平成23年観光厚生常任委員会
12月21日
○議事日程  
平成23年12月21日観光厚生常任委員会

観光厚生常任委員会会議録
〇日時
平成23年12月21日(水) 13時30分開会 15時24分閉会(会議時間1時間43分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席委員
飯野委員長、長嶋副委員長、西岡、久坂、渡邊、三宅、吉岡の各委員
〇理事者側出席者
相澤(千)環境部長、松永環境部次長兼環境政策課長兼ごみ減量・資源化推進担当担当課長、黒岩環境保全課長
〇参考人
三井巌、橋口昌平
〇議会事務局出席者
讓原局長、花岡次長、谷川議事調査担当担当係長、木田担当書記
〇本日審査した案件
1 報告事項
(1)武田薬品工業湘南研究所における汚染水の漏出事故について
2 議案第56号指定管理者の指定について
3 議案第62号鎌倉市知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例の制定
4 議案第66号平成23年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)について
5 陳情第44号認定保育施設に在籍する園児の保護者に対する助成金の増額についての陳情
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○飯野 委員長  ただいまから、観光厚生常任委員会を開会いたします。
 本日の会議録署名委員の指名を行います。委員会条例第24条第1項の規定により、本日の会議録署名委員を指名いたします。西岡幸子委員にお願いいたします。
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○飯野 委員長  日程の確認をさせていただきます。お手元に配付の資料のとおりでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 はい。確認させていただきました。
 本日は、武田薬品工業湘南研究所における汚染水の漏出事故について、担当部局から報告を受けることになっておりますが、この報告に当たり、参考人として、当事者である武田薬品工業株式会社から、医薬研究本部・研究業務部長の三井巌様、医薬研究本部・研究業務部・環境安全衛生グループマネジャーの橋口昌平様のお二人に御出席いただいております。お忙しい中にもかかわらず、まことにありがとうございます。
 また、発言の際には、三井参考人、橋口参考人ということで呼ばせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 委員会を代表して心からお礼を申し上げるとともに、後ほど事故の経過及び対応、再発防止策についてお話しくださいますようお願いいたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○飯野 委員長  それでは、日程第1「武田薬品工業湘南研究所における汚染水の漏出事故」について、議題に入ります。
 議事の順序等について申し上げます。まず、環境保全課から報告を聴取した後、参考人の方から補足的に、事故の経過、事故の対応、再発防止について御説明くださいますようお願いいたします。次に、委員から質問があればお答えくださいますようお願いいたします。
 なお、各委員におかれては、本日は1時間程度を目安に御出席いただいておりますことに御配慮のほどお願い申し上げます。
 また、参考人におかれましては、発言の際には挙手していただき、委員長の許可を得てから御発言を願います。また、委員に対しては質問することができませんので、御了承をお願いいたします。
 では、担当原局からの報告を願います。
 
○環境保全課長  それでは、着席して御報告をさせていただきます。
 平成23年11月30日に武田薬品工業株式会社湘南研究所で発生しました、施設内での排水の漏出事故について報告をいたします。
 この事故につきましては、12月1日に文部科学省発表資料を、12月12日には、武田薬品工業から提出されました「環境保全に関する協定書に関する事故時の報告」を情報提供させていただいておりますが、事故の概要について改めて報告をいたします。
 この事故は、11月29日夜から30日にかけて発生したもので、武田薬品工業湘南研究所1階の廃液タンクから、遺伝子組み換え生物を含む廃液が、防水処理された管理区域内の部屋の床面に漏出し、さらにその一部が床面の配管のすき間から管理区域外の地下1階のコンクリート床面に染み出したものです。
 事故の原因といたしましては、当該研究所4階にある実験室の、排水タンクにつながる流しの水栓の閉め忘れによるもので、廃液タンク上部通気口部分からあふれ出した廃液、約1立方メートルが漏出したものです。
 11月30日、武田薬品工業は、法令に基づき、文部科学省に事故の報告を行いました。
 この報告を受け、文部科学省は、12月1日に職員を派遣して現地調査を行い、施設内に漏出して回収された廃液及び漏出が認められた床面について、次亜塩素酸による不活化措置がとられていることを確認いたしました。
 文部科学省は、この現地調査を踏まえて、同日、武田薬品工業に対し、遺伝子組み換え生物を含む廃液が研究所内で漏出したことは不適切であったこと、及び床面以外の設備への飛散の可能性について、さらに詳細な調査を行い、必要に応じ不活化の措置をとること、また、事故の原因究明と再発防止策を講じることについて指導した旨の報道発表を行っています。
 本市に対しては、12月1日に、武田薬品工業より事故発生の通報があり、藤沢市とともに、当該研究所の立入調査を実施しました。
 武田薬品工業との環境保全協定書には、速やかに事故発生の報告をする旨の規定があるにもかかわらず報告がおくれましたことについて、藤沢市とともに強く抗議を行い、武田薬品工業に対し、当該協定書に基づき早期に事故報告書を提出するように求めました。
 また、同日、当該研究所近隣の自治町内会、管理組合の代表者、鎌倉市、武田薬品工業で構成される当該研究所に関する連絡会の市民委員に、武田薬品工業が今回の事故の経過報告を行っています。
 その後の動きといたしましては、武田薬品工業は、事故の翌週から、周辺住民に対し個別に訪問し、今回の事故について謝罪と説明を行っています。
 12月8日、武田薬品工業から、文部科学省の指示事項の、床面以外の飛散の可能性について培養試験等の詳細な調査を行った結果、その可能性がないことが確認されたので、その旨を文部科学省に報告する旨の説明がありました。
 翌12月9日、武田薬品工業湘南研究所長が市長及び兵藤副市長と面談し、市及び市民に対して謝罪するとともに、同様の事故を起こさないように努めていくことを伝えました。また、今回の事故を受けて、今後、設備の改善、緊急時の対応マニュアルの見直し、事故発生時の行政への早期報告の徹底に取り組んでいく旨の発言がありました。
 また、12月17日には、近隣自治・町内会、管理組合の代表が構成員となる当該研究所に関する連絡会が臨時に開催され、武田薬品工業による状況説明と現地確認を行っています。
 今回、本市に提出されました事故報告書は、武田薬品工業との環境保全協定に基づく中間報告に当たります。今後、事故の再発防止策等を含めた報告が本市に提出されますが、その内容を踏まえ、本市として必要な対応をとっていきたいと考えております。
 以上で報告を終わります。
 
