平成22年 2月定例会
第6号 3月25日
○議事日程  
平成22年 2月定例会

          鎌倉市議会2月定例会会議録(6)
                                   平成22年3月25日(木曜日)
〇出席議員 28名
 1番  千   一   議員
 2番  安 川 健 人 議員
 3番  長 嶋 竜 弘 議員
 4番  赤 松 正 博 議員
 5番  山 田 直 人 議員
 6番  中 澤 克 之 議員
 7番  西 岡 幸 子 議員
 8番  石 川 敦 子 議員
 9番  飯 野 眞 毅 議員
 10番  渡 辺   隆 議員
 11番  久 坂 くにえ 議員
 12番  高 橋 浩 司 議員
 13番  高 野 洋 一 議員
 14番  池 田   実 議員
 15番  渡 邊 昌一郎 議員
 16番  納 所 輝 次 議員
 17番  三 宅 真 里 議員
 18番  太 田 治 代 議員
 19番  岡 田 和 則 議員
 20番  早稲田 夕 季 議員
 21番  中 村 聡一郎 議員
 22番  吉 岡 和 江 議員
 23番  小田嶋 敏 浩 議員
 24番  前 川 綾 子 議員
 25番  伊 東 正 博 議員
 26番  大 石 和 久 議員
 27番  石 川 寿 美 議員
 28番  松 中 健 治 議員
     ───────────────────────────────────────
〇欠席議員 なし
     ───────────────────────────────────────
〇議会事務局出席者
 事務局長        讓 原   準
 次長          小 島 俊 昭
 次長補佐        田 中 良 一
 議事調査担当担当係長  原 田 哲 朗
 議事調査担当担当係長  久 保 輝 明
 議事調査担当担当係長  成 沢 仁 詩
 書記          谷 川   宏
 書記          窪 寺   巌
     ───────────────────────────────────────
〇理事者側説明者
 番外 1 番  松 尾   崇  市長
     ───────────────────────────────────────
〇議事日程
               鎌倉市議会2月定例会議事日程(6)

                                平成22年3月25日  午後2時開議

 1 諸般の報告
 2 議案第82号 鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例の制定に  ┐
         ついて                          │
   議案第83号 鎌倉市情報公開条例及び鎌倉市個人情報保護条例の一部を改  │
         正する条例の制定について                 │
   議案第84号 鎌倉市職員の任用に関する条例の一部を改正する条例の制定  │
         について                         │
   議案第85号 鎌倉市常勤特別職職員の給与に関する条例の一部を改正する  │
         条例の制定について                    │
   議案第86号 鎌倉市職員の給与に関する条例及び鎌倉市職員の勤務時間及  │
         び休暇等に関する条例の一部を改正する条例の制定について  │
   議案第88号 鎌倉市教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条  │
         例の一部を改正する条例の制定について           │
                                      │平成22年度
   議案第89号 鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例  │鎌倉市一般会計
         の制定について                      │予算等審査特別
                                      │委員長報告
   議案第90号 鎌倉市スポーツ施設条例の一部を改正する条例の制定につい  │
         て                            │
   議案第74号 平成22年度鎌倉市一般会計予算               │
   議案第75号 平成22年度鎌倉市下水道事業特別会計予算          │
   議案第76号 平成22年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特  │
         別会計予算                        │
   議案第77号 平成22年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計予算       │
   議案第78号 平成22年度鎌倉市老人保健医療事業特別会計予算       │
   議案第79号 平成22年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計予算     │
   議案第80号 平成22年度鎌倉市介護保険事業特別会計予算         │
   議案第81号 平成22年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計予算      ┘
 3 議会議案第10号 電磁波の健康被害についての対策を国に求めることに関する 石川寿美議員
           意見書の提出について                  外5名提出
 4 閉会中継続審査要求について
     ───────────────────────────────────────
〇本日の会議に付した事件
 議事日程に同じ
     ───────────────────────────────────────
               鎌倉市議会2月定例会諸般の報告 (4)

                       平成22年3月25日

1 3 月 18 日 平成22年度鎌倉市一般会計予算等審査特別委員長から、次の議案について委員会の審
          査を終了したので、本会議に報告したい旨の届け出があった。
  議 案 第 74 号 平成22年度鎌倉市一般会計予算
  議 案 第 74 号 平成22年度鎌倉市一般会計予算に対する修正案(別紙)
  議 案 第 75 号 平成22年度鎌倉市下水道事業特別会計予算
  議 案 第 76 号 平成22年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計予算
  議 案 第 77 号 平成22年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計予算
  議 案 第 78 号 平成22年度鎌倉市老人保健医療事業特別会計予算
  議 案 第 79 号 平成22年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計予算
  議 案 第 80 号 平成22年度鎌倉市介護保険事業特別会計予算
  議 案 第 81 号 平成22年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計予算
  議 案 第 82 号 鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例の制定について
  議 案 第 83 号 鎌倉市情報公開条例及び鎌倉市個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定につい
          て
  議 案 第 84 号 鎌倉市職員の任用に関する条例の一部を改正する条例の制定について
  議 案 第 85 号 鎌倉市常勤特別職職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について
  議 案 第 86 号 鎌倉市職員の給与に関する条例及び鎌倉市職員の勤務時間及び休暇等に関する条例の
          一部を改正する条例の制定について
  議 案 第 88 号 鎌倉市教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例
          の制定について
  議 案 第 89 号 鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例の制定について
  議 案 第 90 号 鎌倉市スポーツ施設条例の一部を改正する条例の制定について
2 3 月 23 日 観光厚生常任委員長から、次の陳情については平成21年12月定例市議会において同一
          趣旨の意見書を提出したため、鎌倉市議会会議規則第111条第1項の規定により、議会
          の会議に付するを要しない旨の届け出があった。
  陳 情 第 19 号 細菌性髄膜炎を予防するワクチンの早期定期予防接種化を求める意見書を国に提出す
          ることを求める陳情
3 3 月 25 日 石川寿美議員外5名から、次の議案の提出を受けた。
  議会議案第10号 電磁波の健康被害についての対策を国に求めることに関する意見書の提出について
4 監査委員から、次の監査報告書の送付を受けた。
  3 月 11 日 平成21年度平成21年12月分例月現金出納検査報告書
5 3 月 25 日 各委員長から、別紙要求書のとおり、それぞれ閉会中継続審査の要求があった。

別紙

             議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算に対する修正案

 平成22年度鎌倉市一般会計予算第1条中、「57,923,000千円」を「57,920,513千円」に改め、「第1表 歳入歳出予算」のうち、歳入第65款第5項及び第75款第5項並びに歳出第15款第10項、第30款第5項、第45款第20項、第55款第5項及び第70款第5項を別紙のように改める。

                平成22年度鎌倉市一般会計予算修正案
                    歳        入
                                         (単位 千円)
┌────────┬─────────┬───────┬───────┬───────────┐
│        │         │       │       │  修 正 金 額  │
│    款    │    項    │ 修 正 金 額 │ 原 案 金 額 ├─────┬─────┤
│        │         │       │       │  増   │  減  │
├────────┼─────────┼───────┼───────┼─────┼─────┤
│65 財産収入  │         │    281,067│    281,053│    14│     │
│        │ 5 財産運用収入 │    35,405│    35,391│    14│     │
│75 繰入金   │         │   1,623,977│   1,626,478│     │   2,501│
│        │ 5 基金繰入金  │   1,619,777│   1,622,278│     │   2,501│
├────────┴─────────┼───────┼───────┼─────┼─────┤
│   歳   入   合   計  │  57,920,513│  57,923,000│     │   2,487│
└──────────────────┴───────┴───────┴─────┴─────┘

                    歳       出
                                         (単位 千円)
┌────────┬─────────┬───────┬───────┬───────────┐
│        │         │       │       │  修 正 金 額  │
│    款    │    項    │ 修 正 金 額 │ 原 案 金 額 ├─────┬─────┤
│        │         │       │       │  増   │  減  │
├────────┼─────────┼───────┼───────┼─────┼─────┤
│15 民生費   │         │  18,606,503│  18,609,009│     │   2,506│
│        │10 児童福祉費  │   7,716,061│   7,718,567│     │   2,506│
│30 農林水産業費│         │    447,066│    439,066│   8,000│     │
│        │ 5 農業水産業費 │    447,066│    439,066│   8,000│     │
│45 土木費   │         │   9,068,134│   9,062,134│   6,000│     │
│        │20 都市計画費  │   6,367,020│   6,361,020│   6,000│     │
│55 教育費   │         │   6,943,438│   6,936,419│   7,019│     │
│        │ 5 教育総務費  │   1,356,974│   1,349,955│   7,019│     │
│70 予備費   │         │    29,000│    50,000│     │  21,000│
│        │ 5 予備費    │    29,000│    50,000│     │  21,000│
├────────┴─────────┼───────┼───────┼─────┼─────┤
│   歳   出   合   計  │  57,920,513│  57,923,000│     │   2,487│
└──────────────────┴───────┴───────┴─────┴─────┘


                        平成22年度鎌倉市一般会計事項別明細書修正意見書

                               歳        入
                                                                      (単位 千円)
┌─┬─┬───────────┬─────┬─────┬──────────┬─────┬─────┬───────┬────────────────┐
│ │ │           │     │     │          │     │     │   修正   │                │
│款│項│     目     │ 修正案 │ 原 案 │     節     │ 修正案 │ 原 案 ├───┬───┤     説     明    │
│ │ │           │     │     │          │     │     │ 増 │ 減 │                │
├─┼─┼───────────┼─────┼─────┼──────────┼─────┼─────┼───┼───┼────────────────┤
│65│ 5│10 利子及び配当金  │  21,183│  21,169│5 基金収入     │  21,183│  21,169│  14│   │◎遺児福祉基金収入     △ 5│
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │                │
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │◎奨学基金収入        19│
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │                │
│75│ 5│45 遺児福祉基金繰入金│    368│    363│5 遺児福祉基金繰入金│    368│    363│   5│   │                │
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │                │
│75│ 5│50 奨学基金繰入金  │     0│   2,506│5 奨学基金繰入金  │     0│   2,506│   │ 2,506│                │
└─┴─┴───────────┴─────┴─────┴──────────┴─────┴─────┴───┴───┴────────────────┘

