○議事日程
平成22年 9月定例会
鎌倉市議会9月定例会会議録(2)
平成22年9月2日(木曜日)
〇出席議員 28名
1番 千 一 議員
2番 安 川 健 人 議員
3番 長 嶋 竜 弘 議員
4番 赤 松 正 博 議員
5番 山 田 直 人 議員
6番 中 澤 克 之 議員
7番 西 岡 幸 子 議員
8番 石 川 敦 子 議員
9番 飯 野 眞 毅 議員
10番 渡 辺 隆 議員
11番 久 坂 くにえ 議員
12番 高 橋 浩 司 議員
13番 小田嶋 敏 浩 議員
14番 池 田 実 議員
15番 渡 邊 昌一郎 議員
16番 納 所 輝 次 議員
17番 三 宅 真 里 議員
18番 太 田 治 代 議員
19番 岡 田 和 則 議員
20番 早稲田 夕 季 議員
21番 中 村 聡一郎 議員
22番 吉 岡 和 江 議員
23番 高 野 洋 一 議員
24番 前 川 綾 子 議員
25番 伊 東 正 博 議員
26番 大 石 和 久 議員
27番 石 川 寿 美 議員
28番 松 中 健 治 議員
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〇欠席議員 なし
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〇議会事務局出席者
事務局長 讓 原 準
次長 小 島 俊 昭
次長補佐 田 中 良 一
次長補佐 原 田 哲 朗
議事調査担当担当係長 成 沢 仁 詩
議事調査担当担当係長 谷 川 宏
書記 窪 寺 巌
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〇理事者側説明者
番外 1 番 松 尾 崇 市長
番外 2 番 兵 藤 芳 郎 副市長
番外 5 番 瀧 澤 由 人 経営企画部長
番外 8 番 小 村 亮 一 総務部長
番外 9 番 酒 川 学 防災安全部長
番外 10 番 小 礒 一 彦 市民経済部長
番外 12 番 石 井 和 子 健康福祉部長
番外 13 番 相 澤 千香子 環境部長
番外 16 番 廣 瀬 信 都市調整部長
番外 17 番 山 内 廣 行 都市整備部長
番外 20 番 熊 代 徳 彦 教育長
番外 21 番 宮 田 茂 昭 教育総務部長
番外 22 番 生涯学習部長
植 松 芳 子
番外 7 番 生涯学習推進担当担当部長
番外 59 番 宮 田 好 朗 選挙管理委員会事務局長
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〇議事日程
鎌倉市議会9月定例会議事日程(2)
平成22年9月2日 午前10時開議
1 諸般の報告
2 一般質問
3 報告第8号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る ┐
専決処分の報告について │
報告第9号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る │
専決処分の報告について │
報告第10号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の │ 市 長 提 出
額の決定に係る専決処分の報告について │
報告第11号 継続費の精算報告について │
報告第12号 平成21年度決算に基づく健全化判断比率の報告について │
報告第13号 平成21年度決算に基づく資金不足比率の報告について ┘
4 議案第21号 平成22年度鎌倉市一般会計補正予算に関する専決処分の承認 同 上
について
5 議案第22号 市道路線の廃止について ┐
│ 同 上
議案第23号 市道路線の認定について ┘
6 議案第24号 工事請負契約の変更について 同 上
7 議案第25号 物件供給契約の締結について ┐
議案第26号 物件供給契約の締結について │ 同 上
議案第27号 物件供給契約の締結について ┘
8 議案第28号 委託料請求事件への独立当事者参加について ┐
│ 同 上
議案第30号 指定管理者の指定について ┘
9 議案第29号 神奈川県後期高齢者医療広域連合規約の変更に係る協議につ 同 上
いて
10 議案第31号 都市公園を設置すべき区域の決定について ┐
議案第32号 岩瀬下関地区防災公園街区整備事業の事業区域における公園 │ 同 上
事業の直接施行の同意について ┘
11 議案第42号 鎌倉市市税条例の一部を改正する条例の制定について 同 上
12 議案第41号 鎌倉市職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の 同 上
制定について
13 議案第43号 鎌倉市立小学校及び中学校の設置に関する条例の一部を改正 同 上
する条例の制定について
14 議案第44号 鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例の一部を改正す 同 上
る条例の制定について
15 議案第45号 平成22年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号) 同 上
16 議案第46号 平成22年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1 同 上
号)
17 議案第33号 平成21年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算の認定について ┐
議案第34号 平成21年度鎌倉市下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定に │
ついて │
議案第35号 平成21年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特 │
別会計歳入歳出決算の認定について │
議案第36号 平成21年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の │
認定について │
議案第37号 平成21年度鎌倉市老人保健医療事業特別会計歳入歳出決算の │ 同 上
認定について │
議案第38号 平成21年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決 │
算の認定について │
議案第39号 平成21年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定 │
について │
議案第40号 平成21年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算 │
の認定について ┘
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〇本日の会議に付した事件
1 諸般の報告
2 一般質問
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鎌倉市議会9月定例会諸般の報告 (2)
平成22年9月2日
1 陳情5件を陳情一覧表のとおり受理し、付託一覧表のとおり各委員会に付託した。
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平成22年鎌倉市議会9月定例会
陳情一覧表 (2)
┌─────┬────────────────────┬────────────────────┐
│受理年月日│ 件 名 │ 提 出 者 │
├─────┼────┬───────────────┼────────────────────┤
│ 22.8.26 │陳 情│「住民意思尊重」こそ民主主義の│鎌倉市由比ガ浜二丁目15番10号 │
│ │第 17 号│要であることから、国家政策の立│ 神 谷 扶 左 子 │
│ │ │案、実施に際しては、地方自治体│ │
│ │ │において明示された住民意思を尊│ │
│ │ │重し、その反映に最善の努力を尽│ │
│ │ │くすよう、政府に対する貴議会か│ │
│ │ │らの意見書提出を求める陳情 │ │
├─────┼────┼───────────────┼────────────────────┤
│ 22.8.30 │陳 情│鎌倉市のごみ問題に関し、「ゼ │鎌倉市由比ガ浜四丁目12番22号 │
│ │第 18 号│ロ・ウェイストかまくら」方針を│アール・ド・リヴァージュ鎌倉由比ガ浜 │
│ │ │促進させることについての陳情 │201号室 │
│ │ │ │ 豊 洲 吉 孝 │
│ ├────┼───────────────┼────────────────────┤
│ │陳 情│米軍基地飛行場移設に関する5月│横浜市神奈川区西寺尾三丁目9番1号 │
│ │第 19 号│28日日米共同声明の見直しを求め│D141 │
│ │ │る意見書提出についての陳情 │無防備宣言運動有志の会 │
│ │ │ │代 表 高 畑 宅 二 │
├─────┼────┼───────────────┼────────────────────┤
│ 22.8.31 │陳 情│御成小学校講堂の活用についての│鎌倉市梶原三丁目32番9号 │
│ │第 20 号│陳情 │鎌倉中世博物館を支援する会 │
│ │ │ │代 表 中 島 章 夫 │
│ ├────┼───────────────┼────────────────────┤
│ │陳 情│鎌倉体育館駐車場台数削減に反対│鎌倉市大船五丁目2番46−104号 │
│ │第 21 号│する陳情 │卓球クラブ「やよい」 │
│ │ │ │代 表 玉 井 直 子 │
└─────┴────┴───────────────┴────────────────────┘
付託一覧表 (2)
┌─────┬─────┬───────────────────────────────────┐
│付託年月日│付 託 先│ 件 名 │
├─────┼─────┼────┬──────────────────────────────┤
│ 22.9.2 │総務 │陳 情│「住民意思尊重」こそ民主主義の要であることから、国家政策の立│
│ │常任委員会│第 17 号│案、実施に際しては、地方自治体において明示された住民意思を尊│
│ │ │ │重し、その反映に最善の努力を尽くすよう、政府に対する貴議会か│
│ │ │ │らの意見書提出を求める陳情 │
│ │ ├────┼──────────────────────────────┤
│ │ │陳 情│米軍基地飛行場移設に関する5月28日日米共同声明の見直しを求め│
│ │ │第 19 号│る意見書提出についての陳情 │
│ ├─────┼────┼──────────────────────────────┤
│ │文教 │陳 情│御成小学校講堂の活用についての陳情 │
│ │常任委員会│第 20 号│ │
│ │ ├────┼──────────────────────────────┤
│ │ │陳 情│鎌倉体育館駐車場台数削減に反対する陳情 │
│ │ │第 21 号│ │
│ ├─────┼────┼──────────────────────────────┤
│ │観光厚生 │陳 情│鎌倉市のごみ問題に関し、「ゼロ・ウェイストかまくら」方針を促│
│ │常任委員会│第 18 号│進させることについての陳情 │
└─────┴─────┴────┴──────────────────────────────┘
(出席議員 28名)
(10時00分 開議)
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○議長(赤松正博議員) 定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。6番 中澤克之議員、7番 西岡幸子議員、8番 石川敦子議員にお願いいたします。
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○議長(赤松正博議員) 日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
お手元に配付いたしました印刷物のとおりであります。
ただいまの報告に御質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
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○議長(赤松正博議員) 日程第2「一般質問」を昨日に引き続き行います。
まず、納所輝次議員の発言を許可いたします。
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○16番(納所輝次議員) それでは通告に従いまして一般質問を行います。今回は教育行政の諸課題についてということで、一つ目には市立小・中学校の道徳教育などのあり方について、また二つ目には中一ギャップの解消と小中一貫教育について質問させていただきますけれども、小中一貫教育については昨日複数の同僚議員から質問もございました。重複する部分もありますけれども、私なりの文脈でお尋ねしてまいりたいと思いますので、明快なる御答弁をどうぞよろしくお願いいたします。
まず、小・中学校の道徳教育等のあり方についてお伺いをいたします。道徳教育では指導内容を単元とは呼ばず題材と呼んで、また教材も正式には教材とは呼ばないで資料と呼ぶそうでございます。この道徳教育の資料は教師の創意工夫によって提供されることが中心で、NHK教育テレビ、ラジオ第二放送などの教育番組のほか、教育委員会の編纂資料、文部科学省監修の心のノート、教科書出版社などが作成した道徳資料集などが使われたり、また低学年では絵本の読み聞かせもよく行われていると聞いております。その中の心のノートでございますが、これは平成14年から文部科学省が監修して、道徳の資料としてすべての小・中学校に無償で配布してきたものだそうでございます。この心のノートは児童・生徒が身につける道徳の内容をわかりやすくあらわして、道徳的価値についてみずから考えるきっかけになるものとして、道徳の時間を初め、学校の教育活動のさまざまな場面で使用するとともに、児童・生徒がみずからページを開いて書き込んだり、家庭で話題にしたりするなど生活のさまざまな場面において活用することができるものとされております。文部科学省の調査によると既に、小・中学校の9割がこの心のノートを使用しているといいます。そこでお尋ねいたしますけれども、鎌倉市立の小・中学校において心のノートはどのように使われているか、お尋ねいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 心のノートにつきましては、道徳の時間を初め、学校の教育活動のいろんな場面で、必要に応じて活用しております。例えば学期の初めにですね、自分の進路を考えるなど節目のときに、その記入式のページを使って客観的に自分のことを見つめ直したりするときに、その心の成長記録的に使ったりしております。また道徳の時間には、テーマごとにほかの資料との組み合わせで、その時間に感じたことや考えたことをまとめとして記録する、などとして活用しております。
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○16番(納所輝次議員) その心のノートを含む道徳教育の関連事業が、昨年秋に政府の行政刷新会議において行われました事業仕分けの対象となりまして、そこで下された結論は3分の1から半額の縮減というものでございました。道徳教育の関連事業には、この心のノートの活用事例集や外部講師派遣の支援なども盛り込まれておったものでございます。文部科学省では心のノートの一律配布を見直してウエブに掲載するかわりに、活用事例集をつくって普及を図る狙いもありましたけれども、その活用事例集すら事業仕分けにおいて国としての支援の役割は終わったとされてしまいました。事業仕分けの影響は既に本年度予算にもあらわれておりまして、心のノートの来年度配布分の経費を計上している本年度予算では、希望する学校のみに配布する仕組みに変更されております。そこでお伺いいたしますけれども、鎌倉市は心のノートの来年度の配布を希望しているのかどうか、また鎌倉市の道徳教育の現状において、心のノートの配布がなくなることへの影響はあるのかお伺いをいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 今、御指摘のとおり、心のノートにつきましては平成23年度から配布がされなくなるというふうな情報でございます。また平成23年度からはですね、心のノートについてはウエブ配信されるということで情報が入ってきております。本市では心のノート以外にも、資料として鎌倉の話や読み物教材などを活用しております。今後その心のノートについてはウエブ配信されるということでございますので、ウエブ上のほうから必要に応じてダウンロードして、活用していきたいというふうに考えています。
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○16番(納所輝次議員) ウエブでダウンロードしてさらに印刷ということは、逆に学校の少ない経費がかかってきてしまうということもございます。必要なものを必要な分印刷すればいいじゃないかということもありますけれども、多忙をきわめる担当教師の二度手間にもなってくるのかな、という心配もあるわけでございます。ただ一方、初めから落としどころを決めた心のノートよりも、教師が工夫してこその道徳教育ではないかとして、現場での影響は少ないとする声もあるそうでございます。心のノートを4冊お借りをいたしました。小学校が各2学年ずつ3冊、そして中学生分が1冊ということで4冊お借りして見てみたんですけれども、結論を一つに誘導する傾向がないわけではないんですけれども、その結論はだれが見ても社会のコモンセンスであり、異論を挟むことがない正論でございました。ところがこの心のノートについて結論を下した仕分け人の中からは前政権の政治家が修身の復活を期待し、文科省も無理やりつくらされたのではないかとか、道徳性は強制されて身につくものではないという意見があったそうでございます。そこでお伺いいたします。心のノートには戦前の修身の復活を促すような内容があるのか、そもそも道徳性とはどうやって身につくものなのか、教育者である教育長のお考えを伺いたいと思います。
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○熊代徳彦 教育長 道徳性はどうやって身につくものなのか、についてのお尋ねでございます。まず先にその心のノートの問題でございますけれども、内容を見ておわかりかと思いますけれども、戦前の修身のような内容の部分はないというふうに思っております。ただ、この部分はどうなのかと個々に見ていったときにどうなのかなというのがございますけれども、素直に読んでいけばそういうところはないというふうに思っております。
次に道徳性に関するお尋ねで、どうやれば身につくのかというような問題でございますが、私は次のように考えます。まず、人はあらゆる可能性、無限の可能性を秘めて、この世に生を受けて生まれ出てくるものと思っております。その秘めたる可能性を開花させる手助けをするのが、教育の役割の一つであると考えます。その教育は学校で受ける教育がすべてではなくて、家庭教育であり、地域社会の中における教育も含まれます。したがって、人は人間社会のさまざまなところで受ける経験・体験を通しまして、みずからの可能性を開花させながら、その人固有の人間性を形成していくものだと考えております。道徳性とは一口に言えば、この人間社会を生き抜いていくルールを身につけていくことにあると言えますし、狭義には、自己抑制力と置きかえることもできるのではないかと思います。これを身につけるためには、小さいころからいかに多くの人と濃密な人間関係、いわゆるいかに多くの人と交わる機会を持てるかにかかっているのではないかと思います。今の子供たちはそういう意味では、その機会が昔に比べれば極端に少なくなっている。その点が私は気になっております。そういう意味で、昨日から行われている小中一貫教育、これが少しでも子供たちの間に、上も下もない、お兄さんもお姉さんも自分たちも一緒に、多くの濃密な人間関係ができる場になればありがたいなというふうに思っております。
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○16番(納所輝次議員) 今のお話に全く同感でございまして、そのコミュニケーションというもののあり方、昨日からの議論の中でも、小中一貫教育に限らず職員間のコミュニケーションであるとか、重要なテーマとして昨日から議論されておりますけれども、その濃密なコミュニケーションの中で一つの道徳性というもの、また開花していくのではないか、そういったきっかけが与えられる場が多ければ多いほど、その道徳性というものが身についていくのかな、と思います。
さっきの仕分け人の、道徳性は強制して身につくものではない、という意見でございます。これ一見正論のような主張に聞こえます。しかし私が学生時代に強制的に学ばされたものがあるんですが、100年も前に活躍したフランスの社会学者エミール・デュルケームの著書、道徳教育論によりますと、道徳は個人が制定過程に関与するものではなく、社会から外部的に与えられるものである。さらに道徳には強制により実現される義務と、それを遵守すれば社会から果実を得られる前途があると述べ、道徳は家庭や学校や社会が一定の権威を持って教え込まれるものであるとしております。
仕分け人が使ったその強制という言葉には、戦前の修身を否定するという意味が込められているであろうことはわかりますけれども、では子供たちがどうやって社会のコモンセンスやルールを受け入れるのかという議論がなくて、それに対してその場できちんと反論できなかった文部科学省側にも大きな責任があるのではないかと思うわけであります。さらに仕分け人からは、使用の是非がある以上、心のノートの役目は終わったと考えてもよいのではないかという意見も出たそうでございます。鎌倉市の道徳教育は、心のノートのみで行われてはいないわけで、私自身もその心のノートがなければ道徳教育ができないなどとは当然思わないわけでございます。ただ政権がかわるたびに影響を受けるような道徳教育は、鎌倉の子供たちには受けさせたくない。そこで大事なのが、教師の存在ではないかと思うわけでございます。
幾ら優秀なコンピューターでも人間は育てらません。教科書だけでは人格は磨けません。人間だけが人間を磨くことができるのではないか。先ほど教育長がおっしゃったそのコミュニケーションの大切さもそこにあるのではないかと思うわけであります。学校でも教師一人が行うのではなくて、全教職員が協力して道徳教育の実践に取り組んで意識を高め、各学校の創意を生かした指導計画を策定し、実行するものであると考えます。鎌倉市の道徳教育の実践においても、この指導計画が生きて働くような教職員の意識の高まりが求められると考えられますが、これについても教育長の見解をお伺いしたいと思います。
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○熊代徳彦 教育長 道徳は、児童・生徒だけの問題ではないというふうに思います。教師自身のこれは課題でもあろうかと思っています。児童・生徒に教え込もうとするのではなくてですね、教師みずからが児童・生徒とともに考え悩み、感動を共有しながら学んでいくという姿勢が大切であるというふうに考えます。計画の策定に当たりましては、例えば各教科等における道徳教育にかかわる指導の内容及び時期を整理したもの、あるいは道徳教育にかかわる体験活動や実践活動の時期等が一覧できるもの、あるいは道徳教育の推進体制や家庭や地域社会等との連携のための活動等がわかるものを別様にして加えるなどいたしまして、年間を通して具体的に活用しやすいものとしております。
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○16番(納所輝次議員) 多忙をきわめる先生方でございます。ただ、道徳教育は道徳の時間だけで身につけさせるものではないという中で、なるべく教師と子供たちとのその濃密な時間というものを確保していかなければいけない。そしてさらには教師がさらにコミュニケーションを高め合いながら、それぞれの道徳観というもの、これが一番児童・生徒にふさわしい道徳観というものを模索をしながら触れ合っていく。そういった体制がつくられることが一番大事ではないのかと思うわけでございます。
その行政刷新会議の事業仕分けでは実施が迫った小学校英語やICT活用推進の関連予算に対しても厳しい査定が下されました。そこでは英語ノートの配布や、実践研究を含んだ英語教育改革総合プランが廃止とされ、教材の配布はデジタル化で十分との結論に達しました。平成20年3月28日に改訂された小学校学習指導要領により、小学校五、六年生で週1時間の外国語活動が実施されることになり、小学校五、六年生用外国語活動のテキストとして英語ノートが開発されました。この英語ノートについては、以前から英語に取り組む学校では一部使うだけなのでウエブで十分であるとか、外国語活動はテキストを見ながらの学習ではないという声がある一方、年間指導計画を立てるためのよりどころとなっていた、なければ混乱すると、危機感を感じる若手の教員もいるということでございます。
小学校の外国語活動は、来年度全校で本格実施されるということでございますが、それに先駆けて御成小学校が平成19年度に神奈川県教育委員会の研究委託校、平成20年度には文部科学省研究委託の拠点校として、本市の外国語活動推進の基盤づくりのためのパイロット校的役割を果たしており、また腰越小学校では平成21年度の神奈川県教育委員会の研究委託校として、表現力豊かな子を目指してという主題のもと、英語活動を通して人とかかわる力、コミュニケーション力を育てるという研究内容で小学校の外国語活動を行っていたということでございます。研究委託校では具体的にどのような外国語活動を行っていたのか、また、ほかの小学校では平成21〜22年度の先行実施期間にどのような活動を行っているのか、その際、英語ノートをどのように活用しているのか。そして鎌倉市の今後の小学校の外国語活動はどのように進めていくのか、ちょっとまとめてお答えをいただきたいと思います。
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○宮田茂昭 教育総務部長 英語ノートにつきましては、平成23年度については、今までどおり配布される予定だと。24年度からウエブ上の配信になってくるという予定になっているというふうに情報が入っております。ただいま御質問にありました御成小学校、腰越小学校では、研究委託校として英語活動に取り組んでまいりましたが、両校ともまず外部講師を招いて講演であるとか、授業参観等の研修会を持ち、また担任がALTであるとか英語活動サポーターとともに、自分のクラスの児童の実態に即した題材をもとに英語活動を行ってまいりました。また実践した成果や課題については研究発表会等において、市内外の先生方にも発表したということでございます。
鎌倉市では平成20年に、小学校英語活動ガイドラインというものをつくりまして、それに基づいて独自の活動事例集を作成、また市内全小学校教員に配布しております。活動事例集の中では英語ノートの活用の仕方を紹介しております。各学校においては今の小学校英語活動ガイドラインに基づきまして、児童の実態に即した題材を取り上げて、全職員共通理解のもと、指導計画を策成してまた実践しながら、自校の英語活動の形をつくっているところでございまして、教育委員会としてもできるだけ信用しているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) 非常に手間をかけた、また意欲的に取り組まれてきたということでございます。事業仕分けにおいて無駄を省くという名目で、教育現場の教育内容まで仕分けることについては議論の余地があると思いますが、しかしそのような変化はこれから先幾らでも起こってくる時代ではないかと思うわけでございます。教育現場においてはさまざまな状況の変化に振り回されることなく、自信を持って鎌倉市の教育に取り組んでいただきたいと思います。
次にまいります。次に中一ギャップの解消と小中一貫教育についてお伺いをしたいと思います。鎌倉市立小・中学校の不登校児童生徒数の過去の推移を見ておりましたら、平成18年度に急に小学校、中学校ともに不登校の人数がふえておりました。これは鎌倉市だけの問題ではなく、この年は全国やまた神奈川県でも同じようにふえているという傾向が数字にあらわれておりました。この平成18年度に急に小学校、中学校ともに不登校の人数がふえたことについて、その背景はどのように分析されているのかお伺いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 18年度に小中児童・生徒の不登校の数がふえたという御質問でございますが、その年度において、不登校あるいはその不登校の傾向にある子供へのきめ細かい支援を積極的に行っていこうということで、当時の集計において病気として欠席扱いになっていたケースなどについても、詳しく調査、集計したということによるものと考えております。
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○16番(納所輝次議員) 鎌倉市で平成18年度の不登校の人数が、それ以降いわゆる高どまりの様子を示して今に至っているようでございますけれども、特に不登校児童・生徒出現率、これは鎌倉市は全国平均を上回っているという状況でございます。その人数の出方の多い少ないは、今ございましたように統計の取り方によるとしても、不登校は少なからず存在するということになると思いますし、また不登校はどこの学校にも起こり得ると考えてよいと思います。この不登校を含む生徒指導上の問題行動の背景には人間関係づくりの能力の未熟さが指摘されております。しかも児童・生徒が人間関係づくりの力を身につける場は得にくくなっている。先ほど教育長からもございました。そういったことから他の人とのかかわりを持つ、他の人に配慮できる、自分の感情の調整ができるという社会性を学校教育の中で伸ばすことも求められてきているのではないでしょうか。鎌倉市の学校現場において、児童・生徒のコミュニケーション能力を伸ばすためにどのような指導が行われているのか、お伺いをいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 コミュニケーション能力を育成していくために授業の中で、言語活動の充実を図ることを目指して、ペアワーク、1対1の、あるいはグループワーク等を取り入れまして、子供同士の学び合いというのをより多く設定しております。このほかにも小学校による縦割りグループによる異なった学年同士の交流活動、小・中学校での学校行事であるとか、委員会活動、また中学校における部活動等の集団活動の中で取り組みが行われているという状況でございます。
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○16番(納所輝次議員) その言語活動を高め、さらにその異学年の交流による縦割りグループであるとか、そういったコミュニケーションの体験って非常に重要だろうと思います。児童・生徒のコミュニケーション能力を伸ばすために、また社会的スキルを身につけるためのトレーニングを行って、実際の活動の中でそのスキルが定着するよう指導することは非常に大事であると考えますし、当然現場ではそのように指導されているものと思います。それでも全国で不登校の児童・生徒数が減らない要因の一つに不登校状態の長期化が挙げられております。鎌倉市でも不登校が長期化する傾向はあるのでしょうか。お伺いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 ここ二、三年の状況になりますけども、その状況からは不登校が長期化するという傾向は見られておりません。
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○16番(納所輝次議員) どこをもって長期化とするのかというのはちょっと難しい問題で、例えば年間35週あるわけでございます。週1回休めば年間で35日、つまり1カ月以上の欠席ということになってしまって、これを長期とするのか、短期とするのか、非常に難しいところであると思いますけれども、ただ1日、2日で続いて休むというのは不登校とは言わないわけで、それがまた続いてきてしまうということ、そういった生徒も実際には存在すると考えております。
ですからそういった生徒への支援、不登校が継続している児童・生徒への鎌倉市の支援という体制。これも伺っております。校内委員会や生徒指導委員会のチェックによる支援体制など、校内支援体制の充実を図って、保健室登校であるとか、校内の相談室登校での支援や個別指導などが行われていることも承知しておりますし、また教育委員会のサポート体制として、教育センター相談室が教育支援教室ひだまりの活用、メンタルフレンドの派遣など、学校と相談室が連携して対応することに努めていること、これもよく承知しております。
ただ一方、校内校外問わず、いずれの相談指導も受けようとしない児童・生徒が存在するという難しい課題もございます。校内校外問わず、いずれの相談指導も受けていない児童・生徒へのかかわりはどのように行っているのかお伺いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 ただいまの御質問どおり、担任であるとか、生徒指導担当あるいは養護教諭、学校の中の教育相談コーディネーター、また校長・教頭といった管理職、さまざまなスクールカウンセラーなども含めてですね、なんらかの形で家庭訪問であるとか、家庭訪問や連絡をとる体制はとってきております。不登校の要因は、最近の複雑なケースも多くございまして、対応がなかなか難しいケースにつきましては、専門機関等を紹介するなどの対応もとっております。また保護者が相談に行くようなことができない場合につきましては、学校の方としては教育センターの相談室など専門機関と連携して、家庭への働きかけを行っているという状況でございます。
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○16番(納所輝次議員) 不登校が継続する児童・生徒の担任は本当に大変だと思います。不登校状態の改善のために、教師としては児童・生徒に正しい判断を身につけさせる指導者の立場と、登校しにくい問題を児童・生徒とともに考える相談者の立場、いうなれば、ティーチャーとカウンセラーのバランスをとりながら取り組む必要があるのではないかと思いますが、これは教師にとってはかなり大きな負担になっているのではないかと考えます。学校全体がその担任教師を支援していく体制があることは、担任にとっても、また当事者の児童・生徒にとっても大きな支えとなるわけでございます。学校全体として、不登校が継続する児童・生徒の担任教師への支援はどのようになされているのかお伺いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 不登校の対応につきましては、担任と一個人だけでなくて、学校の中のチームで対応するようにということで、校内委員会であるとか、生徒指導委員会で情報を共有いたしまして、教育相談コーディネーターと連携をして、それで学校全体の課題とする取り組みを進めております。
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○16番(納所輝次議員) 不登校が長期化してしまう前に、防ぐ取り組みが求められるわけでございます。特に小学校から中学校へ進学した際に、環境の変化にうまく対応できず、不登校の急増、学力低下となってあらわれる、いわゆる中一ギャップ解消が課題となっております。例えば平成21年度の全国の中学1年生の不登校生は22,384人で、この学年が前年に小学校6年生だったときの不登校児童7,727人と比較すると、1年で3倍近くにもはね上がっております。これは中一ギャップのあらわれの一つといえるのではないでしょうか。鎌倉市の場合、中学1年生の不登校の人数とその1年前の、彼らが小学校6年生当時の不登校児童の人数との比較、近年はこれはどのように推移しているのかお伺いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 本市における過去3年間程度の、6年生から中学校1年生の不登校の増加ということでございますが、小学校6年生の不登校児童がおよそ10名、それから中学校1年生になると大体30名ぐらいということで、やはり全国の傾向と同じく約3倍程度で推移しているというふうにとらえております。
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○16番(納所輝次議員) 鎌倉市も全国と同じように、小学校6年生から中学1年生になった途端に不登校が3倍にはね上がる、さまざまな要因があると思います。こういった小学校6年生から中学1年生に進学した際にギャップが生じて、不登校やいじめの問題が顕著にあらわれるという特徴を、中一ギャップと初めて表現して命名したのは新潟県教育委員会だそうでございます。今お答えにありましたように鎌倉市においても中一ギャップは存在していると考えてよいのではないかと思います。そこで、この鎌倉市ではいわゆる中一ギャップの解消につながる取り組みはどのように行われているのか、お伺いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 中一ギャップという御質問でございますが、小学校児童あるいは教師がですね、中学校の様子を知るということが大切であると考えておりまして、今現在では、小中連携という取り組みで進めてきております。現在実施しております具体例としては、小・中学校の教員による小学校での授業実践、出前授業という言い方をしておりますけれども、そういうものであるとか、小学生の部活動や学校行事における、中学校でそういう体験をするという取り組み、あるいは小学校、中学校の教職員の間でお互いに授業参観等を行い、あるいは懇談会等を行って意見交換を行うという交流などの取り組みを行っているところでございます。
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○16番(納所輝次議員) 中一ギャップは小学校から中学校へと進学することによって生じる問題ですので、小・中学校間のその緊密な連絡体制は大変重要であると思います。今、学校間の緊密な連携体制を確立して、児童・生徒の内面へのきめ細やかな対応を図って、生徒の社会性を育てる指導を行うため、全国各地でさまざまな方法によって、中一ギャップ解消に向けた取り組みが行われているようでございます。
その代表的なものが小中一貫教育と教員の加配ということでございます。昨日来、議論がありますように、鎌倉市でも小中一貫教育検討委員会を設けて、平成26年度以降、順次、小中一貫教育を実施すべく準備を進めておられることは承知しております。ただ中一ギャップを生じるような状況が、家庭や地域、学校という子供を取り巻く環境にあるから、小中一貫教育を推進するのだということがすぐに受け入れられるかというと、これはかなり難しい課題があるのではないかと考えます。
中高一貫教育というのがございます、中学校・高校6年間は一貫して教育を行う。これは多くの私立の学校や中等教育学校で行われております。中高一貫教育は高校受験に煩わされずに、落ちついた教育が受けられるであるとか、大学進学など卒業後の将来像のために準備ができるという長所はすぐにつかみやすいのですけれども、小中一貫教育は中一ギャップの解消や9年間の子供の育ちと学びの連続性を保障すると言っても、課題克服のために行うというちょっと後ろ向きの理由が先に立って、いま一つこう心に迫るものが、中高一貫教育に比べると、小中一貫教育は弱いのではないかという気がするわけでございます。そこでお伺いいたします。この小中一貫教育の魅力は、どのようなことにあるとお考えか、お伺いいたします。
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○熊代徳彦 教育長 この小中一貫教育は、昨日もお話ししましたように緒についたばかりと、全国規模でそういうことが言えるのかなというふうに思っております。小中一貫教育の中では、子供たちを義務教育の出口である中学校卒業時の姿をイメージして、義務教育の入り口である小学校入学から、中学校卒業までの9年間を、子供の発達の段階に応じて、小・中学校間で連続した学習指導・生活指導ができる。ここに一つの大きな魅力があるんじゃないかというふうに考えます。
特に中学校入学時の子供たちの期待を膨らませて、不安を和らげ、入学後に自己肯定感の育成、規範意識の醸成へとつながるものと考えられます。おそらく子供たちは、この見通す、我々大人が考えるこの9年間の見通すものと、子供たちがイメージするものはもちろん若干違ってくるだろうというふうに思っております。そこはやはりこれから小・中学校の先生方でどのようにやっていくのか、十分そのあたりを検討しながら、それぞれの小・中学校間で、魅力あるものとしていけるような内容にするために、これからも努力していきたいというふうに考えております。
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○16番(納所輝次議員) 9年後の姿をイメージして、それが子供たちも、そして学校側も同じようなイメージを共有しつつ育ち合うという、そういった魅力があると思います。その魅力がなければ子供や保護者、市民も理解するには時間がかかるのでないかと思うわけでございます。期待感の持てる教育のあり方、それも公教育としての魅力を、ぜひ強く打ち出してもらいたいと考えております。
小中一貫教育には、昨日もありました、同じ施設で小中一貫教育を行う小中一体型と、現状の施設のまま連携を深める小中連携型がありますけれども、鎌倉市の場合は小中連携型を目指していると伺いました。これが現在進められている小中連携の取り組みと、これから導入しようとしている小中一貫教育における小中連携とどのように違うのか、これもまた昨日の議論を聞いておりましたらわかりにくいと思います。現在の小中連携の延長線上にあるんだったら、何も小中一貫教育と銘打たなくて、現在の連携を充実させればよいのではないかという疑問も正直に浮かんできてしまいます。これについてはどう考えておられますでしょうか。お伺いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 全国的な小中一貫教育の取り組みの形態といたしましては、同じ施設の中で、同じ敷地の中で、一体型の一貫教育であるとか、中学校区での連携を深めながら地域の子供たちを育てていこうとする施設分離型の一貫教育校がございます。鎌倉は後者のほうで、施設分離型ということで、これまでのその連携の取り組みをさらに進めて、各中学校区でのニーズあるいはその実情に応じまして、小学校と中学校の教育実践をさらに充実させていこうと、そういうもので考えられております。子供たちの育ちと学びの連続性というものを保障するという観点から、今まで別々に考えられていた小学校と中学校の教育課程、あるいは生徒指導等について、子供の発達段階に配慮いたしまして、先ほど言った中学校区のニーズであるとか状況に応じまして、連続性を意識した取り組みを行っていこうというものでございます。
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○16番(納所輝次議員) わかりました。昨日もございました、小中一貫教育検討委員会では、その小中一貫教育の推進について基本的な柱を三つ挙げておられます。一つが目指す子供像、共通目標の設定。二つが鎌倉市教育課程編成の指針による、9年間を見通した教育課程の編成実施。三つ目が小・中学校での共同実践の充実となっておりました。まずこの基本的な柱の三つのうち、目指す子供像、共通の目標の設定について伺います。この目指す子供像、共通の目標の設定とは具体的にどのようなものなんでしょうか。お伺いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 目指す子供像についてでございますけども、現在におきましても、各小学校・中学校において、それぞれの学校教育目標の中で目指す子供像というものを定めております。子供の育ちと学びの連続性を考える上では、小学校と中学校が共通した目標を持って指導・支援することが有効だと考えております。小中一貫の実施に当たりましては、各中学校区の小・中学校で、まず教職員が児童・生徒の発達や学習状況あるいは学校の基本的な考え方、また保護者、地域の方々のニーズ等の情報共有と共通理解を図って、どのような子供たちを育てていくかという点について話し合って、そういう中で目指す子供像を設定していこうというものでございます。
