平成20年文教常任委員会
9月 8日
○議事日程  
平成20年 9月 8日文教常任委員会

文教常任委員会会議録
〇日時
平成20年9月8日(月) 10時00分開会 13時51分閉会(会議時間 2時間30分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席委員
納所委員長、渡邊副委員長、松中、前川、小田嶋、森川の各委員
〇理事者側出席者
讓原世界遺産登録推進担当担当部長、島田世界遺産登録推進担当担当次長、橋本世界遺産登録推進担当担当課長、中里文化財課長兼世界遺産登録推進担当担当課長、辻教育総務部長、宮田教育総務部次長兼教育総務課長、安良岡教育総務部次長、宮崎(順)学校施設課長、大澤学務課長、岡嶋学務課課長代理、飯尾教育指導課長、粂教育センター所長、金川生涯学習部長、島崎生涯学習部次長
〇議会事務局出席者
植手局長、磯野次長、小島次長補佐、原田担当書記
〇本日審査した案件
1 議案第34号平成20年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号)のうち教育総務部所管部分
2 報告事項
(1)かまくら教育プランの取組状況(平成19年度)について
(2)教育委員会事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の実施状況について
(3)鎌倉市立第二中学校改築計画について
(4)文部科学省「平成19年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」におけるいじめの状況調査結果報告について
3 陳情第21号北条氏名越亭跡(推定地)並びに釈迦堂口周辺山林を一体として保全することを求め、行政による遺跡発掘調査と厳正な情報公開を求めることについての陳情
4 報告事項
(1)世界遺産登録に関する準備状況について
5 継続審査案件について
6 その他
(1)当委員会の行政視察について
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○納所 委員長  おはようございます。ただいまから文教常任委員会を開会いたします。
 委員会条例第24条第1項の規定により、本日の会議録署名委員を指名いたします。小田嶋敏浩委員にお願いいたします。
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○納所 委員長  続きまして、本日の審査日程でございますが、お手元に配付いたしました審査日程のとおりでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 そのように確認をいたしました。
 続きまして、陳情の取り扱いについて、では、事務局からお願いいたします。
 
○事務局  日程第3陳情第21号北条氏名越亭跡(推定地)並びに釈迦堂口周辺山林を一体として保全することを求め、行政による遺跡発掘調査と厳正な情報公開を求めることについての陳情につきまして、陳情提出者から発言の申し出がありました。発言者についてでありますが、陳情提出者である、いざかまくらトラスト代表伊藤正義さんより署名されている方の中からお一方、代理で発言を行いたいとの申し出がありましたので、その取り扱いについて、御協議をお願いいたします。
 
○納所 委員長  陳情の取り扱いにつきまして、陳情提出者から代理による発言の申し出がございました。お取り扱い、どのようにいたしましょうか。
 では、そのように取り計らってよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、確認をいたしました。
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○納所 委員長  それでは、日程第1「議案第34号平成20年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号)のうち教育総務部所管部分」を議題といたします。原局から説明を願います。
 
○宮田 教育総務部次長  議案第36号平成20年度鎌倉市一般会計補正予算(第3号)のうち、教育総務部所管部分について説明いたします。
 議案集の56ページ、補正予算に関する説明書の14ページをお開きください。
 55款教育費、10項小学校費、15目学校建設費は2,194万1,000円の追加で、小学校施設整備の経費は防災対策事業で、富士塚小学校体育館耐震改修事業に要する経費を追加するものです。
 15項中学校費、15目学校建設費は4,388万2,000円の追加で、中学校施設整備の経費は防災対策事業で、御成中学校及び玉縄中学校の体育館耐震改修事業に要する経費を追加するものです。
 ただいま、説明いたしました耐震改修事業につきましては、今年度当初においては、平成21年度事業として平成21年の夏休み期間に実施する予定としていたものですが、より早期に耐震化を実現するために、平成21年7月末の完了を目指し、今年度から着手することとしたもので、補正予算に関する説明書の16ページの調書に記載してあるとおり、平成20年度から21年度までの2カ年の継続費を設定し、年割額を定めるものです。
 また、これまで平成23年度末までに学校校舎及び体育館の耐震化を完了することとして御報告しておりましたが、学校にも理解を求めつつ、工期を少しずつ前倒しすることにより平成22年度末までに完了できるよう、中期実施計画事業として位置づけてまいりたいと考えております。
 以上で説明を終わります。
 
○納所 委員長  それでは、御質疑はありませんか。
 
○森川 委員  済みません。今回、前倒しにするということで、大変私は評価しているんですけれども、これは21年7月末までに工事を終わるということなんですが、休みがそんなに夏休みがあるわけでないので、一体どういうふうに、学校の授業に影響がないようにどうやっていくのか、ちょっとそこだけお聞きしたいのですが。
 
○学校施設課長  以前、御報告申し上げた中には、確かに夏休み期間中でないと、授業に騒音の関係で影響があると申しましたけれど、確かにこれからも校舎については、そういう理由でできることはちょっと難しいですが、体育館ですので、学校の理解と協力を得られれば、注意しながら工事ができると考えまして、このように前倒しの案を計画させていただきました。
 
○森川 委員  各学校の御理解が得られるかというところですけれども、冬休み、春休みもありますけれど、じゃ平日でもこの体育館の改修については、行うってことですか。
 
○学校施設課長  工事業者との詰めになりますけれども、当然、音の激しい工事は土日中心でやっていただきたい気持ちはありますけれども、やはり夏休み前に工事を完了させて、校舎が夏休みに入りますので、その前に終わらせることを考えますと、やはり平日も工事は行わなければならないかなと考えています。
 
○森川 委員  防災対策は、本当に一刻も早く私もしていただきたいと思いますので、授業に響かないような最大限の配慮をよろしくお願いいたします。以上です。
 
○松中 委員  これは前にだれか聞いたと思うんですけれども、継続費の年割額、これは何か均等割みたいに見えるんですけど、みんな20年度は2,194万1,000円、全部金額が均等割になっているのは何か理由があったのかもしれないけども、これも既に入札を行って、この各学校の落札価格というのはわかりますか。
 
○学校施設課長  まだ入札は行っておりません。なぜ年割額がすべての学校で同じかと申しますと、体育館の耐震は、個々のケースが校舎と違ってつかみにくいため、ボルトの仕様ですとか、壁のグレースの入れ方の状態、天井のグレースなど、いろいろな要素がございます。実際に設計してみないと正確な金額がわからないという実態がございます。設計はこれから行っていく予定でありますけれども、そのようなわけで、同規模、同構造の体育館の耐震改修工事と同じ金額で見積もったものでありまして、年割額については、今年度は総額の4割、21年度は総額の6割としております。
 
○松中 委員  何かつかみみたいな、予算立てみたいな感じがするわけなんだけど、これ、そのとき、それじゃあその数字を教えてください。いいです。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑はございませんか。
                  (「なし」の声あり)
 それでは、質疑を打ち切ります。
 総務常任委員会への送付意見はありませんか。
                  (「なし」の声あり)
 送付意見なしを確認をいたしました。
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○納所 委員長  続きまして、日程第2報告事項(1)「かまくら教育プランの取組状況(平成19年度)について」を議題といたします。原局から報告を願います。
 
○宮田 教育総務部次長  報告事項(1)かまくら教育プランの取組状況(平成19年度)について御報告いたします。別添の資料、かまくら教育プランの取組状況(平成19年度)をごらんください。
 かまくら教育プランにつきましては、平成16年11月に策定されてから4年目を迎えます。平成19年度の取り組み状況のまとめ方ですが、平成17年度及び平成18年度かまくら教育プランの取り組み状況の形をベースとして、五つの基本方針に基づく17の目標に対し、具体的にどのように取り組んだかについて、各学校や教育委員会、市長部局の各課に調査をし、その回答をまとめました。
 1ページからの基本方針1の目標1−1、子供たちが教師や友人との信頼関係を築き、楽しく活気ある学校生活が送れるよう取り組みを進めますについて、を例にとって御説明させていただきますと、1ページの小・中学校における主な取り組みには、昨年と同様に、市立の小・中学校の75%以上の学校が取り組んだものを掲載し、2ページ上段の小・中学校におけるそのほかの取り組みには、それぞれの学校が独自に取り組んだもので、75%に満たない取り組みを掲載いたしました。また、教育委員会事務局や市長部局の各課において、小・中学生を対象に実施された事業などを、2ページ下段のとおり、市や関係機関における取り組みとして掲載をしています。なお、一つの取り組みが二つ以上の目標に該当する場合は再掲として掲載しています。
 さらに、小・中学校における主な取り組み及び市や関係機関における取り組み欄で、新たに掲載した取り組みには星印をつけました。
 2ページの上、相談ポストの設置、心のふれあい相談員による相談、ケース会議における情報交換チームによる支援、また、3ページの子供の相談機関紹介、カードの配付が新たに掲載した取り組みです。
 また、昨年、当委員会で御報告した際に、取り組みの成果や課題がわかりづらいという御指摘をいただいたことから、今回はそれぞれの取り組みに対して成果と課題を掲げました。
 目標1−1の取り組みに対する成果としては、2ページの中ほどに記載のとおり、校内児童指導・生徒指導体制が確立され、教育相談コーディネーターを中心に小学校においては心のふれあい相談員、中学校においてはスクールカウンセラーが担任と連携を図り、個に応じた適切な支援に効果を上げているなどを挙げているとともに、課題として、相談体制は整備されつつあるが、家庭や地域・市・外部機関との連携など、さらに工夫が必要である。相談活動や児童生徒指導については、教職員が共通理解をして一致した取り組みが必要であるとともに、子供と向き合う時間を確保するための工夫が必要であるとの課題を挙げています。
 また、8ページ、目標1−3、家庭・地域との連携のもとに、信頼と相互交流を一層進める開かれた学校づくりに努めますでは、授業参観・学校へ行こう週間など、保護者や地域の方が授業や教育活動を参観できる機会を適切に設け、情報提供することによって、学校への理解が深まり、地域の方々の来校もふえている、との成果を挙げる一方で、児童生徒の安全・安心な学校生活の視点から、来校者の把握について課題があるといった課題を挙げています。
 今回、成果と課題を揚げたことにより、それぞれの学校において、他校の様子、市全体の様子をとらえることができ、今後の学校経営、学校づくりに生かしていけるものと考えます。
 また、教育委員会といたしましても、それぞれの課題が少しでも解消されるよう、支援できる方策を検討してまいりたいと考えております。
 以上で報告を終わります。
 
○納所 委員長  御質疑はありませんか。
 
○前川 委員  取り組み状況などふえてきていて、大変わかりやすくなり、お互いの学校とも協力しながら、お互いにできるんではないかと思って、とてもいい資料になってきていると思っております。
 その中でちょっと何点かお聞きしたいんですが、4ページの目標1−2の家庭地域と協力というところのくだりになっております中で、見守り体制なんですが、これはPTAとか地域とかということはあるんですが、先生としては、今どのような見守り体制になっているのか。例えば何かあれば、即先生たちが出動してくださると思うんですが、日ごろ、特にこれをしているということがあれば教えていただきたいんですが。
 
○教育指導課長  ただいま御質問のありました子供の見守り、学校での体制ということでございます。日常的ということですが、まず年度初め等、特に小学校におきましては子供たちの下校の様子等も知る中で、引率下校というんでしょうか、地域ごとに下校の集団をつくりまして、教員が引率して下校をある期間行っていくということを聞いております。また、そのほか、今ありましたように、情報等が入ればすぐ現地に行って、子供たちの安全確保を情報収集をするような形でとらえております。
 基本的には、校外につきましては、校外委員さんを中心に見守りをしていただいておりますし、地域の見守りも行っていただいております。その中で、定期的に開かれますようなPTA関係の委員会等で情報交換をする中で、また、それぞれに対応していくといった状況と認識しております。
 
○前川 委員  校長先生等が朝立っていらっしゃる学校が幾つかあると思います。それは独自でなさっているのか、それとも委員会の方で、あるいは校長会の中で相談なさって、そのような取り組みに至ったのか、おわかりでしょうか。
 
○教育指導課長  ありがとうございました。報告もらいました。確かに学校によりましては、校長が校門またはその近くで朝、子供たちの様子を迎えるということでやっております。これにつきましては特に斉一ということではなくて、各学校の中で校長の判断でやっておりますが、非常に多くの校長がそのような見守りということで出ているということは聞いております。ただ、なかなか朝から出られる状況というのは、常にあるわけではございませんので、その辺は状況に応じて、極力出るように努めているというふうに聞いている校長の話もあります。
 
○前川 委員  ますますやっていただきたいと思います。子供たちの安心・安全になると思っておりますので。
 それで先生方、皆さん担任を持っていらしたり、いろいろあると思いますが、今、8時からほとんど開門しているんだと思います。子供たちが入れると思います。8時半までに登校ということになっていると思いますが、一般の先生方は何時までに学校に入っているかということ、わかりますでしょうか。例えば、8時半ぎりぎりの方もあるとか、あるんでしょうか。おわかりでしょうか。
 