                               歳       出
                                                                      (単位 千円)
┌─┬─┬───────────┬─────┬─────┬──────────┬─────┬─────┬───────┬────────────────┐
│ │ │           │     │     │          │     │     │   修正   │                │
│款│項│     目     │ 修正案 │ 原 案 │     節     │ 修正案 │ 原 案 ├───┬───┤     説     明    │
│ │ │           │     │     │          │     │     │ 増 │ 減 │                │
├─┼─┼───────────┼─────┼─────┼──────────┼─────┼─────┼───┼───┼────────────────┤
│15│10│ 5 児童福祉総務費  │ 2,024,993│ 2,027,499│25 積立金     │    10│   2,516│   │ 2,506│◎児童福祉一般の経費  △ 2,506│
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │                │
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │  児童福祉運営事業  △ 2,506│
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │                │
│30│ 5│15 農業水産業振興費 │  375,335│  367,335│13 委託料     │  19,976│  11,976│ 8,000│   │◎水産業振興の経費     8,000│
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │                │
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │  水産業振興運営事業   8,000│
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │                │
│45│20│ 5 都市計画総務費  │ 2,169,198│ 2,163,198│15 工事請負費   │ 1,160,063│ 1,154,063│ 6,000│   │◎交通政策の経費      6,000│
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │                │
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │  交通環境整備事業    6,000│
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │                │
│55│ 5│15 教育指導費    │  288,261│  281,242│25 積立金     │   7,019│     0│ 7,019│   │◎保健就学事務の経費    7,019│
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │                │
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │  就学事務        7,019│
│70│ 5│ 5 予備費      │  29,000│  50,000│          │  29,000│  50,000│   │21,000│                │
│ │ │           │     │     │          │     │     │   │   │                │
└─┴─┴───────────┴─────┴─────┴──────────┴─────┴─────┴───┴───┴────────────────┘


     ───────────────────────────────────────
                    (出席議員  28名)
                    (14時00分  開議)
 
○議長(赤松正博議員)  定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
 会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。14番 池田実議員、15番 渡邊昌一郎議員、16番 納所輝次議員にお願いいたします。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(赤松正博議員)  日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
 お手元に配付いたしました印刷物のとおりであります。
 ただいまの報告に御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(赤松正博議員)  日程第2「議案第82号鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例の制定について」「議案第83号鎌倉市情報公開条例及び鎌倉市個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定について」「議案第84号鎌倉市職員の任用に関する条例の一部を改正する条例の制定について」「議案第85号鎌倉市常勤特別職職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について」「議案第86号鎌倉市職員の給与に関する条例及び鎌倉市職員の勤務時間及び休暇等に関する条例の一部を改正する条例の制定について」「議案第88号鎌倉市教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例の制定について」「議案第89号鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例の制定について」「議案第90号鎌倉市スポーツ施設条例の一部を改正する条例の制定について」「議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算」「議案第75号平成22年度鎌倉市下水道事業特別会計予算」「議案第76号平成22年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計予算」「議案第77号平成22年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計予算」「議案第78号平成22年度鎌倉市老人保健医療事業特別会計予算」「議案第79号平成22年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計予算」「議案第80号平成22年度鎌倉市介護保険事業特別会計予算」「議案第81号平成22年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計予算」以上16件を一括議題といたします。
 平成22年度鎌倉市一般会計予算等審査特別委員長の報告を願います。
 