○飯野 委員長  次に、参考人の方から補足説明をお願いいたします。参考人の方、どうぞ座ってお話しください。
 
○三井 参考人  まず初めに、ごあいさつをさせてください。私、武田薬品の湘南研究所で研究業務部長を務めております三井と申します。
 このたびは、私どもの不始末により、市民の皆様に多大な御心配と御迷惑をおかけしまして、本当に申しわけなく思っております。
 また、この事故を起こしただけでなく、その後の対応、市への御報告が1日おくれたこと、これに対しても非常に深く反省しております。
 先ほど御紹介がありましたように、この事故発生後、私ども総力を挙げて、この原因の究明と再発防止策を講じてまいりました。けさ、鎌倉の議会の議員の皆さんにもごらんいただきましたけども、今回の事故に関する再発防止策についてはほぼ完了したと考えております。しかし、この再発防止策というのは、あくまでも今回起こした事故に対する再発防止策でありまして、まだ研究所には、ほかにもそういったリスクの芽があると考えております。したがって、今月中には、今回、事故を起こした施設と類似の施設に関しても同様の対策をとり、さらに引き続いて研究所全体の安全性、そういったものに関してチェックをして、必要な対策を講じてまいろうと思っております。その過程におきましては、私どもだけでなく、社外の専門家の力もおかりして実施していこうと考えております。
 この事故の経緯と原因、主な再発防止策に関しましては、きょうの夕方、最終報告書として市のほうに提出させていただく予定にしております。
 それでは、今、事故の経緯に関しては御説明いただきましたけども、若干、補足として、今回の事故の原因、あと、再発防止策について触れさせていただきます。
 今回の事故の原因になりましたのは、まず、お手元の模式図があればわかりやすいかなと思います。今回の事故のまず原因になりましたのは、この実験室の滅菌流しの上部にある水道栓を十分に閉めていなかったことによって、水が1階にあります実験滅菌排水原水タンクのほうに流れ続けたことにあります。さらに、このタンクの水位異常を示す警報が鳴った際に、その原因、なぜ水位が上がっているのかという原因の特定と、そういった水道栓の場所、その特定に時間がかかり、このタンクから滅菌室内に水が漏れたものです。
 この1階の滅菌室は、防水加工をしておりましたが、この防水加工をしている一部に亀裂があり、その亀裂からこの管理区域外である免震室、地下のほうに水が漏れたものであります。大きく言って、この水道栓の閉め忘れ、さらには原因の特定に時間がかかった、このあたりはコミュニケーションのミスだと考えております。さらには、防水層に亀裂があったこと、この大きく三つが問題だったと考えております。
 それに関しまして、主な対策といたしましては、まずこの実験室にあります水道栓、これを撤去いたしました。そのかわり、水が必要な場合には、10リットル程度のポリ容器、これに蛇口をつけたものを用いて、そういった水道のかわりにすると、そういう運営に改めました。
 また、1階の滅菌室に関しましては、このすき間があった防水層ですが、防水面に、再度、防水加工を施し、実際に水張り実験をやって、水漏れがないことを確認しました。さらに、この排水原水タンクと滅菌機を囲うような形で、追加の防液堤を設け、万一水がこぼれた際も、この防液堤の中でそれを食いとめると、そういう措置をとりました。この追加の防液堤に関しましても水張り実験を行い、水漏れがないことを確認しております。
 これがハード面の対応策でございますが、一方、今回大きな問題になりましたのは、警報が鳴った際、それを発見した施設管理の担当者が速やかに研究者のほうに連絡ができなかった、こういったコミュニケーションのミスがありますので、このあたり、事故があった際に直ちに研究者に連絡が行き、研究者も夜間であっても駆けつけられる体制を整えるようにしました。
 また、もちろんこういった研究者に対する教育、施設運営員を含めた教育により、こういった実験の設備のことを含めて、幅広く深く教育内容を見直すようにしました。
 以上が主な対応策になります。
 また、今回初めに申し上げましたが、事故が発生した後、市への御報告がおくれたということがありましたので、そのあたりに対しましても、当局を初め、両市、近隣住民の方への、遺漏なく速やかに連絡が行くような対策をとるということで、連絡手順というのを見直すようにいたしました。
 大体、以上がこの事故の原因と対応策になります。
 この対応策につきまして、実際にそこの現場の写真、要はビフォー・アフターという形でごらんになっていただいたほうがわかりやすいと思いますので、橋口のほうから追加で説明させていただきます。
 
○橋口 参考人  環境安全衛生グループを担当しております橋口です。よろしくお願いします。
 対策につきまして御説明を差し上げます。実験の流しですが、きちんと閉め忘れたという部分ですが、この流しになります。バスタブ式の上下のものを使っておりましたが、これは完全に下までおりていないという状態で、ちょろちょろとここから水が流れていたというのが現状です。右にありますのはイオン交換水のタブでして、この二つがこの流しの上にあったという形になります。したがいまして、もうこの部分はヒューマンエラーで、あけっ放しになりますと、とめどなく水が流れるという可能性がありますので、この部分を完全に撤去いたしました。撤去した後、ここで水を使うときは、ポリ容器に蛇口のついた容器に入れて持ってきて使う、または必要量だけ小さいポリビーカー等で運んで利用するようにという形で対策をとりました。
 それから、滅菌室ですが、これが、前、漏洩直後の滅菌室でございます。この位置が原水タンクで、この奥が滅菌槽になっております。この奥の柱の影のところになります貫通部分というところから水が漏れました。原水タンクからあふれた水は、この床を伝って広がったという形で、ここに到達して漏れたという形になります。したがいまして、今回新しくこの貫通部分を避けた形で、新しい防潮堤をつくって、この内側を新たな防水床として設置をしました。また、水漏れのあった部分につきましては、さらにシールをして、防水性能を高めた形にしました。これが新しい防液堤の位置になります。
 別な角度から見たものでございます。新しい防液堤のところが、これが内側ですが、漏れた部分は、このすき間から配管の貫通部分を通って下に流れたという形になりましたので、この部分に新たにシールをしております。さらに、ここには、漏れたときの感知をするために、漏水警報のセンサーを張りめぐらせたという形にしてございます。
 床面です。免震層、免震室のところです。漏れたときの水たまりというのがこのような状態でして、バケツの大きさと比較していただければわかるかと思います。大体1平米程度かなというふうに思います。そこをきちんと滅菌処理をして処理いたしました。この部分もきちんとふき取りを行って滅菌をし、その後、この壁のパイプの位置というのを培養で確認し、漏れた生物がここに含まれていないということを確認しております。
 その後、ここに二度と漏らしてはいけないわけですが、対策としましては、ここに新たに、これ以上広がるということがないように受けをつくっておりまして、このような形で可能性のあるところに受けをつくりました。さらに、ここにまた漏水センサーとして張りめぐらしておりまして、ここが濡れるということであれば、また中央監視のほうにシグナルが出るという形で対策をとっております。
 以上でございます。
 
