○議事日程
平成19年10月 5日総務常任委員会
総務常任委員会会議録
〇日時
平成19年10月5日(金) 10時30分開会 14時34分閉会(会議時間 0時間53分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席委員
早稲田委員長、原副委員長、千、久坂、三輪、小田嶋の各委員
〇理事者側出席者
兵藤総務部長、小山総務部次長、金丸総務部次長兼納税課長、内藤総務課長、松井資産税課長
〇議会事務局出席者
植手局長、磯野次長、原田議事調査担当担当係長、小林担当書記
〇本日審査した案件
1 議案第44号損害賠償請求控訴事件について
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○早稲田 委員長 おはようございます。総務常任委員会を開会いたします。
会議録署名委員の指名を行います。委員会条例第24条第1項の規定により、本日の会議録署名委員を指名いたします。三輪裕美子委員にお願いいたします。
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○早稲田 委員長 本日の審査日程の確認をいたします。お手元に配付いたしましたとおりでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
確認をいたしました。
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○早稲田 委員長 それでは、日程第1「議案第44号損害賠償請求控訴事件について」を議題といたします。
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○事務局 議案第44号に係る原局からの参考資料を机上配付させていただいておりますので御確認ください。
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○早稲田 委員長 机上配付の資料よろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
確認をいたしました。
それでは、原局から説明を願います。
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○資産税課長 議案第44号損害賠償請求控訴事件についてその内容を御説明いたします。議案集その4、1ページをお開きください。
本件は、去る平成16年2月16日に本市が提訴された損害賠償請求事件でございますが、平成18年5月17日に一審である横浜地方裁判所で本市敗訴の判決が言い渡されたものでございます。本市はこの判決を不服として、平成18年5月29日、5月臨時会において議会の御承認をいただき、翌日の5月30日、東京高等裁判所に控訴いたしました。
東京高等裁判所におきましては、5回の口頭弁論及び控訴人、被控訴人双方の主張の確認や整理のため、弁論準備手続が3回行われ、平成19年9月26日に判決が言い渡されました。判決は一審の判決内容を支持し、控訴棄却という厳しい内容のものでございました。
本件の訴訟概要について改めて御説明いたしますと、本市が評価した土地の固定資産税評価額が過大であったことから、固定資産税の評価額をもとに申告納税した相続税が過大となり損害をこうむったとして、国税である相続税の過大納付額を損害といたしまして、地方公共団体である本市に損害賠償を求めたものでございます。二審である控訴審において、本市は一審で主張してきました1点目といたしまして、固定資産税評価額と相続税課税標準額とは因果関係が存在しないこと。2点目といたしまして、平成3年度の評価は適正であったこと。3点目といたしまして、被控訴人は平成3年度の評価額に対し、固定資産の評価審査の申し出を行っていないことなどを引き続き主張するとともに、本件には少なくとも三つの特殊事情が存在することなどを新たに追加いたしまして、被控訴人、原告でございますが、これの不当性を主張してまいりました。
三つの特殊事情と申しますのは、1点目は、平成3年度に被控訴人が申告納税した相続税課税標準額は、相続税法が規定する時価、すなわち客観的交換価値、これは実際の取引価格ということでございますが、これを下回っていたこと。2点目といたしまして、損害に対応する利益を得ているのが第三者たる国であり、相続税の申告及び納税に直接的には関与していない市町村に対して相続税の過大納付分について損害賠償を求めるという特殊な訴訟であること。3点目といたしまして、不服申し立てを経ていない国家賠償請求訴訟であることの3点でございます。しかしながら、本市の主張は認められず、控訴棄却判決が言い渡されたものでございます。
本件につきましては、残念ながら一審、二審とも敗訴の結果となっておりますが、その判決内容は容認できるものではございません。本件は1点目、国に納めた税額の過大納付分について、その損害賠償を地方公共団体に負わせるという過去に例のない事件であり、この判決を容認することは、本市のみならず、すべての地方公共団体に影響を及ぼす重大な事件であるということ。また、2点目は被控訴人が申告納税した相続税の本件土地の課税標準額は、相続税法に規定されている時価を下回っていることから国家賠償法に基づく損害は生じておらず、本判決は相続税法に規定される時価の解釈に重大な誤りがあると判断されることなどから、ぜひとも最高裁判所の判断を仰ぎたいと考えておりますので、議会の御承認をいただきたく、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
