいと思います。
 
○前川 委員  世界遺産は、私も推進をしてほしいという立場ですので、何かその辺のところが少し違うかなと。要するに候補資産との兼ね合いとはまた違う考え方で進められているのだろうと理解してきております。
 その中で、ほとんど旧鎌という形で決めてこられていると思いますが、ほかに、例えば、このお話がいろいろなところで伝わってきていると思いますが、うちはどうなのということが、さっき懸念があるという中で、しっかりしておかなければいけないという点なんですけれども、うちのところはどうなのかしらという声は上がっているところはあるんじゃないかと思います。例えば、玉縄とか、一生懸命今やっていらっしゃいますが、そこの違いというか、ここに入らない違いというところを明確にされるのあれば、しておいていただければ。いかがでしょうか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  この歴史的風致を設定する上で、簡単に歴史上価値の高い建造物と、それにまつわる人々の活動というお話をさせていただきましたが、設定の原則といいますか、基本的に50年以上経過している建造物、そこで行われている活動となりますので、活動自体、50年以上継続されていないといけない。歴史まちづくり法で規定する場合は、そこは厳密に守らなければならないということは国から言われております。
 ただ、この範囲外でも、今、前川委員からお話がございましたとおり、玉縄ではそういった歴史を生かしたまちづくりが活発に行われているのは我々も十分承知しております。こういった歴史まちづくりという考え方、ほかの地域の方もお持ちいただいて、それぞれの地域で大切に、そういったものを守っていただければと思います。
 
○前川 委員  確認させていただきました。今、50年ということで、玉縄のまちづくり、私も応援しているんですけれども、市の提案ということで、協働事業で始めたことですので、そういう意味ではすごく一生懸命やっていらっしゃって、すごくいいことだと思っているんですが、歴史的にまだ短いということで理解しました。
 ですので、さっき長嶋委員もおっしゃっておりましたけれども、その辺のところをきちんとしていきながら、市民の皆さんにきちんと言えるようにしてやっていただきたいということを要望して終わります。
 
○河村 委員  各委員からるる質問がありましたので、私のは短めに行きますけれども、今、世界遺産登録の流れの中でお話があったと思うんです。私はその指定というのは物すごく重要だと思っています。そういった中で、今回、歴史まちづくり法の制定によって、具体的にどういった影響が出るのかということ、市としてはどのように捉えているのか。その辺教えていただけますか。
 例えば、先ほど、土木の視点なのかとか、緑を守るのかとか、景観的な問題なのかとか、いろいろあったと思うんです。結局、それが制定されることによって、位置づけと、具体的にどういった影響が出るのか、わかるところで結構ですが、教えていただけますでしょうか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  影響と申しますと、何かしら支障というようなイメージではなくて、メリットといたしましては、鎌倉市民として、市民の皆様に鎌倉のここで定める歴史的風致というものに愛着を持っていただいて、それを守るために事業を打っていく。そういう意識の醸成というのが一つあります。さらに、この計画を策定することによりまして、国から財政的な支援がいただけると。これまで市単独でなかなかできなかったもの、そういった事業について国の支援が受けられると、こういったところが大きなメリットかなと思っております。
 デメリット、計画そのもの自体が何か大きな支障を来すということは、我々は認識してございません。ただ、この計画に基づいて行う事業、例えば、道路整備ということになりますと、近隣の方々の御理解というのは必要になってくるかなと思います。
 
○河村 委員  そうすると、何か特段規制的なもの、先ほど守ることが主な目的だとおっしゃっていたものですから、そのあたりでこれが決まったことによって、規制を受けるんじゃないかという懸念みたいなのもあると思うんです。その自由との兼ね合いといいますか。その辺というのはどうなっているのでしょうか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  基本的にこの計画自体、規制をかけるという計画ではございません。確かに河村委員がおっしゃるとおり、さまざま、いろいろな方面から、同じような御質問は受けます。ですので、その点もしっかり皆様に御説明をしながら、計画の検討を進めていきたいと思います。
 
○河村 委員  わかりました。それをお聞きして、少し安心しました。守るというと、何となく保守的なイメージがあって、今さまざまな古都法であり、景観を条例で守ることがあるので、私はそこにあえてかけるとなるとどうなのと、そういった感じもしたものですから、できれば守るではなく、新たにつくっていく。守ることも含めて、みんなで景観をつくっていくんだという意識にしてもらえたらいいなと思っています。
 
○保坂 副委員長  大分長くなっているので、1点だけ伺いたいのですけれども、歴史的風致案ということで、資料1に示していただきました。ゾーニングを配慮されて、かつ先ほどから出ていますけれども、歴史まちづくりというのは、歴史的風土の中で今につながる人々の暮らしをどう反映させて、パッケージで鎌倉の歴史的風致というのを示していけるかというあたりで苦労されて、歴史的風致案をつくられたのかなと思うんです。
 先ほど服部課長もストーリー仕立てとおっしゃいましたけれども、例えば、一つ一つではありませんけれども、別荘文化に由来する歴史的風致というところで、今日の鎌倉における人々の趣向に深くかかわっていると、こういったあたりはかなり苦労してまとめているんじゃないかなというところはあって、これがストーリーというか、すごくよくできた作文に終わらないで、実際に計画としてどうやって進めていくかということがすごく大事だと思うんです。歴史的風致維持向上計画というのを進めていくことによって、それが将来的な世界遺産登録への再挑戦につながるベースづくりになればという、そう受けとめているんですけれども、そういう意味で、今、河村委員も質問の中で言っていらっしゃったし、吉岡委員も触れられていましたけれども、結局、歴史まちづくりに国からの指定を受けることによってという、そこから先なんですよね。今申し上げました、歴史的風致維持向上計画を進めていく上での国庫補助というのが、どうしても気になってしまいまして、2月議会のときにも質問をしたんですけれども、早くに手を挙げて進めた、先行的なところに比べると、同じように補助が受けられないのではないかということが心配されます。
 先ほど吉岡委員からの質問の中で、国庫補助の既にある補助制度には乗ると。これが歴史的風致維持向上計画が重なることによって、どれくらい上乗せがあるかなというところなんですけれども、スケジュールを見ますと、国庫補助の調整というのが、一応スケジュール的には6月までのところに矢印がなっております。調整をされていたということですけれども、今の状況、見通しはどうなっているのでしょうか。
 
○歴史まちづくり推進担当課長  今回の計画でございますが、平成27年度、今年度の11月末ごろを目途に、市として策定をすると。計画期間につきましては、平成28年度スタートとなります。
 一般的に国庫補助制度というのは、平成28年度補助については既に27年度の頭からもろもろ、こちらからこういった事業をやりたいという御提案を差し上げて、国がその補助制度に乗るか乗らないかという判断をいただくというところでございます。ですので、最終的に、平成27年度中に我々がまとめる計画の中で一定程度、平成28年度以降に、こういった事業をやっていきたいというもの、登載するものについては、当然のことながら国庫補助制度についてもしっかりとした担保といいますか。そういったものはやっていく予定でございます。
 
○保坂 副委員長  そのあたりのところ、今後、市の努力というか、工夫をしていかないと、なかなか厳しいかなというところだと思います。これまでに出た質問とかの中でも、国の補助というのもありますけれども、市民の方たちに、どれくらい応援してもらえるかというあたりも含めて、今後かなり努力していかないと実現しないのかなと思っています。
 
○永田 委員長  ほかに御質疑はございますか。
                  (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告については、了承するということでよろしいでしょうか。
                  (「了承」の声あり)
 了承と確認をさせていただきました。
 職員退室のため、暫時休憩をいたします。
             (11時39分休憩   13時00分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○永田 委員長  日程第2報告事項(2)「世界遺産登録に関する取組状況について」を議題といたします。原局からの報告をお願いいたします。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  日程第2報告事項(2)世界遺産登録に関する取組状況について、報告させていただきます。
 世界遺産登録に関する取り組み状況につきましては、ICOMOS勧告後の分析・検証により、比較研究を中心に基礎的な調査研究を充実させる必要があるとの結果を得たことから、平成26年度から3年間は、神奈川県・横浜市・鎌倉市・逗子市世界遺産登録推進委員会において、比較研究を進めていくこととしております。
 本日は、平成26年度に具体的に取り組んできました比較研究の概要について、報告させていただきます。
 資料にございます、「世界遺産登録に関する比較研究の取組状況について」をごらんください。
 こちらは、平成26年度における比較研究の取り組みの概要をまとめたものになります。比較研究の内容は、大きく分けて「有識者との意見交換」と「現地調査」の二つでございます。
 「有識者との意見交換」につきましては、資料の1に記載のとおり、比較研究の内容及び進め方等について、幅広い分野の有識者との意見交換を行い、専門的な見地からの意見を聴取いたしました。
 具体的には、意見交換会を2回開催するとともに、新たに「「鎌倉」文化遺産比較研究委員会」を設置し、委員会を1回開催しております。また、12名の有識者と個別の意見交換を、計15回実施しております。
 次に、「現地調査」につきましては、国内外の類似資産との比較研究を進めるため、資料の2に記載のとおりの調査を実施いたしました。
 国内につきましては、京都ほか、禅宗寺院等を中心に行い、海外につきましては、中国の世界遺産文化遺産を3カ所調査しております。
 なお、現地調査の成果については、資料の裏面3のとおり、概要をまとめております。
 例えば、円覚寺舎利殿につきましては、正福寺地蔵堂ほか、類似する禅宗寺院のものと比較を行っておりますが、細部全てにわたりまして、禅宗様建築の特徴が備わっており、円覚寺舎利殿が禅宗様の典型であることが確認できました。
 また、海外については、大仏ややぐらといった鎌倉の資産が、中国から日本への伝播、東アジア文化圏内での価値観の交流を示すものであることを検証するための基礎データを収集することができました。
 最後に、平成27年度の取り組みについてでございますが、今年度は、昨年度に引き続き、比較研究を進め、特に、神社、切り通し、やぐらなどに関する基礎的データの収集に努めてまいります。
 現地調査は、国内につきましては、京都・奈良など7地域、海外は、中国と韓国の世界文化遺産を調査する予定でございます。
 こうした比較研究を着実に進める中で、新たなコンセプトを練り上げるための素材をまとめ、鎌倉の価値の再発見・再構築につなげていきたいと考えております。
 以上で報告を終わります。
 
○永田 委員長  ただいまの報告に御質疑ございますか。
 
○中澤 委員  この調査研究を行った、国内、海外なんですけれど、報告書というのはどうなっていますか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  現在は、復命書という形で保存されておりますが、これを3カ年、調査委員会がまとめまして、最終的に調査結果として整理していきたいと考えております。
 
○中澤 委員  今、復命書でしか存在していないんですか。調査報告書として、今年度もまた比較研究されるという話なんですけれど、そうすると、平成26年10月からことしの3月まで国内をやって、ことしの2月に海外まで行っている調査をしたもののその調査報告自体が復命書しかなくて、そうするとその後、どうやってまとめるのですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  最終的に、今、昨年行った復命書の意見書、4県市の推進委員会で、最後にまとめをつけるという作業をしているところでございます。
 さらにそれらのものを、今、申し上げました専門家等にも御意見を頂戴しながら、最終的に3カ年の経過を取りまとめて、コンセプトの確立というものにつなげていきたいと考えております。
 
○中澤 委員  でも、ここに成果とありますよね。そうすると、復命書しかなくて、3年間をまとめて、3年間で出しますよというものがある。ところがどっこい、ここでは成果で出ちゃっているんですけれど、そうすると、この成果というのは、復命書で成果になっちゃっているんですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  お手元の資料は、復命書の抜粋ということでお示ししてございますけれども、厳密に、復命書の中に、実際に建築を見た中で、比較した中で、例えば、円覚寺の舎利殿はこういう点がすぐれているですとか、そういう点は詳細につけてございます。
 
○中澤 委員  その復命書に詳細が書いてあるんだったら、その資料をなんで出さないのですか。出せないのですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  かなり資料が多いものですから、今回は抜粋させていただきましたけれども、当然のことながら4県市の審議会の了解をとれば、当然のことながら、お出しすることは可能でございます。
 
○中澤 委員  量が多いというのは復命書ですよね。どのぐらいボリュームがありますか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  大体厚さでいいますと1センチから2センチぐらいの量がありまして、あと先ほど申しそびれましたけれども、内容につきまして、こちらお出しすることを該当される寺社の方の御了解もとらなければいけないのかなと考えております。
 
○中澤 委員  復命書は行政文書ですよね。そうすると、当然のことながら、情報公開請求をやれば出さなきゃいけないものですよね。それが各寺社の了解というのは、それはそもそも論ですよね。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  4県市審議会の扱いは復命書ということでございます。それとあと、社寺の了解をとるというのは、社寺に係る部分の了解ということでございます。
 
○中澤 委員  そもそも出張費用というのは、どこから出ているんですか。4県市の推進委員会で、負担金を出しているじゃないですか。その中で推進委員会として費用負担をしているのか。それとも、鎌倉市の職員が行ったのだったら、職員として鎌倉市で負担しているのか。その復命書自体は、委員会に対しての復命書なのか。鎌倉市に対して復命書なのか。そこはどうなのですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  4県市審議会の費用負担というのを神奈川県、横浜市、鎌倉市、逗子市、それぞれしております。出張につきましては、その負担金の中から出張の費用を出しているということでございます。
 復命書につきまして、4県市審議会での記録ということで、4県市審議会の復命書という扱いをしてございます。
 
○中澤 委員  わかりました。市でやっているんだったら、すぐ出してもらおうと思ったんですけれど、いいです。
 それで、この成果というので、国内、国外、海外でありますけれども、そもそもこの調査、それから有識者の意見交換等々で、今目的としているのは、新たなコンセプトを決めるための比較研究をしているのか。それとも新たな視点を決めているのか。それとも、今まで登録のならなかった約20年の間のことをもう一度検証し直しているのか、そこはどうなのでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  平成25年度のICOMOSの不記載勧告の主な理由というのが3点ございまして、1点は、武家政権などを示す物的証拠が不足、それから、国内外文化財との比較研究に基づく価値の説明が不足、世界的普遍性を訴える証明が不足の3点でございます。今、申し上げました。終わりの2点につきましては、調査研究ということが不足ということですので、国内外の寺社との比較を進めているということでございます。
 それと、理由として1点目に申し上げました、武家政権などを示す物的証拠が不足ということは、これは武家の古都・鎌倉ということであると、コンセプトであると、物的な証拠が足りなかったよということでございますので、その辺も含めまして、コンセプトの再構築などもあわせて検討をしているということでございます。
 
○中澤 委員  ということは、コンセプトは変えちゃうということですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  変えるということまでは決定してございませんけれども、ただ、武家の古都・鎌倉ということで行きますと、現実的には、今、小学校が建っているところ、民家の建っているところ、そこの発掘調査をしなければいけないということが求められますので、現実的に、武家の古都・鎌倉でいくというのは、かなり難しいのではないかなと考えております。
 
○中澤 委員  難しいのに、同じコンセプトに沿った比較研究をやっても意味ないですよね。また、新たなコンセプトがあって、その次に世界遺産登録に向けた調査研究をしていくということだったらわかるんですけれど、今での世界遺産登録で、2項目、3項目が不足しているから、それを今やりましょうと。だけど、もともとコンセプトは変わっちゃうかもしれないとなると、それはおかしくなっちゃいます。
 
○桝渕 歴史まちづくり推進担当部長  コンセプトを見直す、あるいは変える可能性ということを申し上げましたけれども、実際に登録をしようとする資産については、現有のものということになってこようかと思います。すなわち、社寺であるとか、切り通しであるとか、やぐらであるとか、こういう残っているものを登録していくと。その際に、その考え方、コンセプトを、武家の古都・鎌倉はなかなか難しそうといいますか、ある意味、ICOMOS勧告では完全に否定されたと我々は考えておりますので、それにかわる考え方、社寺であるとか、そういったもので違った考え方ができないかということで、そのための素材を得るために比較研究を行っていると、こう我々は考えております。
 
○中澤 委員  先ほど、一つ目の当時を目の当たりにすることができる、できないというのがあって、鎌倉時代の明らかに遺構として地上で見ることができるものというのは本当限られていて、先ほど申し上げましたけれども、大仏は明確に何年につくられましたというもの、大仏殿の存在自体、あったという礎石があって、それから鋳造した基礎の跡というのがあって、だけれども、大仏殿が津波で流されたと。津波の痕跡はない状況の中で、なぜ露座になっているのかというのも、それはまだわからない。
 永福寺については、奥州から帰ってきて、それで中尊寺の二階御堂を模してつくった。でも、その遺構自体、いろいろと保存計画の関係でやっているんですけれども、往時のままの復元じゃないですよね。カバーしちゃって、池だって、往時のままでやっていないですよね。でも、世界遺産登録を目指して、往時のまま見せるというものであるのであれば、いい例が観自在王院跡で、毛越寺の庭園があって、今、整備をやっていますけれども、無量光院跡というものをやっていく。往時のままを復元しようとしている。それがいわゆる僕もずっと言っている「見える化」という保存なんですけれども、だけど、鎌倉市が目指しているのは、言われたのは、そういう目にするものがないんじゃないと言われていながら、往時のままの復元じゃなくて、カバーしちゃっている。
 今、段葛の整備をやっていますけれども、段葛も、これはちょうど長崎大学の明治時代の写真というのがいろいろ公開になっているのがあるんですけれど、そこには段葛の写真というのがきちんとあるんです。それを見ると、今の段葛の形状とは明らかに違うわけです。だけれども、今回の修復では今よりも60センチ上げてしまうとか、どう考えても、往時の鎌倉時代のものではない。全く違う、現代の段葛、現代の永福寺跡、そうすると、ICOMOSから言われたものに反した史跡整備をやっているとなると、それはどう考えても、ICOMOSの人が来て、きれいになりましたねと言うかもしれない。だけれども、当時のものと明らかに違う遺跡がそこに出現したところで、それはもう明らかに世界遺産登録を目指しているコンセプトとして出されているものとは違いますよね。
 例えば、富岡製糸場が、片倉工業が、毎年3,000万円の維持費をかけて、ずっと残してきていて、それを富岡市に寄附をして、当時のまま残しているわけですよね。そういうものが対象になってきている中で、世界遺産、本当にこれから目指すのか、目指さないのかによって、今の保存管理計画、それから今後の復元計画と全く変わってきますよね。
 さっきも(1)やりましたけれど、世界遺産登録を本当に目指すのですか。それとも諦めるのですか。そこはどうなのですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  ICOMOS勧告におきまして、当時の世界遺産の、構成資産のその一つ一つが、その価値を否定されたというわけではないと考えております。
 一番大きかった問題は、コンセプトが適当だったのか。それと比較研究と調査が足りていないということでしたので、まずは比較研究と調査を進める中で、新たなコンセプトも検討していくと、そういう形で進めていくという形で考えております。
 
○中澤 委員  比較研究を進めていっても、最初に鎌倉市が世界遺産暫定リストに載っかっていたときから、ずっと来ていて、その間に比較研究というのはやり尽くしたんじゃないんですか。やり尽くしたから、そのやり尽くしていく途中経過において、それぞれの遺跡の整備計画をつくって整備してきて、それで周辺整備もやって、バッファーゾーンにして、きちんと指定して保存していきましょう、守っていきましょうというやり方をしていってきているのではないのですか。だけど、今の話だと、これからやりますと言われても、では今までは何だったのという話になっちゃいますよね。そこは一貫したものを、柱、背骨はずっとそれだけは貫いていかないと、世界遺産登録が目的になってしまう。登録が目的になってしまうんですか。それとも世界遺産登録を受けた後に、鎌倉の歴史というものを守っていくのが目的なのか。それとも観光客誘致が目的なのかによって、全く変わってきますよね。
 だから、本当にさっきも言いましたけれど、世界遺産になっている町、平泉だって、あれだけのお金を使って、あれだけの大整備をやっていっても、1回延びて登録になっているわけですよね。あの町を見てくれば、鎌倉がいかに世界遺産登録に本気があるのかないのかというのは明らかですよね。
 富岡製糸場に、たまたま去年暮れに行ったばかりなので、直近なんですが、あそこすら、きちんと整備をどんどんやっているんです。大きい駐車場をどんとつくって。でも、鎌倉ってそれをやらないで調査研究というのを4県市で、これからもお金を使って調査をして、本当に目指すのか。それとも歴史まちづくり法があるのだから、そっちにシフトしていくのか。そこが問われてきますよね。いつまでも同じようにやっても結果は同じなんだから、世界遺産を本気で目指すんだったら本気で町をつくる。それ用の町をつくっていかなければいけないです。渋滞にしてもそうですよね。だけど、それができない。例えば、道路が狭い。もう都市化されていて発掘調査もできない。先ほども話に出ましたが、清泉付属だってそうでしょうね。そうすると、もうできないのであれば、いつまでも世界遺産登録を目指すということ自体が、目的化してしまっているから、それはどこかで切らなきゃだめでしょう。新たなまちづくりとして、歴史まちづくり法があるのだったら、これに基づいてやっていくしかない。
 でも、無理くりにコンセプトをまた新たにして、また目指しますといっても、結局のところ、平成25年と同じ結果になってしまう。何が変わったのというものをやっていってしまうというだけなので、そこを本気で世界遺産登録をこれからも目指すのか。そこはどうなんですか。コンセプトを変えたら登録になるんですか。
 