○教育指導課長  御指摘のように、学校が基本的には大体校門をあけるといいましょうか、登校を促すのが8時以降がほとんどの学校でございます。始業につきましては8時30分が、小・中とも一斉に子供たちの学校が始まるわけですが、学校によって、特に中学校におきましては、8時20分が多いと思いますが、8時20分から打ち合わせということで、その前に出勤ということで、打ち合わせが30分であっても教室等に行っている教員等もおりますので、15分から20分ぐらいのところで出勤されている教員が多いと思っております。
 
○前川 委員  わかりました。実は私もちょっと経験がありまして、子供たちが8時に全員じゃありませんし、8時に来たい子が8時に入るんですが、8時半ぎりぎりにいらっしゃる先生方もありまして、いろんな家庭の御事情もあると思いますけれども、なるべく早くに来ていただいて、朝、子供たちが先生に相談したいこともあるでしょうし、顔を見て安心することもあるでしょうから、8時には来てほしいなというのが要望です。全部を私、把握しているわけではありません。最近の実態がわかっているわけではありませんが、もしそういうことがあるようでしたら改めて指導いただきたいと思います。
 それからもう一ついいですか。懇話会なんですが、今の同じページの自治会と民生委員との情報交換というところと、目標1−3の学校区での教育懇談会開催というのは、違う情報の交換の仕方があるということでしょうか。
 
○教育指導課長  地区の民生委員児童委員さん等の連携というのは最近活発に行われるようになっていますが、基本的には各学校におきます地区の懇談会、その中に自治会長さんと、その他のいろんな役を持って地域で活躍していただいている、協力いただいている方ということで、民生委員児童委員さんという形で入っているケースもございますし、また、いろいろな個別ケース、そのようなところの対応として、特に児童・生徒指導面において、情報共有等で話し合いを必要とするときに設けるというようなケースと両方ありまして、この場合の回答の仕方におけるものかなと思っております。
 
○前川 委員  教育懇話会で、地域育成懇談会というようなものかと思いますが、これは80%になっているんですが、これに関して一般質問があったかなと思っているんですけれども、100%にならない理由というのは何でしょうか。
 
○教育指導課長  回答の部分もあるかと思いますが、全部の学校がというよりも、中学校区というのがまず基本的にやっていると思います。その中で複数小学校抱えているところとかとの連携の問題もあるかと思います。多くの学校でということで聞いておりますが、まだ全体的に、すべての中学校区でということではないということが、ここで出てくるかなと思っております。
 
○前川 委員  地域の方っていろんな、御存じのとおり、年齢層はたくさんバラエティーに富んでおりまして、実際に学校のことがよくわからない方も実際にはいらっしゃいます。年齢が高くなってお孫さんを見ていらっしゃる方もあるし、お孫さんが一緒にいらっしゃらない方もあるし、日ごろの目配りの仕方だとは思いますが、やっぱりそういう方たちにとっては、こういう情報交換というのはすごく大事で、一緒に情報公開をする若い人たち、若いお母さんたちにとっても、そういう年齢の幅の中で、年齢の高い方たちにもわかってもらいたいことってたくさんあるんですね。ですから、ぜひ情報交換というか、地域育成懇談会のようなものは充実させてほしいと思います。なかなか日程がとれないんだと思いますし、夏休み前とか、いろいろやってくださっているのはよくわかるんですけれども、ぜひ、この辺のところの意識を常に小学校、中学校、今、複数校でとおっしゃっていましたが、念頭に、これに関しては開くんだということで、皆さん一堂に会すことってなかなかないので、ぜひこれは充実させていただきたいと思います。地域、学校、そして保護者との連携ということを常日ごろ言われる中で、やはり情報交換の場というのは大切だと思いますので、ぜひよろしくお願いしておきます。要望しておきます。以上です。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
 
○森川 委員  今回は、私もこのかまくら教育プラン見せていただいて、すごく見やすくて、成果と課題がわかりやすくなっているなというところで大変評価しているんですけれども、先ほど報告の中で、他校の取り組みもわかるようになったというふうにおっしゃっていたんですが、これは学校もしくは教職員に対して、どういう形で返されるのでしょうか。このまま冊子として、例えば、各先生に戻されるんでしょうか。
 
○宮田 教育総務部次長  こちらのものについては冊子として、今回、案をとって、先日、この前段では、案という形で校長会にはお示ししてあります。これはきょう御報告させていただいた後に、各校の方には配らせていただくと。あと、さらにはホームページの方に掲載させていただいて、皆様にも知っていただけるようにしていきたいというふうに考えています。
 
○森川 委員  取り組みによっては、その学校で特徴的な取り組みをやっていて、評価できるようなところも結構あると思うんですね。
 例えば、5ページ見させていただいて、小・中学校におけるそのほかの取り組みというようなところがありまして、例えば、台風や大雨のときに職員が地域に出て、安全を確かめ、清掃活動を行いましたなんていうのもあります。例えば、すごく水がついちゃう地域なんてありますよね。それと本当にグレーチングのところにごみが詰まって大変なんていう話もあった中では、やっぱりそういう地域にはこういうことも参考になるのではないかなというふうに思いましたので、せっかくこれだけのものをつくったんであれば、しっかりやっぱり教育できるということを、ぜひもう一度、もちろん校長先生などにはお返しされていると思いますけれども、職員の方が本当にきちんと共有できるような体制を図っていただきたいというふうに思います。
 それと今回、成果と課題ということで、大変わかりやすくなっているんですけれども、例えば2ページを見まして、課題二つ挙げてあります。例えば相談体制だと、もっと家庭や地域、市側との連携をさらに工夫することが必要とか、下では相談活動や何かについても、教職員がもうちょっと子供と向き合う時間を確保するための工夫をしていくことが必要というふうに書いてあるんですが、これに対して今後の取り組みとして、対策っていうのがどう図られていくのか。その結果というのは、逆に言えば、次のこの教育プランの中である程度答えが示されるのかどうか。今回、対策までは載っていないので、そこのところをどうしていくのかというところ、ちょっとお伺いしたいと思います。
 
○宮田 教育総務部次長  先ほども、ちょっと御報告の中でお話しさせていただいたと思いますけれども、今回、その成果と課題を出したと。いろんな、この場ですぐ対策というようなこともなかなか難しい面もございます。これから、これは19年度ということで、20年度、今後取り組んでいく中で、学校側で対応できるものは対応していただく。あるいは我々教育委員会の方でも支援をできるところは支援をして、こういったものを何とか解消できるような、課題が解消できるような取り組みをまた今後していきたいと。
 先ほどもちょっとお話しした1−3でもあったように、開かれた学校づくりという観点から、皆さんにも来ていただきたいという面はあるけれども、今度は安全対策上では非常に難しいとかという面があって、こういうものは、なかなか簡単に解消できるというのは、また難しいところもありますけれども、できるところは早目に我々としても、教育委員会も一緒になってやっていきたいというふうに考えています。
 
○森川 委員  今回、あれですよね、これ学校に調査をかけたときに、成果と課題について書いてくださいという形でお出ししているんですよね。例えば、対策として考えられるものがあればというような出し方はしていないですよね。
 
○宮田 教育総務部次長  そのとおりです。
 
○森川 委員  私は、学校によっては、例えば、もしかしたら、そのほかの取り組みのところで書かれているのかなというふうにも思うんですけれども、実際には課題を見ていると、なかなか解決に向けて難しいという問題も多々あります。例えば、子供と向き合う時間を確保するための工夫というのは、これはかなり現実的には今の忙しい先生方を見ていると、難しいのかなというふうに思うんですね。そうした中でも、逆に言えば、今回この課題に対して、次の20年度、本当にどういうことをやったのかということも含めて、例えば、各学校から意見なり取り組みを成果として出してもらうようなことも、次の教育プランの報告書にはぜひ入れていただきたいなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
 
○宮田 教育総務部次長  また、こちらのつくり方については、いろいろ工夫をしていきたいというふうに思います。少なくとも、ここに今回掲げた課題は、すべてとは言えないまでも、できるだけ減って、また新しい課題がもし出てくれば、そちらの方が掲載できるようになれば、もちろん当然いいわけですので、そのような取り組みを今後していきたいと思います。
 
○森川 委員  このかまくら教育プランの報告書も大変わかりやすくなったので、やはりこれのつくった成果というものがきちっとあらわれるような形で、ぜひ報告を期待していますので、よろしくお願いします。以上です。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
 
○小田嶋 委員  こういう教育プランをつくり、そして、それに実践して努力されていることにまず評価したいと思うんですが、今さらっと見させていただいた中で、不登校とか、いじめの問題でちょっとお聞きしたいんですが、後ほど19年度の文科省のやった調査のデータも出てくるんで、突っ込んでは聞かないんですが、ただ、この中で、小学校では心のふれあい相談とか、中学校ではスクールカウンセラーを配置しているんですけれども、担任教師で拾い上げられない、子供がそこに相談に行けないような状態の場合でも、そういう救える、対応できるような体制をとっているということでは、私は評価しているんですが。なおかつ、そこでも対応できないようなところで、後で報告があるんですけれども、養護教諭の方にも、先生方や相談の窓口にさえも話ができない。そういう方、児童・生徒たちがよりどころにできる、そういう環境、空間というのが、養護教諭さんがいらっしゃるところなんだろうなと思うんですが、そういうところでの取り組みというのは、ここには出てきてなかったように思うんですが、実際は、養護教諭は相談を受けたときには、そういう窓口につなげるという、そういう対応をされているんだと思うんですが、その点、実態についてわかっていれば御報告いただきたいんですけれども。
 
○教育指導課長  養護教諭の特に不登校、いじめに対する役割というんでございましょうか、非常に大事な役割を持っているという認識で、各学校、養護教諭の働きをしていただいております。その中で多く行われておりますのは、定期的に児童・生徒の状況を情報交換する指導担当が集まる会を設けております。そこには当然、管理職、それから児童・生徒の指導の担当者、それから養護教諭が入っています。また中学校におきましては、そこにスクールカウンセラーも一緒に入って、1週間単位で状況の報告をする。今後の対応について話をしていく。その中で、保健室という子供たちがいろいろなことが相談できるような場になっている中で得た情報、その子供たちの様子も報告され、そして、その中で今御指摘ありましたようにカウンセラーであったり、あるいは相談室であったり、そのようなところへつなげていこうという、全体での対応等を協議する中で生かされていくということで、養護教諭の働きというのは非常に大事でありますし、それから、学校全体の中で、打ち合わせ等の中で、やはり情報交換でいろいろかかわってもらっているという状況でございます。
 
○小田嶋 委員  ありがとうございます。教師、養護教諭、そういう相談員の体制、それが全校が力を尽くして、今後取り組んでいただければなと思います。要望として挙げておきたいと思います。以上です。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
 
○渡邊 副委員長  先ほどの森川委員の質問と重なりますけれども、この取り組み率というのは、物理的理由があって、なかなか100%にならないということは起きると思うんですけど、やっぱりこれを取り組んだ中で、成功例、失敗例というものがあると思います。それをまさに森川委員がおっしゃったみたいに情報共有していくということは、次の成功につながるんじゃないかなというふうに思います。
 先ほど、校長会等で報告されていると言いましたけれども、どのような方法で校長会の中で報告して、例えば、成功例に対して、一つのケーススタディーみたいものをやってみるとか、そういうことはやられているんでしょうか。
 
○宮田 教育総務部次長  今時点で校長会での御報告というか、ちょっと私の説明が悪かったんですが、校長会では、このような形でまとめて、このようにまとめましたと。この内容についての確認をしていただくというのがまず1本目で、その部分についての御報告をしたというところでございまして、きょうこのような形で最終的に報告という形でまとまったものは、最終版を今度は学校にお渡しすると、というふうなことになります。
 
○渡邊 副委員長  これ全部が全部うまくいくということはないんですけれども、特にうまくいった例とかというのはあると思うんですけれども、そういうのはまとめる段階では把握されているんでしょうか。
 
○宮田 教育総務部次長  こちらにある、まさに成果として挙げられたものについては、うまくいってきたんだろうなというふうなところは感じておりまして、その部分については、各学校でもよく読み込んでいただくということにはなろうかと思います。
 
○渡邊 副委員長  今後ということで考えていただいてもいいと思うんですけれども、それではちょっと検証の部分とですね、成功例、失敗例ということで、情報を共有していくという面では、少し評価というかフィードバックが甘いんじゃないかなというふうに思うんですけれども、今後ということでも結構ですけれども、もう少し深掘りしないと、せっかく取り組んだことが、これ失敗でも成功でもいいと思うんですけれども、そこのところをきちっと検証できないと次につながらないというふうに思いますけれども、その辺のところで、もう少しその取り組みを深めてくようなお考えはないでしょうか。
 
