平成18年文教常任委員会
6月12日
○議事日程  
平成18年 6月12日文教常任委員会

文教常任委員会会議録
〇日時
平成18年6月12日(月) 10時00分開会 16時39分閉会(会議時間 3時間58分)
〇場所
議会全員協議会室
〇出席委員
高橋委員長、石川副委員長、納所、前川、高野、中村、松中の各委員
〇理事者側出席者
小野田教育総務部長、中野教育総務部次長、勝山教育総務部次長兼教育総務課長、菱田教育総務課課長代理、熊谷学校施設課長、穂坂学務課長、岡嶋学務課課長代理、飯尾教育指導課長、山本(満)教育センター所長、望月教育センター所長代理、金川生涯学習部長、神田生涯学習部次長兼生涯学習課長、原田生涯学習課課長代理、小山青少年課長、石塚スポーツ課長、伊藤中央図書館長、古谷文化財課長、永井鎌倉国宝館副館長、原世界遺産登録推進担当担当部長、島田世界遺産登録推進担当担当課長
〇議会事務局出席者
石井局長、磯野次長、原田議事調査担当担当係長、久保議事調査担当担当係長、小林担当書記
〇本日審査した案件
1 議案第6号慰謝料等調停事件の和解について
2 報告事項
(1)御成小学校校舎の取得について
(2)小学校警備業務委託について
(3)平成17年度鎌倉市学習状況調査の結果について
(4)不登校ひきこもり児童・生徒に係るフリースペースについて
(5)印刷物の保管状況について
3 報告事項
(1)職員の不祥事について
(2)鎌倉文学館及び鎌倉市鏑木清方記念美術館に係る指定管理者制度のその後の状況について
(3)印刷物の保管状況について
4 報告事項
(1)国指定史跡の新指定及び追加指定の状況について
(2)世界遺産登録に向けた準備状況について
5 閉会中継続審査案件について
6 その他
(1)次回委員会の開催について
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○高橋 委員長  おはようございます。ただいまから文教常任委員会を開催いたします。
 まず初めに、会議録署名委員の指名を行います。委員会条例第24条第1項の規定により、本日の会議録署名委員を指名いたします。高野洋一委員にお願いいたします。
     ─────────────────────────────────────
 
○高橋 委員長  続きまして、新年度になりまして担当書記がかわっておりますので、事務局の方から紹介をお願いしたいと思います。
                   (担当書記紹介)
 
○高橋 委員長  それでは、本日の審査日程の確認を行いたいと思います。お手元に配付いたしましたとおりでございますが、よろしいでしょうか。
 
○石川 副委員長  議会でも本田議員が質疑をされましたけれども、鏑木清方美術館の双書に関する保管状況、野村総研跡地に保管されておりますが、これを私はじかに見て見学をして、それから審議をしたいと思いますが、どうでしょうか。
 
○高橋 委員長  暫時休憩いたします。
               (10時02分休憩   10時12分再開)
 
○高橋 委員長  それでは、再開をいたします。ただいま、石川副委員長の方から、野村の総合研究所に置いてある書籍の保管状況を見てから質疑をしたいという申し出がございました。野村の総合研究所跡地の方に保管されています書籍につきましては、生涯学習部関係の書籍のみになっておりますので、教育総務部の審査が終わり次第、休憩をとりまして、野村総研の跡地の方を確認してから日程3に入るというふうなことで、日程の確認をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、そういう形でやらせていただきたいと思います。
 それでは、教育総務部の審査に入ります。その前に、年度がかわりまして、担当職員の方が変更がある部署がございますので、そちらの紹介を最初にしていただきたいと思います。
                  (教育総務部職員紹介)
  ────────── 〇 ─────────────────── 〇 ──────────
 
○高橋 委員長  それでは、日程第1「議案第6号慰謝料等調停事件の和解について」原局から説明をお願いいたします。
 
○教育指導課長  日程第1議案第6号慰謝料等調停事件の和解について、御説明いたします。議案集(その1)15ページをお開きください。
 当該事件は、平成16年11月9日、午後2時10分ごろ、鎌倉市立〇〇〇〇中学校、当時特殊学級〇年生〇〇〇〇君が、授業中教室から隣接する職員室に行った直後、大きな音を聞いた教員が職員室へ行ったところ、同生徒が左耳介を負傷していた事故により、学校の監督責任及び病院への搬送を怠ったことを理由に、申立人〇〇〇〇から、平成17年9月2日付で鎌倉市を相手方として、慰謝料等調停事件の申し立てが鎌倉簡易裁判所に提起されたものです。
 その後、5回の調停を経て、鎌倉簡易裁判所調停委員会から、調停条項(案)が示されました。その内容は、1、鎌倉市は、申立人に対し、和解金として金10万8,925円の支払い義務のあることを認める。2、鎌倉市は、申立人に対し、和解金を平成18年7月末日までに、申立人方に持参または申立人の指定する銀行口座に振り込んで支払う。3、申立人は、その余の請求を放棄する。4、当事者双方は、本調停条項に定めるほか、本件に関し、何らの債権債務のないことを確認する。5、調停費用は、各自の負担とするというものです。
 この内容が、調停委員の和解案提示であることから、これを尊重し、和解しようとするものであります。
 以上で説明を終わります。
 
○高橋 委員長  それでは、ただいまの説明に質疑のある方、挙手をお願いいたします。
 
○松中 委員  これ、前に何か調停が起きたか事故が起きたか、質問したことがあるような気がするんですけれども、そのときなかなかこういう名前とか学校名は、あのときあったかな。その結果だけ、こういう調停事件が和解になったというんだけど、どういう調停、調停の内容というのはこれは明らかにできないの、これ。何でこうなったか、よくわからないから。これだけ名前出ているんだから、明らかにできると思うんだけど、どうしてできないの、これ。
 
○教育指導課長  御質問に関しましては、昨年の9月に報告をさせていただきました。その際は、調停中ということで、まだ調停が始まったばかりということで調査もありますし、それから調停中ということで非公開の中で概略の御報告をさせていただいたと思います。
 本日は、5回の調停を経まして、ただいま御説明いたしましたように、調停の委員会から和解の提示案が示されましたので、御報告させていただいております。したがいまして、今回、学校名それから申立人の氏名等を出して報告をさせていただいております。
 
○松中 委員  だって、これ、調停の申し立てがあったということがわからなきゃ、これ和解がいいかどうかって、どうして判断できるの、これ。調停の内容がわからなかったら和解がいいと、どうして言えるの、これ。結果だけ了承しろと言ったって、どういう調停の申し立てがあったかとわからなかったら、調停がいいかどうかわからないじゃない。どうしてわかるの、こんなの。
 
○教育指導課長  それでは、事故の経過について、申し立ての内容について御説明いたします。事故は、そこにお示ししましたが、午後2時10分ごろ発生いたしました。教室に隣接する職員室内で大きな音がして教員がかけつけたところ、当該のお子さんが左耳から出血し、座り込んで泣いていらっしゃいました。その後、保健室の方に連れていき、処置をいたしました。保健室に着いたときには出血もとまっていましたが、治療としましては、消毒と傷ガード、傷のばんそうこうでございますが、を張りました。治療が終了し、教室に戻った時間は2時35分ごろで、お子さんはふだんと変わりなく遊んで、お迎えを待っておりました。保護者は、通常3時ごろにはお迎えに来るということでございました。間もなく到着することが予測されたため、到着を待って、状況の説明と謝罪を述べました。病院への搬送は、けがの状態から必要がないと判断し行わなかったものですが、なお、ばい菌が入ることも考えられますので、病院へ行くことは勧めさせていただいております。
 翌日、母親からの電話で、手術を行い6針縫ったという話を聞き、保護者に対しましては、事故当日、また翌日、翌々日、謝罪をさせていただいておりますが、その対応につきまして、事故が起こったということに対しまして、監督の責任それから病院への搬送がなかったということにつきまして、その責任につきまして申し立てということで話をさせていただいたということでございます。
 
○松中 委員  そういうふうに説明を受ければ、この和解金は要するに学校側の方にも責任があったという、その内容の結果であるということで理解していいわけですよね。
 
○教育指導課長  学校の責任といいますか、学校、事故発生当時の状況から、事故の発生を予見することは非常に困難であったと考えております。事故後、保健室で消毒等の治療を行いましたが、けがの状態から、病院へ連れていくことは必要ないと判断いたしました。また、学校から保護者に対する連絡は、治療が終了した時点で既にお迎えの時間が間近だったと、先ほど申し上げましたようにそのような状況から、保護者の到着を待って状況の説明と謝罪を行いました。
 しかしながら、結果といたしまして、お子様には左耳を6針縫うけがであった。また、お迎えの時間が間近だったとはいえ保護者への緊急連絡をすべきであったというような内容から、状況の判断の甘さ、あるいは保護者への対応について十分反省すべき点があるということで、調停の中でお話し合いをさせていただいております。
 
○松中 委員  だから、そういう責任があるということでしょう、これ。これ和解の要旨の中でも義務があるということを認めているということは、そうでしょう、これ。その辺きちんとしておかないと、和解金を払うという前提が反省しているためにお金を払うだけじゃないでしょう、義務のあることを認めてると書いてあるじゃないですか、これ。そこきちんとしてくださいよ、これ。鎌倉市は義務あるということを認めるということをちゃんと書いてるじゃないですか、これ。そうでしょう、これ。反省しているだけじゃないでしょう、これ。義務があるということを認めているということは、やっぱり責任を感じているということでしょう、これ。それをはっきりしてくださいよ、これ。義務があることを認めていると書いてあるじゃないですか、これ。
 
○教育指導課長  当時の対応としましては、十分な対応をさせていただいたというふうに判断をいたしましたが、その後、お子様の状況等かんがみまして、やはりもう一つ、病院への搬送等、対応に足りないところがあったというところを責任を感じております。
 
○松中 委員  そう、そう言えばいいんですよ。はい了解。
 
○高橋 委員長  ほかに。
 
○中村 委員  ちょっと再発防止の観点から、この事故の概要、大きな音を聞いたと書いてあるんですけれども、職員室内で起こったことなのか、教室から移動中に起こったのか、その辺ちょっと教えてもらえますか。
 
○教育指導課長  事故につきましては職員室内、職員室と申し上げましたのは、先ほど御説明いたしましたように、本校におきましては、特殊学級は別棟に設置されてございます。通常、このお子さんにつきましては、授業を行っている教室、その隣に職員室がございます。隣に移動した際、何らかの形で倒れ、そして座り込んでいる状況で耳にけがをされたというふうに考えられます。
 
○中村 委員  何かがぶつかったのか、あるいは自分から何かにぶつかったのか、その辺の状況というのはわかるんですか。
 
○教育指導課長  状況の様子から、キャスターつきのいすが職員のいすとして職員室にございます。それが授業前にあった位置からずれたところにあって、そのそばで子供さんが座り込んでいたということで、恐らくそのいすに座るか立つか、何かの関係で行動があって、その動きの中で倒れるというような状況が発生したものと考えられます。
 
○中村 委員  要するにその事故に遭った方は、そういう説明がうまくできないと考えていいんですかね。
 
○教育指導課長  障害のあるお子様でございますので、上手に説明ができないという部分はございますが、担任の方も常に接触を持っております。言葉以外のものでもコミュニケーションをとるような形ができております。ですから、状況として言葉での説明は難しかったかと思いますけれども、問いかけに対しての反応等はあるお子さんでございますので、そのときの対応としましては、問いかけ等で状況を確認をしながら、対応させていただいたと聞いております。
 
○中村 委員  わかりました。再発のないように注意していただければと思います。
 
○高橋 委員長  ほかに。
 
○石川 副委員長  保護者から、治療を受けたということで6針縫ったということで、学校の対応はどうだったんでしょうか。
 
○教育指導課長  学校の対応といたしましては、耳の方に少しVの字に切れた跡があったということで、それにつきまして、傷ガード、消毒等、先ほど御説明いたしましたような保健、養護によります処置をいたしました。通常の処置をさせていただき、それからその後の本人の動きが、ほかのお子さんと一緒にお母さんのお迎えを待つような時間帯の行動等もありましたので、判断としましては、その処置でその場合は適切であると判断をいたし、そして母親に対して状況を説明し、そして、先ほど申し上げましたように病院への受診の方も勧めるというような形をとらせていただいております。
 
○石川 副委員長  その処理した後のことなんですけれども、調停中だったので校長先生が謝罪するみたいなことはなかったんですか。
 
○教育指導課長  謝罪につきましては、まず当日お母様がお迎えに来られたときに状況の説明、養護教諭及び担任から説明をさせていただき、あわせて謝罪をさせていただいております。
 当日は、校長が、別の会議がありましたために出張しておりました。翌日またその翌々日ということで、校長との連絡をとる中で、校長の方からも謝罪の言葉を述べさせていただいておりますし、それから数日後には両親、それから学校、それから教育委員会が入りまして謝罪の場を設けさせていただき、そこで謝罪もさせていただいております。
 
○石川 副委員長  わかりました。よくわかりました。
 
○高橋 委員長  ほかに。よろしいですか。
 ちょっと私の方から一、二点伺いたいんですけど、中村委員が言ったみたいに、何がぶつかったかと、そこは明らかになっていないんですか。もし突起物があってということだったら、それを除去しなきゃいけないとか、そういうものは明らかにはなってないんですか。
 
○教育指導課長  それについては、特定はされてございません。それによりまして対応をしたことでございますけれども、危険なものがあればそれを取り除く。まず大事なことだと思います。どれがその該当の物品であったかは特定できませんが、その事故後、職員室内を点検いたしまして、子供たちが触れる部分での危険物についての保管については確認をいたし、対応させていただいております。
 それから、子供たちの出入りにつきましても、それまでは割と子供たちが職員室に入って教員と接するようなことができるような状況ということをよしとして活動してきたわけですが、今回の事件がありましたところから、入室については一つ区切りをつけるということで、きちっと断って入る、あるいは、中にいる職員が確認をして入れるというような対応をさせていただきます。
 さらに、施錠の方がされてない状況でございましたので、調停を進める中で、対応といたしまして、部屋の方に施錠をし、職員が空になる状況のときには施錠をして、子供たちが入らないような状況をつくり上げるというような形で対応させていただき、調停の中でも説明させていただいております。
 
○高橋 委員長  もう一つ、6針も縫うような傷だったわけですけど、保健室の先生が治療に当たっているわけですよね。その方はそういう判断ができなかったんですかね。
 
○教育指導課長  数字的には6針ということで報告を受けておりますけれども、まず養護の判断といたしましては、血がとまっている、あるいはある程度状況が小さな傷ということで、通常、切り傷的な形での判断と、それから処置をさせていただきました。ただ、保護者の方が病院の方に受診をされて、緊急の方の対応をされたということは、後ほど電話で聞いたわけでございますが、これにつきましては、形成外科だったと思いますが、きちんと、きれいに残らないような形で細かく処理をするという方法を病院の方でとってくださったというようなことから、6針というような形で治療がされたというふうに聞いております。
 
○高橋 委員長  縫わなくても治るような傷だったけれども縫ったんだと、そういう判断なんですね。
 
○教育指導課長  そのときの判断は養護の方はそのようにさせていただいて、処置をしたということでございます。
 
○高橋 委員長  そういう判断が間違っていたということで、和解金を払うという、それも一つの原因だったというふうな判断、理解をされていますか。
 
○教育指導課長  けがにつきまして、やはり専門的な立場で確認をしていただく必要があるというふうに考えております。したがいまして、今回の処置につきまして、そこまでの対応をしなかったところについて責任を感じておるということでございます。
 
○高橋 委員長  やっぱり、見た目よりもひどいケースとか、そういうこともあるでしょうから、やっぱり大事をとるということ、心がけてやっていただきたいと思います。
 それでは、質疑を打ち切ります。
 何か御意見のある方。
                  (「なし」の声あり)
 よろしいですか。意見を打ち切ります。
 これは議案でございますので、採決をとりたいと思います。原案に可決の方の挙手をお願いいたします。
                   (総 員 挙 手)
 総員挙手ということで、可決いたしました。
  ───────── 〇 ───────────────── 〇 ─────────
 
○高橋 委員長  それでは、日程、次に進めたいと思います。日程第2報告事項(1)「御成小学校校舎の取得について」原局より御報告をお願いいたします。
 
○学校施設課長  報告事項(1)御成小学校校舎の取得について、その内容を説明いたします。
 財団法人鎌倉市学校建設公社が建設しました御成小学校の校舎等につきましては、平成11年度から順次買いかえを行ってきており、本年度においてもその一部について取得しようとするものでございます。
 本年度取得しようとする部分は、お手元に配付させていただきました資料1ページ、配置図の色の濃い部分で、2ページ1階平面図の色の濃い部分、3号棟1階のランチルームでございます。取得しようとする部分の延べ床面積は265.53平方メートルで、校舎等の延べ床面積の約3.6%に当たります。今回取得しようとする部分に昨年度までに取得した分を加えますと、取得面積の合計は6,625.53平方メートルとなり、校舎等の総延べ床面積7,294.15平方メートルの約90.8%となります。
 なお、取得金額は9,867万8,000円で、本件の取得につきましては、今定例市議会において、「議案第5号不動産の取得について」として提案させていただき、別途御審議をお願いしているところでございます。
 以上で説明を終わります。
 
○高橋 委員長  それでは、ただいまの報告について質疑のある方、挙手をお願いいたします。
                  (「なし」の声あり)
 よろしいですか。それでは、質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告、了承ということで確認してよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 はい。それでは了承ということで確認をさせていただきました。
  ────────── 〇 ─────────────────── 〇 ──────────
 
○高橋 委員長  日程第2報告事項(2)「小学校警備業務委託について」原局より報告をお願いいたします。
 
○学校施設課長  報告事項(2)小学校警備業務委託について、その内容を御説明いたします。
 市立小学校の警備業務委託につきましては、去る5月23日に16社を指名し、指名競争入札を執行いたしました。その結果、国際警備株式会社が落札いたしました。同社はこれまで横浜美術館、横浜市立大学、川崎市役所庁舎など、公共施設の警備を数多く手がけており、今回の警備業務についても問題なく対応できるものと確信しております。
 契約期間は、平成18年7月1日から平成23年6月30日までの5年間の長期継続契約でございます。なお、平成18年度は7月1日が土曜日のため、実際の警備業務開始は7月3日月曜日からとなります。契約金額は月額343万3,500円で、8月を除いた各月ごとの支払いとなります。業務内容といたしましては、学校休業日を除いた日の午前7時30分から午後4時15分までの間、登下校時の立哨、校内の巡回、来訪者の確認などを行います。
 現在、学校施設課では落札業者とともに各学校を回り、それぞれの学校の実情に合った警備内容となるよう、協議・調整を進めております。
 以上で説明を終わります。
 
○高橋 委員長  それでは、ただいまの報告に質疑のある方、挙手をお願いいたします。
 
○松中 委員  これ、入札経過書を、後でいいから出して、各社の。
 
○学校施設課長  はい、わかりました。
 
○高橋 委員長  一応、ほかの委員さんにも配っていただくようにお願いいたします。
 ほかに。
 
○高野 委員  昨今の状況を考えれば、学校に警備員を配置するということも、本来は学校という場からして、私はそういうことをしなきゃならん状況というのは非常に、その状況そのものにどうかと思っていますけれども、一つ気になるのは、不審者に対してきちんと対応するのは当然だけれども、市民の方だとか、いわば学校に来ることがあるわけですね。そういう方に対しては、丁寧なというか、入りづらいようなものになってはいけないから、そこだけはちょっとよく気をつけて、御指導いただきたいと思うんですけど、その点についていかがですか。
 
○学校施設課長  学校には保護者を初めいろんな方がいらっしゃいますけれども、保護者の方々は、このような札をお持ちでいらっしゃいますので、判別はつくと思います。その他の方も当然学校に御用があって来られる方、警備員といえども威嚇的な態度等、これは当然控えるべきで、学校でございますので、お子さんもたくさんいらっしゃいますので、なるべくやわらかな対応といいますか、そういうところを警備会社にもお願いをしているところでございます。
 