なお、お手元に配付しております、これは訴訟に至る経緯でございますが、一審の判決の経過を抜粋した内容でございまして、平成3年度から平成18年度までの縦の年度の経過、それから右には原告、それから市の対応、固定資産評価審査委員会、国、税務署とか裁判所の動きの概要を示したものでございます。
平成3年度、まず6月に本件土地の評価の見直しの申し出がありまして、これを現地調査、市の方としましてはしました。それで、奥行補正というものをかけまして原告の方へ通知いたしました。これをもちまして、原告は平成3年11月に相続税の申告をいたしました。この11月、この申告の翌日から損害賠償の利息の発生日ということで規定されております。
以後12年経過いたしまして平成15年に入るわけですが、その間に平成6年度、これはバブル期を経まして、従前、評価額が非常に安く、実勢価格が当然バブル期ということで高かった。これを是正するために平成6年度の評価がえ以後、地価公示価格、一般に売買されている価格でございますが、これの7割評価、これを目途に全国市町村で評価の均衡化・適正化が図られたという経過がございます。
この平成6年度を経まして12年後でございますが、平成15年に原告から固定資産評価審査委員会に審査申し出、これは相談がけでございますが、ありました。15年5月でございます。これは審査する前に原告でございます資産税課の方で検討いたしまして現地確認、それから確認した後、補正の適用があるということで、これも5年遡及、それから要綱で平成3年までの金額を返還した経過がございます。これを決定して通知した後、その間に一審判決にも記載しておりますが、審査申し出の間に税務署の方に更正の請求をしたわけでございますが、これは既に平成3年度当時から12年経過したということで不受理ということになっております。結果、審査会の方で、やはりがけ地補正ということで減額の決定がなされました。それを受けまして再度税務署の方に御相談に行ったという経過がございます。これも同様に不受理という結果になっております。これを不満といたしまして、今度はこちら鎌倉市の方に、16年2月16日付で提出された。結果、先ほど来御説明しているように、平成18年に入りまして5月17日、一審の横浜地裁で本市の敗訴、それから先般19年9月26日東京高等裁判所で敗訴したという経過でございます。
以上で説明を終わります。
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○早稲田 委員長 それでは御質疑はありませんか。
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○久坂 委員 まず、判決文の中にございました固定資産税の評価に関する事務取扱要領なんですけれども、これは鎌倉市が制定したものでしょうか。
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○資産税課長 この中には、土地の評価として固定資産税の評価基準、それから固定資産評価事務取扱要領というものがございますが、評価基準の方は総務省の方で、国で定めたもので、この取扱要領につきましては鎌倉市独自のものでございます。
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○久坂 委員 ほかの自治体も当然制定していると思うんですけれども、その内容は同一のものと考えてよろしいんでしょうか。
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○資産税課長 基本的には取扱要領、国の評価基準に沿ったものでございますが、ただ、細目に至りますと各市町村若干の違いがあるかと思います。
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○久坂 委員 基本的には一緒ということを今お伺いしたんですけれども、そういった場合ですね、この件はほかの自治体に関して、要領に対して何らかの影響があると推定されるんでしょうか。
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○資産税課長 要領自体というのはないかと思うんですが、ただ判決の中でうたわれている評価額、これは相続税との因果関係でございますんで、これは基本的に各市町村が評価している額に5.9倍を掛けたということですので、その評価額自体の見直しとか、そのようなことは生じようかと思います。
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○久坂 委員 わかりました。ちょっと手続の方に質問が移るんですけれども、上告審が最高裁判所である場合、原判決に憲法解釈の誤りがあるか、重大な訴訟手続の違反理由があることが上告の理由となっているんですけれども、本件はこれに当たると考えてよろしいんですか。
