○議事日程
平成18年 6月定例会
鎌倉市議会6月定例会会議録(2)
平成18年6月8日(木曜日)
〇出席議員 27名
1番 千 一 議員
2番 早稲田 夕 季 議員
3番 久 坂 くにえ 議員
5番 納 所 輝 次 議員
6番 原 桂 議員
7番 萩 原 栄 枝 議員
8番 石 川 寿 美 議員
9番 本 田 達 也 議員
10番 岡 田 和 則 議員
11番 山 田 直 人 議員
12番 渡 邊 隆 議員
13番 前 川 綾 子 議員
14番 大 石 和 久 議員
15番 松 尾 崇 議員
16番 三 輪 裕美子 議員
17番 小田嶋 敏 浩 議員
18番 高 野 洋 一 議員
19番 高 橋 浩 司 議員
20番 中 村 聡一郎 議員
21番 助 川 邦 男 議員
22番 野 村 修 平 議員
23番 伊 東 正 博 議員
24番 藤 田 紀 子 議員
25番 松 中 健 治 議員
26番 森 川 千 鶴 議員
27番 吉 岡 和 江 議員
28番 赤 松 正 博 議員
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〇欠席議員 1名
4番 白 倉 重 治 議員
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〇議会事務局出席者
事務局長 石 井 潔
次長 磯 野 則 雄
次長補佐 福 島 保 正
次長補佐 小 島 俊 昭
議事調査担当担当係長原 田 哲 朗
議事調査担当担当係長鈴 木 晴 久
議事調査担当担当係長久 保 輝 明
書記 成 沢 仁 詩
書記 小 林 瑞 幸
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〇理事者側説明者
番外 1 番 石 渡 徳 一 市長
番外 2 番 佐 野 信 一 助役
番外 5 番 戸 原 耕 蔵 経営企画部長
番外 6 番 辻 正 行革推進担当担当部長
番外 7 番 原 節 子 世界遺産登録推進担当担当部長
番外 11 番 進 藤 豊 市民経済部長
番外 12 番 石 井 和 子 こども部長
番外 13 番 小 川 研 一 健康福祉部長
番外 15 番 安 田 浩 二 景観部長
番外 16 番 高 橋 保 信 都市計画部長
番外 17 番 石 川 吉 見 都市整備部長
番外 18 番 伊 藤 文 男 拠点整備部長
番外 19 番 浦 靖 幸 消防長
番外 20 番 熊 代 徳 彦 教育長
番外 21 番 小野田 清 教育総務部長
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〇議事日程
鎌倉市議会6月定例会議事日程(2)
平成18年6月8日 午前10時開議
1 諸般の報告
2 一般質問
3 議案第13号 平成18年度鎌倉市老人保健医療事業特別会計補正予算に関 市 長 提 出
する専決処分の承認について
4 議案第4号 市道路線の認定について 同 上
5 議案第5号 不動産の取得について 同 上
6 議案第6号 慰謝料等調停事件の和解について 同 上
7 議案第10号 鎌倉市議会議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関 同 上
する条例の一部を改正する条例の制定について
8 議案第11号 鎌倉市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について 同 上
9 議案第7号 鎌倉市職員の給与に関する条例及び鎌倉市任期付職員の採 ┐
用等に関する条例の一部を改正する条例の制定について │
議案第8号 鎌倉市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する │同 上
条例の制定について │
議案第9号 鎌倉市職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 │
の制定について ┘
10 議案第12号 平成18年度鎌倉市一般会計補正予算(第1号) 同 上
11 議会議案第1号 教育基本法改正の慎重審議を求めることに関する意見書の 久坂くにえ議員
提出について 外3名提出
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〇本日の会議に付した事件
1 諸般の報告
2 一般質問
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鎌倉市議会6月定例会諸般の報告 (2)
平成18年6月8日
1 6 月 7 日 久坂くにえ議員外3名から、次の議案の提出を受けた。
議会議案第1号 教育基本法改正の慎重審議を求めることに関する意見書の提出について
2 陳情1件を陳情一覧表のとおり受理し、付託一覧表のとおり総務常任委員会に付託した。
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平成18年鎌倉市議会6月定例会
陳情一覧表(2)
┌─────┬────────────────────┬────────────────────┐
│受理年月日│ 件 名 │ 提 出 者 │
├─────┼────┬───────────────┼────────────────────┤
│ 18.6.6 │陳 情│利息制限法及び出資法の上限金利│ │
│ │第 3 号│引き下げ等、「利息制限法」及び│ │
│ │ │「出資の受け入れ、預り金及び金│横浜市中区吉浜町1番地 │
│ │ │利等の取締りに関する法律」並び│神奈川県司法書士会 │
│ │ │に「貸金業の規制等に関する法律│会 長 鯨 井 康 夫 │
│ │ │」の改正を求めることに関する意│ │
│ │ │見書提出についての陳情 │ │
└─────┴────┴───────────────┴────────────────────┘
付託一覧表(2)
┌─────┬─────┬───────────────────────────────────┐
│付託年月日│付 託 先│ 件 名 │
├─────┼─────┼────┬──────────────────────────────┤
│ 18.6.8 │総 務│陳 情│利息制限法及び出資法の上限金利引き下げ等、「利息制限法」及び│
│ │常任委員会│第 3 号│「出資の受け入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」並び│
│ │ │ │に「貸金業の規制等に関する法律」の改正を求めることに関する意│
│ │ │ │見書提出についての陳情 │
└─────┴─────┴────┴──────────────────────────────┘
(出席議員 26名)
(10時00分 開議)
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○副議長(藤田紀子議員) 定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。
ここで申し上げます。白倉議長、事故あるため、副議長の私が議長の職務を行います。
本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。11番 山田直人議員、12番 渡邊隆議員、13番 前川綾子議員にお願いいたします。
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○副議長(藤田紀子議員) 日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
お手元に配付いたしました印刷物のとおりでありますが、本日の会議に遅刻及び欠席の届け出がありますので、局長から報告させます。
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○石井潔 事務局長 白倉重治議員から病気のため欠席、岡田和則議員から所用のため遅刻する旨の届け出がそれぞれございましたので、御報告いたします。
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○副議長(藤田紀子議員) ただいまの報告に御質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
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○副議長(藤田紀子議員) 日程第2「一般質問」を昨日に引き続き行います。
まず、吉岡和江議員の発言を許可いたします。
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○27番(吉岡和江議員) おはようございます。きのうは遅くまでの、きょうは1番バッターで、張り切って頑張りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
今まで、きょうは通告に従いまして、福祉の充実、特に障害者自立支援法の関連で質問させていただきたいと思います。ぜひ、今障害者の実態踏まえまして、市長や関係部長の前向きな答弁をお願いしたいと思います。
障害者自立支援法は、4月からスタートいたしました。措置制度から本人利用責任という支援費制度が15年に始まって、たった3年間で支援費制度も総括を行うことなく、今度は自立支援法になったわけでございます。地域で障害者の皆さんが普通の生活をしたい、自立して暮らしていきたい。そして、そういう自立という名前でのかけ声は大変いいことなのでございますが、実際サービスは不足、施設関係者や家族等の献身で成り立っているのが実態だと思います。
実態は、自立どころか、障害者家族の切り捨てではないかという、今、悲鳴が聞こえてきております。障害者当事者が、そして関係者が反対していたのにもかかわらず、与党の多数で採択されました。そして、実施まで大変わずかな時間しかなく、全国的には多くの市町村で、担当者さえ内容がわからず、現場は大変混乱しております。準備不足、応益負担導入による負担増、報酬切り下げによる事業所の経営難など、大変な困難が今もたらされております。きょうされんという障害者団体の皆さんが4月3日に発表した調査結果では、自立支援法の影響で退所の意思を表明してる人、また既に退所した人は124人、退所を検討している人は205人で、合計329人とされ、さらに今、またふえ続けていると聞いております。これは回答のあった施設、事業所の在籍数の2.58%にも上るもので、サービスを低下させないという政府答弁に反して、低下どころかサービスを受けられなくなっている、こういう実態が今浮き彫りになってきているのではないかと思います。
さらに、3月に立ち上げられた厚生労働省の有識者会議では、介護保険と障害者福祉の統合、20歳以上のすべての国民を対象とする被保険者範囲の拡大などの議論が既に始まっております。また、介護保険では、2割負担という声も今検討がされているという状況でございます。この問題については2009年度から実施を目指すというスケジュールで動き出そうとしております。介護保険も、今、介護保険料の大幅な値上げ、新予防給付移行でのプランづくりやサービス体制の不足など、現場では問題が噴出してきております。介護保険の問題は、いずれ若年を含めた障害者家族にさらに輪をかけてもたらされる困難が予想されております。
自立支援法では、サービス支給決定は、当面は支援費制度に基づくみなし支給決定で、新制度での支給決定や事業者との契約は10月から、ただし、施設サービスについては、おおむね5年かけて移行するとされております。しかし、1割の応益負担は4月から実施されるなど、変則的なスケジュールであることも事態を一層複雑にしてると思います。
そこで、この間、この問題点については、昨年の6月の議会でも質問いたしましたし、問題点を指摘してきたところでございますが、現状、今度の障害者自立支援法では、今までサービス利用者の約95%から96%が利用料ゼロだったと、その中で1割負担、応益負担が導入されたわけでございますが、今、4月になりまして、具体的に応能負担から応益負担にかわって、具体的に今国は減免制度が幾つかあるというんですが、今、具体的に減免制度の申請と認定状況について、まず伺いたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 一番直近の数字で申し上げたいと思っておりまして、5月22日現在なんでありますけれども、利用者を決定した人数でありますけれども、全部で668名いらっしゃいます。利用負担なしの生保世帯が25人です。それから低所得1のランクの人が93名、それから低所得2のランクの人が162名、それ以外の一般の方が388名でありました。
それから、減免の申請状況でありますけれども、今時点でですね、個別減免が全部で82件ですね、それから補足給付の減免が76件、社会福祉減免が今のところ13件と、こういう数字になっております。
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○27番(吉岡和江議員) 現状の減免の状況がわかったわけですけれども、実際、今、国が上限を設定して、低所得者減免は行うんだということで行われたわけでございますけれども、今、減免の現状わかりましたけれども、市民生活の実態っていうのがね、今どうなってるかということで、ちょっとお尋ねしたいと思います。
税金控除の縮小や、今、介護保険料の値上げ、また政府の統計でも、国民の所得が6年間減り続けているということは発表されてわかっております。今、国民健康保険のところで加入者の実態、その中での所得の割合、所得階層の問題、それから加入者、短期証発行数とか滞納者とか、所得変化、そこでの状況はどうなっているのかお尋ねしたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 17年中の国保加入者の所得状況でお答えしたいと思います。
全加入者の所得金額でお話ししますと、前年比で約7.8%増加したと。具体的には696億から750億へ54億、約7.8%の増加でありました。この増加した所得のうち、約8割前後が年間所得で800万以上の所得の方、この800万というのは、国保で言う53万の限度額に達する人という、その収入のラインでありますけれども、800万以上の人の所得層、それからさらに、年間所得で1,200万を超える、そういう高額所得者層による、そういう要因が多かったのではないかと、こう受けとめております。
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○27番(吉岡和江議員) 今、市県民税などについても、鎌倉市の収入が今年度は確かにふえたということでございますけれども、市県民税の担当のところに伺いますと、それぞれの所得別の、どのぐらいふえたのかということについての統計は7月にならなきゃわからないということなのでね、国保の方に伺ったわけですが、実際、国保の加入者の所得が確かに17年度と比べて、今7.8%ふえたということなんですが、ふえた階層のところを見ますと、800万円以上、国民健康保険ですと、53万が保険料の限度額になっておりますが、その階層のところが約8割で、今所得がふえてるという実態だと思います。圧倒的に、今、所得の低い方たちのところはむしろ今厳しくなってるのではないかなという、私は実態だと思います。
今、障害者の自立支援法の問題では、利用者の、先ほども申しましたが、95%が利用料無料だったと、支援費のときには、そして自立支援法になり、利用料が4月から1割負担となったと、先ほどの申請の減免のところを伺いますと、5月22日現在で668人の中で、一般、減免が受けられていない世帯が388人ということで、やはり軽減なしが約6割にも及んでいるのではないかという実態だと思います。そして、今軽減をされたというところで、低所得者1減免のところは、非課税世帯で年収80万円以下が低所得者1の減免制度のところでございますが、そこも利用料の月額上限が1万5,000円とされております。年収80万円以下の人にとって、無料からいきなり、年間18万円の負担というのは、本当に負担していただかねばいけないという一言で済むような中身ではないのではないでしょうか。
そして、この年収80万円以下のこと、低所得者1は、年金では、障害者年金では、2級、障害者年金2級、月6万6,000円をイメージして決めていると思われます。障害者年金2級ですと、年収約79万2,000円でございますけれども、その方たちをイメージしてるわけでございますが、実際は福祉手当や工賃などが含まれますと、やっぱり80万を超えることもあると。ですから、低所得者1の減免は受けられないという実態もあるかもしれません。そして、障害が重ければ重いほどは負担が重くなるという実態も明らかでございます。そういう中では、大変過酷な制度ではないかと。実際に、今、4月になって、減免制度を受けられた方が4割を欠けるという状況の中で、やはり市としてですね、独自のやっぱり減免制度も考えていかなければいけないのではないかと、私提案してきたところでございます。
今度、自立支援法の提供主体が市町村になりました。自治事務としては市町村になりました。そういう点で、市町村の責任が大変問われている中身だと私は思っております。市長の政治責任というんですか、やはりそういう点ては、どこの市町村に住んでいる方でもね、同じようなサービスが受けられなければいけないという点では、国の責任はもちろん大きなものがあるということは承知しておりますが、やはり国に対して、この実態を踏まえて、本当に応益負担でいいのかという点では、制度のね、見直しを求めていかなければ当然いけないと思いますが、市としてですね、このような市民の生活実態や、それから減免の実態を踏まえまして、市としてですね、独自減免をすべきだと、改めて思うんですけれども、市としての見解を伺いたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 特に低所得者対策というふうに私ども受けとめております。低所得者1の方、あるいは2の方、そうした方を中心に、今後どうした軽減措置が必要なのかということを検討していく必要があると、こう考えております。
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○27番(吉岡和江議員) これは、きょうされんの調査では、3月末現在では、128自治体で利用料や医療費の独自の軽減策が設けられました。さらに、5月末現在では、ふえまして、244市町村、8都府県、東京、京都、広島、横浜などで、今、独自減免制度が設けられております。実際に、この減免制度の中身を見ますと、荒川区の場合はですね、所得制限を設けずに、在宅の障害者の全サービスの利用者負担を3%に軽減する。また、在宅サービスでサービス利用料が多い重度の障害者について、月額負担上限額を半減に軽減する、住民税課税世帯の障害者の通所施設での食事代を国基準の半減にする。そして、区当局がこの制度を導入するに当たって説明してる中身は非常に大事な中身だと思います。それは、在宅サービス利用の利用者については、1、収入の認定範囲は本人から同一世帯に拡大されているが、家計の実態はこれまでと変わらないこと、2番目として、現在、ほとんど利用者負担が無料であることを踏まえると、国及び都の利用負担軽減策のみでは家計に与える影響は極めて大きいと説明し、こういう制度を導入したということでございます。
今、具体的には制度を導入していきたいということでございますが、やはり実態は京都などでも、実際、減免制度を実施したところでもですね、今まで無料だった方にしてみれば、非常に、まだまだ重いというのが実態でございます。そういう点では、中身の問題なんですけれども、やはり荒川区の場合には、そういう実態を踏まえて、所得制限なしで在宅サービス、全サービスに3%などを設けてるわけですが、市長としてですね、やはりこの実態、今の実態を踏まえまして、少なくとも低所得者は上限を設けて配慮すると言っておりますけれども、3万7,200円という、一般の場合ですと払わなければいけない。それ以外に、食事代、それから日常的な生活費も払わなければいけないと、そういう点で、少なくとも、この軽減制度については、すべての対象者が減免制度の申請ができるように、きめ細かな対策が必要だと思う。それと、非課税世帯及び課税世帯も含めて1割負担分の軽減制度を講じる。その辺での確立が必要だと思います。
そういう点で、市長としてね、やはり実態を踏まえた上で中身ですね、軽減制度をつくるということは非常に評価いたしますけれども、中身としては、こういう実態を踏まえて、市長としてのやはり政治姿勢が問われるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
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○石渡徳一 市長 議員さん御指摘のとおり、地方公共団体の責任というものを私も痛感いたしておるところでございます。
先ほど部長から御答弁申し上げましたが、鎌倉市独自の軽減措置につきましては、低所得者、これを対象といたしまして、できるだけ早いうちに結論を出してまいりたいと、このように考えております。
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○27番(吉岡和江議員) 具体的な例で申しますとね、低所得者というのは、今、市県民税ゼロ世帯というのが低所得者という、今、考え方でやられておりますけれども、実際に、支援費制度のときにはですね、居宅の場合は18区分の階層別の利用料になっておりました。施設の場合は40区分の階層別の利用料になっておりました。そして、東京都などでいろいろ考えておりますのは、例えば低所得者といいますと、市県民税ゼロ世帯ということだけをイメージしてるのかなと思うのですが、実際には、住民税、所得税課税、所得税年額14万以下のところについては、荒川、千代田区などについては利用料減免を行っているとかやっております。その辺では、低所得者という中身についてもですね、今、税制控除がだんだん低くなりましてね、低所得者という実態自身が今非常に厳しくなってるということを踏まえますと、やはり生活実態に合った、特に重度の方はひどい利用料になってくわけですから、その辺はもう少しきめ細かな実態を踏まえていただきたいと、そういう点で低所得者というところをね、概念なんですけれども、やはり今の概念は市県民税ゼロということが概念の一つになってると思いますが、その幅をもう少し考えていただくということも含めまして、検討いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
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○石渡徳一 市長 議員の皆様方からの御意見はもとよりでございますが、現場の声あるいは現在計画を策定中でございますので、さまざまな御意見が寄せられておるところでございます。そういった声も踏まえまして、できるだけ早いうちに結論を出してまいりたいと、このように考えております。
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○27番(吉岡和江議員) この障害者自立支援法によりまして、国の障害者の負担が700億軽減されてるわけです。そして今、利用料負担が1割ということになりますと、鎌倉市が今公費で負担してた分も結果的に減るわけでございます。やはり福祉の水準を低めるのではなく、やはり福祉の実態を踏まえまして、やはり1割負担に即行くのではなく、やっぱり軽減措置をとるべきだと私は改めて思うんです。今、1割負担になったことによりましてね、鎌倉市がどれだけ財政負担が軽減されたかっていうことについては、まだ計算されてるのかどうか、そこら辺だけちょっと伺っときます。
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○小川研一 健康福祉部長 申しわけありません。まだ、4月、5月の実態のこの件数だけ把握しておりまして、具体的にどういうふうにプラス・マイナスがあるかというところまではまだ把握しておりません。
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○27番(吉岡和江議員) 現実に1割負担になるということは、完全にそれは公費負担が減ってるということでございますので、やはり市民の実態を踏まえまして、利用料減免については、本当に状況をつかんで実りあるもの、これこそ市長の政治姿勢が問われると私は思っておりますので、その辺は具体的にどういう中身になるのか見守りたいと思います。
また、児童についてでございます。児童についても、通所施設利用料は10月から1割負担となります。今、一般、先ほどの軽減の問題でも市県民税ゼロ世帯が低1、低2の減免ですので、一般ということになりますと、特に児童を抱えていらっしゃる方は、若年層は、就労はしていて、多分市県民税ゼロ世帯には多分なっていないと思います。多くが課税世帯になってると思います。これは次世代育成の観点で、保護者の費用負担は、やはり子育て期にあるということで、しかも障害のあるお子さんを育てているということを勘案して、この支援費制度では成人と異なる上限を設定した応能負担額表がつくられておりました。そして、子供への必要な療育を保障するために、無料または最低でも、この応能負担にする必要があるんではないかと思うんですね。そういう点で、特に、成人の問題は、先ほど利用料負担の一般的なことでお尋ねいたしましたけれども、特にこの児童についての利用料の問題については、やはり実態を踏まえて、療育という観点からも、利用料の問題についてですね、少なくとも、最低でも、無料が本当は一番いいんですが、最低でも応能負担にするという考えでね、検討していただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 具体的にはあおぞら園に通園されてる子供さんが多いかなと、こう思っておりますけれども、いずれにしましても、10月からどういうふうな施設になるのかということも一つあります。1割負担の、その内容がどうなるのかということもちょっと見きわめて、それから判断していく必要があると、こう思っております。
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○27番(吉岡和江議員) 障害者の皆さんと、今策定委員会の方との懇談があって、いろいろそのときにも訴えられてたと思うんですけれども、実際に、お子さん方をあおぞら園に通わせている方も、できれば幼稚園、皆さんね、日常的に、例えば学校に通う場合にも、地域のお子さんとの交流をしたいという点で幼稚園に通わせたり、働いてる方は保育園に通わせたりということで、すると二重の負担になるわけですね。ですから、やはりお母さんたちは、できれば幼稚園でもいろんなお母さんとの交流をしたいと。そのためには二重の負担になるということも勘案いたしましてね、今保育園や幼稚園に通ってる方に対しては、障害児保育運営費補助金というのが月2万1,000円は出ておりますけれども、それはもっと経済的なやっぱり支援がですね、必要ではないかと、その辺もぜひ検討の課題にしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 現実にどの程度の人数の方がですね、そうした両方費用を払ってるということも含めまして、ちょっと調べたいと、こう思っております。それからどうするか考えていきたいと、こう考えております。
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○27番(吉岡和江議員) その辺はぜひですね、考えていただきたい。
それと、この利用料軽減問題についてはですね、前の質問の答弁では、策定、障害者の計画を策定する中で検討していきたいというふうな答弁だったと思うんですが、やはり今実際に1割負担になりまして、市の公費負担が軽減されてるということを考えますとね、やはり私は途中ででもですね、今年度、補正予算組んででも、やはりぜひやってもらいたいと、そのぐらいの今実態が大変な実態だと。実際には、ゼロから1割負担という実態なわけですから、その辺は、せっかく検討されるというんでしたら、スピードを持ってですね、実態を把握していただいて、年度途中でもぜひやっていただきたいというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 検討を今しております。その検討を踏まえまして、できる限り早いタイミングでと、こう受けとめております。
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○27番(吉岡和江議員) 早いタイミングということは、計画づくりの後というふうには理解いたしませんで、ぜひやれるところはぜひやっていただくということでお願いしたいと思います。
今度の問題では、地域生活支援事業について伺いたいと思います。
この地域生活支援事業については、市町村独自で行う事業ということで、相当の裁量権が得られると思っております。特に、私どもいろいろな方に伺いますと、コミュニケーション、それから移動などの日常的な支援について、どうなってしまうのかと、大変不安に思われております。現行はほとんど無料で実施されて、障害者の生活には欠かせない施策であると思います。ある聴覚障害者の方のお話ですと、例えば病院に行って病状の説明を受けたいという場合にも、安心してやはり無料でサービスを受けることができるようにしてほしいと。例えば、市役所窓口への派遣もふやしてほしいとか、登録者が今12名だそうですけれど、その派遣時間が1回4,800円で謝礼金ということでね、実際、交通費が出てないと。そういう点でも、実際の聴覚障害者を支援する方たちのね、問題についてもぜひ検討してほしいと、いろんな御意見が出てるわけでございます。視覚障害者のガイドヘルパーの問題でも、所得が低い人が無料でも受けられるようにということは、やはり市町村の、今、裁量だということでございますので、その辺については、市としてはどのようなお考えなのか伺いたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 今、現時点で実施している幾つかの市の事業ですね、手話通訳ですとか、あるいは要約筆記の派遣でありますとか、日常生活の給付ですとか、あるいは外出、介護についてと、こうしたサービスを中心にやっております。私どもとしては、なるべく、できる限りそうしたサービスが低下しないようなふうに移行できればと、そういうふうに受けとめております。
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○27番(吉岡和江議員) この地域生活支援事業については、市町村の裁量が、どのような中身をやるのかも市町村の裁量で大分決められるということになっております。もちろん、財政負担の問題については、国県に対する要望というのは当然してってもらいたいと思いますが、どういうサービス、そしてどういう利用料にするかは、やはり裁量があるということでございます。そういう点でも、このコミュニケーション、移動など、これが本当に障害を持ってる方にとってね、益なのかということは、やっぱり最低限、人と話したりコミュニケーションとる、今もいろんな御意見、御要望ございます。それについては、それぞれの障害を持つ方たちによっても、いろいろな障害によっても中身が違ってまいりますけれども、少なくてもその方が地域で、やはり普通に暮らす、その第一歩としてのね、コミュニケーションや、その場についての提供、それは無料で行うように、例えば所得の多い人だったらできるけれども、所得がない人はお金によってできなくなってしまうというのではまずいわけでございまして、ぜひお願いしたいと思います。
国は、運用や費用負担について、1月にガイドラインを出しておりますが、そのガイドラインは、あくまでも技術的助言であり、できるだけ当事者の要求に沿って、市の独自性で対応するようにすべきではないかと、してもいいということで国もガイドラインを示しております。そのガイドラインはあくまでも技術基準であると、技術的な助言であると申しております。現行、利用料を徴収しているサービスで、利用料を徴収する場合、少なくとも応能負担にする。今まで無料のところは無料にする、そういう姿勢で改めて臨んでいただきたいと思いますけれども、再度でございますけれども、お願いいたします。
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○小川研一 健康福祉部長 この市独自のサービスの、有料、無料という、大変大きな課題というふうに受けとめておりまして、私どもとしてはですね、やはりサービスが低下しないということを大前提にしたいと、それからトータルで福祉サービスが後退しない、利用者に後退していただかないような、そうしたことを頭に置きながら移行できるようにしていきたいと、こう考えております。
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○27番(吉岡和江議員) 現状のサービスを低下させないということが利用料の問題ともやっぱりかかわってくるってことをね、承知していただきたいと。利用してる方の95%が利用料ゼロだったという、先ほど負担の区分割合があったわけですけれども、圧倒的にゼロのところに属してる方たちだったということをですね、踏まえまして、負担がふえないで、利用が今までどおりできるようにという、そういうことがね、今必要だと思うんです。改めて、これも市長の裁量が、やはり市の裁量が非常に大きくなってくると思いますので、市長としての、ぜひ御決意を伺いたいと思います。
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○石渡徳一 市長 今度の支援法、自立を目的にということでございます。先ほど御答弁申し上げましたとおり、地方公共団体の責任の重さ、改めて痛感してるということを思っております。
これは逆に考えれば、やはり現場に一番近い地方公共団体の裁量と申しましょうか、判断が非常に重くなってると、このように私も受けとめておるとこでございます。先ほど、部長からも御答弁申し上げましたとおり、福祉サービスが低下、またあるいは後退しないように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
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○27番(吉岡和江議員) 今度、国がガイドラインや、それから障害者福祉計画をつくる上での一つの目安みたいなものを出しておりますけれども、地域で障害者の皆さんが暮らしていくと、施設から地域にという、そういう流れはね、大変いいことだと思うんです。だけれども、その実態はどうなのかということで、特に、施設の関係のところで伺いたいと思います。
今度の中で、今、いわゆる法内施設ではありませんので、言葉としては無認可ということでいきますと、今、地域作業所がたくさん身体障害者も、それから精神の方も、作業所の方が相当支えてくださっているわけでございます。そういう点では、この作業所が法内サービスに移行しなさいよということで、計画の中では出されてきております。今、国の、これは調査ではたしか8万カ所ですか、それを23年度までには作業所を1万にしていこうという案なんですけれども、じゃあ、実態はどうなのかという点で、作業所の方たちは、大変不安に思っております。先ほどの地域活動支援センター事業などについて、?型、?型、?型ということが今言われておりますけれども、その?型を見ますと、10人から15人ぐらいの規模で、支援費っていうんですか、単価が150万だと、それ以外に市町村がお金を出すか出さないか、その辺もはっきりしないという、運営がほんとにできるのか、どうなるのかということで、作業所の方たちは、今、法内施設に移行しようかどうかと、その辺では非常に悩んでいるというのが実態です。
私、この質問をするに当たって、市内の作業所や、それから施設や、それから御家族の方ともいろいろお話をしてまいりました。作業所の方に伺いますと、非常に温度差があるということもわかりました。確かに、今、県から作業所が法内施設に移るかどうか、そのアンケート調査が来たそうです。とっても今の状況では、もう移るということができないと、今示されてるような中身で、運営ができるかどうかもわからないと、そういう点では様子を見たいという方たちが大変多いと思いました。
それと、移らないということを出せば、それでいいのかと思っている方も、作業所もございました。そういう点では、作業所自身も、非常にこの自立支援法の中で、自分たち作業所がどうなるのかという実態がほんとにわかっていないなということを感じました。そういう点で、この作業所の方たちが今本当に実際に運営ができるのか、特に身体障害者の作業所の方たちのところを見ますと、今、家賃、お払いになってですね、普通の民家を借りて運営されてるんですけれども、実際、私もお尋ねして、大変、何というのか、広いとは言えませんよね。そこにテーブルを置いて何人かの方が、テーブルを囲んで、お茶を飲んだり、それからしてました。それと、身体障害者の皆さんですと、重度の方がもしもいらっしゃった場合には、トイレ介助も含めまして、それなりの対応が必要になってまいります。そういう点で、今、作業所から法内施設に異動できるのかどうか、運営ができるのかどうか、特に身体の方たちはそういう悩みを持っていらっしゃいます。そういう点で、市がこの作業所に対してどのようなね、対応をしていこうとするのか。やっぱり今までどおり作業所の運営を続けていくためには、県からの補助金はどうなるのか、鎌倉市の補助金はどうなるのか、その辺でも非常に不安に思っていらっしゃいます。その辺では、作業所の方たちの実態もようく把握されて、少なくとも今のまま作業所に残ってやっていきたいという方たちについては、やはり今までのような補助金をきちっと続けてもらいたい。特に、鎌倉市の家賃補助が、今まで5万円だったのが6万円になって、そういう点ではふえて助かっているけれども、大変な状況だと、そういう点では、作業所に対して、市としてはどのような認識を持って、そしてこの運営費の問題についても考えてらっしゃるか伺いたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 地域作業所、法外施設の地域作業所、鎌倉全部で15カ所ございます。身体障害者が4カ所、知的障害者6カ所、精神障害者5カ所、全部で15カ所、そこに多くの方が現実に今通ってらっしゃいます。この10月以降の法律の施行に合わせまして、この施設がどうなるのかというところを私ども今大きな課題として受けとめております。
いずれにいたしましても、実際に、そこで利用されてる方々がいらっしゃるわけですから、そうした方々がですね、10月以降にどこにも行けないというようなことがあってはならないと、私どもそう受けとめております。今後もですね、この地域作業所の方々と機会あるごとに話も進めていきたいと、こうも思っております。可能な限り不安なく移行できるような、そういうふうな対応をぜひ考えてまいりたいと、こう考えております。
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○27番(吉岡和江議員) 作業所の方がおっしゃるには、支援費制度のときにですね、小規模授産法人、いわゆる小規模法人に移行しなさいよっていう、結構誘導があったと、それで法人になれば補助金もふえてくのかなと思って、実際に異動したと。でも、実態は、途中から法人になったそうですけれども、次の年からはもうすぐに50万ずつ補助金が削られてきてしまって、大変な状況になってるということでございました。
今、小規模授産施設についても、運営は大変な状況なんですけれども、今の、法人ではない、今のこの無認可に対しても、今国が示しました地域活動支援センター事業の各事業内容、これに異動しなさいよということで、多分具体的には誘導してると思うんですけれども、その?型、?型、?型を見ましても、これで本当に運営ができるのかなっていうことは実態ではないかと思うんですね。特に、?型というのは、国庫補助加算標準額が150万円ということで、地方交付税による自治体補助事業ということで、補助額は600万ということですが、地方交付税ですから、鎌倉市ではどうなのかと。ですから、職員配置も2名以上としなさいよということでございますし、そういう点では、やはり実態に合った内容をぜひ指導していただきたいと思います。
具体的には、今、県費補助があって、その上で鎌倉市が家賃補助など出してるわけでございますが、少なくとも、県に対して、県の回答によりますと、18年度中はそのままやりますと。しかし、19年度以降がわかりませんと、はっきりとした答えがないわけですね。この補助がもしもなくなってしまいますと、本当に運営ができなくなってしまうと思うんです。ですから、鎌倉市として、今、1施設によってもA、B、Cランクで、Aは20人以上、Bが15人以上、Cが10人から15人という、枠の中で県からの補助が出てるわけでございますが、大体800万から多いところで1,000万ぐらいの補助なんですけれども、それでも、具体的には皆さんバザーをやったり、職員の皆さんがほんとに献身的なことで、今、作業所が運営されてることも事実ですし、実際に、障害者の受け皿というのがないからこそ、この作業所があるという実態なわけでございまして、そういう点で、市としてですね、少なくともこの補助をですね、維持していきたいと。やはり運営は援助していきたいという、そういう姿勢をぜひとってほしいと思うんですけど、その辺はいかがですか。
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○小川研一 健康福祉部長 ちょっと、先ほどのお答えとダブるかもしれませんけれども、いずれにしましても、今実際に利用されてる方が大勢いらっしゃいます。そうした方々がですね、今回のその法律の施行で、自立支援法の中で、地域の中で暮らしなさいということが一つ大きな命題として掲げられておりますけれども、現実に、地域の方で生活できるような体制ができていれば、それでいいのかもしれませんが、まだどうしても、まだそこまでできていないというのが実態であろうと、こう受けとめておりますので、私どもとしては、今、実際におられる方々が不安なく、10月以降も過ごしていただける、そうした体制をぜひとも今後考えていく必要があると、こう受けとめております。