○高橋 委員長  よろしいですか。ほかに。
 
○納所 委員  警備業務委託が進んだことは本当に心強い限りなんですが、昨年12月22日付で、文部科学省の方から犯罪から子供を守るための対策についてという通達があったと思います。その中で、6項目の緊急対策と同時に、日を切って平成18年3月までにということで、3点、さまざまな点検であるとか、防犯教室の開催であるとか、あと通学路を含む見守り体制の学校安全ボランティアですか、スクールガードへの参加を呼びかけるというような対策が、日を切って通達があったと思います。これは県を通じて当市の教育委員会の方に来たと思うんですが、それに対する対策はどのように進められましたでしょうか。
 
○教育指導課長  昨年度、子供の安全対策ということで文科、それから県を通じまして話がきております。鎌倉市といたしまして何度か御報告させていただいておりますが、警備員以外のものといたしまして、まず地域の防犯活動への積極的な連携を図るということで、市の安全・安心まちづくり推進協議会等とも関連しておりますが、地域から協力を得るような形を全校へ推進してまいっております。あわせまして子ども110番の家の取り組みにつきましても、未設置学校がございましたけれども、どの学校でもそれについて取り組みができるよう、特に保護者会、PTA等にこういう協力をいただくというような形での働きかけは、昨年度じゅうに全小学校で行っております。
 あわせまして、安全マップの作成等も入っているかと思いますが、それにつきましては、現在、各学校でPTAの校外委員さんを中心に危険箇所を確認をし、子供たちに伝えていくと。交通面だけじゃなく防犯面も含めてということで取り組みは昨年度かなり行われました。あわせて、子供自身が作成にかかわるというような面も、昨年度、担当者会の中で進め方等も資料等を提供しながらやっております。
 学校におきましては、今年度これから取り組むところもございますが、順次、安全マップの方も、防犯の対策の一つとして小学校の方で取り組みができるよう、進めております。
 
○納所 委員  そうしますと、平成18年3月までに、例えば全学校区、全通学路の安全点検を終えるようにという通達があったと思うんですけれども、3月までには学校区、通学路の安全点検は終わっていないということですか。現在、マップ作成中ということもあると伺っておりますけれども。
 
○教育指導課長  通達がありましたのは年度の途中ということで年度末までにということでありましたけれども、多くの学校につきましては、年度の初めに、まず点検をいたしております。本市におきましては、ここ数年、やはり子供の安全対策ということで、保護者の方もかなり熱心に協力してくださっておりますので、年度の初めに既に一度終えているという認識がございます。再度、先ほど申し上げましたように、児童指導担当者会が3学期に行われたわけですけども、そこで安全マップづくり等も提示させていただき、今年度の活動の中でさらに充実させるよう、こちらの方としても確認していきたいと考えております。
 
○納所 委員  わかりました。
 あと、すべての小学校区において、学校と警察との連携等による実践的な防犯教室の開催ということがあるんですが、警察と連携をとった防犯教室の開催状況は今どういうふうになっているか、わかりますでしょうか。
 
○教育指導課長  申しわけございません。校数はちょっと今お話しできないんで、資料としては用意できますけれども、状況といたしまして御説明いたしますと、小学校全校において防犯教室は実施いたしております。多くはやはり警察との連携ということでございますが、先ほども申し上げましたように、市の防災安全部の方で、安全・安心の担当がございますので、そこにいらっしゃいますアドバイザー、元警官の方でございますので、その方を通じまして直接指導していただく場面、また、アドバイザーが仲介になりまして警察署と連絡をとっていただくケースがございます。いずれにしましても、警察及びアドバイザーとの連携をとりながら、全小学校で昨年度は実施いたしました。
 
○納所 委員  ありがとうございました。もう一つは、3月までに学校内外の見守り等を行う学校安全ボランティアの参加を広く呼びかけるという対策も通達にあったんですが、これはその呼びかけは、昨年度と比べて広がりというものは今あるんでしょうか。その点はいかがでしょう。
 
○教育指導課長  かなり、その協力団体がふえているという報告を受けております。年度が始まりまして、新たにまた、校長会を通しまして自治会等にも協力を依頼するよう、各校長会で依頼、話をしたところでございます。
 
○納所 委員  その中で、これは直接教育委員会がやるべきことではないかもしれないんですが、当然見守りを行う方も危険にさらされる可能性もあるわけで、例えばボランティア保険であるとかそういったもの、加入を例えば呼びかけるであるとか、そういった話というもの、ボランティア保険の加入の必要であるとか、もしくは実際に加入しているとかいうような状況というのは、教育委員会での把握はありますでしょうか。
 
○教育指導課長  実際、数としては委員会としてはとらえてございません。基本的には県の方の事業といたしまして、防犯に関する活動をする団体について、その保障といいましょうか、保険を掛けるという制度ができてございます。これにつきまして、学校から問い合わせがあった場合には私の方からお答えしておりますし、それから何度も同じことで申しわけございません、安全・安心まちづくり推進対策協議会の方で町内会長さんの代表がお集まりですので、その場で安全・安心の方から、そのようなボランティアの保険があると以前報告されたというふうに記憶してございます。
 
○納所 委員  その中で、不審者情報として挙げるものとしては少なくなってきているという一般質問での答弁がございましたけれども、その不審者情報の徹底ですね、家庭、学校への周知というのはなさっていると思いますけれども、そういった見守り活動をしてくれている方、地域ボランティアの方々もしくはその子ども110番をお願いしている家庭等へも、そういった不審者情報というのはある程度周知する必要があると思うんですけれども、つまり、学校、家庭以外への周知のやり方、もしくは、なさっていることってございますでしょうか。
 
○教育指導課長  保護者につきましては、学校からの注意を喚起するお知らせ等が配付されますので、それで確認ができるかと思っております。あわせまして、学校だより等、学校からのお知らせを町内会長さんの方にお届けをし、地域によっては回覧をしていただいているところもあると聞いておりますが、町内の保護者以外の地域の方にも学校の予定をお知らせするとともに、不審者情報等の情報もそれに入れている学校もございます。そのような形での情報提供ができているのではないかなと思っております。
 あわせまして、子ども110番の家の協力者は、今現在、多くは在学中の保護者の家庭が多うございます。したがいまして、そちらには直接、児童・生徒を通じまして学校から出される不審者情報が行っているものと認識してございます。
 
○納所 委員  大枠、総体的な不審者情報の周知というのはそれでいいと思うんですけれども、割合緊急を要するような場合、学校だよりを待っていては遅かったりというような心配もあるわけでございます。緊急を要するような情報の提供に関しての取り組みというものは用意されていますでしょうか。
 
○教育指導課長  緊急を要する情報につきましては、委員会の方は速やかにファクス等で全校に知らせるという方法と、それから、ファクスといっても時間差が生まれてしまいますので、まず基本的に各学校で取り組んでおりますのは、当該の地区の学校、情報を得た学校が近隣の学校、学区内の学校及び幼稚園、保育園等含めまして情報を速やかに、その情報を得た学校が発信するという形を連絡体制の中で位置づけてございます。それによって、できるだけ早く情報が伝わるよう体制を組んでございます。しかしながら今、御指摘のように、それはあくまでもやはり保護者というような単位での情報提供にとどまらざるを得ないと思っております。地域の方への情報提供につきましては、今後課題になろうかなと思っております。検討させていただき、より情報の地域への伝達が緊急時には速やかにいくような形を考えていきたいと思っております。
 
○納所 委員  校区、隣接校区もそうなんですけれども、やはりその学校区をまたがって行動する子供もふえているわけで、例えばそういった不審者情報の徹底先といいますか、依頼先といいますか、そういったもので、例えば市内の学習塾であるとかスイミングスクール、ピアノ教室など、子供の習い事を運営している事業者があると思うんですが、そうした子供を預かる事業者へも不審者情報の徹底を教育委員会からも依頼すべきであると思いますが、その点はいかがでしょうか。
 
○教育指導課長  私どもの方で組織的に持ってございますのは、学校単位はもちろんでございますが、それ以外に学警連という組織がございます。これはあくまでも今、御指摘の中には入りませんが、小学校、中学校、高等学校、大学、専門学校、公立・私立を問わず市内の全部の学校がその組織の中に入って連絡がいくような形をとってございます。その組織は我々の方ではつかんでおるんでございますが、今、御指摘のような私的な学習塾であるとか、あるいはスイミング等、子供たちが放課後集まるような場所への情報の提供の伝達方法については、現在のところ特にないのが現状でございます。
 
○納所 委員  ならば、その教育委員会の要望として、そういった私塾などの事業者に対しても、子ども110番をお願いするという必要があるんじゃないかと思うんですが。子ども110番になっていただければ、子供の集まる場所で子供も駆け込みやすいし、そこが不審者情報を早くに把握してくれていれば、それなりの対策が地域としてもできるんじゃないかと思いますけれども、その子ども110番を依頼する先の拡大ですね、学習塾などの事業者に拡大するということについては、どのようにお考えでしょうか。
 
○教育指導課長  子ども110番の家の依頼につきましては、基本的には学校単位で行っていただいております。したがいまして、ただいまの御意見につきましては、今後、校長会等の中で、再度この子ども110番の家は先ほど申し上げましたように、保護者の方が基本になって、卒業、入学等で役員さん等も入れかわるということで、年度ごとの確認も必要な学校もございます。そのような中で、依頼先としまして、一つ検討のできるものということで提示をしていきたいと考えてございます。
 
○高橋 委員長  ほかに。
 
○石川 副委員長  警備員が入ったことは、今の状況、仕方がないかなと思いますけれども、事件は外で起こっているのが多いんですね。特に下校時に起こっております。朝は比較的、お母さんとか、先生方も外に出て見守ってくれている状況で、朝はかなり安全かなと思いますけれども。やっぱり子供たちが、児童がばらばらに帰ってしまう、授業帯、授業時間の終了が違いますので、その辺を学校で教育委員会としてどう工夫なさっていらっしゃいますでしょうか。
 
○教育指導課長  これは授業時数の関係がございます。教育課程上の問題もございますので、小学校の低学年と高学年では授業の組み方が違います。したがいまして、下校時間はずれが出るというのは、これは仕方のないところだと思います。
 ただ、その中でどのような安全を図るかということでございますが、現在、委員会の方でさせていただいているのは、他の機関の協力をいただいているわけですが、全校の下校時刻をすべて消防署及び警察署の方に伝えてございます。なかなかオープンにできない部分もあろうかと思いますが、協力していただくところにはそのような情報も伝えて、特に低学年の方の見守りが中心になろうかと思いますが、時間を意識した巡回をお願いしています。
 あわせまして、学校の方といたしましては、ひとりで帰らないということが基本でございます。できるだけ複数で帰る指導を再三呼びかけていくというようなことの中で、子供自身に被害に遭わないような状況をつくり出す、その工夫も考えていかなきゃいけない。そのような形で、対応といたしましては、ひとりで帰らない、集団で帰るような指導という中で、学年による下校時間の差というものを対応していかざるを得ないと、そのような形でその徹底を図っているところでございます。
 
○石川 副委員長  ひとりにならないというのは、ちょっと難しいかもしれません。一緒に帰っていても1人抜け2人抜けで、最終的にはひとりになりますけれども、それは子供に言い含めさせて、親も学校も自分自身が身を守るということを指導していただきたいんですが。例えば、学校で病気になった場合に、保護者は迎えに来てくださいと。しかし、今は共稼ぎ家庭も多くて、連絡がつかない場合は、子供はどうしていらっしゃいますかね。
 
○教育指導課長  連絡がつかない場合には基本的には学校の方で連絡がとれるまで子供たちに休ませるというような対応を、まずはさせていただきます。そのほか、これは各保護者にお願いをしているところでございますが、緊急連絡先ということで、年度の初め、学年の初めに学校の方に保護者が不在の場合にはどちらに連絡をするのか、これは確実にいただかないと、学校の方としてもなかなか対応が難しい状況です。したがいまして、お近くにお知り合いがいらっしゃればいいんですが、なかなか状況としては難しい御家庭もありますが、だからこそ近所の方と保護者同士がつながりを持って、何かあったときには頼んでいただけるというような環境をつくっていくことも必要かと思います。
 そういう意味で、御不在の場合にどちらに連絡をし、対応したらいいかということを1件1件、やはり学校の方としては確認していく必要があると考えております。また、そのような形で年度初めに連絡先をいただいているというような状況でございます。
 
○石川 副委員長  実は、昨年なんですけれども、ちょっと市民の方からお話をいただいたんですが、お母さんとは連絡ついたんですけれども、学校が近いということでひとりで帰れるねということで帰されたということがありまして、家にいなかった場合ですね、お母さんが。ですから、こういう事件が起きていますので、なおさらひとりで帰ることはちょっと危険ですので、その辺の配慮を、先生が送っていくなりしていただければいいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 
○教育指導課長  基本的に、早く帰して休ませる、ひとりでいさせることもやはり考えなければいけないと思いますが、学校で待つよりも家庭へという場合には、教員の方で対応しているケースも、もちろんございます。ただ、学校の現状といたしまして、教員が常につける状況ではないという中で、やはり、まずとるべき方法としましては、連絡がきっちりとれる体制をとっていく、これが第一かと思っております。
 
○石川 副委員長  よろしくお願いいたします。
 それともう一つなんですが、マップ作成がありましたけれども、子供って背が低いんですよね。お母さん方がつくるにしても、保護者の方がつくるにしても、座って見る、しゃがんで見る、その目線で、一言動作をつけ加えることで、かなり違った見方が見えてきますので、交通事故等もありますので、大人には見えていても子供には見えないという状況があります。ぜひ、その工夫をしていただきたいと思いますが。
 
○教育指導課長  御指摘のとおりだと存じております。マップ作成の上では大人の目線と子供の目線に、やはり多少の違いがございます。あくまでも子供の視点に立った危険というものをつかんでおく必要がございます。先ほど申し上げましたように、昨年度実施いたしました担当者への安全マップの作成につきましての研修会の中では、担当者会ですが、いろいろなポイントが示されました。その中の一つに、やはり子供の視点・視線というようなものも大事なポイントとして出されておりました。各担当者には、そのような点も踏まえて、各学校におけるマップづくりの取り組みに生かしていただいているというふうに思っております。
 
○石川 副委員長  よろしくお願いいたします。
 
○高橋 委員長  ほかに。
 
○前川 委員  この警備員の配置は本当にうれしいことで、やっと実現するなと思っております。先ほどから下校の話とか、そういう話に広がっておりますが、ちょっと警備員の方にお話を戻させていただきたいんですが、警備員さんは、さっきの報告の中で、門もたくさんある学校もありますし、学校の状況を見て巡回したり、いろいろ作業が違うと思うんですが、学校の先生との、いざとなったときの連絡というかやり方、システム、それはどういうふうに考えていらっしゃるか、教えていただけますか。
 
○学校施設課長  ケース・バイ・ケースでございます。緊急時、対応といたしましては、警備員がもし発見すれば、もちろん学校への通報、これは第一番でございますけれども、より緊急を要するような場合には、直接警備員から警察への通報も考えております。これは一律的な考えではなくて、その状況に合った方法を、警備員は当然経験がございますので、その辺のところ、経験から何が一番適切かというのを判断できる者を配置するということでございますので、その中で一番適切な方法を選択していくということでございます。
 
○前川 委員  そもそもこれ、大阪の池田小学校事件から警備員の配置ということが言われてきたと思うんですけれども、学校の先生も、防犯教室というか防犯の方法というのを習っているんだと思うんですが、年にどれぐらいそれをしているか、わかりますか。
 
○教育指導課長  基本的には1回はやっております。ただ、学校によっては複数回実施しているという報告も受けてございます。
 
○前川 委員  学校の中でも1年生、池田小学校のときには1階に1年生がいたということ、職員室が2階だったということで、今、市内でも1年生を1階にしないようにということで配慮してくださっていると思いますが、とにかく、何か起こったときには先生が第一に子供を守ることを考えてくださっていると思いますが、万が一入ってきてしまったときのその連携というか、伝達方法というか、対処の方法というのは、いつも頭の中にシミュレーションしていただきたいなと思います。通学路ももちろんなんですが、やはり学校に侵入してきてしまえば、たくさんの子供たちが一度に被害に遭いますので、そうしますと先生たちも非常に大変な対応になってくるというのも目に明らかなので、警備員さんだけでは多分無理な場合も出てくると思いますので、ぜひその辺のところは常にシミュレーションしておいていただきたいなと思います。よろしくお願いします。
 
○高橋 委員長  ほかに。よろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 それでは、質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告、了承ということで確認にしてよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは了承ということで確認をさせていただきました。
  ───────── 〇 ───────────────── 〇 ─────────
 
○高橋 委員長  日程第2報告事項(3)「平成17年度鎌倉市学習状況調査の結果について」原局より御報告をお願いいたします。
 
○教育指導課長  それでは、日程第2報告事項(3)平成17年度鎌倉市学習状況調査の結果について、御報告いたします。
 お配りしてあります平成17年度鎌倉市学習状況調査の結果を御参照ください。
 この調査の趣旨は、鎌倉市立小学校及び中学校における日ごろの学習状況や成果を調査し、その結果を教科指導における指導方法の工夫・改善及び児童・生徒の学習に役立てるため、神奈川県教育委員会と、神奈川県公立小学校長会並びに神奈川県公立中学校長会とで実施する、平成17年度神奈川県公立小学校及び中学校学習状況調査と同一の調査を市立小中学校全校で実施したものでございます。
 1ページをごらんください。調査の実施時期は、調査期間とされた1月30日から2月3日までの間で、小・中学校とも3日間で記載の期日に実施いたしました。実施学年は小学校は第5学年、中学校は第2学年です。実施教科、実施人数については記載のとおりです。
 調査実施後の集計につきましては、3集計の実施についてをごらんください。(1)集計の方法は、各学校で調査実施後、教科ごとに小問ごとの正答者数と実施人数を市教委に報告します。これを受けて、市教委は小問ごとの正答率を算出いたしました。この正答率を(2)市教科別集計として、小学校・中学校別の各教科の市内全体の正答率と神奈川県の抽出校の集計による県の正答率としてまとめました。小学校は4ページから7ページ、中学校は11ページから15ページに記載いたしました。
 4ページをごらんください。小学校国語の市教科別集計です。左から、大問、小問、観点、問題の趣旨、市と県の正答率の順にまとめてあります。
 5ページの小学校社会の教科別集計の問三をごらんください。この問題は六つの選択肢から二つを選ぶ問題ですが、正答?を選んだ者、正答?を選んだ者、正答??の両方を選んだ者として示してあります。以上が、市教科別集計の構成の説明でございます。
 続きまして、調査結果につきまして御説明いたします。小学校から御説明いたします。結果につきましては、冊子の1ページから3ページを、教科別集計は4ページから7ページをごらんください。小学校の結果について、全体としては1ページに記載しましたように、今回の調査結果からも鎌倉市の児童の学習状況は全体的に良好である。どの教科においても、基礎的、基本的な内容については十分に理解ができていることがうかがわれる。一方、教科ごとには課題もあり、引き続き指導の充実を図るため、学習内容に興味・関心を持ち、意欲的に取り組むことができるように、指導方法や適切な教材の選択等の工夫が必要であると考えます。各教科の調査結果の特色は丸印で、指導上の改善点は星印で示してございます。各教科の調査結果の特色については記載のとおりでございます。
 続きまして、中学校の結果についてですが、冊子の8ページから10ページを、教科別集計は11ページから15ページをごらんください。中学校の結果につきまして、全体としては、8ページに記載いたしましたように、今回の調査結果からも鎌倉市の生徒の学習状況は全体的に良好である。全体的な傾向としてはおおむね県の特徴と同様に、考え、まとめ、表現する力に課題を残したが、個に応じたきめ細かな指導方法等の工夫により一部教科で改善の傾向が見られると考えます。また、各教科の調査結果の特色については記載のとおりでございます。
 以上の調査結果を受けまして、今後、本市における児童・生徒の学習状況の改善を図っていくために望まれる各学校の取り組みについてですが、16ページをごらんください。各学校では、それぞれの学校の実情や児童・生徒の実態を踏まえて、記載のような取り組みを引き続き推進し、学習状況の改善を図っていくことが望まれます。小学校においては、基礎・基本のより確かな定着を図っていくために、児童の興味・関心に沿った授業の展開や、体験的・作業的な学習活動等を取り入れたり、思考力・表現力の向上のために、自他と相互交流をする学習活動をさまざまな場面設定したりすることに努める等の取り組みを望んでおります。
 また中学校においては、基礎・基本のより確かな定着を図っていくために、指導時間の配分や少人数指導等、個に応じた指導を推進するなどの指導方法を工夫したり、思考力・表現力の向上のために個人の考えをまとめたり、小集団での共同思考や、発表を経験したりする学習活動をさまざまな場面で行うようにしたりすることに努める。また、評価基準、評価方法等の整備をし、指導と評価の一体化をさらに進める等の取り組みを望んでおります。
 最後に教育委員会としての取り組みですが、基礎・基本の確実な定着を一層図り、これまでの各学校での教育活動を継続して支援していくとともに、授業づくり研修会等の研究・研修事業を推進し、授業実践や校内研究・研修が充実したものとなるよう、指導助言を行っていったり、学校訪問や鎌倉市学校教育研究会教科部会なども含め、あらゆる場を通じて学習指導等についての意見交換が深められるように、その環境整備に努めてまいりたいと考えております。
 以上、平成17年度鎌倉市学習状況調査の結果について御報告させていただきます。
 なお、本市の市立小学校及び中学校における日ごろの学習状況や成果を調査し、その結果を教科指導における指導方法の工夫・改善及び児童・生徒の学習に役立てるために、平成15年度から実施してまいりました神奈川県学習状況調査を使った全校実施も、3年間の実施で市内全体の児童・生徒の学習状況の傾向はおおむね把握できたと判断いたします。先ほど御報告させていただきましたように、小・中学校とも、本市の児童・生徒の学習状況は全体的に良好であり、どの教科においても基礎的・基本的な内容については十分に理解ができていると判断できます。一方、教科ごとには課題もあり、引き続き指導の充実を図るため、学習内容に興味・関心を持ち、意欲的に取り組むことができるように、指導方法や適切な教材の選択等の工夫が必要であると考えます。
 今後とも児童・生徒の日ごろの学習状況の把握に努め、指導方法の工夫・改善を継続する必要があります。学習状況調査については、今年度は検討期間ということで全校実施はいたしませんが、経年問題を使ってみる等、各学校で活用するよう校長会で依頼いたしました。
 今後の児童・生徒の学習状況の把握につきましては、平成19年4月24日に小学校6年生と中学校3年生を対象に、国語と算数・数学の2教科の実施を予定しているという、国の全国的な学力調査と、県の学習状況調査の実施方法や内容が、さらに明らかになってまいりましたら校長会と教育指導課で検討してまいりたいと考えております。
 以上で報告を終わります。
 