○辻 教育総務部長  今、校長会でこの内容をということでございましたが、校長会以外でも、具体的な個別の内容につきましては、学校問題に関する教員の研修会でありますとか、そういったものがございますので、具体的な事例等を取り上げては、そういった教員の研修会、そういったようなものの中でも具体例として取り上げて、その内容をさらに深めていきたいというふうに考えております。いろいろな機会で、この内容も使っていきたいというふうに考えております。
 
○渡邊 副委員長  今、部長おっしゃったみたいに、これ、せっかく取り組んで、そういうものが成功、失敗にかかわらず、例があるにもかかわらず、これを見ただけではやはり見えてこないというふうに思いますし、それが実際、学校で行われていることに対しての評価にもつながってくるというふうに思いますので、その辺のところ、検証の方法と情報共有というところ、もう少し考えていただきたいなというふうに思います。
 それとあと、これ後ろに平和都市宣言と鎌倉市民憲章ということが載っているんですけれども、議会の方で陳情もありまして、具体的な取り組みみたいなところ、多分目標2−4かな、あの辺だと思うんですけれども、そういう取り組み、これは鎌倉市の特色を出す教育という意味でも、非常に重要な考え方だというふうに思うんですけれども、その辺は取り組みとしてはされてますでしょうか。
 
○教育指導課長  こちらに載せてあるものにつきましては、別に年度初めに鎌倉市学校教育指導の重点というものをつくってございます。そこにも、市歌も含めまして情報として載せておきまして、各学校、全教育職員に配付してございますが、そのとき、そのとき、タイムリーに、子供たちへも鎌倉市のものということで、どこで必ずという形ではございませんけれども、教えていただきたいと、触れさせていただきたいということで、教職員全員が持つ指導の重点の中にも入れさせていただいて、学校現場で扱っていただいているというふうにしております。
 
○渡邊 副委員長  ということは、ここにも出てますけど、具体的な取り組みとしては、今行っていないということでしょうか。
 
○教育指導課長  申しわけありません。ちょっと実際、よく把握していないんですが、教科の中での扱いとかですね、あと、時々市外から子供たちが来られることがあるんですが、そのときに市の紹介の中に入れていくとか、そんな形で各学校での取り組みにさせていただいております。
 
○渡邊 副委員長  市外の方に教えるのもいいんですけれど、これまさに今、目標2−4で子供たちが鎌倉の自然、歴史、芸術、文化などの学習を通して、郷土を愛する心をはぐくみ、国際的な視野を広げる取り組みを進めますというふうになっているわけで、このベースにある考え方っていうのは、やっぱりこの鎌倉市民憲章、ないし平和都市宣言の中に含まれている。非常にまとまって、貴重なものだというふうに思います。議会の方も陳情を採択しているわけですから、その責任もありますし、今後どのようにこういうものを反映していくかということについて、していただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょう。その方が子供たちも理解しやすいと思うんですね。まさに憲法みたいなものですから、ベースにあるものということをきちんと考え方等、教えてあげるということは必要だと思うんですけれども、いかがでしょう。
 
○安良岡 教育総務部次長  市民憲章等につきましては、校長室等に掲示をしておったりしてございますので、校長が朝会等の中で子供たちに話をしていく。あるいは学校の教育課程を編成していく中で、このようなところに位置づけていこうというようなことを年度当初の教育課程の編成の中で取り組んでいきたいというふうに考えておりますので、また校長会と連携をとりながら、このあたりのところを検討してまいりたいと思っております。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
 
○松中 委員  先ほど前川委員の方が、先生が早く来て、迎えるような触れ合いというようなことですけれども、鎌倉市の職員は、15分の年休ということをとれば、大体遅刻というのはないのだろうと思うんですけれども、これ学校の先生もそういう形で、15分年休とれば遅刻がないと思うんですけれども、その制度は使っているんですか。
 
○安良岡 教育総務部次長  年休につきまして、朝15分、年休をとってということはありませんので、朝の打ち合わせの時間には全職員がそろっているというふうに、特にその日、休むという方はいらっしゃいますけれども、特におくれるというようなことはないというのが現状であります。
 
○松中 委員  じゃあ、要するに遅刻する人はいないということですね。何か特別、偶然の事故とかそういうのは別として、事前に15分、例えば鎌倉市の制度でいけば、事前に言っとけば遅刻、そういう制度は先生には適用されないと。
 
○安良岡 教育総務部次長  特にぐあいが悪くて、家の事情等でおくれるという場合には年休をとりますけれども、それ以外の部分につきましてはおくれるということはございません。
 
○松中 委員  ちょっとその辺のこと、また調べておきますけれども、なるべく早く出てあげて、子供たち迎えるというのは大変いいことだと思います。以上です。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
                  (「なし」の声あり)
 質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告については了承することでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 では、了承と確認しました。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○納所 委員長  続きまして、報告事項(2)「教育委員会事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の実施状況について」を議題といたします。原局から報告を願います。
 
○宮田 教育総務部次長  報告事項(2)教育委員会事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の実施状況について御報告いたします。別添の資料、教育委員会事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の実施方針についてを御参照ください。
 教育委員会事務の管理及び執行の状況の点検及び評価につきましては、平成19年12月に地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正が行われ、第27条に教育委員会は、毎年その権限に属する事務の管理及び執行の状況について点検及び評価を行い、その結果に関する報告書を作成し、これを議会に提出するとともに公表しなければならないと新たに規定されたことに基づき、平成20年8月に鎌倉市教育委員会として点検及び評価に関して実施方針を定めました。その内容は、点検及び評価の対象とするものは、鎌倉市において毎年度実施している事務・事業評価を対象とする。地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第27条第2項の教育委員会は、点検及び評価を行うに当たっては、教育に関し学識経験を有する者の知見の活用を図るものとするという規定に基づき、外部委員を3名置き、意見を聴取する。教育委員会は、委員からの意見を聴取した後、点検及び評価を行い、その結果を取りまとめた報告書を市議会へ提出するとともに、常任委員会において報告する。また報告書は市民に公表するというものです。
 具体的な進め方といたしましては、教育委員会における事務事業は、教育総務部と生涯学習部合わせて52事業あることから、それらをもとに教育委員会として、平成19年度の主要な事業及び重点的に取り組んだ事業を15事業、16項目を抽出して、点検及び評価を実施することといたしました。
 また、外部委員は、別添の資料に記載のとおり、教育を専門とする大学教授、元教育委員及び保護者の立場からPTA関係者の3名にお願いをし、意見をお聞きすることといたしました。
 8月18日に委員の委嘱をし、同日第1回目の会議として、各事業の説明及びそれに対する質疑を行いました。
 次回、9月10日に第2回目の会議を予定していますが、今後、委員から意見を聴取した後、教育委員会事務の管理及び執行の状況の点検及び評価についての報告書を作成し、当該報告書を議会へ提出するとともに、ホームページも含め、市民へ公表していきたいと考えています。
 以上で説明を終わります。
 
○納所 委員長  御質疑ありませんか。
 
○松中 委員  これ、外部委員の並木さん、教育委員長じゃないの。そうだよね。
 
○宮田 教育総務部次長  教育委員長も御経験だったと思います。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
                  (「なし」の声あり)
 では、質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告については了承することでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 では、了承と確認をいたしました。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○納所 委員長  続きまして、日程第2報告事項(3)「鎌倉市立第二中学校改築計画について」を議題といたします。原局から報告を願います。
 
○学校施設課長  報告事項(3)第二中学校改築計画について、その内容について説明いたします。
 これまで第二中学校の改築計画につきましては、本年6月の当委員会におきまして、鎌倉市立第二中学校改築基本設計(案)について、その内容を御報告したところであります。
 本年6月中旬に御報告した時点では、4月の教育委員会への報告を初めとし、5月の改築検討協議会、第二中学校及び第二小学校の保護者の方々、また、地元自治会の方々への報告会開催について報告をいたしましたが、その後、6月18日に市民の方々を対象とした説明会を開催いたしました。
 また、これらの報告会と並行して広報やホームページを利用して、5月21日から6月20日まで意見募集を行いました。その結果、市民や保護者の方々など10名の方から御意見をいただきました。
 寄せられた意見のうち、主なものとしては、可能な限り木材を利用した仕上げにしてほしい、風通しのよい建物にしてほしい、現存する木をなるべく残してほしい、工事期間中のグラウンド使用を考慮してほしいなどといった意見がありました。
 市教育委員会の考え方といたしましては、これから実施設計を行っていく中で、これらの意見も十分に踏まえ、具体的に検討していくことといたしております。
 なお、この意見一覧につきましては、7月14日からホームページ上で市民に向けて公表しているところであります。
 また、本年6月の当委員会におきまして、お話のありました世界遺産登録との関連での神奈川県及び文化庁との協議ですが、県とともに、6月17日と7月24日に文化庁記念物課の埋蔵文化財部門の担当調査官と世界遺産部門の担当調査官とそれぞれ協議を行い、第二中学校改築基本設計(案)の内容及び市の方針を伝えましたところ、特段の指摘はございませんでした。
 今後は実施設計作業を進めて、平成21年度には着工できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 以上で報告を終わります。
 
○納所 委員長  御質疑ありませんか。
 
○松中 委員  これは第二中学校改築計画に絡んで、世界遺産の関係を前回指摘しまして、文化庁がそういうことで、特段の意見がなかったというふうな報告、事前に聞いているんですけれども、その程度の文化庁だろうと思うんですよね。要する世界遺産というものを考えるんだったら、国家事業だと。それくらいの熱意とか気迫がないと、とても私は無理だろうと思うんですよ。だから、その場合にそれだったら、こういうところは世界遺産から外した方がいいと。
 例えば、これ基本的なことっていうのは、鎌倉は大倉幕府だから、そこのところは西御門になっているわけですね。本来は八幡様から見れば裏手になるかもしれないけれども、八幡さんの裏手であっても、かつて鎌倉の古都法の発祥の地というのは、御谷なんですね、裏でも。ですから、あそこから鎌倉の古都法が成立する。つまり、保存運動が始まっていくということから考えたら、これどうしたって行政というのはある程度犠牲というのは伴うんだろうと思うんだけれども、建てたいならば、要するにそれは世界遺産から外せばいいし。
 例えば、文化庁も稲村小学校、これ史跡だと言っているけど、現実、校舎が建っている。それから、全体の鎌倉の景観を見ると、御成中学校、第一中学校、ああいうところに建っているんですね。だから、そういうところから考えると、本当にこういう行政が取り組む行政施設、あるいはこういう公共施設、あるいは学校施設、それと世界遺産とバッティングするようなことって出てくるだろうと思うんです。そのとき、鎌倉市なり、文化庁なり、どっち優先するのかと。特段の意見がないというなら、やってもいいというなら、そこは外せばいいと。だからその程度だということは、やっぱり考えておいた方がいい。それは特別には、例えば、ここは特別の規制の多い、風致の高さ以上のものを建てるわけですから、これは公共施設を建てようと、民間施設を建てようと、高さは物理的には公共であろうと民間であろうと変わらないんですね。公共だから許されるんだと、高いの。そういう問題じゃないんですね。要するに、鎌倉市は世界遺産にどの程度取り組んでいるかという踏み絵になっちゃうんですよ、はっきり言えば。これは多分八幡様から見て、この第二中学校は見えないからいいと。じゃあ横浜国大はどうなるんだ。清泉はどうなるんだ。あそこはもう建っちゃっているからしようがないとか、そういう議論になる。そういうときに、鎌倉市の世界遺産の取り組みとか、文化庁の取り組みが問われると。だから、これはいずれ世界遺産のシンポジウムが行われて、世界中からいろんな学者が来て、そういうところ見せて、鎌倉はこういう取り組み方をしていますよということを現実を知って、見たときに、きっと何か言われるということだけは申し上げておきます。それだけ言っておきます。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
 
○前川 委員  これからの予定、さっき着工というお話がありましたけれども、壊す予定、前にもお話し聞いたかもしれないんですが、簡単に時系列で、これからの先の時系列で教えていただきたいんですけど。
 
○学校施設課長  今後のスケジュールということでございます。今年度、これから実施設計の契約に入りたいと思っております。
 そして、21年度から工事に入るわけですけれども、1学期中に、まずプレハブ校舎を仮設のを建てまして、夏休みに入ってすぐ旧校舎の解体に移りたいと思っております。体育館の建設は、工事は奥から始めていきたいと思っていますので、本体工事が始まってから行う予定で、22年度の年明けには完成ができればなと。まだ何とも言えませんが、そう思っておりまして、私どもの希望としては、新しい体育館で卒業式をさせてあげたいという気持ちがございます。
 