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○16番(納所輝次議員) 7月に小中一貫教育全国連絡協議会の全国サミットが、品川区で行われまして、昨日もございました。同僚議員数名とともに、私も参加をしてきたわけでございます。その折、北海道三笠市で小中一貫教育特区として取り組んで、さらに国際科、地域科、選択学習科など、新しい3教科などの研究に取り組んでいる小学校と中学校の紹介がございました。そこでは小学校6年間は国際科、中学生は英語科として英語を学んでいる。さらに9年間を3期に分けて、英語についての育てたい子供像を描いております。1期が小学校1年生・2年生で英語で遊ぶ子、2期が小学校3年生から5年生で英語で話す子、3期が小学校6年生から中学校3年生までで英語を生かす子と、それぞれ子供像を描いて、さらに各学年ごとの具体的な指導目標を定めておられました。そして9年間で学ぶカリキュラム編成や、英単語の系統表を作成したところ、中学校で教えていたことは小学校でほとんど学習してきているということが判明して、カリキュラムの重複を避けることができたと言います。さらに目指す子供像の成果をはっきりさせるために児童英検というものを導入したところ、小学校側に指導の自信が生まれ、中学校ではそれを受けて新たな指導法を模索するようになったという報告がございました。
これは教育特区や教育課程特例校だから行えたのではないかと思うのですけれども、鎌倉市では現段階で特区や特例校の申請は考えていないようでございます。この特区や特例校の指定を受けずにスタートする鎌倉市の小中一貫教育が、ただ学習指導要領で定められたことを淡々と行っていくだけの場であったとしたら、これほどつまらない9年間はなく、鎌倉市や各中学校区で設定する目指す子供像については、だれもが共感して魅力を感じるような目標の設定を目指してもらいたいと思います。
次に二つ目の柱、鎌倉市教育課程編成の指針による9年間を見通した教育課程の編成実施について伺います。と言いましても、これ読んだだけでは非常にわかりづらい表現でございました。要するに私が考えるに、教育委員会が作成した9年間一貫した標準カリキュラムをもとに、各中学校区がつくる教育課程で教育を行うということなのでしょうけれども、ただ学習指導要領からの逸脱はあり得ないために、標準カリキュラムではなくて教育課程編成の指針という表現になっているのでございます。そこでお伺いいたします。この鎌倉市教育課程編成の指針による9年間を見通した教育課程の編成実施とはどのようなものなのでしょうか。お伺いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 御指摘のとおり、国が定める学習指導要領の内容をどのように指導していくか、これにつきましては各学校で教育課程を編成しているというところでございますが、その教育課程の編成の指針というものにつきましては、小・中学校が連携を図って9年間を見通した考え方で、その教育課程を編成実践するための手助けとなるというものと考えています。具体的な内容につきましては、教育課程編成の指針というものを今後作成していくわけですが、そういう委員会を結成して、その内容については決めていきたいということで考えています。鎌倉市としての特色を出し、また、かまくら教育プランの具現化を図っていくということとともにですね、その発達段階を考慮した、子供の育ちと学びの連続性というのを示すものとしていきたいというふうに考えております。
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○16番(納所輝次議員) その9年間の教育課程の編成実施が、学習指導要領に即しつつも、鎌倉の独自性も追求した教育を行うと、そして学力の質の向上を目指すんだったら、そのベースの部分をそろえる教育委員会と具体的取り組みを決めていく学校現場との連携というものが非常に重要になるのじゃないかと考えます。その連携が、今検討されてる小中一貫教育推進への取り組みの中で、今以上に構築されていくことを期待するわけでございます。
三つの基本の柱の最後は、小・中学校での共同実践の充実としています。小中一貫教育を行うならば、小・中学校での共同実践は当たり前のことであると思いますけれども、実はこれが一番大事で、一番難しいのでないのかと思います。と言いますのも、小学校と中学校では、学校の文化、教師の考え方や教育の実践というものが、外部の人間が考える以上に大きく違うということをよく耳にするからでございます。実は中一ギャップの原因もここにあるのではないかと思うくらいでございます。この小学校と中学校の間に存在する課題をどう克服していくのか、お伺いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 確かに小学校と中学校の間にございます課題といたしましては、御質問にございました文化の違いと言いますか、そういったものもございます。クラス担任制である小学校と、それから教科担任制となる中学校、あるいはテストの評価、テストの実施であるとか、評価あるいは評定方法、また児童・生徒指導の方法であるとか、また部活動の有無など、こういったものが考えられます。小中一貫を実施する場合にですね、小・中学校教職員の打ち合わせ時間の確保、また児童・生徒及び担当教員が学校間を移動していく必要も出てくると思います。そういった移動の場合の手段等も課題となってくるというふうにとらえております。
小学校と中学校にある課題というのを解決するためには、やはり教職員の中学校区におけます定期的な連絡会あるいは合同会議であるとか合同の研修会、そういったものの開催が必要となってまいりますけれども、今の学校の状況ではなかなか時間の余裕がないというのが現状でございます。実施に当たりましては、生徒指導の専門教師であるとか、小学校における専門的な指導を行う中学校の教員、また共同研究とか研修の調整を行っていくためのコーディネーター的な役割を持つ教員等などのそういった人的な配置がですね、やはり必要になってくるんだろうというふうに考えております。
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○16番(納所輝次議員) 品川区の全国サミットでも言われておりましたけれども、小学校と中学校の教師の文化の違いというのは、もう民族の違いに等しいくらいの差がある、という極端な表現をされる方もおりましたけれども、会場、割合皆さんうなずいているくらい、小学校と中学校というのは教師の考え方が違う。これが今ありましたように実務レベルの連携を深めていくということ、これは非常に重要でございますけれども、それ以前にいわゆる民族が違うわけですから、コミュニケーションを図っていかなければ相互理解というのにはならないわけで、それぞれの教育の考え方というのは非常に自信を持っておりますし、プライドを持っていらっしゃると思います。それを深めるためにお互いを理解することが必要。ですから、品川区の全国サミットでも盛んに、昨日から議論がございました飲みニケーションという言葉が盛んに使われておりました。ですから実務を離れて、いわゆる人間同士の交流と言いますか、1対1の交流もそうでしょう、その間を取り持つお酒の役割も非常に重要なんではないかなということで、飲みニケーションという言葉が、全体会でもまた分科会でも盛んに使われておりました。
現在進めておられます小中連携の実践の中でも、まずあらゆる場で教師間のコミュニケーションを図ることが、小中一貫教育におけるその学びの連続性と育ちの連続性をつくり出す原動力になると思います。ですから、小中一貫教育には昨日市長も全面的にバックアップをするという御答弁がございましたので、コミュニケーションの場もそれによって確保されることを期待するわけでございますし、また今現在、鎌倉市では職場での飲みニケーションはできないわけでございますけれども、職員の皆さんと相談をしてくださるということですので、そういった場が確保されることを期待しております。
この全国各地で進められております小中一貫教育、これは従来の6・3制を、例えば4・3・2であるとか3・4・2、または5・4にしたり、あるいは6・3制のまま小・中学校の先生が相互乗り入れで授業を行ったりするなど、さまざまな区切りと弾力的なカリキュラム編成で行って、学力の定着を高めることや、児童・生徒一人ひとりに対する連続性のある指導を行おうとしていらっしゃいます。ただ連続性ばかりを重視することで、9年間の中の区切りというものが薄くなってしまうのではないか、若干の心配があるわけでございます。9年間の連続性を追求することで学校生活の区切りを実感できなくなるような心配はないのか、この点についてお伺いをいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 確かに一貫教育の中でですね、校舎一体型、同じ敷地の中で取り組んでおります小中一貫教育の事例ですと、今御指摘のような区切りを実感できなくなるというような報告もされているというふうに聞いております。ただ本市、鎌倉市の目指す小中一貫教育につきましては、先ほど御答弁したとおり、その施設分離型ということで考えております。そういう中での小中一貫教育でございますので、小学校と中学校のその接続を円滑にしていくというようなことを一つの目標としております。そういった中では学校生活の区切りを実感できなくなるということは、そういう心配はないだろうというふうに考えております。
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○16番(納所輝次議員) 系統性のあるカリキュラムを考える際には、9年間のスムーズな流れに加え、子供が成長を実感したり、向上心やチャレンジ精神が生まれるような変化や違いをつけさせることも必要であると思います。小中一貫教育の導入によって、学力を着実に高めることや、児童・生徒一人ひとりに対する連続性のある指導を行うことができます。何より小学校から中学校への環境の変化を緩和することによってストレスを解消して、幅広い年齢の児童・生徒が学校生活をともにすることで、多様な人間関係を形成することにつながると考えられます。全国に先駆けて平成18年度から小中一貫教育を導入した品川区では、不登校の増加率が全国平均の半分以下になるなど、成果が出始めていると評価されております。
先ほど小中一貫教育の魅力はどのようなことにあるかという質問をいたしましたけれども、小中一貫教育の魅力というのは中一ギャップ解消のみならず、9年間をフルに使ったコミュニケーションや、感性・情緒の基盤づくりができるのが小中一貫教育の利点・魅力なのではないかと考えます。つまり広い視野でいえば、生き方の学習が9年間の一貫教育でできる、これが小中一貫教育の大きな魅力であると考えます。それだけに、今全国で進められている小中一貫教育の推進は、一過性の流行にしてはならないものと考えます。教育委員会においては、鎌倉の魅力ある小中一貫教育の構築を目指して、さらに準備が進められることを期待いたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
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○議長(赤松正博議員) 次に、石川寿美議員。
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○27番(石川寿美議員) それでは通告に従いまして、私の一般質問をさせていただきます。通告ですと、1番目に市長の政治姿勢について、2番目に危機管理、ゲリラ豪雨対策についてと書いてありますけれども、私の質問はちょっとお昼を挟むかもしれませんので、順番を入れかえさせていただきます。まず、危機管理からいって、それから3番目のゲリラ豪雨、それから1番目の市長の政治姿勢を質問させていただきます。
まず危機管理についてです。これは学校で起こった、プール施設における次亜塩素酸ソーダの流出問題、そしてアスベストの問題、この二つに絞らせていただきまして、市としての危機管理がどうあるべきか、これを問いたいと思います。この質問に関しましては、昨日同僚議員が質問をいたしておりますので、原局が私の手元に出かけてきて項目を出してまいりましたけれども、その質問が全部重複しておりますので、改めて質問をさせていただきたいと思います。理事者の皆さんにおかれましては、了承をいただきたいと思います。
ではまず、次亜塩素酸ソーダの流出問題に移ります。これは関谷川に流出した事件でありましたけれども、経緯につきましては、同僚議員が質問いたしましたので省かせていただきます。ところがです。私と同僚議員は同じ質問をしてたわけですけれども、着眼点も同じだったと思いますけれども、昨日の質問では、水質検査是正計画みたいなものが出てましたね。水質改善計画書、これが質問の中にありましたけれども、私の手元にはこれが来なかったんですね。聞かなかったからと言えばそれまでですけれども、議会というのは行政のチェックをするわけですから、こういったものがなければ私たちはチェックできないわけなんですね。これをよく見てみますと、流出に当たって除去作業を行ったと書いてあります。次亜塩素酸ソーダで汚染された側溝の掃除をしたと書いてあるわけですよ。除去したと言いますけれども、それをどこに廃棄なさったのかをまずお伺いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 側溝あるいは排水管、川に流れるまでのですね、管の中にも当然ソーダが残留してるという可能性を承知してましたので、それを水で流しながら、手前の川に流れる前のますで受けまして、それを学校の敷地の中、そこに処理をしたと、いうことでございます。
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○27番(石川寿美議員) 汚染された物質ではあったわけですけれども、そういったものを学校の敷地内、子供たちが触れるわけですけれども、問題はなかったんでしょうか。
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○宮田茂昭 教育総務部長 次亜塩素酸ソーダ、ソーダそのものは日に当たって、一定の時間が過ぎればそのものは蒸発をするということ、それからその日がたまたま学校が休みだったので、土曜日、日曜日に絡んでました、土曜日でしたので、その日に立ち入らないようにというものをつけて、それで学校の敷地の脇に処理をしたという状況でございます。
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○27番(石川寿美議員) 気化するということで安全性が図れたということで安心はいたしました。ところでですね、夏休みには学校のプールというのは一般開放されているわけです。子供たちも大変楽しみにしているわけですけれども、夏休みに入った7月23日と24日の2日間、玉縄小、玉縄中の共用プールでは、水が濁ったので入れかえのため使用できなかったとお伺いしました。それを聞いた地元の住民の方たちは、関谷川の次亜塩素酸ソーダの流出がありましたので、またそういうことが起こったのかしらと不安に思われたわけですけれども、その経緯をお伺いしたいと思います。
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○宮田茂昭 教育総務部長 学校のプール、学校でも使用してますし、今御指摘のとおり、夏休みになりますと一般開放という形で使います。通常プールの水につきましては、学校で、授業での使用が終わった日から次に夏休みに入って一般開放に使うまで、プールを若干使用しない期間が出てきます。そういったための期間についても水質を確保するために、次亜塩素酸ソーダというのを入れて、一定の水素濃度を確保して消毒をしておくと、水をきれいに保っておくという必要がございます。今回、御指摘のあった学校のほうでですね、学校での使用が終わった、授業での使用が終わった後にですね、次亜塩素酸ソーダを入れておかずにですね、水が汚れたという事案が発生いたしました。そういった中で、プールが汚れているという御指摘の中で、プールの水を全部取りかえたということでございますけれども、このような事案そのものについては、これまで私としても聞いていなかった事案でございます。ソーダを入れないということそのものについては、学校開放、一般開放までの間に次亜塩素酸ソーダを入れずにですね、水質を保っておけないということそのものは、学校の引き継ぎ体制であるとか、あるいは学校と、一般開放をやっているスポーツ課との連絡体制、そういったものが不十分であったと言わざるを得ません。今後こういったことがないように、学校内での引き継ぎであるとか、学校とそのスポーツ課の引き継ぎ、連絡体制などを確実に取っていくように今、指示をしているところでございます。
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○27番(石川寿美議員) 学校が忘れてしまったということですね、今の話を聞いておりますと。それでは、入れかえをしたわけですけれども、その経費はどのくらいかかって、またどこが負担したんでしょうか。
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○宮田茂昭 教育総務部長 プールの水の入れかえのお金が当然かかっております。数字のほうはちょっと、私は今把握しておりませんが、費用のほうは学校のほうの経費で負担しております。
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○27番(石川寿美議員) 学校のほうで負担をしているということは、その経費が学校の施設費というのか、整理費といいますか運営費といいますか、そういうのは限られているわけですよね。そこの中から水の入れかえ代、水道代が余分に出てしまった、要らぬ出費をさせてしまったということですよね。ということは、運営費から使われるわけですから子供たちにはね返ってくることはわかります。金額が、私が調べたところでは10万円ほどとなっていました。各施設、学校、10万円ずつが出費されたと思います。でもここは本当に責任が重いことでもあります。単純に忘れてたことでこういうことが発生するわけです。これからは今後気をつけていただきたいと思います。それでは、夏休みに入ると一般開放になります。ここは管理はどこがやっていくんでしょうか。
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○植松芳子 生涯学習部長 夏休み期間中の学校開放プールにつきましては、監視業務委託として事業者に委託しております。
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○27番(石川寿美議員) はい、管理会社に委託をしているということです。水質検査っていうのは、どういった形でやられているんでしょうか。
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○植松芳子 生涯学習部長 学校開放プールの水質検査なんですが、これにつきましては、毎日4回やっておりまして、これは委託業務の中で監視員が行うことになっております。
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○27番(石川寿美議員) 夏休みにつきましては管理会社に委託をしていますので、きちんと水質検査がされていることがわかりました。ではもう一度教育委員会に戻りますけれども、一般開放では業者に水質検査を4回も実施するように命じているわけですね。ところが、当の管理者である学校は、次亜塩素酸ソーダを入れ忘れたということが起こってしまったんです。そのためにやはり雑菌が繁殖し、水を入れかえなければならなかった事態が起こってきたんですけれども、つまりは注意を怠ってしまったということになります。その責任をどう考えるのかはちょっとお伺いしたいんですけれども。
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○宮田茂昭 教育総務部長 学校のほうといたしましてですね、先ほど御答弁いたしましたとおり、学校の授業が終わって、学校で使うことが一つ終わったということで、次に引き継ぐべき、一般開放に引き継ぐべきまでの間の水質の維持管理について、つい怠ってしまったというようなことでございます。一般開放で利用される市民の方々に御迷惑をかけたことについてはおわび申し上げたいと思います。
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○27番(石川寿美議員) 10万円といえども学校の運営費ということになりますと、やっぱり金額は比重が大きいと思いますので、本当に注意していただきたいと思います。(私語あり)
ちょっとやじが飛びましたけれども。ほかの学校の二つが水の入れかえをしたわけですね。一つは確かに入れ忘れたということだったんですけれども、ほかの二つについてはどうなんでしょうか。
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○宮田茂昭 教育総務部長 私のほうで把握いたしておりますのは、関谷小、今のですね、玉小それから玉中の共有プールの関係、それから西鎌と手広中の共有プール、それから深沢小と富士塚小の共有プールの三つのプールでそういう事案があったという情報が、そういうふうに聞いております。西鎌とその手広中の共有プールのほうにつきましては、それは次亜塩素酸ソーダの問題ではなくて、ろ過器のふぐあいがあってですね、水の汚れが出たというふうなことを聞いております。
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○27番(石川寿美議員) 今、西鎌小、ろ過器が故障してたということで交換をしたということなんですけど、それまでの学校の授業では、故障してたと言いますけど、これ次亜塩素酸をプールに入れるわけです。そのためのものでもあるわけですが、その辺は大丈夫だったんですか。
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○宮田茂昭 教育総務部長 実際に使用にあたっては、先ほどの生涯学習のほうでやってますその水質検査のほうは、教員のほうが同じ試薬を使いながらやっておりますんで、一定の濃度を確認した上で使用しているということでございます。
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○27番(石川寿美議員) 学校の授業で使用しているときにはそうやって水質検査を行っているわけですね。じゃ、授業が終わった途端にそれもやらなかったということですよね。入れなかったということはそういうことになりますよね。ほんとに管理体制がどうなっているのかなということになると思います。やっぱりお金が出ていくわけですから、税金を水に流しちゃったということになるかと思います。
一つ気になるのが、この水質改善計画書なんですけれども、最後のページのところに次亜塩素酸ソーダの使用状況というのが出てるんです。そこで、給食室で、2カ所の学校で、次亜塩素酸ソーダを使っているわけですね。次亜塩素酸ソーダというのは、別名塩素系漂白剤とも言われて、カビを落としたりとか漂白、殺菌に使われる薬品でもあります。給食室でそれを使っていた。学校給食において化学物質的なものは使用しないということに決められてたんじゃないんでしょうか。お伺いします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 給食室の使用については、ちょっと把握できておりません。
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○27番(石川寿美議員) やっぱり学校を管理していくのが教育委員会だと思います。私ももうずっと前から学校給食のことも取り上げてまいりました。子供たちがじかに口にするものをつくっている所です。そこで、やっぱり有害だと言われているもの、これは扱いを誤れば本当に大変なことになりますよね。ということで、なるべくなら、子供たちの身近な所には置きたくない薬品でもあります。そこはちょっと、部長として答えに納得がいかないんですけれども、どうなんでしょうか。
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○熊代徳彦 教育長 大変申しわけございません。その状況をよく調べて、また後ほど報告させていただきたいと思います。どういうふうにそれを給食室で使ってたのか、よく調べてからまた報告したいと思います。
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○27番(石川寿美議員) ですから、こういう計画書を私も早めに出していただければ、質問項目をお出しできたわけなんですよ。回答もすぐに出たはずです。後になって出してくるから、私のやり取りの中でこういうことを言わないから、こういう結果になったと思います。その次亜塩素酸ソーダですが、人的に誤れば大変な被害にもなります。劇薬ですよね。これをどう管理するか。私はここの危機管理体制をお聞きしたいと思いますけれども、学校の管理ではどうなっているんでしょうか。
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○宮田茂昭 教育総務部長 学校ではいろんな薬品を使っております。御承知のとおり、理科室の中でですね、理科室における薬品につきましては、その校内の薬品管理規程というものを持っておりまして、それぞれ薬品の管理をしております。理科室の理科準備室という部屋の中でかぎのかかる部屋ということで薬品庫を持ってまして、その中には劇物、毒物、酸とかアルカリ、そういったものを分類して保管をしているという状況でございます。また保健室にもいろんな薬等も含めた薬品がございます。そういった中でも管理簿を設けまして、アルコールであるとか、逆性石けん等の消毒薬などがございます。保健室には劇薬とか毒物はございません。そういった中で、薬品についてはかぎのかかる薬品庫に保管をしてるということでございます。そういった次亜塩素酸ソーダにつきましても、プールのろ過室の所に、かぎのかかる所に保管をしてございまして、そういった中で管理をしているという状況でございます。確かに、次亜塩素酸ソーダそのものは、プールの消毒用として基準どおりに使えば、その児童・生徒に対しても大きな問題はないということでいいわけなんですけれども…。(私語あり)
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○議長(赤松正博議員) 答弁を続行してください。
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○宮田茂昭 教育総務部長 その基準どおり使えば問題ないわけなんですけども、そういったその使用方法について間違いのないように、今後周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
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○27番(石川寿美議員) もう既に基準値を超えたものを関谷小ではお使いになったわけですから、きちんとした管理体制を整えていただきたい。できれば、先生も異動されることですから、マニュアル的なものをつくって最低基準のラインを決めて、子供たちに危険の及ばないようにしていただきたいと要望を出しておきます。
では次にアスベストの問題に移らせていただきます。これも昨日同僚議員が質問いたしましたので、重複するところは省かせていただきます。では、第一小学校の耐震化工事に伴って、屋根と外壁の汚れを落とす、こういった工事の計画が業者に発注したわけです。これを発注したのが建築住宅課だとお伺いしました。そもそもアスベストが含有されているというのを御存じだったんでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 第一小学校の体育館につきましては、建設後35年を経過し、大規模な改修も行われていないことから、屋根・外壁の建材は建設当時のままでございまして、ほぼアスベストが含まれているであろうとの認識はございました。しかしながら今回の工事は耐震改修が主たる目的でございまして、屋根・外壁については、解体等を行わず洗浄にとどめたため、アスベストの含有についての事前調査は行わなかったところでございます。
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○27番(石川寿美議員) ちょっと私はだまされてしまいました。職員との調整の間にアスベストの認識は最初なかったと職員は言ってたんです、原局は。それで、教育委員会、建築住宅課、それぞれが知らないで発注をかけてしまったんだと思い込んでいました。今も部長の答弁で、認識はあったけれども、発注の段階で、掃除そのものですから、まあいいだろう、と事前の調査を行わなかったという答弁がなされました。ところがです。ここに解体撤去施工要領書というものがあります。これは業者が市に対して、仕様書みたいなものですね、計画書を提出するというものなんですけれども、そこの中に、これは耐震工事を請け負ったときのものですから、3月の下旬くらいに出されたものだと思いますが、部長はこれ御存じでしょうか。解体撤去施工要領書、鎌倉市立第一小学校体育館耐震改修工事についてです。このことは、この書類は御存じですよね。
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○山内廣行 都市整備部長 大変申しわけございません。ちょっと承知してないところでございます。
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○27番(石川寿美議員) じゃあ、原局は知ってたんでしょうか。ちょっと御確認いただきたいんですけど、これ重要な問題なんですが。だってこの書類があるわけですから知らないわけはないですよね。ちょっとお調べいただきたいんですが、議長。
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○議長(赤松正博議員) 理事者に申し上げますが、答弁の時間をとりますか。
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○兵藤芳朗 副市長 ただいまの御質問の件につきましては早速調査をして、御報告させていただけたらと思います。そのためにはお時間をいただけたらと思います。
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○議長(赤松正博議員) 休憩とってよろしいですか。
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○兵藤芳朗 副市長 はい。休憩をお願いしたいと思います。
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○議長(赤松正博議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(11時16分 休憩)
(14時20分 再開)
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○議長(赤松正博議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。理事者の答弁を願います。
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○兵藤芳朗 副市長 大変貴重な御時間をいただきまして、ありがとうございました。午前中の御質問にございました次亜塩素酸ソーダの取り扱いにつきまして教育委員会から、その後に第一小学校のアスベストの御質問につきまして市長部局からお答えさせていただきます。
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○熊代徳彦 教育長 午前中の石川寿美議員の給食室におけます薬品使用に関する御質問に対しまして、御答弁ができず大変申しわけございませんでした。内容につきましては、部長から答弁いたしますので、よろしくお願いいたします。
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○宮田茂昭 教育総務部長 給食室での消毒方法といたしましては、熱風消毒、アルコール消毒、塩素消毒の3種類ございます。アルコール消毒につきましては、手の消毒あるいは器具の消毒等に用いておりまして、また熱風消毒については食器類に使用しております。塩素消毒につきましては、先ほどの次亜塩素酸ソーダでですね、給食用器具の消毒あるいは床消毒に使用しております。食材や口に入る食器類には、原則使用はしておりません。またその使用に当たりましては、文部科学省が発行しております、調理場における洗浄・消毒マニュアルの注意事項を守りながら使用している状況でございます。以上でございます。
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○27番(石川寿美議員) お時間とっていただいて、ありがとうございます。今の教育総務部長の御答弁あったんですけれども、やはり今、化学物質過敏症がもう正式な病名となりました。子供たちの間でもアトピーやら化学物質過敏症やらふえていると思います。そういった中で、極力化学物質に関する薬品類は使用しないほうがいいんですが、やはりノロウイルスとかそういった面ではね、消毒も一方でしていかなきゃいけない。ちょっと私としては納得いかない御答弁なんですが、極力使わないような方向で、これからやっていただきたいと思います。
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○山内廣行 都市整備部長 午前中の石川議員さんのほうから、解体の施工要領書は見ているかというお尋ねがございました。その時点で承知してないというお答えをいたしました。そもそも施工要領書でございますけれども、この書類というものはですね、工事発注後に工事の着手に当たり、その作業計画・内容等が、仕様に沿っているかどうかを把握するため、業者から市に提出を求めるものでございます。通常この書類につきましては、係長が承認しているというのが現状でございます。しかしながら、やはりこうした第一小学校でアスベストが出た、こういった事態を招いた以上は、部長といたしましても、すべての関係書類、発注時から、業者から提出された書類も含めて、やはり目を通さなければいかなかったと、そういう意味では、大変その辺の問題意識が欠如していたものと反省をしているところでございます。今現在は、手元において確認をしたところでございます。
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○27番(石川寿美議員) これは最初の工事のときに、4月の初めに業者から市へ提出された書類だということはわかりました。その中で書いてありますアスベスト含有建材の撤去、この工事が高圧洗浄で掃除を行ったものとは違う工事がこの、実は耐震化の工事の中に含まれていたということが、私は納得をいたしました。ところがですね、やはりここで含有材撤去の際には、きちんとした法にのっとってこの仕様書はつくられておりまして、作業中は石綿作業主任者というものを置かなければなりません。こういう今回のアスベストが含有されるものの、大平板の撤去に関してはこういった措置がされていました。アスベストを含むのにはこういったものをきちんと法にのっとってやっていかなきゃいけない、遵守しなきゃいけないということはわかります。
ですが、こういったものが最初に出されてたとしたらば、高圧洗浄を使った屋根と壁の外壁のスレート材ですか、ここにも含まれているんじゃないかという疑いを持って、取りかからなければならなかったことだと私は思います。これは市にも責任あるし、業者にも責任があるわけです。というのは、ここにある石綿作業主任者というんですか、こういう方たちを常駐させるということは、石綿障害規則というものがありますけれども、そういったものを熟知してなければならないということです。昨日の同僚の質問にもありましたが、解体時におけるアスベスト飛散防止マニュアル2007というマニュアルにも、高圧洗浄を原則的には使用しないということが書かれているわけです。ですから、業者にもこういったことを常に情報を集めていなければいけなかったことを皆さんが怠ったということになるわけですね。つまりは危機管理がなかったと私は言わざるを得ないと思います。そういった意味ではこれは本当に厳しい、本当に、アスベストそのものは大気中に何本か知りませんけれども、少ない量だったというのは聞いておりますけれども、やはりアスベスト1本でも入ったら中皮腫になるという大変な問題です。ましてや子供の施設の中でこういうことが起こったことは許されるべきではありません。今後の対策としてはきちんとして対応していただきたいんですが、しかしですね、私が懸念するのは、この受けた事業者、事業者に本当に法的な責任はないのか、事業責任は問われないのか、そのことについてお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 施工業者の責任の問題でございます。施工業者につきましてはですね、工事の発注仕様書に基づき、沿って工事を進めたものでございます。その発注仕様書の中にも外壁あるいは屋根については高圧で洗浄することというふうに書かれておりまして、そのとおりをやって、その結果アスベストの流出という事態を招いてしまったのが現状でございます。責任という点では、その高圧洗浄ということですね、そういった使用も決めて工事を発注した市のほうに、どちらかというとあると、そういうふうに認識をしているところでございます。
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○27番(石川寿美議員) 市のほうに責任があると、担当部長の答弁でした。今、国でもアスベスト問題、訴訟問題になっております。これは争点がですね、泉南市の元労働者の方たちが訴えてる問題ですけれど、第一審が出まして、争点としては、国が知ってて、アスベストの危険性を知りながらやらなかった、アスベストを禁止しなかった、ということが不作為に当たるということで、これが争点になっています。
じゃ、今回の場合も、私はそれに、被害の度合いは違いますけれども、同じようなことが起こったのではないかということをずっと考えてました。たとえ業者がそういう事業者責任でアスベストのことを熟知しなきゃいけない、工事を請け負うときには注視して、目視をしていかなきゃいけない、ということはあります。しかし、最初に発注するときに市がそのことを告知しなければ、本当に事業者はそのまんまの契約で工事を請け負ってしまうという懸念があります。工事会社がたとえ注意業務を怠ったとしても、発注した所有者、つまりは市ですよね、管理者が責任を問われます。今後、アスベストというのは本当に約30年、40年経って発症するものです。で、中皮腫というのがわかってますので、病名がわかってますので、今後そこで従事してた、作業なさってた方、もしくは子供たち、そういうことが、そういった病気にかかられた場合に慰謝料を請求されても当然だという思いがします。その辺は責任の御覚悟はあるんでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 非常に難しい問題でございます。そのときに発症したときの原因がどこにあるのかという部分も含めて、詳細に調べていかなきゃいけないと思いますけども、当然今回こういう事態を招いたわけでございますから、将来的に、この第一小学校のアスベストの原因ということが明らかになれば、その責任は当然市のほうで負っていかなきゃいけない立場であるかと思っております。
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○27番(石川寿美議員) 重々法律と合わせて、アスベストというのは本当に関連にはいろんな法律が新しくでき、そして改定もされました。やっぱり法を遵守する公務員として、その辺は情報を常にキャッチをしながら、市民の生活の安全を守っていっていただきたいと思います。
ところでですね、埼玉県で空き地にまかれた瓦れきからアスベストが出たというニュースが報道されました。アスベスト含有材を砕いたもので、そこからアスベストが飛散したという情報なんですけれども、まさしくこれは違法行為なんですが、吹きつけアスベストでなくても、細かく砕くとアスベストが飛散をするということがわかります。ということは劣化したアスベストの含有材、ここから飛散をしているのではないかというおそれです。今回も高圧洗浄という圧、水圧をかけたわけですから、アスベストが剥離をしたわけですね。ですけど、今現在劣化しているものについて、やっぱり調査をしていかなきゃいけないと思うんですけれども、その辺の対策はとってらっしゃるんでしょうか。お伺いします。
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○山内廣行 都市整備部長 今回の事故発生直後に、石綿スレート板等のアスベスト含有成形板の使用状況につきまして、学校施設を中心とした緊急調査を実施いたしました。その結果ですね、石油保管庫と小規模な建物、陶芸庫とかも含めてでございます、そういった小規模な建物以外では、使用実績がないということを確認いたしました。さらにこの点検の中で、目視調査ではございますけども、その劣化状況も調査してございます。その結果、破損やひび割れ等を生じている劣化の著しいそういった部分は確認できませんでした。議員御指摘のようにですね、今後は学校施設だけではなくて、アスベスト含有建材が使用されている公共施設の状況調査を行い、劣化や破損等によってアスベストの飛散のおそれがある場合には、予防・保全の観点から速やかに飛散防止対策を講じていくと、そういった対応を進めていきたいと思っております。
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○27番(石川寿美議員) そうですね、アスベストの対策、今、本当に昭和50年から60年代が多く、民間の住宅にも使用されております。今ちょうど建て直しの時期ではないでしょうか。で、アスベストを含む場合の解体の申請、解体工事の申請というのは市に届け出をするわけですけれども、その申請の届け出とはどのくらいの数があったのかお聞かせください。
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○廣瀬信 都市調整部長 ただいま、議員が言及されました届け出ですけども、建設工事に係る資材の再資源化に関する法律、通称建設リサイクル法と呼ばれております。一定規模以上のものにつきましては届け出をすることになっておりまして、都道府県の義務でございますけれども、これが建設主事を置く市が受けることになっておりまして、鎌倉市のほうでもその業務を受けております。その上で、平成21年度の建設リサイクル法での届け出が出されたもののうち、建物の解体工事、これは312件でございました。
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○27番(石川寿美議員) 申請解体工事の申請が312件、ではその中でアスベストを含む解体工事はどのくらいあるんでしょうか。
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○廣瀬信 都市調整部長 312件のケースのうち、アスベストを含むものは48件でございました。
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○27番(石川寿美議員) では届け出されたものが、適切に工事が処理され、工事もしくは処理がされているのか、チェックをしているのかどうかお伺いいたします。
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○廣瀬信 都市調整部長 いわゆる建設リサイクル法の届け出が出されますと、その書式の中にアスベストのあり、なしというものもありまして、関係書類、解体の場合には写真の添付も多うございますけれども、専門、建築の専門の者が審査いたしますので、口頭でのやり取りをしていきます。その上で、アスベストがありそうな所についての口頭での質問、回答をいたしまして、ない場合にはきちんと、ないと、そういった窓口での審査をしております。
