○議事日程
平成20年 6月16日文教常任委員会
文教常任委員会会議録
〇日時
平成20年6月16日(月) 10時00分開会 14時09分閉会(会議時間 2時間27分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席委員
納所委員長、渡邊副委員長、松中、前川、小田嶋、森川の各委員
〇理事者側出席者
讓原世界遺産登録推進担当担当部長、島田世界遺産登録推進担当担当次長、橋本世界遺産登録推進担当担当課長、中里文化財課長兼世界遺産登録推進担当担当課長、辻教育総務部長、宮田教育総務部次長兼教育総務課長、安良岡教育総務部次長、宮崎(順)学校施設課長、大澤学務課長、岡嶋学務課課長代理、飯尾教育指導課長、粂教育センター所長、松平教育センター所長代理
〇議会事務局出席者
植手局長、磯野次長、小島次長補佐、原田担当書記
〇本日審査した案件
1 議案第12号平成20年度鎌倉市一般会計補正予算(第1号)のうち教育総務部所管部分
2 報告事項
(1)鎌倉市立第二中学校改築基本設計(案)について
(2)御成小学校校舎等の取得について
(3)平成19年度心のふれあい相談員の活動報告について
(〇)スクールアシスタントの状況について
(〇)学校教育問題対策委員の状況について
3 報告事項
(1)(仮称)鎌倉美術館整備方針の策定について
(〇)大町六・七丁目名越邸の発掘調査について
4 報告事項
(1)国指定史跡の追加指定について
(2)世界遺産登録に関する準備状況について
(3)国指定史跡に係る不適切な事務処理に関するその後の経過について
5 継続審査案件について
6 その他
(1)当委員会の行政視察について
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○納所 委員長 おはようございます。ただいまから文教常任委員会を開会いたします。
まず会議録署名委員の指名を行います。委員会条例第24条第1項の規定により、本日の会議録署名委員を指名いたします。前川綾子委員にお願いいたします。
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○納所 委員長 続きまして、本日の審査日程の確認をお願いをしたいと思います。本日の審査日程ですが、お手元に配付した審査日程のとおりでよろしいでしょうか。
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○前川 委員 おはようございます。恐れ入りますけれども、三つ追加をさせていただきたいと思います。大町の六・七丁目の名越邸の発掘調査について、その後の経過、今までの経過とその後の状況を教えていただきたいと思います。それから、スクールアシスタントのことについて、今の状況を教えていただきたいと思います。それから、学校問題対策委員会が昨年できていると思いますが、やはり同じように状況をお願いしたいと思います。
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○納所 委員長 ただいま、前川委員から3点報告事項の追加ということで、日程追加の申し出がございましたが、いかが取り計らいましょうか。
原局の方にお伺いをいたしますが、ただいまの3点、1点目が大町六・七丁目の発掘調査の状況について、2点目がスクールアシスタントの状況について、3点目が学校問題対策委員会についての報告ということでございますが、これは報告用意できますでしょうか。
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○辻 教育総務部長 はい。
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○納所 委員長 では、日程に追加するということでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
それでは、事務局の方から確認をお願いいたします。
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○事務局 まず、日程の順番から御確認をいただきたいと思いますが、スクールアシスタントの状況についてを日程第2報告事項(3)の後。続きまして、学校教育問題対策委員の状況について、そして、その後に続けてでよろしいかどうか。また、大町六・七丁目名越邸の発掘調査についてでございますが、日程第3報告事項(1)の後でよろしいかどうか、御確認をお願いいたします。
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○納所 委員長 ただいまの日程追加の件、以上でよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
では、そのように確認をいたしました。
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○納所 委員長 4月1日付で当委員会所管部局の人事異動に伴う職員紹介をお願いいたします。
(職 員 紹 介)
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○納所 委員長 それでは、関係外職員退室、教育総務部職員入室のため、暫時休憩いたします。
(10時06分休憩 10時07分再開)
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○納所 委員長 再開いたします。
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○納所 委員長 日程第1「議案第12号平成20年度鎌倉市一般会計補正予算のうち教育総務部所管部分」を議題といたします。原局から説明を願います。
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○宮田 教育総務部次長 議案第12号平成20年度鎌倉市一般会計補正予算(第1号)のうち教育総務部所管部分について説明いたします。議案集の49ページ、補正予算に関する説明書の10ページをお開きください。
55款教育費、15項中学校費、15目学校建設費は1億4,410万5,000円の追加で、中学校施設整備の経費は中学校施設整備事業で、岩瀬中学校用地の一部643.39平方メートルについて、鎌倉市土地開発公社から取得しようとする経費を追加するものです。
当該用地につきましては、平成19年度予算で鎌倉市の独自計画による買い戻しを予算化していました。
しかしながら、国が新たに土地開発公社の健全化計画の指針を示し、これに基づく計画を策定することにより、市債の活用が見込めることから、平成19年度予算の執行を取りやめることにいたしたものです。
19年度に取得予定していた部分について、20年度予算に補正計上し、20年度予算に計上してあります岩瀬中学校用地1,268.61平方メートルの取得費2億8,414万4,000円とあわせて市債を活用して一括取得しようとするものです。
以上で説明を終わります。
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○納所 委員長 御質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑を打ち切ります。
それでは、総務常任委員会への送付意見の有無を確認いたします。送付意見ございますでしょうか。
(「なし」の声あり)
送付意見なしと確認をいたします。
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○納所 委員長 では、日程第2報告事項(1)「鎌倉市立第二中学校改築基本設計(案)について」原局から報告を願います。
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○学校施設課長 報告事項(1)鎌倉市立第二中学校改築基本設計(案)について、その内容を御説明いたします。
これまで第二中学校の改築につきましては、平成19年2月の当委員会におきまして、鎌倉市立第二中学校改築基本計画の内容について報告したところであります。
その基本計画を具現化するために、平成19年度に基本設計の作業を行ってきたところですが、平成20年3月に基本設計(案)としてまとまりましたので、その内容について御説明いたします。
お手元のA3版の資料、鎌倉市立第二中学校改築基本設計説明書をごらんください。表紙を含めました8枚の資料になっています。表紙を開いた2ページ目から説明します。
これはパースと呼ばれるもので、南東側の上空からグラウンド、校舎、体育館を見た時のイメージをあらわしたものです。谷戸の地形がもつ、領域感を生かして、手前から小さな棟である音楽室棟、南棟、中庭を挟んで中央棟、一番奥に体育館棟を配置することにより、グラウンド側からの景観をできる限り崩さないように配慮いたしました。
3ページ目は、現在ある正門を通り、少し登ってきたちょうどグラウンドへの入り口のところから見たイメージになります。
全体配置計画を御説明いたします。4ページ目は全体配置計画です。まず、敷地についてでありますが、山林も含めて約3万6,000平方メートルで、実際、利用できる平坦部分は約1万5,000平方メートルとなります。
配置計画での大きなポイントといたしましては、基本計画の施設整備の方向性でも示されておりました、狭小で変形なグラウンドの改善があります。
図面左側のグラウンド部分右側の薄い点線は、現在の体育館の位置を示したもので、現在の体育館の半分ぐらいの位置まで、グラウンドが拡張できることにより、100メートル走路や整形なトラックの整備が可能になりました。
また、配置計画の中での新たな取り組みといたしましては、新グリーンコースの計画があります。これは周囲の山林と校舎の建つ平場との境に、校舎とグラウンドを周回できる空間を整備し、通風や湿気に対する環境の向上を図り、防災面や避難の面からも有効な空間を確保するもので、1周約450メートルのジョギングコースとしても利用できる計画です。
5ページ目は平面図です。左から1階平面図、2階平面図、屋根伏図を示しています。
各諸室の概要ですが、まず、一番左1階の薄紫色は、教員スペースを中心とした管理諸室で、南棟の1階に配置いたしました。1階にも2階にもあります薄茶色は特別教室で、一番手前、音楽室棟の上の階に音楽室、南棟と中央棟の間の部分、1階に技術室と家庭科室、2階に理科室、美術室、そして図書室とコンピューター室を配置いたしました。また、中央棟の1階、地域開放出入り口の近くには、体育館を初め視聴覚室、多目的室を配置しました。図の中央ピンク色は普通教室で、南棟と中央棟の2階に配置しました。谷戸の湿気や日照の制限に対し、普通教室はすべて南からの採光を確保し、廊下側からの風通しも考慮し、よりよい学習環境を確保するよう努めています。
次に黄色の部分です。これは各諸室をつなぐ廊下や階段といった共用部分をあらわしています。また、1階にある大きな黄色は交流ホールで、学校生活の発表の場として、中庭に面する明るい位置に配置し、第二中学校の核となる空間と考えています。
6ページ目は立面図です。上の図は、東側から見た立面図。下の図は、南側のグラウンドレベルから見たものです。
次に、当該地における法的な制限等について、御説明いたします。7ページ目の断面図をごらんください。
法的制限等の一つは、埋蔵文化財です。文化財課が行った試掘によって、遺構面が各段の浅いところにあらわれる可能性があり、現状の地面を掘ることは不可能であることがわかりました。ごらんいただいている図面で、青い実線が現況地盤、赤い実線が遺構想定面をあらわしていますが、この二つが比較的近い位置に存在しており、構造的にも建物を支える杭を打つことができないことから、マットスラブと呼ばれる厚さ約70センチの耐圧板を建物の基礎として、現状地盤の上に使うことになります。
また、もう一つの法的制限等は、高さ制限に関する許認可の内容になります。現在のこの場所は、風致地区条例、第二種風致地区の規制は8メートル。建築基準法では、第一種低層住居専用地域の規制は10メートルと、それぞれ都市計画で定められた高さ制限があります。地面を掘ることができないことなどを踏まえ、まず、8メートル以内に建物の高さを抑える案で検討を行いましたが、その結果は、すべて校舎が平家建てとなり、グラウンドが今より狭くなる上、学校設置基準を満たさないことがわかりました。
それらを踏まえた上で、担当課との協議の中、風致地区条例のただし書き特例を適用して、校舎については既存建物の高さにあわせた2階建ての計画となりました。
体育館におきましては、生徒の体育活動を行う上での機能面を最低限確保する必要があることから、12.5メートルの計画となりました。屋根の勾配についても、それぞれの棟で、その高さにあわせた勾配になっています。
これらのことから、基本設計の段階での建物の構造規模は、鉄骨造2階建て、校舎と体育館合わせて、延床面積約5,300平方メートルとなっています。なお、既存の校舎及び体育館の延床面積は約3,700平方メートルです。
最後に8ページ目は、施設概要を記入してあります。左側に、法的制限の規制の概要、また、右側に主な仕上げについて記載をしてあります。使用材料の内容については、今後細かく詰めていく内容になります。
この基本設計(案)につきましては、4月16日の教育委員会への報告を初めとし、5月14日の改築検討協議会、5月21日の第二中学校及び第二小学校の保護者の方々、5月30日の地元自治会の方々への報告会を行いました。さらに6月18日に市民の方々を対象とした説明会を予定しております。
また、これらの報告会と並行して広報やホームページを利用して、この基本設計(案)の公開を行っております。
これまでの説明会やホームページ等を見た方々の御意見からは、現在の計画について理解が得られているものと認識しております。今後、引き続き意見の聴取を行い、平成20年度はこれらの意見をもとに実施設計作業を進めて、平成21年には着工できるよう取り組んでまいります。
以上で説明を終わります。
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○納所 委員長 ただいまの報告に御質疑はありませんか。
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○松中 委員 これはいろいろな制限があるけれども、これは世界遺産のバッファーゾーンに入るんですか。
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○学校施設課長 入っております。
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○松中 委員 そういった中で、この計画は要するに学校の教育施設ということだろうと思うけれども、これは文化庁と十分協議の上に検討しておいてもらいたいと。要するに世界遺産を目指している鎌倉市にとって、鎌倉がいいというだけでは済まないと。後で文化庁等からクレームがついたり、問題が提起された場合には、一体鎌倉はどう対応するかという問題が起きてくるから、文化庁との十分協議を得た上で、こういうことを計画するようにと。既に考え方としては、こういう規制が大変厳しい場所なんだよね、ここは。だからそういう意味では、要するに鎌倉がいいからという問題であるならば、今度は世界遺産どうなるかという問題が起きてきますから、ですから文化庁の協議をこれ十分、部長、ちゃんとその辺のことは十分答弁しておいてもらいたい。
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○辻 教育総務部長 本市の世界遺産担当、それから文化庁ともあわせて、検討も十分な協議をさせていただきたいと思っています。
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○松中 委員 その結果聞いて、またそれなりの意見を述べたいと思います。とりあえず、世界遺産が優先するということだけは言っておきます。
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○納所 委員長 ほかに御指摘ございませんか。
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○前川 委員 いよいよ基本設計ができたということで、本当に今、松中委員がおっしゃるとおり、たくさんのたくさんの規制の中で、設計大変だったとは思います。グラウンドが正規の形でとれるようになったということは、非常に御苦労があったなと思って理解しております。
一つ、ちょっとお伺いしたいんですが、今のお話にもありますけれども、体育館の高さ、実際どれぐらいになるということなんでしょうか。体育館の屋根の最高の高さです。
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○学校施設課長 基本設計(案)では、12.5メートルでございます。
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○前川 委員 その高さに関しては、いろいろあると思うんですけれども、恐らくこの辺、いろいろな方が、場所がないので、かなり使われることと思います。それからまた、耐震もかかっていますので、先日の地震のときなどは避難所にもなると思いますが、多くの方が入られることになると思います。校舎の件に関しましては、風通しのこととか、随分配慮されていると思いますが、この12.5という高さ、大勢の人数が、漠然とした質問で申しわけないんですが、入った場合にどのぐらい風通しがよいか、それから暑さに耐えられるかというところがちょっと不安なんですが、一番高くなりますよね、この体育館が二中の校舎の中では。その辺のところで、高さのことは心配なんですが、その辺いかがでしょうか。