○高橋 委員長  それでは、ただいまの報告に質疑のある方。
 
○松中 委員  ちょっとこれ、基本的なこと聞きたいんですけど、これ全校調査じゃないよね。
 
○教育指導課長  今、お手元にお配りしてある資料につきましては、市内全校の小学校、中学校の調査でございます。
 
○松中 委員  そうすると、これ、在籍数と実施数との差は、これどういうことなんですか。
 
○教育指導課長  期間を限定いたしまして実施いたしました関係で、そのときに欠席している生徒があった場合には、実施人数には含まれてございません。昨年度になりますが、ことしの1月、2月につきましては、例年より風邪、インフルエンザの流行がありまして、欠席がかなり多く、その数値としてあらわされていると思います。
 
○松中 委員  随分、そうすると約100人近い差が小学生の場合あって、中学校80人と。これ抽出方法ということなんだろうけど、大分これ休みの生徒数が多いから、これちょっとこの辺のことはやっぱり検討の余地があるだろうと思うんですけれども。全校を対象にしての実施ということになると、これはどこまで明らかにされているんですか。例えばどういうことかというと、これ、今、県と市の関係だけを我々に正答率が公開されているわけですけども、各学校の正答率、それはわかるんですか。
 
○教育指導課長  この調査の趣旨は児童・生徒がみずからの学習を振り返り、その後の学習に生かすこと、教員は指導方法、内容の工夫・改善を図ることにあります。各学校の状況を公表することは、数字がひとり歩きすることで学校の序列化などの影響が考えられます。このため、学校ごとの状況は公表してございません。これにつきましては、平成16年6月の文教常任委員会、また17年度の教育委員会及び文教常任委員会で趣旨の御理解をいただいているものと考えております。
 
○松中 委員  ですけど、当時はそうであっても今はこのこと自体で…。そうすると各学校は県との関係なのか、あるいは公開しなくてもいいけれども、教育委員会あるいは校長会でこの内容は明らかにして議論をされているかどうか。
 
○教育指導課長  各学校においては、自校の集計段階で状況はつかんでいると判断しております。ただ、こちらに示してある集計方法は、小問ごとの正答率でございます。したがいまして全体を合計して1教科あたり、一般的に考えられる何点満点の何点というような形での集計ではございません。一つ一つの問題に対して、それが理解できている生徒の様子をつかんでいこうという集計になってございますので、その一つ一つの領域について各学校においてはさらに細かく見て、子供一人ひとりの指導へ生かしていただくという趣旨でやってございます。
 
○松中 委員  そういうことじゃなくて、そのこと自体やっているんでしょうけども、各学校のレベルでの話をお互いに情報交換とか、校長会とか、あるいは教育委員会でしているかということなんです。
 
○教育指導課長  学校ごとにつきましては校長会等で話題になることもあろうかと思いますが、教育委員会の中でそれを話題にしていることはございません。ただ、各学校から調査の結果をもとに分析し、その結果について今後の取り組みについて考えていただくと、その報告の中には必然的に自校の様子を中心におきまして、全体的な状況の中と合わせた取り組み方法を考えていくということで示されているというふうに考えます。
 
○松中 委員  そうするとこれ、生徒は要するに県と市の正答率がわかっているわけだから、これは生徒には渡されているんですか。この内容のことは。
 
○教育指導課長  この結果については、生徒には渡ってございません。生徒一人ひとりは、自分の状況について一つ一つの問題についてどうであったかを振り返るために、調査のねらいといった冊子が用意されてございまして、それによって子供が一人ひとり、自分の状況を振り返るということができるような調査になってございます。
 
○松中 委員  その調査のねらいというのはもらえるの、我々に。
 
○教育指導課長  はい、こちらで用意できます。
 
○松中 委員  じゃあ、後でください。それから検討してみます。
 
○高橋 委員長  じゃあ、一応ほかの委員さんにも、資料としてお配りいただくようにお願いいたします。今、あるんですか。配れるんですか。
 
○教育指導課長  一部しかないんです。
 
○高橋 委員長  じゃあ、後ほど。
 じゃあ、ほかに。
 
○納所 委員  過去3年間の実施の中での追跡調査といいますか、つまり17年度の結果における課題というのは、ここである程度触れられて、大枠ですけれどもいるわけですけれども、その前年度結果における課題というのがあるわけですよね。それに対して具体的な取り組みはどうなされて、それがどのように改善されたのか、もしくは改善されなかったのかというような追跡的なものというものは教育委員会では把握していらっしゃるんでしょうか。それとも学校ごとに把握していらっしゃるんでしょうか。
 
○教育指導課長  教育委員会としての把握はしてございません。学校ごとの取り組みということで位置づけてございます。
 
○納所 委員  そうしますと、例えば観点別であるとか領域別のものが4項目ないし3項目ございますよね。この過去の実施においても、その観点もしくは領域というものは変更はなかったんでしょうか。それとも、年度ごとの設定になりますでしょうか。
 
○教育指導課長  領域につきましては、学習指導要領にのっとった形の中で基本的に出題されてございますので、変更はございません。
 
○納所 委員  観点も同じですか。
 
○教育指導課長  はい。変更ございません。
 
○納所 委員  そうしますと、その課題を克服するために各学校独自もしくは特徴的な取り組みができるような指導環境を整備していくか、ということが問題になってくるわけで、それがこの集計の中でわかるんでしょうか。単に正答率が上がったということだけで判断をするものなのかどうなのか。つまり、どれだけ質的にも改善が見られたのかというのが読み取るのがちょっと、解説の文章ぐらいしかわからないものですから。そういった見方というのは、教育委員会の方では行わないということでよろしいんでしょうか。
 
○教育指導課長  基本的に対象となる児童・生徒が年度ごとに変わります。したがいまして、前年度の全体的な傾向をとらえて、そしてその当該学年、今回の場合には小学校5年生と中学校2年生が調査対象でございますが、その授業に対しての工夫に生かすということで、実際に受験する生徒、また次の年度の子供になってございますが。ただ、今お話にありましたように、教育委員会としては特にそのような調査等はいたしておりませんが、学校の中でそれにつきまして報告の中で領域等をやはり工夫するというような報告は受けてございます。
 
○納所 委員  そうしますと、その学年が、当然、担当も年度が変われば学年担当も変わるわけで、その前年度の当該学年で明らかになった課題というのは、新年度においてその担当教諭等にきちんと引き継ぎというのはするようになっているんでしょうか。
 
○教育指導課長  これにつきましては、この調査結果が出るのはどうしても年度をまたがってしまいます。そこで担任等が変わる場合には特にでございますが、履修済みになっているはずの5年生が6年生になっているわけでございますが、それを担当した6年の職員につきましては、前年度の子供たちの理解状況といいましょうか、その状況をこれによってつかんで、補充等もしていただくというふうに生かしていただきたいというふうに、校長会等ではお話をしてございます。
 
○納所 委員  いや、そういうことではなくて、例えば5年生の課題が明確になったと。そうすると、次の年度の5年生に前年度の5年生にはこういう課題があったと、新年度、新しい5年生にはその課題を踏まえて、こういった指導方法をすべきであるというような課題の引き継ぎですね。つまり、同じ学年、学年を固定して、子供たちは1年ごとに変わるわけですけれども、新しい5年生には去年の5年生の課題がこうであったというような引き継ぎはなされているのかどうかということなんですが。
 
○教育指導課長  それにつきましては、各学校での取り組みの中で位置づけていただいております。今、御質問がありましたように、小学校においては学級担任制が中心でございますので、担任がかわるというようなことが基本的にあります。しかし、中学校において、こちらは課題にされなかったのはご理解いただいているということだと思いますが、中学校においては担当教科の教員が学年ごとの状況を把握しながら、当該学年にさらに指導の工夫をするということで行っていると思います。小学校におきましては、各学校で引き継ぎについて活用していただきたいということでの話の中で、各学校での取り組みにお願いしているというところでございます。
 
○納所 委員  そして例えば中学校の方では、この結果を受けて評価基準・評価方法等の整備をすると。そして指導と評価の一体化をさらに進めると、いうふうにございますけれども、この評価基準・評価方法等の整備ということならば、現在どのような課題があるというふうに、この学習状況調査を経て浮かび上がってくるのでしょうか。
 
○教育指導課長  この学習状況調査の結果、見ていただくと幾つか出ておりますが、一般的に観点別に評価いたしますA、B、Cと呼んでございます。ここでは言葉で、おおむね満足できると判断できるもの、そして、十分満足できると判断できるもの、というふうに、非常に質的な部分で評価の基準を設けにくい部分がございます。それが今現在もそれぞれの教科の課題になってございますが、この学習状況調査の中では、一つの示し方としまして、今回、調査の中ではその書いてある内容であったり、見つけられた量であったり、そのようなものをAとBの基準ということで使えないだろうかという県の方の示しもございます。
 現在、委員さん御指摘の課題というのはやはりそのような、なかなか基準のところがうまく線が引けないような状況があると。それをどのように統一できるというか、どこでも同じような評価が実施できるかというように、各所で工夫しているわけですが、その一つとしてこれを活用していくという方法が昨年度あたりからここに出されていると。その課題とあわせてこちらを活用するというようなことが必要かなと感じております。
 
○納所 委員  そうしますと、例えば大胆に定期テストを廃止してしまうというような特徴的な取り組みというのは検討されたことがあるんでしょうか。新潟県の柏崎市ですか、町を吸収合併したわけですけれども、ある町では平成14年度から中間・期末テストというのを廃止してもう5年目に入っているわけですけれども。その章ごと、単元ごとの評価というものを取り入れて一斉に行うような定期テストというのを廃止して、さらに単元ごとの評価の方が、いわゆる観点別、それから領域別の評価というのは非常に客観的にできると、もしくはバランスよくできると、トータルの評価ができる。となると、その評価基準・評価方法というのは大胆に改革できるわけでございまして、よりその整備が進むわけです。そういった、ちょっと大胆ではありますけれども、先進的な取り組みというのが検討課題に上ったということはありますでしょうか。
 
○教育指導課長  市内においては、今のような形で取り組みということは、話し合いに出たことはございません。
 
○納所 委員  ところが、先日の新聞報道でもありましたけれども、公立高校合格者の学力で、思考力不足というのが浮き彫りになったという県教委の、初めてまとめたものでしょうか、ちょっとこれについては驚いたんですけれども。その県立高校合格者の学力ということは中学3年生、つまり、鎌倉市だったら鎌倉市の義務教育を終えた子供たちのいわゆる学力といいますか、特徴的なものが明らかになったわけですよね。知識を問う問題や選択式の設問は得意なんだけれども、記述式や思考力を必要とする問題が苦手というようなもの、これが発表されたわけでございます。そうすると、今後、例えばそれをもとに、例えば合格者の学力を一つの物差しにするのはどうなのかなという部分もあるんですけれども、つまりある程度義務教育を終えた子供たちの問題点というのがそこに見てとることができるわけで、それと学習状況調査と含めた上で、評価基準・評価方法というものをきちんと授業づくりに取り入れるだけのシステムといいますか、そういった場は考えられるんでしょうか。それが固定的な取り組みであったとしたら、幾らどんなデータが出ようと、どんな評価が出ようと、それが変わらないということであっては質的な評価というのは望めないというふうに危惧するわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
 
○教育指導課長  たしか、きのうだったと思います。きのうの神奈川新聞に、今、委員さん御指摘の県教委の発表がございました。これは今年度初めて行った結果の発表でございます。これにつきましては、県の高校教育課の方でたしか出したと思います。義務教育段階では県の方では子ども教育支援課という課が担当してございまして、そこでの中高の連携等もやっぱり当然問題にはなるわけですが、今、御指摘のような内容につきましては、県の高校教育課のねらいとする出題に基づいた入学者選抜の検査、それから現在、義務教育段階で行っております目標に準拠した評価、いわゆる絶対評価についての精度を高める取り組み、このあたりやはり、県としての取り組みという部分も必要かと思っております。今回、新たにあのような形で調査が一つ出ましたことは、また何かそれが活用されるものとは思ってございますが、現段階で市教委のレベルでの話ではなかなか、まだそこまではいってございません。今後、県の方の情報を取り寄せながら市としても考えていくことになろうかと思っております。
 
○納所 委員  ならば、その市の段階でできることというのは、この、きょうの結果にもございましたけれども、教育委員会としてはその授業づくり研修会、そういったものを推進していく、研究事業・研修事業を推進していくというふうに市教委としての工夫が書かれているわけでございますけれども、そういった授業づくり研修会なども、例えば一部を公開にしてヒアリングであるとか、外部の考え、もしくは外からの視点というものを取り入れるというような考えはありますでしょうか。できれば、こういったものをもう少し広げてほしいし、また市民や保護者の方にもその状況を知っていただいた方がいいんじゃないかと思うわけでございますけれども、そういった一部公開にするというような検討はいかがでしょうか。
 
○教育指導課長  授業づくり研修会につきましては、教員研修の一つとして位置づけてございます。市内の教員を対象にその資質向上をねらったものでございますが、あわせまして、研究・研修の充実ということでまとめを出させていただきました。各学校においては、各研究テーマをもって授業公開、及び3年間の継続した研究の成果を3年目に発表するというような研究にも取り組んでございます。最近、各学校での発表等で保護者の方に研究発表会に来ていただくというようなケースも出てきてございます。したがいまして、教員だけではなく、いろいろな目で授業を見ていただき、そしてそれについての研究を深めるという点も必要かというふうに思っておりますが、現段階では各学校の研究発表の形態の中で、試みとしてされているという状況でございます。
 
○納所 委員  そういった、公開にして公開授業というようなやり方で公開にするのはいいんですけれど、そのバックといいますか、それに対する外部評価というようなもの、もしくはヒアリングというようなもの、つまり、外側からの意見、考えを伺うというような取り組みは今までの中でもありましたでしょうか。
 
○教育指導課長  外部の意見を聞くという場に当たるとは思うんですが、研究を進めていく中で、今まで多かったのは同じ学校の中の教員組織による研究体制をつくって課題について実践等をしていくというような形が多かったんですが、今は多くの学校で、外部といっても教育者には当然なるわけですが、大学の先生等、あるいは他市の研究に携わっている人等をやはり外部講師として、助言者として、研究の発表の前の段階から、取り組みの段階からいろいろ御意見をいただきながら、そして研究発表に向けて取り組んでいくという学校が多くなってきております。
 それにつきましては、一つ校内の教員による見方だけでなく、また違った外の立場によって助言をいただくという視点から考えれば、今、委員さんが言われたような形に近いものが行われているのではないかと考えております。
 
○納所 委員  ぜひ、その評価をやったんだったら、その課題を克服するためのしっかりした取り組み、そうした指導環境の整備というのが必要だと思いますし、また、さらに教師だけの世界といいますか、独善的な資料にならないような工夫というものも教育委員会の方でもしっかりと打ち出しをしていただきたいというふうに思います。
 
○高橋 委員長  ほかに。
 
○高野 委員  この学習状況調査、平成15年度から3年間取り組まれて、おおむね学習状況としては良好なものであったということで、よかったですねと言いたいところです。
 あと、課題としてその一方で、思考力や表現力の向上といった、これは全国的な傾向でもあるのかなというふうには思うんですけれども、こういうことも明らかになり、今後に生かしていくと、私も余り細かいこと、全く言うつもりありませんけれども、ぜひ現場の工夫で生かしていただきたいというふうに思うんですね。
 今後についてなんですけれども、先ほど御説明ありましたように、国が来年度、全国的な学力調査ですか、これを計画しているという中で、今年度は鎌倉市は一区切りということで様子を見るということですけれども、また今まで鎌倉市が行ってきたものとはちょっと違う、全国的に統一的にやるということですから、ちょっと意味合いが変わってくるのかなと、私は思うんですね。やっぱり、先ほども質疑でありましたけれども、この調査というのはお子さん一人ひとりのやっぱり状況を見て、お子さん一人ひとりがよりよく理解し、また教育基本法にありますような、そういう目的を達するためのそういう教育効果を得るために行われるべきもので、この学校がこの学校よりも点数がいいだとか、すぐれているだとか、そういうことはやっぱり比較するためにやるのではないということは、これは間違いないですね、それで。間違いないですね。
 
○教育指導課長  基本的には子供のために、子供の学習に役立つものという形での実施を考えているということで認識してございます。
 
○高野 委員  確認しました。そうしますと、国がどういうふうなものをつくってくるか、ちょっとまだ定かじゃない面もありますけれども、これについては、文科省の見解としては、参加してほしいとお願いするものであると。つまり、これに参加するかどうかは、各自治体が判断して決めるべきものであると、こういう性格のものであるというふうに私は理解していますけれども、これは鎌倉市として、教育委員会としてもこういう受けとめ方なのかどうか。お伺いしたいと思います。
 
○教育指導課長  文科省の方から出されておりますものは、小学校第6学年、中学校第3学年の全児童・生徒を対象に行うものということで、判断につきましては各教育委員会の方の参加を求めるということで、国立、私立も含めましての調査というふうに聞いております。
 