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○27番(石川寿美議員) アスベストの解体工事に関しては、完了した時に、完了、終了の申請みたいなのは出すんでしょうか。
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○廣瀬信 都市調整部長 市のほうで受け持っておりますこの建設リサイクル法に基づく業務ですけれども、主眼としておりますのは、有効にリサイクルできる建設資材の分別解体を徹底させることにありまして、その事前処理としてアスベスト等の付着物がないようにという指導をしてるわけでして、その届け出の時に、助言・指導を行うことはいたしますけれども、届け出でございまして、完了届を出すところまではやっておりません。
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○27番(石川寿美議員) 申請は出すけれども、完了届は出さなくていいという、今の法整備ですよね。ちょっと不備があるかなという気がします。というのは、解体工事申請だけ済ませてしまえば、後は、県と一緒にパトロールするとはお伺いいたしましたけれども、全部を回るわけじゃないですよね。たまたまパトロールをして、たまたまアスベスト工事をやってた。しかし、全部を網羅するわけは、先ほど48件あるとおっしゃいました。全部を年間網羅するわけはないと思います。では、どうやってその解体工事がきちんとなされてるかどうか、どこでチェックするのかをお伺いいたします。
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○廣瀬信 都市調整部長 議員御指摘の申請という言葉ですから、建設リサイクル法で都道府県に義務づけておりますのは、すなわち鎌倉市もやっておりますのは、届け出義務でして、申請ではございません。したがいまして、届け出時の助言・指導、そこを徹底させるところに、この制度の一種の役割の重いところがあるのかなというふうに思っております。御指摘のように、怪しい場合、どうやって担保をとるかですけれども、先ほど来議員もおっしゃっているように、このアスベスト問題というのが他法令、他省庁がかかわっておりまして、いろんな形の法令で、いろんな行政庁がかかわっております。疑いが強い場合、アスベストであればアスベストの、その有害物質の除去に懸念がある場合には、例えば、廃棄物処理法ですとか、あるいは労働安全衛生法の関連で、関連行政機関に報告いたしまして一緒に対応するというそういう仕組みになっております。
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○27番(石川寿美議員) 途中経過をチェックしないというのは、私とってもずさんだと思うんです。というのは、アスベストというのは飛散をするわけですよ。その時に違法な行為をされてたら、もう既にアスベストは空中に飛散をする。ましてや養生シートというのをかぶせなくてはいけませんけれども、吹きつけアスベストみたいなレベル1、もう当時高いものはそういうものを使っているでしょうと思います。しかし含有物そのものに、ここに心の緩みが出てくるわけですよね。しっかりこれはリサイクル法だとか、廃棄物法から守っていかなければ、今回のような事件にならざるを得ないと思います。ですから、私が提案したいのは、パトロールをしてる、県と一緒ではなくて自主的に鎌倉の中でも、アスベストが、提出があったところ、解体工事が申請された所はきちんと抜き打ち検査をするみたいなこと、そして完了した場合には、完了届を出すぐらいのことを条例化したほうがいいんじゃないかと思いますけど、いかがでしょうか。
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○廣瀬信 都市調整部長 アスベストの対策に焦点を当てますと、議員御指摘のような形になろうと思いますけれども、いろいろな立場で、例えば鎌倉市が特定行政庁として取り組んでおりますのは、リサイクルできる資材を安全な形でリサイクルさせるために、分別解体させるということでして、アスベストそのものの飛散防止ですとか、そういった部分については、神奈川県環境部あるいは県政総合センターの環境部のほうでやっております。この辺の連携を取っていくことが必要かなというふうに思っています。
現状では、年4回共同でパトロールをしておりますけれども、そういった届け出を受けた状況の、状況報告ですとか、きちんと権限のある所に報告していくのも、そういう連携の取り方もきめ細かな、あるいは実効性のあるアスベスト対策になるのかなというふうに思っております。関連する行政機関ときちんと連携を強めていくところで対応していけるんではないかなというふうに考えます。
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○27番(石川寿美議員) 今部長の答弁ありましたけど、それが私が不十分だと言ってるわけです。県が年4回しかパトロールをしない、それにくっついて市も一緒にやるという答弁だったと思います。それでは48件のチェックをどうするのか。21年度だって今の報告聞きますと15回しか建設現場に行ってないというのを聞き取りしております。じゃ、ほかの建築現場はどうするんだと。私も言いましたよね。ただの解体工事ではないんです。アスベストはもうその時既に飛散してしまうということですよ。あまり、軽く見てるんじゃないかなと、私気がしますけれども、もう一度、やはりいろんな所で各自治体でアスベスト対策の条例をつくって、きちんと管理してる所もあります。鎌倉市もそのようにしたほうがいいんじゃないかという私の提案なんですが、いかがでしょうか。
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○廣瀬信 都市調整部長 パトロールの回数の強化ですとか、あるいはその取り組みのあり方につきまして、議員御指摘のように、先進事例もあるようでございます。今後研究してまいりたいと思います。
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○27番(石川寿美議員) 前向きに、早急に結論を出していただきたいなと思います。ところでですね、今日曜大工でやはり高圧洗浄を使った簡易な日曜大工といいますか、リフォームといいますか、こういうのが広がってると思います。テレビでもよく高圧洗浄の機械を売ってるのをよく見かけますので、ただし、今回このような事件が起こって、高圧洗浄がいかにアスベストを飛散させるかということがわかったわけです。鎌倉市の住宅も年数的には築年数は古いと思います。同じような事件が起こるかもしれませんと、私は懸念をしています。
三重県の桑名市というのは市民にこう呼び掛けています。届け等の必要のない簡易な日曜大工やリフォーム作業でも、アスベストが飛散する場合が考えられます。例えば自宅や倉庫のスレート屋根や壁を塗りかえる前の高圧洗浄作業、スレート石こうボード、保湿剤などを切断、破砕を伴う部分、交換作業と作業場所や作業状況によっては周辺への飛散も考えられます。アスベストによる健康被害をなくすために簡易な日曜大工やリフォーム作業を行う場合でも、事前に建築業者や設計図書などでアスベストの使用の有無を確認してください、とこういう詳しくホームページで呼びかけています。高圧洗浄をなるべく控えるようにといったことも書かれてあります。こういった市民への呼びかけ、御自分が住んでる住宅がひょっとしたらアスベストが入ってるのかどうかも、まだわかってない、知らない方もいらっしゃるかと思います。そういった呼びかけにもなるかと思いますので、こういった工夫をこらした呼びかけをしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 ただいま議員さん御指摘のとおり、今回第一小学校でこういう事態を起こしたというのもですね、やはり認識がなかった、不足していたと、そういったところに原因がございます。そういう意味で、やはり広く市民の皆さん、あるいはこれ県民も含めてでございますけども、やはり広く、こういった注意事項、マニュアルというものを知らせていく必要があるかと思います。そういった中で、どういう形でお知らせするのか、その辺も含めてですね、今後検討し、何らかの対応を取っていきたいと、そういうふうに思っております。
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○27番(石川寿美議員) アスベストについては本当にこれからも情報収集に努めて、危機管理を、体制を整えていただきたいと思います。
3番目の項目になります。ゲリラ豪雨についてを質問させていただきます。昨今、本当に環境の悪化で台風は大型化し、大災害となっています。それからゲリラ豪雨ですね、これも台風と連動するかのように巨大化をしてまいりました。雨量も30年前と比べると、1.5倍の量が、雨が降ってるというのもテレビで報道されているようです。私はここでゲリラ豪雨について対策を講じていかなければならないと、今回質問に取り上げてまいりました。時間雨量が100ミリを超す、本当にすごいものが降るようになってきたわけですけれども、市としては抜本的な対策を講じているのかどうか、お伺いをいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 御指摘のとおりですね、ゲリラ豪雨対策、これは各地でいろいろ被害を起こしてございます。そういった意味で、その対策の必要性については十分認識してるところでございます。市におきましても、平成20年度に鎌倉市下水道総合浸水対策基本計画を策定し、その中で基本的な対応策、これを整理しているところでございます。
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○27番(石川寿美議員) 鎌倉市でも豪雨に対する対策は着々と進めているということですが、国土交通省は8月12日にゲリラ豪雨対策として100ミリ/h安心プランという仮称ですけれども骨子を策定をいたしております。まだ骨子の状態なので法令まで整えるまで時間がかかると思いますが、先ほど部長も着々と進められているとおっしゃいました。じゃ、その具体を教えていただきたいんですが。
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○山内廣行 都市整備部長 基本的に、この下水道総合浸水対策基本計画の中では、過去に鎌倉市でですね、洪水を起こした事例、平成12年、平成15年、平成16年と起こしているわけでございます。特に平成16年には時間あたり78.5ミリ、これが最大雨量でございました。この対策基本計画に示して、その時の浸水状況をかんがみて、やはりそれぞれの河川の近くにどういった対応策を取ればいいのか、例えば調整池をつくる、あるいは道路の下にやはり調整の管をつくる、そういった対応策を今後進めていくべきだという、そういう形の基本計画をまとめてございます。で、今後やはりその基本計画に沿って、順次整備を進めていくと、そういう形で考えているところでございます。
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○27番(石川寿美議員) ちょっと話が前後して申しわけないんですけれども、その対策なんですけれども、基本になってる雨量なんですが、1時間あたりどのくらいで想定されて計画をつくってるんでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 先ほども少し御答弁いたしましたけれども、過去の鎌倉市で洪水が起きた時ですね、最大の降雨量ということで、今までに平成2年と平成5年と平成16年、ここに非常に大きな洪水がございました。その中でも平成2年と平成16年、これが非常に降雨量が多かったと、特に平成16年の10月9日、この時の最大雨量が1時間あたり78.5ミリ、その時の浸水状況を踏まえてこの計画をつくっているという状況でございます。
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○27番(石川寿美議員) よくわかりました。78.5、これは平成16年の台風の雨量を測定して根拠になさったと思います。しかし今、100ミリ級のゲリラ豪雨が降ります。それに対しての対応はどうされていくのかお伺いします。
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○山内廣行 都市整備部長 ただいま議員さんがお話しございましたけども、国土交通省のほうでは、仮称、時間当たり100ミリ安心プランというのを骨子でございますけれどもつくっております。まだ骨子の状態で詳しくわかりませんものですから、その中身がある程度見えてきた段階で、この今市のほうでつくっている基本計画とすり合わせしながら、より安心できる基本計画に高めていきたいと、そのように思っています。
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○27番(石川寿美議員) 私がちょっと心配するのはその計画が78.5、もともとは時間雨量、排水、雨水管だとかは57.1というのでつくられてると思うんですが、100ミリの雨が降った場合に今ある雨水管は吸いこんでいかないわけですよね。先ほど部長は調整池なども含めて、一たん雨を地下にためるということも今計画をされてるということをお伺いしました。いつごろそれができて、どこにそういったものをつくるのか、お伺いをしたいんですけども。
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○山内廣行 都市整備部長 現在、市内にはですね、台調整池、玉縄調整池、ポンプ施設を有する施設が7カ所設置されております。さらに自然流化の調整池は18カ所設置されてる状況でございます。現在はこれら雨水貯留施設に一時的に雨水を貯留することで流出抑制を図って対応してるとこでございます。さらにその基本計画の中では、さらに浸水がひどかった、腰越地区あるいは岡本地区、そちらのほうにさらに設置をしていくという形で、今計画を進めているところでございます。
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○27番(石川寿美議員) 今回ハザードマップというものが配布をされていました。そこで内水というものが新たにつけられて、私たちもここが危ないんだなというのを自覚したわけですけれども、その中に道路の氾濫箇所も多く含まれていました。今、部長がお伺いしたところによると、全部はまた網羅できてないという気がするんですね。いろんな所で道路の冠水やら氾濫は起こってます。その辺の対応はどうしていくのか、今後の計画にあるのかどうかお伺いします。
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○山内廣行 都市整備部長 この基本計画の中ではですね、特に以前洪水、まあ浸水がひどかった地区、これを重点対策地区というふうに指定して、対策を練っていこうということになってございます。具体的には大塚・新川地区、手広のほうですね、それと神戸川と二又川地区、まあ腰越のほう、さらに佐助川地区、そして岡本・植木川地区、この4カ所を重点対策地区として進めていこうと。それぞれの地区について、どういう形の対策が有効かということも整理してございます。例えば大塚川・新川地区については手広川の雨水幹線の、川のですね、柏尾の掘削して広げていくと、それが案としては最適であろうと。神戸川、二又川地区は調整池の設置が最適、佐助川地区については下馬のポンプ場を改築をしていくんだと、そして、さらに玉縄、岡本・植木川地区については、そこには調整池を増設していくと、そういった対応策をですね、個々具体に整理をして、今後順次進めていきたいと、そういうふうに思っているところでございます。
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○27番(石川寿美議員) 今調整池をね、あちこち、各所につけていくということで答弁をいただきました。大規模開発の場合はですね、調整池を設ける、雨水流出、設けて雨水流出抑制を図っています。鎌倉市の開発事業等における手続及び基準等に関する条例には1ヘクタールを超える大規模開発では1ヘクタールにつき800立方メートルの調整池をつくるように義務づけられておりますけれども、800という数字を算出した根拠は何なのかお伺いします。
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○山内廣行 都市整備部長 今、議員さん、1ヘクタールとございましたけど、3,000平米以上の土地利用につきましてはですね、基準条例に基づき、その規模に応じて違いますけれども、1ヘクタール当たり500トンから800トンの雨水の貯留施設の設置を義務づけているところでございます。この根拠については、時間当たり、先ほど議員さんお話しありました、57.1ミリ、これは県下でも5年確立での雨量でございますけども、それを基準においてこの基準をつくっているところでございます。
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○27番(石川寿美議員) これはですね、あまりその開発の土地の形状は考えてないんですよね、相当古い時に策定されたと私はお伺いしました。ということはそのケース・バイ・ケースも考えていかなきゃいけないし、また今の算出根拠が57.1ミリとおっしゃいました。でも今、現にゲリラ豪雨は100ミリ以上を超えるわけですから、これが10年に1回の災害ではないわけです。たまたま関東周辺ではゲリラ豪雨が来ませんでしたけど、地方においては連日のような洪水が起こってます。そういう意味では鎌倉市でも安全対策として、その時間雨量というものを引き上げて、これから開発されるだろう所には、500トン、800トンと言わず、それに相当した調整池をつくるように義務づけるのが本当だと思いますけれどもその辺はいかがでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 これにつきましてもですね、本当に先ほど申し上げましたけれども、たまたま鎌倉市は被害ございませんでしたけども、各地でゲリラ豪雨が続き、大変な被害が出ていると、その中では時間100ミリを超えるような雨量が生じているわけでございます、実態として。そういう中で、やはり本当に今の基準のままでいいのかどうかというのは、やはりしっかりと検証しなきゃいけない話だと思っております。やはりたまたま、近々神奈川県のほうで、境川流域を特定都市河川浸水対策法に基づいて、少し開発区の1,000平米以上の開発については、調整池を義務づけるというような動きがございます。そういった中でその動きがあれば、当然この条例を変えていかなくてはいけないわけでございますから、そういった改正に合わせてですね、一緒に、今の57.1ミリによる、その容量が適切かどうかも含めて検討を進めていきたいと、そのように考えているところでございます。
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○27番(石川寿美議員) 今、条例改正をする方向であるという答弁がありましたけれども、それはいつごろになるのかお伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 県の特定の、特定都市河川浸水対策のこの都市河川に指定する部分でございますけど、当初はなるべく早くということで進んでたんですけど、少し延び延びになっておりましてですね、今のところ平成23年の4月施行という形で目指してございます。そうしましたら、当然4月施行になればその後の開発についてどうするかということで、基準の改正に向けて動かなきゃいけないわけでございますから、来年度あるいは再来年度というそういった時期に改正という形にはなるのかなと思ってます。
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○27番(石川寿美議員) 2年ぐらい先の話になるかと思います。しかし今の鎌倉市、開発があちこちで行われているような状況にあります。本当に雨量に対する、まあ、ゲリラ豪雨に対する対策を進めるならば、こういった、先に先に条例をつくって、対策を施すべきだと思いますが、その間、条例ができるまでの間はどうやっていくのかお伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 先ほど来申し上げておりますけれども、今現在はですね、この総合浸水対策の基本計画、これに沿って、やはりそういった浸水が起きないように少しずつ整備をしていくと、そういう形で対応をしていきたいと、そういうふうに考えているところでございます。
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○27番(石川寿美議員) 少しずつ計画を進めていくしかないという答弁でしたけれども、やっぱり環境悪化のほうがどんどんスピードアップしてますので、少しでも早く対策を講じていただきたいと思います。それからハザードマップには急傾斜地崩壊危険区域も多く見られました。これは災害対策が進んでいるとは思いますけれども、危険区域に関しての対策は今どうなっているのか教えてください。
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○酒川学 防災安全部長 鎌倉市は地形的な特性上、がけ崩れの危険箇所が多く存在しております。台風などの災害時におけるがけ崩れ被害の防止は、重要な課題であると認識しております。急傾斜地崩壊危険区域は、急傾斜地法の規定によりまして、県知事が指定し、県が工事を行うこととなります。平成22年8月現在の急傾斜地崩壊危険区域の指定は89区域で面積は162.02平米、保全家屋は2,739戸であります。対策工事が完了した区域は63区域、工事継続中が22区域、工事未着手が4区域となっております。
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○27番(石川寿美議員) 89区域のうち、着々と進んでいるようではあります。それでは、そういった工事に取りかかることももちろんなんですけれども、市民の皆さんが心配しているのは、やはり樹木が多くなって生い茂ってきて、それががけ崩れになるのではないかという懸念があると思います。小まめに伐採ができればいいんですけれども、持ち主の方たちが高齢化したり人手がなかったりと、そのまま置き去りの状況も見られます。そうした場合、伐採費用として市としてどんな手だてがあるのか、その点をお伺いいたします。
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○酒川学 防災安全部長 民有地のがけの防災工事につきましては、個人で行うのが原則でありますが、所有者の経済的負担を軽減し、防災工事の推進を図るために、鎌倉市では既成宅地等防災工事資金助成制度による資金の助成を行っております。この制度は災害発生のおそれのある箇所に擁壁などを設置したり改造などの工事を行う場合やがけ崩れを誘発するおそれのある樹木の伐採などの工事を行う場合で、人家等に被害が生ずるおそれがあるものについて資金助成を行うものであります。伐採工事につきましては、補助率2分の1で補助限度額60万円であります。また、防災工事につきましては同じく補助率2分の1で補助限度額は250万円であります。防災対策の有効な手段として啓発に努めておりまして、今後も積極的な活用を呼びかけていきたいと思っております。
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○27番(石川寿美議員) ゲリラ豪雨、豪雨対策として、いろんな危険が察せられると思います。ここはまさに、先ほどから言っていますけれど、危機管理をどうしていくかということかと思います。市長におかれまして体制を整えていくのが今、本当にやらなければいけないときだと思いますけれど、どのようにお考えなのか、危機管理体制について、市長のお考えをお伺いいたします。
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○松尾崇 市長 危機管理は市民の生命と財産を守らなければいけない、行政としてとても重要な役目だというふうには認識をしています。今後は、再発、そうした危機に対して日ごろの業務の中で一つ一つ、職員一人ひとりが連携をしていくことや市民が安心して生活できるという危機管理体制、この体制づくりについてしっかりと力を入れて取り組んでまいりたいというふうに考えています。
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○27番(石川寿美議員) 9月は防災の月でもあります。ぜひ、しっかり取り組んでいただきたいと思います。それでは、1番目の通告としまして、市長の政治姿勢についてをお伺いさせていただきます。
まず、マニフェストで市長がお書きになったことは多々あります。その中の一つとして、生ごみの資源化施設があります。マニフェストには山崎バイオリサイクルセンターを一から見直すと触れていらっしゃいました。3カ月見送りになったことは、今回の議会の冒頭での市長報告の中で同僚の三宅議員が質問いたしましたので割愛をさせていただきますけれども、あの話を聞いている中でも私には市長があれこれ理由をつけて資源循環型社会形成から逃避しているのではないかと見えてしまうんです。
ところで、市長が諮問をしていらっしゃる生還審、鎌倉ごみ処理施設整備について検討していただいていると思います生環審については、どのように説明をなさってるのかお伺いをいたします。
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○松尾崇 市長 生活環境整備審議会のほうには私のほうから説明をしてるということは、今のところはまだございません。
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○27番(石川寿美議員) でもですね、冒頭でも市長は報告をなさった、山崎はやらないかもしれない、やるかもしれない、その精査をしたいから3カ月待っていただきたいとおっしゃっているわけですよ。生活環境整備審議会というのは今、ごみ処理施設計画の整備を本当に真剣に議論なさっているわけですよね。今までずっと生ごみ資源化施設をつくってごみを削減しようという方向で皆さん一丸となって話を進めてきたと思うんです。そこのお約束をたがえてしまうのかなっていう気がしないでもないんですけどもその辺はどのようにお考えですか。
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○松尾崇 市長 生活環境整備審議会もそうですし、議会の皆さん、市民の皆さん、地元住民の方々も含めて、しっかりとこの3カ月間の間にでも説明をしていかなければならないと思いますし、しっかりと対話を重ねていきたいというふうに考えています。
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○27番(石川寿美議員) 今、思えばね、すごく失礼な話だと思うんです。実は、石渡市政の時に石渡市長が初めて市長に就任された時に、ごみ半減計画っていうものが進められてたわけです。生環審の中でも話が進めてなんとかごみを減らそうと、でも石渡市長はごみ半減計画を棚上げにしてしまった。そのことで生環審の委員長はおやめになったという経緯があります。今回の場合もまさしく同じようなことじゃないかと思います。今まで進めてきたものが、生環審に市長が諮問をしているわけですから、そこの市長の考えと生環審の考えが違ってたんじゃ、話にならないと思うんですけど、その辺の責任というものは感じないんでしょうか。
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○松尾崇 市長 当然、考え方がすべて同じということもないでしょうし、そのあたりも含めてですね、しっかりと御説明をさせていただきたいというふうに思っております。
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○27番(石川寿美議員) 今は、この話はちょっと置いておきます。市には総合計画があります。それに沿った各部署の基本計画があるわけです。ごみは一般廃棄物処理基本計画でゼロ・ウエイストかまくらを掲げ、それに沿った基本計画を進めてきたわけです。燃えるごみを少なくし、今泉焼却炉を廃止する、古い焼却炉を廃止することが目的だったと思います。そのために鎌倉市政は、生ごみを資源化する方針を持ったと思います。技術進歩で生ごみと汚泥を資源化し、新エネルギーを創出する、つくるということが可能となりました。市長の先送りは、この基本計画の根幹を揺るがしかねないと考えるわけですけれども、基本計画をどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
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○松尾崇 市長 当然これまでのその基本計画のみならずですね、さまざま行政の中での計画、さまざまありますけれども、過去の経過ということも十分尊重しながら考えてまいりたいというふうに思っております。しかしながら、私が選挙の時に掲げて考えてきていることと、すべてそれが一致するものではないというのは御理解いただけるかと思いますが、そういう違う部分につきましては、しっかりと御理解いただけるように説明をし、議論を重ねて、すり合わせ、調整をしていかなければならない、そういうことが重要であるというふうに考えてます。
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○27番(石川寿美議員) ちょっとお答えになってないんですけど、基本計画と市長が言ってるマニフェスト、確かに違いますけれども、行政の仕事っていうのはやっぱり継続していかなきゃいけないこともあるわけですよ。単に市長がかわったからといって、それまで基本計画、総合計画を積み上げてきて、そこには市民の意見も反映されているわけです。それをやはりここで本当に変えてしまうかもしれないことを、今市長はあちこちで御発言なさっているわけですけども、基本計画を遂行していく、実行していくっていうことにどういう考えでいらっしゃるのか、私どうも合点がいかないんで、その辺をお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
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○松尾崇 市長 当然その基本計画と違う結論を出せばですね、その責任ということがあるということを重々承知をしてます。そういう大変重い結論、決断になるということも含めて、しっかりと慎重に今検討も進めさせていただいてるということでございます。
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○27番(石川寿美議員) 3カ月先送りにしたという発言もありましたけれども、でも実際問題、この22年度の予算は市長が提出されたものですよね。4,200万円の経費を計上してるわけです。ごみ処理に関してですけども。この予算を、もう一度聞きますけれども、策定したのは市長ですよね。
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○松尾崇 市長 はい、そうです。
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○27番(石川寿美議員) 矛盾をしてると思うんですね。まだ5カ月くらいしか経ってないんですけれども、やはり今冒頭でどうするかわからない、精査していくと言いましたけれども、あの言葉を聞くと、今の山崎バイオはやらないという方向に聞こえてしまうんです。この4,200万の予算ですけれども、5カ月ほど過ぎてますけれども、どのくらい執行されたのか、この辺をちょっと部長にお伺いしながら進めていきたいと思います。部長、4,200万円はどのくらい執行されたんでしょうか。
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○相澤千香子 環境部長 環境部所管の予算のうち、廃棄物処理法に基づく生活環境影響調査の予算は3,000万超えるほどでございましたけれども、入札の結果、1,054万2,000円を執行しております。
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○27番(石川寿美議員) まあ、部長から今、1,050万ほどもう既に使っているとお聞きいたしました。そればっかりではなくて、職員も働いてるわけですから、そのための人件費はかかっております。そうですね。では、ちょっと違う質問を部長にさせていただきたいんですけども、これまで生ごみ資源化施設にかかわる費用はどのくらいかかったんでしょうか。
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○相澤千香子 環境部長 山崎バイオマスエネルギー回収施設に関連する事業といたしまして、平成20年度以前では、18年度に家庭系のモニタリング調査、これが286万9,000円、20年度に事業系モニタリング調査291万1,000円、それから21年度のバイオマス回収施設整備基本構想策定調査業務委託が1,491万円、それから同基本計画の策定業務が2,860万円、合計4,929万円になります。
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○27番(石川寿美議員) 今、4,929万ほどかかってきたと聞きました。昨年度までは石渡前市長の計画であったわけですけれども、市長がもしね、山崎バイオやらないとしたらこの金額が、税金が無駄になってしまうというわけですけども、この責任というのはどうされるんでしょうか。
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○松尾崇 市長 そういうですね、責任も当然あるということもわかっておりますし、そういうことも含めて3カ月お時間をいただきたいということで、議会冒頭でお願いをさせていただいたということでございます。
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○27番(石川寿美議員) まあ、市政運営というのは、総合計画の理念や計画に沿って実現していくものが行政運営だと私は思っております。よく事業が伴わないと、絵にかいたもちとやゆされますけれども、市長がやっていることは先が見えないんですね。先が見えないけども、対案も出してこない。でもなんか山崎バイオはやらないみたいだということにもなりかねません。本当に総合計画からちょっと逸脱してるかなということに関して、私はもう絵にかいたもちじゃなくて、絵もかいてないのかと言わざるを得ないと思います。市長が考える、資源循環型社会というのはどういうものなのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
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○松尾崇 市長 当然鎌倉市のですね、ごみ処理に対して、資源を循環をさせていくということは重要であるというふうに思っています。我々がつくるものというのは当然この世の中に限られているものからつくられているものでありまして、それをいつまでも浪費をし続けていくことができない。であるならば、それを焼却するのではなく再利用、もしくはなるべくそうしたものを使わない、資源循環型という意味では再利用していくと、持続可能な、そうした中での資源の活用ということを考えていかなきゃいけないというふうに考えています。
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○27番(石川寿美議員) 今市長の言葉にもありました。ごみを資源化していく、このことが資源循環型社会形成になるだろうと、いうことを私も市長がわかってくれてるのは理解をいたしました。ところがですね、市長はそのごみを減らすための、鎌倉市は生ごみを資源化しようということがもう2年ぐらい前から方針として出されているわけですよ。最後のごみの資源化可能な資源物かもしれません。なのにそれを今、ストップさせようとしてるのはどうしてなのか、今の意見と整合性が出ないんですけれども、どういうわけかを教えてください。
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○松尾崇 市長 鎌倉市の今のこのごみ処理行政の中で生ごみというのが大変燃やすごみの中でも大きな量を占めて、そのことを削減していくということは重要であるというふうに認識をしています。当然その生ごみを資源化をしていくということが望ましいということも、その考えは私もそういうふうに思っています。しかしながらその方法がですね、どういう方法を取るかということも含めて、私はまだまだしっかりと検討をしていかなければならないという思いがありますので、その3カ月間というお時間をいただいてるのも、そういうことも含めてしっかりと皆様方に御提示をしてまいりたいというふうに考えているところです。
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○27番(石川寿美議員) 生ごみを資源化する、その方向性は市長とは合ってるのかなと今お伺いをいたしました。ところがですね、それをどうやってやはり処理をしていくのか、これが今問われてるんですね。私たちはもうこれだけの都市部にあって、家庭内で処理をする、これはもうちょっと無理があるよねっていう判断を下してます。例えば今、家庭内処理機、電動処理機ですけれども、20%、21%くらいになりましたか、やはりそれ以上は伸びないんですね。実際に使っている方は14%しかいなかったというのが、先だっての事業仕分けで事業シートから出てきました。というぐあいにやはり無理がある。やっぱり大勢の方がする、多様な方がする中で、自宅で処理をするというのはかなり無理がある、だからこそ生ごみの資源化施設をつくり、やっぱり収集して、そこで処理をしていくことが一番合ってるのではないか、適してるのではないか、これが生環審のお答えだったし、総合計画にのっとった計画でもあったわけです。それを今本当に方向転換をしようとしてるんです、市長は。その辺を、じゃあどうやって、市長の考える、生ごみを資源化していくのか、教えていただきたいと思います。
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○松尾崇 市長 そのことをですね、この今議会、8月いっぱいにはしっかりと示しをしていきたいという思いでおりましたけれども、責任あるその具体策ということを考え、改めて3カ月お時間をいただきたいということで議会冒頭で御説明したのはそのことでございます。
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○27番(石川寿美議員) ちょっと質問の、ちょっと切り口を変えてみます。そうですね。冒頭の市長報告でうちの議員が言ってましたけれども、ある団体の中で、今泉の焼却炉はとめる、しかし生ごみは家庭内で処理するのが適しているという発言をされたそうですけれどもこれは間違いないでしょうか。
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○松尾崇 市長 その会合でですね、お話ししたことをちょっと今一字一句覚えていませんけれども、考え方としては、生ごみを処理をしていくという方法にはさまざまある、その一極集中するというやり方だけではなくて、地域、もしくは家庭、事業者で処理をしていくと、もしくは発生抑制をしていくとそういうお話をさせていただいたというふうに思っています。
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○27番(石川寿美議員) それでは今、発生抑制をしていくとおっしゃいましたけども、具体的にはどういうことなのかを教えてください。
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○松尾崇 市長 さまざまですね、それはあの、発生抑制もしくはその資源化ということも含めて、今具体的な手法については検討させていただいてるというところでございます。
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○27番(石川寿美議員) そうですね、まだ対案が出せてないわけですから、具体の施策も言えないのも当然かと思いますけれども、では今泉の焼却炉、これはどうしていかれるのかをお伺いいたします。
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○松尾崇 市長 今泉の焼却炉につきましては、地元の方々との約束があるというのは十分承知をしています。そのことは最大限尊重をしていかなければならないというふうに考えておりますので、その約束に沿った形で進めていきたいというふうには思っています。
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○27番(石川寿美議員) 約束の、なんとおっしゃったのかもう一度お答えください。
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○松尾崇 市長 その約束に沿った形で進めてまいりたいというふうに考えております。
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○27番(石川寿美議員) 約束に沿ったと、守っていくと、みたいなことをおっしゃいましたけれども、じゃ、問題なのはいつとめるかっていうことだと思います。いつとめようと思っているんでしょうか、お伺いします。
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○松尾崇 市長 これまで鎌倉市からですね、地元の方々には、まあこれは、山崎のバイオマス施設をつくるということで、28年という年を、お伝えをしているところでございます。当然条件が変わってくればまた話も変更になる部分、地元の方々の受け方っていうのも違ってくる部分ってのはあるというふうに思ってます。そのあたりはそういう点も含めてですね、今後しっかりと協議をしてまいりたいというふうに考えております。
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○27番(石川寿美議員) 今泉はとめると言質はとりました。しかしあの、今泉台町内会の説明会においても住民の方から早期に山崎バイオマスを着工してほしいとおっしゃっているのも聞いております。またこんな発言もあります。市長のマニフェストに山崎バイオ施設の一からの見直しというのを見たときから不安材料となっている。見直すということは山崎バイオ施設をやらないことにほかなりません。そうすればおのずと今泉焼却炉はストップできないのではと危惧されてるわけです。ですから、今泉は住民との約束どおり、とめるというのかというならばしっかりと、約束の期限を公表し、じかに今泉の住民の方たちに報告をすべきだとは思いますけれども、どうでしょうか。
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○松尾崇 市長 当然、今泉、岩瀬、今泉台の方々に対してですね、しっかりと説明・報告をしていく必要があると考えております。
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○27番(石川寿美議員) 市長が言う、仮に山崎バイオをつくらないとしたら、今の計画では山崎バイオができたら、28年ごろ今泉焼却炉はとめるという方向でいってると思います。もっと早くとめられるわけですよね、別に山崎バイオを待たなくてもいいわけですから。その辺の構想はおありですか。