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○学校施設課長 高さに関しましては、二中、学校といろいろ協議をした中で、現在の体育館の高さが生徒の授業、クラブ活動、それから学校開放等に使用される中で不便だと。特に球技に関しましては十分な機能を有しておりませんので、それによって12.5メートルと。本当はもっと高い案で当初考えたんですけれども、いろいろな屋根勾配だとか高さの制限もありますので、結果12.5メートルになりました。今、言われました暑さという点に関しましては、体育館の屋根にパッシブソーラーという設備をつける予定でおります。これは発電装置というものではないんですけれども、太陽熱を利用して、冬は床の暖房環境をする。逆に冬は夜間の、夏は冷気とはいえないですけれども、冷えた空気を取り込んで逆に温度の上昇を防ぐと、そういった機能を持たせるような設備を考えております。
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○前川 委員 わかりました。ぜひその辺のところ、空調の件、高さはこれ以上無理だと思いますけれども、よく考えておいていただきたいと思います。
それから納所議員が一般質問の中で質問なさっていたと思うんですが、温水シャワーのことなんですが、これを見させていただくと1カ所場所がありますけれども、たしか保健室あたりに少しつくれないかという質問だったと思うんですね。せっかく新しくできるので、もし配慮していただければなと思いますが。
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○学校施設課長 おっしゃいますとおり、図面の平面図を見ていただくと、体育館のちょっと南側の更衣室のところにシャワーを設置する予定であります。これは生徒も含めまして地域開放、一般市民の方も使えるようにとの位置なんですけれども、今、御指摘の保健室に関しましては、多目的トイレというのを保健室の中に設ける予定でおります。その中にユニット型のシャワーとかがもし設置できるものがあれば、スペース的にちょっと検討を要しますけれども、実施設計の中で生かしていけるのかなと、そういうことも視野に入れて検討していきたいと思います。
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○森川 委員 今、松中委員が聞いた高さの件なんですけれども、バッファーゾーンということで、これから文化庁とも、また世界遺産担当とも協議していくということなんですけれども、設計を起こす時点で、世界遺産担当とは当然協議はされているんですよね。ちょっとここは確認させてください。
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○辻 教育総務部長 設計を起こす時点から、世界遺産担当とは協議をしております。
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○森川 委員 私も学校施設としては、やっぱりある程度の高さというのはどうしても必要なので、今回はただし書きを適用せざるを得ないというふうには思うんですが、じゃあその協議の中で、世界遺産担当としては、登録に向けてはとりあえず問題ないという判断だったんでしょうか。ひとつそこはお願いします。
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○辻 教育総務部長 この基本設計を行うに当たりまして、関係部長会議を数度持ちました。その中に世界遺産担当も入っております。そこでは特に基本設計(案)で支障はないという見解を世界遺産担当の方からはいただいております。
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○森川 委員 支障がないという見解だというんですけれども、実際にこういう例というのは、国内のほかの世界遺産の登録を行ったような地域で、こういう今まで先例というのはあるんですか。
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○辻 教育総務部長 申しわけございませんが、そこのところまで、現在調査をしておりませんので、今後、先ほどの答弁のとおり、さらに世界遺産担当、それから県、文化庁と協議をしていくという中で調査をさせていただきたいと思っています。
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○森川 委員 私は詳細設計やる時点で、当然文化庁と先にやっておくべきかなと、つくっちゃってから後で通らないということになると、さっきの松中委員の話じゃないですけども、ちょっととんでもないことになるので、そこら辺のところは早目、早目の対応をお願いしたいなということで一つ要望しておきます。
それからもう一つ、ちょっと聞きたいんですけれども、この間、大きな地震があって、つい先日もありましたけれども、結構見てたら、学校にひびが入っているなんていう例もありましたね。崩れてはいませんでしたけどね。この二中の建物、新築をした場合には、耐震度というのは幾つで大体設定されているんでしょうか。
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○学校施設課長 幾つという数字は私どもで決めて、実施設計に、業者に指示をするものでありますが、文科省の決めた基準が0.6です。鎌倉市の場合は、それを0.75に設定いたしておりますけれども、それ以上の1になるかどうか、今のところわかりませんけれども、いろいろなことを総合して、耐震に耐える最新の技術を使って設計をしたいと思っています。
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○森川 委員 この詳細設計の時点で、ある程度耐震というのは、私はある程度数値が出てくるんじゃないかなというふうに思うんですよ。確かに国は0.6というふうに言っていますけれど、要するに0.6でもたないから、鎌倉市でも0.6ではなくて0.75って設定しているということですよね。だから私は少なくともこの二中をつくるに当たっては、やっぱり1以上というところをぜひ設定していただきたいなというふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。
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○学校施設課長 その方向で検討したいと思います。
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○森川 委員 ぜひ、耐震度は1以上ということでよろしくお願いします。
それとちょっとこれと関連で聞きたいんですけれども、この間、原議員の一般質問の中であったと思うんですけれども、耐震化をほかの学校も含めて早められないかという質問が出ていましたよね。いろんな都合もあって計画どおりですよという話が出ていました。ただ、国もかなり学校については9割補助ということで、かなり変えていきたいんだという新聞報道なんかもあった中で、前に出された耐震改修計画を見ますと、耐震度が0.38というような、関谷小学校とか腰越なんかも体育館については0.39とか結構低いところがいっぱいありますよね。これが果たして本当に23年の工事でいいのかというのは、私も大変心配しているんですけれども、そこを何とかやっぱりもう少し早めていくべきではないかというふうに思うんですが、その点についてお伺いいたします。
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○学校施設課長 きょうの朝開いたメールですが、県から来たメールがありました。それは耐震の法改正についてなんですけれども、今ある2分の1の補助を3分の2にする。そういう中で、一番市町村で耐震化ができない理由というのが、人がいない、金がない、それから業者がいないと、その三つを挙げておりました。そういう理由で補助率を上げると、その中には国の施策として人員配置、例えば耐震の経験者を出向させて、各自治体に、それで早く耐震化を進めるようにとの記述も、きょう見たんですけれども、ございました。早急にそれがどうこう、今、私の立場で言えませんけれども、そういうことを視野に入れて、もし体育館等で前倒しができるものであれば、今後県と十分な協議をしながら詰めていきたいと考えています。
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○森川 委員 今、人がいない、金がないという話なんですが、お金は出るようになるわけですよね。人がいないという点については、鎌倉市の場合どうなんですか、現状。
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○学校施設課長 今、全部委託なんですけれども、同時に完了検査、それから並行してずっと見てなきゃいけませんので、工事に関しては。今、建築住宅が主管で工事を行っておりますけれども、やはり人数は足りないという現状です。
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○森川 委員 そこのところって、国がある程度人を配置するというふうに言っているんであれば、鎌倉市としても一時的にでも少し人を多く配置して、ここの計画を早めるということはできないんでしょうか。
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○学校施設課長 現状の、今の職員の中ではなかなか難しい面があろうかと思いますけれども、今申しました国・県からのその人員の応援ですか、そういったものも含めて今後協議をしていきたいと思っています。
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○森川 委員 もう一つ、業者がなかなかいないという、その点はクリアできるんですか。
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○学校施設課長 業者がいないというのは、例えば、今、入札等で不落といいますか、なかなか落ちない、落ちても低入札とか、いろいろな問題がございます。これは県下の自治体すべて、全国的にそうらしいんですけれども、今、耐震の工事が殺到いたしまして、なかなか設計業者の方も追いつかない状態で、それで落ちないということも聞いておりますけれども、そのような点も含めて今後研究といいますか、いろいろ検討を重ねていきたいと思っています。
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○森川 委員 耐震化率0.38というのはもたない。私も危険な状況だと思いますので、そこのところは先ほどできるのであれば早めていくということですので、そこのところはぜひとも、やっぱり早目の耐震工事をよろしくお願いしたいと思います。
それからもう一つ、大船中の件なんですけれども、大船中も二中が終わってからということなんですけれども、そこのところもやっぱりもっと早目に建てるということも、私は必要なんじゃないかなというふうに思うんですよ。お金の面というのももちろんありますけれども、やっぱり大船中の場合も、たしか0.26か何かで物すごく低いですよね。万が一大きな地震があった場合、四川の二の舞としたらというふうにとても心配なんですけれども、そこの計画をもうちょっと早めるということはできないんでしょうか。
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○学校施設課長 今まで申しておりましたお答えは、第二中学校の改築工事が終えた段階で、速やかに大船中学校に移行できるように準備をしていきたいというのが、答えなんですが、今のところ同じ答えしかないんですけれども、具体的には第二中学校の工事が21年、22年度ですから、大船中が23年度から着工できるように、今年度の後半からいろいろな事務的な手続、準備を行いたいと考えております。大船中、耐震的には昭和33年に建設された等もありまして、補強を要する建物でありますけれども、例えば補強設計、耐震診断、審査ですね、それらを含めますと、最低2年以上はやっぱり耐震工事というのは必要です。また、一度補強工事を行ってしまうと、国の補助金絡みの話になりますけれど、それで耐震工事が完了したと判断されまして、改築計画が先に延びてしまうといったおそれもございます。大船中学校の場合は耐震対策だけでなく、現在の教育環境にあわせた必要諸室の設置なども重要な検討課題と私どもとらえておりますので、これらのことから現段階においては改築の方向で速やかに進めていきたいと考えています。
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○森川 委員 私も大船中の場合は老朽化しているので、今さら耐震化工事はないだろうというふうには思っているんです。ただ、やっぱり23年から工事に入れるようにというふうにおっしゃっていましたので、協議会も早目に立ち上げるなり何なりして、本当に速やかに対策ができるように、ここのところだけは強く要望しておきます。
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○渡邊 副委員長 議会でも時々話題になるんですけれども、例えば職員室とかでですね、空調は今回、新しい建物の中でどうなっていくんでしょうか。
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○学校施設課長 生徒の普通教室に関しましては、検討協議会の中の父兄の意見もありまして、普通教室には必要ないだろうという声もあります。ただ、管理諸室、職員室、事務室につきましては、空調は入れる方向で私どもは考えております。
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○渡邊 副委員長 これは例えば、今、学校つくる基準みたいなものも全国的にあるのかなというふうに思うんですけれども、今、トレンドというか、今現在どういうふうに、ほかの全国的に新しいものをつくるときにはどういうふうになっているかとか、そういうことはわかりますでしょうか。
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○学校施設課長 全国のトレンドといわれると、ちょっと私申しわけなくて、わからないんですけれども、県内で申しますと、お恥ずかしい話ですけれど、今、鎌倉市だけが職員室に入っておりません。ですから、管理諸室だけは耐震がありますので早急にとはいかないんですけれども、冷房設備は入れていきたいなと思っております。
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○渡邊 副委員長 普通の教室で空調入れているところ、冷暖房入れているようなところというのはないんですか。県でも、知っている範囲で結構ですけれど。
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○学校施設課長 私の知っている範囲では、県では普通教室、冷暖房はないと思います。
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○渡邊 副委員長 今回、もし入れる…。
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○学校施設課長 藤沢にございますということです。
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○渡邊 副委員長 藤沢、一つの学校か、市単位で新しいところはそうやっているのか、その辺はわかりますか。
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○安良岡 教育総務部次長 基地対策の関係で、長後中学校等に冷暖房等が入っておりますので、あわせて大和市等にも入っている学校もございます。それらはすべて基地対策関係ということになってくるかと思います。
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○渡邊 副委員長 特別な立地要件があるから、そういう形にしたのかなと。先ほど、トレンドというか、スタンダードですよね。としては、まだ普通教室の部分では取り組んでないというようなことだと思うんですけれど、今回、教職員室ないし例えば校長室とか事務室とか、その辺は入れるということで、これビルトインで入れるわけですかね。外づけじゃなくて、設計段階で。
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○学校施設課長 その予定でございます。
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○渡邊 副委員長 そうすると、コストは後で取りつけるよりも安くなりますか。