○桝渕 歴史まちづくり推進担当部長  先ほども歴史まちづくりのところでお答えしたところと関連するんですけれども、委員おっしゃられるように、世界遺産登録というのが目的ではなくて、登録をして、さらに鎌倉の町の将来をよりよいものにしていく一つのツールとして使っていく。これが大きな目的かと我々は考えております。
 そこでもう一つ、では世界遺産登録を目指すのであれば、それにふさわしいまちづくりというところで、これは平泉の例であるとか、そういったところ、お話しいただきましたけれども、これは都市部にございます鎌倉と地方にある部分とでは、かなり条件が異なっているというのは歴然としているところでございまして、それだけ鎌倉はまちづくり上の課題を多く抱え、かつそれの解決に難しさを抱えていると。しかしながら、それを一歩ずつ進めていきつつ、そして世界遺産登録を目指す。ある意味、ハードとソフトというところで、両輪ということを申し上げましたけれども、この二つをやっていく。そして将来的な鎌倉、よりよい鎌倉を目指すということであろうと考えているところです。
 
○中澤 委員  世界遺産登録で、都市部の話をすれば、姫路城がありますよね。確かに姫路城は空襲を受けているから区画整理がきちんとできたというのはあるのでしょう。だけど、目の前に姫路城があって、姫路の駅をおりて、そこからデッキから真正面に見えて、そういう町をつくっていますよね。
 その町をつくるという意味合いでいえば、例えば、湯布院の駅なんていうのも、由布岳をおりたとき、真正面に来るように町を整備して、駅舎を動かして、そこへやっているんです。確かに世界遺産ではないですよ、湯布院は。違いますけれども。
 まちづくりをするというのは、本当にそこに人が来て、世界遺産登録になったね、鎌倉市よかったねと、そこにいろいろな人が来て、鎌倉のここに行けば、こういう世界遺産があるよねというのを、動線を含めてきちんとつくっていくじゃないですか。だけど、今のままのやり方でやると、調査、調査ばかりになってしまっていて、具体的に3年といっていましたから、今回はまた禅宗とか、そういうのばっかりだったかもしれないんですけれども、そもそも論で、成果で出ている国内の禅宗様建築とか、伽藍と庭園等々については、これは別にきょうわざわざ行かなくても、調査の中で明らかになっていることですよね。
 例えば、京都ほかの庭園、平安時代の園地庭園の流れというのは、遺構として残っているのは毛越寺、観自在王院、それから平安末期の永福寺、それ以降のは、明らかに鎌倉の禅宗様の庭園様式になったという、わびさびの世界に入っていってくるわけですよ。
 伽藍配置にしたって、もともと禅宗の伽藍配置と、例えば、薬師寺の配置と、広隆寺の配置というのは、時代時代によって当然ながら違うわけですよね。それを禅宗建築の、例えば、円覚寺舎利殿は典型である。言葉は悪いんですけれど、パンフレットを見れば、ホームページを見れば出ている話ですよね。それを1年間、10月から3月までかけて研究した結果がこれでは、あと2年間、何をやるの。何の成果を出すのという話になってしまう。やるのであればきちんとコンセプトを決めるためだということなので、それはそれなんでしょうけれども、でも、もともとどういう世界遺産登録を目指すのかというものを、漠然とでもいいから、武家の古都・鎌倉はやめて新たなコンセプトを目指しますと。結果として、武家の古都・鎌倉のコンセプトがいいよねというなら、それでいいと思うんです。だけど、今のままで行くと、結局、武家の古都・鎌倉にぶら下がっているだけですよね。結果的にこの調査って。そこのところはどう持っていくんですか。あくまでも新たなコンセプトを探していくということで世界遺産を目指すのか。それとも完全に、これはある程度調査結果をまとめて、そのときに世界遺産登録をもう諦めますという方向性で持っていくのか。そういうところというのは出ているんですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  今の方向性で行きますと、今までの武家の古都・鎌倉では難しいのかなと考えております。当然ながら、方向性といたしましては、新たなコンセプトを目指す方向にあるのかなと考えております。
 
○中澤 委員  あと史跡整備の話で、世界遺産の構成する資産ということでやってきましたけれど、そもそも史跡の保存計画、例えば、永福寺なんかでもきちんとあるんですけれど、確かに時代が古い当時のやつなので、合致しないんですよね。合致しないんですけれど、だけど、基本的なことはずれてないと思うんです。
 例えば、資料館の設置なんていうのもあって、永福寺跡より出土した遺物を中心に他の永福寺、関係資料とともに公開展示し、啓蒙を図るというのは、これは保存管理計画策定書をつくった当時に既にこうやっていて、これが昭和53年3月なんです。そうすると、これもできていない。だから、もう一回保存計画なりなんなりを考えていたときのものをまずやって、それで周辺整備なんかにしても、樹木の伐採、除草を継続的に行うとなっても、あそこへ行けばわかると思うんですけれども、草ぼうぼうで、お願いして刈っていただいているような状態。本当にやるのであれば、こういう一個一個をもう一回見直して、きちんと保存できるの、維持管理できるのというところに戻らないと、そうじゃないと、幾らそこを世界遺産登録を調査研究して新たなコンセプトをやっても、構成する資産はそんなに変わらないのでしょう。
 でも、変わらないですよね。整備計画自体が、草ぼうぼうで、ろくに歩けないような状態になっていて、それこそうちは二階堂なので、永福寺にこだわっているところあるんですけれども、永福寺の池だって、水を張ったって人が行かなければ泥池になってしまう。それだったら世界遺産を目指す意味なんかないでしょう。世界遺産を目指すんだったら、きちんとした史跡を整備して、保存して、周辺整備も動線を含めてきちんとして、どうですかとやっていかないと、中途半端でやっちゃってだめだったんだから、確かにコンセプトもそうですけれど、整理をきちんとやっていかないと、無理ですよね。
 今からだって、永福寺、段葛、ほかのところもそうですよ。鎌倉時代は実はこうだったんですよというものを目に見えるところに、それは清泉だとか、国大なんかを発掘してというのは、物理的に無理ですよね。技術的に無理だと思います。だけど、できるところはあるのだから、大仏はあれですけれど、当時のシミュレーションで、例えば、立体の図をつくって、大仏殿があったら、こんな図だったんですよという、それをスマホでQRコードを見て、そこに映像化していくというやり方というのは、今、姫路城の中でQRコードがあって、やっていますよね。そういうものは今、簡単にできる技術。そういうものをきちんと整備をしていかない限り、幾らコンセプトがこういうものだと、調査研究したといっても、どうにもならない。だから、そこまで踏み込んで真剣味を持って、もう一回目指すのか。それとも、そこまでの真剣味を持って目指すかどうか、今、検証しているのか、そこをお聞かせいただけますか。
 
○桝渕 歴史まちづくり推進担当部長  今、委員がおっしゃられたとおりでございます。といいますのも、両輪として歴史まちづくりをやり、そして世界遺産登録を目指すということ。これは前回の反省を、決して怠ってきたというわけではないとは思いますが、まちづくり上の課題の解決に向けた具体的な施策、あるいは今現在の文化財の維持管理、保存修理、こういったところが正直申し上げて不十分な状態。こういったものを抱えながら、世界遺産を目指すということは決していいことではない。あるべき姿ではない。このように考えています。こういったところを飛躍的にあした10の課題を五つ解決するというわけにはいかないでしょうけれども、着実に一歩ずつ総合的に進めていかなければいけない。諦めないで目指すのであれば、それを確実にやるということ、これは我々肝に銘じなければいけないと、このように思っています。
 
○中澤 委員  例えば、沖縄のグスクなんかにしても、今から20年ぐらい前か、沖縄に行ったときのグスクの状態と、世界遺産登録を目指すことになったというのは、整備が全く違うんですよね。それは目指すとわかったときに、本気になって、そこはやっていったんです。だから、鎌倉も僕は世界遺産登録を目指してほしいという気持ちは強いんですけれど、行政側が本気になってもらわないと、市民の方だって本気になっていただけないと思うので、歴史まちづくりを一つのレイヤーとして捉えれば、世界遺産登録もレイヤーとして捉えていくという考え方でそれはいいと思うんですけれど、そのあたりも考えて、今年度の調査等々、また報告を聞かせていただきたいと思います。
 
○長嶋 委員  今、議論もありましたけれど、私も同様に、行政の本気のやる気と、今、中澤委員が言われましたけれども、どうも感じられないですね、申しわけないけど。最初に感想になっちゃいましたけれど。
 部長は今回、歴史まちづくりとこれをやっていただくために、県から部長になってやられるわけですけれど、そもそも論で申しわけないけれど、部長の個人的な感覚でいいんですけれど、世界遺産に対する思い入れがございましたら、語ってみていただけますか。
 
○桝渕 歴史まちづくり推進担当部長  本来、私見を申し述べることはよろしくないのかもしれませんが、お許しをいただいたということで、私なりの思いというものを語らせていただきたいと思います。
 まず初めに、私は、武家の古都・鎌倉の責任者としてやらせていただいて、このていたらくを招きました。非常に大きな責任を感じております。責任ということで、だからやらないということではありませんで、そもそも鎌倉は世界遺産に登録されてしかるべき、されるべきであるし、そして登録されるべき価値を十分に有している。このように私自身思っています。
 では、なぜ登録されるべきなのか。というところを考えていきますと、そもそも鎌倉の場合、他の事例は、観光振興、地域振興、その起爆剤として世界遺産登録というものを目指すというパターンがほとんどではないかなと思います。そういった中で、鎌倉は唯一といってもいいほど、そういうことを目的にはしていない。それを全面に出しているわけではない。このように考えています。なぜならば、これは既に昭和48年11月6日に制定されました市民憲章の中でうたわれているんです。市民憲章の前文で、「わたくしたちの鎌倉がその風格を保ち、さらに高度の文化都市として発展することを願い」、そして本文で「鎌倉の歴史的遺産と自然及び生活環境を破壊から守り、責任をもって、これを後世に伝えていきます。また、鎌倉が世界の鎌倉であることを誇りとし、訪れる人々に良識と善識をもって接します」。これはある意味、世界遺産登録の意義というものを先取りしている。時期的に言いますと、昭和48年という時期は、世界遺産条約が批准された翌年なんです。そういったことを考えますと、既に市民憲章に世界遺産条約の精神をうたい込んでいる。すなわち、これは鎌倉が、誇りを持って世界遺産になるんだということを、市民憲章の中に込めていると、私は捉えています。
 繰り返しになるかもしれませんが、鎌倉の文化財というもの、これは皆さん御存じのように、日本の歴史や文化を語る上で欠かせないものだと。そして、世界の人々からは、日本文化を代表する一つの代表としてということで広く知られている。非常に価値が高いということ。
 これは先ほど中澤委員から、よく見えないという御指摘を受けましたけれど、1年間比較研究をやって、具体に、実地に、細かい部分をいろいろ比べていく中でも実感されてきております。そういう価値を世界に誇るべき我々の宝物として、未来永劫に伝えていく。そして世界に発信する。非常に高邁かつ崇高な考えというか、理念的なものですけれども、これが鎌倉を世界遺産にする意義であると、私は考えています。これこそが条約にうたわれている精神なんですけれど、鎌倉はこれをやるということで、市民憲章にうたっておりますし、これを将来的な鎌倉の発展の礎とするために、ぜひとも先行投資という形でやっていくべきだろうと私は考えているところです。
 
○長嶋 委員  熱い思い入れがあるのではないかなというのは、皆さんも受け取れたかなと思うんですが。
 なぜ今しゃべってもらったかというと、部長が責任者としてやられるわけで、そういう方に気持ちがあるかどうか、思い入れがあるかどうかで、大きく中身が変わってしまうのではないかなと思って今お聞きしたんです。過去にやられた方の批判をするわけではないですが、部長は今までの方よりははるかに思い入れがあるのではないかなというのは今伝わってきましたけれど。ただ、理事者を呼んで聞きたいところですけれど、松尾市長や副市長はそこまで思い入れがあるのかなと。私はないんじゃないかなと。中継を聞いているかどうかわかりませんけれど。そこはいま一度考え直してもらいたいなと。多くの方が今の御発言を聞いていたと思うので、そういう感想を持ちました。
 部長の気持ち等々はよくわかったんですけれど、私は次に大事なことは、一般の市民の方々がどう思われているか。いろいろな御意見があるのはもちろんあるんですけれど、その辺の市民合意を形成していくということも、先ほどあった議論も、一方では大事だと思っていて、ここは大きく抜けているポイントではないかなと思っているんです。今の部長の思い入れを市民の皆さんに伝えていって、合意形成をしていっていただきたいと思いますけれど、これについてはどういう形で考えておられますでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  当然のことながら、再審査に向けては、市民の皆さんの御理解というのは一番大事なのかなと考えております。
 そこで当然のことながら、これまでの取り組み、あるいは今やっている取り組みというものを市民の皆さんに広報していくとともに、この後、御報告しますけれども、開館を予定しております歴史文化交流センターの整備を進めまして、いま一度、鎌倉の歴史的、文化的な価値を再認識していただいて、再審査を目指すという機運につなげていければと考えております。
 
○長嶋 委員  御意見を言う方というのは、放っておいても言っていただけるのですけれど、いわゆる昨今いろいろなことを進めるのに、サイレントマジョリティーというか、ものを言わない多数派が多いわけで、そういうところを何とか引き込んで合意形成を図っていかないとうまくいかない。ここがポイントだと思っているので、そこは簡単ではないと思います。調査をやるのも結構ですけれど、同じ調査にかかるお金を使うんだったら、対話集会を例えば月1回やっていくとか、いろいろなやり方があると思いますけれど、やらないと広がらないと思います。これについて、さっきも交通渋滞の話もありましたけれど、大仏の前なんかひどい状況です。それは近隣の方からいったら、世界遺産登録したらふえると思われてもしようがないですので、そういうことはきちっと整理していかないと、なかなか予算の御理解もいただけないと思うので、例えば今、若宮大路等々の話もありましたけれど、小町通りの商店、ひどいですよね、看板等広告。のぼり旗とか、大体批判されるのは、ああいうところがあるのに世界遺産なんかできるの、本当にと。こんなものは当然なくなっていかないと無理なんじゃないのと、あそこを通る市民の方々は言われるわけで、そういうところの整理を、さっき答弁の中で、歴史まちづくりのところで、ゼロからやり直している話がありましたけれど、ここは言われていることだと思うのです、多くの方々に。なので、具体的にやりますとなかなか出せないものですか。調査をこうやりました、報告しますとあるけれど、全然何もこないんですけれど、これをやりますと、市民の合意形成、具体的に示せないのですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  昨年度は世界遺産の関係で、昨年の暮れですか、市民の方を御招待するような形で、シンポジウムというのを開いてございます。そういったものを今後も開催したいと思いますし、あと具体的に月に1回、市民の方の御意見をいただいてというようなところまでは考えていないんですけれども、そういう形で、意見をお聞きするような場というのもできればと考えております。
 
○長嶋 委員  意見を聞くだけではだめなんですよね。巻き込んで一緒にやってもらわないと。どうも鎌倉市役所というのは、世界遺産だけじゃなくて、ここが一番下手なんです。市民の合意形成がないと、世界遺産というのは大きな話なので、絶対にうまくいかないのですね。歴史まちづくりもそうですけれど、そこをもうちょっと頑張って、ほかの部署と連携してやってもらいたいと思うので、私も中途半端に、いいかげんにやるんだったら、やめたほうがいいと思うんです。ほかにオリンピックも来るし、課題はたくさんあるので、歴史まちづくりのこっちをやってからまたやるとか、その間だって、職員の方だって人数が決まっているんだから、そんなにできるわけないんだし、幾ら手を広げたって。なので、やるのだったらきちんとやっていただきたい。スケジュールだって当分かかるとは思うので、めり張りをつけて、こっちをやっておいて、少し抑えておいて、またこっちが片づいたら次やるとか、そういうやり方だってあるわけで、その間、これだけはやっておこうというのはあると思うので、それでやっているんだと思うんですけれど、あっちもこっちも、おいしい御馳走をいっぱい並べられて、全部食べたいという感じに見えちゃうので、やるならきちんとやっていただきたいんです。なので、要望になっちゃうけれど、今後、私もここの話は注視して、いつまでかかるかわからないですけれど、頑張っていただきたいと思います。
 
○永田 委員長  ほかに御質疑はございますか。
                  (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告については了承ということでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 了承と確認をさせていただきます。
 職員入室のため、暫時休憩いたします。
              (13時47分休憩   13時49分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
    ───────────────────────────────────────
 
○永田 委員長  議題に入る前に事務局から1点、報告がございます。
 
○事務局  冒頭で確認された、追加日程の関連課の職員の入室について、再確認いただければと思います。関連課の職員として、市民活動部、職員課及び都市計画課と申し上げて確認がされたと思うんですが、発議者の方と精査させていただきまして、正確には、腰越支所長及び市民活動部長を含む市民活動部職員及び職員課の職員ということで関連課の職員について再度確認いただければと思います。
 
○永田 委員長  よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認をさせていただきます。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○永田 委員長  日程第2報告事項(3)「(仮称)鎌倉歴史文化交流センター整備の進捗状況について」を議題といたします。原局から報告をお願いいたします。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  日程第2報告事項(3)(仮称)鎌倉歴史文化交流センターの整備状況について、御報告をさせていただきます。
 本日、お手元にお配りいたしました、資料「(仮称)鎌倉歴史文化交流センター整備予定スケジュール」をごらんください。
 (仮称)鎌倉歴史文化交流センターの整備に係るスケジュールにつきましては、これまで、平成27年度末ごろの開館を目途として準備作業を進めてまいりましたが、開館時期等に変更の必要が生じたため、報告をさせていただきます。
 扇ガ谷一丁目用地の既存建物を(仮称)鎌倉歴史文化交流センターとして整備するための建物改修工事を実施するに当たっては、当該建物が第一種低層住居専用地域に所在するため、近隣住民の理解を得た後、建築基準法に基づく鎌倉市建築審査会の同意を経て、用途許可を取得する必要がありました。
 そこで、平成26年12月21日に近隣住民を対象とした公聴会を開催しましたが、一部の住民から慎重な対応等を求める意見が出され、近隣住民との協議・調整に時間を要することとなった結果、鎌倉市建築審査会を経て、用途許可を得られたのが平成27年3月27日となりました。
 一方、本件建物は特殊な建物であり、さまざまな工事の方法を検討いたしましたが、最終的に、建物と設備の改修について、一体で施工する必要があるとの結論に至りました。
 また、平成27年度になって、工事費用の単価改定等があったこともあり、(仮称)鎌倉歴史文化交流センター建物改修工事については、議決に付すべき工事案件となることが確実となりました。
 そこで、鎌倉市議会6月定例会に上程するよう工程の検討を行いましたが、用途許可が遅れたことによりまして、入札等の契約関係の準備を6月定例会前に終了することが極めて困難な状況となりました。
 このため、スケジュールの見直しが必要となり、所要の工事期間からすると、同工事が平成27年度中に完了する見込みがないことから、資料「(仮称)鎌倉歴史文化交流センター整備予定スケジュール」にお示ししたとおり、本6月定例会で繰越明許費に係る補正予算の議決をいただいた後、契約に関する事務処理を進め、9月定例会において契約議案の議決をいただき、10月より着工、翌平成28年秋の開館を目指して今後の整備を進めたいと考えております。
 以上で報告を終わります。
 