○高野 委員  この点も確認しました。そうすると、2月の予算議会の委員会のときにも申し上げましたけど、参加するかどうかは自治体が決めるということですから、先ほど最初に確認しましたように、そういう観点で行われるべきものであれば、まあいいですけど、そうじゃない場合もあり得ますね、これ。これから出てくる。そうすると、当然これは判断を鎌倉市としてすると。全国的に国がやるから当然鎌倉市もやりますと、これは今の時代にはそぐわないと思いますね。分権だ分権だと言って国がやるからやりなさいでは、全くそういう流れには沿ってないと。
 それで、犬山市のことはちょっと2月の委員会のときにも申し上げたかもしれませんけど、参加しない方針でいると。その理由というか中身を見ると、なかなかこれ重要なことを言っていまして、3点あるんですけど、一つ目は知識偏重ではなくて、みずから学ぶ力を人格形成の中心に置いた教育を目標としていると。よって、それは学力テストだけで測定できるものではない。二つ目が、全国一律の調査が地方自治体がそれぞれの特色ある教育を進めることに対してはやや阻害する面があると。三つ目は、これが一番大事だと思うんですけど、子供の学力評価は日常の教育活動の中で、一つの授業を行えばそれを次の授業に生かすような形で行うべきで、全国的な数字を見てできたとかできないとか、という評価は適切ではないと。こういう三つのことを挙げているんですね。
 これは、今最初にこの調査、鎌倉市の調査にもあるように、思考力や表現力の向上というのは、これは単純に数字だけでわかるものじゃない。やっぱり、実際の教職員の先生方、またはこれは親御さんも含めて、実際の子供とのかかわり、授業での子供の反応、受け答え、もちろんこういう調査もまたその一つではあるだろうと思いますけれども、そういう中で総合的にやっぱりわかるもので、我が鎌倉市長も現場主義と言っているとおり、まさに現場でやっぱり判断されるべきもの。
 よって、少し長くなりましたけど、来年度国が行うとするならば、この全国学力調査、これについては、今申し上げたような点も含めて、慎重にやはり、国の目的や性質、中身を見て判断していただきたいと、ぜひ自治権発揮した立場で、そのような慎重な立場で検討していただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
 
○教育指導課長  今お話にありましたように、結果が、先ほどの学習状況調査と同じでございますが、数値のみがひとり歩きするような形でのものであれば、これは鎌倉市、考える部分というのはやっぱり今まで学習状況とあわせましてあろうかと思いますが、ただ、今回実施されるものにつきましては、今回、子供たちの主として知識に関する問題、あるいは活用に関する問題、それから学習あるいは生活に関する生活上の質問事項等も含めまして調査をするということになってございます。そしてまた、この調査の実施した後ですね、これ、子供一人ひとりに返されるというようなことでも、今話が来ております。そのようなことであれば、活用の仕方という部分も大事なのかなと思っております。
 そのよう中で、この学力テストについて、鎌倉市としてどのような活用の仕方も含めて考えていけるかというようなことも今後の課題として出てくるかと思います。まだ詳細については、報告が途中で出たというところでございますので、実施についての、取り組みをどうするというようなところまでの話にはなってございませんので。今年度予備調査もやるというような中で、その内容がどうなるかも明らかになって、まだこれから明らかにされていく部分が十分残っている中で、現在、今委員さん御指摘のような点に、意見も入れながら検討していく必要があろうかと思います。現段階ではまだ、情報を集めながらその活用について考えていくというような段階かと考えております。
 
○高橋 委員長  高野委員、いいですか。
 
○高野 委員  結構です。
 
○前川 委員  結果についておおむね良好ということは、本当にいいことだと思うんですけれども、先ほどから問題になっている思考力、表現力の向上ということですが、何よりも基礎・基本のより確かな定着を図っていくためにということで、小学校も中学校も共通していると思うんですが、ちょっとお聞きしたいんですけれども、時間外に補習授業というようなことは、時間外になりますので、それは何か規定がありますか、してはいけないとか、そういうようなことというのはありますか。
 
○教育指導課長  その活動について、委員会としてどうということはございません。実際に学校によって一部生徒にやったということも残っております。ただ、先ほども別の件で御質問がありましたが、学校に子供を残すということもやはり学校としては非常に課題になってございます。ですから、いろんな総合的な中で、今のお話ですと、基礎・基本的な、あるいは学力面の保障という部分での取り組みの御意見ということだと思いますが、重要になる部分を考えていくということもこれから出てくるかなと思っております。
 
○前川 委員  さらに宿題を、昔から結構問題になっていると思うんですけど、宿題を出す、出さないということに関しては、いかがでしょうか。
 
○教育指導課長  これにつきましては、担任または学校、あるいは学年にもなりますか、横のつながり等も必要だと思います。そこでの了解ということで、子供にとっての学習習慣づけ等、いろいろ目標を持ってやられると思います。委員会の方から、それについて一斉に扱いをどうするというような話はいたしてございません。
 
○前川 委員  わかりました。確認させていただいたんですが。いろんな話がありますけれども、やはり基礎・基本ということは大事なことで、それに基づいて、やっぱり本人それぞれが自信を持っていくことが向上していくことだと思います。その上で、思考力、表現力も発展していくことだと思いますので、ぜひその基礎・基本に関しては、やはり力を入れていただきたいなと思います。
 もっと宿題を出してほしいという保護者の声もあったり、学校によると思いますけれども、あとは中学の場合はちょっと補習を、朝15分でもいいから補習してほしいというような声も保護者の方からあったりして、また学校によっては校長先生が高校受験の前にしてくださっている学校もあったりとか、それぞれ学校によるというのはわかっているんですけれども。今、塾に行くことが本当に当たり前になってしまっていますので、小学校の5年生ぐらいから、公立の中学に上がるにしても塾に行きますので、それが普通になってしまっていますので、毎日15分ぐらいずつの補習授業があってもいいんじゃないかなということもあります。その日に補習ができてしまえば、その子の学習が定着していくこともあると思いますので、ぜひその辺のところも検討していただきたいなと思います。今、教育委員会の方ではそれは別に何も問題は持ってないということでしたので、そんな考えもあるということをお聞きいただければと思います。
 
○教育指導課長  朝の時間とか放課後の時間というような、授業時間以外のところで子供への学習指導ということを、今、御提示いただきました。先ほど申し上げましたように、放課後につきましては、早く帰すあるいは一斉に帰すことを求められているような状況、朝の時間につきましては朝の読書活動をより充実させるために、その時間を活用するような状況、やはり大事なのは1時間1時間が保障されている授業時間だと、小学校における45分、中学校における50分の単位時間、やはりそこでどのような授業展開をし、子供たちへの学習面での定着を図るかは、今回の学習状況調査でその弱い点あるいは満足な点を十分分析し、各学校ごとに分析をし、それからまた少人数指導等、指導方法の工夫・改善をより図りながら、何とか子供たち、1時間1時間の中で、教師は一人ひとり1時間1時間を勝負だという形で私たちはやらせていただいておりますが、子供たちにとってもそういう時間になるよう、今後研修会等も含めまして充実を図ってまいりたいと考えております。
 
○前川 委員  ぜひ、よろしくお願いいたします。
 
○石川 副委員長  中学校におきましては定期テストが行われております。小学校も日々、何らかの小テストを行っているわけですけれども、その学習成果、これそのテストの結果において把握できないものなんですか。
 
○教育指導課長  学校において小テストというような確認テストですね、そのようなものをやはり実施しております。ですから、一つ一つの学習の終えたところで確認をし、そこで、やはりまたフィードバックしなければいけないお子さんについてその支援をしていく、これはやっぱり学校の中で通常行われていることでございます。実際につまずきを早く確認して、それに対応していくことが必要かと思います。そういう意味では、今言われたような、学校で行われている小テストのようなもののあり方とか、その実施方法、これも一つの課題になって、より子供たちの定着ということに結びつけられると考えております。
 
○石川 副委員長  今の答弁を聞きますと、日々の授業内容が重要視されてくるんですね。ですから、この調査の趣旨を読んでみても、日ごろそういうことをやっているんだったらば余り意味ないのかなという、私は思うんですけれども。子供たちって、今大変なんですよ、いろんなことを勉強しなきゃいけない。このテストをする、一日かかるわけですよね。また先生はそれを集計しなければいけないという仕事がふえるわけですよ。この意味が目的が、ネット鎌倉はずっと反対を続けておりますけれども、趣旨がわからない。例えば、これが定着をすることによって、子供たちがもう一つテストがふえる、ストレスを感じる、そういったことにもなりかねないと思うんですね。ですから、昔はテストをやめた経緯もありました、偏差値教育はやめようということで。一人ひとりの授業をつくっていくことが私は教育だと思うんですけれども、今後、全国学力テストもどうなるかわからない状況ですけれども、先ほど高野委員もおっしゃいましたけれど、愛知県の犬山市はそれを突っぱねた。そのことは特色ある学校づくりということにできないわけですよ、そういうことを、全国統一の調査をすることによって。ですから、鎌倉は鎌倉らしい教育を、プランを立てているわけですからそれに沿って日々、それを忠実に実施していただければ、豊かな子供たちができると考えるわけです。ですから、もうちょっと趣旨の説明が、私は補足が足りないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
 
○教育指導課長  この学習状況調査の趣旨につきましては、基本的には子供一人ひとりが自分の学習状況を確認し振り返ると、まず子供自身に返すことが第一でございます。そのような意味で、先ほど資料の提供を求めていただきましたが、出題のねらいというものが冊子として全児童・生徒に配られます。そこにどのような内容の問題であって、それに対してどのように考えていけばいいというか、そのような内容も含まれて、一人ひとりが自分の答えたものに対して振り返りができるようなものということでつくられております。
 したがいまして、この調査のねらいとしましては、大きくは子供自身が自分の学習を振り返り、自分の理解状況を把握するという点にあるかと思います。もう一つは、先ほどお話にありましたように、子供たちの状況を今度は教師がどうとらえ、そしてそれを自分の授業のあり方、指導方法等に、また改善の方法を考えていくということで生かすという2点が大きなねらいとしてあるということで実施してまいりました。
 
○石川 副委員長  ちょっと納得いかないんですけれども、数字のマジックというのもありまして平均値というのが怖いんですね、わからない。今、格差社会が生まれてまして、子供たちにも影響しているわけですよ。お金のある子たちが塾へ行って勉強しているような状況、塾にも行かれない子供たちもいる、学力の差が生じてきています。そういった意味で、平均点が80いったから90いったからいいんじゃなくて、それを理解できない子もいるということです。ですから、それをキャッチすること、そのことの方が、私は公立小学校、中学校においての責務だと思いますので、そういうことがないように、一人ひとりが教育そのものを受けられる権利を持っていますから、そこに周知していただきたいと思います。
 
○高橋 委員長  ほかに、よろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 それでは質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告、了承ということで確認させていただいてよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、了承ということで確認をいたします。
  ────────── 〇 ─────────────────── 〇 ──────────
 
○高橋 委員長  続きまして、日程第2報告事項(4)「不登校ひきこもり児童・生徒に係るフリースペースについて」原局から説明をお願いいたします。
 
○教育センター所長代理  報告事項(4)不登校ひきこもり児童・生徒に係るフリースペースについて、御報告いたします。
 不登校児童・生徒への対策としては、平成16年度に大船中学校内に教育支援教室「ひだまり」を設置し、学習支援、進路指導、集団活動等の教育支援を行ってきたほか、これまでの相談室や訪問相談員による個に応じた教育相談を行い、平成17年度からはメンタルフレンドの派遣も始めて支援の充実を図ってきたところでございます。
 本年度は、従来から要望されていた学校外の教育支援施設として、由比ガ浜三丁目11番48号の旧鈴木邸の一部約33平米をフリースペースとして活用することとし、現在必要な内装の改修などを行っております。このフリースペースでは、不登校ひきこもり児童・生徒が家庭から一歩踏み出すための居場所としての役割を果たすため、具体的な教育支援方法をあわせて検討しております。
 また、フリースペースへの通室に当たっては、保護者及び学校長の教育支援についての共通理解が重要であることから、4月から5月にかけて教育センター相談担当の指導主事及び訪問相談員による学校訪問を行い、各学校と不登校児童・生徒の支援のあり方について協議を行いながら、不登校ひきこもりの個々のケースに対応する具体的な支援計画を慎重に検討しております。6月下旬ごろから、フリースペースを活用した支援を始められると考えております。
 以上で報告を終わります。
 
○高橋 委員長  それでは、ただいまの報告に質疑のある方。
 
○松中 委員  これ、想定しているのは何人ぐらいですか。
 
○教育センター所長代理  ただいま文科省の調査であります、平成17年度児童・生徒の問題行動等、生徒指導上の諸問題に関する調査をもとにして、不登校児童・生徒、小学生が25人、中学生が83人、合わせて108人の中から不登校状況の把握をいたしまして、フリースペースへ通室できる子供たちの状況確認を行っているところであります。
 
○高橋 委員長  何人を見込んでいるんですかという質問ですよ。
 
○教育センター所長代理  ただいま申し上げました小・中学生合わせて108人のうち、現在、教育支援教室「ひだまり」、それから相談室等にかかわっている、活用できている状況である者を除きますと、昨年度「ひだまり」に通室している通室登録者25名、並びに教育相談室の方でかかわっておる…。
 
○松中 委員  いや、ざっとでいいんだよ。じゃあ、調査中と言えばいい。108人がわかったら、対象大体何人ぐらいですか。だから大体、想定しているのは何人と聞いているだけなんだよ。どうして難しいんだろうな、それ考えてつくるんじゃないの。
 
○教育センター所長代理  学校基本調査をもとにした内容から、全く相談を受けていない子供の対象人数が20名でございます。平成17年度の対象者20名ほどと考えております。
 
○松中 委員  そうすると、このフリースペース、由比ガ浜に通う、通所というか通施設、これ、どういうふうにそこへ行くように、自由に行くんですか、何か付添いがいて行くんですか。その辺の行動というか、通施設、これはどういうふうに考えているんですか。
 
○教育センター所長代理  通室に当たりましては、まず、家から出ることのなかなか厳しい子供さんたちだということで、家庭訪問を通じて人間関係をつくって、その後にフリースペースの方に訪問相談員並びに保護者も含めた形で、通室を考えていきたいというふうに考えております。
 
○松中 委員  そうすると、相談員と保護者と2人以上は付き添うという前提の施設。そうすると、その人たちのスペースはあるんですか。
 
○教育センター所長代理  スペースにつきましては、フリースペースとして用意しました場所に、1階の会議室が約24平米、2階の会議室に8平米ほどあります。そして2階の8平米ほどの場所を子供と直接訪問相談員が対応する場所として活用し、1階の方に用意してあります24平米の方に仮に保護者の方が来ておられた場合には、待機するというか、それから、ともにそちらの部屋を使って活動することも可能かというふうに考えております。
 
○松中 委員  これ、時間帯をあと教えていただけますか。
 
○教育センター所長代理  一応原則として、9時半から3時半というような形を想定しているんですけれども。ただし子供の居場所としては、子供及び保護者の人数が重要であると思いますので、私どもの方の限定した時間内だけでなく、十分に相談を図って、よりよい活用の仕方を求めていきたいというふうに考えております。
 
○松中 委員  それで結果、良好となれば、これ学校に戻るとか何か、その辺の判断というのはいずれするんですか。
 
○教育センター所長代理  通室に当たりましては、先ほども申し上げましたように、保護者並びに学校長との共通の理解が重要だというふうに申し上げたんですけれども、学校に復帰すること、これはステップアップとしては非常に大切だというふうに考えておりますが、急速に学校復帰を促すと逆効果も考えられる場合がございますので、その辺は十分に保護者並びに学校長、そして相談業務に当たっているスタッフ等の間で検討した結果、相談室または「ひだまり」等の活用、あわせてその先の学校復帰も考えていきたいというふうに考えております。
 
○松中 委員  そうすると、これ中学校3年までですか、検討する範囲。
 
○教育センター所長代理  学齢期の子供でございますので、中学3年までということで考えております。
 
○松中 委員  わかりました。結構です。
 
○高橋 委員長  ほかに。よろしいですか。
 
○石川 副委員長  公設でフリースペースができたことは大変うれしいと思いますけれども、民設でもやっているところありますよね、それは把握していらっしゃいますか。
 
○教育センター所長代理  鎌倉市及び鎌倉市の近隣の民営の施設との連携というか、意見交換というような場所での聞き取りはさせていただいているんですけれども、具体的な民と公とのかかわりを十分把握した上で、現在の段階で何をするということではまだ至っておりません。
 
○石川 副委員長  質問した理由なんですけれども、由比ガ浜にできたことでうれしいことなんですけれども、大船方面から通うにはちょっと遠いだろうと。やっぱり距離感が問題なんですね、不登校児というのは。ですから「ひだまり」とかもありますけれども、やっぱり近辺にある方がいいと。民設のフリースペースも把握しておりますけれども、大船方面に余りないんですね、ですからその辺ふやしていく方向も考えていただいて。あと公設だとちょっと行きにくいけれども民設だとおもしろいな、とかと言う子たちもいると思いますので連携を図りながら、子供がどこにでも行けるようなスペース、考えていただきたいと思います。
 
○教育センター所長代理  ただいま議員さんの言われたように、確かに各地域でのフリースペース、理想ではあるんですけれども、今後このフリースペース由比がどのような活用をされるか、それから交通機関を使ってくるというようなことがどれほどまた可能なことか、十分その辺を見定めた上で施設についての今後の課題というふうに考えてまいりたいと思います。
 
○高橋 委員長  ほかに、よろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 それでは質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告、了承ということで確認させていただいてよろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 じゃあ、了承ということで確認をさせていただきます。
  ────────── 〇 ─────────────────── 〇 ──────────
 
○高橋 委員長  ちょっと12時を過ぎましたけれども、あと一つなので、御協力をお願いいたします。
 日程第2報告事項(5)「印刷物の保管状況について」原局の報告をお願いいたします。
 
○教育総務課課長代理  報告事項(5)印刷物の保管状況について、報告いたします。
 お手元の資料、印刷物の保管状況についてをごらんください。
 教育総務課が保管する印刷物は、平成16年度に作成いたしました、かまくら教育プランの冊子の頒布後の残部です。主に教育センター相談室に保管しております。平成19年度の小学校新入生の保護者を対象に頒布する予定でおります。そして、教育センターが保管する印刷物は、平成9年度以降に作成いたしました教科書の副読本、小学校社会科学習「かまくら」、中学校社会科学習「私たちの鎌倉」、中学校理科学習「鎌倉の自然」、それと平成11年度に作成いたしました「かまくら子ども風土記」などの頒布後の残部です。主に教育センター相談室、第一小学校などに保管をしております。保管の状況はすべて良好でございます。
 以上で報告を終わります。
 
○高橋 委員長  ただいまの報告に御質疑のある方。
 
○中村 委員  これ平成9年度と10年度の金額は不詳というのが多いんですけど、これはどういった原因なんでしょう。
 
○教育センター所長  決算報告等、過去にさかのぼる形で調べさせていただいたんですけれども、残念ながら資料がございませんもので、不詳という形で上げさせていただきました。
 
○中村 委員  これは何か一緒に合算してつくっちゃって、その詳細はわからないという感じなんですか。それとも全く資料がないんですか。
 
○教育センター所長  予算の段階ではそれぞれで計上させていただいていると思いますけれども、具体的に数字で幾つだったのか、資料が現在ありませんもので、わかりませんでした。
 
○高橋 委員長  決裁書が保存期限がもう切れてないということですね。
 
○教育センター所長  はい、そうでございます。
 
○中村 委員  じゃあ、続けて。中学校の理科学習「鎌倉の自然」なんですけど、これのちょっと、9年版と最近の版では改訂されているのか、されてないのか、ちょっとわかりますでしょうか。
 
○教育センター所長  中身につきましてはおおむね9年のものを踏襲する形で行っております。
 
○中村 委員  9年のが半分ぐらい在庫で残っていて、これ私も1冊持っていますけれども、かなり、「かまくら子ども風土記」に匹敵するような、特にハイキングするような方には売れるんじゃないかなと思うんで、ちょっとこの処分方法なんか、処分というのか、もうストックする分は後ろの方の13年以降のでできていますから、ある程度販売するなり何かした方がいいと思うんですけども、どういうお考えがありますか。
 
○教育センター所長  毎年少しずつではありますけれども売れておりまして、残念ながらまだこれだけ残っております。今後、精力的に情報活動しまして販売していきたいと思っております。(「後の方を買うに決まってるじゃない。いいよこれ。配っちゃった方がいいよ」との声あり)
 