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○学校施設課長 どのくらいの割合で安くなるかわかりませんが、確実に外づけよりは安くなると思います。
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○渡邊 副委員長 今回初めてですよね。そうすると、鎌倉市内にはついていないということですから、これが一つの取り組みというか、今後空調どうするか、それは話題になると。今、気象が非常に激しくなっている、昔の日本と違って暑いときは非常に暑い、寒いときは非常に寒いみたいなところがあるというふうに思いますので、今後、ほかの学校どうしていくかということも考えた上で、あとを進めていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いします。
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○納所 委員長 ほかに御質疑はございませんか。
(「なし」の声あり)
では、質疑を打ち切ります。
ただいまの報告については、了承することでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
では了承と確認させていただきました。
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○納所 委員長 続きまして、報告事項(2)「御成小学校校舎等の取得について」を議題といたします。原局から報告を願います。
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○学校施設課長 報告事項(2)御成小学校校舎等の取得について、その内容を説明いたします。
財団法人鎌倉市学校建設公社が建設いたしました御成小学校の校舎等につきましては、平成11年度から順次買いかえを行ってきており、今年度においても、その一部について取得しようとするものでございます。
今年度取得しようとする部分は、お手元に配付させていただきました資料、1から2ページ、配置図・平面図の網掛けの濃い部分、左上のことばの教室及び平成11年度からの取得により生じた端数面積でございます。
今年度取得しようとする部分の延べ床面積は384.58平方メートルで、校舎等の総延べ床面積の約5.3%に当たります。これにより本年度の取得をもって、校舎等の買いかえにつきましては完了いたします。取得面積の合計は7,294.15平方メートルとなります。
なお、取得金額は1億4,291万9,407円で、本件の取得につきましては、今定例市議会において、議案第7号不動産の取得についてとして提案させていただき、別途御審議をお願いしているところでございます。
以上で報告を終わります。
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○納所 委員長 ただいまの報告について、御質疑はございませんか。
(「なし」の声あり)
質疑を打ち切ります。
ただいまの報告について了承することでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
了承と確認をさせていただきました。
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○納所 委員長 続きまして、報告事項(3)「平成19年度心のふれあい相談員の活動報告について」を議題といたします。原局から報告を願います。
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○教育センター所長代理 心のふれあい相談員の活動状況について、昨年9月の当常任委員会で報告させていただいた、心のふれあい相談員の平成19年度の活動について報告します。
いじめの早期発見・早期対応を図り、悩みや問題を抱えている児童のための教育相談支援体制の一層の充実を図るため、平成19年6月から、市内小学校に心のふれあい相談員を配置いたしました。
相談員は、教員OBを中心として2校に1名、計8名を配置し、1校当たり2週に1回、1回当たり4時間程度の活動をしています。
お手元の資料、平成19年度心のふれあい相談員活動報告を御参照ください。昨年度の全活動件数は1,207件で、遊び等話し相手が424件の35%で、次に相談業務が302件で25%、教育支援が247件で21%、その他が234件で19%でした。このうち、相談業務302件の内訳といたしましては、学級指導や不登校等についての教員との協議・相談が141件、友人関係や学習等についての児童からの相談が136件、友人関係やいじめ等についての保護者からの相談が25件でした。
活動における成果といたしましては、児童への声かけにより、児童同士の人間関係の改善が見られ、明るい表情が見られるようになった。ふれあい相談員と連携をとることで教員側にとって児童理解の幅が広がった。学期を重ねるたびに、相談員、児童、教員間での意思疎通が深まるとともに、ふれあい相談員が児童にとって大事な人になってきている、等の報告を受けています。
また、要望や課題といたしましては、多くの学校から活動日をふやしてほしいという声が多かったことから、平成20年度は相談員1名当たり、66時間増で予算化させていただきました。引き続き、各校における相談員の活動状況を把握・分析する中で、本事業のさらなる充実に努めてまいりたいと考えています。
以上で報告を終わります。
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○納所 委員長 ただいまの報告につきまして、御質疑はありませんか。
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○前川 委員 今の報告を伺って、一つお伺いしたいんですが、相談員さん同士の集まりというのは年間どのくらいありますでしょうか。
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○教育センター所長代理 年度途中にはできませんでしたけれども、年度当初にスクールカウンセラーさんも含めまして、1回、相談員さん、スクールカウンセラー、それからセンターの相談員も交えた会合を持っております。今後、相談員さんの意見等も聞きながら、そういう相談員同士の連携が図れるような場がつくっていければよいと考えております。
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○前川 委員 実際にこのふれあい相談員さんのいわゆる活動しながらの悩みみたいなのは聞こえていますでしょうか。何かこうしたいなとか、こういうことがあったけど、どうしたらよかったかといった、実際の声を。
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○教育センター所長代理 直接、相談員さんから私が聞いたわけではございませんが、報告書の中では、やはりお子さんの悩みを聞いたときに、基本的には管理職に報告をいたすのですが、問題にどこまで踏み込んで自分が動いていいのかを悩んでいらっしゃる相談員さんはいらっしゃるというふうには、報告書の中からは読み取れました。
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○前川 委員 そういうふれあい相談員さんが悩んだときに、相談員は実際どういうふうに動くのか、例えば、先生に相談するのか、そういうふうに連携がとれているかどうか。
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○教育センター所長代理 基本的には今申し上げましたように、校長の指揮下のもとに動くのが相談員さんの役目でございます。当然、お子さんの悩み、あるいは保護者等の悩みをお聞きになったときには、その担任と教頭、あるいは管理職を介しまして、もし関連がありましたら養護教諭等と相談をいたしまして、相談員一人が抱え込むということはございません。そのほか、場合によってはセンターの相談室の職員と連携もとることもございます。
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○前川 委員 わかりました。相談員さんのメンバーの内訳は、たしか元学校の先生、それから、PTA、それから現在の鎌倉女子大の生徒さんでしたでしょうか。たしか学生さんもいらっしゃったと思いますが、その中のそれぞれきっと感じ方が違ってくると思いますけれども、やはりそれを一生懸命みんなでこなしていっていただきたいなと思います。多分メンバーの更新は1回あったのかもしれませんが、変わってないのかもしれませんけれども、2校に1人で配置されていると思いますけれども、今後この更新の調整はどのようにしていくかということは考えていらっしゃいますか。
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○教育センター所長代理 今、委員のおっしゃった学生さんについては、昨年度で終わりまして、1年更新なんですけれども、その方のかわりに47歳の元教諭の女性の方が入ることになりました。そのほか、以外の方は継続でございます。
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○前川 委員 わかりました。学生さんが入っていらっしゃるの、とてもいいなと思っていたので、今いらっしゃらなくなっちゃって、ちょっと残念だなと思いますが、当初のころ、ちょっと私も幾つか学校回らせていただいて見せていただいたんですが、先生と一生懸命頑張ってくださっていると思いますが、ぜひ、校長先生、教頭先生並びに教職員の皆さんとこのふれあい相談員の方たちの連携を本当に密にとっていただきたい。連携というよりは、まず親しくなっていただきたいと、お願い、強く要望したいので、先生一人ひとりがこのふれあい相談員さんを受け入れてくださるように、心がけていただきたいと思います。また、先生の異動もあるでしょうから、たんびにそれはしっかりと引き継いでいただきたいと思います。ありがとうございました。
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○森川 委員 今回、かなり活動日の拡大の要望があったということで、20年度からまた66時間ふやしたというお話だったんですが、実際に月を追うごとに、この相談件数というのはふえているんでしょうか。
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○教育センター所長代理 月ごとというか、学期ごとにまとめて報告をしていただいていますけれども、特に学期ごとで大きく変わっているということはございません。
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○森川 委員 ちょっと私はこの相談業務の内訳を見て、ちょっと驚いたのは、児童・保護者の相談件数より、教員からの相談内容が多いということに、ちょっと正直言って驚いたんですね。例えば、学級指導とか不登校、教科指導などで、その他もありますけれども、141件というふうになっていますよね。というふうに考えたときに、相談員がいて助かったんだと思うんですが、学校の中での相談体制ってどうなっているんだろうって、ちょっと正直言って思ったんですよ。普通であれば、例えば学年とか教頭とか校長とか、そこら辺の中である程度解決図られる問題が、やっぱりなかなか相談しにくくって、逆に心のふれあい相談員さんに相談しているのかなと考えたときに、そこの中での連携との調整というんですかね。そこら辺はどうなっているのかなって、ちょっと心配なんです。
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○教育センター所長 ふれあい相談員さんに、学校の先生が相談するというよりは、子供は小学校の場合、教科担当という、学級を見ていますので、子供の様子を見たときに、具体的な子供の事例について、一つ一つこういう形でこういうふうに指導していこうという、相談というよりは意思疎通、協議という形の中でカウントされた数がここに出ていると思います。したがいまして、もちろん相談員さんと担任との連携、あるいは学校の中に支援の委員会がございますので、ケースについては、その中の全職員、あるいはグループの中で相談という形でやっています。くれぐれも相談員さんが、もちろん管理職に相談することはあると思いますけど、指導の成り行きで、こういう形でこの子を見守っていきましょうよという形で協議をしていく、指導の方針を決めていく、そういう形の中でのカウントがここに挙がってきているかと思っています。
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○森川 委員 ということになると、今のお答えですと、別に教員が相談したんではなくって、例えば心のふれあい相談員さんの方が、この子ちょっとあれだって気づいたことを、要するに学校の先生と協議した内容がこの数字にあらわれていると、そういう解釈でよろしいわけですね。
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○教育センター所長 はい、そうでございます。
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○森川 委員 わかりました。ということは、心のふれあい相談員が入ることによって、新たな問題の発見とか、そういうのができたということですよね。わかりました。そうじゃないとね、ちょっとこれはとても心配な数字だなと気になったところなんですが。
実際、結構不登校とか、いじめとか幾つか出ていますよね。件数としてはそんなに多くありませんけれど、これをやった中で、ある程度解決に結びついたという事例の傾向としてはどうなんでしょうか。
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○教育センター所長代理 いじめの相談があったケースで、それを担任と管理職と話をして、子供たち同士で話をして、それで解決したというケースが2例報告されております。
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○森川 委員 ここのところ、団塊の世代の大量退職で、教員の世界も本当に若い先生がふえてきていますよね。私もちょっと入学式なんかに行ってびっくりしたんですけれども、そういう中では、この心のふれあい相談員さんの果たす役割も大きくなるのかなというふうに思いますので、より一層の充実をお願いしたいと思います。
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○納所 委員長 ほかに御質疑はございませんか。
(「なし」の声あり)
質疑を打ち切ります。
では、ただいまの報告、了承かどうか御確認を、了承でよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
そのように確認をさせていただきました。
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○納所 委員長 続きまして、報告事項「スクールアシスタントの状況について」では、まず、前川委員の方から質問の内容についてお願いできますでしょうか。
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○前川 委員 追加に入れさせていただきましたけれども、スクールアシスタント、いわゆる学習介助をしてくださり始めていると思うんですね。最初たしか2校だったと思うんですが、今回ふえていると思います。そして、スクールアシスタントという学習介助と、それから生活介助の人数のバランスというんでしょうか。特別支援教室としてのバランスなどもちょっとお伺いしたいなと思っているんですが、いかがでしょうか。
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○教育指導課長 まずはこちらの方の報告をさせていただくということで御質問を受けたいと思います。
日程第2報告事項スクールアシスタントの活動状況について、御報告いたします。スクールアシスタントにつきましては、平成19年度から配置を開始した新しい事業でございます。本市におけます特別支援教育の推進に当たり、一人ひとりのニーズに応じた適切な支援を実施するため、学習面においても、授業中に支援できる教員免許状を持つスクールアシスタントの設置及び導入により、特別支援教育のさらなる推進を図ることを目的として開始いたしました。
対象を小学校とし、順次全校への配置を計画しておりますが、開始初年度の昨年度は、七里ガ浜小学校と深沢小学校の2校に配置いたしました。今年度はさらに御成小学校、西鎌倉小学校、小坂小学校の3校を加え、5校に配置してございます。
活動の内容ですが、基本的には教室の中でTT、ティーム・ティーチングと同様の活動をしております。例えば、担任の一斉指示後の児童の理解状況の確認の中で理解が不十分である場合には補足説明を行い、皆が作業に取りかかれるようにする。また、聞いて理解することが苦手な児童には、作業がわかるように作業手順をカードで提示し、見通しを持たせ、児童がつまずかないよう工夫する。課題を途中で投げ出さずに最後までやり遂げられるよう児童にあった量を提示し、即座に褒める等により学習の中で児童が成就感を味わうことができるようにするなどの活動を行っております。