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○総務課長 法制を主管する総務課でお答えさせていただきます。現行民事訴訟法では、今、委員の御指摘のように憲法解釈の誤り、これは絶対上告理由ということにもなりますけれども、加えられますけれども、一つ上告する方法として認められております。それ以外に上告受理申し立てという手続が新たに設けられておりまして、この場合は今、委員さんがおっしゃられました法律解釈について重大な誤りがあった場合、この場合は上告受理申し立て手続が認められております。趣旨は、最高裁の方の案件が非常に多くなりまして、法改正がありまして、法律の解釈上の部分については、受理申し立て手続という事前の手続を経て、最高裁の負担を軽くしようとする趣旨でございますので、いずれの方法によっても最高裁の方で司法的な最終判断が下されるという点については同じでございます。
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○久坂 委員 はい、わかりました。そうしますと、法律の解釈ということなんですけれども、そのほかの事実、原判決で認定されている事実は高裁判決文の記載内容の事実そのままと考えてよろしいのでしょうか。
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○総務課長 判決文の中にもございますように、私どもの主張した5点について、高裁の判断、後段の5点で説明がなされているかと思いますが、それは一審の判決、原告を支持した内容のものでございます。
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○久坂 委員 わかりました。こういった件が非常にレアなケースで珍しく、判例がないと聞いているんですけれども、それで、先ほど法令の解釈というお話があったんですが、これが最終的に結論が出た場合ですね、最高裁まで行った場合か、そのいずれかの段階で、その法令の解釈に関する重要な事項を含む理由があるのかと解釈しているんですが、どの点でそれが言えると考えられるんでしょうか。
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○資産税課長 一例を申し上げますと、先ほど時価という説明をさせていただきましたが、相続税法の中には時価をもって相続税を申告するという文言がございます。時価というのは私どもの解釈上、裁判の中で主張しているのは売買価格、例えば私どもの売買価格は30万という価格で通常取引されているという話になりますと、相続税で5.9倍、これを掛けたときに、それが20万であったというお話になりますと、今は5.9倍というものを使っているんですが、それが大もとの課税標準が違っているよというのが今回の判例でございまして、そこの解釈、相続税法の時価の解釈というのが、これは今後勝つにしろ負けるにしろ論議になるんではないか、そこの点が法解釈の相違であると考えております。
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○久坂 委員 わかりました。そこら辺が今後影響が出るということなんで、そういったことを考えると、この判決の行方、かなりいろんな意味で注目されているなと思うんですけれども。先ほどの判決に戻りまして、この判決の中では、先ほど冒頭で申しました事務取扱要領に原因があるのではないかというふうに書いているように解釈したんですけれども、ここら辺についてのお考えはいかがですか。
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○資産税課長 先ほども若干触れました国の方の基準と事務取扱要領、ほぼ同時の箇所もございます、評価という点につきましてでございますが、例えばがけ地で、私ども主張しているのは、庭園風で例えば庭木、花とか木が植えてあるということであれば、宅地の一部として評価するという話でございまして、何もなければがけ地でやるのか、その裁量というか、目で見た形のもので、その評価というのは個人で、これは余りあってはならないんですけれど、評価の差というのは生じようかと思います。これが事務取扱要領には、そこの中までは記載されておりません。それについては昨年の控訴以後、受けまして、私どもで18年10月ですが現地調査及び評価の手順ということで、細かなところまで担当内で打ち合わせ、それから結論を導いていくという手順を踏んでおります。
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○久坂 委員 はい、わかりました。以前もこの件が総務常任委員会にかかったときに、やはり固定資産評価事務の中で、適正な執行が今後どうあるべきかということを、かなりちょっと、うちの会派からもお話をさせていただいた点がありましたので、今お話がありましたように平成18年10月時点で一応、一定の方針を持たれたということなんですけれども、その方針はあるにしても、今、大体1年ぐらいたったんですが、それは大体浸透して徹底されているとお考えでしょうか。
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○資産税課長 これをやっていくのは納税者の方から御相談があったとか、そういう場合に適用していこうかと思いますが、評価がえのときには、なかなか全部見直すというのは難しいもので、そういった変化のあった箇所とか申し出があったものとか、こういうものに今対応している現状でございます。