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○27番(吉岡和江議員) 地域で暮らすということの一つの中にね、作業所があるわけです。実際に、法人施設は具体的には身体障害者の法人施設は、やっと、「やまなみ」ですかに、併設という形でつくられるということで、身体障害者の施設がやっと、法人施設ができてくるわけでございますけれども、それでもまだまだ足りないという実態で、市外に利用されてる方が多いわけでございます。そういう点では、この居場所づくりを確保するという意味でもですね、日中活動の居場所づくりという点では大事な役割をしてるわけでございますので、実態を踏まえて、補助も含めましてお願いしたいと思います。今の答弁だと、なかなかまだ確実にやりますよという形になってませんで、法人や、それぞれの施設の方たちが市と話し合いも持ってますね、要望も出してます。しかし、その要望に対しても、市は県の補助が打ち切られると厳しい、確かに厳しいと思うんですが、やはりそういう点では、じゃあ、施設が運営、今度できるのかどうかという点では、施設がなくなっていくということになれば、障害を持つ人たちの居場所が今度なくなっていくわけでございますよね。ですから、そういう点では、今、法内施設に移行していくっていうことの中では、もちろんいろんな問題がありますが、実際に作業所が今運営してるという実態を踏まえましてね、ぜひ市長、やはり実態を見ていただいて、やっぱりその辺は運営ができなくならないように、より充実していくようにしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
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○石渡徳一 市長 この地域作業所の重要性は私も認識をいたしておるとこでございます。したがいまして、現場の利用者の方、あるいは現場の皆様方のお声をちょうだいしながら、適切に判断をしてまいりたいというふうに考えております。
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○27番(吉岡和江議員) この地域活動の問題では、相談業務、日常的な相談業務の問題についても市町村がやはり責任を持ってやっていくということで、大事な役割だと思うんです。先ほど児童のところでも、私感じてるんですが、児童の場合には、お母さんたちが、やはり自分のお子さんの障害を受容っていうんですか、認めるのに大変時間がかかって、なかなか、何ていうんですか、難しい側面がございます。ですから、今度児童の問題についても、10月からは契約制度になるということで、大変私は心配してるわけです。支援費制度の場合にも、そういう障害を持つお母さん、子供さんたちの実態を踏まえまして、支援費制度のときにも、やはりそれは措置制度の中身を継続していった、契約ではなかったという実態もありまして、この相談業務をどうしていくのかということはね、今、相談業務については、3障害が一緒に、今度相談業務事業をですね、鎌倉市としてやっていくということで、どういうふうな取り組みにしていくかというのが私問われていくと思うんですね。その中では、鎌倉市が今行っております地域療育システム、これは今の支援費制度とか、そういうのとはかかわりなく、鎌倉市が長い間にわたって行ってきた、大変中身のあるものだと思うんですね。そして、今、その中で生まれてから障害を持つ方がずっとね、一貫して障害のサービスが受けられるような制度ということで、発達支援システムネットワークができたわけです。ですから、これは療育という立場だけではなくて、やっぱり障害を持つ皆さんが一体となって、相談体制がとれるためには、今あおぞら園があるわけですね、鎌倉市には。公設公営のあおぞら園があるわけですから、そこにいるいろいろな専門職の方がいらっしゃるわけで、そういうところを中心にですね、鎌倉市が責任を持って、やっぱり相談体制を持ってってほしいという、これは大きな障害を持つ皆さんの要望なんですね。その辺では、市としてはどのように相談業務について考えてるでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 この4月の機構改革の中でも、私どもであおぞら園と、それから旧の社会福祉課、療育相談担当を含めました社会福祉課、一緒にしまして、障害福祉課と、そういうふうな体制をとっております。あおぞら園と療育が一体となって相談できる、そういうシステムにしております。
それからもう一つは、今もお話ありましたけれども、ネットワークを一つ、今回立ち上げました。今、やり始めております。今後その相談の中身自体もですね、今後どういうふうに展開していくか、より充実した方向へぜひ持っていきたいと、こう考えております。
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○27番(吉岡和江議員) 今、精神障害者の相談業務について、今委託しておりますよね。これも結局、地域活動支援センターでは?型に異動していきなさいよという形になっております。これは、もう何ていうんですか、経過措置がなく異動しなさいよということになっております。だから、そういう点では、具体的にどうなっていくのか、やはり利用料問題についてもどうなっていくのか、そしてそこに例えば作業所には来てないけれども、そこを居場所にしている方たちも実際にいるわけで、その利用料はどうなっていくのか、運営はどうなっていくのか、やはり具体的にいろんな不安がございます。私は、やはり市がですね、障害を持つ皆さんの実態を踏まえて、そして具体的にどういうサービスが必要で、何が問題かということをやっぱり把握していく上でも、この相談業務、特に市がやっぱりこれは責任持ってやっていくと、本来なら直営でやっていくべきだと私は思ってますし、その辺はぜひ検討をしていただきたいと思っています。
これは、ある障害者を持つお父さんからお手紙いただきまして、ちょっと読ませていただきます。私は現在、31歳の自閉症及び発達障害及び知的障害等を持ち、在宅で過ごす息子の親です。自閉症児親の会のメンバーであります。先日、福祉課からアンケートをちょうだいいたしましたが、初めてのことで、鎌倉市に対しても少し期待をしております。以下、自分の希望を述べさせていただきます。老齢化していく親、そして親亡き後の体制をつくってほしい。親が元気なうちは頑張ります。しかし、それが不可能になったとき、即対応できる体制、親が子供を道連れにと考えなくてよい体制をぜひつくってほしい、具体的に要望します。ということで、ぜひケースワークのことを要望されています。
やはり、それぞれの、今は在宅で過ごされているわけなので、多分、いろんなものを利用されてないんだと思うんですね。そういう点では、こういう親御さんたちの状況が、やはり即相談でき、そしていろいろなところにケースワークして、施設やいろんな問題にも対応できるようなシステムが私は必要だと思うんです。支援費になって、契約、特に今度契約制度ということになりますと、なかなか相談に来なければそのままになってしまいますし、市がやはりこういう方たちの実態をどうつかむかということでは、すごく大事な業務になってくるんだと思います。そういう点で、ぜひ専門職の配置も含めまして、対応していくべきだと、その辺の検討をぜひしていってほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 この障害者の皆様へのサービスを決めていくときに、一番最初はまず相談であります。ここからスタートするわけであります。そこからいろいろなことが始まるわけでありまして、関係者の協議とか、あるいはサービス内容の決定とか、あるいは供給とか、フォローアップとか、いろんなことが出てくるわけです。やはり、何といっても相談からがまずスタートと、これが一番大事であろうと。それには就学前の相談もあるだろうし、あるいは進路中の相談もあるだろうし、あるいは就学後の相談、さらには社会参加とか、生活支援とか、さまざまな相談、あるいは保険とか医療の相談も含めまして、やはり相談事業というのは大変重要な位置づけを占めてくると、こう受けとめております。
今後、10月以降に、先ほどもちょっとお話出ましたが、実際に相談支援をやっている事業者がおります。そうした事業者とタイアップすることも考えております。さらには、この専門家の職員の配置ということも私ども一つの大きな命題であると、こう考えております。
いずれにしても、体制の整備も含めまして、相談、支援体制をぜひとも充実してまいりたいと、こう考えております。
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○27番(吉岡和江議員) 契約制度になりますとね、だんだん介護保険でも、高齢者の実態がわかりにくくなると。今、単価ということになりますと、実際に単価表ってんですか、そういう数字だけは出てくるんですけども、実態が非常にわかりにくくなると私は思います。ですから、実態をやはりつかむということが次の政策、有効なね、やはり政策につながっていくことと思いますので、そういう点では非常に相談業務、そして居場所づくりということでは非常に大事だということを強く求めておきたいと思います。
それと、今地域に帰るということで、自立ということで言っているわけですが、その施設の面が今どうなってるかということでございます。今、地域の、国はですね、何年か前に入所施設などの建設に対する補助をもうほとんどやらないと、結局、施設に、精神を病んでる方たちも病院から地域にと、それから施設に入所してる方たちもなるべく地域で暮らしなさいよということで、入所施設の建設を今本当に抑制してきております。今、大事にされてるのがグループホームなどなんですね。この支援費制度の中でも、小規模グループホームについての誘導がずっとされてまして、鎌倉でもグループホームが幾つかできております。それは4人とか、5人とかいう、大変小規模な、そういう点では家庭的な中身でのグループホームでございます。このグループホームが、やはり大変大事な役割をしていると思うんですけど、そういう点では、市の方も同じ認識だと思うんですけど、いかがですか。
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○小川研一 健康福祉部長 現時点で、グループホーム、障害者のグループホーム、8カ所ですか、あります。大体、4人から6人ぐらいの間の、そういう規模のグループホームがあります。やはり、地域で生活する、特に寝泊まりの場としてのグループホームということになるわけでありますから、私どもとしてもどうしても欠かせない、そういう施設でありまして、その施設があってこそ地域で、いわゆる1人で自立できる、そうしたところの居場所と、あるいは住まいの場ということで、グループホームは大変重要であると、こう受けとめております。
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○27番(吉岡和江議員) グループホームなど、施設が今どうなってきてるかということです。今までは、月単位での報酬でした。それが4月から日割り計算になったわけでございます。もちろん、利用料も日割りでございますけれども、利用料は1割負担、施設はどうなったか、グループホームなどの場合は入所施設という扱いで、日割り計算の計算式が30.4ということで計算がされて、単価が出ております。実際にグループホームでのお話を伺いましたが、自立支援法でどう変わったのかということです。一つの施設では、今までは、重度加算ということと、普通と、二つの報酬単価になっておりまして、ここの施設では、4人の方、5人で区分1の方が4人、区分2が1人ということで、月60万円の報酬が支援費のときは出てたと。今度、月単位から日割り計算になった、で、計算式そのものも非常に少なくなってしまいまして、自立支援法では毎日、だからグループホームにずっと寝泊まりっていうんですか、いらっしゃる方で、そういうふうになった場合でも、月42万円になってしまったと。今回、後で、その障害者区分の問題がありますけれども、障害者区分が今度1から6段階ということで、段階が、介護保険にだんだん移行していくというあれがあるので、そういうふうになっていくと思うんですが、今までは、区分2の場合は13万2,000円出ていたけれども、この区分2の額というのは、今度の表でいきますと、大体重度になるそうです。でも、実際にはここは知的障害の方たちの施設で、そういう重度には、どんなふうにやってもならないと。そうすると、実際は、自立支援法では、毎日来て、月42万円になってしまったと。これがですね、例えば、やはり親御さんが金曜日の日に迎えに来てね、土日は休んで、例えば月曜日に来るということになりますと、土日の分が、施設にはもちろん当然入らなくなる。
二つ目の施設は、4人の施設ですが、支援費のときには52万円出てた。今度、自立支援法になると、毎日来ていても月26万になってしまう。世話人さんは1人で、パートでやっていただいておりますけれども、特に、夕方のおふろとか、食事のそういうときだけ、1時間だけ2人体制で、後は1人でやってると。今、負担が、自立支援法になって、少なくなってしまったんで、世話人さんのパート賃金を下げたと。それでも、今度、日割り計算になったら、もうほんとやっていけないと、グループホームを存続できるかどうかと。しかも、今度30人に1人、管理者を置きなさいというふうになってると。だから、30人規模の作業所だったら、もしかしたら置けるかもしれないけれど、じゃあ、作業所30人ということ、すぐできるのかということなんですね。そういうふうに訴えられてました。それは、親御さんは、将来は親亡き後、それから自分がぐあいが悪くなったり、年とったときに、やっぱりグループホームに入れてほしいという希望はあるけれども、今すぐは、やはりなかなかできないと。昔は、グループホームに対して、ならしっていうんですか、例えば、ここのグループホームが自分に合うかどうかってことで、1週間なり2週間、そこにいてですね、できるようにという、なれて、それからグループホームに行ったというケースができたんですけども、そういう今加算もないと。だから、簡単にグループホームの人数をふやすことも今できないんだということでございました。こういうグループホームの実態についてね、つかんでらっしゃるのかどうか、いかがでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 いずれにしても、私ども4月、5月の時点でですね、すべての施設、法内、法外含めまして、100%ですね、それぞれの施設の細かな、つぶさな実態まではまだ掌握しておりません。
今後ですね、順番に、ぜひともそれぞれの施設の入りのぐあいの経過を含めまして、ぜひ把握してまいりたいと、こう考えております。
やはりグループホーム大事であります。したがいまして、私どもといたしましても、先ほどお話ししたとおりでありますけれども、何とかうまく維持できるような、そういうふうなことを考えてまいりたいと、こう思っております。
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○27番(吉岡和江議員) 今、支援費制度のときには、国の単価が6万5,000円のところを重度じゃない場合ですね、3万円、県が補助を上乗せしていたと。やはり、県の単独助成の継続もぜひお願いしたいし、それから、今、市がやっと家賃助成をしていただいたということで、本当にそういう点では助かってるということでございます。その家賃助成の分が利用者の方たちの家賃が安くなってるということにもつながっておりまして、そういう点では本当に助かってるということです。
今、先ほどのこの利用料との関係もございますけれども、グループホームに入るためには、家賃、食費なども含めますと、やはり6万ぐらいはかかるわけですね。それ以外に、これは夜間での対応です。あと日中、施設、例えば施設のデイサービスなんか受けたりする場合には、そのプラスまたそこの食費、利用料がかかるわけでして、実際には、例えば2級の年金の方、6万6,000円の年金の方も実際は、それ以上になってしまって、親の援助を受けなければやっていけない、自立どころではないというのが今の実態でして、さらに、もしもこれ補助が出なくなりますと、ますます障害者の方が自立できる道が閉ざされていってしまうという状況だと思います。そういう点では、県の単独助成の継続を要求していただくと同時に、やはり家賃助成の現行の補助の継続をやはり図っていってほしいと思うのですけど、いかがでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 私どもも可能な限りですね、今までやってきたグループホームに対する家賃助成、増額いたしましたけれども、やはりそれは可能な限り、維持をしてまいりたいと、こうも思っております。
それから、県への要請でありますけれども、これはグループホームに限らずですね、先ほど出ました地域作業所の件もありますけれども、約1,000万弱のお金を県と市で半々で出しておりますけれども、県の方にも、今県下市長会通じまして、県へ市として要望を出そうと、そういう手続をしております。いずれにしても、県の方にも引き続いて支援をお願いしたいと、こうした要請もぜひ行ってまいりたいと、こう考えております。
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○27番(吉岡和江議員) 同じようなことなんで、通所施設のことについても聞いてまいりましたので言いたいと思います。
通所施設の場合は、今、月22日で報酬単価を決めております。そして、報酬単価の割合も22日で、通所率がたしか94%で計算をしていると思います。じゃあですね、実際、今はどうなのかと。具体的にお話がありましたのは、これは後の支給決定の判断基準とのかかわりもあるんですが、特に知的障害というのは、区分、障害区分が大変低く出てしまうと、これは通所施設の、知的障害の方たちの施設の方が言ってましたけれども、自分たちでソフトを今度買ってですね、実際にやってみたと。区分判定をしてみたと。そしたら、今、施設で利用してる方たちの約4割が、いわゆる非該当になってしまうというくらい、大変な状況だと。ですから、大変区分が低く出るということは、報酬単価が低くなるということなんですね。そして、それがまず一つです。それと、この報酬単価の計算は、月22日で決めておりますけれども、考えてみていただきたいんですね。22日ということは、年間264日ということで、報酬単価を計算しているんですが、実際、祝日もあります。それから、お正月などもあります。そういうことを考えますと、大体240日、これは平均ですね、そのときの平均ですけど、240日ぐらいしか、実際は開園してないと。それなのに、単価表は22日で264日の計算で、しかも通所率が94%の通所率で、計算されてると。でも、実態はどうかということです。これは、精神障害者の方のところですが、実際に見せていただきましたら、これは通所施設とはちょっと違うんですけれども、実際に、同じような開所は大体240日前後です。毎年大体そのくらいなんですが、通所している方の割合を見ますと、やはり精神障害を持ってらっしゃるということもあると思うんですが、大体40%なんですね。ここの施設で見ましても、大変通所は、やっぱり80%から、低いところはもう少し低くなるという、そういう中で、具体的にどうなってしまうかと、利用料負担はふえて、利用者については。施設の報酬も減ってしまうと。今までは、大体900万の収入があったそうですが、今度の自立支援法で計算しますと、約600万になると。利用料が入るから、大体200万円の減収になるんではないかと、すると年間2,400万円の減収になってしまうと。ほんとにこれでは運営がやっていけない。
また、食費の分についても、人件費分が出なくなりました。だから、ここの施設の場合には、昼食をやめたと、そして今、昼食については、そこの施設として弁当をつくって、その弁当の分を工賃としてお支払いして、半分を昼食代にしているという、そういう苦肉の策でやっていらっしゃるということです。
ですから、今のままでしたら、ほんとに施設がやっていけないのではないかということをね、これは全部の施設が共通して言ってらっしゃることです。これについては、どのように認識されてますでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 施設の、その形態によっていろいろな影響が出ているのではないかと、こう受けとめております。私どもですね、これからもぜひ、この4月、5月の時点になってるわけなんですが、実際にどういうふうに動いていくか、あるいは影響がどういうふうになっているのか、改めてそれぞれ施設ごとに実態を詳細に把握して、どうしていくべきかということを次のステップで考えてまいりたいと、こう受けとめております。
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○27番(吉岡和江議員) たまたま、施設に訪問したときに、入所者の親御さんがいらしてましてね、そこでつくっている品物の、いろんな袋詰めなどを手伝っていらっしゃったんですね。すると、やはり障害を持ってらっしゃると、娘は今1カ月の半分ぐらいしか通所してないと。今までは、通所してもしなくても、施設には、報酬単価が払われていたと。今、やはり無理に行かせると精神的にもよくないし、本当に娘がね、通所しなくて本当に申しわけないと、施設に御迷惑をかけてますということでね、何か言ってらっしゃいましたけれども、結局、施設も大変になって、利用者との関係でも、非常に利害関係が出てきてしまって、非常に問題だなということを改めて感じました。そういう点では、今まで出されてきた、特に民間施設に対する県の補助金、それから市が出してる補助金なども含めまして、やはり施設の運営がこれで成り立たなくなると、障害者の皆さんが行き場がなくなるということ、それとやはり、今のままですと、賃金を下げざるを得ないということで、職員の方たちの賃金を下げるというふうなこともね、今考えざるを得ないと。ある施設は、こういうふうに言ってましたね。今、報酬単価は90%来て、1割を利用料負担ということで、だけど、利用者の方が来れなくなってしまうと、かえってよくないということで、ある施設の方は、利用料をもらわないで、何とか運営できないかと。でも、そうなった場合には、負担、今度報酬単価が80%、90%のまた下げられてしまうと、そういう選択もせざるを得ないのかということも含めて、深刻な対応を考えていらっしゃいました。ですから、利用者にしてもですね、作業所の工賃よりも、利用料の方が多くなってしまうと、何で働いてるのかと。だったら来ないようにしようかなという声もございました。
そういう点では、こういう切実な声をですね、ぜひ聞いて、市長としても、現場見ていただきたいと思うんですね。それで、これに伴う判定基準の問題が非常に大きいなと、私は思いました。今回、介護保険に移行するための一つのステップなんでしょうけれども、障害区分判定というのが行われます。2月の議会で判定委員会の条例が通ったわけでございますが、介護保険と同じように79項目、1次判定、そして障害、3障害に対して、障害についての、また判定の項目がプラスされるということでございますが、先ほども同じように話しましたけれども、介護保険も同じなんですけれどもね、どっちかというと、認知症の方たちは低く出るという傾向は前から指摘されてるところです。障害の場合、知的障害の場合は、大体食事やトイレなんかは自分でできるということになると、大変低くなってしまう。結局、該当しなくなったり、また区分も低くなる。だけれども、それぞれ障害の程度は違うわけですから、そういう点で、実態に合った支給決定になっていくようなね、仕組みが必要だと思うんですけど、その辺について、問題点とか、具体的にどうしようとしてるか、伺いたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 1次判定の項目として、今回、106項目ございます。介護認定で利用していた79項目プラス障害関係の項目として27項目加わったわけであります。これで1次判定を行うと。そして、次のステップとして2次判定、この2次判定の中で、いろいろ特記事項を書いたり、あるいは医師の意見を添えたりと、こういうようなことのステップを踏むわけであります。いろいろな声を私どもも聞いております。1次判定だけの結果がストレートに反映された場合の影響がどうなるのかというようなことも含めまして、いろいろな声を聞いております。やはり、私どもとしてはですね、今利用されてる方々のサービス、これが一つ大事であると、こう受けとめておりまして、できる限り可能な、実態に合ったサービスが受けられるようなふうにするにはどうしたらいいかということについて、これから少し考えてまいりたいと、こう思っております。
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○27番(吉岡和江議員) 今考えてるっていうのは、ちょっと本当に困ってしまうんですね。実際に、もう今、これから10月からこの支給決定に基づく支給が始まるわけでございまして、今はみなし支給になっておりますが、具体的に、この支給、障害者区分によりましてどういうサービスが受けられるかどうかということが決まるわけでございまして、そういう点では大変大事な中身でございます。先ほどもお話ししましたように、この区分の問題も絡めまして、今、施設の運営が大変、どうなるかという問題もありますし、それから障害者の皆さんが利用ができなくなる、利用制限がされてくるという問題にもつながってまいります。そういう点では、この障害者区分判定については、今、実際に利用されているサービスが受けられなくなってしまっては困る、そして、実際に必要なサービスが必要なときに受けられるようなためにも、具体的に今まで指摘されている問題ですね。実際に、知的障害とか、精神の方たちは低く出てしまうという、実態に合わない、そういう障害者区分の判定について、私は一つは2次判定での問題はもちろんありますし、御本人からの意見、家族からの意見、施設関係者からの意見、そういう方々がね、きちっと審査会に反映できるような仕組みが大事だと思っているんです。
それと、この区分判定っていうのは、一つの目安ということでね、やっぱりサービスを低下させないようなものが必要だと私は思ってるんですが、それについては、どのように考えておりますでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 私どもといたしましても、1次判定の仕組みとか、あるいは2次判定のこの制度といいましょうかね、流れっていいましょうか、それはある程度踏襲していきたいと、こう考えております。それから、今、お話ちょっとありましたけれども、1次判定の後の2次判定の時点でですね、いろいろな御意見あるいは御本人の様子、そういったことをどういうふうに反映していくかというところで、どういうふうにしていこうかと、現実にはここら辺をどうしていくかというところで、今詰めようと、こうしております。
いずれにしましても、今まで受けてたサービスがあるわけでありますから、そうしたサービスが10月1日からまるで受けられないというような方が大変多くなるということでは、私の方としても、これは立ち行かない状況になるわけでありますから、そうしたことがないような判定の仕組みを、これから少し、どういうふうにその2次判定のレベルでしていったらいいかということの部分を検討してまいらざるを得ないと、こう思っております。
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○27番(吉岡和江議員) 国はですね、障害程度区分はあくまでも給付額の基準であり、個別のケースの上限を定めるものではないとしております。そして、障害程度区分をそのまま追認する支給決定については、やっぱり問題であると私は思うんです。
ですから、現行サービス水準を落とさないような支給決定、そのためにはですね、どうしても財源保障の問題もございます。ですから、やはりいろんな問題が絡んでくるとは思います。しかし、今本当に自立と、人間らしい生活をするという点ではですね、やっぱり最低限のサービス、今までやっていたサービスは後退させないということで、この障害程度区分の決定というのは、非常にいろんな面で大事になってまいりますので、市長としても、国としては、やっぱり市町村の責任ということを非常にうたっておりますけれども、やはりそこら辺の市長の判断というのは非常に私は大きくなってくると思うんで、市長としてはいかがですか。
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○石渡徳一 市長 より実態に合った認定ができますように、市として何ができるか、早急に結論を出して、実行に移してまいりたい、このように思っております。
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○27番(吉岡和江議員) 障害児の支給決定についてはですね、これは79とか、そういう項目ではなく、食事、排せつ、入浴、移動、行動障害及び精神状況の領域においての介助の土台を決めるということにされております。そういう点では、この調査がですね、利用児の排除につながらないように、やはりそういう点では、児童相談所や保健所や、それから今鎌倉市が持っておりますいろいろなこういうネットワークも生かしながら、機能を発揮して、子供の療育の機会が排除されないような、十分な論議と対応が私は必要ではないかと思っております。
知的障害の子を持つお母さんからこういうお話がありました。少しおくれはありますが、普通のお母さんと同じように、思春期があり、いろいろな心の問題が出てくる場合があります。思春期になりますと、親だけでなく、いろいろな方とかかわっていただいて、子供が育っていくのが正常な育ち方ではないでしょうか。児童のガイドヘルパーの利用がとても難しくなるのではないかと心配しています。知的の場合は、身体的自立がほぼできているので、知的障害者の適用サービスが少なくなるのではないかと心配しています。実際は、7割が移動サービスを使っています。障害児の外出というのは、いつまでも親がつき添っているのでは、社会的自立を目指す上で妨げになります。自立心が育たない大人になってしまう。親でない人たちに安心して見守っていただける環境、支援が必要ではないかと思います。ということでお話しされてますけれども、やはり、こういういろいろな実態に合った支給決定になるように、ぜひこの児童の問題では、特にまた配慮していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 いずれにしても、障害者の方のサービスというの、それぞれの一人ひとりがいろいろな、一律に同じサービスをというわけにいかないわけでありまして、子供さんなりのサービスは、やはり一人ひとりの子供さんに合ったサービスを提供すると、これを基本にやっていかなければいけないと、こう受けとめております。今までのサービスができる限り後退しないようなふうに、ぜひとも留意してまいりたいと思っております。
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○27番(吉岡和江議員) 障害者基本計画が今策定されるということで、昨年もいろいろな団体の皆さんや、いろんな意見を聞いてきたと思います。具体的に、今策定作業にこれから入るわけで、非常に大事な時期に来てるんではないかと思います。
そして、今、私いろいろお話ししましたことについても、残念ながら、まだあんまり調査っていうんですか、実態がつかまれてないのかなという気もするんですが、そうでないのか、明確な答弁ができないのか、そこはちょっとわからないんですけれども、少なくとも今、支給決定にしても、具体的にもう今、6月から実際やろうとしてるわけですし、それから障害者基本計画についても、国から基本的な目標量みたいなの出されてはきておりますけれども、それを見ますと、市町村が決めた一つの基準というのを、何というんですか、一つの上限基準にしていくというような中身になっておりますのでね、作業所はどうなのか、グループホームはどうなのか、そして、その中での、今支給決定の中身ですね、支給決定が非常に低く抑えられますと、そこが一つの上限になって、だんだんいってしまうという点では、本当に実態に合った計画になっていくためにも、非常に今は実情をつかみ、意見を聞き、そして市としての計画をつくっていく必要が私はあると思っております。
地域で障害者が、家族が自立して暮らすために、自立ということでなったんですけど、本当に今までの、いろいろ聞いてますと、自立と言えるのかなと。それはほんとに思うんですが、この障害者基本計画の中で、施設の整備計画は非常にまた大事になってくるわけでございまして、その中で、作業所やグループホームでの運営がきちんとできるような、そしてまた希望っていうんですか、利用希望、それについてもどのように位置づけていくのか、大事なことだと思うんですね。例えば、作業所が、先ほどの国の計画ですと、8万カ所から1万カ所にしましょうよっていうふうになってるんですけども、実態は、今作業所もそのまま継続したいという御希望もありますし、またふえてく可能性もあるわけで、その辺の見きわめも必要だと思います。
それと、私、在宅を支える上で、いろいろ伺ったのは、ショートステイの施設が足りないということが皆さんから出されておりました。グループホームも作業所も大変な経営難ではありますけれども、ショートステイっていうのは、やっぱり入所施設とか、そういうところが請け負わないと、実際にはショートっていうのはできないんではないかと思うんですね。
そういう点で、今、ショートステイ、特に施設建設について、市としてはどのように考えていくのか。特養ホームのときには、施設建設の場合、土地の確保をしてでも、つくらなければ、実際は土地の確保まではできないと、そういう点で市が応援して、方針持ってやりました。今度、こういうショートステイは、やはり在宅を支える上でも非常に大事な施設だと私は思うんですね。ですから、この障害者基本計画を策定するに当たって、目標量をどう定めていくか、そのときに施設の整備建設についてどう考えていくのか。そういう点ではね、市長に直接伺うんですけど、やはり基盤整備をする上で、その実態を踏まえましてですね、もしもやっぱり施設が必要となった場合にはですね、やはり市がそういう公の土地も含めまして、やっぱり支援をしていくということもね、考えざるを得ないのかなと、私は思ってるんです。そういう点での検討もね、お願いしたいと、私は思うんですけど、いかがですか。
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○石渡徳一 市長 地域で生活をしてまいる上で、御指摘のショートステイあるいは地域作業所、グループホーム、こういった大変重要な施設だというふうに思っております。
ただいま福祉計画の策定中でございますが、国から示されておる指針あるいはまた先ほどからお話ございましたように、何といっても、やはり現場の実態というものも必要だというふうに思ってます。そういったことを勘案しながら、これから計画をつくっていく中で、ただいま議員さんの御指摘のようなことも含めて、検討してまいりたいというふうに考えております。
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○27番(吉岡和江議員) 今、計画をつくるという点では、今もう実際に計画づくりが始まってきてるわけでございまして、やはりそこら辺では、どのような、今施設が必要で何が足りないのかという点では、やっぱり早急にですね、やはり実態を踏まえて、やはり結論を出していっていただきたいと。やはり、特養施設が進んだのも、何年か前にですね、市が公的責任を負うんだと、施設足りないということで、公的責任を負うんだと。少なくともそれは土地の確保すべきだということで、決断して、そこからやはり進んできたんではないかと実態としては思うわけでございます。その辺は、市がですね、市民の皆さんが自立して、地域の中でほんとに暮らすということが、本当にできるようにするための、やはり公的責任を果たしていく上でも、早急に市長として決断をしていただける、今すぐほんとはやっていただければいいんですけども、少なくとも今、策定中ですから、その中でですね、そういう決断をしていただきたいと思うんですけど、改めて伺います。
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○石渡徳一 市長 この計画策定の中で、ただいまの御意見なども踏まえて、決断をさせていただきたいと思っております。
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○27番(吉岡和江議員) 障害者の医療費の問題なんですが、この自立支援医療ということになりまして、やはり1割負担ということになりました。そういう点では、今、大変救いは、公費負担医療ということで、鎌倉市が福祉的な医療制度を今、県費をいただきながらですが、持ってるということで、非常にそういう点では助かってるなと思うんですね。
先日、精神障害者の方に伺いましたら、この福祉の医療制度は、逗子は精神障害の方入っていないんで、既に1割負担になってしまうということでお話がありましたけれども、やはり今心配しておりますのは、この医療費助成について、県がですね、一部負担金の導入をしようという計画があるということを伺って、大変心配しております。少なくともですね、この制度は、全国的にも1970年代に全国にだんだん広がりまして、初めは県費で100%補助でこの重度医療の助成制度がスタートして、だんだんに補助制度が少なくなってきたという経過はございますけれども、この医療というのは、特に障害をお持ちの皆さんは、やはりぐあいも悪くなりがちでございまして、この医療というのは大変大事な中身だと思うんです。市としては、県が一部負担金の問題について、今導入を検討してるということについては、市としてはどのように考えてらっしゃるのか伺います。
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○小川研一 健康福祉部長 去年の3月でありますけれども、県下一斉に各市町村の担当者を経由いたしまして、アンケートが実はありました。そのときのアンケートの答えといたしましてですね、一部負担の関係につきましては、一定のやむなしみたいな、そういうようなお答えをいたしたところであります。ここへ来ましてですね、また改めて自立支援法ができ、1割負担の問題が起き、あるいは医療費の問題についても1割負担と、そんなような流れが一つあるわけでありまして、恐らくもうじき、改めて正式に県の方から照会が来るのかと思っております。その時点で改めて判断をしてまいりたいと、こう考えております。
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○27番(吉岡和江議員) やはり市として、この福祉の医療制度についてはね、やっぱり継続して、これやっていくということを県にもきちっと申し入れてもらいたいし、市としても、これは継続してやっていくという方向で、ぜひ判断をしてもらいたいと。今のお答えですと何だかはっきりしない、一部負担金やむなしということなんですけど、ほんとにそれでいいのか。そういう点では、この問題についてはですね、私もいろいろな障害を持つ皆さん、施設の方にお話伺ったんですけど、こういう検討がされてること自体をですね、当事者の皆さん知らないんですね。やはり、知らないまま、こういう障害者の皆さんに負担が及ぶようなことを決めていいのかという点では、きちっと皆さんにやはり、今市民の皆さんの声を聞くというのは当たり前になっておりますけども、少なくともそういう声を伺いながら、市として判断していってもらいたいと思うんですね。これは継続してもらいたいと思うんですけど、その辺ではいかがでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 私どもも、いろいろ声を伺う必要はあると、こう思っておりまして、改めてまた判断をしてまいる、そういうような課題であると、こう受けとめております。
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○27番(吉岡和江議員) そういう点では、一つ一つのところでね、確かに減免制度やるとか、そういう点では前向きの答弁もあったんですが、残念ながら今や、もう自立支援法が4月から始まってですね、施設の皆さん、それから障害を持つ皆さんもほんとにまあ、どっちも大変になってるという事態の中で、残念ながら、ちょっともう少し、担当としても市としても、やっぱりもうちょっと市民の立場に立ってよと、私はちょっと思いました。やはり、私も施設に伺って、今のままではほんとにやっていけないというのが、今までも大変だったのに、やっていけないという実態の中でね、これは施設だけの問題ではなく、障害者の皆さんの問題になってくるわけで、やはり自治体として、この声をどう受けとめていくのかって、非常に大事な問題ではないかと思うんです。市長は、昨年の6月議会で、障害者自立支援法は障害者一人ひとりの能力や適正に応じ、自立した日常生活や社会生活を送ることができるよう、必要な障害者福祉サービス等の支援を行い、障害児等の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず、国民が互いの人格と個性を尊重し、安心して暮らすことのできる地域社会を実現することを目的としていますと、そしてなるべく、要するに地域のサービスは下げないようにということでね、今まで言ってらしたわけで、現実にこういう問題が今起こってる中でね、やはり市長としての福祉サービスの水準をどこに置くのかというのは、市長が、やはり市町村が決めるということが今回の自治事務ということの大事な点でございます。そういう点で、自治体の裁量権は保障されているわけでございます。ですから、福祉サービスの水準をどこに置くのか、その辺で市長の政治判断が求められてると思うんですが、改めて市長の見解を伺います。
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○石渡徳一 市長 福祉サービスの原点はやはり現場にあるんだろうというふうに思ってます。したがいまして、今後とも徹底して現場主義を貫いてまいりますし、あらゆる機会を通じまして、さまざまな皆様方からの御意見をちょうだいしながら、施策を進めてまいりたいというふうに考えております。
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○27番(吉岡和江議員) 今、一般的なことではね、ちょっともう、実際始まってるわけですから。今、いろいろな作業所やグループホームなどの施設に伺いまして、皆さん、ぜひ実態を見てほしいと、ほんとに実態を見てこういうことを決めてきたのかというのが皆さんの声でした。
子育て支援の問題では療育の問題もお話ししましたけれども、やはり障害者福祉の問題は、やっぱり現場主義とおっしゃいますが、ぜひですね、作業所に、そしてグループホームに、施設に直接足を運んでいただいて、やっぱり生の声を聞いていただきたい。そして、本当にどうしたらいいのかっていうことを市長として、やはり判断していただきたい。小児医療費のときには、市長は独自の医療制度をつくったわけですから、やっぱり市長のそういう政治姿勢が問われているんではないかと思うんですが、改めて、ぜひ施設に行ってね、生の声を聞いていただきたいと思うんですけど、ぜひ来てほしいという声が、それぜひ伝えてほしいってことなので、ぜひ市長、行っていただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
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○石渡徳一 市長 これまでも折があり、またお伺いをさせていただいておりましたが、今、大変大きな、大事な時期だというふうに認識をいたしておりますので、でき得る限り、直接現場に赴いて、皆様方のお話を聞いてまいりたいというふうに考えております。