このような個々の児童へのさまざまな支援により、児童の自己肯定感が高められております。また、教室ではなかなか集中できず、学習できない場合には、担任との連携の上、時間や課題の内容や量を決めて、相談室等の別室での取り出しの指導を行うこともございます。そして、個々の児童の状況に応じた支援を行っております。
支援対象児童の様子といたしましては、スクールアシスタントの学習を楽しみにしている状況がうかがえ、そこでの充足感により、学級集団の中でも落ちついて学習に取り組めるようになっているという報告も受けております。
その他、学級の中でも児童全般への目配り等、担任一人では補い切れない教育ニーズに応じた指導や支援がなされております。今後もこのようなスクールアシスタントの小学校全校への配置を初め、本市における特別支援教育の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
以上報告をさせていただきました。
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○納所 委員長 ただいまの報告に御質疑ございませんか。
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○前川 委員 わかりました。それで伺いたいんですけれども、教室の中でスクールアシスタントが同席をして学習をするということだと思いますが、外に出して、別にして教えることもあるという御報告今あったと思うんですけれども、その場合のカリキュラムはどういうふうになるんでしょうか。
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○教育指導課長 場合によってでございますけれども、中にはなかなか教室の中で学習に集中できない子供にとりましては、場所一つ、環境を変える。そこで個別に教科指導を行う。基本的には教室で算数をやっていれば、その内容を別室において算数の授業。その場、その場でいろんなクラスに入っていただいていますので、そこで行われている学習内容を支援するという形で、教室の中でティーム・ティーチングでやる場合、また取り出して、別室で教科指導を行う場合というような形で対応していただいているというふうに聞いております。
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○森川 委員 わかりました。今回、3校ふえているということですけれども、時間の配分というのはどのようになっていましたでしょうか。先に聞かなきゃいけない。
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○教育指導課長 原則としまして、スクールアシスタント、非常勤嘱託員という形になってございますので、月12日の勤務、一応学校の指定する日にさせていただいて、調整を図っております。また、8月には勤務なしと、児童のいない月ということで。朝は基本的には8時15分から15時45分、また学校によってそれを前後して、遅く来ていただいて遅く帰っていただく、その辺は学校の方で勤務時間は設定するという形で出させていただいております。
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○前川 委員 そうしますと、科目によって指定される、呼ばれるということなんでしょうか。そのクラス担当。
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○教育指導課長 実際にメーンは教科指導における学習支援でございますので、また、小学校におきましては免許状を持たれた小学校経験の方でございますので、すべての教科の指導が可能であると。そして、その子供がやはり教科によって、どうしても集中できない教科、対応できないところに入っていただくということで、特に教科を固定して対応しているということはございませんが、それぞれの児童に対しては計画的な指導の中で教科を固定しているようなケースもあるというふうに聞いております。
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○前川 委員 そうしますと、この子はこの教科がちょっと不得意だなというところで計画を立てていくということですか。
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○教育指導課長 よくLDという形で、学習障害と言われますが、特に言葉の面で、諸事になかなか、一部なかなか理解が難しいと、そういうようなお子様の対応が入ってございますので、その教科という形で固定しているようなケースも出てくるということはございます。
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○前川 委員 わかりました。そうしますと小学校に入って、小学校1年生になった場合には、しばらくして様子を見ながら配置が決まっていくということですね。
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○教育指導課長 報告の中で、まずどの子にということも学校前提で考えていくということで、まず今回、19年度2校におきましては、特に当初、4月は担任の方からちょっと見てほしいというような児童が在籍する、あるいはちょっとクラスの様子を見るということで、クラスの中でティーム・ティーチングという形で全体を見る、その中で個別の必要な子供に対して、次の手だてを組んでいくという形で計画をしていくというような形で、昨年度1年間は活動がされたというふうに聞いております。
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○前川 委員 長くなって申しわけないんですけれども、もう一つだけなんですが、図工とか音楽とか、要するに教科書の、机の上でという、いわゆるそういうものではない授業のときに、それは学級支援員さんなのか、このスクールアシスタントなのか、その辺のところ、ちょっと教えていただけますか。
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○教育指導課長 今、御質問された教科と特に芸術的な部分につきましては、どちらの方もやっていただいているのが現実だと思います。ただ、支援員さんというのは、あくまでも子供についてあげて、安定して取り組めるような形のサポート、スクールアシスタントは、さらにその技術面、例えばリコーダーとか、ちょっと小学校の場合、リコーダーはないのかもしれない、ピアニカですか、小学校で私が拝見したのは、音楽でピアニカをやるときに、一緒の中ではなかなか練習ができないお子様を、スクールアシスタントがちょっと端について練習させて、そして自分の発表をさせるというようなことで取り組むと。若干対応の仕方はやはり支援員さんとそれからスクールアシスタントでは入り方が違うかもしれませんが、基本的には子供が安心して取り組める環境づくりにお手伝いいただいているということでございます。
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○前川 委員 わかりました。実はちょっと気になっているのは、とても支援員さん入っていただいて、安心しているんですが、今の学級支援員さんとスクールアシスタントですか、その両方が同時に教室にいるということがあるのかなと思いまして、余り手とり足とりばっかりになってしまうと、例えば、図工の前に準備ができ過ぎちゃったりしているとかということもあるかなと思いますので、その辺のところもやっぱり教育の一つだと思うので、準備も自分でしなきゃいけないとか、いろいろあると思うんですが、手があると、ついついいろいろな手が伸びてしまう部分もあるので、その辺のところで、もし同時に入る場合には連携をとっていただいて、またこれから一層の充実を図っていただきたいと思いますので、これは要望にかえて、よろしくお願いいたします。以上です。ありがとうございました。
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○森川 委員 ちょっとすみません。聞いていて気になったので。これは今、5校に配置しているというふうにおっしゃいましたけれど、この5校の配置の順番ですよね。これは要するに学校からの要望によって決めているんでしょうか。
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○教育指導課長 基本的には前年度、配置を校長会と協議する中で、要望、状況の報告の中で決定させていただいております。
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○森川 委員 今、前川委員もおっしゃっていましたけれども、学級支援・介助員、それから県からの教員の配置と、今いろいろな形の補助が入っていますよね。そこの調整というのをどういうふうにやっていらっしゃるのか。このスクールアシスタントって、例えば県からの教員が入っていないところに入れているのとか、そういうバランスというのはどういうふうにやっていらっしゃるんですか。
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○教育指導課長 基本的にはバランスも考慮させていただいております。特に介助員さんも同じ月12日の勤務でございますので、フルタイムではどちらもございませんので、介助員さんが入っている学校さんにつきましては、まずは支援員さんの方から、順次全校考えたいと思っておりますが、そのような形でバランスも考慮しながら配置をさせていただいているという状況でございます。
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○森川 委員 今、ティーム・ティーチングでやっているとおっしゃったので、ある程度皆さん相談の上でやられているのかなというふうに思いますけれども、前川委員が言ったように、それこそ支援・介助員さんとの協議とのバランスというところも十分考慮していただきたいと思います。
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○納所 委員長 ほかに御質疑はございませんか。
(「なし」の声あり)
質疑を打ち切ります。
ただいまの報告で了承ということでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
そのように確認させていただきました。
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○納所 委員長 続きまして、報告事項「学校教育問題対策委員の状況について」を議題といたします。
まず、これも報告を受ける前に、前川委員の方から概略、趣旨を御説明いただきたいと思います。
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○前川 委員 一般質問の中でも、親御さんのクレームの問題を取り上げさせていただいています。そしてその後、学校教育問題対策委員会というのが教育委員会の方でも徐々に必要だということで考えて、つくっていただいたと思います。その後の報告をちょっとお聞かせいただきたいと思いますが、細かいものからたくさんあると思いますが、実際に、これはたしか弁護士さんが入っていらしたと思います。実際に学校でにっちもさっちもいかなくなってしまって、この対策委員会に活動をお願いしたという例がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
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○納所 委員長 では、原局から報告を願います。
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○教育指導課長 日程第2報告事項学校教育問題対策委員の状況について御報告いたします。
学校教育問題対策委員につきましては、平成19年度から委嘱及び派遣を開始した新しい事業でございます。
この学校教育問題対策委員は、保護者対応等、鎌倉市立小・中学校が抱える専門的な教育課題の解決を図るため、校長の申請により学校に派遣して指導・助言を行うものでございます。
初年度であります昨年平成19年度は、委員として弁護士、臨床心理士、小学校校長OB、中学校校長OBの4名の方を委嘱し、小学校3校、中学校1校の4校から5回の派遣申請がございました。
派遣に係ります事由は、小学校では、地域住民の学校運営に支障を来すような限度を超えた言動がございまして、それへの対応について、指導・助言を求めたもの。また、学級内でのいじめにかかわる保護者への対応についての指導・助言を求めたもの、そして、校内において発生した児童問の事故をめぐる学校側の対応についての指導・助言を求めたものなどでした。
また、中学校では、私立学校から転入した生徒の学習評定に対する保護者への対応についての指導・助言を求めるものもございました。
今後もさまざまな学校教育問題で対応に苦慮する学校に、この学校教育問題対策委員の取り組みを初め、各学校が本来の学校教育に専念できるよう支援に取り組んでまいりたいと思います。
以上で、報告を終わります。
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○納所 委員長 ただいまの報告に御質疑はございませんか。
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○前川 委員 ありがとうございました。大体4件だということだと思いますが、記録に残っているのは。お答えになれる範囲で結構なんですが、解決に至っているのかどうか、この4件、いかがでしょうか。
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○教育指導課長 継続して申請のあったものは、小学校で1ケースございました。他の学校からは継続しての派遣申請がないため、それぞれの学校において何らかの解決が図られたものと考えております。
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○前川 委員 継続が1件ということですけれども、地域住民の学校運営を妨げるようなものって、ちょっと例ではどんなことが、お答えになれなければいいですけれど、なれればちょっと教えていただきたいんですが。
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○教育指導課長 学校の指導に対しまして、過度の電話による要求であったり、あるいは実際に直接児童への声かけをされて、指導にちょっと苦慮したとか、あるいは教職員に対してちょっと不適切といいましょうか、不当な発言等、そのようなものを受けたというようなケースが報告され、それへの対応を考えていただいたというケースでございます。
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○前川 委員 そうですか。わかりました。例えば、どの件でも結構なんですが、学校で、もうこれ以上学校だけでは無理ということで要請があるんだと思うんですが、どのぐらいの頻度でこれは活動していただけることになるんでしょう。頻度というか、要するに学校と対応していくわけですよね。その相手方とも接触していくわけですか。
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○教育指導課長 基本的には学校へは校長への指導・助言ということで派遣をしておりますので、直接対象となる第三者といいましょうか。保護者等との指導という形では派遣してございません。
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○前川 委員 その場合には、学校側は当事者である先生プラス管理職ということですか。
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○教育指導課長 実際、派遣する場合には、学校側は基本的に管理職、それから当該の学級担任あるいは養護教諭、必要に応じて学校の方も出席を可能にしてございます。あわせて教育委員会の方からも一緒に行って状況把握するということで、学校側、それから対策委員の先生、それから教育委員会の担当ということでケースについてみんなで考えていくというような場の設定をさせていただいております。
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○前川 委員 わかりました。この4件、継続1件ということになりますけど、お答えにくいでしょうから余り聞きませんが、その辺のところは。
例えば、この4件を経験なさって、課題というのは残っていますでしょうか。
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○教育指導課長 昨年度の派遣内容から考えた場合、専門性の高い対策委員の助言・指導を求めるケースがほとんどでございました。弁護士、それから臨床心理士等の要請でございまして、その委員数といいましょうか。スケジュール調整等がなかなか難しい面がございまして、タイムリーな対応ということに非常に苦慮いたしました。そのような点が、やはり課題ということになっているかなと思います。
