平成21年文教常任委員会
12月 9日
○議事日程  
平成21年12月 9日文教常任委員会

文教常任委員会会議録
〇日時
平成21年12月9日(水) 10時00分開会 14時09分閉会(会議時間 2時間36分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席委員
久坂委員長、前川副委員長、石川(敦)、高橋、納所、小田嶋の各委員(飯野委員は欠席)
〇理事者側出席者
島田世界遺産登録推進担当担当部長、橋本世界遺産登録推進担当担当次長、中里文化財課長兼世界遺産登録推進担当担当課長、宇高世界遺産登録推進担当担当課長、宮田教育総務部長、小嶋教育総務部次長兼教育総務課長、安良岡教育総務部次長、宮崎(順)学校施設課長、大澤学務課長、天野学務課課長代理、八神教育指導課長、島巡教育センター所長、松平教育センター所長代理、金川生涯学習部長、菱田生涯学習部次長兼生涯学習課長、鈴木(郁)生涯学習課課長代理、小池スポーツ課長、永井鎌倉国宝館副館長
〇議会事務局出席者
讓原局長、小島次長、成沢議事調査担当担当係長、原田担当書記
〇本日審査した案件
1 議案第50号平成21年度鎌倉市一般会計補正予算(第5号)のうち教育総務部所管部分
2 報告事項
(1)平成21年度全国学力・学習状況調査の結果について
(2)鎌倉市における小・中一貫教育の推進について
3 陳情第21号鎌倉市立小学校でのフリー教員の加配を求めることについての陳情
4 議案第50号平成21年度鎌倉市一般会計補正予算(第5号)のうち生涯学習部所管部分
5 報告事項
(1)「円覚寺仏殿地割之図」及び「円覚寺仏殿差図」の寄贈について
6 報告事項
(1)世界遺産登録に関する準備状況について
7 継続審査案件について
    ───────────────────────────────────────
 
○久坂 委員長  おはようございます。それでは、文教常任委員会を開会させていただきます。
 会議録署名委員の指名を行います。委員会条例第24条第1項の規定により、本日の会議録署名委員を指名いたします。小田嶋敏浩委員にお願いいたします。
 なお、先ほど飯野眞毅委員から疾病のため、欠席する旨の届け出がありましたので、御報告いたします。よろしくお願いいたします。
    ───────────────────────────────────────
 
○久坂 委員長  それでは、本日の審査日程の確認をさせていただきます。
 お手元に配付させていただきましたとおりでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 
○久坂 委員長  それでは、陳情の取り扱いにつきまして、事務局から報告をお願いいたします。
 
○事務局  日程第3陳情第21号鎌倉市立小学校でのフリー教員の加配を求めることについての陳情につきまして、陳情提出者から発言の申し出がございました。
 発言者についてでございますが、陳情提出者である30人学級実現をめざす鎌倉の会、代表太田ゆかりさんであります。なお、本陳情につきましては平成21年11月25日付で、陳情提出者から770名の署名簿の提出、また、本日付で1,141名の追加署名簿の提出がありましたので報告いたします。
 発言につきましては、御協議、御確認をお願いいたします。
 
○久坂 委員長  ただいま事務局から報告がございました。
 発言を許可するということでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認させていただきました。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 それでは、日程第1「議案第50号平成21年度鎌倉市一般会計補正予算(第5号)のうち教育総務部所管部分」につきまして説明をお願いいたします。
 
○小嶋 教育総務部次長  議案第50号平成21年度鎌倉市一般会計補正予算(第5号)のうち、教育総務部所管部分について説明をいたします。補正予算に関する説明書の40ページをお開きください。議案集は21ページになります。
 55款教育費、5項教育総務費、10目事務局費は事務局の経費、職員給与費で、給与改定や職員の配置がえ等に伴い8,420万7,000円の追加を、10項小学校費、5目学校管理費は小学校一般の経費、職員給与費で、給与改定や職員の配置がえ等に伴い3,446万5,000円の減額を、15項中学校費、5目学校建設費は中学校一般の経費、職員給与費で、給与改定や職員の配置がえ等に伴い333万1,000円の追加を、15目学校建設費は中学校施設整備の経費、防災対策事業で大船中学校特別支援級棟、耐震診断業務委託料368万6,000円の追加をそれぞれ行うものでございます。
 以上で説明を終わります。
 
○久坂 委員長  ありがとうございました。それでは、質疑ございますでしょうか。
                  (「なし」の声あり)
 よろしいですか。質疑を打ち切ります。
 総務常任委員会への送付意見はございますでしょうか。
                  (「なし」の声あり)
 なしと確認させていただきました。
 それでは、一たん傍聴者の入室のため、休憩させていただきます。
               (10時04分休憩   10時06分再開)
 
○久坂 委員長  それでは、再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○久坂 委員長  日程第2報告事項(1)「平成21年度全国学力・学習状況調査の結果について」教育指導課より報告をお願いいたします。
 
○教育指導課長  日程第2報告事項(1)平成21年度全国学力・学習状況調査の結果について、御報告いたします。お手元の資料を御参照ください。
 本調査は、全小学校6年生、中学校3年生を対象に4月21日に実施されたものです。資料1ページ目に、本市の実施状況及び本市の調査結果概要として教科別の平均正答率を掲載いたしました。
 調査内容は、国語と算数・数学、生活習慣や学習環境に関する質問調査です。前回同様、本市全体の調査結果における各教科の平均正答率は、全国及び神奈川県の結果を小・中学校すべての教科において上回っており、良好な結果となっております。活用に関するB問題についても、おおむね良好な結果が出ており、各学校において実践されているきめ細かな指導の成果が出ていると思われます。
 教科ごとの設問別の平均正答率等は8ページ目以降に資料としてつけてございます。8ページをごらんください。各教科別の平均正答率、中央値、標準偏差及び正答数の状況を示すグラフを掲載いたしました。折れ線グラフが全国及び神奈川県、網かけ棒グラフが本市の結果となっております。
 前に戻っていただいて、2ページから5ページには、教科ごとに概要、領域別の課題、指導改善のポイント・指導改善の具体例、そして3年間の調査を通じての課題をまとめました。
 3年間の調査結果によりますと、年度によって調査対象の児童・生徒が異なること、問題の難易度等が異なることから、平均正答率等の数値に変化はありますが、国語では、小学校・中学校ともに資料や他人の意見を見たり聞いたりして、自分の考えをまとめて伝えたい事柄や考えを明確に伝わるように書くことが課題と考えられます。小学校の算数では、数量関係の領域で、割合の意味の理解やグラフ・表を読み取ったり活用したりすることが課題と考えられます。
 5ページ、6ページには、質問紙調査の結果から、学習への関心・意欲・態度、学習時間、人とのかかわり等の項目について、本市の傾向をまとめました。人とのかかわりの項目では、いじめはどんな理由があってもいけないことだと思いますかの設問があり、小・中学校ともに、当てはまるの値が全国及び県の結果より低く、中学校では全国より10ポイント以上低くなっています。当てはまるとどちらかといえば当てはまるを加えた値を見ますと、全国及び県の値とほぼ変わらないものの、前年度も同様な結果が出ており、いじめをなくすために、どんな理由があってもいけないという意識を全員が持つよう、日ごろから自他の命をたっとぶ心、他人の痛みがわかる心、違いを認め合う心、いわゆる心の教育の充実に向けた指導が必要だと考えます。
 6ページ、7ページには、今後についてとしてまとめを記載いたしました。3年間にわたり本調査を実施し、3回ともほぼ同様な結果となっております。各教科における課題となっている事項は、県や国とほぼ同じ傾向となっております。その解決に向けて御家庭の協力を得て、日常的に指導方法の工夫改善を図っていかなければならないと考えております。
 来年度以降の本調査への参加については、市としては、本市全体の児童・生徒の学力・学習状況を把握することは必要だと考えておりますが、この3年間の調査結果が、本市の児童・生徒の学力・学習状況に大きな変化は見られず、良好であったということを基本に、参加形態については、国や県の動向を見ながら対応していきたいと考えております。
 なお、報告いたしました調査結果につきましては、教育指導課ホームページにて掲載をいたします。
 以上で、全国学力・学習状況調査の結果について報告を終わります。
 
○久坂 委員長  ありがとうございました。それでは、質疑に移ります。
 
○高橋 委員  毎回出していただいている資料がちょっとついていなかったのですが、学校名をABCみたいな形で伏せながら、各学校がどのような状況だったのかという資料を毎回出していただいているのですが、それをちょっと添付していないんですけど、どうなっていますか。
 
○教育指導課長  全国学力・学習状況調査につきましては、個人情報保護審査会の審査を受けて、学校ごとの公表というのはしない、全市的なものだけ公開するということで答申をいただいていまして、このような形で3年間発表しております。
 
○高橋 委員  いや、前にちゃんと出していただいているんですよ。学校の名前は伏せてですよ。
 
○久坂 委員長  休憩します。
               (10時13分休憩   10時16分再開)
 
○久坂 委員長  それでは、再開させていただきます。
 
○高橋 委員  ちょっと私の勘違いだったみたいです。失礼いたしました。
 この学力調査に参加することについては、いろいろ委員会の中でも是非がありまして、しないほうがいいんじゃないかとか、したほうがいいんじゃないかと、そういう相反する意見があるわけですね。そういう中で3年間取り組んでこられたわけですけれども、この調査を経て、一人ひとりがどういう状況なのかという細かいフォローをしていくべきだろうと、一人ひとりの段階での学力をきちっと掌握をして、細かく先生のほうで一人ひとりに合った指導をしていただきたいと、そういうためにも参加したほうがいいんじゃないかという私はそういう意見であったわけですけども、実態としてですね、試験を受けて解答が戻ってくるまでに物すごい時間があって、フォローが難しいという実態があったんですね。そこを何とかやっぱり少しでも早くして、半年先に返ってきても、もう子供は半年後には卒業してしまうということでフォローもできない、時間的ないとまもないという、そういうことがあったんですけれども、やっぱり今回も同じような状況だったんでしょうか。
 
○教育指導課長  今年度につきましては、個人に成績をといいますか、通知をしたのが9月に入ってでございます。ですから、昨年、一昨年度に比べますと随分早くはなりました。確かに、すぐに返してあげられるのが一番いいと思いますが、さまざまな市町村、県からの要望、今のような委員さん言われた要望を文科省、それから採点を委託されている業者のほうに投げかけまして、随分早く返ってきたというふうに思っております。
 なお、この調査の目的というのが、今言われたように子へ返すということと、あと学校の指導法の改善ということもございますので、そちらのほうを学校へ、子へ返すと同時に学校へ返して、学校の課題になっている部分を検討して、指導法改善に使っております。
 
○高橋 委員  全国で一斉にやるわけで、鎌倉市のことではないんですけれども、ほかの市では、ちょっとやっても成績が、成績というか点数がたくさんとれそうもないなと思われる子供に欠席をしてもらうように誘導したりとか、そういうことで底上げをするようなことをしたなんていうようなことが報道されたり、そういうことが他市であったわけですけれども、余りそういう点数いいほうがいいに決まっているんですけれども、点数にとらわれないで、準備も別にしないで、今のその子の学力はどうなのかという、そういう現状調査だと思うんですね。だから、そこを何か点数をたくさんとらなきゃいけないとか、子供にプレッシャーがかかったりとかそういうことじゃなく、ぜひそういう意味では今の状況をきちっと調査して、その後のフォローが大事なんだというような取り組みを重視していただいて、これからの参加するかどうかについては検討していくというふうなお話ですけれども、なるべくやっぱりね、3カ月も4カ月もたってから戻ってきても、9月でもちょっと遅いんじゃないかなと、やっぱりやったら翌月ぐらいにはちゃんと戻るようにして、先生がそれを見て、自分の指導にちょっとおくれているところがなかったかどうかというチェックも含めて、子供の一人ひとりに合ったそれを判断材料にして、合ったやり方をしていただくというふうなことでやっていっていただきたいなというふうに思うんですけれども、どうでしょうかね。
 
○教育指導課長  子供たちの参加につきましては、今、委員さんおっしゃったとおりで、それぞれの学校で取り組んでいるものと思っております。今、言われた後のフォロー、それから、指導に生かすということを教育委員会としても大事に考えております。国から戻ってきた資料だけではなくて、何らかの形でテストが、調査が終わった後で、子供たちに振り返させるというようなことは今後検討していきたいと思います。
 
○久坂 委員長  よろしいですか。ほかに御質疑ございますでしょうか。
 
○石川[敦] 委員  おはようございます。今ちょっと高橋委員の質問に関連してという感じなんですけれども、子供たちに戻ってきたものを学校でアフターフォローはしているんですよね、今。いるというふうに受けとめてよろしいんですか。
 
○教育指導課長  返却をする際に、個人の個人表とそれからその個人表の見方というような形での配付物とともに子供に話をし、保護者のほうに子供を通して渡す。そして保護者会等の折に、保護者のほうに表の見方、それから、個人個人のことはなかなか保護者会では申せませんので、学校の状況、課題となっているものを、今後家庭と学校でこういう形で取り組んでいきましょうという形で話をしてもらうように、校長会のほうで依頼をしております。
 
