平成24年 9月定例会
第1号 9月 5日
○議事日程  
平成24年 9月定例会

          鎌倉市議会9月定例会会議録(1)
                                   平成24年9月5日(水曜日)
〇出席議員 27名
 1番  千   一   議員
 2番  西 岡 幸 子 議員
 3番  飯 野 眞 毅 議員
 4番  伊 東 正 博 議員
 6番  中 澤 克 之 議員
 7番  長 嶋 竜 弘 議員
 8番  石 川 敦 子 議員
 9番  久 坂 くにえ 議員
 10番  渡 辺   隆 議員
 11番  納 所 輝 次 議員
 12番  岡 田 和 則 議員
 13番  渡 邊 昌一郎 議員
 14番  高 野 洋 一 議員
 15番  小田嶋 敏 浩 議員
 16番  安 川 健 人 議員
 17番  三 宅 真 里 議員
 18番  太 田 治 代 議員
 19番  山 田 直 人 議員
 20番  中 村 聡一郎 議員
 21番  大 石 和 久 議員
 22番  前 川 綾 子 議員
 23番  池 田   実 議員
 24番  吉 岡 和 江 議員
 25番  赤 松 正 博 議員
 26番  高 橋 浩 司 議員
 27番  石 川 寿 美 議員
 28番  松 中 健 治 議員
     ───────────────────────────────────────
〇欠席議員  なし
     ───────────────────────────────────────
〇議会事務局出席者
 事務局長        讓 原   準
 次長          花 岡 邦 彦
 次長補佐        鈴 木 晴 久
 議事調査担当担当係長  成 沢 仁 詩
 書記          木 村 哲 也
 書記          木 田 千 尋
 書記          窪 寺   巌
 書記          笛 田 貴 良
     ───────────────────────────────────────
〇理事者側説明者
 番外 1 番  松 尾   崇  市長
 番外 2 番  瀧 澤 由 人  副市長
 番外 3 番  大 谷 雅 実  副市長
 番外 5 番  相 川 誉 夫  経営企画部長
 番外 8 番  廣 瀬   信  総務部長
 番外 9 番  嶋 村 豊 一  防災安全部長
 番外 10 番  小 礒 一 彦  市民活動部長
 番外 11 番  相 澤 達 彦  こどもみらい部長
 番外 12 番  佐 藤 尚 之  健康福祉部長
 番外 16 番  山 田 栄 一  都市整備部長
 番外 18 番  高 橋   卓  消防長
 番外 19 番  熊 代 徳 彦  教育長
 番外 20 番  宮 田 茂 昭  教育部長
 番外 22 番  井 上   基  監査委員
 番外 62 番  三ツ堀   弘  監査委員事務局長
     ───────────────────────────────────────
〇議事日程
               鎌倉市議会9月定例会議事日程(1)

                                平成24年9月5日  午前10時開議

 1 諸般の報告
 2 会期について
 3 一般質問
 4 報告第6号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る  ┐
         専決処分の報告について                  │
   報告第7号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の  │
         額の決定に係る専決処分の報告について           │
   報告第8号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の  │市 長 提 出
         額の決定に係る専決処分の報告について           │
   報告第9号 継続費の精算報告について                 │
   報告第10号 平成23年度決算に基づく健全化判断比率の報告について    │
   報告第11号 平成23年度決算に基づく資金不足比率の報告について     ┘
 5 議案第23号 平成24年度鎌倉市一般会計補正予算に関する専決処分の承認   同     上
         について
 6 議案第24号 市道路線の廃止について                  ┐
                                      │同     上
   議案第25号 市道路線の認定について                  ┘
 7 議案第26号 工事請負契約の締結について                 同     上
 8 議案第27号 不動産の取得について                    同     上
 9 議案第30号 市有地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償   同     上
         の額の決定について
 10 議案第28号 緑地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の   市 長 提 出
         額の決定について
 11 議案第29号 緑地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の   同     上
         額の決定について
 12 議案第41号 鎌倉市暴力団排除条例の一部を改正する条例の制定について   同     上
 13 議案第38号 鎌倉市公共施設再編計画策定委員会条例の制定について    ┐
                                      │同     上
   議案第40号 鎌倉市名誉市民条例等の一部を改正する条例の制定について  ┘
 14 議案第42号 鎌倉市障害児活動支援センター条例の一部を改正する条例の  ┐
         制定について                       │
   議案第43号 鎌倉市子ども会館条例の一部を改正する条例の制定について  │
                                      │同     上
   議案第44号 鎌倉市子どもの家条例の一部を改正する条例の制定について  │
   議案第46号 鎌倉市教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条  │
         例の一部を改正する条例の制定について           ┘
 15 議案第45号 鎌倉市廃棄物の減量化、資源化及び処理に関する条例の一部   同     上
         を改正する条例の制定について
 16 議案第39号 鎌倉市深沢地区まちづくりガイドライン策定委員会条例の制   同     上
         定について
 17 議案第47号 平成24年度鎌倉市一般会計補正予算(第4号)         同     上
 18 議案第49号 平成24年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2  ┐
         号)                           │同     上
   議案第50号 平成24年度鎌倉市介護保険事業特別会計補正予算(第2号)  ┘
 19 議案第48号 平成24年度鎌倉市下水道事業特別会計補正予算(第2号)    市 長 提 出
 20 議案第31号 平成23年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について    ┐
   議案第32号 平成23年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定に  │
         ついて                          │
   議案第33号 平成23年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特  │
         別会計歳入歳出決算の認定について             │
   議案第34号 平成23年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の  │同     上
         認定について                       │
   議案第35号 平成23年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決  │
         算の認定について                     │
   議案第36号 平成23年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定  │
         について                         │
   議案第37号 平成23年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算  │
         の認定について                      ┘
 21 議員の派遣について
     ───────────────────────────────────────
〇本日の会議に付した事件
 1 諸般の報告
 2 会期について
 3 一般質問
     ───────────────────────────────────────
                鎌倉市議会9月定例会諸般の報告 (1)

                     平成24年9月5日

1 9 月 5 日 市長から、次の議案の提出を受けた。
  報 告 第 6 号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分の報告について
  報 告 第 7 号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分
          の報告について
  報 告 第 8 号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分
          の報告について
  報 告 第 9 号 継続費の精算報告について
  報 告 第 10 号 平成23年度決算に基づく健全化判断比率の報告について
  報 告 第 11 号 平成23年度決算に基づく資金不足比率の報告について
  議 案 第 23 号 平成24年度鎌倉市一般会計補正予算に関する専決処分の承認について
  議 案 第 24 号 市道路線の廃止について
  議 案 第 25 号 市道路線の認定について
  議 案 第 26 号 工事請負契約の締結について
  議 案 第 27 号 不動産の取得について
  議 案 第 28 号 緑地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定について
  議 案 第 29 号 緑地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定について
  議 案 第 30 号 市有地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定について
  議 案 第 31 号 平成23年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について
  議 案 第 32 号 平成23年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定について
  議 案 第 33 号 平成23年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計歳入歳出決算の認
          定について
  議 案 第 34 号 平成23年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
  議 案 第 35 号 平成23年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定について
  議 案 第 36 号 平成23年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
  議 案 第 37 号 平成23年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定について
  議 案 第 38 号 鎌倉市公共施設再編計画策定委員会条例の制定について
  議 案 第 39 号 鎌倉市深沢地区まちづくりガイドライン策定委員会条例の制定について
  議 案 第 40 号 鎌倉市名誉市民条例等の一部を改正する条例の制定について
  議 案 第 41 号 鎌倉市暴力団排除条例の一部を改正する条例の制定について
  議 案 第 42 号 鎌倉市障害児活動支援センター条例の一部を改正する条例の制定について
  議 案 第 43 号 鎌倉市子ども会館条例の一部を改正する条例の制定について
  議 案 第 44 号 鎌倉市子どもの家条例の一部を改正する条例の制定について
  議 案 第 45 号 鎌倉市廃棄物の減量化、資源化及び処理に関する条例の一部を改正する条例の制定に
          ついて
  議 案 第 46 号 鎌倉市教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例
          の制定について
  議 案 第 47 号 平成24年度鎌倉市一般会計補正予算(第4号)
  議 案 第 48 号 平成24年度鎌倉市下水道事業特別会計補正予算(第2号)
  議 案 第 49 号 平成24年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)
  議 案 第 50 号 平成24年度鎌倉市介護保険事業特別会計補正予算(第2号)
2 9 月 5 日 市長から「採択された請願・陳情の処理状況」について報告を受けた。
3 次の陳情については、提出者から取り下げたい旨の届け出を受けた。
  8 月 15 日 平成22年度陳情第48号鎌倉市のハイキングコースの安全対策についての陳情
4 陳情7件を陳情一覧表のとおり受理し、6件を付託一覧表のとおり各委員会に付託、1件を配付一覧表
  のとおり全議員に配付した。
5 7 月 20 日 川崎市において、第218回神奈川県市議会事務局長会議及び平成24年度神奈川県市議会
          事務局長研修会が開催され、讓原局長が出席した。
  7 月 26 日 横浜市において、平成24年度圏央道・新東名等整備促進大会が開催され、伊東議長が
          出席し、讓原局長が随行した。
  7 月 30 日 逗子市において、三浦半島関係議会議長会定例会が開催され、伊東議長及び讓原局長
          が出席した。
  8 月 2 日 横須賀市において、平成24年度三浦半島地域広域幹線道路整備促進期成同盟総会が開
          催され、伊東議長、赤松建設常任委員長及び讓原局長が出席した。
  8 月 6 日 小田原市において、平成24年度第1回湘南地方市議会議長会が開催され、伊東議長及
          び讓原局長が出席した。
6 8 月 30 日 市長から、公益財団法人鎌倉市芸術文化振興財団、鎌倉市土地開発公社及び財団法人鎌
          倉市公園協会の平成23年度事業・決算報告書の送付を受けた。
7 監査委員から、次の監査報告書の送付を受けた。
  7 月 9 日 平成23年度平成24年4月分及び平成24年度平成24年4月分例月現金出納検査報告書
  7 月 20 日 世界遺産登録推進担当事務監査報告書
     〃    環境部(環境政策課、ごみ減量・資源化推進担当、資源循環課、環境施設課、環境保
          全課、環境センター)事務監査報告書
     〃    教育部(教育総務課、学校施設課、学務課、教育指導課、教育センター、中央図書館)
          事務監査報告書
     〃    市立小・中学校(西鎌倉小学校、稲村ヶ崎小学校、腰越中学校)事務監査報告書
     〃    文化財部(文化財課、鎌倉国宝館)事務監査報告書
  8 月 7 日 平成23年度平成24年5月分及び平成24年度平成24年5月分例月現金出納検査報告書
     ───────────────────────────────────────
                  平成24年鎌倉市議会9月定例会
                  陳 情 一 覧 表 ( 1 )

 ┌─────┬────────────────────┬────────────────────┐
 │受理年月日│   件            名   │    提     出     者    │
 ├─────┼────┬───────────────┼────────────────────┤
 │ 24.8.15 │陳  情│山稜部市道(ハイキングコース)│鎌倉市今泉台6−9─7         │
 │     │第 13 号│の土地境界の確定についての陳情│ボランティア団体 ハイキングクリーン  │
 │     │    │               │代 表   御 法 川   齊     │
 ├─────┼────┼───────────────┼────────────────────┤
 │ 24.8.21 │陳  情│神奈川県放課後子どもプラン推進│横浜市中区扇町3−8−7三平ビル201   │
 │     │第 14 号│事業の県費補助が国庫補助基準を│神奈川県学童保育連絡協議会       │
 │     │    │下回らないように財政措置をする│会 長  小  神  長  次     │
 │     │    │よう県に対し意見書を提出するこ│                    │
 │     │    │とに対する陳情        │                    │
 ├─────┼────┼───────────────┼────────────────────┤
 │ 24.8.23 │陳  情│平成25年度における重度障害者医│鎌倉市寺分448番地市営深沢第5住宅24号  │
 │     │第 15 号│療費助成制度継続についての陳情│鎌倉市腎友会              │
 │     │    │               │会 長  内  海    豊      │
 ├─────┼────┼───────────────┼────────────────────┤
 │ 24.8.29 │陳  情│「鎌倉市岩瀬一丁目における大規│鎌倉市岩瀬一丁目10番1号        │
 │     │第 16 号│模開発事業」についての陳情  │サンヴェール鎌倉岩瀬601         │
 │     │    │               │鈴 木  正 一  外6名       │
 ├─────┼────┼───────────────┼────────────────────┤
 │ 24.8.30 │陳  情│世界遺産登録止めるべきの陳情 │鎌倉市二階堂459−4           │
 │     │第 17 号│               │倉 富  け い 子          │
 │     ├────┼───────────────┼────────────────────┤
 │     │陳  情│国家財政の回復策の陳情    │鎌倉市二階堂459−4           │
 │     │第 18 号│               │倉 富  け い 子          │
 │     ├────┼───────────────┼────────────────────┤
 │     │陳  情│おおふな第二子どもの家を元北鎌│鎌倉市大船3丁目5番1号        │
 │     │第 19 号│倉美術館へ移設することについて│おおふな第二子どもの家父母会      │
 │     │    │の陳情            │代 表  山 崎  朝 子  外257名  │
 └─────┴────┴───────────────┴────────────────────┘

                      付託一覧表 (1)

 ┌─────┬──────┬──────────────────────────────────┐
 │付託年月日│ 付 託 先 │       件                  名       │
 ├─────┼──────┼────┬─────────────────────────────┤
 │ 24.9.5 │総務    │陳  情│世界遺産登録止めるべきの陳情               │
 │     │常任委員会 │第 17 号│                             │
 │     ├──────┼────┼─────────────────────────────┤
 │     │教育    │陳  情│神奈川県放課後子どもプラン推進事業の県費補助が国庫補助基準│
 │     │こどもみらい│第 14 号│を下回らないように財政措置をするよう県に対し意見書を提出す│
 │     │常任委員会 │    │ることに対する陳情                    │
 │     │      ├────┼─────────────────────────────┤
 │     │      │陳  情│おおふな第二子どもの家を元北鎌倉美術館へ移設することについ│
 │     │      │第 19 号│ての陳情                         │
 │     ├──────┼────┼─────────────────────────────┤
 │     │観光厚生  │陳  情│平成25年度における重度障害者医療費助成制度継続についての陳│
 │     │常任委員会 │第 15 号│情                            │
 │     ├──────┼────┼─────────────────────────────┤
 │     │建設    │陳  情│山稜部市道(ハイキングコース)の土地境界の確定についての陳│
 │     │常任委員会 │第 13 号│情                            │
 │     │      ├────┼─────────────────────────────┤
 │     │      │陳  情│「鎌倉市岩瀬一丁目における大規模開発事業」についての陳情 │
 │     │      │第 16 号│                             │
 └─────┴──────┴────┴─────────────────────────────┘

                      配付一覧表 (1)

 ┌─────┬─────┬───────────────────────────────────┐
 │配付年月日│配 付 先│       件                  名        │
 ├─────┼─────┼────┬──────────────────────────────┤
 │ 24.9.5 │全議員  │陳  情│国家財政の回復策の陳情                   │
 │     │     │第 18 号│                              │
 └─────┴─────┴────┴──────────────────────────────┘

                    (出席議員  27名)
                    (10時00分  開議)
 
○議長(伊東正博議員)  定足数に達しましたので、議会は成立いたしました。
 これより平成24年9月鎌倉市議会定例会を開会いたします。
 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
 会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。16番 安川健人議員、17番 三宅真里議員、18番 太田治代議員にお願いいたします。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(伊東正博議員)  日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
 お手元に配付いたしました印刷物のとおりであります。
 ただいまの報告に御質疑ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(伊東正博議員)  日程第2「会期について」を議題といたします。
 お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から9月27日までの23日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、会期は23日間と決定いたしました。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(伊東正博議員)  日程第3「一般質問」を行います。
 質問の順序は1番 前川綾子議員、2番 納所輝次議員、3番 石川敦子議員、4番 渡邊昌一郎議員、5番 西岡幸子議員、6番 岡田和則議員、7番 吉岡和江議員、8番 久坂くにえ議員、9番 中澤克之議員、10番 千一議員、11番 赤松正博議員、12番 石川寿美議員、13番 山田直人議員、14番 渡辺隆議員、15番 飯野眞毅議員、16番 高橋浩司議員、17番 松中健治議員、18番 小田嶋敏浩議員、以上の順序であります。
 まず、前川綾子議員の発言を許可いたします。
 
○22番(前川綾子議員)  おはようございます。今回、私は二つの質問を用意させていただいております。その中で、まず最初に、鎌倉地域の漁港についての質問をさせていただきます。
 この鎌倉地域の漁港については、私は松尾市長が市長に就任されて、すぐの議会で質問させていただいております。3年がたちました。そして、その内容、これまでの3年が、どのように変わってきたか、非常に私は重く受けとめておりまして、このテーマをまた、この3年ぶりに質問を用意させていただきました。
 それでは、鎌倉地域の漁港について質問を始めさせていただきたいと思います。
 鎌倉は三方を緑豊かな山に囲まれ、そして南に海が広がり、温暖な気候に恵まれた自然豊かな町です。このような自然の中で、古くから漁業が営まれ、私たちは海の恩恵を受けてまいりました。鎌倉の海は、古くからの伝統的な沿岸漁業と近代的なマリンスポーツなどが共存しながら、鎌倉の海の環境と生態系が守られてまいりました。
 特に、鎌倉の沿岸環境が保全され、多くの水産資源が維持されてきたことにおける漁業が果たしてきた役割は大変大きいものであると思っております。このような鎌倉の豊かな海を守り、貴重な財産として未来につなげるには、継続的で安定した、そして安全な漁業環境の整理が必要であると考えております。
 さて、鎌倉地域の漁港については、昭和28年に坂ノ下防波堤設置に関する請願が採択されて以来、半世紀以上に及ぶ懸案事項となっています。漁港建設については、それに賛成の立場の方々や反対の立場の方々から、これまでさまざまな御意見をいただいております。市では、平成21年3月に、第3次鎌倉漁港対策協議会を設置し、平成23年3月には、協議会から漁港の位置、規模、機能などについてまとめた答申が市長へ提出されました。
 さらに、漁港建設には市民の合意が必要であることから、市では、より多くの市民の皆様から意見を聞くため、平成23年9月からワークショップを開催し、市民の合意を得るための努力を行っています。
 そのような中で、平成24年6月には、平成23年度鎌倉地域の漁業と漁港に係るワークショップ報告書がまとめられました。
 そもそも漁港については、基本構想策定の方針で進められてきたところですけれども、松尾市長が就任したことで凍結の方針が出され、22年度予算案は基本構想策定に係る経費が盛り込まれないで提案されてしまいました。市議会としては、防災対策上も必要とされる漁港の建設に係る基本構想の策定を施すための修正をした経緯があります。私はその修正予算に賛成をし、そしてそこからずっと同じように推進する立場で発言をしてまいりました。
 まず初めに、平成23年3月に第3次鎌倉漁港対策協議会から市長へ答申が提出されましたが、再確認の意味で、その内容についてお伺いしたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  第3次鎌倉漁港対策協議会では、第1次、第2次の漁対協の検討結果を踏まえまして、漁港建設の具体的な位置、機能、規模などにつきまして御審議をいただきまして、答申をいただきました。
 その主な内容でございますが、一つ目といたしましては、漁港の位置につきましては、坂ノ下から稲村ガ崎に向かう海岸の中央部が適していること、二つ目といたしまして、漁港の機能、規模につきましては、基本的な機能を備えた最小限のものとすること、三つ目でございますが、市民に受け入れられる港として利用価値を高めるよう努めること、四つ目といたしまして、鎌倉海岸における操業の安全を確保する観点から、速やかに建設に着手すること、この4点でございます。
 
○22番(前川綾子議員)  ただいまの説明をしていただきました第3次漁対協の答申を受けて、漁港建設における市民の合意を得るために平成23年9月から鎌倉地域の漁業と漁港に係るワークショップが開催されている、さっきお話しいたしましたけれども、この平成23年度において、何回そのワークショップが開催されて、その内容はどのようなものであったのか、今の4点を踏まえてお伺いさせていただきたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  平成23年度のワークショップは7回開催をいたしてございます。ワークショップの主な検討内容でございますが、五つほどございまして、漁業の現場から見た漁港建設の必要性、漁業関係者以外の方から見た漁港建設への意見、漁港建設のメリット・デメリット、漁業者と海の利用者との共存のための課題と解決の可能性、漁対協案に対する代替案の検討などでございます。
 
○22番(前川綾子議員)  今、先ほどワークショップの7回開催した中身を五つ聞かせていただきました。そして、それでは、このワークショップのさまざまなテーマについて検討してくださっているということはよくわかるんですけれども、この成果はどのようなことでしょうか。お伺いしたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  平成23年度のワークショップの成果でございますが、先ほど議員から御紹介いただきました平成23年度鎌倉地域漁業と漁港に係るワークショップの報告書、このようなまとめをしてございます。このワークショップにおきましては、漁業者の皆さんと漁業に関係をされていない方々、こういう方々が漁港、漁業につきまして話し合いをしていただきまして、鎌倉地域の漁業が抱える課題につきまして情報が共有をされまして、市民の皆さんの間に、鎌倉地域の漁業について一定の理解が得られたものというふうに考えております。
 
○22番(前川綾子議員)  私もこのワークショップの議事録、それから報告書、全て読ませていただきました。活発な意見が非常に交わされているということは内容でよくわかりました。
 それで、そこで読んでいるうちに、いろいろと私も考えることがありましたけれども、ワークショップの議論の中に、漁港建設よりも、水産業のビジョンを考えるほうが先ではないかという意見がありました。漁港があってこその水産業であり、今さら水産業のビジョンでもないだろうと、私は読んでいるうちに思ったんですけれども、この件について、市の御見解を伺いたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  これまででございますけど、市では水産業の、いわゆる個別計画、水産業振興計画のようなものは策定してございません。しかし、総合計画の基本計画の中に、第6節で活力ある暮らしやすいまちの中で、産業振興を掲げておりまして、農業、漁業、商工業など、産業が活発なまちが目指す姿としてございます。また、実施計画事業の中では、鎌倉地域の漁港建設を掲げまして、水産業の方向を示してございます。
 水産業のビジョンでございますが、この必要については我々も認識してございますので、鎌倉地域の漁港建設と並行して検討してまいりたいというふうに考えております。
 
○22番(前川綾子議員)  そうですね、全く新たな施設を全く新たな場所に建設するということであれば、内容によっては、当初必要だとされていても、時代とともに、その変化とともにビジョンを立てるということは、必要だということはわかります。ですけれども、今回のこの漁港の建設ということは、もう5年や10年待っているという話ではないんですよね。何しろ60年以上、しかも鎌倉の将来を担う後継者が着々と育っている、鎌倉の未来が非常にここにあると私は思っていますので、今、部長がおっしゃいました水産業のビジョン、必要でないと私も言いませんが、今、確認させていただいたように、漁港の建設と、それから水産業ビジョンは並行してやっていただきたいと思います。水産業のビジョンが漁港の建設の方向を妨げるようなことのないようにお願いしたいと思います。
 平成23年度のワークショップは、ことしの3月まで7回開催されて、一定の成果が上がっているということはわかりました。
 さらに、今年度4月以降もワークショップが続けられているはずです。平成23年度の成果を踏まえた議論が行われていると思っておりますけれども、内容はどんなものなのか、そして特に、8月の終わりに開催されたワークショップについてもお伺いしたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  今年度のワークショップでございますが、ワークショップに参加をしていただいた方々から、鎌倉地域の漁業、漁港につきまして、さらに深く掘り下げて議論をしたいとの要望が提出をされております。そういう中で、さらに御理解を深めていただくためにも、継続が必要であるというふうに考えまして、今年度の予算を認めていただいたところでございます。
 24年度のワークショップでございますが、23年度の成果を踏まえまして、さらにテーマを絞って議論をしていただいております。
 今年度のワークショップでは、これまでよりも具体的に議論をしていただくための工夫をしておりまして、今、議員から御指摘ございました8月のワークショップでございますが、漁業者の皆さんから漁業の将来展望につきまして、プレゼンテーションをしていただき、鎌倉地域の漁業の実情について、より深い理解が得られたものというふうに考えております。
 今後でございますけど、参加者による現地踏査なども考えております。
 
○22番(前川綾子議員)  わかりました。多分、8月のワークショップは、今の部長のお話からも、漁業の皆さんの思いがそこのワークショップに参加していらっしゃる方にも伝わったんではないかなと思います。単純に、漁港建設、あるいは漁港の整備について、ただの漁業者の主張でないということがわかってもらえたんではないかなと私は思っております。ぜひそうであってほしいと思っています。
 さて、市民の合意を得るといっても、期限なく、いつまでもワークショップを行っているわけにはいかないと思います。平成24年度のワークショップの予定と、その結果がどのように活用されていくのかを教えていただきたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  ワークショップといたしましての最終的な結論でございますが、この秋にまとめていただきたいというふうに考えております。ワークショップは、市民同士が対話をいたしまして、それぞれの立場から意見を出し合う場でございまして、必ずしも一つの結論を求めるものではございません。そういう意味で、さまざまな意見が提出され、議論が重ねられておりまして、これらの意見、協議結果を踏まえまして、今後の鎌倉地域の漁港のあり方につきまして明らかにしていきたいというふうに考えております。
 
○22番(前川綾子議員)  先ほども申し上げましたように、私も議事録を読ませていただきまして、さまざまな意見が出ているということは承知しております。今のお話のように、今後の方向性を明らかにしていきたいということですので、ぜひ方向性を出していただきたい、ワークショップの成果をしっかりと上げていただきたいと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。
 平成23年3月に東日本大震災が発生し、東北地方の漁港が壊滅的打撃を受け、その復興対策が国の急務となっています。少しずつ復興の兆しもありますけれども、完全復興までにはまだまだ時間がかかり、その事業費も膨大なものであると聞いています。
 このような中で、新規の鎌倉漁港の事業がいつ認められるのか、非常に不透明であり、今回も先送りされるのではないかと、大変危惧しております。
 また、聞くところによると国の漁港整備に対する補助制度も腰越漁港の改修整備事業が採択された平成19年度と比べて、補助対象事業費が大幅に減額になったと聞いています。このように、現在の社会情勢や国の補助制度が変化している中で、鎌倉地域の漁港の展望についてどのようにお考えなのか、国の補助制度の状況であるために、大谷副市長にお伺いしたいと思います。
 
○大谷雅実 副市長  まず、鎌倉地域の漁港建設につきましては、非常に厳しい財政事情の中でありますが、後期実施計画に建設を掲げまして、取り組んでいるところでございます。
 議員御指摘のとおり、国の補助制度につきましては、これは社会情勢によってさまざま変化をしておりまして、腰越漁港が使っております交付金につきましては、これは20億の対象事業費総額から12億に減額されたと。仮にこの交付金というものを使ってやるとすれば、対象となる12億を超える事業については、全部市の負担ということになりますので、これは非常に大きな負担になってくるということでございます。
 ただ、補助制度、補助メニューというのは、これだけではありませんので、いろいろ使える補助金というのは探していきたいというふうに考えておりますけど、いずれにしても、漁業者の皆さん、それから市民の皆さんがぜひこれをやろうという、そういう漁港のあり方というものですね、これがまずできないことには、これに合った形の補助メニューというのを探して、これをとりにいくということは非常に難しいかと思いますので、まず第1段階として、頑張ってワークショップを続けているという状況でございます。
 いずれにしましても、そういう姿が明らかになりましたら、ぜひ補助金獲得には、厳しい状況ではありますけど、全力でやりたいというふうに考えております。
 
○22番(前川綾子議員)  ありがとうございました。今、お話なさってくださいましたけれども、20億円であったものが、最高限度額が12億円に引き下げになってしまっているということですけれども、鎌倉地域における漁港の事業費を算定していないとは思いますけど、例えば算定して、仮に事業費を20億円とすると、旧制度では、市の負担が5億円であったものが、新制度ではどういう状況になるのか教えていただけますか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  この国の補助金ですけれど、負担割合が、国が2分の1、県が4分の1、市が4分の1でございますので、従来の補助金、20億が最高限度額で、20億だと仮定しますと、市の負担は5億円で済みました。ただ、今回は12億でございますので、例えばでございますけど、同じ20億の仕事をすると、12億の4分の1ですから3億円と、それと残りの20億から12億を引いた8億円、プラスいたしまして、11億が市の負担になるというふうに仮定をしてございます。
 
○22番(前川綾子議員)  参考までに確認をさせていただいて、やはりそういうことであるからということではなくて、そういう厳しい状況であるということを踏まえて、しっかりと補助金を、大谷副市長にも伺いましたけれども、持ってきていただけるように、これから心していかなければいけないというふうに思います。
 このように、第3次鎌倉漁港対策協議会答申後、東日本大震災の発生、それから国の補助制度の変更、ワークショップ議論など、鎌倉地域の漁港建設を取り巻く状況は非常に大きく変化してきております。しかし、鎌倉地域の漁港については、半世紀以上に及ぶ漁業者の悲願があるということなんです。この半世紀以上というのは、一口に申し上げても、人が生まれて、そして育って、社会に出て活躍して、老後に差しかかる年月です。私の前にいらっしゃる理事者の皆様も、生まれる前からの時代の話、期間ということです、ほとんどの方が。そうやって考えていただけると、その月日の長さを重く受けとめていただけると思います。
 建設に向けて、着実な準備を進めていくことが必要です。現在の社会経済状況を考えますと、順調に準備が進んでも、なお多くの時間がかかっていくということは間違いないと思っております。
 そこで、このような中で、最近の台風による高潮の被害がもう非常に多くて、そういったことを鑑みると、災害対策が漁業の支援策として急務ではないかと私は思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  平成21年10月の台風では、鎌倉地域の漁業なんですが、大きな被害がございました。そういう中で、漁船ですとか、浜小屋、漁具などの被災に対する漁業者の皆さんへの支援策といたしまして、平成22年4月に鎌倉市漁業施設等災害見舞金支給要綱を施行いたしまして、当面の災害対策を講じたところでございます。
 鎌倉地域の漁業を安定的に継続していただくための支援策といたしまして、船揚げ場などの漁船の保管施設ですとか、浜小屋の安全対策など、恒久的な災害対策を講じることは重要であるというふうに考えております。
 
○22番(前川綾子議員)  私も平成21年10月8日だったと思いますけれども、非常にひどい台風の被害が、材木座海岸から坂ノ下に向けてありまして、私も伺って、どうしたらいいものかということで、いろいろと考えさせられまして、それから月日がたっているわけですけれども、鎌倉地域の漁業は、漁業者の努力によって、漁港のない中でも、漁港のある腰越や小坪に比べて遜色のない漁獲量というものがございます。しかし、現在でも船の揚げおろしは、基本的に人力で行っています。天候によっては、浜に船を揚げる際に危険を伴うなど、労働環境は極めて困難な状況です。それについてどう思われますか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  まず、漁獲量ですけれど、平成22年度の統計を見ますと、鎌倉漁業協同組合では、ワカメの養殖ですとか、定置網シラス漁などで、年間165トンの漁獲量がございます。漁港を持ちます腰越地区が133トン、小坪地区が157トンということで、それを上回っているところでございます。
 鎌倉地域の漁業において、議員御指摘のように、漁港がないことに伴う漁船の出入りや保管、漁獲物の陸揚げなど、さまざまな課題があることは認識してございます。鎌倉地域の漁業を継続して、安定的かつ安全に行っていただくためには、就労環境の改善のための船揚げ場の整備、こういうものは重要であるというふうに考えております。
 
○22番(前川綾子議員)  漁獲量の高さも、今部長にお答えいただきましたし、それから、船の揚げおろしの深刻さも改めてお伺いさせていただきましたけれど、鎌倉地域の漁港建設を推進する立場は変わらないんですけれども、やはりこれまで述べてまいりましたように、最近の鎌倉地域の漁港建設を取り巻く状況というのは、総合的に考えますと、漁港建設だけにこだわっておりますと、これまでの第1次漁対協、第2次漁対協後のように、何もできない、何もしない状況がまた何年も続いて、鎌倉地域の漁業の環境が一向に改善しないのではないかと、本当に危惧をしております。心配しています。ですので、そこで早急な漁港の整備が難しいということであれば、当面の対策として、漁業者の就労環境の改善とか、それから災害対策ということに重きを置いて検討していただきたいと思っておりますけれども、そこのところはいかがでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  漁港建設につきましては、長年の課題でございまして、鎌倉地域の漁業者の皆さんにとっては半世紀以上にわたる悲願であるということは十分認識してございます。
 ただいま議員から御提案のございました漁港建設までの当面の対策といたしまして、就労環境の改善や、災害対策のための施設整備をすることは、大変現実的な御提案であるというふうに考えております。漁港建設に関する補助制度の改正ですとか、現在の社会経済状況も十分考慮いたしまして、改めて漁協の皆様、市民の皆さん、関係者の皆さんと十分、そういう声を十分に伺いながら、最良の方法を考えていきたいというふうに思っております。
 
○22番(前川綾子議員)  わかっていただいているとは思いますけど、何度も何度も申し上げても足らないぐらい、とにかく漁業者の皆さんは非常に危険な思いをし、でもしっかりと漁に出て、なりわいを続けておられます。
 そこで、秋にワークショップが終了すると思います。その報告書が上がってくるんだと思いますけれども、今後の鎌倉地域の漁港建設をどのように進めていくつもりなのかお伺いさせていただきたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  鎌倉地域の漁港の建設につきましては、第3次の鎌倉漁港対策協議会の答申、そしてこれからいただく予定でございますけど、ワークショップの最終的な報告、そしてやはり直接の当事者でいらっしゃいます漁業者の皆さんのお考えを十分に伺って、総合的に検討いたしまして、今後の方針を定めてまいりたいというふうに考えております。
 
○22番(前川綾子議員)  鎌倉地域の漁業者の皆さんは、毎年台風の被害を受けて、また港がなく、浜からの出漁となるために、打ち寄せる波によっては、沖が例えばなぎていても見合わせる場合があります。資材倉庫などに使用される浜小屋についても、漁港区域の指定がないことから、年間約100万円の海岸占用料を県に支払っています。台風などの被害も受けやすくなっています。また、景観面からも対策を求められている現実もあります。そして、占用料を払っている、その漁港区域の許可の範囲が仮設的な建物しか認められなくて、堅固な、しっかりした建物は建てられないんですね。だから、台風などの被害も受けやすくなってしまっているわけです。
 鎌倉の海を守って、後世に伝えていくために、海で働く人々が仕事を続けられるように支援する必要は絶対にあると思っています。幸いなことに、鎌倉漁業協同組合には、後継者が育っており、漁業をなりわいとし、市民のために漁業を通じて貢献したいという決意を持った若い漁業者がたくさんいます。つい最近も、若い漁師さんが2人、漁業を専業にしようということで、船を持ったということを聞いております。この夏の話です。これら未来の鎌倉の漁業を担う方たちのために、また海という貴重な財産、そして文化を守るためにも漁業を継続して続けることができる環境整備は市、そして私たち市民の責任だと思っております。
 そこで、市長にお尋ねします。これまで述べてまいりましたように、鎌倉地域の漁業にとって継続的に操業するための施設、安全に操業するための施設、そして災害に強い施設がなくてはならないと、重要な施設であると私は思っておりますけれども、早急な整備がここで望まれていると申し上げたいんですけれども、市長として、鎌倉地域の漁業の状況を踏まえ、漁港の必要性についてどうお考えなのか、そして今、今後、漁業を継続できる環境整備にどう取り組まれていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
 
○松尾崇 市長  鎌倉地域の漁業が、この鎌倉の豊かな海を守っていただき、また新鮮な魚を鎌倉の市民の方々にも提供していただいていると、大変重要な役割を果たしているというふうに考えています。こうした鎌倉の地域の漁業を守って、またさらに発展をさせていくためには、より安定的で、かつ安全な環境という整備が必要であるということも十分認識をしているところでございます。鎌倉地域の漁業をさらに発展をしていくために、こうした鎌倉地域の漁業者、また市民にとって最善となる施設整備に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えています。
 
○22番(前川綾子議員)  漁業者、市民にとって最善の漁業施設整備に取り組んでいただけるということを今お伺いさせていただきまして、大変安心しております。
 先ほど、そもそもというお話をさせていただきましたけれども、ぜひそうしていただきたいと思います。鎌倉地域の漁港建設は、もう本当に冒頭に述べましたとおり、60年以上にわたる懸案事項であるとともに、漁港は鎌倉地域の漁業にはなくてはならない施設であり、私は引き続きその実現を目指してお話をさせていただくつもりではおります。ですけれども、これまで述べてきましたように、最近の鎌倉地域の漁港建設を取り巻く状況を見ると、さまざまな課題があって、それは理解をするとしても、またそれが壁になってしまうことは、本当に御勘弁願いたいと思って、心からお願いしたいと思っています。
 そこで、本日は鎌倉地域の漁業環境が少しでも改善する、より現実的な当面の方策を提案させていただいたつもりでおります。市におかれましては、ぜひともこの提案を現実のほうに向けていただいて、一刻も早く漁港の整備に向けて動いていただきたいと思っておりますので、強くこのことについて要望させていただきますので、どうぞ市長、よろしくお願いいたします。それでは、この項の質問を終わらせていただきます。
 次に移らせていただきます。次の質問は、今年度、私の2期目の議員生活最終年に当たりまして、子供が育つ環境整備について、さまざまな角度から順次質問させていただく予定で、この9月議会には青少年の育成について、鎌倉の子供の教育についての本市の考え方などを質問させていただこうと考えておりましたところへ、大津市のいじめの問題が大きく報道されて2カ月になります。
 私は、2006年12月議会においていじめについての集中的な質問をしております。あれから6年、また同じような事態が起きていることは、まことに残念であり、これまでの間、そして現在もいじめを受けている児童・生徒たちのことを思えば、ざんきにたえません。いじめに対して、1人で耐え苦しみ、不登校になってしまったり、いじめを受けながら耐えることだけを強いられて、ただ悶々と、時間だけが過ぎていくことを想像すれば、その深刻さは容易にわかります。そんな状況から早く抜け出し、子供たちにとって貴重な時間を有意義に過ごしてもらいたいと、心から願うものです。
 また、そこには学校や家庭などへの世間一般の評価や批判があることや、周囲が気づいていても手を差し伸べられない雰囲気、環境があります。いじめに遭っている本人が自殺という形をとって、初めて社会的な問題になり、対策をとるというあり方では遅いと思います。
 いじめは児童・生徒、学校内の出来事であるために、特別な目で見られています。しかし、社会に目を向ければ、犯罪を犯す人は常に一定数います。その原因が環境によるものなのか、あるいは気質によるものなのか、さまざまでしょう。ということは、将来、社会に出ていく全ての人たちが学校にいるということです。見方を変えれば、学校は社会の縮図と言えます。社会では、さまざまな人がさまざまな事象を起こすように、学校でもさまざまな行動があり、学校内でいじめなどの行為が発生することは避けられないことも考えられます。やはり、人間形成の大きな一端を担う教育は、そうしたときに、子供自身がどう行動するべきなのか、将来を生きていく上での力を与えていくことが大切なのではないでしょうか。
 今回、質問を通して、鎌倉の将来、この国の将来をつくるための人づくりをどのように考えるか、一致点を見つけてまいりたいと思います。そうした考えのもとで質問してまいりますので、どうぞ前向きに御答弁をお願いしたいと思います。
 それではまず、鎌倉市のいじめに対する考え方についてお伺いさせていただきます。いじめの問題は、周期的に社会問題になりますが、マスコミが取り上げることによって顕在化すると、いじめ件数がふえ、加害者が自己防衛することで件数が減り、ほとぼりが冷めると、世間の興味が薄れると、また件数が増加するという傾向が見られるのでしょうか。あるいは、いじめはいつも一定数あるのでしょうか。国で行っている児童・生徒の問題行動、これはいじめ、不登校、暴力行為、そして暴力行為は、その範囲は学校から市内全域と聞いておりますけれども、そうした調査を国から毎年行われていると思いますけれども、鎌倉市はどのような傾向が見られ、また件数など、教えていただきたいと思います。
 
