○議事日程
平成16年 6月定例会
鎌倉市議会6月定例会会議録(1)
平成16年6月2日(水曜日)
〇出席議員 27名
1番 千 一 議員
2番 高 橋 浩 司 議員
3番 岡 田 和 則 議員
4番 白 倉 重 治 議員
5番 大 石 和 久 議員
6番 松 尾 崇 議員
7番 三 輪 裕美子 議員
8番 吉 岡 和 江 議員
9番 中 村 聡一郎 議員
10番 澁 谷 廣 美 議員
11番 古 屋 嘉 廣 議員
13番 伊 東 正 博 議員
14番 藤 田 紀 子 議員
15番 伊 藤 玲 子 議員
16番 森 川 千 鶴 議員
17番 小田嶋 敏 浩 議員
18番 児 島 晃 議員
19番 助 川 邦 男 議員
20番 和 田 猛 美 議員
21番 大 村 貞 雄 議員
22番 嶋 村 速 夫 議員
23番 野 村 修 平 議員
24番 福 岡 健 二 議員
25番 松 中 健 治 議員
26番 前 田 陽 子 議員
27番 赤 松 正 博 議員
28番 清 水 辰 男 議員
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〇欠席議員 なし
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〇議会事務局出席者
事務局長 石 井 潔
次長 小 山 博
次長補佐 磯 野 則 雄
次長補佐 福 島 保 正
議事担当担当係長 小 島 俊 昭
調査担当担当係長 原 田 哲 朗
書記 鈴 木 晴 久
書記 西 山 朗
書記 谷 川 宏
書記 内 田 彰 三
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〇理事者側説明者
番外 1 番 石 渡 徳 一 市長
番外 5 番 企画部長
兵 藤 芳 朗
危機管理担当
番外 7 番
担当部長
世界遺産登録推進
番外 6 番 石 川 吉 見
担当担当部長
番外 12 番 浦 靖 幸 市民経済部長
安全・安心
番外 13 番 仲 野 勝 衛 まちづくり推進
担当担当部長
番外 18 番 高 橋 保 信 都市整備部長
番外 21 番 熊 代 徳 彦 教育長
番外 22 番 松 本 巖 教育総務部長
番外 23 番 生涯学習部長
原 節 子
生涯学習推進
番外 8 番
担当担当部長
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〇議事日程
鎌倉市議会6月定例会議事日程 (1)
平成16年6月2日 午前10時開議
1 諸般の報告
2 会期について
3 一般質問
4 報 告 第 1 号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係 ┐
る専決処分の報告について │
報 告 第 2 号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償 │
の額の決定に係る専決処分の報告について │ 市 長 提 出
報 告 第 3 号 継続費の逓次繰越しについて │
報 告 第 4 号 繰越明許費について ┘
5 議 案 第 1 号 鎌倉市市税条例の一部を改正する条例の制定に関する専決 同 上
処分の承認について
6 議 案 第 2 号 市道路線の廃止について 同 上
7 議 案 第 3 号 市道路線の認定について 同 上
8 議 案 第 4 号 町区域の変更について 同 上
9 議 案 第 5 号 工事請負契約の締結について 同 上
10 議 案 第 7 号 物件供給契約の締結について 同 上
11 議 案 第 6 号 不動産の取得について 同 上
12 議 案 第 8 号 財産の無償譲渡について 同 上
13 議 案 第 10 号 永福寺跡発掘調査に起因する事故による市の義務に属する 同 上
損害賠償の額の決定について
14 議 案 第 9 号 緑地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償 同 上
の額の決定について
15 議 案 第 11 号 鎌倉市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例 同 上
の制定について
16 議 案 第 12 号 平成16年度鎌倉市一般会計補正予算(第1号) 同 上
17 議 案 第 13 号 鎌倉市固定資産評価員の選任について 同 上
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〇本日の会議に付した事件
1 諸般の報告
2 会期について
3 一般質問
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鎌倉市議会6月定例会諸般の報告 (1)
平成16年6月2日
1 6 月 2 日 市長から、次の議案の提出を受けた。
報 告 第 1 号 交通事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分の報告について
報 告 第 2 号 道路管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定に係る専決処分
の報告について
報 告 第 3 号 継続費の逓次繰越しについて
報 告 第 4 号 繰越明許費について
議 案 第 1 号 鎌倉市市税条例の一部を改正する条例の制定に関する専決処分の承認について
議 案 第 2 号 市道路線の廃止について
議 案 第 3 号 市道路線の認定について
議 案 第 4 号 町区域の変更について
議 案 第 5 号 工事請負契約の締結について
議 案 第 6 号 不動産の取得について
議 案 第 7 号 物件供給契約の締結について
議 案 第 8 号 財産の無償譲渡について
議 案 第 9 号 緑地管理に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定について
議 案 第 10 号 永福寺跡発掘調査に起因する事故による市の義務に属する損害賠償の額の決定につい
て
議 案 第 11 号 鎌倉市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例の制定について
議 案 第 12 号 平成16年度鎌倉市一般会計補正予算(第1号)
議 案 第 13 号 鎌倉市固定資産評価員の選任について
2 次の陳情については、提出者から取り下げたい旨の届け出を受けた。
5 月 11 日 平成13年度陳情第1号国に対して緊急地域雇用特別交付金事業の改善・継続と緊急の
就労事業の意見書の提出についての陳情
3 陳情2件を陳情一覧表のとおり受理し、付託一覧表のとおり各委員会に付託した。
4 3 月 19 日 逗子市において、神奈川県Aブロック市議会事務局長会臨時会が開催され、西山局長
が出席した。
5 3 月 29 日 座間市において、平成15年度神奈川県市議会議長会監事会が開催され、白倉議長及び
西山局長が出席した。
6 4 月 9 日 鎌倉市において、神奈川県Aブロック市議会事務局長会定例会が開催され、石井局長、
小山次長及び福島次長補佐が出席した。
7 4 月 12 日 相模原市において、第185回神奈川県市議会事務局長会議が開催され、石井局長が出
席した。
8 4 月 19 日 海老名市において、第172回神奈川県市議会議長会定例会が開催され、白倉議長、澁
谷副議長及び石井局長が出席した。
9 4 月 22 日 平塚市において、第70回関東市議会議長会定期総会が開催され、白倉議長及び石井局
〜 23 日 長が出席した。
なお、定期総会の席上において、澁谷議員及び伊藤議員が議員在職15年でそれぞれ
表彰を受けた。
10 5 月 25 日 東京都において、第80回全国市議会議長会定期総会が開催され、白倉議長及び石井局
長が出席した。
なお、定期総会の席上において、澁谷議員及び伊藤議員が議員在職15年でそれぞれ
表彰を受けた。
11 5 月 25 日 横須賀市において、三浦半島地域高速道路建設促進期成同盟幹事会が開催され、小山
次長が出席した。
12 6 月 2 日 市長から、財団法人鎌倉市芸術文化振興財団、鎌倉市土地開発公社、財団法人鎌倉市
公園協会及び財団法人鎌倉市学校建設公社の平成16年度事業計画書及び事業予算書の
送付を受けた。
13 監査委員から、次の監査報告書の送付を受けた。
3 月 24 日 平成15年度12月分例月出納検査報告書
3 月 29 日 こども局推進担当(こども局推進担当)事務監査報告書
〃 市民経済部(市民活動課、人権・男女共同参画課、観光課、産業振興課、市民課、腰
越支所、深沢支所、大船支所及び玉縄支所)事務監査報告書
〃 保健福祉部(福祉政策課、市民健康課、保険年金課、介護保険課、社会福祉課、あお
ぞら園、高齢者福祉課及びこども福祉課)事務監査報告書
〃 広町・台峯緑地担当(広町・台峯緑地担当)事務監査報告書
〃 都市計画部(都市計画課、都市景観課、都市調整課、開発指導課及び建築指導課)事
務監査報告書
〃 大船駅周辺整備事務所(市街地総務課、大船駅周辺整備課及び再開発課)事務監査報
告書
〃 農業委員会事務局事務監査報告書
4 月 1 日 平成15年度平成16年1月分例月出納検査報告書
5 月 10 日 平成15年度平成16年2月分例月出納検査報告書
5 月 31 日 平成15年度平成16年3月分例月出納検査報告書
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平成16年鎌倉市議会6月定例会
陳 情 一 覧 表 (1)
┌─────┬───────────────────┬────────────────────┐
│受理年月日│ 件 名 │ 提 出 者 │
├─────┼────┬──────────────┼────────────────────┤
│ 16.5.11 │陳 情│緊急地域雇用創出特別交付金の│横浜市中区松影町二丁目7番17号 │
│ │第 1 号│継続・改善を求める意見書提出│リバーハイツ石川町304号室 │
│ │ │についての陳情 │全日本建設交運一般労働組合神奈川県本部 │
│ │ │ │執行委員長 伊 藤 東 一 │
├─────┼────┼──────────────┼────────────────────┤
│ 16.5.21 │陳 情│義務教育費国庫負担制度の堅持│横須賀市日の出町一丁目5番 │
│ │ │ │日本労働組合総連合会 │
│ │第 2 号│についての陳情 │神奈川県連合会三浦半島地域連合 │
│ │ │ │議 長 茂 泉 晃 │
└─────┴────┴──────────────┴────────────────────┘
付 託 一 覧 表 (1)
┌─────┬─────┬──────────────────────────────────┐
│付託年月日│付 託 先│ 件 名 │
├─────┼─────┼────┬─────────────────────────────┤
│ 16.6.2 │総 務│陳 情│緊急地域雇用創出特別交付金の継続・改善を求める意見書提出に│
│ │常任委員会│第 1 号│ついての陳情 │
├─────┼─────┼────┼─────────────────────────────┤
│ │文 教│陳 情│義務教育費国庫負担制度の堅持についての陳情 │
│ │常任委員会│第 2 号│ │
└─────┴─────┴────┴─────────────────────────────┘
(出席議員 27名)
(10時00分 開議)
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○議長(白倉重治議員) 定足数に達しましたので、議会は成立いたしました。
これより平成16年6月鎌倉市議会定例会を開会いたします。
本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
会議規則第142条の規定により、本日の会議録署名議員を指名いたします。28番 清水辰男議員、1番 千一議員、2番 高橋浩司議員にお願いいたします。
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○議長(白倉重治議員) 日程第1「諸般の報告」を議題といたします。
お手元に配付いたしました印刷物のとおりであります。
ただいまの報告に御質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
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○議長(白倉重治議員) 日程第2「会期について」を議題といたします。
お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から6月17日までの16日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、会期は16日間と決定いたしました。
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○議長(白倉重治議員) 日程第3「一般質問」を行います。
質問の順序は、1番 伊東正博議員、2番 岡田和則議員、3番 伊藤玲子議員、4番 小田嶋敏浩議員、5番 三輪裕美子議員、6番 吉岡和江議員、7番 高橋浩司議員、以上の順序であります。
まず、伊東正博議員の発言を許可いたします。
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○13番(伊東正博議員) おはようございます。一昨年、一昨年になりますか、平成14年の9月定例会以来の一般質問でございます。そのときは鎌倉市の財政について質問をいたしました。今回は観光についてお尋ねをいたします。
国際観光都市と言われながら、最近では、本会議で余り取り上げられておりません。しかし、観光は本市にとりまして重要な政策テーマであり、経済的にも、また財政的にも避けて通れない課題であると考えております。そこで、近年の国の動向を踏まえて、鎌倉の観光のあるべき方向について議論を深めようと思います。
観光は、本来的には楽しいものでなくてはならないと思っております。したがって、観光を余り深刻に議論をしたり、意見の対立を生むような選択肢を用意したりはいたしませんので、初めからそういうことをいたしますと楽しくない観光政策ができ上がってしまうと思います。そんなことにも気をつけながら最初の質問をさせていただきます。
人はなぜ旅に出るのでしょうか、まず、市長にお尋ねをしたいと思います。
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○石渡徳一 市長 人それぞれによってお考えがあると思いますが、人は旅に出ることによりまして、自分が住んでおる土地にはない何か違ったものを感じたいと思っていることがあると思います。旅先でその土地の自然あるいは歴史あるいは文化を感じ、また、そこに感動を覚えたり、また、そこに住む人々と触れ合うことなども大変に大きなことだろうと思います。大変に日常の忙しい日々を暮らす中、自分の働いている場所や住む場所から離れることによって、自分を見つめ直したり、見直したりすること、また、あるいは外から自分の住んでいる土地を見直したり、また風土を改めて知ったり、そんな機会を求めて旅に出るのではないかと、そのように考えております。
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○13番(伊東正博議員) 次に、全く同じ質問で恐縮なんですが、本市の観光行政を担当されております市民経済部長にもお尋ねしたいと思います。人はなぜ旅に出るのでしょうか。
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○浦靖幸 市民経済部長 人は、ふだん一定の地域の中で決められたような生活を送っております。このような環境と違ったですね、新たな自然や文化、歴史あるいは旅先で住む人々と接することによりまして、驚いたり感動したり、うれしくなったり、そういうことで何かを感じまして、心身がリフレッシュされると思います。このようなことから旅に出るのではないかと、このように思っております。
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○13番(伊東正博議員) 大体同じようなお答えが今返ってきています。本来、こういったテーマを考えるとき、考える角度とか切り口によって、表現の仕方が違ってくるというふうに私は考えておりまして、そして、その違いの中から共通する本質を見つけ出していくということで、人それぞれ、さまざまな観光のとらえ方があると思っておりますが、どこかに共通項を見つけていきませんと、なかなか行政の政策としては動いていかないということがございます。そこで、昨年の10月ですか、高山市で全国都市問題会議が開催されました。私も参加をさせていただいたわけですが、その会議のテーマというのが、全体テーマというのは、「誰にもやさしいまちづくり」というテーマでございました。基調講演は東大の名誉教授木村尚三郎氏が、これは「魅力あるまちづくりをめざして」という、そういう表題で語られました。木村先生は、「魅力あるまち」を、「住んでいる人にも、訪れる人にもいいまち」と定義をされまして、21世紀を迎えて地球規模の交流がますます活発になると、そういう中で、こうおっしゃっておりました。
「住民は同時に旅人であり、旅人は同時に住民である」そこで、「先行き不透明な時代に人はじっとしていられない。現代人は体を使って歩くことを求めている。楽しく歩くことのできる道があるかどうかが魅力あるまちのポイントとなる」というようなお話をされておりました。これも一つの旅の本質を探る大きな手がかりだと私は感じました。人が歩きながら、その途中で食べたり買い物をしたり、すばらしい芸術作品や美しい草花と出会う。そして何よりもその土地の人の笑顔に接する。これからの観光のあり方につながっていく御意見だというふうに思いました。
そこで、観光についての質問をする前提といたしまして、観光に対する国の動向について伺います。昨年、平成15年から国は非常に具体的な提言あるいは行動計画を積極的に、そういった方針を出し、事業の推進を、国土交通省を通じて示してきております。まず、平成15年1月14日に発足いたしまして、内閣総理大臣が開催しております観光立国懇談会というのがあります。そこの懇談会がわずか3カ月のスピードでまとめた報告書があります。観光立国懇談会報告書というのがあるんですけども、そこに書かれている基本的な観光に対する理念というものはどういったものであるのか、その辺を担当の部長の方から御説明をいただきたいと思います。
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○浦靖幸 市民経済部長 ただいま伊東議員からも御説明がございましたけれども、平成15年1月の内閣総理大臣の施政方針演説におきまして、日本を訪れる外国人旅行者を2010年、平成22年に倍増させることを目的とする計画が打ち出されました。これを受けまして、観光立国としての基本的なあり方を検討するために、観光立国懇談会が開催、設置されまして、平成15年4月に報告書が取りまとめられたものでございます。報告書では、観光は経済に刺激を与え、教育を充実し、国民の国際性を高めることが広く国際的に認識されつつあり、国の将来、地域の未来を切り開く有力な手段であるとしております。その上で観光立国の理念を「住んでよし、訪れてよしの国づくり」とし、日本に住むすべての人々が、みずからの地域社会や都市を愛し、誇りを持って楽しく幸せに暮らしているならば、おのずと、だれしもがその地を訪れたくなるものであると、このようにしております。以上でございます。
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○13番(伊東正博議員) 概略御説明をいただきました。私もこの報告書を読みました。今、部長の方から答弁がありましたけれども、私がその中で特に注目をしたいなと思いました点は、先ほど木村先生のお話の中にあったんですが、非常に世界的な規模で人の交流が非常に大規模に行われる時代に入ってるという前提があります。観光消費、観光客による消費ですね、それの経済効果というのが、日本国内にありました、現在でも国内生産額の5.4%、約50兆円の波及効果も含めてですが、推計をされていると。雇用創出効果も約400万人と推定される。言ってみれば、観光は21世紀のリーディング産業であるということであります。
日本人の観光も非常に変化してきておりまして、名所見物型といいますか、言ってみれば、名所旧跡を訪ねて歩くということから、今度は参加個人体験型といいますか、何かその地域の中で一緒に加わって何かをして体験をするというようなものがだんだんと注目をされ、そういった観光客がふえてきている。そうしますと、観光というのは、単に物見遊山というのではなくて、いわゆる国づくりだとか、地域づくりというものとが密接に結びついてくるようになってくる。したがって、日本が観光立国を図ろうとするならば、美しい日本の再生とか、あるいは都市の活性化であるとか、新しい地域の文化というものを創造していかなければならないというようなことがあると思います。報告書には、そういうことに非常に多くの文字を使って触れております。
市長もよく言われるように、日本においては、今後、少子化による人口減少、それから高齢化がますます進展するだろうと。そうなりますと、地域の活性化というのは、定住している、そこに住んでいる人たちだけでなしに、いわば交流する人たち、交流人口というものをふやすことによって図っていかなければならないという、そういった現実に立ち向かっているわけでございます。
日本の近代化というのは、これまでどちらかといいますと、経済優先、そういった論理で展開されておりまして、そのことが、いわゆる工業立国、貿易立国という、そういった国をつくるには、非常に役立ってきたけれども、観光立国、文化立国といいますか、そういうものには必ずしも経済優先の論理では通用しなくなってきた。そこで21世紀の日本の進路というのは、住んでよし、訪れてよしの国づくり、まちづくりと、こういうようなことになってくるんだと思います。これが基本的な概念なんですが、これは日本の国の政策としては大転換をしようとしているというふうに私は受けとめました。それまで明治以来ですね、特に国交省というのが、国土交通省というのが建設省と運輸省が一緒になってできた省庁ですけれども、そこは、どちらかというと工業立国、貿易立国、経済優先で動いてたところだと思うんです。これが大きく今度政策が転換すると、日本の進路を大きくかじを、これまでと違う方向に切ろうとしているという、今の日本の置かれている立場なのか、あるいは今の日本の政府がやろうと、だからやろうとしていることなんだと思いますけれども、こういったことについて市長はどういうふうに受けとめられておられるか、その点の認識を初めに市長の方からお聞きしたいと思います。
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○石渡徳一 市長 ただいま議員御指摘のように、経済情勢も景気の低迷が長引いております。また、少子高齢化が進む中で、人口の減少というものも予測をされておるところでございます。こういった中にありまして、この観光立国という国の政策につきましては、観光を新たな基幹産業の一つとして位置づけようとするというふうに思っておりますし、国の活性化を図っていくものというふうに理解をいたしております。本市におきましても、全国平均に比べて大変に少子高齢化が進んでおる現状の中で、今後のまちづくりにおいては、観光産業の発展が鎌倉の活性化にもつながっていくものというふうに考えておるところでございます。
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○13番(伊東正博議員) 今、市長の方からも御認識が示されたわけですけれども、少子高齢社会というのは、この神奈川県内の中を見ましても、鎌倉は非常に先端を行っているということでございます。地域の活性化あるいはそうすることによって、地方自治体の行政の、いわゆる財政についても、より健全な形にしていこうというふうに考えますと、国が大きくかじを切ったこの政策に無関心ではいられないというふうに思うわけでございます。また、そういう国づくりでもあり、また、地域社会づくりでもあると、地域づくりでもあるということでありますので、それは鎌倉市も真摯に受けとめていかなければならない課題だというふうに思います。
そこで、この報告書の中に今、基本的な理念についてお伺いしたわけですけれども、その観光立国を今度実現させていくための戦略、基本戦略というのが、やはりこの報告書の中に書かれております。その概略について担当の部長の方から説明をしていただきたいと思います。
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○浦靖幸 市民経済部長 観光立国実現のための課題といたしまして、日本の魅力を再認識し、それを維持して、つくり出していくことが必要であると。そして、日本の魅力を世界に知ってもらうために、日本という国のイメージとなる日本ブランドを発信していくことが必要であり、そのためには、国、地方あるいは民間が一体となった取り組みをして、日本人全員が観光大使という意識を持つことが必要であるとしております。さらには、観光立国への戦略につきましては、日本を魅力的であると感じてもらうための環境整備が必要であるとし、例えば例を挙げますと、空港からの移動距離や交通料金などといったハード面の問題あるいは日本人の語学力向上といったソフト面の問題、また、入国手続の簡素化あるいは外国人がひとり歩きできる環境整備、人材育成など、このようなものを挙げております。
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○13番(伊東正博議員) 今の答弁ですが、説明をお願いしたんですけれども、どちらかといいますと、国がやろうとしていることをまず中心にお話をいただいたんだと思います。これを、この観光立国実現に向けての戦略というものを、今度同じように鎌倉市の方に当てはめてどう考えたらいいかと、そういう視点から私は読んでいたもんですので、この報告書を。その中で特に注目させていただいたのは、今、部長がおっしゃったように、日本の魅力というものを引き出す、もう一度再確認するという作業があろうかと思います。それが、いわば日本の売りになってくるわけですね。それは、ここに書かれている内容は鎌倉市にも全くそのとおり当てはまることが書かれております。