○石川[敦] 委員  昨年、一昨年と私は子供たちがこれを受けておりまして、表が返ってくるんですが、それに関してコメントをいただくわけでもなく、成績によって、取れた点数によって指導され、足りないところをなお指導されているのかなと私は思っていたんですけれども、あれは戻ってきて、保護者がそこで見て確認をするものだと私は認識してたんですが、個別のフォローというのがあるものなんですか。
 
○教育指導課長  国語、算数あるいは国語、数学の授業の場でその教科の先生、小学校は担任の先生になると思いますけれども、フォローといいますか、やり直しも含めて、あるいは問題の考え方、やり直しではないですね。問題の考え方というような形での話はされていると思っておりますけれども。
 
○石川[敦] 委員  問題の傾向なども、子供が持ってきますので見たんですけれども、非常に基礎的な問題であって、そんなに差が大きく出るようなものではなかったかと私は記憶しているんです。私はこれをやる意味があるのかなと、大体の子供たちが解ける問題ではないのかなと思いましたもので、意味があるのかなというところを疑問に思って最初からいたものですから、余り注視はしてこなかったんですけれども、このテストを受けた結果によってアフターフォローして、子供たちのきめ細やかな指導につながっていくことを教育委員会としては、非常に重要であるというふうにお考えでいらっしゃるんですか。
 
○教育指導課長  意義があるものとして参加をしておりますので、やはり比較的良好な結果ということですけれども、先ほど報告をした中で、その中でも特に各部分、これは全国的に苦手なお子さんが多いんですけれども、それに対して鎌倉の子供、全国的に苦手だからそれでいいやではなくて、鎌倉の子供たちにぜひ自分の思いを書く、書いて表現するというふうな力をつけてほしいということで、この報告書はつくっております。
 そして、A問題が基礎的なもの、B問題が活用する力ということで、A問題のほうが一応学習指導要領の標準ということですので、これができていないと、逆に指導法を大きく改善しなきゃいけないということになりますけれども、この結果で、今、取り組んでいる小学校・中学校の国語、算数・数学ですけれども、授業のあり方というのはほぼ及第点以上ではないかという判断はできるのではないかと思います。
 
○石川[敦] 委員  わかりました。私は経験をした結果、余り点数の差も出ないようですし、基礎的な問題であるというところで、これからは、先生方がどれだけ授業の中で子供たちに伝えているかというところ、足りないところはどこなのかというところをごらんになるのにはいいのかなというふうには感じたんですが、子供たちの学力を見ていくというところではどうなのかなと、ちょっと疑問を残した経験をしましたので今申し上げました。ありがとうございました。
 それから、こちらの後ろのほうの人とのかかわりという結果のところで、いじめのことで、11月の教育委員会を私、傍聴させていただいたんですが、そのときにも教育委員の方から、こちらのいじめはどんな理由があってもいけないことだと思いますかという質問に対して、ちょっとポイントが低いということを心配だとおっしゃっていらっしゃったかと思います。その中で、教育委員会のこちらの部局のほうから、自尊心をもっと高めるような教育をしていかなければいけないというようなお答えがあったかと思うんですけれども、その自尊心を高めるという部分、どのように考えていらっしゃるのか伺いたいんですが。
 
○教育指導課長  自尊心を高める取り組みということですけれども、まず、自分に自信を持てることが大事だと思うんですね。そして、同時に自分も他人も尊重できる存在感があるような学級づくりですとか、学校づくり、そういった活動を多く設けていく。それから、さらに他人の痛みがわかるような心を育てる、そして違いを認め合える、良心に恥じない心ですとか、教師を愛する心というのを、子供たちにはいろいろな体験を通して学べるような学習活動というのを設けていきたいと思います。そして、教師もそういったものを導き出せるような技を磨くということも必要かと思います。そして、担任の教師一人だけではできない部分はありますので、学校全体が全員でスクラムを組めるような組織内対応力をつけるというような取り組みを今進めているところです。
 また、県の教育委員会のほうでは、きずなづくり教室というようなものをつくっておりまして、きずなというような形、そういったものをどういうふうにつくらせるかということで、学校1名参加をして、それを学校に持ち帰って、きずなづくりの研修を通して学級経営に生かしております。
 
○石川[敦] 委員  ありがとうございます。特に中学校、昨年までうちは子供たちがお世話になっていたのですが、自尊心というのは、自信をと今おっしゃいましたけれども、失敗をしてそれをどう乗り越えるかという経験をしないと、なかなか自信につながってこないのかなというふうに感じております。
 学校の中でいろいろトラブルがあって、それを乗り越えるときのサポートというのが、とても先生方にとっては大事なところなのかなというふうに、わきから見ていて感じております。失敗をさせないようにではなくて、したときにどう学級、先生たちが力を合わせていくのかなというところがなかなか見られない。失敗した子をしかったりとか、指導したりとかというような場面で、褒められないということを子供たちはよく口々に言っておりましたので、先生方にはそういったトラブルのときこそ褒めて伸ばすというような指導がないのかなと、ちょっと思っておりました。一言申し上げおきます。以上です。ありがとうございました。
 
○久坂 委員長  ほかに質疑のある方。
 
○納所 委員  この全国学力・学習状況調査、来年が本当は4回目に当たるということで、過去3回やってきたわけでございますけれども、例えば2年前、小学校6年生で受けた生徒というのは、もし来年実施すると2回目の調査を受けるということで、その経年の変化というもの、つまり小学校でのその勉強が中学校段階に至ってどのような変化をしたのかということが見られるチャンスだとは思うんですけれども、ただ今回、事業仕分けにものっかりまして、文科省の考え方というのは、もう悉皆調査というのはやめて、いわゆる抽出の調査にするという方針というのをちょっと伺ったんですけど、その傾向はどの程度の抽出かというのをおわかりになりますか。
 
○教育指導課長  まだ文部科学省のほうも概算要求の段階ですので、そういう情報として伝わった範囲でしかお答えできない部分はありますけれども、文部科学省のほうから、やはり抽出、来年度については全国学力状況調査については、悉皆ではなくて抽出で行うということで、10月の末にその通知がございました。それで、そのときに書かれていた数字というのは、約4割の児童・生徒を抽出対象とするということで、その後、事業仕分け等がありまして、4割は多いのではないかというようなことも新聞等で報道されております。今のところは、その何割かというのは、その後の連絡はございませんので、それを待っているところです。
 
○納所 委員  いわゆるサンプリング調査で4割というのはサンプリングになるのかなと、だったら悉皆調査をやっちゃったほうがいいのかなと思うんですけれどもね。例えば、概算要求で抽出方式に変えた後も、自治体によっては、市の中で悉皆でやりたいというような希望があると思うんですけど、その際もし悉皆で鎌倉市全体でやった場合に、問題の購入であるとかいうような費用的なものというのが、まずは心配になるんですけれど、それについては、その問題の配付ですね、費用面についてはどのような方針が聞こえていらっしゃいますでしょうか。
 
○教育指導課長  先ほど御説明をいたしました通知の中の情報ですと、4割につきましては、国のほうの負担で調査、それから採点・分析を本年度までと同じような形で行うと。残りの抽出以外になった場合には、もし参加をしたいという場合は、問題を配付すると、その時点では、問題は配付しますと。ただし、採点・分析については市町村の責任においてやるようにというような指示でございました。
 
○納所 委員  そうなると、そこまでお金をかけてやるかどうかというのも教育委員会のほうで判断の基準になってくると思うんですね。今後の動向は注意深く見ていきたいと思いますけれども、ただ、この調査に効用があるのかどうかということなんですね。過去3年の中で必ず出てきた批判、調査の問題について出てきた話というのが、レベルがやや難しくなってきているんじゃないかということ、それから、問題の量が多くなったとかというような感想が年ごとにあるわけですね。ばらつきというものがあります。そういった問題も、その年によって違うということで、じゃあ何を調べたいのかという、その調査の効用ですよね。目的というものがたった3年ではまだ定まらないのかなというのがあるんですね。その意味において、4回目、6年生が中3になってまた受けられるという、その経年変化を見るということについては、一つの効果というものはあると思うんですけれども、それはそれとして、結局この学習状況調査は何を調べたかったのかということが不明確になってきているような気がするんですね。今までの議論を聞いていますと。いわゆる経年変化を調べたいんだったらもっと続けるべきでしょうし、それとも個々の子供の状況を知りたいのか、それとも各市町村ごとなり、学校ごとなりの状況を知りたいのかというものが、ちょっとその扱い方というのは結局私たち側にあると思うんですね、その結果をどうとらえるかというのが。教育委員会としては、この学習状況調査をどのように役立てるかという視点なんですけれども、個々なのか、学校ごとなのか、クラスごとというのは大変ですけれども、全国との単なる市町村の比較を見たかったのか、どの点に主眼を置いてこの調査結果をとらえて分析していらっしゃいますでしょうか。
 
○教育指導課長  この調査の目的、もちろん国として教育の水準の維持向上という観点はあったと思います。そして、市の教育委員会としましては、学校等が全国的な状況との関係において、みずから教育及び教育施策の成果と課題を把握してその改善を図る、そのような取り組みを通じて教育に関する継続的な検証、改善サイクルを確立するというのが一つの目的。そして学校につきましても、児童・生徒の学力や学習状況を把握し、児童・生徒への教育指導や学習状況の改善等に役立てるというのが目的でございます。
 現在、学校においては、絶対評価という形で到達目標を置いての評価を行っております。今回の全国学力・学習状況調査は、国からの問題提供ですので、この問題が何問とれていたら到達目標になっているのかというのが事前に明示されておりませんので、我々としては分析のときに、じゃあ鎌倉の子供たちが学力として定着しているのかどうかというのは、国のやはり平均正答率との比較でしかできない。一応国の平均正答率と比較して、競争をあおるわけではございませんけれども、鎌倉が行っている教育が妥当なのかどうなのか、もし足りない部分があればどこを改善しなければいけないのかという観点でこの調査に参加してきました。
 
○納所 委員  妥当なのかどうかというのは、もう国や県よりもいわゆる平均点であるとか、中央値であるとか、それは高いレベルにあったということは、もう3年連続で確認できたわけですよね。だから、それでいいのかなと思うんですけれども、ただ、学習状況調査の問題というのが、鎌倉の教育をはかるものに合致しているかどうかというのはすごく重要だと思うんですね。非常に鎌倉の教育なんかはそれぞれ意欲的な取り組みもやっておりまして、つい最近に、日本教育新聞という新聞の一番新しい号が届いたんですけれども、その1面に、西鎌倉小学校の書くことについての取り組みというものが1面で大きく取り上げられておりまして、これをちょっと読みましたら、非常にいい取り組みをしておりましてね。どういう取り組みかというと、11月19日の研究発表会の模様が記事になっていたわけですけれども、6年生がボランティアをし合おうよというテーマを素材に、いわゆる文章も筆者が考えるボランティアに対する考え、思い、それから自分たちが考えたボランティアのイメージというものをそれぞれかるたにして比較しながら、まず少人数で自分の意見というものを出し合って、それをクラス全体の話し合いに広げて、さらに深まった自分の意見をもとに、その次は意見文に書く活動につなげているという、非常に段階を踏まえたすばらしい取り組みだと思うんですけれども、そういったものが学習状況調査のたった1問でわかるんだろうかということ、その中に、鎌倉の教育の質の高さもしくは質の課題というものが明確になるのかどうかという視点が、やっぱり押しなべての国の考え方と比較する中で非常に難しいんではないか。
 ですから、今後これを取り組む上においては、それをどう役立てるのかということはすごく難しいと思うんですね。平均点より高かった、じゃあそれでも伸びがなかなか見られなかった分野については、しっかりやりましょうと。実は押しなべての調査だから、どこでも同じ課題は持っていると、とりたてて鎌倉だけが極端にこういった課題を持っている、特徴的な課題を持っているということは見つけづらいと思うんですよね。
 ですから、それを踏まえて今後やる上において、私、この調査自体は有用だと思うんですけど、その使い方については、鎌倉の教育のあり方、鎌倉市の考える、教育委員会の考える、もしくは先生たちが考える教育のあり方とのリンクというものを明確にした上で、やるんだったらやるで取り組んでもらいたいと思うし、一番いいのは悉皆調査でやるのがいいとは私自身は思うんですね。4割というのはサンプリングにならないし、4割やるんだったら全部やっちゃったって同じじゃないかというのもあるんですけれども、悉皆調査をやるとするならば、どういう目的で、どういう効用を目指して行うのかということをより明確にしていっていただきたいということは要望しておきたいと思うんですけれども。
 その中で、書くことということが国語については物すごくどこでも課題だし、鎌倉でも特徴的な課題としてはとらえられるんですけれども、ただ、この前、配付されました鎌倉教育、この一番後ろに玉縄小学校の5年生の女の子の文章が載っておりまして、非常にすばらしい文章で、1行目から読者を引き込むような、そういった文章もあると。こういったすばらしいモデルというものもあるし、そういったものをもっともっと市内16校の中で参考にしつつ高めあっていただきたいなと思います。
 一番心配したのが、先ほどもございましたけれども、いじめについての結果なんですが、ただ、ここで考えますと、その設問の仕方、いじめはどんな理由があってもいけないことだと思いますかという設問をどうとらえるか。これは大人の側の理由で聞いている設問だと思うんですね。子供の側としては、大人からこう聞かれたら一生懸命答えようとしますよね。答えようとする中で設問をしっかりと分析をする、いじめはいけないことと言ったらいけないことで、もうほぼ100%の子は選ぶと思うんですよ。ところが、どんな理由があってもという条件つきで迷ってしまって、そして、いけないんだけれども、どんな理由というと、これはもしかしたら例外があるかもしれないと思うのは当たり前のことであって、これは設問の仕方に大きな問題があったんじゃないかと思います。
 これについては、やっぱり結局もっと専門家に伺いたいんですけれども、こういったいじめはどんな理由があってもいけないことだと思いますかという文章を、設問を受けたときに、子供たちはどういう受け取り方をするというふうにお考えでしょうか、私はここにひっかかっちゃっていて、そして、ポイントが低く出たんじゃないかなというふうに理解するんですけれど。
 