○宮田茂昭 教育部長  文部科学省における調査の件でございます。平成22年度の調査結果が公表されておりますので、そちらのほうの数字でお答えしたいと思います。
 平成22年度のいじめにつきましての件数、認知件数でございます。これは小学校23名、中学校32名ということでございます。ここ数年の傾向といたしましては、平成18年度に国のほうがいじめの定義を示しておりますが、その修正がございましたために、一旦数が増加をしております。その後、いじめに対する意識や考え方が定着してきており、認知件数としては、落ちついてきている状況でございます。
 また、不登校につきまして、その同じ調査の中の不登校についてでございます。不登校については、平成22年度不登校児童・生徒数については、小学校46名、中学校104名ということでございます。ここ数年の傾向といたしましては、不登校児童・生徒数に大きな変化というのは見られませんけれども、平成22年度はその不登校であった児童・生徒のおよそ3分の2が復帰または好ましい変化というのが見られているという状況でございます。
 また、暴力行為というのがございます。平成22年度の暴力行為件数については、小学校14件、中学校43件ということでございます。小学校については、減少傾向にございます。また、中学校については、器物破損であるとか、対教師への暴力が増加しているという状況でございます。
 
○22番(前川綾子議員)  今聞き逃しちゃったんですけれども、暴力行為の中学校の器物破損と教師に対するということでしたか。
 
○宮田茂昭 教育部長  器物破損及び対教師への暴力行為が増加しているという傾向にあるということです。
 
○22番(前川綾子議員)  そうですか。いじめの数、不登校の数、暴力行為の数を伺わせていただいて、傾向は落ちついているということだということですけれども、なくなっているというわけではありませんよね。その暴力行為というのは、ちょっと初めて今回数を聞かせていただいたんではないかというふうに私は思っておりますけれども、その結果を受けて、学校や教育委員会が、今回はいじめということですので、ここのところは、いじめに対してどのような対応をしてきたのか教えていただきたいと思います。
 
○宮田茂昭 教育部長  まず、いじめに対してですが、学校のほうではそういういじめの事象がございました場合に、児童・生徒の指導担当であるとか、教育相談コーディネーター、そういったものを中心としたチームによって指導、あるいは支援体制づくりに努めてきております。
 また、教育委員会といたしましても、そういった事象が報告された中で、学校での状況把握に努め、教育委員会のほうで活用しておりますスクールソーシャルワーカーとか、スクールカウンセラーとか、あるいは相談員等との連携を図る、そういった体制づくりを進めてきているところでございます。
 
○22番(前川綾子議員)  ちょっと、そこで確認なんですけれども、この国の調査の内容については、当然、教育委員会は皆さん把握しているということでいいんですよね、済みません、ちょっと確認させてください。
 
○宮田茂昭 教育部長  把握しております。
 
○22番(前川綾子議員)  それで、体制づくりを一生懸命やってくださっているということと、その体制の中で、こうしたいじめの数、不登校の数、暴力行為の数、先ほど聞きました中でのいじめに対しては、特に体制づくりの中でやっていっているというお話でした。
 それでは、報道にもありましたけれども、ほかに国が行っている調査があると思いますけれども、いかがでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  現在、文部科学省のほうから全国の国公、あと私立の小学校、中学校を対象にしたいじめの問題に関する児童・生徒の実態把握並びに教育委員会及び学校の取り組み状況に係る緊急調査、そういったものを行っているところです。調査の趣旨といたしましては、いじめの早期発見であるとか、早期改善につながるよう、緊急に各学校におけるいじめの認知件数を把握するというような調査でございます。
 
○22番(前川綾子議員)  大津の事件以後、国が緊急調査をしているということだと思います。改めてここで実態把握ということで数を聞かれているということで、また多分、この夏の間に準備をしていらっしゃるんじゃないかと思いますが、それではほかに子供の現状を知るために、学校で児童・生徒に対して、または保護者に対して行っている調査、あるいは聴取はありますでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  まず、児童・生徒のほうから教育相談とか、個別面談等で児童・生徒から直接話を聞くということがございます。また、面談する前に生活アンケートとかというアンケートを実施しております。例えば、学級日誌、そういったものを使った中で、その様子を把握するということでやっております。
 また、保護者につきましては、教育相談であるとか面談、あるいは学級懇談会などで直接話をして、話を聞きながら把握をするということ、また毎年実施している保護者からの学校評価というものもございますけども、そういった中からも意見を聞くという機会を設けています。
 
○22番(前川綾子議員)  そうすると、学校の中では、子供たちに面談に向けてどういうことを悩んでいるかな、どういうことがあるかなということでアンケートを毎年やっていらっしゃる、保護者に対しては学校運営などの中での御意見を伺っているということだと思いますけれども、これは全て教育委員会に行っていないのではないかなと思いますけれども、いじめられている子供が、みんな相談しているというふうには思ってはいけないと思っています。状況の把握に、教育委員会として、また学校として努力されていることは理解しているんですけど、全てのいじめを把握できているというふうには思っておられますか。
 
○宮田茂昭 教育部長  教育委員会のほうについては、そういった問題行動やいじめ等が発生した場合でも、学校のほうでその問題がすぐに解決できるような事象につきましては、教育委員会のほうに、その都度報告というのは上がってこないこともございますので、全てが把握しているということは多分ないと思います。
 また、主に学校で指導がなかなか難しいようなケースがあったりすると、その事象についての支援などを求めてきて、また報告などがあって、それに対して教育委員会が対応していくというようなケースとして、そういったケースで教育委員会が把握する場合が多いというふうに承知しています。
 
○22番(前川綾子議員)  解決できにくかったものは教育委員会に上がっていくという、今のお話だと思いますけど、確かにそうなのかもしれませんが、解消したものも、ぜひ教育委員会では把握しておいてほしいと私は思っております。それと、今申し上げましたのは、相談している、子供が全て相談できているとは思っていませんよねということをお聞きしたかったんです。要するに、潜んでいるものがあるんだということをお聞きしたかったんですけれども、その辺のところの認識はいかがでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  ある部分で、いじめ等の問題が、全て学校のほうの中でも、把握できているかということについては、その辺の判断というのは、非常に難しいようなところもあろうかと思います。そういった中で、児童・生徒から直接いろんな意見といいますか、自分たちの気持ちを学校の教師なりに話せるような機会をつくっていくということが必要だろうというふうに思います。
 
○22番(前川綾子議員)  重なる質問になるかもしれませんけれども、ささいなこと、隠れた事象がいつ大きな事象に結びついてしまうかということが、もうはかり知れません、学校と教育委員会は、常に全てのいじめが把握できていないという認識をまず持っていただきたい、逆説的なんですけど。いつでもいじめが潜んでいるというふうに思って、情報共有、それから対応していく体制づくりを必要とするんです。私はそう思っていますので、重なる質問になるかもしれませんけど、もう一回そこを確認させていただいて、その体制づくり等をどういうふうに考えていらっしゃるか、お伺いさせていただきたいと思います。
 
○宮田茂昭 教育部長  先ほども御答弁したとおりなんですが、日ごろから学校のほうとしては、生徒からも相談しやすい体制も、もちろん必要でしょうし、教員のほうが、児童・生徒のほうに目配りをしながら、声かけであるとか、あるいは面談であるとか、先ほどちょっとお話ししたアンケートであるとか、そういった中で、状況を把握していくというような必要があるんだろうというふうに思います。
 私たち教育委員会のほうも、さまざまな調査を通して学校の状況を把握するという、それだけでなくて、校長会とか、あるいは指導主事のほうが学校訪問とかやっておりますが、そういった中で学校の様子、また子供の様子、そういったものを、学校を取り巻く環境などを情報共有、あるいは情報交換をしてやっていくということで、必要な支援あるいは指導をしていくというふうにやっていきたいというふうに思います。
 
○22番(前川綾子議員)  必要な支援・指導、指導も支援のうちということ、きのう伺ったような気がするんですけれども、ぜひ体制づくりをお願いしたいということは事実なんですけれども、潜んでいるんだということ、もう疑ってかかれというのは、本当に嫌なんですけれども、そういうつもりで現場の教師の皆さんにもお願いしたいという気持ちがこもっておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それで、4月の話だったと思うんですけれども、いじめ対策プログラムを市としてつくられるというようなことを聞いたような気がするんですけれども、それについてはどのようになっていらっしゃいますでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  この2学期、新学期が始まる時期に合わせまして、教育委員会、教育委員さんからのメッセージであるとか、指導・支援の教員に対する、そういった資料を作成して発信をしているところでございます。
 内容といたしましては、各学校においていじめの未然防止であるとか、早期解消に向けての取り組みがなされるように、教育委員会からの、児童・生徒や教員に対するメッセージですね、そういったものとか、教職員向けのいじめ対応のリーフレットといったものを作成して、リーフレットについては全教職員に配れるように、そういったもので作成したというところでございます。
 
○22番(前川綾子議員)  わかりました。それは常任委員会で報告されることだと思いますので、常任委員会で詳しく伺わせていただきたいと思います。プログラムはできたということを確認させていただきました。
 いじめの予防に向けて、どんな取り組みが行われているかということをここでまたお聞きしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  いじめの予防につきましては、まず子供たちからの情報のキャッチといいますか、状況を把握するということが大切だろうというふうに考えます。職員会議であるとか、ケース会議、また児童・生徒指導担当の会議、そういった中で情報提供であるとか、情報交換をして対応して、そういった対応については検討しているところでございます。
 また、教育委員会の、先ほど申しました学校訪問をやっておりますけれども、そういった中でも学校の状況に応じて、グループ討議を行い、問題行動等についての対応であるとか、改善点についての話し合いをしているところでございます。特に、児童・生徒指導担当であるとか、教育相談コーディネーターなどを中心として、チームで対応できるような支援体制をつくるというふうに、つくっていくような指導をしているというところでございます。
 また、教員の研修というのも重要だと思いますけれども、教育センターのほうで、児童・生徒理解研修会というのを実施しまして、児童・生徒の今日的な課題についてを取り上げて、問題意識を持って取り組めるような研修会というのを実施しているところでございます。
 
○22番(前川綾子議員)  1人で悩まないで、先生がチームで取り組むことができるということだろうというふうに、今伺っておりますが、子供たちからの情報のキャッチが大切だというお話もありました。今回、報道だけで申し上げて申しわけないんですけれども、たしか女子生徒がいじめられていると先生を呼びに行ったら、けんかだというふうに判断してしまったということがあったというふうに聞いています。やっぱりそういうことのないように、その情報のキャッチを細かくお願いして、上げていただきたいと思っています。
 それでは、ここまでは鎌倉市のいじめに対する基本的な考え方を確認させていただきました。ここからは、大津のいじめ事件を受けてお考えになっていることをお聞きしたいと思います。
 2006年と今回の大津のいじめ事件を比べて、教育委員会や学校の対応は以前と変わりがないように私には思えました。そういうふうに皆さん見えていると思います。すなわち、当初はいじめの存在も、いじめと自殺の関係も否定し、マスコミで問題になり始めると、いじめの存在を認め、あるいはいじめと自殺の関連を認めて教育委員会は謝罪します。構造的にこういうところで何か欠陥があるのではないかなというふうに思ってしまいます。何年たっても改善が見られないような、こうした感を持たせるものはどういうことなのかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  一つ一つを捉えていった場合に、いろんなお考えがあろうかと思いますけれども、少なくとも、私ども鎌倉市といたしまして、学校のほうで今まで以上に教育相談であるとか、個別面談、あるいはアンケートなどを行う中で、子供たちの様子を把握するということであるとか、あるいは相談をしやすいといった体制づくりに努めているというふうに認識をしています。
 また、私ども教育委員会といたしましても、学校では解決できないというものについては、教育委員会にあります指導課であるとか、教育センター、そういったところの指導主事が学校のほうに出向いて、その様子を把握して、また必要に応じて支援するといった体制もつくっているところでございます。
 さらに、スクールカウンセラーであるとか、ここ一、二年、スクールソーシャルワーカーなども導入しております。そういったものにつなげていくという支援体制もつくっているところでございまして、そういった改善というのは、今後も努めていきたいというふうに思います。
 
○22番(前川綾子議員)  答えていただきましたんですけれども、これまで答えていただいている内容と同じようにやっていらっしゃるということで、よくわかります。それでも何か、どこかが違うんじゃないかなというふうに思えてしまうのは、非常に残念ですけれども、私も何人か間に入らせていただいた経験がありますので、そのときにも何かそういうふうに感じるものがあったものですから、報道だけではなく、今、改めて申し上げさせていただきました。ただ、努力をされているということはよく理解しております。ぜひ、その辺のところを考えながら進めていただきたいと思います。
 いじめの認識が難しいと報道されていますけれども、いじめと認識できないということが起こるのは、学校が危機意識を常に持つべきではないかなというふうに私は思っておりますけれども、このところ、教育長はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
 
○熊代徳彦 教育長  今から26年前ですかね、都内で担任を交えた、中学校ですけれども、いじめ、いわゆる葬式ごっこという事件がありました。大勢の友達がそれに参加した中に、担任も入っていたと。それの、いわゆる中心になったお子さんが自殺したと、それが最初の大きな事件だったんじゃないかなと思います。そして今、議員御指摘の平成18年に小学校の女子、6年生ですかね、遺書を残して自殺をしてしまったというような事件が発生いたしました。26年前もそうでしたけれども、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で、やがて年数がたつに従って、だんだんまたそれが忘れられて、5年、10年後に、また同じような事件が繰り返されているという現状が今の社会状況かなというふうに思っております。
 御指摘のいじめの認識、私は先日、1学期の最後の校長会の折に、小・中学校、25校の校長お一人お一人から、今現在、自分の学校でいじめと認識している状況を全員の前で発表してくれと、時間は大体3分から5分ぐらいで、そのうち、重立ったものが3件ございました。あとの校長からは発表はなかったわけでございますけれども、じゃあ、ない学校が全くないかというと、そうではなくて、やはり潜在的にあることは事実です。ですから、なぜいじめの認識がなかなか難しいと言われているかといいますと、私は7月の際にもお話ししたんですけども、50年前、40年前の子供たちの状況と今の状況というのは、かなり環境が違っている。子供の生活している社会の中全体も、そういう雰囲気にあるんじゃないかなというふうに思います。
 それから、自浄作用が全くできてない。友達同士、あるいは学校の中ですね。そういった意味で、やはり私が7月の最後の校長会の折に話したことは、いじめというのはふざけっことか、じゃれ合いとか、そこからだんだんエスカレートしていく場合が多いと。それも、弱い者が強そうな子をからかうなんていうことはあり得ない。まず、強い子が弱い子をからかったり、あるいは遊び半分に相撲を取って転がしたりする場合が多いので、そこにやはり注目していないと、なかなかこれがいじめであるとか、いじめになっていくんではないかという様子はわからないというふうに話しました。したがって、これから、もちろんせっかく楽しく遊んでいるところに担任が行って、それいじめじゃないかと一々聞く必要はないんで、そういう見抜く目を養っていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っています。ある人は、教員というのは聞く耳と見抜く目と、そして愛情、この三つを備えて子供たちに接しなければいけないんだというふうに言われています。
 ちょっと長くなりますけれども、私、今、なかなか把握できない原因の中の一つに、恐らくここにおられる議員さんの時代の小学校、中学校、まあ中学校は別にして、小学校ですね、それから理事者側に座っている、我々もそうですが、大体、1年生を持った先生が2年生を持つ、3年生を持った先生は4年生、持ち上がり制が、これは大勢というよりも、当たり前に行われていた。ところが、ここ数十年の間に、全くそれがなくなって、1年持つと次にすぐかわっちゃう、ここに私は大きな原因があるということを、いろいろな面で校長会のときには話をしているんですね。1年で子供たちと心打ち解けて、全ての子供を把握するというのはかなり難しい、いろんな子供がいますので。ところが、2年目の5月ぐらいになると、まあ、ほとんど一人一人の子供の性格もわかってくるし、子供たちも先生の性格をしっかり読んでくれる。だから何を言っているのか、何をやろうとしているか、よくわかるんですね。私は、だからこの単学年というのが非常に今でも危険があると思っております。したがって、私は持ち上がり制をぜひ続けてほしいと。もちろん、今、市内の学校で持ち上がりを希望すれば、持ち上がり制をやってくれているところもありますけれども、ほとんどの場合には、持ち上がり制でない。なぜ持ち上がれなくなっちゃったかという原因はありますけれども、そういったところから根本的に直していかないと、これがいじめになるんじゃないか、あれはいじめじゃないかなという感覚というのは、なかなか先生としてつかめないんじゃないかなと思います。今教育実習というのは1カ月、約4週間しかありませんね。これをさらに延ばすという案が浮上しています。そういったところから、あらゆる点で教員のそういう感性を養っていかなければ、到底今のいじめ問題というのは解決に向かわないんじゃないかなという、これが率直な私の考え方です。
 
○22番(前川綾子議員)  教育長、ありがとうございました。いろいろいいお話も聞かせていただきながら、三つの愛情の話もよく理解できます。私、今22の娘がおりますが、その娘が小学校の半ばぐらいのときに単年度制が定着してきたという記憶があります。ですから、1年ごとに担任が変わっていくんだということで、やはり私もそれは問題があると思っておりますので、ぜひ教育委員会のほうから、その単年度制を持ち上がり制にしていただきたいと思っています。それで、その理由も知っておりますけれども、やはり子供たちは逆に落ちつかない、また逆に子供たちが変われるチャンスがあるみたいなところで単年度制というのがあるのかなというふうには聞いておりますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 危機意識をぜひ持っていただくというお話をさせていただきました。2006年のときにも、文部科学省は、それまでの定義を改めて、新たな定義を示しました。冒頭の質問でも、この新たな定義によって児童・生徒の問題行動の件数に影響があったという説明はあったと思いますけど、その定義をちょっと紹介させていただきます。当該児童・生徒が一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じている者、これに対してまた詳細な説明が加わっているわけですけれども、比較をしていると時間がなくなりますので、申し上げませんけれども、こうした定義が示されたからといって、いじめが発見しやすくなったということでは私はないと思っています。先ほど教育長がおっしゃったことが大きくウエートを占めていると思います。
 また、いじめではないかという認識を持っても、いじめがあるレッテルを学校が張られたくないというために、都合のよい方向へ判断してしまうということもあるのかもしれないなというふうに私は考えています。いじめというものは、それほど発見しづらいものなのかということをお伺いさせていただきたいと思います。
 
○熊代徳彦 教育長  前半で私がお話しし、御答弁申し上げました中でも、それは言えていると思うんですけれども、私はだから、教師がそういう目を養っていかなければいけない。それから、単なる授業力だけを、技術力を磨くだけでは、これは教師としての、一人前の教師になれないと。やはり子供の心理状況を、あるいは子供の姿を見て、きょうは、あの子は調子がいいのか悪いのかを見抜く力がない限りは、私はいじめにしても、ほかの子供のいろいろな状況についても、把握しにくいんじゃないかなというふうには思っております。私は決して、いじめというのはしづらいものじゃないと確信を持って言えると思います。
 そういった意味で、やはり教師の授業力だけではなくて、そういう感性の面でも何とか磨いていただいて、あるいは教育委員会でも意図的にそういうことを目指して、これからの研修を含めて考えていかなければいけないんじゃないかと。結論を言えば、しづらくはないというふうに思います。
 
○22番(前川綾子議員)  発見しづらくはないというお答えをいただきました。いずれにしても、一般から見ると、教育委員会、学校、教師がいじめを発見しづらいのか、しづらくないのかと言うと、今、しづらくないという話をいただきましたので、じゃあ、かばい合ってしまっているんじゃないかというふうに、いじめられている生徒を守るより組織を守る、あるいは加害者を守るという立場をとりがちになってしまっているように見えてしまっているんですけれども、それについてはどのようにお考えかをお聞かせください。
 
○宮田茂昭 教育部長  今の御質問のような意味でのかばい合いというのは、やはり組織としては好ましいものではない、それは学校と教育委員会という意味でなくて、組織という意味で考えた中では、決して好ましいものではないというふうに思います。できるだけ、かばい合うということでなくて、オープンにした対応をしていくということが必要だろうというふうには思います。
 
○22番(前川綾子議員)  オープンにしていただきたいと私は思います。ぜひ、かばい合わないで、それが学校の、地域に対して発信できる、とてもいい姿勢だなというふうに思っておりますので、ぜひお願いしたいと思います。
 ここまでは大津市の事件について感じていることを伺わせていただきました。ここからはまた質問させていただきたいのは、実際にいじめの問題が起きたときの対策についてをお伺いさせていただきたいと思いますが、いじめの問題はどこでも、いつでもある、普通のこととの認識のもとに、まず起きたいじめにどう対応するか、次にどうすればいじめを起こさないようにできるかという2点について、別々の問題として取り上げさせていただきたいと思います。
 まず、起きたいじめの問題にどのように対応するかについてなんですけれども、生徒同士、そして先生、保護者の気づきをいかに早くするか、ささいな芽でも直ちにクラス全員の問題として、チクったと思わせない、そうした考え方を持たせないような雰囲気づくりをして、ふだんから不満や疑問を口にするような、そうした行動、それが正しい行動であるということを教える、議論する場をつくって、日々一定の時間を設けて、いじめを表に出すことがさっきのかばい合いではないですけども、出してしまうことが、まず生徒に身につけさせてあげることではないかなと思っておりますが、このところはいかがでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  子供たちのコミュニケーション不足というのが指摘もされているところでございますけれども、各学校での授業の中で、子供たちが自分の意見、考えを言うことができて、聞くほうも相手の言うことをしっかり受けとめると、そういう尊重し合える人間関係づくりを意識した取り組みを行っていると、そういったことを今学校でも進めているところでございます。そういった取り組みの充実を図っていく中で、いろいろ今議員御指摘のような、はっきり物が言えるというようなことを取り組みしていきたいというふうに思います。
 
○22番(前川綾子議員)  ぜひお願いしたいと思います。決して劇的な方法ではないと思いますけれども、やはりこういうことを積み重ねていくということが非常に大切なんだと思います。日本人は、仲よくするという考え方と、ルール違反を指摘してはいけないという、何かそこを混同しているところがあるというふうにせんだってお話を聞かせていただいて、まさにそうだなというふうに思いました。やはり、ここは嫌だったこと、勘違いかもしれないけど、いじめられたような気がすることなどは表に出すということ、ぜひ先生方にそういう時間を1日のうち、どこかで設けていただけるような、そうしたことをお願いしたいと思います。以前にはやっていらしたんじゃないかなと思います。
 いじめがあることを認めると教師、学校にマイナス評価がついてしまうという考えから、いじめの件数を少なくしようと見逃されることも多く、いじめをけんかと判断する傾向があるようです。したがって、いじめを発見すること、それに対処することをプラス評価にするシステムをつくるべきです。いじめ対策は国、県、市、そして現場の教師がそれぞれに対策を考えて行っています。いじめかどうかの判断、職員会議にかける時期、保護者への連絡、保護者説明会、教育委員会への連絡など、一様のガイドラインはあり、現場の教師に任されています。教師は、教育者として被害者、加害者を救うことを考えるために、対応がおくれ、隠蔽と批判される結果となってしまいます。先生もいじめを表に出せる環境、先ほど生徒に表に出せる環境というお話をさせていただきましたけれども、先生も表に出せる環境をつくるべきだと思っておりますが、その辺のところはいかがでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  いじめの問題に限らず、学校でさまざまな問題等が起こった場合には、それぞれ学校の中で教員が、あるいは担任であるとか、部活の顧問であるとか、そういった教員それぞれが1人で抱え込まずに、やはりチームで、あるいは学年全体であるとか、チームで対応するということが大事なことなんだろうというふうに思います。
 鎌倉市も決していじめの認知件数が少ないということではございませんけれども、ある意味では学校がしっかりと子供たちの様子を見ているということでもあるのかなというふうに思います。
 さらに、教育相談であるとか、個別面談の充実によって、教員も、また子供たちも声を上げやすいという雰囲気がある程度つくられているというふうに思いますんで、各学校では、そういう中でさらに丁寧な対応をしていくということが大事だろうというふうに思います。
 
○22番(前川綾子議員)  ぜひそのようにしていただきたいと思います。今のお話伺って安心いたしました。
 加害者への出席停止措置に注目が集まっていますけれども、学校現場の声としては、懲罰的で効果は疑問、教育の意味がない、体罰に当たる、いじめは必ずしも1人で行われているのではないから、意味がないという意見があります。こうした例からも、いじめられている子供を守ることを第一目的にするということが大切だと思いますけれども、その点について、考え方を伺わせていただきたいと思います。
 
○宮田茂昭 教育部長  本当におっしゃるとおりで、いじめの問題については、いじめられている子がいじめられているということであれば、それはいじめだということだというふうには思います。そういった中では、その子供の訴えを中心にまず考えていかなきゃいけないんだろうというふうに思います。
 また、全体としても、いじめはどんな理由があってもいけないということを、やはり子供たちにも徹底しなきゃいけないということ、またその上で、いじめは誰にでも起こり得るということでありますけれども、教職員はそれに対して毅然として対応していくということが大事だろうというふうに思います。
 
○22番(前川綾子議員)  そのとおりだと思いますので、お願いします。
 教師が適切にいじめに対応できるような研修、いろいろと行われているということは認識しておりますし、先ほどのお話もありました。セミナー、ロールプレイなど、そういうものを教育委員会のほうに、学校の一部の先生が出ていて、受けるだけでは足りないんではないかなと思いますので、ぜひ学校のほうに、講師が逆に出向いてもらって、研修を定期的に行うべきではないかと思います。そういうので、セミナーやロールプレイなどで楽しくというか、お互いに話し合いながら、学校の中の雰囲気を知っている同士で受けられる体制をつくっていただきたいと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  教員の指導力という意味では、それを高めていくということはやっぱり重要なことでございます。研修をやる場合に、講師が学校に出向いて行うということは、今既に実際にやっておりまして、学校課題研修会という、そういった中で、各学校でそういう研修を実施しています。この研修については、今、議員からも御指摘のとおり、それぞれ学校が、教員が参加しやすいということで、各学校の課題に対して、学校全体でまた共通理解が図れるというようなメリットがございます。今後も、ですからそういった研修については、充実を図っていきたいというふうに思います。
 
○22番(前川綾子議員)  一部の先生ではなくて、なるべく多くの先生が受けていただけるようにお願いいたします。
 今度はちょっとまた違う角度からお話をさせていただきますけど、子供たちは何となく、いろいろな点で表に出ないということを知っていると思っております。そうした教育が子供たちに必ずしもよく働いているとは限らないというふうに感じているので、今までの質問をさせていただいております。
 大人、つまり教師や周囲の大人たちを、ちょっとなめてしまっている部分というのもまたあるのではないかなということを思います。そう思いたくはありませんけれども、その風潮があるような気がしております。文部科学省初等中等教育局長より各都道府県教育委員会教育長、知事などに対して平成19年2月に教育基本法改正が成立した翌年、問題行動を起こす児童・生徒に対する指導について通知が出されております。
 教育基本法の教育の目的の一つ、生命をとうとぶこと、教育の目標を達成するために、学校においては教育を受ける者が学校生活を営む上で必要な規律を重んずること、また出席停止、懲戒などについての考え方か明記されており、問題行動を起こす児童・生徒に対して毅然とした指導を行うように依頼しています。
 そういう意味で、私は毅然としたというところで、先ほどまでの質問もさせていただいております。私も先生が大人の他者からの評価にとらわれることなく、児童・生徒に正面から向き合い、問題解決に向けて毅然とした態度で、とにかく指導・対応していただける、そうした力を教師の方たちにつけていただきたいと日ごろから願っております。それには、日ごろからの授業内容の工夫や子供たちの習熟の手応えを感じることでの教師としての自信をつけることが児童・生徒への態度に大きく影響するというふうに考えております。
 先ほど、教育長のお話にも、授業の実技の力だけじゃなくというお話もありましたけれども、そうなんですけれども、これからはそれとはちょっと違う話をさせていただくんですが、問題解決に当たることは当然ですけれども、一方で、日ごろから子供たちにしっかりとした学力を身につけさせ、教師も自信を持って指導できる着実な学級経営が進められることが必要です。ここで言う学力は、単なる勉強あるいは知識の伝達にとどまらず、子供が自分で判断し、生きていく力を身につけていくものであります。高濱正伸氏の著書、「わが子を『メシが食える大人』に育てる」に五つの基礎力が挙げられていました。言葉の力、自分で考える力、思い浮かべる力、試そうとする力、やり抜く力について書かれています。学問や知識と合わせて、こうした力を身につけていくことがこれからの人生を生き抜くということで非常に大切だということです。
 一方、秋田県が文部科学省の全国学力調査で5回連続で全国トップクラスに入ったということです。秋田県が基本姿勢で取り組んできた三つのポイント、授業での学び合いや、学校と地域社会の結びつきの深さ、通常の授業だけでなく、家庭での学習や学校での補習の充実の3点を中心に、学び合いの授業を進めてきたことがこの結果に結びついたという新聞報道がありました。
 学力と生きる力の両面を育てていく学校生活の充実がいじめを減らすことにもつながっていくということです。そして、子供に授ける教育というのは、社会人としての自立で、常に教育は長期的視点が求められているということです。子供が大人と言われる年齢になるまでの時間を考えればそのとおりだと思います。これまでも何度か、こういうお話を、ここの一般質問でもさせていただいております。だからこそ、教育が大切で、教育は夢のある事業です。そこで、先生方の力量、そして資質が問われるところです。これまでにもそうしたお話をさせていただいてはおりますが、またこのことについて、どのように思われておりますか、考え方をお聞かせください。
 
○宮田茂昭 教育部長  先ほどの前段の質問にもちょっと絡みますけれども、教員の力量であるとか、資質の向上を図るということは、やはり大変重要であろうと、必要であるというふうに思います。
 そのためには、授業づくりであるとか、学級経営、また児童・生徒理解などの、そういった研修のほうを実施しているところでございます。
 幅広い視野を持って、信頼される教員を育成するために、学習指導であるとか、学級・学年経営に必要な専門的な知識、また技能を習得して、力量や質の向上を図っていけるように、さまざまな課題に対して研修を計画していきたいというふうに思います。
 
○22番(前川綾子議員)  いろいろな、よいとされている参考例というのはたくさんありますので、どれを取り上げるかということなんですけれども、ぜひ鎌倉の子供をどのような子供に育てるかという、大人にするかということの視点を持って、また取り組んでいっていただきたいと思います。
 さて、話は戻りますけれども、ここから青少年の問題事象について、質問させていただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、教育現場での指導に対する制約があるために、長年を通して、次第に親と学校、教育委員会の関係が何かぎくしゃくしてしまうようなこと、何かが起こると、瞬く間に不信感へつながってしまうような構造になってしまっているということを感じながら質問をさせていただいてまいりましたけれども、青少年の問題事象についても、同様のことがあります。親と学校、教育委員会が信頼に基づく揺るがぬ関係づくりを期待しているところなんですが、これまでにも同僚の議員の一般質問の中でも、私の質問の中でも、鎌倉市は青少年の問題事象は特に、余りないというふうに受けとめてきたというふうに感じておりますが、しかし、冒頭で、先ほど暴力行為の数なども出ております。でも、実際のところはどのようにお考えなのか、お聞きします。
 
○相澤達彦 こどもみらい部長  市内におけます少年の非行につきまして、学校・警察連絡協議会等を通じまして、警察からお聞きしているところでございますが、従前から不良行為等により、鎌倉市内で補導・検挙される少年は市外から来た少年が多いと聞いてございます。しかしながら、市外から来た少年が多いということだけで、市内に在住している少年の不良行為ということがあるということは認識しているところでございます。
 また、この不良行為、補導・検挙されました内容につきましては、深夜徘回や喫煙行為で全体の約85%を占めているという状況でございます。
 
○22番(前川綾子議員)  私も鎌倉の中に青少年の問題行動がないというふうには決して思っておりませんので質問をさせていただいて、今、深夜徘回、喫煙が85%を占めているということを伺いました。
 この1年以内にも、いろいろな事象を私も聞いておりまして、この夏だけでも、いろんなことが青少年を取り巻いて、鎌倉の中でも起こっております。耳にしております。
 先日、学校・警察連絡協議会を常任委員会の委員長としても、久しぶりに参加させていただいた中だけでも、社会は、もう速い速度で悪くなっているように思えてなりません。脱法ハーブに手を出してしまったり、いかがわしい携帯サイトにアクセスしてしまったりと、これ皆、大人がつくった世界ではありますけれども、子供が吸い込まれてしまっていくような、そうした悲しい現実がたくさんあります。
 そこで、中学まではともかく、高校生の問題事象が起きたときに、学校を退学してしまったり、保護者以外に向き合ってくれる人がいなかったりという場合が多く、軌道修正が必要にもかかわらず、状態は悪い方向に向かっていってしまう、そういうことが現状にあるのではないかと思います。このような青少年と向き合い、課題解決を図るために、市はどのように考えていらっしゃるでしょうか、お伺いします。
 
○相澤達彦 こどもみらい部長  今、議員御指摘のように、中学生までは教育委員会のほうで把握できる、そこで高校生はなかなかつながらない、こういう中、他県での調査でございますが、小学生から高校生までの道徳や倫理性の社会ルールを守ろうとする規範意識に関する調査等を見させていただきますと、ふだんの生活におきまして、親や近所の大人が積極的にお子さんたちとやりとりをすることが非常に重要であるという報告も出てございます。こうしたことから、身近な大人への反発心も強い青少年期におきましては、親や教師以外、地域の大人のかかわりも大切であると考えてございます。
 鎌倉市の例でございますが、子ども会館・子どもの家等で育成指導員のほうから話を聞きますと、小学校を卒業したお子さんが中学校の制服を見せに来たり、また親になって、小さい赤ちゃんを連れて遊びに来たりということで、やはり御自分が顔なじみになった指導員を訪ねてくるということがあると聞いています。このような例を見まして、青少年にとっては、そういう場所に行けば、信頼できる大人がいることが必要ではないかと考えてございますので、今後も青少年指導員の活動や子供会館、青少年会館等での取り組みなどを通じまして、地域の大人と青少年との交流を図っていきたいと考えてございます。
 
○22番(前川綾子議員)  地域に親とか、そういう以外の方の目をつくろうというふうに理解いたしました。ぜひお願いします。
 そして、市と警察は、やはりこういうことですので、連携を持って情報交換など定期的に行って、現状把握に努めていただいて、教育委員会とも、そうした情報を共有して、青少年が健やかに育つ環境をどのようにつくり上げていけばいいかということを絶えず話し合っていっていただきたいと思いますが、青少年行政を推進するに当たって、必要だということを認識しながら、どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
 
○相澤達彦 こどもみらい部長  青少年の育成支援を充実させていくためには、現状把握がやはり大切であろうと考えてございます。
 こうした中で、今、議員御指摘のございました警察との連携、情報交換につきましては、今現在は先ほど申し上げました学校・警察連絡協議会、また青少年問題協議会と警察との合同パトロール等の実施、また青少年健全育成キャンペーンの実施により行っておりますが、今後は教育委員会とともに、日常的に情報交換をできるような機会を設けることにつきまして、鎌倉・大船警察署に対して協力を依頼していきたいと考えてございます。
 
○22番(前川綾子議員)  日常的に、定期的に鎌倉と大船警察署に出向いていただいて、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 一方で、青少年育成のよりよい環境づくりを進めることが重要で、青少年が健やかに育つための基本となるのが、先ごろ策定された子ども・若者育成プランです。着実に推進されているというふうに思っておりますが、その推進のために、何か特別な方法を考えていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
 
○相澤達彦 こどもみらい部長  子ども・若者育成プランにつきましては、昨年8月に策定してございます。この中では、青少年の居場所づくり、支援体制の充実、社会参画の推進を特に重要な取り組みとして掲げてございます。このプランの推進を図っていくためには、市民、学識経験者、青少年育成団体や教育関係者により、子ども・若者育成プラン推進協議会を組織して推進を進めているところでございます。
 先ほど申し上げました、特に重要な取り組みのうち、青少年の居場所づくりにつきましては、青少年育成団体や青少年指導員、また主任児童委員、こども育成指導員と意見交換を実施して、今後の進め方を考えているところでございます。
 また、青少年の社会参画につきましては、玉縄青少年会館のハンドベル講座の参加者の方々の発表の場といたしまして、また地域貢献の場といたしましても、近隣の保育園で、このハンドベルを園児向けに演奏会を実施し、好評を博しているところでございます。今後も、このような自主講座参加者が、例えば老人福祉センターや、地域のお祭りに参加して、青少年が社会参画につながるという形を考えているところでございます。
 また、取り組みの推進に当たりましては、青少年の実態把握が大切であると考えてございます。今後も、青少年指導員を中心としまして、青少年とかかわりの深い地域の方々と意見交換をしながら取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
 
○22番(前川綾子議員)  今お伺いしましたことを充実して取り組みをお願いしたいと思います。
 また、もう一つ、やはり前からお願いしておりますけれども、青少年の声が発信できる場所をどこか市としてつくっていただきたいと思いますので、改めて要望させていただきます。
 子供や青少年について、ここまで伺ってまいりました。ここからは、親のあり方に目を向けたいと思います。家庭のあり方、親のあり方が子供の成長に大きな意味を持つと思います。親としてどうあるべきかということがよくわからないままに、親になってしまっている状況も多く見受けられます。親としてどうあるべきか、家庭としてどうあるべきか、今、問い直す時期に来ているのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか、お伺いさせていただきます。
 
○宮田茂昭 教育部長  教育委員会という立場からいたしますと、日ごろから子供と向き合える家庭であってほしいというふうに思います。子供のよさというのを認めて、またそれを受けとめてほしいというふうに考えます。
 子供の指導というのは、学校だけでできるというものではございません。したがって、しっかりと家庭が学校のほうと連携を図るということが大事だろうというふうに思います。
 
○22番(前川綾子議員)  親が変われば、子供が変わると、よく耳にいたします。学校教育のあり方、青少年行政、それに加えて親のあり方が、子供や親の育ちに大きなウエートがかかるというふうに誰もが思っていると思います。私もそう思っております。親としての学びが必要な時期に来ております。
 今、親学という言葉で表現されているということですけれども、私はこの親学のような形で、親に伝えていくことも必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 
○熊代徳彦 教育長  親学という言葉ですが、いつの間にか、マスコミにこの言葉が出てきて、もうかなりたつんですけれども、そういう親御さんを育てたのも学校教育の中の一環でございますので、教師にも一端の責任があるだろうというふうには思っております。
 最近は、ほとんどなくなりましたけれども、以前は学級参観ですね、後ろのほうで、特に低学年の教室で、30人とすると、少なくとも25人ぐらいのお母さん方、あるいは、中にはお父さんがいるんですけど、いられて、携帯電話がかかってくると、平気でその部屋の中で携帯、大きい声でかけて平気だったり、あるいは自分のお子さんが指されて、わからないと、お母さんがそばへ行って平気で教えてしまったり、あるいは手を挙げないと、挙げなさいと、後ろから怒鳴ったり、これは鎌倉市内でもあったことです。
 もちろん、これは親とすれば必死になって、自分の子供がきょう、どういう授業をするのか、心配でたまらない、それがつい、勇み足で出てしまうんでしょうけれども、やはり親というのは常に子供のそばにいて、それこそ最初に出会う先生は、よく言われるようにお母さんだと、家庭にあって、子供はですね、そういう先生としての役割をお母さん、お父さんが担っていただけると、親学というよりも、自然に私はそうしなければならないという大人の気持ちが働くんじゃないかなと思っているんですね。もっともっと積極的に、やはり家に帰ったら、子供からいろんな話を、学校であった話を聞くような、さっき教員も聞く耳と言いましたけれども、親御さんも子供の話をよく聞く耳を持ってもらいたいなと。ちょっと忙しいから、後にしてとかではなくて、常に子供に寄り添うと言いますけど、これは教師も同じです。そういう状況の中に、やはり子供が家庭の中で育ってほしいというふうに思っています。
 あえて親学という学問がなくても、私は十分そういう気持ちがあれば、親と子の間というのは自然にうまくいって、子供から受ける親のしつけもできるんじゃないかなと。お母さん、お父さん、そんなことしちゃいけないって学校で言っていたよ、というような、子供から学ぶことも多いだろうと思っています。そういった意味で、家庭の中で、やはり子供とともにある親御さんであってほしいなというふうに考えております。
 