○飯野 委員長  御説明ありがとうございました。
 次に、参考人の方への質疑を行います。各委員におかれましては、参考人の方への質疑に当たり、参考人であることに御配慮いただき、先ほど申し上げました事故の経過、事故への対応、再発防止の3項目の範囲内で端的に御質疑をお願いいたします。
 それでは、発言のある方、どうぞ。
 
○三宅 委員  御説明いただきまして、ありがとうございました。
 先ほど今回の事故の原因の一つとして、施設管理担当者が速やかに連絡をしなかった、コミュニケーション不足ということをおっしゃったんですけれども、この施設の管理は武田さんがおやりになっていらっしゃるのか、ここに、「委託先から連絡があった」と書いてあるんですけれども、委託で行っていただいているんですか。
 
○三井 参考人  施設の管理につきましては、弊社の従業員と、それと委託先が両方で当たっております。事故のあった夜間、まず、委託先の担当者が警報を受けて現場に到着し、そこの委託している人は弊社の従業員ですね、そこの設備担当には情報が行ったのですが、そこから研究部門のほうへの連絡が遅くなったと。初めに、この現場に来た段階で、設備面の問題、この警報の原因は、こういった滅菌機とかそういったところの滅菌室内で何らかのふぐあいが起きて、こういう警報が鳴ったんじゃないかというふうに考えて、そこの対応をとっている間に時間がたってしまったということになります。
 
○三宅 委員  研究部門と設備部門とおありになるようですけれども、最初にここの施設ができて開業する前に、教育体制ですよね、マニュアル初め手順のマニュアルというのもあると思うんですけども、そういった教育はどの程度なさったのか、そこがきちんと確立をされていたのかということが疑問なんですけども、いかがですか。
 
○橋口 参考人  教育に関しては、一度マニュアルをつくった段階でやっております。今回、先ほど御指摘のありました施設管理部門と研究者というか、研究管理部門というところの連携ということに関して、例えばこの警報が鳴った場合には両方に連絡するとか、この警報の場合には、例えば施設管理部門で対応するとか、そういった細かな体制というのが、その警報であったり、異常ごとに決めていなかったというところがございます。したがいまして、そういう手順の不足、連絡体制の不足であったかなというふうに考えております。
 
○三宅 委員  やはり何が起こるかわからなくて、いろんな想定が必要だったと思うんですけれど、基本的なことで、今回は人のミスですよね、とめ忘れていたという。そこが全く連絡体制もとれていなかったがために、ちょっとおくれてしまったということなんですけれど。ずっとこの報告書を読ませていただいても、主語は一体だれなのかということもちょっと明らかではないんですね。
 それで、さっきお聞きしたんですけれども、だれが最初に警報を聞いて、どなたが対応されてということがわからなかったんですが、やはりこれは委託をしている先の人がほとんど行っていらっしゃるんでしょうか。立ち入りした作業者の靴に漏水した水がついて、滅菌室の外に汚染していたという、こういったこともございますが。従業員の方は、設備の担当者の方は1人いらっしゃって、そのほかは委託をされたところの方が何人体制だったのかということもお聞きしたいんですけれども。
 
○橋口 参考人  少しそこのところは詳しく御説明させていただきます。
 警報が鳴りましたときは委託社員しかおりませんで、委託社員が担当をしていたというふうに聞いております。そのときは、一応3名の体制でいたというふうに伺っております。その後、その委託社員のほうから社員の設備担当の責任者のほうに連絡が入っております。そこで、うちの設備担当の社員と一緒に電話で連絡をとりながら、詳細に原因追及を始めたというふうに聞いております。警報が鳴った後、まず設備の、先ほど三井が説明しましたように、設備のふぐあいを最初に疑ったという形で、しばらくの間、設備の点検であったり、設備の余裕といいますか、ほかの排水槽がいっぱいになっているんではないかというところの点検とか、そういうことをやっていたということのようです。それにつきましては、先ほど言いました設備担当者の中で処理ができるというふうに判断をしておりました。その後、原液のタンクから水漏れが始まったわけですが、その後、これは上で水が流れ続けている可能性が非常に高いという形で、うちの社員のほうから上の階の流し、蛇口を確認するようにという指示が出ております。その間、3人の体制でやっていましたが、1人は設備を見ながら、残りの2人で上の確認に走ったというふうに聞いております。そのとき、うちの社員の設備担当者は、床にこぼれても、床が防水であるということで、それ以上広がることはないであろうという判断をしたというふうに聞いております。したがいまして、そこで、上で探している間に、床面に広がったというのが事実でございます。
 
○三宅 委員  ありがとうございます。警報が鳴っていた当時というか、これ、一晩じゅう、恐らく委託された先の社員の方が3人で右往左往されていたという様子がうかがえるんですね。社員の方の、従業員ですね、設備担当と言われる方は、恐らく朝7時に御出勤をなさったということなんだと、ここの中では読み取れるんですけれど。連絡を受けたときに、電話での対応だと、やはり現場を見ていないとわからないということがありますから、その連絡体制、事故の場合の処理の仕方というのはもう一度見直していただく必要があると思います。真っ先に駆けつけて、担当者が見る必要があったと思います。
 それで、どうも事故のときの判断とか指揮系統、どなたが指揮をなさるのかということも、先ほどの対応策での御説明でもはっきりわからなかったんですね。そこは、責任者はだれなのか、だれのもとに皆さんが動かれるのかということもちょっと確認させていただきたいんです。
 
○三井 参考人  これまでも緊急連絡網というのはあったんですが、例えばこのタンクのところに、ここに異常があったらここに電話するようにという、そういった視覚に訴えるというか、その場で確認できるようなプレートとかそういうのは置いていなかったというのがあります。したがって今後は、一つの例を挙げますと、このタンクのところに、ここの責任者、及び極めて短時間でこの研究所に駆けつけられる、夜間であろうが駆けつけられる担当者、そういった複数の名前のネームプレートと、あと緊急連絡先、それをプレートとして張ることにしました。そうすることによって、その場で、特に緊急連絡網を見る必要もなく、そこでだれに連絡をとればいいかというのが判断できると、そういう運用に変えました。
 これに関しましては、ここの滅菌室に限らず、研究所全体、各フロアにおいても、ここの責任者と、そういう緊急時に駆けつける人間、そういった連絡先というのを今、貼付するべく準備を進めているところであります。
 
○三宅 委員  それぞれの責任者を置かれるということですね。一番、こういった危機管理室と申しますかね、鎌倉市の場合もあるんですけれども、その場合の一番トップの方というか、そういう方は特別には置いていないということなんでしょうか。やはりそこの、一番責任を持って指揮をされる方というのは必要なんだと思うんですけれども、そこら辺はいかがですか。
 