○一般会計予算等審査特別委員長(吉岡和江議員)  (登壇)ただいま議題となりました議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算外15議案について、平成22年度鎌倉市一般会計予算等審査特別委員会における審査の経過と結果を報告いたします。
 当委員会は、去る2月25日に委員会を開き、互選により委員長に私、吉岡、副委員長に伊東正博議員が選任されました。
 以後、3月11日から本日まで、延べ6日間にわたって委員会を開き、付託を受けました議案について、市長が所信表明で述べている予算の内容はどのようなものか、限られた財源の中で、第3次総合計画第2期基本計画中期実施計画に位置づけられた諸事業を初め、市民生活に密着した事業や重点的かつ政策的な課題・施策がどのように予算に盛り込まれているか、その優先度や緊急度などの点に着目し、詳細な質疑及び活発な意見交換を行った結果、付託を受けました16議案のうち、鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例の制定については否決、一般会計予算については、修正案及び修正部分を除く原案について可決、その他の14議案については原案のとおり可決すべきものと決したのであります。
 まず、平成22年度の予算規模についてでありますが、一般会計と7特別会計の総額は1,035億1,660万円となっており、前年度予算との対比では、64億8,120万円、6.7%の増であります。
 初めに、議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算について申し上げます。一般会計は579億2,300万円の規模で編成されており、前年度対比19億2,000万円、3.4%の増であります。
 歳入における構成内容は、市税の60.8%を中心に国・県支出金、市債等が主な財源であり、その内訳は自主財源が71%、依存財源が29%となっております。
 一方、歳出においては消費的経費が61.7%、投資的経費が12.2%、その他、繰出金や公債費などが26%という内容であります。
 本議案については、市当局との詳細な質疑を行った後、3月18日に、西岡幸子委員、高野洋一委員、池田実委員、中村聡一郎委員から原案に対する修正案が提出されたのであります。
 修正案の主な内容は、本特別委員会における資料要求により提出された「「行革元年」平成22年度主な見直し事業等一覧」によれば、14件の事業が見直され、削減額2億2,299万3,000円となっておりますが、この中には、まちづくりや市民生活の基本である安全・安心に関する事業、教育支援に係る事業を含んでいることから、以下のとおり修正を行おうとするものであります。
 まず、鎌倉の漁業従事者の長年の悲願でもある鎌倉漁港の整備については、鎌倉地域漁港対策事業が凍結され、鎌倉漁港対策協議会委員報償費8万4,000円が計上されるにとどまっているが、平成22年度に基本構想を策定することになっていた事業工程を凍結することは、平成24年度の基本計画策定を事実上断念することになり、防災対策上も必要とされる漁港の建設が遠のくこと、また、計画を再開する段になった場合、初めから検討しなければならず、かえって莫大な時間と経費がかかるため、たとえ作業期間を長くしても、基本構想策定を進めておく必要があることから、鎌倉地域の漁港建設に係る基本構想策定についての予算措置を施しておくべきであり、その費用として第30款農林水産業費、第5項農業水産業費、第15目農業水産業振興費において、鎌倉地域漁港対策事業の基本構想策定に係る経費として800万円を計上すること。
 次に、バスベイ整備については、安全安心まちづくりの一環として、バス乗降客の安全の確保及び停車により生じる渋滞の緩和を図るもので、今年度選定した箇所を平成22年度に整備する予定が先送りされているが、整備を予定していた西鎌倉一丁目の鎖大師入口バス停は、通勤通学のほか、買い物客の利用もあるバス停で、付近には、交通量が多く、西鎌倉小学校児童や手広中学校生徒を初めとする歩行者の横断も多い赤羽交差点があること、玉縄一丁目の児童公園前バス停は、たまなわ児童遊園沿いに位置しており、近くには玉縄青少年会館があるなど、児童・生徒の利用が考えられること、いずれも民地の買収をすることなく整備ができ、比較的容易にバス乗降客の安全が確保できる場所であることから、何より「いのち」にかかわる事業を先送りしないため、第45款土木費、第20項都市計画費、第5目都市計画総務費において、バスベイ整備費として600万円を計上すること。
 次に、鎌倉市の高校生に対する奨学金については、新年度から、国の施策として高等学校授業料無償化が予定されており、これまで本市の奨学金制度が実質的に授業料相当額を支援してきたことから、その目的を終えたとして、その原資となる鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例が提案されているが、高等学校就学については、授業料以外についても多額の費用がかかることから、「新たな支援策を検討することについて、進学への不安を取り除く措置を新年度中、早急に整備すべきである」との文教常任委員会からの送付意見のとおり、授業料支援だけを目的とするのではなく、公立・私立間の格差、家庭の経済格差を少しでも軽減する方策が必要であり、第55款教育費、第5項教育総務費、第15目教育指導費において、就学支援事業として高等学校等生徒に対する奨学基金への積立金701万9,000円を計上すること。
 なお、歳入において、奨学基金の廃止に伴い、奨学基金から遺児福祉基金積立金へ繰り入れられる予定であった250万6,000円を全額削除するとともに、歳出において、第15款民生費、第10項児童福祉費、第5目児童福祉総務費に計上されている児童福祉運営事業に係る経費のうち、遺児福祉基金積立金の251万6,000円から250万6,000円を減額し1万円とすること。
 以上、合計2,101万9,000円の予算を修正計上した上で、その財源として予備費を充当することを提案するというものであります。
 当委員会では、議案第74号に対する修正案を原案と合わせて議題とし、提案説明を聴取した後、質疑、意見を確認し、まず修正案について採決を行った結果、多数により可決すべきものと決し、さらに修正部分を除く原案について採決を行った結果、多数により可決すべきものと決したのであります。
 なお、本議案については、当委員会における審査の中で、各款にわたり慎重に審査を行った結果、次の項目について意見を付すこととしたのであります。
 第15款民生費についてでありますが、保育園の待機児童対策について申し上げます。近年、女性の就労率の上昇などにより、子育て家庭における共働き世帯が増加しており、保育園になかなか入所できないという、いわゆる待機児童問題が深刻化しています。
 待機児童対策は、本市でも重要な課題とされており、計画的な施設整備や既存施設の活用という方針のもと、深沢保育園を初めとする公立保育園の建てかえや、オランジェや富士愛育園等、民間保育園の新たな開所、認可化、分園設置等により定員数の増加を図ることで、年々増加する保育ニーズへの対応を図ってきたところであります。しかしながら、昨今、子育て世代の転入などの影響による年少人口の増加に伴い、待機児童数もここ数年増加傾向にあり、本年2月現在で保育園への入所が決定していない児童が約150人いるという現状をかんがみると、さらなる対策が求められるところであります。
 今後も増加することが予想される保育ニーズに対応するため、公共用地を適切に活用するなどして、待機児童対策につながる保育園の整備を積極的に進めていくよう、要望するものであります。
 次に、特別会計予算でありますが、下水道事業特別会計外6特別会計の合計予算規模は、455億9,360万円で、前年度対比45億6,120万円、11.1%の増であります。
 初めに、議案第81号平成22年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計予算については、一部の委員が反対の立場をとりましたが、採決の結果、多数の賛成により原案を可決すべきものと決したのであります。
 次に、議案第75号平成22年度鎌倉市下水道事業特別会計予算、議案第76号平成22年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計予算、議案第77号平成22年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計予算、議案第78号平成22年度鎌倉市老人保健医療事業特別会計予算、議案第79号平成22年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計予算、議案第80号平成22年度鎌倉市介護保険事業特別会計予算、以上6議案については、全会一致をもって原案を可決すべきものと決したのであります。
 次に、条例関係でありますが、まず初めに、議案第82号鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例の制定について申し上げます。本制定条例は、携帯電話やPHS等の中継基地局の設置等に関する手続等に関し、必要な事項を定めようとするものであります。
 その主な内容は、第1条で、事業者が近接住民等に対し事前に携帯電話等中継基地局の設置等について説明する責任を明確にし、もって市民と事業者との紛争を未然に防止することを目的とする旨の規定を、第2条では、用語の定義についての規定を、第3条から第5条では、市、事業者及び近接住民等の責務についての規定を、第6条では、事業者は、当該設置等の工事に着手する日の60日前までに計画書を市長に提出しなければならない旨の規定を、第7条では、事業者は、近接住民及び地縁団体を代表する者に工事計画の概要を説明し、周知及び理解を得るよう努めるとともに、近接住民説明実施報告書及び地縁団体説明実施報告書を市長に提出しなければならない旨の規定を、第8条では、市長は、近接住民説明実施報告書の開示請求に応じ、また地縁団体説明実施報告書を一般の閲覧に供する旨の規定を、第9条では、市長は、近接住民等と事業者との紛争が生じたときは、鎌倉市建築等に係る紛争の予防及び調整に関する条例に基づき、あっせんまたは調停を行い、紛争の調整に努める旨の規定を、第10条では、市長は、計画書及び説明実施報告書の提出をせず、または虚偽の記載をして提出した者に対し、必要な措置を講ずることを勧告することができる旨の規定を、第11条では、本条例の施行に関し、必要な事項は規則に委任する旨の規定をそれぞれ定めようとするものであります。
 なお、付則において、本年4月1日から施行しようとするもので、経過措置として、本条例の施行日前に設置等の工事に着手した携帯電話等中継基地局については本条例を適用しないこととするとともに、鎌倉市建築等に係る紛争の予防及び調整に関する条例の一部改正を行い、携帯電話等中継基地局の設置等を条例の対象としようとするものであります。本議案については、全会一致をもって原案を可決すべきものと決したのであります。
 次に、議案第83号鎌倉市情報公開条例及び鎌倉市個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定について申し上げます。改正の内容は、鎌倉市土地開発公社を鎌倉市情報公開条例及び鎌倉市個人情報保護条例の実施機関に位置づけ、本市と同様の情報公開及び個人情報の取り扱いを義務づけることにより、制度の充実を図ろうとするもので、本年4月1日から施行しようとするものであります。本議案については、全会一致をもって原案を可決すべきものと決したのであります。
 次に、議案第84号鎌倉市職員の任用に関する条例の一部を改正する条例の制定について申し上げます。改正の内容は、これまで、地方公務員の育児休業等に関する法律の規定により任期を定めて採用を行う場合については、競争試験を実施していたところですが、一部職種については応募が少なく、必要人数の確保や、急な育児休業の申請があった場合の採用が課題となっていることから、本規定により任期を定めて採用を行う場合において、競争試験で必要人数が確保できない場合等については、資格や職務経験等で知識・能力の判定が可能である職について選考で採用ができるようにするとともに、障害者を対象とした採用など、競争試験によることが適当でないと任命権者が認める職についても、選考で採用ができるよう規定の整備をしようとするもので、本年4月1日から施行しようとするものであります。本議案については、全会一致をもって原案を可決すべきものと決したのであります。
 次に、議案第85号鎌倉市常勤特別職職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について申し上げます。改正の内容は、本市の財政状況等を踏まえ、市長及び副市長の給与の暫定的な削減措置として、平成21年11月1日に市長であった者の任期に係る在職期間の間、市長にあっては、給料月額及び地域手当の額から100分の10を、副市長にあっては100分の7を、それぞれ減額しようとするもので、本年4月1日から施行しようとするものであります。本議案については、全会一致をもって原案を可決すべきものと決したのであります。
 次に、議案第86号鎌倉市職員の給与に関する条例及び鎌倉市職員の勤務時間及び休暇等に関する条例の一部を改正する条例の制定について申し上げます。改正の内容は、労働基準法の改正を踏まえ、月に60時間を超える超過勤務に係る超過勤務手当の支給割合の改定を行うとともに、当該支給割合の引き上げ分の支給にかえる措置として、超勤代休時間を指定する仕組みを導入するほか、所要の規定の整備を行おうとするもので、本年4月1日から施行しようとするものであります。本議案については、全会一致をもって原案を可決すべきものと決したのであります。
 次に、議案第88号鎌倉市教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例の制定について申し上げます。改正の内容は、市長及び副市長の給与の暫定的な削減措置を行うことを踏まえ、教育長の給与についても、同様の措置を行うもので、本年4月1日から教育長の任期末日である平成24年10月13日までの間、給料月額及び地域手当の額から、100分の7を減額しようとするもので、本年4月1日から施行しようとするものであります。本議案については、全会一致をもって原案を可決すべきものと決したのであります。
 次に、議案第89号鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例の制定について申し上げます。改正の内容は、平成22年度から国の施策として、高等学校授業料を実質無償化することを踏まえ、本市がこれまで実施してきた高等学校生徒の保護者を対象とした奨学金制度を廃止するに当たり、その財源の一部としている鎌倉市奨学基金を整理するため、条例を廃止しようとするもので、本年4月1日から施行しようとするものであります。本議案については、少数の賛成により原案を否決すべきものと決したのであります。
 次に、議案第90号鎌倉市スポーツ施設条例の一部を改正する条例の制定について申し上げます。改正の内容は、鎌倉海浜公園水泳プールの開場期間について、これまで7月1日から9月15日までの77日間としていたものを、本市の厳しい財政状況を踏まえ、利用者への影響が少ない範囲内で、7月1日から9月7日までの69日間に短縮するとともに、隣接する駐車場についても開場期間を短縮するため、付則において、鎌倉市都市公園条例の一部改正をあわせて行おうとするもので、本年4月1日から施行しようとするものであります。本議案については、全会一致をもって原案を可決すべきものと決したのであります。
 以上で、付託を受けました16議案に関する審査の結果について報告を終わりますが、当委員会では、本市の財政運営が引き続き厳しい状況にある中で、市民からの要望などを踏まえ、担当原局に対する質疑を行うとともに、今後取り組むべき諸課題についても、その対応の方策や方向性を検証するなど、長時間にわたり質疑を行い、さらに重要な施策については、理事者の見解をただすなど、慎重に審査を行ったのであります。
 審査の過程においては、ただいま申し上げました項目のほかにも、各委員から数多くの意見や要望が出されておりますので、理事者においては、これらに十分留意して、今後の市政運営に当たり特段の努力をされるよう要望いたします。
 以上で報告を終わります。
 
○議長(赤松正博議員)  これより委員長報告に対する質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 これより討論に入ります。原案及び修正案に対する御意見はありませんか。
 