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○27番(吉岡和江議員) るる質問してまいりましたけれども、私どもとしても、共産党国会議員団として、障害者の全面参加と平等推進委員会として、障害者の施設や何かにアンケートを送りまして、調査をいたしまして、そしてきのう、障害者自立支援法実施2カ月実態調査に基づく緊急要求ということで、利用者負担と施設経営の危機打開への制度の抜本的改善をということを私どもとして発表いたしました。そういう点では、全国的に見ましても、今大変な事態になってるということでございます。国に対してもちろん要望していくと同時に、国に対して要望していくにしても、やっぱり市の姿勢が問われると思います。今、計画をつくっていく段階というのでございますけれども、やはりここ9月までの間に支給決定、いろんな大事な今問題がございますので、ここ一、二カ月非常に大事な時期だと思っておりますので、市長としてもぜひ現場の声、伺って対応していっていただきたいと思います。
障害者の方が、私たちも鎌倉で普通に暮らし続けたい、これは本人と家族の願いです。そして、親がいなくても常に見守り、そして本人が暮らし続けられるような設備が欲しい。ある痴呆、いわゆる認知症の方が、障害者の方からこういうことを聞いて、大変ショックを受けたと言っておりましたけれど、あなたはいいわね、人生の後半、終わりになったときに、20年か、せいぜい25年の苦悩でしょ。私たちは生まれてから死ぬまで、死んだ後もよと言われて絶句したと。地域の中で普通に暮らし続けたい、この障害者や家族の支えの声を真摯に受けとめていただきたい。むしろ、今、自立支援法が自立を破壊する、今法律になってるんではないかということをつくづく感じたわけでございます。そういう点では、市長が、この家族の声、それから施設の皆さんの声を真摯に受けとめて、そして対応していただきたいことを訴えまして、終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。
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○副議長(藤田紀子議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(11時41分 休憩)
(13時10分 再開)
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○副議長(藤田紀子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、納所輝次議員。
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○5番(納所輝次議員) それでは、通告に従いまして質問いたします。
昼食の後でございます。つらいとは思いますが、なるべく眠くならないようにいたしますので、明快なる御答弁をお願いしたいと思います。
まず、鎌倉行政経営戦略プランについて伺いたいと思います。
鎌倉市では、平成11年に策定されたこれまでのかまくら行財政プランへの7年間の取り組みを終え、新たに鎌倉行政経営戦略プランが策定されました。本年4月より平成22年度までの5年間がその計画期間として設定されております。それまでの行財政プランでは、社会経済の変化に柔軟に対応できる行政運営システムを構築することを目標に、協働型と効率型の市政運営を目指しての推進がなされてまいりました。
その間、地方財政制度の改革や、少子高齢化の進展、地方分権の推進等の社会情勢の変化により、新たなプランが必要であるとして、この鎌倉行政経営戦略プランが策定されております。
成果を重視した行政経営、新しい公共空間の形成、健全な財政基盤を確立した変化に対応できる行政経営という三つの柱を基本方針として、戦略的な行政経営を目指すとするこのプランですが、ここには、行政経営という考え方が導入されております。本年度から、それまでの企画部が経営企画部として再編成されたのも、鎌倉市が行政経営という概念に基づいて、経営の視点で行政を行うようになったものと考えるわけでありますが、そもそも経営とは、真の経営者の意思・目的を達成するための一連の意思決定、行動であり、そしてそれは経営者の意思・目的の明確化・具体化、そして経営者の意思・目的の達成という二つのプロセスから構成されると言われております。
これまで自治体は運営するものでした。それまでのかまくら行財政プランでも、その戦略目標は、運営プロセス効率の向上や運営資源の最大活用といった、運営の視点での推進が図られてまいりました。しかし、運営には、経営の第一の要素である経営者の意思がありません。今進められている地方分権改革の目指す姿は自治体経営であり、自治体の将来像や政策目標をみずから策定し、実行できることであります。
そこでお伺いいたしますが、運営から行政経営へと転換を図ることとは、鎌倉市の経営者の意思・目的を明確化・具体化することで、鎌倉市の将来像や政策目標をみずから策定し実行できることであると考えます。これが鎌倉市の目指す行政経営のコンセプトになるのではないかと思いますが、まずこの点を確認したいと思います。
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○辻正 行革推進担当部長 行政経営のコンセプトでございますが、議員さん御指摘のとおり、本市の行政経営のコンセプトは、人・物・金・情報といった行政資源を最大限に利用いたしまして、最少の経費で最大の効果を上げることにあります。市民の皆さんとともに策定をいたしました総合計画に掲げております将来の町のあるべき姿、将来都市像を着実に実現することであるというふうに考えております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。
では、なぜ行政経営が必要とされるようになったのか、その理由についてですが、鎌倉行政経営戦略プランでは、地方財政制度の改革や少子高齢化の進展、地方分権の推進といった社会情勢の急激な環境変化を挙げております。このほかにも、全国の自治体をめぐる急激な環境変化には、財政赤字、累積債務の増大によって歳出の大幅な削減が求められていること、そして公共サービス需要の増大や多様化が挙げられております。
政府の財政再建プログラムによる平成19年度からの第2次の三位一体改革は、国債の元利払いを除いた歳出と国債発行を除いた歳入の差、いわゆるプライマリーバランスを均衡させるため、歳出削減の負担を国と地方でどのように分担するかという議論の中で進められると思いますが、さらにはその地方負担分を都市部の自治体と、それ以外の自治体とで、どのように分担するかなども重要な論点になると思います。都市部の自治体である鎌倉市は、過度の負担を強いられる可能性がありますし、その中で鎌倉市のプライマリーバランスをプラスに保持することは、相当な努力を要するものであると思います。また、高齢化の進行に伴い、福祉に対するサービス需要は増大しており、社会の成熟化は公共サービスの領域にも及んでおります。この公共サービス需要の増大や多様化は、多くの分野でナショナルミニマム、つまり一定の国民生活の水準を達成するための国の努力目標をほぼ達成していることと深く関係してると思います。これまでは、その水準達成のために統一的な整備目標を掲げ、その実現に努めればよかったのですけれども、国としてのナショナルミニマムをほぼ達成したとされる今日、地方自治体である鎌倉市では、公共サービスもただ整備すればよいという段階ではなくなると思います。価値観の多様化に伴って、どのような公共サービスをどのように提供するのかといったサービスの中身や質が極めて重要になってまいります。例えば、保育所も待機児童をゼロにするといった数量的な整備目標では不十分で、それが通勤駅の近くあるいは職場の近くにあるかなど、働く保護者のライフスタイルに合った保育所が求められてくることなどがわかりやすい事例であると思います。
鎌倉の行政経営戦略プランでも、プラン作成の必要性として、市民が求める質の高いサービスを提供するために、行政経営への転換や成果主義の導入を図る必要があるとしております。ならば、そこには経営上の意思決定プロセスがなければなりません。そこで、お伺いいたしますが、行政経営には限られた経営資源を有効に活用し、住民のニーズや自治体の役割に適合した公共サービスやまちづくりの設計につなげていくための意思決定プロセスというものが不可欠であると思いますが、この点はいかがでしょうか。
また、この意思決定プロセスは、鎌倉市の行政経営において具体的にはどのような形で行われているのかを確認したいと思います。
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○辻正 行革推進担当部長 意思決定プロセスについてのお尋ねでございますが、市民の方々のさまざまな行政ニーズを的確に把握し、行政が質の高いサービスを提供していくというためには、市民の方々への十分な情報の提供、それと、市民の方々の声をよく聞くことが大切であるというふうに考えております。それらをもとに計画をつくり、目標設定をしております。
また、提供したサービスがどれだけ満足いくものであったのかを検証いたしまして、そのサービスに反映していくといった、いわゆるPDCAのマネジメントサイクルを確立する、このことが重要であるというふうに考えております。
具体的には、インターネットや広報などを活用いたしまして情報提供やモニタリングの実施、さらにはプランの策定において、策定時から市民の方々の参画よるニーズの把握、それと意思決定の反映をしながら計画づくりをしております。
また、事務事業評価を初めといたしました行政評価制度を導入いたしまして、効果測定を行い、その結果を改善に反映するといった仕組みづくりを進めているところでございます。
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○5番(納所輝次議員) 行政経営のあり方で、まず思い浮かぶのは、今お話がございました効果測定、つまり行政評価でございます。鎌倉行政経営戦略プランの第1の柱である成果を重視した行政経営の考え方によると、これまでは事業にどれだけの予算や人員等の行政資源を投資し、どれだけの事業を行ったかという執行管理を重視してきたが、これからは予算や人員を投資して行われた事業が市民にどれだけ高い満足度を提供したかという、成果重視の行政経営への転換を目指すとあります。
一方、鎌倉市の平成17年度事務事業評価では、行政評価とは政策、施策及び事務事業について、成果指標などを用いて、有効性または効率性を評価することであると定義しております。
行政評価には一般的に政策評価、施策評価、事務事業評価がございますが、現在、鎌倉市ではそのうちの事務事業評価に取り組んでおられる。そして、平成17年度から試行的に施策評価にも取り組んでおられると伺っております。
そこでお伺いいたしますが、行政経営戦略プランのアクションプログラムによりますと、鎌倉市における行政評価は試行段階にあり、政策評価を含めた本格的導入は将来的な課題となっておりますが、これまでの成果を含め、本格的な行政評価導入へのその準備状況はどのようになっているのかお伺いをいたします。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 行政評価についてでございます。行政評価は先ほど議員さんおっしゃられたとおり、三つの評価がございます。事務事業評価、それから施策評価、政策評価という三つの三層構造になっております。この事務事業評価につきましては、15年度からやっておりまして、おおむねほぼ本格導入が果たされていると。施策評価については、昨年の17年度から始めまして、まだ現在試行段階で、ことしも試行していくという形になっております。
政策評価については、まだ若干課題があるかなと思っておりまして、それらを含めて今現在は全体的にはまだ試行の段階にあるというふうに私どもも考えております。
ことしは、これまでやってきた行政評価のうちの事務事業評価と施策評価の経験を生かして、第2期基本計画の進行管理に反映させるというような形で考えております。
また、施策レベルの試行でございますが、今年度は基本計画の二つの分野、昨年よりも枠を拡大して行っていきたいというふうに考えております。その結果を踏まえて、来年度以降、施策評価について基本計画のすべての分野について取り入れていきたいと、このように考えております。
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○5番(納所輝次議員) 政策評価まで含めて初めて、行政評価というシステムが確立されるということでございますので、やはり慎重に、さらには的確な評価ができるように御努力をお願いしたいと思いますけれども、本来行政評価というものは、資金や人員、労働時間などを投入した資源によって行政の活動がどういった成果を上げたのかを測定することでありまして、つまりどれだけの資源を投入して、どれだけのものやサービスを提供したのか、そして行政サービスの顧客や社会全体にどのような影響を与えたのか、いわゆるインプット・アウトプット・アウトカム、つまり投入・結果・成果の三つの尺度で測定するわけで、行政活動の成果、業績測定はこの三つで行われるものであります。しかし、それだけでは行政活動の成果が妥当だったのかどうかということは判断できず、次の二つの点でのチェックが不可欠と言われております。第一に、所期の業績目標が達成しているかどうかということであります。これは、先ほどおっしゃったPDCAサイクルを前提にすれば、行政評価とはP、つまりプランにおいて所期の業績目標を明確に設定していることが大前提でありまして、その目標と比較することで、当該行政活動が妥当だったのかどうかが初めて確認できるということであります。
二つ目に他団体との比較でございます。特に、経済性や効率性などの視点は、単一自治体だけでは判断できません。このため、近隣自治体や類似団体、場合によっては、民間企業との比較を行って、当該自治体の行政活動のレベルをチェックする必要があるとのことでございます。
鎌倉市の事務事業評価シートもこのような考え方を踏まえて作成されているとは考えますけれども、中には鎌倉市独自の工夫もあるようでございます。
そこでお伺いいたしますが、鎌倉市の事務事業評価シートの仕様における工夫はどのようなところにあるのでしょうか。また、所期の業績目標が達成しているかどうかということと、他団体との比較の判断はどのような形で読み取ればよいのでしょうか、お伺いいたします。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 本市の事務事業評価シートでございますが、工夫してる点としましては、これまでの取り組みを踏まえまして、シートを改良いたしました。課題と問題点の抽出と、それに対する対応を明確に記載したということが工夫の点でございます。この意味はPDCAサイクルをしっかり回すことができるように力点を置いたところでございます。
また、所期の業務目標、業績目標が達成しているかどうかという点については、評価シートの指標に所期の目標値、それと現状値を記載するようにしております。これらを比較することで、達成状況を把握していただくという形になっております。
また、他団体との比較でございますが、評価シートにおいて、いわゆるベンチマーク、都市比較値というのを使っておりまして、都市ベンチマークを使うことによって、各課でその事務事業の最適な指標を選択するということで、また他団体等と比較しながら活用してる、という形になっております。
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○5番(納所輝次議員) 行政評価というのは、行政活動の成果、業績を測定することが基本なのですけれども、一般に事務事業評価では、その成果が見えにくいと言われております。今、さまざま鎌倉市の事務事業評価における工夫というのをお伺いいたしましたけれども、その事務事業評価で、その成果が見えにくいという、その背景には、事務事業評価シートの問題と、あと事務事業レベルでの行政評価の限界という二つに集約されてくると考えられます。事務事業評価シートの限界とは、それが現状を記述するレポートにとどまってしまうことではないかというふうに考えるわけでございます。行政評価をそのPDCAサイクルの一連の活動と見るなら、現状を記述することにとどまらず、現状の課題を認識し、具体的なアクションを導くことができるかどうか、今おっしゃったような事務事業評価の鎌倉市の工夫もその点は注目をされてるようでございますけれども、そこが重要であると思います。
そこで、平成17年度の鎌倉市事務事業評価シートを見てみますと、評価についての市民の視点、財務の視点、運営プロセスの視点、運営資源の視点、また今、ベンチマークでありましたが、近隣都市との比較などほとんどを項目化、数値化して評価されております。また、今後の方向性については5段階評価とその理由、さらには部長による2次評価も加えられて、全体を通して、なるべく客観的に現状をとらえようとする工夫が見えてまいります。しかし、それが現状をとらえるレポートにとどまっているというのは、もう評価ですから、当然のことでございますけれども、これは事務事業評価の前提となる、そもそもの導入環境も影響しているのかもしれません。どんなシートを使おうとも、顧客の立場で目標を高く掲げて、業務を改善することが大事なことでございます。
しかし、失敗している自治体のシートは、ほとんどが事業を継続すべきという自己評価が書かれているというふうに言われております。議会としても、ほとんど事業継続とされた個別のシートを見るよりも、その評価が業務改善に結びついているかどうかをチェックすることの方がより現実的であるというふうに考えるわけでございます。そんな中で、鎌倉市では今年度から事務事業評価は経営企画部が行うということになっております。今まで行革推進担当が行ってきた事務事業評価が本年度から経営企画部所管となったということは、その事務事業評価実施のあり方が変化をしたのではないかという印象を持つわけでございますが、まずその所管が変わった理由をお伺いしたいと思います。
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○辻正 行革推進担当部長 事務事業評価を経営企画課へ所管がえした理由でございますが、本市の行政評価の進め方といたしまして、これまで行政活動の見直しを行いまして、改革・改善をしていく対象を事務事業のレベルに置いて進めてまいりました。今回行いました機構改革におきましては、総合計画の実現に向けた機構の整備を掲げまして、事業の選択と集中といった経営判断のスピードアップを図る、このことが一つの視点に置かれております。そのために、事務事業評価をまちづくりの基本的な計画策定や進行管理を行う経営企画部に移管いたしまして、行政評価の手法をより上位の施策、政策に導入いたしまして、政策から事務事業までの体系に沿った展開を図るということを目指して移管をしたものでございます。
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○5番(納所輝次議員) 今お話しのように、事業のスピードアップを図る、またマネジメントサイクルのスピードアップを図るということは大変重要なことでございます。
行政経営として、事務事業評価をするならば、業績目標とのギャップ分析から課題の認識へ、さらにその課題の認識から課題解決のためへの処方せんづくりというその一連のマネジメントサイクルが不可欠でございますし、場合によっては業績目標そのものを修正することも必要となってくるというふうに思います。
では、鎌倉市の事務事業評価ではどうなってるのか、つまり鎌倉市の事務事業評価における業績目標とのギャップ分析と課題認識は、課題解決への方策をどう導くのか、そのあり方を伺いたいと思います。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 ギャップ分析ということでございます。一応、先ほど申し上げましたが、事務事業評価シートに各視点の指標に目標値を設定し、かつまたそれに対する実績値を併記しております。そこに目標値と実績値のギャップ、いわゆる差が出てくるわけでございます。このように、この差であるギャップを分析することによりまして、なぜ差が出てくるのかというような課題・問題点を抽出すると、そしてそれに対する対策、対応、目標達成に向けての方策を展開していくということが事務事業評価シートの仕組みでございます。そういう形で対応してまいりたいというふうに考えております。
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○5番(納所輝次議員) 事務事業評価の段階でギャップ分析、そして課題解決への道筋というものが今明らかにされたわけでございますけれども、行政の政策・施策体系というのは、上から基本政策、施策、事務事業の、その三層構造で構成されているわけでございますが、政策は施策の目的であって、施策は事務事業の目的でございます。また、施策は政策の手段であると、事務事業はその施策の手段になるというふうに考えるわけでございます。ですから、事務事業というのは、事務事業評価をするということは、行政の政策・施策体系の下部から上位構造を見るものであるというふうに考えるわけでございます。しかし、ほとんどの事務事業というのは、その上位の施策の目標へとむだなくリンクがなされるのではないかというふうに思います。施策目標と比べて、施策目標との対比で、事務事業の重点化や優先順位づけをするということは、もう既にむだなくリンクが張られておりますので、これは難しいのではないかというふうに考えるわけでございます。そのことがつまり、事務事業評価だけでは、根本にあるその経営の意思・目的が導けない、導くことが少し難しいのではないかという限界が考えられるわけでございます。その鎌倉市の事務事業評価のあり方も今お伺いしてましたように、さまざまな工夫がなされてるとは考えますけれども、その限界についてはどのように考えておられますでしょうか。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 事務事業評価の問題点ということになるかと思いますが、やはりおっしゃられるとおり、事務事業評価シートというのは、上位の目標の達成に向けて検証していく仕組みになっております。ただ、いわゆる施策の下に事務事業が何本もついているということになりますので、単体の事務事業からのアプローチだけではですね、施策の優先順位等の判断がですね、なかなか限界があるかなと、そういう感じはしております。そういったこともありまして、今現在、施策評価については試行を重ねているということございますが、こういった施策評価、政策評価を検討しておりまして、これらを活用しまして体系的な行政評価手法の確立をしていきたい、そういう形の中で施策を、優先順位をつけていくとか、そういったことをやっていきたいというふうに考えております。
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○5番(納所輝次議員) 体系的な政策評価をつくり上げていくということがまず重要になってまいりますけれども、その事務事業の上位にあります、その施策目標と対比をして、事務事業の重点化などの価値判断を行うためには、先ほど言いましたように下からのロジックをたどるだけではなくて、経営の意思・目的を導く別のルートも必要になってくると思います。そのルートとは、第1に、上位の政策・施策レベルからの戦略策定プロセス、第2に、顧客視点からの設計でございます。第1の、その戦略策定プロセスというのは鎌倉市の将来像や政策目標を明示して、そのための施策展開を図ることで、施策事業の重点化や優先順位づけを行うことでございます。そして、その根拠を市民のニーズや市の役割の増加・減少に置きます。ニーズや役割が増大してれば、重点的な対応が求められるでしょうし、逆にニーズや役割が減少していれば、重点化の対象から外さなければならないと思うわけでございます。これを進める手法に戦略計画手法というものがございます。これが鎌倉市の鎌倉行政経営戦略プランであると認識しますが、この点はいかがでしょうか。
また、鎌倉市財政計画、いわゆる財政力向上プラン、これとどのように関連していくのかについてもお伺いをしたいと思います。
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○辻正 行革推進担当部長 戦略計画手法、また鎌倉行政経営戦略プラン、鎌倉市財政計画との関連でございますが、鎌倉行政経営戦略プランは、総合計画の第2期基本計画や実施計画を着実に実現していくため、本市を取り巻く厳しい環境に対応しながら、限られた経営資源をより効果的・効率的に活用し、市民満足度を高めるための戦略計画であります。
また、鎌倉市財政計画は、第2期基本計画実施計画を推進するための財政的裏づけでありまして、前期実施計画事業における一般財源の不足額への具体的な対応策でございます。
こうしたことから、鎌倉行政経営戦略プランと、鎌倉市財政計画は相互に関連をしながら、双方あわせて総合計画第2期基本計画の実現化を推し進めるものであるというふうに考えております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。先ほど言いました二つのルートのうちの第2のルートでございますけれども、第2に申し上げました顧客視点からの設計というのは、政策体系というよりは、むしろ行政現場からの公共サービスの設計であるというふうに考えるわけでございます。経営の意思・目的を導くために、戦略策定プロセスや顧客視点からの設計という二つの視点をもとに、施策目標と比べて事務事業の重点化などを判断する。そこに、事務事業仕分けの必要性も出てくるわけでございます。私は、過去2回ほど、その事業仕分け実施の必要性を訴えてまいりましたけれども、事業仕分けで重要なことは、実際の事業の中身が必要かどうかで判断することでありまして、そこに顧客起点による公共サービス設計が判断されるということでございます。既に実施した自治体の事業仕分けにおける個々の事業チェックでは、仕分けとともに、事業の目的・目標は明確に定められているか、評価基準は具体的か、より低コストでできないかなどといった仕事のやり方、つまり事務事業評価の領域についても意見交換され、改善点も抽出されているというふうに伺っております。事業仕分けによるチェックがなされると、事務事業評価だけの段階ではできない、本来の行政評価プロセスが活用でき、業務改革や業務の改善を業務分析を通じて進めることができると思います。事業仕分けを行政評価プロセスに活用することについての見解をお伺いしたいと思います。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 私ども、今現在、行政評価を進めております。まず、今現在では、事務事業評価におけますPDCAサイクル、これを確立、当然していかなければならないと。また、さらには第2期基本計画への進行管理、これは施策評価という形になってくると思いますが、この反映にも力点を置いているところでございます。このような状況でございまして、御指摘の事業仕分けでございますが、近隣市等におきまして実施事例があるということでございます。それらの成果を踏まえながらこの手法を本市の行政評価に取り組み活用できないか、これ研究させていただきたいというふうに考えております。
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○5番(納所輝次議員) 事業仕分けを参考に業務のスクラップ・アンド・ビルド、業務プロセスを再構築するということは、行政経営の価値や意思を実現するための業務の有効性の確保と、そして生産性の向上がねらいとなりますし、実はこのことは鎌倉行政経営戦略プランのアクションプログラム、行政評価によるスクラップ・アンド・ビルドにも取り上げられているねらいでございます。上位の政策や施策レベルからの戦略策定プロセス、顧客視点からの設計という二つの経営の価値、意思が形成される、それにより、業務の業績目標が明確になる、そこで初めて本来の行政評価プロセスが活用できるようになり、業務分析を通じて、業務改革や改善を進めることができる、その流れの中に、成果を重視する行政経営の柱が構築されるのではないかと思うわけでございます。多くの自治体では、行政評価を導入しても、業績、成果志向になっていないという現状が多く指摘されております。その中で、鎌倉市が成果重視の行政経営への転換を明記したということは大変重要なことであるというふうに考えます。行政経営の成果と言ってもすべてが形のあるものではございませんので、業績目標の達成が必ずしも成果とは言えないところもあると思います。それよりも具体的に言えば、市役所窓口の対応が行政経営によって真っ先に変わるであるとか、最終的な成果をどこで見せるかが課題でございます。ところが、昨日の本田議員の質問にもありましたように、野村総研跡地に頒布用の書籍などが大量に保管されるとのことでございます。あれだけの在庫を抱えたら、民間企業ではすぐに倒産の憂き目に遭いますし、これは財団の話ではございますけれども、行政経営という、その考え方がまだまだ現場まで行き渡っていない段階ではないのかなというふうに考えるものでございます。これはまた、予算を無事に執行すればよいという考えがまだ転換されてないんじゃないかという気もするわけでございます。予算執行ならば、その段階ならばまだ運営であって、経営ではないというふうに考えます。行政経営にふさわしい予算のあり方から考え直す必要があるのではないかというふうに考えるわけでございます。具体的に言うならば、例えば業務面では、法令手続を簡素化して、そして現場への権限移譲がなされるのか、財務面で言うならば、今までの性質別予算から包括予算や業績予算に変えることができるのか。その権限移譲と包括予算で現場が自由に工夫できるようにして、その成果を評価するようになるのかというような具体的な展開を今後注目をしてまいりたいというふうに思うわけでございます。
ここで、その行政経営に対する石渡市長の御見解いただきたいと思います。
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○石渡徳一 市長 まず行政経営の考え方でございますが、将来の町のあるべき姿、これを踏まえまして、その実現のために、限られた行政資源、これを有効に活用して、質の高い、市民の方の満足できるサービスを提供することであろうというふうに思ってます。
それでは、その市民の皆さんの満足できるサービスをいかに展開できるかということが問題になるかと思いますが、ここには成果主義や競争原理、こういった民間の理念あるいは考え方、これも取り入れていかなければならないというふうに考えております。
こういった経営の感覚あるいは特にスピードを持って市民の皆様が主役の行政経営、これを進めてまいりたいというふうに考えております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。では、次にその成果の見せどころであります行政事務の効率化と市民サービス向上についてお伺いしたいと思います。
その中でも、住民基本台帳カードの利活用についてお伺いいたしますが、住民基本台帳ネットワークシステム、これは地方公共団体共同のシステムとして住民基本台帳のネットワーク化を図り、氏名、生年月日、性別、住所の4情報と住民票コードなどによって、全国共通の本人確認を可能とするシステムでございますが、その利便性を高めるものに住民基本台帳カードがございます。いわゆる住基カードと言うわけでございますが、この住基カードは住民基本台帳法に基づいて、平成15年8月25日から希望する住民に対して市町村から交付されているICカードで、高度なセキュリティー機能を有するカードでございます。ICカードとは、そのセキュリティーの高さから民間でも銀行のキャッシュカード、クレジットカード、JRのSuica、またETCなどに活用が広がっております。住基カード交付枚数ですが、昨年8月末現在、全国で約68万枚でありまして、2年前に比べておよそ32万枚増加しております。といいましも、まだ全国的な交付枚数としては依然少ない段階でございますけれども、着実に増加しつつあるということでございます。
そこでお伺いいたしますが、鎌倉市における住民基本台帳カードの発行状況はどのように推移しておりますでしょうか、その枚数と住基人口に対する交付率の推移を伺いたいと思います。
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○進藤豊 市民経済部長 住基カードの発行枚数等なんですけども、平成15年度、導入当時なんですが、平成15年度では444枚、パーセンテージでいくと0.26%、平成16年度では346枚の発行、15年度からの累計で790枚、率で0.46%、平成17年度は466枚、15年度からの累計で1,256枚の発行で0.72%という数字になっております。
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○5番(納所輝次議員) 総務省の調べによりますと、その平成17年8月末現在、昨年8月末ですが、全国で交付枚数が多い自治体が宮崎県宮崎市で5万6,817枚、交付率も人口比で18.4%、世帯比で言うと42.2%だそうでございます。2番目に多いのが意外にも横浜市でございまして、1万9,164枚、交付率は人口比で言うと0.5%、世帯比で1.3%となっておりました。鎌倉市における住基カード普及の取り組みというものは、今までどのように進められておりますでしょうか、それをお伺いいたします。
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○進藤豊 市民経済部長 住基カード交付開始後から「広報かまくら」を初め、チラシ、市民課ホームページで市民への周知を図っているところです。また、公的証明書として利用できることからを全面に出した国のチラシがございます。これを市民課の窓口に置くとともに、鎌倉、大船の両郵便局にも配布を依頼しているところでございます。
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○5番(納所輝次議員) 鎌倉市でもそれなりの御努力はなさってるということではございますが、なかなか周知徹底というところまではいってないと思います。私自身もその住基カードを持っておりませんでしたので、質問するに当たりまして、これではいけないと、先日、市民課で写真つき住基カードをつくっていただきました。ほんの10分程度で、すぐ作成できましたし、また、その際の説明も非常に親切でわかりやすいものでございました。しかし、その写真つき住基カードをつくるには、自分で写真を用意していかなければいけないということで、ちょっと面倒な部分もございます。そのときに、市役所に写真撮影のサービスがあれば助かるのになと思いましたので、市としても、その作成の際の利便性を高める工夫をさまざまお願いをしたいと思います。
ただ、住基カードをつくろうと思っても、わざわざ時間をとってつくりに行くには、よほど必要性を感じなければなりませんし、日常生活の中でも、さまざまなカードがはんらんしている今日でございますので、幾らいいカードだよと言っても、必要とするだけの有益性がなければ、市民の皆さんもつくろうとしないのは当たり前のことでございます。
そこで、お伺いいたしますけれども、鎌倉市で住基カードを持っていることによって受けられるサービス、これはどのようになっておりますでしょうか。
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○進藤豊 市民経済部長 まず、大きなものといたしましては、免許証を持ってない方については、公的な身分証明書として利用できることがまず一番大きなことだと思います。これは鎌倉だけじゃなくて、この住基カードそのものの性格だと思います。
それから、転入・転出の手続が簡単にできる。これは1回の手続でできます。
それから、全国どこの市町村でも、住民票の写しがとれる、また公的個人認証サービスが受けられるなどがございます。以上です。
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○5番(納所輝次議員) ただ、そういったサービスも、例えば免許証を持ってる人って多いわけでありまして、免許証でも十分代用できてしまうわけでございます。ふだんの日常生活で、やはり住民票の写しや、それだけじゃなくて印鑑登録証明書などの、いわゆる市役所窓口発行の各種証明書の申請に使えれば、住基カードの使用機会も多くなるのではないかというふうに思います。
ちなみに、平成17年度の市民課で扱った住民票、戸籍、印鑑証明などの取り扱い件数は、ルミネサービスコーナーとか支所も含めますと18万5,554件というふうに上っております。鎌倉市に証明書などの自動交付サービスがあれば、証明書自動交付機を利用して住基カードで住民票の写し、印鑑登録証明書、またその他の各種証明書を受け取ることができますし、市役所受付窓口の営業時間外や土日、祝日にも証明書などを受け取ることができるわけでございます。鎌倉市にこのような証明書等自動交付サービスを導入する考えはございますでしょうか、お伺いしたいと思います。
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○進藤豊 市民経済部長 鎌倉では、過去に土曜閉庁に伴います市民サービス低下防止や窓口業務の混乱緩和のために設置しました住民票の自動交付機がありましたが、市民サービスコーナー開設日、開設時間の拡大や、電話予約による交付サービスが実施されたことによって廃止しております。
平成17年2月からの戸籍の電算化や、本年5月13日からの土曜開庁などにより、さらなる住民サービスを実施しております。議員さん御指摘のように、住民基本台帳カードによる多目的な利用方法の一つとして、自動交付機の設置が考えられますが、庁内検討組織でございます住民基本台帳カードの利用方法などの庁内検討会で引き続き検討を行っていきたいと考えております。
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○5番(納所輝次議員) 引き続き検討ということは、現在余りやる気がないということだとは思いますけれども、その住基カードというものが、それ以外のさまざまなサービスで使えれば、さらに利用者がふえると思うのですけれども、総務省では、住基カード内の空き領域を利用して、それぞれの自治体がさまざまな住民サービスに使えるというふうにしております。このことにつきましては、平成16年2月定例会の代表質問で松尾崇議員が取り上げられておりまして、住基カード内の空き領域を利用した独自サービスの使用推進を質問されております。石渡市長の当時の答弁では、全庁的な検討会では結論に至らず、今後も他市の活用事例などを参考にしながら検討を重ねていくとのことでございました。今の御答弁と同じように、やはり検討会というのを持たれていたわけで、それから2年もたっているわけでございますけれども、全く進んでないということでございます。
他市の活用事例の参考ということでございますが、他市の活用事例を見てみますと、既に、昨年8月末現在、つまり平成17年8月末現在で101の自治体で条例が定められており、さまざまな事務に利用されております。神奈川県内では、大和市などで病院再来、検診予約サービスとか、公共施設予約サービスに利用されております。財団法人地方自治情報センターでは、このICカード標準システムとして七つのサービスを開発して、全国の自治体で利用可能な標準システムとして希望する市区町村に対して、原則として無償で提供しております。
その七つのサービスとは、まず先ほど述べた証明書等自動交付サービスでございますが、二つ目に申請書自動作成サービスというものがございます。これは、利用者が窓口で証明書の交付を受ける際に必要となる申請書などを自動的に作成して印刷することができるもので、実はこのサービスの方が証明書などの自動交付サービスよりも先に導入すべきかなと思うわけでございます。といいますのも、申請書等の作成で一番苦労されているのは、高齢者や障害者の方でございます。氏名、住所だけを記入することもほんとに大変な方もいらっしゃるわけでございます。福祉サービスというのは、すべて申請に基づいて行われておりますので、高齢者や障害者の方は、一般市民の方よりも各種申請書を作成する機会が非常に多いのではないかと考えるわけでございます。そこに申請書自動作成サービスがございますと、申請書の項目にデータが自動的に記入されますので、利用者が情報を書き込む手間を省くことができます。それが実現できれば、福祉担当窓口における業務も迅速化されますし、その先のケースワーク業務にスムーズに入れますので、それでなくても忙しい福祉関係各課の業務改善にもつながるものと考えるわけでございます。
そこでお伺いいたしますが、健康福祉部から見た鎌倉市の申請書自動作成サービス、この導入についてはどう考えておられますでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 高齢者あるいは障害者の皆様のいろいろな申請手続、これは簡便であることが望ましいわけであります。福祉サービスの申請書の自動サービス、もう少し住基カードの普及とか、あるいは電子申請のこの進捗ということをもう少し見てまいりたいと思っております。
その前に、私どもといたしまして、やはり幾つかある申請書、これをできる限り統一していきたいと、あるいは簡素化したいと、今ある申請書をできる限り統一化したりしていきたいと、そうしたことをまず先に取り組んでいきたいと、こう考えております。
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○5番(納所輝次議員) まずはその書式であります申請書、それの統一化というのは第一段階であるというふうに思うわけでございます。
その住基カードの空き利用サービスでございますが、そのほかに利用できるサービスとして自宅のパソコンなどを利用して、自分の健康管理情報を照会できる健康管理情報照会サービスとか、事故や急病のとき、住基カードで救急車などから連絡先確認ができる救急活動支援サービス、また災害時避難先で避難者情報などを簡単に登録することができる避難者情報サービスや公共施設予約サービス、さらには図書館の窓口で図書館カードとして使える図書館サービスがございます。以上の七つのサービスを財団法人地方自治情報センターが原則として無償で提供してるわけでございます。電子自治体を目指す鎌倉市においては、住基カードの普及は必要なことと考えますが、住民票の発行だけでは、それもかなわないのは当たり前で、住基カードを利用した住民サービスがそろわなければならないと考えるわけでございます。鎌倉市において、このような住基カードを利用した、空き領域ですね、住基カードの空き領域を利用した住民サービス導入の考えというのはありますでしょうか。お伺いしたいと思います。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 住基カードの空き領域の市独自利用ということでございます。これにつきましては、庁内の検討会設置して、情報収集や検討を行っているところでございますが、残念というか、まだサービス導入には至っておりません。