○前川 委員  ありがとうございました。それで、先ほどグラウンドの使用の、要するにこれからどうするかということの考え方はおありになりますか。
 
○学校施設課長  仮設校舎を建てる関係で、当然、グラウンドの半分か、もしかしたらそれ以上に食われてしまうかもしれません。その点、校長からも教育委員会からも、横浜国大附属に今話を持っていっております。体育の授業だとか、行事に貸してもらえないかと。今のところ、明確な御返事はもらっておりませんけれども、可能ではないかというような御返事はもらっているところであります。
 
○前川 委員  部活、それから体育の授業、グラウンドの問題、本当に切実だと思うんですが、もともと余り広くないので、それで運動会もありますし、それと地域の方も使ってらっしゃるので、自分たちで探すにしても、いつごろから使えなくなるかということの時間を教えてあげてほしいんですね。子供たちもそこに参加している部分もありますし、時間の問題、1日のうちでどの時間を使っているかというのもあるんですが、どのみち使えなくなるのか、少しでも使えるのかということ、地域の方たちに教えていただきたいんですが、その辺のことは何か考えていらっしゃいますか。
 
○学校施設課長  その点に関しましては、保護者を対象とした説明会等でも、保護者の方々から質問が出たと記憶しております。当然、地域の方も使う施設でありますから、事前に御説明を申し上げて、理解を得たいと思っております。
 ただ、今報告で申しましたとおり、文化財の関係とかで調査の期間も入ってまいりますので、それも絡めて、今、明確に何月からというお返事はできませんけれども、決まった段階では、地域の方々には周知をしていきたいと思っております。
 
○前川 委員  このところ、二中の関係の方たちとよく話をする場がありまして、とにかくできるだけ早いうちに、いろいろな報告を欲しいということです。先ほど、広報で出しているという話もありましたが、なかなか広報で見るというよりは、説明を聞きたいというのがあると思います。小さなことでも、まず進んだらば、学校の方に伝えていただきたいと思います。何かちょっとした情報で疑心暗鬼になってしまったりということがありますので、鎌倉の中でも、この全面改築というんでしょうか、建て直しというのは久しぶりのことだと思いますので、なかなか精神的にも不安なものもあり、また期待もあると思いますので、小まめに報告をしにいってあげてほしいと思います。ぜひ、それを強く要望しておきますので、よろしくお願いいたします。以上です。
 
○森川 委員  さっきの世界遺産のところの関係でちょっとお伺いしたいんですけれど、世界遺産の方で国との調整もついたという話なんですが、エリアから考えると、デザイン的なものというのは、例えば、ある程度古都鎌倉にふさわしいデザインというものをこれから設計にするのに、頭に考えているかどうか。例えば、植木小の校門なんかすごく古都にふさわしいあれになっていますし、御成小も木をいっぱい使って、それなりのデザインかなというふうに思うんですが、二中については、そういうデザインというのに配慮するんでしょうか。
 
○学校施設課長  デザインといいますか、基本設計でもう絵ができましたけれども、あれは改築検討協議会ですとか、市民の方々の意見を取り入れまして、今ある現存する学校のイメージのたたずまいを継承するといったことで、ああいう切妻屋根ですとか、外壁はコンクリートではなく板張りにするとか、そういうことでデザインをいたしましたので、特に植木小学校の門のように、シンボルというんですか、そういう面でのデザインというのは今のところ考えてないんですけれども、学校からは何かシンボル的なものを、例えば、時計みたいなものはどうだろうかというんですが、とっぴなものもまた何ですので、それは検討課題として、実施設計で考えるものなんですけれども、そんな状況です。
 
○森川 委員  保護者とか地域の方の最大限、意向は生かしていただきたいというふうに思いますけれど、世界遺産との整合性というのを十分に踏まえたデザインにしていただきたいなというふうに思っています。以上です。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
                  (「なし」の声あり)
 では、質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告については、了承することでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 そのように確認をいたしました。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○納所 委員長  日程第2報告事項(4)「文部科学省「平成19年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」におけるいじめの状況調査結果報告について」を議題といたします。では、原局から報告を願います。
 
○教育指導課長  日程第2報告事項(4)文部科学省「平成19年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」におけるいじめの状況調査結果報告について御報告いたします。お手元の資料を御参照ください。
 いじめの問題につきましては、平成18年に大きな社会問題となり、本市においても状況の把握に努めるとともに、本市市立小・中学校におけるいじめの状況と取り組みについて、平成19年9月の本委員会で、平成18年度の調査結果を報告させていただきました。このたび、平成19年度の集計がまとまりましたので、その状況結果を御報告するものです。
 まず、資料の1、いじめを認知した学校数及び認知件数をごらんください。いじめを認知した学校数及び認知件数は、小学校10校、23件で、中学校5校、28件でした。
 次に、2、いじめの認知件数の学年別、男女別の内訳は表のとおりで、小学校、中学校において、男女の割合がほぼ同じでした。
 次に、3、いじめの現在の状況についてですが、これは調査日である平成20年3月31日現在の状況で、小学校、中学校のいじめの解消率を見ることができます。この集計結果から、小学校、中学校のいじめの解消率はそれぞれ95.7%、78.6%ですが、一定の解消が図られたものを含めると中学校でも96.1%になり、ほとんどが解消、もしくは一定の解消が図られたという結果になっております。今後、再発や見えないところでの継続も心配されることから、引き継ぎを十分に行い、継続して見守っていくよう、校長会でも依頼いたしました。
 次に、4、いじめの発見のきっかけは、小・中学校合わせると、発見のきっかけはいじめられた児童・生徒本人からの訴え、当該児童・生徒の保護者からの訴え、担任の教師が発見の順になっております。
 次に、6、いじめの対応状況についてですが、この調査では、(1)いじめる児童への対応、(2)いじめられた児童・生徒への対応、(3)その他の3項目について集計いたしました。
 まず、いじめる児童・生徒への対応については、具体的な対応として、小学校、中学校合わせ、学級担任や他の教職員が指導が最も多く、次いで保護者への報告となっております。
 次に、いじめられた児童・生徒への対応については、具体的な対応として、小学校、中学校あわせて、学級担任や他の教職員が状況を聞くが最も多く、ついで学級担任や他の教職員が継続的に面談しケアを行う、となっております。
 次に、その他の学校におけるいじめの問題に対する対応としては、当該いじめについて、被害、加害双方の児童・生徒同士の話し合いを実施が最も多く、ついで学級で当該いじめを取り上げ、学級全体に指導となっています。
 最後に、7、学校におけるいじめの問題に対する日常の取り組みについては、職員会議等を通じて、いじめの問題について、教職員間で共通理解を図った。道徳や学級活動の時間にいじめにかかわる問題を取り上げ、指導を行ったが多くなっております。
 以上が、文部科学省が実施いたしました平成19年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査から本市におけるいじめにおける問題の状況調査結果です。
 本市におきましては、各学校において、いじめの問題への取り組みについて、教員一人ひとりがより一層の点検を行うことにより、校内指導体制の充実、強化を図ること。また、命の大切さについて引き続き指導するなど、いじめの早期発見、早期対応に努め、いじめを許さない学校づくりに向けて取り組んでまいりました。
 また、今年度においては、教育委員会としても鎌倉市学校教育指導の重点に、1番の重点項目として安全で安心して学び、生活できる学校づくりを取り上げ、児童・生徒が安心して学び、生活できる安全な学校づくりを学校とともに進めております。
 今後もよりよい人間関係づくりに努め、いじめなどの児童・生徒の問題行動に対する事前防止並びに支援体制の充実を図り、楽しい学校づくりに取り組んでまいります。
 以上で報告を終わります。
 
○納所 委員長  御質疑はありませんか。
 
○森川 委員  今回この資料見せていただいて、このいじめの実際に発生した学校、例えば小学校だったら、16校中10校で23件という認知件数なんですが、全体から見て、学校の偏りというのはあるんですか。ある学校に多いみたいな。
 
○教育指導課長  それほど偏りととらえられるような件数というふうには認識してございません。
 
○森川 委員  このいじめの件数、今回は合計で51件だったんですが、他市と比較して、また前年度と比較して、数字的にはどうなんでしょうか。
 
○教育指導課長  前年度につきましては、参考までに申し上げますと、18年度の集計は、小学校11校、60件、中学校7校、35件ということで報告を受けました。本市におきましては、各学校の取り組みということの中で、数の上での減少を見ることができます。
 他市につきましては、情報等がまだ入っておりません。これにつきましては、今後、文部科学省の最終的な調査の集計結果というのは年末でないと出ないもので、これにつきましては、本市のみの形ということで報告させていただいております。
 
○森川 委員  かなり実際には今件数、減っているということですよね。じゃあ、かなり取り組みの成果があったということなんでしょうね。先ほどの教育プランのところでも、そんなにそれは載っていなかったかなと思うんですけれど。じゃあ鎌倉ではかなり成果があって、95件から51件に減ったということですよね。
 結構いじめって不登校につながる原因にもなりますので、やっぱり早目に対処するということが必要なんだというふうに思うんですが、今回、この51件の中で、不登校につながったというのはないんですか、例えば一時的にでも。今書いているのは、ほとんど回復しているという御報告を受けましたけれど、そこら辺の情報はありますか。
 
○教育指導課長  不登校というわけではございませんが、欠席日数がふえるというんでしょうか、例えば、この中にありますが、緊急避難としての欠席ということの対応が1件報告されております。人間関係を修復するまでに、しばらく自宅で休ませる。あるいは学校に登校しても保健室等、別室で対応していく。そのケースにつきましては、今年度、クラスがえ等の中で年度当初から子供は生活できていると報告を受けております。したがいまして、これが直接のきっかけで不登校になった事例ということでは、特に報告を受けておりません。
 
○森川 委員  この実際にいじめ発見のきっかけというところで、やっぱり先生が発見なさっているのが、合計でも見ても2割というところでは、なかなか、先ほど課題のところにもありましたけれど、先生が子供たちと向き合う時間を多くするという課題がありますけど、この結果を見てても、なかなかやっぱりそこのところが難しいのかなと。なかなか学校の先生が子供たちの日常の中でいじめに気づけないという状況があるというふうに思うんですが、そこら辺をこれからどうしていくのか。その辺、大変ですよね。逆に別の形で発見はされてますけれど、もしかしたら、これ51件がすべてではないというふうに考えると、そこら辺をどう対応していくのかというのは課題だと思うんですが、いかがでしょうか。
 
○教育指導課長  委員御指摘のとおり、数値を見ますと、教職員による発見が、パーセントでいきますと19.6ですか、全体で。非常に少のうございます。
 ただ、今回の特徴といたしましては、こちらが少ないということとあわせて、下の方の本人からの訴え、それから児童・生徒本人以外からの情報、この辺を含めますと60%近くということで、多くの、半数の情報につきましては、学校の中で情報として得られていると。これは我々といたしましては、そこに子供たちが言えると、あるいはほかのお友達のことも考えて伝えるというようなことを分析することができるのかなと思っております。
 したがいまして、今御指摘のように、今後、まだまだ見えない部分というものをどれだけつかんでいくかとあわせまして、ここにありますような、やはり人間関係といいましょうか、学校の中における児童・生徒と教員との関係づくり、それがさらに進みまして、言える雰囲気といいましょうか、そういう関係づくりも、少し今回はその辺の、前年度からの課題の中で学校への取り組みが図られてきたのかなと思っております。この点は評価し、充実していきたいと思いますし、また課題として、その他、まだまだ発見の難しい部分について、いかに見ていくかということについては、今後、学校とともに取り組んでまいりたいと思っております。
 
○森川 委員  自分で言っていける子供、親にもちゃんと話せる子供というのは、私はある程度解決につながってくるかなというふうに思うんですが、一番の問題は、自分が先生にも言えない、親にも言えない、なかなか友達も言ってくれないという場合が一番難しいかなというふうに思うんですね。ですから、やっぱり先生にはしっかりと見ていてほしいし、早期の発見というのが深刻化しないためにも必要だと思いますので、そこら辺は十分配慮していただくように一層努力していただきたいなというふうに思います。
 ちょっと内容を見ますと、ぶったり、けったりというのは少ないのかなというふうに思います。無視したり、冷やかしというのが大半なんですけれども、中には金品をたかられるなんていうのも、中学校、小学校ともに2件ずつありますよね。結構これは、私は問題かなというふうに思っておりまして、こういうものの対処というのは、ちょっとどういうふうに指導していらっしゃるのか、ちょっとそこだけお伺いしたいんですけれども。
 
○教育指導課長  金品というのは、ぱっとくるのはお金というイメージがございます。実際にはお金を借りて返さないといったケースで、いじめのもとになっているケースも入っています。また、お金だけではなくて、小学生、中学生でもありますが、カード、集めているカードを取られちゃうというんですかね。そのようなものもここに入ってございますので、すべてがお金というわけではございません。
 ただ、この指導については、事実確認を双方からしっかりして、やはりもとに戻すという形を原則にして、学校の方では対応させていただいております。そういう意味で、金品というのはお金等、今、受けているのはカードしかないんですけれども、何かその他そういうものというものも含まれる調査項目になってございます。
 