どういうことかといいますと、日本の魅力って何なのか、それは自然との共生を図って美を追求していると、そういう日本の姿。どういうことかいうと、例えば日本庭園であるとか、日本食であるとか、あるいは木造建築であるとか、そういったようなものが自然との共生を図りつつ、そして美を追求しているという、これは一つの日本の大きな魅力なんだと。それからもう一つは、伝統的なものと現代的なものが共存している。どういうことかといいますと、歴史的な文化遺産だとか伝統的なお祭りがある一方で、非常に電子製品だとかファッションだとか料理とかといった非常に新しい文化がつくられてきていると。それから3番目は産業的な活力と文化的な薫りが共存している。これはどういうことかといいますと、たくみのわざに象徴される物づくりの伝統というものが一方である。また、日本の果物ですね、これは工芸品と言ってもおかしくないぐらいに美しく磨かれて出荷されている。それから工業製品についても、性能がいいことはもとよりなんですけれども、非常にデザインもすぐれている。こういったようなことが、いわゆる産業的な活力の中に文化的な薫りがある。それから、日本はもう一方で、これは4点目なんですが、日本的なものと西洋的なものとが併存している。例えば伝統的な建築物がある一方で非常に近代的な都市施設があったりですね、歌舞伎だとか文楽などといった日本的な芸能がある一方で、非常に現代演劇だとかモダンバレエだとか、そういったようなものも非常に、かなり高い水準にあると。もう一つは和菓子がある一方で、非常に水準の高い洋菓子もつくられている。こういったようなことが日本の魅力である。それから、もちろん自然の景観に恵まれているということであるとか、最後には社会の治安とか規律が保たれている。
ただ、この最後の5番目とか6番ぐらいになりますと、本当に自然の景観がそのままきちっと保全されてきたのかという疑問が一つはあるでしょうし、社会の治安・規律という点からいくと、最近非常に物騒な世の中になりつつある。だから、日本の魅力というものは大事にしていくと同時に、かつてあったものをもう一度取り戻していく努力も一方では大切である。この辺のところが指摘を、この報告書の中でされているわけであります。それを受けて、鎌倉市がこれからどうやってその戦略を組んでいったらいいのかということになるわけなんですけれども、この辺については部長はどうでしょうかね、国の戦略というものと、それを鎌倉市に置きかえてどうしたらいいかというあたりの点について、もし何か御意見がありましたら、ちょっとお話をいただけたらと思います。
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○浦靖幸 市民経済部長 先ほど伊東議員からも御指摘がございましたように、先ほど観光立国のために日本の魅力を再認識するというようなことがございましたけども、これはまさしく鎌倉にも当てはまる内容ではないかと、鎌倉、古都の中で、古都と新しいものが共存している町でもございますし、そういう部分から過去の日本の武家政治の歴史というものを持ってございます。今後やはりそのようなものを前面に打ち出して、やはり観光というのを積極的に進めていく必要があると、このように考えております。
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○13番(伊東正博議員) 日本全体をとらえたときと同じように、日本の魅力というのは、まさに鎌倉の魅力というふうにも置きかえることができる、そういった、言ってみれば恵まれた都市が鎌倉なのかなと、だからここで観光政策が、要は実を結ばないということになりますと、日本全体の観光立国政策も危ういと、ぐらいに私、この報告書を読みながら感じ取ったわけでございます。
この報告書について、ちょっとこだわらせていただいてるんですが、最後にこういうことが書いてあります。この報告書、観光立国懇談会が去年の4月に提出した報告書の最後なんですが、こういう文章があるんで、ちょっとそこだけ読ませていただきますが「不安な時代に、人は旅をする。それは、かつてのような気晴らし、レクリエーションの旅ではない。生きる知恵と楽しさ、安心と感動を求めての、「ためになる楽しさ」の旅である。」一方では、ジェット機だとか、それから高速鉄道、ハイウエーを駆使しながらも、人は目的地に着くと、徒歩での散策を楽しむ。歩きながら食べ物屋のにおいや味、生活用品、土産物の色や形やデザイン、町並みの美しさなど、暮らしと命の知恵と楽しさを味わい、人々の笑顔に安心する。徒歩の時代が21世紀である、と書いてあるんです。
これ、最初にちょっと御紹介した都市問題会議における木村尚三郎氏の基調講演と同じなんですが、実は、この木村尚三郎さんは、この観光立国懇談会のメンバーでもあるわけで、多分この辺は、木村先生のかなり大きな考え方が反映されておるのかなというふうに思っております。今、読ませていただいたことがかなりこれから大きな観光政策を進めていく上で一つの指針といいますか、考え方といいますか、そういうものになっていくのかなというふうに私は思っております。
この報告書を今度受けまして、政府は、これも非常に早いんですね、4月のたしか24日ぐらいだったと思うんですね、報告書が出て。それから3カ月、また、7月の31日には、今度はアクションプログラム、観光立国行動計画というのをまとめて発表しております。アクションプログラムですから、各省庁にまたがってのいろいろな施策を抜き出しまして、あるいは新たにこれまでやってきたこと、それから新たにやろうとすること、それを整理して表にしてあります。それ、全部インターネットで取り出しますと40数ページぐらいのものになるんで、その中から、担当部長の方で御存じだと思うんですが、特に鎌倉と関係が深いと思われる点、アクションプログラムの中に書かれている点を幾つか御紹介をいただけたらと思うんですが、いかがでしょうか。
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○浦靖幸 市民経済部長 先ほどお話ありましたように、観光立国懇談会報告書を受けまして、観光立国実現のための施策の効果的かつ総合的な推進を図るため、観光立国関係省庁におきまして、平成15年7月に行動計画が策定されたところでございます。この行動計画は、21世紀の進路「観光立国」の浸透、日本の魅力・地域の魅力の確立、日本ブランドの海外への発信、観光立国に向けた環境整備、観光立国に向けての戦略の推進の五つの項目に整理したものでございます。この行動計画の具体的事業として、観光立国にかかわる新規事業及び既存事業の合わせて約240事業が挙げられてございますが、地方自治体、特に鎌倉に関係する、あるいは関係しそうな事業の一部を例示いたしますと、世界遺産の活用、日本の歴史の扉を開く国宝・重要文化財・史跡等の活用、地域文化財・歴史的遺産の保存あるいは修復等、身の回りの良好な景観形成、観光のネットワーク化の推進、外国人にもわかる案内・標識等の整備など、このようなものが挙げられてございます。このようなものが鎌倉市に関係あるのかなと、このように考えております。
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○13番(伊東正博議員) 行動計画が大きく分けて五つの項目からなっているということで、それが五つの項目の下にそれぞれの項目があって、全体で240数項目の施策が列挙されているわけでありますが、特に五つの項目のうちの1番目、21世紀の進路「観光立国」の浸透というところと、それから日本の魅力・地域の魅力の確立というあたりのところが、まず鎌倉がこれから観光政策を進めていく上で大きく国のプログラムを役立てていくことができる項目のところなのかなというふうに思います。
まず、さっきも述べましたように、工業立国、貿易立国ということの一辺倒であった政策を、そこから脱却して国民に対して今までの考え方、価値観というものを変えてもらっていこうとする試み、それが国民に理解をされて、しかもその理解が深まっていくということ。それが同時に外国人旅行者に対するもてなしの心を醸成していくというのが1番目の21世紀の進路「観光立国」の浸透と、要するにしみ渡らせていくという部分だと思います。
それから、その次の日本の魅力・地域の魅力の確立というところは、さっきも私が幾つか日本の魅力について六つの魅力を紹介させていただきましたけれども、その日本の六つの魅力が十分活用されるように、これまである日本の資源を活用して、魅力を維持向上させ、さらにそれを高めていくということの施策が並んでいるというふうに思います。その中でも、特に日本各地が、日本の各地域がですね、個性を磨いて発揮できるようにということで、「一地域一観光」の推進というようなプログラムも載っております。特に先ほども触れたんですが、これまで我が国が時にして破壊してきた景観の維持であるとか向上に役立つような、そういった施策も盛り込まれてきておるというふうに理解をしております。
国が用意をしている、こういったメニューの中から、鎌倉市も積極的に手を挙げて、そうすることによって本市の財政的負担をなるべく軽減させながら、減らしながら観光政策というのを推進していく。あるいは観光政策イコールまちづくりを推進していくということが肝要かというふうに思います。この点については後でちょっと触れますけれども、まず、その前にですね、さっきも述べましたように、この行動計画の中で、経済優先のために破壊されてきた景観だとか自然環境、時には文化財といったものを保全の方向で再構築していこうという方向があるわけです。これは言葉を言いかえれば、今まで物づくり一辺倒であったものを魅力ある地域づくりの方に変えていくと、そういった国の政策転換があろうかと思います。この辺については、観光を担当されている立場で部長の方から、その認識について、どう感じられているか、お伺いをいたしたいと思います。
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○浦靖幸 市民経済部長 先ほど伊東議員からも御指摘ございましたが、この観光立国の推進は、単なる物見遊山の勧めではなく、工業立国や貿易立国などへの一辺倒からの脱却でございまして、ある面では、国民に価値観の転換を求めるものと認識しております。この観光立国懇談会報告書によりますと「観光を、ただ単に名所旧跡などを「見る」ものととらえるのではなく、地域や国の魅力を活性化させるものととらえ直すことは、日本人自身が自分の地域や国のよさを発見し、誇りを持つことにもつながり、さらに、観光は、旅行業、宿泊業、輸送業、飲食業、土産品業等、極めてすそ野の広い産業であり、その経済効果は極めて大きい」とされております。このようなことから、観光立国といたしまして、魅力ある地域づくりを進めていくことは、本市にとっても重要であると、このように考えております。
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○13番(伊東正博議員) 物づくりから地域づくりと、要するに国づくり、地域づくりということへの、もう一度、いわば明治以来の政策をもう一度原点に戻して考え直してみようという、かなり大胆な発想から生まれてきている観光立国行動計画、プログラムというふうに思っております。ただ、たくさんプログラム、240数項並んでおりますけれども、もう既に、前からやっている、継続的にやっているものもたくさん中に含まれておりますので、平成15年をスタートに、その観光立国が大々的に、いわばそういったメッセージが発信されて以降のプログラムというものについては、かなりまだ整ってない面もあろうかと思うんです。これは、いわば行動計画を進めながら、また新たに必要なものが追加されていくというふうに認識をしております。
国の方の政策がそうやって大きく変わろうとしていると、これは戦後60年の日本の社会の築かれ方、国・地域のつくり方といいますか、そういったものの反省の上にも立っているというふうに私は理解をいたしました。さて、翻って鎌倉の観光政策をもう一度見直して、見つめ直して、読み直してみようと思いまして、平成8年策定されました鎌倉の観光基本計画、今からちょうど、平成8年ですから、8年前につくられているわけですが、その観光基本計画をもう一度引っ張り出して読みまして、実はびっくりいたしました。鎌倉市の観光基本計画の副題に何て書いてあるかといいますと「住んでよかった、訪れてよかったまちづくり」と書いてあるんです。だから、今、国が観光立国だといってまとめた政府の報告書「住んでよし、訪れてよしの国づくり」ですか、ほとんど一緒のコンセプトなんです。とするならば、鎌倉市は8年前に、今、国が大きくかじを切ろうとしたその政策の先取りをしたのかというふうにも思えるんですが、さて、全く同じフレーズで書かれているこの鎌倉市の観光基本計画がその後どうであったか、この8年間、それを今度は逆に我々は反省しなければならないというようなのが現実ではないかと思います。
当時の市長は、この計画書の巻頭に一文を寄せておりまして、「鎌倉の素晴らしい歴史的遺産と自然環境を守るとともに、付加価値を付けて観光客に提供し、楽しんでもらえるよう努力します。そして、寺社・名所依存型になりがちな観光から、新しい魅力を提供する創造型の観光への転換を目指します」というふうに書いてあります。しかし、この理念は確かに今国がやろうとしているものとほぼ同じですけれども、ただ、理念は先行したけれども、実行が全く伴ってこなかった。何が原因なのか、この点は行政をつかさどる方々にもう一度反省の上に立って、この観光基本計画を考えていただきたいと思います。観光基本計画はあるけれども、単純に言えば、その下に行動プログラム、アクションプログラムは全く示されていない。で、その観光基本計画なんですけれども、この計画書の中にもあるんですが、平成8年度から17年度までのおおむね10年間を計画期間としますと書いてあります。ですから、来年で17年度を迎えるわけですけれども、要するに今で8年が、ことし入れて9年目で、17年度でちょうど10年になるわけですが、理念は確かに整ってたかもしれないけれども、この8年間、9年間、実行が伴ってこなかったこの鎌倉市の観光基本計画を、では、平成17年度を一定の計画期間とすると書いてあるんですので、この基本計画を今後どうしようとされているのか、その点についてお尋ねをいたします。
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○浦靖幸 市民経済部長 鎌倉市の観光基本計画は、平成8年4月に策定されまして、その計画期間はおおむね10年とされております。計画策定後8年を経過する中で、見直しの時期に来ておりますが、見直しに当たりましては、先ほど御指摘ございましたように、現在の観光基本計画のいいところはそのまま残すとともに、あるいは新たに国が掲げる観光立国の視点も取り入れまして、外国人観光客への対応を図っていくために、今年度は外国人観光客の意向、動向調査等を実施することとしております。さらに、今後さらに観光客全般の意向あるいは動向等を把握しながら、見直しの作業に取り組んでいきたいと、このように考えております。
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○13番(伊東正博議員) その見直し作業の中で、この観光基本計画、鎌倉市の観光基本計画の一部見直し、一部なのか、いいところは残しとおっしゃってるんですが、その見直しをかけるに際して、国の観光立国行動計画に基づく幾つかのプログラムやメニューが用意されていますから、そういったものの活用ということは考えていらっしゃるんですか、まさにコンセプトが同じなんですから、使わない手はないと思うんですが、どうですか。
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○浦靖幸 市民経済部長 先ほども御答弁差し上げましたけれども、当然、この見直しに当たりましては、国の観光立国の視点も取り入れまして、新たな先ほど行動計画に上げられております240事業の中の取り込めるものは取り込むなどして、そのような見直しを行っていきたいと、このように考えております。
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○13番(伊東正博議員) 見直しをかけるためにメニューを取り込むということでなしに、今、例えば外国人観光客の、いわば動向調査のようなものもかけたいと、確かにことしの予算の中に入ってます。この辺についても、国の方でも動きが出てきていると思うんですよ。今、鎌倉市はどちらかというと、富士箱根ですか、これまで、かつての建設省観光部がやっていた、いわゆるエリア取りの中での動きが中心なんですけれども、運輸省ですね、ごめんなさい。運輸省の観光部です。でなしに、新しく、こういった観光立国行動計画というものができている中での鎌倉市の観光基本計画の見直しの仕方というものをもう少し知恵を出して考えてみてもいいのではないかなというふうに思うんですけれども、本当にストレートな質問をさせていただきますが、やっぱり活用するについては、国の方がやる、そういった動向調査等も積極的に受け取っていく体制というのはできてるんでしょうか、その辺はどうですか。
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○浦靖幸 市民経済部長 観光立国への質問でございますけれども、今御指摘ございましたように、国のいろいろな観光立国に当たりまして、今、神奈川県、要するに鎌倉市はですね、富士箱根伊豆国際テーマ地区協議会と、このようにも参加しておりまして、こういう視点でもですね、大きい地域、鎌倉市一つの地域ではなくて、大きいテーマ地区ととらえて、やっぱり観光促進を図っていくと、このようなことも必要じゃないかと思います。このような視点も取り入れていければと考えております。
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○13番(伊東正博議員) やはりこれまで地方自治体というのが基礎自治体になるわけで、鎌倉市の場合は。どうも県を通じての国との情報のやりとりというのが今までずっと来てましたけども、むしろ、国の動きに直接反応していくというぐらいの気概を持ってやってっていただきたい。後づけで県経由というのは、こんな場所で言うと怒られるかもしれませんけれども、やはり国が動いてるんですから、それに合わせるような形で鎌倉市も対応し、必要によって県にお願いしながら進めていくというやり方もこれから許されてくる、そういうやり方しなければならなくなってくるというふうに思います。これだけ具体的に国が観光政策一つとっても、アクションプログラムを240も用意して並べてるわけですから、その辺の使い方というのも、これから積極的に考えてっていただかないと、同じことを国がやって、また、鎌倉でやってというのも、つまらないですし、それから国がやる調査の方が広域的に当然各県を通じてまたさせるわけですからね、国が直接やるというふうにはちょっと考えられませんので、そういったものに乗っかる形で行っていくというのも、これから大切なのではないかなというふうに思います。
話を少し先に進めますが、これまで質疑をさせていただいてる中で、幾つかの点が共通理解になってきていると思います。繰り返しになって大変恐縮なんですが、大事な点ですので、もう一度基本的な部分について申し上げますと、少子高齢化による人口減少社会、そういった中においては定住人口だけで依存することは、もう不可能になってきた。要するに同じ経済規模を確保しようと思えば、当然のことながら交流人口というものも経済的な対象の中に入れていかなければならない。これももう鎌倉市の場合には総合計画でも、それからそれを受けた観光基本計画の中でも、そういうとらえ方をしております。国の方は、やっとそういうことを声を大きくして言い始めております。
それからもう一つは、物づくりによる工業立国でこれまで国際競争を勝ち抜いてきたんですけれども、これからはサービスを中心とする観光立国、文化立国としての競争の時代に世界は入ってくる。だから、物づくりからサービスの提供という、そういったもの、あるいはそれを受けて、そこに住む市民たちがどういう地域社会をつくっていくかという、そのこと自体が観光客、訪れたい地域をつくり出していくということだと思います。
それからもう一つ大事なことは、バブル期のような、いわゆる大規模なリゾート開発みたいなものは、これからの観光の中ではみんなが求めなくなってきた。自然とか歴史とか文化とか、そういったものを大切にしたまちづくり、そういったものを提供する観光というもの、これはまさに今度それぞれの地域社会が、これの都市間競争に入っていくと、要するにサービス産業、観光産業というのはサービス産業であるわけですから、それのサービスの競争時代に入ってるということです。
それからもう一つ大事なのは、この基本的なコンセプトで副題になっております、住む者にとって快適な町というのが訪れたい町になってると、だから言ってみれば、観光政策というのは、まちづくりそのものだと言っても過言ではない。それだけの、いわば観光なんだということを認識しなければいけないということだと思います。
そういうふうに考えていきますと、現在の観光基本計画の中でも、観光による経済の活性化を図るというふうにきちっと書いてあるわけですけれども、やっぱりここで観光というものをですね、鎌倉の、いわゆる基幹産業、将来にわたっての基幹産業になるという位置づけをやっぱり明確に行政側は持つべきではないのかなというふうに私は思います。行政は、もちろん市民や事業者と協力しなければできないわけですけど、協力して、この観光という基幹産業を積極的に推進していかなければならない。ならないというか、そういう時代に入ってきてると、鎌倉は前から国際観光都市と言われていたけれども、しかし、実際には、本当にアクションを起こしてこなかった。これからはもう、いわゆる真剣に推進体制を行政、市民、事業者一体となってつくっていかないと、都市間競争に敗れるということだと思います。その辺について、私はそう思っておりますけれども、部長はいかがお考えですか。
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○浦靖幸 市民経済部長 日本の人口が減少していくという将来人口推計を見た中で、観光客という交流人口を有効に活用していくことは、今後のまちづくりにとりまして、とても重要であると考えております。観光は第3次産業と位置づけられている中で、旅行業、宿泊業、輸送業、土産物業など、直接観光にかかわる業者はもとより、地元の魚や野菜などを提供したりすることで、第1次産業の活性化にも大きくかかわってくるものと考えております。特に今後、人口減少が続いていくということを考えれば、観光は今後の鎌倉のまちづくりの基幹産業ととらえてもいいのではないかと、このように認識しております。
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○13番(伊東正博議員) まちづくりそのものなんですから、私はもうこれは基本の基本の大きな太い幹の政策にして、そして産業そのものは鎌倉市の、いわば基幹産業というふうに位置づけていくべきだと思います。部長も大体そういう御認識のように今承ったんですが、さて、そうしますと、観光政策をこれから進めていく上で、先ほどのちょっと調査の問題にもう一度ちょっと戻らせていただきますけれども、観光政策をきちっと的確に推進していくために何がなければならないかということなんですが、まさにですね、先ほど外国人の観光客というお話がありましたけども、日本人も含めまして、観光客の動向を把握するための、例えば来訪の目的は何か、入り込み数がどのくらいあるのか、観光消費額はどの程度なのか、どこから来て、どこへ向かったのか。そういった基礎的な数値が実はないんですね。
私も今回、この質問をしようと思いまして、統計の方にもお願いしながら、いろいろ調べてみました。国勢調査から、例えばどういう事業所に従事しているかなということから、大体、鎌倉市の中で、観光絡みで生活している世帯がどのくらいあるのかなということを調べようとしましたけれども、それも無理でした。それから商業調査がありますね、商業統計調査というんですか、これは本市の平成何年の統計という本に載っておりますけれども、ここの商業調査は、卸売とか小売業の数字はあるんですが、サービス業の統計がないんですね。だから、観光絡みの数字を引っ張り出すことができなかった。
それから、今、大体鎌倉市、きょうも新聞に出てたようですが、鎌倉市の来る観光客が大体何人かという数字がよく話題になりますけれども、これは県が各市から情報を、数字を出させて、県が集計してまとめて発表してるんだと思いますけれども、この入り込み客調査というんですか、観光による入り込み客調査というの、これも調査の仕方を伺えば伺うほど、正確ではないなというふうに思います。
何で統計や数字にこだわるかといいますと、日本が戦後、工業国、貿易国として飛躍的に発展をしてきた裏には何があったのか、それは正確で非常に的確な生産統計、貿易統計といった、いわゆる物づくりの統計がきちっとできていた。だから的確な政策判断ができて、的確な政策が打てた。それが他国と競争するに当たっても、非常にその数字が物を言ってきた。しかし、観光に関する統計というのは、ほとんどないと言っていい。
私、ある本を読みましたら、世界観光機関、WTOというのがあります。民間の財団のような機関だと思いますけれども、本部がマドリードにあります。スペインです。このスペインというのは非常に国を挙げて観光政策を強力に今推し進めておりまして、ヨーロッパ諸国の中でも観光産業の成長がもう著しい飛躍をしているというふうに書かれております。その理由の一つは何かといいますと、まさに統計なんです、数字なんです。州ですとか、それから主要都市ごとに観光客の数、それから来た人の国籍、宿泊日数、それから観光収入額、これがきちっと把握されて、毎月公表されている。大体二、三カ月おくれぐらいで出てきてるんです、月ごとの集計が。非常に速報性のある精度の高いものを使って観光戦略を練ってきている。そういうことであってはいけないということで、さっき質問をして答弁もいただきましたが、この観光立国行動計画の中で、プログラムの一つとして、観光統計の充実を図るため、総務省が中心になるんですけれども、平成15年度から旅行観光消費動向調査を承認統計として実施するというふうにあるんですけれども、この辺については、どういうふうに、国・県から流れてきているのか、わかりますでしょうか。