○三井 参考人  この研究所における危機管理の、本当の最高トップというのが研究本部長になりますが、実際にこういった事故が起きた際、実質的にかじ取りをしていくのは私、研究業務部長と、あと、ここにいる環境安全衛生グループマネジャー、この2人には連絡が入り、そういったアクションをとっていくことになりますが、それぞれかなり専門が分化されていますので、今回はそれぞれの研究組織というんですかね、そういった専門のことがわかる人間も、そこで、それぞれの事故に対して責任を持って対応すると、そういう二段構えのような形で対応しております。
 
○三宅 委員  そうですね。二重に三重にチェックをかけていただく必要はあると思いますので、お願いします。
 それで、事故を想定した訓練といいますか、マニュアルをおつくりいただくのは、それは当然なんですけども、研究所内での訓練と、あわせて外、地域に向けてどういう連絡体制をとって、それで、もし万が一避難をしていただかないといけないということがあるかもしれません。そういうことも想定はなさっていらっしゃいますか。
 
○三井 参考人  これまで、どういったリスクがあるかということに関して、扱っている危険物の量とかの面からいって、近隣の皆さんが直ちに避難しなければいけない事故というのは非常に考えにくいだろうとは考えておりますが、この間については、今後、市の方ともちょっと御相談しながら、対応策をとっていきたいと思っております。
 
○三宅 委員  そうですね。近くには、御存じだと思いますが、大きな病院もあります、学校もあります、保育園もありますね。それで、やはり住民の方たちは御心配だと思います。そういった体制を、これは市と一緒に協議をしていただく必要があると思いますけども、ぜひお願いします。
 それで、皆さん、何があったんだということは、先ほど、個別に住民の方々に対応しているということだったんですが、報告会とか説明会というのを呼びかけて、それで地域で開いていただくということも、安心・安全を担保することの一つだと思いますので、こういったこともぜひ行っていただきたいと思います。そのことについてはいかがですか。
 
○三井 参考人  おっしゃるとおり、戸別訪問させていただいておりますが、本当に必要に応じて、例えば町内会の方に集まっていただいて御報告をするとか、そういったことに関しましても、今後やっていきたいと思っております。
 
○三宅 委員  ぜひよろしくお願いします。特に小さいお子さんを抱えていらっしゃる方が、あの辺、多いんですね。御心配だと思いますので、お願いします。
 それから、今、連絡会という形で行っていただいていると思います。協定の中にもそういう形で盛り込まれているんですが、私どもも、当初、協議会を設置していただきたいということをお願いしていたんですけれども、それが連絡会となったんですが、連絡会は連絡会で、そこの地域の住民の方々と武田さんと、いろんな意見交換というか、それぐらいのことはおやりいただけると思うんですけれど。もう少し踏み込んだ協議会というものを、今回のこの事故をきっかけとして、もう一度お考えいただきたいというふうに思っているんです。そこには専門的な知識を持った方にもお入りいただくとか、近くの方じゃない人たちでも、ちょっと水のことが心配とか、土壌のことが気になるという方もあるんですね。そういうお声をやっぱり拾っていただいて、広く地域の中でも認められる大きな会社であってほしいと、企業であってほしいと思いますので、そのあたりの御見解を最後に伺います。
 
○三井 参考人  どうもありがとうございます。協議会の設置に関しましても、今回の事故を受けて、その可能性というのを検討してまいります。いずれにしましても、我々自身、万全の体制をとっていると、そういうふうに頑張ってまいりますが、我々自身では気づかない、そういう盲点もありますので、そういったあたりには社外の専門家の方にもお願いして、そういった方の目を通してチェックをしていただく、そういったことに関しても近隣の方に御報告すると、そういったことで皆様方が少しでも安心を感じていただけるようにやっていきたいと考えております。
 
○三宅 委員  どうもありがとうございます。当初から私たちもずっと申し上げてきた協議会というところを、もう少し広くお考えいただけるという方向だと私今思いましたので、ぜひよろしくお願いします。それで、やっぱり大きな企業でいらっしゃるので、みんなが安心して見守っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
 
○吉岡 委員  何点か伺います。なるべく重ならないようにしたいと思いますが。
 先ほど経過の中で、文部科学省への報告ですと、11月29日から実際には原因がなっていると思うんですけれども。この報告の書き方ですと、11月29日の19時ごろと、原因が行われているのが。というのは、これ、聞き取りか何かでおわかりになったのか。それで、文部科学省にはなぜ11月30日の1時から7時という形での報告になったのか。その辺の経過がよくわからないので、教えていただけますか。
 
○橋口 参考人  「11月29日19時ごろ」と記載がございますのは、これは、この時点で、漏れているところから予想したといいますか、このフロアから最終退場された方が19時だということがわかったので、そのときにあいていたという時間をここに記載させていただいています。実際は、流れ始めたのがもう少し前の時間ではないかと、今になって思えば思います。それで、ここに書きました「1時から7時」と申しますのは、実際に漏れて滅菌室の床に流れ落ち始めたのが1時過ぎと。1時ちょっと前と聞いていますので、それから漏れ続けたのが朝の7時ということで、朝の7時にそのフロアの人間が気づいて、この流しに流れていたということでとめたという連絡を受けておりますので、床に流れ続けた時間が1時から7時までであったというふうに判断しております。
 
○吉岡 委員  原因が始まったのが、これで見ますとはっきりはしませんけれども、11月29日、研究者の帰った時間なのか、そこら辺からだと思うので、そこがどこからなのかというのは別としましても、これがいつわかったのかななんていうのはちょっと思いました。
 報告ですと、7時に出勤した社員が、2階の低温実験室の排水の流しの上部の水、水道の栓、開放栓を発見したということなわけですから、既にそのときにはある程度その場所だということは特定ができたのかなと思います。実際に文部科学省のほうに報告したのが、30日のたしか16時だったと思うんですね。その時点では、ある程度どういう原因なのか、どこから原因が発生しているのか、その辺はつかんでいらしたのかなと、私はこの報告を見て思うんでね。やっぱりそこはきちっと正確に報告、どうしてこういう違いになったのかなというのはちょっと思ったものですから、その辺、もう少し伺わせていただいてよろしいですか。
 
○橋口 参考人  この7時に出てきた社員というのは、たまたまその低温室に入って、水が流れ続けているというのを見つけてとめたと聞いております。現場に行っていただいた方はおわかりかと思いますが、外から音は聞こえませんし、中に入っても、ちょろちょろ流れているようなお水では、音ではまず気づけないというところに、実はこの流しがございましたので、たまたま実験を始めようという形でその部屋に入って流しを見たら、水が流れていたという形でとめたというふうに聞いております。
 それから、朝、出てきた時点では、少しお話をしましたが、床面に出ている水の量というのが、1立米を少し下回る程度の量の水が出ておりましたので、それを出てきた人間で一応回収をし、拡散しないようにという形であちこち調査をしたり、滅菌作業をしたり、滅菌したものの処分をしたりということに追われまして、最終的に終わりましたのが3時過ぎという形で、その後、そこの時点でつかまえている情報をもとに、文部科学省に電話で御連絡差し上げたというのが事実でございます。
 