今後も引き続きまして、やはり市民サービスの向上につながるものでございますので、他市の事例等も参考にしながら、費用対効果の面、これもあると思いますので、さらに検討を重ねてまいりたいというふうに考えております。
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○5番(納所輝次議員) やはりなかなか前向きではないようでございますけれども、もとより住基カードの交付枚数の増加が目的ではございませんで、住基カードの空き領域利用というのは、市民へのサービス向上や市民の安全・安心が確保できるツールとして有効利用できるものであるという考えから質問したわけでございます。
そこで、市長にお伺いいたしますけれども、これらを踏まえた上で行政事務の効率化と市民サービス向上につきまして、その市長のお考えを伺いたいと思います。
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○石渡徳一 市長 市民サービスの向上、また行政事務の効率化、そういった中で電子自治体を推進していく中で、ただいまるる御質問あったように住基カードの利用を図る、これは有用であるというふうに考えております。
今までの検討会の中では、まだまだ現実的にはなかなか先に進んでおらないようでございます。個人情報の保護あるいは費用対効果、そういったことを踏まえて検討してきたというふうに考えておりますが、今後とも他市の動向、あるいは他市でやってる事例などもよく研究をし、また調査をいたして、さらに今後とも検討を進めさせていただきたいというふうに考えております。
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○5番(納所輝次議員) ぜひ、検討は持続していただいて、できるところからでいいと思いますけれども、市民へのサービス向上、そして利便性を図っていただきたいというふうに思います。
次に、消防行政についてお伺いをしたいと思います。
まず初めに、救急活動事業について伺いますが、本年5月から市内12カ所の公共施設にAEDが設置されました。AED、自動体外式除細動器でございますが、これは心肺停止患者に電気ショックを与えて心拍を正常に戻し、そして蘇生するための器具でございますが、今回設置されたAEDは、電源を入れると直ちに音声ガイダンスが手順を説明するタイプに統一されておりまして、市役所や鎌倉生涯学習センター、各体育館、芸術館、各行政センター、中央図書館、レイ・ウェル鎌倉の合計12カ所に設置されたわけでございます。
先日、深沢行政センターに参りましたところ、玄関から入るとすぐ左側の目立つところにAEDが設置されておりました。設置場所についての配慮もなされておりまして、心強い限りでございます。当然、これからも設置場所をふやしていくものと考えます。
私ども公明党では、本年3月の参議院予算委員会におきまして、8歳未満の児童への使用を認めるよう提唱しましたところ、本年4月21日から1歳から8歳未満の児童への使用が解禁されました。これで、小学校への配置も可能になったわけでございます。ですから、市内の全小・中学校へ一度に配置できるのがいいのですけれども、レンタルといえども当然予算がかかるものですので、優先順位もあると思いますけれども、AEDの今後の配置のあり方についてどうお考えかお伺いしたいと思います。
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○浦靖幸 消防長 AEDの配置でございますけれども、議員さん御指摘のとおり、ことしの5月に、市役所、鎌倉生涯学習センター、各行政センター、各体育館など12施設に設置済みでございます。来年度以降の計画でございますけれども、実施計画に基づきまして、平成19年度には高齢者福祉施設、海浜公園プール、文学館及び広域避難場所でございます鎌倉中央公園等16カ所に、平成20年度には市内小・中学校25カ所に設置する予定となっております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。平成20年度ということでございますが、小・中学校への配置も速やかに進めていただきたいというふうに思うわけでございます。
また、今ございました坂ノ下の海浜プールには来年度からということでございますが、市内の各海水浴場へもAEDを設置するのが望ましく、また多くの人が集まる催し物などへの臨時的なAEDの貸し出しも必要と考えますが、このことについては現在どのように取り組んでおられますでしょうか、お伺いいたします。
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○浦靖幸 消防長 AEDの貸し出しでございますけれども、現在、鎌倉市医師会病院会寄贈のAEDほか2台、合計3台を貸し出し用として使用しております。昨年8月に行われたビーチフェスタ鎌倉にAEDの貸し出しをした経緯があり、来年度設置するまでの間、海浜公園水泳プールから既に貸し出しの依頼を受けているところでございます。
今後とも、市民が多く集まるイベントにおきまして、AEDの貸し出しを積極的に行うとともに、主催者側に救命に対する理解とAEDの設置を促し、救命率の向上を図っていきたいと考えております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。さらに、そのAEDがどこに設置されているのか、これを市民に周知する必要もございます。民間の設置場所も加えた、そのAED設置場所を知らせるマップがあればよいのですけれども、ホームページ等への掲示も含めて、AED設置場所の周知のあり方、これについてお伺いしたいと思います。
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○浦靖幸 消防長 AED設置場所の周知でございますけれども、平成18年度公共施設のAED設置場所につきましては、5月1日号の「広報かまくら」に掲載し、周知を図ったところでございます。
また、鎌倉消防本部警防課指令担当が公共施設のAED設置場所を把握してございますので、救急要請の119番受信時にAED設置場所の情報を提供しております。
現在、消防本部の救急救命担当ホームページ内にAEDの設置場所やAEDの取り扱いについて掲載するよう、現在準備を進めているところでございます。
民間施設へのAEDの普及につきましては、防火対象物の立入検査時に設置のお願いをするとともに、設置場所の把握に努め、施設管理者の理解を得て、ホームページ等で周知をしたいと考えております。
AEDマップの作成でございますけれども、市内のAED設置状況等を勘案し、今後検討していきたいと考えております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。AEDの設置が今後ふえて、また設置場所もわかる。ということは、次に使い方を知る必要があるわけでございます。AEDを使えば助かるイメージを持つ人もおりますけれども、AED使用後には心臓が動いてるかを呼気で確かめなければならないことなど、知られていない知識もあるわけでございます。
そこに普通救命講習の大切さがあるわけですが、AEDが市の公共施設に配置が進められるということは、市の職員が普通救命講習を受講していなければならないわけでございます。そこで、市の職員に対する普通救命講習の受講状況と今後の進め方について伺います。
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○浦靖幸 消防長 普通救命講習の状況でございますけれども、平成17年度市職員対象の普通救命講習を11回実施いたしました。245名が受講しております。そのほかに消防職員が185名、また市議会議員の皆様にも8名の方に受講していただいております。それで、合計438名が受講しております。
平成18年度、今年度でございますけれども、5月1日にAEDを設置いたしました12カ所の公共施設の職員に対して、5月中に普通救命講習を3回、救急講習を7回実施し、合計107名の職員が受講いたしました。
さらに、職員課研修担当とも連携いたしまして、平成18年度は4級職員に対し、普通救命講習を実施するとともに、これからもすべての職員を対象に普通救命講習を実施していきたいと、このように考えております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。さらに、平成20年までに学校への配置を進めていく上では、教職員や部活動の指導者、さらには地域のスポーツ団体指導者への普通救命講習の実施が必要とされます。これはAEDが配置されていなくても必要なことでございますが、教職員、部活動の指導者、さらには地域のスポーツ団体指導者などへの、AEDがなくても、普通救命講習、これが必要なわけでございます。この実施状況はどのようになっておりますでしょうか。
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○浦靖幸 消防長 教職員、団体指導者等に対する普通救命講習の実施状況でございますけれども、平成17年度に市立小・中学校、養護学校、私立小・中学校の18校に対して普通救命講習を4回、救急講習を16回実施いたしました。それぞれ53名、365名、合計418名の教職員が受講しております。
また、地域のスポーツ団体指導者等に対しまして、普通救命講習を2回実施いたしまして、70名の方が受講しております。18年度以降も引き続き関係課と連携し、普通救命講習を実施していない教職員及び地域のスポーツ団体指導者等に対しまして普及・啓発を促進していきたいと考えております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。今後、さらに普通救命講習進めていただきたいわけでございますけれども、そうなると、忙しい消防本部では、普通救命講習の指導者が足りなくなるおそれがございます。この普通救命講習の受講者をふやす上で、消防本部において救急業務に支障のない普通救命講習実施のあり方についての、その工夫を伺いたいと思います。
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○浦靖幸 消防長 普通救命講習でございますけれども、平成18年度から市民の方が参加しやすい講習会を目指しまして、6カ所の消防署所で、毎月第2日曜日の午前中に実施しておりまして、救急救命士及び応急手当指導員の資格者が指導者として講習を実施しております。
今後、消防職員の応急手当指導員を養成するとともに、各種事業所及び自主防災組織におきましても応急手当普及員の養成いたしまして、普通救命講習の充実を図っていきたいと考えております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。ぜひ実施の方を細かく行っていただきたいというふうに思います。
次に、改正救急救命士法についてお伺いいたします。
本年4月1日より改正救急救命士法が施行されました。この改正救急救命士法では、救急救命士が心停止状態の救急搬送者に対して、血圧上昇や心拍数の増加をはかる薬剤、エピネフリンを投与できるようになりました。改正法では、救急救命士が必要な知識、技術を身につけた上で行使することを定めております。
そこでお伺いいたしますが、救急救命士によるこの薬剤投与はどのような手順で行われるのか。また、薬剤投与の資格を得た救急救命士配置への取り組みをお伺いしたいと思います。
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○浦靖幸 消防長 救急救命士についての御質問でございますけれども、平成18年4月から薬剤投与の認定を受けた救急救命士によります薬剤投与の実施が可能になりました。薬剤投与の手順につきましては、薬剤投与認定救急救命士が救急現場におきまして心臓機能停止の傷病者に対しまして医師の具体的指示を受けまして、薬剤投与プロトコルに従い実施するものでございます。
薬剤投与認定救急救命士の配置計画でございますけれども、平成18年度、2名の職員を救急救命研修所へ派遣し、養成するとともに、今後各救急隊に常時1名が配置できるよう養成していきたいと考えております。
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○5番(納所輝次議員) その薬剤投与の資格を得た救急救命士の配置、ぜひ迅速に進めていただきたいというふうに思うわけでございます。
次に、予防活動事業についてお伺いいたします。
この6月1日から一般住宅で、住宅用火災警報器の設置が義務化されました。これは新築住宅の場合で、既存住宅は2011年までに設置すればよいのですけれども、実はこの2011年がくせものでございまして、いわゆる2011年問題というものがございます。御承知のとおり、テレビ放送が2011年7月までに全国すべてアナログ放送からデジタル放送に切りかえられるわけでございます。その2011年が近づくにつれて、各家庭は一斉にデジタル放送が受信できるテレビ受像機の購入に走るわけで、相応の家計への負担を覚悟しておかなければなりません。加えて、テレビの受信ができるカーナビなどにも買いかえ需要の波が来ることが予想されるわけでございます。そのような時期に住宅用火災警報器の設置が重なりますと、なぜ早く知らせてくれなかったのかという不満の声が上がることも予想されるわけでございます。ですから、既存住宅の設置については、その2011年を待たずに、早目に設置することを今の段階から周知すべきでございます。
そこでお伺いいたしますけれども、消防本部では、既存住宅における住宅用火災警報器の設置を2011年までに完了するための、その普及のあり方、これはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
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○浦靖幸 消防長 住宅用火災警報器の普及についてでございますけれども、昨年から住宅用火災警報器の設置が義務化された旨の広報を行ってきましたけれども、今後、住宅用火災警報器を設置することによりまして逃げおくれの防止、火災による被害の軽減を図ることができますので、その効果を市民の方に周知することが重要なことだと認識しております。
設置が義務づけられておりますマンション、アパート等につきましては、立入検査を実施いたしまして、所有者等に設置指導をしていきたいと考えております。
また、一戸建て住宅につきましては、重点地区を定めまして精力的に設置指導を行っていきたいと考えております。
あわせまして、町内会・自治会等の会合にも参加させていただきまして、設置について理解と協力をいただくよう努めてまいりたいと、このように考えております。
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○5番(納所輝次議員) 大変な御苦労があると思いますけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
消防本部では業者による警報器の取りつけ料や煙式の警報器の価格について、取りつけ料では1住宅当たり何個つけても3,000円くらい。煙式の警報器の価格で一番安い物で4,000円ぐらい、さらには高齢者、身障者のひとり暮らしの取りつけ料を無料としてもらうのが望ましいというふうに考えてるようでございますけれども、じゃ、実際、その市内各業者はどうかということでございます。市内各業者の警報器の最低価格の実勢、これはどの程度になっているでしょうか。
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○浦靖幸 消防長 住宅用火災警報器には、煙式と熱式の2種類がございまして、価格は取りつけ料は含まれておりませんが、本体の価格はどちらもおおむね4,000円前後と、このようになっております。
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○5番(納所輝次議員) お隣の藤沢市ですけれども、この6月からひとり暮らし高齢者世帯などへの設置を助成する事業を開始しました。この補助事業は、該当する約7,000世帯すべてにその費用の3分の2、上限8,000円を助成するものでございまして、この助成事業を実施するために、藤沢市ではひとり暮らし高齢者が多く、かつ住宅が密集してる地区をモデル地区として民生委員、家庭防火推進員と市消防本部予防課職員が訪問して、啓発を兼ねて訪問時の接し方や市民の反応などを検証したそうでございます。
当然、鎌倉市でも住宅用火災警報器設置についての助成事業を検討・実施すべきであると考えます。ところが、この住宅用火災警報器の設置義務化に乗じて、既に各地で悪質な訪問販売による被害が相次いでおります。茨城県常総市では本年4月、民家を黒っぽい作業服姿の男が消防署員のようなふりをして訪れて、応対したお年寄りの女性に、法律改正で火災警報器を3個取りつけなければなりませんなどとうそをついて、3個分として28万円余りを請求したそうでございます。お年寄りがその場で支払うと、男は領収書を取ってくると言って立ち去り、そのまま戻らなかったそうでございます。
各地で実はこのような事例が起こっておりまして、消防署員や自治体職員を装って、市価の数倍で売りつける手口が目立っております。高齢者が多い鎌倉市では、このような悪質販売の被害に遭う可能性が高いと心配されます。被害防止のために、より具体的な取り組みが必要であると思いますが、この点はいかがでございましょうか。
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○浦靖幸 消防長 悪質な訪問販売に対する対応でございますけれども、ことしの春の火災予防運動期間を中心といたしまして、ひとり暮らし高齢者宅を訪問いたしまして、悪質訪問販売に対する注意を喚起するとともに、同内容を記載したパンフレットを配付したところでございます。
また、ことしの7月には、三浦半島地区の住宅用火災警報器取扱業者によります住宅用火災警報器設置推進協力会を立ち上げまして、市民に適正な業者を紹介できるパンフレットが作成できることになりますので、これを市民に配布いたしまして、被害防止を図るとともに、消防といたしましても、今後各種広報を利用して、市民に注意を喚起していきたいと、このように考えております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。消防本部でもいろいろやることが多くて、大変だと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
私事ですが、私の家もその住宅用火災警報器、現在見積もりをとっていただいているところでございまして、今年度中には実現をしたいなというふうに思っております。
次に、健康福祉行政についてお伺いをしたいと思います。
まず、障害者福祉運営事業についてお伺いいたします。先ほども、また昨日も同僚議員が取り上げておりましたが、本年4月1日より障害者福祉の改革をねらいとした障害者自立支援法が施行されました。新しい障害福祉サービスの仕組みでは、それまでの支援費制度では、所得、収入に応じた応能負担だった負担の仕組みから、サービスの量に応じた定率負担へと変わったわけでございます。しかし、低所得者や障害年金以外に、ほとんど収入・資産がない方への軽減措置はどのようになるのかが懸念されるところでございます。
まず、その点からお伺いしたいと思いますが、新しい利用者負担の仕組みにおいて定率負担の原則は、サービス費用の1割となっておりますけれども、利用者の所得に応じた月額負担上限はどのように定められているのか、まずその点をお伺いをしたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 利用者の所得に応じた月額負担上限額、4区分ございます。一番最初、生活保護の区分であります。これは生保世帯に属するものとして負担ありません。2番目が低所得者1というふうに規定されております。これは世帯全員が市民税非課税、障害者本人の収入が80万以下の場合です。これは上限額が1万5,000円と。それから3番目といたしまして、低所得者2の、そういうレベルでありますが、これは市民税非課税世帯で収入が80万を超える方、これは2万4,600円と、そういう上限であります。4番目といたしまして、それ以外の方で一般というふうな規定になっております。1から3までに該当しない方、この市民税課税世帯、上限が3万7,200円と、こうなっております。
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○5番(納所輝次議員) そこに規定されてる世帯ということですけれども、その新しい制度における世帯、そのとらえ方を改めてお伺いをしたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 自立支援法の利用者負担における世帯のとらえ方、これ原則として住民基本台帳上の世帯というふうになっております。同じ家に同居していても、サービスを利用する障害者と、それからその家族が別々の世帯ということでありますれば、それぞれ独立した世帯と、こういう認定であります。それから、例外として、同一の世帯でありましても、税制度とか、あるいは健康保険制度におきまして、障害者が同じ世帯の家族などの扶養になっていない場合、これは障害者本人の世帯と、こういうふうな認定をしておるところでございます。
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○5番(納所輝次議員) この障害者自立支援法の新しい制度では、さまざまな軽減措置が図られていると伺っておりますけれども、そこでお伺いいたします。
自宅でサービスを受ける方及び20歳未満の入所施設利用者の方に対する減免措置、これはどのようになっておりますでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 自宅でサービスを受ける方、あるいは20歳未満の入所施設利用の方の軽減、これは3年間の経過措置でありますが、社会福祉法人の減免が適用されます。これは、社会福祉法人によります利用者負担減免措置を促進するために、社会福祉法人等の県への届け出に基づきます負担軽減措置によりまして利用者の月額負担上限額、これの半分を減額すると、こうなっております。
軽減措置の基準といたしましては、低所得者1あるいは低所得者2の区分に該当し、申請者または世帯の主たる生計者が一定の資産あるいは預貯金を有していないということが条件になっております。
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○5番(納所輝次議員) 次に、グループホームに入居及び入所施設に入所されている方への軽減措置のあり方、これはどのようになっておりますでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 低所得者1、2に該当いたしまして、一定の資産、預貯金を有していない場合に当面3年間の経過措置として個別減免の措置がこのグループホームの入居者あるいは施設入所者に講じられるということになっております。
また、入所施設におきます補足給付によります実費負担の軽減策といたしまして、グループホーム、あるいは入所施設の入所者で低所得者の1や2に該当しまして、一定の資産や預貯金を有していない場合に、食費、居住費以外のその他の生活費といたしまして、一定の額を超えるように、これは2万5,000円でありますが、2万5,000円を超えるよう、食費、光熱水費の補足給付により実費負担を軽減すると、こういうことをやっております。
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○5番(納所輝次議員) さらに、今、先に聞きました自宅でサービスを受ける方及び20歳未満の入所施設利用者の方、次に聞きましたグループホームに入居及び入所施設に入所されてる方、それぞれに共通する軽減措置はどのようになるのか。さらには、軽減措置対象者となる方の数や割合について、把握されてるところをお伺いしたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 共通の軽減策二つあります。一つといたしまして、高額障害者福祉サービス費の支給といたしまして、同じ世帯でほかにも障害者福祉サービスを受けている方がいる場合、あるいは介護保険と障害者福祉サービスを利用している方がいる場合、その合算額が月額負担上限額を超えないように負担額を軽減するというのが1点であります。
それから、2点目といたしまして、生活保護への移行防止策といたしまして、障害福祉サービスを利用する方が生活保護の適用対象となる場合に対象でなくなるまで定率負担や、あるいは入所者の食費負担を軽減し、生保の対象にならないような措置がとられております。
それから、減免の状況であります。直近の5月22日現在の数字をお話しいたしたいと思います。認定者トータルで668名、生保該当者が25名、低所得者1のレベルの方が93名、低所得者2のレベルの方が162名、それ以外の方が388名、全部で668名、そのうち、個別減免を受けてる方が82名、補足給付の方が76名、社福減免の方が13名、以上であります。
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○5番(納所輝次議員) 先ほど吉岡議員も質問されておりましたけれども、同じように、改めて鎌倉市独自の軽減措置の工夫、これはどのようになっているのか、さらに具体的なところがあればお伺いをしたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 鎌倉市独自の軽減策であります。この低所得者対策、主にですね、低所得者1とか2の方、こうした方を中心といたしまして、どういうような軽減措置が必要なのかをぜひ検討してまいりたいと、できる限り早い時期に結論を出してまいりたいと、こう考えております。
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○5番(納所輝次議員) 現在、鎌倉市の養護学校高等部を卒業した方に、日中活動の場というのが、重度の方において不足しているという声を聞いております。鎌倉市は重度障害者の日中活動の場の拡大を図ってほしいとの要望も寄せられております。
また、知的障害者のグループホームと生活ホーム、7カ所あるわけでございますが、いずれも、先ほど吉岡議員も指摘されておりましたけれども、家賃が高く、厳しい運営を強いられているとの声もございます。できれば、精神障害者の生活ホームと同様の水準の家賃補助があればとの願いも出ておりますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
また、本年10月からはサービス利用の仕組み自体も変わると伺っております。先ほどもありましたけれども、例えば相談支援、ケアマネジメントが制度化されることや、客観的な調査項目に基づいて障害者程度区分の判定、1次判定を行うこと、市に障害者程度区分の判定、2次判定を行う審査会が設置されることなどが挙げられております。
では、重複して恐縮なんですけれども、鎌倉市において相談支援事業はどのように行われていくのか、改めてお伺いしたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 相談支援事業自体は市が直接行うか、あるいは事業者に委託するかと、こういうことができるわけでありまして、この相談支援事業者、この10月に県の指定を受けるということになりまして、私どもといたしましては、その動向をぜひ見ながら、身体障害者、知的障害者、精神障害者のそれぞれの障害の特性など、こうしたことを考え合わせまして、適正にアセスメントや、あるいはサービスの利用計画の案を作成できるケアマネ、そうしたことができる事業者にできれば委託してまいりたいと、そう考えております。
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○5番(納所輝次議員) 次に、その障害程度区分の判定を行う審査会というのがございますけれども、その審査会の手順と、また克服すべき課題、これがあればお伺いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 全国共通の106項目、まずこれの聞き取り調査があります。それをコンピューターの1次判定にかけます。その次のステップといたしまして2次判定、これは審査会でありますが、1次判定の結果あるいは概況調査、特記事項、あるいは医師の意見書、こうしたものを添えまして、障害認定区分を認定すると。さらに、本人の利用意向調査、利用意向の聞き取り、こうしたものを行って、最終的に市が支給決定案を作成して、さらには専門的な判断を要する場合には、審査会の意見聴取を経て、最終的な支給決定と、こういうふうになるわけであります。
課題といたしまして、やはり聞き取り調査あるいは障害程度区分の認定におきまして、本当に利用者が必要としているサービスの内容を把握すると、そして適正な支給決定をすると、こうしたことが一番重要な課題と受けとめております。
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○5番(納所輝次議員) また、移動介護地域生活支援センターは、市が行う地域生活支援事業に移行するとのことでございますけれども、地域の実情に応じて柔軟に実施されることが望ましい事業について、介護給付等とは別に、市の地域生活支援事業として法定化されるとのことでございます。これもまた質問が重なってまことに恐縮なんですけれども、鎌倉市の地域生活支援事業は、具体的にどのような事業がどのように移行していくことになるんでしょうか、この点お伺いをいたします。
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○小川研一 健康福祉部長 現在、実施しております手話通訳ですとか、あるいは要点筆記の通訳者派遣ですとか、日常用具の給付ですとか、外出介護サービス、これについてはぜひともこの水準が低下しないように移行してまいりたいと、こう考えておりまして、それから相談支援事業とか、あるいは地域活動支援センター、先ほども議論出ましたが、地域活動支援センター、こうした事業については、今後ぜひ事業者と協議しながら、移行してまいるようにしてまいりたいと。
そのほかに、市町村が任意に実施できる事業といたしまして、今実施しておりますけれども、訪問入浴サービス、こうしたことも移行できればと考えております。利用者への負担とならないようなサービスの移行、これをぜひ円滑に進めてまいりたいと、こう考えております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。その障害者自立支援法に基づく障害者福祉のあり方については、利用者負担だけが取りざたされておりますけれども、まず障害者の福祉サービス提供主体が市町村に一元化されたこと、また障害の種類にかかわらず、障害者の自立支援を目的とした共通の福祉サービスは、共通の制度により提供されること。働く意欲と能力のある障害者が企業などで働けるよう、福祉の側から支援すること。障害者が身近なところでサービスが利用できるよう規制が緩和されたこと。サービスが公平に利用できるよう、利用に関する手続や基準が明確化・透明化されたこと。また、増大する福祉サービス等の費用をみんなで負担し、支え合う仕組みが強化されたこと。福祉サービスなどの費用は国が義務的に負担する仕組みに改められたことなどの根本的な改善点がまだまだ知られていない段階であると思います。市においても、このことをより多くの市民の方に御理解いただくよう、さまざまな機会を利用して周知を図っていただきたいと思うわけでございます。
次に、福祉のまちづくりについてお伺いをしたいと思います。
平成10年の一般質問において、公明党の藤田議員が鎌倉駅を中心とした福祉の視点からのまちづくりの必要性を訴えておられます。当時の答弁では、構想段階であった各種のまちづくりの基本的な考え方として、障害者の方々も含めた歩行環境の安全性あるいは快適性等も配慮したまちづくりに積極的に取り組んでいくとの答弁でございました。
その後、第3次鎌倉市総合計画に掲げた五つの都市整備構想の一つとして、平成12年に古都中心市街地まちづくり構想が策定されました。鎌倉駅を中心として、四つの拠点ゾーンと周辺市街地ゾーンから成るこのまちづくり構想には、当然のこととして、歩行者の安全環境の整備という観点も含まれております。
その後、平成12年には交通バリアフリー法の制定、平成15年には改正ハートビル法が施行されるなど、国を挙げて福祉の視点をベースラインに据えたまちづくりが行われるようになったわけで、いよいよ福祉のまちづくりの視点が時代の要請とともに主眼となってきたわけでございます。現在、国会では、高齢者、障害者等の自立した日常生活、社会生活を確保することの重要性にかんがみ、ハートビル法及び交通バリアフリー法を統合・拡充して、これらの方々の円滑な移動及び建築物等の施設の円滑な利用を確保することを目的とした改正バリアフリー法が審議されておりまして、点から面へという公明党の提案が一歩前進しようとしております。
そんな中、今年度、JR鎌倉駅構内のバリアフリー化事業に着手するとのことで、これは古都中心市街地まちづくり構想策定段階から、早期実現を求める市民要望が高いものであったこと、また平成14年の鎌倉駅西口周辺まちづくり基本計画でも駅構内及び歩行者環境改善に必要な主要事業として位置づけられてきたものであったことだけに、昨日も早稲田議員も取り上げられておられましたけれども、その計画が着々と進んでいるということは大変喜ばしい展開でございます。鎌倉市の玄関とも言うべき鎌倉駅がバリアフリーに配慮されているか否かで、鎌倉の第一印象や福祉行政のあり方が判断されると言ってもよいほどでございますので、工事の無事完成と、一日も早い供用開始が待たれるものでございます。
そこで、鎌倉駅西口周辺まちづくり基本計画においては、公衆トイレなどの設置も含めて、バリアフリーの視点がどのように生かされているのか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
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○伊藤文男 拠点整備部長 鎌倉駅西口周辺まちづくり基本計画におけるバリアフリーの視点についてのお尋ねでございます。
この基本計画におきましては、市民を初め観光客の方々が安全に安心して歩行できる空間や待ち合わせのスペースを確保するなど、バリアフリーに配慮した鎌倉駅西口周辺の歩行者空間の充実を提案しております。
こうしたことを踏まえまして、平成17年度には市役所前交差点付近の歩道につきまして、車いすやベビーカーでの快適な走行、さらにはまた雨天時などの歩行の安全性を考慮した整備を行ってまいりました。
今後とも鎌倉駅西口周辺地区整備事業の実施に当たりましては、西口駅舎の改築に合わせた多目的トイレの設置なども含めまして、バリアフリーに十分配慮しながら、だれもが安全に安心して利用できる環境の整備を進めていく考えでございます。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。その鎌倉駅のバリアフリー化に続いて、鎌倉駅周辺の面的バリアフリーの整備に大きく期待が持たれるわけでございます。ならば、これを機会に鎌倉駅西口から市役所、御成小学校、福祉センター、中央図書館などの公共施設へのアクセスラインがしっかりと構築された福祉のまちづくりに取り組んで、段差がなく、徒歩でも車いすでもスムーズに移動できるエリアをつくり上げるような先進的な試みがあってもよいのではないでしょうか。つまり、ただバリアフリー化してよしとするのではなく、交通弱者を主人公にした西口から各拠点へのアクセスラインを構築することにとどまらず、御成通り商店街や西口商店街の各店舗にも福祉に対する深い造詣を持った店構えや客対応に御協力いただくなど、市民にも広がりを持った福祉のまちづくりのモデルケースとなるべきではないかと思います。
鎌倉駅西口周辺まちづくり基本計画が福祉の視点を取り入れたものであるべきことは当然ではございますが、一歩進めて、そのコンセプトにおいて、町を挙げて福祉を前面に押し出した模範的な地区としていくことについては、具体的にはどのように考えますでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 私ども、鎌倉市の健康福祉プラン、この3月に実は改定いたしました。この6月議会で観光厚生常任委員会に御報告する予定になっております。その改定いたしました健康福祉プランの中でも、健やかで心豊かに暮らせる町、福祉のまちづくりということを基本的な考えの一つに位置づけております。やはり障害のある方あるいはお年寄り、あるいはすべての市民の皆さんが安心して生活できたり、あるいは出かけやすいまちづくり、これは施設などのバリアフリー化だけでなくて、やはり受け入れていただく、そうした気持ちといいましょうか、それをうまくつくっていく、そうしたことが大変重要であると、こう受けとめております。実施計画でも登載しておりますが、来年の19年度には障害者の施設、これをつくると、グループホームをつくることになっております。私ども今、この西口の計画からちょっと外れるのかもしれませんが、由比ガ浜の商店街の地区にそうしたグループホームをつくるという計画を関係者の方が中心になって進めております。町内会の方あるいは商店街の方と今その準備を進めております。そうした施設がきっかけとなりまして、その町全体が福祉のまちづくりの精神、そうしたものがうまくできていければ、これはすばらしいことだなと、こう思っております。
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○5番(納所輝次議員) 平成10年に藤田議員が質問しました当時は、国の財源を使えるようなまちづくり交付金のようなものはなかったわけで、以前には考えられなかった展開になってきたわけでございます。本年3月に鎌倉駅周辺地区がまちづくり交付金を活用したまちづくりを進めていく上で、まち交大賞プロセス賞を受賞してるわけですから、さらに商店街や市民、学識経験者等の専門家を意見を取り入れた取り組みに磨きをかけて、ハード面・ソフト面にわたり、心憎いほどの配慮が行き届いている上に、鎌倉の歴史・文化・自然環境等の特性を生かした地域主導の個性あふれるまちづくりを全市的に実施して、市民の生活の質の向上と地域経済、社会の活性化を図るため、まちづくり事業を進めるべきであるというふうに考えるわけでございます。
そこで市長にお伺いいたしますが、全市的な視点で福祉の考え方を前面に押し出した特色あるまちづくりについて、どのようにお考えか、お伺いをしたいと思います。
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○石渡徳一 市長 少子化・高齢化の急速な進展、また社会環境が大きく変化をいたしております。すべての人々に優しい福祉のまちづくりの実現が求められておるところだというふうに認識をいたしております。申すまでもございませんが、公共施設などのバリアフリー化だけでなくて、生活空間全体のバリアフリー化が必要だというふうに思ってます。またあわせまして、地域住民の方の参加によるところの、やはりともに支え合う、そういったハード面・ソフト面両面からのやはり施策も大事だというふうに思ってます。いずれにいたしましても、だれもが出かけやすい町をつくってまいらなければならないと思いますし、ただいま拠点整備を中心として、そういったことを先例にいたしながら、鎌倉らしい特色のある町をつくってまいりたい、このように考えております。
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○5番(納所輝次議員) 続きまして食育についてお伺いをしたいと思います。
昨年7月、食育基本法が施行されました。食育基本法の中で、食育とは、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの、さまざまな経験を通して食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることと説明しております。この基本法の考えを具体化して食育を国民運動として推進するために、国は今年度から平成22年度までの5年間での達成目指して、具体的な数値目標を示した食育推進基本計画をまとめ、ことし4月に始まったわけでございます。この計画で毎年6月と定められた食育月間、まさしく今月から食育月間がスタートしたわけでございます。
なぜ食育が必要とされるのか、毎日の食事をおいしく楽しく食べて元気に育つことを学ぶことは、自分の健康は自分で守り、つくっていくという生涯学習でございます。また、幼児が字を読み、数を数えるようになる以前の段階から五感を総動員して体得していく総合学習でもございます。地域風土に合った食育は、自然、暮らし、人間を大切にする優しい心をはぐくみます。日本の食文化と伝統食の伝承は継続していく強い意志と努力が不可欠でございます。ここに食育の必要があるわけでございます。この人間を育てる食育を国民運動として推進していくという基本法の趣旨を実現するために、都道府県や市町村が食育推進計画を策定することを努力義務としております。
そこでお伺いいたします。食育推進基本計画についての鎌倉市の基本的な考え方、策定方針を伺いたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 食育の重要性、今、議員さん御指摘のとおりでありまして、私どももまるで同じ思いであります。平成19年度に食育推進計画、この策定を目指していきたいと考えております。それに向けまして、今年度、庁内の連絡体制、これをつくると。それから食育に関心のあります市民の方との懇談会の場、こうしたものを実施していきたい。もう一つは、大学、市内の大学との共同とか連携体制を確立して進めていきたい。いずれにいたしましても、市民の皆さん全体の運動として地域や社会挙げて、子供のときから食育を初めとするいろいろな食習慣を含めたものを身につける。ひいてはそのことが生活習慣病の予防につながると、具体的かつ実践的な計画をぜひつくってまいりたいと、こう考えております。
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○5番(納所輝次議員) 私たちの食生活は、ライフスタイルの多様化などに伴って大きく変化をしてきたわけでございます。実際、私たちの食をめぐっては、どのような問題があるのでしょうか。また、栄養の偏りや不規則な食事などによる具体的な影響はどのようにあらわれるのか、お伺いをしたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 平成17年度に衛生協議会が実施いたしました幾つかの調査があります。その中の結果だけちょっと拾い上げましてお話ししたいと思います。