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○浦靖幸 市民経済部長 具体的に、まだ統計の手法については、国の方から私どもの方に流れてきておりません。ただ、観光にかかわる業種でございますけれども、直接的には飲食、宿泊、小売及び交通などが挙げられ、さらに二次的には、食料品その他製造、サービス業など多岐にわたっているので、現状の統計制度の中では、観光という国の数値を示されるものはないと、このように認識しております。また、観光を一つの産業としてとらえ、その振興を図っていくとすれば、国及び地方がですね、同じ手法で統計的数値を集計していくことは非常に大切であると、このように認識しております。
先ほど、お話がございましたように、市単独での取り組みは非常に難しいと思いますが、先ほどお話がありましたように、今後ですね、国のこの統計に対する動向等も把握しながら検討していきたいと、このように考えております。
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○13番(伊東正博議員) 15年度からそういった承認統計、要するに国が認めて統計をとるんですから、それが県なり各市町村なり流れてくるのかなというふうに私は思ってるんですけれども、15年度から実施をしていこうと、これは新しいメニューですよね、これまでやってこなかったことがアクションプログラムの中で初めて出てきてます。ですから、鎌倉市も観光政策をこれから立てる。あるいは先ほどの観光基本計画を一部でも見直していこうという動きの中では、これのいわば実施状況を見ながら、的確な数字に基づく政策づくりというものにぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
時間も経過してきておりますので、次に移りますが、先ほど観光立国行動計画の中に幾つも施策があるんで、それは後からお聞きしますというふうに申し上げたんですが、その中の一つです。観光立国行動計画の中に世界文化遺産の活用というそういう項目があります。そういうプログラムがあります。どういうふうに書かれているかといいますと、人類全体の財産である日本の世界文化遺産、これ世界文化遺産と言ってるところがみそでありまして、自然遺産ですと、なかなか観光客を受け入れない部分もあるんですが、世界文化遺産の適正な保存を推進するとともに、国内外の人々に向けた公開、そして活用を図ると。これが一つの方針として出されてきております。世界文化遺産の活用ということです。
その後、どういうふうに書かれているかといいますと、暫定リスト記載物件にかかわる自治体の取り組みに対し、指導、助言等を引き続き行うこととしている。また、登録されている世界文化遺産についても、公開、活用を進めるための支援等を引き続き行うこととしているというふうに書いてあります。これ、観光立国の施策の面から世界文化遺産を公開することによって観光客の増加を図っていこうと、積極的にこれを活用していこうという方針、国の方針が出てきておるということであります。これは、だからどちらかというと文化遺産についての記述であります。
そこで、ちょっと私が気になりましたのが、先月の16日の神奈川新聞の記事であります。「古都鎌倉 登録目指し本格始動」というタイトルの記事であります。歴史遺産の検討委員会が、「武家の古都・鎌倉」というコンセプトを定めて、登録申請に向けて作業を進めるというリードがありまして、この動きに対する本文の中で、記事の中での、鎌倉市の観光協会のコメントがちょっと気になりました。どういうコメントを出しているか、観光協会が出しているかといいますと、観光客誘致には効果的だが、現時点でも混雑は厳しく、交通環境や宿泊施設が不十分、住環境との関係を含め、世界の人々を招く態勢がとれるかどうか、市民の意見も尊重しなければならないと議論の必要性を強調したという、そういう内容の記事であります。
私、これ見て、うんと思ったんですが、市民の方たちが心配してこういうコメントをしたとするのであれば理解はできるんでありますけれども、観光協会が出すコメントとしては、ちょっと理解に苦しむなと思います。要するに、世界の人々を招く態勢がとれるかどうかというのは、これは観光協会にその努力が求められている。また、その努力をすることが行政とともに観光協会の任務だと私は理解しているものですから、そういうコメントを観光協会が出されたんじゃ、いかがなものかなというふうに思いました。これですと、世界遺産登録に後ろ向きの姿勢なのかなというふうに誤解もされかねません。
そういうのも含めましてちょっとお尋ねをしたいんですけれども、ユネスコの世界遺産登録の意義というもの、あるいは遺産が所在する地域の住民の責務というのはどういうものなのか、改めて説明をしといていただいた方がいいのかなと思いますので、担当の部長にお聞きをいたします。
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○石川吉見 世界遺産登録推進担当担当部長 ユネスコによる世界遺産登録の意義についてでございますが、ユネスコの世界遺産条約では、各国のすぐれた普遍的価値を有する文化財や自然環境を世界遺産として登録し、それらを国際協力によって保護し、次の世代に受け継いでいくものと、その意義が述べられてございます。また、鎌倉市民憲章の中でも、鎌倉の歴史遺産と自然及び生活環境を破壊から守り、責任を持ってこれを後世に伝えますとうたわれており、鎌倉の歴史遺産を世界遺産に登録することは、まさにこの市民憲章を実現することにほかならないと考えてございます。このようなことから、今後は広く市民の方々に、世界遺産に登録することの意義や鎌倉の歴史遺産の独自性などについてお知らせをし、理解と協力を得まして取り組んでまいりたいと、このように考えております。以上でございます。
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○13番(伊東正博議員) 認識が一致したので安心しておりますけれども、要するにユネスコの世界遺産登録というのは、かけがえのない遺産を責任を持って後世に伝えていきますと。また、その遺産が所在している地域の住民、そこの住民のいる国が、そういったことを世界に向かって宣言する、声明する。そういうことだと思います。ですから、その守ろうとする、伝えようとする遺産の価値の大切さ、これを世界の人々とともに認識して、その理解を共有していこうというのが根底になければ、世界遺産登録をする意味がないわけです。ですから、観光立国の中の理念についても全くこれと同じ部分がありまして、もう一度繰り返しますけれども、不安な時代に人が旅をすると。生きる知恵と楽しさ、安心と感動を求めて、ためになる楽しさを旅する。そういった旅をするんだというふうに書かれているのと、私はこの世界遺産登録をされた都市として鎌倉を訪れたいと思う世界の人、そして日本の人々の気持ちは同じだと思います。だから、世界遺産登録をするということは、とりもなおさず、そうした旅人を温かく迎えるという、そういう意味もあるということを我々は認識しなければいけない。
ですから、そこで、この観光立国の理念の中でもう一つ問題になります観光を推進していこうとするときに、市民、事業者、そして行政、すべてが観光客を歓迎する意識、ホスピタリティーの向上、こういったものが必要不可欠になってくる。これは観光立国の場合もそうですし、世界遺産登録の場合も私は同じだと思います。この部分で、観光客を歓迎する意識、ホスピタリティーの向上ということに対して、鎌倉市はその観光政策の中でどのようにとらえているのか、その辺の説明をお願いしたいと思います。
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○浦靖幸 市民経済部長 観光客に、鎌倉に繰り返して訪れていただくためには、観光客が満足感を持って帰っていただく、このようなことが大切ではないかと、このように考えています。いわゆる鎌倉市民といいますか、鎌倉からおもてなしの気持ちを受けたという気持ちになっていただくことが一番大事じゃないかと、このように認識しております。鎌倉を訪れる観光客を温かく迎えられる町になるよう、今後、行政はもとより、事業者と一緒になりまして、また、鎌倉に住んでいただく市民の方々にも、もてなす意識を高めていくような努力をしていくことが必要ではないかと、このように考えております。
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○13番(伊東正博議員) その辺のところはもう少しこれから具体的に、そしてきめ細かくですね、やっていかなければならないと思います。基本的な考え方はそれでいいんでしょうけれども、具体論を持たないと、そのとおりにはならない。まさに、観光基本計画が8年、9年たっても、なかなか実効性が伴ってこないのは、その辺にあるのかなというふうにも思うわけであります。
これもたまたまスペインのことを本で読んだんですが、私、行って聞いたわけじゃありませんが、本の受け売りで大変恐縮なんですけれども、やっぱりホスピタリティーといいますか、日本語に訳すと接遇教育とか何とかって書いてありましたけれども、要するにスペインは地域社会の中で、そこの観光に携わる事業者、例えば運輸関係でいうと、バスの運転手さん、タクシーの運転手さんというようなところから、土産物屋さんの店員さん、それからホテルの、もちろん従業員、それからさまざまなですね、例えばホテルだったらクリーニング店の店員まで、いろんな分野で観光客と接する人々を常に集めて、そういった教育を施しているということで、最初は大変だったらしいんですけど、それによって、要するに観光客と接する人の、さっきも申し上げたけど、笑顔、それから接する態度、それがもうすべてを、いわば決めると言っても過言ではないということで、それを非常に大事にする。
特に観光、鎌倉に来てください、来てください。例えばインターネットを通じて世界に発信したとしても、それも大事なんですけどね、来た人が評判を落として帰られるのが一番困るわけですよね。これは何の商売もそうなんですが、特にサービス業の場合はそうですけど、その辺は大変大事だということと、観光がまちづくりだということになりますと、要するに実際、その業についていなくても、要するに道ですれ違う市民もそういう気持ちでいないと、なかなかよそから人を迎えることは非常に難しい。その辺をどういうふうにこれからみんなで学習し、あるいは向上させていくかというあたりが一番大変なことなのかなというふうに思います。ハードな面よりも、そういったソフトな面が非常に観光を考える場合に大変であり、それから、またそれを乗り越えれば非常に大きな成果が上がってくるというふうに思います。
話を少し先に進めて、ちょっと具体的な話を何点かお聞きをさせていただいて終わりにしたいと思っておりますけれども、幾つかありますので、ちょっとおつき合いいただきたいと思います。
一つはですね、観光客を受け入れるためのいろんな観光施策というのがあります。鎌倉市の場合、幾つかの課題があろうかと思います。提案も含めまして何点かお尋ねをします。率直な御意見をいただければと思います。
まず最初は宿泊客の問題です。宿泊客あるいは滞在型の観光客というものをふやしていくためにはどうしたらいいか、常に鎌倉で問題になるテーマであります。よく宿泊施設が整備されていないから、泊まり客が少ないという意見がありますが、これは間違いだということは皆さんおわかりになろうかと思います。観光協会のコメントの中に、宿泊施設が不十分というふうにありました。果たして、だから泊まり客、滞在客が少ないのか、そうでしょうかと、要は、泊まる必要がないから宿泊客が少ないということだと思います。必然性があれば泊まるんだと思います。泊まる必然性がないのに、ホテルや旅館をつくっても、経営は成り立たない。要するに昼間の観光をして、夕方になれば電車や車で帰ることの方がいいと思っている人がほとんどだから泊まらないんだと思います。じゃあ、やはり宿泊客、滞在客が多い方が経済的な効果は大きいと、観光産業ももっとパイが広がるというふうに考えるとですね、じゃあ、どうやって宿泊客がふやせるか、滞在型のお客さんがふえるかということになるんだと思うんですけれども、これもごくごく単純に考えれば、要するに夜の時間を楽しんでもらう、そういった仕掛け、あるいは演出がないと、鎌倉に泊まろうという気分にはならない。一つの方法としては、例えばですよ、それが具体的にどういうふうに可能なのかというのは専門の方に御意見を伺わなければなりませんけれども、一つの方法を考えられるのは、鎌倉ならではの食の文化に接することができるように、そしてそれを夜ゆっくりと堪能できるような場があれば、一晩泊まっていこうかということになるかもしれません。食、これが一つのテーマかなと。もう一つは、伝統的な観光立国の報告書の中にもありますが、伝統的な文化を夜楽しむ、そういった機会がつくられれば泊まっていこうかなということになろうかと思います。
一つ、ごく私の知る限りの知識で申しわけないんですが、例えばですね、伝統的な文化芸術として、一つ例えば歌舞伎というのがありますね。歌舞伎の場面というのは、当時、幕末から明治にかけて、いい作者が出たんですけれども、鎌倉を舞台にして書かれている歌舞伎がかなり多い。意外と皆さん、知ってるようで知らないことかもしれませんが、現実の話を鎌倉時代にすりかえて書いたり、いろんな手法を使っておりますので、意外と鎌倉が場面になっている。仮名手本忠臣蔵、いわゆる忠臣蔵の最初の場面というのは、鶴岡八幡宮、鎌倉の鶴岡八幡の社頭の場と、石段の下が最初の場面で、そこで兜改めをするというところからスタートします。よく御存じなのが白波五人男、稲瀬川で勢揃いして、それから雪の下にあった浜松屋という呉服屋に弁天小僧が、要するに因縁つけに入っていって、最後は大立ち回りは極楽寺の山門の上の屋根の上という、そういう筋立てになっています。
もう一つだけ私の知ってるので言えば、切られ与三郎、与話情浮名横櫛という切られ与三郎の、お富さんというのが住んでたのは鎌倉であります。鎌倉の大店に、要するに、変な話で恐縮なんですが、心中事件を木更津の沖、起こしまして、生き残っちゃったもんですから、鎌倉の大店の奥さんにおさまっちゃったというので、いわゆる玄冶店というのは鎌倉にあったという設定になっております。
そういったせっかく、そういった伝統的な文化の場面が鎌倉にあるんですから、そういったような演目の公演を鎌倉で夜していくというのも一つの方法かな。薪能はありますけれども、そんなようなことによって、夜の楽しみ方、大人の楽しみ方をどこかでやっぱり仕掛けて演出していかないと、ただ、ホテルや旅館をつくっても、泊まる人はいない。残念ながら、温泉がありませんので、そういったもので何か仕掛けをつくっていく必要があるというふうに思うんです。だから、宿泊施設がないから、泊まり客がいないんだというのは、私は間違いだと思いますが、その辺はどのように認識しておられますか。
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○浦靖幸 市民経済部長 鎌倉は東京から1時間前後という場所にありまして、手軽な観光地として、現在は日帰りを中心としたものになっている。これは実情でございます。滞在型観光の推進につきましては、観光基本計画にも掲げておりますが、地域の魅力を掘り起こすことによって、たくさんのメニューを観光客に提供いたしまして、長く鎌倉の地にいたくなるような仕掛けが必要であると認識しております。これに当たりましては、市単独での取り組みは非常に困難と思いますが、今後ですね、商業界あるいは観光協会等関係団体あるいは事業者等と協議・検討を進めていきたいと、このように考えております。
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○13番(伊東正博議員) 私の方で幾つか提案をしているものの一つですので、検討をしていただきたいと思います。
それからもう一つですが、野村総研の跡地利用ということで、ちょっと私の考えも含めて申し上げますので、御意見をいただきたいと思うんですが、4月に入って、5月に入ってからですか、協議会の方からまとまった提案も出たようであります。中世の歴史資料館的なもの、あるいは美術館的なものが構想の中にも盛り込まれてきているというふうに認識をしております。これはこれだけで一つの観光スポットとして期待ができる部分だとは思います。市民の生涯学習であると同時に、住んでいる人たちがよいと思うものが訪れる人にとってもいいわけですから、そういったものが一つの観光スポットになっていくと思います。同時にですね、民間の参入も積極的に進めていこうということだそうですけれども、それは施設運営のコストをできるだけ圧縮して、市の財政負担を少なくしていくということだと思います。
そこで、宿泊ということだけにこだわるわけじゃありませんけれども、いわゆる安心して泊まれる負担の少ない、できるだけ負担を抑えた、そういった宿泊施設とか、レストラン併設というのも一つの考え方だと思います。歴史資料館とか美術館にそういったものが併設されているということも最近、地方都市ではよく聞くことであります。
それからもう一つは、どうしてそういった負担の少ない安心して泊まれる宿泊施設と、それに伴う食事をする場所というふうに申し上げたかといいますと、やはり鎌倉を訪れる小・中学生の、いわゆる体験学習の場、要するに泊まっていろいろ体験していただく。例えば地場産業である鎌倉彫ですとか、それから、まさに、あの周りに広がっている緑地の維持管理を体験するとか、もちろん小・中学生でできる範囲内ですが、そういったものも一つの学習としてとらえて、いわば、今はグループで日帰りで行動しておりますけれども、1泊とか2泊とかして帰ってもらうというような場にならないか、その負担の少ない安心して泊まれる宿泊施設というのがですね。同時に、大人にとっても、これからの生涯学習の場として、今と同じような生涯学習、例えば鎌倉彫のことであったり、あるいは緑の学習であってもいいんですけれども、そういったようなものを通じて、あそこで泊まりがけで来てもらうという、あるいはもう一つ、使い方とすれば、外国から来る、いわゆる若者、学生さん、そういった方たちも、高いホテルでなしに、安心してそういうところで泊まって鎌倉を楽しんで帰っていただけるというような、そういった意味での宿泊施設の併設というのはできないのだろうかと、もちろん民間に事業委託をしていくという形で当然だとは思いますけれども、そんなような考え方があるかどうか、あるいは検討できるものなのかどうか、その辺についてお尋ねをいたします。
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○原節子 生涯学習部長 野村総合研究所跡地の利用につきましては、先ほど議員さん御指摘のとおり、現在、野村総研跡地土地利用基本計画の案までが策定をされております。ここまでの検討経過も含めて御答弁をさせていただきます。
まず、平成14年8月に整理いたしました野村総研跡地に係る土地利用計画策定上の基本的条件で、跡地にふさわしい土地利用として、閑静なたたずまいや歴史遺産を生かした文化教養のゾーン、自然や緑を生かした公園、緑地のゾーンを挙げております。また、平成15年11月に策定いたしました野村総研跡地土地利用等基本構想では、土地利用及び施設整備の基本的な方向を示しておりまして、その中で、跡地に導入する機能は、鎌倉から世界に文化を発信できるような機能、鎌倉の歴史や文化、自然環境を象徴するような機能、市民や時代や世界が求めている機能がふさわしいとしております。
そして、その基本構想を踏まえまして、市民等で構成いたします土地利用検討委員会でまとめた野村総研跡地土地利用等基本計画案におきましては、土地利用及び施設整備の具体的な方向が示されております。その中で、自然空間を体験学習や歴史学習の場として有効に活用しつつ、公共的機能と民間機能をバランスよく導入していくことが必要である。特に公共的機能は、自然、歴史、美術の複合博物館、市民活動館が望ましいとしております。
今後でございますが、さらに建築基準法などの法規制との関係を整理しつつ、公共的機能や民間機能、緑地の活用方法などを具体的に検討していく予定であり、御質問の小・中学生を含めた観光客のための体験学習あるいは生涯学習の場、宿泊施設など、新たな観光施策に資する視点も検討の中に加えていきたいと、このように考えております。
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○13番(伊東正博議員) 具体的な絵をかいてるということじゃありませんので、そういった検討をしていただけるということで、とりあえず、その質問を、次の質問に移らせていただきます。
次はですね、今、負担が少なくて、それから言ってみれば、安心・安全に泊まれる、そういった若者あるいは体験学習、生涯学習あるいは外国人向けのという話を宿泊施設で申し上げましたけれども、もう一つ、鎌倉の観光施策の中で、言ってみれば、避けて通れない、前からいろいろ話が出ながら、なかなか先に進んでいない場所があります。坂ノ下から稲村にかけての地域であります。今回の観光立国の考え方の中に一つのヒントが私はあると思うんですが、景観の保全ということを非常に強く国土交通省が言ってきております。言い始めました。要するに、今まで、どちらかといえば、経済のために破壊されたことへの、言ってみれば反省も含めてということなんでしょうけれども、景観保全という観点と観光というもの、あるいはまちづくりというものを結びつけてきております。
あそこの坂ノ下から稲村にかけて、まさに、御存じのように、あの丘陵部分のがけ地の崩落がずっと続いているわけでありまして、かつての等高線が示された、かつての日本の陸軍がつくった地図を見せていただいたことがありますけれども、それを見ますと、かなりがけ崩れが進んでおりますし、それから、もちろん下には関東大震災の後できた埋立地があるわけです。そこまでを復元するということではなしに、とりあえず、その丘陵部分のがけ崩れをきちっととめて、かつての姿に戻していく。それから、できれば、134号線で切り通しのように分断されてますけれども、トンネルのような形にして、上の稜線部分を復元するということだって、今の技術では可能だと思います。そうしますと、丘陵と、それから稲村ケ崎がかつてのようにつながるわけで、そういったようなこと、まさにそこは史跡があるところでもあります。そういうようなことをしながら、埋立地の部分について鎌倉としての一つの観光の、いわば施設のようなものを擁していく。もちろん高いものを建てて、稜線の上を越えるなんて、そんなことはしない。3階でも4階でも、低層で、中層ぐらいですか、でやっていくということはできるんではないかと思います。
そういうようなものを今度の観光立国のプログラムの中で何か使えるものがないか。当然、先ほど食の文化ということを申し上げましたけれども、やはり我々旅をするときに、おいしいものを食べたいというのはだれも人間思うことでありまして、相模湾の食材であるとか、あるいは鎌倉ブランドの野菜であるとか、そういったものを、いわば消費しながら、鎌倉ならではのそういった食を提供していくということも考えられる。あるいは宿泊も、滞在型の宿泊も可能にしていくというようなことを夢描いているわけでございますけれども、こういったことを国の支援のもとにプロジェクトを立ち上げて、鎌倉市の財政負担をもう極力減らしながら、今、このいいチャンスですから、これをとらまえてやっていくというようなことも一つ考えられるのではないかなというように思いますが、所管している担当部署の方では、いろいろ問題点もあろうかと思いますので、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
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○高橋保信 都市整備部長 ただいまの御質問の部分で、大分広大な構想というふうに受けとめておりまして、私どもで今現在所管しております鎌倉海浜公園、坂ノ下地区につきましては、言うまでもないんですけど、本市が海を有する古都というふうな特色を持っておりまして、この公園も海に沿って配置をされております。私どもとしましては、最大限この立地を生かし、また市民の利用を初めとしまして、観光客の利用というものも視野に入れながら整備を図っていきたいと、そのように考えております。
また一方で、坂ノ下地区につきましては、都市公園としての位置づけもされておりまして、現在プールを骨格とした海辺のスポーツゾーンというふうに計画されておりますが、ただいまの観光の視点、あるいはもう少し広げて、がけ地の崩落部分を含めたところにつきましての一体的な計画というものにつきましては、今後関係部局とも調整を図り、研究・検討していきたいと、そのように考えております。
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○13番(伊東正博議員) 公園を抱えているということで、なかなかその答弁もそこから踏み出せないというのはわかりますが、ただ公園でも利用しているところもありますし、何よりも私はその景観にこだわるのは、湘南一帯で、相模湾の沿岸部分、今、たまたま海浜公園というおっしゃり方をしましたけども、湘南一帯の沿岸部分であんな無残な姿をさらしているところはあそこしかありません。それはもう、しかも何十年というか、そのままです。それで公園だとおっしゃっていてもですね、まあ私はそれはなかなか理解できない。景観を保全しながら有効活用を図っていくのは当然のことだと思うんです。海から一度見てみると、もっとよくわかると思います。かつて、小学生が海から鎌倉を眺めるという、ありましたけれども、まあ何しろ、あそこは鎌倉では景観上最悪の状態になっているということだけは申し上げておきます。