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○松尾崇 市長 つくらないということになれば当然今議員御指摘のとおり、前倒しになるということは考えられるのかなというふうには思いますけれども、その年数も含めてですね、しっかりとそのあたりも地元の方々に御理解をいただかなければならないことだと、重要な点だというふうに思いますので、そのあたりも含めてしっかりと説明はしてまいりたいというふうには考えております。
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○27番(石川寿美議員) 期限については、明確にはお答えになりませんでしたけども、約束の25年と最初はおっしゃってました。その辺を守っていただくように、それ以上の延ばしがないようにしていただきたいと思います。
それからですね、昨日の三宅議員の話を受け継いで私も質問してるわけですけれども、先ほどの話に戻りますけれども、ある団体の会で今泉をとめると、これはまたもう一度質問させていただきますけど、こういう発言をやはりあちこちですること自体どうなんでしょうという私は気がするんですけれども、その辺はどういうふうにお考えなんですか。
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○松尾崇 市長 あちこちで話をしているかと言われますと、そんなあちこちではしておりませんけれども、ただ、市民の方々に対して私が説明をさせていただいてますのは、これまで議会の中で御答弁をさせていただいたこと、もしくはこれまで当然その政策などで掲げてきたことをお話をさせていただいてますので、新たな何か市の方向性ですとか、そういうことをお話をしたということは一切ございません。
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○27番(石川寿美議員) あまりここを長くは引っ張りたくないんですけども、やっぱり市長がいらっしゃったということは、みんな市長の意見として聞いてるわけです。ということは、あの場にいた者はやはり市長は山崎をやらないんだなと、そういう言葉を話さなくてもそういうふうに聞こえてしまったと私は聞いてます。ですから、まだそのことは、山崎をやらないってことはまだ、職員ともきちっと話をしてない中で、議員にも報告されてませんけれども、どうして地域で、ある団体の中で発言なさったのか、その責任は私本当大きいと思うんですけれども、本当に考えてらっしゃるのか、もう一度お伺いします。
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○松尾崇 市長 山崎をですね、やめるという言い方はしておりませんし、あくまでも一から見直すという、そのマニフェストに掲げたことを言わせていただいたことですので、何もそれは私の責任の中で発言をさせていただいたことですから、そういうふうに考えております。
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○27番(石川寿美議員) これは仮定の話でしかないわけです。市長は3カ月先にしか結論をお出しになりませんので、仮に山崎バイオ施設をやらないとしたら、今泉はとめる、そしたら名越焼却炉で燃やしていくしかないわけですね。現在の状況なんですけれども、名越の焼却炉は延命することはもう周知のとおりです。でも、その延命をすることにあたり、また10年先また御迷惑をかけることにもなりました。
その、延命化するにあたり、約束をしてきたわけです。その数は山崎バイオ施設をつくったことを前提に残りのごみ量を燃やすと。つまりは4万1,000トンの今ある焼却ごみから生ごみの1万3,000トンを抜いて、2万8,000トンを燃やしていただくことをお約束をしたわけですけれども、ではその約束を守るためには1万3,000トンものごみ量を削減しなければなりません。山崎バイオ施設を使わずに1万3,000トンを削減できるのかどうか、これは少し現場の環境部長にお伺いしたいと思いますけれども、よろしくお願いします。
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○相澤千香子 環境部長 バイオマスエネルギー回収施設以外で、1万3,000トンを減量していくというのは大変ハードルの高い課題だというふうに現場では思っています。ただ、市長がこういった方向性で検討しろというお話ですので、最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
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○27番(石川寿美議員) ではですね、名越焼却炉で燃やせる数量はマックスでどのくらいなのかお教えください。
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○相澤千香子 環境部長 現在バイオマスエネルギー回収施設を前提にした延命化・長寿命化の計画を策定しております。その範囲の中でですが、一応処理能力を日量65トンまで上げる前提で検討しております。この前提で申し上げますと、名越クリーンセンター一施設だけの活用で、要するにピットがあふれない範囲で申しますと、最大限3万1,600トン、また今泉のピットを活用するという方法もございますが、そうしますと3万6,000トン燃せるという計算をしております。
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○27番(石川寿美議員) 今部長から3万6,000トン燃やせるという数字が出ました。しかしこれはためておくピットが名越の焼却炉だけでは足りないわけです。ですから今泉の焼却炉にあるピット、ごみをためる穴のようなものですけども、そこを一緒に併用しなければいけないということになります。でもそうすると、また今泉から名越まで車でトラックで運ばなきゃいけないということになる。またここでお金が発生してしまうんですけども、そして今泉の焼却炉のピットを使うならば、あそこは耐震化になってないはずなんですね。ですからその費用もかかってきます。で、その総額の費用というのはどのくらいになるのか、またちょっと部長にお伺いいたします。
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○相澤千香子 環境部長 今泉のピットを使うための修繕費ですが、本当に概算でございますが、まずピットの改修と、それからピットは建屋の中に入ってますので建屋の改修、そして煙突が倒れそうですのでそれを解体撤去、ピットの改修に伴う山留工事を入れまして13億円というふうに見積もっております。
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○27番(石川寿美議員) かなりの、13億でしたっけ、金額になると思います。まあ、現実的ではありませんよね。山崎バイオをつくらないとしても経費はかかるわけです。市長はいつも、いつもではありませんけど、経費のことが気になっているというのも懸念の一つです。今の経費を聞いてどうお考えなのかお伺いします。
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○松尾崇 市長 まあそういう方法は、当然そういう経費もかかるということは、理解をしてますし、そういうことも含めてですね、すべてやはり、コストはトータルでとらえていかなければならないというふうに思いますので、そうした検討も重ねてまいりたいというふうに考えています。
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○27番(石川寿美議員) いろんな考えがあると思います。私もずっと環境問題については取り組んでまいりました。なぜ今ここにきて生ごみを資源化する、そしてエネルギーを創出しなきゃいけないかということは、これは本当に環境を扱っている者にとってはやっぱり大問題なんですね。というのは今、本当に全世界が環境悪化で大変なことになってるわけです。今は本当に、環境問題も今エネルギーをどうしていくのか、新エネルギーをどうやってつくっていくのか、全世界で本当に模索をして、実験をし、そして実証されていると思います。
今、生ごみというのが本当にヨーロッパは早く着眼したんでしょうか、私も、10年ほど前から生ごみを資源化してエネルギーをつくっている、都市ガスで供給している所もありました、こういったものが早急に日本でもつくれたらいいなという希望を持って議員になったわけです。で、全国でももう実験済みです、生ごみから電気につくりかえる新しい技術。議員になって鎌倉市でもようやくこういう環境問題に取り組む姿勢が見えてきたのかと少しは喜びました。
ところが今、市長はそれをね、やはり後退させているとしか思えません。もっともっと今技術は進んでます。エネルギーをつくるだけではなく、それを使う方法、例えば生ごみのメタンガスを市内のバスの燃料にしていく、もう市長も御存じかと思いますけれども、神戸でやられてます。それから生ごみのメタンガスを住民へ供給をしていく。これはガス会社との連携ですけれども、こういった電気に変えるばかりではなくて、メタンガスそのものをエネルギーとして使っていこうとしてる技術なんです。それを、鎌倉市で取り組んでいると、計画を進めていこうとする、これは本当に私は喜ばしいことであり、誇らしいことだと思います。
ですから、もう一度私は考え直していただきたい。今本当に環境問題、進めていかなければならない。脱化石燃料に向かって全世界が進んでいる。二酸化炭素を多く排出する化石燃料を使わない。で、ごみも燃やさない。なぜならば、二酸化炭素をたくさん排出するからです。ごみを燃やす政策ほど本当に私は愚策だと思います。資源化をする、これは基本計画にうたわれてるわけですから、それを先へ先へ進めていくのが市長としてのリーダーシップだと思いますけれども、その辺の資源循環型社会形成に向けての、鎌倉市はもうこれでストップするのかどうか、私は市長のお考えをお聞きしたいと思いますが、もう一度お願いいたします。
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○松尾崇 市長 石川議員のそうした思いというのはしっかりと受けとめさせていただきましたし、決してその考え方というのが大きく私もたがえてるつもりもないというふうに思ってます。循環型社会の形成、もしくはこの地球環境にどういうふうに一自治体としても寄与をしていくことができるか、貢献していくことができるか、ということを真剣に考えていかなければならないというふうに思ってます。この山崎のバイオの施設をつくらないということが、すべてそれに逆の方向に向くのかというのは、決してそこだけでは判断できないことであるというふうに思っています。そういうことも含めて、しっかりと皆さんにも御理解をしていただかなければならないというふうには思っておりますし、御理解いただけるように、しっかりと3カ月の御時間をいただいて、御提示をさせていただきたいというふうに思っております。
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○27番(石川寿美議員) 結局のところ市長は、どう判断されるかわかりませんけれども、ごみを燃やすという方向にはいかないでいただきたい、なるべく資源化をして、ごみを削減する方向で動いていただきたいと思います。ですからこういう都市型においては、家庭で処理するというのは大変難しいことです。これは私たちが経験をしておりますから胸を張って言えます。ですから、ぜひぜひ、よくよく考えていただきたいということを切望いたします。
ところでですね、名越の焼却炉なんですけど、10年の延命化はお約束をいただきました。その先のことをどうするか、そこをお伺いしたいんですが、市長お願いいたします。
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○松尾崇 市長 その先のことも、今この10年間どのようにしっかりと責任ある体制をつくっていかなければいけないかということにも関係してくると思います。当然、今後、未来、子や孫の世代に禍根を残さないように、負担を強いることのないように計画をつくってまいりたいというふうに思っております。
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○27番(石川寿美議員) あと15分で終わらなければなりませんので、先へ進みます。ナポリでごみ問題が大変な問題になったのは御存じだと思います。埋立地の処分地が満杯となって、10年前に廃止したはずの古い焼却炉を再開しようと図ったんですけれども、やはり老朽化をしてるので、環境に影響があると、また人間にも影響があるということで反対運動が起こって、結局は回収されずにナポリの町に散乱したという話です。テレビでも報道されて、あの美しいナポリが至るところにごみだらけという現状を目の当たりにしました。つまりは、ナポリの市ですけれども、市がちゃんと計画を立ててればこのごみ問題は解決をしたはずなんですけれども、そこが無策だったとしか言いようがありません。
鎌倉市もそのようにならないようにしていただきたいんです。観光都市、鎌倉です。ごみがあちこちに散乱する悪い環境をつくってしまっては、本当にみっともない話です。今だってカラスが散乱をして、いろんな道路に広がってるという状況もあります。そういった意味ではしっかりとした計画を市が持たないと、いつナポリのような話になるかもしれません。
生ごみはつくらない。ごみは削減できない。それで、今泉焼却炉はとめる。しかし、名越ではもう目いっぱいで燃やせないよ。そうなった場合はどう考えるのか。一応ごみっていうのは自区内処理、これが基本です。自分たちのごみは自分で片づける、そういった姿勢が必要です。しかし、それをきちんと計画を立ててないとごみが散乱するということを肝に銘じていただきたいと思います。くれぐれもごみを、税金を使って燃やさないようにしていただきたいと思います。もう一度、3カ月後、結論を出されると思いますけれども、本当にそこで最終結論となるのか、お伺いをいたします。
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○松尾崇 市長 しっかりと3カ月後にお示しをしたいということで、議会冒頭でお願いをさせていただいているわけですから、そこでしっかりと最終的な結論を出していけるように取り組んでまいります。
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○27番(石川寿美議員) 今きっぱりと、11月末になるのか12月冒頭になるのかわかりませんけれども、きっちりと結論を出していただきたいと思います。そしてくれぐれも名越の住民の方たちとお約束したごみ量、これ以上のものを燃やさないように、切にお願いをしたいと思います。
あと10分ほどあるんですけれども、いろいろ政治姿勢についてお伺いしたかったことがございます。それをちょっと1点だけお伺いさせていただきますけれども、市長選と市議選の同時開催について、これは昨年の12月の一般質問において私も質疑をして、同時開催は法的に、公職選挙法で、現職、また説明するのもあれなんですけれども結局は、市長がもう一回やめて、辞職をして再選されれば残余期間となってまた10月に市長選をやらなきゃいけない。そのためにそれを法律を特例として認めてもらえるように、市長は特区申請をするとお伺いしておりますけれども、準備はどうなんでしょうか、今のところ。
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○松尾崇 市長 構造改革特区の、国の募集に応じまして、平成25年に予定されますこの市議会議員選挙と市長選挙が執行、同日に執行できるよう構造改革特区の提案を行っております。
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○27番(石川寿美議員) 今進行している。職員、総務部が担当するんですか、命じられたんでしょうか。
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○松尾崇 市長 はい、職員に命じて手続をさせているところです。
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○27番(石川寿美議員) 総務省では年に2回の募集をしているかと思います。今年も7月から9月までが募集期間となっていたと思います。それには応募されたんでしょうか。
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○松尾崇 市長 はい、応募しております。
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○27番(石川寿美議員) 7月から9月の応募をされたということで、着実にマニフェストは実行されてるということですけれども、これは相手があることですから認められなければどうなるかはわかりません。出したからマニフェストを実行したというというわけではなくて、同時開催ができるかどうかということですよね。総務省も、私が前回電話をした時も、相当難しいでしょうと言われました。今回も出されたということだったら、相当総務省も頭を悩ますことだとは思います。だから逆に言えば、結論が遅れるかもしれません。しかしこれをマニフェストを実行するためには、2年前には申請をしてと、私も今提案をしようかと思いましたけれども、されたのならばあれですけれども、もし相手があって認められない場合はどうするのか、その辺は御覚悟はお持ちでしょうか。
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○松尾崇 市長 今申請をしているところでございますので、認められなければという仮定のことよりも、もし一度目で認められなければ何度でもそれは挑戦をしていきたいというふうには思ってます。
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○27番(石川寿美議員) 限度というものがありますからね。同時開催に間に合わせるには、やはり2年前に申請しておかなければ間に合わない。予算の関係もありますから、その辺は順序立てていかなきゃいけないんですけれど、やはり何度出しても私は難しいかな、というのがあって、出す出さない、それは御自由ですからいいんですけれど、出すんだったら、本当に気持ちがあるんだったらば、辞職を覚悟をしてるんだと、いう気概を見せないと私たち信用できないんです。その辺はどうなんですかね。
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○松尾崇 市長 その気概の見せ方は人それぞれだと思いますけど、同日で選挙を行えるように、私なりにそれはしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思ってますし、職員も絶対やるんだという気持ちで申請をしてくれてますから、私はそれを信じて、私としてもしっかりと認められるように頑張ってまいりたいというふうに思います。
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○27番(石川寿美議員) 珍しい特区申請だと私は思います。ただ、認められたらば、それはそれなりかもしれませんけれども、経費の面では5,000万円でしたっけ、それぐらい削減できると聞いております。ぜひそれが可能となるように、マニフェストが実行されるように要望いたしておきます。もう時間となりましたので、私の質問はこれで。
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○議長(赤松正博議員) 石川議員、ちょっと申し上げますが、理事者が答弁の訂正がありますので、ちょっとお待ちください。
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○山内廣行 都市整備部長 先ほどですね、ゲリラ豪雨の質問の中で、1時間57.1ミリを5年確率ということでお答えいたしましたけれども、これ10年確率が正しいので、訂正をお願いいたします。
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○27番(石川寿美議員) 2時間近くにわたって質問をさせていただきました。本当に危機管理のなさ、本当にこれは身を引き締めて考えていただきたいと思います。市長の政治姿勢につきましては、ごみの問題、これからいろいろと議論をさせていただいて、私たちの声にも、議員の声にも耳を傾けていただきたいと思います。議論できるような議会になれば、一番私たち地方自治にとっていいことですので、議論を深めていきたいと考えておりますので、これからもよろしくお願いしたいと思います。これで質問を終わらせていただきます。
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○議長(赤松正博議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(15時52分 休憩)
(16時25分 再開)
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○議長(赤松正博議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
議事の都合により、この際会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。次に、池田実議員。
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○14番(池田実議員) それでは、通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。お疲れの時間帯ではございますけれども、一生懸命質問をさせて頂きますので、しっかりと聞いていただきますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、今回大きく分けて3つの質問をいたします。1つ目は道路の整備について、2つ目は公共下水道について、3つ目はごみ処理行政についてお伺いいたします。
今回質問いたします3つの事業は、市民生活に密着した最も基本的な基盤整備事業ではありますが、事故もなく普通に運営できて当たり前の事業であります。しかし、一たび問題が発生すると、その瞬間に困ってしまう、市民生活にとりましては待ったなしの事業と言えます。私が市の仕事にかかわり始めた昭和50年代後半においては、下水道普及率はまだ20%台を推移していたかという記憶がございます。また、私が市に奉職し、最初に所属した公害対策係では、騒音や振動、大気汚染、水質汚濁など、現在のように厳しく企業の社会的責任が問われる時代では考えられないレベルの環境問題を扱っていたことを覚えております。ごみ収集にしても、燃えるごみと燃えないごみ、金属と非金属を分別する程度であったかと思います。30年足らずの間に、ここまで世の中が変遷するとは、当時は想像すらできなかったことであります。
確かに、生活は便利になりました。当たり前のように車で移動し、トイレはスイッチ一つで水が流れ、ウォシュレットなるものがついているトイレが多くなってきております。公共下水道の普及により、河川の水質は向上し、川には昔いた生物が戻ってきております。ごみの分別は細分化されてきましたが、かけがえのない地球環境を守るための環境政策の一環として、分別は大変だけれども、納得のできる事業の変遷ではないかと思っております。
文化的な生活を営むためには、それぞれがあって当たり前の基盤整備であり、逆に一日たりともおろそかにできない重要な事業であると考えております。また、インフラの宿命でもありますが、それぞれの基盤は今ちょうどひとつのターニングポイントを迎えているのではないかと考えております。ひとつひとつが非常に大きな課題ばかりですので、今回は簡潔に日ごろ気になる点を中心に、今後の整備計画や方向性、それから現在の対応状況等について、お伺いさせていただきたいと思います。
まず1番目の質問といたしまして、道路の整備についてお伺いいたします。今回、道路問題を取り上げた理由としましては、先に上げましたインフラ整備が一つのターニングポイントを迎えているのではないかという理由の他に、最近住民の方々から道路問題について相談を受けることが多くなってきているという、そういった現状が大きな一つの理由ということでございます。また、道路の不備により騒音や振動で困っている人、最悪のケースでは思わぬ事故に遭ってしまう人もおります。車はもちろん、バイクや自転車など二輪車では、ちょっとした道路のくぼみが大きな事故につながりかねません。また、体の不自由な方や高齢者、小さな子供たちにとっても、道路の不備や段差は大きな障害となってきます。
このようなことを踏まえまして、本市の道路の整備事情について、現状、それから市民からの要望、今後の対応、歩道の整備の4項目に分けて、順次お伺いさせていただきます。
まず、現状について最初にお伺いさせていただきます。現状についてですが、現在、市道と言われている道路の総延長、それはどのくらいあるのか、またそのうち改修を行う必要がある道路延長はどのくらいあるのか、その点をまず教えていただけますでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 平成21年度末の数字ではございますけれども、市道として認定されている道路の総延長は約625キロメートルございます。ただし、この延長にはいわゆる赤道と言われる、道路や山間のハイキングコースなども含まれており、このうち生活道路として舗装されている道路は約466キロでございます。また、改修を行う必要のある道路につきましては、平成18年度に調査を実施してございます。全市的に、舗装の状態が悪くその中でも特に状態が悪く優先的に改修すべき延長は、約81キロでございます。
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○14番(池田実議員) 優先的に改修すべき道路が今81キロということでございますが、かなり長い距離が残っているということだと思います。舗装した道路の625キロに対しましては、約2割ぐらいが改修すべき道路だということがわかりました。
続きまして、中期実施計画を見ますと、道路の拡幅改良事業として、大規模住宅の舗装改修と限定しておりますが、この理由についてお伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 大規模住宅地につきましては、主に昭和30年代から40年代の高度成長期に造成され、40年から50年が経過しております。大部分の住宅地で、その間舗装の全面的な改修がされないまま現在に至っているのが現状でございます。それ以外の道路も決して状態がいいとは言えませんけれども、公共下水道の整備などに伴って、一度舗装の全面的な改修がされていることから、現在最も老朽化が進んでいるのは大規模住宅地と考え、中期実施計画に個別事業として取り上げているものでございます。
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○14番(池田実議員) この大規模団地につきましては、私が小学校時代、次々と団地が形成されていったわけですけれども、この点については、以前から気になっていたところであります。かなり道路事情が悪いと感じております。特に大規模団地では、昨今、高齢化が進んでいるということもございますので、やはり、道路がでこぼこがあるということは、なるべく早い時期の改修が必要ではないかというふうに考えております。
ただいまの答弁についての確認ですが、大規模団地においても、公共下水道の道路は既に設置が行われていると思いますが、その点で道路改修についてはその辺どうなっているのかお伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 大規模住宅地につきましては、住宅の造成と同時に下水道管やマンホール等の施設を完備していたところが多く、新たな下水道の整備は不要でありましたことから、道路舗装はほとんど改修されないまま、現在に至っている状態でございます。
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○14番(池田実議員) それでは、大規模団地の道路延長は、市道全体の延長から見てどのくらいの割合を占めており、そのうち改修を行うべき延長はどのくらいあるのか、また改修工事の進行状況についてお伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 鎌倉市内には対象としております大規模住宅地が、おおむね3ヘクタール以上の住宅地でございますけれども、34団地ございます。この34団地の道路延長の合計は、約153キロメートルであり、舗装されている市道延長約466キロメートルの3分の1を占めてございます。平成21年度末までの整備延長は約1.8キロであり、整備率は1.2%になっている状況でございます。
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○14番(池田実議員) 舗装されている市道の3分の1が占めるということは、かなり比重を占めているということがわかりますが、整備率から見ますとやはり優先付けが必要ではないかと、そういうふうに感じました。次に、市全体として見た場合、年間でどのくらいの舗装の改修を行っているのかお伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 舗装の維持管理につきましては、主に道路維持補修事業の中で進めておりますけれども、1年間で改修しております延長は、ここ10年間の平均で、1年あたりおおむね2キロでございます。
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○14番(池田実議員) 今、年間2キロの補修ペースということでございますけれども、補修すべき道路延長から見て、かなりペースがスローではないかなというふうに感じます。この点について、後段でまた、今後の対応についての段で質問させていただきます。
続きましては、2番目の質問として、市民からの苦情や要望についてお伺いいたします。まず、市民から道路の舗装改修に関する要望の大まかな内容と、その数はどのくらいあるのか教えていただけますでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 市民の皆さんからの道路に関する補修要望は大変多く、作業センターへ出されているここ数年の平均要望件数は、1年間で1,800件ほどございます。内容は、舗装の部分的な破損や陥没などの応急措置、U字溝のふたの破損などが主となっております。また、作業センターでは対応が難しい数百万から数千万を要する工事の要望につきましては、道路整備課で工事を発注する形で対応してございますけれども、こちらの要望は過去10年ほどの平均で1年間に50件程度になっております。
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○14番(池田実議員) ただいまの年間1,800件というのは、かなり要望が多いのではないかなというふうに改めて感じます。それでは、実際問題といたしまして、苦情や要望に対応できているのでしょうか。またその処理状況の推移と、未処理件数がわかれば教えていただけますでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 市民の皆さんからの要望の件数は、先ほど申し上げたとおり非常に多くですね、要望に対応できていない未処理件数は年々増加の傾向にございます。作業センターへの要望につきましては、比較的軽微な作業で対応可能であることから、平成21年度末でおおむね8割の処理率となっており、未処理件数は226件でございます。道路整備課の工事発注につきましては、まとまった予算を必要とすることから、平成21年度末で5割ほどの処理率にとどまっており、未処理件数は322件となっております。
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○14番(池田実議員) それではですね、未処理件数についてですけれども、かなり未処理件数がたまっているということですけれども、ここ10年間でですね、例えば考えてみた場合、10年前と比較してどのくらい累積しているのか、わかれば教えていただきたいと思います。
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○山内廣行 都市整備部長 各年度ごとに処理できるように努力はしておりますけれども、予算措置をした上で実施せざるを得ない案件等も多く、結果として未処理の案件が累積しているのが実態でございます。特に数百万から数千万とまとまった予算を要する道路整備課取り扱いの要望に対しましては、10年前の平成12年度末時点で累積要望件数302件に対して、未処理件数は67件、約2割が処理できない状況でございましたけれども、平成21年度末では累積の件数の609件に対して未処理件数は322件と、約5割まで増加しているところでございます。
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○14番(池田実議員) 未処理件数が5割増加するということは、かなりな増加率ということではないかなと思います。これについては何らかの対策を考えていかなければならないというふうに強く感じるわけですけれども、現状から見れば、今後累積していくことも明らかであり、累積をとめるためには、今後の対応を十分に検討すべきではないかと、そういうふうに感じます。
それでは、ここで3番目の今後の対応について、伺わせていただきます。このように非常に苦情や要望の多い中で、また住民要望等が未処理のまま、処理できずに累積している状況で、今後どう対応していけばいいのか、限られた予算や体制の中で的確な対応を行うためには、まずは早急な整理が必要であり、優先順位をつける必要があるというふうに思います。実際のところその優先順位を整理する作業などは行っているのでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 舗装改修等の要望につきましては、状態が悪く早急な改修が必要な箇所につきましては極力対応するように決めております。これらの箇所につきましては、市の調査で把握している箇所と一致をしているところも多く、これは整備率の向上にもつながっているところでこざいます。また、要望の中には比較的舗装などの損傷が軽度であると判断される場合もございますので、その場合はその旨、要望者にお伝えをしながら経過を見ることとしている箇所もあり、それぞれ具体な場所ごとに判断しているところでございます。舗装改修が必要な箇所の整備補修でございますけれども、市道の中でも比較的交通量が多く、バス通りなどになっている、いわゆる一級及び二級幹線市道を優先させておりますが、生活道路などのその他の道路についても、状態が特に悪ければ対応しているところでございます。最近の幹線の整備といたしましては、大船西鎌倉線いわゆる旧京急道路の山崎から富士見町にかけての改修や、梶原住宅地内の幹線道路、今小路通り、今泉の七久保橋付近、鎌倉山のバス通りなど、損傷の激しい区間を選定して取り組んでいるところでございます。
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○14番(池田実議員) 予算や体制の厳しい状況の中で、いろいろケース・バイ・ケースの形の道路状況、整理しながら取り組んでいるということがわかったわけですけれども、道路整備につきましては、非常に広い、広範囲にわたるわけでありまして、その中で優先順位をつけていくということは非常に難しい作業だということは理解していますが、少しでも早く対応できるような体制の整備も必要ではないかと、そういうふうに考えております。また視点を変えまして、行政としては言いにくい部分もあるかもしれませんけれども、道路の不備等あるいは道路管理に起因する事故件数、これについてはどのくらいあるか、教えていただけますでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 道路管理に起因する事故件数でございますけれども、平成12年度から平成21年度の過去10年間の統計ではトータルで58件、年平均6件程度、起こってございます。主な内容といたしましては、歩行者が道路の凹凸につまづき、歩行者が捻挫や骨折をしたケースや、路面の欠損により車両のタイヤがパンクしたなどのケースがございます。今後は管理起因事故ゼロを目指して努力をしていきたいと、そのように考えております。
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○14番(池田実議員) 年平均6件程度ということでございますので、毎年増加傾向にあるということではないとがわかりましたけれども、ただ、生活する上での利便性はさることながら、身体や財産への影響があるような事故は避けなければならないというふうに考えております。また、先ほどの答弁の中で、毎年2キロメートルしか舗装の改修が進んでいないということをお聞きいたしましたが、単純計算をしてみても、修繕が終わるまでにはとてつもない時間がかかるのではないでしょうか。81キロとすると、2キロとすると40年かかるということになります。今後優先順位をつけて効率的な対応をとっていくにしても、改修自体が遅々として進まないのでは悪循環になってしまうのではないかと考えます。何かもう少しスピードアップを図るような施策を、何か考えていらっしゃるのでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 全市的にはこれからも改修必要箇所を順次進めていくことになると考えております。また、大規模住宅地につきましては、各住宅地からの改修の要望に対応するため、まずは全住宅地の舗装の状態を調査した上で、納得できる優先順位の整備が必要と考えております。いずれにいたしましても、既に舗装されてから40年、50年経過して老朽化が深刻になっている路線も非常に多いことを考えますと、一般的な舗装のやり方だけで対応することは非常に難しい状況になっているかと考えております。このため、予算の充実を図ることもさることながら、さまざまな舗装の補修方法を研究・検討して、延命化を図る努力も必要であると、そういうふうに考えてございます。
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○14番(池田実議員) やはり道路問題というのは、生活に密着した重要な課題であるというふうに認識しております。課題の整理、体制の整備、補修工法の検討等、さまざまな角度から検討をすべき時期が来ているのではないかと、そういうふうに思っております。さらに厳しい社会情勢の中ではありますが、ぜひとも来年度の予算編成におきましては、ある程度の予算措置も視野に入れて、検討を進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、4番目の歩道の整備についてお伺いいたします。道路問題とともに歩道の整備、設置や段差解消につきましては、要望がかなり多くあるかと思いますが、特に高齢化社会を迎え、移動の円滑化を図るための歩道のバリアフリー化は今後計画的に進めていかなければならない、重要な事業であるというふうに考えております。市としての、歩道整備の基本的な考え方をまず伺いたいと思います。
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○山内廣行 都市整備部長 歩道整備につきましては、基本的には芸術館通りのように都市計画道路の整備事業の中で、あるいは都市計画道路の整備に伴う1・2級幹線市道の整備の中で取り組むべきものと考えてございます。次に、歩道のバリアフリー化でございますけれども、平成15・16年度に策定いたしました鎌倉市移動円滑化基本構想に基づき、一定規模を超える駅から福祉施設や公共施設などを結ぶ経路を特定経路として指定し、歩道のバリアフリー化に取り組んでおり、平成21年度末での特定経路での市道の整備率は約51%となってございます。また、段差切り下げ事業につきましては、バリアフリー化の一環として、昭和54年度から継続的に行っているところでございます。
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○14番(池田実議員) 今のお話では、バリアフリー化につきましても、市内全域にわたって計画的な取り組みがされているということが理解できました。それでは市としてですね、バリアフリー化の一環として行っている歩道の段差切り下げ事業の現在の進捗状況についてお伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 歩道の段差切り下げにつきましては、昭和54年度から市内350カ所を対象に取り組み、平成15年度に一定の整備を完了したところでございます。しかしながら、整備途中の平成12年に、交通バリアフリー法に基づく道路の移動円滑化整備に関する基準が示されたことにより、平成16年度に再調査を実施し、その調査の結果、改修必要箇所が806カ所確認されたことから、改めて平成18年度より第二次事業として取り組み、平成21年度からは実施計画事業に位置づけて実施しているところでございます。整備につきましては、平成21年度末で212カ所完了しており、また今年度も21カ所の整備を予定しておりますことから、今年度末には29%の整備率となる予定でございます。
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○14番(池田実議員) そうですね、整備率29%からすると、まだまだこれからのような気がいたします。ぜひきちんとした実施計画に基づきまして事業を着々と進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、大船西鎌倉線、いわゆる旧京急道路は市に移管されましてからかなりの時間がたっていると思いますが、いまだに整備されていない箇所が見受けられ、住民の方からも歩道整備等の要望が多くありますが、現在の整備状況についてお聞かせください。
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○山内廣行 都市整備部長 大船西鎌倉線につきましては、昭和60年に市道として認定してから、既に25年経過してございます。この路線は、我が国初の自動車専用道路ということで、歩道が整備されていない状況にありましたことから、移管直後から歩道整備に取り組んでいるところでございます。現在までに路線全体の延長4.8キロメートルに対しまして、両側の歩道整備を目標として、現時点で約8割の整備を終えております。未整備区間につきましては、歩道整備に必要な用地の取得や、道路境界が未画定などの課題があり、整備が進んでいないのが現状でございます。今後も引き続き、一つずつ課題を解決して、整備に向け取り組んでいきたいと考えております。
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○14番(池田実議員) 今、8割の整備を終えているということでございますけれども、かなり時間がたっている中で、8割以外の2割が残っていると。その25年経過して未整備である区間につきましては、今後、課題解決へ向けて積極的な対応をぜひお願いしたいと思っております。
最後に具体的な質問をさせていただきますが、住民の方からお話をいただいているのは、富士塚小学校の入り口の信号から大船に向かった寺分坂の右側レーンの部分、それと笛田から鎌倉山へ抜けるモノレールの変電所前辺りの両側について歩道が未整備となっており、実際通学などに不自由を来していると聞いておりますが、今後整備していく予定があるのかをお聞かせいただきたいと思います。
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○山内廣行 都市整備部長 ただいま御指摘の場所につきましては、課題の多い箇所として残ってしまっているところでございます。ただ、歩道の整備の必要性は十分認識しております。来年度予定しております中期実施計画事業の見直しの中で課題等の整理を行い、整備に向けて取り組んでいきたいと考えているところでございます。