○22番(前川綾子議員)  今、あえて親学ということはという話もありましたけれども、でも、親として、教育長の話は、本当にそのとおりで耳が痛い部分というのはありますので、何とも申し上げようがないんですけれども、実は私はこの親学を教育プランのところに入れてほしいというふうに実は思っています。今、あえて親学と言わなくてもという話がありましたけれども、あえてやらなければいけない時期に来てしまっているのかなというふうに思いました。
 それで、そういう提案をしましたが、教育プランというのは、子供に対するものであるということもあり、家庭教育という部門もあるということなんですけれども、その教育プランなんですけども、平成18年に教育基本法が改正されて以降、文言の整理などはして、特に、改正はせずに今日に至っています。これほど社会がやっぱり大きく、急速に変化しているのに、抜本的な見直しをしないということはいいのかなというふうに私は思っています。新たな課題の位置づけをやっぱり検討すべきと思って、この親学もそうですし、いじめも書いてあるんですけど、いじめもやはり膨らませていかなければいけない部分というのがあるんではないかというふうにも思っておりますけれども、その辺のところでお考えを聞かせていただきたいんですが、まずその位置づけはどのようなことでお考えでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  位置づけということでございますが、教育プランについては、今御紹介もあったように、将来を担う子供たちを導く教育目標ということで、また30年先を見越していくんだというようなことで、平成16年11月に策定をしています。そういった中で、学習、学校の教育指導の重点というのを教育委員会でもつくったりしております。また、教育目標なども各学校でつくったりしておりますけども、これら全て教育プランをもとにしてつくっているということでございます。
 そういった中で、今後も学校教育の理念という形で、活用していきたいというふうに考えています。
 
○22番(前川綾子議員)  プランは教育のよりどころですので、やはりたびたび手をつけるものではないということも私も理解しているつもりでおります。
 ただ、余りにも、このように環境が早く変わっていく、悪化していくというとあれですが、急速に変わっていくことを考えると、やはり新たな課題として捉えながら、どこか議論の場所をつくっていくことが必要なんではないかというふうに思っておりますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  先ほどもちょっと御紹介があったように、今の教育プランの中に、いじめの問題であるとか、また子育てという視点で、基本方針の現状という中では、そういった問題を掲げてございます。
 教育プランにつきましては、学校教育という位置づけのプランでございますので、御提案のあった親学みたいなものにつきましての考え方については、また別途考えて、検討していきたいというふうに思います。
 
○22番(前川綾子議員)  ぜひお願いいたします。
 先ほどいじめのお話もさせていただきましたけれども、先ほど、いろんなお話させていただきながら、やはり鎌倉の子供がよりよく、楽しく、そして立派な大人になっていくという、そういう道筋をたどっていくということを誰もが希望しています。その中で、やはりいじめ施策の予防として、前にも挙げさせていただきまして、今、その結果なのかわかりませんが、ようこそ先達事業のようなことも行われておりますけれども、やはり夢の持てる相手のお話を聞かせていただくということ、一つの予防対策になると思っております。
 そこで、もっと身近な方たちのお話を聞かせていただける場が頻繁にあるといいと思いますけれども、その点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 
○宮田茂昭 教育部長  今、そういうキャリア教育のようなものにつきましては、小学校のほうでは生き方教育、また中学校では、今のキャリア教育という中で、将来のことであるとか、職業に関する学習を行っています。そういった中で、身近で頑張っている大人の方々に、学校に来ていただいて、その職業観であるとか、生き方についてのお話をいただくということで、そういった設定をしてございます。
 各学校さまざまな方法、内容で、一律ではございませんけども、そういった内容で行っておりまして、さらなる充実を図っていきたいというふうに思います。
 
○相澤達彦 こどもみらい部長  青少年行政をつかさどるほうの私どものほうとしましても、子供たちが将来に夢を持ち、その夢の実現のために勉強をすることの意味を見出したり、さまざまなことに挑戦し、努力するということはすばらしいと考えてございます。
 その中で、議員御指摘のように、身近な先輩の話を聞いたり、さまざまな体験をするということは、将来への可能性を広げるために有効であると考えているため、今後取り組みについて検討をしてまいりたいと考えてございます。
 
○22番(前川綾子議員)  青少年行政、教育委員会にずっと伺ってきた中から、御両人からお伺いさせていただきました。ぜひ、全校でこれを実施できるようにお考えいただきたいと思います。今、多分一部の学校では、何らかされていると思いますけれども、どうぞ全校での働きかけをお願いしたいと思います。
 子供が育つ環境の整備について、青少年の育成について、さまざま伺ってまいりました。青少年の将来を見据えて、しっかりとした教育行政、青少年行政を進めていただきたいと強く願って、これまで長々と質問をさせていただき、お考えを聞かせていただきました。
 最後に、今後に向けての決意を教育長と市長にお伺いさせていただきたいと思います。お願いいたします。
 
○熊代徳彦 教育長  いろいろ、いじめ問題から親学の問題、あるいはこれからの子供たち、家庭における教育のあり方、いろいろな方面から御質問いただきました。これを踏まえて、やはり教育委員会としては、やはり地域とか家庭とか、三者一体となってやっぱり進めていかなければいけない、もちろん行政もです。そのためには、義務教育で終わるだけのものではなくて、その先へ行ったときのつながりを大事にするような、これから教育であらなければいけないだろうというふうには考えております。そういった意味で、教育委員会がどことどういうふうにつながりを示していくのか、例えば、市長部局のどこと、そしてさらに市長部局と教育委員会と、外の関係というふうに考えながら、その先を考えた、やはり教育行政を考えていかなければいけないだろうというふうに思っております。
 
○松尾崇 市長  今、教育長がおっしゃったことのとおりだと思うんですけど、教育委員会は生きる力ということを柱に据えています。先ほど、議員さんの質問の中にもありましたけど、先日高濱先生に御講演いただきまして、やっぱり社会を生き抜く力というのを今つけていくというのは、非常に重要だというふうに思っています。地域で起こっている問題ですとか、社会で起こっている問題に、やっぱり当事者意識を持って、自立した、責任感のある大人をどのように、ふやしていくかということにも大変重要なポイントがあるというふうに思っています。
 そのことを実現していくために、教育長もおっしゃったように、学校、家庭、そして地域と、しっかりと連携してやっていかなければならないと思っています。行政だけでできることではありませんので、またそうした地域の方々にも、積極的に自分の子供だけではなくて、地域、日本の子供を大切に思う心を持っていただいて、みんなでよりよい、この青少年育成の行政を進めてまいりたいというふうに考えています。
 
○22番(前川綾子議員)  お二人のお話を聞かせていただいて、大変心強く思っております。ぜひお願いしたいと思います。鎌倉が青少年の将来を見据えて、問題が起きる前に、起きてからのことを受けとめられるような町になることが期待されています。
 特に、青少年課と教育委員会は、常時連携をとっていただきたいというふうに思います。ぜひお願いいたします。青少年課を市長部局に機構改革したのは、そうした趣旨で機構改革をしたというふうに、私は認識させていただいて今日に至っておりますので、ぜひとも青少年の育成に力を注いでいただくように、強くお願いいたします。
 先生が、保護者が、子供たちと常にしっかり向き合える環境、習慣、きちんと勉強ができる、先ほども申し上げましたように、学力を身につけるということができる、そしてそうした社会であることが浸透していかなければ、やはり不条理なことがちょっとでも起こると、社会から排除されてしまうような、そんな現象も起こってしまいます。どうぞ、私たち大人が継続して、努力していくことが求められますので、小さな対策から大きな対策まで考えていただいて、連携をもとにぜひとも鎌倉の子供の育成に、よろしくお願いしたいと思います。これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 
○議長(伊東正博議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (11時47分  休憩)
                   (13時10分  再開)
 
○議長(伊東正博議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、納所輝次議員。
 
○11番(納所輝次議員)  それでは、通告に従いまして、一般質問を行います。
 今回は、通学路の安全対策についてということで質問をさせていただきます。
 ことし、通学途中の児童たちを巻き込む痛ましい交通事故が相次いで発生し、危険と隣り合わせの通学路の実態が表面化しました。本年4月23日、京都府亀岡市で軽自動車が集団登校中の児童と、保護者の列に突入し、3人が死亡、7人が重軽傷という痛ましい事故が発生しました。
 さらにその4日後、千葉県館山市と愛知県岡崎市、5月7日にも愛知県小牧市、14日には、大阪市で登下校時の児童が死傷する事故が立て続けに発生しております。
 近年、交通事故全体における死亡者数は減少傾向にあるものの、死亡者数に占める歩行者の割合が増加しておりまして、2011年には36.6%にまで上っております。
 また、道幅の狭い5.5メートル未満の生活道路での死亡事故の割合も増加しており、この春、相次いで起きた惨事は、このような流れの中で起きた事件と言えます。
 交通事故の原因としては、居眠り、不注意、無免許などの、明らかなルール違反と運転者のモラルの劣化が挙げられます。道路交通法上の横断歩道における歩行者の優先や、過労運転の禁止などの規定が形骸化し、それを守る精神の風化も問題になっております。ルールを守っている歩行者が守られることを最優先に掲げ、歩行者優先、人間優先の交通体系の理念を徹底しなくてはなりません。
 そこで、まず通学路の点検と対応について伺ってまいります。
 この相次ぐ事故を受けて、文部科学省、国土交通省、警察庁は連携して、通学路の交通安全の確保に関する取り組みを行うこととし、国レベルの連携体制への強化、地域レベルの関係機関による連携体制の整備、緊急合同点検の実施を決定し、教育委員会、道路管理者、警察に対して5月30日に通知を出しました。これにより、各自治体は公立小学校などを対象として、学校、道路管理者、警察が連携し、保護者、地域住民等の協力も得て、8月末までを目途に緊急合同点検を実施し、国へ報告することと、点検の結果を受けて、対策が必要とされた箇所について安全対策を検討・実施することとなりました。
 そこでお伺いをいたしますけれども、4月に起きた通学路等での子供の交通事故を受けて、どのように対応したのか伺います。
 
○宮田茂昭 教育部長  4月に起きました、京都府、あるいは千葉県などでの事故を受けまして、5月の初旬に各小・中学校長宛てに対して、通学路の安全確認についての再点検を行うように要請を行いました。
 また、その後、文部科学省のほうからも、通学路の安全点検や、安全確保を図るようにという要請がございまして、再度小学校長に対しまして、児童・生徒への注意喚起であるとか、学校、保護者、また地域の方々の協力によって、より一層の交通安全を図るようにという依頼を行ったところです。
 さらには、例年実施しております通学路改善要望箇所調査におきましても、今回の事故を踏まえて、小・中学校で一から総点検を実施して、学校から改善要望書が提出されているという状況でございます。
 
○11番(納所輝次議員)  緊急合同点検を行う前に、例年行っている通学路の調査ということでございます。
 その通学路の危険箇所の対応については、どのような形で実施をしているのか伺います。
 
○宮田茂昭 教育部長  通学路におけます危険箇所の対応ということですが、例年、各小・中学校で、4月から6月にかけまして、学区内の通学路を教職員であるとか、またPTA、また校外委員の方、また市の関係職員であるとか、場合によっては警察の関係者なども入りまして、一緒に現場確認を行いまして、危険な箇所を改善要望書として教育委員会のほうに提出してもらっています。
 この要望書を教育委員会のほうで取りまとめまして、防災安全部のほうが所管しております鎌倉市スクールゾーン等交通安全対策協議会のほうに対策のほうを依頼しているという状況です。
 そして、その協議会のほうで改善要望について協議・検討を行って、年末に今後の対応策を教育委員会を経由しまして、各学校に通知し、危険箇所の改善を図っていると、そういうサイクルで実施しております。
 
○11番(納所輝次議員)  この通学路の危険箇所の対応、すぐできるものと、それからできないものというものはあると思います。
 危険箇所の対応として、すぐに安全対策ができない理由、例えばどういったことが挙げられるのか。また、その場合はどのように対応しているのかお伺いをしたいと思います。
 
○嶋村豊一 防災安全部長  御指摘の危険な箇所の対応としましては、歩道の拡幅やガードレールを設置しまして、歩行者と車を分離することが挙げられております。そのためには、用地買収による歩道スペースの確保や、道路が拡幅できないのであれば、車道を狭くして、ガードレールや歩道の設置スペースを確保することが必要となります。
 用地買収や地元の理解、警察等との協議など、さまざまな課題があり、安全対策がすぐに対応することが難しい理由となっております。
 本格的な整備につきましては、長期的な課題となるため、対策がとられるまでの間は、すぐにできる対策としまして、道路のカラー化や通学時間帯の危険箇所での安全見守り活動の実施など、ハード・ソフト両面での対応を図っていきたいというふうに考えてございます。
 
○11番(納所輝次議員)  まずは、ハード面の改善、それができなければソフト面での対応というのが求められると思いますけれども、じゃあ、次に通学路の設定と安全確保について伺ってまいりたいと思いますけれども、通学路というのは、どのような基準で設定をされているのか、この点をお伺いしたいと思います。
 
○宮田茂昭 教育部長  通学路につきましては、各学校のほうが学区内の道路の状況などを考慮して、それぞれ学校ごとで決めている状況です。
 設定に当たっては、車の交通量であるとか、道路の幅員、また歩道とか信号の整備状況、またブロック塀、トンネル、交差点、踏切などといった危険な箇所、また防犯面では照明や死角になりやすい場所の有無などを考慮して決めているところです。
 また、通学路の設定見直しを行うときには、このような状況の変化を教員のほうが確認をするとともに、保護者、または校外委員の方、自治会、町内会の役員の方などの意見も参考にして変更もさせているということでございます。
 
○11番(納所輝次議員)  この通学路というのは、いわゆる位置づけというのはないようなんですね。学校保健安全法や道路交通法上での明確な位置づけというのはなされていないそうでございます。そういった位置づけがなされていないということは、通学中の児童・生徒への安全配慮義務が明確になっていないという実情も考えられるわけでございます。
 通学路の条件、今も部長のほうが教えてくださいましたけれども、その条件を挙げるならば、できるだけ歩道と車道の区別があること、それから区別がない場合は、交通量が少ないこと、また幅員が児童・生徒等の通行が確保できること。鎌倉市には55カ所の踏切と、あと腰越地域には、江ノ電が路面を走行する場所がありますので、踏切で見通しの悪い危険箇所がないこと、また横断する場所に横断歩道、また信号機が設置されたり、あるいは警察官などの誘導が行われたりしていること。また、犯罪の可能性が低いこと。安全点検の目安となる、こういった基準を市としても、また教育委員会としてもきちんと定めておくべきではないかなと思います。
 そこで、ソフト面になりますけれども、子供たちが通学する上での安全指導、これはどのように行っているのか、お伺いいたします。
 
○宮田茂昭 教育部長  通学する上での安全指導ということでございますけども、ほとんどが、まずは年度の始まりに、児童・生徒に対しまして、通学路についての確認をしている状況です。
 その際に、通学路におけます危険箇所であるとか、また要注意場所などについては、繰り返し指導しているという状況です。
 また、登下校のときには、地域の見守り隊の方であるとか、PTAの校外委員の方などと連携いたしまして、安全指導として危険箇所、また要注意場所での安全指導を行っていただいている状況です。
 
○11番(納所輝次議員)  徒歩やバス、電車等、さまざまな交通機関利用による通学の安全確保については、学校側がきちんとした安全管理の目安を持っておく必要があると思います。
 まず、児童・生徒など一人一人の通学方法を把握すること、それから通学に関して、家庭や地域の関係機関、団体等と連携を図ること、部活動などで下校時刻が遅くなる場合の下校の仕方、児童・生徒等の行動の自己管理の指導など、主に個々の先生方に委ねられているこれらの一般的な安全管理、これはぜひ全学校で共通した目安を持っていただきたいなと思っております。
 その中で、バスや電車などの通学方法に応じた安全指導、これはどのように行っているのかお伺いをいたします。
 
○宮田茂昭 教育部長  市内でも幾つかの学校で、電車、江ノ電などを利用するということで通ってきている子供がおります。そういった交通機関を利用している児童・生徒に対しましては、乗降時のマナーを含めて、年度初めに個別にやったり、また地区別の集まりの際に、そういった安全指導のほうを行っております。
 また、特にバスのほうでは、乗降時の直前の横断、それから電車のほうでは駆け込み乗車などが特にまた危険につながるというようなことを子供たちにも伝えまして、時間に余裕を持って行動するようにというような指導も行っております。
 
○11番(納所輝次議員)  徒歩で通学する場合は、交通量の多い地域での対処方法、またバス、電車等を利用する場合は、乗車時や乗車中の行動、降車後の横断や移動などに留意した安全確保ができているかどうか、また児童・生徒等が今度は加害者とならないように、他の歩行者、特に高齢者や幼児、障害のある人たちへの配慮ができるようにすることも、これは一つの安全管理になるのではないかなと思いますし、そういった指導をぜひ徹底していただきたいと思います。
 ちょっと話変わりますけど、悪天候や、自然災害が発生したとき、または重大事件発生における登下校の対応、これはどのようになさっているでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  各学校におきましては、安全防災マニュアルというのを作成いたしまして、その対応を決めております。
 基本的な対応としては、悪天候や自然災害の中では、登下校については、風雨がおさまるまで家で状況を見る、また下校時については、状況を見て集団下校を行って、教員が危険箇所であるとか、要注意場所に立ちまして、安全を確保しながら下校させるという対応でございます。
 また、重大事件であるとか、先般の大きな地震等、大きな災害のときには、引き渡し下校という形で、保護者と帰る方法といったものなどでの安全の確保を図っております。
 
○11番(納所輝次議員)  各学校において、気象情報や災害情報の入手、また状況に応じた臨時休校、また登下校時刻や通学順路の変更、保護者の同伴登下校、教職員の引率等の対処については、これは日ごろから繰り返し準備をしておくことも大事な安全管理になるのではないかなと思っております。
 でも、子供たちは道を歩くなり、通るわけでございます。その子供の命を守るための道路交通環境の整備について伺ってまいりたいと思いますけれども、まず鎌倉市において、道路整備の考え方ですね、道路整備はどのような整備を行っているのか、ちょっと漠然としておりますけれども、その点をお伺いしたいと思います。
 
○山田栄一 都市整備部長  現在の道路整備といたしましては、舗装の老朽化等によりまして修繕が必要とされる箇所から改修工事を行っております。
 特に、交通安全施設整備としまして、バリアフリー化の一環としても効果がございます歩道段差の解消や、道路側溝のふたを改修し、それによりまして、歩行空間の整備、また横断防止柵や飛び出し防止柵の設置、車どめ等の設置を行っていると、こういう状況でございます。
 
○11番(納所輝次議員)  確かに、最近、側溝のふたも大分歩きやすいものに変わってきておりまして、今小路通りなどは、非常に幅員が狭い道で、どうしても乗用車が通ると側溝の上を歩かなければいけない。そこに段差があったり、穴があったりすると、歩きにくかったわけですけれども、非常に平面的な、歩きやすいものに変わってきていると思います。
 それは、歩行者の安全というものも当然考慮されていると思いますけれども、昨年、策定されました第9次鎌倉市交通安全計画には、歩行者の安全を第一に考えた道路整備や交通規制を行い、自動車優先の考え方からの転換を促していくとありました。事故のない道路のためには、まずは道路の交通量を削減すること、これが一番手っ取り早いと思います。そして、自動車の速度を低減させること、これも早い方策だと思います。実は、これが世界遺産登録を目指す古都鎌倉の、そして日本有数の観光都市である鎌倉の悲願でもあるわけですし、それ以前に、幅員の狭い道路が多い鎌倉の課題でもあると思っております。
 できれば、歩行者と車両を分離することが一番いいことは誰でもわかることですし、望んでいることでございます。では、実際、そういった課題のある鎌倉市の道路において、歩行者と車両の分離についての取り組みはどのようになっているのか、お伺いいたします。
 
○山田栄一 都市整備部長  歩行者と車両の分離方法の手法としましては、先ほど防災安全部長からの答弁にもございましたが、歩道の整備やガードレールの設置などがあります。本市の道路の多くは、道路幅員が狭いために、用地取得を必要とします拡幅整備が進んでいないことから、主に運転者への視認性を高めることを目的としまして、カラー舗装を行い、歩行者空間の確保に努めております。
 
○11番(納所輝次議員)  まずは、交通環境そのものを安全にするということが重要であり、可能な限り、歩行者と車両が分離された安全な空間が確保できるようにすることが望ましいのですが、現実的には、地域住民の生活もありますし、生活道路から自動車全てを排除するということは、もう困難です。自動車の速度をいかに落とさせるかということに、まず力を注ぐべきであると思います。
 事故時の自動車の速度が時速30キロメートルを超えると死亡率や重症になる割合が急激に高まるというデータがあります。安全な速度の一つの基準として、住宅地内の幹線道路でないところの規制速度については、時速30キロメートルにすることが大変有効であると思います。
 通学路は生活道路の一部でもあり、そもそも生活道路の安全性が高まらないと、通学路の安全性も高まりません。子供にとって、安全な道路環境とは、高齢歩行者や他の歩行者にとっても安全な環境となり得るわけで、両者を別問題として考えるべきではないと思うわけでございます。
 この生活道路の安全確保の問題は、国の第9次交通安全計画の中に明記されていますし、それを受けて策定されている第9次鎌倉市交通安全計画には、子供や歩行者の視点を踏まえた目標が掲げられています。ところが、この計画の中で、通学路等の交通安全施設の整備については、幼児・児童の通園・通学の安全を確保するため、通学路の歩行空間等の整備拡充を図りますの一文だけしか書かれておりません。それでも、通学路の整備・拡充が進めばよいのですけれども、どのように図るのか、どこまで行うのかが不明確に思えてなりません。計画の進行管理が問われるのではないかと思いますが、この第9次鎌倉市交通安全計画における進行管理はどのように行っているのか伺います。
 
○嶋村豊一 防災安全部長  第9次鎌倉市交通安全計画は、鎌倉市交通安全対策会議条例に基づきまして設置されております鎌倉市交通安全対策会議により作成をされたものでございます。
 平成23年度から27年度までの5カ年間を計画期間としております。道路交通の安全についての対策としましては、議員からも御紹介ございましたけれども、高齢者及び子供の安全確保あるいは歩行者及び自転車の安全確保、また生活道路及び幹線道路における安全確保、そして市民との連携・協働、この4項目につきまして、重点的に取り組むことを目標としてございます。
 この計画の進行管理につきましては、毎年交通事故や交通安全教育等の統計をまとめました交通安全と事故の調べを作成をしておりまして、現状を把握した上で、人命尊重の理念に基づきまして、交通事故のない社会を目指して施策に取り組んでいるところでございます。
 
○11番(納所輝次議員)  そういった計画も、いついつまでに、どこをどうするといったような具体的な方策ですね、計画上、通学路の整備・拡充を図るとありますけれども、具体的な方策を持っていなければ、いわゆる計画のための計画になってしまわないかと。例えば、通学路を表示する標識を適切な箇所に設置する、場所や状況により交通規制を要請する、特に危険な箇所では、警察官等による誘導や指示、交通安全や犯罪防止のために必要な設備等の設置を要請するであるとか、あと障害物の放置、工事状況、場所によっては催し物が実施されて、人が多く集まる場合もございます。そういった催し物の実施等に関連して、通学路を点検し、適切に対処する、また保護者、関係機関等との情報交換、情報処理を円滑に行う体制を確立するといったような、具体的な方策を、計画の上で、もしくは計画を受けて、あらかじめ明確にしておく必要があるんじゃないかと思うんです。
 通学路は生活道路の一部で、その生活道路の安全性が高まらなければ、通学路の安全性も高まりません。具体的には、ハンプであるとか、狭窄といったものの設置による空間整備の実施も考えられると思います。道路に意図的に段差を設けるハンプ、これは速度抑制のほか、注意喚起の効果も大きくて、幅員の狭い日本の生活道路に適合すると言われております。その形状の工夫で騒音・振動問題もほぼ解消できるとされていますが、一方、そのハンプにふなれな貨物自動車等が高速で走行してしまうと、騒音や振動が発生してしまうというおそれもあるわけで、まずは信号のない交差点の手前であるとか、あとは学校や公園の出口など、注意喚起や速度抑制が絶対に必要な箇所への設置を検討してもいいと思うわけでございます。
 あとは、車道の幅を物理的に狭くしたりとか、白線の内側に点線などを描くなどして、視覚的に狭く見せかけることで通行車両に減速を促す狭窄、これは交差点付近に設置することによって、地区内の自動車の速度抑制とあわせて、子供の飛び出しによる出会い頭の事故を削減できるというふうに言われております。
 路側帯の拡幅、カラー舗装等は、地域住民の反対が少なくて、エリア全体でコストをかけずに速度抑制を図るのにも有効でございます。
 また、先ほど申し上げましたハンプですが、立体的なハンプでなくても、道路上に色の組み合わせでハンプのように立体的に見えるイメージハンプを描くという方法もございます。実際、藤沢市ですね、鎌倉市に隣接した村岡地域、非常に狭い生活道路があるわけですけど、至るところにハンプが描かれておりまして、藤沢方面から、例えば鎌倉の大船方面ですね、大きな工場、研究所がございますけれど、そちらに結構、タクシーが抜け道として使用するということで、歩行者が普通に通っていても、乗用車が通ると脇にどかなければいけないというところ、そこに至るところにイメージハンプが描かれておりまして、速度抑制、注意喚起にちょっと効果があるかなというふうに思うわけでございます。
 ですから、鎌倉市の場合も、至るところといわずに、生活道路中心にイメージハンプの導入も有効ではないかと思いますけれども、このイメージハンプの導入についてお考えをお伺いしたいと思います。
 
○山田栄一 都市整備部長  イメージハンプの件でございます。実は、鎌倉市でも平成11年度に今小路通り、ここで速度低下策の社会実験としてイメージハンプを設置しました。
 しかしながら、その後のワークショップで効果が薄いというような御意見もございました。これは、恐らくハンプがあの場所にあるんだということで、運転手の方から認知されてしまったのではないかと、そのように考えております。
 それ以降、道路整備として、イメージハンプを設置した例というのはございません。しかしながら、今後は他市の、今御紹介ありました藤沢市等を含めまして、設置状況やその効果を参考に設置場所等を初めとして、景観等にも配慮しながら、その設置等に向けて検討してまいりたいと、そのように考えております。
 
○11番(納所輝次議員)  まずは、スクールゾーンにそのイメージハンプの導入を検討してもよいかなと思うわけでございます。今、スクールゾーンと申し上げましたけれども、そのスクールゾーンの定義、これはどのようになっているのかお伺いをしたいと思います。
 
○嶋村豊一 防災安全部長  スクールゾーンの定義でございますけれども、内閣府の交通対策本部において決定をされました昭和47年春の全国交通安全運動要綱の中で定められてございます。
 急増する子供の交通事故から園児・児童等を守るため、警察・行政・教育機関・地域が一体となり、交通安全運動に重点的に取り組む範囲として、小学校を中心とする、おおむね500メートル四方の範囲を位置づけたものでございます。
 
○11番(納所輝次議員)  鎌倉市の市道などでも、道路上に文字のペイントでスクールゾーンという表示がございます。ただ、今おっしゃったように、半径500メートルと、意外と距離があるんですね、スクールゾーンの距離、学校を中心として。ですから、学校までの距離があるせいか、学校が近くにあるぞという緊張感が、ちょっとドライバーに伝わりにくいのかなという印象もございます。ですから、鎌倉市においても、そのスクールゾーンの定義についても、より明確な基準、より具体的な基準を持ってもいいのではないかと思います。
 そして、交通量、走行車両の平均速度、事故、あとヒヤリ・ハット、ニアアクシデント、そういった発生頻度、交差点の危険度等から、通学路の安全度を評価することは可能か、客観的指標をどうするかなどといったスクールゾーンの安全評価基準も持つべきではないかと思うわけでございます。
 いずれにしても、スクールゾーンの設定には、子供の命を守るというメッセージを明確に打ち出すことが重要でありまして、街路や地域に、学校が近くにあるという雰囲気づくりが求められていると思いますので、通学路を含む学校周辺を安全にするという施策は、地域住民等に明快にわかるようにメッセージ性を持ったものにすべきであると思います。
 現在、鎌倉市内では、通学路を周知するために路側に緑のラインを引いて、安全な運転を促す取り組みを行っている道路もございます。ドライバーに対する注意喚起では警察による取り締まりやパトロール、これはドライバーに対する抑止力が非常に大きく、学校周辺においてPTAや地域住民の皆さんの安全指導と効果的に組み合わせて実施していくということが非常に重要でございまして、ドライバーに、きょうは取り締まりを行っているかもしれないと思わせることで、特に子供たちが多い場所は、社会みんなが守ろうとしているんだという、その地域のメッセージを出せるのではないかと思うわけでございます。そういった連携が非常に重要でございます。学校とPTA、地域住民、警察との連携の取り組みの状況についてお伺いをしたいと思います。
 
○宮田茂昭 教育部長  安全の取り組みということですが、登下校時につきましては、PTAの校外役員の方であるとか、町内会などの地域の方々の御協力を得まして、通学路におけます安全確保をお願いしているところでございます。
 特に、1年生については、安全に登下校ができるようになるまで集団登校と集団下校を行っているところです。また、学区内の危険箇所や要注意場所等については、PTA校外役員の方々に中心となっていただいて、その辺を整理して、安全マップなどを作成している学校もございます。また学区内の駐在所であるとか、交番などにも、安全パトロールのお願いをしているところでございます。
 
○11番(納所輝次議員)  そういった関係機関等の連携・協力による地域全体の安全確保は非常に重要だと思います。となりますと、行政の役割もかなり求められてくると思いますけれども、通学路の点検や安全対策を中心的に推進する部署は、どこになりますでしょうか。
 
○嶋村豊一 防災安全部長  通学路の点検につきましては、学校と教育委員会が中心となって実施をしてございます。
 安全対策につきましては、鎌倉市におきましては、防災安全部が中心となってございます。
 推進の体制としましては、鎌倉市と県の道路管理者、あるいは交通管理者、教育関係者、保護者等が協議・調整を行うための組織としまして、平成20年度に鎌倉市スクールゾーン等交通安全対策協議会を設置いたしまして、通学路等の交通安全対策に取り組んでいるところでございます。
 
○11番(納所輝次議員)  今回、通学路の安全対策について質問をしようということで、私は学校が中心のことになりますので、まず教育委員会の学務課に問い合わせをしました。そして、じゃあ、安全対策はどうなっているんだと、そうすると、安全対策は防災安全部の市民安全課が所管でありまして、じゃあ、こういった道路はどうするんだという話になると、さらに道路整備については、都市整備部の道路課が所管になるということでございます。
 つまり、この通学路の安全点検と一言で言いましても、1課では解決しにくいのが通学路の安全点検である、当たり前かもしれませんけれども、これがはっきりと今回認識をさせられたわけでございます。
 ただ、学校ごとに通学路の安全対策を推進するリーダーは学校長になると思いますが、校長先生が通学路の課題を把握して学務課に要望しても、そこから市民安全課、道路課との協議に走り回らなければなりませんし、その中で、例えば1課でも後ろ向きになってしまうと、解決が進まないという、その連携の難しさがあります。つまり、通学路の安全対策の窓口が1本でないということ、実務的にですね。それが改善をおくらせる原因になってはいけないという側面もございます。ですから、どこかがコーディネーターとして窓口を一つにして、そこからしかるべきところに連絡をとるなど、できる限り学校や住民からの要望を対策につなげるまでのロスタイムをなくす必要があるのではないかと思うわけでございます。
 通学路の安全対策や交通安全教育は、学校や市役所だけの課題ではなくて、今、部長もおっしゃいました県警や藤沢土木事務所などの関係機関もかかわってまいりますし、さらには、地域住民との調整も必要でございます。それならば、交通政策上の課題であると。そうすると、交通計画はどこでやるのかというと、今度は、まちづくり景観部の交通計画課になるわけで、さらにもう1課ふえてしまうわけですね。
 警察や学校現場などの関係機関、または学校と保護者の間に立って、通学路の安全対策について調整したり、安全教育を行う専門的な人材が必要であり、さらには、それらを含めた交通政策について体系立てて取り組む部署が必要となると思いますけど、この点、どのようにお考えでしょうか。
 
○相川誉夫 経営企画部長  まず、安全教育を行うための専門的な人材が必要であるという御質問がございます。各課が業務を行う上で、新たに専門的な人材が必要であると判断した場合には、原課と行革推進課、それから職員課等が協議をした上で、その対応を決定しているところでございます。
 またもう一つ、体系的に取り組む部署がというお話がございました。業務を進めていきます上で抱える問題、課題等は、最近多岐にわたってまいりまして、また複雑化しているという状況がございます。その効率的な解決をしていかなければならないわけですけれども、それに向けては、まずは日ごろから職員が常に関係課との横の連携を意識して、業務に向かっていかなければいけないんではないかと、こういうことが重要ではないかというふうに考えております。
 いただきました部署の必要性についてでございますけれども、このような考え方を持って必要に応じまして、関係課を含め、場合によってはプロジェクトの設置というようなことも含めまして、柔軟な対応を考えていきたいと思っておりまして、このようなことを視野に入れて研究していきたいというふうに考えております。
 
○11番(納所輝次議員)  昨年までは交通政策課という部署がございました。ここが例えば、第9次鎌倉市交通安全計画であるとか、そういったものも手がけていたと思いますし、コーディネーターとしての役割も果たしていましたし、各課の連携も、交通政策を基軸として割合スムーズにいっていたのではないかなと思うわけです。ところが、それがなくなって、例えば交通安全に関しては市民安全課、そして道路環境の交通に関しては道路課というふうに分かれていってしまうということが、これが機構改革として効果を上げているかどうかというのは、これはちょっと検証しなければいけないのではないかと思うわけでございます。
 今期、自転車の安全利用を促進する条例等、この策定作業に当たっては、交通政策との打ち合わせであるとか議論というものが非常に有効になったわけですけど、それが分かれてしまうと、あっちへ回り、こっちへ回りという部分があります。じゃあ、今の機構改革の体制で縦割りの中で、横串をスムーズに刺せるかという、これはまた難しい問題があります。プロジェクトチームも、その目的と期限というものをはっきりしなければいけませんし、機動的に動く体制というのは、常に機構を考える上において考えておいていただきたいと思います。
 通学路の点検や学校の交通安全教育を推進していくためには、学校側と関係機関との間に立つ調整役という人材が必要だと思いますし、交通安全関係の部署が複数にわたっていると、それぞれが主体的に動きにくい部分がございます。
 イギリスには、ロード・セーフティー・オフィサーという役割を持つ人がいて、そしてそういった関係機関というもの、道路の安全を守るために、通学路の安全を守るために、コーディネートをしてくれるという部門があって、それぞれの関係機関の調整に走り回って、さらには交通安全教育まで担ってくださるという制度があるそうでございます。
 以前のように、交通政策課があれば、調整も早いんでしょうけれども、現在の市民安全課、伺うと交通安全だけではありません、防犯や安全・安心推進も担当しておりますし、調整を担当するには事務量が過重になってしまうというおそれもあります。通学路の安全対策、実際には学校長やPTA会長などが率先して汗を流してくださっていると思いますけれども、学校と行政機関などの関係機関や、地域との調整役を総合的に務める部門が必要であると思います。
 その役割として期待されるのが、先ほど来御紹介ございましたスクールゾーン等交通安全対策協議会であると思うわけでございます。
 では、そのスクールゾーン等交通安全対策協議会、どのような取り組みを行っているのか伺います。
 
○嶋村豊一 防災安全部長  スクールゾーン等交通安全対策協議会は年3回開催をしてございます。協議会では、各小・中学校からの通学路等の交通安全対策の要望につきまして協議を行い、その対策の方針を整理した上で各学校に回答しているところでございます。
 この協議会に所管しております関係機関等におきましては、それぞれの対策の実施に向け、毎年取り組んでいるところでございます。
 今後も、関係機関等との連携を一層強化をして、通学路の安全確保に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
 
○11番(納所輝次議員)  千葉県鎌ヶ谷市では、交通安全確保に当たって、交通事故半減プロジェクト推進協議会を設立して、学識経験者、国土交通省、県、警察が参加して、新規施策や支援について協議を行ったそうでございます。この協議会の下の組織として、該当地区の住民、学校関係者、老人クラブの方々などが参加して、ワークショップを立ち上げ、その中で対策について具体的な協議を行って、最終的に地域住民の方々が対策内容を決定するという形をとることで対策を円滑に進めることができたそうでございます。
 行政や交通安全協会など、地域の各団体と学校やPTAが連携した、このスクールゾーン等交通安全対策協議会の活動、これを地域全体の活動を整理、方向づけすることが重要でありますし、それを整理するために計画部門と実施部門を兼ねた交通政策部門の強化を機構の中で位置づけて、体系的な行動計画による継続的な取り組みを図る必要があると思うわけでございます。この体系的な行動計画による継続的な取り組み、これは当然予算を確保しなければいけないということでございます。
 第9次鎌倉市交通安全計画には、その方針や対策は列挙されておりますけれども、安全対策予算の抜本拡充、継続的安全点検のための人材育成などの視点がもっと明確であればなと、見ていて思いました。道路対策、道路整備において、当然予算の問題もありますけれども、通学路は優先度を高くして取り組むべきではないかと思います。
 先ほどの鎌ヶ谷市では、教育委員会、道路管理者、警察など関係機関や地域住民等が連携して、市全体の通学路安全対策に関する体系的な行動計画を策定して、安全対策のために毎年度予算を計上しておられます。
 通学路を含めた生活道路対策費等を定常的に一定額を予算化して、重点的に整備すべきではないかと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。
 
○山田栄一 都市整備部長  平成23年度に大規模住宅地、そして一般市道の舗装状態調査を実施しました。今年度はその調査結果をもとに舗装修繕計画を現在策定しているところでございます。
 この舗装修繕計画で調査の対象とした路線の中には、通学路を含めました生活道路も含まれておりますので、定常的にということにつきましては、今後後期実施計画に基づきまして、関係部局と連携を図りながら計画的に整備をしてまいりたいと考えております。
 
○11番(納所輝次議員)  どうしても予算がついて回るのは当たり前の話でございますけれども、埼玉県東松山市では、本年6月、子供の交通事故防止や防犯対策の費用に充てる「子ども安心安全基金〜虹色ファンド〜」を設立なさいました。市内の保育園児2人が倒れた足場の下敷きとなって死傷したという、その3月の事故を受けたものでございますけれども、その直後、本年4月に各地で起きた通学途上の死傷事故への対応も込められております。
 基金の原資は一般財源である軽自動車税からの1,000万円と、企業、市民からの寄附金に市の上乗せ分を加えるというものだそうでございます。その基金の使い道は、交通安全対策、防犯、事故防止対策、公園や学校などの施設安全点検、地域の安全情報提供、見守り活動支援、地域寺子屋など、世代間交流など、子供の安全対策事業に特化させるというものだそうでございます。
 この東松山市では、5年間をめどに個人から企業まで寄附金を広く募っていく計画で、市はこの基金の創設によって子供の安心・安全を町ぐるみで意識して行っていこうという機運が高まることを期待されておられます。
 このような対策費の予算を確保するために、鎌倉市でも、その基金というものを設置を考えてはどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
 
○嶋村豊一 防災安全部長  市の財政状況が非常に厳しい状況下にある中で、継続的に事業を実施していくための予算確保の一つのツールとしまして、基金の設置は有効なものというふうに認識しておりますが、やはり通学路の安全対策につきましては、行政、学校、警察、地域等が一体となって取り組むべき事業であるというふうに考えてございます。
 今後は、その役割分担なども含め、先進市の事例等を参考に研究をしていきたいというふうに考えてございます。
 
○11番(納所輝次議員)  東松山市では、この基金をハード面の対策のみならず、ソフト面にも活用しようということと、子供の安全・安心対策を継続的に行おうとしておりまして、大変参考になる取り組みではないかと思うわけでございます。
 じゃあ、鎌倉市においても通学路の安全対策を継続的に行わなければなりません。そのための課題は何であるかと認識されておられますでしょうか。
 
○嶋村豊一 防災安全部長  既に、先ほど御紹介をさせていただきましたけども、スクールゾーンの対策協議会というものを毎年会議を設置させていただきまして、随時、新しい情報を収集する中で、一番効果的な施策を施行していくということが現在鎌倉市には、一番求められている内容じゃないかなというふうに考えてございます。
 
○11番(納所輝次議員)  先ほどの東松山市の取り組みでは、5年間で1億円規模の事業を計画しておりまして、そのための条例も策定しております。
 こうしたケースは全国初の取り組みだそうでございますが、鎌倉市においても通学路の安全対策を継続的・計画的に行うために、計画年度途中でも鎌倉市交通安全計画を拡充するか、または推進する裏づけとなる条例等を策定して、計画の推進と多方面からの予算の確保を行うべきであると思うわけでございます。
 また、踏切対策や無電柱化等との連携においては、国土交通省の社会資本整備総合交付金が活用できますけれども、来年度、この交付金を通学路に重点的に配分するという国会答弁がございました。それに対応するためには、まず通学路の安全対策についての行動計画を策定する必要があると思いますし、通学路の安全対策や点検を恒常的に行うための条例の策定が望まれるところでございます。
 継続的にその通学路の安全対策を推進する条例等を策定する、このお考えはありますでしょうか。
 