それで、時間もありますので、あと一、二点お伺いをいたしますが、今、一つには、野村のようなところで、小・中学生の体験学習として、伝統工芸の鎌倉彫という話をちょっとさせていただきました。それからもう一つは、坂ノ下、あるいは稲村ヶ崎のあたりで、そういった食の文化ということで、鎌倉ブランドの農水産物の消費拡大というようなことにもちょっと触れましたけれども、これは昨年の12月に地場産業振興研究会というところから報告書が出されております。たまたまその中にもそういった記述があります。地場産業の振興・発展のために、消費の拡大、それから子供たちへの体験学習の機会、中には漁組の方の御協力なのか、提案なのかわかりませんけれども、定置網の見学会とか、体験学習として、そんなようなものも書かれておりまして、そういった意味で、これ観光とも地場産業の振興というのが非常に密接に結びついているんですが、昨年12月に出されたこの地場産業振興研究会からの報告書、これについては、市はこれをどのように受けとめて、どのようにされようとしているのか、常にその報告書だ、企画書だ、中には基本計画までつくられますけれども、その後がどうなっちゃったかわからないというのが往々にしてある、まあそういうことが多い。ですから、この報告書の取り扱いについてどう考えていらっしゃるのか、御答弁をいただきたいと思います。
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○浦靖幸 市民経済部長 地場産業振興研究会報告書は、鎌倉市産業振興計画を推進するための実施方策を検討する鎌倉市産業振興推進協議会の作業部会といたしまして、15年1月に発足いたしまして、約1年間にわたり協議・検討した結果をまとめたものでございます。この中で六つの提案が示されました。その一つといたしまして、自然と触れ合う体験型のビジネスモデルといたしまして、定置網漁の見学ツアーが提案されています。まあ、観光サイドあるいは商業サイドからもこの提案につきまして積極的に観光を進めまして、また観光のサイドからも新たな観光資源となるかどうかについてもですね、関係者と協議を進めていきたいと、このように考えております。
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○13番(伊東正博議員) 六つあるって言ったけども、説明のあったのは一つのような気もするんですけども、いつもやっぱりこれがどういうふうに実行されていくか、どうなって、最終的にはこれはできたけど、これはできなかった、それは理由はどうなったのかというところの、そのフォローが余りきめ細かくされていないというふうに思います。もう一度、もとの話題に戻って大変恐縮ですけれども、こういったもの一つ一つの積み重ねが8年前、せっかく先駆けた観光基本計画をつくりながら、その実行部分が伴ってこなかったということにやっぱりつながっていくんじゃないかと思うんですね。1年かけても、やっぱり1年かけてですね、これだけのやっぱり報告書をまとめたんですから、やっぱりできるものからやっていく、できないことはなぜできないのか。できるようにするにはどうしたらいいのか、そういったことがその次にないと、後は報告書もらいました。後は行政側の方で受けとめました、後はむにゃむにゃ、むにゃむにゃというんじゃ、これもう本当に、まとめるのに加わっていた人にも失礼だと思うし、言ってみれば、そういうものを設けて、会議をしたということに対する市民への責任というのもやっぱりあると思います。その辺についてもやっぱりこれから十分考えていただきたいと思います。
あと、私の方から提案をする施策の細かい点ですが、これは提案の最後にいたしますけれども、先ほど来申し上げておりますように、観光立国行動計画の中には、地域の魅力を高める事業として、数多くのメニューが国の方で用意をしたというか、まあ並べてあります。その中でですね、やはり鎌倉が観光政策を進めていく、それから何度も言いますように、観光政策を進めるということが同時にまちづくりを進めていく、そういう中で、このいわゆるメニューにのっとって国の支援を受けていくということは、鎌倉市にとっては非常にメリットの大きいことだと思います。ただ使えるか使えないか、一つ一つの判断はまた出てこようかと思いますし、国の方の対応も中にはですね、前に私がどうなんだろうこれはって言って、新聞の記事を持って企画の方に一度おじゃましたことがあるんですけども、これは観光立国行動計画に基づくメニューの一つだったんですが、まさに鎌倉にうってつけの循環バスだ、あるいは看板だとか、あるいは例示として挙げてありましたけれども、景観の保全だとか、いろいろなことをやるについてモデル指定をしますよと、手を挙げてくださいというのがあったんで、どうだろうかって、こういうのはだめなのって聞いたら、広域的に、要するに1市じゃだめだと。何市かが一緒になってチームをつくらないとだめだみたいなことを聞いたことがあります。ですから、必ずしも国のメニューがそのまま鎌倉市にストレートに利用できるかどうか、いろいろな条件があろうかと思いますけれども、そういう中でですね、まあそうは言っても鎌倉市というのは、昔から国際的な観光都市だという、そういう目で国の方も見てくれておりますし、国の方としても、それだけの支援をするに非常に効果的といいますか、鎌倉にこういうことをしましたというのは、国の方の政策的にも非常に受けのいいという、その持ちつ持たれつの関係があろうかと思います。ただ、今まで、残念ながら鎌倉が余りそういったものに手を挙げてこなかったということなのかなというふうにも私は思います。そういうことでありまして、そこで一つお聞きしたいんですが、この中にですね、電線の地中化のことだとか、それからさっきちょっと触れました低公害循環バスのことだとか、そういったようなものも入っております。これは観光絡み、まちづくり絡み、どちらから攻めてもいいんですけれども、例えば電線の地中化というのは、景観保全という立場からそういったメニューがここへ入ってくる。それから、低公害循環バスというのは、交通渋滞の緩和というようなことから、要するに歩く観光の推奨というような一環としてそういったものが出てきていますが、市民にとって住んでよいまちづくりということには、これはどちらもなるわけでございますので、そういったことに電線の地中化とか、低公害の循環バスだとか、この観光立国行動計画のメニューの中でそういったものを使っていこうという、そんなようなことのお考えはあるのか、ないのか、その辺について御見解をいただきたいと思います。
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○兵藤芳朗 企画部長 国の支援を受けながら、地域の魅力を高める事業を推進することについてでございますが、本市は美しい自然環境と貴重な歴史的遺産に恵まれ、首都圏を代表する観光地として親しまれており、国内外を問わず多くの観光客が訪れているところでございます。しかしながら、こうした来訪者に対応した受け入れ機能や交通基盤などの環境整備は議員さんから既に御指摘がございましたが、十分とは言えず、これらの課題解決が重要であると認識しております。
観光は、本市の経済活動にとって重要な要素でありますことから、市民、事業者、関係機関、行政が一体となって観光による地域経済の活性化を目指し、市民、来訪者にも魅力ある市民と観光客がともに快適に過ごせるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
御指摘の電線類地中化などによる鎌倉らしい景観の創出、低公害循環バスの運行による市民、観光客の交通の利便性の向上など、住んでいる人の視点に立ったまちづくりを基本としながら、国が進めている観光立国行動計画とともに、全国の先駆的、モデル的な事業展開も見据え、国の制度面、財政面での支援を受け、取り組んでまいりたいと考えております。
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○13番(伊東正博議員) 積極的に取り組まれるということでございますので、期待をしていきたいと思います。
特に今回は、観光立国行動計画の施策を中心に鎌倉市としてそれにかかわって市の負担を少なくしながら住みよい、訪れてよい町をどうつくっていくかということについて、観光の観点からお尋ねをいたしてまいりました。まだまだ駆け足であったり、十分でなかった点もありますけれども、基本的な考え方、国の考え方、鎌倉市の今の置かれている立場、これまでどういうふうに仕事をしてきたかという、基本的な考え方と流れは一応質疑の中で明らかになってきた。そして、また今後の取り組みについても、物によっては前向き、物によっては非常に困難ではあるけれどもという括弧書きがつきましたけれども、幾つか検討の余地を残していただいたというふうに認識をしております。これらの質問を通じまして、市長の方から今後の鎌倉市の観光政策、観光振興に対するお考えと、あるいは決意があれば、それをお聞かせいただいて、私の質問を終わりにしたいと思います。
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○石渡徳一 市長 議員さん御指摘のとおり、今までのお話の中にございましたように、少子高齢化が進む中におきまして、今後の鎌倉市のまちづくりに当たりましては、観光を鎌倉の基幹産業の一つとして位置づけていくこと、これは大変に重要なことだと認識をいたしております。今後、観光振興につきましては、市といたしましては、観光基本計画の見直しの作業を進めていく中で、国の観光立国としての動向を的確にとらえながら、またあるいは県との連携をとりながら基幹産業としての視点で取り扱ってまいりたいと、このように考えております。
また、さらに世界遺産への登録がございます。こういったことは御指摘の趣旨を広く市民あるいは事業者、あるいは関係機関と行政とが共通の理解を深めていくいい機会だというふうに思っております。こういった契機をとらえまして、観光都市鎌倉のブランド力をさらに高めてまいりたいと考えております。観光振興により一層最善を尽くしてまいりたいと思っております。
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○議長(白倉重治議員) ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(11時47分 休憩)
(13時20分 再開)
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○議長(白倉重治議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。次に、岡田和則議員。
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○3番(岡田和則議員) 早速ですが、一般質問の通告に従って、安全・安心まちづくりについて順次質問いたします。
安全・安心のまちづくりですが、既に御承知のように、平成に入って一般刑法犯認知件数はウナギ登りで、それに反比例するように、検挙率は落ちてきました。過去60%から70%あった犯罪検挙率が今や20%ぐらいになり、安全と水はただという従来の常識は平成に入って崩れ去りました。一般刑法犯罪認知件数も1970年代は150万件を推移していましたが、今や倍増している状態が全国的状況です。神奈川県でも警察官の増員、県警では市町村別に空き巣や自転車やバイクの盗難、ひったくりや路上強盗についての発生件数をホームページで公開するなど、市民の注意を喚起する努力をしています。神奈川県の一般刑法犯罪認知件数は一昨年19万件くらいです。空き巣や忍び込み、車上ねらいやひったくり、自転車やバイクを盗むなど、窃盗犯がその中でもずば抜けて高いのですが、県警は治安回復に向けて、平成18年度までの達成目標を数値化して出しています。例えば、窃盗など刑法犯認知件数を平成14年度比でマイナス20%、検挙率を25%以上にする、重要犯罪の検挙率を60%以上とする、交通事故の死傷者を300人以下とするなどです。
犯罪の主体分析では、青少年犯罪の多発、文化の違いによる外国人犯罪の凶暴性などが考えられます。ここで、お間違いのないように申し上げたいんですが、文化の違いによる外国人犯罪の凶暴性って何だというようなこともあろうかと思いますが、私が念頭においておりますのは、ATMの、もう皆さん御承知でしょうが、ATMを取っちゃうと、ユンボを使って持っていくというようなことを念頭に私は述べさせていただきました。
それからまた、犯罪発生環境を考えますと、暗がりや人目につきにくいなど、調査・改善すべき事項はメジロ押しです。いわゆる狂牛病や遺伝子組み換え食品など、食の安全、幼児虐待からドメスチック・バイオレンス、新聞報道にもありましたが、DVは県下の平成15年度の相談件数は前年度比34%増の3,729件で、今後も増加の傾向にあると指摘されていました。さらに、おれおれ詐欺も鎌倉市はお年寄りが多い関係から顕著ということも聞きました。インターネット関連では、欲望産業の詐欺の多発など、安全・安心対策は多面的です。さらに、国際的な面から無差別テロの危険もあります。日本人というだけで命を奪われる危険度が高まっています。
さて、このような環境の中で、身近な問題として、犯罪検挙率の低下と、犯罪の多発化を考えると、自主的に自己防御せざるを得ないところまで地域社会が追い込まれていると考えられます。それに対して、自治会や町内会、防犯連合協会、NPO、PTAや校外委員など学校関係者も自主的に犯罪抑止のために防犯マップづくりやこども110番の家への協力、地域の巡回などに立ち上がっています。5月18日には、大船防犯連合協会の総会もありました。暮らし安全指導員が6月から動き出すということや地域防犯組織活動の強化を図るということも事業計画にありました。
さて、そこで質問です。鎌倉市はことし4月から安全・安心担当を設置しました。今後どのような考えで施策展開しようとしているのか、理念、組織、規模、優先課題達成目標年次と資金調達、課題達成に向けての進行管理、また、対内的組織の連携のあり方や対外的組織との連携のあり方など検討されたと考えますが、課題達成に向けてどのように連携し、犯罪抑止に向けて動いていくのか、お答え願います。
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○仲野勝衛 安全・安心まちづくり推進担当担当部長 警察、関係団体、地域住民、市が防犯に対する連携を強化し、それぞれの役割を担っていくことが犯罪抑止につながるものと考えております。市といたしましては、市民がみずからの安全を確保するために行う活動に対する各種の支援、警察からの犯罪にかかわる情報収集と、犯罪等の情報提供、また道路、公園、建物の設計等のあり方も含めた犯罪の生じにくい社会環境を整備するため、あらゆる観点からの取り組みが求められていると認識しております。
安全・安心まちづくりは、行政や警察だけでなく、市民、地域団体が三位一体となって取り組んでまいりたいと、このように考えております。
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○3番(岡田和則議員) 総合的なことを今、網羅的におっしゃっていただいたなというふうに考えております。順次、少し細かく入ってまいりたいと、こんなふうに思います。
防犯マップの作成と市民参画ということで、鎌倉市は過去に取り組んだ防災マップというの、これがございます。この防災マップは市庁舎の中にもございますし、市民の皆さんに配布されたということも、私も承知しております。防犯マップの方なんですが、防犯マップの全市的取り組みはまだ聞いたことがございません。ある中学校の校外委員の方々が作成した防犯マップは見たことがございますが、その防犯マップが有効に活用されている状況とは言いがたいというふうに私は考えております。例えば、防犯マップで指摘された暗がりなどの危険箇所の解消に今後どう取り組むのか、まだ明示されておりません。防犯マップでは指摘されただけと、そういうふうになっております。小学校との関係ではどのようにするのか、中学校の防犯マップ、小学校の防犯マップ、いろいろあると思います。総合的な取り組みがなされていないなど問題点もあります。校長や学校職員、防犯連合協会や自治・町内会などの連携が不十分だと考えます。このように自主的に市民が取り組んでいるマップづくりにどのように市はサポートしていくのか、今後の課題だというふうに考えておりますが、どのようにお考えでしょうか。
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○仲野勝衛 安全・安心まちづくり推進担当担当部長 地域の防犯マップを作成する上で必要となるデータ及び作成方法などについては、警察と連携し、各地域の方々に情報提供するなど、支援体制を整えていきたいというふうに考えております。
また、作成した防犯マップが有効に活用されるよう支援していきたいと考えております。
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○3番(岡田和則議員) ぜひ警察、地域、学校等、地域の皆さんと連携しながら支援体制を今強化していくというようなことでございましたので、ぜひそのような方向で検討していっていただければ大変ありがたいと、このように思います。
それからまた、地区別あるいは地域別の防犯マップづくり、これは中学生や小学生の目も私は取り込んでいく必要があるのではないかと、こんなふうに考えております。大人がいろいろ集まって、大人の目でいろいろ防犯マップづくりをやっている、これはこれで非常に大切だと思います。同時にですね、意外と中学生、小学生の目、この目も私は大切だと思うんですね。いろいろ聞くと、ここが暗いよとか、ここは通らないよとか、ここは恐ろしいからというようなことも、私も聞いたことございます。そういった意味で、ただ大人だけの目の防犯マップづくりではなくて、やはり子供の目も取り込んでいく必要があると、こんなふうに私は考えます。
今後の課題となりますが、地域での防犯マップづくりに市民参画で取り組む必要性があると、こんなふうに私は考えますが、いかがお考えでしょうか。
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○松本巖 教育総務部長 各学校におきまして、児童・生徒を事件・事故から守るための防犯マップづくりなどを通しまして、具体的にその安全について考えさせ、意識を持たせることが大切なことというふうに考えております。
また、児童・生徒自身が地域の危険個所をどのように考えているのか、それを把握していくことも重要でございます。今後も児童・生徒の安全を守るために、緊急時の連絡体制の整備や防犯マップづくりなどの取り組みを推進してまいりたいというふうに考えております。
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○3番(岡田和則議員) ありがとうございます。ぜひですね、ことしの4月からということなので、私もすべてすぐあしたからというふうには申しませんが、今言われましたようにですね、児童・生徒の目も取り込んでやっていくというようなことを言われましたので、ぜひやっていただきたいなと、こんなふうに思います。私も防犯マップを見ながらいろいろ考えたこともございます。そのことはさておきまして、新たに頑張ってやってもらいたいなと、こんなふうに要望しておきます。
同時にですね、それからリアルタイムな情報開示というようなことも同時に私は必要じゃないか、あるいはまた広報体制も充実する必要があるんではないか、こんなふうに私は考えております。さまざまな事件が鎌倉市では発生しております。過去にこの議会でも質問したことがございますが、凶悪事件が発生したときの関係機関への連絡が遅く、連絡体制の不備を指摘しましたが、関係機関との連絡体制の整備、このことが必要だと、そのときも私は申しましたけども、改めてどのようにお考えかお聞かせください。
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○仲野勝衛 安全・安心まちづくり推進担当担当部長 現在、設置準備を進めております(仮称)安全・安心まちづくり協議会の中で、犯罪情報の提供の時期等について協議するとともに、市、警察、市民等との連絡体制を整備し、情報の共有化を図ってまいりたいというふうに考えております。
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○3番(岡田和則議員) それでは、犯罪の発生と種別など、関連しますが、情報管理ということでお尋ねします。
日々の事件の発生は、犯罪の種類ですね、それから個人保護との観点から詳細に公表しにくいような事例もあると思います。しかし、できるだけ瞬時に公表すべきと考えますが、どう考えるのか。また、事件別に犯罪をわかりやすく公表すべきと考えますがどのように考えるのか、お考えをお聞かせください。
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○仲野勝衛 安全・安心まちづくり推進担当担当部長 警察からの地域ごとの犯罪発生種別や件数等の情報を公表することが地域の防犯意識の啓発に不可欠であります。このことから、鎌倉、大船両警察の犯罪件数等の情報提供を受け、現在開設準備中であります安全・安心まちづくり推進担当のホームページの中で情報開示を行っていきたいというふうに考えております。
また、自治・町内会等を通じまして、防犯対策も含めた情報提供を図ってまいりたいというふうに考えております。
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○3番(岡田和則議員) ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。私も県警のホームページを見ましてですね、まあ全県的なんですが、色別にいろいろございます。もう少し詳しい、私は地区別というか、鎌倉市は45の地区で成っておりますので、もう少し詳しいものが必要だろうと、こんなふうに思っております。県警のホームページでは、大船、鎌倉というふうに分かれて、それはそれでわかるんですが、大変大づかみな数値というか、そういうものが出されておりまして、もう少し市としても詳しいものが必要だと、こんなふうに思いますんで、ぜひよろしくお願いしたいと、こんなふうに思います。
それから、学校とさきの校外委員、あるいは保護者会などとの連携の問題ですが、必ずしもですね、学校と校外委員との関係がしっくりいってないと、こんなふうに私は考えております。もう少し連携を密にして、地域の防犯のために動くべきだというふうに私は考えておりますが、学校サイドはどのように考えているのか、その点お聞かせ願いたいと思います。
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○松本巖 教育総務部長 子供の安全を守るためには、学校だけでなく、保護者や地域との連携・協力が不可欠であると、そのことは学校側も十分認識をしているところでございます。具体的な御指摘もいただいているところでございますが、今までと同様に保護者からの提案や要望などに対して、学校側としても十分に対応していきますように、学校側とも協力しながら努力をしてまいりたいというふうに考えております。
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○3番(岡田和則議員) ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。お母さん方もいろいろと自分たちで動きながら、子供たちとも話しながら、マップづくりなんかもやっておりますが、少しそごがあるようなことも私お聞きしましたんで、また今の御答弁で、より一層頑張ってやっていくというふうに言われましたので、ぜひ、よろしくお願いしたいなと、こんなふうに思います。
それから、同じような感じなんですが、地域の防犯体制の強化と保護者会等との連携ということでですね、さらに学校関係者内部の連携を強化するとしてもですね、また中学校、小学校との関係、こういった関係の問題・課題もございます。また、校外委員、中学校の校外委員あるいは小学校の校外委員、あるいは保護者会と、こういうふうにございますが、その横の連携も私は大切ではないかと、こんなふうにも考えております。この点、犯罪を未然に防ぐという点からどう考えるのか、考えをお聞かせください。また、今後の課題としてどう取り組むつもりなのかも、あわせてお聞かせ願いたいと思います。
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○松本巖 教育総務部長 各学校にありましては、校長を中心として、教職員が考え方を一つにして取り組んでいくということはもとよりでございますが、保護者会、PTAなどとの連携、小・中との連携、地区町内会などとの連携等を深めまして、犯罪の未然防止と子供たちを被害者とさせないような取り組みを行っていくことが大切であるというふうに思います。
今後とも事故防止会議などを通して、校内体制をさらに充実させながら、保護者、家庭、地域との連携や、関係機関との緊急時の連絡体制の整備、地域と学校が一体となって子供たちの安全確保に努めてまいります。
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○3番(岡田和則議員) ぜひ、よろしくお願いいたします。効率性の点からも、重複したりしているところもございまして、もう少し、横、縦の連絡がかちっといくと、そういうことも少なくなるんではないか、そしてまた連絡を取り合うことによって地域全体が連帯といいますか、お互いさまというようなことでやっていけると、こんなふうにも思いますんで、ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
それから次になんですが、空き巣や強盗、誘拐を未然に抑止するためということで、空き巣や強盗、誘拐など事件発生後の対応など、直接的なことは警察にゆだねるとしても、日ごろこのような犯罪を未然に防ぐにはどのようなまちづくりをしていくのか、課題と取り組み状況をお聞かせください。
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○仲野勝衛 安全・安心まちづくり推進担当担当部長 良好な治安は警察のパトロールや犯罪の取り締まりによってのみ保たれるものではなく、市、警察とともに、市民一人ひとりが安全な生活の確保のための自発的な防犯パトロール等の取り組みを推進することが重要であります。みずからの安全はみずからが守るという、地域の防犯意識の高揚を図ることが犯罪防止につながると考えております。犯罪のない地域社会の形成を目指し、防犯活動の啓発、広報を通じ、地域防犯活動の推進に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。