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○14番(池田実議員) 確かに課題が多いということでですね、なかなか先へ進めないということは理解できます。ぜひ中期実施計画に計画を入れていただき、課題解決していただきますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、道路の項目はこれで終わりにいたしまして、引き続きまして公共下水道についてお伺いさせていただきます。鎌倉市の公共下水道につきましては、昭和34年に整備が開始されてから既に50年余り経過しており、直近の整備率では、市街化区域内では99.4%と非常に高い水準であることは認識しているところです。今回、公共下水道についてお聞きしたいことは、事業自体が一つの大きな折り返し地点に差しかかっていることから、今後どのように老朽化した施設の維持管理をしていこうとしているのか、また現在どのような対策をとっているのかについてお伺いしたいと思います。道路もそうでしたが、私自身、公共下水道も毎日利用させていただいております。それも365日、まさになくてはならない存在であります。まずは、一般的に現在公共下水道で使用している管渠の耐用年数についてお伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 市の汚水管渠につきましては遠心力鉄筋コンクリート管、いわゆるヒューム管や塩ビ管などで施工されておりまして、標準的な耐用年数は50年とされてございます。
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○14番(池田実議員) 標準的な耐用年数、50年ということでちょうど折り返し地点ということでありますけれども、公共下水道の敷設工事が開始されてから50年過ぎたところであるということを考えると、一つの大きな山を登りきったところであるということがわかります。全国的にも老朽化した下水道管渠による道路の陥没事故が増加傾向にあると聞いております。鎌倉市においても、昨年七里ガ浜において陥没が発生しておりますが、現在その対策としては、どのような対策をとっているのかお伺いします。
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○山内廣行 都市整備部長 ただいまの質問の中で、七里ガ浜の陥没でございますけれど、こちらのほうは既に破損部分について鉄線の山留材を囲い、その上部に鉄筋を配筋してコンクリート打設をするなど、一定の処理を終えたところでございます。また、全体的な対策でございますけれども、施設の破損等が起因した道路陥没等による事故を未然に防止するため、平成13年度より老朽化対策として実施計画に位置づけ、年間約2キロから4キロの修繕工事、具体的には管更生という手法でこれを実施しているところでございます。その対象の場所でございますけれども、鎌倉処理区では築造後約30年から50年経過している下水道施設であり、大船処理区では市に移管された昭和30年代後半から40年代前半に造成された大規模団地の下水道施設でございます。
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○14番(池田実議員) やはり陥没事故などのように住民の財産や体に被害を及ぼすような事故は未然に防止していかなければならないと考えております。老朽化状況の把握と、それに対する優先順位づけを行った上での計画的な修繕工事が必要であるということを改めて認識しているところです。計画に基づいた予算の確保とスピードアップも視野に入れながら計画的に進めていただきたいと思っているところです。それでは、ちなみに更生工事を行った場合の管渠の耐用年数はどのくらいかお伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 管更生、更生工事で施工した汚水管渠につきましては、これは埋設された深さや交通量などにも異なってまいりますけれども、おおむね延命化される年数は30年から50年と言われているところでございます。
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○14番(池田実議員) 50年というと、当初の敷設と同じくらいの延命期間が図れるということですけれども、更生工事につきましては修繕工事の進行状況からしても、サイクル的にみても、むしろランニングコストに近いのかなという印象を受けました。それでは、次に鎌倉処理区におきまして、現在耐用年数を超え老朽化した管渠に対する更生工事がどのくらい進んでいるのかお伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 本市の公共下水道、汚水事業につきましては、昭和34年より工事に着手しており、約50年経過しているところでございます。鎌倉処理区の汚水管渠の整備延長は、全体で約230キロメートルでございまして、このうちヒューム管などを使用している約114キロメートルを修繕する予定になっております。中期実施計画期間の平成25年度末までに31.2キロメートルを予定しており、平成21年度末で17.4キロメートルの修繕を実施いたしました。25年末までの31.2キロに比べれば修繕率は約56%となっております。しかしながら全体の修繕率はまだまだ約15%と低く、早期に修繕したいと考えてございますけれども、実際には道路陥没及び下水道施設としての機能低下が確認された箇所などを優先的に修繕しているという、そういう状況でございます。
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○14番(池田実議員) この件につきましても、実施計画にのせて計画的に整備を進めているということでございますが、全体の改善率が15%と考えますと、まだまだ時間のかかる事業であるということがわかります。やはり繰り返しになりますが、的確な優先順位づけというものが非常に大事ではないかと思っております。
続きまして、もうひとつ気になる点がありますが、昭和30年代後半から40年代前半にかけて、築造された大規模団地の汚水管が平成12年ごろから15年ぐらいにかけて市に移管されたと聞いておりますが、この大規模団地に対する下水管渠の修繕の状況は、どのように進められているのかお伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 この大規模団地、大船処理区が中心でございますけれども、こちらの大規模団地の下水道施設につきましては、経年劣化などにより機能低下などが見受けられますことから、全体で約50キロメートルを修繕する予定でございます。中期実施計画期間の平成25年度末までに約24.8キロメートル予定しており、平成21年度末で15.1キロメートルの修繕を実施してございます。修繕率は61%、ただ全体の修繕率としては30%でございます。こちらも、鎌倉処理区と同様にやはり道路陥没や機能低下が確認された箇所などを優先的に修繕しているのが実態でございます。いずれにいたしましても、市民生活に欠かせないライフラインでございます。着実に修繕する工事を進めていきたいと考えてございます。
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○14番(池田実議員) そうですね、実施計画等、計画にのせてですね、今後も着実に進めていただきたいと、そういうふうに思います。計画的な修繕につきましては、国交省が平成20年度に下水道長寿命化支援制度を立ち上げましたが、制度の活用には下水道長寿命化計画を策定することとなっております。鎌倉市では現在、計画策定に向けた取り組みはどの程度進んでいるのか教えていただけますでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 本市では平成3年度に汚水管渠大規模修繕計画を策定し、平成11年度に計画の見直しを行ってございます。現在は、今、議員さんからお話がありましたとおり、本計画を基本として下水道長寿命化計画を策定するための基礎資料の収集や、資産台帳の整理などを行っている状況でございます。今後につきましては対象エリアの選定及び路線の選定などを検討し、なるべく早期に下水道長寿命化計画を策定していきたいと考えているところでございます。
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○14番(池田実議員) 計画的な修繕や優先順位を考える上でも重要な作業であるというふうに思っております。早期に策定されるよう、よろしくお願いします。
続きまして、地震時における対策についてですが、平成16年10月に発生しました新潟県中越地震では、阪神・淡路大震災以来の大規模な被害を下水道施設にももたらしましたが、緊急車両がマンホールの浮上により通行できなくなったり、下水道機能が麻痺して市民生活に大きな被害をもたらしたことは記憶あるところですが、鎌倉市としてどのような対策を計画しているのか、また行っているのか、お聞かせいただきたいと思います。
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○山内廣行 都市整備部長 平成19年度に下水道地震対策緊急整備計画を策定いたしまして、平成20年度に国からの同意を受けて、21年度から事業に着手し、順次耐震化工事などを実施してございます。基本的な考え方といたしましては、市内で指定されている緊急輸送路線、これは一般国道134号線他6路線を指してございますけれども、そういった緊急輸送路線及び防災拠点や避難所からの汚水を受ける管渠、そしてポンプ場、処理場に直結している幹線管渠などの重要な施設の耐震化を目指しているところでございます。南関東地震等の地震発生時に予想されるマグニチュード7から8を対象として計画しておりますけれども、いつ発生するか想定できないことから、できるだけ早期に下水道施設の耐震化工事を進めていきたいと考えてございます。
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○14番(池田実議員) 災害時の緊急輸送路線の被害を最小限に食いとめるような施設の耐震化が特に重要であると思いますので、その点につきましてはどうぞよろしくお願いいたします。
これまで、道路整備事業と公共下水道の汚水に関する事業について伺ってまいりましたが、下水道事業に関しては雨水に関する事業も含めて、いずれの事業も市民生活には欠かせない大事な事業でありますが、早急な景気回復が見込めない社会情勢により、一度に多額の予算をかけられない状況の中で、都市整備部としてこれからの事業を推進するために何か施策を考えているのか、その点について案があればお聞かせいただきたいと思います。
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○山内廣行 都市整備部長 ただいま、議員さん御指摘の各事業につきましては、市民生活を安全で快適に送っていただくための非常に重要な事業として認識しているところでございます。今までもさまざまな対応を行ってきておりますけれども、より強化が必要な事業と考えてございます。そこで、国からの財政的支援、今年度補助金から交付金に変わり、支援対象となる事業も幅広くなっておりますから、これらの制度を積極的に活用しながら、各事業の推進のため、それぞれの事業の連携を図りつつ、より充実した整備を目指していきたいと考えているところでございます。
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○14番(池田実議員) 最後に、今後の道路及び下水道行政のあり方について、市長はどのようにお考えになっているのか、見解をお聞かせいただきたいと思います。
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○松尾崇 市長 今、都市整備部長が答弁しましたとおりですね、いずれの事業も市民生活には欠かせない、とても重要な事業であるというふうに認識しています。事業の推進には多額な費用がかかってくるものですから、国や県からの財政支援を最大限に活用して、事業推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
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○14番(池田実議員) 市民生活に密着した、一日たりともおろそかにすることのできない事業ですので、ぜひ予算の確保や体制整備も含めまして、前向きな対応をぜひお願いしたいと思います。
それでは、続きまして大きな項目の3つ目でございます。ごみ処理行政について、バイオマスエネルギー回収施設を中心にお伺いいたします。ごみ処理問題、特にバイオマスエネルギー回収施設につきましては、市長が就任された当初から、市長のマニフェストに対して同僚議員によるさまざまな質問がされてきたところであり、なるべく重複しないようにという形でと思っておりましたけれども、やはり聞きたいことは何度でも聞くという姿勢で質問をさせていただきたいと思います。
現在、進行している計画では、燃やすごみの40%を占める生ごみをバイオマスエネルギー回収施設で資源化することで燃やすごみを減らし、地域住民との覚書により、老朽化した今泉の焼却施設をとめ、残った燃やすごみを名越の焼却施設を延命化することによって処理していくという計画であるかと思います。松尾市長は昨年の市長選におけるマニフェストの中で、ごみ処理行政について大きな二つの方向性を示されております。一つは山崎に予定されているバイオリサイクルセンター建設は一から見直しますということで、もう一つは現在今泉と名越の2カ所にある焼却場は1カ所へと集約しますと、マニフェストに掲載しております。市長は就任当初、同僚議員の質問に対しまして、バイオマスエネルギー回収施設については、一貫して慎重に進めてまいりたいという答弁がありましたが、決して安いお金ではありませんから、未来を担う子供たちになるべく借金を残さないようにとのお気持ちから、首長として慎重に検討し、事業を進めていくという姿勢は私は賛成であります。また、市長に就任されて公務多忙の中、なかなかじっくりと考える時間がないことも十分承知しているところであります。しかしながら、既に検討を始めてから10カ月が過ぎております。そして、本議会の冒頭でも報告がありましたが、バイオマスエネルギー回収施設の建設を進めるかどうかの結論はさらに3カ月先送りするとのことでありました。市長のお気持ちとしては8月25日の定例記者会見で述べられ、8月26日付神奈川新聞で報道のあった、期間内に同施設建設にかかわる代替案を示すと説明した、3カ月以内に提示ができない場合、建設の見直しの方針を断念し、現行計画を推進していくこととしたというコメントで、これを読みますとようやく先が見えてきたような気がいたします。ここでまず、お伺いしたいのは、時間的流れから見まして、この3カ月は非常に重要な期間であるということです。平成22年度予算では、このバイオマスエネルギー回収施設建設に向けて、環境部と都市整備部の二つの部に予算計上がされています。環境部における、廃棄物処理法上の生活環境影響調査委託事業につきましては順調に進んでいると聞いておりますが、都市整備部に予算計上され、平成22年度と23年度の2カ年の債務負担行為で制定されている、都市計画決定に係る申請図書等作成業務と公共下水道事業計画変更認可等図書作成業務につきましては、凍結されていると聞いております。ここで確認ですが、この都市計画決定に向けた業務は、いつまでに契約すれば計画が遅延することなく進められるのでしょうか。お伺いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 ただいま、議員さんからお話がありました都市計画決定及び公共下水道事業の計画変更等の委託業務につきましては、これはバイオマスエネルギー回収施設建設に伴う一般廃棄物処理施設の都市計画決定と下水道及び都市計画法の事業認可の変更などが主な業務内容でございまして、平成22年、23年の2カ年の債務負担行為を設定して実施する予定でございます。この委託業務につきましては、当初平成23年度末の都市計画法等の事業認可を予定して、それに向けて7月に発注できるように準備を進めていたところでございます。しかし今現在、議員さんからお話がありましたとおり、現時点では市長の指示により発注を見合わせている状況にございます。
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○14番(池田実議員) そういうことでありますと、現行の事業を進めるとした場合、この3カ月間の遅れは1年以上の遅れになるということでよろしいでしょうか。
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○山内廣行 都市整備部長 発注が3カ月遅れることによりまして、債務負担行為の設定の変更などの調整も必要となりますから、都市計画決定等の事業認可は半年から1年近く遅れることになるのではないかと考えているところでございます。
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○14番(池田実議員) ここでまず心配となりますのは国からの補助金についてですが、約1年の遅れによって影響は出ないのでしょうか。お願いいたします。
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○山内廣行 都市整備部長 まず都市計画決定及び公共下水道事業の計画変更等の委託業務につきましては、市単独の延期のため影響はございません。また、施設整備に係る国土交通省の補助金につきましては、新たに創設された交付金の要望となりますけれども、国・県との事前確認におきましては、1年の先延ばしは可能との判断はもらっているところでございます。
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○相澤千香子 環境部長 一方、環境省によります循環型社会形成推進交付金について申し上げます。交付金申請の前提となる循環型社会形成推進地域計画を逗子市と共同で策定して国に承認されております。この地域計画には山崎浄化センターバイオマスエネルギー回収施設の整備と、この施設整備を前提とした名越クリーンセンターの長寿命化事業がございます。これらの事業について、事業実施しないとなる場合は計画をつくり直すことになりますが、事業実施の1年の先送りになれば軽微な変更となり、一部変更の手続で調整できます。従って、既存の計画に沿って進められる前提での1年の遅れについては交付金の交付の可否に及ぶ影響はないというふうに考えております。
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○14番(池田実議員) それではちょっと視点を変えまして、もしバイオマスエネルギー回収施設の建設をやめた場合、この場合どのような影響が出るかをお聞かせいただきたいと思います。
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○相澤千香子 環境部長 ただいま申し上げました、国の承認を受けている地域計画ですが、これはバイオマスエネルギー回収施設の整備を前提とした計画でございまして、その上で名越クリーンセンターの長寿命化事業がございます。従いまして、この回収施設を整備しない場合は、その他の方法で自区内で安定したごみ処理体制の確立を図ることができる計画でなければ、国の承認は得にくいというふうに考えております。また、地域計画に記載された事業を実施しないとなる場合、先ほど申し上げましたように計画をつくり直すことになり、一からつくり直す場合は時間的には一年以上の時間を要することになると思います。一方、ごみ処理体制から見ますと、このバイオマスエネルギー回収施設の建設をやめた場合は、この施設と同様の、同等の継続的な焼却ごみの減量効果が見込まれる代替施策が必要です。もし、このような代替施策が見出せない場合は物理的には従来どおり、名越・今泉両クリーンセンターを延命化して稼働させ、継続させるしかないというふうに考えております。
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○14番(池田実議員) そうしますと、新たな計画を一からつくるためには少なくとも1年以上、おそらく実際はそれ以上の時間を要するのではないでしょうか。おそらく、住民の理解を得るだけでも相当な時間を要すると思われます。また、環境的な流れから国において推進しているバイオマスの活用による手法以外に新たな計画での国の承認は非常に難しいのではないかと、そういうふうに推察されます。
ここで市長にお聞きいたしますが、3カ月先延ばしにすることの影響の大きさについて十分承知されているということでよろしいでしょうか。その辺のお気持ちについてお聞かせいただければと思います。
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○松尾崇 市長 今、部長答弁でありましたさまざまな影響があるということは、またさらに言えば地域の方々、市民の方々にも大きな影響を及ぼすことであるということは十分承知をしております。しかしながら、この3カ月お時間をいただきたいという判断をさせていただいて、しっかりとした結論を出すに向けて全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
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○14番(池田実議員) さまざまな影響が出る中で、この3カ月間というのは鎌倉市のごみ処理行政にとってかなり大きなダメージになるのではないかと想像されます。冒頭の市長の報告に対する質疑にもありましたが、今まで何を検討してきてこれからの3カ月間で何を検討するのか、この点が明確でなければ地域住民はもちろん、鎌倉市民が納得できないのではないかというふうに思います。大事なのは、きちんとしたその都度、その時点での説明責任を果たす、ということが大事ではないかと、そういうふうに思っております。
ここでもう一つ、もう一度ですね、8月26日付神奈川新聞の記事に戻りますが、3カ月の先送りについて松尾市長は、皆さんに御理解いただける案が今は示せないため、と説明。同施設については、費用対効果や効率性・環境面への懸念から、これを今、市が取り組むことについて避けたいという思いが現在はある、とし、期間内の代替案提示への強い意欲を見せた、と記載されております。ここでお伺いしたいのは、費用対効果についてでありますが、バイオマスエネルギー回収施設はそんなに費用対効果が悪いものなのでしょうか。例えば仮定ですが、今泉の焼却施設を残して、今までどおりごみ処理をした場合と、バイオマスエネルギー回収施設を設置した場合のライフサイクルコストを比較した場合、どの程度の差が出てくるのでしょうか。何かこういった試算はあるのでしょうか。お伺いいたします。
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○相澤千香子 環境部長 今、議員お尋ねのコスト比較についてですが、バイオマスエネルギー回収施設を整備して生ごみを資源化した上で焼却炉の減量化を図って、今泉クリーンセンターの焼却を停止し、残った焼却ごみは名越クリーンセンターを延命化して処理するケース、これが既存の計画ですが、これと、バイオマスエネルギー回収施設を整備せずに名越・今泉両クリーンセンターを延命化して、焼却ごみとして全量を焼却する場合、これを平成22年から30年間の期間でライフサイクルコストを試算してみました。いずれも条件として焼却施設の延命化は稼働50年、その後、広域での焼却施設を整備するという設定としております。具体的な金額を申し上げますと、いずれも施設整備とその維持管理費のみの試算ではございますが、現行の計画が約547億円、それから両クリーンセンターを延命化する計画が約566億円となりまして、結果、既存の計画のほうが19億円ほど安いという結果になりました。
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○14番(池田実議員) 私、感覚的に考えていたのは焼却処理していったほうが安いのかなというイメージがありましたけれども、初期投資は別としてライフサイクルコストの面から見ますと、バイオマスエネルギー回収施設を整備するほうが費用対効果の面でおきましても経済効果が高いということが今の御説明で理解できました。
続きまして、環境面への懸念とありますけれども、これは何を意味しているのでしょうか。バイオマスエネルギー回収施設はバイオマス活用推進基本法にもあるように、地球温暖化の防止や循環型社会の形成を推進するものであり、持続可能な社会形成になくてはならない有効な手段であると私自身は理解しているところです。この点について、市長の見解をお伺いいたします。
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○松尾崇 市長 廃棄物処理の施設の建設になりますと、当然地元住民の方々への心理的な影響というものは負担が大きいものであるというふうに考えますし、また施設を建設する、またそれを維持していくということは当然環境への負荷が生まれるということであるというふうに考えております。
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○14番(池田実議員) もし新たな廃棄物処理施設を建設しないでごみ処理ができれば、これ以上の方策はないということは私も理解できます。しかし同時に、現在の科学の進歩から見て、ほかに最善策があるのかどうか非常に疑問に思っているところです。それでは、市長が理解されているバイオマスエネルギー回収施設導入に伴うメリットとデメリット、それをどのよう考えているのかお聞かせいただきたいと思います。
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○松尾崇 市長 他の施設整備と比較して廉価であったとしても初期投資が多額であるということ、同種の施設の、施設運用のノウハウが蓄積されていないということはデメリットであるというふうに考えています。施設の効率性の改善ということもまだまだ余地があるのではないかなというふうに考えております。
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○14番(池田実議員) ただいまの回答ではデメリットの部分しか述べられておりませんけれども、数多くあるメリットは、市長は認められているということでよろしいのでしょうか。
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○松尾崇 市長 施設をつくらないということでのメリットという意味では、施設をつくることによって生ごみを例えば減量化する、発生抑制していくということが働きにくくなる方向にいくのではないかというふうに考えます。つくらないことによりまして、よりごみの減量化・発生抑制ということには十分効果があるのではないかと。またその他、環境面におきましても、その施設をつくらないということにつきましては当然メリットがあるというふうに考えているところでございます。
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○14番(池田実議員) 私の認識の中ではですね、非常に環境的にもエネルギーを再利用するという面でもメリットは非常に高いのではないかなという認識が強いわけですけれども、市長の今の考え方ですと、施設をつくる、つくる施設自体がデメリットがあるというふうに受け取れるわけなのですけれども、施設自体は、例えば新たな焼却施設であればかなり環境負荷も高くなるということだと思いますけれども、メリット・デメリットで考えますと、現在の科学の進歩からいって今回のバイオマスエネルギー回収施設はかなりメリットが高いのではないかと、そういうふうに私は考えているところです。それについてもう一度ちょっと、メリットについてお伺いしたいと思います。
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○松尾崇 市長 失礼しました。バイオマスエネルギーの施設をつくることに対するメリットということでございます。メリットと言いますと、あまり私の中では、大きな、この生ごみバイオマスエネルギーの施設をつくるということに対するメリットということはですね、あまり考えにくいところなのかなというふうに思っています。
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○14番(池田実議員) 私の考えるメリットはですね、例えば燃やすごみの焼却炉を削減することができる、その燃やすごみの焼却施設の規模を縮小できるというのがまず一つの大きなメリットだと思います。それから、例えばエネルギーの回収ですね、現在エネルギーの回収は行われていませんけれども、それによってメタンガスが発生することによってエネルギーに利用できる、これはまさにリサイクルされてですね、長い目で見て非常にメリットがあると思います。それから、例えばメタン発酵により汚泥の質が安定するとかですね、そういう根本的には、今泉の焼却施設を最終的には停止できるというのが最大のメリットではないかと思います。その辺のいわゆる三位一体の関係の中でですね、市長が一概にメリットをあまり感じられないということは、ちょっと今までの検討段階でですね、非常に落ち度があるのではないかなと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
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○松尾崇 市長 今、議員さん御指摘のようにですね、今泉が、焼却が止められるですとか、バイオのメタンから電力をつくっていくというようなそういう仕組み、もしくはその特徴ということは当然、ほかの施設も見てまいりましたし、それは認識をしております。当然そういうことも含めて検討しておりますけれども、私の中でそうした、今、議員さん御指摘いただいたようなメリットが、それも含めて当然今後も検討してまいりますけれども、私がとらえている中ではそれがこの鎌倉市の将来、ごみ処理について長い目で見た時に大きなそれがメリットになるかということは、さらに慎重にそこは見ていかなければいけないというふうに思っております。
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○14番(池田実議員) 一番肝心な部分が私にはちょっと理解できなかったのですけれども、それではですね、次に代替案ということでですね、市長が考えている、よりメリットのある代替案でございますけれども、市長が就任されて最初の12月議会では、どのようなすばらしい代替案が示されるのか、私としては内心期待しながら市長の答弁を聞いておりましたが、慎重に進めてまいりたいや、なるべく早いうちに結論を出したいという答弁で始終いたしました。今年の6月の議会においても、同僚議員の質問に対しまして、後発の優位性ということがまだまだ可能性としてあるものなんだろうな、という印象は持ちましたけれども、そうした一つの稼働するという意味での技術的な懸念というものは一定程度払拭をしたということは言えるというふうに思っています、と答弁されております。このことからも、バイオマスエネルギー回収施設の技術面での不安はかなり減ってきたという印象を持っております。私自身はバイオマスエネルギー回収施設は技術的にも経費面でも環境面でも、私の知る限りで現段階では他の手法を上回る手段ではないかと、そういうふうに思っております。10カ月という時間をかけて、さらに3カ月結論を先延ばししてまでも市長が今検討されている代替案は、当然ながらバイオマスエネルギー回収施設を超えたすばらしい代替案でなければならないと思っております。一市民としましても、一日たりとても、先延ばしすることができないごみ処理行政の先行きが不安でたまらないという状況でございます。市民の気持ちを代弁しての質問でございますが、市長の明解な御答弁をお願いしたいと思います。お願いします。
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○松尾崇 市長 しっかりとですね、市民の方々に安心していただける案ということをお示しするようにこれまで努力をしてまいりましたが、あと3カ月お時間をいただきたいということを議会の冒頭で御説明をさせていただきまして、今はその答弁の繰り返しになりますけれども、今、議員さん御指摘のとおり市民の方々に不安を抱かせてしまうということは当然本意ではございませんし、そういう意味で期限を区切ってしっかりとお示しをしてまいりたいというふうに考えております。
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○14番(池田実議員) ただいまの市長の発言につきましては、もう何回もお聞きしております。そういう意味で代替案につきまして、同僚議員の質問の中でも再三の質問があり、繰り返しの質問は避けていきたいと思いますが、私としては皆さんもそうだと思いますけれども、納得ができない部分ではないかというふうに思います。
最後にもう1点、御質問させていただきたいと思います。今回のごみの処理問題について感じたことは、本来行政の長として行政を引っ張っていかなければならない市長と原局とが一体となっていない、どこかちぐはぐな印象を私は受けました。それは、予算を獲得して一方でバイオマスエネルギー回収施設建設に向けて着々と事業を進めている原局と、事業自体を進めるかどうかの結論の検討を進めている市長との関係が非常に妙なものと感じたからであります。私がもし原局の人間であったら、決断が下されないまま、事業を進めるというのは非常に大きなストレスとなると思います。それ以上に士気が衰えてしまうような気がいたします。首長がかわることによって方向性が大きく変わるということは市の職員にとっては宿命的なものであるため、また住民の皆様の意向の反映、すなわち多くの住民からの付託を受けているわけでありますから、それに従うということは当然のこととして受け止めなければならないと思っています。しかしながら、首長が何を考えているのかを考えながら仕事をしている職員にとっては非常に不安な状態ではないかと推察されます。市長と行政とが一体となって住民の福祉の向上を図ることが効率的な職務の遂行につながるのではないかと強く感じております。このことは、ひいては市民サービスの向上へもつながることだと考えております。この点について市長はどのようにお考えになっているのかをお伺いいたします。
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○松尾崇 市長 原局ともですね、しっかりと調整をしまして、力を合わせて市民の皆様方に御理解を得られるように、そうした努力をしっかりとしてまいりたいというふうに思います。
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○14番(池田実議員) 私、最初の12月議会のときに市長のリーダーシップについてのお話もさせていただきましたけれども、今回のごみ処理行政に限らず、市長と職員とが一体となって住民の福祉の向上を図るということが一番力強い大切なことではないかと考えております。今後ともぜひその方向でお願いしたいと思います。
最後になりますが、バイオマスエネルギー回収施設建設に対する市長のお考えに対して若干意見を述べさせていただきたいと思います。市長はバイオマスエネルギー回収施設を超える代替案を市長就任後10カ月かけて検討を進めてこられたかと思いますが、本日の答弁の中でも代替案についてははっきりとした御答弁をいただけなかったことは非常に残念であります。しかし、事業推進を3カ月間先延ばしすることは、1年以上の事業の遅れを来すことになり、さまざまな影響が出てくる重要な決断であるということについては御承知されていることが確認できました。しかしそれ以上に私の懸念は、国の普天間問題ではありませんけれども、あえて問題を複雑にタイミングを逸してしまうことのないように、冷静な判断が求められている時期であると思っております。名越と今泉の焼却施設とバイオマスエネルギー回収施設は三位一体の関係にあり、同時に進めなければ成立しない関係にあります。日々の生活において一日たりとても、先延ばしすることのできない生ごみ処理を先延ばしすることのないように、しっかりと取り組んでいただきたいという意見を述べさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
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○議長(赤松正博議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により、暫時休憩いたします。
(17時33分 休憩)
(17時50分 再開)
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○議長(赤松正博議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、高橋浩司議員。
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○12番(高橋浩司議員) それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきたいと思います。IT化促進について、こういうことで1項目でありますけれども、いくつか詳細の項目を聞いていきたいと思います。
このIT化促進についてということなんですけれども、推進でもいいんじゃないかというふうに普通は考えるんですけれども、推進というのはある一つの方向に向かってですね、そこに向かって押し上げていくと、推進していくと、向かわせていくと、そういことでありまして、IT化の場合にはいろんなことがありますけれども、ある一つの方向に向かってやっていくという、そういう目的ではないと思うんですね。やはりその市民の方たちの利便性の確保とか、増進とかそういうことが大前提にあるわけですから、そういうことがはかどるようにしていってほしいという、そういう意味で促進という言葉を使わせていただきました。今日は何人かの方がごみの質問をされまして、何か鳩山さんが普天間問題でですね、いろいろと追い込みかけられて大変な、そんなことを思い出しました。今、民主党もですね、党首選をやっておりまして、自民党が3年で3人、党首がかわって総理がかわって、もしこれで1年間で3人総理大臣がかわるようなことがあったら、民主党も自民党が3人かわったときに、これはやっぱり総選挙を打つべきだと言っていたことにちょっと逆行することになってしまうんじゃないかなと懸念をしておるわけですけれども、ただ、普天間の問題やそういうお金の問題とか金と政治の問題とかいろいろありましたけれども、民主党も冷静に見させていただくと、いいこともいっぱいやっていると私は思っているんです。そのうちの一つが事業仕分けだというふうに思っております。事業仕分け、鎌倉もやりましたけれども、そういうことが今日の質問ではないので。実は民主党がやった一つの大きなことで原口ビジョンというのがありますね。原口総務大臣が出した方針、ビジョンであります。これが何かと言いますと、要するに基礎自治体のシステムをクラウド化していこうという、それが原口ビジョンであります。少しだけ御紹介をさせていただきたいのですが、原口ビジョンというのは2020年までに目標として、自治体クラウドへシステム移行していきましょうと。そのために地方3団体と速やかに協定を締結し、地方公共団体の情報システムを集約して、共同利用を促進し、住民の利便性向上を実現すると。それから、2015年までに業務改革をして、情報システムの経費を30%、年間で約1,200億円以上の削減をしましょうと。こういった取り組みによって、地域の自給力と創富力、富をつくる力ですね、を高めてより効率的な電子自治体の基盤構築へ再投資をすることによって、地域の経済に3,300億円程度の波及効果を見込むという、これが原口ビジョンと言われているものなんですね。これは非常にいいことでありまして、私も賛成なんですけれども、これに基づいて総務省のほうでは実証実験をやりました。九州、京都、北海道、3カ所決めて、いくつかの自治体が手を挙げて実証実験を行いました。その結果に基づいて今、統一の仕様をつくっておりまして、今年の12月までに法案を作成していこうと。で、来年の1月から始まる通常国会に法案を提出していこうと。こういうふうなことで原口ビジョンが形になっていこうとしています。私どもの会派でも、今年の代表質問でクラウドコンピューティングシステムの質問をさせていただいて、そういう方向でやっていったらどうだというふうなことで提案をさせていただきました。その後、市のほうでクラウドコンピューティングシステムについてはどのような検討をしてこられたか、まず伺いたいと思います。
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○瀧澤由人 経営企画部長 今、お尋ねの本市の取り組み状況でありますけれども、今、冒頭、議員さんからお話ありましたように、今現在、国のほうでは自治体クラウドコンピューティングにつきまして、実証実験を行っております。21年度の予算で組まれたんですけれども、実質的にその作業が開始されたのが本年度に入ってからということで、現時点での結果については当分かかるということで、鎌倉市としては基本的には導入の方向で検討をすすめておりまして、現時点におきましては開発の技術的な研究を担当する、いわゆるベンダー、事業者、その方々からさまざまなクラウドに係る情報収集、意見交換を重ねながら将来の姿に向かっての研究を進めていると、そういう段階にあります。
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○12番(高橋浩司議員) クラウドコンピューティングシステムという新しいシステムでありまして、例えばICTとか、LGWAN、霞ヶ関WAN、ASP、SAS、BPR、ベンダーロックイン、SCP、シンクライアント公開型GIS、EHR、CRM、パラメーターとカスタマイズとか、こういう英語の造語みたいなものをいっぱい使ってまして、私もちょっと質問をするのに非常に戸惑ったんですね。あまり専門的なやりとりをしますと、聞いている方も質問をしているほうもよくわからなくなってしまうといけないので、そういうふうな難しい専門用語をお互いに使う場合には聞いている方もわかるように少し注釈を入れながらやりとりさせていただきたいなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
これまで鎌倉市の電算化と言いますかIT化と言いますか、昭和39年からスタートをしております。これは市・県民税の特別徴収賦課業務の電算化というのを始めたのがスタートです。それから10年経ちまして、現在の元になりますホストコンピューターを材木座の電算センターにおいてそういうシステムを動かしたということですね。それから昭和60年に、それまで片仮名入力だったものを漢字入力のシステムに変換いたしました。その後はホスト型からサーバー型、インターネットを使うウエブシステムのほうにいろんなシステムを移行してきているというのが鎌倉市の実情であります。実はそのクラウドコンピューティングシステムというのはホストからサーバー、ウエブ型の次にあるシステムで、クラウドというのは雲という意味ですから、雲の中にいろんなシステムがあって、端末だけあればアクセスすることによってそのサービスが得られますよというのがクラウドコンピューティングシステムであります。特に自治体クラウドと言われるものは先ほど言いましたLGWANとか、霞ヶ関WANという、これは何かといいますと、LGWANというのは総合行政ネットワークというんですね。行政のネットワークを総合的につないでいくことをLGWANというんですね。霞ヶ関WANというのは国の情報をつないでいくことを霞ヶ関WANという。こういったものを中心に、クラウドの中でアクセスすればサービスが利用できるようになるという。こういうことと、あとは地域の、鎌倉市であれば神奈川県とか、近隣市とか、そういうところと同じシステムを共同利用する、そういったことも自治体クラウドというのはセットで位置づけをしているというのが実情だというふうに思っております。