痩身目的、やせですね、痩身目的で食事制限を行っている。そうしたケースが思春期の女子で約1割、それから青年成人期の女性では2割弱と。それから2点目といたしまして、間食をし過ぎたことで夕食を食べられないことがあるケース、これが思春期の男女ともで3割以上と。それから3番目といたしまして、サプリメントを服用している、そういったケース、これが思春期の2割。それから青年期の男性の3割以上に欠食があるということがわかっております。それからもう一つ、鎌倉市の健康生活調査、これ平成14年から16年度にやっておりますけれども、その結果から見ますと、全体的に言えますことでありますが、生活習慣に偏りがある男性は女性の2倍と、特に40歳代の男性の7割に生活習慣の偏りが見られると、こういうことがわかっております。
こうした結果から、特に食事、これは健康に直接影響を及ぼすということになるわけでありまして、今後の取り組みの再重点課題と、こう認識しております。
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○5番(納所輝次議員) 私もまさしくその7割もいるという40歳代の男性の真っただ中に入ってるわけでございまして、非常に不安になってくるわけでございます。また、先日、NHKのテレビ番組で食育を取り上げておりました。ごらんになった方も多いと思いますけれども、その内容で大変驚いたのが、家庭でも学校給食でも好きなものだけしか食べない子供が大変ふえており、その結果、野菜繊維不足による便秘症の子供が52.4%、排便が週に一、二回しかない子供が11%もいるという事実でございました。この栄養の偏りは、子供の体つきまで影響しており、この20年間で肥満の子供が1.5倍に増加、さらには逆に標準体重の80%以下のやせた子供も2.6倍に増加しているということでございます。私も人のことは言えませんけれども、標準的な体形の子供が少なくなっているということでございまして、肥満が生活習慣病の予備軍ならば、やせは骨粗しょう症の予備軍だそうで、将来を考えると、今の子供たちの食生活は危機的な状況にあることは明らかでございます。この食育については、既に国の関係省庁でもさまざまな取り組みが進められてまいりましたし、自治体や民間団体においても自発的な取り組みが行われてまいりました。
そこでお伺いいたしますけれども、鎌倉市や市内の各団体における食育の取り組みには、どのようなものがありますでしょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 既に実施しているものがありまして、それは市がやっているものといたしまして、離乳食教室というのをやっております。もぐもぐごっくん教室ですとか、小さなコックさん集まれですとか、そうした離乳食教室ですね。それからもう一つ、食生活改善推進員の養成講座、こうしたことなどをやっております。それから団体が実施しているものといたしましては、高齢者の配食事業でありますとか、食生活改善推進団体と、それから子供の料理教室と、この団体によります子供の料理教室、さらには男性のための料理教室、幾つかの事業が実施されております。今年度新たにですね、私どもといたしましては、食は健康の源と、そうした視点から、健康への理解を深めるということで、家庭や地域で食のサポーターとしての役割を担っていただく、地域で食を通じた健康づくり活動に取り組む人材育成、こうしたことを今年度予定しておるところであります。
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○5番(納所輝次議員) そのほかにも昨年、「湘南食育サミットin鎌倉」を開催するなど、食育について既に活発な活動を始めた市民団体も存在しているわけでございますけれども、この食育基本法の中では、食育を推進するためにさまざまな取り組みが示されておりまして、家庭における食育では、保護者や子供の食に対する関心と理解を深め、健全な食習慣の確立を図るとございます。鎌倉市教育センターでは、平成15年に小・中学生を対象に学校生活に関するアンケート調査を行ったと伺っておりますが、既にその当時から朝食を食べないで登校する子供がいることや、ひとりだけで食べる孤食の問題などが心配されておりました。この調査における子供の食生活に関する各設問についての結果と、その特徴をお伺いしたいと思います。
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○小野田清 教育総務部長 御質問の15年度の調査は、教育センターがかまくらっ子の意識調査ということで実施しまして、平成16年の6月に調査結果をまとめております。調査対象につきましては小学校3年生、それから6年生、中学校2年生で食生活について四つの設問を行っております。
それぞれ設問ごとの特徴でございますけども、まず1番目につきましては、学校のある日、朝御飯を食べてから出かけてますかという設問に対しまして、小学校3年生では90%以上、小学校6年生では84%以上、中学校2年生では79%以上がいつも食べてから出かけているという答えをしております。
設問2の、学校のある日、朝御飯はだれと食べていますかとの設問に対しましては、小学校3年生は75%以上、小学校6年生は68%以上が家族のだれかと食べている。またはみんなで食べると答えております。比較的割合が高いということになっておりますが、一方、中学校2年生では、ひとりで食べると答えた割合が男子で43%、女子で38%ということで、小学校3年生、6年生に比べてひとりで食べる割合が高くなっております。
それから3番目に、ふだん夕食はだれと一緒に食べてますかという設問に対しまして、どの学年も90%以上の割合で、家族のだれかと食べる、またはみんなで食べるという答えをしております。
それから最後に4番目ですけども、ふだん夕食は何時ごろ食べ始めますかという設問に対して、6時から7時、7時から8時と答えた割合が76%以上と高く、学年が上がるほど夕食の開始時間が遅くなるという傾向がございます。
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○5番(納所輝次議員) 先ほどのNHKのテレビ番組でも、千葉県のある小学校の食育への取り組みを紹介しておりましたけれども、その小学校でも朝食抜きの子供の増加が問題になっておりました。朝食でとる栄養というのは体内の運動を促すものに使われるわけですが、朝の栄養が不足すると、体を守ろうとする本能が働いて、代謝能力が低下してしまうそうでございます。事実、その小学校でも3年間で子供の運動能力のデータが軒並み低下して、午前中、集中力に欠ける子供が急増してるということでございます。危機感を持ったその小学校では、朝食をとることを積極的に勧めた結果、朝食抜きの子供は減ったそうでございますけれども、中身を聞いてみると、主食と飲み物だけという子供がほとんどだったそうでございます。もはや、学校だけの食育の取り組みには限界があるということで、家庭の協力を得て子供たちの朝食や夕食を写真に撮って現状を検証したそうでございます。
すると、朝食がハンバーガー1個だけとか、カップラーメン1個だけ、コンビニの肉まん一つだけというような朝食があったり、夕食が御飯と菓子パンと大根の煮物という妙な組み合わせの写真も出てきたそうでございます。予想以上に好きなものだけしか食べない子供がいることがわかったそうでございますけれども、当然、栄養価も肉、砂糖、油の摂取が過剰で、逆に食物繊維や炭水化物が極端に不足しているというデータが出ておりました。これでは大人以上に生活習慣病が心配されるわけでございますけれども、事実、糖尿病?型ですか、その子供の患者数はこの20年で2.7倍増加しているということ、それから高脂血症の小学生が100人中10人もいると、これはこの15年間で1.5倍に増加してるということでございます。現在、3割の子供に生活習慣病の心配があるとの危機的な現状でございます。いずれ鎌倉市でも、その子供の健康診断に血液検査を行わざるを得ない状況なのではないかと思います。これはぜひ真剣に検討していただきたいと思います。
一体、家庭は何をしてるんだというふうになるわけでございますが、実は家庭でも危機感は持っているんですけれども、幾ら野菜を食べるように子供に言っても、言うことを聞かずに困ってしまっていたり、また無理強いをすると、かえって逆効果になってしまうため、食べないよりは好きなものを与えてしまうということで、家庭でも食の悪循環に苦しんでるそうでございますし、何よりも子供自身が食べられないということで苦しんでるということでございます。
教育では、知育・徳育・体育の3育と言いますけれども、古くから日本では、その才能を育てる才育と食育、これも加えて5育という言葉もあったそうでございます。食育というのは、その5育の一番最初に来るものでございます。食育基本法で、学校、保健所等において魅力ある食育を推進し、子供の健全な食生活の実現と健全な心身の成長を図るとございます。子供たちへの食育には、子供を引きつけるアプローチが効果があると言われております。特に子供はキャラクターが大好きで、そのキャラクターによるアプローチもございます。
アメリカでは、子供に大人気のディズニーキャラクターがコック姿になって、ミッキーマウスの料理ブックが売れていたりするそうでございますけれども、そのゆえんは、アメリカで食育が正規のカリキュラムになって35年以上の歴史があるからだそうでございます。日本でも既に各地で食育のアプローチがなされておりまして、福井県小浜市が全国初の食のまちづくり条例を制定して、教育委員会に食育専門員を配置し、子供の朝食しっかり運動というものを行っております。また、長崎県では食育ミュージカルが毎年開かれていると、また茨城県結城市では町を挙げての食育の成果で、ある保育園で5歳の男の子が魚を見事におろして話題になったということでございます。また近畿地方では、食育かるたをつくって近畿地方の伝統食や食習慣の改善を学べる工夫がなされております。例えば、では鎌倉市の保育事業や教育現場では、子供たちに対する食育のアプローチはどのように行われているのか、この点をまずお伺いをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
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○石井和子 こども部長 保育園の食育につきましては、平成16年3月に厚生労働省から指針が出され、その指針の中で、食育を推進し、どのような子供に育てていくか、五つの目標が示されております。おなかがすくリズムの持てる子供、食べたいもの、好きなものがふえる子供、一緒に食べたい人がいる子供、食事づくり、準備にかかわる子供、食べ物を話題にする子供、以上の5点で、本市の保育所ではこの5点を実現し、楽しく食べる子供に育てることを目標に食育を推進しております。
アプローチとしての具体的な取り組みでは、さまざまな工夫もいたしております。例えば調理保育として、子供たちによる料理づくり、おやつづくりをいたしておりますが、これは食材と調理の過程を知るとともに、友達とつくったものを食べる楽しみを知ることをねらいとするものでございます。また、子供たちが好き嫌いをなくし、食べられる食品をふやすためには、食品が果たす役割を知ることも大切です。そのために、人間の形を模したエプロン、胃ですとか腸ですとか、人間の内臓を図柄であらわしたエプロンをかけて、野菜などの食材の模型を使い、食品が体の中に入ってどのような役割を果たすのかを子供にわかりやすく伝えるエプロンシアターと呼んでおります手法でございますけれども、そういった手法などにより、子供たちの興味を引く工夫もいたしております。あるいは、各施設の園庭などで子供たちが栽培した野菜を給食に取り入れることも行っており、子供たちが自分たちでつくった野菜であることから、好き嫌いにこだわらず、自然に食べられるようになってきております。こうした取り組みをもとに今後も保育所での食育を進めてまいりたいというふうに考えております。
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○小野田清 教育総務部長 学校におけます食教育、食育の関係でございますけど、非常に大事なものだという認識を持っております。特に義務教育におきまして、子供たちが心身ともに健全に発達するという段階においては、食教育というのは非常に大事だと思っております。当然のことながら、給食時間ですね、ランチルームとか教室で栄養士を中心に栄養に関すること、食事の大切さ、また健康に関することなどについても子供たちに指導しております。そのほかに、地場産の食材の紹介とか食物の栽培など、そういった体験学習的なのを取り入れております。そのほかに教科としまして、1・2年生の生活科あるいは3年生以上の総合的学習の時間などにつきましても、食育に関する指導等を行っております。先ほどから出ておりますように、学校だけではなくてですね、家庭との連携も必要ですので、情報発信ということから、給食だより等を通じて食育に関する情報等も保護者の方々に提供しているというような手だてもしております。
したがいまして、食育の関係につきましては、今後とも教育委員会としてはですね、教育プランにも掲げておりますし、一層の充実を図っていきたいというふうに考えております。
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○5番(納所輝次議員) ありがとうございました。非常に大変なアプローチであると思いますけれども、学校と家庭、また保育所と家庭、それぞれの工夫による食育のアプローチ、大切でございます。ぜひ推進をしていただきたいと思います。食育基本法では、地域においては、栄養食習慣、食料の消費等に関する食生活の改善を推進し、生活習慣病を予防するとありますし、また国民、教育関係者、食品関連事業者などによる民間団体の自発的な食育活動の全国展開を図るとございます。鎌倉市においても、これらを踏まえて、食育推進計画が策定していくものと考えるわけでございます。
また、この食育基本法の取り組みに食文化の継承のための活動への支援というものがございます。ここに「武家の古都・鎌倉」として世界遺産登録を目指している鎌倉市の特徴を生かすチャンスもあるんではないでしょうか。伝統的な行事や作法と結びついた食文化、地域の特色ある食文化など、伝統あるすぐれた食文化の継承を図ることは、大都会では大変に難しいことでございますが、鎌倉は精進料理発祥の地でもございますし、また腰越の漁港の水産物、農協即売所の農産物などによる生産者と消費者との合流が既に構築をされているという事例がございます。これらの地域の特徴を生かした食育活動を図ることも食文化継承の活動支援になるのではないかと思いますが、この点についてはいかがでございましょうか。
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○小川研一 健康福祉部長 食育の推進におきましては、個々の地域で、いかに市民の皆さんと一緒に進めていくかということが大変大事でありまして、また、今お話のありました伝統的な行事とか作法とか、地域の特色のある食文化をいかに継承していくかということも大変大事であります。また、今やはりお話ありましたけれども、消費者と生産者の関係と、これを大切にしていくと、地産地消を勧めるということも大変必要であります。市が実施いたします幾つかの料理教室ですとか、子供教室あるいはいろんな料理教室などで、地場の食材を使うということも含めまして、食文化の継承の活動支援、これにつきましては、どういうことができるのか、あるいは何をすべきかということにつきまして、これからも、福祉の領域だけの問題ではないのかもしれませんけれども、いろいろな市民の皆さん、あるいは生産者の皆さんと話し合いを進めていければと、こう考えております。
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○5番(納所輝次議員) 国の食育推進基本計画の計画期間は本年度からの5年間と、その5年間の中で、例えば朝食を食べない国民の割合を子供が4%からゼロ%にするであるとか、食育への関心を70%から90%は高めるとか、内臓脂肪症候群、いわゆるメタボリックシンドロームを認知している国民の割合を80%にするというようなさまざまな数値目標があるわけでございます。これらの目標に対して鎌倉市は今後5年間でどう取り組むのか、意外と短い期間でございます。どう取り組むか伺うとともに、その課題についてお伺いをしたいと思います。
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○小川研一 健康福祉部長 食を取り巻く課題、これは大変多いというふうに思っておりまして、まず最初に、やはり食というものが健康の基本だということをまず認識していただくようにするということが1点です。それから、次に具体的に生活習慣病、これが重症化しますと、このごろ内臓脂肪症候群、メタボリックシンドロームと言ってるそうでございますが、そうしたことに少し重点を置いた健診をしていくということ、それからその次といたしまして、そうした健診結果をもとに生活習慣病の予備軍からの食生活改善プログラム、こうしたものを実施していったりするということかと思っております。課題といたしましては、やはり地域で進めるということもありますので、地域で食を通じた健康づくり活動に取り組む人材の育成をどうするかとか、あるいは食育計画の策定推進に当たりまして、その運動の展開をどうするか、具体的に言いますと、生産者とか、あるいは大学とか市民の皆さんとか、あるいは行政とか、いわゆる産官学民の連携といいましょうか、そうした進め方、これをどういうふうにしていくかということが課題かなと、こう受けとめております。
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○5番(納所輝次議員) 今、健全な食生活の実践が危機的な状況にあるということで、食育の推進が重要な課題になってきたわけでございます。平成14年には健康増進法が制定されて、市町村に積極的な事業展開が求められてきております。市民の健康づくりに関する調査や研究をされ、鎌倉市健康福祉プランもでき上がった。食育基本計画との連携も重要になってまいります。何よりもできるところから、すぐさま行動に移していかなければならないという、待ったなしの課題もございます。最後に鎌倉の食育推進について、市長及び教育長のお考えをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
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○石渡徳一 市長 まさに古来より医食同源という言葉もございますとおり、食は健康の源、健康の基本だというふうに思っております。家庭、保育所、学校あるいは地域、さまざまな場あるいはさまざまな機会を活用して、この食育の重要性というものをお互いに市民の皆さんと総ぐるみで進めてまいりたいというふうに考えております。18年度中には食育の推進計画、しっかりとしたさまざまな機関との連携を持ちながら、鎌倉らしい計画をつくってまいりたいと。また、それに基づいた推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
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○熊代徳彦 教育長 食育推進基本計画の中で、学校におけます食育を推進するために、具体的に3点ほど基本的なところを挙げております。1点は栄養教諭の全都道府県における早期の配置、それから2点目が各学校での食に関する指導に係る全体計画の作成、3点目が地場産物の活用の推進などの学校給食の充実と、基本的にはこの三つを具体的に取り上げております。今、議員さん御質問の中でるる御指摘ございました、子供たちの中には朝食抜きで登校するなど食生活の乱れ、あるいは肥満傾向が見られまして、子供たちが食に関する正しい知識を、望ましい食習慣を身につけることが重要な今課題となっているところでございます。また、食品の品質や安全性について正しい知識、情報に基づきまして、みずから判断できる能力が必要となってきております。子供が食について計画的に学べるよう、学校といたしまして、全体的な食育推進計画を策定して、これからまいりたいというふうに考えております。引き続きまして地域の生産者団体等と連携をとりながら、体験活動を推進するとともに、学校教育活動全体を通じた食に関する指導の充実を図るなど、積極的に食育に取り組んでまいりたいと考えております。
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○副議長(藤田紀子議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(15時08分 休憩)
(15時25分 再開)
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○副議長(藤田紀子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、千一議員。
なお、千一議員の一般質問については、運営委員会の協議もあり、事前に議長あて文書が提出されております。便宜、次長に代読させます。
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○1番(千一議員) (代読)私にとって2期目の2年目となりましたが、今まで要望してきたことなども含め、再度要望を深めるためのものなど確認しながら質問していきたいと思います。他の議員さんと同様、重複することもあるかもしれませんが、代読なので変えられませんので、よろしくお願いいたします。市長を初め理事者の皆様には、明確なる御答弁をよろしくお願いいたします。
1、災害時の要介護者に対する姉妹都市との連携について。2、学童保育のその後について。3、障害者の総合窓口のその後について。4、言い続けてきた段葛の2段の段差について。5、小袋谷新道の残りの650メートルについて。6、自立支援法から2カ月がたって。7、障害者の親亡き後の対策について。8、軽費老人ホームの現状と増設について。この8項目について順次簡潔に質問していきますので、よろしくお願いいします。
1、災害時の要介護者に対する姉妹都市との連携について。
これは昨年度から質問、御提言申し上げていることですが、災害時の要介護者の介護者の確保についての姉妹都市との連携について、鎌倉市としての対応と相手側の姉妹都市の対応の進み方がどのように進んでいるかを教えてください。そして、いつごろから、この連携ができるのかも大変なことです。私なども、いつ鎌倉に大地震が起こったら、介助者も被害者になるわけです。その場合、介助を日常必要とする私たち要介護者は、そのときは何とかなったとしても、その後の短期的・中期的介護をどなたにお願いすればよいのでしょうか。そのためにも、少し離れた姉妹都市との連携をなるべく早急にやってほしいと思います。いかがですか、御答弁をお願いいたします。
2、学童保育のその後について。
これもまた以前から質問し続けていることですが、重度の障害児が学童において介助者をつけてほしいのにつけられないと、いつもの答弁は同じようなものでした。幾ら義務教育とはいえ、小学校での生活はできるのに、学童となると、それができなくなるのはとてもおかしいものだと思います。義務教育という制度の上に立てばできるものが学童となると重度の障害児は歓迎されなくなり、介助においても自費でつけろということもありました。幾ら県下の市で前例がないからといって、それをやろうとしないのもおかしなことです。その点におきまして、今現在、学童保育がどのように変えられているのか、またどのように改善される方向にあるのか、前向きなる御答弁をしっかりお願いいたします。
3、障害者の総合窓口のその後について。
8月より障害者の総合窓口が開設されます。そこに行けば障害児者のことは何を聞かれても担当原局が出てくるか、連携のもと、行き先を案内し、また、そこに連絡をとるなり、できる体制をつくることだと思います。例えば障害児の療育相談は福祉センターになります。総合窓口を設けても市役所内で解決できないことや、市役所内でもわからないことがあったら困ります。ごみの問題から税金の問題まで、障害者にかかわることはさまざまです。もちろん教育や危機管理、子供のことなどは当然のことです。そのようなことをどのように進めているのか教えてください。御答弁をお願いします。
4、言い続けてきた段葛の2段の段差について。
自分でも嫌になるくらい言い続けてきましたが、しかし、あの2段が実に困っている方が多いのです。幾ら八幡宮のものとはいえ、車いすが乗りおりできるようにはならないのですか。もし、景観上のことを気にされるのでしたら、簡単につけられ、取ることも簡単にできるものをどこかに設置しておくとか、何か方法はありませんか、お考えをお聞かせください。
5、小袋谷新道の残りの650メートルについて。
レイ・ウェルの前の道の小袋谷新道は、今までとは違い、実に歩きやすく、車いすでも快適に通行できる、落ちる心配もない歩道になりました。あと大船中学校から大船寄りが約650メートル残っています。これから今年度は約300メートルが同じようになると聞いています。その進捗状況を教えてください。また、初めのころは電線類の地中化なども聞いておりましたが、そのようなことはどうなるのかも教えてください。
6、自立支援法から2カ月がたって。
自立支援法が施行されてから2カ月がたちました。範囲などは広がったものの、少しの点をよくして、大きな点が悪くなったのだと思います。例えば障害基礎年金だけの受給者は、昨年度までは自己負担金は0円でしたが、今年度は最高月額2万4,600円を払わなくてはいけなくなりました。また、少しでも所得税を納めている家庭では、最高月額3万2,700円の負担となります。そして授産施設で工賃として月8,000円程度受け取っていた方からも1万5,000円の負担ということもあり、そういう人は、その施設をやめていくということも少なくありません。また、障害者に1割負担は大き過ぎるという声もあり、そういう点で利用を控えている方もいるそうです。今現状の利用頻度はどのようなものかを教えてください。そして、その対策をどのように鎌倉市としては考えているのか。また、10月からの制度の変更に関しても心配なので、その対応についてもお考えを教えてください。確信ある御答弁をお願いいたします。
7、障害者の親亡き後の対策について。
どんな親子の関係でも当たり前に考えれば、親の方が先に亡くなるのが当然です。障害児を持つ親にしてみれば、現代社会において、自分が死んだ後を一番心配しています。その障害者自身にとっても、親が亡くなったらどうしようと思われている方も少なくありません。そして、親亡き後、その障害者の人格、所得保障、介護保障などがしっかり整備されていることが必要不可欠だと思います。今、鎌倉市としては、親亡き後、または親が年老いたときのことを考え、障害者が当たり前の人間として暮らせるような施設整備と所得保障が必要であると思われます。また、環境面では地域の助け合いのもと、その障害者自身が生きがいのある生活ができるよう、いろいろなサポート体制が必要だと思われます。そのような施設整備、所得保障、サポート体制などを具体的にどのように考えているのか、これからの進め方をお答え願いたく、確信ある御答弁をお願いいたします。
8、軽費老人ホームの現状と増設について。
鎌倉市には、2カ所の軽費老人ホームがあります。そのようなところに自分自身の意思で入りたい高齢者は少なくありません。しかし、そのホームはとても古く、エレベーターもありません。そのようなものをつくる上での助成などができないものでしょうか。ちなみに藤沢市ではケアハウスという名称で新しいものがつくられております。前向きなる御答弁をお願いいたします。
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○小川研一 健康福祉部長 一番初めに、災害時の要介護者に対する姉妹都市との連携につきましてお答えいたしたいと思います。
私ども現時点で既に身近なところといたしましては、姉妹都市の関係で言いますと、職員の相互協定は既にできております。平成7年に萩、上田あるいは足利、平成7年、8年になりますが、できております。それから身近なところでは、横須賀地域の震災時における災害協定、これも平成10年に結んでおりまして、さらに去年6月には市内の幾つかの社会福祉法人と災害時における要援護者の緊急受け入れに関する協定、これを結んだところであります。そこで次のステップとして、姉妹都市における介護者のいろいろな連携と、こういうことにつきまして、過去三度ほど市内のいろいろな施設の方々と調整をいたしました。まずは鎌倉市内を固めると、そういうことでありましたので。その結果、この5月に2次避難所として協定を結んだ市内の代表者の方々、この代表者の方々と姉妹都市に対する応援体制を市内のこの代表者の方々、市内の施設の方々も協力していただけると、こういう了解をいただきました。そこで次のステップといたしまして、いよいよ姉妹都市の方へ私どもが出かけていきまして、いろいろ説明をして協定の内容を拡大すると、そういう方向でいよいよ次のステップで検討を進めてまいりたいと、こう考えております。以上であります。
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○石井和子 こども部長 2点目の学童保育、子どもの家への重度の障害がある児童の受け入れ状況についての御質問にお答えいたします。
今年度に、子どもの家への入所希望があった障害のある児童は、重度の方を含め14名で、現在すべて希望どおりの日数で8施設で受け入れております。今回の受け入れに当たっては、臨時的任用職員を配置するとともに、トイレに手すりを設置するなど、できる範囲での施設改修も行ったところでございます。障害のある児童が入所する際、あるいは入所後も必要に応じて保護者や関係機関と打ち合わせを行っており、十分に連携を図ることにより課題を共有し、よりよい対応ができるよう心がけております。今後も入所の希望があれば、障害の種類や程度、それぞれの状況に合わせた対応に配慮し、受け入れる方向で積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
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○小川研一 健康福祉部長 3点目の御質問の障害者の総合相談窓口についてのお尋ねであります。
私ども、まずやるべき総合相談窓口のサービスの対象といたしましては、まず最初に、障害サービスの一元化、これをまず目指そうと、こういうことでまず最初に取り組んでおります。具体的には総合相談窓口、実は4月から障害者福祉課、この窓口に非常勤の嘱託員を配置いたしております。仕事の把握・整理、こうしたことの実務の実習などを行っておりまして、それから各支所で毎月一度定例的に障害福祉相談、これを開設いたしております。いずれにいたしましても、この関連する窓口と連携を行いまして、できる限りのワンストップサービス、これを目指していくと、申請書類の簡素化あるいは事務処理の迅速化、こういったことを図ると、そうしたことが結果的には担当職員によるケースワーク業務の充実にもなるわけでありまして、それから、できれば19年度にはさらに充実した次のステップの相談スペースの整備を、これを図ってまいりたいと、こうも考えております。
そのほかに、この総合相談窓口と、それからもう一つ、発達支援のシステムのネットワーク、これもできておりまして、こうしたことを両輪といたしまして、障害者の皆様への相談体制の充実を図ってまいりたいと、こう考えております。
なお、今回、機構改革によりまして、あおぞら園と、それから障害部門との一つの課にしたと、そうした総合相談窓口、部門別の総合相談窓口、こういったことの充実を行ってまいりました。議員さん御指摘の、さらに進めた全体的な障害者の方が何でも、障害者の方が見えて、いろいろなサービスを受けられる、そういう総合相談窓口ですね、これはまた次のステップとして関係機関ともいろいろ協議をしてまいりたいと、こう考えております。以上であります。
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○石川吉見 都市整備部長 4点目の言い続けてきた段葛の2段の段差について、車いすが乗りおりできるような何か方法はないかの御質問でございますが、御質問の内容につきましては、私ども原局といたしましては、もとより、市長も八幡宮に要請をしてきた経過がございまして、平成15年6月の定例一般質問の際に、段葛は、もともと神事を行う場所として段葛という名のとおり、段がある信仰上の形態となっていることなどから、形状変更はできないという八幡宮からの回答を御答弁させていただきました。このようなことから、バリアフリーとは視点が違うことを改めて御理解いただきたく、よろしくお願いいたします。
引き続きまして、5点目の小袋谷新道の残りの650メートルについての進捗状況についてはどうかの御質問でございますが、小袋谷新道の歩道の再整備につきましては、神奈川県が交通安全施設等整備工事の名称で、平成17年の秋に3カ年計画の1年目としまして主要地方道横浜鎌倉線側から約370メートルを着手したところでございます。また、将来は電線類の地中化も視野に入れておりまして、平成17年度から関係企業等との協議も始めているところでございます。また、平成18年度は2年目といたしまして、前年度の施工箇所に引き続きまして、9月ごろから議員さんの御質問の内容の延長約300メートルを着手する予定と聞いております。市といたしましても、地元の方々の対応など引き続き神奈川県へ対しまして、安心で安全な歩行空間の創出に向けまして取り組んでまいります。以上です。
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○小川研一 健康福祉部長 次に、6番目の自立支援法から2カ月がたってということに関連してのお尋ねであります。
この減免の制度がありまして、それの利用実績からちょっと一番初めにお答えいたしたいと思います。5月22日直近の数字であります。サービス決定者668名というふうになっております。生活保護対象者が25件、それから低所得1のレベルが93件、2のレベルが162件、そのほか388件、全部で668件、そのうち減免につきまして個別減免が82件、補足給付が76件、社会福祉減免が13件とこうなっております。
この利用料の1割負担につきましては、いろいろな声が出てるわけであります。市独自の軽減措置、これにつきましては、この現状の軽減措置を含めまして利用者負担の状況を把握すると、その上で当面、低所得者対策といたしまして、低所得者の1の方あるいは2の方、こうした方を中心といたしまして、どうした軽減措置が必要なのか、どのような軽減措置が必要なのか、検討してまいりたいと、できる限り早いうちに結論を出してまいりたいと、こう考えております。
それからもう一つ、10月以降の市町村の地域生活支援事業に関してであります。今現在実施しています幾つかのサービスがあります。こうしたサービス水準を低下しないようにしていきたい。また、そのほかにつきましても、このサービスの後退、福祉サービスの後退をしないように、ぜひ留意して移行できるように努めてまいりたいと、こう考えております。
それから、7番目の親亡き後の対策という大変重要な課題についての御質問であります。
障害者あるいは障害者を支える御家族の高齢化、こうしたことに伴いまして、親亡き後の支援、これは大変重要であると、大変大きな課題であると、こう受けとめております。こうした障害者についての支援につきましては、一つといたしまして、権利擁護の問題があります。現在、社会福祉協議会が実施しております権利擁護事業あるいは成年後見事業、こうしたことをこれからも充実するということが一つ大前提となると思っております。この成年後見制度、これにつきましては、自立支援法では市町村が行う事業とされておりまして、地域生活支援事業の中に位置づけられておりまして、今後、そのNPOが実施いたします成年後見事業、こうしたこととも連携しながら、ぜひ対応してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、この親亡き後、住みなれた地域で安心して生活ができる、そうしたようにするには、やはり御指摘がありましたけれども、経済的な支援とか、あるいは生活支援とか、それだけでなく、やはり施設整備ということも大きな柱になると、こう考えております。グループホームなどを含めました計画的な施設整備に今後ともぜひ取り組んでまいりたいと、こう考えております。
8番目のお尋ねの軽費老人ホームの関係の御質問であります。
市内の軽費老人ホーム、実は2カ所ございます。65床と68床、2カ所、稲村と坂ノ下にございます。稲村の方が昭和40年開設、それからもう一つ坂ノ下の方が昭和43年と大変年数がたっております。この軽費老人ホームは入所資格に所得制限があるわけでありまして、介護が必要になりましても、施設で介護保険サービスが一つの課題として供給、そこの施設が提供すると、そういうことが今この軽費老人ホームの仕組みにはなっておらないという課題が一つあります。この神奈川県の方針におきましても、利用対象の拡大や、あるいはサービスの充実と、こうしたことを目的といたしまして、建てかえのときには、入所資格に特に所得制限がなく、あるいは介護保険のサービスの施設が提供もできる、いわゆるケアハウスへの転換を図ると、こういうことも一つ県の方で考えております。私どもといたしまして、このケアハウスへの転換に係る施設整備の助成につきましては、運営法人から建てかえについて相談があった時点で県と協議していくと、こういうふうなことになろうかと思っております。以上であります。
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○副議長(藤田紀子議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(15時49分 休憩)
(17時00分 再開)
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○副議長(藤田紀子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。便宜、次長に代読させます。
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○1番(千一議員) (代読)1、災害時の要介護者に対する姉妹都市との連携について。
これは姉妹都市でもあるので、市長も積極的に働きかけていただきたいと思いますが、いかがですか。
2、学童保育のその後について。
そうすると、今までの例で言えば、寝たままの体型しかとれない障害児は親の負担で介護者をつけて5日間いましたが、そういう方も公費で補えるようになるのですね、いかがですか。
3、障害者の総合窓口のその後について。
総合窓口については、市長の積極的なお考えをお聞かせください。
4、言い続けてきた段葛の2段の段差について。
これについては、おかしな点もありますので、次の機会に掘り下げてお聞きいたします。
6、自立支援法から2カ月がたって。
生の声をお聞かせします。私は4月よりヘルパーの利用者負担が約3.7倍になり、3万7,200円となりました。これは生活費をとても逼迫させます。住民税や所得税を少しでも納めている方は、1割負担はもとより、最高負担額は月額3万7,200円となり、これは今まで最高負担額が1,600円の方も約100万円の方も同じになります。これは3月まで18段階に所得によって分けられていたものが、4月より4段階になったため、高所得者はとても喜んでいます。このようなことを踏まえ、市長並びに助役はどうお考えですか。また、どういう対策をとるおつもりですか。前向きな御答弁をお願いいたします。
7、障害者の親亡き後の対策について。
市長のお考えをお聞かせください。
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○石渡徳一 市長 まず、災害時の姉妹都市との連携でございますが、私も6月議会終了後、できますれば、相手方の市長さんと面談いたしたり、また、できなければ、電話あるいは手紙等々で積極的に働きかけてまいります。いずれにいたしましても、秋までに協定の内容を拡大する方向で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
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○石井和子 こども部長 重度の障害児を子どもの家に受け入れるに当たっての公費で介助員をつけることについての御確認でございますけれども、お子さんの障害の種類や程度について保護者などと十分に話し合った上で、臨時的任用職員を配置し、対応してまいりたいと考えております。
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○石渡徳一 市長 ただいまの御質問でございますが、今後も障害の程度にかかわらず、入所希望がございますれば、状況に合わせた対応に配慮し、受け入れる方向で積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次の総合窓口についてのお尋ねでございますが、本市におきましては、特に障害者の総合窓口化ワンストップサービス、これの実現に努めてまいりたいというふうに考えております。またそのように準備をいたしております。ただいまの御質問でございますが、全庁的な業務につきましては、各窓口に出向いていただくのではなくて、各所管課の職員を呼んで対応するなど、今後工夫をして進めてまいりたいというふうに考えております。
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○佐野信一 助役 6の自立支援法についてのお尋ねでございますが、軽減措置の実施に当たりましては、今の時点では、まず低所得者の1、低所得者の2の方々を対象に取り組むことが必要と考えているところでございます。したがいまして、一定の所得のある方々につきましては、当面、国の定める基準に従って御負担をお願いしたいと考えておりまして、今後ともその動向を見きわめてまいりたい、このように考えております。
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○石渡徳一 市長 ただいまの御質問でございますが、議員さんより生の声をちょうだいいたしました。私もこの後、現場の方へ赴きまして、さまざまな方の御意見をさらにお聞きさせていただきたいというふうに考えております。そういった中で、対象の範囲あるいは内容等についてさらに検討するように担当部局の方に指示を出したいというふうに考えております。
また、次の親亡き後についての御質問でございますが、この対策につきましては、障害者やその御家族の方が住みなれた地域で安心して住み続けるようにすることは、ともに支え合うという視点からも大変重要なことであるという認識をいたしております。今後ともグループホームなどの自立を図りますとともに、的確なサポート体制を整えてまいりますように取り組んでまいる所存でございます。以上でございます。