○18番(太田治代議員)  神奈川ネットワーク運動・鎌倉を代表いたしまして、議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算修正案及び修正案を除く原案に反対の立場から討論に参加をいたします。
 市税の10億円の減収等で、27億7,000万円もの歳入不足が見込まれ、それに対し12億円の財政調整基金を取り崩し、15億円の臨時財政対策債で補てんをするなど、22年度は逼迫した財政運営を余儀なくされています。市民の望む多くの事業の予算が抑えられ、また基金などが凍結をされています。
 長引く不況でベースアップはゼロ、定期昇給も困難という厳しい民間の経済状況がある中で、22年度には市職員の地域手当が15%に引き上げられることとなっています。地域手当の削減を求めたネット鎌倉からの質問に対し、条例に制定されているとおり、粛々と進めるとの市長の答弁は受け入れがたいものです。県内他市でも15%に引き上げている自治体はなく、到底市民からの理解を得られるものではありません。市民生活を最優先に考えるならば、条例を改正し、現行14%を引き下げることはあっても、引き上げるべきではありません。22年度を行革元年と宣言し、みずからのマニフェストで人件費の削減をうたっていながら、地域手当をあえて引き上げた市長の姿勢は納得できません。
 加えて、予算案に計上されている事業仕分けの依頼先を構想日本と想定している答弁に対し、以下の点を指摘いたします。
 まず、事業仕分けを導入するに当たっての市長の視点が明確ではないこと、今まで市民が参画しながら積み上げてきた事業を突然廃止や凍結をした基準があいまいなこと、その市民の意見が全く反映されないことに対する説明責任を果たしていないことです。事業仕分けに対する考え方があいまいなまま、外部に委託をすることで、鎌倉市民の生活の豊かさにつながるのか甚だ疑問です。
 事業仕分けに関しては、いかに外部の視点でその政策が市民主体に考えられているか、そしてそれが機能しているかを見ることです。鎌倉市の歴史や実情を知らない民間に安易に委託をするのではなく、市民や専門家の協力を得て、現在実施されている市民評価委員会をさらに充実させ、市民協働の視点で市民主体の事業仕分けをするべきです。
 市役所の意識がいまだ市民協働の方向性を模索している中、市民が自分たちのまちづくりに主体的に参画するためには、行政との情報の共有、協力をする対等な関係を築くことが必要です。行政は市民と協働することでしか今後の厳しい財政の中で、本当に市民の望むサービスを提供することはできません。しかし、鎌倉市の今の市民協働のあり方では、市民の力が生かされているとは言えません。職員の意識改革が必要であり、それが実現してこそ行革元年となるはずです。
 さて、鎌倉市では、市民のトラスト運動の結果、守られた広町、台峯を初めとする三大緑地、歴史的・文化的な資源から身近な緑に至るまで、過去からの多くの市民とともに守りはぐくんできた緑が誇りです。それに対し、今回の緑地保全基金積み立て凍結の予算措置は非常に残念です。緑も失ってしまっては、取り返しのつかない命と考え、市民の大いなる意思を受けとめるべきです。
 また、市長には緑地保全基金の充実にふるさと納税制度の活用をするなどとした自身のマニフェストを守る姿勢も全く見えず、緑保全に対する熱意のなさのあらわれだと言わざるを得ません。
 昨今の大型地震や津波の影響など、いつ来るともわからない災害に対し、市民の命を守ることが行政としての責務です。常に危険に意識を向け、防災備蓄品についても今年度に国の予算で前倒しの確保ができたから、新年度には予算をつけないではなく、足りない備蓄をふやすことが先決です。
 また、ゲリラ豪雨などの、近年新たな災害として認識され始めたものに対する避難勧告基準の設置、また武田薬品研究所問題に代表される目に見えない危機に対する構えなど、常に対応が後手後手に回っていると言わざるを得ません。特に、武田薬品研究所問題については、市と武田薬品工業との安全協定だけではなく、住民も入れての三者協定の締結を市が率先して働きかけるべきです。武田薬品工業からの一方的な状況説明だけでは、住民の不安はなくなりません。住民は、実験動物の焼却炉設置に反対と言う権利があります。市は住民の健康を守り、環境を守るためにも、武田薬品工業に粘り強く働きかけをする責務があると考えます。
 次に、逗子市とのごみ処理広域化については、今後のごみ処理政策に関して重要な問題であるにもかかわらず、いまだに両市長同士の話し合いは行われておらず、確認書締結の際にも、市長は立ち会わなかったことが明らかになりました。市長が明確なスタンスを持ち、みずから逗子市に出向いてでも、早期の問題解決を図るべきです。
 今以上に老朽化する名越焼却施設に関しても、生活環境への負荷や、ランニングコストの負荷等を省みることなく、10年を超える延命化を安易に打ち出す市長の姿勢は責任回避としか受け取れません。ごみの排出抑制を推進し、山崎浄化センターバイオマスエネルギー回収施設の早期稼働に向け、進めていくべきですが、市長からは明確な方向性が示されず、事の重大さの認識及び決断力に欠けています。早急に方針を打ち出すべきです。
 現在、地域にはさまざまな課題があり、高齢者や障害者、また子育て世代にも孤立をしているケースが見られます。気づかない間に虐待や孤独死にまで及んでしまうことが起きてはなりません。地域が支え合い、あまねくセーフティーネットを充実させることの重要性はだれもが認識をしています。昨年設置された地域福祉支援室は、地域の中に入り、住民とともに活動することで、顔の見える関係を築いていくため、地域福祉の充実の上では欠かせない存在です。しかし、新年度においては、地域福祉支援室に対する予算は削減されています。地域福祉の充実が最優先課題であり、地域福祉支援室はそのかなめであるという市長の認知度が低いのは問題であると言わざるを得ません。
 教育現場においても、子供たちの多様性に対処できない場面が数々見られます。年々、不登校の児童・生徒数がふえている状況は、現在の相談体制だけでは支援が不十分であることを示しています。これを補うために、広く市民の知恵と協力を得ていくことが求められ、学校と地域の連携をコーディネートする役割も必要となっています。また、学校の中で唯一耐震化計画のない大船中学校は早期に改築に着手をし、未知の災害から子供たちの命を守らなければなりません。早急に、これらの課題解決に向けた方針を打ち出すことが求められ、鎌倉で育つ子供たちの未来に責任を持って臨むべきです。
 以上、指摘しましたように、市長のリーダーシップとまちづくりに対するビジョンの欠如は明らかであり、真の意味での行革元年とはほど遠い予算案となっています。市民生活の豊かさを最優先にする予算とは言えないことから、反対せざるを得ません。
 以上をもちまして、神奈川ネットワーク運動・鎌倉を代表し、一般会計予算修正案及び修正案を除く原案に反対の立場での討論を終わります。
 
○2番(安川健人議員)  鎌倉無所属の会を代表して、議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算外15議案に対しまして、修正案に対しては反対、他の議案に対しては賛成の立場から討論に参加いたします。
 平成22年度鎌倉市一般会計予算は、松尾市長の就任後、初の新会計年度予算であります。その予算を編成するに当たり、松尾市長は、平成22年度を行革元年と位置づけました。そして、市長選の際、掲げたマニフェストに基づき、事務事業の見直しや事業仕分けに取り組むための予算化を行いました。また、予算配分の優先順位についても、市民の命にかかわる緊急性を要する事業や、未来を担う子供たちに対する子育て、教育、医療、福祉を優先させる予算編成を行いました。税収が大幅に落ち込み、経常的経費比率が増大し、投資的事業が見込めない厳しい財政状況の中での新年度予算編成としては、十分評価できる予算案であったと考えます。
 しかしながら、今後とも財政状況が好転する予測が立たない今、さらなる行財政改革に取り組む必要があります。そこで、代表質問や新年度予算案の議論を通じて、提案させていただきました観点を3点、改めて申し上げておきたいと思います。
 1点目は、情報システムに係る経費についてであります。平成22年度情報システム関連事業は、60事業に上り、その予算はおよそ9億2,600万円となっております。この事業をより効率化させ、経費を圧縮することが肝要と考えます。そこで、新たな取り組みとして、総務省も取り組み始めましたクラウドコンピューティングの導入など、積極的な改革を実施することを求めるものであります。
 2点目は、管理業務委託についてであります。平成22年度、管理業務委託事業は321事業に上り、その予算はおよそ15億4,000万円となっております。管理業務委託のうち、19事業を指定管理者に委託し、1事業をPFI事業とし、経費の圧縮をしてきたことは一定の評価をするものであります。しかし、依然301事業が従前の契約方法を継続しております。そこで、個々に管理業務委託を締結するのではなく、できるだけ一括して発注すれば、スケールメリットによる経費の圧縮が見込めます。また、同時に行政側の事務量を圧縮することにもつながり、人件費の削減をも見込めるものとなります。この点についても、事業規模の大きな事業でありますので、早期に改革に着手することを求めるものであります。
 松尾市長は、マニフェストで職員数を2割削減するとともに、人件費を1割削減することを掲げました。前述の2点については、そうした取り組みにとって十分効果を期待できるものと考えます。ぜひとも積極的な取り組みをされることを重ねてお願いすると同時に、松尾市長の提唱する、税金を1円たりとも無駄にしない政治の実現に対して、改めて支持を表明するものであります。
 そして、3点目でありますが、新しい財源の確保についてであります。ネーミングライツによる新しい財源の確保や市所有の遊休地、遊休農地、さまざまな施設等の活用による新しい財源の確保、また市の所有している仏像や絵画などの公開に関し、プリペイドカードを導入する等、効果的に行うことにより、新しい財源の確保などなど、積極的に財源の確保に努めていただくことを求めるものであります。以上、3点について積極的な取り組みをお願いいたします。
 最後に、議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算に対する修正案について、鎌倉無所属の会の意見を申し上げておきたいと思います。
 修正案は、地方自治法第120条に基づき規定された鎌倉市議会会議規則第79条の規定により提案されたもので、鎌倉市議会としては、これまで活用されることがなかった規則であり、いわば伝家の宝刀を行使したこととも言え、議会人としては大いに評価に値するものと考えます。それだけに十分な時間をかけ、忌憚のない議論ができれば、なおよかったとも思うのであります。しかし、内容については、果たして修正に値する内容であったのかについて、賛成しかねる部分もありますので、ここではその観点について言及しておきたいと思います。
 1点目は、保健就学事務の経費701万9,000円についてであります。新年度から国が実施する、いわゆる高校無償化制度がスタートします。それに伴い、これまでの一部の高校生に対して行ってきた学費の補助事業の根拠条例、鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止することの条例が提案されました。しかし、昨今の厳しい経済情勢の中、リストラや企業倒産など、授業料だけの支援では高校に通学し切れない学生がふえていることも周知の事実であります。そうした学生に対し、鎌倉市独自の支援策を講じていくことを求めて条例の廃止を取りやめ、引き続き予算計上していこうとする思いは理解しないわけではありません。しかし、どういう環境の学生に対し、どのような内容に、どれぐらい支援していくのかといった制度設計なしに予算を執行することはできないのであります。ましてや、授業料に対する支援を行うことが決定している今、授業料を前提として積算された前年予算の3分の1をとりあえず計上することは、余りにも乱暴な修正と言わざるを得ません。
 2点目は、水産業振興の経費800万円についてであります。本件はかねてより懸案となっております鎌倉漁港建設に関する基本構想案策定に関する予算であります。しかし、新年度ではどのような漁港にするかについて広範な市民の方々の御意見を十分に吸い上げた上で、スピード感を持って実施していくために、どのように進めるべきかを審議会において審議していただくための予算を計上しております。そうしたことを踏まえて、先般審査した陳情第32号(仮称)鎌倉漁港の建設に向けた諸手続きの促進についての陳情について、今議会は継続審査するとの結論を出したのであります。同一会期において、一たん判断を出した事業に対し、修正予算をつけるようなことは避けるべきと考えるものであります。
 3点目は、交通政策の経費600万円についてであります。道路補修を必要とする箇所は、厳しい財政状況の中、順番を待つ箇所はふえはしても、減ることがない現状にあります。そうした中で、議会として予算を修正までして、強引に優先順位を動かすことが果たしてよいものか、疑問が残ります。穴ぼこがあいた道路の補修や段差解消など、バリアフリーの施策を優先すべきではないでしょうか。ましてや、バスベイの整備に関しては、民間が行っている事業に対し、市が全額負担する根拠を説明する必要もあると考えるものであります。
 以上の3点の理由をもって修正案に対しては反対するものであります。
 これをもちまして、鎌倉無所属の会の代表としての討論を終わります。
 