それで、この自治体クラウドの利点というのは、まずいろんなシステムが、それぞれの自治体がそれぞれのベンダーさん、ベンダーさんというのは業者さんですね、業者さんとの契約に基づいてそれをリースするなり買い取りするなりということをして、動かしているというのが今の実情なんですね。そういう独自のシステムからクラウドシステムにかわるということは、標準化していこうと。どの自治体も同じような業務は同じようなシステムでやっていきましょうと。そういうオールインワンパッケージ、ノンカスタマイズ短期導入、カスタマイズというのは、要するにシステムのもともとのパッケージがあるんですけれども、そういうものを鎌倉市だったら鎌倉市に合うように、帳票に合うように多少こう変えてシステムをつくり直すことをカスタマイズというんですけれども、そういうことをしないんだと。もうこういうシステムはこういう帳票でやりなさいと言えばそういうことをやる。そういうことによって業務がどの自治体も同じようになっていくという、そういうことですね。それから、プラットホームというのは、自治体情報プラットホームとかいって、ある程度同じような企画をつくっていきましょうというのをプラットホームという、その辺が独自から標準化へという、そういう利点ですね。それから、先ほども言いましたように、所有から利用へということで、買ったりリースしたりして、基礎自治体が独自に持ってやるんじゃなくて、クラウドの中に同じようなシステムがあるからそこにアクセスするだけですよ、だから利用料だけを払ってやってください、こういうことですね。そういうふうな利用、メリットがありますし、先ほど原口ビジョンでも出てきたように大体3割ぐらい、少なく見積もって3割ぐらいの経費は安くなるでしょうというふうなことで言われております。実はその経費のところは私は大事だと思っておりまして、ここにLASDECというところがあります。これは財団法人地方自治情報センターという、これは総務省が住基ネットのシステム管理全般を委託している外郭団体なんですけれども、このLASDECというところが独自に調査をして、出した数値なんですけれども、今、私の手元に神奈川県の全市の情報がありまして、人口がそれぞれ何人いますか、IT関連の予算がいくらですか、人口1人当たりにすると大体いくら経費がかかっていますかという、こういう表なんです。鎌倉市は2008年のときの数値ですけれども、鎌倉市は5,300円って書いてあります。大体、藤沢あたりで2,000円ですね。小田原が3,100円、茅ヶ崎が2,900円。実は県内の自治体の中では、1人当たりのIT表というのは、このLASDECの資料によりますと断トツに高いという状況になっております。この辺についての認識はどのように思っておりますか、伺っておきたいと思います。
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○瀧澤由人 経営企画部長 今、お示しいただきました県内各地の比較表、申しわけございません、私手元にないですし見たことないので何とも言えないんですけれども、ただ鎌倉の場合、県内各地と比較してコストの部分で考えると、今、先ほど議員さんから御紹介ありました、過去からの経緯の中で鎌倉はホスト系のコンピューターを電算センターというところに設置しましてですね、特に基幹業務と言われる住基ですとか住民記本台帳ですとか、税関係の収納、賦課・徴収、国保関連の業務、自治体では共通事務なんですけれどもこれをホストでやっておりますので、そういった意味においては一概に他市のシステムの構築のあり方と比較するのはなかなか難しいのかなと思います。鎌倉で見ますと、20年度においてはいわゆるホスト系の2008年ですと20年度ですか、平成20年で見ますとホスト系には年間約3億5,000万ほどかかっています。そのほかにですね、先ほど言いましたサーバー系、これは個別業務を各セクションで構築したときにはホストではなくてサーバーという仕組みでやっていますので、それが約5億8,000ぐらいかかっています。全体で約9億近いITに係る経費を支出せざるを得ないですし、これまたそう簡単に、経費がかかるからこれをやめるというような仕組みにはなっていませんので、この削減をいかに図っていくかというのがこれからの行政運営で大きな課題になると。そういった意味でクラウドという当初の冒頭の御紹介いただいた仕組みが本市にいかに期待できる仕組みであるかというところで、検討を取り組んでいるというところであります。
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○12番(高橋浩司議員) 私の手元にもちょっとやりとりしているときに届かなかったものですからお渡しできなかったんですけれども、この地方自治情報センター、ちょっと後段の質問でも、セキュリティー監査で今年監査に入っているそういう公的な機関でありますから、ぜひ照会をしていただいて、この経費の違いがどこに原因があるのかということは調査をしていただきたいと、それはお願いだけしておきます。そういうふうなことで、これでいくとかなり高い状態にあります。そういう2008年のシステムがIT関連経費が全体で9億3,200何がしというこの費用がですね、3割カットできる。クラウドに移行することができるというふうになれば3億円ぐらいのものがですね、他の事業に回せるというふうなことでありますから、これについてはかなり魅力的なシステムじゃないかなというふうに思います。それで、いろんな情報集めをしているというふうなお話でありますけれども、今現在の状況でいいんですが、このクラウドのメリット・デメリット、先ほども出ましたけれども、メリット・デメリットっていうのをどのように整理されているのか伺っておきたいと思います。
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○瀧澤由人 経営企画部長 クラウドについては、御説明は議員さんのほうからいただいていますので、具体的に今お話あったように、最大のメリットはコストメリットではないかというふうに受けとめています。そればかりではなくて、いわゆる集中してクラウドを事業者、業者さんが構築するクラウドを利用するという仕組みですので、今こういうコンピューターでやっているシステムというのは法律とか制度に基づく、制度をシステム化しているものですから、その制度、法改正というのが万度変わります。それの改修に非常に経費がかかっています。あと時間もかかります。それらの維持管理をしていく上でのコスト、さらには時間というものでですね、クラウドという形の仕組みが取り入れることができたら大きなメリットになると評価しております。一方、これもやはり御紹介ありましたけれども、このクラウド化をするにあたっては共同利用という前提で考えますと業務の標準化、システムを標準化するためには、それを運用する本来そもそもの業務自体を標準化していかないと、実際にこのクラウドというのは飛び込んでいけないんじゃないかと。長年、鎌倉市独自の仕組みを使った業務展開、それに基づくシステムをつくっていますので、標準化をいわゆる順調にきれいにこなせるかという、そういう部分の一つのデメリットというものは想定できます。それと、システム自体を外に持つということで、セキュリティー環境、基本的には原口ビジョンにありますように、LGWANという閉鎖された環境のものでの開発を考えていかなくてはならないかと思いますけれども、セキュリティーというのは外部のアタックだけじゃなくて、それ以外には突発的な災害に対する対応策をとらなくてはならない。そのバックアップをしていくシステムはやはり、その自治体自治体でどうやって構築していかなくてはならないかというのが、これはまさに実証実験の中で研究されているところだというふうに考えてまして。あと回線速度というんですかね、利用者が多いということでサーバーに対して今のような環境での回線速度が鎌倉市の場合実現できるのか、それらがデメリットと予測されています。あと一つ、最後に一番期待するコストメリットなんですけれども、現時点での私どもの事業者さんからのお話を聞くと、やはりサーバーといっても共同利用する環境をつくりますので、サーバー自体の容量というんですかね、ボリューム、数というのがそれなりに利用する団体の人口が多ければ多いほどデータ量が多いので、当然ふえていかなくてはならない。一つのラインとして今、国のほうで考えているのは10万人、それ以下の団体の人口レベルであればこのコストメリットは強く働くだろうと。ただ10万人を超える団体になると、それだけそのベンダー側にサーバーの数をふやさなくてはならないということがありまして、それでそのコストメリットがきれいに反映できるかと、大きなかぎになる。当然、それは今後の技術革新とか構築する仕組みによって細かく評価していかないとわからない。今時点での考えている懸念材料も含めて、メリット・デメリットということになります。
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○12番(高橋浩司議員) いくつかメリット・デメリットのお話がありまして、ちょっと一つその部分で確認をしておきたいんですが、今ホストとサーバーと両方使っているんですけれども、このバックアップというのは、バックアップというかセキュリティー的なデータのバックアップというのは、今どういう形でやっているんでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 ホスト系について言えますのは、バックアップというのは当然、日々の中でデータとして別枠でストックしていくという形をとっています。当然、自前のシステム、いわゆる保有しているシステムですので。ところがクラウドになってきますと、その仕組みを自治体側で今のところ、情報では用意していかなくてはならないのではないかと。だからサーバーを、バックアップ用のサーバーを自治体側でも準備していかなくてはならないのではないかと。ボリュームが小さい自治体であれば、一つのサーバーでバックアップですので、数が多い仕組みが読み込めますけれど、やはり鎌倉、10万人を超えるところになると、バックアップ用のサーバーというものの費用負担というのがコストに対するマイナス影響になるんじゃないかと考えています。
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○12番(高橋浩司議員) 今回、こういう質問をするにあたりまして、今、クラウドを手がけているベンダーさん、事業者さんですね。ここは大体回ってきました。鎌倉市は富士通さんにお願いをしているんですけれども、富士通さんも行ってきましたし、日立、IBS、NEC、日本ユニシスですか、そういうところを回りまして、今のクラウドの取り組み状況、それぞれの会社の特徴みたいなものを聞いてきました。感想から言えば、それぞれ多少クラウドといってもやっぱりそれぞれ特徴が違うところがありまして、これが相乗りをして、相乗りクラウド的になっていくにはまだちょっと時間がかかるなというふうには思ったんですが、一つ、どこもそうなんですけれども、バックアップ体制というのは世界規模の企業が多いわけですから、富士通さんもマイクロソフトと連携をするというふうなことを決めまして、世界にだいたい10カ所か12カ所ぐらいのセンターを設けておりまして、そういうところでバックアップをしておりますが、例えば大きな地震が来てセンターがくちゃくちゃになってしまっても、別な場所からバックアップできる。やっぱりこの地震とかそういう災害によってラインが分断されるというのが一番バックアップの部分で心配なところなんですけれども、そうなった場合、例えば今の鎌倉市のホストとサーバーの併用のやり方でやっていても、結局復旧するのに時間がかかるということで、この辺はそこまで手当てをしなくても、逆にそういう状況というのは市民の皆さんもわかっているわけですから、それでもやっぱり、どうしても住民票が必要だとか、そういう部分については人がやっていく、人海戦術でどういうふうに対応するかみたいなことにシミュレーションをしておくほうが現実的なんじゃないかなというふうに思います。今現在でもそうなんですけれども、ホストとサーバーを併用しているところの経費っていうのはかなり平均的に高くついていますね。ですからこれをサーバー系だったらサーバー系に一本化していくというふうなことがまず第一義的にはコストメリットがあるんだろうと。サーバー系にいわゆるウエブ系で統一できていれば、その先のクラウドに移行するのもしやすいということで、まず前段ではホストからの脱却というふうなことが必要なことじゃないかなというふうに思うんですけれども、この辺についてはどうでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 確かに御指摘のとおりであります。49年から鎌倉市の電算化についてはホストで始めましたけれども、いくつか課題を抱えておりまして、今御指摘のあったコストの問題、将来構想、同時にホスト系に関しては、ホストが時代から取り残された仕組みなので、技術者が非常に不足してきているということから、今、順次、個別システムに、サーバー系に移行する基本的な方向性で取り組んでおります。本年度からまず国保関連のホストの基幹業務をサーバー系に移す、次年度以降の計画になりますけれども、その後には税関係の賦課・徴収事務、その次には住基という段階で、計画を持っております。これらをサーバー系にまず移しておかないと、その次にクラウドと予定される仕組みに移行するには前段階として準備が必要だという、その辺も視野に入れた計画になっております。
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○12番(高橋浩司議員) 着実に前を見据えてやっていただいているなということで、一つの安心材料でありました。ただ、先ほどの原口ビジョンのように、10年間、2020年までに何とか一つの成果を出していこうと、こういう取り組みでありますから、もし前倒しをして持っていけるならば、完全に乗らなくても部分的に乗っていくということも可能かと思うんですね。これは予算委員会の中でいただいた資料でありますけれども、今、システムだけじゃないんですけれども、ハードのリース関係も含めて60の事業があります。その中、かなりシステムのほうが占めているんですが、このシステムが大体パッケージ品なんですね。パッケージ品じゃないのは二つですね。国宝館の展示物管理台帳データベースと、それから文化財の総合情報システム、これは京都・奈良と一緒に共同開発したとかっていうふうなことで、この二つ以外は汎用ソフトなんですね。こういうものはクラウドの中の、先ほど言ったASP、アプリケーション・サービス・プロバイダ、SAS、ソフトウェア・アズ・ア・サービス、この二つのサービスがありまして、この中に既製品のメニューがいっぱいあって、使えるものはアクセスして使ってくださいという仕組みなんですね。このほとんど、国宝館とか文化財以外のほとんどのものはこういうサービスの中に含まれてくるサービスでありますから、移行はしやすい状況なんですね。ですから、そういった意味で先ほども言ったように、ホストからサーバー系に変換していかないと、クラウドのほうにも移行していけないということがありますから、そういう基幹的な部分は時間がかかるにしても、他の部分については前倒しをしてクラウドシステムのほうに乗り換えていくということも可能だと思うんですね。そういう意味ではなるべく早くその辺の行動をしていくべきじゃないかなというふうに私としては考えております。そういったことも踏まえて、鎌倉市には鎌倉市情報化推進会議というのがありまして、会長さんは副市長さんで、各委員さんは部長さんが入っているんですけれども、こういったところでもいち早く検討を進めるべきだと思うんですが、会長の立場であります副市長に、この辺についてどんなとらえ方をしてどんな協議をしてきたか、伺っておきたいと思います。
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○兵藤芳朗 副市長 ただいまの本市の取り組みでございますが、とりわけ情報化推進会議での位置づけでございます。クラウドコンピューティングシステムにつきましては、将来、先ほど経営企画部長からも答弁させていただいていますけれど、将来の本市の情報管理システムの方向性を考えれば、その移行がやはり第一義に考えられるのではないかという思いは持っております。現時点では国の実証実験も始めたということであり、その動向を見守りながら、担当課におきましては国の動向を含めた情報収集、それから先ほど、議員もベンダーのほうにも説明なり、意見交換をしているというお話がございましたが、事業者から説明を聞くなど、検討を開始しているところでございます。そういった本市の実情でございます。情報化推進会議におきましては、将来を見据えた大きなシステムの変更になっておりますので、その状況をきちんと見極めた上で具体的な検討の指示をしていきたいというふうに考えております。
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○12番(高橋浩司議員) 実はクラウド、クラウドというふうに言うと全くこう新しいことが始まるような聞こえ方もしてしまうんですけれども、神奈川県でやっている電子入札システムなんていうのはまさにその共同利用ということで、クラウドの一部なんですね。それから施設の予約システムとか、そういったものも県のほうで音頭をとってやっているもの。こういうものもある種の共同利用で、クラウドという発想なんですね。既にそういうことがスタートしているという認識で、それを拡大していくのにどういうふうにしたらいいか、それが当市にとってどれだけのメリットがあるのかというふうなことで、ぜひそういうふうな現状の分析から入っても結構ですし、やっていただきたいなというふうに思うんです。それで実はこの先ほどから言っている標準化みたいなことというのはBPRっていう、さっきから横文字ばかりでこれも全部造語だからわからないんですけれども、ビジネス・プロセス・リージニアリングということの頭文字をとってBPR、これが業務の標準化っていうことらしいんですが、これがクラウドに移行していくために大切ですよと。これが実は口で言うほど生易しいものではなくて、実はこういうシステムの標準的なものはこうですよといった場合には、カスタマイズ、市のほうで使いやすいように変更したりすると、それは総務省で認めるクラウドとしては認めませんよ、という方向で進めるという話なんですね。そうすると要するに、標準仕様で今やっている業務をそのソフトウェアに合わせなさいということなんです。これが実はその場にいくともっと慌てると思うんですけれども、今の機構の中で合わない場合も出てくるんですね。そういうこともありますから、要するに機構改革も含めてやっていかないといけないような、実はこれに乗っていくということはかなり大騒動になっていく話でもあるんですね。ですから、もうじき11月ぐらいには標準化のモデルケースみたいなものがまとめ上がるということですから、そういったものもいち早く入手していただいて、これに乗っていくためにどういうことが必要なのか。先ほど、御答弁いただいた副市長が会長になっている鎌倉市情報化推進会議というのは、委員さんは副市長さん以外に4名です。経営企画部長さん、総務部長さん、教育総務部長さん、今ふやそうとしているのが健康福祉部長さんだというふうなことで、実は以前は全部長さんに入っていただいてこういうことをやっていたと。この指導体制としては非常にいい、ピラミッド体制でいいんですけれども、なかなかいろんなことをフレキシブルに変えていくのには全員でやると大変だということで、基幹的なところだけお願いをしてやっていこうということで、わざと軽くしたんですけれども。これからもしクラウドに乗っていくような場合には、全部の部長さんに影響してくるようなこともありますから、もう一つ別組織で全員が参加するようなことも考えていかないといけないんじゃないか。そういった意味では設置要綱自体も考えていただく必要が出てくるかもしれませんので、そういうことも含めてぜひ早い時期にいろんな情報を取って進めていただきたいというふうに思います。
それで、少しクラウドを離れまして、個別のことを何点か聞いていきたいと思いますが、従来からIT関係の研修をもう少し充実させたほうがいいのではないだろうかということで、事あるごとにお伺いしてきているんですが、今、IT関連の職員研修はどういうふうになっているか、確認をしたいと思います。
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○瀧澤由人 経営企画部長 現時点で毎年行っている研修の大きなものは、セキュリティーに対する研修が中心でやっております。特に職員が情報の管理ですとか、情報漏えいの脅威、それらに関する基本的な知識を十分理解していない、そういうことが大きなトラブルにつながるということで、先ほど言いました市役所の基幹業務、そういうものがストップするというのは生命線になる話ですので、そのセキュリティーの研修を新採用職員にまず全員に対して、毎年職員課の研修の中で実施しております。この研修のセキュリティーに対する研修は、情報セキュリティーポリシーの内容、それから平時パソコンを利用する絶対に守っていただかなくてはならない事項、それらを中心に研修をやっているところであります。
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○12番(高橋浩司議員) このセキュリティーを中心とした研修というふうなことですけれども、これは例えば新任研修なのか、管理職研修なのか、その辺はどういうあれでしょう。
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○瀧澤由人 経営企画部長 管理職研修の中では特に今、取り入れていないというふうに、たしか記憶しております。
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○12番(高橋浩司議員) この辺は研修のやり方として、例えばベンダーさんですね、メーカーさんがやっているベンダー研修とか、横浜市とか神奈川県はですね、情報セキュリティー大学院というのが横浜の駅前にあるんですけれども、そこに行って研修をしているんですね。これは2年間研修なんですけれども、最近は学校と教諭が整って、講座ごとにも単位として取れるというふうなつき合いもできたらしいんですね。それ以外に、eラーニングというパソコンを使って研修をする方法もありまして、そういういろんなパターンがあるんですが、鎌倉市は職員が職員を教えるような形でやっているんでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 現時点ではそういう形です。今、御提案いただいた部分も十分検討していきたいというふうに思います。
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○12番(高橋浩司議員) セキュリティーのことについては一番重要なことでありますから、この辺についてもさらに深い研修を積んでいく必要があろうかなと。それから、パソコンを使う技術についても、いろんな面で必要になってくると思うんですね。それから、新しいいろんな技術に対して対応していくために、基礎的な研修みたいなものも必要でしょうし。実はクラウドに移行していく場合には、あまりその言語研修は必要ない、プログラムを組んだりする必要はないんだと。あるパッケージのものにアクセスすれば誰でも使えるというふうなことで、そういう意味では今までのような研修の体系をとらなくてもやっていけるというメリットも実はあるんです。ところが、サーバーの容量が実はフレキシブルに変えられる、処理が多い月には3カ所、3つのサーバーを借りてやりますよ、少ないときには1個借りてやりますよ、というふうなことで、月ごとに週ごとにでも変えられる。その利用量が自由にコントロールできるっていうのが一つのメリットでもあるんですね。ところが、そういうふうにタイトにタイトにいきますと、一番使う容量でずっとサーバーを1年間借りていたというと、半分無駄なサーバーを借りていたということも露呈してしまうんですね。そうすると、それだけ無駄に使ったっていうと今度は監査の対象になるんじゃないかというデメリットも出てくるんですね。そういうふうなこともあって、新しいシステムに移行するためには、また職員研修みたいなことも、別な観点から見ていかないといけない。そういったことで、IT関係の研修については前からずっとお願いしているんですけれども、初級・中級・上級とかですね、そういった仕組みを作ってやっぱりそれなりにこう、レベルアップしていくような、スキルアップしていくような体制をとってほしいなと。ただ、最近は新任の方はもともと大学とかでやっていて、一般の職員の先輩たちよりもはるかに技術が上だっていうようなこともありますから、その辺は人によってということになろうかと思いますけれども、そんなことでぜひ研修についても研究をして、職員のスキルアップ、サポート体制というのを確立していっていただきたいなと思います。
それで次なんですが、セキュリティー監査についてちょっとお伺いしたいんですが、先ほど何回か言葉に出しましたLASDECというところがあります。財団法人地方自治情報センターという、これは総務省が住基ネットの管理を全て委託をしている、総務省の外郭団体でありますけれども、ここが今年の1月に住基ネットの部分に特化して鎌倉市のほうに監査に来ました。19、20、21の3日間でありますけれども、この辺はどのような監査をされたんでしょうか。確認したいと思います。
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○小礒一彦 市民経済部長 この監査でございますけれども、総務省が自治体の住基ネットのセキュリティー向上のために実施しているものでございます。今、議員がおっしゃるように本市では今年の1月19日から21日まで実施をされました。監査の主な内容でございますが、5点ほど大きく分けてございます。一つが体制規制等の整備の状況、環境及び設置の状況、システムの管理の状況、既存ネットワークとの接続の状況、それと住民基本台帳カードの管理の状況などこざいます。
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○12番(高橋浩司議員) 1月にあったんですが、何かその際の指摘事項みたいなものはどうでしょう。
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○小礒一彦 市民経済部長 監査におきまして、大きく分けて3つほどの指摘をいただきました。システムを立ち上げるときの失敗の履歴を記録をとっておりませんでしたが、それが一つ。それと月末に行っておりますバックアップデータの管理につきまして適切な保管場所、同じ部屋に保管をしていたということで適切な保管ではなかったという指摘、それからコンピューターネットワークの安全を維持するためのソフトウエア、ファイアウオールですけれど、このアクセスログの解析を行って異常ですとか外部からの不正アクセスの履歴を定期的に確認するというような、そういう御指摘を受けました。
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○12番(高橋浩司議員) どれもお伺いすると、当たり前にやらないといけないような内容じゃないかなというふうに思うんですが、何かこの住基ネットを入れるというときに注意事項というんですか、いくつか運用に当たってみたいなことで、来ていたんじゃないかと思うんですけれども、そういったものの中にこの観点っていうのは入ってなかったんでしょうか。
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○小礒一彦 市民経済部長 議員おっしゃるとおり、チェックリストの中にはそういう項目ございまして、その中で全くできていなかったわけではございませんけれども、一部、何て言ったらいいんですかね、完璧じゃなかった部分があったということでございます。
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○12番(高橋浩司議員) 国は国で、やっぱり全部をつないでいくっていう住基ネットですから、慎重にやって慎重すぎることもないというふうには思いますけれども、基礎自治体は基礎自治体でですね、そういった住基ネット以外の部分も含めて、情報漏えいですとか情報の紛失ですとかいろんなことは頻発しておりますので、そういったことを注意してやっていく必要があると思うんですね。内部監査というのはどのようにやっているんでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 内部としては情報セキュリティー監査組織として、最高情報統括責任者を頂点とする体制をつくっております。構成メンバーは、私、経営企画部長のほうが最高責任者になっておりまして、総務課長、財政課長、職員課長、行革推進課長、この4名が構成メンバーになっています。平成17年12月に開催しました電子自治体推進本部会議で承認を得て、設置されたものです。
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○12番(高橋浩司議員) そういう形でやっているということですけれども、どういうことを年間のスケジュールの中でやられているんでしょう。
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○瀧澤由人 経営企画部長 年間スケジュール、これまでの実績というんですか、やった内容ですけれども、平成17年度に立ち上げまして、18年度に個別システム、これは土木積算システムですけれど、それに関するセキュリティーポリシーの実施手順についての監査、19年度におきましてはパソコンの利用遵守事項を定めている内容について、15課89名の職員を対象に、その内容についての監査をしているという形です。
以上です。
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○12番(高橋浩司議員) 18、19とやったということですけれども、20、21はどうなんでしょう。
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○瀧澤由人 経営企画部長 20、21はやっておりません。
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○12番(高橋浩司議員) やっぱり常日ごろの、普段からの取り組みっていうのがすごく大切な業務だと思うんですね、もう毎日毎日のことですから。そういう中で、査察的に抜き打ち監査をするとか、もっと言えば住基ネットのほうで指摘があったように、注意事項をきちんと守っていないという部分があると、やはり事故があっては一番いけないなというふうに思いますので、この辺はやっぱりきちんとした監査体制というものをとっていくべきじゃないかなというふうに思うんです。そういう意味では、監査委員会とも連携をしてやっていく必要もあろうかなというふうに思うんですが、その辺はどうでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 監査委員会との御提案ですけど、検討してみます。ただ、私の所感で申しますと、先般御紹介ありました21年度の国の監査を受けまして、このセキュリティーの監査として実施していくにはかなり技術的なレベルでその内容に精通していないと、形だけの監査になってしまったら、やったという事実しか残らないのかなと。そういった意味におきまして、20、21とやっていないというふうな中で今後のあり方として、監査の委員会とも協議しますけれども、そもそもの仕組みの、いわゆる実のある監査っていうのをいかに確保できるかと、その時点から組み立て直したいと思いますので、今しばらくお時間をいただきたく思います。
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○12番(高橋浩司議員) 監査のほうは、工事監査なんかやる場合には、技術士センターのほうに技術士さんをお願いしたり、業務監査っていうのもやってますし。今、代表監査委員さんはIT関連の企業におられた方ですから、御自身でもできるでしょうし、もし専門家がいなければそういうところにお願いをしてやる。監査委員会がやる外部監査っていうやり方もあるんですね。ですから、その辺はよく御相談いただいて事故がないように、そういう転ばぬ先の杖としての監査っていうのもすごく大事なことだと思いますので、ぜひこの辺については詰めていただきたいと思いますので、お願いをしておきます。
それから次に移りたいと思うんですが、松尾市長になりましてから、いろんなことが変わっておりまして、モニター制度というのも旧来のやり方から変えて、e−モニターというネットによるモニターさんを募集していこうと、こういうふうなことで方針を打ち出して、今、募集をされている最中かなというふうに思うんですが、現在の応募状況とか、e−モニターさんについてどういうふうな形で、どういうものをお願いしていこうというふうに考えているのか、伺っておきたいと思います。
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○瀧澤由人 経営企画部長 これまでのモニター制度は性別や年齢などに偏りがあるということから、活動に出席することへの負担などの課題もありましたため、誰もが参加しやすいインターネットを活用したe−モニター制度に今年から切りかえたものであります。本年6月15日号の「広報かまくら」に募集を始めまして、ホームページの登載やチラシ等配布しまして募集を募りまして、8月末現在で123名の登録をいただいております。今後さらに登録者をふやしていきたいと考えております。具体には8月に第1回目のまずモニターというアンケート調査をやりました。初回ということもありまして、そのモニター制度に関するアンケートをとったということです。結果としまして、回答率が75%とかなり高い数字を得られましたので、今後このe−モニター制度の活用については大きく期待が持てるものと考えております。
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○12番(高橋浩司議員) 本当にモニターさんがふえてくれば、ある種の住民投票的な解釈ができるくらいの人数になってくればいいなあと。大きな予算を使う場合には市民の皆さんの意見をリアルタイムで聞いていくと、こういうふうなことにも活用できる、期待できる制度じゃないかなというふうに思います。ちょっと123人っていうのは、私が期待していた数字からするとかなり、10分の1ぐらいの数字だなというふうに思っているんですが、例えばその市民の自治基本条例の、つくる時の市民会議の皆さんだとか、その前の100人会議とか、そういう方たちにも声をかければ多分ネットの環境がある方ってたくさんおられると思うんですね。そういう方たちには積極的に参加していただく。それから、このモニターさんでエントリーしてくださった方は多分ネット関係の友達ってたくさんいると思うんで、そういう方たちもぜひ友達を誘っていただくっていうふうなことをやっていけば、1,000人以上の方たちが登録するっていうことは夢じゃないんじゃないかなっていうふうに考えますので、ぜひそういうことも考えて取り組みをしていただきたいなと思います。
実はその次にe−モニターの一歩先に行くシステムっていうことで、携帯端末を使ったサービスとかシステム利用っていうんですかね、そういったことをお伺いをしたいんですが、現在携帯端末を利用したサービスというのはどんなものがあるんでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 現在、携帯端末を利用したサービス、鎌倉市のホームページの携帯版、図書館検索・予約サービス、観光情報サービス、防災安全・安心メール配信サービス、聴覚・言語等に障害がある方を対象にしましたeメールによる119番通報システム、公共施設の利用予約システム、これらを携帯端末でやっております。
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○12番(高橋浩司議員) 私も防災のほうのエントリーをしてまして、毎月1日にはテストメールみたいなものが来たり、最近は光化学スモッグですとか、そういったことに活躍をしているんですけれども、よく最近目にするのが、高齢者の方の行方不明のメールが来まして、私がエントリーしてからは100%、見つかっているんですね。携帯に配信したからか、それとも防災のスピーカーでやったからかというのはちょっとわかりませんけれども、それとも他の警察が見つけたとかいろいろあると思うんですが、ただ何かこう、いなくなりました、こういう洋服を着てて背丈がどのくらいで髪型がどんな感じでとかって書いてあるのを見ててやっぱり心配になりますし、それで見つかりましたっていうと、ああよかった、と思うんですね。これなんかすごくいいサービスっていうか、仕組みだなというふうに思っておりまして、こういったことをもう少しいろんなサービスで広げていけるといいなと思っております。藤沢なんかは例えば水没、水没っていうか水が出たときにどこの地区がどのぐらいの水位まで水が上がったとか、そういうものも全部配信できるようになってまして、逃げるルートは自分で見ながら水が出ていないほうに逃げたりするようなシステムも運用しているんですね。全国には携帯端末を使ったいろんなサービスがありますから、ぜひこの辺については拡充をしていっていただきたいなというふうに思います。
今、鎌倉市がやっていないサービスというかシステム利用なんですけれども、ツイッターを使った利用をやっている基礎自治体がいくつかあります。佐賀県の武雄市は今月から全職員にツイッターをさせて、市民からのいろんなつぶやきをフォローしなきゃいけないもの、要するに行政責任でやらなきゃいけないものについては積極的にやりなさいと。これは実は、穴ぼこ空いているところを写真に撮って、穴ぼこ空いてるな、とつぶやいた方がいて、武雄市の市長さんがそれを見てすぐにその穴ぼこの修理をしたっていうことがきっかけになって始まったんですね。それ以外にも千葉市さんもやっておりますし、総務省なんかもe−モニター的に、ツイッターを使ったモニター的なサンプルどりっていうのをやっております。こういったことも将来的にはかなり有効な手段だなというふうに思うんですが、ツイッター市長としても有名な松尾市長はどういうふうに考えますでしょうか。
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○松尾崇 市長 本年度から始めたe−モニター制度につきましては、アンケートを中心に考えておりまして、まとまった容量を必要とするためパソコンのメール機能を活用した制度というふうになっています。この制度は始めたばかりでございますので、当面e−モニター制度の登録者をふやす努力をしながら、制度の充実も図っていきたいと考えています。議員さんから御提案ございましたツイッターにつきましても、市民の方が手軽に参加できる有用なツールであると考えておりますので、今後検討してまいりたいと思います。
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○12番(高橋浩司議員) 実は、鎌倉女学院の学生さんたちがツイッターを使っていろんな仕組みを作ろうということでいろいろ考えて、砂浜がきれいになったじゃん、みたいなそういうツイッターをみんなで環境意識を高めようということで、由比ヶ浜とか材木座海岸をきれいにしていこう、ということのツイッターをつくってやっています。この夏どのような成果になったのかというのはまだ伺ってはいないんですけれども、そうやって同じ世代のティーンエージャーがツイッターを見て、砂浜に行って清掃活動をするっていうふうなことで、すごく動機づけとしていいことだし、いろんないい意味で連帯感っていうのが醸成できるんじゃないかなって思いますので。ぜひこの辺については利用できる、行政としてすぐ利用できなくても、何かの仕組みとして市民とともにやっていくような、市長はいろんなチャンネルがありますから、そういうふうなことを一つのベースとして将来的に行政でも使えるような方向性を見出していってもらえればなと思います。
それから、原口さんですね、総務大臣の原口さんは定例記者会見をもちろんやっているんですけれども、それにプラスアルファして、限られた時間でしかできませんから、ユーストリームという動画のライブ配信ということを使って、自分の大臣としての、国民の皆さんに向けた発信をしております。ユーストリームというのはライブでやりますから、それを保存してユーチューブという形で録画として動画を配信するというシステムもありますし、非常に簡便なシステムで、パソコン1台あればちょっとしたカメラでユーストリームもユーチューブも対応できるというふうなことでありますから、こういったこともやっぱり市民の皆さんに向けたサービスとして、とりあえず率先してまず市長から始めていくような考えってないでしょうか。
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○松尾崇 市長 動画での配信というのも自治体で始められているところがあるというふうに伺っています。ユーチューブなどで動画配信できれば、当然費用もそんなにかかりませんし、そういう手法というのは有効であるというふうには思いますので、私からできるかどうかちょっとわかりませんけれども、今後検討してまいりたいと思います。
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○12番(高橋浩司議員) 本当に毎日のようにいろんなサービスが確立されていって、ついていくのが大変だと思いますけれども、いろんな情報をリアルタイムで集めていただいて、有効なものはまず取り組んでいくということが、そういうITの世界ではいいんじゃないかなと思います。本格的にスタートするにはやっぱりいろいろ、行政ですからハードルもあるでしょうけれども、市長の立場で市民との窓口としてやっていく分には有効な手段だと思いますので、ぜひ研究を重ねてやっていただきたいと思います。
次なんですが、電子決裁について伺いたいと思います。これも長い間、要望し続けてきてやっと今年スタートして、まだまだスタートしたばかりでありますが、7月からスタートしたということであります。7、8、2カ月でありますけれど、運用して見えてきた課題ですとか、また電子決裁を初期導入したわけですけれども、将来展望っていうんですかね、この電子決裁をただ決裁するだけじゃなくて、いろんなものと組み合わせをしてやっていくべきだと思うんですけれども、将来の方向性みたいなものもお伺いできればと思うんですが、お願いします。
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○小村亮一 総務部長 今、お話にありましたとおり、文書管理システム、大分長い期間を要しましたが、本年の7月からこの電子決裁機能を持ったシステムの本格導入をいたしております。開始をしたところでございます。電子決裁、このシステムにつきましては、導入当初こそ職員間に少し戸惑いというものが見られましたけれども、職員から質問を受ける専門のヘルプデスクの設置、あるいはガイドラインの作成、それからQ&Aの公開などによりまして、職員がシステムの操作方法を習得するにつれ、順調に思ったよりもスムーズに浸透しているものという感じを持っております。この電子決裁の導入によりまして決裁事務の迅速化、それと正確な記録管理、こういった一定の効果があらわれているものというふうに認識しております。今後の話でございますが、こういった導入効果を検証しまして、また他の個別システムが幾つかございますので、それとの連携がどういうふうに進められるかというようなことも課題でございますので、その辺についても検討しながら、さらなる文書事務の効率化、それと正確性ということに努めていきたいというふうに思っております。
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○12番(高橋浩司議員) 先ほど富士通がクラウドでマイクロソフトと連携することになったという話をしましたけれども、実はそのマイクロソフトというのは5行以上の文章についてはプリントアウトして確認しなさいという、そういうこともあるんですね。ですから、電子決裁で非常に早くなったとかいろんなメリットがあるんですけれども、そういう世界的なIT企業がパソコンの中だけで作業していないということもありますので、そういうこともぜひ研究をしていただいて、間違いが一番いけませんから間違いのないように進めていただきたいと思うんですが。ちょっと細かいことなんですが、決裁の手順というのは、具体的にはどういうふうになっているんでしょうか。