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○3番(岡田和則議員) ぜひ、よろしくお願いします。連動するんですが、既に、ほかの都市では市独自のパトロールカーを公共施設中心に回しているところもございます。午後は広報も兼ねて動いていると、こんなふうなこともお聞きしました。鎌倉市はそのような方策も考えているのかどうかお尋ねしたいと思います。
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○仲野勝衛 安全・安心まちづくり推進担当担当部長 御指摘のとおり、既に防犯パトロールカーを導入している先進都市においては、パトロールカーの巡回が犯罪の減少要因の一つとなっているというふうに聞いております。このようなことから、防犯パトロールが犯罪防止の一つの手段としては効果的であるということは認識しております。本市においても、パトロールカーによる防犯パトロールについて検討していきたいというふうに考えております。
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○3番(岡田和則議員) 今、本市においてもパトロールカーについては検討していきたいというふうにおっしゃられましたけども、検討するということはどういうことか、ちょっとよくわからないんですが、私はですね、できるだけ早い時期、これにこしたことはないと思うんですね。時期を今明示されてないわけですね、検討していきたいというようなことを言われたわけですが、大変私は不満でございまして、今後はもう少し、大枠でよろしいですから、時期をきちんと明示していただきたいと、こんなふうに思います。
犯罪抑止に効果的という認識があるのでしたら、年内の早い時期にパトロールカーを配備するよう強く要望しておきます。
さて、駐輪場における盗難の現状とその対策について質問いたします。芸術館通り放置禁止区域放置自転車等の状況はここでたびたび質問している状況から、既に認識も深まっているというふうに考えます。しかし、自転車やバイクなど、盗難との関係では指摘しませんでした。禁止区域における放置自転車などの盗難があることが今回の調査でわかりました。今、お手元にお配りしている資料なんですが、お手元にある数字は必ずしも芸術館通りだけの盗難事件の数字ではないのですが、そこも含めた大船一丁目から三丁目までの数字。これは大船一丁目から三丁目まで、ここにありますけども、もう議員の皆さんにはお配りさせてもらっているんですが、この高い、突出したところですね、自転車・バイク盗難発生件数ということで、これは大船署管内だけなんで、大変恐縮なんですが。平成14年、15年、突出してますね。121件と108件と、こんなふうになってます。ほかのところがございますけど、少ない、ここだけがやはり断トツだと、そんなことを考えておりまして、しかもですね、ひったくりもございますけども、大船一丁目から三丁目、20件というふうになってる。これもやはり断トツです。そんな傾向があります。そのほか、こちらの空き巣の事件発生件数というのがございますけども、玉縄、城廻、岩瀬、台、山ノ内の地区は中心市街地と異なって、いわゆるある意味郊外ということで、空き巣が頻発しています。空き巣などの侵入盗は昨年、全国で約33万件発生し、5年前より約10万件増加していると報道されていました。そのことはさておき、以前、同僚の松尾議員が指摘されていましたが、割れ窓理論を地でいくような地区に大船地区はなっています。自転車等放置禁止区域に自転車等が放置されている。これ自体、条例違反で一刻も早い駐輪場の建設が待たれますが、その上、ここに放置されている自転車等が盗難に遭うという、言ってみれば漫画的というか、割れ窓理論を地でいっているというか、悪が悪を呼ぶ連鎖構造がございます。この点について抜本的な改善を早期に実現すべきだと考えますが、どのように考えるのか、お考えをお聞かせください。
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○高橋保信 都市整備部長 大船駅東口周辺の放置自転車対策の件でございますけども、今年度中にですね、2カ所の駐輪場を設置するために、今現在関係者と調整を行っております。放置自転車が多い地域に自転車等の盗難件数が多いという御指摘につきましては、この2カ所の駐輪場整備後にですね、芸術館通りの放置自転車等を一掃するということで盗難防止にもつなげてまいりたいと、そのように考えております。
また、あわせまして、商店会等との関係団体とも協働による、放置しにくい環境づくりといったものも今後努めてまいりたい、そのように考えております。
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○3番(岡田和則議員) ありがとうございます。この駐輪場ができた後に一掃すると、強い決意をいただきましたんで、ある意味安心しました。同時に、商店の皆さんとの話の中で、放置しにくい環境をつくっていこうというようなことも言われましたので、安心しました。ただ、しかし、まだまだということがございますので、私の方も監視の方を続けさせていただきたいと、こんなふうに思ってます。
また、大船には各駐輪場があり、盗難事件が起こっていると思いますが、どのように推移しているのか具体的数字でお答え願えればありがたいと思います。盗難事件が起こっていることに、どのように今後対処していく用意があるのかお答えください。
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○高橋保信 都市整備部長 大船駅周辺の自転車等の盗難につきまして、私どもも大船警察へ問い合わせを行いました。ちょっと期間が少ないんですけども、この16年1月から4月までの4カ月間、場所もある程度限定しておりますけども、総件数は64件でして、うち駐輪場からの盗難につきましては4件というふうなことが確認できました。駐輪場の防犯対策につきましては、平成15年9月議会での御質問以降ですね、JR3駅周辺の駐輪場につきまして、防犯カメラ設置状況の再調査及び設置要望した結果、現在9カ所の駐輪場のうち6カ所にカメラが設置されております。また、残りの3カ所につきましても、引き続き要請を行っていこうというふうに考えております。以上です。
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○3番(岡田和則議員) ありがとうございます。随分、随分というか、二、三年ほど前、私やはり駐輪場にお勤めの方と話したことあるんですが、そのときにはですね、結構バイクが大量にとられたとか、自転車も結構盗難に遭ってるよというようなこともお聞きしておりましたんで、この際きちっと聞いておかなきゃいけないということを思いまして、この質問をさせていただきました。今後、残りのところについても頑張ってやっていきたいと、こんなふうにおっしゃっておりますので、ぜひよろしくお願いしたいなと思います。
次にまいります。6月から暮らし安全指導員の方が動き出すと、こういうふうに聞きました。県の方も力を入れてきているというふうに考えております。職務内容や市との連携はどのようにとられるつもりなのか、お聞かせ願いたいと思います。
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○仲野勝衛 安全・安心まちづくり推進担当担当部長 神奈川県では、昨今の治安情勢の悪化から、実質的な意味での警察力の向上を目指した検討の結果、県職員を活用した暮らし安全指導員を配置したというふうに聞いております。この暮らし安全指導員は、県民の安全意識や規範意識を一層向上させるため、安全・安心まちづくりを目指して、県内の学校や自治会などで非行防止教室、防犯教室、各種キャンペーンなどを行うことが役割であります。
本市といたしましても、暮らし安全指導員との連携を図りながら、自治・町内会などに活用のPRを行い、防犯活動の推進に努めていきたいというふうに考えております。
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○3番(岡田和則議員) 窓口にこういう暮らし安全指導員ということがございまして、私も読ませていただきました。ぜひですね、PRしていただきまして、市民の皆さんに活用していただければなと、こんなふうに思いますんで、行政の皆さんもよろしくお願いいたします。
それから次にまいります。地域で詐欺なども発生しております。例えば、皆さん御記憶に新しいんではないかと、こんなふうに思いますが、下水道の点検に市役所の方から来ましたと言って、詐欺まがいの商売をしているようなときに、情報が察知され、素早く対応するには防災無線を使って広く地域の市民の方々にお知らせする等必要だと考えますが、いかがお考えでしょうか。
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○仲野勝衛 安全・安心まちづくり推進担当担当部長 鎌倉市防災行政無線につきましては、放送の種類が災害放送と一般放送の2種類あり、災害放送は地震、台風、大雨、洪水等の非常事態に関するもの、一般放送では大規模なライフラインの故障、選挙投票日や光化学スモッグ発令のお知らせなどがあります。今後、防災行政無線の活用につきましては、防犯にかかわる情報提供のあり方など、関係機関等との調整を図りながら活用ができるよう検討していきたいと考えております。
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○3番(岡田和則議員) これもですね、下水道の点検だけじゃないんですね、私も以前、たしかこの席で述べさせていただいたと思うんですが、私のところにですね、強盗が発生したときに、早く教えてくれと、付近の人に連絡してくださいと、ある市民の方から連絡がございました。私自身ができるわけではございませんので、非常に悩みまして、後日ですね、どうなんだろうと、いろんな方とお話ししました。パニックになるから、それはまずいんじゃないかとか、何か考えなくちゃいけないなとか、結論はきちっとは出なかったんですが、当然、事件といいますか、そういう性質によって違うと思いますね。だから、何でもかんでもやればいいということじゃないんですが、十分そこのところ協議されまして、有効に活用してもらえればありがたいなと、こんなふうに思いますんで、よろしくお願いいたします。
それから、次にまいりますが、地域では犯罪の抑止のためにさまざまな取り組みがなされております。例えば、地域での犯罪抑止のための街頭宣伝行動や夜のパトロール、あるいはあいさつ運動などです。日常のあいさつが犯罪発生件数を減らしたという実際の体験も聞きました。犯罪の抑制や防災のときにも私はあいさつ運動は大変役に立つというふうに考えております。行政は地域で、また教育の場においても、あいさつ運動を繰り広げる必要があると考えますが、今後の取り組みについてお尋ねいたします。
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○仲野勝衛 安全・安心まちづくり推進担当担当部長 犯罪を未然に防止するためには、犯罪ができる機会を与えないことであり、犯罪者の約半数が住民の声かけ、この声かけ運動で犯行をあきらめるとのデータがございます。このようなことから、自治・町内会等と協議・連携しながら、地域住民のコミュニケーションを活発にし、犯罪の機会のないまちづくりを推進していきたいと考えております。
これから安全・安心まちづくりを推進する上で、都市化や核家族化等により、希薄化した地域の連帯や家族のきずな等を取り戻すため、あいさつを初めとする、このような地域の抑止力を再生することが重要だというふうに考えております。
今後、市といたしましても、自治・町内会等に対し、防犯の観点からあいさつ運動を推奨し、全市に広がるよう努めていきたいというふうに考えております。
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○3番(岡田和則議員) 犯罪だけじゃなくて、防災のこともございますし、今お答えいただきましたように、都市化による人間関係の希薄化というようなこともございまして、やはり朝会ったらおはようと、帰ってきたらお帰りなさいと、これぐらいやはり顔見知りをつくっておかなきゃ私はいけないんでないかと、こんなふうに思いますね。そうすると、あそこにはおばあちゃんがいたよとか、子供がいたよとか、いないよとか、何かあったときに、ある程度私はわかると思うんですね。そんな意味からも、ただ犯罪だけではなくて、もう少しまちづくりをきちっとしていこうと、人間関係をもう少し濃密にしていこうというようなことでお願いしました。
次にまいります。安全・安心まちづくりの条例制定についてなんですが、既にさまざまな地域で生活安全条例など、安全・安心まちづくり条例の制定が行われています。これもホームページで私調べたんですが、神奈川県はほかの県に比べて少し少ないと、こんなふうに思いました。条例を制定して犯罪抑制に動く必要があると考えますが、鎌倉市の考えをお聞きしたいと考えます。
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○仲野勝衛 安全・安心まちづくり推進担当担当部長 神奈川県においては、本年度中の条例制定に向け、取り組んでおり、その動向を踏まえ、本市といたしましても、条例制定をしていきたいというふうに考えております。
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○3番(岡田和則議員) ぜひですね、まあ県条例を見ていくということで、それはそれでよろしいですが、しっかりやっていただければ大変ありがたいと、後ろ盾になりますんで、条例化の促進をお願いしたいと、こんなふうに思います。
最後の質問になりますが、安全・安心担当の環境整備ということなんですけども、今回の質問づくりで気づいた基礎的なことがございます。それは市民の生命や財産を守る担当、つまり安全・安心担当ですが、専用のファクスがない、それから専用電話もないと、こんなことがございました。せっかく担当をつくったのにこれでは安心・安全のまちづくりは迅速性に欠けると、こんなふうに私は考えます。事務的な環境整備はすぐにでもできると考えます。子供の声が聞こえる安全・安心のまちづくりをしたいと決意している石渡市長にその決意とともに答弁をお願いしたいと、こんなふうに思います。
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○石渡徳一 市長 議員さん、るる御質問のございましたように、昨今の犯罪多発によります市民の方の不安を和らげ、市民が安心して暮らせます安全なまちづくりを目指しまして、本年4月1日付で特命担当の安全・安心まちづくり推進担当の部を設置をいたしたところでございます。この安全・安心なまちづくりを推進するためには、市民の方、行政、警察、自治・町内会、事業所、その他の関係機関との連携がまず最重要課題だというふうに認識をいたしておるところでございます。今後、それらの連携を図りますために、また効率的な運用ができますように、担当課の意見をよく聞きながら環境の整備を努めてまいる覚悟でございます。あわせまして、職員の現場主義の徹底もあわせて図ってまいりたいと考えているところでございます。
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○3番(岡田和則議員) これで質問を終わります。どうもありがとうございました。
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○議長(白倉重治議員) 次に、伊藤玲子議員。
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○15番(伊藤玲子議員) それでは、通告に従いまして質問させていただきます。まず、行財政改革の推進についてでありますが、今回は市長の行政改革に対するお考えと、石渡市長になられましてから新たに発足させたかまくら行革市民会議からの評価結果を中心として質問させていただきます。
平成14年9月議会において私は行革に対する石渡市長の考え方や方針を本会議の答弁という形でお聞かせいただきましてから、約2年の間、市長の行政手腕を拝見させていただきました。以前に、この本会議場でも石渡市長に申し上げましたが、前の竹内市長時代には、市民の方が委員になっているかまくら行財政会議のメンバーから、市役所の行革に対する意見が通信簿として出されました。その中でいろいろ問題点が指摘されているにもかかわらず、職員のできない理由ばかりが多く、実行のスピードが極めて遅く、ついには行革委員から言行一致の姿勢でとまで言われました。石渡市長が就任されてから2年7カ月がたちましたが、この間、市長は行革に対して全力投球をなさっていらしたかとお伺いすれば、当然そのとおりとお答えになられるでしょうけれども、市長として本音のところをお聞かせいただきたいと思います。
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○石渡徳一 市長 就任以来、行財政改革につきましては、大変に重要なテーマの一つとして、全力投球で取り組んでまいりました。具体的には、まず推進役であります行革推進担当に専任の担当部長を置きますとともに、各部総務担当課長を行革推進担当課長と兼務させまして、マトリックスの組織として全庁的な取り組み体制の強化を図ってまいりました。
次に、財政的な取り組みといたしましては、適正な人員と給与を目指しまして、職員数の適正化計画を着実に進めてまいりました。結果的には人件費の削減を図ってまいりました。しかしながら、本来の行財政改革は社会ニーズを先取りして、スピードを持って行うことが重要だというふうに思っております。これを進めるためにはトップダウンによります明確な意思を示すとともに、それにあわせて職員の意識改革を図ることが重要であるというふうに認識をいたしております。この考えを基本に、今後とも一層の行財政改革を進めてまいりたいと思っております。
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○15番(伊藤玲子議員) では、私は竹内前市長時代から改革のテンポが遅いので、もっと早めるよう議会の場で何回も何回も催促を折あるごとに発言してきましたが、おくれの原因は、市民の行財政会議や、行革市民会議に原因があるのではなく、職員に任せっきりの市長の姿勢に、大変失礼な言い方であると思いますけども、職員の意識に問題があると思っております。何といっても行革はトップである市長の強い意思とリーダーシップにかかっていると私は思います。市長も答弁の中でそのとおりであって、リーダーシップがあれば、職員も従ってくるとおっしゃっておられました。そして、市長は職員のより意識改革も必要であるともおっしゃっておられますが、この2年半の間で行革に対する職員の意識は少しは変わりましたでしょうか、市長は職員の意識がどこがどう変わったと御認識でいらっしゃいましょうか、伺わせてください。
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○石渡徳一 市長 御指摘のとおり、行財政改革とは、職員の意識改革であるとも言えると思います。私は就任以来、市役所は最大のサービス産業であるというふうに言ってまいりました。市民の皆さんがお客さんでございます。そういう意識を職員が常に持つことが重要であるというふうに申してまいりました。そのための取り組みの一つとして、行政評価を進めまして、コスト意識の醸成や成果主義の徹底、説明責任などを常に意識をさせてまいりました。
また、財政の現状認識を図るために、財政力の向上プランを作成いたしまして、説明会を図るなど、全庁的に周知も図ってまいりました。まだ取り組みも十分とは言えないところもございますが、職員による具体的な取り組みといたしまして、窓口のイメージアップ宣言や市民対応のための職員のハンドブックの作成など、少しずつではありますが、私は職員の意識改革は進んでおると考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) ただいま大変市長さんには失礼ですけれども、いろいろお聞かせいただきましたけども、それが私初め、市民から見えるような部分はどこでございましょうか。もう一度、御答弁をお願いいたします。
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○石渡徳一 市長 最終的には市民の方のサービスを満足させることによって市民の方に御理解いただけると思いますけども、私は着実に行財政改革は進んでいるというふうに自信を持っております。
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○15番(伊藤玲子議員) ところで、市長は就任されてから間もなく、行革は第2段階に入り、個別事業から市政全体の運営をとらえ直さざるを得ない状況になり、新たに有識者市民の参画の中で検討することが必要と考えて、行革市民会議を立ち上げたと議会で考え方をおっしゃっておられましたが、市長がおっしゃった第1段階の個別事業の行革はどうなったのでしょうか。個別事業の改革なくして市政全体の運営をとらえ直すことはできないと私は思いますが、市長の任期は4年です。リーダーシップとして、この4年間で何をどこまで改革しようと考えておられたのか、そして今現在はその目標の何合目ぐらいなのか、わかるように御説明をいただきたいと思います。行革の前期実施計画だとか、後期実施計画だとかおっしゃられても、市民にはわからないし、市長が考えておられるこの4年間の目標と、今の進捗状況をお尋ねいたします。
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○石渡徳一 市長 子育て支援あるいは福祉政策、環境政策などを基本政策として掲げ、市政を進めておりますが、そのため、平成14年12月にかまくら行財政プラン後期実施計画を着実に推進することが必要だというふうに考えております。この間に、職員数や職員給与の適正化に取り組みますとともに、収入確保対策や補助金の見直しを進めるなど、一定の成果を上げてきたというふうに考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) 市長さんは大変高く評価なさっていらっしゃるようでございますが、また後で質問させていただきます。
それでは、少し具体的な問題についてお尋ねいたしますが、市長はみずからが設置し、委嘱した行革市民会議に今まで委嘱式とフリートーキングに出席なさっていらっしゃいますが、フリートーキングに出席されたときの御感想をお伺いいたします。記憶に残っていらっしゃるところで結構でございますが、お聞かせくださいませ。
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○石渡徳一 市長 このフリートーキングは、昨年の4月24日、1年前にさかのぼりますが、行われました。この時期はちょうど委員の方を委嘱して1年を経過されまして、かまくら行財政プラン後期実施計画や行政評価の基本方針の策定への意見など、御尽力をちょうどいただいた時期でもございました。そうした時期での話し合いでございまして、私の市政全般にわたります考え方を直接お話しすることができたと思っていますし、また委員の方からの直接のお話を聞くことができました。そのときの感想は、私の考えと委員の方の考え、相互にですね、お互いの一定の意思の疎通はできたというふうに今思い起こしますと、そう思っております。
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○15番(伊藤玲子議員) この会議録を私拝見させていただきましたけど、市長はごあいさつの中で、地方分権の時代に向かって、まさに地域間競争、行政間競争の時代に入ってくるという認識に立っています。緊急な課題としては、深刻な財政状況への対応が必要で、一方では市民ニーズの多様化もあり、行財政改革は何としてもやらなければいけないし、しかもスピードも要求されていますとおっしゃっていらっしゃいます。私もそのとおりと思っております。そこで、神奈川県下の各自治体と比べまして、鎌倉市長として鎌倉市は行政間競争ではどの程度の位置にいらっしゃると思っていらっしゃるのかお尋ねいたします。
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○石渡徳一 市長 他市との評価ということでございますけど、私は鎌倉市の今置かれている現状の中で最善の努力をさせていただいていると思っていますし、私はそれなりの行財政改革は進んでいるというふうに自信を持っております。
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○15番(伊藤玲子議員) では、スピードの点では、他市に比べて鎌倉市はスピードが速いとお思いになっていらっしゃるのか、中ぐらいなのか、まだまだと思っていらっしゃるのか、市長さんの御感覚を伺います。
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○石渡徳一 市長 最善の努力をもって行財政改革に当たっておりますので、私はスピードも、市民の方からすると、やはり私どもの感覚と多少のずれはあるかもわかりませんけど、私は私なりに最善のスピードを持ってやっておるつもりでございます。
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○15番(伊藤玲子議員) 5月13日の日本経済新聞に自治体の組織運営の状況を評価して上位50市区が公表されておりました。全国のトップは東京の杉並区で、総合順位の上位30市区の中に神奈川県では10位に横浜市、13位に藤沢市、15位に横須賀市、26位に小田原市、28位に相模原市の5市が入っておりましたが、残念ながら上位30市区に鎌倉市は入っていませんでした。鎌倉市も少なくともこの30市区に入る努力をしていただきたいと思いますが、リーダーとして職員にそのような御指示と、頑張っていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