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○久坂 委員 はい、わかりました。取り扱う数も多いでしょうから、申し立てがあったとか、そういった時点に限られるんでしょうが、ちょっと懸念されるのがこの判決の内容でですね、この前の総務常任委員会でもちょっとお話があったかもしれないんですが、同様なことを今後ほかの方から訴えられる可能性があるんじゃないかとか、そういったお話があったんですけれども、その点について、もう一度御見解を伺いたいんですが。
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○資産税課長 本市のみならず、各市町村に影響が生じようというお話をさせていただきましたが、先ほどのがけ地一つの評価をとりましても、それが錯誤であるのか過失であるのか、重大な錯誤であれば返還というような話になりますけれど、そこで単位の誤ったものを、例えば7、8年前にそういうものを誤ったということになりますと、相続税というのは5年というあれがありますので、それはまた本件と同様に還付できない。そうすると、そこの段階では評価が若干誤っていても、またですね、その当時相続税を7年前に申告したものがまた影響を及ぼすというのは、これは事例としては十分に考えられる事例だと思います。
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○久坂 委員 そうですね、考えられるということをおっしゃったんですけれども、そういったことを防ぐための方策というのが、先ほどおっしゃった平成18年に制定された方針とか、そういうことになろうかと思うのですが、その可能性があるということで、それを防ぐ方策というのはほかに何か考えていらっしゃるんですか。
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○総務課長 先ほど現地調査及び評価の手順ということで、これは当然ながら複数で伺いまして、登記地目、登記所との連絡、課内で家屋担当との連絡、この辺を密にいたしまして、先ほど言いました所有者等の申し出による現地の調査を行いまして、評価額を算出していると。こういう手順に従いまして、もちろん税法上の手順にものっとるわけですが、このような形でのものを私どもは今実施しておりますし、各市町村がどのような取り扱いをというのはまだ私ども詳細につかんでいませんが、その辺も取り寄せるなり、協議会等ございますので、その辺で打ち合わせ、それから各市町村で検討して改善に向けてやっていくというような方向立ては当然やっていかなければならないことと考えております。
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○久坂 委員 そこら辺のところ結構重要な今回の件に関してポイントとなっておりますので、よろしくお願いできればと思います。
それで国に対する関係のところ、ちょっとお伺いしたいんですけれども、このまま高裁判決が確定すれば、国税である相続税を市が、時効といったことを理由に肩がわりといいますか、支払いをしなければならないんですけれども、この点についての見解をお伺いします。
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○金丸 総務部次長 今、委員さんの御質問でございますけれども、現時点では、この裁判につきましては上告をさせていただいて、ぜひ勝ちたいというふうに思っておりますけれども、今、委員さんおっしゃられましたように、国税である相続税、これの過納付に対して地方公共団体である鎌倉市に損害賠償を命ずると、そういうふうな過去に例のない事件ということでございますけれども、これを容認するということになりますと、事後的に評価内容を変更した場合につきまして、過去に固定資産税の評価額をもとに算出をした相続税、あるいは登録免許税ですとか不動産取得税、こういったものについても市に損害賠償を求められるといったことが想定されます。現在の制度では、国に対して市が求償するというふうなシステムはないということでございますけれども、このような場合ですね、国税に対する過納付を市が返還するような形になっているというものにつきましては、国から市に対しての返還なり交付なり、国が負担するというような仕組み、あるいは国税に対する過払いを市が負担することがないような仕組み、こういったものがあってしかるべきなのかなというふうに考えますので、これにつきましては県内の自治体でつくります湘南都市税務協議会とか神奈川県都市税務協議会がございますが、こういったところ、あるいは全国市長会等を通じまして国に対して要望していきたいなというふうに考えております。
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○久坂 委員 はい、わかりました。ぜひ、そこら辺のところは、やはり疑問点の残るところですので、ぜひ、よろしくお願いしたいと思っております。
それから、上告審の期間について伺うんですけれども、もしこれが上告審に行った場合にですね、期間というのはどのようになるものか、ちょっとまだ難しいところがあるんですが、費用についてどのくらいかかるかお伺いいたします。