○永田 委員長  ただいまの報告に御質疑はございますか。
 
○中澤 委員  審査会に入る前の公聴会、それから地元説明会等々について、地元の方と約束事、覚書等々、何かそういうものがあるということは聞いたんですけれど、それを御説明いただけますか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  住民の方から、静かな住環境を守ってほしいという御要望がありました。そういう中で、私どもの対応ですけれども、1点は、来館者がなるべく住居の前を通らないようにということで、現在、博物館予定地になっている間に園路をつくりまして、そこをアクセスしていただくというところが1点。
 それから、開館時間でございますけれども、10時から16時、それと日曜・祝日は休館とするということで住民の方の御理解を得てございます。
 
○中澤 委員  これは道路を真ん中を通すということと、それから10時、16時、日曜・祝日というか、これは市民の周辺の方とどういう位置づけになるんですか。強制力を持つ、例えば覚書等々、文書取り交わしなのか。それとも口頭約束なのか。そのあたりはどのような位置づけになっていますでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  当該用地は、第一種の低層の住専でございますので、公聴会の必要があったということであります。そこで住民の方の御意見をいただきまして、建築審査会にかけるわけでございますけれども、そういう中で、いろいろな意見が出されまして、住民の方からいろいろな配慮をしてほしい、そのままでは反対というような御意見がございました。
 そういう中で、開館時間ですとかアクセスですとか、こちらで対案を示しまして、御了承をいただきまして、各戸訪問しまして、口頭ということでございますけれども、そういう形で了承をいただいたということで、建築審査会にかけさせていただきまして、同意を得られたという経過でございます。
 
○中澤 委員  市は特定行政庁で、特定行政庁は、用途変更のときには利害関係を有するものの出頭を求め、公開による意見の聴取を行う、公聴会ですね。かつ建築審査会の同意を得なければならないということで、建築基準法の第48条の第14項にあるんですけれども。
 一方で、第48条のただし書きで、特定行政庁が第一種低層住宅専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、または、公益上やむを得ないと認めて、許可した場合においては、この限りではない等々あるんですよね。
 今回、建築審査会にかけるに当たって、所管をする建築指導課は、地元周辺の方の同意を得るように原局に求めたのか、求めたのであれば、その理由を教えていただけますか。
 
○吉田[浩] 都市調整部次長  第48条第1項につきまして、中澤委員の紹介のとおりです。それを受けて、許可する場合につきましては、第14項で特定行政庁は、前項各項のただし書きの規程により許可をする場合においてはということで、先ほど委員が言われたとおり、公聴会等かつ審査会の同意を得なければいけないということになっております。
 この中で行政庁は、良好な住環境の害するおそれがない場合と認めた場合に、審査会に付議することになっております。
 第一種低層住居専用地域は、低層住宅に係る、良好な住環境を保護するための定めた地域でございます。用途許可というのは、ここに建ってはいけない建物を特別に認めるという制度でございます。ですから、この環境を害さない、そういうことにおいて、周辺の方の了承をいただいてほしいと、そういうことを原局にお願いしてきたところでございます。
 
○中澤 委員  ところが、先ほどの読み上げで、または公益上やむを得ないと認めて許可した場合においてはこの限りではないと。「または」があって、公益上やむを得ないと認めて、というのがある。この解釈はいろいろあるんです。専門の方にもいろいろ意見を伺いました。そもそも論で、ここに博物館をつくったり、当時、ガイダンスセンターをつくるというのは、その目的をもって寄附をいただき、それから博物館建設の建設費用までいただいた寄附ですよね。これを決定したのは市長ですよね。市長がいただくということを決定して、交渉は瀧澤副市長がやっていたんでしょうけれども、議会にも報告はありました。受けるということになったと。ということは、そこに、当時はガイダンスセンターをつくり、隣に博物館をつくるという明らかな目的をもって、これは公共ですよね。ということを決定して受けているんだから、明らかに環境を害するおそれがないと認め、これについては、博物館法の中にも同じような文言が書いてあります。
 だけれども、そもそも論で、一種低層のところにつくるということ、もしくはその目的で用途変更するということになると、これは決めたのは市長です。市長がそういう公益上のものだということで、そこにつくるんだと決めたものに対して、その部下である建築指導課が、近隣の住民に同意をとってくださいということを輪っかをはめてしまっているわけですよね。これはどうなんですか。だって決めたのは市長なんですから、その目的を持って、寄附を受けたんだから、だったらそこに輪っかをはめるようなことなんていうのはできないですよね。だったら「また」の後をもって審査会にかけるべきじゃないんですか。今後、隣に博物館だってつくっていくのに、また用途変更しなきゃならない。これは現実問題としてできるんですか、可能なんですか、博物館が。そこはどうでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  現実的に、私どもが同意をとりましたのは、私どもの立場としましては、開館後に近所の方とそれをめぐるトラブル等があってはならないのかなと。
 また、今、委員がおっしゃられたとおり、今後、博物館等を建設するに当たりましても、ここの時点でもし住民とのトラブルがあれば、今後の計画にも差しさわるということでもございますので、住民の方の御意見というのは尊重しなければならないのかなと考えております。
 
○中澤 委員  博物館、学芸員等々の博物館ごとにありますけれども、そもそも一般的な博物館、美術館等々のものというのは、開館が9時で、夕方5時までですよね。特別展なんかをやっていると7時とか延長するところがありますけれども、私が調べた限りでは、全国の公設の博物館、美術館を調べていったら、日曜日、祝日に休みのところはないんです。お話をしているときに、隣の大谷美術館の話も出ましたけれども、大谷美術館は、今、閉館しちゃっていますから。そうすると、日曜日、祝日に見られない博物館を何で公共でやらなきゃいけないのか。何のためのものなんですか。それを何でわざわざ自分たちでこういう枠をはめちゃって、自分たちは身動きできないようなことにしちゃって、それで合意だけ取りつけて、それで、はい、合意しました。別に文書を交わしているわけじゃないですからね。それをもって建築審査会にかけて、審査会を通しました。だけど、日曜日は見られない。10時から16時、可能なのは子供たちですよね。校外学習で来る子たち。その目的のためだけのあれですか。今度の歴史文化交流センターであり、隣の博物館なんですか。目的はどこに置くのですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  この施設は、子供から大人までが歴史文化に触れるための施設でございます。委員おっしゃるとおり、日曜、祝日休館ということですと、かなり制限はあると認識しておりますけれども、私どもこれがコンクリートではないと思っております。ここで日曜、祝日休館に至ったのは、何としてもオープンをさせたいということで、オープンを何とかさせなければいけない。そういうことで、住民の要望に応えてでもオープンをさせるということを優先したということでございます。
 今後、来館者の動向等を見ながら、それが周辺住民に影響を与えるものなのかどうなのか。そういったものを検討しながら、開館時間というのも再度検討していきたいと考えております。
 
○中澤 委員  これは年間、何万人の方の来館で計画をしていますか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  これは昨年、委託で重回帰分析というのを行っておるのですけれども、人の動向ですとか、近隣施設の入り込みぐあいとか、そういうものを見込みまして、日曜日・祝日休館ということで得た数値というのは、6万人と考えます。
 
○中澤 委員  その前に当初計画で9万人であったと思うんですけれど、そうすると、日曜日・祝日をやらないと3万人減ということの確認でよろしいですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  そういう想定でございます。
 
○中澤 委員  そうすると、そもそも論で、経営的な考え方でいうと成り立たないですよね。確かに公共の美術館、博物館の経営的な観点での議論があります。文化、芸術の世界ですから。だけれども、そもそも論で、これはもらった時点で、もしくはもらうことができるということがわかった時点で、わかっていたことであって、これを全てわかっていた上で、市長がわかっていた上で、副市長がわかっていた上で受けたんだったら、これは市長、副市長が住民の方に、自分が受けたんだから、当然ながら説明会には御本人たちも出ていたんですよね。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  説明会には、当時の部長以下で対応してございます。
 
○中澤 委員  そもそも当初計画が9万人でもらったんですよね。9万人ということで、もらったものが3万人減になって、運営費はどうするんですかという話もしておかなければならない。今の建物の年間の維持管理費が約4,500万円かかるという話も聞いていますけれども、そうすると4,500万円をどうやって、子供たちが校外学習で来る、鎌倉の歴史を知ってもらうために、例えば、この間、一般質問でやりましたけれども、北条常盤亭跡のところに毛利季光の墓があって、そこに厚木の小学生たちが来ていて、当時、文化財の職員もいましたけれど、その子たちが、自分の小学校のゆかりがあるといって、わざわざ来るわけです、厚木から。そういう子たちのためのものだったら、当然ながら入館料なんかとれないんです。また逆にとるべきじゃないと思いますけれどね。そうなると、この6万人想定のうちの、果たして入館料をいただけるのは何人いるの。そうすると、入館料の収入が幾らなの。4,500万円からマイナスになってくる。毎年、鎌倉市は幾ら出さなきゃならないとなっていくと、必然的に、計画では3万人ですから、やらなければだめでしょうという話ですよね。そうすると、果たして次のステップで博物館をつくりますというときに、また、同じことをして、また同じようなテクニックで、オープンだけを目的として、住民の周辺の方と、同じように日曜日はやりません、10時、16時で開館しますということで合意だけ取りつけていって、建築するのですか。
 もともと、わかっていたはずですよね。それをどっちでやるのですか。また、同じように手法でやっていくんですか。それとも、次の博物館のときは、正直に、日曜日、祝日に開きますという交渉なのでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  今後、もし博物館の建設計画を進めるということであると、当然のことながら、交流センターの実績というものが出てこようかと考えております。実際にどれくらいの人手があって、実際に騒がしいのか、騒がしくないのか。あとはごみですとか、そういうものがどれぐらい出てくるのかと。実際のデータをもとに、今後、博物館の検討する際には、そういったものを入れながら、計画、開館時間ですとか、そういったものを話し合うようになるのかなと考えております。
 
○中澤 委員  そもそも論で、さっきから言っているんですけれど、市長がもらったときの目的ははっきりしていたわけですよね。ガイダンスセンター、隣の博物館の建設費用まで寄附でいただきますと。だったら、その時点で、周辺の方たちの合意なりをいただいた上で寄附を受けなければいけないのに、それをもらってから、しかも用途変更で、こっちの、後半でやるしかないのに。公益性でやるしかないでしょう。だって、こういうのが起きるのはわかっている話なんですから。良好な住環境を害するおそれがないと認め、と。そんなの害するに決まっているじゃないですか、人がいっぱい来れば。静かなところだって言い張るのだったら。だったら行政の解釈論の話で、建築指導、「または」以降でやらなきゃいけないのに、それを先のほうでやっちゃって、型をはめちゃって。これどうするんですか。博物館の合意がいただけなくて、博物館が建設できないときに、いただいたお金というのはどうするのですか。そのまま塩漬けになるのですか。土地は塩漬けなんですか。そうなってくると、どう考えても将来的に、僕ら今いる議員ではない、次の世代の議員かもれしれないですけれど、市に金がないから、塩漬けの土地だったら売るしかないでしょう。そうしたら、あそこは民間に売り払って、戸建てができるしかないですよね。戸建てはできるんだから。一種低層なんだから。一括で買うかどうかわからないですよ。だったらこの時点でわかっていたんだから、しかも9万人が6万人になっちゃって、3万人も、日曜日・祝日だけで計画上は減っちゃうのだから、それをなぜ甘んじてやっちゃうんですか。だってこれは無理して、その周辺の方をだますようなことで開館をしてしまったって、後々、どうにもにっちもさっちもいかなくなって、では文化交流センターだけでとめるのだったらいいですよ。博物館をつくらないのだったらいいですよ。今の論法で、わかりますよ。オープンした後に、日曜日・祝日については、また周辺の方と話し合いましょうと。その後に控えているのが博物館なんだから、そこのところは市長に聞かないとしようがないのですから、これ以上は理事者に聞きます。
 
○長嶋 委員  今の議論に追加して聞きたいんですけど、今の営業日等々の話。私も事前の説明でお話をいろいろさせていただきましたけれど、公共施設の施設管理者の仕事をしていたので、この話を聞くとあきれるしかないかなという話です、申しわけないけれど。今、中澤委員からかなりいろいろありましたけれど。
 恐らく全国探しても、日曜日休みのこういった施設というのはないと思います。それは私もそうだと思います。私もそういう立場で仕事をしていましたけれど、営業的に見たら、こんなものやっていられないですね、はっきり言って、日曜日がなかったら。
 今、数も出ていましたけれど、6万人というのは、国宝館と同じような人数ということですよね。国宝館は時間は長いし、日曜日はやっていますよね。それであそこは皆さん御承知のとおり、八幡宮の境内の中にあって、人は全然、動線が違いますよね。そういう中でやって6万人、呼べているのが6万人。ここはどうなのといったら、呼ぶのは相当厳しいですし、大変だと思います。それで時間も短いですから、6万人を日曜・祝日なしで。では、開館日が全体で何日あるのといったら大体300日ぐらいですから、1日で割ると200人ですよね。そのくらいは呼べるのかなという気もするけれど、ただ、国宝館と比較してどうなのといったら、かなり厳しい数ですよね。時間も当然のことながら、集中する時間と、そうじゃない時間とあるわけで、この辺はわかっていた話で、今ありましたけれど、私は今の時点で、はっきり言って、将来これこのままやったら間違いなく鎌倉市のお荷物になると思うので、旗をおろしたほうがいいかなと。今の中身の計画で出てきても、今回の説明の中では思うのですが。
 部長、どうですか。本当は私も市長に聞きたいところだけれど、いかがですか。
 
○桝渕 歴史まちづくり推進担当部長  この歴史文化交流センターは、先ほど来御説明しているとおり、この後、今、空き地となっているところも一体として(仮称)鎌倉博物館として整備していきたいと。これにつきましてはある意味、鎌倉市の悲願でございます。すなわち、歴史博物館は、国宝館はございますけれども、本格的に歴史を扱う博物館がないと。これだけ、世界遺産を目指す、その前提となる文化遺産が豊富である、しかも、歴史的、文化的に非常に重要なところでありながら、そういった博物館がない。これはないということは非常に大きなところでございまして、ぜひともと、これは悲願と考えています。そういった中、今回、寄附がいただける。
 確かに建築基準法上の高いハードルがございますけれども、ここを活用して悲願を達成していくという決断をしたということでございます。そうした中で、確かに経営感覚というものは非常に大事で、これはきっちりやっていかなければいけないことだとは思いますが、ある程度の持ち出しというのも、行政の公の機関でございますから、その部分で、市民の方々を、訪れる方々の教育的な部分、文化的な部分、満足度を高めていただくための投資ということで、ただし、これは少しでも我々が負担を減らすように、さまざまなメニューを考えて、例えば、交流センターの体験学習、これも一つの柱として考えてございます。今のところは子供たちを中心に考えてございますが、よりディープなメニューも開発して、大人の方々の連続講座であるとか、こういったようなこともやって、少しずつでも収益という言い方がいいかわかりませんけれども、そういった部分を重ねていくことも検討していくべきと考えています。何にしても、博物館を持つべきということに関しては、鎌倉市の悲願であるということで、御理解賜りたいと思います。
 
○長嶋 委員  部長の思いはわかりますけれど、私も施設を管理していたので、施設管理経費というのは物すごくかかるんですよね。皆さんが思っている以上に、あっちが壊れた、こっちが壊れた、こういうところも直さなければいけないとか、しょっちゅうです。その追いかけっこ、大変なんです。新しく建てたところならいいけれど、そういうことはよく考えないといけないんですけれど。
 あと、悲願はいいんですけれど、日曜日休みと。日曜日しか休めない市民の方は行けないわけですよね。それは公平性がないんじゃないのというところがあるんですけれど、そういう方は、まだいまだにいっぱいいらっしゃるわけですけれど、その点はどうなのですか。
 
○桝渕 歴史まちづくり推進担当部長  その点につきましては、先ほど次長からもお答えさせていただきましたが、これは同意をいただく際のお約束でございますので、当座は日曜・祝日閉館でスタートをします。
 しかしながら、これは委員おっしゃられるように、公平性ということもございますし、我々としても日曜・祝日を開館しなければ、我々が期待している効果、目的を達せられないと思っておりますので、本来あるべき姿として、そこを目指してやっていきたいと。入館者量の推移、さらにはまだ開館まで時間がございますので、どうコントロールするかということも、いろいろな方策というのも検討する余地が多々あると思いますので、そういったところも検討かつ実施して、なるべく早いうちに日曜日、祝日の開館ができるように、住民の方々とも協議をしながら進めてまいりたいと考えています。
 
○長嶋 委員  何か危うい感じですね。できればいいけれど、できなかったらどうするのかなと思っちゃうんだけど。
 これは私は前から言っているんですけれど、こういった施設で、子供たちのためにという話も何度も聞いているんですけれど、事例として、こういうところを参考にした、見にいったというところ、私は幾つか挙げて言いましたけれど、それは行かれていますか。参考にする施設を見にいったかどうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  私が見にいきましたのは、県の歴史博物館でございます。
 
○長嶋 委員  それだけですか。だから、さっきも言ったけれど、本気のやる気が感じられないんですよ、いろいろなことに。私はそういう関係の仕事をしていたから、いっぱい知っていますけれど、見ないとわからないと思います、どこが成功して、どこが失敗したか。私は大失敗した施設を知っていますけれど、同じようなコンセプトのところですよ。高山にあります。その話もしました。服部次長には言ったかもしれないですけれど、覚えていないけれど、誰に言ったかは。見てから学ばないと絶対にだめです。皆さんがわかればいいけれど、わからないわけですよね。私は失敗する要因とか、手にとるようにわかりますけれど、そういう施設にいたから。それはわからなかったら、学ばないとだめだと思います。そういうところ、見にいったほうがいいかなと思っていますけれど、なぜそれしか行かないの。
 例えば、子供関係のそういう施設で拾っていくと、愛媛県の歴史文化博物館なんかは参考になるのかなと思いますけれど、子供のための併設施設があって、やっているんですけれど、それ、行く気はありませんか、これから。勉強してから、どういう中身をしているのかというところ。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  失礼いたしました。私、4月に来てから、こういう目で見たのは県の歴史博物館だけだったと申し上げましたので、当然のことながら、今後そういう施設というのは見てまいりたいと考えております。
 
○長嶋 委員  全国の地方自治体にはいっぱいそういう施設があります。だから見にいって、勉強してやっていただきたいと思います。今の状態では賛成できません。
 
○河村 委員  今いろいろ御質問がありました。その中で正確な数字といいますか、中澤委員からありました年間4,500万円、維持にかかる中で、6万人を見込んでいる中で、収益で賄えるのかというところ、どのように算出されているか、教えていただけますでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  まだ正式な歳入までは出してございませんけれども、例えば、入館料としては、国の施設等を含めますと、大人で200円から300円、6万人のうち、有料人数が何人かというところで歳入が出てくるのかなと考えています。
 
○河村 委員  私、たしか2年前、総務常任委員会に所属させていただいておりまして、まさにこの問題があったんですけれども、先ほど国宝館の話がありましたけれど、当初、国宝館より少なくなってしまうんではないかとお話しいただいたような気がするんです。その辺はどうなんですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  確かに鶴岡八幡宮直下にある国宝館が6万人ということであると、場所的には劣るということでございますけれども、こちらは重回帰分析ということで、近隣の施設ですとか、人口というか、人通りの状況などを参考に出した数字ということで9万人ということがございましたので、一応ここをバックボーンにして、組み立てているということであります。
 
○河村 委員  あわせて、そのときの収益、どれぐらいの割合を見込んでいるのという質問があったと思うんですけれど、記憶は定かではないのですけれども、よくて3割いけばいいかなみたいなお話だったと思うんですけれど、今のこの状況は、とても及ばないんじゃないですか。その辺はどんな見込みでいらっしゃるのですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  確かに経費の3割といいますか、今の計算上だと、かなり厳しいのかなと認めますけれども、そちらは展示等でなるべく入館者を呼び込むような形で頑張っていきたいと考えております。
 