○7番(西岡幸子議員)  私は、公明党鎌倉市議会議員団を代表して、提案されました平成22年度一般会計予算外諸議案に対し、議案第89号鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例の制定については反対、議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算の修正案に賛成、修正部分を除く原案に賛成、その他の諸議案に賛成の立場から討論に参加いたします。
 松尾市長が初めて編成した平成22年度予算は市の歳入の根幹をなす平成22年度の税収が昨年度比でマイナス2.8%、10億円の落ち込みが見込まれるという状況の中、第2期基本計画中期実施計画に登載された事業と市民の暮らしにかかわる事業については、着実な実施を基本としたとしています。そして、行政需要が年々増加する一方で、厳しい財政状況の中、無駄の排除と不要不急な事業の凍結・廃止や見直しを行い、その財源を市民の命にかかわる緊急性の高い事業や子育て、教育、福祉など、マニフェストで市民に約束した分野に配分することに努めたとしています。
 その結果、平成22年度の主な事業のうち、14の事業が見直され、削減額が2億2,299万3,000円となっておりました。そのうち、鎌倉漁港の整備については、鎌倉地域漁港対策事業が見直され、鎌倉漁港対策協議会委員報償費8万4,000円が計上されるにとどまっていました。これは、平成24年度の基本計画策定を事実上断念することになります。鎌倉の漁港建設が先延ばしされることは、その後に計画を再開する際に、かえって莫大な時間と経費がかかることが考えられます。これまで進めてきた検討準備を無駄にしないためには、たとえ作業期間を長くしても、基本構想策定を進めておく必要があることから、鎌倉地域の漁港建設にかかわる基本構想策定についての予算措置を施しておくべきであり、予算を修正して鎌倉地域漁港対策事業の基本構想策定に係る経費として800万円を計上すべきであると考えます。
 次に、バスベイの整備についてですが、平成22年度予定していた西鎌倉一丁目の鎖大師入口バス停と玉縄一丁目の児童公園前バス停へのバスベイの整備が凍結されてしまいました。しかし、どちらも民地の買収の必要がなく、速やかに整備できるバス停であり、バス乗降客の安全が比較的容易に確保できる場所であります。バスベイの整備は、中期実施計画事業として安全・安心まちづくりプロジェクトの一環として、バス乗降客の安全の確保及び停車により生じる渋滞の緩和を図るもので、直接命にかかわる大切な事業であり、凍結すべきでないと考えることから、バスベイ整備費600万円を修正計上すべきであります。
 さらに、新年度から廃止するとしてきた鎌倉市の高校生に対する奨学金についてですが、これまで鎌倉市が支給してきた奨学金制度は実質的に授業料相当額を支援してきたところ、国の施策として高校授業料無償化が実施される予定となったため、鎌倉市の奨学金制度はその目的を終えたとして、鎌倉市奨学基金条例を廃止する条例が提案され、その施行規則に基づいて、これまで毎年約160名から170名の高校生に支給されてきた奨学金制度を廃止するとしております。しかし、高校生活を送るには、授業料以外についても多額の費用がかかることから、市の教育委員会としても、経済的理由で困窮している家庭の負担を少しでも軽減する方策を早急に構築すべきであります。そのためには、奨学基金条例と支給に関する施行規則を残しておく必要があることから、今回の鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例の制定については、反対であり、さらには計上されていない予算を復活させておく必要から、就学支援事業として高等学校等生徒に対する奨学基金への積立金701万9,000円を修正計上すべきであると考えます。
 いまだに景気回復の実感が持てない状況の中、基礎自治体の最大の役割は、市民の生活を守り、市民が安心して地域で暮らし続けていくことができる環境を整備することであります。特に、山崎浄化センターバイオマスエネルギー回収施設の整備は、待ったなしに迫られる地球温暖化対策や環境対策、市民の快適な日常生活を支える上で必要不可欠な事業です。市長は、より積極的な取り組み姿勢を明示して進めるべきであることを強く主張いたします。
 平成22年度予算は、市民生活を真に守ることができるのか、その真価が問われる予算であります。市長は、平成22年度予算案の策定において、行革元年と述べておられますが、行革はこれまでも、そしてこれからも進めていかなければならないことは自明の理であります。それ以上に、市民の生活を守り、地域経済の活力を維持するという行政の責務を果たしていくことを最優先課題として取り組まねばなりません。市の大きな課題になっている大船駅西口の渋滞緩和、市民の安全・利便性の確保のための大船駅西口ペデストリアンデッキ・公共広場等の整備、小・中学校体育館の耐震補強工事の推進、第二中学校校舎・体育館の改築工事の実施など、厳しい財政環境の中で、一歩一歩着実に社会資本整備を進めることは、市長のマニフェスト実現とは別に並行して行わなければならないことを付言して、討論を終わります。
 
○9番(飯野眞毅議員)  民主党鎌倉市議会議員団を代表して、議案第74号平成22年度一般会計予算外諸議案につきまして、原案賛成、修正案反対の立場で討論に参加いたします。
 平成22年度一般会計予算における市税収入は352億2,000万円で、前年度当初予算額の97.2%と大きく落ち込んでいるのに対し、予算総額は579億2,300万円で、前年度比103.4%となりましたが、子ども手当の国庫支出分を除けば、実質99.4%と減じています。市税の落ち込みや旧公民館跡地売却の先送り等から財政調整基金の取り崩し12億円、赤字債と言われる臨時財政対策債15億7,000万円を充当し、前年度比125%に当たる市債44億1,500万円に頼らざるを得ない状況です。こうした状況にあって、主な改善すべき点について申し上げます。
 まず第1点は、土地開発公社の清算と緑地保全のあり方を提案します。土地開発公社の保有する土地は実勢価格では約半分とも言われており、10年以上の塩漬け土地の保有が大きな問題です。また、一般会計予算から土地開発公社に毎年10億円の貸し付けと1億円の金利負担が支出されています。さらに、公社が先行取得した鈴木邸、今井邸を来年度29億円で公共用地先行取得事業特別会計で借りかえるため、同特別会計の残高が膨らみます。これによって一般会計の市債残高は平成21年度末438億円から437億円に減少するものの、特別会計を合わせた市債残高では942億円から967億円に増加することを免れません。市民に将来負担を明示するためにも、三セク債等を活用して、公社を解散し、塩漬け土地の保有を解消することが望まれます。同時に、すべての実施計画事業が見直しの対象となる中で、緑地買収だけに頼るのではなく、開発等に当たっては、条例の強化等の対策、事業仕分け等も視野に入れた検討が必要です。
 第2点は、生ごみ資源化について慎重な対応を望みます。山崎のバイオマスエネルギー回収施設整備に向けて、環境状況調査に加え、都市計画決定に係る経費4,200万円が計上されていますが、今年度予算にある同施設の基本構想基本計画がまだ議会に提示されず、全体の事業費も把握できません。生ごみと下水道汚泥の混合による資源化は、同様の施設が北海道北広島市に建設中でありますが、技術的安定度がいまだ未確定の中、規模も大きく全国で2番目に建設する施設となる関係上、鎌倉市の財政規模から考えるとリスクマネジメントをしっかり考える必要があります。この点については、特にさらなる研究・検討や実証実験施設による検証が必要と考えます。しかしながら、松尾市長は、平成22年度を行革元年と位置づけ、命と子育てに関するものを優先しながら、一方で5%シーリングを実施し、改革を断行しようとしております。平成22年度一般会計等特別委員会で市側が提出した平成22年度主な見直し事業等一覧でわかるとおり、野村総合研究所跡地における文化教養施設等の整備の凍結、鎌倉漁港の整備の再検討など、不要不急の事業を見直すなど、2億2,293万3,000円の削減を行おうとしている点は評価しなければならないと考えます。
 また、松尾市長自身も給与10%削減や市長交際費を約3分の1にカットするなど、みずから身を切る行財政改革も評価に値するものと考えます。よって、一般会計予算案原案については民主党鎌倉市議会議員団は賛成といたします。
 また、議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算案に対する修正案については、鎌倉漁港建設基本構想策定業務委託料などを含む3事業に関し、増額修正を行うものとなっております。しかし、国や県の財政状況が悪化している中、補助金交付について困難な状況にあり、現在行われている腰越漁港施設整備と並行して鎌倉漁港建設計画を進めることは財政上厳しい状況にあると考えます。よって、修正案については反対といたします。
 以上で討論を終了します。
 