○高橋 委員長  どうしますかね。(「何か処理の方法を考えて処理しちゃえばいいんじゃないの。欠損とか何かないの、財政に」との声あり)
 じゃあ、ちょっと次長。どうします、これ。あとはただで配っているのに、有料のところだけいっぱい残っちゃっているんです。
 
○中野 教育総務部次長  今、山本所長が言ったように、毎年少しは売れているんですが、こんな数が残っておりますので、この当時、生徒用とそれから市販用と、二つに分けてつくったというふうになっておりますので、その点については少し、今後どういう形で販売というか頒布をしていこうかということについて検討させていただきます。
 
○高橋 委員長  よろしいですか。ほかの方よろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告、了承ということでよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 了承ということで確認をさせていただきました。
 午前中の審査はこれで終わります。ちょっと時間が少し短めですけれども、1時5分ぐらいにはバス出したいと思いますので、守衛室の前にお集まりいただきたいと思います。
 それから、各委員さん以外に傍聴されている議員さんも、御希望がありましたら一緒に行っていただいて結構ですので、よろしくお願いいたします。
 それでは、暫時休憩いたします。
               (12時07分休憩   14時30分再開)
   ─────────────────────────────────────────
 
○高橋 委員長  それでは、再開をいたします。
 昼から野村の方へ行ってまいりましたけれども、御苦労さまでございました。午前中に引き続きまして、午後からは生涯学習部の関係につきまして審議をしたいと思います。
 最初に年度がわりでございまして、職員の入れかえがございますので、生涯学習部関係職員の紹介の方をお願いしたいと思います。
                 (生涯学習部職員紹介)
  ────────── 〇 ─────────────────── 〇 ──────────
 
○高橋 委員長  それでは審査に入りたいと思います。
 日程第3報告事項(1)「職員の不祥事について」原局の方から報告をお願いいたします。
 
○青少年課長  報告事項(1)職員の不祥事について、御報告いたします。
 平成18年4月6日の文教常任委員会協議会で、職員の不祥事について御報告いたしたところですが、その際、出勤表等の管理について再度調査するよう御指摘がありました。このため、前青少年課長、前非常勤嘱託員、前再任用職員などから事情聴取を行いましたので、その調査結果について報告いたします。
 まず1点目として、平成17年7月分と8月分の出勤表改変の件についてであります。平成17年8月下旬に嘱託員から、7月分の報酬が振り込まれていると電話があり、このため、課長は嘱託員に来庁を求め、空欄であった同年7月分に、課長の指示で嘱託員本人が押印したとのことです。また、同年9月下旬に8月分の報酬が振り込まれていると電話があり、このため再度嘱託員に来庁を求め、空欄であった同年8月分に嘱託員本人が押印したと課長は述べておりますが、嘱託員は自分が押印したか課長が押印したか、確かでないと述べております。なお、場所につきましては、2度とも市庁舎4階のエレベーター前の打ち合わせスペースで、そのときはほかの青少年課職員は同席していませんでした。
 次に、出勤表の管理でありますが、通常の場合、当該月が終了後直ちに青少年会館から青少年課に提出され、青少年課長が出勤の最終確認を行い会館に戻すという方法ですが、当該嘱託員が勤務をしていない平成17年7月以降は、当該嘱託員の出勤表は会館に戻す必要がないと課長が判断し、当該嘱託員の分を抜き取り、自分の机内に保管していたとのことであります。
 次に、2点目として、平成17年7月分の勤務予定表が差しかえられた件であります。通常の場合、勤務予定表は当該月の前月末までに青少年会館の再任用職員か事務嘱託員が作成し、事務室内に掲示するとともに青少年課でも確認できるよう、同課のパソコン内にも電送しております。なお、当該月が終わりますと、その予定表はファイルにとじて会館で保管します。ちなみに、鎌倉青少年会館の平成17年7月分の正規の予定表は、再任用職員が作成したものであります。
 前青少年課長は、青少年会館で作成する勤務予定表は、本庁職場である青少年課のパソコンでも閲覧することもでき、また、修正することも可能であることから、平成17年7月分について出勤表と勤務予定表との整合性を考える中で、変更入力をしたと述べております。そのつくり変えた勤務予定表については、同年8月下旬に課長が会館に持参し、再任用職員に、事務処理上必要なので差しかえてほしい旨伝え、手渡したとのことであります。同再任用職員は、勤務予定表を受け取ったものの、そのときはたまたま1人で事務室におり、電話対応等で忙しく、差しかえる理由や目的など聞けず、特に疑問を持たないまま差しかえてしまったと述べております。
 次に、平成18年4月からの対応策でありますが、従来の出勤表は嘱託員一人ひとりの個票で1年間分まとめたものでしたが、平成18年4月からは嘱託員全員を併記した1カ月ごとの帳票に改め、出勤日数等の確認についても館長や所属長だけではなく、報酬支払担当課でも確認するシステムに変更したところであります。また、鎌倉青少年会館は、正規職員が常駐していないことから、原則として毎日1回、館長もしくは課長が来館し、嘱託員の指導や会館の管理運営に努めるようにしております。
 以上が、再調査した内容の結果でありますが、今後はこのような過ちを再び起こさないよう事務処理を徹底するとともに、青少年会館の効率的な管理運営方法について、さらに検討してまいります。
 以上で報告を終わります。
 
○高橋 委員長  それでは、ただいまの報告に質疑のある方、挙手をお願いいたします。
 
○中村 委員  報告の中で、17年度は館長が休みがちのためと。この休みがちというのはどういった原因なんですかね。
 
○青少年課長  館長が、青少年課担当の係長も兼ねておりました。それで、病気等がありまして、かなり休暇をとっておりました。それで休んでおったということであります。
 
○高橋 委員長  ほかに。
 
○高野 委員  今回のこの職員の不祥事に関する私の考え方というのは、前回、協議会のときにもある程度、質疑の中でも述べさせていただきましたので重複はしませんけれども、私はこの間確認した点にかかわる点だと、この(4)ですか。だれが管理していた、保管していたのかと、課長が抜き取って自分の机の中に保管していたと。こういうことも普通はあり得ないんですね。普通は在籍しているのであればきちんと出勤簿がちゃんと、やめていない限りはきちんととじて、休職しているなら休職とか、そういう形できちんと管理すると。だからこれも前回聞いたときはわからないということで、こういう事実だということがはっきりしたわけで、やはりこれは今後についても書いてありますけれども、きちんと複数でやっぱり一番基本的なことですから、管理するようにこれはぜひともよろしくお願いしたいと思うんですけれども、これは館長、それから課長がチェックするという形で、今後はきちんとやっていくということですか。
 
○青少年課長  館長それから青少年課長、それからその後の最終確認をした後に、給与支払い担当課、教育総務課ですが、そちらでもチェックをすると。3回のチェックをするような方法でやってまいります。
 
○高野 委員  当たり前のことで、余りこれ以上はあれですけども。この間も申し上げたかもしれませんけども、本来こういう出勤簿というのは現場がそれなりに管理できて、最終的にもちろん課長が判こを押すわけですけれども、そういうもんじゃないかなと私の経験通じても思うんですね。ですから、こういう基本的なことですから、普通はどこの課でも当然のこととしてやっていますけれども、くれぐれもきちんと下からチェックして決裁していくと、当たり前のことですけれども、このような形で今後はよろしくお願いしたいし、また体制的に厳しさがあると、今中村委員からも休みがちだったということもお話ありましたけれども、その辺の人事体制がもしこういうことの背景にあるならば、そこはきちんとやっぱりこれは部長も含めたお願いになりますけれども、しかるべく体制をきちんとしくということをぜひお願いしたいと思います。答弁はいいです。
 
○高橋 委員長  はい。ほかに、いいですか。
 そうしたら、ちょっと1点だけ、私の方から伺いたいんですが、これはパソコンが出先と本庁の方とで両方で閲覧したり手を加えたりできるようになっていた、これ、今後もあることなんですけれども、いじっちゃうとどれが本物かというのがわからなくなる可能性があると思うんですけど、その辺のセキュリティーはどういうふうに考えているんでしょうか。
 
○青少年課長  会館で打ち込んだデータというのは、青少年課のパソコンでも見れるような状況になっております。作成担当者が実際につくったものについてが一番の原簿ですので、会館で持っているものが正規のものとして判断しておりまして、例えば青少年課に送られたものを修正したもの、それは修正をしたとして、それはあくまでも参考のものとして判断しております。
 
○高橋 委員長  いや、要するに最初につくった原本は、要するにパソコンの中での変更することはできないと。原本は原本として、そのままずっと残り続けるということですかね。
 こっちで閲覧したものを直したとしても、本書の方はコンピュータ上で変更することはできないようになっているということですかね。
 
○青少年課長  変更はできるような状況です。ただ、作成年月日が、ドライブに、コンピュータの中に表示されますので、どれが一番最初につくったものかというものはわかるようになっております。
 
○高橋 委員長  ちょっとしっくりこないんですけど、これから電子決裁なんかも全庁的にやっていくようになるんですけど、そういうところが一番ポイントになってくるんですね。結局そういうところから事件が起きたということですから、やっぱり一番経験者の、経験のある課として、そういうセキュリティーをどうしたらいいかとか、やっぱりぜひ積極的に、電子決裁なんかのときには取りまとめをしておいて、事故が起きないようにするにはこうした方がいいんじゃないかという、そのぐらい言えるようにしておいていただきたいなというふうに思います。
 じゃあ、一応、ほかになければ、これで質疑を打ち切りたいと思います。
 それでは、ただいまの報告、了承ということで確認してよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、了承ということで確認をさせていただきました。
  ────────── 〇 ─────────────────── 〇 ──────────
 
○高橋 委員長  日程第3報告事項(2)「鎌倉文学館及び鎌倉市鏑木清方記念美術館に係る指定管理者制度のその後の状況について」原局より御報告をお願いいたします。
 
○神田 生涯学習部次長  報告事項(2)鎌倉文学館及び鎌倉市鏑木清方記念美術館に係る指定管理者制度のその後の状況について、御報告をいたします。
 鎌倉文学館及び鎌倉市鏑木清方記念美術館につきましては、本年4月1日より従来の管理委託方式から、指定管理者制度に移行いたしました。指定管理者に指定いたしました鎌倉市芸術文化振興財団は、両館について従来から管理委託を行ってきており、指定管理者として決定いたしました以降、指定管理者としての準備をしてまいりまして、4月からの指定管理者への移行はスムーズに行われました。
 人員につきましては、文学館においては、館長を除き、従来、常勤職員が5名、非常勤職員が4名でありましたが、4月からにつきましても人員は同数でありますが、職員体制の充実を図るため、資格者として学芸員及び司書を各1名ずつふやし、常勤職員5名中、学芸員が3名、司書は1名とし、非常勤嘱託員は4名中2名を学芸員といたしております。
 また、鏑木清方美術館においては、従来、常勤職員が3名、非常勤嘱託員が4名でありました。4月からにつきましても、同じく人員に変更はありませんが、非常勤嘱託員の学芸員を常勤職員に変更し、常勤職員3名中2名が学芸員となり、職員体制の充実が図られております。
 次に、入館者数の状況についてでありますが、2カ月を経過した段階ですので、十分な比較はできませんが、4月、5月の入館者数を見た場合、鎌倉文学館においては、過去3年間の平均で比較をいたしますと、今年度は約300名の増加となっております。一方、鏑木清方記念美術館においては、今年度から割引券を文学館や近隣の商店、宿泊施設等に置かせてもらう制度を導入した効果などから同様に比較すると、1,300名もの増加となっておりまして、文学館においても同様の割引券制度の導入を検討中とのことでございます。
 企画面では、鎌倉文学館において新しい試みとして、今年度を初年度とする5年シリーズの企画展で「いま子どもたちに伝えたいこと」と題して、童話作家が企画から直接にかかわり、子供たちへメッセージを発信する展覧会を準備しております。なお、その際、市内の小・中学生と同伴の保護者についても無料とする計画となっております。また、5月のバラの開花時期においては、新たに、バラまつりを開催し、入館者へのバラのコースターのプレゼント等を行い好評を得たところでございます。
 開館日数については、鏑木清方記念美術館において、展示がえ作業の短縮や、正月やゴールデンウイーク期間の臨時開館等により、年間20日間程度の開館日数をふやしていくことといたしております。また、鏑木美術館では4月から美術館正面の民間駐車場の1台分を借り上げまして、高齢者や障害者への便宜を図っております。
 まだ両館とも、指定管理者に移行してから2カ月半という期間でありますが、計画どおり順調に管理運営が進められており、指定管理者制度の目的であります住民サービスの向上や経費の節減、適正かつ効率的な運営が行われているというふうに考えております。
 以上で報告を終わります。
 
○高橋 委員長  それでは、ただいまの報告に質疑のある方の挙手をお願いいたします。
 よろしいですか。じゃあ、ちょっと私の方から1点伺いたいんですが、昨年12月の議会で、委員会で継続審査になって、2月の議会の直前に決着を見たわけですけれども、そのとき一番問題視されていたのは、芸術館に勤務をしている職員の処遇の問題だったと思うんですね。これは具体的に文学館、鏑木さんも総体人数は変わってないんですけれども、その辺の出入りというんですかね、退職する方それから異動した方、この辺はどういうふうになっていますでしょうか。
 
○神田 生涯学習部次長  当時、いわゆるプロパー、正規職員13名おりまして、文学館は3名、鏑木は2名ということでございました。そして、そういった縮小せざるを得ない中で、いわゆる希望退職者等を募った結果、文学館と鏑木はそのままで、芸術館にいらした8名のうち1名の方だけがそのまま希望すると、あとの方は退職をするという結果でございました。その結果、希望した1名の方は文学館の方で今働いております。
 
○高橋 委員長  文学館と鏑木も人数は変わってないんですけど、そこの出入りはどうなっていますか。
 
○神田 生涯学習部次長  結局、文学館と鏑木、そのほかに事務局といいますか、財団の事務局の仕事もございます。そういった意味で、文学館と鏑木の人数、プラス、事務局職員の方が1名移ってきているということでございます。
 
○高橋 委員長  特に文学館の出入りというのはないんですね。鏑木の出入りも、やめた方がいるとか、入ってきた方がいるとか。
 
○神田 生涯学習部次長  プロパー職員についてはございません。
 
○高橋 委員長  芸術館でやっていた方1名、希望の方は事務局職員ということで配置されたんですか。
 
○神田 生涯学習部次長  財団の事務局ということと、あわせて文学館の方の仕事も兼務といいますか、両方やるという形になってございます。
 
○高橋 委員長  ということは、文学館で先ほど報告あった人数の中にはカウントしてないということですね。同じ、前と人数変わりませんという報告だったんで。
 
○神田 生涯学習部次長  先ほど常勤職員と私説明いたしましたけれども、常勤職員の中には、いわゆるプロパーの正規職員と、それから契約職員、これも常勤でございますので、そういう意味で説明をいたしております。ですから、先ほどの人数の中には、芸術館の方から移ってまいりました職員の数は入っておりません。
 
○高橋 委員長  何かサントリーさんの方で、何人かは今までやっていた方だから引き受けてもいいというようなお話があったということだったですけれども、その辺はどうなったんですか。
 
○神田 生涯学習部次長  その辺のお話もしたというふうに聞いておりますけれども、結果的にはサントリーへ行く希望者はいなかったということでございます。
 
○高橋 委員長  ということは、8名おられたうち、1名を除いて7名の方は全く関係なく、ただ一般の退職という形で、全然、財団とは関係なく退職だということでいいわけですね。
 
○神田 生涯学習部次長  そういうことでございます。
 
○高橋 委員長  わかりました。一応、一番心配していた労働問題については、今のところ問題が発生してないと、こういうふうなことで確認をさせていただきました。
 ほかに質疑なければ、これで質疑を打ち切りますけれども、よろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、質疑を打ち切りたいと思います。
 ただいまの報告について了承ということで確認をさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、確認をいたします。
  ────────── 〇 ─────────────────── 〇 ──────────
 
○高橋 委員長  日程を進めます。日程第3報告事項(3)「印刷物の保管状況について」原局より御報告をお願いいたします。
 
○神田 生涯学習部次長  報告事項(3)生涯学習部が所管する印刷物の保管状況について、報告をいたします。
 お手元の資料、印刷物の保管状況についての1ページをごらんください。生涯学習課が保管する印刷物は、平成元年に市制施行50周年を記念して刊行いたしました、図説「鎌倉年表」で、販売用に行政資料コーナーで一部保管するとともに、残部を中央図書館において保管をいたしております。
 次に、鎌倉市芸術文化振興財団が鏑木清方記念美術館において作成いたしました、研究成果をまとめた双書など11種についてですが、資料のとおり一部を鏑木美術館で販売・保管し、残りの大部分を野村総研跡地の建物内に保管をいたしております。
 資料の2ページをごらんください。同じく、鎌倉市芸術文化振興財団が鎌倉文学館において作成いたしました特別展の図録等ですが、在庫につきましてはすべて文学館の収蔵庫において保管をいたしております。
 続いて、資料は3ページになります。スポーツ課の印刷物ですが、鎌倉市のスポーツ施設を紹介するパンフレットと、見田記念体育館の案内用リーフレットの2種を鎌倉武道館において保管をしているほか、こもれび山崎温水プールのPFI事業者が作成した、温水プールの案内用リーフレットを施設内で配布用として保管をしております。
 次に中央図書館ですが、平成16年度に刊行した「幻の田園都市から松竹映画都市へ」という近代史資料を行政資料コーナーのほか、各図書館で販売・保管をいたしております。
 次に、資料は4ページから5ページになりまして、文化財課ですが、窓口で無償配布しております、鎌倉の埋蔵文化財のシリーズ、それから市指定の文化財を小冊子にして指定順に紹介をしている、鎌倉の文化財シリーズ、民間に保管されている近世の文書を釈文し、地域編としてまとめ刊行をしている、鎌倉近世史料など、計35種の出版物があります。保管につきましては、行政資料コーナーと鎌倉国宝館で販売用として保管しているほか、本庁舎、台の文化財課分室及び野村総研跡地の建物で、資料のとおり残部を保管をいたしております。
 最後に、鎌倉国宝館ですが、美術工芸作品などを分野別に紹介している図録23種、社寺に保管されている近世文書を釈文した鎌倉志料9種、特別展の図録11種など、計50種類の出版物があり、それぞれ資料に記載してありますとおり、行政資料コーナー、鎌倉国宝館で販売・保管しているほか、野村総研跡地の建物内で残部を保管をしております。
 以上が生涯学習部関係の出版物の保管状況ですが、保管につきましては出版物の種類も多く、保管スペースがなかなか確保できないという状況であることから、野村総研跡地内の旧事務室を暫定的に利用するなど苦慮しているところでございますが、今後は頒布物を良好な状態で保管できるような場の確保について早急に検討をし、対応していきたいというふうに考えております。
 以上で報告を終わります。
 
○高橋 委員長  ちょっと先ほどサンプル、報告している間に回してくださいと言っておいたんですが。両側から回してください。
                   (資 料 回 覧)
 それでは、ただいまの報告につきまして、質疑のある方。
 
○松中 委員  ちょっとこれ読み方を、基本的なことをちょっと教わりたいんだけど、この在庫保管場所というのはありますよね。野村跡地、生涯学習部で1ページのところ、これ1万って出ているのは、要するに良好じゃないというやつの分が1万ということね、これ。1万210というのが。
 
○神田 生涯学習部次長  先ほど野村で見ていただきました、あそこに置いてあるものの数でございます。
 
○松中 委員  そうすると、美術館の方にはリーフレットと一緒に合計になっている1万1,782というのが残っていて、これ、美術館の方の冊子は、そうすると、ちょっと今計算するの面倒だな、幾つになるんですか。幾つあるんですか。
 