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○総務課長 今回の議決をいただきまして、上告手続をとらせていただきますと申し立て人の方に、関係者の方に上告されましたという通知が行くんですけれども、行った後に裁判所の方から市の方に連絡があります。連絡があってから50日以内に上告理由書というものを提出することになっております。上告理由書を提出いたしますと、先ほどのお話で言えば上告申し立てが認められるだけの法律違反、法律解釈についての重大な誤りがあるかどうか等の判断が裁判所の方で実質審査されることになります。その期間というのは6カ月以内におおよそは判断されると思うんですが、難しい事件についてはそれ以上に及ぶ場合もございます。実際に上告の申し立てが認められますと、そこから最高裁判所の方に高裁から書類が移動しまして、最高裁の方で書面審理なんですけれでも、なされます。その期間は通常事件の性格にもよりますけれども、1年から1年半か2年ぐらいはかかるものと思われます。はっきりしたことはちょっと申し上げられませんが、申しわけありません。
経費のことなんですけれども、総務課が訴訟する弁護士については一審、二審、ここで終わったのですけれども、審級ごとに、一審、二審ごとに着手金30万、終わったときの40万という形で払っております。最高裁は、先ほど申し上げましたように書面審査が基本的には中心ですので、口頭弁論が開かれない限りは、報酬的なものはお支払いしない形で対応しております。ただ、先ほど申し上げました上告理由書等を書くときに、弁護士の手をお願いするということはあると思いますので、通常は3万程度をお支払いすることになるかなと思っております。それから、それ以外の経費については、あと訴訟が長引けば当然損害賠償請求ですので利息がかさむと思いますけれども、法定利息と言いまして、年5歩の利息が元本に対して毎年加わっていくということになっております。
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○久坂 委員 はい、わかりました。大体のところ今理解したんですけれども、先ほど伺った国税であるところの相続税を市がどうして、ちょっと疑問点があるところが、ここら辺を国に対してしっかりやっていただくというのを、もう一度お願いをしておきたいと思います。
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○早稲田 委員長 ほかにございますか。
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○三輪 委員 ちょっと整理してお聞きしたいことがあるんですが、補正をしましたよね。そのときの金額っていうのを、幾らだったか教えてください。
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○資産税課長 個々の補正の金額というのは個人情報ということで、税額は昨年5月にも言っておりませんので、御容赦、お願いいたします。
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○三輪 委員 個々の金額じゃなくて補正して修正したその差額というのかしら、要するにね、訴訟されて2,000万円が今3,500万円でしたっけ、その発端となったところはどのくらいだったのかなというところは、言えないんですか。
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○資産税課長 対象は3人と申しましても一つの個人でございますので、その補正をかけた率で額ということになりますと、その返還金の額というようなことになろうかと思いますんで、申しわけございませんが。
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○三輪 委員 個々のことになるということであれですけれど、多分何十万くらいのところなのかなと感じではあると思うんですが、これからの時価の解釈が問題になるということなんですが、私この間、市有財産評価のところでも申し上げたんですけれども、こういった個人の評価、個人でやっぱり差が出てきてしまう、先ほども御答弁ありましたけれども、その辺を一定にするためにも他市なんかでは不動産鑑定とか、そういう形を、これとは別個に導入しているなんてことはないんですか。
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○資産税課長 もともと評価がえの時期におきましては、毎年、もちろんなんですが、下落の場合には不動産鑑定を参考に、従前のものから率を掛けていくというような手法を取っておりますので、これは当然ながら不動産鑑定士が関与していると考えております。
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○三輪 委員 不動産鑑定士が関与しているということは、評価額の参考基準にするということなんですか、それとも不動産鑑定士に必ず算定してもらうということなんですか。
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○資産税課長 申しわけございません、言葉足らずで。委員御指摘のように、まずは鑑定、評価をしていただいて、その後に個々の補正をかけるという形になりますんで、不動産鑑定士はその基本となるものでございます。