○吉岡 委員  もとの原因のところが確定しないと、最初のところからの出発というのが、いろいろあるのかなと思いましたもんで、その辺の兼ね合いが、今の説明でも余り私は理解ができないんですが。
 ただ、もう一つ、私も現場を見させていただいて、おっしゃるように、低温実験室などは音も確かに大きいですし、だから、ここで3人の方が指示を受けて確認をされたというのは、実際には外からの確認で、中に入っての確認はしていないということだと理解するんですが、そのようでよろしいでしょうか。
 
○橋口 参考人  そこが少し御説明不足のところはあろうかと思いますが、3人おりまして、1人はまだほかの部分といいますか、管理をしておりまして、2人で実は回ったと聞いております。そのかわり、2人で回って、日ごろそこで作業して回っている人間ではございませんので、どこにどういう流しがあるとか、こういういかつい扉のあるような実験室というのは、やはり特殊な実験室だと思って、なかなか中に入らないということがございます。したがいまして、P1エリアということもありまして、ある意味、なれない人間が点検に行ったということで、隅々まで見られなかったということが事実でございます。したがいまして、実際にフロアに入りまして、結構広うございますので、2人で回ったとしても小1時間であったり、1時間を超える時間が必要であったという現地の確認はしております。そのかわり、低温室の中まで入って見るということができていなかったということでございます。
 
○吉岡 委員  そうすると、もう一度確認しますが、法律上は、P1レベル、P2レベルの場合には、関係者以外の者の入室を制限するということになっておりますよね、法律上。そうすると、今、武田の警備ということでいきますと、いわゆる警備会社なんでしょうか、委託ということでございまして、どういう警備をされているのか。いわゆる一般的な警備ですと、普通に周りを回るということはありますけども、今回は実験室の中まで入って行うような警備が委託されて、そういうことも承知の上でやられているのかどうか、そこら辺をちょっと伺いたいんですが。
 
○橋口 参考人  警備につきましては、実験エリアの中まで入ってという警備にはなっておりません。したがいまして、通常は、異常時でないときの、例えば夜間警備というのは当然セキュリティーも重厚にかかっておりますので、その中で動いているという形で、実験エリアまで詳しく入ることはございません。ですから、今回、非常時という形で、日ごろ余り入ったことのないエリアで、原因探しという形で動いていただいたというのが実情でございます。
 
○吉岡 委員  そうすると、今回は、先ほどのお話ですと武田の藤沢寄りから1番、2番、3番、5号棟あって、アニマルですか、何だったっけ、さっき言っていましたよね、アニマルとバイオとケミカルですか、そういう棟の中の一番端っこの4のケミカル棟の4階だということでおっしゃっていましたけど。そうすると、先ほどの滅菌とか廃液を、そこの棟のところの経路として、そこの経路だけ、4−Cのところだけで30ぐらい実験室があるんでしょうか。先ほどの排水の経路でいきますと、そこの棟の排水路でしたよね。廃液が下のところで全部つながるようになっているというふうに私は理解したんですけど。そうすると、そのケミカル棟のところだけが問題だということが最初に認識されて、そこの警報機が鳴ったということでの調査だったんでしょうか。その辺もわからないので。
 
○橋口 参考人  御説明を現場でも差し上げたんですが、滅菌流しという、下で最終的にもう一回確認のために滅菌をして流すという、物を流してくださいという流しが30個ほどあの棟にありまして、そこで一括処理をしておったということでございます。したがいまして、そこの滅菌槽の満水警報が鳴って、中央監視のほうにシグナルとして行っております。それに対して、その場所は既に特定をできますので、そこに急行して対策をとったということです。
 
○吉岡 委員  そうすると、そこに流れる実験室が30あるということですよね。30、滅菌する、いわゆるさっき見せていただいた滅菌槽というんですか、流しですね。その30のところの実験室は、緊急の場合でしたら、警備員の方はかぎをあけて入ってもいいよというふうになっているんですか。
 
○橋口 参考人  一応実験エリアというのは、非常時は、そういう警備の人間を含めて入っていいという形になっております。かぎは、特殊な実験室以外は、その一つのかぎで実験エリアの中に入れば、一応その棟の中は確認がとれるようになっております。
 
○吉岡 委員  そうすると、今回は非常事態ということで、警備の方にきちっとしたそういう連絡がされて、それで30なら30のところは、さっき調査されましたと言っていましたよね、もしかしたら水漏れがあるかもしれないという調査をね。それは、一応そこの部屋には全部、30なら30、どこまでどういう実験をされたのか、それを全部使ったのか私はよくわからないんですが、そこは一応調べられたという。だけど、水の発見ができなかったという趣旨なんですか。
 
○橋口 参考人  低温室に、流しのところまで行っていないというのは聞いております。なぜ行かなかったのかということに関しては、詳しいいきさつというのはよくわかっていないわけですが、実際そこは見逃しているという形になります。音でもしていれば、恐らく見逃すことはなかっただろうという話もありますし、ああいう奥まった部屋でなければ見逃していなかっただろうという話はあるんですが、なぜそこを見逃したかというところについては、まだはっきりした原因はわかっておりません。実際そこの流しの前を通り過ぎたのかもしれませんし、逆にそこに行き着けなかったということなのかもしれません。いずれにしろ、そこが流れているということは、夜中の2回の点検、2回行かれたということですが、そこでは気づかなかったということでございます。
 
○吉岡 委員  そこに行ったかどうかの確認はされているんですね。
 
○橋口 参考人  行ったかどうかということに関しては、一応本人には聞きましたが、そこに関しては、行った覚えはないというふうに言っております。
 
○吉岡 委員  わかりました。さっき警備の3人とおっしゃいましたけど、C棟の警備は3人なのか、ちょっとわからないので。全体の警備が3人なのか、それともそれぞれの棟のところ、それぞれのところに警備があるのか、それとも集中のところにある程度警報器が鳴るような仕組みになっていて、それの中が3人なのか、ちょっとその辺を教えていただけますか。
 
○橋口 参考人  夜間、中央監視というところと防災センターというところに非常用のシグナルが行くようになっておりまして、中央監視という設備の管理をしているところに3人いたというふうに聞いております。そこの人間が、防災盤ですね、シグナルがどこから鳴るのか、どういうシグナルがいつどこに来ているのかというのを見ながら、夜中監視をしているという状況でございます。
 