○神田 生涯学習部次長  差っ引きいたしますと、1,282でございます。
 
○松中 委員  これは総数はどのぐらいつくったの、この冊子の総数。冊子の総数は、これか、1万5,800ですか。
 
○神田 生涯学習部次長  そうですね。パンフレットが3万。これを引きますと1万5,800ですね、つくりましたのは。
 
○松中 委員  3,500ぐらいしか売れてないのか。1万5,000のうち。そういうことだね。そうだね。
 それと、次の2ページ、これも館案内リーフレットというのは、2万つくって1万4,000残っているんだけども、実際にこれ。収蔵庫に入っている文学館の冊子というのは、在庫数、約2万1,000か、2万1,000残っているんだね、半分残っているということか。半分じゃないか、半分以下だな。鎌倉武道館は完全に半分ぐらい残っているんだね、半分ちょっと下か、そういうことだね。
 
○神田 生涯学習部次長  はい。
 
○松中 委員  そうすると、今度は文化財課。鎌倉市埋蔵文化財緊急調査報告書、これ何なの、これ。何だったっけ。
 
○文化財課長  こちらの方は17年度末に作成をいたしました、17年度に緊急発掘調査をした調査資料でございまして、事務室の執務室の方に保管しております。これを今後関係機関等に配付をする予定で置いて、保管しているものでございます。
 
○松中 委員  じゃあ、どこも配られてないのね。
 
○文化財課長  そのとおりでございます。
 
○松中 委員  じゃあ見たことないんだ。じゃあこれ後でまた、寄贈用だから我々にはくれるの。
 
○文化財課長  議員さん全員ということではなくて、議会の図書館に1冊は寄贈用として配架する予定でございます。
 
○松中 委員  それと、野村の合計というのが、これ、ずーっといくと、最終的に野村に残っているのが1万6,875というふうに見ていいわけですか。ずっと足していくのね、これ、ずっとつながっているのかね、どっかで切っているのかね。
 
○文化財課長  文化財課の方は5ページをごらんいただいて。
 
○松中 委員  4,698とありますね。
 
○文化財課長  そちらが野村に残っている数値でございます。6ページ以降につきましては、国宝館の数値になってございます。
 
○松中 委員  6ページ以降が国宝館か。そうすると、約2万部残っているということだな。
 はい、わかりました。
 
○高橋 委員長  いいですか。
 
○松中 委員  いいのよ、見方がわからなかったの、これ。
 
○高橋 委員長  いいですか。じゃあ、ほかに。
 
○高野 委員  先ほど野村総研に行かせてもらいまして、野村総研にある在庫ということについては見させていただきましたけど、余談になって申しわけありませんけど、本当はこういうことというのは、私は行政がきちんとやってくれるという当然の前提として、信頼関係のもとに、余りこういう委員会の場で根掘り葉掘り聞くようなことは、あんまり性質上望ましくないと思っているんですけど。
 まず、それでお伺いしますけど、単純なことですけど、野村総研跡地の保管状況というところに何も書いてないのはなぜですか。
 
○神田 生涯学習部次長  野村総研跡地、本来こういったものを保管する場所ではございませんもので、なかなか良好とも言えませんし、かといってそれなりに配慮して置いているつもりでもございますもので、良好か不良かという、ちょっと判断は差し控えたということでございます。
 
○高野 委員  そうすると、私、認識十分じゃないんですけど、野村総研に一々、一つ一つ全部聞きませんけども、野村総研に置かれているものは、その前には野村総研に置く前にはどういうところに置いてあったんですか。
 
○神田 生涯学習部次長  例えば鏑木の関係で申しますと、鏑木に一応倉庫がございます。ただ、建物全体が非常に狭小でございますもので、一時期まではそこで保管しておりましたけれども、全部保管し切れなくなったということで、たまたまといいますか、野村総研の跡地がございましたもので、そちらの方に移したと。また、国宝館につきましては、これも国宝館に収蔵庫、倉庫ございます。ただ、これも量がふえてまいりましたもので、大分床の方がちょっと弱まってきたということもございまして、野村総研の方に移したという経過がございます。
 
○高野 委員  そうすると、先ほど次長御説明いただきましたけど、生涯学習部所管のもので野村総研に置いてあるものについては、ほかに移すことを早急に検討するという意味ですか。
 
○神田 生涯学習部次長  必ずしも今の状態がベストとはもちろん言い切れないと思いますもんで、検討させていただいて、移せるものについては移していくことの方向でもって検討していきたいというふうに思っております。
 
○高野 委員  先ほど見させていただいて、確かに雨漏りがする場所だとか、余り環境がいいかどうかといったら、ああいうところですから問題があるかないかといったら、私もあるかなと思いますけど、ただ、じゃあ、まるであそこに置くことが全部だめなんだというふうにも思わないんですね。ですから、やっぱりその辺はよく、ただ、そうはいっても生涯学習部所管のもの、またいろんな、30何巻でしたっけ、ありましたね。いずれにしても全部市民の暮らしにかかわる、権利にかかわる重要な書類ですから、それを保管するというのはそれ相応の場所でなければならないと。どうしても諸事情から難しいという中では、ああいう建物ですから、なかなか難しいかもしれませんけれども、少なくとも雨漏りしているところの下には置かないとか、そういうところには私が知恵授けるわけではないですけど、ビニールシートをかぶせるだとか、ちょっとそういう配慮は最低限やはり必要かなと思うんですけど。余りこういう質問、本当はしたくないけど、いかがですか、そのあたり。
 
○神田 生涯学習部次長  当然、そういった配慮はしていきたいと思っております。
 書籍という、いろいろお話の中にもございましたけれども、大切なものでございます。私は今の段階では、特に直射日光も当たる場所でもございませんし、本がだめになっているというふうにも考えておりません。年に何回かは見に行って、その状況等を見ておりますもんで、そういったことにはなっておりませんけれども、決してあのままでいいかどうかと考えますと、やはりちょっと検討する余地はあるかなと思っておりますもんで、どの程度すぐに、また、全部できるかどうかわかりませんけれども、変更する方向でもって検討していきたいというふうには思っております。
 
○高野 委員  わかりました。
 あと、頒布数とこの在庫数というんですか、残っている数。確かに、古い、比較的前に作成されたものであっても、まだ思うように頒布できなくて在庫になっているというのがありますけれども、これ一般質問でも関連した質問ありましたけども、私はこれ、その文書の質にもよりますけれども、やっぱり作成部数に当たっては慎重な検討が必要だということはもちろんですけど、同時に、ここに載っかっているもの、鏑木のところに載っかっているもの、文学館、その他、見てもやはりすぐ売れるものとは限らなくて、むしろ文化的な、そういう専門性の高いものであればあるほど、やはりなかなかそうは売れるものでもないと。かといって、コストの問題、それからやはりこういうものは何回も小まめにつくるというよりもきちんとしたものを、いいものをつくるという観点から言うならば、やはりある程度長期的な視野を持って、これ頒布に当たっては考えていくということも、これはあり得ることで。だから私、単純にこれ、いっぱい残っているからけしからんというふうには思わないんですけれども、その辺は、これも一つ一つ一々聞いても切りがないから何とも言えないんですけど、そういう考え方というのは原局としてはしていますか。
 
○神田 生涯学習部次長  今の高野議員がおっしゃる考え方を私どもも持っております。ただ、個々に見ますと、やはりこれはちょっと多過ぎたのかな、というのはあると思いますもんで、この辺は今後十分に見直しをし、また、つくるに当たっては十分検討を加えてまいりたいというふうに思っております。
 
○高野 委員  わかりました。ですから、一概にこれ、これ見ただけで数が多いからけしからんとか、すぐ売れたからよかったねとか、すぐ売れたのだって、逆に言ったらもっとつくらなきゃいけなかったんじゃないかとか、そういうふうに逆の見方もできるわけですね、これ、そうすると。だから、一概に言えないなとは思っているんですね。
 いずれにしても、この野村総研跡地に保管してある行政文書ないしはこういう資料については、全庁的にある意味取り組んでいますから、その保管のあり方、それから、どうしても野村総研の中の環境の問題からしてこれはよくないというのであれば、それは、私、生涯学習部に限らず、これ、全庁的な検討が必要な問題だと思いますので、その辺はちょっと今皆さんに言ってもしょうがないけれども、これ、ぜひそういう点も含めて調整を図っていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
 
○高橋 委員長  ほかに。
 
○松中 委員  今言われたように、これ、つくり過ぎみたいなところ、例えば文学散歩、平成11年のなんか見ると、5,000冊つくってまだ3,300冊残っているとか、売れそうだからって次に今度は文学散歩をまた増刷しているようなケースあるんだけれども。これ、売れ残っている中で、ある程度年数たったら、ちょっと安くして売ってしまうとか、最低100か200は残しておこうということならば、そういう形、何か考えないと、これ、ずっとどんどんたまってっちゃって、いずれああいう状況の中に置いておいてもしようがないので、使い物になんなくなる、ふにゃふにゃになる危険性だってあるし、本てそんなに、意外にもつものじゃないから、よっぽど薬でもまいてりゃまた別だろうけれども、その点どうなんですか。検討した方がいいと思いますよ、これ処分することは。それ、一つちょっと聞いておきたいんですけど。
 
○神田 生涯学習部次長  ただいまの松中委員おっしゃるとおり、その辺、安く売るとか、その辺の方法を幾つかあると思います。その辺は今後検討してまいりたいと、また検討していかなきゃいけないというふうに思っております。
 
○松中 委員  それからもう一つ、この鏑木清方、これ鎌倉市芸術文化振興財団、両方兼ねているなら、美術本だったらあそこの収蔵庫、増築するか、あるいは文学館の後ろの収蔵庫、あそこへ保管するということはできないの。貴重な、要するに美術本ね。
 
○神田 生涯学習部次長  今後の移り先といいますか、もう一つとして考えております。
 
○松中 委員  そう。じゃあもういいや、それで。
 
○高橋 委員長  ほかに。
 
○石川 副委員長  ちょっと、今文学館の方に戻すことも考えているということで、やっぱりあそこ見て、ほかの書物が余りにちょっと劣悪過ぎて、文学館、清方のは木枠の中に入っていたということで安心はしたんですけれども。そうといっても、いつ雨漏りするかわからない場所での保管ですから、もとにあった場所にまた戻すという計画をした方がいいんじゃないかということと、もう一つやっぱり売っていくという手法も考えて、この1万冊残っているわけですよね、あそこに置く限り本が劣化しちゃったら、この値段では売れない、もうダンピングされてしまうと思いますので、早急に売るということも考えることも必要だと思います。
 もう一つ、これ資料を見てたら、相当古いのもあるんですね、昭和50何年とか。こういうのはどうしていくんでしょうね。もう不詳になっていますけど、出版の費用とかも。何かいろんなこと。
 
○文化財課長  文化財課の表の中に、昭和50年とか55年とか53年という表示がございまして、当時の資料がなくて不詳という形になってございます。在庫の方につきましても、今後も在庫管理をしていかなきゃいけないというふうに考えておりますが、これから先、文化財の資料館等、作成したときには、その公開の対象物件として考えておりますので、丁寧に保管していかなきゃいけないというふうには考えてございます。
 
○石川 副委員長  質問したいこといろいろあったんですけど、皆さんの御意見と同じでしたので、これから、先ほど述べましたように売るということを力を入れていただきたい。
 もう一つ、この事業計画という財団が出した中、読みましたけれども、この本について、積極的に売るようなことも何も書いてないんですね。書いてないんですよ。だから、そういうことも指定管理者に指名をしたわけですから、やっぱりそういうことは積極的にやっていかなきゃいけないんじゃないでしょうかねと思いますけどね。
 
○神田 生涯学習部次長  鏑木の本の販売につきましては、今まで鏑木清方記念美術館でしか売ってなかったという現実ございます。これは遺族の方の御意向もあるんですけども、ただ、この販路はできるだけ拡大していきたいということで、とりあえず現在、泉鏡花記念美術館がございまして、そこについては、売るということで今方向づけをしております。今後、そこに限らずいろいろな美術館にも置いていただいて販路を拡大していきたいというふうに思っております。
 
○高橋 委員長  ほかに、よろしいですか。
 じゃあ、ちょっと私の方から伺いたいと思いますが、ほかの、例えば佐倉の博物館ですか、そういうところへ行きますと、かなりやっぱりコーナーが充実していまして、いろんな蔵書を売っているんですね。文学館でほかの資料を売ってもいいでしょうし、国宝館の資料を売ってもいいでしょうし、国宝館で文学館の資料を売ってもいいでしょうし、鏑木の資料を売ってもいいでしょうし、余りこだわる必要ないと思うんですよね。何かその同じ系統のところじゃないと売れないって、そうじゃなくて、やっぱり散策していく中で気がついて、あ、これいいなと思って買ってくれれば、それでいいんだと思うんですね。
 あともう一つは、やっぱりホームページ上でそういったものを紹介して、希望者には購入できるようなルールというんですかね、メールで申し込んでいただくとか、何かそういうことも積極的にやっていただければ。気がつかないから、やっぱり買うという行動が起きないんだと思うんですね。そういうものがあるという、それを知らせていけば非常に編集自体は専門的な角度でやっていただいているから、私なんかが見ても勉強になる本ばっかりなんですね。ですから、必ずそういったことを、目に触れれば売れると思いますので、ぜひそういうことを考えてやってもらいたいと思うんですが、どうでしょうか。
 
○神田 生涯学習部次長  今、委員長の方からもお話がありましたけれども、ホームページでの宣伝といいますか、紹介ですとか、それから他館でほかのものを売っていく、この辺、従来この販売に関してはちょっと欠けていた部分かもしれません。大いに積極的に販売に力を入れてまいりたいというふうに思っております。
 
○高橋 委員長  あと、きょう、一緒に見させていただいて、答弁要らないですけれども、蔵書以外のものもたくさんありまして、生涯学習部関係のものもたくさんありますから、そこも、いずれ活用するときにはそこに置いておけない状況って、出てくると思うんですね。逆に、置ける状況というのも出てくるかもしれないですし、その辺もやっぱり視野に入れながら。発掘調査のものなんか毎年800箱もふえていくという話も聞きましたんで、その辺もやっぱりぜひ計画的な管理体制、とっていただきたいと思います。
 それから、1回、今回こういう形で出していただきましたんで、次いつ出していただくということになるかわかりませんけれども、やはり毎年棚卸しのチェックというんですかね、やっぱり貴重な資産でありますから、それは欠かさず続けていただきたいと思いますんで、これは要望だけしておきます。
 
○松中 委員  あそこの、ここ原局いないんだけども、野村を担当している原局とどういう利用形態、要するに書類かなんかで交換し合っているのかどうか。それから、芸術文化振興財団の場合には、これはほかのところとの関係だから、その契約関係とか、あるいは責任関係をどのように明確に原局との、何か文書をもって取り決めがされているかどうか、その点いかがですかね。
 
○神田 生涯学習部次長  もともと、あそこの活用につきましては、野村の方から全庁的に、そういった各課で活用するあれがないかという通知がございまして。いろいろな条件がございまして、例えば電気、水道、ガスはつかないけどいいのかとか、そういった条件をのんだ中で全庁的に各課が希望を出して、それで受け入れられるものについては借用書を提出して借りているという形でございます。財団につきましては、財団の方から市の方に話がございまして、市の方から野村の方に借用を依頼をしているという形でございます。
 
○松中 委員  借用書みたいなのがある、そういうことで、何か水とかかびとか、そういうことでの損傷があった場合の責任問題というのは一切負わないとか何か一筆入っているんですか。これは原局の方の問題だからね、こっちは借りる方なんだろうけれども、その点どういう借用書か。あるいは書類が交わされている内容の中に、そういう、一切責任は負わないということの前提で借りているのかどうか、そこが問題だと思うんですよね。これはいろんなところにも言えるんだけれども、あるのか、何か。
 
○神田 生涯学習部次長  そこまで細かな記述はございませんけれども、一応、野村の方でこういった条件でという形の中で借用をお願いしておりますもので、何かあった場合はそれぞれの課の方で責任を持つものではないかなというふうに、ちょっと理解はいたしております。
 
○松中 委員  だけど、野村の方といっても、もう完全に鎌倉市にそれは移管されて、管理はもう鎌倉市になっているんでしょう。(「施設管理担当の…。」との声あり)
 ああ、そういう意味ね。施設担当、わかりました。
 もう1点、ちょっとこれ、保管とちょっと関係ないかもしれないんだけれど、鏑木美術館、ここで売ったお金は、全額芸術文化振興財団に入っちゃうわけ。
 
○神田 生涯学習部次長  そのとおりでございます。
 
○松中 委員  ちょっとこの辺のことが何かしっくりいかないんで、またいずれ、じゃあ聞きます。
 
○高橋 委員長  よろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 それでは質疑を打ち切ります。ただいまの報告につきまして了承ということで確認したいと思いますが、よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、確認をさせていただきました。
 職員の入れかえのため暫時休憩いたします。
               (15時26分休憩   15時33分再開)
 
○高橋 委員長  それでは再開をしたいと思います。
 引き続いて、世界遺産登録推進担当関係でございます。人事異動に伴いまして、職員の入れかわりがございますので、紹介の方、お願いしたいと思います。
               (世界遺産登録推進担当職員紹介)
  ────────── 〇 ─────────────────── 〇 ──────────
 
○高橋 委員長  それでは審査に入りたいと思います。
 日程第4報告事項(1)「国指定史跡の新指定及び追加指定の状況について」原局から報告をお願いいたします。
 
○世界遺産登録推進担当課長  報告事項(1)国指定史跡の新指定及び追加指定の状況について、御報告いたします。
 初めに新指定の状況でございますが、お手元の資料、仏法寺跡国指定史跡指定の概要をごらんください。
 仏法寺跡の国指定史跡新指定に関しましては、平成16年12月開催の当委員会において、文部科学大臣あてに史跡指定申請の準備を進めている旨、御報告させていただきました。その後、所定の準備が整い、平成18年1月に史跡指定申請を行ったところ、このたび平成18年5月19日付をもって国の文化審議会から国指定史跡とすることがふさわしい旨、答申されましたので御報告するものです。
 史跡名称は「仏法寺跡」で、所在地は、鎌倉市極楽寺一丁目127番1ほかとなります。
 指定理由の要旨でございますが、仏法寺跡は西大寺流律宗極楽寺の有力末寺の寺院跡であり、極楽寺忍性は、仏法寺に住して請雨法を修したと伝えられている。江戸前期ごろの極楽寺境内絵図には、霊山と呼ばれる山稜の山頂付近に仏法寺と請雨池が描かれており、また元弘3年(1333年)の鎌倉攻め関係資料には、鎌倉霊山寺とあり、一帯は激戦地の一つであった。発掘調査の結果、山頂部付近で葬地・供養遺構を、平場で礎石建物堂舎跡・池跡等を検出し、13世紀後半から16世紀のかわらけ、陶磁器、石塔類、火葬骨等が出土し、池跡からは柿経等も出土した。極楽寺の寺伝では、明暦3年(1657)に仏法寺の建物を移築して極楽寺の方丈にしたという。仏法寺跡は、鎌倉幕府、北条氏の支援のもとで陸上・海上交通を支配した極楽寺の有力末寺の寺院跡で、都市周縁部の葬送、供養関係の遺構も良好に残されており、我が国の歴史を考える上で重要である、との内容になっております。
 指定範囲は、資料2枚目の、史跡仏法寺跡指定範囲図の網かけがしてある区域となっており、指定面積は3万3,958.81平方メートルであります。なお本史跡は市内で29番目の国指定史跡となります。
 続いて、追加指定の状況でございますが、お手元の資料、法華堂跡(源頼朝墓・北条義時墓)国指定史跡追加指定・名称変更の概要をごらんください。
 法華堂跡国指定史跡の追加指定及び名称変更に関しましては、平成17年12月開催の当委員会において、文部科学大臣あて、史跡追加指定及び名称変更申請を速やかに行えるよう準備を進めている旨、御報告をさせていただきました。
 その後、所定の準備が整ったため、平成18年1月に史跡追加指定及び名称変更申請を行ったところ、このたび平成18年5月19日付をもって国の文化審議会から追加指定し、名称変更するよう答申されましたので、御報告するものです。
 史跡名称は「法華堂跡(源頼朝墓・北条義時墓)」で、所在地は、鎌倉市西御門二丁目686番ほかとなります。
 追加指定理由及び名称変更理由の要旨でございますが、幕府の創始者の源頼朝と2代執権北条義時の墳墓堂・墓所の跡で、幕府を守護する精神的なよりどころとなった宗教施設として重要であり、北条義時法華堂跡と頼朝墓の参道付近を追加指定し、名称を変更する、との内容になっております。
 追加指定範囲は、資料2枚目の、史跡法華堂跡(源頼朝墓・北条義時墓)追加指定範囲図の網かけがしてある区域となっており、追加指定面積は4,956.29平方メートルで、史跡全体の面積は、既指定地6,007.61平方メートルと合わせ、1万963.9平方メートルとなるものです。
 これら2件の新指定、追加指定につきましては、現在、国において告示に向けた事務手続が進められており、告示行為により国指定史跡として確定される予定です。
 また、今回御報告させていただいた、国指定史跡の新指定及び追加指定の状況につきましては、いずれも世界遺産登録推進に向けた取り組みの一環として取り組んでいることを申し添えます。
 以上で報告を終わります。
 