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○副議長(藤田紀子議員) 便宜、次長に代読させます。
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○1番(千一議員) (代読)また、次の質問に続かせて、今回の質問はこれで終わらせていただきます。
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○副議長(藤田紀子議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(17時09分 休憩)
(17時25分 再開)
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○副議長(藤田紀子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
議事の都合により、この際、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。次に、渡邊隆議員。
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○12番(渡邊隆議員) 通告に従い、質問をさせていただきます。
冒頭に市長も引用されてました司馬遼太郎氏の文章を引用したいというふうに思います。これは司馬遼太郎氏が「街道をゆく」というシリーズの中で新潟を旅したとき、干拓事業、これのですね、日本人がやはり干拓していく上で土地に対するすさまじい執念を持っていたということを思いながら書いた一節です。ちょっと僣越ながら読ませていただきます。
私は10年ほど以前から、日本の社会を混乱させているのは土地制度ではないかと思ってきた。1億人の人間が土地を投機の対象と信じさせていること自体、経済的狂人の社会というほかないと思っていたし、産業家や銀行家や林業家が本業よりもそれを転がしてもうけ、また土地を転がすことで新たな政商が成立し、政治家が自動的もしくは能動的にそういう病的な政治行為の構造の中心に立っているようになっては、資本主義というものでさえないと思うようになっていた。農業は、こういう病的な社会に巻き込まれて、1坪30万円というような地価の上に、1本100円の大根を育てざるを得なくなっているというようなことが正当な経済行為であるはずがなく、そういう行為の上に成立している働く気持ちというのは荒廃せざるを得ないのである。
昨今の事件を、いろいろな暗い事件を見てますと、このことも納得できるかなというふうに思います。そして最後にですね、明治以降の土地私有についての野放図さと土地利用についての不厳正さがこの結果を招いたのだと思う。
これですね、きょうの新聞でも出てたんですけれども、県が行革の一環として土地開発公社が解散というようなこと記事として出ておりました。やはり土地をめぐる環境というのは徐々に日本人の中で変わってきているのかなと。改めて思うのは、日本人と土地というものは密接に関係しているということだというふうに思います。
その上で、岡本の二丁目マンション問題を考えたときに、私は議員になりまして、ちょうど建設常任委員ということもありまして、この問題にはずっとかかわってきました。その中で、やはり一つの大きな反省点として、市民ないし住民の皆さんとのコミュニケーションがうまくできなかったのかなということを思っております。やはり最初のところでボタンのかけ違いがあって、それが後々まで影響してるというような状況が、今こういう問題を抱えてる原因なのかなというふうに思っております。やはりそれは行政としてのかかわり方としても、民民のことですから、難しい。しかしながら、その民民ということで行政が全くかかわらないということは、今後、やはり考えていかなきゃいけない問題だと、どういうかかわり方をするのか含めてだと思うんですけれども、と思っております。
そのコミュニケーションという問題なんですけれども、やはり市民との協働を進めていく上で、ともに働くということは、協働というのはともに働くということだと思うんですけど、まずコミュニケーションが前提にあるというふうに思います。
それでは、市民との協働について質問をさせていただきます。鎌倉市の総合計画基本構想では、基本理念として「まちの主権者である市民の英知を集め、真の地方自治の確立をめざします。」と掲げています。第3次鎌倉市総合計画第2期基本計画を見ましても、各部門、至るところで市民との協働をうたっています。時代の変化の中、また地方分権が進む中、行政だけでは賄えない、さまざまな分野の仕事が出てきている背景から、市民参画、市民との協働する体制をつくることが急務になってきているということだと理解しています。市民との協働を考えるとき、まず、この時代の変化の中、行政が果たすべき役割と方向性をはっきり明確に示すことが前提になると思います。市民ができない仕事を行政にやってもらうことに市民は期待して税金を払ってきたのが今までの姿なのですから、多様なニーズに対応し、充実したサービスを提供するためには、まず行政の役割を市民に示すことが前提となってきます。それがなければ、市民には仕事の丸投げと映り、行政に対して税金を払っている意味がなくなると感じてしまうおそれが出てきます。そのことを前提として市民との協働を進める上でのルールづくりとして鎌倉市が制定を目標としている自治基本条例について伺います。
この条例は各自治体が必ずしもつくらなければならない条例ではありませんが、あえて鎌倉市が制定をする意義について教えてください。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 条例制定の意義ということでございます。
第2期基本計画では計画の前提としまして、まず最初に市民自治を掲げております。市民にとって身近なことはできる限り、地域で行おうとする市民のための地方自治を推進することを基本方針としてるわけでございます。この市民自治を推進するため、市民自治の基本となる基本理念と基本原則を定める(仮称)自治基本条例を制定しようとしていくものでございます。本市では、これまでも市民自治の基本となるさまざまな市民活動行われているところでございますけれども、これからも地方自治の確立を目指しまして、市民自治を推進するため、市民参画と協働の仕組みなど自治体運営の基本にかかわる事項をこの条例で定めていきたいというふうに考えております。
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○12番(渡邊隆議員) わかりました。他市の事例などをまねても意味のあることではなく、鎌倉市独自のものにならなくてはならないと思います。それにはかなりの労力と時間がかかると思いますが、市としてどのような体制で市民中心の作成過程をバックアップしていくおつもりでしょうか。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 この条例の策定に当たりまして、市民の方の検討チームというのが1月にできまして、107名の方が参加をしていただきました。それで、こういった会の運営に当たりまして、まず、運営について市民の皆さんで御論議をいただいた、そういった中で準備会がこれまでに13回、全体会が5回開かれたと、ようやく5月に入りまして、鎌倉市自治基本条例策定市民会議が発足しましたところでございます。これからの市民会議の体制を整えたところで、これから実際の中身の御検討に入るという形になっております。
それで、この市民会議の進捗に合わせて連携がとれるような庁内組織を整えていきたいというふうに考えております。今後も事務局としまして市民会議をバックアップしていきたい、このように考えております。
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○12番(渡邊隆議員) 今おっしゃられたように、市民の方々が中心につくっていくわけですから、市がリーダーシップをとり過ぎたり、たたき台をつくり過ぎたりしてはならないんですが、環境づくりや誘導をしていくことは必要だと思います。市の政策を決めるために各部の部長さんがたくさん出ていくような形より、新しい試みなのですから、若手や女性職員なども入れて少数精鋭の専任チームをつくり、独創的に取り組んでいかれればよいと思いますが、そのようなお考えはおありでしょうか。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 鎌倉市自治基本条例市民会議、これはもちろん市民が主体となって活動する市民会議として発足したわけでございます。市のかかわりというのは、やはりこれをバックアップしていく。ここに尽きるんだろうと思っております。また市としては、自治基本条例、仮称でございますが、市民との協働で制定していくということでございますけれども、やはり市役所の中の若手職員や女性職員、たくさんの職員がかかわっていくような庁内の組織も考えていきたいというふうに考えております。
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○12番(渡邊隆議員) 繰り返しになりますが、新しい試みですので、ぜひ柔軟な体制で臨んでいただきたいというふうに思います。
それでは次にPIの手法について伺います。パブリック・インボルブメント、市民をいかに巻き込むか、これは市民の意見を吸い上げる側面だけでなく、市民に対し、自治基本条例の周知徹底を図り、参加意識を持ってもらうというのが重要な役割だと思います。これが自治基本条例の成否にかかわる一つのかぎになると思います。できたけれども、ほとんどの市民が知らないでは意味がありません。もちろん市民の代表の方々が手法について考えていくと思いますが、これを重要視して、時間が幾らかかっても進めていくという認識でいるか、確認させてください。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 この(仮称)自治基本条例の制定のためには、市民の皆さんでおつくりいただくわけでございますが、たくさんの市民の方の御意見をいただき、御論議をいただくということが一番もう基本であり、重要なことであるというふうに私ども考えております。また、たくさんの御意見・御議論をいただくための、先ほど申されましたパブリック・インボルブメントの活動というのが重要なことだというふうに考えておりまして、やはりこの活動を通して、鎌倉市民の皆様の条例制定への機運を盛り上げていきたいというふうに考えております。
ただですね、このPI活動、大変時間、また労力のかかることであり、PI活動やその中身の検討には十分に、またこれも時間をかけていきたいというふうに考えております。実施計画上はですね、条例の制定の時期、19年度予定となっておりますが、こういった時間のかかる、また労力のかかる活動の状況によっては、これはやはり柔軟に対処するべき必要があるだろうというふうに考えております。
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○12番(渡邊隆議員) 私も大和市の例というのを、ちょっと本で参考までに読んだんですけど、やはり彼らも言ってるのは、PIに始まりPIに終わるというような部分があると思いますので、ぜひ力を入れて、急ぐことなく進めていただきたいというふうに思っております。
もう一つの側面で焦点になるのは、住民投票を行うかどうか。また、その基準についてだと思います。これは市民の代表である議員の役割を考える上でも非常に重要なことになってきます。今回の自治基本条例は、我々議員にとっても他人事ではありません。我々の意見を反映させる場をどのようにつくっていくか、また住民投票に対して現時点でお考えがあればお聞かせください。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 住民投票ということでございます。市民自治を考えた場合、やはり住民投票制度は、この(仮称)自治基本条例の検討項目になるんではないかというふうに思っております。ただ、この条例に盛り込んでいくのかどうかということは、やはり市民の皆様に条例をお願いして、素案をお願いするような形になっておりますので、今後の市民会議の議論の経過を待ちたいと思っております。いずれにしましても、この条例の検討に当たりまして、市民会議の検討内容、これはもう適宜全市的に周知を図る必要があると考えておりますし、情報の共有化を図りながら進めていかなければいけないものだというふうに考えております。
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○12番(渡邊隆議員) わかりました。これ、やはり住民投票というのはかなり難しい、ナーバスな問題になってくると思いますし、議員、行政、やはり市民と、もちろん市民の方たちの御意見を重要視していくのは当たり前のことなんですけれども、我々の立場ないし行政の立場というのも、かなりこれで変わってくる面も出てくると思います。やはり一人ひとりが一生懸命考えなければならない問題だというふうに思っております。
鎌倉市では、今まで昭和48年制定の市民憲章をもとに市民自治を進めてきました。早くから市民自治に取り組んできたことは評価しております。今回の基本自治条例制定に向けては、今まで進めてきたことや既存の組織などとの整合性が必要と思われます。例えば今まで協働してきた自治会やNPOの役割についてです。自治会の歴史をたどると、隣組の組織に行き着き、米の配給やどぶ掃除などの共同作業で重要や役割を果たしてきました。今現在の自治会を見てみますと、会費を徴収され、回覧板が回ってくるだけのような認識が大多数であり、自治会に入りたくないと思う人も多くいるような状況と思われます。現在の自治会の役割、また今後期待される役割についてどのようにお考えか、お聞かせください。
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○進藤豊 市民経済部長 市内には自治会・町内会、現在180ございます。それで、自治会の役割なんですが、現在自治会・町内会は地域住民の親睦や相互扶助、また町内の美化清掃、防災・防犯などの活動を通して地域社会における生活環境の維持改善に貢献しております。また、今後につきましては、市民自治の基本理念であります市民参加や協働を実現する上で、自治会・町内会が、市民の方々が地域のまちづくりを考える最も身近な組織として、まちづくりにおける役割を担うことを期待しております。以上です。
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○12番(渡邊隆議員) 現在でも防災や福祉などで活発に活動している自治会もあります。自治会間の取り組みの熱意に温度差があるようにも思えます。民間の話とはいえ、このような状況の中、自治会とどのように協働を進めていくか、お聞かせください。
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○進藤豊 市民経済部長 市内の自治会・町内会の現状につきましては、その規模の上でも最大2,600世帯から最小は10世帯にも満たないなど、さまざまであります。また、地域性や住民の特性、さらに地域が抱えている問題が異なることから活動の内容も違ってきております。市では、今後、地域に住み、活動する市民とともに地域の特性を生かしたコミュニティー計画を策定する予定であります。このため、市民に日ごろから、自分の住んでいる地域に関心を持ってもらうことが大切であると認識しており、市としてもさまざまな機会をとらえて地域の活動に関する情報を提供していく考えでございます。
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○12番(渡邊隆議員) わかりました。やはり情報の共有化というのは、そこの部分でも必要になってきますし、先ほど、自治基本条例の中で申し上げたんですけれども、やはりその表現が適切かどうかわからないんですけれども、ある程度、市が誘導していくような面もあるのかなというふうに感じております。
90年代を中心にたくさんのNPOが生まれ、現在もふえ続けていますが、ほとんどのNPOは財政が窮乏しており、人材が集まらない状況です。全国の自治体でも財政難で公共サービスを民間やNPOに委託するところがふえております。とりわけ、出資に対する配当が不要な分、NPOの有利性が言われています。国のNPOへの寄附金の控除なども早急に検討されなければなりませんが、現在のNPOと市の取り組みの状況について教えてください。
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○進藤豊 市民経済部長 議員さん、既に御承知のことと思うんですけども、鎌倉市では全国に先駆けて平成10年にNPOセンターの公設市民運営を市民と行政の協働により実現してきました。現在、NPOセンターには約300の団体が登録されており、この中でリサイクル、子育て支援、それからインターネットなどの分野のNPOが市からの事業を委託されて行っております。
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○12番(渡邊隆議員) 鎌倉市が積極的にNPOの活動を支援してるということは私の方も承知しております。やはり今回の自治基本条例においてもNPOの役割というのは非常に大切になってくると思います。それで忘れてはいけないことは、NPOは営利団体ではありませんが、ボランティア団体でもないということです。NPOは収益を上げるために努力して、スタッフにはそれ相応の報酬がなければなりません。このことを前提としてNPOを考えるとき、市がみずからの役割をしっかり認識して、株式会社の参入が難しい医療や教育の分野を含め、どのように協働を進めていくかお聞かせください。
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○進藤豊 市民経済部長 協働の進め方なんですが、協働の推進の取り組みにつきましては、平成14年7月から平成17年3月にかけて、NPOと行政職員による協働推進研究会が検討を重ね、協働を推進するための具体的な仕組みづくりを市の方に提案してきております。市では、その提案内容を踏まえまして、関係課で構成します鎌倉市NPO等との協働事業推進庁内連絡会の設置、この仕組みの実現に向けて必要な項目の整理を行い、基本的な考え方をまとめました。
協働の仕組みとしましては、市とNPOが双方向に事業提案をし、また、提案に対する審査も市とNPOがともに行う組織の設置を今年度考えております。市とNPOが対等な立場で役割と責任を分担することで、拡大・複雑化した市民ニーズに対応する協働事業を選定実施することができるようになると考えております。
また、NPOと協働を行う事業といたしましては、地域との密着性、先駆性、柔軟性、機動性、多様性などNPOの特性を生かした事業が考えられると思います。以上です。
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○12番(渡邊隆議員) 今まで市民経済部はいろいろと、自治会にしてみても、NPOにしても取り組まれてきたというふうに思えますし、それを評価するところですけれども、やはり今回の自治基本条例制定に当たっては、経営企画の方と連携を密にして、今までのノウハウを生かしていっていただきたいというふうに思っております。
私はですね、市民との協働を大上段に構えて難しく考える必要は必ずしもないかなと思います。私も職員の皆さんも家に帰れば市民だと、一つ、鎌倉市が既に成功してる市民との協働の例があるというふうに思います。それはごみ分別です。今議会でも1回お話がありましたけれども、私も材木座に住んでいまして、先にモデル地区として始めたわけですけれども、最初、分別するのは非常に面倒くさくて、何でこんなことしなきゃいけないのかなというふうに思ってましたけれども、市の方からいろんな情報が伝わってきたり、目的がはっきり示されたりしたという部分で何とか続けていこうと思ったところ、今では逆にごみを分別しないと気持ちが悪いというように思うようになってきました。そういうところに恐らく市民との協働にはヒントがあるんじゃないかなというふうに思っておりますんで、ぜひその辺の成功事例も踏まえた上で協働を進めていっていただけたらというふうに思っております。
次に、鎌倉市の開発行政について伺います。
冒頭で岡本二丁目の開発について触れましたが、このような開発の問題、市民との意見の食い違いは今に始まったことではありません。今から4年前、平成14年の9月議会において、澤渡弘幸さん外1,000名の方から鎌倉市開発事業等における手続及び基準等に関する条例に関し地方分権の精神を生かし、市民参画と斜面緑地等緑地の保全を求めることについての陳情が松中議長あて提出され、平成14年12月議会に鎌倉市のまちづくり関連制度等を検討する市民参画協議会の設置についての陳情が再度まちづくり条例に提言する鎌倉市民の会から提出され、同12月18日、仙田委員長のもと、建設常任委員会で採択され、同26日、議会で賛成多数により採択されております。
少し長くなりますが、陳情の要旨を読み上げさせていただきます。
9月議会において、鎌倉市開発事業等における手続及び基準等に関する条例を制定されるに当たり、さきに提出した陳情の趣旨を鎌倉市は十分に配慮し、市民参画のもとに行政が必要に応じた見直しをすることを議会として確認した上で、条例に賛成するという建設常任委員会の委員長報告がなされました。私たちは、この報告の趣旨にのっとって、鎌倉市に対し、市民参画のもと、まちづくりに関連する条例等を含めた制度について体系的に見直すことを目的とする協議会を設置することを求めます。この協議会は、まちづくり関連制度等の検討過程で、議会、行政、市民間の協働によるパートナーシップを形成するために、市民の意見の集約を目的とする市民主体の検討の場が新たに必要との認識から、設置を希望していることを申し添えます。
これが陳情の要旨です。この時点で行政、議会、市民との協働が明確にうたわれています。この協議会を通じて協働を進め、市民の意見を反映していれば、今回の岡本開発問題の状況も変わっていたと推察されます。この協議会の提案に対し、市側はどのように対応してきたかをお伺いいたします。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 若干経過からお話をさせていただきたいと思います。
14年12月市議会定例会に、まちづくり条例に提言する鎌倉市民の会より陳情が出され、採択されております。その後、平成16年1月でございますが、秩序あるまちづくりが可能な条例改定や市民参加協議会の設立に向けた協議についての要望書が市の方に提出されております。この間、市民の会であります当該団体とは、市民参画のまちづくりや協議会のあり方などについて協議を行ってまいりました。その後、平成16年8月に当該団体からなんですが、協議会の形にはこだわらず、市民参画によるまちづくりに必要な基本的な課題の抽出から始めたいとの意向が示されたわけでございます。このため、協議はまちづくりの関連条例としまして、鎌倉市まちづくり条例や鎌倉市開発事業等における手続及び基準等に関する条例上の課題の整理や解決策などについて行われまして、平成17年4月に市長に中間報告が出されまして、現在もこの団体と定期的に意見交換を行ってるというような状況でございます。
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○12番(渡邊隆議員) わかりました。それでは具体的に要望されている開発行為適否判断に住民の意見を取り入れる仕組みづくりについて、どのようになっているでしょうか。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 現在の開発事業の手続における住民手続でございますが、一定規模以上の開発事業に係る手続といたしまして、まず、まちづくり条例第19条に、大規模開発事業の手続の特例制度を規定しております。計画の構想段階から住民に基本事項を公開し、意見書の提出をできる旨規定しております。また、それ以外の開発事業でございますが、開発事業等における手続及び基準等に関する条例において説明会の開催や報告書の提出を規定しているところでございます。
この課題でございますが、大規模開発事業の手続に係る対象面積、これは3万平方メートル以上と大きいわけでございます。また、開発事業等における手続及び基準等に関する条例における説明会の時期では、事業計画が既に固まってる段階であるため、計画の変更に応じにくい状況であることなどが挙げられるというふうに考えられます。
今後の検討の方向でございますが、開発事業がスタートする早い段階から手続が行われること、これが重要であることから、現在、まちづくり条例等の見直しを行う中で、土地取引の段階からの手続とか、構想段階時における協議調整の拡充などについて検討を図ってまいりたいというふうに考えております。
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○12番(渡邊隆議員) それでは次にですね、地域のまちづくりのルールについて、どう充実させていくかについては、どうなっているでしょうか。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 まちづくりのルールでございますけれども、このルールとしまして、このまちづくり条例第28条に、自主まちづくり計画の提案制度が規定されております。自主まちづくり計画は、居住者で組織するまちづくり市民団体が快適な居住環境の保全と創造を図るため、地域の将来像について話し合いをしていただき、まちづくりに関連する地域の独自のルールを策定し、市に御提案をいただく制度になっております。提案されたまちづくりルールは、土地利用を図る際の事前の情報収集の段階で事業者に周知することにより、理解と協力を求める緩やかな規制であります。ですから、このルールの担保力の弱さというのがやっぱり課題として挙げられるんだというふうに考えております。
今後の検討の方向でございますが、制度の実効性の向上を図る観点から、まちづくり条例の自主まちづくり計画の提案時の合意形成の見直し、それから地区計画へ円滑に移行できる仕組み、これなどについて検討を行っていきたいというふうに考えております。
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○12番(渡邊隆議員) 次に、土地の細分化に対する規制の強化についてはどうお考えでしょうか。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 土地の細分化ということですが、いわゆる敷地面積の最低限度ということになるんだろうと思います。この最低限度につきましては、開発事業等における手続及び基準等に関する条例第30条におきまして、500平方メートル以上の開発事業及び300平方メートル以上の小規模開発事業について、敷地の最低面積というのを規定してるところでございます。この条例第4条において、同一敷地であった等一体的利用がなされていた土地等については、一つの開発事業として条例の基準を適用する旨規定してるものもございます。課題としましては、基準の対象とならない300平方未満、この敷地に対する対応と条例4条におけます適用除外規定についての考え方、これが課題であろうというふうに考えております。
今後の検討の方向でございますが、地域のまちづくりルールの拡充、緩やかな規制でございますけれども、その充実とか、条例4条の、これ適用除外になってる分でございますので、ここら辺の可否について検討を図ってまいりたいというふうに考えております。
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○12番(渡邊隆議員) そのほかに、この協議を通じて、市民の皆さんから粘り強い要望のありました斜面緑地の建設規制や高さ制限などは、行政の御努力によって見直しが進む見込みです。しかしながら、先ほど、るる質問させていただいたんですけれども、4年が経過した現在でも、市民との協働による条例の見直しが、特に住民との対話の部分で進んでいないのが現状だと思います。もちろん議会もまちづくり関連制度などの見直しをするための協議会の設置を採択したのですから、責任を持って協力していく義務があると思います。行政ができないのであれば、議会で条例を改正することもできます。個別の案件の対応だけでは同じことの繰り返しになっていくことになってしまいます。特に開発に対して住民の意見を取り入れる説明会の手続には、市の参加も含め、今後、私も責任を持って取り組んでいく所存であります。
それまでの過程で市民の立場として、意思や要望を反映する手段として、まちづくり条例の自主まちづくり計画と建築等に係る紛争の予防及び調整に関する条例があると思います。先ほどの質問で、自主まちづくりについては御回答をいただきましたので、紛争防止条例についての現状と問題点、今後の検討課題について伺いたいと思います。
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○戸原耕蔵 経営企画部長 建築等に係る紛争の予防及び調整に関する条例のこの運用でございますが、あっせん等を行う相談調整の場、これを設けております。当事者双方からの意見を聞き取り、課題の整理と問題の調整を行っているところでございます。平成17年度の実績でございますが、32件の相談がございました。この相談調整の場で、この段階で27件が解決しております。条例において紛争の対象となるものでございますけれども、住環境に及ぼす影響事項としましては、日照阻害、プライバシーの侵害、交通問題、景観問題、工事中の騒音、振動、電波障害等がございます。これらの大多数は解決してる現状でございますけれども、相談調整に出てくる案件の中には、紛争として取り扱う事項に該当しない場合や、それ以前の計画自体に対する相談もございます。したがいまして、ケースによってはですね、紛争調整において市民の皆様の要望にこたえる、解決を図ることがこの条例では困難な場合があるというふうに考えております。市民の皆様の要望に沿って問題解決を図っていくには、まちづくりに係る制度の観点から、実効性のある方法を検討する必要があると、このように考えております。
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○12番(渡邊隆議員) ありがとうございます。自主まちづくりに関しては、市民に周知徹底を図り、成功例を広めていくようなことを行政としても積極的に進めていただきたいと思います。その中から、恐らくルールの変更等もいいアイデアが生まれてくるのかなというふうに思っております。
紛争防止条例については、双方の合意形成が前提になければできないことは承知しております。合意形成を促進するために、窓口部門の権限の強化と窓口部門への行政全体の理解と協力を要望いたします。
例えばですね、これ市政相談室の方でやっておられると思うんですけど、やはりこれから市民協働を進めると、行政の方は断言しているわけですから、市民の相談件数もふえてくるというふうに思います。その中で、ちょっと例えが悪いかもしれないですけど、例えばお店に行ったときにまず接するのは、お客として行ったときですね、店主じゃなくて、そこで働いているアルバイトの方とかパートタイムの方だというふうに思います。その方たちの対応が悪いと、そのお店全体のそういうふうに評価されてしまう。ないし店主までもそういうふうに評価されてしまうというところであれば、市民の相談をきちっと受ける体制づくりを進めていただきたいというふうに思います。そこからその人たちがきちっとした対応ができるんであれば、市民の市に対する理解も深まってくるというふうに思いますんで、よろしくお願いいたします。
次にですね、現在、鎌倉市は恐らく一丸となって世界遺産の登録を進めています。登録の理念として、鎌倉市民憲章を実現することとして、その分としては、私たちは鎌倉の歴史的遺産と自然及び生活環境を破壊から守り、責任を持ってこれを後世に伝えますとしています。登録の意義と理念についてのお考えをお聞かせください。
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○原節子 世界遺産登録推進担当部長 世界遺産登録に向けての理念ということでございますが、ユネスコの世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約では、その意義につきまして、各国のすぐれた文化財や自然環境を世界遺産として登録し、人類の財産として、それを国際協力によって保護し、次の世代に伝えていくことと述べております。そして、このことにより世界の平和に寄与していくことにもつながっていきます。現在、登録準備を進めているわけでございますが、鎌倉は中世から近世まで続く武家政権発祥の地として日本国の歴史の中で重要な役割を果たしてまいりました。そして多くの歴史的遺産が今も伝えられております。こうした貴重な歴史的遺産を未来後世の人々に確実に継承していくことが鎌倉の世界遺産登録の意義でございます。
鎌倉の歴史的遺産が世界遺産登録されることで、その歴史的遺産の価値が市民を初め多くの方々に再認識されることによりまして、古都・鎌倉としての風格を保ったまちづくりに明確な理念を象徴的に示すことができると考えております。
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○12番(渡邊隆議員) この世界遺産登録は、今後鎌倉のランドマークとして進めていかなければならないというふうに認識しております。理念は実現されるためにあるということをきちっと理解していただいて進めていただけたらというふうに思います。思えば、鎌倉幕府の興りも土地問題が密接に絡んでたというふうに思います。やはり彼らの精神を受け継ぐためにも、今後その理念というものを大切にして進めていただきたいというふうに思っております。
また、行政の立場としても開発条例が見直されるまでの間、緑保全、景観法、都市計画については、それぞれの立場から取り組みが期待されていますが、住環境の向上という観点から、現在の取り組み状況と今後の課題について教えてください。
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○安田浩二 景観部長 緑保全、景観法の取り組みについてお答えを申し上げます。
緑保全は住環境の向上の観点からも非常に重要でありまして、平成8年に策定をいたしました緑の基本計画において、保全すべき緑地とその施策方針を明らかにして、その確保を進めてきたところでございます。その結果、三大緑地の保全を初め、古都保存区域及び同特別保存地区の指定拡大、常盤山を含む特別緑地保全地区の指定等によりまして、骨格的な緑地を確保できてきたものと考えております。さらには緑地保全推進地区の指定など、市独自の制度活用により、きめ細かい保全策を推進してまいりました。法制度による保全は実施計画に沿って進めておりますが、法指定に至る前の開発計画などに対しても保全を強く要請して緑地の買い入れ、緑地保全契約の締結などにより、多くの緑地の保全が図られてきているものと考えております。また、市街地の町並みについてでございますが、これまで市が独自に行ってまいりました施策に法的根拠を持たせるため、現在、景観計画の策定、特に積極的な景観形成が求められる地区においては、景観地区制度の活用に向けた検討を行っているところでございます。しかしながら、保全すべき緑地の多くが土地利用が可能な市街化区域にあり、限界があること、また法制度活用につきましては、市民、事業者の方々の理解と協力が必要不可欠であること、いろいろ多くの課題も存在しております。今後は、これまでに行ってきた取り組み、これに加えまして、緑の基本計画の見直しの中で提案をしております保全配慮地区の設定あるいは景観法で創設された制度など、さまざまな手法を活用しながら、都市の緑と一体となった市街地の景観形成に努めてまいりたいと考えております。
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○高橋保信 都市計画部長 都市計画の観点からということで、現在ですね、風致地区及び第一種低層住居専用地域では建築物の高さの制限はございますが、それ以外の市街化区域では建築物の高さの制限がなく、市民の方や事業者の方の御協力のもと、行政指導を行ってきておりますが、市街地の良好な環境を維持するとともに、バランスのとれた土地利用の推進を図るため、高度地区制度の導入を検討してきてございます。高度地区は用途地域を補完するものでありますので、用途地域を基本に各地域の土地利用の現状や、あるいは都市の将来像などを勘案いたしまして、検討を進めていく必要がありまして、本年度、18年度ですね、調査検討を行い、高度地区の指定の方針を固めた上で、19年度には都市計画の手続を進めていきたいというふうに考えております。
また、この制度に加えまして、周辺の環境や景観に影響を与える斜面地における建築物につきましては、建築物の階数については建築基準法の第50条に基づく条例で構造を制限し、また住宅の地下室の容積率不算入につきましては、同法の52条第5項に基づく条例で地盤面の指定を制限したことを考えてございます。過日、御答弁差し上げましたけども、52条5項につきましては、今年度中の制定を視野に入れて検討していくというふうに考えております。
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○12番(渡邊隆議員) ありがとうございます。今、景観部長におかれましては、緑、景観を強い姿勢で守っていくという御答弁であり、都市計画部長におかれましては、柔軟な姿勢で市民の要望も取り入れながら進めていくということだと理解しております。我々は税金を払っている市民に対して望まれる生活空間を提供していく義務があると思います。望まれる生活空間とは何か、それは市民の意見を聞いていかなければなりません。そして、それを達成するために行政の仕事があり、初めて市民との協働ができると思います。冒頭に申し上げました市民との協働は、時代の変化に対応して行政みずからが仕事のやり方を変えることにより達成されることと信じます。どうぞよろしくお願いいたします。
最後に市長にお尋ねいたします。前回の一般質問では、あいさつと机の整理ということで市長にお願いしたんですけれども、あいさつの方は職員の方、私と会うと丁寧にごあいさついただいておりますんで、恐らく市民の方にもあいさつされているというふうに思います。机の整理もレイアウトの変更によって、キャビネットとかも購入いただいたようで、整理ができてきたなというふうに思っておりまして、セキュリティーの面でも机の整理は継続して進めていただけたらなというふうに思っております。
今回ですね、私、ちょっと市長にお願いしたいのは、花の鉢植えなんですけれども、表玄関とかに置いてある花の鉢植えなんですけど、とても私はきれいだなというふうに、特に3月、4月ですか、華やかに市庁舎を飾っていましたけれども、市長のお花畑などと悪口を言う人もいますけれども、私の民主党の先輩議員も悩んだとき、あの大船西口がうまく進まないななんていうときに、屋上に行って、あの花を見て、心が和むというような効果もあると思います。市全体でも職員の方の削減であるとか、給与のカットであるとかいう部分、暗い話もいろいろとあると思うんですけれども、やはり市長も恐らく緑も花も好きだというふうに信じておりますし、そういうことを進めていけば、少しでもぎすぎすした世の中も明るくなるのかなということで、例えば中庭に、市庁舎の1階に中庭のスペースがあると思います。例えばああいうところを市民の方が入れるように、例えば机とか花とかを置いてみるとかいうことによって、少しは市民との協働という観点ないしコミュニケーションを進めるという面でも、行政に対して親しみを持ってもらえるんじゃないかなというふうに私は思いました。
それで、実際見てもですね、4階もスペースがあるんですけれども、きのうなんか見てみると、市民の方と職員の方とが相席で昼食をとられているような図もありまして、とてもいいことじゃないかなというふうに思っております。セキュリティーの面でも考えなければならないことはあるというふうに思いますけれども、積極的に市が市民を受け入れる、市民の意見を受け入れるという姿勢が、今後そのコミュニケーションを深めて市民との協働を達成されるというふうに思いますけれども、先ほどの花とかですね、スペース的には考えていただかないといけないと思いますし、予算もあると思いますけれども、そういうことを考えていっていただけたらなと思いますけれども、市長に伺いたいと思います。
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○石渡徳一 市長 市民の方との触れ合う場づくりということでございます。これは冒頭お話に出ましたように、やはり目に見えない、例えばあいさつの問題とか、いろいろあると思いますし、特に意識改革の中でですね、究極的にまずやれることは何かというと、やはりあいさつからではないかというようなこともあると思います。そういったことで、今、渡邊議員さんには評価をいただきましたが、まだまだやはりそういった面が、やはり意識改革の中でも足りないんではないかなと思ってますし、やはり市民の方が御来庁いただいて、少なくとも不愉快な思いをさせることがないようにしなければいけない。そういった、いわゆる職員の対応、これが一つのやはり原点にあるんだろうというふうに思ってます。
また、1階の中庭につきましては、構造的に私どもも使用方法については考えたこともあるんでございますが、今、正確な資料持ち合わせておりませんが、構造的に少し無理なところもあるようには聞いておりますが、特に入り口のエントランスの部分でございます。花は私の趣味で別に入れてるわけではございませんが、市民の方にとっても喜んでいただけるようなことを考えながら、やはり置いてるというふうに私は認識をいたしておりますが、市民の方にもさまざまなイベント等で御利用いただいておるところでもございますので、これからも触れ合いの場所として、どういった方法があるかということも含めて考えながら、御提案をいただければ、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
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○12番(渡邊隆議員) ありがとうございます。中庭に関しては、スターバックスよりもいい環境かななんて私は思ったんですけど、無理であれば無理なんですけれども、そういう形で、考えで進めていただけたらなというふうに思っております。
前回の私の公約が、財源の確保と市民参加で楽しいまちづくりということです。財源の確保については前回、今回については市民参加で楽しいまちづくりということに起因して聞かせていただきました。やはり今回、この1年を通して、やはり行政側が考えておられる方向性ですね、ベクトルを確認することが必要かなと思いまして、こういうことで聞かせていただきました。次回からは、特に観光産業の振興等について具体的に質問をさせていただけたらというふうに思っております。
以上で終わります。ありがとうございました。