○吉岡 委員  そうですか。じゃあ、3人でやっていらっしゃったということですよね。
 それで、廃液の量なんですが、それぞれの実験室によっても違うと思うんですが、1日で使う量というんですか、かなり多いものなんですか、廃液そのものは。
 
○橋口 参考人  今、対象になっております、最終的な滅菌を必要とするという、この流しの目的として排出しているものというのは非常に少のうございます。一般的な実験であれば、例えば10ccとか、10ミリリッターとか100ミリリッターとか、それぐらいの量が普通でございまして、そういう実験というのも非常にたくさんございます。
 それと、ここのエリアというのが、お話をしましたが、たんぱく質を精製してとるというところでして、そこで培養を必要とします。ですから、遺伝子組み換え生物で、たんぱく質が必要になりますので、それで必要なたんぱく質の遺伝子を導入して、たんぱく質を細菌につくっていただいて、それを入手するという仕事をしているエリアになりますので、そこで使う量としますと、培養液で言いますと、多いときで10リッターですね。少なければ5リッター、3リッターといった量が一般的に出てまいります。それを毎日やっているわけでは決してございませんので、トータルでいきますと、そんなに量としては出てこないと。100リッター、200リッターというのが丸1日の、先ほどお話ししました30の実験室ということではありませんで、30の滅菌流しがあるという形になりまして、そこを合わせて、それぐらいの量というのが実情でございます。それに合わせた形で、設備の大きさ、下の排水タンクの大きさというのを設計してございます。
 
○吉岡 委員  一つ一つの実験室で出る、いわゆる廃液というんですか、管理しなければいけない廃液そのものは少ないということで理解してよろしいですか。
 
○橋口 参考人  はい。そのとおりでございます。
 
○吉岡 委員  それと、先ほど廃液が下にオーバーフローしてしまって、それについては滅菌とかいろいろ作業をして、後で生物反応をしたということなんですけど。その前に、いわゆる廃液が漏れたときの、そこに生物がどうなのかというところの反応の調査というのはされていないんですか。要するに、最後に生物の反応はもうなかったよということはわかったんですけど、漏れた液が実際はどうだったのかという調査はされていないんですか。
 
○橋口 参考人  それはいたしておりません。
 
○久坂 委員  端的にお伺いします。いただきました報告書の2ページのところに、作業者の方のくつについて、滅菌室の外にも汚染がされているということを認めたという記述があるんですけれども、いわゆる緊急時の行動のためのマニュアルか何かを策定はされていて、それにのっとって作業者の方は行動はされていたんでしょうか。
 
○橋口 参考人  そこの部分は、一応、文書としてはございました。その方々にきちんと伝わっていたかというところが不備であったというふうに思っております。この文書に関して、ここに書いてありますという形でお渡しといいますか、お渡しはしてあったというふうに認識しているんですが、それを末端の方がすべて読んでいただいて作業をされたかということになると、こういう事態になっているということは、伝わっていなかったというふうに言わざるを得ないのかなというふうに考えております。
 
○飯野 委員長  参考人の方に御確認したいんですが、今、会が始まってから1時間たったんですが、冒頭10分ほど、環境部のほうから説明があったので、一応2時40分までということでよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 ありがとうございます。
 
○久坂 委員  今後、再発防止に向けていろいろされるという中で、マニュアルをつくっただけではなくて、その末端のほうに行き届いているかのチェックもなされると思っております。
 それで、先ほど社外の方の目を入れて、再発防止策をやっていくという話なんですけれども、こういったマニュアルの見直しですとか、先ほど見せていただいた防水の施設のところですよね、そういったハード面もすべて見直しが必要になってくるかと思うんですけれども、どういった点において、その社外の方の目を入れて防止に努めるかということをちょっと教えていただければと思います。
 
○三井 参考人  社外の専門家といいましてもかなり幅広くありますので、基本的には、我々の研究所における各設備面とか、あと、アクティビティーとかそういったあたりのチェック、あと、今回の危機管理というんですかね、そういう対応においてきっちりとした、何か起きたときに運用がなされるかどうか、そういったものをなるべく幅広く見ていただいて、その中で、ここはちょっとまだ甘いところがあるよと、そういった御指摘がある部分について、そういうのを1個1個つぶしていくという、そういうのをイメージしております。
 
○久坂 委員  わかりました。ぜひ二重にも三重にもいろいろ御制定をいただきまして、再発防止に努めていただくとともに、先ほどほかの委員からも御指摘がございましたけれども、周辺住民の方が結構注視をしていらっしゃいますので、十分な情報提供をしながらコミュニケーションをとっていただければと思います。
 
○渡邊 委員  二つ質問させていただきたいんですが。先ほど危機管理という話もあったんですけども、今回の場合は、この蛇口を閉め忘れた方が、もし閉め忘れるとこういうふうなことが起こり得るというふうな事後の危機管理じゃなくて事前の危機管理みたいなのは、教育というか、マニュアルに入っていたんでしょうか。
 
○橋口 参考人  その点は、同じ設備を、全く同じではございませんが、大阪の設備でも使っておりました。したがいまして、我々としては、ここに危険が潜んでいるというか、向こうで使っていたということもちょっとありまして、余りそこまで踏み込んで、末端の研究者まで御説明をしていなかったというのが事実でございます。したがいまして、これについては、本当にこういうことが起こってといいますか、本当は困るんですが、こういうことが起こってから我々も気づきまして、きちんとそれを説明していなかったというのが事実でございます。それもきちんと今回徹底して、こういう構造になっているので、もしここが流しっ放しになればという、今回はとってしまいましたので、最終的にはそういう御説明は要らないんですが、それを事前にやっていればというふうなところは確かに御指摘のとおりでございます。
 
○渡邊 委員  そうですね。事前の危機管理というのは、例えば今回は水を流し、ストップのし忘れですけれども、電源の消し忘れとか、いろんな想定できる危機管理もあると思います。事後のことばかりじゃなく、事前の危機管理もお願いしたいと思います。
 それと、二つ目の質問ですけれども、今回は人為的なミスによってこういうことが起こったわけですけれども、例えば、先ほど滅菌室を見せていただいたらば、複数社のメーカーが混合というんですかね、寄り集めて一つのシステムをつくっていたんですが、万が一どこかが故障したとかトラブルがあった場合は、メーカーをすぐ呼んで直す体制というのはどうなっているのか。あるいは、全体を管理する会社があると思うんですね、そのシステムをいろんなメーカーの部品を寄せ集めて。そういったところからの危機管理というのはどうなっているんでしょうか。
 