○嶋村豊一 防災安全部長  御提案ございました継続的に通学路の安全対策を推進する条例の策定につきましては、その必要性や有効性につきまして、先ほどから御紹介しております鎌倉市スクールゾーン等交通安全対策協議会の中で今後議論をしていきたいというふうに考えてございます。
 
○11番(納所輝次議員)  そして、大事なソフト面の交通安全教育、これをどう効果的に促進をしていくかということでございます。
 交通安全教育は各学校でも行っていただいていると思いますけれども、学校における交通安全教育の実施についての狙いはどのようなところにあるかお伺いしたいと思います。
 
○宮田茂昭 教育部長  市内の小・中学校が実施しております交通安全教育の狙いということでございますけども、まず一つ目が自分や他人の命の大切さと、交通事故の怖さを知るということ。二つ目が他人を思いやる優しさとマナー、ルールを守って行動できるようにするということ。三つ目ですが、発達の段階や地域の実情に応じて、主に歩行者及び自転車の運転者として必要な実践的な知識と技能を習得する。四つ目としては、道路交通における危険を予測し、これを回避する意識及び能力を身につけるという4点でございます。
 こういったことを踏まえまして、発達の段階に応じた交通安全教育を行っているところでございます。
 
○11番(納所輝次議員)  子供たちに交通ルールを守ることを教育することは、もう大前提であるものの、自分さえ交通ルールを守っていれば安全というわけではありません。自分がルールを守っていても、守らない人によって事故に遭うことがあるということを認識させることが重要ですし、青信号になったからといって、いきなり走り出さないなど、自分の身の安全を守るために必要なことをしっかり伝えることも大切だと思います。
 子供が危険性を認識したり、予測したりすることができるようになる交通安全教育カリキュラムの研究や訓練がより必要なのではないかと思うわけです。
 交通ルールを守るということではなくて、エンジンがかかっている車は、いつどういう動きをするかわからないことや、車の近くで、自分がしゃがんだら、運転者の目には見えないというような危険性をきちんと教育する必要があります。交通ルールを型どおり教えるだけでは、今般のような事故は防げないという状況にも対処していく必要があるのではないでしょうか。特に、先ほど紹介しました市議会議員有志で構成している政策法務研究会で鎌倉市自転車の安全利用を促進する条例制定に取り組んだときに痛感したことは、歩行者や自転車利用者のマナーが欠けているということでございました。マナーを守らないことは恥ずかしいことであるという教育を子供のころから行う必要があると思います。マナー以前に、交通ルールはきちんと守ることを改めて徹底をしていただきたいと思います。
 さらには、学年ごとや学期ごとなどにおける交通安全教育指導の状況、これはどのようになっているのか、具体的に伺いたいと思います。
 
○宮田茂昭 教育部長  具体的にはということでございます。まず、小学校1年生では市民安全課のほうで主催していただいております交通安全教室であるとか、集団下校によります危険箇所や要注意箇所の把握と、また正しい歩き方、こういった指導を行っております。
 また、今度2年生になりますと、生活科の中で学区のことを知るという学習がございまして、そのときに危険箇所であるとか要注意箇所にも、そういったものも意図的に取り上げていくということです。そういった指導を行っております。
 また、3、4年生では総合的な学習の時間であるとか、社会科などで安全マップをつくっていく。その際に、警察の方に安全マップの作成方法を指導してもらう。また、保護者や地域、警察などに危険箇所や要注意箇所をインタビューするなどして、子供がみずから調べるといった活動をしております。
 さらに、高学年のほうになりますと、校外学習がふえてきますので、その都度、公共交通機関の利用の仕方であるとか道路のあり方の指導を行っていると。あと、小学校全般では特別活動であるとか、朝や帰りの会、また地域の方や保護者から通学路の危険箇所について情報が入ったときや、また長期休業の前などに安全指導を行っているところです。
 さらに、中学校のほうでは、年度の初めや長期休業前に自転車の乗り方を指導したり、県警によります暴走族加入防止教室などを開催したりしております。
 小・中学校、どの学年にも交通安全教育というのを取り入れることで、児童・生徒に交通安全に対する意識を常に持たせていくべきであるというふうに考えております。
 
○11番(納所輝次議員)  今、具体的に教えていただきましたけれども、児童・生徒の発達の段階に応じた安全指導、安全学習が重要でございます。その際、主体的に行動する力を身につけさせることが大切であり、この力が危険を予測して、それを回避する力につながるのが、私がここで指摘するまでもないことでございます。しかし、学校における安全教育に関する指導時間が少ないのではないか、安全教育の時間確保が一つの課題かなと思うわけでございます。
 静岡県では、交通安全指導員などが学校と連携して、児童・生徒や保護者に交通安全指導を行うとともに、通学安全マップの作成についても指導しておりまして、子供の目線から見た危険箇所をマップにして、学校に張り出したり、家庭への配付を行っている学校もあるそうでございます。
 特に、小学校低学年の児童には、動画や写真などはインパクトがありますし、記憶に残ります。また、パソコン機器やビデオなどを用いて教育することも効果的ですし、そういった教材・教具の活用が行えるよう、教師に対して指導・紹介することも重要ではないでしょうか。例えば、交通ルールを地元の道路の写真に合わせて教えると、低学年の児童は、身近な場所が写っているというだけで、興味を持って考え始めると思います。子供たちに対して、どのように大事なことをおもしろく、しかもできるだけ印象的に伝えるか、これを工夫していただきたいと思うわけでございます。実践的な交通行動スキルの育成、交通安全マップづくりや、実際の通学路を取り上げるなど、具体的教材を用いた教育、主体的な判断に基づいて行動する力を育成すること、そして自己理解型の教育を推進するなど、その狙いとするところを確実に達成していただきたいと望むわけでございます。
 特に、登下校時の交通事故のデータを検証しますと、新学期開始後の新年度ですね、4月から6月に小学校低学年の歩行中の重傷者数が多いということ、自転車乗車中の重傷者数は、5月、6月に多いこと。また、夏休み後の事故も多いという特性がございます。事故多発時期に合わせた、特に小学校低学年を対象とした安全教育、安全運転意識の啓発、取り締まりが重要ではないかと思うわけでございます。
 子供たちの交通事故の特性から見た学校における事故対策への安全指導、これはどのように行っているのかお伺いしたいと思います。
 
○宮田茂昭 教育部長  鎌倉では、道路が狭いこと、また渋滞が多いなどの交通状況の中で、歩行者や自転車の事故が多いというふうな認識をしております。
 小学校での自転車教室の中では、防災安全部市民安全課であるとか、学校、また校外委員会などの協力のもとで、6月から11月までの間、土曜日、日曜日に自転車教室を実施しておりまして、自転車利用者として必要な技能や知識の習得を図り、また正しい乗り方を学んでいるところです。
 また、今年度から自転車交通安全教育の時間、チリリンタイムというような名前だそうですが、そういう中で、県警本部が作成いたしました安全教育資料というのを市内の小・中学校に毎月配付をして指導を行っていると、そういった取り組みを行っております。
 交通事故は、特に低学年のほうに多いということでございます。4月から5月には、小学校新入学児童を対象にしまして、歩き方の指導、交通安全教室というものを行って、そういう中で、担任引率の中で集団下校を行っていると、そういう状況です。
 
○11番(納所輝次議員)  本年8月8日に取りまとめられました文部科学省、国土交通省、警察庁合同の通学路の交通安全の確保に関する有識者懇談会での意見の取りまとめによりますと、歩行中の死亡事故の多くは交差点で発生していますが、重傷者は交差点、道路、いずれも同程度発生。事故類型では横断歩道の横断中、その他横断中が多い。また、歩行者の違反では飛び出しが多いということでございます。警察庁の統計によりますと、登下校中の交通事故で死傷した全国の児童数は昨年1年間で2,485人に上ると。この惨事を回避するためには、通学路に危険、盲点はないか点検し、より一層安全対策を強化しなければなりません。鎌倉市としても、全庁挙げて、さらに関係機関、地域との連携をさらに強くして、通学路の安全対策に取り組むべきことを強く主張して、質問を終わります。
 
○議長(伊東正博議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (14時07分  休憩)
                   (14時30分  再開)
 
○議長(伊東正博議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、石川敦子議員。
 
○8番(石川敦子議員)  通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 2010年、国では子ども・若者育成支援推進法及び子ども・若者ビジョンが策定されました。この新しい法律では、子供・若者の意見を十分に尊重しつつ、その最善の利益を考慮することを明文化しています。また良好な家庭環境で生活することが重要とあり、家庭全体へのサポートが必要であることも記されました。さらに、行政の縦割りを超えたネットワークで就労まで至る自立した社会生活を総合的に支援することとも書かれました。そして、この法律に基づき2011年8月に鎌倉市ではいち早く子ども・若者育成プランができました。
 市町村のプラン策定が努力義務であるため、まだ策定できていない市町村が多い中、鎌倉市の取り組みは大変高く評価できると考えています。
 そこで、まず鎌倉市がこのプランを早々につくるに至った背景と目的を伺います。
 
○相澤達彦 こどもみらい部長  ただいま、議員御紹介がありましたように、子ども・若者育成支援推進法が平成22年4月に施行されましたが、鎌倉市におきましては、子ども・若者育成支援推進法制定以前から、青少年の育成プランを検討してきた経過がありまして、この子ども・若者育成支援推進法の趣旨を踏まえながら、困難を抱える青少年に対する支援も含めて広く青少年の育成を図ることを目的として、先ほどおっしゃっていただいたように、平成23年8月に子ども・若者育成プランを策定したものでございます。
 
○8番(石川敦子議員)  わかりました。では、続いて市長に伺います。
 子ども・若者育成支援推進法では、子供のみならず10代から30代の全ての若者を対象とした初めての法律だと言われています。この法律に基づいたプランを市長は策定されました。当然、若者支援が必要とのお考えのもとだと思いますが、市長がこの若者支援を必要だとお考えになる、その理由があればお聞かせいただきたいと思います。
 
○松尾崇 市長  若者の支援の必要性ということですけれども、昨今の不登校、ひきこもり、またニートという社会現象にも見てとれるように、若者が生きる力、目標というのを見失いがちな社会の状況であるというところを認識をしております。そうしたところを克服をしていくということのためにも、こうした支援は必要であるというふうに考えています。
 
○8番(石川敦子議員)  子ども・若者育成プランの中で、冒頭に市長は理念を語られ、市長が書かれたのではないかもしれませんが、市長のお名前で理念を語られていらっしゃいますが、こちらでやはり、子供たちの支援というのは自立に向けての支援であるというふうに認識されていると理解をしているんですが、それでよろしいですか。
 
○松尾崇 市長  先ほど、前川議員の質問にもお答えしましたけれども、若者が自立に向けて取り組んでいくということは非常に重要であるというふうに思っておりますし、そういうことを地域ぐるみで取り組んで目指していくということが本市として大変重要であるというふうに認識をしています。
 
○8番(石川敦子議員)  ありがとうございます。私ももちろん同じ気持ちでおります。
 それでは、本日はその若者の自立、特にその最終段階となる就労支援についての質問をさせていただきます。
 まず、ここで目安として、鎌倉市における2010年の国勢調査から見るニートなど、支援が必要な若者の人数を伺いたいと思います。
 
○相澤達彦 こどもみらい部長  ニート、ひきこもりの人数につきましては、鎌倉市で独自で実施した調査はございませんが、お隣、横浜市が国勢調査の質問項目から算出した事例がございます。この横浜市と同様の方法で、鎌倉市のニート、ひきこもりの人数を算出した場合でございますが、平成22年の国勢調査の結果から見ますと、鎌倉市における15歳から39歳までの人口4万5,305人のうち、職業を持っていなくて、求人活動もしなかった方は547人に上っておりまして、割合としては1.2%と推測してございます。また、平成2年以降の国勢調査の結果から、同様の推測で算出いたしますと、職業を持っていなくて求人活動をしなかった方の推移を見ますと、平成12年は、俗に就職氷河期と言われていた時代でございますが、この平成12年だけが1,392人、2.6%と突出しておりますが、平成2年から平成22年までの間では、大体400人台、0.8%から、600人台、1.3%までの間で推移している状況でございます。
 
○8番(石川敦子議員)  平成12年の就職氷河期では1,000人を超えたということ、目安の数字ではありますが、やはり社会の動きに左右されやすいということをその数字から読めるのではないかと思います。
 もう一つ、同じく目安にする数字として、就労支援を行っている生活保護の受給者の方の人数を伺いたいと思います。今、39歳で出していただいたので、こちらも39歳まででお願いします。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  平成24年、本年7月1日現在の数字でございますけれども、20歳から39歳の生活保護受給者のうち、対象となる方が44名いらっしゃいます。その内訳は男性が18名、女性が26名でございますが、生活保護受給者全体の5.3%という数字になってございます。この、今御案内させていただきました44名のうち、現在、5名の方が就労支援を行っているところでございます。
 
○8番(石川敦子議員)  数はそんなに多くはありませんが、丁寧に就労支援を行っていこうということは、確認できるかと思います。
 次に、鎌倉市で支援を行う際に活用できる若者就労支援の支援制度を伺いたいと思います。
 まず、労働施策としてのものをお願いします。
 
○小礒一彦 市民活動部長  就労支援の制度でございます。国から市までありますので、少し長くなりますが、国では、公共職業安定所、いわゆるハローワークで、求職者に対する求人情報の提供や職業相談など、就労支援を行っております。国のニートなど若者に対する就労支援でございますが、平成18年度に地域若者サポートステーション事業が開始をされておりまして、厚生労働省から委託を受けました実施団体が運営いたします地域若者サポートステーションが全国で116カ所設置をされておりまして、地方自治体ですとか、ハローワークと連携しながら就労支援を行っております。
 本市におきましては、湘南・横浜若者サポートステーションが開設をされておりまして、面接相談、各種セミナー、職場見学や就労体験、保護者向けのセミナーなどが実施されております。
 神奈川県におきましても、神奈川若者就職センターを開設いたしまして、ハローワークと連携いたしまして、若年者就業支援事業を実施しております。
 本市におきましては、若者への就労支援では、求職カウンセリングや雇用対策セミナーなどを実施しているところでございます。
 
○8番(石川敦子議員)  ありがとうございます。続いて、就労するには生活基盤の安定が必要です。その施策としてどのような支援制度があるか伺います。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  福祉サイドの取り組みでございますけれども、まず生活福祉課、生活保護を所管しているところでございますが、就労支援プログラムに基づきまして、平成20年度から配置をしてございます就労支援によります支援、あるいはハローワークとの共同事業といたしまして、平成23年度から開始してございます福祉からの就労事業、こういった事業に基づく就労支援を行ってございます。
 また、障害者の範疇でございますけれども、就労支援といたしまして、知的障害者や精神障害者の就労支援を図るため、市内17カ所の就労支援事業所で就労に向けた訓練や、障害者を常勤雇用している事業主に障害者雇用奨励金を支給しているところでございます。
 また、さらには、ジョブサポーターの派遣など、就労後の定着支援についても実施しているところでございます。
 次に、生活を支援する施策でございますけれども、まず金銭給付といたしまして、生活福祉課を窓口といたしまして、求職活動の支援の一環といたしまして、住宅手当緊急特別措置事業、また、貸し付けといたしましては、これは社会福祉協議会が窓口になりますけれども、総合支援資金、臨時特例つなぎ資金、緊急小口資金等々がございまして、生活福祉課では、緊急援護資金などがございます。
 そして、最後のセーフティーネットと申しましょうか、生活保護制度があると、こういう状況でございます。
 
○8番(石川敦子議員)  わかりました。では、ここから具体的な事例を取り上げて質問させていただきます。
 なお、この事例は、ただいま部長が若者就労支援の相談窓口として挙げていただいた湘南・横浜若者サポートステーションから情報提供いただきました。サポートステーションでは、この事例で直面した課題は早急に解決すべき若者の就労支援制度そのものの問題であると考え、当事者の方々に書面で許可をいただき、必要な関係機関に情報提供をしています。議会で取り上げることについても同意をいただいていることを申し上げておきます。
 概要は、次のとおりです。ことしの3月、サポートステーションに鎌倉市に住む25歳の若者が働きたいので支援をしてほしいと訪ねてきました。この若者をAさんとしたいと思います。当時は、定時制高校を卒業したばかりでした。体は痩せて、体力もない様子であり、本人の話から食事をきちんととれていないということがわかりました。その後、Aさんの就労支援を行いますが、5月23日に突然Aさんのお母様がサポートステーションに来られます。そして、Aさんがひきこもっているのでどうしたらいいのかと相談をしました。お母様は、Aさんと二人暮らし、現在はお母様自身も体調が悪く、非常に生活苦に陥っているとお話をされたそうです。
 サポートステーションでは、Aさんだけではなく、お母様の支援も行っていくことにしましたが、いつの間にか連絡が途絶えたため、6月15日に心配をして自宅を訪問しました。このときの自宅の様子は、電気、ガスがとまり、真っ暗で、食べ物を買うお金もない状況だったそうです。お母様の話では、体調が悪く、無料の病院に行ってきたとのことで、サポートステーションでは、緊急性を感じ、これ以上の支援はできないと判断したため、市役所担当窓口である勤労者福祉担当へ電話で連絡をしました。
 まず、ここでこの連絡を受けて市役所ではどのような対応をされましたか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  ただいま御紹介いただきました事案でございますけれども、6月15日に、今、御紹介があったとおり、勤労福祉担当から私どもの生活福祉課、これは先ほど来御紹介してございますとおり、生活保護を所管している課でございます。こちらに連絡が入ったところでございます。
 そして、生活福祉課からは、御本人に来所相談を促しまして、生活福祉課のほうにいらしてくださいということにとどまったというところで、私自身確認してございます。
 
○8番(石川敦子議員)  そのことは、サポートステーションには何の連絡も入らなかったというようです。そのため、6月18日にサポートステーションは、勤労者福祉担当ではなくて、今度は多分生活福祉課だったと思うんですが、市役所に電話を入れています。そこで、そこの担当の方が、このAさんのお母様は、住宅手当とお金の貸し付けを受けているという情報を得ます。さらに、お母様は2004年から2008年まで生活保護を受給し、それ以来、8年間のかかわりもあるということもわかりました。
 また、お母様が診察に行った無料の病院というのも市役所で紹介をしていることがわかります。すなわち、市役所では、Aさんの御家庭のことを知っていて、お母様の体調が悪いことも把握していたことになります。サポートステーションの職員は、市役所が何も動きがないというふうに認識をして、仕方なく、同日、6月18日に生活保護をAさん本人が受けられるようにお願いするために、Aさんと一緒にこの市役所に出向いてきます。サポートステーションの職員が伴って、Aさんと一緒にここへ参りました。
 私とても不思議なんですけど、市役所は、このAさんの御家庭のことをよく把握していながら、この御家庭の状況、電気がとまって、そして真っ暗で、食べる物も食べられない、そして25歳の若者は食事をとっていないということをサポートステーションに相談に行くような状況、これがそのままになっていたことがとても不思議です。まずは、この理由を伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  この親子の支援の方向性ですとか、またサポートステーションの、いろいろサポートしていただいたケースワーカーの方と申しましょうか、こういった方と御本人たちを交えた協議が十分になされていなかったこと、こういったところがこの支援のスタートが非常におくれてしまったというところで、私自身認識してございます。
 
○8番(石川敦子議員)  そうですか。その後、さらに7月4日には、サポートステーションは、現在青少年課が主催しているのかな、鎌倉子ども・若者育成プラン推進協議会に参加をされているということで、こちらのほうに参加した際に、異例のことですが、このAさんの事例を紹介して、具体的に支援をしてほしいということを訴えたそうです。
 ですが、この推進協議会というのは、プランの進行管理をしているところで、ケースの検討をする場ではないということで、ここでも結局、このサポートステーション職員の方がおっしゃったことは、受けとめてはいただけなかったということです。
 そして、7月13日の朝、私たち神奈川ネットでも、このAさんの状況を聞くことになります。神奈川ネットでは、すぐに生活福祉課と青少年課に調査を依頼をいたしました。そうしたところ、この日の午後、もともと予定をされていたようですが、ケースカンファレンスが開かれ、ここで市役所から連休前なので、お母様に週末を過ごせるよう、ライフラインの復旧をする、自宅を訪問し、もし自宅で生活ができる環境でなければ、ビジネスホテルに移ってもらう。今後については、これは生活保護だと思うんですが、20日に手続をし、金銭管理に問題があるので、今後は生活支援をつける予定というふうにお話をされたそうです。
 私たち議員がかかわって調査を依頼した途端に急にケースが動いたというふうには思いたくはありませんが、6月15日に市役所が連絡を受けてから、約1カ月そのままであったということ、もっと早期に自宅を訪問して、対応すべきではなかったかと思いますが、できなかった理由を伺いたいと思います。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  私も、この事案を担当課から報告を得たときに、時間軸も含めて、非常に的確な対応ではなかったということを十分、私自身も反省したところでございます。
 特に、当事者の状況とか、その生活の実態、こういったきめ細かな対応が必要な事例でございますけれども、こういったところに極めて配慮が足りなかったというところでございます。
 こうしたことから、困難に直面している課題、こういったものを速やかに整理をいたして、確実な対応策を講じていくことがまさにケースワークの原点だと私は思います。こういった支援を現実的に、たくさんの事例もございますので、こういったところをケースワーカー同士で情報を共有しながら、どういった対応策をすべきかということを十分に話し合って、対応策を決めていくという、こういう配慮も必要だったというふうに思ってございます。
 
○8番(石川敦子議員)  配慮がということで、部長からもお答えはいただきましたが、ちょっとここからの質問は、今後こういうことを繰り返さないためにどうしたらいいかということも考えて質問させていただきたいと思います。
 先ほども冒頭に、若者の労働政策、生活支援というところで、非常に書き取り切れないほどたくさんの支援を鎌倉市はセットされているということはわかっています。ですが、たった1人の青年が、それを全然使うことができず、本当に、この文化都市鎌倉で食事がとれない、体調が悪いといって、それも市役所ではなく、サポートステーションに手を差し伸べてもらいたいと言ったということは、非常に私は大きな問題だというふうに感じています。
 Aさんとお母様の、この状態は憲法第25条に規定されている健康で文化的な最低限度の生活とは言えない環境を強いられていて、一見すると人権侵害とも言えるような状況だったのではないかと市役所の対応に対しては、大きな大きな問題があったというふうに認識をしています。
 これはいかがですかと質問したかったんですが、先ほど部長が、それは認識をしていますとお答えいただいたと思いますので、次の質問にいきたいと思います。
 支援窓口につながらない、支援施策を活用できないということが人権問題であるということは認識しなければなりません。問題は、市役所の中のひどい縦割り行政の実態と難しいケースを職員が抱え込み、放置してしまったことがまず一つあると思います。そして、他機関のネットワークがつくれていないため、サポートステーションが取り残されてしまったことが次の課題です。
 解決策の一つとして、ワンストップで相談を受け、かつほかの適切な機関につなぐ総合相談窓口と、さまざまな機関がネットワークを形成して、どのような支援が必要なのかを具体的に決める地域協議会の設置が必要だと考えます。
 この総合相談窓口と地域協議会は、子ども・若者育成支援推進法に規定をされています。協議会の想定できるメンバーは、行政のあらゆる機関と子供・若者に関する民間事業者や団体、そして保護観察所や少年鑑別所までも含む横串の大きなネットワークです。
 今回のAさんのケースも協議会があれば、情報提供すれば、そこでさまざまな支援を考えることができたはずです。総合相談窓口と地域協議会は、市町村では設置は努力義務規定ですが、同じ努力義務のプランの策定には早々に取り組んだ鎌倉市ですので、設置が難しいことはないというふうに考えます。Aさんの事例から、Aさんの課題から学ぶとするならば、早急に進めるべきと考えますが、御見解を伺います。
 
○相澤達彦 こどもみらい部長  困難に直面いたします子供・若者に対する支援体制の充実を図るために、子ども・若者総合センター、いわゆる青少年の総合相談窓口や子ども・若者支援地域協議会の設置についての検討に関しましては、議員御指摘のとおり、私どもの子ども・若者育成プランの中でも設置に向けて努力していきたいということで掲げているところでございます。
 まだ、実際にはできておりませんが、役所の中では、さまざまな相談機能があるということも議員から、今御指摘がございましたように、今後、支援体制を構築するためには、関係各課やそういった市役所外の支援機関と協議していく中で、この総合相談窓口、それから子ども・若者育成支援地域協議会、イメージとしては要保護児童対策地域協議会のように、個別のケースから図れるような形のイメージのものを検討させていただきたいと考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  この総合相談窓口がほかの相談窓口と違うところは、法律の中を読んでいけばわかることなのかもしれませんが、結局、どこに持っていったらいいのかわからなという今回のようなケースを吸い上げる場所です。鎌倉市の相談窓口は、ほかの法律にも規定しているように、虐待の窓口、不登校、学校関係の窓口、どこどこの窓口と、窓口が決まっています。とりあえず何でもいいから受け付けるというのは、市民相談の窓口なんですが、なかなかそこは青少年が入りにくく、今回そこをサポートステーションの方も思いつかず、右往左往しています。とにかく、ここへ何でもいいから、青少年のことは持ってきてね、若者のことは持ってきてねという窓口をやはりつくらなければならないというのは国の動きでもあり、そしてこのいろんな課題を考えてきたサポートステーションの見解でもありますので、今検討されているという状況のようですが、早急に設置ということをやはり考えていかないと、命にかかわるような事態ではなかったかと私たちは考えています。もう少しここは議論させていただきたいんですが、まだまだほかにも伺いたいことがあるので先に進めたいと思います。
 二つ目の課題として、今後Aさんとお母様の生活再建の支援をどうするかということです。鎌倉市としては、どのようにお考えになっていますか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  現在、Aさんのほうですけれども、近隣市で、これは横浜市になりますけれども、生活保護を受給して、今支援を受けているところでございます。
 当然ながら、横浜市との協議・調整も必要でございますけれども、将来的には母親と一緒に生活できる、こういったことを最終目標として支援を続けると、こういうところが一番大切ではないかというふうには考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  最終ゴールは、私もそういうふうに思っています。そしてこのAさんもそれを望んでいらっしゃるということを聞いています。
 ただ、一つ、やはり課題があるのが、お母様とAさんが一緒に暮らすまでの間の支援のことですが、今、部長は横浜市で生活保護を受けて支援プログラムを受けているということをおっしゃりました。そのとおり私も伺っています。しかし、横浜市中区では、生活保護の実施主体はあくまでも鎌倉市だというふうに言っています。そして、もともと何でAさんが横浜市に行ったかというと、横浜市中区にあるシェルター、こちらのほうにサポートステーションがAさんの生命の危険、このままでは食事もとれない、家に帰すわけにはいかない、本人も家には帰れないということで、何とか一時保護をしなきゃならないという現状があったから、横浜市に行っているということなんです。
 それで、横浜市では、鎌倉市が生活保護の問題を議論してくれないというか、相談窓口にもつながらないという状態の中で、横浜市にある民間事業者が自立支援寮に移動してもらって、そちらにAさんの生活習慣立て直しの場ということと、就労支援のプログラムというのを用意して、今支援しているというのが現状です。この民間事業者では、当初、無償で支援に当たっていましたが、このままでは続けていけないということで、日ごろから連携している横浜市の本庁に相談に行ったところ、じゃあ、中区のほうで生活保護を支給してもらうようにしようという流れになってまいりました。
 今回のこの状況でよいとすると、こうした若者の支援は、今後もほかの市にお願いするということで解決していくことになります。なぜ、鎌倉市民であるAさんが生活保護を受けられないのか、そしてその場しのぎですね、これ。たまたま中区が受けてくれたから、支援を受けているという状況で、その場しのぎとしか言えないのですが、鎌倉市としての責任という意味では、生活保護を支給して、本来の形にすべきではないのでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  今御紹介いただきました事実はそのとおりでございますが、Aさんの生活保護の適用につきましては、横浜市との間で、今御紹介あったように、どちらが対応するかという、そういった議論・調整は何度かやりとりがあったというふうに報告を受けてございます。その際、双方の見解が相違していたということも報告していただいてございます。
 現在、先ほどのAさんでございますけれども、横浜市で生活保護を受給中でございます。生活保護の適用上の問題もありますけれども、やはりこの親子にとって、よりよい支援に結びつけられる、こういった支援が原則だというふうに考えてございます。したがいまして、引き続き関係機関とも十分協議しながら、よりよい方向性を見出していきたいというふうに考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  ひっかかって申しわけないんですが、Aさんが今、横浜市で生活保護を受けていて、鎌倉市では生活保護を出さない、住所地は鎌倉ということなので、本来はこの自立支援プログラムを受けるのは、生活保護であるならば、鎌倉市が支給するわけなんですが、それができない理由を説明していただいてもいいですか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  生活保護の基本原則が世帯単位ということになります。先ほど、冒頭に御紹介があったように、このAさん、あるいはお母さんというお二人もなかなか生活の能力といいますか、これがかなり脆弱だという状況がございます。生活保護は、先ほど御答弁したとおり、世帯単位ということになりますと、やはりお二人で生活保護を受けたほうが生活がよりよくなるのか、あるいは個別に生活保護を受けて、それぞれの今抱えている課題を解決するところを優先するのか、そういった選択肢も当然あろうかと思います。そういった意味で、もともと親子の関係がございますので、先ほど将来目標はということで御説明させていただきましたけれども、やはり現実に即した対応もケースの一つの判断としてございますので、そういったところを十分念頭に置いて考えていきたいというふうに考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  部長のおっしゃっていることはわかります、そのとおりだと思いますが、私が今伺っているのは、中区で出ている生活保護の分を鎌倉市が本来は持つべきではないかということなんです。
 それで、なぜそこに私が今こだわるかというと、これは、こうした若者が就労したい、今、部長もおっしゃいましたが、御家庭が支援が必要な状況で、とてもそこで生活していては就労までつながらない、生活再建というのがその前にあるというような若者が非常に多くなっているので、この法律ができて、今この支援が始まっているわけなんですね。それを思ったときに、鎌倉市では、若者の生活再建、早期就労、早期生活保護からの脱却策としてきちっと位置づけをしておくべきだと思うのです。そのときに、鎌倉市では世帯同一の原則があって、1世帯に生活保護を出すと。Aさんだけには出せないので、Aさんの分は中区で出してもらいますと、これをこの早期生活保護からの脱却策というふうにしておくと、どこかの市が受けてくれないと、この支援は成り立たないということになってしまいませんか。ちょっと、ここはこだわりたいんです。この若者の就労支援においては、生活の再建、早期の就労、そして生活保護から脱却していくというのは、一つ道筋になっています。鎌倉市でも、この事例をもとにきちっとつくっておく、これがサポートステーションが言うところの若者就労の最大の課題と言われているところですので、もう少し、ここは踏み込んで議論させていただきたいと思います。
 生活保護は、なぜAさん一人に鎌倉市では出せないのか、そこをもう一度伺わせていただきます。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  まだ、制度的なこともさることながら、親子の、それぞれの考え方というのもあろうかと思います。私が報告を聞いている中では、当然、Aさんはお母さんと一緒に住みたいという御希望は常に持っていらっしゃると思います。ただ、生活の安定といいますか、そういった日々の寝起きから訓練をしないとなかなか難しいということで、なかなか母子同時だと難しさもかなりあるだろうという、御本人、御家庭のあるべき方向の中の御希望みたいなものも、当然、ケースの中では判断材料になります。
 それからもう一つ、制度的な話になりますけれども、先ほど世帯が中心だということになりまして、保護をどの市町村でやるかというのは、当然、主たるケースの担当は鎌倉市になるわけで、本来、ここがリーダーシップをとって、いろんな市町村とのかかわりがあれば、そこで十分協議・調整をして、どういう保護のあり方がその家庭の中で一番いいのかということをしっかり協議した上で、仮にそれが結果的に相手の市にお願いすることであれば、それはお願いするということがあろうかと思います。
 どうしても今回、何度も、御説明の中でも御答弁させていただきましたが、そういったきめ細かな協議の点がどうも欠けていたような気が私はします。ですから、生活保護の制度の適用の部分については、今、先ほど来御答弁させていただきましたけど、横浜市で生活保護を受給中でございますので、今、例えば鎌倉市が生活保護をAさんの分を受け入れる場合、どういう問題、課題があるのかというのは、今、神奈川県とも協議・調整してございますので、そうした結果をまた踏まえて、前向きな対応をさせていただきたいというふうに考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  わかりました。ちょっと確認をしたいのですが、部長も、やはり鎌倉市できちっとAさんが、今横浜市で支払っていただいている生活保護のお金は鎌倉市が持つべきだというふうなお考えをお持ちということですか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  決してお金の問題ということではなくて、当然ながら、お二人の家庭の支援が本当に円滑にいく、そういったところが中心軸になりますし、生活保護の全体の法的な適用の中で、住所地というのは、特段要件ではありませんので、保護の適正の運用については、先ほど答弁したとおり、県ともよく協議しながら、どういう方向がいいのかということの結論を出していきたいというふうに考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  ちょっとかみ合わなくなってきてしまったので、整理をしたいと思いますが、このAさんのケースは、今、ある意味落ちついています。中区に生活保護を払っていただいていて、中区のほうでは、もう調整を多分されているので、私が言うまでもないと思いますが、やはり実施自治体は鎌倉市だという見解は今も変わっていないというふうに私は聞いています。
 その中で、私が今ここで議論しているのは、Aさんのケースを事例にして、次なるこういう状況になったときに、若者の就労支援をどういうふうに組み立てるかということなのですが、その都度、協議をして県にお伺いを立てるということでは、やはり生命の危険にさらされる若者の支援は間に合わないと思うのです。それで、先ほど冒頭に子ども・若者育成推進法の内容で、とにかく子供、若者たちの意見を聞こうよと、そしてその意見を聞いたことで最善の利益を考慮していこうよというのが法の趣旨になりました。このAさんは、もうこれは支援している方は皆さん知っていると思いますが、家には今は帰れない、帰りたくない、自立したい、食事も何日もまともにとっていない。お母さんのことは、本当に大好きで一緒に暮らしたい、だけど今は自立して、お母さんを支えるために就労支援を受けたい、共倒れになること、自分の力では、一人では無理ですということをお話をされています。こういう若者を受けとめるのには、まずは生活再建のための生活保護は必要です。そして、この生活保護は、この若者にとっては、就労支援のための生活保護なので、脱却して、自分で納税者と変わることは可能です。
 そして、この若者が生活保護を受けるというシステムは鎌倉市になければ、世帯を分離して、鎌倉市にはこういうことを、自立支援プログラムをやっている場所はないですよね。自宅から通える場所がないんですよね。Aさんは自宅にはいられないと自分でも言っていて、こういうケースは若者の就労支援の中では、多々見られるものです。そうすると、Aさんのニーズをお気持ちに応えて、今の支援を続ける、それをきちっと制度で整理をするためには、世帯を分けて、Aさんには就労支援のための生活保護という、新しい視点で保護を決定するべきではないかというふうに私は考えるのですが、ちょっと余り部長に伺っていても、先に進めないので、ここは福祉全般を所管される瀧澤副市長と、そして市長にも考えを聞きたいと思います。
 その前に、一つ、7月に厚労省が出した生活支援戦略中間まとめでは、寮に入って生活再建をしていく、この自立支援プログラムを生活困窮者支援策の新たなセーフティーネットとして評価をしています。民間との協働による就労生活支援の展開も示されており、今後制度として確立していく方向です。
 横浜市では、いち早くこのプログラムを市長や行政職員が視察をして、効果を確認し、取り入れています。決して新しい取り組みを申し上げているわけではありません。鎌倉市でも、若者就労支援施策として生活保護を受けながら、若者が合宿型の自立支援プログラムを活用できるようにすべきではありませんか。そのためには、若者を単独の世帯として認定をしなければなりません。認定は、鎌倉市の事務ですので、可能ではないでしょうか。御意見を伺いたいと思います。
 
○瀧澤由人 副市長  まず、先ほど部長が答弁しましたように、私も今回のケースは報告を受けました。私もその仕事をしていた関係がありまして、一つ、生活保護に限らず、この福祉のケースワーカーというのは、非常にハードで、タフな仕事をしていまして、しかも毎日そういう方たちと、非常にデリケートな話をやりとりするということで、その部分は御理解いただきたいと思って、結果として、今回の件につきましては、幾つかの反省点があったということは、私も重く感じております。
 御質問の、このケースの方が横浜において、現在居所をシェルターのほうにおいて生活して自立支援を受けているということで、それを別世帯で、加えて鎌倉市の保護という部分については、まさに部長が答弁しているとおり、今、この場面でそれはできますとか、できませんとか、生活保護法の問題でありまして、これは条例事項ではありませんので、そのことが、今最後に御紹介いただきましたが、ケースとして適用できるかできないかというのは、現在、その部分については、部長の答弁のとおり、県と協議して、やって、その結果が得られたときには、それは当然そういう形がいい道じゃないかというふうには、全体としては判断できるということで、明確な答弁は、そういうふうにできるということは、今、私の立場では言えないということで御理解いただきたいと思います。
 
○松尾崇 市長  今回、議員さんがお話しいただきましたケースそのものは、まさに命にかかわる問題で、大変厳粛に受けとめております。とりわけ、今回の支援が時間的に非常に時間がかかってしまったということは、本当に申しわけなく、率直におわび申し上げたいというふうに思っています。
 今後、こういうことがないよう、職員の育成ということはもちろんのこと、さらなる市民の方々が安心してこうした支援が受けられるような仕組みづくりということを目指して取り組んでいきたいというふうに思っています。
 
○8番(石川敦子議員)  済みません、部長に一つだけ確認をしたいんですが、世帯は、世帯単位でもちろん認定をします、それは私も存じ上げておりますが、特別な事情で分離をして認定をしているケースもありますね。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  それは、多々あります。
 
○8番(石川敦子議員)  そうすると、この若者の就労支援という視点でのケースが特別な事情とみなされるかみなされないか、それをみなすかみなさないかということなんじゃないかと思うのです。今、瀧澤副市長は制度上の問題だというふうにおっしゃいましたが、特別なケースというのはあります。そして、それはある程度、勘案されないと、生きてはいけませんので、人は。それは福祉の視点では仕方がないことだと私は思っています。
 生活保護は、一生涯もらうということではなくて、脱却をするという、生活保護から抜け出して自立した生活をするということを目標にして出す生活保護というのは、非常に有益な生活保護の使い方だと私は思いますので、そういう制度上、多々あると今部長もおっしゃられた、そこの部分はどのようにお考えになりますか。
 
○瀧澤由人 副市長  私が先ほど言った世帯分離の話、世帯原則というのは、これセーフティーネットで全国、日本、どこでもいわゆる保障されている憲法25条の制度ですので、世帯分離というのは、過去にも当然、私もやりました。
 同じ市内であれば、両方とも鎌倉市。ただ、今回のケースが横浜に居所、生活の実態があるということで、住民票はどこであれ、生活の実態があるところは、その実態があるところの市町村が基本的には、生活保護を受給するべき権利を受ける方が求めるべき場所だというふうに、私はそういうふうに経験してきたもので、鎌倉市に生活実態がなくて、別世帯は当然あると思います、ただ、その方が、生活の実態が横浜市にあるということで、そちらで保護を受けることができて、鎌倉市で保護を適用することが適法なのかどうかという部分については、別世帯とは別の問題で、居所の問題だというふうに受けて、見解はお答えできないと答弁しました。
 