また、そのケースによってはまたその派遣数も、これは本当に予想が難しいことでございますので、その辺、報酬として出させていただく予算面での措置というものも、やはり我々としてもなかなか難しいところでございますが、1年間やってみての今後の課題というふうにとらえてございます。
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○前川 委員 4名のうち、弁護士さんとそれから臨床心理士さんの出番の方が多かったということですね。内容が結構深刻なんだということだと思います。今後もこれも続いていくことだと思いますけれども、今、予算の話もありましたので、なかなか難しいでしょうけれども、やはり専門性のあることは、もしかしたらもっと必要になってくるかもしれませんので、その辺よく研究をなさっていただきたいと思います。
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○納所 委員長 ほかに御質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑を打ち切ります。
ただいまの報告については了承することでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
そのように確認させていただきました。
では、教育総務部職員退室、生涯学習部職員入室のため、暫時休憩いたします。
(11時14分休憩 11時16分再開)
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○納所 委員長 それでは、再開いたします。
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○納所 委員長 日程第3報告事項(1)「(仮称)鎌倉美術館整備方針の策定について」を議題といたします。原局から報告を願います。
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○島崎 生涯学習部次長 報告事項(1)(仮称)鎌倉美術館整備方針の策定について、御報告いたします。事前にお配りいたしました資料(仮称)鎌倉美術館整備方針をごらんください。
寄贈されました野村総合研究所跡地において、歴史の博物館とともに整備が予定されている(仮称)鎌倉美術館につきましては、昨年9月の当委員会におきまして、(仮称)鎌倉美術館検討委員会を設置し、今までの美術館の基本構想や複合博物館の基本計画(案)の考え方を踏まえた上で、美術館の作品収集方針、展示方針、運営方針などについて検討・検証を行うことを報告させていただきました。
その後、5回の検討委員会での審議を経て、(仮称)鎌倉美術館整備方針案が検討委員会により取りまとめられ、それをさらに精査し、鎌倉市の整備方針として整理し策定しましたので、その概要について御報告いたします。
(仮称)鎌倉美術館整備方針は、第1章基本的な考え方、第2章事業活動計画、第3章施設計画、第4章管理運営計画の4章により構成してあります。1ページ及び2ページを御参照ください。
第1章では、基本的な考え方として、明治以降、多くの芸術家が鎌倉にあこがれ、移り住み、この地ですぐれた作品を生み出してきたという特徴的な事象があり、そうした中で生まれた作品を収集し、身近に鑑賞できる美術館が待望されていることから、鎌倉ゆかりの芸術家作品の展示、収集、保存、継承を美術館の大きな柱としていること。
そして、さらに鎌倉の未来を担う子供たちに資する施設として、周囲の恵まれた自然環境も活用しながら、豊かな感性をはぐくむことのできるような展示や教育普及活動を展開していくことなども美術館が目指すべきものとしてまとめています。
3ページをごらんください。ここでは、(仮称)鎌倉美術館の特徴を4項目掲げています。
まず、鎌倉ゆかりの作品の収集・保存だけでなく、作者と鎌倉とのかかわりや、その作品が収集されるに至った経緯も一つのゆかりとして探っていくこと。また、市民、芸術家、他の美術館との交流から新たなゆかりを生み出していく美術館とすること。
次に、周囲の自然環境も活動の重要なフィールドとして、美術活動を展開すること。
また、色彩や造形など美術の基本に関する展示や教育普及活動を通して、感性を育成し、美を知り、生み出すような活動を展開すること。
そして、歴史の博物館との複合施設となることから、相互に協調することにより、効率的かつ魅力的な運営を目指すこと。の4点を特徴として記載しています。
4ページからの第2章事業活動計画では、第1章で掲げた考え方を実現していくための美術館の事業活動の詳細をまとめています。
まず、収集・保存活動では、5ページにかけまして、鎌倉ゆかりのすぐれた作品などの寄贈・寄託を積極的に推進するとともに、時機に対応した購入が可能となるように、購入基金の設置を検討することとしています。
また、収集分野では近現代に製作された油彩画、日本画などの平面作品を中心としていくものとしています。
6ページの調査研究活動では、調査活動のテーマを鎌倉ゆかりの芸術家及びその作品を基本に次代を担う若手芸術家の活動と子供たちの鑑賞活動・美術創作活動と設定し、調査研究の成果についてはホームページなどを活用し、広く紹介していくものとしています。
7ページ及び8ページの展示活動では、既存建物の再活用、歴史博物館との併設という特性を個性として生かしながら、展示室では可動壁面を用いて、常設展示、企画展示、また、感性の育成につながる展示を効率的に展開していくものとしています。
そのほか、9ページに記述していますが、市民ギャラリーを設けることや、教育普及活動で製作された作品を商店街や駅などの街中での展示することを計画しています。
10ページからの教育普及活動では、13ページにかけまして、ワークショップ、ギャラリートーク、講座・講演会、専門家との交流、広報活動などを通して、わかりやすく楽しく学べるようなはぐくみ、つながり、伝える活動を展開していくものとしています。
14ページからの第3章施設計画では、平成18年3月にまとめられた複合博物館・市民活動交流館基本計画(案)の内容から、美術館の延床面積をおよそ3,300平方メートルと設定する中で、建物の再生活用ということを念頭に諸室の構成を検討しています。
15から16ページは、施設の機能と来館者と管理者の動線を示し、17から18ページでは、本館の一部で美術館を整備するとした場合の大まかな配置案を掲載しています。
19ページからの第4章管理運営計画では、22ページまでにかけまして、多様な活動を展開する美術館を適切に運営していくため、館長や学芸員などの配置が必要なこと。また、運営形態につきましては、指定管理者制度導入の可能性も含め、今後検討していくこととしています。
最後の23ページには、今後の課題としまして(仮称)鎌倉美術館検討委員会から課題として提示されました事項として4点を記載しています。
まず、野村総合研究所跡地での複合博物館という特性を踏まえる中で、交通アクセスの問題、そして敷地全体のグランドデザインの必要性。また、美術館の詳細を検討していくために、将来中心となる学芸員を参加させた準備室の早期設置、そして収集活動を推進するための美術館専門の収集委員会の設置の4点が今後の課題として提示されております。
以上が策定いたしました(仮称)鎌倉美術館整備方針の概要ですが、この整備方針につきましては、この後、鎌倉市のホームページで公開することを予定しております。
また、この整備方針を受けまして、今年度は専門家6名程度をメンバーとする新しい検討委員会を立ち上げ、既存建物の中での具体的な諸室の配置計画などを御審議いただくことを予定しております。
以上で報告を終わります。
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○納所 委員長 ただいまの報告に御質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑を打ち切ります。
ただいまの報告については、了承することでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
了承ということで確認をいたしました。
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○納所 委員長 続きまして、報告事項「大町六・七丁目名越邸の発掘調査について」まず、先ほどと同じように、前川委員の方からちょっと概略、趣旨の御説明をお願いしたいと思います。
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○前川 委員 本会議でも三輪議員が文化財保護の話の中で、関連でお話なさっていたと思いますが、大町六丁目の国際自動車所有地の開発の話があります。国宝級の青磁が過去に出ているということで、国立博物館に所蔵してられているということですが、地元住民が学術調査をしてほしいという話がありまして、請願署名も約3,000名集めたということがあります。そんな話も聞いております。また、住民であります町内の一人である林代議士が文化庁で国会質疑の中でもやはりこういう質問しておられます。市長もタウンミーティングの中で、やはり調査をするというようなことをおっしゃっていたので、それで請願は出されないということになりましたが、その後、調査するにも土地所有者の協力が必要だと思いますけれど、今、その現状、それから経過を教えていただきたいんですけれども。
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○納所 委員長 それでは、原局から報告を願います。
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○文化財課長 御報告に入ります前に、私どもの方で地図を用意いたしましたので配付をさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
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○納所 委員長 はい、どうぞ。
では、暫時休憩いたします。
(11時26分休憩 11時27分再開)
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○納所 委員長 それでは、再開いたします。
では、報告願います。どうぞ。
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○文化財課長 大町六・七丁目における発掘調査の状況とその後の状況について御報告をいたします。
まず、調査する土地等の所在地番は、大町六丁目1442番4及び同番1で、地目は1442番4が登記、現況ともに宅地、1442番1は登記が山林、現況は雑種地であります。
明細地図をお手元の方にお配りさせていただいておりますが、太く枠線で囲まれた大きな土地、こちらが1442番4、小さい土地が1442番1でございます。この土地の所在でございますが、大町三丁目、安養院先を逗子方向へ200メートルほど進みまして、大町薬局そば交差点すぐ先を左に入ります。川沿いの道を700メートルほど進み、左へ曲がり、釈迦堂口へ向かう道をさらに進んで、途中右側に入りまして、道なりに進みました行きどまりの土地でございます。地積は1442番4が登記面積3,558.89平方メートル、1442番1は登記面積695平方メートルであります。
所有者は、横浜市中区に住所を置きます有限会社ナイスプラニングで、同社は平成19年9月にこの土地を取得しております。
当該土地では、先ほどもお話のございましたように、昭和28年に青磁の鉢3個が極めて良好な状態で発見され、後に重要文化財として東京国立博物館に収蔵されましたこと、また、この土地は遺跡名を北条時政邸という周知の埋蔵文化財包蔵地であること、当該土地のうち山稜部には日月やぐら、唐糸やぐらなどの貴重なやぐらがやはり良好な状態で多数存在していることなどから、当該地では鎌倉市内でも歴史的に極めて重要な場所と考えられますが、今日まで具体的な発掘調査が実施されたことがなく、その具体的な遺構等の様子につきましては解明されておりません。
鎌倉市教育委員会としましては、当該地における埋蔵文化財の具体的な状況を確認することを目的に調査を実施したいと考えておりましたが、現所有者の宅地造成計画が明らかになったことを契機に、この土地に対する発掘調査の必要性が地元住民の間に喚起されることになり、また、本年4月21日の衆議院決算行政監視委員会において、この土地の発掘調査及び保存に関する質疑が行われております。文化庁からも速やかな調査の実施について指示を受けております。本市教育委員会としましても、当地の歴史上の価値及び学術的な価値を調査することは、本市埋蔵文化財の実態の解明に資するものであることから、今回、発掘調査を実施しようとするものであります。調査は7月初旬に着手し、現地での発掘調査に約3カ月、その後、出土遣物や調査図面の整理・分析、調査結果の取りまとめに同じく約3カ月を見込んでおります。
なお、調査に当たっては土地所有者の承諾が必要であるため、現在、その承諾を求めているところであります。
以上で報告を終わります。
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○納所 委員長 ただいまの報告に御質疑ありませんか。
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○前川 委員 ありがとうございました。調査結果には所有者の承認が必要ということですけれども、ただいまやってくださっていると思いますが、その見込みはいかがでしょうか。
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○文化財課長 所有者の方につきましては、今回の調査について、趣旨を御説明しておりまして、一定の理解を得たものと受けとめております。また、そのやりとりからも、調査の同意に当たりまして、私どもの方は好感触を得ているというふうに考えております。
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○前川 委員 そうしますと、ちょっとせっかちなようですが、7月の初旬とさっきおっしゃいましたけれども、調査に入れるということでしょうか。
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○文化財課長 その見込みでおります。
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○前川 委員 確認なんですが、そうしましたら、3カ月かかるだろうということですけれども、何か発掘されたとしまして、発掘されたものが出て、その後、どういうふうになっていくのか、経過を教えていただけますか。
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○文化財課長 発掘調査中でも、随時文化庁と県には報告、相談をいたすつもりではございます。重要な遺構が出現しまして、遺跡として保護する方針が決まりますれば、国の指定史跡に向けて文化庁と具体的な協議に入ります。史跡指定には、これもまた土地所有者の同意が必要でありますが、この同意を得まして、文部科学大臣に史跡指定申請書を市から提出をし、これを受けまして、文部科学大臣は文化審議会に諮問しまして、指定することの答申を審議会から受けた後、史跡指定の告示を行うとともに、土地所有者に通知をすることになります。
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○前川 委員 そうすると、その土地所有者に伝えて、その後、住民の要望は調査を行ってほしいということなんですが、その後どうなっていくかというのは、見通しが、ちょっと見当がつかないんですけれども、例えばここの場所が何か出て国指定史跡になると、この土地はどうなっていくんでしょうか。
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○文化財課長 史跡に指定されますと、大幅に土地の所有権が制約されるということになります。またその一方で、史跡は国民の共有の財産であります。また、地域の歴史を知る上で貴重な財産でもございます。その適切な保全・保護を期する上で、また、広くこの史跡を公開活用するためにも、土地所有者からの買い取りの申し出に基づきまして買収をして、公有地化を図ることについてはよく検討していきたいと考えております。
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○前川 委員 わかりました。この発掘に関しては国から補助金が出るわけですよね。
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○文化財課長 調査経費の50%、2分の1が国からの補助金としていただけるということを考えております。
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○前川 委員 そうすると、あと残りの2分の1は、県と市で分けていくという形になりますか。
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○文化財課長 県はこの経費のうち、6分の1以内とその残ったものが、市の方の負担ということになります。