○25番(伊東正博議員)  議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算については、予算等審査特別委員会における修正案に賛成し、修正部分を除く一般会計予算には賛成、議案第89号鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例の制定については反対、その他の予算関係議案については、すべて賛成の立場から、鎌倉みらいを代表して討論を行います。
 平成22年度の歳入は、その根幹をなす税収が前年度当初予算と比較してマイナス2.8%、約10億円の減収が見込まれております。特に、市民税における減収が著しく、個人では約9億8,000万円の減収、法人では約3億円の減収です。それに対して、固定資産税で約1億9,000万円、都市計画税で約4,000万円、たばこ税で5,000万円近い増収を見込んでおります。しかし、先般発表されたように、土地の評価額が全国的に下落する中で、固定資産税の増収は家屋の新築・増築よる課税床面積の増加に依存しており、またたばこ税の増収は10月の税率改正を見込んでおりますが、価格の上昇による消費の落ち込みをどこまで予測しているのか、幾つかの不安な材料が見られます。アメリカのウォール街を震源とする世界的な不況の津波は、一見落ちついたかに見えますが、その根本的な問題の解決は何も図られていないのが現実ではないでしょうか。各国政府が緊急避難的に財政出動を繰り返し、その結果としてどうにか最悪のシナリオに進むのを食いとめているというのが今日の世界経済の姿であると、だれもが認識しているからこそ、将来に対する不安が払拭されず、その心理的な要因によって個人消費が低迷し、デフレが進行し、雇用情勢が悪化しているのだと考えます。
 近年の資本主義経済を検証するときに、多くの識者からマーケット至上主義の問題点が指摘される中で、通貨の固定相場制をかたくなに守っている中国が急速な経済成長を維持しているのは何とも皮肉な現象と言わざるを得ません。本市においても、国際社会の波をもろに受ける日本経済の動向とは無縁ではあり得ず、また昨年の政権交代後の民主党を中心とした連立内閣の政策がまだまだ不透明なこともあって、平成22年度予算における歳入見込みには不安定な要素が多くあると指摘せざるを得ません。
 松尾市長は就任して約3カ月で新年度予算を編成しなければならなかったことを考えれば、新たな収入を確保して財源とすることは困難であったと理解しますが、代表質問でも指摘いたしましたとおり、そのことが次の年度に向けての本市の重要な課題であることは間違いありません。新たな収入が見つからず、その中でなお借金も減らそうとすれば、平成22年度予算に見られるように、歳入の縮小はイコール歳出の縮減につながります。無駄を省いても、なお足りなければ、残された道は必要な事業費の一律カットか、さらには実施計画事業そのものの休止という結果になります。子ども手当の実施に伴う経費を差し引いた一般会計予算は、前年度当初予算と比較して0.6%のマイナスです。そのマイナスをどこで帳じりを合わせたかといえば、行革元年平成22年度主な見直し事業にあるように、14事業で約2億3,000万円の削減です。これが来年度の歳入が縮小することに対する松尾市長の答えであり、市長みずからが事業仕分けを行った結果ではなかったでしょうか。
 以上、何点かの現状認識を述べましたが、限られた財源のもとでは、歳出の抑制を図ることは当然ながら必要です。と同時に、将来を見据えた予算の適正な配分が求められていると考えます。歳出を抑制する際には、常に人件費が問題となります。松尾市長は、選挙におけるマニフェストで超過勤務手当の3割削減、常勤職員数の2割削減を具体的な数字で公約しております。しかし、以前より指摘してまいりましたが、これまでに職員数の適正化計画によって大幅な人員削減が進められた結果、そのひずみも問題となっております。状況は全く変わっておらず、市長も新しくなられたことですので、平成20年2月定例会において新年度予算に対する討論の中で申し上げたことを要約して再度繰り返します。
 職員の年齢構成にバランスが欠けていること、給与・手当の制度改正が進まないことから、管理職を辞退するケースがふえていること、給与が他市と比較して総体的に引き下げられていることから、有能な新規採用者が充足されないこと、職員数は減員されても非常勤職員やアルバイトが大量に雇用されていること、職場によっては慢性的な超過勤務が続けられていること。この問題を放置しておくと、能力と意識の高い職員にさらに多くの負担を強いることになります。人件費を抑制したつもりが、職員の不適切な行為の事後処理のために膨大な時間とエネルギーを費やすことになったのでは、全くの逆効果となります。危機管理の面からも、給与体系の見直しに取り組む必要があります。また、団塊世代の職員が大量退職した後の技術やノウハウの継承をどのように図るのか、頻繁に行われる法改正や条例改正、基準の見直しに伴い、職員の研修と窓口での対応をいかに適切に行うのかなど、早急に取り組まなければならない課題が山積みしています。以上は繰り返しの意見ですが、あえて申し上げました。
 さらに、松尾市長は、マニフェストの中で職員のやる気をより一層引き出しますと書いておりますが、やる気の前提となる職員間のコミュニケーション不足の解消は急務と考えます。しかし、職員の時間外勤務中に起こった飲酒に対する再発防止策が庁内での禁酒というのはいかにも短絡的です。昼の休憩中に食事をとる場所も限られ、就業後に胸襟を開いて語り合える場所も確保されていない職場の環境の改善も同時に検討する必要があるのではないでしょうか。民間の事業所における労務対策、福利厚生の事例から学ぶべきものがあるはずです。一見、無駄に見えることが仕事の効率に貢献していることは幾らでもあります。
 さて、松尾市長が提案された平成22年度の一般会計予算は、重点施策の少子高齢対策、安心・安全まちづくりの対策の分野では、子育て、教育、福祉のどれもがこれまでの事業の継続であり、新規の事業と言えるものはありません。継続がいけないと言っているのではなく、苦しい財政状況にあっても、本市において最重要の課題に引き続き取り組んで行おうとする姿勢を評価するものです。幼稚園就園支援、産科診療所の運営支援、小児医療費の助成、保育園待機児童対策、子ども会館・子どもの家の整備、学校施設の改築と耐震補強、高齢者活動の支援、介護老人福祉施設の整備など、これまでどおり実施計画を着実に推進する方向性が予算に示されていると考えます。重点施策の地域の活性化と拠点整備の分野では、世界遺産登録の推進、腰越漁港の改修整備、小町通りの電線類地中化、深沢の国鉄跡地周辺整備、大船駅東口市街地再開発、大船駅西口整備など、事業が継続して進められることが明らかとなりました。今後の本市の財政状況と、国、県からの支援の状況から、実施計画の期間に多少の変更があったとしても、着実に事業を推進することを改めて要望いたします。
 次に、重点施策の主要事業として、バイオマスエネルギー回収施設の整備を進めるに当たって、約4,200万円、名越クリーンセンターの延命化を図るに当たって約1,600万円の準備経費が計上されております。この予算の執行に関して意見を述べます。
 本市の焼却ごみは名越と今泉の両クリーンセンターで合わせて年間約4万トンを処理していますが、両クリーンセンターともに老朽化が進んでいます。一方で、本市と逗子市との協議は、平成18年4月に両市で締結された覚書を解除し、新たな確認書が締結されましたが、広域での焼却施設の整備を早期に実現することは困難な状況です。このような中で、焼却ごみの約4割を占める生ごみの資源化を図る山崎浄化センターのバイオマスエネルギー回収施設は、本市の焼却ごみ処理体制を確立する上でぜひとも必要な施設です。この施設が稼働することによって焼却ごみが名越クリーンセンターの1施設で処理することが可能となり、最も老朽化している今泉クリーンセンターを停止することができます。バイオマスエネルギー回収施設の整備を前提としなければ、名越クリーンセンターの延命化を図る施設改修事業の根拠が明確にならず、まさにこの二つの事業は車の両輪と言えます。したがって、市長は予算の執行に当たって、山崎浄化センターにおけるバイオマスエネルギー施設の整備事業を精力的に推進するよう、強く求めます。
 次に、平成22年度鎌倉市一般会計予算に対する修正案について意見を述べます。行革元年の見直し事業として、鎌倉漁港の整備が行革の対象となりました。松尾市長のマニフェストにも、坂ノ下地区の鎌倉漁港整備計画、調査で約9,500万円を見直しますとあります。市長の選挙公約の実現のために提案された予算では、来年度の計画が凍結される結果となっておりますが、これまで漁業関係者はもとより、市民や学識経験者の参加を得て検討されてきた計画が市長選挙によって直ちにゼロに戻されるという手法が果たして適切なのか、少なくとも関係者には十分な理解を得る努力が必要ではなかったかと考えます。しかし、鎌倉漁業協同組合の代表から今定例会に陳情が提出されていることを見れば、理解が全く得られていないと言わざるを得ません。厳しい財政事情を見直しの理由としておりますが、これまでの検討経過と執行された費用を考えれば、基本構想案を策定した上で、市民からの意見を求めて整理するまでの作業は終える必要があると考えます。予算等審査特別委員会において、修正案の鎌倉漁港整備に対する意見として、(仮称)鎌倉漁港の整備に向けた諸手続きの促進についての陳情が継続審査となっているにもかかわらず、予算の修正を提案するのは問題があるとの発言がありましたが、ならば、意見書提出を求める陳情を継続審査としておきながら、議員提案で同趣旨の意見書議案を本会議に提出することはできなくなるのではないでしょうか。これまで多くの市民が鎌倉の海と山の自然の大切さを訴えてきました。では、鎌倉の海はだれが守ってきたのでしょうか。江戸時代には寒村と言われた鎌倉は、半農半漁のささやかな営みによって住民が暮らしてきました。谷戸の奥にまで田畑を開き、その先の山里に薪や炭を求め、眼前に広がる浜辺の魚貝や海藻を得て生計を立ててきたのが鎌倉の先人たちです。しかし、明治期以降、鎌倉に都市化の波が押し寄せ、まず産業構造の変化から農業者が里山を手放し、それが住宅開発への道を開きました。特に戦後の急激な緑地の減少は、谷戸や里山に生きた人々が農業に見切りをつけたことが要因となって、大規模な開発へと進んだ結果と言えます。後発組の市民の多くは現在、開発されたその土地で生活を営んでおります。鎌倉の海を守り、後世に伝えていくためには、海で働く人々が仕事を続けられるように支援する必要があります。鎌倉の豊かな海の恵みが枯渇することなく、持続可能な漁業を真剣に考えているのは漁師の方々のはずです。高齢化が進む中で、漁業の後継者を育てるためにも、必要最小限の漁港を整備することが鎌倉の海を守ることにつながると考えます。
 市長は、就任に当たって所信表明の中で、鎌倉の美しい里山や海浜は過去何世紀にもわたって先人たちが培った遺産であり、現在の私たちがつくったものではありません。現代に生きる私たちは、ただその宝物の番人だけであっていいのかと述べられました。鎌倉の漁師は、まさに市長が言われた先人たちの流れをくむ人々なのではないでしょうか。
 次に、修正案にある交通安全施設のバスベイ整備費は来年度予定されていた西鎌倉と玉縄のバス停の改良で、どちらも交通渋滞の解消と生徒・児童など歩行者の安全を確保するもので、事業の見直し対象とするには、適切ではないと考えます。
 また、高校生に対する奨学金は国の高校授業料無償化が始まるとしても、それをもって直ちに本市の先進的取り組みを中止してしまうのではなく、さらなる高校生の就学負担の軽減を図る施策を検討すべきであると考えます。奨学基金を廃止せずに、果実でなく原資の活用を図るなど、基金の運用を改正することでニーズに合った支援策を探るためにも、当面は基金を存続させておいたほうが新学期の早い段階からの対応が可能ではないでしょうか。
 以上、平成22年度鎌倉市一般会計予算外関連議案に対する意見と予算の執行に当たって、留意すべき点を申し上げましたが、最後に議員の中に、予算が否決されて暫定予算になったほうが義務的経費だけ執行されるので、財政の建て直しになるなどと、冗談にもならないことを議会の外で言っている方がいますが、これは全く無責任きわまりない意見です。議会は、よりよい町をつくるために議論し、その結果として、ベストでなくとも、ベターな選択をすることで市民の福祉に寄与することを目的としています。また、前向きな議論を期待するというのであれば、特別委員会において同じ会派に所属する委員が修正案に対する質疑もせず、意見も述べなかったのはなぜでしょうか。理解に苦しむところです。これで鎌倉みらいを代表しての討論を終わります。
 