○8番(石川敦子議員)  ちょっと、先ほど私が説明した部分が、説明がきっと悪かったので、副市長に伝わらなかったのかなと思うので、もう一度繰り返させていただきますが、今回は鎌倉市で生活保護を受けたらいいと、サポートステーションの方は市役所にAさんを連れてお見えになりました。そこで、対応がなかなかつかなかった。彼は鎌倉市民です。Aさんは鎌倉市民です。でも、鎌倉市民でありながら生活保護はそこで、世帯の問題もいろいろあったりとか、またケースワーカーさんのさまざまな、私はこれケースワーカーさんを責める話は一切していませんので、そこに話を持っていくのはやめていただきたいんですが、いろんなことがあって、Aさんは、生活保護を申請、受け付けさえしていただけないという状態でした。6月18日ですね。それで、サポートステーションさんは支援施設を持っていないので、お家には帰りたくない、それで、そのときの御様子は、かなり痩せて、そして衛生的にも、着衣の問題もいろいろあって、これは特別な支援が必要だろう、もうシェルターでの一時保護しかないだろうと、それはサポートステーションの方も一大決心だったとおっしゃっていらっしゃいました。
 それで、行った先が、鎌倉にはシェルターがないので、横浜だったんです。そこが居所が横浜だったというふうに、今副市長おっしゃいましたが、居所は横浜にならざるを得なかったのです。そこは御理解いただきたい。ということで、私は鎌倉市で責任放棄しているのではないですかということを、やはり若者の就労支援、プランをつくってやろうという松尾市長のもと、この状況ではやはり、それも横浜にお願いするのは、やはりちょっと違うのではないか。
 そして、このケースにも問題があるとは思いますが、今後、この若者就労支援の問題を考えたときに、もう一度、私が勝手につけている施策ですが、若者の生活再建・早期就労・早期生活保護からの脱却の施策として、やはりこの生活保護の見方を変えてやらなければいけないのではないかということを今ここで申し上げているんです。それに対して、どういう御見解ですかということを伺っています。このA君のケースは、とりあえずこれでやっていこうと、中区さんとも話をされているそうです。中区さんが嫌だと言わない限りは、私もそれをわざわざこっちへ持ってこいと言ってはいません。でも、これから先の問題があるので、支援策として、鎌倉は次の学びとしてどうするのかということを伺いたいです。
 
○瀧澤由人 副市長  私は十分議員さんの言っている意味は理解しているつもりです。その支援策も必要ですし、その枠組みも当然自立支援のためのさまざまなサポートを受けるために、生活基盤の安定、これは当然必要なものだと考えています。その支援策と生活保護法という法律の中で、どこでも受けることができるわけで、保護の実態が横浜市であるという場合に、横浜で受けることが適切なのか、あくまでもそれは一時的な、仮なので、自宅で生活保護の適用を受けるべきなのかというのは、生活の実態が横浜にあるということが、実態主義で考えれば、法の求める部分でそれが適法で適切に扱えるものなのかというのは、ここの場面で、それは大丈夫ですと、鎌倉市に生活保護の実態があるということを法律の中で求めることに適切であるかどうかというのはお答えしかねるということです。
 
○8番(石川敦子議員)  質問が悪いんですね、申しわけないです。私は、このケースについて伺っているわけではありません。なので、Aさんのことは、じゃあ、忘れてください。例えば、鎌倉市でお母さんとお二人暮らし、とても家では生活再建ができない、でも、自分が自立して、母親もしっかり養っていきたいという25歳の若者がいたとする、その若者の住所地が鎌倉であるならば、横浜で自立支援プログラムを受けるために生活保護の支給を受けられるというふうに理解してよろしいですか。
 
○瀧澤由人 副市長  一般論としてお聞きして、鎌倉市に生活の実態があって、自立支援プログラムのために一時的に横浜で生活を受けているということであれば、恐らくそれは居所の実態は鎌倉であるということで、生活保護はそこで開始されると思います。ただそれは一時的なもので、スタートラインが横浜で始まってしまった、今回のケースにおいて、それをもってすぐ当てはまるかどうかということについて、できるかできないかということは、私はこの場面では確認もせず、できますというふうに御答弁しかねるということを言っています。
 
○8番(石川敦子議員)  居所の実態が横浜になってしまったのは、今も実は鎌倉市民、生活保護を受けるために住所を移さざるを得ないので、彼は寮に、多分、私はそこは知らないんですが、中区さんが中区で出しているということは、居所、住所を移していると思うんですね。だから、戻すことは可能だと思います。そういう今、副市長が居所のことだけをおっしゃってくださるんであるならば、Aさんは、お母様のところにもとどおり、住所を戻して、鎌倉市で生活保護を受けて、寮生活を含んだ生活再建プログラムを受けるということが可能になると思います。そして、それはすぐに鎌倉市に住所を戻してくださいというだけで、そんなに困難なことではございません。
 ただ、もうちょっと長くなってきましたので、整理をしたいのですが、とにかく若者の就労支援をする制度をつくるときに、生活再建のために、若者を単身世帯と認めて、寮の生活支援プログラムを受けられるということで認識して大丈夫ですか。別に、どなたに答えていただいても結構です。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  就労支援そのものは、大変重要な施策でございます。この子ども・若者のプランの中でも、医療や福祉や、いろんな主体がそこに寄り添って、初めて就労支援というのが成り立つんだろうということを鑑みますと、やはり生活保護という世界のみならず、やはりさまざまなチャンネルで、就労支援をしていくことが極めて大事だと思ってございます。
 こうしたことから、今、この例をたたき台といいますか、十分福祉部内でも検討させていただいて、どういう目指すべき姿がいいのかということは十分検討していきたいと思っています。
 
○8番(石川敦子議員)  ちょっと、人権の観点からいくと、ここで御答弁をきちっといただけないというのは、非常に私は不思議なんですね。
 私が、とにかく今確認したいのは、若者の就労支援を行うに当たって、とにかく自宅から離れた寮生活をしながら生活再建をする、これは今、スタンダードです。生活支援戦略の中間まとめでも示されたスタンダードです。このスタンダードの中で、鎌倉市が生活保護を出して、そのお金で、横浜市でも厚木でも大和でも、どこでもいいんですが、そういうところの支援プログラムを受けることが就労支援施策の中で実現できないか、できるかは、ここで答えられることだと思うんですけど、お答えはいただけないんですか。生活保護は、特別な事情があれば、単身の世帯にも出しているのは多々あるんです、私も存じ上げております。それを若者の就労というものを特別なケースではないかというふうにみなすのは、鎌倉市の松尾市長の御判断だと私は思うのです。そこは、ここで御決断をいただくのは難しいですか。
 
○議長(伊東正博議員)  時間、必要ですか。議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (15時22分  休憩)
                   (16時15分  再開)
 
○議長(伊東正博議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。理事者の答弁を願います。
 
○瀧澤由人 副市長  お時間をいただきまして、大変申しわけございませんでした。
 先ほどの石川敦子議員の御質問に答弁したいと思います。
 支援困難な若者に対する支援策として、家を飛び出して、本市に就労支援を求めてきた、こういった場合においては、本市において生活保護を受けて就労支援していくことは可能であります。
 
○8番(石川敦子議員)  わかりました。そうしますと、今回のA君も、実は最初は家を飛び出して、サポートステーションに支援を求めて、そこで、サポートステーションのほうで鎌倉市に同行してという経緯だったので、今後は、これまでのことはもう今落ちついているので結構ですが、今後は若者の就労支援策として、こうしたやり方もあるということは確認をさせていただきたいというふうに思います。よろしいでしょうか。
 
○瀧澤由人 副市長  そのとおりであります。
 
○8番(石川敦子議員)  それでは、次へ進みたいと思います。
 次に、今回、Aさんの自立支援がスムーズにいかなかったもう一つの原因というのがありまして、これが他法優先、ほかの法律が優先の原則というのがあります。生活福祉課では、自立のための生活保護を受給したいというAさんに、世帯を分けられないという理由のほかに、母は生活保護をもらう義務が果たせていない、過去に受給したときに、アルバイトをしていたことを申告していなかった。働けるので、住宅手当と貸し付け、総合支援資金が生活保護よりも優先と、保護の要件には合わないという話をされたというふうに伺っています。これは事実ですか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  本件に関しまして、親子の生活が逼迫している中で、御本人に対して、例えば生活保護の申請の意思確認、あるいは保護の申請を促すと、こういったところも必要ではなかったかというふうに思ってございます。こういう点につきましては、おわびをしたいと思ってございます。
 
○8番(石川敦子議員)  部長がおわびと言ってくださったので、続けて質問するのはちょっとしにくいのですが、その後どうなったかというのは、一応確認をしたいと思います。
 この総合支援資金ですが、社協から出ているということですけれども、10月から支給されていますが、どんな制度になっていますか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  今、御案内の総合支援資金、貸付制度でございますけれども、失業などによりまして、日常生活全般に困難を抱える方を対象といたしまして、生活の立て直しや、経済的自立等を支援する貸付制度でございます。これは、社会福祉協議会の制度でございますけれども、この制度の種類は、生活支援費、住宅居住費、一時生活再建費の三つの種類がございます。
 
○8番(石川敦子議員)  この基金は貸し付けということで、いずれは返済するものですね。お母様は、働けるという前提で11月からの支給をしています。ただ、お母様はサポートステーションの職員さんには、働いて返す当てがないので、続けるには怖い、やめたいと話していたそうです。実際に、6月の時点で、お母様は体調が悪く、市役所に紹介してもらった無料診療所でドクターストップがかかっていたはずです。生活保護に切りかえる判断ができなかったのは、お母様のほうで、それはいいと言ったということを鎌倉市役所の方はそういう見解を示されていましたが、その判断に基づいて、市役所の方が生活保護を本人がとらないので、生活保護はこの人は受けられないから、貸付金を続けていきますというような判断でいいのかどうか。ちょっとわかりにくかったですか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  先ほども御答弁しましたけれども、御本人の生活状況、それから今後の返済計画、こういったものを十分考慮しながら決定することが本来望ましいというふうに考えてございます。
 当然、この貸付金の返済につきましては、社会福祉協議会と貸し付けの御協議の中で、返済計画というものが立ててございますけれども、生活保護受給者ということもございますことから、生活の再建、こういったことを第一に考え、その返済についても支援を行ってまいりたいと考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  そうすると、今、このお母様は、11月から重ねて貸し付けを受けてきたんですけれども、返す見込みはないわけなんですね。この返す見込みのないお金というのは、どのような扱いになるんでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  その返済について支援を行ってまいりたいと御答弁差し上げましたけれども、こんな事例もあるということで御了解いただきたいんですが、いわゆる債務整理の一環として、自己破産の申し立て、こういったことも一つの手法としてはございますので、こういったことも視野に入れながら、検討してまいりたいと考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  生活保護費は、最後のセーフティーネットということで、最近の不正受給のニュースなどからも、受給を受け付ける窓口のケースワーカーが慎重にならざるを得ないことは理解をしています。そして、総合支援資金の貸し付けと住宅手当の組み合わせを第2のセーフティーネットとし、柔軟に社協などの緊急援護貸付事業も活用して対応するということは、鎌倉市の生活保護行政の基本としては間違っているとは思いません、正しい運用だと思っています。
 しかし、やはり他法優先の原則に、今、部長の御答弁の中では余り出てこないんですけれども、やはり生活保護になかなかつなげないという、そして生活保護になると働けと言われたりとか、もっと生活をよく建て直せとか、指導管理というのが入ってきます。これは、やはり生活保護のケースワーカーさんだと、指導や管理は当然しなきゃいけないので、それも全部間違っているということはないそうです。なので、そういう中で、やはり生活再建の計画であったりとか、やっぱり御本人との意思確認というのは、とても重要なことで、やはりこれを繰り返さないというためには、鎌倉市としては何か手だてを考えなければならないと思うのですが、その対策は何かございますか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  今回、さまざまな課題を受けとめさせていただいてございます。これまで、要援護者と私どもの窓口、こういった中でどうしても点と点を結んだ線的な支援、こういったところだったのかなというふうに考えてございます。こういったことから、関係部署、あるいは関係法令、こういったものとのさまざまな組み合わせ、連携によりまして、いわゆる面的な総合支援体制を構築する必要性が極めて重要であるというふうに考えてございまして、今後、具体的な仕組みやその方策について検討してまいりたいと考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  そう言っていただければと思いますが、相談援助という、ケースワーカーさんもそうですが、この業務では、どんな支援が必要かという、見立てとよく言われますけど、この見立てが1人の職員の方でやっているというようなふうに、サポートステーションの方も、私もそういうふうに思っています。
 相談システムは、見立てを間違えると、命にかかわるということが、今回のケースからもわかっていますし、それは一般常識として相談員は感じているところだと私は思っています。やはり、1人で判断をせずに、ケース検討会を定期的に開く、それからスーパーバイザーのアドバイスをもらうなど、事故防止対策として、きちっとシステム化しなきゃいけないと思います。その点について、システムを考えていくという方向はお持ちでいらっしゃいますか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  今、御指摘のとおり、福祉現場のいわゆるケースワーク業務を担当する職員、こういった従事する職員は、本当に幅広いスキルを養っていくことが大変重要だと思ってございます。特に、御案内のとおり、今、福祉事務所全体が、若い職員で構成されていることも事実でございます。
 福祉現場では制度の熟知、あるいはケースワーク技術を図る、こういった研修を通じて、いわゆる福祉の心の育成も同時に行っていく必要があると痛感してございます。また、今御提案のスーパーバイザー、いろんな困難ケース、多々ございます。こういった中で、専門家の御意見、あるいは御助言をいただくことも大切なことだと考えてございまして、どのような配置体制を組んだり、またどのような役割を担っていくのかということを十分検討しながら、具体的に取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  この見立ての問題、今、システム化してくださいという、この見立ての問題もあるんですが、もう1点あります。制度運用の問題の話をしてまいりましたが、職員の方の体制の問題もあるかなと。サポートステーションの職員さんとAさんが6月18日に窓口を訪ねたとき、Aさんはもう家に帰りたくないという状況で、家を飛び出した状態で来ているわけなんですけれども、生活福祉課では、お母さんが来ないと、Aさん1人では生活保護は申請できないというふうに伝えています。
 しかし、Aさんの支援が難航する中で、サポートステーションの実施団体である、K2インターナショナルさんが厚生労働省にも働きかけたところ、適切な対応でないことが発覚したと聞いています。その後、神奈川県の生活援護課を通じて、これまでの経過等についての説明を求められ、適切な生活保護を運用するよう指導があった、指摘があったというふうに伺っています。県からはどのような指摘を受けられたんでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  具体的には7月18日に、神奈川県の生活福祉を統括する援護課という課がございまして、この援護課から今回の経過報告を求められたところでございます。その際に、今御指摘のとおりといいますか、Aさんが成人であったということもございまして、母親が来庁しなくても生活保護の手続、こういったものについては申請できるではないかという旨の指摘をされたところでございます。
 県からの指摘につきましては、厳粛に受けとめてございまして、今後とも生活保護の適正な運用に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  この生活保護が窓口で、成人の方が来たときには、その方の生活保護を受け付けられるということは、認識をされていらっしゃいますよね。それは、鎌倉市としてはそういうものだと、制度がそういうものであるということは認識はされていらっしゃいますか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  認識はしております。
 
○8番(石川敦子議員)  また、そうしますと、先ほど部長もおっしゃっていましたけれども、まだ経験の浅いケースワーカーさんたちにとっては、初歩的なミスと、積み重ねていって覚えていくところだというふうに言わざるを得ないのだと思います。
 ただし、生活保護を受け付けていない、申請を受け付けていないということは、とても重い事態です。やはりこういうことは、絶対に繰り返してはいけない。
 まだ、もう一つあるんですよね。8月に入って、Aさんは今、中区にいるんですけれども、Aさんに鎌倉市から扶養届書というのが送付されてきます。これはどのようなものでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  生活保護の所管でございます厚生労働省の社会援護局長、こういったところから通知がございまして、配偶者、子、父母など、絶対的な扶養義務者とされている方についての扶養調査の徹底が規定されてございます。
 調査の内容といたしましては、職業、あるいは収入、金銭的な扶養の可能性、被保護者に対する定期的な交流などの可能性を確認することとされてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  それがAさんに確認書が行ったということは、つまりはお母さんの扶養ができますかと問いかけたのではないかと思います。別の市で生活保護を受けている25歳のAさんにわざわざ送らなければならなかったのでしょうか。受け取ったAさんは、とても困惑したそうです。私もそれを聞いて、本当に血の通わない事務的な手続だなと、これでいいのでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  先ほど御答弁いたしました、その通知に、こういうくだりがありまして、その者が生活保護受給者、社会福祉施設等入所者及びこれと同様の施設と判断された場合は、直接本人に照会しなくても差し支えないというくだりがございます。こういったことから、送付する前の段階で、こういったことを配慮して対応するべきであったというふうに考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  これも多分ミスなんですね、重なっているんです。
 このケースは、入ってきたときから非常に厳しい状況で、7月13日の段階で、私たち神奈川ネットからどうなっているのかということを確認して、その後は、注意してやっていってくれるというようなお話をいただきました。にもかかわらず、この最後の扶養届書は、若者にとっては、物すごく重く、重く重く、自分はお母さんをちゃんと養わなきゃいけないんだというふうに入ってしまわれて、私も本当に、もうさっき言いましたけど、もうちょっと心があってもいいんじゃないかなというふうには感じています。
 それで、やはり制度の運用、そして窓口での見立てなどなど、総括的に学んでいないとミスが出てきてしまうんだと思うんです。現在、福祉の制度は、かなり頻繁に変わっています。ケースワーカーや障害関連の相談員などが適切に法制度を運用する知識及び人権と社会正義、心が通った見立てというのも、対応というのもそれに入ると思うんですが、人権と社会正義を倫理とする対人援助の技術を確保するということが求められます。これは、ソーシャルワークの技術に基づいてやるのが一番よろしいというふうに、どこの研修会でも私は聞いています。
 鎌倉市では、ケースワーカーの皆さんが定期的にソーシャルワークの基本を学ぶ機会を設けているのでしょうか。8人中6人が新人で、特に福祉を専門としていない人たちをケースワーカーとしてつけているというようなことも聞いたのですが、この辺もあわせてお聞きしたいと思います。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  ケースワーカーの、まず資格といいますか、配置に当たっての考えなんですけれども、いわゆる社会福祉主事という発令をいたしまして、ケースワーカーを担っていただくと、こういうことでございます。毎年、新人が入ってまいりまして、今、るる御説明した状況ではございます。また、研修等につきましては、毎月所内でカンファレンスをやって、それぞれの困難ケースの内容とか、ケース会議ももちろんやってございますけども、このほか、県の主催するさまざまな研修にも、定期的に参加をさせてございます。
 ただ、やはりなかなか現場の実践といいますか、そういったものがやはり最終的な技術や資質につながっていくということもございまして、やはりそういった先輩からの知識や技術の伝承というものも重要なポイントだと思ってございます。こうしたことから、先ほども御答弁させていただきましたけれども、やはり福祉の心という育成につながるような、やはり血の通った研修に参加するように、私自身も指示するように努めてまいりたいと考えてございます。
 
○8番(石川敦子議員)  部長の御答弁はわかりました。もう1点、やはりスーパーバイザー、さっき申し上げましたけれども、庁内でそういう方を任命するのも、もちろんですが、今ちょっと、非常にがたがたしていると思います。ここを立て直すのには、やはり外部のスーパーバイザー、経験の長い方を置いて、全体的なケースのてこ入れをされるべきではないかと、ほかに同じようなケースがないのか、ちょっと心配をしています。それは、外部のスーパーバイザーにも依頼をして、立て直すということは、私からの提案として申し上げておきます。
 それからまた、根本的なことですが、鎌倉市は福祉分野を専門分野と捉えていないこと、これが今部長がいろいろおっしゃったものをつくり出しているのではないかというふうに私は考えています。
 社会福祉士や精神保健福祉士といった、ソーシャルワーカーを積極的に配置していない体制で適切な業務を期待するのは、若い職員には過度な負担がかかり、ひいては市民サービスの低下、場合によっては生命に危険が及ぶことを、このAさんのケース、お母様のことから学ばなければなりません。市の福祉分野全般の職員体制のあり方を根本的に考え直すべきではございませんでしょうか。
 
○廣瀬信 総務部長  職員配置についてのお尋ねでございます。特に福祉分野ということでございます。
 新規採用の若い職員の経験不足を補うためには、研修等の充実、今お話ありましたけれども、それから経験年数を長くすることによりまして、業務に習熟した職員を育成していく必要がございます。また、そうした努力をするとともに、適性に応じた職員配置というのをしていく必要があると考えております。
 今、御指摘の専門職の配置についてですけども、先ほどの健康福祉部長の答弁にもありましたように、その必要性について部内でも検討していくということでございます。原局の意向を聞き取りながら、また庁内関係部門と協議も必要ですので、その上で理事者と相談して対応していきたいというふうに考えております。
 
○8番(石川敦子議員)  福祉の分野は、きょう、このケースを私はわざわざ取り上げたのは、本当に一歩間違えると、命にかかわるというところです。専門職、専門分野として取り扱う、鎌倉市にはほかにも技術職で入られている方はいらっしゃると思います。鎌倉市でも、いよいよそういう時期に来ているのではないかということは問題提起をさせていただきたいと思います。
 さて、続いて教育委員会にも伺います。
 Aさんは、2008年からことしの3月まで県立高校の定時制に通っていました。そのときの学校の記録は次のとおりです。
 授業料の滞納などから、生活保護の申請をするよう母に何度か勧めるが、市の担当者にひどく怒られたことがあって、つらかったので、もう考えたくないと答える。家庭訪問したときには、ライフラインが水道しかなかった。Aさんは、学校が好きで、部活や友達も大好き。しかし、通学の交通費がないために学校に来られないことが1年生から頻繁にあり、特に3年、4年になるにつれて顕著になる。先生が回数券を買って交通費を工面したこともある。また、放置自転車を拾って通ったこともあるが、警察官に補導された。学校給食は食べず、学校行事で焼きそばなど、無料で食べられるときは、パックを持ってきてたくさん持ち帰ろうとした。家に持ち帰って、みんなで分けて食べるんだとAさんが言い、哀れに感じた。まだまだほかにもたくさんのエピソードが書かれています。Aさんが必死に生きてきた様子が示されています。これは2012年、ことしの春まで続いていました。現状です。鎌倉市には、就学援助基金制度があります。なぜこれにつながらなかったのでしょうか。
 
○宮田茂昭 教育部長  定時制に関しての就学援助制度は、平成22年から実施しておりますが、就学援助制度につきましての周知方法については、前年度受給をしていた方に対しては、案内書を自宅に送付する、卒業予定の中学3年生に対しては、案内書を学校のほうで配付、中学校のほうで配付してもらったりしております。
 また、県内への高校については、案内書とともに、鎌倉市から通学する生徒へ制度周知をお願いするとともに、「広報かまくら」であるとか、市のホームページにおいても案内を行っているところでございます。
 そういった中で、こちらでいうと湘南高校であるとか、茅ヶ崎高校、定時制がございますけども、その両校については、両校の定時制の定時制教育の振興と発展を図るという目的の中で、湘南地区高等学校定時制教育振興会という会がございまして、その中にも鎌倉市は参画しております。そういった中で連携を図っているところでございます。
 今回、先ほどから御紹介のあった事例につきましては、その学校の中で、本市からの依頼がきちんと周知されていなかったのではないかという可能性があること、また私ども市の中で、それぞれ関係部署との連絡体制に課題があったのではないかというふうに考えられます。
 
○8番(石川敦子議員)  過去の話なので、余り責め立ててもという感じなのですが、生活保護につながっていて、Aさんが学校に行っているということも本当は知っていなければいけなかったという、そういういろんなものが後手に回ってのこのケースということで、伺ったところによると、このAさんを中学校時代に直接知っているという方も教育委員会にはいらっしゃって、非常に身近なケースだったんですね。何とかならないのかなと。やはり、こんなことが続いてはいけないというふうに思っています。繰り返さないためには、どのような対策をお考えですか。
 
○宮田茂昭 教育部長  今現在、ここ数年の話ですけども、社会福祉的な、専門的な見地から助言を得られるようにということで、これは当初は神奈川県のほうがやっておりましたけれども、3年ほど前からスクールソーシャルワーカーというのを鎌倉市のほうにも配置していただきました。また、昨年度からはスクールソーシャルワークサポーターとして、そのスクールソーシャルワーカーをサポートする形で、鎌倉市のほうに2人配置していただいております。
 さらには、今年度から鎌倉市単独でスクールソーシャルワーカーを、やはり配置をさせていただきました。そういった中で、基本的にはそういういろんな相談がある中で、そういうスクールソーシャルワーカー、いろんな社会福祉という、また別の視点の中で見立てができる方にも、やはり相談に乗っていただくというような中で、いろんなケースに対して対応していきたいというふうに考えております。
 
○8番(石川敦子議員)  ありがとうございます。ソーシャルワーカーのいいところは、先ほども申し上げているんですが、やはり制度をよく知っています。福祉の制度も、教育の制度も、いろんな制度を知っていて、それが国家試験になっていますので、制度をよく知っているはずの人たちです。そして、見立てができる人たちなんです。なので、やはりそのスクールソーシャルワーカーさんたちが学校に入って、今後困難を抱える可能性のある生徒さん、また児童さんたちと顔見知りの関係になって、何かあったときに、頼りにできる人になっておくということがこういうケースを予防する最大の秘策だと私は考えています。いろんな方がいます、心のふれあい相談員さんもいらっしゃるし、スクールカウンセラーさんもいらっしゃる。スクールカウンセラーさんは、やはり心の問題を抱えたお子さんということなので、今回のA君は、心の問題は抱えていないんです。環境の問題を抱えているんです。それに対しては、やはり適任はソーシャルワーカーでした。そして、やはり心のふれあい相談員さんなんかも似たようなお仕事をされていて、つなげないと、やっぱりこういうケースになっちゃうと思うんです。そうすると、やっぱりソーシャルワーカーさんがいますよ、何かあったらつないでくださいねというのを周知徹底をいま一度していただきたいというふうに思います。
 それからもう1点の問題点は、スクールソーシャルワークサポーターのことが出ましたが、これは県の予算で2013年3月、次の春で終わりです。今、学校への支援にも入ってもらったり、学校の中を回ってもらったりで、生徒さんたちと顔をつなぐということをやってくださっているというのを聞いて、大変私も評価をしていますが、それはこの次の春で終わってしまいます。それに対しては、教育委員会としてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
 
○宮田茂昭 教育部長  前段でいうと、周知徹底という点につきましては、先ほどの、私も議論を聞いておりまして、教育委員会でもいろんな相談員がおります。そういった中で、いろんなところにきちんと、適切なところにつなげられるような、やはり対応をしなければいけないという中で、研修なり、そういう勉強も必要だろうというふうに思います。
 今のスクールソーシャルワークサポーターにつきましては、今、お話のとおり、今年度神奈川県の事業として、昨年度からですか、スクールソーシャルワークサポーターが、結果として今2名入って、配置していただいております。週2日ずつ鎌倉市のほうに配置されておりまして、非常に有効に機能していただいているというふうに理解はしております。
 鎌倉市でも今単独でソーシャルワークサポーター、ことしから導入したところでございますけども、今、実際のところ、神奈川県に対しても、今現在もスクールソーシャルワークサポーターの継続については、強く要望しているところでございます。
 
○8番(石川敦子議員)  教育委員会のほうで、その効果を高く評価して認識してくださっているということで、それはひとまず私も安心をしています。ただ、やはり、いるということが一番大事なことなので、必ず確保をしていただく、そしてその確保する必要があるということを市役所全体でも認識していただきたいということを申し上げたいと思います。
 ここまでいろいろ伺ってきましたが、Aさんのことを教育長は、この事例を聞いて、どのように今、感想をお持ちでいらっしゃいますか。
 
○熊代徳彦 教育長  これは母子ともに支援が必要なケースというふうに受けとめます。もし、就学中であれば、スクールソーシャルワーカーの支援のもとで対応はできると思いますけれども、今後、就学中にそれがきちっと把握できるような体制を整えていかなければいけないだろうというふうに思います。
 そのためには、義務教育で終わりということよりも、もっとその先を考えた、縦横の支援体制を、さらに一つ工夫して考えていきたいというふうに思っております。
 
○8番(石川敦子議員)  教育長、ちょっと私が伺った限りでは、このAさんは、鎌倉市の中学校に通っていらっしゃいました。なので、先生方は、このAさんは、将来的に困難を抱えることがあるのではないかと、環境的に難しくなるんじゃないのかなという思いは、ないことはなかったとおっしゃっていました。もし、あのときにソーシャルワーカーがいたら、自分たちは間違いなくつないだと思うというお答えもいただいていますので、それだけ重要であると。
 先生方も、困難を抱えそうだなと思ったら、やっぱり一声、教育委員会の教育センターに声をかけるということをルールにしていただいたほうがいいんじゃないかと思います。それで、その声をかけたところのソーシャルワーカーがいなくならないように、制度としてしっかり担保をしていただきたいというのが私からのお願いです。大丈夫そうですか。いいですか。
 
○熊代徳彦 教育長  教育長会としても、この点については、鎌倉だけではなくて、ほかの市でもこういう例がございますので、全体的に、毎夏、8月の中ごろに県の教育長宛てに、何人か行って、直接そういう要望をしておりますので、実現に向けて、さらにもう一歩進めていきたいというふうに思っております。
 
○8番(石川敦子議員)  このAさんの、こういうこともあったということも含めてお伝えいただければと思います。
 次に、湘南・横浜若者サポートステーションが抱える課題についても伺います。
 冒頭に就労支援の対象になる若者の目安の数字を伺いました。少ないながらも、丁寧に支援をしていかなければならないということは明らかになっています。今後もサポートステーションの役割は大きくなることが予想されます。実際にサポートステーションを利用する鎌倉市の若者たちも、年々ふえ続けています。
 また、8月には鎌倉市が委託した保護者向けのセミナーがサポートステーションで開かれ、多くの参加者がありました。ところで、そもそも国が示している地域若者サポートステーション実施要綱では、サポートステーションの運営費用は国とサポートステーションが必要だと推薦書を出した広域の市町村、そして都道府県がともに負担することになっています。現在、この推薦書を出した鎌倉市を初め、湘南エリアの市町村及び神奈川県、どこもサポートステーションの運営費を全く負担していません。負担しているのは、国と隣の横浜市です。実施事業者の持ち出しもかなりあると聞いています。
 実は、不安定な状況です。今回、これだけかなり頼りにしました。現状から考えると、鎌倉市と協働する機関として明確に位置づけ、予算措置もあわせて行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  先ほども御答弁いたしましたけれど、国においては平成18年度から地域若者サポートステーション事業を開始されておりまして、事業の基盤的な事項、これにつきましては、国が措置をすると、議員おっしゃるように、地域の実情に応じて実施する事業、これにつきましては、必要に応じて地方自治体が実施することになっております。
 こういう中で、今御紹介ございましたように、鎌倉市といたしましては、平成22年度にはこの湘南・横浜若者サポートステーションが実施いたします就労体系のための受け入れを施行、そういうことで一緒にやっているところでございまして、今年度につきましては、これも御紹介ございましたように、就労困難者若者支援業務として、専門家によるセミナー、これの開催を委託しております。こういうような形で、本市としては、これは支援という形ではありませんけれど、一緒に仕事をさせていただいているというところでございます。
 このサポートステーションでございますけれど、横浜市の南西部の地域、それで藤沢市、茅ヶ崎市、横須賀市がこの事業対象地域でございますので、こういう関係市と協議いたしまして、より積極的にサポートステーションと連携をするような方法を模索してまいりたいというふうに考えております。
 
○8番(石川敦子議員)  ありがとうございます。関係市と一緒にというところで、私もいいと思います。湘南エリアが広域で連携をして支えていくということ。ここで何を申し上げたいかというと、若者の就労支援は、今社会問題になっているということ、それを鎌倉市ではきちっとやっていくという姿勢というか、やっていくという、そのスタイルの中で、地域若者サポートステーションというのは中核になるシステムなので、そこをきちっと行政のシステムの中に位置づけたほうがいいのではないかというのを申し上げています。
 そして、位置づけるのは鎌倉市単体では難しいので、やはり広域で、ほかのエリアの皆さんと一緒にこの地域若者サポートステーションを就労支援の拠点としてしっかりと運営を担っていくという必要があるのではないかと思っています。
 市長に伺いたいのですが、県を含めた湘南エリア広域連携のリーダーとして、このサポートステーションを推進していくということはできないでしょうか。湘南若者サポートステーションは、鎌倉市大船にあります。そして、必要を感じているという若者はどんどんふえています。Aさんも、鎌倉市ではなく、サポートステーションへ来ました。サポートステーションにAさんが行ったのは、サポートステーションの方たちが定時制高校に足を運んでくれています。地域に応じた事業なんです。それを持ち出してやってくださっていたので、定時制高校でAさんと出会ってこの支援がつながったという経緯もあります。そういうところを含めると、鎌倉市としては、やはり広域連携で、地域に応じた事業をきちっとやっていくということを考えたほうがいいと思うんですが、リーダーとして行動することは難しいでしょうか。
 
○松尾崇 市長  湘南・横浜若者サポートステーションとの連携というのは非常に重要だというふうに思っています。議員さん御指摘のとおり、鎌倉市内にございますから、そうした本市として、こうした若者の就労支援に積極的に取り組んでいくために連携というのを取り組んでまいりたいというふうに思っています。
 
○8番(石川敦子議員)  それは、働きかけていただくというふうに理解してよろしいですか。
 
○松尾崇 市長  先ほど御答弁させていただきましたとおり、近隣市との今後の協議ということもございます。そういうことも含めまして連携ということをできるように働きかけをしてまいりたいというふうに思っています。
 
○8番(石川敦子議員)  近隣市でも皆さんお顔を見合わせています。若者の就労支援というものを、それほど真摯に受けとめていないという現状もあるのだと思います。でも、鎌倉では、きょう、わざわざこのAさんのケースをサポートステーションが私に情報提供してくださったのは、大きな課題が見えてきます。自治体ごとに取り組んでくださいという、そういう意味では問題提起なんだと思います。そこをいただいた、やはり松尾市長としては、リーダーとして、周りの市町村、それから県に働きをかけて、まあ、お金をくださいというのも、ちょっとあれな話ですけれども、基本的には、きちっと財源措置ができなければ、運営は成り立ちませんので、そのところは、ぜひお願いをしたいということで、経過は伺わせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ここまでいろいろ伺ってきましたが、これで最後にしたいと思います。
 先日、私はAさんと話をしてきました。Aさんは鎌倉が大好きだそうです。鎌倉に住んだのは、お母さんの好きな、大好きな町だったからだそうです。Aさんも鎌倉へ戻ってきたいと言っていました。そして、早く働いてお母さんを助けて生活をしていきたい。だから、今は1人で大変だけれども、頑張って自立支援プログラムに取り組みたいという話を聞いたとき、私はAさんが経験した出来事を思い、大変申しわけない気持ちでいっぱいになりました。私は私でできることは何でもするとAさんに約束をしました。きょう、議会でこのテーマを取り上げたのも、そのAさんへの約束を果たしたい気持ちが根底にございます。
 市長、ここまでいろいろ議論を聞いて、子ども・若者育成プランの理念を語る立場として、これまでのAさんの状況を踏まえて、Aさんに今、どのような声をかけるか、お言葉をいただきたいと思います。
 
○松尾崇 市長  本市におきまして、就労に困難を抱える若者への支援というのは大変重要だというふうに思っています。また、そうした課題を抱える御家族に対する対応というのは、やはりより柔軟に行っていかなければいけないというふうに思っています。
 縦割りですとか、線と線という、非常に狭い視野ではなくて、しっかりとした広い視野を持って、面的な支援ということを今後体制づくりも含めて考えていきたいというふうに思っています。そういう意味で、総合支援体制を構築するということが重要だというふうに思いますので、そういう意味で新たな仕組みづくりをしっかりと検討してまいりたいというふうに思っています。
 
○8番(石川敦子議員)  私は市長に、Aさんに言葉をかけていただきたいと思います。市長として、Aさんに何か言葉をいただきたいと思います。
 
○松尾崇 市長  先ほど申し上げさせていただきましたけれども、今回、鎌倉市に御相談をいただいて、それに対して対応が十分ではなかったということを、これまでのお話の中で認識をしました。そういう意味で、率直に本市の対応のまずさについておわびを申し上げたいというふうに思っています。
 
○8番(石川敦子議員)  わかりました。その言葉はお伝えをしたいと思います。
 自立支援プログラム、寮に入っての自立支援プログラムは、まだ国のメニューになっていませんが、たくさんの若者が受けていますので、ぜひ市長にも一度視察に行かれて、状況も把握していただいて、若者の就労の限界を見ていただきたいというふうに思っています。
 それから、最後になりますが、市長は冒頭、若者の自立支援は大切、今もそうおっしゃられていました。ことし7月に厚生労働省から発表された子ども・若者白書においても、若者の完全失業率、ニート、若年無業者と呼びますが、ニート、また早期離職などなど、非常に若者の置かれている社会的、職業的自立には課題があるということが指摘されています。これらの原因・背景は、産業構造や職業構造の変化、社会全体を通じた構造の問題が存在しており、社会が一体となった対応が必要であるというふうに発表をしています。若者の支援は、社会構造の問題、社会全体の問題であるというところで、従来の行政システムでは対応し切れないということもわかってきたのではないでしょうか。
 若者の支援、就労支援、生活支援という横串を持って行政システムの見直しを図っていただけないかというのが私からの最後の質問です。
 
○松尾崇 市長  就労が困難な若者、もしくは支援が必要な若者、さまざまな背景があり、課題を抱えているというふうに思っています。それぞれ、大きな社会的な問題という背景ということも、当然ございますけれども、そうした個々の課題に対して、丁寧に対応していくということも重要だというふうに思っています。そういう意味で、しっかりと若者のこうした就労支援、自立に対する支援ということが組織としてもきめ細かく図っていけるように、そうした体制づくりも含めて検討してまいりたいというふうに思っております。
 
○8番(石川敦子議員)  鎌倉市子ども・若者育成プランをつくって、本当によかったなと私も思いました。でも、たった1人の若者を助けることもできない、今は中区にいて、中区で支援を受けている、この現状は重く受けとめていただければと思います。
 以上で私の質問を終わります。
 
○議長(伊東正博議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (16時58分  休憩)
                   (17時25分  再開)
 
○議長(伊東正博議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。議事の都合により、この際、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。次に、渡邊昌一郎議員。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  通告に従いまして一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど、石川敦子議員の質問をお伺いしまして、非常に私は、実は胸が打たれました。あすの食事、食べるものもきゅうきゅうとしている中、一生懸命生きている方々が、若い方もいらっしゃるということで、私は胸を打たれた次第であります。
 ちょっと感想を述べさせていただきましたが、前々回に引き続きまして、着地型の観光の件で、また質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 この質問をさせていただく前に、今までいろいろ質問、それから返答をいただいた中で、ちょっと締めくくりとして、私のきょうまでの感想を五つの項目に分けまして、思い浮かんだことなんですけれども、まとめてみましたので、質問の前にお聞きいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、一つ目は、今回の事業でいろいろ質問させていただきましたが、答弁をお伺いしていると、市長の労働時間は、時間管理を重視し、実態管理は軽視されているのではないだろうか、これが一つ目ですね。
 二つ目は、鎌倉市内の会社経営者の皆さんは、この市役所の労働の現実、いわゆる時間管理なのか、実態管理なのかという、この現実をどのように考えているのか、もし自分の会社で外勤の社員の方が勤務日報をつけていないとなると、どういうふうに考えているのかということを思い浮かべました。これが二つ目です。
 三つ目は、今回の事業の総額の半分は、新規雇用という国の事業目的であるものの、残りの半分は鎌倉市のための観光事業であるはずだったわけです。勤務日報がもしきちっと整備してあれば、質の高い労働と質の高い観光情報が得られたはずであります。鎌倉市は、数字にあらわせないものの大きな損をしているような気がいたしました。今回の観光事業は、極めて軽視されている気がしたわけであります。裏に何か、ほかの目的があるようなことで感じを得たわけであります。
 四つ目、勤務日報が契約書にあるにもかかわらず、不要という結論にもしなれば、割れ窓現象が起こり、鎌倉市は契約書上に必要書類が明記されていても、なくてもよいというあしき前例をつくってしまうことになるというふうに思いました。これが四つ目です。
 五つ目、最後ですけども、私の旅行会社勤務の経験上、感じたことは、この助成金の使い方は、ひどく異常さを感じるものであり、裏に何か特別な動きがあるんじゃないかと思わずを得ないというふうな流れを感じました。これが五つ目であります。皆さんがどういうふうにお考えになるかわかりませんけれども、私が率直に頭に思い浮かんだ気持ちが、今の五つであります。
 では、本題の一般質問に入らせていただきます。
 まず、私がいろいろ質問をしている中で、前向きな事象がありまして、今回新しい条例ができたというふうにお伺いしました。それは、鎌倉市企画等提案型契約審査会条例というのができたんですね、前回、決まりました。その中に、鎌倉市プロポーザル方式等の実施に関するガイドラインと鎌倉市プロポーザル方式等の実施に関する事務フォロー、これができましたので、ちょっとこのつくられたいきさつ、それから理由と目的、概要を御説明いただければ、よろしくお願いいたします。
 