○高橋 委員長  それでは、今の報告に質疑のある方、挙手をお願いいたします。
 
○松中 委員  一つは、この仏法寺の跡で聞いてみたいんですけども、今度、ここ史跡にするんだけど、これ成就院はなってましたっけ、史跡に。
 
○世界遺産登録推進担当課長  成就院は、まだ国指定史跡の指定を受けておりません。
 
○松中 委員  成就院も極楽寺の末寺であるということは間違いないね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  成就院さんは極楽寺の末寺という位置づけではなくて、北条氏の関係のお寺ということで、極楽寺とは別に考えるというふうに考えております。
 
○松中 委員  そうすると、この次に、伝上杉憲方墓でいいの、ここは史跡でしたっけ。
 
○世界遺産登録推進担当課長  史跡指定されております。
 
○松中 委員  そうすると、極楽寺そのものは史跡ですか。基本的なことだけど。
 
○世界遺産登録推進担当課長  極楽寺様につきましては、まだ史跡指定されておりません。ただ、史跡指定に向けた取り組みを従来から進めている地域でございます。
 
○松中 委員  じゃあ、本山の方が史跡じゃないということですね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  まだ、史跡指定に至るまで進んでいないという状況でございます。
 
○松中 委員  それから、法華堂跡の件でちょっと聞きたいんですけども、この頼朝の墓のところ、僕は法華堂だと思ったんだけど。これ、地図見て白旗神社法華堂跡と、これは法華堂跡となっているんだけど、この辺はどうなんですかね、まだ調査というか、発掘をした経過からこういうふうに法華堂、あとは頼朝のところが法華堂跡じゃないかという話もあるんですけど、その辺はいかがですかね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  この地図にございます白旗神社法華堂跡となっていますのは、下にある部分が白旗神社でございまして、法華堂跡につきましては頼朝墓周辺というふうに言われております。
 
○松中 委員  だけど法華堂跡はこれ、かなり古い指定ですよね、昭和2年というのは。これは何をもって、白旗神社を指定したんですかね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  史跡法華堂跡と史跡源頼朝の墓は、昭和2年に別々の国指定史跡として当初指定されておりました。近年、その法華堂に関する研究が進みまして、また発掘調査の結果等や、吾妻鏡記載の法華堂に関する記事の考証などの結果、中世の法華堂は大蔵幕府の背後から山稜にかけての広い範囲を軸とし、その中心は山稜中腹部の源頼朝の墓の位置であるということが判明をしました。
 このようなことから、法華堂と頼朝の墓とは一体のものであるという判断があり、二つの史跡の統合と、周辺の山稜部の追加指定の名称変更が平成12年1月に行われています。今回の追加指定につきましては、さらにこれに義時の墓を加えた形で法華堂跡というような形で、さらに名称変更、追加指定が行われたものでございます。
 
○松中 委員  わかりました。じゃあ、先ほど極楽寺は史跡指定というようなことを検討していると。私、これは後ほど対象候補遺産の検討の中とも関係あるんですけど、まあ、史跡の方が先だから先に聞くんですけれども。鎌倉で光明寺とか妙本寺、それから長谷寺、長谷観音ですね、この辺は僕、重要じゃないかと思うんですけども、その辺の検討というのは、何か検討されて、史跡になってもいいんですけど、その辺はどうなんですかね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  今のお話に出ました光明寺様それから長谷寺様につきましては、まだ、国指定史跡という指定はされておりません。
 
○松中 委員  だから、光明寺、妙本寺、長谷寺、これ長谷観音、この辺は史跡指定の方向で検討する考え方は、国の方は持っているんですかね。そういうことです。
 
○世界遺産登録推進担当課長  史跡指定をしていきますためには、そのお寺の歴史的な根拠とか変遷を示す、例えば埋蔵文化財の確認がされるとか、そのほか古絵図ですとか、そういったもので当初の伽藍配置等が残されているとか、そういう形での評価がされて、初めて国指定史跡としての指定がされるというふうな形になるものでございますが、今、委員さんの方から出ましたお寺様につきましては、そういった状況が難しいと思われるもの、また、まだそういう調査が十分でないものというものがございます。現段階で、今のお話が出ました3件につきましては、史跡指定につきましては検討中ということで、まだ具体的な作業については進んでないというのが状況でございます。
 
○松中 委員  じゃあ長谷観音そのものは、これ、重文ですか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  未指定でございます。
 
○松中 委員  いつごろの作品ですかね。何か、わかる範囲内で結構なんですけど。
 
○世界遺産登録推進担当課長  済みません。今現在、長谷観音については手元に資料がないので詳細な年代については不明でございます。
 
○松中 委員  そう。いや勘違いしてた、重文だと思った。わかりました。後ほどまた、関係聞きますんで。
 
○高橋 委員長  ほかに。
 
○納所 委員  仏法寺跡の方でちょっと伺いたいんですが、山頂付近に仏法寺の伽藍等があったのかな。礎石と建物堂舎跡というのは、この地図でいうと、やっぱり一番山頂付近になるんでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  提出しています範囲図の、ちょっと見えにくくて恐縮なんですが、真ん中右あたりにきしろ老人ホームというふうに書いてございます。その左側に等高線で平地のようになっているところがございます。ここが仏法寺の跡が発掘されたところでございます。
 
○納所 委員  すると、あと池跡も、いわゆる請雨池ですか、それもその付近と考えてよろしいんですか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  その建物跡に隣接するような形で、池の遺構が発見されております。
 
○納所 委員  その池なんですが、これは人造の池と考えられるんですか。自然の池ではないということですか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  池につきましては、人工の掘り込んだ池というふうに考えられております。
 
○納所 委員  例えば瑞泉寺のような池の仕様、もしくは二階堂のような、永福寺のような池の仕様というような特徴的なものはありますでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  瑞泉寺さんの庭園につきましては、禅の庭園ということで特徴がはっきりしておりますが、ここの池につきましては、発掘調査では井戸のような池というようなことで、その様式等が必ずしも特定はされておりません。
 
○納所 委員  そこで、請雨をされたということですか。田辺ケ池だというふうに私自身は何となく思ってしまったんですが。それから、祈雨の手法を行ったとするんだったら、この仏法寺跡の池と考えてよろしいんでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  請雨法については、仏法寺と田辺ケ谷と江ノ島で行われているというふうなことでございます。
 
○納所 委員  教えていただきたいのですが、その柿経というのはどういうものになるか、わかりますでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  仏法寺の発掘調査の概要をまとめましたパンフレットでございます、その一番後ろのページに柿経の発掘の状況が載っておりますが、基本的には15センチから20センチぐらいに墨書で法華経のお経が書かれたものです。その柿経につきましては発掘後、後処理をしまして、仏法寺の発掘調査の内容を中心とした展示会を世界遺産の方でさせていただきまして、市民の皆様にも一度見ていただいたような状況でございます。
 
○納所 委員  そうしますと、この仏法寺というものの意義が、ちょっと不勉強で申しわけなかった、今伺ってわかったんですけれども、例えば西大寺流律宗ってありますけど、これ、真言律宗とは違うんですか。ちょっと混乱しちゃったんですけど。
 
○世界遺産登録推進担当課長  西大寺流の真言律宗ということでございます。
 
○高橋 委員長  ほかに、よろしいですか。
 では、ちょっと、私の方から2点ぐらい伺います。これ発掘しているときに、仏法寺跡、拝見させていただいたんですけれども、元助役の岩澤さんの土地をずっと通って上がっていくということで、先方の要望で一般の方が出たり入ったりしないように管理しながら発掘調査してくださいということで、事前に申し込みをして、決められた日に行くという、こういうルールでやっていたんですが、これから正式に国の指定史跡になりますと、これやっぱり、そこがもう史跡だということで公開されますので、そうなると当然、見学をしたいという方が出てくるはずなんですね。ちょっと見ますと、道路の方まで指定されているわけじゃありませんので、その辺の、やっぱり、指定する国の方は国の方で歴史的な背景を勘案してここまでですよって、それを受け入れる自治体の方で、そうしたことを想定しながらある程度、条件整備というんですかね、していかないと、やっぱりそのただ指定しましたと、これで終わるわけにいかないと思うんですけど、その辺どうでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  御指摘のとおり、仏法寺跡につきましては、現在史跡へつながる公道というものの整備がされておりません。国指定史跡、特に世界遺産の候補遺産として位置づけていくためには、きちんとした形で公開できるような整備を考えていかなくてはいけないというふうに考えております。これはまた、庁内の道路を所管するセクションとも十分協議をしながら進めていきたいというふうに考えておりますが、海岸側から極楽寺一丁目の方へ抜ける坂道がございます。そこら辺一帯は関東大震災でかなり崩れておりまして、現地形とちょっと公図と少し調査が必要なんですが、ここに公道がございます。こうしたものも活用することで、何とか、ルートというものの整備を図っていくよう検討していきたいというふうに考えております。
 
○高橋 委員長  以前にも申し上げたんですけど、観光的な視点というんですかね、そういうことも大切ですし、文化財保護とはちょっと相反する面もあるんですけれども、やっぱり指定史跡になれば観光の方も見たいと、こういうことにもなりますんで、やっぱり観光のセクションとも相談していただいて、そのインフォメーションをどうするのかとか、以前にもバスで、例えば和賀江嶋、今、飯島というインフォメーションになっているんですけれども、国指定史跡の和賀江嶋に行かれる方はこちらでおおりくださいとか、そういう細かいフォローですね、おりたら看板があってここが指定の史跡なんだなということがわかるような、そういうようなことをやっぱり細かくやっていかないといけないんじゃないかと思いますんで、ぜひそこはお願いしたいと思います。
 それと、もう一つの法華堂跡なんですが、新たに追加指定をされた先に、ちょうどこれ丸が書いてある辺でしょうかね。これ源何とかの墓、もう一つありますよね、お墓が。
 
○世界遺産登録推進担当課長  大江広元の墓。
 
○高橋 委員長  いや、ごめんなさい。大江さんは毛利さんの隣ですよね。その先、要するに指定されてないところを細い道を歩いていくと、鳥居があってお墓がもう一つあるんですけど。
 
○世界遺産登録推進担当課長  今、御指摘のは、階段のところの前の道を回っていった先にある、横穴のことを指しているのでしょうか。
 
○高橋 委員長  そうです。
 
○世界遺産登録推進担当課長  地元では北条義時墓というふうな伝承があったりするようなんですが、基本的には確証がないといいますか、学術的な評価の中では範囲としては含められなかったというふうなことでございます。
 
○高橋 委員長  特に、でも発掘調査とかしたわけではないんですよね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  発掘調査をいたしましたのは、吾妻鏡の記載にあるところと考えられる平地を中心にして、そこに建物跡が確認されておりますので、そこをもって法華堂跡というふうにしたわけです。こちらについては、発掘調査についてはしておりません。
 
○高橋 委員長  ちょっとこの間も発掘調査の現場を見せていただいた後に、お願いもさせていただいたんですけど、結局、鎌倉の場合、メーンになる幕府後が公有地になってない部分があって、何かちょっとそういう史跡散策してもピンとこない面があると思うんですね。唯一、このお墓、頼朝のお墓と義時のお墓が公有地になったということで、こういうあたりにやっぱり法華堂復元をしていくようなことをしたら、もう少しピンとくるような史跡としての認識もできるんじゃないかと思うんですけれども。これ発掘現場を見せていただいたときに、大体こんなような建物ですよと、その当時の、ほかの施設で残っているものから類推して、そういうことがもし学術的にきちっとできれば、復元をしていくという話もできるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  法華堂跡につきましては、今、今年度史跡の保存管理計画の策定に取り組んでおります。源頼朝の墓と義時の墓、現状のありようが大分違いますので、そこは今後整備をどのようにしていくか、方向性はまずその保存管理計画の策定委員会の中で議論を進めていただきたいなというふうに思っております。最終的に、史跡を皆さんに正しく、価値をわかっていただくというような取り組みは当然必要なことだろうというふうに考えております。最終的に、もし整備を行っていくという方針になれば、整備計画等の策定をし、また必要な学術調査等をした上で整備を行っていくというような形になろうかと思います。
 
○高橋 委員長  それでは、ほかになければ質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告、了承ということで確認してよろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 はい。確認をさせていただきました。
  ────────── 〇 ─────────────────── 〇 ──────────
 
○高橋 委員長  日程を進めます。日程第4報告事項(2)「世界遺産登録に向けた準備状況について」原局の報告をお願いいたします。
 
○世界遺産登録推進担当課長  報告事項(2)世界遺産登録に向けた準備状況について、御報告いたします。
 平成16年5月に鎌倉市歴史遺産検討委員会により、世界遺産登録に向けた考え方が「武家の古都・鎌倉」としてまとめられて以降、市では平成19年度末ごろまでを目途に登録推薦に向けた準備を進めておりますが、今回その進捗状況の概要について、御報告させていただくものであります。
 まず、対象候補遺産の検討状況及び各遺産の準備の進捗状況でありますが、お手元の資料、対象候補遺産の検討状況等(平成18年6月現在)をごらんください。
 対象候補遺産につきましては、基本的な考え方である「武家の古都・鎌倉」上における位置づけとともに、ユネスコの世界遺産条約履行のための作業指針により求められている、遺産の真正性の証明やその保護の状況がどのように図れるかといった視点からの検討を進めております。資料には、鎌倉市内にある候補遺産20件を記載しておりますが、これらは歴史遺産検討委員会等におけるこうした検討の結果、現時点までに候補遺産としていくことが示されたものであります。
 候補遺産のうち、1から9番に示しました鶴岡八幡宮や建長寺などは、「武家の古都・鎌倉」の基本的な考え方の中でも具体的な名称をもって記載されているもので、これまで作成したパンフレット等でも、有力な候補遺産として既にお示ししてきた遺産であります。そのため、ここでは個別の説明は省略させていただき、10番以下の候補遺産について、基本的な考え方における位置づけを中心に説明させていただきます。
 10番名越切通から14番亀ケ谷坂は、切通という周囲の山稜の稜線を掘り下げられてつくられた交通路の遺跡ですが、主に鎌倉の独自の都市構造を示すものとして位置づけられています。
 15番覚園寺は、政権を担った北条得宗家による創建であり、鎌倉の独自の都市構造の一つである谷戸開発の地形・景観をよく残すとともに、鎌倉最大のやぐら群である百八やぐらを擁することなどが挙げられています。
 16番瑞泉寺も、谷戸開発の地形・景観をよく残すとともに、山を垂直に切り落とした切岸を背景とする独自の景観を持った庭園が、鎌倉を代表する禅の庭園として位置づけられるものです。
 17番北条氏常盤亭跡は、政権を担った北条氏の有力一族の武家屋敷跡でありますが、大仏切通の防御という交通路の支配の状況を示すとともに、谷戸開発により開かれた地形の状況をよく残しているものであります。
 18番浄光明寺も、政権を担った北条氏の有力一族による亀ケ谷坂などの重要な交通路の支配の状況を示す寺院であり、また谷戸をひな壇状に造成してつくられた敷地の形状が良好に保存されているとともに、武家の信仰空間を示す遺産としても位置づけられるものです。
 19番仏法寺跡は、先ほど史跡指定の状況で御説明したとおり、幕府や北条氏の支援のもとで陸上・海上交通を支配した極楽寺有力末寺の寺院跡であります。
 20番東勝寺跡は、政権を担った北条得宗家が創建し、鎌倉幕府滅亡の舞台となった寺院の跡であるとともに、やはり都市構造を示す谷戸開発の地形・景観をよく残す遺産として位置づけられるものです。
 これら20件の候補遺産に係る準備の状況でありますが、表の右欄に記載の史跡指定、保存管理計画策定、管理団体指定の状況について御説明いたします。
 まず史跡指定の状況ですが、これまで1番鶴岡八幡宮、2番若宮大路、3番和賀江嶋、4番荏柄天神社、6番法華堂跡、7番鎌倉大仏、及び19番仏法寺跡の7件の新指定及び追加指定を行いました。今後も5件の追加指定を予定しておりますが、これらについては今年度中の申請を予定しているものであります。
 次に、保存管理計画ですが、候補遺産については登録推薦に当たってその管理の内容を明確にしていくことが求められており、これに対応するため策定するものです。保存管理計画は、このように登録の要件とはされておりますが、本来、その史跡の適切な保護・管理のために策定することが望まれているものであり、本市でもこれまでに鶴岡八幡宮と永福寺跡については、その取り組みが既になされておりました。このため、登録準備としては、現段階では残りの18史跡について取り組むものでありますが、17年度までに、2番若宮大路、3番和賀江嶋、及び8番建長寺の保存管理計画の策定がそれぞれ完了いたしました。現在は、4番荏柄天神社、6番法華堂跡、7番鎌倉大仏、15番覚園寺、16番瑞泉寺、及び17番北条氏常盤亭跡の6史跡の策定に着手しているところであります。また今年度中には、切通等の山稜部の史跡について、まとめて策定するような方向で着手していく予定であります。なお、その他については19年度中に策定予定とするものであります。
 最後に管理団体指定ということですが、史跡の保存管理を責任をもって行っていく主体を明確にすることが、やはり登録推薦に当たって必要な要件とされているため行うもので、市が土地所有者等の同意を得て、管理団体としての指定を受けていくものであります。なお社寺関連の史跡につきましては、ほぼ境内地が史跡の範囲であり、基本的に社寺が管理を行っていることから、管理団体の指定は行わないとしています。2番若宮大路、6番法華堂跡、13番大仏切通の3件は、既に指定されており、社寺関連を除く9件について、現在、指定に向けた準備を進めているところでございます。
 以上が、現段階までの候補遺産に係る主な準備の状況でありますが、全体的におおむね予定どおりの進捗が得られており、今後も計画的に準備を進めてまいりたいと考えております。
 なお、対象候補遺産20件につきましては、あくまで市の推薦に向けた準備の中で進めてきた、現段階までの検討の状況であります。世界遺産登録推薦の事務は国の事務であり、最終的に推薦する候補遺産の決定は国が行うものであり、今後も国の指導等を得ながら検討を進めていく予定でございます。
 続きまして、バッファーゾーンについてですが、お手元の資料、鎌倉の世界遺産登録に係るバッファーゾーンの検討状況をごらんください。
 世界遺産登録に当たっては、必要な要件として、バッファーゾーンの確保が求められています。このため、鎌倉市歴史遺産検討委員会等で専門的な立場から、その基本的な方向性について検討を進めております。これまでの検討では、バッファーゾーンについては可能な限り広範囲な設定とすること、また、できる限り点在する登録遺産を一体的に包括するような設定とし、全体的に守られているような状況にすることが望ましいとされています。さらに、古都保存法の発祥の地としての特徴を強調し、その指定区域を最大限生かした設定とするということが示されています。
 バッファーゾーンは基本的にそれぞれの国における現行の国内法等により対応されるものですが、鎌倉のバッファーゾーンの確保に当たって適用を検討している主な法制度については、現在、市内で既に施行されている、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法による歴史的風土特別保存地区、神奈川県風致地区条例による風致地区、都市計画法、建築基準法による第一種低層住居専用地域及び海岸法による海岸保全区域が挙げられます。これらの制度は、国内の過去の登録事例から見ても、現行の内容をもって、バッファーゾーンとしての要件を満たすものと考えています。なお、若宮大路周辺等の一部市街地に係るバッファーゾーンの確保に当たっては、景観法による景観地区及び都市計画法、建築基準法による高度地区の制度を活用した対応を考えているものです。
 以上のような考え方により、さらに関係機関等と協議しながら、バッファーゾーンの確保に向けた準備を進めていく予定であります。
 続きまして、鎌倉市世界遺産登録推進本部の設置について、御報告いたします。お手元の資料、鎌倉市世界遺産登録推進本部の構成をごらんください。
 鎌倉の世界遺産登録に向けた準備については、平成19年度末ごろまでに市としての必要な準備を行い、その後、国へ推薦書の提出を要請していく予定であります。準備を進めるに当たり、必要な庁内間の調整については、これまで、平成16年度に設置した関係各課の長で構成する推進調整会議により実施してまいりましたが、全庁的な総合調整をさらに図り、登録推薦に向けた準備を計画的に推進していくため、今年度新たに、市長を本部長とする鎌倉市世界遺産登録推進本部を、記載のとおり設置したものでございます。推進本部の設置により、庁内の横断的な連携をより強固なものとし、全庁的な取り組みをさらに進めていこうとするものであります。なお、実務的なレベルでの検討、調整につきましては、従前の推進調整会議にかわり、推進本部の下に、やはり関係各課の長で構成する幹事会を設置し対応していくこととしています。
 最後に、市民の推進協議会の状況について御報告します。
 平成17年11月に鎌倉の世界遺産登録に関する市民の準備会から、市と市民が一体となった(仮称)推進協議会の設置の必要性を指摘された提言が出されています。
 このため、市では準備会の委員の皆様などと一緒に設立に向けて検討してまいりましたが、現在、7月中の発足に向けて準備を進めているところであります。啓発事業など、具体的な活動の内容などについては、今後この市民の推進協議会の中で検討し、進められていく予定でありますが、市と市民が一体となった推進協議会の活動が充実していくことにより、さらに世界遺産登録に向けた理解と協力が深まっていくものと考えており、積極的にこの取り組みを進めてまいりたいと考えているものでございます。
 以上で報告を終わります。
 