○森川 委員  そんなに深刻な例ではないのかなと聞いて、ちょっと安心をいたしました。
 かなり現場も努力されて、かなり件数も減っているということですから、これからも十分こういう事態が本当に深刻化しないように、早期の発見と対応を要望して終わります。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
                  (「なし」の声あり)
 ちょっと委員長から一、二点お伺いをしたいと思いますが、今のいじめの対応の中で、パソコンや携帯電話で誹謗中傷するというのが小学校で1件認知をされております。その対応はどのようなものなのか、把握していらっしゃいますでしょうか。
 
○教育指導課長  この報告を受けましたものにつきましては、メールによる誹謗中傷と、そのメールの相手がわかっていたケースでございます。したがいまして、双方の話をするという形での指導、対応をさせていただいたと受けております。
 
○納所 委員長  よく学校裏サイトっていうんですか、そのことが心配をされておりますけれども、小学生でもうメールを使うということが常態化していると思いますが、その学校裏サイトの状況というのは把握をしていらっしゃいますでしょうか。
 
○教育指導課長  以前、中学校の方なんですが、生徒指導担当を通じまして、学校裏サイトの情報を共有、交換をいたしました。その中で、幾つかやはり裏サイトの存在は把握しているという報告があります。ただ、裏サイトというだけに、なかなかつかみにくいということ、それから、パソコンだけではなく、子供たちは携帯を使ってのアクセスをしているというようなこと、そのようなことで、なかなか実態がつかみ切れない。ただ、サイトがはっきりわかっているものについては、その学校については定期的にのぞいて、もし何かあれば削除を求めるというふうな対応をしていると。
 あと大事なのは、やはり子供との人間関係、信頼関係、やはり情報は子供がたくさん持ってますので、子供と会話する中で、いろいろな情報を得られる。その中で裏サイトの存在も知り得ているという学校もあります。その中で、実態としての数としては申し上げられませんが、各学校において、やはりその存在については注意し、わかったものについては確認をする。また、中には本当に誹謗中傷ではなくて、やはり子供たちの会話的なものもありますので、すべてをということはなりませんので、気がついたところで、やはりその辺の対応をしていくということで取り組んでいるということで、最近ですけれども、やはり話題になったときに、中学校生徒指導の中で情報交換をいたしました。
 
○納所 委員長  もう1点だけ恐れ入ります。19年度は18年度に比べて認知件数等減っているということで非常に取り組みの効果があらわれていると思うんですが、例えば、教育現場というと特徴的なものというのが、隔年現象でふえたり減ったり、つまり前年度がいいと、その反動といいますか、悪かったり、また、前年度が悪いと、その対策でよかったりという隔年的な現象というのはよく確認されるんですけれども、今までの統計の中で、そういった隔年的なよかったり悪かったりが繰り返されるという状況というのはありますでしょうか。また、隔年現象に対する備えというものがありましたら、お教えいただきたいと思います。
 
○教育指導課長  特に昨年度とか、失礼しました。一昨年度になるんですかね。18年度と19年度、ここのあたりは、特に17年度までの調査の定義と、18年度から新たな定義ということで変わりましたので、数値としては非常に多くなっております。基本的には、確かに委員長おっしゃるように、年度によっての数というのはさまざまでございます。今まで前の定義におきましても、小学校で1けただった年と、それから2けたになっている年等あります。そのようなことで、数値については年度年度、見ていくことが必要だと思いますが、ただ、今回18年度からまた新たな定義の中で見ていくことになります。その辺については、こちらといたしましても、注意をしていかなきゃいけないかなと思っております。
 
○納所 委員長  それでは、質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告については了承することでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 では、了承と確認をいたしました。
 それでは、教育総務部職員退室、生涯学習部職員入室のため、暫時休憩をいたします。
               (11時17分休憩   11時21分再開)
 
○納所 委員長  それでは、再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○納所 委員長  生涯学習部関係、日程第3「陳情第21号北条氏名越亭跡(推定地)並びに釈迦堂口周辺山林を一体として保全することを求め、行政による遺跡発掘調査と厳正な情報公開を求めることについての陳情」を議題といたします。
 
○事務局  日程第3陳情第21号につきましては、9月3日付で陳情提出者から5名の署名簿の提出がありましたので、御報告をいたします。
 
○納所 委員長  5名の署名があったということでございます。
 なお、陳情提出者から発言の申し出がございますので、休憩いたします。
               (11時22分休憩   11時32分再開)
 
○納所 委員長  再開いたします。
 それでは、原局から説明を願います。
 
○文化財課長  日程第3陳情第21号北条氏名越亭跡(推定地)並びに釈迦堂口周辺山林を一体として保全することを求め、行政による遺跡発掘調査と厳正な情報公開を求めることについての陳情につきまして、御説明いたします。
 当該地における調査につきましては、6月定例会の文教常任委員会でも御報告しておりますが、当該地は鎌倉市内でも歴史的に重要な場所と考えられながら、これまで発掘調査が行われたことがなく、遺構等の様子について解明されていなかったこと、また、文化庁からも速やかな調査の実施に指示があったことなどから、埋蔵文化財の具体的な状況の確認を目的として、本年7月31日に調査に着手し、文化庁、神奈川県の指導・助言を受けながら、10月末までの予定で国・県の補助金を受け、調査を行っているところでございます。
 現在の調査状況についてですが、お手元の資料の図面に示したところが調査箇所であり、図の上側の平地では、幅3メートルほどの調査区を3カ所、長さは北側の短いものが10メートル、東西方向に伸びたものが36メートル、南側の縦方向のものが28メートルで、深さ約0.4メートルから2.5メートルの掘削を行い、調査を進めております。
 また、図の下側の竹林では、縦5メートル、横3メートル、深さ1メートルの調査区を設けて調査をしております。これらの位置及び面積等は文化庁と県からの指導に基づいており、全面的な調査によらなくとも、当該地における埋蔵文化財の状況については確認することができるものと考えております。
 調査の実施中は、文化庁の文化財調査官、神奈川県の担当職員及び鎌倉市文化財専門委員会の委員による現地視察を実施いたします。また、広く市民や研究者等に向けて見学会を開催するほか、史跡指定等に関する文化財専門委員会の審議内容などについても情報の開示に努めてまいります。
 やぐら群が存在する周辺の山稜部とあわせた一体的な歴史文化遺産についての保全については、現在行っている調査の結果を待ち、その成果を踏まえ、国・県とも協議し、検討してまいります。
 以上で説明を終わります。
 
○納所 委員長  それでは、御質疑ありませんか。
 
○松中 委員  まず、こういう陳情が出るということに関連して、まず聞きたいんですけれども、6月議会に三輪議員が埋蔵文化財の調査のことで質問しているんですけれども、届け出違反が過去あったと。その件ですけども、これよく聞くんですけれども、埋蔵文化財は調査しなければいけないというふうに思っていたんですけれども、お願いだと。要するにお願いであるから、応じてくれなければ、罰則規定もなければ、中止命令もできないと、これ豆腐川なんか、特にひどい。議事録を見てみると、違反の行為が非常にひどいんだけれども、それでも何もできないと。
 まず、豆腐川のこの後、どういうふうに対応したか。それから、届け出違反はどこであるか。そして、それに対する報告とか、そういうことはどうなっているか、ちょっとその点を聞きたいんです。
 
○文化財課長  文化財保護法の93条の届け出、これは土地を埋蔵文化財包蔵地において、土地を掘削する場合においては、どのような深さのものであっても、その工事60日前に届け出が必要だということで規定されておりますので、その届け出についてはお願いではなくて、法に定められた内容でございます。
 豆腐川の開発事業地における調査につきましては、事前に地面の下に重要な遺構があるかどうかにつきましての確認調査を実施し、その調査結果を踏まえて、工事の実施中において、現地で立ち会いを行い、その重要な遺構等の確認はなされませんでした。
 
○松中 委員  いや、違うんだよ。豆腐川の場合にはその後、どうしたかということを聞いているんですよ。それ以上のところをくいを打ったという、まず、その点について答弁お願いしますよ。
 
○文化財課長  三輪議員の御質問のときには、一たん工事の造成が終わりまして、そこに新たに家が建てられると。ついては、そこで基礎工事が行われると。当初の基礎工事が深さ30センチの基礎工事ということで、私どもの話をいただいておりましたので、これは改めて確認調査をするまでもなく、93条の届け出に基づく工事内容に対して、現地での工事の最中の確認で済むであろうという判断のもとに手続を進めました。
 ところが、実際には、その30数センチの掘削だけではなくて、深さ4メートル以上の柱状の地盤の改良工事が行われていることが判明しましたので、それについては即刻工事を中止させ、深さに対しての遺構の影響がどのようなものになってくるのかということについて、当初必要とされていなかった確認調査を改めて実施いたしました。その実施の結果につきましては、やはりその深さに対しての重要な遺構の影響はないということで判明いたしております。
 
○松中 委員  それは何か文書で残っているだろうと思うんですけども、また後で見させていただきますけども。
 それから、届け出違反が平成12年から7件あったと。これに対する報告書とか対応書とか、そういうのはどうなっていますか。
 
○文化財課長  報告書という形で刊行はされております。その中でそれぞれの場所についての詳細な説明がなされております。確か7カ所のうちのかなりの部分については、改めての発掘調査が行われたというふうに記憶しております。
 
○松中 委員  じゃあその報告書なり、その書類とされたものを出してください。後で結構です。
 そういうことで、こういうことが問題になるということがあるということは、これ非常に、年間、これでいくと19年度は481件、18年度は278件、17年度が230、これたくさんあるわけですから、みんなそれなりにやっているだろうと思うんですけれども。
 それと、きのう材木座の三丁目の発掘関係で、斉木先生の話を聞いて、非常に興味を持ったんですけれども、三丁目のマンション予定地のところに、大変貴重なものが出たということを最近知ったんですけれども、これはどうして我々に報告がないのか。あるいは何か周辺の人だけには一般公開したというんですけれども、これはどういうことになっているんですか。それから、非常にそれが貴重なものであるかどうか、その報告はどうなっているんですか。
 
○文化財課長  興和地所の造成、事業地のようでございますけれども、これについて公費を使った私どもの方、市の教育委員会が行う調査ではございません。民間調査でございます。私どもの方には概要については入ってきておるようでございますけれども、特に事業者においては、地元住民に先に詳しい調査報告をしたようでございます。
 
○松中 委員  だから、突然そういう講演会というか、いろいろな話があって、非常に興味を持ったんですけれども、これは材木座のすごい、ある意味の位置づけがされるような内容のものが出てきているということなんだけど、一般公開が先で、要するにそっちの文化財の担当にはまだ何も来てないんですか。
 
○文化財課長  その説明会につきましては、事業者の方から実施をしたということでの連絡が後から届いたということと、それから、先ほども申し上げましたんですけれども、重要なものが出てきたということについては、概要程度のものが出てきておるようです。
 
○松中 委員  いや、だから概要程度って、そうすると概要から見ただけでも、そこはある意味では大変貴重なものが出たかどうか、その辺はどうなの。まだ何も要するに検討されていないのかどうか。
 
○文化財課長  それは、物につきまして重要であるか否かにつきましての、突っ込んだ検討については、まだいたしておりません。
 この文化財の行政に携わっております私どもでございますので、当然、経験的なものから、そういったものが重要か否かというところの判断はある程度可能なところはございますけれども、正しく見きわめようとする場合においては、鎌倉市文化財専門委員会という委員会がございまして、その委員の先生方に、言ってみれば専門の学識者でございますので、その委員の先生に見ていただいて、判断を仰ぐというようなことが通例でございます。
 
○松中 委員  ちょっとおかしいんじゃないの。だって重要であるなら、一般公開、広く市民に公開した方がいいんじゃないの。だから、こういう陳情が出てくるんじゃないかと思うんです。この辺もどんな報告、概要書が提出されているか。それ公開できるんだったら、後ほどそれも見せてください。あるいはください、報告書のコピーでも。
 それと、ここの北条氏名越亭跡のこの陳情なんですけれども、おととい私のところに手紙が来まして、ここの場所に関して地元自治会は、大町自治連合会に呼びかけて、歴史的遺産の保全と学術調査実施を求める2,300余名の請願署名を市議会に提出と。市は6カ月かけて発掘調査を行う方針を明らかにしたという手紙が来たんですけれども、今、請願は議会に提出されてないですよと。私の方に手紙をくれたのは、地元の郷土史の大変著名な方なんですけれども、じゃあ私たちが署名したこの署名簿はどこへいったんですかねというから、いや、私の方に提出はされていないと。だから、それはそうだと。議会の方に提出されていないのに、提出されるとしたら私議長あてにも提出されるわけ、事務局の方にも来るわけだけど、先ほど事務局にも確認したら、提出はされていないと。だけど、これは地元の自治会の会報にも出ていると。この著名な郷土史の方は言っておりました。そうすると、これ事前に地元の方々は文化財の方にいろいろ相談に来てたんではないか。まずその点について聞きたいと思うんですけれど。
 