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○小村亮一 総務部長 決裁の手順でございますけれども、まず文書の受付から始まりまして、その後それに伴います起案ですね、それとその回議ルートの設定がございます。それから公印が必要ならば公印の設定を行って、また添付文書がある場合は添付文書の設定を行うと。それで起案というところで回議に回すというような手順になっています。
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○12番(高橋浩司議員) 起案者がつくった文書を、大ざっぱに言うと、係長さん、課長さん、次長さん、部長さんかな、市長さんと流れていくと思うんですけれども、この辺の流れていっている状況っていうのは、起案者がリアルタイムにわかるようになっているんでしょうか。
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○小村亮一 総務部長 起案者もわかりますし、そこに回ってくるおのおのの各人も、今この文書がどこどこまで行っていると、どこどこの承認を得たところであるというのがわかります。それですので、自分のところに来る前にその文書を開いてみて予備にそれを認識することはできますので、実際に自分が承認の番になってきた時に、迅速にそれを決裁することができるという効果がございます。
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○12番(高橋浩司議員) 例えば、上に行けば行くほど、決裁起案というのはふえてくると思うんですけれども、何件自分のところに決裁がたまっているかとか、そんなのもすぐわかるんですか。
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○小村亮一 総務部長 その状況もわかります。承認予定文書が何件ある、それから承認をしなくてはならない文書が何件あるというようなこともわかります。それから承認済み文書も何件あるというふうに表示できますので、おのおのそれを開いてもう一度各文書をクリックすれば、その個別の文書を読むことができるというシステムです。
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○12番(高橋浩司議員) 以前の市長さんですけれども、事細かに決裁を見て時間がかかるというので、市長の机に山ほど決裁が積んであったということを伺ったことがあるんですけれど、要するに電子決裁だとそういうものがないですから、たまったらたまっただけ全然その危機感がないというんですかね、そういうふうなことも、要するにそういう場合には何か個別に早めに決裁してくださいみたいなことっていうのもあるんでしょうか。
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○小村亮一 総務部長 期日までに決裁がまだ受けていないというときには承認予定者に対して自動的にメールが発信されるようになります。それで確認できるようになっています。
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○12番(高橋浩司議員) 例えば係長さんのところまで上がった段階で、やっぱりこれはまずいからこういうふうに変えなさいよ、っていう場合がありますね。そういう場合はどういうやりとりなんでしょうか。
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○小村亮一 総務部長 その場合は附せんをつける機能というものがございますので、附せんをつけて戻すなりということも可能でございます。
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○12番(高橋浩司議員) 確定した文書というのは、改ざんされるとまずいじゃないですか。それはどういうふうな形でロックできるんでしょうか。
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○小村亮一 総務部長 その一度記録した文書を改ざんっていうのは一番大きい問題ですけれども、それを防止するために、もし修正がかかったら誰から修正がかかったかというのがわかるようになっていますので、改ざん防止になるというように考えています。
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○12番(高橋浩司議員) 最終決裁になった場合には確定という形になるようなことを伺ったんですけれども、それはそういう形でよろしいのでしょうか。
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○小村亮一 総務部長 最終決裁を受けた場合には確定ということになります。もし、どこか不都合があってやり直すということになれば、最初からの決裁順序に従って決裁をやるというようなことになると思います。
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○12番(高橋浩司議員) ごめんなさい、ちょっと、もし確定をした後に変更する場合にはどういうふうにするんでしょうか。もう1回お伺いいたします。
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○小村亮一 総務部長 その場合には、訂正等になるということでございまして、その訂正した場合には訂正の履歴が残るということになります。
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○12番(高橋浩司議員) 訂正も簡単にできないような仕組みだっていうふうに聞いたんですけれども、スタートして2カ月、確定をした後の訂正っていうのは何件ぐらいありますか。
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○小村亮一 総務部長 その部分についてのデータはちょっと今持ち合わせていないので申しわけないんですけれども、私も既におそらく数十件、50件、60件の決裁をしておりますけれども、その後で訂正になったという文書は今まで私のところでは経験しておりません。
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○12番(高橋浩司議員) 改ざんするというのが一番怖いことですから、それは確定をした後の管理というのはきちんとやっていただきたいなというふうに思います。それからバックアップですね、データのバックアップ、これはパソコンでやっているわけじゃなくデータとして保存しているんだと思うんですけれども、その辺のバックアップはどういうふうにしているんでしょうか。
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○小村亮一 総務部長 サーバーを使っておりますので、サーバーのバックアップは記録媒体にバックアップをいたしまして、それを保管するという方法をとっております。
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○12番(高橋浩司議員) サーバーからバックアップの磁気テープか何かに読み込んで、それを委託業者に頼んで保管しているということでよろしいんですか。
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○小村亮一 総務部長 おそらくディスクのようなものだと思うんですが、そういったものに読み取って、ある場所に持って行って保管をしているというところです。
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○12番(高橋浩司議員) そうすると、例えば毎月毎月バックアップをとって保管する、そのバックアップしたものというのはどんどんふえていっちゃうと思うんですけれども、それはどういうふうになっているんでしょうか。
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○小村亮一 総務部長 そこのふえたものの処理をどうしているかという、ちょっとそこまで私は認識していなくて申しわけないんですけれども、おそらくディスクですのでそれほどの量というのはふえていかないのではないかというふうに今、考えております。
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○12番(高橋浩司議員) ぜひその辺も、詳細を部長さんも確認をしておいていただきたい。新しい取り組みですから、あまり細かいことをちまちま聞いてもいけませんので、この辺でやめておきますので。ぜひ事故の起こらないようにやっていただきたいなというふうに思います。
次の質問なんですが、電子投票という、選挙の電子投票ということで、従来からやるべきじゃないかというふうなことで言ってきたんですけれども、全国でいくつか事故があったり、県下でも海老名さんのほうで事故があったりしましたので、なかなかその辺の取り組みがストップしているような状態にありますので、ちょっと海老名さんの裁判がどういうふうになったとか、県や総務省のほうの電子投票についての取り組みがどういうふうになっているのかということについて、お伺いしたいと思います。
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○宮田好朗 選挙管理委員会事務局長 電子投票についてのお尋ねでございますが、電子投票は平成14年2月に地方選挙に限って実施できる特例法が施行され、同年6月に岡山県新見市で電子投票による市長及び市議会議員選挙が施行されました。その後、現在までに七つの市、一つの町、一つの村において実施されております。先ほど御指摘ありましたとおり、機械に障害が発生したことから岐阜県可児市、及び神奈川県海老名市では選挙に関する異議申し立てが出され、うち可児市では選挙無効の判決が下されております。なお、海老名市におきましては申し立てを棄却したということで、選挙は有効ということになっております。そうしたことから、機器の安全性を不安視する見方に加え、国政選挙では実施できないこと、さらに費用がかかることを理由に条例を廃止する自治体もあり、現在のところ普及は進んでいないという現状であります。しかしながら、電子投票は開票作業の迅速化・省力化には大いに効果があると期待できますので、現在課題となっております法制度、機器の安全性、費用面に関する動向を見据えた上で、今後導入の可能性については慎重に検討してまいりたいと考えています。
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○12番(高橋浩司議員) まさにクラウドシステムなんかが汎用してくれば、この辺のことについてもどこの自治体でも使えるようになりますので。取り組みやすい状況が生まれると思いますので、ぜひクラウドと電子投票っていう観点からも注視をしていただきたいというふうに思います。いくつかこの後も個別のことをお伺いしようかなと思ったんですけれども、そろそろ皆さんもお疲れでしょうから、ここらで切り上げるようにしたいと思うんですが、クラウドを使っていきますと、例えば学校の教育用パソコンだとか、図書館システムなんかっていうのは、非常に経費の節減につながるということも検証されております。そういうふうなことですとか、例えば市内の病院群もクラウド化することによってカルテを汎用化して共有していくとか、そういったことも非常に有効じゃないかなと思います。もちろん、協力していただく医師会だとか病院群の理解なしではできることではありませんけれども、市民の側に立って利便性が向上するようなことについては、ぜひやっていただきたいなと思います。
実は今年、国連賞というのがありまして、佐賀県がですね、佐賀県のいろんな基礎自治体っていうのが非常にIT化が進んで今回の実証実験なんかにも手を挙げてやっていただいているんですけれども、佐賀県自体が国連から表彰されました。これはITに関して公共サービス賞というふうなことで、これは全世界で22件表彰されまして、そのうちの2件が佐賀県ということで、これは佐賀県の古川知事さんが公共サービスのオリンピックで金メダルと銀メダルをとったようなものだというふうな喜びのコメントを寄せております。これはまさに行政だけじゃなくて、県民、企業、それからNPO、そういう人たちと一緒になってやってきたということが評価された一因だというふうなことを言っております。ぜひこういう、これは日本が国連賞で表彰されたのは初めてらしいんですけれども、表彰されることが目的じゃないんですけれども、そのぐらい市民の立場に立ってITを駆使していろんなことをやっていくことが評価の対象になるということは、御理解をいただきたいというふうに思います。電子自治体の可能性を最大化するということが目的であります。
最後にちょっと市長さんに感想をもう1回お伺いしますけれども、二宮尊徳の遺訓がありまして、道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言であるという、こういう遺訓があります。これはすごく深い言葉だなというふうに思うんですけれども、要するに定説を疑って原理主義に陥らないで、愚直にやり遂げていく、これがまさにクラウドへつながっていく栄光のかけ橋なんじゃないかなというふうに思います。いろいろと細かいこともお伺いしてきましたけれども、ぜひクラウドの取り組みですとか、そういう一連の質疑を聞いた市長さんの感想を最後にお伺いをして終わりたいと思います。
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○松尾崇 市長 クラウドコンピューティングはコンピューターの利用形態のひとつでありますから、所有から利用に変わっていくということで、一定の条件のもとということでありますけれども、コストの削減や事務の効率化というのが図られる有効な方法ではないかなというふうに思っているところです。国の実証実験や結果や法案化の推移などを見ながら、本市としましても取り組んでまいりたいというふうに思うところです。
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○議長(赤松正博議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により、暫時休憩いたします。
(19時18分 休憩)
(19時35分 再開)
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○議長(赤松正博議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、太田治代議員。
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○18番(太田治代議員) では通告に従いまして、事業仕分けの検証及び実験動物の焼却炉について一般質問いたします。わかりやすく明快なる御答弁でお願いいたします。2日目の最終でございまして、時間的にも疲労が見えるころでございます。なれないIT関連のコンピューティングシステムのお話の後ですけれども、私は正反対の非常にマニュアルな方向から質問を進めてまいります。では、まず7月10日に行われました事業仕分けについて伺ってまいります。事業仕分けの最後に、市職員も今までされたことのない質問に驚かれたのではないかとの意見が仕分け人からありました。この言葉に私は非常に違和感がありました。予算特別委員会や決算特別委員会などでこの項目ごとの事業、個別事業については議会はその都度事業内容を検証しているところです。今までされたことのない質問どころか、事業仕分けで出された以上の質問は幾度となく行っているものです。随分、議会軽視の発言だと感じました。また仕分けの間の質疑においても、仕分け人の一方的な思い込みとも言える発言には、大変不愉快な思いを抱きました。さて、それでは本題に入ってまいります。鎌倉市では、行政評価として事務事業評価や施策進行評価が行われています。特に施策進行評価は、専門委員と市民委員から成る市民評価委員会の形式を取り入れています。この委員会をベースに公募で、また先ほどもe−モニターのお話などがありましたが、このような公募で拡充などをして実際にサービスの受け手を含む多くの市民が個別事業のあり方を議論して、評価判断をすべきであると、ネット鎌倉は、予算委員会でも再三言ってまいりました。鎌倉市の実情を知らない他市の職員などにより正味20分の議論の中で、しかも説明者、また担当者のプレゼンテーションによっても評価が変わる可能性があるという、仕分け人の主観による判断基準で行われる事業仕分けです。もともと民主党が予算編成の手法として導入したものですが、市町村の事業は国の事業と違い、市民の日々の生活と密接にかかわり合っています。事業一つ一つをきちんと精査、評価することなく外部の目線で大なたを振るうような事業仕分けは、基礎自治体にはなじまないと考えています。まず鎌倉で初めて行われた事業仕分けですが、実施委託料154万8,000円のほか、報償費、臨時任用職員賃金など126万6,000円、またそれ以外に職員に休日出勤で備えさせてまで行う必要があったのか検証してまいります。まず鎌倉市が事業仕分けをしようと考えた目的から端的に伺います。
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○瀧澤由人 経営企画部長 本市が本年度から事業仕分けに取りかかったのは、まず、徹底した事務事業の見直しを外部の視点で行いまして、個別事業についてその担い手の見直し、あるいは制度の改善、適正な経費等の見直し、これらを行うことによりまして限られる財源をより有効に使おうということで、そういう一つの目的と、また、事業に対する職員の意識付けをおこなうことによりまして仕分け作業を公開の場で行うことによりまして市民の行政への関心を高める、その三つの目的でこの事業仕分けに取りかかったものであります。
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○18番(太田治代議員) 端的に目的をお話いただきました。それでは、このプレ仕分けの1事業を含め34事業が今回の対象として選ばれています。これはどなたが選択をしたのか、またその際の選択基準を伺います。
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○瀧澤由人 経営企画部長 事業の選定にあたりましては、基本的には市が行っている事業すべてを仕分けの対象としたいと考えておりましたが、実務的に無理だということで、まず23年度に翌年ですね実施を予定している事業、事業実施に取りかかって3年以上経過している事業、平成22年度、本年度予算でおおむね100万円の事業、この三つの基本的な基準を満たす事業を抽出いたしました。さらにその中から、市長、そして経営企画課、行革推進課、財政課、それぞれの立場から、担い手の見直し、制度の見直し、適正な経費等の見直し、この三つの視点においてこれまで懸案であろうという事業や、課題を有する事業、これらを絞り込みを行いまして仕分け対象事業と抽出したものであります。
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○18番(太田治代議員) 先ほど全事業を行うのは無理というおっしゃり方でしたが、全事業というのはどのくらいの事業数がございますでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 現時点でとらえている個別事業単位は、約3,000あると考えています。
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○18番(太田治代議員) その中で、先ほどの選択基準に合致する事業はほかにも数多くあると思います。この34事業が選ばれたということなんですけれども、ここではすでに執行部での仕分けが行われたと感じることができますが、これらの事業がなぜ選択の優先順位が高かったのかということを伺いたいと思います。
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○瀧澤由人 経営企画部長 仕分けの対象事業が3,000ということを先ほどお答えしましたが、その中から最初の御質問であります、いわゆる基本的な3年以上経過とか100万円という基準を絞り込みまして、さらに市長と経営企画課と財政課と行革推進課、それらの平素からこういう事務に携わってトータルで見ている職場の担当職員が、担い手の見直し、制度の見直し、適正な経費等の見直し、この三つの視点においてこれまで感じている懸案であろうという事業についてを絞り込みを行ったのが、168です。その中から、市長と副市長と総務部長、そして私、経営企画部長この4人でメンバーとします対象事業の選定委員会を開きまして、それぞれの分野から出した事業が168だったものですから、重複している事業ですとか、類似の事業、日程の関係でやはり予定する事業を30と当初予定しておりましたので、絞り込みをかけまして、正確に言いますと31事業34項目が、当日の仕分けの対象事業として整理されたものです。
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○18番(太田治代議員) そもそも、その事業が必要かどうかから入る、委託先の構想日本の切り口からして、削減を目的としているものだと感じます。事業仕分けの対象事業として選択した時点で、すでにこれらの事業を削減したい、そういう意思が働いていると考えざるを得ませんが、それはいかがでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 冒頭も申し上げましたように、一般的に仕分けといいますと国で行われたカットすることを目的ということも前提で取り組みますけれど、我々が考えたのは事業のあり方、それから今後のどういうふうに進めたらいいのかとそういった、まず基本的に見直していく、そういう要素があるかないかという視点でありますので、すべからく議員がおっしゃるように削減するという前提で選出したものではありません。
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○18番(太田治代議員) そうですか、でも多くの市民の方、また私も非常に恣意的な選択としか思えないんですけれども、それでは選択された事業なんですが、健康福祉部所管のものが9事業も含まれています。特に対象事業が多かったことは、鎌倉市の福祉行政に問題点が多いと考えていらっしゃるのかというふうに疑問に思わざるを得ません。ではこれらの事業を選ぶ際に、担当部局の意向が入っていたのかどうか。その辺は担当部局の一番多かった、事業数の多かった健康福祉部長にお伺いしたいと思います。
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○石井和子 健康福祉部長 事業仕分けの対象事業の選定にあたってでございますけれど、担当部としての意向について発言をする機会は設けられませんでした。私どもとしては、結論として9事業が該当するということを通知されたものでございます。
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○18番(太田治代議員) 発言をする機会がなかったということなんですけれども、これらの選択は担当部長として妥当な選択と思われているかどうか、多分お答えにくいとも思いますが、あえて伺わせていただきます。
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○石井和子 健康福祉部長 妥当な選択かどうかというそのお答えになるかどうかはあれでございますが、福祉部として事業しております中でどの事業も重要でございます。現段階において、福祉部において不要な事業はございません。そういうつもりでいつも事業をしてまいりました。今回の事業仕分けを、それでは私どもがどう受け止めなければいけないかというそこら辺で申し上げますと、事業を行う中で常に事業を見直す目というのは必要であると受けとめております。例えば、効果を常に測定すること、それから事業の手法ですとか内容を見直して一番良い状況でサービスを必要とする人に必要なサービスをお届けする、それが基本であると思います。最大の効果を生むための御意見を仕分けの方からいただいた、私どもはこれから先もそれぞれの事業を、いただいた御意見も参考にさせていただきながら見直していこうとそんなことで受けとめております。
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○18番(太田治代議員) とてもすばらしい御答弁だったと思います。一般的に言いますと、例えば、事業仕分けで配食サービス事業が選ばれているわけですが、これの含まれる高齢者在宅福祉事業は、こういうような事務事業評価シートがございますけれども、この事務事業評価シートにおきましては部長評価は高齢者に対する生活支援のサービスは在宅生活を継続する上で今後も充実をしていく必要があるとして、今後の方向性は充実または拡大というこちらのほうですね、2ページ目のここのところにAという評価をなさっています。この事業は鎌倉市でも大切な事業と、部長の見解と考えておりますけれども、この事業が仕分けの対象に選ばれております。担当部局と、また経営企画、行革推進課などとでは、事業に対する評価が全くこれは分かれているように思えます。先ほどの石井部長の今後に生かしていくという御答弁もございましたけど、選ばれた時点では部長はこの事業をA評価というふうに、この中に含まれている高齢者の在宅福祉事業全般を通して、一つ一つの個別事業へ対しての評価ではございませんけれど、ただこの事業は大切というふうに、A評価が出ている、このことに対して、経営企画、また行革推進課との意見が違うということを感じるんですけれども、瀧澤部長はこのあたりはいかがでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 確かに、事務事業評価の中でAと位置づけられているのは、毎年原課では高齢者福祉事業というくくりの中で、事務事業評価の原課の評価がAというのは承知しております。ただ今回、基本的に事務事業評価と事業仕分けの仕組みと狙いが最終的な行政経営の効率化という部分では一緒なんですけれど、切り口は違うということですね。一番大きく違うのは、そのA、全体A評価の中を構成する一つの配食サービス事業、この部分について仕分けで上げたものであって、決して事務事業評価上の評価と一にするものではないというふうに考えております。
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○18番(太田治代議員) 今の御答弁からは、やはり担当部長の評価だけでは不十分というような意味が何となく感じ取られるんですけれども、そのような認識をせざるを得ないような御答弁だったような気がいたします。そもそも評価があいまいであるということが原因ではないかと感じます。この中事業といわれます、高齢者在宅福祉事業、事務事業評価シートにあらわれているものと、それから個別の事業の評価というものがこの中にあらわれていない、ということがやはり大きな問題点だと私どもは考えています。個別事業の評価がきちんとされていないこと、そこから起こりうる結果だと考えています。また担当者の方たちは評価はしているというふうに思っていらっしゃるかとは思いますけれど、それらが共有されない、そのようなことが問題なのではないかと私どもは考えていますが、いかがでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 先ほど私の答弁の言葉が足りなかったのか、私が事業仕分けの対象事業に選んだ段階で、事務事業評価上のAというのは承知して、ただ切り口が違うので、その中の一つの事業を仕分けの候補、仕分けの対象事業に選んだという作業を行っただけです。そのことをもってして、私どもが福祉部がとり行っている高齢者福祉サービス事業全体を、先ほどの言葉で言えば、削減しようとか圧縮しようとかそういう視点で選んでいることではないということをまず御理解いただきたいということですね。事務事業評価がきちんと回るか回らないかということと、事業仕分けがどういう結果になるかということは、若干別じゃないかと。事業仕分けはあくまでも方向性ですとかあり方だとか、今後の方針を決めるための一つのツールとして受けとめております。原課がやっている事務事業評価は、いわゆるPDCAサイクルの中で今後のあり方を決めていくという、その見方をいっているものでありまして、御理解いただきたいと思います。
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○18番(太田治代議員) 方向性や方針というものはわざわざ事業仕分けにかけなければ出ないものなのかどうかと私どもは問うているのです。PDCAサイクルというものは常にすべての事業に行われなければいけませんし、やはり一つの個別事業単位からPDCAサイクルというものはそこの中になければならない、そういう視点がなければならないと考えています。その中で個別事業を見ることなく、大きく大まかな中事業評価という形で、現在は評価がそれだけしか見えてこないというところがやはり問題なのではないかというふうに指摘をさせていただきます。また仕分けを委託された構想日本が6月2日にプレ仕分けがございました。そのときに配付した鎌倉市の事前研修資料というものがございますけれども、この中の事業仕分けの主なルールのページの中に、事業仕分けは評価の客観基準はあえてつくっていない、説明者、担当職員のプレゼンテーションによって評価が変わる可能性がありというふうに書かれています。実際仕分けを私も拝見いたしまして、職員の答弁いかん、職員が答えられなかったことから不要になった事業があります。かなりあります。私自身傍聴した折には、職員が事業の目的さえも端的に答弁できないときにはいら立ちさえ覚えました。だれのために、何のために自分たちがこの事業を行っているのか目的をきちんと把握していない、そういう職員がいるということは問題ではないでしょうか。経営企画部長、総務部長、市長の御見解を伺いたいと思います。
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○瀧澤由人 経営企画部長 今回の仕分けの過程を見る中で、いわゆる仕分けをする側の質問に対する説明者側の職員の答えがかみ合っていないという場面は私も感じたところであります。基本的に、平素から職員は事務事業評価もそうなんですけれども、自分が与えられた仕事をどうやってしていくか、つまりやることを前提に物事をとらえてその事業に取り組む、そういうスタンスが基本的にあるのかなと。ただこの仕分けの場面においては、そもそもその仕事が要るか要らないか、そもそも論から入ってくる質問が多いと、そういった意味で、かなり周到な、平素から職員一人ひとりは仕事に対する価値観を持っておりますし、勉強もしておりますし、当日もかなりの時間を割いて仕分けに臨んだわけですけれども、結果としてとらえ方の切り口が違うということが食い違いとなり、そのことがはたから見ると説明不足とか説明が下手だという評価になってしまったのかと非常に残念な思いです。あと一つは予算審議等の場面において、各委員のメンバーからいろいろ御質疑を受けるわけですけれど、基本的にはディベート形式、そういうようなやりとりではなくて、どうしても公開の場でのディベート形式というものの場面になれていないんじゃないかという思いが私はしたところです。そういった意味で、それが説明が不十分だ、その結果が仕分けになったというような印象を強く与えてしまったのではないかと思います。
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○小村亮一 総務部長 私も第3会場を中心に見ておりましたけれど、仕分け人の質問に職員が戸惑いがあったというのは印象的でございました。まず感じたのは仕分け人の質問の中で、投資効果を定量的に具体的に示してくれという指摘が多くあったと思います。職員にしてみれば、定量的に具体的に数字を挙げてという示し方がなかなか難しかったのであろうというふうに感じました。2つ目としましては、経営企画部長も申しましたとおり、やはりディベート形式であると。このディベート形式はやはり職員なかなかなれていなかったんだろうなと非常に強く感じたところでございます。
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○松尾崇 市長 私も当日傍聴して職員と仕分け人との議論がかみ合わなかったという御指摘のところというのは、そういう場面は見られたなと思います。まさしく、ただそういうことを職員としてしっかりと経験をしていく、そういうことを繰り返し行っていくということは、この事業を通常、市民の方々や、当然、議会の場でもそうですし、説明をするということを、しっかりとそれができていればどういう角度から質問がきてもしっかり答えられるということだと思いますので、当然さまざまな場面でそういうことを経験しておりますけれども、こうした事業仕分けという一つのまた新たな場で質問されて、戸惑いがあったのかもしれないなというのはあります。より経験を積んでいくことでそうしたことも今後解消されていくことなのかなというふうにも感じているところです。
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○18番(太田治代議員) 経営企画部長からはとらえ方の切り口が違う、総務部長からは定量的に数字を挙げてということが普段やっていないので難しい、市長からは事業仕分けの場所で戸惑いがあった。そのような御発言、御答弁でした。それは甘くないかなというふうに感じます。聞くところによりますと、どのような局面でも答えられるように想定問答なども作って練習を行った部局まである、ということではないでしょうか。職員は自分が常に行っている事業の目的を意識しなければいけません。そしてサービスに最善を尽くすことが求められています。一般企業であるなら考えられないことだと感じています。どのような側面から尋ねられても、目的意識がしっかりしてさえいれば答えられるはず、そのように感じます。一般市民に密接にかかわりのある個別事業に対してこのようなことでは、職員の意識の改革が必要なのではないかと考えますけれども、それは総務部長に伺わせていただきます。
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○小村亮一 総務部長 御指摘のように、今回事業仕分けということで、外部の人の意見を聞いたわけです。それで、今まで我々が当たり前にやっていた事業はどういうふうに映っているかということもかなりそこで議論されたと思います。これは職員の意識改革にも当然つながってくるというふうに考えております。意識改革といいますのは、長年の職場風土の改善、それから事業運営の見直しによりまして職員の行動、意識を変え、ひいては市役所全体をよりよい方向に導くというようなところが肝心だと考えています。今回の仕分けですけれども、先ほどから説明に出ておりますが、担い手の見直し、制度の見直し、適正な経費等の見直し、今こういった根本的な観点から事業を見直す大きなきっかけをつくって、これが意識改革につながっていくとふうに考えております。今後とも職員の意識改革につながる取り組みを総務の立場としまして着実に進め、市民感覚を常に意識し、仕事の本質をとらえ、説明責任を果たせる職員をつくっていく、こういったことに努めていきたいと考えております。
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○18番(太田治代議員) 職員の意識改革というのは、ずっと行ってきているものです。それに対してこれからまた市民感覚を、また説明責任を、というのは改めてすることではありません。こういう結果が見えるということは、今まで鎌倉市がやってきた職員の意識改革の方向性が違っていたのではないか、そのように感じることもあります。また、今回の仕分けには市民事業に委託している事業も含まれています。委託先の市民団体に答弁をしてもらうということも可能だったのではないかと思います。なぜ職員のみの答弁だったのでしょうか。職員がきちんと市民団体の事業などを把握していなかったという事実もありましたので、そのことについて伺います。
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○瀧澤由人 経営企画部長 若干、議員さんと意見が違うところがありますけれども、職員はかなりの知識を持って市民と当たっておりまして、市民感覚があるないということについては見解が違うのかなと。今回の仕分けにおいて、市民と市民の事業の当事者を入れないかという話ですけれども、当事者についてはまさに平素の仕事の中で担当職員が事業当事者だけでなく、例えばサービスの利用者とかそういう意向を十分得て、その上で事業に取り組んで、事務に取り組んで、そしてこの仕分けの場に臨んでいる、それが当然のスタイルだと思っていますので、現時点で今回の仕分けにおいては当事者というものを想定はしていませんでした。
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○18番(太田治代議員) 今回は当事者を想定していなかったというお話でした。しかしやはり私は拝見していまして、職員の方の中には、委託をした市民事業の仕事の内容までほとんど、丸投げという言い方は変なんですけれども、それは独自性に任せるというおっしゃり方をされていたと思います。しかしやはり、自分の事業の中に組み込まれている事業の内容を、全然わからなかったという部分が見えていました。そういう中で、市民事業の中でとても不信感が広がっていることは確かです。委託先の事業内容を知らない職員が答弁にまごつく、そのことで真剣にやっている市民事業が不要という評価結果となったものもあります。事業目的を理解するためには市民事業がかかわっている自主的活動部分の説明があって当然でした、そのときに。しかし市が委託している部分のみの不十分な説明だけで終始していました。第3次鎌倉市総合計画の政策施策体系においては、市民協働の推進というのは計画の前提、一丁目一番地に置かれているものです。しかしこの基本方針が職員にはなかなか十分に理解されていないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 正しい答えになるかどうかは、御勘弁いただきたいと思うんですけれども、先ほど私、総務部長、市長も答弁したとおり、今回初めての取り組みということで仕分けを始めたわけです。我々も感じているとおり、すべてが100点で終わったとは考えておりません。当然今議員御指摘のとおり、職員の説明によって、いわゆる十分な説明がされずに答えが導かれたのではないかなという御指摘についても、そういう場面もあったのかなというのもわかります。ですけれど、こうやってこの場面を通じて、次につなげていくことがまさに先ほど言った意識改革の一歩であって、今回の場面でそのことをもってして今回の一連の事業仕分けの取り組みをすべて評価していくのはいかがなものなのか。不十分な点は十分に次につなげていくということで、結果として市民協働の云々かんぬんという話、そこまで持っていく前に、まず仕分けの結果がすべて事業の方向性を示すものではなくて、これらを踏まえて鎌倉市が次の道を進む、どういう道を歩くのかということを決めていく材料の一つとして受けとめていただければありがたいと思います。
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○18番(太田治代議員) 私は、鎌倉市の職員は非常に優秀だと思っています。本当にいつも勉強をちゃんとなさっています。きちんといろんな対応ができている方が多い。すべてかどうかは、すべての方を存じ上げないのでわかりませんけれど、鎌倉市の職員の方は質が高いと思っています。しかしそれにもかかわらず、このような事業仕分けをしなければならないということがなぜなのか、という、そういうこともあります。職員の中で、そういう意味でも不信感があるのではないかと私は感じています。また、市民事業の当事者の声のみならず、話は別なんですけれど、実際に利用している市民の声というのも反映はされていませんでした、今日のものには、こどもパトロール事業では、その事業を必要と考えている市民仕分け人からの発言で構想日本の仕分け人が評価を変えるということもありました。このことから利用者の声を聞く、何らかの手立てが今回は必要だったのではないか、それについてはいかがでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 まあ確かに方法の一つとして、利用されている方の声を聞いておいて仕分けに臨むという方法もあろうかと思います。ただ事業仕分けというものですから、むしろそういう道であるんであれば、利用されない方、利用できない方へもアンケート、あるいは意向調査をした上でやらないと、均等な広い意見にはならないかと思いますので。ただ御提案の、事前に利用者の声を聞くという部分については決して否定する話じゃないので、今後こういう機会がある場合には御意見として参考にさせていただきたいと思います。
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○18番(太田治代議員) 今この事業仕分けの検証を行っていますけれど、ネット鎌倉といたしましては事業仕分けには否定的な考え方をしております。ですからこれは次につなげていただきたいという提案ではないのです。これは、こうあるべきだったというそのような指摘をさせていただいているわけなんです。仕分けが終わってから行われた市民に向けてのアンケートも、やはり前もってやるべきだったのではないかと考えます。というのは、アンケートに対してですが、仕分け人に提出された事業内容の、これですね、これと同じ鎌倉市の事業仕分け、この冊子と、それから事業仕分け結果に対するアンケート調査票、あとは回答票、それが市民の方に送付をされています。アンケートの調査票の中には何が書いてあるかといいますと、仕分け人と職員間の主な議論内容、それとともに仕分け人の評価結果とコメントが記載されています。これを見た上で市民は自分の評価結果を導き出すことになっているわけですけれども、今回図らずも私の周りの数人にアンケートが送付されておりまして、その方たちはきちんと鎌倉市のためにと思って返したということなんですね。アンケートどうだったと聞いてみましたら、仕分け人の評価がそのまま記載されている資料があることで、ここから公平な判断は非常に難しい、厳しいというような感想がありました。やはり、このアンケートの仕方も恣意的、公平性に欠けるのではないかとそういう市民の意見がございますけれども、それに関しては次に続けていただくことではございませんので御意見は伺わなくて結構です。このようにずっと検証してまいりますと、この議会で通常行われていることを時流に乗ったパフォーマンスとして行った感があります。また事業評価の基準が非常にあいまいです。そして市民の声が生かされていないこと、また職員の意識啓発になったという声も執行部のほうから聞かれはしましたけれども、それこそ本来執行部みずからが真摯に取り組むべきことです。事業仕分けに頼ることではない。先ほども申し上げましたけれども優秀な職員ですから、自分たちでやっていかれる、そのように私は考えております。このような検証をしてまいりました。結果、これは市長のマニフェストに書かれていたことではあれ、事業仕分けは行うべきではなかったと言わざるをえません。昨日の質問の中で、事業仕分けの効果、課題を見直し、来年以降も行うとの答弁もございましたけれど、これはまったくの税金の無駄使い、外部委託をする必要なし、と私は申し上げたいと思います。冒頭に申し上げましたように、ネット鎌倉では専門委員を含んだ市民評価委員会などを拡充し、個別事業、一つ一つの今回仕分けにかかった単位の個別事業を見直すことが必要だと考えています。今まで行っていた事務事業評価、施策進行評価だけでは十分だったのか、というのが今回出てきたことは確かです。言葉を変えれば、PDCAサイクルの根幹を成す、3,000もあると先ほどおっしゃいました、3,000も事業が鎌倉市にあるということも初めて伺いましたけれど、そんなに必要なのかということも含めまして、個別事業の評価が今まで鎌倉市では不十分だったのではないかとそういうことを考えざるをえません。先ほども申し上げたましたけれど、部長同士の評価が割れるなど、個別事業評価の基準自体もあいまいで、誰もが共有できる形で行われていないことが大きな課題だと考えています。では、今まで鎌倉市が行ってきた行政評価のポイントというのは一体どういうものでしょうか。伺わせてください。