○21番(中村聡一郎議員)  ただいま議題となっております平成22年度鎌倉市一般会計予算外関連諸議案に対し、議案第89号に対しては反対、議案第74号に対しては修正案及び修正部分を除く原案に対して賛成、その他の議案には賛成の立場から、新・かまくら民主の会を代表して討論を行います。
 平成22年度予算は、松尾市長就任後初めての予算編成となり、厳しい財政事情の中、緊縮的な内容となりました。また、政権交代による国の政策が地方自治体である鎌倉に多大な影響を及ぼしていることは間違いありません。かかる状況の中、行革元年の名のとおり、さまざまな分野で見直しや凍結を英断したことは、一定の評価をいたしますが、松尾市長のマニフェストと総合計画に策定された各事業の整合性については、今後の財政状況やさまざまな課題のある中で一定の議論を経た上でその方向性を精査していく必要があるのではないかと考えます。
 修正案の鎌倉漁港については、産業振興、食育、地産地消、防災などの観点から、高校生への奨学金については、国の政策で無償化が実現されるとはいえ、文教常任委員会での意見にもあるように、まだまだ進学に多大な費用がかかる中、保護者への負担軽減を検討するため、バスベイの設置は安全・安心や渋滞の解消によるCO2の削減の観点など、一つの施策にもさまざまな観点からの検証が必要であると考えます。また、代表質問や特別委員会でも議論となったごみ処理施策の方向性や事業仕分けの実施要領、緑の保全、さらなる待機児童の解消、中学校給食の実現など、子育て施策などについては、自治体競争に勝ち抜くための重要課題であり、また鎌倉市の今後の行政運営に大きく影響を与える課題として、バランス、そして決断の求められる政策であり、大局的な見地から安定した市政運営が求められます。
 平成23年度以降も財政的には不透明なこともあり、各事業の実施に当たっては、優先性や緊急性など、より一層の検証を行う必要があると思いますが、財源確保など、諸課題も多く、事業の精査など不断の努力を積み重ねなければならないと考えます。また、いずれの課題を解消するにも市民の協力・理解が必要なことは言うまでもありません。地域コミュニティーの強化を後押しし、市民と行政がこれらの課題に真剣に取り組む中で、一方が他方を頼り過ぎることなく、それぞれ自立した中で信頼関係を築くことが望まれてくると思います。
 そうした展望を踏まえて、平成22年度予算の諸施策がしっかりと効果を発揮し、実行されることを期待して、新・かまくら民主の会を代表しての討論を終わります。
 
○13番(高野洋一議員)  日本共産党鎌倉市議会議員団を代表して討論を行います。
 まず、議案第89号鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例の制定については、修正案を提出した立場から、議案第81号後期高齢者医療事業特別会計予算については、制度の速やかな廃止を求める立場から反対するものであります。その他の議案につきまして、議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算、議案第76号平成22年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計予算、議案第79号公共用地先行取得事業特別会計予算、以上の3議案について意見を申し上げます。
 一般会計予算につきましては、先ほど来お話がありますとおり、歳入について市税の大きな部分を占めます市民税が10億円を超える大幅な減収見込みでありまして、これは大変厳しい経済状況のあらわれであると言えます。同時に、単年度の状況だけを見て、財政の厳しさを一面的に強調することは、ここ数年の歳入状況から見ても不正確であることを申し上げておくものであります。市政運営において大事なことは、市債の発行抑制など、健全な財政運営に努めつつ、歳出については何よりも市民の暮らしを応援する立場で政策形成を行うことであります。そして同時に、市民生活に配慮し、市民負担の抑制に努めることです。特に、市民生活に密着した分野の市民負担を可能な限り抑制し、市民生活を下支えすることが経済状況が厳しい中、自治体としての基本的な仕事であるはずです。自治体の基本姿勢として、ぜひ市長にはそうした認識を持っていただき、住民福祉の維持・増進という自治体の基本理念を踏まえ、福祉の心を持って市政運営に臨んでいただきたい、このことをまず申し上げるものであります。
 また、市政運営における基本姿勢の問題として、行財政改革のあり方について、一言申し上げますが、そもそも市役所は営利を目的とする民間部門だけでは、責任を負うことが困難な、いわゆる公共性を破棄し、市場の調整機能が十分に働かない分野を中心に、市民生活に必要不可欠な施策を実施していく、ここに公共セクターの存在意義があると思います。そうしたことから、各事業の効率化に努めることは否定するものではありませんけれども、そもそも市場原理に必ずしもなじまない福祉や教育、医療など、市民生活にとって重要な部門について市民との協働を図りつつ、市として責任を持った対応を行うことが今求められていると思います。それが公的責任であると思います。そうしたことから、市役所の職員体制については、職場の実態調査を行い、現場の声を十分に聞いて、市民ニーズや職場の実態に即して再構築していくことが必要であります。何よりも公的機関である鎌倉市が雇用について、いつまでも安上がりな非正規雇用を拡大すべきではありません。経常収支比率等に留意しつつ、技術や経験の継承、年齢バランスの構築などに配慮し、社会的雇用の範を示す立場で今後対応していくべきであります。行財政改革のあり方について、ぜひ真剣な検討を行っていただくよう、強く求めるものであります。
 次に、予算特別委員会では行革元年平成22年度主な見直し事業の問題点を一貫して取り上げてまいりました。市政運営の基本として、政策形成過程における市民合意、この中には議会も当然含まれますが、このことを大切にすべきであります。委員会の中では、野村総研跡地における文化・教養施設整備、鎌倉地域における漁港整備、鎌倉海浜公園整備計画、敬老祝い品の見直しなどについて指摘し、議論の結果として修正案を共同提案いたしましたが、これらの施策は、市民の声や関係者の検討をもとに積み上げてきた事業で、その多くが市の基本計画実施計画に掲載されているものであります。市長がマニフェストでこうした事業の見直しを掲げたからといって、議会を含んだ市民の議論や検討を経て計画にのせられた事業を市長の判断だけで変更することは許されないことだと思います。市長が大きな行政権限を持っていることは事実でありますが、しかし、市民や関係者の合意、議論を抜きに、いわば行政主導で変更を決めてしまう、これは本当の市民自治ではないと思います。もし市長が、事業の変更や廃止を決定しようとするなら、その過程で十分な市民合意を図っていく、この中に議会への報告も含まれますけれども、このことが当然必要不可欠なはずです。今回の予算編成には、その姿勢が欠けていることを指摘しなければなりません。自治体の主人公は市民であります。重要政策ほど、この民主的プロセスを大切にすべきであることを指摘させていただくものでございます。
 このことに関連して、事業仕分けについても一言申し上げますが、事業の見直しに当たっては、市民、議会、行政などの幅広い参加で、時間がかかっても、民主的な立場で十分な議論を行い、合意形成を図って行うべきものであります。それが自治体運営の基本であると思います。小田原市が昨年実施しました事業仕分けの結果では、対象80事業中、24事業が不要と判断されましたが、その中には市の奨学金事業やプール管理運営事業など、市民生活に欠かせない事業も多く含まれたと聞いております。1事業当たりわずか30分と審議時間が短く、議論が全く不十分だったこと、そもそもメンバーが構想日本から派遣された人など、部外者が多数であり、余りにもやり方が乱暴であったということであります。市民サービスのあり方、市として行うべき事業は何なのか、こうした議論は多様な市民参加の中で行うべきであり、その最大の場は市民から公選された代表から成る、ほかならぬこの議会であると考えるものであります。よって、来年度に実施予定の事業仕分けについては、こうした基本的な問題点を十分に踏まえるべきでありまして、仕分けの結果はあくまで参考にすぎないこと、そうであれば、この事業を新たにやることに何の意味があるのか、こうした突き詰めた議論を含め、慎重な対応を求めるものであります。
 次に、大船駅東口市街地再開発事業について申し上げます。平成19年度予算案において、大船駅東口に高さ90メートルの高層ビルなど3棟の施設を建設するための基本設計料として約1億3,000万円が計上され、議会として否決しました。再開発事業は、施行区域内の土地建物を再開発に伴って建設する建物の床に変換する事業でありまして、土地建物を所有する権利者の合意なしには進めることができず、権利者の賛成率、合意形成が不十分だったこと、また鎌倉のまちづくりの視点から、鎌倉市の玄関口である大船駅に90メートルもの高層ビルは問題であることなどが主な理由でありました。こうしたことから、当議員団は何よりも権利者の動向把握や市民参画を十分に図ることが最重要であること、また多額の税金を投入する大事業であることから、拙速に都市計画を変更せず、権利者の生活や商売上の不安、意見を率直に聞き、市民とともに必要な時間をかけて再開発の手法も含め、計画を再検討するよう、この間要求してまいりました。
 今議会で報告がされました複数の基本プランは、平成19年の議会否決後、同年5月に実施した市民意向調査や、その後のたたき台となるプランに寄せられた一定の権利者の方の意見集約などを経て作成されたものでありまして、3年間の検討を積み重ねた現時点での結果であると認識をしております。権利者のうち、11軒の方とは話し合いができていない、1階の路面店舗の営業が本当に大丈夫かなど、課題は依然としてありますが、再開発という手法の中で高さを一定抑え、仲通りとの連携や駐車場、交通対策など、この間の市民や権利者の声を踏まえて検討されたことは、重く受けとめたいというふうに思います。今後、この計画を高める上で、権利者との話し合い、意見集約と市民合意に一層努める必要があります。とりわけ、この事業の最大の公共性、公益性は一体何なのか、道路が拡幅整備されることによる市民の便益なのか、第2、第3街区を含め、大船駅前の商業の活性化につながることなのか、何より大船のまちづくりの前進と市民生活に寄与するのか、今後市民的に納得を得られる事業に高めていけるかどうか、慎重に見きわめていきたいと考えるものであります。
 最後に、公共用地先行取得事業についてですが、土地開発公社の財政健全化計画との関係で、旧鈴木邸、旧今井邸の用地を取得することは十分に理解するものですが、公社から市に買いかえる以上、ただ公社の健全化のためというだけでは、今後同じように塩漬けされている土地を単に市に買いかえるということになりかねません。やはり、市が取得する以上、その活用方法について行政目的を明確にさせる必要があります。特別委員会の議論を通して、この土地を保育園の複合施設などの建設用地として検討してることがわかりましたが、公社との関係だけでなく、公共施設の配置計画との関係を明確にして、公社からの土地の買いかえを慎重に進めていく必要があることを指摘するものであります。
 以上、意見を申し上げましたが、経済状況が大変厳しい中、議会として予算の議決に責任ある対応が求められていることから、今回、一般会計予算の修正案を共同して提案したものであることを申し上げまして、討論を終わります。
 