○文化財課長  陳情、請願についての具体的な相談は、私どもの方では受けておりません。ただ、現在進められている調査の状況ですとか、見通しとかということについてのお尋ねはございます。
 
○松中 委員  だけど、これ提出されてないとするならば、だけど署名運動は2,300余名に対して行われているから、地元の人は当然議会の方で審議されたんだろうと思う人もいるわけなんですね。提出されていないとするならば、これは行政の方で何かかかわったんではないかというふうに考えざるを得ないんですよ。
 もし、担当の方でそういうこと言えないなら、理事者の方にも相談しておいて、報告を後日してもらいたい。それはしないと、その後、こういう陳情が出てくるということが非常に不思議なんですね。だってあの当時、非常に署名運動が行われてたんですけども、その署名が、2,300余名の請願署名が行われていて、それが提出されないで、今度この陳情書が出てくると、これは一体どうなっているのかなという疑問を持たざるを得ないので、これは陳情絡みでそっちの方も調査しておいてください。そうでないと、これ何だかよくわからない、これ。どこでどういうふうに動いているのか。何か国会では、林衆議院議員が取り上げて、調査するようになったというふうなことはある程度聞いているんだけれども、そういうことじゃなくて、地元で2,300余名の署名があったというようなことも、これは言われているわけだけれども、だけども、議会に提出されたという事実はないということだけはっきり言っておくんだけれども、地元の人の中で、有力な郷土史の人が、えっ、していないんですかというふうに、おととい手紙がきて、きのう電話して、提出されてないですよと。だけども新たに陳情でも出したんですかと、伊藤正義さんというのは多分歴史家か、最近、非常に話題になっている方だろうと思うんですけれども、とにかくそういうことだけは指摘しておきますので、その辺のことは、事前にいろいろな人と相談を窓口でしているだろうと思うんで、報告をしていただきたい。私の方でもそれなりに調査します。いいですか、それは。
 
○文化財課長  では、調べまして、報告させていただきます。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
 
○小田嶋 委員  この陳情書にあります要旨の中で、一団の緑地並びに歴史文化遺産としての保全をすることを求めますの(1)のところで、一団の緑地という見方をとらえているのは陳情理由の古都法6条及び4条区域という範囲を指しているんだろうなと思うんですが、この原局からいただいている地図で見ますと、古都法6条区域と4条区域というのは、大体どこら辺を指しているのかということ、説明をいただけますか。
 
○文化財課長  4条区域につきましては、この地図上で申し上げますれば、現在調査を行っている平地の部分、それから、その下の宅造地のような形成をなしているこの地域と、それから、今回、調査対象になっておりますこの竹林、それから、さらに南側にずっと続くんですが、平たく言ってしまえば、家屋が建っているような、連檐しているような地域が4条、それから、等高線が示されておる山林部分が6条地域ということになります。
 
○小田嶋 委員  4条地域の方は、今、御答弁ありましたっけ。今、6条というふうに言われたものですから、その前に。済みません。4条だけちょっともう一度説明いただけますか。
 
○文化財課長  この地図上で申し上げますれば、等高線が示されている山林部分を除いた、この宅地のところが4条地区でございます。
 
○小田嶋 委員  そうしますと、今後、10月末まで調査して、文化財専門委員さんにも御協議いただいて、県も含めてだと思うんですが、重要な遺構だということになれば、4条地域も、そういう貴重な遺産が眠っている土地として判断されたならば、4条ではなく、6条に格上げという、そういう手だてもあり得るし、その土地を買収するという方向を持っているということで理解してよろしいですか。
 
○文化財課長  4条から6条の格上げにつきましては、文化財課の方で所管しておりません事務ですので、ちょっとお答えはしかねるところでございます。
 
○小田嶋 委員  つまり、発掘調査して重要だということになったら、4条地域の土地も公有地化するんだと、そういうことを確認したいんですけれど、それで間違いないですか。
 
○文化財課長  調査しまして、重要な遺構が出てきた。それが史跡の指定に足るもの。いうなれば国民の財産、地域の歴史を知る上でも貴重な財産、そういった文化財につきましては、保護していかなければならない。後世に伝えていかなければならない。そういう意味合いで、保存いたします。保存の一番理想的な保存の形としては、公有地を図ることが一番有効な保存の方法、したがいまして、委員の御質問の重要な遺構が出てきましたならば、この土地については公有地化を視野に入れた検討を行う必要があろうかと思います。
 
○金川 生涯学習部長  ちょっと補足をさせていただきます。
 今、お声がありましたように、4条を6条に格上げして保全をするという、それはまた所管も違いますし、また文化財の視点とは少し違いますので、これはまた別の機会で御論議をいただきたいというふうに思っております。
 あと重要な遺構が出てきたときは買収するのかというお話ですが、重要な遺構というのは随所、鎌倉市内いろいろと発掘調査をすることによって、出てくる場合ございます。
 ただいま課長が申し上げましたように、いろいろと遺物、遺構は出てまいります。どれもそれは過去の事実として貴重なものでございますが、課長が申しましたように、国民の財産として、遺構のうち重要なものについて国が史跡として指定した場合、それは広く国民のために恒久的に保存をしていくという必要が出てきますので、それぞれの手続をとって、史跡の指定をして、告示をいたします。そして、その恒久保存の最大で一番効果的な方法というのは、そこを公有地化していくということでございますので、遺構の中で調査を十分して、史跡たる重要な遺構であったときには、史跡の指定を受け、市としては公有地化を目指して、国に申請をしていく、そういうふうな手順になってまいります。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
 
○前川 委員  ちょっとわからないんで教えていただきたいんですけれども、そうすると、これは試し掘りではなくて、本格的にやっている調査って考えてよろしいんですか。
 
○文化財課長  現地で行っています調査は、埋蔵文化財の具体的な状況の確認を目的に行っており、その意味で確認調査と呼ばれる調査でございます。ただ、これも広い意味では発掘調査でございますので、明確な違いというものはございません。
 
○前川 委員  3カ月かけるわけですけれども、もう既に一月たっていますが、試掘ではあるかなというところでしょうか。
 
○文化財課長  私どもの方は、この調査につきましては、埋蔵文化財の範囲、性格、内容等の概要を把握するための調査というふうに考えております。これはなかなか厳密な意味というのはないのかもしれませんけれども、試掘というのは、言ってみれば、そこに何が、埋蔵文化財があるのかどうかというところを試しに掘ってみて調べるというふうな意味合いかと思いますので、もう少し進んだ調査というふうな理解をしていただいても結構かと思います。
 
○前川 委員  わかりました。では、今現在、何か少しでも出ているものってあるんでしょうか。
 
○文化財課長  現在のところ、おおむね室町時代と考えられる遺構の面が、北から南に向かって2段、あるいは3段の段差をなして存在している状況が確認されております。ただ、柱の跡や溝といった具体的な遺構についてはまだ発見されておりません。
 あと出土遺物につきましては、室町時代のかわらけ、5センチ程度のものでございますか。あと、常滑焼の小さな壷、それから青磁のおわんの破片などが発見されております。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
 
○渡邊 副委員長  先ほど陳情者の方からもお話あったんですけれども、一つの例として、先ほど今小路ということが挙げられましたけれども、今小路についてはどういうステップで保存必要なしと、どういう形で判断されたのでしょうか。
 
○文化財課長  調査につきましては、いろいろな形で調査を行っております。文化庁が示した今後の埋蔵文化財保護体制のあり方という報告書がございますんですけれども、その中では、調査について目的と内容に応じて調査を分類しまして、記録保存を目的に行う発掘調査につきましても、調査という位置づけをしておりますところです。
 実際に、学校と開発とが同じものという扱いはなかなかできないかとは思いますけれども、そこに埋蔵文化財が確かに埋まっていると。それについて、工事によってそれを壊してしまうという計画が出てきましたらば、極力私どもの方では、その設計変更なりをして、その遺構を壊すことなく対応していただきたいということで行政指導をしているところではございますけれども、あくまでも行政指導の範囲内というところもございますので、その工事をやってはならんというような強制的なものというものが今の法制度の中にない中では、記録保存、調査の体制ということでもやむを得ない面があるんだということで理解しております。
 
○渡邊 副委員長  記録保存というお話もありましたけれども、記録保存という段階で終わってしまったということ、それを判断したのは行政であるということですかね。
 
○文化財課長  行政の判断でございます。
 
○渡邊 副委員長  それについて、先ほどの陳情者の方からのお話、生ぬるいというような評価があるというふうにも聞いておりますし、強制権がないという部分もあるのかもしれないんですけれども、その点、行政としての反省みたいな部分、取り返しのつかないことではあると思うんですけれども、そういうものというのは感じられているのか。それとも、そういうことについて、どういうふうに今考えられているのか、伺いたいと思います。
 
○文化財課長  それぞれの土地の利用状況もございます。今回陳情に出されたこの土地につきましては、今現在、更地の状態でございまして、所有者も単一の所有者ということでございます。今、進めている調査の結果を見ないと言えない部分ございますけれども、これは重要な遺構が出てくるということで史跡に結びつける、つくような形で進んでいくようにしたらば、これについての公有地化については、先ほどの答弁で申し上げましたけれども、それを視野に入れた検討は行ってまいります。
 
○渡邊 副委員長  今、今小路と同じような道を歩いているのかなと。当然そういうものが出てくれば、また対応が変わってくると。もちろんそういう対応をしていただけると思っていますけれども、現時点では、そういう流れの中で調査をされていることだというふうに理解します。
 あと、これ業者、確かナイスプランニングさんというところが持っていると思うんですけれども、業者さんはこれ、今の事態ですね、どういうふうに見られているのか。もちろん彼らは所有者で、恐らく開発するために買ったんだというふうに思うんですけれども、業者さんはどういうふうに考えられているんですか。
 
○文化財課長  土地所有者のナイスプランニングにつきましては、6月13日にこの調査についての承諾を文書で求めています。その前の段階でお会いして、御説明をして、その時点で一定の理解を得たという感触を持っております。
 その承諾を求めた日から約10日、確か6月20日ごろには、調査についての承諾書の提出はいただいております。基本的にはこの調査についての同意については承諾をいただいていると。その後、調査を進めている中で、一度、事業者ナイスプランニングの方から、その後の調査状況はどうなのかというようなお話、問いがございまして、それに対しては今現在こうであるということで御説明をしております。
 
○渡邊 副委員長  ナイスプランニングさんというのは、鎌倉、逗子で、開発の件でよく聞くお名前なんですけれども、この業者さんについては恐らく、開発して何をやられるつもりなんですか、この土地を利用して。
 
○文化財課長  全体で20何宅地かの宅地造成を行う予定でございます。
 
○渡邊 副委員長  ということは、一刻も早く開発されたいという意思があると思います。それは金銭的にもですね。問題も、待てば待つほどお金かかるわけですから。そういうところについては、もう少し余裕を持って考えられているような態度でいらっしゃるんですかね、その業者さん。
 
○文化財課長  お許しいただいた調査期間が10月末までということで承諾を求めております。宅地造成工事も一遍に20数個の造成を行うのではなく、順次下の方から進めておるような状況であるというふうに聞いておりますので、すぐにあの平地すべてに対しての造成事業ということでは、考えてはいらっしゃらないのではないかというふうに思っております。
 
○渡邊 副委員長  どちらにしても、その業者さんについても、そこを開発しようと思って土地所有されているわけですから、彼らにとっては恐らく迷惑な話だというふうに思います。最終的に非常に重要なものが出てきたということであれば、公有地化という可能性も出てきます。そのことについては、業者さんとは話をされているんですかね。それは文化財課の方で話をされているのかですね。
 
○金川 生涯学習部長  まだ、そういった土地の所有者の方、事業者の方とは、公有地化のことについては具体的なお話はしておりません。ただ、今は、具体的な埋蔵文化財の状況がどういう状況にあるのかを調査させていただきたいということで、10月いっぱいまでの猶予をいただいているわけでございます。
 ただ、当然、ニュアンスとしては、早く開発の手続も進めていきたいという、そういったニュアンスもあるというふうなことも、私聞いています。
 ただ、今後は、この調査の結果がどう成果が出てくるのか。調査結果がどうなるかによっては、今実際にやっております調査の期間も含めて、またしばらくいった時点で、事業者の方と具体的なお話をしていかなければいけないとは思っております。
 