○教育指導課長  ありがとうございます。今、委員のおっしゃったような内容で本当に事務局のほうも分析をしておりました。そういった観点からどんな理由があってもということであると、当てはまるとどちらかといえば当てはまるというのを二つ合わせたときには、全国も県も鎌倉市も同じような数値になるということで、例えば、いじめられた経験がある子が、どんな理由があっても、あっ違いますね、例が違いますよね。何か意地悪をされて、あの子ちょっと、言葉は申しわけないですけども、仕返しをしてやろうかなと思っている子がいたらば、そのときであると、ここはどんなことがあってもということに、もしかしたら丸がつけられない状況というのがもしかしたらあるかもしれません。そういう意味で、設問のほうについては、確かに改善しなければならない部分というのはあるというふうに思っております。
 それにしても、やはりいじめというのを憎む心というのは学校と連携して、とにかく粘り強く子供たちに訴えかけ、そして、そういうふうな行動ができる子供たちを育てていきたいというのは我々みんなの願いです。
 
○納所 委員  やっぱりそれまでの指導の中で、いじめというのはどんな理由があってもいけないんだよということの徹底ということが必要だと思いますけれども、逆にどんな理由にひっかかってそちらを選ばなかった生徒が多いということは、それだけ設問の判断力が鎌倉市の子供たちは高いんじゃないかというふうに思うわけですね。さまざまな条件というものを想定した上で、もしかしたら例外があるかもしれないからそっちを選ばなかった。だから、その数字としては低くなったけど、全体見て、いけないことだという結果が出たということだと思いますので、逆に数字が低いことを嘆くんじゃなくて、数字が低いことを分析をして、鎌倉の子供たちのどちらかというと細やかな配慮をする傾向ということは自信を持って、逆にいいんじゃないかな。少ないことに誇りを持てということではないんですけれどもね。そういったとらえ方もできるんじゃないかと思いますけれども、ですから、それだけその設問のあり方、問題にばらつきがあるというものが、来年度において国のほうで、もう少し改善された問題があるんだったら、その効用をぜひ訴えて参加をしてもらいたいと思いますし、それもサンプリングではなくて悉皆で行っていくのが一番傾向としては経年変化も見られるんでわかるんじゃないかなということを申し上げておきたいと思います。以上でございます。
 
○久坂 委員長  ほかに質疑のある方、いらっしゃいますか。
 
○前川 副委員長  おはようございます。今の納所委員がおっしゃったことを二つ、私も同じように聞きたかったことだったので、聞かれていましたので、また今後に期待したいと思いますけれども。
 もう一つだけ、実はちょっとひっかかりましたのは、家での宿題、復習、予習について。予習は平均的な結果ですが、宿題、復習については、全国及び県の結果よりやや低くなっていますというところがございます。5ページですけれども。宿題というのは、過去に宿題を出さないような傾向というのがあった記憶があります。それで、今現在、宿題というのは、教育委員会としては、あるいは各学校で、あるいは先生の意識の中でどのように考えていらっしゃるのか、ちょっとお聞かせいただきたい。最近の傾向として、それから主義としてお聞きしたいのですけど。
 
○教育指導課長  今、委員おっしゃられましたように、一時家庭は家庭学習という形で、放課をした後は余り宿題を出さないようにというようなこともございましたけれども、現在は、家庭と連携をして家庭学習を大事に、学校の勉強を家でも引き続き、そして家庭、保護者の方にも学校でどのような学習をして、そしてお子さんがどのような形で学習に取り組んでいるのかというのを見ていただく上でも、例えば、国語の読みですとか、漢字練習ですとか、そういったものを含めて、日常的にできるだけ宿題という形で出すようにしていると聞いております。
 
○前川 副委員長  読みですとかいうことでしたけれども、先ほどの高橋委員の御質問の中にも対応策ということがあったように思いますが、具体的に申し上げますと、例えば、私などが小学校のころは算数のプリントとか、そういう補充的なものが結構出た記憶がありますけれども、今お伺いしていると、おうちへ帰って読みの、うちの子供の経験からしても、何か読んでお母さんの感想か、お父さんの感想を書いてもらって戻すというような宿題のことをおっしゃっているのかなと思うんですけど、具体的に今申し上げた、そういう補充的なものは出す傾向にあるのか、出さない傾向にあるのか、どちらですか。
 
○教育指導課長  中学校の場合ですと、各教科でワークブック等があったり、あるいは単元ごとに復習のプリントを教科の先生がつくったりという形で、補充的な学習として形で宿題という形で出すことはよくございます。小学校においても、同じように補充的な意味合いを込めて算数等の基礎定着というような形の宿題は今出されているということです。
 
○前川 副委員長  わかりました。それで、きのう12月8日のインフルエンザの学級閉鎖の報告をいただいて、また、かなりインフルエンザでお休みが、閉鎖がかなりまたふえてきたなと今思っているんですけれども、このことに関して、やはり1週間、あるいは兄弟がインフルエンザにかかれば2週間、平気で欠席になってしまうということで、そこの補充ということは、どのような形でなさっているのか教えていただきたいんですけど。
 
○教育指導課長  今、掌握している範囲ですと、市内の学級の中で一番長い間学級閉鎖という形で学級を閉じているクラスが10日間だと思うんですね。それで、そういった学級につきましては、ちょっと中学校と小学校と対応が違うところがあるんですが、中学校の場合は、いち早く校長会のほうでできる限り合わせた対応をしていこうということで、その前に、まず、教育長のほうから校長会の折に、できる限り子供にとって履修漏れというようなことがないように補充というような形で、補充といいますか、例えば、午前中で終わる授業のときを午後まで延ばしたりとか、あるいは同じですけれども、始業式・終業式等少し授業を入れるですとか、あるいは授業時数を少し長くしながら履修漏れがないようにという依頼がありまして、中学校長のほうは既に5時間の日をもうほとんど6時間にして実施をしているとかというような形で対応を進めております。
 小学校のほうは、学習指導要領の中に年間標準授業数というのがありまして、小学校のほうは比較的その標準授業数をもともと上回って授業数を計画しておりますので、今のところ何とか、多少45分授業を60分授業にしたりですとか、あるいは小学校の中でも高学年などは5時間の日を6時間に多くしたりですとか、それから、今聞いているところですと、やはり冬休み前に少し早目に午前中授業にしていたものを、給食の業者さんにお願いして給食を延ばしてもらえるかとか、あるいは家庭にお願いをしてお弁当を持参ができるかというようなことを今調整しながら午後の授業をする等して、多少なりとも授業数の確保は今進めているところです。
 
○前川 副委員長  はい、わかりました。授業数で補充をしているということ、補充が今のところはできているということで理解したいと思いますけれども、今後このインフルエンザもどのような状況になってくるかわかりませんが、年度末までにどういう状況になるかで、やはり補充し切れなくなってくる分があると思います。
 先ほどお聞きしたのは、その日その日こなしていかなきゃいけない分があるのではないかなと思ったものですから、例えば、漢字一つにしてもどんどんおくれていってしまえば、年度末までに履修しなければいけない漢字の数が履修できなかったりしてもいけないんではないかと思いました。ですから、宿題などで補えるものは補ったほうがいいのではないかなと、御家庭で不安な声というのは出ていませんでしょうか。
 
○教育指導課長  やはり週に何件かはそのような御意見をいただいておりますので、学校と連絡をとりながら御家庭に不安を持たれないように、やはり先生方に丁寧な対応をしてほしい、そして、学級閉鎖あるいは御自分が出席停止等で学校へ行けない、元気でもとにかく学校に行けないというような状況があった場合には、今、委員さん言われましたように課題等を丁寧に出す、そして家庭訪問を先生方にお願いをしてフォローをお願いしています。
 
○前川 副委員長  わかりました。長くなって申しわけないんですけど、一番最初に宿題、復習についてお伺いしましたのは、先ほどお伺いしましたように、過去に宿題を出さないという考え方のもとに、復習・宿題ということが相変わらず出ないことが多いのかなと思いまして聞きました。
 そのかわりに学習塾に通っている時間が多いということになりますと、やはりそれは、ちょっと言葉が悪いんですけれども本末転倒になってしまうので、学習塾で補うのではなくて、授業の中でできているのだということが宿題を出さないというそもそもの考え方だったんだと思いますので、でも今このインフルエンザの状況もありますし、それから、やはり宿題ということに限らずに復習というものは予習と同時に大変大事な生活習慣、学習習慣だと思いますので、先生が必要だと思ったものの宿題は出して、一番最後に解決に向けて家庭との協力を得てとも書いてありますので、ぜひともそこのところは柔軟に対応していただいて、個々の学力の維持ということに努めていただきたいと思いますので、要望して終わらせていただきます。
 
○久坂 委員長  ほかに御質疑よろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 では、質疑を打ち切ります。
 了承かどうか確認させていただきます。了承でよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 了承と確認させていただきました。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○久坂 委員長  それでは、日程第2報告事項(2)「鎌倉市における小・中一貫教育の推進について」教育指導課より報告をお願いいたします。
 
○教育指導課長  日程第2報告事項(2)鎌倉市における小・中一貫教育の推進について御報告いたします。お手元の資料を御参照ください。
 新学習指導要領の主なねらいである基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成、学習意欲の向上や学習習慣の確立、豊かな心や健やかな体の育成の指導の充実については、義務教育9年間を通して行う必要があります。
 9年間の義務教育を見通した学びや育ちの連続性を大切にするために、小・中一貫教育への取り組みを推進したいと考えております。
 1.目的をごらんください。現在、各中学校区単位で取り組んでいる小・中連携教育を足がかりに、小学校・中学校による協働実践をさらに充実させることにより、9年間の義務教育を見通した学びや育ちの連続性を大切にする小・中一貫教育への取り組みを推進します。
 そこで、本市では、基本的な柱にありますように、共通の目標、すなわち、目指す子供像を設定し、小学校・中学校9年間を見通した指導内容及び指導方法等に関するカリキュラムの編成を行い、小学校と中学校との連携による協働実践のもとに、一貫した教育を実践することを小・中一貫教育と定義づけたいと考えております。
 続いて、事業構想についてですが、児童・生徒理解を深め、心身の発達段階に応じたきめ細やかな指導を充実させるなど、学習の連続性を重視した取り組みを推進するために、小学校・中学校の教職員が相互の学習内容や発達段階を系統立ててとらえ、指導に当たることが重要だと考えます。
 そこで、小学校・中学校の学びをつなぐために全体構想に基づいて標準カリキュラムを作成し、教職員が校種の壁を越えて学習内容のつながりや系統性を相互に理解し、授業づくりに生かす必要があると考えます。
 また、小・中一貫教育の導入に当たり、その可能性を引き出し、魅力ある教育を研究するとともに、実践上の課題を明らかにするために、後期実施計画の中で予算づけをして、推進モデル校を指定して実践研究を行うことを考えております。
 今後のスケジュールとしては、今年度中に小・中一貫教育検討委員会を設置し、22年度には標準カリキュラムの検討・作成、23年度には仮モデル校による試行、24年度からは並行して、後期実施計画の中で予算の範囲内で推進モデル校による実践を行いたいと考えています。
 11月25日の定例教育委員会でこの基本方針を御了承いただき、事務手続を進めるよう指示を受けましたので、今後、検討委員会で基本的な事項をまとめてまいりたいと思います。
 以上で、鎌倉市における小・中一貫教育の推進について、報告を終わります。
 
○久坂 委員長  はい、ありがとうございました。それでは、質疑ございます方。
 
○石川[敦] 委員  この小・中一貫の検討なんですが、教育委員会ではいつから始められたんでしょうか。
 
○教育指導課長  教育委員会内部のほうでは、平成19年度あたりから内部検討という形で進めてまいりました。
 
○石川[敦] 委員  スタートの経緯というか、こちらへ進んでいく、教育委員会で決断をされた出発点を教えていただきたいんですけれども。
 
○教育指導課長  一つは、国のほうの小・中一貫教育に関する国の動きということで、平成16年3月に今後の学校管理運営のあり方について答申、中央教育審議会というのが出まして、その後、それをもとにいろいろ検討をしてまいりました。教育委員さんのほうでもこのことについて興味を持たれて、さまざまな先進地区へ御視察に行かれたと。それから、あと議会のほうでも小・中一貫連携を今後どういうふうに強めていくのかというような御意見もいただきまして検討をしてまいりました。
 現在といいますか、今まで鎌倉市では、小・中の連携というのは図ってまいったところですけれども、それをさらに、小・中の学びの一貫性というようなことを考えたときに、一貫教育というような考え方で進めていくのがいいと思いまして、ここで、今回の教育委員会のほうに提案をした次第です。
 