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○前川 委員 わかりました。それでは、地元住民のまず一番の要望でありました調査がされるということで安心いたしましたので、また、その先は逐一報告をお願いしたいと思います。
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○納所 委員長 ほかに御質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑を打ち切ります。
ただいまの報告については了承することでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
了承ということで確認させていただきました。
それでは、ちょっと時間が11時半を過ぎましたので、午前中の審査はこの程度にとどめて、残り午後に行いたいと思いますので、暫時休憩をいたします。
(11時36分休憩 13時10分再開)
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○納所 委員長 それでは、再開いたします。
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○納所 委員長 日程第4報告事項(1)「国指定史跡の追加指定について」を議題といたします。原局から報告を願います。
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○世界遺産登録推進担当課長 御報告の前にまことに申しわけございませんが、資料の訂正の方を1点お願いしたいと思います。恐れ入りますが、資料7と書いてある資料の方をお開きいただきたいと思います。こちらの方で誤字が一つございまして、16番の北条氏常盤亭でございますが、定める定ですね、定職の定から料亭の亭、なべぶたに口と書く、あちらの亭の方へ恐れ入りますが、御訂正の方、お願いしたいと思います。まことに申しわけございません。
それでは、報告事項(1)国指定史跡追加指定の状況につきまして、御報告の方をさせていただきたいと思います。
今回御報告する史跡追加指定5件に関しましては、平成20年2月開催の当委員会において、文部科学大臣あて、史跡追加指定申請を行った旨、御報告をさせていただいているところでございます。その後、平成20年5月16日付をもちまして、国の文化審議会から追加指定するよう答申されましたので御報告をするものでございます。
資料1の国指定史跡の追加指定案件の概要の方をまずごらんいただきたいと思います。資料1の1段目の寿福寺境内でございますが、あわせまして資料2の国指定史跡寿福寺境内追加指定範囲図の方をごらんいただきたいと思います。
史跡名称は寿福寺境内で、追加指定箇所の所在地は鎌倉市扇ガ谷一丁目93番8となっております。
追加指定の理由の要旨でございますが、源頼朝の父義朝が館を営んだ地に、北条政子が栄西を開山に招いて建立した寺院でございまして、現在も往時の鎌倉五山第3位の寺格にふさわしい禅刹の姿を伝える。石切山の裾部のやぐら群、切岸等が存在する箇所を追加指定して保護の万全を図るとの内容になっております。
追加指定範囲でございますが、資料2の太枠内を斜線で示した1カ所でございます。追加指定の面積が99平方メートルでございまして、史跡全体の面積は、これによりまして、既指定地と合わせて41,371.48平方メートルとなるものでございます。
次に、資料1の2段目の永福寺跡についてでございますが、あわせて資料3の国指定史跡永福寺跡追加指定範囲図の方をごらんいただきたいと思います。
史跡名称は永福寺跡で、追加指定箇所の所在地は鎌倉市二階堂137番1ほかとなっております。
追加指定の理由の要旨でございますが、源頼朝が奥州合戦の時に見聞した平泉の浄土寺院に倣って鎌倉の地に建立した壮大な寺院跡。文治5年(1189年)に建設が始められ、二階堂、阿弥陀堂、薬師堂の三堂のほか、多数の建物が順次整備された。これまで未指定であった5カ所を追加指定して保護の万全を図るとの内容になっております。
追加指定範囲は資料3の太枠内を斜線で示した区域でございまして、追加指定面積は383.76平方メートルで、史跡全体の面積は、既指定地と合わせまして8万7,463.54平方メートルになるところでございます。
続きまして、資料1の3段目の名越切通でございますが、あわせまして資料4の国指定史跡名越切通追加指定範囲図の方をごらんいただきたいと思います。
史跡名称は名越切通で、追加指定箇所の所在地は鎌倉市大町五丁目2006番ほかとなっております。
追加指定の理由の要旨でございますが、鎌倉と逗子子市小坪(三浦方面)を結ぶ峠道で、天福元年(1233年)には名越坂とあり、鎌倉七口の中でも最も早い時期に開削されたと見られる。やぐら群などの遺構、切岸などの人為的地形が良好に遺存する鎌倉市側の山稜部を追加指定して保護の万全を図る、との内容になっております。
追加指定範囲は、資料4の太枠内を、ちょっとわかりにくくて恐縮でございますが、左上側から右下側にかけて引いた斜線で示した区域となっておりまして、追加指定面積が5万48.11平方メートルでございます。史跡全体の面積は、これによりまして、既指定地と合わせ5万3,338.11平方メートルとなるものでございます。
続きまして、資料1の4段目の朝夷奈切通でございますが、あわせて資料5の国指定史跡朝夷奈切通追加指定範囲図の方をごらんいただきたいと思います。
史跡名称は朝夷奈切通で、追加指定箇所の所在地は鎌倉市十二所字関ノ上318番となります。
追加指定の理由の要旨でございますが、鎌倉市の北東部、横浜市との市境をまたいで所在する、鎌倉と東京湾側の外港六浦を結ぶ峠道で、仁治2年(1241年)に開削工事が進められた鎌倉七口の一つ。切通道の多様な性格を示すやぐら群や切岸などの遺構群が分布する山稜部を追加指定して保護の万全を図るとの内容になっております。
追加指定範囲は、資料5の太枠内を斜線で示した1カ所となっており、追加指定面積は99平方メートルで、史跡全体の面積は、既指定地と合わせまして9万7,098.87平方メートルとなるものでございます。
続きまして、資料1の5段目の極楽寺境内・忍性墓でございますが、あわせまして資料6の国指定史跡極楽寺境内・忍性墓追加指定範囲図の方をごらんください。
史跡名称は極楽寺境内・忍性墓で、追加指定箇所の所在地は鎌倉市極楽寺三丁目1022番7ほかとなっております。
追加指定の理由の要旨でございますが、社会事業、土木事業に尽力した西大寺律宗の僧である良観房忍性が開いた中世鎌倉を代表する寺院の一つ。鎌倉北条氏等によって庇護を受け、盛時には七堂伽藍が建ち並んでいた。平成20年3月の追加指定・名称変更以後、条件の整った箇所を追加指定して保護の万全を図るとの内容になっております。
追加指定範囲は、資料6の太枠内を斜線で示した区域となっておりまして、追加指定面積は784.69平方メートルで、史跡全体の面積は、既指定地と合わせまして4万791.19平方メートルとなるものでございます。
今回、御報告させていただきました国指定史跡の追加指定の状況につきましては、いずれも世界遺産登録推進に向けた取り組みの一環であることを申し添えまして、以上で国指定史跡の追加指定の報告について終わります。
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○納所 委員長 ただいまの報告に御質疑はありますでしょうか。
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○森川 委員 済みません。ちょっと基本的なことだけ教えてください。今回、追加指定になったところは、ようやく条件が整ったところだと思うんですが、主に条件として、今まで追加できなかったというのはどういう条件が整わなかったか、ちょっと教えてください。
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○世界遺産登録推進担当課長 やはり一番大きな条件というのは、地権者様の御同意をいただくということが一番大きな課題となっておりまして、そういったことを今回、御同意をいただいたということで追加指定したところでございます。
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○森川 委員 次の指定で次回ということで、名越の切通と仮粧坂が挙がっているんですけれども、そのほかにまだ追加指定をしたいというところは、この資料7のアスタリスク以外にあるんでしょうか。
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○世界遺産登録推進担当課長 世界遺産登録としての史跡指定の指定としましては、ほぼ終了してございまして、資料7のところにも書いてございます、名越と仮粧ですね。こちらの方を次回、申請手続等を御報告させていただきまして、これをもちまして、世界遺産登録としての史跡整備の御報告といいますか、指定につきましては終了というふうに考えているところでございます。
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○森川 委員 今回はね、世界遺産目指している中で、この23カ所だと思うんですが、それ以外に鎌倉市として国指定を受けたいというところは、世界遺産と離れても、ほかにはございますか。
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○世界遺産登録推進担当課長 現時点では、市内で史跡指定を目指しているところは承知しておりませんが、23史跡ですね。これをもって世界遺産登録を目指していきたいと考えているところでございます。
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○納所 委員長 ほかに御質疑はございませんか。
(「なし」の声あり)
それでは、質疑を打ち切ります。
ただいまの報告については了承することでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
そのように確認をさせていただきます。
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○納所 委員長 続きまして、報告事項(2)「世界遺産登録に関する準備状況について」を議題といたします。原局から報告を願います。
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○世界遺産登録推進担当課長 それでは、報告事項(2)の世界遺産登録に関する準備状況について、御報告をさせていただきます。
本市では、本市分の23の候補遺産につきまして、世界遺産登録に向けて求められる個々の必要な準備というの進めてきているところでございます。
まず、史跡の保存管理を的確に行うための国指定史跡、それから、保存管理計画の策定、管理団体指定などの作業について御報告をさせていただきます。
別添資料7の世界遺産登録に関する準備状況(鎌倉市分)をごらんいただきたいと思います。
まず、国指定史跡でございますが、ただいま報告事項(1)でも御報告させていただきましたとおり、今回の5史跡について、追加指定を行ったところでございます。
続きまして、保存管理計画の策定でございますが、こちらにつきましては、23史跡のうち、19年度末までに18史跡の策定が完了しているところでございまして、残りの5史跡につきましては、今年度中に計画策定を完了する予定で、現在作業を進めているところでございます。
続きまして、管理団体指定でございますが、こちらは鎌倉市が土地所有者などにかわりまして史跡の一体的な管理を行うものでございますけれども、切通などの13件の史跡を対象に指定を行う予定でございまして、既に5史跡の管理団体指定が完了しているところでございます。現在、残り8史跡の指定に向けまして、地権者の方々の同意をいただくなど、取り組みを進めているところでございます。
以上、史跡の保存管理に関する準備状況でございます。
続きまして、文化庁へ提出する世界遺産登録に向けた推薦書原案の作成の状況について、御報告させていただきます。
推薦書原案につきましては、作成委員会ですとか起草委員会を設置いたしまして、現在検討を進めているところでございまして、平成19年度から本年5月までにその学識の委員のほか、文化庁職員にも御同席いただいた中、作成委員会を2回、起草委員会を6回開催いたしまして、いわゆる顕著で普遍的価値の証明の記述など、推薦書原案の検討の方を進めてきたところでございます。
今後とも顕著な普遍的価値の証明や保存管理に関する事項など、原案の検討を行いまして、これまでどおりのスケジュールで、本年7月を目途に一定のまとめを行う予定としているところでございます。
その後、この一定のまとめに基づきまして、文化庁と協議を行い、また、同時に平泉に関するICOMOS勧告の内容などを分析して、必要に応じてその分析結果を盛り込むなどし、推薦書原案の熟度を高めてまいりたいというふうに考えております。
続きまして、世界遺産登録に向けた啓発活動でございますが、平成18年7月に発足いたしました鎌倉世界遺産登録推進協議会と一体となりまして、これまで講演会やワークショップの開催、あるいは武家の古都・鎌倉ニュースや武家の古都・鎌倉マップ等の刊行物の発行等を通じて、啓発活動を行ってまいりました。
今年度も同協議会など市民の皆様とともに、多様な取り組みを行い、引き続き世界遺産登録への理解を深めてまいりたいと考えております。世界遺産登録に関する準備状況の報告は以上でございます。
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○松中 委員 世界遺産登録で、やっぱり市民に対する啓発とか、そういうのを行うことは大事なことなんですけれども、まず、行政の方としてちょっと聞いておきたいんですけど、名越のクリーンセンターが世界遺産絡みで断念するというようなことがあったんですけど、これは世界遺産の担当の方から、あるいは文化庁の方から、何か協議なり指示があって、市の方が断念したのか。市長みずからがそういう決断をしたのか。まずその辺を聞いておきたい。
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○世界遺産登録推進担当課長 名越のクリーンセンターの件につきましては、用地買収や何かの問題から、こちらの方での展開というのを断念したというふうに考えておりまして、確かにバッファーゾーンというところにあるということは承知してございますが、一義的にはそういう事業展開の中で場所を変えたというようなふうに認識しているところでございます。
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○松中 委員 ちょっとわかっているの、部長、ちゃんと答弁してよ。今の答弁じゃわからないよ。
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○讓原 世界遺産登録推進担当部長 名越のクリーンセンターの、いわゆる生ごみ資源化施設の建設用地の変更につきましては、実は庁内で本市の土地利用計画に関して審議する庁内組織として、土地利用協議会という組織がございますけど、その土地利用の部会の中で、これは平成19年7月3日が確か最初だと思いますけれども、その中に私ども世界遺産登録担当部長も臨時委員として入りまして、市みずからが建設する新規の施設については、景観地区の高さ制限を超えることは世界遺産登録推進担当としては避けてほしいという旨、発言いたしまして、それが7月20日の部会でも同様な趣旨で発言させていただいて、その後、8月24日に政策調整会議、あるいは8月末に政策会議を開きまして、生ごみ処理施設の建設候補地の変更というのが決定されたわけでございます。
そういった中では、私どもの立場では、最高限度15メートルとする景観地区指定予定している中で、世界遺産の影響があるということ申し上げまして、また、原課の方、そういった意見を聞いた中で、さまざまな視点から総合的に判断して変更したというふうな経過でございます。
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○松中 委員 それは文化庁とも協議はしたことあるんですか。
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○讓原 世界遺産登録推進担当部長 文化庁とは協議するまでもなく、私ども庁内の中でそういった議論をして行いましたので、文化庁とは協議、この件についてはしてございません。
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○松中 委員 先ほど第二中学校の改修計画が出たんだけれども、これは今度の世界遺産登録がおくれることによって、やはり文化庁と協議をした方がいいということで質問したんですけれども、世界遺産担当の方から問題があるというような話はなかったという報告を受けているんだけれども、これもしかし、文化庁とも相談の上、世界遺産登録推進担当を通してするんだろうと思うけど、その点は問題ないという発言をしているのかね。
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○讓原 世界遺産登録推進担当部長 確かに調整会議をことしの2月か3月の中で教育委員会の方から案が出されて、三つぐらいの案の中で、例えば校舎3階建ての案であるとか、あるいは2階でも8メートル以下にした場合での案であるとか、あるいは8メートルだけれども体育館のところが一部超えるというような、そういった案の調整会議の中で協議して、世界遺産もその会議に出席して、全く8メートル全部を抑えるのは教育上難しいという中で、それはやむを得ないというお話をした経過があります。