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○石渡徳一 市長 御指摘の自治体の組織運営評価につきましては、自治体の自己評価に基づく評価の結果として出されたものというふうに承知をいたしております。本市の結果といたしましては、205市区の中で総合で56位にランクをされております。この評価の低かった項目といたしましては、行政評価などでございまして、これは本市の行政評価として全事業を対象に今進めておるところでございます。十分な結果がまだ出せてない状況であったということによりまして点数が低かったというふうに認識をいたしておるところでございます。今後とも行政運営の独自性を出しながら、自治体間競争にも勝ち抜くように努力してまいりたいと考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) 市長はまた行革市民会議の中で、自分も民間で働いており、市長になって1年半たって気がついたことが二つあるとお話しされております。その一つは、市の組織が縦割りで計画自体も縦割りで進められているので行財政改革もばらばらに行われている。二つ目は公務員の身分保障で降格や退職をさせることができず、民間企業とは違うところとおっしゃっております。また、効率性の大きな柱は人件費で、適正な人員と適正な給与への見直しが日々行われることが必要であるが、見直しが行われていなかったわけではなく、今回は第3次総合計画を見直した結果、給与の一律削減という方法をとらざるを得なかった。人件費については行財政改革を徹底し、見直しを行った上で本来行われるべきであるが、なかなか行われていなかったという反省もあると委員の皆さんに話されております。市長は、みずから本来行われるべき行財政改革が徹底して行われずに職員の給与を一律削減したことを反省しているとお認めになっています。なぜ鎌倉市は行財政改革が徹底して行われないのはどこに原因があると思われますか、何が原因とお考えでございましょうか。
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○石渡徳一 市長 給与制度ではなくて、一律削減に至ったという経緯の今お話でございましたけども、やはり行財政改革を進めていくには、もちろん職員の一致団結の力が必要だと思いますし、そして市民の方、議会の皆様方の御理解を進めながら進めていくと、これが一番必要なことじゃないかというふうに認識をいたしております。
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○15番(伊藤玲子議員) ちょっと今の市長さんのお言葉、私消化し切れないんですけれども、次に移ります。
次に、行革市民会議が平成16年2月に平成14年度行財政改革実績報告及び行革市民会議委員の評価結果というものが出されていますが、行革市民会議の委員の皆さんに責任があるのではなく、行政側に責任があるから申し上げますが、14年度の報告が16年2月に出されるとは遅過ぎます。なぜなら、16年度予算の編成に何も役に立たないではないでしょうか。遅くとも予算編成作業に入る秋の10月ごろまでには出すべきで、おくれたら何に役立つのかということです。これが市長が要求しているスピードなのか、市長はどうお考えでしょうか、伺います。
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○石渡徳一 市長 行財政改革の平成14年度の実績につきましては、平成15年9月議会において総務常任委員会に御報告をさせていただきました。平成16年2月議会で改めて報告させていただきましたのは、鎌倉行革市民会議委員の方の評価をいただいたためでございます。その結果をあわせて報告したものでございますが、14年度の実績につきましては、残念ながら予算編成には生かせなかったのが現状でございます。今後は、鎌倉行革市民会議委員の評価結果も踏まえまして、PDCAサイクルを確立していくことも重要でございます。次の予算編成にこれを役立てるように取り組んでまいりたいと考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) 少し細かくなりますが、行革市民会議委員の評価結果というのを拝見してみますと、例えば職員数の適正化について行政側は職員数31人の削減が図られたと効果があったように評価していますが、市民委員は、よい、あるいは普通と評価した人たちでさえ、意見として職員数の削減は自然減を軸にした計画でなく、もう一歩踏み込んで行政目的に図った配置転換などを思い切って行うことが必要ではないか、また別の委員は、もともと目標が低いし、1.8%の削減では自然減と言ってもよいもの、高い評価はできない。また、適正化計画は極めて生ぬるいと指摘しています。また、職員給与制度の見直しについては、行政側はラスパイレスが104.4が103.3で県下4位から10位になったと評価していますが、市民委員の意見は、ラスパイレスに依存することなく、民間の水準との比較において是正を図ることにより一層市民の共感が得られる。また、民間企業と比較して、仕事内容と給与とのぐあいにまだまだ適正とは言えない、あるいは進捗が余りに遅い、財政が危機的状況にある中、民間と比べ、制度の見直しに時間がかかり過ぎであるなどなど、市民委員の意見は行政側にとっては大変厳しいものがたくさん出されています。石渡市長にお尋ねいたしますが、竹内前市長時代と市民委員から出される意見はおおむね同じではないでしょうか。目標が低いとか、時間がかかり過ぎとか、市長がかわっても、市民委員がかわっても出される意見は全く同じで、一体何が変わったのかと私は思います。職員の意識と行革のおくれはまるで何年も変わっていないということです。市長を初めとする職員、いわゆる行政側と市民との間にはこのような大きな感覚のずれがあります。市長は、市民会議から出されている意見をごらんになって、どうお考えになられましたでしょうか。
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○石渡徳一 市長 ただいま議員御指摘のような意見もございますし、また逆にお褒めをちょうだいしている意見もございました。やはり大変に評価にもですね、やはりさまざまなばらつきがございまして、その評価の御意見のちょうだいする難しさを改めて感じておるところでございます。
いただきました御意見につきましてはですね、改善できるものは当然スピードを持ってできるだけ早く行政運営に反映してまいるというふうに考えております。いずれにいたしましても、行財政改革はスピードということをやはり重要な課題でございますので、スピード感を持って取り組んでまいりたいというふうに考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) とにかくスピードということが大きな大きな課題でございますので、どうぞ一層それを職員の方にも指示なさっていただきたいと思います。
財政問題についても市民委員からは厳しい意見がたくさん出されています。これも少し例示しますと、市民委員は、現在のような財政環境において経常経費の見直しは全く当たり前のこと、抜本的な見直しをやってほしい。また、一律悪平等としないための努力に欠けるとか、行革をする上では、経費見直しは至極当然のこと、計画に取り上げることではない、ナンセンスですとまで言われております。また、財源確保については、市民の負担ばかりふえるような収入確保対策はやめてほしい。収入確保の手段のほとんどが市民に対するサービス料金の値上げか、あるいは有料化、プロジェクトによる検討内容としてはお粗末ではないか、などなど市民委員の意見は本当に厳しい御批判をいただいております。これは見方を変えますと、市長の行革に対する今までの取り組みや政治姿勢あるいはリーダーシップについて、市民会議の委員は非常に批判的ではないかと思います。この意見をどのように市長はお受けとめになっておりましょうか。
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○石渡徳一 市長 市民の方の御意見は謙虚にちょうだいいたしまして、改善できるところは改善させていただきたいというふうに考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) もちろん評価の点もあるかもしれませんが、それよりやはり厳しく指摘されたところ、これはもう竹内さんのときから相変わらず同じような文言で市民の方から指摘されておりますので、ぜひ、もうここでもう一つ奮起していただきたいと思います。
まだまだ市民会議から指摘されていることがたくさんありますが、私は市長が行革市民会議に出席をなさり、フリートーキングでいろいろ委員と話し合っている会議録を拝見させていただいて、市長の行革に対する政治姿勢にちょっとわからない点がありますので、これから順次質問をいたしますので、整理してわかるようにお答えいただきたいと思います。
まず1点目は、行革に対する市長のリーダーシップについてであります。市民委員が自分たちの任期中にどういう形でお手伝いをしたらいいのかという質問の中で、例示として事務事業の見直しの対象範囲について特別会計を含めてもう少し広げた形で見直しをして削減していく方がいいのではないかと提案されたとき、市長は3次総で17年度までにやることが決められている、本来は事務事業の見直しがあって、それに合わせて計画がつくられていくということが必要で、私もジレンマ的なものを感じていますので、今後は市民の方が納得する切り口で事業の見直しをして、そして計画をつくっていくということが必要と考えているというようなことをお答えしておられますが、市長がジレンマを感じているならば、市長自身がこのジレンマの原因がどこにあるのか、探して、リーダーとしてどんどん改善させればいいと私は思います。そして、見直しをして計画をつくっていくことが必要とおっしゃっていますけど、計画づくりはもう結構だと思いますので、改善策を実行していただきたい、これが行政改革ではないかと私は思います。これでは、せっかく市民委員となられた方も、何をどうすればいいのか、御自分たちの役割や使命がわからないと思います。市長が行革についてどういう思いがあるのか、市長は御自分でつくられた行革市民会議に、それぞれの委員の方々に何を求めているのかお尋ねいたします。
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○石渡徳一 市長 フリートーキングの中での御質問で、明快にお答えをしてなかった部分もあったかと思います。設立当初から鎌倉行革市民会議にお願いをいたしましたのは、一つにはかまくら行財政プラン後期実施計画に関する事項でございます。具体的には、後期実施計画策定に当たりまして御意見などをいただくこと、そしてその進行管理についてでございます。もう一つは、行政活動に関する意見及び評価に関する事項でございまして、具体的には行革に関連する行政活動への意見、事務事業評価についての意見と評価、行政評価の公表や市民参画の仕方及び進行への意見をいただきたいということでございました。
それに沿う形で鎌倉行革市民会議には、発足以来かまくら行財政プラン後期実施計画の策定や、事務事業評価など、本市の行財政改革の推進について専門的あるいは市民の立場からいろいろ御意見をいただいてまいりました。なお、今後一層の推進を図るために、16年度から鎌倉行革市民会議には行財政改革について市民の視点からの広い視野で進行管理をお願いしてまいり、行政評価についても意見を聞いてまいりますが、市として事務事業評価を初めとする行政評価につきましては、新設された行政評価アドバイザーに専門的な観点からお願いしていく考えでございます。
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○15番(伊藤玲子議員) 今のような御説明を市民委員にぜひなさっていただきたいと思います。市民委員から直接私ね、わからないと言われておりますので。なるほど会議録を拝見しても、私もいろいろつまづくところがございますので、しっかりした、わかりやすい、市民委員に御説明をしてあげないと、ちょっと市民委員、今がっかりしている方がいらっしゃいますので、ちょっと市長さんにお考えいただきたいと思いまして問題提起いたしました。
では次に、市長の行革のスピード感覚についてですが、たびたび今も市長の御答弁の中にスピードに対する御自分の思いをお話伺っておりますけれども、市民委員からスピードという話が出たが、保育園の公設民営化計画の話が平成12年に始まり、先日の行革の計画では18年度実施となっていて、大変ゆっくりとした計画と感じた。いきなり公設民営が無理ならば、もう少しスピーディーに他のことで行革ができないのですかとの質問に、市長は今回第3次総の見直しをして決定した事業は緊急度を優先して決めたものです、この緊急度というのは必要であるからやっているということですので、受け身です。スピードというのは、こちらの能動的な部分でのスピードです。今言われたのは課題があって、それが遅いという意味では、むしろ緊急度になると思いますが、私が申し上げたのは時代に合った、ビビッドなスピードということで言わせていただきましたとお答えになっていらっしゃいます。また、別の委員から、これまでに行革市民会議と行革本部の議論がかみ合わなかった点があります。それは後期実施計画の項目のほとんどが17年度までかかる計画になっていて、なぜこんなに時間がかかるのかということをお伺いしたのですが、ディスカッションもなく決まってしまいました。むしろかみ合わなかったと言うよりは、話し合う機会がありませんでした。そしていまだにこんな時間がかかる理由がわからないのですと発言がありましたが、このときのやりとりも少し読んでみますと、このときの市長の御説明は17年度までの3次総の中に、この計画があるということだと思いますとあります。また、この委員の総合計画に書かれているから、17年度までできないということはないと思いますがの質問に、市長は、ですから17年度までにはやるということで、それ以前にできることもあると思いますとお答え、さらに委員は、例えば、先ほど保育園の公設民営化の話でも、何にどれだけ時間がかかるということがわかれば、私たちも理解できると思いますとおっしゃっており、また別の委員から、主要な事業について、これはいつまでにどうするということを約束して、現在はこうなっていますというような仕組みをつくれば、よりわかりやすいでしょうし、チェックもしやすくなると思いますと提案されておりましたが、市長は予算のときの資料がそれに近い資料で、議員さんにはそれで説明しておりますが、決してわかりやすいものとは思っていませんので、わかりやすい資料をつくらなければいけないと思いますとお答えをしておられます。また、さらに別の委員から予算は単年度の予算の審議だと思いますが、この事業がいつ終わるかとかの議論はなされていないのですかとの質問に、市長はそれは決めていますので、できますし、していますとお答えをし、さらに市長は予算を審議していただいて、すべての事業が決まるわけですが、市民感覚からしますと、そこにずれがあるように、私も市長になって感じていますと説明されていらっしゃいます。私は、この会議録を拝見してみて、失礼ですが、市長は総合計画と行革とが一緒になってしまっているような気にもなりました。もう一度、混乱せずに行革に対する市長のスピード感覚を整理してお答えいただきたいと思います。
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○石渡徳一 市長 行財政改革推進事業は、第3次総合計画を推進するための基礎フレームとして位置づけられております。総合計画実現のための財源確保の手段として密接な関係にございます。したがいまして、総合計画も行財政プランの後期実施計画も、常に見直しながら一体的に取り組んでまいるもんだというふうに考えております。御質問の点を読み返してみますると、行革の後期実施計画に掲げた事業を総合計画と取り違えて私が発言したようでございます。両計画の考え方につきましては、今お話しをさせていただいたとおりでございます。
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○15番(伊藤玲子議員) そこで大体会議録を見てもわかりましたが、あれだけ見たのでは、市民委員の方々も、まあその場にいらした方もわからなかったということを伺っておりますが、今、市長さんの御答弁でわかりました。
次に、三つ目は、鎌倉のまちづくり基本についてです。市長は、市民委員に鎌倉市の自主財源の現状を続けていくために、生産労働人口を確保していかなければなりませんので、優秀な若い世代の方々が鎌倉に必要となります。そのためには、住宅政策、産業政策など、全庁を挙げて取り組まなければなりませんので、そのように庁内に指示しているところですとおっしゃっており、また一方で、鎌倉の自主財源が豊富なのは、一つは数ではなく、質の高さからです。つまり高額所得者が多いということです。そしてもう一つは地価が高かったからです。ですから、数ではなく、鎌倉らしいまちづくりが私は必要だと思っていますと、市長のお考え方を述べておられますが、この二つの市長の発言を会議録で拝見して、私にはちょっとわからないのですが、鎌倉市は人口が減少から横ばい状況に今あります。市民の高齢化が進む中で、若者が多く住めるような政策はぜひ必要なことと考えていますが、市長は自主財源を考えると、数ではない、鎌倉らしいまちづくりとはどういうことなのかということになります。若者たちは、市長の言う高額所得者には入らないと思います。高額所得者になるには、ある程度の年齢も上がると思うんですが、私は若者の数を鎌倉市にはふやすことが絶対に必要だと思います。市民委員の方は、市長に対して、遠慮しながらも、市長の頭の中ではそのように整理されていると思うんですが、窓口などでいろいろ議論をしていると、人口増加は至上命令ですというようなことが伺えることがあるので、市民が誤解をしてしまうことだと思いますと発言があります。
これに対して、市長は現実問題として、人口が減っていますので、そのような誤解を招くこともあるかと思いますが、私は適正化ということで考えていますと説明されています。こういった市民委員と市長のいろいろなやりとりの中では、市長の考えていることが委員にわからないと思いますが、市長は鎌倉の人口を適正化ということで説明していますが、市民の方々には全くわからないと思います。何が適正なのか、それとも何人ぐらいが適正なのかが、鎌倉市のトップリーダーとしての市長がある程度、でも市民の方々が絵がかけるような具体的なものを出さずにいるのではどうすることもできないと思います。ある市民委員からは、他の市はどうであれ、鎌倉は変えるということを市長におっしゃっていただかないと、市民にも伝わっていかないのではないかと思うと語っています。市長は、職員数についても適正化を、将来人口について適正化を、どこでもだれにでも説明していらっしゃるようですが、なぜ市長が考えていらっしゃる目標数値を出さないのか、仮に何か考えを出せば出したで、異なった考えの人たちが出てくると思いますが、それでも市長として、トップリーダーとして御自分のお考え方を、理念・哲学を持ってきちんと出さなければ存在価値が危ぶまれてくると私は思いますので、鎌倉のまちづくりの基本となります人口問題と、財源問題について関連づけた市長のお考え方をわかりやすく御説明していただきたいと思います。
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○石渡徳一 市長 大変大きな問題なので、わかりやすくお話しできるかわかりませんが、職員数につきましては、17年度までの計画がございました。それが本年の、16年4月1日で、それは既に達成されている数字でございます。しかしながら、やはり一律に何%カットという職員数の削減の仕方というのは、私はこれはいかがなものかということを考えております。そういった意味で、今、ただいま事務事業評価の見直しを根本的に行っておるわけでございまして、私はこれを行うことによって適正な職員数というものがはじき出されてくるというふうに、これは市民の方、そして議会の方、そして皆さんで御理解をいただきながら決めていくものだというふうに理解をいたしております。
また、鎌倉市の人口につきましては、第3次総合計画では、最終年度が17万1,000人だというふうに思っております。それが第3次総合計画の適正人口だというふうに私は認識いたしております。
いずれにいたしましても、私がその場でお話しをさせていただいたのは、やはり若い世帯の方に住んでいただかないと、町の再生力もないし活性力もなくなる、したがいまして子供の声を聞くような町をつくりたい。そして、若い世帯が住む方のために、方策を講じている、そのような、私はフリートーキングでございましたんで、そのような趣旨でお話しをさせていただいたんでございますけども、いろいろ人によってとり方が違うんだなということを改めて今感じておるわけでございます。
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○15番(伊藤玲子議員) 例えば、逗子もそうですし、埼玉県のどこかの市かとも思いますし、また横浜市もそうだったと思いますけど、大体将来像ですね、20年、30年先の、それを市長のお考え方で示されているところがよく拝見いたしますけども、やはり市民委員の方々もそんなようなことを望んでいるようなふうに聞いております。ですので、市長さんとしましては、やはり市民委員の方々によく理解してもらわないと困りますので、その点を今御答弁なさいましたようなことも含めて、市民委員の方に折がありましたらば、わかるようにお話ししてあげていただきたいと思います。
次に、時間の関係もありますので、大きな点の3点についてお尋ねいたしましたが、市長の行革についてのお考え方がわかりました。行革市民会議の中でも、話題となって出ております保育園の課題ですが、私が私なりに整理しますと、保育行政として保育園を充実していくことは、保育園の場所や数や内容など、年間計画によって整備をしていくことで、これが総合計画の実施計画に当たるものと思います。一方で、行政改革というものは保育園の数を半分にするとか、あるいは公設民営を18年度からやるとかではないと思うんです。行政目標はあくまでも保育園を充実させることにあるんだと私は思います。現在の保育園に、例えば不要というものがあれば整理するようになりますが、それよりも保育行政をより一層発展させていくことが行政目標であるはずです。しかし、保育園の充実に幾ら費用をかけてもいいというものでもなく、今の厳しい財政状況から見れば、逆にむだをなくし、さらに費用も削減しなければならない状態です。
そこで、さらなる保育園の充実や、多くの市民ニーズにこたえるために、行政改革というものが必要になってくるんだと思うんです。行革というものは、簡単に言うと、目標を達成するためにいかにして必要経費を抑えて、しかも機能を低下せずやる方法を考えて実行するかです。目標を下げるということではありません。保育園を例にとれば、保育園の維持・運営の経費、ランニングコストですね、これをいかに抑えるかだと思います。その方法として市職員の人件費が余りにも高いから、民間で運営してもらったらどうかというのが民間委託や公設民営として出てくる話ではないかと思うんです。私はこの民営化は、経費削減の手法の一つだと思っております。経費、とりわけ人件費を削減するのなら、教育委員会が行った学校給食のコストを削減した方法、非常にいい例があります。それは、いわゆるこれまで直営で、要するに人材は市職員扱い一本で行っていました。したがって、給食調理員も市職員という位置づけです。を教育委員会はパート従業員を多く採用して、すぐ結果があらわれてきました。給食費が直営のときには、1食当たり895円かかっていたのが、このパートを採用してから、1年間に50円ぐらいずつこの人件費が下がるということで、895円かかっていた中の人件費が約660円でしたが、これがものの見事に、4年で約半分ぐらいに今なっております。いろいろの方法があると思うんです。教育委員会が給食コストの削減に着手したときは、行革の実施計画など全くありませんでした。ただ、その仕事の責任者が組合とも交渉し、やり始めたのです。まさにやる気さえあれば、このように行革は立派にできることが証明されています。これが行革というものです。このとき、組合は私のところへパートにしたら子供たちに安心して給食を食べさせられないなどと言って、パート反対だと私のところへやってきましたが、こんな失礼な言い方はないと思います。その後、パートの方々のおかげで、順調に給食が行われていることに私は感謝いたしております。私に言わせれば、行革の実施計画など全く不要とは言いませんが、行革は実行あるのみで、計画がどうのこうのと語る職員はやる気のない、ただ行革をおくらせる理由に使っているとしか私には思えません。
ですから、先ほども申し上げましたが、行革市民会議委員から素朴な疑問がたくさん出てくると思います。保育園の公設民営化も行革の一つの方法としてはよい方法かもしれませんが、保育園の人件費が民間に比べてかかり過ぎなのは、保母の給料が高いからで、この給料を下げることもなぜ市長は先にやらないのかと私は思います。保母は技術吏員として1号の加給を受けています。この加給がおかしいということで、私はこの件について前竹内市長のときから1号この加給廃止を毎回指摘していました。これが残っているのは鎌倉市だけなんです。そのことによりまして、新規採用のみ1号下げましたが、在職者についてはいまだにそのままです。在職者の廃止が行われずに、いまだに高い給料を払い続けているから人件費が高くつくのは当たり前のことで、市長や職員が本気になって保育園の人件費を少しでも下げることについて努力せずに、公設民営は18年度からの計画にありますからと、ただ説明しているだけではと私は思います。行革は計画よりまず行動、実行あるのみです。行革の実績報告一覧表の中に、行政側が記した効果の欄に、準備が図られた、準備が図られた、準備が図られたと、大して多くもない件数の中に、15件もあります。私に言わせれば、準備ができたら一日も早く行動に移せばいいと思います。例えば、単年度でなく、完了までに3年間かかるようなことなら、それぞれの年次計画は必要かもしれませんが、それにしましても、まず行革の目標に向かってスタート、動き出すことが肝心なのです。職員の方や市長がどうも行革を進め、動き出すためには、計画がなければスタートできないように思っているようですが、そうではありません。市長と私の行革の考え方の違いがちょっとこの辺があるのではないかと思いますが、市長さんお答えいただけますか。