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○瀧澤由人 経営企画部長 現在、実施しております行政評価の評価のポイント、5点あります。効率性、妥当性、有効性、客観性、透明性、この5点の視点に基づいて毎年度行政評価を実施しているところであります。
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○18番(太田治代議員) そのポイントは大体どこの自治体でも、言い方は違うかもしれませんが、行っている評価の視点だと考えます。この視点で仕分けの対象になった一つ一つの個別事業、これは評価が行われているのでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 今御説明した行政評価で、中事業単位でこの評価をやっております。事業仕分けにおきましては小事業単位でやっておりますので、平素から小事業単位でのポイント評価はやっておりません。今回事業仕分けで行ったということです。
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○18番(太田治代議員) 中事業評価の中に先日届きました、この、例えば事項別明細などがございまして、これは今回決算特別委員会のほうで出ますから評価のほうですけれども、これ自体を中事業評価というふうに評価をしてらっしゃると思います。例えばこちらは、笛田リサイクルセンター管理運営事業というページなんですけれど、そのなかに小事業というのが二つ入っています。またその中に、再生利用施設啓発事業という、委託料というような、小事業の中にまた一つ個別事業があります。今回は小事業ではなく、小事業の中のまた個別事業、これが仕分けにかかったと私は認識しておりますけれども、小事業も評価が行われていなかったということですので、この下の個別事業はもっと行われていなかったということでよろしいでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 いまおっしゃられた評価を行っていないというのは、くくって中事業単位で評価をしているということで、個別にやっているというものではありません。この、市の事務事業評価の事業体系というのは、市の予算が事業別予算となっております。事業体系としては、目の下に、大事業、中事業、小事業という分類を加えて、その下に節別の予算をつくるという予算体系をもって、予算と評価を連動させるために中事業単位、約340〜350になりますけれど、毎年度の予算の審議をいただいて、決算の審議をいただくという、ある意味で一定の数量にまとめて評価をしていくのが効率的だということでやっているものですから、その視点においては先ほど言った5項目の評価ポイント、それで評価をしている。それを構成する個々一つ一つの小事業の中の個別事業については、個別にはやっていないということです。
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○18番(太田治代議員) 3,000もあるというお話でしたので、個別事業一つ一つを精査をしていくというのはかなり大変な作業かとは思います。しかし今回の事業仕分けにかかりました、この一つ一つの個別事業、これが一番市民に密接にかかわりを持っている、そういう事業だということの認識はおありなんだとは思います。しかし今まで個別事業の評価がされていなかった。されていなかったということは、やはりその事業、そのサービスが本来、本当に市民に密接に、また事業仕分けの目線でいきますと必要だったのかどうか今後につながるのかどうか、そういうようなことも今までは評価をされていなかった、ということでよろしいでしょうか。
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○瀧澤由人 経営企画部長 まあ確かに、評価していなかったというふうに言われると、どうしても納得できない、中事業としてくくって評価をしているということはあります
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○18番(太田治代議員) 先ほどの高齢者の在宅福祉事業、これはこの中には在宅福祉事業としてしか入ってきません。その中に配食サービスの達成率とか、緊急装置の貸し出しとか、訪問利用サービスの利用率、というような個々の達成度の評価などはございますけれども、その個別の一つ一つの評価というのが、この中には全くあらわれてこないんです。その個別のものを今回事業仕分けという形で執行部のほうは評価をしたんだと思いますけれども、やはり通常それがされていないことが一つ大きな問題、そしてされていないことによって職員が自分たちがやっている事業が本当に必要なのかどうか、市民に密接にかかわりがあるものなのかどうかということが認識できていないのではないか。そういうような仮説も立つと思います。もちろんきちんとやってらっしゃる方もいらっしゃると思います。ただやはりあまりにも多い事業がいっぱいあったということなので、やはり評価の基準を一つ明確にした上で、その基本の考え方ですべての事業を評価していくこと、それが私は必要なんだと思います。一番市民生活に密接にかかわってくる、それらの事業が実際に目に見えてこのように評価をされない、それがやはり大きな問題ではないでしょうか。そのおかげでその事業が本当に市民サービスにかなっているのか、そのような判断もつきかねるということがあると思います。過去の鎌倉市の財政事情では、次々に事業をつくってお金を回すことができた、そういうことがあったかとは思います。しかし今後の財政を考えますと、事業全体の見直しを図る時期に来ていることは確かだと考えています。私どもはちなみに、最小の事業単位から、職員間で、また担当者、課長などと議論で評価を行い、非常にわかりやすい評価シートを作成している先進市といわれる、国立市に視察にまいりました。そしてお話を伺ってまいりました。先ほど、総務部長、経営企画部長の中から、職員の中でディベートがされていなかった、そういうお話がありましたけれど、やはりその議論をする、そういう機会が今まで職員の中になかった。そういうことが一つ問題というふうに御自身で御指摘なさっていらっしゃったので、そういう意味でこの事業シートというものはとても有効なのではないかと思いまして、御紹介をさせていただきたいと思います。こちらにボードを持ち込ませていただきました。このようなものなんですが、事務事業評価のロジックというふうにいいます。事業を行うには、これ本当に基本なんですけれど、このチャートのとおりにやっていけば、その事業が本当に妥当性があるのか、有効性があるのかというのがわかっていく、そういうものなんです。まず事業を行うには必ず目的があります。行われている事業に対しまずはその目的が妥当であるかどうかを見ていきます。それが一番求められていることだ、まず削減とかそういうことではなくその目的がその事業に一番合っているのかどうか、そういうことをまず見ていきます。妥当でないものは廃止、また目的の再設定をします。政策体系に結びついているのか、また対象が意図するところであるか、それもこの中でやっている部分はありますが、また行政でなければできないかなどを議論していきます。一番大きな問題は議論がこの中に入る、ディベートが入ってくる、ということです。ここでまず妥当ということになれば、次には有効性を考えていきます。ここでは成果の向上の余地があるか、環境変化等を考慮し、成果を落とさずに活動量を削減する余地がないか、同じ目的を持つ事務事業の統廃合なども論じることができます。それから、3番目、それが妥当、有効ということになれば、その次には効率性、ここではコストを考えていきます。コストの削減余地があるのかどうか、これも成果を低下させないでコストを削減できるか。人件費などの、またここの中には議論が入ってきます。ここが効率的となると最後に公平性を考えていきます。一部の受益者に偏っていないか、また受益者負担などを考えていきます。このようなロジックにのっとって職員間で議論をする、課長と議論をする、そういうことでやはりこの議論をした最終段階でまたこのロジックに基づいて導き出された評価シートというものがございます。小さいんですけれど、もし必要であればごらんください。このような評価シートなんですけれども、この評価シートをもとに一定のルールに従って、関係各部長が事業の見直しや改善、優先順位などを決め、次期の予算に反映しているということです。そして、これらトータルの行政評価、実施計画、予算編成のほか、各施策、事業の執行管理、管理職の人事や目標管理、組織定員管理、事務の引き継ぎ、これは大きいですよね、など内部での活用だけではなくて、市民や納税者への納得が得られるように、これはすべて公開をされています。また行政評価をするための研修や実践を通じて、みずから考え、改善に取り組むことのできる職員の能力の開発にも活用されているということでした。鎌倉市が今まで中事業というような形で大抱えで行ってきた事務事業評価だけではなくて、やはり個別の事務事業評価を丁寧に行っていくこと、それで事業そのものの有用性だけではなくて見直しから統廃合、また職員の意識の啓発にまで幅広く活用できると考えています。今回の事業仕分けの対象事業の多かった、健康福祉部長、市民経済部長、教育総務部長に伺わせていただきます。各部でこのようなロジックに沿ってディベートを行って、個別事業評価を職員相互で行うということに関してはいかがでしょうか。
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○石井和子 健康福祉部長 今の様式等を突然お示しいただきました中で、その手法がいいのかどうかというのはなかなか判断いたしかねるところでございます。事業評価にはさまざまな手法があることで、御提案も一つの手法と受けとめさせていただきたいというふうに思います。ただお話の中にございました、ディベートの技術のレベルアップを図っていこうということは、これから先職員として必要なことであると思っておりますし、常に事業を見直す目、それも育てていかなければいけないと思っております。今後検討していく上での参考にさせていただきたいというふうに思っております。
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○小礒一彦 市民経済部長 事務事業の評価をする手法というのはさまざまなものがあるというふうに思っております。事業仕分けも一つでありますし、市が今までやっておりました事務事業評価、これも、その手法の一つであると思っております。また、これらの手法というのは、さまざまな検討がされて、一つの手法として確立されてきたものだというふうに認識をしております。ただいま議員から御説明いただきましたやり方も一つの手法だというふうに思っておりますが、ただいまここで御説明をしていただきましてシートを見せていただきましたので、これがうまく活用できるかどうかをここで判断せよというのは難しいと思っておりまして、もう少し詳しく見させていただいて検討したいと考えております。
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○宮田茂昭 教育総務部長 ただいま御提示のあった部分については、先般の事業仕分けの部分と大分内容は異なっておりまして、事業仕分けは外部の方がさまざまな立場であるとかさまざまな分野の方々がそれぞれのお考えの中で意見を述べていただいて、その仕分けを行うという方法でございましたが、議員御提案のように内部で一定のマニュアルに沿ってというようなこと、それもやり方の一つだと思います。外部の方の御意見をいただくにあたっては、その方の主観的なものがかなり入ってくるという部分もございますので、客観性がどこまで保てるかというのは課題もあろうかと思いますし、そういうマニュアル的にやっていく部分もいろんな議論はあるかもしれませんけれども、画一的な部分で柔軟性に欠けるのかなというような、今見させていただいた中ではそんな感触を持ちました。また、次回、事業仕分け、仮に実施していく場合においては、そういった御提案なども含めて所管課のほうで、また検討の一つになっていくものだろうというふうに考えております。
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○18番(太田治代議員) そのようなお答えだと思います。急に言われても、誰も、ではやっていきます、とはならないと思いますので。また参考の一つで。できれば御一緒にさせていただければ楽しいんだと思いますけれども。今回この評価手法で、ネット鎌倉では事業仕分けの対象に選ばれた、特に不要となりました、再生利用施設啓発の事業、高齢者入浴助成事業、デイ銭湯事業などを、この一つの事業に対して1時間半から2時間かけて、市民や利用者、また当事者の方も含めて議論をいたしました。そこから導き出された結果は、やはり事業仕分けのそれとは大きく方向性を大きくたがえています。実際利用する市民、また当事者が議論に参加をすることにより市民に事業に対する理解が得られ、また当事者も改善が必要となれば意識啓発にもつながります。例えばこの結果を踏まえて、再生利用施設の啓発事業、委託をされている市民活動団体の方は、今後利用対象者を広げていく、また自主事業部分もふやす自助努力をする、そのこととともに活動に対する参加者、一緒に活動していくメンバーですよね、今まではある程度固定的であったということを、この話し合いの中でわかったので広げていきたいというような、多世代に幅広くふやしていきたい、そういうような御意見がありまして、ひいては鎌倉市のごみの基本の考え方である減量の啓発をより広く推進できる、そういうような結論に導かれました。また話し合いの中で、生活の知恵教室などは目的がごみの減量の啓発だけではなくて、そこに出て参加をしようとする高齢者の方の生きがい対策ともなっている、そういうことが当事者の方の参加で見えてくることができました。また加えて事業仕分けでは見落とされていました、市民協働という目的も再確認をされています。このように客観的で明確な物差しで担当者、課長レベルが議論をし評価を共有することにより、飲みニケーションではない、コミュニケーション、これで意思の疎通を図れ、事業に対しての必要性をしっかり認識できると考えます。これに事業の実態を正確に説明をするデータが示されることによって、これは当然のことながら市民が事業評価に参加することも可能となります。今回、事業仕分けのためにつくられたこちらの事業シートには、個別事業の開始時期や根拠法令、目的対象などの事業内容から、コストや活動実績、成果目標及び実績などの情報が集約されています。非常に見やすい、こういうようなシートを今回は出されました。ぜひこの事業シートは今後もすべての事業につくっていただいて、そしてこのつくる過程で先ほどお示しをした個別事業評価をしていくことで事業の無駄が見え、その中で当然統廃合なども可能となります。また、まさに行財政改革につながるというふうに考えます。まずは職員の負担がふえるのかなということがちょっと懸案なんですが、実際にこの今回の事業シートをつくることに関して伺いましたら、職員の方は特に多くの時間をとられたわけではない、そのような御感想でした。長い説明となりましたが、この個別事業評価を鎌倉市でも取り入れることで、市民に見える、開かれた市政運営を示すことができる、それとともに、より市民参加の機会が保障される、行政運営が可能になる。そのように考えますが、経営企画部長、総務部長、市長の御意見を伺いたいと思います。
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○瀧澤由人 経営企画部長 ただいまの質問はいろんな要素を含んでおりまして、どこからお答えしたらいいのかという部分があるんですけれども、一番感じているのは、基本的に今御提案いただいている部分の、新しい案につきましても、御提案いただいたねらいというのはやはり鎌倉市の行政運営をよりいいものにしたいという思いでの御提案だと、まずは受けとめさせていただきます。我々が取り組んできている、いろいろ評価は分かれておりますが、事業仕分けも思いは一緒で取り組んでいるというところだけは共通しているんではないかと思います。あと、そのシートを取り入れよということで、どの職員に聞いたのか定かではありませんけれど、個別事業をすべて先ほど言った3,000近い事業を、それをつくって管理していくというのは非常に事務的にはボリュームがあるのではないかと思います。これは一回つくってそのままというわけではなくて、当然1年1年更新していって、それを管理していくという、その部分については研究の余地があるんじゃないかなというふうに一つ思います。それとやり方についても、ごみの関係の利用者ですとか当事者を集めていろいろ検討されたと、それも一つのやり方じゃないかと思いますし、ただそれはあくまでもその分野でのかかわる人たちのお答えではないかなというふうに私は受けとめております。ただ結果としてそれが新しい一つの方向性が、そういう論議がされたこと自体がこの事業仕分けで一つのきっかけをつくったのかなという思いをしまして、ありがたかったかなと思って、ぜひともその答えをまたお聞かせいただければ、仕分けとまた別に一つの意見として評価させていただきたいと思います。長々とすみません。
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○小村亮一 総務部長 今御提案いただいた中で職員間の議論が活発になるということを御指摘いただきました。これがやはり重要なことだと私は考えております。それで、現実にですね、そのチャートで、やはりどこの事業まで、実際の、現実としてできるかということも一つ、課題だというふうに考えています。それとそのチャートを使う上でも、我々の日々の行政評価の上でも、実施を前提としてやはり見ないで、いろいろこの事業は担い手がほかにあるのか、本当に行政がやるべきなのかというところは、根本から見直していかなくてはいけないかなというふうに感じております。いろいろ方法というのはあると思いますので、今日御提案いただいたものも一つの参考とさせていただきたいというふうに考えております。以上です。
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○松尾崇 市長 今御提案いただきましたことというのも、さらに私も勉強してみたいというふうに思いますし、そうしたさまざまな手法を含めて行政事業の評価について、また事業仕分け、事業仕分けというとあれかもしれませんけど、仕分けをしていくということですね、担い手の見直し、事業の見直しということをやっていくということを市民の方々から見てもよりわかりやすく効率的に実施ができるような形で見直しをしていければというふうに思っております。
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○18番(太田治代議員) 私の突然の説明でしたので、なかなか御理解できない部分があったかなとは思います。やはりこのチャートに沿いまして担い手の部分、他の担い手がいるのではないか、そういうようなことも当然このチャートの中からは出てきますので、今の鎌倉市の事業は現在1996年から2026年を展望する基本構想である第3次総合計画の中で、現在は第2期基本計画の中期にあたります。市のすべての総合計画、市のすべての事業はこの総合計画にある施策、政策体系のいずれかに位置づけられ実施をされています。まちづくりの課題と事業の優先度をはかる上で、市民生活に密接に結びついているこの個別事業の評価をきちんと行い、また市民への透明性を担保することは必要不可欠なことです。個別事業の達成度をはかるということは、その上位施策、政策への系統立った事業達成度への指針、そのようになります。最終的には持続可能なまちづくりへと発展をしていきます。2009年から2010年度、2013年までの中期実施計画が、2011年、来年にローリングの時期となります。後期実施計画の策定に入っていくこの時期に、このようなある程度の手法で、きちんとした評価をすることが必要だと考えています。基本構想に掲げた、鎌倉の町が古都としての風格を保ちながら、生きる喜びと新しい魅力を創造する町になり、加えて職員の意識啓発にもつながると提案をし、事業仕分けに関する検証を終わらせていただきます。
次に実験動物焼却炉について。武田薬品工業の新研究所が日量最大1トンに近い実験動物の焼却炉を備えて来年3月には稼働予定となっていることは御存知のとおりです。先日、新湘南鎌倉総合病院の施設の内覧会が行われました。私は屋上のヘリポートから、普段目にすることのできない焼却炉の全貌を目のあたりにしました。参加者の多くが、敷地内にある巨大な煙突と、その近隣に住宅が立ち並ぶさまに圧倒された様子でした。この大きな煙突が自分の生活圏から毎日見えること、そしてそこで燃やされている実験動物のことを毎日考えてしまう、そういう生活が炉の稼働以来、ずっと続くことを考えると、近隣住民の方々の不安と精神的ストレスはいかばかりかと感じました。市長も内覧会にいらしたということですので、きっと煙突はいやでも目に入られたのではないでしょうか。そこで市長に伺います。6月に会派議員の質問に対し、市長は武田薬品工業に対し働きかけをしていくとの前向きな御答弁をされました。また8月4日には実験動物焼却施設を住宅地で稼働させず外部委託を求めることに対し、藤沢市と武田薬品工業に働きかけを求める署名、それを近隣住民団体から受け取られたという報道もございます。6月以来、鎌倉市側からの藤沢市、また武田薬品工業に向けての働きかけを御報告ください。
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○松尾崇 市長 6月議会でのお約束を踏まえまして、まず7月9日に兵藤副市長が武田薬品工業研究業務部長と面談をし、焼却炉の運用方法および外部委託について再考の余地はないかと尋ねるとともに、地元住民への説明会の継続や地元との情報交換の場について要請をしました。地域住民からの署名、要望書を受けまして、8月19日にこれまた兵藤副市長が藤沢市の山田副市長に面会をして、今回の要望書を踏まえて藤沢市として武田薬品工業に働きかけをするかどうかということを尋ねました。さらに8月24日に、私が武田薬品工業株式会社取締役と面談をしまして、武田薬品工業として今回の要望書の趣旨を踏まえていただき、焼却炉の稼働について変更してもらえないかということを尋ねてきました。働きかけについては以上でございます。
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○18番(太田治代議員) 兵藤副市長は7月9日に武田薬品工業の業務部長との再考はできないかというようなお話、また藤沢市の副市長との要望書を踏まえることができないか働きかけられないか、そのようなお話、また8月24日武田薬品工業の取締役との計画の変更はできないかという市長のお話があったということを今確認させていただきました。その際の先方の反応というのはいかがでしたでしょうか。
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○兵藤芳朗 副市長 私は、7月9日に、武田薬品工業の研究所の実質、実働部隊といいますか、そこの責任者である研究業務部長と面談をさせていただいています。業務部長は通常は大阪の本社にいらっしゃるということでした。私としては先ほど市長から御答弁させていただいているように、焼却炉の運用方法及び外部委託について再考の余地はないか、これはなぜこういうことを業務部長にお願いしたかといいますと、やはり法的には設置ができると、許可もおりていることですから、それは前提なんですが、やはりこの段階でもたくさんの市民の方が市長にやはり心理的、精神的にも見直してほしいと、外部委託してほしいという強い要望がございましたので、それを受けまして市長と相談をして、まずは私が実質の責任者でございます業務部長に、市の意向をお伝えしたところでございます。あわせて今後協定を結ぶことになっていますので、それまで住民の方と協議の場、その前提となります説明会等もきめ細かくやってほしいという要望もあわせて行ったところでございます。先方としては、焼却炉につきましては法令にのっとったもの、それからあと、十分にその点については検討を行って、責任を持って処理をすると、多方面からの研究調査をして、結果として研究所内で処理をするという方向に達したと。でも、従前に御答弁させていただいているように、やはり鎌倉市としては市民の要望がこういうことがあるからぜひその辺は御検討をお願いしたいということは伝えております。そのような趣旨で武田の業務部長さんとはお話をさせていただいたところです。それから8月19日になりますが、藤沢市の担当の副市長とも面談を求めて、お話をさせていただきました。藤沢市さんの考えは、法令にのっとったことだということなんですが、やはり鎌倉市の住民の方と同じように藤沢市の住民の方も焼却炉については大分懸念をされているという声があがってきたということで、鎌倉の対応について、業務部長の、私の対応も含めて御報告をするとともに、藤沢市の意向を尋ねました。そのときでは市長が地元の方と面談をするので、鎌倉市のスタンスと協調して武田薬品工業のほうには協議を含めてやっていこうということで確認をされたという状況でございます。
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○松尾崇 市長 武田薬品工業の取締役とお話をさせていただきました。今、副市長が答弁したように、計画については変更はできない。しかしながら住民の方々に対して心配をかけないように努めてまいりたいというようなお返事もございました。また、窓口につきましても、しっかり専用の窓口を設ける方向で検討をしていただけるというようなお話もその中でございました。
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○18番(太田治代議員) ありがとうございます。藤沢市のほうは少しずつ歩み寄って来てくださってるのかなという感じはいたします。武田薬品工業のほうは法令にのっとっているという以前からのお考えを変えていない、市民の方に目線は向いているけれどもやはり変えられないという、そのようなお話しだったというふうに認識をいたしました。それでは、署名を8月4日に市長が受け取られたということですけれども、署名の総数および鎌倉市民からの署名はどのくらい寄せられていたのか、またその際に市長は近隣住民団体の方にどのようなお話をなさったのか、あわせて伺わせていただけますでしょうか。
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○相澤千香子 環境部長 まず署名の数については私からお答えさせていただきます。8月4日に提出された要望書は全体で9,219件、そのうち鎌倉市内が4,298件で、全体の46.6%でございました。市長がお答えした内容は市長からお話し申し上げます。
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○松尾崇 市長 皆様からいただいた要望をしっかりと受けまして、武田薬品工業に対して皆様の声を伝えてまいりたいというふうにお答えをさせていただきました。
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○18番(太田治代議員) 今、9,219という署名の数というふうに伺いました。この中で鎌倉市民の方が46.6%、では近隣住民の方というのはどのくらいいらしたのでしょうか。
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○相澤千香子 環境部長 提出いただきましたときの署名数のうち、字名を分類してくださってます。あくまでその件数でカウントいたしますと、玉縄地域が3,062件、全体の33.2%という結果になっております。
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○18番(太田治代議員) ということはやはり3分の1が近隣の住民からの署名だったということだと思います。焼却炉設置の説明会で配られた武田新研究所のパンフレットには、地域と調和をし、安全と環境に配慮した研究所を目指しますと、このようにはっきり書いてあります。実験動物の焼却施設の稼働をすることなく、処理を外部に委託してほしいというこれだけの地域の声にぜひ武田薬品工業は耳を傾けてほしい、そのようにここで申し上げても仕方ないんですけれど、これは多くの皆さんの市民の声がぜひ届くようにと考えます。しかし、近隣住民の方の心理面の懸念だけではなく、8月29日に私どもネット鎌倉が主催をいたしました大気汚染シミュレーションの学習会がございます。そこで、国や自治体からのシミュレーションを引き受けている環境総合研究所、そこの講師の方から、少し懸念のある内容のお話がありました。風向きにより周囲の建物や地形を考慮に入れた三次元流体モデルの数値解析では、風が弱いところに空気の滞留が起きる、そういう性質から、3〜4キロ離れた場所でも濃度が濃い場合がある。そういうような指摘がございました。何か有害物質が漏れた場合にということです、これは。武田薬品工業が行った環境影響調査というのは、地形や建物の影響などを考慮しない、平地の拡散予測を武田薬品は行っております。汚染物質が流れた場合、鎌倉市への環境影響も、そうしますと実際の報告以上のものが懸念されます。物理的には、風向き、地形、また季節などにより、この73メートルの山を背負っている焼却炉用地からの影響は、鎌倉市の広範囲に及ぶ可能性が考えられます。これは周辺住民、一部の問題ではもうなくなっていると考えます。実験動物の焼却を外部に委託するように求める市民からの要望とともに、三次元流体モデルでのシミュレーションを行うよう、市長には武田薬品に積極的に働きかけをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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○松尾崇 市長 今御提案いただいたその手法がどれくらい有効なのかということも、研究もさせていただきながら、そうしたことを武田薬品工業のほうに要望する必要があるかどうかということも含めて検討してまいりたいというふうに思います。
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○18番(太田治代議員) 先ほど兵藤副市長が7月9日に武田薬品工業の業務部長とお会いしたときに、多方面からの調査をしていくというふうな話を頂いているということですので、ぜひこちらのほうは働きかけをしていただきたいと考えております。またネット鎌倉が動物実験施設について厚生労働省に調査を依頼いたしました。そうしましたところ、研究所内に焼却炉がある10社14施設のうち人口密集地に立地をしているのは武田薬品工業のものだけ、そのような回答がありました。あとは工場団地内にあるか、また畑の真ん中や、海や山に囲まれ周辺に人家が非常に少ない、また住宅地に近い国や県の研究所、大学の研修室、民間でも東レ研究所や中外製薬などは専門業者に外部委託をしております。環境影響が広範囲に及ぶ可能性があること、また立地条件などからしても再度、やはり武田薬品工業に外部委託を勧めるべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
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○相澤千香子 環境部長 先ほど市長もお答え申し上げましたが、武田の考えは、自分のところで事業者の責務として自区内で処理をするのが正しいやり方なので変更する意思はないというお答えを再々度いただいております。そういうところから再度それを見直してもらうというのはなかなか難しい点もあろうかと思います。機会があれば、またそういうことをお話することも可能かと思いますが、基本的には有害なものを出さないという出口での管理、確認、情報公開、これが私としては最優先かというふうに今のところは考えております。そういったところの監視体制をしっかり確立していきたいというふうに思っております。
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○18番(太田治代議員) 法的なものの問題はないということ、またやはり有害物質を出さないという武田薬品工業の理念は非常に正しいものだとは思います。しかしやはり調べていくと、このように新しい調査結果などが出てまいります。このシミュレーションなども新しく出してきたものです。また実験動物施設なども武田薬品工業のみが住宅密集地に立地をしている、このような事実も出てきておりますので、やはり再度働きかけをしていただければと考えております。また藤沢市長も8月末に署名を受けた際、同社に対してはこれまでも環境に配慮するよう行政指導を行ってきた、不安を感じている人がいるならそれを解消するよう同社に申し入れたい、と前向きな発言をなさっています。その原動力となったのが、住環境の悪化を危惧する住民が1万筆もの署名を集めたこと、それが人を動かしていることは事実です。それとともにやはり8月4日に松尾市長が住民の気持ちを酌んだ前向きな発言をした。この署名を受けたとき、先ほども御答弁ありましたけれど、しっかりと皆さんの声、要望を伝えていきたい、そのような松尾市長の前向きな御発言、それが藤沢市に影響を与えたということだと考えています。このことからも、やはり鎌倉では藤沢市にも働きかけをこれからも行っていく必要がある、それとともに、さらなる藤沢市との連携を模索していただくということと、あとやはり武田薬品工業への働きかけは、市民団体が交渉を続ける後押しということで期待をしたいと思います。よろしくお願いします。では協定書について伺います。鎌倉市は武田薬品工業株式会社新研究所の環境保全に関する協定書の素案を市のホームページでも公開し、積極的に市民の声を求めています。これに関しては、コピーの禁止、町内回覧にとどめている藤沢市と比べ、環境部には非常に頑張っていただいていると評価ができるものです。ではその中で、どのような市民の意見が寄せられたのかをお伺いします。
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○相澤千香子 環境部長 8月31日を一応の目途として意見を募集しましたので、31日現在でお答えいたします。21件の個人・団体から要望が寄せられました。主な内容としては、情報公開の原則や情報提供の方法、また行政・住民・武田薬品による協議会の設置、緊急時への対応、規定を定量的な表現にしてほしい、説明会等の開催、焼却炉の稼働停止、焼却の外部委託など多岐にわたっております。
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○18番(太田治代議員) 今部長からの御答弁の中に、市民の中からもやはり実験動物の焼却炉を稼働させないでほしいという御意見があったということです。この焼却炉を稼働させないでほしい、との意見や要望書がほかのところからも出されている。そのような情報も入ってございますけれども、この協定書の項目の中に、例えば焼却炉を稼働させないでほしいという市民からの御意見はどのような項目で入れたらよいのか、どのようなものが妥当だとお考えでしょうか。お聞きしたいと思います。
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○相澤千香子 環境部長 焼却炉を稼働しないでほしいという項目そのものは、協定書の趣旨から考えましてなかなか難しいのではないかと思います。そもそも焼却炉そのものが現行法上で許可を得ているものでございますから、そのこと、すなわち実験動物処理をそこの焼却炉でやめろ、あるいは外部委託を強制するというような内容を、項目の中に書き込むということは難しいのではないかと考えています。
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○18番(太田治代議員) それでは、鎌倉市議会としまして、実験動物焼却施設の設置規制について法の整備を求める意見書、これを6月議会において全会一致で採択をし、国に提出をしたことはどのように受けとめていらっしゃいますか。
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○松尾崇 市長 現行の法令では実験動物焼却施設の設置を規定する法令がありませんので、先般の意見書といいますのは市議会の方々が実験動物の焼却に対する住民の精神的苦痛を受けとめて国へ要望されたものであるというふうに受けとめております。
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○18番(太田治代議員) 住民の精神的な苦痛を受けとめる、という本当にそのとおりです。ではこの協定書の目的というのは何でしょうか。これは単なる両者の環境保全に関する約束ではなく、これだけの人口密集地に大規模な実験動物焼却施設ができることに対して、住環境を脅かされる住民の不安を軽減するための手法の一つだと考えます。それは苦痛を受けとめるということの裏返しということですよね、同じということです。鎌倉市が国に提出した意見書には、実験動物焼却施設の設置には行政区にかかわらず300メートル範囲内の土地に住む人や事業者に計画を説明し、その後、同意書を作成、許可権者に提出しなければならないとしています。この意見書の中では同意書という言葉を入れています。人の火葬場への設置条件に準拠しているということで、つまり人の火葬場を作る場合の条件である300メートル以内に住宅がないこと、また住民の身体だけではなく精神への影響を考慮した結果だと考えています。今回の実験動物焼却炉は、人の住まう300メートル以内に建てられ、今現在でもその住民の同意がとれていないことは、近隣住民が1万筆以上もの署名を集めたことからも明らかです。住民の不安は払拭されていません。この鎌倉市議会、議員の総意で提出された議会からの意見書、これを踏まえて再度伺わせていただきます。焼却施設の稼働に際し住民の同意を得る、議会のこの意思は協定書には反映できないものでしょうか。
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○相澤千香子 環境部長 今年の6月に議会が採択された意見書は、今、法的な整備のない動物実験炉について法整備を求めるというものでございます。ですから現在は私どもは実験動物を焼却炉で焼却するな、あるいはそれを外部委託しろという法的根拠を持ち合わせておりません。そういう意味で、武田薬品と市との協定書の中に、外部委託あるいは焼却の停止を求める内容を盛り込むことは難しいというふうに考えております。
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○18番(太田治代議員) なかなか一筋縄でいくものではないと考えています。ただ、国の法整備を待つのではなく、この広域の課題として、鎌倉市は県に、また武田薬品工業を指導するように働きかけることも必要ではないかと考えております。加えて、国の実験動物処理の現状は、厚生労働省も環境省も焼却炉の数や焼却量の状況さえも把握をしておりません。また立地規制がないために今回のような人口密集地に、住民感情も考えられずに設置が許可されています。ネット鎌倉は国へ実験動物の処分に関しての規制や、取り扱い基準、方法を確立し、明文化する申し入れということを行いました。今回の鎌倉市からの意見書も持参しまして説明をいたしましたが、まったく担当省庁すらわからないという状況に愕然としました。地方から国を動かしていかなければ。本当にそのように感じています。ぜひ鎌倉市から、国また県への働きかけをしていっていただきたいと考えますがいかがでしょうか。
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○相澤千香子 環境部長 今の法体系の中では焼却炉の設置につきましては、神奈川県の生活環境の保全等に関する条例に基づきまして、条例の設置権者であります藤沢市が行っております。これまでも藤沢市とはさまざまな連携をしながら、協議をしてまいりました。これからも藤沢市との連携は続けてまいります。やはり藤沢市の立場、許可権者としての立場もありますので、藤沢市と連携しながら対応については検討してまいりたいと考えております。
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○18番(太田治代議員) ありがとうございます、対応を検討していただくという一筋の光が見えたような御答弁だったと思います。最後に二点ほど確認の意味で質問をいたします。先ほど、市長が受け取られた署名数、9,219筆との御答弁でした。これだけ多くの市民が実験動物焼却炉に関しては不安を抱いているということは認識をされているはずです。市民の安全・安心を守ることが行政の義務であるなら、まず市民の不安を払拭する手段となる協議会の設置を、武田薬品工業に働きかけていただきたいと思います。ネット鎌倉は、武田薬品工業と市民の団体、双方が選んだ委員で構成する公平な、専門家などを含めた協議会の設置が不可欠、そのようにずっと主張をしてきています。多様な市民の意見が反映されるように、きちんとした協議会形式を持つことで、今後住民の不安の一部でも払拭されることが望まれます。研究所の稼働は本当に待ったなしです。少なくとも市民の精神的苦痛を取り除く手段の一つとして、安全協定の中に市民が公の場で意見を述べ、安心を担保できる協議会の設置を協定書の中に盛り込む、そのようなことは可能でしょうか。それについて伺いたいと思います。
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○相澤千香子 環境部長 武田薬品、市、また住民組織による協議会の設置、またその内容を協定書に盛り込むことについては、市もその可能性について模索はしてまいりました。ただ現在のところ地元の住民組織、あるいは武田薬品の反応はあまり芳しくありません。次善の策として、市、武田薬品、住民、組織でなくて住民ですね、それらの方々が一緒になって武田薬品から情報提供を受けて自由に意見交換ができる、そのような場があれば、地域の皆様の不安を払拭することに有効だと考えております。このような場づくりについて、武田薬品には働きかけていきたいと考えております。
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○18番(太田治代議員) 今、部長が御答弁いただいた情報提供の場、市民が何でも話すことのできる、そういう意見交換を行う場を設けていただきたいというのが、私どもの二つ目の確認をさせていただきたかったことですので、今部長から情報提供の場、意見交換の場を設けていただくということの前向きな御返答、御答弁をいただきましたので、それは確認をさせていただきたいと思います。住民の方からも多くの要望が出ている、この武田薬品工業の実験動物焼却炉のことですけれども、やはり今後また鎌倉市も大きな課題を抱えてございますので、市長に最後に決意を伺わせていただきたいと思います。
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○松尾崇 市長 市としましては、環境保全協定の締結など地域の皆様が安心して生活できるようにしっかりと努めてまいりたいというふうに考えています。
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○18番(太田治代議員) 市長からの力強いお言葉もいただきましたので、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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○議長(赤松正博議員) お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、運営委員会の協議もあり、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
なお、残余の日程については、明9月3日午前10時に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
本日はこれをもって延会いたします。
(21時15分 延会)
平成22年9月2日(木曜日)
鎌倉市議会議長 赤 松 正 博
会議録署名議員 中 澤 克 之
同 西 岡 幸 子
同 石 川 敦 子
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