○橋口 参考人  その点は、詳しく私が把握しているわけではございませんが、今、そういう溶液関係と申しますか、そういう排水とかというところを設計していただいた会社というところがございます。そこの設計いただいた会社というのが、適切な各パーツというか、各業者さんから調達をしてきて今のシステムができておりますので、今その設計をしていただいた方が、そのふぐあいであったり、そういうときには、きちんとトータルで対応していただいているということでございます。したがいまして、そういうところとおつき合いをしていくのかなということで、トータルとして、全体としての管理といいますか、メンテというのができるように考えております。
 
○西岡 委員  ありがとうございます。今回、武田さんのこのヒューマンエラーによる事故は本当に残念だったなというふうに思います。午前中に行かせていただいて、なおさらそう思ったんですけれども、あれだけ大きな立派な創薬の研究所で起こった、このヒューマンエラーの原因ですよね。それが水道栓の閉め忘れであるということで、それも、それが発見できなかったことによって、ここまでの事故になった。この閉め忘れを発見できるような体制、今回はとってしまいましたけど、それに類するような危険の芽というのはほかにもあるというふうに先ほどおっしゃいましたので、何かそういうヒューマンエラーに対する危機管理というものをどういうふうに考えていらっしゃるのかお伺いします。
 
○三井 参考人  もちろんヒューマンエラーというのはないにこしたことはないんですが、やはりどうしても、どう気をつけてでもヒューマンエラーというのは起こり得るだろうと。そのときの対応策として、二重、三重のフェールセーフをきっちりとっていくというのが我々の考え、これまでもそうですし、これからもそうなんですが、今回に関しまして、そこのところが十分機能しなかった、これは極めて反省すべき点だと思っています。先ほどの、例えば閉め忘れということに関しましては、そこのフロアの責任者なり、そこで働いている人たちさえ早く呼べば、そこで発見するスピードが一気に速まります。ですから、先ほど少し申し上げましたが、そういったフロアに各フロアの責任者、及び短時間で設備に駆けつけることができる研究者のリストというのと緊急連絡先を張ると。そういったことで、何らかの問題が起きたときには、そこの責任者がすぐ駆けつけられるような体制をとろうと思っています。
 これはあくまでも一例でありまして、そういったいろんなケースを今から想定して、さらにそういった面の強化を図っていきたいと思っております。
 
○西岡 委員  先ほど教育というお話をなさいましたけれども、やはり研究者お一人お一人の教育の基本的なことである、私たちも家で、例えば出かけるときにガスの元栓を閉めたとか、本当にそういう基本的なところは毎日繰り返しやるわけですけれども、そういった点が非常に軽視されていたんではないかなというふうに思うんですが。
 先ほど見せていただきまして、流しのところに注意事項的なものが張ってございましたよね。そこに、栓を閉めるという項目も確かに書いてありました。それは流しの栓を閉めるということでよろしいんですよね、あれは。もちろん水道の栓を閉めるなんていうことは当たり前ですから書かれませんけれども、いかがですか。
 
○橋口 参考人  きょうごらんになっていただいたところは対策後でございまして、あそこを今後利用する場合に、改正したSOPの中から抜き出して箇条書きにしました。したがって、SOPはもう少し長い文章になっておりまして、それを読めといってもなかなか、先ほどのお話じゃないですけど、読まない。ですから目の前に張って、それを箇条書きにして簡単に指示をしたという形で書かせていただきました。
 あれは、今後はあそこに、一応流れる量が限られていますので、まずふたをして、きちんと流していいものかどうかの判断もしようという形で、ふたをあけて使って、きちんと消毒をして、流しを洗い流した後、もう一度ふたをするという確認作業を、あの流しを使うときにはさせようという形のSOPに変えました。だから、そういうところも、重要な点はもうSOPにお任せするんじゃなくて、現地に張ると、しかもそれの簡易版としてきちんとした作業ができるような文章に変えて張るということを進めております。
 
○飯野 委員長  済みません。もう、間もなく時間となりますので。
 
○西岡 委員  わかりました。そうしますと、事故後にあれはなさったということでよろしいわけですね。
 最後に1点だけ。一番下のところに1メーターぐらいの範囲で、免震室ですね、そこで排水溝までは20メーターあるというふうにおっしゃいましたけど、それは上のほうでは液が漏れないように、防液堤をつくっていただきましたけれども、その免震室にはそれはあるんでしょうか。免震室でもし広がった場合には、そのまま排水溝に流れてしまうんですか。
 
○橋口 参考人  きょう見ていただいたところにもありましたけど、一応そこにも受けはつくってございます。基本的には20メーターほどあると申し上げましたが、20メーターほどあるといっても、あの部分というのは、基本的に排水溝としてつくっている部分はございません。あそこの免震層に水がたまるような構造に実はなっております。ですから、一応コンクリートを打ってあるその中にあって、その上にもう一つ免震層が乗る床があってというところに今こぼれております。ですから、あれがもしたくさん流れてということになると、免震層の中にたまる構造という形になっております。
 
○飯野 委員長  一応お約束の時間が1時間ということで、ちょっと10分ほどオーバーさせていただいたので、これで質疑を打ち切らせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 
○飯野 委員長  それでは、質疑を打ち切ります。
 以上で、参考人に対する意見の聴取を終了いたします。
 三井様、橋口様におかれましては、委員会を代表して、改めてお礼を申し上げます。本日はお忙しい中、当委員会に御出席くださり、心から感謝を申し上げます。当委員会としては、御発言いただいた内容を、今後の委員会活動に十分生かしてまいりたいと思います。本日はありがとうございました。
 それでは、参考人退室のため、暫時休憩いたします。
              (14時42分休憩   14時50分再開)
 
○飯野 委員長  それでは、再開いたします。
 原局への質疑をお願いいたします。発言のある方は挙手でお願いいたします。
 
○三宅 委員  先ほど武田の方もお話をちょっとしてくださったんですけれども、私が聞いたことに対してなんですが、何か事故があったときに、研究所内の訓練、避難訓練、そういったこと、そして地域の訓練ということについてのお考えを聞いたところ、ちょっと市と協議してということでした。学校とか保育園とか病院とか、近くにありますね。それだけではなくて大きなマンションもありますし、小さいお子さんを抱えている御家族の方でも心配なさっています。そういう訓練ということについては、市としてはどのようなお考えをお持ちかなということをまず聞きたいと思います。
 
○環境保全課長  ただいまのお話なんですけれども、今回のような事故等を受けて、私どもも反省しているところがございます。それにつきましては、やはり連絡体制、それからそれについてどういうふうな行動をとっていくのかというようなところ、まずその基本的な部分が不十分であったというところもあります。ですから、まずは私どものほうにきちっと情報が来て、そして市として共有ができるような体制をつくっていきたいなというふうには考えております。それから、それを踏まえてまた行動をとっていくということになるというのが、今回の反省を踏まえてのことでございます。
 それで、日ごろからのということで、訓練ということについては、前に地元の会長さんともお話ししたことがございます。ただ、この武田薬品に特定しての話ということでは、特に話がそれ以上には進んでは実際にはおりません。ですから、こういったこともございましたので、今後ちょっと自治・町内会との協議をしていきたいなというふうには考えております。
 