○河村 委員  2年前も同じような回答をいただいたものですから、何とお答えしていいかわからないですけれど、近隣の住民の方々に、10時、16時というところで話をしていっていると。とにかくやらせていただいてから、もう一回調整するというようなお話ですけれども、そのやり方って、それでいいんですか、行政として。
 私は、よく営業マンが飛び込みで行く前に、行ったときにドアに足をとにかく入れなさいと。フット・イン・ザ・ドアと言うんですけれども、ドアをあけさせて、交渉の場を持ちなさいみたいな、違いましたっけ。それに近いような気がして、私はだましているような、さっき中澤委員からもありましたけれども、近隣住民の方の信頼を裏切るようなことはあってはいけないと思うんです。10時から16時でやって、実際、後で交渉しますとなったときに、果たして9時から17時にしますなんて、話ができるんですか。長いものを短くするんだったらまだわかりますけれど、逆に延ばすとか、日曜日もやりますという話になるわけですよね、今の話の流れだと。最初に詰めておいたほうがいいんじゃないでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  日曜・祝日休館、とりあえず10時から16時開館ということはお約束したことですので、少なくともそれでスタートしなければいけないかなと思っております。
 そういった中で、実際に人が来て、それが果たして近隣の住民の方に影響が出るものなのかどうなのか。こちらでは影響が出ないように、いろいろな周知活動を含めまして、出ないように努めると。そういう中で、できれば、それほどの人が来たけれども、実際には、それほど近隣住民には迷惑にはならなかったということであれば、その辺、開館時間や、例えば、日曜・祝日を開館するというところも、住民の理解を得られていくのかなと考えております。
 
○河村 委員  わかりました。そうやって理解をしていただければいいですし、現状がそういうことであればいいのですけれど、ただ、余り来なかったよということがあれば、そもそも二律背反するといいますか、どういう目的でやられるのですかということにもなってしまうと思うんです。その辺をもう少し整合性を持たせていただいて、しっかりと計画をつくっていっていただきたいと思いますけれど、そこはどうなのですか。来てほしくないということはないですよね。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  今、私が答弁しましたのは、来なかったらよかったということではなくて、来ても騒音ですとかごみですとかが出ないように、周知活動を広げながら、ふやしていくように広報活動をしていきたいということでございます。
 
○河村 委員  行政が住民の方の信頼を裏切ってしまうというのは、物すごい罪だと私は思いますから、そこは徹底してやっていただきたいと思います。本当に、くれぐれも陳情とか出されないようにしていただきたいと思います。
 
○前川 委員  いろいろ出ているので、私も長くやるつもりはないのですが、私、総務常任委員会が初めてなので、違っていたら申しわけないんですけれど、たしか最初のとき、地元説明をしていて、10回ぐらいやっていらした中で、私の記憶だけなんですけれど、それでおおむね良好な雰囲気だとおっしゃってなかったでしたか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  こういう話が出てから、途中で土地の取得があったりしまして、平成24年度から地元説明会をやっております。第1回目は平成24年7月21日から、地元の3自治会を中心に平成26年10月22日まで、10回説明会をやっております。その段階では、それほど強硬に反対という意見は出なかったと聞いておりますけれども、平成26年12月21日に行いました公聴会におきまして、かなり反対する強い意見が出ていたということで、それの調整に時間がかかったということでございます。
 
○前川 委員  確認させていただきました。私の記憶ではそうだったので、うまくいっているというか、どういうメンバーの方たちが出てきているのかというお話も、たしか自治会の代表の方とか、いらしていると聞きました。それは漠然としていて、どこまでの実感かということはあれですけれども、多分平成26年の公聴会のときには違う方がいらしたというか、物すごく近隣の方がいらしたのかなと想像しているんですけれど、すごくこの場所に近い方がもしかしていらして、御意見を言っているのかなと思うんですけれど、その辺はどうなんですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  半径50メートル以内の方に、こちらから御通知をいたしまして、出席された方ということでございましたので、かなり近くにお住まいの方であるということは事実でございます。
 
○前川 委員  そうですよね。それは平成24年からの説明会も、ずっと半径50メートル以内というのは変わらないということですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  平成24年から行っていました10回の説明会は、近隣の自治会ということで、扇ヶ谷下町、佐助、御成町末広の3自治会でございます。
 
○前川 委員  わかりました。そうすると、平成26年12月のときの公聴会は、急に狭まった形で50メートル以内という方が出席していらして、ということなんでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  26年12月に行いました公聴会では、かなり近隣の方が御出席をされて、かなり御意見を賜ったということであります。
 
○前川 委員  私の記憶の中でそう思っていたので、私もびっくりしたんですけれど、土日休館ということになってしまった。厳しい御意見が急に出てきたんだなということで、御理解をいただいていたはずなのに。ということで、今の公聴会の出てきていらっしゃる方のことでの御意見なんだなということはわかりました。
 日曜日・祝日を休館ということは、要するにそのときに近隣の方が、お家にいらっしゃるとか、すごく人数が多くなるだろうということなんでしょうか。月曜日、火曜日休館にしても別にいいと思うんですけれど、そういう問題ではなくてということですか。確認です。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  一番御意見として伺いましたのは、少し人数をコントロールする方策はないかということで何案か示した中で、最終的にここで了承を得られたということになります。
 
○前川 委員  重なりますからあれですけれども、9万人が6万人になってしまうということ、経済状況の問題も本当にあると思います。文化施設ですから、赤字でいいということではないとは思いますけれども、ある程度、その辺のところは鑑みなければいけない部分というのはあるとは思います。そう理解したいと思います。
 さっきからお話が出ている10時から16時ということで、そして日曜日・祝日が休館で、それでしばらくやってみたら大丈夫ということであればということは、近隣の方にはおっしゃっているんでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  その後、検討させていただくということは伝えてございます。
 
○前川 委員  わかりました。約束をしていただいているのであれば、早いうちに見きわめということは難しいでしょうけれども、でも努力しているということを、ぜひ誠意を市も見せていただいて、近隣の方には早い段階で理解いただくように、観光商工課とのいろいろなコラボレーションもあると思います。今、歩く観光ということを打ち出していると思っておりますので、ウイークデー、鎌倉の中、歩いていらっしゃる方は非常に多いですから、そちらへ誘導するということも、すごくいい一つの方法ではないかと思っておりますので、その辺のところいかがでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  当然のことながら、当該施設は銭洗弁天に行く途中にございますので、銭洗弁天に行く帰りに寄る、あるいは帰ってきてから寄る。いろいろな活用の方法もあると思いますので、観光とコラボではないですけれども、うまく観光ルートに乗れるような形にしていきたいとは考えております。
 
○吉岡 委員  質疑を皆さんされているので、意見みたいになってしまうんですけれども、今お話を伺っていますと、私もある程度、話が近隣の方とはそれなりに煮詰まっていたのかなと思っていたものですから、今のお話ですと、近隣の方たちがいろいろ御心配されているということも承知しますけれども、少なくとも今まで長い悲願とさっきおっしゃいましたけれど、歴史があって、世界遺産を目指す鎌倉、それで古都鎌倉、文化都市鎌倉と言いながら、それを象徴するような施設がないというのは、本当にいろいろな問題があると思いますから、そういう点では、今、前川委員がおっしゃったように、住民の方とも、今後の課題については、いろいろ論議していきたいということだったので、その辺については改めて十分な配慮をしながら取り組んでいっていただいて、今、皆様が御心配になるような、日曜・祝日も、開館できるようにしていっていただきたいと改めて思いますけれど、いかがですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  委員おっしゃるとおり、こういう施設というのは日曜とか祝日にやって、本来の姿であるべきだと考えておりますので、観覧者が住民の方に迷惑にならないように、広く周知する中で、実際に開館したけれども、住環境には大した影響はなかったよと、そういうことで住民の方に御理解を得られるように、今後努力してまいりたいと考えております。
 
○吉岡 委員  こういう文化施設というのは、採算性の問題だけが追及されるのではなく、先ほどが話がありました、鎌倉の未来を担う子供たちが鎌倉の歴史を学んで、後世に伝えていくという意味でも、大事な場所にしていってもらいたいと反対に思うんです。そういう子供の感性とか、それから鎌倉の歴史とか、そういうものを学べる場所というのは、そのときの目先の採算には響かない教育的な問題が私はあると思っております。
 ですから、そういう視点も、多くの来訪する子供たちにも、また多くの市民の方、それからいらっしゃる観光客の方、鎌倉のよさ、今まで知られていない歴史も含めまして、これは一つのきっかけで、次に博物館と、そういうことになっていくわけですけれど、そういう視点というのは、いつも採算性とかだけ言いますけれど、それはそれで公共施設のあり方としては、私は今のことだけではなくて、未来のことまで含めての財産というのですか、人的財産というのか、そういうものを育てていくということも、非常に大事な観点だと私は思っているのです。ですから、その辺も含めて、ぜひ慎重に、でも、どうやって多くの方に来ていただけるかということをやるのは非常に大事な点で、長嶋委員がおっしゃったように、いろいろなところを見て、学ぶべきところは学び、やっていくことは大事だなと思うのですけれど、いかがですか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  鎌倉市は博物館的な施設がないということは、これだけの歴史的遺産を抱える中で、市として責任を果たしていなかったのではないかなと考えております。したがいまして、今回の歴史文化交流センターで申しまして、実際に子供から大人まで、鎌倉の歴史や文化、十分に触れていただけるような施設、そういう施設にしてまいりたいと考えております。
 
○保坂 副委員長  私も、特に近い地元の方たちから、この施設については結構期待しているというか好意的な意見を伺っていたので、公聴会で反対というか、いろいろな意見が出て、それがスケジュールの変更につながったというのは、びっくりしたようなところもあったのですね。公聴会の後も地元の方からは、どうなっちゃったのかしらみたいな感じで心配するような声も伺ったりしていたものですから。
 公聴会の会議録は市のホームページに載っていたので、ざっと読んだんですけれども、この中では確かに住環境への影響というのを心配していらっしゃる御意見、それから特に車の違法駐車のことを心配しているような御意見はありましたけれども、特に日曜・祝日を具体的に挙げて、閉館日にしてほしいというような意見は載っていないようですけれども、これは意見を受けて、住環境への影響ということで、市が判断されたということなんでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  もう少し詳しく述べさせていただきますと、実際にある程度、住環境を保つために、観覧者をもう少しコントロールできる方法はないかという中で、こういうような方法を御提案させていただいて、了承していただいたということでございます。
 
○保坂 副委員長  この歴史文化交流センターの中では、この総務常任委員会の中で、さっき河村委員も言っていましたけれども、ずっと整備の方針について、報告を受けて、いろいろな意見を述べてということでやってきました。そもそもこの施設というのは、本当は寄附として受けましたけれども、一般の方が、公共の施設として出入りするのには、すばらしい建物ではあるかもしれないけれども、使い勝手の悪い施設ということで、でも鎌倉市として何とか活用できないかと。先ほども出ましたけれども、維持費も大変かかると。だけど、すごくたくさんの人が入館できるわけでもなく、物すごくたくさん展示ができるようなスペースがあるわけではなく、バリアも多いと。そういう施設をどうやって整備していくかということで大変難しい中、検討を重ねて、結局、今回やっていこうとしているのは、1階のみのオープンということであって、2階からテラスの部分ですとか、地下の部分というのは今後に委ねるということになると思いますが、そのあたりでも、ほとんど仮オープンに近いのかなみたいに私は受けとめていたんですけれども、2階ですとか、地下の今後の整備も含めて、その進捗状況も考えて、今後、開館時間とかも検討していくという流れでよろしいのでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  なかなか2階部分につきましては、エレベーターを設置するのは難しいと聞いておりますので、また、現施設としてふさわしい場所というのは1階に限られているということで、今のところ、2階部分にしようということは考えてございません。
 
○保坂 副委員長  わかりました。本当に1階のあのスペースだけで、もちろん採算をとるのは難しいですし、入場料もそんなに高い設定はできないなという厳しい中で、今後どうやってやっていくかということだと思います。
 それで、今回の変更なのかしら。公聴会で出た意見とかも踏まえて、今後の進め方の中でかえってよかったなと思っているのは、博物館予定地の園路の整備を進めていって、そこをアクセス路にしていくということについては、当面の取り組みとしてはよかったかなと思っているんです。それは近隣に通行で迷惑をかけないということもありますけれども、実はあそこの博物館予定地の部分がほったらかしの状況というのですか、近隣の人にとっては心配な状況、木も茂っているし、通行はできませんけれども、そういう意味で、園路として整備するのはよかったなと思っているんですけれども、そのあたりについてはどのようにお考えなのでしょうか。
 
○服部[計] 歴史まちづくり推進担当次長  今、委員からほったらかしという御指摘がございましたけれども、確かにいろいろな荷物が置いてあるような状況でございます。そこをアクセス路として、仮設ということにはなろうかと思いますけれども、舗装路を設けるということでございます。当然ながら、そこに人が出入りするわけですから、道路の両側も見苦しくない形に整備していきたいと考えております。
 
○保坂 副委員長  では危険とまで言いませんけれども、資材とか、いろいろある部分も整備していただくということで、そのあたりはしっかりやっていただきたいと思います。
 このセンターですけれども、非常に整備の方針としては難しい。今回はこういう形で日曜・祝日は閉館で、時間的にも4時までということでやっていくという中で、住民の方との合意形成というあたりをよく考えていくと。
 それと部長は、博物館は悲願だとおっしゃいましたけれども、本当に今回、園路として整備していく予定地の部分、どうやって活用するのがいいのかというあたりについては、先行してオープンする既設建物である歴史文化交流センター、今後の市民の方、それから、観光客の方の利用状況も踏まえて判断していただきたいと思います。部長いかがでしょうか。
 
○桝渕 歴史まちづくり推進担当部長  先ほどは悲願という言葉を使いまして、熱っぽくしてしまいましたが、当然ながら、これは財政状況であるとか、あるいはもちろん周辺住民の方との合意形成、こういったものを全て見渡しながら、バランスを考えて整備を進めていくということになろうと思います。そういった中で、でき得る限り、博物館を整備してまいりたいということでございます。
 
○永田 委員長  ほかに御質疑はございますか。
                  (「なし」の声あり)
 原局に対する質疑を打ち切ります。それでは改めてここで、一度理事者質疑の確認をさせていただきます。理事者質疑を行う方は、中澤委員のみということでよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 中澤委員のみ、理事者質疑を行うということで確認しました。またお呼びするのは市長ということでよろしいでしょうか。
 
○三留 議会事務局長  市長、副市長も既にお戻りになっております。ただ、松尾市長につきましては、3時から、歴史まちづくり関係の協議会で冒頭御挨拶をされると聞いておりますので、大体そのお時間が10分から15分と伺っております。ただ、先ほどお帰りになったばかりですので、委員会のやりとり等につきましても、少し整理が必要だということもございますので、一旦休憩をいただいて、再開時間、3時半ぐらいをめどにということではございますけれども、御連絡という形にさせていただくような形でいかがでしょうか。
 
○永田 委員長  委員の皆様、よろしいでしょうか。これから理事者に報告しに行き、確認をいただくということ、また再開時間は追ってお知らせということでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認いたします。暫時休憩いたします。
              (14時48分休憩   15時30分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
 理事者に御出席をいただいております。本日はお忙しい中、ありがとうございます。
 それでは、理事者に対する質疑を行わせていただきます。なお、答弁は座ったままで結構でございます。それでは、中澤委員の質疑をお願いします。
 
○中澤 委員  先ほど、原局に質疑をやらせていただいたんですけれども、日曜日にやらないという決定、これはもちろん市長も了解のもとだと思うんですけれども、これについてはどう判断して、日曜・祝日をやらないという判断を市長はされたのでしょうか。
 
○松尾 市長  一連の流れがありますので、少しそのあたりのお話をさせていただきますけれども、当初、ガイダンスセンターの施設としての転用は見込めるということで、新たな文化的発信拠点としての整備を目指すということで寄附をいただきました。その後、ICOMOS勧告がございまして、その目的というところを、歴史文化交流センターに変更していくということになります。この歴史文化交流センターの大きなコンセプトに、鎌倉の子供たちが歴史や文化を学ぶ場の設置ということがございます。地元の小・中学生に大いに利用していただくということ、これを一番大きなコンセプトということで位置づけさせていただきました。その後、開設に向けて手続を進めてきたというところですけれど、その間、先ほど担当からも説明させていただいたとおり、用途変更の許可が必要になるということで、その手続を進めていく中で、地域の方々からの御意見というところがございました。
 近隣の住環境の維持について、配慮をしていく必要がある。そのあたり丁寧に進めてきましたけれども、公聴会等を通じてさまざまな御意見が出る中で、近隣の方々に御理解をいただく必要があるという中において、日曜・祝日閉館、そして開館時間の短縮ということを、こちらとしては、そうした考え方で開館をしていきたいというお話をさせていただいて、それで御理解をいただいたということで、今回、そういう意味では、スタート当初から100点満点というわけにはいかないと思っておりますけれども、こうした条件のある中でスタートさせていただきたいと考えて、このような条件でのスタートとなると判断をしたところです。
 
○中澤 委員  これは受けるとき、議会にも報告がありました。でも、これは水面下でずっと交渉されてきて、その中で当時、ガイダンスセンター、それから隣の博物館建設一体として寄附をいただいて、あわせて現金をいただくという流れがあったと思うんですけれども、あそこの地域は、あくまでも公共性、公益性の高い地域に位置づけられるという判断で寄附を受けたということですか。
 
○松尾 市長  建築基準法のことを御指摘いただいているのかと思いますけれども、当然、用途許可が必要になるということは認識した上で寄附をいただいております。
 
○中澤 委員  そこまで行く前の段階で、何でもらったのという話を今伺っているんですね。そもそも公共性が高いとして、また公益性が高い施設になるわけです。ガイダンスセンター、ましてや世界遺産登録を当時目指したのだから。そうなると、確かに博物館というのは欲しいなと。そのとおりだと思います。
 建築審査会にかけて用途変更をしなければならない。あらかじめ、これはわかっていたはずですよね、瀧澤副市長も当時からわかっていたはずですよね。なんでそういうことをクリアしてから公聴会に臨まないのですかという話なわけです。無理くりに、さっき建築指導課が「良好な住居の環境を害するおそれがないと認め」と、これがあるから近隣の同意を得てくださいと、原課に言いましたと。
 だけれども、市長がやることというのは、これは明らかに公共性が高いので、あそこに当時ガイダンスセンターができて、オンラインの話は別です。あそこにできて、隣に博物館、しかも建設費用までいただけるという話の中では、これはいい計画だねと。だけど、当初から周辺の方々の住環境というのは一種低層で、わかり切っていることで、それをクリアできると思ったから寄附を受けたんでしょう。そうでなければ、寄附なんか受けないですよね。瀧澤副市長が奔走されて、それで結果、地元説明会においては、それほどの大きな疑問点等々も出されないで、ところが、公聴会になったらまた一転してしまったと。なんでそういうところをクリアした上で公聴会を開かないのですか。そういう流れ、手続だからしようがないのでしょうか。そういうところもクリアした上で受けたんじゃなかったんでしょうか。そこはどうですか。
 
○瀧澤 副市長  確かに私がこの土地、建物について寄附を受ける段階では担当しておりまして、いろいろ事情があって、たしか記憶だと3年前の平成24年6月の議会全員協議会での報告で、方向性をまず御報告させていただきました。同時に、地元にこういう一種住専の土地にこういう目的をするということですから、地元の御理解を前提としてのお話をさせていただいたところです。地元にその後入りまして、町内会単位で、3町内会がたしかかかわったと思うんですけれども、説明会をブロックごとにやって、その段におきましては、基本的に、現在のような、公聴会で出たような御意見をキャッチすることができなかったと。出席ができなかった方もいらっしゃるということなんですけれども、ただ、総じて公聴会手続のように全戸に配付してということで意思決定をできるというのは、現実的な話ではないので、その時点での判断としては、3町内会、あるいは説明会の回数を見て、これは寄附をいただいたほうが全体市民の利益になるということで、最終的には翌年の2月だったと思いますけれども、寄附を受納するということでの議案を差し上げて、その時点までは、今回のようなお話はなかったということで、意思決定をした次第です。
 一定のエリアにかけて、1戸1戸に通知をして、1軒1軒当たるという中で、このような状況になったということで、では白紙に返すのかという話でもないのかなと。逆に言えば、今後の努力によって、一歩一歩、市長が言った100点じゃない部分を埋めていく。そして、全体でゴールを目指していくのが行政の進むべき方向かなと理解しているところです。
 