○相川誉夫 経営企画部長  今、議員さんから御質問いただいたプロポーザルの提案型でございます。行革の経営戦略プランにもございます収入確保をしていこうという立場から、行政の持っている資源を有効に使っていこうということで、そこに企業の方、民間の方等に御提案をいただいて、それを採用していくということで、それに対して収入をいただきたいというような趣旨で、今回提案、そういうものを今作成をしておるところでございます。
 
○松尾崇 市長  今回、プロポーザル方式の募集期間について、改めて定めさせていただきましたのは、これまでるる渡邊議員が御指摘をいただいたという点を受けまして、このような形で、きっちりと庁内でルールがなかったものを定めたものでございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  私も、ちらっと拝見させていただいたんですが、非常に細かくて、よくできているなと、正直な話、感心したところなんですけれども、この前、市長にお会いしたときにお話ししたことがあると思うんです、覚えていらっしゃると思うんですが、これは一番最初の入り口のところなんですね。いろんな企画提案が出たらば、きちっとこれを精査して、審査して、入札にかけるというふうな話だと思うんですが、一番お尻の成果品についても、成果品がきちっとできているのかどうかというふうな審査をする審議会、審議条例のようなものをつくってほしいというふうなことをちらっとお話ししたので、ぜひ、これをペアで考えていただいて、成果物の審査条例をつくっていただきたいというふうに思っております。
 質問を続けます。このふるさと雇用助成金について、おさらいをしたいと思いますので、市長にお尋ねをしたいんですが、この目的というのは、何だったのか、概要をお聞かせいただきたいと思います。
 
○松尾崇 市長  今回の商品開発事業の目的ですけれども、観光ネットワークの構築と、着地型観光商品開発の事業ということで、この基金を活用した事業ということで、この基金を活用しまして市内の新たな観光魅力の把握、それから観光ネットワークの構築、これらを生かした着地型旅行商品の開発などを行うことを目的といたしました。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  ありがとうございます。観光のお話を回答いただきました。もう一つの目的は、要するに雇用を促進するということが第1番、第2番は鎌倉で選んで、観光ということになるんですけども、私はいろいろ何度か質問をした中で、メーンになる勤務日報の話はずっと平行線で来たわけなんですが、その勤務日報について、またちょっとそごというか、話の食い違いがあったんですね。といいますのは、5月11日に、私は質問を受けたものを市長から回答いただきました。勤務日報についてはどういうふうにお考えですかというのは、総務課を通じて市長から回答をいただいたんですね。12日に、またメールで、その回答に対して再度細かく質問させていただきました。ちょっと長かったんですけどもね、3カ月と10日間かかって、またその回答を長文でいただいたんですね。その中に、また実はそごがありまして、一つの答えは、勤務日報がないのは、法制的で違反ではないですかと、法制的と、今度言葉を入れたんですよ、法律的にということですね。回答は、本件契約第11条、この契約ですね、におきまして委託業者は勤務日報を整備しなくてはならないこととなっており、勤務日報等が確認できる書類が整備されていなければ、同条の規定に抵触するものと考えていると。これ、法律的なことですね、抵触するということなんですね。ですから、これ、ないとまずいという、法律に触れるという、非常に理想的な答えを、私に対しては理想的な答えをいただいたんです。
 ただ、もう一方は、同じ回答なんですよ、8月20日にいただいた書類なんですけども、もう一方は、前に小礒部長からお答えをいただいた内容と同じなんですね。勤務日報という名称の書類は、この事業において存在していません。そもそも契約書第11条における勤務日報につきましては、勤務日報とはどのようなものであるかということは、契約書上定義がされていない。定義がされていないため、勤務日報にかわる書類で勤務がされていることを確かめられるというふうになっているんですよ。
 一度、これは議会で回答が来なかったもんですから、6月にお伺いしたんです、そのことを。そしたら、その回答というのは、結局、1時間20分の休憩をいただいて、結論は、松尾市長がこうおっしゃっているんですよ。本件の契約書第1条にあります勤務日報につきましても、勤務の実態がわかるようなものと解釈するということですね。ですから、これが松尾市長の答えと、それから今度、法律に抵触するという部分をつけ加えると、もう一つのほうの定義が云々というほうの回答は当てはまらないと思うんです。回答が二つ来たもんですから、もう一回、6月にお伺いした答えでよろしいのかどうか、確認をしたいんですけれども、よろしくお願いいたします。
 
○松尾崇 市長  この契約書の第11条においては、勤務日報を整備しなければならないこととなっておりますので、この書類が整備されておりませんので、この同条の規定には抵触をするものであるというふうにお答えをさせていただきました。
 この勤務日報という名称の帳簿は存在をしないと、前回の答えで間違いございません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  ありがとうございます。そういうふうな意味で確認をさせていただきました。
 次の質問に参りたいと思います。
 先ほど、観光の話の中で、私はずっとこれが非常に5,000万円の価値がないというふうに申し上げていたんですけども、その中で、実は契約検査課の前課長さんとやりとりをした中で、前観光課の課長さんから返ってきた答えがあったんですね。実は、資源シートという115枚の現地を調べた写真つきのシートがあったと思うんですが、覚えていらっしゃると思いますが、あれが非常に私が調べた、バックで調べた内容が、非常に実はあやふやで確実性がないものだったもんですから、その辺の確実性はどういうふうに確認をしているんですかというふうなことを問い合わせたところ、契約検査課を通じて、こういった回答が来たんです。
 調査報告書は表に出ないので、内容は事実と相違があっても構いませんというふうな回答が来たんですよ。観光課、それから契約検査課と、私のところへ来た。これは非常にこの仕事の内容を軽視した回答だというふうに思って、私は唖然としたわけなんですけども、まだそのメール、私のパソコンに残っています。こういった仕事に対する気持ちというのは、私は解せないんですけれども、市長はどういうふうに思われますでしょうか。
 
○松尾崇 市長  その、きっと回答がどういう経過で回答されているかというのは、ちょっと私見ておりませんけれども、今お話の中で、間違いがあるというのが、それでいいんだということでは決してないというふうに思いますので、当然、成果物としてつくっていただいたものというのは、正しいものをつくっていただくということを市としては求めていくというのは当然であるというふうに思っています。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そういった答え、ありがとうございます。ただ、パソコンに残っておりますので、間違いなく、それは内容は事実と相違があってもいいというふうなことなんですよ。後で、お見せいたしますので、また回答をいただきたいと思います。
 それと、話は飛んじゃって申しわけございませんが、前の6月の議会のときに、一番最初、そもそもの平成22年の入札に当たりまして、JTBさんの藤沢支店に相澤元部長が参考見積もりをお取りになったときに、私は小礒部長に1社ではちょっとおかしいんじゃないかというふうなことを質問させていただいたんですね。不公平であるとね。それはJTBのほうに情報が流れますから、有利な情報じゃないですかと。1社はまずいですよというふうにお話をしたんです。そうしたら、小礒部長さんのほうは、JTBは実績があるので、JTBだけに頼んだというふうな回答をいただいたんですね。私は、それでも違うんではないですかというふうなことで、質問をしたんですが、どんな実績があるんですかというふうにお伺いしたんですが、そのときに、資料をお持ちになっていなかったので、答えられませんというふうな回答で、じゃあ、次回お願いしますということで終わっております。そのJTBさんの当市に対する実績を御回答いただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
 
○小礒一彦 市民活動部長  きょう、議員さんからそういう御質問をいただくと思いまして、資料を準備をしております。
 JTBの実績でございますけれど、この着地型観光の調査という意味でも、全国的にも10を超す実績がございます。プラス、観光に対する幾つかの調査ものについてもJTBで調査をしているという結果がございます。少々お待ちください。
 JTBの着地型の取り組みでございますけれど、平成19年、20年という形で、これ一つ一つ読み上げますと、かなりの量でございますが、例えば、岐阜の健康ツーリズムですとか、それと堺の伝統産業体験ですとか、そういうものがございます。また、平成20年度におきましては、八戸の体験、それから甲州、山梨での調査、ここには約二、三十の調査が、我々が調べた中ではございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  ありがとうございます。他社はどうでしょうか。当然、お比べになったと思うんですが。2番手の近畿日本さん、日本旅行さんとか、どのぐらいやっていますか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  大変申しわけございません。本日、JTBということで考えておりましたもので、他社の資料、持ち合わせておりません。大変申しわけございません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  私、実はその他社のデータをいただきたいというのは本音じゃないんですよ。この平成21年11月27日に、JTBだけじゃなくて、近畿がどのぐらいやっているか、日本旅行がどのぐらいやっているかということをきちっと調べて、じゃあ、JTBでやろうと、一番数をやっていますからね、その議論だったらわかるんです。もう頭からJTBありきというふうなオーダーの仕方はまずいんじゃないかというふうな、私は結論をそこで引き出したかったんですよ。
 かつ、何度もお話をしますけども、平成22年5月26日に契約検査課のほうから、2社以上の見積もりをとらないといけないですよと、参考見積もり、要するに数字だけの見積もりであってもとらないきゃいけないんですよというふうなお達しが、注意喚起が出ていたはずなんですね。
 ということは、庁内の中で、今、部長がとられた行動は1社だけ、実績があるから1社だけ。かつもう一つ、契約検査課のほうは、総務のほうは、2社以上とらなきゃだめですよというふうなことで、大きな乖離があるわけですね、そこで、それは市長、これはどういうふうに判断されますかね。どっちがどういうふうにいいと思いますか。
 
○松尾崇 市長  今回、1社だけの見積もりにとどまっているというのは、やはり庁内のルールでもございます、きちんと2社から見積もりをとっておくべきであったのではないかというふうに考えています。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうですよね、ですからこのプロポーザルの新しい条例ができたんだと思うんですが、その中で、過去に1社しかとらなかったということは、どういうふうに反省しているのかですね、過去にそれが決定になってしまったんですよ。そのときに、2社あれば、もうちょっといいものができたんだと思うんです。いいものというのは、競争原理が働きますね。これ、数字じゃないですよ、これはプロポーザルですから、アイデアの話で、もっといいものができたというふうに私は思うんですよ。その辺はどう、市長お考えですか。
 
○松尾崇 市長  もう今からそこに戻ることはできないですけれども、確かに御指摘のとおり、可能性として複数社からとっていれば、よりいいものになるということは否定はできないというふうに思います。そういう意味で、今後きちんと、このプロポーザルの際に、ルールにのっとって行うということが大変重要であるというふうに考えています。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そのとおりでありますね。私は、経験が少しだけありますので、思いつくのが、どのくらいそれで損をしちゃったのかなというのを思いつくんですよ。2社あれば、例えばもっといいアイデアができていて、それはいい観光資源が取り入れられていて、もっといい結果、成果品ができたと思うんです。それは目に見えないんですけれども、結果的には、鎌倉市の税金を無駄に使ったことになると思うんですよ。1社だけだった、これ絶対1社だと、業者のほうも自分のところだけだということで、手を抜きますので、その分の差額があると思うんですね。その差額があるかないか、あると思われますか、ないと思われますか。
 
○松尾崇 市長  あるかないかという判断は、完全にはどちらにも言えないというふうに思います。ただ、その可能性としてあったということは言えるというふうに思いますので、今後しっかりと正してまいりたいというふうに思っています。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうですね、私は絶対にあると思うんですよ、2社、3社あったら、競争力もやっぱり違いますからね、お金じゃなくて、アイデアでも。それからやる気というか、きちっとやるというふうな、調査員の気持ちというのは、変わってきたと思いますね。
 それと、この新しい条例をつくっていただいた中でいちゃもんつけるわけじゃないんですけども、つくったということは、裏を返せば、この全体の流れの中で、非常によろしくないことが起こっていたというふうにも考えられるんですけれども、前向きなところに持ってきて、過去のですね、そういったことを言うのは、ちょっといけないかもしれませんけれども、その辺はどうお考えですか。
 
○松尾崇 市長  るる、これまで渡邊議員から御質問をいただく中で、御指摘をいただいた点、行政としてきちんと反省をしなければいけないところは反省をして、やっぱり見直しをしていく必要があるというふうに思っています。そういう中で、見直せる部分というのをきっちり見直しをして、今後、こうしたこと、一つ一つ、細かい部分ございますけれども、ミスが起こらないような形にしていきたいというふうに思っています。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  ありがとうございます。ぜひ、今のお言葉、忘れずによろしくお願いいたします。
 それと、次の質問に参ります。ここで小礒部長にお願いしたいんですが、入札の条件が22年と23年と変わっておりまして、よくよく見ると、調査業務委託会社から旅行登録を持っている、普通の旅行会社、エージェントに、その項目だけ変更になっているんですが、この旅行会社の縛りを入れたというのは、何か理由があるんでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  まず、繰り返しお話をしておりますけど、今回の契約でございますが、入札はしておりませんので、よろしくお願いいたします。
 条件につきましては、22年度、23年度と2回やりましたけれど、そういう中で、23年度につきましては、旅行の試行をするという、そういう前提でございましたので、そういう意味で、一部中身の変更があるかというふうに思っております。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  旅行の試行というのは、試す行うという字ですかね、みんなの鎌倉遠足、ナンバーワンとナンバーツーを商品企画として立ち上げるということで、旅行会社の資格が必要だというふうな捉え方をされたわけですか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  おっしゃるとおり、旅行を催行するに当たりましては、旅行業の資格が必要でございますので、そういうような条件をつけてございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  この条件というのは、破産会社でないとか、いろいろありましたけども、この旅行業の登録番号というのは、JTBと、それからもう1社、ちょっと鎌倉市内の会社だと思いますけど、登録ナンバーは何番だったですか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  大変申しわけございません、ただいま資料を持ち合わせてございません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうすると、当然、このチェックはされたということなんですか、今資料がないということは、チェックはしたけども、デスクの上に置いてあるということなんでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  当然、この事業をやるに当たりまして、先ほどお話しいたしました旅行の試行をしなければいけませんので、旅行業の資格がなければ、そういうことができないということで、平成23年度事業につきましては、そういう条件をつけておりますので、その辺につきましては、選考委員会の中では、十分チェックをしているというふうに考えております。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  選考委員会というのは、点をつけて、どこがいい、ここがいいというふうな足し算をするんですね。私が今聞いたのは、登録番号があるかないかですよ。例えば、ちょっとくどい話になりますけどね、ハイヤーとかタクシー会社が運転手を雇うときに、必ず免許証というのを出しますね、2種を持っていなくちゃいけないんですけど、2種って、要するにグリーンナンバーですね、お客様を乗せる免許が特別にあるんですよ。今回、これに絞って、旅行会社のライセンスが必要だという縛りを入れたんですから、当然、その登録ナンバーというのは必要だと思うんですが、その辺、わからないですか。私が、この業界にいたもんですから、どうしてもそれにこだわっちゃうんですけど。もしあれだったら、休憩をちょっといただいて、番号をお調べいただけませんか。
 
○議長(伊東正博議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (17時55分  休憩)
                   (18時35分  再開)
 
○議長(伊東正博議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。理事者の答弁を願います。
 
○大谷雅実 副市長  お時間をいただきましてまことに申しわけありません。渡邊昌一郎議員の質問に対する回答につきましては、担当部長から回答させていただきます。
 
○小礒一彦 市民活動部長  旅行業の番号でございます。まず、株式会社JTB東京法人でございますが、観光庁長官登録第1767号、もう一つの企業でございますが、4社のJVでございまして、その中で旅行業を取得しておりますのが、株式会社電通テック、観光庁長官登録第1350号でございます。
 これで、これにつきまして少し御説明をさせていただきます。
 両業者から市のほうに申し込みがございまして、その際に、書類の中には番号は記載させておりませんけれど、担当のほうから、一つはホームページにございます日本旅行業協会の加盟者名簿をまず確認をいたしまして、その後、観光庁に電話連絡をいたしまして、両企業のこの番号を再確認したところでございます。ただしですね、大変これはおわび申し上げなきゃいけませんけれど、本日でございますけど、再度確認をいたしましたところ、株式会社JTB東京法人は今お話をいたしました番号で間違いございませんが、株式会社電通テックにつきましては、平成8年2月27日に登録をいたしまして、23年2月に抹消されてございまして、ちょうどこの申請を受けた、申し込みを受けたのが4月でございますので、抹消後でございました。大変申しわけありません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  実は、私はちょっとおかしいなと思ったのは、この企画書を見てですね、さっき部長がおっしゃった、電通テックさんのところに、第一種旅行業登録と書いてあったんですけど、通常、すぐ登録の文字の後にナンバーを入れるのが通常なんですよ。たまたまなかったもんですから、あれっ、おかしいなと思って、先ほどお伺いしたんですけども、そうすると、実際には、平成23年の末に抹消してあるわけですよね。これ、公示の期間がたしか4月20日から4月25日だと思うんですけども、その期間に、当然抹消したということは、この会社は、わからなかったんですかね。かつ、先ほど部長が御答弁されたのは、その後ですね、前じゃなくてね、見積もりを提出した後ですよね、確認したということをおっしゃいました。そうすると、時系列的に、これ見積もり出さないと、当然確認したということは言えませんので、ちょっとその辺の時系が前後合わないと思うんですけど、もうちょっと、済みません、わかりやすいように、時系列的に御説明をいただけませんでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  この電通テックを含めます4社の提案申込書でございますが、4月25日付で提出をされておりまして、25日付で受け付けをしてございます。ということでございますので、そのときに既にこの電通テックは、旅行業を抹消していた、そういうことでございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうすると、先ほど、部長は御確認されたということをおっしゃいましたけども、いつの時点で確認したんですか、当然これは4月25日か26日か27日かだと思いますけども、部長のさっき、確認しましたということは、どこへいったんですかね。
 
○小礒一彦 市民活動部長  これ、担当者のほうで確認をいたしましたもので、正確な日付、私存じておりませんけれど、当然のことながら、この4月25日以降に確認をしているものでございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  確認というのは、それは電通テックさんなのか、それともさっきおっしゃったJATAですか、日本旅行業協会、どっちなんでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  先ほどもお話をいたしましたけれど、まずは、この日本旅行業協会、これはホームページにリストがございますので、これを点検をいたしまして、ただ、これにつきましては、民間の名簿でございますので、大もとでございます観光庁に電話連絡で確認をいたしました。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうすると、そのときには抹消されていなかったということなんですか。これ平成23年の何月とおっしゃいましたかね、3月ですか、に抹消されたらですよ、その日かその次の日ぐらいには、抹消はいきますよ、これ1カ月でもタームがあって、そこで主催旅行をしてしまうと、これはえらいことになりますので、もう即日、あるいはその前に、いついつに抹消しますよということを言うはずなんですよ。予定を、当日に、きょう言って、きょう抹消しますなんて言わないと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  先ほどお話しいたしましたように、担当者が観光庁に電話連絡したことは間違いございません。まあ、これは全くの想像でございますけれど、2月末に、この書類がどこに出たのか、観光庁に直接出たのかはわかりませんけど、大もとの帳簿、これの修正がまだなされていなかったものというふうには考えておりますが、この辺については全くの推測でございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  推測は推測でいいときもありますけども、観光庁って、そんな変なことはしないと思いますよ。1カ月も抹消して、それを1カ月も生かしておくとかね、これは重大な観光庁に対する冒涜というか、観光庁だってお役所ですから、そんなことは絶対にないと思います。それが生きてた、抹消が生きてたなんていうのは。本当にそれがあり得ると思いますか。抹消したものが残っていた、1カ月も、コンピューターで消すのを、忙しかったから消さなかったとかね、そういうふうなことは絶対に起こり得ないと思うんです。それ、いかがですか。これ非常に大切な問題なんですよ。保険と同じ、免許証の失効期限と同じで、例えば免許証が切れたら、それ以降、次乗ったら無免許運転なんですよ、絶対にあり得ないと思います。私は観光庁へ行って、また調べてきますけど、その事実は。これもしこれが、部長のおっしゃったことが虚偽だとすると、これ大変なことになっちゃうんですよ。
 当然、そのJTBさんは持っているのは明らかですけども、電通テックさんと、このジョイントベンチャーがやっているということは、ふと気がついて、やはり、もしかして持っていないかなというふうなことは頭に本来はひらめかなくちゃいけないし、さっき部長がおっしゃったように、もう調べましたとおっしゃっているわけですから、それはきちっとお認めいただきたいんですね。
 これ、観光庁へ行って、私はちょっと時間ができたら、そういうふうなことがあったか、1カ月も2カ月も失効以降でパソコンに残っていたかというのは調べます。それは絶対にあり得ないと思うんですよ。電話で聞いたって、残っているというのは、私は信じがたいですね。そういうことで結論づけておきたいと思います。
 ただ、これはきちっと、やっぱりこれから検査してやっていかないといけないと思いますよ。さっき、私が申し上げたように、タクシー会社だって、バス会社だって、運転手さんを雇うときに免許証ぐらい見ると思います。まして、これは全く初めての会社なんですから、恐らく入札のライセンスとかって、事前登録とかっていうのもしていないと思いますよ。これ、そこまでやっぱり、さっき部長がおっしゃったように、この旅行業というのにあえて、この23年に入れたということは、それだけ大切なものだと思っているわけじゃないですか。それをライセンスが失効していたなんて、これはちょっとおかしいと思いますよ。
 市長、どうですか、市長の御答弁をいただいて、この問題については、また私のほうで調べていきたいと思います。
 
○松尾崇 市長  先ほど部長が答弁させていただきましたとおり、担当が観光庁に確認をしているという事実がございますので、それ以上のことは申し上げることはございません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  観光庁のほうでも、恐らく記録は残ると思います。どんな方からね、問い合わせがあったかというのは残るかもしれません。残らないかもしれませんがね。副市長笑っていらっしゃいますので、多分残らないでしょう。私が、実際に調べてきます。そのタームが、ホームページで残っていたかどうかというのをね、また御連絡いたします。報告します。
 次の質問に参ります。また、ちょっとこれも古い話なんですが、平成21年11月27日、JTBの藤沢支店から見積もりをとったということで、先ほどお話をしましたけども、6月の議会に確認してほしいということで、回答をまだいただいていない部分があったんですね。元部長の相澤さんが頼んだということなんですが、これは、電話でしたのか、それとも担当者と話したのか、それから部長がじきじきに行くというのは、ちょっと私は違和感があったんですね。私は、現場のことは、全て課長さんがおやりになるというイメージがあったもんですから、課長かなと思ったんですが、まあ、部長がされたということで、どうして課長でなかったのかということですね。その二つをとりあえず御回答いただきたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  6月議会以降、電話連絡でございますが、前部長と話をしました。期間が過ぎておりますので、正確な記憶ではございませんけれど、御本人がおっしゃるには、担当、誰か、それはわかりませんけれど、とJTBの担当の方と会ったというようなことで話をしています。場所についても、今、何といったらいいですか、会議室の名前はちょっと済みません、うろ覚えですけれど、健康福祉部の入り口の横にある、会議室でお会いをしたと、そこまでは確認をいたしましたけど、相手がどなたですとか、それから一緒に入った担当が誰だったのかは記憶にないと、そういうような話を聞きました。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  今の御回答を整理しますと、相手の担当は、要するにJTBの担当だったんですか。相澤元部長は1人だったということですかね。役所の、普通の流れですと、こちらは2人か3人とかね、そういうふうなイメージで私はいるんですが、1人というのは、あり得ないと思うんですね。役所は何人か。JTBが何人かということだと思うんですが、それは、もう少し交通整理して教えていただけませんか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  私が聞きましたのは、市の担当、この担当が誰だったのかは記憶がございませんけれど、市の担当と一緒にJTBの担当者と会ったと、そういうふうに聞きました。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そのときの担当を覚えていらっしゃらなかったということですか、もう1人、市の担当者。そういう、例えば議事録とかというのは、もしこの役所の中でやったんであれば、議事録みたいなのはなかったんでしょうか。記憶というのは、そんなに、そのときの記憶というのは、そんなになくはないと思うんですよ、担当者、誰と行ったのかぐらいは、初めてもし会うんだったら。先方の方の名前は忘れたとしても、身内の誰と行ったかというのは、覚えていると思うんですけど。
 
○小礒一彦 市民活動部長  大変申しわけございませんけど、私が電話で確認した中では、誰だかはよく覚えていないというようなお話でございました。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  私は、これ勘ぐるわけじゃないんですけども、前に、メールで告発文が出ましたですね。その方はいなかったんですか。どこかでかかわりがあったんじゃないかというふうに思うんですよ。といいますのは、見積もりの内容を見ると、市の職員さんに大変申しわけないんですけど、見積もりをつくるような希望を、出す内容を把握はできないと思うんです。中にプロが、コーディネートする人がないとできないような見積もりだと私は思っているんですけども、そういった可能性はないでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  私が確認している中では、議員がおっしゃるようなことはないというふうに聞いております。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  わかりました。実は、私はそういったことが、もしあってはいけないんですけども、念のために、JTBの担当者の方、先方でその話を受けた方に話を聞きたいということで、インタビューに、JTBの平塚支店に何度かお邪魔しました。いらっしゃらないこともあったんですけども、その回答は、JTBの社内的に回答してはいけないというふうな話がJTBの中にはあるそうです。渡邊議員には一言も話すなというお達し、箝口令が敷かれているということなんですよ。何度、やっぱりその担当者に聞いても教えてくれない、メールもたくさん送っているんですが、回答が来ないです。その辺はどうかなというふうに思うんですけどね。まあ、それは私のほうでまたもう一回、しつこくというか、根気を持って聞いていきたいというふうに思います。ちょっと、それは御報告までです。
 次に、前もこれはお伺いしたかもしれませんけどもね、8月18日に公示の最後の日だったわけですね。その前に、8月2日に見積もりが出ていますね。これ、8月2日に出した理由というのは、答えをいただかなかったんですが、6月の議会ですね、それはどういうことだったですかね。
 
○小礒一彦 市民活動部長  8月に出ております、まず第1回目のものにつきましては、支出負担行為を伺うための見積もりでございます。2回目のものについては、これはまさにプロポーザル方式で募集をした後に、申込書に添付をされたものでございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうですね、そのとおりですね。ただ、8月2日に出した理由というのは、私はちょっとよくわからないんですけれども、藤沢支店に1回出したんですよね。そこで1回数字が上がっています。藤沢支店の担当者が平塚に転勤になったので、支店名はわかりますけども、なぜそこでまた2回目の、8月18日の公示の前、2週間前にあえてそこで数字をとり直したかというのがわからないんですよ。藤沢支店でまずとったわけですから、その数字が第1回目に8月18日に提出する用の見積もりがあればそれでよかった。8月2日の見積もりは余計なものだったと思うんですよ。2日にとった理由というのは何なんでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  まず、21年には、予算のための見積もりをとらせていただきましたので、それはあくまでも予算の積算上の見積もりでございます。8月にとりましたのは、先ほどお話しいたしましたように、支出負担行為、まずプロポーザル方式で業者選定をしますよという前段で支出負担行為の伺いをとりまして、そこからプロポーザル方式が始まりますので、その見積もりは支出負担行為に対して必要でございます。プロポーザル方式で公募いたしましたところ、JTBのほうから応募がございまして、それには、やはり次には、実際に契約をするために見積もりが必要でございますので、契約を添付させている、そういうような時系列でございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  わかりました。それと比較すると、平成23年のほうは、予算立ての見積もりは1回だけですよね。平成22年に関しては、JTB藤沢から2009年11月27日の部分と平成22年の8月2日、これ2回出ているんです。23年に関しては、8月18日の、平成22年度分の公示期間中に出ているわけですが、その2回と1回の差というのは何でしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  まず、23年度につきましては、おっしゃるとおり、8月に、これはもう事業を継続するという前提で、これは前回、6月議会でも御答弁申し上げましたけれど、事業を継続するという前提で予算を見積もりをしたということでございまして、その事情は、申しわけありません、私もはっきりいたしませんけれど、その見積もりをもって23年度の支出負担行為の見積もりとしたと、そういうことでございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  その現実は、今お話をお伺いしたらわかるんですけど、私はその2回と1回の差は何なのかということをお伺いしたんです。わざわざ8月2日に、あえてとることは、23年のことを考えるとですよ、なかったんじゃないかなと思うんですよ。
 
○小礒一彦 市民活動部長  大変申しわけございません。これは、議員からも、当初、5月にプロポーザルをやるという予定であったのに、8月になったのはなぜかという御質問がありました、そこから済みません、思い出しまして、21年の予算見積もりは、あくまでも5月、年度の当初から事業をしたいということの見積もりでございまして、ほぼ通年の見積もりでございました。
 ところが、これは何度か御説明をさせていただいておりますように、初めての事業だったということもありまして、そのプロポーザルのやり方ですとか、どういうような内容で企画書を上げてもらう、まあ、仕様書でございますが、そういう検討をいたしまして、実際にプロポーザルをやる時期が8月に延びましたもので、そこから今度は仕事をしなければいけないということで、期間が狭まりました。短くなりました。そういう意味で、再度8月に予算見積もりをとった、支出負担行為のための見積もりをとったものでございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  その時系列は理解しているんですが、8月18日の公示の期日の前の8月2日に、また見積もりをとり直すという、ちょっと非常にイレギュラーな流れに、私はすごく不信を感じるんですが、部長はそういったことは感じられませんか。同じ月の中にですよ、また見積もりとって、結果的にはJTBの8月2日と8月18日の数字が全く同じじゃないですか。それはね、私は前にちょっと常任委員会でも申し上げましたけども、違和感があり過ぎるんですよ。通常の人が見たら、これはちょっとというか、大分おかしいと思いますけども、そういったことを予想されませんでしたですか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  役所の仕組みからお話をしなければいけませんけれど、事業を始めるに当たりましては、当然のことながら予算を使いますので、支出負担行為の伺いを上げます。そのときには、まず、支出負担行為をするための見積もりを徴します。先ほどお話しいたしましたように、今回はプロポーザル方式で業者を選定しようということにいたしましたので、その支出負担行為の中で、プロポーザル方式で業者選定をしますよという伺いを中であわせてしておりまして、その伺いが決裁を得た後に、実際にプロポーザル方式で業者の公募をいたしました。ですから、2回目の見積もりにつきましては、まさに事業をするためにプロポーザル方式、これたまたまJTB1社でございましたけれど、そこから事業をするための見積もりとしていただいたものでございます。ですから、8月の初めのほうの見積もりについては、支出負担行為を受けるために必要であったと、そういうことでございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  わかりました。ただし、それは結果的には、非常によくない傾向を生んでしまったんですね。8月の、庁内的な流れという、その規則はわかりました。ただ、結論を言わせていただくと、非常にあってはならない結果になってしまったんですね。誰が見ても、8月2日の8月18日じゃ、ましてJTBだけじゃおかしいじゃないですか。これ、通常の人が見て。そのときはそういうふうに、まずいなということは思わなかったですか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  これも、たびたび御答弁をさせていただいておりますけれど、プロポーザル方式でJTB1社かどうかというのは、我々は当然わかりませんでしたので、何社か、その中で申し込みがあるものということで、そういうような仕組みを考えまして、公募をいたしたところでございます。
 それが、たまたまJTB1社であったということで、特にそこに違和感は感じてございません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  ちょっと私の表現が、話し方が悪かったですね。JTBが8月18日までに持ってきた、1社だけだということではないんですよ。8月2日に見積もりをとったのは、流れとして違和感がなかったかということをお伺いしたいんです。通常のコモンセンスとしてですよ。疑われるんじゃないかというふうに、そのときに思いませんでしたですか。私がそちらの立場だったら、そのときに、これ疑われるかもしれないからもう1社とっておこうと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  1社だけということにつきましては、先ほどお話をさせて、市長から御答弁させていただいていますように、契約検査課のほうの通知でありますと、2社とは書いてございませんけど、適正な数の見積もりをとりなさいというような形で表現をされておりますので、私も議員からそういう御指摘を受けておりますので、今となって考えれば、2社の見積もりを徴しておけば、そういうような議員からの御質問もなかったのかなというふうに反省をしてございますけれど、当時は、これは何度か御説明をさせていただいていますけれど、先ほどの、どれくらい全国的にJTBが手がけたのかというお話とともにありますが、この着地型観光について、全国的にいろいろな、こういう委託を出しておりますけれど、JTBが全体の3割ぐらいを占めておりましたので、そういう意味で、JTBに見積もりをとっておけば、まずは安心だと、最大手でもあるし、JTBからとっておけば、おおむねの予算がわかるんだろうということでとった次第でございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  最大手だからとったという理由は、ぜひ公正取引委員会のホームページを見ていただきたいんですよ。最大手だから依頼したというふうなケースは、官製談合に結びつくということで、よく見ていただくと、それはよくないというふうな注意になっております。
 そうすると、その理論が通るとですよ、最大手というのは一番得するわけですね。最大手が全てじゃないと思うんです。2社目、3社目でも一生懸命やっているところもあるし、最大手よりも2社目、3社目のほうが、この分野に限っては非常に得意とする会社もあるわけですよ。ですから、その辺の分析をきちっとしていかないと、いいものはできないと思います。そう思われませんでしょうか。これは私の経験上申し上げたんですが、2社目、3社目でもすごくいいもの持っているところありますよ。
 
○小礒一彦 市民活動部長  繰り返しの御答弁で申しわけございませんが、8月の初めに徴取を1社でしたということにつきましては、あくまでも支出負担行為の金額を定めるために徴したものでございまして、その徴した業者にお願いをする、そういう考え方ではございません。後に、先ほどの繰り返しで申しわけありませんけれど、プロポーザル方式で業者が選定をされると、その中で、議員おっしゃるように複数社の方々から応募をいただければありがたい、それでもって企画競争ができると、そういうような形でプロポーザルをしたところでございます。ですから、繰り返し、これも先ほどもお話しいたしましたように、議員おっしゃるように、2社以上とっておけば、議員からこういうような御質問を受けなかったということで、大変反省はしてございますけれど、当時はそういうような考え方でございました。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  反省をしているということで、お伺いしましたんで、次回からぜひ参考見積もりであっても、そこできちっと研究をしながらやっていただければ、もっといいものができると思うんですよ。条件をつけるにしたって、最初の見積もりのときにですよ、参考見積もりのときにいろんな企画書、それから数字を見ていれば、本チャンのときにいろんな業者にこういうふうな条件にしてくれとかいうのを参考になると思うんですよ。皆さん自身も、部長自身も、そこで勉強できると思うんです。ですから、次回からそういった形でとっていただいて、勉強してから条件をつけていただきたいと思います。
 次の質問に参ります。監査室のほうにお伺いしたいんですが、勤務日報のことで、今までずっとお話を、御答弁を部長からいただいたんですけども、監査室の勤務日報の捉え方というのをお伺いする前に、監査室の方が、どなたでもいいですけども、勤務日報をつけたことがありますか。または勤務日報を、部下の管理をしたことがありますか。
 
○三ツ堀弘 監査委員事務局長  勤務日報につきましては、特につけたことはございません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  勤務日報の目的というのは、どういうふうにお考えでしょうか。
 
○三ツ堀弘 監査委員事務局長  勤務日報につきましては、その日々の勤務のあり方を示したものだと考えております。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  あり方を記帳して、例えば上司に見せますよね。その行為をすることによってどういうふうなメリットがありますか。勤務日報がなくちゃいけないという、その根本的なものがそこにあるんですね。
 
○三ツ堀弘 監査委員事務局長  勤務日報については、日々の勤務のあり方を示したものですので、そういった捉え方をしております。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  回答がちょっと私の期待どおりでなかったので、私のほうから回答を申し上げますと、きちっとその人間が仕事をしているかということなんですよ。それを管理するのが勤務日報なんです。ですから、その勤務日報がないと、変な言い方ですけども、遊んでいる営業マンも、遊んでいる調査員もいるわけですよ。日々何やっているかわからない。そういうふうなチェック機能がそこにあって、勤務日報というチェック機能があって、きちっと仕事をするわけです。ですから、庁舎から外へ出る人、車に乗って出る人は、これは本当は勤務日報なきゃいけないんですよ。軽自動車に乗って、皆さん頑張っていただいているけど、この庁舎にはそういった勤務日報はありませんか。軽自動車で皆さん、外出ていっていろいろ頑張っていただいているけど。日報はありませんでしょうか。
 
○三ツ堀弘 監査委員事務局長  特に勤務日報はございません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  ということは勤務日報のことをお尋ねしたんですが、勤務日報について、あんまり御存じなかったということでしょうかね。私は、今、その意図を申し上げましたけども、私が言わなければ、勤務日報があることによって、いいものができるんですよ。かつその人間はきちっと仕事をする。きちっと仕事をすることによって、逆に、今申し上げたように、いいものができるんです。ですから、今回のこの調査員というのは、神奈川県のほうであえて勤務日報を入れたんです、条件の中に。知っているんですよ、入れた人間は、県の人は。これ入れないといいものができないということを。それを前提にわからないで、この前、陳情者が監査室に上げたんですよ、勤務日報がないとおかしいですよというふうな話。勤務日報があれば、もっと市は得をしていた。そこが大前提でお話ししますと、回答がですよ、監査室からの回答、契約書に定める勤務日報がないとの請求人の主張は、市にとって損害が発生したとは言えないと言っている。監査室の回答なんです。ただね、これ、今の問答で気がつく人は気がつきます。気がつかない人は気がつかない。損をしているんですよ。幾らかわからない、目に見えない。その辺をお気づきでしたですか。その勤務日報の意義がわかっていて、これを御回答をしたのか、今おっしゃったように、意味がわからないで御回答したのか、どっちでしょうか。
 
○井上基 監査委員  渡邊議員がおっしゃいましたように、住民から監査要求が出まして、そしてその監査をしてほしい理由の中に、勤務日報がないということが書いてありました。勤務日報がないというのは、確かに契約の第11条に違反する行為であります。それで、私どもは中村監査委員とか、事務局と一緒に話しまして、こういう結論になりました。
 一つは、勤務日報は確かにないけれども、JTBには、月報とか、週報とか、勤務状態を確認できる資料はある。2番目に、勤務日報はなかったけれども、成果物がちゃんと出ている、この成果物は発注者によって検品され、納入されていると。そういうことであってみれば、市に重大な損害を与えたというふうには考えられないと。第3番目に、これは私の経験からも言えることなんですけども、この今回の観光資源創出、あるいは商品開発等の事業、こういった事業の委託というのは、これは知的生産物なんですね。ですから、10時間やれば、5時間やったよりいいものが、2倍いいものができるかといったら、そんなことはないわけです。これは、誰がどういうふうにやったかということであって、どれぐらいたくさんやったかということじゃ、全然とは言いませんけども、余り関係ないというふうに監査委員のほうでは見たわけです。
 ですから、今回は勤務日報がないことによって、市に損害を与えたということは言えないというのが監査委員の結論であったわけです。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  済みません、ちょっとよくわからなかったんですけど、私の理論は、勤務日報があれば、さっきも申し上げましたように、一生懸命やるんですよ。上司に怒られるから。ここに行った、あそこに行ったと。かつその情報を、書いて上司が見れば、その情報を集約できるじゃないですか、きちっと。その情報が集約できれば、市にとってメリットがあるんですよ。上司がチェックするわけだから。じゃあ、もっとこっちに行ってみろよとかね、そういうふうな会話もできるわけ。それがないから、そういうふうな情報も集まらない。きちっとその仕事もしない、人間ってそうじゃないですか。そういうのに縛られていると、きちっと仕事しますよね。だから、私は目に見えない損害があったというふうに言っているんですね。じゃあ、成果物に限って申し上げますと、これ、成果物をどういうふうに判断しますか。私は、成果物は5,000万円分の価値はないと思っている。でも、そちらではあると思っている。その見方というか、目方が違うじゃないですか。1人でも5,000万円もの価値がないというふうに思えば、それにも合わせなくちゃいけないですよ。そう思わないですか。
 ですから、私は結論づけには、勤務日報がないために非常に損をしていると思っているんです。かつ、だってこれ、契約書ですから、監査室の方が、成果物があるから、契約上の勤務日報がなくてもいいなんていうのはおかしいでしょう。さっき、市長に確認しましたけども、法に触れるんですよ、法に。もう一回、御答弁いただけませんか。
 