○5番(山田直人議員)  議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算に対する修正案に反対、修正を除く部分の原案に賛成の立場でこの1点に関し、討論に参加してまいりたいというふうに思います。
 まず、提案された修正案では、原案の鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例の制定に伴い、当該奨学基金から歳入への繰り入れがなされ、歳出では当該基金の内容を考慮し、遺児福祉基金へ積み立てを行うという内容を、当該基金を存続させ歳入への繰り入れ、遺児福祉基金への積み立てを行わないという修正になっております。当該廃止条例の制定は、公立高校の授業料を無償化し、私立高校生には世帯所得に応じて一定の助成を行うという、いわゆる高校無償化法案の成立に伴い、高校授業料が実質無償化されることによるものであります。
 これまで当該基金の運用は、奨学金規則により、実態として授業料に対して行われてきたことから、この視点に立ち、当該条例の廃止をやむを得ないものと考えております。従来の奨学金とその内容を異にして助成を図ろうとしている教育総務費の増額については、制度設計に内容が不十分なままでは、その執行への理解に懸念を呈さざるを得ないという状況であろうというふうに考えております。しかしながら、予算特別委員会などの論議を踏まえ、現下の経済・社会情勢や一部の公立高校では低所得世帯の負担が逆にふえることへの懸念も十分考慮すべきであり、奨学金にかわる制度として、どのようなニーズがあるのか、それを早急に検討すべきであると意見を付しておきたいと思っております。
 また、農業水産振興費の増額については、中期実施計画事業である鎌倉地域の漁港建設に関し、平成22年度における基本構想策定事業費相当額として800万円を計上するものでございます。今定例会においても、観光厚生常任委員会へ建設に向けた諸手続の促進を求める陳情が提出され、鎌倉漁港の建設は50年来の悲願であることも承知しているところでございます。陳情審査における質疑で800万円の事業費の捻出もできない、そうした答弁もあり、さらには市長からは漁港建設を断念したわけではなく、平成24年度以降の後期実施計画からスピード感を持って事業遂行するための一たんのペースダウンである旨の答弁もございました。広く水産業関係者や市民の意見をまとめ、来るべき事業継続に向けた執行上の責任をむしろ負った上での判断であると理解いたします。
 今後、議会として後期実施計画への立案までの間、一定の政策論議も重ねていく必要があろうということを申し添えて、予算計上については見送ることやむなしと判断をいたしたところでございます。
 また、都市計画費の600万円の増額修正については、説明によればバスベイの整備費として既に計画されている箇所の執行を求めるとの内容と理解しております。安全・安心に対する事業の中における緊急性の観点からは、これまで多くの議員が提案がございました、例えば大船中学校の建てかえのための事業促進や、小学校区におけるスクールゾーン対策、そうした子供の安全・安心のための事業の加速化、さらに予算特別委員長からの報告にもございました子育て支援など、そうした予算傾斜へむしろ望まれているということから、政策的な優先度や政策の選択と集中という視点では、議会の意思の論議も十分ではないものと考えております。
 今予算は、財政状況が大変厳しい中だからこそ、何を選択し、何に集中していくかという難しさがあったと考えております。当然、増額修正に対する減額修正がセットとなって初めて政策に対する優先度に対する議論となると考えております。その中で、現下の経済社会情勢のもと、今後緊急的な事業に対応するための予備費からの支出は避けるべきであろうというふうに考えているところでございます。
 最後に、マニフェスト選挙の重要性はここで語るまでもございません。市民が政治家を選択しやすい仕組みとして評価されておりますけれども、鎌倉市議会、鎌倉市長は、いわゆる憲法43条にある全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する国会、あるいは憲法67条にある国会議員の中から国会が議決でこれを指名する内閣総理大臣とは異なり、行政の継続性、市民参加による基本計画、個別行政計画、その上位にある総合計画に対しても十分な配慮が求められていると考えております。
 今次定例会中に何度も議論されてきたこの視点、すなわち市長マニフェストを100%実現することが鎌倉市の全体最適では必ずしもないこともあり得ることを考慮し、実施事業に変更ある場合の市民への説明責任、さらに言えば、行政トップが変わった場合には、実施計画事業の一部前倒し修正、そうしたものについて政策的論議を展開すべきでもあると、そのようにも考えているところであり、市長におかれては、早急にこの点の検討をいただきたいことを最後に申し上げ、討論を終えたいと思います。
 
○議長(赤松正博議員)  討論を打ち切ります。
 これより採決に入ります。なお、採決は1件ごとにこれを行います。
 まず、議案第82号鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例の制定についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第82号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第83号鎌倉市情報公開条例及び鎌倉市個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第83号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第84号鎌倉市職員の任用に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第84号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第85号鎌倉市常勤特別職職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第85号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第86号鎌倉市職員の給与に関する条例及び鎌倉市職員の勤務時間及び休暇等に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第86号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第88号鎌倉市教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第88号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第89号鎌倉市奨学基金の設置及び管理に関する条例を廃止する条例の制定についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (少 数 挙 手)
 少数の挙手によりまして、議案第89号は原案否決されました。
 次に、議案第90号鎌倉市スポーツ施設条例の一部を改正する条例の制定についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第90号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第74号平成22年度鎌倉市一般会計予算を採決いたします。本件に対する委員長報告は修正でありますので、まず委員会の修正案について採決いたします。委員会の修正案に御賛成の方の挙手を求めます。
                     (多 数 挙 手)
 多数の挙手によりまして、委員会の修正案は可決されました。
 次に、ただいま修正議決した部分を除く原案について採決いたします。修正部分を除くその他の部分を原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (多 数 挙 手)
 多数の挙手によりまして、修正議決した部分を除くその他の部分は、原案のとおり可決されました。
 次に、議案第75号平成22年度鎌倉市下水道事業特別会計予算を採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第75号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第76号平成22年度鎌倉都市計画事業大船駅東口市街地再開発事業特別会計予算を採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第76号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第77号平成22年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計予算を採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第77号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第78号平成22年度鎌倉市老人保健医療事業特別会計予算を採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第78号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第79号平成22年度鎌倉市公共用地先行取得事業特別会計予算を採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第79号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第80号平成22年度鎌倉市介護保険事業特別会計予算を採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、議案第80号は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第81号平成22年度鎌倉市後期高齢者医療事業特別会計予算を採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (多 数 挙 手)
 多数の挙手によりまして、議案第81号は原案のとおり可決されました。
     ───────────────────────────────────────
 
○議長(赤松正博議員)  この際、市長から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
 
○松尾崇 市長  (登壇)ただいま、平成22年度予算及び関係案件の議決をいただきましたので、一言ごあいさつを申し上げます。
 一昨年の世界的な金融危機により悪化した我が国の経済情勢は依然として厳しい状況にあります。本市におきましても、市の歳入の根幹をなす市税収入の大幅な落ち込みが見込まれており、今後も先行きの見通せない財政状況が続くことも懸念されます。こうしたことから、平成22年度は行革元年と位置づけて、事務事業の見直しなどを行い、予算の提案説明でも述べましたように、市民の命にかかわる緊急性の高い事業や子育て、教育、福祉などの分野の中心に、諸事業の推進に全力を尽くしてまいる所存でございます。
 最後になりますが、本定例会に提出をいたしました平成22年度予算を初め、多数の案件につきまして御審議をいただきましたことに御礼申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(赤松正博議員)  日程第3「議会議案第10号電磁波の健康被害についての対策を国に求めることに関する意見書の提出について」を議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を願います。
 
○27番(石川寿美議員)  (登壇)ただいま議題となりました議会議案第10号電磁波の健康被害についての対策を国に求めることに関する意見書の提出について、提案理由の説明をいたします。
 便宜、文案の朗読をもちまして説明にかえさせていただきます。
 電磁波の健康被害についての対策を国に求めることに関する意見書。
 携帯電話の急速な普及に伴い、携帯電話基地局が乱立をし、住民への健康被害を懸念する声が高まっています。
 また、携帯電話に限らず、送電線や家電製品などからも低周波の電磁波が発せられており、健康への影響があると不安が広がっています。WHOは2007年に、超低周波電磁波を3〜4ミリガウスでも長期間被曝することで小児白血病の発症率が高くなることを認めました。EU諸国では、独自に基準値を引き下げるなど厳しい措置をとっています。
 ところが日本では、1,000ミリガウスと高い値です。規制が緩い中、2010年にどこでもだれでも簡単に情報通信ネットワークにアクセスできるユビキタスネット社会を確立しようとしています。
 こういった中、政府は、電磁波の危険性や健康被害との因果関係を十分に調査をしておらず、縦横無尽に発する電磁波の影響について懸念を抱く市民はふえるばかりです。政府におかれては、市民が安心して暮らせるまちづくりのために、電磁波の健康被害について全国的な疫学調査を実施し、諸外国並みに基準値を設定することを求めます。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。平成22年3月25日。鎌倉市議会。
 総員の御賛同を賜りますようお願いいたします。
 以上で提案理由の説明を終わります。
 
○議長(赤松正博議員)  これより質疑に入ります。御質疑はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております議会議案第10号については、運営委員会の協議もあり、会議規則第44条第3項の規定により、委員会の審査を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、議会議案第10号については、委員会の審査を省略することに決しました。
 これより討論に入ります。御意見はありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 討論を打ち切ります。
 これより採決に入ります。議会議案第10号電磁波の健康被害についての対策を国に求めることに関する意見書の提出についてを採決いたします。本件は、原案のとおり決することに御賛成の方の挙手を求めます。
                     (多 数 挙 手)
 多数の挙手によりまして、議会議案第10号は原案のとおり可決されました。
 なお、ただいま議決されました意見書については、議長において関係機関に送付いたしますので御了承願います。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(赤松正博議員)  日程第4「閉会中継続審査要求について」を議題といたします。
 お手元に配付いたしました要求書のとおり、各委員長から目下審査中の事件につき、閉会中継続審査の要求があります。
 お諮りいたします。各委員長から申し出のとおり、閉会中継続審査に付することに御異議ありませんか。
                   (「なし」の声あり)
 御異議なしと認めます。よって、各委員長から要求のとおり、閉会中継続審査に付することに決定いたしました。
     ────────────〇─────────────〇────────────
 
○議長(赤松正博議員)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 平成22年2月鎌倉市議会定例会はこれをもって閉会いたします。
                   (15時48分  閉会)

平成22年3月25日(木曜日)

                          鎌倉市議会議長    赤 松 正 博

                          会議録署名議員    池 田   実

                          同          渡 邊 昌一郎

                          同          納 所 輝 次