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○三輪 委員 そうすると時価の解釈といっても不動産鑑定評価を経ての計算をして算出をしてきているところで、その辺はどうなんでしょうね。きちんとした評価が、算定基準としては、きちんとした手続をとっているということで、そうすると時価の解釈ということは、先ほど久坂委員もおっしゃられた、また森川議員もこの間指摘したように、鎌倉市の取扱要領の解釈のところということになると思うんですけれど、そういうことですか。
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○資産税課長 鑑定士さんによれば違った、本来あってはいけないんですけど、地域とかそれによって当然違ってきますし、それによって先ほど申しました補正率でございますが、これは各市町村、基本的には先ほどの総務省の方の評価基準、これを適用していますし、事務取扱要領の部分に関しても大きな開きはないと考えておりますので、各市統一的な価格であろうと私は考えております。
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○三輪 委員 わかりました。結構です。
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○早稲田 委員長 よろしいですか。ほかに御質疑ありませんでしょうか。
千委員の御質疑がございますので、暫時休憩いたします。
(11時03分休憩 11時13分再開)
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○早稲田 委員長 それでは再開いたします。
千委員の代読をお願いいたします。
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○千 委員 (代読)ざっくばらんに言って、原局の言い分はわかりますけれども、2回にわたる裁判で、どこがネックで向こう側が勝ってしまったかと、それに対する対策をどう考えているか、また今度負けたらどうなると予測するのかをお聞きしたいです。
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○資産税課長 高裁の判決、これは5ページから控訴人の主張ということで、市の主張ということで、1点目がけ地補正から違法性、損害について、因果関係、それから過失相殺ということで主張してまいりましたが、結果ですね、5ページの下の方の2の答申における控訴人の主張に対する判断ということで、がけ地補正以下すべて原告の主張を受け入れるということとなっております。具体的に向こうを受け入れ、私ども市が敗訴したということは、がけ地補正につきましては先ほど来申しているように、私どもは庭の一部、草木が植わっていれば庭の宅地の取り入れたものという判断をしておりました。それが高裁、一審、二審については、がけ地であるというようなことでありますし、また先ほど来、時価のお話もさせていただきましたが、これは当時の時価、これは先ほど鑑定云々というお話もありましたけれども、不動産鑑定も取りまして一応評価をやらせていただいております。相続税の実際の評価額よりも、それは高いものであるということで、実際の損害は発生していないと。ただ、これが基本的な市の評価額を誤ってやったものであるから、この20万よりもっと安いこのがけ地補正をすれば、例えば5.9倍のやつが20万円であれば、がけ地補正したものは10万ではないかということで、その差が損害賠償となったわけでございますが、先ほどの時価の法的解釈、これを詰めるような形で主張して上告審、最高裁の中でも主張していくというような手法が一つ考えられるかと思います。
もう1点、最高裁に負けたらということなんですが、私どもは今の段階で負けることは考えておりませんで、勝つために弁護士と協調してやっていくという所存でございます。
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○早稲田 委員長 ほかに。よろしいですか。ほかに御質疑ありませんでしょうか。
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○原 副委員長 何点か、今まで皆さん質疑された中でちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、まずこの中で、今、期間的にいうのは1年から1年半、最高裁しましたらかかるということなんですけれども、弁護士さんの費用の件を言われたんですが、今訴訟されている方の金額に対しての利子は幾らかかるかを教えてください。
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○資産税課長 こちらの3人の計の損害賠償の基本的なもの、判例の中にも出ておりますが、1,956万600円でございます。これに対して先ほど来5歩の利息ということで、これが年間5歩掛けますと97万8,030円。これが平成3年から19年まで、発生が先ほど説明したように11月からでございますので19年11月までを想定いたしますと、16年ということで利息分だけで1,560万余、合計しますと3,500万余ということで、1年、1年半延びるということですが、1年当たり100万弱の利息がかかってしまうという状況でございます。