○井上基 監査委員  勤務日報があったほうが成果物のクオリティーが上がるかどうかということについては、これはお互いにいろんな意見があると思います。渡邊議員のおっしゃることは正しいかもしれない。あるいは我々のように、勤務日報がなくても、仕事の進め方によっては十分に高いクオリティーの成果物ができるというふうに思う人もたくさんおります。実際に、ITの世界なんか、勤務日報なんかつけている外資系なんて、1社もないですよ、はっきり言いまして。それで、みんな非常にいい仕事をやっているという会社は幾らでもあるわけです。ですから、この話は、どっちがいい、悪いという、非常に主観的な話になりますので、これはちょっと置いておきまして、先ほどおっしゃいました、この成果物にそれだけの価値があるかどうかというのは、これは監査委員が判断することじゃなくて、発注者である市民活動部のほうが判断なさることだというふうに思いますけれども。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  今、井上さんからお伺いしたのは、成果物があるということで、損害はないというふうに了解をしましたですね。そうするとですよ、極端な話、ペラものの1枚で、成果物ありますよね。本来であれば、私はこれは何百枚も、きちっとした成果物を期待していたんですよ。こんな分厚いきちっとしたものをつくるには、人間の頭って、能力が限界がありますから、きちっと勤務日報をつけて、どこから情報があったというのを、それをつけなきゃいけないじゃないですか。それを私は言っているんですよ。今のは極論ですよ、極端な話。だから、勤務日報がなきゃだめだと言っているんですよ。おわかりになりましたか、今、にこにこして、ありがとうございます、多分おわかりになったんでしょう。どうですか、もう一回、質問にお答えください。
 
○井上基 監査委員  よしんば、ペラもの1枚でも、それが価値があるものであれば、それを発注者はそれを価値あるものとして納品するんじゃないでしょうか。ですから、勤務日報がある、なしということは、私どもが協議いたしましたときは、これは契約を解除するような重大な事由ではないというふうに判断したわけです。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  井上さん、私は今ね、契約解除というようなことはまだ言っていないんですよ。はっきり言って、契約解除というのは、契約解除と書いたら、どういうふうに出るかなと思った。私は、今、勤務日報の話をしているんですよ。ペラものでも、100枚でも、1,000枚でも、書くには、また話戻ってしつこいようですけども、日報が必要じゃないですか、ノートでもいいんだ。人間の能力って限界があるでしょう。例えば1日に10軒回ったとしたら、10軒覚えていないでしょう、名刺交換した人。その名刺交換したときに井上さんという方が、由比ガ浜のここが、神社がいいよといっても、全部覚え切れないじゃないですか。より正確に、より新しい情報を日報に入れることによって、いいものができるんですよ。どうお答えになりますか。
 
○井上基 監査委員  これは判断の問題でありますけれども、私どもは勤務日報がそれほどこの成果物の質に多大な影響を与えるものではないというふうに判断をさせていただきました。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  わかりました。私が勤務日報をつけた、あるいは部下のものを管理したというふうな経験値と、そちら側の勤務日報もつけたこともない、管理したこともないという、その差なんですよ。ですから、こんだけ私が日報のことをうるさく言っているのは、そこにあるんです。25年間日報をつけ続けてきたんですよ。で、いいものをつくろうと思ってきたわけ。でも、そちらにはその御経験値はないから、言っているのは難しいかもしれないけれども、私は一つ、最後に申し上げたいのは、日報をつける意味というのを誰かに聞いてほしかったんですよ。監査をする前に。私でもいいですよ、お知り合いの営業マンでもいいです。そうするとね、見方が変わったと思う。もっと、多分視野が広くなりますよ。年上の方に言って申しわけないんだけども。ですけど、監査なんですから、もう、御自分のセンスだけじゃなくて、業界のセンス、いろいろ有識者とか、いろいろいるわけですから、どんなことなのかというのを、現場のじかのスタンダードに合わせてほしいんですよ。よろしくお願いします。
 
○井上基 監査委員  今後の参考にさせていただきます。ありがとうございました。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  参考と言わず、ぜひ、私参考というのは余り好きじゃないです。検討とか、参考とか、サラリーマンだったから。実際、やりますというふうに言ってください。やれば、必ずよくなるんですよ。多分、今そういうふうにおなかの中で思っていらっしゃると思います。
 またちょっと、勤務日報の話ですけども、学校と、それから消防のほうにも勤務日報があると廣瀬部長からお伺いしたんですが、ありますでしょうか。
 
○高橋卓 消防長  議員さんの御質問の日報の関係ですけれども、消防日誌という形で、これは庶務規程の中で定められておりまして、当然、消防署の勤務しているのをどういうふうに把握していくかという形で、そういった1日の流れを書くようになっております。そういった日誌はあります。ただ、今議論されているような内容のものではないことは確かでございます。
 
○熊代徳彦 教育長  学校は学校日誌というものがございます。毎日これをつけるのは教頭の役目なんですけれども、例えば、きょう誰々が、教員が休んでいるとか、あるいは早退したとか、あるいは今産休で休んでいる方が誰だとか、あるいは朝の打ち合わせでどういう話をしたとか、あるいは子供が外のどういうところでけがをしたとか、そういうものを記入するものです。したがって、今、渡邊議員のおっしゃっている、恐らく日報とは、ちょっと違う面が多々あるかなというふうには思っておりますけども、学校には、学校日誌が義務づけられております。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  ありがとうございました。勤務日報があるところはあるんですね。ですから、私は思っているのは、今、監査のほうから御回答いただきましたけども、庁内に、外に出る方に勤務日報がないというのは、ちょっと違和感がありまして、外へ出る方は、やっぱり日報があったほうがいいと思うんですよ。上司の目から離れますので、どこへ行って、どんな作業をしたと、どういうふうな人に会ったということがないと、上司にしたってわからないと思うんですよ、部下の管理監督責任がありますから。ですから、私はあったほうがいいと思う。総務のほうには、ぜひ自動車に乗って回っていただいている職員さんにはつけていただきたいというふうな希望を出しておきます。それを書くことによって一生懸命やる方もいると思いますよ。こんだけやってきたんだという、上司に見せられるわけですから。
 それと、次の質問に参りたいと思います。23年12月7日に庁内でこの件について調査というか、監査をしたというふうに聞いたんですが、そのときの概要をちょっと説明いただきたいんですが。
 
○小礒一彦 市民活動部長  大変申しわけございませんが、もう少し具体的に教えていただけませんでしょうか。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  観光厚生常任委員会で、12月7日に庁舎の中で、平成22年の領収書とか、一連の書類をチェックしたというふうに聞いているんですけども、あったということしか聞かなかったんですよ。それなので、どの程度突っ込んでやったのか、あるいはJTBの職員が同席したのか教えていただきたいんですが。特に、領収書のつづりの合計金額が精算書の項目と合致したのかというのを、ここを特に教えていただきたいんです。
 
○小礒一彦 市民活動部長  それにつきましては、23年8月に県の実地検査を受けておりまして、基本的にはそういう中で、中身のチェックはしていただいているところでございますが、9月議会以降、議員から御質問を頂戴しておりますので、再度、念のためにチェックをさせていただきました。そういう中で、領収書つづりは、逆に我々のほうに請求をされた金額よりも多い、過多という言い方は変ですけど、請求のほうが少なく、領収書のつづりのほうが金額が多い、そういうようなことは確認をいたしております。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  それはどのような原因でなったんでしょうか。企業というのは利益追求ですから、かかった分は、見積もりの金額よりも多く出すことは道義上できませんけども、低くなったからといって、低いのを出すということは、私にはちょっと理解できないんですけれども、今おっしゃった理由というのは何なんでしょうか。数字にバランスが出たというのですね。
 
○小礒一彦 市民活動部長  これも何度か御説明をさせていただいておりますけれど、今回の仕事は国のお金を頂戴するに当たりまして、新規雇用者の給料、賃金が半分以上でなければならないということで、22年度につきましては、仕事がスムーズにいって、新規雇用者の働いた日数が、当初見込んだ日数よりも少なかったということで、当初見積もりも、人件費が少なかった、それは50%以上でなければならないという、もうこれは決まりでございますので、その他の経費を削って、人件費は50%以上になったというような形でございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうすると、人件費以外のところは逆ざやになっているということですか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  領収書つづりを確認いたしましたところ、そのような形になってございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうすると、22年度に関しては、JTBは赤字ということなんですか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  これにつきましては、議員も御承知のとおり、一般管理費が計上されてございますので、その中で吸収されているものというふうに考えております。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  それは、その12月7日のときにチェックをされているんですか。領収書つづりを出せという項目が、契約書がありますけれども、それは中を全部チェックできるというような仕組みになっていると思うんです。ですから、計算をすれば、どの部分で利益がJTBのほうで出るかというのはわかると思うんです。
 
○小礒一彦 市民活動部長  先ほどお話をいたしましたように、利益分は一般管理費、これが利益分でございますので、先ほどの領収書つづり、済みません、細かいところまで数字は覚えておりませんけれど、一般管理費を全てゼロにするほどの大きな出っ張りはなかったというふうに認識してございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  わかりました。では、次の質問にいきたいと思います。
 平成23年の成果品なんですが、成果としてはどんな、平成22年と比べて、プラスどのぐらいあったんでしょうか。私の記憶ですと、平成22年のほうは115枚の資源シートがあったと思うんですが、23年のほうはプラス何枚なんでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  成果物はその資源シートだけでございませんで、1年間仕事をした報告書としてまとめていただいております。ですから、まずその報告書が1番目の成果でございまして、22、23とも報告書を頂戴してございます。また、今議員からお話がございました資源シートにつきましては、22年度につきましては115件でございましたが、それに追加をいたしまして、合計22年度のものも、これも議員から御指摘をいただきましたので、もう少し詳しく精査をいたしまして、合計で250の資源を確認をいたしてございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうすると、2年間かかって250の資源シート、まあ、A4の紙ですね、それが250シートできたということでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  今、お話をいたしましたように、たしか昨年の9月議会だというふうに思っておりますけれど、議員のほうから、これは有効に使うような形で、もう少し詳細にしたらどうなのかということで、御指摘を頂戴いたしましたもので、22年度、23年度を含めまして、当初は1枚ものでございましたけれど、それに地図をつけたり、いろいろな形をいたしまして、A4、1枚だけでなくて、かなりのボリュームになってございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうすると、その22、23の資料をもとに、2枚のパンフレット、みんなの鎌倉遠足をつくったということですか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  この資源シートと、それから中ではワークショップというものを開かせていただいておりますので、そういう方々の知見も入れまして、みんなの鎌倉遠足という商品をつくりました。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  同じことを聞くかもしれませんけども、みんなの鎌倉遠足に関しては、大前提として利益が出てはいけないという前提があったと思うんですけども、それはどういうことで利益を出してはいけないということだったでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  今回の事業につきましては、市からJTBに委託をしてございますので、その委託料の中で商品もつくる、実際に売ってみなければ商品価値がわかりませんので、販売をいたしますけど、その中では利益が出ない、委託料を使っておりますので、利益が出ないような形で価格設定をいたしましたもので、利益は出てございません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  利益が出ていないという証拠は、確認はどういうふうな形で利益出ていないと確認されますか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  これにつきましても、契約書の11条で帳簿を備えることになっておりますので、その帳簿を閲覧をさせていただきました。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  ただ、よく見ますと、ワークショップの中で、23年11月24日のワークショップがあるんですけども、こう書いてあるんですね。第2弾のコース、ナンバー2のコースでは、能楽体験は舞台に上がれるという、ほかにない体験のために強気に出ろと、現状、5,300円を6,800円にしようというふうな会話がここであるんですよ。実際に、ナンバー2のコースを見ると6,900円になっている。ここで1,600円上がっているんですよね。これはどういうふうなことなんでしょうか。今、部長がおっしゃったようなことではない、ここの文言を見ると、1,600円、ここで利益を出そうというふうに、会話が議事録で残っているんですね。これはどういうことなんでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  これにつきましては、対象となる相手方との契約額につきまして、具体的に申しますけど、1回当たり10万円という形で、対象にお支払いする予定でございますので、20人の参加者を当初は想定してございまして5,000円、これに保険料などを加えまして5,300円という形の商品につくり上げました。
 ただし、2回目につきましては、実際にやってみて、それほどの、20人の集客が見込めないということで、その設定を15人に下げました。そういたしますと、当然のことながら割り算をしていきますと、金額が高くなってきますので、それにまた保険料を加えたような形で、今議員がおっしゃったような金額に上がっていると。ですから、相手方にお支払いをする金額は全て同じでございますので、利益は生じておりません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  それは、どこで確認するんですか。今、口頭でお伺いしましたけども、例えば、ビジネスというのは、書面で見ないとわかりませんね。売り値と、それから原価が、ネットがあって、そこを確認された。
 それとですね、もう一つ聞きたい。キャンセル料というのがあると思うんですよ。キャンセル料はどこに入っているのかですね、収入になっているのかどうか、お伺いしたいんですが。
 あと、済みません、KB、要するに旅行会社というのは、送客手数料ですから、どこかのレストランに行くと10%から15%ぐらいまで、キックバックがありますね、その利益はどこへ突っ込んだか教えていただけませんか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  まず、そういうキックバック的なものについては、今回は設定してございませんので、原価をお支払いをしているということでございます。
 それから、全体といたしまして、キャンセル料ですけれど、例えば、うろ覚えでございますけど、当日キャンセルについては、そのお金を頂戴をしてございます。また、ある一定期間前のキャンセルについては、これはお返しするような形で、そういうようなお約束になっておりますので。そのキャンセル料も含めまして、先ほどの催行人数、これも合わせまして想定をいたしました。その結果として、全体といたしましては、利益が出ていない、そういう形でございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  わかりました。数字は、確実なんですか。このコースについては、何人で、キャンセルがどうのこうの、表みたいなのがあって、それで確認されているということですか。JTBのほうから口頭でありませんよというふうに来ているんでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  先ほどお話しいたしましたように、契約書の11条で諸帳簿の整備という形で、諸帳簿を備えることになっておりますので、その帳簿を私どもの担当課長が確認をしたものでございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  それは、12月7日のことなんですか。確認されたというのは。
 
○小礒一彦 市民活動部長  先ほどのお話の10月のお話は、これは22年度の内容でございますので、鎌倉遠足の試行のお金につきましては、これは今年度になりましてから確認してございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  今年度、やはりJTBの書類を庁内に持ってきて確認したといいますか、23年12月7日のようなことでやられたということですか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  帳簿をお持ちいただいたのか、直接課長が赴いたのか、ちょっと私、申しわけありません、記憶にございませんけど、いずれにいたしましても、11条の帳簿の閲覧の権利を得ておりますので、その閲覧権で閲覧をさせていただいたという形でございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  わかりました。そうすると、一瞬はいろんな書類が庁内に22年も、23年もあったということですね。まあ、一瞬というか、1日か2日か、よくわかりませんけど。
 
○小礒一彦 市民活動部長  帳簿につきましては、これはJTBの所有のものでございますので、例えば、先ほどの23年12月はお持ちをいただいたというふうに思っておりますので、その御担当者がお持ちをいただいて、一緒に見ていると。もう一つのほうは、赴いたということであれば、当然のことながら、その会社のほうで担当者の方と一緒に中を閲覧をさせていただいていると、そういうことでございます。市役所のほうに、それが何日間か置かれたという事実はございません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そのときに、私は22年の精算書の件をね、またぶり返すわけじゃないんですけども、出してほしいというふうに申し上げていた。でも、その一瞬でも、JTBが関係書類を庁内に持ってきて、御確認をされたということであれば、そのときにコピーをするとか、そういった、私がずっとお願いしていたということは、精算書をチェックしたときに、ふとお思いにならなかったですか。これ渡したほうがいいなと。話は戻りますけど、いかなる理由か、ちょっと失念しましたけれども、週報、月報の出勤簿に関しては、庁内にたまたまあったので出しましたというふうな書面をいただきましたけども、それと同じケースと考えると、精算書のほうも出していただけるべきだったというふうに思うんですが、それはいかがでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  週報、月報は、先ほどお話をいたしました22年度の県の実地検査におきまして、23年8月の下旬だと思いますけれどと、JTBのほうでお持ちをいただいて、その実地検査の席上で示されたものが、本来であれば、契約書上は閲覧でございましたけど、本市のほうに残っておったと、そういうような形で公文書として取り扱って、議員さんのほうに御提示をさせていただきました。ただ、基本は先ほどお話しいたしましたように、11条で閲覧をさせていただける、そういうような書類でございますので、私どものほうでは、謄写、コピーはさせていただいておりません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そのときに、議員というのは、書類を閲覧できないんでしょうか。この庁内で、JTBが、その書類を持ってきたわけですよね。
 
○小礒一彦 市民活動部長  これも、以前同じ御質問を頂戴しておりますけれど、この契約につきましては、鎌倉市とJTBの契約でございます。鎌倉市の中には、議員は含まれておりませんので、閲覧をできるのは市の職員だというふうに私は認識してございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  その辺は、ちょっと私、よくわからないんですけども、例えば、議員も見れるというふうなことにはこれからなりませんでしょうか。見たい人は見てもいいですよというふうに。
 
○小礒一彦 市民活動部長  これは、契約事項の中に、市が閲覧をできるというような形で、あくまでも鎌倉市とJTBのお約束でございますので、最終的な閲覧、謄写をできるかどうかというのは、その条項を、例えば、変えることによってコピーも市のほうに提出をしなさいというような条項であれば、それは可能だというふうに思います。ただ、これもたしか委員会の中で御説明をさせていただきましたけれど、例えば総勘定元帳というものがございますけど、それはもう会社法の中で、一定の条件がなければ、通常は閲覧できませんので、こういうものについては、もう法令で閲覧できないことになっておりますので、法令で決まっておりますので、これは契約書上で、そういう定めがないものについては、ほかの第三者の方については、閲覧できないというふうに考えております。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  確かにおっしゃるとおりですね。もちろん、元帳なんかは見せてくれないというのは、常識的にわかるんですが、見せてもいいものというのは今あると思うんですよ。ですから、見せてもいいものに関しては、見るようなシステムをつくれませんか。つくっていただけませんかということを今申し上げているんです。
 
○小礒一彦 市民活動部長  私が結論を出す立場ではございませんけれど、市の予算を執行する立場と、この議会のチェックの機能、そこの兼ね合いが、大変申しわけありません、私、これ以上の知識ございませんので、わかりませんので、今の御質問にはお答えしかねます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうですね、部長にちょっと聞くのは方向性が違っていたかもしれませんけど、市長のマニフェストの中に公明正大に透明性を持って行政を行うというふうなことをたしか書いてあったと思いますけども、今の、見せてもいい、見せられることのできる書類というのは、見るようなシステムをつくることはできないでしょうか、市長にお伺いします。
 
○松尾崇 市長  具体的に、見ることができる、見せることができるというところで、いろいろ状況によって違ってくるかというふうに思いますけれども、その中で、市として見ることができるような形で、今後、何かしらの契約のときに、どのように工夫すれば見れるかというような検討はしてまいりたいというふうに思います。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  ぜひ、検討でなくて、実行していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次の質問に参ります。当市に観光基本計画策定委員会と、それから観光基本計画進行管理委員会、ちょっと長ったらしい名前なんですが、二つ委員会組織がありまして、これがどういうふうに動いているかというのは、ホームページで見て大体はわかっているんですけども、大もとの大枠、目的、どういうふうに違うのか、御説明をいただきたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  現在、観光基本計画、昨年の末に改定いたしましたので、その前の2期の基本計画、現在の基本計画のもとになるものでございますけど、それを策定するに当たりまして、策定委員会を設置をいたしまして、第2期の観光基本計画を策定してございます。
 その第2期の観光基本計画の中に、観光の事業、観光振興の事業をPDCAサイクルで回していくという中のチェック機能として、進行管理委員会という組織を設けてございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  前回も出ましたけども、今回この企画にかかわっているJTBの子会社のJTMの中根さんという方が両方の委員会に入っておりますね。中根さんというのは、どういうふうなルートで当市にかかわりがあったんでしょうか。これ、御回答を実はいただいているんですが、この場で、また再度お伺いしたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  中根さんは、現在の進行管理委員会の副委員長でいらっしゃいますけれど、これは、策定委員会、観光基本計画の策定委員会の会長でいらっしゃいます先生から御紹介をいただいて、まずは策定委員会の中に入っていただいたという形で、また進行管理委員会のコアのメンバー、委員長、副委員長でございますが、これは策定委員会の方をそのままお願いをしてございますので、現在も進行管理委員会の中にいらっしゃるというような形でございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  その先生というのは、慶応大学の古谷先生ですか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  おっしゃるとおりでございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  古谷先生は、どなたの紹介でしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  第2期観光基本計画の策定委員会の策定に当たって、私そのときには市民活動部におりませんでしたので、大変申しわけございませんが、その辺は私は存じ上げておりません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  お手数をおかけしますが、観光常任委員会のときに御回答をいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
 次の質問に参りますが、今回の、このふるさと雇用の調査員は、JTBのOBが何人いますでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  正確に、済みません、資料を探す時間がありませんので、たしか1人だというふうに認識してございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  このJTBのOBが入っているということは、ちょっと違和感が実はあるんですけども、最初からJTBのOBにこの情報が流れていたということはないですか。例えば、ハローワークということを大前提に今回しましたけども、私はここのときに、鎌倉市民のほうが優先されるべきで、情報としてはハローワークの前に「広報かまくら」なりで公募するべきだったというふうに申し上げましたけども、JTBの方はお住まいどちらでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  住まいは、大変申しわけございません、今手元に資料がないだけではなくて、恐らく個人情報で私も存じ上げないというふうに思いますが、市外、市内ということであれば、市外の方でございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  わかりました。次の質問にいきます。
 既雇用者についてですね、新規雇用者じゃなくて既雇用者、見積もりに載っているコンサルタントとマネジャーと、それからワークショップの調査担当者と、あそこの部分はやはり勤務日報は、そこもないんでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  これについては、ないというふうに認識してございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  報告書はありますか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  大変申しわけございません。報告書といいますとどういうような内容のことをおっしゃっているのか、ちょっともう一回お願いいたします。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  これ、日当になっていますね、7万円、それから5万7,000円、4万円だったかな。そうすると、1日当たりの勤務日報に近いものがあって、勤務日報というのは、自分が管理して、上司に見せるものが勤務日報ですね。報告書というのは、自分がつくってまとめなきゃいけない、コンサルタントの報告書と、資源シートの報告書と違いますよ、日当を払っているんですから。マネジャーは、どんなマネジメントをしたかというのがマネジャーですよ。1日当たり5万7,000円も払っている。プラス一般管理費5,700円、つけ足してあるわけですよ。それがないのは、おかしいんじゃないですかと申し上げている。
 
○小礒一彦 市民活動部長  これも繰り返しの御答弁で大変申しわけございません。JTBに委託をしてございまして、新規雇用者につきましては何度もお話をしてございますように、国の補助金を頂戴しておりますので、全体の費用の半分以上ということで具体的にその金額は明示をしていただいています。ただ、ほかの既雇用者につきましては、これはJTBなり、再委託をいたしましたJTMから給料をいただいております。ですから、今回の委託料、これは最終的にJTBの中の収入になりまして、そこから会社の規定によって給料が支払われておりますので、見積もり上は、あくまでも三つの役職で積算根拠として計上してございますけど、実際、その額がそのまま支払われたものではないということで御理解をいただきたいと思います。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  今お伺いした、実際にその金額がイコール払われたのでないというのは、例えば、7万円のコンサルタント料は、低いか高いか、それはわからないんですか。見積もりに書いてあって、その数字というのは、勝手に動かせるということなんでしょうか。その動かす根拠はどこにあるんでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  契約の種類ということで、これも繰り返しお話をしておりますけれど、今回の委託契約、請負契約でございます。ですから、中身について、今回の内訳を出していただいたのは、国の補助金を頂戴するために、新規雇用者の人件費を把握するために内訳を頂戴してございますけど、請負契約という性格から、本来であれば、成果物が納品をされて、市がそれを確認をさせていただいて、市の意向に沿った報告が上がっていれば、金額をお支払いをする、そういうような契約でございますので、見積書は、あくまでも委託額を積算する根拠として載せていただいているものでございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  その回答は耳にたこができるほど聞いているんですが、私がそこで申し上げたいのは、せっかく見積もりが、こう、7万円の数字があるわけですよね。そうしたらば、私が部長の立場だったら、この7万円って、どんな仕事をしているんですかって聞きますよ。5万7,000円のマネジメント料というのは、どんなマネジメントをしているんですかと聞きます。せっかく出ているんですよ。結論をそこに持っていくことによって、内容から目を離すなんていうのはよくないと思いますよ。せっかく数字が出ているんですから。あるいは課長に、どんなコンサルタントをしているのかと、さっきの勤務日報じゃないですけども、そういうことを業者に聞くことによって、業者はぴりっとするんですよ。一生懸命やらなくちゃいけないというふうに思うわけですよ。業者に丸投げしちゃってるから、成果品があるから、それでいいというものじゃ、仕事というのはないんですよ。そこできちっと言わないと仕事のクオリティーが上がっていかないんです。前にも言いましたけどね。
 そう思わないですか、さっきの勤務日報と同じですよ。勤務日報があればクオリティーが高くなるんです。部長は、このコンサルタントで、どんなコンサルタントをしているんだと。報告書を出せと言うくらいにJTBに交渉をすれば、話をすれば、いいものできるんですよ。結果があって、結果はまあ、私は評価はしません。でも、そこで突くことによって、その仕事というのは上がるんですよ。そう思わないですか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  ただいまの御質問でございますけれど、先ほど代表監査委員さんがおっしゃっておりました回答がまさに私の回答と同じでございまして、請負契約でございますので、特にこれはノウハウを買う請負契約でございますので、成果物、これが市の契約の際に想定をした内容であれば、それでお支払いをするという、そういうような形でございまして、具体的にどういう仕事をしたかというところについては、この請負契約という性格上問わない、これがこの契約の性質でございますので、そういう形で御理解いただきたいというふうに思います。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  また、同じ話になりますけども、そこで問うことはできませんか。そこの問うのは、部長の情熱だと思うんですよ、何とかいいものをつくろうという情熱だと思うんです。私が部長だったらば、一括だからぽんじゃなくて、真ん中のね、過程ですよ、前も言ったけど。そこが大切だと言いたいんです。で見ると、成果物は、私が見た中では、全くもって成果物になっていない。じゃあ、成果物を高く、いいものにするためには、途中も、どうなんですかって、部長が情熱を持って言わなきゃいけないということですよ、私の申し上げたいのは。
 まあ、全部ほかのほうもそうなのかもしれないけども、それは大切だと思います。そういう意識を変えていただきたいですよ。一括のそれは悪い、ところなんですよ、それがね。ほかの市町村でも、そういう一括を変えようというのは、結構出ているみたいですけども、ぜひ当市でもそれは変えてほしいです。
 
○議長(伊東正博議員)  質問ですか、要望ですか。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  変えてほしいので、何とかお願いできませんか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  今、議員からお話あった、丸投げという形は一切してございません。私、市役所の中でこの類の委託というのは何回か出しましたけれど、こういう言い方、いいかわかりませんけど、部長までがその中身を最終的にチェック、大まかにはチェックいたしますけど、細かいところまでチェックするというのは、私が部下であったときはありませんでした。ただ、今回は、特に平成23年度につきましては、もう渡邊議員から今御指摘がございましたように、中をよくチェックしなさいということでございましたので、23年の秋口に1回、中間報告をさせました。それでまた、報告書が煮詰まる2月、3月に計4回、その打ち合わせの中に入りまして、私が全文読みましたので、読んだ中で、注文をつけて、今回の成果物になったものでございまして、私といたしましては、少なくとも23年度につきましては、高いクオリティーだというふうには、自分自身では認識してございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  結果がどうあれ、部長の23年度に限っては、いろんなチェックをしたということは、大変前向きでいいと思いますので、ぜひその裾野を広げていただいて、気がついたことにチェックを入れるというふうなことをしていただきたいんです。それ、絶対クオリティー上がります。部下のやる気も恐らく、部長がその程度まで一生懸命やれば、部下も多分一生懸命やるし、能力もアップすると思います。
 最後の質問になりますが、ごめんなさい、最後から二つ目の質問だ。ホームページの件なんですけども、要するに、みんなの鎌倉遠足をJTBのオリジナルホームページに上げたことについて、釈明をしてほしいというふうな質問、希望を出しました。返ってきたメール、8月20日に返ってきたメールというのは、その釈明の必要を認めないということなんですね。これは、写真が張ってあるし、知的財産の問題になるので、鎌倉市が1回持っているものですから、勝手にJTBは、これは、ホームページに張りつけたというのは、非常に重大性が高いんですけども、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。ちょっと、昔聞いたかもしれませんけど、もう一回お願いをしたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  その中に使用いたしました写真につきましては、その写真の権利を持っている方に承諾を得て載せさせていただいております。今、議員がおっしゃったのは、JTBのホームページの中に、鎌倉遠足という表示がなかったということの御指摘だというふうに思いますが、これは、大変申しわけございません、私どものチェックの不足でございましたので、議員から御指摘を頂戴して、速やかにそのキャプションを入れるような、そういうような措置をいたしました。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  済みません、ちょっと捉え方が違うんですね。前に部長が御回答いただいたのは、私が指摘して初めて、JTBのホームページにそれが張りついたというふうにお伺いしてたんです。
 ということは、その写真は鎌倉市の観光課に了解をとってないということですよね。写真は勝手に使われたんですよ。2月の中旬でした、たしか。契約検査課に私がおかしいというふうに申し上げて、観光課のほうにその話が行きました。観光課のほうは、ちょっと誤解があったんですけれども、それは、やはり観光課の承認を得ていないものがJTBのホームページに張りついたということはお認めになったんです。
 ということは、その写真は勝手に使われているんですよ。御記憶はありませんでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  私が観光課から報告を受けたのは、議員さんから御指摘を受けたということは、それは報告を受けてございます。そういう中で、中の写真について、今、大変申しわけないですけど、市が提供したものというのは、私はないというふうに考えておりまして、そのほかのいろいろな写真については、先ほどお話しいたしましたように、版権を有する所有者の方に確認をして、ホームページに張ったと。
 もう一つは、この販売をJTBの、JTBウォレットという名前だと思いましたけれど、このホームページで販売をするということについては、市は承諾をしてございます。ですから、中身の幾つか、当初のページについては鎌倉遠足という形が明示をされておりますが、議員おっしゃるように、そこから飛んだ次だか、2回目だか、3回目だかの段階で鎌倉遠足という表示がなかったものだというふうに思っておりまして、これについては議員から御指摘を受けまして、速やかに修正をいたしたものでございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  済みません、話を整理させていただくと、その写真というのは、撮った本人が持っていたということですか。市のほうに帰属したという、市のほうのどこかでつくられたのか知りませんけども、入ってきたということではないんですか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  私の報告を受けている中では、市の所有で市が貸したという形ではございませんで、JTBも旅行会社で、さまざまな鎌倉の写真、所有しているという、そういう中で持ち主に承諾を得て掲載をしたと、そういうふうに報告を受けております。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  そうすると、持ち主に承諾を得たんですが、持ち物は鎌倉の税金で払っているわけですから、フィルム、ネガ1枚にしろ、SD画像1枚にしろ、それ所有物としては、鎌倉のものなんじゃないですか。筋からいったら、鎌倉に断らなきゃいけないんじゃないですか。
 
○議長(伊東正博議員)  議論がかみ合ってないみたいだから、ちょっと整理してください。
 
○小礒一彦 市民活動部長  先ほどからお話ししておりますように、私が報告を受けている中では、市がその写真を提供したということではございませんで、JTBが所有している写真、これを載せたと、そういう中でJTBがその所有者の確認をして掲載をしたというふうに考えておりますので、市の所有というふうには、私は、大変申しわけございませんけど、報告は受けておりません。
 例えばですけど、それが市の所有であったとしても、これは鎌倉遠足を、先ほどお話ししましたように、販売するために、そのホームページにその情報を載せると、これについては了解をしてございますので、特に、それに対して、恐らくですけれど、もし市の写真があるんであれば、了解のもとに載せられているんだというふうには思っております。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  よくわかりませんけども、ちょっと私も頭整理して、観光厚生常任委員会でお伺いいたします。
 時間が余りないんで、最後の質問になります。前回の会計検査院がJTBに入ったというふうに聞いているんですが、JTBから聞いているんですね、私のホームページに会計検査院が結構アクセスをしてきているので、来るかなというふうに思っていたんですけども、やはり来たというふうな感じなんですが、その報告というのはいつごろになりますでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  今回の検査でございますけど、神奈川県が事業の対象でございまして、検査の内容の公表につきましては、市では判断できませんもので、県及び会計検査院に確認をいたしました。県が会計検査院に確認をされたところ、会計検査院からは、検査の結果は公表いたします。ただ、その過程については公表しないということでございまして、同様の対応を県と市に求めるという指示を受けてございます。
 したがいまして、現在のところ、審査中でございますので、その過程、結果がいつあるかも含めましては御説明できない次第でございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  わかりました。その審査の結果というのは、さっきの話じゃないんですけども、議員というのは閲覧権はありますでしょうか。
 
○小礒一彦 市民活動部長  先ほどお話をいたしましたように、この検査の対象が、県の事業が検査対象でございまして、私どもにその結果が知らされるかどうか、そこら辺も今のところ承知をしてございませんので、大変申しわけありませんが、回答としてはそんなお答えしかできません。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  もし来たら、ぜひ閲覧できるんであれば、閲覧をさせていただきたいと思うんです。
 ホームページを見ると、不確実ですけども、1年後ぐらいにはホームページに公開されているような流れになっていますので、私のほうでもウオッチしておきますけども、部長のほうでもウオッチしていただきたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  公文書として市が入手いたしましたら、これは公文書でございますので、公文書公開条例にのっとりまして、公開をさせていただく予定でございます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  今の質問で終わりますけども、最後に念を押しておきたいんですけど、先ほどの電通テックさんの番号、確認したときにはその観光庁のデータが残っていたということは、私のほうで一応確認します。確認した日を、念のために教えてください。それのほうが照合がしやすいし、確実だと思いますので、確認した日を教えてください。恐らく、25日の締め切りですから、その1週間以内だと思われますので、その1週間以内に電通テックさんの登録が残っていたかどうか、私のほうで確認をしていきたいと思います。
 
○小礒一彦 市民活動部長  担当者のほうで確認をしてございますので、その日付につきましては、確認をいたしまして、議員のほうに御報告をさせていただきます。
 
○13番(渡邊昌一郎議員)  よろしくお願いします。
 総括なんですけども、今回のこの事業、いろいろ私は質問をして苦しい御回答が多々あったかと思うんですが、全体的な感想を申し上げますと、いろんな条件とか、物の見方というのは、非常にまだ100%じゃない部分があると思うんですね。先ほど、随契の、新しい条例をつくっていただいたように、基本的には全てのことを、何か漏れがあったから、指摘されたからってやるんじゃなくて、1回、全部にわたって整理というか、見直す必要があるんではないかと思うんです。これは、ほかの市町村を参考にしながら、かつ、またいろんな専門業者がいますので、その辺に1回、病気と言ったら大変失礼ですけども、その辺のものを見つけてもらうターニングポイントに来ていると思うんですね。いろいろ全国で行政のあり方について見直すというふうな機運が生まれていますので、ぜひこのターニングポイントとして捉えていただきたいというふうに思います。
 これをもちまして、私の今回の質問を終わりにさせていただきます。どうもいろいろありがとうございました。
 
○議長(伊東正博議員)  ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
                   (20時04分  休憩)
                   (20時20分  再開)
 
○議長(伊東正博議員)  休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。次に、西岡幸子議員。
 
○2番(西岡幸子議員)  皆様お疲れさまでございます。私で最後でございますので、もう一頑張り御一緒にしていただけたらと思っております。理事者におかれましては、明快なる御答弁をお願い申し上げます。
 昨年9月に生存権と社会保障と題しまして、生活保護の質問をさせていただきました。今回、引き続きまして生活保護について、大きく制度が変えられようとしておりますので、その点について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、5月に人気お笑いタレントの母親が生活保護を受給しているということを大量の週刊誌、またテレビが報道をいたしました。それをきっかけとして、生活保護に対する国民の関心が一挙に高まりました。息子として、道義的な責任を負わなければならないのは事実でございますが、不正受給の問題というふうにすりかえて、感情的な追及がなされたのも事実でございます。そして、生活保護バッシングが巻き起こりました。
 本来、生活保護を受けるべき対象でない人が不正に受給をしているとすれば、それは徹底した追及がなされなければなりません。また、真面目に働いている方が、生活保護を下回る苦しい生活を強いられている現実や、一生懸命働いて、年金を納めてきたのに、生活保護費より低い年金しかもらえないという、大きな社会保障問題が存在しております。
 これらを踏まえた上で、今回の生活保護バッシングは厳しい雇用情勢の中で、就労努力や、病気の治療など、個々の課題と真摯に向き合っている人、あるいは苦しい中で、さまざまな事情から親族の援助を受けられず、孤立を余儀なくされている高齢の利用者など、多くの生活保護利用者の心を深く傷つけました。
 生活保護制度のみを切り詰めれば、餓死者、自殺者が続発し、犯罪や社会不安を招くことは目に見えております。今、改めて最後のセーフティーネットである生活保護についての理解を深める必要性を痛感し、今、定例会の一般質問といたしました。
 まず初めに、5月の不正受給で騒がれた、あのときから生活保護を担当する生活福祉課では、市民の反応がどのように生活保護に対して変わってきたのか、お伺いをいたします。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  今、御紹介いただいた案件と直接的な御意見かどうかは、難しい判断でございますけれども、今、生活福祉課に寄せられた御意見、こういったものをちょっと御紹介させていただきたいと思います。
 内容は、その一例でございますけれども、被保護者の日中からの飲酒、また市内在住の子供の扶養義務について、また住宅費として支給した保護費の生活費への使用に伴う家賃の未納、これは主に家主さんからのお話でございますけれども、また自動車の運転、こういった点が月に数件程度ですけれども、生活福祉課に寄せられた意見として把握してございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  今、市民からそのような反応があるということでございますけれども、そういった指摘に対しては、生活福祉課としては、どのような対応をなさっているんでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  具体的な情報が寄せられた場合には、担当のケースワーカーがその情報をもとに、必要に応じて生活保護法第29条による調査、また、関係者からの報告を求め、事実確認に努めてございます。このほか、市民から寄せられた情報かどうかにかかわらず、被保護者に対して適切な指導・助言が必要な場合は、生活保護法第27条により、指導または指示を行うこととなってございます。
 なお、不正受給によりまして、費用徴収が必要と認められた場合は、生活保護法第78条により対応することとなってございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  今、そのように対応していただいているということですけれども、その対応によって、寄せられた情報のいろいろな案件ですけれども、そういったものが改善をされているというように捉えてよろしいでしょうか。具体的なものがあったら教えていただきたいと思いますが。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  今、御答弁させていただいたとおり、当然、ケースワーカーがその状況を確認して、そういう状況があれば、先ほど言った指導、または助言というところにつながっていきます。生活保護の適正な運用ということを中心にケースワーカーが対応してございますので、日々の状況はそういったところでございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  今の、この社会情勢、雇用情勢、大変厳しい中ですので、生活保護者に対する見方、市民の目も大変厳しいというのは、皆様御承知のとおりでございますので、その指導というものがどう生かされているのか、そこの注視もしてまいりたいというふうに考えますけれども、市民からの情報に対しては、真摯な姿勢で対応をしていただきたいというふうに考えます。
 鎌倉市において不正受給の発覚ですけれども、それはどのくらい捉えているんでしょうか。もしよろしければ、平成20年以降について、不正受給について、またその不正受給の理由についてもお答えいただきたいと思います。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  年次を追いまして御紹介をさせていただきます。
 まず、平成20年度は15件の案件がございました。内訳は、稼働収入の無申告または過少申告が9件、保険の解約金の無申告が1件、厚生年金給付の無申告が1件、仕送りの無申告が1件、雇用保険給付金の無申告が1件、還付金等の無申告が1件、そして、就労収入と仕送りの無申告が1件、これが平成20年度でございます。
 次に、平成21年度は総計で8件でございますけれども、同じく内訳は稼働収入の無申告が5件、オークションでの収入の無申告が1件、年金収入の無申告が1件、それから就労収入と保険金の無申告が1件、これが以上、21年度の状況でございます。
 また、平成22年度は4件ということでございまして、内訳は稼働収入の無申告が3件、交通事故の自賠責保険の無申告が1件。
 なお、平成23年度はゼロ件でございました。
 