○中澤 委員  この建築は、ノーマン・フォスターのすぐれた建築ということで、個人宅を手がけること自体があり得ない建築なんですよね。僕の知り合いも、先日、中を見させていただいて、僕も見て、フェイスブック等にアップしたら、相当数、僕宛てにメールが来て、これは何で鎌倉にあるのと。好きな人たちからすると、信じられないんだそうなんです。僕は建築は詳しくないのですけれども、みんな見てみたいんだそうです。中に入りたいんだそうなんです。それだけの、その世界では物すごい有名な建築物だから、どう考えても見に来る人がいるでしょう、その人たちというのは。美術館というのは、僕も全国調べたんです。北海道から沖縄まで、ずっと調べたんですけれど、だけど、少なくとも日曜日閉館というのは見つからなかったんで。大谷美術館は日曜日閉館だったみたいですけれど、結果、今やっていないですから、そうすると何のための文化交流センター、確かに子供たちのというのはお話があります。それは一つの考え方だと思います。それは今の分はいいです。だけど、隣の博物館も一体となっているはずなんだから、そうなると博物館のことを考えないとだめですよね。子供たちだけのことじゃないですよね。今の建物自体を子供たちにといっても、そこの中の空間で学んで、体験をして、それはいいです。
 だけど、建築物として捉えたときに、物すごいファンの方がいて、庭園を見れば、あれはどう考えても鎌倉時代の恐らく谷戸の遺構、それから上には建物の柱の跡等々があったり、その筋の人からすると物すごい見てみたい、訪れてみたい場所であることは間違いない場所が、日曜日はだめよという話になっていってしまう。それで帰結してしまうのならいいんですけれど、隣の博物館のときにまた同じことを提案しているのという話ですよね。何で日曜日、まして市民の方から、住民の方から出た提案ではなくて、行政側から提案している中でチョイスされたものだという話ですから、何でそんなことをやっちゃっているのという話ですよね。
 次の博物館自体は、計画はないんですか。計画するんでしょうか。
 
○瀧澤 副市長  今、前段で御紹介がありましたように、建築物のノーマン・フォスター作ということで、非常に希少な価値がある。そもそもこの話の起こりは、前所有者が、あそこの土地を処分していくというところからスタートして、市としては、景観ですとか、たたずまい、建築物、これについて失われていくのはどうなのかということからスタートをして始まったと。その後、所有者についても、残したいということで、維持管理を含めた経費を負担しても、鎌倉市が受け取ってくれるんでしたらということで寄附に至った次第がありますので、スタートはそこにあって残したいというものが当然ありました。
 あわせて、これをどうやって住民に、市民に、この利益を共有していただけるのかということで、公共性として活用する道としてガイダンス、その後、交流センターに形は変えましたけれども、そういった意味で、多くの方に見ていただくためには、日曜ですとか祭日も開館したいというのが、先ほど御答弁したとおり、市長も私も同様に考えています。
 ただ、手続の中で、現時点ではそのことが成就されていないということで、それは今後、まさに我々の努力かなというところでありますので、そういった意味では、建物をごらんになる方に対しては、十分な時間的な機会を与えられないというのが現状でありますので、今後努力していきたいと、繰り返しの答弁になりますけれども、そういう方向で考えております。
 
○中澤 委員  早稲田にセンチュリー文化財団の美術館があるんです。僕も見に行って、いろいろな書があったり、仏像があったり、確かに2フロアしかないんですけれども、正直な話、こういう感じで鎌倉市のあそこにできたらいいなという思いはあるんです。中を見ても迷路みたいになっちゃっていて、動線をどうするのいうのはあるんですけれど、ただ、このままで開館をして、先ほど当初計画で年間9万人来るというのが6万人計画になっちゃいました。いろいろなものを寄附をいただく、いろいろなことを残していくというものは大切だとは思うんですけれど、一方で、年間維持管理費が4,500万円かかると。年間に9万人来て300円をいただくのであれば、約2,700万円かな、収入がある予定なのが、6万人になってくると300円計算で1,800万円になってしまう。そうすると、それ以外は持ち出しになっていってしまう。ましてや子供たちの学習の場となってくると、お金自体をとることはだめでしょうという話になっていくと、収入がどんどん減っていってしまう。
 僕も公共施設の収入の話、どうなのかと。美術館とか、博物館とか。貸借で、右左でクリアになればいいじゃないかという話ではないので、それにしても、これで終わりの話でいいんですけれど、隣の博物館をどうするんですかという話ですよね。来年度から計画は立てていくわけですよね。そこと資金計画は、建設費はあるでしょう。だけど、本当に日曜日に閉館で、博物館ができる計画を立てられるんですか。
 
○瀧澤 副市長  現時点で明言するのは難しい御質問だと思いますけれども、行政計画として、鎌倉市の博物館構想というのは、先ほど担当部長が悲願というお話をしましたけれども、行政計画としてきちんと位置づけられておりまして、むしろ二転三転して、今に至っていることに対して大変申しわけなく思っています。この地で決まって、場所と一定の原資がある中で、これはやっていくと。
 ただ、開館時間の問題等については、まさにこれは近隣住民の御理解を積み重ねていって、博物館をつくる段階では、可能な限り、世に言う「博物館の開館時間」は最大限担保したいなとは思っています。
 
○中澤 委員  先月だったかな、仙台市立博物館にも行ったんです。あそこはパネル中心の展示で、鎧とか復元品とかいっぱいあるんですけれど、こんな感じになるのかなと、この少し縮小版でつくるのかなというイメージで見てきたんですけれど、それでも平日から結構人がいるんですね。吉祥天像の企画展をやっていたんですけれど。本当に美術館、博物館というのはいろいろな企画展をやって、それで入館者数をとって、それでいろいろな企画展の図録を発行して、収入を確保していくというのが、今のほとんどの美術館、博物館です。でも、今のまま日曜日はだめだとすると、企画展をやること自体できなくなってきますよね。企画展は土曜日、日曜日にわーっと来てもらって、入館者数を稼いでいるという話ですから。そうすると、土曜日、日曜日を休館にした博物館というのは、そもそも論で成り立つのって話ですよね。確かに市長の言うとおりに、既存のノーマン・フォスターの手がけた建物に子供たちというのは、それはいいです。でも、子供たちと言えば免罪符になるかというとそうではないですよね。子供たちがというのは、次の世代に必ず鎌倉市の中心になって、社会の中心になっていかざるを得ない。そういう人たちに、みんなツケを押しつけていっちゃうことになりますよね。
 だから、今の時代に、最初のところを本来はきちんとクリアしてから公聴会に臨んで、情報収集できなかったというのはミスでしょう。そこはクリアした上で公聴会をやって、公聴会でいろんな御意見はいただくと思います。だけどせめて、こんな条件を市側が提示して、それで了解をとりました、だから建築審査会で了承いただきましたなんていう流れというのは、とにかくあり得ないですよね。住民の方から日曜日は何とかしてよというのだったら、それについて話し合ってきましたというのはわかるんですけど、自分のところからこうしますと言っちゃって、そしたら日曜日は一番人が来るんだから、一番人が来ない方法を選びますよ。そこのやり方については納得がいかない。だから、ほかの議員たちからもいろいろあったと思いますけれども。
 最後に、市長に聞きますけど、寄附を受けた責任というのありますよね。扇湖山荘にしたってそう、どこにしてもそう。寄附を受けた責任というのは、いただいた趣旨に基づいて完結していかなきゃならないですよね。これだって十何億円というお金をいただいて、土地までいただいて、建物までいただいて、そうなってくると、あそこをきちんと博物館を、今のお話だと、瀧澤副市長は、日曜日開館は厳しいかなとは言いながらも、だけど博物館として考えたら、日曜日開館していない博物館はあり得ないんで。それは御自身の寄附を受けた責任として、きちんと博物館を、今のところもそうですよね、日曜日に開館できるように粘り強く市民の方に話をしていくように、まずは部下に指示をするのか、場合によっては御自身が出張っていって、納得いただくように動くのか、そこはいかがでしょう。
 
○松尾 市長  今回、公聴会でこういう御意見が出されて、我々としては、ここで前に進めなくなるということよりも、スタートして実際に開館してみませんと、どのような人の流れになっていくか、もちろんシミュレーションできる部分はありますけれども、実際にやってみないとわからない部分というところもありますし、また、開館してみると新たな課題ということもきっと出てくるだろうと思っています。そういうところを、我々としては丁寧に一つ一つ、近隣住民の方々に御迷惑がかからず、また来ていただく方々にも快適にこのセンターを利用していただけるようにしていくということに最大限注力をしていくことだと考えています。その積み重ねによって信頼関係が築けて、この地域に博物館という次の大きな課題がございますから、そこに向けて進んでいくことができると思っています。
 そういう意味で、私自身、粘り強くということも含めて、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと思います。
 
○中澤 委員  今度は博物館をつくるとなると博物館法がかかってくるわけです。その趣旨、十分御存じでしょうけど、よく理解していただいていると思いますので、それにのっとって進めていただければと思います。
 
○永田 委員長  ほかの委員の方、よろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 理事者質疑を終了いたします。理事者退出のため、暫時休憩いたします。
              (15時50分休憩   15時52分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
 ただいまの報告については、了承ということで確認させていただいてよろしいでしょうか。
 
○中澤 委員  条件つきの了承ということでさせていただきたいと思います。
 これは、日曜日、祝日の開館に向けて、先ほど市長も答弁がありましたけれども、市長に出ていってもらって、1日も早く日曜日、祝日を開館できるような努力をしていただくということをお願いして、了承とさせていただきたいと思います。
 
○永田 委員長  そのほかの委員の方は了承ということでよろしいですか。
                 (「聞きおく」の声あり)
 多数了承と確認させていただきます。
 暫時休憩いたします。
              (15時53分休憩   15時54分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
 総務部の異動職員の紹介をお願いします。
                  (職 員 紹 介)
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○永田 委員長  日程第3「議案第17号平成27年度鎌倉市一般会計補正予算(第2号)」を議題といたします。事務局から各常任委員会からの送付意見について報告を願います。
 
○事務局  各常任委員会からの送付意見についてはございませんでしたので、報告いたします。確認をお願いいたします。
 
○永田 委員長  よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認をさせていただきます。
 原局から説明をお願いいたします。
 
○財政課長  議案第17号平成27年度鎌倉市一般会計補正予算(第2号)について、その内容を御説明いたします。
 議案集その1の61ページをお開きください。第1条、歳入歳出予算の補正につきましては、平成27年度鎌倉市補正予算に関する説明書に基づき、歳出から御説明いたします。説明書の6ページをお開きください。
 第10款総務費、第5項総務管理費、第57目市民活動推進費は750万円の増額で、自治・町内会等支援事業は、公会堂等建設整備助成事業などに対する補助金の追加を。
 8ページに移りまして、第15款民生費、第5項社会福祉費、第25目老人福祉費は142万円の増額で、高齢者施設整備事業は、スプリンクラー整備事業補助金の追加を、第10項児童福祉費、第10目児童支援費は145万8,000円の増額で、私立保育所等助成事業は、プレップおおぞら保育園の賃借料に対する補助金の追加を、第15項生活保護費、第5目生活保護総務費は216万円の増額で、生活保護事務は、生活保護システム改修に係る経費の追加を。
 10ページに移りまして、第40款第5項観光費、第10目観光振興費は112万9,000円の増額で、観光施設整備事業は、大仏前駐車場公衆トイレ開設に係る経費の追加を。
 12ページに移りまして、第45款土木費、第5項土木管理費、第5目土木総務費は659万4,000円の増額で、道路施設管理事業は、北鎌倉隧道通行禁止による交通整理員配置に係る経費の追加を、第10項道路橋りょう費、第10目道路維持費は345万6,000円の増額で、道路維持補修事業は、市道053−101号線詳細設計等に係る経費の追加を、第20目橋りょう維持費は1,154万6,000円の増額で、橋りょう維持補修事業は、神戸橋詳細設計に係る経費の追加を、第20項都市計画費、第5目都市計画総務費は4,423万7,000円の増額で、深沢地域整備事業は、深沢地域整備事業用地における土壌汚染対策処理に係る経費の追加をしようとするものです。
 次に、歳入について、御説明いたします。
 戻りまして、補正予算に関する説明書は、4ページをお開きください。
 第55款国庫支出金、第10項国庫補助金、第10目民生費補助金は250万円の増額で、スプリンクラー整備事業補助金に対する地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金及び生活保護システム改修に対する生活困窮者就労準備支援事業費等補助金の追加を。
 第60款県支出金、第10項県補助金、第10目民生費補助金は97万2,000円の増額で、プレップおおぞら保育園賃借料補助金に対する安心こども交付金の追加を。
 第80款第5項第5目繰越金は5,852万8,000円の増額で、前年度からの繰越金の追加を。
 第85款諸収入、第25項雑入、第15目総務費収入は1,750万円の増額で、公会堂等建設整備助成事業などに対するコミュニティー助成事業助成金の追加をしようとするものです。
 以上、歳入歳出、それぞれ7,950万円を増額し、補正後の総額は614億7,120万円となります。
 次に、第2条繰越明許費について、御説明いたします。
 議案集その1は64ページをお開きください。
 (仮称)鎌倉歴史文化交流センター設置事業について、第2表のとおり、繰越明許費の設定をしようとするものです。
 以上で、一般会計補正予算の内容説明を終わります。
 
○永田 委員長  ただいまの説明に御質疑はございますか。
 
○中澤 委員  観光整備事業なんですけれども、大仏前の駐車場のトイレ、これ、1年前にお話をいただいて、県にもいろいろと動いてもらって、ようやく今回こうやって使えるようになったということで、これは喜ばしいことなんですけど、これはいつから使えるようになるんでしょうか。
 
○観光商工課担当課長  本年9月1日から使用を開始するという予定にしております。
 
○中澤 委員  これはいわゆる市の公衆トイレとして、いろんな地図等の紹介ももちろん9月1日からやっていくということでよろしいでしょうか。
 
○観光商工課担当課長  公衆トイレという位置づけは、今お話ししましたように9月1日からですが、すぐさま市内各所にある観光案内版ですとか、それから当方が作成している観光マップ等に反映できるかというと、少しお時間をいただいて用意するという点もございますので、できるところからいろいろやっていきたいと考えております。
 
○中澤 委員  トイレの問題は、いろんな議員も取り上げられていて、あの地域になかったので、かなり苦労していただいたと思うんですけども、よかったと思っております。
 それと、北鎌倉の隧道の件ですけれども、いつまで今の状態でやるんでしょうか。いつ結論を出すんでしょうか。
 
○道路課担当課長  現在、北鎌倉隧道の構造的な検証というのを日本トンネル技術協会にお願いしております。日本トンネル技術協会からは、8月中旬をめどにトンネルの評価をいただく予定でございます。その評価の結果をいただきまして、トンネルの安全性の工事を決定したいと思います。ですから、いつまでというのは、今はっきり申し上げられませんが、できるだけ早く、皆様に通行できるようにしていきたいと考えております。
 
○長嶋 委員  私も、大仏のトイレの件で聞きたいんですけれども、私も公共トイレがふえることはいいことだと思ってまして、せっかくここを位置づけてやっていただくのはいいんですが、動線のとり方がこれで大丈夫なのかなという、歩行者の安全確保とか等々のことも含めて伺いたいんですけど。
 私、図面と写真をいただいたんですけれど、この図面によると、今のバス停のところから駐車場の出入り口のところを真っすぐ通っていって、裏側回って、あそこの公社の方の警備、駐車場の係の方の小屋の後ろを回って、横の駐車場を通っていくというルートになっているんですけど、この入り口のところの幅、現地を見ると大変狭いんですけど、幅はどのぐらいあるんですか。
 
○観光商工課担当課長  通路の幅は90センチですが、一部、機器のボックスがある関係で、一番狭いところでは75センチとなっております。
 
○長嶋 委員  それは、例えばバリアフリーの観点で言うと、車椅子はそこを通っていただくという想定なのか、その辺はいかがですか。
 
○観光商工課担当課長  委員御指摘の点は、我々も最大限に気にした点でございます。物理的に車椅子で通行できるかどうかというのも検証しましたけれども、なかなか難しいところもございまして、その場合は、駐車場のところに、神奈川県道路公社が雇用しています警備員の方に御協力いただいて、車椅子等で通行できるというような段取りにしてございます。
 
○長嶋 委員  あそこに常時いらっしゃるから、それをしていただけるのは大変いいことだと思います。あと一般の方、特にここは子供たちも多いと思うので、子供たちがここのトイレ、例えばバスも、あそこ、乗り降りで子供たちが行くケースは非常に多いと思うんですけど、駐車場の中を横切っていくほうが距離でいったら近いんですね、どう見ても。それは動線として、そういう行き方を推奨できないから、外側回して裏側から行くという動線をとっているのか、その辺はどういう位置づけなんですか。
 
○観光商工課担当課長  当該トイレにつきましては、県の道路公社と話を進めていく段階で、先方からは、歩行者の安全を確保するという点と、もう一つ、バスの転回に支障が生じるようなことは絶対ないようにと、これが2大条件でございました。その点をクリアするには、どうしても通行路、誘導路を設置しなくてはいけないという事情がございましたので、誘導路を設定するということで、事業を進めていくところでございます。
 
○長嶋 委員  誘導路のところに棚をつくって、誘導案内看板か何かつけると聞いてますけど、一般の車が縦に4台入るようになっているんですけど、ここは誘導路を設けるととめられなくなっちゃうと思うんですけれども、台数が減るということですか。
 
○観光商工課担当課長  そこのところは公社との協議を経まして、縦列で2台を駐車できるスペースとするということで、今のところは話がついております。
 
○長嶋 委員  公社の側から見たら台数減っちゃって、それで了解いただいて、それで行くということで、それは公社に申しわけないなという気もありますけど、そういうことですよね。
 
○観光商工課担当課長  公社では、事情を鑑みて了解していただいております。
 
○長嶋 委員  それは大変申しわけないという感じもありますけど、私はどちらかというと、誘導路をつくっても、私は近くに住んでるからここはしょっちゅう使わせていただいているんですけど、いつも普通に回っては行かないで斜めに真っすぐ、皆さん、特に子供たちなんか行っちゃうと思うんですけど、それはそれでいいんですか。
 
○観光商工課担当課長  決してよろしいとは思いません。ただ、実際に、先ほども御紹介しましたように、警備員の方々もできる限りの協力はしてくださるということで、特に我々からも改めて御協力の依頼は、これまでにも、話の段取りの中でもしてはございますけれども、実際に公衆トイレとして使用するという際には、改めて御協力をお願いしまして、特に児童・生徒の利用については留意していただくようにお願い申し上げようと考えております。
 
○長嶋 委員  それだけ、あそこにいらっしゃる公社の方に御負担をかけることにはなると思うので、それは申しわけないなというか、ありがたいというか、そういう感じはありますけれども。あとお掃除、メンテナンス、この辺はそれなりにそういうことでやるんでしたら、こちら側で負担というのは当然するのかと思うんですけど、その辺はどうなっていますか。
 
○観光商工課担当課長  トイレの清掃につきましては、委託料として約50万円、補正予算としては9月1日から7カ月分計上させていただいております。
 
○長嶋 委員  よくわからない。7カ月で50万円だから、来年度からは割り戻すと、そのくらいの金額ということでいいですよね。
 
○観光商工課担当課長  1年間のランニングコストとして、こちらで想定してますのは、トイレ清掃委託については約85万円見込んでおります。
 
○長嶋 委員  わかりました。それは、やるんだったら応分の負担は当然だと思うんですけど。
 あと1点、あそこのトイレのところは暗いんです。今LED使っているとか、そういうのあると思うんですけど、多くの方が行かれて、子供たち多い中で、暗いところで死角になってしまう。横にフェンスが出ていて見えない、入り口が見えないように配慮だとか、あと自販機が並んでいるんで、そういうところもあるんですけど、そういう明かりを、明かりだけじゃないでしょうけど、追加で何かしてあげるということは可能なんですか。
 
○観光商工課担当課長  私どもも現地を複数回視察しておりまして、天気のいい日もあれば天気の悪い日もあった中で、トイレ自体には、自然光を取り入れるような採光の工夫というのも見受けられましたけれども、今回、計上させていただいた補正予算には、特に採光についての予算化というのはしておりません。実際に、今でも運用開始されてますけれども、市の公衆トイレとして運用していく中で支障があれば、状況判断をして、既存の予算の中で対応できるものは対応していきたいと考えております。しばらくは状況といいますか、市民の方々の御反応を見させていただけたらと考えております。
 