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○石渡徳一 市長 目標を達成すること、そして目標を完遂すること、この一番大事なことは私はしっかりとした計画を立てて、それを着実に一歩ずつ進めるということだというふうに認識をいたしております。いずれにいたしましても、本市にとりましては、行財政改革は急務でございますし、何にも増して決断と実行が重要なことは申すまでもございません。行財政改革を進めていく上には、やはり制度の抜本的な変更というものが数多くございます。これには、やはり市民の方、議会の御理解をちょうだいしなければいけませんし、やはり共通の認識を持って進めなければならないというふうに思っております。繰り返して申しますけど、やはり計画的に行うということは、市民と行政が一体の、やはり理解を得て、一体の理解のもとに進めることが肝要であるというふうに認識をいたしております。したがいまして、まず計画を目標に向かって、着実な計画を立てる、それを実施して評価して改善していく、そういったマネジメントサイクルを着実に一歩一歩やっていくことによって、確固たる行財政改革、またそして大きな目標に一歩ずつ私は前進できるというふうに確信をいたしております。
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○15番(伊藤玲子議員) 準備ができてる、準備ができてるという、その計画にとにかく終わってしまうということは、行政側のあらゆるところで、これまで私も15年間経験いたしてきました。それでもう本当に、ここで切実に訴えますけど、とにかく、計画は要らないとは言いませんけれども、今市長さんのおっしゃるように、もうできたならば、即実行ですね、ここをとにかく実行に移していただきたいと思います。
次に、最近横浜の市長や県知事がかわられて、行革の姿勢があちこちで出されていますことは、分権は自治体間の競争の時代で、首長の姿勢、リーダーの考え方が問われるところであり、前の質問ともちょっと重複しますけれども、各市に追いつくぐらいの努力をお願いしたいと思います。いかがですか、この辺、市長の頑張り方をお聞かせいただきたいと思います。
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○石渡徳一 市長 今、鎌倉市ではその行政評価システムを今確立しようとしております。これは先ほどからお話しいたしてますように、職員の数あるいは給与等、すべてにかかわる根本的な大きな問題だと思っていますので、この土台ができましたら、私は大きく行革というものは前へ前進していくということを確信をいたしております。
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○15番(伊藤玲子議員) とにかく速度を早めていただきたいということを、さらにお願いいたしておきます。
行革の最後の問題になりますが、行革市民会議からの報告や、評価結果についてもっと早く出すことができないのか、先ほどの質問と重複いたしますけれども、14年度の報告が16年2月では、もうこれが予算編成には間に合いませんので、ことしはぜひ、秋ごろには提出できるように、予算編成に間に合うように、早めていただきたいということをお願いいたしますが、もう一度市長さんから御答弁をお願いいたします。
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○石渡徳一 市長 次の予算編成に間に合うように、評価をいただくようにお願い申し上げまして、その結果を予算編成に生かせるようにしてまいります。
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○15番(伊藤玲子議員) ぜひ、よろしくお願いいたします。
では、次の質問に移らせていただきます。次に、教育行政の諸問題についてお尋ねいたします。
私はこれまで平成11年、国旗・国歌法が制定されてから毎年小・中学校の卒業式の国旗掲揚、国歌斉唱についてその実施状況をお尋ねし、きちっと実施することを要請してまいりました。昨年までは小・中学校25校中、国旗については平成11年に教育委員会から15校に配付されていますから、各校の式場には舞台正面なり、三脚なりで示されていますが、国歌斉唱については、昨年までは完全に国歌を斉唱している学校は25校中三、四校にすぎませんでした。昨年はある学校で君が代斉唱の際、5人の教員が着席したため、それにあわせて児童たちもほとんど着席してしまい、起立したのは卒業生四、五人と15人の在校生だけという、もちろん君が代の斉唱などありません。まだこのような学校が現実にありました。私の地域では、一昨年まで小・中学校とも児童・生徒も国歌斉唱に際しては、口をかたく閉じ、全く歌っていませんでしたが、昨年から小・中学校とも、二、三割の児童・生徒が初めて口を開き、かすかな声が聞こえるようになりましたのは、画期的なことでした。小学校の教師の方も、それまでほとんど歌っておりませんでしたが、昨年から先生方にも画期的に変わり始めました。しかし、中学校は全くだめです。ことしも全くだめです。相変わらず、校長、教頭さん以外はほとんど歌っていないのを私はこの目で見ました。ことしも大体同じような状況でした。小・中学校とも、去年から余り進捗していないのは、ここではっきりしております。しかし、この国歌斉唱について、生徒・教師の態度、歌わないということを除けば、小・中学校とも非常に厳粛な、よい卒業式でした。ことし初めて、中学校で蛍の光を歌うようにもなりました。国歌斉唱の声高らかに聞こえるのは毎年来賓席のみでございます。小・中学校とも、この聞こえないような君が代とは対照的に、校歌以外のいろいろな歌を3種類歌います。これはそれぞれ、児童・生徒、先生の指揮もあれば、ピアノ伴奏で、その声の大きいことには体育館も割れんばかりに歌います。こんなに大きな声が出るのに、なぜ君が代をまともに歌わないのか、異常としか言いようがありません。そこで、ことし16年3月の卒業式での国歌の実施状況は、教育委員会はどのように報告を受けていらっしゃるのでしょうか、教育長さんはどのように把握していらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
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○熊代徳彦 教育長 今、議員さん、いろいろ御指摘ございましたが、年々斉唱する学校がふえてまいりまして、15年度は全校で斉唱されたという報告がなされております。
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○15番(伊藤玲子議員) それはどこからの報告でしょうか。私は全校で斉唱というのは、ちょっと違います。私直接聞いたことですけれども、どこからの報告ですか。
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○熊代徳彦 教育長 一応、私は卒業式が終わった後で、出席しております部長等からですね、報告を受けておりますので、今の厳粛な中で、そういう国歌も歌っておりましたよという報告を私自身が聞いております。
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○15番(伊藤玲子議員) では、これから申し上げます。私は、この3月、小学校2校の音楽の時間の授業を拝見させていただきました。2校でしたが、5クラス拝見させていただくことができました。1年、2年、3年、4年、5年。6年生だけが拝見できなかったんですが、児童たちは君が代はもうしっかり覚えていて、歌詞を見ないで、みんなで大きな声で歌っていたことには、私は感動いたしました。ある若い先生は、気をつけして歌わせていたのには、私は心を打たれました。みんな君が代を歌うから、起立して気をつけというのには、私もう久しぶりに聞いた言葉でした。このように立派な先生もいらっしゃいます。ほかの先生方も、児童は皆よく覚えていましたから、あれだけ歌えるということは、1度や2度の練習ではないことがよくわかります。そして、その他、子供たちに歌のリクエストを求めると、夕焼けという子供の希望に、これまた全児童はよく覚えていて、大きな声で歌っています。ちょうど、3月初めでしたので、ひな祭りの歌、これも子供たちはよく覚えていて、全員大きい声で歌詞など見ないでみんな歌っていました。ここで申し上げたいのは、一昨年、ある小学校、3校ですが、授業を拝見したとき、音楽の時間も拝見しましたときの歌とは、全く違って、子供たちに今回はふさわしい情緒的な歌で、これにも私は感心いたしました。本当にうれしい授業を拝見させていただきました。たった2校ですが、5クラス拝見して、5クラスとも、児童は君が代を大きい声で、もう暗記してるんですね、しっかり歌えるのに、この2校とも、ここで学校名は言いませんけれども、町内会長で出席した方から私はお話伺ったんですが、卒業式には歌ってないんです。申し上げますけど、この2小学校とも卒業式には君が代を斉唱しないで、テープのみ流れるとはどういうことなのか、せっかく指導している先生も張り合いがないと思いますが、この学校の校長先生の姿勢を問いたいと思いますし、この現状を教育長はどのようにお受けとめになりましょうか。
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○熊代徳彦 教育長 参加された方の受けとめ方はですね、いろいろあろうかと思いますが、私も15年度の卒業式、中学校、小学校、それぞれ1校ずつ出席したわけですが、両方の学校とも、大変すばらしい卒業式でありまして、子供たちも親御さんも、ともにその君が代を歌っておりました。ただ、私はよかったのにと思っていてもですね、中には、そうじゃないというような方もいたことは事実でございます。だから、私は恐らく受けとめ方は、それぞれの参加した方の感動しましたとか、あるいはそうじゃないとか、そういう感じとして受けるものは、それぞれ違ってもいいのかなというふうに思っております。
今、御指摘の練習と本番でですね、なぜあのように違うんだろうという御指摘ですが、私は子供の緊張度もかなり私はあるというふうに思います。ふだんの学習の場、そしてああいう厳粛な卒業式場での場、それぞれやはり子供にも、緊張感がございまして、特に難しい、子供たちにとって私は君が代は歌だというふうに、こう思っておりますので、そういう点でも声がなかなか出ないんじゃないかなと。例えば、君が代の次に校歌を歌いますと、その落差にですね、恐らく皆さんびっくりするんじゃないかなというふうに思っていますが、私は、やはり声の大きさではなくて、歌おうとする、そういう子供たちの姿勢を大事にしていきたいというふうに考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) 教育長さんの御答弁ですけれども、もちろん歌う姿勢が一番大事ですが、声を出さなければ斉唱にならないと思うんですね。それで、いろんな受けとめ方があるというならば、これはもうこれ以上申し上げませんけども、これも私はいいかげんなこと、こういう公の場ですから、言えませんから、確たる裏づけがあってのお話ですから、あと詳しい話は、また教育長さんにさせていただきたいと思いますが、ではもう一つ、これは中学校の生徒から聞いたお話をここで申し上げます。これを教育長さんはどのようにお受けとめになられますか。まだ問題があります。そこで、中学校は、卒業式の前にリハーサルを行うそうです。そのときの様子を知り合いの生徒に聞いてみましたら、リハーサルには、君が代の歌詞を書いた紙が配られるそうです。しかし、社会科の時間に先生が、君が代は歌っても歌わなくても自由だからいいんだよと、このようなことを生徒に言われるそうです。その生徒は、女生徒ですけど、だから私は歌わなかったということを聞きました。一体これはどういうことなのか、教育長さんはこれをどういうふうにお受けとめになりましょうか。
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○熊代徳彦 教育長 学校におきます指導は、学習指導要領に基づいて行われなければならないということは至極当然のことでございます。社会科におけます思想信条の自由も教えるべき内容であり、卒業式におきます国歌斉唱も同じようにですね、指導すべき内容であるというふうに考えております。卒業式の実施に当たりましては、校長を通しまして、国歌を斉唱するように指導しているところでございますけれども、なお一層徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) 教育長さんのお言葉ですけども、そんならなぜ社会科ではそういうことを教えた。じゃあ、卒業式にはということをきちっと教えないのかということが私は言いたいので、この辺をしっかり指導していただきたいし、調査していただきたいと思います。
ところで、東京都では、ことし3月の都立高校の卒業式で、国旗掲揚・国歌斉唱の際に、起立しなかった教職員176名を戒告などの大量処分を実施しました。東京都は平成15年10月23日、東京都教育委員会教育長名で入学式・卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施についての通達、業務命令を出しました。国旗の扱い、国歌斉唱はもとより、会場設営まで詳細な実施指針を示しました。そもそも今回の通達を都の教育委員会が出さざるを得なかったのは、学校現場では校長の指示・指導が無視され、法令が守られず、組織としての機能が低下し、教育指導力が低下しているからでありました。日教組などの教職員組合が職員会議の最高議決機関化を図り、校長の権限を認めず、実質的な学校支配を目指したことが混乱の原因と報道されていました。この通達により、ことしは都内の公立の小・中学校まで、ほとんどの卒業式で国旗が舞台壇上正面に掲揚され、国歌斉唱をピアノ伴奏で実施するとともに、舞台の演上で卒業証書を授与するという本来の式典の姿に戻ったということです。
鎌倉市においても、東京都と同様な状態ですから、私は昨年、職務命令が出せることもこの場で申し上げました。また、処分の対象になることはその前から私はこの場で何回も申し上げていたはずです。東京都もこれまで学習指導要領に反する行為でも処分されませんでしたが、この通達により、職務命令に違反した教職員はようやく地方公務員法により処分されることになりました。教育公務員として、法律を守らず、間違った行動は断じて許せません。子供たちに恥ずかしいと思わないのか、私の認識は日教組という日本国家解体を目指す反体制闘争の教員集団に支配されていることにあると私は思います。この状態を一日も早く断ち切って、正常な学校現場に戻ることを私は切に願います。
鎌倉市もことしの卒業式も……。(私語あり)
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○議長(白倉重治議員) 静粛に願います。
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○15番(伊藤玲子議員) 鎌倉市もことしの卒業式も全校がまだ正常な姿ではありません。教員の処分など、そうなる前に、来年こそは教師として恥ずかしくない姿勢を児童・生徒に示していただきたいと思いますが、教育長の厳しい指導を期待いたしますが、御答弁をお願いいたします。
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○熊代徳彦 教育長 学校におきましては、教員と児童・生徒がお互いの人間関係を大切にした教育活動が展開されることが望ましいと考えております。今後も学習指導要領に基づいた実施がなされるよう、指導の徹底を期してまいりたいというふうに考えております。(「議長、動議」との声あり)
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○15番(伊藤玲子議員) 次に、学習状況調査についてお尋ねいたします。鎌倉市は、平成15年度神奈川県内で初めて小・中学校全校の、ただし小学校は5年生を対象に、中学校は2年生を対象に学習状況調査を実施いたしました。私は本当によかったと高く評価いたします。この調査についていろいろ反対や批判の声も上がっていましたが、この調査によって児童・生徒一人ひとりの何が、どこがわからないのかわからなかったのかを知ることができるし、教師にとっても指導に大変役に立つことと思います。そして、学力の向上に必ず効果があると私は思います。これまでのように、児童・生徒たちが……。(私語あり)
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○議長(白倉重治議員) 伊藤議員さん、ちょっと周りから発言がたくさんございますので、発言が聞こえませんので、ちょっとお待ちになってください。
それから、先ほど動議の声も出たのは、確かですが、賛成者の声がございませんので、一応、私の方では取り上げるのを中止しました。(私語あり)
議事進行……。
では、議事進行ということで、吉岡議員さんの発言を認めます、どうぞ。その件でどうぞ。
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○8番(吉岡和江議員) 議会運営委員会で、前も伊藤玲子議員の問題について、先ほど、ちょっと議事録できちっと、もう一度やっていただきたいと思います。
先ほど、前にも問題になったことと同じようなことが発言されたんではないかと思いますので、それについてきちっと調べていただきたいと思います。動議。
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○議長(白倉重治議員) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により暫時休憩いたします。
(14時59分 休憩)
(17時55分 再開)
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○議長(白倉重治議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
議事の都合により、この際会議時間を延長いたします。
ただいま一般質問中でありますが、議事の都合により、暫時休憩いたします。
(17時56分 休憩)
(19時05分 再開)
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○議長(白倉重治議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
先ほどの伊藤玲子議員の一般質問の議事進行の際の、私の発言に一部不適切な発言がございましたので、この部分の発言を取り消し、会議録から削除いたします。
伊藤玲子議員に申し上げます。議事進行のため、発言につきましては、慎重にされるよう議長として厳重に注意いたします。
一般質問を続行いたします。伊藤玲子議員。
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○15番(伊藤玲子議員) 皆様には、長い休憩時間を、大変御迷惑をおかけいたしました。
では、質問を続けさせていただきます。次に、学習状況調査についてお尋ねいたします。鎌倉市は、平成15年度に神奈川県内で初めて小・中学校全校の、ただし小学校は5年生を対象に、中学校は2年生を対象に学習状況調査を実施いたしました。私は本当によかったと高く評価いたします。この調査について、いろいろ反対や批判の声も上がっていましたが、この調査によって児童・生徒一人ひとりの何が、どこがわからないのかわからなかったのかを知ることができるし、教師にとっても指導に大変役に立つことと思います。そして、学力の向上に必ず効果があると私は思います。これまでのように、児童・生徒たちが何を理解し、何が理解できていないかを明確にもせず、教師が漫然と授業を行う弊害がなくなると思います。そこで、学習状況調査の結果をお尋ねいたします。教育長にお尋ねいたします。
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○熊代徳彦 教育長 今回の結果から、鎌倉市の児童・生徒の学習状況は県の正答率を多くの設問で上回っておりまして、おおむね良好であったと言えます。どの教科におきましても、基礎的・基本的な内容については理解ができていることがうかがわれます。しかしながら、県の傾向と同様に、思考力、表現力に課題を残しておりまして、今後この領域での一層の指導充実を図ることが必要であると考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) 私も調査の結果を見せていただきました。調査結果についてどの教科もとても丁寧に細かく分析していることを高く評価いたします。小学校も中学校も、学習状況は今教育長さんの御答弁のように、県の正答率を上回って、おおむね良好との評価がされていますが、問題の趣旨の観点から見ると、小学校では、国語では、国語への関心、意欲、態度、書く能力、これは漢字を書くこととは意味が違います。それから、言語についての知識、理解、技能等について正答率が非常に低いのです。社会では、社会的事象への関心、意欲、態度、社会的な思考、判断などについて正答率が低く、算数では、算数への関心、意欲、態度、数学的な考え方など正答率が低く、理科においては、自然事象への関心、意欲、態度、観察、実験の技能、表現について正答率が低くなっています。この4教科とも県の正答率とほとんど同じような傾向にあります。
中学校では、国語については、読む能力、言語についての知識、理解、技能など、特に読む能力が劣っています。社会では、社会的な思考、判断、社会的事象についての知識、理解など正答率が低く、数学についても、数学への関心、意欲、態度、数学的な見方や考え方の正答率が低く、理科においても科学的な思考、判断、自然事象についての知識、理解などの正答率が低く、英語についても、コミュニケーションへの関心、意欲、態度、表現の能力等が正答率が低いなどとなっています。この結果を少し細かいですけども、教育長さんはどのようにとらえていらっしゃるのかお尋ねいたします。
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○熊代徳彦 教育長 御指摘のとおり、社会科の社会的な思考や判断、それから算数、数学科の数学的な考え方や数学的な表現、処理、理科におきます科学的な思考、判断、観察、実験の技能、表現、英語科におきます表現の能力など、どの教科も思考力、表現力について、県の正答率は上回っておりますけれども、他の項目に比べますと低い正答率となっておりまして、この点、課題を残しております。どの教科におきましても、表現力、思考力につきましては、今後指導の充実を図ることが必要であろうというふうに考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) 私も拝見いたしまして、考えたんですけども、これはどうやって子供の関心を引き出すか、高めるかということで、つまり授業内容に子供が引きつけられるというか、子供が興味を持って授業に食いついていくような技量、腕前が教師に求められているということではないかと思います。そこで、初めて子供たちは理解することによって、本当の意味の楽しさが生まれてくることだと思います。私は、これまで授業を随分たくさんの小学校、中学校も拝見いたしましたけれども、まず小学校で一番印象に残っていることは、先生方の、まず楽しくが先にあって、厳しさがなく、遊びながら教えるというような低学年にはいたし方ないことかもしれませんけれども、やはりその中にも指導をする、教えるという、その厳しさが私には欲しいなと思う印象があります。そこには、失礼な言い方ですけども、先生の根性が見えないと、私はこのような学校を参観させていただきました印象がこのようなところへもあわられているのではないかなと思います。
これだけ丁寧に分析・調査されたのですから、児童・生徒にとって本当にありがたいことだと思います。全体を通して言えることは、小・中学校とも思考力と表現力が欠けているということを私は教育長とともに、大きな問題ととらえています。思考力、表現力ともに、基礎的学力が身についていないからではないかと考えるからです。読み書き計算の、この基礎学力の知識・理解が身について初めて考える力、また自分の意見を述べることが可能になってくることだと思います。この読み書き計算の反復練習で、学力は驚異的に伸びるという体験も発表されています。それは、子供に自信が出てくるという心の安定感にもつながると言っています。この基礎・基本をしっかり理解させていただきたい、それには教師の技量・能力にかかっていると思われますが、この教師の力をどうやって高めていくのか、教育長さんのお考えをお伺いいたします。
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○熊代徳彦 教育長 思考力でありますとか、表現力の向上などをねらいといたしました授業づくり研修会等を開催するとともに、各学校での授業研究や校内研究・研修を通しまして、教師の指導力の向上を図ってまいりたいと思います。また、指導主事によります学校訪問や、鎌倉市学校教育研究会教科部会なども含めまして、あらゆる機会を通じまして学習指導等についての意見交換が深められますように、あわせてその環境整備にも努めてまいりたいと思っております。
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○15番(伊藤玲子議員) 教育長さんのおっしゃるとおりだと思います。そこで、私も研修という場面に何回か参加させていただきましたけども、この研修が後の教師の方々が授業に活用されていないというような印象が私には大変強いのです。言い方を変えますれば、研修を形だけで終わることのないように、授業に成果のあらわれるように研修を生かしてもらいたいと私は思います。私から申し上げることは、結局この研修を先生方が、もったいないことですから、身につけて生かしていただきたい、授業に、そういうことを切にお願いいたすところでございます。