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○原 副委員長 それだけの利子がかかるということなんで、行政としては、今回のいろいろな皆さんの話を聞いていて、法令の解釈の違いで今回二審も負けたということになっているんですけれでも、そういうことで、今回最高裁に持っていくために、今度同じ手法でいくのか、それとも角度を変えていくのか、最高裁としての勝つための方策はどういうふうにいくのか、これは弁護士さんの見解になると思うんですけれども、どのようになっているのか、わかる範囲で結構ですのでお教えいただければと思います。
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○資産税課長 確かに現段階でちょっと難しい問題なんですが、今後弁護士と相談していくような格好になろうかと思いますが、基本的には先ほど上告、最高裁で審理されるのは、重大な法違反とか重大な事実誤認というようなことでございますんで、やはり高裁の中で主張していた、例えば、先ほど来申し上げている相続税の時価の解釈の見方、これなどが争点になろうかと思います。
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○原 副委員長 二審のときも相続税と固定資産の評価の因果関係ということで、二審で絶対頑張って勝ちますということだったんですが、今回あやうく負けてしまったということなんですね。それで、これは今、久坂委員も言いましたように、全国の自治体で初めての例だということもお伺いしました。この点において、何があっても行政としては勝つという意志はおありなのか、ちょっとここの点をもう一度確認させていただきたいんですが。
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○資産税課長 これは原局だけの判断ではございませんが、弁護士さんなんかも、またほかの顧問弁護士おりますんで意見を聞きながら、その意見を膨らませるような格好で主張していきたいと思っておりますし、先ほど来、全国市町村の評価のあり方の影響を考えると二審で終わるのではなく、これは最終判断を私どもは仰ぎたいと思っておりますし、また判決のこの影響のある不動産取得税を所管します県レベル、それから当然ながら今、相続税所管である国税当局、この辺にも、事務方針にも、この変更とかいうようなことを、この結果が出たならば、最終結果でございますが、要望なりしていかなければいけないということでありますし、これは最終判断を仰ぐべきだと私は感じております。
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○原 副委員長 わかりました。頑張っていただきたいなと思うところなんですけれども、もし負けた場合に、やっぱり、これは国に対しての相続税の時効が5年ということで、今後いろいろ、もし負けてしまったときなんか出てしまうので、先ほど次長が言ったように、国に対していろいろと、今後もしもあった場合、要望していくということなんですけれども、そこをもう一度ちょっと詳しく教えていただいてよろしいですか。
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○金丸 総務部次長 税制度の仕組みですけれども、毎年、先ほど申しました税務関係の協議会、これが税制改正要望ということを毎年協議いたしまして、全国市長会を通じて国に要望を出すというルートがございますので、たまたま平成20年度につきましては、既に夏の段階で終わっておりますけれども、この最高裁の上告ということが許されるのであれば、その結果を踏まえて、たとえ、それが負けようと勝訴しようと、勝訴することを前提で考えておりますけれども、制度自体はやはり国に対する過払い、これを市町村が負担するという仕組み自体がやはりおかしいわけで、それに対する制度あるいはシステムができていないというところから、税制度の問題として協議会に提起をして、国に対する要望として上げていきたいなというふうに考えております。
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○原 副委員長 ありがとうございます。税制度の問題ということで今後国に対して、どちらにせよ上げていくのは、鎌倉市としてもやっていくということでよろしいですね。
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○金丸 総務部次長 そのとおりでございます。
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○原 副委員長 わかりました。では、いろいろと弁護士さんの見解とかも今お聞きしまして、以上のことになります。ですので、頑張っていただければと思います。
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○早稲田 委員長 ほかに御質疑ありますか。