○長嶋 委員  もう1点、動線のところでガードレール沿いに行くんですけど、あそこは側溝があってふたがあるんですけど、あそこがガタガタとして余りきれいじゃない感じで、例えば歩いていくとひっかかって転んだりとか、いっぱい通るようになると思うので、動線とって整備するんだったら、一緒に、きれいに舗装し直すということではないかな、その辺も含めてやっていただけたらと思っております。
 
○観光商工課担当課長  委員御指摘の点は、私たちも了解しております。そこの点については、今後、所管しています藤沢土木事務所と協議して、善後策を考えていきたいと思っております。
 
○保坂 副委員長  北鎌倉トンネルの通行どめに係る交通整理員の配置についてだけ、伺いたいと思います。
 先ほども質問が出ましたけれども、こちら4月28日からの通行禁止に伴ってということで、交通整理員の配置をしていますけれども、今回計上されている予算というのは11月30日までということでよろしいのでしょうか。
 
○原田[裕] 道水路管理課担当課長  委員おっしゃるとおりで、11月30日までということで、予算のお願いをしております。
 
○保坂 副委員長  この11月30日までとした根拠というのは何でしょうか。
 
○原田[裕] 道水路管理課担当課長  先ほど御説明させていただいたんですが、トンネル技術協会に検証をお願いしております。その検証結果が8月の中旬以降に出されるということで、その検証結果をもちまして、市としてどのような安全対策を施すのか決定します。それによりまして、工事の着手ということになりますので、それがおおむね11月末以降に工事着手ができるという、今の予定でございます。
 
○保坂 副委員長  そういうことですと、どういう結果が出るにせよ、それを受けて安全対策の工事を進めると。その工事というのが、この11月末までに完成というのはまず無理と思われるところ、どうして11月30日までなのかなと思ったんですけれども、11月末以降に工事着工ということなわけですね。
 
○道路課担当課長  工事自体は、いつ着手というのははっきりいたしませんが、今できるだけ早くという中でのスケジュールでは、工事の業者が決まれば、歩行者の誘導及び仮設通路等の検討も請負業者と話していくことができますので、市の委託というものから、今度は工事の中での歩行者の誘導という考えでございます。ですから、11月に終わるというわけではなく、あくまでもできるだけ早い中でのスケジュール感覚で上げているものでございます。
 
○保坂 副委員長  わかりました。今ここで補正に上がっている経費というのは、交通整理の通行どめにかかるものであって、工事が始まったらその工事のため、また別に誘導員をつけるということで理解しました。
 建設常任委員会でもいろいろやりとりがありましたので、重ねてはいたしませんけれども、そもそもの北鎌倉のトンネルの通行どめということで、今も御答弁あったとおり、8月中旬をめどに委託しております、400万円ぐらいでしたっけ、かけて業務委託で。480万円ですか、一般社団法人日本トンネル技術協会に、これまで行った安全性の検証についての、またさらに検証と。それから、開削工法以外の方策も含めて、安全対策の具体的な提案ということで調査を依頼しているということで、大変これは信頼のおける機関であると聞いていますけれども、市としてはこの調査結果を尊重して、今後進めていくということでよろしいのでしょうか。
 
○道路課担当課長  おっしゃるとおり、日本トンネル技術協会の報告書が8月中旬に上がってきますので、それをもって判断していきたいと考えています。
 
○永田 委員長  ほかに御質疑はございますか。
                  (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 次に、委員間討議の確認をさせていただきますが、行わないことでよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 行わないということで確認をさせていただきます。
 御意見はございますか。
 
○吉岡 委員  質疑はしませんでしたけれども、建設常任委員会で、さっきの北鎌倉隧道の問題、トンネルの関係については、安全対策の問題を調査しているということなので、それは見守りたいですけれども、本来ならば閉鎖するということについてはいろいろありましたけれども、今、子供たちの安全という点では了承ということで、見守っていきたいということで、意見を述べさせていただきたいと思います。
 
○永田 委員長  意見を打ち切ります。
 議案第17号平成27年度鎌倉市一般会計補正予算(第2号)について、採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手をお願いいたします。
                  (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第17号は原案可決いたしました。
 暫時休憩いたします。
              (16時19分休憩   16時20分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○永田 委員長  日程第4報告事項(1)「平成26年度陳情第8号「市が定めたルールの全てを市ホームページに掲載することを求める陳情」のその後の状況について」を議題といたします。原局から報告をお願いいたします。
 
○総務課担当課長  日程第4報告事項(1)平成26年度陳情第8号「市が定めたルールの全てを市ホームページに掲載することを求める陳情」のその後の状況について、御報告いたします。
 陳情の趣旨は、市のホームページに市が定めたルールの全てを掲載すること及び行政資料コーナーにも設置することを求めるもので、市議会平成26年6月定例会において採択されました。
 昨年6月の本委員会で御説明しましたとおり、市のホームページにおきましては、トップページのオンラインサービスの項目の中に条例、規則、要綱のメニューを設け、鎌倉市例規・要綱等集として掲載し、市が定めている条例、規則、要綱等のデータを閲覧または検索することが可能となっております。
 このうち、各担当課が所掌する事務の手続または処理に関する要綱等につきましては、平成21年度から市民サービスに直接関係すると担当課が判断したものについて登載を開始し、平成25年度からは市民サービスに直接関係するかどうかにかかわらず、広く市民に周知を図るべきと担当課が判断したものについて登載してまいりました。
 この要綱等集は、年に1回更新を行っておりまして、昨年秋に更新のためのデータを庁内で集める際には、6月に本陳情が採択されたことを受けまして、新たに、市民等に対する知る権利の保障または市の説明責任の重要性に鑑み、公表すべきと考えられるものについては全て提出するよう依頼するとともに、政策会議において各部長にその趣旨の説明を行いました。また、この説明を受けまして、各担当課からも問い合わせも多くありましたが、同様に、趣旨を説明いたしました。
 その結果、要綱等集は56件の追加があり、廃止による削除もありますが、登載件数は更新前の418件から463件となりました。また、昨年6月から行政資料コーナーにこの要綱等集の一覧表を置き、市民の閲覧に供しています。
 今後とも、要綱等集の更新に当たりましては、担当課が周知したいものという視点だけではなく、知る権利の保障または市の説明責任を重視し、要綱等の提出を行うよう、引き続き担当課に依頼し、公開に努めてまいります。
 以上で報告を終わります。
 
○永田 委員長  ただいまの報告に御質疑はございますか。
 
○中澤 委員  急遽なんですけど、職員課の同席をお願いしたいんですけど。
 
○永田 委員長  職員課の出席を求めるということですね。お諮りいたします。職員課を関係職員として呼びたいという中澤委員からの御発議がありましたが、よろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 確認いたします。
 職員課の入室のため、暫時休憩いたします。
              (16時24分休憩   16時25分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
 質疑を続行します。
 
○中澤 委員  急遽なんですけど、こういうものがあるんですよね。鎌倉市労使交渉に係る内容の公表基準。これは市の要綱ですよね。鎌倉市労使交渉に係る内容の公表基準というのがありまして、公表は市公式ホームページ上に掲載することにより行うとあるんです。この基準は平成26年1月1日から施行するというのがあるんです。これは御存じですよね。
 
○今井 総務部次長  その要綱の存在はございます。
 
○中澤 委員  そうすると、おかしなことになってくるのが、組合交渉の議事録を出す、出さないというのを当委員会の協議会でやりましたよね。そのときに、組合とのやりとりについては、メモだから当初は公表できないという発言だったんです。これは覚えていらっしゃいますよね。
 
○今井 総務部次長  確かに、メモの段階では行政文書ではありませんので、基本的には出すのは難しいという答弁をさせていただいております。
 
○中澤 委員  ところが、公表の内容は次に掲げる事項とするということのある中で、目的の第1条、この基準は、労使交渉結果の公表に関して、必要な事項を定めることにより、鎌倉市が積極的に情報を公表し、市政運営における透明性を確保することを目的とするとなっているんです。それで、公表の内容は、案件名及び案件の概要、2項として交渉時期及び回数、3項として提案内容、職員労働組合等の主張及び合意内容。それで、公表の第3条第2項、今の括弧ですね、第2項で公表の内容について、労使の見解が異なった場合は、その都度協議するものとするとなっていて、公表の時期、第4条、公表は労使で公表の内容を確認し次第、速やかに行うものとする、となっているんです。
 ここで、答弁内容と大きく狂ってきているのが、この組合との労使協議がその都度なのか、当時、当委員会の協議会で言ったときには、きちんと議事録をつくってくださいとお願いして、今後については、組合もあることなので組合と協議していきたいという答弁だったんです。ところが、要綱で、既にホームページで掲載をするとなっているんです。ということは、この時点で、既にこれはなければおかしいですよね。公表してなければおかしいですよね。でも、きょうの朝現在で、市のホームページをいろいろ検索したんですけど、どこにも出てないんですけど、これはなぜなんですか。答弁が全然合わなくなってきますよね。協議会でやったときの職員課の答弁内容と、現実に、市のホームページの例規集の中の要綱に出てるんです。これはどう整合性をとるんですか。
 
○永田 委員長  暫時休憩いたします。
              (16時29分休憩   16時39分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
 
○佐藤[尚] 総務部長  お時間いただきまして、大変申しわけございませんでした。今の御質問に対しては、職員課担当課長から御答弁さしあげます。
 
○職員課担当課長  ただいま、委員から御質問があった件について、お答えいたします。
 この公表基準が施行されてから、平成26年1月1日になるんですけれども、それ以降に、職員課から組合に対して提案したものが、平成26年1月27日付の新たな人事・給与制度についてということで提案しております。その中で、途中合意が成立いたしまして、9月定例会において、一部給与条例の改正、あとは職務の級の再編、そういったところの件につきましては、既に改正は終わっております。ただ一部、特殊勤務手当等、継続協議となっている議題がございまして、それについては引き続き協議をしていったんですけれども、まだ合意に至らずというところもございまして、今回、この公表基準のそもそもの趣旨である合意をしたものについて公表するというところまでに至らなかった点がございます。
 しかしながら、今御説明したとおり、9月定例会で既に合意をして提案したものがございますので、この公表基準にのっとりまして、合意しているところは速やかに公表するように、作業を進めてまいりたいと考えております。
 
○中澤 委員  今、陳情が採択されたその後の状況についてということで報告をいただいているんですけど、そもそも論で、これは市のホームページの中の例規集の検索の中で、要綱というところにきちんと出ているものなんです。この中にあるのは提案内容、これは市からのでしょうね、職員労働組合等の主張、だから双方の話し合いのものですよね。これはもう双方で確認していくんだから、公表されてまずいものについては公表しなければいいだけのことで、だけど、そういう経過が今まで全くわからないから、だから、当時の岡田委員長からは、労使交渉の場も公開にすべきだという意見もあったと思いますけれども、もともとはこういう要綱が定まっているんだったら、きちんとやればいいだけですよね。だってそれぞれの主張がわかるんだから。だから、政策会議に投げているとおっしゃっていましたけど、投げた結果がこれなんで、こんなこといつまで続けてるのという話ですよね。つくらなきゃならない書類はつくらなくても、今までつくったことはありませんなんて平気で言っちゃう部長もいましたけど、そういうことだけはもう一回、法制から、こういう実態があるんで、きちんとつくるべきものはつくって、公表するべきものは公表するということを、もう一回、政策会議なのかどこになるのかわからないですけど、徹底していただくようにお願いをして終わります。
 
○河村 委員  この問題で今見られるのって、例規ベースになるわけですよね。そこをまず確認させてください。
 
○総務課担当課長  例規データベースシステムの中に、鎌倉市例規集と要綱等集というのが登載されてございます。
 
○河村 委員  これ、最新更新は、平成26年10月1日になるんですか。
 
○総務課担当課長  今、委員から御指摘がありました平成26年10月1日というのは、要綱等集の最新のことでございます。2月定例会で可決されました条例等と条例規則等につきましては、4月2日現在の内容となっております。
 
○河村 委員  そうすると、トップに張ってある更新というのは変えなくていいんですか。
 
○総務課担当課長  トップ画面のは要綱等集の、あれは平成26年10月1日現在ですということになっています。その後、例規集に飛びますと、平成27年4月2日現在ということになってございます。
 
○河村 委員  わかりました。意見にもなってしまうんですけど、できればこういったホームページの話題のときは、なかなか見られないと話もしづらいということもありまして、総務常任委員会での取り扱いについて、もう少し検討していただきたいと思っております。例えば、実際に議題のときに見られるようにするとか、何かそういうのをやってもらわないと、ウエブサイトの話をするのに見られない環境で話をするというのもどうなのかなというところで、意見を検討してもらえたらと思ってます。よろしくお願いします。
 
○永田 委員長  今後の検討ということで承ります。
 
○保坂 副委員長  今、陳情のその後ということで御説明いただいた中で、従来は市民に関係するというフィルターをかけていたところ、そうではなくて、公表すべきと各課が考えるものというので、市民の方たちの知る権利という視点に立ってということで、政策会議ですか、庁議とかの場でも呼びかけてということで、この要綱等集の更新そのものは年1回ということなんですけれども、今後とも、そのあたりの考え方というのは周知されて、そのように各課においても対応するとお考えということでよろしいんでしょうか。
 
○総務課担当課長  私どもも、今回、要件を広げたということで、418件のうち56件ふえると、1割強ふえてきたということは、ある程度浸透してきたのかなと考えてます。ただ、今、中澤委員からも御指摘ございましたので、私どもとしましては、今後なるべく早目に、今年の10月の更新に向けて、周知を再度図りまして、そのように周知徹底していきたい考えています。
 
○永田 委員長  ほかに御質疑はございますか。
                  (「はい」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告については了承ということでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 了承と確認をさせていただきます。
 暫時休憩いたします。
              (16時46分休憩   16時55分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○永田 委員長  日程第4報告事項(2)「平成26年度陳情第58号「旧鎌倉図書館解体についての陳情」のその後の状況について」、日程第5「陳情第9号旧鎌倉町立図書館の保存・活用を求めることについての陳情」、以上2件を一括議題といたします。
 事務局から、署名の提出について報告願います。
 
○事務局  陳情の第9号につきましては、6月22日付で、陳情提出者から5名の署名が提出されていることを報告いたします。確認をお願いいたします。
 
○永田 委員長  よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認させていただきます。
 日程第5「陳情第9号旧鎌倉町立図書館の保存・活用を求めることについての陳情」については、陳情提出者からの発言の申し出がありますので、暫時休憩をいたします。
             (16時56分休憩   17時19分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
 原局から説明をお願いいたします。
 
○管財課長  日程第4報告事項(2)平成26年度陳情第58号「旧鎌倉図書館解体についての陳情」のその後の状況について及び日程第5陳情第9号旧鎌倉町立図書館の保存・活用を求めることについての陳情について御報告いたします。
 初めに、陳情第58号についてでございます。
 本陳情は、平成27年2月定例会の総務常任委員会で継続審査となったもので、陳情の趣旨は、旧鎌倉図書館を解体し、プレハブ庁舎に建てかえる事業は一旦停止し、広く市民や専門家を交えた旧鎌倉図書館の歴史的・文化的意義を検証する開かれた討議の場を設け、そこでの議論を踏まえて結論を出していただくよう要望します、というものでございます。
 平成27年2月26日の総務常任委員会では、平成26年4月から10月にかけ、本庁周辺執務室改善計画検討会議において、旧図書館等を解体し第5分庁舎を建設、1階におなり子ども会館・おなり子どもの家を、2階に会議室・事務室を設置することとしたこと、解体に当たっては、敷地内の記念碑を保存するとともに、建物内外の写真や間取り図などを掲示した案内板の設置を、第5分庁舎の建設にあわせて検討していくこと、本庁舎周辺の喫緊の課題でありますおなり子どもの家の移転及び子ども会館の併設、事務スペースの確保の解決策として、平成26年12月定例会で議決いただいた、分庁舎及び旧図書館の解体関連予算については、十分な説明を行いながら執行していきたいことなどを御報告いたしました。
 その後の状況でございますが、陳情提出者である図書館とともだち・鎌倉から、歴史的建造物「旧鎌倉町図書館」調査に関する要望書が平成27年4月16日に提出されました。これは、旧図書館の建築物の状況や構造等を把握するために、建築物等の実測及び図面作成、構造及び腐朽損傷等について調査を実施したいというもので、旧鎌倉図書館は3月31日をもって使用を中止しており、特段支障もないことから、要望に対応することとし、5月16日(土)、17日(日)に調査が行われました。調査結果といたしまして旧鎌倉町立図書館現況調査・中間報告が、平成27年5月27日付で提出されたところでございます。この報告書によりますと、見えがかり上の老朽化・腐朽は不十分な保守管理によるものであって致命的なものではないこと、構造的に大変頑丈につくられており、これからも長期の使用に耐える性能を有していること、これは、構造設計が大変行き届いてあるものと同時に、施工も入念に行われたことを示していること、外壁や開口部の腐朽部を更新すれば、今後も十分長期の使用に耐えられる建物であるというもので、最終の調査結果につきましては、7月の中旬に御報告いただけるとのことでございます。
 引き続き、陳情第9号について御説明いたします。
 陳情の趣旨は、旧図書館の取り壊し方針を再検討し、市当局に保存活用を働きかけることを陳情いたします、というものでございます。
 陳情の理由としては、1点目として、専門家有志の調査により、建築技術と耐震性が高く評価されたこと、2点目といたしまして、神奈川県最古の図書館建築として国の登録有形文化財に匹敵すると評価されたこと、3点目として、世界遺産登録のための景観と歴史的風致を守るべき場所であること、4点目として、鎌倉の近代化に貢献した御用邸の文化の姿を伝える貴重な遺産であること、5点目としまして、鎌倉の近代化に尽くした間島夫妻の由比ガ浜本邸を売却してつくられた寄付金で建てられたこと、6点目といたしまして、子どもの家として、本物を見る目を養い、鎌倉の歴史と文化を体験できる教育環境であること、7点目といたしまして、国の登録有形文化財に登録される可能性が非常に高く、その場合は、保存修理に係る設計管理費の50%補助が受けられ、子どもの家等への活用が可能なこと、8点目といたしまして、将来にわたって鎌倉の近代化を象徴する観光資産になることの8項目が挙げられております。
 また、中間報告では、一部腐朽、老朽化が進んでいる部分はあるが、保守管理の不十分さにもかかわらず、建物が健全に維持されていること、構造的に頑強につくられ耐震性が十分に高いと判断されることなどから、外壁や開口部の腐朽部を更新すれば十分長期の使用に耐えられると結論づけております。
 それでは、陳情に対する市の考え方について、御説明をいたします。
 現在、第4分庁舎に暫定的に設置しております、おなり子どもの家の移転先としては、子どもの家を利用する児童等の安全性や利便性から、学校近くにあることが望ましく、他に建設候補地がないことから、旧図書館跡地に第5分庁舎を建設し、課題を解決しようとしたもので、陳情第58号で御説明したとおりでございます。旧図書館を多くの児童が利用する公共施設として保存活用するには、建築基準法の施行以前の建物であることから、建物の耐震性を確保するためは、耐震診断に基づきます必要な補強工事等を実施する必要があると考えております。仮に、耐震性の確認を行うことになれば、梁や柱など、部材の状態や接合部の状況、基礎や土台の状況など、構造的な確認をするための調査解体が必要であると考えており、それだけで多額の費用が想定されます。その調査結果を踏まえまして、腐朽部の更新や耐震補強を行い、再生保存を実施するには、さらに時間と費用が必要になりまして、現時点では費用対効果にも課題があると考えています。
 これらを踏まえ、おなり子どもの家の課題解決、庁舎スペースの不足の解消に向け、早急な対応が必要であることから、解体に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますが、提出された中間報告の内容の精査を進め、今後とも、継続的に市民の方々への丁寧な説明に努め、協議してまいります。
 最後に、平成26年12月定例会で補正予算措置いたしました、分庁舎及び旧教育センター解体事業の進捗状況ですが、庁舎解体に先立ち、必要な分庁舎を経由して、その他の分庁舎に配線されている動力等の切りかえ工事については、5月15日に契約を締結し、9月中旬に完了予定となっております。切り回し工事の完了後は、分庁舎及び旧図書館について、解体することが可能になりますが、陳情等の状況を踏まえ、分庁舎と旧図書館の解体を一括発注するのではなく、分庁舎の解体工事を先行し、分割発注することで現在準備を進めているところでございます。分庁舎の解体後は、盛土の切り崩し工事を行い、駐車場とレベルを合わせ、公用車駐車場として活用予定となっております。
 以上で報告並びに説明を終わります。
 