そこで、今度は観点をよく読んでみて思うことですけれども、思考力、表現力の欠如はまず国語力と申しましょうか、児童・生徒の読解力が乏しいことにも気がつきます。これは国語教育が希薄あるいはおざなりではないのか、読解力は学業の原点になりますので、私はこれが心配になります。数学者であるお茶の水女子大教授の藤原正彦さんは、すべての知的活動の基盤である国語教育の復権なくして教育は立て直せない。小学校で大事なのは、一に国語、二に国語、三、四がなくて、五に算数とまで言っています。そして、さらに国語は単に読み書きの基礎というだけではなく、国語こそすべての知的活動の基礎である。したがって、国語ができないと、理科も社会もできないし、そもそも深く考えるということすらできない。我々は言語を用いて思考をしているのである。要するに、言語と思考とは分かちがたく一体のものである。したがって、深い思考をするためには国語を一生懸命勉強して、豊富な語彙をきちんと身につけないといけない。そして、論理的思考を培うためにもしっかりした国語教育が必要と言っています。この思考や議論の筋道であると述べておられます。私は本当に合点のいく説と思いますので、国語教育をしっかり指導していただきたいことを強調いたしますが、教育長さんのお考え方もお聞かせくださいませ。
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○熊代徳彦 教育長 思考力、表現力を高めるためには、読む力、書く力などもその基礎となるものでありますので、今後も基礎・基本の確実な定着を図り、思考力、表現力が高められるよう取り組んでまいりたいというふうに思います。
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○15番(伊藤玲子議員) ありがとうございます。国語の指導の中で音読は記憶能力を高めると、これは以前にも議会で申し上げました。東北大教授の川島隆太先生の研究結果でそう述べています。この指導は教師に課せられていることですので、より効果のある指導を期待いたします。
次に、神奈川県内で、鎌倉市が初めて学習状況調査を実施いたし、学力低下を解消しようと取り組み始めたこの機会に、家庭の協力を求めることも必要ではないかと私は考えます。まず、宿題を出しているでしょうか、またノートを丁寧にとらせているのでしょうか。現場の状況をお聞かせください。
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○熊代徳彦 教育長 この件につきましては、どこの学校も小学校はやっていることは事実でございます。どのようにして、それぞれの子供の能力を高めていくのか、それぞれの学校で、やはり先生方がお互いに知恵を出し合っているところでございますので、その点を御理解いただきたいというふうに思います。
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○15番(伊藤玲子議員) 宿題を出すということは、嫌でも復習せざるを得ないということで、私は大変大事だと思いますし、ノートも保護者が見ることもできますし、非常によいことだと思いますし、今、教育長さんのお話伺いますと、ともに実行しているようですので、今後ともどうぞそのような御指導をお願いいたしたいと思います。
では、ついでに生活習慣も見直すことを提言したいと私は思います。当然、学校でも行われていることと思いますが、例えば、テレビを見る時間を制限するということです。テレビを見たいけど辛抱する、辛抱させる、これはテレビを毎日2時間以上見ていて、高学力の子は少ないという説があります。それは学力をつける上で重要な辛抱強さが育たないからということです。学習という点からも、テレビの視聴時間が1時間以内なら、そう問題はありませんが、2時間を超えると、宿題忘れや授業に集中ができなくなったり、雑な字を書くなどの問題を持つ子がふえてきますということです。3時間以上見ている子でまともな学力の子はそう多くはないと発表されています。と同時に家族の会話が乏しくなることにも通じます。それから、早寝早起き、朝食をきちんととる、そして排便も習慣づける、いろいろな形の家庭もあるとは思いますが、平均的な形の家庭では、夕食はできるだけ家族そろって食事をする中で、大人との会話の中で子供は言葉や知識、価値観などを学んでいくことと、子供への語りかけなどによって子供は自分が支えられているという安心感が与えられるという非常に大事な場であると聞いています。以上、述べた最低限の実施がいずれ子供の生活態度がよくなってあらわれてくる、精神的に子供の心が安定してくると、兵庫県の元山口小学校の陰山先生の体験談です。これは当然大人の姿勢にかかってきますが、つまり規則正しい生活と会話という当たり前のことですが、生活習慣も同時にやっていったら一層効果的と考えますが、このようなお考えが家庭への提言と申しましょうか、御協力を求めるというようなことのお考えは、教育長さんにはおありでしょうか、いかがなもんでしょう。
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○熊代徳彦 教育長 よりよい学習活動は、健康的な生活習慣の上に成り立つものと、これはどなたもそのように理解はされていると思います。子供たちの生活習慣を乱す原因は、長時間にわたるテレビ視聴などが挙げられますけれども、子供の生活にはバランスのよい食事でありますとか、運動、休養、睡眠など、いわゆる健康的な生活習慣が必要となりますので、こういった面でも、家庭と学校が連携し合いまして、これからの子供たちの生活習慣を整えていくというんですかね、お互いに、そういう努力はやはりしていかなければいけないだろうというふうに考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) 私もいろいろ調べさせていただいたんですけれども、厚生労働省の研究調査で平成16年5月17日の日経新聞にございますけれども、厚生労働省の研究班がいろいろ調査したところの結果がこのように出ております。まず、家庭で食事をする機会がめったにない子供はある子供より、他人の話かけに答えるなど、対人技術の発達がおくれるリスクが70倍、理解度がおくれるリスクは44倍高かったという調査結果も出ているということで、やはりいかに家族で話し合いをする、語りかけをするということの大事さというものが言われるまでもなく、調査結果にもあらわれておりました。それから、調査の結果、鎌倉市は、県の正答率より上回っているということは、鎌倉は他市に比べて経済的に余裕のある御家庭が多いことから、塾へ通っている子供が多いと聞きます。しかし、必ずしもそうではなく、経済状態が厳しく、親は大変ですが、子供の将来にはかえられないということで、塾に行かせたり、必死に対策を講じているということも聞きます。また、そういう対策を講じられない家庭があるのも事実です。つまり、学校だけという子供のいることを念頭に置いていただきたいと私は思います。本来は学校だけで、初等・中等教育は、きちんと相応の学力をつけるのが当たり前なのですから、この調査を機会に、ぜひ塾へ行かなくてもいいように、現場の先生に頑張っていただきたいと思いますが、教育長さんのお考えを伺わせてください。
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○熊代徳彦 教育長 私は、今回の調査で、素直にですね、やはり日ごろの先生方の指導の成果がこの上にあらわれているのではないかなというふうに考えております。各学校では、学習指導要領に示されました基礎的・基本的な内容の確実な定着、個性を生かしました教育の充実を目指しまして、教えるべき内容、考えさせるべき内容に応じて教員が必要な指導を行っております。今後も、個に応じた指導などを工夫しながら、わかる授業の充実に向けまして一層の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) ありがとうございました。この項の最後になりますが、繰り返しになりますけれども、読み書き計算がしっかりできてくると子供は落ち着いてくる、先ほども申し上げましたけれども、集中と粘りが出てくる、子供に安心感が見られる、子供が勉強がおもしろいというようになったなど、陰山先生以外のある学校の体験の結果も出ています。小学校の教育が生涯の土台となります。読み書き計算の徹底は一生の財産になるとも言われています。ぜひこの学習状況調査を継続して実施していただきたいと思います。16年度も実施と伺っておりますが、これは16年度以降も継続して行っていただきたい、そして指導の成果を期待いたしまして、この項の質問を終わります。
次に、男女混合名簿と性教育についてお尋ねいたします。男女混合名簿につきましては、平成15年12月議会で取り上げさせていただき、質問いたしました。その中で、児童・生徒の出席簿の作成は、学校長の判断と責任で決められるということなので、私が質問させていただきました混合名簿にした理由と目的と効果について、教育長の御答弁は折を見て学校長に尋ねてみたいとの御答弁をいただいておりましたが、その後、学校長にお尋ねくださいましたんでしょうか、どうでしょうか。
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○熊代徳彦 教育長 年間2回の学校訪問をさせていただいておりますけれども、関係している校長にはその点を聞いております。特に、男女別にする特段の理由がないというのが各校長の考え方でございました。
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○15番(伊藤玲子議員) 男女混合名簿はフェミニストや日教組が10数年前から、たかが名簿、されど名簿として学校現場への導入を進めてきたものであります。それが最近、男女共同参画や男女平等教育という表看板を掲げて、導入をさらに広げています。これに対して、良識ある、ある市の教育委員会が導入に慎重な姿勢を議会で示したり、各地で導入拒否を打ち出す学校や、12月議会で表明した新潟県白根市立の小学校長は、男女混合名簿を廃止しました。理由は報道によりますと、思想背景を持った活動が隠れたカリキュラムとして学校教育の中にあるのは問題ということでした。大変立派な校長先生の御姿勢だと私は思います。
そこで、平成14年3月20日の参議院文教科学委員会で、男女混合名簿に関して、後藤博子議員が文部科学省作成の生徒指導書で性差と性差別を混同しないように留意する必要があると記載されています。性差と性差別の意味をしっかりつかんでいるのなら、男女混合名簿をつくる必要はないのではないか、男女別の名簿は男女の区別であって、差別ではないのではないかなどとして、政府の見解をただしています。これに対して、岸田文雄文部科学副大臣は、学校教育法施行規則では、出席簿を作成しなければならないとし、備えなければならない表簿等を記載しているが、決められているのはそこまでで、教育委員会それぞれが判断した方法を採用している。国として一律にどちらを指導するというのは適当ではない。それぞれの教育委員会において、教育指導や学校運営上の実態を踏まえるとともに、学校、生徒に与える影響、利便性を総合的に勘案して判断するものと答弁しています。つまり、男女別名簿で何ら問題はないのであり、それぞれの教育委員会や学校長がいろいろな要因を勘案して決めればいいことであると言っています。そこで、今行政に求められることは、男女の特性や男らしさ、女らしさを尊重した真の、これは本当の男女平等教育の方向性を明示することであると私は思います。今、述べさせていただきましたように、参議院文部科学委員会で、文部科学副大臣が答弁しているように、それぞれの教育委員会や学校長が決めればいいということで、学校長だけでなく、教育委員会としても一緒に考えて決めればいい。もちろん、最終的には学校長になりますが、と言っていますが、これは一つ前の私の質問でございましたけども、教育長は、校長の判断に任せなければいけないとおっしゃっていらっしゃるのとは大分違うのではないかと思いますが、教育長さん、どのようにお考えでいらっしゃいましょうか、お尋ねいたします。
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○熊代徳彦 教育長 御指摘のとおり、12月の議会で、私は答弁をしているわけでございますが、出席簿の様式につきましては、教育委員会で定めております。その様式をどのように使用していくか、これはやはり学校長の判断で行うのが適当であるという考えは今も変わりはございません。
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○15番(伊藤玲子議員) そうしますと、これは学校長だけではなくて、やはりそこには、そこに至るまで、教育委員会との話し合いも含まれているということで、最終的には校長が決めるということで、こういう理解でよろしいですか。
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○熊代徳彦 教育長 様式は教育委員会で定めておりますので、その様式に従って、どのように学校が使うかというのは、やはり学校長の判断でお願いをしたいというふうに考えております。当然、学校の中では、学校長だけの判断ではなくて、職員会議等を通じまして、先生方とともに考えていくべきだろうというふうに考えます。
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○15番(伊藤玲子議員) そこで、私はこのことにつきまして、男女混合名簿につきましてですね、いろいろ調査・研究いたしました。男女混合名簿の問題点を今から述べさせていただきますが、まず、男女の区別を差別とする全く間違った解釈でした。男女というと、男がまず先、主、主だと、それから優遇ととらえたり、女が後で、従、従うと、冷遇という短絡なこじつける理由探しのようなもので、偏見そのものであります。これからは、女、男、女男にしようかという笑い話のような幼稚な話がまじめに取りざたされているのも見ました。しかし、このようなばかばかしい話で済むことではないことがわかりました。混合名簿は恐ろしい思想浸透策の突破口なのでありました。やがて、体育の男女共修とか、着がえも同室、さん、君の呼びわけの排除とか、鎌倉でも、これは私はある小学校を幾つか拝見させていただきまし中で、やっぱり1年生、2年生のかわいい男の子に、まあ、一人前には違いないんですけれども、先生は女の子と同じように、こんな小さい子に何々さんと言っているのは、非常にいいようですけども、何となく私はなじめないような気がしましたけれども、そのようなことも、この調査の中でわかりました。とにかく、男らしさ、女らしさの否定などに限りなく進展を図るということもわかりました。子供の成長過程で性別の自覚は、自己確立に大切なものであるのに、それをないものとするジェンダーフリー教育、つまり性差否定のですね、このそもそもジェンダーフリーという言葉は、特殊な日本的用語で、国会でもこれは否定されています。このようなことをしきりに進め、健全な成長を阻害し、人格を破壊し、まともな男性、女性が育たないような策謀でありました。
また、学校における身体測定とか、宿泊訓練において男女同室で一緒に寝かせるなど、以前、鎌倉でも行われていた経過があります。現在、仙台でも33校、浜松市での9校、山形などが行われていると聞いております。まだまだありますが、つまり男女混合名簿に始まって、ジェンダーフリー教育、男女共同参画社会基本法を悪用、便乗した方針、家庭科共修、ともに修めると書きますけれども、過激な性教育の実践等々、教育を荒廃し、歴史・伝統文化を破壊し、国家解体を目指すという恐ろしい思想背景を持っていることがわかりました。新潟県白根市茨曽根小学校長はこのことに気がつき、思想背景を持った活動が隠れたカリキュラムとして学校教育の中にあるのは問題として発表し、平成15年4月からこの男女混合名簿を廃止しましたとともに、さん、君呼びも男子児童には君、女子児童にはさんと呼ぶように改めました。賢明な御判断と私は思います。教育長は、このような男女混合名簿についていろんなことをお調べになったことがおありでしょうか、お尋ねいたします。
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○熊代徳彦 教育長 今の議員さんの中で出てまいりました白根市の小学校につきましては、新聞記事を通しまして知っておりますけれども、その背景について調べたことはございません。
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○15番(伊藤玲子議員) さきごろの新聞ですけれども、平成16年5月25日報道によりますと、性差否定教育を禁止しました、荒川区の大きな見出しでございました。これは男女共同参画社会の中でですが、区長の良識を私は高く評価いたします。
教育委員会として、学校長会等において、校長と議論、話し合いをし、学校長を啓蒙し、指導していくことも必要ではないかと思います。教育委員会としてですね。子供たちの人格形成の上に何が大切かは教育の原点です。教育の原点に立って学校長とよく話し合っていただきたいことを強く要望いたしまして、この項は終わりまして、次に入ります。
続いて、性教育についてお尋ねいたします。私は既に、平成15年9月議会で、鎌倉市のある小学校で行われていた行き過ぎた性教育について取り上げました。この小学校は平成8年にも1年生に過激な性教育を教えていたということで、大問題になり、週刊誌ざたにもなりましたので、私はまさか再び行うことはないだろうと思っていましたら、そうではなく、堂々と小学校3年、4年生に相変わらず行き過ぎた性教育を行っていたことがわかり、問題として取り上げました。内容は既に発表いたしましたから、再度申しませんが、この過激な性教育は全国的に広がっており、文部科学省は性教育の過激な授業に歯どめをかけるため、性教育の手引き書作成に取りかかり、今年度中にでき上がるはずです。
そこで、鎌倉市において、もうそのようなことはないと思いますけれども、議会で教育長さんの御答弁を伺って、安心はしておりますけれども、その後も学校の中で、教師全体の共通理解で行っているのか。もう一つ、保護者の理解・承諾を得て行われているのか。もう一つ、学校長は授業をしっかりと把握しているのかの3点についてお尋ねいたします。
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○熊代徳彦 教育長 校長の指導のもとに、全校での共通理解を持ちまして、保護者と、だれにも納得と理解の得られるものでなければならないということは、これはもう御承知のとおりでございまして、校長はそのことを十分踏まえた上で指導に当たっておりますし、先生方もそのように子供たちに対して現在指導をしているところでございます。
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○15番(伊藤玲子議員) ありがとうございました。ところで、去る3月、神奈川県教育庁、教育部保健体育課が学校における性教育実態調査の結果の概要についてという調査報告書を出しています。それによりますと、神奈川県下の調査対象は、小学校876校、中学校が416校、高等学校、全日制ですが、178校の性教育実態調査の結果です。調査結果の概要として、一つ、年間指導計画の作成状況、これは学校全体の共通理解のもと、計画的に実施しているかということについての調査です。
年間指導計画を作成していない学校が小学校で13%、中学校で16%、高等学校で10%ありました。また、ろう学校・盲学校・養護学校では、小学部で75%、中学部で57%、高等部で44%と、このような結果が出ています。
次に、指導内容等について、これは学習指導要領及び「学校における性教育の考え方,進め方」に沿っているかについてですが、本来小学校4年生で扱う性器の名称を低学年で教えていたり、あるいは、中学校で妊娠の経過等について扱うなど一部学習指導要領に示されていない内容について指導している学校が、小学校で25校、中学校で16校、高校で1校ありました。
3番目が、副読本や教材、教具の使用状況は、教科書以外では、市販の教材ビデオを使用している学校が多くあります。
4番目が、保護者からの意見・問い合わせ、これは指導内容等の事前説明を十分にしているかということについて問うています。小学校では、45%の学校で保護者から意見等があり、関心の高さがうかがえる。保護者からの意見等の内容としては、性についての正確な情報が得られてよかった、あるいは家庭で性について話題にできてよかったというものが大半を占めています。しかしながら、少数ではありますが、発達段階を踏まえない内容を指導している、一部の学年や学級だけで指導しているという意見もあります。私はこのことについて、四、五人のお母さんたちに聞きましたら、学校に任せているという意見もあるが、お母さんたちは、学校がやることなので、先生に余り言えないという保護者もいました。それから、先生に逆らうことが言えないとか、また特に性のことは言いにくいから黙ってしまうという声が結構ありますが、こういう保護者の声も考慮に入れていただきたいと思いますけれども、教育長としてはどのようにお考えでございましょうか、お伺いいたします。
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○熊代徳彦 教育長 性教育につきましては、児童・生徒にとって身につけておきたい知識でありますし、理解させなければならないことを多分に含んだ学習内容でございます。しかし、独断専行は思わぬ誤解を生むものでございますので、学習指導要領から逸脱することなく、校長の指導のもとに、全校での共通理解を持って指導に当たらなければならないし、現在そのような指導のもとで、鎌倉市内の性教育は進められております。
また、当然、保護者等、だれにも納得と協力・理解の得られるものでなければならないと考えております。今、御指摘の中に、先生がやることなので、強く言えないというような声も多少、アンケートの中にございますけれども、やはり学校はそういうところであってはならないと、いつでもどこでも、やはり保護者の方が自由に物を言える学校でなければいけないということで、そこにやっぱり開かれた学校の意義があるだろうというふうに思いますので、これからもそういう学校を目指したいなというふうに考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) ありがとうございました。それから、外部講師による性教育の実施状況についてとありますが、これは講演会や研修会を実施または予定をしている学校は、小学校で11%、中学校で46%、高校で56%でありますが、講師の人選が重大だと私は思います。性教協の講師あるいは所属している人物は、過激な性教育を拡大・推進していく組織の人たちですから、この点については、私は県へ行って内容をしっかり確認してくるつもりでおります。
それから、個別指導の実施状況については、性感染症や妊娠等の性に関する個人的な悩みに対する個別指導、これは相談、については、小学校では67%、中学校では83%、高校では76%の学校で実施していました。
また、ろう学校・盲学校・養護学校では、小学部で72%、中学部で65%、高等部で73%の学校が個別指導を、相談も含めてですね、実施していたという調査結果が出ております。この調査結果の問いの内容のわからない部分もありますけれども、一応のこれは目安となります。この調査の結果を見て、私は大人になる前から、恐ろしい状況だと思いました。これが10数年にわたって学校という囲いの中で行われていた実態です。この結果の私の感想は、一言でいえば学校の指導内容の行き過ぎ、指導要領を逸脱した学校が多いという印象ですが、教育長はどのようにお感じになられましたでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
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○熊代徳彦 教育長 県の性教育に関する実態調査の結果でございますが、調査結果の概要と同様に、本市におきましても年間指導計画を作成いたしまして、学習指導要領にのっとった、しかも保護者の指導を得ながら性教育は実施されております。保護者からの意見がこの調査でも明らかなように、小学校、中学校、高等学校と進むにつれまして、少なくなってきておりますけれども、子供の体の成長に伴う対応など、保護者にとっても小学校の時期が非常に関心が高いという結果だと思います。このような結果から見ましても、保護者の理解や協力がいかに大切であるかということが私は痛感する次第です。こういう実態調査をもとにしまして、恐らく学校にもこの調査の結果が行ってると思いますので、恐らく校内でも十分な話し合いのもとに、これからも正しい性教育が行われていくだろうというふうに考えております。
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○15番(伊藤玲子議員) ありがとうございました。そして、県は今回の調査を踏まえて、是正をしようと取り組みが述べられています。ここにございますけれども、現在行われている行き過ぎた性教育より大人に成長していく児童・生徒たちにもっと大事なことがあるだろうと、私は思います。人間としての尊厳性もなく、人間を犬・猫同然の感覚しかないのかと思うと、非常に悲しくなります。子供たちに自分の命は連綿と先祖から受け継がれたものであることや、与えられた生をよく生きるにはどうすればいいかという意味での道徳教育が必要であると私は思います。今のままの性教育では、子供たちには刺激的な言葉や内容だけが印象に残って、好奇心旺盛な時期でもありますから、実施に移す可能性さえあります。既にその現象も報道されています。人間らしくあるためには、性の開放ではなく、むしろ性をコントロールすることが必要であることや、異性をたっとぶ姿勢を教えてほしいなどなど、私は考えます。人格形成の使命ある現場の先生方に、ぜひ以上のことを真剣に考えていただきたいことを切望いたし、また教育長にその指導を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
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○議長(白倉重治議員) お諮りいたします。ただいま一般質問中でありますが、運営委員会の協議もあり、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決しました。
なお、残余の日程については、明6月3日午前10時に再開いたします。ただいま御着席の方々には改めて御通知いたしませんから、御了承願います。
本日はこれをもって延会いたします。
(19時46分 延会)
平成16年6月2日(水曜日)
鎌倉市議会議長 白 倉 重 治
会議録署名議員 清 水 辰 男
同 千 一
同 高 橋 浩 司
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