○三宅 委員  そうですね。先ほどは直ちに避難するようなことはないというふうにおっしゃいましたけれど、今回もそうでしたが、大丈夫だとずっと言われてきていたのに、やはり事故というのはあるので、何が起こるかわからないということを前提に危機管理等を考えていただきたいと思っています。これはそこに住んでいる方たちが、その方々の気持ちが第一ですから、ちょっと早速お話をしていただきまして、具体的に進めていただきたいと思います。
 それと、この再発防止の対応策が出ると思いますけれど、本日中にも出すというお話でした。出たら、またすぐ御連絡をしていただくということになりますか。
 
○環境保全課長  先ほどのお話で、きょう夕方にでもというお話でございます。うちのほうで内容を確認して、速やかに皆様のほうのお手元に届けるような形をとりたいと思っております。
 
○三宅 委員  私どももそうなんですが、やはり広く知っていただくために、ちょっとホームページにわかるように載せていただくとか、そういうことは大丈夫でしょうか。
 
○環境保全課長  そういった方向も検討してまいりたいと思います。
 
○三宅 委員  ぜひよろしくお願いします。きょうも傍聴の方がたくさんいらっしゃいました。皆さん注目をしていらっしゃいますので、どういう対応策がとられているかということは知っていただきたいと思いますので、お願いします。
 それから、私どもいつも申し上げております、条例を前期に提案をさせていただきました立場上、またこの間の一般質問でも少し触れさせていただきました。鎌倉市遺伝子組み換え実験施設に係る環境安全を確保する条例、これは専門の方にもお入りいただきまして提案をしたものなんですけれど、直接鎌倉市の中にある企業ではないので、武田薬品の新研究所の場合でも、市内でもそういう研究所、遺伝子組み換えをしているところがありますね。何かあったときの、これも危機管理の一つだと思うんですね。この条例についての、今までのお答えよりちょっと進めていただけたらいいなというふうに思うんですが、そのあたりの御見解はいかがですか。
 
○環境保全課長  市内にも、お話のとおり、該当するような施設、3カ所ほどございます。それで、この御質問につきましては、何度か御回答をさせていただいているところなんですが、基本的には、今回の事故に関して文科省への届け出があったというのは、これは法律の、通称カルタヘナ法に基づいての届け出、そして神奈川県のバイオテクノロジーの安全管理指針と、これらに基づいて、こういうものが整備されてきたことによりまして、安全性の確保に関しましてはかなり進んでいるというふうには私どもは思っております。ですから、現在のそういった条例を設けているところが、かなり限られた市、町であることは確かだと思いますけれども、現時点では、それについて、そういった状況を調査、研究していきたいというところで私どもは考えております。
 
○三宅 委員  今回の事故というのも、一つ、大きなきっかけになると思うんですね。自治体がそれだけ住民が安心して安全に暮らせる生活を確保するという意味で、その意思表示ということでもあると思いますので、また、私どももう一度考え直していきたいと思いますし、行政としてもそういう目線でぜひ見ていただきたいと思っています。
 
○長嶋 副委員長  先ほどちょっと時間がなくて、私はお聞きできなかったので、ちょっと課長のほうから、要望だけちょっと言っておいていただけたらなと思うんですけど。どうも今、各委員さんの質疑をされている内容を聞いていると、武田さんがこれだけの大企業で、こういった施設を持ちながら危機管理意識がちょっと薄いかなと言わざるを得ない質疑の中身でした。非常時の指揮命令系統が、ちょっとお答えも何かあいまいですし、それから最終的にだれに連絡をして、だれが責任を持って判断して指示をするのかということもちょっとあいまいですよね、お答え的には。その辺の危機管理意識というか、そこがちょっと、これだけの大企業がこれだけのことをやっていて、3人の夜の体制もそうですけど、ちょっとお粗末かなと私はそういう印象を受けました。
 私も某田舎の村で施設の長をあずかっていたことがあるんですけど、そこで上から言われたことは、夜中でも携帯電話をまくらのところに置いておけ、それで、いつでも連絡がとれるようにしておけ、と言われました。たまに夜中にチェックの電話が入ることがあったんですよ。私は村の施設にいたので、村長から電話が入る。出ないと、次の日に怒られるわけですよ、朝。これ、当たり前です。
 普通だったら、そういう危険なものを扱っているわけですから、ちょっとそういう意識がないかなという。朝、たまたま出勤した職員がたまたま蛇口があいているのを見つけられて、これ、たまたまがなかったらどうなっているのかなと思うような事態ですよね。夜中でも、施設長の携帯電話なりに電話をして、判断を仰げるような体制をとっておかなければ、これだけの施設ですから、当然そのくらいあってしかるべきだと思うので、そういったことをやるべきではないかなと思うので、その辺の要望をしていただければと思いますが、お願いできますか。
 
○環境保全課長  危機管理意識につきましては、本部長が市長のほうに来ましたときに、改めて徹底していくというような宣言を申しておりました。それは伝わっていくと思います。その一つの方法として、今御提案のようなものも含めて、私どものほうから伝えたいと思っております。
 
○飯野 委員長  よろしいですか。これで質疑を打ち切ってよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、質疑を打ち切ります。
 この報告について了承ということでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 総員の了承ということで、確認させていただきます。
 質疑はこれで終了いたしましたので、インターネット中継のほうはここで終了ということになります。その後、委員長報告の読み合わせということになりますので、暫時休憩をいたします。
              (15時02分休憩   15時05分再開)
 再開後、日程に沿って次のとおり審査を行った。
2 議案第56号指定管理者の指定について
 委員長報告の内容を検討し、「指定管理者の公募に当たっては」を「指定管理者の公募にあたっては」に修正し、これを了承した。
3 議案第62号鎌倉市知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例の制定について
 委員長報告の内容を検討し、「観光厚生常任委員会における審査の経過と結果を報告」を「観光厚生常任委員会における審査の結果を報告」に修正し、これを了承した。
4 議案第66号平成23年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)につい
  て
 委員長報告の内容を検討した結果、これを了承した。
5 陳情第44号認定保育施設に在籍する園児の保護者に対する助成金の増額についての陳情
 委員長報告の内容を検討し、「保育料の格差是正の方向に向けて、さらなる検討を」を「保育料の格差是正に向け、さらなる検討を」に修正し、これを了承した

 以上で本日は閉会した。



 以上は、会議の顛末を記録し、事実と相違ないことを証する。

   平成23年12月21日

             観光厚生常任委員長

                   委 員