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○副議長(藤田紀子議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(18時14分 休憩)
(18時45分 再開)
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○副議長(藤田紀子議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、三輪裕美子議員。
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○16番(三輪裕美子議員) 通告に従って景観形成について、身近な緑を守るためにという住環境の質問と市民活動推進の立場から、パブリックコメント制度についての一般質問を行わせていただきます。
まず、景観形成についてですが、住環境を守るための制度と斜面地条例について、そして景観計画についての3点から、鎌倉らしい都市景観について議論を進めていきたいと思います。
平成17年6月1日に景観法が施行され、鎌倉でも景観法に基づき、鎌倉市都市景観条例策定に向けて動いているところです。そもそも景観を守るといっても、住宅建築でも明るい色調の外壁を好む方もいらっしゃれば、落ちついた色調で周りとの調和を重んじる方もいらっしゃいます。景観には個人差があると思いますが、平家のしっとりとした住宅の横に赤や青の住宅が並ぶのはそぐわないと感じます。また、山には山にふさわしい、海辺には海辺にふさわしいたたずまいがあります。寺社仏閣などの歴史的な遺産と緑と海に囲まれた自然環境を大切にし、良好な住環境を守ることで鎌倉の景観を後世に残したいと考えるのは私1人ではないと思います。しかし現状はといいますと、斜面地開発や近隣との調和がとれないマンション、また、いわゆるミニ開発により、鎌倉らしい落ちつきが急速に失われてきています。このまま景観が崩れていきますと、鎌倉の魅力は半減し、世界遺産登録どころではありません。そういった危機感からか、景観部が創設されたのだと思いますが、景観形成の質問の最初に、景観部としての景観形成への決意をお聞かせください。
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○安田浩二 景観部長 この4月に新しく設置されました景観部の取り組みということでございますが、いわゆる景観緑三法の成立によりまして、都市の緑の保全と市街地の町並み形成、これを一体的に取り組んでいく、そういう仕組みが整ったものだと、そういうふうに考えております。本市もこの仕組みを効果的に活用していくため、景観行政と緑行政、公園緑地を整備管理する部門、これを一体化することによりまして、より一層の景観施策の推進を図っていきたいと、そういうふうに考えております。日本を代表いたします歴史的都市であります鎌倉、この景観の魅力を後世に引き継いでいくこと、今後、そのために一層の努力をしてまいりたいと、そのように考えております。
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○16番(三輪裕美子議員) ただいま、景観部の部長の施策の推進にこれから期待するところです。住環境を守るためには、地域に住む人々が建築や植栽などのガイドラインを決めたり、自分たちの町のあり方を理念的に決めることがますます重要になってくると思います。そこで、景観形成の質問の一つ目として、地区計画等各種の住環境を守るための制度活用の現状とその成果について見ていきたいと思います。
まず、地区計画について伺います。100%の合意をもって決め、都市計画法により定められ、法的拘束力も強く、住環境を守る手法の中で一番ハードルが高い計画です。個人が結ぶ協定ではなく、地区にかけた計画なので、転出入があっても基準に従わないことは許されないため、住環境が100%守られるということだと思いますが、実際その効果はどうでしょうか、お伺いします。
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○高橋保信 都市計画部長 地区計画の現状ということでございます。現在までに8地区、面積で約24ヘクタールの地区計画を都市計画決定してございます。また、この地区計画区域内におきましては、建築行為等については届け出が必要でございまして、これに対して行政がチェックを行っているため、地区計画に沿った内容が保たれているというような現状でございます。
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○16番(三輪裕美子議員) 次に、建築協定と住民協定について伺います。地区計画に次いで法的拘束力はありますが、合意のとれなかった住民に拘束力が及ばないという建築協定、そして法的拘束力もなく、いわゆる紳士協定に近い住民協定、転入時に協定に同意、署名をもらう手続をしている地区というのは少ないそうですが、協定を結んでから年月がたった地区では、同意署名をしていない住民の数が相当数あるのではないかと推測されます。また、10数年前に定めた規定が現状とマッチしていないという課題も出ていると思います。市は建築協定や住民協定のある地区の現状をどう把握しているのでしょうか、お伺いいたします。
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○高橋保信 都市計画部長 建築協定と住民協定についてでございますけども、建築協定につきましては、建築基準法第69条に基づく協定でして、建物とその敷地に関するルールを定めるものでして、現在13の地区で協定が結ばれてございます。計画場所が建築協定法区域内の場合、行政の窓口で協定の内容について説明し、区域内で計画される建築計画につきましては、その内容が反映をされているという状況でございます。
一方で住民協定でございますけども、法令に基づかない協定でして、建築等に関する取り決めを定めているもので、現在48の区域で協定が結ばれております。計画場所が住民協定区域内の場合、行政の窓口で協定の内容のコピーを渡し、周知を図ってるというような状況でございます。
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○16番(三輪裕美子議員) 次に、景観形成の方針や基準を定めた景観形成地区と、まちづくりの目標を定めた自主まちづくり計画について、現状とその効果を伺っていきたいと思います。どちらも鎌倉独自の条例で定めた制度ですが、それだけでは法的拘束力が低いため、住民協定とあわせている地区が幾つかございます。景観法で規定される景観計画に移行する準備をしている地区も幾つかあると伺いましたが、そのあたりのこともお聞かせください。
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○安田浩二 景観部長 景観形成地区についてお答えを申し上げます。
由比ガ浜通り景観形成地区を初めといたしまして、現在4地区を指定しております。このうち3地区につきましては景観づくりの詳細なルールが作成されまして、地区内で行われます建築行為等に届け出を義務づけ、そのルールへの適合のチェックを行っていると、ここで指導ができるということでございます。また、景観形成地区につきましては、景観法を活用した地区に今のところ、地元の方と検討しているというところでございます。
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○高橋保信 都市計画部長 自主まちづくり計画についてでございますけども、まちづくり条例に基づく住民主体の計画でございまして、市では計画づくりを支援し、策定された計画に基づき、行政指導を行っております。現在8地区で自主まちづくり計画が策定をされております。この自主まちづくり計画地区では、設計者等に対しまして、行政がその地区で定められている計画内容を説明いたしまして、建築計画に反映するように行政指導しております。ただ、法的な裏づけがないために住民と計画者側との話し合いの結果、自主まちづくり計画の内容が反映されないといったようなケースも見受けられるところですけれども、まちづくりにおいて一定の成果を上げているというふうにとらえております。
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○16番(三輪裕美子議員) 今、三つに分けてお聞きさせていただきました。指定される家並みが維持されることを期待して、何か問題が起こらないうちからさまざまな計画をつくったり協定を結ぶわけです。ところが平成11年から建築確認が民間開放されて、現在は7割から8割を民間が行っているという状態です。以前のように市役所が建築の早い段階から把握していない物件がほとんどという状況にありまして、果たして住民が決めた基準が守られていくのかという不安があります。そこで、新築や改築に当たり、民間の機関においても市役所と同様の指導がなされているのか、伺いたいと思います。
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○高橋保信 都市計画部長 民間の確認検査機関の件でございますけども、民間の確認検査機関に建築確認が申請された時点で、その建築計画の概要の送付を検査機関に対して求めております。建築行為位置が自主まちづくり計画や住民協定等の区域に指定されている場合には、検査機関及び設計者に対して、その区域内で定められているまちづくりに関するルールというものを遵守するような行政指導をしているところです。
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○16番(三輪裕美子議員) 自主まちづくりや景観形成地区などのところは指導しているというところですが、指導がきちんとしているのか、住民協定や建築協定などのところは把握し切れていないと思います。地区計画以外の実効性は果たしてどのくらいあるのでしょうか、疑問です。実際、この基準が歯どめになっているのかが非常に気になるところです。数年前に比べると、鎌倉の地区ごとの自主ルールを無視して地区の町並みにそぐわない住宅を建築する業者がふえてきているように私は感じますが、その点はいかがでしょうか。
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○高橋保信 都市計画部長 先ほどの御質問にありましたけども、この市内の建築確認の申請状況を見ますと、過去5年間で市全体での件数には大きな変化はございませんけども、民間確認検査機関に出されている件数というのは毎年増加の傾向にございます。いずれにしましても、残念ながら住民協定あるいは自主まちづくり計画では法的な拘束力がないというようなことから、御指摘のような事例も見受けられるというような状況がございます。
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○16番(三輪裕美子議員) これまで各種住環境を守る制度の現状と課題を伺ってまいりましたが、ここで今後の推進体制について質問いたしたいと思います。
この3年間で策定された住環境を守る各種の制度はどのくらいありましたでしょうか、お伺いいたします。
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○安田浩二 景観部長 この3年間の景観形成地区制度、この活用でございますけれども、由比ガ浜通り景観形成地区、これに隣接をいたします由比ガ浜通りの六地蔵から西側、約450メートルの区域を平成17年の1月に景観形成地区に指定をいたしております。この由比ガ浜中央景観形成地区では、現在、地元住民の方々と景観づくりのルール策定に向けて協議を進めてるところでございます。
景観形成地区制度は、地区指定後に景観づくりのルールを策定しないと制限が発生しないため、まだ具体的な成果は上がってないというところでございますけれども、ルールの検討を通じまして、地区住民の方々の景観形成に対する共通の意識の醸成が図られているものと考えております。
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○高橋保信 都市計画部長 15年からの3カ年ということで、活用されたまちづくりの制度、その成果ということですけども、都市計画法に基づく地区計画制度では3地区の都市計画決定をしてございます。また、建築基準法に基づく建築協定制度では1地区を認可し、鎌倉市まちづくり条例に基づく自主まちづくり計画では、2地区からの提案を受けております。また、住民発意の自主的な取り決めをしてございます住民協定は8地区で協定が結ばれているというような状況でございます。
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○16番(三輪裕美子議員) ただいま各種合わせて15の3年間で住環境を守る計画、つくられていると御報告ありました。計画策定には住民合意をいかにつくっていくかが課題となります。市民の立場に近いコンサルタントなどのアドバイスが欠かせないと思います。この3年間で自主まちづくり計画2件、景観形成地区1件ということですが、計画策定に当たり、コンサルタントなどの派遣制度の利用状況、何名の方が何件対応したかなど、お伺いいたしたいと思います。
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○安田浩二 景観部長 景観形成地区制度におきますコンサルタントの派遣については、過去3年間におきましては、由比ガ浜通り景観形成地区における景観づくりのルールの見直し、これに3回、それから由比ガ浜中央景観形成地区の景観づくり、先ほど御答弁申し上げました地区でございます。このルール策定に対しまして1回、合計4回の専門家の派遣を行っております。
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○高橋保信 都市計画部長 同じく過去3年間のまちづくりのコンサルタント等の派遣状況でございますけども、自主まちづくり計画を策定しようということで、笹目地区から派遣の要請を受けまして、計6回の派遣を行っております。このことにより、平成16年3月に同地区からまちづくりの計画書が提出をされております。
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○16番(三輪裕美子議員) 今、回数をお聞きいたしたんですけれども、何名のコンサルタントの方が対応なさったかはわかっていらっしゃいますでしょうか、お伺いします。
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○安田浩二 景観部長 景観形成地区制度における派遣の内訳でございますけれども、市の制度を使って派遣したのと県の制度の派遣、二種類ございまして、派遣された専門家の方は2名でございます。
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○高橋保信 都市計画部長 自主まちづくりにつきましては、市の方に登録制度を設けておりまして、その登録制度から選んでいただいておりまして、1名の方というふうに確認しております。
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○16番(三輪裕美子議員) ありがとうございます。両方で3名の方が専門家がアドバイスを行っているということを確認させていただきました。このまちづくりコンサルタントの方ですが、今、ただいま16名のコンサルタントが登録されているということを伺いましたが、実際、この3年間で1名、自主まちづくり計画のために派遣された方は1名ということで、せっかくの16名の登録の方たちが十分活用されていないと思います。また、この派遣制度は、まちづくり条例に定められた自主まちづくり計画の策定にだけ使える制度、そして景観形成地区策定の協議会にのみ県や市から派遣されるという制度です。ほかの計画策定、地区計画や建築協定、住民協定などには利用できない制度となっております。コンサルタント派遣のない制度へのアドバイスは、それではどなたがどのようにして行っているのか、お伺いいたします。
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○高橋保信 都市計画部長 コンサルタント制、派遣のないという制度もございますけども、市民の方から受けた具体的な相談につきましては、各担当課の職員が連携を図り、対応してございまして、地元の住民の方の御要請を受けて説明を実施するなど、市民の方の自主的な取り組みを御支援をしております。こうした対応とあわせまして、市では自主まちづくり計画を初め地区計画あるいは建築協定など各種のまちづくり手法についてわかりやすく説明をいたしました。鎌倉まちづくり読本という小冊子を刊行しておりまして、市民の方がまちづくりに対する理解を深めていただく、あるいは使っていただくために、このまちづくり制度の普及・理解に努めており、こうした取り組みをさらにまた進めていきたいというふうに考えております。
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○16番(三輪裕美子議員) まちづくり読本、私も利用させていただきました。非常にわかりやすくなっておりまして、ただ、職員が対応するということで、なかなか職員が何もかも対応するということにも限度があると思います。例えばまちづくりコンサルタントがほかの計画策定のアドバイスもできるようにすることはできないでしょうか。また、講座や勉強会の開催などもまちづくりコンサルタントが対応できるような仕組みにできないかと思います。平成16年には地区計画が一つ、平成17年には一つの建築協定と五つの住民協定、また平成18年には二つの住民協定が結ばれています。このごろ、非常に急ピッチで協定が結ばれているこんな状態、今後も新たな分譲地の策定とか既存の協定の改定などで、ますます策定の際のアドバイスの回数がふえてくると思います。さらに景観計画の地区指定も加わります。これまでお聞きしてきたさまざまな手法を活用するためにも、市として今後のまちづくり、コンサルタントの拡充、推進体制をどう考えているのか、お尋ねしたいと思います。
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○高橋保信 都市計画部長 先ほどの自主まちづくり計画のコンサルタントの派遣ですけども、これは条例に基づいたもので行っておりまして、今の御質問にありました他の部分での活用というのは少し難しいかなと思ってます。ただですね、やはり市民の方が自発的にまちづくりをしていただくという点で、私どもも前向きに取り組んでいきたいと思いますので、そういった方々に対していろいろ御意見を伺いながら、どういった仕組みがいいのかということは今後検討していきたいと思います。
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○16番(三輪裕美子議員) ぜひ、まちづくり条例の中では難しいということですので、新たなコンサルタント派遣の制度など考えていただきたいと思います。土日や夜の説明会や出前講座などで精力的に担当職員が行っているその熱意は評価するところですが、景観形成を推進するために、例えば住環境整備課とか、地区計画課など、住環境を守るための制度の指定を専ら行う組織を設立して推進に当たってはいかがかと思いますが、どうでしょうか。
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○辻正 行革推進担当部長 住環境を守る制度を専任で推進する組織をということでございますが、市民のためのまちづくりを積極的に進めるという観点から必要な組織であるというふうには考えております。しかしながら、現在、許認可業務とまちづくり推進業務、これらの関係の整理や、また所管する法令等、またその知識、そういった専門性などから、現時点での早期の実現は難しいというふうに考えております。ただ、できるところから実施をしていくという観点から、平成18年4月の機構改革によりまして、地区計画と自主まちづくり計画を一つの課で所管をするようにいたしました。今後、他市のまちづくりに関する行政組織の状況を参考にするとともに、現在の組織の強化も含め、本市に合ったまちづくり推進体制の整備を検討していきたいというふうに考えております。
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○16番(三輪裕美子議員) ところで、この14年間でできた地区計画の数は8件しかなく、しかもそのうち既存の住宅地での策定はありません。用途地域変更などに伴う計画策定を除くと、すべてが開発時に業者がつくった計画、いわゆる一任協定です。行政として地区計画の推進への努力が十分でなく、住民任せになってしまっているのではないかと思います。スピードを上げて推進すべきと考えます。広範囲の地区のまちづくりを考えると、地区計画の策定が私は有効だと考えます。地区計画で80%の住民の合意ということは、市民にとってハードルは高いとはいうものの、一たん都市計画として決定されると建築条例も施行され、建築協定や住民協定では協定に参加しなかった隣接地区の方が合意とは違った建築物をつくってしまうという、そんなような不公平感からも、この地区計画は免れます。
数十年前に結ばれた建築協定や住民協定が住民の転出により事実上歯抜け状態になっているところもあると伺います。住民の中には協定があることも知らないという方もいらっしゃいます。町が協定にそぐわない建築で、二、三%がそういった建築になったら、町の秩序は保てなくなると言われています。協定を結んでいない穴抜け地がふえていき、地域の秩序が保てなくなる前に、今ある協定を地区計画へと高めていくことが必要と私は考えますが、いかがでしょうか。
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○高橋保信 都市計画部長 確かに住民協定やら自主まちづくり計画というものには、法的な部分が非常に低いということもございます。そういったことはございますけども、やはり住民協定あるいは自主まちづくり計画が定められている地区につきましては、住民の方のまちづくりに対する意識や関心が高いという一面もございます。そういった意味では、これらの自主的なルールを法的な裏づけを持った地区計画に高めていくということは非常に必要ではないかというふうに受けとめております。また、現に地区計画移行について幾つかの地区から御相談も受けておりますので、市としても勉強会あるいは説明会の開催など、さまざまな形での御支援に努めていきたいというふうに考えております。
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○16番(三輪裕美子議員) 地区計画は地区内を幾つかの特徴に分けてルールを決めていくことができる制度です。住民協定が高齢化によって歯抜けになりつつある住宅地、鎌倉の住宅地に適していると思います。積極的な締結に向けてのきめ細かいアドバイスをして、ぜひ推進していただきたいと思います。
今までいろいろと伺ってまいりましたが、景観を守る担当部の意気込みは伝わってまいりました。しかし、鎌倉の景観を守れるかどうかは市長の政治姿勢に大きくかかわっております。景観部を設置して景観形成に重点を置くという思いは市長もきっと職員と同じだと思います。しかし、地区計画などの住環境を守る計画や、今策定中の景観計画だけでは、この鎌倉の環境を守り切れません。首都圏の良好な住宅地として開発業者にもとても魅力的な鎌倉は、今後、緑を削った開発も多く予測されます。手をこまねいているのではなく、鎌倉独自の具体的な手法を講じなければ景観を守ることができない、そういった時期に来ていると思います。
市長は、初め市長になられるとき、5年前に地区計画で斜面地を守るということを訴えていらっしゃいましたが、鎌倉市の景観を今後どのように守っていくのか、今後の基本方針と具体的な施策があればお聞かせください。
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○石渡徳一 市長 これまで鎌倉市は都市景観形成基本計画の策定、また都市景観条例の制定などによって独自に景観について取り組んでまいりました。ガイドラインによる行政指導や、あるいは啓発事業などによりまして、一定の成果はあったというふうには考えておりますが、やはり規制緩和あるいは行政手続法の制定などのやはり市の独自施策にはやはり限界があるというふうに言わざるを得ないというふうに考えております。こういった中で、景観法の制定を受けました。これまで市が独自に取り組んでまいりました景観施策に法的な根拠を持たせることができるようになったわけでございます。このため、現在、景観計画を策定をいたしております。これまでの施策に法的な根拠を持たせることによりまして、実効性を高めることはできるというふうに考えております。さらに景観法で創設されました景観地区、また景観重要建築物、また景観整備機構などの制度を積極的に活用いたしまして、市民、事業者の方々との協働によりまして、景観形成をつくり上げていきたい、このように考えております。
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○16番(三輪裕美子議員) 景観計画には私も期待するところ大ですが、今、鎌倉では斜面地開発、ミニ開発もやみません。また、建築基準法の要件緩和で、これまで手つかずだった土地の開発も目立ってふえ、鎌倉らしい緑の多い落ちついた色調の住宅街の趣が変わってきています。特にこの一、二年の鎌倉の町の変わり方はとてもよい景観形成を創造しているとは思えません。さらに大きな問題となっている大船観音前マンション建設では、緑地保全推進地区でありながら、接道条件を満たすために新たな市有地を開発区域に編入し、許可をおろしてしまいました。もう一度議会の決議を重く受けとめ、市長としての鎌倉の良好なまちづくりに対する責任を果たしていただきたいと思いますが、市長はその辺どう考えていらっしゃいますでしょうか。
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○石渡徳一 市長 これまで経済性あるいは効率性ということが重視されておりましたが、やはり美しい町並み、そういった考え方というのは大変に非常に重要だというふうに思っております。しかしながら、良好なまちづくりを推進するためには、行政の力だけではなし得ないものでございまして、市民、事業者、行政、それぞれの役割と責任、これがまた連携あるいは協働、こういったことによりまして、まちづくりを進めていかなければならないというふうに考えております。今後とも市民の方や、また事業者の方々と協力、参加を得ながら、美しいまちづくりを進めてまいりたいというふうに考えております。
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○16番(三輪裕美子議員) 連携でということですが、都市計画審議会会長の星野さんも昨年2月25日の審議会での審議結果は、市の誤った判断を踏まえたもので無効である。また、再諮問に該当するのに市長は再諮問しなかったと主張されて、ことしの5月23日付で委員を辞任していらっしゃいます。このことを市長はどのように受けとめてらっしゃいますでしょうか。
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○石渡徳一 市長 都市計画審議会の会長をお務めになっていただいた先生でございますので、先生の御発言に対しては、私はそれなりに自分で認識をいたしておるつもりでございます。
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○16番(三輪裕美子議員) 予算委員会の中でも私どもの会派の議員から、事業主の小松原建設と地権者のセコムホームライフに対し、直接市長が交渉に出向いたらどうかというようなことを提案させていただきました。これに対しては何か行動をおとりになったのでしょうか。
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○石渡徳一 市長 担当部局の方でさまざまな対応はなされているものというふうに認識をいたしております。
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○16番(三輪裕美子議員) 市長は直接には出向かなかったということだと思いますが、市民も粘り強く開発をとめるための活動を続けております。セコムホームライフにも働きかけていると伺っております。市民からの要望に対し、一時、5月11日の時点でしょうか、セコムホームライフの社長が撤退する方向を出したと伺っております。こうしたことは市長は聞いていらっしゃいますでしょうか。
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○石渡徳一 市長 正確な情報としては私は報告を受けておりません。
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○16番(三輪裕美子議員) ぜひ、市民と連携してと先ほどおっしゃられました。開発をとめて良好なまちづくりに対する市長の責任を果たしていただきたいと思います。
次に、先ほど高度地区と景観地区の指定で緑保全を行っていくという、ほかの会派の質問の答弁でもありましたが、景観計画には眺望景観などの実施も書かれております。住環境を守るために鎌倉の場合、他市と比較にならないほど緑の保全には、緑保全ということは大きな意味があると思います。これまで市は三大緑地の買い取りを初め、歴史的風土特別保存地区や保存区域の拡大、近郊緑地保全区域の拡大など、市民の理解と協力を得て進めてまいったと思います。私も学生時代、大船観音の周りの緑を車窓から眺めて通いました。東京から大船に今も着くとほっとするところです。景観計画の案でも、大船駅西口の景観は車窓からの景観を重視していると伺っております。緑の保全及び創造に関する条例に基づく緑地保全推進地区であるこの地を、市のみどり課は緑地保全施策を推進していくために買い取り交渉を行ったと伺っております。現在、買い取り交渉を断念してしまったのでしょうか、お伺いいたします。
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○安田浩二 景観部長 事業者側があそこで事業の展開を断念せずにそのまま進めたいという意向がございますので、買い取りについては断念せざるを得ないという状況でございます。
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○16番(三輪裕美子議員) みどり課は、ずっと緑の保全のために、その開発の方の許可行政ではなく、緑を守る立場としての市の責務ということで、みどり課の方は買い取り交渉は続行中だというふうに私は担当の方から伺っておりますが、そうじゃないんでしょうか。
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○安田浩二 景観部長 今の計画出る前段ですね、緑地保全推進地区からということもありまして、そこを残すため、買い取りができないかという、そういう要請をしたところでございますけれども、あの場所で開発行為を行いたいと、これについては変わりがないと、あそこは開発をしていきたいんだという、そういう意向が示されましたので、買い入れを断念せざるを得なかったということでございます。
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○16番(三輪裕美子議員) たしか、予算委員会の市長質疑の中でも、みどり課は買い取りは続行中というふうに伺っておりますが、そうではなかったんでしょうか、どうでしょうか、市長は。
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○石渡徳一 市長 事業者、いわゆる事業者でありますが、いわゆる持ち主の方がかわられる、そのたびに緑地保全についての協力要請は行ってきたというふうに認識いたしております。
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○16番(三輪裕美子議員) ただいま緑地保全の要請は行ってきたということを市長から答弁いただきました。今も市の緑を守る立場としてのスタンスは変わりないということを確認させていただきたいと思います。
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○安田浩二 景観部長 開発行為に変更があるか、あるいは考えが変わらないかということについて、みどり課の立場で事業者側にお話を申し上げたということはございます。ただ、途中まで工事が進んで、実態としては緑地形態ではなくなっているということがございます。そういったことで、ただ、開発行為そのものの計画に変更はないか、あるいはその考え方に変更はないかということでの確認はみどり課の方でしたということでございます。
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○16番(三輪裕美子議員) 開発の変更がないかという確認はしたということですが、市としての緑を守る立場としての責務として、緑の買い取り交渉というのは続行していくんだというふうに私は思っております。今後も買い取りに向けての話し合いを、まだ市長は直接業者に会いに行っていただいていないということですので、ぜひ、直接業者に会って話し合いをいま一度行うことを要請したいと思います。いかがでしょうか。
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○石渡徳一 市長 開発の申請が出ており、私は許可権者として私の方から直接緑の保全について要請をする立場にはないというふうに思っておりますが、原局の立場で対応をさせていただいているものというふうに認識をいたしております。
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○16番(三輪裕美子議員) ぜひ、緑保全を断念することなく行っていけたらと私も思っています。この間の市長の決定は、とても鎌倉の景観が大切だと考えていらっしゃるとは、私にはどうしても思えません。今、都市景観が急速に崩れてきている現状だからこそ、景観形成は自治体経営の重要な戦略なのです。良好な景観を形成することで鎌倉の魅力は増し、活気のある町になります。ひいては、私たち市民へのサービスが向上することになるんだと思います。
さて、景観形成についての二つ目の項目に移らせていただきます。斜面緑地について戦略的に保全を図るべき立場から伺ってまいります。
川崎市では、市域すべての一定規模以上の斜面緑地の情報データ、これを整理して緑地保全施策やまちづくりの情報に活用していくという、川崎市斜面緑地保全カルテという制度があると伺っております。鎌倉市では斜面緑地の把握をどういうふうに行っているのでしょうか、お伺いいたします。
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○安田浩二 景観部長 本市におきましては、緑の基本計画、これにおきまして、それぞれの緑地を歴史的風土保存、レクリエーション、都市景観形成、環境負荷調節、防災などの視点で機能別に評価をした上で保全評価を行って、土地利用の動向などを勘案して、その施策方針を明らかにしております。また、生態系の視点を入れた自然環境調査なども行っております。平成13年、18年の緑の基本計画改定に当たっては、その後の緑地の状況を把握して、保全評価と施策方針に必要な修正を加えてきております。そういった意味で一種の緑地のカルテというものは、この緑の基本計画の中では明らかにしているということです。
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○16番(三輪裕美子議員) 最後の方でちょっと聞こえなかったんですけれども、緑の基本計画の中で、そういったことを明らかにしていくというふうに、もう一度お願いいたします。
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○安田浩二 景観部長 大変失礼しました。緑の基本計画に、先ほど御答弁申し上げたような内容で基本計画をつくっておりますので、それが本市における緑地のカルテということになろうかと、そういう御答弁を申し上げました。
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○16番(三輪裕美子議員) ありがとうございました。台風などの災害への備えの観点からも、民間の緑地と言えども、把握しておくべきと私は考えます。私有地の緑地の管理は、そうなりますと、どのように考えていらっしゃるのでしょうか、お伺いします。
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○安田浩二 景観部長 私有地の管理につきましては、原則、所有者管理でございます。なお、歴史的風土保存区域、それから近郊緑地保全区域、法指定地につきましては、鎌倉市域を6地域に分割をいたしまして、毎年1地域ごとに枝払い等の樹林管理事業を行ってるというのが実態でございます。
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○16番(三輪裕美子議員) 私有地は市の管理ではないということはもちろんわかっておりますが、この間も民間のがけ地で近所の人が木を伐採して、それにガソリンをかけて燃やしたという、私その直後に行ったんですけれども、がけ地が黒焦げになってしまったという事件もありました。幸い、火事にはならなかったものの、警察や消防署だけに任せておいてよいものかと思います。緑の管理の視点からも、事故があってからの対応にならないような体制も研究していただきたいと指摘させていただきます。
さて、ネットワーク鎌倉は3月に開かれた予算特別委員会の市長との質疑の中で、うちの森川議員が、鎌倉市も斜面地マンションの規制条例をつくるようにと提案いたしました。そして市長からも検討していくといった答弁が得られました。今回、その後の進みぐあいをお聞きしようと思っておりましたが、昨日もきょうも斜面地マンションの計画に賛成の立場の会派の議員が質問されており、正直、私びっくりしております。斜面地条例の早期制定を提案した私たちとしては、高度指定とセットでは、これから1年以上は調査を行うということになり、実際の施行は3年後になってしまうので遅過ぎる。地番名を指定することによって地下室の容積率の不算入に制限をかけることができる条例、建築基準法の第52条の第5項だけでも先に制定すべきだという考えです。条例による制限の時期については、今年度中の制定を視野に入れ、検討していくという答弁がありましたが、もう一度その時期について確認させていただきたいと思います。
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○高橋保信 都市計画部長 過日もお答えしておりますけども、建築基準法第52条5項に基づきます容積率の算定にかかわる地番名を指定する条例につきましては、今年度中の制定を視野に入れて検討してまいります。
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○16番(三輪裕美子議員) ぜひ、早い時期の制定をお願いします。
次に、条例の制限によるこの手法について伺いたいと思います。現行の手続条例を改正で行うのでしょうか。それとも他市のように独自の斜面地条例にするのでしょうか、伺いたいと思います。
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○高橋保信 都市計画部長 この斜面地における建築物につきましては、現在、本市において神奈川県風致地区条例の風致地区内、それと300平米以上の土地に関する建築行為につきましては、鎌倉市開発事業等における手続及び基準に関する条例において一定の制限が行われております。この住宅の地下室の容積率不算入を制限する新たな条例につきましては、適用する建築物の用途あるいは適用地域について勘案する必要があるため、この建築基準法52条第5項に基づく容積率の算入にかかわる地番名を指定する条例につきましては、単独の条例として考えていきたいと思っております。
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○16番(三輪裕美子議員) 単独の条例でということで、早期の制定が望まれるところですが、そうしますと、その後の階数のことなどは、その条例をまた改正していくという形になるんでしょうか、お伺いします。
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○高橋保信 都市計画部長 建築基準法の50条だと思いますけども、これにつきましては、過日もお答えしておりますように、高度地区の指定に向けた調査等を踏まえた上で判断をしていく、条例制定を判断していくことになります。いずれにしましても、その後の状況につきましては、それらを含めて、どういった方法が適切であるかということを改めてその時点で判断したいと思います。
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○16番(三輪裕美子議員) よくわかりました。鎌倉と同じように宅地化が進む八王子市では、身近なところで親しむことができた貴重な緑を永久に見られなくなってしまうかもしれないという危惧から、市街地、丘陵地の緑の保全に関する条例というものを17年7月に施行し、斜面緑地保全区域を指定いたしました。この条例では、維持管理が難しくなった場合に手助けができるよう団体を育成し、所有者にその情報を提供するということも盛り込んでおります。土地所有者と保全団体への支援、また緑の保全基金への活用も定めています。市街地に残る緑を行政と市民との知恵で、みんなの力で守らなければ、現行法では斜面緑地は減少し続けます。条例整備に当たっては、こういった他市の市民の参加を定めた条例も参考にしていただきたいと思います。
さて、景観形成についての三つ目の項目として景観計画について質問いたします。以前、鎌倉らしさの基準、鎌倉の町並みガイドラインをつくり、鎌倉らしい町並みを担保したらどうかという提案を私はいたしましたが、その後、検討はなされたでしょうか、お伺いいたします。
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○安田浩二 景観部長 町並みづくりのガイドラインの必要性は、確かに御指摘を受けておりますけれども、現在策定中の景観計画におきまして、これは市域を都市マスタープランの土地利用の方針と整合を図り、21の地区に区分をしております。それぞれの地区ごとに良好な景観形成の方針、基準等を詳細に示しております。この方針、基準等は、地区内で建築行為等を行う際の景観形成のガイドラインとして活用できるように、そういった構成を行っているところでございます。