ただ、実はこれとは別に、私ども世界遺産の推薦書原案を今作成している中で、その中では当然、これはユネスコ条約の履行に伴う作業指針に基づいているわけですけれども、その中で開発の圧力により記述をしなきゃいけない部分がございまして、これには市のいろいろな施設の計画をバッファーゾーンの中のものが、例えば、海浜公園がありますとか漁港を計画していますとか、それについて詳細に状況を必ず入れなきゃいけない部分がございます。これについては二中のその件については、今後、文化庁に推薦原案を協議する際に、当然文化庁とは協議するというふうには今の段階で考えています。
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○松中 委員 先ほど、学校建設担当が説明したとき、これは風致は8メートル、あるいはそこが古都法、山林とかそういう問題があるという、その規制という説明は、法的な意味ではあったわけなんだけども、鎌倉市は、世界遺産担当は、まず世界遺産の立場で、世界遺産にかかわるバッファーゾーンを含めて、まず大前提をクリアして話を持ってこないと、その法的なことはクリアしているからいいという問題ではないという、そういう市民に対する啓発をしていかなきゃいけないと思うんですよ、はっきり言って。そうでないと、名越の場合のように、突然、世界遺産を絡めて撤退、土地の買収ができないという、見通しが立たないということもあったかもしれないけども、まず風致がどうの法的にどうのじゃなくて、鎌倉市として世界遺産登録にどう臨んでいるか。そして、鎌倉市がやろうという事業がそのこととどういうふうな整合性とか自分たちが世界遺産登録をしようとする姿勢をどう示すことができるかという意味では、まず世界遺産登録がはっきり、そこはどうあるべきだということを注文つけないと、あるいは自分たちが国へ行って、こういうことしたいからというのを先やって、そういうものを我々の方に出さないと後から言ったら、文化庁は、いや、いいですよ、そのかわり世界遺産やめましょうという話だってあり得るんですよ、それは。
だから、バッファーゾーンだからといったって、今回この中の説明の中で、これは稲村ヶ崎小学校、史跡の中でしょう、はっきり言って。これ世界遺産、小学校、共存していくということなんでしょう。共存があり得るならあり得るでいいから、そのことはきちっとしなきゃいけないから、その点はどうですか。
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○讓原 世界遺産登録推進担当部長 ただいま松中委員から言われたように、世界遺産を目指すということは、そのまちづくりに対して、行政がある意味じゃ範を示さなきゃいけない部分であるとか、あるいはそれなりの覚悟をしてまちづくりを進めなきゃいけないという意味合いはありますので、私ども世界遺産登録推進担当としては、そういった形の方向で住民の方を含めて、庁内についてもそういった方向で主張していきたいというふうに考えています。
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○松中 委員 これは当然、要するに鎌倉市を世界遺産推進ということでやっている以上は、大前提は世界遺産、そうでないならやめればいいんですよ。だけどそうでなくて、やろうとするなら、その辺はきちんとしなきゃいけない。
それと永福寺の跡、これ見たら、この永福寺の跡というのは、要するに平泉の毛越寺を模してつくられた二階堂というところだと思うんですよね。ここに書いてあるようにね。奥州合戦の喧伝したと。そういうふうになると、あれだけ整備している毛越寺が世界遺産の対象からだって、なかなか認められない。まだこんな途中なものが認められるわけないですよ、はっきり言って。それだったら徹底した管理計画を立てない限り、あるいはそういうものを復元しない限り、毛越寺でさえなかなか認められないというんじゃ話にならないじゃないですか、これ。そういう意味で、鎌倉市が世界遺産登録に対する構え、姿勢というものは、もっと堂々とやってもらいたいということを言っておきますよ。そうでないと、こんなの見たらテニスコートも入って、これは史跡だって、さっき入っているのは、私の方も思ってなかったんで、要するにこれが完成されたって毛越寺と同じですよ。あるいは毛越寺以上のことなんて今すぐできるわけじゃないんだから。完成されている、要するに残されている平泉だって、なかなか認められないという現実、これぐらい厳しいということ、これは私、指摘しておきますからね。
それから、大前提は世界遺産登録と、それに絡むバッファーゾーン、それから市長の必ず考え方を聞いた上で言ってもらいたい。そうでないと、鎌倉市を挙げているといって、担当レベルだけの話じゃないんだから、これは。それだけ言っておきますよ。
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○納所 委員長 ほかに御質疑はありませんか。
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○渡邊 副委員長 全員協議会の方でも御質問させていただいたんですけれども、その中の御説明だと、先ほどお話のあった平泉の方もハードルが高くなったということで、難しくなっているということだったと思うんですけれども、ハードルが高くなっているというのを、もう少し御説明いただければというふうに思うんですけれども。
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○世界遺産登録推進担当課長 具体的には、まず数字的なところを申し上げますと、かつて8割程度の登載率が全世界でされていたものが、ここ数年6割程度に落ちているですとか、登録件数の最大数がたしか45というふうに、ここ2005年以降定められておりまして、その実態としては、年々年々、登録件数というのが、たしか2000年くらいをピークにして減少しているというような、そういう数字的なデータがございます。あとそういった中で、今まで11件、12件、日本の文化遺産出しているわけですが、一昨年の石見、それから、ことしの平泉と、勧告内容が非常に厳しいというようなことから、非常にハードルが高くなっているというふうに感じているところでございます。
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○渡邊 副委員長 今の数字的にということで、8割から6割になっていると、ないし登録件数が減っているということで、それは数字的にはわかるんで、その中身ですね。個々にという話ではないですけれども、全体の傾向として、何らか基準が変わってきたのか。そういうものが何かしら示されているのか、そういうことはあるんでしょうか。
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○世界遺産登録推進担当課長 私どもいわゆる推薦書の原案を作成していく段階で、ユネスコの方の指針というものに基づいておりますが、これが2年前少し改定されまして、より少し詳細なものを記載するような形にまず変わっているというふうな状況がございます。それに基づいて提出しました石見ですとか平泉の勧告結果が非常に厳しい状況になっているということがあって、非常に審査の基準といいますか中身は、特に両遺産とも顕著で普遍的な価値の証明が不十分だというふうな部分、かなり言われておるようでございますので、中身が非常に、その辺が今まで以上によく見られているのではないかというふうに考えているところでございます。
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○渡邊 副委員長 ということは、ユネスコが意識的に登録件数を減らそうとか、明確な基準、何かしらの基準があって、それをクリアするのが難しいような数字を出してきているとか、そういうことはないんですか。
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○世界遺産登録推進担当課長 具体的にそういう数字的な基準というのは、私どもは承知をしておりませんで、新聞報道等によりますと、あるいはどうも851、既にある世界遺産の管理等々の面も考えて、これ以上ふやさないような方向であるというような、そんなお話というのは、新聞情報では聞いておりますが、具体的な明確な数字というのは、申しわけございませんが承知しておりませんし、文化庁等々からもちょっと聞いたことはございません。
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○渡邊 副委員長 ということは、むしろユネスコは余り登録に積極的じゃなくなったと、具体的に示されたものがないわけですから。ということかなというふうに思うんですけれども。
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○島田 世界遺産登録推進担当次長 今、ユネスコの登録に向けた全体的な方針というふうなお話だと思いますけど、今、橋本課長から申し上げましたとおり、その年に審査する上限を、例えば45件以内でして審査するというような形で、その年の審査に対する上限というのは設けております。ただ、世界遺産委員会の方のお話を聞いても、確かに管理の状況があるので、当初よりも、ただふやしていこうというよりは管理状態がきちんとされているものを、きちんと登録していこうというような情勢があると。ですから、新たに推薦をするものについては、例えば、従前ですと、京都ですと、日本でも個々の資産ごとの保存管理計画というのは、その当時は求められていなかったんですね。トータルでの管理計画の考え方が示されていればよかったというのが、今は一つ一つの資産ごとにそれぞれきちんとした保存管理の計画を定めて、場合によると、今は基本的なことを示す保存管理計画なんですが、もう少し実施内容に踏み込んだ実施計画レベルのようなものまで求められてくるということが、今、平泉の状況の中では、これが今後、また平泉の状況を少し分析しないといけないんですけれども、管理計画の中身ももう少し具体的な実施内容、アクションプランに近いようなものをだんだん求められてきているとか、そういう意味でのハードルの高さというのはあります。
ただ、ユネスコがきちんと保存管理されているものを、きちんとやっぱり登録していこう、世界遺産リストというものに対する意義そのものについて、ユネスコは何らこれでおしまいということではなくて、世界遺産リストが持つ世界のそういう文化を示すという内容は今後も続けていくというふうに聞いております。ただ、登録されるものについての保存管理の状況がきちんとされているものをきちんと登録していこうという傾向が今多くなっているというふうに理解しております。
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○渡邊 副委員長 今、お話があったように、今まで不完全であったものも登録されてきたというようなお話で、それが厳しく厳密に行われるようになってきている傾向があるということで理解しますけれども、そうするとやっぱりその辺のところ、きちっとですね、何が変わったのかとか、何がだめになったのかというところを検証できていかないと、今後の登録に向けてのプランというのは立てるのが難しいんじゃないかなというふうに思いますんで、そういうところは、例えば、ユネスコへそういうのを聞いてみるとか、何かそういう検証の方法というのはあるんですか。ただ、平泉がだめだったんで平泉のことを分析してみると、そういうことしかできないんですか。
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○島田 世界遺産登録推進担当次長 最終的に世界遺産登録は、どうしても国の事務ということになりますので、我々、文化庁の指導を受けながら進めていくという形になります。ですから、全体的に世界遺産委員会に対して、どういうふうに登録されていくかということは、国を飛び越えて市が単独でというのはなかなか難しい部分があります。国から寄せられる情報をもとに、また国の方から、地元としてこういう準備が必要だと、また新たにこういう準備も必要になったと、そういう指示を受けながら準備を重ねていくということになろうかと思います。
推薦書の記載内容についても、先ほど7月まで、これまでの計画のものは一定にまとめ、それから文化庁と平泉で出た勧告、石見で出た勧告等ももう1回改めて分析する中で、どういうところを補強していったらいいのかということは、文化庁と協議しながら進めていくというのが基本的な進め方になろうかというふうに考えております。
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○渡邊 副委員長 その辺のことがきちっと情報がとれて検証できないと、今後進むべき道というのは、なかなか見えてこないんじゃないかなというふうに思いますんで、そこのところはきちっとやっていただきたいなと思います。最低1年間はおくれるという中で、今いろいろおっしゃられたように、完全なものをつくっていかなきゃいけないということであれば、今まで以上によりコストもかかってくるんじゃないかなというふうに思いますけれども、今後、予想されるコストですね。どういうふうに試算されているのかというのをちょっと伺いたいと思うんですけれども。
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○世界遺産登録推進担当課長 今後かかるコストというのは、御案内のとおり、これから文化庁と協議してスケジュールを決めまして、それに基づいて必要な事業等と、これを計算していかなきゃいけないところもあって、スケジュールが確定していない中では、ある意味、ちょっと非常に難しい部分はありますけれども、少なくとも1年以上延びる中で、文化庁から言われているような国際的コンセンサスを得るための手法、例えば、国際専門家会議を都度、都度開くですとか、そういった指導に基づいてやりますと、そういった推薦書原案の精度を高めるといいますか、そういったための経費、こういったものが新たにふえてくるのかなと、このように考えているところでございます。いずれにいたしましても、ちょっとそれ以外の経費につきましては、非常に見通しが厳しい状況でございます。
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○渡邊 副委員長 では、逆にお聞きしますけれども、92年からそれは始まったということで、16年間になりますかね。その間で幾らぐらい今までコストがかかってきたかというのは、これは復習になりますんで、もちろん計算されていると思うんですけれども、ないし直近の1年間でどれぐらいかかっているのかというのをちょっと教えていただけたらと思います。
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○世界遺産登録推進担当課長 平成4年から昨年平成19年度までの決算枠と、今年度の平成20年度の予算額の総額でございますけれども、事業費としまして、約4億2,800万円ほど事業費としてかかってございます。主な内訳としましては、いわゆる史跡の整備ですとか、候補地さんごとのいわゆる文化財、行政固有の業務でございますけれども、こちらの方で約2億7,400万円ほど、それから、いわゆる市民の方々への啓発ですね。これが一昨年ぐらいから始まったこともあって、2,500万円ほど。それから、推薦書原案の作成経費ということで8,500万円ほどということで、その他、一般事務経費とあわせまして、繰り返しになりますが、20年度の予算ベースまでの積み上げの事業費は、合計4億2,800万円ほどとなっているところでございます。
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○渡邊 副委員長 これも一つの事業だと思いますので、世界遺産登録というのことは非常に価値のあることだという認識をしているんですけれども、やはりそこで評価を行って、今後も続けていく必要があるのかどうかということも考えていかなきゃいけないんじゃないなかと。
この間の全員協議会では、継続前提ということだったと思うんですけれど、やはり市民に今後、今おっしゃったみたいに、例えば市民の啓発にしても、より力を入れていかなきゃいけないと。推薦書原案の方もより完璧なものにしていかなきゃいけない。これ当然、普通に考えればコストがかかってくるわけですから、恐らく今のは人件費入っていないと思うんですけれども、そういう部分で、ここでそういうところをきちんと認識して、これから幾らかかりますよと、それでもやっていきますかというようなことを、ある程度、市民とコンセンサスとらなきゃいけないんじゃないかなと思うんですけれども、それについてお考えございますでしょうか。
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○世界遺産登録推進担当課長 おっしゃるとおりでございまして、非常に予算等大事なことというふうに認識してございます。
ただいま御報告させていただきました経費の内訳、ベースでちょっとお話しさせていただきますと、いわゆる史跡等の経費というのは、いわゆる文化財行政で、世界遺産に向かう、向かわないは別としましても、文化財を守っていく経費だということで、こちらの方はまずもって、世界遺産登録の影響というのは余り関係ないのかなというふうに考えております。