○2番(西岡幸子議員)  大変不正受給が多いと騒がれている中で、23年度がゼロというのはすばらしいことだなというふうに思いますけれども、それまで、20年度の15件から減ってきてはおりますけれども、今理由を聞きますと、大体申告漏れというものがございますけれども、この辺の説明不足ということはございませんでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  当然、生活保護は収入とのかかわりが非常に多うございます。ですから、保護開始時点でも、この収入の申告については、しっかりするようにという指導を行うとともに、現在、保護世帯の皆様方にも、福祉だよりというものを毎月発行してございますけれども、そういった中で、例えば、お子さん、高校生がいらっしゃる方がいれば、アルバイトの収入がありませんかとか、ボーナスの申告を忘れておりませんかといったような内容をリーフレットにして、被保護世帯の方にお配りし、周知をしているところでございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  今、周知をされているということですけれども、そういった努力が実って、不正受給がゼロになったというふうに捉えてよろしいでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  やはり、先ほどの20年度からの件数の推移を見ますと、こういった地道な取り組みでございますけれども、やはりケースワーカーと保護を受けていらっしゃる方々のコミュニケーションの頻度を上げることによりまして、そういった無申告がないように日々指導させていただいておりますけれども、そういった一つの効果というふうには考えられるかなと考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  そういたしますと、鎌倉市では、世間でよく言われているような不正でだました、うまく立ち回って生活保護を受けていると、そういう事実はないというふうに捉えてよろしいでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  この生活保護法、先ほど御紹介しました78条という条文を読みますと、不実の申請、その他不正の手段により保護を受け、または他人をして受けさせた者がある場合はと、こういう前提がございまして、先ほど、るる御説明させていただいた内容については、いわゆる不実の申請というところに当たりまして、事実と違う申請をしていたというところに当たります。ですから、極めて、表現が適正かどうかわかりませんが、悪質なといいますか、不正な手段という、その範疇の中では、本市におきましては、そういった不正受給の件数とか、内容は、状況としてはそんなに悪い状況ではないというふうには認識してございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  大変生活福祉課は、常にばたばたと走り回っている印象がございまして、何度か日に訪れることもございますけれども、そのたびにケースワーカーの皆さんが、深刻なお顔でデスクワークをされている、またあるいは窓口業務に当たっているという姿に接しまして、非常にケースワーカーの大変さをかいま見る思いがいたします。
 そういった中で不正受給にも対応していかなければいけない。窓口では、またそれとは逆に、大変困った、困窮をされた方の生存権にかかわる、そういった対応に迫られる、そしてまた、そこから自立支援も行っていかなければいけない。本当に大変な仕事であるというふうに認識をしておりますけれども、その辺については、そのケースワーカーの育成については、部長はどのようにお考えでしょうか。ちょっとお伺いをいたします。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  ケースワーカー、生活保護のみならず、いろんな福祉に携わるケースワーカーの職員につきましては、今議員さんが御指摘のように、本当に日々奮闘しているということで、私自身も、頑張っている職員については、非常に頼もしく思ってございます。
 一方、制度が毎年変わったり、いろんな福祉の知識・技術が身につくまで、一定の期間がかかります。そういった意味では、職場のやはり風通しといいますか、わからないことがあれば、すぐ上の先輩に聞く、またケースが複雑であればあるこそ、いろんな意見、あるいはいろんな知恵をかりる、こういったところが重要な視点じゃないかと思ってございます。なかなかすぐに、ベテランのケースワーカーになることは難しいと思ってございますけれども、やはり日々の研さんが大事で、いろんな現場を経験することによって、その職員の資質なりが向上していくことを期待しながら、私としてもできる限り、そういったケースワーカーにいろんな助言・指導は、機会があればその都度やっていきたいというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  この生活福祉にかかわる、生活保護にかかわるケースワーカーに関しては、特に、やはり人生経験でありますとか、人格の高潔さであるとか、要求されるところが非常に高うございますので、先輩のアドバイス、また姿に学ぶということは、大変大事になってまいると思います。スーパーバイザーもいらっしゃいますけれども、中での、そういう切磋琢磨、またコミュニケーションというのは、どうなんでしょうか、とれているんでしょうか。そういう先輩から学ぶという職場になっているとお考えでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  これだけストレス社会と言われている中で、さまざまな業務をしている職員の中では、いろいろ課題がある場合もあります。私が時々、見ている状況でございますけれども、やはり仕事の区切りといいますか、そういった場面で、よく見る光景なんですけれども、生活保護は一定の期間、支給事務に向けて、ケースワーカーが動くわけです。
 月の初めになりますと、支給事務というのが、大きなイベントといいますか、仕事としてありまして、そのケースの方に、お金を手渡したり、相談をした後に、たしか定例的にケースワーカーが全員集まって、5時以降の話ですけれども、夜に、出向いていろんな、5時の間にできなかったような話も、そういう中でしているというふうに聞いておりますし、また若い職員が多いものですから、職員同士で、例えばレクリエーションをやったりということもままあるようでして、そういったことが少し、ほっとする部分でございます。
 いずれにしても、先ほど来申し上げたとおり、一人一人の職員が孤立しないような、そういったふだんの職場環境というのは大事だと思っていますので、私自身も注視してまいりたいというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  責任の軽い職場はございませんけれども、特にもう、先ほどもお話がございましたように、命にかかわる、そういう仕事を担っているケースワーカーの皆さんでございますので、その辺の人事管理については、しっかりとお願いをしたいと思います。
 本当は市長にもお伺いしたいところですけれども、次に参りたいと思います。
 鎌倉市の保護行政の現状についてお伺いする、その前に、まず生活保護の扶養義務についてお伺いをいたします。なぜ、その扶養が生活保護上の保護の要件になっていないのか、これは、皆さん、保護が要件になっていると思っていらっしゃる市民の方がたくさんいらっしゃいますので、そこについてお話をお願いいたします。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  国が定めております生活保護の実施要領がございまして、この中では、民法上の扶養義務は、法律上の義務でございますけれども、努めて当事者間における話し合いによって解決して、円満に移行させることを本旨とすると、こういう旨が規定されてございます。
 保護申請時はもちろんのこと、年1回、扶養調査を実施いたしまして、被保護者に扶養義務者がある場合には、扶養義務者に対して、扶養の義務の履行の可否について調査・確認を行っているところでございます。
 平成24年7月1日現在でございますけれども、被保護世帯669世帯のうち、扶養義務者からの仕送りのある世帯は28世帯ということでございまして、全体の4.2%という数字になってございます。今後も、被保護者の扶養義務の履行を期待できる扶養義務者がある場合には、少しでも支援が得られるように努めてまいりたいと考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  保護、扶養が生活保護上の保護要件になぜなっていないのかという質問をしたつもりでおりましたけれども、その点については、いかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  失礼いたしました。生活保護法第4条では、扶養義務が保護の要件になってはおりませんけれども、先ほど言ったように、民法では扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、生活保護法による保護に優先して行われるものと定めておりまして、その生活保護上の扶養義務の解釈が民法とは違うということでございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  もう少しわかりやすく御説明をいただきたいと思いますけれども、民法上の強い扶養義務というのは、生活保持義務を負うのは、夫婦、そしてまた成人をしていない子供に対する親だけということですけれども、そういう解釈でよろしいでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  そのとおりです。
 
○2番(西岡幸子議員)  それでは、そういう生活保持義務を負うのは、夫婦同士または青年、成人していない子供に対する親であるということですけれども、そういう立場にある方々であれば、それでは必ず扶養義務を負うのかということでございますけれども、これに対しては、当事者間の話し合いで決める、また話し合いがつかない場合には、家庭裁判所がさまざまな事情を考慮すると、そして決めるということになっておりますけれども、それでよろしいでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  そのとおりでございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  それから、扶養の義務を厳しくするという動きがございますけれども、家族間という中には、非常にデリケートな問題が存在しているというふうに考えております。現在でも役所から家族に連絡をとられたり、迷惑をかけたりするのは避けたいと、生活保護の申請をためらう人がたくさんいるのではないでしょうか。また、生活に困窮している人は、その家族も困窮していたり、DVや虐待など、家族関係にいろいろなトラブルを抱えていることが多いことは報告をされております。家族が扶養できるかを徹底調査することになれば、生活保護のハードルはますます高くなり、今以上に利用しにくい制度になってしまい、保護から漏れる人がふえてくると、そのように考えますが、いかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  日々のケースワークの中で、当然、そういった保護世帯の置かれている状況、こういったところをしっかり見立てて、その中で判断していくということが原則でございます。ですから、扶養義務の問題については、より柔軟な対応が求められるわけですけれども、個々のケースの状況によって、やはり判断していくことが適正というふうに考えてございまして、法律上の運用に適切に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  今、個々の判断というふうに御答弁ございましたけれども、鎌倉市の窓口に来られて、個々の判断を下すというのは、どのように行われるんでしょうか。まず、窓口で来られた方とケースワーカーが相対応すると、そこからどのような決定まで至るのか、ちょっと御説明をお願いしたいと思います。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  先ほどもちょっと御答弁させていただきましたけれども、扶養義務者がある場合は、その方に対して、やはり扶養ができるかどうかという、このペーパーをその方に送付いたしまして、もちろん対面でもございますけれども、確認をさせていただきます。その確認の中で、やはりこれは扶養できる状況ではないというふうに判断した場合は、その生活保護の中で対応していくと、こういう仕組みでございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  その生活保護の申請者の資産調査の強化が図られるというふうに聞いておりますけれども、どのように改正をされると許可されるのでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  資産調査の主なものといたしましては、要保護者の預金、これが調査の対象になってございます。現在は、金融機関の複数の支店に、別々に預金調査を実施しているところでございますが、平成24年12月から金融機関の本店等へ一括して照会ができることになりまして、当該銀行の国内、全店舗の口座の有無、残高が確認できる資産調査が効率的・効果的に実施できるようになる予定でございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  それは扶養をする側ではなくて、本人のということでよろしいでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  生活保護は世帯単位ということでございますので、その対象となる世帯の資産調査ということになりますので、世帯全員ということになりますけれども、当然、今申し上げた内容につきましては、ことしの12月からということで通達が来ているところでございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  申請者の家族ということで理解をいたしました。それですので、役所のほうから手紙で扶養ができるかという連絡が行く、そういった親戚縁者のところに資産の調査が及ぶということではないというふうに理解をいたします。
 それでは、次ですけれども、今回、この騒がれた事件をきっかけとして、生活保護の利用者全般や、また生活保護制度そのものに問題があるのではないかといった、そういう見方がございますけれども、これについてはどうお考えでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  今、御紹介のありましたメディア報道などにおきまして、生活保護制度に対する皆様方の関心の高まりや、制度に対する厳しい目が向けられていることにつきましては、私自身も認識しているところでございます。
 こうした中で、本年6月には厚生労働省から「生活支援戦略」(骨格)が、国家戦略会議に提出されておりまして、ことしの7月には「生活支援戦略」中間取りまとめが同会議に報告されたところでございます。
 生活保護制度は憲法第25条の理念に基づきまして、国民に健康で文化的な最低限度の生活を全国一律に保障する重要な役割を担っております。社会保障の根幹をなす制度と認識しているところでございます。
 今後とも、生活保護制度を必要とする生活に困窮された方々に対しましては、適正な制度の運用が図れるよう、努めてまいります。
 
○2番(西岡幸子議員)  ぜひ、よろしくお願いをいたします。
 それでは、鎌倉市における生活保護世帯の内訳ですね、昨年お伺いいたしましたが、この1年間の変化、また今稼働年齢層が大変伸びていると、受給率が高くなっているということが問題視されておりますけれども、この稼働年齢層もどうなのかということをお伺いしたいと思います。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  平成24年6月1日現在の内訳でございますが、被保護世帯は665世帯でございまして、昨年の同じ月より全体で27世帯増加をしてございます。
 そして、世帯類型別の構成割合でございますけれども、高齢者世帯が約59%、母子世帯が4%、障害者世帯が13%、傷病者世帯が14%、そしてその他の世帯が10%となってございます。
 昨年6月と比較しても、構成割合につきましては、ほとんど変化がないという状況でございます。
 また、本市の特徴といたしましては、高齢者世帯が被保護世帯全体の、先ほど申しました59%と、約6割ということになってございまして、その中でも、高齢者の単身世帯が、この高齢者世帯の全体の9割を占めてございます。
 なお、高齢世帯の生活保護開始の理由といたしましては、世帯主の病気、傷病、あるいは預貯金等の減少の割合が高く、御高齢になられてから生活に困窮されるケースが多い状況であると認識してございます。全国的に急増しているその他の世帯、いわゆる失業等によって生活困窮に陥った世帯は、鎌倉市では、その構成割合が、先ほども申しましたとおり、約10%ということになってございまして、昨年の数字と比較いたしますと、1.3%の減少になってはございます。ちなみに、神奈川県の構成割合と比較いたしますと、神奈川県は19.9%でございますので、鎌倉市はその半分程度の割合だということになってございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  鎌倉市、大変高齢社会を反映している数字が出ているので、びっくりいたしましたけれども、約6割が高齢者世帯であり、中でもその9割が単身であると、これは男性世帯とか、女性というのはわかりますでしょうか。おわかりになりますか。わからなければ結構です。
 そして、今、心配をいたしておりました稼働年齢層ですけれども、これは昨年よりも、1.3%減少しているということですので、世間でかなりふえているということとは、ちょっと鎌倉市の場合は、異なっているということなんですけれども、先ほど同僚議員からの質問もございましたけれども、まだまだ相談に来られていない方々がたくさんいらっしゃる、埋もれている方がたくさんいらっしゃるのではないか、そこに光を当てていかなければいけないというふうに考えますけれども、この数字から、またそういったことを考えますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  具体的な数字的なことはなかなか申し上げにくいとは思うんですけれども、やはりこうした景気がなかなか上向かない状況の中では、やはり生活にお困りの方々が多くいらっしゃるということは、私自身も想像できるところでございます。こういった方々をどうやって支援につなげていくかというのは大きな課題として受けとめてございます。
 いずれにいたしましても、生活保護制度は最後のセーフティーネットと言われていますので、やはりそういった支援の、また手前の支援も大事だと思ってございますので、いろいろな情報を福祉事務所ができるだけキャッチできるように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  先ほど、男女ということでお伺いいたしましたのは、昨年11月の朝日新聞ですけれども、働く世代の単身女性の32%が困窮をしているという数字が国立人口問題研究所のほうから出されております。働く女性はリッチであるというふうに考えておりましたけれども、とんでもなくて、勤労世代、20代から64歳の単身で暮らす女性の3人に1人が困窮、その困窮というのは、どういうことかと申しますと、相対的貧困率で、114万円に満たない人の割合ということでございます。
 特に、2030年には、生涯未婚で過ごす女性が5人に1人になるというふうに見込まれております。貧困女性の増加に対応した安全網の整備が急がれるということがこれが課題視されているということでございます。
 そして、ひとり暮らしの女性の世帯の貧困率は、勤労世代で32%、これが65歳以上では52%と過半数に及んでおります。さらに、母子世帯では57%、女性が家計を支えるその世帯に貧困が集中しているという結果が出ております。今後、生涯未婚率の上昇も見込まれますので、結婚を前提とした社会保障制度は、もはや成り立たないということが言えるのではないかと思います。ですので、最低保障年金や単身加算といった女性が1人でも暮らしていける制度を今後考えていかなければいけないのではないかというふうに考えますけれども、この辺に関しては、いかがでしょうか。これは市の施策ではないんですけれども、鎌倉市の場合も、今の高齢者の中には、恐らく婦人が1人でお住まいの方、単身でいらっしゃるという方がたくさんいらっしゃると思います。それを未然に防ぐという、そのためにも一つの施策として考える必要があるのではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。その必要性についてお伺いします。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  今、るる御紹介いただいた女性を取り巻く環境でございますけれども、やはり、なかなか就労という視点から見ても、現在の状況というのは、大変厳しい状況があるのかなというふうには認識してございます。
 また、そういった方々が気軽といったら語弊がありますけれども、やはり相談できる場所、あるいは窓口、こういったところが重要ではないかと考えてございます。そういったきっかけをどうやってつくっていくか、これもまた大きな課題というふうに認識をしてございます。
 私どもも、地域の皆さん方との協力、あるいは見守りといったところを福祉の大きな柱としてございますけれども、そういった視点もやはり重要ではないかと思ってございます。社会保障全体をどうするかという問題にも大きな課題もあろうかと考えてございますので、いろいろな視点でやはり検討していかなきゃいけない課題なのかなというふうに認識してございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  もう一つお伺いいたします。鎌倉市として、生活保護行政を進めていく上で一番の課題というものをどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  先ほども御答弁させていただきましたが、鎌倉市の特徴といたしましては、高齢者世帯が非常に多い、また単身の方の割合も非常に多いということで、県内等々で比較しても、実は鎌倉が1位でございます。こうしたことから、やはり高齢者世帯への適切な対応が大きな課題であるというふうに認識してございまして、この対応が今後の中心軸になっていくのかなというふうには考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  今、高齢者への対応が一番課題であるというお答えでございましたけれども、生活保護を受けているから特別ということはなかなかできないかというふうに考えますけれども、こうなりますと、非常にやはり地域との連携でありますとか、また他の機関ですね、生活福祉課だけではなくて、他の機関との連携というものが大変大事になってくると思います。社会の中で、地域の中で生活保護を受けていらっしゃる、その御高齢の方々が生きがいを持って生活がしていかれるような、そういう施策を考えていかなければいけないのかと思いますけれども、その連携という点については、いかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  御指摘のとおりでございます。高齢者世帯につきましては、就労などによります経済的な自立を図ることは極めて困難な状況にありますことから、より主体的に社会とのつながりを結び、社会生活や日常生活能力の向上を目指すことが重要な取り組みというふうに考えてございます。肉体的あるいは精神的にも健康状態を維持することが力点に置かれることが重要であると認識してございます。
 生活保護受給世帯に対しましては、定期的な家庭訪問などを通じまして、健康状態の把握に努めるとともに、今、御紹介もありましたけれども、地域包括支援センターなどの関係機関、こういったところとの連携をとりまして、情報を共有し、必要な支援を行っているところでございます。
 高齢者が地域社会と接点を持ち、意欲ある社会生活を営むための支援につきましては、今、るる申し上げました地域のつながり、こういったところに一層の連携を加えまして、必要であればNPO法人などとも協働した支援も模索していきたいと考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  今、世間で大変孤独死であるとか、餓死ということが問題になっておりますけれども、鎌倉市はいかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  そういった事案は、幸いにして今のところないわけですけれども、やはりこういった、特に高齢者世帯を鑑みますと、見守りという視点でも、やはり取り組んでいく必要があろうかと思います。そういった意味で、地域の民生委員の皆さん、あるいは神奈川県が事業を実施してございますけれども、水道や電気、ガス、こういった事業者の方々との連携をとりまして、そういった孤立死、あるいは孤独死ということを未然に防ぐ取り組みも、より一層強化していく必要があるというふうに認識してございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  今、見守りという御答弁ございましたけれども、水道、ガス、電気等、神奈川県が進めておりますけれども、非常に日常生活のそういう見守りが大切になってまいりますので、ぜひ他機関との連携をしっかりととっていただいて、見守りが進められるようにお願いをしたいと思います。
 それでは、その生活保護に至る前のセーフティーネットですね、その前段階の支援が大変大事だというふうに考えますけれども、鎌倉市としてはどのようにお考えなのかお伺いをいたします。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  生活保護の前段階の支援の一つの例でございますけれども、住宅手当緊急特別措置事業、こういったものがございます。また、臨時特例つなぎ資金貸付事業等の、こういった事業もございまして、こういった内容につきましては、「広報かまくら」等で周知を行っているところでございます。
 この貸付事業に関しましては、社会福祉協議会が中心になって実施しているところでございますので、この市社会福祉協議会や、また大もとでございます神奈川県などを通じまして、こういった貸し付けが、仮に相談があった場合とか、貸し付けの案件があった場合は、迅速な貸し付けが行われるよう、さまざまな機会を通じて要望してまいりたいというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  本当に広報が大変大事であるというふうに考えます。せっかく生活福祉資金の貸付制度等あっても、また緊急小口資金等、使える制度があっても、使えない現実というのがございます。ですので、この広報の必要性、また現状よりももう一歩進んだ形で皆さんに周知ができるように、何かお考えをいただきたいというふうに思っております。
 大変使いやすい制度というふうに思いますけれども、そこに至らない福祉の、生活福祉課の窓口に来ていただければ、それがわかりますけれども、なかなか広報紙に載せるだけでは、皆さんの知るところとならないというのが現実でございます。ここに何らかの工夫が必要であると。その工夫をすることによって、生活保護に至る前の段階で、自立のほうに向かっていくことも可能ではないかというふうに考えます。ぜひ、ここは真剣にお考えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  もちろん、「広報かまくら」だけでは、なかなか不十分な点があろうかと思います。今、議員るる御指摘のように、さまざまな工夫が必要であるというふうに認識してございますので、高齢者の方々のみならず、いろんな方が目を触れる機会、そういった場所、そういったところにもこういった内容を周知するような、例えばリーフレットを置くとか、そういった工夫はこれから先々、さらに強化していく必要性があるというふうに認識してございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  今、ひとり暮らしで頼る人がいないままに困窮するお年寄りがふえているということは、鎌倉市も同様であるというふうに考えます。低年金、また無年金の人は生活保護を申請するしかないと、こういった現実もございます。ですので、高齢者には一定額の最低保障年金を支給するなど、年金改革で救済することを検討すべきだということで、今新たな社会保障、税と社会保障の一体改革というものが進められているというふうに考えます。
 また、最低賃金、年金や医療、福祉など、さまざまな不備やほころびがある、そういったものの改革も一緒に進めていかなければいけない喫緊の課題であるというふうに考えます。
 それでは、日本の今の生活保護の利用ですけれども、鎌倉市においても、生活保護率が世界的に見て日本は少ないというふうに言われております。イギリスでは全体の9.2%、スウェーデンでは4.5%、ドイツでは9.7%、フランスが5.7%と、高負担高福祉というところは除いておりますけれども、そういった中で、日本は1.6%の生活保護の受給率でございます。こういった利用率が少ないという点については、どのようにお考えでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  今、御紹介がありました先進諸国の制度でございますけれども、日本と同じような生活保護制度があるのか、あるいは関連の社会保障制度がどうなっているのか、また労働環境など、さまざまな背景があろうかと思います。そういったことから、正確な保護率の比較は大変難しいというふうに考えてございますけれども、日本の社会の中では、やはり人に迷惑をかけないという、こういった考えが背景にあるところがかなり大きいんではないかというふうに認識してございまして、やはり、相談しやすい、相談者に寄り添った、そういった環境づくりがやはり重要なポイントではないかというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  日本の生活保護制度の要件が厳しいという見解があるかと思います。生活に困窮された方が、誰でも、今、部長が御答弁いただいたように、受けやすい制度であるべきと、生活に困った、困窮をされた方が、誰もが受けられる、そういう制度であるべきであるというふうに考えますけれども、鎌倉市としては、どのように捉えていらっしゃるんでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  生活保護の窓口、生活福祉課の窓口では、年間900件を超える相談を受けてございます。さらに、電話での相談など、問い合わせなどを含めますと、相当な件数というふうに認識してございます。
 福祉の窓口が相談しやすい環境づくりに配慮するとともに、相談に見えた方が相談してよかったと思えるような相談者に寄り添った対応を行っていくことが極めて大切であるというふうに認識してございます。
 そうしたためにも、対応する職員の力量、あるいは技術、知識、こういった向上も大変重要であると考えてございまして、日々の研修等を通じて、今後とも職員の資質の向上、こういった点についても力を入れていきたいというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  ぜひ窓口での、よく水際作戦などというふうに言われますけれども、そんなことがないように、しっかりとお話を聞いて、まずは受けとめていただいた上での御判断ができるように、またそうしていただけるようにお願いをしたいと考えます。
 それでは、生活保護制度の見直しについてお伺いをしたいと思います。現在、生活保護基準の10%引き下げというような動きがございますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  国におきましては、生活保護制度や、保護基準の見直しについて検討されていることは十分承知してございます。国における生活支援戦略、先ほど御紹介いたしましたけれども、この中間取りまとめが行われておりまして、この中でも保護基準の見直しということが記載をされてございます。
 ただ、具体的に10%という記述は、この中では見受けられませんが、いずれにいたしましても、社会保障政策全体における見直しの中で議論されているというふうに認識してございまして、こういった国の動向も十分注視していきながら対応してまいりたいというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  10%の引き下げというのは、生活支援戦略の中ではございませんで、某党の案でございます。この支給水準の引き下げが行われると、どういう影響があるのかということはお答えいただけますでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  当然ながら、給付のところに影響が出てくるというふうに通常考えられるわけで、今まで一定の金額を受給して生活しておられた方が、仮に、今10%というのは、政府の数字ではございませんけれども、やはり大きな影響が出てくるということは十分認識してございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  生活保護基準は、生活保護利用者だけの問題ではなくて、引き下げの影響は大変大きいというふうになっております。一つは、住民税の非課税限度額が下がり、今まで無税だった人が課税をされるようになります。非課税だと安く済んでいた負担が当然のことながらふえます。例えば、介護保険の利用料でありますとか、医療費の上限、保育料、国民健康保険料、また保護基準に基づいて設定している各種の減免策の利用も縮小されることになります。また、障害者の自立支援利用料の減免、就学援助給付といったところにも影響が出てまいります。ですので、生活保護基準は、社会保障制度共通の基準ということで、生活保護費は低所得者施策、各種福祉施策、課税最低限に影響する重要な機能を担っているということでございます。
 厚労省の顧問である駒村康平氏は、生活保障の基準は、国民の暮らしを下支えにしている岩盤であるというふうにおっしゃっています。この引き下げは、私たちの生活を底抜けにするものであり、到底容認できないというようなお考えもございます。私もそのように考えます。この点についてはいかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  今、御紹介ありました生活保護制度は、生活に困窮する方々を救済する最後のセーフティーネットとされているだけでなく、その基準が国民健康保険料などの保険料の減免、あるいは下水道などの各種利用料の減免基準、こういったところにかかわる問題でございまして、その引き下げによる他制度への影響も大きなものがあるというふうに私も認識してございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  それではまた、変更点でございますけれども、自治体による医療機関の指定とか、またジェネリック医薬品の推奨、これは現在も行われておりますけれども、食費や被服費などの生活扶助、住宅扶助、教育扶助などの現物支給化の動きがございますけれども、これについては、いかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  今、御案内の現物支給化についてでございますけれども、生活保護制度の見直しの議論の中で、一つの案として問題提起をされていることは承知してございます。
 しかしながら、生活保護制度は最低限度の生活を保障するとともに、その自立を支援することを目的としてございまして、単に衣食住を賄うことだけでなく、健康で文化的な生活を営むための支援として、生活保護費が現金給付されているものと考えてございます。こうしたことを踏まえまして、生活保護制度の見直しにつきましては、今後とも国の動向を注視してまいりたいというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  国の動向を見守るのも当然なんですけれども、そういった自治体としての声を上げるということはいかがでしょうか。こういった制度、現物支給についてはどうなんだろうかという声を現場から上げていくというお考えはございませんでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  この生活保護制度、生活保護法に規定されている制度でございますけれども、いわゆる全国一律の制度でございます。そういった中で、やはり地方自治体が、やはり実際の業務を担っているわけでございますので、例えば、私どもも神奈川県の中で、こういった生活保護を所管する部長会というのがございまして、神奈川県といろいろ協議をする機会がございます。そういったところを通じるなり、いろんな手法はあろうかと思いますけれども、やはり地方の現状をしっかり国に伝えていくというのは、重要なことだと思ってございますので、そういった対応も検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  ぜひ生活保護の現場から、そういう大事な声は上げていっていただきたいと思います。確かに、国が考えていることではありますけれども、それは非常に机上の空論的なところが多々ございますので、本当に現場の大変さ、実際に受給をしている方々と接している行政の人間が一番よくわかるわけでございますので、その声はぜひ届けていただきたいと。また、そういう使命を担った部署に、皆さんはいらっしゃるのではないかというふうに考えます。ぜひよろしくお願いをいたします。
 そしてまた、もう一つ大きな改正点として、稼働年齢層を対象にした生活保護期間の有期制という、その導入についての動きがございます。これについては、いかがでしょうか。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  先ほど来、何度も御紹介してございます厚生労働省におきます生活支援戦略、いわゆる中間取りまとめでございますけれども、この中におきましては、有期制に関する具体的な記述はございません。
 ただ、有期制の議論があるということは承知してございます。いわゆる生活保護の受給者の皆さんの自立に向けては、被保護者自身の主体性や自己決定を重視すること、また本人の動機づけを図りながら支援を行っていくことが極めて重要だというふうに考えてございます。この有期制については、さまざまな意見があるということは承知してございますので、この国の戦略の中で、具体的にこういったものが出てくれば、私どもも先ほど声を出していくことが必要だと御指摘いただきましたので、そういった対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  今、何点か改正点についてお伺いいたしましたけれども、ぜひ現場からの声を届けていただきたいと思います。あらぬ方向に動いていきそうで、大変心配をしております。ぜひよろしくお願いをいたします。
 それでは、今後の見直しについての動きも踏まえて、お伺いをしようと思いましたけれども、これは割愛をしてまいります。
 その次に、自立支援についてお伺いをしようかと考えておりましたけれども、同僚議員が細かく質問をしてくださいましたので、自立支援については割愛をさせていただきます。ただ、自立支援のプログラムですね、それについてまた、中でも就労支援のプログラムの取り組み状況が問題になっておりましたけれども、成功例等もたくさんあるかと思います。本当に一つ一つ、お一人お一人のケースに対応していくのが生活福祉課でございますので、本当にまだまだあらわれていないことがたくさんあるかとは思いますけれども、中でも成功例についてのみ、生活福祉の現場にいらっしゃる皆さんの頑張りをたたえる意味でも、その成功例についてお伺いをしたいと思います。
 
○佐藤尚之 健康福祉部長  平成20年度から非常勤の職員でございますけれども、就労支援員を生活福祉課に配置をいたしまして、求人情報の提供、あるいは面接等によるアドバイス、いわゆるハローワークへの同行など、就労支援プログラムを通じて支援を行っているところでございます。
 平成23年、昨年度でございますけれども、32名の方に対しまして、就労支援を実施し、そのうち、9名の方が就労を開始し、そのうちお二人の方が生活保護から脱却をできたということでございます。こういった就労支援の事業によりまして、生活保護受給者の皆さんの自立を図っていくことが重要であるというふうに考えてございます。
 
○2番(西岡幸子議員)  ぜひ、とうといお仕事でございますので、お一人お一人、丁寧に自立に向けて支援をしていただきたいと思います。先ほども申し上げましたけれども、不正受給にも目を光らせ、そしてまた御相談に見えるお一人お一人に対応をし、そしてまた、そこからの自立の支援もしていくと、本当に大変なお仕事であるというふうに敬意を払うとともに、本当に皆さんの頑張りに期待するしかないというところが、ちょっと歯がゆいところでもございます。ぜひよろしくお願いをいたします。
 それでは、最後の項ですけれども、生活保護制度に対する本市の基本的な考え方として、さまざま福祉の現場には問題があるということが言われていると私は思います。昨年、鎌倉市での福祉オンブズマン制度の導入について伺わせていただきましたけれども、1年間が経過をして、どのようにお考えなのか、その点についてお伺いをいたします。
 
○相川誉夫 経営企画部長  昨年9月の定例会で御質問をいただいた内容だと思いますので、私のほうからお答えをさせていただきます。
 昨年の定例会におきまして市政全般の要望、苦情、相談について、市民相談課の相談の中で対応していく、その中で福祉に関する特定の相談メニュー、これを設けるなど、相談機能の充実について検討していきたいというお答えを、そのときさせていただいております。この1年間、市民相談課で福祉に関します相談の動向というのを注視してまいったわけでございますけれども、23年度の実績を申し上げますと、相談件数、これはあくまでも市民相談課で受けている相談件数ということなんですけれども、1,690件ございます。このうち、分類の仕方もあるのかと思いますが、福祉に関するものは、実は18件というのが出ております。本当に私もかなり少ないのかなというふうに考えておりますけれども、実態としては、こういうような実態でございました。このような状況を見まして、福祉に関する相談のメニューを新たに設けるというところまではまだ至っておりません。
 また、御質問のもともとにございます福祉オンブズマン制度の導入ということにも至ってございません。
 しかしながら、福祉への支援、相談の御議論、きょう午前中以降ございました。また、先ほど西岡議員さんのほうからも、相談に来られない方もいるんじゃないかということのお話もございました。確かに、十分な支援、相談がされていなかったという状況もあるのかなというふうには考えております。
 そういうようなことを勘案しまして、まずは福祉に関します相談、これがきちんと受けられるような形の福祉に関するメニューを設けていけるように、引き続き、これは前向きに検討していきたいと、このように考えております。
 
○2番(西岡幸子議員)  大変寂しい数字だというふうに考えます。先ほども申し上げましたけれども、本当にたくさんの皆さんは福祉に対しての要望やら御意見をお持ちでいらっしゃいます。それが鎌倉市で吸い上がってこない、吸い上げられない現実であるということがこの数字にあらわれているんだというふうに考えます。昨年、オンブズマン制度というものを申し上げましたけれども、一番、全国で進んでいるのが大田区でございます。もともと、オンブズマンはスウェーデン語で、権限を与えられた代理人、弁護人ということですけれども、大田区では、区長から権限を与えられて、福祉サービスの利用者の権利、利益を擁護するために公正な職務の遂行に努め、職務上の秘密を守る責任がある、そのオンブズマン制度が設けられております。そして、条例が第1条には目的が書かれておりまして、行政が行う福祉サービスに関する苦情を公正かつ中立な立場で迅速に処理し、福祉サービスに対する市民の信頼を高め、福祉の一層の向上に努めるとして、区長の附属機関として設けられているということでございます。そして、そのオンブズマンには、弁護士、大学教授、計4名が3年任期で当たっております。
 午前中の事例にもございましたけれども、大変、やはり福祉の現場には問題が潜んでおります。それが表面化してこない、また表面化してくることによって解決に初めて結びつくというふうに考えますけれども、それがこの数字の1,690件のうちに福祉の相談は18しかない、このことをどのようにお考えでしょうか。
 
○相川誉夫 経営企画部長  誤解をしていただくといけません、先ほど、私1,690件と申し上げました。これの中身といいますか、どういうものかというのは、もう一度、少し詳しく説明させていただきます。
 いわゆる市民相談課で実施しております市長への手紙、ことし名称を変えておりますけれども、市長への手紙ですとか、それからEメール、それから一般文書で受けます要望ですとか、苦情もございます。それから意見、提言等もございます。そういうようなものを全部まとめて1,690件というふうに申し上げました。
 その中で、18件と申し上げましたのは、分類別で、どういうような相談があったとか、苦情があったとかというのを分けたものが18件ということでございます。個々の18件の中身につきましては、詳細は今手元にございませんけれども、そういうような内容だということは、まず御承知おきいただきたいと思います。
 それから今、大田区の例を出していただきました。大田区の場合、オンブズマン条例というのを持っておられて、今御紹介いただきましたとおりに、区民の苦情等を受ける機関としてオンブズマン制度を持っていらっしゃいます。御紹介いただいたとおり、弁護士等の対応をされているということも私どものほうでも情報としては入れております。
 確かに、こういうような制度をつくっていくこと、非常に、きょうの御議論の中でもいろいろ出てまいりましたので、当然必要になってくるものかなというふうには考えております。
 しかしながら、先ほども申し上げましたが、まず苦情を受ける前に、相談をしっかり受けられる、敷居が高くなく、まず相談を受けていただけるような体制をつくっていく、そういうようなことも必要だろうと思います。また、そのためには、対応する職員の、先ほど来出ておりました心の通った対応のできる職員の育成というようなものも必要だと思います。まずは、そういうようなところを、できるところやっていきたいなというふうに考えておりまして、そういうような意味で、まず福祉に関する相談ができる、福祉の相談ができるようなメニューを設けていきたいというお答えをさせていただきました。現在のところ、そういうようなことで考えております。
 
○2番(西岡幸子議員)  窓口の対応等、本当に気をつけていただく、皆さんに御相談が、苦情等を寄せて、もちろん苦情が起きないことが一番よろしいわけですけれども、そういった声が届く窓口にしていただくということは当たり前でございます。その上で、市民の福祉サービスに対する信頼を高めて、福祉の一層の向上に努めると、そういった努力の中で、この福祉オンブズマン制度というのは考えられたものでございます。ですので、費用対効果というお話も去年ございましたけれども、鎌倉市が高齢社会の先頭を走るような市ということでございますので、本当にこういう必要性を強く感じているところではございます。
 また、さまざまな社会状況の中で、いろいろな相談というのがございますけれども、この市民相談課のメニューの中に、福祉というものが設けられることだけでも、かなり違ってくるというふうに考えます。ぜひ、その前進は、一歩でも前に進められるようにお願いをしたいというふうに考えます。
 それでは、昨年は経営企画部長として、今のオンブズマン制度についてお答えをいただいた瀧澤副市長にお伺いをしたいと思います。かつて、副市長は生活福祉課も経験をされて、そして今申し上げましたように、昨年はこのオンブズマン制度の質問に対して経営企画部長としてお答えをいただきました。今回は、副市長としての御答弁をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○瀧澤由人 副市長  ただいま、議員さんの思いであります内容については十分把握していました。
 確かに、午前中、石川議員さんからの御指摘の事例もありますように、福祉に対するサービスを受けたい方、あるいは受けている方の声が正しくきちんと伝わるという、そういう仕組み、総合窓口ですとか、そういうことも含めて必要性については十分認識しております。
 ただいま部長が答弁したとおり、福祉に関する相談メニュー、個別メニューをつくっていくことにつきましても、先進都市等の事例を参考にしながら検討していきたいというふうに思っております。
 
○2番(西岡幸子議員)  大田区のオンブズマン室に寄せられた昨年度1年間の相談件数は、福祉680件です。それだけ区民の声が届いているということです。そして、その内容は、個別の相談が311件、苦情が208件で、その中で、オンブズマンが受理した苦情の申し立てが45件ということです。生活福祉が相談の中では229件と最も多くて、次に障害者福祉が186件だったということでございます。こういう声が届いて、そしてこのことがみんなで議論をされている、それが高福祉をつくる、また市民サービスの向上につながるということではないでしょうか。それが今現在、鎌倉市は行われているとは言いがたい現状であるといっても過言ではないかと思います。
 また、今市民オンブズマンが対応した45件ですけれども、その内訳としては、福祉サービスの種類別に分類すると、生活福祉に関するものが18件、次いで障害に関するものと介護保険に関するものが11件、そして児童福祉が3件、高齢者福祉が2件と、こういった内容になっております。
 その中で、苦情の内容別に分類をいたしますと、説明や情報提供の不足が24件で53%、やはり説明不足、情報の提供不足というのが一番大きな苦情の原因になっているということがわかります。そして、職員の接遇に対する苦情が8件で18%です。こういった内容になっております。
 特に、生活福祉の分野では、情報の提供不足、説明不足が72%を占めているということでございます。そしてまたこの大田区の場合には、この福祉オンブズマンと生活福祉の担当者、管理職との情報交換会、こういったことも行われております。さらに、福祉オンブズマンと、福祉担当管理職との意見交換会、こういったところまで踏み込んで、福祉の向上について考えております。市長、いかがでしょうか。
 
○松尾崇 市長  生活保護に関する御質問、るるいただきましたけれども、議員さんからのさまざまな御指摘の中で、十分でないという御意見ございました。そうしたことも含めまして、今後の生保の行政について、きちんと見直すべき部分は見直しをして、充実をしてまいりたいというふうに考えています。
 
○2番(西岡幸子議員)  生保だけではなく、この高齢化が進んでいる鎌倉市にとって、福祉全般を考え、皆さんの声が集まってくる鎌倉市、皆さんの声を受けとめられる鎌倉市であらなければというふうに考えます。ぜひ、前向きな検討をお願いいたします。
 以上で私の質問を終わります。
 
○議長(伊東正博議員)  お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、運営委員会の協議もあり、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
 なお、残余の日程については、明9月6日午前10時に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
 本日はこれをもって延会いたします。
                   (21時36分  延会)

 平成24年9月5日(水曜日)

                          鎌倉市議会議長    伊 東 正 博

                          会議録署名議員    安 川 健 人

                          同          三 宅 真 里

                          同          太 田 治 代