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○16番(三輪裕美子議員) 現在策定中の鎌倉市景観計画ができると、これまでの任意の行政計画が景観法に基づいた法的行政計画となります。景観計画では、届け出の義務づけにより着手制限ができ、変更命令もできるということです。一定規模に満たない小規模な建築行為等にも適用して町並み景観を維持すべきと考えますが、いかがでしょうか。
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○安田浩二 景観部長 小規模な建築行為等にも適用すべきということでございますけれども、景観法の活用につきましては、景観計画の策定が必要条件、これが法律的にそうなっておりますので、策定に当たりましては、これまで進めてきました景観施策を継承することを基本原則に作業を進めております。このため、運用もこれまでと同様に一定規模以上の建築行為等を届け出の対象、そういう形で考えております。ただし、届け出対象から除外される小規模な建築行為等につきましても、計画に沿って進められるよう、この景観計画に沿って進められるように市民、事業者の方にお願いをしてまいりたいと、そういうふうに考えております。
なお、一定の地区で住民等の合意を得た場合には、小規模な建築行為等にも届け出対象となると、そんなような仕組みも考えているところでございます。
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○16番(三輪裕美子議員) 少し工夫をしてくださるということですが、良好な都市景観の形成を進めるためには、個々の土地や建物が周囲から総体としてどのように眺められるのかということも考えることが重要になってくると思います。景観や環境を維持保全し、景観形成に取り組むことは、鎌倉に住む者としての責任ではないでしょうか。景観計画で地域ごとのあるべき姿を示しても、法的拘束力がなければ、絵にかいたもちです。市域全域を21の分類で示している景観計画と一定地区で住民が合意して詳細なルールを定める、いわゆる特定地区とでは同じように実効性が担保され、変更命令や罰則という拘束力があるのでしょうか、伺います。
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○安田浩二 景観部長 景観計画につきましては、ほかの行政計画と異なりまして、策定をいたしますと、その区域内で行われる建築行為と、これらに届け出の義務づけがされます。計画への適否がチェックされると、そういう仕組みになっております。また着手制限、それから勧告に加え罰則の適用、建築物の形態意匠については、変更命令の発令ができると、これは法で位置づけられております。したがいまして、従来の条例で行ってました届け出制度と比較しますと、実効性は高まっていくと考えております。
なお、先ほどもちょっと答弁で触れましたけれども、特定の地区で住民との合意を得た場合には、より詳細なルール制限を定め、それに基づいた届け出チェックということになりますので、そういう面では、きめ細かな対応ができるんですが、実効性そのものについては、景観計画と特定地区とでは同じでございます。
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○16番(三輪裕美子議員) よくわかりました。実効性ということでは両方とも同じ、そして従来と比べ、実効性は高まるというところで非常に期待するところです。
もう一つ、景観地区という制度もできると思います。色やデザインの規定を盛り込む、いわば景観版地区計画で、地区計画と同等の高い法的拘束力を持つ制度だと思います。景観計画に地区ごとのより詳細な、先ほど部長答弁いただきました景観形成の方針基準を定める、いわゆる特定地区との違いと、この景観地区といわゆる特定地区との違い、そしてその活用についても伺わせていただきます。
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○安田浩二 景観部長 先ほどの景観計画における特定地区、それから景観地区につきましては、先ほど申しました特定地区は、あくまで景観計画の中で位置づけて行きますので、本市全域を21に分けて基本的には考えておりますが、その扱いについては同じになります。ただ、特定地区につきましては、詳細なルールが定められる可能性があると、そういったことでございます。景観地区制度は、これはもっと積極的、さらに重点的に景観形成に取り組む必要がある地区において活用する制度であると、この景観地区制度は建築物の形態意匠の制限、これは必須条項でございます。建築物の高さ等を都市計画で定めます。形態意匠といった定性的な制限につきましては、市長の認定、その他の定量的な事項につきましては、建築確認で担保するという法的拘束力がより高い制度となっております。
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○16番(三輪裕美子議員) 以上、景観計画で景観、利益を守ることができるかということ、質問してまいりました。今後の活用により、景観形成が具体的に進んでいく可能性を私は強く感じました「広報かまくら」の6月1日号から景観に関するコラムの掲載が始まりましたが、今後、実効性のあるものにしていくためにも、町並みに貢献している建物や工夫を紹介し、評価し、広く紹介して奨励する景観づくり賞や、ホームページなども活用して鎌倉らしさ、鎌倉の美を多くの人が共有できるような情報提供を心がけていただきたいことを要望して景観形成についての質問は終わります。
次に、緑豊かな鎌倉の身近な緑を守るために何ができるのかについて伺ってまいります。ここでは、生け垣を残した土地利用についてということと、保存樹林指定について、また緑の管理についてというこの3点を順次伺ってまいりたいと思います。
緑には、地球温暖化に対し温度を下げる効果や、安らぎ効果、また防災効果などがあります。鎌倉の丘陵部と町中では三、四度ほどの差があります。温度差があります。1本の木が火災を防いだという例もございます。現在策定中の緑の基本計画では、開発事業と連携した緑地防災、駐車場の接道緑化、壁面緑化、屋上緑化などの施策が盛り込まれていることは私も評価いたします。しかし、従来からある制度の積極的な活用も考えて緑の保全と創造を実現していくべきだと考えます。
まず初めに、生け垣を残した土地利用について伺います。古くからの分譲地にはある程度の緑が確保されておりますが、大きな屋敷などの分割等によって、このごろ生け垣や樹木はなくなり、鎌倉の町並みのたたずまいは大きく変わってしまったと思います。1区画では緑を取り入れることが難しくても、せめて分譲地の中に緑地帯を設けたり、また緑のポケットパークを設ける。または緑を敷地の何十%、20%とか確保するという協定をつくるなど、緑を創造する努力も必要ではないでしょうか。地区計画が決められている地域や自主まちづくり計画景観形成地区では、接道緑化の取り決めをしている地区がございます。この接道緑化の補助金も、こういった自主まちづくりや景観形成の計画をつくっている地区では、補助金も通常の2分の1のところが3分の2になるということです。また、生け垣助成事業や緑のリサイクル事業とも言われるグリーンバンク制度、これも知られていないのではないかと思います。実際、私も知りませんでした。こういった緑の創造のための手法も開発のときや、また家を建てるときに積極的に市からPRしているのでしょうか。この緑創造のための手法のPRについて伺わせていただきます。
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○安田浩二 景観部長 緑豊かな町並み景観、これを創造するため、現在行っております町並みの緑の奨励事業等の制度につきましては、ホームページ、それから市民便利帳、「広報かまくら」等でPRを行っているところでございます。今後とも多くの市民の方々の協力が得られますように、さらに周知に努めてまいりたいと思います。
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○16番(三輪裕美子議員) せっかくある制度も活用されなければ意味がありませんので、ぜひ緑豊かな鎌倉の住宅のイメージを高めるために行政の指導も、広報活動などもあわせて要望させていただきます。
また、生け垣や屋敷林が少なくなり、木陰のないコンクリートの駐車場もふえております。殺風景な上に夏は高温となり、住環境も一変してしまいます。高齢化が進む鎌倉にあって、相続税のために土地を手放さなければならないというケースがますますふえてくると思います。このままでは、鎌倉らしさの大きな要素である生け垣というものもほとんどなくなってしまうのではないかと考えます。景観計画の素案でも緑の基本計画の案と連動して、町並み形成の方向性として屋敷林や生け垣、門とか塀などがつくり出す趣のある町並みや風景の保全、緑の連続性の確保ということが記載されております。今後景観計画策定後は、景観協定や地区指定により、生け垣のあるまちづくりの推進を私期待するところですが、景観計画策定に当たって、身近な緑を創造するための新たな推進策があったらお教えください。
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○安田浩二 景観部長 本市におきましては、緑豊かな歴史的遺産と山、海、そういった自然と緑に包まれた町並みということで、これが本市の特徴でございます。したがいまして、景観形成におきましても、これまでも緑との連携あるいは緑を背景としたまちづくりというものに心がけてきたところでございます。したがいまして、今度の景観計画の中に特に新たな施策展開というものは盛り込んでおりませんけれども、今、今年度改定を目指して進めております緑の基本計画、この中で景観緑三法、この制定を踏まえまして、景観面での充実、それから景観施策と整合した施策展開の方針、検討、このことを方針の一つとしております。
具体的な施策の実施につきましては、計画を確定した後、緑政審議会の意見などを聞きながら進めることとなりますけれども、緑の基本計画(案)では、景観施策との連携の発展をその方向性と示しまして、景観重要建築物等歴史的建造物と一体となった都市公園の整備など、これまでの緑施策を景観面でも充実させる、そういう考え方をお示ししております。今後とも景観部設置されておりますので、緑と景観、公園といったものの一体的な取り組みというものを進めてまいる予定でおります。
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○16番(三輪裕美子議員) 一体的な取り組み、ぜひよろしくお願いいたします。
鎌倉市には、町並みの緑の奨励事業というものがございます。接道緑化の工事額の半分の補助金が出るという制度でありますが、この制度、現在、接道面から3メートルまでしか対象になっておりません。接道面に限らず、対象範囲を広げて町並みの緑の奨励を検討するよう要望いたします。
平成12年7月から生け垣補助の制度が、生け垣に加えて高・中・低木にも助成を広げたところです。緑豊かな環境と通気性のよい環境の創造とともに、地震のときの防災に有益と「広報かまくら」に載せて奨励して、翌年策定された緑の基本計画にも、その記事が掲載されております。今回、この基本計画の5年目の全面的改定に当たり、さらに緑化推進を図ると同時に、ぜひブロック塀の改善も図るような制度にするよう提案いたします。
仙台市や板橋区、台東区では、緑化推進の助成制度としてブロック塀を撤去して、生け垣や植え込み、単独の木を植える場合に、撤去工事費用の助成を一部の上限を定めて行っております。町の緑がふえ、地震のときの倒壊の心配もない生け垣づくりの策と思います。鎌倉市でも、ぜひ早急に取り組むべきと考えますが、ぜひ前向きな答弁をお願いいたします。
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○安田浩二 景観部長 緑豊かな町並み景観を創造することを目的といたしまして、昭和55年度から実施してきております生け垣に対する補助制度、これを平成12年度に見直しをし、今、議員御指摘いただいたように、補助対象を接道部に植栽する高・中・低木及び生け垣というぐあいに拡大をし、厚みのある多様な緑化形態に対応できるもの、そういった制度にいたしております。
民有地の接道部分の緑化を奨励していく中で、ブロック塀の撤去に対する助成につきましては、今御指摘いただいたように、他市でも事例があるということでございますので、そういった例を参考にしながら研究をさせていただければと思っております。
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○16番(三輪裕美子議員) ぜひ、防災等の横断的な解決を図るよう要望いたします。
次に、身近な緑を守るためにの2番目の項目として、保存樹木指定について伺います。鎌倉市には保存樹林等の指定制度がございます。市長が保全を図るため、必要と認めた樹木や樹林、生け垣を指定するものです。高さ15メートル以上、または幹の周囲が1.5メートル以上などの基準に該当する樹木を所有者の承諾を得て指定し、標識を設置、樹木の場合には、1本につき年額2,000円の奨励金を交付するというものです。平成16年度で73本ございますが、昭和47年に施行された当初は市からお願いに伺ったということも聞きました。そもそもこの事業を昭和47年に始めた本来の意図は何だったのでしょうか、お伺いいたします。
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○安田浩二 景観部長 当初保存樹木の指定に関しましては、美観風致の維持と緑豊かなまちづくり、これを基本理念のもとに制度が発足いたしております。平成9年に条例が改定されまして、そういった中でも保存樹木の指定の趣旨については変わりがない。これは国の都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律というものを踏まえた市の指定ということでございます。
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○16番(三輪裕美子議員) それでは、現在の取り組み状況をお聞きしたいと思います。今改めてどう位置づけているのか伺いたいと思います。
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○安田浩二 景観部長 平成17年度末現在で保存樹木の指定は370本でございます。指定対象となります樹木はかなり大きな樹木に限定されておりますので、指定本数はここ20年来、ほぼ同数で推移をいたしております。
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○16番(三輪裕美子議員) 初めの昭和47年のときから5年ぐらいはどんどんふえていって、その後は横ばいということだと思います。平成18年現在も、昭和47年、多分開発ラッシュだったんだと思います。現在も同じような開発の波が押し寄せている状況にあり、改めてこの保存樹木指定の趣旨、美観の維持と先ほど伺いましたが、これを生かして保存樹木指定事業を推進していくべきと私は考えます。景観計画には、景観重要樹木の指定が盛り込まれますが、これは市の保存樹林制度より所有者への責任が厳しく、利用しにくい制度だと言われておりますが、管理面での人的補助など工夫をすれば十分活用できる制度だと考えます。景観法では、所有者にかわってNPO等が管理することも可能となっております。そこで、景観重要樹木制度との連携について伺いたいと思います。
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○安田浩二 景観部長 本市では、先ほど御答弁申し上げたように、保存樹木指定制度によりまして、奨励金を交付して指定樹木の保存を行ってきて、そういう計画がございます。今見直しを進めております緑の基本計画の中で新たに今回、景観法による景観重要樹木の指定というもの、これとも連携を図っていくという考え方をこの計画の中で示しておりますので、そういったことで保存樹木の拡充といいますか、そういった部分はさらに、中身を再度さらに検討しながら進めていきたいと思っております。
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○16番(三輪裕美子議員) 今ある制度の充実とともに、この新しい制度、活用を図っていただきたいと考えます。
次に、保存樹木制度の拡充について、3点ほど伺いたいと思います。
1点目は、所有者や管理者は枯れないように樹木の保存に努めなければなりませんが、年額1本2,000円の奨励金ということは、昭和54年は1,000円だったんですが、当初の倍になったまま据え置きです。27年前の2,000円というのは、樹木管理の少しの足しになったかもしれませんが、今は1万円ぐらいなければ、15メートルとか、樹齢の高い樹木の維持はできないと思います。奨励金については、管理費用の半額を目安に見直したらと私は考えます。
2点目に、指定しても3年契約で解除されてしまっては、余り意味がないのではないかと思います。保存樹林指定は、現状では緑保全を図る制度にはなっていないのではないかと感じます。契約期間の延長についても考えていただきたいと思います。
そして3点目、積極的に落ち葉の清掃など、管理の一部は地域の有志の市民が担うなどの地域の財産として、その樹木を保存するような工夫が必要と考えます。例えば市民からの情報提供、残したい樹木のリストなどを募り、看板設置も今、市では1本2万円もするということなんですが、市民の手づくりで行うということもできるのではないかと思います。このような保存樹木制度の拡充については、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
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○安田浩二 景観部長 御指摘のように、保存樹木の指定につきましては、47年の制度開始でございます。34年経過しております。制度の拡充につきましては、やはり課題であるというふうに認識しております。先ほど御答弁申し上げました景観重要樹木などの関連施策との連携、それから樹木を安全に維持管理できるような、そういった内容の充実というものも検討して、この保存樹木の制度の拡充を図っていきたいと、そんなふうに考えております。
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○16番(三輪裕美子議員) ぜひ、先ほど細かいことを指摘させていただきましたが、その辺も検討に入れて拡充を図っていただきたいと思います。所有者だけに保全の義務を負わせるのではなく、地域のシンボルの木として地域全体で保全するという感覚をみんなが持つことが緑保全の第一歩だと考えます。保存樹木指定をした家の両隣が一家に1本樹木を植えるという御近所協定を結んで保存することの大変さを共有するという他市の事例もございます。また所有者から市に木を寄贈し、周辺の土地も無償貸与してもらい、看板を取りつけ、木だけを登記できる不動産登記の明認方法という手法で、木に独立した、土地とは切り離した所有権を持たせるという方法で市民と市が管理するという千葉県の例もございます。こういった他市の事例も参考に保存樹木指定のあり方をぜひ工夫して、積極的に緑の保全を行っていただきたいと思います。
身近な緑を守るために、の最後の項目として緑の管理について伺わせていただきます。公園や緑地、街路樹などの公共施設の樹木の伐採、剪定において、何か疑問があって市民が市に電話をしても、みどり課に回され、公園緑地課に回され、風致担当課に回されと、そしてその対応もまちまちでということをよく私は耳にいたします。木を切り過ぎて、せっかくの景観が台なしになったという苦情もこの1年、本当によく私は耳にいたします。1人の住民の通報で木を切ってしまう市に対して、緑を守るスタンスが変わったのではないかといぶかる市民もいます。その都度説明をし、各課での説明が違うため、市民は不信感を抱いてしまいます。市民からの苦情への対応や、市民にあらかじめ情報を流すなどの対応が必要ではないでしょうか。今、どのような対応をしているかということを伺わせていただきたいと思います。
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○安田浩二 景観部長 市の管理してる緑地につきましては、苦情の聴取をした後ですね、その現場に出向きまして、立ち会いのもとに、その対応というものも検討し、伐採が当然必要なものであれば、これは造園業者に委託をして行っております。また、伐採後の部分については、担当がそれらの対応した状況等については説明を申し上げてるという実態でございます。
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○16番(三輪裕美子議員) 現場立ち会いも通報者だけであるのではないかと思います。その樹木は地域の樹木として皆が愛している樹木ということもございます。ぜひ、地域の市民の納得のいくような形で伐採を行っていければと思います。基本的に市は緑を残していくというスタンスだと思いますが、このごろは管理上や景観上、または防災とか防犯上、さらには高齢化による落ち葉処理が難しいというようなことから、市のスタンスも少し変わってきているのではないかと私は感じます。各課共通の伐採の基準というものがあるのでしょうか、伺います。
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○安田浩二 景観部長 今、議員御指摘いただいたように、非常に枝払い、伐採等につきましては、さまざまな要望、さまざまな要素、それから場所がございます。難しさがございます。現在、市民向けに緑の手帳ということで、樹木の管理方法についてはPRのために記載をしておりますけれども、公園緑地等の樹木の伐採、剪定については、剪定木の状況、状態、剪定に関する住民、市民の要望、これも多様でございまして、それぞれ現場に応じた剪定をせざるを得ないという状況になっております。現段階において、公共施設の樹木の剪定基準といいますか、そういったものをつくっていくということは、今そういう意味でもできてないということでございます。
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○16番(三輪裕美子議員) 現場に応じてということ、専門家に任せていてということだと思います。特に基準はないという答弁でした。また、剪定の技術もこのところ落ちてきているのではないかと感じるのは私ひとりではないでしょう。技術の向上とともに市民にも納得のいくような各課共通の基準をつくって情報を示すことはできないのでしょうか、伺います。
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○安田浩二 景観部長 現実にその伐採、剪定の基準については、先ほど御答弁申し上げたとおり、非常に難しい面がございます。対象が自然物といいますか、そういうものであり、工作物なんかと違って、なかなか一律的な基準を示すことがなじみにくいという面もございます。基本的な事項について、これは細かい部分になりますと、なかなか現実に対応するのが難しいということがございますので、基本的な部分で市民に、それから職員の間にもそういうことが示せるかどうかというのは、今後、調査研究して、そういった方向を考えていきたいと思います。
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○16番(三輪裕美子議員) ぜひ、なかなか難しいとは思いますが、市民が納得するような基本的なところで基準をつくって、「広報かまくら」とかインターネットにそれを示して、また市民の意見も広く聞くような、そんな形にしていただきたいと思います。
次に、公園の市民管理について伺います。まずは広町緑地の市民管理の進捗状況について伺わせていただきます。
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○安田浩二 景観部長 広町緑地におきます市と市民等が協働で実施する維持管理活動というものを行っております。市民による主体的な管理運営の実施を目指しているものでございます。現在、広町緑地をフィールドとして保存活動しております主な市民団体と協議をしながら、水田の復元、樹林管理等について、その準備会を立ち上げ、広報で市民公募を行いまして、水田の復元等の作業を現実に進めているところでございます。
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○16番(三輪裕美子議員) ぜひ、市民の参画組織づくりは、まだまだ課題も多いかと思いますが、市内・市外を問わず、協力者を募って首都圏の貴重な緑としての保存・活用を図るよう期待いたします。
次に、NPOや地域に街区公園などの管理を任せるということについてお伺いいたします。市から剪定等を委託してNPOがすべてを管理するということについては、どうお考えでしょうか。現在は公園愛護会が市から提供があった花の苗を植えるというような、一部の作業というような形で任されておりますが、小規模な地元の緑地とか公園、また市の管理が行き届かない公共施設の中の緑など、自主的に地域の市民が管理運営し、市は、そういったNPO、市民を補助金とか看板設置で認知するというような形で育成支援する、緑版のアダプトプログラムのような、そんなような制度を提案いたしますが、いかがでしょうか。
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○安田浩二 景観部長 現在、市内215カ所の街区公園については、平成18年度より指定管理者制度を導入いたしまして、財団法人鎌倉市公園協会が維持管理をいたしてるところでございます。街区公園等132カ所につきましては、市民による街区公園等愛護団体が草花の植えつけや除草などの軽作業を行い、市民との協働による管理をしてるという、そういう実態でございます。
管理委託につきましては、樹木剪定、施設修繕等の管理委託まで含めて市民、NPOに委託するには、専門知識を持った人材の育成が必要であり、また、個々の街区公園を別々に委託することによる経費面からの非効率さ、こういうものもあると考えております。さらに市民、NPOの体制にもよるんですが、過負担になることも予想されるところから、現在実施している市民との協働、これを各団体の意向を聞きながら、その充実を図っていきたいと、そんなように考えております。
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○16番(三輪裕美子議員) 鎌倉には、市民参画で身近な緑を守っていきたいと考える市民が意外と多いです。例えば通りを緑化推進したい市民がいます。また、公共施設の中の森を守りたいという市民がいます。また、身近な公園を地域の市民で管理したいと考える市民がおります。ぜひ、こういった自主的な市民活動を育成支援するようなシステム、考えていただきたいと思います。
次に、パブリックコメント制度について伺わせていただきます。
国の2005年6月の行政手続法改正により、行政立法手続、いわゆるパブリックコメント制度が法制化され、ことしの4月から施行されました。1999年3月の閣議決定に基づき、パブリックコメントは一定の範囲で義務的に実施されてまいりました。しかし、法律的根拠がございませんで、努力義務の範囲であるため、実施は行政の裁量によるところが多く、ポーズだけでも市民の意見を聞きましたといった程度にとどまっているという場合もございます。鎌倉ではそういうことはないと思いますが。今回の法改正で40の都道府県では要綱などで定めております。そして、五つの政令市では条例によって定めております。京都市、旭川市、鹿児島市は市民参加条例などで、神戸市は市民の意見募集手続に関する条例という形、横須賀市は市民パブリックコメント手続条例という形で定めております。
前回の私の一般質問で市民参加の手法の一つとしてパブリックコメントの制度化の必要性を主張いたしましたときには、自治基本条例に盛り込むという答弁もありましたが、進んでいらっしゃいますでしょうか、お伺いいたします。
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○辻正 行革推進担当部長 パブリックコメント制度でございますが、これは市が重要な政策や条例などを決めるときに、その原案を市民に公表し、市民から寄せられた意見や情報を政策形成等に反映していく大事な制度だというふうに理解をしております。本市での制度化に当たりましては、パブリックコメント条例、または要綱等を制定する方法、それから行政手続条例を改正し盛り込む方法、それから自治基本条例に盛り込む方法等さまざまな方法が考えられるわけでございますが、どのような方法によるか、他市の状況等も調査をしながら、現在検討を進めている段階でございます。
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○16番(三輪裕美子議員) 独自の条例をつくるというか、まだこれから検討ということですが、ここで鎌倉市のパブリックコメント制度のあり方について少し議論していきたいと思います。
これまで神奈川ネットワーク運動・鎌倉は、市民活動を推進する立場から、市民参画の市政を目指してまいりました。市民の意見を聞くことの難しさは今後の市民参画の課題と言えます。先進事例を参考に広く公平な市民の意見の反映方法を模索していくよう指摘してまいりましたが、広く市民の声を聞く制度としてパブリックコメント制度は重要なツールだと考えます。ただ、全国的にこの制度を利用して意見を述べている市民が少ないというのが実態です。制度が市民の間に浸透していないということだと思います。
ここで鎌倉市で行われているパブリックコメントの現状について伺いたいと思います。いつから何回実施しているのでしょうか。また、どの事業に実施して、平均何人の市民がコメントを寄せているのか、わかる範囲でお伺いいたします。
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○辻正 行革推進担当部長 本市のパブリックコメントの実施状況ということでございますが、全庁的な調査という形ではやっておりませんが、現在つかんでいる内容といたしましては、平成17年度には第2期基本計画、これは第1次素案でございますが、これにつきましてやっております。公表期間は平成17年5月1日から平成17年5月31日までということで、全体の意見数は408件でございました。
また、環境基本計画の改正についてでございますが、これにつきましては、公表期間が平成17年4月15日から平成17年5月15日までということで、33件ございました。これにはアンケート調査は、この33件の中には含んでおりません。
それから、景観計画の素案でございますが、これは平成18年3月15日から平成18年4月17日までやっております。こちらは項目数でございますが、146項目ございました。
それから、男女共同参画推進条例大綱でございますが、こちらは平成18年1月16日から平成18年2月15日までという期間で、意見の数は345件ということでございました。
これらの策定に当たりましては、ホームページ、アンケート、説明会等を利用し、市民の方々からさまざまな意見をいただき、基本計画や条例等へ反映するという取り組みを行っているところでございます。
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○16番(三輪裕美子議員) 鎌倉市のすごい件数、400件を超えるというような件数、すごいと思います。このパブリックコメント、今、原局が自主的に実施してるということだと思いますけれども、市として、どこかが判断してるということでないということだと思います。このパブリックコメントを行っているときに、対象とか期間、公表など、そういった実際どのような基準で実施されているのでしょうか、お教えいただきたいと思います。
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○辻正 行革推進担当部長 議員さん御指摘のように、現在、パブリックコメントを行う際の統一的な基準等は制定してございません。施策の基本的な事項を定める計画等の策定や基本方針を定める条例の制定など、市民生活、または事業活動に直接かつ重大な影響を与えるものにつきまして、基本的には各担当の判断で行政手続法の趣旨に沿った形で取り組みを行ってきたというのが経過でございます。ただ、平成15年12月に行いました次期基本計画の策定方針、こういった中でパブリックコメントという形で本市の具体的なやり方というものが出てまいりまして、これらを参考にその後のパブリックコメントの方法というものが行われてきたというのが現実でございます。
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○16番(三輪裕美子議員) よくわかりました。市全体の手続ははっきりしたものはまだないということですが、市民の意見を聞きましたという既成事実をつくるといった行政に都合のいいパブリックコメントになるという懸念も少し、このままだとあるんだと思います。要綱もなく、各課で個別対応ということでは、せっかくのパブリックコメント制度も今後逆効果になるというようなこともあるかと思います。市民、行政ともに成果を得ることのできる制度にするためにも、よりよい条例の制定と運用を図るべきと考えます。
パブリックコメントの実施対象について少し考えていきたいと思います。まず初めに、今年度鎌倉市における具体的な実施予定について把握していらっしゃいますでしょうか、お伺いいたします。
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○辻正 行革推進担当部長 今年度の実施予定ということでございますが、今年度は、先ほど申し上げました景観計画の素案、それから男女共同参画推進条例大綱素案、第2次住宅マスタープラン、これらにつきましては、既に意見の聴取を終了しておりますので、今後、市民の皆様からの意見を整理をいたしまして、意見ごとに対処方針を決定してホームページ等で公表をしていく予定でございます。また、保育園の民営化計画の素案につきましても、現在意見の聴取を行っているところでございますが、こちらにつきましては、引き続き意見を求めてまいります。今年度新たにパブリックコメントを実施するものといたしましては、両方とも素案ということでございますが、鎌倉市国民保護計画、それから障害者基本計画等を予定しております。
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○16番(三輪裕美子議員) 従来、自治体がパブリックコメントの対象としているのは、条例案の作成や長期的な計画で議会の議決を要するものと、規則などのように議会の議決を要せず、行政が策定するものの両方が混在しております。鎌倉市も実施された多くが前者の条例や行政計画についてのパブリックコメントです。一方、今回の国の改正行政手続法では、義務的なパブリックコメントの対象としているのは、命令等だけです。命令、処分の要件を定める告示のほか、規則や審査基準や処分基準、行政指導指針という、行政が策定する法規範性を持つものを基本としております。しかし、国の手続法の中には、行政計画とか法律案や審議会等の答申報告書などは含まれておりません。そこで、国の改正行政手続法より範囲の広いパブリックコメント制度にぜひして、意思形成過程段階での情報公開を進めるべきと考えますが、今回の市の制度化では、対象範囲については、これから検討するということだと思いますが、現在、鎌倉市で行われている対象以上の意見聴取の制度にするよう、ぜひ先進事例を研究していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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○辻正 行革推進担当部長 パブリックコメントの制度化に当たっての対象範囲ということでございますが、市の基本構想、総合計画、その他施策の基本的な事項を定める計画等の策定や、市に関する基本方針を定める条例などと、市民生活、または事業活動に直接かつ重大な影響を与えるものということで、行政手続法の定めております対象範囲よりは広くなるものというふうに考えております。議員さん御指摘の内容も含めまして、今後検討をさせていただきたいというふうに思っております。
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○16番(三輪裕美子議員) より広くということで安心いたしました。また、例えば横須賀市は平成13年9月にパブリックコメント条例を制定し、基本施策、市民生活に影響を与える制度の制定や改廃や義務を課する条例、計画策定手続や指導要領、行政指導指針、また市の憲章や宣言をパブリックコメントの対象に盛り込んでおります。このほかに大規模建設事業の基本計画を盛り込んでいるところや、市の憲章・宣言などの条例の見直し条項に基づく見直しの結果、これを行わないとする決定についても対象に盛り込んでいるところもございます。市民生活に密接な、また金銭徴収に関する条例については、逗子市や石狩市、富良野市が対象として義務づけております。さらに適用除外の軽微なものの具体を定めることも必要と考えます。意見聴取手続が法定されているものとか、緊急なもの、裁量の余地のないもの、附属機関が同種のパブリックコメントを行っているものなどは、適用除外のものとして具体的に定めていくことが私は必要だと思います。パブリックコメントを制定することに制度化に当たりましては、この点についても十分配慮するようお願いしたいと思います。
次に、パブリックコメントにおける案の公表方法などについてですが、公表案、また予告や周知方法、市民意見の公表時期について指摘させていただきます。まず、公表される案についてですが、行政計画には、プロにはわかるけれども、一般的に使用されていない行政用語とか学術用語が多用されております。市民の意見を広く求めて、よりよい行政計画にしていこうとするならば、意見を聞いたよというポーズにとどまらないようにすべきです。市民の側に立ったわかりやすい情報の提供が必要です。今指摘いたしました表記上の課題のほかに、概要版でわかりやすく、逐条解説を加えるなど、意見を出しやすいような配慮も必要です。鎌倉市でも実際にホームページで膨大な資料をダウンロードするということも大変ということも聞いております。現状でも、計画の概要版をつくって説明会を行うなどの努力をされている部署もございます。しかし、広報を見て期間中にパブリックコメントを行おうと思って資料をもらいに市役所に行ったら、もう資料がなくなってしまって閲覧しかできなかったという市民からのそんな苦情も聞いております。ぜひ、市民にわかりやすい、関連資料を案とあわせて公表することの義務づけも、この制度の中には盛り込んで積極的な市民からの意見を聴取することに努力すべきと考えます。
次に、予告と周知方法ですが、現在は広報にパブリックコメント募集の記事を募集期間の前に載せているだけだと思います。しかし、短い期間の中で市民が意見をまとめることはなかなか難しいものです。周知徹底のために年度実施予定も先ほど伺いましたが、そういった予定も公表するということも義務づける規定も盛り込んでいただきたいと思います。また、関係団体への送付も行うなど積極的に意見を受けるというような努力も考えていただけたらと思います。そして、寄せられた意見の公表の時期ですが、なるべく早目が望ましい。条例や計画が制定される前に必ず公表し、制度の透明性を高めていただきたいものです。
以上、パブリックコメントにおける案の公表方法等について、るる指摘させていただきましたが、十分な検討を行っていただきたいと思います、いかがでしょうか。
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○辻正 行革推進担当部長 パブリックコメントにおける案の公表方法等についてでございますが、広報紙やインターネット、説明会、チラシ、パンフレット等を活用いたしまして、いずれにいたしましても、市民にわかりやすい形での公表をしたいと考えております。ただいまの議員さんの御意見、御要望を検討するとともに、既に条例等を制定し運用しております他市の事例等も参考にしながら検討を進めていきたいというふうに思っております。
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○16番(三輪裕美子議員) ぜひ、今、部長おっしゃられましたように、近隣市の状況調査、また庁内の実態調査などを行って、条例案を作成して実効ある制度とするよう強く要望いたします。
最後に市長に伺わせていただきます。横須賀市のように、国の法律よりも市民参画を保障することが大切と考えて市の条例が先行している、そういった自治体もございます。パブリックコメント制度の要綱もない現在の鎌倉市として、その整備のおくれを取り戻すためには、ぜひ先進的な条例にすべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
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○石渡徳一 市長 現時点では条例、要綱など制定をいたしておりませんが、パブリックコメント制度の趣旨に沿った取り組みを行っているというふうに考えております。しかしながら、やはり統一的なルールが必要だというふうに思っております。ただいま議員さんからもさまざまな御提案、御提言ございました。また、他市の例等も参考にさせていただきながら、手続の明確化を図ってまいりたいというふうに考えております。
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○16番(三輪裕美子議員) 市長からも先進的な条例にしていくというようなことを伺いました。より市民の参画が担保された条例の改定となるよう強く要望いたしまして、今回の私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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○副議長(藤田紀子議員) お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、運営委員会の協議もあり、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
なお、残余の日程については、明6月9日午前10時に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
本日はこれをもって延会いたします。
(20時26分 延会)
平成18年6月8日(木曜日)
鎌倉市議会副議長 藤 田 紀 子
会議録署名議員 山 田 直 人
会議録署名議員 渡 邊 隆
同 前 川 綾 子
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