それから啓発につきましても、登録への啓発というのもありますけれども、いわゆるまちづくりを市民の皆様と一緒に考えていくということからすれば、石見ですとか熊野でも、そういった事前のいわゆる啓発団体様が、登録後も引き続き啓発をされて、そういう文化財を守っていく、世界遺産を守っていくという活動をしているということを考えますと、登録の有無にかかわらず啓発活動と、こういった経費も引き続きかかわっていくのかなというふうに考えておりまして、3番目の推薦書原案ですね。これはやはりなるべく早期の登録を目指して、必要最小限の経費というのを目指していかなければいけないのかなというふうに考えておりまして、今後、早期に7月の平泉の結果を見まして、文化庁と協議をして、まずはスケジュールを確定し、それで必要な経費を算定して、予算案をつくるですとか議会の皆様に御報告するとかという形で、今後詰めてまいりたいというふうに考えております。
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○渡邊 副委員長 わかりました。逆にこれはいい機会なのかなというふうに思います。で、そういうところも、隠しているわけじゃないでしょうけど、明らかにしていく。それだけ費用がかかる大きな事業なんですよということを市民に知らせるということで、逆に協力の度合いも変わってくるかなというふうにも思いますんで、その辺のところ、むしろゼロベースに戻るような形で考えられてもいいんじゃないかなと。引き延ばしで登録できる、今までみたいに基準が明らかに変わったとか、そういうことではないわけですから。やり方自体をもう一度見直していかなきゃいけないという中では、そこのところ、初心に戻るような部分で、予算にしてみても、かかるものはかかるわけですから、今までのやり方じゃなくって、もう一度考え直す、計画し直すという形で進めていっていただけたらと思うんですけれども。
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○世界遺産登録推進担当課長 いずれにしましても、登録に向けて、やはりスムーズに迎えたいというふうに考えておりますので、それに向けた分析ですとか、いろいろな多方面の情報照会、こういったものをやって、最大効率的な事業の推進ですとか予算編成、こういったものに取り組んでいきたいというふうに考えております。
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○納所 委員長 ほかに御質疑ありますか。
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○前川 委員 今お話伺っていて、ちょっと気になっていたんですが、この委員会啓発活動のところで市民の委員会の皆さんのお声で何か課題的なことは挙がっていますでしょうか。
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○世界遺産登録推進担当課長 市民の皆様から課題といいますか、やはりもっとといいますか、さらに啓発をやるべきではないかというような叱咤激励も、いろいろな実行委員会とか部会では受けておりまして、これから、さらにいろいろな仕掛けといいますか、事業展開というのを考えていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
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○前川 委員 平山画伯でしたっけ、あの方もお迎えになって、さらにというところだったと思うんですが、あの方をお迎えになって、実際的にはどのように変わるとかというのは、ちょっと教えていただきたいんですけれど。
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○世界遺産登録推進担当課長 平山画伯におかれましては、御案内のとおり、ユネスコの親善大使等々ですとか、非常に国際的にも、私が言うまでもなく御活躍されている中で、具体的に、今、平山先生にこういうことをしていただきたいとか、そういう具体の細かいところまではまだ詰められていない状況でございますけれども、これからいろいろと登録に向けて、いろいろな大きな課題が出てくるかと思うんですが、そういった場面、場面でアドバイスをいただくですとか、そういった形で非常にお力になっていただける方ではないかというふうに考えているところでございます。
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○前川 委員 そういう意味では、本当に力がある方たちがたくさんあの委員会の中には入っていらっしゃると思います。
実はこの間、委員会の中に入っていらっしゃる何人かの方とお話ししたらば、やはりかえって延びてよかったって思っている部分もあると。一生懸命これからまた頑張っていきたいと思うし、ゆっくり時間をかけて、平泉の行方を見ながらやっていきたいと思っていると委員さん何人かおっしゃっていましたので、ぜひ、そういう意味で、しっかりと報告をあちらになさって、実情をわかって、今、渡邊委員のお話もありましたけれども、実情をわかりながら、お金のこともありますけれども、ますます啓発活動を行っていただきたいと思います。
それから、加えて子供たちにも、ぜひ、去年は青少年指導員を中心に世界遺産登録に向けてという作文を多分集めて、文集にもなったと思いますし、優秀賞なども決められたと思います。そういう活動を子供の方にも向けていただきたいと思います。何か今回は多分テーマは決まっていると思いますが、中学生の議場での子ども議会があると思いますが、そういうところで、もしテーマを一つに絞って、仮の議会ができて、皆さんの意見が聞けたらと思いますので、そんなことも創意工夫していただいて、子供たちを啓発活動にぜひ参加させていただきたいと思いますが、その辺のところ、何かありますでしょうか。
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○讓原 世界遺産登録推進担当部長 せっかく最低1年というか、時間いただきましたので、これはできるだけ有効に使いたいと。そういう中で、御指摘のあった若い人たちというか、お子さんたちに対しても一緒になって世界遺産、意義を考えるような、そういった展開も今後していきたいというふうに考えてございます。
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○前川 委員 ぜひ、全市民は年代的にいろいろいらっしゃいますので、皆さんを含めて考えていけるような、せっかく延びたチャンスをチャンスとしてとらえていただきたいと強く要望しておきます。
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○森川 委員 済みません。啓発のことなんですけど、最近やっぱり一般市民の方から、何で世界遺産登録目指すのかって、結構聞かれることが多いんですよ。もちろん鎌倉の文化遺産をちゃんと残していくためだというふうにただ答えても、やっぱり普通の方にとっては、観光客がふえて、もっと車が混雑するんじゃないかとか、いろいろなやっぱりデメリットの方を指摘される方がすごく多いんですね。やっぱり、ただ残すということじゃなくて、今回、世界遺産登録に向けて、こうしたことやっていく中で、今までなかなか進んでこなかった、国指定史跡の管理計画が二つから23に進んだとか、それからある程度15メートルの高さ制限もできたんだとか、そこまでのメリットを話すと、ようやく理解してくださるんですよ。だから、そういうところをきちんと伝えていかないと、ただ、遺産を残すためだけに世界遺産登録するんですよと言っても、なかなかやっぱり理解が得られない。そうした中で世界遺産目指すために、何だごみの施設もあそこにはつくれなかったのねとか、ちょっとやっぱりデメリットの方を言う人がいるので、そこのところの啓発活動は、ぜひとももうちょっと丁寧に、やっぱりきちんとこういうメリットがあるんだよということ、国指定史跡の管理計画をつくるにしても、整備するには国からちゃんと半額お金がきちんと出ているんだよって、一応9,000万でしたか、もう既に出ているんだよということまで言うと、やっぱり理解してくださるんですよね。そこら辺をもう少し丁寧にやっていただきたいなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
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○世界遺産登録推進担当課長 委員おっしゃるとおりだと思います。私も4月から着任させていただきまして、まず、世界遺産登録って何なのかというふうに、漠然と町全体がなるのかなというふうに、ちょっとそういうふうに、やっぱりわからない方には、何がなるのかわからないというのが正直なところだと思います。
したがいまして、今、幾つか御示唆いただきましたけれども、いわゆる法的に変わって環境が改善された点ですとか、コスト的な点、それから文化的に進んだ点ということで明確な形で、少し皆様に周知・啓発ができるようなことをちょっと考えてまいりたいと思います。
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○森川 委員 なかなか本音の部分と、それから、表向きの部分というのはあるんだと思うんですが、やっぱりそこのところを市民の方にはわかりやすい啓発活動をしていただきたいなということを要望しておきます。
それからもう一つ、先ほど渡邊委員の方からも出ていらっしゃいましたけれども、やっぱり平泉が今回指摘されたというところは早期に分析していただく。それがないと、私は鎌倉の推薦書についても結構難しいのかなというふうに思っています。
私、実は平泉も一関も去年視察に行ったんですよね。その中でちょっとそんなせこいことまでするのって、ちょっとびっくりするような話もいっぱい出てましてね。例えば、道路の両わきに、ちょっと見てほしくないような建物が幾つかあるんで、道路を通さないで川を船で上がって送っていったとか、新幹線の通らない時間を見計らって連れていったとか、結構せこい話を聞かされて。そんなことしてやって、そこまでしているのって、ちょっと正直言って思ったものですから、そんなことのないように、やっぱり平泉の分析というのは、きっちりと早目にやっていただきたいということを申し上げておきます。
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○納所 委員長 ほかに御質疑はございませんか。
(「なし」の声あり)
質疑を打ち切ります。
ただいまの報告については了承することでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
では、了承と確認をさせていただきました。
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○納所 委員長 続きまして、報告事項(3)「国指定史跡に係る不適切な事務処理に関するその後の経過について」を議題といたします。原局から報告を願います。
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○世界遺産登録推進担当課長 それでは、報告事項(3)といたしまして、国指定史跡に係る不適切な事務処理に関するその後の経過について御報告をさせていただきます。
平成20年2月議会の当常任委員会におきまして、世界遺産登録推進担当内におきまして、浄光明寺境内追加指定及び名称変更、それから仮粧坂追加指定並びに朝夷奈切通追加指定の3史跡の追加指定申請事務におきまして、16件にわたる不適切な事務処理等が行われたことにつきまして、その後の状況を御報告するとともに、新たに浄光明寺境内追加指定及び名称変更と仮粧坂追加指定の2史跡におきまして不適切な事務処理が判明したということにつきまして、御報告させていただいたところでございます。
これら18件の不適切事務のその後の状況につきましては、市といたしましても、引き続き、御迷惑をおかけいたしました地権者の皆様に誠意をもっておわびをするとともに、改めて史跡として保護を図っていくべき土地であることを御説明して、御理解、御協力というのをお願いしてきたところでございます。
その結果でございますが、18件のうち、13件につきましては、既に同意書をいただくなどによりまして、不適切事務の対応が終了したところでございます。
残り5件でございますが、3件が個人・法人となっておりまして、そのうちの1件につきましては、史跡指定につきまして基本的に御了解をいただいているところでございますが、史跡の範囲を特定しなければいけないという課題があることから、現在、その作業を進めている状況になってございます。残りの2件につきましては、現在、鋭意、同意に向けましてお話をさせていただいているところでございます。
それから、財務省の所管地につきましては、基本的に一定の条件のもとで史跡指定に同意するとの回答をいただいておりまして、現在、関係機関と協議をしているところでございます。
それから、鎌倉市分というのも1件ございまして、これは他の機関との調整にちょっと時間を要していることから、現在手続中となっておりますが、いずれにいたしましても、同意依頼済でございまして、間もなく解決するものと考えております。
以上、今後とも全件の早期解決に向けて努力してまいる所存でございます。
以上で報告を終わります。
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○納所 委員長 ただいまの報告に御質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑を打ち切ります。
ただいまの報告については、了承することでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
了承ということで確認をいたしました。
それでは、世界遺産登録推進担当職員退室のため、暫時休憩いたします。
(14時03分休憩 14時04分再開)
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○納所 委員長 それでは、再開いたします。
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○納所 委員長 日程第5「継続審査案件について」を議題といたします。
まず、事務局の方から説明をお願いいたします。
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○事務局 お手元に配付させていただきましたとおり、平成20年2月定例会におきまして、継続審査となっております陳情5件の取り扱いについて御協議をお願いいたします。
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○納所 委員長 では、事務局説明の継続審査案件に関しては、引き続き継続審査とすることでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
そのように確認させていただきます。
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○事務局 ただいま確認されました5件につきまして、最終本会議において、閉会中継続審査要求を行うことについて、御確認をお願いいたします。
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○納所 委員長 以上、確認でよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
確認させていただきました。
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○納所 委員長 続きまして、日程第6「その他」(1)「当委員会の行政視察について」を議題としたいと思います。
では、事務局から説明お願いいたします。
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○事務局 当委員会の行政視察につきまして、日程及び視察内容等の御協議をお願いいたしたいと思います。
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○納所 委員長 それでは、暫時休憩いたします。
(14時05分休憩 14時08分再開)
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○納所 委員長 それでは再開します。
まず、当委員会の行政視察については、10月上旬ということで、細かい日程については、正・副でちょっと調整させていただくということでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
そのように確認いたしました。
では、以上をもちまして、本日の文教常任委員会を閉会したいと思います。お疲れさまでございました。
以上で本日は閉会した。
以上は、会議の顛末を記録し、事実と相違ないことを証する。
平成20年6月16日
文教常任委員長
委 員
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