○永田 委員長  ただいまの説明に御質疑はございますか。
 
○中澤 委員  12月定例会で、鎌倉市議会としては、この補正予算については解体を含めて賛成しているんです。可決しているんです。そのときに特段、附帯決議はないんです。意見は付していますけど。予算的なものとして、何かテクニックはないのか、あるのかというところを調べてもらいました。地方自治法の第109条第6条に、委員会は議会の議決すべき事件のうち、その部分に属する当該普通地方公共団体の事務に関するものにつき、議会に議案を提出することができると。ただし書きがありまして、予算についてはその限りではないというのがあるんです。
 先ほど補正予算は終わったんですが、補正予算に計上されていない費目の減額修正の可否についても調べてもらいました。一般的には、当該減額修正を行うことは、長の予算提出の権限を侵害するおそれがあるものと解される。つまり、補正予算、本予算についても、議会としては修正することは何もできない。執行をとめる手段というのを持たないんです。当委員会もそうなんですけど。陳情をいただいているんですけど、そもそも、冒頭でも申し上げたんですが、これについては、総務常任委員会でなじむのかという問題もあります。
 やれるとすれば、決議しかないんですよね。だけど、そもそも論で、解体の補正予算に賛成したときに附帯決議もつけていないものを、どうやって決議をもう一回出すのかという難しいところあるんですけれども、この考え方をまとめるのは市長しかいないんで、執行するかしないかというのは市長に委ねたわけですから、議会としては。だから、原局にいろいろ聞いたところで、答弁というのはなかなかできない。市長が決めるしかないんで。市長が執行しろと言ったら執行するしかないですから。だから、これについては市長に直接お話を伺いたいと思います。
 
○永田 委員長  中澤委員から、理事者質疑の発議がありましたが、確認してよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 
○永田 委員長  確認いたします。ほかの委員の方で、原局への質疑がある方はお願いいたします。
 
○長嶋 委員  この陳情の中に書かれていることで、国の登録有形文化財に登録される可能性が非常に高くとありますけれど、これは行政としてはどのように考えているんですか。
 
○文化財担当課長  旧図書館につきましては、登録有形文化財になるかという御質問でございますが、私どもとしましては、解体が予定されている建物ということで、調査自体は実施していないところでございます。
 ただ、登録有形文化財になる要件としまして、築50年を経過して、かつ、次の各号にいずれかに該当するものということで示されてございますが、国土の歴史的景観に寄与しているもの、2番目としまして造形の規範となっているもの、3番目として再現することが容易でないものとなってございます。
 築50年は経過しておりますので、登録有形文化財になる可能性はあるということでございますが、以下の3点については調査をしていませんので、可能性があるという時点でございます。
 
○長嶋 委員  設計監理費用の50%が国から補助されますと記載があるんですけど、それはそういう理解でよろしいですか。
 
○文化財担当課長  修繕等に当たります設計費の50%は補助対象となってございます。しかし、設計費につきましては総事業費のおよそ20%程度と聞いてございますので、総事業費の10%程度が補助金ということになろうかと考えてございます。
 
○長嶋 委員  あと1点、さっき陳情提出者の方にも伺ったんですけれど、この活用について、保存活用について、私は大きいテーブルを設けて、いろんな方々の御意見を伺って、話し合いの場を設けてやるべきじゃないかなと。これはあくまでも、先ほどもありましたけど、市長が判断して執行する、しないと、議会の手を離れていると思っているんですけど、市長が判断するにしても、そういう判断の材料にするためにはそういう場を設けて、話し合いをするべきじゃないかなと思っているんですけど、その辺は、原課としてそういうことは考えておられないんでしょうか。
 
○管財課長  これまでもさまざまな形で説明会を開催したりですとか、あるいは見学会も開催しておりますので、先ほども御説明で述べさせていただきましたけども、我々としては、補正予算について議決いただいたということは重く受けておりますので、先ほども御説明したように、そういう方々に丁寧な説明をしながら、御理解いただけるように努めてまいりたいと考えております。
 
○長嶋 委員  ということは、例えばきょう現在では、十分にそういう会は設けてやったと思われているということでいいですか。
 
○管財課長  今現在では中間報告ということで、中を調査したいということでしたので、調査をしていただいて、中間報告をいただいておりますので、今後、最終的に7月中旬ごろだと思いますけれども、最終報告をいただけるということですので、その報告をいただいた中で、きっちり我々の喫緊の課題である子どもの家の確保ですとか、執務室、会議室の確保については、十分,丁寧に説明はしていきたいと考えています。
 
○長嶋 委員  私が聞いているのは、皆さんが説明するかどうかということを言っているのではなくて、どうする、どうあるべきか、皆さんで話す場を設けているか,設けていないかということなんです。今の御説明では、そういうことはしていないということでいいですか。
 例えば、子どもの家という話にもなっているわけで、例えば子どもの家、私は先ほど子供たちにぜひ聞いてほしいと言ったんですけど、子どもの家、現在だけじゃないですけど、未来もずっと使うわけですから、現在の子どもの家、あそこの父兄の方々と、いろいろ市長は話しているんですかというところはどうなんですか。
 
○管財課長  保護者会等につきましては、子どもの家の利用者の保護者の方に、青少年課で御説明をさせていただいているところでございますが、もともと最初のスタートが、保護者の方から、3・11以降、あそこの旧図書館を利用するのは、安全性がどうなのかということで、第4分庁舎に、子どもの家を移転させていただいたという経過もございますので、そういう意味においては、保護者の方々については、旧図書館を解体して、そこに第5分庁舎をつくって移設しますよと御説明しているところでございますので、いずれにしても、例えば今後旧図書館を活用していくということになりますと、あそこには子どもの家を移動しなきゃいけませんので、そうなれば保護者の方々にも改めて、旧図書館を生かしたまま、子どもの家を設置しますよということは御説明して、御理解を得なきゃいけないところがございますので、その辺は難しいところはあると思いますけれども、そういう意味では保護者の方、また保存を望む方々については、我々としては話し合いの場を設けながら御理解を得ていきたいと考えております。
 
○長嶋 委員  私が聞いていることと答弁が全然違う。いいです、市長が来られるんだったら、私も市長に直接聞きます。
 
○吉岡 委員  今、市民の方からいろいろな調査とか、要するに大事ということで、いろいろ出されてきているんですけど、そもそも、この図書館の価値とか、教育委員会から管財課に回されというところが、そもそも、こういうところの論議がされていたのかどうかというのが一番あるかなと思ってるんです。
 先ほど中澤委員がおっしゃったように、議会としてはそういう論議も経て、結局予算に私たちは賛成したんですけど、その前提にあるのは、そもそもどうなのか、残すべきものでないという判断をしたというところが一番大きなところではないかと思うんです。今、市の図書館の関係の方たち、皆さんが、これは大事なものだよと、自主的に自分たちで、ボランティアで、建設の関係者とかいろんな方たちが集まって、非常にこれは鎌倉にとって価値があるものじゃないかというところで話がされていると。確かに議会としては、今、解体費用になっているんですけど、そういう点では、この問題については立ち戻って、きちんと私たち、結果的には市長に判断しなきゃいけないと思いますが、そもそも、そういうことは余り話さないで、教育委員会から管財課になったということで、今、指摘されているようなことについては論議されたんですか。例えば耐震診断ももちろんやってない、だけど、これはもう古いからだめよという判断だったですよね。その辺はどうなんですか。
 
○管財課長  喫緊の課題である庁舎のスペースだとか、あと子どもの家のスペースの確保というのが大きな課題になっておりますので、委員おっしゃるような深い議論というのはなかったのかなと考えております。もし残すというような方向性があれば、どこまで耐震費用がかかるのかとか、あるいはその状況で子どもの家のスペースが確保できるのかとか、費用対効果、また時間的なスパンも含めて検証した上で、文化財についても専門的な御意見を伺いながら、最終的には判断していくことになるのかなと考えております。
 
○吉岡 委員  そもそも、最初から壊すということで管財課には来ていますからあれですが、その辺の価値や大事さというものが問題提起されているというところは重く受けとめなければいけないのかなと私どもは思っています。だから、このことに関していろいろ判断というのはありますけれども、そこら辺については中澤委員のおっしゃるように、最後は市長のということなので、私たちとしては、その辺はどういうふうに思われているのか、総合的な判断というのが必要になってきているのかなと受けとめておりますので、それ以上は求めませんが、そういったことではないかなと思います。
 
○前川 委員  今の吉岡委員と同じ観点なんですけれども、教育委員会のどこなのか、またそれもそれで文化財課ではないんじゃないかなという気もするんですけれど、教育委員会で、この建物に関してはこういう思い入れがあるんだというような申し送りみたいなものはなかったのかなと。なかったんですよね、繰り返しになりますけど。
 
○能條 経営企画部次長  解体までの経過でございますけれども、第1分庁舎の使用停止を決定して以降、庁内の関係課で、執務スペースの確保について話し合いを進めてまいりました。その中で、おなり子どもの家の課題解決、また執務スペースの確保のため、旧図書館を解体、整備することとしたわけでございますけれども、旧図書館は教育財産でございますので、当然その会議には教育部に出席してもらっていました。その会議の中では、それまでも市税を投入して保存していくというような積極的な方針がない中で、会議の中では、安全性と、本庁の執務スペース不足の解消について話し合いがされまして、特にその中で、文化財的価値についての話し合いというのはございませんでした。
 実際の財産処分の意思決定の手続でございますけれども、教育財産ということで、教育委員会に対しまして、財産の所管がえを依頼して、教育委員会定例会の議案として提出をされ、その後、教育財産の用途廃止をする旨の通知を、市長宛てに教育委員会からいただいているという経過でございます。
 
○前川 委員  今の吉岡委員の質問、もう少し深く突っ込んでしまったのかもしれないけど、そこのところ、教育委員会でも、それほど思い入れはないと言ったらあれですが、申し送りがなかったというところで、普通財産になったということですよね。そこは確認させていただきましたけれど、プレハブでということも非常に問題になっているということなんですが、プレハブで子どもの家をというのは、どれぐらいの期間を考えていらっしゃるんですか。
 
○管財課長  おおむね7年を見込んでおります。
 
○前川 委員  その7年の根拠って何なんでしょうか。
 
○管財課長  今、公共施設の再編整備計画をやっておりますので、平成28年度に方向性がある程度出るということで、子どもの家や子ども会館については小学校に併設するということもございますので、2年で、例えば平成28年度までで、子どもの家がすぐできるということではございませんので、その辺も踏まえて7年ということで、一応レンタル方式で考えているところでございます。
 
○前川 委員  7年を見込んでいるということですけれども、それはわかりました。未来永劫、プレハブであるつもりはないだろうというのはもともとわかっていて、多分公共施設再編のことだろうと思いましたけれど。
 さっき長嶋委員がおっしゃっていたこと、私もお願いしたいと思いますが、最終的に市長にお聞きすることなんだと思うんですが、間島さんという方は本当にすばらしい方で、今まで、私財を投じて鎌倉に図書館をつくってくださる、しかも御自分の家を潰して売ってつくってくださるという本当にすばらしい方で、改めてこの陳情を読んで感謝するところなんですけれども。
 ただ、それはそれで非があるということですけれども、今後の判断は別として、私、近隣の方で、講堂は別だとさっき陳述者の方がおっしゃってましたが、さっきの歴史文化交流センターと同じで、近隣の方はどういうふうに思っているのか。私はこれを残すのというような意見も受けとめている部分があるんです。ですから、みんなでテーブルをというのは私も賛成でして、皆さんは一体どういうふうに思っているのか。今、本当に熱心に署名運動をされて、私も全部読ませていただいておりますが、広範囲にわたった方の御意見がたくさん書かれていて、そんなに思い入れをしていただいているんだということは承知しているんですが、近所の方、ここを卒業した方もいらっしゃるわけですよね。御成小学校を卒業していて、この辺をよくわかっている方たちがどういうふうに思っているかということを、一回アンケートというか、テーブルをつくるということをされたほうがいいと思っているんですけれど。多分そういうお声は届かないのか、ないのか、サイレントマジョリティーと言いますけど、まさにそれになっている部分がないかなと思っているんですが。
 
○内海[正] 総務部次長  先ほどの長嶋委員の御質問の内容と答弁が重なってしまうかと思いますけれども、先ほど管財課長が申し上げましたとおり、私どもとしたら、補正予算の議決というのをまずは重く受けとめてございます。
 前回の陳情の際に継続審査となりまして、住民の方、陳情者の方の意見を聞くようにという御指摘もございましたので、まずお話し合いをという話をしたところ、見学会を実施させていただきたいという御要望がございました。その御要望にお応えして、見学会を実施させていただきました。その後、今度は調査をさせてほしいということで、日程調整をさせていただいて、5月の土日の2日間に調査をしたということが、これまでの対応ということで、まだその皆さんとの話し合いのテーブルというところまでは行ってないのが実情でございます。
 ただ、仮に、例えば陳情が採択されて、そういう方向にということであれば、次のステップとしてはそういうこともあり得るんだろうなとは思いますので、現状としては、まだそこの段階まで行くことではなく、今、陳情者の御要望にお応えをして中間報告が出ているという、そういった段階でございます。
 
○前川 委員  次のステップなんだということはわかりました。とにかく、その見学会をというときも、名簿をとられたかどうかはわかりませんけれども、本当に近い方が見にいらしているかどうか、確認されているかどうかというのは今は聞きませんが、そういうことがあるんだということを頭に入れていただいて、次のステップだということであれば、次のステップにぜひしていただきたいと思いますがよろしいでしょうか。
 
○内海[正] 総務部次長  この場で答弁というのもあれなんですが、補正予算が認められたというのは重く受けとめていますので、この陳情の結果いかんによってはそういうこともあり得るんだろうなとは考えております。
 
○前川 委員  わかりました。これ以上はやめます。
 
○河村 委員  確認だけさせていただきたいと思います。先ほど陳情者の方からも、行政だけに頼るんじゃなくて、寄附をしてもいいというお話もあった中で、コスト感だけ確認しておきたいなと思いまして。実際に補強工事、調査費等で多額になるという御答弁があったと思うんですけども、大体どれぐらいに捉えてらっしゃるんでしょうか。
 
○管財課長  現状で、補強工事のための見積もり等は徴しておりませんので、実際、補強ということになりますと、今後見積もり等を徴さないと、はっきりした金額については御答弁申し上げることは、現状ではできないということです。
 
○河村 委員  そんな中で、なぜ多額という言葉が出てきたんですか。そこがよくわからないんですけれども。てっきり、その辺もある程度つかんでいるというか、今までたくさんやってらっしゃったであろうから、そういうふうにおっしゃったのかと思ったのですが、そこのところどうなんでしょうか。
 
○建築住宅課担当課長  今、委員から、解体の費用とか設計費用ということの中で、どういうつかみをしているかということの御質問なんですが、平成10年に御成小学校の講堂の解体調査費ということで、文建協で、概算なんですが、おおむねの調査を出している経過がございます。その数字を御紹介させていただきますと、解体工事の設計費用の設計図書作成で412万8,000円、解体工事監理・調査費が426万円、組み立て工事設計図書作成費で713万3,000円、組み立て工事監理費で703万9,000円、修理工事報告書作成費で840万4,000円、そのほかに特別経費としまして、構造の補強設計費として670万6,000円ほどの金額が出されておりまして、合計で、当時の消費税が5%なんですが、その数字、5%の消費税を入れて3,900万円ですから、今のお金にしますと4,000万円を超える数字になろうかと思っております。構造とか規模は違いますが、手間はほとんど変わってこないのかなと思っていますので、それに近いお金が必要なのかなと思っております。
 
○河村 委員  わかりました。そうすると、ランニングで維持していくというのはどれぐらいかかるのか。用途にもよるでしょう。ただ保存するのか、目的に合った保存方法というのあると思いますけど、今と同じような感じで、ニュアンスでわかれば教えていただけますか。
 
○建築住宅課担当課長  ランニングコストについては、はっきりした数字を出しているものはございません。ただ、御成小学校の校舎、木造第1号棟を改築して建てかえておりますので、その外壁も、2号棟、3号棟と違いまして、無垢の下見板を使っておりますので、そういった兼ね合いからすると、2号棟、3号棟より、1号棟は先に外壁塗装なんかの手を入れる必要があったということはお伝えさせていただきます。要するに、古い建物をそれなりに維持していくためには、それなりのお金がかかるということです。
 
○河村 委員  わかりました。それなりということですね。何となく、予算感というのも知っておきたいということで確認だけさせていただきました。質問は理事者のほうでということで、よろしくお願いします。
 
○永田 委員長  それでは、原局への質疑はここで打ち切らせていただきます。
 改めて、理事者質疑の確認ですが、中澤委員、長嶋委員からということ、河村委員は御答弁次第でということですね。出席については、松尾市長お一人ということでよろしいですか。
 
○三留 議会事務局長  通常の理事者質疑でありますと、所管の副市長も同席する形となりますので御確認ください。
 
○永田 委員長  よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 
○永田 委員長  確認いたします。それでは理事者への申し入れ等を行いますので、暫時休憩をさせていただきます。
             (17時56分休憩   18時05分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
 松尾市長、そして両副市長に御出席をいただきました。お忙しい中、ありがとうございます。それでは、理事者に対する質疑を始めさせていただきます。なお、答弁は座ったままで結構でございます。
 
○中澤 委員  今の第4分庁舎かな、子どもの家を移していますよね。旧図書館から移しているんですけど、その判断は誰がしたんでしょうか。
 
○松尾 市長  最終的には私がしました。
 
○中澤 委員  そのオープンのとき、僕も見に行っていて、子どもの家って、僕は10年役員をやっていたんです。だから内容はよく知っているんです。当時の経過についても、当時お母さんたち、お父さんたちからいろいろ話を聞いているので、よく知っているんです。
 そもそも論で、それがだめだからということで移して、予算をとって移しました。去年の12月に解体しますよという補正予算を出してこられましたよね。議会側は賛成しています。出すという判断は誰がされたんですか。
 
○松尾 市長  私です。
 
○中澤 委員  そうすると、全て市長が判断して、子どもの家の移転に伴う内部の改装費等々についても、当時補正だったかな、出てきて、それを議会側も賛成して工事をして、子供たちは移っています。あそこも待機児童になっちゃっている。足らないですよね。今回の解体についても、12月定例会で、僕も相当質疑をやったんです。お忙しいから聞いているかどうかはあれなんですけど。何をやったかというと、教育部では、耐震診断をやっていませんと。経営企画でも耐震診断はやっていませんと。では、そのしないという判断はどっちがしたのという話の中で、なすり合いをやってるんです。それは当時の議事録で、きちんと僕は言っていますけど。
 その中で、結果的に、市民の方に十分説明もないまま、急遽という話の中で、私は、市民の方にきちんと説明をしてくださいという意見は申し上げました。だけれども、壊すという予算には、僕は賛成しました。議会側というのは、先ほど申し上げたんですけど、補正予算等々についての修正議案の提出権というのはない、できないというのが一般の通説なんです。そうすると、判断は市長がやるしかないんです。当初の計画よりもどんどんずれ込んできていて、緊急性があるから、補正予算で12月定例会に出されたんですよね。補正予算ってそういう位置づけですよね。今必要だから補正で出すわけですよね。継続費になっていますけど。それが何で今になって、その判断がつかないで、市長があの建物を残すという判断も、これはありだと思います。壊すという判断もありだと思います。だけど、壊すというものについては議会がもう承認しているんだから、了承しているんだから、議決というもので。ボールは全部市長にしかないんです。
 陳情をいただいていますけれども、その陳情に対して、保存してくださいと陳情に賛成したら、整合性がとれなくなってくるわけです。壊しなさいって自分たちが議決したんだから。そうなると市長が本当に決めるしかないんです。それをいつまでに決めるのか。12月定例会の補正なんだから、これをまた夏まで、9月までと言うんだったら、何で12月定例会で補正を出したのという話になってきちゃうわけです。だから、いつまでにその決断を下すんですか。今回、陳情は陳情なんですけども、あそこを残すのか、それとも取り壊すのか。だって取り壊さないと、おなり子どもの家が足らないですよね、人数。待機になっているんだから。そこはいつ判断を下されるんですか。今回の補正で通したこの執行は、いつをリミットとして判断されるお考えですか。そこだけ確認させてください。
 