○渡邊 副委員長  当然のことですし、もしここでそういう可能性があるということで、何人かの専門家の方も、ここの場所については遺跡としての価値があるということをおっしゃっているわけですから、その業者さんについても、彼らが事業としてやっておられるわけですから、やはりかなり綿密な意見交換、ないし御理解というところはいただいていかなきゃいけないのかなというふうに思いますんで、その辺のところもちょっと考えつつ、やっていただけたらなと。というのは、10月で終わるとは限りませんから。そういうところで、よろしくお願いします。以上です。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
                  (「なし」の声あり)
 では、委員長から1点だけお尋ねいたします。現在、室町期のかわらけ等が出てきているということでございますが、室町期ですと14世紀半ば以降ということで、この名越亭跡、時政の時代ですと、12世紀の末から13世紀の初めごろの時代で150年ぐらい差があると思うんですが、その場合、地層でいうと何センチぐらいなのか。つまり、もう少し深く掘るという調査段取りはこの先あるのか。その点についてお伺いをしたいと思いますが。
 
○文化財課長  7月31日に調査を開始しまして、約1カ月の段階でございます。今後まだ2カ月ほど調査期間がございますので、また国、文化庁の調査官、それから県の担当職員が近々のうちに、この現地視察がございます。恐らくどの場所について、現在よりもさらに深くとか、あるいはもう少し拡張されるようにというようなお話も、現地視察の中に出てくると思います。そういう文化庁並びに県の指導に基づいて、現在よりも面を深く掘っていくことは考えております。
 
○納所 委員長  わかりました。
 それでは、質疑を打ち切ります。
 それでは、取り扱いを含めまして、各委員から御意見をお願いをいたします。
 では、順に小田嶋委員からお願いできますでしょうか。
 
○小田嶋 委員  陳情者の願意も本当に理解できるところなんです。ただ、今、原局質疑も通じまして、現在調査中であり、そして今後、将来にわたって、国民が保全すべきものだという重要な遺跡という位置づけをする上で、現在ちゃんとした調査結果を得る途中なものですから、私どもの会派としては、その状況の推移を見守ると。現在のところは見守るということで、その結論、調査結果が出た時点で改めて協議したいなと思っているところです。
 
○納所 委員長  そうすると、継続ということでよろしいですね。
 
○小田嶋 委員  はい。
 
○納所 委員長  森川委員、お願いいたします。
 
○森川 委員  この場所につきましては、会派の三輪議員も前からきちんと発掘調査をして、公有地化を図るべきだということを主張してきておりますので、ネットとしては、この件に関しては採択ということです。
 
○納所 委員長  松中委員、お願いいたします。
 
○松中 委員  鎌倉はこういう史跡がどうのこうのではなくしても、要するに常盤山の裏側のあれはどこでしたっけ、山本山、ああいう開発予定地を緑のあるような緑地というか、そういう形の中でも買収することがあるんだから、こういうところだって、貴重だったらとりあえず買収すればいいわけだから、陳情の願意というのは当然だから、私は採択だと思いますよ。
 
○納所 委員長  前川委員、お願いいたします。
 
○前川 委員  私もこの遺跡、今発掘調査中ということもありますけれども、今、松中委員がおっしゃったように、保全ということは、この場所一帯に関してはとても大事なことなのかなって思いますので、採択をさせていただきます。
 
○渡邊 副委員長  今、この後の話題にもなると思うんですが、世界遺産がおくれているという理由の一つに、今までの文化財行政のやり方ではだめなんだというようなメッセージも含まれているというふうに思います。こういうことはお金もかかることですし、非常に取り組むのに二の足を踏む部分もあるんですけれども、やはり今後、文化財行政というものを改革していく、ないしは世界遺産登録に向けていくということですから、やはりこのようなことは進めていかなきゃいけないなというふうに思っております。これはいいチャンスとしてとらえるという姿勢が必要かなというふうに思いますので、私も結論を出して、採択という形にしたいと思います。
 
○納所 委員長  ありがとうございました。小田嶋委員に申し上げます。4名の方が結論を出すという方向でございまして、小田嶋委員が継続を主張しておりますけれども、今回、結論を出すか出さないかということをちょっとお諮りしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○小田嶋 委員  先ほど私は継続と、調査結果の推移を見守るということは申し上げましたが、公有地化したいという思いは前提にありますので、皆さんの御意見をお聞きしまして、全会一致で採択するのが私はベストだと思いますので、先ほどの私の意見に重ねまして、継続から採択すべきだということに変えさせていただきます。
 
○納所 委員長  ありがとうございました。
 それでは、皆さん結論を出すということで採決に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、陳情第21号北条氏名越亭跡(推定地)並びに釈迦堂口周辺山林を一体として保全することを求め、行政による遺跡発掘調査と厳正な情報公開を求めることについての陳情を採決いたします。
 陳情第21号を採択することに御賛成の方の挙手を求めます。
                   (総 員 挙 手)
 総員の挙手によりまして、陳情第21号は採択することに決定いたしました。
 それでは、暫時休憩いたします。
               (12時16分休憩   13時20分再開)
 
○納所 委員長  それでは、再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○納所 委員長  日程第4報告事項(1)「世界遺産登録に関する準備状況について」を議題といたします。原局の報告を願います。
 
○世界遺産登録推進担当課長  報告事項(1)世界遺産登録に関する準備状況について、御報告をさせていただきます。
 世界遺産登録に向けては、去る6月2日開催の全員協議会で、平泉に対する登録延期というICOMOS勧告に見られますように、昨今の世界遺産登録に向けた審査の厳格化に対応し、世界遺産登録を確実に行うため、今年度に行う予定であった文化庁への推薦要請を見送ることについて、御報告をさせていただいたところでございます。
 本日は、その後の状況について御報告をさせていただきます。
 平泉の世界遺産登録は、7月初旬のユネスコ世界遺産委員会におきまして、ICOMOS勧告と同様の登録延期という決議がなされ、登録には至らず、このことは改めて世界遺産登録の審査の厳格化を示すものと認識しているところでございます。
 神奈川県、横浜市、鎌倉市、逗子市、いわゆる4県市といたしまして、平泉の結果が出た以降も文化庁と協議を継続してまいりましたけれども、去る8月26日に文化庁に対しまして、世界遺産登録に向けた、事業の進捗状況の報告を行ってまいりました。
 報告内容でございますが、世界遺産登録に向けた4県市のこれまでの取り組み内容や世界遺産登録の前提となります候補資産の史跡指定・保存管理計画の策定などの準備状況、また、推薦書原案の取りまとめ状況、さらには鎌倉世界遺産登録推進協議会の活動状況などについてを報告いたしまして、文化庁記念物課長等々に報告を行ったところでございます。そして、報告の最後に、今後の進め方につきまして意見交換を行い、登録目標年次ですとか国際会議の開催などについて、文化庁から大きく次の二つのお話がございました。
 1点目でございますが、文化庁と共催して、複数回の国際会議を開催し、推薦書原案について国際的コンセンサスを得る作業を行い、推薦書原案の熟度を高めていき、一定の熟度に達したと見きわめられれば、来年度の夏ごろに、4県市からの推薦要請を受け付けるものとする。
 2点目でございますが、平泉の登録というものを最優先で検討していることから、現時点では、鎌倉の登録目標年次というものは明らかにできない。なお、推薦要請を行ったからといって直ちにユネスコへの推薦を行うものではないというものでございました。
 こうしたことから、今後の対応についてでございますけれども、まずは今年度1月を目途に1回目の国際会議を開催いたしまして、その後でございますけれども、現時点での希望でございますが、来年度早い時期に、2回目の国際会議を開催いたしまして、推薦書原案にその内容を反映させまして、その上でまた同じく来年度の夏ごろでございますけれども、これを目途に4県市といたしまして、文化庁へ推薦要請を行う予定としてまいりたいというふうに考えております。
 このことは4県市世界遺産登録推進委員会を開催いたしまして、4県市としての確認も行っているところでございます。
 新たな登録目標年次の設定が、現段階では困難であるなど、厳しい状況が続いておりますけれども、引き続き、できる限り早期の登録に向けて準備作業を進めてまいる所存でございます。
 報告は以上でございます。
 
○納所 委員長  御質疑はありませんか。
 
○松中 委員  審査の厳格化ということをおっしゃっていますけども、当初は緩やかだったんですか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  もちろん、これまでも審査は厳しかったところでございますけれども、数字的には、審査件数が1年間で上限が設けられるですとか、そういう部分も出てきてまいりましたり、あと、私どもが文化庁とやりとりしている中では、一つ一つの基準の適用が審査基準といいますか、適用が厳しくなっていると、そういった適用的な条件の厳しさというのも出ているというように伺っております。
 
○松中 委員  鎌倉は世界遺産、早くから暫定登録されて、その当時は今よりは緩やかだったということですね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  暫定登録時であれば、今よりは審査は、確かに委員お話のとおりであったと思います。
 
○松中 委員  要するに緩やかで、なおかつ世界遺産の対象が少なかったころに世界遺産にならないと。そのときならないんだから、厳格化されていけば、もっともっと厳しくなるというのは当然だろうと思うんですけれども、その辺はいかがですか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  暫定リストから10数年経過しているというふうに私も承知しておりますけれども、それまでの間、世界遺産登録に向けて必要な準備というものを脈々というふうに進めてきているというふうに認識しておりますので、この積み上げで向かっていけば、現在の基準、こういったものもクリアできていけるのではないかというふうに考えております。
 
○松中 委員  それで、厳しくなった、厳格化された基準というものは、世界遺産に登録されても、その基準に見合わない場合にはチェックされるかどうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  登録後につきましても、モニタリングや何かで、その資産が適切に保全されているかどうかのチェックもされますし、登録だけが目標ではないというふうに考えておりますので、そういった視点は大事なことだというふうに考えております。
 
○松中 委員  もうね、世界遺産どんどんふえてますから、その基準というものを厳格化していくということはいいことだろうと思うんですよ。それで、もっともっと厳しくしていいと思うんですよ。そのかわり、その厳しい基準に対して、要するに問題があるならば、よく言われる危機遺産として、あるいは登録から外されていくということで、そういうことになるんだから、厳格化するということは、ある意味ではすごくいいことだろうと思うんですよ。それをクリアしないと世界遺産にならないと。
 だから、今まで緩やかだったものが、今の基準が厳しいからということで、問題ないということではなくして、現在の厳しい基準に合わなければ、これは危機遺産として問題視されて、外されることもあり得るんではないかと、そういうふうに考えるんですけれど、その点いかがですか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  お話のとおりかと思いますので、厳格化した審査を通って、なおかつ適切な保全、管理をしていくということは大事なことだというふうに考えます。
 
○松中 委員  それと世界遺産は、私、国家事業だと思っているんですよ。国を挙げて、国の名誉のために、あるいは国宝以上のためにあるわけですから、要するに国際会議なんていうのは、本来は国が主導権を持ってやってもらうというのが本来の筋なんだけれども、国際会議を開くということに関して、非常におもしろい事例がかつてあるんですけれども、鎌倉でまちづくり、それを国際会議、鎌倉で行われたとき、私もそのシンポジウムをちょっと聞いたんですけれども、外国の学者が言ったことは、プリンスホテルに泊まったんですね、鎌倉の七里ガ浜の。そうしたら、その会場で何て言ったかというと、鎌倉市はすばらしい、鎌倉はいいところだと、しかし、まだいろいろ問題あるから、まずやるべきことは、自分たちが泊まったあのプリンスホテルを壊して、あそこを復元しろとか、要するにそういうことをやっぱり言いましたね。ですから今回、来年、国際会議を開くならば、鎌倉の何かここだけ、いいとこだけというような見せ方ではなくて、いろいろなところを見せて、判断してもらうようにした方がいいと考えますが、そのようにしていただけますか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  今御指摘のとおり、国際会議は、どこが課題かということを洗い出すために見ていただくという視点で、どちらかというと辛口で見ていただく必要があろうかと思いますので、今御指摘のような視点で、できる限り、生の鎌倉を見ていただくという視点が大事なことだというふうに思っております。
 
○松中 委員  そういう会議の前に市内視察を十分していただいて、本当に自由な討議をしていただきたいと。
 ただ、問題はどんな専門家を呼ぶかと。日本の学者を呼べば、それは日本の鎌倉のこと、日本のことですから、いいこと言うだろうと思うんですけれども、いろいろな視点があるわけですから、特に宗教的な視点で見ようとすると、いろいろな問題もあるし、それからスケール的な問題もありますから、ぜひ、要するに生の鎌倉を視察して、そしていろいろとした意見をもらっていただきたいということを要望しておきます。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありますか。
 
○森川 委員  今、国際会議を開催する、来年1月にとりあえずやって、次年度にもう一度というお話だったんですが、私もちょっとよくわからないんでお聞きしたいんですが、この国際会議というのは、どういった規模で、どういう形で開かれるのか、ちょっと教えていただきたいんですが。
 