○石川[敦] 委員  教育委員会、今回提案されたのは初めてということですか。
 
○教育指導課長  はい、そうです。
 
○石川[敦] 委員  小・中一貫教育、今連携ではなくて一貫性を持ったという、連携をもっと進めてとおっしゃっていましたか、一貫性をもっと持ったというふうにおっしゃられたんですが、今、小・中連携の間で課題があるので小・中一貫ということなのかというところを伺いたいです。
 
○教育指導課長  連携教育も一貫教育も目指すものは同じだと思っております。ただ、現状として小・中学校の連携というの形で各中学校ブロックに任せている部分が多いです。今までも生徒指導や教育活動の一部でも行われておりまして、一定の効果は上げていると思います。
 しかし、いずれも部分的なものであるというような形で、お互いの小学校・中学校の教育活動全体までに影響を及ぼすような状況にはなっていない。いわゆるイベント的な小・中連携の行事的になってしまっていたということで、ここで特に中一ギャップというような全国的な問題もございます。そういったものの解消も含めて、ぜひ小学校・中学校の義務教育の先生方がお互いの学校の児童・生徒を見て、9年間の学びということで考えていこうと。そうしまして、今、提案して、基本方針の中にありますカリキュラムの部分も9年間見通してつくっていければというようなことでこの内容になっています。
 
○石川[敦] 委員  中一ギャップと今お言葉が出まして、小学校から中学校へ上がるときに、やっぱり小学校、中学校、文化が違うかなと私は子供たちを見ていて思ったんですけれども、その間を埋めるというのは、やっぱり学力中心にというふうに理解してよろしいですか。
 
○教育指導課長  学力ともう一つ人間力といいますか、両方あると思います。中一ギャップがなぜ発生するのかというのは、一つは、勉強面で小学校の担任制から中学校の教科担任制になるですとか、あるいは教科数がふえたり、学習する内容が急に難しくなったり、量がふえたりというようなこともございますけれども、あとは人間関係が、一つの小学校、一つの中学校だけではございませんので、多くの小学校から集まってくる。それから、年齢に応じた指導と言えると思いますけれども、今までは担任の先生がきめ細やかに一人ひとりの子供たちを見ていてくれたのが、中学校になると担任の先生はいるんですけれども、どちらかというと朝の会とそれから授業そして掃除等だけで、入れかわり立ちかわり先生がいろんな視点からその子を今度は育てると、組織的な目で育てるというふうに変わってきますので、そういった心情的な面も中一ギャップの原因になっていると。それを埋めるための、間を埋めるための連携教育でありたいと思っております。
 
○石川[敦] 委員  イメージとして見えてこなくて申しわけないんですが、今もお話出ていましたが、中学校に対しては小学校2校、3校と入ってくるという現状の中で、建物を一緒にするということではないといったような御説明が、きょうされたかどうかちょっとわからないんですが、伺っているんですけれども、そういった建物が違った中で、今おっしゃったようなことを実現していくということは、ちょっと私は横浜の事例などを伺ったんですけれども、ハードを直さずにソフトだけを何とかしてやっていこうというところで、なかなか順調には進んでいないみたいなことも伺ったんですが、その辺のところはリスクの部分も当然検討はされた上での提案ということですか。
 
○教育指導課長  まず、鎌倉市における小・中一貫教育というのは今ある連携教育をスタートにして進めていくということです。ただ、現状としては、小学校の先生が中学校の指導方法ですとか、あるいは生徒指導の様子を知らない部分がまだまだあるだろう、中学校の先生が小学校の児童指導ですとか、子供の様子、指導の仕方を知らないという場面もあるだろう。そこで、小・中学校それぞれの学校ブロックで先生たちが集まる機会、相談する機会を多く設けて協働で進めていくというのが本当に大きな基本的な姿勢であります。
 
○石川[敦] 委員  協働で進め、今も小学校の先生と中学校の先生は連携をしているというふうに校長先生などから御説明を受けているんですが、これ以上に連携を進めるということで理解をしますが、その先で、ここに基本的な柱で(1)に、共通の目標を目指す子供像を設定してという項目があるんですけれども、この目指す子供像というのは、具体的にはどのような子供像を想定されているんでしょう。
 
○教育指導課長  教育委員会としましては、まず、かまくら教育プランというのがございますので、そちらのほうで目指す子供像というのを考えた場合、前書きのところに、自立、共生、自分で自分のことをする、自分で自分のことを律する、戒める、そして、仲間や自然、生き物とともに生きると、こういう子供になってほしいという願いがあります。それを受けまして、学校、中学校ブロックでその地域の実態にあわせてそれぞれ目指す子供像というのを設定するというのを考えております。
 例えばですけれども、みずから考えて行動できるとか、あるいは自分で生き方を考えるというようなゴールにしたならば、じゃあ小学校1年生から中学校3年生まで9年間でその目指す子供像にどういうアプローチをしていけばいいのかという小学校の先生のお考え、中学校の先生のお考え、これを協議する中で、そして協働でさまざまな授業もそうですし、児童・生徒指導もそうですし、行事なんかもつくり上げていくというイメージでおります。
 
○石川[敦] 委員  長くなって申しわけないんですが、中学校ごとに今特色ある学校づくりという形で、それぞれ中学校の例えば環境だったり福祉だったりとかという形でやってらっしゃるかと思います。小学校は小学校でまたそれぞれ特色のある学校づくりというところで、そこはつながっていない部分もあるかなとも思うんですが、そういったところの中で目指す子供像というのを置いたときに、小学校も中学校も一つの目標に向かって二つの小学校、もう一つの中学校に向けて入るために目標を定めて、子供たちのこういう姿というのを定めて、そこへ向かっていくというイメージでよろしいですか。ごめんなさい、ちょっとイメージが全然わかなくて申しわけないんですが。
 
○教育指導課長  そういう形に近いと思いますけれども、ただ、今おっしゃられたように、今のところは中学校の学校目標、小学校の学校目標が合致しているかというとそうではないと思いますので、ブロックごとに、今後そういった意味で協議をしていく。そしてまた、今まで培ってきたそれぞれの学校の目指すものというのが、何ていうんですかね、共通の部分を探っていくということ、そして何よりも大事なのは、地域の中での地域の特性というような観点も入れていくというようなことは大事だと思います。
 
○石川[敦] 委員  ちょっと地域、ちょっと私が今心配しているのは、小・中一貫教育ということは、やっぱり教育の形を大きく変えていくのかなというふうに理解、考えているんですね。そのときに、保護者の方にも地域の方にもと今おっしゃられましたけれども、理解をしていただかなければいけないというときに、何を目指しているのかがちょっと、私は申しわけないんですが、今伺って、子供たちの何を変えていこうとされているのか、教育の本質、理念的な部分はどこにあるのかというのが、ちょっと受けとめ切れずに困っている状況なんですけれども。小・中一貫教育というと、どうしても学力というところに目が行ってしまいがちなんですけれども、エリート教育という言葉を使っている資料とかもあったんですが、そういうことではないということで理解してよろしいんですか。
 
○教育指導課長  目指しているのは、地域あるいは中学校の学区で子供をどう育てていくかという観点が強いと思いますので、そのような特殊な能力を伸ばすための小・中一貫教育というふうには考えておりません。
 
○石川[敦] 委員  済みません。長くなりました。ありがとうございます。学区ごとにということで、また学区ごとの特性なり、差が大きくなってくるというところは、また保護者の方が心配される部分かなと思います。段階的に恐らく説明会なども開かれるんだと思うんですけれども、やってみました、ちょっとここはまだ決まってませんというところが多いと不安も大きいので、ぜひ精査して、保護者の方、地域の方に御説明されるようにお願いをいたします。済みません。ありがとうございました。以上です。
 
○久坂 委員長  ほかに質疑ございますか。
 
○納所 委員  まず、今年度、小・中一貫教育検討委員会が設置されるということなんですけれども、この検討委員会のメンバー構成はどのようになっているのか、まずお伺いをしたいと思います。
 
○教育指導課長  検討委員会のメンバーは、小学校、中学校の校長会から1名ずつ、それから小学校、中学校の教頭会から1名ずつ、それから小学校、中学校の教職員の代表を1名ずつ、それから鎌倉市学校教育研究会というのがございますので、そこから2名、あと教育委員会の事務局ということで教育総務部次長、教育指導課長、教育センター所長、学務課課長代理ということで委員を考えております。
 
○納所 委員  わかりました。まず、前提としては、こういった検討委員会の進行に合わせて、すべての教職員が共通認識を固めていくと、持っていくということが大事だと思います。それにつきましては、校長会、教頭会、教職員の先生方代表、それから学教研ですか、ということでメンバーはそろっていると思うんですけれども、今も石川委員とのやりとりの中で、学区でどう育てていくかという言葉があったんですけれども、地域への説明と、それから地域の特性を図るということ、それから地域のサポートというものも必要になってくると思うんですね。その意味では、しかるべき時期に小・中一貫教育の推進協議会ですね、より地域の代表であるとか、外部の方、学識の方もいていただけるといいと思うんですけれども、そういったメンバーも含めた先生方だけではない、教育委員会のメンバーだけではない形での小・中一貫教育の推進協議会というようなものを設置するお考えはありますでしょうか。
 
○教育指導課長  第1回目の検討委員会のときに設置要綱というのを御承認いただくような形になりますが、その要綱案の中には、検討委員会はその所掌事務を遂行するために必要であると認めたときは会議に委員外の者の出席を求め、その意見を聞くことができるという項がございますので、今、委員さんおっしゃられた考えのもとに、必要に応じてこちらからお願いをして参加していただくようにしていきたいと考えております。
 
○納所 委員  やっぱりこれは閉じられたメンバーだけであっては地域の理解は得られないと思いますし、なおのこと、モデル校を選定するにしろ何にしろ、その地域の特性、それから地域の理解、そして地域のサポートをどう得ていくのかというものがなければ、学校だけの世界で小・中一貫教育というのは、当然市民は受け入れられないものになってしまいがちでございます。ですので、ぜひ小・中一貫教育を推進するに当たっての外部のメンバーも含めた協議会の設置というものを求めたいと思います。
 例えば、モデル校を選定して試行をしていきますよね。そういった中で小・中一貫の該当する小・中学校への支援体制というのが必要になってくると思います。これはどのような体制を今の段階では考えられますでしょうか。
 
○教育指導課長  平成24年度から推進モデル校の実践をお願いする予定ですので、推進モデル校をどういう形で小・中、小学校の五、六年生と中学校1年生の連携強化を図っていくかというのは、まだ検討委員会に任されている部分、詳細については検討していかなければいけない部分はあると思いますが、さまざまな先進校の事例ですとか情報を聞いているところによりますと、まず、小学校と中学校を行き来できる先生、横浜市などはコーディネーターと呼んでいるようですけれども、それによってさまざまな行事ですとか、授業の連携をその先生が計画していくというような方、あるいは場合によっては、中学校と同じような授業体系ということで、小学校高学年ができる範囲での教科担任制というようなのが例として考えられると思います。
 そうなったときに、いずれにせよ、人的な支援が必要であろうというふうに思われますので、この推進モデル校そして本格実施に向けては、先ほど説明でも申し上げましたけれども、実施計画の中に載せて予算的な措置をいただくことによって、人的な措置を非常勤という形で、ブロックごとに人的な措置をできるようにしてまいりたいと思っています。ただ、詳細については検討委員会で検討してまいりたいと思います。
 
○納所 委員  業務を持ちながら、こういった新しい教育方法を広げていくというのは大変な負担がかかってくるというふうに思います。今、コーディネーターというお話がございました。これはぜひコーディネーターの配置は必要なのではないかなと聞いていて思うわけですけど、非常勤でどうなのかなと。こういった新しい動き、大きな動きを組み立てるに当たっては人材の補強、つまり専任者を任命するというような体制づくりが必要なんじゃないかというふうに思うわけでございます。そうでなければ片手間になってしまうでしょうし、それぞれの学校の実情というのを理解するのも、コーディネーターも大変だとは思うんですけれども、そういった中で、例えば、教科担任制を小学校に導入するであるとかいうような話もございました。
 ちょっと基本的な疑問なんですけれども、小学校の先生と中学・高校の先生というのは教員免許の種類が違いますよね。これは簡単に克服できるんでしょうか。
 
○安良岡 教育総務部次長  免許のほうにつきましては、現在、中学校の例えば国語の免許を持っている先生につきましては小学校の国語だけを授業するということはできる体制はできております。あるいは、ですから音楽の先生で、現在鎌倉市でも中学校の音楽の免許状しかない先生が小学校で音楽だけを教えているということはできます。
 したがいまして、中学校の教員が小学校に行きまして得意とする理科を実験を担当するというようなことも考えられるのかなと思います。小学校の先生が今度中学校へ来て、中学校の先生と一緒に中学校で授業するという場合には、TTというティーム・ティーチングという形で、中学校の先生が授業をやっているところに小学校の先生が入って、学習に困っている子たちのところへ少し支援するというようなことも考えられるのかと。ただ、そこには先ほどお話もありましたように、人的支援をしていかなければ難しいことかなと思っております。そのような取り組みも一つの方法として考えられます。
 
○納所 委員  例えば、そういって免許の違いによって取り組みが制約になってしまうと、どこが一貫なんだろうというふうに思ってしまうところもあるんですね。例えば、校長なり教育委員会が臨時免許を期限つきで発行する、与えて、もっとかかわりを深くするということはできないんでしょうか。
 