○松尾 市長  12月定例会で補正予算の議決をいただきまして、そういう意味では、進めるための予算をお認めいただいたということが、執行ができていないということについては、大変申しわけなく思います。
 その後、住民の方々から御意見等出されまして、現地も見学をさせていただきたい、そして調査もしたいということで、その調査の中間報告が出され、今後最終的に報告をいただけるという流れになっています。そういう中においては、そしてきょうの陳情者の答弁にもございましたけれども、費用負担の面についてもいろいろ御検討いただいているというお話がございました。そういう意味で、私としても、この点について、そうした方々の思いも受けとめまして、慎重に進めさせていただいているところです。
 いつまでというところでございますけれども、今そうした流れの中で、報告書をいただけるのが7月という流れになっておりますので、それをいただいて、市としても全体、これまでは費用対効果の面で、なかなか市としては費用をかけて保全していくということは難しいという判断を一度しておりますけれども、住民の方々が相応の費用負担ということも検討していただいているという中においては、そこも含めて、最終的にどのように方向性を出していくかということを決定していきたいと考えておりまして、ですので、いつまでも時間をかけてということではなくて、今、流れの中でいけば、7月の報告をいただいて、その後判断をしていくと考えています。
 
○中澤 委員  手順が違うのは、12月定例会のときに、耐震工事も後でやるべきじゃないかと言ったんです。だけども、もう取り壊すからやりませんと。政策会議で決まったのか何だったか。そのときも、市民の方に周知はしたんですかといったら、していませんと。本来はそれが先で、市民の方がそういうものを知り得る状況にあったら、今回のような動きが12月定例会の補正の前に、もしかしたらあったかもしれない。実際に、知っていたらやったというお話も伺ってます。そういうことがあったのに、そういう場があったのに、議会に対して補正で取り壊すと決めて、市長が決断をして、補正予算で出してきているわけじゃないですか。それを、7月に市民の方から調査報告をいただく、その費用負担の話も出てきた。それは本末転倒な話で、市民の方がお金を出したら、市民の方に費用負担を負わせてやるんですか。そうじゃないですよね。もともといろんな計画をきちんと練った上で、その前に、子供たちが3・11で危ないからと言って、今のところに移して、移したら待機児がいて、それで今のところにプレハブでつくって、そこに移して、その後はどうしようかという計画がある。だけど、今までの流れからすると、もう本当にタイムリミットというのは、そんなにないですよね。市民の方から報告書を出していただける、その後に、1カ月かけました、2カ月かけました、9月定例会までにというタイムリミットはもうないですよね。だから、何日という明言はできないでしょうけど、だけども7月中に出していただけるというんだから、そのまま保存を決定するのか、取り壊しの予算を執行するのかという判断は、せめて、夏休みとは言わないですけど、7月いっぱいぐらいまでにはやっていただけるんですか。そうじゃないと、またすぐお盆になっちゃって、すぐ9月になってしまう。リミットというのは7月いっぱいぐらいまでを、市長の頭の中では想定されてますか。それすらもまだ想定できない状況でしょうか。そこを教えてください。
 
○松尾 市長  中間報告をいただいている中では、市での確認をしている事項で、全く一致するところもあれば、多少そごがあるようなところもございます。そのあたりは、専門的にも確認をしていかなければならないことですとか、もしくは、仮に保全をするということにしても、さまざまな手法も考えられると思っています。そこにいたずらに時間をかけるということではございませんけれども、今の置かれている状況の中で、できる限り住民の皆さんにも御理解をいただけるような形を見出してまいりたいと現時点では考えているものですから、そういう意味でのお時間というのは、1カ月、2カ月という中でどこまでできるかというところでございますが、明確な時期というところまでは申し上げられないというのが実情です。
 
○中澤 委員  補正予算を出した責任がありますよね。さっき寄附を受けた責任も言いましたけど、補正予算を出した責任というのはどこにいっちゃうんですか。そんな軽々に補正予算を出しちゃうんですか。補正予算というのは、当初予算にはない緊急性がある、今必要だから補正して出すわけですよね。だって、12月定例会の段階で必要だったんじゃないんですか。今のお話だと、確かに、例えば7月31日までに結論を出しますと、それは出てきた内容について精査しなければならない、専門的な方に意見をいただかなければならない、それは理解できます。
 だけど、どっちにしろ決断をしなきゃならないわけじゃないですか。だけど、補正予算を出した責任があって、子供たちが今のところじゃ危ない、危ないから今の第4分庁舎に移した、その責任もあるわけです。そういう責任をとらないということ自体が、今回のようなことを招いているわけです。補正予算を出す段階で、そもそも耐震診断ぐらいやっておけばよかったわけ。結果論、後の祭りですけど、それすらもやらないで突っ走ったんだから、そのときに。どっちが耐震診断をやらないって決めたんですかと言ったら、経営企画部と教育部でなすり合っているんだから、次長同士で。
 だから、お願いですけど、早く決断をしてもらわないと、残すんだったら残すで、市民の方だって、先ほど陳情提出者の方が、これから募金を集めますと。その動きだってあるでしょう。もしくはもう保存しないって決断をするんだったら、募金を集めたって、それはどこに行ってしまうのという話になってしまうじゃないですか。そう簡単に、市民の方はお金を集めてくれますかって、そんな議論じゃないんで、とにかく早目の決断をお願いしたいということだけ申し上げておきます。
 
○長嶋 委員  今、中澤委員からもありましたけど、私はそもそも補正予算を出すに当たって、原課からこういうことでやりますと上がってきて、説明を受けてこうですと言われたときに、市長は、それを解体するべきじゃないというような御意見というのは、私は容易に想像できる、洞門の件もそうですけど、容易に想像できると思うんですけど、そういうことは全く感じませんでしたか。解体してしまうということで提案したら、今の陳情のような御意見が出てくると。そういうふうには思いませんでしたか。
 
○松尾 市長  その時点での判断におきましては、同じところにあります旧講堂と私の中で比較をしたときに、旧講堂については住民の方々が連名で声を上げて、そうした意味での御意見というのも伺っているところでした。しかしながら、旧図書館については、これまでも、老朽化してきているという中で、市で活用しているという中で、子どもの家として使っている保護者の方々から、もう危ないんじゃないかという訴えを受けて、緊急避難的に第4分庁舎に移したわけなんですけれども、そうした一連の流れの中で、特にあの建物について何とか守っていくべきだというようなことは、私としてはなかなかお聞きする機会もこれまでなかったものですから、貴重な建築物、歴史のあるものだということは認識をしていながらも、そのあたり、私の判断としては、大きな声になっていくというところは、認識としては不足していたというのが正直なところです。
 
○長嶋 委員  父兄の方から危ないんじゃないかという御意見は聞いていたと、今そういうお話もありましたけど、それで陳情が出て、こういう今の流れになっているわけですけれど、私から個人的に御提案もしましたけれど、この際、もう一度どうしたらいいのかという判断をするために大きなテーブルを設けて、父兄の方々もちろんいらっしゃいます、近隣の自治会の皆さんとか、御近所お住まいの方々、私は子供たちにも聞いてほしいと思っておりますけれども、子どもの家が特に話の中心になっていますけど、私も市長が判断するしかないと思っているんですが、大きなテーブルを設けて、皆さんの御意見、いろんな方、いろんな御意見があって当然いいんです。賛成、反対とか、中間的な方もいらっしゃいます。活用についても、いやいやそうじゃない、ほかのものに使ったほうがいいんじゃないのという御意見もあると思います。あとは行政側の都合というのもあると思いますけど、ほかの人が何を思っているかとか、そういうのも相互に聞いて、話をして、そういった中で市長は判断したほうが私はいいと思うので、そういうテーブルを設けたらどうですかと申し上げたと思うんです。ですけど、先ほど原課から聞いても、そういうことは一切やっておられないということで、ここに至っては、子供たちの父兄の方の存在はどこか行っちゃってますし、御近所の方とか自治会の役員の方の存在もどこか消えちゃってますし、あとは、あそこにずっと行かれてて活用されていた方々も、小学校のOBの方とかも、いろいろな方がいらっしゃると思いますけど、私はサイレントマジョリティーと言ってますけど、そういう方も含めてやらないと、決めごと、民主的じゃないと思うんですけど、なぜ、市長は今に至ってやられてないんでしょうか。私、提案したと思うんですけど。
 
○松尾 市長  議員からのそうした御提案というのはいただいたところです。一堂に会してという手法は十分認識をしているところでございますけれども、私としては、今現在こうした状況の中において、それぞれの子どもの家の父兄の方々ですとか、こうした旧図書館を保全していくという方々の、まずはそれぞれの御意見を受けとめさせていただくということだろうと思っています。保護者の方には、私は直接お会いしてなくて、担当に、十分保護者の方の御意向を吸い上げてほしいということを指示しているところですけれども、そうした中で、それぞれの御意見をまずは受けとめて、議決をいただいている中でございますから、そこが基本的には話の軸にはなるんですけれども、ただ、そういう中で、私としてもより広く、この課題について関心を持っている方々に御意見を伺う、また一堂に会してということは、今後検討してまいりたいと思っています。
 
○長嶋 委員  検討じゃなくて、やっていただきたいと思います、私としては。対話ということも私はずっと言っていますし、市長は重々おわかりだと思います。それがなぜ効果があるかとか。市長が意見を吸い上げるだけじゃなくて、皆さんお互いで、ほかの人が何を考えているのか、双方、自分と違う意見があって別にいいんですから、それをお互い聞いた中で、市長がそれで判断をすれば、そういう話し合いがないよりは、はるかに皆さんの理解は得られると思うので、市長だって、なかなか決めていただけないので迷走しちゃってるわけで、職員の皆さんだって困っちゃうわけで、何かというとそういうスペースの話をすると、みんな図書館のところがとまってるからできないんですよと、職員がみんな言いわけで、ほかの案件ですけど、言ってくるわけです。全部その理由で、我々も説明されるんです。それは迷走なんです。もう迷っちゃっているんで。そういうことをやっていただいて、きちっと市長に、早急にと先ほど中澤委員から、すぐやらないといけないと思うんですけどね、やっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 
○永田 委員長  河村委員は質疑は行わないということですので、これで理事者質疑を終了してよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 理事者質疑を終了いたします。
 理事者退出のため暫時休憩いたします。
              (18時26分休憩   18時27分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
 それではまず、平成26年度陳情第58号「旧鎌倉図書館解体についての陳情」のその後の状況についての報告については、了承ということでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 了承と確認いたします。
 次に陳情第9号について、取り扱いを含め、御協議をお願いいたします。
 
○中澤 委員  冒頭に申し上げたんですが、議会とすると、解体ということで補正予算を議決している段階ですので、あとは市長が決めるしかない。だから、陳情については議決不要です。
 
○長嶋 委員  うちの会派としての判断は、継続でお願いします。今いろいろ申し上げたんですけれども、私も、今の段階、予算も通してしまっているので市長が判断するしかないと思っておりますけれど、ただ、先ほども申し上げているとおりで、さまざまな方の御意見を全然聞いていない中でやってもらっては困るんですね。子どもの家の話ということで書かれていますけれども、そういう活用も含めて、これで議会でいいとか悪いとか判断してしまうと、予算との整合性がとれなくなりますので、判断は今ここでするべきではないと思っておりますので、継続でお願いします。
 
○吉岡 委員  うちの会派としても継続でお願いします。先ほども質疑したんですが、最初の段階で、耐震性がないとか、いろんな陳情で出されている中身について、何も検討してないというところが一番問題で、ただ、市民の方が熱意を持って出してくださっていることに対して、市は何も公的にやってないと。私たちも補正予算で決めているということもありますし、ただこういう現状の中で、この問題も含めて、きちっと判断していただきたい。これは市長が判断するべきだと思いますので、そういう点では、陳情に対しては継続ということにさせていただきたいと思います。
 
○河村 委員  当会派は、これまでの流れの中でいろいろありましたが、中澤委員からもありましたように、整合性をとっていくというところからも、私は議決不要と判断していきたいと思います。市長に委ねられているというところから、そういうふうに判断をさせていただきました。
 
○前川 委員  私の会派では継続という形でお願いします。もちろん議決をしておりますので、その整合性のお話は、非常に複雑な問題でございます。先ほどからお話がいろいろとあったと思いますけれども、いろんな資料をいただきましたけれども、さっき申し上げましたが、違う声もあるということで、その声も聞いていただきながら、今後どういうふうに判断するかは、市長にしていただかなければならないと思っております。保存、活用ですけど、保存だけが長い時間かかってしまうのは、鎌倉市として、それはまた違うのではないかと思っておりますので、保存と活用ということで、もし判断されるのであればしていただきたいと思っております。他市に行くとつくづく思いますが、鎌倉市はスペースが少ないので、大切なスペースですので、そこのところをよく判断していただきたいと思っております。
 
○保坂 副委員長  冒頭、中澤委員が指摘された、補正予算を通したということの重さというのは、重々に受けとめたいと思います。私たちの会派は、補正予算については、附帯決議等の提案はしませんでしたけれども、歴史的、文化的価値を大事にしたいという、たくさんの市民の思いを受けとめた対応を求めるというような意見はつけております。けれども、一応補正予算は賛成ということで態度表明しているわけです。ただ、その後、今回も示していただいているこの建物についての中間報告が出ていて、これは大変大きな意味を持つ展開だなと思っております。
 ただ、これは中間報告であって、先ほど市長が答弁で御答弁された最終報告は7月ということなので、それを受けて判断しますと答弁をされたので、それを待って、市長の判断ということになるかと思います。ですので、うちの会派としては継続としたいと思います。
 
○永田 委員長  ただいま皆様に、取り扱いを含め御意見を開陳していただきましたが、2名の方が議決不要、4名の方が継続ということで、本陳情については継続審査とさせていただきます。
 暫時休憩をいたします。
             (18時33分休憩   18時35分再開)
 
○永田 委員長  再開いたします。
    ───────────────────────────────────────
 
○永田 委員長  追加日程「職員のコンプライアンスについて」を議題といたします。質疑からとなりますが、御質疑はございますか。
 
○中澤 委員  まず伺いたいのが、鎌倉市がいろんなイベント、お祭りを含めて、これの事務局をやっているケースがあると思うんですが、これ、列挙できますか。
 
○奈須 市民活動部次長  市民活動部所管の地元の行事といいますと、例えば大船まつりであったり、深沢まつり、玉縄まつり、それと腰越では義経まつり、みなとまつり、このようなものが主なものでございます。
 
○中澤 委員  市が事務局をやっているお祭りの中で、情報公開をとったんです。そうしたら、あるお祭り、これは市が事務局ですけど、あるお祭りで、議員の名前が出ていて、しかも寄附になっているんです。寄附者として名前が出ちゃっているんです。僕ら議員は寄附行為は選挙区内においてはできないです。一方、もらうほうもだめなんです。これはどうなんでしょう。もらっちゃっているのは事務局、確かにお祭りの事務局を市がやっている。だけど、情報公開を出して、決算書、予算書に出てくるということは、これは行政文書の中に出てくるんですよね。そうすると明らかに市が直接関与しているということですよね。そうなると、市が議員からの寄附を受けたということにつながってくる可能性があるんです。これは、それを了承した上で受けているんですか。
 
○花岡 腰越支所長  先ほど次長から、各地区におけるお祭りの内容についての説明がありましたけれども、特に腰越地域におきましては、長年にわたり、あくまでも自主的な運営、本来のお祭りの主体的な運営については、各地域の腰越地区の町内会長を初めとする団体の代表者の方々が実行委員となりまして、その中で運営するんですけれども、特に腰越地域におきましては、当日までに至るお膳立てといいますか、関係書類とかそういった書類一式の作成とか、そういったものを担っているところでございます。ただ、あくまでも運営については実行委員会が運営すると。それのお手伝いという形で事務局がかかわっております。
 
○中澤 委員  お手伝いというレベルの話ではなくて、情報公開請求を出すと出てくるんです。行政文書の内容について、僕が出したのは、予算書、決算書、芳名がわかる書類全てというので出したら、きちんと出てくるということは、これがきちんと鎌倉市のパソコンに入力されているわけです。行政文書として存在しているわけです。そうなると、単なるお手伝いじゃないですよね。他のいろんなイベントあります。普通職員が休暇をとって手伝いに来ている、休みの日に手伝いに来ている。今回のこのお手伝いというのは、就業時間内なんですか、就業時間外なんでしょうか、どっちでしょうか。
 
○花岡 腰越支所長  就業時間内で行っております。
 
○中澤 委員  そうなると、明らかに、職員が寄附を受けている。職員というか、市が寄附を受けているわけですよね。そうすると、そう簡単にいかないですよね。まして、これを見ると、この予算案の中にも寄附金というのがあって、それから、これは前年度も同じくやっているんでしょう、決算の中にもきちんと寄附金の項目の中で、きちんと個人名が出てるんです。この個人名を入力したのだって職員ですよね。勤務時間内に入力しているんですよね。そうなると、関係ありません、お手伝いレベルという話でもないですよね。明らかに直接利害人ですよね。
 
○松永 市民活動部長  市民活動部所管で、地元の行事等で、地元組織との連絡、協調という所掌事務として事務局を担ってきているというケースはございます。ただ、実態は明確に答弁できないんですけども、あくまでも市としてお手伝いではなくて、協調して地元の実行委員会等の決算資料の作成ですとか、そういったような仕事は、これは手伝いというのではなく、業務としてかかわっておりますけれども、ただ、そのイベントの予算のつくり方ですとか、お金の収支、そういったところの実態は、余りかかわりがなかったというような自覚で、事務処理を進めてきたということでございます。
 
○中澤 委員  これは、法的な問題は当然クリアしてやっていますよね。法的なものは理解された上で、事務処理をやられてきてますよね。どうなんでしょうか。
 
○松永 市民活動部長  今、中澤委員から御指摘ありましたとおり、今回、情報公開請求に当たりまして、平成27年度以降の義経まつり及びみなとまつり、資料一式を求められた中で、事務局が先ほど説明しましたとおり、作成してきた平成24年度、26年度の実行委員会の決算書の資料の中に、市議会議員の方の名前と金銭の受領記録があること、また、平成24年度ののし袋には会費という記載があったことは確認しております。ただ、その行為が寄附行為に当たるのか単なる会費なのか、その辺の法的な整理はまだしていないというところが実情でございます。
 
○中澤 委員  これ、事前に調整しているわけじゃないんで、情報公開請求で出してきて、今ぽんと質問しているんで、これ、しゃれにならない話なんです。確かに渡したほうは渡したほうの時効の問題で3年、受けたほうというのは、たしか間違いないと思うんですけど、5年なんです。受けたほうがまずいわけなんです。これは一回、法的な整理をきちんとして答弁をしてもらえますか。
 
○永田 委員長  中澤委員が今持たれている資料等をすり合わせというか、きちっと調整をしたいということでよろしいですか。
 
○松永 市民活動部長  今、公職選挙法上の疑義があるというような形での指摘だと思いますけれども、実行委員会での経過ですとか、どういうような経過でその授受があったのかというような調査ですとか、その辺を全部整理した上で、その辺の事案が公職選挙法でどのような形の位置づけになるかというのは、職員レベルというよりは法制、あるいは弁護士の見解を伺わないと、解釈は、この場ですぐ即答しろと言われても難しいというのが実情でございます。
 
○中澤 委員  僕は、担当弁護士の見解、それから司直にもきちんと相談して見解もとっているんで、行政側は行政側で論拠を詰めていただけますか。
 
○永田 委員長  今回は日程追加ということで中澤委員から発議があってやったということで、特に質問の内容というか、何もお話しされていなかった中でしたので、これで一旦調整というか、いろいろとお話をしていただいて、調べていただくところは調べていただくというような形になるかと思うのですが、委員の皆さん、よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認いたします。
 総務常任委員会を休憩します。



 以上は、会議の顛末を記録し、事実と相違ないことを証する。

   平成27年6月25日

             総務常任委員長

                 委 員