○世界遺産登録推進担当課長  これまでいわゆる国際専門家会議とか、文化庁の方で言っておりましたけれども、今回、複数回というふうに新たな考え方が示されたものですので、国際会議という形で、ちょっと少し概略的に縮めて、まず御報告をさせていただいておりまして、過去のそういった平泉ですとか、石見でいきますと、3日ないしは4日くらいで、海外の方を数名お呼びして、あと国内の学識者の方もお呼びして、シンポジウムですとか意見交換会、そんなことをやりまして、顕著な普遍的価値ですとか、コンセプトですとか、そういったものの意見交換を行っていると。
 市民の方なんかもお呼びして、そういったことの市民の方への御公表というんでしょうか、そういった観点も持ってやっているというふうに聞いておりまして、文化庁とこれから協議をしなければいけないものですので、鎌倉としてどうやるかにつきましては、これからなんでございますけれども、こういった前例を参考として、今後詰めさせていただきたいというふうに考えております。
 
○森川 委員  じゃあ平泉なんかも何回か開催しているんですね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  平泉は推薦要請を行う前に一度開催したというふうに聞いております。
 
○森川 委員  先ほど松中委員から、その場合にはかなり視察も入るというふうなお話もあったんですけれども、私も平泉へ行って、この話を聞いたときに、やっぱり外国から来た専門家の方たちが、かなり視察したという話は聞きました。そのときに、やっぱり見られたくないものを結構みんな隠したという話を聞いてね。道路にちょっと見られたくない建物があったら川を船で上ったとか、新幹線の通らない時間を選んだとか、雪の日に来てもらうとか、結構私からすると、えっ、そんなことまでするのというような気がちょっとしたんですね。やっぱりそれは幾ら何でも無理ではないかなというふうに、私も大変いぶかしく思った思いがありますので、本当に松中委員がおっしゃったように、やっぱりきちっと鎌倉のあるがままを見ていただいて、辛口の採点なり、意見を言っていただくというふうにしていただきたいなということは要望しておきたいと思います。
 それからもう1点、先ほど平泉が優先なので、鎌倉の年次は明らかにできないという、国からのそういう指摘があったということなんですが、ただ、鎌倉としても、ある程度目標を持っていかないことには、5年先なのか、10年先なのかというところでは、やっぱり進まないと思うんですね。鎌倉としては、向こうが年次を示さないにしても、とりあえず鎌倉としての目標年次というのはいつごろに置いているのか。その点お尋ねいたします。
 
○世界遺産登録推進担当課長  鎌倉としての年次につきましては、ちょっと繰り返しとなって恐縮でございますが、明確なところというのが、なかなかちょっとお話しできないんですけれども、国際会議を開催して、地元としての準備を整えて、国への推薦要請を行うというような形で、やるべきことをまずは進めて、あとは国の方へ、もうここまで進みましたということで、早期の登録をお願いしたいという形で、お願いといいますか、調整といいますか、こういうふうに進めていきたいというふうに考えておりまして、5年先とか10年先とか、そういったことで考えているわけではございません。
 
○森川 委員  国が、平泉が優先なのでということで、文化庁からの指摘があったということですが、これはあれですか。要するに平泉が登録されないと、いつまでたっても鎌倉も登録されないということですか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  文化庁とのやりとりの中では、平泉については21年度にユネスコの方へ出しまして、23年度登録を目指すということで、国として総力を挙げていくというふうに聞いておりまして、この予定どおりでいけば、それ以降、速やかにやっていただきたいというふうに考えておりまして、23年というのも、国としてはコンクリートではないということで、その辺が少しあいまいもこで言われているのかなと考えておりますが、国として考えているスケジュールを視野に入れて、鎌倉の登録年次というのを考えていきたいというふうに考えております。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありますか。
 
○渡邊 副委員長  前の全員協議会の中で、私、コストについて御質問させていただいたんですけれど、世界遺産がイコールコストだとは思っていないんですけれども、やはりメリット、デメリットということが、なかなか市民に理解が深くされていないという部分で言えば、一つそのコストがまた多くかかってしまうということが一つのデメリットに数えられてしまうのかなというふうに思うんですけれども、文化庁と話されて、今後、どういう進め方をしていくか、ある程度は目安が立つ、何か国際会議等もまた新たにやるわけですから、そういう費用もかかってくるというところで、現在、今までに比べて、どのような形で費用がかかってくるのかというところについては、ある程度概算的なものは持っておられるでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  ただいま委員御指摘のとおり、複数回の国際会議というような新たな方向性が示されておりますので、これから予算の御審議等いただくわけですけれども、明らかにその分というのはふえるだろうというふうに考えております。
 それ以外のところにつきましては、登録年次等々の問題もございまして、現在まだちょっと調査、調整といいますか、協議というか、検討しているという状況でございまして、予算審査とあわせて、また少し御報告させていただきたいというふうに考えております。
 
○渡邊 副委員長  恐らく今までのお話の中でも、今までやってきたやり方ではなかなか登録が難しいと、ハードルが高くなったと。審査が厳しくなったというような表現されてたと思うんですけれども、その中では、やり方を全部とは言いませんけれども、その根本にあるものを見直してかなきゃいけないという作業が一番最初にあるのかなというふうに思うんですけれども、今おっしゃっているのは、文化庁がこういうことしてみたらどうだというようなアドバイス程度のものだと思うんですけれどもね。そういう意味では、原点に立ち返るというような作業をして、これからの進行状況決めてくというような作業はされたんですかね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  審査の厳格化という中で、世界遺産の登録基準の適用が非常に一つ一つ細かく厳しくなっているというお話を冒頭に御説明させていただいたかと思うんですけれども、今、私どもで進めている推薦書といいますか、そういったものがその基準にすべて適合するのかどうか、こういったものを今一つ一つ分析をしているような形でございまして、それは新たなコストというよりは、今、職員がそういう審査の厳格化に対応して、その作業を詰めているというような状況でございまして、今、委員お話があったように、ある意味、原点に立ち返って、審査が通るように推薦書の熟度を事務局としても準備を進めているところでございます。
 
○渡邊 副委員長  これは皮肉でも何でもないんですけれども、結局、登録されないと元も子もなくなってしまうと。それだけじゃないと、もちろんおっしゃっているんですけれども、最終的な目標は、その部分にあると。結果としてですね、あると思うんですけれども。それは今、原点にということを申し上げましたけれども、やはりやり方を変えてかないとならないと、私は思います。
 例えば、この前の陳情でも、北条氏の名越亭跡ですか、それと釈迦堂の近辺、保全のために調査をかけるというような陳情も出されて、こういうもちろん国際会議もいいんですけれども、鎌倉にはそういうものというのが埋蔵されている可能性があると。例えば、そこで非常に価値のあるものが出てきたら、そんなことはないのかもしれませんけれども、もしかしたらば大変なものが出てくると。それだけでも世界遺産に該当するようなものかもしれません、中世という枠組みでとらえたときに。鎌倉にそういうものがあるという可能性はあるというふうに思いますので、そういうところに、例えば、もっと注目していくことも反面必要なんじゃないかなと。
 その陳情で訴えられていることも、十分な調査が行われないまま、開発が進んでしまうようなことを危惧されているわけですから、またそういうところも目を向けていくと、そこが鎌倉としての価値、原点、世界遺産に登録される意味だというふうに思いますんで、少しその辺もやり方を根本から見直してみるという作業をしていただかないと、ただ単にコストが上がると、同じやり方、それがなかなか認められるものではないというふうに思いますんで、その辺のことも考えていっていただけたらなというふうに思います。
 
○世界遺産登録推進担当課長  お話のとおり、鎌倉の歴史的価値というのは、やはり深く掘り下げていくのが大事な視点かと思いますので、そういったことも視野に入れながら、世界遺産登録の準備事務を進めてまいりたいというふうに考えます。
 
○納所 委員長  ほかに御質疑ありませんか。
                  (「なし」の声あり)
 それでは済みません。委員長から1点ほど申し上げたいと思いますが、まず、平泉が浄土思想の説明が不十分であったというようなお話を伺っています。一体どういう点が不十分だったのか。それを一つの参考にして、武家の古都鎌倉という歴史的価値をどのように説明をしていくのか。その平泉の一件で、そのコンセプトの説明に影響があればお伺いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  今、委員長お話しのとおり、浄土思想が十分に伝わらなかったというようなお話が新聞報道等々で確かに出ているところでございますが、ちょっとその辺が正直なところ、私どもは、本当にそうだったかということについては十分な調査が、ちょっとわかっていないところもございまして、どちらかというと、平泉の価値というものが世界遺産の登録基準に照らしまして、十分に証明ができていなかったというふうに指摘されているというふうに認識してございます。したがいまして、わからなかったというよりも、アピールの仕方ですね。この辺を少し検討した方がよかったんではないかというふうに認識しているところでございます。
 御案内のとおり、武家の古都鎌倉の鎌倉市は武家が発祥した政権都市で、その武家文化が現代日本の文化に影響を与えていると、こういったコンセプトに基づきまして、今進めているところでございまして、平泉とはそういったコンセプトそのものが異なるわけでございますので、平泉の指摘そのものが該当するわけではございませんけれども、武家文化、この辺の顕著な普遍的価値が、平泉と同じように十分証明し切れてないですとか、基準に照らし合わせてないとか、そういうことを言われないように、一つ一つ検証していきたいというふうに、このように考えているところでございます。
 
○納所 委員長  その武家文化、いわゆる封建時代の萌芽というのが鎌倉で見られると思うんですけれども、例えば、外国の方々に御紹介する際に、外国でも中世の封建文化というのがあったわけでございますが、それとの共通点、もしくは差異というもの、それを強調すべきではないのかなというふうに思うんですが、その辺のいわゆる武家文化といいますか、日本の中世封建制度の説明ということでの特徴的なもの、もしくは共通的なもの、そういったものがもしコンセプトの検討の中であれば、お伺いをしたいと思いますけれども。
 
○世界遺産登録推進担当課長  今、御指摘のとおり、顕著な普遍的価値といいますか。比較研究というのを、登録に当たっては、審査で重要視しているところがございまして、平泉も比較検討をもう少しするべきだというような御指摘をいただいてるところのようでございます。その中で私どもも、近隣アジアであります中国、韓国、それから、例えば禅の思想や何かの関係がございますので、その中国と、私どもの禅ですよね。日本で発展した禅、こういったものの比較検討というのを詰めていきたいというふうに考えているところでございます。
 
○納所 委員長  わかりました。ありがとうございます。
 それでは、質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告については、了承することでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 了承というふうに確認をさせていただきました。
 それでは、世界遺産登録推進担当職員退室のため、暫時休憩いたします。
               (13時46分休憩   13時47分再開)
 
○納所 委員長  それでは、再開いたします。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○納所 委員長  日程第5「継続審査案件について」を議題とします。
 
○事務局  今、お手元に配付させていただきましたとおり、平成20年6月定例会におきまして、継続審査となっております陳情5件の取り扱いについて、御協議をお願いします。
 
○納所 委員長  では、事務局説明の陳情5件については、引き続き継続審査とすることでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 事務局どうぞ。
 
○事務局  ただいま確認されました5件につきまして、最終本会議において、閉会中継続要求を行うことについて、御確認をお願いいたします。
 
○納所 委員長  では、事務局のとおり確認でよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 確認をいたしました。
 暫時休憩します。
               (13時48分休憩   13時50分再開)
 
○納所 委員長  再開します。
    ───────────────────────────────────────
 
○納所 委員長  事務局から、お願いいたします。
 
○事務局  先ほどの日程第3のところで、陳情第21号が採択されたことにより、委員長報告の御確認をしていただく日程を決めていただきたいと思います。
 まず、事務局案といたしまして、9月25日(木)、最終本会議の日ですが、25日(木)午前11時から第2委員会室でお願いしたいと思います。御確認をお願いいたします。
 
○納所 委員長  では、委員長報告についての確認でございますが、9月25日(木)午前11時から第二委員会室ということでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 そのように確認をさせていただきました。
    ───────── 〇 ────────────────── 〇 ─────────
 
○納所 委員長  続きまして、日程第6その他(1)「当委員会の行政視察について」を議題といたします。では、事務局から説明をお願いします。
 
○事務局  当委員会の行政視察につきましては、日程は10月2日(木)から10月3日(金)と確認されております。
 行政視察先につきましては、10月2日(木)は島根県出雲市、視察内容につきましては、地域学校運営理事会による学校経費配分制度の導入経過と現状について。10月3日(金)は島根県大田市、視察内容につきましては、石見銀山遺跡世界遺産登録後の課題についてとしてよろしいかどうか御確認をお願いいたします。
 
○納所 委員長  ただいまの説明で御確認よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 そのように確認させていただきました。
 
○事務局  また、行程等詳細が決まりましたら、追って御連絡をいたしたいと思います。
 
○納所 委員長  では、後日また追って御連絡ということで御了承いただきたいと思います。
 以上で、本日の文教常任委員会は閉会いたします。お疲れさまでした。
 以上で本日は閉会した。


 以上は、会議の顛末を記録し、事実と相違ないことを証する。

   平成20年9月8日

              文教常任委員長

                  委 員