○安良岡 教育総務部次長  特区として小・中一貫に取り組んでいる学校では、小・中を一つの学園というような形で、新たな一つの学校として取り組んで、そういう場合、特区として市町村が免許を臨時的にこうできるというようなところもあって、そのような中で、校舎を一体として小・中を一緒に行う特区申請をしているところでは、中学校の先生がもっと授業として本当に小学校のほうへ行っているというところもありまして、施設一体型になってきますと、よりそのような小・中一貫教育の可能性が出てくると思いますが、鎌倉市の場合には、やはりカリキュラムを中心とした一貫ということで進めていきたいというふうに考えております。
 
○納所 委員  神奈川県の先生方というのは、大変な試験を乗り越えて先生になられているので、優秀だと思うんですけれどもね。例えば、小・中一貫に当たる前に教員の研修というのは必要になってくると思うんですよ。例えば、発達心理学的なもの、青年心理学的なものというもの、小学校と中学校いわゆる思春期前期の子供たちとでは、やっぱりその取り組み方というのは違ってくるわけですよね。それに対する研修も、今の段階では漠としておりますけれども、相当な期間もしくは念入りにやっていかないといけないんじゃないかと思うんですね。その中で人事異動の時期があって、ぽっと違うところから来て、またその先生も研修を受けなきゃいけないというようなことにもなってくるわけでございます。この課題については、どのように認識していらっしゃいますでしょうか。
 
○安良岡 教育総務部次長  確かに委員さん言われるお話しのとおり、中学校で長年経験していた先生が突然小学校に行って、じゃあ子供たちの6年間の成長の中でどう対応していくかというところをですね、小学校の中では、やはりきめ細かな指導がされております、中学校では、どちらかというと自分で考え自分で行動できるようにというような取り組みをしている中で、そのような対応が小学校へ行ってしまいますと子供たちに逆に不安を起こさせるということもありますので、研修につきましても、現在どのようにそのような学校の先生に研修していただくかということはまだ、研修は未定でございますけれども、そのようなことも今後実施していく中では、取り入れていきたいというふうに考えております。
 
○納所 委員  済みません、私も長くなってしまいました。教育特区の指定を受けている自治体の試みというのが先例としてあると思うんですけれども、それはどの程度把握していらっしゃいますでしょうか。
 
○安良岡 教育総務部次長  全国的に取り入れておりますけれども、やはり一番多い例といたしましては、子供の数が少なくなってしまって、その地域に学校がなくなってしまう、それではやはり地域としては非常に不安になるので、小学校と中学校の施設を一つとして新しい学校をつくっていく中で取り組んでいこうというような地域と、あるいは学区を再編していこうということで、大きな学校を統合して一つの小・中一貫校をつくっていくというような取り組みをしているというようなところが全国的には多いのかなというふうに思います。
 
○納所 委員  例えば、奈良市なんかでメリット、デメリットの検証なんていうのは、ちょっと耳にしたことがあるんですけどね、やっぱりメリットとしては、学校が小さくなってしまう規模というものがある程度維持できるということと、あと中一ギャップはやっぱり克服できるという面があるようなんですけれども、ただ、デメリットとして、9年、奈良市の場合、公立の幼稚園もありますから11年間も新しい友達ができないというような課題があるそうでございますし、また、いじめが長期にわたるというデメリットも警戒しなくちゃいけないというようなお話も伺っております。
 ただ、その中で、じゃあ鎌倉市がなぜ小中一貫を推進していくのかという中でのその理念的なものというもの、それから効果というもの、目指すべきものは、より検討する中で具体化していっていただきたいというふうに思います。以上でございます。
 
○久坂 委員長  ほかに質疑ございますか。
 
○高橋 委員  新しい試みに期待するところが大きいということをまず申し上げておきたいなというふうに思っております。
 本来、国の根幹をなすものが教育であるんじゃなかろうかなと私は思っておりまして、そういった意味では、日本の国がどこへ行くのかということがきちっと明確になっていない今の現状を見ると、政治の責任は大きいなと。政権交代して国家戦略室なるものもできましたし、そういう中では、徐々にそういったところも出てきて、また教育に対するいろいろな変更といいますか、希望的なものも出てくるんだろうと。そういう中の一つがひょっとすると高校まで無料にしていこうというようなことも一つの戦略の中にあるのかな。やっぱり教育というものが国の根幹をなすという私なりに解釈をしておりまして、そういう意味では教育に対する期待というんですかね、将来を背負って立つ子供たちに対する教育ですから、ぜひ積極的に進めていただきたいなというふうに思います。
 それで、幾つか聞いておきたいのですが、一つは大船中学の改修が最後、今、二中が始まりましたので残ってしまいまして、耐震の問題とか、議会でも常々議論になっているわけですけれども、その改修に当たって、中・高一貫教育の全国100校計画というのがあって、そういうものに乗っていけば優先的に予算もつくし、特別に補助も補助率も高いよというようなことも前々からお話をしてきて、県のほうの説明会にも出ていただいていろんな話も聞いていただいたんですけれども、結果的には、神奈川県の方針が市立高校とするんであれば連携する高校に対してそういう方針を立ててもいいですよということで、金がないから中・高一貫教育の100校計画に乗ろうなんていう話をしていたのに、逆に市の負担がふえるような県の方向があったということで、なかなかその話が進んでいかなかったと。昨年からですかね、横浜が中・高一貫教育のモデル校で3校ぐらいですか、手を挙げたというふうなこともありまして、少し県のほうの態度も軟化してきたのかなというふうにも思うんですが、ちょっと中・高一貫教育の方針の中で聞くのはあれなんですけど、ちょっとその前に中・高一貫教育の話を以前聞いていたものですから、その後の状況がどうかなということで確認をしてから伺いたいんですが。
 
○安良岡 教育総務部次長  中・高一貫校につきましては、県立学校でございますので、県立学校と鎌倉市立の学校が校舎を一体としていくというところの学校運営上の難しさがあるのかなというふうに思っております。
 それで、県が今、実施しておりますのは、県立の中・高教育学校が2校県内にございますので、そこには県立の、ですから中・高教育学校ですね、中学校・高等学校が施設一体となってできているという状況がありまして、多分横浜市は、横浜の市立高等学校がございますので、そこと横浜の市立の中学校が一体となってというような取り組みで話が進んでいるのかというふうに思っております。
 
○高橋 委員  本当は、私立みたいにずっと一貫してやってもらえれば、先ほど、納所委員から新しい友達ができなくて、いじめの問題とかあるというふうには言っておりますけれども、それなりにやっぱり私立が効果を上げているということを見れば、本来であればそこまでいければいいなという思いはあります。これから小中一貫をやっていこうというときに水を差すような議論をしちゃいけないなと思いますけれども、どこか頭の片隅に入れていただいて、機会があったらまた議論もしていただきたいなというふうに思います。
 それで、小・中の話に移るんですが、納所委員のほうから出た特区構想の件で、ほかではそういうことをやっていると、これから議論するのではない余り予断をしてもいけないなと思うんですが、やっぱり大船中学の改修のめどが立たないことに対して一番私としては心配をしております。特に耐震の問題で心配しております。
 できることなら、これからの議論なんですけれども、大船中学校と大船小学校を一体にして、大船中はもう本当に広いですからね、たまたま財務省の土地がかなり入っているということもあるので、そういう問題はありますが、特区構想の中で一体化した敷地の中でやっていっていただければ、先生方もそれなりによりスケールメリットも出るんじゃないかというふうに思うんですが、そういう議論というのは難しいんですか。
 
○宮田 教育総務部長  大船中の改築計画に伴って大船小との合築の話につきましては、敷地が広いということを含めまして、私ども教育委員会としても当初から検討を進めております。
 ただ、大船中と大船小と名前は大船という名前で一緒なんですけれども、大船中の場合には、大船小学校、それから小坂小学校、それから山崎小学校という形で三つの学校から来ておりまして、さらに大船小学校、小坂小学校については、大船中学校と岩瀬中学校にまたばらけているという、そういう学区が非常にふくそうしております。そういった形からいくと、本当に合築という形で、同じ土地の中に小・中をただ入れるというだけのことであれば可能性としてないとは言えませんけれども、こういった今回の一貫教育あるいは連携教育という形で進めていこうとする中では、逆に、児童・生徒あるいは保護者の方々にとっても有利・不利みたいなことも含めまして、いろいろ心配される課題が多くなるということで、連携教育とは切り離した中で土地利用については考えていきたいというところで今教育委員会としては考えております。
 
○高橋 委員  そう言わず、ぜひ一石何鳥も効果をねらって、いろんな課題に取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 かつて、鎌倉高校が御成小学校にあったりとか、鎌倉高校が女子校だったころ、御成小学校の中に高校があったんですね。そういう歴史がある学校もあるんですね。だから、そういうときにどういうふうにやったのか、何年前の話かわからないですけれども、まだ御存命の方がいっぱいいますからね、そういう歴史もちょっとひもといていただいたりしながら、そのときの連携がどうだったのかとか、そんなことも、火事で二中、二小も一緒にやっていた時期もありますしね。本当に有事の話ですから参考になるかどうかわかりませんけれども、そういった鎌倉の学校の中に歴史もいろいろありますので、そういうこともぜひ調べて参考になるものは参考にしていただきたいなというふうに思います。
 最後に、公立、公教育というんですかね。私立にも私学助成金と出ていますけれども、やっぱり税金が一番使われるのは公立学校だと思うんですね。そういう意味で、やっぱり教育界をリードしていくという気概を持って、ぜひ新しいことに失敗を恐れないで取り組んでいただきたいなと、そういうことだけお願いしておきます。以上です。
 
○久坂 委員長  ほかに質疑ございますか。
 
○小田嶋 委員  時間もあることなので手短にお聞きします。
 この方向性については、大変いい方向だなと思っております。ただ、このカリキュラム、教育課程を支えるというか、実行していく教師集団のことでちょっとお聞きしたいんですが、この9年間を見通した指導を進めていく上で、その教師が人事異動で一貫教育の枠の中から、9年いなさいというわけにはいかないかもしれないけど、かなりの長期間そこで携わって、自分が教えた子供たちがその9年間の中で、結果としては15歳の卒業のときに、目指すべき子供像に、あっ近づいたな、達成できたなという、そういう達成感を持たないと、結局自分がそこに携わってきたときの教育計画が、これが裏づけられるものになるんだと思うんですが、そういう上では、9年間一貫教育校の中にいたらいいのか、それとも年度、年間を区切ったほうがいいのか、それははっきりわからないけれども、ただ、それが3年、4年で異動してしまうということは、私はあり得ないというか、やってはいけないことだなと思っているんですが、その点ではどうお考えしています。
 
○安良岡 教育総務部次長  確かに子供たちが小学校、中学校を卒業して、自分たちが指導してきた状況を見て、子供たちがどう巣立っていくかというところを確かめるという部分では、子供たちが卒業できるところまでその学校にいるということが理想かと思いますが、現在教職員の異動につきましては、新しく採用された先生方は最初の初任校には6年間、その後、異動した先生については10年間をめどとして各学校を異動するというような方針で教職員の異動を行っております。ただ、学校の状況に応じまして、6年目だから、6年目過ぎたから、はい、異動ですよということではなくて、その中には多少猶予もございますので、10年あるいは11年という方がその学校にいらっしゃるところもございます。一応教育委員会としてはそのような方針で異動しておりますので、どうしてもその中で、この先生はこの子が入学した1年から見ているから、ちょっと9年間卒業するまでこの学校ということは非常に難しい状況がございますが、できる限り先生方がそのような長い目で子供たちに指導できるような体制というのは、今後も考えていきたいというふうに考えております。
 
○小田嶋 委員  なぜそれにこだわっているかと申しますと、この小・中一貫教育に携わった先生が異動先の学校での経験を生かしていくという効果が非常に高くなっていくんだろうなと思いますし、当面なかなかレベルの高いと言ったらいいのか、そういう経験を踏んだ先生がたくさんふえていくためには、つまりある一定の望ましい子供像をつくり出す上で、教員の経験がほかの新しい教員やまた小・中一貫教育に携わっていない学校の先生たちにつなげていく上で、私は重要な役割を果たしていくんだろうなと思うからなんですけども、先進的な事例ということではないんですが、ある中学校の先生が不登校の子供を結局卒業させた後、自分の携わってきた3年間を振り返って、その子供に二十歳、成人になってからもう一度会って、中学校時代の思いを先生が聞いて、自分が教育実践をした中身の不十分さを認識するんですね。そういう中で、自分が教師としてあるべき像というその不足の部分をみずからが確認し、そして、それをまた教育に反映させていくという、そういうことが私は一貫教育の中でもっと充実して取り入れられていくべきだろうなと思うし、また、他校の先生たちとの協議、協働の取り組みの中で生かされていくべきだろうと思う視点からちょっと聞いてみたわけなんですよ。
 あと、先ほどもお話が出ていた地域、また保護者との教育に協働して取り組んでいくという形で新しくつくられる教育課程の編成について、検討委員会でもんでいくということなんですが、でき上がっていく課程もそうですし、そして、でき上がった教育課程そのものに保護者が理解をしながら学校での子供の育ちと、そして、家庭の中での育ちを統一して受けとめて教育に携わっていくという環境をつくる上で、この計画でいきますと22年度カリキュラムの検討・作成ということになるんですが、こういう検討・作成の中で、保護者の意見を聞くというところが位置づけられているということで確認してよろしいですね。
 