○高橋 委員長  それでは、ただいまの報告に質疑のある方、挙手をお願いいたします。
 
○松中 委員  先ほど法華堂の跡のことを聞いたんですけども、今度、史跡拡張ということで、6番の法華堂跡ね、あそこ、この前ちょっと見に行ったんですけど、さっきもちょっと話が出たんですけども、大江広元とそれから島津家の先祖の墓があるのと、それから三浦一族の周縁の何かそのような、やぐらみたいなのがあるんですけど、それは残すということでよろしいですね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  大江広元の墓は義時法華堂跡の平場の北西に、それからその階段のわきにはやぐらがございまして、三浦一族の供養が行われております。こうしたやぐらにつきましては、史跡を構成する要素としまして、きちんと保存をしていくというような考え方で管理計画等に反映させていきたいというふうに考えております。
 
○松中 委員  そういうことで、これから様子見たいと思います。
 それからもう一つ、さっき光明寺、妙本寺、長谷寺等、ちょっとそれがどうなるか、史跡絡みで言ったんですけど、世界遺産絡みで、例えば切通の中で小袋谷とか、あるいは例えば僕ら釈迦堂とか、それから極楽寺ですね、今後この辺のことはどうなっていくのか。さっきのお寺の件はよろしいですけど、切通、とりあえず今後このほかのところはどういうふうになるのか、ちょっと聞きたいんですけど。
 
○世界遺産登録推進担当課長  切通につきましては、いわゆる鎌倉七口と言われますもののうち、巨福呂坂と極楽寺切通というものが御指摘のとおりございません。世界遺産登録には遺産の真正性というものを証明していくということが必要になってまいりますが、巨福呂坂につきましては、国指定史跡とはなっておりますが、交通路としての道が中断していると、また一部について後世の掘削等により、当時の旧状を十分にとどめてないということとされたため、巨福呂坂については現段階の検討では対象としておりません。また、極楽寺坂につきましては、当所、史跡指定に向けた検討を進めておりましたが、大正10年に行われました拡幅工事により、大規模に開削され、旧状をとどめていないということが明らかになったため、いわゆる七切通という位置づけの中で史跡指定をしていくことは困難であるということで、極楽寺坂、極楽寺切通というような名称での史跡指定はできないというのが現段階までの検討状況でございます。
 
○松中 委員  あと、釈迦堂というのはどういう位置づけ、あれは何の対象にもならないんですか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  釈迦堂切通につきましては、江戸時代の初めの絵図に初めて山稜部に道が描かれており、江戸時代になってからの開削ということになりますと、ちょっとこのコンセプト上の位置づけから、釈迦堂については切通については除外となっております。
 
○松中 委員  そうですか。それと、朝比奈切通絡みで、これも当然鎌倉の都市形成の中で落としてはならないと思うのは、この先の金沢文庫なんですけども、あそこはこれは国が決めることだから、鎌倉市がどうのこうのじゃないけれども、金沢文庫も離れたところで対象にしてはどうかという考えもあるんですけども。奈良に行ったときなんか、元興寺なんていうのはとんでもないところ、ちょこっとした小さいお寺が世界遺産の対象になっている。そんなことから、金沢八景の、要するに金沢文庫の称名寺ですね、あれなんかは国の方、あるいは世界遺産の検討をしている、あれは文化庁ですか、どこが検討しているんだかわからないんですけど、それはちょっと何か話聞いていますか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  現時点でまだ候補として検討している遺産はございます。特に歴史遺産検討委員会の中では、今回、名簿出させていただきましたのは、あくまで鎌倉市内における我々の準備状況ということで出させていただいておりますけれども、中世の「武家の古都・鎌倉」というエリアを考える中で、一定の範囲の中での検討というものは歴史遺産検討委員会の中でも行われております。そうした検討が進む中で、さらに候補遺産につきましては、整った段階で何点か御報告はさせていただきたいというふうに思っておりますが、そういったものが整うまでは、ちょっと具体的な名称につきましては、その段階で行わさせていただきたいというふうに考えております。
 
○松中 委員  私なんかは、広く鎌倉のことを考えたらいいと思っているんで、昔の鎌倉郡ぐらいの考え方とか、そういう考えを持っているんですけども。あと、ちょっと藤沢市なんですけれども龍口寺ね、これモンゴルとの関係があったり、江ノ島とか、そのぐらいのことをちょっと検討できないのか、あるいはどこかで検討しているのかわからないんですけど、そういう希望はあること、申し添えて終わらせていただきます。ありがとうございます。
 
○高橋 委員長  ほかに。
 
○高野 委員  この世界遺産登録推進本部というのをつくられるということで、いよいよ本格的にいこうと、取り組みが大詰めになってきたのかなと思うんですけど、これは市長と助役と、あと教育長と、あと関連部長ですかね、これ。この間も新人議員の御説明あったときに、この世界遺産の意義として市民憲章の実現と古都としての風格を持った鎌倉らしいまちづくりへの貢献という、こういう説明をされて、非常に大事だと思ったんですけど、そうするとこの世界遺産登録推進ですから、当然、直接的には世界遺産の登録に向けた、言わば横断的な組織ということでしょうけれども、ただ、まちづくりという観点での登録の意義というと、やはりこれは関連部がこれ12部と書いてあるんで、大多数そうなんですかね。相当やっぱりこれ広くとらえて、世界遺産をこう、いろんな難しい問題ありますけど、今、全市的に、例えばごみだってどうなのかとか、例えばですけど、ちょっと広過ぎるかもしれませんけど、そういうことだってやっぱり鎌倉、世界遺産都市として考えた場合どうなのかとかいう問題もありますから、そういう直接的に世界遺産登載に向けたもの、と同時に、その他のこともありますけれど、広くまちづくりに資する取り組みに世界遺産登載がなるような、ぜひそういう体制として位置づけてもらえたらいいなと思っているんですけど、そのあたりの認識はいかがでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  推進本部の設置につきましては、委員さんの方のお話ございましたように、推薦準備に向けた取り組みにまず関連して、必要な全庁的な総合調整を図っていくということが第一義であろうというふうに考えております。それによって、推薦準備を計画的に進めていきたいとするものでございます。当然、バッファーゾーンの関係等、まちづくりに関連することも課題になります。そうしたことも推進本部を通じてそういったセクションと十分調整し連携を図りながら進めていきたいと。バッファーゾーンに限らず推薦準備を進めていくための課題が、全庁的に協議・連携をもって図られていくことにより、そうした世界遺産を契機にした取り組みについては共通の理解が得られていくだろうというふうには期待しているところでございます。
 
○高野 委員  ちょっと抽象的な質問で申しわけなかったんですけど、要するに今市民の皆さんの中にも、何が世界遺産だと、言い方は悪いですけどこういう声も、私、旧市内に住んでいますけど、少なからずあるんですね、やっぱり。それはやっぱり市民憲章にも立派なこと書いてあるし、基本構想にも古都としての風格と、立派なことを書いてあると。それを具体化していく、ある意味高めていく具体的な作業が私は世界遺産登録じゃないかと思うんですね。これを契機に、今の御説明もあったような、対象候補遺産をきちんと保存管理していくということと同時に、まちづくりとしてのもの、きょうは所管が世界遺産ですからそれ以上聞きませんけど、そういう問題意識でぜひ取り組んでいただきたいということで、ほかの部ともぜひそういう連携を図っていただきたいというのが一つ。
 それから、推進協議会ですか、これは7月をめどにというお話が今ありましたけど、そうすると、これはどういう範囲で、もう具体的ですね、7月というと、どういう範囲でこれは構成しようということで今声をかけているというか、検討されているんでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  推進協議会の構成でございますが、提言の中にも広く市民と一体となってということが言われております。特に、世界遺産というようなジャンルだけにこだわったことなく、幅広い市民の方々に、当面は各団体を対象に覚書をさせていただきたいというふうに考えております。
 
○高野 委員  それは幅広く、どのぐらい、数でまだあれかもしれない。相当な、数で言うと大体どういう感じでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  今、事務局が準備を進めている中では、最終的に60から70ぐらいの団体からなる構成になるものというふうには想定をしております。
 
○高野 委員  そうしたこれから、じゃあ個々に打診していって、7月中に大体確定させていくということなのか、大体もう内諾を得ているのか。どういう状況ですか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  推進協議会につきましては、市が設置するということではなく、市と市民が一体となって設置をしていくという考え方の中で、基本的には呼びかけ人という方々、中心になっていただくような方々、何名かでもって呼びかけ文、通知をそういった団体に送付すると。場合によっては、持ってお伺いして、そこで説明しながら参加を呼びかけていくという形でございます。基本的に、そういう呼びかけ人の方々との協議につきましては今調って、7月中に設立していこうということの方針は出ております。そういった市内の団体の方々につきましては、まさに今これから、呼びかけを開始していきたいという状態でございます。
 
○高野 委員  わかりました。とてもスタート地点が、やはりこういうのはとても大事だと思いますんで、よろしくお願いしたいと思います。
 あと、私も余りこの分野、松中委員みたいに詳しくなくて恐縮なんですけど、ちょっと切通のこと、ちょっと気になっているんですね。まず名越の切通、これは逗子市さんの部分がほとんどで、私、比較的近いこともあって、ちょっと歩いてきたんですね。逗子市さんの学芸員の方の説明を受けて。保存管理計画、向こうはかなり事業進んでいるものですから聞いてきて、それはかなり、パンフレットも今あるんですけどね、かなり具体的に、私も素人なものですから、ロックボルトを入れて岩を安定させているとか、あと、薬というんですかね、グラウトというんですか、これ、そういう薬のようなものを入れてやっているだとか、非常に工夫して崩れないようにというか、安定させるためにやっているという。切岸だとかやぐら群だとかいろいろ見せてもらったんですけど、これは逗子がかなり進んでいるなと思ったものですから、鎌倉市の部分少ないですけど、これは今後はそういう逗子市とも十分連携を図って歩調を合わせるというか、そういう形でぜひ、一番やはり切通の中でもよさを残しているところだとも思いますんで、そういうふうに思うんですけど、抽象的で済みませんけど、どうでしょうか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  確かに名越の切通は行政界またいで史跡指定となっております。鎌倉側は指定範囲が少し狭いんですけれども、この部分につきましては、平成8年度に実施しました山稜部の詳細分布調査や発掘調査を行っております。その結果、名越の切通の周辺の山稜部、鎌倉市側にもいろんな遺構が発見されております。今、追加指定につきましては、そういった遺構を取り囲む、そういった遺構を含んで、切通という歴史的な遺産といいますか、遺構がきちんと価値の表明ができるというような考え方の中で、鎌倉側についても追加指定、かなり広範囲の追加指定を予定をしております。
 ただ、あと御指摘の逗子市さんとの関係につきましては、当然に協議が必要なものということで、既に県市連絡会等の組織もございます。そうした中で、今後もさらに協議を進めていきたいというふうには考えております。
 
○高野 委員  あと、朝比奈切通についてなんですけれども、これも十二所の地元の方から、私、議員になる前から聞いている声ですけど、あそこもかなり、昔、よさを残したところなんですが、土地所有の関係があるんですかね、物置みたいなのが置いてあるだとか、そういう声聞いたんですよ。道に、確かに置いてあったんです、今はちょっとどうかあれですけど。ほかにも、いろいろなトラック通るだとか、管理状況がやっぱりこれ問題じゃないかということで、世界遺産というのだったら、本気でこういうのに取り組んでもらいたいと、こういうことも少なからず聞いていて、これからそういう意味では保存管理計画、具体化していくということで、ぜひこういう問題も念頭に置いて、ここも非常に私、切通歩きましたけど、非常に大事な、昔のよさというか、残したところだと思いますので、こういう問題意識も一つ持ってお願いしたいと思うんですけど。これも抽象的で済みません。
 
○世界遺産登録推進担当課長  今、小屋のようなものという中段のところは太刀洗のところの和田のところだと思うんですが、道のそちら側については、史跡指定の範囲外のエリアでございます。朝比奈の切通につきましては指定は非常に古くございまして、通常、史跡指定というのは地番をもって行うのが通例なんですが、道の範囲、何メーターというような、かなり乱暴なといいますか、当時はそういうような形での史跡指定をしておりました。今回、山稜部の周辺の調査をする中で、周辺の土木遺構を取り囲む形、それと、そういう中で範囲を拡大して追加指定をしていくというふうに整理をしていきたいというふうに考えています。また、そういった管理の問題につきましては、保存管理計画の中で十分検討をしていきたいというふうに考えておるものです。
 
○高野 委員  この点についても、ぜひよろしくお願いしたいと思います。あと、バッファーゾーンについてですけど、これはバッファーゾーンになるから、新しい何か、特段の規制ができるというのではなくて、今、資料の中にもございましたけれども、既存のルール、また景観法だとか景観条例もこれから策定していく。そういうものを幅広くフル活用していく中で図っていくということですけど、これ、古都法については、これは6条ということですか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  古都法については、基本的には6条を想定をしております。ただ、古都法と風致地区条例は基本的にはオーバーラップして指定をされておりますので、古都4条地区も風致地区との兼ね合いの中でバッファーゾーンのエリアになっていくというふうには考えております。
 
○高野 委員  これ以上聞きませんけども、先ほど冒頭に申し上げましたように、このバッファーゾーンの関係でも、高度地区もこれからまた、いろいろ検討もされる。景観地区もこれまでよりも、かなり、私の印象では実効性のあるものになるだろうと。地元の市民の合意が大事だなと思いますけど、そういう中で、ぜひこの世界遺産を一つの鎌倉らしいまちづくり、鎌倉は、本当に私も来て、本当に独自の日本に一つしかない特徴を持った地域だと思いますから、そういう、関連部局とよく調整の上、市民周知も図りながら、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 
○高橋 委員長  ほかに。よろしいですか。
                  (「なし」の声あり)
 ちょっと申しわけないんですけど、1点だけ私の方から伺います。
 一番古い神社が荏柄天神ということで、これは対象になっているんですけれども、一番古いお寺が杉本寺というふうに聞いておるんですが、そこは入ってないんですね。
 
○世界遺産登録推進担当課長  杉本寺様は奈良時代の創建と伝えられます、天台宗の古いお寺さんで、鎌倉最古の霊場とも言われ、武家の尊敬も集めていましたが、今回、世界遺産登録のコンセプトをまとめる中では、武家のつくった政権都市と、またその独自の都市構造を示すというような視点で、候補遺産を選定していこうと。あくまで世界遺産登録を目指す一つのストーリーを構成する遺産という位置づけの中で選考していくという作業をしている中では、ちょっとコンセプト上の…。議論には上がった、もちろん当然議論をされたんですけれども、そういう考え方が現段階ではされているということでございます。
 
○高橋 委員長  永福寺の史跡の中に、杉本寺の所有地があるんですね。ひょっとするとそこまでずっと広かったのかなという、そういうあれではないんですか。全く飛び地みたいな形で永福寺の中に杉本寺の土地があるということなんですか。
 
○世界遺産登録推進担当課長  それは飛び地としてあるというようなことでございます。
 
○高橋 委員長  わかりました。ほかになければ、質疑を打ち切ります。
 ただいまの報告、了承ということで確認をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 はい。了承ということで確認をさせていただきました。
 
○高橋 委員長  議事の都合により、暫時休憩いたします。
               (16時33分休憩   16時34分再開)
  ────────── 〇 ─────────────────── 〇 ──────────
 
○高橋 委員長  それでは再開をいたします。
 日程第5「閉会中継続審査案件について」事務局の方からお願いいたします。
 
○事務局  2月定例会において継続審査となっております陳情3件の取り扱いについて、御協議をお願いします。
 
○高橋 委員長  一応、何か、3件ぐらいだから言ってもらいましょうかね。
 
○事務局  陳情3件の内容ですが、平成17年度陳情第4号義務教育費国庫負担制度の堅持に関する陳情。2点目が、平成17年度陳情第6号地方の財政力を強化し、義務教育費国庫負担制度を堅持することについての陳情。三つ目が、平成17年度陳情第13号国・県に私学助成制度の充実を求める意見書の採択と鎌倉市の私学助成制度拡充についての陳情。以上、3件でございます。
 
○高橋 委員長  以上、3件ですが、引き続き継続審査案件ということで確認をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                  (「はい」の声あり)
 はい。それでは確認をさせていただきました。
 
○事務局  ただいま確認されました陳情3件につきまして、最終本会議において、閉会中継続審査要求を行うことについて御確認をお願いいたします。
 
○高橋 委員長  そういうことで確認をさせていただきたいと思います。
                  (「はい」の声あり)
  ────────── 〇 ─────────────────── 〇 ──────────
 
○高橋 委員長  日程第6「その他」ということで、次回の委員会ですね。開催日について事務局の方からお願いします。
 
○事務局  事務局案を提示させていただきます。6月22日木曜日、午前10時、場所は議会第2委員会室ということで提示させていただきたいと思いますが、確認をお願いします。
 
○高橋 委員長  ちょっと部屋の都合もありますので、一応事務局案でやらせていただければと思います。
                  (「はい」の声あり)
 それでは、次回は6月22日木曜日、午前10時から議会第2委員会室で開催をしたいと思います。
 以上でありますが、何かありますか。
 
○前川 委員  きょうのように視察に行くということが事前にわかっていたら、一言こちらの方にも言っておいていただきたいなと。服装の関係もありますし、時間的な読みもありますので、申しわけないんですが、正副で諮るときに諮っていただけたらありがたいなと思います。よろしくお願いいたします。
 
○高橋 委員長  ちょっと、きょうは正副でチームワークが悪かったものですから、次回から気をつけていきたいと思います。
 それで、もうこれで終わりますけれども、実は今回、今年度の視察についても諮るようにしようかとも話が出たんですけれども、今議会で改選がありますので、一応改選が終わったときに、最終日に多分もう一度新たな委員会が招集されますので、そのときに日程等含めてお諮りいただくというふうなことにさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。
 大変長くなりました。これをもちまして文教常任委員会を閉会させていただきます。お疲れさまでした。
 以上で本日は閉会した。


 以上は、会議の顛末を記録し、事実と相違ないことを証する。

   平成18年6月12日

             文教常任委員長

                 委 員