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○小田嶋 委員 この問題のそもそもを考えますと、この相続税額の決定の過程の中に、地方自治体が行う固定資産の評価、これが関係するということは事実だれもが認めているところなんです。ただ、この国税である相続税を課税するということにおいて、法的に見て地方自治体がその責任が問われ、また、どこまで責任が問われるのか、この点についてがそもそものところで、私は判断が、争われるんだろうなと思っているところです。今答弁がありましたように、制度上も見直していかなきゃいけないということを国に意見を上げていくということも必要だし、だけどその前に、今争われている法的な責任が鎌倉市に及ぶ範囲というものは、鎌倉市としてどうとらえているのか、その点を答弁お願いします。
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○資産税課長 法的なという話になりますと、委員おっしゃるとおり、相続税というのは固定資産評価額に、先ほど来言っております5.9倍が課税価格となりまして、控除等はございますが、税率等を掛けて相続税を決定していくという手順でございますが、この法の中で5.9倍、これは先ほど来申し上げていますが、時価の問題、国税の側としては、この通達によって5.9倍、これが使われてるのですが、これがそもそも、これ後々の法解釈になろうかと思いますが、果たしてこの実勢価格であるのか、先ほど来申し上げます30万なのか20万なのかという話になろうかと思います。
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○小田嶋 委員 高裁の判決の中で、判決に至る考察の理由が、もっと丁寧に述べられる必要があったんじゃないかと思っているのは、今述べました法の問われる問題についても、高裁の中の文書の、総合考慮したとしても控訴人の責任を否定する根拠とはなり得ず、控訴人の主張は理由がないというふうに簡単に述べられている。その総合考慮したという中身が出てこないがために、ただ結論だけが、主張が採用されないよということになってしまっているんで、その点をもっと明らかにすることを、ぜひ最高裁でも主張していただきたいと思うんで、その点確認したいのですが、どうですか。
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○資産税課長 高裁の判決を私ども確認いたしまして、確かに薄っぺらいと言っては語弊がございますが、簡単な判決ということで、一審を支持しているから、このような判決になったのかなとは感じておりますけれど、小田嶋委員おっしゃるように、最後の総合的な判断、これも意味合いがちょっと私どもなかなか理解できなくて、先ほど来言っています1点目から5点目まで、それを総合勘案したのかなとも思えるのですが、ただ最高裁に行きまして、その辺の細かな部分ですね、これが違法性、それから、その辺の重大な事実の認定の誤り、この辺を細かく掘り下げて最高裁の中で闘っていきたいと感じております。
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○兵藤 総務部長 これまで当委員会で、一審のときの控訴するときもそうだったんですが、再度の最高裁への上告を御提案し、いろいろと貴重な御意見をいただきました。まずもっては委員さん方に非常に御心配をいただき、一審も、また高裁もかというようなことも含めて、御心配をいただいております。我々十分に努力したつもりでございます。不動産鑑定を改めて入れたり、または法科大学院の先生にコメントをいただいたりして、我々高裁に対しても万全を尽くしたつもりでおります。ただ、結果が一審同様の厳しい内容になっておりますので、これらを踏まえて今後の弁護のあり方も含めて十分に、その辺は我々の弁護士さん等とも協議をしながら、もし御議決いただければ、最高裁にそういう形で臨んでいきたいというようには考えております。御指摘のように、やはりこれは他の公共団体における非常に大きな問題と、我々弁護士さんを含めてとらまえておりますので、そういう面から、また国に対してもきちんと申し入れるべきことは申し入れていくということを踏まえまして、一審、二審のそういうことを、また反省点も含めて、ぜひ上告をさせていただきたい、勝利に持っていきたいというようには考えておりますので、特段のまた御理解・御協力をいただけたらと思います。以上でございます。
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○早稲田 委員長 ほかに御質疑ありませんでしょうか。
(「なし」の声あり)
それでは質疑を打ち切ります。
御意見はありますか。
(「なし」の声あり)
意見を打ち切ります。
それでは議案第44号損害賠償請求控訴事件についてを採決いたします。本件は原案のとおり決することに、御賛成の方の挙手を求めます。
(総 員 挙 手)
総員の挙手によりまして、議案第44号は原案のとおり可決されました。
それでは暫時休憩をいたします。
(11時29分休憩 14時30分再開)
再開後、議案第44号について、委員長報告の内容を検討した結果、これを了承した。
以上で本日は閉会した。
以上は、会議の顛末を記録し、事実と相違ないことを証する。
平成19年10月5日
総務常任委員長
委 員
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