○教育指導課長  地域あるいは保護者の理解を得ながら協働して進めていくということは全くそのとおりだと思っておりますし、できる限り説明をして理解を得ていきたいと思います。
 ただ、このカリキュラムの作成というのは、全く新しいものをつくるということではなくて、鎌倉市の場合は、国が示している学習指導要領というのがございます。ただ、その学習指導要領を見ると、小学校学習指導要領、中学校学習指導要領という形で、6年のものと3年のものが分冊になっている、どうもそれがうまくつながっていないというような、これがカリキュラムの9年間の一貫、そのつながりを何とかしたい、鎌倉の特徴を生かしながらつなげたい、そのためには小学校5・6年生と中学校1年生の橋渡しの部分、この部分をまずカリキュラム作成をどういうふうにつなげていくかというのを小学校の先生の意見、中学校の先生の意見を大いに聞いて、一緒につなげていくというふうに考えていますので、その中で、保護者の御意見、地域の御意見、そして地域と一緒に教育活動を今までつくってきた経過がありますので、十分に御協力していただきたいと思っております。
 
○久坂 委員長  ほかに質疑よろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 それでは、了承かどうか確認させていただきます。了承でよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 了承と確認させていただきました。
 休憩させていただきます。
               (11時45分休憩   11時46分再開)
 
○久坂 委員長  それでは、再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○久坂 委員長  日程第3「陳情第21号鎌倉市立小学校でのフリー教員の加配を求めることについての陳情」を審議いたします。
 陳情提出者より発言の申し出がありますので、ここで休憩させていただきます。
               (11時47分休憩   11時58分再開)
 
○久坂 委員長  それでは、再開いたします。
 原局から説明をお願いいたします。
 
○教育指導課長  現在、陳情提出者のほうからも説明がございましたが、重複する部分が大分ございますが、説明させていただきます。
 陳情第21号鎌倉市立小学校でのフリー教員の加配を求めることについての陳情につきまして御説明いたします。
 陳情の要旨は、子供一人ひとりが大切にされる学習条件を保障するために、鎌倉市立小学校の3年生から6年生まで、1クラスの人数が35人を超える学年に、フリー教員(学年つきの教員)を加配してほしい、当面、対象となる学校に1名の加配をしてほしいというものです。
 本市教育委員会では、第3次鎌倉市総合計画第2期基本計画の前期実施計画により、平成19年度に小学校第1学年を対象に、平成20年度からは小学校1・2年生を対象に35人以下学級編制を実施しております。その際、県費で配置されている少人数指導あるいはティーム・ティーチング指導教員を担任にするため、その補充教員として市費の非常勤講師を配置しております。平成19年度は3学級3名、平成20年度は11学級11名、平成21年度は資料表中の1・2年生の部分の網かけのように、8校9学級9名を配置しております。
 また、市費の非常勤講師の配置は行いませんが、3年生以上の学年で、少人数指導、ティーム・ティーチング指導教員が担任をして少人数学級を実施している学校は資料表中の3年生から6年生の網かけのように、8校9学級あります。
 県費による少人数指導、ティーム・ティーチング指導教員の数は学校規模等により1から2名となっております。学級担任はこの範囲でしかふやすことができません。現状では1・2年生の少人数学級編制が最優先となっており、1・2年生が少人数学級編制を実施しているため、3年生以上に教員を充てることができず、希望があっても実施できない学校もあります。
 本陳情では、小学校の3年生から6年生まで、1クラスの人数が35人を超える学年に、学年づきのフリー教員として市費非常勤講師を配置して、実態に合わせて複数教員によるティーム・ティーチングや学級を分けて少人数指導をするなど柔軟に対応してほしいというものです。
 本市教育委員会では、小学校3年生以上については、教科学習における少人数指導の充実を目指すことを実施計画に盛り込んでおります。今後も総合計画の中で、継続して要望していきたいと考えております。また、県教育委員会には、学級編制の弾力化及び少人数学級のための教員配置について、国の財源確保がない場合にも、県単独措置による実施について、今後も要望していきたいと思います。
 以上で説明を終わります。
 
○久坂 委員長  ありがとうございました。それでは、質疑ございます方。
 
○高橋 委員  今の説明でいくと、要するに、例えば、市の単独予算で教員の雇用というのはできないという、非常勤以外は、正規の先生は雇うことかできないということでよろしいですか。
 
○安良岡 教育総務部次長  現在は非常勤講師という形で採用しておりますけれども、市の正規の職員として採用して学校に配置するということであれば、非常勤講師は配置しておりませんが、市の職員として正規に採用していただいて学校に配置をするということであれば、現在行っておりませんけれども、そういうことは考えられるのかなと。
 現在、県のほうでは、定数をふやすということはできない、それから県単独でふやすことはできない、それから文部科学省のほうも学級数における教員の増員というのは考えていないということでございますので、もし単独で鎌倉市として考えるのであれば、市の職員として正規に採用していただいた方を配置するということになるかと思います。
 
○高橋 委員  要するに、教員の免許を持っている方を市の職員として採用して、現場で教師として働いていただくと、こういうことが可能なんですか。それはできますか。
 
○宮田 教育総務部長  基本的に鎌倉市が市独自で教員という職種を持っていませんので、物理的には可能だということですが、そのためにはすべてを変えないと、そういう教員としての職員を採用できるような仕組みをつくらないといけない。教員としての給料表をつくったり、そういうことからすべて、一からそういうことをしないといけないということで、基本的に、横浜とかそういうところ以外はみんな神奈川県の教員ということでやっております。
 
○高橋 委員  わかりました。せっかく小・中一貫教育で先進的に取り組むんだから、そういうところも先進的にやったほうがいいかもしれませんね。ぜひすべてを改革していくぐらいの心意気でやっていただければなというふうに思います。
 もう1点だけ聞いておきたいのですが、例えば対象となる学校に1名の加配をお願いしたいとこういうことなんですけど、これでいくと何名必要なんですか。
 
○教育指導課長  今年度の一覧表が今お手元にあろうかと思いますけれども、その中で、もし35人以下学級を実施したときにということで仮定をしたときに、対象となる学級数は21学級ございます。3年生から6年生までで。学校数で言うと11校になります。
 
○高橋 委員  この陳情の意味合いからすると、学校に1名は何とかしてほしいということであるというふうに言うと、11名ということでいいですか。
 
○教育指導課長  はい、そのとおりでございます。
 
○高橋 委員  わかりました、いいです。
 
○久坂 委員長  よろしいですか。ほかに質疑よろしいですか。
 
○納所 委員  まだ来年の動きというのがわからないんですけど、ただ、文科省は概算要求の段階でしょうかね。全国で言うと5,500人の教職員の定数増を目指しているというふうに伺っているんですけれども、事業仕分けでは、この予算要求自体への判断というのは示さなかったように伺っているんですね。ただ、5,500人をふやすといううち2,000人ぐらいが理数の教科で、少人数指導を充実させるための加配ということなんですけれども、国の動きがまだ決まらない段階では難しいと思うんですけど、その加配への動き、県費負担教員の鎌倉市に対しての加配への動きというのはどのような状況を予測していらっしゃいますでしょうか。
 
○学務課課長代理  今の県の動きでございますけれども、特に昨年と変わった指示は出てございませんので、昨年と同様の加配の人数で今手続を進めているところでございます。また今後新たな動きがあれば、具体的には、加配があればまたそれに対応していくというところでございまして、今まだ不透明な状態でございます。
 
○納所 委員  そうしますと、加配がない場合も十分考えられるんでしょうかね。
 
○学務課課長代理  今の状態では昨年と同様に進めてくださいということですので、明確には今の段階ではお答えできない状況でございます。
 
○久坂 委員長  よろしいですか。ほかに質疑。
 
○石川[敦] 委員  3年生から6年生で今独自にというか、学校の裁量で35人学級にしているというお話がございましたけれども、学校のほうのニーズというか、校長先生方はやはりこういう形でやっていきたいというふうにお考えの方が多いんですか。
 
○教育指導課長  下の表のちょうど小学校の一番下の米印で、クラスは実学級数の矢印の次に網かけは少人数研究指定のクラスということで、この研究については学校のほうが希望するということですので、学校のほうでやはり40人学級ではなかなか大変なので、35人学級に加配の先生を担任に充てたいという希望でこのような体制になっています。
 
○石川[敦] 委員  1・2年生のほうは加配をしている先生方が担任を持つと非常勤の先生が入るというお話でしたが、今、校長先生方が希望されているという現状の中で、非常勤の先生方を同じように3年から6年生の学級にもつけていくという方針というのは、先ほど後期実施計画のほうにというような御説明があったんですが、ちょっとそこのところが理解できなかったんですけれども、説明していただいてよろしいですか。
 
○教育指導課長  補充として非常勤の先生をもし研究のような形で少人数を実施したときに、補充として非常勤の先生をつけるというのは、今、陳情にあったような考え方だと思います。教育委員会のほうで少人数教育の充実という形で実施計画にのっけておりますのは、今のところは学級編制はいじらずに、教科指導の中で40人学級を2クラスあれば80人を三つに分けて算数の授業と国語の授業をやろうというような形で、教科指導の中で少人数指導を充実させたいというふうに考えております。
 
○石川[敦] 委員  わかりました。ありがとうございました。以上です。
 
○久坂 委員長  よろしいですか。ほかに質疑よろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 では、質疑を打ち切ります。
 それでは、取り扱いを含め御意見をお願いいたします。どなたからでも御意見をいただければと思いますけれども。それじゃ、済みません、目が合いましたので、じゃあこちらからいただいてよろしいですか。申しわけございませんがお願いいたします。
 
○石川[敦] 委員  学校の実態としても希望されているということを伺いまして、また、教科指導の中で今教育委員会が方針をお持ちのようですが、私自身もやっぱり少人数学級というのは非常に大事だというふうに考えています。
 この陳情の願意でございます不登校の子供たちであったりとか、支援の必要な子供たちの数がふえてきているというのも実態として受けとめておりますので、私はこれには採択をしたいとさせていただきたいと思います。
 
○高橋 委員  質疑をさせていただいて、現状では非常に困難な内容であるということを確認いたしました。ただ、それは制度の問題でありまして、やっぱり教育の予算というのは、制度とか、そういったものというのは経費とか、ただ単なる制度というふうなことではなくて、やっぱり日本の将来に対する投資だというふうに私は常々思っておりまして、そういった意味では、子供たちが勉強しやすい環境をいかにつくっていくのかというのが我々の仕事だろうというふうに思っております。
 内容的には非常に厳しい現状がありますけれども、ぜひ議員の立場でそういった子供たちの思い、御父兄の思いを後押ししていきたいなというふうに思いますので、採択をすべきだと思います。
 
○納所 委員  教育現場の状況を考えたり伺ったりしていると、陳情の願意というのはよくわかりますし、また、現場としてもフリーの教員、先生がいるにこしたことはないということもわかるところではございますけれども、例えば、ベテランの先生がそういった指導をするという立場で複数校をフリーで担当するという工夫も考えられると思うんですけれども、ただ、こういった不透明な経済状況の中、明年も大きな歳出削減というような状況、これが何年続くかわからない。その中で、今高橋委員がおっしゃったように、厳しい現状、困難な現状というのは現実にあるわけでございます。でも、この願意の方向性というのは非常に大事だと思いますので、もう少し継続してその状況、推移を見守っていきたいと考えております。
 
○小田嶋 委員  少人数クラスを3年生までということを陳情を採択している立場からも、また今、子供の抱えている現状、その生きにくさ、自尊心の低下とか、そういう今、子供が置かれている状況を最も近くで子供の育ちを見守っている先生がふえるということが私は子供の最善の利益を守っていく上で必要なことだと思いますので、ぜひ結論を出して採択してほしいと思います。
 
○前川 副委員長  この陳情を読ませていただいて、現状と照らし合わせて、本当にそのとおりだなと思っております。ただ、1・2年生を少人数学級で今優先をしていただいているということ、それから、3年生以上の充実については実施計画に載っていて、後期実施計画の中でも実現をしようとしている教育委員会の体制も考えますと、また、国や県の定数配置が変わらないという状況で、実際問題、財政の面からも非常にこれは、先ほどからも御意見がありましたように厳しいものがありまして、厳しいとわかっているところで採択するのはちょっと難しいと思っております。ただ、とても前向きに発展的に継続という形でさせていただきたいと思いますし、重ねて申し上げますけど、本心を申し上げますけど、本当にそのとおりだと私も現場を見ておりますので、思っておりますので、定数配置が変わればということで、今回は継続とさせていただきたいと思います。
 
○久坂 委員長  ありがとうございました。今一通りの御意見を伺いました中で結論を出すという方が多数でいらっしゃいましたので、こちらの陳情については、採決を行いたいと思います。
 それでは、陳情第21号鎌倉市立小学校でのフリー教員の加配を求めることについての陳情につきまして、採択することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (多 数 挙 手)
 ありがとうございました。多数の挙手によりまして、陳情第21号は採択することに決定いたしました。
 それでは、休憩させていただきます。
               (12時17分休憩   13時30分再開)
 
○久坂 委員長  それでは、再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○久坂 委員長  生涯学習部にお願いいたします。日程第4「議案第50号平成21年度鎌倉市一般会計補正予算(第5号)のうち生涯学習部所管部分」につきまして説明をお願いいたします。
 
○菱田 生涯学習部次長  議案第50号平成21年度鎌倉市一般会計補正予算(第5号)のうち、生涯学習部所管の内容を御説明いたします。
 補正予算に関する説明書の42ページを御参照ください。55款教育費、20項社会教育費、5目社会教育総務費は社会教育一般の経費、職員給与費で、給与改定や職員の配置がえ等に伴い1,886万3,000円の減額を、10目文化財保護費は保護整備の経費、調査・整備事業で、発掘調査及び資料整理に係る調査員の賃金793万9,000円の追加を、15目生涯学習センター費は生涯学習センター管理運営事業で、舞台機構設備の修繕料535万5,000円の追加を、それぞれ行うものです。
 25項保健体育費、5目保健体育総務費は保健体育一般の経費、職員給与費で、給与改定や職員の配置がえ等に伴い858万3,000円の減額を行うものです。
 以上で説明を終わります。
 
○久坂 委員長  質疑のある方いらっしゃいますでしょうか。
                  (「なし」の声あり)
 では、質疑を打ち切ります。
 総務常任委員会への送付意見はございますでしょうか。よろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 それでは、なしと確認させていただきました。
   ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○久坂 委員長  日程第5報告事項(1)「「円覚寺仏殿地割之図」及び「円覚寺仏殿差図」の寄贈について」報告をお願いいたします。
 
○鎌倉国宝館副館長  報告事項第1「円覚寺仏殿地割之図」及び「円覚寺仏殿差図」の寄贈について報告させていただきます。
 お手元の写真及び資料を御参照ください。資料としてお配りしたものは、本資料が紹介されている神奈川県文化財図鑑建造物編のコピーです。
 「円覚寺仏殿地割之図」及び「円覚寺仏殿差図」は昭和58年に市内在住の個人の方から寄託を受け鎌倉国宝館でお預かりしておりましたところ、今年度になって所有者の方から、地元の博物館である国宝館に寄贈して公的な資料として後世に伝えていただきたいとのお申し出がありました。国宝館といたしましては、鎌倉にとって重要な歴史資料であると認識しているので寄贈に向けての事務処理を進めたいということを先方に伝え、7月に正式な寄附の申出書を提出していただきました。
 鎌倉市教育委員会では、美術館や国宝館の適切な作品収集を進めていくに当たり、各分野の専門家5名からなる美術工芸作品収集選定委員会を設置し、新たな作品の購入、寄贈、寄託に際しては意見を聞くこととしていますが、7月18日に開催された同委員会にお諮りしたところ、鎌倉にとって極めて貴重な歴史資料であり、ぜひ寄贈を受けるべきであるという意見を全会一致でいただいたため、早速事務処理を進め、このたび正式に受領いたしましたので御報告いたします。
 御寄贈いただいた資料は、永禄6年(1563年)に炎上した円覚寺仏殿の再建のために元亀4年(1573年)に作成された図面で、中世より代々円覚寺大工として活躍した所有者の家に伝来してきたものです。以前から高い学術的評価を受けていた典型的な中世禅宗五山仏殿の設計図で、本図をもとに神奈川県立歴史博物館の円覚寺仏殿模型が製作され、現在も展示されています。
 次に、2点の内容について簡単に御説明します。
 まず、「地割之図」ですが、一部姿図を合わせた断面図を地割図といいます。現在残る古い地割図としては、永禄2年(1559年)の奈良県桜井市にある談山神社本殿図、これは国の重要文化財に指定されております、などが知られていますが、本図は禅宗仏殿の地割図としては日本で最も古い資料です。図は横43.9センチメートル、縦33センチメートルの紙54枚を横8列、縦7段に張り合わせて一図としており、本来横351.2センチメートル、縦231センチメートルの大きな図面ですが、現在1枚ずつばらばらになっており、右上の紙から「いろは」を記入し、左上の2枚が欠けています。
 「いろは」の記入は紙がばらばらになってから整理のために書き入れたものと思われます。図の裏には「瑞鹿山円覚寺仏殿地割之図 元亀四癸酉年三月廿三日」ほかの墨書があり、本図が円覚寺仏殿の図であることや図の製作年が知られます。また、大工や棟梁の名も記され、所有者の先祖の名も見られます。
 次に「差図」ですが、平面図を古くは指図と申します。「さす」の字には指の図を充てることもございます。横32.4センチメートル、縦44.6センチメートルの紙6枚を横3列、縦2段に張り合わせた紙に描かれています。本来の大きさは横97.2センチメートル、縦89.2センチメートルになりますが、これも現在1枚ずつばらばらになっており、「いろは」が振られています。図の裏には地割之図と同じように「瑞鹿山円覚寺仏殿差図 元亀四癸酉年三月廿三日」の墨書があります。禅宗仏殿の古例としては文安4年(1447年)ごろ描かれた京都南禅寺仏殿指図、これも国の重要文化財に指定されております、などが知られています。
 「円覚寺仏殿地割之図及び差図」の2資料は、鎌倉時代以来の五山盛期の仏殿の様式を伝えており、五山の方五間裳階付き仏殿を平面・断面・矩計・細部の全容にわたって知り得る唯一の貴重な資料であり、また、製作年代の近い類似の遺例が国の重要文化財に指定していることにかんがみましても、その歴史的価値は国の重要文化財に匹敵する極めて高いものであると理解しております。また、地割図と差図がそろっていることもさらに価値を高めるものと思われます。
 御寄贈いただきました資料は国宝館で保管し、なるべく早い時期に適正な保存修理を施してもとの姿に復し、安全に後世に伝えていくとともに展示・調査等に活用していきたいと考えております。
 以上で報告を終わります。
 
○久坂 委員長  ありがとうございました。それでは質疑に移ります。御質疑のある方いらっしゃいますか。
 
○高橋 委員  御寄附いただいたのは、山ノ井さんなんですか。
 
○鎌倉国宝館副館長  御寄贈いただいた方に一応確認をとりまして、所在地の字名とお名前は発表してもよいと言われておりますので、こちらを御寄贈いただいたのは、高階さんという。
 
○高橋 委員  これは「しな」と読むんですか。
 
○鎌倉国宝館副館長  はい。高階家から御寄贈いただきました。
 
○高橋 委員  この地割図の大工というところの方ですか。
 
○鎌倉国宝館副館長  そのとおりでございます。
 
○高橋 委員  これはお寺にはなかったわけですか。こちらのお宅しかなかった。
 
○鎌倉国宝館副館長  高階家に代々伝わっていたということで承っております。
 
○高橋 委員  それで、ちょっと専門的なことで恐縮なんですけど、普通地割というのは土地のところにこう何ていうんですかね、どちらかというと差図的なものが地割図というふうに解釈をするんですけれども、これは立面図じゃないですか。それはどういう何かあるのですか。
 
○鎌倉国宝館副館長  これは古い時代の大工さんの図面に対する言い方でありまして、こういう姿図、断面図を地割図と、そういうふうに承知しております。
 
○高橋 委員  はい、わかりました。それで、ちょっと最後に、何か修復をしていきたいということなんですが、こういうものはどうやって修復をするんですか。
 
○鎌倉国宝館副館長  修復については、いろいろな方法がございます。ただ、この資料は非常に貴重な資料であるとともに、表面・裏面ともに貴重な、表は設計図として非常に重要でありますし、裏にはそれがいつ書かれたかということを示すものがありますので、例えば、裏から全部、裏打ちと申しますけれども、裏打ちをしてしまうと裏の字が見えなくなってしまうようなこともありますので、そのあたりは文化庁のほうとよく協議をして、一番この資料が活用できるような方法での、いわゆる修復を考えています。一番今考えられているのは、もともと重なり合っていた部分を重ねて、足りない部分は裏から少し補ってつなぎ合わせていくということを原則としたような修理になると思います。
 
○久坂 委員長  よろしいですか。ほかにございますか。
 
○納所 委員  これらの図の文化財的価値ということ、非常に高いという評価が得られると思うんですけれども、例えば、文化庁のほうで興味を持っているであるとか、文化財の指定だとかというような動きというのはありますでしょうか。
 
○鎌倉国宝館副館長  私どもといたしましては、この資料は、ここに添付しましたように従前から非常に高い評価を受けておりましたので、御寄贈いただいたときに文化庁のほうにはお話はもうしてございます。指定に向けてという正式な形ではないんですけども、文化庁のほうも興味を示していただいて、年が明けて1月以降、私どものほうに調査に来ていただくというところまでお話が進んでおります。
 
○納所 委員  そうしますと、市や県の文化財レベルではなくても国の文化財レベルのものであるというふうに価値を認めてよろしいでしょうか。
 
○鎌倉国宝館副館長  おっしゃるとおりで、ここにも説明にも申しましたように、ほぼ同じ時代の類例のものが国の重要文化財に指定されておりますので、それに匹敵する、しかも鎌倉にとって大事な禅宗の建物としての図としてはこれしかないということがわかっておりますので、国の重要文化財に匹敵するような内容であると理解しております。
 
○納所 委員  それで、禅宗建築の中で法堂と仏殿のその違いがわからない。これは仏殿の図ということなんですけれども、円覚寺に法堂というのはなかったんですか。
 
○鎌倉国宝館副館長  当初には法堂ございます。ですけれども、長い歴史の中で法堂が炎上いたしまして、その後、再建されなくなって、今は仏殿が残って、今、仏殿のある上のところに平らなところがございます。あそこが法堂の位置ということを言われております。
 
○納所 委員  そうしますと、この法堂のない跡の仏殿というのは、かなり重要な儀式であるとか、宗教行事というのをここで行ったというふうに考えていい建物なんでしょうか。
 
○鎌倉国宝館副館長  御指摘のとおりでして、仏殿というのは、本来はいわゆる本尊を祭るお堂ですけれども、それで法堂というのは御住職がそこで説法をなさる、あるいは教えを説くというような場所になるんですけれども、円覚寺には途中から法堂が再建されませんので、この仏殿で両方を兼ね備えたような使われ方をしていたというふうに理解されています。
 
○久坂 委員長  よろしいですか。ほかに質疑ございますか。
                  (「なし」の声あり)
 では、質疑を打ち切ります。
 了承かどうか確認させていただきます。了承でよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 了承と確認させていただきました。
 それでは、ここで生涯学習部職員の方退室されますので、休憩させていただきます。
               (13時43分休憩   13時45分再開)
 
○久坂 委員長  それでは、再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○久坂 委員長  日程第6報告事項(1)「世界遺産登録に関する準備状況について」報告をお願いいたします。
 
○世界遺産登録推進担当課長  報告事項(1)世界遺産登録に関する準備状況について、報告させていただきます。
 それでは、最初に、「武家の古都・鎌倉」の世界遺産登録に向けた推薦要請について、報告させていただきます。
 お手元の資料1をごらんください。「武家の古都・鎌倉」の世界遺産登録に向けた推薦要請につきましては、鎌倉市議会9月定例会の本常任委員会において、今年度の秋の実施を予定しているということで報告させていただいたところです。その後、10月5日に推薦要請を実施いたしましたので、その概要について説明をさせていただきます。
 当日は、神奈川県、横浜市、鎌倉市、逗子市を代表いたしまして、神奈川県知事及び鎌倉市長が玉井文化庁長官に対し推薦要請を行いました。日時、場所、出席者については、資料記載のとおりでございます。
 推薦要請の要旨ですが、資料1の4に記載したとおり、地元4県市の連携によって推薦書の基礎資料がまとめられ、国際会議においても一定の評価が得られたことから、鎌倉の早期かつ確実な登録の実現に向けまして、文化庁長官に対し、次のことを要請したものです。
 1点目は、ユネスコへ提出する推薦書を仕上げていく作業を、国と4県市が共同して進めること、2点目は、そのために、新たに設置する推薦書作成委員会へ文化庁が参画することがこの要請の内容でございます。
 これに対しまして、玉井文化庁長官からは、資料1の5に記載いたしましたとおり、今回の推薦要請をしっかりと受けとめ、基本的には、文化庁と4県市が互いに協力し合いながら進めていくことが重要、お互いに知恵を出し合いながら進めていく、国際会議における専門家からのアドバイスについては、文化庁と4県市が打ち合わせを重ね、整理していくといった発言をいただいたところでございます。
 次に、資料2をごらんください。今回の推薦要請に伴う今後の具体的な取り組みといたしまして「武家の古都・鎌倉」世界遺産一覧表記載推薦書作成委員会を設置することといたしました。この作成委員会は、これまで設置しておりました、推薦書原案作成委員会を発展的に改組するもので、国内の学識者に加え、文化庁の関係職員が新たに委員として参画するものです。作成委員会では、推薦書原案作成委員会においてまとめられた推薦書の基礎資料を、ユネスコへ提出する推薦書として仕上げていくこと及び候補資産の包括的保存管理計画の取りまとめを行おうとするものです。
 協議の主体となります本委員会には、これまでの推薦書原案作成委員会委員に加え、ICOMOS国際トレーニング委員会委員であり、昨今の世界文化遺産登録の現状に精通しております、稲葉信子筑波大学大学院教授を新たな委員としてお迎えするとともに、例年ユネスコ世界遺産委員会へ、日本国の代表の一員として出席されております、文化庁記念物課世界文化遺産室主任文化財調査官が委員として参画をいたします。さらに、文化庁記念物課世界文化遺産室長及び関係職員がオブザーバーとして参加する予定です。
 また、本委員会の下に、具体的な検討や作成委員会の資料作成等を行います「武家の古都・鎌倉」推薦書作成プロジェクトチームを設置いたします。このプロジェクトチームには、学識者4名と文化庁の関係職員及び4県市職員が、綿密な協議を頻繁に実施していく予定で、既にプロジェクトチームによる協議は、実質的にはスタートをしており、作成委員会も来年早々には、開催する予定でございます。
 現在、国が鎌倉をユネスコへ推薦する時期につきましては、明らかになっておりませんが、4県市といたしましては、できるだけ早期の登録を目指して、取り組みを進めたいというふうに考えております。
 続きまして、鎌倉生涯学習センター、きらら鎌倉に設置いたしました鎌倉世界遺産登録推進広報コーナーについてでございますが、10月16日の開設以降、約2カ月間が経過したところでございますが、この間、1日当たり平均の入場者数が約130人ということになっておりまして、これを1カ月に換算いたしますと、約4,000人ということでございまして、ほぼ順調に利用されているんじゃないかというふうに考えております。
 以上で説明を終わります。
 
○久坂 委員長  何か質疑のある方いらっしゃいますか。
 
○高橋 委員  これ、御報告いただいた内容は新聞でも拝見をいたしておりまして、一歩踏み出したなという感はしておったんですけれども、ちょっと今の説明にもなかったんですが、平泉との関係ですね。この辺は従前のお話ではとりあえず一つずつということで、一歩一歩ということで、国のほうは平泉を何とかもう1回再チャレンジしてから、どことは言わずその次ということを考えておられたと、ことしの過日の委員会の中で、それはそれとしてこちらのほうの進捗度合いを見ていただいて、こちらのほうが先に行けるならばお願いもしていきたいという経過の中でこういうことになったんだろうとは思うんですけれども、その後、平泉との兼ね合いというのは何か感触をつかんでいるんでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  平泉につきましては仮推薦が9月末ということで、自然遺産の小笠原とともに仮申請をしたというふうに聞いております。
 その後は従前と変わらず、文化庁のほうは次はどこをやるかということは発表していないところなんですが、鎌倉の世界遺産登録を確実に進めていくためには、さきの国際会議で御指摘のありました、さらなる武家文化の明確化ですとか、山稜部の評価について幾つか課題をクリアしなければいけないということがございまして、こうした課題を解決していくためには、さまざまな協議や検討が要るということで、そのあたりで今の時点ではまだ明確にはできないというような状況でございます。
 
○高橋 委員  一応資料2のほうで推薦委員会を国も含めてやっていこうということは、ここまでは合意に達したということでいいわけですよね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  おっしゃるとおりでございます。
 
○高橋 委員  そういうことであれば、この進みぐあいによっては、かなり早い時期に推薦をいただけるだろうというふうには思います。そういった意味では、かなり事務作業も追い込み時期に来たかなという感はいたすわけですけれども、ここで、さきの一般質問なんかでも市長にいろいろと世界遺産に関する質問がありましたけれども、本来の意味合いでいけば、市長の考えはそういうふうに歴史をきちっと次の世代に引き継いでいくために必要なことであると、そういうことにできるだけ特化してきちっとやっていきたいんだという考え、これは私も理解はしておりますけれども、そうは言ってもですね、もう既に七口ですね、七つの切通を中心にした国の指定史跡の指定を受けているわけで、世界遺産にならなくとももう既にそういうところを見るために日本じゅうから、もっとひょっとしたら世界から来ているような実情があると思うんですね。
 そういう中では、やっぱりその周辺の整備とか、そういったことも、事務作業が大変なのはわかるんですけど、片方ではやっぱり目を光らせてやっていただかないといけない面がありまして、そういったところがおろそかになっていては、またもとに戻ってやり直しみたいなことにもなりかねないと。もっと具体的に言うと、ちょっとがけ崩れみたいなことがあって通行不能になっていたりとか、近隣の方々の了解がとれなくて国の指定史跡の場所まで案内表示板も出せないとか、細かいことなんだけれども、そういうもうたくさんあるわけですね。
 だから、それがある面では全庁的に取り組む作業の一つではあると思うんですが、やっぱりちょっとその辺は仕切って、世界遺産の登録というのを優先するんですけれども、それに付随するほかのことについても何か協議する場を設けて、当面のそれに付随する対応策みたいなこともぜひ協議していただきたいなと思うんですが、どうでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  世界遺産登録の準備が進む中、切通ですとか土木遺構を中心にいたしまして、平成19年度から文化財課と協力をいたしまして史跡の環境の整備を行ってきたところでございます。倒木の撤去ですとか、危険物の伐採だとか、通路の確保だとか、やぐらですとか、切通だとかを保存をするための草刈りですと、そういったものをやってきたところで、基本的な危険を除去するだとか、そういった暫定整備は今年度をもって一応終わる予定というふうに考えています。
 ただ、実はおっしゃるとおりに、史跡の整備は世界遺産だけじゃなく、今後ずっと終わりのないものというふうに考えておりますので、今後も学者さんの意見を聞きながら、引き続き整備について取り組んでいきたいというふうに考えています。
 
○高橋 委員  観光客をふやすために国の指定史跡にしたということではないとは思うんですよ。国として重要な遺構であるということで国の指定史跡になっているわけです。それが第一義なんですけど、でもそれはやっぱり国の、国民の財産ということで、そこを見たいなという方が結構いるわけですよね。そうすると、近くまでは行くんだけれども、ちょっと現場まで行けないと。そういう意味では、そういう方たちにも見る権利がありますから、その現場で、地図で示してあるのはわかるんですけれども現場で、こうやって行くとこっちへ上がって行けますよとか、また先ほども言いましたけども、ちょっと階段をつくったけれども、その先は通行どめになっていたりとか、そういうような実情もありますから、やっぱり6カ所ですかね、全部歩いて確認できるようなことというのは、そういうことはやっぱり必要だと思うんですよね。
 答弁はいいですけれども、そういったことをぜひ、事務作業は大変だとは思いますけれども、ほかの部署と連携をしてやっていただきたいと、お願いだけしておきます。
 
○久坂 委員長  ほかにございますか。
 
○納所 委員  一般質問の市長の答弁を伺っていまして、あんまり世界遺産登録に対して熱意を持っていらっしゃらないなという印象を受けてしまったわけですけれども、その答弁の中に、例えば、観光面、商業面、これを取りざたされるような取り扱い方というものに懸念を抱いているような印象がありましたけど、今まで世界遺産登録に向けたこの準備の中で、そういった観光面、商業面での懸念というものは課題になったことはおありになりますでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  やはり世界遺産登録というのは、やはり世界に向けてこういう場所がありますというようなことを宣言するものですので、やはりブームというものもあるかもしれませんけども、観光客の方がいらっしゃるですとか、交通渋滞がひどくなるんではないかだとか、観光客からのごみはどうだとかということは、話題にはなってはおります。
 ただ、各世界遺産登録地の話、正確な情報ということではないかもしれませんけれども、世界遺産登録によって、例えば、従前と変わらないというところもあるというふうに聞いていますし、一時的にふえて、わっともとのように戻るというところもあるでしょうし、今まで余り名前も知られていなかったようなところは、かなり観光客の方がふえて困っているというようなお話も聞いたりはしています。
 ただ、現実的に鎌倉の場合は、もう既に1,800万人、1,900万人の方がいらしていますので、観光的なというよりも、日々もう1,800万人、1,900万人いらしている中の観光客の皆様をどうするのか、質の高い観光をしていかなければいけないんではないかというお話はございます。
 
○納所 委員  例えば、松尾市長が就任されて、原局に対して世界遺産登録に関して何か市長のほうから御指示というのはおありになったんでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  特に具体的な指示というものは聞いておりません。ただ、市長は今回の答弁のとおり、今後進めていくという話をいただいていますし、推進協議会のイベントなどにも積極的に参加していただいていますので、私ども原局としては、今後も引き続き、世界遺産登録が今までどおり進めていただけるものだというふうに考えております。
 
○納所 委員  かといって、積極的な姿勢というのはちょっとうかがえないというのが今回の感想なんですけれども、ただ、来年度以降、非常に財政的に厳しくなってくる、歳出削減という課題が当然世界遺産登録のほうにも出てくると思うんですね。今回5%のシーリングで来年度予算編成というものを考えるということなんですけれども、これから予算案というのが作成されて提出される時期でございますけれども、現在その5%のシーリングのもたらす影響、これは世界遺産登録に関してどのようなことが予想されますでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  5%シーリングにつきましては、経常的経費について5%ということでございまして、世界遺産のような予算については、政策的経費ということで別枠で内示、査定等されるのではないかと思っています。
 ただ、市長のほうは、1円たりとも税金を無駄にしない政治というようなことを掲げられておりますので、世界遺産登録にとっても聖域ではないというふうな認識は持っております。
 
○納所 委員  ただ、ユネスコへ提出する推薦書を仕上げていく作業、これが佳境に入ってきているという重要な段階でございます。無駄なお金というのは当然ないわけで、これが減らされてしまうと、4県市の中でも中核的な存在が鎌倉市でなければいけないという考えでございます。その点きちんと説得力といいますか、世界遺産登録の重要性というものをもっと市長に感じていただかなければいけないのではないかということでございます。単に事務的に進めるということではいけない佳境の段階でございます。その点についての世界遺産登録推進担当としてのお考えをぜひちょっと部長のほうから伺えればありがたいんですけど、よろしくお願いいたします。
 
○島田 世界遺産登録推進担当部長  今、委員御指摘のとおり、鎌倉がこの世界遺産登録4県市で行っているとはいえ、実質的に、人的な体制それから予算的な措置含めて、やはり鎌倉が中心になっていかなければいけない。おっしゃるとおり、我々も佳境といいますか、最後の詰めをやらしていく時期であるというふうに認識をしております。その状況につきましては、市長にもるる細かく説明をし、ともに進めていただけるよう、原局として頑張ってまいりたいというふうに思っております。
 
○久坂 委員長  よろしいですか。ほかにございますか。
 
○前川 副委員長  御説明いろいろありがとうございます。先ほどコーナーの利用者、これまでに4,000人ということで、そこも通る方が多くなっているので、よかったなと思っております。ますます何か展示に加えることがあれば加えていっていただいて、いいものにしていただきたいと思いますが、先日平山郁夫先生がお亡くなったりとかで、推進協議会のほうで、市民のほうの、先ほどイベントという言葉が出ておりましたけど、これから盛り上げるためにこちらも大分盛んにしていかなければいけないのではないかと思いますけれども、そのスケジュール的なものがございましたら教えていただきたいと思います。
 
○世界遺産登録推進担当課長  これまで世界遺産登録に対する啓発については、委員さんのおっしゃるとおりで、推進協議会のほうを中心にやってまいりました。おかげさまをもちまして、かなり周知が進んで、少なくとも鎌倉が世界遺産を目指しているということを知らない方はいらっしゃらないんじゃないかというふうな、そこら辺までにはなっているんじゃないかというふうに思っています。
 本協議会も一応3年が経過をいたしまして、協議会にとりまして、これまでの活動も継続しつつ、ユネスコへ推薦書を提出してから登録の期間までが大きな啓発の山場ではないかと、重要な時期じゃないかというふうな議論がされておりまして、今後3年経過した中で長期的な計画が必要だということで、現在そういう協定の中で計画を立てていただいているということでございます。その流れでいきますと、推薦書を出してから登録までの間が大きな啓発というような企画がいっぱいあるんじゃないかなというふうに考えております。
 
○前川 副委員長  わかりました。私もそう思います。これからがますます啓発の時期だと思いますし、先ほどの高橋委員の整備のことも非常に大切なことだと思いますので、ぜひ啓発のほうをますますやっていただいて、鎌倉がどうして世界遺産登録を目指しているのかということがよくわかっていただけるような方向で、今、納所委員の話もありましたけど、市長が旗を揚げていただけるように、ぜひよろしくお願いいたします。以上です。
 
○久坂 委員長  ほかにございますか。よろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 では、質疑を打ち切ります。
 了承かどうか確認させていただきます。了承でよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 はい。了承と確認させていただきました。
 それでは、職員の方、退室のため一たん休憩とさせていただきます。
               (14時07分休憩   14時08分再開)
 
○久坂 委員長  それでは、再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○久坂 委員長  日程第7「継続審査案件について」事務局から報告をお願いいたします。
 
○事務局  今、お手元に配付させていただきましたとおり、平成21年9月定例会におきまして継続審査となっております陳情2件の取り扱いについて御協議をお願いいたします。
 
○久坂 委員長  継続審査ということでよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 確認させていただきました。
 
○事務局  それでは、ただいま確認されました2件につきまして、最終本会議におきまして閉会中継続審査要求を行うことについて御確認をお願いいたします。
 
○久坂 委員長  ということで確認させていただきまして、よろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 閉会中継続審査として確認させていただきました。
 それでは、本日の日程はすべて終了ということで、お疲れさまでございました。
 以上で本日は閉会した。


 以上は、会議録の顛末を記録し、事実と相違ないことを証する。

   平成21年12月9日

              文教常任委員長

                  委 員